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68回国会衆議院1972/05/24

大蔵委員会 第31号

発言数
256
登壇者
18
会派数
4
開催日
1972/05/24

会議録

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 アジア開銀法について質問をいたしますが、政府の提案説明によりますと、「同銀行の業務は、昭和四十三年ごろから本格化し、その後、業務の規模は急速に拡大して、域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを果たしつつあります。」この「業務の規模が急速に拡大して」ということは、数字を見ればわかるわけでありますが、「域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを更たしつつ」ある、これは文章の表現としてはそういうことかもしれませんが、これを数字で示す、裏づけるというきちっとした、このような大きな役割り、経済発展のために役立っているのだという、そういうものがありますか。これをちょっと説明していただきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいまの、具体的に数字で、各国の経済発展にアジア開銀の融資がどの程度役立っているかという点でございますが、この点につきましては、計数的に、たとえばそのために各国の経済発展が、四十三年ごろから成長率が格段にふえたとか、そういうような意味での具体的なところまでは、昨日も御答弁申し上げましたように、まだ何と申しましても具体的なプロジェクトとしてアジ銀の融資にかかるものが各国それぞれ相当大きな額あるいは規模に達しておるという状態ではございませんので、計数的にはなかなかむずかしいことだと存じますが、完成をしておりますいろいろなものからいたしましても、たとえば韓国でございますと、ソウルにお着きになりますとわかりますが、ソウルと仁川の間の高速道路でございますとか、そういうもの、これが一つの具体的なあれになっております。その他、セイロンにおける製茶工場の問題、あるいは韓国における冷凍設備というような、個々のプロジェクトとしてはその国の全体としての経済発展に非常に貢献をしておるというものがぼつぼつできておるわけでございますけれども、たとえば、アジ銀の融資のために特に経済成長が格段に伸びているというような数字は、その国全体としてのあれからいたしますと、まだそこまで数字的に出ておるという段階にはなっていないというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 アジア開銀が設立されてまだ五年しかたっていないということですから、そう早急な開発効果というようなものが、いろいろな経済指標がみな上向きに転じておるというようなことはなかなか見られないかもわからないけれども、少なくともこの提案説明で、経済発展に大きな役割りを果たしているというからには、加盟各国、特にプロジェクト融資などをしてやったところでは、この融資を通じて産業全体がどう変わって、どう発展してきたかというようなものが、やはり経済指標として裏づけられ、的確な説明がなされてこういうことが言えるのだと思うのでありますが、まだそういうところまでは立ち至っていないという現状をいま局長からお聞きをしたわけであります。しかも、今日、加盟各国の経済状況というものは着実に、少なくともこれらの融資を受けながら、これはその国の経済発展全体を左右するほどの力はないにしても、こういうことを通じて加盟各国、特に融資を受けておる国々では着実に経済開発というものが上向きに転じておる、そして輸出等の増大というようなもの、したがって国際収支もよくなってくる、あるいは国民の所得もかくかくふえてくる、あるいは生産費、価格全体を通じて上昇に転じている、そういうようなものが安定的な方向として言い得るものなのかどうか。この「経済協力の現状と問題点」、経済協力白書等を読みますと、外債の累増というようなことで、債務償還率というようなものがどんどん高まって、かえって経済圧迫要因にもなっているというようなことも指摘をされておるわけですね。しかし、私の手元にあるのは一九七〇年のものですから、そういう点で、最近の、ここ一、二年の動向というものは的確ではありませんけれども、最近、七一年、七二年にかけてその方向というものがもう定着したのかどうか、こういう点については一体どういうようにお考えでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 この域内国におきまする経済成長あるいは国際収支、そういう状況がどうなっておるかということでございますが、これは御承知のとおり、資金的その他の関連からいたしましても、アジア開銀ができ得る貢献と申しますものは、全体からすれば、それほど大きなウェートを占めるまでにはまだ至っていない。この点は先ほども申し上げたとおりでございまして、その他、世銀グループのほうの多角的な援助、それから各国別のバイラテラルの援助、全体からいたしまして、それを各国それぞれあらゆるソースからの援助ということで、そういうものをコンバインいたしまして経済成長をはかっていっておるということでございまして、情勢を申しますと、一般的に申しまして、国によってやはり差があるかとは存じますけれども、全体としてはやはりそういう多角的な国際機関及びバイラテラルな援助を通じまして、全体としての加盟各国の経済情勢というのは、特に大きな改善を示しているとは申せないかもしれませんが、順調に発展を示しつつあるということは申せるかと存じます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 きのう阿部委員も、インドネシアに対する日本の借款供与の問題で長い時間質問したわけでありますが、つい先般、われわれインドネシアのいわゆるスカルノ債務というもののたな上げ措置というか、救済措置を講じたばかりであります。特別な措置をしたわけでありますが、このアジア開発銀行の融資の状況を見ましても、特に特別基金などにつきましては、インドネシアがずば抜けた融資を受けておるわけでありますが、皆さんから出していただいた資料によりましても、非常に件数も多いし、さらに金額的にもかなり大きいものが融資をされている。件数では二十八件中九件という三二%、さらに金額的にも、一億七百万ドルのうち四千七百八十万ドルですから、大体四四%、こういうものが融資をされておるわけであります。電力あるいは肥料工場、センポー河流域のかんがい施設の拡充等、そういう名目でこういう金額が出されておるわけですが、そこへまた日本政府がかなりの大きい額、六百二十億の援助を行なうというようなことが重なってくる。その後のインドネシアの状況というものは、これらの債務——いずれも長期の債務ではあるけれども、この債務を十分償還していくだけの国内の開発体制というものが、そして輸出の体制というようなものが進んでいるのかどうか、こういう点についての確信のほどをひとつ聞かしていただきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 インドネシアの問題に関しましては、昨年の当委員会で詳細に御議論いただいたわけでございますが、その後、昨年の四月、私自身、アジア開銀の総会の帰りに寄ってまいったのでございますけれども、そのとき——それからすでに一年たっておるわけでございますが、感じといたしましては、昨日、阿部委員からの御指摘もございましたように、ジャカルタとその他の地域というのが必ずしも同じようなあれではないということもあるかと存じますが、いずれにいたしましても、現地での感じとしては、やはりなかなか問題はございますけれども、IMFや世銀等の代表その他、現地でいろいろと政府に対する、経済運営に対する指導その他、経済の健全化ということについて非常に一生懸命にやっておるという感じを強く持ったわけでございまして、物価等につきまして非常に安定してきた。これは相対的な問題で、かつて、数年前には、一年に物価が倍になる、あるいは数倍になるというようなところもあったかというふうに記憶いたしておりますが、そういうところはすっかりなくなって、非常に安定をしてきた。それはジャカルタだけの話であるという昨日の御指摘もございましたが、これは地方に行きますと、まだ貨幣経済というものになってないというような部面もございまして、いわば物価というものそのものがないにひとしいというような状況もある部分もあると存じますが、いずれにいたしましても、やはりその後の動きを見ておりますと、現政権としては、テクニシャンと申しますか、こういう者の意見を、政治的な動きというのじゃなくて、そういう人たちがやはり非常に熱心に経済の開発のために努力を傾倒しておるという状況が非常にはっきりいたしておりまして、その意味でも、われわれとしては、現在の状況はいいほうに堅実に歩みを進めておるという印象を強くして帰ってまいったわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 まあ、これは将来のことにかかわる部分を非常に多く含む問題ですから、一応局長のそういう見方を信頼いたしておきますが、このアジア開発銀行の融資の実績は、前々から指摘をされておるところでありますが、一九七一年末の融資残高を見ますと、五億三千二百万ドルの中で台湾が一億ドル、韓国が一億三千二百七十万ドルと、こういう数字になっている。台湾、韓国は後進国というか開発途上国ではあるけれども、比較的そこからいま抜け出しかけているという、まあ言うならば、中進国になろうかというようなところ、そういうところにこの融資の四割以上も集中をする、そのほかの域内の加盟二十二カ国があと六割を分け合っているというような状況になっている。これはやはりこの協定自身の中に、アジア開発銀行の融資の基準というようなものの運用の基本的な姿勢、こういうところに問題があるんじゃなかろうか。もう少しおくれたところに手を伸ばしてこれを引き上げていくというようなそういう使命というもの、バランスのとれた開発、経済発展を期するという立場からは、あまりにもこの二国に融資が集中し過ぎている、こういうように考えられるわけですけれども、そういう点での問題というものはあなた方は問題なしというお考えですか問題ありというお考えですか、いかがでございますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま先生御指摘のような点は、これは確かに現在までの契約ベースでの数字で見ます限りはあるわけでございますが、これはアジア開銀の融資方針のあらわれというわけではないというふうに考えております。と申しますのは、御指摘ございましたように、アジ銀といたしましては、その加盟国にまんべんなく融資を均てんさせるということは、協定の趣旨からいたしましても当然のことでございまして、総裁以下そういう方針で努力をいたしておるというふうに承知をいたしております。  ただ、具体的にこういう国にいままでのところ契約ベースでの融資が多く行っておるという点に関しましては、こういう国はわりにすぐにアジ銀の貸し付け対象となり得るようなプロジェクトの適当なものがあり、またアジ銀としてそういうものを早急にやっていくというところの段階まで進み得たわけでございますが、その他の国につきましては、アジ銀としましても、いろいろな技術援助をいたしますとかその他でプロジェクトの開発に努力をいたしておるわけでございますが、それはまだ準備段階なり途中の段階でございまして、この契約ベースまで具体的に上がってきてない、こういう情勢でございますために、昨年末の段階では、いまのような実績になっておりますけれども、実はこれはこういう方針でアジ銀が運営をしておるということではない。銀行の運営の方針は、むしろ逆でございまして、一般的に各国にまんべんなく均てんさせていきたい、そのために他方でいろいろいいプロジェクトの開発につきまして、技術援助等を通じまして銀行としても努力をしておる。したがいまして、今後そういうものが実を結んでまいりますので、今後は具体的にそれが融資、そういう形になって出てまいるというふうにわれわれは承知いたしております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 私はこの年次報告の中で「融資政策プロジェクトの選択」というところで「加盟国の経済において高い優先度をもつプロジェクトのみを援助する。」これはその加盟国の経済の中で優先度を持つという、その国の実情に合った高い優先度がある、そういうプロジェクトというものに援助をするということは、これはいいだろうと思うのです。しかし、二番目の「充分な経済的利益が期待できるプロジェクト、すなわち技術的、経済的、組織的および経営的に健全なプロジェクトのみを対象とする。」という、ここらになってくると、いわゆる後進国開発のために援助をしていくんだ、融資を通じて援助をして、開発を促し経済の発展を促していくんだという、そういう趣旨からいって、こういうもののみが十分な経済的利益が期待できるという、そういう点についてこれはあまりにも銀行の経営ベースというか、そういうものにこだわっていないだろうか、こういう気がするし、先ほど申し上げた「加盟国の経済において高い優先度をもつプロジェクト」という「経済において」というこの辺のところにも、やはりそういうもののみをというような表現を含めて、経済だけではなしに、社会開発ということをむしろ優先させなければ経済に結びつかないんだという、そういう問題点のとらえ方をもって——いま問題なのは、むしろ人的資源の開発なりあるいは健康保健の開発なりというような、人間開発的なものをまずやらなければ経済ということにいかぬのだというような場合には、その国の実情に合って、そういうものにも弾力的に融資ができるというようなことにならなければいかぬと思うんですが、この書き方がそういう面で気になるわけであります。きのうもその趣旨の質問をしたわけでありますけれども、この辺のところも私は十分検討をしてかかる必要があると思うのですが、政務次官、いかがでございますか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 ア銀の役割りとして経済開発というものが主目的でございますが、それを基盤といたしまして教育その他全般的に広げて、それでその目的を達成していきたいというふうに考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 次に、外務省にちょっとお伺いしますが、きのうも質問が出ておりましたが、中国が国連に復帰をいたしました。この段階で、中国はアジア開銀に入る資格を得たとお認めになっておるのでしょうか、まずこの点。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 昨日も私、御説明申し上げたつもりでおりますが、中国が国連において代表権、つまり中国を代表するものは中華人民共和国政府であるということを認められたのは事実でございます。ただ、アジア開発銀行の場合に、国民政府が中国を代表するものとして現在入っております。したがいまして、中華人民共和国政府が新たにこれに加盟する、あるいはその加盟資格があるという問題は生じないものというふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そうしますと、中国抜きのアジア、あれだけ大きい国、日本の領土の約三十倍に近い領土を持っている、しかも中華人民共和国として社会主義政権を打ち立てておられる、こういうものが抜かれたままになっておる、しかも、国連の舞台で台湾政府が議席から追放されたというような場合に、国連の地域開発機構であるエカフェ——大体アジ銀ができるときには、エカフェのリーダーシップのもとにつくられたという経緯もあるわけだけれども、事情がそういう点で変わってきている。当時は中華人民共和国の国連議席の獲得というようなことがまだ一部に論ぜられてはおっても、国連の舞台で決着のつかない状況であったわけですけれども、それがもう変わった。そういうようなことを考えてくれば、これはエカフェともまた別な独立の国際機関だといっても、そういう世界の流れというものの中でやはり考え直していかなければならない段階だと思うわけでありますが、全くこの問題については中国はノータッチのまま、そのままで何の支障もないし、かまわぬのだ、こういうことがいつまで貫けるかどうか、そういう点、非常に疑問になるし、中国抜きのアジア全体の開発というものはもう考えられない今日の事態になっているのではないか、こういうように考えるわけでありますが、その点について、まだ日本政府は中国を承認をしてない段階ではあるけれども、ここ一、二年、あるいは二、三年かかるのかわかりませんけれども、中華人民共和国との国交の回復、正式承認というような事態になった場合に、一体これはどうなるのか。しかも、現在アジア開発銀行は台湾に対して非常に比率の高い融資をしておる、こういうようなものの処理なども一体どうなるのだというような疑問にぶち当たらざるを得ないのでありますが、そういう問題を含め、また社会主義国あるいは日本との国交未回復の国がいわゆる分裂国家の社会主義国の側になっておるわけですが、そういうものなどに対するこれからのこのアジア開銀の運営についてどういう方向でこれに対処をしていくのかということについて、これは大蔵大臣が出席されましたから、大蔵大臣に基本的な考えをお聞きいたしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御質問の点につきましては、昨日も外務省のほう等からお答えがあったと存じますけれども、基本的に申しますと、アジア開銀は別に政治的な機関では全くございません。これは全く経済開発ということの機関でございます。したがいまして、その基本的な考え方からいたしまして、特にその国の政府のイデオロギーでございますとか、あるいは政治形態等によってその考え方を異にするということではございません。したがいまして、いかなる国でありましても、このアジア開発銀行の協定に基づいての加盟資格を持っておるものが、このアジア開銀の趣旨に賛同して参加をするという点につきましては、基本的に賛成で、歓迎をしたいということでございますが、ただ、昨日も外務省のほうから御説明がございましたように、分裂国家の問題につきましては、外交上のいろいろな問題があるという点は、これはどうも現実問題としては無視するわけにいかないということであろうかと存じます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 同じ質問に対して、外務省としてどう対処しようとしておられるのか、お聞きいたしたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 考え方は全くいま国金局長の答弁したのと同じことでございます。先ほど先生の御指摘がございましたとおり、確かにアジア開銀が発足するに際してエカフェが大きな役割りを果たしておるということも事実でございますが、ただ、でき上がったこの機関自身は、やはり独立の機関で、独立に意思決定をできるという権限、権能を持っておるわけでございます。したがいまして、先ほど中共の参加あるいは中共の意向ということのお話がございましたけれども、現段階ではまだ何らの意思表示も受けておりません。また、実際に意思表示がありました際には、その意思表示を踏まえて、その段階で検討したいという考え方でございます。  それから、分裂国家の問題につきましても、いま国金局長が答弁なさいましたとおりでございます。  以上でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 これはやはり外務大臣でも来てもらわなければ、これ以上質問をしても同じことの繰り返しになると思いますので、やめますが、私どもはやはり日本自身がもっと主体的な立場をもってこれらの問題、アジア開銀においてアジア全体の開発を促進しよう、そして経済を発展させ、アジア人の宿命的な貧困というものから脱却させようという非常に大きな構想の中で、このアジア開銀もその一環としてできていると思うのでございますが、そういうアジア開銀の構成国にアジアで最大の領域を持つ中華人民共和国を抜きにしてこのことが成功するというようには考えられないわけであって、あるいは南北ベトナムにしても、北ベトナムも当然入るべきだし、これは民族的な統一が達成されることが基本ではあるけれども、その達成がされないまでも、こういう問題の中にそういうものも取り込んでいくという努力、あるいは南北朝鮮の場合でも、朝鮮民主主義人民共和国をここに取り入れていくというような中から、この統一への機運というようなものも逆に出てくるという面も配慮して、日本がアジアにおける最大の経済大国でもあるわけですし、そういう面での力を持っているはずでありますから、そういう面を十分ひとつ主体的に、民族の自主性、独立性、というものを表面に押し出しながら、そういう形の正論をこれらの国際機関の舞台においても実現するように努力をしていくべきだということを、私は大蔵大臣に要望をいたしておきたいと思うわけであります。  そこで、こまかい問題ですが、この年次報告の中で「余資運用」というところがありまして、「銀行の交換可能通貨の投資は、昨年末で三億六千三百万ドル相当に達している。うち二四%は加盟国の政府債または政保債で、七六%は加盟国の銀行またはBISの定期預金または預金証書となっている。」こういうことなんでありますが、余資がこういうようにしてあるわけですね。加盟国の政府債あるいは政保債を引き受けるというようなことをやったり、BISの定期預金または預金証書になっている。こういうような余資があって、今度十六億五千万ドルの増資をするというのは、一体この辺の関係はどうなっているのか。いま融資し得る金というものがどれだけあって、先ほども申し上げたように、通常融資の残は五億三千万ドル、援権資本で、払い込み資本も、払い込みが四十五年で済んだというような状況になっている。どうも何か数字が合わないような気がするわけなんですけれども、こういうものが一方にある。そして十六億五千万ドルという増資で、現行の十一億ドルから見れば、二・何倍という新しい資本額にしよう、この辺の数字の関係は一体どうなっておるのか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、まず第一に、アジ銀といたしましては、健全なる銀行主義と申しますか、いわゆるサウンドバンキングという趣旨、これは協定にも書いてあるわけでございますけれども、この趣旨からいたしまして、融資の承諾をいたしますにつきましては、裏づけとなる資金の手当てが十分に済んでおるというもののみについて融資の承諾をするという基本的な原則をとっております。ただ、融資の承諾をいたしましても、それが具体的にその契約に基づきまして金が引き出されていくというまでには、事業の進捗その他の関係がございまして、若干時間的なズレがございます。したがいまして、現在この余資としていわば短期に運用いたしておりますものは、そういうもののズレでございます。  他方、なぜ現在の約十一億ドルの授権資本に対して一五〇%増資と申しますか、十六億ドルの増資が要るかということにつきましては、大体十一億ドルという授権資本の中で、約七億ドル程度が実際に融資に使い得るというものでございまして、それ以外につきましては、加盟国の中の発展途上国につきましては、交換可能通貨でない、つまり自国通貨で払い込んでよろしいという規定がございますので、そういうところで自国通貨として使えるというものを除きましては、一般的にそういうものを貸し付けの対象として考えるわけにいかないわけでございますので、一応約七億ドル程度が、現行の資本におきます中での融資に充て得る額でございます。それで、御案内のように、ただいまほぼ五億幾らというのが昨年末で承諾済みになっておるわけでございまして、したがいまして、残りは約二億ぐらいしかない。二億というのは大体一年分、最近のペースで申しますと、一年間の融資承諾額がほぼ二億ドル強というペースになっております。これはこのままでいきますと、大体ことし一ぱいで融資の承諾額の現行の資本におきますワクが一ぱいになってしまうということで、来年以降の融資承諾につきましては、あらためて増資をお願いせざるを得ないというのが今回の趣旨でございます。ただいま最初に申しましたように、余資の運用と申しますのは、融資承諾をいたしましてから、具体的にプロジェクトが進んでまいりまして、引き出されていくという、その間はこれは短期ないし中期の運用を銀行としてはして、採算をよくしておるということでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 わかりました。  そこで、去年の十二月二十日に国際通貨調整が行なわれて、出資額について通貨価値の変更をやられた。オーストリアシリング・一ドル当たり二十六オーストリアシリングから二十四・七五に変えた。スイスフランは一ドル当たり四・三七二八二、これを四・〇八四一一、こういうように切り上げられ、銀行は保有しているそれぞれの通貨の価値の調整を行なった、こうあるのですが、通貨調整をやった国は、いわゆる域内加盟国でそのほかにもたくさんあるわけなんですけれども、こういう通貨調整をやる場合に、通貨調整に基づいてこういう措置をとるというのはどういう基準でやったのか。オーストリアとスイスがどういう条件に該当したのでこのような措置をしたのか、あとやらなかったところはどういう条件なのでこれはやらなかったのだという、この基準というものは協定でどのようにきめられておるのですか、その基準をお聞きしておきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま御指摘の点は、昨年の十二月二十日の通貨調整とは関係はないわけでございます。と申しますのは、オーストリア、それからスイス、これは昨年の五月に単独切り上げと申しますか、切り上げをいたしました。それで、それに基づきましてアジ銀のほうで調整をいたしたわけでございますが、昨年の十二月の通貨調整、これは御承知のとおり、全般にわたっておりまして、ドル自体も切り下げになっておるということでございまして、これは実は全体としての大きな問題で、単にアジ銀のみならず、世銀等でもどういうふうに取り扱うかという問題が別途にありまして、昨年の十二月の分につきましては、そういう意味で現在まだ調整をいたしておりません。いろいろと検討はいたしておりますけれども、現在まだ研究中の段階でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 時間がありませんから、これで私は終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 まず最初に、アジア開発銀行の融資先あるいは日本の経済協力の協力先の問題でありますけれども、大蔵省からいただいた資料によりますと、国別融資実績(契約ベース)で一番大きいのは緯国の一億三千二百七十万ドルで、二番目が中華民国の台湾で、これが一億三十九万ドルでありますか、その次がシンガポールですか、こうなっておるわけであります。  そこで、私、本日特に伺っておきたいのは、韓国経済の今後の見通しを一体政府はどういうふうに見ておるのかということをちょっと伺っておきたいのです。台湾のほうは、いろいろな経済指標その他を見ましても、かなり正常な形で経済全体が運営をされておる。それに伴って、あるいは中国政策の関係からか、アメリカはこれまでの対中華民国援助を取りやめて、逆に台湾からは資金を引き上げつつあるというのが、いま台湾に対する現状です。アメリカは台湾に対してはそういう援助を引き上げつつあるが、日本は依然として台湾に対して援助を続けておる、こういうふうになっておりますから、この問題はまたあとでひとつ伺うとして、韓国の現在の経済情勢、いまの経済情勢からは、将来に対する見通しは一体どう考えておるかをお伺いいたします。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 非常に一般的に申しまして、韓国の経済情勢に関しましては、最近のところは、特に国際収支につきまして短期的な問題として悩んでおるという状況ではございますが、基本的には、これはやはり東南アジア地域の中では非常に勤労心も旺盛でございますし、そういう意味で、いわば将来について経済的には有望と申しますか、今後の発展の可能性が十分にある国であるというふうに存じておりますが、ただいまのところは、国際収支の関係で悩んでおるということは事実でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 韓南の金利の状態は一体どういうふうになっているか、国金局長、承知しておりますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま手元にちょっと資料がございませんが、金利としては国内金利は相当高い。二、三年ぐらい前は、たしか預金金利にいたしましても月に何%といいますか、年にしますと二〇%というような金利であったわけでございますが、それがその後改善をいたしておりますかどうか、ただいまちょっと計数を調べましてお答え申し上げます。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は日本銀行の外国経済統計で見ますと、これは一九七〇年まででありますけれども、預金金利の定期預金一年以上が二二・八%で、貸し付けの利率が二三%、割り引き歩合は一九%、こうなっておりますが、最近、韓国を訪れたある証券会社の社長の話を聞いてみますと、現在も、依然として韓国では二〇%から二五%の金利だ、こういう報告を受けておるわけですね。一体、一国の資本主義社会における金利が二〇%をこえる預金金利、二五%をこえる貸し出し金利というものがすでに一九七〇年、七一年、七二年と続いておるということは、いまここであなたが、国際収支は問題があるけれども長期的には見込みがある国だ、こう言われたわけですが、これは常識的に考えて、二〇%、二五%の金利というのは、その証券会社の社長のいわくでありますけれども、自分の手持ち資金が十分にない限り企業としては借り入れ金をするということはほとんど不可能に近い。日本のような大量の借り入れ金にそって運営をするということには全然ならないわけであって、おまけにその人の話によれば、この表の金利だけでは実は金は借りられない、さらにある程度コンミッションを使うことがこれはもう慣行として認められておる、だから、この表面金利よりもさらに五、六%高い金利になるということになっており、そこで、そういう金利があるためにどういう現象が起きておるかといえば、導入預金がかなり行なわれている、その導入預金に対しては三〇%以上の金利が払われておる、こういう実情だというのですね。  私はやはりその国の経済の情勢が安定しておるかどうかの問題は、そういう金利水準の問題が正常でないところにその国の経済の安定はあり得ないと考えるし、国際収支に悩んでおるといっても日本はいまたいへんな経済援助をしておりますけれども、一体、それらの経済援助が実りあるものならば、一九七〇年から今日までの間に改善をされていてしかるべきなのではないのか。この金利の状態というのは一九六五年ごろから始まっておるわけですね。一九六五年に一年以上の定期預金というのは二六%になっておりますね。それがやや少し改善されたということになっておるけれども、一九六五年から一九七二年まで七年間たっても依然として貸し出し金利が二五%、一九七〇年で二三%になっているのですが、聞いた話では大体貸し出しは二五%以上でなければ借りられない、こういうことであります。  一体、そういう一国の資本主義経済の中における姿を、いまあなたは非常に楽観的に、韓国は将来性がある、こういう話ですが、これは大蔵大臣、どうですか。いろんな政治的な問題は別として、客観的に経済問題として見た韓国の今後の見通しですね。これは大蔵大臣は一体どう考えますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私どもは韓国と一年に一回ずつ定期の閣僚会議を開いておりまして、そこで韓国の経済援助の問題をいままで取り扱っておりますが、金利の問題は確かにそうなっておりますが、御承知のように、韓国はいまのところ国民は非常に勤労意欲が旺盛でございますし、そうして経済は非常に成長している。過去における日本の援助も全部実になって、韓国の工業発展というものは順調に伸びてきておるところでございますので、したがって、非常に働く意欲と工業が伸びているということによって、資本不足状態は極度にあらわれてきておることも事実でございますので、したがって、常にそれを訴えられて、私どもは毎年韓国への経済援助の額、内容そのほかについての協議をしてきておるところでございますが、とにかくいままでの援助が実際においてこれが生きた金として使われて、韓国の産業成長に役立っておるということは事実でございますので、その点については、他の各国ともいろいろいま工業化の何年計画というものをやっておりますが、韓国の計画は最近順調に進んでおることは事実でございますので、そう私どもはこれに対して大きい危惧の念はいまのところ持っておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大臣、あなたも立場があるから、政治的答弁でいいと思いますけれども、しかし、大蔵委員会というのは経済の委員会ですからね。要するに、貸し出し金利が年率で二五%をこえておるということは、一つの企業がもしそこで金を借りるとすれば、非常に大きな自己資本がなければ、そんなに韓国の企業が年率で三〇%も四〇%も利益が上がるはずはないと思うのですね。だから、その資本になるものは、それじゃ韓国では一体どういう形で資本になってきているのかですね。自己資本が相当高くなければだめだという話をしておる。私もそうだと思います。日本のように借り入れ資本八五%で、もし二五%の金利であったとかりにするならば、これは実はたいへんなことになるわけですからね。ですから、私はやはりその国の金利水準というものが少なくとも正常な形でなければ、私は経済の発展というものが、いまおっしゃるように、勤労意欲だけがあったってどうにもならぬのじゃないですか。  台湾はその点は私は非常に改善をされてきておると思います。やはり台湾の場合でも最初は一九五六年ですか、ここらあたりでは貸し出し金利は二〇%程度であったものが、この資料では、一般銀行の貸し出し金利は、一九六七年のところまでしかありませんが、それでも一四%まで下がってきておるわけですね。ですから、台湾の場合には、確かにいろいろな点で経済の諸問題というのはバランスがとれておる、こう思います。GNPその他における一人当たり国民所得等見ましてもかなり安定をしておる。  ですが、韓国の場合だけは、これは経済的に見て、一体どうしてそんなに高い金利が、それも長期にわたって続いているのか、それほど資本がないのにかかわらず経済成長がどんどん起こるというのは、一体何によって経済成長がどうして起こってくるのか、そこらロジックが少し合わないじゃないですか。私はどうもこれらの資料には、またよその国の資料をけなすようで申しわけないけれども、ドレッシングがあるのじゃないか。ドレッシングがなければ、このような金利状態でこういうような形の成長になるというのは考えられないのじゃないですかね。猛烈な金融引き締めをやっても、日本の場合は二五%なんということは絶対ないわけです。だから、ある程度金利の水準が安定して低いから成長があるので、二五%の金利で一〇%こえて成長があるというのは、一体どうしてそんなに成長が起こるのか。少なくとも近代経済学のいろいろなロジックから見て、理論的に納得できないのですが、理論的に私が納得できるように一ぺん説明してください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御指摘のように、韓国におきましては、いわゆる預金金利、市中貸し出し金利が非常に高いということは事実でございます。それにつきまして、実際問題として一体バックグラウンドが、韓国の金融制度その他どうなっておるのか、必ずしも詳細に承知いたしておりませんので、この点はあるいは見当違いのことを申し上げることになるかと存じますが、われわれの感じといたしましては、先ほども申し上げましたように、東南アジア地域のほかの国と比較をいたしますと、これも非常に一般的な感じとして申し上げますと、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、成長マインドと申しますか、経済を自発的に大いに成長させていきたいという点の意欲につきましては、どうもほかの国と違って韓国は非常に強い。それだけにやはりどうしても投資なりその他の資金需要が多くて、そこで一般的に金利が非常に高くなっておる、資金が、資本の蓄積が少ないのでその点で高くなっておる、こういうことであろうかと存じます。これは他方、たとえば名前をあげるといけませんが、ほかの国について申しますと、そういうような意欲もあまりないので、むしろその意欲を出させるところが一番問題である。その点では韓国は一歩進んでおるというふうに考えられるのではないかというふうに存ぜられます。  それから、金利につきましては、おそらく国際機関の融資あるいはバイラテラルの融資でいろいろと援助をいたしておりますが、同時に韓国としても、政策金融と申しますか、政府の関係の金融機関等によって低利の重点的な投資をやっておるという構造で全体としての成長をはかっていく。民間の市中の金利につきましては、いま御指摘のように非常に高い。これは投資意欲と申しますか、経済成長の意欲が非常に強いというところが一つの原因ではないかというふうに思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 まあ、勤労意欲があることはいいことですよ。しかし、私が言っているのは——韓国の問題はずしましょうよ、理論的に一ぺん——いま私が言ったのは、これはちょっと数字が低かったのですが、よく見ると、さっき申し上げた二三%というのは韓国銀行の貸し付け利率ですね、市中金融機関の貸し付け利率は当座貸し越しで二六%ですね、商業手形割引で二四%ですから、非常に高いのですが、資本主義国で金利が非常に高いということは、本来的にはデフレ要因として働くのじゃないですか。それがデフレ要因として働いているべきであるにもかかわらず、韓国では猛烈にインフレが起きていますね。現実にインフレが起きていて成長しておる。これはロジックが合わないのじゃないですか。資本主義国における経済パターンから見て、あなたはロジックが合うと思いますか。二五%のような高い貸し出し金利と物価は非常に——当然そういうことは物価上昇の見合いの関係で、この問題はあると思うのですよ。高い物価上昇があって、その中でなおかつ成長できるというのは、一体どういうメカニズムになっているか、勤労意欲だけで経済というのは動かないのですから、経済的な表現で答弁してくれませんか。わからないならわからないでいいですよ。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先ほど申しましたように、具体的に韓国の国内経済の全体につきまして詳細に勉強しておりませんので、率直に申しましてよくわかりませんので、想像で申し上げているわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大蔵大臣、大蔵省で韓国の経済がわかる局というのは、ほかにあるのですか。国際金融局がやはり一番外国経済を分析して苅るところじゃないでしょうか。大蔵大臣、大蔵省としてどうですか。韓国経済について、あるいは台湾の経済について、日本は経済援助をするわけですからね。経済援助をする相手方の具体的なこまかい経済的な仕組みもわからずに日本は経済援助をしておるのですかね。ちょっとそれは少し無責任じゃないでしょうか。大蔵大臣、どうでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 韓国につきまして、ただいま申し上げましたのは、先生御指摘のようないろいろな矛盾がございますが、具体的にその国の経済が一体どういうような制度で、そこでなぜそうなっておるのかというような点につきましては、それぞれの国の事情がございますので、これはわれわれとしては極力いろいろな資料をそろえて勉強いたしておりますけれども、具体的な問題になりますと、これは一々そういう国について詳細にいわば社会制度その他の基本的なところまで深く立ち入った調査というのがなかなかできがたいというのが現状でございますが、ただ、韓国に対して経済援助をいたすにつきましては、在外公館の資料等をもとにし、また韓国のいろいろな資料をもとにして、その援助の施行につきましては、むろん遺憾のないように経済の分析をいたしておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと私のほうから言いますと、一九七〇年の韓国の卸売り物価指数ですけれども、一月に一三九・七であったものが十二月に一五二・六になっていますね。たいへんな卸売り物価の上昇ですね。消費者物価のほうは、一九六五年で、たいへん資料が古いけれども、それでも一年に、前年、一九六四年に一八〇であったものが一九六五年には二〇四になる。資本主義国の中ではたいへんな実は物価上昇があるわけですね。これは私こまかく資料がなくても、常識的に韓国の物価上昇というものがどういうものであるかは、これまでも承知しておるわけでありますけれども、たいへんな物価上昇があって金利が非常に高くてということは、私は、いまのあなたの言われるような成長との関係ではロジカルでない、こう思うのです。  この問題だけでは時間がたちますからいいですが、もう少し今後、これらの経済援助その他をやる場合には、その国がほんとうに立ち行くためには、ほんとうには何をしなければならないかということを、ただ金だけ与えて援助をしておったらそれでいいんだということに私はならないんじゃないかと思うのです。この問題は、そうなるとかなり政治的な問題にならざるを得ないんじゃないかと思うのです。時間がありませんからきょうは触れませんけれども、韓国の国庫収支の問題等見ましても、やはりこの中にはいろいろと問題がある。その問題はきわめて政治的な問題になるから、きょうはここでは触れませんけれども、どうかひとつ今後これらの、特にアジア開銀というのは、日本も非常に大きなウエートをもって協力をしておるところですね。アメリカと日本がアジア開銀における出資なりその他における一番大きな一翼をになっておるわけでありますから、それから見ましても、私はそのアジア開銀が一番大きな融資をしておる韓国の問題は、ただ韓国がこう言ったからこうするという話ではなくて、もう少しそういうロジカルな解明ができるようなことにしておいて、その上で日本としては、協力をするについてはこういうことが行なわれるべきではないのかという意見を述べることが、やはり経済に対する基本的な問題ではないか、こう思うのですけれども、大蔵大臣、いかがでございましょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 発展途上国でなければですが、非常にいま経済発展をしている国でありますので、私は緯国の実情は、欲しいものは金だけではなくて、金と物が非常に欲しいというのがやはり韓国の実情であると思います。したがって、二国間のこの援助においても、この点を私どもは考えておりますが、同時に、アジア開銀という国際機関においても、またそういう面から要請される問題が非常に多いだろうと思いますので、これは内容によって考えていかなければならぬ問題だろうと思います。私どもは、昨年の会議では、韓国の意欲は非常に強かったのですが、あの計画を全部実行しようという場合に韓国のインフレを非常におそれるという忠告もしまして、その点を中心にずいぶん韓国の意見を聞いたりして、向こうの要望についても、私どもは、要望どおりでなくて、そういう見地から相当いろいろな協力をいたしましたが、いずれにしろ韓国はいま発展の速度が非常に強い国でございますだけに、物と金との両面の援助を、アジアの国で一番必要としておる国であるように思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 援助は必要でしょう。それだけ資金も足らないんでしょうし、物も足らないということはわかりますけれども、しかし、いまのような高い金利や高い物価上昇が長年にわたって行なわれていることはそのままにしておいて、結局、ただ向こうが援助をしてくれ、援助するということで、それでいいんでしょうかね。やはり私は物価が、そんなに先進国のようにいかないにしても、もう少し正常化し、あわせて金利その他も正常化するようなアドバイスをして、その上でわれわれの協力が有効に韓国の国民に働くというならこれは別ですけれども、どうも現状のままでは、私は率直に言って、納得できないんですよ。だから、この点は一ぺん機会を見て、もう少しそこらがわれわれが十分に納得できるように、大蔵省はひとつ勉強して、韓国経済について一回報告を聞きたいと思うんです。いまのあなたの答弁だけでは納得できません。どう考えても納得できないから、私は私なりに勉強してみるけれども、ひとつ大蔵省も十分勉強して、われわれが、なるほど、そういうことがこれの原因か、そうなれば、一体どうすればこれらが改善できるのか、それらの報告を含めて——よその国のことだといえばあれですけれども、非常に近い国で、日本があらゆる意味で経済協力をしていかなければならぬ立場にある。アメリカは台湾だけでなくて、韓国に対する援助も逐次減らそうとしておることはもう明らかでありますから、そういう点から見ても、韓国経済の今後の問題について、ひとつ十分検討しておいていただきたいということを要望しておきます。  そこで、実は国際金融に関係があります問題でちょっと関連してお伺いしておきたいのですけれども、昨日、何か新・円対策七項目、どうも私、七項目というのは少しおかしいのじゃないか。最後の一項目は、立法できるものは立法するのだ、それを一項目というのはどういうことかよくわからないのですが、新・円対策七項目ということで閣議決定されて、何か新立法が国会に提案されるということのようですが、これについて、ひとつ大蔵大臣のほうから解明をいただきたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 厳格にいえば、おっしゃられるとおり六項目でございまして、この六項目を実施するためには法令の改廃を必要とする事項がございますので、そういうものについては立法の措置を講ずるということを最後につけ加えたということでございます。たとえば外貨の活用につきましては輸銀の融資範囲を広げるとかいうような、いろいろなことについて必要な立法措置をいま検討しておるところでございますが、今日一ぱいくらいでこの検討を終わりたいという予定でございましたが、実際問題としてはなかなかむずかしい問題が出てまいりましたので、まだいまのところ最後の詰めができていない状態でございますので、もう一日くらいかかるのではないかと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 詰めはいいのですけれども、新聞報道では、いまちょっと私触れましたが、中身の六項目を一応項目としてはきめておいでになりますけれども、これについては何か新聞の報道では、昨日閣議で了承された、こういうふうになっておるのですが、一体詰まっていない話を閣議了承したわけなんですか。そこらどういうことなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま私が言いましたのは、立法措置の中の小さい問題について申したのでございます。全体として、たとえば輸出について通産大臣が勧告をすることができるとか、いろいろの権限の規定もございますし、いま申しましたような外貨の活用を中心にした輸銀の問題がございますし、現行法の改正幾つかにわたる問題を、これはばらばらにそれぞれの現行法の改正案で出すか、そうでなくて、これは一つの海外経済関係の調整特別の緊急措置というものである限り、一本の法律として御審議願うほうがいいんじゃないかというようなことは、いままでも検討事項でございましたが、きのう政府としてはこれを一本で取り扱うということで、その大体の中身の項目というものは決定されましたが、これを法文にする過程において、いままだ最後の詰めができていないということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっといまのお話で、問題は二つありますね。大蔵省の所管に関するものと、通産省所管に関するものと、これを見ると二つある。それを一つの法律にして出して、一体どこの委員会で審査するのですか。本来これは、国会は常任委員会制度ですから、沖繩対策特別委員会というようなものがあれば別ですが、そういう特別委員会がないときに、通産と大蔵と両方にまたがる立法措置を一本にして、どっちの委員会でやるのですか。これはわれわれのほうから見たら、政府はたいへん僭越な措置をしておるような気がするのです。少なくとも当該委員会に関係するものだけは二つに分けて、大蔵委員会所管だけを一本にするのはいいでしょう、あるいは通産関係を一本にすることもいい。通産と大蔵の関係を一本にしておいて、一体どこで審査するのですか。政府はどういう考えでそういう考えをまとめたのか、ちょっとそこを伺いたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 この問題はまだ政府側としてはきめておりませんので、この立法がされましたら、これをどの委員会でどういう形で御審議願うかということは、これは国会に政府がこれから御相談しなければならぬ問題だと思っております。まだその点はきめておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それはおかしいのじゃないですか。ちゃんと一本にしておいて、それで国会へぽんと持ってきて、要するに、通産と大蔵とに分かれておるものをどこの委員会でやるか。国会でかってにやってくださいという話は、政府はちょっと僭越じゃないですか、おかしくないですか。ある一つの委員会に所属する法案を、その委員会で何本かを一つにセットするというのは、われわれ望ましくないけれども、最近ちょいちょい行なわれておりますから、それはある程度急ぐときはやむを得ないと思うけれども、こんなに歴然と区別のあるものを、輸銀法の改正あるいは外為特会の改正等大蔵省プロパーのものがある、片方は輸出入取引法なりその他の関係のものがある、はっきりと大蔵と通産に分かれておるものを一本にして出してきたら、率直に言って、私どもは審議を断わりますよ。そんなものが出てきたら、大蔵委員会は一切審議を断わる、われわれの考えとしては。あなた方が一方的にやられるのだったら、それは話は別だけれども、そんなきわめて重要な案件を、あなた方がただ安易に政府のやり方の処置だけで、国会を無視してやってくるというのなら、出してください。それは私のほうも断わるし、商工委員会もわがほうはお断わりですよ。どこか別のところでやったらいいでしょう。あなたがそれだけの腹がまえを持ってお出しになるのなら、どうぞお出しください。この国会では通しません、われわれはそういう問題は。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 政府はそういう法案を準備しますが、その法案をどこで審議してもらうかということは、当然国会に考えてもらうべき問題でございますので、各国会対策に御相談を願うことになると思いますが、その場合、国会として、これはたとえば大蔵委員会で扱うことにするとか、あるいはこれは通産委員会で扱うとか、あるいは必要によっては合同審議をするとか、あるいは最初から一つの委員会をつくるとか、これはもう私はやり方については国会に御相談してそこはきめていただくというつもりでございます。最初からこの問題は十分慎重に考えて、一本にするというときには、この扱い方も非常にむずかしいということも重々考えておりますが、しかし、これはやはりばらばらに御審議願う問題じゃなくて、一本として御審議願うのがいいというふうに考えて、政府はいま法案を準備しておるのでございますが、同時に、この審議のしかたについては、これは国会に十分御相談してきめていただこうというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。いまの話で、政府は私どもがそういう意見を述べてもなおかつ一本でやるのだということのようですから、私は本日直ちに党内手続きを経て、そういうものが出されても、私ども社会党は審議をやりませんし、これは公明党、民社党にも御相談をして、当該常任委員会が二つはっきりある、当該常任委員会がはっきり二つあって、それを二つに分割することは私は当然だと思うのです。それを二つの委員会が一緒でなければ審議できないようなものを出してきて、どっちでやるのかというときに、これは問題が起こるのは当然だというふうに皆さん考えていただくべきだし、沖繩のように特別委員会をつくるのなら別ですが、こんなものでわれわれは特別委員会をつくるということなど賛成するわけにいきませんから、本来当該委員会に案件をかけるということでなければこの審議が行なわれないように、私はそれなりに国会対策を通じ、議運を通じて、本日からモーションを起こしますが、皆さんのほうで、まだ法案を提出しておられないのですから、それについて取り扱いを配慮されるならば、少なくとも私は常識的に、大蔵委員会関係案件は一括でよろしい、あるいは商工委員会関係案件は一括でよろしいけれども、各当該委員会に分離をして二つの法律を出されるということでなければ、この問題は、たとえ幾ら会期を延長されても、私どもはまともに審議に応ずる意思はありませんから、そのことだけ強く申し上げて、ちょっと中身を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それはまだこれから国会対策そのほかで御相談を願う問題だと思いますが、これが国会の意見で分離されたほうがいいということでしたら、また分離するということも考え得るでしょうし、政府は別にこれにこだわっておるわけではございません。同時に、いままで沖繩の委員会にしましても、各省の管轄にまたがったり、各委員会にまたがることを全然一緒にやってはならぬという先例もございませんし、これは国会の相談によって一本にして、特別委員会でなくとも、どこかの所管委員会をきめて、そして随時に必要な合議をするという形でやるということも考えられますし、これはどうにでも、国会側においても政府側においても、どれが一番いいかということで対処すべき問題だと私は考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 沖繩の特別委員会はああいうことで行なわれたので、私、いまの話とはちょっと次元が違うと思うのです。ですから、私はそれはかまいませんが、いま前段のほうで、国会側の意見も参酌してきめるということでありますのでけっこうでありますが、政府は政府のほうで国会の意向を無視してかってに出されるというのでは、この問題はスムーズにいかないということは十分認識していただきたいと思います。  そこで、国際金融局長に伺いますが、いま日本の外為銀行が開銀から借り入れている資金というのはどのくらいありますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 お尋ねの外為銀行が開銀から借りておりますもの、これは直接の借り入れ、ユーロ等を含めまして、それからもう一つ海外の支店等がやっておりますものを含めまして、いま広い意味で申しますと、おそらく七、八十億ドルに当たるかと思います。短期のものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今度この新・円対策七項目の中で、金利の引き下げという問題が出てまいりましたね。そこで、これの理由づけのもとに今回公定歩合も下げる、預金金利その他全部金利を下げるという話が動いてきておるようでありますが、この前、四月二十六日ですからまだ一カ月たっていないのですが、当委員会に日本銀行の河野副総裁に来ていただいて金利問題の論議をいたしました。そのときに、私も当面金利の引き下げというものが日本経済にとってそんなに大きな意味があると思っていないということについては、当時の河野副総裁も、自分もそう考えておる、当面金利の引き下げは必要がないだろう、こういうふうな答弁が実はあったわけですね。  そこで、今度国内金利の引き下げなりいろんなことをやると、いまこの各種のユーロを含めた開銀が取り入れておる七十億ドルから八十億ドルですか、そこらぐらいのドルが外へ還流するという自信はあるのでしょうか。そこが私は、もしこの金利問題をやるのなら、それが還流をして——いま還流をすれば当然外貨準備は減るわけでしょう。ですから、百六十億ドルというのが、もし還流するなら、七十億ドル還流すれば一ぺんに百億ドルを割るわけですね。これはあとで見ればすぐわかるです。この金利が下がってすぐ動かなかったら、もうあとは動きません。下げたときに動くというのが私は原則だと思いますからね。だから、これは私は大蔵省に非常に大きな責任が生ずる問題だと思っておるのですよ。もしこれが還流をしないときには、要するに、国民の犠牲において企業にだけ奉仕をしたことになって、現状では、金利を下げたところで、企業が現在借り入れておる膨大な借り入れ金の金利が軽減されることによって、これまで減益であったところが増益に転換する、まさに国民の犠牲で企業の救済をするだけに終わるのではないのか。きわめて重大な問題だと思うのですね。  どうも私はこの経過を見ておりますと、OECDに木村さんがみやげを持っていく必要があったのかどうか知りませんけれども、そういう関連において今回の金利引き下げが行なわれておるように感じておるわけでありますが、この点についての見通しをちょっと聞いておきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 お尋ねの国内金利と国際金利の関係でございます。その他いわゆる六項目と申しますか、今回この六項目にございます財政金融政策の機動的展開としてしるされております中の一般的な意味の金利引き下げの趣旨というものにつきましては、別途、別の担当局長のほうからお話があるのが筋であろうと存じますが、いまの対外的というところについて申し上げますと、今回の国内金利が下がった場合に一ぺんに還流するかどうかということに関しましては、御承知のとおり、短期の金利というのがいろいろな場で響いてまいりますが、これは単に内外の金利差ということだけではなくて、いわゆる通貨に関するコンフィデンス、ドルに関するコンフィデンス等の問題に関連をいたしてまいりますから、しかももう一つは、ただいま金利差のいかんにかかわらず入らないようにということで、いろいろな円転規制その他でコントロールをいたしておりますから、そういうものとの関連等もございます。したがいまして、いわば実際の数字というよりも、そのプレッシャーと申しますか、流入のプレッシャーあるいは流出に対する阻害要因ということの一つとして、金利の関係というのを考えるべきであろうと存ずるわけでございまして、その意味で、国内金利と国際金利の差が要するになくなっていくと申しますか、そういう点になりますると、流入のプレッシャーを減らし流出のほうのプレッシャーを増すということでございまして、これは先ほど申しましたような、他方ドルに対するコンフィデンスの問題その他との関連がございますので、ただ単に金利差だけで急激に動くかどうか。  ことにもう一つは、いまは短期のことで申し上げておるわけでございますが、一つは長期の問題というのもあるわけでございまして、たとえば東京市場で長期の債券発行を極力してもらいたい、国際収支の観点からすると、私どものほうはそう考えるわけでございますが、ところが、長期の債券についての金利が高い。なかなか、東京市場を利用したいという、そういう意味のインセンティブが減殺されるという問題もございますので、こういう意味では、短期、長期両方に関しまして、一般的な意味での、全体として金利が下がるということは、国際収支の観点からいたしますと非常にプラスの面が多いということはもう明白でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いずれもトレースのできる問題なんですね。短期のものが一体これをやってどれだけ出ていくか、あるいは東京市場において円建て債がどれだけやれるようになるのかは、経過を見ればわかることですからあれですが、私は国民が受ける被害に比べて、実はこの問題は現実の問題として非常にウエートが小さいのではないか。もしほんとうにウエートをふやそうというのなら、それこそ田中通産大臣じゃないですけれども、常識で考えられないような大幅な金利の引き下げをやれば、これはまたずいぶん条件が違ってくるかもしれませんね。ですけれども、私は少なくとも、いま報道で伝えられてあるような〇・五%程度のものであって、いまの諸情勢から見て、そんなに変化はないじゃないか。その変化のない理由は、いみじくもあなたが答えられておるように、ドルのコンフィデンスの問題、裏返して言えば、円の通貨というものがもう一ぺん切り上がるだろうという、その背景の問題に非常に関係があるのじゃないかと思っています。だから私は、いまの新・円対策というのは、どうもこの前の円対策というかドル対策というか、八項目ときわめて共通的な項目のような感じがしてしかたがない。これから皆さんが法律を出しておいでになれば、それは分割されれば私どもは論議に応ずるつもりだけれども、そのときに当然議論をしますけれども、一体どっちが先でどっちがあとかという問題は、実は非常にここで問題になってきていると思います。だから私は、やはり一番肝心なところは、何といっても日本の国内の景気がもう少し浮揚するということのほうが先ではないか。浮揚させるために、一体それではいまの状態で金利を引き下げたら民間設備投資が出るなんということは、これはほとんどみな考えてないと思うのです。主力の産業の需給ギャップというものが非常に大きいことは、これはもう周知の事実ですからね。  大蔵大臣、これらを考えてみて、今度の金利の引き下げというのは、一体ほんとうの真意はどこにあるのか。これは産業界は金利を安くしてくれるのはたいへんいいことですね。減益になっているところが、金利を引き下げれば増益になるわけですから、それだけ自己資本に対する借り入れが大きいところでは、たいへんけっこうなことだと思いますね。要するに、それだけ国民の預貯金の中から振りかえられて企業側に利益が流されることになるのだから。そういう産業界奉仕のためにやるのなら、それはそれでいいと思いますよ。それが自由民主党の政策だといろならこれはしかたがないと思いますから、それはそれでけっこうだと思いますけれども、国民的な立場から考えてみると、私は、今回の金利の問題というのが、国際金融の面で役立たない、要するに、あなた方は当初これを円対策として考えているけれども、円対策に役立たなかったとしたならば、これは国民に対する重大な被害を与えることになる、私はこう思うのです。大蔵大臣、その点いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 金利水準を下げることは、日本にとって対外、対内均衡の確保という両面において必要な当面の政策になってきていることは、これは事実でございますので、したがって、いま言われるように、単に企業に奉仕するというだけの政策ではないというふうに私どもは思っております。  御承知のように、国民生活に関係のあるいろいろな社会資本の充実策ということに関連しましても、ずいぶんいろんな特利、政策金融というようなものをやって、複雑多岐になっておりますが、こういうものも結局は日本の金利水準が高いためにいろいろくふうしている一つの苦悩のあらわれでありまして、そういう点から考えましても、この際日本の金利水準を下げるということは、いままで金の流れが収益の少ない福祉的な事業へ回らなかったというこの流れを変えることにもなりますし、それによって社会コストの低下、物価へも響きますし、特に公企業の現状から見ましても料金の問題にも響く問題でございますし、回り回って国民に対する利益というものは相当大きい問題であって、決してこれが単なる企業への奉仕というような性質のものでは私はこの金利問題はないというふうに考えています。したがって、今回の措置は、もう対内、対外両面に対して非常に有効な措置であって、むしろいままでこれをすることがおそかったというふうにも考えられる性質のものだと思っています。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと銀行局長にお伺いしますが、いま個人が保有しておる預貯金ですね、金融資産の中の預貯金というのは、どのくらいでしょうか。ざっと、ラウンドナンバーでけっこうですが。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 個人と法人の限界点の数字がちょっとむずかしいものでございますから、ちょっといま、洗い直しましてお答え申し上げます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 では先に、ちょっと時間がありませんからはしょってあれしますが、最近、御承知のように、株価が非常に高くなっておる。そして、無配の株までどんどん値段が上がってくるということで、証券局ではいろいろと指導を強化しておられるようですが、この問題の一つの根源をひとつ大蔵大臣に申し上げて、きょうはっきり答えてもらいたい問題が一つあるのです。  これは、大蔵大臣がこの前当委員会であったのか、参議院であったのかよくわかりませんが、デノミを実施するのはいいことだ、時期ははっきり言っておいでになりませんが、そういう発言があったと思うのです。いまや国民の中ではデノミは近いうちに行なわれることが必至だという情勢になっている。その場合にどういう現象が起きておるかといいますと、デノミネーションということ自身には問題がないのですが、かつてわれわれは新円切りかえということで一つの通貨処置の問題を経験しているわけです。この間、沖繩でドル・円交換によって、要するに、ドルをチェックするという問題が一回行なわれておるわけです。その場合に非常に問題になるのは、膨大な金額になっておる裏預金だと思うのです。最近、何か多摩ニュータウンなんかでも土地売買に関して面積との関係でいろいろからくりが行なわれておるようですが、要するに、表に出ていない資金というのは、あげてこれは裏預金になっているわけですね。ところが、この裏預金は、もしデノミが行なわれる時点では全部洗われるという心配を、実はこれらの裏預金を持っておる預金者がいたしております。そこで、これらの諸君は、まずこの時期を越えるためには何が一番いいのか、これは株式投資をすることによって、これは無記名で処理もできるわけですから、そこで株式投資にこの裏預金がいま非常に移動しておる。このことが私はこの前の国税庁の調査による架空名義預金の現象に多分に関係があるだろう、こう見ておるわけです。そこで、そうなれば、そのために、いま無配であっても、含み資産のあるものならこれはけっこう処置ができる、デノミになってもそれだけの効果は十分に出てくる、あるいはデノミ関連株についてはそれはいけるではないかとかいうことが非常にモーメントとなって、実はいま株式市場が、言うなれば、われわれから見ると、やや過熱ぎみになっているという問題が一つあります。それからもう一つは、やはり政府がいまとっていこうとする低金利政策ですね。強い低金利政策は当然株価の上昇をもたらすようになる、こういうことになってくるわけです。  そこで私は、低金利政策のほうはこれはしかたがないにしても、デノミネーションが近くあるのだという錯覚をいま国民に与えることによって、そういうものの影響によるところの株の異常な高騰、特にデノミネーションをやれば万国博程度の紙の需要になるだろうから、そうすると紙の会社は買いだとか、デノミ関連ということで株価の問題というのは動いておるという現状があるのです。  大蔵大臣、いま日本経済が非常に複雑な情勢にまだありまして、国民経済研究所によれば、来年の春には五%以内の単独切り上げが起こるであろうなんというような予測も出るほどで、日本経済の武山さんがアメリカから帰ってきて書かれておるのには、アメリカではいろいろな日本の関係者に聞いてみると、個人的には再切り上げはやむを得ないだろうというようなことを言う人がほとんどだというような報道がなされておるような状態でありますから、日本経済はそういう意味では非常にいま不安定な状態にあります。ある意味で不安定な状態にあるところでデノミをやるということは、私は適切だとは思いません。私も大体はデノミをやるほうがいいだろうという考えですけれども、これは適切な時期にやらなければたいへん問題が起こるし、そのことがいまの株価のそういうような異常高に拍車をかけておるとするならば、これはやはり大蔵大臣、この際、日本経済が安定するまで、少なくとも四、五年はこういうものをやる気はないのだということを明確にしていただくことが、私はこれらの一種の思惑を封じる非常に筋の通ったことになるのじゃないか、こう思うのですが、この問題について大蔵大臣、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 実は私の家内が円タクに乗りましたら、運転手が、いまの大蔵大臣には困った。なぜ困ったかと聞きましたら、デノミをやったら隠し金がみんな外へ出てしまう、せっかく女房にわからないように働いてためておるのに、これがみんなわかるようなデノミをやられたのではかなわないと言う。これは実際にあった話でございますが、おっしゃられるように、新円切りかえという経験がございますので、どうしてもこれが頭にあってデノミと結びつけやすいと思います。したがって、デノミをやる場合には、国民に対して相当啓蒙、宣伝、説明が行き届いていなければ混乱するというふうに私どもは考えまして、いますぐやることではない、やるなら時間を相当置かなければならぬ問題だというふうに考えておりまして、先般、御承知のように、この問題については政府はいますぐやろうと考えていないということを再三言っておりますので、私は、もうデノミをすぐ政府はやるだろうといって、そのための思惑がたくさん出ているというふうにはいま考えていません。そうでなくて、デノミとは無関係に、別の理由でいま言ったような無配の株式を買うとかいうようなことが行なわれておりましても、私はそう国民層がデノミと関係したいろいろな動きをしているというふうには考えません。もうこの点については委員会を通じて国会で、政府がデノミをすぐやることではないということは、私はもうかなりわかっていることではないかというふうに思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あなたは新聞の証券欄を見たことがありますか。証券欄には、きのうも、きょうでもそうですが、デノミ関連株というふうにちゃんと書いてありますよ。あなたはそういうところもひとつ読んでいただいて、国民がどういうことによってそういう影響を受けておるか、まさにあなたの奥さんがタクシーの運転手に聞かれたようなことが非常に広く国民の中に広がっておるということは事実です。  そこで、それとあわせて、ちょっと時間が足らないのですが、伺っておきたいことは、あなたが頭に考えておる、いまからデノミをやるために国民に教育をするという教育期間というのは、一体どのくらいの長さをあなたは頭の中に置いておりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 もしデノミを政府がやるときめましたら、たとえばきょうきめたとしますと、昭和五十年なら五十年の何月何日に実施するというようなことで、相当の前広の準備期間を置いて、そしてその間に国民が少しでも混乱しないようないろいろな説明もしますし、宣伝もするというふうに、政府はやるときめたら、それから相当の時間を置いて国民に説明していけば間に合う問題でありまして、これはコインを準備するだけでも何年かかかるのですから、突然やれる問題ではございませんし、何もやるときめてからいろいろなことをやってもちっともおそくない問題でございますので、国民のほうがそこまであわてる必要なんか全然ないと私は思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 わかりました。要するに、昭和五十年といえば、いまから約三年ぐらいかかるわけですから、ある一つの考えを表明しても、三年は実際に行なわれるまではかかるし、その表明をまだしないのだということですね。そこではっきりすれば、私は国民の考え方はちょっと変わると思うのですよ。要するに、発表されて三年先だ。その発表もまだ一年先か二年先かわからないということになれば、ここ一年や二年のうちにやることはないということさえ国民が理解をすれば——ただ何となくやらないなんと言ったって、政府は当てにならぬと思っておりますから、抜き打ちにやるのではないか、そう思っていますからね。しかし、抜き打ちにやっても、それから三年先でなければ実際に行なわれないのだということがはっきりすれば、私はこの問題に対する国民の理解というのはかなり変わってくると思うのです。  ですから、きょうはそういう意味で、私はここでお答えをいただいたのを整理をすれば、当面やる意思はない、そしてもしかりにやるとしても、やるという計画を発表して実施に至るまでは三年くらいはかかるというふうに、これを整理して御答弁をいただいておけば、この問題に対する国民の杞憂というものはかなり取り除かれる、こう思いますので、ひとつ大蔵大臣の口のほうでそういうふうにここで答えておいてもらいたいのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 やるとすれば何年とかなんとかというふうにきめてかかるべき問題ではございませんが、しかし、これは突然政府がきめてすぐに実施するというものではございませんので、政府がやるといっても、少なくとも一年や二年は当然かかるものでございますので、大体、抜き打ち的に国民がどうこうされるという心配は一切ない性質の政策であるというふうに考えます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 当面やる意思はないのでしょう。そこもちょっとはっきり言っておいてください。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 当面といっても、やるとすれば責任は私でございますが、もういま私がやるということは考えておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 とうも何か——まあいいでしょう。  銀行局長、さっきのあれ、ちょっと答えてください。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 全国銀行の十二月末の数字で申しますと、全体が四十一兆三千億に対しまして、個人預金が十五兆四千億、それから時点がちょっと違いまして恐縮でございますが、相互銀行、信用金庫まで含めまして、四十六年三月末で合計いたしますと、全体が五十四兆三千億、それに対しまして個人預金が二十四兆二千億ということに相なっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、個人預金だけを、多少時限が違うのでしょうが、足してみますと三十九兆ということになりますか。それは両方入れた合計で二十四兆ですか。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 そのとおりでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 郵便貯金というのはほとんど個人の預金ですから、これがたしか九兆ぐらいありますね。どうでしょう。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 九兆七千億ぐらいあるかと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いま三十三億の預金、貯金がありますね。三十三兆が全部〇・五%の引き下げになるかどうかはわかりませんけれども、かりに三十三兆の預金を持っておる国民が〇・五%の預金金利の引き下げを受けたとしたら、一年間に失う損失は幾らになりますか。

近藤道生大蔵省銀行局長

○近藤政府委員 一律に〇・五%といたしますと、約千五百億円でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 年間に千六百五十億ですかの損失を受けることになるわけですね。  大蔵大臣、もしここでこれだけの被害を国民に与えるとするならば、国としては、やはり何かこれに対する見返りのものを国民に考えるべきじゃないだろうか、こう私は思うのです。ですから、私、この前も税の関係とのあわせで議論をしておるわけですけれども、これを一つの総合政策の一環として行なうならば、それに見合う程度の減税をあわせてセットでやるとか、あるいは住宅金融公庫の貸し付け金利を、標準金利五・五%でしょうけれども、この部分についてもっと引き下げて、片一方を下げるのだから貸し出しのほうについても下げましょうとか、もう少し何か国民に対して行なう対策で、そのことが同時に消費なりを押し上げて景気対策になる、要するに需要効果を拡大するという、そういう考え方を行なうのが、私は総合的な政策として一番正しいのじゃないかと思うのですけれども、大蔵大臣はこれについてはいかがでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 一応いまの事態に対する緊急の措置としてこういうことを実施しようとするわけでございますから、この特別の措置を中心として、今後、いまおっしゃられたようないろいろな問題を含めて、総合的な検討、対策、これは当然いたしたい、こう思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 何だか新聞の報道等によると、いまの政権が末期だから、減税のような人気取り政策というのは次の政権にまかしたらどうだということで見送られておるというようなこともいわれておるのですが、それは国民にとったらたいへん迷惑な話だと思うのです。やはりそこらは、総合的な政策として、いうならば、ワンパッケージで処理をされれば、国民とすれば、片方で多少の被害を受けるけれども、片方ではプラスもあるのだということになれば、いまのいろいろな問題点が多少整理をされてくるのじゃないかと思うのです。これらについては、ひとつすみやかな検討を行なって、企業にだけ奉仕をしておるように国民が理解をするようなことのないように、ひとつ善処を要望しておきたいと思います。  時間がありませんので、これで私の質問を終わらせていただきます。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  午後二時より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後零時三十六分休憩      ————◇—————    午後二時十六分開議

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 政府より提案理由の説明を求めます。田中大蔵政務次官。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 ただいま議題となりましたたばこ耕作組合法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、最近におけるたばこ耕作及びたばこ耕作組合をめぐる諸情勢の推移にかんがみ、たばこ耕作組合の運営の円滑化をはかるため、ここにこの法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。  まず、地区たばこ耕作組合及びたばこ耕作組合連合会の地区について、その区域をそれぞれ拡大することができることとしております。  次に、たばこ耕作組合連合会及びたばこ耕作組合中央会は、その会員に対し、一定の基準により二個以上の議決権及び役員の選挙権を与えることができることとしております。  以上のほか、地区たばこ耕作組合の代議員会の設置条件及び総会における組合員を代理し得る人数の制限を緩和する等の所要の措置を講ずることとしております。  以上、たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 たばこ耕作組合法の一部を改正する法律案について質問をいたしたいと思います。  今回改正をされようとしている問題に関する質問を始める前に、たばこ耕作をめぐる今日の実情について、まず質問をしてみたいと思うわけでありますが、昭和四十年以降耕作面積は、四十年の八万六千ヘクタールから四十六年では六万五千ヘクタール、約二三%くらい減っております。したがって、公社が国内産葉を買い入れる数量も、概算でありますが、二二%程度減っておるわけであります。しかも、買い入れの代金は一〇%弱ふえているわけでありますが、耕作者に至ってはたいへんな減りようを示しておるわけであります。約七十数%も耕作者は激減をいたしておる。昭和四十年の三十二万三千五百二人から四十六年では十七万八百十人、こういう状況になっているわけであります。私ども、たばこ耕作について、また日本の専売事業の健全な発展に重大な関心を抱いているものとしては、何ともこのような数字を見るたびに一種のさびしさを感ずるとともに、これではいけないという気持ちを持つわけでありますが、そしてそういう中には、長年たばこ耕作になじんで、これを一つの非常な誇りとしてきた耕作農民にとって、これはまさに嘆きの数字であるというように見ざるを得ないわけであります。そういう耕作者は泣く泣くやめていっているというような状況であろうと思うのですが、一体こういうような状況になった原因というのはどういうところにあるのか、この点について、専売公社及び大蔵省から、どう考えておられるのか、このような状況を示しておるということについて、あなた方は率直にいってどういう感想をお持ちなのか、まずその感想からお聞きいたしたいと思うのであります。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 ただいま御指摘ございましたように、耕作者の方の数は非常に減ってきておるということは事実でございまして、これはやはり全体の日本の産業構造の変革のあらわれの一つではないかという感じがするわけでございます。ことに農業方面におきまして、最近における農業労働力の他への流出、老齢化等、いろいろの現象がございますが、これとやはり一連の現象ではなかろうか、こう感じております。もっとも耕作面積のほうは、御指摘になりました四十年は増産時代で相当つくっておりまして、法の制定当時、三十三年あたりからずっと見ますと、大体現在三十三年あたりのベースは維持しておる。したがいまして、耕作者の数が減りましても耕作規模は拡大されつつある、こういうことでございまして、耕作規模が拡大されて、個々の農民の方々が十分な収入を得られるということはやはりたばこの将来の安定の上に必要なことではなかろうか、こういうように思っております。ただ、数がだんだん減ってまいりますことは、私ども自身もさびしいことではございますが、これはやはり全体の農業の大きな問題の一つではないか、こんな感じがいたします。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 私どもも、ただいま公社総裁のほうから答弁いたしましたようなことではないかと考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 なるほど日本の経済高度成長政策、しかもそれが第一次産業から逐次第二次産業、あるいは最近では特に第三次産業が急速な伸びを示しておる。したがって、第一次産業のウェートが非常に下がってきている。そういう構造変化というか、そういうものがあるから、当然農村からの農村労働力、農民の流出というものがその方面にあるというようなこと、あるいはまた、したがってそれのうらはらの問題にもなるわけでありますが、この耕作者が老齢化していく、あるいは女性化していくというような問題などもあるということでありますが、なぜ一体、日本経済が農村をそのように一種の荒廃をさせていく、農業に絶望して、そういう新しい産業のところに流れていかざるを得ないのか、こういうことについて、何がそういうようにさせるのか、その基本の問題は、やはりこれは価格問題であろうと実は私ども思うわけなんであります。やはりたばこ耕作をやっているよりは二次産業なり三次産業に働いたほうが収入になる、所得が多くなる、こういうことが一番基本の問題だろうと思うのです。同じ一日働いて、片方はたばこ耕作をしていれば千百円ぐらいにしか当たらない。この葉たばこづくりをやめて二次産業、三次産業で労働者として賃金を獲得するという立場に立つと、それが二千円をこえる、あるいは三千円にもなる。こういうことになれば、これは同じ人間として、同じ時間働いた場合でもそういう差があるとするならば、所得の高いほうに流れていくのはあたりまえであるということで、そういう方向がもう出ているのだからやむを得ないのだというならば、農業は壊滅状態におちいらざるを得ないわけであります。  農業の一部分であるたばこ耕作も、これはもはややがてはなくならざるを得ない。未練を持ち、たばこ耕作に愛着を持つ、そういうような諸君も、やがてはがまんにも限度があるということで離れざるを得ないということになる。そうしたら日本の葉たばこ耕作というものはやがて滅びる以外にはないのだという論理的必然になるわけでありますが、そのような点について、一体専売公社として、あるいは大蔵省としてそういうお考えには立たれないわけですか。私は、いまやはりたばこ耕作も一般的農業の危機と同じように、たばこ耕作者がこのように激減をしている、耕作面積もどんどん減っているというような中で今日の原価政策というものが貫かれていく場合には、そうならざるを得ない。そういった場合に、今後の葉たばこの製造、販売、これを今日専売制度でやっているわけでありますが、はたして健全な専売制度が維持されていくかどうかというところまで発展せざるを得ないのじゃないか、このように思うわけでありますが、そういう心配は杞憂でございますか、その点をお伺いしたい。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 たいへん大きな問題でございまして、私がお答えするのは必ずしも適当でないと思いますが、結局このように耕作者の数が減ってまいりましたが、先ほど申しましたように一人当たりの耕作面積はふえておりまして、そして全体としては十数年前のベースは維持しております。人員は大幅に減っているということは事実でありますが、これは結局三十年以後の日本の高度経済成長の一つのあらわれではなかろうか、こういうふうな感じがするわけであります。農業における就業人口も、かつては四〇%でございましたのが、現在は一六、七%、おそらく昭和四十七年度は一五%を割るであろう、こういうふうにある学者も推測しておりますが、そのような一環の流れの中において、たばこ耕作だけがこれに抵抗するということは、私どもはなかなかむずかしい。  ただし、私は、日本の農業が滅びないように、日本のたばこ産業は絶対に滅びない、こういうふうに感じております。農業就業人口はおそらくまた減る傾向ではございましょう。アメリカあたりは現在数%でございますか、そこまでいくかどうかわかりませんけれども、これは大体の世界の趨勢としてやむを得ないのではなかろうか。ただし、私どもといたしましては必要とする品質のたばこの数量だけはできるだけ国内で確保したい、それにはあの手この手といろいろ手を打たなければなりませんが、何と申しましてもたばこの生産性というものを向上して、そうして経営規模の拡大ということをねらっていかなければこれからぐあいが悪いのじゃなかろうか、こういうふうに考えておりまして、将来のたばこ耕作について、そうおっしゃるような悲観的なことは私は考えておりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 このたばこ買い入れ数量推移という資料を出してもらいました。先ほども数字を読み上げましたけれども、専売制ですから耕作者は専売公社に売る以外にありませんので、昭和四十年に十九万二千三百八十九トン、これが四十六年度においては十四万九千二トン、二一、二%も減っておる、こういう状態にあるわけであります。このような傾向で、五年たったらもう十万トンちょっとくらいになってしまう、こういうことに傾向値としてはなってくるわけであります。そういうことになった場合に、一体たばこが専売事業として国内産の葉たばこの調達ということが必要量を満たすに足りないという状況が当然にこれは予想されるわけであります。しかも専売公社の長期計画によれば、年率大体百億本くらいずつはこれからもふえていくだろう、こういうことになっているわけでありますが、そういうように製造たばこの生産計画はどんどんふえるけれども、国内の産葉調達ということにこういう悲観的な数字が傾向として見られているということになると、たいへんなことになるのではないかと思うわけであります。  そこで伺いたいのは、一時昭和四十年当時は非常に耕作者も多く、また買い入れ数量も多かったわけでありますが、そして四十一年、四十二年と非常に過剰在庫をかかえているという問題がありました。今日適正在庫として在来種が二十何カ月とかあるいは黄色種が二十カ月であるとかいろいろそういう適正基準在庫率というか、こういうものを専売公社では算定しておられたわけでありますが、これが非常に過剰である。二十カ月くらいでいいものが二十四カ月もあるということを数年前から聞かされておるわけであります。今日適正在庫率というのは、かつてのオーバーな状態が解消して適正在庫率になっているのか、あるいはいまでも過剰在庫をやはりかかえておるのか、この辺のところをまず数字を伺っておきたいと思うのですが、いかがですか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 お答えいたします。  過去の増産時代の影響を受けまして一時相当な在庫過剰をかかえておりました。現在漸次解消の方向にございますけれども、まだ在庫過剰という状況は続いております。特に在庫の多くて適正在庫になる時点まで遠かろうというのは黄色種でございます。しかしながら、現在の予想でございますと昭和五十一年ころには各種類とも適正在庫のところに持っていける、こういう見通しで進んでおります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 在来種の場合にはいかがですか。在来種も非常に過剰ですか。

松本輝雄日本専売公社生産本部葉たばこ生産課長

○松本説明員 ここに数字を持っておりませんが、在来種は二十九カ月現在ございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 過剰であるのかないのか。

松本輝雄日本専売公社生産本部葉たばこ生産課長

○松本説明員 在来種の標準在庫は二十カ月ということでございますので、その辺から見ますと過剰でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 専売公社はつとにこの低二コ、低タール、喫煙と健康の問題というようなことも、確定した学説ではないにしても害があるらしいという警告が出されておる。諸外国等でももう健康に害があるというようなことをすでに表示しているところもある。こういうようなことでつとに低ニコ、低タールの本格ブレンドのたばこというようなことで宣伝をしてきたし、そういう低ニコ、低タールを実現しようということで、在来種の利用というのは非常にふえてきている。低ニコという立場でふえておるわけでありますが、それがもうすでに、かつては、二、三年前過剰在庫であったのだけれども、これはむしろ過少在庫になっている。しかもそういうものは、それならば当然増産をして適正在庫に持っていかざるを得ない。そうでないと、やはり製造たばこを製造するにふさわしい完熟というかそういうものにならないわけでありますから、そういう点では増産の体制に持っていかないと、何らかの形で外国からの輸入にまたなければならないだろうというようなことをうかがわせるような数字の状況にも今日なっている。  なるほど黄色種の場合にはまだ過剰在庫が整理されないで持ち越しになっているという状況をいま佐々木さんから伺ったわけだけれども、それはそれなりのまた改善、品種の改良等十分やっていかなければならないわけですけれども、五十一年にはそれもおそらくいまのような状況でいけば完全な適正在庫の範囲におさまってくる、こういうことになっているわけであります。そうなってまいりますと、やはり今日でももう在来種というような低ニコの品種は足らなくなってきている。ところが依然としてそういうものも生産がどんどん減退をする、需要はふえていくのに生産が減退するという傾向にあるならば、これは何らか考えていかなければ、やはり外葉にたよらざるを得ない、こういう状況になると思うわけであります。それに対してどういう対策をそれでは専売公社としては持っておられるのか。  それと同時に、もう一つついでに関連して伺っておきたいのは、現在幾つかの銘柄のたばこをつくっておられますが、国内産葉、輸入葉、こういうものはどういう比率になっておるか、このいろいろな銘柄をつくるのに国内産葉が何%たとえば昭和四十六年度において使われ、そして外葉、輸入葉というものがどれだけ使われておるか、そのウェートを数字で示していただきたいと思うわけです。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 お答えいたします。  広瀬先生のほうから在来種関係のお話がございました。公社といたしましても、従来から在来種につきましては、これからの製造たばこをつくる場合に非常に重要な原料でもありますし、この生産を維持したい、そういう政策をかみ合わせてまいりまして、過去の情勢では年々きめます収納価格の決定に際しましても比較的そういう需給の状況を考えまして有利に処理してきております。  それから、全体のこれからの見通しといたしましても、少なくとも全体が減反という傾向があります中で面積の維持をいたしたい、こういうことできておりまして、過去年々在来種の場合に千五百ヘクタール程度の減少がございましたのが、そういう政策の影響もありましょうか、四十七年度までにつきましてはほとんど現状維持というような、こういう情勢に現在あります。将来にわたりましても、少なくとも増産ということは非常にむずかしい情勢にあると考えますけれども、現状維持をしながら安定したものにしていきたい。そのためにはいろいろと先ほどから話に出ておりますように、在来種でありましても、在来種は黄色種に比べまして比較的個人の面積が少ない、こういう状況にございますので、規模拡大とからみ合わせまして生産性向上の対策を講ずる、こういうようなことをしていきたいと思いますし、また、これからの問題といたしましては、在来種の中でこれはまあいろいろ品種の問題なんかを検討いたしまして、収量の少ない、生産性の低い品種あたりを高生産性の品種にかえていくとかいう、そういう品種の問題なども積極的に検討しながら収量の増大をはかって、産地の安定化に資したい、こういうぐあいに考えております。  それから、後段の御質問でございますが、現在国内葉と輸入葉との使用割合はどうかということでございます。若干これは統計がはっきり固まってない面がございますけれども、四十六年の数字を申し上げますと、国内葉十五万四千トン、外葉三万八千トン、合わせまして、若干シートたばこも入りますのでトータルはふえますけれども、総量十九万六千トンの中で、いま申し上げましたようなかっこうになっております。割合で申し上げますと、国内葉使用割合八一%、外国葉使用割合一九%、こういう状況でございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 国内産葉を昭和四十六年度で十五万四千トン使っているわけですね。それで、四十六年の買い上げ数量、すなわち生産数量十四万九千トン、約五千トン、これは単年度で見れば需要に足りないという数字を示しているわけですね。こういうことで、これがさらに減少していく。これは在来種の面は大体横ばい程度で四十七年は何とか推移しそうだということでありますが、黄色種はもうかなり価格面の操作もこれあり、低ニコでなくてむしろ高ニコだというようなことからこれはもうどんどん減反するということになりますと、この買い上げというものは一そう拡大していくのではないか、こういうように見られるわけです。そうするとこれに対しては、低ニコの良質の外葉をどんどん輸入をするということが増大をしていく。したがって現在八一対一九という、この国内産葉、原料葉たばこの国内産業の自給率八一というのがどんどん下がって、これが六割になり五割になる、こういうようなことにならないとは——少なくともいまの傾向でずっといくとすれば、当然そうなるわけですね、総裁。この問題について基本的にどういう手を専売公社としては考えられるのか、この点を率直にひとつ表明してもらいたいと思うわけです。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 確かにわが国の黄色種が使いにくい癖があることは事実でございます。ことに第二黄色種においてその傾向があるわけです。第一黄色種のほうは香味料として非常に必要な分もございますけれども、第二黄色種におきましては、ニコチンも相当多く、癖があって使いにくいということで、まず第二黄色種のヒックスを、ニコチンの非常に少ないMCというのに転換しようという計画を立てまして、四十七年度におきましては約一万ヘクタールにつきましてMCに転換いたしております。できるだけ国産葉を使いよいようなものにする、こういう努力をまず私どもしよう、こういうふうに考えまして、十年来研究いたしました品種、しかも三年間産地におきまして試験いたしました品種、これを四十七年度から新たにそちらに転換していただく、こういうことにしているわけでございます。まず国産で使いにくいものは使いやすい品種に転換する。それからまた、現在使いにくい品種でも、耕作法の改善、加工技術の改善等によりまして、できるだけ国産葉を生かして使おう、こういう方向ではございます。  しかし、今後のたばこの需要の見通し、これはなかなか見当がつきにくいのでございますが、まあ伸び率は、従来この十年間よりも減ってまいるとは思いません。やはり私どもは毎年百億本あるいはそれに近い程度のものは、少なくともこの数年間は伸びていくのではなかろうか、こう考えますと、結局原料として、ニコチンの少ない外国の葉を買って、そうして間に合わせる必要がある、こういうわけでございます。私ども国内産葉の改善について決してなおざりにしているわけではなく、まず第一に、国内産葉を使いよいものにしよう、そうしてこれをできるだけ最近の嗜好であるところのニコチンの緩和なたばこの作製に使おう、こういうふうに努力いたしておるわけであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 お考えはわかったのですが、必ずしも、私どもはその考えに疑問を投げかけざるを得ないわけです。ヒックスをMCに転換していこう、こういうお考えが一つなんですが、何といってもやはりそういう転換をするに際しましても、MCをつくる——なるほどヒックスより低ニコであるということになるわけでありますが、これは新開発の品種でございますから、農民からまだまだ信頼されていないし、しかもいままですでにつくられておる黄色種よりはどうも収量が少なくて、いわゆる農家の所得が、耕作者の所得が減るという心配が非常に多い。そうすると、やはり年々高生産費になっていくし、しかも消費者物価もどんどん、年率六%も上がるというような状況の中で、生産費は一〇%近くも上がるというようなことで、すぐにこれの新品種に、公社の方針である低ニコの品種をつくろうということで飛びついても、逆に今度は収入が減る、所得が減るということになれば、これはやはり農民にそれを強制していくことはなかなかむずかしいというような事態もあるわけであります。したがって、この転換についても何らかの対策というものが立てられなければ、その収入が適正に確保されるというような、収納価格の面で配慮をされるなり、あるいはその所得減に対する補てんというようなものが考えられない限り、やはりすぐにMCへの転換というものが、大挙して移動する、その新品種にシフトするというようなこともこれはなかなかむずかしいことで、それらの問題について、やはりどうしても価格の問題、所得をどう耕作者に確保するかという問題に突き当たらざるを得ないと思うのです。その問題についてはどのようにお考えでしょうか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 先生のおっしゃいますように、私、先ほど申し上げましたように、これからいろいろ品種の転換もやりながら生産を確保していきたい、非常に大きなそういう柱を立てておりますので、抑せのような問題が起きてこようと思います。本年転換をいたしましたMCの問題につきましても、全国で約一万ヘクタールの転換を行なっているわけでございますが、これにつきましては、過去いろいろ生産上のそういうようなデータをとるための十分な試験をやりながら、これを産地に導入するのが適当かどうかということの検討をやってきたわけでございますけれども、何といいましても、耕作者の方々にとりましてはたいへん重要な品種の問題でございますので、不安が残る、こういう話もありまして、本年の価格をきめました昨年の十二月の審議会におきましては、MCの価格につきましては、従来の価格のきめ方に加えまして、思わぬ減収になった場合の補償の措置、平年作の九割以下の収納代金の場合は、平年と当年の収納代金の格差の半分を補償しますというような制度をかみ合わして価格決定をしております。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 これは例年、毎年そういうことをやっていくわけではございませんで、新しく、過去なれてない品種に大量に転換するという場合ということにしておりますけれども、そういうことはやっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 その問題等につきましても、やはり平年平均の所得の九割に満たないというものだけが対象ですね。少なくとも二年なり三年なりという期間くらいは、過去三年間なら三年間の平均収納代金に満たないというものは、その三年間の平均まで全額見てやるというような形をやはりこの面でもとるべきであろうと私は思うわけであります。そういう点の配慮がないというところにやはりどんどん国内産葉が減少する原因があるだろう。品種転換をはかるということは、健康と喫煙の問題からいっても、低ニコのものをつくりたいという気持ちは十二分にわかりますけれども、そういうものをつくれば逆に収入が減る、所得が減るということになれば、その分くらいはちゃんと従前のヒックス以上に収納代金が得られるようなところまでは、金額補償してやるというくらいの思い切った政策が必要であろう、そういうようなあたたかい配慮というものがなければ、新品種を開発してもそれに農民が飛びついてこない。絶対的に所得が減っていく、たばこ耕作による所得が減ずるということならば、これは新品種といえども農民にとってはあまり意味のあるものではないということになる。専売公社としては非常にこれは意味のあるものであっても農民にとっては意味のないものになる。そういうことにならざるを得ない。しかも、専売制度でおそらく五千百億のたばこ消費税、国庫納金をしておるわけでございますから、こういう国家財政、地方財政に大きく寄与するだけの益金をあげている専売公社なんですから、そういうものに対して、単なる財政益金をあげるのだ、生み出すのだというだけで、耕作者がそのために犠牲になっていいという話はないのであって、その面において幾分か減らしてでもこの耕作者にあたたかい配慮をしてやるということが非常に必要だと思うのであります。そういう点、どのようにお考えになるか、この点をお聞きをいたしておきたいと思うのです。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 これからのいろいろなこういうむずかしい時代、また耕作者の方々がたいへん不安に思っておられます時期に大きな品種転換をやる場合に、いろいろ公社のほうといたしましてもその不安を解消するようなそういう措置を講じなければならぬと思いますけれども、   〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕 品種の転換の問題ということに限っていろいろ考えてみますと、私たちは、少なくとも新しく入れます品種が収量が減になる、あるいはそれによって収得金が減るであろう、こういう判断が強い品種はとうてい導入するということに踏み切れませんので、そういうような収量の増並びに品種の向上とあわせまして、収得金の上がるという確率が非常に高い、こういう検証を十分やりながらこれからの導入を試みていきたい、こういうふうに思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 総裁は先ほどの答弁で、日本農業が壊滅することもないし、また特にたばこ耕作者がほとんどなくなってしまうというような事態にならないのだ、そういうような答弁をなさいました。そうして、そのためにこそわれわれはこういう手段も講じているのだということで、MCへの転換ということを特に強調されたわけです。言うならば、専売公社の目玉商品だといっていいわけですが、それに対してすら、これはいままでつくったことのない品種を——もう四十年も五十年近くもずっとつくりなれたものが、いまの時代にふさわしくないということで転換を迫られている。そして海のものとも山のものともわからぬような——専売公社としてはいままでの十年間の経験もあって、これはいいものだ、専売公社の立場としては低ニコでいいものだ、現在の本格ブレンドをつくる葉として香喫味、喫味もいいのだというようなそういうものを開発した。ところがしかし、収入が減ずるということになれば、これを農民に押しつけるということはたいへんなことだと思うのですよ。そういう大転換をするにはするだけの、しかも、これであるがゆえに耕作者がじり貧になってなくなってしまうことはないのだ、そういうものであればあるほど新しい品種の耕作に対する不安がある以上は、その不安を全く除去するような価格面でのめんどうを見るというか、あるいはまた補てんをするというか、そういうようなものが十全に一〇〇%やはり講ぜられなければならない。九〇%というような線を引かずに、期間は二年なり三年、そういうものに定着をして安心してつくれる段階を迎えるまでの間は、少なくともそのくらいのことをやって一向差しつかえないし、やるべきであろう、こういうように思うのですが、総裁いかがですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 昨年の暮れに、たばこ耕作審議会でいろいろ問題になったのですが、耕作者の方々が新しい品種に転換することについて、そのお気持ちはよくわかるわけです。この十年の試験、三年間の実地試験、こういった結果からいいますと、収量はいままでのヒックスよりも若干多い。価格にいたしましてももちろん多少多目である。ただ多少労務がかかるようであります。そういった点はございますけれども、全体としてMC転換によって、いままでのヒックスよりも損をなさることはないであろうということを審議会でもるる説明いたしました。これは耕作者の方々はもうすでに各地区でもっていろいろ実例があがっておりますので、やはり公社のような説明が受け入れられたのであろうと思います。  しかし、公社といたしましては、もちろんそれを野放しにすることはできないわけでありまして、最後の安心を願う措置として、かつて品種の大転換をやりましたときの例に準じて、先ほど佐々木が申しましたような措置を加えることにいたしたい。これが耕作審議会の答申、あのままの答申で現在実行することになったわけであります。私は、MCの転換によってそのために農民の方が御損になるということはない、こういうように考えております。その年その年の出来もございますから、はたしてどんな影響だということはわかりかねることもございましょう。しかし全体としての経験と私どもの実験では、決していままでのヒックスに対して劣るものではない、少なくとも収量において劣るものではない、こういうように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 だから私は言うのですよ。しかし、いま総裁の答弁がそうであるからむしろ私は言いたいのです。私が言ったような方針を思い切って出しなさい、総裁は事務官僚ではないのですから。いま総裁の説明によれば、MCは収量も思ったほど減少しないどころか、逆に多いということになる、価格の面でもヒックスよりも劣るものではないのだ、そうすれば減収になるというようなはずはないのだ。こういうものであるならば、もし減収だというならばそれには補償してあげましょう。平均より九〇%以下の場合だったらというような限定をつけずに、それよりもとにかく低かったら、いままでの平均反収よりも低かったら補償しますよということを言ったら安心してつくるのではないですか。しかも実際に補償するという実例はいま総裁がおっしゃったように出ないはずなんですよ。そう持ち出しにならないはずです。やはり転換政策をやるのだったならば、そういうことをむしろしっかり出して、九〇%以下の場合に平年作との間をとって若干の補てんをしましょうというようなみみっちい、けちくさいやり方でなくて、平均よりも下がるというようなことだったら、その下がった分は全額補償してあげましょう、さあ移ってくださいと、そのくらいの方針を出して、総裁がこういう高度な決断をすべきだと思うのです。  しかもいまおっしゃったことを引用するならば、そういう適用の実例というものはあまりないということにもなるわけです。しかもそういうことによって耕作者は非常な安心感をもって新品種への転換もできるだろう。その辺のところはやはり総裁の高度な政治判断、政治決断ということだから、妙な条件をつけて、ほんとうの少しばかりのところで、しかもそういう実例すら実際には出ないだろうというのだったら、思い切ってそういう大転換をやろうというものであるならば、もっと堂々と農民に、もう心配しなさんな、もしものことがあったら一〇〇%補償してあげますよというようなことにすれば、その転換もスムーズに実現するわけですよ。しかも公社側の持ち出しというものは全然ないか、あるいはあってもほんのわずかだということならば、そこまでやはり踏み切ってやるのが当然だろう、こういうことを私は言っているわけです。いかがですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 これは御意見として承っておくよりしようがないわけですが、こういったものにつきましては、従来の例というものが何といっても一つの基準になる、すべてこういったことのやり方について。これは前回大規模な転換をしたときにそういうやり方をやったわけです。それで決して耕作者に御損はかけないような品種に転換を願いましたけれども、そのときに、やはりいま言ったような条件でいたしたわけでございます。これはやはり前例となりますと相当尊重しなければならぬような形にすべてにおいてなるということもあるわけでございます。お話はよくわかりますけれども、そういうふうにすでに意を尽くしまして、そのようなことで公示いたしておりますので、何とぞひとつ御了承いただきたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 納得はできないのであって、総裁にぜひその点は再検討をしてもらいたい。そのくらいのことはやらなければいけない。初めが肝心なんですよ、こういう品種転換をやろうというときは。しかもMCをどんどんふやしていこうという。先ほども非常に強調された一連の論理的な帰結としてそういう方向をとるのは当然だ、こういうことだと思いますので、これはぜひひとつ再検討してもらいたいと思うのです。監理官、いかがですか、政務次官がいませんから……。

福間威大蔵大臣官房日本専売公社監理官

○福間政府委員 すでに先ほど総裁から御説明いたしましたように、昨年暮れの審議会で詳細に検討いたしました上で措置済みの事案でございますので、再三の御意見でございますが、私どもといたしましてもそういうことでひとつ御了承いただきたいと考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 とにかくそういうみみっちい、けちくさいことばかりやって専売益金ばかり確保しよう、財政専売だからしようがないのだ、これこそがまさに守るべき至上のとりでであるという頭で耕作農民不在の政策を展開していっては、総裁のきわめて楽観的な見通しにもかかわらず、必ずやがて日本のたばこ耕作者は滅びていくといわざるを得ないのであって、この問題はいま監理官も大蔵省を代表して言ったけれども、大蔵省も財政、財政、財政専売なんだからということで国庫納付金の多からんことだけを願って耕作者に犠牲と忍従ばかりしいたのでは、もうたばこ専売制度も崩壊せざるを得ないようなことになってくる、こういうふうに警告をしておきますから、私の警告が当たらないように、ぜひひとつあなた方も十分検討するように要請をしておきます。  そこで、たばこ生産者の収納価格の算定は、今日生産費方式がとられておるわけであります。生産費のとり方も、平均生産費がとられておると思うのですが、この平均生産費というのは、平均より以下のところは生産費すらカバーされないという事例が出るわけであります。しかもそういうところがどんどんやめていってしまうということになるわけですから、少なくともかつて米価算定においてとられたあのような方式、少なくとも八〇%バルクというくらいの頭で生産費のとり方も考え直さなければいかぬだろう、このように思うのですが、この平均生産費というものを八〇%バルクにもっていったらどうかということが一つ。  それから、いわゆる生産費及び所得補償方式の所得の補償でありますが、今日米価の場合には、中都市あるいは小都市の十人から三十人くらいのところの賃金というものが一応目安にされている。ところが専売公社の場合には、労賃分として見るのは、一番安く出る農村日雇い賃金を適用している。こういうところに非常に問題がある円したがって、米の場合には一人一日当たりの労賃は大体二千四百四十円になる。たばこの場合には千百三十四円にしかならない。こういうような結果が出るわけであります。したがって、どうしてもこの耕作者を維持していく——もちろん近代的な大規模化にスムーズに移行するならば、それなりに省力もできていくわけだけれども、いずれにしても、たばこ耕作者が都会の労働者と比較してもそう劣らないのだ、同じ人間が同じ時間働いて、片方は生産工場で働いているがゆえに倍近い賃金を取っている。片方はたばこ耕作に従事して同じ時間働いても半分程度の賃金だということになれば、たばこ耕作に従事するものはどんどん減少してしまうということにならざるを得ないと思う。そういう意味で、この生産費のとり方について八〇%バルクをやって、八〇%は少なくともそのワク内におさまるというような形にし、所得補償としてはせめていままでの米並みの、中都市の三十人規模くらいの労賃とほぼ見合うもの、こういうものをこの価格算定の基礎に入れて葉たばこ収納価格に対して生産費・所得補償方式を導入する機である。  なるほど昭和三十九年ですか、たばこ調査会というものを設けてその問題を専門に議論してもらいました。その際は、それをやることは財政専売からいって望ましくないという答申は確かに得たけれども、いまやたばこ専売事業というものを健全に維持していくためには、もうそんなことを考えておられる時期ではないではないか。先ほどから申し上げておるような耕作の状況を見ますならば、ここでもう思い切った価格算定方式について大転換をして、農民が喜んで耕作に従事する、専売公社の欲する品種を、専売公社が期待されるような耕作に喜んで従事できる、やはりそれだけの待遇というものは耕作者に与えなければならぬという発想の大転換を行なうという意味で、いまこそそれが行なわれるべきだ。三十九年当時の事情とはもうかなり状況は違っているのだ。こういうことを踏まえて、これについての御所見を伺いたいと思うのです。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 価格関係の問題でございますが、現在公社のほうでとっております葉たばこの収納価格の算定の方式と申しますのは、生産費を補償するということになっておりまして、たとえば四十七年の価格をきめます場合、事前公示の方式をとりますので、四十六年の秋には四十七年の価格を決定するということになります。そうしますと、その時点で生産費が出ておりますのが、四十六年にはまだ生産調査が終わっておりませんので、その前の三年間の生産費をとりまして、それを基礎にしまして、その生産費を価格適用年の諸物価の動きというものにスライドして計算いたしまして、価格適用年の四十七年の諸物価、労賃がかくあるであろうという、そういう生産費を補償できるというかっこうの生産費の補償の方式になっております。  広瀬先生のほうから八〇%バルクの問題が出てまいりましたけれども、現在公社のほうでは平均生産費をとっておりますので、耕作者全体の平均のところの生産費を補償する、こういうかっこうになっておりまして、これにつきましてはいろいろな考え方があるようでありまして、先生のおっしゃるような方法も一つでございましょうが、また一方公社のほうは、これからいろいろと産地安定のために思い切った生産性向上の施策を講じなければならないということを考えておりまして、その場合に、こういうところをどう見るべきかという問題点は残っておりますから、若干先生の御意見と逆な方向のことを考えるべきではないかというような議論も議論としてはございます。たいへんこの辺は問題がありますので、私がここで、公社としていま先生のおっしゃいますようなそういう方式に変更したい、こういうような返事はとてもなし得ないという状況でございます。  それから、現在のこの算定方式の中で、賃金の見方、これがたいへん問題になっておりまして、従来の審議会でも、そのあたりが問題にいろいろ出ております。ただ基本的に都市労賃といいますか、米価で使っておられますような、そういう労賃を使うかどうかという問題につきましては、先ほど先生が御紹介になりましたように、その問題がたいへん問題になった時点で、臨時葉たばこ調査会でいろいろ審議していただきまして、たばこの持つ性格と申しますか、たいへん国際流通性の強い商品であるというような問題、それから米と違って、米は農家全体がつくる作物なんですけれども、たばこは特定な耕作者がつくるものである、そういう作物の特定な性格的な政策価格と申しますか、価格の特別な措置を講ずるということは適当でないであろうということで、現在のような農業日雇い賃金というようなものをとって算定いたしております。ただ現在、農家の状況を見ますと、これは確かに農業と、それからいろいろ近くの工場に働くというような、そういういろいろな農村地帯が農業だけに従事するというかっこうではないという情勢がございますので、現在公社のほうでも、農村の労働賃金の実態というのはどういうかっこうになっておって、こういう価格算定の場合に、従来のような日雇い賃金だけでいいのかどうかというあたりは調査しながら検討を進めるようにしてまいっております。まだ結論は出ておりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 総裁、この昭和四十七年度の一日当たりの労賃というのは、一人当たり一千百三十四円にしか当たらない。今日の高物価の世の中で、しかも生活水準も年々上がっていく中で千百三十四円の所得、労賃、こういうものだけをかせいでおって、どうして耕作者が喜んでたばこを耕作できるだろうか。そのことに総裁は、思いをはせたことがございますか。端的にお伺いいたしますが、いかがでございますか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 まあいろいろ御議論もあろうかとは思いますが、私は落ちついたところでは、現在のわが国の葉たばこの生産というのは、決して割りの悪い耕作ではない、こういうふうに考えております。比較的安定しておる。まあ、あるいは果樹その他につきましては、一時いいこともございましょう、野菜については一時はいいこともございましょうが、翌年はがたんと来るようなこともある。それに比べて、たばこの耕作は、私は、とにかく安定したものではなかろうか、こんな感じがいたしております。所得面におきましても、決して他の作物に比べまして不利なものであるという感じはいたさないわけであります。まあこれは粗収入でありますからあれですが、昨年の作物で四町何反か耕作なさっておる方で、粗収入が八百万円あがっております。粗収入八百万円としたならば、前年あたりまでは、たしか最高が——前年に比べて値の動きがあるわけでございますが、とにかく耕作規模を拡大していけば、私は、この耕作というものは、ほかに比べて不利なものではない。それから現状においても、私は、不利なものではない、こんなふうに感じております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この規模を拡大していけばということでございますが、それじゃ規模を無制限に拡大できるかということになると、なるほどいま総裁のことばでは、四町歩というような専業、これはおそらくたばこ専業農家だろうと思いますが、私もかつて四、五年前に鳥取の砂丘地帯で二町三反歩ですか、これを専業として、ほかに野菜一つつくらない、たばこだけ、米も一粒もつくらない、そういう農家を実際に見てきました。なるほどそういうところでは当時で、大体粗収入で二百八十万ぐらいある。生産費を引いても約二百万近く残るということになりまして、それを夫婦と老人が一人、おじいちゃん、おばあちゃんのうち一人ぐらいは、どっちかが手伝ってくれるというようなことで、三人でやっておる。所得が二百万近いわけですから、これを分けてみましても、もう四、五年前ということになりますと、まあ本省の課長ほどぐらいな所得というわけにはいかぬけれども、地方の国の出先の課長ぐらいな所得にはなるということで、このようなスタイルになることはいいことだということで感じてきたわけですけれども、しかしそういう状況になり得る農家というものがはたしてどれだけあるかということで、これは非常に疑問だらけなわけであります。それをどう整備するか、そういう方向にどう誘導していくのか、条件をどうつくっていくのかということについて、専売公社は一体どれだけ金を出し、どういう条件整備をやっているか。この点をひとり教えてください。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 これからのたいへん大きな問題だということで、いろいろその辺の検討を行ないつつあるという状況でございます。まあ専売公社自身でということになりますと、現在試行段階ということであろうと思います。大型実験農場の問題、それから本年度の予算の広域パイロットの試行ということで、一つのこれからの産地のあり方というものについて、実態的にその実績を得てみようということをやっておりますのと、それから少なくともこの問題は長々と検討の時間を費やす問題ではございませんので、できるだけ具体的なプランをつくりまして予算化の方向で考えていかなければならない、こういうことで具体的にどういう方法、たとえば大型実験農場と申しますのは先生も御存じのように、相当よりすぐった個々の耕作一ヘクタールくらいの専業的な農家の集団というものを指向しております。四十七年度に考えております広域パイロットの場合にはそういう行き方を若干変更しまして、兼業農家も含めた団地づくりというもので、どういうかっこうで共同化、生産性向上というものが指向できるかということでやっております。過去行ないました大型実験農場につきましては、二年間にわたりまして予算で約四億円使いましたし、それから広域パイロットにつきまして四十七年度予算で一億五千万円の施設をつくる予定でございます。ただ、これは試験的な段階でございますので、実際の産地に適用するということになりますればたいへん大きな金額ということになろうかと思います。その辺につきましては、これからの作業を通じまして効果がある方法にしていかなければならぬ、こういうふうに考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 もう一つ数字をお聞きいたしますが、二町歩以上たばこ専業でやっている農家というのは何軒できましたか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 ちょっと二町歩という数字は持っておりませんが、最近耕作規模の大きな耕作者の方がたいへん増加してきているということと、一ヘクタール以上の耕作者の方々が年々三割ずつくらいふえてきておる、こういう状況にはございます。ちょっと数字は覚えておりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 全国でもおそらく二町歩以上ということにならなければ専業農家としては私は成り立たないだろうと思うのです。一町歩以上は三割くらいはふえているということですが、最近反収十五、六万なりあるいは二十万近く得るということになれば、一町歩でも二百万くらいになるということにもなるわけですが、しかし、なかなかそういうように圃場の条件なりあるいは人手の関係というようなことで、このたばこ耕作というのは機械力を導入をするのに非常に限度のある耕種だと思うのですね。というのは、稲の場合には最近では田植えまで機械が開発されている。これは農林省も必死になって相当な金もつぎ込んで技術開発をやったと思いますが、専売公社はそういうあれがあまりありません。そういうところに専売公社が益金の中から金をつぎ込んでいくというような点が非常に乏しいわけです。そういうようなこともあり、またあのようにやわらかい大きな葉が、しかもその葉そのものが必要な、つくる目的というのがその葉をとることなんだ、それを機械を導入して作業をやって、その葉を破かないで、損傷しないでやるというようなことはなかなかむずかしい技術的な問題があると私は思うのです。したがって、その機械化、省力化ということが非常に限界の浅い作物だと思うわけです。  そういうようなことを考えてみますと、さらに農地の交換分合なんかをやって、一つの圃場でなるべく省力栽培にふさわしいような、やりやすい圃場にするというようなことなんかについてもかなり問題がまだ残っている。これは全体的な農政全般、土地基盤整備とも関係するわけですけれども、そういう状況にはなかなかなり得ない要素がたくさんあるということで、そういう今日ではまだ特殊なたばこの専業農家、そして二町歩以上あるいは四町歩というようなのもあるんだ、そういうところでは四町歩で八百万もとったという特殊な異例のケース、これをプリベール、普及するなんということはすぐ近くに可能なんだという技術開発というものが行なわれない現在で、総裁がその特殊な、ほんとうにレアケースですよ、ほんとうに全国で数えて一つか二つのレアケースを引いて説明されることは必ずしも私は適切ではないと思う。全般的にやはり平均的な耕作面積、それから最近では幾らかふえてきているけれどもまだ平均して四十アールになっていないだろうと思うのです。そういうような人たちがたばこ耕作に命をかけて努力をする、そして報いられ一人前、人さま並みの生活ができるというようなことについては、もっともっと考えていかなければならないと思うわけです。そういう点ではどういう措置をやっているか。いま検討中というのだけれども、そういう点について公社がもっと真剣に技術開発をして、そういう省力栽培が技術的に可能なような状況というものを、もっともっと研究開発のために費用を支出すべきだと思うのですが、そういう点は非常に立ちおくれているというように思いますが、いかがでございますか。将来に向かって自信がありますか。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 規模の大きな耕作者の方があることは事実でございますが、先生のおっしゃいますように、確かに現在の情勢の中でそういう耕作者を育てることを主軸にいくということにはたいへんむずかしさがあろうかと思います。したがいまして、先ほど言いましたように、全体としての規模拡大ということをねらいながら、それまでの過程でどういう道を歩んでいくかということもあろうと思います。現在在来種、黄色種、バーレー種平均いたしまして平均面積は四十アールくらいになっておると思います。在来種、バーレー種は約三十アールくらい、黄色種は五十六アールくらいの全国平均になっております。そういう状況でございまして、できることならばさらにこれを一戸当たりの耕作面積を増加したいと思いますけれども、土地の状況その他もございますので、なかなか計画どおりに公社がどうこうということで進めることもできない面も多いと思います。  したがいまして、先ほど申し上げましたように、専業農家ということだけではなくて、兼業農家が葉たばこの一つの団地として育ち、またそれによってたばこの収益というものを増大し得るかということを考えていかなければならないと思います。現在全国で、作業の中でも苗床の共同化ということで、共同でつくっていくということが相当行なわれております。作業の中ではたばこの場合、乾燥調理、この辺に非常に手間がかかるということでございますので、この辺の共同化の問題も考えていかなければならないと思います。それから全体に省力栽培、生産性向上、そういう面で期待しようといたしますと、どうしても設備投資の関係で多大の金額を必要とするということがありますので、投資効率を上げるように共同化というようなことをあわせて考えなければならぬと思います。そういういろいろな問題を、一方で過去の大型実験農場の成果を見ながら、また一般の農業の状況などからみ合わせまして、現在鋭意その辺の作業をしておるところでございまして、ここでこういうかっこうでということを申し上げられないのは残念でありますけれども、早急にその辺を詰めたい、そして所要の措置を講じていきたい、こういうかまえでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いま佐々木副本部長が答弁されたように、なるほど苗床の段階あるいは収穫をして選別、調理というような段階ではある程度機械力の導入というようなことも可能であるということで、そういう面での省力ということはある程度進むでしょう。しかし、立ち毛である中でのうね上げの作業であるとかあるいは病虫害駆除のための薬剤散布であるとかいうようなことについて、そうやたらに機械が立ち毛の中に入って省力できない面が非常に多いというようなことから考えて、しかもあのちょうど土用のさなかにたいへんな、健康上も非常に害を及ぼすような環境の中で働かなければならないというような面を考えれば、農村日雇い賃金でこれらの労働を評価するというようなことは、まことに今日的感覚として、もうずれ過ぎていると見ざるを得ないわけであります。土用のさなかに、入っただけであの異様なにおいとそれからむんむんする——この間インドが五十度というようなたいへんな熱で死者まで出たということですが、からだの弱い人なんかあの中に入ったらもう一時間も作業できないですよ。そういう状況の中でやっているのです。わき芽をつんだりあるいは芯どめをしたりするという作業なんかはたいへんなつらさなんですね。そういうものを農村日雇い賃金で評価するというこの考えはまことに私はどうかしていると思うのです。そしてまた選別作業はだれが来たってできるんだというけれども、この最後の収納場へ持っていって鑑定をしてもらう、そのためにやはり同じようなものは同じようにそろえるとか、色とか本葉、中葉の区別で、今度は本葉、中葉もわからないような日雇い賃金というような評価をされているのならば、もう安く来てくれればだれでもいい、それでその作業ができるのだというものではない。これは耕作者としてはもうほんとうに最後の仕上げをやる仕事であって、そしてそれには非常に技術的な目というものを必要とする。鑑定力というものをやはりある程度持って、自分のつくった労作の葉を鑑定に便利なようにえり分けるというような作業なんかは、これを日雇い賃金で評価するなんというのはもう話にならない感覚だと思うわけであります。  それらの問題を話をしたらもう切りがないわけですけれども、特にこの面は十二分に考えていただかなければならない、こういうように思うわけです。これはひとつ政務次官、あなたのところは福岡ですからあまりたばこに縁がないかもしれぬが、私のこの話を聞いておられれば問題の所在は十分つかんでいただいたと思うのですが、この点について前向きの検討を——大蔵省も財政益金だけあげればいいんだ、あとはできるだけ農民を押えて、安い価格で買い上げて益金をふやすんだ、こういうことだけでなしに、耕作者あっての専売益金もあがってくるんだから、その耕作者をやはり大事にしていくという政策が、いまこそ発想の転換の中で考え直されていかなければならぬと思うのですが、いかがでございますか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 多少余談になりますが、実は私の選挙区にも私が耕作者を誘致いたしましてやっておりますし、耕作者の苦労は広瀬委員の御指摘のとおりだと思いますので、そういう点も十分勘案してこれから対処していきたいというふうに考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういうことでひとつ、あなたもたばこ耕作には関心を持っておられるようですから、私が申し上げたようなことを十分これから——ことしの暮れになればまた四十八年度のたばこ耕作審議会も開かれて、収納価格の諮問もあるわけです。これは監理官も同時に聞いておいてもらいたいのだけれども、そういう中にここでの議論が実のある議論として反映されていくようにぜひお願いしたいし、また総裁も今後のたばこ専売事業というものを健全に発展をし維持していくという立場に立って、こうこの辺で日雇い労賃を横すべりで適用していくというような考え方からは一歩進めるように強く求めておきたいと思うわけであります。  そこで、最近たばこは国際商品である。葉たばこもそうであるし、また製造たばこもそうであるというような発想の中から、いわゆるクロスライセンスの問題が出ておるわけでありますが、このクロスライセンスのいまの状況というのはどういうことになって、いつからこれを実施に移していくおつもりなのか、その辺のところをまず明らかにしていただきたい。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 このクロスライセンスの問題は、四、五年前から始まった問題でございます。いろいろ会社からアプローチがありまして、話をしているうちに脱落していくものも出てくる。ほんとうに真剣になってクロスライセンス、すなわち専売公社は向こうのたばこを、また向こうの会社は専売公社のたばこをつくろうと真剣に考えてくれるものを選んだわけです。そうしてある程度昨年の八月ぐらいまでの間に、やる場合には大体こんなことにしようじゃないかという意見はほぼまとまりかかっております。しかしこれは何ぶんにもわが国においては異例なことでございまして、なかなか理解しにくいことで、人によりましては専売公社はそういうことができるのかというようなことを言う方もございます。ことに農民の方々はそれによって外葉の需要がふえるのではないかという心配もあるわけでございます。こういう方面については十分なる納得、了解をもらって、そうしてその上でもって実行したい、そういうふうに考えておるわけでございます。目下せっかく努力中でございます。しかし、これはぜひやる必要がある、こういうふうに私は考えております。  これは専売局であります他のフランス、オーストリアこういった国、イタリアこれもライセンス契約を相当やっております。これはクロス契約ではございません。一方的な導入契約、オーストリア、フランスあたりは十個以上の銘柄、オーストリアは十個以下でございますが、十幾つかの銘柄をライセンス導入しております。むしろ彼らは専売制度による自分たちの利益を守るためにライセンス導入を始めたというのが大体の感じでございます。われわれも狭い日本だけでいままで事業をしてきましたが、それではいけない。国産葉も使いいいような技術も十分やるべきである。これには最近の動向である低ニコチン、低タールのうま味のあるたばこの生産に必要な技術にわが公社としてはある程度欠けるところがある、こういった認識のもとに技術を導入いたしまして、そして国産葉においてもこれをだんだん多くしていく。それによってお互いに交換をやることによって、そしてこちらの葉たばこ輸出の機会も出てくる。それから製品も専売公社の工場において、専売公社の手によって、そうして国産葉が相当使われていくということができれば、そのほうがよかろう、こういうふうに考えておりまして、ぜひこれは実行いたしたい、こういうふうに考えております。ただいま目下了解を取りつけるように努力しているということでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いまのところアメリカのフィリップモリス、オーストリアのオールドスプレンダー、西ドイツのレムツア、この三社とだけですか、いまのところ話が進んでいるのは。さらにこれをそれ以外の、たとえばイギリスともというような形でもっとふやしていく考えなのか、このことが一つ。  それから、具体的にこういうクロスライセンスでたばこの交流をする。原料の交流あるいは製造たばこの交流というようなことが行なわれるわけですけれども、そういうことになった場合に、耕作者のためにもよかれと思ってやっているといういまの御答弁でございましたけれども、具体的に国内産葉の自給の問題で、国内の耕作者たちが大きな圧迫を受ける、あるいは耕作者の国内産葉にもう期待しない方向にいくのではないかというような不安、おそれというものも抱いているわけなんですが、そういう点で具体的に耕作者の立場に立った場合にほんとうにどういうメリットが考えられるのか、この点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 なお、最初に申し上げますが、いまの三社のほかにもう一つ、昨年あたり話がございましたBAT、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・カンパニー、これがベルギーにも工場を持っております。ベルギーの工場でもって専売公社とお互いにクロスしたいという話もございます。現在のところ四つでございます。  それから、クロスライセンスの耕作者に対するメリット、こういうことがまず考えられます。現在製造たばこの入手は専売公社が一手に、きわめてきびしい制限で輸入しております。これは非関税障壁の一つであるということでガット等でも問題になっておるわけであります。今後の動向を考えますと、いままでのようなきびしい輸入たばこの制限ということはいけない、だんだんゆるめていかなければならないというような情勢でございます。輸入の場合に製品そのものを入れたらどうかということになりますと、外国の資源、すなわち資本、労務それから設備、物資、これによってつくられたものがなまのまま日本に入ってくるわけです。それがライセンス契約の場合には、銘柄の名前は外国の会社の名前ではございます。たとえばフィリップモリスとの契約におけるごとく、最高限五〇%まで国産葉を使うようにやっていこう、こういう約束になっております。そういうことになりますと、なまのまま外国のものが入ってくるよりは、日本の国産葉をできるだけ使えるようなライセンスによってやったほうがメリットがある、これは事実だと思うのです。しかも専売公社の工場によって、専売公社の職員によって、わが国の資源を使ってやるわけでありますから、なまのままの輸入よりはこのほうが専売公社にとっていい、こういうふうに考えるわけであります。耕作者にとってもよろしかろう、こう考えるのであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 日本人の嗜好というものは、新しものがり屋のところがかなりあるのです。それでまだまだ舶来品をありがたがるような性向というか、そういうものもある。そういうような形でどんどん外国のたばこが入ってくる。嗜好がどんどんそこへ向いてしまうというようなことになっていくと、日本の原料葉が使われなくなってくるということを通じて耕作者に非常に打撃を与えてくる。国産葉を必要としないことになる可能性というものも耕作者は非常に不安を持っていると思うのですが、そういうことになるはずはないというのはどういうところにあるのか。相手国の葉の使用は五〇%だといわれております。そして日本葉は五%混合だというようなことでは、これはまたたいへんな問題だと思うのですが、そういうことになるのですか。その辺のところはどうなっているのですか。

北島武雄日本専売公社総裁

○北島説明員 ちょっと正確に申し上げますと、専売公社で外国の銘柄をつくる場合、ただいまのフィリップモリスとの話では、初めはもちろんマールボロならマールボロという銘柄の名声を維持するために、最初は向こうから持ってまいります。そのうちにだんだん国産葉にかえていく、そして二年あたり後には国産葉を五〇%まで使うようにする、こういうことになっております。それと同時に、それによって国産葉に対する加工技術、今後の新しい嗜好に適する技術、こういったものを導入できるという点がまずメリットであります。これは耕作者にとっても、かりになまのまま入ってくることを考えたら、ライセンス契約の場合には国産葉を使うということでメリットがあります。  それから先ほど五%とおっしゃいましたが、外国につくらせる場合に最低五%は国産葉を使う、必ず使います、こういう意味でございます。五%にとどまるという意味ではございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 いずれにいたしましても、日本の専売公社もいよいよ国際舞台の中に全く同じ条件で乗り出していく。そのかわりに向こうからも受け入れるという、そういう点ではクロスの契約ですから相互主義になっておると思いますけれども、しかし日本のたばこがはたして外国でどんどん売れるだろうかという面も心配があるし、外国のたばこが日本ではものすごく売れるというようなことにもなりかねないわけでありますから、専売公社自身においても日本のたばこは、たとえばセブンスターというものは国際的にどこへ出してもフィリップモリスや何かの製品と太刀打ちしてちっとも劣らないというような満々たる自信がなければならないと思うのです。そういう点でこれからの努力というものも必要であろうし、それから国産葉をクロスライセンスの相手国にどう使わせるかというようなことについてもなかなかむずかしい問題があるだろうと思いますから、関係方面、対境関係というか、そういう了解をもらうように、総裁が言うようにけっこうずくめのことならわれわれもあえて反対はしませんけれども、理解をし、不十分なところがあるならば、やはり対境関係の利害を調整する、あるいは意見を十分取り入れるという柔軟な態度で慎重に対処してもらうように要望をいたしておきたいと思うわけであります。  耕作関係はそのくらいにしまして、次に耕作組合法の関係で今回改正をされるわけでありますが、いままでもたばこ耕作組合が自主的な耕作者の立場に立つというよりは、専売公社の下請的な感じというのが非常にクローズアップされて、耕作者の立場で耕作者の味方をして公社にも文句を言うべしという姿勢がきわめて薄い。そしてある意味においては非民主的な運営も行なわれやすいというようなこともいわれてきて、民主化運動なども各地に起こっておるわけですが、これはたばこ耕作状況の変化によっていままで地区組合が支所単位にずっとたくさん設けられておったのですが、耕作人員の激減に伴って組合を維持できないというような耕作面におけるバックグラウンドがあってこういうものが出てきたと思うわけです。そうなりますと、いろいろな面で耕作者の意思の反映ということが、いままでも非民主的な運営というようなある程度の非難が常に絶えなかったものが、今度は代議員制というようなことがとられるとか、今回の改正を通じて耕作者の意思の反映というようなものがより一そう確保されない、いわゆる民主的な耕作組合という形が一歩後退する感じをぬぐえない、そういうおそれを私どもは持つわけです。今度の改正において耕作組合の民主的な運営をいかにして確保していくかということは、そういう点でどういう特段の指導をしていくかという裏づけがないと、これはかなり危険な面も出てくるのではないか、こういうように思うのですが、それらについてどういう考えをお持ちであるか、この点を伺っておきたいと思います。

佐々木幸雄日本専売公社生産本部副本部長

○佐々木説明員 今度の組合法の改正の要点は四つございますが、いずれも現在の組合の運営上支障を来たしておるというようなかっこうのところを修正して、耕作組合の運営をより能率的にやっていきたい、こういう趣旨で、耕作団体のほうから要望のあったものを政府提案として御審議いただいておるわけでございますが、その民主化の問題、四項目の中で第一点の区域の問題は、これは耕作者の数が非常に少ないところで、現在のような制度でございますと組合員がたいへん少なくて組合の運営そのものが正常な運営ができないというのを、区域を広げて適正な組合にして、これは地区の組合におきましても、連合会におきましても、そういうなところで運営をいたしたい、こういうことでございます。  それから、第二点の選挙権、議決権の問題は、現在の一人一票制、これは中央会並びに連合会の場合のことでございますが、一人一票制の上に、さらに大きいところにつきましては二票以上持ち得るという幅を持たせるわけでございますけれども、これにつきましても、これはもちろん政令で議決権、選挙権の数についての制限を設けたい、こういうことを思っております。  それから、それぞれの組合で実際に実行に移します場合には、それぞれの総会で定款できめる、こういうことになりますので、これは法律できまりましたらそれで全部すぐやるということではなくて、そういう運営でいいかどうかということは組合員の方の意思を通じましてきわめていく、こういうしかけになりますので、そういう点は心配なかろうと思います。また公社のほうといたしましても、その辺現在の情勢が急激に変わらないように指導していきたい、こう思っております。  それから、代理権の問題でございますが、これは現在総会を開きます場合に、出かせぎとかあるいはつとめ人が多いということで定数に足りない、総会が持ちにくいというような実情がございますので、このワクをふやしまして、現在の四人まで代理できるというのを九人まで代理できるということにしていただきたいということでございます。これはもちろん基本的には組合員個々の方が総会に出られることが原則でございますが、そういうことができない事情があります場合に、そのワクを広げるということでございますので、やはり事情が許しますれば総会に個々の方ができるだけ出席していただくということは当然だと思います。  それから、代議員会の設立要件につきましては、現在のところ五百人以上の組合員について代議員会が設立できるということになっておりますのを、三百人ということに提案いたしておりますのも、先ほどのお話のように組合員の数が制定当時より半減いたしております関係で、そのワクを狭めまして、運営しやすいようにしていただくわけでございます。これにつきましても、代議員の数その他につきましては最低の代議員数を規制するだけでございまして、その組合で代議員の数はどれくらいが適当かというようなことにつきましては、それぞれ組合の定款で定めることになりますので、その際総会でよく審議していただいて、不公正がないようにしていく必要がある、こういうぐあいに考えております。  そういうことでございまして、全体といたしまして民主化の方向に逆行するような運営にならないようにわれわれのほうとしてもよくその実情を把握していきたい、こういうように考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 詳しい説明があったわけですけれども、私が当初申し上げましたように、何といっても耕作組合は耕作者あっての組合なんですから、耕作者がだんだん減って、まばらになってしまったということで、組合を維持するのに非常に困難な状況が次々に各地に出てきておるという状況を踏まえて今回の改正になった事情は私どもわかりますが、やはりこの種の組合というのは、耕作者一人一人の意思が確実に組合の運営にも反映をしていくという基本原則は貫かれていかなければならない。あまりにも便宜主義的に運営されるということでは、だんだん組合と組合員の利害というものが離れていってしまって、意思が反映されないということになったのではいけないのであって、実情に合わせるということも必要であるけれども、その基本原則を忘れないように、常に民主的な運営が確保されるための最大限の指導を公社においても責任をもっていろいろな手を考えながら、対策を考えながら、その点が一番心配になるわけでありますから、十分そういうことのないように気をつけて運営に当たっていただきたい、このことを最後に要望しまして、大臣もお見えになりましたので私の質問を終わります。      ————◇—————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 この際、国の会計、関税、金融及び外国為替に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 午前中少し海外経済緊急対策の問題について触れたわけであります。けさほど大蔵大臣は、この緊急措置法案について一本の法律として出すというお話もありましたが、大蔵省はいまの対外経済関係調整特別措置法案についての要綱はすでに準備をしておるのでしょうか、どうでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 いわゆる七項目と申しますか、八項目に基づきまする立法を要する事項につきましては、ただいま最終段階で法案を詰めておる段階でございます。したがいまして、まだ現在の段階では要綱という形でまとまってはおりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと、これは輸銀があるから銀行局、それから財投があるから理財局、利子補給があるから主計局を入れてください。  大蔵大臣、商工委員会ではすでにこれについての要綱案を入手しておるのです。ずいぶん大蔵委員会と商工委員会と——私は朝からこの問題をちょっと問題にしておるわけですが、一体この取り扱いはどこが主体なんですか。これは商工委員会が主体の法案なんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま御指摘の問題に関しましては、けさほども大臣が御答弁申し上げましたように、どちらの委員会で御審議いただきますか、これは国会において御相談いただくべき問題であるというふうにわれわれとしては存じております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、取り扱いのことはいいのですが、すでにわがほうの商工委員会はこの要綱をちゃんと持っているわけだ。大蔵委員会はだれも野党の側はこの要綱一つ手に入っておらぬ。商工委員会のほうは配慮をしておって、大蔵省はこれらの問題についてはまあまあそっちでかってにやっておれという話のように感じられてならない。いま私はここにちゃんと持っておる。「対外経済関係調整特別措置法案要綱 一、目的 この法律は、当分の間、輸入及び海外投資等に関する金融の拡充、海外経済協力の充実、資本輸出の円滑化並びに健全な輸出貿易の確保のために必要な措置を講ずることにより、わが国の対外経済関係の調整を図ることを目的とすること。」ちゃんとこんなものができておるにもかかわらず、商工委員会にはこれは入っておるけれども大蔵委員会のわれわれは全然無視されておるという態度そのものの中にも、けさから私はだいぶこの問題についてひっかかっておるけれども、まさにこの発想は、言うならば田中角榮構想ですよ。大体が田中角榮構想でそれに引っぱられて振り回されておるというのが現在の状況じゃないんですかね。だから、大体その発想そのものも気に入らないけれども、その発想に振り回されて、そして主体性を失っているような大蔵省の態度そのものも私は断然気に入らぬ。大蔵大臣、あなた振り回されたほうの側だと思うのですが、一体どうですか。大蔵大臣として少し権威のある答弁をしてもらいたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいまの要綱の問題につきましては、お手元にお持ちのものはおそらく途中の段階の要綱でございまして、私が先ほど申しましたのは、いわゆる法律案の要綱といたしまして、法律案が固まりますと同時にそれに対して要綱というのができるわけでございますが、その法律案はいま最終的に詰めております段階でございますので、そういう意味の要綱というものはまだできておらないということを申し上げたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 要綱と書いてあるんだから、間違いなくこれはおそらく通産省が出したものに相違ない、商工委員会の者が入手しておる以上。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうじゃないでしょう。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 じゃ一体どこでしょう。私、読みますから聞いてください。二は「日本輸出入銀行法の特例 (1)業務範囲の拡充 (イ)輸入金融 重要物資の輸入のために必要な資金については、輸入前払金以外の所要資金も貸付対象とする等輸入金融の拡大を図ること。」ここにちゃんとこうある。藤井理事は持っているじゃないですか。あなた、ないと言うけれども、ないはずはない。ちゃんと藤井理事も持っているんだから……。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 速記をつけて。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、実はこの案件はけさの日本経済新聞にも、朝日新聞にも中身がかなり詳細に報道されておるわけですね。それを加えて、ちょっとお伺いをいたしますけれども、これは新聞の記事のほうが詳しく書いてあるからそれを含みにするんですが、まず財投から十五億ドル未満の四千五百億円を備蓄公団その他のところへ貸し出して、日本の通貨をもって外為会計からこれらのところがドルを買うということになる。そうして、その場合にアメリカのTB並みの三・七五%、それからいまの六・五%から三・七五%の間の部分については予備費から利子補給をする。いまの要綱を見れば、それはいずれもそこに載っておるわけですが、そういうことを行なうというふうに新聞がすでに報道しておるわけですね。概略大体そういうことでしょうか、大蔵大臣、どうなんでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 まず、外貨活用の方式について道を開くということを中心にいままで検討しておりましたが、御承知のように、最初輸銀に預託するという、預託方式をとるならせいぜい輸銀までというふうなことできましたが、それではこの資源開発とかあるいはもう一方の資材の輸入促進ということについては必ずしも輸銀ということに限定をしなくてもいいといういろいろな意見も出てまいりました。そうなりますと、この預託という方式ではなくて、もう円の準備によって外貨を売るという形のことなら、これで外貨が結局それだけ使われるということになりますので、そういう方式というようなものに考えが切りかわってきまして、その間において、方式の問題でいろいろ検討してここまできたのでございますから、それによってどれだけの外貨が活用されるかというような問題は、まだ現在のところそこまで検討しておりません。  たとえば十億ドルにしても十五億ドルにしても、これだけ非常に苦心して外貨の活用策を考えたのでございますから、これがわずか一億ドル、二億ドルというようなものであったら、これは外貨の利用策、活用策と銘打つのに少し構想が小さ過ぎることになりますので、やはり少なくとも十億ドル前後の外貨がこれによって活用されるのでなければというようなことは出ておりますので、したがって、十億ドルとか十五億ドルというような幅にあるいはなるかもしれませんが、まだこの問題も詰めてはございません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私どもがいま問題にしたいのは、いまの新聞が伝えておるところによれば、石油開発公団、金属鉱物探鉱促進事業団と輸銀と、三つにそういうことで貸すということになっているのですが、まずその貸し方の先に、そっちに金があるので、それが外貨を外為から買い取るというなら話がわかりますよ。その金がないのに、まず財投で金を貸してやって、借りた金で外貨を買う、こうやってそれで運用するんだ、おまけにその間の、おそらくあなたのほうでは、いまの利用させる以上はできるようにしたいということで安い金利にするとなれば、いまのアメリカのTB並みの三・七五%ぐらいにしてやろう。それはいまどき三・七五%で金を貸してくれるなんといったら——この前私、沖繩開発金融公庫の問題でずいぶんすったもんだいろいろやらしてもらったけれども、そのごくわずかな沖繩の住民のための問題でも大蔵省がなかなかむずかしかったのが協力していただくことに結果としてなったですけれども、この金額がたいへんな金額ですよね。いま新聞が伝えるところによれば、十五億ドルというなら四千五百億円、もし十億ドルというなら三千億円ですね。その三千億円を三・七五%などというような低金利で貸す。そしておまけに貸すについては、今度は国民の税金で持ってきた資金から利子補給をする。これはいま外貨をそんなことで使わなくても、結局それはいまの正常な経済運営の中で処理すべきことであって、それによって利得をするのは、結局いまのこれに関係するところの企業が利得をする。そうしてそれが税金からも金を持っていく、財投の金も持っていく。財投の金ももちろん国民の金ですからね。  だから、いまのこの外貨貸しの考え方というのは、それはそこに資金がすでにあるもので、外貨を外為から売ってください、それを長期に運用させてくれという話ならまだしも、ちょっとこれはわれわれとしてはもう至れり尽くせり、だっこでおんぶで、それこそ何と言うか言いようがないような企業に対してのサービスを行なうということになるのです。これは幾ら外貨対策の名前があっても、けさ、前段で金利の引き下げによって国民はがちんと一発食わされて、今度は後段のほうで国民の貴重な財投資金を三千億とか四千五百億とか持っていって、おまけに税金で取ったものの中で百億以上のものを出そう。いまわれわれは健康保険法の問題でたいへん——いままだ問題が継続中でありますけれども、これと健康保険の問題を比べてみると、全くこのやり方というものは適切を欠いている。こういうことはもう少し国民が納得をするようなやり方で処理をしてもらわなければ、この問題についてわれわれはそう簡単にオーケーを与えるわけにはいかぬ、こう思うのです。これはもともとは第二外為会計の変形でしょう。言うなれば田中角榮構想ですよ。まるで田中総理大臣をつくるために一生懸命大蔵省が協力しているようなものだ。水田さん、あなたそれでいいのかな。どうなんですか。そこらを一ぺんお答えをいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 長いことかかって検討した問題でございますから、できるだけ合理的な対策にしたいと考えてまだ現在でもいろいろ研究中でございます。したがって、いまおっしゃられた利子というような問題も、三分七厘五毛というようなことも、これはいま外貨の活用ということから見たら、収益性から見たら一番低い運用でございましょうが、必ずしもそれでなければならぬということはございませんし、こういう問題もまだ全部これから一つ一つ詰めをしようという問題でもございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 利子補給をするということは腹を固めておるわけですか。三・七五%かどうかは別として、財投で貸すとすれば六・五%ですから、そうすると、差額がどうせできるでしょう。そうしたら、これの利子補給をすることはもう腹をくくっておるわけですね。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 利子補給方式は、結局いまのところ大体腹を固めた問題でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 大体利子補給はどのくらいは出すということなんですか。今度は利子補給の額ですね、新聞では、この利子補給の額は百二、三十億ですか、というふうに出されておるわけですけれども、百二、三十億の利子補給というのは、たいへんな利子補給ですよ。ちょっと主計局に聞きますが、これまで一体国が利子補給で一年間に出した金額というのは、大体一番多いのでどのくらいですか。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 申しわけございません。ちょっと手元に資料がありませんので、至急調べまして……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 全く私はこれらのあれを見て、一体、これはだれが得をするでしょうね、大蔵大臣。このいまのやり方で一番最初に得をするのはどこでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 今回の総合的な全体の対策といたしまして、これは当然、この対策の目的と申しますものは対外均衡の早期達成をはかるということでございますから、ただいまだれが得するのかという点に関しましては、まさに国全体が得をするということであろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 稲村さん、大蔵委員会ではそういう答弁は通用しないのですよ。私どもが聞いておることは、やはり私は率直に答えてもらわなければ、そういうふまじめな答弁でここを通ろうったって、あなたも大蔵省におられるから大蔵委員会がどういう委員会か御存じだろうと思うのですけれども、ここはそんな答弁では通りませんよ。やはりそれはきちんとした答弁をしてください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 非常に簡単に御答弁申し上げ過ぎまして、あれしたことはおわび申し上げますが、御承知のとおり、本件は昨年八項目ということで、対外均衡ということをはかるための諸方策の基本に関しまして政府としての決定をいたしたわけでございますが、その後の最近の情勢に関連いたしまして、さらにそれを推し進めると申しますか、必要な部分についてさらにこれを緊急に必要とする部面を推し進めていこうということが基本でございます。したがいまして、この全体の六項目と申しますか、これの順序におきましても、まずその一番基本となりますのは、景気の浮揚をはかるということでございまして、そのために財政金融政策の機動的な展開ということが第一に掲げられておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと待ってください。時間がないので、私はそんなことを聞いていないのですよ。一体だれが得をするのか。要するに、輸出入銀行や石油公団や金属鉱物探鉱促進事業団が得をするはずはないんですよ。そうでしょう、ここはトンネルになるだけじゃないですか。現実に得をするのはその先にあるんじゃないですか。私はいまそれを聞いているわけですよ。だから、そんな前置きで時間をつぶすような答弁をやめてください。ずばり答えてください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 それでは具体的に、いま御質問の点の問題は、第五項の外貨の活用対策というところの問題であろうかと存じますが、この点に関しましては、ただいまここにございますように、たとえば輸出入銀行あるいは石油公団あるいはその他の政府機関が入ってまいります点の趣旨は、これはここにもございますとおり、資源開発に資するためにということになっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 趣旨じゃないんですよ。ちょっと答弁を、私が聞いているように、石油公団を通じてどこかへいくんじゃないのか、その行く先が得をするんじゃないですかと聞いておるのですよ。いいですか。  だから、私のほうから言いましょう。要するに、これによって商社だとか石油関係の業者だとかあるいは鉄鋼だとか非鉄金属などのそういう備蓄をすることができる業者が現実に得をするんじゃないですか。そうすれば、この諸君は、安い金利で、外貨で借りるんですから、これは円の切り上げが再度あっても、自分たちはリスクをこうむらないで利益を上げて、外為会計のリスクで自分たちが利益う得よう。その外為会計のリスクで利益を得るものが、利子補給までしてもらって安い金利で利益を上げようということだから、これはこの関連の業界の企業なり業者が得をするための制度じゃないんですかね。私はそこを聞いておるわけだ。そうじゃないんですか。そのとおりでしょう。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 この外為会計が外貨をそういうことを通じて貸すという構想は、そうではなくなったわけでございまして、外為会計といたしましては、円資金の手当てを受けておったところが外為会計から外貨を買ってまいるわけでございますから、したがって、外為会計といたしましては、普通の居住者に外貨を売るというのと同じでございます。外為会計に関しましては、特にドルのリスクを持つということではありません。  それから、具体的には確かに取り扱うものその他、これは商社等であるかもしれませんが、いずれにしましても、国民経済全体にとっての必要な資源を確保するということ、この外貨活用策と申しましても、そういうもののメリットがないものにつきましては、これは御指摘のとおり、財政資金を使うことでございますから、こういうものはむろん認めるわけにはまいりませんが、そういう点については十分に検討した上でこういう結論になっておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっとおかしいんじゃないですかね。いまのあなたの話を聞いていると、要するに、円を持ってきたら外為会計から売る、それはいいですよ。そのとおりだ。しかし、その円はどうやって出てきたかといったら、さっき私が言ったように、財投資金を貸し付けしてもらって、利子補給までしてもらってつくった円で外為会計からドルを持っていくということは、要するに、円の切り上げがあろうとどうしようと、ドルで借りたものはドルで返せばいいんだから、リスクはあげて外為会計が負うだけであって、全部これは企業がリスクについてはフリーになるんじゃありませんか。外為会計へ外貨を返せばいいわけですから、これは円の切り上げに関係ない。そうでしょう。外為会計はここで十億ドルを貸したら、返してもらうときは十億ドル返してもらえばいいのであって、何ら円とは関係ないんじゃないですか。そうすれば、備蓄をしたところは、まず、国から安い金利の金を借りて、そしてその円、ドルのリスクなくして備蓄をして、もし備蓄をしておって円の切り上げがあったら、そのときのリスクは自分のほうは負わないで、全部それは外為会計が負担してやろう。いうならば、あらゆる点で国民の犠牲の上においてこれらの企業、関係者が得をする。私は前段で最初に、得をするのは一体どこか。こういうことは明白じゃないですか、この問題の仕組みからして。そうじゃないんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 おことばでございますけれども、御指摘のような点とは若干違うわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それじゃ、ちょっと正確に言ってください、どういう仕組みになるのか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 つまり、先ほど大臣が申されました途中の段階における構想におきましては、外為会計が輸銀に預託をして、その輸銀が外貨で貸す、こういうことでございますと、一番もとは外為会計の外貨の資産である点は変わらないわけでございます。そういう場合には、御指摘のような問題が起こります。しかし、今度の問題はそうではございませんで、外為会計としては、この外貨を必要とするところが円で手当てを受けて、それで外貨を買うわけでございますから、外為会計の資産から落ちてしまいますから、したがって外為会計としては円のリスクは負わないというかっこうでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、いまの話は前段の話とちょっと違うようだけれども、それでは一体どこへ財投資金は行くのですか。財投資金が行って利子補給をする先はどこですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 私が御答弁申し上げるのが適当かどうかあれでございますが、財投資金が参ります先は輸銀とか石油公団とかというところであろうと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 しかし、そこがそれを使うのではなくて、企業にその金をまた流すのでしょう。現実にはトンネル機関でしょう。流れていった金で、企業が外為会計からドルを手当てをして持っていくわけでしょう。そうすれば、要するにドルを買ったんだから、ドルそのもので起こるリスクはないわけなんじゃないですか。ドルで持っているんだから同じことです。それは、いま普通に自分の金でドルを買って品物を買いますね、それで備蓄をしておる、そうすると円が切り上げになれば、実際にはもっと買えるものが少なくなる、こういう仕組みと同じことに企業側はなるということですか。その点についてだけはそうですか。——わかりました。  それではいまの点は、結局外為会計の問題ではなしに、要するに財投資金と利子補給のところに問題がある、端的に言えばこういうことですね。それだけのフェーバーをそれらの企業が受けることになる、こういうことですね。——なるほどわかりました。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 若干補足して申し上げますと、外為会計に関する限りはいま申し上げましたとおりでございます。それは財投資金を受けますところが輸銀であり、あるいは石油公団であるわけでございまして、そこが外貨を外為会計から買いますので、したがって外為会計としてはそこで切れてしまいますから、いまの為替リスクの関係はないということは事実でございます。いま申し上げたとおりでございますが、ただ輸銀なり石油公団なりが貸します場合に円で貸すか、外貨で貸すかという問題がもう一つ別にございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 円で貸せば、リスクは輸銀や何かが全部かぶるじゃないか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 円で貸せば、これはいま私が御説明いたしましたように、借りた先が円で借りて外貨を買うわけでございます。したがって……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 おかしい。それは話が全然おかしい。いまの筋道からしたらそれは答弁にならない。そこから先はおかしいよ。あなたは、輸銀がドルを持ってくるといま言ったんだから、外為会計から輸銀なり石油公団にドルが来るといったって、そこから先が円になったりドルになったりするのはおかしい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 これは両方の場合が考えられるわけでございまして、先ほど御説明申し上げましたのは、輸銀が財投から円を得て、そして円を貸す。輸入したりその他外貨を使うところに円で貸すということについて先ほど御説明したわけでございます。その場合は、円を借りたところが外為会計から外貨を買って使うということでございますから、その場合のリスクは円を借りてドルを買ったところが負うわけでございます。  それからもう一つの場合は、輸銀なり石油公団自体が財投から得た資金をもって直接外為会計からドルを、外貨を買って外貨で貸すという可能性も一つ考えられるわけでございます。その場合にはどうなるかと申しますと、外貨のリスクは輸銀なり石油公団が負うということになります。この二つのやり方があることは事実でございます。そのあとのほうにつきましては、輸銀なり石油公団が外貨のリスクは負うということになるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまのは私もそうだと思ったのです。だからもしそうなると、要するにさっき私が前段で触れたように、輸銀なり石油公団はみんな国の機関ですから、ここが負ったリスクは財政資金であとまたこれをまかなわなければならぬということになるのは当然ですから、これはきわめて問題がある方法だ。だからもしいままだコンクリートになっていないというなら、少なくとも業者のリスクは全部国が負って、そうして利子補給をして金もやってなどという、さっき私が言った、だっこでおんぶでうば車に乗せてというような、そんなばかなことはやめてもらいたいとわれわれとしては言うんだ。企業はそれでなくても利益を得るんだから、安い金利で物を買うということ自身が非常に大きな利益を得ることなんだから、そこは、かりに今後やるとしても、少なくともいまのような為替リスクまでも全部国が負わなければならぬなどというようなことは私は重大な問題だと思う。もちろん前段も重大だ。財政資金を使うことも重大、利子補給をするということも重大、それにも増してそういうような外貨のリスクまでも国の機関に負わせるなどというのはもってのほかなんだ。  これについては大蔵大臣、財政当局の責任者としては、国民に対して十分きちんと姿勢を正して国民の利益、要するに税金をまかなう責任があるでしょう、国民全体に対して責任のあることを軽々とさっきのようなことで、利子の引き下げでも企業奉仕、これでも企業奉仕、あらゆる点で企業奉仕ということになります。まさに国民がこれらの事実を知ったら、それはそう簡単に納得するという問題にならないと思うのですが、大蔵大臣いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 十分御意見は参考にいたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの問題は参考にしてもらう以外に、われわれいずれも反対だからあれですが、その次の問題としてここで出されておるのは、「重要物資の輸入のために必要な資金については、輸入前払金以外の所要資金も貸付対象とする等輸入金融の拡大を図る」ここに一つ問題があります。「本邦法人の海外投資のために必要な資金については、設備関係資金以外の長期事業資金も貸付対象とする等海外投資金融の拡大を図る」全部言ってもあれですから、こういう項目がすでにここに述べられておるのですが、大蔵省はこれに対してはどういう考え方でございますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま御指摘の点は輸出入銀行の業務の拡大の項目であると存じますが、われわれといたしましては、輸出入銀行というのはこういうような対外均衡を達成しなければならないという情勢におきましては、輸入金融それから海外投資金融の面で、さらに現行法で定められておりますことよりももっと拡大した業務を行なうというのが適当であるというふうに存じております。したがいまして、いま御指摘のような点は、この方向で輸銀の業務の拡大をはかることが望ましいというふうに感じております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの考え方でいけば、これも輸入金融は要するに全部輸出入銀行で見るということになるのでしょう。金がなくても、要するに輸入をするといえば、これまでならそんなことになっていないはずです。それぞれちゃんとライセンスをとってきちんとしてから、それに見合うものについて前受け金その他について必要なものが借りられるということになっているのを、根っこから全部借りられるということに今度はなるのですね。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 むろんこの重要物資のための輸入ということと、それから、輸銀でございますから短期の輸入金融はいたしません。それはもう当然のことでございますが、従来輸銀の取り扱っております輸入金融の分野におきまして、いままでは前払いだけというふうに限られておったわけでございますが、この点はもう少し弾力的に拡大すべきではないかということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そのことは、いまの輸銀の輸入項目については根っこから全部見ますということになるのですね、こう聞いているのです。そうですね。要するに、それは全部見るか見ないかは知らないけれども、この考え方は、上限は全部見るということになるということじゃないんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 全部見るという意味でございますが、必ずしもあれでございますが……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 輸入必要資金です。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 輸入必要資金は前払いに限らず見るということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 だから、私がいま言っているのは、たとえば一億ドルのものを輸入する、前払いで三千万ドル要るということだったら、これまでは三千万ドルだけ貸していた、今度は一億ドル全部見てやろう、こういうことになるわけでしょう。  その次は、「海外投資のために必要な資金については、設備関係資金以外の長期事業資金も貸付対象とする」ことができる。これも、設備投資ならはっきりわかりますね。大体設備投資というのは、これだけのものをこういうふうにして設備投資をする、それはわかると思うのです。長期事業資金というのは一体どこまでで、どういう範囲を見るかなんということは、法律的には書きようがないじゃないですか。そうすれば、長期事業資金でございますといって出してきたら、それはみんな見るということになるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 これは長期の事業資金でございますから、そういう意味の制限はあるわけでございますが、従来は、設備資金であって、しかもその設備は日本からの輸出のものでないといけないということになっておりました。これは、当初輸銀というのは何といいましても輸出促進の機関ということで発足をいたしておりましたので当然のことであったかと存じますが、この点につきましては、現在の情勢にかんがみまして、現段階では必ずしも日本からの設備が出ていく、その輸出が裏づけになっていなくては貸し付けはできないということに限っておく必要はないのではないか。そういう意味で、長期にわたります事業資金が要るという場合には、必ずしも設備資金に限らず貸すことができるようにすべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 設備資金ははっきりしておりますよね。これだけのものをここに建てますというんだからはっきりしていますから、それはいま言うように、日本から輸出するものでなくても、よそで買ってもいいと私は思うのです、そのことは同じことだから。ただ、長期事業資金となると歯どめがないじゃないですか。長期事業資金がこれだけ要ります、こういって出されたときに、長期事業資金なんということになって歯どめがないということは一つ問題がある、私はこう思っているわけです。それは歯どめがないじゃないですか、長期事業資金という名目については。何か歯どめがあるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 法律上の歯どめということは、いままでと違いまして、なくなるわけでございますけれども、これはやはり金融機関としての輸銀の判断、全体としての輸銀の判断にまかせてしかるべきではないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま私が歯どめの問題を聞いておりますのは、後段のほうに借り入れ金の限度額の調整、引き上げがまたあるわけです。そうすると、これらの貸し付けを新たな方法で道を開いたら、いずれも、もし歯どめがなければ、この借り入れ限度額の引き上げが、この間の開発銀行じゃないけれども、まにもや幾らでも上までいくということになると、これももとはやはり財投資金でしょう。どっちにしたって、財投資金をもって処理しようということになるのだから、いま私が前段で触れたものに加えて、さらに輸出入銀行としては多量の原資が必要になってくるという見通し、だから借り入れの限度額をふやすということになっているわけでしょう。  そのほかに、「開発事業金融等」とあって、「開発事業金融及び直接借款については、本邦との輸出入と直接の結びつきがない場合等においても、これを行ないうるよう融資対象の拡大を図ること。」これはあなたのほうで書いて、アンタイド・バンク・ローンも可能にしようとすることだと私は思いますけれども、これらをずっと一覧してみると、いまの輸銀法の特例という問題も多額な財投資金が必要になってくると思うのですが、いま予想しておる新たな財投資金の追加は、どの程度に考えているのですか。

福島量一大蔵省理財局資金課長

○福島説明員 今度の輸銀の業務拡充に伴いましてどの程度の財投資金が必要であるかということについては、まだ計算は十分いたしておりません。業務の拡大と、これに伴いまして現実に起こる資金需要等々をにらみ合わせた上で、追加その他の措置を講じてまいるものではないかと考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 しかし、それがないと、限度の引き上げという問題がここへ入っているわけですから……。借り入れ限度額の引き上げは、一体どうしようというのですか。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 先ほどの御意見もございますので、その点もあわせまして私から申し上げます。  輸出入銀行法の限度と申しますのは、御承知のように、まず借り入れ金の限度がございまして、借り入れ金の金額が出資金——自己資金も入りますが、簡単に申して出資金の三倍までといま書いてございます。そのすぐ次の項に、貸し付け金の限度も同じように書いてございます。というのは、貸し付け限度が出資の四倍になっております。ことしの予算で私どもが見ております本件の出てくる前の姿では、貸し付け限度額にすでにほとんど余裕がございません。したがいまして、いまの貸し付け限度額で申しますと、出資の四倍というところまで、いわば天井を突き抜けてしまう危険がある。かりに一、二億ドルしか出なくても突き抜けてしまうということになる計算でございますので、今度御審議をお願いします法律では、とりあえず、借り入れは三倍を突き抜けるから四倍、貸し付けは四倍を突き抜けるから五倍というふうにやらしていただこう、そう思っております。  なお、先ほどの御質問でございますが、急いで調べましたので、あるいは後刻また訂正させていただくようなみっともないことがあるかもしれませんが、いまわかりました限りでは、項目として、四十七年度予算ベースで年度額で一番大きな項目は、外航船利子補給でございます。相手方は一般金融機関と開銀でございまして、百五十六億でございます。次に大きいのは、国鉄財政再建資金の利子補給でございます。相手は国鉄でございます。これが百五億。三番目が農業近代化資金利子補給、これが、融資をする機関が相手方でございますが、七十四億。大きなものはそういうふうなものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 借り入れ限度、貸し付け限度、これはこの前開発銀行法で一もめしましたので、ひとつ常識的な取り扱いをやるように、厳に注意を喚起しておきたいと思います。  その次に、この中に入っているのは、「外国政府が発行する円貨建債券に係る利子所得に対する源泉徴収の不適用」こういうふうになっていますね。これは私はこれらの緊急対策の中ではまだまともなものだと思っているわけですけれども、これについては、要するに円建ての外貨債を起きやすくしたいという、一つの今度の金利引き下げの関係の部分を触れておられるのだと思うのですけれども、一体円建ての外貨債というものがそんなに出るという見通しがありますか。いまのところ何かそういうことで、これもたいへん体制だけが整備をするということになるようでございますが、これらの見通しについてちょっと。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 円建ての外貨債の今後の発行の見通しでございますが、これはけさほども御答弁申し上げましたように、やはり金利水準というのが大きな問題であろうかと存じます。すでにそれぞれの外国政府またはその他の政府機関等からいろいろとたくさん希望は表明されております。そういう中でわれわれといたしましては、やはり日本の外債市場と申しますものはまだ発足間もないわけでございますから、銘柄は、外債市場でもうすでに相当名の通った優良銘柄に限りたいという感じを強く持っておるわけでございますが、そういうところでなくて、たとえば発展途上国等の政府で利子、金利は高くてもいいから借りたいというようなところは、むしろこれは日本の国際外債市場の発展という点からいたしますと、やはり早急には認めないほうが適当ではないかというふうに考えますると、結局国際的な外債市場ですでに名の通っておりますものは、やはりニューヨーク市場とかあるいはヨーロッパ市場等との金利のかね合いになります。それぞれの国の国内金利とのかね合いにもなります。したがいまして、日本の国内長期金利が現在のような水準でございますと逆ざやになるというような国もたくさんございますから、そこのところが解決されることが一番大きな道ではないか。それに関連いたしまして、基本的な道はそういうところにあるのではないかと存ずるわけであります。現在までのところアジア開銀とかあるいは世銀とか、そういうものが主になっておりますけれども、御案内のとおりオーストラリアの政府等がすでに出したいという希望も出しておりますし、そういうところは銘柄としては適当ではないかというふうに考えておりますが、これにはあとは国内市場と債券市場の消化力の問題になると存じますけれども、テンポといたしましてはほぼ月に一本か二月に一本くらいのところが現在のままでいきましても出ていくのではないか、あるいは一月半に一本くらいかというようなテンポではなかろうかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その場合、けさのアジア開銀を見ましても、日本のはみな七年になっていますね。よそは十二年とか十五年とかというのをアジア開銀その他の国に対して出していますね。今後こういう債券発行についてもやはりもう少し期間が長いということのほうが相対的に金利との関係では処理がしやすくなるんではないか、こう思うのですけれども、それらについては大蔵省はそれに関連してどう考えているのか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 これは国内の債券との関連であろうと存じます。したがいまして、証券局のほうから御答弁いただいたほうがいいかと存じますが、この考え方といたしましては、やはり七年というようなものは先生御指摘のとおり長期債とはいえない、中期債的なものでございますから、やはりこれは十年とかあるいはさらに十二年とか十五年とかというふうに国際的な長期債としての実体を備えたほうにいくべきであるというふうには存じておりますが、同時にこれは国内債市場との関係がございますので、その関連を考えなくてはいけないことであろうと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次に、これは商工委員会関係の部分でありますけれども、「海外経済協力基金の業務」で「海外経済協力基金は、東南アジア等の地域に対し本邦以外の地域からの物資の輸入についても必要な資金を貸し付けること(アンタイドの商品援助)ができるものとする等業務範囲を拡大すること。」こうなっておりますが、業務範囲が拡大されれば当然また資金が必要になってくるのです。この場合における海外経済協力基金における資金というのは、これはその増加部分についてはどこが手当てをすることになるのですか。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 その点なお検討が続けられておるようでございますが、いま私どもが承知しておりますのは、基金法改正は、従来の商品援助、御承知のとおり商品援助だけはひもつきになっておりますから、これをアンタイにするということを考えております。したがいまして、それによる追加資金が急に出てくるという話ではない。相手方が政府でございますから、従来予定した援助をアンタイで出そうという話のように了解しています。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私はやはりタイドローンとアンタイドローンでは、向こう側とすればアンタイドローンのほうがいいわけですから、これまでタイドローンだから実はそんなに資金としては使えなかったけれども、アンタイドローンでくれるならいろいろ使いたいということになって、これはやはり当然新しい資金を必要とすることになってくる、私はこう思うのですけれどもね。それはあなたはいまそう急にふえないだろう、こういう話だけれども、やはり業務範囲が拡大されれば資金が必要になるということは常識じゃないでしょうかね。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 決して減るとまで申し上げたつもりはないのでございますけれども、基金の今回の業務拡大の中身というのは援助でございますから、援助が幾ら出るかということはそれとしてまた別の判断がございますので、今回の措置で急に援助がまたどんどんふえるということにもならないかとも思います。まあそれは、しかし年度をやってみまして援助資金をもっとふやすべきであるということになりましたら、そのときにはそれに応じて別途所要の措置を考えるということになろうかと存じます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっとここの文面では「東南アジア等の地域に対し本邦以外の地域からの物資の輸入についても必要な資金を貸し付けること(アンタイドの商品援助)ができるものとする」こうあるので、資金の貸し付け、この「貸し付け」は援助だということですか、いまのここに書いてある「貸し付け」が。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 実はこの二、三日来ほとんど寝ないでいろいろな条文を見ているのでございますが、私が一番最近見ました条文は「海外経済協力基金は、東南アジア等の地域」と申しますのは法律上の熟語でございまして、開発途上国を意味していることばでございます。その政府に対してというふうに入っておりましたから……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私の持っておるものもどの段階であるかわかりませんが、それが政府に対するものなら援助でしょうから、いまここで書いてあることだけから見ると、輸入資金に当てるためと書いてあるので、これはだいぶん違うんじゃないかと思ったものですからちょっと伺ったのです。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 ちょっとくどくて恐縮でございますが、相手国政府の輸入資金でございます。相手国政府が輸入するために金が要る。従来は日本から援助をもらったら日本の品物しか買えなかった。ほかの国の品物も日本の援助で買えるようにしましょう、そういうことだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 要するに、私がちょっと前段で触れたように、大蔵大臣、いま大事なことは、いま日本にたまっておるドルが二百億ドルになったら次の切り上げ問題が起こるという話ではないと私は思っているんです。この問題はどこに関係があるかというと、要するに日本の貿易収支の黒字がその他の国の貿易収支の赤字に見合うところに問題があるのでしょう、端的に言うならば。  ですから、そういうことになれば、その貿易収支の赤字黒字の関係で一番問題があるのはアメリカじゃないのですか。日本が貿易構造として三〇%からの比重を持っておるアメリカの貿易収支の赤字、それが日本にとっての黒字になるというところに今後の通貨対策の一番重要な問題点があるのだ、私はこう認識をしておるわけなんです。ことしの政府の見通しによっても、要するに貿易収支の黒字が七十億ドルだというようなことに経済企画庁の当初見通しはなっておるわけですね。だから、七十億ドルの日本の黒字というのはどこかが赤字になることによって生まれる黒字なんでしょう。これはもう私は明らかだと思うのです。そうすると特に問題なのは対米の問題が最も重要なんであって、いまこの備蓄公団その他でいまの財投をもって、かつなるほど見かけの外貨準備のドルは減るでしょう、それで物を買いますから。このいまの考えで対米の貿易収支改善に役立つというのは一体幾らですか。   〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 具体的にその対策によりまして何億ドルくらい対米で役立つかということは非常に見通しがむずかしいわけでございますが、先ほどちょっと御説明を申しましたように、この一番の問題は現在の景気浮揚ということでございまして、これは第一の項目。それから第二の項目、輸入促進というものがございます。それから第三の項目、これも非常に心理的には対米関係には非常に大きなプラスがあろうかと存じます。それから第四の資本輸出対策、これもやはりアメリカに対する短期資金の返済でございますとかあるいは短期の投資を長期にかえるとか、そういう意味でこれは資本取引の項目でございますが、御指摘の貿易に関しましては具体的に数字で申し上げることは現段階ではむずかしいと存じますが、やはり基本的に問題なのは貿易収支であるという御指摘は、まさにそのとおりであろうと私も存じております。その意味で一、二という項目がウエートとしては一番われわれとしては重視をいたしておる、こういうふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いや、私が聞いておるのはこの法案ですよ。要するに四千五百億円の財投資金を使い、まあ百三十億になるのか百五十億になるのか知らないけれども利子補給をして、そして外貨減らしには役立つでしょう。確かに外貨準備は減ってきた、外貨準備が減ってきたらアメリカは文句を言わないというもんじゃないと思うのですよ。外貨準備がいかに減ろうとも、貿易収支に日本が大幅に黒字をため込んで、アメリカがそれの見合いで赤字ができることに問題が生じるわけですから、これは一体そういう対米の貿易収支の改善にどのくらい役立つのかと聞いておるのですよ。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 この対米貿易収支にこの法案によりまする措置がどのくらい役立つかという点につきましては、具体的に資源の購入とかその他で米国からどのくらい輸入が促進されるかというような点が直接的な問題であろうと存じますが、それ以外につきましては、この法案以外の全体としてのこの対策というほうがむしろ効果としては大きいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 だから私が言っているのは、財政投融資四千五百億円も使い、それから利子補給も多額に使って、それが直接ほんとうの意味の円対策にならないようなことに使うということになるならば、間接的には多少それは外貨が二百億ドルになるよりは百八十五億ドルのほうがいいかもしれぬあるいは百七十億ドルになるほうがいいかもしれないが、それよりも肝心な問題に触れないことに一体これだけの財政資金を使うというのは、私は前段に言うように、これに関連する商社、石油、鉄鋼、非鉄金属等のこれらの業者を利するのと、言うなれば外貨準備のドレッシングをするというのとたいして変わりはないじゃないですか、このもの自体は。だから私は、そういう点でほんとうの外貨準備のアメリカの対円対策ということならば、これはこの法律のあとのほうに入っているけれども、それは実際有効なのかどうかわからないけれども、要するに対米輸出の調整を数量的にどうするか。要するにアメリカからの輸入割り当てをどういうふうにふやして日本がたくさん輸入をするか、アメリカに対する輸出をどういう形で、自主規制か何か知らないけれども、少しコントロールするかということに問題解決の一番重要な問題があるのであって、私は、これが実際に備蓄その他をするためにアメリカから輸入をすることにはならないと思うのです、実際に。それではドレッシングによって一応ごまかそうということの範囲にすぎなくて、対外的ないま一番求められておる円対策の中心の問題ではない。ところが、いまずっと上から触れてきたように、この中では輸入促進対策、輸出取引秩序の確立、資本輸出対策等は、これはまあ場合によって有効になってくるかもしれないけれども、私はその他の問題についてはいまあなたが言われたような効果をあまりこの中に期待するわけにいかないと思う。大蔵大臣どうですか、この点について。これだけ伺って私の質問を終わります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま言われたことと、もう一つはやはりこの一の金利政策ということは相当に影響があると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 一じゃない。この要綱について聞いているのです。あなたのほうのこれから出そうという緊急措置法案について聞いているわけです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 対米ということだけ言いますなら、この六項目の対策全体で効果があるということでございまして、法律だけの問題では……

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あまり効果はないわけですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 あまり効果がないともいえないのですが、これはやはりたまった外貨の活用と、そしてそれをどう輸入の促進その他に充てるかというようなことに重点が置かれた法案であることは間違いございません。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 松尾正吉君。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 この外貨緊急対策を中心にして、この委員会で大蔵大臣に緊急に質問を行なうということがけさ論議されたのですが、委員会における手続については先ほど堀委員からもきびしく指摘がありました。一方同じ国会の委員会の商工委員会ではこの要綱案というものを中心にして審議をする。ところが肝心な大蔵委員会ではこの要綱案がない。まあ現実には先ほどの堀委員はよそのものを入手して、これに基づいて質問をしたけれども、われわれはこれはない。こういうことについては先ほどのきびしい指摘がありましたように、これは十分に反省していただきたいということを強く要望したいのです。といいますのは、この外貨対策については大蔵委員会ではずいぶん長い間検討してまいりました。そして特にこれがために理事会まで開いて、大蔵大臣からこの経過を説明し、報告しよう、こういう措置までとってきた。で、いよいよけさこれが決定した場合に、片方では要綱が一部に渡って、こちらは全然ない。こういうことではほんとうの審議は私はできない。そういう意味で、くどくなりますけれども、きびしい反省を政府側に要望したいと思います。したがって私は、「対外経済緊急対策の推進について」というこの閣僚懇談会の記録、それからもう一つ「対外経済関係調整特別措置法案要綱」というものも、これはもちろん煮詰まっていないということは聞きましたけれども、これはありませんでしたので、新聞報道を中心にして質問の準備をしましたので、これに基づいて質問を進めていきたいと思うのです。  いま堀委員から指摘がありましたように、まず、この特別措置法案要綱による第五項の、日本政府は日本輸出入銀行、石油公団、金属鉱物探鉱促進事業団等に対して三十億ドルの外貨対策を講ずる、こういうことであります。このうち、特定企業に対して外貨を相当安く利用させる、それから利子補給を大幅に行なう、しかも円切り上げ等によるリスクを国が一部カバーをする、こういった反面、一方では国民に対して預金金利等を引き下げる。こう考えたときに、あまりにも企業を優遇し過ぎる反面に国民をあまりにも冷遇し過ぎはせぬか、こういうことでありますので、これについてはまだ決定していない、こういうことでありますが、先ほどの質疑の中で利子補給はやっていくという腹である、こういうことでありますが、これについては私どもとうてい納得できません。政府が先般来国民福祉に政策を転換していくという、国民に目を向けた政治をやっていかなければならないやさきに、こういうことは納得できない。  この点でまず大臣に伺いたい点は、先般の理事会の席でも、現在の状況では緊急に円対策を講じなければならないほどの変化は見られない、こういう答弁を受けておるのですけれども、二十日の懇談会においてはまず輸銀に預託をして手を打っていこう、こういうふうに新聞報道で承知しておるわけですが、きょう現実にこういうふうに三機関に対して大幅な低利の貸し出しそれから利子補給、こういうことをあえてしなければならないほど急激に変わった事情があるのかどうか、その点について大臣からお答えをいただきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 全体の考え方が変わってまいりました点につきましては、先ほど大臣から御答弁があったと存じますが、やはりこれは基本的には、外為会計の持っております外貨は、先ほど一も御説明申し上げましたように外貨準備として持っておるわけでございまして、これをたとえ輸銀とかその他の機関を通ずる預託という道を通ずるといたしましても直接外為会計の外貨を使うというのは適当ではないんじゃないかという点でございまして、必要といたしますのは円資金でございますから、したがって円資金を手当てをすることによりまして問題を解決するというほうが本筋ではないかということが基本的な理由であろうと考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これは大臣からは相当答えにくいと思いますのでやむを得ません。  そこで、これは新聞報道あるいはいまの堀委員とのやりとりの中からメモしたのですけれども、国は三機関に対して十五億ドルの財投を追加して貸し付けを行なう、こういうものでありますが、この利子は何%になるのか、これが一つ。  それから第二番目に、三機関が民間に貸し出す場合の金利は何%になるのか、その場合に、約十五億ドルといわれているのですから、この逆ざやを埋めるための利子補給は幾らになるのか、この点について数字だけ伺いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 便宜私から一括してお答えいたしたいと思います。  いまおっしゃいました輸銀、石油公団、場合によっては金探事業に対する財投資金の貸し付けは、やはり他の財投資金と同様に六分五厘になるのではないかと思うのでございますが、三機関から需要者に対する貸し付け金利を幾らにするかということはまだきまっておりません。これからきめるということでございます。したがいまして、利子補給の所要額も実はまだ計算できないわけでございます。法律で御審議をお願いいたしますときには、債務を負担する行為を国がするわけでございますから、何かの意味でその限度は国会の議決をいただかなければいけないわけでございますが、いま私どもが考えておりますのは、利子補給は、契約をできる契約額の総額をつかまえて限度として法律に書き込んで御審議をいただいたらいかがかということを考えております。利子補給額というのはやってみないとわからないものでございますから、限度額計算はおそらく年度末にでもならないとわからないというのが実態であろうと思います。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 新聞報道では三%程度ではないかということがいわれているのですけれども、大蔵省としては、主計局としては、その限度額がたいへんむずかしいというんですけれども、腹はどのくらいまでということはさまっていないのですか。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 実は主計局がきめるという話でもないのでございますが、まあ私どもの意見としましては、民間の負担金利をある程度安くしないと資金需要が起こらない、したがって、せっかく対策を講じても外貨が減らないという点があると思いますから、とにかく利子補給を考えたということは六分五厘より下の金利で貸すんだということは確かなんでございますが、それがいわれております三・七五とかなんとかいうのは、それできまっているのではないと了解いたしております。三・七五という数字はいまのアメリカの財務省証券の金利を念頭に置いておられるようでございますけれども、これは短期金利でございましてしょっちゅう動く金利でございますから、そこを基準に今度の長期貸しをやるというような話にすぐなるのかなと思ってかなり疑問は持っております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これはもちろんまだ未決定の問題でありますから、先ほど堀委員が指摘しましたように、国民のお金で利子補給をする、この使い方については十二分に気をつけてもらわなければならないということは、私もまことに同感です。しかも非常に低利で特定なものが利益を受けるということについても、これはいまやるべきではない。といいますのは、結局、私どもは大蔵大臣から伺ったばかりでなしに、あのドルがずっと急上昇しておった当時はこれは早急に対策を講じなければならないということを考えておりましたけれども、現状を見ますとそう緊急に国民を犠牲にしてまで手を打たなくてもよろしいんじゃないか、こういう様子が一応見えるわけです。さらにここへきてこういった国民の税金を大きく企業あるいは事業者のために投入するようなことはあってはならない、ころ思うわけです。  そこで、外貨対策、特に景気を浮揚することと外貨対策というのは並行して行なわなければならない問題ですが、先般の対外経済緊急対策の推進という閣僚懇談会で決定した問題の第一項に財政金融政策についてというのがありますが、これについては、おそらくねらいは景気の浮揚と輸入を促進したいというところにあると思うのです。  それで第一番に伺いたい点は、本年度予算の公共事業の繰り上げ施行を行ないましたけれども、現状は予期したとおり進んでいるかどうか、こういう点について現況をまず一点伺いたいと思います。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 繰り上げ施行の閣議決定をいたしましたのが五月二日でございました。現在関係省庁からその一番新しい契約進捗状況を教えていただくように頼んでおります。今月末には一部の集計が出てまいろうかと思います。現在ではまだ調査中という状況でございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これはこの決定に基づいては当然だろうと思う。しかし、昨年から繰り上げ公共投資を行なっておるわけですが、これらを見ても、地価その他の関係で思うように進んでいないということは政府でもよく承知しておられると思います。これについては、公共事業の繰り上げ施行をやったところで、現状ではあまり効果は期待できない、こういうふうに私どもは認識しております。  それから第二番目の、金利引き下げを行なおうとしておりますけれども、この目的と効果についてはどう考えておられますか、この点について。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 諸外国、先進諸国に比べて、日本の金利がまだ高いということは御承知のとおりでございます。これは国際金利水準にやはり日本の水準を合わせるということをしないと、いまの国際経済の中において問題になっておるいろいろな対策をすることはできないということで、現実の必要性に迫られておることは、もう御承知のとおりでございます。いま日本の金利が高いために、日本にはまだ短資の流入圧力というものが非常にある。これは為替管理で押えておる実情でございます。これはやはり正常な状態ではございませんので、この金利水準が一段下がるということによって、こういう問題の解決には非常に役立つことでありましょうし、また国内問題としましても、金利水準が下がることによって、不況が影響されますことはもちろんでございますが、私どもはさきに国民福祉政策への転換ということを言っておりますが、ほんとうにここで福祉政策の強化ということをはかろうとするためには、いまの金の流れということを考えなければ、実際においてはできないと思います。収益の少ない福祉的な事業への金の流れというものは、高金利である限りは、これはとうてい望めないということでございますので、これが低金利になることによって、国民生活への影響が非常に大きいものとなろうと思います。非常に金融緩慢なときにあって、なおかつ金利が高いというこの不自然さは決していいことではございませんので、資源の配分を妨げる、これは一番悪いことでございますので、そういう点からも、ここで国内的な理由から金利水準を下げる必要があろうと思います。いま、いろいろ物価問題から見ましても、たとえば公営事業にしましても、料金収益に比べて金利負担は二割以上ということになっておりますので、こういう点が解決されることによって、公共料金の値上げも防げますし、全体の社会コストが下がることによって、物価を押えて、結局は国民に対して低金利の効果というものが浸透してくることでございますので、したがってこの際、対外、対内均衡の回復という点からも、政策としては一番重要になってきている問題でございますので、この金利の水準を下げたいというふうに考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 対内、対外の均衡ということで、これは大臣の説もわかるのです。しかし問題は、金利を下げる、それから税制がことしは中心でありましたけれども、土地の騰貴が非常に大きくて、まだ現在調査中ではっきりはわかりませんけれども、とにかく長者番付の九五%が土地成金だ、こういったようなことに、この金利を下げることがさらに拍車をかけるのではないか、こういうことが考えられます。  それからもう一つは、金利を下げることによって、金利よりもどんどん上昇していく物価問題、いま大臣は物価問題にも影響すると言うのですけれども、私は逆に、預金金利等が引き下げられ、特に庶民金融である郵便貯金の金利も同一にというようなことが言われておるが、そういった中で、金利を上回る物価上昇というものに対しては国民はとうてい喜べない現状であろうと思う。したがって、こうした金利を下げることによってほんとうに景気の浮揚ができるのか、国民生活に好結果をもたらすことができるのかどうかという点については疑問があるのです。もし金利を上回る高物価等が起こった場合に、どういうふうに国民生活には対処されようとするのか、その点をもう一点大臣に伺っておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 物価が上がっても、国民の所得がそれ以上にふえるのでしたら国民生活は決して悪くなることではございません。したがって、預貯金の金利が下がるということによって経済が立ち直り、そして国民所得が増大するということでございましたら、金利の引き下げは決して国民にとって悪いことではないということが言えようと思いますが、預金金利と物価を比較するということが、私はそう意味のあることではないのじゃないかと思います。それが比較されるくらいの大きい影響を持つものは相当高額の預金者であろうと思いますが、預金金利の引き下げというものよりも所得の増大のほうが、はるかに国民生活には大きく影響する問題でございます。したがって、預金金利の引き下げということが経済にどういう影響を及ぼすかということが一つ。  それからさっき申しましたように、これが国民の生活に重大な関係のある物価にどういう影響が起こるか、また国民の生活改善のための諸事業にどういう影響を与えるかということを考えましたら、収益の実際ない福祉環境を整備する公共社会投資というようなことには、金利が低くならない限りはそこへ金があがっていかないというのが過去の実情でございます。ちょうどこの際金融緩慢なときでもございますし、もう一歩金利水準が下がるということでしたら、国民の生活環境を整えるいろいろのことが、住宅にしましても下水にしましても、さらに大きい伸展を遂げることでございますし、これは国民生活には非常に利得となってはね返ってくる問題でございますので、そういうものを全部総合して考えますなら、国民経済的には、金利が下がるということは決して国民にとって悪いことじゃなくて、預金金利のわずかな引き下げと国民経済上の利得というものはほとんど比較にならないものじゃないかというふうに私は考えます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 時間が限られておりますので、確かに金利を下げることによって国民生活に大きくプラスになる、これは今後の問題として土地の騰貴にさらに拍車をかけて、庶民はもう土地が手に入れられないような状況が起こってくるのではないか、こういった問題や、金利とそれから実際に低所得層の国民生活の面、これらについてはあとでまたこれを見きわめながら論議をしていきたいと思います。  それからこの第三番目に、輸入促進と輸入割り当ての増大というのがあげられておりますが、これは確かにけっこうなことだと思う。輸入を促進しなければならないと思うのですが、しかしいままでの経過を見てみても、輸入を増大するためのいわゆる準備的な手段が十分でなかったために、円切り上げあるいは関税の引き下げ等が行なわれても、それに対する消費者価格の引き下げというものがほとんど行なわれていなかった。こういう点を考えましたときに、景気を浮揚するためには、輸入を促進するためには、公共投資よりも何よりもまず第一に所得水準を上げなければならない。それから福祉費等の大幅な引き上げをしなければならない。最近では、特に所得税等についての大幅な減税をやるべきだ、こういうことが最も緊要な要件になるのではないかということを指摘しておきましたけれども、この中で一番大きな問題は、景気をよくするための消費に直接つながる問題として大幅な減税ということがあげられると思うのです。大臣からは先般、景気の推移を見て十分考慮したいという答弁をいただいたのですが、こういうふうにいよいよ円の緊急対策を講じて、国民の税金を利子補給にまで使おうとする状態から考えたならば、一方に、減税をして国民にこたえるべきではないか、こう思う。その輸入を促進する最も緊要な条件の一つである減税については、その後大臣はどうお考えなのか、もう一回伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 一連の総合政策の一つとして減税も十分ただいま検討しているところでございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 健保はどうですか。企業にこれだけ優遇措置を講じようとするのですから、国民のいま一番問題になっている健康保険については、いま野党が考えているよりもっと大幅な補給は引き受けましょう、こう言うぐらいの大臣の答弁が出てしかるべきだと思うのですけれども、これについてはどうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 健保は、要するに保険制度で運営されている問題でございます。過去この制度がうまく運営されなくて、非常な赤字になって財政難におちいっているということでございますので、これをどう立て直すかということを中心に研究されているのがいまのこの対策でございます。したがって、過去における二千億円の累積赤字はこの際一般会計で見て、これをきれいにあと始末をしよう。今後は、保険会計であります以上は、赤字を出さぬように保険会計としての運営をしたい。それについては一連の措置を講じ、国の補助としましては、いままでの定額補助を定率補助に変えて、国も負担すべきものは負担するということでいくと計算がはっきり合うということになっておりますので、せっかくそれで再建策はできるのに、国の補助だけただ増せ、じゃ増して、ここで三、四百億円の国の補助金を増額したらどうするかといったら、一方、負担すべきもののほうは負担しないで減らすということ。  さらに、私どもは本来ならば、赤字もほんとうはこの会計の運営の中で、長期にわたってもいいから埋めるべきものであろうと思うのですが、もし一〇%も国が補助するということでやって会計に黒字が出たら、その黒字で過去の債務を返済することはできないかというと、これは別だ、それはそれで、赤字は一切国が別口に見るべきだ、こういうような議論で保険会計を運営しようという態度がどうも間違いである。もう少し制度は制度として、やはりこれをきりっと守ってやることをここでやらなかったら、国のあらゆる部面からみんな赤字が出っぱなしで、出たものは国がぬぐえということで、先般も言いましたように、こういうことで私は二兆円以上のいろいろな非効率な国費が使われているんじゃないかと思います。これが締まりがつくだけでも、日本の社会保障というものは一躍強化され、改善されるとすら私は思っているくらいでございまして、やはりこういう一定の制度があってそれぞれ運営されている政策は、その制度を互いにきちっと守って、そうしてその中で赤字を出さぬようにやっておくという努力がなかったら、私は、国家財政は先へいって行き詰まってしまうとすら最近非常に心配しておりますので、特に今度の健保については、いままではこれはどうこう言いませんが、今度だけはひとつ国会の皆さん方で引き締まってもらいたい、こういうふうに思っております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 赤字がどんどん生まれてくる、それを全部埋めるとなるとこれはたいへんだ、こういうふうな話があったのですが、今度のこの措置は、もう赤字が生まれる前に利子補給までして埋めてやろうという措置じゃないですか。それで為替リスクが起きたらそれまで引き受けてやろう、こういうことに対しては、いまの説でいえば大蔵大臣は断固反対すべきである、こういう態度をとるべきであると思うのですが、その決意をひとつ聞いておきたい。いまのようにどんどん赤字が出てきたらそれに対して国が全部しりぬぐいをしろというようなことだったら、これはたいへんなことだ。確かにそのとおりだと思います。しかし今度の法案の措置は、その赤字も何もこれから出てくる前に全部カバーしてやりますよということで、いまの大臣の説からいえば、断然こういう措置はとるべきでないという方針で臨まれると思うのですけれども、その点はどうですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これは赤字という問題ではなくて、国の対外政策ということから見ましても、またいまの現状から考えましても、これだけ蓄積している外貨ですから、これをどう活用して日本の経済にこれを貢献させようかということから出ている問題でございますので、そこで考えられたのが、必要な資材を国の手で買う。そして必要な資源開発も国の負担においてやるというようなことを踏み切って、特別の会計をつくったらどうかという構想が出ておったことは、これは御承知のとおりでございますが、それをするためには、その会計にただ外貨を移すというわけにはいきませんで、その特別会計が新たに予算上の措置をとって資金を準備すれば、自然に外貨を使用することができるということになりますので、そうなりますと、すぐの用には立たない、これから法制的な考慮をしなければならないし、予算のあれをしなければならぬというようなことになりますから、そこまでいかなくて、外貨を預託するという程度のことで活用方法があるかということを考えた結果が、いつでも必要だというときにすぐ外貨を返済してもらわなければならぬ。これを長期に運用するということは、準備資産である以上問題でございますので、したがって、そういう点から見ますと、為銀とか輸出入銀行をもし指定して為替銀行にするというようなことをしましたら、これはいつでも返済のときに、別個に海外から借り入れができて、政府に対しては返済がいつでもできるということでございますから、やはり流動性は持たなければならない外貨の活用策としては、せいぜいそこまでしかいけないのじゃないかというふうに考えたのがこの間までの私どもの考え方でした。  ところが、そうではなくて、もう一歩資源開発とか資材の購入というようなことにこれを役立てるくふうはないかということからまた再びいろいろ検討したことが、さっき局長が言いましたように、ほかの、外為会計から外貨を買う円を準備して、そしてこちらは売り渡すということで、この会計と縁を切るということによる活用方法を考えることがまず必要であるということから、いま考えているような方式にだんだん移っていったということでございまして、目的はそういうことでございますので、国が一定の利子も何も負担して国の仕事としてやるのか、そうでなければ、これを特定の機関を通じて、そうして一定の援助をしてやらせるかというだけの問題であろうと私は考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 それはそれだけの問題だという、ことばで言えば簡単ですけれども、精神からは、先ほどの大臣の御答弁の赤字を埋めてやるという方向とは、まるで逆だと思うのです。しかし、時間が来てしまいましたので結論に入るのですけれども、先ほど堀委員は、いわゆる対米との貿易黒字赤字の基調、これが大きな円対策に通ずる問題で、この法案そのものでは効果がない、こういうふうに指摘されておりましたけれども、私もそのとおりであろうと思う。  それからもう一点私が感ずることは、輸入促進をはからなければならないというねらいはまことにけっこうですけれども、いま伺いましたように福祉水準等は非常に低い。それから減税等も今年度当初ではほとんどゼロ。政府では昨年度の繰り上げ減税の効果が二千五百幾らある、こう言っておりますけれども、これがゼロだ。したがって、大幅減税というものは国民こぞって強く要望しているのですが、こういったことがいまだに行なわれない。したがって、輸入促進の条件としては、とにかく消費力を大きくしない以外には輸入はどんな手だてを講じても促進効果はあがらない、私はこう思います。  それからもう一つの条件としては、輸入品が安くならなければどんな手を打っても輸入は拡大されない、こう思うのです。したがって、この条件が整わなければならないということは、大臣も十分お考えであろうと思うのですけれども、この対策要綱を実施するにあたって、いま言ったいわゆる輸入流通経路、これは大臣は、この前円が切り上げになったときには、輸入品が安くなります、メリットがありますということを言ったが、結局は単にはずということだけに終わってしまったわけですね。したがって、ここで輸入を促進するためのいろいろな手が打たれるのですけれども、いま言った国内の流通経路の条件その他について、はたして輸入促進の効果をあげるためにはどういう手が打たれなければならないか。どういう手を打つという構想は大体腹の中に固まっておると思うのですが、その点を伺って私は終わりにしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま松尾先生御指摘の点はまさにそのとおりでございまして、御案内のとおり第二の輸入促進策という中に、政府といたしましても流通機構の合理化をはかるということが大きな柱としてうたわれておるわけでございます。具体的にどういう方法があるか考えておるかという点に関しましては、これは大蔵省だけでできることではございません。関係の各省それぞれできる限りのところで方法を研究してまいりたいと存じます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いろいろ論議が尽くされたようでありますけれども、二、三の点について簡単にお伺いをいたしたいと思います。  一つは、先ほどもこの委員会のあり方についての問題が一つ出ましたが、それとも関連いたしますが、私は委員会というよりも経済政策そのものの策定のあり方について少し意見があるのです。たとえば今回の七項目、それから前回の八項目、緊急対策というのが出ました。これは一つは、今回の七項目につきましてもどろなわ式であるという批評が新聞や雑誌にも現に出ておると思いますけれども、確かにどろなわ式ではないかと思うのです。特にどろなわの相手も国際関係で、前回もそうであったかと思いますが、OECDの会議がある。そこで日本が袋だたきにされては困るから、かような努力をやっておるのだということをPRし、弁解するために項目を並べるといったような感じが非常に強い。これは対外的にも何らかまずいと私は思いますが、それよりも対内的に、国内の経済政策のあり方という面から考えた場合に、日本の景気浮揚の問題なりあるいは円の再切り上げの問題なり、いろいろわれわれが持っておる困難な問題がたくさんありますが、それに対する対応の経済政策そのものは、もっと広範にもっと根本的にもっと科学的に策定されなければならぬのではないか。外に対しても、その意味においては国内に対しても同じでありますが、何らか思いつきであったりあるいはどろなわ式であったり間に合わせであったりするということは非常に遺憾であると思います。  先ほども大臣も言われたように、きまってしまってからここで議論する。しかもそのきめ方は全くどろなわ式であって、はたして科学的に政策としての効果が期待できるかどうかということについて疑問のようなものでも、きまってしまってからここでかける。あとはわれわれが附帯決議をつけて通したりあるいは反対したりする程度で終わってしまう。これでは全く大蔵委員会としての職責を果たすことにも遺憾な点が多いのですけれども、何よりも日本の経済政策のあり方として、私は思いつきであってはならないし、間に合わせやどろなわ式であってはならない。対内関係においても対外関係においてもそうであると思うが、この点について、私の言っておる点は全く誤解に基づくものであるかどうか、まず大臣にひとつお考えを承りたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私もそのとおりに思います。同感でございます。どろなわ式と言われましたが、私どもはむしろゆるなわと申しますか、もう少し早く総合対策をまとめたいと思っておりましたが、とにかくなかなか各省関係することでございますし、国会中は関係閣僚のみならず事務当局もみな縛られておりまして、なかなかこういう問題と連絡を密にして取り組めないというような事情がございまして、むしろ非常におくれたわけでございますが、まあおくればせながら一応対策をまとめたということでございまして、私どもはどろなわとはあまり考えておりません。  たとえば金融政策の問題にいたしましても、御承知のように、預金金利の問題にまで触れなければできないところまでこの金利引き下げ政策は限度に来ておるかというような問題についても、相当長い間かかって検討いたしましたが、過去は、何回かの金利の引き下げは預金金利の問題とからまなくともやれたのですが、ここへ来てもう一歩思い切った金利水準の引き下げをしようというからには、もうこれは預金金利の問題とからむ、これと関係させざるを得ないという結論になりますと、御承知のように、これはなかなか大蔵省だけでできる問題ではございません。関係各省の十分な了解がなければできない政策でございますので、そういう問題にも相当てまどってきたことは事実でございますし、またそれと同じように、いろんなことから対策はむしろおくれたことであって、急にこれをどろなわ式にきめたという政策ではございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 まあ国会会期中でおくれたというような御発言はちょっと行き過ぎかと思いますけれども、政府の政策そのものに全体としての総合性、あるいは総理の指導性、そういうものが足らぬということもありまして、これはまあ大蔵大臣みずから悩んでおられる問題だろうと思いますから、私はこれ以上は申し上げません。  そこで、第二の問題に入りますが、七項目とか八項目というのを緊急対策として出されたけれども、極端にいいますと、どれがほんとうに緊急であるのかというのは私はよくわからない。これは七〇年代の日本の経済政策のいまの段階において考えれば、輸入の促進も、外貨の活用も、輸出秩序の確立も、経済協力の推進も、資本の自由化も、みんなこれは常識でしょう。極端にいえば、図書館の目録を写してきてもこの程度はできる。どこが一体その重点であるかということについて、これはいまの指導性のない問題、あるいは手おくれの問題と含めて全く私には——われわれが、いまの段階においてだれが考えても拾えば拾うべき項目であって、どこに重点があり、ねらいがあり、焦点があるかということがはなはだ不明確である。こういうものでは、私は政策効果というものはないと思うのです。図書館の目録としては満点であるかもしらぬけれども、政策としては、政策のねらいとそれに対する重点的な迫真力がなければ、私はこの段階において効果のある政策の展開はなかなかむずかしい、こう思うのです。そういう意味から、前回の八項目が出されましたときに、なんだ、これは一つの図書館の目録ではないか、これで一体日本の円の切り上げの問題を避けるというようなことが、これは去年ですけれども、どうしてできるだろうかと、私は疑問に思いました。そして事実そのとおりになった。今回の場合も七項目、項目は一つ減りましたけれども、いわゆるもっともなことがみな書いてある。これで一体何をどういうふうに効果をねらっておるのかということがわれわれにはわからない。したがって、これもまたほとんど何事も得ないままになるのではないか。しかもそれをありきたりのもっともらしい、そして項目だけ並べるというようなものを、今度は緊急何とか特別措置法みたような名前で、ワンパッケージで出してくる。しかもそれは国会の最終の終末の段階において出してくる。  これも私は、いまの手おくれの問題と関連しますけれども、全く政策審議のあり方として間違いではないか。しかも極端にいえば、いまお話がいろいろ出ましたけれども、利子補給百三十億なら百三十億やるということは、こういう終末国会のごたごたで、まるで食い逃げ退散みたいな形で出されるということははなはだ遺憾でありますが、そこで私はひとつ大臣に、これらの七項目、八項目の問題のほんとうのねらいは、私、端的に聞きますが、ドルを減らすほうに重点を置かれておるのか、ドルをふやさないことに重点を置いておられるのか、どっちでありますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いつもお答えしていますとおり、依然として黒字基調が続くということに対外摩擦そのほかの問題が生じておるのでございますから、したがってそうならないことが望ましいという、これがむしろ一番の目的でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私が伺っているのは、いまのも大体間接には答弁になるのでしょうけれども、ドルをふやさないということに直接焦点をしぼって努力しておられるのか、ドルを減らすというほうに焦点を置いて御努力を願っておるのか、そこだけ伺えばよろしい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 この通貨調整があってもすぐに効果が出るものではございませんが、ドルがふえるということは、これはもうやむを得ないことである。これは各国でも認められておることでございますが、これがいつになっても均衡がとれなくて減らないというところに問題がありますので、それを避けることは、この経済政策としてはやはり重点でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 しかし、この点について、私はたとえばアメリカと日本の経済を比較して大ざっぱな議論をしますならば、アメリカはニクソンの大統領選挙のこともあって、とにかくインフレ的手法を用いて失業者の問題を片づけるというようなことをやるけれども、それは結果においてドルがますます流れ出るような方向にしかいかない。日本はその逆をやっておるので、いまのようなお話もありましたけれども、不況対策あるいは景気の浮揚というものが不徹底にしか行なわれない場合においては、輸入をふやしていこうといったって、生産活動が活発にならなければ、原材料輸入がそんなにふえるはずがない。最近はわずかにふえておりますけれども、これは在庫の積み増しのために始まった動きでしょう。本格的なものじゃないと思うのですね。それから輸出はいまどうだ。最近業界の人なんかにもいろいろ会って聞いてみると、これはまあ国内で売れないから大いに輸出するのだ。これでまた黒字幅がふえている。それだけでもないのですね。国内のものを思い切ってどんどん出しちまうのだ。そして在庫を片づけてしまえば、それでお値段も上がってくる。そういうきっかけをつかむことにもなるのだから、予想以上といいますか、必要以上に輸出に力を入れておるのだというような話をする人もおります。  要するに、いまの経済事情からいえば、輸出には圧力がかかるばかりである。輸入はさっぱりふえない。そういうことになれば、これは先ほど来お話がありましたように、日本の黒字かせぎが貿易の面でもあるいは総合収支の面でもふえるばかりになる。あるいは減らないということは当然のことでございまして、私は円の再切り上げを避けるということを一つのねらいとして考えた場合にも、大事なことは、日本の輸出が一部には輸出税をかけたらどうかというような意見もありますが、とにかく輸出を押えるというふうに持っていくことだ、輸入をふやすというほうに持っていくことだということが、一つの結論が出ておるのですから、もう少しそこに重点的に目標をきめて御努力願ったらどうだろうか。いまのままでは結局輸出はあまり減らない。それから輸入のほうはあまりふえない。こういうことになれば、どうしても黒字幅が大きくなっていく。したがって二百億ドルになるとか円の再切り上げだとか、いろいろな思惑が出てくると思うんです。どうしてももう少し、われわれが見ても、今度思い切ってドルをふやさない方向に日本の経済財政政策が向かったぞと、こういう印象を受けるような、この七つの項目の中にほんとうの重点が置かれなければ、私は問題は解決をしないと思うんですが、大臣、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 対内、対外均衡の回復という目的のために、やはり一番基本的な政策は財政政策であろうと思います。この財政政策を織り込んだものが今度の予算編成でございますので、この予算編成と同時に、いま政府がきめた一連の対策は、ほんとうならこれは補完的なものとして、あわせて実施しなければならぬ性質のものであろうと私は考えます。ですから、さっきも申しましたように、これは、いま急の必要が出てあわててばたばたどろなわ式にやったというものではなくて、本来なら、予算はもう財政政策でございますので、あの財政政策とあわせてこれらの措置をとることによって対外均衡の回復ということが促進されることだろうと思います。したがって、もう少し早くこの対策はきめるべきものであったと私は思っておりますが、少しおくれた形になっておりますが、これだけで大きい効果をあらわすというものでございませんで、予算がもうすでに動き出したことでございますので、これに今度きめた財政政策も加わりますし、輸出入対策も加わりますし、一連のそういうものが加わって、私は、政府がいま考えておるような方向への促進も期待することができるというふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 これは大臣とわれわれの意見が少し違うのかと思いますが、遺憾ながらそう思うんですが、たとえばここに、財政金融政策の機動的展開ということが一番大きなきめ手になるんだと、これは私、そのとおりだと思うんです。しかし、その中に書いてあることは、金利の引き下げと、公共事業等の繰り上げ施行を推進する、こう書いてある。これは前回も論議でございましたので、時間がありませんからきょうはやめますけれども、いまも議論がありましたが、貸し出し金利の引き下げ、これで内外確かに効果はあると思いますけれども、ほんとうに設備投資も動かないために景気が停滞しておるそのときに、金利の引き下げがどれだけ効果を持つかということについては、私はやはり非常に大きな限界があるというふうに思いますし、それから公共事業の繰り上げ施行という問題も、確かにそれだけの大きな効果があるし、現にあらわれつつあると私は評価しておりますけれども、やはりこれだけでは十分でない。結局は、物をどんどん買うという購買力が発動してこなければなりませんので、私は、その意味においてはやはり大幅減税を年内に早急に断行をして、それで景気の浮揚を高める。高めれば輸入もふえるでしょうし、輸出に対する圧力も少し減っていくであろう、かように考えますので、どうしても大幅減税政策というものが、この際いろいろの理由から論じることができますけれども、景気浮揚対策としても、真剣に考えていただきたい。これは要望をしておきたいと思います。  次に、三十億ドルぐらい片づけようと、こういうことの問題でございますけれども、これも先ほどもちょっと議論が出ましたけれども、アメリカの赤字というものを大体頭に置いて、アメリカの赤字が大体そのくらいということで、それをカバーするというようなことに一つの見当があるのかということが一つ。それからもう一つ、いまの、三・七五%になるかどうか、利子の問題。いろいろまだ未決定の要素もあるようでございますけれども、これもほかの金利水準から見て、どこを水準にしてこれはきめられ、あるいはきめられようとしておるのか私にはわかりませんが、やはりアメリカの金利水準なんかを一つの目標にしておるのかどうか、この二つの点を伺いたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先生のお尋ねの第一点でございますが、今回の措置によりましてどの程度の外貨の活用をはかるか、三十億ドルというふうなことがいわれておりますけれども、これらに関しましても実は検討中の段階でありまして、数字につきまして特に特定の数字を目標としておるということは現段階ではないわけでございます。むろんこれは、したがいましてアメリカの貿易収支の対日赤字というものと関連づけて考えておるというふうに考えておるわけではございません。  それから第二の利子補給、この金利の水準につきましては、先ほど主計局のほうから御答弁がありましたように、これにつきましても今後の検討問題でございまして、アメリカのTBの金利というものが標準になり得るというふうにきめているわけではございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いまの問題はその程度にしまして、もう一つお伺いしたい。  先ほど来、至れり尽くせりの財閥擁護であり大企業擁護であるといろいろな議論が出ましたが、私はその角度を変えて、資本主義経済の原則というものがある。その辺からひとつ考えてみたいと思うのですけれども、何といっても資本主義というものは原則は自己責任主義である。その自己責任主義を、中小零細企業の場合にはむしろ政府のほうがいたわって少しお手伝いをしてやる、これはわかるのです。今度の場合は、特にそういう今度の対象になるものは相当大きな力を持った大企業だと思いますが、これに利子補給も、やはりいろいろ議論がありますけれども危険負担もないようにしてやろう、しかもそれでうまく利益があった場合には、その利益は、当然あとから若干税金はかけるんでしょうけれども、それぞれの会社に帰属をするということになりますと、私は、重大なドルの問題で、一番大切な自己危険負担、自己責任主義というものが全然ないじゃないかというふうに思いますが、今度の、いま政府が考えられておる施策の中で、大企業には資本主義の原理原則である自己責任主義というものがどういう形でどの程度に貫かれていくのであるか、この点だけ伺いたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 私から御答弁申し上げるのは適当かどうかでございますけれども、むろん、御指摘のように企業におきまする自己責任が原則であるということは当然でございまして、その前提の上に立ちつつ、この現下の情勢に応じまして国として最も適当と思われる限度においてこの特別措置を講ずるということでございまして、その自己責任の原則について、そういうものを放てきして国が肩がわりをする、あるいはしてやるというようなことでは全くございません。

竹本孫一民社党

○竹本委員 ほんとはこれから本論に入るわけなんだけれども、時間がなくなったから私はあらためて伺います。もう一ぺんよく言っておきますが、今度のやり方については、経済の原則である自己責任主義というものがどの程度にどのようにして貫かれておるかということについて、一ぺんあらためて政府の見解を私は伺いたいんです。きょうは議論をいたしません。しかしこれが一番大事な問題なんですから、いずれあらためて伺いたいと思います。  もう二つ簡単に聞きますが、いま百六十億ドルからあるやつを、とにかくドルが二百億ドルになっては困るとか、円の再切り上げだとかということで、いわゆるこれを減らそうということでいろいろ御努力を願っておると思うのだけれども、この問題に関連して、一つは、二十七億ドルか三十億ドルことしはふえるという予定になっておるんだけれども、最終的にことしのドルの増加というものはそのぐらいになるという見通しであるかということが一つと、それからもう一つは減らすほうでございますけれども かれこれ合わせて二百億ドルぐらいになるものの中で、今度もこちらで十五億、こちらで十五億というようなことをいっておられるわけだけれども、一つの大きな手としてはアメリカの長期、中期の国債を買うということだとばくは思うんだけれども、実際はむしろそのほうがより効果的であって、今度のいわゆる外貨減らし対策、田中構想を中心とした対策というのは、私は、あまり効果はないと思う。しかもいま言ったように、資本主義の原則から考えてみると、自己責任主義をこわしてしまう。しかしまた一方からいえば、それだけのものを買って事業をやるというのに高い利子を払わされては妙味がないというし、あるいはばかばかしいというかもしらぬし、それからへたな危険負担を自分でやるくらいなら、そのまま持って円が切り上がった後にあらためて買ったほうが気がきいておるというような考え方も会社としてはあるだろう。したがって今度の田中構想を中心としたようなドル減らし政策というものは、やれば至れり尽くせりの保護をしなければならぬように、特にいまの自民党の性格からいってもあるいは会社の要求の面から考えてもそうならざるを得ない。  そういうことになれば、一体何のためにこれをやるのか。減らし得る量は非常に少ない。しかも滅らそうと思ってそういう手を打てば、田中構想の展開の過程においては、結局至れり尽くせりの保護をしなければならぬことになる。全くこれは政策選択の問題としてはナンセンスというか有害というか、ぼくはあまり評価しない。この点についてのドルを減らすとい、外貨減らしの対策としても、むしろ長中期の国債を買うということのほうがより有効適切で、そんなにこれに効果を期待ができないというふうに感じますが、大蔵大臣のこれに対する考え方はいかがか伺いたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 お尋ねの第一の点でございますが、本年度二十七億あるいは三十億ドルふえるということがあるがということでございますが、これはおそらく政府の見通しといたしまして、本年度の国際収支の基礎収支の黒字の見通しが二十七億ドルという見通しを立てておりますので、その点の関係であろうと存じます。これが現実に今年度の国際収支、ことに短資のほうは見通し困難でございますが、基礎収支といたしましてどのくらいになるかという点につきましては、現在の段階ではなかなか算定がむずかしいわけでございます。おそらくやはりその程度の黒字ということになるのではなかろうか。これはまだ今後の景気浮揚その他、現実に効果が出てまいりますと、もっと黒字が減っていく。あるいは基礎収支という中には長期資本が入っておりますから、したがいまして先生御指摘のような長期資本の流出、つまり長中期債への運用等が起こりますと、この点では基礎収支自体も変わってまいるわけでございますけれども、そういうものを別といたしますと、ほぼ輸出入の関係その他は、やはり非常に見通しがむずかしいわけでございますが、政府見通し程度の黒字にはなるのではなかろうかということが考えられます。  それから他方、今回のこの活用によって中長期の債券の購入等を盛んにしたほうが数字的には効果的ではないかという点は、御指摘のようなこともあるかと存じますが、これはやはり市中から買うわけでございますから、たくさん買えば値段が上がってしまうという点もございますし、なかなかこれは買い方がむずかしいわけでございまして、われわれのほうといたしましても極力有利に、なるべく中長期の債券を買えるというように措置をいたしておるわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 時間がないから簡単に大臣に一つだけ伺いたいのですが、一つは中小企業ですね。こういう人たちは、円がいまは三百円から三百何円ということになっておりますが、いまの不況そして国際収支の動き等から見て、再切り上げがあるというふうに親方の企業が考えておるために、下請企業等に対する注文の出し方、仕切りというものは、極端な場合には二百八十円なり二百七十円くらいのところまで円が切り上げられるということを前提にして単価を値切っておる、こういう動きが相当あると思うのですね。その痛い犠牲を中小企業はそのまま全面的にかぶっておるのだけれども、大企業に対するこれほどの至れり尽くせりの保護を考えられるときに、そういう零細企業あるいは下請企業等に、円の再切り上げを前提に見込んで大企業のほうが条件を悪くして危険負担をこちらへ持っていっている。これを救済することをどう考えられるのかということ。  あわせて、ただ、いまは条件がきびしくなるだけでなくて、注文がもう出なくなる面があるのですね。注文そのものが出せなくなる。もう少し様子を見ようといったようなことで注文を押えてしまう場合がある。そうして、ことに輸出に全面的に依存しておるような中小企業の場合には、条件がきびしくなっても困るが、注文がもらえなくなったらもっと困る。全面的に食い上げになってしまう。こういう危機にさらされている面が相当あるのではないかと思いますが、そういう問題を取り上げて考慮せられておるかどうか、あるいはせられておるならば、どういう方向でこれに対処してやろうとしておられるか、その点だけ簡単でけっこうですがお伺いして、終わりにしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 円の再切り上げということを理由にして、下請企業に対し二百七十円とか二百八十円の相場でたたくということが行なわれているというふうな話を聞きましたので、これはすぐに警告しなければならないということで通産省とも相談いたしましたし、私どものほうでもこれを考えて、いろいろな機会にそういうことのないように警告をしてきましたが、そういう事実はないという反発が非常にあると同時に、また実際はそういうものがあるのだということを裏から訴えてくるものもございますので、私どももいま、もう少し実情を調査した上で善処したいと思っております。  いずれにしろ、そういうことを避けるためには、何としても円が切り上げられるであろうというような疑念をこの際払拭することが、やはり一番大切だと思いますので、円の切り上げをしないという、またそういう情勢にはならないという政府の見解を、はっきりこの際いろんな場所で言うことが必要である。と同時に、またこの問題を特に問題にして、円の再切り上げということを言っているのは、実際は日本の中が一番これを問題にしているのだと、外国人もそう言うくらいのことでございますから、こういう声が立たないように政府も対策をすると同時に、やはり再切り上げはないのだということを、国民にはっきり知って落ちついてもらうことが大切であるというふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 どうかこれは実情をよく検討するように御努力を願いたい。要望を申し上げて終わります。      ————◇—————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 次に、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案は、すでに質疑を終了いたしております。  これより討論に入るのでありますが、本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 ただいま議決いたしましたアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表し、藤井勝志君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、提出者より趣旨の説明を求めます。木村武千代君。

木村武千代自由民主党

○木村(武千代)委員 ただいま提案いたしましたアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、私よりその趣旨及び内容について御説明申し上げます。  まず、案文でございますが、案文はお手元に配付してありますが、いま朗読をいたします。    アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項に留意しつつ、アジア開発銀行が本来の使命を達成し得るよう積極的に協力するものとする。  一 アジア開発銀行にいまだ加盟していない国の同銀行への加盟が促進されるように配慮するのがのぞましいこと。  二 アジア開発銀行の融資が、同銀行設立協定の趣旨にのっとり、各開発途上国に均てんするのがのぞましいこと。  三 地域の経済社会の開発の促進に資するため、技術教育関係に対する融資並びに技術援助が拡充されるのがのぞましいこと。 以上が、附帯決議の案であります。  わが国の国民総生産は自由世界において第二位の規模に達し、いまやその国際経済社会に対する責務は六〇年代とは異質ともいえるほどの増大を示しているのであります。  かかる重大な責務をになうに至ったわが国が、国際経済社会において最も重要な課題であります発展途上国の開発のために、その経済規模にふさわしい協力を進めていく必要があることはいまさら申し上げるまでもないことであります。  特に、わが国と発展途上国との相互依存関係には他の先進国に例を見ないほどの深いものでありまして、わが国の貿易面での総輸入の四〇%、総輸出の四三%が発展途上国、さらにはわが国の海外投資の五〇%がこれも発展途上国に向けられており、これらによってわが国は世界最大の資源輸入国で、その資源の大多数量を発展途上国に依存しているのであります。  このようなわが国の置かれております立場から見ますと、わが国における経済協力は、単に国際的な責務であるにとどまらず、わが国経済自体の円滑な運営のためにも不可欠の要請と見ることができるところであります。  かかる見地からいたしまして、わが国の経済協力は、世界経済の発展と人類福祉の向上のために欠くことのできない主要な課題でありまして、これに対処し、先進国としては発展途上国の開発に一そうの前進をもたらす形での新しい経済秩序の形成に最大限の努力を払うべきであります。  アジアにおける開発途上国の経済開発については、わが国はアジア開発銀行に加盟し、その業務の規模を逐次拡大して、域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを果たすよう期待し、協力体制をとってまいったのであります。  したがいまして、このたびのわが国がアジア開発銀行への出資を追加するに際しては、一段とアジア開発が健全な発展を遂げるために、政府においては、アジア開発銀行にいまもって加盟を見ていない国の同銀行への加盟が促進されるように配慮する、またアジア開発銀行の融資にあたっては、同銀行の設立の協定の趣旨にのっとり、各開発途上国に均てんする、さらに地域の経済社会の開発の促進に資するため、技術にかかる教育関係に対する融資並びに開発促進に資する技術援助が拡充されるのが望ましいことでありますので、この点に留意しつつ、アジア開発銀行の本来の使命を達成し得るように積極的に協力するものであります。  以上、附帯決議案の趣旨を終わりますが、何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  おはかりいたします。  本動議のごとく附帯決議を付するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 起立多数。よって動議のごとく附帯決議を付するに決しました。  本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って十分配慮いたしたいと存じます。     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 おはかりいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 次回は、来たる二十六日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後六時二十六分散会

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