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68回国会衆議院1972/05/23

大蔵委員会 第30号

発言数
202
登壇者
13
会派数
4
開催日
1972/05/23

会議録

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 政府より提案理由の説明を求めます。田中大蔵政務次官。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 ただいま議題となりましたアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  アジア開発銀行は、アジアにおける開発途上加盟国の経済開発の促進に寄与するため、昭和四十一年末に発足した国際開発金融機関であります。同銀行の業務は、昭和四十三年ごろから本格化し、その後、業務の規模は急速に拡大して、域内開発途上国の経済発展に大きな役割りを果たしつつあります。  わが国は、域内最大の二億ドルの出資をもって同銀行に加盟し、域内先進工業国として同銀行を積極的に支援してまいりました。  同銀行の当初加盟国の出資の払い込みは、昭和四十五年の第五回分の払い込みをもって、滞りなく完了いたしました。一方、同銀行の通常資金の融資は、今後、さらに増大が予想されます。このため増資の要請が高まり、昭和四十六年四月の第四回年次総会において、同銀行の理事会が増資について必要な検討を早急に行なうべき旨の決議がなされました。同理事会は、この決議に基づく検討の結果、総額十六億五千万ドルの増資とその割り当てに関する決議案を総務会に勧告しました。同決議案は、各国を代表する総務の投票に付され、昨年十一月末成立いたしました。わが国は、同決議案に対しわが国総務である大蔵大臣が賛成投票を行なっております。  ここにおいて、わが国といたしましては、決議の定めるところに従い、同銀行に対し、一九六六年一月三十一日現在の量目及び純分を有する合衆国ドルで三億ドル相当額の追加出資に応ずるため、所要の国内措置を講ずる必要が生じたものであります。したがいまして、この法律案により、新たな出資についての規定を設けることとし、この法律成立後、同銀行の増資に応募する旨の正式通告を行ないたいと考えております。  なお、今回の出資のうち、払い込み資本は、その五分の一に当たる六千万ドルとされております。さらに、その一部は本邦通貨にかえて、国債で払い込むことが認められておりますので、この部分につきましては、当初出資と同様、さしあたり国債で行なうことを予定しております。現金で払い込みを要する部分につきましては、第一回払い込みの所要財源として二十六億七千六百万円を昭和四十七年度予算に計上し、御承認を得た次第であります。  以上が、この法律案の提案理由であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     —————————————

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 アジア開発銀行の出資の御提案でございますので、その点についてわが国の対外援助の問題、その問題でお伺いしたいのでありますが、わが国の外交姿勢が今日ほど内外の注目を集めておるときはなかろうと思うのであります。エコノミックアニマルなどといったような、半ば軽べつ的な評価から、あるいはまた今日では経済侵略、軍国主義といった認識のもとに、特にアジア諸国からはある意味では恐怖の目をもって見られておる。アジア開発銀行にかかる法案の審議にあたりまして、私は、きょうは、五月十四日のインドネシア大統領と佐藤首相の会談に関する共同発表についてまずお伺いをしたいと思うのであります。  新聞の伝えるところによりますと——私たちこれだけしか知識がないのでありますけれども、新聞の伝えるところによると、この会談において、政府はインドネシア共和国に対して六百二十億円という巨額の借款を供与する約束を行なった、こういっておるわけであります。この借款は、利息は年三%、七年据え置きだというようなことをいっておるわけでありますが、さらに民間ベースの話が進んでおって、これは一億ドルの原油代金の前払い融資をする、こういうふうに伝えておるわけであります。この借款交渉をめぐって、日本政府とインドネシア政府、この間にはどのような経緯でこうなったか、新聞等はいろいろ疑惑の目をもって記事を書いておるわけであります。六百二十億円、これに同時に出資されるといわれる一億ドルの民間借款を加えると三億ドルであります。わが国がいままで行なってまいりました政府借款にいたしましても、これは最高の金額でございます。かつて日韓条約のあとで韓国に対して二億ドル、同年台湾に対して一億五千万ドルがこれに次いでおるわけでありますが、今回のこの借款のあれはいままでにかつてないところの巨額の金額であります。しかも現在国会が開会中であります。それだけにこういう大きな問題、政府のほうが進んで国会にこれを説明して、いろいろと疑惑を持たれておる、こういう疑惑を晴らすということは政府みずからこれを行なうべきじゃないかという気持ちで私はおるわけであります。しかし政府からはいままでこれだけの大きな問題にかかわらず一言の説明もなされていない。もちろん国会というのは、国民に対してこの問題を説明すべきである、こういうことなんでありますが、まずその経緯、内容というものを御説明願いたいのであります。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御指摘の点に関します経緯と内容に関しまして、外務省の局長が見えておりますので、外務省の局長にお願いいたしたいと存じます。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 まず、経緯を御説明申し上げますが、いわゆる公害問題ということを背景にいたしまして、日本として低硫黄の石油はぜひほしいという必要性をわれわれ感じておったわけでございます。一方インドネシアといたしまして、自分の国の開発、そのかぎになる石油の開発というものに非常な必要性を感じ、かつそれに多額な資金が要るという認識を持っておったわけでございます。両方のそういう必要性というものを踏まえまして、昨年の暮れ以来政府間の接触と申しますか、ネゴシエーションというものが開始されたわけでございます。その結果、かなり問題が煮詰まってまいりました段階でスハルト大統領が非公式に訪日するということになったわけでございます。  結果といたしまして、今後十年間に五千八百万キロリットルの低硫黄の石油を日本に供給することをインドネシア政府が保証するということが第一点でございます。それから日本といたしましては、インドネシアの石油開発に非常な資金が要る、かつ、それはあの国の経済体質を改善するのに役立つということで二億ドル、つまり円で申しますと六百二十億円の借款を与えるということの大筋がきまったわけでございます。その大筋につきまして五月十四日に発表されましたスハルト大統領と総理大臣の共同声明にうたったわけでございます。ただ問題は、さらに詳細な点につきましては、今後まだ交渉が続けられるという必要性があるわけでございます。  以上でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまのお話ですと、日本は低硫黄の石油がほしい、向こうは開発資金がほしいということで話をしてきたというが、いつごろからこの話はしておいでになったのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先ほど申し上げましたけれども、昨年の暮れからでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 新聞等では、スハルト大統領は健康診断のために来るとか、キッシンジャーの例もあるからいろいろなカムフラージュする手はあるのでしょうけれども、新聞等ではジャカルタにおる日本の大使も知らなければ、こちらにおるインドネシア大使も知らないなんということでますます疑惑を深めておるようでありますが、それはきておきまして、大筋がきまった、こういうことは、これからどういう交渉をして出すのか、出さないのか、その辺はどうなるのですか。一体どういう時点で日本から金が出ていくのですか。大筋がきまったということは具体的にどういうことなのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 大筋がきまったと申し上げましたのは、先ほど御説明申し上げましたとおり、五千八百万キロリットルの低硫黄の石油がくるということが一つ。それから日本からは六百二十億円の石油開発に主として使われる資金が供与されるという点、それからこの資金を与える条件というようなものがきまったということでございます。それで、この借款自身はひもつきでない、しかしそのほとんどの大部分は石油開発に使われるというような点がきまったわけでございます。  なお、今後の段取りといたしましては、政府間で交換公文が結ばれるということになります。その段階でこの借款が何に使われる——石油プロジェクトということだけは合意しておりますけれども、実際にどういうプロジェクトに使われるか、これは先方のプロジェクトリストの提出を待って検討するという作業も残されております。以上のようなことでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そうしますと、大ワクとしては六百二十億円を貸し与えるということはきめたわけでしょう。きまってないのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 六百二十億円でございますけれども、そのワクを与えるということをきめたわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまのお話ですと、五千八百万キロリットルですか、この石油がくるのだ、それで日本からは六百二十億円貸し与えるのだということですが、しかしこれはこの石油とぴしゃりとリンクしておるわけではないのでしょう、この声明文を読みますと。これはどうなのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 その六百二十億円というのは、その石油の代金とか前払いとかいう性格のものではございません。したがいましてリンクしておりません。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 普通は借款を与える場合、向こうにプロジェクトがあって、そのプロジェクトを検討してそれで皆さんなりに確信を持って、それで金額、借款を与えるというのが、これはどこの国でも普通のあり方だと私は思うのですけれども、今回の場合はちょっと違うようでございますが、いかがですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 日本が与える借款はいろいろなやり方がございますけれども、あらかじめプロジェクトをかためてから与えるというやり方と、大ワクとしてきめてその後に先方との折衝でプロジェクトを確定していくという両方のやり方がございまして、たとえば日本が先般与えることになりましたマレーシアに対する借款というようなものは、やはり大ワクをきめまして、それで先ほど先生御指摘の今後どういう作業があるかということの一環になりますけれども、具体的なプロジェクトはワクの中で今後先方と折衝してきめていくということをこのたびの場合考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いろいろなやり方はあろうし、過去にもあったけれども、しかし、一番普通のあり方はプロジェクトがあって、それに対してこう金がほしいのだということできまるのが、これが普通じゃないか。その点でちょっとこういう例外はあるにしても、例外的なやり方ではないか、こう聞いておるわけです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 われわれの考え方では必ずしも例外でないというふうに考えております。このたびの場合、先ほど御説明申し上げましたけれども、その大部分が石油開発プロジェクトに使われるという大ワクをきめてあるわけでございます。先ほど申し上げましたマレーシアあるいはタイ、これらに対する借款も大ワクをきめまして、交換公文を行なうまでの間に双方でプロジェクトを固めていく。したがいまして、交換公文を行なう段階ではプロジェクトは確定している、こういう姿でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そうしますと、この六百二十億は石油開発に使うということだけはわかっておるわけですね。だけれども、どういう具体的な計画に使われるかというのはまだわからない。そうしますと、かりに借款が焦げついたとしますね、インドネシアは前にもそういう例がございまして、債権国会議を開いてみたり、いまIGGIという形でやっているときに、この六百二十億が焦げついたというような場合には、一体どういうふうにされるのですか。そのときIGGIとの関係はどうなるのです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 御承知のように、インドネシアに対する援助、一般的な援助と申しますのは、IGGI、政府間の供与グループというものでやり方、あるいはどういう条件でやるか、あるいはどういうところに重点を注ぐべきかというようなことを相談してやります。その点、基本的には今後日本としても、IGGIの諸国と協調してやっていきたいという考えを持っております。ただ、IGGIで従来扱っておりますのは、石油開発プロジェクトは入っておりません。したがいまして、このたびの場合、IGGIのワクの外でということを考えたわけでございます。ただし、IGGIの主要国にはこういう話をいまやりつつある、あるいはいまの段階でこうなったという通報をしまして、了解を得ております。  それから、焦げついたらというお説でございますが、焦げついたらという、われわれとしては焦げつかない、必ず返ってくるという前提で考えておりますし、またこの金が主として石油開発に使われるという点を考えましても、焦げつくことはないというふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 石油開発に使うから焦げつかないとか、どこへ使うから焦げつかないなんという保証は何もないのじゃありませんか。皆さんだって、いままででもインドネシアに対するいろいろな借款が焦げついたという現実があるわけでしょう。その現実がないとおっしゃるなら別だけれども、現実はあるわけですよ。この委員会でも審議したことがあるわけです。そうすれば、私はIGGIが石油は別ワクだ、こうおっしゃるけれども、私はむしろ石油だからなおさら問題があると思うのですけれども、だけれども、このIGGIと関係なしに別ワクでやった場合、焦げついたときに、一体債権国とやはり一緒に相談をして、その取れなくなった債権の処理に当たらざるを得ないのではないか、だから、なるたけ多国間で話し合いの中で援助するというのが私は援助のたてまえ、国際的な話し合いではないのか、それが原則ではないのかと、こう聞いておるわけですよ。  それを今度ずばりと日本独自でおやりになったというところに、新聞等がいろいろ報道するいろいろな疑惑というものがある。一体、なぜそれならあなたのほうは、この国会がこうやって開会しておる最中に、あの話し合いがスハルトと佐藤総理との間に話し合いができた時点で、なぜ一体国会にいち早く報告をし、この疑惑を解くというか、国民に対して報告するという、これは義務があるのじゃないですか。もっと言わしてもらうならば、借款を佐藤総理の胸三寸できめるようなことではなしに、こういう大きなものはやはり国会の承認を求めるというのが私はほんとうはたてまえだと思うのですよ。ほんとうは国会の承認を求めるべきだと思う。しかし、それがなくとも、国民を無視して、国会に、国民に対して一つも報告をしないなんというのは、私はけしからぬことだと思うのです。皆さんのほうがみずから進んでこれは国民に対して国会を通じて説明をされるというのが、私は本来民主的な民主国家のあり方だと思うのですが、その点はどうなんでしょう。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先ほど御説明申し上げましたとおり、大筋において話は固まりましたけれども、まだ実は交渉は残っておるわけでございます。交渉が完全に妥結した段階で交換公文が行なわれるということを申し上げましたわけでございます。  ただ、この内容をなしますものは、確かにお説のとおり金額も大きいということは事実でございますし、それから新聞でいろいろいわれているということもわれわれは承知しております。ただ、交渉の途中の現在の段階でございますが、その段階ではたして国会に御報告を申し上げたがいいのか悪いのか、私自身ではまだ判断をしかねるのでございますけれども、いずれにいたしましても、全部妥結した段階では当然公表されるものでございますから、その点、御了承いただきたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 だから、最終的なところまではいろいろとあるかもわかりません。しかし、もう声明文を出して、そうして六百二十億という大ワクをやるという話はついておるわけです。それなら、その段階で当然報告をすべきじゃないですか。これはあたりまえのことですよ。皆さんだけで国民の大きな金をかってに使っていいなんということにはならないですよ。ただ、法律上国会の承認を求めるか求めないかということは別にしましても、民主政治というものを考えていった場合、この段階はこの段階で報告するのが私は当然のことだと思う。あなたのようなお考えでいくならば、全く官僚独善ということになりはせぬですか。もう議会なんというのはあってもなくてもいいということですか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 私からお答えいたします。  阿部委員のお説もごもっともでございますが、私どもとしてはいま目下交渉の過程でございますので、それを一つ一つ国会に御報告する場合もありましょうが、外交案件に属する問題でございますので、やはり結論が出まして報告する場合が多うございますので、そういう趣旨でおるわけで、決して国会を無視しておるというようなことはさらさらないということを御説明申し上げたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いや、六百二十億というものは、大ワクはきまっておるのですよ。それから、本来ならば、このやり方もこういう例もあるという、決して例外ではないとおっしゃるけれども、普通やはりプロジェクトがきまり、それに対して借款を与えるというのが順序だと私は思うのです。それにかかわらずこの六百二十億というものがきまった。こういうことになれば、それはそれで一段階ついておるわけです。しかも国会開会中なんだ。そしたらその段階での報告をすることは、一つも外交上むずかしいことじゃないじゃないか。そこまで隠してやらなければいかぬくさいものならいざ知らず、堂々とおやりになるということならば、それくらいのことをやってもいいじゃないですか。その点はどうなんです。そんなにくさいのですか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 別にこの案件がくさいというようなことはございませず、先ほども申し上げましたように、まだ細部についていろいろ両国間で検討しておりますので、別に他意があるわけではございませんが、結論が出てそれを国会に報告しようという考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 その結論というのはどういうのが結論なんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 政務次官、それから外務省の局長から答弁申し上げておりますが、これに補足させていただきますと、先ほども答弁がございましたように、今回のは大ワクについての話し合いがきまった、それを共同コミュニケの形で公表をいたしたわけでございますが、具体的にプロジェクトの選定その他詳細につきましてはこれから交渉をいたすということでございます。それが終わりましたところで具体的な形で交換公文が締結せられる。むろんそういう段階で公表される、こういうことになるとか存じますが、この六百二十億円というものの大ワク、大体五千八百万キロリットルの十年間にわたる低硫黄石油の供給に対する先方の約束に対応いたしまして、わが政府といたしましては予算、法律、その他の行政上の与えられたワク内でいまの六百二十億円の借款供与につきまして対処してまいりたいということでございますので、ただいま政務次官からお話しのありましたように、国会を無視してとかいう趣旨では全くございませんので、その点を重ねて申し上げたいと存じます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私はきっぱり納得できないのですけれども、五千八百万キロリットルの石油が入ってくるというには確信を持っておる、こう言うのだが、どんなふうな具体的な調査をされて確信をお持ちになったのですか。

花岡宗助通商産業省鉱山石炭局石油開発課長

○花岡説明員 御承知のとおり、インドネシアは東南アジアにおきます非常な石油資源保有国でございまして、この原油の性状はS分が〇・一%以下の超低硫黄原油でございます。それでインドネシアの一九七〇年末におきます原油の埋蔵量は確認埋蔵量が約十六億キロリットルというふうに考えられておりまして、これを同年の原油の生産量約五千万キロリットルで割りまして、いわゆる可採年数、P分のRというものが現在三十二年あるというふうに見られております。それで一九七〇年におきましてわが国がインドネシアから輸入いたしました原油は約二千六百万キロリットルでございますけれども、こういった現在のインドネシアの可採年数の三十二年という大きい数字及び最近インドネシアにおきまして活発に探鉱開発活動が続けられておりまして、地質構造のいろいろな資料が得られております。これをもとにいたしまして石油技術の専門家が解析をいたしましたところから判断いたしまして、今後十年間で約六千万、正確に申しまして五千八百万キロリットルの原油を日本に供給することは可能であると考えました。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 推定埋蔵量が何ぼあろうと、はたして出てくるのかどうかということは掘ってみなければわからぬです。はたして来るかどうかというのもわからぬ。しかもこれは、もう一つお伺いしたいのは、石油の代金ではないのですから、出たからといってこの六百二十億の返済が可能であるかどうかということとは、これまた別個の問題なんでしょう。違うのですか。来るのかどうかということもわからないけれども、かりに来たからといって、この六百二十億というのは石油の代金とは別個でしょう。そうすると、その借款が焦げつかないという保証は別ワクなわけでしょう。そういうことでしょう。いかがですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先生のおっしゃるとおりだろうと思います。この六百二十億円というのは代金ではございませんで、石油の増産のために必要な開発のための資金ということでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そこでもう一つ、さっきの問題に返りますけれども、IGGIでは、私、聞くところによると、不文律かもわからぬけれども、お互いに援助をする場合、話し合いをしてなるたけ多数国で援助しよう、一国で抜けがけの利権あさりみたいなことはやめようという話し合いがあるやに聞いておるのですが、このIGGIの申し合わせというのは大体どんなことを申し合わせておるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 IGGIの討議は、いま先生の御指摘のような申し合わせというあれではございませんで、毎年毎年インドネシアの援助の需要と申しますか必要、そういうものを世銀等が中心になりまして算定をいたしまして、そうして各国がそれぞれ可能な限り援助をする、その分担をきめるということでございまして、その大ワクについての話し合いが行なわれます場がIGGIでございます。ただ、いままでのあれで申しますと、石油につきましてはこのIGGIの援助のワク外ということに従来からもなっておるというふうに承知いたしております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そうすると、石油については別ワクだとおっしゃるけれども、この別ワクをやった国はいままであるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 従来、これはインドネシアの制度のほうに関連があるかと存じますが、インドネシアの石油はプルタミナという一種の国有の特殊会社と申しますか、国有会社が一貫して処理してまいっておりまして、そのプルタミナの関係、つまりインドネシアの石油の関係は、いわばインドネシア側におきましても、極端に申しますと政府として別ワクと申しますか、向こう側でも別ワクになっておったというようなことがございます。それが今度のスハルト大統領の政権になりましてから、その点は適当でないという向こう側のあれがございまして、プルタミナに対するインドネシア政府の統制と申しますか、そういうものを強めていくというふうに先方の制度が変わったようでございます。したがいまして、従来このプルタミナ関係が外国の政府援助の対象になっておったということはないようでございますが、今後の問題といたしましては、いまのようにインドネシア側の制度が変わったようでございますので、その意味で今回初めてのケースであろうかと存じますが、それ自体、先ほど外務省の局長から説明がございましたように、IGGIの加盟国に対しましては日本側が本件についてはこういう説明をいたしまして了承を得ているわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 今回初めてでしょう、こういう形の援助は。しかもこの金は、六百二十億というのは国営のプルタミナですか、ここの公社でプロジェクトをおつくりになって、そこでおやりになるわけでしょう。違うのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 その点につきましては、おそらく具体的に使うのはプルタミナとなるかと存じますが、その話し合いの相手方はインドネシア政府と日本政府ということになろうかと存じます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私、こういう場であまりよその国の悪口を言うのはどうかと思いますけれども、エコノミスト等に載っておりますし、私も昨年行って何がしかの視察をしてきたわけでありますけれども、私たちが行く直前に学生運動が起きて、プルタミナはある程度半独立国みたいな形で経理をやっておられた、それに対して学生運動が起きて、そこでいまあなたがおっしゃるような形で法改正をして政府の管理下に置こう、こういうことになったようであります。エコノミストの報ずるところによりますと、これは長洲さんなんかが視察したときの報告ですけれども、私が行ったときもそれと同じような話を聞いたのでありますが、たいへんもうかっておるはずなんだけれども、帳簿が三重帳簿くらいあってきっぱり経理がわからない。もうかっておるはずだけれども、政府への納入金は一文も納入していないというようなことで、それで学生連中がこのプルタミナはけしからぬという形で騒ぎ出した。それでスハルト政府もこれに対して法改正を迫られた、こういう話を聞いてきたわけです。ほかの人が見た報告書も同じようなことを言っておるわけです。  そうすると、一体どんなふうにこれが使われるのか、その点で私は、六百二十億円が出るにしても、もう少しこのプロジェクトがきちんとしなければ、先ほどの埋蔵量が幾らあるとかそんなことでこれは納得のできるものじゃないと思うのです。土の下にある石油、それをそんなに、埋蔵量が幾らあってどうだからなんということでは私は判断が甘過ぎると思うのです。そのプロジェクトが出てきて、それで援助というものが行なわれるのなら、まだ百歩譲って私は認めるにしても、その辺の心証の確実さというものに対する判断が甘過ぎやせぬか。まあインドネシアの経済はスハルトになってから非常に安定した、安定したと、こうおっしゃる。物価も安定したとおっしゃる。しかし言ってみればあれは、いわゆる物価はジャカルタ物価ですよ。極言すれば、ほかの地域とは縁もゆかりもないジャカルタ物価、しかもジャカルタの中の一部の階層の物価だと私は判断してきている。それを即安定しているなんて言ってみたって、これは少し話が違うんじゃないか。まあ低開発国どこも外貨が不足しておるということはわかりますけれども、それでも毎年、大体インドネシアには援助国全体でいけば六億か七億ドルの援助を続けなければならないという中なんですね。そういう中で一体プルタミナがどれだけ確実性を持っておるのかどうかという点も、もう少し私は煮詰めて、その上で援助をなさるなら援助なさるということでもいいのではないか。  まあ佐藤総理やめぎわにはっきり六百二十億の大ワクをきめたあたりにより疑惑がある。それだけに中間で、まだ交換公文ができ上がらないなんていうほおかぶりをするのではなしに、やはり国会のこの時点で皆さんのほうから進んで、こういうことで、こういう計画で、これはやるのだというような説明がむしろ皆さんのほうから、政府のほうから進んで報告があってしかるべきだということを当初に申し上げたわけですが、皆さんにはその意思がない。ますます私は疑惑を持たざるを得ないことになるのじゃないでしょうか。もう少しこういう点率直に援助するなら援助するということを国民に明らかにする、そのことが日本の政治も明るくしていくもとだと思うのですよ。そういう点で私はまだあなたの説明でプルタミナがどういうふうな計画を立てるか、それもわからない。しかもそこの会社自体のいままでの経緯を見るならばますますこれはわからなくなってくる。しかもスハルトきんは、いろんな外交上の理由もあるのでしょうけれども、日本へ健康診断でおいでになるというようなことでおいでになって、ばたばたときまってしまったという感じ、一般の人たちはそう思っておるわけです。そういう点で私はどうもこれに対してはわからぬのでありますけれども、もう一つはIGGIとこれとは、石油関係は別ワクだ、こうおっしゃる。別ワクだとおっしゃるけれども、万が一これが焦げついた場合にはやはり債権国会議の問題としてこれは処理する以外に道がないんじゃないですか、どうなんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先生御指摘の、今回低硫黄石油供給の約束を取りつけて、その見返りと申しますかそれとしてこの六百二十億円の援助を与えるということにつきましては、先ほど外務省の局長から御答弁がございましたように、まあ昨年の暮れくらいから検討を始めておったわけでございますが、われわれといたしましてはまさに御指摘のとおり、この五千八百万キロリッターの低硫黄石油が確実に出る見通しがあるということでなければむろん初めから問題にはならない点でございますので、その点も十分に確信が得られるということを中心にいたしまして、この話し合いを進めておったわけでございます。その点につきましては、先ほど通産省のほうから御答弁がございましたように、実際問題としてこれは五千八百万キロリッターの低硫黄石油は確実に入る見込みがあるという判断でございますので、その点で踏み切ってもいいんではないかという、そういう結論に達したわけでございますが、他方プロジェクトにつきましては、まだ具体的にどれとどれ、あるいはどういうプロジェクトということにつきましてのあれがございませんので、これはまさにそういう全体の方針のもとにこれから個々にプロジェクトを検討いたしまして、そして具体化をしてまいりたいということでございます。  焦げついた場合の問題ということでございますが、元来、先生十分御承知のとおり、昨年いろいろと御審議をいただきましたインドネシアの債務救済に関しまする特別立法のときの背景というものからいたしましても、あの特別立法はいわばインドネシアの政権交代という特殊の事情に由来するものでございまして、われわれといたしましてもこういうことが二度と起こってはいけないということを基本的な考え方といたしまして処理をいたしておるわけでございます。  その後、インドネシアの情勢と申しますものは、昨年も御説明を申しましたように、好転のほうに進んできておりまして、物価はジャカルタ物価であるということも事実であろうかと存じますが、これはジャカルタ以外の地方におきましては貨幣経済でない、物価があってなきがごときであるというようなこともあるいはあろうかと存じます。全体といたしまして、最近の、その後の進みを見てまいりますと、インドネシアの経済というものが決して昔のような危険と申しますか、外国から借りたものが返せなくなるというような状況ではなくて、むしろ好転をしてきつつあるのではないかというふうに、非常に判断が甘いというおしかりを受けるかもわかりませんが、そういうふうな感じ、判断のもとに進めておるわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 返してもらうつもりで貸したということなんでしょうけれども、しかし過去の例があるわけですよ。しかもいまでも毎年七億ドル程度の、これはたいへんな金額ですが、援助をしなければならないという国なんです。それだけに、やはり先進国が話し合いをしながらやっていく。どうも二国間でやる場合にはいろいろな利権の問題がからんでみたり、いろいろな不正の問題がからんでみたり、あるいはまたそのほかいろいろな複雑な問題がからんでくるから、そこでお互いに話し合いをしながら援助をすべきものは援助しようということになっておるわけでしょう。これは国際的になっておるわけでしょう。石油が別ワクだとおっしゃるけれども、その別ワクを初めて日本がおやりになるわけです。そうすれば、当然そこに危険の面も考えざるを得ないのじゃないですか。いまでも毎年それだけ援助をしなければならないのですよ。そうすれば、そんなに皆さんがここで銀行に貯金しておいたのを引き出してくるほどしかく簡単なものではないのじゃないですか。  そうすれば当然そういうことも考え、IGGIとの十分な話し合いもしてやるのが私は当然だと思うのだが、どうもその辺で日本がかってに、非常に独自でおやりになるという点に、私はどうも納得のいかないものがあるわけです。過去の例、そうして現在の援助をしなければならないという現状、しかも確実なプロジェクトを持たない。その確実なプロジェクトを見て確実だという判断をなすって、その上でこれが援助をするということならまだわかりますけれども、それがなしにやるということになると、あなたがここにおっしゃるようなことにはならない。二十何年間ですから、それがまずくいった場合に皆さんここにおられるわけはないのだから、それはいいかもわからぬけれども、しかしいままでのやり方を見、経過を見てくると、そう簡単なものではない。そのときに一体どうするのだ、そこまでの判断をやはり国民に知らせる義務が私はあると思うのですが、絶対間違いないとおっしゃるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 プロジェクト選定につきましては、先生御指摘のような点を十分に考えて、むろんそれで確かに五千八百万キロリットルの供給が確保される、それに最も有効に役立ち得るというプロジェクトを選定いたしまして、最終的な先方との交換公文ということになるわけでございまして、それがそういうあやふやなプロジェクトでむろん交換公文ということまでに至るわけにはまいりません。その点は、十分御趣旨を体してまいりたいと存じます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 どうも私の質問とあなたの答弁とがかみ合わないで困るのだけれども、その点でIGGIとはいつごろ了解を求めるというか、話し合いをなさったのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 この話は、先ほど御説明申し上げましたとおり昨年暮れから政府間で始まっておりますが、去る四月にIGGIの会合がアムステルダムで行なわれまして、その会議の席上、いまこういう話を進めているという点をまず伝えたわけでございます。それから先般スハルト大統領が参りまして、総理との間に共同声明が発表できたその段階で、IGGIの国にこの共同声明に盛られている内容を伝えましたということでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それで了解を求められた、納得をさしたわけですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 世銀のマクナマラ総裁をはじめとしまして、関係の各国は非常に日本がいいことをやってくれたというふうに言っております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そうなると、新聞報道というものもずいぶんいいかげんなものでございますね。そんなにIGGIの参加各国は日本はたいへんいいことをしてくれたということでおほめをいただいたわけですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 大筋はそのとおりでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 新聞がいいかげんであるかどうかわかりませんが、この報道するところによると、インドネシア自体でも、国内からも日本の帝国主義的な進出であるという形で警戒の報道がなされておるし、いろいろと各国でも、日本が脱メジャーという形で抜けがけの利権あさりをやっておるというような報道が行なわれておる。しかも、日本のアジアへの経済侵略的な進出という形での不安をもって新聞が書かれ、論ぜられておる。しかも片方では、この交渉にあたって、名前は出ていませんけれども、ある外交官は、こんな奇妙な取りきめは経験がない、全く急にきめられたというようなことも言っておる。いろいろな形で新聞等が疑惑を持っておるわけですよ。それは御承知のとおりです。ごらんになっていると思います。そういうようなうわきが出ておることを見ても、この問題に関して、あなたがおっしゃるのとは全く百八十度正反対の論評が多いわけです。皆さん直接お会いになっておほめをいただいたのかもわかりませんけれども、それだけに、こういう問題は、私は先ほどから言うように国民に、国会に皆さんのほうがちゃんとしてやらないと——しかも、インドネシア借款というのは過去にいろいろな経緯があったわけでしょう。自民党のある大幹部の名前を使って何とか借款なんという名前のついたこともございましたし、いろいろとこれはうわさが出ておるときなんです。しかも、佐藤総理もうやめぎわにこんな大仕事をされないで、プロジェクトが出てから金が出るものならば、次期政権になってから慎重審議をやってもいいのではないか。なぜこんなやめぎわのだちんみたいな形でおやりになるのか。この辺も疑惑のもとになりかねない。そういう点でむしろ、私は初めから繰り返し繰り返し言うけれども、国民に対して国会を通じて皆さんのほうから進んでこれを発表する、報告をする、これはもう民主主義の大原則ですよ。まだこうだから、ああだからというならば、プロジェクトが出てからとにかく金の相談をするというなら、次期政権になってから向こうからプロジェクトを出してもらって交換公文をつくって、それでやればいいのじゃないですか。  だから、どうも皆さんの話を聞いておっても、新聞が疑惑を持つのは私は当然のような気がする。私自身が疑惑がさっぱり晴れないわけですよ。どうですか、もう一ぺん繰り返して申しましょうか。大ワクはきまったけれども、金はプロジェクトが出てからきちんとし、交換公文をつくる、こうおっしゃる。それならば、向こうからプロジェクトを急いでつくってもらって、それが出てきた段階できめればいいことなんでしょう。それならば、何も佐藤総理もうやめぎわにこんな大仕事をされないで、次の政権でゆっくりとやってもこれはそう時間のかかることじゃない。なぜこんなに急いでやらなければいかぬのか。いままでの皆さんの御答弁を聞いておっても、国民はますます疑惑を持つだけじゃないですか。国際的に新聞が報道しておるように、あっちこっちのよその国のほうでも疑惑を持っておる。国内でも疑惑を持っておる。それを解消するには一つも足しにならないじゃないですか。とにかく疑惑を解くように、もう一ぺん経緯から簡単でいいですから説明してみてください。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先生のお説のように、プロジェクトが出てきて、それを確定して、その金額を積み重ねてやるというやり方もございます。ただ、先ほど私、御説明申し上げましたように、マレーシアあるいはタイに対して本年になって行ないましたのも、やはりワクを大体きめまして、そのワクの範囲内でどういうプロジェクトが入るかというやり方をいたしたわけでございます。このたびの場合も、一応ワクをきめまして、その範囲内にしからばどういうプロジェクトが入るか、これはわれわれ現段階では先方がそのリストを持ってくるというのを待っている段階でございます。実際にそのリストに基づきまして、プロジェクトごとにその実現性であるとか経済性であるとかあるいはそのプロジェクトの目的であるとかいうようなことを審査いたしまして、合意の上で合計したら幾らというふうになるわけでございます。ただ、わが国としては六百二十億円までということをこの際きめたわけでございます。以上でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 それだから、これはどうも大臣でないと困るのですね。なぜやめぎわの佐藤総理が、プロジェクトが出てきてからでもおそくはないのに、なぜこんなにやめぎわに大仕事をしていかなければならないのかということは、どうなんです。皆さんではちょっと答弁できないでしょう。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 私、公務員でございまして、国内政治の問題につきましてはちょっと発言いたしかねるものでございますから、御了承願いたいと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 これはちょっと適当でないので、大臣でなければ困るんだ。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 あと適当なところであれしていただいて……。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 じゃ、これはあとでお伺いすることにして、次の問題に移ります。  今度中国が国連に加盟をいたしました。そしてまあアジア開銀に参加するかどうかわかりませんけれども、参加すると言った場合、政府のほうはこれに対してどういう態度で臨むつもりでおるのか、その辺を御答弁願いたい。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 現在、先生御承知のとおり、アジア開銀それ自身には中国は国民政府によって代表されております。したがって、中華人民共和国が新たに加盟するという問題は生じないのではないかと思います。他方、将来もし中華人民共和国政府が、アジア開銀に参加したい、こういう意思表示を行なうといたしますれば、どういう形での参加を中華人民共和国が希望するかという点が問題になるはずでございますが、まだその点は判明しておりません。いずれにいたしましても、またどのような態様にいたしましても、中華人民共和国が参加するといった点についての決定は、アジア開銀それ自体が独立の国際機関でございますので、そこで当然決定されるはずでございますし、また、われわれも加盟国の一員でございますので、その決定を尊重するというのは当然かと考えております。実際にいままでそういう意思表示がございませんが、もしそういう意思表示がございましたときに、しからば、日本はどういう態度をとるかという点でございますが、その際具体的にそういう意思表示があった段階で、よその参加加盟国の意向であるとかあるいはその時点——もともとアジア開発銀行は経済開発を主たる目的とする銀行であるというようなことを勘案して対処したいというふうに考えております。以上でございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いまのお話でありますと、開銀独自できめると言うけれども、実際は各国の出先があすこへ行っておるわけでしょう。しかも日本はそれの大株主のわけです。日本自体大株主であろうとなかろうと、日本の政府自体、出てきたらそのとき出まかせにあれをやるということじゃなしに、基本的な検討と自主的な態度というものが日本の外務省にはなさ過ぎるのではないですか。日本政府自体それくらいの、こうやりたいというくらいの自主的なものがあってしかるべきじゃないのですか。その点どうなんです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先ほど申し上げましたとおり、外交の自主性あるいは日本の外交の独自の判断、これが必要なことは当然だろうと思いますし、またわれわれもその方向で努力したいとは思っております。ただ、いまの具体的な案件につきまして、まだ中華人民共和国政府が何らの意思表示をしていないわけでございますし、一方アジア開銀には中国を代表するものとして国民政府がおるという事実がございますので、いまこの段階で、中華人民共和国政府が入ったほうがいいとか悪いとか、あるいは国民政府を追い出すというようなことは、われわれとしてはいま決定すべき時期ではないというふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私はいま決定しろということを言っておるわけじゃないですよ。これに基本的にはどういうお考えで臨むつもりか、こう聞いておるのでして、いま何もあなたに決定しろということを私は言っていないのですよ。だけれども、基本的に原則はこうあるべきだというくらいの立場というものがあってしかるべきじゃないですか。その点はどうなんです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 基本的な立場といたしましては、先ほど御説明申し上げましたけれども、アジア開銀それ自身の意思決定に従うということでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 アジア開銀といっても実態をごらんになれば、それはそこでの話はもちろんあるでしょうけれども、しかし、これだけ政府が関係し、政府の金で運営しておるわけでしょう、各国政府の。だから、各国の外交方針というものはそこに私は当然反映されるものだという、これは私の常識なんですが、外交はまた別なんですか。私はこれは普通の人が持つ常識だと思うのですが、かりに開銀で決定をしてそれに従うにしても、こうあるべきだというくらいの判断が、原則がないなんというのは、全く外務省はおそまつそのものだと私は思うのですが、どうなんです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 もちろん外交の姿勢といたしまして、独自の考えがあってもいいし、同時にしかし国際協調、あるいは国際間の世論というものもわれわれとしては常に念頭に置かなければならないという考えを基本的に持っております。実際に中華人民共和国政府が加盟したいという意思を表示する、あるいは加盟しない、いずれかの意思表示があった場合に、その段階で具体的に考えたいというふうに考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 だからいまは全く白紙だということですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 もちろんわれわれは、昨年の国連において、いわゆる中国が中華人民共和国政府によって代表されるということになったことも承知しておりますし、その後の経過で国連の専門機関においてかなりの専門機関が中華人民共和国によって代表されているという事態になったことも承知しております。その事態を踏まえて、具体的にアジ銀において中華人民共和国政府の意向がはっきりした場合には、その意向をも考慮に入れて決定したい。そういう意味では、白紙でございますけれども、ただその白紙の前提としては、現在国連において中華人民共和国政府が代表されておるという事態は当然考慮に入っている、こういうことを申し上げたわけでございます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私、大臣が来ないからこれで終わりますけれども、インドネシアのこの問題は、先ほど来私が申し上げますように、民主主義の原則からいっても、また過去の経験から申しましても、借款というものは極力ガラス張りにする、それでありませんと、まあ私の視察をした感じから見ますと、なかなかこれはむずかしい問題、しかも援助そのものがそこの国民全体、人民にはたしてどれだけの関連を持っておるのか、これも私は疑問を持ってきたわけです。インドネシア援助というものは、そこの政府の一部とこちらの商社や政府というものとの関連だけで行なわれておるのではないかという疑惑も私は持ってきたわけです。ほんとうに人民のしあわせのためにこの援助が効果を発揮しておるのかどうか、その辺も私は疑問を持ってきたわけです。そうすればするほどこの援助というものはそこの国民の自力で立ち上がっていくという形にお手伝いをするというものでなければ、援助がますます不幸な形に追い込んでいくということもあるでしょうし、この問題非常にむずかしいとは思うのです。それだけにむずかしいだけに、私はやはりガラス張りにこれはやっていくべきであって、何かこそこそときめてしまうというような形の受け取られ方をすることは、私は援助のあり方としては一番まずいやり方だという感じを強く持っておるわけであります。そういう点で、私はこのたびのインドネシア借款、しかも民間ベースとの関連等もう少しお伺いしたいのでありますけれども、これはどうも皆さんと幾ら論議しても私は疑惑が解けませんので、大臣が来てから少しお伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 ごく簡単にお聞きしたいと思うのですが、法案改正の内容はごく簡単で、増資一点の内容であるので、法案そのものについてこまかいことを聞くあれはないのですが、おそらく増資ごとにこの改正が出ると思われる。したがって、だんだんと積み重ねていってわが国の出資がふえる。この法案の、アジア開発銀行の方向を私見届けたいのですから、一、二だけ質問いたしたいと思います。  まず、アジア銀行におけるわが国の発言権というもの、影響力というか、地位は一体どの程度なのか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア開銀におきまするわが国の発言権と申しますか、これを端的にあらわしておりますのが出資に基づきます投票権であろうかと存じますが、これは約一六%の投票権を持っております。それからあとは、これは事実上の問題でございまして、現総裁が日本人であるということが一つございます。その他大体全体でアジ銀の職員が六百人くらいであろうかと存じますが、そのうちの約二百人がいわゆる専門職といいますか、いわば常勤の、いわゆるタイピストとか運転手とかそういうものを除きましたものが二百人くらい、それに対七まして日本人の職員が二十七名入っております。これはほかの、たとえば世界銀行あるいは世銀グループのIDA、第二世銀というようなものに比べますとやはり非常に日本の影響力というものがそれなりに大きいということが言えるかと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 出資に比例して発言権があるというそういう構造になっているのですね。いまのお話では、総裁その他の位置は別だが、出資に応じて発言権、したがって投票権がある。いままでの出資は二億ドル、アメリカも二億ドルということで同額のようでありますが、アジアの開発の銀行で、域外のアメリカと同額で発言権が同じというのは、日本は非常に情けないじゃないかという気がするのですが、アジアにおける、こういう太平洋戦争に大きな犠牲を払った日本の立場からいっても、あるいはわれわれのアジアにおける歴史的な責任からいっても、やはり最高の発言権があって、そして開発の方向に、また旧植民地化しないようなそういうものでないと、アジア開発銀行の存在価値はあまりないと私は思う。アメリカと同額で同じような発言権しかないということはあまりにも情けない、識見がないと思うのですが、それはどうですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先生御指摘につきましては、いろいろ考え方につきまして御議論があろうかと思います。御指摘のとおりアジアの開発のための銀行であり、日本はアジアの国であるからアメリカを上回る、つまり最も大きな株主といいますか出資者となるべきで、それに応じた第一の発言権を持つべきではないかという御議論もあるいはあろうかと思いますが、他方国際機関でございますから、一つの国がその機関を支配すると申しますか、そういうかっこうになるのがはたしていいのかどうかという問題も、これは形の問題といたしましては考えざるを得ないのではなかろうか。そういう意味で、設立当初からの問題でございますけれども、出資額にいたしますと日本が大体二割でございます。投票権は先ほど申しましたとおり基礎票がございますので、一六・四七%ということに相なっておりますが、出資額といたしましては二割、アメリカも二割ということで、これは経済力その他のいろいろな関係からいたしまして、アメリカと日本それからその他の国も相集まりましてこの開発銀行を創立するということが適当ではないかということになりまして、こういう出資額の割り振り及び投票権の割り振りということになっておるわけでございまして、これはあるいは御議論といたしましては、設立されました当時に比べて日本の経済力なり国力なりが非常に急激に大きくなっておる。したがって現段階においてはむしろこの投票権あるいは出資の配分額を変えて、日本を第一の出資国にすべきであるという御議論もあるいはあろうかと存じます。他方、先ほど申しましたような問題もございまして、今回の増資におきましてもこれぐらいの増資ということが最も適当ではないかということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 日本のアジア観というものが確立していないと、アジア開発銀行というものがまた旧ヨーロッパの植民地政策の温床になるのではないかということで私がお聞きしたのですが、局長に聞くのは少し無理かもしれないけれども、ベトナムの侵略をしているアメリカと同一発言権のアジア開発銀行では面目が立たぬ、私はそういう感想をこの法案を見たときに持った。したがって、アメリカと同額が相当であるとか、そんなけちくさい考えでなくて、やはりアジアの主体性を確立するという立場の中で、こういう開発銀行の増資その他についてはもっと高いアジア的立場の中で額をきめる論議をしたい。単なる経済的な損得を越えた識見がこういう法案の審議の中に入るべきではないかと思うのでお聞きしたのであります。少なくとも欧米のどこかの国と同額で、世界第二の国民総生産を持っておる日本がそれでいいんだというようなことからは、私はアジア開発銀行というのは非常に危険であると思うので申し上げたので、そういう立場で今後論議をされることを要望しておきたいと思うのであります。  そこでお聞きしたいのですが、現在アジア地域の中で、加盟の条件、資格のあるもので入っていないのはどことどこの国ですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ビルマ、モンゴルが入っておりません。ソ連は、これはアジア地域といっていいかどうかという問題もございますが、入っておりません。中国は先ほどの御議論でございますけれども、中華人民共和国はあれでございますが、中華民国はメンバーになっております。それからその他、ちょっと落としましたが、いま申しましたビルマとモンゴルのほかにブータン、イラン、ナウルがまだメンバーになっておりません。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 この銀行に加盟する資格は国連参加あるいは準国連参加国か、そういう意味で聞いたんですよ。だから台湾は国連からはずれれば失格するのであろうし、中国は参加の要件があるんだから、加盟の条件があるのに入ってないのはどこかと聞いておるのですよ。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア開銀に参加の資格でございますが、これはアジア開銀を設立する協定の第三条に規定がございます。二つございまして、一つはエカフェの加盟国及び準加盟国。この準加盟国と申しますのは、国でない地域等がございますから、それをいっておるわけでございます。それが一つ。あるいは「その他の域内国」、つまりエカフェには加盟していませんが、「その他の域内国及び域外先進国」、域外は先進国に限られますが、「先進国で国際連合又はそのいずれかの専門機関の加盟国であるもの」ということが加盟の資格でございます。  これは御指摘の点が実は二つございまして、これはいま新たに加盟する場合の要件でございます。現在の加盟国が資格がなくなるかどうかという要件ではございません。その点が一つございます。それから中華民国は国連の専門機関の加盟国でございますから、この点でも問題はございませんが、むしろそれよりも現加盟国である資格をどういう場合に停止されるかという点につきましての規定がないわけでございまして、ただいま申し上げましたのは、ある国が新たに加盟国となる場合の要件でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そうすると、現在加盟しておる国が国連から脱退をする場合においても、これは加盟国としては存続をするという協定になっておるのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 それはそのとおりでございまして、このアジア開銀として国連の決議にそのまま拘束されるものではございません。したがいまして、アジア開銀としての加盟の資格に関しましては、アジア開銀自身の決定するところによるということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これは調べてないからなんだが、私の法律常識からいうと、ちょっと非常識、矛盾するような感じがするんだが、それはそれとして、この協定の趣旨から見ますと、一番最初の文章に「基本的性格においてアジア的である金融機関の設立が」ということばがあるし、地域内の経済の調和と貿易の拡大とか、アジア全体の総合開発というふうなことがアジア開発銀行の主眼である。したがいまして、ビルマという国がここに加盟していないというようなことは、アジア開発銀行の非常に致命的な欠陥であるのではないか。  そこで、お聞きしておるのは、開発銀行における日本の発言権が、総裁は渡辺氏であり、それから出資がアメリカと同額は私は遺憾であるが、それで支配権を拡大するという意味ではないですよ、アジア総合開発のためにヨーロッパの植民地政策として数百年、無知と貧困が残されたマイナスの遺産だけアジアの主体性を確立するという大きいという立場から日本がもっと発言権を持ち、全アジア領域が参加するというぐらいの積極的な銀行運営の方針を持つべきであるという私の考えから聞いている。そういう方向に対してもっと積極的に、国際情勢がそうであるからという消極的態度でなくて、ビルマなどが参加するくらいの積極的な努力を払う、そしてこういう増資が進んでいくというのでなければアジア開発銀行というものが頼もしくない。もっとその方向に何か——日本全体がいま自主性がないのでありますけれども、答弁の中からは、アジア開発銀行の総裁を受け持っておる日本の識見というものは非常に低いように思う。そういう論議はされていないのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいまのビルマの問題でございますが、これにつきましては、実はわれわれのほうはむろん加盟していただければ非常にありがたいと思っておりますけれども、ビルマ側において希望がいまのところないということのようでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 そういう向こうから申し出がないのでそのままになっておるという消極的な、いわゆる識見抜きの運営でなくて、むしろこちらから加盟を勧告をし、共同でアジア総合開発計画をやろうじゃないかというふうな働きかけを持った積極的態度が一方にあって、そしてできる限り日本の経済力の許す範囲内において増資をして、アジア開発の歴史的な役割りを果たすというのでなければ、こういう法案は価値が低いと思うので私はお聞きしておる。いまのように向こうから申し出がないのでどうかという消極的態度を批判したいわけです。そういう積極的態度をお示しになる意図はないのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ビルマの件に関しましては、これはただ黙って待っているというのでは不十分ではないかという御指摘はまさにそのとおりであろうかと存じますが、たとえばビルマといろいろな接触の機会にアジア開銀に加盟をしたらどうだというようなことは、非公式には話は出ておるようでございますが、どうも先方の都合でいままでのところは実現はしていないということでございます。ただ何もしてないということではございませんが、それはそれぞれの国の政策なり考え方がやはりあるようでございまして、この点は先方の考え方によりますので無理にというわけにもまいらないかということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 だから、どうも法案というのは大蔵大臣がいなければいかぬといつも痛感するのです。局長に聞くのは実は無理かもしれぬ。それを局長に聞かぎるを得ないのでまことに遺憾である。あるいは総裁から運営の方針その他を聞きたいのですけれども、これ以上局長に聞くことはどうもふさわしくないのでやめておきますけれども、少なくとも局長から、あるいは銀行総裁あるいは大蔵大臣に、アジア開発銀行の運営についてわれわれはしっかりしたアジア観がなければいかぬのだ、イデオロギーによって差別をすべきでない、アジア地域全体の総合開発、これがまた世界恒久平和の条件なんだ、貧困をなくし、無知をなくし、統治力の高揚、各アジアの国家の主体性の確立こそ恒久平和の条件なんですから、この法案の運営についてもっと論議を深めるべきことを要望しておきたいので、次のいろいろの機会があるときにまた私の所見を述べたいと思いますけれども、総裁に対して、単なるその辺の都市銀行と同じような運営であるべきでないのだ、いゆわる経済採算を前提としたそういう単なる銀行ではない、そういう論議があったということをあなたのほうから伝達しておいてもらいたいと思います。  それから、あと一点だけお聞きしたいのですが、大蔵省からいただいた資料で「業種別融資実績」というのがございますが、これを見ますと、農業、漁業、工業、これはいわゆる直接産業開発の融資でしょう。その次運輸、交通、電力、水資源開発、これは社会開発の項目と見ていいと思うのですが、これが大体主たるものである。あとに私の非常に関心の深い教育というものが出ておる。特別基金のほうで一件ある。これは三百万ドルですか、非常に少ないものですが、これに私は非常に注目しておるのでありますが、これはどこで、どういうものであるかをひとつ説明してください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 先生御指摘の教育にございますその三百万ドルというのは、シンガポールに技術大学のための資金として供与されたものでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 どうも銀行という名前がつくと、すぐ経済開発という限定目的をして、そうして何か資源の開発、そこから金もうけという連想が入って私はしかたがない。国際的な銀行であり、融資の対象は向こうの政府なんだから、いわゆる純粋の経済採算というのでなくて、その国の自主的開発に貢献する銀行であるとすれば、なぜ最初から経済ということばに限定しなければならないのか、私はうなづけない。しかし、いわゆる開発銀行が——いまお聞きすると、シンガポールの技術大学の創設費でしょうが、三百万ドルというものが出ておる。私はここにむしろアジア総合開発の大きい芽があるのではないかと思う。  向こうの資源開発がやがて先進国の略奪になりあるいは直接経済の開発が新しい植民政策になる危険がある。むしろ根源の人間開発、技術開発こそ私はアジア開発銀行の大きいいい方向の芽でもあると思うのでありますが、こういう方向をもっと進めていく。シンガポールの三百万ドルだけでなく、各国、十数カ国に技術大学を全部創設して、アジア開発銀行が融資するというような方向にいくべきではないか。そういう方向に、日本が総裁に就任し、一番大きい出資をしておるのならば、むしろ指導性を持つべきではないかということを、実はこの法案を見てひそかに考えたので、先ほど銀行における日本の発言権その他をお聞きしたわけなんです。  この目的からいたしますと、純粋の教育は銀行の融資の目的の外にないということがここに事実として証明された。教育は入っていいのですね。その発展の方向に努力をされることを要望したいのでお聞きしておきたい。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま先生の御指摘のとおり、今後のアジア地域の発展のために教育の面が非常に重要であるということは、まさに御指摘のとおりでございまして、アジア開銀の設立協定には「経済発展を促進するための」とここに書いてございますけれども、これは経済開発というものの意味は狭く解すべきではないことでございまして、現実問題として経済開発のいわば基礎といたしまして長期の展望のもとに教育に対しましても重点を置いていかなければならないということは当然でございまして、今回の、先月開かれましたウィーン総会におきましても、渡辺総裁としても開発の過程で教育はきわめて重要な要素であるということで、今後とも先ほどのシンガポールのみならず、実は本年の融資の予定として韓国に対しまして職業訓練所の予定がすでにあるわけでございますが、それだけに限らず、これは教育分野におけるアジア開銀の貸し付けの第一歩にすぎない、今後この面にも重点を置いていきたいということを述べられておりますが、これは渡辺総裁としても今後もそういう御指摘のような線に沿っての運営をしていきたいという考えを持っておられるということでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 いい方向の論議をされておることをお聞きして非常にうれしいのですが、私の聞きたいことはもうそれだけなんですが、何か半に大蔵大臣おいでになるというので、大蔵大臣に最後にお聞きして終わりたいと思うので一応それまで質問をいたしたいと思います。  そこで、この一覧表を見ますと、これは大蔵大臣が来たときに聞きますけれども、融資が非常にアンバランスという感じがいたしました。通常資金のほうを見ますと台湾が十二件、それから韓国が十二件、シンガポールが六件、その他は非常に少ない。だからこれについても、アジア銀行の運営の方針がアジア全体の調和のとれた経済発展その他という理念と非常に断層があるような感じがする、これはいかがですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御提出申し上げております資料によりまして過去の実績を見ますと、確かに御指摘のように、韓国それから台湾というようなところに集中をいたしておりますが、これはアジア開銀としてそういうところに、一定地域に集中をするというような方針をとっているわけでは全くございません。むしろ逆に、渡辺総裁も方々で言っておられますように、地域全体に、加盟国全体にまんべんなく均てんするようにということが大方針でございます。ただ、結果としていままでのところこういう数字になっておりますのは、プロジェクトの開発その他がやはりまんべんなく進むという状況でございませんので、さしあたりこのプロジェクトの適当なものがあったというところに従来の実績では多くなっておりますけれども、これは他の国におきましてもアジ銀はプロジェクトの開発等につきまして技術援助等を熱心にやっておりまして、そういうものによってプロジェクトを開発してまいりまして、今後はそのアジ銀の方針に沿いまして加盟国に、一カ所に集中しないでまんべんなく各国が均てんしていくようにという方向で進んでまいるという方針であることは明白でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 台湾、韓国、シンガポールに非常に融資が偏向しておるというのを一見すると、何か日本のイデオロギー的偏見があるような、少し推察を過剰にすれば、そういう感じがするので、これはやはりいけないのじゃないか。アジア総合開発構想というものがどこか総裁は自分の世界観の中にあって、そしてもっと指導性があるべきである。それがないから、向こうのプロジェクトがあるからどうだこうだというだけで運営されていく。そしてわが国の出資がどんどんふえる。きっとあとに残るのは、私は昔のいわゆる国家エゴイズムによる搾取だけが残るのではないかという感じがするので、そういう方向をもっと基本的に検討されたいと思うのであります。  それで、試みにちょっとお聞きしますが、そうすると中華民国十二件、韓国十二件あります内容は何ですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 中華民国について申しますと、一番大きいのは火力発電でございます。大体電力関係が多いようでございます。それから高速道路の建設、港の拡張、あと送配電線施設改良あるいは中小企業に対する資金の供与、これは台湾開発公社に対する借款でございますけれども、こういうものがおもでございます。  それから韓国につきましては、やはり中小企業公庫のようなものがございまして、それに対する貸し付け、それから電力関係が多うございます。それからソウルと仁川間の高速道路、それから漁業に関連いたします冷凍庫の設備等がおもなものでございます。  シンガポールは、ただいま申し上げました学校のほかでは、やはり向こうの関発金融機関に対します貸し付け、一種のバンクローンと申しますかそういうもの、それから中小企業のための資金、それからシンガポールの港湾の施設の整備、それから水道施設等でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 私も専門家でないから第六感だけれども、道路、港湾、電力というのは、これはアジアの諸国全体が必要な後進地域への投資だと思うので、これがある一部の国に偏向しておるということも、どうもアジア開発銀行が健全なる運営でないような感じがすることが一つ。  それからいまちょっとお聞きしますと、向こうの中小企業金融公庫に貸し付けるというようなこと、これは何だかアジア開発銀行の運営としては邪道というのか意味がないというのか、そういう感じがするのですが、やはり出資の内容についてもう少し、われわれが資料を提供してもらって、この法案を、出資、投資ですか、どういう方向に使うかということはやっぱり見きわめる必要があるので、全貌を明らかにしてもらいたい。向こうの銀行に貸し付けるというが、一体何に使うかそれもわからぬ。アジア開発銀行自身の指導理念というものはほとんど意味がないようなかっこうになると思うので、いまちょっとお聞きしただけで非常に疑問が多いので、大体の各件数、どういう方向かもう少し詳しく、次のページの農業、漁業、工業と言わないで、そういう項目的なものを資料をひとつあとで提供してもらって、私はそれを中心に勉強したいと思います。そういうことをいまの御答弁によって、何らかこのアジア開発銀行が所期の方向に発展する保証がないような感じがいたしますので、その辺は慎重に検討されることを要望しておきたいと思うのでございます。むしろその中で技術開発を中心のたった一つの項目、シンガポールの技術大学の創設が、一番何かアジア開発の基本に触れておるような感じが私はいたしてしかたありません。そういう点の検討を要望しておきたいと思うのでございます。  私、かつてヨーロッパに行ったときに、国連大使の松井さんが北欧のスウェーデンかどこかの大使をしておったときに、国連問題に非常に関心の深い人であった。アジア地域において、どこの国においても、開発の基本条件において義務教育の制度の実現に最大の努力を払っておる、各国においてその教科書を刷る印刷能力がない。義務教育の教科書を日本が引き受けて各国に提供する、そういうことがアジア開発あるいは後進地域のために一番役に立ち、正しい意味の援助であり、そういう関心というものが日本にないのはまことに遺憾だということを聞いたことがあるのですが、私も非常にその点に共鳴をしておるので、このアジア開発銀行が単に経済開発だけに拘泥しないで、そういう人間開発の方向に出資の方向がだんだんと移行することを切望しておきたいと思います。  私の申し上げたいのはそれだけでありますから、それで終わりたいと思うのですが、大蔵大臣がもし来れば、最後の一点だけお聞きして質問を終わります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 関連して質問いたしますが、大臣が来るまでのつなぎみたいなものでありますから……。  この大蔵省からいただいた資料によりますと、通常資金の融資を業種別にいただいたわけですが、この中で金利のところで、セイロンのたとえば製茶工場の近代化というところでは七・五%、韓国のカプロラクタム(ナイロン原料)製造工場建設、これも七・五%、大体七・五%が原則みたいになっているわけですが、中華民国、台湾政府に深海漁業開発(マグロ漁船建造)、それから同じくタイペイ−ヤンメイ間高速道路の建設、この二つのプロジェクトに対して、七・五%の通常と思われる金利に対してこれは六・八七五%の金利を適用している。〇・六二五%の金利差があるわけですけれども、これはどういう理由、あるいはまたどういう基準でこういう、言うならば開発銀行における特利のようなものでありますが、そのほかに特別な、期間もあるいは金利もあるいは据え置き期間も優遇しようという、特別基金の場合にはこれは全く別なんだけれども、こういう中間的な特利的なものが設けられているが、これはどういう基準でこういうような特別な措置がとられておるのか、その辺の事情をひとつお聞きしておきたいと思う。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 通常資金のほうの金利につきましては、アジ銀といたしまして特利と申しまますか、特別な金利を出すということはやっておりません。これは時期の違いによるわけでございます。と申しますのは、アジ銀といたしまして、この通常資金の貸し出し金利を定めるに関しましては、アジ銀の資金源の一部といたしまして、外国市場におきまして債券の発行によって調達をしておるというような部分もございます。したがいまして、そういうようなことを勘案いたしまして、アジ銀といたしましては、この通常資金に関しましては、そのときの資金調達コスト等を考えまして通常資金の貸し出し金利を一律にきめております。御指摘の中華民国に対しまする深海漁業開発、それから同じくタイペイ−ヤンメイ間の高速道路というようなものが、片方は四十四年の三月に、もう一つのほうは四十五年の三月に、契約が理事会で承認をされておるわけでございますが、四十五年の五月までは、通常資金の貸し出し金利は六・八七五%一律でございます。それ以後長期の国際市場におきまする全利が上がりましたので、七・五%に改定をして、その金利が現在まで適用されておるということでございます。したがいまして、その同じ時期におきまして、プロジェクトあるいは国によって通常資金の金利を特別に変えておるということはございません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 説明があったのですけれども、よくわからないのですが、たとえば、このセイロンの製茶工場、これは期間の面では十五年、十三年と幾らも違わないわけだし、金利も七・五%、調達資金のコストということが中心だというわけでありますが、ある特定のプロジェクトに貸すためにということで資金調達をやるという必ずしもそういうことではないと思うのであります。アジ銀がたとえば日本でアジ銀債を発行するというような場合に、これはいわゆるひもつきの特定プロジェクトのためにということではない。そういうことになれば、いわゆる金に色目がついてないということになるわけで、やはり全体的な資金コストという中で考えられるだろうと思うのですね。そうしますと、いまの説明ではどうもわれわれにはわからないことでこれは皆さんから出された資料でも、これは四十四年当時にはそうだったということですが、四十六年十二月末現在貸し付け額ということで、その金利をこういうふうに出されておるわけですね。したがってその辺のところも、現在ではそうではないのだ、というのは、中華民国のたとえばこの高速道路建設の六・八七五というものは、現在ではもう七・五%に切りかえが済んでいるというようなことなのか、その前はそれじゃなぜなのかということも、どうもはっきり私どもはわからないわけなんだが、もう一ぺん説明してください。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御説明申し上げますと、アジ銀としての通常資金の金利のきめ方は一律でございます。一律と申しますのは、ある時点において融資承諾をいたしますプロジェクト等につきましては、これは全部を通じまして同じ金利でございます。それじゃその金利をどうやってきめるかというきめ方につきまして、先ほど申しましたように、その当時の資金コスト、外債市場におきまする資金調達コスト等を勘案いたしまして、アジ銀としての逆ざやにならない、といって、またあまり上げるわけにもまいりませんから、そこでそういうことを勘案してきめるわけでございますが、御指摘のとおり、ひもがついておるわけではございませんから、特定のプロジェクトのための特定の資金源というのがあるわけじゃございませんが、一般的な意味で申し上げたわけでございますが、一般的なこの金利をきめる基準と申しますのは、こういう調達コストというものを考えてきめますが、きめました以上はそれがすべてのプロジェクトに一律に適用されるということでございます。それで御指摘の、いまのタイペイ−ヤンメイ間の高速道路その他六・八七五で契約しておりますプロジェクトにつきましては、そのプロジェクトに関する限りは金利は変わっておりません。締結しましたときの金利がいまでも適用されておるということでございまして、締結のときの金利によっているものでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そうしますと、昭和四十四年三月当時あるいは四十五年の三月三十日、この程度の期間の中に融資をされたものは、ほかのプロジェクトも全部六・八七五できていると、こういうように理解してよろしいわけですね。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 そのとおりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣が来られたので一言、アジ銀の運営の基本方針というか、発展の方向について御意見を聞いておきたいと思うのです。いま局長と私のやりとりは、アジア銀行における日本の発言権はどういう程度なのかということを聞いたのですが、それは出資に比例して一六%の発言権がある。それから、総裁は渡辺、日本人であるということから、同額の出資二億ドル、アメリカと出資については同じであるけれども、総裁その他陣容について、最大の発言権があると私は一応見てとったわけです。しかし、そのとき私、希望を述べたのは、アジアの開発だから、アジアはアメリカの倍ぐらいの出資をして、指導的な、いい意味のですよ、第二の植民地は困るんだが、いい意味のアジアの主体性を確立し、アジアを開発するという発言権を持つべきだという意見も述べながらお聞きしておったんでありますけれども、そういう立場から、日本の立場からいって、アジアの開発のビジョンといいますか、総合的な、アジアを開発する歴史的な責任を感じて、そういう方向にアジア開発銀行を運営すべきではないか、そういう観点からいままでのアジア開発銀行の運営は行なわれていないのではないか、アジア地域においてはビルマの加盟もない、新しく中国が国連加入したについて、そういうアジア全域の調和のとれた開発のために積極的に日本が加盟を勧告をし、そして総合的な、イデオロギーをこえたアジア開発というものの役割りをアジア開発銀行をしてなさしめるべきだ、そういう点について、大蔵大臣として基本的なアジア開発についての識見と、それに基づいたアジア開発の基本方針を明確に、こういう法案等について——あとへあとへ増資を行なっていくんですから、積み重ねていったあと、日本の財政的な支出も多くなるが、そのアジアの開発方向を、再び昔の植民地的な方向になっていってはたいへんであるということを考えて、大蔵大臣のアジア開発銀行に対する、いい意味の民主的な指導理念、そういうものをぜひお聞きしておきたい、こう考えておるわけなんです。趣旨がわかりましたか、それをひとつ大臣からお聞きしておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は、アジ銀の経営の方向としては、あなたがおっしゃられるとおりでいいと思います。現にまたそのように現在努力していると思っております。日本は二国間のいろいろ話し合いによってアジア各国の開発援助をいたしたいと考えておりますが、しかし過去にいろいろな問題を持っている日本でございますので、意図はよくても、このやり方はよほど慎重に考えないと、この意図が別に誤解されるようなことが往々起こりがちでございますので、そういう点から申しますというと、こういう国際機関を通じてこれに資金を出し、協力するということが非常にそういう点では有効にアジアの開発援助ができるということになろうと思いますので、したがっていままで日本としてはそういう点にも配慮して今日まできておりますので、したがって、今後もこういう機関への出資ということについては十分慎重な配慮の上にこの強化をしていきたいと思いますが、しかしただ金さえ出せばいいということでいたずらに出資を多くしますというと、またアジアにおける日本のいろいろな意図というようなものが開発途上国に影響を与えるというようなことがあってはなりませんので、そこらの点を考えながら、日本自身としてはできるだけこのアジア開発には協力するという方針でいまおりますが、開銀もその方向でいま努力しておることと私は思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣の識見はわかったんですが、識見どおりアジア開発銀行が運営されていないと考えるので質疑をしておるわけなんです。大臣がいないときに局長とやりとりしておった一点は、現在融資をしておるあて先で、ほとんどその方向に偏重しておるといいますか、そういう感じのあるのは、台湾、韓国、シンガポール、ここに集中をしておる。内容を聞きましても、電力、道路、港湾、それは中には中小企業金庫に融資をしているというふうな中身、アジア全体の調和の発展というような運営方針がどこにも出てない。ほんとうの各国の主体性を確立する総合開発の方向の配慮もないように思うのです。事実には合っていないのじゃないか。私は東南アジアに数年前に旅行したときに、数百年のヨーロッパの植民政策で残された遺産、貧困のほかに無知というものがある。植民政策は教育抜きの経済開発、これは共通した搾取の筋道のようであります。そこで、独立したあと統治能力が欠如しているため混乱があり退廃がある。やはり各民族が主体性を持たない限りにおいては、経済の発展ばかりでなくて、人間が育たないということを実は痛感をしておる。ふたたびこのアジア開発銀行というふうなもので、今度は、そうではないと言ってもその出資国はアジアを支配した植民地母国であるヨーロッパ、ことに日本と同じ出資をしておるアメリカはアジアを侵略しておる、爆撃しておる国である。そういうメンバーでアジア開発銀行が運営されているのが実態なので、日本がその中に、アジアの主体性を確立する、ヨーロッパの支配から解放されたアジアをつくるという意味において、歴史的な重大な責任があるんだ、そういうことを深刻に考えて、アジア開発銀行の運営を、大蔵大臣も監督の立場において、観念的に考えるより具体的にやはりアジア開発銀行を指導すべきであり、日本人であるアジア銀行の総裁も歴史的責任を持つべきだと私は思うのでお聞きしておるわけなんです。  その中に、事実中身を見ると、どうもそうでない方向にいっておるので、その一つの例としていま、偏向しておる、台湾、韓国、シンガポールだけに融資がいっておるというようなことについての疑問と、あともう一つ、たった一つわずかに希望を持てる感じがしたのは、大蔵省から配付されておる資料の中で、農業、漁業、工業という純粋な経済開発のほかに、シンガポールに三百万ドルの技術大学の融資、教育の融資がたった一つ出ておる。私はここに新しい希望の芽が一つアジア開発銀行の運営の中に出ておるんではないか。経済開発というのは、必ず先進国の支配に比例をして開発されていく危険があるんだが、やはりそこの人間開発、基本的な技術開発というものに投資をするということは、その国の自力更生のやはり第一条件で、教育抜きの植民政策という人類の歴史を見たときに、やはりこの方向にアジア開発銀行の投資がもっと進んでいくべきではないか。アジア開発銀行が、経済開発といっておるけれども、現実に純粋の教育投資というものが出ておるんだからこの方向に、もっといい方向に運営を転換をさして、そして教育投資がもっとふえる方向に指導きるべきじゃないか。そのことが、いま大蔵大臣の言われた識見と一致する方向にアジア開発銀行がいく具体的な方途にはなるんではないかと思うので、具体的に質問したいのですが、新しい経済搾取に結びつく危険のある経済開発から、できる限り経済発展途上国に技術大学あるいは技術開発のための投資の方向に重点が移向するように指導されること、このことがいま大臣の識見と一致する具体的な指導の道ではないかと思うので、そういう方向に指導されることを私は要望し、大蔵大臣もその方向に進められることを、ここでお聞きできれば、この地域の開発のために非常にいいのではないかと思うのでお聞きしたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 先般も開発銀行の総裁が帰ってまいりましたので、私もこまかくいろいろ開発銀行の最近の活動そのほかについて報告を受けました。で、そのときにいまの偏向というお話もございましたが、これは私は無理のないことであるというふうに思います。と申しますのは、まだ開発銀行はできて間がないときでございますので加盟したアジアの各国について平等にいろんな開発援助をしようという方針を持っておっても、国によってみな開発度が違っておりますので、したがって、もう適当な計画を持ってみずから立案してそうしてそれに対して融資を要請する、その計画に沿って融資をする場合には、その資金が生きて、必ず一定の効果をあげると思われるものについてはもうそういうほうから優先的に融資援助をやっていくというのは当然のことと思います。と同時に何がその国にとってまず有効な援助となるであろうかというような問題から指導して、融資以前の段階でもう技術指導から調査そのほかについての指導をして、そうして案まで作成してやって、そうして申請させてそれに融資を決定しておいて、きてそれがどう行なわれるかということを今度は人を派遣して現実的にそれを指導しないというと、その融資が効果をあげないようになってしまうということを心配して、その貸したあとの問題まで非常に骨を折っておるというようなことで、融資以前にやることがたくさんあるのがやはりアジアの各国の現状であろうと思います。  したがって、そういうところに力を入れておると、どうしてもやはり、もうアジア開発銀行ができて何十年もたつならともかく、まだ何年もたちませんから、したがって、そういうことについてはやはり韓国、台湾、シンガポールというような、まず先に計画のできたところから融資していくというようなことで、一応偏向のように見えるけれども、そうじゃなくて、加盟国全域にわたった問題をいまやっておりますので、ほとんどどの国に対しても一つも融資も援助もしてないという国がないような形でいま開発銀行のいろんな仕事は進んでおるというような報告でございましたが、私はやはりそれが実際ではないかというような気がいたします。そうすれば、あなたが心配されるようなことは若干の時間をかしていただければ解消してしまうのではないかというふうに私は考えます。開発銀行の総裁はこの間もそのことをいろいろ説明して私どもの了解を求めておりましたが、私はもっともではないかという気がいたします。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 私、ほんとうは援助の問題についての基本的な論議をしたいわけであります。と申しますのは、いままでもいろいろな各国間で援助という形で行なわれたけれども、それはいま大臣がおっしゃったように、えてして支配、被支配の関係をむしろ確立をするという形で問題があったと思うのであります。もっと極端にいえば、名前は援助であるけれども、実質は経済支配をするという形のものが多かったろうと思うのであります。そこで、今度はできるだけ、いま大臣おっしゃったように開発銀行というような形で、そこを通してやることによって、ある国がある国を支配するという形からそうでない形に移行しよう、こうしたのだ、いまこうおっしゃったと私は思うのであります。しかし、そのやり方にも、いまわが党の先輩がおっしゃったように、それにしてもアジアで片っ方で戦争をやっておる、その平和の問題が最大の問題であるときに、えてして反共国家というか、特殊の国家に資金が余計つぎ込まれる、このアジア開銀のあり方がどうかという問題もあると思うのであります。しかし、この援助という問題の本質論は私きょうやめますけれども、先ほど実は質問いたしたわけであります。それはインドネシアへの六百二十億の借款を与える、また、民間借款一億ドルが大体実現するのではないか、こう新聞報道がされておるわけであります。そうしますと、聞くとまだプロジェクトはきまっていないのだ、こういう。しかもこの六百二十億円の政府借款、これにプラス民間の一億ドルの借款というと、日本がいままで与えてきた借款の最大のものは日韓条約の直後に行なった韓国への二億ドル、そしてその同年の一億五千万ドルの台湾への援助、こういうのがありますけれども、この六百二十億といい、プラス一億というと、日本がいままで行なった借款の中ではこれは最大のものなんですね。その最大の借款が国民にはまださっぱりわからない。それは新聞報道で見る限りは、スハルトは健康診断のために日本へ来ると言ってやってきた。またIGGIという援助国との話し合いのほうからも、何か日本が抜けがけの石油資源をあさっておるのではないかというような疑惑をもって見ておる。インドネシア国内の新聞までが、日本の経済侵略的なあり方ではないかという不安の記事を載せておる。新聞が真実を伝えておるかどうか、私わかりませんけれども、外務省の先輩か何かまでも、今度の借款ぐらいわけのわからない形で行なわれたのは、長い経験の中で初めてだなんというほど、いろいろな報道がなされておるわけであります。幸いに国会も開かれておることでありますし、国会を通じて国民の前にこの問題を明確にして疑惑を晴らすというのがむしろ政府の責任ではないか、政府の当然とるべき態度ではないかということを申し上げたのでありますが、どうも私の話の御答弁のあれには、私は幾つか納得をしないわけであります。大臣は、やはりこういう問題はできるだけ国民にガラス張りにしておくというお考えがあるのかどうか、それをまずお聞きしたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 この問題は、大統領と佐藤総理の声明が公式に出されておる問題でございまして、ガラス張りの問題として処理されている問題でございます。大もとはやはりインドネシアの低硫黄石油の長期的確保ということは、日本にとっても非常に必要なことでございますし、向こうからもその提供を中心にするいろんな要請、打診というものが早くから行なわれており、通産省においても現地の調査をして、今後この低硫黄石油がどれくらい増額供給になる可能性があるかということを調べておりましたが、なかなか日本の思うほどの供給増というものは期待できないというのがいままでの調査の結果でございました。したがって、この問題は進みませんでしたが、最近いろいろな資料から、これは十年間五千八百万キロリットルの供給ということは可能であるという結論をようやく通産当局でも出してきましたので、そこで、したがって今後の日本の石油原料の獲得ということは、日本経済にとっては大きい問題でございますので、いま国自身の手による開発の計画もいろいろしておりますが、そうでなくて開発されたものを長期において供給してくれる契約ができるということは、非常に大きい問題でございますので、したがって、話がきまったということでございます。  IGGIの場におきましてもこの問題は出たそうでございますが、日本は別に隠していることじゃなくて、いまこういう問題を日本としては真剣に考えておるのだということを他の国に申して、了解をとっているものでございまして、いまおっしゃられるように、そういう問題は別に支障というようなものはないのじゃないかというふうに私は考えております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 大臣、あの声明だけで、国民がそんなにガラス張りだなんていうふうに感じていますかね。しかもいま私、この問題を論議すると本質的な問題になりますので時間がかかると思いますけれども、日本が低硫黄分の石油が必要だから援助するという、ここに援助のあり方として一つ問題があるのだと私は思うのです。必要だから買い取るというのはわけるけれども、必要だから援助をするのだ、ここにやはりへたをすると、援助という名前のもとに経済侵略が行なわれてきたという歴史を私は思い出さざるを得ないわけなんですね。日本がこの資源が必要だから援助するのだ、あれが必要だから援助するのだという形でいきますと、勢いそういう感じのところにいかざるを得ない。  そこで融資先の問題はあるけれども、日本も開発銀行に出資をふやして、そうしてあの開発銀行を通じてやることが、ある国が他の国をくくるということがなくなるという、援助の形として好ましいのだ、さっきあなたがこうおっしゃるのと、いまの大臣の答弁は食い違ってくるのではないだろうか。私は援助の場合、ほんとはそれを一番心配をするわけです。しかもいまの共同声明でやったからガラス張りだというふうには私たちは理解ができないのです。しかも、いまだかつてない六百二十億プラス民間の一億ドルという大きな金額、しかもプロジェクトは何も定まっていないで、そこにワクをきめられるということには、もしそれならば、失礼だけれども佐藤内閣のもうやめることは現実の問題になっておる。もう間もなく佐藤総理がやめるだろう、佐藤内閣はなくなるだろうということは、これは日本じゅうがおそらく認めておる問題なんですね。なぜそんなこれだけ大きな問題をやめぎわのだちんみたいにやらざるを得ないのかということになると、ますます疑惑が深まってくるだろうと思うのです。だから、それならば、もっと国会で詳しくガラス張りで、むしろ政府から積極的に進んで御説明になるのが、私は筋道ではないかという話をするんだけれども、さっぱりそうはならないみたいです。大臣、この民間借款の一億ドルと政府の六百二十億というのは、どういう関係を持つのです。全然別個なものなんですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 公式の折衝は昨年の暮れからということだそうですが、公式ではない、非公式のことについては、私ども、たとえば昨年の秋IMFに行ったときにも、インドネシアからこういう問題の検討をしてもらいたいというような非公式な話は受けておるというふうに、これはもういま始まった問題ではないと私思っております。したがって、佐藤内閣の終わりに大急ぎでどうこうしたという問題ではございません。これはもう早いときから交渉が行なわれておったということと、同時に、日本ひとりではございませんで、インドネシアの低サルファの石油についての意欲というものは、相当各国にもあるという問題でございますので、したがって、大っぴらにいまこういう交渉を日本がしているというようなことを、そんなに早く公表するというようなことは、いろいろこういう問題の交渉には支障を来たすと思いますので、したがって、表面化したのは今年になってからということになると思いますが、これは決してガラス張りでなかったというような非難される問題ではないと私は思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 いや、私、その経過は、むろんこれも問題あると思うのですよ。私が聞いた各省の話、みんなまちまちでして、一カ月ぐらい前に話を聞いた、総理と大統領との声明が出る一カ月ぐらい前に聞いたという方もおれば、私、それは名前は申しませんけれども、いや、ことしに入ってから話があったという話もあれば、大臣はIMFだというふうに言うし、だんだん先にのぼってきたようでして、私はその過程を言ってるのじゃないのです。少なくとも声明が出た段階、今日の段階で、私は、政府から積極的に話があってしかるべきではないか、こういうことなんです。こっちから質問しなければ、このままこの国会も素通りしてしまうというようなことではなしに、少なくともあの声明が出た段階である程度、国会を通じて国民に報告をするというのは私は当然のことた。  ほんとうはこれだけの大きな国民の血税を使うのならば、私は、国会の承認を求めるのがほんとうだと思うのですけれども、いまそういうことになっていない。しかもインドネシアへの借款というのは、大臣もお聞きになっているだろうと思うけれども、昔からよく代議士先生の名前をつけて何とか借款なんといううわさすら出るほど疑惑を持たれてきた。しかもインドネシアの公社というのは、先ほど私、よその国の悪口言うのは悪いけれども、雑誌にも出ておることだし、申し上げたけれども、いや三重帳簿であるとか、いや何だとか、学生が騒いで特別立法をスハルト大統領はつくらざるを得なくなったとか、いろいろなうわさがある。私もインドネシアに行ってみて何がしかそういう話も聞いてきておる。そういうことになってきますだけに、私は、プロジェクトはきちんとし、それから借款を与えるのがほんとうじゃないか。しかし、それをやらないできめたとすれば、これだけ大きな金が出るんだから、国会に説明をする、それを通じて国民に説明をするという、私はまずその態度がなければ、基本的な姿勢がなければならぬではないか、当然のことではないかというのが、私のお伺いしておる第一点なんです。——大臣、私の言うことわからぬですかな。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いや、わかっております。わかっておりますが、いま聞いておるのは、もうすでに公表はしておるのですが、この種のものをいま各国といろいろやっておりますので、そのつどこれは一々国会にこの問題を報告することをずっとやっておるかといま聞いておったのですが、この問題だけに限って特別のことをしていなかったというだけで、過去においても、別に特に各国別のいろいろなこの種の契約ができたつど報告するということは、いままでやっておりませんでした。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 だから、そのことはやっていないということは、私は、民主主義の政治としては間違いではないだろうか。やはりこういう問題、しかも国民のこれだけ大きな血税を使うとすれば、しかもそれに真偽のほどはわかりませんけれども、いろいろな疑惑を持たれておるし、また、過去には持たれてきた。新聞報道も、今回の問題について、これぐらいわけのわからない借款の与え方はないみたいなことを、いろいろな新聞が報道するのは、ここにあるわけですけれども、それだけに私は、こういう問題はガラス張りでやるべきだということが第一点と、もう一つは、授助国会議、IGGIというのがあるわけですが、それと石油は別個だと先ほど御答弁なすっているわけですけれども、私は、別個だといっても、やはりもっと十分にここと話をし、いま開銀に増資しようという精神からいってみても、やはり二国間でこういう資源問題を扱うということはいかがなものだろう。そこにやはり疑惑を持たれるんでないだろうか。  それは日本のナショナリズムを出して、国益だけということでいくならば、世界じゅうの資源を全部自分の手におきめることは、これはいいかもわかりません。しかし、それをやっていけばいくほど、やはり戦争という悲劇に突入せざるを得なくなるんではないだろうか。その辺に私は、開発銀行の、これは先ほど来私も申し上げるように、いささか融資先には気に食わないものが一ぱいあるわけでありますけれども、それにしても、そういうものをつくっていく、多国間で話し合って、多国間で援助していくという形のほうが、ひもつきでない、支配、被支配の関係を何がしか緩和していくという形でとられたやり方だと私は思うのです。それを今度の場合、ずばりと石油関係で二億ドル、しかも民間援助の一億ドルということになると、おおむね三億ドルというものがここへ援助を与えられるにしては、私は、あまりにも何か出し抜けだというか、そういう点で疑惑を持たれるのではないか。しかも先ほど申し上げたように、このプロジェクトも出てこないとすれば、これはむしろ新しい内閣でおやりになるほうが、ほんとうはすっきりした形になるのではないだろうか。そのことはまあきておきます。だけれども、IGGIとの関係でいって、もしこの返済がむずかしくなる場合どうするんだ。いまでもインドネシアには毎年おおむね七億前後の借款を各国が与えておるわけですね。そうすると、この援助を受けなければならないというこの国で、六百二十億というものが焦げつかないという保証はないではないか。もし焦げついたときに、やはりこれは日本独自で取り立てるわけにはいかぬだろう。そうすれば、いまの債権国会議みたいなもので、やはりそことの話し合い、まあお世話になって、取り立て債権の処理をせざるを得ないだろうということを考えていくと、今度の場合政府の責任はそれを抜きにしてやるというだけに、より重大な責任があるだろうと私は思うのです。そういう点で、いろいろ通産省が現地調査したなんていうけれども、通産省のほうにお伺いしたけれども、現地で調査したというほど調査はしていないわけですよ。そうすると、何か私は非常に政治的な話でこれがばたばたときまってしまったという感じは、新聞だけじゃなしに私たちもやはりそういう疑惑に包まれるわけです。  それだけに私はできるだけ早い機会に、それは交渉の過程で私はやれとは言いません。だけれども早い機会に国民の前に明らかにしていくということは政府の当然の措置だ。私は援助の基本的な問題はこれは別の機会に譲りますけれども、少なくとも国民の代表として政権を担当しておる政府としては、それだけは私は最低限度の義務だと思うのですが、いままでやっていないからいいというものではなかろうと思うのですが、もう一ぺん私そこを確認してやめたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これからプロジェクトを詰めて細目がきまるときには交換公文をかわすことになりますので、そのときには当然一切の内容は発表されることと思います。  そこでもし焦げついたらどうかということでございますが、相手は国営の石油開発会社でございまして、現にもう石油を出して、そうして低硫黄の石油も相当量海外に供給している会社でございますし、今後どれだけ供給し得る能力を持つかというようなとも一応調査して相談ができたといういきさつから見ましても、問題は背後に品物があってこれが供給されることになるわけでございますから、この出資というものが焦げついて一切これは回収できなくなるという性質のものではないというふうに思っております。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 そんな話とは違うんじゃないですか。この六百二十億は、プロジェクトをつくって使うのは国営の石油会社だけれども、これは政府借款なんですよ。一億ドルの石油の代金の前渡しといいますか、その一億はそれは石油からくるけれども、いまの六百二十億は政府借款なんでして、石油会社が使うにしても、石油会社が直接払うんじゃないでしょう。そうでしょう。それで国営の石油会社だからだいじょうぶなどということは、何もこれは保証できることじゃないのですよ。先ほど私言いましたから、あんまりよその国の悪口を言うのは控えますけれども、これはいろいろまた問題があって、あそこの学生が騒ぎ出したということは、これは皆さん方も御承知のとおりだ。それぐらい問題のある会社であることも間違いないのです。資源があるからだいじょうぶだということにはならぬのじゃないですか。その辺の考えが大臣たいへん甘いのですね。そんな甘い考えで、国民の血税六百二十億というものを軽くあしらわれたんではとてもかなわぬ、こういうことなんでして、その辺は非常に甘いんじゃないですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 現実に石油が出ることでございますから、それに対する前払い金というべき性質のものは、回収できないという心配はない。それから開発会社の開発に対する費用としての貸し付けは、これは借り手がインドネシアの政府ということでございますので、これはとにかく政府へ貸すものでございますので、これはとれないということを前提とする性質のものではございませんので、その点御心配はないと思います。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 その政府に貸して、前にインドネシア債務の問題はここでも論議をしてたな上げしたでしょう。だから政府に貸したからだいじょうぶだとか、資源が相手にあるからだいじょうぶというなら、私はそのほかに問題があると思うけれども、返済の点で文句は言わないけれども、しかしインドネシアは前例があるわけですよ。それだから私はこれがとれなくなったら、そのときはやはり各国とみんな話し合いをして、債権国会議でこれは処理する以外に道がなくなるのじゃないだろうか。そうなればなるほど、そことの密接な話し合い、できれば二国間ということではなしに、その援助国のワクの中でおやりになることが一番援助としては筋が通るのではないか。また開発銀行の場合に、そういう趣旨だからアジア開銀に増資をされるわけでしょう。あなたの考えのように、日本が低硫黄の石油がほしい、だから援助をする、ここのアルミがほしい、だから援助をするという形でやった場合に、いろいろと国際的な問題になりがちだ。  そういうことではなしに、これはむずかしいと思うのですけれども、援助というものはなるだけそこの国民全部に利益があるように、しあわせにつながるようにという道を考え、その道で開発銀行というものがよりましな方法だということで開発銀行への増資をやろう、こうしておるのでしょう。私は百歩譲ってですよ。私はほんとうを言えば、いままで行なってきた援助の多くは、極論をすればそこの国の住民には縁もゆかりもないものだ。ほんとうは向こうの政府、そして日本の代表者が日本の労働者を搾取するための一つの口実にすぎないじゃないかというくらい、私は極論を言えばそれぐらいの感じでアジアにおける日本の援助を見てきたわけです。一体日本の援助というものがインドネシアの住民にどれだけプラスしておるのだ、ほとんど住民には縁もゆかりもないではないかとほんとうは極論を申し上げたいほどの気持ちで私はインドネシアの援助を見てきたわけです。  だけれどもそこまで私はいま言おうとしていない。だけれどもこの援助というものは、へたをすればこれは汚職のもとになる、あるいはまた帝国主義のもとになるという点で、私は援助の問題を私自身ももっと真剣に考えなければいかぬ。同時に政府にももっとそういう点で真剣に考えてもらいたい。その品物が必要だからそのために援助をするという形をあまり露骨に示されますと、これはいわゆる帝国主義という非難を受け、やがてそういう形で戦争への道を進まざるを得ないという心配を私はしておるわけです。それだけに援助というものをできるだけ両方の国民にガラス張りに明らかにしていくということが、まずそれを防ぐ唯一の道ではないだろうかという感じを私は持っております。そういう点では政府に——共同声明一枚、こんなものを出したからといって国民はそんなにわかるわけじゃない。それを皆さんから国会を通じて、できるだけ国民に納得をさせるということが、まず第一段階としてせめてとるべき筋道ではないだろうかという私の希望意見なんです。そういう点で今後もこの援助の問題、日本はこれからGNPの一%まで援助額をふやすというお話を各大臣やいろいろな方々が外国の人たちに話をしておられる、この援助が、ほんとうに世界の平和のために、そうしてその援助を受けた国の住民がしあわせになる道は一体どうなんだろうということを真剣に考えた援助でないと、せっかく国民の血税を使いながら間違った方向へ行ったのではたいへんだという不安と危惧を持つだけに私はいま申し上げたわけでありまして、私は、できるだけガラス張りの報告をしていただきたいという希望を申し上げまして私の質問を終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、暫時休憩いたします。    午後一時三十二分休憩      ————◇—————    午後三時三十三分開議

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松尾正吉君。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 開銀法の質問に入る前に一つ外務省に伺いたいのですが、発展途上国の経済協力ということは非常にむずかしい問題であります。しかし、国連でも六〇年代を、国連開発の十年としてその実績を積み上げてきた。さらに七〇年代に入っていよいよ第二次国連開発の十年として出発したわけでありますけれども、確かに六〇年代十年間の援助の効果、これは量的ないし部分的には効果があったということは認められるところでありますが、しかしこの援助目的の一つである南北格差是正という面から見ると、大きな反省をしなければならないということがいわれております。その反省をしなければならないという具体的な点はどういうところにあるのか、これをまず一点伺って、入りたいと思います。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 御説のとおり、第二次大戦後の新しい問題として南北問題が取り上げられたわけです。その意味するところは、やはり世界全体が一つの社会として幸福な安定した生活をしたいという人間の願望に基づいていると思います。ということは、先進国だけが繁栄してもそれは続くものではない。やはり後進国の繁栄を伴って初めて共同社会としての発展があるという認識に基づくものと考えております。  六〇年代の第一次国連開発の十年ということに基づきまして、そういう構想のもとに後進国を援助しようという、それの促進策がいろいろ講ぜられたわけでございますが、結果といたしましては必ずしも所期の目的どおりにはいかず、先進国と後進国との間の格差というものはますますふえていく傾向にあるという事実が確認されたわけでございます。それに対しまして、まあその原因といたしますのは、やはり後進国の場合、経済援助そのものを考えましても、それを受け入れる基盤がまだできていないということもございますし、それからもう一つ大きな問題は、平均いたしまして後進国の場合、人口の成長率が二・五%、先進国の一・二と比べまして倍以上の人口増加率を持っている、そういう事実はございますけれども、結局そのままほうっておけないものである、先進国側の考え方といたしまして、この格差をいかにしたら縮められるかという点に問題がしぼられてきたわけでございます。  御承知の先般第三回UNCTADというのがサンチアゴで行なわれまして、この二十日に終わりましたけれども、先進国相互の間の意見あるいは後進国相互の間の意見必ずしも一致しない面もございました。しかし要するところ、援助の量、これはやはり今後ともふやしていく必要がある。しかし問題は、この援助の質、これは後進国の体質が弱いということを前提といたしまして、具体的に申しますれば、いわゆる政府の開発援助をふやすということ、及び政府の援助というものの条件、具体的には金利であるとかあるいは償還期間等とかというものについて、後進国についてはできるだけこれをソフトにしてやるという方向で問題を取り上げてきたわけでございます。もっとも、具体的にすぐその数字を日本なら日本に当てはめますと、たいへんな財政負担に急激になるおそれもあるというようなこともございますし、またその援助の内容をひもつきでないものにする、アンタイにするという問題一つ取り上げましても、やはりまだ問題は残っているということでございますが、われわれの日本の姿勢といたしまして、やはり基本的には後進国をそういう面で、つまり条件の緩和とかあるいは量質ともに向上させて援助してやるということにこれからも努力しなくちゃならない、こういうふうに考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 いま答弁をいただいたとおりに、所期の目的は、いわゆる調和のとれた発展を期していきたい、こういうことで出発したのですけれども、それぞれの経済力あるいは質等の大きな相違からこういう結果が生まれたということはよく理解できるわけです。相互に開発しようとした結果が、結局結論的には南北を同じように引き上げてやりたい、こういう形で出発して十年を過ぎた結果が、結局南同士にさらに大きな格差が生まれたというような事象、これは見のがせない事実でありますし、今後大いに考慮していかなければならない点である、こう思うわけです。  そこで、今回この提案されたアジア開発銀行についていま質疑を進めておるわけですが、この開発銀行が発足してまだ五周年を迎えた非常に短期間であるわけです。そういう短い期間に軽々にこの成果ということを論ずることは、これはもうむしろ問題とも思うのですけれども、しかしアジ銀の一九七二年一月に発行した「ニューズレター」、これによりますと、地球の三分の二という非常に広大な地域、しかもこの中の国の状態は複雑である。こういう各国間の発展段階には、いままでにも相当な格差があるわけでありますけれども、アジ銀は、第一の目的としては、こうした格差のあるおくれている国を何とか引き上げてあげようという目的でいま努力しておるわけですが、この「ニューズレター」によりますと、この五年間にアジア開銀では資金、知恵、この両面にわたる活動で多大の実効をあげている、こういうふうに報告されているのです。この資金の面、知恵の面で多大の実効をあげたというのは、格差の是正という面から見ると相当問題があるのではないかと思うのですけれども、どういう点をとらえて多大の成果があがったと言うのか、この点をひとつ具体的に伺いたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア開銀が発足いたしましてからほぼ五年になっておるわけでございますが、アジア開銀の活動は、初めの二年くらいは実は準備段階でございまして、融資規模もそう大きくなかったわけでございますが、四十三年くらいからだいぶその規模もふえてまいってきております。七〇年、七一年、昨年、一昨年はそれぞれ年間二億ドルをこえるような貸し付けの規模ということでございまして、それくらいの規模にだんだんなっております。したがいまして、これはまだ発足間もなくでございますので、その効果が各方面に、しかも各加盟国を通じてまんべんなくあがってきておるということは、けさほどの御議論の中にもございましたように、必ずしもまだ言えないかと存じます。しかし、プロジェクト等で直ちに手のつけられるものというところからすでに始まっておるわけでございまして、この意味で、すでに相当の効果はそれぞれの国についてあげておる。ことに融資の実績の中に入っておらない部分につきましても、けさほども御議論になっておりましたが、投資の事前調査あるいはプロジェクトを見つけると申しますか、開発するための事前のいろいろな作業というもの、研究調査というものが進んでおりまして、こういうものは時がたつにつれてだんだん具体的なプロジェクトとして成果を生んでまいるということであろうかと思うのです。融資規模にいたしまして、累積で申しますと、通常資金で約五億三千万ドル、特別資金では約一億ドルをこえるということで、六億四千万ドルくらいの融資契約金額のベースになっておるわけでございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 実際に活動を始めてから二年そこそこということですから、ここに知恵の面、資金の面で多大の効果をおさめたということは、少し表現がオーバーではないかと思うわけです。  いま局長からお答えをいただいたのですけれども、しかしこのアジア開発銀行を設立する協定の第一条の目的、いわゆる「アジア極東経済委員会の付託条項に規定するアジア及び極東の地域」全体に対して、第二条ではその任務として「地域全体としての調和のとれた経済成長に最も効果的に寄与するものを優先させ、」こういうことで、ここに優先きせるということばがありますから、準備をしたものから先に手をつけるということだと思うのですけれども、その前段の意味は、どこまでも地域全体の調和を考えた援助、協力でなければならない、こういうことにこのアジ銀の任務があると思うのですね。そういう意味からいいますと、もしここで国連が十年間手を尽くして、逆に南なら南の間にさらに格差が生まれてしまったという場合に、それは部分的には確かに効果ですけれども、全体の格差を何とか縮めていこうという場合には、はたしてこれを効果ととらえることが正しいのか、あるいはこの目的に沿ってむしろ考え直さなければならないというふうにとるのが正しいのか、その点の判断は大蔵大臣どうでしょうか。これは非常に政治的な判断によるところであろうと思うのですが、大臣はどういうふうにこれをお考えになりますか。  二年そこそこで量的、部分的には効果があったけれども、この目的あるいは任務とする地域全体の調和という面から見ると、午前中の質疑でよくわかるわけですけれども、金は出してやりたいが融資以前に非常に手をかけなければならないところがあるわけです。そういったところがありまして、考えてはいるけれども手が及ばなかったために一方はおくれた、しかし受け入れ体制のできたほうはぐっと伸びたということです。アジア内で、この開銀が設立したことによって、貧困を余儀なくされているところからはかえって反目を買うような結果が起きてきていやせぬか。そういう点に対して、この目的から見たときにどう判断されるか、その点を大蔵大臣から一言伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それは調和をとる必要はございますが、両方に格差が非常にあって、一方の準備が十分にできないというようなときに、他方をこれに合わせて足踏みさせるということはやはり問題でありまして、どんどん調査が進み技術的な研究の進んだところから開発に着手していく。そのかわり長期的に調和をとるということは怠るわけにまいりませんので、一方に対しては、融資以前の援助の必要があればこれを強化し、なるたけこの両者間の調和がとれるように一方への努力も集中すべきだということでございまして、全部の調和をとるために進んでいるほうを足踏みさせるという必要は、やはり現実問題としてはないのじゃないかと思います。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 確かにいま大臣のお答えどおり足踏みさせる必要はないことで、これは短期的な評価は非常にむずかしいということを私が申し上げたのはそこなんで、ぜひひとつそういう方向で、量的な効果だけにとらわれないで、ある時期を目標にして、何としても同じ南なら南、アジアならアジア全体の調和がとれるような方向で援助していく、こういう方針はきちっとここで打ち立てていただきたいと思います。  そこで、協定の第三十六条には政治活動の禁止及び銀行の国際的性格ということで、関係加盟国の政治の性格によって影響されてはならない、銀行の目的または任務は、たとえ政治あるいは思想、イデオロギーを変えても、この目的を阻害し、制限し、ゆがめるようなことがあってはならない、こういうことがはっきり規定してあるわけですね。どこまでも公平に比較衡量を加えてやっていかなければならない、こういうふうにきびしい規定があるわけであります。午前中の大臣の答弁についても、二国間による場合にはいろいろそういった面があるけれども、この銀行を通しての場合にはそういうことが除外されるので好ましいことだ、こういう答弁がありました。これはまさしく私もそのとおりだというふうに聞いておったのですけれども、現在のアジアをめぐる国際政治、それから経済環境というものは非常に複雑多岐にわたっていることは御承知のとおりです。  一方でニクソンは中国を訪問し、そしてまたソ連を訪問しておる。一方ではベトナムの北爆を強化している。同じベトナムの同一国の同一民族が殺戮行為を重ねているということで、ここへ一日も早い平和の実現ということは万人の望むところですけれども、非常にむずかしい、こういう状態でございますが、外務省ではいまのアジアをめぐる国際政治ないし経済情勢等をどのように見通しておられるのか。私どもは、ニクソンがソビエトを訪問したということについては、この交渉は何とか成功させてベトナムの解決に導きたい、こういう気持ちではおりますけれども、一体これはどういうふうに見通されておられるのか、その点をひとつ伺っておきたいと思います。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 御質問の範囲が非常に広範であるので、はたして私の答弁で御満足いただけるかどうか非常に疑問だと思います。ただ私としては、累次外務大臣が国会その他で述べておりますように、要するにわれわれとしてはアジアの平和というものをまず第一に希望しております。これは絶対動かせないわれわれの基本的考えでございます。ただ遺憾ながら具体的にベトナムで戦乱が起きている、これも事実でございます。ただ、ニクソンが中国を訪問し、また現在ソ連を訪問しておる。われわれとしてはそれが単なる二国間だけの話し合いに済まないで、それがさらにこの地域、特にわれわれの関心の深いアジア地域に平和をもたらすという方向で動いてもらいたいという強い希望を持っております。ただ、現在訪問しておりますニクソン大統領のソ連訪問、この結果についてはまだ情報が入っておりません。ただ会談が行なわれたということだけは入っております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 外務大臣もしばしばアジアの一日も早い平和、またいま局長からもそういうふうに期待しているという答弁であります。  そこで、アジ銀の使命についての具体的な問題に入りたいのですが、南ベトナムには積極的に援助を進めている。ところが北ベトナムの場合には、これはわれわれの立場でいえば当然ほかの政治ないし思想というイデオロギーがもとになって相争っておるわけであって、これは当然共同開発という意味からいえば、南に援助すれば同様に手を尽くして北にも援助しなければならない、これが当然であろう。そうでないと、この三十六条でアジア開銀はどんな理由があるにしても、その思想やその他イデオロギー等によってその任務をゆがめてはならない、阻害されてはならないということに反するわけであります。これが二国間である場合にはわかるわけです。日本対南ベトナムという関係ならば理解できるのですが、アジア開発銀行の場合にはこういうものを除いて、とにかく全体の調和をはかっていこう、全体に発展させていこう、こういうことでありますから、しがたって、午前中もこの点は論議されたのですけれども、やはりこのアジア開発銀行の任務であるところの思想あるいはその他によって左右されてはならない融資、開発という面で、この南ベトナムに積極的な援助を進めているという点については矛盾しているのではないか。いまの局長の答弁とは、一日も早く平和をかもし出したいという期待とその行為とが実は逆行して、同一国の同一民族に片方、半分に援助をやって、片方は知らぬ顔するということは逆にくさびを打ち込むような結果になるのではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点について大和田局長はどういうふうに考えられますか。これはこの協定を抜きにしてです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先生御指摘のように、アジ銀そのものの活動範囲といたしましては政治形態のいかんは全然問わないというたてまえになっております。われわれといたしましても、もしアジ銀がいまおっしゃったような北越あるいは北鮮というようなところに対して融資を行なうという立場をかりにとりました場合には、メンバーの一員といたしましてもちろんわれわれは異存ございません。ただ、協定の第十一条にございますように、開銀といたしましては、たてまえとしては加盟国あるいはその機関、それから加盟国の領域内の団体、企業、こういうものに融資をするということは明記をされております。ただ一方、現在北越あるいは北朝鮮はメンバーでございませんので、したがいまして十一条から申しますとアジ銀そのものとしては融資は行ない得ないということじゃないかと思います。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 そこで、これは午前中の議論もありましたけれども、アジアの共同開発、調和のとれた発展を期すためのアジア開発銀行の使命なんだ、けれども、ここでこういうふうに規定されているからそれができないのだ、したがって逆行して一国にくさびを打ち込むようなことになってもしかたがないのだという、こういうアジア開発銀行の使命自体に私は大きな問題があるということを午前中の議論にも痛感しておったのですけれども、この協定というものは、一たんつくれば、これは不動なものではなくて変更ができるわけですね。この協定の変更は理事会ですか、総務会で行なうのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 協定の改正につきましては理事会ではできないわけでございます。総務会の決定ということになります。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 午前中、アジアでは最高の株主になっている、したがって発言力に対する議論がありましたけれども、総裁が日本の政府から出ている人であるし、しかも最高の株主という意味からいって、私はどうしても以上のようなアジアの一日も早い平和の実現とそれから調和のとれた開発という目的をもって設立したこのアジア開発銀行であれば、この目的を阻害するような原因については当然強力にほかの国からの意見あるいはほかの総務等からの意見を待つのでなくして、積極的に総会ごとにこの改正を訴えていくのがたてまえではないか、こう思うのですけれども、いままでにこの加盟していないいわゆる共産圏に対するあり方についてのわが国の提案といいますか、これらはあったのかという点と、それから今後はこれは強力に発言し、これを改正する方向にいくべきか、この二点についてお答えをいただきたいと思います。これはあとで外務省にもお答えいただきたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 私の存じております限りでは、従来そういうことが議論になったかという点につきましては記憶にございませんが、筋道といたしましてやはり先生御指摘のような点は十分理由があると存ずるわけでございますけれども、他方こういう国際金融機関等の普通のやり方といたしまして、やはり加盟国に対して融資をする。ことにアジ銀のような場合でございますと、加盟国の中でも先進国にはむろん融資はいたしませんので、先進国は出すほうばかりでございますけれども、やはり加盟してない国に対して融資をするということは、協定改正云々という前に普通のたてまえとしてその問題があろうかと存じます。  他方、それでは加盟を慫慂したらどうかという点でございますならば、これは一つの考え方であることは十分わかるわけでございますが、その場合、加盟を慫慂したということは、私の記憶する限りではまだないかと存じます。これは先ほどビルマについて申し上げましたように、これは先方にそういう希望がいままでのところはないということでございます。たとえば北ベトナムその他の、域内であってまだ加盟してない国がどうするかということは、午前中にも御議論になりました加盟の資格、つまり第三条でございますか、エカフェに加盟しているか、あるいは域内国であって国連またはそのいずれかの専門機関に加盟しておるかどうか、こういう資格の問題、それとその当事国の希望の問題によって、あとはアジ銀としまして新規加盟の決定をするということであろうかと存じます。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 稲村局長の説明に特に補足することはございませんけれども、実際に将来しからば現在入っていない北朝鮮あるいは北越というものに対してそれを加盟させるという提案を行なうかどうか、あるいはそのための協定の条文改正を提案するかどうかという点でございますが、現在のところそれは考えておりません。と申しますのは、それらの国はいわゆる分裂国家でございまして、それを加盟させるということ自身が一つの地域に二つの国を認めるという結果になりかねない。したがって、もしそういうことをやる際にはよくよく慎重に検討する必要があるというふうに考えます。したがって、現在はそういうことは考えておりません。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 こういうふうにやりとりしておっても、アジアの一日も早い解決は願う、しかし事情が分裂国家である場合にはこれはなかなかむずかしい問題だ。確かにむずかしい問題です。けれども開銀というものがとにかくアジアの全体の平和ということを第一義の目的にして、平和をはかっていくには共同の開発、おくれた国をやはりあと押しをして伸ばしてあげる、こういうことが大事なので、そういう精神から生まれたこのアジ銀とすれば、外交交渉で行き詰まっている面について、むしろ資金援助その他技術援助等の面でこれを調和していくということも、これは外交政策の大きな一環であるということがいえると思うのです。もちろんいま戦争をやっている両方に援助をするということは、この場ではちょっと無理はあろうと思います。けれども、方向としてそういう方向を選んでいくのがたてまえではないか、こういうふうに思うのです。  確かに、これはベトナムを例にとりますと、南と北で激しい戦争が行なわれている。しかし一方には相当積極的に援助をしておって、一方は交戦国だというためにやらない、ここに問題があるわけですね。もしほんとうにベトナムの平和を一日も早く実現させたいというのであったならば、戦争がやむまでは両方ともある程度手を引いておく。そして両方に対して食糧援助等を考えるということはこれはあり得ると思うのです。けれども、一方には積極的に援助をする、そして一方には知らぬ顔をするということは、これは明らかに平和を願うといっていながら陰でくさびを打っているのと同じで、非常に矛盾をしていると思うのです。  ですから、もちろん外交交渉という国対国の関係というものが基礎になっておるので、このアジア開銀としてその呼びかけはできない、こういう意味もわかるのですけれども、しかしもう一歩積極的になっていいのではないか、こういうふうに、私ばかりでなしに午前中の委員も意見を述べておりましたけれども、大蔵大臣、この点についてはどうでしょうか。いま戦争をやっている両方にいま直ちに呼びかけるというのはむずかしいかもしれませんけれども、そういう方向は絶対に私は必要ではないか、こう思うのですが、大臣の御意見を……。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 方向は私もそうだと思いますが、しかし問題は、アジ銀は開発銀行であって、アジアの大きい外交を展開きせる機関とすればいろいろな活動を期待することもできるでしょうが、要するに、これが開発の金融機関であるという限りは、このアジ銀にそういう大きい政治活動を期待するということはまたこれも問題であるだろうと思います。したがって、各国の外交活動と並行してアジ銀がそういう方向にできるだけいくことは、これは望ましいことでございますが、アジ銀自身にそういう展開を求めるということは私はむずかしいことだろうと思います。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これはもうどこまでいっても繰り返しになると思います。  それではもう一つ別な面ですが、アジ銀に対してソ連では、設立当初から、加盟はしないけれども技術協力は惜しまないということを表明している。渡辺総裁も先般日本へ来られた際の記者会見の席で、「ソ連は一九六六年の当行設立時から「加盟はしないが技術的協力は惜しまない」と再三述べており、七〇年七月のコメコン投資銀行設立のきい、当行の運営方針や組織を参考にした。エカフェのウ・ニュン事務局長も今回のエカフェ総会におけるソ連の“協力声明”演説を高く評価しており、」こういうことでありますが、ソ連とは戦争はしていないし、ソ連もアジア開発には関心を持っているということでありますから、このソ連に対して加盟を呼びかけていくということについては、これはそう政治的に問題はないと思うのですが、大蔵大臣その点についてはどうお考えでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 問題はないと思いますが、私の聞いた範囲では、ソ連が加盟を希望しない、したがってこの問題は実現しないというふうに聞いております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 ソ連が加盟をしないというのですけれども、技術援助を惜しまないということでありますから、やはり何回か発言を、相当強い発言権を持っている日本の代表は、総務会あるいは理事会等で積み重ねていく必要はあると思うのですけれども、事務的にどうでしょうか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ソ連が、加盟の希望は現在のところないようでございますが、技術援助その他で側面的に援助したいという点につきましては、これはそういうことはわれわれも聞いておりますし、われわれとしてもこれは望ましい方向であるというふうに感じておりますが、そのソ連の意図が具体的に実を結んできておるかどうかという点につきましては、まだただいま具体的なことは聞いておりません。方向としてはソ連がそういうことでアジ銀に援助をしたいということは歓迎すべきことであるというふうに存じます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 どう聞いているかじゃなくて、いま水田大蔵大臣は、現在聞いているところではソ連が希望しない、けれども、今後発言力の強い日本の代表が理事会あるいは総務会等でソ連にアジア開発の重要性を説いて、加盟を促進するように積み重ねていく必要があると思うけれども、それは事務的にはどうなのかという質問です。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 日本とソ連との接触の機会にソ連に対してアジ銀に加盟してはどうかという働きかけをするということは一つの考え方であり、これはいい機会をとらえましてそういう方向の行動をとるということはよろしいことかと存じますが、アジ銀としてソ連を招聘するというような決議を、決議というのはあるいは重過ぎることかもしれませんが、そういう機運を醸成するということにつきましては、これもやはり直ちに成果があるということは期待できないと存じますけれども、方向としては望ましいことではないかというふうに存じております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 望ましいことだというふうに私言っているのですよ。ですから、事務的にできないことなのか。もちろん一回出して決議をするということはできないかもしれません。しかし、理事会、総務会、こう繰り返して、一刻も早く開発を期待しているソ連が、それじゃ何とか加盟しようというところへ持っていくような積み重ねは、事務的に問題はないのじゃないかと思うけれども、それが可能かどうか、こういう点なんです。  一方、いまの問題は、むしろ大和田経済協力局長のほうから、ソ連には日本とは話し合っているということを答弁を受けるのはよくわかるのです。けれども、稲村局長からは、事務的に可能であろう、理事会に出して否決されてもいい、また総務会に出して否決されても、その積み重ねが可能ではないか、それをやることがいまのこの目的に沿うことではないかということなんですが、その点に対して大蔵大臣どうですか。事務的な問題ですからこちらを聞いたのですけれども、どなたか、外務省かどちらかで……。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 アジア開発銀行の設立当初から、やはりソ連が入ったほうがいいという意向を、日本のみならずほかの国も持っておりまして、まずその段階でソ連の意向を打診したわけでございます。その結果、入る意思はなしと言われたわけでございます。ただ、もちろんそれであきらめたのではございませんで、具体的に申し上げますれば、たとえば昨年渡辺総裁がモスクワに見えたときは、やはり先方の意向をまた打診しております。それから、当時私はモスクワの大使館におったのでございますが、別途外務省からの訓令でソ連側の意向を聞けということで、先方の担当の局長に会って聞いたわけでございますが、いずれも、渡辺総裁の場合も、また私が大使館の一員として先方の意向を打診した段階でも、やはりアジ銀そのものには入る意思はないという返事を受け取った状況でございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これは、次の増資がいつ行なわれるかということもあれですけれども、私は、アジ銀ではこれだけソ連の加盟を要望しているのだという方向を認識してもらうためには、これはやはり総会のつどあるいは理事会のつど議題にしていいのではないか、こう思うわけであります。特に次の総会等にはこれは強く要望をしていくべきではないか、こう考えますので、そういう方向でひとつ努力をしていただきたいと思います。  それから、結局いまのような繰り返しになるのですけれども、目的、任務というもの、それから水田大蔵大臣が言われているように、国対国の場合にはある程度イデオロギー等が働いてくることは、これはあってはならぬことだけれども、やむを得ないと思うのです。したがって、一番理想的な、一切のイデオロギー等を超越してアジア全体の開発をはかろうということを目的としてできたこのアジ銀が、こういう協定があるからといって、いつまでもこういう片寄った行き方がずっと長く続くことは、大臣から長期的には普遍的に開発したいというおことばがあるのですけれども、これは非常に問題であろう、こういうふうに見られます。  そこで、午前中にもこれは出たのですけれども、この融資実績を見ると、非常に台湾それから韓国等に片寄っておる。大臣からはこれは長期的には必ず解決していくのだという答弁があったから、あえて繰り返しませんけれども、韓国並びに台湾に対する経済援助、アジ銀以外の資本協力あるいは延べ払い輸出その他技術援助等、相当大きな額にのぼった援助が行なわれていると思うのですけれども、通産省で、もし韓国に対する経済援助の活動の状況それから台湾に対する援助の状況等が数字的に、大まかでけっこうですから、まとまっておりましたら伺いたいと思います。——通産省来ていないのですか、それじゃやむを得ない。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 韓国に対しまする円借款の貸し付け実行額でございますが、これは計で八千七百万ドルくらいになっております……

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 それだけでなくて全部、技術援助から延べ払い信用から、それから日本ばかりでなしにアメリカその他の援助を含めて実は依頼しておったのだけれども、早く要らないと言ったものだから断わってしまったらしいのです。ですから——来ていますか、それじゃそれを……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 韓国、台湾に対しまする御質問が、主要先進国からの援助状況全体ということでございますれば、手元にございます数字を申し上げますと、韓国でございますが、これは一九七〇年で大きいところから申し上げますと……。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 まとめた数字でけっこうです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ちょっといま合計を出しておりませんから、それではさっそく計算をいたしまして……。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 これは相当大きな数字になることは間違いないのです。ですからこれはけっこうです。時間が延びますからけっこうです。  要するに、私がこの資料をもらって、これとあわせて、しかもアジ銀でこれだけ大きな融資が片寄っているというところに問題がある、これを指摘したかったわけです。午前中の大蔵大臣の答弁で、これは受け入れ体制ができた韓国等には当然発足当初だから向いたので、今後はこれは是正されるということですから、それを信用していきますが、さっきのベトナムの場合には、これは交戦中ですから、ある程度外務省の答弁も当局の答弁もわかるのですけれども、北朝鮮の場合についてはこれは交戦国ではありませんし、北朝鮮自体が南北統一という機運が非常に盛り上っている段階ですから、これに対してはむしろ定款そのものにはエカフェに加盟していないということで無理であろうと思うのですけれども、これらに対してはむしろ朝鮮の統一平和の一日も早い実現を願う日本としては、総務会等で部分的な改定ぐらいは提案すべきではないかと思うのですけれども、この点については大和田局長、どうでしょう。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先ほどいわゆる分裂国家について御答弁申し上げたのは、先ほどはとりあえず北越の問題でございますが、同じような状態はもちろん現在いくさは行なわれておりませんけれども、もし朝鮮人民共和国、これを新たに加盟国にというようなことをかりにやったといたしますと、あそこに二つの国をつくるという結果になりかねないというふうに考えております。したがって、現在われわれといたしましてはそういう提案をする意向は持っておりません。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 外務省ではそういう意向は持ってないというのですが、アジ銀はそういう方向に向くべきであると思うのですけれども、稲村局長どうですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジ銀といたしましても、北朝鮮を加盟きせる必要はないかということに関しましては、これはいま外務省のほうから御答弁がございましたように、分裂国家でございますと片方の国が加盟しておるわけでございまして、アジ銀としてそういう場合、たとえば実際問題といたしまして、北朝鮮を入れるということについての加盟国でございます韓国との問題というのが非常に問題になるわけでございます。これは先ほど外務省のほうから御答弁ございましたように非常にむずかしい問題ではないかというふうに考えております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 むずかしい問題だから解決するように努力してもらいたいというのですが、結局目的と任務と実態とが相反している、ここに問題があるわけですよ。確かにこれはむずかしいのですけれども、どうも政府自体の考え方でアジ銀というものが運営される、こういうふうに感じられてなりません。そうではなくて、渡辺総裁はここでもう国連にも何も縛られないのだ、したがって南北、これの発展、開発のために南北の調和をとるような方向で進めていきたいのだ、こういうことは言っているのですけれども、では分裂国家あるいは共産圏、これらについてはさっぱりこちらから積極的に平和をかもし出すような動きは——これは政府じゃないのです、銀行なんですから、そういうことをやっておっても当然いいはずです、目的に沿った活動をやっていって。そういうところで非常に不満でありますけれども、これはそういう方向でいきたいということでありますから、これに期待して、あとは幾らやりとりしてももうこのまま進展しないと思いますので、その点、私どもは納得できないし、そういう方向で動いてもらいたいということを強く期待して、次に移りたいと思います。  まず、貸し付けの効果ですが、通常融資関係、それから特別基金融資関係を見ますと、セイロンに通信衛星地上ステーション建設というのがあるのです。これが特別基金融資が手当てせられておるのですけれども、はたして東南アジアの開発を進めていくためにセイロンに通信衛星地上ステーションを建設することが、すぐに経済効果としてつながるのか。それからもう一つは、ここに特別基金を充てる必要があるのかという点について、どうもわからないのですが、この点についてひとつ説明してもらいたいと思うのです。もっと性急な面にこの資金の特別基金の充て方はあるのではないか、こういう疑問も持っておるわけです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 ただいま御指摘の点は、昭和四十六年八月に理事会の承認がありました三百六十万ドルの案件であろうかと存じますが、これはコロンボ付近に地上局を建設いたしまして、国際電話のためのマイクロウエーブ等の施設の建設費ということでございまして、これはセイロンの国柄からいたしまして、加盟国の中でも一人当たりGNPが非常に低い等のことで、通常資金によりますよりは、この特別基金で特に安い金利で出すということが適当であるということで、理事会において承認をされたものでございまして、これはやはり土地柄としてこういう通信施設というのがどうしても必要であるということは、われわれも了解できることであると存じます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 地域的な情勢が私どもよくわからないので、むしろ農業関係その他電源開発等が先行するのではないかという感じを持ったのですけれども、離れたところ、どういうわけなんですか。いまの地域的な関係というのは、離島その他があってということなんですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 これはセイロンの国内の通信と申しますよりも、セイロンの国際電話の国際的な通信の必要性のほうでございます。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 よくわかりません。  それからもう一点は、この融資全体を見ますと、やはり工業関係が非常に多くなっていると思うのです。特に通常資金融資の関係では工業関係が多い。ところが国連開発十年の反省の一つとして、国連開発でもやはり農業は非常に低生産性であるという面から、工業関係に重点を置いて融資をやってきた。ところが十年を経過してみると、やはり「過去における農業を無視した性急な工業化政策の失敗は貴重な教訓であった。」こういうふうに、やはり農業というものが重要な地位にあるので、農業か工業かという方向ではいままでは工業に手を入れてきたけれども、今後は農業に重点を置かなければならないという方向で、第二次開発には農業を重視して進める、こういう方向でありますけれども、アジ銀ではこの点をどちらをとらえておられるのですか。やはり農業、工業という面を二つに分けた場合、この面でいうと、確かに工業というほうに重点が置かれるように見えるのですけれども、すでに国連開発十年の経験で、工業化に第一次着手したのは失敗だったという、これがあるのであったならば、これは当然貴重な資料として参考にすべきじゃないかと思いますが、この点はどうでしょう。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジ銀といたしましても、考え方としては御指摘のとおり、農業と工業、こういうのを見ました場合、これをさい然と分けて、どっちに重点を置くべきかという議論自体、いろいろとそれぞれの御議論があろうかと存じますが、やはりあまり早く工業化のほうに重点が行き過ぎてはいけないという点は、御指摘のとおりのことは十分考えた上で運営をいたしておるわけでございますが、やはり各加盟国のそれぞれの希望というようなこともございまして、やはりそこのところはそれぞれ各加盟国と協議しつつ融資をいたしていくということにならざるを得ないわけでございます。  実際問題といたしましても、業種別に見ますと、従来すでに契約をいたしております融資のうちの大きなものは電力でございますとか港湾等の、いわばインフラストラクチュア部門というものが大きいわけでございます。そのほか水資源開発等ございますので、これは農業のほうに向けられるというものもあるわけでございますけれども、したがって全体といたしますと、このインフラストラクチュアを重点的に開発をしていくということで、間接的に農業にも工業にも全体として役立つという方向で運営をしていくというのが、現在のアジ銀の考え方であろうと存じます。特にどちらをということよりも、いま御指摘のような点は十分考えた上で、アジ銀としては運営をしていっているというふうに理解しております。

松尾正吉公明党

○松尾(正)委員 もう一点、金・ドル換算の問題があるのですけれども、私自身よくわかりませんから、これはあとで事務的に伺いたいと思います。  最後に、最初からの議論をして、私どもアジ銀の目的、任務、それから実態との間にどうしても理解できない点があります。したがって、これは質問中に要望してまいりましたけれども、ソ連等に対してはこれは理事会その他のつどにやはり発議をしていくべきであろう。それから分裂国家に対しても、もちろんアジア開発銀行そのものが政治を左右するところではありません。しかし、この性格はそれらを一切超越した銀行ですとこう表明している以上、そういう方向で最善の努力を、どうもいま聞いてみますと、できないできないという答弁に終始しておるのですけれども、これは非常に平和を願う、それから調和のとれた発展を願うと言っていることとまるで相反する答弁でありまして、これは理解できませんので、どうかそういう方向で今後努力していただきたいということを強く要望して、私の質問は終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 竹本孫一君。

竹本孫一民社党

○竹本委員 アジア開発銀行の出資の額が増額されまして、今度三億ドルに相当する金額の範囲で出資をするということになりましたが、いままで二億ドル、合わせて五億ドル、それは出資国としては何番目になるのですか、どのくらいのウエートですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 現在までの資本金の額、それから増資以後の額も、これは増資もそのワクの中の額でございますから同じ割合でございますが、全体から見て日本は二割ということでございまして、アメリカと並びまして一番大きな出資国でございます。ただしアメリカも同じでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 資本額全体の二割というわけですね。二十七億ドルの五億ドルというと、大体そうですね。そうするとアメリカはいま大体幾らやっていますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 日本と同じ額でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 この出資との関係で、借り入れ金はいまアジア開発は全部で幾らあって、日本は円貨債ですか、二回ぐらいやったですね。そのウエートは……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア開銀が借り入れ金と申しますかしておりますのは、いわゆる各市場におきましてアジア開発銀行債というのを発行いたしまして、いわゆる外債の形で調達をいたしておりますが、この中でわが国で発行をされましたのはすでに三回目でございます。ことしの四月で三回出しております。その他、最初はドイツで出ております。それから二度目がオーストリア、わずかな額でございますが出ております。それから日本が三番目に日本の市場で出しております。その後スイスで一度、ベルギーで一度、その他ユーロ市場でも出ております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 日本の海外援助、GNPの一%をやろうという場合よく議論が出ますけれども、このアジア開銀に対する出資というものは、計算上はどういう関係になりますか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア開銀に対します出資、拠出はむろん一%の援助額の中に入るわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 海外援助の計算の中に入るのですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 むろんいまの出資金の中にはコーラブルと申しますか、請求払いの部分がございます。それはただ請求があれば払うということでございますので、実際に拠出をいたしておりませんから、それは入りませんが、現実に拠出をいたします部分はDAC統計上の援助額の中には入るわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 まあ数字の計算の上は別といたしまして、今後の日本の海外援助というもののやり方はいろいろのルート、方式があると思うのですけれども、このアジア開銀みたような線を通じてやることのほうが、私はむしろ摩擦も少ないし、いろいろ便利が多いのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、今後の海外援助はどういう基本方式でやられるのか、その中からアジア開銀というものはどの程度に評価されるのかといった問題をもう一度お尋ねします。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 今後の援助のあり方といたしまして、午前中においても御議論が出ておりましたが、やはりアジア開銀のような国際機関を通ずる多角的援助と申しますか、こういうものとバイラテラルな援助、この二つに大きく分けて考えますれば、やはりそれぞれのメリットがあるわけでございますから、どちらが特にすぐれておるということは一がいには言えないかと存じますが、おそらく、いろいろな政治的な意味のひもつきでございますとかそういう意味がなくて、ほんとうの純粋に客観的な援助ができるという意味におきまして、多角的な意味の国際機関を通ずる援助というのがメリットが非常に大きいということは事実でございます。ことに従来の全体の割合からいたしますと、多角的な援助というものは今後はやはりどうしてもその割合をふやしていく、そちらのほうに重点をより多く置いていくという方向で行くべきではないかというふうに存じております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 いま最後におっしゃったような方向で行ってもらったほうがいろいろな面でいいんじゃないかと私も思いますから、これは要望をいたしておきます。  次に、アメリカと日本は同じだという話が先ほど出ましたけれども、それは今度の増資が行なわれて、アメリカが割り当てをやったという場合においてちょうど同じになるのですか。それとまたもう一つは、アメリカが特別拠出金の問題で、特別基金を十億ドル出すと言った話も聞いたことがあるけれども、実際はまだ出していないという話ですが、そういう問題については総務会なり理事会なりは一体どういう態度をとっておるのか、どういう態度をこれからとるのか、またそういうことを言って、から手形にしてもそのまま済むものか、そういう点について……。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 通常資金の今回の増資に関しましては日本とアメリカが同じになる。と申しますのは、むろんアメリカと日本が今度の増資にそれぞれ応募した場合のことでございまして、アメリカといたしましてもこれに全額応募するということにつきまして方針はすでにきまっておるわけでございますが、ただアメリカの議会との関係でどういうふうになりますかは別のことでございますけれども、これはアメリカ政府としても極力今回の増資に応ずるというほうの努力を議会に対していたしておるというふうに聞いております。  それからもう一つ、特別基金のほうに関しましては、これは現在までのところ全体で約一億五千万ドルくらいの特別基金の拠出があるわけでございますが、このうちの一億ドルが日本からでございまして、この特別基金に関しましては日本が多額になっております。これは米国といたしましては当初やはり一億ドルを拠出するということを約束しておったわけでございますが、この点につきましてはまだ米国の議会のほうで関係の法案が通っておりません。しかし、これも米国政府といたしましてはやはり一億ドルの拠出についてすでに議会の承認を得るように最善の努力をしておる。これは現在の段階では相当見込みがあるのではないかというふうに聞いております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私が聞いたのは、まあ一億ドルというふうに最終的にはなったようですけれども、初めはもっと大きなことを言ったわけですね。ともかく総務会なり理事会なりは、議会が通らないということが口実に、あるいは理由になるわけでしょうけれども、そういう場合には何らの行動も起こさないのかということなのです。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 その点ちょっと御答弁失念いたしまして申しわけございませんでした。日本といたしましても理事会、総務会等で機会あるごとに、米国その他先進国に対して特別基金の拠出についてできるだけの協力をしてほしい、アメリカにつきましても特にこの当初の方針といいますか約束どおり早く議会の承認を得て拠出をしてほしいという希望を強く常に述べております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 それから次は、プロジェクトがいろいろ出てくるわけでしょうが、プロジェクトがつくれるなら相当な国であって、東南アジアの多くの国はむしろつくれないんじゃないか。そういう意味でちょっとお尋ねするのですけれども、一つは、プロジェクトのできない国にはどうしてやるのか、それからまた次には、プロジェクトが次々に出てきた場合には、それはアジアの総合的な経済開発計画というきちんとしたものがあればそのものさしではかれればいいわけだけれども、そうでない場合に、重複投資になる心配をする必要はないでしょうが、しかし、それなりにどんどん出てきて全体の計画が一方に片寄る。また先ほどもお話がありましたけれども、地域的にもあるいは工業、農業といった産業部門的にも片寄り過ぎるという問題はないか、そういう点についてひとつ。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 プロジェクトがないと申しますか適当なものがないような国に対しましては、これはアジア開銀といたしましてはやはり調査団を派遣いたしまして、その他いわゆる技術援助を鋭意やっておりまして、こういうことでプロジェクト発掘——発掘ということばはよくないかもしれませんが、プロジェクトの開発につとめて、そしてそれをもってそれぞれの国のプロジェクトを見つけて、適切なる開発のための融資の対象を盛り上げていくというような努力をアジア開銀としては常にやっておるわけでございまして、その意味の努力はほとんど加盟国の全部について鋭意やっております。ただそれがプロジェクトとして融資の段階になりますまでには若干の時間がかかりますので、先ほどからお示ししております融資実績にはまだそれが必ずしも反映していないということでございます。  それから一つのプロジェクト、それが各加盟国間全体を通じまして斉合性のあるものにしていかなくちゃいけないという点は、これもアジ銀当局としても十分に関心を持って、この点を最も中心に考えていろいろプロジェクトの選定その他に当たっておるわけでございまして、この点は御指摘のような線ですでにアジ銀当局におきまして十分に努力をいたしておるというふうに承知をいたしております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 次は、先ほど海外援助の基本的な方式はどこに求めるべきかということをちょっとお伺いしたけれども、それと関連をしますが、いわゆる開発銀行を通じその他を通じて金でやる援助がいいのかあるいは技術援助とか技術協力とかいった形がいいのかという問題を中心に考えてみたいと思うのです。  いま日本の政府が、アジアあるいは東南アジアの発展途上国の技術革新といいますかそういうもののために一体どういう形の協力をしておるか。今度外務省で国際交流基金か何か福田構想みたいなものも出たようです、これも一つの役割りがあるようですけれども、特に技術面でアジアの経済を支えておる技術革新のための協力というものは一体どういうものか、これは外務省に聞いたほうがいいかもわかりませんが、あるいは通産省になるのか知りませんが、どういう協力の方式が考えられておるか。私が思っておるのは、とにかく技術協力であり、教育投資にもなると思いますけれども、あるいは農業についてあるいは工業技術について、あるいは場合によっては医学の面もあるでしょうけれども、そういうものについてのほんとうの意味の教育投資というか技術協力というか、そういう形のものを考えるのが最も効果的ではないかと思うのですが、いま政府はそういう面について全体としてどういう構想があるのかという点をひとつお伺いしたいのです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 いわゆる技術協力と申しますのは、先ほど先生が御指摘になりました、いわば資金を投資する前の先行き的なものという点が一点ございますが、しかし全般として見ますと開発途上国の人材を養成するという目的を持っておると思います。実際には人が行くあるいは人を受け入れるということで、人と人との交流ということがそこで行なわれるわけでございますので、その間当然親善関係あるいは友好的な雰囲気というものが生まれるわけでございます。同時にそれ自身が後進国の開発に役に立つということをわれわれは考えておるわけでございます。  現在しからばどういう構想で将来のその技術援助というものを考えるかという点でございますが、いま先生がおっしゃいました教育協力というのも一つの重要な問題でございます。と申しますのは経済援助と一言に申しましてもいわゆる社会開発的な経済援助、言いかえまするといわゆる経済援助では、ペイしない、たとえば学校を建てるあるいは病院の施設を建てるというのは、これを金利をつけて借款でやるのはなかなかむずかしい問題でございます。教育の効果それ自身は五十年、八十年たって初めてあらわれるというような内容を持っております。したがって、われわれの考え方としましては、先ほどの資金の先行的な、先行き的な技術援助あるいは資金供与と結びついた技術援助というものはやはり今後ともいたしますけれども、あわせまして、いわゆる社会開発的な技術協力という点を今後大いに心がけたいというふうに考えております。

竹本孫一民社党

○竹本委員 私が言うのは、その一歩を進めまして、そのお考えを進めるについて具体的にはどういう構想を持っておられるかということを実は聞きたいというわけです。大蔵大臣はみずから大学も経営しておられるが、たとえば亜細亜大学というのがいまあるけれども、これはアジアの各地域から学生が来ているということだけじゃないかと思うのです。そういうものをもっと充実した、ほんとうに文字どおりアジアの技術大学というか、何というか知らぬけれども、いまお話のことばで言えば、開発途上国のパイオニアというかリーダーというかを養成する、あるいは教育し訓練する、そういう大学なり養成所なりというものを、日本にあるいはまたシンガポールその他の東南アジアの各地域につくる。そしてほんとうの意味でそのリーダーを養成してやるということがぼくは一番効果的な方法じゃないかと思うので、それらについて具体的構想はありませんかということを伺いたいのです。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 私ども予算を通じて現在承知しておりますこと、また文部省、外務省、通産省などの考え方をお答え申し上げたいと思いますが、先生がおっしゃいました、まずこちら側に留学生に来てもらって、日本のことを知ってもらい、また帰ってから国際交流に大いに役立っていただくというのは、文部省の所管でいわゆる受け入れ留学生として予算をつけております。現在の問題で私どもなりにやや苦慮いたしておりますのは、なるべく数をふやしたいのでございますが、どうも受け入れ側にそれだけの余裕がない。予算的に見ている人数でほぼ手一ぱいということのようでございます。今後ともなるべく各大学の協力を得まして、受け入れの人数の充実をはかりたい。一方、予算的には従来の単価を極力上げていくということで、ことしも相当の改善をいたしたつもりでございます。それから日本から出ていってもらうという点につきましても、同様予算的に考慮いたしております。また、外国、特に東南アジア地域での教育施設に関してできるだけの援助をしていきたいという意味で、具体的には御承知のアジア工科大学に対する拠出でございますとか、あるいはタイのキングモンクットという名前だったと思いますが、この大学の施設を経済開発特別援助という形でやりますとか、ぼつぼつそういうものに具体的に手を染めてまいっているというのが現状でございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 それは私自身の構想でいえば、まず第一に語学の問題があるから、ことばの問題があるから、講義を全部英語でやらなければだめだと思うのです。それから入っている人、いま文部省がいろいろやっているのは、適当に援助協力もしてやってそれぞれの大学に入れておるという程度じゃないかと思うのです。そうじゃなくて、専門の施設なり大学なりをつくらなければだめじゃないか。しかもそれはことばは英語でなければ、ことばを覚えるのに日にちがかかってしまってどうにもならぬ。それからいま現地にも、わざわざ東京に来なくても、そこでやれるくらいの出張所じゃないけれども、別のものをつくる。それもまた英語でやる。  第一の条件はぼくは相当積極的に腹をきめてやるということと、ことばの問題があるから、英語なら英語でやらなければ、日本語を覚えて、それからやってもらうというようなことをいってみたって話にならない。私はそういう積極的なものを考えるのですが、事務的にどういうふうになっているか、もう一ぺんそこを詳しく聞きたい。それから大蔵大臣はいろいろ構想のある方ですから、それについて何かいい考えはないか伺いたい。

大倉眞隆大蔵省主計局次長

○大倉政府委員 まず、事務的なほうからお答えさしていただきますが、まさしく先生のおっしゃいますとおり、教える側、教えられる側、両方に語学の問題がございます。日本側の教育機関では英語で講義ができる人というのは実は非常に少ない。したがいまして、現在やっておりますことは、むしろこちらへ来る前に現地で日本語をある程度覚えてきてもらう。こっちへ来て日本語を覚えるのでは、せっかくの留学期間の半分くらいをそっちのほうにとられてしまう。そのためにいろいろな方法を考えつつあるという状況で、ある程度の予算措置も講じております。  純粋に外国人留学生だけを受け入れる大学という構想につきましては、なお文部省ともよく相談をいたしてみたいと思いますが、私の個人的な感じといたしましては、外国人だけが集まって学校生活をしていくということでいいのかなという気もしないではございませんが、その辺は実際の所管官庁でございます文部省とよく相談をいたしてみたいと思います。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

竹本孫一民社党

○竹本委員 大臣。——それじゃ、これは大臣の最も好きそうな課題だと思ってちょっとあれしたのですが、本気で考えてもらいたいと思いますし、要望しておきたいと思います。  最後に、台湾は千六百万ドルから出してあれしておるようだけれども、これはアジア開銀の中では今後どういう立場に立つのか、あるいはどういう立場になると見ておられるのか、その辺を伺って終わりにしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 台湾につきましては、現在御指摘のように、アジア開銀の加盟国でございまして、これにつきましていまアジア開銀の中で特にその加盟の資格について問題が提起されておるということはございませんので、このままでまいりますれば、従前どおり加盟国として残っていく。ただ午前中の御議論にございましたような中華人民共和国との関係というのが一つの問題としてはあるわけでございますが、ただ現在までのところは、中華人民共和国のほうの意思と申しますか、それも全くはっきりいたしておりません。したがいまして、現在のところ問題はないわけでございます。

竹本孫一民社党

○竹本委員 この問題はまたあらためて論議をする機会もあるでしょうから、きょうはこの辺で終わります。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 最初に、事務当局にちょっと伺いますが、アジア開発銀行加盟諸国の一人当たりのGNPは平均してどのくらいですか。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 アジア地域の各国別のGNP一人当たりの数字は手元にございますが、全体として平均をいたしましたのはちょっとございません。ちょっと古いので一九六八年の統計でございますが、高いところから申しますと、香港が七百十ドル、シンガポールが七百ドル、それからマレーシアが三百三十ドル、中華民国が二百七十ドル、それからあとセイロン、韓国、フィリピン、これがほぼ同じでございまして百八十ドル、それから南ベトナムが百三十ドル、カンボジアが百二十ドル、あとインド、インドネシア、ラオス、パキスタンというようなところが約百ドルでございます。それからネパールが八十ドルということでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大蔵大臣、アジアといわれる地域は、日本は先進工業国として世界第三位のGNPを誇るまでに経済大国に成長しているけれども、その他のアジア諸国というのは、いま稲村局長から言われましたように高いところで七百十ドルという国民一人当たりのGNP、低いところではネパールの八十ドルというようなことであります。もうすでに日本のごときは近々に二千ドルをこえようというような、こういうたいへんな格差があるわけでございます。こういう全くの開発途上後進地域、こういうところをアジア開発銀行を通じてGNPも上げ、経済発展を促進いたしていこう、こういうわけであります。  そこで伺いたいのは、そういうGNPの状況、したがって一人当たりの国民所得等についても非常に低い状況にある、こういう地域でありますから、まず——日本が明治以来、ことしは百五年目ぐらいになるのですか、あの鎖国から解放された当時は非常に後進国として出発をしたわけでありますが、その中で一番日本の今日の発展の基礎を築いたものはやはり何といっても教育の問題であったろう。明治の先覚者といわれるわれわれの祖先たちが教育にきわめて重点を置いた国づくりの基盤を構築してくれた。そしてそれが今日では世界最高といってもいいくらいの教育国になっている。業務教育の普及度からいっても、また大学、高等教育を受ける人口の比率からいっても、その内容からいっても、世界有数というよりはもうトップレベルの教育国になっている。こういうことがやはり今日の日本の経済の大きな基盤をなしておるということは、大蔵大臣も全くそのとおりだと私におそらく賛意を表されるに違いないと思いますが、アジア諸国がこれから大いに経済を発展していこうということでありますれば、そこでの問題はやはり教育の普及徹底というところに私はなければいかぬのではないかという気がするわけです。  こういうように今日でも経済が非常に低開発の状況にある段階では、教育というようなことはまず顧みられないようなことがあるわけです。最近は若干ずつでもそのほうに向かって前進はしているけれども、やはり一番の問題は人づくりから始めなければならぬだろう。人的資源というか、人間の能力開発というものは教育を通じて行なわれるということがやはり一番大事な基本条件だろうと思う。そういう立場からいって、このアジア開発銀行設立の協定の前文に相当するところでも、「資源の最も効果的な利用を達成し、かつ、その経済開発を促進する」こういうところがあるわけであります。さらに「開発資金の地域内への流入の増大をもたらす条件を作り出し及び助長するよう努めることにより、開発のための追加の融資を地域のために利用する」「調和のとれた成長及び加盟国の貿易の拡大を促進する」こういうようなことであって、幾らさがしても人的資源、社会開発、国民の健康を維持するというような問題については、非常に広げて解釈すれば、資源という中には人的資源の開発も能力の開発もあるのだ、こう言われればあるいはそうかもしれないということでありますが、少なくともそういうものが欠落をしているというところにやはりアジア開銀の一つの大きな今日的な問題点があるのだろうと思うのです。そういう点で、大蔵大臣も総務として総会には出席をされるわけですけれども、いま私が申し上げたような点での開発融資というようなものにやはり重点を置くべきだと思うのであります。午前中にも山中委員から質問がありましたように、たった一件だけ、シンガポールですか、技術専門大学というものに三百万ドルが融資をされている、これしかないというような状況になっているのは、やはり私はこの開発銀行の協定そのものにそういう視点が欠落をしておったのではないか、そこに大きな問題点があるのではないか。そういうところにもう少し重点を向けていく、そういう開銀の目的、使命というものをかなりクローズアップして大きなウエートを占めさせていくような協定自身の改正というか、そういう方向を打ち出すために、日本はアメリカと並んで最高の出資をしておる発言権の強大な国でありますから、しかもアジア一国で、そういう経験を経て今日の経済大国になったわけでありますから、その日本が歩んだ道というようなものについてそういう面で堂々と発言をし、この協定というものを変えていく努力をするのに日本の大蔵大臣ほどふさわしい人はないと思うのでありますが、その点についての考え方を伺っておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 その点は同感でございます。協定を変えるということよりも、現行の協定解釈の拡大によってそういう方向への努力をしたいと、過日渡辺総裁も開銀の今後の方向についてそういう抱負を語っておりまして、ただいまのシンガポールの問題もこれは全くの例外というものではなくて、今後やはり教育投資、教育融資というような方面にもこの開発銀行は積極的な態度をとる方針だということを言っておりましたので、そういう方向でいかれると思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 現行協定の解釈の拡大というだけで、また渡辺総裁自身もそういう気持ちだというけれども、これはやはり独立の国際機関であるというような立場からいえば、総裁の権限、総裁のその考え方に基づいて日本の銀行の頭取のようなわけにはまいらない。これは各国それぞれ特別な国柄もあるし事情もある。そういう中でやはり正しい方向というようなものは、日本あたりが中心になって、そういう方針にしようではないかというようなことをその国際会議において、総会なりにおいて、堂々と表面に立ててクローズアップして主張をしていくというような場がやはり必要だと思うんです。総裁が、現行協定の拡大解釈でぜひそういう方向にやりたいというだけでは、私は、やはり画期的な進展というものはその面で見られないのではないか。なるべくそっちへやることは、ある程度はできるでしょう。しかし、そういうものを誘導するというような方向に持っていく、みんなの頭が、加盟各国の頭が全部そこへ向くというようなことまでやはり持っていかなければ、ほんとうにこの開発の基盤というものは固まらないのではないかという気がするわけで、ただほっておいて、渡辺総裁を信頼すれば足りるという、その程度の問題ではないだろうと私は思うんですよ。このアジア開銀の目的、使命というものの根本を、ほんとうに最も有効的に、効率的にアジアの開発を達成していくという立場からはやはりそこから始めなければならぬのだという、もっと高い次元に立って、日本の大蔵大臣が、総務の一人として、総会で堂々と発言をして、そういう方向というものをすべての国の確認としてバックアップし、推進をするという、そういう体制をやはりつくらなきゃいかぬと思うんです。私の所見に賛成ならば、そういう努力を今後なされるおつもりかどうか、この点の決意を伺いたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 後進国の教育開発の問題につきましては、これはまず国連の機関のより一歩の活動を私どもは期待しなければならぬ、エカフェその他の活動を期待しなければならぬと思っておりますので、その方面で努力すべき問題があり、また二国間援助の問題におきましても、先ほどから出ておりましたように、わが国としましても、各国の人的資源の開発ということについては特別の努力を私どもはしたいと思っておりますが、そういう各国別の努力というものが加わると同時に、アジア開銀にもその一翼をやはり果たしてもらおうということでございまして、アジア開銀だけにこの問題を期待するということもできないだろうと思いますので、そういう各機関の総合的な協力をこれからして、この問題を、これは重視すべきだと私は考えます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この問題はひとつ、やはりこのアジア開銀、日本から総裁も出しておるわけですから、この開銀の指導理念のようなものについては、その総裁がそういう考えを持っておられるならばなおさらのこと、それをバックアップし、極力推進をする、プロモートしていく努力というものは、やはり日本が積極的にやっていかなければならぬと思うのです。  そこで、いまエカフェの話も出たわけでありますが、国内における開発銀行も、つい最近議論したばかりですけれども、開発銀行の使命というようなもの、目的達成、それとうらはらの関係にある開発銀行の運用方針というようなものは政府が閣議決定をする、そしてその方向にその開銀の融資の裏づけというものを実行きしていくというような方針があるわけなんですが、こういう国際機関になりますと、しかも、そのアジア開発という大目的は特に経済開発をねらいにしておるといいましても、これはこれなりに、たとえばエカフェというような、国連経済社会理事会の下部機関として地域開発の機関があるわけでありますが、こういうものとアジア開銀とはやはりうらはらの関係で、いま大臣もおっしゃったように、エカフェあたりが、アジアをどういう姿で、どういう段取りをつけながら、順序立てをしながらその開発のプロジェクトを組んでいくべきなのかというような問題については、そういう場との連絡なり、そういうところでまた開銀が向かうべき方向というようなものがきし示されるというような、開銀独自で、これは独自の国際機関であるから、独自で意思決定をする面というのも強く出るでしょうけれども、やはり開銀だけで片づかない問題が非常にあるだろうし、加盟各国も、ノンリージョナルなものも加えれば三十七カ国にもなる。地域加盟国だけでも二十四カ国、そういう状況になっている。そういう国際機関でありますから、こういうところでいわゆる政策の、こういう方向でというような計画をきちんと立てる、それにアジア開銀が裏づけ的な協力を、開発融資の面での協力をしていくという、やはりエカフェあたりが当然そういうものとして考えられてしかるべきだと私は思うのですが、そのエカフェとこのアジア開銀の運営の方向、指導理念、こういうようなものとの緊密な結びつき、連絡協調、そういうようなものはどのように確保されているのか、その間の状況をひとつお聞きいたしたいと思います。

稲村光一大蔵省国際金融局長

○稲村(光)政府委員 御指摘のようにエカフェ、それからアジ銀、もっと広く申しますればアジ銀とその他の国際機関との連絡と申しますか、この調整というものは、御指摘のように非常に重要な問題でございまして、現実問題といたしまして、それぞれその重要な会議にはそれぞれその代表を出して、お互いの議論をフォローし、相談、協調を続けていくという態勢をそれぞれ、アジア開銀の総会にはエカフェの代表が出るというようなことで、常にその連絡は十分にとりつつ、それぞれの分野において協調をはかっていくという態勢になっております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 外務省に聞きますが、エカフェもやはり国連の一下部機関であるけれども、エカフェにおいて、エカフェにおいてもというよりもエカフェ自身が言うならば国連の下部機関であるが独立の国際機関としてみていいだろうと思うのです。それでアジア開発銀行も、これもやはり独立の国際機関だ。その間の相互の連絡、この一九七一年アジア開発銀行年次報告、アニュアルレポートの中に、七番目にエカフェというところがありまして、銀行は、エカフェ総会をはじめ貿易委員会、アジア計画官会議、アジア工業開発理事会などのエカフェの会議に参加した、ということだけが報告されているんですが、これは要約だと思いますから、そのほかにもこの原本にはもっと詳しく書いてあるのかどうか知りませんが、両方独立の機関だ。したがってその間にはこういう程度の連絡しかないのか。エカフェがもっと国連の地域開発の理想に従って指導性をこういうものに対して発揮をし、あるいはアジ銀という独立の国際機関が開発融資の面でどういう寄与をなすべきかというようなことについて、国連の一機関としての立場で、開発をこういうような方向にひとつ重点を置いてもらいたいというような要請というようなことが積極的に行なわれる仕組みにならないものかどうか。  私はやはり、何かこのアジア開銀が、先ほど読み上げたような前文の部分、こういうような、経済開発というようなところだけで、しかもそれが、各国からプロジェクトを持ってきた、それを審査をして出してやる、こういうようなことだけでいくならば、やはりアジア開発という非常にスケールの大きい、ほんとうにこれは人類全体の立場から考えてもたいへんな大きな問題だと思うのですが、そういうものに対して、アジア開発銀行というその中のスタッフだけで、すべてどういう方向に進めるべきなのか、どうアジアの開発というものは正しく進めていくべきかというようなことがやれるだけの体制にはなっていない。したがって、場当たりで、どんどんプロジェクトを持ってくるところにはどんどん貸す、そしておくれたところは置き去りにしてどんどん進んでいってしまう、こういうようなことで、アジア開発銀行と称しながらアジアの一部の開発だけ、アジアの中心的な立場に頭を持ち上げたところばかりめんどうを見るというようなことになるのは、やはりそういう計画的なものが、国際関係ですからなかなかむずかしいけれども、そういうものがやはり何らか国連の場で確保されて、そういうものの指導の中でこれが完全に支配されるという形ではなくて、独自性を持ちながらも、そういう政策部分の展開というか、そういうものの裏づけをしていくというような形、そういう機構的な裏づけというものがないと、アジア開発銀行というのも片ちんばな場当たり的な、特定国に片寄るというような非常にアンバランスを生む、いわゆるバランスのとれた開発とことばではうたっているが、現実にはそういうことになっていかない、こういううらみがあると思うのですが、外務省はどのようにお考えでしょうか。また、それについて大蔵大臣の所見もあとで伺います。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 具体的にエカフェとアジア開銀との協調あるいは連絡でございますが、先ほど稲村局長が御説明申し上げましたとおり、アジ銀の会議にエカフェの人は出席している、あるいはエカフェの総会その他貿易委員会、経済開発委員会等にアジ銀から人が出席して意見交換に参加する、実際にエカフェの総会の議題の一つにアジア開発銀行の活動というふうなものが必ず取り上げられるというふうな仕組みになっております。  先ほど先生のおっしゃるように、たてまえとして協調するような機構になっていないという点でございますが、御承知のとおり、エカフェは経済社会理事会の下部機構としての地域委員会、世界に四つございますが、その一つでございます。これ自身は経済開発の実施機関ではないわけでございます。その点が、アジ銀それ自身は融資を行なうとかあるいは技術援助を与えるという形で実施機関なんでございます。その点の性格の相違はございます。ただ、現実の問題としては、両方ともやはりアジア地域の経済開発に関心を持っている機関であるということは事実でございますので、かなりな面で協力は行なっているというふうにわれわれ考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 エカフェもアジア工業化委員会とかなんとかいうようなものなんかも持ったり、あるいは調査をやったり、いろいろなことをやっているということを承知しているわけですが、やはりアジア全体ということをとらえて、それぞれの国が——大体エカフェ加盟国とアジ銀加盟国は、まあ若干の差はあるけれども、ほぼラップしているわけですよね。そういう一つ一つの国について、その国の実際の状況というものをしっかり把握をして、これをどういう方向でどういう形で発展をさせていくか、何を中心にして経済発展をさせていくかというようなことなんかをアジ銀が、アジア開発銀行も一つの国際的な銀行であるけれども、そこまで要求するのはアジ銀に酷なことだろうと思うのです。かなりの調査などもやっておるようではあるが、あるいは技術援助なんかもやっておるようであるけれども、そこまで要求するのは無理である。  そういうようなものをやるべき国際機関というものが、やはりどうしてもアジア全体を把握して、アジアがいまおくれている地域の大きな一つとして取り残されている、そういうものを、一つ一つのそれぞれの国があるのですから、その発展段階をしっかりつかまえる、そしてその国をどういう方向で発展をきしていったらいいのか、いまこの国の発展のために何が一番必要なのか、各国ごとにそういうようなものをきちんととらえて、計画の手伝いをして発展の方向というものをさし示すということ、やはり国連の経済社会理事会の下部機関としてのエカフェあたりがそういう仕事はやって、そしてこのような計画をやはりそれぞれの当該国と十分な打ち合わせをつけて援助を十分しながら、援助というか、金の援助というのではなくて、技術面あるいはソフトウエア的な知識の援助、計画の援助等をして、こういう方向に行こうというようなことをやりながら、そういうものをエカフェの場でやって、さてその形においてアジア開銀にも要請をする。実行機関でないことは私どもわかっておるけれども、少なくとも計画段階くらいまでは指導、援助するというような統合的なアジアにおける国際機関としてそういう機能を果たすように、これは国連の大改革というようなことがいわれている中で、そういう面までエカフェあたりがやれるようなそういう方向というものは、やはり日本あたりが特にこのアジアの問題について発言をして、そういう方向へ持っていくべきである。そういうような形の裏づけがあって、アジア開銀がそこに機能していくということになれば、両々相まってまさに歯車がかみ合って、アジア全体のバランスのとれた発展ということにもなってくるのだろうと思うのです。  そういうものが国際的に担保されていない。そういうことに非常にどうも、アジア開銀何をやっているか、融資の残高などを見ましても、台湾とか韓国とかそういうところにばかり融資が片寄ってしまうというような現状を午前中から指摘されておるわけだけれども、そうならざるを得ない。全体的にアジア開銀というものはもっと目を広くして、よりおくれた、韓国とか台湾というようなところよりもおくれているところをどうするのだということについてもっと真剣に考えていかなければならぬと思うのですが、その辺のところをどのようにこれを改善していくか、それとアジア開発銀行とをうまくかみ合わせていくのだという、そういう方向性を与える、これについて日本の積極的な努力というものがいまこそ必要だろうと思うのです。その点大蔵大臣、どうお考えでしょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いまの点は、ぜひとも必要なこれからの検討課題であると存じますので、関係者においてこの問題とはぜひ取り組みたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 外務省、いま大蔵大臣からせっかく答弁があったのです。したがって、政府を代表するこの場における最高の権威からお聞きしたわけだけれども、外務省として、そういう点での具体的な積極的なアプローチというものはどのようになされておるのか、この際聞いておきたいと思うのです。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 アジア開発銀行そのものの総務は大蔵大臣御自身でございます。したがいまして、アジア開銀において日本の政府の意思を発表する、あるいは意見を述べるというのは総務としての大蔵大臣がおやりになることでございます。ただ、先生が御指摘のように、たとえばいままでの統計から見ますれば、アジア開銀の融資が一部に片寄っているのじゃないかという点につきましては、われわれは今後の課題であるとは思いますけれども、やはりあの銀行の設立目的からいっても、より公平にかつよりおくれた国により多くいくという方向にやらなければならないというふうにわれわれも考えております。  それから、エカフェとの協調でございますが、その点につきましても、エカフェの総会あるいは総会以外のいろいろな委員会がございますけれども、その段階において、やはりわれわれとしては地域全体の経済開発、いわゆるリージョナルなプロジェクトというようなものを合わせて、今度は国別の開発ということについて、常に意見は述べておるわけでございます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 きょうはこの程度にしておきまして、大臣のお約束も五時半ということですから、明日また残った分、事務的な問題をお聞きいたします。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 次回は、明二十四日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。    午後五時三十分散会

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