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68回国会衆議院1972/05/10

大蔵委員会 第25号

発言数
142
登壇者
13
会派数
3
開催日
1972/05/10

会議録

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 これより会議を開きます。  この際、連合審査会開会申し入れの件についておはかりいたします。  目下社会労働委員会において審査中の健康保険法及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会に連合審査会の開会を申し入れたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、連合審査会の開会日時等につきましては、委員長間で協議の上、公報をもってお知らせいたします。      ――――◇―――――

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び相続税法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 本日は、午前中大臣の御出席がありませんので、私は、法律関係の案件だけにつきましてと、それから石油ガス税だけきょうは質問させていただいて、残余の問題につきましては大臣の出席を得て質問をさせていただきます。  最初に、今回提案になっております所得税法第二条三十一号の問題であります。今回の三十一号の改正は、これまでの法律にかえて「寡婦 次に掲げる者で老年者に該当しないものをいう。イ夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、扶養親族その他その者と生計を一にする親族で政令で定めるものを有するもの」ロとして「イに掲げる者のほか、夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、合計所得金額が百五十万円以下であるもの」こういうふうな部分の改正であります。  そこでちょっとお伺いをいたしたいのですが、寡婦に対してこの控除をやるという基本的な考え方は何に基づいておるのか、最初にお伺いをいたします。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 寡婦控除の制度は戦後昭和二十五、六年にスタートした制度でございますが、その当時戦争によって夫を失ったいわゆる戦争未亡人が、家に残された老人なり子供たちなりをかかえながら一家の大黒柱として所得を稼得をしていくという場合には、通常の場合に比べましてそれなりにいろいろと追加的費用を要するであろうという費用の点に着目をして設けられたという経緯でございます。その後二十年たちまして、したがって現在ではいわゆる戦争未亡人という方の数がだいぶ減ってまいったわけでございますが、最近に至りまして、また交通事故等によって突然夫を失う、そして子供をかかえていかなければならないというような家庭が増加するというようなことで、新たな問題が生じているわけでございます。今回の改正につきましては、従来の考え方ではその費用という点に着目しておった関係がありましたことから、この寡婦控除の適用の条件としてあくまで扶養親族があるという場合だけを前提にしておったわけでございますが、そうしますとその扶養家族が幸いにして一人前になって巣立っていくというときには、扶養控除が適用にならなくなると同時に、その瞬間にまた寡婦控除も適用にならなくなるという事例が非常に多くなってまいりました。そうかといって、母親としては直ちにそれでは子供の世話になって生活するというか、子供に対して支出してきた経費を子供からまた取り戻すというわけにもなかなかいかないということで、そのショックが非常に大きいということから、子供があるなしということを条件にすることについて、ここ数年来非常に問題があったわけでございます。  しかし、私どもは、ここ数年来そういう御要請が強かったのでありますけれども、それについて実はかなりかたくなに従来の考え方を守ってきたわけでございますが、それはただいま御説明いたしましたように、従来の考え方が追加的費用を要するという考え方に基づいていたからでございます。今回、だんだん一般的に福祉優先といいますか、そういう見地、世の中のものの考え方も変わってくるということも考えに入れまして、必ずしも扶養家族があるなしということを考えないで、そういうおよそ未亡人ということであれば費用もかかりましょうし、それ以外にいろいろと扶養親族のあるなしにかかわらず、負担もあるということもありますが、さらにそういう家計についての配慮という、いわば若干社会福祉的な考慮も入れての制度に切りかえていったらどうかという考え方になってきたわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは開会をしてもらったのですが、政務次官が出席してないのはどういうわけですか。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 来ておったのですが、ちょっと行ったので、いますぐ呼びます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 基本的な話をしているので、では来るまでちょっと待ちます。――政務次官、実はいま御不在中でしたが、今度の所得税法改正の第二条の三十一号の寡婦控除の問題についていま論議をしているわけです。そこで、いま主税局長の答弁によりますと、従前のこの寡婦控除というのは、夫をなくしたことによって扶養親族がある、それに対する追加的費用に着目をして控除を考えてきた、しかし、最近の諸情勢から家計についての配慮も必要であるし、社会福祉的な考慮をすることによって今回の改正を行なうことにした、こういうふうな答弁がいまあったわけであります。  そこで、今度の法律改正がこれまでとちょっと違うところが一点あるわけです。それは三十一号のイのほうは「夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者」とここに寡婦の定義を三つあげておるわけです。ところが口のはうでは「イに掲げる者のほか、夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもののうち、合計所得金額が百五十万円以下であるもの」この「政令で定める」というところがちょっと私もはっきりしないので聞きますが、要するに今度はここで夫と離婚後婚姻してない者というのは排除されておる。寡婦というものの概念なんですけれども、最近のいろいろな社会情勢の変革というものの土台の上に、さらに家計についての配慮とか社会福祉的考慮というものを頭に置いての処理だろうと思うのですね。――何か私のいま言っていることにあれがありますか。今度のは、いまの前段は三つだのに後段は二つにしぼって、離婚をして後婚姻をしてない寡婦を排除しておるでしょう、ロのほうは。ちょっとそこから尋ねていきましょう。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 イのほうはいわゆる生別、死別というのを結局全部含めております。ロのはうは死別だけということで、生別というのは入っていない。そこにイとロの区別があるということであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私がいま言っておるとおりなんです。そこで、後段のほうであなたは家計についての配慮とか社会福祉的な考慮、こう言われたのですけれども、今日的状況で見ますと、婚姻が相当長期にわたっている人の離婚というのが最近非常にふえておるわけです。婚姻期間十五年、二十年にわたって結婚しておったけれども、その後夫が社会的あるいは経済的地位ができたためにいろいろ問題が起きて離婚したという人が実際にはたくさんあるわけです。新しい社会的風潮としてそういう情勢が非常にふえてきておる。そういう場合に、それでは夫が子供を引き取っておるかというと必ずしもそうではなくて、妻のほうが引き取っておる例もかなり多いし、同時にそういうことで残された妻と死別して残された妻とが法律上、税制上差別をされなければならない積極的理由があるとすれば、それを答えてもらいたい。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 今回の改正のときに一番問題になった点の一つでございます。従来は、要するに子供をかかえておって経費が非常にかかるということで、かなり明確であったわけでございますが、今度は子供があるなしということを必ずしも条件にしてないというところで、子供がなくても未亡人であればということにしますと、ただいま御指摘のように生別の場合と死別の場合とにおいて区別をする必要があるかどうかという問題が一つと、それから、実はこれは寡婦という概念からは全く離れてまいりますのですが、社会的に非常に問題がありますのは、全然結婚の経験がない婦人という、つまり何といいますか、オールドミスということばがよくありますが、結婚の機会のなかった婦人で、それでかなりの年齢に達しておる、しかし社会的には高齢に達してさびしい思いで暮らしておるという人がいる。そういう各種の環境のいわば孤独の御婦人というのを並べた場合に、どこにどういうふうに差を求めるか、同一視すべきかという点が非常に問題になったわけでございます。ある意味では、扶養親族があるなしというところが一つの基本的な非常に大きな段差のあるところであるけれども、そこをひとつ離れますと、いままさに御指摘のように生別か死別かということでそれほど差があるだろうかという問題があり、さらに言ってみれば戦争というようなことがあって、非常に多人数の結婚の経験のないかなりの年輩の方がどんどんふえておるという現状からいたしまして、そこにも一つ問題がありはしないか。そういう方が中年になり、老年期を控えて、所得者はかなり大ぜいおるものですから、そこにかつて結婚をし、そしてしかも死別をしたというところで線を引くことがどうかというあたりについては確かに議論がございまして、率直に申し上げて私どももたいへん悩んだわけでございます。  そこで、まあ結論としてここのところで線を引くといいますか、死別ということに限定をいたしましたのは、従来の寡婦の概念が、扶養親族をかかえて非常に生活に困っておるというところからスタートをして、しかしさりながらそれが子供が育って、そして先ほども説明申し上げましたように、一挙に扶養家族でなくなると同時に寡婦控除が飛ぶということによるショックという問題が当面非常に問題であったという、問題の提起がそこから起こってまいりましたこととの関係上、とりあえずはその子供さんが成長したということから直ちに寡婦控除を飛ばすというのはどうかというあたりに現実的な解決を求めてはどうかということでありまして、ただいまの御指摘の点を基本的にいろいろ議論してまいりますと、確かに問題があろうかと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは一つの寡婦控除というものの思想ですが、ものの考え方は、いまあなたが後段でおっしゃったように、要するに三つの項目を掲げて、生別であろうと死別であろうと生死不明であろうと、扶養家族のある寡婦について配慮をしてきたというのがこれまでの沿革ですね。ですから、その限りにおいては、扶養家族のある寡婦には生別、死別を前段で区別しなかったのですね。はっきりしているわけですよ。そうすると今度の問題は、いまあなたが後段で触れられたように、自分たちが生別、死別にかかわらず扶養家族があって扶養控除があったものが、みんな一人前になったとたんに、あなたが言われるように寡婦控除も扶養控除もなくなって条件が変わるというのは、生別と死別に区別ないじゃないですか。  私は、大蔵省というのは筋を通してものを考える、特に税制こそ筋をたてまえにしなければならぬと思っているのですよ。そうしたら、そういうものの考え方の経緯の中から出てきた新しい立法で、ここで生別を排除するというのは、これは筋にならぬじゃないですか。これはおかしいですよ、どう考えてみても。だから、これはあなた方の発想の土台を、経緯をずっと追っていくならば、当然この中に一項、イと同じ条件を挿入するのでなければ、思想的混乱ですよ。税の上でこのような不公平な取り扱いをすることは、私は納得できないですよ、どう考えてみても。あなたのいまの答弁で、オールドミスなんというものはこの問題と全然関係がないのですよ。初めから寡婦でも何でもないんだから……。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 イで確かにおっしゃるように生別と死別とに関係なく、扶養家族を持っておられて働いておられる寡婦の方が従来から寡婦控除の対象になっていたことは御指摘のとおりであります。それから、私の説明が不十分でございましたが、その扶養親族が一人前になった場合に、生別であろうと死別であろうと扶養控除と寡婦控除が一挙に飛ぶということもまさに御指摘のとおりで、その点は私の説明が若干不十分でございました。  ただその場合に、一挙に寡婦控除と扶養控除とが飛ぶということについて、それが非常に気の毒ではないか、長年の間御苦労になってやってこられた、それが御子息が成長したそのときに、現在の制度でいいますと十四万円の扶養控除のほかにさらに寡婦控除が飛ぶとかなり所得計算上影響が出ますので、それは気の毒じゃないかという一種の同情論といいますか、気の毒だという議論が起こってきたわけですが、その議論の過程におきまして、やはり長年の間戦争等によって非常に不幸な目にあって子供さんを育ててこられた未亡人の立場というものがきわめて強く強調されたわけでございます。いまちょうどそのくらいの階層の方が多いものですから、そこでそういうことになったわけでありまして、あるいは論理的には御指摘のように、生別死別を問わずお子さんがあればイのほうで入っておったわけですから、そういう意味からいって、ロについて生別死別と区別する。そこにあるいは問題があるかもしれません。問題があるかもしれませんが、そのようにいろいろ議論の過程において現在御提案申し上げておりますような形に落ちつきました経緯といたしましては、やはり何といいましてもいままでのイの対象の中心でありました戦争未亡人というものを頭に置いての議論であった関係でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 あなた、お子さんが何歳か知りませんけれども、あなたはいま戦争による未亡人で子供のあった未亡人、戦争で戦死をした人というのは、昭和二十年八月十五日までに戦死した人でなければ戦争未亡人じゃないのですね。よろしゅうございますか。いま現在、昭和二十年八月十五日に生まれた子供は何歳になっておると思われますか。いまちょうどその時期だと言われるけれども、私はいまはそんな時期じゃないと思うのですよ。その時期はもっと前にあったはずです。最後に生まれた子供が二十年八月十五日だ。それが扶養控除の適用がはずれる時期というのは一体いつですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 厚生省の調査によります「中高年齢層の婦人の実態」という調べがございますが、その中で全国で……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 けっこうです。もうちょっと私から申し上げます。そんな間接統計なんかでものにならないですよ。  具体的に言いますと、私の長女は昭和二十三年の九月に生まれているんです。それがすでに昨年の三月に大学を卒業しておるわけです。大学を卒業したらもう扶養家族にならないんですね。昭和二十三年の九月に生まれた子供が昨年の三月にすでに扶養控除になっていない。昭和二十年を見ればこの間三年あるわけですから、昭和四十三年の三月には、男の子であれ女の子であれ、大学まで行ったとしても、昭和四十三年までにすでに戦争未亡人とあなたが言われる大宗をなしておるものは、実はもうこの関係にないのですよ。いま昭和四十七年ですから、昭和四十三年以降そういうものがあるはずがないのに、四年たった今日、その大宗をなしておるものが戦争未亡人だ、それによってこれがこういうふうになったなんて、全然あなた論拠にならぬじゃないですか。いまの厚生省の統計なんてそのこと事態参考にならぬですよ。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 私が申し上げたいのは、実は戦争未亡人と申し上げたのは非常にまた表現が悪かったのでございますが、寡婦控除の適用対象者の、どういうわけで寡婦になられたかという理由については税のほうではそれは調べておりませんのでわかりませんのですが、推定されますところでは、戦後の病死者が非常に多いようでございます。現在寡婦控除の対象になっておられる方々の寡婦になった理由としては、戦争によって直接そこで戦死をされた方よりは、戦後、たとえばあのころ結核が非常に流行したとか、そういうことも含めて、戦病死というよりはいわゆる病死により寡婦になられた者の数が非常に多いようでございまして、そのような事情も最近において、現行制度のままでありますというと、急激に寡婦控除の適用者が減ることになるということのようでございます。その点おわびをして先ほどの説明を訂正いたします。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 主税局長、法案を出しているから、何とかつじつまを合わせるために答弁しておられると思うので、お気の毒なんですけれでも、ここで私、質問をやめます。これはもう私の申し上げておることが筋道だと私は思う。法律というものは過去を向いて法律をきめるんじゃないですよ。これから将来に向かって社会的変革に対応できるように法律をきめるんじゃないですか。過去にあったこと、何年に肺結核が多かったから、それは戦後に食糧事情も悪かったので肺結核が多かったことは当然だと思います。死別者が多かったことはお気の毒なことは私もよくわかりますよ。だから私は、死別者をどうしろと言っているんじゃないのです。寡婦としておられて、扶養家族がある人の立場というのは死別であれ生別であれ、さっきあなたが前段で触れられたように追加的費用に着目をしたという以上は、私はこれは同一のレベルで見たと思うからそういう法律構成になっていると思うのです。しかし、イの場合は、その追加的費用は今度は家計による配慮とか社会福祉的な考慮を入れて、寡婦控除と扶養控除が一ぺんになくなることが適当でないから、新たな制度を設けたというのなら、論理的にどう考えても、ここで生別したものを排除する理由はない。実はどう考えてもないのですよ。ないから、これはあとでひとつ与党の皆さんと御相談をいたしますけれども、どうしてもこれは口の中にイと同じような措置を加えるのでなければ、私どもを納得をさせるような説明はできないと思います。政務次官、この問題についていかがでしょうか。私は、私の申し上げておることが決して無理なことを言っていると思わない、いまの主税局が考えた発想をそのまま追っていけば、私の申し上げておるようなことにならざるを得ない、こう思うのでありますが、ひとつ政務次官の御見解を承りたいと思います。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 論理的には確かに堀委員の言う面もあると思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 多少補足して申し上げさしていただきます。  私どもも死別と生別とを区別するのは非常にむずかしいのではないかという議論をいたしたわけであります。率直に申しまして、私どもは現在こういう法律制度として案を決定して御討議願っておるわけでありますが、審議の過程のことを申し上げておるわけでありますけれども、その過程の段階では、死別と生別を区別することは非常にむずかしいのではないかという議論はいろいろいたしました。そのときにあった議論といたしましては、死別をして、その場合には大体奥さんがとつぎ先のほうで、とつぎ先の家の人として子供を育て、とつぎの先の親ごさんたちのめんどうを見、そうしてまたとつぎ先のほうの家を守っていくという環境に置かれているのが大部分だ。これは最近の社会情勢等からいいますと、必ずしもそうでない場合もあろうかと思いますけれども、しかし都会と農村でもまた事情が違うだろうと思いますけれども、確かに死別の場合と協議離婚等、生別の場合とではだいぶ事情が違って、死別の場合には婚家にそのまま残って、そのまま、いわば古いことばになるかもしれませんが、家を守るといいますか、先方のとつぎ先の家を守って、遺牌を守って、子供を守ってと、こういう環境にある。それと生別の場合には、いろいろな事情で生別ということが起こりましょうから、その生別になった場合に、その御婦人がその後どういう環境であるかはいろいろありましょうけれども、死別の場合と生別の場合との婦人のポジションというものは、かなり違うのではないかということがいろいろ言われたわけでございます。そこをどう考えるかが一つの問題でありまして、私も死別と生別には若干のニュアンスの相違があるかなということを考えたわけでございます。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま言われたことは、新憲法下の発想としてたいへん問題があると私は思うのです。いまのあなたの発想は、いまの新憲法下で家を守るとか、そんなことがあなた通用するんですか。これは重大な発言ですよ、高木さん。それは、いまの部分については取り消してもらったほうがいいですね。ほんとうにこれはたいへんなことですよ。  それから、あなたは老人のめんどうを見ると言われましたね。婚家におって老人のめんどうを見る。老人は今度あなた方は新たに老人扶養というものをつくって、老人というものにはフェーバーを与えることにしておるじゃありませんか。老人を見ておったら扶養家族は残っておるはずじゃありませんか。あなたの言っている前段の場合は、子供たちを扶養したとか、これが成人になって扶養控除がなくなる。その場合に寡婦控除がなくなるという話をあなたは前段でしているじゃありませんか。それが基本なんでしょう。いまの話はこじつけですよ、家を守るとか、老人をめんどう見るなんということは。老人をめんどう見ておれば扶養控除が残っておるはずですから、寡婦控除も扶養控除も残るはずですよ。口の場合に該当しないはずですよ。だから、この問題はあなたが答弁されればされるほどおかしいことになるわけで、そんなことが議論の対象になったんでは、私は主税局の税制に対する議論の中身について信頼が持てないのですね。もう少し大蔵省は大蔵省らしく、主税局は主税局らしくやってもらいたいのです、これは非常に重大な問題ですから。戦後の新憲法の考え方は、結婚というのは家を継いだり守ることになっていないんじゃないですか。どうですか、ひとつ明快に答弁してください。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 家というのは、いま申し上げたのは民法の上における家という概念ではなくして事実上の家という意味でございます。もちろん旧憲法下におきます家という概念で申し上げているのではなくて、実際問題としてうちといったらいいのかもしれませんが、どちらのうちにいるかということでございます。その場合に問題は、生別と死別によりまして、一ぺんとつがれて別れた婦人の地位というものが全く同一だというふうに考えるべきなのか、あるいはやはり死別の場合には社会環境として非常に違った環境に置かれているというふうに考えるべきなのかという問題としていろいろ御意見がありますけれども、私どもは違った環境に置かれている場合が多いと判断したわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それなら前段のほうがおかしいんじゃないですか。いまあなたが言われたような論理構成ならイのほうで三つ並べていることがおかしいんじゃないですか、そう言われると。生別と死別を区別するのがたてまえだと言われるなら、これまで昭和二十四年以来今日まで行なわれておった旧法三十一号「寡婦 次に掲げる者で、扶養親族その他その者と生計を一にする親族で政令で定めるものを有し、かつ、老年者に該当しないものをいう。イ 夫と死別し、又は夫と離婚した後婚姻をしていない者 ロ 夫の生死の明らかでない者で政令で定めるもの」こういう法律の規定があったのは、この間に差別を設けないからこういう法律の規定があったのじゃないか。二十四年以来今日まで二十三年間その法律がそのままで生きてきたということから、いまのあなたの論理構成は全然成り立たないのですよ。私はもうそういう議論をしたくないんです、時間がむだだから。この問題についてはこれで終わります。一応この問題は与党の皆さんと話し合って、税法としては筋の通った税法として改定修正をしてもらいたいと思います。  その次は三十四の二であります。  三十四の二に老人扶養親族として「扶養親族のうち、年齢七十歳以上の者で障害者に該当しないもの」を老人扶養親族とするという新たな項目を設けることになったようであります。そこでこの場合に、老人の問題でありますけれども、老人というものを一括してここで扶養親族と規定をしておるわけですが、私が前段でさっき申し上げたように、法律というものは今日の時点から将来に向けてものを見ながら当然制定されるべきものでありますから、今後の老人家族の実態というものを考えると、私は老人というのが扶養家族、いわゆるさっきの家庭ですが、同一家庭内に扶養家族としてある場合と、それから別居家族で、しかし全部費用は子供が持つという扶養老人と、二つ扶養老人というのがあると思うのです。これからは当然核家族が進行すればするほどそういうものが起きてくるんじゃないか。そうすると、せっかくここで扶養老人の控除というものを考えるときに、さっきの追加的費用に着目するならば、この中身は同居の扶養老人親族と別居の老人扶養親族というものを分けて考えてしかるべきではないだろうか。追加的費用が多くなるのは、老人がもし生きておるとするならば、その別居をしておる老人に対して仕送りをするほうが老人が同一家族内で生活をしておる者よりも追加的費用が多くなる、こう思うのです。これらの点については、この問題をせっかくここで取り上げるのですから、-将来に対しては、私はそういう方向が多いのじゃないかと思うのです。-老人は児童家庭局じゃないんですか、社会局ですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 社会局でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 今後の日本のいろいろな家族構成状態等を見ると、外国では老人夫婦がスープのさめない距離に暮らしておるのがいいといわれているということで、実は私自身も両親と別個に暮らしておるわけです。父はいま満九十二歳になっております。私は長男ですけれども初めから別個に暮らしておる。だんだんそういう家族というのはふえてくるのじゃないかと思うのですが、やはり別個に生活をしておる者と同一家族として同居をしておる者とはだいぶん費用に差がある。これは常識でわかることなんで、この点に着目するならば、追加的費用の面ではいまの老人扶養親族の問題も少し実態に即した考え方を取り入れて、このような十ぱ一からげの処置でなしに考慮するのが相当じゃないのか、こういうふうに思うのです。これは技術論じゃありませんから政務次官、いまの私の問題提起どうですか、これは一般常識論の話ですが……。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 今回そういう区別はいたしておりませんが、考えの中にそういう考えは浮かぶと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 老人の場合に限りませず、最近の問題の一つとして、本人と扶養家族が別に暮らすという場合がいろいろありまして、企業によっていわゆる別居手当というようなものを出しているところもありますが、出していないところもあります。それを税のほうでも何か考えたらどうかという問題がございます。費用論として議論してまいりますと、確かに夫婦と子供が一緒に暮らしている場合と勤務の都合あるいは子女の教育等の都合からやむを得ず別に暮らしている場合では費用が別にかかるということがあると思います。お年寄りとできれば一緒に暮らすことが望ましいと思いますけれども、いろいろな事情で許さない場合がある。よって別居になっている。よって費用がよけいにかかるという場合どうするかというお話につきましては、費用論としてはいま私がちょっと触れました本人と妻、子供等の関係の場合と同様にそういう問題はあり得ることだと思っております。ただ現在のところでは、扶養控除の制度につきましても、別居なるがゆえに扶養控除を拡大するということはいまの段階では別に考えていないわけでありまして、そこまでこまかくいたすことにつきましては、これはかねがねいろいろ御議論もあるところとは思いますが、私どもとしては非常に制度が複雑になるということで、なるべく複雑にしたくないということもあってそこまではいま見込んでないわけでございますので、ただいま御指摘の点もいま申したようなことと関連した問題として今後の検討の課題になろうかと思っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 この問題は今後の新しい問題ですから、いま直ちに修正をしてくれとかなんとかというつもりはない。ないですけれども、いまこの問題にお触れになった中で、一般的扶養家族、要するに子供の就学のために東京なら東京へ行って去るから追加費用がかかるというのは、現段階ではそこまで扶養家族の問題で見る必要がないのじゃないかと私は思っているのです、その人たちの地元にも大学があるのだけれども東京へやっているという問題があるでしょうから。  しかし年寄りの世代と次の世代が一緒に暮らすかどうかという問題は、今後の家族生活の中では非常にむずかしい問題になっているわけですね。私は別居するのが正しいと思っているのです。年をとった人たちの世代感覚、生活環境いろいろな問題とその次の世代との問題とはいろいろ違うのですね。実際に違う。今日私の父が健康で満九十二歳までも長生きをしておる理由の一つの中には、別居生活によっていろいろにわずらわされることなく、老人は老人のペースでずっと生活をやってきたということが非常に役立っておると私はそれなりに評価しておるわけです。父の側から言わせれば、要するに西欧個人主義的な概念で、おまえたちはおまえたちの生活をやれ、われわれはわれわれの生活をやる、こういう考えがあったからこうなっておるわけでありますが、私は、この考え方はだんだん広く行き渡るし、そのことが家庭内におけるトラブルを避けて、しかし老人たちに対してそれなりの配慮もできるということになっていくとするならば、老人の問題というのは、そういう意味での扶養家族の取り扱い上の問題とは別個の問題だと思っているのです。特に今後老人問題というのは――厚生省では社会局ですか、社会局に来ていただけばよかったのですが、私どもの今後当面する問題の中で非常に重要な問題というのは、私は老人に対する政策だと思う。今後非常に急速に老人はふえてくるわけですし、老人が非常にふえてくる中で、やはり老人の問題については少しきめのこまかい政策が当然税制の中でも配慮されてしかるべきじゃないか、こういうふうに私は思うわけであります。  そこで、この老人扶養親族を設けてもらったのは非常にいいのですけれども、これは十六万円の控除になるわけです。これは上限が、基礎控除、配偶者控除がいま二十万円ですから、それを上回るのはいかがかという点については私もそれなりに考えますが、一般扶養控除が十四万円、配偶者控除、基礎控除が二十万円とするならば、私は、やはり老人問題をもう少し真剣に考えるという点では、十六万円ではなくて十八万円の老人扶養親族控除であってもよかったのではないか、要するに一般の扶養者のほうに近づけるのではなくて、できるならば配偶者控除、基礎控除の上のほうに近づいた位置に置いても、私は、老人に対するフェーバーとしては相当ではないのか、こういう気持ちがするわけです。たいへんこまかい話になりますけれどもね。ですから、これらについてはいま直ちにこの段階で修正しなさいということを私は提案しませんけれども、来年度の税制改正においては十分これらの問題を配慮してもらって、老人扶養親族という項目を新たに設けた以上、その設けた趣旨が実際にもまた将来に向かっても生きてくるような制度として、来年度の税制改正の際にひとつ十分これは検討してもらいたい、こう考えるわけであります。政務次官、いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 堀委員が御指摘のように、基礎控除、配偶者控除は二十万円ですし、それ以外の控除でいま最高の控除額になっているのが特別障害者控除十六万円、そういうようなものを勘案しますと、この程度でいいんじゃないかというのがわれわれの考えで、将来また十分考える余地はあると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 その次に、今度の改正の中で、所得税法第二百三十二条財産債務明細書の提出というのが設けられておりまして、これがこれまでは年所得一千万円でありましたものを二千万円をこえる場合に改めたいというのが法律の改正趣旨のようであります。  そこで、この問題について少しお伺いをしたいのでありますけれども、この財産債務明細書が提出をされて、これが一体どのように活用されておるのか、これについての何らかの統計資料その他関連した資料等が現在あるのかどうか、ちょっと国税庁にお伺いをいたします。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 実は財産債務明細書につきましては特に報告を求めておりません。したがって、いまのところ手元に統計的なものがございませんが、私、四十一年に所得税課長をやっておりましたときに、納税の数が非常にふえる、ふえる中で税務職員の数はふえない、したがって効率的な仕事をする必要があるということが一点。それから高額所得者、いわゆる大口資産家等につきましては継続管理をする必要がある、こういう観念で、運営要領でこの財産債務明細書を確実にとるようにというような指示をいたしまして、各局におもむいて事務視閲の段階で実態を見てきたことがございます。たしか私の一記憶では、三十三年にこの制度が復活いたしまして、三十年代では、私、当時回りまして聞いた状況では、当時も一千万をこえる場合という提出義務の時期でございましたが、大体半数程度出ておるというのが私の実感でございました。問題になりますのは、すでに数年前から、当時はまだ公示の限度額が低かったわけでございますが、公示の限度額とは直接関係しておりませんけれども、おおむね公示の限度額以上になる者で、特に一千万ということであれば、三十年代には大口資産家であり、また大口の所得者であるといったような感じが強かったものですから、特に財産債務明細書については十分にこれを確保する、しかもそれに基づいて大口資産者の継続管理をするということを強く求めまして、最近では、これも統計がないので想像の域を脱しないかもしれませんが、その後運営要領で強い指示をした後の事務視閲によりますと、おおむね提出をされておる。それからなお、確定申告のときまでに提出を求めるわけでございますが、その直後に申告審理の作業をいたします。その段階でも特に大口の者につきまして未提出の分については提出の勧奨をしておるということでございます。  それから、活用の状況でございますが、特に大口の資産家あるいは大口の所得者につきましては財産の移動がかなり広範囲に行なわれる。またひんぱんに行なわれるというのが実態でございます。したがって、財産の移動状況を調べるためには、どうしてもこうしたものを確保する必要があるということで、財産の移動状況によりまして所得の存在を確認する、あるいは御本人にとりましては、確定申告の際に有力な資料にもなるということにもなるわけでございます。なお、それらの資産につきましては、運用所得がございます。たとえば株式あるいは利子所得もございましょうし、あるいは不動産所得等が最近特に目立ってございますので、これらのために申告審理の段階で十分に活用するということで継続管理をしております。  ただ、地域的に申し上げますと、東京等の場合は、四十五年の統計でございますが、七万八千ほどの該当者がございますが、そのうちの約半数が東京に集中しております。したがって東京の場合には、一千万以上ではございますけれども、実務的には大体二千万以上を主として継続管理しておる、こういう状況でございます。  なお、補足いたしますと、提出の状況につきまして新たに一千万をこえるクラスになった方々につきましては、こういう規定があることについて不知の場合が多うございます。したがってこれらは確定申告のとき、あるいはその直後の申告審理のときに提出の慫慂をする。なかなかこれが実行されないという悩みが実はございます。しかし新たに一千万以上の方になられた場合でございましても、二年目、三年目には必ず出しておられるというふうに、われわれは現地の調査で確認してございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実はいまの御報告の程度だろうと私も想像しておったのですが、税法で規定をして、提出を求めるということになったものが、いまのあれなら罰則も何もありませんから、出さなければ出さないでいいんだ、出した者が損する、といいますか、正直者がばかを見ているようなことになるのじゃないかと思うのです。これが出ていなければ、いまあなたのおっしゃったように、要するに継続管理はできないのです。その点では納税者の側からすれば、出さないほうが所得把握の面でもたいへん都合がいいと思うのです。  だから、こういう制度を設けた以上、正直者がばかを見て税金をきちんと取られて、ずるをする者は何もとがめられないで、結局税金が多少でもごまかしがきくなんということを、税法に書いておいて認めておるなんということは、私は少し問題があるという気がするのです。だからこういう制度を置く以上は、私、二千万でも三千万でもそれはいいですよ。今度二千万円にするのを私ちっとも反対するつもりはございませんけれども、きめたらきちんとやらせて、同時にその資料を活用して、いまの目的が、おそらくそういう資産の増減その他もにらみながら、やはりこれはストックで見ると同時にそれがフローでどうなっているかということを見ようということでしょうから、それを生かすようにしないならやめたほうがいいのです。置く以上は置くだけの目的をちゃんとやるのでなければ、納税者のほうからすればむだな手数をかけさせられておったということになりかねないと思うのです。ですから、この点本年度はもうすでにできておりますからしかたありませんけれども、そんな重い罰則をつける必要はないけれども、何らか提出をしなさいという以上は、提出を義務づける何らかのものを担保する必要があるのじゃないか、こう思うのですが、それが第一点。  第二点は、率直に言うと、そうした形でとったものは少し有効に使ってもらいたいということです。特にいまのように、あなたのところではこれは質問しても実態がわからないわけだ。要するにわれわれの手元には報告を徴しておりませんからわかりませんということでしょうから、率直に言うとこの事案については質問にならないのです。だけれども、これは相続税との関係で、昨年、昭和四十六年度の相続税該当者は一体何人ありますか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 約二万五千でございます。それは被相続人のほうの数でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 もちろんこれはいま年所得が千万円ですから、相続税との関係でこれは必ずしもどういうふうになっているか私もよくわかりません。わかりませんけれども、少なくともこの二万五千人の中にはその三分の一か四分の一か私もわからないけれども、この財産債務明細書提出者が死亡したことによる財産の相続という問題があるだろうと思うのですね。これらの問題について、それではそういう財産債務明細書が相続税の場合における調査と一体どういうふうになっておるのか、伺ってもちょっと答弁できないでしょう。できますか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 相続税の場合には、金額がかなり大きなものを対象にすることに現在の事務体制がなっておりますので、この大口資産家のうちで、特に局によって多少の出入りはございますが、全国的に統一しておりますのは、資産の中で、負債は除きまして、純資産でもって、純資産といいますか正味資産でもって五億円以上のもの、これは必ず継続的な管理をいたしております。それから地方によりましては、さらにそれを下回った分につきましても財産債務明細書だけではございませんけれども、ほかの登記資料、あるいは法人のほうからとりました株式の移動資料、その他ももちろん継続管理の資料として使っておるわけでございますが、おおむね五億円以上の資産家につきましては、これは必ず継続管理をするという体制になっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それはいままず財産債務明細書で出てきた財産が五億円以上ある者を継続管理しておる、こういうことですか。――そうじゃなしに相続税というのは、要するに相続が起きたときに五億円というのはわかるのであって、その前にはわからないわけですね、相続の場合には。どちらですか。要するに相続税対象ではなくて、いま私が申し上げたような財産債務明細書を一つの資料として、五億円以上という線をその財産総額五億円というところで切って、その上は継続管理しておる、こういう意味ですか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 財産債務明細書も一つの資料になっておるということで、ほかの資料も全部総合して、所得、法人のほうから資産税担当部門のほうに配付した資料を総合してということでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 要するに私が申し上げたいことは、資料をとるのですから、資料をとると、せっかくとった資料はやはり生かして使ってもらわなければ制度をやめたほうがほんとうはいいと私は思うのです。だからそういう意味では、少なくともこういうあれをとられたら、財産債務明細書で見るとどういう形になっているのだ、今度二千万円以上になれば、二千万円以上の所得者というものは一体どういう資産を持ち、どういうふうになっているんだというような資料を私は当委員会に一回報告をいただきたいと思うですね、せっかくこういうものをとっている以上。やはり日本における高額所得者というものの実態というものはどういうことかということを、われわれは課税上の問題から見ても頭の中に置いておく必要があるし、特に相続税の問題はあとで触れるわけですけれども、私はかねてから水平的な相続は大いに減税しろと申し上げて、今日だいぶこれは具体化し、今回の相続税改正でもたいへん前進しておることを私は喜んでおるのですが、垂直的な相続は私はもっときびしくしていいと思うのですよ。いまの民主的な世の中で、言うならば継続的に、働かざる者食うべからずではないけれども、やはり働くことの中から所得が稼得され、そのことによって生活を改善するということが本来の形で、多額の遺産を相続して、その相続した遺産によってぬくぬくと暮らすなんということは、本来今日的な課題ではないのではないか、こういうふうな考え方に私は立っていますが、要するに妻は夫とともにその財産を稼得するためにいろいろと努力したわけですから、その妻が夫の財産を引き継ぐときには、これはもうできるだけ少なくていい、今度垂直的にいくときにはかなりきびしく取っていいのではないかというのが私の基本的な考え方なんですね。  そうすると、その垂直的に取るのをいかように取るべきかということを考える際に、私はこれまでの相続税で皆さん方が出していただいている資料ではなくて、この財産債務明細書を完全に分析した資料を出していただければ、われわれは今後のあるべき相続税というものをどういうふうにしたらいいのかという問題の大きな端緒になるし、それは主税局が今後の相続税の税制を検討する際にも重要な資料になるのじゃないか、こう私は思うのです。さっき伺ったように、本庁には資料を徴収しておらぬというようなことでは、私はこの法律第二百三十二条、所得税法にここまで書いて報告を求めるということにしておる意義が非常に少ないのではないか、こう考えるのでありますが、この点についてはひとつ何らか提出を担保するような義務を課する一つの問題を、これは来年度の税制改正でけっこうですが、ぜひひとつ取り上げていただきたいし、同時に本年度二千万円になったら二千万円になったものについて、あるいは過去における提出資料が一体何%提出されておるか、所得階層別には一体どういうかっこうで提出されておるのだ、提出されたものについてはその分析は、土地を持っている者はどういう状態だ、有価証券はどうだ、預金はどうだ、おそらくこの中に犯則の中でひっかかるものもあるでしょう。犯則事件が起きたときには、その犯則事件が起きたものの調査をすると同時に、いまの財産債務明細書と突き合わせてみれば、財産債務明細書というものがどの程度の正確さを持っていたものであるかもわかるであろうし、同時にそれは相続税のときにあなた方のほうで総合的に調査してみれば、財産債務明細書がはたして正しかったのか虚偽であったのかということもその際わかることでありましょうから、やはりそのような各種の取り扱いを効率よく行なうことによって、初めて所得税法二百三十二条というものが設けられておる趣旨が生きてくるのではないか、このように考えるのですが、政務次官、いかがでございましょうか。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 財産債務明細書、これはまず私どもとしては高額所得者に提出させるということが第一でございまして、そのあとこれをどうするかという裏づけになることでございますので、まずこれを提出させる方向に指導していって、その後、堀委員のおっしゃるようなことに具体的に入っていきたいというふうに考えます。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 いま堀委員からおっしゃいましたいろいろの御意見、全く私ども同意見でございます。今回も、あるいは若干、単に金額限度を変えるというだけでなくて、多少内容的に変えるかどうかということも検討いたしましたのですが、まず、まさに御指摘のように、制度があります以上は正直者がばかをみるということにならないように、まず確実に出していただく。そうしてそれを国税庁、税務署のほうで十全に活用できるような体制を整備するというところから始めたいという気持ちでございまして、最近国税庁の仕事のやり方が漸次重点主義になっておりますから、全体はそういう方向には動いておりますけれども、財産債務明細書の問題一つに限ってみましてもまだまだ不十分でございますので、それを一方において整備しながら、制度的にも今後どういうふうにすべきか、その運用のしかたをにらみ合わせながらだんだんに進めてまいりたいというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま御両所の答弁でけっこうなんですが、ただこれまでせっかく資料があるわけですから、いまの提出率が一体何%だったのか、そういうようなことを合わせて、大綱的に所得階層別にはそれはどういうふうなことになっておったか、そんなに正確なものじゃなくてけっこうですから、一ぺん過去に集まった資料の中で適当なところで精査していただいて、分析をつけて当委員会に提出をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 従来のものが七万件をこえる件数でございますので……。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 抜き取りでけっこうです。

江口健司国税庁直税部長

○江口説明員 さっそく検討させていただきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 七万もあるのですから、手数をかけるだけが能ではありませんから、適当なサンプルをとって、一ぺん資料として提出をしていただきたいと思います。  以上で所得税法を終わりまして、次は相続税法でございます。  相続税法は、さっき私がちょっと申し上げましたように、今回は配偶者についての配慮がさらに前進をすることになりました。私が予算委員会でこの問題を取り上げまして以来、漸次改善をされて今日に至ったことは、主税局の皆さん、たいへん御苦労であったと思うわけであります。ただ今度、この相続税法の改善の中で新たに障害者控除が設けられることになりました。私、これはたいへんけっこうなことだと思っておるわけであります。身体障害者その他の皆さんが家族にある人たちは、それこそさっきの追加費用が非常にかかるということもあるし、家計上、生活上いろいろ配慮が必要とされることは私も当然だと思うのであります。そこで、ここでただちょっと普通の障害者が、法律を読むと「相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の第十五条第二項に規定する相続人に該当し、かつ、障害者である場合には、その者については、同条から前条までの規定により算出した金額から・一万円(その者が特別障害者である場合には、三万円)にその者が七十歳に達するまでの年数(当該年数が一年未満であるとき又はこれに一年未満の端数があるときは、これを一年とする。)を乗じて算出した金額を控除した金額をもって、その納付すべき相続税額とする。  2 前項に規定する障害者とは、心神喪失の常況にある者、失明者その他の精神又は身体に障害がある者で政令で定めるものをいい、同項に規定する特別障害者とは、同項の障害者のうち精神又は身体に重度の障害がある者で政令で定めるものをいう。」三項もありますが、これは省略いたします。  これは私はたいへんけっこうなことだと思うのですが、一万円という額を算出した基礎は一体何か、これを御説明願いたいと思います。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 一万円という額は、そう正確に計算をして積み上げて金額を算出したものではございません。ただ、それではなぜ二万円ではなしに一万円にしたかという点を御説明いたしますと、養護施設であるとかいろいろの療養施設であるとかに入っておる方々、その方々の経費がどのくらいかかるかということを一つ参考にいたしました。それから普通の生活はどのくらいかかるか。この普通の生活というのをどうやって見るか非常にむずかしいわけでありますが、一応たとえば生活保護基準というものを頭に置きながら見ました。その差額が、障害者なるがゆえにかかる経費ということで考えていくという考え方をとりますと、大体私どもの試算では月額にして一万円強というものがよけいかかる経費として考えられるのではないかというふうに思われます。  一方現行制度でやや類似したものとして、未成年者控除という制度がございます。この未成年者控除においては、税額控除でやはり一万円という制度があるわけでございますが、未成年者控除の場合の考え方も、未成年者の場合に、養護施設等に入った場合にどのくらい経費がかかるかということで算定をしてやってみますと、これまたやや偶然でございますが、同じように月額一万円強よけいかかるというふうに考えられます。普通に家庭にあっての場合と、施設に収容していただく場合とで月額で一万円強かかるという関係があるかと思われます。  そこで、基本の未成年者控除一万円という額が適当であるかどうかという問題が一つありますけれども、現行未成年者控除が一万円の税額控除になっているとすれば、未成年者なるがゆえに、少年といいますか、未成年者が、かりにそういう施設に入ってお世話になるという場合にかかります経費、それから障害者がかかる場合のかかります経費等が、大ざっぱな計算で恐縮でございますが、大体似たようなところではないかというようなところから、未成年者控除の控除額の一万円ということをベースに置いて、それにいわば右へならえしたという感じで一万円という額を出したわけでございます。なお、重度心身障害者についても大体同じように出したわけでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 相続税法による未成年者控除一万円というのは、いつからですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 現行の未成年者控除の制度ができましたのは三十三年でございまして、そのときから一万円でございますが、その前に税額控除ではなしに遺産控除といいますか、税額をかける前の財産額から引いていた時代がずっと続いておりまして、三十三年に切りかえます前は二万円であったわけであります。それを三十三年に切りかえますときに一万円にしたのですが、これはもし税率が五割であれば、財産からいままで二万円引いておったのを税額で一万円にすれば合うわけでございますが、五割という非常に高い税率にして考えるのは非常におかしいわけで、そういう意味からいいますと、従来の二万円の遺産控除から税額控除に切りかえるについては、おそらく数千円の税額控除で、そのときに切りかえるだけの問題でよかったのではないかと思いますが、そういう端数をつけるのもどうかということで、ただ一万円と置いたのだと思われます。  そこで当時の一万円というのは比較的甘いというか、そういう感じになっておりまして、実は未成年者控除そのものの制度についても、はたして三十三年から今日まで据え置きでいいのかどうかというのには議論がございます。今度障害者控除を置きますについても、未成年者控除を従来どおり一万円のままでいいかどうかということ自体も一応議論をしてみたのでございますが、ちょうどいい機会でありますので、場合によりましたら未成年者控除のほうも直すことを考える必要がありはせぬかということも考えたのでございますが、いろいろ試算してみますと、先ほど申しました、未成年者について家庭で普通に親ごさんが子供さんを養育していく場合と、施設に入れて養育していく場合とのかかります経費との関係からいいますと、いまの平均税率で見まして、一万円くらいの税額控除でもまあまあのところいけるんじゃないかというふうに考えまして、未成年者控除の一万円を据え置き、それに障害者控除の一万円を見習った、こういうかっこうになっております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 ちょっと厚生省のほうに伺いますけれども、いまの障害者、未成年者はちょっと違うんですけれども、一体、家庭に置いておる場合と養護施設という話なんだけれども、私は、身体障害者であるとないとの違いが大きいと思うんですね、率直にいうと。だから、実際にもしこういうフェーバーを与えるというのならば、いまこの未成年の問題もありますから、何段階かになるわけ  ですが、まあ未成年をはずして、未成年であれ成年であれ、児であれ者であれ同じと考えて、家庭の中にそういう障害者があるということでは、  いまかなりいろんな追加的費用も必要であるし、ちょっと一万円というのは考え方としては、施設  に入ると入らないとの差は一万円ということのようだけれども、私はそのものの考え方からすると、施設に入る、入らないはもちろんあるけれども、それを含めていえば三段階で、健康な子供が  いるとき、それが身体障害児であるとき、身体障害児でなおかつ施設に入れておるときと、この三つを比べて、そして原点というのはやはり、障害児が家庭にいるときと施設にいるときの差ではなくて、健康児と施設にいる者とをかりに考えれば、この差でものを見るというのが本来の姿ではないかと、私はこう思うんですが、厚生省どうでしょうか、その点は。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 正確に申しますとおっしゃるとおりだと思いますが、実は私ども、在宅の障害児に関しましての、特に養育に要する費用という正確な資料は、実は申しわけございませんが持ち合わしておりません。現在の考え方といたしましては、やはり特に重度の障害児、あるいは家庭の実情も加味されるわけでございますが、施設に収容いたしましてそれぞれの状態においてお世話をするというたてまえをとっております。したがいまして、大蔵省のほうに私どもから差し上げました障害児の養育の費用と申しますのは、施設の措置費の内容ではございますが、措置費の内容は、やはり障害児を養育いたしますために、その療育、治療というような面も含めましての総体の費用を計算いたしまして、それを措置費という形で公費をもって負担する。で、所得能力に応じて保護者から全部または一部――まあ全部はほとんどございません、一部でございますが、徴収するというたてまえをとっておりますので、家庭におきましても平均的な費用を計算いたしますと、やはり積み上げ計算をいたしまして、施設において療育を行なっております費用とそうたいした差はないであろうという前提で現在のところはものを考えておる次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると現在は、いまここで大蔵省が月一万円強と、こう言っておられる額は、その措置費をまるまる全部含めた額が大体一人当たり一万円強に現在なっていると、こういうことですか。

松下廉蔵厚生省児童家庭局長

○松下政府委員 大蔵省から伺いましたところでは、大体の考え方といたしましては、先ほど先生御指摘の、健康な子供に対します平均的な養育費、これを現在生活費として法的に計算しておりますのは、一応生活保護法の保護費があるわけでございます。そういったところから大体推定いたしまして、それと施設へ収容いたしました際の費用の差が約一万円というふうに伺っております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 じゃ、その点は一応、いまのは厚生省側として、障害児に必要な額と、こういうことでありましょうからけっこうでありますが、その額が、重度の場合には三万円ということで新しく設けられた。これは、遺産がある障害児はたいへんこの点今度は恵まれることになりますね。私は、実はいいことだと思うのです。たいへんいいことなんですけれども、障害児の場合には、現在そういう相続税の対象になる者と、そうでない家庭にもたくさん障害児があると思うのですね。国としてこういう恩典を与えることはたいへんけっこうなんですけれども、そうすると、持てる者の障害児はこの際さらにフェーバーを与えられることになる。大体、遺産相続できる家庭というものは、フローの面でも当然大きなフローのあるところですから、日常にも、これまでもそうで、比較的恵まれた条件にあった。同時に、不幸にして父親か何かがなくなったとしても、遺産があり、その相続税をさらにある程度軽減してもらうから、その上において、その後といえども恵まれた条件のほうにある。片や、フローの小さい家計にある障害児というものは、ふだんでもあまり恵まれていない。もちろん父親なんかがなくなれば相続すべき財産も、そんなものはない。非常に気の毒な条件にある。格差がちょっと開くような感じがしてならないわけです。  だから、私は、これはたいへんけっこうな制度なんだから、足を引っぱるつもりで言うわけではないんでして、ひとつこの際、こういう身体障害児・者のような、非常に社会的に激しい競争の中では生活をしていくのはきわめて困難であるし、この児はやがて者になり、生活をしていかなければならぬ。国としてもいろいろその就職その他についての配慮もしておるようでありますが、必ずしも十分ではないということになりますと、こういうものが今度新設されたことに見合って、来年度何らか、そういうもののない対象者、言うなれば、たいへんこまかい話になってくるのですけれども、身体障害児・者に対する、所得、フローの面から見た何らかの配慮、それは、すでにさっきお話しのように、施設に入れば所得の少ない人はまるまるかからない、所得のある者はそれについて追加費用を取るという仕組み、それはそうなると思うのですが、さらにそれを少しでも負担分を減らしていくとすれば、要するに歳出と歳入見合いでバランスがとれてくるんじゃないか、こういう感じがするわけです。政務次官、わかりますね、私がいま申し上げていることは。  ですから、せっかくこの際税制上の面でこれをやっていただいたことはたいへんけっこうなんですが、あわせまして、そういうこれまでの権衡がちょっと、これでやや持てる者のほうが有利になっておるという点から、持たざる者のほうにも、平均的に何らかそういう配慮を歳出面で考慮をしてみるという必要もあるんじゃないかなという気がするわけです。きょうは長岡主計局次長も入っていただいておりますので、その身体障害児・者問題というのは、現在の日本のような高度の経済成長をしてきた国にとっては一番弱い部分の人たちでありますから、さっき私が取り上げた老人問題と合わせて十分な配慮をしてもらいたいし、まあ本年度の予算においても十分配慮してこられたと思うのでありますが、さらにこの点についての何らかの配慮を考えてもいいんじゃないか、私がいま問題提起をしたことについての配慮があってしかるべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。最後にお伺いしておきます。

長岡實大蔵省主計局次長

○長岡政府委員 社会保障制度全般の問題につきまして、基本的な考え方と申しますか、ほかの案件の審議の際にも私再々申し上げておりますけれども、わが国は、率直に申し上げて、社会保障制度全体が欧米先進諸国等に比べて後発国であることは間違いありません。ようやく制度的には先進国とメニューがそろった。しかし内容はまだ、年金制度が未熟であるとかそういうようなこともございまして、水準的にはまだまだ不十分な点も多々あることも事実だと思います。そういうものに対するキャッチアップということが、社会保障制度全体といたしまして、今後国としては非常に重要な課題になってまいります。したがいまして、財政当局の立場といたしましても、それだけの財源をいかに捻出していくか、またいかに負担区分を考えていくかということは、非常に重要な今後の課題であろうと考えております。中でも、いわゆる社会保障制度の趣旨からしますと、社会的な弱者に対する保障の強化と申しますか、そういう点に最重点を置くべきであることは当然であろうと思います。  具体的に申しますと、結局、社会的弱者の一つの表現である老人対策、それからいま先生が御指摘になりました心身障害者対策と申しますか、こういう点についての施策の充実強化ということが、やはり非常に重点的に取り上げてまいらなければならない問題だと考えております。四十七年度の予算は、いわゆる社会福祉の充実ということを一つの大きな重点項目として掲げておりますけれども、御承知のとおり、老人対策の予算は前年に比べて約五二%くらい、それから心身障害者対策の予算も前年に比べますと約二七、八形と、相当重点を置いて充実をはかってまいったつもりでございますけれども、いまのお話もございまして、私どもといたしましては、直接のお答えにはならないかもしれませんけれども、このような相続税上の措置がとられたことに見合う措置をどういうふうにするかというところまで実はこまかい検討はいたしておりませんが、全般的な問題といたしまして、相続税のこの措置の恩典に浴さない階層の、心身障害児等をかかえておる家庭に対する措置等につきましても、今後、社会保障全体、あるいは国の財政全体の財源事情もございますけれども、重点的に配慮してまいりたい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 政務次官、いまの次長の答弁、私けっこうだと思います。どうかいまのように、これと引きかえに中身をどうこうということの必要はないと私も思います。しかし考え方としては、どうもいまの所得構成その他から見て、やはり所得の高い者は常に恵まれていて、所得の低い者のほうに余分の負担がかかる傾向というのはどうしても避けられないと思いますので、どうかひとつ厚生省においても、今年の予算の平均伸び率が二一・八%ですから、二七%程度というのは確かに平均よりは高いわけでありますけれども、さらにこういう高度成長の中で、いま不景気といっても、特に日本は諸外国に比べればやはり高度成長なんですから、そういう中ではやはり障害児・者に対する配慮というものは格別の配慮があってしかるべきだと思いますので、そういう要求をひとつしていただきたいと思うし、あわせて、そういう要求に基づいて大蔵省としてもこの問題についてはぜひ前向きに考えてもらいたいと思いますが、ひとつ政務次官のその点のお考えをお聞きしたいと思います。

田中六助自由民主党大蔵政務次官

○田中(六)政府委員 大蔵省といたしましても、十分その点を配慮してこれからやっていきたいと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでは、あと法人税に関連して石油ガス税の質問をする予定にしておるのですが、これに入るとまたかなり時間がかかりますので、ここまでにさせていただいて、残余はひとつ次回にさせていただきます。

山下元利自由民主党

○山下(元)委員長代理 午後二時より再開することといたし、この際暫時休憩いたします。    午後零時十四分休憩      ――――◇―――――    午後二時十一分開議

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。山中吾郎君。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 実は質問の内容に入る前に委員長に質問をしたいと思っておったのですが、大蔵大臣が偶然あらわれたので――私は偶然と思っているのですが、私、十数年国会にあって二、三の常任委員会に籍を置いて、それから今度大蔵委員会に籍を置いたときに非常に奇異な感じをしておるのは、法案審議のときに終始一貫大臣がいない。おそらく大蔵委員会だけではないかという感じがしておるわけなんです。ことに、一つの法案が成立する審議の中に一回も大蔵大臣、責任者の答弁が委員会の記録に残らない、しかも国民の所有財産から取り上げる税法から、重大な権利義務に関係のある一つの法案が審議をされるときに、その委員会の速記録に責任者の大蔵大臣の答弁が一つもないという法案が相当あるのじゃないか。これでは、国民の立場からいって最も法律を軽視するというふうな問題が残るので、民主主義の立場からいってまことに遺憾である。また、委員のほうからいいますと、私も数回ここに質問に立っておりますけれども、大蔵大臣に質問をする機会はないわけであります。ある意味においては奪われておる。一回も大蔵大臣はいない。事務当局と質疑をしておるだけなんです。そういうことを考えたときに、何か大蔵委員会において大臣不在のまま重要法案が審議をされておるということが慣行になって、別に奇異な感じがしない。私も一年ほど大蔵委員会に籍を置けば、だんだんそうなると思うから、印象の新しいときに、その点について立法府の立場から、法案の審議について成立までに少なくとも必ず一日は大蔵大臣はここにあって、事務当局と質疑応答し、その間においてまた大臣としての識見を述べる責任を持つべきだと思うのですが、その点、私は委員長と大蔵大臣の御意見を聞いておきたいと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それじゃ、その点についてはまず私のほうから先に申し上げます。  これは大蔵委員会に大蔵大臣が出席できないというので大蔵委員会の方からだけ言われる問題ではございませんで、全委員会共通しておりまして、各閣僚ともみな自分の管轄の委員会には出たいのだが、その時間がなくて困るということを、たとえば閣議のときでも始終この話は出るのでございますが、これは国会の運営についてのほんとうの改善策というものを与野党がここでやらなければ、私はいけない問題ではないかと考えております。  たとえば、予算委員会で拘束少なくとも八時間から十時間という日を九十日やるということは、これはたいへんなことでございまして、その間、間を見ながら衆参の大蔵委員会に出て、衆参の決算委員会に出て、今度は運輸委員会とか社労とか何か金に関係のある委員会はみな大蔵大臣を呼ぶというようなことでいったら、これは何としても責任が果たせないということになりまして、そういう審議でなければ国会の審議というものはできないのかという問題は、ここで根本的に考えなければ、国会が何百日になっても、私は法案をこなすことはほとんどむずかしいのじゃないかということを考えます。  外国あたりの例を見ますと、たとえばこういうような机の並べ方が間違いで、与野党向かい合って、いろいろ各党がこの問題はこうだというお互いの論議をやって審議して、そうして必要のある限り政府の役人が呼ばれて、この点は矛盾していると思うがどうかといって、たいていはその委員会でどんどん片づいて、大臣の出席というものはわりあいに少ない。重要な問題だけは政治的に解決しなければいけないというときに大臣が呼ばれるというようなことで、日本の国会のように、大臣が来なければ審議ができないという政治形式のできている国というものは私はないと思います。  それから、ことに予算委員会におきましては、総括質問が何日何日と時間できまっておりますが、全然質問のない各省の大臣というものは、その期間何かの形で所管事項について法案を上げることに骨を折っていただいたら、国会はもっと進むと思うのですが、質問があってもなくても絶対にいなければならぬということで退席を許されない。これはおそらく国会中六十日はそういう縛られる会議になっておりますが、こういうやり方を国会の議院運営委員会で変えていくということは、これは与野党で今後ぜひやってもらいたいと思います。  そういうことによって審議方法が改善されるのでしたら、各大臣は所管の委員会で必要の法律案について十分の説明もできますし、もっといろんな自分の所信も述べられるという機会ができると思いますが、いまの日本の国会の運営のしかたであっては、からだが幾つあっても足らない、どこかにこれは運営方法に欠陥があるのではないかというふうに私は考えます。ぜひこれは直していただきたいと私は思います。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 委員長としてもお答え申し上げますが、大蔵省所管の法案の審議に際して大蔵大臣に御出席をお願いをし、いろいろ御答弁を願うということの望ましいことは私も同感であります。したがいまして、当委員会におきましても、御承知のように、関税定率法の改正あるいは租税特別措置法、空港整備特別会計法、こういうふうなもろもろの法律案につきましても、相当の時間、都合の許す限り大蔵大臣の出席を求めてまいっておるわけでございますが、予算委員会等の関係がありましてなかなか思うように出席をいただけない場合もあったのでございますが、大蔵省所管の法案の審議に大臣の出席を求める、これは非常に望ましいことでもございます。したがって、今後ともそういう方面に努力いたしたい、かように考えておる次第でございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大蔵大臣の言われた日本の国会の特殊性もよくわかっておるわけです。予算委員会の場合は、各大臣全部出席して、その間は、したがって各委員会を開く場合には、大臣の出席はできないことを承知で各常任委員会は開いております。しかし、終わったあとは各常任委員会に出席することをつとめて行なって、少なくとも一つの法案が採決になるまでには一日ないし二日は大臣が出席するというのが常任委員会どこも通例である。しかし、大蔵委員会だけは、一つの法案を審議する間に、採決のときだけ大臣が顔を出して、それまでに顔を出さない法案があるので、大蔵委員会だけは極端な例だというので申し上げておる。そういうことですが、それは承知でしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私の見ておるところ、また聞いておるところでは、大蔵委員会が一番そういう点で審議がむしろ合理化されておるので、私は感謝しておるのです。よそは大臣の都合が悪いという限りは審議しないというので、大臣がいなければ審議できないというような変な慣行があって、国会じゅうかかって法律が一本も上がらぬという委員会があるくらいで、その点から見ましたら、予算委員会というものを控えておるだけに、一番理解のあるのがむしろ大蔵委員会で、私はその点実際には非常に感謝しております。大蔵委員会が審議が最も合理的に進んでおる委員会であるというふうに私は思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 自分の都合のいいことを、大蔵委員会が一番正常な運営だというふうにてまえみそを言われては困るのです。日本のいわゆる最高立法機関として、国民の権利、義務に一番深い、一たん成立すれば権利を設定し、義務を付与する法律案ですから、大蔵関係の法案に責任者の大蔵大臣がいないで審議するのが一番理想的だ、これはずいぶん不遜なお考えじゃないですか、それが理想的だというようなことは。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 そうじゃありません。わりあいに時間をさいて、いま委員長が言ったように、万難を排して私どもは都合をつけてこの委員会には出ておるつもりでございますし、それから委員会においてここで審議になっておる問題も、人がかわって、予算委員会でもうすでに同じようなことをやられて、こっちへ来てまたこの委員が交代するというようなこともやられておるので、したがって、大蔵委員会が予算委員会中であっても何とか審議が一番合理的に進んでいくという委員会に事実なっておるのではないかと私は思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 予算委員会開会中はみな了解している。もう予算が成立したあとですから、大蔵大臣が少しも顔を出さないので、きょうは特に広瀬理事のほうから要求があって呼び出されてきたようなことで、そして二時間くらいだという話なんです。そういうことが常識で、それが理想的だと大蔵大臣が言うならば、これは国会軽視だ。少なくとも重要法案を審議しているときは、一日たっぷりここに大臣がすわって責任のある答弁をすべきではないか。委員長もいまそういう趣旨で言われたと思うが、あなたは来ないほうが理想的だとか、来ないほうが合理的だといって開き直るならば、私はその説に賛成だとしてすわるわけにいかぬ。つとめて出られて、この法案審議については責任者が責任ある答弁をするということは当然ではないのですか。大体事務当局と論議をしておるのであって、立法府というものはもっと立法論がなければならない。立法論についての責任ある答弁も何も出っこないわけだ。その辺についてはつとめて出席をするという態度だけは、これは日本の国会の二十年来の一つの慣行としてできておるのですから、審議を引き延ばすために大臣が来なければやらぬというのは、これはやっておりますが、そのことではなくて、法案を引き延ばすということでなくて、正当にやっている場合のことを、私、話しているのです。私も三つか四つ常任委員会をずっと回っておりますけれども、大臣の出席の率が一番悪いのは大蔵大臣だと私は見ておるのですが、やはりつとめて出るという態度が当然ではないのですか。もしどうしても出られないというときには、支出担当の大臣と、収入、財源を中心とする大臣が、日本の場合、大蔵大臣として予算とそれから財源を両方兼ねた官庁が一つになっておるから、一方で予算関係には出席しなければならぬ、こちらは出られないというので、物理的に不可能なら、私は官庁を二つにすべきだ、予算大臣と、財源大臣というのは知らないけれども、二つにすべきだ、物理的に原因がそこにあるならば、分けて大臣二人になるべきだと思うのですが、大臣が出席しないことが理想だということならば、これはおかしいのじゃないですか。明確にその辺はもう一度大臣の御意見を聞いておきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 出席をしないことが理想だとさっき申したわけではございませんので、できるだけ出席の機会を求めていたのですが、事実上出席のできないようにいろいろないま国会審議のあり方ができておるので、ここらを変えなければ御要望に沿うようなことができないということと、もう一つは、この審議のしかたというものとも私は関係すると思います。それによって、何といいますか、法案審議を合理的に進めることもできるだろうと思いますが、大臣がいなければ審議ができないということが習慣になっているところもあって、各大臣の困っていることも、現に私の困っていることもございますが、そういう点から見ると、そうじゃなくてそういう御理解は相当いただいて、私どももできるだけ出ておりますが、大蔵委員会は予算委員会との関係をうまく調整して一番審議の進んでいる委員会ではないかということを言ったので、てまえみそを述べたわけではございませんで、非常に委員会のやり方に対して私は感謝したつもりでございます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大体わかりましたが、感謝をしておるつもりでなるたけ出るようにされないと、感謝をして出ないのでは困るのであります。これは大臣の顔を見ないうちに法律が通っている、いつの間にか法律が通っているというような大臣では困りますから申し上げているのです。つとめて出てください。やはり水田大蔵大臣の顔を見ないで質問をするとさびしくてしょうがない。局長の答弁はそれは専門家の答弁であって、やはり大臣の識見の高い答弁が中に入ってこないと、どうもどこか官庁で説明を聞いておると同じようなものになるので申し上げておるので、ぜひつとめて出るように要望したいと思うのです。  それで、大臣が二時間ぐらいしかいない、二、三十分間というのでありますので、大臣を中心にしてお聞きしたいと思うのですが、税法の関係について、この間、私、非常に矛盾を感じたのは、四十六年度の多額所得者の最高が、私の岩手県の隣の宮城県の関兵馬という人で、三十八億九千万円、これが第一位である。全部土地売却から来ておる所得なんです。それが土地税を――土地を手放すことをたやすくするために、税法改正をして一〇%だけ課税をするという非常な特典が与えられておる。そのためにこういう土地投機というものが行なわれると同時に、その収益の大部分が自分の所得になる。反対に松下幸之助さんのような、生涯経営能力あるいは科学技術を身につけて、一つの事業に基づいて収益を得た者は、最高の七五%の課税がある。一方は完全なる不労所得に対する課税が一〇%。こういうふうに税法が、二年前ですか三年前に、土地問題解決のために改正された。その結果、こういう矛盾が出ている。これは明らかに税法の失敗ではないか、誤りではないかと思うのですが、これは大臣、どう思いますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は、税法の失敗と言えるかどうか、むしろ税法のむずかしさをあらわしたものではないかというふうに思います。大体、土地政策を、いつも言うことでございますが、税制でいろいろ解決しようということが無理な問題であるということは、もうしばしば皆さんから言われて指摘をされておるところでございますが、土地の供給をもっと潤沢にしなければ土地の値下がりも起こらないし、いろいろ諸方面からこれを税において何らか解決する方法はないかということを要請されましたので、あのときに私どもは研究した結果、長く保有されておっては困る、早く土地所有者が手離すことが、この際土地解決の一つの眼目になるんだということから、いかにして早く手放させるかということを中心に考えますというと、ああいう税制にならざるを得なかった。それによって手放す人が非常に多くなって、土地の譲渡税を納める人が多くなったということでございますが、それだけ土地は非常に広範に手放されておるということでございまして、その点においては、この税制はある程度役割りを果たしたと私は考えます。  ただ問題は、その土地が直接ほんとうの需要者の手に渡っているかどうかということでございますが、御承知のとおり、これが土地業者の手に帰したり、あるいは土地を買っておこうという法人のところにそれが帰したり、ほんとうの需要者にこれがそのまま渡っているということがないというようなことは、これはその目的どおりにいっていなかったことであるというふうには考えますが、しかし、いずれにせよ、土地を保有されておるよりも、住宅地がこれだけ手放されたということは、それなりの税の効果はあったというふうに私は考えます。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 大臣は税制担当大臣としての立場を忘れておるんじゃないか。いま答弁を聞いたのですが、それは土地政策のために、税の根本的な原則である公平の原則を犠牲にしているわけです。私はいま税法の問題を取り上げておるわけです。今度三十八億という所得を得て四十六年に最高になった人が、仙台の郊外に土地を持っておる。それがだんだん市街地化し、その土地を手放す。そうしてさらにその次の郊外にその何倍かの広い土地を売った金で買って、其の買った土地が数年たたぬうちに住宅地になって、そして次々に売っては買い、売っては買い、三十八億の所得になっておる。そうして税金が一〇%。土地を手放すということの土地政策では成功しておるですよ。それは住宅になっています。しかし、その人の所得に対しては一〇%の課税しかない。三十億でたった三億だけの税金しか取られていない。私はいま税法の論議をしておるんです。公平の原則を破ったなら、税法ではないはずなんです。完全な不労所得を優遇する税法、これは他の企業振興とかあるいは土地政策のために、税法の根本の公平の原則を完全に無視するということは、税法の立法としてはあり得べきではない。失敗ではないか。いま大蔵大臣は、通産大臣とかあるいは労働大臣、住宅政策の立場をとっておる大臣として、大蔵省でつくった税法はこれは役にたった、成功したと思う――それは労働大臣の答弁としては、土地政策論として言えるかもしれない。税法をつくった主人公はあなたではないんですか。たとえば一億の所得を得た者は七五%課税を受ける。私は完全に不労所得だと思うのですが、土地のそういう売買をすることによって、しかも想像もつかない三十八億の所得を一年間に得た者に一〇%しか課税しない。これは税法としてはすでに完全に失敗で、これは再検討するというお考えの立場こそ正しいのであって、土地政策として成功したという大臣の答弁は受け取れない。いまは税法の論議をしているのです。そうじゃありませんか。これは再検討すべきではないのですか。私の趣旨はわかりますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 わかります。  これは私のときつくった法律じゃございませんが、五年以上土地を保有している人に対しての特別の措置でございまして、もしこれを売ってすぐほかの土地を買いかえて、これをさらに売って投機的なもうけをしようというようなときには、この一〇%の恩典などというものは全然ないということになっております。これは先祖代々の土地を持っておって、土地政策に全然協力してもらえないというものに対して、これを手放してもらうというための目的を持った特別措置でございますので、税制理論からしたら不公平感というものは当然あるだろうと私は考えます。しかし、あのときの情勢では、土地の供給についてここで何らかの税の対策がほしいということでやった措置、こういうことでございますが、これは結果によっては当然再検討されてもいい法律だと私は考えております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 これはきょうのサンケイ新聞に世論調査の結果が出ているわけですが、そのアンケートの中で、政府は地価を押えるなどの土地対策をしっかりやっているかどうか、これはしっかりやっていないと思う者が八四・五%、それから土地の値上がりについての原因についてはどうかということについては、一定の地域に人口が集中するとかそういうことが原因だと書いてある。そこで、この税制とか何かによって地価の暴騰などは押えることができないというアンケートの結果が出ておると同時に、ここで大蔵委員会として一番参考にすべきことは、この中で、新土地税制のために土地成金ができたことについてどう考えるかというアンケートに対して、国民のこれに対する答えは、こんな制度を考えた政府の無責任さに腹が立つというのが二八・四%、まじめに働くののがいやになったというのが九・八%、地主に対する税金の安さにあきれたというのが二四・六%、これを合わせると大部分がこの新税制に対する非常な反発なんです。ことにこの税制の地主の税金の安さに対してあきれたというのは大体六割あるのですが、その中で野党支持の者は当然政府に対して批判的立場を同時に持っているから、政府の土地政策に対する批判について、何もやっていないと答えている者が八四・五%あるけれども、自民党支持でも八割近くこれはある。したがって、これは単なるいまのようなこそくな税法の改正の問題でなくて、根本的に土地政策は他の部面から、所有権制限その他も含んで論議すべきものであるということはほとんど国民の世論ではないか、その思想、所属政党、集団を離れて。そういうことを私は考えたので、この大蔵委員会における税法の改正については、やはり原則を確認して改正をしないと、とんでもないことになるのだ。軽率に税法というものはそう改正すべきものではない。したがって、大蔵大臣が不在のままこんなものが成立するというようなことは、他の委員会はいざ知らず、一番あってはならない委員会であると思ったので、先ほど意見を述べたのでありますが、こういうことを考えたときに、やはり単に税法だけではマイナスだけをつくる。税法の原則だけを破ってあとにマイナスがうんと残る。働くことがいやになるというようなことがアンケートに出てくれば、行政問題でなくて、国民の精神構造に影響を与える問題ですから、私は非常に重大である、こういうふうに思います。したがって、所得税の法案という周辺の問題でありますけれども、土地に関する税法はすみやかに再検討すべきであるというふうに思うので、大蔵大臣に御意見を聞いた。いま検討すべきであるとおっしゃいましたが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはもう五十年末までで切れてしまう法律でございますので、新たに土地を買ったとかいうようなものには全然適用されない法律でございますので、そこまで待たないで検討するということは、要するに、やめるかやめないかという問題でございます。私は、土地にはもっと税をかけろという意見もございますが、税をかけたら、これはもう土地をだれも売らないので土地が出てこないし、売る場合には、税が高くなれば高くなっただけ地価に転嫁されてきますので、土地は安くならないということははっきりしておりますので、土地問題はおっしゃるとおり、他の政策から解決すべき問題であって、これを税制で解決しようということは実際には無理な問題だと思います。しかし、土地が足らないために、できるだけ土地保有者に土地を放出させようということのほうが大切だという状態でございましたら、ある程度この税の優遇をやって、土地をみんなに出してもらうということが必要である。そういう意味において、さっき申しましたように、そういう意味からの効果はこの法律は果たしておると思います。税の矛盾があるんだから、そんな早く売らせることはないんだということでございましたら、この法律は変えたっていいんで、問題はどう考えるかだろうと思います。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 四十六年度の高額所得者の上位百人のうち九十五人までが土地成金者が出ているのですね。あまり率が多いものですから、このまま五年、六年続けるということが、一体住宅供給地を多くするためにそういう不公平を続けることが妥当かどうかということが、私、まず一つ疑問なんです。  それから、このアンケートをとっても、都市に人口を集中することが地価の高騰の主たる原因であり、こういうことによって手放しが多くなるとかふえるとかということにたいして影響はないという結果を出しているものでありますから、これはもう少し実態を研究されて、この税法があるために土地の手放しに一体どれだけ役に立っているのか、そしてその役に立つことと、ここまで不公平な税制というものを認めることが妥当なのであろうかということは、やはり検討すべきではないか。そのことが同時に、他の土地政策を進めなければならぬことと並行して国務大臣として大蔵大臣は総合的に考えるべきだと思うのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それは御承知のように、最初一〇%ですが、一年たったことしの一月からは一五%になるし、順々にこれの率が昭和五十年まで上がっていきますから、一〇%ではございません。そこで、たとえばことし起こった現象を見ますと、率が上がりますから、昨年の十二月に、上がらぬうちにといって土地を売る人が非常にふえたために、土地の譲渡所得が予想よりも多かったというようなことがございまして、これによって、税制のために土地を早く手放したというものは相当多いということは納税ではっきりしておりますので、そういう意味では効果をあげておると思います。来年になれば、まただんだんに率が上がっていきますので、その点においては、ある程度この税制が相当合理的にいっていると私は思っております。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 何%か上がっていくことによってこの矛盾は少なくなっていくということですから、それは推移を見ながらまた再検討すべきであろうと思うのですが、国民の影響力からいうと、私はおそらく土地所得者というものはまだそう減るものではなくて、精神的な影響というものは非常に多いと思うので、推移を見ながら、五年と言わずに、他の土地政策と並行してこれと関連をしながら検討するということを要望いたしたいと思うのです。  次に、大蔵大臣の関係で、時間がないのでかいつまんでお聞きしたいと思いますが、いま提案になっておる所得税法の一部改正の中で、老人扶養控除が十六万に改正をされた。それで大臣に特に聞きたいのは、種々の控除制度があります。基礎控除以外に、配偶者控除、扶養控除、障害控除、医療控除、生命保険控除、そしていまの寡婦、老人控除、勤労学生控除、寄付金控除があるようであります。さまざまなものが現行税法の中に採用されておるようであって、これを私なりに整理をしてみますと、他のものと比較をして不公平を是正するための控除が一つある。それから医療その他の性格からいって、課税はあまりにも気の毒だ、不適当だというので控除をしておる制度もあるようであります。さらに、生命保険などを見ると、これは奨励の意味の控除かと自分で考えてみたのですが、そういうふうに控除の制度を見ますと、さまざまの奨励政策あるいは公平の原則に基づいた政策あるいは生活部面から考えたさまざまな理由があると思うのです。  その中で、私はなぜ取り上げないかということに一番疑問を持っておるのは、家計から支出する教育控除、これは論議されておるけれども、なかなか採用にならない。現在こういう十二、三種類の控除制度を見ておりますと、家計から支出する教育費、国民形成のために収入の中からさく支出に対して、控除というものがどうして行なわれないか非常に疑問である。これは企業の交際費と比較して論議をしたり、あるいは医師の必要経費との比較から論議をして、公平の原則からも論議をされて、家計から出すところの教育費についてはむしろ課税すべきでない、非課税にすべきであるという論が相当私は世論になっておると思うのですが、大臣の御意見をお聞きしておきたい。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 教育費控除という問題も所得税の課税のときにいつも一応問題になり、検討されておる問題ではございますが、これはなかなかむずかしい問題でございまして、非常に不公平が起こるということが致命的であろうと思います。所得税を納める、収入があり、それだけの力を持っている人と、所得税を納めない階級の人とあって、教育費控除がこの所得税を納める階級において認められるというのでしたら、納めないほうとの均衡をどうするか。これについては、それに対するだけの何らかの補助的な経費の支出が伴わなければ公平にいかぬというような問題がございますし、同じ教育費といっても義務教育あり、高等教育、大学教育がございますので、したがって、自分の子弟を中学だけでとどめてすぐに就職させ、そうして自分で働いておる子弟、またさらに、アルバイトしながら学校へ行っている子弟もあると思いますが、そういう家庭と、今度はそうでなくて正式に上の学校へ行っている子弟は、その授業料その他を教育費として認められて控除する制度があるとすると、その間の不公平というものが出てくるというようなことで、結局、特定のそういう教育というようなものに限定した控除というものはむずかしいというのが、これまでの結論でございまして、一般のそのための控除制というもので、扶養控除というようなことで、これを全体として引き上げていくとかいうような方法をとらざるを得ないという結論になっているのが、いままでの実際でございます。  授業料の値上げの問題で私どもが経験したことでありますが、授業料を上げることについては非常に反対だといういろいろな意見もあるようでございます。私どものところへくる個人的な意見とかあるいは投書というようなものを見ますと、自分のむすこは学校へは入れたいのだが中学で下げている、そうして自分でもう工場へ行って働いている。そして独身者でありながらもう納税しているという子供と、家がよくて大学まで行っている家庭が、いまの幼稚園よりも安い月謝で国民の税金でやるということが一体いいのかというようなことについての非常に不公平感といいますか、というようなものを訴えてくる国民層というものは非常に多いということを考えますと、私は教育費についてはどうこうというようなことを概念的には考えますが、国民感情というものは、この教育費の問題についての不公平というものをよほど調整してからでないと、教育費についての控除制というものを税制の中へ取り込むことは私はやはり適当でないような気がいたします。

山中吾郎日本社会党

○山中(吾)委員 授業料のことについていま論議してないので、必要な場合授業料の値上げもしなければならぬでしょう。私は家計から支出する教育費に課税することについての論議をしたいのです。  そこで、どうも大蔵省及び大臣の思想が、教育費の非課税というのは不適当だという思想が前からずっとあるようだ。調べてみたところが、生命保険をかけても非課税にしている。こういうことを考えたときに、国民形成の、教養のある子孫々後世に残すというために、自分の収入の中からきいて出す教育費を非課税にするということは最本適当な税制ではないか。これは現在の税制の原理は、やはり現在の憲法を原点としていつも修正すべきであり、考えるべきであると私は思うので、その意味からいっても、憲法二十六条において国民の教育を受ける権利を保障するという、旧憲法と違った、国民形成については教育を受ける権利という新しい一つの価値観がここに加えられて、私的な、親が子供をということでなくて、同時に公教育として、すべてが教育を受ける権利を有するという一つの思想の上に、憲法で保障された教育を受ける権利を行使するために、しかも人間を育てるという一つの国民形成という社会的機能を果たすために家計から支出するのを控除する、それに税金をかけるべきものでないという思想は当然出るのではないか。そして非常に貧困なものについては、そういう非課税じゃなくて、育英制度というものを充実していく。一般の国民がとにかく子孫のために支出するものについて非課税にするということは当然検討すべきではないか。年をとって働くことができない者に対する支出については控除をする、それも一つであるけれども、未来に向かって、次の子孫のために支出するものを控除するということは、老人控除に対して子供の控除というのは教育控除ですから、そういうことは当然考えられてしかるべきで、不適当であるという考え方がどこかつきまとっておるならば、古いベースでものの考え方がずっと伝わってきておるのではないかというように私は思うので、そういう角度から検討されることを要望したいのです。  私はこれを持論として主張してきておるもので、どの角度から検討しても合理性があるのだ。そうして公平の原則には反しない。一方に貧困者に対する育英制度をとる。これは補助ですから、そんな非課税なんという消極的なもんじゃないのですから、そういう積極的な対策をとり、教育を受ける権利の上に立って、みんなの収入の中から子供の教育のために支出するというものは当然控除してしかるべきではないか。大学の場合には年五十万円は使うのです。義務教育は憲法は無償としておるのに、なおかつ十分の教育費を国が出さないために、各人において平均二万ぐらいずつ支出しておるでしょう。それは義務教育の場合、当然憲法上無償で出す必要のないものを国民が出しておるのは、せめて課税だけは取り除くべきであるという思想は当然出るのではないか。だから、義務教育でない場合の大学の問題と区別をしながらでも、私は教育控除というものは十分の合理性があり、税法の公平の原則からは矛盾はない。検討すべき重要課題である。老人に向かってだけ保護しておるが、私は未来に向かった子供に対する政策というものは非常に忘れられておると思うので、それを検討されることを要望しておきたいと思います。事務当局には質問することはたくさんありますが、これは保留をしておきます。  大臣の時間がないようですから、以上要望して、一応終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 広瀬秀吉君。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣に所得税法の一部改正について質問をいたしますが、前回、総理とともに御出席をいただいた際、ことしは所得税の一般減税を見送った、老人扶養控除の新設、寡婦控除の拡充ということで、初年度七十三億の減税しかやらない、こういう問題で、これはたいへんけしからぬことである、こういう質問をいたしました。総理もやや前向きな、年内減税も昨年と同じように補正予算の段階でやるやの答弁をしたと私ども理解をしておるわけでありますが、私どもも今日まだ予算が通って間もなくのことであるから、いろいろ言いにくい問題もあるいは大臣あろうかと思いまするけれども、やはり所得減税、昨年年内減税を十二月の国会で四月にさかのぼって実施をしたその千六百五十億の効果が、二千五百三十億四十七年に及んでいる、こういう説明を幾らされても、国民はやはり納得しないわけであります。しかもこの前も引用いたしましたように、昭和四十七年度の自然増収はほとんど大部分が所得税である、こういうことになっておるわけであります。その所得税をほとんど減税しないということはどうにも納得ができないということが一つであります。  さらに、きのうの本会議における経済企画庁長官の答弁によりましても、景気浮揚のために補正予算を組まなければならない事態であろう。なるほど景気は底入れをした、これはだれも最近では異論がない。機械受注の状況を見ても、生産出荷額の状況を見ても、あるいは雇用関係については求職者が求人をかなり上回ってきているというような状況はありますけれども、大体において景気指標は底をついてやや上向きに転じたかと、一歩なり半歩なりを踏み出したかというようなことになっておるけれども、非常に景気回復は緩慢な基調をたどるだろう、こういうことは大体今日では異論のないところになっている。  そういった場合に、やはり政府の経済見通しだけの成長をことしなし遂げるということには、いまのような状況ではならぬのではないかというような感じがするわけであります。そうなれば、なるほど昨年の補正予算での公共投資の増強、こういうようなことを通じての効果が徐々に及んできているというような問題も確かに見られる。見られて、今日の状況になっていると思うわけでありますが、国民の消費支出というものが日本の場合には五〇%程度だ、これが年々やはり減少の傾向、GNPは大きくなるけれども、個人消費支出というものは総支出に対して非常に比率は減少の傾向になっている。五〇%程度だ、あるいは四九%台に落ち込むかもしれぬというようなこと。そういうようなことからいえば、やはりGNPは大きくて国民生活は貧しいという状況なんですから、そういう立場でやはり景気回復と、その個人消費の比率が非常に低いという問題意識、それは同時に国民がまだまだ貧しい段階にあるということ、そういうものに対して減税の形において有効需要をそこに求めていく、つけていく、こういうようなことが当然必要になるだろう。  こういう観点からも、私どもは所得減税を、一般減税をかなり大幅なものを、大体一・七倍くらいの需要創出効果を持っているというようなこともいわれているわけでありますから、それをぜひひとつ年内にやるべきだ、こういうことをしつこく食い下がって聞くわけでありまするけれども、大蔵大臣のこの点についての所見を伺っておきたいと思うわけであります。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 所得税は、御承知のとおり、累進構造を持っておるものでございますから、減税措置をとらなければ、これは国民所得の水準が上がると、それによって自然にもう増税になっていくという性質を持っておりますので、所得税の減税ということは毎年これはやらなければならぬことだろうと私は考えております。したがって、従来もそういう考えから毎年一定幅の所得税の減税ということは現にやってまいりました。四十六年度においては当初予算において千六百五十億円、そのくらいの幅を、昭和四十六年分の減税として当初予算のときにやりました。そのあとでいろいろ経済情勢の変化が出てきましたので、昭和四十七年の税制をどうするかということを考えたときに、一応四十七年度税制として準備されているものを年末に繰り上げて実施したというのがこの前の減税でございまして、これは千六百五十億円でございますが、私どもは、前の年にやったんだから前の年の減税だというのでしたら、これは三千三百億というのが前の年の減税と見てもいいのですが、そうではなくて、二つは区別して、あとでやったのは、昭和四十七年度分の減税である。したがって、これは二千五百三十億円の影響を今年度じゅう与えているものであるというふうに見ておりますので、減税はやらなかったというふうには見ておりません。  したがって、この次の減税はいつやるかと申しますと、普通ならこれは来年度の減税として少なくともいままでどおりな幅の減税というものはやりたいと思っておりますので、四十八年度の減税は必ずやるということを私はお約束できると思いますが、年内減税をやらないかということについては、これはいろいろ問題があって、はたして今年度の情勢で年内減税ができる情勢になるかどうかということは、いまのうち全然私は予測できないと思っております。まあようやく経済の底固めに入ったといわれておりますが、何でこれが底固めができたかと申しますと、今年度の予算が動き出したために起こったことではございませんで、前年度の財政政策や金融政策がやはり響いておる、影響しておって、ようやくいまの底固めの現象というものが出てきたのだと思いますので、今年度の財政政策がこれから実施され、動き出したら、今度はこれが経済の浮揚力に相当有効に働くだろうと私は考えます。したがって、年末において不況の回復のためのいろいろな大幅の補正予算とか大幅減税というような措置を必要とする事態には、私はおそらくならないんじゃないかというふうに考えております。今年度の財政政策はこれから有効に働き出すところでございますし、今年度としての金融政策においてはまだ検討の余地がございますので、ただいま検討いたしておりますが、こういうものが適切に打たれるとするならば、私は別に大きい補正予算を必要とするような事態にならなくて済むんじゃないかというふうにも考えておりますので、したがって、年内減税をやるだろうというような予想はいまのところ全然持ちません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 企画庁長官のきのうの本会議における景気見通しよりは、かなり大蔵大臣は甘い景気見通しを持っておられるわけで、また、この間の佐藤総理の答弁よりも、むしろその面では年内に減税を求めるわれわれに対して後退したかの感を抱かせるような答弁で、この点はこれからの大型予算が動き出してどうなるかという問題とも関連をしますから、ここでやりますという確たる答弁はできないにしても、どういう条件ならば年内減税もやらなければならぬという、そういうお考えはやはりあるだろうと思うのですが、その点、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は、昨年度年内減税をやったことは非常によかったと思っております。あれは延ばさなくて年内にやったほうが非常によかった。現にその効果はいま出ておると思っておりますので、年内減税というものは非常にいいものだったと思ってはおります。  しかし、やはり減税は減税で年度年度区別して、年度の予算編成のときに財政政策、金融政策と一緒に政府としてやるのが一番いいことじゃないかというふうに考えます。一々減税はしたんだしたんだと弁解しながらいろいろその政策の実施に当たるということもなかなかつらいものでございますし、これはやはり年度年度区切りをつけた減税が一番はっきりして私はいいと思います。だから、私が引き続き大蔵大臣ということはありませんでしょうが、あったら、年内減税はやりません。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 最後のところは、もういずれにしてもそう長くないかもしれないと思いますが、年内減税をやらぬという大臣なら、もうやめてもらったほうがいい、こう言わざるを得ないわけです。これは水かけ論になりますからこれ以上は申し上げませんけれども、四十六年度の物価上昇率も政府見通しの五・五%を上回って、修正見通しまで上回って五・八あるいは六%に近いものになっている。これはもうはっきりしている。ことしも五・三%の見通しを立てておるけれども、おそらく六%近くにはね上がる可能性がある。国鉄運賃をはじめ公共料金の値上げというようなこと、あるいはハイヤー、タクシーの値上げとか、そういうようなものの値上げなど軒並みにメジロ押しに並んでいる。この値上げというものから見れば、おそらく相当大幅な物価上昇にもなるだろう。またこの春闘で相当な賃上げというようなことにもなっている。こういうようなことを考えれば、やはり年内減税をやらないと、かなり増税感が、特に給与所得者を中心にして非常に強まってくるということは私は変わらないだろうと思うのです。  去年やった減税がことしに効果が及んでいるという言いわけをしたくないから、年度の初めに思い切ってやりたい、こういう御意向のようでありますが、税調の答申を見ましても、なるほど財源の関係で今回はある程度見送ってもやむを得ない、こう言いながら、しかし必ずしも減税を行なわない十分な理由にはならないんだ、こう税調でも指摘しておられるし、しかも最後のところでは、できるだけ早い機会に減税をやるべきであるということも言っているわけですね。これは何も税調がそこまで言ってはならぬということではない。しかし、いずれにしてもそこまで言ったということは、明らかに四十八年の三月なりの国会でそこで減税をやれというようなことを、四十八年度の減税をやりなさいというようなことを言っているのではない、そういうように見るのがこれは当然なんですね。そういう問題もやはり踏まえて考えなければいけない、こういうように思うのでですが、税調の答申でそういうことを言っていることについて、なるべく早くやれということを言っている点については、これは税調の答申は全く聞く耳持たぬ、こういうことでございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 税調の考えはあなたと大体同じ考えのようでございます。できるだけ早く減税をやることが望ましいというような意向が税調の中にあるということは確かでございますが、それは十分頭に置いて、今後の経済情勢を見ながら対処しようと考えておりますが、ただ、いまのところ、不況が年末にいっても解決しないで、大きな減税をしなければならぬ事態に追い込まれる可能性があるかどうかということにつきましては、そこまでいかなくて済むのではないかというふうに予想を述べているだけでございまして、問題はやはり経済情勢によっていろいろ対処すべき問題であろう、これは真剣に考えております。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 この点は、税調のそういう答申も、税調も単に税の技術面だけのものではなくて、やっぱり景気の見通し、経済界の全般の状況、こういうようなものを十分勘案した上で、この四月一日からということについては財源の問題等いろいろな問題を考えてやむを得ないだろうと言ったけれども、なるべく早くやれということは、年内にもそういう状況というものがくるであろうし、またやるのが正しいことであるという指摘をされておる、このように思うわけで、いま最後におっしゃったような態度でこの問題について対処をしてもらいたいと思うわけであります。  そこで、減税をやりたくないという気持ちには、やはり課税最低限などがもうアメリカ、フランスに次いでかなりよくなってきている、国際水準から見て決してもう課税最低限は低くないんだ、こういうような気持ち、さらに税負担も低いんだ、こういうような気持ちがどこかにあるだろうと思うのです。  そこで、ひとつ伺いたいのは、木村禧八郎さん、これはもう説明を要しない人でありますが、この人がことし「四十七年度予算の特徴と問題点」というパンフを出されたのですが、これはちょっと数字は古いのです。しかし、このことは非常に重要な問題点であろうと思うので申し上げますが、税負担が軽いんだから、受益者負担を増大させ高福祉高負担に持っていくのだというようなことは必ずしも正しくないということを指摘されているわけです。特にその中で、税負担率などを比較したあと、所得から税負担を差し引いたいわゆる可処分所得、これを一人当たりについて見ると、日本はこれこれであり、アメリカはこれこれであるという数字をずっと並べられている。これをさらに消費者物価の上昇というようなものを引いて実質可処分所得というものを比較してみると、日本がその実質可処分所得については一番低いんだという数字が出ている。大体ここに引用されておるのは日本のほかはアメリカ、イギリス、西独、フランス、イタリア、こういうようなところなんですが、この国について一番新しい数字で、これは主税局長に要望しておきますが、可処分所得、それから物価でこれを調整した実質可処分所得というものの、いま申し上げたような国についての比較表をつくって資料としてお出しをいただきたいわけですが、いかがですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 的確な諸外国の数字が十分とれるかどうかわかりませんが、集めてみます。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 大臣、第二に質問をいたしたいのは、青色申告者については、青色申告の個人事業主については若干の配慮がなされてきておるわけで、これはたいへんけっこうなことであります。そこで、白色申告者との間にきわめて大きな差ができつつある。これは前回農業所得者について阿部委員も質問をいたしたわけでありますが、その中で、青色申告者についてはもうすでに家族専従者というものに給与制が認められ、これは最初は一定の限度を設けたけれども、今日では常識的に社会的に通用する程度ならばということで、言うならば青天井になっている、こういうことであります。ところが、白色申告者の家族専従者の場合に、特に目立った不合理というのは、配偶者であっても、白色申告の専従者という場合に十七万ということです。もちろん、これは事業所得の金額を専従者の数にプラス一した数で割った金額のいずれか低いほうというのですから、大体十七万が当てはまることはまず間違いないわけであります。そうなれば、扶養で一般の配偶者控除という場合、給与所得者の配偶者控除という場合あるいは事業所得者の単なる配偶者控除、専従者でなくて配偶者控除、これはことしは二十万になるわけでありますが、十七万ということは一体どういうことなのかということで、これはきわめて取り残された、税制改正から全く忘れられたものではないかというように思うのです。白色申告者の配偶者であって家族専従控除という場合に十七万というのがいまでも残っているわけですね。そうすればだれも――専従者は実際に働いているのです。おやじさんが仕入れをやって、おやじさんと一緒に奥さんが店に出て毎日物を売ったりしているわけです。そういうような専従者というものの専従者控除は十七万だ。したがって、これは当然選択でいきますから、専従者としないで、配偶者ということで二十万の控除を受けるだろう、こういうことになるわけだけれども、十七万ということの意味は、それはおそらく、なるほど子供のような場合には十四万よりは十七万のほうがいいという選択はできるでしょう。しかし、やはり奥さんの場合も家族専従者の中に入る。そういうものが白色申告者で夫婦かけ向かいで商売をしているという場合には非常に多いわけです。ところが、依然として十七万というようなものが残っておるということが非常に問題だし、青色申告について、優遇措置が次々に講じられてくるものと実態がきわめて同じであって、その分を経費として認めない、十七万までしか認めない、こういうような行き方というのはどうもちぐはぐに過ぎないかという気がしてならぬわけであります。  この点について、白色申告だって青色申告だって、たまたま帳簿が整わないために青色になれないというだけで、実態は全く同じだというものについてこれだけの差がある。片方は、言うならば野放しの青天井の給与を支給することができる。しかもそれはちゃんと経費で落とせる。片方は二十万か十七万かどっちか選ばなければならない。もちろん二十万を選ぶでありましょうけれども、これは非常に片手落ちだと私は思うわけです。これはいかがですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 白色についての専従者控除は、ただいまの御質問の中にも出ておりましたように、現在では配偶者については全く働かない制度になっております。扶養家族の場合に働く制度になっておるわけであります。それで、青と白とでそう違わないと言われましたけれども、そこは税の上では、やはりすべての面が記帳されておるという点と記帳がないという点では本質的に違うというふうに考えるわけでありまして、その点で白と青とでは区別して考えるというのが基本的な考えであります。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 主税局長が答弁しても、どうもそれは全く納得がいかないのです。パートの奥さんが働いたというような場合でも、三十一万七千五百円まで、これは御主人の扶養控除として二十万円の控除ということのほか、奥さんはそれだけの収入をちゃんと得て、なおかつ給与所得者の奥さんの場合は配偶者としていられるわけです。白色申告者の奥さんの場合だって、そういうものをやっている人はそれだけのかせぎがあるわけです。ところが、自分の店におやじさんと二人で働いている場合、給与所得者の奥さんの場合でも内助の功というものはあるけれども、そういう一般の給与所得者の奥さんのやっている程度のことをやったほかに、さらに店に出て小売りをやっている、専従者としてやっている、こういうものとの間に、一般給与所得者の奥さんの場合と全く同じに扱うという問題は、非常に問題だろうと思うのです。そういう両者の均衡というような問題から、白色専従者である配偶者、これについてはあまりにも置き忘れられ過ぎてはしないかということなんです。この点はひとつ大臣、答えてください。この点、少なくとも改善の必要ありと私は思うのですが、大幅にこの控除を引き上げるなり何なりすべきだと思うのですが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 青色申告者を優遇して、できるだけ納税者の多くに青色申告になってもらうということが一つの方針でございますので、したがって、白色申告者でもできるだけ早く青色申告者になってもらうということを最も考えております以上は、白色申告であっても、記帳がない質的に違う申告者であっても、青色申告とほとんど同様な扱いを受けるというところまで優遇されたら、これは白色申告として制度としての定着をねらってしまうことになりますので、やはり青色申告との区別があっていいんじゃないかと私は思います。そう特別にひどい区別があるということは、これは現実の問題としては問題でございましょうが、しかし、税制としては、これは区別がなければほんとうは制度としてはおかしいということで、できるだけ申告を指導して青色申告に持ってくる努力をもっと積極的にすべきだと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 そういう政策意図はわかります。しかし、課税の根本というのはやはり実態課税でしょう。片方は御主人と奥さんで店をやっている全く同じような店である。片方はなるほど帳面はしっかりつけている。それで青色申告ができる。奥さんの月給を幾らでも経費として落とせる。これは五十万なり六十万なりという程度くらいは出せるわけです。税務署もその程度ならばまず文句は言わない。ところが、片方は全く同じ仕事をやっているのです。そういう場合に、白色である、どうも帳面をつけるのが苦手でどうにもならない、そういう状況なんです。しかし、実態は同じだという場合に、白色の場合に配偶者扶養控除として二十万円を選ぶ。専従者ではなおひどいから二十万円の配偶者ということで、専従でいるのだけれども、実際には専従者なんだけれども、単なる配偶者としての控除二十万円を受ける、こういうことになっている。これはあまりにも実態を見た場合に不公平に過ぎないか。なるほど、われわれは基本的には常識的に家族専従者である場合に、その専従者に給与を白色にも認めて、それが非常識でない限りにおいては認めるというような、ある程度の限界をつくってもよろしい、こういうようなことで給与制というものに移行すべき段階に来ているのだ、このように思うわけであります。しかし、それがいまあなたがおっしゃった理由でできないとするならば――それにしても、この店で朝から晩まで働いているという、その専従している状況というものに対して、あまりにもつれない仕打ちであるというものであるから、これはかなり大幅に白色申告者の事業所得の場合には、配偶者控除というのも、特別な措置というものをとりあえずやる。そして次には、ある程度の常識的限界を付しても、給与制に移行する、こういうような方向に私は行くべきであろう。そしてそういう中からなおかつその上に今度は青色申告控除というようなものも設けられて、これはこれなりにけっこうですけれども、さらにそれだけの差もつくわけですから、そういう点では、実態課税という原則からいっても、そう極端な差をつけて実態課税を無視して不公平な課税をやりながら青色申告を強制するということは、これは税の基本からいってまさにさか立ちではないのか、こういう感じを受けざるを得ないわけですね。その辺のところをもう少し配慮のある答弁を私は求めます。   〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 一つは配偶者控除と専従者控除の関係でございますが、過去におきましても、最近に至って配偶者控除の額のほうが専従控除の額のほうを上回って、配偶者控除との関係において専従控除が働かなくなっているというわけではないわけでございまして、ずっと以前から、いろいろな経緯がありまして、多少一、二年特例的な年がありますが、いま手元にあります資料では、十年くらいの間、ほとんどすべての年において配偶者控除のほうが専従者控除よりも額としては多くなっております。でございますから、わが国の場合に、白の専従者控除というのは、主として扶養控除との関連においてそのメリットが認められているという経過でございます。  それから、青と白との関係で、差が大きいか少ないか、多過ぎるかどうかという問題でございますが、この点はなかなかむずかしい点で、あるいは青の優遇が過ぎるのか、白が低過ぎるのかわかりませんが、差が大きいということかもわかりません。しかし、いずれにしても、白はなかなかどういう実態かわからない。たとえば、同じだとおっしゃいますけれども、白の配偶者は具体的にどういう仕事をしておられるか、個別個別の企業についてどういうポジションにあるかということは、実際の帳面がなくてもいいという前提でございますから、どのようなポジションでどういう役割りでもってどういう仕事をしておられるかということは、全くわからない、そして一応いろいろないわば外形的な標準を前提として課税が行なわれるという前提になっておるわけでございますから、それを前提にして考えた場合に、現在の青と白との差が大き過ぎるか、どうか、これはいつも私どもも白色の方からはそういう不満を聞いておりますし、青のほうは全部ガラス張りであるのに比べて優遇の程度が少ないということで、非常に強い不満が青のほうから出ているわけでございまして、そこのあたりはどのあたりに公平のポイントを求めるかということであろうと思いますが、今回の十万円の制度が設けられましたにつきましても、私どもといたしましては、本来現在の所得税の制度は申告制度が前提になっておるわけでありまして、そしてその場合にはきわめて簡易なものを前提にしておりますけれども、ある程度の記録ということが常識的には考えられるわけでありますから、それを前提として考えました場合に、制度的には白が原則で青が特例という形をとっておりますけれども、現在青のほうがすでに五〇%をこえておる状況からいたしまして、必ずしも私は青においてそう優遇し過ぎるというようには思っていないわけでございます。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 なぜ簡単な記帳ぐらいができなくて白が不当に差別されておるというなら、それじゃとてもいけないからといって青に変えるぐらいの努力とかあるいはまた当局側の指導というものができないかということをいま質問しておったのですが、人によっては白のほうが有利だといって青にならない層もあるし、なかなかそこのところをどの辺でこの均衡をとるか、不均衡というが、そこのところが実際問題としてはむずかしいという話を聞いておりますが、これはもう少し検討させていただきたいと思います。

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 国税庁は、いわゆる効率表とか標準率表とかいろいろなものを使って、白の場合に推計課税もやっているわけです。そうすれば、そういうものなどがきわめていいかげんなものだということに、あなたのおっしゃっていることを逆な立場から見れば、そういうことにもなるのですね。したがって、白はよほどうまいことをやっているのだ、脱税をやっているというならば、そういう前提というものを置いてものを言っていると思うのです。いろいろな事情で記帳を毎日やるということがどうにも煩にたえないというようなこと、これは指導をして、青をやったほうがむしろ正しい、気持ちのいい納税もできるのだというようなことに指導していかれることは大いにけっこう、そういう方向も私どもも望ましいと思っております。しかしながら、実態が同じで、特段に白が有利だから――そういう人も中にはいるでしょう。しかし、そういうものでおかしいと思うならば、もっと実態をそういう面で把握をして、効率表なり何なりというようなもので推計する場合の基準というようなものもあるのだから、そういうようなものをより正確なものにするというようなことで、そう白のほうが有利なんだ、それだけのことでもってやっているというようなことではない、実態が全く同じでそれだけの差があるということは、やはり事情があってなかなか青に移れない人たちに対して、特に配偶者が専従者として働いておるという場合に、片方は二十万円、片方は事業から給与を得るという形において五十万なり六十万なりというものは必要経費になる。あまりにも大き過ぎる。その上に青色申告控除が今度創設をされる。これで十万円ということにもなる。これはこれで私どもはけっこうだろうと思うのです。これではまだ足りないというくらいの気持ちを持っておるわけですから、これはこれで一歩前進である。特別経費準備金というようなややこしいものよりはよほどすぐれたものであると思っているわけですけれども、白との関係においてどうももう一つ何としても不公平感を免れない。青色申告を助長しようという政策意図でその不公平を弁護し得るものではない、弁護し得ざるほど不公平が拡大している。この現実をどうするかということであって、もう少し前向きの答弁をしていただかなければ引き下がれないと思うのです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 問題は、やはり実態は同じであるのに現実には特にそういう大きい差別があるのはどうかという、あなたの言われるのはもっともであって、この問題はこの問題として私どももこれを認めておるわけでございますが、問題は、それを認めて、もしこの差を縮める、あるいはなくすということをしたら、申告制を本則としているいまの制度において、無申告でいいという制度はできるだけやめて、青色申告にみな変わってもらうような指導をいましておるときに、政策的に見たら、この差があることによって結局青色申告に移ってもらうということ、これが実際でございますので、その政策的な問題といまのこの問題をどう一時暫定的に調整することがいいかという問題、なかなかこれはむずかしい問題でございますので、もう少し検討させていただきたいと思います。   〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕

広瀬秀吉日本社会党

○広瀬(秀)委員 きょうは約束の時間がありますので、まあ十分検討するということですから……。これはおそらく、白色申告者から違憲訴訟でも出されたら、もう大蔵省が負けるケースだと私は思うのですよ。そういうつもりで十分真剣な検討をして、われわれの主張が実現されるように強く要望いたしまして、きょうはこれで終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 二見伸明君。

二見伸明公明党

○二見委員 大蔵大臣に所得税、法人税に関してお尋ねしたいわけでありますけれども、税制の背後にはやはり現在のわが国の経済の実情というものがございますので、最初にわが国の経済の実情、景気の実情について、大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。  日本銀行の月例報告によりますと、力強さには欠けるけれども、景気はゆるやかな上昇へのきざしを見せ始めていると、きのう発表された日銀の月例報告では述べております。また総理大臣も、きのうの本会議では、景気拡大策の効果が広範囲に浸透し、徐々に回復に向かい、おそくとも年度の後半には安定成長の軌道に乗ると考えると、こういう答弁をされておるわけでありまして、わが国の景気が底入れになって、これからゆるやかではあるけれども徐々に上向いていくであろうという、こういう観測であります。  ただこの場合、先ほどの大蔵大臣の御答弁を聞いておりまして、私は閣内で多少意見の違いがあるのじゃなかろうかと思います。というのは、木村経済企画庁長官は六日の四日市の記者会見で、景気は底固めに入ったが、民間企業の設備投資は一向に盛り上がってこない、このため、景気のてこ入れ策として補正予算を組むほか、大幅な所得減税をする必要がある、こういうふうに木村経済企画庁長官は言っているわけです。底固めに入ったけれども、景気が上向いていくためには補正予算を組まなければならない、大幅な所得減税をしなければならない、こう言われております。ところが、ただいまの大蔵大臣の御答弁ですと、補正予算の必要はない、所得減税の必要はない、こう言われておるわけでありますけれども、この見解の相違については、大蔵大臣いかがお考えでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 私は企画庁長官がそう言ったということは存じませんが、きのうでしたか、企画庁長官を中心にする月例報告を私どもは聞いたばかりでありまして、その席ではそういう話は全然出ませんでした。問題は、この最近の情勢を言う場合には、最近というとこの四月まででございますから、そうすると、いま出ている景気の状況、経済の状況というようなものは、昨年度のいろいろな財政金融措置によって影響されているものであって、それで底固めというような、もうこれ以上は落ち込まないというところへはっきり来ているという以上は、これからが徐々に、非常に緩慢ではあっても、上向きするであろう、その浮揚力は何かというと、今回国会を通過した新年度の予算であるということでは閣僚の皆さんの意見も一致しているのですから、この大きい予算が動き出すことによって景気というものは相当浮揚力を与えられるというのが閣僚の皆さんの一致した意見でございましたので、その結果を見ないでこの五月早々さらにここで補正予算をつくらなければならぬとかなんとかいう意見が企画庁長官から出たということは、ちょっと私意外で、考えられませんが、そう言ったのじゃないのじゃないかと思います。これを見た上で、さらに景気の上昇力が足らぬというときには次の考えをしなければならぬということを企画庁長官としては言ったのじゃないかと思いますが、きのうはそういうことでございました。  で、もう鉱工業生産も、この六カ月間、大体わずかではありますが前月比増が続いておりますし、出荷もそれにつれて出ておって、在庫は非常に改善されている。特に流通段階における在庫は非常によくなってきておりますので、明るさははっきりそこに出てきておる。いろいろな一連の経済指標から見ても、底固めの段階に入っているということは、これは大体間違いないのじゃないかと私は思っております。したがって、予算の動き出し方、それからさらにまた、いろいろ金融政策そのほかで景気と関連して考えられる政策はたくさんございますが、国際収支の問題からくるいろいろな対策もございますので、これを続いて政府側として抜け目なく手を打つことによって、私は、最初予想したとおり、今秋ごろからの景気上昇というものは期待できるんじゃないかと、いまのところはそう考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 大蔵大臣は予算が動き出すことが一つの浮揚力になる、と同時に金融政策も行なうという御答弁、お考えがいま明らになったわけでありますけれども、金融政策としてまず考えられるのは、公定歩合の引き下げであります。いろいろな報道によりますと、――大蔵大臣は、預金金利をまず下げたいという意向がおありかどうか。預金金利を下げるということは、当然これは公定歩合を下げるということのからみになってくると思います。これは近い将来おやりになる気でございますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま申しましたように、要するに予算が通過したということは、一応政府の財政政策に基づいた予算が動き出すということでございますので、この次にこれに関連して行なうべき政策はまだこれからたくさんあろうと思います。ことに国際均衡の回復という点については、まだまだ関税の問題あり、輸入自由化の問題あり、一連のいろいろな国際経済と関係する問題、貿易政策もございましょうし、金融・金利政策もございましょうし、こういうものをまた一応総合的にここでもう一ぺん考えて、急速な対策をとりたいといま考えておるときでございますので、個々の問題についての内容はまだここにちょっときょう申し上げるだけ熟しておりませんが、一応そういうことを私ども考えておりますので、したがって、これは景気浮揚については相当の影響を持つだろうというふうに考えておるわけでございまして、まだまだいろいろな個々の問題については成案を得ておりませんので、もう少し時間をかしていただきたいと思います。

二見伸明公明党

○二見委員 私、ちょっとその点まだ固まっていないというお話でございますが、大まかなことでいまの点についてお尋ねしたいのですが、これからの段階で、あるいは半月後になるのか、一カ月後になるのか、それはいろいろ情勢をにらんで大蔵省のほうでもお考えになるのだろうし、いろいろ御意見も出すのだろうと思いますが、いまの段階で、あるいはこれから半月、一カ月あるいは二、三カ月でもけっこうですけれども、きわめて短い間に公定歩合を引き下げなければ景気が回復できないというふうに大蔵大臣は認識されておりますか、その点いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 公定歩合の問題は、これは日銀の権限でございますので、私は申しませんが、国際情勢から考えまして、まだ日本の金利の水準を引き下げるということが必要になる場合も、私はあるように考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 もう一点、預金金利を下げるということも必要だというふうに大蔵大臣はお考えになっていますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 預金金利の問題は影響が大きいので、私どもはいままで慎重な考えを持ってまいりましたし、昨年の公定歩合の引き下げのときも、預金金利とは一応関係なしの公定歩合引き下げを行なったようなことでございますが、国際情勢の変化によって金利水準を下げなきゃならぬというような問題が起こる場合には、今度は預金金利の問題にも当然関連してくることではないかと思いますので、そういう場合には当然検討の対象になるんじゃないかと存じます。

二見伸明公明党

○二見委員 私はいまの段階で、たとえば預金金利を引き下げるということが、正直言ってあまり説得力のあるものだとは考えられない。一つは物価の上昇も、これは預金金利ともからんで出てまいります。物価が上昇しているまっ最中に、預金金利を引き下げることが可能なのかどうかという問題があります。私は、預金金利の引き下げはやるべきではないと考えております。  それからもう一つ、大蔵省の中ではこういう考え方があるそうでありますけれども、預金金利を引き下げる。この場合、郵便貯金はいままでどおりとする。そのかわり、見返りとして、利子分離課税については四十八年の一月一日から現在の二〇%を二五%に引き上げますね、予定では、それを見送るとか、あるいはマル優のワクを拡大するとか、そういうことの見返りとして預金金利を下げるのだ、こういう考えが大蔵省の中にはあるようでございますけれども、そういう無理をしてまで預金金利を下げる必要があるのかどうか、私はその点非常に疑問に思っておるわけでありますけれども、大蔵大臣はいかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 いま申しましたように、まだそういう問題は結論をつけている問題ではございません。

二見伸明公明党

○二見委員 私は、まだ結論が出たことについて大蔵大臣の御意見を伺っているのではなくて、そういう意向がありますので、そういう意向についての大蔵大臣の率直なお考えを伺いたかったので、結論が出ていないなどとおっしゃられずに、大蔵大臣の御所見を私は伺いたいんですが、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これはいつも申し上げているとおり、これから非常に影響の大きい問題でございますから、慎重に考慮いたします。

二見伸明公明党

○二見委員 ところで、景気の問題にもう一つからんで申しわけありませんけれども、景気がこれからゆるやかにしろ回復に向かうための前提として、私はやはり円の再切り上げの問題がどうしても出てくると思います。これは去年の本会議でもって福田さんがいみじくもおっしゃいました、頭の片すみにはない、ほんとうは頭のまん中にありましたということがありましたけれども、私はあれはほんとうだろうと思います。大蔵大臣は責任者の立場として、円再切り上げは絶対ないとおっしゃるのは当然だと思います。また、ここで円再切り上げがあり得るなんという御答弁は、口が裂けてもおっしゃられないことは私はよくわかっておりますけれども、ただ、たとえばこのまま予算が実際に動き出していく、それに金融政策がからんでくる、そうした形で景気を回復していけば、それでもって円の再切り上げが回避できるのか、それとも、円の再切り上げを回避するためには別の手だてを必要とするのか、その点についてはどうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 おとといの晩でしたか、私は米国のたとえば輸銀総裁という人たちと会ってきた日本の人のお話を聞きましたが、日本の新聞では、円の再切り上げについて米国側が発言したというふうに報道されて自分は弱っているという弁解をしたそうです。そういうことを全然考えていないのに、日本に行ったら、みんな朝野円の再切り上げということを興味をもって言っているので、日本はほんとうにやるつもりかしらということを向こうに行ってふしぎにして反問したことが、逆に自分が発言したというふうに報道されてえらい迷惑したという弁解をしておったそうですが、最近欧州諸国に行ってきた人たちの話を聞きましても、各国とも、今後どういう問題が起ころうとも、国際収支の不均衡が各国に出ようとも、それを解決する手段として直ちに通貨の調整というような手段によることは避けようじゃないか、一ぺんきめたあれは相当期間みんな守ろうじゃないかという空気はあって、だれもお互いに切り下げ、切り上げをもう一ぺんやろうとか、日本にやれと言っている者もないと言っているのに、そういう議論が横行しているのは日本の国内だけだということを言われて、一つも得のないことじゃないかと言われたのですが、あるいは私は実際にそうじゃないかと思っております。  したがって、いま円の再切り上げというものをやろうとしている人もありませんし、そこへ追い込まれる懸念というものも、いまのところない。国際収支の不均衡がもっとひどくなったというようなときには、別個の形であるいはいろいろな措置がとられるかもしれないという心配はございますが、円の再切り上げということの心配は、私は実際においてないんじゃないか。したがって、その心配ではなくて、国際摩擦が激しくなって、ほかの形になっていろいろ国が国際社会の中において不利益をこうむることがあってはなりませんので、やはり国際収支の均衡ということについて政府としてはもっと真剣な考えをすべきだということでございまして、この点さえ今後抜かりなくいけば、私は問題はないんじゃないか、こういうふうに考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 その国際収支の均衡ですけれども、外貨政策ということばを使っていいかどうかわかりません。ただ、衆議院の予算委員会の分科で大蔵大臣が御答弁されているのを私、記憶しておるんですが、外貨政策には二通りある。一つはいわゆる国際収支を均衡させるという面がある。これが本筋である。第二はたまり過ぎた外貨をどうするかということ、これは非常に表面的なものである、ただ単にみせかけを少なくしても意味がないんだ、こういう意味の御答弁を私は記憶しております。確かに外貨の問題については、一つにはやはり国際収支を均衡させる、均衡させるためにはどういう手を打つかということが本筋だろうと私は思う。もう一つは、やはりたまり過ぎている、あのときの大蔵大臣の御答弁は、たしか現在百六十五億ある、その中からSDRその他を引いて百十六億ドルくらい、そのうちの半分、約六十億ドルくらいは活用してもいいんじゃないか、それについては四月一ぱいで検討したい、四月一ぱいで結論を出したい、こういう御答弁がございました。  国際収支を改善するという本筋の問題と、たまり過ぎている外貨をどうするかという二つの面でちょっと御意見を伺いたいのですけれども、まずたまり過ぎているほうですね。これについては、外為会計を見送る、そのかわり、それに見合うだけの有効な措置をとりたいというふうに通産大臣との間で話し合いがついたというふうに私は聞いております。これはどういう内容を含んでいるのか、その構想をお示しいただきたいことと、たとえば米国の長期債というものを買うということも考えておるのかどうか。この点、まずたまり過ぎた外貨のほうからお尋ねをしたいと思います。  もう一つは、国際収支を均衡させるという面で、やはり日本商品が海外にどんどん出ていくことになるわけですね。あるいは輸入と輸出のバランスになると思います。それはどういう手を考えているのか。これ以上あぶないという場合には、輸出税というようなものも緊急処置としてはやらなければならないというお考えがあるのかどうか。そういう二点について御所見を承りたいんですが、いかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 外貨の活用策としましては、たとえば為銀に預託するということもあります。これによって、今後外国からの短期債がふえない処置でもあるし、あるいは逆に肩がわりとなっている場合もありますし、りっぱな活用策でもございますので、預託という手が残されておりますし、また全部これを流動性を重視するあまり短期証券にばかり運用するという手はございませんので、もう少し有益性を考えた運用のしかたを考えていいということでしたら、中・長期債を購入するとか、あるいはさらにたとえば世銀債を引き受けましたが、こういうことによって外貨が有効に活用されることになりますので、そういう点も、活用策と考えられる点は四月中にどんどん実施に入っておりますので、したがって、今後毎月、予想されておりましたように外貨がどんどん蓄積がふえるというような状態にはならないだろうというふうに考えます。  さらに一方、積極的にこの外貨が何か輸入の増大に関係させられないかというような構想はいろいろなところから出ておりますので、輸入ユーザンスを外貨預託によって延長して、そして原料を備蓄するというような措置ももうすでに考えられております。そうかといって、それを専門にするために別に国家機関を必要とするかどうかということになりますと、またこれは国会によって法律なり予算はきめていただかなければ、政府がかってに実施できる問題ではございませんので、そう簡単なことではございませんし、当面できる問題といたしますれば、まず対外援助の問題と関係して輸銀法その他の法令の改廃が必要となってくる部分も考えられますので、あわせて輸銀にたとえば外貨を預託することによってそういう機能を果たしてもらえるかどうかというようなことも、まだ結論はついておりませんが、検討事項になっていまして、これは関係者の間にそのうち結論が出るものと思っております。そういう形で外貨の活用は私は、十分行なわれると思います。相当額行なわれるのではないかと思っております。いまお尋ねの中・長期債、これは当然運用としては考えるべきことであるというふうに思います。  それから、外貨がふえないための本筋的な対策といたしまして、何といっても予算が動き出したばかりでございますので、それが有効に動いていくことによって内需が拡大してくれば自然に直ってくることでございますが、いまのところ相変わらず黒字基調とはいうものの、いままでの貿易はもとの値段で成約されておったときのものでございますが、いよいよ新しいレートによる成約というものができる時期になりますと、だいぶそこで輸出は伸びが鈍っておるということははっきりしておりますので、七月以降から相当輸出が鈍り、反対に、いまの調子でいきますと輸入がどんどんふえておりますので、ある程度いい姿になってくるのではないかと考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 中・長期債を買うということについて、これは私の個人的な考えでありますけれども、たとえばアメリカの中・長期債の場合には、アメリカのドルの価値が非常に不安定な中・長期債を買うということは、私は非常に疑問があると考えております。  それからもう一点、これは確認でございますけれども、七月以降になりますと、輸出が伸び悩んで輸入がふえてくるので、かなりいい姿になってくるのではないかという見通しをいま大蔵大臣はおっしゃられたわけでありますけれども、こういうことはわからない。先の予測というのは当たる場合もあるし当たらない場合もあるわけでありますけれども、緊急避難的な立場として、たとえば輸出課徴金というようなものは、場合によっては今後――それは一カ月後とか二カ月後という短期の問題ではなくて、今後の方向としてはそういうものを考えなければならないというお考えはあるのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 特定の商品が特定国に集中していくとかいうような貿易の姿をある程度是正できるような行政指導が行なわれるということでございましたら、そういうような問題にまではならないのではないかというふうに思います。

二見伸明公明党

○二見委員 ところで、今後の税制について、その大筋をお尋ねしたいわけであります。これは大蔵大臣にお尋ねするわけでありますけれども、主税局長がお書きになったものの中に、非常にもっともなことがあります。要するに、去年の長期答申に関して、この長期答申ができる背景について、最初はいろいろ経済の――しかしまとめる直前において経済の情勢が変わってきたということでもって、こう言われています。「こうした国の内外を通ずる経済情勢のめまぐるしい変動を背景として、長期答申がよるべき長期的な経済見とおしは何によるべきかがあらためて議論された。これまでは、昨年五月に」、昨年というのは、いまでいえば一昨年になりますが、「閣議決定をみた新経済社会発展計画があり、これを除いて他に頼りうるものはないところから、調査会はいわば余り疑問を抱くことなくこれを基として審議を続けてきた経緯がある。しかし最近に至って新経済社会発展計画で予測されている見とおしとは、かなり異なった面が明らかに見いだされてきているので調査会の委員の中からも、これを重くみて、新経済社会発展計画に必ずしもよる必要がなく、もっと独自の見とおしを立てて、それに応じた租税政策の方向を長期答申で示すべきではないかという疑問の提起がされたわけである。結局、この点について論議の末、答申のための時間的制約もあるために、答申の序説で「今後、情勢の変化がさらに明確となり、その見直しが行なわれ、新たな経済計画なり政策体系なりが樹立されることが予想されるが、その場合には租税政策についても、これらの情勢の変化に即応しうるよう配慮しなければならない。」と付け加えることで大方の意見がまとめられた。」こういうふうに主税局長お書きになったわけでありますけれども、現在、新経済社会発展計画が改定作業に入っていますね。改定された段階で、昨年七月に出された長期答申というものは、これはそのものを改定するなり、見直しするなり、部分修正するなりということをなさるのかどうか。その点、どうですか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 税制調査会でこの長期答申というのを絶えず出すことにきまっているわけではございませんで、新経済社会発展計画の改定作業が行なわれた場合に、直ちに必ず昨年八月の長期答申を変更するような意味での長期答申がまた出されるかどうかということは、よくわかりません。これは税制調査会の委員の皆さまの御意見によってきまることであろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、この夏から秋にかけて行なわれますところの新経済社会発展計画の改定作業では、従来よりかなり大幅な改定が行なわれましょうから、その結果を見まして、去年の八月の長期答申のままでよろしいか、あるいはこれを手直ししなければならないかという検討が行なわれるでありましょうし、その結果これを手直しする必要があるということになれば、新しい発展計画のもとにおいて基本的な考え方がまた示されるのではないかと想像するわけでございます。

二見伸明公明党

○二見委員 やはりいまのことに関連すると思いますけれども、大蔵大臣は三月三十日の暫定予算のときの予算委員会で、これは私がお尋ねをしたときに、新経済社会発展計画が改定した場合には、財源計画を当然やらなければならない、そのための研究を現在しているところである、こういうふうに御答弁になりました。もちろんまだ計画の改定が終わったわけじゃありませんので、財源計画は固まったと私は思いませんけれども、大筋はこういう方向で行きたいという、その方向は明らかにされる段階に来ているのかどうか、その点をまず伺いたいことと、もう一つは租税負担率、いまたしか一九%ぐらいだと思いますけれども、これを今後大蔵省としては引き上げたいという意向があるのかどうか、その点はいかがでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 新経済社会発展計画ができませんと、やはりいろいろな施策のものさしというものを欠くことになりますので、どうしてもこれがほしいということでいま作業を急いでおりますが、やはりこれができませんと、まずいま国会でいわれております今後の福祉政策の計画が立たない。一応の見通しというものをここでつくらなければいけませんので、この計画と見合ってこれから五年なり十年なりの社会保障制度の充実のしかたとか、こういうようなものが自然に出てきますと、すでに社会投資の面におきましては、たいていのものが年次計画がもうできてしまっておりますので、このほうは心配ございませんが、一方のほうの計画いかんによりましては、今後の財政問題というのがどういう形になっていくかを考えなければなりません。それに応じて今後の税負担のあり方とかいうようなものが当然考えられてきますので、したがって、やはりこの新経済社会発展計画ができますと、税制調査会もそれに基づいていろいろ長期計画もある程度の見通しはしなければならないことになるのじゃないかと思っておりますが、しかし、税に関する限りにおいては、先般の答申は非常に大ざっぱなものでございますから、あの方向は私は変わらないと思います。所得税は依然としてやはり将来といえども減税の方向を年々とっていくべきであるし、法人税は外国の水準と比べてまだいまの率が維持されておってもいい税であろうと思いますし、さらに直接税と間接税のあり方についての改善は今後さるべきものであるという、この大きい税制の方向は別に変わらないと思います。  ですから、やはりその方向にのっとって、もし新しい計画のいかんによってこの税負担というものがどうしてもある程度増加しなければならぬと考えられる場合においては、これはもう間接税的な考えをここで持ってもらうよりほかに私は方法がないのじゃないかというふうに考えておりますが、まだそういう計画をもとにしたいろいろな諸経費の見通しというものが立っていないときでございますから、国民の税負担がどのくらいふえなければならぬかというような見込みは、いまのところ立っておりません。  で、前にも私はときどき答弁いたしましたように、国民の税負担は将来増大する方向であるという方向ははっきりいたしましても、現在のこの十何兆の国家予算の中において効率化、合理化をはかることによって相当の金額というものがまだ出てくるものでございますので、そのほうの改革といいますか、改善ということもこれは考えなければなりませんし、そういうこととにらみ合わせて考えますと、すぐに税負担へいくべき問題であるか、既定経費のやりくりによって相当対処できる余地が出てくるのじゃないかというようなことも考えなければならぬと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 現在の国税は、所得税、法人税、間接税、これが三分の一ずつの割合になっておりますね。大蔵大臣にお尋ねをいたしますけれども、いまの所得税の減税は今後とも続けていくという御見解でございますけれども、現在所得税、法人税、間接税がそれぞれ三分の一ずつを占めておるというこの比率は、今後とも維持していきたいというお考えなのか、あるいはこの比率は多少変えていきたいというお考えなのか。すなわち、最初に所得税についてお尋ねいたしますけれども、いまの三分の一の比率をこのまま維持するのかどうかということが一つと、それから所得税の減税をやりたいというお話でありましたけれども、今後所得税の減税は、課税最低限の引き上げに重点を置くのか、あるいはあわせて税率の手直しもやるのか、この点を所得税については伺いたいと思います。  それから法人税については、外国と比較すると、わが国の法人税率というのはかなり低いわけでありますけれども、この法人税率は今後とも高める方向を大蔵大臣はお持ちなのかどうか。まず、この三つについてお答えをいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 所得税は、やはり課税最低限の問題と同時に、税率の問題にまだまだ改善の余地は十分あると思っております。法人税は、税制調査会の答申でも、これを減らすという方向への考えはございませんので、そのように私どもも考えておりますが、ただ、そういう方向であるといっても、たとえば一・七五の問題をこの法人税の中へ恒常税率として入れようという問題がことしは起こりましたが、しかし、現実の経済情勢は非常に各企業にきびしくて、むしろこの税はやめてもらいたいというような希望が非常に強いというような経済状態でございますので、一応従来どおりとして、特別措置を延長したということでございますので、経済情勢の関係もございますが、順調な経済情勢であるなら、法人税というものはまだ減税するという方向はとらなくて済むだろうと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 法人税は引き上げるというふうに、いまの御答弁は理解してよろしいでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 税制調査会の考え方というものは、まだ将来若干引き上げられる余地はあるというふうなことを考えておりますが、現実の問題からしてなかなかそれが簡単にはできないのがいまの姿でございます。

二見伸明公明党

○二見委員 もう一つ、間接税ですけれども、ことしじゅうに物品税の洗い直しを大蔵省はおやりになるという御答弁がありました。これは予算の分科会でそういう意向が明らかにされたわけであります。それも、かなり大幅にやろう。これを一般消費税的なものにまで物品税の改定を行なおうというのが、大蔵省のねらいだというふうにわれわれ考えております。われわれ物品税の見直しは反対するわけではありませんけれども、おそらく物品税の見直しということを理由にして一般消費税的なものにしよう、それが付加価値税へのステップになるのじゃないか、こうわれわれは考えているわけでありますけれども、そういう意向があるのかどうか。その点いかがでしょうか。

高木文雄大蔵省主税局長

○高木(文)政府委員 物品税につきましては、非常に消費の態様が変わってきたということで、現行制度上問題がございますので、一般的な見直しが必要になっておるということは、かつて大臣が答弁されたとおりでございます。その場合の方向として、たとえば課税対象の範囲を広げるというようなことも、十分考えるべきものであると考えております。しかし、物品税と一般消費税とは本質的に異なっておりますので、物品税についていろいろ、たとえば拡大方向で検討するといたしましても、一般消費税とは全く違うものでございまして、一般消費税と個別消費税は本来スタートから違うものでございますから、物品税が一般消費税制度につながるということには、なかなか本来的にならない性格のものだというふうに考えております。

二見伸明公明党

○二見委員 付加価値税についてはずいぶん論議されまして、大蔵大臣も、いまやるわけじゃないのだ、検討中だというお話がずいぶんありました。それで私も、いまここでやるのかというお尋ねをしても、おそらく同じ御答弁が返ってくると思いますので、そういう質問はいたしません。ただ、付加価値税についていま現在検討中だということは、将来はやりたいという、やりたいけれどもいろいろ問題があるので、その問題をどういうふうに調整するかということを現在研究しているのか、やること自体はまだ白紙であるけれども、それをやるべきかやらざるべきかということを検討しているのか、その点をまずお尋ねしておきたいことと、もう一つ、付加価値税をやるという場合は、これはたとえばいきなりやれるものなのかどうか。これはほんとうにたとえばの話ですけれども、たとえばことしの暮れに付加価値税導入の答申が出た。その結果、来年の四月からやる、こういうふうにやれる筋合いのものかどうか。それをやる場合には、二年後にやりますよとか、三年後にやりますよとか、準備期間みたいな、啓蒙期間みたいなものを置いて付加価値税というものはやるべきものなのかどうか。その点をまずお尋ねをしたいと思うのです。いかがでしょう。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 一昨年でしたか、私どもが党におりましたときに、付加価格税の勉強に欧州諸国へ行ってまいりましたが、短時日でございましたし、まだ十分な勉強もできませんでしたので、今度、先般申しましたように、フランスの主税局次長を招聴いたしまして、いまいろいろ欧州式の付加価値税の勉強を役所でやっておりますが、ちょうどいい機会でございますので、ひとり役所だけでなくて、いろんな各地も歩いたり、各団体の求めに応じて、できるだけこの問題の説明をしたいと本人が言って、相当こまかい日程を組んでいるようでございますので、私は、場合によったら大蔵委員会で、各党の有志の方か何かで、そういういま言われたような問題、実情問題について質問なさる機会があったら非常にいいのじゃないかと思っております。  これは、決して簡単な問題ではございません。日本にはこういう制度の下地が従来税制の上ではないのでございますから、実施するにしても相当時間がかかりますし、成案を得るのにも相当の時間がかかるということでございますから、十分これは多角的にいろんな角度からの検討を慎重にしたいと思っております。

二見伸明公明党

○二見委員 時間がありませんので簡単にお尋ねしますけれども、いま付加価値税について私のお尋ねしたのは、そういうことじゃないのです。そういうことじゃなくて、たとえばやるときめますね。やるときめた場合に、たとえばの話ですよ、ことしの暮れに税調答申でやるときまって、来年の四月から、こういうふうにできるものなのか。たとえばことしの暮れに、やるという答申が出てきまれば、それは国民にいろいろ理解してもらうというために、二年間とか三年間とかいう間は、こういう制度ですよという啓蒙といいますか、啓発というか、そういう期間を置かなければできないものなのか、その点はどうなんですかということが、私の聞きたかったことの一つなんです。  その点については大蔵大臣のお考えをお示しいただきたいことが一つと、もう一つは、これはいままでの論議とはちょっと異質になります。ただ、私、非常に心配なのでお尋ねするわけでありますけれども、それは防衛費との関係です。防衛費は、GNPの一%と、いままで歯どめがありましたですね。この歯どめをはずそうという意見が、防衛庁の中にある。これが低いほうにするのならかまわないけれども、むしろ一%にこだわらずに、一・二でも一・五でもいいじゃないかというほうに来ているという、そういう意見が防衛庁にあるということでありますが、当然これは予算を伴う問題でありますので、大蔵省としては、そういう上に向かっての歯どめをはずすということ、これについてのお考えはどうなのか。その点の御意見を伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 まず最初の御質問でございますが、実施には相当の時間がかかるというふうに思います。  それから、防衛費の問題でございますが、私は、どういう意図でこの一%というものをはずしたいということを防衛庁が言っているのか、まだよく存じません。しかしまた、一%という歯どめも、別にいままで正式にかかっておった問題でもないと私は思っております。従来の防衛費を見ますと、ほとんど各年度がそれ以下になっておるというようなことから、かつて一応そこらを限度としたらいいじゃないかという議論があったことは聞いておりますが、事実上防衛費は一考とかなんとかいう基準を置いたということは、いままでございません。、どんどんGNPが大きくなっていきますから、なまはんかな基準を置くというと、かえってそれは防衛費の増強を来たす結果にもなりかねないと思いますので、この点は、歯どめを取ることがいいことか悪いことかは、相当研究していいことだろうと私は思います。

二見伸明公明党

○二見委員 これで最後にしたいと思いますけれども、本法のほうに戻りますが、今度老人の扶養控除を創設されましたね、二万円アップということで十六万円になりました。私は老人の扶養控除を設けることについては異論があるわけではありませんけれども、老人対策としては、税制の面からいけばこういうことになるのでしょうけれども、これは本筋ではないと思います。いわばバイパスだろうと思います。確かに二万円というアップも、見てくれは二万円で非常にいいのですけれども、実際の税金になりますと、たとえば一〇%かかっても年額二千円なわけですよ。スズメの涙です。私は、これは非常にバイパス的な立場だろう、補完的な措置だろうと思っているのです。  それで大蔵大臣に、一つは、この老人の扶養控除というものを今後とも引き上げていく意向があるのかどうかということと、もう一つは、老人対策の本筋については今後どういうふうにお考えになっていくのか、それを最後に伺って、時間が来ましたので、質問を終わりたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 これからの日本の社会が住みよくなるためには、私は老人問題が一番重要であると考えます。人口の老齢化が進んできましたときに、しかも旧民法にありました家族制度というものがなくなってしまったこれからにおきましては、この老人がいざこざなしに安穏な生活ができるかどうかということが、この社会を住みよくするかしないかに非常に大きい影響を持つ問題だろうと思いますので、いよいよ国民福祉の向上ということに政策の方向を向けるということになりますと、やはり一番先に解決すべき問題はこの老人問題ではないかということで、本年度はまず老人問題からいろいろ対策を講じたわけでございますが、一度に思うようにその政策を充実することはできませんので、とりあえず今回のような措置をとったわけでございます。いまの老人控除も、老人の扶養義務は、いままでの長子相続制度のときには、長男が老人の扶養義務を持っておったのでしょうが、いまはそうじゃなくて、兄弟だれが世話をしてもいいという立場になっておりますから、やはり親を大事にして老人を扶養した者には相当の恩恵があるということが望ましいと思いますので、この老人扶養控除は、将来順次もっとよくなっていっていいのじゃないかと思います。  そうして、そのあとの本筋の問題としましては、老齢年金というようなものによって、老人が自分で独立して老後を相当楽しめるような基礎を国が援助してやることが、やはり老人対策の一番の中心問題になるのじゃないか。それと、病気した場合に心配のないということでございますので、いまのような二つの方向を将来強化していくことが、老人対策の眼目ではないかというふうに考えます。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 阿部助哉君。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 わずかな時間でありますので、ごく簡単に一点だけお伺いしたいのであります。  まず大臣、新全総といわれる新全国総合開発計画を見ますと、私はどうも日本の農業というものは大きく変貌するんだ、こう思うのであります。その点は大臣も御異存はないだろうと思うのでありますが、いかがですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 申しわけないのですが、新全総の勉強を十分しておりませんので……。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 実はこれを見ますと、穀物生産農家は大体八十町歩から百二十町歩の経営規模、これが適正農家なんです。農業基本法のときには、一・五ヘクタールあたりが自立農家ということで発足したわけです。もちろんこの自立農家の基準は、年々逐次規模拡大するだろう、こういうのが、あの制定のときの小倉さんの話でありました。ところが、今度の新全総等で、八十ヘクタールから百二十ヘクタールの面積が適正規模だなどということになりましたら、少なくともいまの農家で百ヘクタールのたんぼを所有してやるなんということは、ちょっと考えられない。おそらく農業は全体に再編成、まあ極端に申し上げますならば、これは全部首を切って、そして資本家経営の農業になって、そこに何がしかの現在の農民が農業労働者として働く以外に道がない。新全総の目標のとおりいきますと、こういうことを想像する以外にないのですね。そうしてここに出てくるのは、おそらく農民と零細商工業者をさすのだろうと思うのでありますが、たいへん多数の不適応労働が出てくると思いますね。使い道のない労働力がここにたくさん出てくる。しかもこれは教育をするにはあまりにも金がかかり過ぎるとなると、人間のスクラップができる。端的に言えばそういうことだというふうに私はこれを読んだのでありますけれども、そういういまの情勢、米価の三年続きの据え置きであるとか、あるいは作付減反であるとか、あるいは今度のみなし課税であるとかという、いろいろ個々ばらばらのように見えるけれども、そのねらっていく最終目標は、はっきりと新全総の線に沿ってこの農業政策が行なわれているのじゃないかという感じが私はするわけであります。まず前提として、これが間違っておったら、御指摘を願いたいということなんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 どうも申しわけないのですが、その新全総を勉強してございませんで、批評能力がないので……。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 どうもこれが皆さんのいままでの高度成長の基本方針であったのじゃないかと私は思うのでありますが、そこで昨年も私質問し、昨日も質問し、そして先ほど広瀬委員からも質問されたわけでありますが、青色と白色の場合、昨年はこの青色に対して五%あるいはまた十万円ということで準備金の制度をおつくりになった。ところが、その理由は大体三つあるわけですが、その二つは、取りくずすときにこれに課税するんだから、準備金だからということが一点と、老後の保障がないので、この老後の保障ということでありますが、ことしこれを税金の控除に十万円された。もちろん税金をまけるのは私、賛成なんですよ。だけれども、これを控除にされたわけです。昨年の細見さんはこれが手一ぱいのまけ方なんだみたいな話をしておったが、ことしはもう一歩進めて、これをずばりと控除にされた。それはけっこうなんです。そうすればするほど白色との差がついてくるわけです。  時間がないから私しゃべりますけれども、そうしますと、まず第一の問題は、農業というものは記帳が非常にむずかしいということを国税庁長官おっしゃっているわけです、認められているわけです。それは現年度生産だ、こういうことばを使っておるわけであります。一年、一年で、まあ米どころであれば一年間でたった一ぺんの収穫なんで、そういう中であるだけに記帳が非常にむずかしいのだ、こうおっしゃるわけですね。私もいまの農村の実態を見まして、これは農民だけの責任ではなしに、やはり日本の歴史的な村の構成、部落の構成、そして歴史的な環境の中で、記帳というものがやはり非常にむずかしいのだと思うのです。だから、その環境を変えつつ青色を奨励をされる。同時にこの環境が逐次変わってきたときに、なおさら青色の奨励というものが進んでいくだろうけれども、いまのような状態の中ですぐに青色にしろと、こうおっしゃっても、困難な条件というものが一ぱいある。それは、皆さんのほうでも、大蔵当局でもお認めになっておるわけです。そういたしますと、ここにそれだけ今度のあれで差をつけるならば、やはりこの白色に対して、しかもいまの農業の置かれておる現状は――皆さんが農業を明らかにいまつぶすんだということならばこれはやむを得ないけれども、私はその点を聞きたかったわけです。しかし、新全総で、大きな目標としては、戦略目標としてはそうなんだ、私はこう思うのでありますけれども、しかし急激にやるわけにはいかぬじゃないか。現実にまた生活をしておるもの、これをそう一挙にやるわけにいかぬでしょう。そうすればそこに段階的に――青色をすすめるにしても、いま直ちにできない者に無理にせいたってできない。そうしておいて、できないからといってこれだけ大きな差をつけることには、私は納得ができないのであります。幾ら皆さんのほうで御説明しても納得のいくような説明ができないのだろうと私は思うのでありますが、私にはどうも合点がいかない。  そういう点で、青色を控除を十万円されるということはけっこうであります。同時に、これは白色ももっと本腰を入れてやるべきだ。青色は奨励をしておるから何がしかの差をつけなければいかぬというが、このほかにもいろいろな何がしかの差がついておるわけですよ。だから、何がしかの差がついておるんだけれども、これだけ大幅にだんだん差をよけいつけていくということには、いまの現状、農村の置かれておる、農業の置かれておる現状からして、できないものに無理をしてできないからといってけ落としていくというやり方は、あまりにも残酷ではないかということで私は質問をしたわけでありますが、きのう幾ら質問してもさっぱりうまいことがなかった。きょうは広瀬わが党の大理事が質問すると、やはり大臣は検討するということで、これはやはり大蔵委員会は大臣に来てもらわないと、おれはもうこれからは大臣が来ないときには質問を保留せねばいかぬという、こういう感じがするわけでありますから、大臣からひとつ御答弁願います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○水田国務大臣 それは先ほど申しましたように、政策的な意図と現実の実情との調和をどうするかということについては、もう少し考えさせていただきたいとさっき申しましたので、これは考えさせていただきます。

阿部助哉日本社会党

○阿部(助)委員 まあ時間ということですし、私、飛び入りのようなあれですからやめますけれども、この問題は早急にひとつお考えをお願いする。せっかく大臣前向きで検討するということでありますので、まあ大臣いつまで大蔵大臣をやられるかわからぬけれども、部内によくそれを言いつけておいていただくことを確認をしておきまして、私質問を終わります。

齋藤邦吉自由民主党

○齋藤委員長 次回は、来たる十二日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することといたし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十六分散会

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