大蔵委員会 第19号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/18
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 前回に引き続いて質問をいたしますが、石油資源の開発体制について、前回田中通産大臣の御出席を求めてお話を聞いたわけですが、なかなかどうもそんなことでいいんだろうかという疑問は、依然としてぬぐい去るわけにはいかないわけなんです。一体石油資源の開発の体制を、日本には日本の特色があるのだ、こういうことでいまのような体制をそのまま引き継いでいこうという考えを一歩も出てないのではないか、こういうふうに思うのですが、この問題について、国営的なものにまで持っていく、ENIあるいはERAPのような形、こういうものが一つある。こういう方向にいってもいいのではないかという見解も私どもとしてはとりたいと思う。しかし、そうは言っても、いままでの長年の経過というもの、伝統というものを一挙にそこまで持ってくるかどうかということについては、かなり疑問もあるわけなんです。それならば、せめて政府の強力な指導体制のもとに、石油開発公団というものができたけれども、これが次から次に出てくる資源開発の会社に、個別資本にちょびりちょびりと投融資をしていくという程度の体制では、これはもういかにも貧弱で、抜本的な資源対策に本腰を入れて乗り出している日本の体制ではないのじゃないかというように思うわけなんです。 そうだとするならば、少なくとももっと強力な政府の指導方針というものを出して、ドイツのデミネックスくらいのところまでは、そういう指導というものをやっていかなければ、石油資源の安定供給、低廉供給、こういうようなもの、またそれにふさわしい資源供給源の分散化とか、自主開発というようなことが大きく進んでいかないではないか。六十日の備蓄、あるいは自主資源のシェアを三〇%に持っていこうというようなことで計画年次化しても、全然それはだめであったというような結果に終わらざるを得ないのだろうと思う。 そういう点で、いまの体制をそのまま進めていくだけのことなのか、何らか抜本的な、発想の根本を変えた開発体制というものを実現する気持ちがあるのかどうかということを、もう一ぺんひとつ聞いておきたい。
○飯塚政府委員 資源の開発につきまして、各国それぞれの事情に基づきまして、いろいろな形態があるわけでございますが、日本におきましては先生いま御指摘のような民間主導型を中心にいたしまして従来からやっておるわけでございます。公団なり国はそれに対しまして補完的な役割りを果たすという基本的な姿勢で進んでおるわけでございますが、ただわが国の現在までの開発の体制を見てみますと、幾多改善すべき点はあるわけでありまして、先日も先生が御指摘なさいましたように、非常に資本金が寡少な企業が開発をやっておって、それで十分やれるかというような御質問もございましたけれども、三十近くの会社が現在海外において開発に従事しているわけでございますが、その力は必ずしも十分とはいえません。これらの集約化ないし体制整備について、私どもとしては抜本的に考えていく必要があると思います。その一つといたしまして、三菱石油開発のごとき統括会社ができつつある機運にあるわけでございますが、私どもといたしましてはこういう機運をできるだけすみやかに助成、助長していきたいというふうに考えております。その統括会社を中心にいたしまして民間の開発体制を積極的に進めていき、これに対して公団が投融資をするということで当面考えていきたいと思いますが、そうやっていきまして、なおその上でわが国の開発の状況等を見た上でさらに必要があれば検討を加えていくということにいたしたいと考えております。
○広瀬(秀)委員 きょうは公取を呼んでなかったのですけれども、統括会社というようなことがさらに発展をしていけば、いわゆる持ち株会社というようなものに発展する可能性というものが十分ある問題だと思うのです。持ち株会社ということになると、日本の独占の禁止公正取引確保に関する法律、いわゆる公取法に違反をするのではないか、こういうことも出てくるというようなことで、その辺のところが非常に一つの問題点になっている。このことは別の機会にまたやりたいと思いますけれども、やはり何らかの形でもって、いかにもばらばらの体制とわれわれの目に映っている今日の状況というものをもっと交通整理をする、戦線整理をして、資源の開発、精製、販売、こういうようなものが一貫体制がとれるように、これは今日までの国際石油資本の姿のようなかっこうということで、必ずしもそのことで国民の利益がはかられるかどうかという点疑問なしとはしないけれども、そういう方法というものがある程度はそういう害悪という面を除きながら、くふうをこらしてそういう総合一貫体制というような独禁法のいわゆる害悪とされるものを排除しながら、しかしそのいい部面を実現していくというような何らかの形、それを徹底的に突き詰めていけばENIあるいはERAPのような形というものがやはり一番国民的な利益にかなうものである、ナショナルインタレストにかなうものであろうというように思うわけであって、これは新しい芽も出ているということで、その推移も見ながら考える、こういうことでこの際はその程度にしておきたいと思うわけであります。 ところで石油開発公団法一部改正案が今度の商工委員会にかかりまして衆議院を通過したわけですが、LNG、天然ガスの開発への投融資からさらにまた精製、備蓄、輸送、パイプライン、こういうところにも手を出していく、こういうことになるわけでありますが、大体この石油開発公団が出てきた経緯というものは、自主資源の開発という立場における石油そのものの開発ということが中心であったろうと思うわけなんです。そこへ石油と全く一〇〇%代替関係ではないかもしれぬけれども代替関係に立つ天然ガス、しかも公害がやかましくなってきた今日において、石油よりはローサルファの、あるいは一酸化炭素の発生がない天然ガスというものが代替し得る部面というものが非常に大きいわけですから、その部面の開発というものを加えていくということは私はあえて異を唱えるものではありませんし、またそういう方向でけっこうだろうと思うわけでありますが、いわゆる一貫体制の中での、言うならば下流部門である備蓄、精製、輸送、パイプライン、こういうようなところに開発公団がやはり手を出していくということになりますと、開発公団法のこの面における自主資源開発という本来の目標から目的が非常に分散化してしまって、本来の探鉱、資源開発という問題が非常に薄められた形になって、その面がかえって後退をするような、分野を広げ過ぎて本来のところが後退をする可能性はないのかどうかということが少し心配になってきたわけです。石油開発公団というものがERAPとかENIのようなものになっていくんだということならば総合一貫体制というようなことで、しかもこれは強力な国の監督下にもあるわけです。特別会計を通じて開発公団にも出資をされたり交付金が行ったりするわけですから、国の監督も十分入るという準国営的なものとしていいんだと思うのですが、今日のような体系の中でそういうようにあれにもこれにもというように手を出していくと、本来のところを忘れやせぬのか、こういう疑問があるのですが、その点はどのようにお考えですか。
○飯塚政府委員 今回の公団法の改正によりまして、新たに公団の業務として付加いたしましたのは天然ガスの採掘並びに備蓄のための資金供給等でございますが、ただいま先生が御指摘なさいましたCTS、パイプライン等の業務は公団の業務の中には入っておらないわけであります。備蓄につきましては、従来の公団の業務とは若干異質のものであることは事実でございますが、公団法の目的といたしましてはやはりわが国の石油の安定供給に資するというのが一つの大きな目的でございまして、原油の備蓄につきまして安定供給の業務を行なうことによりましてわが国の安定供給の一環に資そうというわけでございます。ただ、今回公団に付与されます備蓄関係の業務というのも、公団から備蓄を行ないます石油精製企業に対して資金の供給を行なうという点でございまして、公団みずからが備蓄を行なう、そういうような非常に大きな業務になるわけではないわけであります。 それからもう一つ、今回備蓄を行なうようにするにつきましては公団法の附則におきましてその業務を追加させたわけでございますが、その附則の中の書き方も「当分の間」ということにいたしておりまして、公団が今後ずっと長期にわたって備蓄のための資金供給の業務を行なうようにすべきかどうかというのはもう少し先の時点において検討すべき問題かと思いますが、とりあえずのところは「当分の間」ということでこの業務を付与しておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 「当分の間」というのは、それではどのくらいの年限なのか、それから「備蓄の増強に必要な資金の貸付けを行なう」ということなんですが、これも「当分の間」というものがかかってそういうことになっているわけですけれども、CTS関係にこの石油開発公団から資金の貸し付けというのは全くない、こういうように理解してよろしいのですか。
○飯塚政府委員 そのとおりであります。全くございません。
○広瀬(秀)委員 「当分の間」というのは。
○飯塚政府委員 公団の融資の期間といたしましては、三年据え置き五年年賦償還ということで考えておりますので、そのくらいの期間が一応想定されるわけであります。
○広瀬(秀)委員 「備蓄の増強に必要な資金の貸付け」これは原油の輸入資金、こういうように限定されておるのですか。備蓄の増強に必要な資金というのはどういう範囲をさしておるわけですか。
○飯塚政府委員 原油購入のための資金でございまして、三年間で十五日分の備蓄増強をはかる予定でございますが、各年五日分ずつの増強のための原油購入をする。なお原油以外のタンク等の建設が必要でありますけれども、この分は開銀から融資をさせることにいたしておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 現在まで石油開発公団法による投融資が行なわれておるわけでありますが、内容を別に、貸し付けの条件、融資の条件、金利の問題、あるいは返済の期間あるいは条件、こういう問題について一応説明をしていただきたい。
○飯塚政府委員 従来石油開発公団から投融資いたしておりますが、大部分が投資のほうでございまして、現在までの実績ですと、ほぼ八割くらいになるかと思いますが、八割ぐらいが出資でございます、残る二割が融資になっておりますが、融資の条件といたしましては利率が六・五%、返済期間は据え置きを八年といたしまして十八年以内ということになっております。
○広瀬(秀)委員 そこでデミネックスなんかの例を見ましても、いわゆる成功払い、あるいは成功しなかった場合にはそれは補助金にするのだというようなことなどがあるわけですが、そういう条件というものはどういうようになっておりますか。
○飯塚政府委員 融資につきましては探鉱、つまり試掘まで行ないまして、商業生産量にまで達する見込みがないという場合には、その融資の元本、利子の全部または一部を免除することができるということにしておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 このドイツのデミネックスの例を見ますと、探鉱資金の七五%まで融資をする、そして成功払い融資ということで、油田が発見されない場合は返済を免除するというようなことがあるのですね。あるいはまた原油の買収をする、あるいは既発見油田の取得、原油採掘会社の株式取得、こういうような場合には三〇%の国の補助金が出る、この補助金についてはもちろん補助金ですから返済は不要だ、こういうようなことがあったり、あるいはタンカー建造への助成も行なわれる、こういうことになっている。しかも金利は五%、油田発見後二年目から元利の返済をするということですが、元利の支払いは、生産量に比例をして一トン当たり三ドイツマルク。天然ガスの場合にはキロカロリー当たり〇・三ドイツマルクと、こういうように非常に条件がいいわけですが、日本の場合にはこういうものに対して成功払い——いままで石油開発公団で、たとえば三億、四億というような小さな企業で資源開発、探鉱、試掘をやっているわけですね。そういうようなところに何億、何十億という金が出ていっているわけですね。そういうものが失敗をしたという場合に一体どうなるのですか、そういうものについては。
○飯塚政府委員 ドイツの例の場合との比較の御質問がございましたが、ドイツは確かに成功払い融資ということで非常に進んだ制度を持っておりますけれども、わが国の場合には、先ほど申し上げましたように、公団の出資の分が、つまり投融資のうち出資の分が八割を占めているわけであります。出資を仰ぐか融資を仰ぐかは、これは相手の企業側のオプションにまかしておるわけでございますが、結果といたしまして八割が出資、つまり無利子の金を使っておるわけでございまして、この点から考えますと、相対的にはドイツの場合よりも日本のほうが、むしろ開発に対する政府ないしは公団の力の入れ方というのは進んでおるのではないかというような見方もできるかと思います。 それから、融資をしたものが成功しなかった場合に、その返済をどうするかという問題でございますが、これは先ほど申しましたように、試掘の結果、商業生産量に達することができないということが明白になった場合には、元本融資の全部または一部を免除することができることにしておりまして、ある意味の成功払い融資的な制度を取り入れておるわけであります。
○広瀬(秀)委員 大体自主開発が急速に始まったのは四十一年ごろからだったろうと思うのですが、その間に四百四十八億からの投融資がなされておるわけですけれども、現在までにこの石油開発公団から投資されてもうすでに試掘に失敗をし探鉱に失敗をして倒産をする、こういう会社は一社もないわけですか。今後もこういう事例というものは、倒産した場合には出資者が損害を受けることは間違いないことだけれども、そういう事例というものはあったのかなかったのか。 それから、いま二十八社もやっているこの中で、だいぶ失敗に失敗を重ねている、あるいはまた非常に幸運に、ラッキーに当たったというところもあろうと思うのですが、そういうものをおしなべて、今後一体どうなるのか、こういう見通しをひとつはっきりさせていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○飯塚政府委員 現在までのところ、最終的に失敗したという判定を下しているところはございません。石油開発の期間というのは長年月を要するわけでございますので、まだ四十一年当時からですとせいぜい五、六年程度のことでございますので、もう少し時間をかけないとその成果というのはわからぬというのが実態かと思います。
○広瀬(秀)委員 では、次に質問を変えます。 この備蓄の問題で、単に備蓄だけではないけれども、CTSいうものが、鹿児島県の喜入にできた、しかもこれは公害防止などについても非常に最新の注意を払われて、地元にも非常に喜ばれているということが、私どもの勉強した範囲では言われておるわけですが、この備蓄と、さらに輸送コストといいますか、一次輸送コスト、二次輸送コスト、こういうコストの低下をはかるためにも非常に有利なものである。安定供給と低廉というものにも奉仕できるものとして非常に大きな注目を浴びておるわけなんですが、このCTSのねらいというものは、整理してみてどういうところにあるわけですか。
○飯塚政府委員 最近はタンカーが非常に大型化されてまいりました。これが石油輸送のコストの低減に役立つということで、大型タンカーを横づけにして原油を大量に備蓄できる場所を確保するというのが一番大きなねらいかと思います。 第二は、その原油中継基地からあとは、製油所までの間は、パイプラインないしは小型タンカーによって、小回りのきく輸送を能率的に行なうということになると思います。現在までのところ、まだCTSから製油所までの間はパイプラインで原油を輸送しているという例はございませんけれども、将来は必ずそういうことになっていくかと思います。
○広瀬(秀)委員 日本の製油工場といいますか、そういうようなものは、やはり東京近辺、京浜工業地帯、さらに四日市とかいわゆる太平洋ベルト地帯あるいは瀬戸内海というようなところに、工業の中心あるいはまた石油精製産業というようなものも集中をしているという情勢があると思うのですが、このCTS、これは備蓄の問題にしましても、またCTSから製油工場に至る輸送の問題を合理的に効率的に解決するという問題からも、たいへんいいアイデアであることに間違いないと思うのでありますが、今後、そういう日本の太平洋ベルト地帯にそういうものが集中している、それにできるだけ近く、製油工場に近いところにやはりそういうものを立地させるということが必要だろうと思うわけなんですね。そういうことになってくると、はたして土地が、いわゆる適地、少なくとも九十万平米、三十万坪ぐらいのものは必要だということ、それからタンカーの大型化に伴って、港も水深三十メートル以上というようなことも条件になってくる。その海面との高低差が八十メートルぐらいでなければならぬというような問題、もろもろの立地条件というものがあるようでありますが、そういうものと、しかもできるだけ製油工場に近い土地が、いわゆる二次輸送でコストを下げていくという面でも必要だろうと思うのですね。そうしますと、かなり限られてくる。たとえばむつ小川原地区の開発計画がある。あの辺にかりにつくるとすれば、あそこへ新しくまた製油工場というようなものを立地できるかどうかというようなことも考えて、原油を陸揚げするところとパイプラインですぐつなげる、あるいは二次輸送にタンカーを使わなくてもパイプラインで、揚げると同時に製油工場に運べるというようなパイプラインというようなものは、ある程度やはり限られたものになるというようなことを考えると、そういうものも将来考えていかなければならぬだろうと思うのです。 新しいCTSを建設するという場合に、その近くにそういう製油工場を中心として、また石油コンビナートというか、もちろん公害を排除しながらという条件のもとにやるというようなことが必要になってくるだろうと思うわけですが、CTSはCTSでまた最もいい条件を考えて、二次輸送というものは、そういう製油工場を新しく近接してつくるのだということを考えないでやるものなのか、そういうところは一体どういう関係にあるわけなんですか。
○飯塚政府委員 土地の状況が許せば、CTSとコンビナートとは近いところにあることが望ましいかと思います。しかしながら、わが国の現状から見ますと、現在製油所がありますところはかなり過密化いたしておりますし、それから特に東京湾あるいは瀬戸内海等、湾内は非常に交通が錯雑しておる状態でございますので、交通過密化地域の過密化対策並びに湾内の過密化対策、両方に対する対策といたしまして、たとえば千葉県の富津港におきましては、具体的計画が会社のほうでつくられておりますけれども、千葉県富津にCTSを置いて、東京湾岸にあります製油所への原油の輸送を行なう、それからあとは、従来は製油所までタンカーが直接持ってきたわけでございますけれども、湾内にタンカーが入るのをできるだけ排除して、湾口のところにありますCTSで原油の積み揚げを行なうというような必要も出てくるわけでございます。現実の問題としてはそういう例のほうが多いかと思います。
○広瀬(秀)委員 いま国内で十幾つかの候補地を調査している段階のようでありますが、このCTSは大体どのくらいの、常時原油貯蔵の残高というものがどのくらいの規模のものを何カ所くらいつくったら、この六十日の備蓄という問題にもかない、また二次輸送コストを下げるというようなことになるのか、そういうCTS構想について、十六カ所を調査しているようですが、その中で最も適地を選んで何カ所くらいつくればこのCTSとしては足りるのか、こういう見通しはどういうことになっていますか。
○飯塚政府委員 通産省で立地的な調査を行なっておりますが、御指摘のように、日本全国十七カ所がCTSの適地候補として考えられるわけでございますが、将来何カ所現実にCTSを建設するかというのは、製油所の操業等との関係もございますので、いま明確には申し上げられませんけれども、一CTSの規模といたしましては、将来はおそらく原油の備蓄量としては、七百万ないし一千万キロくらいの原油を備蓄できるようなタンクを置いていく必要があるかと思います。
○広瀬(秀)委員 何カ所ですか。
○飯塚政府委員 CTSの数は、製油所の操業等の関係もございますので、いま明確に何カ所になるということは申し上げられませんけれども、一CTS当たりの規模を申しますと、原油の備蓄量としては、常時七百万ないし一千万キロぐらいを備蓄できるぐらいのタンクを保有することになるんではないかと思います。
○広瀬(秀)委員 現在石油精製工場がある。そういうところに、石油工場の中に十五日分これからふやしていくという、そういうものに沿った形でこのタンクを増設をして貯油施設をつくっていくというようなものはもはや限界に達して、もうそれはできないんだ。やはり備蓄ということと、それから輸送の二次コストを下げていこうというようなものと兼ね合わせた意味でCTS構想というのが出ていると思うのです、端的に言ってしまえばですね。したがって、十五日分ふやして六十日まで持っていくということは、やはりCTSの構想いかんにかかっている、こう見ていいわけですか。その他の、石油を貯蔵していく方法というものはあるんですか。いまのところはCTS構想ということがその目標をになう方式なのか。その辺のところを明らかにしてください。
○飯塚政府委員 さしあたっての十五日分の備蓄につきましては、大体が現在の製油所が持っております敷地の中で何とかやりくりできるんではないかというふうに私どもは考えております。ただ、合理的な原油の輸送等を考えますと、CTSの建設を急ぎ、そこからの原油供給というものを考えるべきではないかというふうに考えます。
○広瀬(秀)委員 石油パイプラインの敷設法というのですか、建設法というのですか、これが商工委員会に出されましたが、このパイプラインに対する計画というのは現在どういう実態にあるわけですか。
○飯塚政府委員 現在、関東地方におきまして三一本のパイプラインが具体的に検討されておりますが、一本は、成田空港公団が行なっております千葉から成田までの。それからもう一つは日本国有鉄道が、横浜から、八王子を通りまして、埼玉県の川越地区に至りますもの。それからもう一つは、石油精製業界が共同で建設を考えております千葉から栃木に至るライン、この三本が現実に計画されておるものでございます。 なお、そのほか構想といたしましては、北海道、阪神、名古屋地区等についてございますけれども、まだ構想の域を出ておらないわけでございます。
○広瀬(秀)委員 そうしますと、国鉄がやったり、あるいは石油業界がやったり——千葉−成田間は、これはどこがやるわけですか。
○飯塚政府委員 空港公団でございます。
○広瀬(秀)委員 空港公団が直でやるわけですね。この空港公団がやるというのは千葉−成田という特別なところであろうと思いますが、一体このパイプラインというのは、いわゆる輸送手段なのか、供給手段なのかという基本的な論争があるわけですが、この点は通産省はどういうようにお考えでしょうか。
○飯塚政府委員 石油供給の合理的な手段でもありますと同時に、やはり輸送の手段でもある。パイプライン事業というのは、日本におきましては新しい事業形態でございますので、そういう両面を持った新しい事業形態というふうに私どもは考えております。
○広瀬(秀)委員 両面を持っていると、こういうことでありますが、いまお話があったこの第一次の計画は、横浜−八王子−川越というものがある。また業界が進めている千葉から栃木に至るもの、これは、まさにこの程度のパイプラインというものは石油の運搬であり輸送であろうと思うわけです。そしておそらく、栃木というような業界がやるものは、これはどこにつなぐのか知りませんが、現在国鉄の貨物基地ができている。あそこに貯油タンクができている。そこへおそらくつなぐのではなかろうかと思うわけでありますが、そこから先はやはりタンクローリーになっていくだろうと思うんですね。したがって、消費者に直接パイプラインでいくというようなものは千葉−成田間のものぐらいしかないんではないか。あとはやはり、これはもう輸送手段なのではないかというように考えられるのですが、将来の問題としても、この千葉−成田間における、船から直接飛行機のところに、最終需要者といいますか、そういうものに供給される、こういうようなものは非常に例が少ないと思うんですが、将来の構想として、この千葉−成田間というようなものが将来ともどんどん出てくる予想でございますか。それともやはり中間の石油あるいはガソリンの輸送のタイプだというもののほうが圧倒的に多いんじゃなかろうかと思うんですが、いかがでございますか。
○飯塚政府委員 空港公団等への供給の例はそう多くはないと思います。やはりパイプラインの大宗というのは、国鉄あるいは業界がやっておりますような形のものかと思います。ただ、これは輸送手段であることは事実でありますけれども、大体が、国鉄ラインにいたしましても業界のラインにいたしましても、製油所から直接油を運んでいくということでございますので、製油所からの油の供給の合理的な一つの解決策であるという面も十分考えられるというふうに思っております。
○広瀬(秀)委員 まだ、あと若干聞きたい問題があるのですが、きょうのところはこの辺にして終わっておきたいと思いますが、この石油資源の問題は日本にとっては非常に重要な問題ですから、今後ともこの自主資源の開発、供給源の分散化というような問題については、十分国の力も投入をするというような立場と、それから安定供給、価格の低廉をやはり維持していくという立場で真剣に取り組んでいただくように要請をいたしまして、終わりたいと思います。
○齋藤委員長 松尾正吉君。
○松尾(正)委員 石炭対策特別会計法の改正について、先日大臣に基本的な問題を伺いましたが、この中で一つ、石炭審議会が、今度答申を出すための見当として、五十年度の出炭量について中間のたたき台をつくって、これで検討しておりますが、なかなか出炭側、それから需要者側と、これらの意見の相違があって非常に難航している、こういうことでありまして、通産省としては何とか五十年度二千万トンの線で妥協点を見出していきたい、こういう通産大臣の答弁がありました。しかし、やはり需要者側等の公害その他を考えると、相当むずかしい問題ではないかと思うのですけれども、この点についてもう少し、どういう方向で協調を進めていきたいのか、伺っておきたい。
○青木政府委員 先日大臣が御答弁いたしましたのは、三月三十一日に石炭鉱業審議会を開きまして、今後の石炭政策を樹立、策定するにあたりまして、昭和五十年度の需要を二千万トンを下らないように、需要業界の回そうの協力を得て、最大限の努力をするようにとの決議をいただいたわけでございます。この決議がきまります段階におきまして、従来需要業界からとりました需要の総額は約一千五百万トンでございまして、生産業界のほうから供給を希望する数字といたしましては二千八百万トンくらいの数字が提示されておったわけでございます。需要業界のほうの需要数量をなかなかふやせない理由には、一つには電力業界における最近の公害問題がございまして、ばいじんの問題、S分の問題、その他ございまして、既存の火力発電所で石炭をたくことが非常にむずかしくなってきているという現状を踏まえての御意見でございます。一方、原料炭の主要需要業界でございます鉄鋼業界は、現在非常に不況でございまして、従来の生産計画に比べて、現実の生産が非常に落ちておりますので、外国との長期契約の点もございまして、なかなか国内炭の引き取り需要をふやすことは困難である、こういう事情が述べられたわけでございます。しかしながら、現在の昭和四十七年度二千七百五十万トン程度の生産から千五百万トンという数字に落としますにつきましては、非常に大きな混乱を生じますし、ひいては産業全体が崩壊する危険もございますということで、中立委員を中心といたしまして、通産省のほうでぜひ二千万トンを下らないような需要を造出につとめろ、こういう決議をいただいたわけでございまして、一部の委員に反対はございますが、大勢はこれで今後の政策問題を詰めていけ、こういう御意見だったように思っております。
○松尾(正)委員 あの際に労働代表は、結局二千八百万トンないし三千万トンを要求しておった。したがって、そういう線での妥協ということでは、労働者を守るためには合意できないということで棄権をしておる。この面が相当むずかしい問題になるのではないかと思うのですけれども、これらとの話し合いはどの程度進んでいるのですか。
○青木政府委員 労働代表は労働組織として三つございまして、いわゆる炭労と申しますのと全炭と申しますのと、職員を中心といたします炭職協という三団体ございまして、それぞれの代表が委員になっておられますが、非常に強い意見を持っておられますのは炭労の代表の委員でございます。その後も、昨日も炭労側とはいろいろ意見の交換をしておりますし、まだ炭労側としては納得いかないという態度を捨ててはおりませんけれども、今後も政策の内容に関しまして漸次交渉を続けながら理解を得てまいりたいというふうに考えます。
○松尾(正)委員 そうすると、炭労以外では大体合意の線は出ている、こういうふうに理解してよろしいですね。
○青木政府委員 反対の態度を非常に強く表明はしないという段階でございます。
○松尾(正)委員 これはエネルギー源に革命が行なわれているところでありますから、相当むずかしい問題だとは思うのですけれども、とにかくひとつ十分話し合いをして、しかも三千万トンの要求に対して二千万トンの出炭を決定するというような場合には、これらの人たちの納得のいくような線での話し合いを進めてもらいたいということを、特に強くこれは要望しておきます。 それから、第五次石炭対策がこれで最後だ、こういうふうに新聞報道等でいわれておりますが、この理由はどういうことなのですか。
○青木政府委員 最後の石炭対策だというふうに私どもは必ずしも考えているわけではございませんけれども、従来一次策から第四次策までまいりまして、現在の第五次策と申しますか、新しい政策の重要な目標がほぼ二千万トンを下らないという程度になりますと、石炭の生産規模も非常に下がってまいりますし、この辺で将来にわたってどのくらいの安定をするかという点の見通しをつけたいという希望が非常に強うございますので、少し長期にわたって安定的に操業できるかどうかという見きわめを、この政策でつけたいという希望が、経営者にも労働者にもあろうかと思います。したがって、そういう点をとらえて最後の石炭政策ということがいわれているのだというふうに私どもは解しております。
○松尾(正)委員 確かに石炭より高能率な石油、それから原子力等、これがだんだん変革していくことは当然の成り行きだと思います。しかし、労働政策面、それから公害対策という非常に重要視されている政策から考えてみても、また一方非常にむずかしくなった石油事情等から考えてみましても、これは五十年以降も、石炭の需要が少なくなったから、これでもう振り切ってしまうというようなことは断じて許されない、こう思うのですね。特に今年度新しく総理は政策の基本方針として、いままでの量的生産主義から、国民福祉の政策に大きく転換をするのだということを表明しておる。この政策の転換、いわゆる国民福祉という立場から考えてみたときに、いままでわが国のエネルギーをずっとささえてきた、産業をささえてきた、この石炭、産炭者並びに労務者、産炭地域等に対する考え方というものは、決してうしろ向きにしてはいけない。 確かに石油政策は大幅に前向きでなければならぬ。一方、石炭はうしろ向きであることは、これはいなめない事実でありますけれども、その対策については、これはうしろ向きで切り捨てるというようなことは断じて許されない。そういう面で石炭対策特別委員会等でも参考人を呼んだり、相当論議は進められておりますけれども、五十年度に大体二千万トンとすると、現在の出炭量は大体三千万トンですね、ですから一千万トンの閉山ないし整理をしなければならない、これだけでもたいへんな問題だろうと思うのですね。したがって、英国等では一億五千万トン、それから西独では一億トンですか、フランスでは二千五百万トン、こういうふうにそれぞれ国営ないし共同体で国内炭の位置づけをはっきりしているわけです。したがって、この間通産大臣に聞きましたところが、第五次の五カ年先の成り行きを見て、こういうことでありましたけれども、成り行きを見て、そのときになっては非常におそいと私は思うのです。したがって、通産省としては、ここでエネルギー源が大きく変革していく中で、わが国の石炭はどこまで一応確保するのだ、またそれについてはいろいろな保証もするのだという、この位置づけをきめるべきだ、こういうことで通産大臣に意見を聞いたのですけれども、時間の関係で、そういうことで終わっているのですが、これらについては事務当局として当然考えていっていいのではないか。二千万トン程度のものは現在の石炭特別会計の中の関税で一応まかなえる、こういう見通しであります。ですから、これは位置づけをはっきりしていくという方向でやるべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、この点についてはどうでしょうか。
○青木政府委員 ただいま御指摘のとおり、残された国産のエネルギー資源としましては、二千万トン程度の需要は確保すべきだという御意見もたくさんございますし、また、閉山に伴います社会的影響は、だんだん最近炭鉱が北海道に寄っておりますので、そこに、そういうほかの産業に転換しにくい地域のほうに展開しておりますので、この社会的影響も非常に大きくなりつつありますので、事務当局としましては、審議会で御決定いただいた二千万トンを下らない線ということを維持すべく、どういう政策を立てるべきかということにつきまして資料を提供しつつ、審議会で十分議論をしていただきたい、こう思っています。
○松尾(正)委員 いやいや、審議会で検討してもらうのではなくして、通産省として、いわゆる国の政策としてこれくらいのものはもう当然守るべきだという、こういうものがあっていいのではないか。もちろんいままでずっと審議会で結論を得てきてやったのですけれども、もう第五次石炭対策についても、これが最終だというようなことが論議されている段階で、これがまだ第何次、第何次と継続するのならば、これは審議会の意見を聞いてやるということもけっこうだと思いますが、けれども、そういうことが言われて、もう三千万トンの出炭量をあと五年で二千万トンにという、こういう段階に来たならば、さらにこのあとどんどんもう縮小していくのか、あるいはこの程度のものは当然輸入炭等をある程度押えても国内でまかなうべきだ、これがいわゆる石炭対策と石油対策を一緒にした会計の中でみていく趣旨もここにあると思う。そういう意味で、審議会に一任して、審議会の意見でどういうふうにでもするのですよということでなしに、通産省としては、基本的にはどうなるか、それを聞いているわけなのです。 ですから、もし、では審議会で、石炭は鉱害的に非常にマイナスである、したがって、ゼロにするのだという答申が出たならば、そのとおりやろうとするのですか。
○青木政府委員 通産省としましては、この線に沿ってぜひこの二千万トンを下らない需要を確保しつつ、この生産規模が維持できるような政策を立案したいと思っておりますので、その方向で立案しながら、審議会にもその方向でおはかりしてまいりたい、こういうふうに私考えております。事務当局としてはその線で進んでまいりたいと思っております。
○松尾(正)委員 これはそういう方向でぜひ、英国あるいは西ドイツ等も石炭が石油に比べて公害その他で大きなマイナスのあることは十分理解をしながら、なおかつこういうふうに英国ないし共同体で位置づけているということは、やはりいままでの政策ということを十分考慮しているからであろうと思う。そういうわけで、ぜひひとつ何らかの形で位置づける、こういう方向で検討を進めてもらいたい、こう思うわけなのです。それから次に、この中に鉱害対策を十分にやっていきたいということが一項目あげられておりますけれども、先日の本会議でわが党の同僚議員が、現在廃鉱が五百カ所ほどある、これに対する対策が非常におろそかになっているという質問を行ないました。これに対して通産大臣は、大体二百五十ほどの廃鉱については調査をし、手を打っているけれども、あとのものについては手が回らない、したがって、調査が大事だからすみやかに調査をしたい、こういう答弁があったのですが、この廃鉱の中には、石炭並びに鉄鉱その他があると思うのですが、廃鉱五百の中に石炭関係の廃鉱は幾つあるのですか。
○青木政府委員 その廃鉱と申しますものの意味がちょっとわかりかねるのですが……。
○松尾(正)委員 閉山したものです。
○青木政府委員 閉山したあと残りますものにつきましては、私どものほうとしましては、閉山を行ないますと、坑口を閉鎖をして入れないようにいたしますので、そこから、廃鉱の坑口そのものから出てくるいろいろな弊害は、それほど多くないものと思います。問題になりますのは、その鉱山を廃止した後に、いろいろ地盤が沈下したり家が傾いたりというようないわゆる鉱害が起こる場合が一つでございます。もう一つは、石炭鉱業の特質といたしまして、石炭を掘りましたあとにボタ山ができまして、このボタ山がときどきいろいろな弊害を起こすというようなこともございます。 そこで、私ども現在、手元に数字がございませんので、その五百なり二百五十がどっちの意味かちょっとわかりかねるわけでございますが、いわゆる地盤沈下とかあるいは家屋の被害とか、こういう鉱害につきましては、臨時石炭鉱害復旧法というのがありまして、これで従来廃鉱になりましても、無資力になりましても、復旧を続けております。これはことし期限が切れますので、十年の延長を今国会でお願いしておるところでございます。 それからもう一つの弊害でございますボタ山につきましては、これは鉱山が生きている限り、鉱山保安法で鉱業権者にその弊害が起こらないような措置を義務づけておりますが、それが閉山になったあと、ボタ山として残る場合がございます。その場合の弊害につきましては、そのボタ山がくずれて田畑に損害を及ぼしたり河川をよごしたりという場合には、先ほど申しました臨時石炭鉱害復旧法のほうで原状回復をすることになっております。それから非常に危険なボタ山につきましては、石炭特別会計から、これは公害保安局の所管になりますが、補助金を出しまして、県とともに最低限の危険の除去をいたしておるわけであります。ただ、それがなかなか全部にわたらないという実態でありますので、これについては今後とも調査をいたしまして、何らかの対策を考えなければならない、こういうふうに考えております。
○松尾(正)委員 これは数等もまだ詳細につかんでおらないようですけれども、相当危険なもの等もまだ実在するわけです。したがって、これは早急に手を打ってもらいたいと思うわけですね。 それからもう一つ、この特別会計の石炭対策の財源の中に振興対策費があげられておりますが、これでこの間通産大臣は、何か時間が短くてやりとりできないから、勘違いされていると思うのですけれども、一たび閉山をした場合に、その受ける影響というものは、まず出炭業者があります。それからこれに従事をしておった労務者、これらに対しては何らかの形で、不十分ではありますけれども、一応補償の手が打たれておるわけなんですね。ところが一番問題なのは、その関連企業と、その山を中心に生活をしているいわゆる零細商店等、これらの人の補償面が万全を期せられているというのですけれども、大臣はそういう答弁をされたのですが、これが石炭対策特別委員会等で論議をされている経過を見ても、非常にたいへんなんですね。まず、閉山となると、その地域の人たちは災害を受けたのと同じ突発的な被害を受ける。一つ例をあげると、土地の評価、資産の評価等についても、山が繁盛しているときにはそれなりの評価がなされておるのですが、閉山ということになると、その資産の評価はゼロになっちゃうわけです。しかも、その町で商売をやっておった人は、そこでは全然商売が成り立たないから、よそへ行ってやろうとしても、資産を処分をして転業というようなこと、あるいはよそへ移って商売をやるということはほとんど不可能なんですね。そういう面の手当てというものがほとんどといっていいほど不十分である。こういった面について、この石炭特別会計を設け、さらに強化して対策を打っていこう、こういうたてまえなんですから、これらについては十分な被害補償ができるような措置をとるべきではないか、こういう意味で質問したところが、万全の手が打ってあるのだということなんですけれども、この点はどうなんでしょうか。
○青木政府委員 閉山によりまして一番深刻な影響を受けます中小商工業者対策につきましては、先生御指摘のとおり、必ずしも私ども十分であるとは考えてはおりません。ただ、制度といたしましては、閉山地域の商工業者に対しまして、中小企業金融公庫なり国民金融公庫から特別の貸し付けということで、利率、貸し付け限度額、償還期間等である程度の優遇措置をとっております。それから信用保証上の特別措置といたしまして、閉山地域の商工業者に対する信用保証の限度額を二倍に引き上げるという制度を一応用意しております。ただ、いま先生御指摘のように、評価が非常に急激になくなりますために、こういう融資なり保証の制度が必ずしも十分に働いているとは私どもも考えておらないので、この点、制度の拡充については今後検討いたしてまいりたいと思います。 ただ、国だけでなくて、現在地方公共団体のほうである程度銀行に預託しまして、無担保で貸し付けをするような制度をとっておるところもございますので、そういう地方公共団体とも十分相談しながら、両方の力を合わせて何らかの改善をはかっていきたい、こういうふうに考えております。
○松尾(正)委員 これはいつもそういう答弁をされるのですけれども、現実は非常にきびしいですね。ですから、大きな災害が起きた場合には、その災害の特別補償がある。ちょうどこれと同じような被害を受けた場合には、この災害に準じたような特別措置——これは確かに、中小企業の移転補償とかそういったものでは、一般的に、いま言ったようなある程度きめられた資産が評価額ゼロになるというような例はないわけですよ。これは大きな災害でもない限りそういう事態はないわけですね。これを一般的な補償等でまかなおうとしても、現実には無理なんです。特に乏しい地方団体が乏しい中から地域の問題ですから金はある程度出しておりますけれども、これも非常に限度があるということで、災害補償並みの立法措置なり何なりはできないのか、これに対する、実情に応じては必ずやる、こういうものが必要ではないか、こう思うのですけれども、これは通産省と大蔵省のほうからも、いま言った一般の補償等はありますけれども、閉山のときの被害に対してはそれではとうてい十分とはいえないので、こういうものについては災害補償並みの手を打つ必要があろう、こういう考え方を持つのですけれども、通産省、大蔵省の意見を伺っておきたいと思います。
○青木政府委員 ただいま御指摘のとおり、この制度はなかなかむずかしい点が多いわけでございますが、御指摘のような不備の点もございますので、災害の場合と全く同じということもいかがかと思うのでありますけれども、何らかの優遇策について、私どものほうは前向きに検討してまいりたいと思っております。
○大倉政府委員 ただいま通産省からもお答えありましたが、やはり基本的には産炭地域振興をどうはかっていくのかということであろうかと思います。そのためには、乏しい財源ではございますけれども、できる限りこの特会の範囲の中で産炭地振興に振り向けてまいりたい。具体的なやり方につきましては、お説ではございますけれども、やはり中小企業対策としては融資なり信用保証がとるべき手段ではなかろうかというふうには考えますけれども、具体的な融資の条件その他につきましては、なお通産当局とも相談いたしてまいりたいと思います。
○松尾(正)委員 これはこの中でやる分についてはいままでにも議論があるわけですよ。それで、移転その他の補償についても、融資についても全部保証しようというのであって、融資額等も相当大幅に、その事情にはよると思いますけれども、増加しなければ、その人たちがいままで二十年、三十年生業してきておったのに、そこでぱったり日雇い労務者に転落せなければならぬというようなことはあってはならぬ、こういう趣旨なんです。したがって、そういうふうに長い間続いた鉱山が閉山をしたという場合には、やはりそれなりの臨時的な措置が講じられなければならないであろう。したがって、そういう場合には、この会計で足りない場合には借り入れ金等をやっても、いわゆる国がいままでの石炭を掘れ掘れといった時代から、今度は国民福祉に転換をしていき、エネルギー源の性格が変わったために、やむなくそういうふうに栄えておった一家が没落する、そういうものを防いでいくという、これは当然な義務だと思うのです。したがって、この特別会計の中でというのでなく、場合によってはもっと積極的な措置もとらなければならないし、その責任があるであろう。それに対する考えを伺っているので、一般の移転補償とかそういうもので足りない場合の措置はやむを得ないのか、手を打てるのか、こういうことなんです。
○大倉政府委員 若干ことばが不足しておりましたようでございますが、私がこの会計の新しいこの勘定からと申し上げましたのは、産炭地振興の事業に関してできるだけきめこまかくいろいろなことを考えてまいるべきであろう、そうでなければ、その地域に需要がついていなければ、幾ら金を貸すといいましてもその事業としては成り立たないわけでございます、という意味で申し上げたわけでございます。そしてまた、事業が継続するまでの間、それは金融と信用保証でやるべきであろうが、その金融と信用保証の財源は、この会計ではございません。国民公庫なり中小公庫という別途の財源を用意してこれに当たっておるというつもりで申し上げたのでございます。
○松尾(正)委員 これはぜひそういう配慮で処理には当たっていただきたいということを要望しておきます。 それから次に、炭鉱離職者緊急就労対策費が前年度に比べて一億三千万ほど減額になっておりますが、労働省、これはどういう理由ですか。
○桑原政府委員 石炭特会の中におきまして援護対策費は総額としては前年度よりふえております。いま先生のおっしゃいました点で減っておりますのは、その中で、炭鉱離職者援護対策費の中の炭鉱離職者緊急就労対策事業費補助金が減っておるわけなんで、前年度より一億三千八百万減少いたしております。これはこの事業に働く方が就職をしたりあるいは引退をされました関係で、事業規模が縮小いたしました関係であります。
○松尾(正)委員 それから、もう一点伺いたいのは、炭鉱労務者数の推移ですが、四十年には大体十一万、四十五年には五万人ちょっと、それから四十六年には四万三千人、こういうことでずっとこの炭鉱離職者数は減っておりますけれども、四十七年度の年間平均の炭鉱常用労務者数と平均年齢はおわかりになっておりますか。
○桑原政府委員 最近の数字は私ども四十七年の一月末の数字を持っておりますけれども、常用労務者は四万百七十九人というふうに承知いたしております。それから年齢のほうは昭和四十五年の統計でございますけれども、四十一・二歳でございます。
○松尾(正)委員 そうすると、ほかと比較してみたいのですが、四十六年度の労務者の平均給与月額について、金属鉱業と製造業と石炭鉱業の平均月額とそれから年齢の平均、これが区分されておったら伺いたいのです。四十五年と四十六年。
○桑原政府委員 毎月勤労統計調査で、私どものほうでやっております調査の資料によりますと、石炭鉱業の、これは坑内、坑外含めました平均でございますが、八万五千五百二十九円でございます。それから金属鉱業は坑内、坑外含めまして十万六千二百九円、製造業の平均は八万一千十円。したがいまして、金属鉱業は石炭鉱業より高くて石炭鉱業は製造業よりも高い、中間的な位置を占めております。 それから、年齢は、ちょっと私ども平均値を出すのがなかなかむずかしゅうございまして、構成比で申し上げてみたいと思いますけれども、製造業は特に高年齢者、四十歳ないし五十四歳の比率が四十五年では製造業では二四・七%でございます。石炭鉱業は四十から五十四歳が五六%。五十五歳以上は製造業が九・三%で石炭鉱業は二・八%、比較的高年齢者が石炭鉱業はウェートが高いというふうに思います。
○松尾(正)委員 いま給与平均月額と年齢構成を見ると、製造業者よりもやや賃金は上回っているのですけれども、年齢層が四十歳をこえる者が五六%と非常に年齢層が高いということが言えますね。したがって、四十歳をこえた家庭というと大体子供たちも三人ないし四人いる、こう考えられます。しかも四十歳をこえた家庭の子供さんというのは大体義務教育以上ということも考えられるわけでありまして、二人ないし三人の扶養義務を持つこれらの人の給与が五、六人で八万五千円しかも一番かかる盛り、これになると非常に生活がたいへんだということが考えられるわけです。したがって、さらに今年度から五十年度までにかけて大体一千万トンの閉山が行なわれるようですし、さらにそのあとについても二千万トンの何とか位置づけの方向で進めたいということでありますけれども、はっきりしたものは見えない。 こういうことから、今度の石炭鉱業審議会の業者需要、供給面で五十年二千万トンという線に対する労務者の非常に強い反対運動があるということはうなずけるわけです。こういうことで、ぜひひとつ、これらの人が苦しい生活をやっておるのに追い打ちをかけるようなことのないように、そういうためにもはっきりしたものを早く打ち出すべきである、こういう考え方なんです。 さらにこの中で——厚生省の方おいでになっておりますか。——生活保護率について、こちらに資料は添付してあるのですけれども、厚生省で調査してある四十五年から四十六年度の全国の生活保護者数の構成比、それからできれば全産炭地の構成比、それから非常に悪条件の六条地域の生活保護者の構成比、これらが四十五年、四十六年度について数字が出ておったら知らしていただきたいと思います。
○藤森説明員 お答え申し上げます。 被保護階層の全国的な傾向をまず申し上げますが、これはここ数年来逐年減少の傾向をたどっておりまして、四十六年七月の数字がわかっておりますので申し上げますと、被保護人員が百三十二万人、被保護世帯数が六十六万五千世帯、そして人口千対被保護人員というものを見てまいりますと、全国平均で一二・一六ということになっております。この傾向は四十五年度は大体一三でございましたので、若干減ったということになります。それから全産炭地の六条地域という点につきましては、厚生省の統計ではそうした特殊地域別にはとっておりませんので端的なお答えはできませんけれども、例を筑豊にとって申し上げますと、筑豊産炭地域を含む福岡県の保護率、これは人口千対の保護率でありますが、これが四五・七、北九州市が四〇・九ということで、全都道府県及び特別市を含めまして福岡県が第一位、北九州市が第二位という状況でございます。それから筑豊の六条地域につきましては数字がありますので申し上げますと、この保護率は人口千対一一九・六というふうに数字のオーダーが一つ上がっております。それからなお筑豊の六条地域の中で田川郡の糸田町、この町をとってみますと千対三〇〇、それから金田町千対二五八となっている。いずれも全国平均の二十倍以上という数字を示しております。
○松尾(正)委員 全産炭地の場合がはっきりいたしませんけれども、六条地域というのは炭鉱の中でもたいへんなところですから、これは非常に率が高い。一一九といったらたいへんな数ですね。こういうことを考えたときに、石炭対策というものをこの特別会計をもって考えていこうというのですから、——一方石油については前向きにとんどん意見が出ます。けれどもこういった日陰の人たちに対する考え方というのは相当後退してしまう。——首を振っていますけれども、相当後退する。もし後退しないというのならば、せめて生活保護者の水準だけでも全国並みに引き上げてあげる措置がいままでにとられていいのではないか。ところがいままでにもこういった産炭地の人たちの生活の向上、振興ということは叫ばれてまいりましたし、生活保護者の救援ということも叫ばれてまいりましたけれども、現状はこういう状態で、全国平均では上がっているのにこの産炭地の状況は何にも動いていない。だんだんと被保護者がふえていく、こういう状態ではいささか手を打っているのだということはいえないと思うのです。 したがって、こういう生活保護者の平均をせめて全国並みに引き上げてやるということが石炭を特別会計に含めて手を打っていきますよという政府の考え方ではないのか、こう思うのですけれども、大蔵省としては、これに対してはやむを得ないとか、あるいは手を打ってこれの改善につとめていく、こういう考えをお持ちでしたら、伺っておきたいのです。
○大倉政府委員 ただいまの御指摘の点でございますが、ものの考え方といたしまして、松尾委員御指摘のように、この地域、特に六条地域などにつきまして、生活保護の保護率といいますか、それが少なくとも全国平均に追いつく、追いつくということばは変でございますが、そこまで持っていくことを目標にした対策を講ずべきだというのは、先生おっしゃるとおりだろうと思います。では、具体的に何ができるかということが私どもも一番苦慮しているところでございまして、先ほどのお答えと重複いたしますけれども、基本的にはやはりその地域に産業があり、需要がなければそういうことは起こってこない。そういうことを将来の方向としてねらっている過程では、やはり生活保護という手段を通じてその地域の住民の方をお救いする以外にないであろうと思います。この間の田中通産大臣のお答えでも、今回産炭地域振興事業団と新しい工業再配置の仕事を合わせて新しい公団をつくって、工業再配置の観念の中に産炭地振興も取り入れてやっていくんだという御答弁がございました。それも一つの方法であろうかと思います。いずれにいたしましても、この特会の中で産炭地振興事業というものをできるだけ高率に、おっしゃる線まで実現するように運用してまいりたい、こう考えております。
○松尾(正)委員 大蔵省からは非常に積極的といえば積極的、しかし、どうもたよりないといえばたよりない答弁をいただいたのですが、これは石炭部長から、この振興対策費をこの中に組んで、それで石炭産業地域等の振興をはかるのだ、こういうことで項目が組まれておりますけれども、いまの答弁を考えてみると、通産当局が、石炭関係者がそういう強い要望があれば考えるというようにも受け取れるのです。したがって、通産省としてはこういうあまりにもひどい、全国の二十倍なり三十倍ないし四十倍という大幅な開きのある生活保護者等に対して、この振興対策費をもう少し何とかさいて、これらの幅を縮めていく、そしていつまでをめどにして全国平均に持っていきたい、こういう考え方を持っておられるのかどうか、その点を伺いたい。
○青木政府委員 産炭地の振興対策につきましては、われわれも毎年非常に苦慮しておるところでございまして、ただこういう事業は、ほんとうに解決するためには、一番端的に申しますと、産炭地に企業がたくさん進出していただくということがかなめの問題になることは、ただいま大蔵省のほうからも申し上げましたように、企業が行って、そこに需要が起こって産業が振興するということが一番重要なことだというふうに考えております。そのために、私どものほうとしましては、特別会計の中から、いわゆる産炭地域振興対策費というものを組みまして、極力企業をそこに誘致するようないろいろな施策を講じておるわけでございます。 ちなみに前年度と今年度のことを申しますと、前年度の七十九億に対しまして今年度八十億という予算でございますが、財政投融資を入れますと、産炭地域振興事業団の事業規模といたしましては、昨年度の百五十九億に対しまして、今年度百九十四億と、わりに大幅の増加を見込んでおる次第でございます。ただこの仕事は、企業がほんとうに移るということが一番重要でございますので、非常に時間がかかるという欠点がございますけれども、私どもはこの事業を年々拡大することによりまして、また大臣がこの間申し上げましたように、工場再配置という制度を組み合わすことによりまして、極力そういう最終の姿に向かって努力するということをつとめてまいりたいというふうに考えております。
○松尾(正)委員 主管する通産省として、それは事業が振興すれば生活はよくなるのだ、こういう考え方はきわめて消極的なあり方だと思う。これから石炭が振興するということは考えられないのです。だんだん閉山をしていくのでしょう。したがって、いまの段階でこういうふうに全国平均と比べて非常に大きな開きがある。しかも厚生省では、この生活水準等は、だんだんこの率を少なくするように努力しているわけです。その中でこういう地域が特にだんだん数がふえていくという逆行するあり方については、もっとしっかり当局が守ってあげるというものがなければ、口でいかに政策を転換して福祉に力を入れますと言ったところで、現実にこういう面がどんどん日陰が濃くなっていくという姿は、これは福祉政策の転換とは言っているけれども、こういう面には全然それが見られない。したがって、たいへんだろうとは思います。当局で石油と石炭とを比べた場合に、これをどんどん強く発言していけば、非常にうしろ向きな無益な金じゃないかという抵抗も強いと思うけれども、あなたのほうでほんとうにしっかり守らなければ、こういう人たちは泣かなければならない。大蔵省でもそういうものについては何とか考えたいと言っているのだから、あなたのところでもぜひひとつそういう方向で努力していきたいというものがなければ、私のほうでは出してもいいと思うのだけれども、あまり積極的でないから、こういうことになったらこれはまずいと思うのです。そういう意味で、昨年度よりも振興対策費か一千億ふえたのですか——一千億増額になったけれども、その中には、これに当たる分は何も配慮されていないわけです。したがって、こういった生活水準の向上、これに対して一段の努力をしてもらいたい。時間の関係で強く要望しておきますから、主計当局でもその強い要望には十分こたえて、いわゆる取り残された人たちをもっとしっかり守ってもらいたい、こういう強い要望をしておきます。 時間がだいぶ経過してしまって、肝心な石油のほうの時間がなくなってしまったのですけれども、確かに石油対策については、この公団法によって安くかつ安定した供給を行なう、こういう目的のために石油等の資源開発の促進、備蓄の増強、流通の合理化、こういうことで四十七年度分二百五十八億円が組まれて措置がとられるわけですけれども、先日の通産大臣の参議院における答弁の中で、石油についてはどうしても多少値上げを余儀なくされる、こういう意味の答弁がありました。何とか押えていきたいけれども、国際石油資本等で、あるいはOPEC等で値上げが行なわれれば全部それを吸収しろということもできないので、そういう情勢に対しては行政指導によって完全に押えるということは不可能でありましょう、こういうような答弁があったのです。そうすると、この公団法の目的は、安定供給をする、低廉な供給をする、こういうふうにとれるのですけれども、よそが値上げになれば値上げをしなければならないのだということになると、低廉かつ安定供給というこの低廉の意義が失われてくるのではないか、こう思うのですけれども、この目的についてはどうなんでしょうか。
○飯塚政府委員 三年ぐらい前までは世界の原油価格は下がる一方であるというふうに一般に見られておったわけでございます。ところが一昨年の半ば以降OPECのメージャーに対する非常な攻勢がございまして、これを発端といたしまして、一昨年末から本年にかけまして大幅な原油価格の値上げが招来されております。したがいまして、今後もこの傾向は続くと判断せざるを得ないのでありますが、原油の絶対額そのものが上がっていくのはこれは世界的な趨勢としてやむを得ないと思っておりますけれども、その中におきましても、わが国として相対的な意味でできるだけ低廉な原油の供給の確保に当たるというのが当面のわれわれの姿勢でございまして、ほかに、たとえばメージャー等から押しつけられたような価格で買うのを漸次是正をして、日本の直接の開発による原油を確保することによってそういった面のハンディキャップは漸次除かれていく、その結果相対的に安い原油の供給ができるというようになることを想定しております。
○松尾(正)委員 時間がないので詰められないのですけれども、そうじゃなくて、安い油が供給できるように努力するのじゃなくて、そういうふうに国際資本あるいはOPEC等で値上げをすれば、なるべく行政指導によって業界その他に吸収してもらいたいけれども、それは限度がある。したがって、安定供給というこの公団法の第一条の目的の意味は失われたのじゃないか、こういう質問なんですよ。ですから、なるべく安くするように努力をすると言うならわかるのですよ。ところが、目的には低廉かつ安定供給とある、安く維持する、こういうふうにあるのです。この公団法がつくられたころ、確かにどんどん下がっていく、そういう時点では安価を維持していきます、こう言えるのですけれども、いまはそういうふうに非常に石油の価格というものが上昇傾向にあるでしょう。上昇傾向にある中で、安い価格を維持していきますというこの目的は失われたのではないかということなんです。努力をするかどうかじゃないのですよ。
○飯塚政府委員 先ほど申し上げましたように、絶対的な価格の上昇というのは避け得ない国際情勢下にあると思いますけれども、その中におきましても、できる限り低廉な原油の確保につとめたいという趣旨でございます。
○松尾(正)委員 それから、開発促進ということが非常に急務でありますが、先般も広瀬委員の質問の中で、小資本が非常に点在をしておる、これは財政的に見ても技術的に見ても非常に非効率ではないかということが考えられるのですけれども、これは統合の方向だ、こういうお答えが出た。将来幾つくらいのグループに持っていったら理想と考えておられるか。いま小資本が二十五、六ありますね。これを将来、まあむずかしい問題はあろうと思いますけれども、理想的な線としては幾つくらいのグループに持っていったらいいと考えておられるのか伺いたいと思います。
○飯塚政府委員 現在は三十近くの会社が開発に従事いたしておりますけれども、これはただ資本系統別に見ますと五つないし六つの系統に属するというふうに考えておりますので、幾つが望ましいかということは別にいたしまして、資本系統面から考えますと、五つないし六つに集約の可能性というものは考えられるのではないかと思います。
○松尾(正)委員 それから、一つは備蓄について、いまのような非常に石油需要はふえる一方、さらにOPEC、それから国際石油資本等の関係等があって、やはり備蓄ということは考えていかなければならない問題だと思うのですね。備蓄は多いにこしたことはないと思うのです。ただし、その備蓄という問題については相当コストがかかるわけです。したがって、現在の備蓄量がランニングストックを含めて四十五日ですか、これを通産大臣はこの間六十日ないし九十日と言っておりましたけれども、どの程度にすべきだというお考えなのか、それをまず伺っておきたいと思います。
○飯塚政府委員 わが国の立場としましてどの程度の備蓄が最も望ましいかというのはなかなかむずかしい問題でございますが、ただ、OECDにおきましては、ヨーロッパ諸国に対しまして、昨年の半ばごろからと思いますけれども、九十日の備蓄に持っていくようにという勧告がなされた例がございます。わが国におきましては、現在製品、原油を合わせまして四十五日分のストックがございますけれども、当面これを三年間で十五日分引き上げまして六十日に持っていくということを考えております。
○松尾(正)委員 これも幾日が適切かということを論議するのはたいへんな時間が必要ですし、一応六十日を考えているということですから、この六十日分まであと十五日分を増加するわけですね。これを保つためには膨大なコストがかかるのではないかと思うのですけれども、この十五日分を増加するためのコストの概算の試算がありましたら示してもらいたいと思うのです。 それともう一つは、段階的に一応六十日という目途を、現在の四十五日からいつまでに六十日に持っていきたいのか、この考え方、それからコストの試算の概算、これを示していただきたいと思うのです。
○飯塚政府委員 備蓄のための原油の購入資金とそれからタンクその他土地の手当て等二つの問題があるかと思いますけれども、原油につきましては、一キロリットルの原油を一年間備蓄いたしますためには約二千五百円かかるわけであります。これはタンクの償却費、原油の購入のための利子等の資金コスト、それからそれを操作するための人件費等全部ひっくるめたものでございます。三年間に十五日分の備蓄を行ないますために、タンクの建設費、原油代、その他全部入れますと、約二千四百億くらいの資金が必要というふうに試算をされております。なお、この十五日分の備蓄というのは四十七年度から四十九年度まで毎年五日分づつ備蓄の量をふやしていこうということになっております。
○松尾(正)委員 そうしますと、この備蓄のコストを考えると、これは少ないほうが値上げを押えられるということも考えられるわけですね。したがって、いまの石油事情からすれば、備蓄は多いにこしたことはない。ただし、コストが非常にかかる、こういったことで、今度消費者側に立って考えてみると、一方石油資本はどんどん値上げ攻勢にある、上がっていくことは避けられないような事情にあるわけですね。そこで備蓄量をふやすためには膨大なコストがかかる。二重のものが消費者にもろにかかってくるというふうに考えられるのですけれども、そういうことで通産大臣はこの間、ある程度避けられないのではないかという答弁になったと思うのですけれども、この備蓄コストについては、消費者にはもろにかかってくることが余儀ないのか、あるいはこれについては消費者には負担をさせないような考え方で行政指導をしていかれようとするのか、この点はどうですか。
○飯塚政府委員 石油の価格につきましては、備蓄コストのみならず、まず原油の価格が上がってきつつある。それから公害対策のための諸種の施策を実行していく。それにいまの備蓄ということで、コストが上昇する要因というのはかなりいろいろあるわけでございますけれども、私どもといたしましては、できる限りそのコストの上昇分というのを石油精製業界が吸収できるものは吸収していくようにということで指導いたしておるわけでございます。特に石油製品の中で国民生活に直結をいたします灯油等につきましては、そういう指導を従来から引き続き非常に強くやっておるわけでありますけれども、この姿勢は今後とも変わりなく続けてまいります。
○松尾(正)委員 これはある程度避けられない事情はわかりますけれども、石油がいわゆる市民生活、国民生活の中に相当大きなウエートを占めてきているような現状では、極力押えられるような方向で強力な行政指導をひとつ私ども期待をいたしますし、国民の立場でぜひこれを強力にやってもらいたいということを要望いたします。 それからもう一点は、石油パイプライン事業についてでありますけれども、このパイプライン事業法案要綱によりますと、基本計画の中で、「主務大臣は、基本計画を定めようとするときは、関係行政機関の長及び都道府県知事の意見をきくものとする。」こうなっておるのです。ところが、先ほど広瀬委員の質問のときに出ました関東パイプライン、国鉄パイプライン等がすでに準備が進められておりますね。ここで問題になっているのは、関係市町村長等は自分のところを通るこれをほとんど知らない。地方団体では、横浜市あたりでは市長が何も知らないということで、そんな危険なことでどうするのだという意見がやりとりされているのですけれども、これは当然関係都道府県知事の下に関係市町村、これを入れるべきだと思うのですけれども、その点はどうですか。
○飯塚政府委員 この法律の構成におきましては、関係都道府県知事の意見を聞くというふうになっておりますが、関係都道府県知事は当然地元の市町村長等の意見も聞いた上で、自分の意見を述べることになってくると思いますし、現実に工事を施工するパイプライン事業者は、地元に対しては一つ一つ了解をとりつけた上でないと、現実問題として工事ができにくいということを十分認識して事業に着手するものと私ども考えております。
○松尾(正)委員 確かに知事は市町村長の意見を聞くのですけれども、関東のパイプラインの中の国鉄のパイプラインというのがありますね。これによると国鉄側では沿線各市当局、議会、地元住民に説明をする、そして準備を進めていくのだ、こうなっているのです。ここまで考えるのが当然ですけれども、この法律の中には府県知事だけで、当然府県知事は市町村の意見をまとめるであろうということなんですけれども、神奈川県の場合なんか、知事と市長は隣合わせておるのに横浜の市長は全然知らない。こういうことで議会で実際問題になっているのです。ですから、ここに入れるべきではないかと思うのですけれども、これで足りるとすれば、これらに対しては知事は十分意見を市町村に徴すべきだということを付すべきだと思います。 時間がないので、この中の問題点二つほど確認したいのですが、第二は、工事の計画及び検査のところでいろいろいわれておりますけれども、欧米あたりのパイプラインを見ますといわゆる原野が多いわけです。危険の状態がわが国とは全然条件が違う。わが国の場合は過密都市を通るという、全然欧米等と条件が違うのです。したがって、事故例等を見ましても、欧米等では地震等が事故の原因になっておる。ところが、わが国のパイプラインに対する事故の原因というのは、工事中に、たとえば水道工事をやりながらパイプに傷をつけてしまったとか、水道工事をやりながらガスに傷をつけた、こういう事故例が非常に多い。したがって事業用施設が主務省で定める技術上の基準に適合するものであることを安全基準にする、こういうふうになっていると思うのですけれども、この安全基準というのはどういうふうになっておるのか。
○飯塚政府委員 この法律の中の一番大事な点がいま御指摘の技術上の基準であるというふうに私どもは考えておりますが、技術上の基準は一年半ぐらい前からアメリカ、ヨーロッパ等につきまして保安の問題の調査団というのを数回派遣いたしておりまして、アメリカ、ヨーロッパの保安の技術水準については十分承知いたしておりますけれども、わが国の場合にはさらにその上に地震対策並びに過密対策をあわせて講じなければなりませんので、これらの点も十分取り入れた上で関係省庁は十分協議をいたしまして保安の面で遺憾なきを期するように措置したいというふうに考えております。
○松尾(正)委員 そうすると、この基準の中で欧米にはない過密対策というものが入っている、こういうことですね。これもいま申し上げたような点からぜひ欠かしてはならない重要事項であろうと思います。この点についても、では具体的にどうかということを聞きたいのですけれども、時間がありませんからそれは省略して、ぜひ十分なものを入れてもらいたいと思います。 それからもう一つ保安について。保安のための法律上の仕組みはどうなっておるのですか。保安についていろいろ項目が述べられておるのですけれども、法律上の仕組みですね、この点だけお聞きしたい。
○飯塚政府委員 まず基本計画の章で、基本計画を定めます際に「災害の防止に関し十分に配慮しつつ、」基本計画を定めるということを、まず基本問題として法律の中にうたっておるわけであります。それから工事の具体的な実施の段階の問題でございますが、パイプライン事業者が事業の許可を受けたあと工事の計画に着手するわけでございますけれども、この工事計画につきましては主務大臣の認可を受けさせることにしておりますが、当然この主務大臣の中には消防関係として自治大臣が入っておるわけでございまして、消防的な観点を重視しながら工事計画の認可をする。工事計画の認可にあたりまして、認可の基準は先ほども御指摘のように技術上の基準に適合したものでなければ認可をしてはならないことになっておりまして、この点からひとつ十分押えることができる。工事が完成いたしました後には完成検査を受けさせることにしておりますが、これも主務大臣の中には自治大臣が入っておるわけでございます。 なおパイプライン事業者の実際の業務の実施につきましては、保安規程というものをつくらせまして、たとえば常時パトロール体制をどうするかという問題、それから保安技術者の選任、解任、教育等についてどうするかといったような事項を織り込んだ保安規程をつくらせまして、これを主務大臣の認可にかからしめておるわけでございます。 以上のような点が、保安に対する措置の大要でございます。
○松尾(正)委員 そうすると、十分検討されておるようでありますけれども、工事を実際に行なう場合に、主務大臣が中心になって関係大臣と調整をとる、話し合いをする、こういうことですね。 そうすると、この安全対策基準の中に過密対策というものが十分に織り込まれている、こういうことですが、主務大臣は、事業を行なおうとする場合には、たとえばパイプラインを敷くのに、自治大臣も加わるのですけれども、ガス管が加わる、そうすると通産大臣は当然加わるのですね。それからそのほか下水管が通っている、こうなると建設大臣、それから電話線等が埋没してある付近ではこれは郵政大臣、こういう形で関係大臣等と全部話し合いながらこの安全基準に沿ってやっていこう、こういうふうに理解していいのですか。
○飯塚政府委員 大体そのとおりでございますが、たとえば道路の下を主として使うことになると思いますけれども、その際に既設のガス管、電話線等との間に一定の距離を置くことをこの技術上の保安基準で義務づけることにいたしております。
○松尾(正)委員 それから最後の一点は、保安について、監督もする、パトロールその他もやるということですが、過密による施工中の事故等が私は多いと思うのです。あるいはその工事が終わった段階で、パイプとパイプとの、どういう理由によるか知りませんけれども、摩擦その他の事故等があるのではないかというふうに、いまのところでは想定以外にはありませんから、想定できるのですが、そうした場合に、たとえばガス管が事故が起こして、それがために石油のパイプに事故が起きた、こういう場合の最終の責任はどういうふうになるのですか、この点だけ伺って終わりにしたいと思います。——ちょっと、わかりますか。たとえば石油パイプにつきましては全然異状なかった。ところがガスパイプの事故によって、爆発によって石油の事故が起きた、あるいは工事中に他の工事によってこれが傷つけられたというような場合の最終の責任です。ちょっと例がまずいかもしれないけれども……。
○飯塚政府委員 その場合までパイプライン事業者の責任というのはあるいは無理があるかと思いますが、ただ問題は、そういう事故が起こらぬようにするということでございまして、たとえばガス管との間には一定の距離を置かなければこのパイプラインの敷設について許可はしないとか、それから他工事のためにパイプラインの油が漏れるようなことがあってはいかぬものですから、パイプラインを敷設した上にビニールの赤い標識をずっとパイプラインに沿ってやらせるということも技術上の基準に考えております。そういう事前の防止体制によりまして、そういう事故が絶対に起こらないようにということで措置していくべきかと思います。
○松尾(正)委員 最後に、政務次官に一つ伺いたいのですが、先ほど石油については十分検討されておるということですけれども、うしろ向きの石炭対策について、産炭地域の住民の生活の向上ないし生活保護等につきましては全国平均の二十倍、三十倍ないし五十倍という、こういうみじめな状態に置かれている人たちに対して、通産省でも大蔵省でも努力をする、こういう答弁があったのですが、政府の立場として、これに対しては当然政策を国民福祉に転換をする、こう言ったのですから、出てきたものに対しては十分な対処がされる、こういうふうに思うのですけれども、政府の立場で政務次官からひとつこの点についてお考えを伺って終わりにしたいと思います。
○田中(六)政府委員 産炭地の住民、特に筑豊地帯の住民の中では千人に三百人が生活保護者である。現実に福岡県の田川郡の糸田町、金田町という町が指摘されたわけでございますが、まさしくそういう観点から見ますと取り残されるおそれがありますので、十分政府としてはこういううしろ向きの政策にもあたたかい目を向けていくべく、委員の御指摘のとおり十分配慮してまいりたいと思います。
○松尾(正)委員 終わります。
○齋藤委員長 二見伸明君。
○二見委員 限られた時間ですが、公取委員長に二、三お尋ねをしたいと思います。 エチレンの不況カルテルが認可になったわけでありますけれども、この不況カルテルについては、鉄鋼の粗鋼の不況カルテルのときにも問題になりました。たとえば独禁法二十四条では「特定の商品の需給が著しく均衡を失したため」、こういう場合に不況カルテルを認めるというふうに規定されております。粗鋼の場合にも、はたして粗鋼が独禁法で指定している特定の商品とみなすことができるのかどうかということが議論になりました。同じ問題は私はエチレンの場合にも言い得るのではないかと思うわけですけれども、公取委員長としては、エチレンはいわばこうした基礎原料といいますか、基幹原料、今後はこうしたものも商品として認めるのだ、こういうふうに今後は解釈をする、こういうことで今回の不況カルテルの認可をしたのでしょうか、それとも例外的な措置として、今回は特別なケースとして認可をしたのでしょうか、その点はいかがでしょうか。
○谷村政府委員 せっかくのお尋ねで、いい機会でございますので、少し私どもの法解釈について申し上げたいと思います。 まず、粗鋼の場合は、あくまで不況自体を克服するために必要な商品としては、最終製品であります鋼材を対象に考えております。たとえば厚板とか薄板とか鋼管とか、そういう特定の鋼材を不況商品としてとらえております。しかし手段として生産制限を粗鋼段階でするということで、別に粗鋼を商品とみなしたとかみなしてないとかそういうことではございません。あくまで法二十四条の三の解釈としては、商品としての特定鋼材を考えておりまして、手段として粗鋼を考えました。 今回はエチレンを商品として考えております。よく新聞などでは半製品だとか原材料だとかということをいっておりますけれども、原材料でも半製品でも、それが一定の取引分野をつくって商品として流通しておれば、それは商品として考えます。その場合に、粗鋼の場合はほとんど商品として他の企業に売るということがございません。しかしながら、エチレンの場合は、同じコンビナートの中でパイプでつながっておりましても、売り先が別の企業でございます。もちろん住友の新居浜のように、完全に自家消費しているところもございます。それからたとえば一部を自分の関連会社みたいなところに売っているのがございます。しかし、私ども新聞発表いたしましたように、おおむね五割以上、関連会社じゃなくてほんとうの自分だけというふうに考えてみますと、もう六割以上が商品ということで売られているわけでございますので、半製品、原材料ではございますが、しかしそれは法解釈上は商品として考える、かようなことでございまして、原材料であっても商品として動いていれば、もしそれが必要ならば、やむを得ないということであれば私ども法律上はそういうふうな扱いにするわけでございます。
○二見委員 それからもう一点、やはり不況カルテルに関連してお尋ねしますけれども、実は一般に最近かなり声が高まってきているわけですが、鉄の場合です。鉄材が非常に値上がりをした。私は耳に聞いた話で実態をつかんでおりませんから実態はどうかわかりませんけれども、不況カルテルを結んで製品が値上がりをする、このことについては公取はどういうふうな御見解を持っておりますか。
○谷村政府委員 需給の極端なアンバランスによりまして、本来価格機能が正常に働くというその度合いを越えまして、需給のアンバランスのために値段が崩落するというふうなことがあるので、それをある程度引き戻すという意味での不況カルテルでございますから、そういう意味での価格の値上がりということは、カルテルの結果として起こってくることもまたやむを得ないと考えております。鉄のような場合でございますと、大体市況商品といわれてはおりますものの、問屋仲間で出ております相場、これは先ほど御指摘になりましたように、かなり持ち直してきております。しかし、もちろんかつての時代の高さ並みというわけではございませんで、まだ低いところにおりますが、もう一つ考えなければならないことは、いわゆる大手ユーザーとの間の取引でございまして、この点は両方ともいわば力の強い者同士のぶつかりっこというふうなかっこうになっておりまして、造船とかあるいは自動車とかというところと鉄のほうとがいまいろいろかけ合っているようでございますけれども、これはまだ動いていないというのが実態でございまして、この大手との取引が大体八割ぐらいを占めているというふうに私は聞いております。
○二見委員 粗鋼の場合は手段として不況カルテルにした。エチレンの場合には商品とみなした。これは解釈がいかようにもつくわけですけれども、この両方の解釈でいきますと、いわば二十四条の特定の商品という商品の定義というのは、いままでと比べると実体的にかなり拡大されてきた、そういうふうに私はいまの公取委員長の御答弁から感じを受けるわけです。また、その不況カルテルの結果値上がりするであろう。それは確かに不況カルテルの結果として値上がり、価格に反映してくることは私わかります。いい悪いは別といたしまして、当然だろうと思います。その場合、公取としては値上がりに対するチェックをする、あるいは監視する、こうした点についての公取の機能あるいは態度というのはいかがでしょうか。
○谷村政府委員 先ほどの第一問としての商品というものの解釈については、過去において例がなかったという意味においてはエチレンのようなものがなかったわけでございますけれども、私どもの法律解釈としては態度は一貫しておりまして、決して拡大したり変わったりしたということはございません。 それから、第二に、価格問題でございますけれども、これはことばは悪いのでございますけれども、不況カルテルという本来の自由な取引市場でない形になりましたからには、やはり政府として国民全体にかわってその姿を監視すると申しますか、動きを見ているといいますか、そういう態度は当然のことながら必要であると思います。一種の準禁治産みたいな形になっているわけでございますから、後見人がしっかりしなきゃならぬということは御承知のとおり、私どもも通産省と一緒になりまして、行政府として責任をもってある程度その動きというものは見るつもりでございます。しかし、一体経済全体の中でどういう価格のつながりになるのが一番いいのか。一方では、たとえば原料も上がってくることもございましょう。あるいはまた賃金等も上がってくるという実態もございましょう。そういう中で会社はきすきすの赤字経営だけをしておってそれでいいのかという問題は、これはもう一の経済全体の中におけるバランスの問題として考えなければならないということがございましょう。その辺になってまいりますと具体的には非常にむずかしゅうございますが、決して行き過ぎその他がないように、私どもとしては所管官庁とも打ち合わせまして監視していくつもりでございます。
○二見委員 エチレンを不況カルテルに認可したときに、公取としては、問題になったことは、これは新聞報道でありますけれども、エチレン誘導品の生産制限にならないのかということが問題になった。しかし、公取としては誘導品業界の消費予定量を積み上げ方式ではじいたので、その生産制限の心配はないという見解を公取はお持ちのようでありますが、これについては、この積み上げてきた数字ですね、もし差しつかえなかったら後ほど提出して、検討の材料に供していただきたい、これをお願いしたいと思います。 もう一つ、今回のエチレンの不況カルテルを通していわれることは、石油化学業界が非常に設備過剰であるということが問題になっておりまして、これから石油化学業界の再編成ということが大きな課題になってくる、こういわれております。この再編成ということは、企業の体質を改善するという面から見れば、私は一つの動きだろうと思います。また、別の角度から見ると、そうした企業の再編成の結果、寡占体制がしかれるというおそれも出てくるのじゃないか。この点については、石油化学業界の企業再編成というものについては、公取はどういうふうな考え方をお持ちになっているのか。また、これが寡占体制ということになった場合に、そこに生じてくるのは管理価格という問題が出てくるだろう。これは私、一般論として公取委員長の御意見を伺いたいのですけれども、この管理価格というものについて、これは国会でもずいぶん論議されております。管理価格をどうやって規制をしていくのか、公取のほうでも相当検討はされているようでありますけれども、この管理価格の規制について、現段階で公取としてはどういう手段を考えていらっしゃるのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
○谷村政府委員 第一の問題でございます石油化学工業の業界の再編成ということ、これはその再編成ということばがいいのかどうか知りませんけれども、少なくとも、たとえば老朽設備等あるいは新鋭設備等の関係から見てでき過ぎておりますものを、どういうふうに需要と対応させるための姿にしていくかという問題はあろうかと思いますが、これはある意味でいうと企業のなま身に触れる問題でございまして、そう簡単な問題ではないと思います。私どもとしては、それをあまりに人為的な形でいろいろやるということは、かえって企業の本質をゆがめるようなことにもなりかねないという気も一方ではいたします。しかし、一方では、近ごろの化学工業に見られますようなああいう企業集団と申しますか、企業の一つの結合、パイプラインでつながっているようなコンビナートのような姿のものができますときに、原材料であるところのものから一貫してずっと最終末端製品までございますけれども、その末端製品における競争なり何なりという姿と、それからその原材料であるところのたとえばエチレンのようなものにおける競争の姿というものが、またかなり違っております。そういう中での化学工業の姿というものをどう描いたらいいかということは、実は先ほど先生からそういう質問があるということを聞いたときに、これはたいへんむずかしい問題を聞かれるところだなと思って、実は私どもも、そういったこれからの近代的な企業のあり方という問題とそこにおける競争条件の問題というものとどういうふうにつなげて考えたらいいかということが、いま課題になっているわけでございまして、その課題として考えていることをおまえどうだと言われますと、実はまだ私自身も、そこに非常な問題意識を持ちながら、何ともちょっとお答えできない、いわばそういう立場であるわけなんでございます。これからの競争政策、独禁政策というような問題と、それからそういった近代的な企業の体制とか産業の組織の問題とかいうものの結びつきの問題、申しわけないのですが、私におまえはどう考えるかと言われて、ぱっとうまく答えるだけの自信がいままだございません。 それから、第二番目の問題でございますが、これも考えてみればいまのような問題と似たようなことなんでございますけれども、やはり末端での競争というものが非常に激しく行なわれている、そういう最終消費につながるような商品と、それから鉄鋼とか化学工業とかいうような原料品工業における場合とで、多分にいわゆる寡占理論とか管理価格問題とかについての考え方は違うと思います。よくここらでも御質問受けましたビールの問題でありますとか、あるいはたとえば味の素のような化学調味料の問題であるとかいうようなのと、それからいまのような化学工業のいわば原料あるいは鉄鋼のような生産材の問題で、その辺の考え方は私は多少違うように思いますけれども、しかし、経済の実態が公正妥当な競争を通じてそのあげくが寡占というものが出てきたときに、それに対する取り組み方はもはや独禁法の競争政策だけの考え方からは律し切れないものがあることは私は考えております。その姿というものがどういう姿でやっていったらいいのか。企業だけにまかしてもおけない。といって政府があまり介入してもむずかしい。その度合いというものをどの程度のことにして、そういう寡占企業というもののビヘービアを見ていったらいいのか、これもいまの先進諸国がみな頭をかかえておる問題でございまして、私どもとしては、やはり本来独禁法体系の中においてやれることは、もちろん競争条件を整備していくということは必要でございますけれども、さらにそれを越えて出てきた、競争の中から生まれてきた巨大なるものに対する扱いというものに対しては、私個人の考え方としては、やはり一種の政府の監視のもとに置くような姿にならざるを得ないのではないかという気持ちを持っておりますけれども、これも実は課題として、私ども政府側としてどういうふうに対処したらいいかというはっきりしたところまで実はまだ出てきていない、そういうところでございます。
○齋藤委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時七分開議
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。二見伸明君。
○二見委員 わが国のエネルギー資源について、いままでかなりの論議が行なわれたと思いますが、ダブる場合があるかもしれませんけれども、若干お尋ねしたいと思います。 最初に、総合エネルギー調査会が長期見通しを立てておりましたけれども、政府のほうでは新経済社会発展計画を改定する。または通産省としてはわが国の産業構造の転換ということも考えなければならない。現在産構審で答申が最終段階に進められていると思いますけれども、そうした情勢を考えると、この長期見通しというのは、その段階でもう一度見直しが行なわれるのかどうか改定されるのかどうか、まずその点を伺いたいと思います。
○飯塚政府委員 総合エネルギー調査会が現在答申しております長期エネルギー需給見通しは、四十五年七月に策定したものでございます。その後諸般の経済情勢も変わりましたし、それから産業構造政策といたしまして、省エネルギー対策というような点についても配慮をする必要がございますので、これらの諸事情を勘案して、エネルギー調査会におきましても、いまの長期見通しについてさらに改定が行なわれることになるだろうと思います。
○二見委員 大体いつごろまでに改定作業が終わるか、それは現段階でわかりますか。
○飯塚政府委員 現在、時期につきましてはまだ見通しございませんけれども、できるだけ早くやっていただくことになるだろうと思います。
○二見委員 いずれにいたしましても、わが国の今後の経済の安定的な発展ということを考えますと、資源の確保、エネルギーの確保というのは、わが国にとって最も重要な政策の一つになるだろうと思います。 まず、資源問題あるいはエネルギー問題というのは、これはいろんな角度からとらえ方があると思いますけれども、やはり一番重要になってくるのは、今後需要量が、たとえば見通しの改定が行なわれたとしても、産業構造の転換がこれからスムーズに進んで、省資源、省エネルギーという方向に行ったとしても、絶対量の伸びはこれはやむを得ないだろうと思うのです。その場合に、それに見合うだけの資源の確保というものは、わが国にとっては最重要課題になるわけでありますけれども、これについて通産省はいまどういうお考え方をとっておられるのか、その点はいかがでしょう。
○飯塚政府委員 御指摘のように、昭和六十年時点だおきまして、かりに長期見通しの改定が行なわれたといたしましても、石油の量というのはかなりなものであることは想像にかたくございません。石油の長期にわたります安定的確保、かつ、相対的な低廉ということは、わが国にとりまして絶対的な使命だと思います。このためには、従来わが国の原油購入等につきましては、メジャーからの購入一本であります。それから地域的にも、中東地域に偏在しておったわけでありますが、安定供給という面から考えますと、この二点につきましても、少なくとも漸次改善を加えていく必要があるかと思います。 第一の点につきましては、わが国企業によります自主開発原油の増大ということが必要になってくるわけでございますが、その際に、自主開発というのは、狭い意味の自主開発ではございませんで、メジャー、OPEC等との協調をはかりながら自主開発をはかっていく、わが国の企業の意思によりまして、量的にも価格的にも安定、低廉なものが確保できるような体制をしいていくことが一つであります。 それから、第二点といたしましては、中東地域偏在の現状をできる限り改めるために、地域的な分散をはかっていく必要があると思います。大陸だなはもちろんでございますが、そのほか東南アジア地域、アフリカ地域等につきましても、開発の方向というものを強力に推し進めていく必要があろうかと思います。
○二見委員 いま自主開発ということで、これからの方向はメジャー中心から自主開発という面を開いていかなければならないというお話でございましたけれども、通産省としては、大体六十年までに三〇%の自主開発というのが前から打ち出されている方針ですね。その点で、いまOPEC、あるいはメジャーとの協調をはからねばならない、これは確かにそのとおりだと思いますけれども、実は先日、これは通産省としては否定いたしましたけれども、OPECとの包括的な取りきめというものが新聞報道で流されました。通産省としては、こういうことはあり得ない、考えていないという、たしか否定的な見解をお示しになったと思いますけれども、ただあの新聞の内容そのものは非常に具体的なわけです。ああいうOPECとの取りきめ、協定というものは、これはへたにやるとメジャーからの横やりが入って、あとあと困ることもこれは考えられますね。しかし、そういう問題はあるけれども、方向としてはあれは望ましいと考えていらっしゃるのか、あれはむしろ考えないほうがいいのだという立場をとっていられるのか、その点はいかがですか。
○飯塚政府委員 OPECとの関係につきましては、OPECのビヘービアというものはどういうものであるかということについて、われわれとしては慎重に先方の意向を聞くなり、また独自の調査なりをする必要があるかと思いますが、ただ、方向としては、先日通産大臣からもお答えいたしましたように、前向きの姿勢でこれに取り組んでいく必要があるというふうに私どもは考えております。
○二見委員 もう一点、自主開発に関連いたしますけれども、今回石油開発公団法の一部を改正する法律案でもって、石油開発公団に今度は調査することが認められたですね。ところが、総合エネルギー調査会の石油部会の中間答申ですが、むしろ今後の石油開発ということに関しては石油開発公団にも利権を取得させるべきではないか、こういう中間答申が述べられております。この点については、現在はまだ通産省がそのことは実質的に行なっていないわけですが、将来の方向としてはそれはお考えになりますか。
○飯塚政府委員 今回の公団法の改正におきましては、海外におきまして公団みずからが物理探鉱等の地質調査をやることができるように権能を付与されたわけでございますが、お尋ねの公団みずからが利権取得を行なう、行なわせるべきであるかどうかという点につきましては、実は現在におきましても、みずから利権の取得というところまではいきませんけれども、その前段の折衝等につきましては非常に積極的にやっておられるわけでございます。 たとえば利権の情報がございましたときに、その相手先との話し合い等も内々行なっておるわけでございます。その内容がわが国として取り上げるに値するものである場合には、これを民間企業にすみやかに譲りまして、民間企業の開発進出を助成するということを事実上やっておるわけでございます。そういったような情勢も少し推移を見ながら、その上での開発の進捗状況を検討いたしまして、その時点において、お尋ねの点につきましては検討することになるかと思います。
○二見委員 たしかイタリアのENIだと思いましたけれども、これは一〇〇%の国策会社ですね。わが国の場合には、石油開発公団はこの機能はないわけです。開発公団にこの利権を取得するまでの機能を持たせた場合のいい点と悪い点、それとも現在のほうがこういう場合は有利だ、こういう場合は不利だ、その辺の分析は当然されておると思いますので、ちょっとお示しいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 わが国におきましては、従来から民間企業のバイタリティを尊重しながら、これに対して公団が補完的な助成をしていくというたてまえで考えておるわけでございます。かりにENI、ERAPのように、公団みずからが利権を取得し、探鉱を行ない、開発をするということになりますと、民間企業との競合関係をどうするかというような問題、それから公団は国内におきまして精製事業を行なっていないわけでございます、開発した油の引き取りの問題等についてどうするかというような検討すべき点が、あまりにもまだ多いかと思いますので、これらの点につきまして、少し時間をかけて検討した上で結論を出さざるを得ないかと思います。
○二見委員 石油の開発というのは、非常に金がかかるし、リスキーな仕事だと思います。三〇%自主開発を目標にした場合、昭和六十年自主開発三〇%を達成するためには、当然ばく大な金がかかるだろうと思います。通産省として、これはもしオーソライズされておりませんでもけっこうです、この程度かかるのじゃないだろうかという、事務段階といいますか、研究段階でのそろばんをはじいたことがあったら、お示しをいただきたいと思います。
○飯塚政府委員 事務的にはいろいろ検討はしておりますけれども、まだ、六十年時点で、かりにわが国が自主開発原油として原油輸入量の三割を確保するという前提でどういうぐあいになるかという数字について、固まった数字はまだつくるまでに至っておらないようでございます。
○二見委員 私のほうで調査したことがあるのですけれども、それによると、大体五十年くらいまでには探鉱投資額としては三千億円くらい必要ではないか。開発投資としては大体四百億円くらい必要ではないか。そうすると、これだけでもって三千四、五百億円という金は確保しなければ、自主開発は非常に無理ではないか。もちろんこれだけでは済まないで、そのほかいろいろの経費を含めると五千億から六千億、ばく大な数になると思います。これは六十年段階になりますと、もっと大きな額になるだろうと思うのです。これはまだ通産省のほうで正式に試算してみなければわからないと思いますけれども、この数字が、多少上下することがあるかもしれませんが、いずれにしてもかなりのばく大な金額というのが必要になりますね。その場合、当然それをやるためには、どうしても財源の手当てというものはやらなければならぬのです。そうすると、これは大蔵省のほうの問題になるのですけれども、大蔵省ではそういう点はどういうふうに現在お考えになっていますか。
○大倉政府委員 お手元に調査室のほうから財政制度審議会の答申がまいっておると思いますが、財政制度審議会では、広い意味での自主開発の意義は認められるとしながらも、量的な目標を立てることは適当でないということを言っておられます。かりにある時点で三割の開発を必ずやらなければならぬという前提でものを考えますと、今後世界じゅうの開発油田の半分は日本が持っていなくちゃいかぬというような試算が出ております。これは言うべくして現実にはおそらく強行できないであろうから、自主開発の持つ意味は認めながらも、量的な目標をまず掲げて、ある時点でそれを達成するために必ずそれだけの資金量を投じなくてはいかぬという考え方は、とるべきではない。むしろ、具体的に着実なプロジェクトを見つけて、積極的に開発していくという立場をとるべきだということを答申されておりまして、私どもとしてもそのように考えております。
○二見委員 そうすると、自主開発については、通産省側の意見と大蔵省側の意見では、現段階では食い違っておりますね。通産省のほうとしては、安定供給ということから三割は何とか確保したい、こういう立場でいる。大蔵省のほうでは、自主開発の必要性は認めているけれども、たとえば三割だなんという数字を掲げるべきではない、できる程度でいいのだ。はっきり言ってしまえば、そういうことになりますね。
○大倉政府委員 私、若干ことばが足りなかったかもしれませんが、できる程度でいいと申しますよりも、できることしかできないのだというのが、財政審の御答申であるかと思います。
○二見委員 できることしかできないのはわかりますけれども、やはりある程度の目標というものを掲げませんと、できることしかできないのだったら、それはそのとおりですよ。たとえば三割目標を掲げたとしても、現実は二割になるかもしれない。三割目標を掲げたところが、できるまでいったら四割五分までいったということもあり得る。それはそのとおりだと思います。ある程度それに対する国の目安というものをきちんと立てませんと、自主開発というものはできることきりできないのだということじゃなくて、できるだけやればいいのだという、むしろ安易なほうに流れてしまう危険性もあるのではないか。私、その点を非常に危惧するわけですけれども、その点もう一度いかがですか。
○大倉政府委員 決して私どもは自主開発に対して消極的であるというつもりではございません。自主開発をやって、日本が自分の力で日本に持ってくる油が多ければ多いほど、いろいろな意味でわが国としてはプラスが多い、これは認めておるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、何年までに何割をどうしても持たなくてはいかぬというふうには、努力目標として考えるのは別といたしまして、そういう目標を立てて固定的に資金投入をしていくという性質のものではないように考えております。
○二見委員 通産省のほうはいかがですか。
○飯塚政府委員 三割というのは、エネルギー調査会の石油部会におきましても明示しておりますけれども、ただ、これも私ども努力目標というように考えております。結論としては、お話のように、あるいは二割何とかということになるかもしれません。これはいずれにいたしましても、石油開発につきましては、個々に具体的な有望なプロジェクトを積み上げてまいりまして、それに対する助成をどうしていくかというのが現実的な国の助成のしかたかと思いますので、まだ六十年時点においてどういうプロジェクトが出てくるかということはきまっていないのでありますが、その資金量において云々ということは、まだいまの段階では検討しかねるのではないかと思います。
○二見委員 自主開発に伴う問題としてお尋ねしたいのですけれども、これは石油と限らずに、資源ということでひとつお考えをお示しいただきたいのですが、日本人でいわれるのは、原料だけ全部持っていってしまう、加工は日本でやってしまう、こういう非難が前々からありました。石油の開発についても、あるいはその他の鉄にしろ銅にしろ、そういった資源の開発にしても、これからは、わが国の企業でも、それから通産省自身としても、そういうお考えを当然持っているだろうと思いますが、原料を持ってくるだけではなく、そこで加工してくる。石油で言えば現地精製主義といいますか、ほかの鉄なり銅なりにすれば、現地精錬主義ということになりますね。こうした方向に今後、石油だけに限られては困るのですけれども、鉄、銅、そういったものについても、現地精錬主義をこれから大きく取り上げていくのか。これは国内の立地条件ということから考えても、もう消費地精製主義、消費地精錬主義ということは、私は限界に来ているだろうと思います。通産省としては、今後どういう方向でこれを進めていくのか、ウエートをどちらに置いていくのか、その点の方向はいかがでしょうか。
○飯塚政府委員 結論から申し上げますと、現地精錬なり現地精製方式というものは、今後進めていかざるを得ないようなことになるかと思います。三つばかり理由が考えられますけれども、一つには石油に例をとりまして御説明申し上げますと、最近のOPEC等の動きから申しまして、単に原油を掘らせるための利権を与えるだけでは妙味がないので、OPECとしてもダウンストリームのほうにできるだけ入りたい。ついては、現地で精製をすることについて、現地政府と日本側企業との合弁でそういう事業を進めていくということが望ましいという、非常に強い意向が表明されつつあることは事実でございます。第二点は、国内の立地上の制約からでございますが、公害問題、過密化問題等からいたしまして、国内に今後非常に膨大な石油を精製し得るような立地的な余裕があるかどうか、これはかなり問題になってくるかと思います。第三点は、エネルギー対策につきまして、省エネルギー、省資源対策というのが今後の方向として当然強く打ち出されてくるかと思いますが、精錬、精製等におきまして、電力の消費その他非常に多いわけでございますが、こういったものが現地において精製、精錬が行なわれることによりまして、わが国産業構造の省エネルギー化に一歩前進になるという考え方もございます。 以上のような点から、どうしても現地精製方式というのは、今後進んでいくと考えざるを得ないと思います。
○二見委員 自主開発を進めていく場合に必要なのが、そのほかあと二つあると思います。一つは、情報収集の問題と技術者の養成の問題。わが国の場合には、情報収集をするための要員というのは、たしか四カ所で五人というふうに聞いております。これは、ほかのフランスやイタリアなどと比べると、比べものにならないくらい少ないわけです。この点は、商工委員会でもおそらく論議になったと思います。前々から論議されているわけですけれども、この情報収集に対する要員の確保というか、情報収集能力の強化ということについては、通産省はこれからどういう方向でやっていきますか。
○飯塚政府委員 現在、石油開発公団は四カ所に海外駐在員を置いて情報収集につとめておりますが、もちろんそれだけで十分とは私ども考えておるわけではございません。現在におきましても、公団の駐在員のほかに、ジェトロの駐在員も活用し、あわせて、当然のことですが、在外公館の情報等も十分しんしゃくいたしまして、諸般の検討を進めておるわけでございます。今後の方向といたしまして、公団の駐在員をさらに増員する必要があるかと考えますし、それからもう一つは、石油利権情報というのはきわめて個別具体的な事項でございますので、やはり公団の責任ある人が常に海外の情報提供源とのコンタクトを密接にする必要があるかと思いますので、そういった面におきましても、予算その他の面で今回はその強化をはかるようなことを考えております。
○二見委員 いずれにしても、いまの陣容では自主開発は望みが薄いでしょうね。
○飯塚政府委員 現在でもある程度の情報は入手しておりますけれども、これでは決して十分とは考えておりません。
○二見委員 もう一つ、技術者の養成ですけれども、石油開発技術センターができて、当然養成については強化されるのじゃないかと思うわけですけれども、石油開発技術者の養成というのは、ただ机上のデスクプランあるいは机の上でデスクワークでもって養成できる筋合いのものじゃないですね。技術者養成については、むしろ現地へ行って研修しなければならないということが非常に強いのじゃないですか。ここで勉強していればいいというだけのものではないですね。現地へ行かなければできない場合もかなりあるのじゃないですか。その点はどうですか。
○飯塚政府委員 現在わが国が一番おくれています技術は、物理探鉱の結果に基づきます解析方法について十分じゃないという点でございます。こういった点につきましては、外国のソフトウエア導入等によりまして、できるだけすみやかに外国との格差をなくすように努力いたしたいと考えております。 技術者の養成につきましては、御指摘のような現地において実習というような問題もあるかと思いますけれども、その前に、やはり物理探鉱の解析等の技術について、外国人の技術者を日本に呼び入れて、それの講習を受けながら技術者の蓄積をふやしていくという行き方もあるかと思います。当面は、そっちのほうに重点を置きながら、技術センターの運営をはかっていくように考えています。
○二見委員 大蔵省にお尋ねしたいのですけれども、石油開発技術センターについて、教育費として通産省が要求した額を、査定額をゼロにいたしましたね。これは数字が三千八百万ですか、ちょっと理由を言ってくれませんか。
○大倉政府委員 通産省の要求の中に、研究系統と教育系統、両方に分かれておったように記憶しております。それで、技術センターをつくること自身が新規事項でございますので、だいぶ議論をいたしまして今回の予算案になったわけでございますが、センターを新しくつくることでもございますので、当面研究のほうに重点を置こうということで、要求にありました、金額的に大きなものではございませんが、三千八百万円は、今回見送りという結論になった、そういう経緯でございます。
○二見委員 たとえば、技術者養成というものが非常に大きな問題になっておるわけですね。わが国では、ほとんど五百人くらいきりいないのじゃないですか。メジャーになりますと、一つの企業で千人も二千人もいる。わが国では、国全体で五百人くらいきりいない。この点では、非常に立ちおくれがあるわけです。そこで本気になってエネルギー資源というものを確保するためには、これは考えてもらわないと、ことしはセンターを設立するばかりだからということで、一応の理由づけはできるかもしれませんけれども、この点を等閑視したならば、幾ら石油を確保しよう、資源を確保しようといっても、あまり役に立たないのじゃないか、そういう感じがするのですが、大蔵省はこれはどういうふうに考えますか。
○大倉政府委員 今回の予算編成の過程で議論しておりましたことは、まさしく御指摘のように、いま量的に非常に不足しておる、できるだけ早く技術者の拡充をはかりたい、その気持ちでは、通産省と大蔵省食い違っておるわけではございません。ただ、何を最も急いで取り上げるべきかということでは、まず一流の技術者というものに相当するのを早く育てる。そういう人たちがさらに今度は新人を教育していこうという考え方をとって、今度のような査定をいたしたというような経緯でございます。
○二見委員 海外自主開発に伴って、その次問題になりますのは、きょうは運輸省呼んでなかったのですが、運んでくることですね。資源で問題になるのは、向こうで開発するでしょう。今度は運んできますね。加工するかどうかということは、先ほどの御答弁で、いろいろな客観情勢から見ても、これから現地精製、現地製錬ということが主体にならざるを得ない。今度はそれを運んでくる手段、こうなる。これは、船がなかったら運んでこられませんから、この点について通産省はどういうふうに考えているのか。船をつくることに関しては運輸省のほうですから、その点はいいですが、通産省としては、輸送手段の手当てについてはどういうふうに考えているのか、その点をひとつ明らかにしてもらいたいこと。 それから資源というのは、今度はわが国に持ってきて使いますね。石油なら石油で、一つは重油としてたきますね。その場合の排気ガスの脱硫技術が、今後これからどこまで進歩するかが大きな課題になりますね。それから、重油という形でなく、ナフサからいろいろな品物が出てくる。ポリバケツみたいなものができてくる。このいわゆるごみというもの、これの処理も今度は考えないと、資源は確保しました、日本の国はごみだらけになりましたというわけにいかぬ。これもやはり資源問題の一環として考えなければいけませんね。この点については、通産省としてどういうふうにお考えになっていますか。
○飯塚政府委員 資源につきましては、運搬というのが非常に大きな問題であることは御指摘のとおりでございますが、現在のところの邦船積み取り比率を考えてみますと、四十五年度の実績でございますが、鉄鉱石が三六%、石炭が三〇%、原油が約六〇%という比率になっております。こういう資源の安定的な確保という点から考えますと、やはりなるべく邦船の積み取り比率を増大するということが望ましいわけでございますが、通産省といたしましては、常々業界に対しまして、邦船の積み取り比率の増大ということを要請しておるわけでございますが、片一方、運輸省に対しましても、計画造船の中において邦船積み取り比率の増大を積極的に進めていただくようにお願いをしておるところであります。 それから、第二点の公害対策の問題でございますが、公害対策といたしまして現在最も力を入れておりますのは、低硫黄原油の確保と脱硫設備の増設、それから天然ガスの導入等でございますが、これらの点につきましては、従来までの努力によりまして、漸次その効果があがっているというふうに私どもは考えております。 なお、最後にお尋ねの廃棄物処理の問題でございますが、これは化学工業局のほうからお答えを申し上げます。
○小幡説明員 お答えいたします。 石油化学製品、特に廃棄物の処理が大きく問題になりますのは、プラスチックの廃棄物でございます。この廃棄物対策といたしましては、昨年来厚生省及び通産省で協議をいたしまして、この対策を立てているわけでございます。 プラスチックの廃棄物が出てくる排出源といたしましては、一般の家庭のごみとそれから工場等の産業系のプラスチック廃棄物、この二つあるわけでございますが、一般の家庭のごみの中に入って排出されるプラスチックの処理対策といたしましては、これは厚生省のほうにおかれまして都市焼却炉の高度化をはかっているという政策を立てておるわけでございます。一方、工場等の産業系から出てまいりますプラスチックにつきましては、これは通産省のほうにおきましてこれの総合的な処理対策を立てておるわけでございますが、通産省の考え方といたしましては、基本的にはこれを有効に利用するという方向で進めてまいっておるわけでございます。プラスチックは、その性格から申しまして、これをただ燃してしまうというのは非常に不合理である。公害費用の低減、資源の有効利用という観点からいいましても、これは有効に利用すべきだということで、まずその技術の開発に現段階では力を入れておるわけでございます。当省におきましても、工業技術院の傘下の試験研究機関におきまして、廃プラスチックの切断、破砕、焼却、分解等の基礎的研究の開発を進めております。また、光分解性プラスチックの研究開発にも着手しておりますが、一方民間におきましても、再生利用、分解による燃料油の製造、熱回収等の研究が活発に進められておりまして、再生利用等の一部の技術はすでに実用化されておるわけでございます。現在、プラスチック製造業の団体が中心となりまして、これらの技術の実用化を促進するためにプラスチック処理研究協会を設立いたしまして、すでに千葉県船橋市の試験工場において、再生利用の実証プラントを運転しております。また、埼玉県の越谷市において、専焼炉の実証プラントを建設中でございます。このために、通産省といたしましては、当該協会の研究に対して研究、開発のための資金援助を行なうこととしておるわけでございますが、これらの技術の発達に即しまして、現実に産業廃棄物を有効利用していくという計画を現在検討している段階でございます。
○二見委員 時間がありませんので、まとめてお尋ねします。 いまの再生利用の点で、私の聞いたところによると、プラスチックは石油に戻るんだ、そういう研究を進めているということですけれども、それが事実かどうか。またそれが事実であるとすれば、かなり可能性のあるものなのかどうか、これをお示しいただきたい。 それから公害対策としてのエネルギー源としては、石油じゃなくてLNGのほうがいいわけですね。これについては船の問題なんかもありますけれども、今後LNGを利用するということに関してはどういう方向で行くのか。天然ガスですね、この可能性というか、見通しはどうなっているのか。長期見通しのときよりもさらに高い見通しが立てられるのかどうか、それもお示しいただきたい。 これは大蔵省と通産省の両方に関係すると思いますけれども、どうせドルが余っているんだから、これを積極的に資源開発に活用すべきだという見解が通産省から出ましたね。大蔵省は否定的な見解ですね。大蔵省の場合には、まず原則的には否定なのか、原則的には否定しないけれども、こういう問題があるからいま踏み切れないのだ、そういう点をまず明らかにしてもらいたい。通産省で言う外貨政策というものは、どういう方向でやろうとしているのか、これをお示しいただきたいと思います。 それからもう一つ、これは実は午前中谷村公取委員長にお尋ねしたんですけれども、それに関連するので一点だけお尋ねします。 エチレンを不況カルテルにした。エチレンをつくる段階では、ナフサは四十七年三月の段階で、四十七年度の需給見通しとして三百万キロリットル輸入するという見通しがあったはずです。不況カルテルになった場合には、三百万キロリットルのナフサというのは、輸入が減るのかどうか、その点をまとめてお答えをいただきたいと思います。
○小幡説明員 お答えいたします。 私からは、プラスチックの廃棄物を有効利用いたしまして、これを油にすることができるのかどうかという点についてお答えさせていただきますが、プラスチックの廃棄物と申しましても、いろいろな種類がございます。非常に単純な一種類のプラスチックの廃棄物である場合と、それからいろいろなプラスチックが混合している場合と、大きく分けると二つございます。現に単純な一種類のプラスチックを油にする技術は、すでに実用化されておりまして、これは現に商業規模で運転されております。それからいろいろな混合したプラスチックの廃業物を油にする技術は、現在研究の段階でございまして、実験室的には成功しておりますが、これは実用化のための研究をいま進めている最中でございます。
○飯塚政府委員 天然ガスの利用の問題でございますが、無公害燃料としまして天然ガスに対して私ども非常に期待をかけているわけでございますけれども、残念ながら天然ガスの供給源につきましては、必ずしも明るい見通しは立てられておらない状態でございます。現在までのところ、アラスカの天然ガスが日本に輸入されておりますが、本年からブルネイから新たに入ってまいりますけれども、これだけでは無公害燃料として非常に大きな役割りを果たすというわけにはまいらない。将来中東地域等におきます天然ガス資源の開発にわが国企業も乗り出していって、これによって大量の供給確保をはかる必要があるかと思います。 なお、船の問題が重要な問題であることは御指摘のとおりでございますが、これはわが国の造船会社も、すでにLNG運搬専用船を建造する技術的な能力は身につけていると聞いておりますので、この点については心配ないかと思います。 それから、外貨活用の問題でございますが、私どものほうといたしましては、資源開発にこれが何らかの形で役立つような使い方にできないかということで現在検討しておりますけれども、まだ成案は得ていない状態であります。
○大倉政府委員 外貨活用の問題、ただいま通産省からもお答えございましたように、まだ政府としても成案を得るところまでまいっておりませんが、御質問の中で、方向はともかくとして何か問題があるのかというお尋ねがございましたので、ごくかいつまんでこういう問題があるということだけ申し上げてお答えにかえさせていただきたいと思いますが、一つは、御承知のとおり、政府の手に入っております外貨は、輸出なり技術輸出なりをいたしまして、その方々が外為に外貨を売り上げているわけでございます。したがいまして、その方々の手には円が入っておる。したがいまして、外貨をじかに使いますときに、円の裏づけがなしに外貨金融というものが出ていくことになります。それが、円の裏づけがない外貨金融というものと円金融と併存していくことに伴ういろいろな問題が出てまいります。それが問題の一つでございます。 それからもう一つは、現在の外為法なり外貨準備の考え方は、やはりいま申し上げましたような経路で国民が輸出その他を通じて取得された外貨を円を対価として買い上げて保有しておるわけでございまして、必要があれば輸入等のために円を売り渡すというたてまえで保有しておるわけであります。したがいまして、これをどの程度まで長期的に運用できるのか、量的にどうなのか、法律的にどうなのかという問題が、基本的な問題としてかなりむずかしいところがございます。どこまでできるのか、現在鋭意研究をしておる。必要があれば法律改正までいくかもしれませんし、円原資の調達の問題があるかもしれません。この辺を基本的な問題として研究を続けておりまして、まだ成案は得ておりません。 さらに申し上げれば、そういう公的な資金を根元といたしまして流動性をもって保有しておる外貨でございますから、これを特定のセクターに運用するということにもおのずから限度があるということも議論されております。 さらになお、技術的に申しますれば、かりに外貨金融をいたしましたときに、それが直ちに円転換されて再び外為に戻ってきたのでは、何をやっておるのかわかりませんので、その辺の技術的な詰めも必要かと思います。 いずれにいたしましても、問題点として申し上げたつもりでございまして、政府全体としてこの問題をどう考えますか、もう少し時間をいただいた上で政府としての見解を申し上げる時期があるかと思います。
○齋藤委員長 関連して、丹羽久章君の質問を許します。丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 重複するかもしれませんし、席をたまたまあけておりましたので、すでに答弁が終わっておるかもしれませんが、自民党の議員としてちょっと尋ねておきたいと思います。 今度の石炭対策特別会計法の一部改正についてでありますが、通産省おいでいただいておるようでありますので、通産省にお尋ねいたしたいと思います。 現在、日本の石油の使用量の増加率をちょっと教えていただきたい。年ごとにどの程度ふえてきてるかということ、ここ二、三年でけっこうです。たいへんなふえ方だということをいっておりますが、それはわかりませんか。
○飯塚政府委員 四十六年におきましては、ドル・ショックというような異常事態がございましたのでこれは別にいたしますと、それ以前の状態におきましては、年々ほぼ一五、六%くらいの伸びであります。
○丹羽(久)委員 四十六年のドル・ショック以外は年々一五、六%とおっしゃるが、少し数字が間違っていないでしょうか。私の調べておる、また聞いておる範囲では、一〇%や一五%じゃないということです。世界で一番たくさん油を使うのは日本だといっておる。一五、六%だという、古いことばなら一割五分あるいは一割六分、そういうことになるが、少し間違っていませんか。それは審議官、責任持った答弁ですか。
○飯塚政府委員 ちょっと説明が不足しておりましたが、四十六年はたまたま年央から入っておりますので、最近数年間の平均をとりますと、一五、六%でございます。したがって、四十六年の異常事態を除いて、その前の年二年ばかりを考えますと、四十三年と四年との対比では二二%の伸び、それから四十四年と五年との対比では一九%であります。
○丹羽(久)委員 議論はしませんが、数字的には少し違っておると私は思っております。もう一度私は調査しますが、新聞なんかの発表を見ますと、自動車のふえた、工業の進んだこの状態から、日本の石油の使用量はたいへんな伸びであって、そんな二〇%や二二%ではないと私は思っています。倍近くなっておる。ここ二、三年の間には非常にたくさんの量が使われておるといわれておりますが、これは通産省のあなたが専門的におっしゃることだから、一応そう思っておきますけれども、もう一度私も調べてみましょう。 それから、日本の国内で産出する油、これはどれだけであるか、海外から買い入れる油の量はどのような率になるのでございますか、その点国民の前に明らかにしておきたいと思いますから、お聞かせいただきたい。
○飯塚政府委員 国内におきまして産出する原油は、約九十万キロリットルでございます。この量は、ここ数年の間ほとんど変わっていない状態です。わが国で使います原油の九九・七%は、海外からの輸入原油に仰いでいる状態であります。
○丹羽(久)委員 海外から買い入れるのは九九・七%、これは大体だれに聞いてもそういう数字でありますので間違っていないと思いますが、九十万キロという数字と九九・七%、この九九・七%というのを海外から買い入れるとすると、〇・三%が日本の油の産出量である、こういうことになるわけですか。
○飯塚政府委員 そのとおりでございます。
○丹羽(久)委員 次に、お尋ねいたしたいと思いますことは、現在九九・七%、ほとんどが外国製品であるとするならば、日本に貯蔵する量ですが、どれだけ持ちこたえるという量を目標にしていらっしゃるか。たとえば自動車の場合、あるいは化学工場の油を使うところ、火力発電所等々は、通産省は経済の基本的指導の役割りをしていらっしゃいますが、どれだけ持ちこたえるという計算を目途に置いていらっしゃるか、その点お尋ねいたしたいと思います。
○飯塚政府委員 現在石油精製業界におきましては、原油の備蓄量は約年間消費量の四十五日分でございます。四十五日分の石油の備蓄というのは、世界的に見ますと少な過ぎるということでございますので、今回の特別会計法、石油公団法の改正等によりまして、備蓄の増強に政府の助成もしていこうということでございますが、備蓄の目標といたしましては、三年間に十五日分の備蓄の量をふやしたいということでございます。
○丹羽(久)委員 時間がありませんので議論を抜きにしまして申し上げますが、四十五日分というが、外国では大体三月から四月というのが持ち分だといっておるのです。これはかつて菅野和太郎通産大臣の当時に、私、質問しておりますが、記録を調べていただいてもわかりますけれども、当時は十五日間よりなかった、あるいは十七日くらいよりありませんという通産大臣の話で、そんなことで日本経済というものができていくのか、もし油が入らないようになったら暗黒になり、自動車一台も動かないようになって、発電所はとまってしまう、それではだめだといって議論をしました。考えなければならぬということで、いまでは四十五日間だと言っていらっしゃるが、よその国では大体三月から四月、あるいは半年くらい持ちこたえられる。それも大陸続きですからね。先ほど質問せられたように、日本は島国であるから、持ち運びにタンカーなり船を持っていかなければならない。全然事情が違うのです。 そうすると、この四十五日ということが、ほんとうに四十五日間あるかないかということに対して私は疑念を持つ。先日は、石油開発公団の総裁に来ていただいていろいろ話をしてみると、大体三十日ぐらいだと考えております、それ以上はちょっと困難であります、貯蔵していく上においても金もかかるし、いま研究しておるという話であったけれども、ほんとうに四十五日間というだけの力はあるのでしょうか。 さらに、これに対して、四十五日というと一カ月半ですから、その間にすべての問題が解決すればけっこうですけれども、せめてもっと二月や三月は貯蔵する力を持つ。しかも三年後の計画というものは、非常に微々たる計画である。一体日本の工業がこれだけ進んできた中心になるものは何かといえば、油だろうと思うのです。その油が三年たった後にもわずかの日にちより持つ力を考えていないというような政策で、はたしてほんとうにこれで乗り切っていけるでしょうか。もう一度その点私はお尋ねしておいて、次の機会にこれを中心にして議論をしてみいと思いますから、一応お答えいただきます。
○飯塚政府委員 四十五日の備蓄をほんとうに持っているかどうかということでございますが、これは石油業法に基づきまして、石油精製業が法律に基づきます届け出をしておる数量を集計したものでございますので、この数字は信頼するに値すると考えております。 それから六十日の備蓄に上げるのに三年後ということでいいかどうかという問題でございますが、確かに御指摘の点はあろうかと思います。ただ、備蓄を行ないますにつきましては、タンクの建設等の問題、それから原油の購入等の問題がございまして、相当な資金負担にもなりますので、十五日分を一気に一年間に引き上げるというようなことは、かなり過酷な要求を企業に対してすることになるおそれもありますので、当面のところは、毎年五日分ずつで三年後に十五日分ということで処理していかざるを得ないと思います。
○丹羽(久)委員 まだたくさん聞きたいことがあるのですけれども、関連ですから遠慮しておきましょう。 それで、最後の点になるわけですが、日本の一部分にすぎないけれども、非常に大きなウエートを示しておりますからこの点尋ねておきたいと思いますが、ガソリン代は一リットル幾らかということを通産省は御存じですか。大体一リットル幾らかということを海外との対照率、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等々の国と日本とのガソリン代、九九・七%を買う日本の油と自分の国で持っている国との油の代金、この差額というものを、日本は高いと思っていらっしゃるか、安いと思っていらっしゃるか。それは基本的な問題だと思うけれども、一点それをお尋ねいたしておきたいと思います。まず、一リットル大体幾らかということをお答えいただきたい。
○飯塚政府委員 国内におきましては、一リットル五十八円でございます。ガソリンの値段の中にはガソリン消費税も入っておりますので、消費税を込めた価格で各国と比較いたしますと、イギリス、フランスよりは日本のほうが割り安でございますが、アメリカよりは高いというのが実情でございます。
○丹羽(久)委員 ガソリン代が安い。自動車も、いまから二十年前には大体八十万から九十万したのです、日本の国産品の乗用車一台というのは。いま二十数年たった今日でも、八十万あるいは九十万で買えるのですよ。そして油は、世界の国から見た日本は、全部タンカーで持ってきて、精製して、それを供給している。スタンドで売っている価格は、よその国は、自分の国で油がふき出て、自分の国である程度まかなっているのですよ。 もう一度はっきりした返事を聞きたいと思うことは、その国と日本と対照した場合に、日本は安いとお考えになっておるか、高いとお考えになっているかということ。いま五十八円という価格を言われたが、五十五円のところもあるし六十円のところもあるから、一円や二円違ってもけっこうですけれども、まずたとえば平均して五十五円とした場合には、どうお考えになっているでしょうか。それをひとつ審議官お答えいただきたい。
○飯塚政府委員 現在のガソリン価格をかりに五十八円といたしますと、その中で二十八円がガソリン税でございます。それを除いた残りの三十円というのは、税引きの価格ということになるわけでございます。これは、わが国のガソリンの価格と諸外国のガソリンの価格と比べてみますと、先ほど申しましたように、アメリカよりは高いけれども、イギリス、フランスよりは安いというような状態でございます。ただ、油の値段を比較する場合に、ガソリンだけで比較することが適当かどうかという問題もあるいはあると思いますが、原油から精製するものは、ガソリンのほかに重油とかナフサ、いろいろございます。それぞれの国の需要構成に応じまして、原油からのガソリン、重油等の取り率をきめておりますので、すべての石油製品価格を一括して比較してみませんと、はたして日本の石油製品価格が外国と比べて高いか安いかという判断は——比較する場合には、すべての石油製品価格で比較して検討する必要があるのじゃないかと思います。
○丹羽(久)委員 その議論はまた今度、後日に譲ることにいたしましょう。 私の考えを申し上げますと、原油から軽油もとれれば重油もとれる、あるいは灯油もとれる、揮発油もとれる。なぜ私がガソリンと称する揮発油だけを対象としたか。最近の自動車のふえ量、そしてこれを使用しておる人たちの心がまえ等々を私考えてみると、ガソリンが安い。安いから走り過ぎる。最近私痛切に感じたことは、必要な産業、工業の発達のために使う油ならば、もっと安くしてやることも高くすることも、国民相談の上でいろいろきめていただくことはけっこうだが、ぜいたくのために、ふろ屋へ行くにも自動車に乗っていくというような現状では、やはり考えなければならぬということを、私自身大蔵委員だけでなくて、交通安全対策というたてまえからいっても——これだけ自動車がふえてきた。その原因たるものは何だというと、一リットルたったの五十五円で買える。五十五円で小型なら十五キロなり二十キロなり走れるというようなことで、油が安ければ自動車が売れる。自動車が売れれば、自動車が悪用されて町にはんらんしていくということを考えると、いささか税金に対する考え方、油に対する考え方というもの一本だけではいかぬようなかっこうになってきた。何かの手を打たなければいかぬだろうというようなことで、これはこれから税金問題になるから一応大蔵委員会で取り上げてみたいと思っておりますが、その前段として、ほとんどよそから買わなければならない外国製品が、よその国と比較してみて、いろいろ税金はかけておるけれども、思ったより安いという原因が出てきておるのじゃないかということを申し上げるのです。もっと大切にものを使わなければならないという一つの原因があるから、これをお尋ねしたわけなんです。 それから、海外の石油資源開発のために、二百五十八億円使われるということになっておると思います。そういう意味において、海外におけるところの開発をし、いよいよ油が出るようになったということで、クウェートのアラビア石油なんかは大いに活躍しておりますが、これからもそういうように相手国と日本国との話し合いによって開発する、あるいは権限を委譲せられて開発したとき、平和なうちはいいけれども、もしもの事態が起きたときには、開発したその石油を持ってくることができるという保証があるかどうか、その見通しは十分つけて開発に乗り出されたのかどうか、その点どうでしょうか。これに対する通産省の考え方、そして石油開発との話し合い、それはどうでしょう。これはたいへんだと思うのです。私はクウェートへ行って、アラビア石油の出しておるところを見た。山下さんも行かれたけれども、あそこから運んでくるということは、平和なときはいいけれども、平和でなくなったときには、封鎖せられてしまったら、少しも入らないというおそれもあると私は思うのです。そういうような事態が起きてきたときも、日本国は憲法によって戦争は不介入である、戦争を放棄しておるといって——それだからといって入ってくれはけっこうです。それははたして、相手国との開発におけるところの話し合いにおいて、それは十分にできる国をやられるのか。そういうことは考えない、そういうときにはそのときの処置として考えていくというのか。その点どうでしょう。
○飯塚政府委員 わが国で開発した油が不幸にして引き取れない事態というのは、たとえば局地的な戦乱の際とか、あるいは相手国政府から日本の企業がにらまれて出荷停止とか、そういった場合です。幸いにして現在まで、開発いたしましたアラビア石油は、サウジアラビアに本拠を置きまして、サウジアラビアとクウェートの中立地帯でございますが、両方の国ともOPEC諸国の中では比較的穏健な立場をとっておりますので、先方との話し合いにおいて、そういった日本側の危惧も十分向こうに会社側から伝えておりますし、ほかの国におきます開発に比べては、引き取りにつきまして比較的安泰な状態にあるということは、申し上げ得るかと思います。
○丹羽(久)委員 どうもありがとうございました。 それじゃ審議官、申し上げておきますが、安泰なときはけっこうであるし、日本の国は戦争には不介入であるという原則があります。だから、安泰なときのことを考えて言うんじゃない。もしも相手国がごてごてしたときにも、それを保障して、日本は平和国家であるから、関係なしでくれるような条文か何かちゃんとでき上がって話し合いが進められておるのか。これからもやろうとするならば、まず前提としてそういうことを考えなければならない。戦争が始まったって、自分の国が必要だから、もうおまえのところには、掘ってはくれておる、金は出しておるけれども、お断わりだというような事態になってきたら、これは何にもならない。これはやはり、外交の上において、資源開発をする上において、相手を信用するのみだということでなくて、一つのそういう条約をきちっと結んだ上においてやっていかないと、相手が日本から出ていった会社ですというわけにはいかない。日本政府の責任になると私は思うんですよ。あなたは通産省の審議官で、よく御存じだと思うが、あの飛行機、YSの問題でも、契約書が書いてあったがために、他の人に売らしたといって何十億という賠償金を取られておるでしょう。一機の飛行機も売ってくれぬからということで、それじゃもうとても日本は困るということで、ほかのハイヤーを頼んで売った。そしたら、契約書を突きつけて、一切の権利は私のほうにまかして私の国で売らせることになっておったのを、人に頼んで売ったことはおまえのほうのかってだ、だからそのマージンは全部よこせといって、何十億という金を払わされた。それが決算委員会で問題になって、最後の結末は、常務がやめなければならぬ、社長がやめられたというようなことで、あと始末はどういうように片をつけたか知りませんが、そういう事態が起きてくる。 だから、これから開発をせられる上において、私は、十一兆数十億の予算を計上するうちにおいての石油開発というものに二百五十八億や三百億なんというような金は、全く涙金にもひとしい。これはぼくに言わせれば問題でない。三千億か四千億でも見たというならばとにかく、これはもう努力はよくわかりますけれども、一挙にはそうやることはできないからそういうことになったろうと思うが、かつてケネディはどう言ったか。海中開発と宇宙開発だけにどれだけの金がかかってもこれはやるべきであるということを、十数年前すでに、彼が死ぬ三年前にそういうことを言っておる。日本はずいぶん立ちおくれておるんです、資源の問題については。だから私は、この金額は決して多い金額ではない、少ないとむしろ思っておりますが、どうかひとつ十分に御検討していただいて、そして日本の将来のためにあらゆる角度から検討していただきたいことをお願いいたします。 たいへん長くなりまして、委員長、どうもすみませんでした。
○齋藤委員長 小林政子君。
○小林(政)委員 わが国における第一次エネルギーの石油消費量は二億キロリットルをこえるというふうにいわれておりますけれども、世界の消費量の中でも、日本の消費量は一割を占める。こういうような大量消費国であると同時に、また世界最大の輸入国でもあるわけです。で、日本の輸入原油については、いま御質問ありましたけれども、約九九・七%が海外からの輸入であるというふうにいわれておりますけれども、日本の輸入原油の七〇%が、アメリカの石油会社を中心とする、いわゆるメジャーを含めて、お金を借りているという代償として、原油の輸入面では一〇〇%の買い取りが義務づけられている、こういうような、いわゆるひもつき原油が圧倒的多数なわけでございます。石油の開発面においては自主開発というようなことが現在盛んにいわれておりますけれども、この精製量の五五%は何らかの形で外資が関連をしている、あるいは提携の会社である。また、そのほかのものについても借金をしているという会社が非常に多いわけでございまして、自主開発ということを打ち出しても、精製の段階あるいは販売ルートはほとんどはアメリカやメジャーに占められているというのが現状であろうというふうに考えますけれども、一体、自主開発ということを盛んにいま主張されておりますけれども、これらの現状について通産省はどのような認識を持たれているのか、お伺いをいたしたいと思います。
○飯塚政府委員 わが国の精製業は、戦後再開されたものが多いわけでございまして、戦後、アメリカの占領下におきまして、アメリカの影響によりまして、かなりアメリカ系の外資が石油精製業に出てきております。その結果、ただいま御指摘のように、精製部門におきましては、約五〇%は外資系でシェアを占めております。この五〇%も、実は石油業法を主体といたします行政指導によりまして漸次民族系の比率は上がってきたわけでございますが、上がった結果、現在の時点で五〇%が民族系であり、残りの五〇%が外資系であるという実態になっておるわけでございます。わが国の企業がせっかく海外で開発した原油が、外資系の企業が外資との原油購入についてひもつき契約を強制されておるためにスムーズな輸入ができないではないかという御指摘でございますが、まず、外資につきまして、通産省といたしまして従来から指導をしてまいったわけでございますが、四十四年以前におきましては、五〇%の外資が入っておる企業につきましても、原油の購入につきましては一〇〇%ひもつきというような強制をされておったわけでございます。それに対しまして、通産省といたしましては、そういう実態はやはりおかしいということで、石油業法に基づきまして設備の許可を行なっておりますが、この際に、四十四年度以降新設する設備については、ひもつきの原油購入量というのは外資の比率までを限度とする。つまり五〇%の外資の精製会社につきましては、従来は一〇〇%原油をひもつきで買わされておったのを、五〇%までそのひもつきの量を下げよという指導をしてきたわけでございます。四十四年度の設備許可したものの稼働は大体四十七年の四月くらいからでございますので、漸次そういった行政指導の効果が引き取りの面でもあらわれてくるのではないかというのが一つであります。 それからもう一つは、アラビア石油が従来からサウジアラビアにおきまして開発をやっておるわけでございますが、この引き取りの問題が実は大きな問題であったわけでございます。現在二千万キロリットルばかりわが国に持ち込んでおりますけれども、この引き取りにつきましては、民族系のみならず、外資系の石油精製企業に対しましても、生産の割合に応じまして引き取るように行政指導をやっておりまして、それが現在まで着実に実施をされておる状態でございます。
○小林(政)委員 石油精製の問題一つを取り上げても、現状では五〇%以上がいわゆる外資系の提携会社等によって占められている、こういうことでございますけれども、これでは、私は、わが国の石油政策というものが、現状ではやはりアメリカ及び七大国際石油資本の支配下に実際には置かれている、こういうことではないかというふうに考えますけれども、この点についてどうお考えになっていらっしゃいますか。
○飯塚政府委員 石油業法施行以前、つまり昭和三十六年以前におきましては、そういう事態がかなり濃厚であったわけでございますが、そういう事態を放置することはわが国の石油政策上好ましくないという認識の上に立ちまして、石油業法が施行されまして、石油業法に基づきます設備許可等を通じまして、外資の支配というのをできる限り排除して、民族系の石油精製企業もしかるべく発展をなさしめるような指導をやってきておるわけでございます。その成果というのは、石油業法施行以後十年以上経過しておりますが、漸次あらわれているというふうに私どもは考えております。
○小林(政)委員 確かにおっしゃるとおり、石油業法によって、新たに設備の許可をする場合には、一応いまおっしゃられたようないわゆる持ち株比率というようなところまでを限度にというようなことがいわれておりますけれども、私がいま伺ったのは、従来行なわれてまいりました資本提携分については、一体現在どうなっていて、そして今後どうしていこうとされているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○飯塚政府委員 外資の排除ということはなかなかできにくい問題でございますが、現在存在しております外資会社について、その持ち株の比率をさらに減らしていけという指導はなかなかできにくいかと思いますが、逆に、現在存在いたします民族系の精製企業をできる限り助成することによりまして、日本の国内におきます民族系と外資系との比率をできる限り民族系にウエートを置かせるような方向で指導していきたいというのが、私どもの基本的な考え方でございます。
○小林(政)委員 現在、自主開発ということで進められておりますいわゆる三十一プロジェクトの開発計画、この内容等を見てみましても、十八プロジェクトが米国資本系との共同事業といいますか、提携事業、こういったようなことであって、約半数以上がやはり依然としてこのような状態が続けられているというような中で、はたして自主的な開発ということがいえるのかどうなのか、こういう点について一体どういうお考えを持っているのか、明確にお答えをいただきたいというふうに思います。
○飯塚政府委員 私は、海外で日本の企業が原油を開発いたします場合に、外資と提携をして共同事業として行なわれること自体については、別に危惧を抱いておるわけではないわけであります。問題なのは、日本の企業が海外で——これは外資と提携をしたりOPECと提携をしたもの全部含めてでございますが、日本の企業が海外でせっかく開発した原油が日本の国内にスムーズに引き取れないというような事態が、かりに日本の国内におきます外資系企業の力があまりにも強大なためにそうなっておるのだとしたら、非常に憂うべき事態でございますが、その点は、先ほど申し上げましたように、石油業法の運用によりまして、漸次民族系企業のウエートは高まってまいります。したがって、フリーハンドの原油と申しますか、日本の企業が海外で開発した原油も、引き取りやすい筋が、漸次増大しておるというふうに考えておるわけでございます。
○小林(政)委員 資本の提携企業やあるいは借金をしている企業が、いわゆる基本契約を取り結んでいるわけですけれども、この内容というものあるいはその条件というものはどういうものなのか、お伺いをしておきたいと思います。
○飯塚政府委員 ごく大きな点だけについて申し上げますと、従来の原油購入につきましては、全量がひもつきであった、つまり売り主であります外資系の親元会社から油をひもつきで買わなければならぬということが義務づけられておりました。ただし、どういう種類の油を買うかというのは、親元の会社が持っておる油ならば買い主のほうで自由に選択できるというその余地はございますけれども、量的にはいずれにいたしましても全量親元の会社から引き取らなければならぬという義務づけをされております。それから価格につきましては、日本のほかの精製企業が海外から原油を買ってくるのに比べて競争的な価格で供給している。つまり親元の会社としては、子会社が日本におって、それが自分のところの油を買うために、ほかの日本における精製企業よりも競争条件として悪い立場に立っては困るという配慮から、価格については競争的な価格で売っているのが、原油購入契約の利点かと思います。第一点につきましては、先ほども申し上げましたように、四十四年の設備の許可以来、石油業法の運用によりまして、持ち株の比率までひもつきの量を下げるように指導してまいっております。
○小林(政)委員 かつてOPECでもっていわゆる公示価格の引き上げが問題になりまして、それを契機にしていま大きな問題になっておるわけですけれども、私は、産油国として自国の産業に対する利益やあるいは権利を主張するということは、当然のことだというふうに考えておるのです。しかし、メジャーが、OPECでもって公示価格の値上げ分についてそれをそっくりそのままいわゆる全量親元会社がわが国の石油関係に持ってくる、こういうような中で日本に押しつけてくるというようなことが、基本契約の中で実際には約束がされているのかどうなのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○飯塚政府委員 他の国際価格が上がる場合には、それに応じてやはり売り払い価格を上げるという条項は入っておるようであります。
○小林(政)委員 私は、基本契約の中で、OPECでもって公示価格が上がった、それを全く全額日本に押しつける、しかもそれが基本契約の中で取り入れられてきたということに対して、通産省はどう考えているのか、考え方をお伺いしたいと思います。
○飯塚政府委員 私どもといたしましては、OPECの値上げはそのまま消費国に転嫁されるということは、好ましい事態とは考えておりません。ただ、これは原油販売業者であるメジャーズと購入業者である日本の精製企業との力関係ということによって最終的にはきまっていくわけでございますので、実際はなかなか私どもの思うようなぐあいにはいっていないのが実情でございます。それからアメリカ、イギリス、フランス、イタリア等について見ますと、OPECの原油値上げの分というのはそのまま製品価格にはね返らしているというのが実情でございまして、メジャーもそういう他国の実情を片一方ながめておるわけでございますので一日本においても、OPECの値上げ分がそのまま日本に転嫁して、それが消費価格に転嫁することは可能ではないかという非常に甘い考えを持っておるわけでございます。そういう認識がありますので、なかなか、メジャーズと日本の精製業者との話し合いの際に、日本の精製業者が強い立場をとりにくいというのが実情かと思います。
○小林(政)委員 どうも短い時間での質問ですので、具体的にもう少しこの問題も掘り下げてみたいわけですけれども、時間がないわけです。私は、こういったような従属的ないままでのエネルギー政策というものは、やはりここで根本的に転換をはかっていくということがきわめて重要ではないであろうか、こういうふうに考えます。特にわが国の総合エネルギー政策の中で、国内エネルギー、これのウエートというものを積極的に高めていく、こういう全面的な計画的な利用をはかっていくということが非常にいま重要になってきているんではないかというふうに考えますけれども、政府の基本的な姿勢についてお伺いをしたいと思います。
○飯塚政府委員 それは、御指摘のとおりに、私どもも国内の資源の活用というものを考えておるわけでございます。特に最近はわが国の周辺の大陸だなの開発につきまして、民間企業におきましてかなり前向きな姿勢で進んでまいりまして、ごく最近は、新潟沖におきまして石油、天然ガスを掘り当てたというような明るいニュースもございました。今後の最重点施策としては、わが国周辺の大陸だなの開発に指向すべきかと考えます。なお、国内陸上の原油等につきましても私ども力を入れたいわけですが、どうもこれはいままで調査をし、探掘をやった結果では、それほど大きな資源というものは期待できないんではないかというふうに聞いています。
○小林(政)委員 わが国における一次エネルギーの通産省の供給構成比というのを見てみますと、四十五年度の場合には、石油の占める比率が七〇・八%、水力が六・三%、石炭が二〇・七%、その他が二・二、合計一〇〇%という、こういう構成比になっているわけですし、また五十年を展望して書かれている数字を見てみますと、石油の場合には七三%、水力は四・五%、石炭の場合には一八・一%、その他四・四%、こういう数字になっているわけです。特にわが国の国内エネルギーの中で、石油とかあるいはまた水力、こういったようなものが、年々年度を追って計画では減少の傾向を示しておりますし、四十五年度の石炭の供給量は四千五十八万トン、この数字は、比率でもって示せば二〇・七%になるわけですけれども、その割合というものは、国産がわずかに八・一%、そうして輸入が一二・六%、輸入がはるかに国産炭を上回る、こういう数字になっておるわけでございます。私は、石炭鉱業審議会等が昭和五十年に二千万トン以上の需要の確保をうたっておりますけれども、国内のエネルギーのウエートをもっと高めていく、そうして国産炭の比重というものもしたがって高めていく必要があるのではないだろうか、需要の拡大を積極的にはかっていくことが総合的なエネルギー計画という点からきわめていま重要ではないかというふうに考えますけれども、この点について、基本的なお考えをお伺いをいたしたいと思います。
○青木政府委員 数字につきましては、ただいま御指摘のとおりでございますが、何しろエネルギー革命の中におきます石炭産業の非常につらい立場もございまして、だんだん自然条件が悪くなっていく中で、極力国の助成策によってなるべく多くの需要を国内炭に見出していくのが、われわれの姿勢でございます。その範囲においてわれわれとしても努力していく所存でございます。
○小林(政)委員 私は、わが国の石炭政策をきょう時間がなくてここで論議できないことはたいへん残念ですけれども、天然ガスや電力も含めて、水力あるいは石炭、そういったものをもっと総合的に開発をしていくということが、いまわが国の資源問題にとって非常に重要だということが一つの問題と、それからもう一つは、国際石油のいわゆる独占というものを通じての海外からの石油の輸入をするということではなくて、ほんとうに産出国との平等互恵の立場に立った、こういう状態での貿易をますます今後広げていく、あるいはまた社会主義国に対する貿易で燃料やエネルギーの輸入増をはかっていくべきだということを中心に据えて、やはり総合的、計画的な、そうして民主的なわが国のエネルギー総合計画というものを、ほんとうにいま立てていかなければならない重要な時期ではないかというふうに考えております。この点を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○齋藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、明十九日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会