大蔵委員会 第17号
- 発言数
- 251 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/04/12
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 労働保険特別会計法案を議題といたします。 本案は昨十一日質疑を終了いたしております。 これより討論に入るのでありますが、本案につきましては、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 労働保険特別会計法案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○齋藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○齋藤委員長 ただいま議決いたしました労働保険特別会計法案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、藤井勝志君外四名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。木野晴夫君。
○木野委員 ただいま議題となりました労働保険特別会計法案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を簡単に御説明申し上げます。 案文は印刷してお手元に配付いたしてありますので、朗読は省略させていただきます。 すでに御承知のとおり、労災保険、失業保険の両保険につきましては、戦後に発足して以来二十五年になろうといたしておりますが、いよいよ本年四月より、その適用範囲の段階的拡大がはかられますとともに、両保険の保険料の徴収の一元化が実施されることとなりました。 本附帯決議案は、この時にあたり、以下申し述べる諸点について、政府の一そうの努力を求めるものであります。 すなわち、まず第一は、労働保険の適用範囲の拡大についてであります。 本年度におきましては、いわゆる四業種を対象として適用範囲の拡大がはかられましたが、従業員五人未満の商業、サービス業などには、まだこれらの保険に加入していない事業も多く、そこに働く労働者は、両保険制度による保護を受けられない状況にあります。 業務上の災害をこうむった場合に必要な補償を受け、失業した場合に生活の保障を得られるということは、働く者の福祉の最低条件として、すべての労働者に確保されなければならないものであります。 政府においては、三年程度を目途に全面適用を実現いたしたいとしておりますが、労働者の福祉の向上に資するため、両保険の適用範囲の拡大にはなお一そうの努力を傾けられ、一日も早く全面適用の実現をはかられたいというものであります。 第二は、通勤途上災害に対する労災保険法上の取り扱いについてであります。 自宅と事業所との間の通勤の際に受ける交通事故は、最近における交通事情の悪化を反映して増加の傾向にあります。 現在、通勤途上の事故は原則として業務外とされておりますが、社会情勢の変化に伴い、災害の態様も変化しつつあること等を考慮いたしますとき、通勤途上において災害をこうむった労働者に対しまして、労災保険制度上、何らかの救済措置がとれないものかどうか検討を加えることは、急を要する大きな問題の一つではないかと思うのであります。 労働省においても、一昨年二月より通勤途上災害調査会を設け、鋭意検討中とのことでありますが、すみやかにその結論を得て、必要な措置を講ずるよう要望するものであります。 第三は、失業保険の給付内容の充実についてであります。 失業保険の給付内容につきましては、去る第六十二回国会において失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律が成立し、一般失業保険、日雇失業保険とも保険給付の改善をはかるとともに、一般失業保険の保険料率の引き下げを実施する等、社会保障の充実強化、保険制度の健全化に寄与する措置がとられましたが、今後とも給付内容について検討を加えられ、その充実につとめられるよう要望するものであります。 以上が、本附帯決議案の趣旨であります。 何とぞ、御賛成くださいますようお願い申し上げます。 ————————————— 労働保険特別会計法案に対する附帯決議(案) 一 現在なお労働保険の適用を受けない事業に使用される労働者の福祉の向上に資するため、これらの事業に対する適用の拡大に努めること。 二 最近における交通事故の発生状況にかんがみ、通勤途上災害の被災者に対する労災保険法上の取扱いについてすみやかに結論を得て必要な措置を講ずること。 三 失業保険の給付内容の充実については今後とも努力すること。 —————————————
○齋藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 おはかりいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、政府といたしましても御趣旨を体して努力いたしたいと存じます。 —————————————
○齋藤委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○齋藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○齋藤委員長 次に、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案及び石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。小林政子君。
○小林(政)委員 空港の騒音対策及び空港との関連で成田新幹線の建設について質問をいたしたいと思います。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 空港整備事業計画の遂行にあたって、最も重要な緊急の課題は、何といっても保安対策と、そしてまたそれと同時に騒音対策であろうというように考えます。第二次五カ年計画の総事業費五千六百億円のうち騒音対策費は四百十億円で、予算に占める割合はわずか七・三%にすぎません。しかもこのうち八十億円は成田空港に予定をされておりますので、東京、大阪国際空港を含む一般空港分は三百三十億円、これだけの予算で国民生活の環境を保持するというようなことが責任を持ってほんとうにできるのかどうなのか、この点について明確にお答えを願いたい。 と同時に、三百三十億円の積算の基礎というものは、今後予想されている空港のジェット化その他等に見合ってどのような根拠に基づいて積算をされたのか、あるいはまた今後の見通しとして一体どの程度増額をしなければならないというふうに考えているのか、これらの点も含めてお伺いをいたしたいと思います。
○住田政府委員 第二次空港五カ年計画で計上いたしております騒音対策費は四百十億円でございます。このうち成田が八十億円で、それ以外の東京、大阪、板付——福岡でございますが、三つの空港を対象に三百三十億円を予定いたしました。 この内訳は、教育あるいは病院関係の施設が百七十億円、民家の移転補償が百五十億円、テレビの障害除去対策に十億円、計三百三十億円ということに相なっております。 まず、教育関係の防音工事でございますが、これは今回の五カ年計画によりまして昭和五十年度までに大体必要なものは整備できるというように考えております。それから病院のほうでございますけれども、病院のほうは工事が非常にむずかしい場合がございます。といいますのは、古い病院でございますと、この際建てかえたほうがいいというようなケースもかなりございまして、そうなりますと新しい場所をさがさなければいかぬということで、そういう点から病院関係の騒音対策は若干おくれるのではないかというふうに見ております。 それから、民家の移転補償でございますが、これも二、三年来ずっと努力いたしてきておりますけれども、幾つかの障害がありましてなかなか進展いたしてない。その大きな原因といたしましては、一つは土地の評価についてなかなか意見がまとまらないということが一つの障害になっております。それからもう一つは代替地がない、なかなか手に入らないというのが障害になっております。この二つの障害があるわけでございますが、今後私どもといたしましては、燃料税の譲与税が地元にまいりますので、この譲与税を使いまして代替地の整備を行なって、それとの関係で移転補償を促進するというような方向で努力いたしたいと思います。 それから、この三空港以外の空港でございますが、現在のところ騒音コンターの調査の結果では、特にいま取り上げて騒音対策事業を実施する必要がないと考えておりますので、この五カ年計画では現在のところ三空港を重点にやりたいというように考えております。
○小林(政)委員 いわゆる特定飛行場ということで、成田を含む四空港だけがいま対象になっているのだということですけれども、私は、いま地域などで非常にこの空港に対しては、騒音問題というのは決していまあげられた三ないしは四カ所の飛行場周辺だけではなくて、広島をはじめ各地で騒音問題というのが大きくクローズアップされてきている問題だと考えます。特に航空局のこの資料によりますと、現在ジェット化が終わっている空港はすでに十三空港ある。しかも第二次五カ年計画等で五十年までにはジェット化を行なう空港は二十七空港、こういうようなごとが予想されておりますけれども、これに伴う騒音対策というようなものが、ほとんど特定の空港、四空港だけであって、全然考慮の外に置かれておる。こういうようなことで騒音対策というようなものが事なれりと一体思っているのかどうなのか。これらの空港に対しては騒音対策については何ら考慮されていないのかどうなのか、明確にこの点お答えをいただきたいと思います。
○住田政府委員 当面東京、大阪、福岡、三空港に重点を置いて騒音対策事業を実施するわけでございますが、その他の空港につきましては、先ほど申し上げましたような航空機燃料税の譲与税がいくわけでございます。これは地元の市町村に譲与されるわけでございますが、空港整備事業というのは大体国と県でやっているわけでございます。したがいまして、市町村がやる事業というのはさほど大きくないわけでございまして、市町村にはこれから譲与いたします譲与税を使って騒音対策をやってもらいたいというように考えております。今後鹿児島とか宮崎とかあるいは熊本、そういうような空港にはジェット機の数もふえてまいると思いますので、そういうような場合には騒音を調査いたしまして、必要があれば航空機騒音防止法の適用対象にするというようなことを検討いたしたいと思います。
○小林(政)委員 第二種空港といえども空港整備法によれば、当然これは国が責任をもって設置、管理を行なう、こういうことが一応原則としては定められているわけです。第三種空港の場合には、はっきりと市町村というふうにうたわれております。こういうたてまえからいけば、一応航空機燃料税の一部を回すんだということによって対処するということでございますけれども、国の責任として、やはり空港の騒音問題は大きくいま世論の注目を浴びているところでもありますし、当然これは配慮してしかるべき性格のものではないだろうか、こういうふうに考えております。 特に私はこの中で、広島空港の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、広島空港が現在置かれている位置というのは、人家の密集している地域に空港が現在あるわけです。しかもここの空港の滑走路を延長して、そして今後ジェット化をはかっていく、こういう準備がされているわけですけれども、住宅の密集地域にある空港のジェット化という問題についてどういう基本的な認識を持っているのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○住田政府委員 いまお話の出ました広島空港は確かに都心から非常に近いところにございまして、飛行機が人家の上を飛ぶ空港の代表的なものの一つではないかと思います。しかし、最近の私どもの考え方といたしましては、やはり騒音対策等の問題がございますので、できるだけ都心から離れた場所に飛行場をつくるという方向で整備をいたしております。現に鹿児島空港も、従来の空港を移しまして、この四月一日から新しい空港をオープンいたしましたけれども、これはまわりが農村地帯あるいは山の地帯でございまして、人家は非常に少ないという場所でございます。昨年開港いたしました熊本空港もやはり都心からかなり離れております。あるいはまた現在計画中の大村空港、これも相当離れた場所に新たに埋め立てをして空港をつくるということになっております。またこれも昨年オープンいたしておりますが、大分空港も従来の都心からかなり離れた場所に、しかも海面を埋め立てて設置いたしておりますので、今後の方向といたしましては、できるだけ都心から離れた場所で騒音等の問題の少ないところを選んで空港を整備していきたいというのが、私どもの基本的な考え方でございます。
○小林(政)委員 広島空港の場合には、御承知のとおり人家の密集をしている中にある空港でありますし、しかも運輸省が騒音推定というものの調査を行なった資料を私はもらいましたけれども、この調査によっても、市全域の約半分が八十ホン以上の騒音に悩まされている。風向きによって若干の違いはあるにしても、八十ホン以上の騒音に、悩まされている。しかも市内の約半数がこの調査の中に入っている、こういったようなことを考えただけでも、私はここにジェット化の工事を行なうということはしょせん最初から問題があったんじゃないか、このように考えております。 私、先般広島へ参りまして、そして実際にこの地域の人たちのいろいろな意見も聞いてまいりましたけれども、このような中で公聴会を開いてほしいという住民の要望に対しても、その公聴会もなかなか開かれない、こういったような中で、だれが考えても、しろうとである私が現地へ参りまして見ても、ここにジェット化をはかるというようなことになれば、今後どのような問題が起きるかということは十分想像することができたわけですけれども、しかも八十ホン以上の騒音に悩まされている、こういう市内の現状から考えて、一体この問題について今後どうしようと考えておられるのか、基本的な考え方をひとつお伺いをしておきたいと思います。
○住田政府委員 広島空港の建設にあたりましては、航空法の規定に基づきまして公聴会を開いたわけでございます。したがって、手続といたしましては、特に違法の手続を踏んで運輸省のほうでかってにいたしたということではないわけでございます。 騒音の問題でございますが、騒音というのは一回限りの騒音と、ある一定量の騒音と、いろいろはかり方があるわけでございますが、確かに一回限りの騒音の場合には七十ホンあるいはある場合によっては八十ホンというような音が出る場合があろうかと思いますけれども、現在の騒音は、町のまん中での交差点あたりでは八十ホンくらいの音を出しているわけでございまして、したがってそれが一日に何回ということであれば、現在の町の騒音より特に高いということではないのではないかというように考えております。問題はやはり一日の騒音量が幾らであるか、あるいは夜間の騒音量がどうであるかということが問題になるのではなかろうか。そういうような基準で、環境庁長官から昨年運輸大臣のほうに出されました勧告におきましても、騒音の単位といたしましてはWECPNLという単位を使っております。この中では八十五WECPNL以上の地域について民家の防音工事をやれという勧告でございますが、広島の場合にジェット機を一日三便飛ばすという前提で、まだ最終的な調査は終わっておりませんけれども、現在の段階での推定では八十五WECPNLの中に入る民家の数というものはそう多くないという推定でございます。
○小林(政)委員 八十ホン以上に入る人家というものはきわめて少ないのだということですけれども、私がまだジェット化が行なわれる前のいまの飛行場の状態を見ても、相当の騒音に悩んでいるということは実態が明らかになっているわけですが、この上ジェット化が進められればどうなるのかということに対して市民が強い不安を感ずるのは当然だと思うのです。しかもいまいろいろと環境庁等の勧告だとかあるいはまた公害対策審議会等のいろいろな調査や基準設定が行なわれておりますけれども、その中でもやはり基本姿勢としては騒音対策なくして航空輸送はその機能を果たし得ない、こういうことが明確にうたわれているわけです。私は、ただスピード化をはかればいいんだ、これから空港の整備等もスピード化に合わせて整備をしていくんだ、こういうことのみに重点を置いて騒音対策ということがとかくなおざりになってきている、特にこの基本姿勢の上で、騒音対策なくして航空輸送の機能というものはあり得ないというこの考え方というものは、従来になかった新しい前進の方向だと思うのです。こういう問題を踏まえて具体的にいま起こっている騒音問題に対して、従来の考え方を踏襲するというのではなくしてやはり抜本的にこの際変えていくということが、いわゆる発想の転換といいますかこういうことを抜きにして今後の騒音対策ということはあり得ないんじゃないか。 こういうことから考えますと、いままで御答弁いただいている内容は、広島空港にしても航空局自身が調査をした資料を私はいただいて調べてみたものによっても、住宅の密集している全市域の半分以上が、それは連続ということではないかもしれないけれども八十ホン以上の騒音に悩まされるという、こういう結果が出ているにもかかわらず、これに対しても何らことしの予算でも一つもその騒音対策というものは組まれていない。これでもってジェット化をはかっていく、こういうようなやり方自体に私は問題があるというふうに思います。この問題等について一体今後どうされようとしているのか、あるいはまたこのような住宅の密集している地域の空港へのジェット機の乗り入れというものについて私は無理だと考えますけれども、それを中止していくというような考え方を、あるいは検討するという考え方を持っているのかどうなのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○住田政府委員 今後航空輸送を発展させるためにはやはり空港周辺の住民、地元の方の理解を十分得た上でないと円滑な運営ができないのではないかという点については私どもは同じような見解を持っております。したがいまして、今後は騒音対策を十分やって地元の方の理解を得た上で飛行場を運営していきたいと考えております。したがって今度の第二次五カ年計画におきましては四百十億円ということであるいは少ないという御批判もあるかと思いますけれども、騒音対策の問題が取り上げられたのもここ最近のことであって、これは昨日も申し上げたわけでございますけれども、騒音対策事業を実施するための受け入れ体制というものはまだ十分できていないのではないか、したがって予算だけを幾ら計上してもなかなか金が使えないこともあるわけでございまして、第二次五カ年計画ではそういう受け入れ体制を整備した上で、第三次五カ年計画で大幅な騒音対策費を計上したいというのが私どもの考え方でございます。 広島の問題でございますけれども、確かにボーイング727型機が飛んだ場合にはその半分は海から飛ぶわけでございますけれども、半分は陸地をどうしても通る。陸地を通った場合には七十ホン以上あるいは八十ホンぐらいの音が出るかと思いますけれども、それは非常に短い時間でございます。したがって一日三便とかあるいは五便という程度であればそれほど大きな騒音量にはならないのではないか。先ほど申し上げましたように環境庁の基準八十五WECPNLという基準を採用するといたしますと、それに当てはまる、該当する人家というのは非常に少ないわけでございます。東京、大阪、板付、成田を合わせますと、このWECPNLの基準に該当する民家が約八万四千戸あるわけでございまして、そういう点から比較いたしますと、広島の騒音公害というものはさほど大きくないというように見ているわけでございます。しかし、だからといって私どものほうでジェット機を入れることを強行するということは考えておりません。あくまで地元の方と十分話し合いをした上で、地元の納得をいただいた上でジェット機を入れるということで、いま地元といろいろ話し合いを進めているわけでございます。 ただ、私どもの話といいますか地元に対する説得力が弱いのかもしれませんが、実態といたしましては三便、五便入れても一日何十秒間八十ホン程度の音が出るという程度でございまして、しかも昼間であれば、先ほど申し上げましたように東京の町の交差点あたりでは常時八十ホンくらいの音が出ているわけでございまして、おそらく広島でもそういうケースがたくさんあるのではないかと思います。そういう騒音から比較して飛行機の騒音が特に大きいということはいえないのではないかと考えているわけでございます。
○小林(政)委員 基本的な考え方としては、こういった人家の密集をしている地域の中での空港というものは今後は考えないということでございますけれども、こういう地域にある空港へのジェット機の乗り入れというような問題についてもこれはやはり地元の意向を尊重して、いま話し合いを続けている最中だということでございますけれども、この話し合いがまとまらないような状況の中で一方的な強行というものは絶対避けていくべきだ、そしてもしどうしても地理的な条件その他でジェット機の乗り入れというものをやむを得ずやらなければならないというのであれば、空港そのものを人口の密集しているどまん中にあるというようなことではなくてもっとほかへ移転をさせるべきだというふうな考え方を私は持っておりますけれども、この点については十分ひとつ地元の意向等を尊重し、そして話し合いを続ける中で一方的な強行というようなことは絶対避けていくことを強く要望をいたしたいと思います。 さて、新しく建設されます東京新国際空港の騒音問題もすでにもう騒音が起こる前から大きな問題として心配をされているところでございます。そうでなくても江戸川区等は現在の国際空港の騒音問題等にも、実際には先般来運輸省等にも区をあげて陳情、請願なども行なうような事態が起こっているわけでございますし、ここに新しい東京新国際空港が設置されるということになれば、当然ここでどうなるんだろうということはいままでの実態から見ても大きな不安になっているわけです。八十億円で騒音対策ということを実施するということですけれども、はたしてこの八十億円で十分住民の不安を解消するというようなことに足りるのかどうなのか。特にいままでの実態等見てみましても、羽田や大阪の伊丹空港等について見てみますと、四十六年度の予算ではわずかに三十一億円、そしてまた四十七年度では五十六億円——これは福岡の板付を除いてですね。ここでもらった資料を見てみますと大体五十七億一千三百万、二年間で合わせて八十七億。東京国際空港と伊丹の大阪国際空港だけで二年間で八十七億。しかしこの八十七億の騒音対策の中には御承知のとおり民家の移転費は含まれていないわけです。こういう点から想像して考えてみますと、新しく新国際空港を設置する場合に民家の移転等も含めてということで八十億というような予算でほんとうに騒音問題というものが心配ないような状態になるのかどうかということについて不安を持つことはこれまた当然だろうというふうに私は考えます。一体、これで十分だというふうにお考えになっているのかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○住田政府委員 四十六年、四十七年の予算を両方合わせまして約八十億円でございますが、この中には学校、病院の騒音防止事業のほかに民家の移転補償も入っております。民家の移転補償が実はなかなか進捗いたしておりませんわけでございますが、これは先ほど申し上げましたように、土地の値段がなかなか折り合いがつかないとか代替地がないということで進捗していないわけでございます。私どもといたしましては、できるだけ空港周辺の民家の移転をはかりたい、民家を移転してそのあとを再開発するということを考えているわけでございまして、できれば民家の移転補償に重点を置きたいという考え方を持っているわけでございます。しかし実際問題といたしましてなかなか進まないということで、これからは民家の防音工事のほうにも重点を置かなければいかぬということになってるわけでございます。 成田のほうの八十億円でございますが、成田のほうはこの金で病院、学校の防音工事等必要なものは全部やる予定でございますし、それから飛行場の横、長さ等、周囲約二キロくらいの土地を全部買い上げたいということであります。
○小林(政)委員 先ほど私が民家の移転というふうに言ったのはちょっと錯覚でして、民家の防音工事ですね、これがやられていないということを言ったので、これは私の言い違いでございます。 しかし私は、おそらくこの予算では、空港はできました、またまた騒音問題が大きくクローズアップされてくるのではないか、このように考えられるわけです。私、騒音対策については基本的には二つのことが考えられるんではないかというふうに思います。一つは騒音を防止する防止事業、これに対して予算の裏づけをきちっと行なうという問題と同時に、騒音を発生する発生源をどう規制していくのか。そこのところでどう騒音を防いでいくのか、こういうことがあるだろうというふうに思いますけれども、新しい成田空港の建設については、環境庁の騒音規制基準といったようなものをこの空港に適用される意思があるかどうか、この点についてお伺いいたします。
○住田政府委員 環境庁の勧告に基づきまして、現在、大阪空港の運航の制限をいたしております。特に大阪につきましては非常にきびしいものをしているわけでございますが、東京の羽田の場合には国際線が来ておりますので、国際線の場合にはなかなか規制がむずかしいのが実情でございます。成田の場合にはやはり国際線が入りますので、私どもといたしましては、現在の羽田程度の規制は行ないたいということを考えておりますが、大阪程度の規制まで強めることができるかどうか現在検討中でございますが、非常にむずかしい感じを持っております。 御承知のように、国際線の飛行機というのは世界各地を飛んで回っているわけでございまして、もし国際航空運送というものを成立させるためには二十四時間どこでも飛べるということが前提になるわけでございますので、世界各国の飛行場が夜は使えないんだということになると、事実上国際航空運送は成り立たないわけでございまして、そういう点からいいますと、この極東、アジア地域の玄関である成田空港の運航制限をするということは、国際運送にとっては非常に大きな問題であるわけでございます。しかし、だからといって二十四時間の運用をするということは非常にむずかしいことだろうという感じでございまして、私どもといたしましては、現在の羽田程度の制限にとどめたいという方向で現在検討中でございます。
○小林(政)委員 羽田程度の条件にとどめたいということは、結局環境庁の十時ないし朝は七時からというのは、いま羽田ではどういうことになっているのですか。
○住田政府委員 羽田では朝六時から夜十一時までということでございます。
○小林(政)委員 成田空港についてもこの基準でやっていこうとされているのですか。
○住田政府委員 きょうの段階で必ずそうするということは申し上げられないのですけれども、成田も羽田と同じような制限で運用をしたいという方向で現在検討いたしておるわけでございます。
○小林(政)委員 羽田周辺の住民からは、これで非常に不満や苦情が出ておりませんか。
○住田政府委員 現在のところ私どものほうには大きな苦情は出ていないと聞いております。
○小林(政)委員 先ほども申し上げましたけれども、騒音対策なくして航空の輸送はその効力をあげることができないという大前提、こういう立場から、やはり地域住民の安眠だとかあるいはまたその生活環境に大きな支障を絶対起こさない、こういう原則をしっかり持った上での騒音対策でなければ私はほんとうに実のある成果をあげることはできないというふうに考えております。特に新しくこれからできる国際空港、ここでの騒音問題が、もうすでにいままでとかく問題を起こしているあの羽田周辺の地域と同じような条件でもって、国際空港であるからできれば二十四時間やりたいんだというような姿勢ではならないというふうに私は考えております。やはり発想の転換ということに十分に重点を置いて、国際空港としての役割りも重要でしょうけれども、地域住民の健康やあるいは生活環境というものにどれだけウエートを置いて考えていくのか、こういう点を考えますときに、住民の生活環境は最優先をすべきではないか、こういう考え方をしっかり持ってもらわなければ私困ると思いますけれども、この点について明確にお答えを願いたいと思います。
○住田政府委員 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、空港を円滑に維持管理していく上に歩きまして地元住民の十分な御理解、納得をいただく必要があるという基本的な考え方を持っているわけでございます。したがいまして、騒音対策につきましては最重点を置いて実施していきたい。騒音対策事業を推進することによって地元の了解を得て、その上で円滑な飛行場の運営をやりたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○小林(政)委員 騒音対策を実施していく上で現在の特定飛行場の数を五カ年計画の中でも今後ふやしていくという考え方を持っているのかどうか、この点についてお伺いをして次の問題に入りたいと思います。
○住田政府委員 現在のところ、五カ年計画の中で先ほどもあげました三つの空港以外のものを指定する計画はございませんけれども、今後ジェット便の増加に伴いまして、必要があれば指定する方向を検討いたしたいと考えております。
○小林(政)委員 成田空港に関連して成田新幹線建設についてお伺いしたいと思いますけれども、この成田新幹線の建設の基本計画や整備計画を決定するにあたって、運輸省は、現在施行している認可事業である区画整理だとかあるいは都市計画事業、こういったものとの関連について一体どのような検討をされてこられたのか、お伺いをいたしたいと思います。
○信沢説明員 新幹線の計画を決定いたしますのには、基本計画と整備計画、二つの計画段階がございまして、基本計画につきましては鉄道建設審議会の御審議を経まして新幹線の起点、終点及び主要な経過地をきめることになっております。それから整備計画につきましては、これも同じく鉄道建設審議会の議を経まして、新幹線をどういう方式で走らせるか、たとえばリニアモーターで浮上していくのか、あるいはモーターでいくのか、こういうふうな走行方式をきめる問題、それからもう一つは最高速度をどのくらいにするかという問題、それから建設費はどのくらいになるか、最後の点は、建設主体は国鉄がやるのか、鉄道建設公団がやるのか、このようなものをきめる計画でございます。 したがいまして、基本計画、整備計画の段階では、最終的な経過地あるいは停車駅等々につきましての具体的なプランが出てこない段階でございまして、経過地とかあるいは停車駅等が最終的に具体化してまいりますのは、整備計画をきめましたあと、国鉄もしくは鉄道建設公団が各種の調査を実施いたしまして、ルート、停車駅をきめてくる段階でこのルート上の諸問題がいろいろ出てまいるわけでございます。したがいまして、その基本計画、整備計画の段階では区画整理あるいは都市計画というような具体的な問題の詰めばまだなされていない段階でございます。
○小林(政)委員 そうすると、都市計画だとか地域の自治体が住宅あるいは環境整備、こういったようなものについて、同じ政府の認可事業であっても全然論議の対象にもならないということになれば、これは私は大きな問題だというふうに思います。どのような計画を地域の自治体がつくっていようとそういったようなものはもう全く論議の対象にならない、一方的にここに新幹線が必要だということで政府が決定をする、あるいはその方針を審議会にかけて、そしてそこで答申を得るということさえ済めば、あとは地域の計画などというものは論外である、こういう態度こそが、私は一つの重要な問題だというふうに思います。これらの問題が対象にならないで、いわゆる鉄道敷設法に基づく鉄道建設審議会、ここの審議会が十分な論議を果たせるというふうにあなたはお考えになっているのかどうなのか。私は、この審議会でこのような問題が論議の対象にもならないで、ただここに必要かどうかということだけでもって決定をした、こういうことになれば、一体この審議会の果たす役割りというものはどういうことなのかということに大きな疑問を持つわけであります。全会一致でもってこれは決定したものなのか^あるいはまた多数決というようなことで、御意見にさまざまな違いがあったのかどうなのか、この点について伺いたいことが第二点です。 成田新幹線の敷設計画が発表された二月八日から、江戸川区ではいち早く反対を決定し、江東区、千葉の浦安、船橋、市川、成田市など、沿線の市町村住民が自治体とともに反対を表明すると同時に、東京都知事あるいは千葉県知事等も非協力を声明するという、沿線各自治体が一斉にこのような強い態度を表明している。一体この事実について運輸省はどう受け取っているのか、この点について伺いたいことがその次の点。 それから、住民のこれらの要求に耳を傾けてみれば私は全く妥当だというふうに考えざるを得ません。計画について再検討をする意思があるのかどうなのか、この点について明確に御答弁を願いたいと思います。 この中で、地方公共団体に対して何一つ相談もなくて今後こういうものが決定されていくのかどうなのか。認定された事業についてのみ新幹線鉄道整備法の十三条第二項で、関連地方自治体は新幹線建設のため必要な資金の援助なり建設に要する土地の取得のあっせんその他必要な措置を講ずるよう義務づけるということが明記されておりますけれども、これがつんぼさじきに置かれて何の相談も受けない。地方自治体に対して、土地のあっせんだとかあるいはまた資金の援助、こういったようなものを決定して押しつけていくというような関連というものについて私はどう理解していいのか、この点についてもお伺いしたいと思います。 時間がありませんので続けて伺っているわけですけれども、特に私はこの中で、成田新幹線、東京−成田間六十五キロ、これは普通の想像できる新幹線から比べて距離も短距離でございますし、しかも二千億というような巨費を投じて、地域住民のこれだけ失われる住民福祉というものとこの問題とを対比して考えますときに、はたして必要なのかどうなのか。実際にはいろいろと研究会等で調べられた内容等見てみますと、在来線等を使っても若干の延長などによって、約一時間あるいは一時間を少し上回る程度で都心まで結べるというような調査の内容も発表されておりますけれども、三十分間の時間を短縮するということで巨額の費用を投じながら、失われる住民福祉というものを、どうこれとの対比で考えているのか、こういうことをいろいろと真剣に考えられたことがあるのかどうか。時間がないのでまとめて伺っておりますので、いまの質問項目に対して明確にお答えを願いたいと思います。
○信沢説明員 まず審議会の審議経過でございますけれども、成田新幹線の整備計画を決定いたしますときには、一応法律に基づきます調査報告をいたしまして、これにつきまして御審議をいただいたわけでございます。結論といたしましては、これは全会一致で御同意いただいたものでございます。ただ、その審議経過の中におきまして、工事費の問題あるいは技術的な電力供給等の問題についての御検討があったように記憶しております。 それから都市計画等の問題について、審議会で検討はなかったわけでございますが、これは先ほど申し上げましたとおり、具体的なルートにつきましては整備計画決定後、この成田につきましては鉄建公団が国鉄と協議しながらルートをきめてまいりましたその過程の段階におきまして、都市計画、区画整理等の問題も十分検討いたしまして定めたルートのように聞いております。 それから、この十三条で地方自治体の用地取得等に関する援助とあるのは、これは鉄道建設審議会におきましてこの法案要綱を検討されましたときに、新幹線といえども地方公共団体にとって利益はあるであろう、したがってそのような場合には当然地方の受益に対する御協力というものを期待していいのではなかろうかということで、こういう条項が入ったように聞いております。 それから、この成田新幹線の必要性、六十五キロの短い区間の必要性等々につきましては、これも審議会で御検討いただきましたときに御報告いたしたのでございますが、将来成田空港の旅客の数に対しまして供給輸送力でございます国鉄輸送力あるいは京成、道路等々の輸送供給力を勘案いたしましても、昭和五十五年までにはほとんど輸送供給が満ぱいになるであろうということが予想されましたので、それまでに成田の新幹線を建設しなければならない、輸送需要上建設の必要性が出てきたわけでございます。このような必要性に基づきまして建設を開始していくわけでございますが、私ども現在各地で御反対があることを十分承知しております。いずれも生活環境の保全に関する問題であろうかと思いますが、私ども生活環境の保全に当然十分注意しなければならないわけでございまして、特に騒音等の防止につきましては、今後できる限り技術開発、研究開発等を進めまして、十分この騒音の防止に関します措置をとりまして、地元の皆さま方の御納得、御理解をいただいた上で建設を進めていくということにしたいと存じておる次第でございます。
○小林(政)委員 最後に要望しておしまいにします。 私は、地域住民が生活環境を維持するために、また全く抜き打ち的に一方的な計画の押しつけに対して強い不満を示しておりますし、また本来の公共交通輸送の基本的な考え方というものは、むしろいま過密ダイヤだとかあるいは通勤者の輸送問題、こういった点を解決していくというようなことが最優先事業ではないだろうか。こういう点等から考えて、新幹線の環境基準もまだ明確にきめられていないような中で、団地のまん中を、あるいは町のまん中を横切って新幹線が一方的に通っていくというようなこういうやり方、しかも何にも地元には知らされていない、こういうような状況のもとで成田の新幹線が一方的に決定をされ押しつけられているというようなことに対して、地元の強い不満は当然のことだというふうに考えますし、直ちにこの問題等については再検討を行なうことを強く要望いたしまして私の質問を終わりたいと思います。
○山下(元)委員長代理 堀昌雄君。
○堀委員 最初に、空港整備特別会計の予算上の問題でありますけれども、少し疑点がありますのでちょっとお伺いをしておきたいと思います。 昭和四十七年の空港整備特別会計の歳入の部でありますが、着陸料等収入というのが六十八億二百二十四万円ということになって、四十六年の八十三億三千五百五十五万四千円に比べて十五億三千三百三十一万四千円の減になっておりますね。四十五年の予算要求は六十四億三千二百九万二千円で、四十五年決算は七十二億一千十五万七千円、こういうふうに三年間しかまだとってはいないわけですが、その説明には、最近までの収納実績等を勘案し、何々年の空港施設の使用見込み件数を基礎として算出をした、こういうふうにあるのですね。四十五年に六十四億を予算で計上してそれが決算では七十二億に八億円増収になった。そこでおそらく四十六年は八十三億を計上したと思うのですが、これはすでに年度を終わっておるからでありますが、四十六年の仮決算といいますか、もう四月ですから、三月までの着陸料収入というのは一体幾らになりましたか。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○住田政府委員 四十六年度の最終的な着陸料の実収はまだ出ておりませんけれども、従来といいますか、四十六年の四月以降の推移から見まして、三億円くらい増収になる見通しでございます。
○堀委員 四十六年、三億増収になるということになりますと、八十六億くらいの収入になるということですね。そうすると四十七年の着陸料収入はどうして六十八億と低く見積もったのですか。
○住田政府委員 四十六年の着陸料の見込みを立てますときに、実は当初成田空港が四月から開港するという前提で二月くらいから国際線の一部を向こうへ回していく。四月一日以来は完全に国際線を成田へ移すという前提で計算をいたしておったわけでございますが、それが延びましたので、羽田空港に着いております国際線の着陸料がまるまる四十六年度の収入になったということでございます。四十七年度に六十八億に下がりますのは、この四十七年度の予算を組みますときに、五月中くらいには成田は完成するであろうという前提で、成田が完成した以降の着陸料は羽田に入らないということで、こういう減収の予算になったわけでございます。
○堀委員 そうすると、成田に着陸するものは新東京国際空港公団の収入になって、特会の収入にならないということですか。
○住田政府委員 そのとおりでございます。
○堀委員 これは私、また会計処理上非常に問題のある会計処理になると思うのです。空港整備特別会計というのは、これは大蔵省の次長のほうでお答えいただきたいのですが、それじゃ一体何のための空港整備特別会計ということになりますか。
○吉瀬政府委員 すでに過去において御説明申し上げましたとおり、空港整備に関する諸事業を一元化して処理するために特に特別会計を設けまして、空港整備、それに関連する事業の歳入歳出に対して一本化した、こういうものが空港整備特別会計でございます。
○堀委員 いまの話だと一元化されておりませんね。成田の新東京国際空港公団というものは別建てでできて、空港特別会計から公団に出資はしておる。出資はしておるけれども別建てだ。これはどうも論理的に私は非常におかしいと思うのですが、これはおかしくないですかね。
○吉瀬政府委員 実は特別会計も空港に関する事業を扱っておりますが、そのほかに空港に関する事業主体といたしまして政府機関の新東京国際空港公団がある。こういう関係で新東京国際空港公団に関する事業につきましては、公団がそれに関する借り入れ金などの主体になったり、あるいは事業主体になったりいたしますので、公団の事業に関しては全面的に特会は包括していないこともあり得る。これはまたほかの例では道路整備特会などは道路公団等の事業を全面的に包括していないという面からもそういうこともあり得るのではなかろうかと思うわけでございます。
○堀委員 それではちょっと新東京国際空港公団について少し説明を聞いておきたいと思うのです。 現在、新東京国際空港公団は出資金は幾ら、借り入れ金は幾ら、国以外の出資は一体どうなっておるのか、新東京国際空港公団についての現状を、ちょっと資金面だけでけっこうですから……。
○住田政府委員 新東京国際空港公団に対します出資は、四十一年から始まっておりまして、四十七年度の八十億円を入れまして合計三百五十億円。それから借り入れ金が四十七年度の二百十億円、これは政府引き受けの分でございます。それを入れまして八百二十五億円でございます。
○堀委員 新東京国際空港公団は、そうすると出資は政府出資だけであって、地方自治体の出資はないわけですね。
○住田政府委員 政府出資だけでございます。
○堀委員 借り入れ金八百二十五億は新東京国際空港公団債という政府保証債が出されていて八百二十五億、こういうことでしょうか。
○住田政府委員 公団債の政府引き受けが八百二十五億円です。
○堀委員 公募は幾らですか。
○住田政府委員 公団債で政府引き受け以外のものが三百四億でございます。
○堀委員 これはあれですか、全部公募ですか。緑故債もあるのじゃないですか。どうなっていますか。
○住田政府委員 金融機関の引き受けでございます。
○堀委員 そうすると、ちょっとよくわからない問題が一つ出てきておるのですけれども、今度の第二次空港整備五カ年計画、それの一番目に新国際空港の整備二千六百六十億円というのがあるのです。そうすると、いま新国際空港というと、もう東京国際空港公団の問題は、あと多少出資があるかもしれないけれども、大体工事のめどがついてきておることでもありましょうから、この二千六百六十億円というのは一体どこの新国際空港ですか。
○住田政府委員 第二次五カ年計画は四十六年度から始まっておりますので、四十六年度、四十七年度の予算とそれから新東京の場合には第二期工事の一部が含まれております。それから関西新国際空港の建設の一部がその中に含まれております。
○堀委員 そうすると、四十六年で一体幾らこの新国際空港出て、四十七年幾ら出て、第二期工事幾ら出、関西新国際空港に引き当てる分が幾ら、ちょっとそこまでお聞きしたい。
○住田政府委員 第二次空港五カ年計画の二千六百六十億円の内訳でございますが、新東京国際空港が千四百十億円、関西が千二百五十億円でございます。で、成田の千四百十億のうち、四十六年に五百七十八億円、四十七年に三百三十二億円出ております。残りが今後の第二期計画の分でございます。
○堀委員 そうすると、いまの第二次空港整備五カ年計画というので、いま四十六年に五百七十八億円出ている。しかし、これは五百七十八億円というのは、さっき伺った出資は三百五十しかない。借り入れ八百二十五億円というのは、これは政府保証債でしょうから、これは借り入れ金だから空港整備計画のあれには入らないのじゃないですか。二千六百六十億円というのは、借り入れ金も、そういう出資もみんな突っ込んでということですか。
○住田政府委員 二千六百六十億円の原資は、政府出資であるとか政府引き受けの公団債であるとか、あるいは金融機関引き受けの公団債、そういうのが全部入った金額でございます。
○堀委員 そうすると、いま伺っておって少しわかりましたけれども、四十六年と四十七年で東京国際空港公団の五百七十八億と三百三十二億、足すと九百十億になるのですね。この二年間の出資はことしが八十で、去年は幾らですか。
○住田政府委員 四十六年度は百億円でございます。
○堀委員 出資が百億円とすると、借り入れ金がここで七百三十億、こういうことになりますね。
○住田政府委員 本年度は八十億円でございますから、百八十億円が出資でまかなわれるということでございます。
○堀委員 四十六年と四十七年、両方足しますと九百十億、それから出資百八十億引くと借り入れ七百三十億、こういうことになるのですね。そうすると今後の東京国際空港公団はあと五百億で大体終わりだ、こういうことになりますか。千四百十億からいまの九百十億引くと五百億になるのですね。
○住田政府委員 残っております五百億円は第二期工事の全部ではございませんで、その一部でございます。現在の計画で何年度に第二期計画が完了するかわかりませんが、いずれにいたしましても五十年以降に第二期計画が完了する予定でございまして、その一部としての五百億円を計上しておるということでございます。
○堀委員 そうすると、新東京国際空港というのは、皆さんが考えておるプランで完成までには全体で幾ら費用かかりますか。
○丸居説明員 最終までに大体二千五百億程度じゃないかというふうに考えております。
○堀委員 わかりました。 それではそれはそこまでにいたしまして、次に、そうすると同じように今年度の予算の中で手数料は、国際航空通信の取り扱い件数を基礎として算出したという手数料が下がっておるのも、これも東京国際空港公団に移転をするということでの減収ということですか。
○住田政府委員 そのとおりでございます。
○堀委員 これは四月一日からとなっていたのですけれども、実際には業務が開始できるのは一体いつになりますか。
○住田政府委員 一応新東京国際空港公団といたしましては六月中に工事を終えるということで努力をいたしておるわけでございます。大半の施設はおそらく六月中には完成することになると思いますけれども、現在成田の周辺には三つほど問題が残っているわけでございまして、一つはいわゆる平和の塔というものでございますが、それが除去できない。それから民家が一軒、そのほかに最近南側の進入表面のま下に妨害鉄塔というものがつくられて、これは航空法違反の建設物でございますが、今後この除去をしないと供用は開始できないということで、そういう問題の解決にどれくらい時間がかかるかということによって、供用開始の見通しが立てられるという状況でございます。
○堀委員 いまの調子でいけば、大体半年分くらいはそうすると空港特会へ入ってくる、こういうことになりますか。きょうがもうすでに四月ですから、六月にどうもできそうに思われないということになると、まあまあ九月ごろということで、ちょうど上半期はほぼこっちへ入るということになるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
○住田政府委員 本年度予算におきましても、四月一日から成田ができるということではなくて、五月までは羽田が使われるという前提で予算を組んでおります。したがって、六月以降ふえた分が特別会計に入ってくるということになると思います。
○堀委員 そこでちょっとお伺いをしておきたいのは、きょうは関西新国際空港問題を少し議論をしていきたい、こう思っておりますけれども、皆さんのほうの資料で拝見いたしますと、この前もちょっとここで論議をいたしましたけれども、たいへん航空需要の増加が高い計数になっておるわけですね。この伸び率は、ちょっと外国の空港の資料を見ますと、これはちょっと古いですけれども、昭和三十五年から昭和四十四年までの十年間の発着回数の平均伸び率でありますけれども、アムステルダム七%、ロンドン七%、フランクフルト七・五%、パリが九・六%、羽田は一〇・三%、伊丹は一六・七%。伊丹はたいへん根っこが小さいぜいもあるでしょうが、高い数値になっておる。旅客の伸び率もアムステルダム一三・八、ロンドン一二・八、フランクフルト一五・六、パリ一三・五に対して羽田は二五・二、伊丹は二八・六、いずれも非常に伸び率が高くなっておるわけですね。皆さんのほうでいま関西新国際空港計画で出されておる五十年、六十年の数値ですが、五十年の数値は、これを算定したのは航空運賃の料金その他は現状のままという前提での計算ですか。
○住田政府委員 五十年度四千万人という数字は、新経済社会発展計画に基づく数字でございます。
○堀委員 新経済社会発展計画でいくと、一〇・六の経済成長率であったわけですが、最近御承知のように経済成長が鈍化しておるのです。新経済社会発展計画は企画庁が改定することになるだろうと思いますが、それの伸び率ということは、いまの運賃その他の問題は捨象して処理がしてある。要するにGNPにただひっかけただけだ、こういうことですか。
○住田政府委員 運賃の問題は、おそらく現状を前提に計算したのではないかと思いますが、最近第二次五カ年計画を作成するにあたりまして、昭和五十年、昭和五十五年の需要の見通しを立てたわけでございますが、その際、昭和五十五年は大体七千万人くらいであろう、昭和五十年はやはり四千万人くらいになるのではないかという想定で、この第二次五カ年計画がつくられているわけでございます。現在運賃の改定の事務も進めておりますけれども、各会社が出しております需要見込みから見まして、大体四千万人という数字は妥当なところではないかというように考えております。
○堀委員 そこで、実はこの間調査に参りましたときに、雑談の中でお話をしたのですけれども、要するに大阪−東京のようなところはすでに新幹線もあることだしするから、これらの輸送はできるだけ新幹線のほうに振り向けて、遠距離のほうに主力が向くような運賃体系が望ましいのではないか。ですから、これまでのこの発想は、要するにそういう政策意図なしに、たとえばあらゆる意味で空港関係はたいへん大きな国の援助を受けているわけですね。新東京国際空港公団を見ても、国の費用とそれから政府保証債でまかなっておるということですから、要するに完全に国が責任をもって空港をつくる。この間までは航空燃料は無税にしてある。いろいろな点でたいへんなフェーバーを与えて航空事業というものを推進してきた。しかし、今日この時点になりますと、やはり環境保全、騒音公害あるいは排気の公害等のいろいろの問題から見るならば、必ずしもそれほどのフェーバーを航空問題に与えなくてもいいのじゃないか、こういう感じがするのですが、その中で、皆さんの資料を拝見してみますと、国内線でありますけれども、四十四年度に大阪−東京間は二百十万人が動いておる。それが五十年には五百五十万人になり、六十年度には一千六十万人になるのだ。このウエートは東京−大阪間というものが非常に高い。その次には大阪−板付がウエートとしては非常に高いわけでありますけれども、六十年になると、この資料で拝見をすれば、鹿児島が五百七十万ということで、たいへんふえることになっておるわけです。私は、一体この昭和四十四年に四十一万である鹿児島への旅客が、五十年に二百二十万にもなるのかという点には、やや疑問があるのでありますし、六十年にそれが五百七十万人になって、東京−大阪間の半分を上回るというようなことになるかどうか、この点ちょっと疑問もあるのでありますけれども、見通しですからよろしいですが、要するにいま皆さんのほうでは、そういう価格政策をなしにして、いまの関西地区における国内線路別航空旅客数の見通しを立てられておるのかどうか、その点をちょっと伺っておきたい。
○住田政府委員 需要予測の場合には、いろいろの要素を入れるわけでありますが、運賃の要素といたしましては、現在の航空運賃と国鉄運賃との格差が二〇%縮まるという前提で計算したのが昭和六十年の一億二千万人でございます。そのほかいろいろな要素がございますが、運賃の問題といたしましては、一応現在の格差が二〇%縮まるであろうという想定のもとに計算いたしました。
○堀委員 いまの格差と将来の格差の問題ですけれども、いま私がちょっと問題を提起したように、近距離のものはやはり私は政策上から見てもかなり料金を上げて、選択を求めていいのではないか、こういう感じがするわけですが、それはあとの問題にして、この航空需要がこういうふうに非常に伸びてくるということになりますと、それに見合う供給能力の問題が出てくるのじゃないか。私、ちょっとこの間パイロットだけをやったのですけれども、この間管制塔なども拝見をしたときにお話もありましたが、まあ飛行機の関係者全部自動車で送り迎えしてくれるし、給料も高いけれども、管制官はもう一つの給料が安いという話もあったのです。この管制官とか整備員とか、そういうものがいまのような大量輸送に必要な人員を整備しなければならぬ問題が出てくると思うのですね。この間は外国人パイロットの代替問題だけを私ちょっと触れましたが、管制官や整備員というものが、各種の計器その他も整備をしなければならぬでしょうから、全国的にいまよりはかなりふえてこなければならぬと思うのですが、それに対する供給体制というのは見通しをちゃんと持っているのでしょうか。
○住田政府委員 現在、運輸省におきましては、航空保安大学校で、これは羽田にございますが、管制官であるとか、あるいは通信要員であるとか、あるいは無線機器関係の保守要員の教育をいたしておるわけでございます。管制官のほうは現在不足いたしておりますので、特に専修科というものを設けまして、毎年百名程度養成をいたします。これは昨年からやっておりますが、昨年度、本年度、あるいは来年の一部、そういう専修科で教育を進めていけば、大体管制官の需要はまかなえるのではないかというように考えております。それから無線関係のほうでございますが、これは現在の私どもの保安大学校の卒業生だけでは足りないので、二級の無線技術士を採用いたしまして、教育をして現場に張りつけております。航務、通信関係の人間のほうは大体保安大学校の卒業生でまかなえるという見通しでございます。
○堀委員 飛行機の整備関係の要員の問題は飛行機会社の問題でありますけれども、これらの整備関係の人間の充足はこれでだいじょうぶですか。
○住田政府委員 航空会社の整備要員のほうは、私のほうでは察知できないわけでございますが、航空会社は大体高校卒を採用して航空会社の中で教育をし、試験をし、そのうちの一部が国の試験を受けて確認整備士とかあるいは工場整備士になるという仕組みになっております。
○堀委員 そこらはできるということのようですから、ちょっとはっきりいたしませんけれども……。 その次に、現在問題になっております大阪空港の問題でありますが、この間、公害訴訟を出しておる人たちに対して裁判所のほうで、これらの公害訴訟の原告が、訴訟費用について国の負担で処理をしてもらいたいという申し入れをしておったところが、かなりな数について当該裁判所で国の負担にするという決定があったように聞いておるわけでありますけれども、私、ちょっとこの問題についてつまびらかにしておりませんので、現状の姿をちょっと答弁をしてもらいたいと思います。
○丸居説明員 先生いま御指摘の、訴訟費用を国で持つようになったという話は、われわれも聞いております。裁判所のほうの関係のものですから、私はあまり詳しくは知りませんけれども、やや勝訴の見込みがあるものについては裁判所のほうでそういうものを持つということにしておるという話を聞いておりますが、そういう人たちが何名かおるという話を聞いておる程度でございます。
○堀委員 いま飛行場部長のお答えのように、費用を被告側に持たせるということは、言うなれば原告が勝つ見込みが強いということであろうと私も思っておるわけであります。ですから、この伊丹における騒音公害の問題、これがやはりいま関西新国際空港問題の一番大きな関連の問題になっておる、こういうふうに考えておるわけであります。 そこで、今度伊丹市が航空騒音にかかわる新しい環境基準をきめるという問題が最近報道されておるわけでありますけれども、その報道の中で、これは三月二十六日の神戸新聞でありますけれども、いまお答えになった丸居さんの「飛べぬ基準では困る」というお話が出ておる。「航空機騒音を軽減させるため皆で努力すべきだ。ただ空港で飛行機が飛べなくなるような基準は感心しない。その意味で移転補償や民家の防音工事に力を入れて対策にあたりたい。航空会社も騒音証明機を入れ、騒音の軽減に努力すべきだと思う。」こういうふうに新聞に出ているのですが、大体こういうふうなことをお話しになったのでしょうか。
○丸居説明員 そのとおりでございます。
○堀委員 そこで、いまのあなたのお話では、移転補償や民家の防音工事に力を入れる、こう書いてありますね。一体四十七年度は、移転補償と民家の防音対策の費用は幾ら入ったのですか。
○丸居説明員 民家の防音工事のほうでございますけれども、これは実は四十七年度からぜひやりたいというふうに考えておったのでございますけれども、民家の防音工事というのは、実は非常にむずかしゅうございまして、どうすれば一番音が低くなるかという工事方法等についての研究も、それほど進んでおるわけではございません。これをぜひひとつ研究しなければならぬ。それからもう一つは、どの範囲を工事するかということも明確にきめなければならぬという点等もありまして、どうしても一年間それについての調査をもう一歩進めてやらなければならぬということになりましたので、四十七年度は間に合いませんでした。そこで、四十七年度では千六百万の調査費をただいまお願いしておるところでございます。これが国会の御承認をいただきますれば、それによって何戸かモデルケースをつくりまして、ただいま申し上げましたようなことについての調査の結果を得たいというふうに考えておる次第でございます。 それから、移転でございますが、これも先生御指摘のとおり、あまり進んでおりません。といいますのは、土地の補償費用と移転先の土地の値段がなかなかうまくつり合いませんので、あまり進んでいないのでございますが、豊中、伊丹両市の御協力によりましてやや明るい見通しが出てきておりますので、四十七年度ではこれらのものがかなり進むのではないかというふうに思います。金額は、移転費は三十二億ばかり予定をいたしております。
○堀委員 移転費三十二億という話ですけれども、ことしの空港整備事業費の中の航空機騒音防止対策事業費というのは、四十七年度二十四億ですね。それから教育施設等騒音防止対策事業費が三十二億七千五百万、結局、予算の説明で見ると、騒音対策として大阪空港に五十七億一千三百万円を計上した、こういうふうになっているのだけれども、いまのあなたの三十二億というのはどこに計上されているのですか。
○丸居説明員 欄を見間違えましてたいへん申しわけございませんが、移転費のほうは二十四億三千八百万円でございます。
○堀委員 移転費が二十四億三千八百万円というと、これも航空機騒音防止対策事業費がまるまる移転費なんですか。ほかに何も騒音対策事業費はないのか。いま私が言ったように、四十七年度の予算は、二十四億三千八百七十万円が航空機騒音対策事業費で、あとは教育施設等の騒音対策事業費が三十二億七千五百万円、こうなっておるので、それをまるまる移転費にとられたら、騒音対策の費用はゼロということになる。計上している項目はないことになるが、どうですか。
○丸居説明員 ちょっと説明がまずうございましたが、四十七年度では移転費について重点を置きたいと思っておりますので二十四億三千八百万円、そのほかに教育施設その他は三十二億七千五百万円お願いをしておりまして、総額では四十七年度の騒音防止関係予算は五十八億二千二百五十万円をお願いしておるわけでございますので、移転補償費はかなり多うございますけれども、まるまるではございませんのです。
○堀委員 おかしいな。これは経理の問題ですから、ちょっと大蔵省、答弁してください。いま飛行場部長のお話だと、移転補償費が二十四億もあるというのなら騒音対策事業費はゼロですよ、一体、伊丹空港における騒音対策事業というのは移転だけであとはゼロなんですか。教育関係のものはありますが、この防止対策事業費のほうはこれはどうなっておるのですか。全部そうなんですか。
○吉瀬政府委員 いま御指摘ございましたが、移転補償の二十四億三千八百万円のほかに、教育施設の関係として防音工事、いわゆる騒音防止対策事業関係として三十二億七千五百万円、こういうものが計上されておるわけであります。
○堀委員 そうすると、要するにいまの二十四億というのは、これまでここに航空機騒音防止対策事業費として四十六年度七億五千五百万円計上されていますけれども、そうするとこれはみな移転補償費なんですね。ほかには充てていないわけですね。
○吉瀬政府委員 さようでございます。
○堀委員 ずいぶんたくさん計上してあるのですが、四十六年度はこの七億五千五百万のうち一体幾ら移転補償に支払ったのですか。
○丸居説明員 ちょっと詳しい数字が出てまいりませんのですが、四十六年度は、さっき申し上げましたように移転先の話がもう一つづきませんのでおくれましたのですが、二億弱程度の金を使って、あとは繰り越したというふうに記憶しておる次第でございます。
○堀委員 大蔵省に伺いますけれども、移転補償を四十七年度二十四億も組んだということは、四十六年度に七億の予算を組んであった、ところが二億しか使用されていない。三分の一も使用されていないわけですね。そこで二十四億予算を組む以上は、移転補償に対する何らかの見通しがあって予算を組んだのでしょうね。これはどういうことでこれだけの、昨年度七億五千五百万円組んであったものが二億余りしか使われていないにもかかわらず、二十四億も組んだのか、その理由をひとつ明らかにしてもらいたい。
○丸居説明員 ちょっと私から先にお答え申し上げます。 さっきも申し上げておりましたように、数年来この周辺地域の住民の皆さん方にはたいへん御迷惑をかけております。これに対する最大の対策は、要するに立ちのきをしていただく以外にないのではないかということで、去年、おととしあたりから立ちのきの費用をお願いしておるわけであります。去年七億を認めていただいたのでありますが、もちろんそれだけでは足りません。去年はできるだけ少しでもやろうという気持ちで始めたわけでございますが、やはりできれば部落が固まって移転したいというふうな御希望もありまして、これはやはり代替地というものをつくらないといけないというので、代替地の造成を伊丹市、豊中市一帯のところにお願いをして、われわれも一緒に御相談に乗せていただきながら折衝をしておったわけでありますが、それがなかなか進みませんなんだために、四十六年度にはついにそれが実現できなかったのでございますが、しかし、いろいろ問題点はございましたのですけれども、それらのものを一つ一つ片づけたり、あるいは県までお願いに行ったりいろいろいたしまして、やっと引っ越し先の代替地について見通しを持てるようになりましたので、それで四十七年度はぜひそういった、集団というほどの大きなものでもございませんが、まあひとつ集団移転というものをこの際ぜひ実行したいというふうに考えまして、そこで四十七年度予算ではただいま申し上げましたようなかなり高額の移転費をお願いした次第でございます。
○堀委員 大蔵省にはあとで答弁を言っていただきますが、この移転補償は一平米に対して一体幾らの移転補償費になるのですか、どういう条件の移転補償になっておるのか、家屋、土地についてちょっとお答えをいただきたい。
○丸居説明員 土地につきましては、大体その土地をこちらにお売りいただくときには近傍類地価格というものを出しまして、それに基づいて買収をすることにいたしております。それから家屋につきましては、やはり家屋をそういった一つの基準に基づいて評価をいたしまして、家屋の買収をするようなかっこうで向こうにお払いをする、そういう基準で移転補償費を出しております。
○堀委員 いまの近傍類地価格ですけれども、いま立ちのきをしよう、移転をしようという方はまあ離陸の下のほうとか非常に恵まれざる地域の方だと思うのですね。そういうところは価格が当然安くなりますね。おそらくこれがジェットでないときならまだしも、これだけの騒音のある下の土地が、適正なる価格の土地として評価されるはずがないと思うのですが、一体、久代あたりのあの下の土地というのは、いま一平米当たりあなた方の評価は幾らしておりますか。
○丸居説明員 久代のほうで坪当たり八万から八万五千円ぐらいであります。高いところだとやはり十五万円ぐらいであります。
○堀委員 そうすると、さっきあなたのほうの話では、土地の価格が折り合わないから移転ができないという話を前段にしておられましたね。いま高いところ十五万というのなら、阪神間でも少し離れた地域ならば、たとえば川西の少し奥のほうに入れば、大体十五万円くらいなら当然あると思うし、結局家屋についての評価も、移転をする人は新たに新築をしなければ入れませんね。新築したのは、古い家から比べれば新しい部分のプラスアルファがあるんだから、それはおまえさんのほう持ちなさいというのでは、これはそう簡単に動けない問題じゃないかと思うのです。私がいま移転補償の費用の問題に触れておるのは、要するに予算をつける以上、やはり実行できる何らかの見通しをいまの移転補償の取り扱いの上でしなければ、ここにギャップがあればあるほど幾ら予算をつけても実はこれは使われないことになる。だから私は、これをたくさんつけたのはけしからぬと言っているわけじゃないのですよ。つけたらつけただけのことが消化できるような何らかの手だてをしておかなければ、移転補償の予算をつけてもしようがないと思うのです。これらの移転補償の実際の取り扱いについて、さっきの四十六年度七億で二億程度ということが、四十七年のこれから半期ぐらい、こう見て、二十四億の補償状況を見ておって、依然としてこれが十分進まないときには、これらの補償の基準を少し変更することによらなければこの移転補償の問題というのは進まないのじゃないか、私はこんなふうに思うのです。これについては、いま私申し上げておるように、何にしてもこれは処理をしなければならぬ問題でありますから、これはやや政治的な問題でありますから、政務次官にお伺いしたいのであります。 移転補償そのものは特別会計から支出をするのであるから、所管は運輸大臣ですかね、本来は運輸大臣になるのかもわかりませんけれども、やはり会計予算上の問題に関係がありますから、ひとつ政務次官のほうで、せっかく移転補償費をつけたものはできるだけ移転補償に役立てるように補償基準その他の配慮をこの際していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○田中(六)政府委員 補償というものは非常にきめのこまかいものになるということから、いよいよ実行面というときにおいて予算がうまく使われないのじゃないかと思うのです。したがって受けざら、つまり制度というようなものを非常に整備して、それが消化できるような体制をとっておかなくてはならないのじゃないかと思いますので、この点十分配慮して、予算を組んだらそれが消化できるという体制をぜひともとっていきたいというふうに思っております。
○堀委員 ぜひひとつそういうことでお願いをいたしたいと思います。 次に、今度の伊丹市の航空騒音にかかわる環境基準というので、WECPNLという基準でありますか、これでいきますと、七時から十九時までは七十以下、十九時から二十一時までの二時間は七十五ホン以下、一機当たりの騒音の最高レベルでいうとさっきの七時から十九時は八十五ハン以下ということで、航空機の離着陸の回数も七時から九時は八回以下であるというふうにしたい、二十一時から朝の七時までの十時間は特別な場合を除き航空機の発着を禁止したい、こういうようなことが基準の案として示されておるわけであります。ここで、丸居さんが答えられておる飛行機が飛べないのでは困るということもありますが、問題は、やはりできるだけそういう形に処理できることが望ましいのは、私は間違いがないと思いますね。この際、せっかく地方自治体がこういう基準を設けて今後の騒音公害について一つの基準を示してきたということは、私はそれなりに非常に意味があると思うのであります。環境庁入ってもらっておりますね。——環境庁のほうではこれをどういうふうに評価をしておられるか、ひとつお答えをいただきたい。
○山形(操)政府委員 先生御指摘のとおり、環境庁のほうにおきまして中央公害対策審議会の先生方にお願いしておりまして、環境基準というものをつくろうという作業をやっておるのでございますが、何せ飛行機の問題は音源問題、国際的の問題でございまして、世界各国環境基準はまだできておりません。しかし、伊丹、東京の問題は、これはやはり住民の側に立って、非常に大きな問題であるということになりまして、その二つの飛行場に対してのみとりあえず暫定でもいいから指針を示そうということで、先生方にいただきました答申に基づきまして勧告いたしましたのが昨年末とった処置でございますが、その場合に、単位の問題で正直いいますと非常にもめました。 おっしゃるとおり、今回伊丹のほうでつくりたいと申しておるその数字も、私まだ全部詳しく見て検討しておりませんが、おそらく夜の団らんのときにもう少し音を小さくしてほしいとか、テレビその他のいろいろの問題を兼ねてのことかと思います。ただ、先生方にお願いした当時は、夜間、深夜の睡眠問題を中心に、これだけでもひとつ何とかできないかということでやっていただきましたので、今回運輸省のほうでそれに従ってジェット機の発着を勧告どおりにしていただきましたので、環境庁といたしましては、大阪国際空港に関する夜間の取り扱いについてはよくやっていただいたと私のほうは感謝しております。 ただ、それ以上の御希望は十分わかりますけれども、これはやはり航空需要の問題その他の関係がございまして、漸次そういうふうなことができるような対策をとっていただきたいと運輸省にはお願いいたしますけれども、これが実際問題としてなかなか困難であるということは私も認めております。したがって、環境庁としてそれ以上のことをすぐまたお願いするという段階ではございませんので、特に夜間、深夜の睡眠の問題を中心にして勧告をした、その実現がはかられたということで、一応現在のところは了承しておる段階でございます。
○堀委員 この問題はどうしてもやはり新しい国際空港か何かができなければ、いま伊丹市が考えておる考え方に伊丹空港を処理することは私も困難だ、こういう感じがしております。 そこで、いま皆さんのほうで問題提起をしておられる新関西国際空港の問題でありますけれども、この新関西国際空港のいろいろな資料を拝見しておりますと、これらの中では国の費用は大体二〇%程度にとどめて、あとは地方自治体の出資なり借り入れ金によってやりたいというふうに聞いておるわけでありますが、新関西国際空港の資金計画というのは、一体どういう資金計画になっておるのか、ちょっとお答え願いたいと思います。
○丸居説明員 関西空港の全体計画、約五千億余りでございますか、その中で、ただいま先生おっしゃいましたように、国が二割くらい出資いたしまして、できれば地方で一割くらい出してもらい、残りを債券発行等によってまかなっていきたいということを一応考えたわけでございます。その地方一割というのが非常に地元でも問題にされておるようでありますけれども、実はなぜ一割ということを考えたかということでございますけれども、それは新東京国際空港は国際線だけが入る飛行場なものでございますから、純粋な国際空港として国が、これもやはり国の出資は約二割でございますけれども、二割程度、ちょっと欠けておるかもしれませんけれども二割くらいお願いをするつもりで現在まいっておるわけであります。そこで関西をこれと比較してみますと、関西はいまの伊丹では国内線そのものをまかない切れない。そこで新しい関西空港ができたといたしまして、そこへ国際線を持っていきますと、いま、ちょっと需要についていろいろ御批判ございましたけれども、われわれの計算で申し上げますと六十年現在時点で国際線が発着回数にいたしまして約七万回ぐらいになる、国内線が十万回ぐらいになるというふうに考えられる。そういたしますと、かなり多くの国内線がここへいっておることになっておりますので、国内線をともに考える国際空港でなければならぬ。それなら地元にも非常に御関心の強いはずでありまして、これらのものをほかの二種空港と比較しても全額国庫という考え方でなしに、一割程度地元から出資していただいてもいいのじゃないだろうかというふうな軽い気持ちで実はあの一割地元負担ということで要求したわけでございますけれども、ただいまいろいろ御批判をいただいておりますし、そういった国内線が入っても、そういうものも入ることを前提とした上でも国際線が入れば国際空港じゃないかということをいま地元でも盛んにいわれておりますので、いま非常に場所等についてもいろいろ航空審議会で審議をしていただいておるような段階でございますので、どういうところにどういう姿の関西空港ができるという結論になるかわかりません。一応あの四候補地というものを中心にして考えた場合は、やはり国内線をかなりここで運ぶ飛行場にしなければならぬじゃないかという考え方から、そういう地元出資一割というものを一応入れていくということだと思います。
○堀委員 一応入れていくという程度なら、今後の問題ではこれは引っ込めることはあり得るということですな、大体。
○丸居説明員 一応といったことばがあまり適当でなかったかもわからないのですけれども、予算要求を国としていたしておりますので、ぜひ地方でそれを持っていただいて、その上でやろうという決心はしておるわけでありますけれども、非常に地方でいま地方公共団体のほうとしても一割というものについての批判を聞いておりまして、いまその一割については非常に困っておるようなことで、一応と、こう申し上げたのでございますけれども、われわれが予算要求させていただいて、しかもその予算を政府として決定して私ども国会にお願いしておる以上、あるいは一応ということばは不適当だったかもしれませんですが……。
○堀委員 どうもこういうことは少しはっきりさしておきませんと、大蔵委員会というのは何さまけじめはきちんとするところですからね。いまのお話を聞いておりますと、これは強制力はありませんね。地元に出しなさいといって強制をするわけにはいかぬから、これは話し合いできまることだ。そうすると、地元が出さないといえばそれまでだ、こう私は認識をするわけですけれども、運輸省どうですか、その点は。
○丸居説明員 いずれこれはやはり新東京国際空港公団と同じように公団を設立してつくりたいというふうに考えておるのでございますが、その公団設立の時期に地方公共団体のほうにさっき言いましたような趣旨等を十分御説明いたしましてお願いしてみたいというふうに考えておるのでございますが……。
○堀委員 いや、お願いをするのはわかっているのですよ、私のほうでは。お願いするのはわかっているけれども、地方自治体のほうで出しませんといったらどうしますかと、こう聞いているのです。強制力はないのでしょう。強制力がない以上は、空港公団というものができたときに、それは政府の出資と借り入れでやるということに結果としてはなるのじゃないですか。強制力がありますか、何か法的に。
○住田政府委員 阪神外貿埠頭公団の場合にも国の出資のほかに地元の出資がございますし、それから本四架橋公団の場合にも同じような地方公共団体の出資がきめられておるわけでございます。したがいまして、原則論から申し上げれば、関西新国際空港公団の場合には国内線が半分以上使うという点から申し上げて、地元出資を受けてしかるべきではないかというように考えているわけでございます。しかし、これが法律上強行できるかどうかということになるとまた別の問題ではないかと思います。いずれにいたしましてもこれは非常に重要な問題でございますので、場所がきまり、公団を設立することがきまった段階で大臣等の御判断を仰いで、地元が反対の場合にどうするかということについて対策をきめるということになろうかと思います。
○堀委員 わかりました。運輸大臣があとで入りますから、大臣に聞きましょう。 そこで今度は、その埋め立ての問題でありますけれども、いろいろな資料を見ておりますと、実はたいへんな土を運ばなければならないことになるようになっておるようでありますね。まず最初に土を運ぶためには船からつくらなければならぬようでありますが、皆さんのほうでは、この土を運ぶ船というのは一体どのくらい新造をしてどうやってやるのか、まずその運搬の、土を運ぶ船の問題からちょっと聞いておきたいと思うんですけれども、これを計画する以上は、大体どのくらいの船を何隻つくって、大体どの辺から何トンの土を運べばやれるのか。これはいずれも海上、海の中につくろうという話が三カ所あるのですからね。
○丸居説明員 土量の問題でございますけれども、これは場所によって非常に違うように思います。場所によってはあるいは四十ぱいぐらいの船をつくらなければならぬのじゃないかという場所もあると思います。それから場所によりましてはあるいは沈埋トンネル等を先につくって、その中をベルトコンベア等で走らすということも可能なところもあるかもしれません。非常に場所によって違いますが、一番多いところで四十ぱいぐらいの船が必要かと思います。
○堀委員 四十ぱいの船というのは、一ぱい当たり何トンで四十ぱいですか。
○丸居説明員 九千トンと六千トンぐらいの船の混成だったように思います。
○堀委員 そうすると九千トンが二十ぱい、六千トン二十ぱい、こういうことですね。大体それは組み合わせばわかるけれども、四十ぱいの船をつくる、いまから九千トンと六千トンの船を、四十ばいの船をこれからつくるのに何年かかるんですかね。いまの日本の造船の能力の中にそれをはめ込もうということでしょうがね。ちょっとそれを伺いたいんです。
○住田政府委員 私どもは、聞いております現在の造船能力から申し上げれば、それほどむずかしい問題ではないと思います。特に最近は船の建造量が減っておりますので、いまの九千トンあるいは六千トンの船を四十ぱいつくるということは、それほど大きな問題ではないと思います。
○堀委員 大きいか小さいか知りませんけれども、どのくらいかかると思いますか、現実に発注して船が就航して土が運べるようになるまでに。
○丸居説明員 二年間ぐらいはかかるのではないかと思います。
○堀委員 実は、これは兵庫県が出した資料がちょっとあるんですけれども、そこではこういうようなプログラムを大体書いております。これはおそらく場所は、三地域の埋め立て造成工事を仮定して考える場合、こういうふうになっているわけですから、仮定があるわけですけれども、第一期工事として昭和五十二年からの供用開始ということで面積は五百ヘクタールということですが、それをやるために運搬する土の量は六千万立方メートル。で、これの土の運搬期間は四年間かかるということであります。——いまのは年間です。この間の総運搬量は二億四千万立方メートルの運搬土量ということになる、こういうふうに書いておりますが、第一期工事の分だけでそれだけであります。第二期工事が一億八千万、第三期になるとちょっと減って九千万、合わせて第一期、第二期、第三期工事で要するに滑走路が二本でありますか、その程度のようでありますが、それで五億一千万立方メートルの土を運ばなければならないということになっておるわけですね。実際に神戸市がこれまであそこの海岸の埋め立てをやっておりますが、昭和三十九年から四十五年までの六年間に、この六年間で動かした土が五千万立方メートルなんですね。そうするとこれの十倍のものを動かさなければならぬということになるわけですね。これはまあたいへんな実は土の運搬量だ、こういうふうに思うんですね。 いますでに反対があって、なかなか問題は片づかないと思うんですけれども、私は土を運ぶ問題、非常にたいへんなことはもちろんわかるんですが、もう一ついま言われておる大阪湾の中は大体水深二十メートル程度のところへ皆さんのほうはつくりたいということらしいが、この水深二十メートルの下に約五十メートル近くの粘土層があって、実際にそこへ土を盛ってつくっても、大体地盤沈下がずっと起きて、何年かしたらまたかさ上げをしなければならぬということのようでありますね。ほんとうから言えば粘土を取り去って、下までずぼんと入れればいいけれども、それをしようとすれば七十メートルからのところに入れることになるということなので、きわめて不安定なものになるというふうな感じがするのでありますが、これらの積算の基礎が資料を拝見しておると比較的金額としては——ポートアイランド沖で皆さんのほうの計算は幾らとなっていましたかね。
○丸居説明員 まず第一期工事で大体工事量二億二千万立米ぐらいを予定しておるようでありますが、それに要する工事費は二千百億という計算を一応予定いたしております。
○堀委員 大体一期工事というのは四千メートルかなんかが一本ということじゃないですか。
○丸居説明員 そのとおりでございます。
○堀委員 そうすると、横から風が吹いたときには使用できないから、第一期工事ではまだ完全な空港として機能できないんじゃないですか。
○丸居説明員 先生御指摘のように、横風を受けない滑走路ができれば飛行場としては理想的でございます。ただ計算をいたしてみますと、ポートアイランド沖でというふうに仮定してみますと、年間九九%まで使えるということでございますので、ウインドカバレージということもございますが、それからかりにそれが泉南沖だといたしましても九六%程度までウインドカバレージがございますので、たいへん埋め立てに高い経費もかかるしいたしますので、その程度のものを第一期工事として相当期間これを使うというふうに考えておりますので、ほかにも一本の滑走路というのは、ただいま大阪でいいましてもクロスの滑走路はございませんですが、かなりあれでウインドカバレージがございますので、飛行機の機種もだんだん大きくなってきますと、横風にもだんだん飛行機も強くなっていくように考えられますので、その辺でかなり使えるのではないかというふうに考えております。
○堀委員 これは一体いつの時点に工事をするということで二千百億ですか。
○丸居説明員 五十三年度一ぱいで完成するぐらいの目標で計算をいたしております。
○堀委員 始まりはいつからの計画ですか。これは五十三年度で使用ができるというのはスタートはいつから工事にかかるわけですか。
○丸居説明員 本年度予算で公団を認めていただきまして、それでできるだけ早く着工するという予定でつくっているわけです。
○堀委員 運輸大臣お入りになりましたから——いま実は問題の新関西国際空港の論議をいたしておるところでありますが、いま飛行場部長のほうの答弁で、もしかりにポートアイランド沖にできるとするならば、四十七年から着工したら五十三年度までかかって二億立米の土を運んで二千百億円の費用がかかるという話があったわけです。その前にその土を運ぶためには船が要るだろう。六千トンと九千トンの船がまあまあ四十ばいくらい場合によったら要るという話があったわけですが、その船をつくるには二年くらいかかるだろうという話があった。いろいろ問題があるわけですが、まず最初に、いま大臣がおいでになるまでにひとつ論議をしましたのは、この関西の新国際空港を運輸省のほうでは公団として取り扱いたい、それについては地方自治体の出資を一〇%くらい期待をしたい、国は二〇%だ、こういうことだったわけですが、すでに大臣も御承知のように、各地方自治体、兵庫県、大阪府を含め、各地方自治体は出資をする気持ちはございませんと、これははっきりしておるわけですね。そこで私、ちょっとさっきいろいろと質問の経過の中で、飛行場部長のほうではしかし一応お願いをしたいということのようなので、一応ならもういいじゃないかという話になっておったのですが、これは強制力が、私はどうも法律的に地方自治体に持たせるという法律をつくるわけにもいくまいと思うので、結局この問題は根本的には地方自治体が納得をして、よろしい、この地域に飛行場をつくるということになれば及ばずながら地方自治体も協力をしましょうという態勢ができれば、話はまた違うかもしれないと私は思うのです。ところが、御承知のように、いま関西新国際空港問題というのは、一番最初に芦屋の市議会が全会一致で反対決議をしました。その次に西宮市議会がやはり全会一致で反対決議をした。この間は神戸市会が多数で反対決議が決議として通りましたね。一体なぜこの新国際空港問題にこのように地方自治体が反対をしておるのか。運輸大臣は一体問題はどこにあるとお考えですか、お答えいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいまお話でございましたが、反対の理由は、やはり騒音と申しますか、いまの関西国際空港になっております伊丹で騒音で付近の住民が非常にお悩みになっておるということが、やはり一番の大きな原因ではないかというふうに私は思っている次第でございます。
○堀委員 そうすると、結局そういう反対が出ておるということは、いま出されておる案では騒音の被害を受けるのだという住民一般の声を議会が代表しておるのじゃないか、私はこう思うのですね。 私、実は伊丹空港の比較的近くに住んでいるものですから、飛行機の進入のために、実は風が北から吹いているときは全部北のほうへ上がるのです。ところが今度は南風に変わる日があるのです。南風に変わると、飛行機が今度は南に上がってくるわけですね。南に上がったのが西向けに回っていくときに、今度は大体私の家の上を通るわけです。これが風向きによってはそれこそ私ども非常に困るのは、長距離電話をかけている最中でもブーンと来られると、まさに聞こえない。私ども仕事の上ではこれが一番困るわけですが、幸いふだんは北風ですから、電話が聞こえないほどのことはないのが、南風が吹くととたんに聞こえなくなる、テレビが見えなくなる、ちらちらする、騒音で聞こえなくなる。たいへんな被害を受けている地域に住んでいるからよくわかるのですが、それではわれわれとしてどうすればいいかという問題に対して、いま伊丹空港周辺の住民は何にしても空港をどこかへどけてもらいたいというのが住民の一致した意見です。 実はさっき民家に対する防音の問題、移転補償の問題を、おいでになる前に少しやったのですが、なかなか遅々として進まない、こういう問題があるわけです。そこで、根本的な解決は、新しい空港を、かなり大きなものをつくって、このような住宅集中地帯における飛行場を除くというのがやはり私は基本方針であるべきだ、こう考えるわけですけれども、大臣、その点はいかがですか。
○丹羽国務大臣 御承知のとおり、首都圏と並んで近畿圏でございますので、国際空港を関西からなくすということは、付近の住民の方は非常に御迷惑でございましょうが、一般の国民の常識からいいましても、これはやはり絶対必要ではないかと思う次第でございます。——いまのお話、ちょっとすみませんでしたが、新しい公団ができた場合ですか。
○堀委員 それではちょっと私からもう一ぺん言います。 要するに、伊丹空港をどけるということは、新しい空港をつくらなければどけようがないわけですね。だから、要するに周囲の住民の反対しない新しい空港をつくる、そしてそれをどけるということですね。いま運輸省が考えておられる案を見ると、新しい空港をつくってもまだローカル線などは残す、残すとそれがやがてまたふえてきて、また伊丹空港一ぱいになりますよということになっているわけですね。それでは新しい空港をつくることは、あの地域の住民にとってはあまり意味がないと、こういうことになるわけですね。ですからわれわれは、いま基本問題として、新しい空港をつくるのならまず伊丹からローカルのものを含めて取り除くというのが基本方針ですね。基本方針としてはそういうことであるならば、新空港の問題というものが新たな観点で考えられると思うのですよ。ところが両方残しておいて、両方とも騒音が住民に影響するなんてことになるからいま強い反対がこの沿岸各地で起きておる、こういうことだと思うのですがね。だから、そういう意味では、住民の反対のない、公害のない新空港がもしかりにできるとするならば、それを十分使用にたえるものに、大きな形のものにすることにおいて伊丹空港を取り除くという基本方針が立つことが、私は当面非常に重要な問題ではないか、こう考えておるので、その点を伺っておるわけであります。
○丹羽国務大臣 申しわけございませんでした。ちょっと聞き落としました。 私、今度新空港をつくります場合には、絶対に騒音公害のない空港をつくる、理想的なものをつくりたい、私、航空行政を担当いたしましてからそれを非常に痛感しておりました。それを必ずしなくちゃいかぬ。それゆえにやはり海上を選ぶとか何とかというのは、その発想の一つでございます。それでまあ今回は、ことに長年御指導願っている堀先生、地元でいらっしゃいますからいろいろお知恵を拝借いたしまして、早くこの問題を解決したい、こう思っておる次第でございますから、いろいろまた御指導をいただきたいと思うわけでございますが、私といたしましては、そういったような絶対公害のない、皆さんに御心配をかけない、地元の皆さまの御了解も得る新空港を絶対つくるという目標で進む次第でございますが、さていままでの伊丹空港をどうするか。いまの事務当局の案といたしましては、御承知のとおり、国際線は全部移す、国内線はいまの半分にするということでございます。実は先般環境庁の勧告もございまして、伊丹につきましては実は航空会社、それからいろいろの公共輸送機関を利用する方の利便等から考えますと、環境庁の案では非常にむずかしいというような意見もだいぶございましたのですけれども、私は伊丹の付近の住民の方の御苦痛を思いまして、これは断固行なえということでこれを規制をさせまして、この四月一日から実行させた次第でございますが、伊丹に限りましては残しましてもぜひ騒音規制を十分やりまして、時間帯の規制であるとか、それからまたもちろん夜間の時間の短縮、いろいろなこともはかりまして、やはり現状は残しておきたい。と申しますのは、いま御心配がございましたような国内線がまたふえるのじゃないかというのは、国内線もできるだけ新空港のほうへ持っていくということにいたしたいと思って、やはりそれだけの規模も拡大をしたい、こういうように思っておる次第でございますけれども、いまここでもって私が軽率なお約束もできないことは、これから民間機、セスナ機であるとかいろいろな飛行機も飛んでまいる、いろいろなものもやはり航空需要、漸次ふえてまいります。それがために、航空公害、騒音公害のないような理想的な、市街地におきましてもこの程度ならいいんじゃないかというものを残しておくということは、やはり行政努力によってここまでできたものを残しておくということもまた必要でもあるし、また大近畿圏でございますからせっかくいままでできたもの、ここまでになったというものを残しておきますれば、私はやはりそれなりのコンセンサスを付近の御住民から得られるんじゃないか、まず第一番にこれには堀先生の御了解を得なくちゃならぬと思っている次第でございますが、またそういう点でぜひ御納得をいただきまして、残すことに御賛成を願いたい、こう思う次第であります。
○堀委員 幾らそうおっしゃっても了解得られないのですよ。私はいろいろな問題を考えますときに問題の処理というのはやはり抜本的でなければいかぬと思うのです。要するに小手先で処理をして、その場をつくろったのでは、必ず同じ経過をたどるというふうに思うのですね。まず問題の処理を抜本的にやるということはきわめて重要だと思います。ですからいまの伊丹空港の問題は、大臣はそうおっしゃいますけれども、事務当局のほうのいろいろな資料なりやりとりが過去にあるわけです。結果としては半分だけ持っていったにしても、あるいは新空港のほうに持っていけるだけ持っていったにしても、やがては、それは昭和六十年になるか六十五年になるかわかりませんけれども、同じ状態に戻ることは間違いない。問題はあそこに飛行場がある限り避けられない問題だと私は思うのですね。これが第一点。 第二点は、さっき民家の防音についてこれから研究するという話ですが、しかし考えてみて、一体どの範囲の民家に防音装置をつけるかということ。これは私は言うはやすく行なうは難しだと思います。私はそんなところにそんな投資をするくらいなら、新空港に投資をするほうが経済的な効率からいってもはるかに効率は高いと思いますね。まああなたはここで、事務当局もいろいろいるでしょうから、なかなか思い切った答弁はできないかもしれませんが、私は、政治家丹羽さんとしては、将来の日本の全体を見通して、その中で国がともかく飛行場というものは公共の福祉のために必要だなんという意義ではなくて、やはり住んでおる人間の福祉が最大のことだとなれば、まずそこをどけましょう。そうして心配のないところをつくりましょう。もし心配のない空港が一ぱいになって飛べなくなったらさらにもう一つ心配のないところへつくりましょう。これでなければ私は国民のための航空行政にならないと思うのですよ。いまの御答弁はまさに官僚的発想だと思うのです。これはやはり大臣は政治家でなければいけませんから、抜本的なこの問題の処理に対する丹羽運輸大臣の政治家としての明快な答弁をひとつここでいただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○丹羽国務大臣 御卓見は十分よく承りました。御承知のとおり何と申しましても新空港の位置、規模を決定することが先でございます。ことにいま御承知のとおり、四十五年では大阪空港からの国際線の利用客はすでに七十万人になっておる、また五十年には二百三十万人になるというような推定もある次第でございますので、そういう点でぜひ先にそちらの決定をお願いしたいと思う次第でございます。
○堀委員 私がいま申し上げているのはそこなんです。要するにこちらがなくなるんだということになると、どうしても新空港が必要だということになるでしょう。ここもあるんだというなら、まあまあ何とかいくではないかということになりますね。だからやはり問題は実はこれは二つじゃなくて一つなんです。きょうこれ以上伺っても時間のむだで、あなたもそれ以上は答弁しにくいようだからまたおりを改めて伺いますけれども、これはどうしても伊丹を将来撤去するんだ、いつという時期を言う必要はありませんけれども、将来撤去して新しい公害のない空港にチェンジしますと言うことが、私はあの地域の住民のコンセンサスを得る最初のまず第一段階だと考えております。 第二段階は、この間からああいう飛行場の四つの地域の問題が出されておるわけですけれども、いずれも大半反対がある。その最大の理由は、いま運輸省の皆さんがやっておられるやり方の中に問題があると思うのです。実は一般の住民が、要するに運輸省に対して非常に不信感を持っておるということですね。この不信感が取り除かれない限り、皆さんが幾らどうこうおっしゃっても実は問題の解決にならないと思う。なぜそういう不信感が起こるかといえば、要するに航空審議会の答申も出ていないのにもかかわらず空港公団をつくってくれなどという予算要求が出てきたりすることに重大な誤りがある。私はこの前の予算委員会で、水田大蔵大臣の出席を求めて、今後日本経済は公共投資を優先する財政主導型経済になるというふうに言っておられるが間違いないのか。そうだ。そうすると財政主導型の公共投資というのは一体だれの負担で行なうのか、国民の負担じゃないのか。すべて国民の負担です。その国民の負担によって行なうときに、その負担をする国民が反対することに多額の費用を使って公共投資をやるのが適当かどうか。適当でない。こういう答弁になっているわけです。ここで、空港公団の設立には私は反対だ、こういうことで実質的にはこれはできませんでしたけれども、そういう手続を含めて、なぜそんなに急ぐのかということがまず第一にあの周辺住民の大きな不信感を招いておるわけです。 だから順序がさか立ちしているのじゃないか。まず、住民のコンセンサスを得られるような十分な話し合いの上で、住民も安心して運輸省の言うことだから心配ないということになってこない限り、この新国際空港問題というのは私は日の目を見ることはないだろうとまず基本的に思っているのです。ところがいまは、運輸省の言うことは何かどうもインチキだというふうに住民がずっととっているわけですよ。これを払拭しなければだめだと思うのですが、あなた運輸大臣として何か名案がありますか。
○丹羽国務大臣 実は先般私も関西に参りましたときに、両知事、両市長と——たまたま大阪の市長はおりませんで、助役がおりましたが、いろいろお話をいたしました。まず何と申しましても住民の代表となっているのは自治体の長でございます。自治体の長が積極的にこれらの問題に乗り出してもらわなくちゃ困るという話を私は強くいたしてまいった次第でございます。ただいま先生が御指摘いただきましたように、そういったような関西国際空港の設立のための委員会のメンバーに加わらぬというような状態では非常に道遠しじゃないかと私は実際は率直に思っている次第でございます。こういうことではだめでございまして、どうしてもそれらの自治体の長に入ってもらうことが先でございます。いろいろ御意見はけっこうでございます。おれのところはやらぬ、こっちがいい、いろいろ御意見はけっこうでございますが、その場に出てやってもらうことが一番大切ではないか。その場合に出ることさえもしていただかぬということでは困る。これは私ども大いに反省する次第でございますが、ひとつ先生方からもその点は公共の地域の開発のために、また地域住民の利益のために、ともかくそういった委員会のメンバーに加わるというだけのあれはしていただきたいということを私はこの間強く要請してきた次第でございます。まだお返事はいただいておりませんが、そういう点につきましては一そうの御協力をいただきたい、こう思っている次第でございます。
○堀委員 それはだめなんですよ大臣。なぜ地方自治体の長がそこに参加しないのか。議会が反対決議をしているそんなところに一体地方自治体の長が参加できますか。だから、それはいま申し上げているように、大体もとがあるわけですね。だからこの際もしほんとうにあなたがあの地域の住民なり自治体に協力を求めたいという気持ちがあるならば、いま出されております四つの案、これは一回白紙に返します、完全に白紙に返します、そうして、地方住民なり、地方自治体の議員なり、地方自治体の長なり、皆さん方と十分運輸省としては白紙の立場で話し合いをさせていただいて、その中から、いま前段であなたのおっしゃった公害のない空港をつくることに双方ひとつ同意をしようじゃないか。そこから始まれば私はまた考えようもあろうかと思うのですね。少なくともああいうものを前提に置いておいて、そして、地方自治体の長をここに入れと言っても、入れないですよ。入れと言うほうが無理ですね。だから、そこらのところの基本問題、きょうはこまかいことを伺うつもりはないのですが、基本問題だけを伺っておりますが、最も肝心なところを少し勇気をふるっておやりにならないと、いまの形のままでは、いつまでたってもこの不信感というのは消えませんからね。不信感のあるところで問題がスムーズにいったり、コンセンサスが成立することはあり得ませんね。まずその不信感を取り除くことが今日重大だとするならば、いま出しておられる四案をこの際ひとつ白紙にして、そして白紙の上にその地域の住民なり、地方議会の議員、あるいは長を含めてひとつ十分話し合いをして、あなたの言われる公害のない空港をつくる、こういう基本方針をあなたがここではっきりなさるなら、私は事態は変わるだろうと思うのですね。どうでしょうか。
○丹羽国務大臣 いま四案が出ておるそうでございますが、これはほとんど参考案にすぎないと私は思っている次第でございます。でございますから、白紙と同じようなものじゃないかと私は思っておる次第でございます。それによりまして自治体の長が入ってきて、そしてすぐ協議に入ってその地域の選定その他につきまして討議に参画してもらうということでございましたならば、私は何ら差しつかえない、こう思っておる次第でございます。
○堀委員 そうすると、そのことは、現在の四案は参考資料だから、白紙みたいなものだとおっしゃったのですけれども、各自治体はそういうふうにとっておりません。 それから、いま反対決議をされているのは、抽象的な関西新国際空港反対ということじゃないのですよ。やはりたとえば神戸市、芦屋市、西宮市が言っておるのは、あるいはポートアイランド沖、あるいは西宮沖等に予想せられるところの海上国際空港反対だ、こういうことですね。だからこの反対というのは神戸やあるいは西宮の場合はおそらく泉南沖の空港に反対しているということにはなっていないのですから、おそらく泉南のほうの皆さんが反対しているのは、同様に明石沖のものに泉南の方が反対しているわけじゃないと思うのですね。 だから、そういう意味では参考だから白紙と同じものだとおっしゃるのですが、受け取り方が実は違うのです。だからこの際、これは明らかに白紙にするとはっきりとお答えがいただければ問題は変わり得ると思うのですね。変わるかどうか、私自身の問題ではありませんから、われわれも含めた住民なり地方議会なり、地方自治体の長の問題でありますが、しかし、白紙になったということになり、それから、私が前段で申し上げたように、伊丹空港はどうしても取り除かなければならぬという一つの問題になるならば、私はこの問題について、あそこのどこかに一つ空港をつくらなければいかぬということについては、おそらくすべては意見が一致するだろう、その空港はあの周辺の住民のだれから見ても公害のない空港だということがはっきりするならば、そこなら私は話はスタートできるのじゃないかと思うのですね。だから、その点ひとつここで現在出されておる一応の試案でしょうけれども、四案は白紙にして、公害のない空港に取り組みたい、こういうひとつ大臣の御答弁がいただければ私はこの問題は新しい段階に入り得る可能性が開けるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 何と申しましても、目的は新しい公害のない関西新国際空港をつくること、これが先決でございますから、それに障害になることは私はみなそれを除去していくのにやぶさかでございませんが、しかし具体的にそれによりまして、私が先ほど申し上げておりますように、人民の代表であるところの自治体の長がこぞって参加をしないというような事態ではこれはできませんから、それがやはり前提だと思う次第でございます。私は、それらの点も含めて再検討してみたい、こう思っておる次第でございます。
○堀委員 どうもせっかくのところまで行って、ちっとも話は前へ進まないのですね。順序を逆にしちゃいかぬです。いいですか。私はさっきから何回も言っておるように、不信感があるということが先でしょう。どうやって不信感を除くかといえば、要するに住民の意向も十分に聞かないで、一方的に皆さんのほうで運輸省案というものをぽっぽつくってきたところに住民の不信があるわけですからね。だから、この際、それをどけるということが不信感を取り除くことだ。不信感がある限り、あなたが幾ら言ったって地方自治体の長がそんなところに出てくるはずはないのです。順序を逆にしちゃいかぬですよ。事務当局がいろいろやってきたことですから、重要な発言ですけれども、まずあなたが一回白紙にするということをここではっきり御発言になれば、これがいまの不信感を取り除く最大の要素になる、私はこう思っているわけです。それ以外にないと私は思っているのです。 だから白紙にする、その上でひとつ私どもにも協力してくれ、こうおっしゃれば、私どもは公害のない空港をつくるのにまで反対するのではありませんからね。だから、公害のない空港ならば、われわれとしても考えましょう、地方自治体の長とも話をしましょう、こうなりますがね。あんなものを前に四つ並べられておいて、そうしてどうかと言われても、これはだめですね。
○丹羽国務大臣 いま御提案で、白紙にすることによりまして自治体の長が参加していただくということに非常にやりやすいということになりますれば、私も考えてみたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○堀委員 考えてみたいというのは、どういうことですか。ちょっと私ははっきりした答弁でなければ、そんなあいまいな答弁では、これは話が前へ進みませんからね。考えてみたいということをここで言われたらいいじゃないですか。これはもう白紙にしますと、一言そう言っていただければ、それからあとは前へ参りますよ。
○丹羽国務大臣 その点でぜひひとつ先生方の御協力を願うという意味で、いまの候補地と目されるというものを白紙にすることは、私は差しつかえない、こう思っておる次第でございます。
○堀委員 私は、それだけをきょうは特に伺いたかったのです。ずいぶん時間がかかりましたけれども、ただ、これは私もいま伊丹周辺住民のことを考えますと、空港がなくてもいいということにはならないと思うのですよ。やはりこの人たちのためには新しい空港をつくって、いま私が基本方針で言ったように、将来は撤去するのだという基本方針があることが私は肝心な問題であるし、同時に、しかしいまの前提では困るということでありましたので、いまはっきりした御答弁をいただきましたから、ひとつこれらの四つの、これまで提案をされておった淡路、明石沖、それからポートアイランド沖、泉南沖、この四つが白紙になったということは、完全に白紙だということでありますから、その白紙の上にひとつわれわれもあなたのいまおっしゃった公害のない空港、国民が喜んで参加のできる空港というものができるという前提に立ってわれわれも検討してみたい、こう考えます。 終わります。
○齋藤委員長 ただいま議題となっております両案中、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案に関する質疑はこれにて終了いたしました。 午後二時三十分再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後一時十九分休憩 ————◇————— 午後二時四十六分開議
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案について、なぜ本年度から特別会計に変えたかという疑問なんですけれども、この提案理由の説明によりますと、「石油及び可燃性天然ガスの安定的かつ低廉な供給の確保をはかるため種々の石油対策を行なってきたところでありますが、」というこの文面から見る限り、実は私、昨年関税定率法のときに石油、石炭の問題に触れてみたのですけれども、安定的にかつ低廉な供給をするという部分については、これは昨年も本年も変わってないのじゃないか。本年新しい特別会計を設けるという、本年からこうしようということに変わった理由をまずお伺いしたい。
○飯塚政府委員 石油につきましては、一昨年の暮れあたりから国際情勢が非常に大きな変革を来たしておるわけであります。御承知のように、石油につきましてはOPECという産油国の連合体の機構がございますが、ここが漸次メジャーズに対して発言権を強化してまいりまして、一昨年の当初から、メジャーに供給しております原油の価格の値上げにつきまして非常に強い要求をしておったわけであります。その結果、一昨年の十一月以降メジャーズとの間で値上げに関する協定ができ上がったわけです。テヘラン協定と呼んでおりますけれども、五カ年間にわたりまして毎年二・五%ずつ原油の値上げをするということで手を打ったわけでございます。この交渉の間におきまして、メジャーズとOPECとの間に非常に激しいやりとりがございまして、場合によりますと、OPEC側がメジャーに対して原油供給停止というような非常手段に出るという事態も何回かあったわけでございます。 いま申し上げましたように、原油供給の安定につきまして、OPECとメジャーズとの間の論争を通じまして、われわれは非常に大きな危惧を感じたのが一つ。同時に、価格につきましては、一昨年の初めまでは、原油価格につきましては低廉化の傾向をたどっていくだろうと一般に思われていたわけでございますが、昨年以来それが逆の方向に、しかもかなり大幅な値上げの方向に向かっているというような事態、つまり安定の面、低廉の面、両方におきまして、わが国としては安閑としておれないというのが、最近の原油をめぐります国際情勢でございますので、この際にわが国といたしまして、原油並びに天然ガスの開発あるいは備蓄等につきまして強力な手を打つ必要が出てきたわけでございます。その財源を確保するために、今回石炭特別会計法の一部改正をお願いいたしまして、原油につきましてもそのような対策がとれるようなことにいたしたいと考えたわけであります。
○佐藤(観)委員 昨年のいわゆるOPECとメジャーとの石油戦争といわれたものが、今回の特別会計を設けなければならない大きな一つの原因になったと思うんです。それで、御存じのように、きょうの日経新聞によりますと、いわゆるOPECと日本が、これはまだ提案段階でしょうけれども、包括協定、包括的相互経済協力協定、これを結ぶという方針を固められたということですが、この内容はどういうものでしょうか。
○飯塚政府委員 本日の日経に出ております記事は、実は私ども全然関知しないところでございます。その記事によりますと、通産省が構想を固めたというように書いておりますけれども、実は通産省としてまだそのような構想を固めているわけではございません。ただ、OPECの要人が最近数人日本に参っておりまして、約半月ほど前でございますが、OPECの事務局長をやっておりますハチャチという人でございますが、これが参りまして、通産次官にも会ったわけでございますが、その際にハチャチ氏が、今回のOPECとメージャーとのパーティシペーションの実現によりまして、当面、たとえばアラムコの例ですと二〇%の株をサウジアラビア側が取得することになるわけでございますが、その産油国が取得した原油の売り払いにつきまして、消費国に直接売りたいという希望を持っておる。同時に、産油国におきまして製油所の建設をやりたいんだけれどもそれに対して大消費国である日本の協力を得たいというような要望をしたことは事実でございますけれども、それに対しまして当方といたしましては、聞きおくだけでございまして、したがいまして、まだ通産省としてもこの問題については全然構想を固めておるという段階ではないわけでございます。
○佐藤(観)委員 いまOPECのアル・マハディ経済部長が来日中なわけですけれども、いまの御答弁ですと、正式に通産省としてマハディ経済部長と会われる予定はないわけですか。
○飯塚政府委員 アル・マハディはOPECの経済部長でございますが、先週の初めに参りまして、実は私も先週一回会っております。さらに一、二回私どものほうの担当者が会うことにしておりますけれども、アル・マハディがやってまいりましたのは、きょうの新聞記事にありますようなことを交渉に来たわけではございませんので、日本におきます石油需要についていろいろ説明を聞きたいということで、調査が主目的でございます。
○佐藤(観)委員 しかし、いま飯塚官房審議官のほうから話があった、いわゆるOPECとの交渉の中で、いわゆるメージャーを入れない直接取引ですね、あるいは向こうが日本の技術をほしいということ、この提案は私は非常に日本側としても、いわゆる国際資本に牛耳られている日本の石油業界というものが、やはり直接資本になり、しかも発展途上国の援助という形の一助にもなるわけですね。あるいは安定的供給、これはあともう少し詰めなければいけませんけれども、安定的にしてかつメージャーを入れないで安い石油が日本として手に入る、そういう意味では、OPEC側からの提案というのは、これはもちろん考えていらっしゃるんでしょうけれども、まだ日本としていまもう一歩踏み出さなければならない石油事情にあるときに、少し考えてみる必要があるんじゃないか。あるいはもっと前向きに、もっともっと前進しなければいけない段階にあるんじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
○飯塚政府委員 仰せのとおり、産油国との直接取引というのは一つの考え方ではあるかと思います。ただ、OPECから提案があったというように新聞等では取り上げておりますけれども、先般来日しましたOPECの事務局長にいたしましても、今回来ておりますアル・マハディ経済部長にしましても、これはそういう事柄について交渉権限を持っておるわけではございませんので、もしOPECと実際に取引をするとすると、OPECを構成する特定の国、たとえばサウジアラビアとかイランとか、そういう国と日本との交渉ということになるんではないかと思うわけであります。 それからかりにそういう提案が正式の提案としてあった場合でございますが、先ほど申し上げましたように、一つの考え方として検討には値すると思いますけれども、はたしてOPEC側が長期にわたって日本に対して安定的に供給することを約束できるかどうか、それからメージャーが現在日本に対して供給している原油よりもさらに低廉な価格で供給するという保証があるかどうか、そこら辺を十分見きわめる必要があるわけでございますので、私どもも、まだ正式の提案があるわけではございませんから相手に確かめるすべもないわけでございますけれども、かりにそういう提案があった場合には、そういういま申し上げました点、さらにこれがメージャーへの反響はどういうことになるかといったような総合的な判断のもとに結論を出すべきではないかと考えております。
○佐藤(観)委員 この新聞記事は新聞側の一方的なものだという御趣旨のようですけれども、十三日というと明日ですけれども、明日通産省と会われる予定はございますか。
○飯塚政府委員 私のほうの課長クラスの者が会うことにしておりますけれども、しかしそれは、向こうが一週間ばかり前に日本の石油事情につきまして若干の質問を発したことにつきまして日本側から資料で簡単に答える、そのための会合でございまして、交渉等のためのものではございません。
○佐藤(観)委員 いま飯塚さんからあった話の中でちょっとひっかかるのは、日本がたとえばOPEC全体としてやるのではなくして、たとえばサウジアラビアならサウジアラビア、つまりOPECの中の一国として交渉すべきではないかというお話でしたけれども、ひとつこういう話が——私は、一連の、ずっときのういろいろな資料を読んできた中で、やはりOPECとの直接取引の問題、あるいはいろいろな開発基金をつくってOPECの個々の国の石油の開発なり精製なり、そういう技術を提供する問題、あるいは学校その他のいろいろな施設をつくる問題、こういうような問題は、やはり当然将来必要になってくる流れの中にあると私は思うのです。そういうことから考えてみますと、あとでもう少しお伺いしたいんですが、現在個々に、日本の石油会社と向こうの、サウジアラビアならサウジアラビアの会社とが個々にやっているんだけれども、もうそれも現状ではある程度の限度に来たんではないか。ここでやはり包括的な、OPEC全体と、いま飯塚さんも言われたように、やはり問題は長期的に安定的に、しかもメージャーよりも安く供給してくれるかどうかということが非常に問題なわけですけれども、もう個々に日本の一石油会社と向こうの一国とやっている協定では限界に来ているように、私は、いろいろな資料から思うのですけれども、その意味で私は、このOPECとの包括的相互援助協定というものがうわさされ、あるいは出てくる背景というものがあると思うのですが、その辺の、つまり個々に日本の石油会社と向こうの一国と結んでいる時代というものはすでに終わった、あるいは限界に来ているんじゃないか。そのあたりはいかがですか。
○飯塚政府委員 OPEC側のほうは、実はOPECを構成しております国は十一カ国ばかりございますけれども、極端に申しますと、アラビア湾沿岸の六カ国とアフリカにおきますリビア、アルジェリア等、だいぶ主張も違うわけでございまして、これを一括してOPECと日本との話し合いというものができるかどうか、それは疑問だと思います。そういう意味でOPECを構成する個個の国との取引というものは実際的ではないかというふうに考えますので、先ほど申し上げたわけでございます。ただ、いま先生おっしゃいましたように、日本側の体制として、一民間会社がOPECのある特定の国と話し合いをすることで十分に太刀打ちできるかという点は、私は一つの非常に大きな問題だと思います。特にOPEC側のほうは単に原油を売るということだけではなくて、それと同時に現地製油所あるいはタンカーの建造とかいったような、ある意味での経済協力と結びつけてこの問題を解決したいというような希望もあるように私ども考えておりますが、そうしますと一民間企業がこういう話に完全に乗っていくかどうかというのは問題があると思います。その点につきましては、時間をかけまして検討してみたいと思っております。
○佐藤(観)委員 現在政府がやっていることは、石油業法を通じまして、いわゆる民族系、民間系——民族系というのですか、いわゆる日本の資本による、つまり外資でない企業、これに対する育成ということが現在の石油問題のかなり基本的な政策の一つになってくると思うのですね。その意味において、私はOPECとのそういうことが、つまり直取引の問題なり、あるいは技術援助の問題なり、そういう問題は、やはり石油業法を通じて政府がやっている民間系石油会社育成の方向からいっても、さらに拍車をかけるべきではないかと思うのですが、そのあたりいかがですか。
○飯塚政府委員 逆に申し上げますと、外資系の精製会社にこういうことをやるといっても、背後におりますメジャーとの関係はございましてなかなかできないと思います。結果としてこういう話に応じていけるのは民族系企業に限られるということになってまいります。おっしゃいますように、石油業法の一つのねらいは、民族系精製企業の育成でございますので、これと直接関係があるわけではございませんけれども、やはり今後のOPEC等の接触等につきましては民族系企業の育成にどういうふうに関係があるかという点を考慮しながら行なっていく必要があるかと考えます。
○佐藤(観)委員 どうも新聞の内容とかなりまだ差があるようですので、この問題については別の機会にまた触れる機会があると思いますので、この辺にして次の問題に行きたいと思うのですが、いわゆるこれからの石油業、いわゆるエネルギー源と申しますか、エネルギー源をどうしていくかということについて政府として大きな答申が二つあると思うのです。それは、一つは四十六年の十二月六日の総合エネルギー調査会のうちの石油部会の答申ですね、今後十年間の石油政策の基本方針、これと、もう一つは財政制度審議会の答申で、資源問題ですか、石油に限れば、この二つがこれからの石油の問題を非常に提起をしておるのではないかと私は思うわけなんです。 それで、この問題を中心にして基本的な点を数点お伺いをしたいのですが、いわゆる日本の石油というものは現在九八%から九九%が結局は外国にたよっているわけですけれども、そういう中にあって、先ほどから話が出たようないわゆるメジャーの圧力になるべく屈しないように日本の国際間における発言力を強くしていく。これは国際的な発言力ということばがこの石油部会の答申にも書いてあるのですけれども、国際石油市場における発言力というものはいろいろな意味が含まれているのではないか。つまり消費者としての発言と、一方でまた、あとで問題になる、自主開発をしてなるべく外国に依存をしないような方向での発言力を強めるという問題があると思うのですけれども、現在の日本の置かれている立場というものは、いわゆる国際間における石油の取得と申しますか、何といってもエネルギー源の最大のものですから、これがなければ日本経済はやっていかれないわけですから、その意味で、現在日本の置かれている環境というものはどういうふうに把握をしておいたら一番間違いがないとお考えですか。
○飯塚政府委員 一番初めに申し上げましたように、一昨年の暮れからの国際石油情勢というものは非常に緊迫化しております。と申しますのは、日本にとりまして非常に不利な情勢になってきておるということでございます。特に原油の値上げ問題につきましては、メジャーズとOPECとの間で話し合いが行なわれて、その結果が消費国にそのまま持ち越されるということでございますので、消費国はその値上げ問題には介入するすべがないわけでございます。従来、政府といたしましてはOECDの場等を通じまして消費国の立場の発言はいろいろやっているわけでございますが、何といいましても価格問題が非常にビビッドな問題でございますので、メジャーズとOPECとの直接取引によって決定されるわけでございます。そこに介入できないわけでございますので、その高い原油価格を日本に押し付けられるということになります。そういう意味では日本の立場としては非常につらい立場にあるわけです。 そこで、そういう不利な立場から脱却するのにどうしたらいいかということでございますが、消費国の間で話し合いを進めて、つまりいままでのOPEC、産油国とメジャーズとの間の二者間の話し合いを、消費国を入れた三者間の話し合いにしたらいいじゃないかというような構想はいろいろいわれておりますけれども、しかしこれは言うべくしてなかなか実行のむずかしい問題でございます。 もう一つの方法といたしましては、先生も御指摘がございましたように、やはり日本が開発に乗り出していって世界の産油国の一員になっていく。産油国の一員になりながら石油供給並びに価格決定の面につきまして何らかの発言権を持っていくということが考えられる。このほうがより実際的ではないかというふうに私ども考えております。
○佐藤(観)委員 最後に言われたことなんですが、開発に乗り出していくというのは、日本近海の、日本の大陸だなの開発ということですか。それとも従来のいわゆる中東なら中東、中近東ということですか。
○飯塚政府委員 中東等の海外におきます開発を主として申し上げたわけであります。
○佐藤(観)委員 それで、この答申にはもう一つ別の方向で、つまりなるべく石油を使わないような方向でエネルギー源というものを考えたらどうかという一つの提起があるわけですね。私は、これから先ほどあげました二つの答申に対して三、四点ばかりにわたって質問したいのです。というのは、私、ずっとこの資料を読んで、あるいは予算書を読んで見ますと、どうもこれは会計年度がこれからつくられる初年度だということがあるのかもしれませんけれども、あるいは私の予算書の読み方が悪いのかもしれませんけれども、ずいぶん、かなり大事なことが抜けているのではないかと思われる点があるわけですね。それのまず第一点は、これは先ほど申しました石油部会の答申ですけれども、これをこのまま読んでみますと、「石油の低廉かつ安定確保とともに原子力、タールサンド、オイルシェール等の開発利用によるエネルギー源の多様化およびエネルギー利用の効率化、省エネルギー化が求められる。」まあこれは両方の答申に書いてあるわけなんですけれども、この辺のところは、石油行政としてというか、エネルギー行政として具体的にどういうふうに考えられているのか。どうも予算書を見た限りではぴんとこないというか、相変わらずやはり石油に大部分を依存する、その範疇を出ないように思うのですけれども、この点については具体的にどういうふうなことを考えていらっしゃるわけですか。
○飯塚政府委員 原子力につきましては、従来から原燃公社あるいは原子力発電所等につきまして、国の予算も導入いたしましてその推進をはかっておるわけでございます。 それから、タールサンド、オイルシェール等が指摘されておりますけれども、実はこれらにつきましては、まだカナダ、アメリカ等におきましてもこの経済性についてはっきりした見通しが立っていないわけでございますので、わが国がこれに直ちに乗り出すという段階ではないと思います。 それからもう一つ、石油部会の答申で指摘されておりますのは、天燃ガスの開発の問題でございますが、これにつきましては、石油開発公団がその公団法の一部を改正いたしまして、海外におきます天燃ガスの探鉱、開発についても投融資ができるようにするということを今国会にお願いをいたしておりますが、それらによりまして対策を講じていくことになると思います。 それから、二番目におっしゃられました省エネルギー化の問題でございますが、これは国の予算を使ってどうこうするという問題よりは、むしろ産業構造政策の問題だと思いますが、実は通産大臣の諮問機関であります産業構造審議会の答申におきましても、一九七〇年代の通産政策の最大の柱として、知識集約化産業の育成ということを強くうたっておるわけでございますが、この知識集約産業の育成に移行するに従いまして、おのずから日本の産業構造というのはエネルギーをあまり使わないような産業がより中心になっていくということになっていくのではないかと考えております。
○佐藤(観)委員 そうすると、最後のいわゆる省エネルギー化の問題ですけれども、これは政府として具体的な指導と申しますか、非常にこれはむずかしいことですけれども、簡単に省エネルギー化といってもあるいは知識集約化といっても、なかなかこれはむずかしいことですけれども、具体的に政府のほうで指導をするということは考えられていないというふうに考えてよろしいですか。
○飯塚政府委員 たとえば情報産業の中核になります電子計算機産業等の育成というのは、この知識集約化への一つの手がかりになるかと思いますけれども、これは産業構造審議会の各部会等におきまして、それぞれの産業部門の育成策等につきまして少し時間をかけて具体的な詰めを行なっておるところでございます。その結論が出るまでには多少時間はかかるかと思いますが、いずれにいたしましても、通産省といたしましては、審議会の審議を待ちながら具体的な産業構造改善の施策を講じていくことにしておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 その問題はそれにして、今度の予算書の中にも、特別会計の予算の中にも、いわゆる備蓄の問題、これが一つの柱として取り上げられているわけなんです。これは両方の答申に出ているわけなんです。まず、その備蓄の考え方ですけれども、いろいろなことばが使ってあるわけなんですが、緊急時あるいは戦乱等の政治的な異常事態に対処するということばが使われているわけなんですが、いわゆる備蓄が必要になるという緊急時ですね、これは一体どういうことを想定されてこの備蓄というものを考えるか。これによって、私は、またずいぶんいろいろ形態が変わってくると思うのです。まずどういう状況を想定されてその備蓄というものを考えられていますか。
○飯塚政府委員 当面最も考えられますのは、OPECとメージャーズとの今後のパーティシペーションの交渉、あるいは原油値上げの交渉の過程におきまして、OPEC側が原油供給停止の手段に出るということは考えられるわけでございます。そういった事態になりましたときに、日本に対する原油供給というのが何日間かストップされるという場合もあるわけでございます。 それからもう一つは、産油国におきまして局地的な戦乱の発生ということもないわけではございません。そんなようなことが緊急事態というふうに私ども考えております。
○佐藤(観)委員 そうしますと、OPECが原油の供給を停止する場合と、それから産油国の地域的な戦争ですね、内乱も含まれるかもしれませんけれども。大体この二点を頭に置いてこの備蓄というものを考えればいいということでいいですか。
○飯塚政府委員 それだけでいいと言い切れるかどうかは疑問でございますが、当面考えられますのはその二点でございます。
○佐藤(観)委員 それで、日本の備蓄がOECD諸国に比べてたいへん少ない。今度六十日備えるようにせよということなんですけれども、この財政制度審議会の答申の中にはいろいろなやり方が書いてあるのですけれども、「単に貯油施設を増強するだけでなく、タンカー船団の増強などによっても対処することが可能であろうし、さらに、非常事態に備えて石油の消費規制等についても検討しておく必要が考えられよう。」石油の消費規制ですね。そこまで話を詰めているわけなんですけれども、この消費規制については何か考えたことがございますか。
○飯塚政府委員 現在までのところ考えたことはございません。
○佐藤(観)委員 それから、今度の特別会計の中には、備蓄にあたってだれが一体費用を持つべきか。つまり現在日本では平均四十五日ですね。四十五日を六十日まで延ばす。あと十五日間延ばすわけですけれども、将来にわたってまだ石油の使用量がふえてくるということになると、たいへんな量を備蓄しなければいけないわけですけれども、その資金なんですね。これは私は非常におもしろいと思ったのは、総合エネルギー調査会のほうの考え方としては、これは政府がめんどうを見るべきである。「このため、四十九年度末までに、石油備蓄の水準を六十日に高めることとし、このため必要な金融、税制上の政府助成を行なうべきである。」と書いてあるわけなんですね。 もう一つ、財政制度審議会の答申では、ここをちょっとお伺いしたいのですけれども、「備蓄の増強を図る場合においては、その資金ならびに経費負担の態様について、十分な検討が加えられるべきであるが、石油製品の価格に対する影響はかならずしも大きくはないこと、また、西欧諸国では原則として価格に転嫁する体制がとられていることを勘案し、政府の助成に安易に依存することは避けるべきことと思われる。」ということが書いてあるわけなんです。これは同じことに対して別の見解が述べられているわけですけれども、いまここに出された特別会計の内容としては、税制面、金融面においては前者の、つまり石油部会の政府がめんどうを見るべきであるという見解だと私は思うのです。 そこで、お伺いしたいと思うのですけれども、十五日分の備蓄をふやすことが現在の石油業界に対して一体どのくらいの圧迫を与えるものだろうか。この財政制度審議会の答申では、その圧迫部分は西欧諸国のように価格に転嫁するのが至当であるというふうに考えられて安易に政府が助成すべきではないということなんですけれども、その十五日分の設備をつくらなければいけないこと、それから十五日分さらによけいに石油をたくわえておかなければいけないわけですから、その部分の金融上の問題も起こるわけなんですけれども、この影響というものはどのくらい、どういうことになるだろうというふうにお考えですか。
○飯塚政府委員 私のほうで若干試算をいたしたわけでございますが、それによりますと、原油一キロリットルを一年間備蓄するためには二千五百円かかるわけでございます。これは備蓄のためのタンクの建設のための建設資金の利子とタンクの償却費、それから中に入れます原油代の金利、それに原油をタンクの中に入れます人的な操作のための人件費等が要るわけでありますが、こういった経費を全部入れて考えますと、かりに一年間一キロリットルのものを備蓄するとした場合二千五百円かかるわけでございます。今回予算で措置を講じようと考えておりますのは、三年間でいまの四十五日に十五日分上積みするということでございますが、その十五日上積みする分だけについて見ますと、年間約百円ということに相なるわけでございます。現在石油一キロリットルの原油からとります製品価格の総体としては約八千円と考えられますので、八千円の値段の油に対して百円のコスト増になるというふうに考えてしかるべきかと思います。
○佐藤(観)委員 先ほど言われた一キロリットル当たり一年間二千五百円という数字は、これはタンクをつくったときに使用した資金の利子も含まれているんですね。そうしますと、八千円に対して百円ということになると、これは確かに必ずしも大きくはないんじゃないか。これは石油においてもとにかく国があまりにもいろいろな形で出資というか援助というか優遇というか、そういうことをしていることから考えると、この備蓄に対してキロリットル当たり八千円というものに対して十五日分ふやすことによって百円の費用が上積みになるということであるならば、それほどたいした影響ではないんじゃないか、負担ではないんじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○飯塚政府委員 実は、石油製品価格の六割というのは原油代でございまして、あとの四割が精製費、輸送費等でございますが、石油製品の価格におきまして一%のコストダウンというのは非常に大きな努力を必要とするわけでございますが、現在のところ精製設備も最新鋭のものを取り入れまして、おそらく精製段階でこれ以上のコストダウンというのは非常にむずかしいという状態にあるわけでございます。そこにもってきていまの八千円に対して百円のコストアップというのは、精製業界にとってはコスト低減の方法はほかにない現状におきましてはかなりきつい負担になってくるというのが一つと、それから石油精製業界というのは、従来から非常に利益率の低い業界でございまして、売り上げ高利益率で見ましても二%程度かと考えております。これは全産業平均の約半分という非常に低収益の業界でございますので、こういった経営状況から考えましても、百円のコストアップというのは実際問題としては相当な負担というふうに考えるべきだと思います。
○佐藤(観)委員 それから、今度の備蓄用の原油購入資金の融資のことなんですけれども、融資の対象企業はこれによりますと目標備蓄日数分の備蓄を達成した石油企業と、達成したということになっているんですが、この達成したというのはどういう意味ですか。
○飯塚政府委員 備蓄目標は三年間で六十日までということになっておりますが、現在平均しますと四十五日分持っておりますけれども、毎年五日分ずつふやすということでございますのでその五日分を——これは実際の融資にあたっては上期と下期と二回に分けて融資することになると思いますが、上期分ですとその二・五日分を増加させたものということでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、この融資は完成した後ということになるわけですか、計画ではいけないということですね。
○飯塚政府委員 実際に備蓄計画を達成したものについてそうする、半年ごとに行ないますので半年おくれで融資が受けられるというふうにお考えいただいていいと思います。
○佐藤(観)委員 備蓄の話はそれでいいんですが、この次もう一つの問題は、いわゆる国内の石油精製の精製販売の部門と開発の部門とが日本は別系統の会社でやっているという問題、これは両方の答申ともこれを一本化しなければいけないということになっているわけなんですけれども、これは具体的にどういうような指導が今後なされるんですか。
○飯塚政府委員 精製部門と開発部門とが分かれている経営形態はわが国において非常に特異な現象だと思いますが、メージャー等につきましては開発と精製と一貫化されておるわけでございます。そこで、石油部会の答申におきましても一貫化体制の早期達成ということがうたわれておるわけでございます。具体的な方法といたしましては、精製企業が開発に乗り出していくということもありましょうし、開発をやっておる企業が精製部門もあわせてやるということもありましょうが、実際問題としては精製企業が開発会社の株を持ち、それから開発会社が精製会社の株を持つということで、両部門の会社が株の持ち合いをするということで一本化をはかっていくというのが実際的な進み方ではないかと思います。いずれにいたしましても企業は生きものでございますから、開発をやっている企業と精製をやっている企業を単純に行政指導で結びつけるというわけにもまいりませんので、いかにしたら両者の結びつきがスムーズにいくか、現実的な方法を考えながら指導していかなければいかぬと考えております。
○佐藤(観)委員 もう一つの問題は、石油供給源を確保する問題なんですけれども、石油部会の答申によりますと、こういうふうに書いてあるわけなんです。「従来の単独開発、共同開発とならんで今後は既存油田への資本参加、融資開発等をも積極的に行ない、供給手段の多様化を図るべきである。」既存油田への資本参加、融資開発、これは通産省のほうとしては具体的にどういうふうに指導していこうというふうにお考えですか。
○飯塚政府委員 従来の自主開発というのは、狭い意味で日本の企業が単独で海外に出ていって開発をするというものを重点に置いておったきらいがあるわけでございますが、しかし、現実の開発の成功をはかるためにはこういったやり方だけにこだわっておったのではいかぬということがいろいろ実績から反省をされてきたわけでございます。 たとえば外国の企業と一緒になって新たなる開発地域に出ていく、あるいはすでに外国の企業が操業を行なっておるところに日本の企業が参加をしていくというようなこと、あるいは外国等におきまして原油の探鉱開発のために資金が足りないのでその資金を供給してやることによって見返りに原油で返済をしてもらうというようなこと等、多角的な供給手段の確保というものをはかっていく必要があるというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 それは確かにそういうことなんでしょうけれども、これはやはり何といっても一つ一つの業態が非常に大きなものですから、口で言うのは簡単だけれども、資金的になかなかそう簡単にいかないんじゃないか。いま現在、では具体的にそういうものに対するどういうような資金的めど、たとえばそういうものに対する融資ワクを広げるなりなんなりということは考えておるのですか。
○飯塚政府委員 すでに開発された油田に対する参加等につきましては、輸銀の資金を使うということも可能であろうと思います。こういう資金の借り入れにつきましては、石油開発公団は債務保証ができることになっておりますので、その両措置を合わせて実現の方向に向かっていけるかと思います。
○佐藤(観)委員 それは融資は既存油田の資本参加でもかまわないわけですね。
○飯塚政府委員 差しつかえございません。
○佐藤(観)委員 もう一つ大きな問題は、いわゆる自主開発の問題なんですけれども、できれば必要な石油の三〇%くらい自主開発をしたいということが一応述べられております。三〇%というのはなかなかたいへんなパーセンテージで、これから探り当てる石油資源となると非常に困難性を伴うし、なかなか三〇%というのは現実には達成できないだろうということなんです。 先ほど飯塚さんも言われたように、これからは開発にみずからが乗り出していかなければいけないということですけれども、この開発の目標といいますか、一体どのあたりまで、つまりこれから実際に開発を進めていく場合には、たとえば一キロリッター当たりの単価がだんだん非常に高くなるわけですね。はたしてその単価を高くした分だけ見合うだろうかどうかという問題がひとつ非常にコストの問題として出てくると思うのです。自主開発というものは一体通産省としてどのくらいまで考えられているものか。 一つの考え方は、とにかくないんだから、いま日本の大陸だなをやっておりますけれども、徹底的にやるという考え方もあるんですね。そしてとにかくメジャーにたよらなくてもいいような、そういうことはあり得ないのですけれども、量的にはあり得ないが、そういうような態勢にするべきなのか、それともやはり採算の合う部分まででとどめておくべきなのか、そのあたりは一体自主開発ということ、自主供給源を探すということはどういうふうに今後のエネルギー源の開発の中で考えられているのか。いかがですか。
○飯塚政府委員 わが国の自主開発原油の中で一体何割を日本の企業がみずから利権を取り、みずから探鉱開発をすることによってまかなうか、それから何割を外資との提携によりまして、外資がすでに開発しておる油田の買い取り等によってまかなうか、そこをはっきり分けることは不可能でございますが、いろいろな方策を取り合わせまして、要するに日本の企業が、価格決定につきましても、それから原油の供給につきましても発言権を持つような形の原油の開発を行なっていくというのが広い意味の自主開発でございまして、中間答申におきましても、そういうふうに自主開発の考え方を弾力的と申しますか、範囲を広げて考えるということをいまやっておるわけでございます。たとえて申しますと、ソ連等から最近話がございますチュメニ油田の引き取りの問題等も広い意味の自主開発の中に含めて考えていいのではないかと思います。それが安定供給と価格の総体的な低廉に資するものであるならば、そう考えてしかるべきだと考えております。
○佐藤(観)委員 何といっても限られた資金でやるわけですから、この財政制度審議会の答申によれば、「一定の目標の達成を前提として探鉱開発地域を増してゆくことは、資金の効率的活用の見地からも、これを避けるべきであろう。」ということが述べられているわけです。私もそのとおりだと思うのですけれども、現在の制度で、いわゆる石油業に携わる者が採鉱する場合に、これは法律でどうなっていますか。許可制か何かになっていますか、それとも通産省は何ら関与はしないのですか。
○飯塚政府委員 それは海外において行なう場合でございますか。
○佐藤(観)委員 両方ともです。
○飯塚政府委員 国内において行ないます場合には、鉱業法に基づきます鉱業出願をいたしまして、鉱業権を設定した上で採掘ができるわけでございますが、海外におきましては、それぞれの産油国におきまして利権の設定ということが行なわれるわけでございますので、産油国との交渉の結果、利権を取得した企業が開発に乗り出すことができるということになるわけでございます。
○佐藤(観)委員 その際に、たとえば国内の場合に鉱業権を設定するときに、やはりこれはあまりにも効率的ではないという判断をして、いわゆるいろんな形でダブっていて、ダブっているというのは何と申しますか一地域で数社、これは鉱業権の設定の場合に問題になると思うのですけれども、あまり効率的な活用ではないと思われる場合に、何らかの指導をするなりあるいは不許可にするということはありますか。
○飯塚政府委員 鉱業権につきましては、先願主義をとっておりますので、先に出願した者に対して優先的に鉱業権を設定するというたてまえになっております。
○佐藤(観)委員 石油の問題は公害の問題に関連してくるので、まだまだいろいろあるのですけれども、時間もないので石炭のほうに移らしていただきたいと思うのです。 まず、石炭対策の基本の問題なんですけれども、合理化が行なわれあるいは石炭が石油に変わった、そして一番最初石炭対策というのが考えられたときは、いわゆる先ほどの備蓄の話ではないですけれども、一たん事があったときに、すぐ日本にあるエネルギー源として石炭が必要なんだということで、石炭というのはとっていかなければならないという論議があったと思うのですけれども、現在の石炭対策の中心というのは、私はその論議からかなり変わってきているのじゃないかと思うのです。基本的に、現在の石炭対策の中心課題というか中心目的というか、それはどういうことでしょうか。
○青木政府委員 石炭政策の中心課題ということでございますけれども、石炭政策は、少なくともエネルギー革命が進行いたしました三十八年度以降の問題といたしましては、石炭鉱業の合理化、安定を援助するための施策のほかに、従来からございます鉱害の復旧、それから産炭地の振興、離職者対策など各般の対策を総合的に実施するという点に重点がございまして、一口でいいますと、エネルギー対策であると同時に、炭鉱従業員その他炭鉱に依存する産炭地域経済社会に対する社会的、地域的配慮に基づく政策でもあるわけでございます。この点は、総合政策であるという点は、三十七年度の第一次政策をつくりまして以降私どもとして基本的に変わってはいないと思います。ただ、そのときどきのエネルギーの事情、それから石炭産業はだんだん生産が落ちてまいりまして、日本のエネルギーにおきます石炭の占める地位というものはだんだん低くなってきておりますので、当初に比べますとどうしても、日本の国産のエネルギー資源として日本の国の経済の安定のためにぜひとも確保しておかなければならないという思想は、私どもは現在は非常にウエートが小さくなっていると思います。ただ、非常にコンパクトな形である程度残しておいたほうがいいんだという議論は現在でもございますし、今後もそういう議論はあるかとも思いますけれども、それが中心であるということではなくなっているというふうに理解しております。
○佐藤(観)委員 それで、ちょっと予算書の内容に入りたいのですけれども、この炭鉱整理促進費ですね。——そうではなくて、こちらの予算書じゃなくて、概要のほうでけっこうなんですけれども、いわゆる石炭企業が持っている負債ですね。これに対する元利補給金及び再建交付金の交付として千五百五十九億円が計上されているわけです。石炭企業の経営改善のため元本総額千八百五十億円の累積債務を国が肩がわりするということになっているのですが、この辺の事情をちょっと説明していただきたい。
○青木政府委員 この二つの制度は、第三次策と第四次策と申しますか、昭和四十一年の政策と四十三年の政策に出てまいりました問題でございまして、できました趣旨は、石炭産業をめぐります経済的環境が非常にきびしくなりまして、この債務の肩がわりをすることによって石炭産業を安定させようという議論がありまして、そのための政策でございます。 まず、四十二年から行ないましたものが、すなわち四十一年度の答申で出まして、四十二年から実施されました施策が第一次肩がわりと申しまして、これが一千億円でございます。それから四十三年度の答申から出まして四十四年度から実施しておりますのは第二次肩がわりと申しまして、それは再建交付金の交付ということでございます。これが八百五十億円でございます。この二つの肩がわりは、政府が企業に対しまして年々その元利分を補給いたしまして、企業がそれを金融機関に返済していくという制度になっておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 そうすると、その対象は閉山していくものですか、そうじゃないわけですか。
○青木政府委員 これは閉山と直接関係ございませんで、そのときにおきます企業の債務の一部を肩がわりしたわけでございます。閉山に対します制度としましては、先ほど御指摘がございました炭鉱整理促進費補助金というのがございまして、これは閉山いたします炭鉱に対しまして、その炭鉱の評価をして、それを合理化事業団から炭鉱に交付します閉山交付金に対しまして政府が補助するという制度でございます。
○佐藤(観)委員 その際には、いわゆる合理化事業団が補助金ですか、補助をするときに、閉山する場合においては、もちろん従来からの債務が入っているわけですね。従来その鉱山が持っていた債務というのはそこに入っているわけですね。
○青木政府委員 閉山の評価は、そこにあります炭量と、それから過去三年間にわたります出炭量から、一定の算式をもちまして評価をいたします。これは企業に交付されまして一部は債務の支払いに充てられますが、非常に大きな部分は従業員の退職金債務と申しますか、退職金のほうに回るような制度になっております。
○佐藤(観)委員 そうすると、閉山する場合には、その合理化事業団の交付金ということになりますね。いま、一番最初に私が申し上げた元利補給金及び再建交付金の交付千五百五十九億円ですね、これはそうしますと——いまの炭鉱で債務を持っていない炭鉱というのはないわけですね。それに全部回るということになりますか。どうもその辺がよくわからない。
○青木政府委員 ただいま申し上げましたように、四十二年度から実施しました第一次肩がわりと、四十四年度から行なわれました第二次肩がわりのこの二つの制度は、その当時における石炭企業の赤字、赤字と申しますか債務の一部を肩がわりしたものです。ですから、その企業が石炭鉱業を続けていく限り、年々政府から交付金を受けて金融機関に返済していくという制度でございまして、閉山交付金のほうは、閉山に伴いましてそこでかかる費用に充てるために合理化事業団から閉山した鉱山に対して交付する交付金でございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、いまの出炭当たりの費用を見ますと、これはトン当たりの数字を見たって、もちろん補助金がなければ赤字になるわけですね。ですから、そういう面からいくと、累積債務というのは現状では各企業ともふえていくんではないですか。
○青木政府委員 この肩がわりは、四十二年度と四十四年度のそのときにおける債務の一部を肩がわりするものでありまして、その後生じております債務につきましては、特に肩がわりしておりません。
○佐藤(観)委員 わかりました。 その次に、閉山の規模として四十六年度が三百五十万トン、四十七年度が三百十万トンという予定になっているわけですけれども、一方では、新鉱開発設備近代化等に対する無利子融資として百五億円というのが計上されているわけなんですけれども、新鉱開発、これはいまどのくらいのスピードで行なわれているのですか。つまり年何百万トンになるかどうかわかりませんけれども、どのくらいのスピードで行なわれているものですか。
○青木政府委員 現在やります新鉱開発につきましては、ケースとしましてすでに新鉱開発を終わったのがございます。三菱の大夕張炭鉱の南大夕張炭鉱というのがございまして、これは四十五年度から操業を開始しておりますが、年間九十万トンの山でございます。それから現在進行中のものといたしましては、北炭の夕張新鉱というのがございまして、これは五十年度から出炭を開始することを目途といたしまして、現在開発工事中でございますが、規模は年産百五十万トンでございます。それからもう一つ、日鉄鉱業の有明新鉱というのがございます。これは年間の規模は百十万トン程度の山でございます。現在工事を中断中でございまして、将来再開するかどうかは今後の対策いかんということになっておりまして、現在問題になっております新鉱はその三つでございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、この閉山規模の四十七年度の三百十万トンという数字は、これはもちろんこれからの新鉱開発する部分、たとえばいま進行中の北炭の百五十万トン分というのは勘案をしてあるわけですね。
○青木政府委員 ただいま御説明いたしましたとおり、北炭の夕張新鉱は五十年度から操業開始の見込みでございますので、来年度の予算の中には計算しておりません。したがいまして、三百十万トン分はそのまま閉山の数量となるわけでございます。
○佐藤(観)委員 この新鉱開発の部分ですけれども、単価当たりは、コストというものはどういうようなものになりますか。つまり、いわゆる現在掘りつつある炭鉱に比べて単価というものは安くなっているのですか、高くなっていますか。
○青木政府委員 炭鉱というのは資源産業でございまして、開発をいたしまして当座は非常にいい炭鉱になりますが、だんだん自然条件が悪化して炭量が枯渇してくるという運命をたどりますので、現在問題になっておりますこの三つの新鉱は、完成したときには、普通の現在動いております山よりもコストは安くなるわけでございます。
○佐藤(観)委員 もう一つ、いわゆる今後の石炭の需給見通しについてなんですけれども、このままいったら年間千五百万トン程度ではないかということなんですけれども、石炭鉱業審議会では、これを何とか二千万トンにするために最大限努力を払いたいということなんですけれども、今後二千万トンというものがはたして確保できるかできないか、この見通しはどのようにお持ちですか。
○青木政府委員 現在の石炭の生産の状況から申しますと、昭和四十六年度の出炭が三千百七十二万トンでございます。四十七年度の見通しが二千七百五十万トンというふうに私どもは見ております。こういう趨勢のまま推移するわけでございますが、現在第四次策を政府としては実施しておるわけでございますが、各方面から政策改定の要望が非常に強いので、新しい石炭政策の策定をするために石炭鉱業審議会で御審議をいただいているところでございます。石炭鉱業審議会で、昨年、需要業界から五十年度の需要はどのくらいであろうという見通し数字を出してもらったわけでございます。それによりますと、千五百五十万トンという数字が出てまいったわけでございます。それに対しまして、現在の生産規模から五十年度に千五百五十万トンという生産規模に落とすということになりますと、非常に閉山が急でなだれ現象を生ずるということもございますので、政策立案をする以上、それほど急テンポな閉山は政策的に無理だということでございまして、通産省に対しまして二千万トンを下らない程度まで需要を確保して、そのための政策を論議しろという御決定をいただいたわけでございます。したがいまして、私どもとしましては需要業界とも十分相談をいたしまして、二千万トンくらいの需要を想定して今後の政策を策定してまいりたい、こういうふうに考えております。
○佐藤(観)委員 そうすると、問題なのは、需要がはたして確保できるかできないかということが非常に焦点になってくるわけですね。予算書で盛り込まれている石炭増加引取交付金、これが五十億円計上されているわけですけれども、現在交付されているものは鉄鋼業と電力、電力でもたしか北海道電力だけしかこれは交付されていなかった。つまり、ほかのところはやっていなかったのだと思うのですが、そういうことではたしてこの二千万トンというのがこの五十億——私が見る限り、これしか需要を確保する予算的措置はないと思うのですけれども、五十億ではたして二千万トンが確保されるのかどうなのか、そのあたりの対策というのはどうでしょうか。
○青木政府委員 そのための政策につきましては、四月以降石炭鉱業審議会で十分審議していただくことになると思いますが、現在の増加引取交付金制度をそのままにしておくのか、あるいはこれを増額するのか、あるいはまた違う制度を考えていくのか、いずれにしましても、その辺の議論を根本的にする必要があると思っておりますが、何といたしましても、需要側にとりましては価格が急激に上がることは需要に響くことでございますので、国の対策その他によりまして価格の上昇を緩和して、需要業界に引き取ってもらうという政策を今後考えてまいるつもりでございます。
○佐藤(観)委員 その際に、今年度は五十億円という見通しになっているわけなんですけれども、二千万トン目標というのは五十年度の見通しですね。今年度の見通しというのは幾つですか。
○青木政府委員 二千七百五十万トンでございます。今年度と申しますか、四十七年度でございます。
○佐藤(観)委員 そうしますと、同じ質問になるかと思うのですけれども、先ほど私は数字をちょっと勘違いをしていたのですが、二千七百五十万トンで五十億円の計上をされているということは、助成金というのはトン当たり幾らでしたか、それをかけた数字ということですね。そのままということですね。いや、そうじゃないか……。
○青木政府委員 増加引取交付金という制度は、一定の限度以上とった人にあげるという制度でございますので、必ずしもその生産トン数と合ってはおりません。
○佐藤(観)委員 それで、つまり私がお聞きしたいのは、五十億円という数字が計上されているわけですが、それで少なくも今年度には二千七百五十万トンという需要見通し、これは確保できるのですか、できないのですか。
○青木政府委員 現在需要業界と話しまして、先日の石炭鉱業審議会の中に需給部会というのがございまして、そこできめていただきまして、需要業界のほうも極力この引き取りには協力するということになっております。
○佐藤(観)委員 最後に、ちょっとまた石油に話が戻るのですけれども、だいぶ時間もおそくなったのであれなんですが、ソ連のチュメニ油田の問題なんですけれども、私もいろいろ文書を読んでみたのですが、埋蔵量についても、これは地域が広いことですからそう簡単に数字が出ていないわけですけれども、公式的に日本政府としてチュメニの油田に対してどのくらいの埋蔵量があるというふうにごらんになっているのですか。
○飯塚政府委員 チュメニ油田の埋蔵量につきましては、政府としてはまだ確認をしておりませんし、したがいまして、推定幾らということも申し上げられないような状態でございます。日ソ経済委員会を中心といたしましてこの問題は推進されておるわけでございますが、先般、二月に経済委員会がございまして、その際にソ連側から説明がございまして、日本側のほうは埋蔵量その他の問題について、まだソ連側の提出した資料だけでは不十分であると判断いたしまして、やはり現地を見る必要があるということになっております。ソ連側も、日本から調査団を受け入れる用意があると言ってきておりますので、おそらく五月か六月、民間の調査団が乗り込んでいって向こうで現地を見、かついろいろな資料を見せていただいて、その上で埋蔵量等についての確認ができるんだ思います。
○佐藤(観)委員 これは十億ドルといわれるかなりの投資が必要になってくるんじゃないかといわれている問題なので、おそらく民間だけでは無理なことだと思うのですね。ちょっと途中に石炭の話を入れてしまったので話が飛んでしまいましたけれども、先ほども飯塚さんから話もありましたように、自主開発の一つとしてチュメニの開発も考えていかなければならないと思うのですけれども、一つは埋蔵量がどのくらいあるかということ、これが将来の安定供給の問題とからんでくると思うのですね。その一つの問題があると思うのです。 そのほかに、日本がチュメニ開発にどうしても障害になるような問題、それは一応どういうことが考えられておりますか。
○飯塚政府委員 私ども石油関係の行政事務に従事しております者の立場といたしましては、いま御指摘のように、埋蔵量の問題、それから価格が相対的に見て低廉であるかどうか、当初の約束ではある程度の価格で、合理的な価格が設定されましても、それが将来ソ連側の都合によって引き上げられるというふうなことになっては、何にもならないわけでございます。埋蔵量の点と価格の問題、それからさらに量的に必ず日本に対して供給してもらえるかどうか、そういった点について十分調査もし、かつソ連側の約束も取りつけていく必要があるだろうと思います。
○佐藤(観)委員 チュメニ付近の西シベリアは将来おそらくソ連のエネルギー供給の本拠地になるのではないかということも見られておるわけなんですが、そのあたりの件はどうですか。
○飯塚政府委員 専門家に伺いましたところでは、大体そういうふうに見ておるようでございます。
○佐藤(観)委員 これは先ほどからの石油の需要というのは、一体今後日本はどういうふうにしていくべきかというたいへん大きな問題と非常に私は密接にからんでくる問題だと思うのです。いろいろな問題もあるようでございますけれども、私は将来日ソの友好関係の問題とも非常にからんでくるので、もし機会があれば、担当の田中通産大臣ともできればもう少し詰めてみる必要があるのではないかと思いますが、この問題だけちょっと保留をさせていただいて、きょうの質問は終わりたいと思います。
○齋藤委員長 次回は来たる十四日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四分散会