大蔵委員会 第15号
- 発言数
- 156 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/04/05
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 労働保険特別会計法案、空港整備特別会計法の一部を改正する法律案及び石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案の各案を一括議題とし、質疑を続行いたします。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、今回のこの特別会計の問題に関しまして、労働者災害補償保険事業及び失業保険事業につきまして、とありますので、そのことにつきまして質疑をしたいと思います。 まず初めに、この保険料の徴収の一元化ということが実施されることになったわけでありますけれども、この一元化ということは、将来ほかの保険料の徴収の場合も一元化するという考え方のもとに立っての一環としての一元化でしょうか、それともこれだけにとどまるという考え方の一元化でしょうか、この点をお聞きします。
○藤繩政府委員 お答え申し上げます。 今回の労災、失保両保険の一元化は、二年ほど前にこの労災、失保両保険の一部改正をいたしまして、できるだけ早くすべての労働者にこの両保険の適用を及ぼそうというねらいから、そのためには仕事の簡素化をはかる必要があるということで、当面適用、徴収について一元的に処理するというねらいでこれが始まったわけでございます。その関係の特別会計を設定する必要があるので、今回法案の審議をお願いしているわけでございます。 そこで、ねらいはさようなことでございまして、私どもといたしましては労災、失保両保険の適用、徴収について一元的にこれを扱うということでございまして、それ以外の、労働省所管ではございませんが、一般に労働者につきましては御承知のとおり健保、厚年等の制度もございますけれども、そういったものについていま直ちにどうこうするという考えは私どもとしては持っておらないのであります。 ただ、先生いまお尋ねの点は、おそらく一般論としてすべての社会保険は一元的にこれを適用したらどうかというような御趣旨かと思います。さような御議論は従来からもあるわけでございますが、厚生省所管の関係の制度はいろいろまた制度面においても違う点がございますし、沿革等にもそれぞれの理由でございますので、そういった御議論はかなり前からあり、また関係者の間で検討はなされておりますけれども、いま直ちにすべてを一元的にするという考えではないわけであります。
○貝沼委員 それでは、第六十二国会において失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律というものが成立をいたしまして、ことしからこれらの制度の適用範囲の拡大をはかることになったわけでありますけれども、この拡大の方向でありますが、今後どのようなスケジュールでこの拡大をしていこうとされるのかということであります。 昭和四十四年八月二十七日、原労働大臣に対して行なわれました「労働者災害補償保険制度の改善についての建議」というものがございますが、これを見ましても、(1)として、「労災保険の適用拡大については、近く成立が予想される「失業保険法及び労災保険法の一部改正法」の施行前にも、行政措置により、零細事業場の加入促進に努力すること。」また(2)として、「家内労働者の労災保険適用についても、」とありますけれども、こういうようなところを勘案して、今後どういうようなスケジュールで具体的に進められようとしておるのか、この点についてお願いします。
○藤繩政府委員 かねがね私どもといたしましては、労働保険をできるだけ多くの労働者に適用をしていくということを基本方針にいたしております。その関係の法律案を二年前にお願いをいたしまして、成立を見たところでございますが、ただいま先生がおっしゃいましたように、法律の適用を待つまでもなく、任意適用でありますこれらの未加入の分野につきましても、できるだけ適用を進めるという一貫した方針でございまして、御承知のように、労災保険、失業保険の事務組合というような制度も活用いたしましてやってまいりましたし、ただいまお話に出ました家内労働者の労災保険の適用というようなことも、関係政省令を改正いたしましてすでに一部適用を見ておるわけでございますが、今度、二年前に成立いたしました法律を四月一日から実施に移しましたのは、強制適用といたしまして五人未満のものを逐次変えていくということでございます。 そこで、先般の法律は、たてまえとしましては、すでに、全面的にこれを適用する、失業保険の農林水産等につきましても、少なくとも五十一年の一月三十一日までに成案を得るというようなことで、基本方針は確立いたしておるわけでございますが、ただ実際問題といたしまして、従来、二十何年間それがいわれ、なかなかできなかったのは、零細な分野にこれを及ぼすということが事務的にたいへんむずかしい問題が多々あるということでございます。そこで、御承知のように、あの法律の中にも政令で逐次これを実施していくというような制度に相なっておるわけでございます。それで四十七年度からは、失業保険につきましては、当面、製造業、建設業、運輸通信業、電気・ガス・水道業の四業種について当然適用するということで、すでに政令を公布いたしたわけでございます。労災保険につきましても、従来未加入任意適用でございました一部の製造業、鉱業、運輸通信業等を当然適用事業といたしたところでございます。 それで、これからそういうぐあいに逐次政令によって措置いたしていくつもりでございますが、私どもとしてはおおむね三年程度を目途に全面的な適用拡大に達していこうということで努力をいたしたいと思っているところでございます。
○貝沼委員 ただいまは三年程度を目途に全面拡大にという話でございましたが、この中には、たとえばサービス業であるとかあるいは零細企業及び一人親方など、こういうものも全部含まれる話ですか。
○藤繩政府委員 結論的に申し上げればそういうことでございます。特に雇用関係にあります者を私どもとしては労働者としてとらえまして、これにつきましては、いま申し上げたような順序で逐次適用拡大をしていこうということであります。ただ、先生いまちょっとお触れになりました一人親方とかあるいは家内労働者というような問題につきましては、これは雇用関係にはないわけでございます。ただ、非常に雇用関係にある労働者に近い状態であるということから、従来も任意適用という形で適用いたしております。それはさらに私どもとしても進める方針に間違いはないわけでございますが、先ほどお答えしました強制適用にしていくという点につきましては、これは雇用関係にある労働者についてさような方針をとっていきたいということでございます。
○貝沼委員 それでは次の問題に移ります。 現在、労災補償を受けるためには業務上であるとか業務外であるとかいうことが大きな問題になるわけでありますが、この業務上の災害であるということを立証するのは、現法律においてはだれがすることになりますか。
○渡邊(健)政府委員 業務上であるということで労災保険の給付を受けようとする労働者は、保険給付の申請をいたすわけでございます。その申請がありました場合に、監督署においてそれが業務上であるかいなかの判断をいたすわけでございます。
○貝沼委員 申請をして、監督署でこれを判断する、そのとおりだと思いますが、その場合問題が起こるのは、申請しても、それは業務上とは考えられないというような判断があった場合に、これは異議申し立てその他が出てくるわけでありますけれども、そういう場合に、あくまでもこれが業務上であるということを立証しなければならない立場というのは、これは申請をする側になっておるわけですね。その点は間違いありませんか。
○渡邊(健)政府委員 もちろん申請をされる方は業務上だという御主張で申請をされるわけですから、その立証をされるのは当然でございますが、行政官庁としての監督署にいたしましても、申請のある事由以外にも職権等で調査をいたしまして、そういうことも合わせまして業務上であるかいなかの判断をすることになるのでございます。
○貝沼委員 どうもはっきりしないのですけれども、それじゃ、たとえば本人がはっきり申請できないというような立場にあった場合には、監督署のほうでちゃんと調査をして、積極的にこれを自分で調査して認めるというようなことをやるわけですか。
○渡邊(健)政府委員 必要な場合には監督署が自分で調査をいたして判断をいたします。
○貝沼委員 その必要な場合でありますけれども、どういう場合に必要な場合が起こるかということになりますが、やはりこれは被保険者がそういう災害にあって困るから、そういう補償問題というのは起こると思うのです。黙っておるならばおそらく起こらない。したがって、必要な場合というのは、これは被保険者の側から出るのがあたりまえであるわけですね。ところがそれを監督署のほうで積極的にわかるというのは一体どういう場合が考えられるのでしょうか。ぼくはちょっと考えられないのです。
○渡邊(健)政府委員 御本人の申請されましたことですぐに業務上だと明白な場合もございますし、本人が申請されましたことで、業務上かいなか行政官庁が判断するのに十分でない場合もございます。そういう場合には、本人からもさらに必要な証拠等があれば出していただきますが、そのほかにも行政官庁の側で、これは自分で調査して事実を確認する必要があるというような場合には、行政官庁自身もみずから調査をいたしまして、必要な判断の資料を整えるわけでございます。
○貝沼委員 そういう作業をやるということは、どこに規定されてありますか。ありますか。
○渡邊(健)政府委員 労働基準法の百一条に労働基準監督官の権限といたしまして調査権限がございますが、その権限の発動として行なう場合等もございますが、実際の問題といたしましては、行政の連営のしかたといたしまして、業務上外の認定のため必要と認めるときには、監督署自身が必要な調査を行なって、判断に必要な資料を整えるよう指導いたしておるわけでございます。
○貝沼委員 この条項によって、いままでに救われたという例はありますか。
○渡邊(健)政府委員 たとえて申しますと、近ごろ職業病などで、業務上であるかいなか非常に判定がむずかしい場合もございますが、そういう場合に、申請者から出されました資料のほかに、監督署のほうで専門医に依頼をいたしまして、いろいろ調査して、場合によると再診断等もしてもらったりいたしまして、業務上外の判断に資しておるという例は非常にたくさんございます。
○貝沼委員 ただいまも話がありましたけれども、これは最近の労働基準局の資料でありますが、去年のものも入っておりますから、おそらくことしか去年の終わりごろに出したものだと思われます。これによりますと、「最近注目される職業病」というのがありまして、「職業病は最近急増しており、新原材料、新生産方法等による疾病がめだってきている。」ということで、いままであまり見えなかったようなものがたくさんふえておるわけであります。たとえばアクリロニトリル、ステアリン酸鉛、カドミウムとか、PCPとか、五酸化バナジウムなど、こういろ中毒症状を起こすものでありますけれども、こういうようなもの、あるいは酸欠もありますが、こういう精神異常というか、そういうような神経障害が伴うような病気が最近はふえておる。 そうすると、この人たちによって業務上であるという立証をさせるということは非常に困難ではないか、こういうふうに私は思うわけであります。したがって、こういうような場合にやはりその人だけに立証をさせるのではなく、先ほどからも基準局でも調べたのだということを言っておりますけれども、それだけの姿勢があるのならば、むしろ法律の上で、使用者あるいは労働基準局が、これは業務外である、こういうふうに立証できない限り業務上であるというふうな見方、考え方、こういうような方向に改正をする必要があるのではないかと思いますけれども、その辺はいかがでしょう。
○渡邊(健)政府委員 労災保険法及びその母法になっております労働基準法におきましても、業務に起因する疾病あるいは負傷を業務上の負傷、疾病といたしまして、使用者に災害補償責任を課しておるわけでございます。労働者の負傷、疾病と申しましても、死傷病等非常にたくさんございますので、それら全部を対象にいたしまして、業務外であるものを落としていくということは、これは実際上不可能であると存じます。したがいまして、業務に起因したと労働者が思う場合には申請をしていただく。しかし、それにつきまして、先生おっしゃいましたように、確かに職業病といったような場合には、労働者個人といたしますとなかなか立証が因難だという場合が多いと存じますが、われわれは典型的な職業病等につきましては認定基準というようなものを一応行政の判断基準として設けておりまして、どういう職場にいた人が、どういう疾病なりどういう症状を呈すれば、一応職業病として行政的に取り扱うという基準を発表いたしております。したがいまして、労働者が申請をされようとする場合には、当然医者の診断書をつけて出されるわけでございますが、お医者さんは大体そういう問題を御承知でございますので、いろいろ立証に必要な検査その他の症状を診断書に書いてお出しいただきますので、労働者御自身はなかなかその立証の専門的な知識がないような場合でも、普通の場合にはさしてめんどうはないわけでございます。ただ、非常に微妙な、判断がむずかしいような問題あるいは全く新しいような職業病が出てきたといったような場合には、おっしゃるような困難があるわけでございますが、そういうときは、先ほども申しましたように、行政官庁の側でも専門の医者その他の方に認定につきまして御意見を伺いまして、その方々が必要ならば必要な調査をする、あるいは再診断、こういう点について診断結果を求めてほしいというようなことを出されますので、そういう場合にはそれらの点について行政官庁のほうでそれらの必要な調査をいたしまして、そして判断の資料にし、業務上外の認定をしておるわけでございます。
○貝沼委員 この職場の災害という問題は、最近ずいぶん、公害とどっちがどっちなんだというふうな見方があるわけですけれども、ややもすると公害で云々するよりも労災でいったほうが安くつくというような考え方があるような話も聞きます。そういうようなところから、私は、公害のほうは、たとえば無過失賠償とかずいぶん積極的な対策を組み立ててやっているにもかかわらず、労災のほうが従来どおりの考え方であるならば、やはりこちらのほうに逃げてくるのがふえるのじゃないかという気がするわけです。ちょっと心配な点がありますので、やはりこういうような立証の責任という問題については、この際、基準局とか使用者のほうでこれは業務外であるということをはっきり証明できないうちは、申請してきたものは全部業務上である、こういうふうな判断をするような方向が望ましいのではないかと思いますので、質問したわけであります。その点についてはいかがでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 公害の問題と申しますと、事業場の外の方の問題が多いわけでございますが、事業場の業務に関連して負傷あるいは疾病が起きましたような場合につきましては、これは業務に起因しているということであれば、当然基準法上使用者が無過失で賠償責任を負うわけでございまして、労災保険はそれを保険いたしておるわけでございます。したがいまして、業務上であるということになれば無過失賠償責任を持っておるという点については、われわれはそれが過失責任を課しておるものでないという点において、一般の損害賠償などよりははるかに使用者の責任を重くしておると考えておるわけですが、ただ、そういう無過失賠償責任を広く疾病あるいは負傷の種類いかんにかかわらず課しておりますのは、やはり業務に起因するものであるから、使用者にそういう責任を課しておると考えておるわけでございます。現に立証の困難性と先生御心配の点はごもっともでございますが、新しく労災補償の対象になりますものだけでも、現在年間約百六十万ないし七十万あるわけでございまして、一般的には業務に起因したものであれば、ほとんどが問題なしに労災で補償を受けられるわけでございます。先ほど認定が困難な場合があるというような事例を申し上げましたのは、それは普通にないような新しい職業病その他そういう場合でございまして、そういう場合につきましても労災補償の対象といたしましては、労働省としても非常に積極的にこれを取り上げるようにいたしております。最近いろいろ公害病との関連等々で問題になっております新しい職業病につきましても、次々に私ども職業病として必要なものについてはこれを取り上げまして、補償の対象といたしておりますので、今後とも同様なことによって業務上に起因いたします負傷、疾病につきましては、労働者が立証の困難性等のために給付を受けがたいというようなことがないように処置してまいりたい、かように考えております。
○貝沼委員 その点はよろしくお願いいたします。 それから、前からこれも問題になっておるととでございますけれども、給付基礎日額の算定のしかたなんでありますが、現行の場合は、保険金の場合は労働基準法の平均賃金によってきめておるようでありますが、最近は賃金制度あるいは体系というものが基準法ができた当時とずいぶん変わってきておりますので、これは私はある程度考える必要があるのだと思いますが、給付の場合はこれは労働基準法に従って、保険料を納める場合にはボーナスも入っておるわけですね。それから、今度給付される場合にはそれは入っておらない、こういう計算の方法になっているわけですね。こういう一つの法律の中において、どうしてそういうふうに違わなければならないのか、この一点が私は非常に納得いかない点でございますけれども、この点どうでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 給付の基礎日額につきましては、先生御指摘のように、基準法で災害補償をはじめといたしまして多くのいろいろな給付について平均賃金というものを採用いたしております。労災保険におきましても、そういう関係で基準法と同じ平均賃金というものを算定の基礎にいたしておるわけでございます。保険料のほうで、賃金総額に対して保険料率をかけておりますのは、労災保険というのは業務上の負傷疾病に対する補償ということで、原則として使用者の責任ということでございますので、保険事業に必要な保険料は使用者から負担をしていただく、その計算の保険料算定の便宜といたしましては、労働者であれば短期にその事業に雇われている人でも何でも、就業中に業務に起因して負傷、疾病にかかれば労災保険の対象になるわけでございますから、そういう意味で、労働者に対する給与の総額というものをとらえることが合理的であるし、また保険料徴収にも便利であるということで、そういう方法をとっておるわけでございます。
○貝沼委員 そうして、この給付の基礎日額の算定には、賞与とかあるいは特別給与というものはいまは含んでないわけでしょう。これは含むような方向での検討はあるわけですか。
○渡邊(健)政府委員 先ほど申し上げましたように、労災保険は基準法の災害補償と見合っておる関係で、基準法が平均賃金を基礎日額といたしておりますのに対応いたしまして、やはり平均賃金を基礎日額としておるわけでございますが、この考え方は労災保険、基準法の災害補償を含めまして、労働者に対しまして平常の稼得能力、それの喪失に対して一定の補償をしようという考え方でございます。そういう意味で平常の稼得能力ということから、それを算定する方法として平常の賃金ということで平均賃金を使っておるのが現状でございます。しかしながら、近時賃金制度も基準法制定当時から見ていろいろ変わってきておる。あるいはボーナス等の特別給与の比率が非常にふえてきておる等々から、これも基礎日額の算定の中に入れるべきではないかという御意見もあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように労災保険のそれも基準法の災害補償と見合った制度になっておりますこともございまして、基準法そのものとの関連も出てくるわけでございます。そういうこともございまして、基準法は制定以来もう四半世紀以上たっておる、この際そういういろいろな問題があるから、そういう点をすべて検討したらどうだ、こういう御意見がございますので、四十四年以来基準法研究会というものを設けまして、学識経験者にお願いをいたしまして、それらの点を含めて基準法全般の運用の実情並びに問題点について御検討を願っており、安全衛生等一部については逐次御報告が出て、それに基づいてわれわれもいろいろな立法の改正、行政措置等をいたしておるわけでございますが、この災害補償などにつきましても、その基準法研究会の中で検討がなされておりますので、御指摘のような点も当然検討の一つの問題事項となっておるわけでございます。この基準法研究会で今後それらについて一定の報告がなされますならば、これを十分尊重いたしまして、基準法あるいはそれに関連する労災法、相関連のもとに、そういう点についても検討する必要があれば検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 この基準法研究会の報告がまとまるのは、大体いつごろとお考えですか。
○渡邊(健)政府委員 基準法研究会は昨年の夏に安全衛生につきましての報告がございまして、その報告に基づいて今国会に労働安全衛生法を制定すべく国会に御提案を申し上げておるところでございます。さらに昨年の暮れには労働時間、休日、休暇制等につきまして御報告が出ており、残りのいろいろな問題につきましても引き続き基準法研究会は検討を続けられておるわけでございます。基準法がカバーいたします分野は非常に広い範囲にわたっておりますので、一挙に全部について検討の結果を出されるということは非常に困難でございまして、ただいま申しましたように逐次問題ごとに結論を出し得るものから出しておられるわけでございます。おそらく先生のお尋ねはこの災害補償に関する面についての検討の結果がいつ出るだろうかというお尋ねであろうと思うのでございますが、まだ残っております問題、非常に多方面の問題がありますだけに、ちょっとこの問題、いつというところは、まだ私、責任を持って申し上げる段階に至っておりませんけれども、昨年の暮れの二回目の報告に続き、引き続きそれぞれの問題点について小委員会等を設けて検討されておりますので、そう遠くないうちに、逐次今後それぞれの問題についても報告がなされる、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 それから同じくこの決議の中に給付基礎日額の最低保障額については実情に沿うよう早急にその引き上げを行なうこと、こういうふうにありますが、これは現在どういう方向にどれぐらいのところまで進んでおるのでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 給付基礎日額につきましては、ただいま先生お読み上げになりました四十五年の法律改正の際の附帯決議もございまして、その直後にも給付基礎日額の最低限度を引き上げたわけでございますが、今回も昭和四十七年度から引き上げを行なうことといたしまして、従来最低限が七百七十円でありましたものを今年四月一日から千円に引き上げたところでございます。
○貝沼委員 そうすると、千円というのは何%でありますか。
○渡邊(健)政府委員 引き上げの率はちょっといま詳細に計算をいたしておりませんが、約三割強くらいになるのじゃないかと考えております。
○貝沼委員 それから、休業補償給付の問題でありますけれども、現行は給付基礎日額の約六〇%であると思うのであります。これを少なくとも八〇%ぐらいに引き上げるべきではないかという意見がありますけれども、それに対する見解はどうですか。
○渡邊(健)政府委員 疾病、負傷等によりまして休業いたしました場合の休業補償は、現在労災保険法上は六〇%になっておりますが、これは基準法の災害補償も同様に百分の六十になっております。またその他の社会保障関係におきましても、休業の場合の補償はおおむね同程度になっておるわけでございまして、これは国際的に見ましても、ILOの百二十一号条約等におきましても、標準家族の収入に対して六〇%程度ということになっておりまして、われわれ国際水準にも一応適合した水準である、かように考えておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、休業補償の率を引き上げるべきだという御意見はございますし、それから業務上負傷、疾病にかかられたような方々につきましては、できればできるだけ手厚くしてあげるということが望ましいことはもちろんでございますが、いま申しましたようないろいろな他の関係等もございますので、われわれといたしましては、先ほども申し上げました基準法研究会等において、基準法の全般の検討がいまなされておりますし、いま御指摘のような点につきましても検討の対象になっておりますので、そういう点につきましての研究会からの結論等が出ましたならば、それとの関連を考えつつ、あるいはまた他の社会保障との関連も考えながら検討するようにいたしたい、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 それから次は、障害補償給付の引き上げの問題でありますが、現行ではたとえば一級から七級までが年金ですね。それから八級から十四級までが一時金となっておるわけでありますけれども、重度の障害、一級から七級ですが、これについては年金と同時に一時金を支給すべきである、こういうふうに改正すべきであるというような意見が出ておるわけでございますけれども、これに対する考え方はいかがでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 労災で、ただいま御指摘のように障害補償の一級から七級までは年金に相なっておるわけでございます。これは、そういう重度の障害にかかられた方は、長く労働稼得能力を全く失われているか、またその稼得能力の相当部分を喪失されておりますので、その生活を長く確保してあげるためには、やはり必要な期間相当長く生活の保障が得られるような年金が適当なのではないかということで、年金制をとっておるわけでございまして、これは業務上災害の補償に関します国際条約等も年金を基本にするべきだという考え方に立っておるわけでございます。そういう意味で、われわれといたしましては一応これは国際水準から見ても妥当なものとは考えておりますが、ただ日本の場合には日本のいろいろな慣行がございまして、昔から一時金をこういう場合にはもらうというような期待があるわけでございます。現在でも障害程度の低い方には一時金を差し上げているわけでございますが、障害程度の高い年金の受給者についても、そういう意味で一時金を出したらどうかという御意見もあることは存じておりますし、また一部の企業などでは保険と別に、労使の協定等によりまして、そういう場合に一時金を出しておられる例はあるわけでございます。 そういうこともございまして、私どももいまの障害年金制度でこれ以上何ら検討する余地はないとは考えていないわけでございまして、業務上負傷、疾病にかかられて、重度の障害を得られたような方には、できるだけ手厚く補償してあげるということが望ましいことは、先ほどから繰り返し申し上げておるとおりでございます。そういう観点もございまして、現在、先ほどから申し上げております労働基準法研究会において、基準法の障害補償等につきましても検討がされております。労災法の年金、軽度の方に対する一時金というのは、基準法の障害補償と相関連を持ったものでございますので、基準法研究会のほうで基準法上の障害補償につきまして御検討の結果、何らかの結論を出されるならば、それを尊重いたしながら、基準法、労災法、両方の関連のもとに、そういう点についても将来必要ならば検討することにいたしたい、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 重度のものについては年金、私は年金でいいと思うのですけれども、ただその場合、いろいろと中身をずっと見てみますと、必ずしもそれだけでは生活ができるのかどうかというふうな、非常に心配な金額になっているわけです。たとえば一日二千円ぐらいの人であれば、一体どのくらいの基礎日額というものがあるのかということを考えると、非常に少ないですね。これは計算すればわかるわけです。そういうところから、災害にあって、そのときは医者にもかかるわけだし、いろいろと金がかかるわけですけれども、やはりそのときにこれは重度であるから年金なんだとぱっといってしまったのでは、私はちょっとかわいそうな気がする。やはりそのときに、先ほど話がありましたように、一部の企業では一時金も出しているといっていることは、金が出したくて出しているのではなくて、やはりそういうところに追い込まれて出しているのだと私は思うのです。したがって、そういうようなところから、政府の考え方もやはり一時金を支給するという方向にいくのが妥当ではないかと私は思うのですけれども、この辺はいかがでしょう。
○渡邊(健)政府委員 災害にかかられて療養中は、これは障害補償ではございません。その期間は療養補償で、療養費は全額出ますし、その期間の収入につきましては休業補償で別途生活の保障はなされるわけでございます。障害補償は、疾病あるいはけががすっかりなおられまして、なおったけれどもあとに障害が残られた、そのために労働稼得能力が全部または一部失われておる、こういう方々でございます。したがいまして、障害補償の段階になれば、療養のための費用等はもう要らなくなっておられる方々であるわけでございます。それにしても低いではないかという御意見、ある程度そういう意見も私どもあると思いますが、現在のこの障害補償の年金等は、たとえば障害等級一級にあたるような人は、年間基礎日額の二百八十日分ということでありますから、働いておられるときの四分の三くらいの年金額にはなっておるわけでありまして、一応私ども、現在のこの年金額等はILO国際条約の水準にも適合しているもので、国際水準から見ましてもそう恥ずかしくないもの、かように考えておるのでございます。しかし、先ほどから申しますように、でき得るならば業務上で負傷疾病にあわれて、そのために労働稼得能力を失われたというような方には手厚くしてあげることができればそれにこしたことはございませんので、先ほど申し上げましたような基準法との関連等も考えつつ、基準法研究会の御意見等を見まして、将来、それとの関連のもとになお検討することにいたしたい、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 それから、遺族補償年金受給者の範囲の拡大でございますけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 遺族補償も労災保険は現在年金制度になっておるわけでございますが、これは遺族の方々で生活に御困難を来たされる方については、その期間中生活の確保をはかってさし上げる、こういう考え方であるわけでございます。したがいまして、遺族補償につきましても、そういう趣旨から、原則といたしましては遺族年金、こういう形にいたしておりますわけで、年金の受給資格者は、死亡労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹で労働者の死亡当時その収入によって生計を維持していた者というふうにいたしておりますが、これは妻は年齢の制限はございませんけれども、妻以外の方につきましては、夫、父母及び祖父母については五十五歳以上それから子及び孫については十八歳未満、兄弟姉妹についても十八歳未満または五十五歳以上ということで、御自分で労働により生活に必要なものを稼得することが社会通念上困難と思われる方を年金の対象にいたしておるわけでございます。それで、もし遺族の中にそういう年齢制限等のために遺族年金の受給資格者がない場合には、年金にかえまして千日分の遺族補償を差し上げる、これは基準法も災害補償も遺族補償は千日分となっておりますので、基準法どおりの千日分を差し上げる、こういうことになっておりますので、一応遺族補償の受給資格者については、これで社会的にも、あるいは国際水準等から見ても、そう特段に劣ったというような問題はないのではないか考えている次第でございます。ただ、私ども聞き及んでおりますのは、子供等について十八歳未満ということにいたしておりますが、学校に行かれておる方等々につきまして、その学資等の関係でそういう問題があるやに聞いておるわけでございます。これにつきましては、保険給付ではございませんが、小中学のみならず、高校、大学等に行かれておる方につきましても、労災保険からの保険施設として就学援護金の制度を設けまして、そういう遺族に対しましては必要な援護を申し上げるようにいたしておるところでございます。
○貝沼委員 それから、通勤途上の災害の問題でありますけれども、たとえばILOの百二十一号条約の中に労働災害には通勤途上の災害を含むという条件があるわけですね。それから四十六年の四月に労働大臣は、秋までには通勤災害の適用基準を作成、ILO百二十一号条約批准に備えたいと考えていると言ったようでありますけれども、この通勤中の事故につきましてはいろいろ問題はあると思うのですけれども、根本的に労働省としてはどういう方向で考えるのか、この一点をまず伺います。
○渡邊(健)政府委員 通勤途上の災害の補償につきましては、先生いま御指摘のILO百二十一号条約などにおきましても、通勤途上で災害補償の対象になる範囲を定義できめろということが規定されております。これは一定のものについては補償をすべきではないかという考え方のあらわれであろう、われわれもさように理解をいたしております。また、これまでも国会の法案審議につきましての附帯決議等で、通勤途上災害について検討するようにということもわれわれいただいておるわけでございます。そこで、労働省といたしましても、現在、通勤途上災害につきましては、それが通勤途上であっても、特に使用者の管理下に入っておるような場合の災害については業務上とされる場合がありますが、一般的にはこれは業務に基因する災害とはなっておりませんので、最近の交通事情等から非常に頻発しておる通勤途上の災害がいまのままでいいのかどうかという点は問題である、かように考えております。 そこで、一昨年二月に通勤途上災害調査会というものを設置いたしまして、これに、通勤途上災害をどう措置すべきかという点を御検討願っておるところでございます。この調査会におきましては、設置以来鋭意検討を続けておられまして、昨年四月には中間報告も出されたわけでございますが、その後も検討をお続けになった結果、一応、通勤途上災害については何らかの形で現在以上の保護が必要であるという点につきましては、この調査会の労使、公益の御意見が大体一致を見る段階まで来ておりますが、なお、それの費用の負担だとか給付水準などにつきまして労使の御意見がまだ分かれておる状況でございます。そこで現在、公益委員等が中心になられまして、精力的に労使間の意見調整につとめられておるわけでございまして、そう遠くない将来において調査会で何らかの結論が出されるものとわれわれ期待いたしております。同調査会から御検討の結果の御見解が示されるならば、その趣旨に沿って法改正等所要の措置を講ずることにいたしたい、労働省といたしましてはさように考えております。
○貝沼委員 そう遠くない将来というのは、大体どれくらいのことを言うのでしょうか。たとえば三年とか、あるいは二年ぐらいとか、大体どの辺の感覚なんでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 われわれ、一年以内ぐらいには御意見が出る、早ければ年内にも出るのではないか、かように考えております。
○貝沼委員 この問題は非常にむずかしい問題ではありますけれども、早く結論を出していただきたいと思います。そうしてこういう通勤の途上における災害にあった人たち、これが早く救われるように私は要望いたします。 それから、次の問題でありますが、失業保険の問題、これも先ほどからと同じようなことでありますけれども、失業保険の適用拡大が今年から始まるわけでありますけれども、今後のスケジュール、これは先ほど話がありましたが、やはりサービス業とか、あるいは一人親方とか、こういうようなものも含めて考えておるわけですね。もう一度……。
○藤繩政府委員 先ほどお答えいたしましたのは労災、失保を通じてのことでございまして、基本的方向としてはそのとおりでございます。ただ、失業保険は労災と違いまして、一人親方とか中小企業主とかいうような、つまり雇用関係にないものをとらえて適用するということがございませんので、先ほども申し上げましたように、この両保険改正の適用拡大と申しますのは雇用関係にある者の強制適用を拡大をしていくということでございます。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、おおむね三年程度で全面適用に到達したいという点は両保険を通じてのあれでございます。
○貝沼委員 それで、失業者の生活条件を改善するためには、十七条の三にあるスライド規定でありますが、これだけではちょっと不十分ではないかという点があります。これについての考え方をお願いします。
○中原政府委員 失業保険の十七条三の規定でございますが、賃金額がかなり上がった場合、または上がった場合、百二十をこえるというような状態が継続する場合には、この失業保険金額を改定するということでございまして、この四月一日からこの状態を適用いたしまして、失業保険金額につきまして、最低を三百七十円から四百九十円、それから最高額を日額千人百円から二千二百八十円というように、大幅に上げたわけでございます。今後この状況につきましては、毎月勤労統計の数字等をとりまして、逐次その数字とにらみ合わせまして、こういう状態に対処していくということでございますので、現在のところ、この規定をもって自動的に運営するということで賃金の上昇に見合う失業保険金額の改定ということには対処していけるのではないかと思っております。
○貝沼委員 この失業保険金額を賃金日額の六〇%から八〇%くらいまでに引き上げる必要があるというふうな意見もありますけれども、これについてはいかがですか。
○中原政府委員 失業保険金額は、先生いま御指摘のとおり、日本ではいま六割ということになっておりますけれども、これは諸外国の水準に比しまして遜色がないというふうに私ども実は思っております。ILOは四五%以上ということにようやくなっておりますが、私どもとしましては、この六〇%ということでいまのところ諸外国に比べて遜色ない。しかも先ほど申し上げましたように、賃金が上がった場合にはこの規定を適用いたしまして、迅速にそれに見合う支給をしていく、それからさらにことし、扶養手当でございますとか、技能習得手当というような付属的な手当につきましても改定をいたしたわけでございます。こういうことで現在の情勢には対処していける、こう思いますけれども、今後とも全般的に失業保険の内容の充実につきましては引き続き努力いたしていきたい、かように存じております。
○貝沼委員 いままではいろいろと災害が起こった場合の話でありますけれども、やはりこういう事故が起きないということが一番大事ではないかと私は思いますね。そういうような立場から、この災害の防止とか、あるいは職業病の発生防止等に全力を尽くすということが非常に大事なのではないかと思うのでありますが、これについて政府もいろいろ試案はあるようであります。これについては今度どういうふうに進めるお考えですか。
○渡邊(健)政府委員 労働災害につきましては、年間に死亡者で約六千人、負傷、疾病の方、合計いたしますと百六十万人ないし百七十万人くらいの方々が災害にあっておられるわけでございまして、労働省といたしましては、人命尊重の基本理念からいたしまして、従来から労働災害の防止というものを行政の最重点といたしまして種々の対策を講じてまいったところでございます。しかしながら、最近におきます産業界における新技術の採用であるとかあるいは新しい物質の導入などから労働災害が重大化したり、あるいは職業病が増加したりする、そういう傾向もございまして、このような事態に対しまして、いままでの労働災害防止体制、必ずしも十分であると言い切れない面もあるわけでございます。 このために、われわれといたしましては、最近の産業の実態に即応した的確有効な対策を推進すべく諸般の措置を講じてまいる考えでございますが、その一環といたしまして、従来労働基準法で規定し、それに基づく安全衛生関係の諸規則、これを中心に労働災害防止対策を進めてまいったわけでございますが、それでは十分でない面もございますので、今回いろいろな対策を総合的に集大成いたしまして拡充強化する、そういう意味で労働安全衛生法案というものを立案いたしまして今国会に提案いたしているところでございまして、この法案が成立いたしましたならば、この法律を基礎といたしまして、今後極力災害の減少撲滅を期して政策を進めていきたい、かように考えておるわけでございます。
○貝沼委員 今国会の労働安全衛生法案につきましては、またあとで審議されると思いますが、この法案をちょっと見まして、私、かなり不満な点があるわけです。たとえば政令事項で有害物質に砒素などが扱われるのかどうかということがあります。それから使用者の義務でありますけれども、これはあくまでも努力規定になっているようであります。したがって、企業側がどれだけ協力するかというととが非常に大きな問題ということであります。たとえば有害物質の中に砒素なんかは入るわけですか、この点はいかがでしょう。
○渡邊(健)政府委員 有害物質につきまして、労働安全衛生法案ではいろいろな規定がございます。今度の法案では、新しく設けられました製造禁止だとか製造許可だとか、こういう方面には砒素は入っておりませんが、砒素につきましてはこれまでも中毒の防止のために努力をいたしておりまして、特定化学物質等障害予防規則という規則をつくっております。砒素はこの特定化学物質の一つといたしまして対象とされておるわけでございまして、それらの法律に基づく規則によりまして、砒素に基づく職業病の予防に必要ないろいろな措置が規定されておるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、その規定を順守し励行することによって、砒素に基づく職業病等は相当程度、ほとんど抑制することができる、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 この「労働災害の現状と対策」という中に「今後の安全衛生対策」というのがあります。何項目かありますが、この中で、これを読んでまいりますと非常にりっぱなことがずっと並んでおるわけでありますけれども、総括的に、これはこれからやるんだということでしょうけれども、実際の作業というのはどれだけ進んでいるかというのは、私は非常に疑問であります。そこで、これは全般的に大体どういった進みぐあいになっておりますか、その点をお願いします。
○渡邊(健)政府委員 先生御指摘の、この資料に出ております「今後の安全衛生対策」と申しますのは、今回国会に御提案申し上げました労働安全衛生法案の考え方を述べておるわけでございまして、ここに書いてございます諸事項はほとんど全部労働安全衛生法案の中に取り入れられておるわけでございます。また法案の中に取り入れられておるだけでなしに、それに伴う予算措置等も四十七年度以降におきまして進めておるところでございまして、今後ともこれらの対策、法案の成立と相まちまして、有効な推進をはかってまいりたい、かように考えております。
○貝沼委員 たとえば第一番目の「安全衛生管理組織の確立」というのがありますが、これを読みますと、「企業内の自主的活動の中核として」というのがありますので、あくまでも企業の主体性ということが問題になるようであります。こういうようなところから、こういうような問題はただ事業主にまかせるだけではなくて、政府がもっと責任を持って対策を立てるべきではないか、こういうふうに思うのですけれども、この点はいかがでしょう。
○渡邊(健)政府委員 先生のおっしゃること、まことにごもっともでございまして、われわれもこの「安全衛生管理組織の確立」ということは、何もこれを企業にまかせっぱなしにするという意味でございません。企業がどういうことをやるべきか、災害防止のためにどういう措置をとるべきかということは、今回の労働安全衛生法案にも多くの規定を設けて規定いたしております。さらに、その法律に基づく省令、政令等によりまして規定をされるわけでございますが、それを企業がどう順守し実施していくか、その責任体制を明確にする、こういう意味で、たとえばその中の(イ)にございます総括安全衛生管理者を選任させて、法令等で規定されておる企業の安全衛生措置、それを実施する責任をこの人に負わせる、あるいは企業が法令に基づいて行ないます安全衛生対策、そういうものにつきまして労働者の意見を聞き、労使相協力してそれに当たるために安全衛生委員会を企業に設置させる、こういうようなことを労働安全衛生法案で書いておるわけでございまして、企業がとるべき必要な措置については法案の中で書く、あるいはさらにその細目については政令、省令で明確に規定をすることにいたしておるわけでございますが、企業が自主的にそういうものを実施し推進させるために、こういう管理組織を確立する必要がある、こういう考え方でございます。
○貝沼委員 さらにこの「安全衛生教育センターの設置等による安全衛生教育の充実」というふうなことがありますが、これはことしの予算でも幾らかついておると私は思うのですけれども、これと、それから「産業医学総合研究所の建設および研究調査活動の充実」これとの関係、並びにいまそれがどういうところまで進んできておるのかということについて説明をお願いします。
○渡邊(健)政府委員 安全衛生教育センターは、いわゆる企業の中でその問題にタッチされる方、特に今回の労働安全衛生法案で、実際に労働者を指導監督すべき職長的な人に安全衛生教育を徹底する必要があるということが、今回の法案の中にも書かれております。そういう方々に対する安全衛生教育をやるために設けるものでございまして、四十七年度に三億円の予算がついておるわけであります。 それから、終わりのほうの産業医学総合研究所と申しますのは、これは衛生管理あるいは職業病、そういうものにつきまして医学的その他総合的にそういう研究をすべき研究機関、教育機関ではなくてこれは研究機関でありまして、これも三カ年計画で現在建設中でございます。
○貝沼委員 建設中ということは、たとえばいま土地買収が終わったとかあるいは建物が幾らかできておるとか、それはどの辺まで進んでおりますか。
○渡邊(健)政府委員 土地買収はすでに終わっておりまして、建物を建てるための整地等も終わっております。具体的な上屋の建設はこれから着手するところでございます。
○貝沼委員 さっき三カ年という話がありましたけれども、そうするとこれは三年後には稼働するわけですか。あるいは聞き違いですか。
○渡邊(健)政府委員 現在の計画では、四十八年度中にでき上がる計画で進めております。
○貝沼委員 これができ上がった暁に相当の威力を発揮しなければならないと私は思うのでありますけれども、実際どれだけの効果を期待しながらこれをつくろうとされておるのか、その点はいかがですか。
○渡邊(健)政府委員 これができ上がりますならば、現在も労働衛生研究所というのがございますが、これを吸収いたしまして拡充強化いたすつもりでございまして、職場環境の管理あるいは職業病の予防、職業病の診断、治療等々につきまして総合的に研究を進めるとともに、現在産業界におられる医師である衛生管理者等々も、新しい職業病等につきましては必ずしも十分の知識を持っておられない方もおられるわけでございます。そういう方々について研究の成果をお知らせいたすとともに、必要ならばそういう医師の方々の研修等も実施いたしまして、その成果を大いに行政に反映すると同時に、企業における労働衛生管理、そのほうにも生かしていくようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○貝沼委員 それからもう一つの問題は、この対策には、特に見えておりませんけれども、リハビリテーションの問題であります。現在リハビリテーションというのはどういうふうに定義されておりましょうか。
○渡邊(健)政府委員 われわれのほうでやっておりますリハビリテーションは、主として労災病院にリハビリテーション施設を設置いたしまして、負傷、疾病の一応の治療が進んだ方々、しかしながらその負傷、疾病の結果、治癒後におきましてもいろいろな機能障害が残られて、そして従前どおりの労働能力を回復できるかどうか疑わしいような方々に、治療と並行いたしましてその機能回復をして差し上げる。これは理学療法及び職能回復療法等々を併用いたしまして、そういう機能回復を治療と並行してして差し上げる、こういうことで行なっておるのがまず第一点でございます。さらにそれに加えまして、リハビリテーション作業所というようなものも労災保険施設として設けまして、負傷、疾病が一応治癒された方々、しかしながら機能回復は十分でないという方々に、その中で実作業について、その作業に伴うある程度の収入を得ながら職業に必要な能力の回復をもあわせてはかっていただく、そういう施設もつくっておるところでございます。
○貝沼委員 たとえば医学的なリハビリテーションだけではなく、職業の訓練もする。それからさらに社会に復帰できるようにするということは、職業のあっせんなどもしてあげる——あっせんは入りますか。
○渡邊(健)政府委員 われわれは就職をも考えながら職能の回復をはかっておりますが、実際の就職のあっせんは、安定所と連絡をとってやっておるわけでございます。
○貝沼委員 そういうようなリハビリテーションというのは、私は非常に大事だと思うのです。しかし、リハビリテーションに類する施設というものはあちこちに見えますけれども、いま申し述べられましたような内容をきちんと含んでおるようなリハビリテーション、こういうものは私は非常に少ないのではないかと思います。こういう完全な形のリハビリテーションの施設というものは、いま日本に何カ所ぐらいございますか。
○渡邊(健)政府委員 労災保険施設のリハビリテーションにつきましては、私どもは、日本ではこういう本格的なリハビリテーションを最初に始めたのは、われわれ労災保険施設ではないかと考えておるわけでございまして、そういう意味で私どもが持っております労災保険施設のリハビリテーション施設は、日本の国内においては非常に内容が充実したものである、かように考えております。 で、労災病院に付設しておりますリハビリテーション施設の数は現在八カ所でございまして、そのほかに先ほど申しました実作業をし、収入を得ながら職業機能を回復する意味の労災リハビリテーション作業所という病院と独立いたしましたそういう施設はほかに六カ所ございます。 なお、そういうリハビリテーションに当たる指導員の方々を養成するためのリハビリテーション大学校も一カ所持っておるわけでございます。
○貝沼委員 八カ所と、それから作業所が六カ所ですね。先ほどからずっと話がありますように、この基準局の統計によりましても、昭和四十五年度の労働災害による被災者は百六十五万人であります。そこで、八カ所、六カ所というのは、私は個所だけではわかりませんけれども、それならば収容人員というのは一体どれくらいですか。
○渡邊(健)政府委員 ちょっと手元にいま収容人員の資料を持っておりませんので、至急調べましてお答え申し上げたいと思います。
○貝沼委員 詳しい数字でなくても、まあそんな大きな建物があるわけじゃありませんから、私はせいぜい数百人であろうと思います。これは思うだけですから……。ところが、先ほどの数字から見まして、私はこの設備というものが非常に少ない、ほんとうにこういう方向に政府がもっともっと力を入れるならば、もっとあってよかったのではないかと思います。しかも、たとえば心身障害者対策基本法においても、あるいはいろんな法律においてこういうことは規定されておるわけでありますから、もっとほんとうはあってしかるべきであったと思いますね。これはなぜおくれておったのでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 先ほどちょっと数字を持つておらないと申し上げました対象労働者の数でございますが、労災病院と独立いたしました労災リハビリテーション作業所の収容人員は、現在三百人でございます。労災病院に付設いたしました療養と並行してリハビリテーションを行なう施設、これは入院患者のうち、リハビリテーション療法が必要かつ適当と思われる人を逐次その中で療養と併行してリハビリテーション療法を施すわけでございますので、これは定員というものはございません。病院に入院している人の中で、その療法が必要と思われる人を病院が治療と併行してそれを受けさせるわけでございます。これは定員というものはないわけでございます。したがいまして、そういうリハビリテーション施設を持っております八カ所の病院につきましては、入院患者でそういう療法が必要と思われる者はすべて受けられる、こういう形になっているわけでございます。 その施設の数が対象労働者等から見て十分ではないのではないかという御指摘、ごもっともな点もあるわけでございまして、日本ではリハビリテーションというような考え方が入ってまいりましたのも、昭和三十年代以降でございまして、諸外国に比べるとかなりおそく、しかもそういう考え方としては入ってまいりましても、具体的にどう進めたらいいかといったようなことにつきましては、日本では、先ほども申し上げましたようにむしろ労災病院が一番初めでございまして、先例とすべきような施設もなかったので、最初は必要な人を外国に視察等に出しまして、それを参考にしながら日本で初めたというような関係でございますために、比較的この施設は進展があまり早くなかったわけでございますが、御趣旨まことにごもっともと存じますので、今後われわれはこういう施設の充実に一そう努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○貝沼委員 一そう努力していくということでございますので、よろしくお願いいたします。 そこで、主計局にお尋ねいたしますが、こういうようないままでも答弁並びに対策、いろいろと労働省は一生懸命考えたり、やっておりますが、おくれているものをながめますと、金のかかるものが多い。したがって、主計局としてはこういう問題についての認識はちょっと薄いのではないかと私は思いますけれども、こういう対策は日本の将来にとって非常に重大な対策でありますので、さらに前向きに積極的に予算をつけていくというような、そういった考え方はありますか。
○長岡政府委員 先生御承知のように、いまお話がございましたような問題まで含めまして、広い意味で、社会保障全体についてわが国が欧米先進国に比べましてスタートが立ちおくれておるということは争えない事実でございます。ただ、逐年の整備によりまして、制度的には一応先進国で採用しております諸種の制度が整ったという段階になっておりますけれども、まだまだ具体的な内容を一つ一つ見てまいりますと、改善を要する問題は多々あろうかと存じます。今後の予算措置はどういう態度で臨むつもりかという御質問でございますけれども、私どもも、端的に申しまして来年度以降の財政事情、いろいろたいへんむずかしい問題があろうかと思いますけれども、事情の許す限り社会保障制度全体の中の一環といたしまして、きめのこまかい配慮を払ってまいらなければならない、かように考えております。
○貝沼委員 最後に、主計局のほうとして、たとえば総理大臣は福祉優先の方向に軌道修正をした、また、しなければならないというような所信表明演説をやりまして、今回の予算があったわけでございますけれども、中身をずっと見ていきますと、必ずしもそうはなっておらない。私は、そういうことで非常に不満が多い。したがって、主計局にお尋ねいたしますけれども、この福祉優先の方向に軌道修正された証拠というものは、少なくとも労災、失業対策、失業保険、こういうものにつきましてどこにあらわれておったのか、これを一言お願いいたします。
○長岡政府委員 四十七年度予算の性格が福祉優先型であるかどうかということにつきましては、全体としては、予算委員会における総理あるいは厚生大臣、大蔵大臣等の答弁を通じておわかりいただいておると思いますけれども、予算全体に占める割合等も、今回の景気対策予算の性格を反映いたしまして、公共事業のような大幅な増加は示してはおりませんけれども、しかし、やはり相当程度充実をしておりますし、内容にいたしましても、老人医療の無料化あるいは生活扶助基準の引き上げ、その他各種社会保険の給付内容の改善等も実施をしてまいっております。労災保険あるいは失業保険についてどのような改善がはかられておるかという点にりきましては、たとえば失業保険につきましては、給付内容につきましても、昨日も御質問が出ておりましたけれども、日額上限の改定等も行なわれておりますし、また労災につきましても、同じように給付内容の改善は逐次はかられております。いずれにいたしましても、このような問題についてそう非常に顕著な改善策がはかられていないじゃないかという御質問だと思いますけれども、ただいま御審議をお願い申し上げております両特別会計を一本化いたしまして、労災保険、失業保険の保険料の徴収を一元化いたしますことも適用範囲を広げていくための事務の合理化その他をねらいとするものでございまして、そういう点からも両制度の今後の充実に進んでおるということは申し上げられると思います。
○貝沼委員 とにかく、こういう大事なものになると、審議会とかそういうものの結論を待つということを普通大蔵省は言うのですね。ところが、防衛費なんというのは、こんなものは一発でぽんとついたじゃありませんか。そういう言い方は私は気に食わないのです。したがって、遺憾ながらおくれておると言ったらそれでいいのです、今度がんばればいいわけですから。もう防衛費なんかと比べたら金額は問題にならないですよ。主計局はそういうようなごまかし態度というものは私はやめてもらいたいと思うのです。そうして、先ほどから何回も出ておる答弁は、日本の社会保障というものはおくれておるのだ、だから一生懸命やっておるのだという答弁でしょう。おくれておるからこそ一生懸命やらなければいけないのですよ。金もつけなければならないのですよ。ところが、それが少ないでしょう。ここに私は、社会保障に力を入れたという姿は全然見受けられない。非常に遺憾だと思います。したがって、今後の予算編成にあたっては、主計局はさらに心を砕いて、ひとつ国民の生活のしあわせのために予算措置を講じていただきたい、これを希望いたしまして終わります。
○齋藤委員長 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 定数が非常に少ないようでありますが、委員長に協力して質問をいたします。 〔委員長退席、山下(元)委員長代理着席〕 この法案の内容に入る前に、長岡主計局次長にまずお聞きしておきたいのですが、特別会計制度というものの趣旨は何ですか。
○長岡政府委員 御承知のことと存じますが、財政法の十三条に特別会計を設ける場合の原則的な規定がございまして、これは読み上げさせていただきますと、「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合その他特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に限り、法律を以て、特別会計を設置するものとする。」こういうことになっておりますので、特定の事業を行なう場合、あるいは特定の資金を保有してその運用を行なう場合、あるいは特定の歳入をもって特定の歳出に充てまして一般の歳入歳出とは区分経理をする必要がある場合、こういうような場合に限って、特別会計を設置することが許されておると存じます。
○山中(吾)委員 その法文をお聞きしますと、常識的にあたりまえのことをあたりまえに書いておるようで、そのとおりよくわかりますが、何か最近の特別会計制度をつくる場合に、隠れた動機があるような感じがしてしようがないのです。政府のほうで、一般会計をあまり膨張させたくない、出し惜しみをする一つの制度に利用しておる傾向もあるのではないか。法文はそのとおりであるけれども、そういう隠れた意図がどうも大蔵省が特別会計制度を設定する場合にあるような気がするが、そういうことはありませんか。
○長岡政府委員 山中先生の御指摘のような御批判があってはいけないということもございまして、最近特別会計の新設は厳に抑制をいたしております。 〔山下(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○山中(吾)委員 次長の答弁では、かつてあったので戒心したというふうに解釈もできるのでありますが、それをあまり悪意に追及する気はないのですけれども、そういうことはあってはならないということを明確にして質問に入りたいと思うのですが、それにつけても、労働災害というものはヒューマニズムの精神がバックになって運営されなければならない制度であり、他の特別会計とは違って政府も手厚くこれに対処しなければならぬ制度であると私は思うのであります。そういうことを考えて、特別会計法の中身、特別会計予算をそういう精神で一べつをしてみました。 これを見ますと、これは調査室から私たちに配付されたパンフレットの八ページでありますけれども、労災勘定の、一般会計よりの受け入れが十八億、わずかに十八億である。歳入全体が三千六百一億円のうちわずかに十八億である。歳出を見ますと、保険給付費のほかに業務取扱費が八十二億、施設整備費が七億、保険施設費が四十六億、労働福祉事業団出資が四十九億、これだけで大体百五十億程度の歳出があると思うのですが、これは労災病院の施設であると思うので、そういう点からいきますと、ヒューマニズムの精神を最も端的にあらわさなければならないこの特別会計に対して、一般会計からの援助というものは非常にわずかである。 そこで、先ほど私が申し上げましたように、特別会計制度の設定の理由はいま法文で読まれたとおりになっておりますけれども、何か最近は一般会計から支出することをできるだけ抑止する、どうも抑止制度としてつくる傾向があるのではないか。少なくとも特別会計制度の中でこういう労災とか失業関係はそうあってはならないように思うのだが、この数字を見るとどうもそういう感じがしてしようがないので、もう一度次長の掛け値のない心境を聞きたいと思うのです。
○長岡政府委員 わが国の社会保障の現状から判断いたしますと、まあ相当財政的には困難を伴いながらも、今後各般において施策の充実をはかってまいらなければならない課題をたくさんかかえておると思います。そういたします場合に、社会保障制度のいろいろの仕組みの中でその費用の負担をだれが持つかということで振り分けて考えてまいらざるを得ないと存じます。たとえば保険制度等をとっております社会保障の仕組みにつきましては、その保険料をもってまかなうという原則によって運営されていくものもございますし、あるいは保険制度はとっておりますけれども、保険料だけでは一〇〇%まかなえないために給付費の一部を国庫負担していくものもございますし、また社会保障制度全体の中では全額いわゆる一般財源をもって措置しなければならないものもあろうかと存じます。 それで、ただいま先生御指摘の労災保険につきましては、この制度自体が事業主が保険料を負担をしていく、これは事業費、事務費等を含めまして事業主の保険料負担によってまかなっていくという仕組みになっておりますために、いま御指摘のような国庫の負担が非常に少ないというような御批判の声が出たのであろうかと存じます。また失業保険につきましては、一般の保険は給付費の四分の一、それから日雇失業保険につきましては給付費の三分の一を国庫で負担しておりますので、労災保険とはおのずから事情が異なっておるといったように、私どもといたしましては、その制度の仕組みなり性格に応じまして国庫の負担を行なってまいりたいと考えております。
○山中(吾)委員 その説明は一応としてはわかるのでありますけれども、この労災を適用する事業は五人以下の零細事業を含んでおるわけですから、そして被害者は事業者でなくて労働者なんですから、そういう意味においては、やはりこの労災保険についてもいわゆる形式的な保険の原則によるのではなくて、国ができるだけの手厚い手当てをすべきだと私は思うのです。そういう意味からいうとこれは非常に少ないのではないか。特にこの中で思うのは、零細事業が保険料金を出して運営するというたてまえにしても、その保険料の大部分が保険給付金に充てられる程度でなければならぬのじゃないか。ところが、その運営の人件費その他までそれからまかなうことでこの保険給付額がしわ寄せされるというのでは、私はどうも基本精神においては合わないと思う。これをちょっと一べつしますと、一般会計よりの受け入れが十八億、これは予算から出しておる。次に支出のほうを見ますと業務取扱費が八十二億ある。八十二億ぐらいはめんどうを見るのが、これは最低の、当然の手当てではなかろうか、そう思うので質問したんです。これはどうですか。
○長岡政府委員 重ねて同じようなお答えを申し上げるととになりまして恐縮でございますが、一口に社会保険と申しましても、やはりその保険の性格なり内容なりによりまして国庫の負担をいろいろと区分して考えていく。負担しなければならないところには当然必要な金額を負担せざるを得ないわけでございますので、労災保険につきましては、先ほど最初に申し上げましたように、諸外国の例を見ましても、この制度自体が保険事業を実施する事務費まで含めまして事業主が負担をする保険料をもってまかなうというたてまえをとっておりますので、ただいま御指摘がございました八十数億の事務費につきましても、保険料でまかなっていくという経理をいたしておる次第でございます。
○山中(吾)委員 どうも一般論でずらしてしまうような答弁になるんだが、私もこういうことにはあまり詳しい、専門的知識はないんだが、社会保険と労働保険とどう違うのか。また、私のいままでやっておる文教関係からいいますと、学校給食とか学校安全会あたりでも、関係者から会費とか負担金を取っておる会計の場合は、それで人件費をまかなうということに対して非常に非難があるんですね。われわれから取ったものをそのまま被害者に渡してくれるというのはいいが、運営する人件費をまかなうというところまではひどいではないか、それは当然政府が考えるべきではないか、これは一般の世論ですよね。だから零細事業者からいっても、自分の職場において負傷したものだからその分は私たちは出すべきだ。事業者負担を原則とするということは一応私も肯定をする。しかしその事業を運営する、ここでいえば業務取扱費ぐらいは国が考えるべきではないか。これを見て、八十二億に対する十八億というと六分の一ぐらいです。せめて半分ぐらいはという私の常識を申し上げている。あなたは保険一般論だけで回答をよこすから、それは少しずるいんじゃないですかね。これはやはり検討さるべきものであると思うのだが、しかしこの法案を直ちにどうというわけではない。これはもう予算に計上されてきまったものでありますから、もう一度未来の展望を含めてお答え願いたい。
○長岡政府委員 ただいま先生御指摘の四十七年度予算に計上されております十八億円、これは過去の経緯を見ますと、国庫がじん肺及び脊髄損傷患者等に対する補償費の一部を負担しておった時期がございまして、これが昭和四十年の労災法の改正で一本化されたわけでございますけれども、その国庫負担分がそのまま一種の定額国庫補助化いたしましてこの保険に入っております。この十八億が八十数億の事務費の補助に見合うというものではございません。 それで、先ほどの労働保険は社会保険の中に入るかどうか、これは私もまだ不勉強ではございますけれども、広義の社会保険の一つであろうかと存じます。ただ、重ねて申し上げますけれども、まあ労災保険につきましては、もともとこの発生の歴史が、事業主がその被災者に対する無過失賠償責任を負うというところから発足いたしておりまして、この保険を運用していく経費は、事業費、事務費を含めて、その事業主の負担である、零細な事業主ももちろんおるわけでございますけれども、働いておられる被用者の負担には直接なっておらないというような仕組みもございまして、この保険につきましては、事務費の国庫負担を行なわないという大原則になっております。非常にわずかであるという御指摘はあろうかと思いますけれども、同時に御審議をお願いいたしております失業保険のほうにつきましては、事務費に対して一部国庫負担を行なっているような次第でございます。
○山中(吾)委員 最初のものの考え方がどうもベースが少し違うようなんです。私は、国は労働者に対しては、働きに応じて報いるという原則と、最低の生活は保障するという原則と、第三に自己の責任によらないことによって不幸になった者は完全に救済するというのでなければ、現代の人権憲法の精神を貫くことはできないと思っておるのです。したがいまして、こういう事業場において不幸な災害を受けた者に対しては、政府の立場からいえば、自己の責任によらないいろいろの災害、いわゆる不可抗力による災害あるいは事業場の設備の欠陥から出た不幸なんだから救済するという基本精神があって、その次に、いわゆる事業場の不注意その他から起こったのであるから、たてまえとしては事業場が負担すべきである。負担すべきであるというその具体的なケースの一つの考え方によって、国が、自己の責任によらないで不幸になった者を救済するという原則をゼロにするということは許されない、そんなことがあってはならないと思うのです。 そこで、私は、少なくとも事務費はと言っているのですよ。あなたはそこのところだけ持ってきて、国は何も関係ないのだ、事業場が全部やるべきものであるという鉄則を、自然法のようなことをあなたは言っておるのだが、私は、そこからは政策は正しく進まないと思うのです。少なくとも私は、社会福祉政策の一環としてこういう制度ができておるのであるから、だから、特別会計でなければそうならぬと思うのですよ。また、おそらくそこで特別会計には隠れた動機が大蔵省にあるのじゃないかということを最初に言ってみたのですが、それは考えを直さなければいかぬのじゃないか。独立採算という思想が地方の公営企業にあって、赤字が出てもなかなか補てんしないという思想があるのだが、こういう社会保険、労働保険制度はそうはいかぬと思うのですよ。国民の不幸を救っていく、病気をなおしていく、負傷した者をというのであって、独立採算を原則としているその辺の公営企業と違って、これはもう政府の直接の行政だと思うのですよ。そこが違うのじゃないか。いまの考え方が非常に硬直化したものであるとすれば、私は、大蔵省の考えは変えるべきだと思う。少なくとも事務費くらいは出すくらいの思想があっていい。いま直ちに全部とは言わない。次官どうですか。
○田中(六)政府委員 福祉国家としてそれを志向していく場合に、高福祉高負担という一つの考え方もあるでしょうし、企業の社会性から見れば、企業がこれを全部負担する、あるいは福祉国家そのものを標傍する限り、国がこれをめんどう見るのは当然だというような考え方、いろいろありまして、それらがミックスして一つの社会政策というものが成り立つのじゃないかというふうに思います。したがって、事務費を国が見るのは当然じゃないかということも、それは当然、外国にも例がありますし、日本としてもその方向としていくんじゃないかという気持ちはいたしますが、それは何を申しましても、予算との関係その他がございますので、早急に実施できるかどうかは疑問でございますが、一応方向としては、いろいろなものを考えながらそういう方向をたどらざるを得ないのじゃないかという気はいたします。
○山中(吾)委員 政務次官は、現在は大蔵省の行政を構成する一員であるが、同時に国会議員なんですから、あまり事務的に用心深くされる必要はないので、高い識見でこうあるべきだということを説明なさってけっこうだと思うので、少し用心深いように思いますが、大体まあ言われたことばの精神は、財政的に許される限り福祉国家の思想に基づいて改善すべきだというふうに受け取りましたから、その方面で善処されることを要望いたします。 次に、この労災保険の給付の中で私、ちょっと疑問に思っておる点だけ一、二お聞きしたいのですが、これも調査室の配付されたパンフレットの一五ページですが、障害補償給付と次に遺族補償給付がございます。この二つの点に疑問があります。 一つは、障害補償給付に対して、その本人がなくなったとたんに遺族の補償給付が、年齢によって受ける奥さんが三五%あるいは四〇%というふうに二分の一以下に下げておるというこの方向性ですね。これは昔の軍人恩給のように、本人が功績があるので年金があったが、奥さんは直接関係がないから、身分の思想から半分にするとかいう、古い身分社会における思想から、扶助料というものを半分にしておる、そういう思想というものがかつてわが日本にあった。それがここにそういう思想がまざっておるのではないか。 障害補償給付については、本人が傷ついて働くことができないときは、人間としては生存をしておっても、労働力としてはなくなっておるのだ、労働力としてはこの世からなくなったと同じだ、そのときから奥さんは、労働力の点からいったら未亡人である。この障害補償給付の精神というものは、労働能力がなくなったことに対して支給しておるとすれば、その本人が人間として生きているか死んでいるかというときに差別をするんじゃなくて、労働力が減退したときによって考えていくべきじゃないか。そのときに生活条件に応じて何%にするということならば私はわかるのだが、遺族扶助料と同じような思想で、何か非合理的な算出の基礎を出しておるのではないかというふうに私は思う。その点は労働基準局長、いかがですか。
○渡邊(健)政府委員 先生ただいま御指摘のように、障害補償に対します年金と、労働者御本人がなくなられた場合の遺族年金に差があるわけでございますが、障害の場合には、労働者御本人は、労働能力でいいますと、完全または相当部分が労働能力がないわけでございます。したがいまして、障害年金というものは、なお生存をしておられるその障害者である労働者御本人と、奥さんその他扶養家族、これの生活をある程度考えなければならない、そういうことがあるわけでございます。さらに障害等級の一級、二級というような方になりますと、非常に障害程度が重い方でございまして、単に労働稼得の能力がないというだけではなくて、たとえば日常介護を要する。場合によりますと、たとえば両足をなくしたという障害等級一級の方でございますと、御家族がつききりで下の始末からいろいろ介護をしなければならぬ。そういうためのものも考慮しなければならぬ。そういうことで、それぞれの障害の等級に応じまして障害年金額がきまっておるわけでございますが、なくなられました遺族の場合の遺族年金は、遺族の方の生活もある程度めんどうを見て差し上げる、こういうわけでございます。したがいまして、障害年金の場合のように、障害を受けられた労働者御本人の御生活の費用というものはないし、さらには非常に重度の障害者の介護のためのいろいろな費用、そういうものも遺族の場合は、御本人がなくなられてしまったわけですからないわけでございまして、そういう意味で障害の重度の方よりも遺族の場合のほうが額が少なくなるというのは、ある程度合理的な理由があるのではないか、われわれはさように考えておるわけでございます。
○山中(吾)委員 私の考えがピントがはずれておるのかもしれない。ただ私はこう思ったのです。大黒柱の御主人が負傷した。いままでの二分の一の収入しかなくなった。そこで補償があるとすれば、そのときから奥さん、子供全体を含んで生活保障という意味があるのだ。したがって、御主人が二分の一の労働力しかなくなったので、二分の一を生活を保障するために渡しておるならば、御主人がなくなっても生きておる間でも同じじゃないかと私は思っておるのです。なくなったら二分の一の労働力がなくなるのだからなお困る。だから、社会保険制度という思想があるのだが、御主人がなくなったとたんに三〇%に減らすということは、どうも昔の身分上の軍人恩給と同じようような思想で減らしていったのではないかと見た。また事実上奥さんは困るのじゃないかと思う。少なくともまだ二分の一の労働力を持っておる御主人がおる間はいい。少なくともその分と同じくらいを継続してやるべきであるのに、ゼロになったとき今度は三〇%に減らすというのは、何か社会保険その他の思想からいったならば、逆に、なくなったあと見てやらなければいけないのではないかとむしろ思ったものだから、その辺の皆さんの発想の中に、実態に即してこういう案が出たかどうか、実態と関係なく長い伝統のああいう恩給制度、年金制度というものによって、思想が混乱をして出ておるのではないかと私は思ったのです。そうじゃないのですか。
○渡邊(健)政府委員 私ども先ほど申しましたように、これは決して身分的な発想というようなことで考えておるわけではございません。この年金額の算出等につきましては、基準法の災害補償の障害補償、あるいは遺族補償等々との関連から、この年金制度導入当時考えられましたわけのものでございまして、こういう例が適切であるかどうかわかりませんが、たとえ話的に申し上げてみますと、もし何らの補償が、そういう労災保険制度も何もなかったといたしますと、御主人になくなられました奥さんは、遺族としての御自分と、それからもし扶養家族の子供さんがおられればその生活、御自分とその扶養家族の生活のための収入を、何とか働いて獲得されなければならないと思います。ところが、御主人はけがをされて、労働能力を一〇〇%失う、しかしなお生きておられるという場合、もしこういう年金制度も何も、国の補償がなかったといたしますと、奥さんは自分と扶養家族としての子供さんたちのほかに、生きておられる御主人の衣食住、そういう生活費まで働いて獲得をされなければならない。そういう意味で、御主人が生きておられるほうが費用としてはむしろ当然よけいかかるのではないか。したがいまして、障害補償で、御主人がなお労働能力を喪失しながら生きておられる。精神的には確かに御主人が生きておられるということで力強いとは思いますけれども、費用という観点から考えますと、そういう方々に対します補償は、当然御本人の引続きの御生活プラス奥さん及びお子さん等々を考えなければいけない。さらに先ほども例として申し上げました重篤な方でございますと、プラス御主人の生存だけでなくて、介護のための費用がかかる。こういうことでありますので、障害補償はそういう点全部含んで考慮した額でなければならないと思います。 御主人がなくなられました場合には、確かに御家族の精神的な打撃というものは非常に大きいと存じますけれども、自後の生活という点から考えますと、御主人の生きておられたときの生活、あるいは介護のための費用というものは今度は必要がなくなって、奥さん及びお子さん等々の御遺族の生活を考えればいい、こういうことになるわけでございます。そういう費用の点から考えまして、やはり障害補償の年金額のほうが、御主人がなくなられた場合の遺族補償よりも高額になっておるというのは、それなりの合理的な理由があるのではないか、私どもはかように考えておったのでございます。
○山中(吾)委員 局長の説明は非常に論理的だと思うのです。私もそう思った。したがって、在世中のいわゆる療養費とか、その分をなくなったとき差し引いて遺族には支給するという算出方法が出ておれば、私はそれで納得するわけなんです。在世中に労働力がゼロになった。しかし一方療養費がかかる、そういう計算で保険給付金があった。なくなったからその分だけ差し引いて、いままでの二割を引いて八〇%やるとか、七〇%やる、しかしそれは三年間だ、あとで就職その他新しく生活の道が開ける、だんだん開けていくだろうから、自分で働いていく道も開くだろうから、最初の、死後三カ年は七〇%、六カ年になったら五〇%という出し方ならば、身分的な思想が混入しないで、あなたの言った論理のとおりの遺族補償給付が出てくる。そうでないものだから、五十歳以上五十五歳未満の妻については三五%、五十五歳以上は四〇%、全然そういうことの実態に即した算出の基礎を持たないで、年齢でこういう出し方をしておるということが、どうも論理的に何か伝統的な思想が混入しておるのではないか。 それで五十歳以上五十五歳未満の人はなぜ五十五歳以上の者よりも五%低くしたのか、それがわからない。その他の者は三〇%、これもわからない。若いから働く能力があるという仮説の上に立っておるのではないかと思うのですが、そういうことを言えば、乳飲み子を持っておる奥さんのほうがなお困るのではないかとも言えるし、あるいは現在五十歳前後になると、子供は大学に入るときだから一番金がかかるという一つの実態もあるし、この出し方では説明がつかないのじゃないのか、私はそう思った。どこか国際的な年齢に立ったのか、あるいは日本独特の皆さんの案なのか、調べていないからそれは私はわからない。しかし、少なくとも労災保険の給付制度については私は論理的でないと思う。一べつしたときに私はそういう感想を持った。どうですか、その辺は検討されるべき問題ではないのですか。
○渡邊(健)政府委員 先ほど障害年金と遺族補償年金との差を申し上げましたのは、労働者御本人が障害を受けてなお生きておられる場合の費用、そういうものを考える必要があるので遺族年金よりは差があるんだ、こういうことを申し上げたわけでございますが、遺族年金の中で、特に妻につきまして年齢によって差がございます点の御質問、これは先ほどの説明では全然申し上げておりませんでしたのでありますが、これにつきましての考え方は、遺族の奥さんの場合にはいろいろな事情があられると思います。働かれることが容易な方、容易でない方等々いろいろあられると思うわけでございますが、若い方でございますと、お子さんがいらっしゃる等々で、もちろん一〇〇%の普通どおりの収入を獲得することは困難な場合が多いかと思いますが、いろいろな方法で収入を得られることが、労働能力からいってなお可能ではないか。しかし、日本の雇用の現状等々から見ますと、五十歳くらいになりますと女の方等はなかなか所得を稼得するということが困難である。もしそういう道があっても非常に労働能力がお年で減退いたしておるために些少にならざるを得ない。さらに五十五歳以上になられるというようなことになりますと、社会通念的にも婦人の方で五十五以上というような方はなかなか労働力として認められませんで、それからまた肉体的条件等からいたしましても、何らかの収入を得られるということがほとんど期待できない。そういうようなことで、五十歳以上の方、五十五歳以上の方ということでこういう方には特に年金額を多くいたしておるところでございます。
○山中(吾)委員 そういう分析がどうも机上の、頭の中の分析のように思えてならない。女性が結婚するのは大体二十四、五歳、おそくても二十五、六歳ですから、女の場合は五十歳になると子供は二十五歳で、大学を出て就職するぐらいです。男は三十歳ぐらいですから、男の場合は家計で一番圧迫を受けるのは五十五歳、六十歳で、首を切られるときで、一番困難なときに定年がある。女の場合は若いですから、五十五歳ぐらいはむしろ生活は安定する場合が非常に多いのではないか。そういう論理でいきますと、これはなお実態に即さないパーセンテージになると思うので、そうでなくて、ベースを変えて、なくなったときから何年間は、いままでの生活状況が新しい条件になるまでに非常な地ならしが要るんだから、それまでは何%というような支給額の算定の基準も加えないと、おそらくこれは矛盾があるのではないかと私は思うのです。問題提起をしておきたいと思います。検討してください。 その次に最後に、私はいろいろのこまかいことはお聞きいたしません。ただ、基本的に法律を施行する行政官でなくて、法律の改善をしていく方向に持っていく立法府の一員ですから、そういう立法府的な論議を中心にしていきたいので、いま申し上げたわけでありますが、雇用促進事業団というのがあります。これはどういう仕事を現在しているのですか。
○中原政府委員 雇用促進事業団は政府の職業安定局と一体となりまして、雇用の促進、職業訓練その他福祉施設の設置、運営等、主として雇用の促進を中心とした業務を行なっているわけであります。
○山中(吾)委員 それは雇用促進事業と書いてあるんだからそのとおりなんです。その中身を聞いている。
○中原政府委員 雇用促進事業団の業務の一番大きなものとしましては、福祉施設の設置、運営がございます。毎年約一万戸に及びます雇用促進住宅の建設、運営、それから総合職業訓練校、各種の福祉センター、こういうようなものを福祉施設として設置いたしまして、これを運営していく、このような仕事が一番大きな仕事でございます。その他各種の仕事をやっております。
○山中(吾)委員 私はきょうは偶然に雇用促進事業団委託勤労青少年研修館の竣工について御臨席賜わりたいという案内をいただいておるのです。オリンピック記念青少年総合センター理事長と雇用促進事業団理事長堀秀夫氏と二人の連名で、行くつもりであったが質問の時間になったからとうとう遠慮しました。 そこで、この勤労青少年研修館という事業も、この事業団で行なわれておるようでありますが、そのとおりですか。
○中原政府委員 先生御指摘のとおりでございます。設置は雇用促進事業団でいたしましたけれども、これを委託いたしまして、いまのオリンピック記念センターのほうに委託する、こういうようなことでございます。
○山中(吾)委員 これは直接法案に関係しておる意見ではないのですが、私の日ごろ矛盾を感じておることで、職業安定行政に要望することで御質問したいと思うのですけれども、この勤労青少年、いわゆる若年労働者というのは、義務教育を終わった十六歳、十七歳、十八歳の未成年を対象としたのであると思うのですが、こういう十六、七歳の青年諸君を雇用促進するという事業に私はほんとうは反対なんです。こういう子供に労働災害の適用を受けさすようなところ、あるいは失業保険の対象にするようなこと自体が、どうも社会制度として矛盾を感ずる。ことに現在高等学校への進学率は八十%に達して、東京都の青少年は九五%になっている。わずかに残った貧困な青少年をこういう労働保険制度の適用対象にしなければならぬような事業場に追いやって、それを国の予算で促進するようなことはどうも矛盾がある。なるたけ抑制したほうがいいんだ。とういう義務教育を終えて、高等学校に入れない少年諸君には、むしろ労働省においては職業訓練事業、高等学校に入れない者には、その肩がわりで三カ年の訓練学校でもつくってやって、そして事業場に出すまでにもっと技能をつけてやるというふうなことをこういう事業団でやるんならば私の気分に合う。しりをたたいて促進するために金を使うということはどうも私は自分の思想に合わない。どうですか。
○中原政府委員 先生のただいまのお考えに私ども全面的に賛成でございます。中学校は、御存じのとおり、卒業者は四十六年三月で百六十二万人おりますが、そのうち八一・七%が進学しております。それから就職する者は一三・六%でございます。したがいまして、昭和三十年には約四二%が就職しておりまして、進学はわずかに四七・七%であったのでございますが、わずか十五年の間に八一%が進学するようになってきております。この数字はもっと上がると思うわけでございますが、労働省あるいは雇用促進事業団といたしましては、中学を出た生徒たちをなるべく雇用を促進するというような手だてはとっておらないわけでございまして、学校と協力いたしまして、進学する者あるいは就職する者というふうに、進学指導、就職指導を行なっているわけでございますが、その本人の適性、進学がいいのか就職がいいのかというような適性と希望に見合いまして十分指導を行ないまして進路をきめるということでございます。それから総訓、これは事業団でやっている訓練校でございますが、その他、県でやっております訓練校、こういうようなところも活用いたしまして、少なくとも高校へ行かない方は訓練校へおいでいただく、あるいは職場に出る方もなるべく夜学の通学をはかっていただくようにお願いいたしまして、そういうところにはなるべく優先的にしていただくということで、先生御指摘のような点を、学校と職業安定所とが協力いたしまして努力いたしているわけでございます。
○山中(吾)委員 私は十八歳まで義務教育化を主張しておる人間だから、そういう立場から言っても、労働行政でも、もうすでに同一年齢人口の八〇%以上が高等学校に行っておれば、あとの二〇%ぐらいは、事業場に働いても週に二日ぐらいは職業訓練所に通勤をさせるような勧告を事業主に対してして、教育的労働という期間にすべきであって、そういう低賃金労働者をしりをたたいて追い出すような事業は決してやるべきではない。私は特に要望したい。 ところが、企業の利潤追求の立場からいうと、低賃金の中学卒業生を多くとりたいという一方の要望があるけれども、私は労働人口は少しも減らないと思うのです。日本の平均年齢が男は六十九歳、女は七十三歳になっておるのであるから、労働基準法を改正して、十五歳から就労するのを十八歳にして、下限を三歳就労年齢を上げて、定年を六十歳にすればいいじゃないか。そして質のいい労働者を供給すればいいので、現在の十五歳から開始して五十五歳にするくらいなら、十八歳から六十歳にしたほうが、労働人口は減らないで質は高くなり、そして低賃金の温床はなくすることができる。労働行政の識見として、そういう一つの労働人口のあり方も、労働年齢というものを含んで、検討すべき段階に来ておるのではないか。きょう雇用促進事業団の勤労青少年のそういう施設の落成式の招待を受けて、そういうところに金を使うのは何だか矛盾を感じ、こういう十五、六歳の少年を痛々しい労災保険の適用対象にするということはどうもそぐわないので、そういう方向の努力を切望いたします。 問題提起だけになったようでありますけれども、ひとつ大蔵省も特別会計制度を出し惜しみしないように、悪用しないように、もう少し新しい社会の変化に応じて検討願いたいし、労働省においても、そういう前向きの行政思想の変革を考えて前進をしていただきたいし、こういう法律についても、私はそういう意味からいったら非常に足踏み的な法案であると思いますので、所見を申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○齋藤委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 私は、きょうは週休二日制の問題について、いろいろの方々から御意見なり方針をお伺いしたいのですが、それに先立ちまして、昨年の十二月十四日に労働基準法研究会の報告が出ているわけなんです。これがこの論議のベースになると私は思うので、まずその点からお伺いしたいのですけれども、その報告書の中心的な内容の一つは、日本人はどうも労働時間からいって働き過ぎるのではないかという前提にまず立っていると私は思うのです。 今後政治の中心が生産第一主義、成長率第一主義から国民福祉優先の観点に変わってくる。あるいはまた円の再切り上げがうわさされる、あるいは年内にあるのじゃないかという情勢の中で、国際間の公正な競争として、はたして日本の労働時間というのは、ソシアルダンピングになっていないのかどうなのか、その辺が一つ大きな問題になってくると思うのです。 まず労働省に、これは基準監督局だと思うのですが、お伺いしたいのですけれども、ILOの統計なんかでもいろいろな数字が出ているものですから、必ずしも一律的に、はたして日本の労働時間が長いのかどうかというふうに、その数字だけを見たのでは比較ができないわけで、そのあたり、まず、日本の労働時間というのが他の国に比べてはたしてどうなんだろうか。昭和三十五年には大体日本で週四十六・八時間だったのが、四十五年には四十三・三時間、この十年間に約三・五時間減っている。ところが、これに比べてアメリカの場合にはこの十年間に五・六時間、西ドイツでは四時間、英国では三・五時間、こういうところから見てみると、日本はどうも働き過ぎるのではないか。しかもまた、あとから問題になるように、完全に週休が実施されているのは全企業の〇・四%ぐらいであるというようなことになると、はたしてこの国際比較、国際間の公正競争からいって、日本の労働時間というのは少し長過ぎるのではないかというふうにも思うのですけれども、ほんとうに日本の労働時間というのは、いろいうな比較のしかたがあるし、その出てくる数字というものが違うので、必ずしも簡単に数字だけで比較できないわけですけれども、そのあたり、労働基準局として、現在の日本の労働時間というものをどういうふうにごらんになっているか、まずその辺かう始めたいと思うのです。
○渡邊(健)政府委員 確かに先生御指摘のように、労働時間の国際比較ということになりますと、それぞれとり方が違っておるわけでございます。生産労働者だけしか統計をとってない国もございますし、ブルーカラー、ホワイトカラーを含めてとっている国もございまして、厳密な比較は非常に困難であるわけでございます。しかし、それらを通じまして大まかなわれわれが持っております感じで申し上げますと、日本の場合は、かつて昭和三十年ないし三十五年当時までは、非常に長時間であった。月の平均労働時間は二百時間をこえておるといったような状態でございまして、長時間労働であったことは否定できない状況でございますが、その後日本の経済の発展、生産性の向上ということもございますし、労働力不足等々から労働力確保のためにはあまり長時間労働であると労働力確保ができないといったようなこともございまして、逐次労働時間は減少してきております。これは所定内労働時間におきましても所定外労働時間につきましても減少してまいっておりまして、最近では大体四十三時間ないし四時間程度のところまでまいっておるわけでございます。 これを国際的に見ますと、アメリカは非常に労働時間短縮が進んでおる国でございまして、御指摘のように、いろいろな資料をとってみましても、平均いたしますと週四十時間以内になっておる。そういう意味で日本よりもはるかに労働時間は短いというふうにわれわれ考えております。ヨーロッパの場合は国によって多少の違いがございますが、大体アメリカよりは平均労働時間が長くて、四十時間をこえておるのが西欧先進国の大体の現状ではないか、そういう意味においてはアメリカほどの大きな差はない。しかしながら、それらの諸国と比べましても日本の現在の労働時間は決して短いほうではない。最近は著しく長いとは申しませんけれども短いほうではない、かように考えております。 特に諸外国と日本を比較した場合に大きく違いますのは、ヨーロッパの先進諸国は最近では大部分が週給二日になっておるわけでございます。アメリカのほうは週休二日からさらに最近は三日制が非常にふえつつある、こういう状況でございまして、それに比較いたしますと日本の週休制度はようやく昭和四十年ごろから一部において週給二日制をとるものが出てまいりましたけれども、それも完全な週休二日というのは非常にごく少数でございまして、月に一回とか月に二回程度の週休二日制度がようやく四十年ごろから導入されて、最近はそれが逐次ふえつつある、こういう状況でございますが、ほとんどが週休二日制をとっているヨーロッパあるいはさらに週休三日が普及しつつあるアメリカ等と比べますと、そういう面では日本はまだ相当立ちおくれておる、こういうふうに考えておるところでございます。
○佐藤(観)委員 そこで、いま労働基準法では週四十八時間が大原則、もちろん特例もいろいろあるわけですけれども、四十八時間になっているわけですね。この前の報告書ではこれを再検討しなければいけないんじゃないかということになって、再検討というのは長くするわけはないので短くするわけなんですが、これをどのくらいまで短くするかということが非常に大きな問題になると思うのです。その辺のところは昨年の十二月十四日に出たこの答申というのを労働基準局としてはどういうふうにごらんになっているのか、どういう感想というとあれですが、四十八時間は検討せよ、しかし長さについては何ら書いていないので、そのことについていまどのあたりのことをお考えになっているのか、どうでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 先生お話しのように、昨年の十二月に出されました労働基準法研究会からの労働時間、休日、休暇関係の御報告では、現在の基準法の労働時間制については再検討するように述べられておるわけでございます。私どもも日本の経済がこれだけ発展してまいっております現在、経済発展の成果を勤労者にも配分してその福祉の向上をはかっていくことを考えるべきは当然でございますし、それから先ほど申し上げましたように、他の先進諸国の労働条件改善の動向等々からいたしましても、昭和二十二年の基準法施行以来すでに四半世紀をたっておりますので、最近の時点にたちまして労働時間制についても検討をする必要があると考えておるわけでございます。 しかしながら、労働時間制の検討ということになりますといろいろな関係がございまして、所定内の労働時間だけを独立して取り上げ得るものではなく、当然時間外労働等々の問題もございます。それから基準法におきましては、婦人だとかあるいは年少労働者についてのいろいろな時間制限もあるわけでございまして、企業にとってみますと、所定内労働時間だけが問題でなくて、企業経営全体から考えますと、こういうものを含めた全体の労働時間がどうなるだろうかということが非常に問題になるわけでございまして、われわれといたしましてもそれらを総合的に考えていかなければならない、かように考えておるわけでございます。 基準法研究会は昨年労働時間、休日、休暇について御報告が出ましたけれども、特にその後引き続き婦人だとか年少労働者のいろいろな保護関係の問題をいま検討されておるわけでございまして、やはりそれらの御意見等も承った上で総合的にこの問題の検討に取り組むことが合理的であるとわれわれは考えておるわけでございます。したがいまして、いまそういう面の検討は研究会で引き続きなされておりますので、この御報告をお待ちいたしておるところでございます。 そういう段階でございますので、現在の基準法の労働時間制について再検討をしたいとは考えておりますが、それをどの程度減らすことを考えているのかという点につきましては、まだそういう具体的な中身等々まで具体案を持っておるわけではないということを申し上げておきたいと思うわけでございます。
○佐藤(観)委員 実はこの週休二日制の問題を論ずる場合に、一週間の労働時間はどのくらいにするかということが非常に関連をしてくるわけなんです。本来の週休二日制の問題に入るんですけれども、どうもいろいろ資料を調べてみると、週休二日制といっても四十八時間のワクの中で、つまり土曜日働いていた部分を他の残りの五日間に分割をするというのがかなりある。私もデータを見てみるとそういうことが出てくる。これでは全体的に社会福祉という観点からいっても労働者を休ませるということにもならないし、それから国際間の公正競争という点からいっても労働時間総ワクが一緒ならばこれはしようがないんで、というふうに考えてくると、やはり四十八時間労働というものがはたして現状としてどんなものだろうかということがここで非常に問題になってくると思うのです。 本題に入りますけれども、労働省が考えていらっしゃる週休二日制、大体週休二日制といっても五種類くらいいろいろ種類としてはあるわけですけれども、週休二日とわれわれが言う場合、やはり完全週休二日制を頭に置いているわけなんですが、その場合の全体的な労働時間、これは非常にむずかしい問題ですけれども、どういうふうに考えられているのか。これはどのくらいでこれから週休二日に移行していくか。また業種によっていろいろ形態が違いますからむずかしい問題ですけれども、四十八時間をいままで六で割っていたものを五で割りかえるというだけでは、これは週休二日といってもあまり意味がないのではないか。全然意味がないとは言いませんけれども、またあとでそれもお聞きしますが、そのあたりのことを、週休二日制と一週間の労働時間との関係、このあたりは一体どういうふうにお考えになっていらっしゃるか。
○渡邊(健)政府委員 週休二日と申します場合に、従来の労働時間との関係におきまして申しますれば、六日間働いていたうちの一日をまるまる休日にするというような形になれば非常にこれは理想的な形であると考えるのでございますが、しかし一挙にそういうことを期待いたすということになりますと、これはとてもそういうことならば週休二日、近い機会には採用できないというような企業も少なくないわけでございます。 そこで、われわれはやはり週休二日ということにいろいろな意味においてメリットがある、かように考えておりますので、当面の週休二日の普及を促進する見地からいたしますと、一日の労働時間は若干延びましても週休二日制を採用していただくことが非常に現実的な週休二日の導入の方法である、かように存ずるのでございます。先ほど申し上げました昨年十二月の基準法研究会のそのことに関します御報告におきましても、一日の所定労働時間が多少延びても一週間の労働時間が短縮される仕組み等を含めて、実質的内容において週休二日が一般的に実現されるようなことが望ましいので、その普及、促進をはかれというような御意見も述べておられるところでございます。 そういう意味におきまして、私どもは六日労働であったものの一日をまるまるその労働時間をゼロにいたしまして週休二日制にするという形でなくても、一日の労働時間を若干延ばしても週休二日を、できるならば採用することが望ましいんだということで推奨をいたしておるところでございます。 しかしそういう場合も、われわれが調査した結果によりますと、四十八時間を六で割っておったものを五で割るだけであって、時間が全然短縮にならないという例はほとんどございませんので、一日の労働時間を若干延ばして週休二日制をとった場合でも、週間の総数で申しますと、やはり六日制の場合よりは若干ずつは労働時間が短縮になっておる、こういうのがいままで週休二日制を導入いたしております企業の実情でございますので、やはり週休二日制を採用すればそれだけ労働時間のほうも結果としては短縮が進むもの、かように考えておるところでございます。
○佐藤(観)委員 その際に、いままで八時間労働をしていたところが週休二日になって八時間以上延びるわけですね。このあたりは労働基準法との関係はどういうふうになるのですか。
○渡邊(健)政府委員 基準法は一日八時間制のほかに週四十八時間制ということをとっておりますので、週四十八時間以内の中であれば一日が八時間をこえましても、それは基準法上違反になることはないわけでございます。しかしながら、いままで週休二日を導入いたしております企業のわれわれの調査結果によりますと、八時間をこえて延ばしておるという例はパーセンテージでいいますと非常に微量でございまして、大部分はいままで七時間とか七時間半とかとっておりましたものを若干延ばして週休二日にする、しかし一日の労働時間も八時間の中であるという場合が多いわけでございます。
○佐藤(観)委員 おたくからいただいたこの資料でも、週休二日制の実施に伴う企業の対応措置で、一日当たり労働時間を延長しているところが、全企業——もちろん調べた企業は千四百幾つでしたけれども、その企業のうちの三〇・九%、大体三分の一弱が一日当たりの労働時間を延ばしておるわけなんですね。もう一つ、週休二日制実施企業の一日の所定労働時間、これを見ますと、一番多いのが七時間をこえ八時間未満というのが四九・五%、約半分が七時間から八時間の間の労働時間、八時間をこえるものが三二・九%で、やはりこれも三分の一ぐらいは八時間をこえる労働時間があるということになっているわけですね。このあたりのところが、いま渡邊局長は四十八時間を単純に六で割っていたものが五で割ったということにはなりませんけれども、この週休二日制ということを考える場合に、あとから申し上げますように、企業にとってみて効果が出たというのは、ある程度労働生産性が落ちないという理由の中の一つに、労働時間が減ってないから落ちないという部分があるわけですね。 そういうことから考えてみますと、完全週休二日制をとった場合に、労働時間というものははたしていまの総ワクでいいのだろうか。つまり基本的に四十八時間という総ワクがいいのだろうか。これも徐々に短くしていく方向に行かなければいけないのではないかと思うのですが、そのあたりどうですか。
○渡邊(健)政府委員 ちょっといまの御質問にお答えする前に申し上げたいと存じますのは、先生いま資料で週休二日制を採用した企業の一日の所定労働時間、八時間をこえるものが三二・九とおっしゃったのでございますが、その資料の十六ページの第十六表にございますが、三二・九というのはちょうど八時間のものが三二・九でございまして、八時間をこえるのはわずか一・二%でございます。 完全週休二日制が進めば、当然四十八時間制というものは短縮の方向に向かうべきではないか、こういう御意見でございますが、その点は私どもも同意見でございまして、現に日本の所定労働時間の平均は四十八時間よりも短くなっておるわけでございますので、週休二日制が進む場合には、当然四十八時間制というものは、実際の面におきましてそれよりも短い方向に向かっていくであろう、かように考えております。
○佐藤(観)委員 この週休二日制の問題は、前労働大臣の原さんのときから提唱されて、今日まで大臣がかわってもきているわけですけれども、おたくの調査結果によりますとかなり効果があるということで、生産能率が向上した、あるいは災害、疾病の減少あるいは従業員採用の有利性あるいは容易性あるいは転退職者が減ったというようなことでいろいろ効果が出ているわけなんですが、この中でたとえばどこもここも会社がみんな週休二日制になる。そうすると従業員採用の有利性という部分はだいぶ消えてくるのではないかと思うのですね。そんなことも将来考えて、これからの週休二日制の方向としては大ざっぱにいってどういうことになりますか。
○渡邊(健)政府委員 週休二日制を採用いたしますことにつきましては、企業にとっても必ずしもマイナスでないということで、いろいろ調査からいま御指摘のような有利性の結果も出ているということを申し上げているわけでございますが、われわれ基本的に週休二日制を進めておりますのは、一口で申しますと労働者、勤労者の福祉の向上という観点からこれが非常に効果的であるということで進めておるわけでございます。 もう少し申し上げますと、日本は長らく経済の成長をはかって努力をしてきたわけでございますが、自由諸国第二位というGNPを到達いたしました現在では、その成果をやはり国民福祉の向上に配分すべきではないか。その配分につきましては、いままでは所得の向上ということが中心でやられてまいりましたけれども、所得が向上してまいりますと国民の選好傾向も多様化してまいりますし、あるいは産業の高度化、近代化というようなことで、疲労とかあるいは精神的ストレスといったようなものもふえているというようなこと、あるいは大都市を中心といたしました通勤事情だとかあるいは生活環境、職場環境といったような問題、あるいは今後産業の高度化に伴って労働力の質の向上が叫ばれ、そのために知識、技能の向上、そのための自己再開発とか生涯職業訓練だとかいうような要請もある。そのためにも労働時間というようなものが関連をしてくる。それらを総合いたしまして週休二日をすることが労働者の福祉の向上になる。こういうことで推奨をいたしておるわけでございますので、先生御指摘の採用の有利性等々は、これは全部そういう状況になりますれば同じ採用条件になるわけでございますから、そういうメリットはその限りにおいては普及とともに減ってまいりますけれども、全体としての週休二日制を推進いたしておりますそれなりのメリット、こういうものは普及した暁に決して消滅するようなものではない、かように私は考えております。
○佐藤(観)委員 そこで、いまの普及状況なんですけれども、全企業数からいくと、とにかく週休二日制、いわゆる隔週であれ月に一回であれ、そういうものを入れると四・四%、完全週休二日制だと〇・四%という数字になっておるわけですけれども、現状で政府もかなり笛や大鼓をたたいておるわけで、これは私たちも大いに賛成をしておるわけですが、今後の見通し、これはいかなるものかということなんです。 ここに一つ大きな問題は、これからあとに申し上げますいわゆる公務員と銀行の問題がからんでくるわけなんですね。私の質問は、こういうふうにしたら一番お答えが早いと思うのですけれども、公務員と銀行が先行——つまり公務員と銀行が先にやらなくても、はたして製造業なりその他の部分から非常に早いスピードでいくと現在の数字から見られているのか。あるいはやはりそこに起爆材として公務員と銀行、この両者についてまたあとでいろいろ論議をするわけなんですけれども、公務員と銀行、金融機関というものがやはり、起爆材ということばはいいかどうかわかりませんが、牽引力となってやっていかないと、これは将来的に早いこと週休二日制というものが日本に普及しないものなんだろうかどうか、そのあたりの点についてはどういう見通しを持っていらっしゃいますか。
○渡邊(健)政府委員 現在全企業で四・四%という週休二日制の実施率でございますが、これは四十五年九月の調査でございまして、かなり以前の調査でございます。四十六年九月にも調査をいたしておりまして、その数字、近く出ると思っておりますが、四十五年よりはおそらくかなりふえた結果が出るであろう。さらに、最近今年に入りましても、私どもの耳に入ります限りでもかなりいろいろな業種あるいはいろいろな企業で週休二日制を新たに採用するものもふえておりますので、ことしの春闘が終わった段階等におきましては、その四・四%という率よりは、かなり週休二日制の増加が見られるものと期待をいたしております。今後につきましても、大企業を中心といたしましては私はかなり進むんではないか、かなりのスピードで進むのではないか、かように考えております。 ただ、中小企業におきましては、なかなかいろいろ労働に関する問題がございまして、これはそう早急にはいかない。やはり大企業等で週休二日制が進んでいった暁に、中小企業も、その企業経営の近代化あるいは生産性の向上等々と相まちつつ労働力確保等の必要からおくれて普及が進むものと考えております。
○佐藤(観)委員 そこで局長、私のお伺いしたいのは、公務員と銀行という牽引力がはたして必要かどうか、必要だというお見通しになっているか、いや、やはり銀行、公務員にしても違った意味でのサービス業ですからね、あとでいいんだ、公務員については、山中長官の発言もあり、いろいろ投書なんかもあることはあるのですけれども、そういうような索引力というものが、今後週休二日制を普及さしていくためにやはり必要なのかどうか、あるいはそれがなくても、製造業から始まって徐々に、かなり早いスピードで普及していくものなのだろうかどうだろうか、その辺がお伺いしたいわけなんですがね。
○渡邊(健)政府委員 私ども、金融機関ないしは公務員等の週休二日制についてもいま検討をしておるわけでございますが、これはやはりそれぞれそういう金融機関なり公務員といったようなものは、いろいろな関係があるわけでございまして、私ども決して索引力とかそういう意味で金融機関の週休二日制の推進あるいは公務員の問題を検討しておるわけではないわけでございます。 金融機関について申し上げますと、昨年末くらいまでに、銀行等におきましては、大部分のところが月一回の週休二日制はもうとられておる。そして逐次これを推進していこうという御機運が金融機関にはあるというふうに私ども承知をいたしておりましたので、したがって銀行等の金融機関においては週休二日制をさらに進めていただく基盤がある、そういうことが可能な業種であるということで、さらにそれを進めていただくよう御検討願いたいということを、大蔵省を通じまして銀行協会のほうにもお願いを申し上げ、銀行協会のほうでも前向きの姿勢でこれを検討しようということに相なっておるわけでございます。 それから、公務員関係につきましては、これは国民のコンセンサスの問題でもございますので、私ども決してそれが先行して、索引力にするためにその週休二日制を考えるべきだということを申しておるのではないのでございますが、民間におきましても、先ほど申し上げましたように、逐次週休二日制が進んでいく、そうすれば、いつの時点かにおきましては公務員についてもそういうことが問題になるであろう。しかしながら公務員につきましては、そういう問題が現実の問題になりましても、業務の関係あるいはそれをやる進め方の関係等々いろいろ問題がございます。場合によりますと、法令上の問題等々もあり得るわけでございますので、やはり前広にいろいろな問題点を検討しておく必要があるのではないかということを考えまして、検討を始めてはどうかというようなことで関係省と御接触をしておるところでございまして、決して牽引力とかそういう意味で取り上げておるわけではないわけでございます。 私どもといたしましては、牽引力とかなんとかということを抜きにいたしましても、やはり先ほど申しましたように、製造業その他におきまして、大企業を中心に週休二日制というものは今後進み得る状況にあるし、われわれもそのためにできるだけの御援助、理解の浸透等をはかってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○佐藤(観)委員 そこで、大蔵省にお伺いをしたいのですけれども、まず金融機関の場合です。いま具体的には銀行なんですけれども、これは、いま無人預金引き出し機もそろそろ始まったようですし、銀行を土曜日休みにした場合に具体的にどういう弊害があらわれるだろうか。私、ざっくばらんに言って、公務員の方にしてもあるいは銀行にしても、あるいは公務員の中には学校の先生なんかも入るわけですけれども、まあ土曜日三時間ですね、九時から十二時まで三時間おつとめになるのに、これは昔千葉県の加納知事のやられたときにいろいろ問題になりましたけれども、三時間働きに来るのに往復三時間かかるとか、いまはもうそんなことざらなわけですね。その辺のところからいくと、必ずしも合理的なことじゃないのじゃないか。公務員の場合は、いろいろ気持ちの上でひっかかりがあることはあるんですけれども、銀行の場合を考えてみたときには、もちろん銀行法の改正を含めて、これを改正すればいいことですから、たいした問題でないと思うのです。銀行が土曜日休みになった場合に、具体的にどういう弊害が起きてくるだろうか。普通の預金の引き出しという部面については、これから無人の預金引き出し機がかなり普及するでしょうし、その辺からいくとそう弊害はないだろう。それから、いま渡邊労働基準局長からお話があったように、将来どう見たって国際的に週休二日になっていくわけですよね。ただでさえ円の切り上げ、今度あるとしたら単独切り上げ、これがいま問題になっている。しかも日本の場合、労働時間が特に長いというわけではないですけれども、長いということが問題になっているときに、そういう流れからいって、銀行なり公員なり、できるところからやってかまわないのじゃないかというふうに考えるわけですね。その辺のところを、銀行局と申しますか大蔵省としてはどういうふうにお考えになっているか。
○松川説明員 ただいまお話しの週休二日制は、土曜日に銀行を全部とめてしまう、こういう意味の週休二日制と理解して答弁いたしますが、銀行がやっております仕事は、御承知のように、非常に公共性の高いものでございます。この公共性の高いという意味には二面ございまして、一つは、ただいま御指摘のように、預金者が預金をしたい、また預金を引き出したい、そういう金の出し入れに直接関係する面がございます。もう一つは、いろいろ取引関係を精算する機能を負わされておりまして、そのために土曜日にもそういう金融サービスをしてほしいということが、主として取引関係から出てまいります。そういう必要性がございます。 そこで、現在そういう必要性を、土曜日においては月曜まで延ばしてくださいという情勢にあるかどうかということでございますが、実態から見まして、まだ日本の現状ではそこまでいっておらぬのではなかろうかという感じがいたします。たとえば外国の例を見ましても、世上しばしばフランスとイタリアは銀行主導型で、銀行が先にやった、ほかの国は、ほかの産業が主導型で、それが先に土曜日休むようになってから銀行も休むようになった、こういうことがいわれておりますが、私ども、銀行のほうで調査いたしました資料を見ますと、たとえばフランスにおきましては、土曜日休みになりましたのは大きい銀行でございまして、預金者の土曜日における受け払いのニーズというのは小さい。たとえば農民信用組合とか、こういうところは土曜も窓はあいておった。そういうところが土曜日におけるニーズを満たしてくれるという事情があったかに聞いております。そういたしますと、どこの国でも産業の実態のほうが先行いたしまして、それを追いかけて金融機関が週休二日制を採用していくのが経済の実体の流れではなかろうか、このように考える次第でございます。 なお、ただいま銀行法の改正が必要だとおっしゃいましたが、経済の実体面のほうから申しますと、そのほか手形法、小切手法、そういったものの改正が必要になってまいります。これらも実態のほうが先行いたしまして、その辺に土曜は休みにするんだという国民的合意ができますならば、そういうサービスを提供しておる金融機関も土曜日窓を締めることができる、このようになるのではないかと考えております。
○佐藤(観)委員 国民的合意ということばは、非常にいいことばだけれども、これは調べようがあるわけではない。先ほど渡邊局長もちょっと言っておられたように、一つは、日本人は働き過ぎだという非難を受けて、そして今度ドルがたまって、国際間では不公正な競争だと非難される。こういう一つの実体的側面がある。もちろん勤勉であることは非常に大切なことで、日本人として誇りに思うべきことですが、それと関連をしますけれども、日本のいままでの経済政策というのがあまりにも成長第一主義であった。したがって、福祉ということが忘れられてきた。こういう面からいくと、どうしても将来とも週休二日制にしなければいけない情勢にあると私は思う。 しかもいまは、ドルの保有高が百六十四億ドルということで非常に高くなっている。ところが、アメリカの二月の貿易収支の赤字は六億ドルですか、これは月にして史上二番目という。そうすると再び、日本は単独の円切り上げを迫られるだろう。そういうような時期に日本だけが長時間労働を——長時間というとまた語弊がありますけれども、他の先進国に比べて長時間の労働をしている。しかも銀行を見てみると、たしか先進国で土曜日やっているのは日本だけだ。もう一カ所どこかあったですか、とにかくほとんどないわけですね。そういう情勢ですから、経済の基盤である金融から始めていくのは必ずしも悪いことではないのじゃないか。いま松川さん言われたように、現在でも銀行法を改正しないで、つまり土曜日は半分だけ人が出てくるというような形でやっているわけですからね。しかもいま勤務の状況なんかいろいろ聞いてみると、コンピューターが入ったことによって、逆にかなり労働がきつくなっているという数字がずいぶん出て、このごろ女の方が銀行を好まなくなったというデータもあるわけですね。そういうようなことから考えていきますと、私は、週休二日制というものがこれから定着していくならば、まずできるところ、つまりいま土曜日三時間しか労働していないようなところからやっていってもいいのじゃないかというふうに考えるわけなんです。 日本経済自体が、金融が経営に非常に参画をしているというか、金融主導型の部分が経営にあるものだから、そういう面では、土曜、日曜休みにしても、銀行の場合は利子がつくということで、いろいろ国民的感情の反発はありますが、松川さん言われるように、国民的合意ということばはいいけれども、その機が熟するまで待っていると、いま日本の置かれている経済情勢からいって少しおくれをとるのではないか。それならばできるところ、つまり現在、土曜日三時間しか働いてないというか、銀行は表向きとしては三時間ですね、中で事務処理が二時間ぐらいあるわけですけれどもね。そういうことから、ラッシュのこと、その他のこと、いろいろ考えてみて、もう少し前向きに考える必要があるのじゃないか。 私は、あとでまた経済企画庁の方にお伺いしますけれども、この週休二日制というのは、かなり画期的なことだと思うのですよ。というのは、いままでは一週間のうち一日休みだったわけですね。それが二日になるということは、パーセンテージにしますと一四・三%くらいに当たるわけです。たいへんな率の休みになるわけですよ。アメリカのいろいろな資料を見てみると、週休三日になったことでずいぶん人生観が変わって、初めて人生が開けたなんという報告もあるくらいですから、二日になれば、これはかなりいろいろなものの考え方を変えなければいけないと思うのです。この辺は最後に経済企画庁の方にお伺いをしたいのですけれども、そのくらいの画期的なことをやるのですから、もちろんいろいろ抵抗はありますよ。抵抗はあるけれども、いま日本の置かれている経済情勢、それから成長第一主義から社会福祉優先の政治に大きく軌道修正をしようというときには、やはりやれる部分からやっていく。しかも銀行と公務員がやれば、これはかなり企業のほうにも——私はあとで中小企業庁の方にお伺いしますが、これはまた一つ大きな問題があるわけです。その面でもう少し大蔵省も前向きに考える必要があるのじゃないかと思うのですけれども、いかがですか。
○松川説明員 ただいま先生御指摘のように、先進国の中で土曜も銀行のとびらを全部開いておるのは日本だけのように承知いたしております。そこで、経済が成長いたしましてGNPも大きくなってまいりますと、当然労働者と申しますか、勤労所得を得ている者もよけいな時間を余暇のほうに回し、充実した生活をする、いわゆる福祉型に指向していくということ、これは理想でございまして、その点は私も佐藤先生と全く同感でございます。そこで先ほどの御質問の際、私が土曜日もとびらを締める意味の週休二日制でございますかと念を押して御説明申し上げたのでございますが、現実の問題といたしまして、銀行法それから関連しまして手形法、小切手法等に問題があります以上、さしあたりはいわゆる交代休暇による勤労者のほうから見ての実質の週休二日制、こういったものを進推していくのが筋ではなかろうか、こういう感じがいたしておる次第でございます。現在の状況を見ますと、全国八十五行中、月二回週休二日制をとっておりますのが六行ございますし、月一回とっておるのが五十七行、そのほか二月に三回とか二月に一回とかいうのがございまして、勤労者のほうから見ての週休二日制を全然実施していないのは、全国銀行八十五行のうち二十行にしかすぎないというのが現在の状態でございます。 それから、先ほど先生からコンピューターが入ったが労働の質がきつくなったのではないか、こういう御指摘がございましたが、他方、労働時間の長さを見ますと、これは最近の協会のほうの数字でございますが、やはり減少の傾向を示しておりまして、ある銀行に至りましては、週の実働三十八時間三十五分という統計的な数字が出ておるところまで出ておるのです。 このように現在の置かれました状態から見ますと、銀行の窓を一律に土、日と二日締めてしまうということをやり、そのために国民生活のあちこちに金融サービスが悪くなったという御不満を持たれるよりは、現実に可能な方法で、すなわち従業員から見ての週休二日というのをなるべくふやしていって、他方国民経済のほうのニーズも十分満たしていくというのが現実面での最も好ましい妥協ではなかろうか、このように考えておる次第でございます。 なお、先ほど申し上げましたように、だんだん理想のほうに持っていきたいというのは私どもも同感でございます。ただ、時期的にまだちょっと早いような感じがいたします。
○佐藤(観)委員 まず、サービスの点についていえば、それはあいてないのとあいているのとどっちがいいかというと、あいているのがいいにきまっていますね、便利ですから。ただ、先ほど松川さんが最初のときに言われたように、じゃ、土曜日あいてないから月曜日まで待ってくれるかといったら、待ってくれないというのが多いでしょうけれども、しかし、週休二日制ということが全国的に普及してくれば、それはそれなりの決済のしかたがだんだん変わってくると思うのです。ですから、いま言ったように土曜日はあいているほうがいいか、あいてないのがいいかといったら、それはあいているほうがいいにきまっている。しかもお昼までがいいか夕方までがいいかといったら、夕方まであいているにこしたことはない。しかし、その辺のところは普通の、大きな商売でない限り、私も詳しくは知らないけれども、かなり無人の預金引き出し機についても幾らか出てきていることでもありますし、そういう面でカバーをすることでもいいのではないかと私は思うのです。 それから、いま松川審議官が言われたように、表はあいているけれども内部の週休二日制、つまり銀行法、手形法、小切手法を改正しない意味での週休二制目、店はあいているけれども内部の方は土曜日には人数が少し減って週休二日制にしているといっている部分ですが、いまここで資料がどこへ行ったかわからないのですけれども、そういうやり方では限度に来ているという銀行の労働担当の関係者の意見を私は読んだのですけれども、そういう面でもう銀行の表を締めて完全週休二日制というものをとらなければいけないような時期に来ているのではないか。この辺私ももう少し資料をいろいろ調べてみて当たってみたいと思うのですけれども、そのあたり確かに銀行が経営にかなり大きな部分左右している日本経済の体質からいろいろ反発がある。あるいはきのう総評の大木事務局長ともう一人、ちょっと名前を忘れましたけれども、週休二日制のことを十一時くらいのテレビでやっていましたけれども、それでもまだ時期が早いのではないかという経営者の方もいらっしゃる。確かにそういう意見もあるでしょうけれども、私は必ずしもそうは思わない。わずか三時間開くためにいろいろな部分が、たとえばラッシュの問題、交通の面でも電車の面においても、あるいは勤務時間三時間働くのに三時間も往復かけてくる、あるいは二時間かけてくるということも合理的でないのではないかという面で、もう少し大蔵省に前向きにひとつ考えていただきたいのです。 このあたり最後に、政務次官、どうですか、銀行の週休二日制の問題もう少し前向きに考えていいのではないか、できる部分からやっていいのではないかと思いますが、どうですか。
○田中(六)政府委員 先進諸国がほとんどやっておりますので、日本も先進国の仲間入りをする以上、そういう点も頭をそろえていいという考えは当然浮かびますし、そうしたいと思います。ただしかし、半面、私がいつも懸念するのは、日本は近代国家の資源がないし、領土は狭い、人口は多いということを考えますと、はたして先進国並みにいろいろなことをそろえていくことが国益になるかどうかという疑問の余地がいつも残りますし、特に信用制度が日本の経済をささえておる以上、そういう観点からも考えなくちゃいかぬのではないかという気がいたしております。
○佐藤(観)委員 それからもう一つは、公務員の問題ですけれども、これもこの前の山中総務長官の発言でかなり後退した感があるわけなんですけれども、これは総理府というよりも本質的には人事院の問題になってくるかと思うのですけれども、人事局として、国民にサービスを提供する公務員が先頭に立って休むということについて国民的な意味でいろいろ批判もあるかもしれない。しかし批判はあるけれども、大きく週休二日制ということを進めるためにはあえて進んでもいいのではないかというふうに感ずるのですけれども、山中総務長官の発言その他を含めて、人事局長としてはどういうお考えでしょうか。
○宮崎(清)政府委員 ただいま御質問にございましたように、本件につきましては何日でございましたか、三月末の衆議院の予算委員会、たしか第一分科会だったと記憶しておりますが、民社党の和田春生議員の御質問に対しまして総務長官が大体いまおっしゃったような趣旨の答弁をいたしております。かいつまんで申しますと、公務員の週休二日制の問題は将来の問題としては検討すべきであろうが、現在の時点で公務員が民間に先行して週休二日制をとるということは、総務長官は先憂後楽ということばを使いましたが、その他いろいろな問題がありましてすみやかに踏み切るわけにいかないという趣旨の御答弁でございました。事務当局といたしましても、現在の時点で公務員が民間に先行して週休二日制をとることは、やはりいろいろ利害得失を考えなければいけないということで、これを直ちにやるという気持ちは現在のところ持っておりません。しかしながら、先ほどからいろいろ御質問がございまして、それに対しまして関係各省がお答えしておりますとおり、いずれは大きな問題になるだろう。したがって、私たち事務当局といたしましては、そういう場合に備えまして、今後公務員が週休二日制をとった場合にどういう問題が起こるかということも詰めたい、このように考えております。先ほど労働省からもちょっとお話がありましたように、労働省からも非公式にこの問題について関係省庁で検討しようという申し入れもございますので、できるだけ早い機会に関係省庁集まりまして、公務員の週休二日制の問題についていろいろと勉強いたしたいと思っております。
○佐藤(観)委員 愛媛県の例ですが、愛媛県なんかは土曜日隔週週休二日制、これはおそらく表はあいているけれども、中の人員を半分なり何なりするやり方と思うのです。そのほか北海道、石川、兵庫、広島、長崎とだんだんこういうのが広がっていくようですし、私も加納知事の発想は——昔の話ですけれども、たしか県庁につとめに行くのに、午前中三時間つとめるのに三時間通勤するというのはいかにもばかばかしいことで、私が先ほども言ったように、やっているのがいいか、やっていないのがいいかといえば、それはやっているほうが普通なら便利にきまっているけれども、しかし、全体的にそういうことを考えると、やはり公務員というのは牽引力としてこの週休二日制を進める意味で、私は大前提としてはやはり早いところ三カ年計画ぐらい——すぐ全部完全週休二日制をとったらこれはいろいろ抵抗がありますから、たとえば隔週土曜日休みにするとか、その次の年は一カ月のうち三日休みにするとか、そうして全部完全週休二日制にするとかいう三段階ぐらいをとって、公務員でもやはりやっていいのじゃないかというふうに思うのですね。しかし、私自身だって一国民としてやはり、国のサービス機関が先頭を切るということに対して、必ずしもしっくりしないものがあるけれども、しかし、この週休二日制が必要であるという面からいって、また非常にやりいい部分である。そのかわり、矛盾していることを言うようですけれども、他の部分で質の向上なり何かをしてもらうということをもう少し考えるべきではないか。きょうも朝国会へ来るときに聞いていたら、兵庫県でわざわざレジャーの余暇、余暇課というのを設けて、なるべく県民がそういうレジャーに向くようにという方向まで出ているわけですね。 そういう面からいくと、どうもそれは慎重であることはもちろん大事なことですけれども、いまの政治はあまりにも慎重過ぎてしまって、やはり思い切るということのないのが私は佐藤内閣の一番悪いところだと思うのです。そういう面でひとつ、山中長官の発言もありますけれども、もう少し公務員についても前向きに考えていただきたいと思うのです。総理府は一応これで、お忙しいでしょうからけっこうです。 それからもう一つは、もう一回労働省に戻るのですけれども、先ほどちょっと私、聞き忘れたのですが、週休二日制の問題で一つ問題になるのは、いわゆる季節労働者の問題、それから時間外労働の問題ですね、あるいは日給制の問題、このあたりになると非常に週休二日制の問題がむずかしくなると思うのです。この三つの場合、これはどういうふうにお考えでございますか。
○渡邊(健)政府委員 週休二日制につきまして、関連するいろいろな問題がございますことは御指摘のとおりでございます。時間外労働の問題につきましては、昨年十二月の労働基準法研究会の御報告の中でも、労働時間等を再検討しろという御意向の中に、時間外労働制についても再検討対象と相なっておるわけでございますので、われわれその面はその面として今後検討しなければならないと考えておりますけれども、週休二日制の関係で申しますと、週休二日になった日は、もう休みでございますから時間外労働の問題は起きないと思います。 ただ問題は、休日がふえたために、労働日において時間外労働の形でそういうものが延長されるということは好ましくない問題でございますが、週休二日制を採用いたしました企業の調査の中でも、一部におきましては時間外労働がふえたといったような結果が出ておるのもございます。しかしながら、全体の考え方として申し上げますと、週休二日制というのは、先ほども申しましたように、労働時間そのものの短縮、こういうことの考え方の上に立っておるわけでございますので、その点は生産性の向上とか労働意欲の向上等々によりまして、時間外労働をふやすことなしに週休二日制が実現できるような方法を十分労使で話し合っていただきながら実施していただくととを期待をしておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 それから、労働省にお伺いしたいのですけれども、何か新聞によりますと、この週休二日制をなるべく早く普及させるために、仮称ですけれども、週休二日制連絡会議みたいな産業別の会議をつくるという話も聞いているわけなんですが、それがどうなのかということと、それから週休二日制にとっていろいろな問題があると思うのですね。大蔵省の場合をとってみますと、銀行法、小切手法、手形法の改正の問題があるし、通産省の場合には産業界との関係がもちろんありますね。それから農林省の場合でも金融機関としての農協の問題がある。それから郵政省の場合、これはまた大きな問題ですけれども、郵便局の問題がある。それからレクリエーション、交通問題で建設省、運輸省の関係がある。こういうことでこういう連絡機関もやはり必要なんじゃないかと思うのです。機関だけつくればできるというものではないですけれども、何といってもこういう大きな問題ですから、私が先ほど言ったように革命的な問題ですから、かなりこういう連絡機関というのは必要だろうと思うのですが、そのあたりはどういうことになっていますか。
○渡邊(健)政府委員 新聞に報ぜられました産業別の会議等につきましては、私どものほうで具体的にそういうことをきめておるわけではございません。新聞に発表したものでもない、新聞のほうでいろいろ推測して書かれました記事であるわけでございます。 私どもといたしましては、当面は週休二日制の必要性とそれに対する理解というものを、広く世論に理解していただき、あるいは産業界の労使に必要な資料を提供いたしまして御検討をお願いし、できるところから進めていただく、こういうことで現在進んでおるわけでございます。 ことしの春闘の中等ではかなりこの問題が取り上げられつつございますので、これが終わった段階ではかなり普及が進むのではないか。かように思っておりますが、その結果等を見まして、その後週休二日制を進めるためにどういう方法をとったら有効といったようなことは、その時点でまた状況によりまして考えてみたい、かように思っているわけでございまして、いま特に産業別の会議等々を具体的につくることをきめておるわけではございません。
○佐藤(観)委員 これは要望ですけれども、九百六十万円ですか、今度四十七年度予算で週休二日制を普及するためのPR費として認められたようですけれども、やはりいろいろな問題があるし、これは委員長にお願いをしたいのですけれども、この委員会でも、銀行法、手形法、小切手法の改正の問題もありますので、これは松川さんが言われるようにかなり大きな問題だと思うのです。あとからもう一回お伺いしますけれども、国民的にも非常に大きな問題なので、やはり参考人を呼んでいろいろ意見を聞いてみる必要があるのじゃないかと思うわけなんですね。そういう面でいま申しましたような産業界との連絡機関、あるいは各省間の連絡機関もやはりおたくの中に、おそらく労働基準局の中だと思うのですが、中心になって、必要なんじゃないかと私は思うわけなんです。できればそういう機関をつくっていろいろな意見を入れて進めていただいたほうがいいんではないかと私は思うのです。 その問題はそうなんですが、今度は中小企業庁にお伺いしたいのです。週休二日制の問題を私たち社会党としてもそう簡単に言えない部分は、私たちが接しているのは中小企業と申しますか、むしろ零細企業のほうが多いわけなんですね。そういうことからいくと、週休二日制なんというのは鼻でくくったようなことになってしまって、何か私たちが大企業の代弁をしているような形になることが非常に多いわけなんですね。そこで私は、しかし週休二日制というものは非常に大事なことだし、その壁を越えていかなきゃならぬと思うのですが、なかなかこれはむずかしい。 そこで、まずお伺いをしたいのは、大手の企業というか親会社と申しますか関連企業と申しますか、そういうのがやった場合に、中小企業のほうには一体どういうふうに波及をしていくんだろうか。これは労働省の資料ですけれども、週休二日制をやったという目的の中に、動機の中に、一七・九%はこれは元請等の関連企業への動調、親会社が週休二日制をやったんで、品物をつくっても納められないで、結局自分のところも週休二日制をやるというようなデータも、これは一七・九%という数字が出ているわけなんですが、親会社と子会社の関係、あるいは協力工場、協力会社、こういうようなところで親会社がやった場合にそのもとにある中小零細企業というのはどういうふうに週休二日制——これはなかなかむずかしいんですけれどもね、データが出ているわけじゃないからむずかしいんですけれども、どういうふうに波及していくというふうに見られておりましょうか。
○西田説明員 先生御指摘のとおり、中小企業、特に下請関係に立っております中小企業にとりましては、週休二日制の問題は何といいましても受身の関係でございまして、子会社のほうが先にやって親会社がやるという関係にもちろんないわけでございます。それで、親会社が週休二日制をとりました場合の影響の考えられます問題点は、親会社の生産が減少しなければ原則的には影響がないというふうに考えられるわけでございまして、私どもが昨年大企業と中小企業に分けまして週休二日制の効果の調査をいたしました際のデータといたしましては、大企業におきましても週休二日制をやったことが成功であるというもの、あるいは問題があるというもの、いろいろございますが、生産の減少を来たすというようなマイナス面は比較的少ないように思いますので、その点に関しましては、親と子の関係におきましては問題はそう大きくはないのではないか。ただ、子会社が週休二日制をやるにつきましても、親企業の理解というものは当然必要でございまして、親のほうの関係で休みたいときも休めないような状況にならないような指導が必要であるというふうに考えております。 なお、中小企業、小規模企業の大部分が生産関係では親企業、子企業という関係がございますが、商店、小売り商というのは小規模企業が大部分でございます。これに関します影響は多少デリケートでございまして、国民の皆さんが大ぜい休まれて、休まれたときに便利になるようにしなきゃならぬというのが一つございます。そのほかに、大ぜいお休みになって、小売り店等を、あるいはレジャー産業に結びついた小売り店等を大いに利用されるという意味において、いい効果もあるというふうにも考えられます。この辺の経済効果の全般的な影響というものにつきましては、私ども調査不足ではございますけれども、両面考えられる面もございますので、私どもとしましては、これは御質問にございませんが、中小企業としましてこれを要件としてとらえなければならない面も多分にございますけれども、これを回避し反対するという立場だけではなくて、ちょっと表現はおかしいんですが、迎え撃つと申しますか、前向きにそういう事態になってもやっていけるような体質を備えていくというのが心がまえではないかというふうに考えまして、そういう指導をやってまいりたいというふうに考えます。
○佐藤(観)委員 確かに業種がいろいろ違いますし、たいへんむずかしいと思うんですね。つまり、親会社のように、大企業の場合には省力化ができ、それだけ生産性が上がるところはいいですけれども、その下にいくとなかなか生産性が上がらないから、その部分だけ結局収益がダウンするということで、非常にむずかしい問題だと思うんですね。 もう一つむずかしいのは、いわゆる大手の企業が週休二日制をやった場合に、先ほど私もちょっとデータを申し上げましたように、週休二日制にしたということが、求人、人を雇うのに非常に雇いやすい条件と現在ではなっている部分があるわけですね。これは十分理解できるわけですけれども、それがかなり大手のほうへ、上のほうの企業だけは進んだけれども、いま言われたように、中小零細ということになるとなかなかこれはそう簡単に週休二日制というものは入っていかないと思うんですね。そのときに、やはり求人問題というものは一つの大きな問題になってくるのではないかと思うんですけれども、そのあたりはどういうふうにお考えになっておりますか。
○西田説明員 いま御指摘いただきましたように、中小企業にとりましてはかなりシビアな条件が——企業が実施されますと自分のほうもやらなければ、求人等において不利になるという関係がシビアな面としてございます。ただ、直接のお答えにならないかと思いますが、私ども昨年大企業と中小企業に分けて調査いたしました。もちろん、実施いたしておる企業の割合は、大企業では一八%をこえており、中小企業では四、五%というような数字でございます。 この実施をしておる中小企業についてその問題を見ますと、実は私どもの調査では問題なしという返答が六八%ございまして、大企業はたまたまこの調査では六〇%問題なしでございまして、大企業よりも中小企業のほうが——その点では実施した企業についてみますと、中小企業は、特に実施に踏み切ったものは非常に優良企業で、一応相当な覚悟で踏み切ったためであるかと思うんですが、それらの企業におきまして、その効果としてあげておりますものの中には、大企業のほうで求人申し込みで人をとっていくのに対抗して求人申し込みに有利になるというような効果をあげておる企業もたくさんございますので、そんな感じがお答えの一部になろうかと思います。
○佐藤(観)委員 中小企業、特に個人企業的な零細企業、たとえば私、いま繊維の問題をやっておりますけれども、繊維なんかになりますと、結局これは親機の工賃が——二日制をやろうといったって二日制どころの騒ぎじゃないのですね。その辺になってくると、これは非常にむずかしい問題で、業種業種、資本力の大きさによって全部またケースが違うのでいろいろ問題があろうかと思うのです。これはもう一度もう少し私自身も何らかの回答を出すように考えてみなければいけないと思うのです。 最後に、いままで週休二日制の問題をずっと論じてきたのですけれども、私も途中で申しましたように、これはいろいろ大きな社会変革を伴う問題だと思うのです。そこで経済企画庁にお伺いをしたいのですけれども、現状、週休二日という話をしますと、金がないから家でごろごろ寝ておるだけか、あるいはそこに行くにしても、結局交通機関が十分でない、あるいはそこへ行っても遊興施設を使うのに、切符を買うにもあるいはそれは乗るとしてもたいへん並ばなければいけない。そういうふうなレジャーの施設が十分ないというようなことで、このまま週休二日をすぐやるというわけにはいかないような情勢もあると私は思うのですね。 私も先ほど言いましたように、一週間は一日の休みが二日になるということはパーセンテンジとしてはかなり大きなことですから、しかも一これからものごとの考え方が、仕事が生きがいだという部分がかなり減って、一週間のうちの二日の休みというのが、自分の趣味なりスポーツなり、自分のやりたいことをやるというそういう人生観の部分がかなり大きく変わってくるのではないかと私は思うのですね。そういう面からいくと、ある程度いわゆる余暇が使えるような給料の部分も考えなければいけないし、それからレジャー、遊びに行くにしても交通機関を整備しなければいかぬ、あるいは十分それにこたえ得るだけのレジャー施設もつくらなければいかぬ、そういうことになってくると思うのです。 何かアメリカですと、もう週休三日になると、一家はいなかのほうに越しちゃって、ハウジングのほうはいなかのほうに越しちゃって、四日間御主人は中央にどこかアパートか何か借りてつとめに行く。四日のつとめから帰ってくると、三日はいなかですごすというような時代に、いますぐならないにしても、なってくるんじゃないか。そうすると、私は人生観からいっても、そういういろいろな施設からいっても、これはかなり考え直さなければいけないのじゃないかと思うわけなんです。 その面で社会発展計画においてもやはり週休二日制というのはかなり大きく位置づけてものを考えていかなければいけないのじゃないか。単に社会福祉の充実、充実というような文字づらだけではいけないと思う。先ほど私があげましたように、運輸省にも関係する、建設省にも関係する、そのほかいろいろな省にも関係してくるので、この社会発展計画の中で十分位置づけをしなければいけないのじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○道正説明員 ただいま先生御指摘になりました問題意識でございますが、現在私ども、本年中でございますが、経済社会発展計画にかわるべき新しい長期経済計画を策定しようというような考え方に立ちまして作業をやっておるわけでございます。検討結果が、中間報告ではございますけれども、いろいろ出てきておるわけでございまして、ただいま御指摘いただきましたように、今後の経済運営にとりましては、やはり国民福祉の充実の一環といたしまして労働時間の短縮とかあるいは週休二日制というような問題を大いに取り上げるべきであるというような考え方にわれわれも立っておるわけでございます。 その際、問題といたしまして、いま先生御指摘になりましたようなレクリエーションの施設であるとか、あるいはそこに至る交通機関でございますとかそういうような問題が非常に不足である、同時に非常に大きな問題であろうというような問題意識も持っておるものでございますので、これからの計画策定の作業におきましてその問題を関係各省あるいはいろいろな方の御意見を伺いながら詰めてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤(観)委員 最後に委員会への要望なんですが、私も先ほどちょっと申しましたけれども、週休二日制という問題は、いま春闘の時期でもあり、いろいろの問題を含んでいるわけですし、当面はうちの委員会としても、銀行法、手形法、小切手法の改正の問題も起きてくるわけなんで、そういう面でいろいろな人からの意見を聞く必要があるんじゃないかと思う。時間が許す限り一度参考人を各界、銀行の方も必要だし、銀行に働いている人も必要だし、他のもっと一般的な労働界の方々も必要だし、そのほかもっと大きな日本経済の行く末を考える学者の方も必要だろうし、そういう方々も交えて当大蔵委員会としてもこの週休二日制の問題を考えてみる必要があるんじゃないか。参考人を呼んでいろいろ意見を聞く必要があるんじゃないか。できればそういう機会を持っていただきたいということを申し添えまして、私の質問は終わらしていただきます。
○齋藤委員長 理事会において十分検討いたします。 関連して、広瀬秀吉君。
○広瀬(秀)委員 労災保険法、失業保険法の沖繩からの引き継ぎの問題について一つだけお伺いしたいのですが、沖繩でも失業保険法、これは一九五八年立法第五号、さらに沖繩労働者災害補償保険法、一九六三年立法第七八号、こういうものがあるわけです。今回の沖繩復帰に伴って、特別措置法がすでに国会を通過成立しておるわけでありますが、その七十一条で特別会計関係の承継の問題が規定をされ、具体的な措置については政令に委任をされておる。さらに特別措置法の百四十二条あるいは百四十四条によって、この承継の関係が規定され、いずれもその承継の具体的な問題は政令に委任をされているわけでありますが、ここできょうお聞きしたいのは、これら沖繩の両法とも、将来の年金あるいは支払い備金というようなものとして積み立て備金がそれぞれ保有されておるはずであります。これについて、一体そういう状態になれば全面的に本土の失保法あるいは労災保険法、こういうものがそのまま適用になるのかどうなのか。その辺のところについて政令事項でどういうようにお書きになるつもりなのか、まず最初に、労働省にお伺いをし、それからその備金の取り扱いの問題については、あとから大蔵省にお伺いをしたいと思いますが、いかがでありましょうか。
○藤繩政府委員 沖繩の問題につきましては先生いま御指摘のように、沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の七十一条の規定によりまして、政令によって具体的な措置を定めることにいたしておりますが、現在それらについてなお検討の過程でございますけれども、御指摘のような労災の積み立て金あるいは失保の積み立て金があるわけでございます。私どもといたしましては、一応労災の積み立て金につきましては四十七年度の労働保険特別会計の労災勘定の歳入とし、それから失保の積み立て金につきましては四十七年度同特会の失業勘定の積み立て金とするというような方向でいま関係政令の検討をいたしておるところであります。
○広瀬(秀)委員 労働省としてはそういうお返事だろうとは思いますけれども、やはり沖繩の現行両法と日本本土のいまわれわれが議論をしている両法との間には、給付、保険料その他の面で若干の差があるだろうと思うのです。私もそれを詳しく調べたわけではありませんが、そういうものの継続の関係あるいは適用の関係がどうなるのか、こちらのほうが有利であるとか、沖繩のほうが不利であるとか、そういうような問題についてはどちらが優先適用になるのか、その点をまずお答えをいただいて、あと特別会計の問題については主として大蔵省からお伺いをしたい、こういうように考えるのですが……。
○藤繩政府委員 詳細な点はなおいま検討中でございますが、基本的に申し上げますと、本土の保険法のほうが一般的にいうと有利でございますから、なるたけそういうところで解決をしたいと思います。なお万一向こうのほうが有利というような点がございましたら、個々のケースごとに、少なくともいままでの既得権と申しますか、そういった利益をそこなわないような考え方で十分検討をさせていただきたいと思います。
○広瀬(秀)委員 しっかり確認をしておきますが、これは沖繩復帰に伴ういろいろな措置の問題では、公務員にいわゆる労働二権が保障されておるというような問題は別といたしまして、それ以外の面では本土法が有利なものは本土法を適用する、これが大原則だし、沖繩でやっておったほうがよりメリットがあるというような問題については、むしろ本土法を暫定的にでも沖繩の有利さというものを生かす方向で考えていくというのが、いま官房長がお答えになったとおりでありますが、この適用の問題につきましても、その原則でやっていただくようにこれは強く要求しておきます。 そこで、いまの原則的な立場とも若干関連をするわけだけれども、沖繩両法を通じて、先ほど申し上げたような、言うならば将来の支払いに対する積み立て備金というようなものが一時的に余裕金になっている、こういうようなものの運用の問題でありますが、今度は本土法が適用されるということになれば、いま官房長からお答えがあったように、それぞれの労災は労災勘定に、失保は失保勘定にというようなことでストレートに入ってきてしまう。そうすると、必然的に、いまのこの法律のたてまえからするならば、そういう一時的余裕金、将来の備金というようなものは資金運用部に預託をされてしまうというようなことになるわけであります。ところが、沖繩の現実の問題としては、沖繩の労働金庫に対して二億なり三億なり、これは詳しい資料を私持ってないのですが、その程度といわれておるわけでありますが、この両保険から沖繩労働金庫にそういうかなりの金が——沖繩の労働金庫もまだ規模が小さいわけですから、二億といいあるいは三億という金でも相当な部分になる、こういう問題があるわけであります。この本土法が適用されるということになりますと、復帰も一カ月ちょっとのところに迫っておる、こういう段階で、これは沖繩の実情、沖繩の琉球政府が承知でこの労働金庫育成のためにそういうこともやっている。この問題については一体どういうように処置をされるおつもりであるのか。やはりいままでの既得権というか、そういうものを何らか特例の形でやるべきではないかということが一つであります。 さらに、これは基本問題に発展させれば、すべてこれは労働者が出した——労災の場合は別でありますけれども、労働者の金は労働者の福祉のために還元しなければならぬというのが、われわれこの委員会でいつも財投の原資の問題をめぐって、できる限り労働者あるいは——国民年金の金なんかも、いわゆる庶民大衆、低所得大衆の金なんです、そういうものが原資になって大企業のほうに財政投融資の形で回されていくということ、全体についても問題はあるのですが、そのことの根本的な問題は後日に回しまして、先ほど申し上げた問題について、今回の二法の法改正、それから特別会計で徴収を一元化するにふさわしい特別会計のあり方をきめようとしているわけだけれども、この中でその問題をどのように処理されていくつもりであるのか、この点をひとつはっきりさしていただきたい。現地でいま非常に心配をしている問題です。
○長岡政府委員 まず原則論を申し上げますと、労働省からもお答えがございましたように、沖繩の労災特会及び失保特会の積み立て金はそれぞれ本土の制度と一体化されますので、この特別会計の労災勘定及び失保勘定の積み立て金になるわけでございます。そうなりますと、広瀬先生おっしゃるように、それは原則として運用部に預託されることになるじゃないか。沖繩の失業保険特別会計から若干の積み立て金が沖繩の労働金庫に預託されておるという実態は私どもも承知いたしております。これをその措置の例外とするかどうかという御質問だと思いますが、現在のところ、まだ確定的な結論は出ておりませんけれども、私どもといたしましては、沖繩の労働金庫への預託金をいま直ちに引き揚げるということになりますと、沖繩の労働金庫の経営自体に悪影響を及ぼすということがございますので、その金額を、原則論に従いまして本土の積み立て金に受け入れてこれが運用部のほうに預託されることになる。その金額を別途に何らかの形でファイナンスをして、そういうような沖繩の労働金庫の経営の悪化を防ぐ方法がないかどうかというようなことにつきまして、現在関係各省及び琉球政府と折衝中でございます。
○広瀬(秀)委員 沖繩特別委員会で山中総務長官はこの問題について、その方法についてはいろいろあるけれども、とにかく労働金庫に入っておるこの両特会からの余裕金を引き揚げるというようなことはしないということを確約されている。そういうことを踏まえて、これもかなりの期間、ことし一年くらいというようなことじゃなしに、どういう形でファイナンスするというようなことを含めて趣旨が完全に生かされるように十分配慮していただきたい、こういうように思うわけでございますが、そのとおり理解してよろしいですね。労働金庫の経営上も完全にだいしょうぶだ、こういう金は要りませんという段階がどの程度かはわからないけれども、一年とか二年とかいうごく短い期間ではなしに、そういう配慮を十分やる、こういうように確認してよろしゅうございますね。
○長岡政府委員 具体的な方法がまだ確定いたしておりませんので、どのような形をとりますかは、目下のところはっきりはお答え申し上げかねますけれども、しかし、そういう措置をとる必要性は十分私どもも認識をしておるわけでございますから、その具体案をつくる場合には先生のおっしゃったような御趣旨の線に沿って検討いたしたいと思います。
○齋藤委員長 次回は、来たる十一日火曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会