大蔵委員会 第3号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/08
会議録
○齋藤委員長 これより会議を開きます。 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○齋藤委員長 政府より提案理由の説明を求めます。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、今次の税制改正の一環として、当面の経済社会情勢に即応して、法人税の付加税率の適用期限を延長するほか、住宅対策、公害対策、中小企業対策等の諸施策に資するため所要の措置を講じ、あわせて輸出振興税制の整理縮減をはかる等のため、ここに、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。 まず、法人税率の付加税率の適用期限の延長であります。現行の法人税率は基本税率三五%に一・七五%の付加税率を加えたものとなっておりますが、この付加税率の適用期限が昭和四十七年四月末に到来することとなっておりますので、当面の経済財政事情、わが国の法人税負担の実情等にかんがみ、これを二年間延長することといたしております。 第二は、住宅対策に資するための措置であります。 すなわち、自己の居住の用に供する住宅を新規に取得した個人について、昭和四十七年以後二年間の特別措置として、住宅の標準取得価額の一%相当額、最高二万円を三年間所得税額から控除する住宅取得控除制度を創設するほか、住宅貯蓄控除制度の適用対象を拡大する等の措置を講ずることといたしております。 第三は、中小企業の体質強化に資するための措置であります。 すなわち、現行の中小企業の合理化機械特別償却制度におきましては、特定の機械を個別に指定し特別償却を認めているのでありますが、これを改めて、中小企業者が取得する新たな機械及び装置で一定価額以上のものであれば、広く初年度五分の一の特別償却が認められる制度を設けることとしております。また、個人の青色申告者について、従来の青色事業主特別経費準備金にかえて、年十万円の青色申告控除を設けるほか、中小企業の貸倒引当金の特例の適用期限を二年間延長する等の措置を講ずることとしております。 第四は、輸出振興税制の整理縮減であります。 すなわち、輸出振興税制のうち輸出割り増し償却制度については、これを廃止することとしております。また、技術等海外取引所得の特別控除制度については、その適用対象を縮小し、工業所有権、著作権及び技術役務の提供にかかるもの以外のものは、これを廃止することとしております。 第五は、通貨調整に伴う措置であります。 すなわち、先般の通貨調整により巨額の為替損失をこうむり事業経営に著しい影響を受けることとなる法人に対し、その換算差損相当額を税務計算上早期に繰り上げて損金に算入することを認め、あわせて、通貨調整後に取得する長期外貨建て債権について、その帳簿価額と期末の為替相場による換算金額との差額を準備金として積み立てる制度を創設することとしております。 第六は、公害防止に資するための措置であります。 公害防止対策といたしましては、公害防止費用の負担が大きく、かつ、所得変動が大きいと認められる業種に属する企業について、公害防止準備金制度を設け、売り上げ金額の一定割合を準備金として積み立てることを認めることといたしております。 第七は、技術開発及び情報化の促進のための措置であります。 まず、試験研究費につきましては、従来から、その増加額について特別税額控除を認めているのでありますが、この制度の適用期限を二年間延長することとしております。 また、情報化の推進に資するため、電子計算機の特別償却の率及び電子計算機買い戻し損失準備金の積み立て率を引き上げることとしております。 以上のほか、耐火建築物の割り増し償却制度等、期限の到来するその他の特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等、所要の措置を講ずることとしております。 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由と内容の大要を申し上げました。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○齋藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○齋藤委員長 次に、関税定率法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案は、昨七日提案理由の説明を聴取いたしております。 これより質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。奥田敬和君。
○奥田委員 機会を与えられまして、大臣の御出席を得ておりますので、特に二、三の問題点につきまして、御質問いたしたいと思います。時間制約がございますので、簡単に質問いたしたいと思います。 私、昨年の七月にも、ことしの一月にも、ちょっとアメリカのほうの市場調査を兼ねて行ってまいったときに、日本の自由化問題に関連して非常に大きな批判を受けた。その一つは、日本の自由化というのはもうほんとうに紙の上だけの自由化じゃないか。たとえば、自由化をしてもすぐどかんと関税措置でやってくる。たとえば、テキサスに行ったときなんかは、子牛の例を引き合いにして、一頭四万五千円当たりの関税、すぐそういう形で、自由化という形はいわば紙の上だけの自由化だということできびしい御指摘を受けたのでございますけれども、そういう外国の批判というばかりじゃなくて、消費者の要望にもこたえてくれないというような、素朴な国民の疑問があることも事実です。ちょうど円レートが切り上がった、三百八円になったとはいっても、たいして物価の面で影響がない。もちろん消費財貨の面で輸入の占めておる割合というものは五%程度でございましょうから、早急にそういう物価政策に大きな効果がすぐ出てくるということは少し早計だと思いますけれども、しかし、それにしても政府が所管しているような小麦とか、たばことか、そういう一連の関連物資に関しては、直ちに物価にある程度はね返ってもいいのじゃなかろうか、こういうぐあいに素朴な国民的な不満といいますか、疑問もございます。こういう点につきまして、ひとつ大臣のお答えをいただきたいわけでございます。
○水田国務大臣 自由化を実施しましても、事実上、一方の国から見たら輸出できない、こちらから見たら輸入のないような関税率を設けるというようなことだったら、もう自由化の意味はございませんので、今回は特にそういうことのないように気をつけたところでございます。代表的なものは例の子牛でございますが、一頭四万五千円という関税で、これは去年の八月から問題になっておりましたが、日米間ではようやくことしの二月に決着がつきまして、五千頭までは無税、五千頭をこしたらいまの四万五千円の関税というようなことで、一応の解決はいたしましたが、この種のことを今後繰り返すなら、自由化は実質的に名ばかりのものになるということは、これはもうそのとおりでございますので、今後はそういうことはできるだけしないつもりでございます。 それから、輸入品について明らかに価格の下がるもの、これについて、少なくとも政府管掌の物品については、値下がりが消費者に及ぶような行政措置をとるべきではないかというお尋ねございましたが、先般、政府の関係閣僚会議を開きまして、この問題を討議いたしましたが、できるだけそういう方向に沿った行政措置をとりたいといって、各省別にそのやり方について検討に入っておるところでありますが、たとえば小麦にしますというと、小麦が安くなることは事実でございますが、それがもしパン一斤にどれくらい響くかということになると、六十五銭くらいの響きになる。そうしますと、そういう零細な値引きというようなものをうまくやる方法があるのか。あるいは個々に値引きするということの意味というものがあまりないというなら、全体として食管制度で七十億円なら七十億円ここに値下がりの利益が出るなら、それをやはりほかの形で国民に還元できるような使い方ということを考えれば、一応政府管掌のそういう物資については、それだけの値下がりの利益をとにかく国民に還元したということがはっきりいたしますので、そういう措置にかえるかというような、やり方については、いまいろいろあると思いますので研究しておりますが、いずれにしろ、はっきり下がったものは下がったということを国民の前に見せる必要があると思います。ことに政府が扱っておる品物については、値下がりがごくわずかであっても、やはりそういう区切りをつけたいというふうに私は考えております。
○奥田委員 大臣のお答えのとおりで、大体関税の性格というものは消費税のような特性も持っておるわけですから、やはり政府自身が差益をがっぽりかせいで、国民には高いものを食わせておるとか、吸わせておるという印象を与えることは、私は非常にまずいと思うのです。そういう意味で、いま大臣の言われるように、たとえわずかな差額であっても、国民の前にこの点をはっきり明示して、やはりPRする、あるいはそういう消費生活に大きな影響を与える問題だけに、慎重にやっていただきたい。特にスピード——早急に対案を示すというような姿勢であってほしいと思うのです。国民の側から声がぱっと上がってきて、しりから火がついてきてようやく閣僚懇談会でこういう形にするということでなく、当然切り上げした時点において、そのことははっきりわかっておることですから、そういう点において特にこれからそういう国民要望、消費者要望に早い形で対応できるというような形で臨んでいただきたいと思います。 それと、何か日本の関税政策を見ておりますと、これは加工貿易にたよっておる日本の経済構造自体にもよるわけですけれども、原料には無税だ、ちょっと加工品とかいう形になりますと、非常に税率が高い、こういう形で、産業保護といいますか、そういう面の性格が非常に何か強く位置づけられておるような気がするわけです。もちろんこのことは国の経済成長の過程においては必要であったかもしれませんけれども、競争力がついた今日、こういう問題は抜本的にもう少し考え直して改正していく必要があるのではないかということを感ずるわけですけれども、これについて大臣、いかがですか。
○水田国務大臣 ケネディラウンドに次ぐ次の第二ラウンドの問題もこれからの各国の問題となってまいりますので、そういうときを機会に、いままでの関税、そういう問題を含めて全般的に見直さなければならないのじゃないかと私は考えております。
○奥田委員 量的制限を撤廃する自由化の方向は必然の方向ですけれども、私は、いたずらな保護政策というものは、かえって効率の悪い産業を温存していくという弊害をたくさんいま生んでおると思うのです。ですから、新しい国際ラウンドの提唱もあることでございますし、私たちはこれから関税の操作、たとえば量的に自由化しても、スライド関税とかいろいろな形での市場操作の方法もあるわけでございますので、この点、特にそういう関税政策の操作という面については、大臣の特別な御配慮をお願いいたしたいと思います。 時間制約がございますので、中国貿易に関連してちょっとお伺いしたかったのでございますけれども、いまちょうど国際ラウンドのそういう形の話題も出てまいりましたので、引き続き国際ラウンドに対する日本政府の態度についてお伺いしたいわけです。 先般もOECD等でそういう合意も相当できたようでございますので、日本政府はこれに対して積極的なイニシアチブをとっていくと思われますけれども、国際ラウンドに対する政府の態度はいかん、御質問したいと思います。
○水田国務大臣 これは日本はただいま提唱国の形になっておりまして、一番積極的な立場でございますが、むしろ他の先進国側が非常に保護主義的傾向を持っておりましたために、なかなかこの提唱は各国の同意を得る空気になかったのでございますが、御承知のように、今回日米の貿易交渉、また米国とECの交渉ということを通じてこの問題が論議され、米国とEC諸国の共同声明にも、一九七三年からこのガットのワク内で自由貿易を中心にした多角的な交渉に入るということが声明され、また日本とアメリカとの共同声明においてもこの問題が取り上げられたということになりまして、主要国がほとんどこの国際世界貿易の拡大と自由化を目的とする多角的な交渉にみな合意するという方向を示してきましたので、昨日のガット理事会でもこの問題を取り上げたそうでございますが、急速にこの機運が出てまいりまして、おそらくその場において、日本が最初からの主唱者であるだけに、指導的な役割りを果たせるのではないかというふうに考えております。
○奥田委員 最後に一点だけ。先般の米中会談で、この一週間で世界を変えたとニクソンは豪語しておりますけれども、いずれにいたしましても平和共存の道を歩み出したということは間違いない。こういう形というものは、結局両国の経済、文化交流の拡大を意味する。わが国の今後の貿易拡大のあり方にも非常に大きな問題を残しておると思いますけれども、中国大陸産品に対して今度いろいろな措置が特にとられましたけれども、そういう面においては一歩も二歩も前進したわけです。先般は中国向け延べ払い輸出を輸出入銀行が前向きに承認をするという形の閣議了承があったと聞いておりますけれども、そのことについて、先般の閣議内容について、いわば中国向けの延べ払いは承認するというような前向きの通産大臣の発言等もございましたけれども、大蔵大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○水田国務大臣 輸銀の問題は、従来ケース・バイ・ケースということばを使ったのですが、ケース・バイ・ケースということは事実上この輸銀の使用を積極的に容認しないということの代名詞になっておりますので、この言い方をまず変えようという話は閣議で出ましたが、方針としては閣議できめたわけではございませんので、もう他の国と全然区別しない扱いをするという取扱いは、これは通産当局において早くからきめておりますことで、それを閣議ではただそういう言い方の問題でちょっと出たことはございますが、閣議でこの方針をきめたというわけではございません。
○奥田委員 それでは終わります。
○齋藤委員長 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 私、本日関税法関係の質問をするということなんで、きのう生まれて初めて関税法という法律そのものに目を通したが、いまだかつて関税法というものは見たことがなかった。そうして見たときの最初の感想は、非常にむずかしい法律で、何回読んでもわからないところがある。これはあとで事務当局にひとつその改善方法その他意見を聞きたいと思うのですが、それと同時に、案外関税というものが国民には非常に無縁のようであるけれども、国民生活に非常に国民ぐるみに大きい影響があるということがわかったわけです。 そこで、ことに最近この法案の改正の中を見ておりますと、何か関税行政というものが日本の国政の中で非常に重要な位置が加わりつつあるのではないかと思ったので、現在あなたは国務大臣であると同時に税制の最高の行政長官でありますが、関税行政はどういうものが原則か、伺いたい。
○水田国務大臣 関税政策の基本というむずかしい問題ですが、基本といいますと、やはり産業の保護ということが関税政策の基本的な問題であったと思いますが、この機能は国際化に応じてどんどん変わってまいりましたし、また一国の産業保護という問題は、同時に国民生活に非常に大きい影響を持つ問題でございますので、したがって、国民生活という問題のほうから、従来の産業保護政策が漸次訂正されていかなければならぬ問題がいまたくさん出てきているということで、非常に複雑になってはまいりますが、一番最初の関税の制度の基本といいますと、発生的には、各国ともその国の産業保護ということから発達した制度というふうに考えております。
○山中(吾)委員 十分に理解されないで答弁をされたと思うのですが、それは政治家ですから、あまりそろいうことを考えていないかもしれないのですけれども、この関税行政の原則を明確にしておかないと、おそらく思いつきで、年度年度ごとに試行錯誤で税率その他の改正が行なわれるのではないかという心配を、実は昨夜読んでしたわけで、ここで明確にしたいと思うのですが、一体、本来財源というところで財政関税という思想から、こういう法案が政策関税中心に移りつつあるのではないかと私は思ったのです。だから、この法改正その他で、伝統的な財政関税から政策関税に移りつつあるのではないか、それはいかがですか。
○赤羽政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、関税の本質的な機能に関するお尋ねでございますが、財政関税から政策関税へ、こうおっしゃいました。それはそのとおりでございます。財政関税から政策関税へとおっしゃいましたが、政策関税の中に産業保護関税というものが入りますならば、まさに歴史的に見ますと、そういうことに相成るわけでございます。若干歴史を振り返ってみますと、関税のそもそもの発祥の初期におきましては、財政関税というようなことさえの意識もなく、これは単なる手数料として取られたわけでありますけれども、それがだんだん近世に入りますに従いまして、まず登場してまいりましたのは財政関税、財政収入関税でございます。それは現在の日本の関税法におきましても、石油でございますとか、砂糖でございますとか、そういったものにつきまして、財政関税的な色彩が残っておる、かように説明されておるわけでございます。その自余につきましては、財政関税の時代を経まして、産業保護関税である、こういうことで、これは日本のみならず、世界に共通する最大公約数的な考えでございます。 それで、現在の日本の関税法について申し上げますと、現在の日本の関税法というのは、昭和三十六年の大改正に基礎を置いておるわけでございますけれども、この改正は、一口に申しまして、ただいま申し上げました産業保護関税である、こうお考えいただいてけっこうです。しかしながら、その後、ただいま大臣より御答弁申し上げましたとおり、国際情勢の変化、あるいは国内産業構造、産業経済政策の変化に伴いまして、こういった産業保護一辺倒の関税法体系に種々の修正、調整が加えられてきておるわけでございます。その一つが、まさに物価対策の面よりする関税機能の活用でございます。こういった政策の転換と申しますか、新しい関税機能の活用が期待されましたのは、昭和三十九年度あたりからが初めてでございますが、その後、さらに物価対策のみならず、公害対策としてこれを利用する、あるいはまた昨年度御審議を得ました特恵関税というような形で、これが大きく世界の南北問題解決のために資する、こういうような面から関税機能が使われてきておる、かようないろいろの多角的な政策の要請に基づきまして関税が今後利用されるということは、容易に想像できるわけでございまして、こういったことは、質的、量的に今後さらに拡大を続けるかと存じます。それと同時に、いままでのいわゆる産業保護一辺倒の体系に、順次修正なり、考え方の変換、調整を要求される、かような形が現在の関税体系の姿であり、また関税行政の先行きであるかと存じます。
○山中(吾)委員 局長が話をされたが、大臣、いま大臣がおるときだから大臣中心にしたいのですが、いまの局長の産業保護関税ということ、それが私はぴったりこないのです。ずっと中身を見てみますと、これは非常に大事だと思うので、ぜひ大臣自覚をして、ひとつ次の関税問題については識見を出してもらいたいと思うのですが、どうもこれはいわゆる個々の企業保護関税だけではない。だから、物価を引き下げるという独立の目的を持った物価関税といってもいいような独立の政策が入っていいのじゃないか。また入るべきじゃないか。この改正案に、産業保護関税でなくて、明確に物価関税というものが入っているし、それを法則の一つに入れるべきではないかというのが一つ。 それから一つは、大豆のように、輸入主義によって、日本の国土において大豆をつくるより、大部分を外国から入れたほうがいいという、産業構造を改善するという意味の、単に物価を下げるというのではなくて、日本の農業形態、経済体制全体を構造的に改造するという意味の機能を持った関税も含んでおると私は見ておった。いえば産業構造改善関税というようなものも入っているのじゃないか。そこにいまの公害防御のためのもの、公害関税ということばを使ってもいいと思いますが、その中で個々の企業保護関税というものが、これだけが過保護で、力関係で出たり入ったりしておるために、私はこの関税行政というものが、現在重要な役割りを果たすべきに果たしていない。いまの局長のようなばく然と、明細に区別をしないで、昔の財政関税が政策関税に移ったが、大体産業保護関税といってもけっこうですという言い方の中に、認識不足があるのではないか、この法案自体をわれわれ政治感覚で見れば。だから、私は、明確にこの法案の審議を私がするについて、細部の評価をするために私なりに質問をするときに、この関税の中にいわゆる物価引き下げの物価関税、それから個々の企業を保護するいわゆる保護関税、そのほかに構造改善をする構造改善関税、公害関税という独立の、いわゆる関税行政に新しい原則があると見て、個々の中身を私は事務当局に意見をただしたいと考えておるのですが、その点大臣いかがですか。
○水田国務大臣 それはさっき申しましたとおり、関税制度の機能は、大半が国内産業の保護ということでございましたが、その機能の中に順次いろいろのものが取り入れられてきて、物価政策の上からも、また南北問題、そういう国際協調の上からも、いろいろな意味がこの関税の機能の中に新たにどんどん取り入れられて加わってきて、機能が複雑になってきているということをさっき申しましたが、そのとおりだと私は思います。
○山中(吾)委員 この機会に、大蔵大臣として新しく加わりつつある関税の機能を整理をして、やはり関税行政の近代的な、世界経済の中で、国際経済の中におけるいわゆる関税の機能とか、そういうものを明確に整理されて、そうして新しいいろいろの関税関係の法律改正をするときに、明確な識見を出して、提案理由の中に出してもらいたい。いままでのような惰性の中で、いまちょっと局長が言った程度の考え方の中からは、私は、この関税に関する法案の出し方がそのつど力関係によって非常にひずみを生むのじゃないかという感じがするので申し上げたので、もう少し明確な原則を、ひとついつかの機会に意見を発表してもらいたいと思います。よろしゅうございますか。
○水田国務大臣 たとえば物価対策という上から取り上げた問題でございましても、その問題は同時にやはり産業の構造改善問題とつながっておるという問題もございます。たとえば関税の引き下げをするということは、産業の合理化をとにかく促す問題でございますので、そういうこととからまって政策的な意味を非常に持った関税改革と、うものがこれから次々に行なわれていかなければならぬと思いますが、そういう意味で、今回の関税の改正の中に、こういうものが、公害対策とか、いろいろこれを分類すれば分けられるものがたくさんあると思いますので、これはそのつど御説明してけっこうだと思います。
○山中(吾)委員 こういうことを申し上げたのは、関税率法という基本法があって、ほとんど暫定法が中心でどんどん進んでおるものですから、ある意味においては、そういう原則があれば、関税率法が空洞化されつつあるということは喜ばしいとさえ私は思っておるのです。そういう意味において検討さるべき時期であると思ったので、私は申し上げた。ことに岩手——私は岩手でありますが、たとえば一時、国内甘味資源の自給体制という方針を立てて、政府がビートを奨励した。ビートを奨励して、農民がその技術を身につけて、それからビート栽培に必要な農機具も大体購入が完成した時分に、今度は国が方針を変えて、輸入政策のほうに転換をして、助成をしなくなった。十万の農民が全部つぶれてしまうというかっこうになって、地方的な大問題が起こった。これは農民自身は、政府の補助政策がどうだこうだということより、実はずっと奥を探ってみると、関税なんですね。関税政策が岩手のビート栽培の農民をつぶしておるわけなんです。したがって、この関税行政というのは非常に重要であるということが、私は身にしみておる。だから、その関税の性格に、一体、甘味資源というものを国内自給という体制の産業構造の中で考えて、そして関税政策をとるのか、そうでなくて、輸入政策を恒久的に考えて、日本の農民にすれば、米その他はつくっても、甘味資源はもう原則的に輸入政策によるのだという構造を持っておるならば、ビートを奨励をして、数年後にまた砂糖関係の関税を操作することによってつぶしてしまうというようなことは、なくなるはずである。そういう意味において、この関税行政の原則というものを立てなければ、たとえば国内農民にどれだけ迷惑がかかるかということを私の体験で痛感をしておるので申し上げたのでありまして、それは十分に原則を立ててこういう法案の提案をしていただきたいと思うので、申し上げておきます。 次に、そういう意味において、私は、物価関税、企業保護関税あるいは経済構造改善関税という三つがこの法案の中に含まれておると考えて、三つに分けながら質問をしてみたい。 まず、物価——生活安定を含んで、円の切り上げ、自由化、その他も含んで、国内消費物価にいい影響を与えるという意味において修正をされた関税の部面から質問したいと思うのでありますが、この内容の中でバナナなど、その他食料、生活に直結した関税修正がだいぶあるようでありますが、いままでの実績において、物価を引き下げる、いわゆる生活関連関係の関税修正によって——昨年も修正されたようでありますが、消費物価にどれだけの影響を与えておるか、実績をひとつ局長から説明してもらいたい。私は大臣はもうけっこうです。
○赤羽政府委員 関税引き下げと物価との関連についての御質疑でございます。具体的な例をあげろ、こういう御質疑でございます。 例を申し上げますと、たとえば四十六年度の改正におきまして関税引き下げを行なっておりますが、その中の代表的な例として申し上げますと、たとえば大型の乗用車でございますが、一応代表的なものをもってまいりますと、関税率といたしましては当時一七・五%であったものを一〇%に下げております。その結果としてと申しますか、もちろん関税の引き下げだけによって下がったと言うことはなかなかむずかしいわけでございますが、それを契機として、それを動機としてこれが下げられているということは、乗用車、あるいはあとで申し上げますフィルムといったようなものについては、非常に明瞭に出ております。その例を申し上げますと、大型乗用車の場合は、改正前におきましては、輸入品でございますが、小売り価格にいたしまして四百三十万円というのをわれわれは調査をいたしておりますが、改正後、四十六年の改正によりまして——四十六年四月一日でございますが、四百十八万円と約十二万円ばかりの値下がりを見ております。それから小型乗用車は、昨年改正前は二〇%でございましたが、それを改正によりまして一〇%にいたしたわけでございますが、それが小売り価格六十九万八千円が五十九万九千円、約十万円の値下がりを見せております。それからカラーフィルムの場合でございますが、カラーフィルムは改正前三〇%でございましたが、改正後二三%にいたしたわけでございます。この結果、販売価格にどういう影響を与えたかと申しますと、三千三百三十円が改正前の販売価格でございましたが、改正後三千二百三十円というぐあいに百円の値下がりを見せておるわけでございます。それから、あとバナナでございますが、バナナは、昨年度の改正におきまして、六〇%の改正前の関税率でございましたが、改正後はいわゆる季節関税をとりまして、日本の国内の果樹と競合するシーズンにおきましてはその前の六〇%を据え置いたわけでございますが、それ以外のシーズンオフにつきましては四〇%と関税率を下げたわけでございます。それによりまして販売価格は、小売りでキログラム当たり二百一円であったものが百五十八円と、約四十三円の値下がりを見せておるわけでございます。そういったものが、昨年の改正につきましての代表的なものでございます。
○山中(吾)委員 関税を下げたけれども国内価格は逆に上がったという資料を皆さんのほうからいただいたのがありますが、これはどういう理由ですか。
○赤羽政府委員 関税を下げたのに上がったではないか、こういうお話でございます。四十六年度の改正の品目につきまして、下げたにかかわらず上がったというのを見てまいりますと、上がった例を申し上げますと、たとえばみがき板のガラス、建築用のボード、それから冷蔵庫、家庭用電熱器等がございます。こういったものが据え置き、または変わらずあるいは上がった例でございますが、こういったものがなぜ関税を下げたのにかかわらず据え置きまたは上がってしまったか、こういうお話でございますが、関税以外の、いろいろな需給関係でございますとか、国際価格の影響から容易に下がらない、あるいはまた販売体制の問題とかいろいろな複雑な要素がからみ合っているかと存じます。
○山中(吾)委員 大臣の時間の関係があるから私午後に聞きますが、そこで物価引き下げの関税の原則が明確でないのでそういう錯誤が出るのじゃないかというので、いま討論しようと思ったのです。けっこうです。これで終わります。
○齋藤委員長 佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 これは質問の前に、大臣もお疲れだと思うのですけれども、声が小さいものですから、うしろの方にやっぱり聞こえないのじゃないかと思うのです。やはり討論というのは、私と大臣あるいは速記者の方々、そういうだけのものではなくて、公開でやっているというのは、うしろの方にもやはり聞こえるようにやるべきだと思うのです。そこで、私が大臣に大きな声を出せと言っても、予算委員会の最中ですのでお疲れだと思うので、やはりマイクを備えつけることを考えるべきではないか。これをあとで理事会なり何かでお話ししていただきたいと思うのです。
○齋藤委員長 理事会で十分検討いたします。
○佐藤(観)委員 お願いいたします。 それから昨日の本会議で、私は一番前ですので大臣は私がやじっているのをよく御存じだと思うのですけれども、藤田高敏議員の質問に対する答弁は、私はきわめて不満なわけです。本格的にはまた所得税の法案のときにやりますけれども、どうも大臣の発想では、官僚的な読みかえだけで、何かやったやったという感がしてならないわけです。つまり四十七年度の所得税の本税の減税をやってないではないかという質問に対しまして、大臣は、四十六年度に年内減税をやったから、今度の四十七年度の他の所得税減税を合わせると、という答弁をなさっている。まずはっきりしておきたいのですけれども、四十七年度には所得税の本税の減税はやっておりませんですね。それをまず確認をしていきたいと思うのですが。
○水田国務大臣 四十七年度に準備をした減税案を、昨年暮れの国会に提出して、年内減税として実施したということでございます。
○佐藤(観)委員 私も昨年から大蔵委員会にいて、その減税の話はずっと通して見ているわけですけれどもね。つまり四十六年の年内減税をするまでには、大臣は十五カ月予算、十五カ月予算ということで、あまり減税に乗り気ではなかったわけです。景気の浮揚策として減税が一番適切ではないのかという私たちの問いに対して、大臣は、十五カ月予算で組んでいくのだということだったわけです。それでまあ減税もやらざるを得ない、それからその減税も一月からやらなければいけないのじゃないかというふうにだんだん変わられ、そしてなお私たちの主張に対して年内減税に踏み切られた。こういうことであって、その経過は大臣もよく御存じだと思うのです。問題は四十七年度にやる予定になっていた所得税の減税というものを四十六年度にやった、だから四十七年度はやらないのだという論理は、四十六年度にやった年内減税というものを、二度に加算していることになるのじゃないか。四十六年度にやった年内減税というのは、あくまで予算の会計年度からいけば四十六年度にやったものであって、四十七年度には所得税の減税というのはやってないわけです。それが私は、四次防の計画があってない、できればここから発足するという、いわゆる全くわからないからくりと同じことだと思うのです。その点はどうですか。
○水田国務大臣 その点は、たびたび説明するとおりであります。四十七年度分を繰り上げてやったのですから、あらためて四十七年度のこの国会には減税案は出さない。それに加えて、他のたとえば住民税の減税とか何とかというものを加えて出す。この所得税の減税分はこれでこの次の国会に出しませんということをはっきりして実施したということでございます。
○佐藤(観)委員 四十七年度にその四十六年度の年内減税千六百五十億をやるというのは、一体どこできめられたのですか。それは大臣の頭の中にあっただけの話で、私たちは、とにかく景気浮揚策として所得税大幅減税をやれ、しかも年内にやったほうがそれは効果的であろうということで主張してきたわけで、四十七年度に千六百五十億の減税をやるのだということは、大臣の頭の片すみにあったかもしれないけれども、これはあくまで公式的なものではないわけですね。ですから、四十七年度にやる予定になっていたものを四十六年度にやったから、それで四十七年度所得税の減税をやったのだということにはならないと思うのです。大臣が自分一人でおきめになっただけの話であって、四十六年度にやった年内減税というのは、あくまでも四十六年度の減税であり、四十七年はやってないことは事実だと私は思うのです。やってない理由として、四十六年度に大幅に当初が千九百億、それから年内減税が千六百五十億やったから、合わせて三千五百五十億、それだけやったということ、これは理由の一つになります、それがいい理由か悪い理由かわかりませんけれども。しかし、大臣の言われるように、四十七年度にやる予定になっていたのを四十六年度の年内減税にしたのだ。したがって、四十七年度も所得税減税をしたことになるという論理はおかしいと思うのですが、どうですか。
○水田国務大臣 四十七年度にしようと四十六年度にしようと、そういう意味の減税が現在平年度化されて全部四十七年に効果を出しておるのですから、年末にやった減税はそのまま四十七年度に全部響いているということで、四十六年度は、当初予算のときにすでに四十六年度の減税はやりましたが、それは四十六年度にも一部及ぶし、同時に四十七年度はフルに平年度化して効果を発揮する、減税をさかのぼって一足先にしているということですから、おくれてするよりもこのほうがはるかにいいことであるし、しかもそのとき、こんなことは別に理由にはなりませんが、四十七年分を早めて年度内減税にしようと私は思いましたが、野党の皆さんとみな相談したときに、どうせやるなら一番消費活動の旺盛なときにというあれで、それじゃ四十七年度がさらにここまでさかのぼってやることはいいことだといってやったいきさつから見ましても、皆さんも一枚加わってやったことでございまして、いま四十七年度はやらないやらないとやたらに強調されることは、私にとって少しおかしいと思います。
○佐藤(観)委員 確かに大臣が言われるように、四十六年度に当初の千九百億と年内減税の千六百五十億、つまり三千五百五十億というものがこのまま一これは法律変わってないわけですから、四十七年度に、合わせた三千五百五十億というものが減税になっておる。これは間違いないのです。四十六年度の当初やった千九百億と年内減税が千六百五十億、これを合わせた三千五百五十億というものが四十七年度にもそのまま、法律変わってないわけですから、減税になる。これは間違いないわけですよ。これは私も認めます。ただし、私たちが言っているのは、この物価高の中で政府がこれから——私もあとでお伺いしますけれども、物価政策として何かやっているようだけれども、現実には何の効果もあがっていない。このときに、やはり物価が高くなっていく中で生活を楽にするのは、所得税の減税、所得税の本税の減税というものが一番効果があるのではないかと私たちは考えておるわけです。そうしますと、三千五百五十億四十六年度にしましたけれども、四十七年度も、公共料金が上がる、物価が上がる中で、さらにあらためて所得税の減税をやるべきではないかと思うわけです。それを大臣は、私たちが加担したということじゃなくて、それはこの大蔵委員会の中では、年内減税については景気浮揚策としてなるべく早目に、しかも年内にやったほうがいいのじゃないかということで言っていたわけで、その面で千六百五十億という年内減税というのは、これは四十七年度を繰り上げたんだ、しかも会計年度としては四十六年度に行なわれているけれども、その効果は四十七年度だというのは、この千六百五十億という年内減税について、大臣の頭の中に四十六年度のものと四十七年度のものと二度あるという感覚で、どうも私は理解できないのですが、もう一度御説明を願いたい。
○水田国務大臣 四十六年度中にやった減税がみんな四十七年度に響く、その響きを全部計算するなら、おそらく四千七、八百億円の減税になるという計算になろうと思います。しかし、私どもは、最初の減税は四十六年度に予定した減税でありますが、次の減税は四十七年度分の繰り上げというふうに考えておりますから、したがって、その減税の効果を二千五百三十億円というふうに計算して、その最初の分を計算に入れていないということでいままで説明しておりますが、この二千五百三十億円分はまさに四十七年度に響くこれは減税でございますので、四十七年度の所得税減税とみて一向差しつかえないと思います。
○藤田(高)委員 関連して。昨日の本会議における私への答弁に関連をした質問が出ておりますし、また先ほど大臣からああいった答弁がありました。これは率直に申し上げて、誤解を与えているといけませんから、私は社会党の立場も明確にしておかなければいかぬと思う。 いまの大臣の答弁を聞いておると、千六百五十億の年度内減税を実施すれば——去年千六百五十億の年度内減税をやった、それは社会党もあるいは野党も一枚かんでやったんだからという考え方の中には、それをやりさえすれば、いわゆる四十七年度の、新年度の所得税減税はやらなくともいいんだということまでわれわれが了承を与えたように聞き方によっては聞こえるわけですよ。これは断じてそういうものじゃない。その点がぼやかされたんでは、われわれの立場はないわけですね。われわれは、同じやるんであれば、景気対策としてやるについても、それは早く繰り上げてやったほうが効果が大きいだろう。四十六年度の一般減税についても、私たちは三千億なり四千億の減税をやれと言っておったんだから、それに対して政府が出したものが千九百億程度であった。そういうわれわれの考え方からいって、その年度内減税というものは、私たちの立場からいえば、当初要求しておったものにさえ到達しないじゃないか、そういう観点から賛成をしたことであって、そのことが即四十七年度に本税の改正をやらなくてもよろしいというような、そういう了承を与えたというような答弁をされると、これはわれわれ全く迷惑しごくですよ。そういう点については答弁を訂正してもらいたい。これが一つ。 本来的に四十七年度の減税というものは、やはり四十七年度の経済情勢はどう動くのか、四十七年度それ自体の、十一兆四千七百億円であれば、十一兆四千七百億円の予算規模の中で減税の占める割合はどういったものかという、四十七年は四十七年独自の財政計画なり税制計画というものは当然あってしかるべきものじゃないか。そういうことまで全部見越して千六百五十億という年内減税をやられたものじゃないと、われわれは思うのです。そういう立場からいって、いま佐藤君も言ったように、四十七年度独自の税制改正というものがあってしかるべきじゃないか。ですから、その千六百五十億の繰り上げといいますか、年内減税をやったことが、即四十七年度の減税をやらなくとも野党も了承しておるんだというような意味の御答弁であるとするならば、私はその答弁を修正してもらいたい。
○水田国務大臣 答弁は別に修正する必要はないと思います。野党がこれ以上やらなくともいいといって認めたということを言っているわけではございません。 それから、この四十七年度は四十七年度の見通しによってということでございますが、これは事実上予算の編成というものは、もう四十七年度の経済見通しというものは四十六年度の暮れにこの見通しをつけて、それに基づいて行なわれる、そのときに税制改正案というものも同時につくられるというので、去年の暮れにやっている作業は、すでに四十七年度の予算案であり、税制案であったわけでございますが、その暮れに、同じ時期に一月の国会に出すのか十二月の国会に出すのかという違いだけであって、これを一足早く国会に出すということを私どもがきめて出したということでございまして、じゃあとはどうするかという話がありましたが、あとは所得税の改正というものはあらためて出さない、しかし課税最低限との格差が出るために、地方税はやはり減税をしたい、無理しても地方税の減税をやりたいということと、景気対策とかいろいろなことを考えますと、また、予算の編成方針が福祉優先というようなことを考えている以上は、この減税以外にさらにもっと有効な社会保障費の支出というようなことさえ取り入れたい、そういうものを入れ込んでいろいろ来年度の対策を立てるから、したがって所得税の改正案はもうこれで出さないということは、当時この席でも質問によって説明してございましたし、この点を私は言っていることでございまして、それは違う違うとあまりそれを強調されるということは、少しおかしいと思います。
○佐藤(観)委員 まだ不満もあるわけですけれども、また所得税法が上がったときにやらしていただきたいと思います。 もう一つ、いわゆるテーク・オーバー・ビッド、株式の公開買い付け第一号がきのうベンディックス社から出たわけですけれども、これについて、いわゆるテーク・オーバー・ビッドとは、経営権を取るというテーク・オーバー・ビッド本来のあり方ではなくて、株式の二〇%だけを持ちたい、ベンディックスが株式の二〇%を外国の株で持ちたいということのようですので、若干色合いは違うようですけれども、私たちが、昨年ですか、この委員会で株式の公開買い付けをやったときには、その話がなかったのですけれども、現実になってみますと、いろいろな論評が出ているわけです。 そこで、ひとつ大臣にお伺いをしたいのですけれども、今度のベンディックス社による自動車機器の公開買い付け、これについての大臣のお考え、論評と申しますか、感想をお伺いをしたいと思います。
○水田国務大臣 これは私もいろいろ説明は聞いておりますが、役員を送って会社を支配するとかいうようなことは全然ございませんし、目的が連結財務諸表という向こうにある制度でございますが、全部自分の関連会社の株式を入れた貸借対照表をつくるという必要が向こうにはある、このほうが非常に有利になることはそうですが、それには二〇%の株式を持たなければいけない、それを持ちたいということで、目的はそれ以外にないということでございますので、また自動車機器のほうも、十分承知しておって、むしろ好意的な関係にあって承知の上でやっているということでもございまして、この問題に関する限り、そうぐあいの悪いということはないというふうに私は聞いております。
○佐藤(観)委員 最後に、いま大臣が言われたことば、実はあの法案を論議するときにも、はたして乗っ取りというものは善か悪かという問題でずいぶん話が分かれるところだったわけですけれども、いま大臣から話があったように、役員を送らないとか、あるいは自動車機器との間に話し合いがついている、そういうことで支障はないんではないかというような御発言のようですけれども、もし今後テーク・オーバー・ビッドで、たとえば役員を送る、あるいは買われる会社のほうといろいろな支障が起こる、摩擦が起こる、こういう場合には、大臣のほうで、これはいけない、不許可にするということもあり得るということですか、裏返していえば。その点はどうでしょう。
○水田国務大臣 これは届け出主義で、許可するとかなんとかいうのじゃなくて、条件を整えればそのまま許可されるということになっております。
○佐藤(観)委員 終わります。
○齋藤委員長 松尾正吉君。
○松尾(正)委員 大臣にお尋ねします。昨年末にワシントンで、国際通貨の調整が終わった段階で、大臣は非常に国民向けの談話を発表しているのを忘れてはいないだろうと思う。これがまことにどうもその場限りの発言のような感じがしてならない。まず一つ、円切り上げの意味について、「資源の乏しいわが国は、海外から食料品や原材料を輸入しなければなりませんが、今回の切上げにより、従来よりも割安でこれらの資材を入手できることになります。このことは国民経済全体にとって利益であることは明らかであります。」国民経済全体——産業界ばかりじゃないですよ。「円の切上げによって輸入品の価格はそれだけ安くなるはずであります。」(「はずだ」と呼ぶ者あり)「はず」に力を入れたのかどうかわかりませんが……。「輸入品の価格はそれだけ安くなるはずであります。今後、輸入の自由化や関税の引下げ、流通機構の近代化の推進と相まって消費者物価の安定に役立つ面が大きいと思います。」こういう発言をしている。切り上げ後三カ月を経た今日、現状はこの発言どおりの実態かどうか、大臣ちょっとお答え願います。もし詳しい資料がなかったら、経企庁来ておられると思いますから……。
○水田国務大臣 確かに理屈の上から「はず」であるのですが、はずをはずとするために、これから行政的な努力がいろいろ必要だと私どもは思っております。先般も関係閣僚集まってこの相談をいたしております。今後やはり切り上げの効果あるいは関税の引き下げの効果というものが明らかに国民の目に見えるような行政を私どもはしなければなりませんので、これについてのいろんな打ち合わせをやっておりますが、実際ははずでありますから、ぜひこれを実現させたいと思っております。
○松尾(正)委員 この時点では、円が大幅に切り上げられたじゃないかという批判があったわけです。いまの時点では、これを経過して、そしてこの大幅に切り上げられたということを避けるために、「はずだ」というこの三文字を強調して、それで肝心の国民が期待する輸入品価格が安くなるんだ、円がこんなに切り上げになったんだから安くなるんだという。国民には、資源が割り安になる、ですから国民経済はうんとプラスになりますよ、それで輸入品価格が下がるんだから、それだけあなた方の食料品や日用品が安くなりますよとか、いろいろ言っておって、それはいまになってみれば、「はず」だというのじゃ、これは国民をばかにしたこと以外には、大臣としてあまりにもはなはだしい詭弁としか言いようがないと私は思う。その点について、このときの心境は、はずだというのが中心だったのか、資源、それから輸入品が安くなるんですよというのが正意なのか、どっちが正意なのか。いいかげんな答弁じゃだめだ。
○水田国務大臣 いいかげんじゃなくて、物価が当然下がらなければなりません。ところが下がらない要素というものが日本の流通過程の中にいろいろあるので、必ず下がりますと言い切れない問題があることは、御承知のとおりだと思います。ですから、私ははずだと言ったんですが、その「はず」をとるために今度は強い行政が必要だということをそのときもう覚悟しておったことでございます。たとえばウイスキーは明らかに値が下がりました。下がりましたが、御承知のようにウイスキーは、会社が日本においては一社しか代理店を与えないというんですから、これはもう販売が独占されるというようなことから、そのまま値下がりだけがすぐに消費者価格に及んでくるということはございませんので、これに対しては公取も非常に研究してくれますし、私どももやりました結果、ようやくここで、たとえばジョニーウォーカーの赤クラスは二百円下げるとか、あるいは黒の水準のウイスキーは五百円下げるというようなことを今度させましたが、そういうことで、これはいろんな事情があろうとも、とにかくこれだけ下げるというような指導をやって、一つ一ついまいろんな事情があっても、とにかくそれを乗り越えて下げらせるという行政努力をしているところでございます。そのままおいたんでは、流通過程で吸収されてしまったり、あるいはいろんなことで、明らかに輸入品価格が下がって、切り上げ幅だけ下がっておりながら、これが国民に還元されないということでございますから、それにはそういう努力がなければそのまま下がらぬのが「はず」ということでございまして、私どもの考えはほんとうにそこまで下げたいというふうに考えております。
○松尾(正)委員 いまウイスキーの例を一つあげましたけれども、輸入品はウイスキーばかりじゃない。一ぱいある。その中でこういう努力をしたという一つを示されましたが、大臣はこの中でいろいろ影響を受ける部門については、「摩擦を少なくするよう万全の措置を講ずる」ということを言っているんですよ。ある切り上げが論議されたときに、じゃ輸入価格についてはどうするんだということで、もちろんこれは大蔵大臣一人じゃありません、けれども、財政大臣として円の調整が行なわれた段階でそういうふうに国民全体が利益を受けるということを発表しておいて、そうしてその価格の下がる問題は非常にむずかしいんだということで、摩擦を少なくするために万全の措置を講ずると言いながら、そういう手が直後に打たれていない、直前に打たれていないというところに、私はいまの政府の物価その他の問題で国民が苦しまなければならない大きな要因があると思うのです。それで、今度経企庁等で円切り上げ後の調査をやって、反映していないという結論が出ているんですけれども、もっとこういうことをうたうためには、事前に予測されているんですから、流通機構に吸収されるということはいまに始まったことじゃなくて、ずっと以前から心配され、懸念されて、そうして切り上げ後にどうかということまで論議されているんですから、その手が国民のためにはまことに弱い、こういう点を指摘せざるを得ない。まあ具体的に事務当局から一つ一つについて聞けば、いやたいへんだ、これはぼくの言ったことはうそだと思われるなということは大臣が腹にしみて感じられるでしょうけれども、時間が十分しかありません。ですから、そこまで詰められないのが非常に残念ですけれども、どうかそういう点をしっかり配慮していただきたいということを強く私は要望しておきます。 それから具体的な関税の面については、これらの引き下げに対する手の打ち方等、午後伺いたいのですが、一つは、あと十分ですから、デノミの問題につきまして、かつて大臣は実施の方向を示唆するような発言だという意味の新聞報道等がありました。これについては、私はそうでないということを伺いましたけれども、その後鳩山事務次官もやはり大臣と同趣旨の発言があったというような新聞報道がある。したがって、週刊誌その他では、このデノミの実施については、というようなことがいろいろ不安をかもし出しているような報道もあります。したがって、このデノミについては、こういうような新聞報道等によって国民が不安を抱いているのですから、やらなければならないのか、あるいはやるのか、この点をまずはっきりする必要があると思うのです。それで、大臣がこういうことを発言したということは、やはりメリットを考えていると思うのですけれども、あるいは必要性を考えていると思うのですけれども、メリットなり必要性というものはどうなんですか。この点について、大臣にお答えいただきたいと思います。
○水田国務大臣 これは先般申しましたように、できるだけ国民層の間で議論があってこの趣旨が徹底することが望ましいと私は思っていろいろ申しましたのですが、しかし、言うとまたすぐやるというふうにとられて、週刊誌や何かがデノミ関連株とかなんとかいうようなことまで書いて、あまり弊害のほうが多いような最近でございますので、しばらく私はこれはやらぬと言っておきましたから、その程度にしておきたいと思います。
○松尾(正)委員 週刊誌その他がということは、いま私が申し上げたように、政府の態度がはっきりしないからこういうことが取り上げられるということは理解できると思うのです。金融機関等までがもう関心を持って、名前をあげることは控えますけれども、とにかくデノミに対するメリットはない、具体的にいえばレジスターとか自動販売機、こういったものを考えても膨大な費用がかかる。不況時にとうていこれは考えられるものではない。それから計算単位がきわめて繁雑になって、非常に官庁、各会社、企業等がたいへんなことだ、こういうことを考えてもやるべきではない。またこれを行なえば、端数切り上げ等消費者物価が一挙に引き上げられることは、これはもう絶対に免れられない、したがってやるべきでない、こういう意見まで金融機関が発表しておるわけです。こういうことを考えると、やはり私が何か言えば取り上げるからでなくて、その態度をはっきりする必要がある。財政の責任者としてその態度をはっきりするのは、これはもうその責任があるということを私は申し上げているわけです。したがって、やるのならば、これをいつやる。しかし、それがためにはこれだけの準備期間、たとえば五年間なら五年間の準備期間を置いて、国民の皆さんが心配するようなことはありません、こういうことを付して大臣がはっきり表明すれば、そういった不安は一挙に解消するわけです。ですから、この五年間はやらないとか、あるいはやる場合にはこういうことですからという、そういうことをこの際明確に発表していくことが、いまのデノミに関する不安を解消するための処置であり、また財政担当大臣としての国民に対する責任であろうと思うのです。そういう意味で、いまの点にお答えいただきたいと思います。
○水田国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。ですから、またそうなりますれば、時間のない機会ではなくて、別に、場合によったらそういう問題を大蔵委員会でメリット、デメリットの検討とかというのをゆっくりやっていただくというようなことがあったらいいんじゃないかと思います。五分、十分の間にこの問題を論じますというとなかなか言い尽くせない問題でございますので、また私は場所をあらためてこの問題をひとつ取り扱っていただきたいと思います。いますぐ実施する問題ではございませんし、かりに政府が実施すると決心しても、一年、二年の準備期間を要するものでございますから、そう国民が心配する問題ではございませんので、ゆっくりまた論議の機を得たいと思っております。
○松尾(正)委員 非常にくどいようですけれども、これは通貨調整等と違って、何も国民に秘密にしておく必要なんかは毛頭ないと思うのです。もちろんある程度の影響はありますけれども……。であるがゆえに、これがはっきりしないためにいろいろな不安や問題が起きているとすれば、こういう状態をいつまでも置いておくことはいけない。したがって、ゆっくり時間をとってというのですけれども、大臣が大体この大蔵委員会にゆっくり検討するほど出席するのですか。それこそ私はいろいろ関係があるので出られないのだということで、時期を引き延ばすための詭弁としかとれない。ですから、いま大臣の発言の中に、やるとしても一、二年の準備期間がという、この一、二年というのは、準備期間は私は五年なら五年と言った、これが一、二年ということは、じゃ一年ないし二年というふうに解釈してよろしいのですか。やるとしても一、二年の準備期間が必要だとおっしゃいましたね。私は三年なり四年なりということをはっきりすべきだと申し上げたのですけれども、一、二年ということは、そのとおり、日本でデノミをやるとすれば一、二年の準備期間で実施するのだなというふうに国民は解釈すると思うのですが、そういうふうに解釈してよろしいのですか。
○水田国務大臣 やり方がたくさんあるのですから、やり方によっては、たとえば全部コインを準備しなければやってはいけないということでしたら、十年はかかる問題ですし、そうでなくて、各国がやっている例にならえば、二年あればやれるということですし、同時に通貨を二通り流通させるということをやっておけば、国民は貨幣価値が変わる問題じゃないということははっきりしますので、そういうことを考えても二年あればいいだろうというような外国の例もありますし、いろいろやり方によりますので、いまやるときまっていることではございませんから、したがって、ここで年数をどうというようなことを言う必要も私はないだろうと思います。
○松尾(正)委員 終わります。
○齋藤委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 いま松尾さんからデノミの問題が出ましたが、私もデノミをやってどれだけのメリットがあるかということについては、非常な疑問を持っております。そして内閣の姿勢からいえば、いわゆる末期現象とよくいわれているんだが、そういう末期にこういう大きな問題を投げて経済界を混乱させないように、慎重な態度をとってもらいたいということを要望いたしておきます。 それから本論に入りまして、まず伺いたいのは、先ほど質問も出ましたけれども、来年から新しい国際ラウンドに入るのだということで大体の合意ができたようであります。もともと日本ラウンドと言っておったものが、いつの間にかアメリカだ、ECだということになって、名前はどうでもいいのですが、新しい国際ラウンドということに最近は名称も少し変わってきたように思いますが、いずれにしても日本の国益から考えますと、この新国際ラウンドというものは、非常に重要で、われわれ日本としてはきわめて積極的にこれに取り組まなければならぬと思います。ところが、実際の情勢を見ると、アメリカのごときは、一方ではそういうことを言っておるけれども、一方ではそれに逆行するような動きをしておる。コナリーさんがドルブロック論とかなんとかということを言ったことも新聞に出ておりました。またECにおいても、だんだんとそのブロック体制を強化する方向に向かう心配もないではない。また日本に対して、差別関税。またフランスにしても、その他の国がいろいろやっておる。こういうことを考えると、それだから新国際ラウンドが必要だということにもなりますが、現実はそれと逆行した方向に向かっておると思うのです。そういう意味で、これを提唱し、これに取り組むについては、よほどの覚悟とまた準備がなければならぬと思うが、一体、日本の政府としては、どういう覚悟、どういう準備をしてその問題に取り組もうとしておられるのか、その辺をひとつ伺いたいと思うのです。
○赤羽政府委員 次期国際ラウンドでございますが、いま御指摘のとおり、二月十日の日米共同声明によりましてその端緒が開かれたわけでございます。その準備というお話でございますが、まず世界的と申しますか、ガットの場でどういう準備が行なわれているかということを申し上げたいと存じますが、ガットにおきましては、二月十日の日米共同声明並びに二月十一日のアメリカとECとの共同声明は、直ちにガット事務当局に通報いたされまして、ガット加盟国に全部通報されております。そういたしまして、ガットといたしましては、先ほどお話が出ておりましたようでございますが、きのう理事会を招集をいたしまして、その声明を受けて今後いかにこれを運ぶかという第一回の会合を行なったようでございますが、正式の公電にはまだ接しておりませんが、それまでいろいろな情報を整理いたしますと、まず日米並びに米EC共同声明の中にうたわれておりますように、あの予定でまいりますと、一九七二年中は、次期国際ラウンドとしていかなる問題を取り上げるか、貿易障害の中の関税障害並びに非関税障害、こういったものの具体的な項目をどういうぐあいに取り上げるか、それからこれの分析と評価を一九七二年中にやりたい、こういうぐあいに言っておるわけです。そして一九七三年から国際ラウンドのいわゆる幕をあける、こういうようなスケジュールが大体示されております。それを受けまして、ガットといたしましてどういうぐあいに扱うかということを相談したようでございますが、まずガットのロング事務局長の構想として伝えられた記事によりますと、まずその機構問題、どういう場でどういう機構でそれをやっていくかということが第一に問題になっておりますが、これにつきましては、現行ガットの中に工業品委員会と農産品委員会と二つに分かれておりますが、この二つの機構をとりあえず使っていきたいということが、一応現在では示されております。しこうしてそれに対応します日本側は、今後どうするか、どういう準備をするのだ、こういうお話でございますが、現在各省間におきましてそれに対応して具体的な検討にまだ正式には入っておりません。入っておりませんが、これに対する対処の基本方針と申しますか、態度といたしましては、第二次国際ラウンドは、さきに行なわれましたケネディラウンドに比べまして、非常に内外情勢、客観情勢がむずかしいものとなっております。まず第一番目にあげなければならぬものは、当時いわゆるアメリカの指導力、経済的地位というものが非常に大きかったわけでございます。今度はそれが非常に違ってきておる。アメリカの経済的、国際的地位が下がってきておる。それにうらはらの関係になるかもしれませんが、日本の地位というものが非常に上がってきている。これが一つと、それから第一次のケネディラウンドにおきましては、何といっても最初に一括引き下げということで取り上げたものでございますから、第二次に残る問題といたしましては、関税引き下げにつきましても、どちらかというとむずかしいものが残っております。 それから非関税障壁の問題につきましては、実は第一次ケネディラウンドでは若干取り上げられておりますけれども、非関税障壁の大部分につきましては、第一次では取り上げられておりません。これから第二次の次期国際ラウンドで取り上げられるかと存じます。こういった問題は、第一次のケネディラウンドのときに比べまして非常にむずかしいかと思います。こういった客観情勢がむずかしいというところを踏まえ、かつ当時とは違って日本の地位が飛躍的に上がっている、こういうことを踏まえまして、先ほど御指摘がございましたとおり、政府間ではそういう声明を出しまして、ガットを中心に大いにやろうという機運を盛り上げておるわけでございますけれども、率直に申しまして、民間の全体の空気は、ややともするとむしろブロック化の方向に向かう危険が非常に多いわけであります。そういった状態の中に、非常に地位が上がりました日本は、自由貿易の理念というガットの理念が日本の国益に常につながるということを念頭に置きまして、率先して第二次国際ラウンドを見ていかなければならぬのじゃないか、かように考える次第でございます。
○竹本委員 これは大蔵大臣に強い要望をしたいと思うのですけれども、いまの答弁は事務当局のほうが先にやられたけれども、日本の最近の政治というものは、いつも事務が政治に優先しているというところに幾多の悲劇があると思うのです。そこで、事務的な御説明はありがたく拝聴いたしましたけれども、私が伺っておるのは、それも必要であろうかと思いますけれども、それ以上、今度の新国際ラウンドに取り組む日本の姿勢、日本の要求といったようなものをどういうふうに考えておられるか、またどういうふうにPRをされていくつもりであるかということを、実は伺ったのです。そのことを私がお伺いするのは、最近の会議、たとえば通貨外交のときにも、私は率直に申しまして、これは成功であったとは思っておりません。水田さんの御努力は高く評価するけれども、全体として成功であったかどうかといえば、私はそう思わない。特に私が残念に思うのは、陰でいろいろ御努力はなさっただろうと思うのだけれども、少なくともわれわれが新聞その他を通じて知っておる限りにおいて、たとえば通貨問題のときにも、フランスは絶対アメリカのために金をかってに変動させるようなことはやらない。フランをそのために特に切り上げたり切り下げたりしないということで、とにかくフランスの立場というものは非常にきびしいものを持っておった。イギリスのほうは、EC加盟という一つの大きな政治目標を持って、すべてはそれから割り出していくような態度をとっておった。そういう場合に、あの際にも日本の総理大臣がどれだけ動いたか、日本の外務大臣がどれだけ動いたか、日本の通貨外交がどういうふうに展開されたかは、われわれでもよくわからない。特に日本は何を訴えていこうとしているのか、その点がわれわれはよくわからない。結果においては二八・八八%がくっとやられたというような感じを持っておるわけです。しかし、少なくともフランスはいま何を考えておるか、イギリスは何を要求しているかということは、われわれでも大体理解できた。 こういうふうに、今度の新しい国際ラウンドに臨む場合においても、日本の政府としてはどういう点を訴え、どういう点に特に重点を置いているのだということが外国にもわかり、日本にもわかるというだけのPRが必要だとぼくは思うのです。そういう意味で、来年のことだからというお話もあるかもしれませんけれども、いずれにしても、次の新国際ラウンド、第一、日本自身がジャパンラウンドと初め言ったのですから、そのジャパンラウンドにおいては、特に何を主張するのかというそのバックボーン、ポイントだけは国民にもあるいは諸外国にも理解させるくらいの努力と準備があってしかるべきだと思うのです。ぽこっと会議に連れていって、徹夜でがんばりましたけれどもだめでしたというような外交ではだめだ。やはり事前に日本の国策の基本的なものをきめ、そしてそれを内外にアピールして、そして最後の戦いの後にどういう結論が出るかということだとぼくは思うのです。そういう点について、ひとつ大蔵大臣のその意味の決意なり構想なりをもう一度伺っておきたい。
○水田国務大臣 いま局長から話がありましたように、日本の地位が違ってきて、かつては受け身で消極的であった自由貿易の原則というものについて、今度は日本がこれを積極的に主張してこの実現をはかることが日本にとって必要になったという国際情勢の変化もございますので、こういう点で日本の立場は従来とは違ってくると思います。したがって、その線に沿っての準備をしなければならぬと思いますが、対外問題よりもむずかしい問題は、やはり国際ラウンドに臨むにあたって国内の態勢がどう固まるかという国内の政策のほうが、非常に私はむずかしいということを考えておりまして、その政策がはっきりと国内で確立しないというと、この国際ラウンドにおいて日本が十分の役割りを果たせないことになるということをいまから心配しておりますので、準備というのは、対外的な準備と同時に、やはり国内政策の準備が私は必要ではないかというふうに考えます。
○竹本委員 国内準備が必要だけれども、対外的には積極的に何を訴えるかという、その積極的な内容を議論したいわけですけれども、おわかりの点ですから、これ以上時間もありませんから申し上げませんが、とにかくおっしゃるように、国内の姿勢、態勢を整えることも大事でありますが、同時に外に向かって何を訴えようとしておるのであるかということが、少なくともわれわれにもわかる程度にやはりPRを内外にやっていただくように要望しておきます。 次に、今回の関税の改正で三百三十九品目ですか、やろうということになっておりますが、こういう努力はそれなりに評価できると思いますけれども、私は、こういうものをお互いさまの問題でございますから、日本もそういう努力をやるとともに、外国あるいはアメリカにおいてもそういう努力をしてもらわなければいかぬと思うわけでございますが、アメリカの、これは新国際ラウンドのとき出るわけでしょうが、先ほどもお話がありましたが、非関税障壁というものは非常にきびしいものがあって、われわれが普通に聞いておれば、日本のほうだけがかってなことばかりやっておるように思うけれども、しさいに点検してみれば、アメリカのほうががめついことをやっておると私は思うのです。そういう意味で一つだけお伺いしますが、ASP、アメリカン・セリング・プライスというようなやり方は、はなはだもってけしからぬ、非常識なやり方だと思いますが、この点について、大蔵大臣はどういうふうなお考えでありますか。
○赤羽政府委員 ASPというのは、まことにこれは国際的に異例な制度でございまして、日本のみならず、各国からこれに対する非難が集中をいたしております。そしてアメリカはその非難を十分承知いたしておるわけでございまして、実はケネディラウンドの一環といたしまして、これを撤廃するということを行政府限りで約束をいたしたわけでございます。ところが議会にこれがかかりまして、米国の国内産業保護に重大な影響がある、こういうことでこれは否決をされておるわけであります。これにつきまして、今回日米通商交渉の過程におきましては、この問題については特にわがほうよりも重ねてこの撤廃方を強く迫りました。その結果といたしまして、今回の日米交渉の両方の書簡の中にはっきりと明記してございますけれども、日本の立場から申しまして、ASP制度四品目でございますけれども、四品目のうち二つ、毛編み手袋、それからアサリのかん詰め、これについては撤廃をいたします、それについて必要な授権を求める立法を議会に早急に提出をいたします、ということを書簡に書いてございます。そういう約束を取りつけております。
○竹本委員 品目は四品目、またそのうち二品目どうするとかいう話ですけれども、こういうものはたてまえの問題だとぼくは思うのですね。とにかく日本には、おまえかってなことをしておるぞと言わんばかりに責めたてるけれども、自分のほうこそかってなことをやっておる。それを日本が黙認するというのか、了承するというのか知りませんけれども、そういう制度の存在を許すということにぼくは問題があると思うのです。だから、これはむしろ政府の政治姿勢の問題であります。品目の数とかなんとかいう問題ではない。たてまえとして、とにかくそういう世界じゅうから非難もされる、アメリカ自身もわかっておるといったような問題を、鼓を鳴らして日本のほうから責めたてるくらいの姿勢というものがなければいかぬ。これは予算委員会においても私申しましたけれども、どうもアメリカに対していまだに敗戦以来の考え方といいますか、従属とか屈従とか申しませんけれども、とにかくそういう気分が日本には残り過ぎておる。私はあのときも申しましたけれども、アメリカの大学教授が本を書いても、日本はアメリカとともに立っておるということを初め書いておるけれども、あとカンマを切って、アメリカのうしろに立っておるといってわざわざ書いておる。あれは佐藤内閣のために書いたのかどうか知りませんが、イット・スタンズ・ウイズ・ザ・ユナイテッド・ステーツ、カンマを入れて、ビハインド・ザ・ユナイテッド・ステーツと書いておる。アメリカの大学教授で佐藤さんとも会った、よく日本を理解している人がそういうことを書いておるというところに、私は単なることばの問題じゃなくて、まじめに考えますと一つのショッキングな表現だと思ったのです。日本はアメリカとともに立っておるということを書いて、それからアメリカのうしろに立っておるということをわざわざカンマを切って書かなければならぬところに、問題があると思うのですね。そういう意味で、関税交渉あるいは貿易の問題にしましても、もう少しアメリカに言うべきことは言ってもらいたい、ということを感ずるわけでありますが、今度の関税の改正におきましても、まあ肥育用の小牛の問題でも、いままで四万五千円の関税をかけていたやつを、今度は五千頭ばかりは割当制度で自由に入れるということになったようですけれども、そういうことをやることによって、一体アメリカからは何をギブ・アンド・テークでかちとろうとしておるのか、その考え方をひとつ承りたい。 時間がありませんからあわせてもう一つ申しますが、これは後に出てくる問題でございますけれども、物品税の問題でもそうです。国際経済情勢の何とかとえらい長い文章で書いてあるけれども、結局われわれの直観するところでは、アメリカに言われたから大型自動車、中型自動車の物品税を四〇%もしくは三〇%から二〇%に下げるということだけじゃないか。あの法案は一体どこに内容があった、それしかない。ところが日本の国内においては、六年も前にきめた、物価はどんどん上がっておるときに、六年前の物品税をそのままにしておくということは全くおかしい。あらゆる強い要望が出ておるのに、そのほうは法案としては少なくともまだ出てこない。しかし、アメリカの言うた問題は、大型自動車の物品税を下げろ、はい下げましょう。半分だ、二〇%。関税も一〇%を八%にしましょう。オールサービスだ。そういう態度にわれわれは非常な不満を持つわけです。私はただことばだけで激しく対米追随であってはいかぬというようなことを言うわけじゃありませんが、具体的に、アメリカが要望したものは直ちに法案となって出されるが、国民の要望したものは一体いつになって具体的に実現するのかさっぱりわからない。そういうことでは、ビハインド・ザ・ユナイテッド・ステーツになり過ぎる。われわれは、もう少しアメリカに対しても言うべきことは言うべきだ。関税の問題でも、われわれはこれだけの努力をして下げるならば、その見返りとして、アメリカがかってにやっておるものはこれだけは改正させるといったような見通しがあるのかないのか、その辺をちょっと伺って終わりにしたいと思います。
○水田国務大臣 もう交渉の過程において非関税障壁を向こうに検討を約束させたものがあり、また向うから交換として私どもがかちとったものもございますので、一応整理して——ワシントン会議で相当こちらはいままでの主張を全部総洗いに一応主張して一つずつ当たっておる問題でございますから、決して向こうの要求ばかりをいれたわけではありません。
○齋藤委員長 午後一時三十分より再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時十九分休憩 ————◇————— 午後一時四十四分開議
○齋藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 関税定率法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。奥田敬和君。
○奥田委員 午前中の質問に関連をいたしまして二、三質問してみたいと思います。 午前中の御答弁で関税局長は、この関税の基本機能について、財政的見地と経済政策的見地からいろいろな基本機能が多角化していることをお述べになっておられましたけれども、財政政策的に見るときに、やはり間接消費税の特性を持っておる、こういうわけで、午前中大臣にも少し触れてはいただきましたけれども、生活関連物資の関税引き下げによって物価対策にどの程度の効果があってきたんだろうかということが私たちの一番の関心事でございますけれども、この下がったものの具体例をちょっと簡単に指摘していただけませんか。
○赤羽政府委員 関税引き下げによりまして現実に、具体的にいかに効果があったか、関税引き下げによりましてどのくらい下がったかという点につきまして、午前中にもちょっと触れたわけでございますが、あらためて御説明さしていただきます。 四十六年の関税引き下げによりましてどういうものが下がったかという点でございますが、一部重複するかもしれませんが説明させていただきます。 まず、四十六年でございますが、大型自動車の関税率を下げております。改正前一七・五%でございますが、一〇%に下げております。これによりまして販売価格がどう下がったかということでございますが、代表的な例をとりますと、改正前では四百三十万のものが四百十八万でございます。約十二万ばかり下がっているわけでございます。それからただいま申し上げましたのは大型でございますが、小型の乗用車の場合について申し上げますと、たとえばフォルクスワーゲンは、改正前の関税率で二〇%、これを半分にいたしまして一〇%に四十六年度にいたしたわけでございます。それに伴いまして、価格が六十九万八千円から五十九万九千円、約十万円の値下げを見ております。 それからカラーフィルムでございますが、午前中にはシートフィルム、大きなものの例を申し上げましたが、今度はより普遍的な、一般に市販しておりますカラーのロールフィルムについて例を申し上げさしていただきますと、改正前が四〇%、改正後が二六%になっております。それによりまして、一本五百四十円の価格であったものが四百八十円と、六十円ばかりの値下げを見ておるわけでございます。 それからバナナでございますが、これは午前中にも触れたわけでございますが、改正前が六〇%で改正後は国内かんきつと競合いたします十月から三月までは六〇%、そのまま据え置いておりますが、それ以外の月、四月から九月までの間におきましては四〇%と下げました。その結果、小売り価格を見てまいりますと、キログラム当たり二百一円であったものが百五十八円。 それから羊肉を下げております。これは改正前八%でございましたのが無税にいたしたわけでございます。これでまいりますと、これは卸売りの値段で表示されておりますが、ポンド当たり二十一円、これが十八円ばかりに下がってきておるわけでございます。 それから、下げたにもかかわらず価格が変わらなかった、あるいはかえって逆に上がったという例といたしまして、午前中に板ガラスでございますとか建築用ボードでございますとか冷蔵庫でございますとか家庭用電熱器といったたぐいの例をあげましたわけでございますが、これらは国際的な需給関係でございますとかあるいは販売体制とか、関税以外の要因によりまして不変もしくは上昇いたしたと、かように私らは観察いたしておる次第でございます。
○奥田委員 いまカラーフィルムとか自動車とか、いろいろこまかい点にまでわたってお答えいただいたわけですけれども、ほんとはもう少し、実際は生活関連物資に具体的にどれくらいの効果が出てきたんだろう、そのことはまた消費者物価という面の形にもあらわれてくることをわれわれとしては期待しておるわけですけれども、そういう形になると、消費者物価面においては、はっきりいって全然効果がない、というと語弊がありますけれども、効果があまり出てきていない。水ぎわで関税の引き下げという形によってやっても、実際問題として、関税局長自身も感じておられると思うのですけれども、関税は引き下げたけれども、しかし現実には中間の流通段階でマージンがいろいろ吸収されて、消費者までには届いてないというのが私はほんとうの姿じゃないかと思うのです。これは大臣の、午前中に確かにこういう流通段階その他によって、実際関税引き下げあるいは輸入量の拡大等によってもなかなか現実には物価政策に反映していないということを悩んでおられた答弁によっても明らかでありますけれども、いずれにしてもあなた方は生活関連物資の関税はどんどん引き下げていくべきだと思うのです。それを一体追跡調査というものを、どこと連絡をとってどういう形でやっているのですか、役所の仕組み上は。
○赤羽政府委員 関税引き下げ後におきます価格動向を調査するためにいかなる手段を用いているか、こういうことでございますが、まずこれは不断に原局でございます農林省あるいは通産省と連絡をいたしまして、事務の連絡をはかっていることは事実でございます。それから今回、去る三月三日でございましたか、物価関係の閣僚協議会の決定といたしまして、物価対策というものが打ち出されておるわけでございます。それによりますと、たとえば政府関与物資、小麦でございますとかそういったものにつきまして、現在の流通事情その他の経済事情を参酌して、これからの小麦の売り渡し価格を算定するというようなこと、あるいはまたたばこについて、小売り定価について検討を行なうというようなこと、あるいはまた数十品目をあげまして、輸入品の価格動向の追跡調査をこれから行なう、こういうような一連の手段をこれから講ぜんとしているところでございます。
○奥田委員 きょう農林省からも参事官もお見えになっておるようなので、また子牛の説になりますけれども、今度五千頭は無税で入れてあとは一頭当たり四万五千円ということでございますけれども、消費者の立場からいうと牛肉が高いという形で、少しでも安くて量的にも相当な輸入量の拡大ということを消費者側としては望んでおるわけですけれども、牛肉はいまでもやはり非自由化品目でございますけれども、こういうものを自由化まで持っていくときには、いろいろな畜産政策等にも影響があると思うのですが、極端に言うと、もう少し、たとえばスライド税率を適用するとかいろいろな形で、市場とあるいは国内の畜産政策というものをうまく、そのときの情勢で市場調査等の数字等を勘案して、そういう方向に持っていくように努力されておりますか、またその自由化の時期というものをいつごろに見込んでおられるか、参事官、お答えいただきたいと思います。
○斎藤(吉)説明員 ただいま先生の御指摘の牛肉の件でございますけれども、御案内のとおり、畜産の中で牛肉の生産、肉牛生産というものは非常にむずかしいものがございます。御案内のとおり、従来は役畜ということでやってまいった。それが機械化によって機械にとってかわられまして、役から今度肉専用ということで考え方が変わってきたという現状でございます。しかしながら、経営の態様をよく見ますと、依然として畜生産のときから大きく変わっていないというのが残念ながら現状なわけです。平均の飼養規模が乳牛の場合でございますと大体六・六頭ぐらいになっております。肉畜の場合はわずか二・二頭という全国平均でございますが、大きなものもございますけれども、大体そういうようなことなので、現在国内で牛肉の生産ということが一つの農業と申しますか産業として十分やっていけるという形になっていないわけでございます。 一方、やはり世界的にも牛肉の生産は非常に足りない。世界も需要の伸びが非常におびただしいものがございまして、やはりFAOとかその他のOECD等の調査によりましても、将来的にはやはり非常に逼迫してくる。どうしてもやはり輸出余力のある国としては将来的にはオーストラリア、ニュージーランドくらいしかないのではないかというような見通しが出ております。 そういうような状態でございますので、やはり相当程度のものを国内生産ということで確保してまいらなければならないということで、農林省といたしましてもこの点に力を尽くしまして、明年度の予算等を御審議いただいておるわけでございますけれども、その中にも肉牛対策ということをひとつ十分に取り入れていきたいということでお願いしておるわけでございます。そういう状態でございますので、やはり弱い生産体制でございますので、これが力をつけていくにはかなり時間が要るのではないかということで、現在のところ牛肉を一、二年内に自由化するというようなことはちょっと考えにくいのではなかろうかというぐあいに思っております。
○奥田委員 今度の改正で関税業務簡素化とかあるいは輸入業者のそういう事務的な便宜をはかる見地からでしょうけれども、大体判別困難な五十二品目ですか、税率調整措置をとるということになっておりますけれども、たとえばそれは一体どういうものですか。
○赤羽政府委員 現在の関税率表、物品の分け方が、率直に申しますと、非常に厳密、科学的ではございますけれども、いろいろな産業の生産品の多角化あるいは進歩によりまして、経済的に税をかける、こういうぐあいな立場で見ましたときに、そこまで区別せぬでもいいじゃないかというものが非常に出てきております。代表的な例として申しますと、たとえばエビ、生きているエビでございます。これを海からとってそのまま乾燥したエビと、それから水に一たん入れて煮沸してそのあと乾燥したエビと、これは関税率も、いまそのまま乾燥したのが七・五、一たん煮沸したものが一五%、こういうように関税が分かれておるわけです。これは現実に荷物が入ってきたときにとても区別がつかない。また経済的にいいましても、これを二つに分けて税率を変えておく必要はないじゃないか、かようなものがあるわけでございます。そういったものを今回一本にする。それからまたさらにミシンでまっすぐに縫えるミシンとジグザグ、こういうミシンはキャップをちょっと変えれば、本体を全然動かさないでもすぐできる、こういうことに相なっておるわけでございまして、こういったものもまた現在は税率が違っておりますけれども、別にしておく必要はないではないかということで、これを一本にする、かようなことを今回品目分類の調整としてやっておるわけでございます。
○奥田委員 それは低いほうのあれに調整するわけでしょうね、いま一五とか七・五とかいうのは。
○赤羽政府委員 お尋ねのとおりに、低いほうに全部調整をしております。
○齋藤委員長 関連して丹羽久章君。
○丹羽(久)委員 ちょっとお尋ねしますが、私は自由化貿易に対して、食料問題をおもにしてお尋ねいたしたいと思います。 これは関税のかかる——大蔵省関係、農林省の参事官も御出席になっておりますが、自由化貿易ということで、自由化になるといろいろのものが入るということ、ドルの問題等々で、国民は、いま奥田委員の質問せられたように大きく期待して、安くなるだろうというように都市消費者面では考えていたのですけれども、率直に言って、デスク的には安くなった、食料品ではない日用品のうちカラーフィルムとか自動車とかいうのは安くなりましたよという説明がいまあったわけでございます。それ以外にも一部あったわけですけれども、ほんとにいま一番やかましく言っているところの主婦連から言わせると、ずいぶん高い、高いという声もありますし、調査をしてみてもほんとにまだ安くならなければならぬと思うものが、輸入品で比較的安くならないということ。私は、一つの例をあげますと、アメリカに行って感じましたことは、自由化貿易にはなったけれども、業者というものは商社を通じて買い入れをする。その業者自体というものは資本力があり、バナナの場合はそれに対する蒸す室を持っておる、その施設もできるという力があるとするなら、そういうような人たちにも自由にやらして、競争的にももっと消費者に安く食べさせる必要があろうと思う。グレープフルーツでもそうでありますが、それがきめられた何名かの業者以外は自由化になっても買い入れすることができない、輸入させることができ得ないというような申し合わせか、政府の指導か、ほかのものに許可しないというやり方をしておっては少しも自由化でなくて、その連中たちが話し合いをしてこういう相場以外は売っちゃいかぬよ、売らないことにしようよということになれば、その格価が保たれていくのであるが、これは私は非常に大きな利益をあげることであって、関税において安くなってくるという、片っ方のほうではあまり下げないという、その利益というものは税金で納めるからいいということかもしらぬが、消費者にとっては非常に迷惑な話ですが、これはどちらでもけっこうですが、そういうことをきめられるときに、基本的な問題であるが、どういうふうにおきめになっておるのですか。たとえば、グレープフルーツなんかでも三百円も四百円もしておったものがいまでは百五十円だ、二百円だということで、ある特定の業者が大見切りをつけて売ったということだが、私が現地で聞いてみたら二十円ですよ。運賃かけてみたってたいした金かかりませんよ。そうしていま幾らで売っておるかというと、百円以下ではどこでも売っていないですよ。たいへんな利益をあげる。どのくらいの商社がやっておるかというと、ある商社を中心にして五社くらいのその資格を持っておる連中だけで、あとはだれも入れません。ほかの連中は買い付けすることは全然できないようになっておるというととですが、それではやっぱりわれわれの自由化という考え方と基本的に違っておるように思うが、これは一ぺん農林大臣にもぼくはそれを克明に一つ訴えてみたいと思っておるが、参事官知っていらっしゃるかどうか、あるいは関税のほうも関係することであるが、その点どうなんでしょうか。
○赤羽政府委員 ちょっとそれに触れる関税面からのほうの問題について御説明申し上げたいと思いますけれども、自由化に伴いまして、午前中の御質疑にもありましたけれども、関税をずっと上げるとか、あるいはそれほどでもございませんが、関税割り当て制度というものをとっておるということはいままでの自由化の過程において行なわれてきておるわけでございます。たとえば、関税割り当て制度をとりますときには、国内の需給を乱さないようにある一定の割り当て量につきましては税金を無税にするとか、あるいはぐっと低いものをかける、ある一定のワク以上のものについては関税を高くする、こういうような形が普遍的な形でございます。その第一次の割り当てを行なうその割り当てのやり方につきまして、いま御指摘のような問題が起こるということが一つと、それからそういったことでなくても、完全に自由化という場合、グレープフルーツあるいはバナナがそうではないかと思うのでありますが、後刻農林省のほうから御説明があると思いますが、そういう完全自由化の場合におきましては、割り当てという観念は全然ないわけでございますので、御指摘のような問題はあるいはないのではないか。ただ商取引の慣行と申しますか、いわゆる総代理店制というようなものが民間ベース、コマーシャルベースというもので行なわれておりまして、これが事実上一手独占ということになりますと、いろいろ価格の上にも悪い影響を及ぼすというような点はあるようでございます。その割り当てそれ自体についてどういう方法もしくはどういう方向をやっているかという点につきましては、農林省より見解を承りますよう……。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 グレープフルーツの例示でございますが、昨年の七月にグレープフルーツを自由化いたしまして、その後アメリカの太平洋岸における海運関係のストライキといいますか、争議関係で一時なかなか値下がりしなかったのでありますが、その争議の解決後、十月前後から急速に自由化の効果があらわれてまいりまして、御存じのように、一時は一つ二百五十円から三百円、少し大きな玉になりますと五百円近くしておったものが、十一月ごろから急速に下がりまして、その後年末から年始にかけまして相当価格も安定してまいりまして、ただいま御指摘のように百円前後、あるいは高いものでも百五十円、一時安いときは一つ四十円前後でも、品質の悪いものでございますが、そういうものが相当市中に出回っておったようでございます。自由化いたしまして、グレープフルーツの問題、アメリカでもカリフォルニア州中心のグレープフルーツあるいはフロリダ中心のグレープフルーツというふうにそれぞれ産地を異にしておりまして、一部業者のいわゆる私的独占といったら語弊があるかもしれませんけれども、そういう形での商取引が、相当大ぜいの輸入業者がアメリカ並びに南アフリカ共和国のほうで買い付けあるいは商取引がそこで開始された、こういうかっこうになっております。自由化によりまして、政府といたしましては何らそれについて拘束しているのではございませんで、ただいまグレープフルーツは自由化になりましたので、何ら政府で割り当て等もいたしておりませんし、逆にあまり指導をしてないといってしかられるというようなかっこうでございますが、オレンジ等はまだ割り当てが残っておりまして、これは従来も一つの割り当て方式に基づきまして割り当輸入が行なわれておりまして、そういうかっこうになっておる次第でございます。
○丹羽(久)委員 説明を聞いていると何か納得のできるようなことですけれども、ぼくは向こうへ行って、一体ここへ何名の業者が入っている、オープンになったんだからそれぞれの力でみんな買い付けに来ておるだろうという話をしたら、いやなかなかできません、ちゃんとそれは政府指導で簡単にやらせませんよ、きめられた業者以外はやらせないですよ、こういうことを言っておるんですね。これはどちらがほんとうか、これから私は専門的に、大蔵委員会でなくて農林委員会で大臣を中心にしてやろうと思っております。ほんとうに自由化せられるということになってくれば、やっぱり自由化せられたように競争してもらって、そうして安いものを国民の皆さんに供給していく。ある半面においてはやはり農村を守っていくためにもそれは考えなければならない、そういうようなことから規制をして考えられたものはそれとして、それ以外のものであったなら、私はどんどんと安いものを食わせてあげることが必要であると思うが、特定の業者だけが利益をあげるなんというようなことがもしあるとするなら、それは是正していく必要があるだろうと私は思うのです 。 バナナでもそうなんですよ。たとえば私が名古屋港でバナナをおろせと言ったときにはずいぶん反対し、入れろと言ったときにも反対をせられた。いいですか、これはよく記憶しておってください。そうして、それは消費者の方々が一つの連合体をしっかりつくって、そうして入れてもらったらいまの価格の半分ぐらいで皆さんに供給できるからやらせろと言ったのを、どうしても農林省は反対をした。当時の次長は賛成して、けっこうです、やりましょうといっておったが、そのうちにかわっていってしまったら、あと反対して許さないんだ。それでほんとうにやらせないで、それで済んだかというとそうでない。そのうちにちゃんといままでの既存業者がそこへ乗り出してきたら、それに許可を与えているじゃないですか。そういうようなやり方をして、そういう業者のみの力を結集させて、そういうような人たちのみに独占的に利益を上げさせるというような時代は実際もう去ったんですよ。農林省の考え方というものももっと頭の入れかえをしてもらわなければいかぬと思うんだ。消費者があってそうして生産者がある。全世界の生産者は生産者として日本に物を送ってくるんだから、そこに関税があって、日本の税金の足らざるところを補っていくということになるわけでしょう。それを特定の業者のみだけに支配させて、そういうようなことをやっていくというようなことがはたしていいでしょうか。私はそういう政治はよくないと思っている。いつまでもそういう政治をやるべきでないと思う。だからグレープフルーツでも、希望した場合あなたのほうが何も制限をしない。通産省も、そういうことを希望する人はだれでも買い付けしなさい。国内へ持ってきて腐るようなものは揚げさせませんよというようなことだったら、何百社というようなものが押しかけていって、それぞれの手ずるで買い求めをするでありましょう。けれども実際何十社と認めていませんよ。あなたはどこまでもそんなものには口ばしを入れていない、そんなものには関係していない、だれでも行って買えるということなら、そのあなたの御答弁を十分私は腹に入れておいて、食い違っているときには責任をとってもらうように、ひとつしっかりやりますよ。私は向こうで、現地で聞いてきたことですから、私が間違っているかもしれません。けれども事務の責任、行政の責任者であるあなたが、そういうことにはタッチしない。だれでもやれるようになっておりますとおっしゃるなら、ほんとうにそうであるかどうかということを追跡調査しよう。いま奥田委員の言われるように、やはりほんとうにそういうふうに下がってきておるのかどうかという実態を見られたことがありますか。私は持ってきていませんけれども、一個のナスが七十円だという。こんな高いものがありますかと消費者連盟の婦人たちは言うから、時でないのを食べようと思えば高いですよ、夏になってみなさい、一山幾らで買えるでしょう、それを考えてもらわなければちょっとそれは困りますよ、という話もしてある。そのときに彼らが、輸入せられるということになったら、私どもは円の切り上げ問題からいったって安くなるはずだのにどうして安くなりませんかと聞いたときに、どう言って答えられるのですか。答える道というものがちゃんとなければならない。それを奥田委員長も追跡しておるか、それを調査しておるかどうかということを言っておる。少し私の言うことにも耳を傾けてもらって、デスク的な話でなくて、実質的な、真剣に一つのものを探ってみてください。そうしたら、どれだけ下がってきたかということが——テレビなんかも下がったのは日本だって下がったのですよ。十万円もするものがいま五万円も出したら買えるじゃないですか。そうでしょう、実際に。十万円しておったものが五万八千円で買えますよ。だから、全体的にそういうふうに競争してくれば安くなるのですよ、実際。ぼくは四年も前にテレビの問題は、藤井先生が知っておられるけれども、商工委員会でその問題を取り上げた。一体、十五万円も十八万円もするテレビというのはどこに金がかかるのだ、一体幾らだということを一ペん通産省言ってみろと言ったときに答弁できなかったのですよ。そのときアメリカで幾らで売っておった。十一万円で売っておった。日本で十八万円もするときに十一万円で売っておった。外へ出すものがそんなに安くて、国内のものがそんなに高いというのはおかしいじゃないですか、一体ほんとうに幾らかかるんだということを知っておるのか、物品税をかける以上はわかっておられるはずだろうと言ってぼくは聞いたことがある。 そういうこともあるのですから、いまの問題だって私は根拠のないことは申しません。アメリカの一部であるから全体ではたくさんの人が入っておるかもしりませんが、ここでそういう論議をすれば奥田先生に迷惑をかけますからやめますけれども、一ぺんよく真剣に考えてもらいたい。 どうもありがとうございました。
○奥田委員 これは御答弁を必要といたしませんけれども、確かにいまのグレープフルーツの問題に限らず、丹羽委員から指摘されましたように、私は、こういう国際社会には競争力にうちかっていこうという形の農林行政をなさっていくと思うのですけれども、まず、はたして輸出農業にまで育て得る日本の農業なのか、あるいは自給農業なのか、こういう点をはっきりと——自給農業でしかいけないのだ。その自給農業も農林省のお考え方でいくと、自分のなわ張りであるということで保護政策にどうしても走りがちである。そういう形の中で、消費者がほんとうに要望するようなそういう安いものがなかなか手に入らないような悪循環を来たしておる、こういう傾向も多分に私は見られると思います。特に先ほど参事官から肉の問題についてお話がございました。御説明は私も納得できます。確かに肉牛ということになりますと、ほんとうに一つずつしか小供を産まないわけです。けれども、やはり保護しない豚とか養鶏、鶏あたりはかえってどんどんそういう国際水準に達しておる。競争力もついておる。ですから、いたずらに保護政策だけが必ずしも——今後のそういう方向づけとしてはもう、一ぺん点検してみなければいけない時期に来ておると思う。この間も農林大臣に言っておいたのですけれども、自給農業としていく場合でも、自給率をあまり過大に見ないで、むしろ低目、低目にとらえていく姿勢のほうが大事じゃなかろうか。そのことが逆に安い輸入によって消費者対策にも続いていくのじゃないかということを思います。これは私の意見として申し述べておきます。 繊維のほうで、通産省から繊維局長がお見えのようでございますから、私のほうのローカルの産業にも関連いたします原糸関税の問題について少一しお伺いしてみたいと思います。 私の選挙区である石川県あるいはお隣の福井県あるいは新潟県、こういったところはいま御存じのとおりに、日本のほとんど合成繊維の主力産地であることは局長もお認めになると思いますけれども、私らのほうの織布業界で、日米繊維協定以後そういう意味の危機感というものが特に強く現地をおおっておるわけでございますけれども、現実に原糸、合繊糸は輸出産業である。非常に強い競争力も持っておるし、そういう点においては化繊メーカーによって独占されているような企業であることは御存じのとおりですけれども、これにいまのところ一二・五%の関税があるわけですね。なぜこれを撤廃しないかという形については、いろいろ通産サイドからのお答えもあると思います。この原糸関税を設けておる、まあ産業保護面もあるでしょうけれども、まずそれに対しての局長の御見解からお伺いしたいと思います。
○佐々木(敏)政府委員 ただいま石川地方の繊維産業に密着いたしております原糸の問題は、合繊の糸のことであろうと考えるのでありますが、合繊糸につきましては申し上げるまでもなく、昭和四十年以降いわゆるメーカーの後発会社ができましたし、四十五年度におきましては、非常な設備競争といいますか増設が行なわれたのであります。さらにただいま先生のお話しのように、昨年秋以降日米政府間協定の問題もございましたし、円の切り上げということがございまして、ただいまは合繊糸の需給は非常に緩和といいますか供給過剰の状態であります。さらに海外の、特にヨーロッパ諸国、西独でありますが、そのヨーロッパ諸国の合繊の生産能力が近年非常に大きく伸びておるわけであります。国内におきまして供給過剰であり、ヨーロッパ諸国の合繊糸の供給が非常に大きく伸びておるというような観点から、現在の協定関税税率一二・五%でありますが、これにつきましては、ただいまのところこれを維持したい、かように考える次第であります。
○奥田委員 いま局長から大体市況は供給過剰である、そのことは私もよく理解できます。もうすでに対米輸出において向こうがトリガーに基づいて日本側に協議を求めてきておる。もうすでに対米市場においてもそうですし、おそらく供給過剰というのは実態だろうと思います。そういう意味で、いわゆる合繊メーカーはすでに操短といいますか、そういうことにも移っておるようでございますけれども、そこで私たちのような産元側の意見も実は聞いてほしいのです。なぜ原糸関税を撤廃をしてほしいという動きがあるかということは、確かに市場は供給過剰になってきておる、あるいは今度は操短にまで移っていくだろうということになりますと、結局こういう化繊メーカー、非常に大きなあれでありますけれども、数が少ない、そういう形の中で不況カルテルが結ばれていくおそれがあるんじゃなかろうか。たとえば今度はそういう操短によってもなおかつ不況が打開できないときには、結局内地に高く、輸出には安くというような形でいわゆる産地側が圧迫を受けるのじゃなかろうか。したがっていま産元関係の産地側としては、何とかしてコスト産業から技術産業へ転換しよう。世界一のいわば技術というものをフルに動かしていこうということで技術産業に努力しているわけです。ところが、こういう関税で守られているという形で、いわば不況カルテルをやられても何をやられても指をくわえて見ていなければならない状況にまたやられるのじゃなかろうか。はっきり言うと、糸高で製品安という形にまた追い込まれていくんじゃないか。さすればこういう形で不況カルテルの歯どめとしてもこの原糸関税というものについてはそろいう時期が来たらいつでもそういう産元救済策としていろいろな形で撤廃もしくはそれに近いような軽減をする措置をとっていこうという方向を地元の産地側の要望として私は聞いておるわけです。こういう点については局長はどういうお考えでございますか。
○佐々木(敏)政府委員 合繊メーカーにおきましては、自主的な操短をいたしておりますけれども、ただいまのところ先生のおっしゃいますように、不況カルテルを結ぼうというような動きはございません。ただ輸出関係が急速に減少いたしましたし、そのために特に糸を使って製造いたします産地の中小企業の操業が低下するというような関係から、輸出ものにつきましてのみ輸出会社をつくろうというふうな構想はございます。ただこれはただいま申し上げましたような、輸出ものをつくっております中小企業の生産の操業維持といいますか、ということも大きな目的の一つであります。御心配のような糸高製品安というような関係にはならないかと存ずる次第でございます。ただ、先生のおっしゃいましたように、もし将来こういった糸高製品安というようなことが起こる場合には、私ども繊維産業全体の問題といたしまして、これから産業構造審議会、繊維工業審議会、そういった通産大臣の諮問機関におきまして繊維産業全体の問題を審議をお願いする予定に現存なっております。当然に関税問題は重要な産業政策の一環でありますから、十分御審議をいただいて新しい方向を見つけたい、かように考えております。
○奥田委員 局長の答弁、非常に納得できます。特に局長にお願いしておきたいのは、メーカーがそういう二重価格を採用していくというようなことがないように、特に行政的な見地から指導をしていっていただきたい。これが私の大事な要望でございます。いまお話しになりましたけれども、こういう状態のときですから、たとえばメーカーが出資して買い上げ機関を設置しようという動きがあるわけですから、これの進行状況についていま少しお話しできますか。
○佐々木(敏)政府委員 この買い上げ会社の構想は、実は日米政府間協定が締結されました直後から合繊メーカーの間で起こっておる問題であります。まだ通産省に対する輸取法の正式な認可申請はございません。大体今月中に認可申請があり、通産大臣といたしましては、条件等を見まして妥当であれば公取と協議をして認可する、そのような措置を進めたいと考えておる次第でございます。
○奥田委員 時間が来ているようでございますが、最後に一点、繊維局長にいま一度お尋ねしたいのですけれども、先ほども触れましたように、アメリカ側からすでに合繊関係の十品目ですか、それが相当オーバーしておるということで、トリガーに基づいて日米協議会の開催を申し入れてきておるということを新聞紙上で拝見するわけです。これはこの間の日米繊維協定の条文に盛られている弾力条項の初めての適用であろうということで、私たちは何とかしてまだ規制数量に達していない死にワクと申しますか、そういうことを活用して、できるだけ輸出の継続という形をはかってほしいと皆さんにお願いしておるわけですが、この協議会の開催は大体いつごろになるか、またこれに対して臨む繊維当局の態度、それについてお答えをいただきたいと思います。
○佐々木(敏)政府委員 三月三日にアメリカから政府間協定六項(b)に基づいてトリガーを引いてまいったのであります。対象品目は糸を中心にいたしまして十品目であります。ただいま省内におきまして、関係業界とも相談をいたしまして対策を検討中でありますが、いままでのところ大体この協議水準という数量は、十品目全部ではありませんけれども、ある程度妥当な水準であろうと考えます。私ども事務的に十分検討いたしまして、三月末ごろ向こうで協議を持ちたい、かように考えております。
○奥田委員 終わります。
○齋藤委員長 山中吾郎君。
○山中(吾)委員 けさほど、私なりにこの法案に盛られておる関税率の修正について、もちろん自由化を前提として、おのおの目的を持った税の修正等を考えまして、物価関税、特定企業保護関税あるいは経済構造改革をねらった関税、公害防止関税、こういう内容等に整理をして質問を始めたわけであります。 その第一の物価引き下げ、いわゆる国民生活に関連をして引き下げた関税について、けさほど局長も、いまの質問に追跡調査の結果を言われておりましたが、それは重複するのでその点は省きまして、皆さんのほうからよこしました資料の中で、関税を引き下げたけれども少しも価格が下がらないものと逆に上がったものと二つある。価格が下がらないものは家庭用電熱器類、局長から配付された資料の五にありますね。それから六の馬肉、これは逆に価格が上がっておる。上がっておりますね。そうして、私は大蔵委員でなかったのでありますけれども、昨年この関税引き下げの提案の理由は、生活関連のものとして価格を下げるという提案の説明で引き下げた税率ですね。したがって、下げることを目的として引き下げた関税がその目的を果たさないで、価格は少しも下がらない、イコールだ、逆にまた上がった、こういうことを追跡して、判明すれば、皆さんの提案をした関税引き下げは失敗である、見通しに誤りがあった、こう見なければならないのではないかと私は見たわけなのです。そういう反省があって、また直していくということをしなければ、関税というものは、国民生活に非常に影響を与える、しかも国民は目に見えないのである、どうしてこうなっているのかわからないのが関税なのである。せっかく追跡をした結果が出ればそれを修正する、そこから教訓を受け取って、来年度に修正するというのでなければ、この関税法案の修正というものは、何のために国会で審議をしたかということの意味がない。そういうことで私は、局長にこの追跡結果に基づいてさらにわれわれの見通しが間違っておったと考えておられるのか、あるいは馬肉関係は農林省であるから農林省と歩み寄りしてきめられたものであるので、政策と関税の引き下げと合わしてこういう結果が出るので、見通しが農林省が間違っておったのか、大蔵省が間違っておったのか、そうでないのか、やはりここで意見を述べられて、これはまた修正をいたします、いやいまはそうではないが、あと半年もすれば下がりますという答弁をしなければならぬのじゃないか、そういう趣旨に基づいて局長及び農林省の局長から御答弁ください。
○赤羽政府委員 昨年の関税定率法の改正におきまして、物価対策に資するために関税の引き下げを行なったのでございます。それで引き続き本年度につきましても同じような柱を立てて関税引き下げ、物価対策に資するという観点からお願いを申し上げておるわけであります。午前中の御説明で申し上げましたとおり、関税機能を物価対策として使うという、こういうはっきりした明確な意識が出てまいりましたのは三十九年以降でございますけれども、それ以来関税定率法改正の重大なる一大眼目といたしまして、この物価対策というものが上がってまいっておるわけでございます。 そこで、関税を引き下げて物価に直ちに影響があったかという御質問がまずあると存じますけれども、関税が下がりまして、それに伴って、もちろんほかの要因もいろいろ入ってくるでございましょうが、おそらくそれが契機になりまして下がった、かような例を先ほど来申し上げておるわけでございますが、にもかかわらず、不変、もしくは上がってしまった、こういう例も同時にあげておるわけでございます。その価格は、もういまさら申し上げるまでもなく、関税だけでございません、いろいろな複雑な要素が入りまして価格がつくられているわけでございまして、率直に言いまして、関税だけを下げたらもう全部問題なく下がるかという点につきましては、ややいろいろ問題があるかとは存じますけれども、少なくともこれが非常な契機になるということは疑いをいれないかと存じます。そこで、ただいま申し上げましたような、上がったようなあるいは変わらなかったような例につきましても、上がったあるいは変わらないという時点は、関税改正を行ないました四十六度年度でございますと、四十六年度中、少なくとも十一月くらいまでの時点をつかまえまして一応統計をつくらしていただいたわけでございますが、そのあとまたどうなっているかという点については御説明申し上げませんでございました。そのあと下がっておりますというお話をさせていただきたいと存じます。 たとえば冷蔵庫でございますけれども、改正前の価格に比較して変わらなかったわけでございますが、ことしに入りまして、四十七年三月より、変わらなかった価格が大体平均で、輸入品でございますが、たとえばウエスチングハウスの冷蔵庫でございますが、これは十七万円という数字でございました。四十七年三月より十五万五千円に値下げということが発表されておるわけでございます。それから家庭用の電熱器でございますが、これが変わらないと申し上げましたときの価格は、GEのアイロンでありますが、これが一個当たり七千二百円という数字でありますが、これが四十七年三月より六千七百円へ値下げをいたしております。それから同じようなトースター、これが同じくGEのものが九千五百円が四十七年三月より八千五百円へ値下げをするということを決定いたしておるようでございます。こうした値下げの関係は、去年の関税の引き下げが少しおくれて出てきた、こういうことを申し上げておるわけでは別にございませんで、われわれの観測といたしましては、これは平価調整の関係があるのではないかと観測いたしておりますけれども、逆にまた、関税を当時ある程度引き下げておかなければ、平価調整の効果はまたそこで減殺をしてしまうというような、消極的マイナスの意味においてもその価格の引き下げというのに効果があったもの、かように考えておるわけでございます。
○斎藤(吉)説明員 御指摘の馬肉でございますけれども、これもどの時点とどの時点とを比較するかということで、ある別の統計をとりますと、下がったという数字も出ないわけではございませんけれども、お手元に参っております資料では一応上がっておるという形になります。これは同時期にやりました羊肉のほうは非常に下がっておるわけでございます。輸入量から見ましても、羊のほうは約十一万トン程度、それから馬肉のほうは三万トン程度でございます。そういうことで、数量的な意味合いから申しまして、これだけの価格操作の影響があらわれなかったということと、それからおそらく海外市況、それからそこに出ておりますのは国内産との突っ込みの小売り価格、卸売り価格ということになっておるわけでございますので、その辺が相殺されまして、そういう形になっていたと思うわけでございます。これからの推移の中で、輸入量も非常に多くなった時点では、また別の形が出るのではないかというぐあいに考えております。これはゼロに、無税にしたわけでございますので、それなりの効果はあった、かように考えております。
○山中(吾)委員 暫定税率ですから、したがって、基本税率に対して特別法の関係であり、内容的には時限法で、大体暫定的に一年、これは一年ですか、一年でしょう。——そうして様子を見ては延長する、国会の承認を得て延ばしていくものだ。したがって、皆さんが見通しとして提案をするときに、ここに書いてあるように、生活関連物資として関税を引き下げて物価を下げるという目的を明示して出されておる。一応一年でしょう。一年の間に効果がないとすれば、行政官としては見通しが誤りだ。いや三年で下げるという見通しで引き下げるのでしたら、三年ということで出されるならわかる。私はその責めていないのですよ。ただ午前中言ったように、関税行政の原則が確立していないので、思いつき、場当たりあるいは力関係ということで混乱をしておると見たので、今後の問題として言っておるわけなんです。 そこで、大蔵省の関税局長のほうの話も、あとで下がったというのは、四十七年三月よりと言っている。昨年は内容的に一年の時限立法的な修正提案だから、その間には下がっていないのですね。一年以内に下がる見通しだから、生活関連として下げたのでしょう、提案のしかたは。そういうことであるから、もし提案をして、これは関税率を下げれば物価は下がるのだという確証があるものが生活関連の項目として提案をされ、説明と結果が一致しなければ行政の責任はどこにも生まれてこないので私は言っておるのであって、こういう結果、見通しがつかない場合は、関係農林省その他とさらに下げるまで税率を下げるのか、これは失敗だから何ぼやっても下げないのなら、財政関税の思想で手数料としてとにかく取るのだ、国民生活を安定するために物価を下げるために税率を下げて国の財源を少なくしておるということはもう目的に合わないのだから、どうせ下がらないのなら高くしてもいいという論さえ出る、財政関連から言えば。非常に混乱があるのじゃないかとぼくは見たのですが、そういう意味において今後その辺をいま私が問題を提起したのであって、検討さるべきではないか。物価を下げる目的で税率を下げたならば、下がるという実績が全部出るような提案のしかた、吟味をされるべきであって、馬肉の問題にしてもいま参事官が説明いたしましたが、八%・六%のものを無税にして、にもかかわらずキロ百九十四円が二百三十二円に上がっておるのである。三百二十三円が四百五十五円に上がっておる。そして馬肉は輸入量がふえておる。それで価格が上がっておる。そういうことはやはりどこかにこの税率を下げるときの関税の関係及び農林省関係の政策と税率も含んで見通しを立てたときに誤りがあったのではないかと私は皆さんにお聞きしているのであって、結果がどうだ、こうだというのではなく、今後の問題としてやはり関税行政の基本原則を物価を下げる目的なら、あらゆる検討をして税率を下げたら下がるようにすべきだ。大きな意味においては、国の財源を少なくして、そして物価を下げて国民の生活を安定するということなんですから、関税を下げてなお物価が上がるなんという行政は何の行政の目的かという論にやはりなるでしょう。その点をお聞きしているのです。今後こういう追跡をした結果、こういうものが出たときにこの資料を教訓として修正するための資料じゃないのですか。私は、弁解などはしなくてもいいのです。こういう結果が出たことについて皆さんは今後どう考えるかという御意見を聞きたい。
○赤羽政府委員 関税定率法等の改正をお願いします際に、去年、ことしと物価対策として品目をあげましてお願いをしているわけでございますが、その目的は申し上げるまでもございません、先生のいまおっしゃいましたとおりでございます。これによりまして現実に具体的に品物が下がらなければ、これは話にならないことはもう御指摘のとおりでございます。しかも、関税引き下げをやりました品目につきまして、これだけは下がりました、こういう御説明を申し上げたわけですが、下がらぬものもあるということで、あわせて御説明したわけでございます。それが見通しが誤ったじゃないかというお話でございますが、少なくとも期待に合わなかったということは事実でございます。ただ何回も申し上げましたとおり、価価にはいろいろな複雑な構成要素がございますので、どれがどこの責任かということは、これはとても数量的に把握できない問題でございまして、われわれは関税の立場からいたしまして、引き下げをはかることによって物価対策に資する、こういうことを期待してやっておるわけでございます。 それから、暫定法で一年だろう、こういうお話でございます。まさにそのとおり、一年でございます。関税というのは、ほかの内国税と違いまして、非常に経済の情勢、産業の状況によりまして弾力的に配慮していかなければなりませんものですから、原則として一年ということですが、その一年というのはやはりその実効を見まして、それによってさらに下げるという、こういう思考ないし行政の態度をとるべきか、かように考えておるわけでございまして、いまここであげました先生お手元の資料でごらんいただきますような種類につきましては、これが上がらなかった、ことしはまたさらに下げますという点のものは、自動車並びにカラーフィルムについてはさらに下げておる。冷蔵庫もしかりでございますが、こういう試行錯誤の過程を経まして、さらにやっておるわけでございます。まあ一番極端というか、代表的な、われわれの模範的な例を申しますと、バナナ、レモン、これは自由化に伴いましてかなり古くから関税を上げ下げ等しておりますが、状況を見ながら数回にわたって関税の引き下げをはかってきておる、こういう実例がございます。
○斎藤(吉)説明員 馬肉の件でございますけれども、これは見通しがどうであったかということのおしかりもあるわけでございますが、結局これで無税にいたしまして、非常に馬肉の世界的な供給が不足をしております。いわゆる国際市況がそれだけ上がったわけでございます。もし関税を下げなければ、さらにこれにまた八%なり従来でありますればかさ上げになるのであって、国際水準並みの動きと同じ価格形成になったという形でございますので、その関税引き下げの前の値段、値動きとその後の国際的な動きとございますので、その分だけがそういう形にあらわれている。また輸入ソースが非常にたくさんございますれば、その点で打ち消しとか、いろいろ出ると思うのでございますけれども、何ぶんともそういうことで国際的に市況が上がってしまったということでございます。
○山中(吾)委員 この辺にとどめておきますが、要するに、無税にしておるのだから、無税にすると、一年以内に下がるという見通しでやったところが、どうも下がらなかった。いや、下がらないと思うと、むしろほっておくと上がるくらいだったからというのなら、これは上がっているのですよ。上がっておるのだが、いずれにしても皆さんの過去を私は何も責任追及をしておるのじゃなくて、また責任追及すると、こういう資料が出ないですから、客観的に正しい資料が出ておるのですから、これをすなおに受けて、やはり関税引き下げその他、これは最初から物価を下げるという目的の関税というあなた方の説明ですから、そういうことですから、そういう見通しをさらに吟味をしてわれわれに提案をしてもらいたい。こういうことを論議をしない限りは、出しっぱなしで、行政結果について反省をして、行政そのものが改造されないから申し上げておるし、関税というものは国民の目に見えないけれども、見えないところで国民に影響を与えるものですから、私は重大なものと考えて申し上げている。今後この方向を教訓としてなお検討されることを要望しておきます。
○広瀬(秀)委員 農林省に関連でお伺いしますが、いまの答弁ですと、馬肉のCIF価格なり、あるいはFOB価格なりが去年の関税定率法の一部改正を通す場合に幾らであって、ちょうどこの関税を下げたくらい、あるいはそれ以上に市況が上がったからだ、この数字を的確に示しなさい。そうすれば、関税を下げたことによって下がるというのは当然だけれども、そういうようにCIF価格なり何なりがかくのごとく国際市況の関係で、供給量の関係で上がったのだ、だから、国内の末端価格にそういう状況が出たのですということを数字でちゃんと示さなければ、答弁になりませんよ。その点をはっきりさしてください。いいかげんなことじゃいけません。
○斎藤(吉)説明員 ただいま前のときの資料を持ち合わせませんので、さっそく取り寄せまして、後ほどお答え申し上げます。
○山中(吾)委員 それじゃあ、いま言われたとおり処理してください。無税にして国民が購入する馬肉が高くなったのでは、国の財源を少なくして国民に犠牲をしわ寄せしたということで、これは何の意味もない。行政としてはまことにナンセンス、有害だということになるから、やはり十分にそういうことを吟味されて処理してもらいたいと思う。 次に、経済体制といいますか、国内生産構造改革を目的とした関税、単なる個々の企業を保護するだけでなくて、長期的展望に立って国内自給体制をとるべきものなのか、あるいはもう日本の風土ではとうてい国際競争において太刀打ちできない、永久にできない性格のものであるから、これは輸入主義に基づく方針で関税を上げ下げしておるのかという点が重なり合って出ておるものが私は目についたのである。その点を明確にしないと、私はこの法案に正しく評価ができないので、お聞きいたしたいと思うのであります。 一つは大豆なんです。大豆については、日本の国土における大豆の生産コストはとてもアメリカその他には太刀打ちできないというので、大体これこそ構造改善ということを目的として大豆の輸入政策をとったと思うのであります。岩手あたりの大豆を耕作する農民は完全に全滅をしておる。とうふの原材料、納豆その他全部外来の大豆になってしまっておる。これは日本の農民は大豆などはやらなくても十分に生活は守れることでもあるし、私は反対でありません。それはそれでいい。ただ、関税行政あるいは農林省の行政の中に、明確に大豆は輸入主義によるのだという構造的な一つの定見があって、そして大豆の関税操作をしておるのかどうか、その辺を明確にしてもらいたいと思う。
○荒勝政府委員 大豆につきましては、自由化いたしました際に、やはり国内産大豆あるいはなたねについての今後の農業の振興をはかる必要があるということで、これにつきまして大豆なたね交付金法を制定いたしまして、大豆、なたねについて毎年基準価格を設けまして、国内産大豆につきまして基準価格を設けて、輸入大豆との価格の間について不足払いを行なうことによって現在まで至っておる次第であります。その間、年々大豆の価格につきましては、物価その他のパリティの上昇指数というものを見合いまして価格も年々多少引き上げてきている次第でございます。その間、輸入大豆は年々非常に拡大してまいりましたが、現在約三百万トン前後の輸入大豆が輸入されまして、ほとんどそれが一方は搾油されまして、他方は家畜用の飼料あるいはそのままみそ、しょうゆ等に使われているものも相当あると理解しております。われわれといたしまして、やはり国内産におきまして、特に北海道等におきましては、北海道農業のローテーションの関係で、やはり四年に一ぺんか五年に一ぺん畑作農業として大豆を耕作せざるを得ない。あるいはなたねにつきましても、内地におきましても裏作地帯の裏作といたしましてなたねの生産を行なわざるを得ない。そういう行なわざるを得ない農家に対しまして、年々一定のパリティによりまして価格を引き上げて、農家に対して重大な悪影響を及ぼさないように価格の支持をしておる次第でございます。 特に、大豆につきましては、一昨年来の稲作転換という農林省としては大きな目標がありまして、約六十万ヘクタールに及びます稲作の転換を余儀なくされたということの一環といたしまして、大豆等につきましてもやはりある程度、三万五千円という休耕奨励金、転換奨励金でございますが、それを反当出すとともに、さらに大豆につきましては今後、多少でも増産してもらうならばという前提のもとに、この二、三年来大豆の基準価格を年率七、八%前後引き上げまして、耕作農家に何らか寄与できたらということでやっている次第でございまして、さらに、そういった関係もございましてか、昨年、四十六年の生産統計といいますか、作付統計で、十数年ぶりに大豆の面積が多少ふえてきたということも事実でございまして、今後大豆がさらに伸びるか伸びないかは別といたしまして、われわれといたしましては、大豆作農家について十分な協力をいたしたい、こういうように思っている次第でございます。
○山中(吾)委員 稲作減反のために今度は大豆を少し奨励するとか、刻々に農政を変えていく。もう農民からすれば迷惑千万なんです。だから私は、日本の農政構造というものを、国内産大豆は大体三%ぐらい、四%ぐらいにとどめて、そうして輸入大豆によってやるという方針が確定しておって、そして北海道あたりにおいて収入を何するために裏作で大豆をせにゃならぬ、採算がとれる程度に手当てをするというならば別ですよ。いまこれを見ると、大豆を無税にしているんですね。また東北の岩手あたりで少し大豆をやり出した。そのうちに多くなると、また援助を打ち切って、いままで大豆をやってよくなってきたから少し耕作を始めたところが、まただめになってそれを捨ててしまう。そこで農民は政治に対して完全に不信感を持ってしまう。だから私は、そういうのでなくて、この大豆を見たときに、やはり日本の農政において構造的に、大豆というのはこの程度で、三%なら三%で大体安定さして、そうして輸入政策でやる、その大豆を原料として油をつくる、油加工で日本の産業というものを国際経済の中で安定し、成長せしめるという方針かと見たのです。そうなら私は賛成する。だが、あなたの説明なら、またこれは農民を背負い投げすることになると思う。それが関税行政におけるささえ、原則が確立されなければ、これは迷惑千万になる。実はこれを問題にしたいのです。どうですか。
○荒勝政府委員 先ほど御説明する際に少し申し忘れたのでございますが、大豆はただいま三百万トン、あるいは今後さらに年々ふえていくのではなかろうかと思いますが、われわれといたしまして、いわゆる搾油用の大豆まで完全に自給体制をしくというふうな考え方は、現在の時点において考えてない次第でございます。ただ、輸入大豆のアメリカ大豆を見ますと、主として搾油用でございまして、国内におきます国産大豆はやはりみそあるいはとうふというのに非常に適しておりまして、アメリカの大豆はなかなかそれに適さない。実際、われわれの不足払い制度によりまして、去年、おととしと相当値段を上げましたにもかかわりませず、国内産の大豆がやはり一部、最近の需要の高度化といいますか、国内産の高級大豆に対する国内における需要が非常に強まりまして、われわれといたしましては、こういった動向というものを十分踏んまえまして、みそあるいはとうふ用の食品用に適する大豆の増産ということを今後さらにある程度続けたらどうか。大体われわれの推定では、そういう加工食品といいますか、そういう食品用の大豆は大体年間の総需要は五、六十万トン前後ではなかろうか、こういうふうに見ておりまして、この五、六十万トンくらいのものにつきましては、自給までいきませんけれども、何とか国内である程度供給できるんではなかろうか、あるいはまた供給する必要がある、こういうふうに思いまして、われわれとしましては稲作転換という貴重な国費を使いまして、反当三万五千円の奨励金を出してまで米から何か他の作物へ、休耕よりはましだということで、何らかの作物への転換ということを機会といたしまして、大豆、なたねにつきまして今後何らかの増産を多少呼びかけるというのでありまして、決して自給体制を確立するという考え方で大豆について臨んでいるわけではない、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○山中(吾)委員 自給なんというのはたいへんなんです。だから大体大豆の国内生産を何%に安定さすという方針がないのですかというのです。それがなければ稲作減反でまた便宜上大豆をやらしても、こちらのほうで関税操作あるいはそれに対する価格の支持で農民をつっておいて、もう用がなくなるとまた捨てていく。これを繰り返しているわけですよ。だから、大豆というのは国内産はいまのように食料関係だけでいえば何%がいいのか確定をして、その指導のもとにやらなければやはり背負い投げを食らわすことになる。それはどうなんですか。これはそういうめどを立ててやっておるんですか。
○荒勝政府委員 ただいま申し上げましたように、食品用に適するのが大体五、六十万トンではなかろうかということで需要の見通しを立てまして……。
○山中(吾)委員 国内生産余っているじゃないですか。いま何ぼですか。
○荒勝政府委員 いま国内におきまして約十万トン、先生御指摘のように三百万トンの約三%前後が国内産で現在できている数字でございますが、それを十万トンぐらいのものを面積もふやし、また反収等につきましても稲作転換で実験的にいたしますと、現在の反収よりも倍くらいは可能性があるという試験場のデータ等もございまして、全国の普及所に普及圃というものも特に設置いたしまして、農家に対しまして大豆づくりのつくり方というものをまず教えながらかつ今後生産奨励を進めていくということで、食品用に適する豆を特にわれわれとしましては奨励をしてまいりたい。先ほども申し上げましたように、北海道におきましては特に豆作、冷害に多少弱い点が危惧はされますけれども、北海道におきましては五年に一度のローテーションとして根粒菌を必要とする農業が必要でありますので、大豆類の生産奨励をこの機会にあわせて大いに進めていきたいということで奨励しておりまして、値段等につきましても、先ほども申し上げましたように、この一、二年の間に、たとえば四十四年には六十キロ、一俵当たり四千六百五十円というのが基準価格でございましたが、これを毎年三百六十円あるいは四百三十円上げまして、四十六年産の大豆につきましては五千四百四十円というふうに八・五八%のアップ率で、これは最近の農産物の価格対策としては相当大幅な引き上げを行ないまして、今後の大豆増産に対しまして奨励をしてまいりたい。ただ、これによりまして国際競争力ができるかという問題は相当問題が残っておりまして、この根っこには先ほど申しましたように反当三万五千円の生産奨励金がさらについておる。国際的に見ますと、アメリカあたりで圃場価格では、大豆の質も違いますが、大体六十キロ、一俵に換算いたしますとまあ千七、八百円前後ということで約三倍近い値段に国内の支持価格がなっておりまして、十分に先生御指摘のような構造改革を含む国際競争力のあるものにまで仕立てるという考え方でございませんで、財政支出を見ながら農家の空閑地がないようにやっていきたいというふうに考えておる次第であります。
○山中(吾)委員 自給体制の構造改革と思っていないので、種類によって自給体制で、種類によっては外国から輸入するのがいいと思って、私は大豆は自給体制を言っているんじゃないのです。ただどの程度、いまのように食料用の大豆だけというなら六十万トン、それを目標として政策を立てるべきだ、それに応じて関税政策もあるだろう。そこで今度大豆は二円四十銭は無税にしている。その関係は矛盾ないですか。いま大豆を増産しようとしておる、農林省の説明では。関税は輸入は無税にしておる。安いものを入れることの関税行政と、いまの大豆行政に矛盾はないかどうか、そういうことが一べつすると私にはなかなかわからないので、あなたの説明とこの無税にしておることとの因果関係が私はわからない。間違いないですか、それでいいですか。
○荒勝政府委員 不足払い制度という法律がございまして、基準価格を年々政府が引き上げると言うとおかしいのですが、改定いたしまして、適正な価格をきめていく。その基準価格があれば国内産の大豆の生産奨励は十分やっていけるんじゃないか。輸入価格が関税によって下がりましても、その下がった分だけ不足払いによりまして、たとえば、失礼でございますが、国内産大豆の基準価格は五千四百四十円、輸入価格はかりに関税引き下げによって二百円なら二百円六十キロ当たり下がりましても、その分だけを結局不足払いによって補うというたてまえになっておりまして、ことし大豆につきまして約九億円近い不足払いの金額を計上いたしたのでありますが、大豆分につきましてでありますが、これが当初のいわゆる関税を据え置いた場合のときからいたしますと約四、五億ほど交付金の不足払い額を金額としては引き上げておりまして、だからかりに輸入価格が下がっても不足払いでそれは補っていける、基準価格さえ引き上げていけば、われわれが考えている大豆の生産奨励と決して相矛盾するものではない、こういうように考えておる次第でございます。
○山中(吾)委員 その基準価格を定めてそれを保持するためには国民の税金で操作をするのだ、そういう政策があるくらいならば、関税を下げる、無税にするということはわざわざしなくていいじゃないか。すること自体がおかしいじゃないか。一方で基準価格を定めておるのだから、ある程度の関税というのがそこにあって、少なくとも現状のままでいいじゃないか。わざわざ無税まで持っていく関税の修正とあなたの説明というものは矛盾があるということを言っておるので、あなたの説明は少しも私の問いにはぴったりこない。 きょうはもういいです。あと時間がないようですから、その辺アマチュアですから、関税行政と皆さんの増産政策との関係が、因果関係がないように見えるから、いまの説明ではわからないので保留しておきます。あとで説明してください。 それに次いで疑問になるのは砂糖なんです。この砂糖についても、岩手の農民からいうと、ビート問題でひどい目にあっている。そこで、私がはだ身に感じておる関税政策とそれからビート増産政策の中に非常に矛盾を感じておるのでお聞きしたいのでありますが、国内の甘味資源自給体制というのか、甘味資源、砂糖をできるだけ自給の方向に持っていくという政策を一度とった時代がありますね。そうしてビートを奨励をした。岩手だけでも十万くらいの農民がそれに飛びついてビート栽培をした。ところが、これは砂糖汚職事件も関連したと思いますけれども、今度は国はその奨励政策をもうあまりとらなくなって、北海道の一部だけにして、関税その他の関係も含んで全滅をしておる。そこで、一体甘味資源を日本の国内生産では何%確保——これもそういう政策がなければ関税というのは思いつきの力関係で上がり下がりすると私は見ておるわけなんです。今度の法案の修正では砂糖関税上げておりますね。上げておりますでしょう。税率を上げておる。上げることによってまた国内の甘味資源の生産を奨励する政策が同時にあってこれが出ておるのか。一定の奨励をして、またビートが増産になるとぺしゃんこにやられる。国内甘味資源というのは、これも大豆と同じに何%あるいは気候風土によって北海道と沖繩だけを保護していく、それでとどめて定めていくのだというならば、今度は消費者に安い砂糖を入れるという政策で砂糖の関税は下げていいじゃないか。なぜ上げるのかということがわからない。どう読んでもわからないのです。それは関税局長と農林省、もう一度私にわかるように説明してください、両方あわせて。
○赤羽政府委員 今回、関税定率法等の改正におきまして、砂糖のうち精製糖の自由化に伴いまして関税を上げておるわけでございます。五十一円五十銭から五十七円に上げておるわけでございますが、これはその精製糖といたしまして内外価格差を勘案して上げておるわけでございますが、砂糖の問題はこの精製糖それ自体ではございませんで、むしろ粗糖のほうにあるかと存じます。この粗糖のほうはことしの関税定率法ではいじっておりませんけれども、粗糖のほうにつきまして四十一円五十銭という、これはたびたび御指摘をいただくわけでございますが、かなりの高関税になっておるわけでございます。この粗糖の高関税につきましては、現在の粗糖関税四十一円五十銭というのはもう三十四年ごろから大体この関税をはっておるわけでございます。言うまでもなくこの高関税は国内のサトウキビそれからてん菜糖等、まあ沖繩、鹿児島、北海道といった国内甘味資源の保護にあることは明瞭でございまして、この自給率は約二〇%でございます。大豆の三%と比べると非常に大きなものに相なっておるわけでございます。したがいまして、砂糖全部を輸入に仰ぐ、国内で全部自給するというようなことは、これはもちろん農林省でもお考えになってはおらないと思いますけれども、この自給率二〇%というのはかなり高い自給率かと存じます。こういったものを保護する、こういう前提に立ちまして現在四十一円五十銭の高関税がはられているわけでございます。 そこで、これを下げる余地はないのかというような点でいろいろと御指摘をいただくわけでございますが、現在の糖価安定機構と申しますのは、最初の前提といたしましてこの四十一円五十銭の上に組み立てられておるわけでございまして、この糖価安定のメカニズムの基本に触れることなく関税を動かすことはなかなかできないというようなことで触れておらないというのが実態でございます。 そこで、国内の甘味資源並びに輸入糖、粗糖を入れまして国内で精製をする。その精製業のほうの保護のことも関連をいたしまして全体としてどう考えるか、こういう甘味資源対策の問題といたしましては農林省のほうから……。
○荒勝政府委員 ただいま関税局長がお答えになりましたように、農林省といたしまして甘味資源特別措置法という法律と糖価安定法という法律と二つの法律によりまして国内産の甘味資源の保護育成をはかっている次第でございます。御存じのように、北海道のビートは最近非常に増産されてまいりまして、これは安定的に最近増産してまいっているわけでありますが、約三十万トンをこえるビート糖ができるようになりました。それから奄美方面を中心といたしましての砂糖が約十万トン弱、こういうふうになっておりまして、おおむね横ばいもしくは微弱という傾向になっております。それから沖繩産糖でございますが、今後復帰してまいりますので、これも沖繩の農業の振興には、沖繩農業としてはサトウキビ農業というものは欠くことができないという前提に立って今後育成してまいりたいという考え方に立っておる次第でございます。その考え方の上に立ちまして、ただいま関税局長がお話しになりましたように、国内産糖保護という観点もありまして、四十一円五十銭というふうに粗糖の関税がキログラム当たり定められておる次第でございますが、われわれといたしまして、今後国内産の甘味資源についてはある程度の自給度を確保する必要があるのではなかろうかということで、今後とも育成してまいりたい、こう考えております。 今回精製糖の自由化が行なわれるという前提で精製糖の関税定率の引き上げをお願いしているかっこうでございますが、従来農林省といたしまして、粗糖は自由化をした、しかし精製糖までまさか自由化するという考え方がいまの糖安法の体系の中であまり考えていなかった。それが国際情勢のきびしい中で精製糖も自由化せざるを得ないということで自由化する方針をきめたわけでございます。ただこの関税が古いときにつくられました定率法の関係もございまして、関税格差が粗糖は四十一円五十銭、精製糖は五十一円五十銭だった。十円しか格差が開いていない。ところが実際の加工賃というものは十六、七円くらいかかるということで、その加工格差が精製糖と粗糖との間の関税格差であるべきであるという理論計算をいたしまして、今回精製糖の自由化に伴いまして外国産の精製糖も入ってくる可能性もなきにしもあらず、そのかわり関税のほうもおおむね競争力のある、完全に防衛してしまうという考え方でなくて、輸入されることあるべし、均衝ある競争力ということで精製糖についての関税もそこで多少手直しして引き上げざるを得なかったが、その結果国内における精製糖の小売りあるいは卸売り、消費者対策上物価を引き上げるというようなことには毛頭なっておりませんので、それは糖安法によりまして上限、下限をきめまして、その間の中で砂糖の価格が安定するようにわれわれとしては今後努力してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○山中(吾)委員 十分わかりませんが、時間がないので、また次の機会に質問をする機会を得たいと思いますが、こういう問題を質問している私の目的は、日本の経済体制というものの到達点が先にあって、農政の中でも米、麦、大豆、こういう甘味資源の自給度をどういうところにするか、自給ミニマムというのですか、そういうものがあって、そしてそこから関税行政の具体的な姿が出、各省の振興計画ができて、政策と関税がうまくマッチして目的を果たすということにならなければならない、こう考えて、それがないのじゃないかというので質問した。 企画庁、どなたか来てもらっておりましたね。一言その辺、企画庁としてはどう考えておるのか、お聞きしておきたいと思います。
○斎藤(誠)説明員 お答えいたします。 企画庁の生活局といたしましては、国民生活の観点からできるだけ関税の負担がないことが望ましいわけでございますが、ただいまお話のありました、また一面農政、農業問題としてのいろいろな問題提起もあるわけでございまして、その辺を消費者の立場あるいは生産者の立場から、関税政策あるいは農政の両方の立場からいかに調整するかというきわめてむずかしい問題でございます。そういうことで、私のほうでも物価安定政策会議というものがございまして、第四部会でそういったいわゆる原則的な問題あるいはきわめて理論的な問題もございますので、近くそういう学識経験者等によりまして、さらに最近の国際化等の情勢に対応しつつ、消費者の観点の政策、関税政策、農業政策等についても問題を整理いたしまして、しっかりしたものを立てたいと考えております。
○山中(吾)委員 関税行政をささえるバックとしてそういうものは早急に検討すべきだと思うので要望しておきたいと思います。 最後に、これは内容的なものではないのですが、生まれて初めて関税定率法を読んだところが、どこを読んでもわからない。一番最初にページをあけて関税定率法の第四条第一項を数回読んでみたところが、どこが主語でどこがどうなっておるのか何回読んでもわからない。これは政務次官中心に聞くのですが、おそらくこれをつくった人もちょっとわからない、もうつくったあとはわからなくなってるんではないかと私は思っている。これはやはりせめて専門家的な者が読んで、二、三回読めばわかる程度には苦心をして、立法者は考えるべきじゃないか。 そこで、いまお配りしましたが、私、きのう見たのでけさ刷ったのです。備考のほうを見ていただきますと、本文だけの文字が百二十七字で、カッコ内の文字が二百六十四字、倍ある。これではわからないのです、カッコ内も読んでいくものですから。少なくともカッコの中の文字が三分の一以下でないと文章として幾ら読んでもわかるはずはない。これは立法技術上少なくとも国会議員が読んでわかるように——審議をするぼくらが読んでほとんどわからないのですよ。ほとんど読んでいないと思うのですが、読んだぼくがわからない。そのカッコ内を全部省いて、その分だけここへ書いてみたのです。そうしてこれも二回ほど読んだらようやくわかる。主語は三筋目の「貨物の課税標準となる価格は、」ここまでなんです。ここがまたむずかしいのだが、これが大体本文なんですね。おそらく精密なる文脈が、文章が要るのでこうなると思いますけれども、事務当局はこういうのは大胆に変えるなんという発想はいろいろな伝統があってなかなかむずかしいと思うので、政治家である政務次官のほうでひとつ検討してもらったらどうか。カッコに入れるものははずして別に注か、別に解釈に関する法律でもいいと思う。ずっと書いて、定義を中で注釈したりなにかしないで、ずらっと本文どおり書いて、一々説明しなければならぬものはその条文のあとの注か、法律で拘束力を持つように権威解釈としてするように分けられてはどうかということを、それ以外に正確を期すると同時に読んでわかるようにするのには方法がないと思ったので、私案として提案をしておきたいが、政務次官検討してください。よらしむべし、知らしむべからずというふうな封建時代じゃないんですから、少なくとも国民がわかる程度に文章をつくるぐらいの苦心は当然行政官の最低の義務だと私は思うので、これは提案をして私の質問を終わります。
○田中(六)政府委員 山中委員御指摘のように非常にわかりにくい法律になっておりまして、これは法制局とも一緒になって十分検討しなくちゃいかぬ事項でございますが、委員の意向をいれて今後対処していきたいというふうに考えております。
○齋藤委員長 それでは佐藤さん。
○佐藤(観)委員 議事進行についてちょっと発言があるのですけれども、ごらんのように国会議員この中に十人、委員長と政務次官入れて十二人、国会の職員の方が十人、あと全部政府委員で、全く時間のむだづかいですよ、これだけ政府委員の方をここにとめておくというのは。しかも自民党の方いま五人いらっしゃるわけですけれども、これであとの審議をしろ、十日までに関税定率法を上げたい、これでは私は国会をわれわれ自身が非常にばかにしているものだと思うのですね。きょうはこれまでにしたほうがいいんじゃないですか、国会の権威を落とさないためにも。これじゃ審議にならないですよ。
○齋藤委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○齋藤委員長 速記を始めて。
○佐藤(観)委員 先はどの山中議員の、私はたいへんいい質問だと思うのです。一農民にとってみれば実はたいへんな問題で、砂糖の問題あるいは大豆の問題と、これはたいへんなことだと思うのです。物価との関連について、あるいは関税政策の基本についてはあのとおりだと思うのですけれども、もう少しつけ加えさせていただくと、ここで一応大蔵省から出された関税引き下げの理由というものが、物価との関連からいいますと、国民生活の安定、充実に資するため生活関連物資等の関税を引き下げる、こういう目的で関税引き下げが出てきているわけですね。問題は、先ほど山中議員の質問にもあったように、実際にはなかなかそう末端の消費者価格にこの効果というものがあらわれてない。それで、追跡調査と申しますか、大蔵省がこういうふうに生活物資等の関税を引き下げる。これはやはり物価を下げるための関税引き下げであるのですから、ほんとうに末端までこの価格が下がるかどうかということを追跡調査をする。これは一体どこに追跡調査の責任があるのか。関税局長どうですか。
○赤羽政府委員 追跡調査をどこでやるか、どこの責任か、こういうお話でございます。先ほどから申し上げましたとおり、価格というのはいろいろな要素が入っている。関税も確かにその一つでございますが、関税を引き下げたからその分だけは関税局でやり、内国税を引き下げたからその分だけは主税局でやる、こういうことになりますと、それぞればらばらになってしまうわけでありまして、その意味におきまして、物価対策全体の総合官庁といたしまして企画庁でおやりいただいているわけでございます。三月三日の先ほど申し上げました物価対策閣僚協議会の御決定におきましても、追跡調査を数十品目でやる、かようにうたわれておるわけでございますが、これも企画庁におきまして総合して行なうということに私は了解いたしておる次第でございます。
○佐藤(観)委員 では企画庁はこの点についていかがですか。
○斎藤(誠)説明員 物価総合調整官庁として、企画庁におきましては関係各省との間に物価担当官会議というものを持っております。それでさきのニクソン・ショック以来、九月以降そういった追跡調査等の必要を感じまして、十月に物価担当官会議のもとに輸入価格部会というものを設けたわけでございます。そこで約二十品目につきまして追跡調査をするということでございまして、農林物資は農林省、通産物資は通産省というぐあいに関係官庁において調査をお願いしているとともに、企画庁といたしましてはさらに詳細な調査を行なうべく民間の研究機関等に委託いたしまして、現在まで六、七品目についての調査の詳細な結果が出ております。さらに本年度内においてあと七、八項目の調査を追加する予定でございますが、ただいま関税局長が申されましたように、三月三日に物価関係閣僚協議会におきまして現在やっております二十品目の調査をさらに六十品目まで拡大するということにいたしております。それで、現在拡大調査のやり方等について事務的に関係官庁と折衝をしておりまして、そういった調査結果がまとまれば逐次結果を公表して物価の監視に資したいと考えております。
○佐藤(観)委員 関税を下げたから必ずしもすぐ末端価格まで下がる、これは簡単に言えないと思うのです。たとえば大蔵省からいただいた資料ですけれども、四十六年度に関税引き下げしたもので、みがき板ガラス、これは輸入依存度が〇・一%、このくらいのものでは関税を下げたからといってみがき板ガラス全部が価格が下がるということはこれは考えられないし、建築用ボードにしましても輸入依存度が〇・七%、これではすぐ末端価格まで響くということは私はないと思うのです。ですから単純に、関税を引き下げた、それがすぐ全商品の末端価格まで価格が下がるというふうに私も思わないのです。それで、私はたいへん荒っぽい論議かと思いますが、これをひとつ経済企画庁に御検討願いたい。あるいは物価に関する閣僚懇談会なりあるいは関税局のほうにも御検討願いたいのですが、たいへん荒っぽい発想ですけれども、たとえば今度の小売りの紅茶の容器入りが関税が三五%から三〇%に減るわけです。そうすると、具体的にいま私はここに数字を持ってきていませんけれども、とにかく五%分だけ変わるわけですね。紅茶などはもとの価格は変わらないわけですから、この五%だけは末端価格の表示、つまりレッテルをかえさせる、あるいは香水なんかは特殊なものですけれども、たとえば特殊な例として、香水の関税が二五%から一五%になるわけですけれども、香水は特に値段が高いほうが売れるという特殊な条件がありますけれども、たとえばこの一〇%分を、これは商社にとってみれば何にも手を加えないで国が法律を直したことによって一〇%分だけ価格が下がるはずですから、これを今度末端価格でレッテルを張りかえさせる。これはたいへん荒っぽい論議です。しかも前に入れた在庫品と今度のものとの関係ということもありますから、なかなか事は簡単ではないかと思いますけれども、これだけ公共料金が上がりその他の物価が上がっていく中で、関税引き下げによる効果というものを、先ほどのように輸入依存度が一%以下というようなものでしたらなかなかそうもいかないでしょうけれども、しかし、そのくらいの発想をしてレッテルを張りかえさせるというようなことが、これは現行法ではもちろんできませんけれども、法律をつくることによってはたしてできないものだろうか。これはたいへん荒っぽい論議ですけれども、そのくらいのことを考えないと、先ほど山中委員の御質問にあったように、国がそれだけ税源を少なくしてやっているわりには逆に何にもならないという政策になりはしないだろうか、こう思うのですけれども、その辺、大蔵省と経企庁のほうのお考えはいかがでしょうか。たいへん荒っぽい論議ですけれども、これを何らかの形で、いろいろな形で修正して、このくらいの荒っぽいことをやらないと効果というものはあらわれてこないのじゃないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○斎藤(誠)説明員 物価安定の見地から輸入政策を積極的に活用するということでございますが、その中身といたしましては貿易の自由化、関税の引き下げ、それから制限物資につきましては外貨割り当ての拡大でございます。そういったこと等々の利益がこん然一体となりまして、実際には消費者価格の引き下げという形で反映してくるわけでございます。そういうことでわれわれのほうといたしましても、関税の問題あるいは円切り上げに伴う輸入価格の低下が相当見込まれますので、そういう利益が末端において消費者にできるだけ還元するようにというのが、現在やっております追跡調査なりそういうものの趣旨でございます。 そこで、先生いま御指摘の末端価格に表示すべきかどうかという点については、なお検討はいたしたいと思いますが、現在考えておりますのは、そういった追跡調査等によりまして、当然理論的にあるいは現実的に下がるべきものが下がっていない場合に、行政指導によりましてできるだけそういう期待の価格分だけ下げさせる、そういった強力な行政指導をやりたいということで、閣僚協でもそういう方針を決定したわけでございます。
○赤羽政府委員 いま先生から表示をちゃんとしたらどうか、こういうお話でございます。この点につきましては、先生もうすでに御存じだと思いますが、アメリカなどに参りますと、価格というものはきちんと張ってあるのですが、買うときになると必ず税金をよこせということで、商品自体には書いてはございませんけれども、レジの横なんかに自分のところで売る商品の税率表か何かぴしゃっと張ってありまして、それを売り子がプラスタックスだといって売っている例があるわけでございます。かようにアイデアを、いささか無責任な発言で恐縮でございますが、二、三年前の物価閣僚協の席でもそういうのをやったらどうかというようなお話が出たと記憶いたしております。われわれ当時直接物価関係のあれをやった者は、しろうとなりにそれはおもしろいなということを感じた記憶がございます。たとえば関税の場合でありますと、輸入品のウイスキーなんかの場合には、いま税金は書いてないのでございますが、度数が書いてございまして、それから何級酒というのが書いてございます。そこら辺まではぴしゃっと商標を張ってある。これは目的が違うわけでありますが、密輸品でないということで張ってあるわけでございます。そういったた構想自体については、もちろん全所管を通じまして、企画庁あたりで御検討いただかなければならぬ、こう思いますけれども、そういうことも実は実際やるとなりますと、その手間はどこがとるのだとか、企業の秘密にだんだん入ってくるのじゃないかとか、日本の風土は外国とは違う点がございまして、いろいろ御異論が出ると思いますが、物価政策全体といたしまして、いろいろ関税の引き下げ、その構造改善を進めていくことはもちろんでございますけれども、直接消費者にすぐわかるかっこうに、物価の表示と申しますか、そういったことが考えられないではない、そういう新しいアイデアを出していかなければ、なかなか物価対策もうまくいかぬのではないかというようなことを痛感をいたしておる次第でございます。ただ実行するかいなかということになると、これはなかなか幅の広い問題でございますので、なおいまの物価担当官会議などを通じまして御議論をいただく、こういうことに相なるのではないかと思います。
○佐藤(観)委員 ちょっと私の言ったのがどうもうまく御理解いただけなかったかと思いますが、たとえば、たとえばの話ですが、紅茶ですね。小売りでたとえば千円とします。そうすると現行では三五%ですから、三百五十円関税を納めることになるわけですけれども、これが三〇%に変更になるといいますと、当然千円に対して五十円だけ安くなるわけですね。ですから末端でたとえば千円で入ったものが千五百円になるか知りませんけれども、それが五十円だけ関税が安くなったわけですから、千五百円のものを千四百五十円とレッテルをかえさせる。いまの法律上の権限ではそれはないと私は思うのです。ですからそういう法律を——これは非常にむずかしいことですよ。前の在庫をどうするとかあるいは期限を一体どうするか。他の要因で上がるものもありますから、たいへんいろいろむずかしい点はあるかと思いますけれども、そういう発想でひとつ、これはかなり強引なことですけれども、そのくらいひとつ、関税を引き下げて、幾らかでも物価を引き下げようという方向である以上、ひとつそのくらいの発想を、かなり荒らっぽい発想かもしれませんけれども、これを何か具体化する。何かとむずかしい点、むずかしいというのは技術上むずかしい点があるかもしれませんけれども、できないものだろうか、この辺をひとつ、今後大蔵省の関税局なり経企庁のほうに御検討願えないものだろうかということなんですがいかがですか。
○赤羽政府委員 いままさに御指摘のとおり私は御質疑を了解いたしまして、企画庁が中心の物価担当官会議等において検討さしていただく、かように申し上げたわけです。
○佐藤(観)委員 それでは関税の物価への影響については私は終わりまして、関税局長にお伺いをしたいんですが、憲法の二十一条ですか、検閲の項があるのですけれども、これは現在大蔵省の中でどういうふうに理解をされておりますか。
○赤羽政府委員 ただいま御指摘の点でございます。憲法二十一条に「検閲は、これをしてはならない。」この規定と、関税定率法第二十一条第一項に輸入禁制品があがっております。その中で特に、いわゆる風俗関係の条項があるわけでございますが、これに基づいて税関で差しとめをする、こういった行政に対しましてどう考えておるか、違反ではないか、こういうお尋ねではないかと思うわけでございます。 これにつきましては、過去の国会におきましても御質疑があったわけでございます。われわれは検閲ということはしておらない。これをやりますと憲法違反になるわけでございまして。検閲はやっておらぬ。検閲とは一体何であるかということに相なるわけでございますが、検閲とは公表しようとする言論その他に対する表現、絵画でございますとか写真でございますとか、とにかくその表現されたものに対して行政権がこれを事前に審査をいたす、いいか悪いか審査をする、それでこれでいいというものだけの公表を許す、ここにはっきりした行政行為が行なわれなけばならなれい、こういう前提に立っております。 それでいま税関でやっておりますのはなぜ検閲でないか、こういうお話になるかと思いますが、ただいま税関でやっておりますのは、関税法六十七条に、輸入貨物は検査をする、こういう一般的な規定があるわけでございます。それでその検査の過程におきまして、審査を特にするということでなく、たまたま見つかった。写真と書いてあれば、見ればわかりますから、風俗を害すべき物品をたまたま見つけた場合に、これは関税定率法二十一条三項で、輸入は差しとめられております、こういう通知を行なうわけでございます。通知を行ないました結果、それならやめようと、これは輸入者のほうの翻意を促す、こういうかっこうになりますが、命令は決していたさないわけであります。輸入者のほうで、こんなものはそういう通知されるというのはけしからぬ、こういうことに相なりますと、輸入映画等審議会というのが東京税関に置かれておりますが、これに不服の申し出をするわけでございます。不服の申し立てではございません。申し立てになりますと、これは行政行為に対する申し立てということでございますので、それイコール検閲をやったから申し立てるということでございまして、そこら辺のところは、当時、この法律改正を行なう、輸入映画等審議会等をつくるときに、非常に議論の中心になったようでございますけれども、申し立てではございません、申し出をするわけでございます。それに基づきまして輸入映画等審議会で審議をするというかっこうに相なっておるわけであります。 したがいまして、一見たまたま明白、こういうことがわれわれの行政のポイントになっております。憲法に違反しないというポイントになっておりますので、たとえば本、さし絵のない書籍などで風俗を害すべきものがたとえあったといたしましても、はたまた横文字のあれで表題だけを見てそれじゃないかと思わせるものがあったといたしましても、中に入って一々読んでみるということになりますと、検閲の審査ということに当たるおそれが出てまいります。したがって、そういった文字だけの書物というようなものはやっておりません。たまたま一見明白で風俗を害すべき品物、こういうものに限って、六十七条に基づく検査の際に発見された場合は、関税定率法二十一条三号に該当いたします、こういう通知をする。したがいまして、検閲はやっておらぬ、憲法に違反しておらない、こういう筋になっておるわけであります。
○佐藤(観)委員 それはあくまで筋であって、私は現実じゃないと思うのです。 それではお伺いしますけれども、関税定率法第二十一条第三号、「公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」とあるわけですね。「公安又は風俗を害すべき」というのは、ではこれはどういう基準になっているわけですか。
○赤羽政府委員 公安を害すべきあるいは風俗を一害すべきということの意味でございますが、「風俗を害すべき書籍、図画、」等というのは、具体的に申し上げますと、わいせつな内容を表現した書籍、図画等、こういうことになっておるわけでありまして、さらに、それではわいせつ物とは何だ、こういうことになりますと、これにつきましては、最高裁の判例が出ております。わいせつ物とは、「徒らに性慾を興奮又は刺戟せしめ、且つ、普通人の正常な性的差恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」、こういう表現に相なっておるわけでございます。 それから、公安を害すべき書籍、図書等とは、刑法第七十七条でございますが内乱、刑法八十一条外患誘致、または刑法八十二条でございますが外患援助、それを実行させる目的をもってその実行の正当性または必要性を主張した文書または図画がこれに当たると考えられております。一応この法律の解釈としましては、いま申し上げたとおりであります。
○佐藤(観)委員 いま言われた内容、わいせつな内容云々というのは、これはどこにある法律ですか。
○赤羽政府委員 法律には「風俗を害すべき」と書いてございます。それから風俗を害すべきとは何だ、こうおっしゃられましたので、それはわいせつ物だ。わいせつ物はまた何だ、これは最高裁の判例でこうなっております。かように申し上げました。
○佐藤(観)委員 ですから、「公安又は風俗を害すべき」というのは、これは関税定率法第二十一条にあるわけです。その内容についての規定、これは法律にはないわけでしょう。
○赤羽政府委員 御質疑の意味が、内容についての規定、たとえばそれを判断する基準みたいなものは法律には書いてないな、こういう御指摘でございませばそのとおりでございます。
○佐藤(観)委員 法律にはその内容については書いてないわけですよね。ただ「公安又は風俗を害すべき」とは一体どういう内容かというと、大蔵省のほうではそういうふうにわいせつな内容である。わいせつな内容とは最高裁の判例に出ているもの。公安とは、先ほど言われたように内乱あるいはその他のものを助けるための、先ほど言われた内容だと思うのですけれども、しかしそれは、別にこの輸入映画等審議会の何ら基準になっているわけではないわけですね。つまり、「公安又は風俗を害すべき」というのは何かといいますと、わいせつな内容であるという——公安はまた違います。「風俗を害すべき」というのはわいせつな内容であるということになっているけれども、それは何もどこかできめたものではなくて、「風俗を害すべき」というのはこういう内容であろうといってきめて、そして関税法の六十七条の規定で物を入れないということになっているわけですね。ですから、その内容についてはきわめて主観的なものだと私は思うのです。そうじゃないのですか。
○赤羽政府委員 きわめて主観的だとおっしゃったわけでございますが、ただいま最高裁の判例を申し上げましたけれども、これはこれとしてわかるわけでございますが、じゃいよいよ具体的に税関で見つけたときにどうなるか、こういうお話になるかと思います。しかも一人が見ていればともかく、各税関におきましてそれぞれ違った人間が見ておるわけでございます。そこに当然われわれとしましては、最高裁の判例に基づきまして、これは一体具体的にどういうものだという基準みたいなものをつくる必要があるわけでございまして、そういった通達基準というものもつくっておるわけでございます。いわゆるたまたま一見明白というやつの基準をそれでやっておるわけでございますが、かような問題は幾ら字に書きましても、なかなかこれだというぐあいに数字的にあらわせる問題じゃございませんで、そこにいろいろ問題が出てくるということは、それは避けられないとは思いますが、この法律には書いてない、しかし「風俗を害すべき書籍」というのはわいせつだ、わいせつだというものはこういうものだ、こういうものというのは具体的に何か、どうなったらわいせつになるのだというところまでの一応の行政の基準と申しますか、業務運営の基準みたいなものはつくっております。
○佐藤(観)委員 あとで業務内容の通達基準を教えていただきたいのです。 それから、先ほど局長は、これは通知するのであるから検閲にならないとおっしゃいましたけれども、しかし現実には、たとえば映画に限れば、それが入ってくる場合関税法の六十七条でこれは入れることができません、そして関税定率法の二十一条の第三号に該当しますというものは、その意味では現実には入らないわけですね、映画等書画に類するものなどは。現実においては確かに不服を申し立てられる。不服を申し立てる点についてはまたあとからお聞きしますけれども、実際に現実には、これはまたもとへお戻しするという形になっておるわけですね。しかも調べている人というのは、やはり大蔵省関税局のもとにある東京税関がやっているわけですから、これは明らかに国家の行政機関ですね。ですからその意味で、私は何ら検閲と変わらないと思うのです。どうですか。
○赤羽政府委員 先ほど通知を行ないました——通知を行なうということは法律に書いてあるわけでございますが、本人に変更しろと言ったら、これは行政の命令みたいになるわけでございまして、その場合に、それでは、かってに処分してくれという人もおるわけでございますし、またどこが悪いんだ、そこを消すぞ、消せばいいだろう。それはまたそれでけっこうでございまして、いろいろ御本人の選択によりまして、こちらは特にこうしろとは命令はしていないわけでございます。そういった意味におきまして、先ほど検閲というのは行政権力をもって審査し、認容するものだけの公表を許可する、こういう検閲の定義を申し上げましたが、さような意味での検閲ではない、かように申し上げております。
○佐藤(観)委員 しかし、二十一条の第三項には、「税関長は、関税法第六章に定めるところに従い輸入されようとする貨物のうちに第一項第三号」、つまり「公安又は風俗を害すべき」云々ということですね。「第一項第三号に掲げる貨物に該当すると認めるのに相当の理由がある貨物があるときは、当該貨物を輸入しようとする者に対し、その旨を通知しなければならない。」その意味では、確かにまだここではこれは国内には入れられませんよとは言っていませんね。「その旨を通知しなければならない。」この基準が非常に問題なんですが、とにかく通知するということになっているわけです。その次に、第四項に、「前項の通知を受けた者は、その通知について不服があるときは、その通知を受けた日から一月以内に、不服の理由を記載した書面をもって、その通知をした税関長に対して異議を申し出ることができる。」ということになっているわけです。一カ月以内には異議を申し立てることができるわけです。ですから確かに通知されます。通知されたときにそれじゃやめるか、やめるかという行為、つまりそれは貨物が入らぬ、入れられないということがそこに起こるからやめるかという行為が起こるわけですね。ですからその意味では行政の税関において、入ってくるものをやはりチェックをしているわけじゃないですか。ただし、それがどうしてもチェックをされることについて不服がある場合には、もし映画でしたら輸入映画等審議会というものがあって、不服を申し立てて審査をしてもらうことができるすわけですね。現実に私が税関のやっている業務を聞いた場合には、ここをこう直せば入れられる、あるいはここに色をつければ入れられるということになっているわけですから、具体的には、この不服の前に二十一条の第三項あたりで現実には内容についてのチェックが行なわれているのではないか、やはりこれは私は現実には検閲と何ら変わるところがないと思うのです。 これがいわゆる映倫のような自主規制の機関がやっているならまた別ですけれども、明らかに税関という国の行政機関がやっている以上、しかも現実にはいろいろな条件をつけて、たとえば映画の場合にはある部分を隠すなり、ある部分をカットするなりすれば国内に輸入することができますという現状になっている以上は、もちろんそれに不服がある場合には不服のあれがありますよ。それはまたあとでお聞きしますけれども、不服じゃなくて、その税関長の指示に従ってカットするなり修正するなりということをやって入れている以上、私はやはり検閲と何ら変わるところがないと思うのです。確かにことばは通知する何とかというふうに変えられましたけれども、現実にやっていることについてはやはり「公安又は風俗を害すべき」という非常に抽象的な内容、しかもその内規についても非常に問題があるものについて、やはり私は税関がチェックしていることになっているのじゃないか、現実の場合には。いろいろそれは論理の組み立てはあるのかもしれぬ。私はその組み立てについてもいささか疑問を持つわけですけれども、しかし現実に、そこでカットなり修正ということをしないと入れられないということは、やはりこれは税関での内容の検閲と私たちは思うのです。検閲をしているということになるのじゃないですか、どうですか。
○赤羽政府委員 チェックと仰せられましたが、チェックというのは日本語になってわれわれは平気で使っているわけですが、非常に微妙なところでございます。チェックというのをどういう意味で、ちょっと私もこの場合了解をするのに、どういう意味であろうかと考えておるわけでございますが、言い得ることは、率直に申し上げまして何もしておらないわけではないので、何かやっているわけでございます。そういった内容のことをチェックと仰せられるならばまたそれでけっこうですが、しかしそれは絶対に検閲ではない、何もやっていないというところから、検閲までの段階にいろいろあろうかと存じますけれども、われわれとしては、現在やっておりますこれの業務運営は検閲ではない。それを最大の確認前提といたしまして、輸入映画等審議会をつくる際に、その映画審議会を設置するだけじゃなく、いま先生がお読みになりました二十一条の一項関係、三号関係の改正が、検閲にしないということをはっきりさせるために定率法の改正が行なわれているわけでございまして、われわれといたしましては、その法のもとにおいて検閲ではないというぐあいに考えております。
○佐藤(観)委員 もう一度お伺いしますけれども、検閲じゃないと言う、つまり検閲というものと、検閲じゃないということと、具体的にどこがどういうふうに違うのか、その内容についてはいま局長の答弁はなかったと思うのですけれども、検閲ではないという局長の結論だけは出ているのですが、現在の憲法でも検閲という概念も実ははっきりしてない。はっきりしてないわけですけれども、検閲ではないというそれは、おそらく、局長が言われるには、不服がある場合には申し立てられる、そういう項目があるし、あるいはその他の点だと思うのですけれども、私は、検閲じゃないという部分がそれではどういう部分なのかわかないのです。
○赤羽政府委員 検閲の定義といたしまして、先ほど申し上げましたとおり、内容に入って審査を詳しく行なう、これはいいということで行政権が認容する、それだけのものの行為を、あるいは持ち込みを許す、こういうことが検閲でございます。われわれのやっておりますのは、そういう検閲の体をなしていないと申しますか、検閲ではない、かように申し上げておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 内容に立ち至って審査をしてないと言いますけれども、しかし現実には、映画のプリントが入ってくる。そうしますと、税関でその中身を見るわけですね。中身を見て、確かに原則的にはこれは入れられませんというふうに言う。しかし現実に、さらに入れる場合には、この部分をカットしなさい、あるいはこの部分を修正をしなさいという、命令ではないかもしれないけれども、指示がある。指示ということばがまたここでは非常に微妙ですから、指示ということばがどうかわかりませんけれども、ある。局長御存じだと思いますけれども、外国映画通関連絡協議会の方々に聞いてみますと、こういう席でたいへん何でございますけれども、たとえば映画というのは一こまでとめて見るものじゃないですね。一秒間にざあっと何こまか動くわけですね。動くわけだけれども、その一こまに陰毛が一本出ていた場合に、それがカットになる。それは確かに、とめてルーペで見れば見えるかもしれないけれども、現実に映画が一秒間に何こま動くのか私も知りませんけれども、動く中では見れないわけですね。現実にそういうようなやり方で、その画面の内容についてチェックがされて、それでその部分をカットするなり修正すれば入れられるということについては、これは私は明らかに審査だと思うのですね。これが審査じゃないというのはどうもよくわからないのですけれども……。
○赤羽政府委員 ここが悪いから、ここを直したら入れてもいいぞ、こういうことではないわけでございまして、二十一条三項の基準に該当するから通知する。そうすると、向こうは、それじゃどこが悪いのだ、こうなる。じゃ、ここを消せばいいか、いい、こうなるわけでございまして、ちょっと逆なわけでございます。それは先生の御指摘のとおりでございますと、検閲の可能性が濃くなりますが、そうではないわけでございまして、われわれはあくまでも検閲ではない、かように思います。
○佐藤(観)委員 確かに話の筋立てとしてはそうなって、あるいは現実にはもう何千本と外国のフィルムが入っているから、もう途中の、それじゃどうすればという部分は現実にはなくなってますよ。だから、結局、その面において私は審査と何ら変わらないと思うのです。 今度、不服があった場合に輸入映画等審議会というところにいくわけですけれども、これは税関長が通知をしてから、不服があるときには、その通知を受けた日から一カ月以内に異議を申し立てることができるわけですね。そうすると、今度税関長のほうは、輸入映画等審議会令によりますと、これは一カ月以内に税関長は輸入映画等審議会に諮問をしなければいけないわけですね。輸入映画等審議会令の第五条で、異議の申し出を受理した日の翌日から起算して三十日以内に諮問しなければならないわけですね。今度、諮問をして、それじゃ輸入映画等審議会が一体何日で審議をしなければいかぬということは何もないわけですから、そのまま審議審議で何年も置いていかれる可能性もあると私は思うのです。 ちょっとお伺いしますけれども、現在の輸入映画等審議会に一体年間どのくらいそういう不服の申し出があるのですか。
○赤羽政府委員 輸入映画等審議会ができましたのは三十六年でございますが、三十六年に設置されまして現在までに三十七回くらい審議が行なわれております。それで件数にいたしまして九十六件の異議申し立てが付議されております。平均いたしますと、大体多い年は開催回数が五、六回、たまに、昭和四十年など一回しか開かなかった例がございますが、大体四十二年以降は二、三回、四十六年が四回ということでございます。ことしに入りましてから一回開いておりますが、漸次件数がふえてきているというような状況でございます。全部総計をいたしまして九十六件、かように相なっております。
○佐藤(観)委員 私は、この回数というのは、輸入された映画の本数からいけばたいへん少ないものだと思うのです。少ないものであるということは、この場合はみんなが不服がないということじゃなくて、私が申し上げたように、現実に何らかのカットなり修正なりをして入れているから入っているのであって、決してこれは不服がないわけじゃないと思うのです。しかも私は、表現の自由という憲法の一番基本的な問題に触れる点でございますので、どうも局長の言うような、いまの状態が審査ではないということがよくわからないわけなんですね。 それで、もう一度お伺いしますけれども、現実に東京税関の映画等の審査——審査というとまたおこられますけれども、見ている人ですね、つまり関税法六十七条にいう貨物の検査をしている人というのはどういう方々がやっていらっしゃるのですか。
○赤羽政府委員 東京税関図書調査課という課がございまして、そこに五人の担当官がおります。五人で手分けをしてやっているわけであります。
○佐藤(観)委員 そうすると、この方々は特別に映画に関心があったりなんなりする方々ではなくて、いわゆる大蔵省の普通の官吏と申しますか、役人と申しますか、ですね。
○赤羽政府委員 税関の公務員でございます。
○佐藤(観)委員 入ってきた映画、いわゆる輸入したいというフィルムに対して、いまお話になったようないわゆる税関の官吏の人が見てそして、これは関税法六十七条に抵触する、関税定率法二十一条第一項第三号に抵触をする、したがってこれはそのまま向こうに戻すこともあり得るわけですね。ただし現実には、入れる場合には何らかのカットなり修正をすれば入れる。ここで先ほど局長が言われたように検閲というのは内容に入って審査をすることだというふうに概念規定をされましたけれども、しかも行政権が内容に立ち入って審査をすることというふうに言われたわけですけれども、まさに私はそのとおりじゃないかと思うのですがね。しかもその判断の基準は何かというと何ら——まあ通達基準があるということのようですけれども、局長言われたように明文化したってまたこれは明文化できるようなものでもないし、そのあたりでは五人の方でやっているのでしたら五人の方のかなりの主観でやっているのじゃないか。これはどうしても東京税関なりいわゆる大蔵省のもとにある税関というものがチェックをしなければいけないものかどうか。いずれこれは——現在の映画のやり方では映倫でやるわけわけですね。つまり映画業界の自主規制でやっているですから、フィルムをそのまま通してそして映倫の審査で済むことではないか。しかも局長の話を聞いていても、検閲ではないという結論だけは言われるけれども、じゃ一体検閲と具体的にどこがどう違うのかと言われると、私はどうも納得ができないわけです。ここで関税定率法第二十一条第一項第三号の部分については、特に映画等の部分については映倫にまかせてもいいんじゃないかというふうに思うのですけれども、いかがですか。
○赤羽政府委員 税関ですることを、検閲に誤解するようなことはやらぬで内国の映画と同じように映倫みたいなものをつくってやったらどうか、かような御指摘かと存じます。この問題は、非常にむずかしいと申しますか常に新しく常に古い問題でございまして、昨今のように何と申しますか諸外国で風俗関係の解禁というようなことが、いろいろ標準といいますか基準がだんだんずれてきている、ゆるんできているというような時代におきまして、いろいろな点で問題になることは想像するにかたくないわけでございますが、ただこれはなかなか説によりましていろいろと違いがあるようでございます。それから最近はあまりございませんが、昨年あたり、春ごろでございますが、ああいうものの輸入映画の公開を許してはけしからぬ、なぜもっときびしくやらぬかというような電話も当局のほうにかかってきたということもございまして、右と左と中間ぐらいと、その辺のところがなかなかいろいろ御意見が違うようでございまして、たいへんこれはむずかしい問題であると思っております。いずれにしましてもこれをはずして国内のほうの映倫へ持っていけ、こういう御意見は大幅に緩和しろ、こういう御意見かと承りましたのですけれども、もちろんそういう御意見の方も国会の先生方はもちろん全般的にいろいろあるかと存じますけれども、また逆の意見もあるということで、私らといたしましても税関あるいは警察あるいは法務省、これはいろいろ関係のある事項でございますので、今後慎重にそういった基準につきましては検討を重ねていきたい、かように考えております。
○佐藤(観)委員 もう一つ先ほどちょっと聞き忘れたのですけれども、じゃ輸入映画等審議会にはいわゆるこの「公安又は風俗を害すべき」云々という部分のこの基準というものは、やはり内規みたいなものがあるのですか。これはやはり皆さんで討議するだけで、審議会の委員の方の主観によるということですか。
○赤羽政府委員 その輸入映画等審議会は、委員の方大体十五人くらいおられますけれども、審議会自体として運営規則というか基準規則みたいなものがあるか、こういうお話でございますが、それはございません。
○佐藤(観)委員 まあいろいろ話も平行線のようですが、それを聞けば聞くほどどうも——私は、ポルノなりああいう映画をいま局長緩和というふうに言われたけれども、緩和せよということではないのです。私がたびたびお聞きしているように、現実には港の税関で大蔵省の管理の部分で「公安又は風俗を害すべき」というたいへん基準のむずかしいものが判断をされて、ある部分を修正、ある部分はカットというようなことをしないと現実には国内に入らないということは、やはり憲法の第二十一条に書かれている「検閲は、これをしてはならない。」という部分に抵触をするのではないか。さらにもう少し私自身も研究をしてみますけれども、そういう感がしてならないわけなんです。ですから、その内容を緩和するか緩和しないか、これはある意味では世論にささえられた映倫の問題だと私は思うのですけれども、緩和する緩和しないの問題ではなくして、国家の行政機関というものがそういう内容にチェックというか私は検閲ということばを使うわけですけれども、しているということについて、そのまま大蔵委員会にいる者として見過ごしておくことはできないんじゃないかという気がするわけなんです。まあ話もたいへん平行線になったようですし、また私も今後いろいろ研究してみますけれども、時間もきましたのできょうはこれくらいにしたいと思います。
○齋藤委員長 竹本孫一君。
○竹本委員 最初に大蔵省のほうに聞きますが、今度の関税改正の一つのねらいに、国民生活の安定ということがあるようですけれども、生活の安定ということのために関税政策というものをどの程度に利用し活用しようとしておるのか、その基本的な心がまえを最初に伺っておきたいと思います。
○赤羽政府委員 物価対策のために関税機能を活用することに対してどういうような心がまえか、かようなお尋ねかと存じます。午前中の御質疑に対してもお答え申し上げましたとおり、関税はそもそも財政関税それから変化をいたしまして国内産業の保護、輸入品の流入に対して国内産業を保護する、こういう機能を本質的に備えている、そういうものにいまなっておる、しかしながら、それに対してはいろいろな政策の要請、政策の転換から、物価対策あるいは公害あるいは南北問題あるいは自由化というようなことで変わってきております、かようなお話を申し上げましたのですが、物価対策の面から関税の引き下げをはかってまいります、これも実は三十九年からでございまして、特にことしみたいに柱を立てたのは、去年とことしと二回目でございます。そういった点で、関税が保護関税であるという本質から物価対策の面からする関税率引き下げというのは、これは両方とも相衝突する理念でございまして、そういった保護関税を漸次修正していかなければならぬという面があることは事実でございます。それからもう一点は、この保護関税けしからぬから全部ゼロだというぐあいになかなかこれは一挙にはまいりませんわけでございまして、国内に流通いたしております消費物資でも国内生産があるいはいろいろの割合におきまして何%かそれぞれ自給率があり、それにつながっている生産者もおるわけでございます。そういった面につきましては、いろいろな構造改善対策でございますとか、ほかの経済財政政策を通じましてその増強、保護をはかっていくと同時に、関税面から関与する面につきましては、それの体質改善の度合い、競争力の増進の度合いに応じまして、漸時関税は撤廃をするということで、あまた品目がある中から、毎年いろいろな品目、これはだいじょうぶだという品目を関係各省と拾いまして、これはまず初年度はこれくらい、一、二年たちまして、これはもっとだいじょうぶだということで、漸次引き下げていく、こういうような過程を繰り返しておるわけでございます。
○竹本委員 いま局長の御答弁から伺いましても、関税政策というものの役割りにはおのずから限界があると思うのですが、私はきょうは特に肉とタマネギの問題について、農林省にひとつ伺いたいのであります。 農林省のほうの基本的な政策が確立されて、それを関税政策を通じて、いまお話がありましたように、お手伝いをするという形以上には、関税政策というものはなかなか出れない、限界がある。したがって、根本の問題は、われわれの食生活の豊かさ、あるいは安定感を確保するということについては、農林省の基本的な立場がはっきりしなければならない、こう思うわけですが、まず肉のほうから一つ考えます。もちろんこれは、百六十億ドルたまっている外貨の有効的な使用の問題でございますから、大蔵委員会では同僚諸君とともにあらためて論議を深めるということになっておりますから、このドルのほうの問題は一応きょうはやりません。 考え方として、ひとつ農林省にお伺いしたいのだけれども、日本の肉というものは、外国に比べてどのくらい高いと思っておられるか、また、これをどの程度に安くしようという意図があるのか、また、需給のバランスはどうなっておるのか、その辺だけ、まず伺いたい。
○斎藤(吉)説明員 肉ということになりますと、先生の御指摘は牛肉でございますね。——牛肉のことになるわけでございますが、先ほどもちょっと触れましたように、わが国の牛肉の需要は非常に強く、年々伸びてまいっております。世界的にも牛肉に対する需要は伸びておるわけでございます。そういう中におきまして、やはり牛肉を農政上どういうふうに取り扱っていくかということが、私どもといたしましても現在一番問題になっております。ただ、牛肉の生産ということになりますと、私どものほうでいま考えておりますのは、先ほども申しましたように、大体従来役畜というかっこうでもって生産をしてきたわけでございます。それが機械化ということで変わってまいりまして、肉牛生産、こういう形になってきておりますけれども、全体の平均規模で申し上げますと、経営規模平均二・二頭程度というのが現状でございます。これが乳牛のほうになりますと、六・六頭程度ということで、かなり大きい経営の規模になるわけでございます。もちろん平均でございますから、大きいものも出てまいっておりますけれども、全体としてそういう生産のシチュエーションになる。したがいまして、国際的な競争力という意味ではまだ力が非常に小さいということはいなめないわけでございます。そこで、今後これを規模拡大という方向へ持っていきまして、肉牛生産ということが経営としても十分考えられるというところへ持っていきたいというのが現在でございます。 この肉牛の生産も、繁殖部分とそれからいわゆる育成部分という部分とに分かれるわけでございまして、それぞれ問題はあるわけでございます。育成部分でございますと、これは経営的に相当の規模を持てば引き合っていく形でございます。ただ、繁殖部門というのが何としてもなかなかうまくいきません。そこで、繁殖部門とそれから育成部分とを地域的にリンクさせまして、その育成部分のメリットが繁殖部分にも戻っていくというような形を考えていけば、そういうものができ上がってまいりますれば相当いけるのではないかということで、この辺のことを中心に生産部門では考えているわけでございます。 また一方、牛肉の資源といたしましては、肉用牛だけでございませんで、いわゆる乳用のほうから出てきますところの雄の子牛がございます。これをひとつ牛肉の資源として大いに活用したい。もちろん、これは松阪牛とかそういった高級のものではございませんで、中級程度ということになっておりますけれども、現在は生まれてすぐ殺してしまうのが大半で、これを育てて肉資源として使うというケースは大体三割程度という現状でございます。これをひとつてこ入れをいたしまして、これはやっぱり組織化の問題につながるわけでございますが、これをひとつ一〇〇%まで利用できるようなところまで持っていきたいということになりますれば、国内資源としてそういうものを活用いたしますれば、相当程度自給ができる。しかし、やはり牛肉に対しますところの需要は非常に強く伸びておりますので、全体として一〇〇%できるという形は望めなかろうということで、一応これに対しましては、やはり輸入のワクもふやしていくという、この輸入の伸びと国内生産の伸びとを兼ね合わせてやっていきたいというかっこうで、現在牛肉対策というものを考えているわけでございます。 確かに価格の面におきましては、これは牛肉でございますから非常に部位がいろいろございまして、どことどことを比較するということはむずかしいわけでございます。ものによりましては半値以下という部分もあるわけでございます。その辺のところをどこまで考えていくかということになりますと、これはなかなか、先ほど申し上げますような現在の経営形態の中では、すぐこれを国際並みに近づけるというぐあいになかなかまいりませんが、そういうことを展開させていく過程におきまして、なるべく安く国内生産ができるようにという方向に持っていきたいというふうに現在考えておるわけでございます。
○竹本委員 時間があまりありませんから、簡潔に御答弁を願いたいと思います。 今度子牛の割り当て制、関税割り当てをやりまして五千頭入れると、これはわれわれが仄聞するところでは、テキサスの代表のコナリー財務長官の政治的圧力と思うんだけれども、具体的にこれがそうした価格の問題等にどういう役割りがあるのか、あると考えておられるのか、その点を伺いたい。
○斎藤(吉)説明員 今回、五千頭の子牛の無税輸入というワクができたわけでございますが、これは現実の問題といたしまして、どの程度肉の消費者価格に影響するかということになりますと、なかなかむずかしいわけでございまして、子牛の段階で入ってくるわけでございます。 それから、ただいまお話の、日米会談のところで出たわけでございますけれども、これはアメリカに五千頭割り当てるということではございませんで、いわゆるグローバル割り当てでございます。その中で世界的に安いものが入ってくるという形に実際はなろうかと思います。ただ、いままでやったことのないケースでございますので、私どもといたしましては、この最初の五千頭、これの経緯を見る、いわば第一回の実験的なものというぐあいに理解をしておるわけでございまして、どうもこれは進めてみませんことには、どういうことに現実の問題として出てまいるかということは、現在のところでは、ちょっと例がございませんので、申し上げがたいわけであります。
○竹本委員 事務的にはそれでいいのかもしらぬけれども、問題意識として聞くんですけれども、関税政策を通じて、量も要るあるいは物価も下げるという以上は、税率が安くなったら少し安くなるでしょうといううわさ話をする、あるいは無税になったらもっと安くなるでしょうという計算をするというような、事務的な計算だけでこういう問題に取り組むのか、あるいは値段をこの辺まで下げようという目的意識を持って、それにはこの程度関税を改正しなければならぬという意味で関税の改正をするのか。関税改正の基本的ねらいは、この物価政策に関する限りどっちにあるか。安くなれば数学的には安くなるでしょうという、税率が安くなればあるいは無税になればそれだけ安くなるでしょうということだけで、ただ関税改正をやってみる、あるいはアメリカから圧力をかけられたから関税改正をやってみる、そういうことでは、ほんとうにわが国の経済政策あるいは財政政策としての関税改正ではないと思うのですね。だから、関税改正、三百何十品目のものを洗いかえるについては、もう少し政策の目的意識というものがぼくは明確に打ち立てられなければ、意味ないと思うのですけれども、その辺はどうですか。
○赤羽政府委員 今回の子牛の五千頭につきましては、これが直ちに物価対策の即効薬になるというような、そういうような意識は率直に申し上げましてございません。ただいま農林省から御答弁いただきましたように、これは何キロくらい、生後何カ月くらいのものが入ってくるかもわかりませんし、それにつきまして、生育していよいよ肉になるのは何カ月後あるいは一年先くらい、あるいはもっとかかるかもしれません。わかりませんが、いずれにしましても、この五千頭というのは、それによってまるまる太った牛ができて、それを肉に換算いたしましてもほんのわずかなものでございまして、この五千頭で直ちに庶民の口に入る牛肉に影響が及ぶであろう、さようなことは考えておりませんが、ただいま農林省から御説明申し上げましたとおり、いわゆる何と申しますか、いままでやっていなかった牛の肥育形態でございます。毎年国内の牛は五十万頭、あるいは最近は五十万頭以上になるかもしれませんが、大体五十万頭でございますけれども、それの約一%ということになるわけでありますが、かようないままでやっていなかった肥育形態、外国から安い子牛を入れて、それを農家が育てる、農家が育てるにつきましては、その過程におきまして農家もまた付加価値を取得するわけでございます。それが市場に生育してから出ていく、こういう子牛の農家の肥育過程、肥育の状況、条件、そういったものに対する一つの新しい試み、こういうような意味におきまして私らは取り上げておるわけでございまして、もちろん、長期に見ました場合には、これが非常に順調な形で運びまして、毎年毎年ふえていくということになればまことにいいと思いますけれども、いまの段階におきましては、これが直ちに直結して消費者の牛肉の価格が下がるということは考えておりません。 それから第二段目のお尋ねでございますが、アメリカのほうの圧力に屈したではないか、かようなお尋ねでございますが、日米の交渉全般についてはいろいろとあるわけでございますけれども、まあアメリカ側の要求も種々な面につきまして非常に強かったわけでございますけれども、たとえばオレンジの自由化、オレンジジュースの自由化、牛肉の自由化、さようなものを掲げまして非常に強く自由化を迫ったわけでございますけれども、いま申し上げましたものは、これはまだ日本の現段階では牛肉以下なかなか踏み切らない情勢でございますので、そういうものは断わって、子牛五千頭を無税にする、かようなことで決着をつけたわけでございます。 以上です。
○竹本委員 要するに、だんだん聞いていると、ぼくは子牛の問題を問題にしているのではなくて、関税改正のあり方というものについてもう少しはっきりした政策目標、目的意識というものがなければ意味がないではないか、ただ言われたから下げましょうとか、下げたから安くなるでしょうといったような程度の話では、この目的のためにこの限度まで役立たせてこういう改正をやるのだというふうに、関税改正もあるいは後に議論になるドルの使用についても、はっきりした目的意識、政策の目標というものを持たなければ、やったら何らかの意味においてプラスになるでしょうといったようなことでやっていたのでは間に合わぬではないか、ということで意見を述べておるわけでありますが、時間もありませんから……。いまのような話を聞いておりますと、ただコナリーから言われたから下げたんだという以外に、われわれにはこれを下げることによって何を達成し得るか、どの程度まで目的を達成しようとしておるのかということについて明確な理解を持てないということは非常に遺憾に思いますけれども、今後の関税改正については、そういった意味で、はっきりした目的意識、政策目標というものを示してもらいたいということを要望いたしておきます。 次に、野菜の問題ですけれども、農林省にひとつ伺いたいのだけれども、日本の野菜の問題が、これは御承知のように、需給のバランスの問題と値段の上下をフロートする問題と二つあるわけですけれども、いずれにしてもわれわれの安定した豊かな生活ということからいうと、こんなに野菜が上がったり下がったりしても困るし、また量的に余ってみたり足らなくなってみても困る。これを関税との関連において、一体どういうふうに今後の野菜の安定的供給ということについては考えておられるのかという点をひとつ伺いたい。 私の意見はもう時間がありませんから申し上げませんけれども、たとえばタマネギ、これの需給は一体どうなっておるのか、価格の上げ下げ幅はどのくらいなのかということを具体的に数字で示してもらいたい。しかし、私が特にここで問題にしたいのは、こういうものはすぐ腐るものでもないし、貯蔵もきくのだから——大体日本においてすべての野菜を全部心配するなというわけには、幾ら自民党政府が有能であってもむずかしいと思うのですね。だから、せめてもタマネギに関する限りは心配はさせないという、こういうような重点的な政策を考えてもらいたい。そういうことから言うと、貯蔵に便利がいいタマネギなんというものは一番いい対象品目ではないかと思うのだけれども、これらのものを、とにかくいまのようにドルが余っているときですから、思い切って買って貯蔵して、重点的に事タマネギに関する限りは心配ないと、こういうような政策目標というものをぼくはやはり明確に確立すべきであると思う。私は農林省が日本の農村の保護、防衛のために努力されておるということも高く評価をしますけれども、よくいわれるように過保護であってはならない。日本の食糧の自給をわれわれも基本的に考えておりますから、ある程度の犠牲もやむを得ないと思いますけれども、過保護であってはならないし、場当たり政策であってはならない。そういうような視点も加えて、一体タマネギならタマネギというものをひとつ重点的に確保して、事タマネギに関する限り国民に一切心配はかけないというような政策を打ち出す腹があるのかないのか、その辺をひとつ聞かせてもらいたい。
○荒勝政府委員 野菜が年々暴騰、暴落しておりますことにつきましては、われわれといたしましても、今後何らかの形で、全力をあげて野菜の価格が一日も早く安定するように努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございまして、農林省といたしましても、本年度の重要な施策の一つといたしまして、相当な予算の大幅な要求をただいましている次第でございます。 その野菜の最近の動向を見てみますと、日本人はわりあい野菜を食べる国民でございまして、年間約千四百万トン前後の総野菜生産量がございまして、これがちょっとでも少なくなると季節的に非常に暴騰し、ちょっと過剰になると暴落するというような、異常な暴騰、暴落の繰り返しをしている次第でございますが、その中で特に夏野菜の系統につきましては、大体五月以降九月末ぐらいまでの間は、日本におきましてはおおむね野菜の供給がむしろ潤沢というか過剰ぎみに供給されるということで、過去の経験値等から見ましても、相当暴落といいますか、低目に推移している次第でございます。さらに稲作転換対策事業等もからみまして、昨年も約七万ヘクタール近い、稲作から野菜作への転換ということもございまして、相当安目になりました次第でございますが、この過去二、三年来の経験値を見ますと、秋冬野菜、大根、ハクサイ、キャベツ、タマネギというような、十二月ごろから春の三月ごろにかけましての四つの野菜の品目が非常に常に暴騰ぎみということで、消費者の皆さん方に非常に御迷惑をかけておるということになっておる次第でございます。 われわれといたしまして、その中で特にタマネギについて御説明申し上げますと、タマネギにつきまして、大体タマネギの年間総生産量といたしましては、四十六年を前提に置きますと、約八十七万トンのタマネギが国内で供給されておりまして、対前年比で約一〇%ぐらいの伸びでございます。昨年、おととしと、タマネギについてはこの三月前後には非常な大暴騰があったわけでございますが、これは竹本先生のほうがお詳しいと思いますが、大体年間の供給量は、タマネギにつきましては、作柄が安定しておりまして、そんなに狂っていないのでございますが、問題は春タマネギ、静岡産のタマネギが早く出てくるかおそく出てくるかによって、三月末の端境期の一カ月のタマネギが穴があくといいますかショートする場合がある。早く出てきますとタマネギが三月末に暴落してしまう。それから天候が悪くておそいと——去年なんかは四月の二十日を過ぎても静岡の新タマネギが出てこなかったといういきさつがございました。そうなりますと、三月末から四月の分約一月分のタマネギが足らないということが、二月から三月にかけましてあらかじめ予測されるものですから、それで非常に暴騰するということで、一カ月分のタマネギの不足というか、天候による早く出てくるかおそく出てくるかをどういうふうにして調整するかということが行政的に非常に大事なことではなかろうか、こういうふうに思っている次第でございます。それで特にタマネギにつきましては今後増産も、特に北海道を中心にいたしまして——冬タマネギはほとんど北海道が中心でございますので、北海道のタマネギが安定的に供給されるように価格安定制度を一段と強化いたしまして、今後従来以上に指定産地制度も強化するとともに、出荷につきましても大いに強化してまいりたい、こう思っておりますが、特にタマネギにつきましては、何らかの形で保管がきくということに着目いたしまして、さらにまた、従来三月末の穴があくというときの物価の対策に対処するために、台湾のタマネギを約一万六千トンばかり、常に三月を目標にいたしまして、八月から九月にかけまして台湾と一種の契約栽培みたいな、売買輸入契約を輸入業者の方がするように指導いたしまして、輸入組合をつくりまして約一万六千トンのタマネギを三月から四月にかけて大都市に入荷するように指導奨励している次第でございます。
○竹本委員 いまの、輸入するように契約したというのですか、これからするというのですか。その辺もひとつ。 というのは、年間を通じて需給のバランスがひどく悪いというなら、二十円になったり六十円になったりするのも若干わかるけれども、全体を通じて見れば、大体百万トンあるいは八十七万トンか九十万トン前後で需給のバランスがとれている。ただ、早くできるかおそくできるかというわずかな、三月なら三月の一定の時点にだけ需給のバランスが破れているというならば、それを調整するくらいのことはそうむずかしいことじゃない。なぜいままでそれをやらなかったかということですね。それから、いままで需給に非常に差があるというなら、これはむずかしいということはわかりますよ。もう一ぺん繰り返すけれども、需給についてはタイミングの問題を別にすればそう困難ではないというならば、特定の時点に特に三倍にも値が上がるようなことのないように、貯蔵その他のことで対策を講じておいたらいいと思うのに、それが三倍にもなったのはどういうわけですか。それからいまの契約栽培はいつからどうやるということをもう少し……。
○荒勝政府委員 四、五年前までさかのぼる話でございますが、御存じのように、野菜はすでに自由化されておりまして、自由に入れてもいいということになっておるわけでございますが、日本の野菜価格の変動が非常に激しいというようなことから、逆に輸入される方も非常に危険性を伴う。高いと思って輸入契約をしている間に、日本に持ってきたら大暴落しておって大損をした、来年からは輸入するのはやめた、こういう方が非常に多かったわけでございます。そのことはタマネギにつきましても同様でございまして、初め台湾との間に、入れてもいいということで、多少思惑もからみまして、四、五年前でございますが、タマネギを相当入れられたところが、三月ごろになってたいへん暴落して、春が早かったせいと思いますが、大損をかいて、翌年台湾とだれも売買契約というか輸入契約を結ぶ商社の人がなかったということで、翌年は今度大暴騰したというようなことがありまして、それでは非常にまずいということで輸入組合をつくらせまして、輸入契約を台湾側との間に八月ごろ、最近は大体一万六千トン前後でございますが、一万六千トン前後につきましては必ず輸入を行なうということにいたしまして、そのかわり、値段は二月末前後——二月の初めごろの日本の大体の卸売り相場から逆算しまして、運賃等で台湾と売買契約を二月の初めごろに値ぎめをするということで、数量については完全に保証といいますか、契約することは必ず行なう、そのかわり価格についてはその二月ごろを前提に価格契約を行なう、こういうことになっておるわけでございます。 そこで問題は、去年一万六千トンぐらいでいいだろうと思って契約したわけでございますが、やはり四月の静岡産のタマネギが出てくるのが非常におくれたということがありまして、非常な暴騰を来たしたということ等で、最近の端境期におけるタマネギ対策についてどうもうまくないということで、政府といたしまして、今後現物を何らかの形で端境期対策用としてタマネギについて握りたいということで、明年度予算で、一種の公益法人を設立いたしましてタマネギの調整保管ということを行なうことにしている次第でございまして、年間の全部のタマネギを調整保管をするのではございませんで、いわゆる端境期の約一月間ぐらいの分を何らかの形で、政府が設立を進める公益法人によりまして確保して、そして三月末にかりに暴騰すれば放出する。それは一定の輸入価格プラス単なる保管料の手数料程度で必ず市場に放出する。その放出する価格については、売買関係者の間にある程度の行政指導で一定の価格水準で消費者の手に入るように指導するということで、ただいま予算をお願いしているかっこうになっておる次第でございます。
○竹本委員 だから私が言っているのは——いま御説明を聞いていると、これから公益法人をつくって必要な場合には放出する、こういうことで、結論としてけっこうですが、なぜいままでそれをやらなかったかという、私の趣旨からいえば質問になるわけです。私は、大ざっぱにいって、かりに年間百万トンなら月に八万トンになる。そのうちの三分の一が貯蔵してあれば大体操作はできる、オペレーションができるというなら、三万トンぐらいのタマネギをかりに貯蔵してみたって——いまのお話では一万六千トンの契約がどうというお話だったけれども、二、三万トンのタマネギを貯蔵さえしておけば、このタマネギに関する限り家庭の主婦に心配をかけないで済むという、わずかな予算措置で済むものを、いままでどういうわけでそれをやらなかったか。それは怠慢なのか、無能なのかということなんです。どっちですか。一体どうしてそんなに手ぬるいことをやったかということがぼくらにはわからない。
○荒勝政府委員 従来、とかく農林行政の中で野菜行政というものは少し立ちおくれぎみといいますか、いろいろ年々増強はしてきておるのですけれども、特に野菜につきまして現物を把握するということが非常に危険性が大きいということ等もございまして、極端に申し上げれば、行政指導をもって事足れりということで、もっぱら指導だけで、何とかつくれというか、増産を呼びかけたりあるいは価格が暴騰しないように呼びかけるということで、一つの行政の限界というように心得てきたわけでございますが、世の中だんだん野菜に対する関心が非常に強まりますとともに、農林省といたしましても野菜行政に力を入れるということで、従来の野菜行政の論理からいたしますと非常な飛躍といいますか、野菜自身を、現物を握るということの危険性は十分わかっているわけでございますが、やはりできるものから何らかの形で手をつけていくということで、さしあたり保管可能なタマネギから手をつけていくということで調整保管に踏み切った、こういうふうに御理解願いたいと思う次第でございます。
○竹本委員 だんだん御説明を聞いていると、私はどうも納得ができないというか、野菜が重要な問題になって、われわれが物価指数、政府の発表の五とか六・何%というのがわれわれの生活実感に合わないというのも、主として野菜その他の問題なんですね。だから、問題の重要性を認識するのがどうも二、三年おくれているように感じますね。それから指導行政の限界ということも、これだけ公社をつくったり公益法人をつくったりして、政府の関係団体というのは何百とある。そういうときに、その問題をいままでは指導行政でやれると思っておったのもはなはだ認識不足で、おくれたりといえども今度それを予算化されるというような御説明ですから、それでけっこうですが、しかし、それにしても何だかあまりにもわれわれの世間の現実の必要なりあるいは主婦の実感といったものから相当行政が立ちおくれているというような感じがいたしますから、今後は大いに気をつけてやっていただきたい。 それから、いま公益法人をつくるというようなお話だったけれども、そうすればこのタマネギに関する限り家庭の主婦の心配はない、心配はさせない、こういうお考えですか。
○荒勝政府委員 野菜行政に非常に農林省は今後力こぶを入れることになりまして、別途農林省設置法を内閣委員会のほうにお願いいたしまして、食品流通局をも設けることにいたしまして、野菜行政を生産から消費に至る間一貫した責任をとる行政ということで、今後進めていくことにいたしておる次第でございます。 そのほか野菜行政全般について、生産からすべて力こぶを入れていくということで、予算金額も約二倍半から三倍近い予算をとりまして、さらに野菜試験場まで設けるということで、相当力こぶを入れている次第でございますが、野菜につきましてはまだまだ行政的に相当未熟な点もございまして、直ちに完全に完備するということにつきましては、いろいろ今後行政的な試行錯誤はあるかとも思いますが、常に前向きの姿勢で今後野菜については取り組んでいくというふうに御了解願いたいと思います。
○竹本委員 野菜は重要な問題ですから、しっかりやっていただくように要望いたしておきます。 次に、簡単に通産省に一つだけお伺いしたい。まとめてアメリカの関税制限さらに非関税障壁については議論をしたいと思うのですけれども、きょうは一つだけいわゆるアメリカのダンピング関税というものについて、一体ダンピングとはどういうものであるか、またそのダンピングの解釈について日本政府とアメリカ政府との間にはどういう食い違いがあるかということについて、まず伺いたい。
○寺田説明員 通産省の通商関税課長でございますが、お答えさしていただきます。 ただいまの御質問のアンチダンピングの問題でございますが、この定義といたしましては、国際的にアンチダンピングのコードがございます。これに掲げられてございますことは、要件が二つございます。一つは輸出する国と輸入する国とにおける価格差でございます。ダンピングはこれは定義といたしましては、輸出する国のほうが輸入する国におけるよりも当該品の価格が高いというのが、一つの基本的な要件でございます。それから国際的に常識となっておりますことは、損害要件、その輸出国におきまする格価よりも安い格価で輸入国にものが入ってきた、そのために輸入国の産業が被害をこうむったということ、この二つがダンピングの要件であるというふうに考えております。 この基本的な考え方においては、各国とも同じでございます。ただ、アメリカの場合は、法制の内容上、それから運用上におきまして、このダンピングの解釈がややもすれば恣意的に行なわれるきらいがあるということは御指摘のとおりでございます。この点をこれからわれわれのほうといたしましても研究いたしまして、アメリカと話し合いを行なって、法令の内容並びにその運用につきまして、できるだけフェアな公正な形でもってアンチダンピングの法の運用をアメリカ側に要請してまいりたい、こう思っている次第でございます。
○竹本委員 そこで、一般的な定義からいえば二つの要件があるから大体一致しておる、しかし実際の運用なり定義においてはアメリカはかってなことをやる、恣意的にやる場合がある、こうおっしゃったが、最近においてアメリカが恣意的にそのダンピング関税という問題を取り上げて、犠牲を日本の生産品が受けたという例は何と何ですか。
○寺田説明員 ダンピングにつきましては、最近の一番大きな例は、日本の白黒並びにカラーのテレビでございます。これは別にアメリカ側が恣意的にこの問題を取り扱ったということを断定することはできません。ただ、法律の内容それからその法律の運用のしかたにおいて、日本側の実情の理解不足から、アメリカ側が一方的にその価格差につきましてダンピングであるというふうに判定したということは言えると思います。特に具体的に申し上げますと、日本国内におきますテレビの取引形態それから価格操作の問題につきまして、アメリカ側の理解が不十分であったということが一つの要因であったというふうにわれわれは考えております。
○竹本委員 いまカラーテレビ、白黒テレビの問題が出ましたけれども、そのほかには何があるか、最近のものを言ってもらいたい。
○寺田説明員 現在問題になっております商品といたしまして、アメリカ側のダンピング裁定のおりましたものとして板ガラス。これは正確に申し上げますと、普通板ガラス、みがき板ガラス、強化板ガラスというふうに分かれておりますが、板ガラス。それからその前には電子部品、それから現在調査中のものといたしましては漁網、大型変圧器、それからステンレス鋼板、毛及びポリエステルの混紡等々、相当多数の品目がございます。
○竹本委員 そういうふうに品目が非常に多いし、過去をいえばまだいろいろあると思うんですよ。そこで最終的に、先ほどもぼくは日本の経済外交のあり方について議論をしたんですけれども、先ほど御答弁では恣意的という面のものと、それから理解不足によるものというような御答弁がありました。そこで、アメリカに対してそういうような理解不足のままにしておるということ自体が非常に問題だと思うんですね。日本の産業政策に対して、あるいは日本の経済に対してもそうなんだけれども、アメリカが非常に理解不足である、理解不足のために、ある場合には恣意的にもなる、あるいはまたとんでもないダンピング論を持ち出すということになると思うんですけれども、そこで二つ事前に理解をさせるための努力というものが足らないんではないか、日本の通産省というか日本の政府として。この点が一つ。 それからもう一つは、その問題が取り上げられてから、一体日本の産業、個々の商品なら個々の商品の立場を守るための努力というものがほとんどなされていないんじゃないかと思うんです。たとえばいよいよという場合には、弁護士は会社がアメリカにおる弁護士を頼んで、アメリカでその議論が問題になっておるところに働きかけるという以外に、一体日本の大使館が具体的にどれだけのことをやっているか。結局日本の政府が、日本の国産品が経済的にダンピング関税の問題なんかで問題になっているときに守る努力というのは、はなはだ少ないではないか、あるいはないではないかと思いますが、事前にどれだけの努力をしておるか、事後にどれだけの努力をしつつあるか。その二つの点について伺いたい。
○寺田説明員 まず事前の問題でございますが、これは基本的にはアメリカの法律でございまして、その法律の運用につきまして日本が干渉するということは、アメリカ国内でやっておる限りにおいてはできない問題でございます。ただ、われわれとしてやっておりますことは、アメリカ側が日本の国内において日本の輸出価格を調査いたします。この調査につきましては、通産省としましては、各関連会社と協力いたしまして、できるだけフェアな資料を関連会社から出すように、しかもそれがアメリカ側に十分納得させられるように、従来から緊密な協力のもとに、調査に日本政府としても関与して、あるいは協力してまいった次第でございます。 それから今後の問題といたしまして、確かに御指摘のように、今回為替レートの変動もございましたし、ダンピングの問題もございまして、いろいろ新しいむずかしい問題が出てまいります。それで、先日の日米閣僚会議におきまして田中通産大臣から、専門家レベルにおきますダンピング問題の日米会談というものを提唱されまして、これをアメリカ側は受けた次第でございます。この専門家同士の話し合いによりまして、できるだけアメリカのアンチダンピング問題に対する取り扱いを公正な基準に立って行なうような条件を整えるようにしたい、こう思っておる次第でございます。われわれ、現在その交渉のための準備をしておりまして、来年度以降できるだけ早い機会にアメリカ側と話し合いを行ないまして、その点に十分の努力をいたしたい、こう存じておる次第でございます。
○竹本委員 最後にもう一つ、この損害条項の問題ですけれども、アメリカは、それは国としてはある意味においては一応理解ができることでもあるが、損害を与えるおそれある場合ということでダンピング問題を引っぱり出したことがあったように思うけれども、おそれありというようなことはきわめて抽象的概念で、それで日本の産業をやっつけようと思えば全部引っかかってしまう。スレットということばはきわめて簡単なことばだけれども、それだけでダンピング関税問題を取り上げてきておると思うが、それはどういう解釈であるか、それに対して通産省はどういう対応の措置を講じようとしておるか、講じてきておるかという、二つだけ伺って終わりにします。
○寺田説明員 このおそれありというのは、アメリカのアンチダンピング規則に書いてございます。そのアメリカ財務省が提訴を受理します場合に、損害要件というものはある程度の資料を出せばよろしいという形になっております。したがいまして、受理する場合に、損害の事実の有無につきまして財務省はこれを確かめる権限を持っておりません。それからダンピング価格差があることがはっきりしました場合、関税の評価の停止をするわけでございます。この場合も財務省は、損害要件につきましてはおそれがあるということで済むのだ。 しからば損害の有無を判定すべきはどの場であるかと申しますと、これはアメリカの関税の委員会なのでございますが、損害の有無を判定します基準がほとんどないといっていいくらいでございます。そこに非常に恣意的に損害ありという判定がなされるおそれがあるというふうにわれわれは考えています。 それで、この問題について、できるだけ損害の客観的な基準を両国間で合意するなど、恣意的に損害ありという解釈を下さないような方法をわれわれのほうとしても十分研究いたしまして、アメリカ側との折衝に入りたい、こう考えておる次第でございます。
○竹本委員 それでは最後にもう一つだけ。 日本側のことについて聞きたいのですけれども、いまお聞きのように、アメリカ側がきわめてでたらめ、といっては悪いかもしらぬが、それこそ恣意的なおそれありなんというばく然たる話で日本の輸出を押えようとする意向が強い。それに対して日本の関税関係法の中には、おそれありといったような文句があるのか。またアメリカのそういうおそれありということで制限をしてこようというのに対して、日本ではどういう対応をしようとしておるのか、この点だけ伺って終わりにしましょう。
○赤羽政府委員 日本のダンピング関税の規定におきましても、おそれありという表現になっております。このおそれありという表現は、実はKR交渉の一環といたしましてダンピングコードというものができておりまして、このダンピングコードに従えばいいということになっておるわけでありますが、アメリカで、いま通産のほうから御説明申し上げましたようないろいろな問題が起きているというのは、アメリカは一たんこれを受諾いたしておきまして、さっき、午前中に御説明申し上げました例のASP制度と同じようなことでございますけれども、一たん受諾をしておいて、議会にかける段階におきましてこれを否決されたということになって、アメリカでは国内法になっていないわけでございます。わがほうは、これはガットのコードに基づきましてダンピング関税、アンチダンピング関税の規定を置いております。その場合におそれありという表現はございます。
○齋藤委員長 次回は、来たる十日金曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会すること、し、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十七分散会 ————◇—————