商工委員会 第18号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/05/10
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 白浜仁吉君外六名提出、離島振興法の一部を正する法律案を議題とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。白浜仁吉君。
○白浜議員 離島振興法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。 離島振興法は、本土より隔絶せる離島の特殊事情よりくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する施策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施することによって、その経済力の培養と島民の生活の安定及び福祉の向上をはかることを目的として、昭和二十八年七月二十二日十カ年の時限法として制定公布されたのであります。 以来、本法は離島振興のために少なからず寄与してまいりました。しかし、離島の特殊事情からぐる後進性は依然として除去されない実情にかんがみまして、昭和三十七年三月二日第四十国会において本法の適用期限をさらに十カ年延長して極力その後進性を除去する諸施策を強力に実施してきております。 しかし、離島はきびしい自然的、社会的諸条件の制約下にあるため、本土の著しい経済成長に追随し得ず、依然としてその後進性は除去されるに至っておりません。 このような現状から、今後の離島地域社会の発展をはかるためには、新全国総合開発計画の趣旨に沿い、各離島の向かうべき方向を明らかにして、長期的かつ広域的な見地からそれぞれの島の特性に応じて、農林漁業、観光開発等の産業振興をはじめ交通通信施設、生産基盤及び生活環境の施設の整備、厚生、国土保全等の諸対策を効果的かつ強力に推進する必要があります。 以上の観点から、本離島振興法は昭和四十八年三月が時限となっていることにかんがみ、さらに十カ年の延長をすることとし、長期的な振興計画を策定し、積極的な振興をはかり、百四万離島民の生活の安定と福祉の向上につとめてまいりたいと考えるものであります。 なお、時代の新たな要請に対応した施策を実施していくために次の点について一部改正を行なおうとするものであります。 第一に、離島の無医地区における医療の確保をはかるための規定を新たに設けることといたしました。医療の確保は、人命にかかわる重大な問題でありますが、本土と隔絶した離島におきましては、深刻な悩みとなっております。 従来から直接住民と密着した離島関係市町村はもとより、国、県その他関係機関において離島の医療の確保のため各種の施策が講ぜられておりますが、いまだ満足すべき状態になっているとはいえません。そのため、この問題に対する国及び都道府県の責任を明確にし、より強力に医療対策を推進するため、過疎地域対策緊急措置法の規定にならって第九条の二の規定を設けることといたしました。 第二に、離島振興事業につきましては、御承知のとおり法令の規定及び予算措置により、本土より手厚い国の負担または補助が行なわれ、財政的基盤の脆弱な離島における公共事業の推進に大きく寄与しておりますが、今回、その離島振興事業にかかる国の負担または補助の割合を一部改めることといたしました。 すなわち、近時、生活環境施設の整備が特に緊急な課題となってまいりましたので、本法において簡易水道施設の整備について国の補助率を現行の十分の四以内から十分の五以内に引き上げることといたしました。また政令においても、ごみ処理施設及び屎尿処理施設についてそれぞれ国の補助率を引き上げることといたしております。たお、この他、生産基盤、国土保全、交通施設の整備のため、従来から強い要望がありました漁港の機能施設の整備、海岸保全事業、港湾、漁港の局部改良事業、市町村道の特殊改良事業、また平地の畑を対象とした一般農道事業などにつきまして、政令または予算措置により国の負担または補助の割合を引き上げることとしております。 次に港湾及び漁港の水域施設及び外郭施設並びに空港の整備につきましては、現在、全額国が負担または補助することとなっておりますが、これらにつきましては、他事業との調整をはかりつつ事業量を拡大するため、その一部を関係地方公共団体で負担することとし、国の負担または補助の割合を若干引き下げるごとといたしました。 第三に、離島振興計画の計画内容を拡大するため、所要の改正を行なうこととしております。すなわち、これは第九条の二として医療の確保の条文を追加したため、これに対応して離島振興計画の計画事業を改めることとしたのであります。 第四に、離島振興対策審議会の委員の数を一名増員して、新たに発足した環境庁の事務次官を委員として加えることといたしました。 以上が離島振興法の一部改正案の提案理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
○鴨田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○鴨田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。岡本富夫君。
○岡本委員 最初に、私どもも、離島振興につきましては一審大切な問題である、こういうことで本提案に対しては賛成をいたす次第でありますけれども、ちょっとその前に一つだけお聞きしておきたいことがあるんですが、漁港というもの、これは私も現実を見てまいりましたけれども、地方公共団体がこういう離島に対して事業をやるにつきましては、国の費用が全額なければなかなかやらないというようないままでの姿を見てまいりましたので、この漁港あるいは空港、いままで百分の百、一〇〇%の補助率であったものを百分の九十五あるいは百分の九十にした。私ちょっとこの点についてもう一度提案者のお考えをただしておきたいと思うのです。
○白浜議員 おっしゃるとおり従来からの既得権と申しますか、そういうふうなことで私どもこのまま進めていきたいということでだいぶ各省庁と折衝をしてまいったのでありますが、どちらかというと北海道並みというふうな、そういうふうな観念が支配的に各省庁にありますのと、もう少し事業量を伸ばしたほうが将来のためによくないかというふうな考えもありまして、ただいま御説明申し上げましたとおりの数字にきまったわけでございます。ただ、空港は御承知のとおり県がやります事業で、これが百分の九十ということでございますが、実質的な面におきましては、その残りの百分の十、そのうちの四割は起債でまかなえるということになっておりますし、同時に、漁港も残りの〇・五%については港湾もそれぞれ起債その他でまかなえるということに相なっておりますので、それほどお困りにはならぬだろう。長い目で交付金その他で政府はめんどうを見ようということの話もついてまいりましたので、私どもは、むしろこの際、事業を伸ばそうという面で進んでまいる。そのかわりとは申しませんが、いままで小さな漁港、港湾などで補助率が十分の五でございましたものを三分の二に補助率を上げる、むしろそういうふうな点で得るところが多かったのではないかと自負しておるところでございますので、御了承願いたいと思います。
○岡本委員 次に簡易水道施設につきまして、これは政府にお聞きしたいのですけれども、十分の四以内を二分の一以内、この以内というところに非常に私は疑問を感ずるわけであります。中小企業の金融にいたしましても、以内ということでありますと、以内であれば幾らでもいいのだというように受け取れるわけでございまして、これは十分の四を二分の一——十分の五になるわけですが、こういうように非常に国の負担割合がふえた、こういうのでありますけれども、この以内というところに非常に私は疑問を感ずるわけです。したがって、総合的ないろいろの計画あるいは予算の一括計上をやっておるのは経企庁だと思うのですが、経済企画庁にひとつこれをお聞きしたいと思うのです。いままでも十分の四以内だったのですが、以内というところ、どういうように判断をしておるのか、これをひとつ確かめておきたいと思うのです。
○岡部(保)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生のおことばにもございましたように、従来の法律の表現も十分の四以内ということばが使われております。それで現実に十分の四、言うなれば最高限度の補助率で実施しているわけでございます。したがって、以内という従来のその数字を十分の四を二分の一に変更したという意味でございまして、ただいまのような御心配は私どもむしろ考えていないわけでございます。ただ、法律的に一般的に申しますと、以内と書いてございまして現実にそれ以下の補助率を適用している例がございます。これはいろいろないきさつがございまして、そういう例が確かにあることは事実でございますが、この点については私どもとしていま先生のおっしゃいましたような御心配はなく実施していくという考え方に立っております。
○岡本委員 これだけはひとつ以内というところに力を入れないでいただきたい。以内というのはないのであるというような考え方に立って予算をきちっとつけていただきたい。これはくれぐれもひとつ要求しておきます。いまのあなたの発言を今後の予算要求のいろいろな面の歯どめとしていきますから、そのつもりでよろしく処置をお願いします。 次に、現実の問題といたしまして屎尿処理、たとえば兵庫県の淡路島のすぐそばにある沼島、こういう二キロ四方の島でありますけれども、昔は約千軒あったんですがいまはもう五百軒足らずになりました。そこでも屎尿の海上投棄、これができなくなってきた。といって自力でもって屎尿処理場はできない、こういうのが現実の姿でありますので、本案にも屎尿処理施設ということがだいぶ入っておりますけれども、この屎尿処理施設については今後海上汚染あるいはまた付近の離島の汚染問題から考えまして大問題になっておるということですから、特別の配慮をして、たとえばこれは三分の一が二分の一、これも以内になっておるわけですが、むしろ都道府県で申請してきたものをそれを処理するというのではなくて、経済企画庁のほうでよくひとつ調査をし、そして、どっちかといいますと国の主導権で、要するに国のほうが誘い水を出してやっていくというような考え方に立っていただきたい。いままでは地方自治体から申請があって、それに対して補助をつけるというような考え方が非常に多かったのでありますけれども、離島振興上、特に離島の屎尿処理についてはこれは特別に国のほうから指導する、要するに指導してつくっていくというようにしていただきたいと思うのです。いままで厚生省としてはこういうことに対してどういうようなあり方をやっていたのか、ひとつお聞きしたいと思うのです。
○山中説明員 屎尿処理施設につきましては、現在海洋処分を全国的には約一五%やっておりますが、離島におきましても現在約一四%、一日当たり百十九キロリットルの投棄をしております。現在まで先生おっしゃるとおりに申請に基づいてやってきたというのは事実でございます。今回五十年までにこの海洋処分をなくそうという計画を立てたわけでございますが、それで今年度からは積極的に、特に離島と同じように瀬戸内海からは撤退も必要ではございますので、屎尿を海洋処分をしているという場所に特に力を入れて、積極的に申請をしてくるように今年度からは指導いたしております。今後海洋汚染防止法の政令などができるわけでございますが、それに対しても、いきなりこれで海洋投棄は全部だめだというわけにはいきませんので、その辺の調整をきちんといたしまして、この屎尿処理施設を、海洋投棄をしている特に離島の問題につきましては積極的に援護していきたい、こう考えております。
○岡本委員 いま話がありましたようにこの沼島、私が行って調査したところによりますと、海上投棄はもうできなくなってくる、といって残すわけにいかないということで、非常にジレンマにおちいっているわけでありますから、ひとつ積極的に、いま話があったようにこの問題は処理をしなければならぬ時代に入ったと思いますから、これも国の行政についてよくお願いをしておきます。 次に、水産庁来ておりますね。——漁港につきまして私が調査をしましたのは、これは淡路島の淡路町の釜口というところでございますけれども、この漁港が非常に構造が悪いというのか、波が入ってきたのがどんどん片一方にばっかり寄るようになってどんどんそこの砂がとられていく。そのためにそこにある家が非常に危険を感じておる。今度大きな波が来たらもう家がやられるのじゃないかというようなところもあるわけですが、こういった問題についての点検をしなければならぬのじゃないか、そして、安全でありかつ適切な漁港の建設というものが必要であろうということを私は目で見てきたわけですが、水産庁としてどういうふうにこれを考えておるのか、あるいはまたどういう検査をしておるのか、これをひとつお聞きしたいのです。
○矢野説明員 お答えいたします。 御指摘の釜口漁港につきましては、現在の状況を私実はまだ聞いておりませんが、大体構造物を天然の砂浜につくりましたときには何らかの影響がその両側に出るものでございまして、それにつきましては漁港事業の一部でそれに対する措置をやる場合もございますし、あるいは前後の海岸施設につきましては、漁港海岸事業におきましてそれらに対する措置をやるということでやっております。したがいまして、御指摘の点につきましては、十分現地を調査いたしまして適切な措置を講じたいと思っております。
○岡本委員 こういう漁港というものは非常に大切なものでありますけれども、それができたためにその中の一部が波によってどんどんさらわれて、その上にあるところの家が危険に瀕する。いまそれに対してテトラポットを持ってきまして置いてあるわけです、私見に行ったら。そんな砂浜の上にテトラポットを何ぼか置いてあるだけで、非常に危険を感じておる。だから私は、これについては特別にあなたのほうから調査してもらいたいと思うのです。事人命にかかわることであると私は思うのです。したがって、それと同時に、この漁港は、見てきました私が調査しますと、もう少し完全にするというような、もう少し防波堤を延ばすというような計画であろうと思うのですけれども、もうすでに数年たっておるような防波堤なんです。あといつやるのか、いつどうするのかという計画もないようでございます。したがってこの点もよく検討して、そして安全な漁港をつくること、これが私は大切であろうと思うのです。この漁港についてはよくあなたのほうから検討してもらいたい。さっそく調査してもらいたい。今度の台風時期、こういうときになりますと、相当危険じゃないか。したがって早急にこれは調査する必要があろう、こう思うのですが、ひとつはっきりした答えをもらいたい。
○矢野説明員 お答えします。 さっそく十分現地の状況を調査しまして、適切な措置を講じたいと思います。
○岡本委員 次に、道路局長来ておりますね。国道二十八号線、この道路は沼島の離島に通ずるところの唯一の幹線道路でありますけれども、それの入口に伊和というところがありますが、この国道のわきに歩道が一部ある。ところが百五十メートルばかりの間は歩道がない。その横に町営住宅がありまして、この歩道がないために、毎日通学するところの児童が非常に危険を感じておる。またちょいちょい交通事故が起こっておる。私は日本のいままでの道路を見まして、諸外国に行きまして日本の道路ほど歩道のない道路はないということを非常に痛感した。ここはもとはほとんど人間の道であった。それが国道ができまして、そのために人間が通れなくなった。要するに危険を感ずる。こういうふうなことでは道路行政を行なうについて非常に問題であろう。たびたび現地の土木事務所、建設省のほうにも申し入ればしておるのですけれども、全然これについては取り上げてくれないというのが現地の状態なんです。これについて高橋道路局長はどういうように考えておるのかということをお聞きしておきたいと思うのです。
○高橋(国)政府委員 ただいまの個所は、淡路島にございます国道二十八号線の鵜崎という地区かと存じますが、かねてより先生からもお話を承っておりまして、さっそく調査させましてただいま準備中でございます。歩道設置ということでお話があったのでございますけれども、この地区は非常に道路の線形が悪く、見通しが非常に悪うございますので、この際一緒に道路を直しながら歩道をつくったらどうかということで、ただいま準備中でございます。したがいまして、四十七年度さっそく着工いたしまして、用地買収を行ない、用地買収さえスムーズにできるようでしたら、四十七年度中にすべて完了するということになろうかと思います。
○岡本委員 道路局長、そういう答弁はちょっとおかしいですよ。全然あなたのほうで調査してないという答弁。なぜかならば、その道路わきの用地は町の用地なんです。その横に学校がある。学校のすぐそばののりになったところですから、これは町からいつでも買い上げをすることができるわけです。町としても協力すると言っておる。ただ建設省でやるかやらぬかだけの問題になっているのです。わずか百五十メートル余りのところなんです。ですから、いまあなたからそんな答えを聞こうとは私は夢にも思わなかった。毎日毎日通学する児童が危険を感じておる。また現実に事故が起こっておる。これは早急にやるべきですよ。何よりも大切なのは人命ですよ。もう一ぺんあなたから確たるところの返事をいただきたいと思うのです。
○高橋(国)政府委員 ただいま先生の御指摘の区間は百五十メートルくらいの歩道かと存じますが、われわれは前後五百メートルくらいの歩道をつける準備をいたしまして、先ほど申し上げましたように、道路の事故の起きそうなかっこうの場所でございますので、この際道路改良も一緒に行なうということを計画したわけでございます。町有地は一部しかございませんので、やはり用地買収が伴います。いま申し上げましたように、用地買収もスムーズにできますれば、当然四十七年度中には工事を終わらすようになると思います。
○岡本委員 これは私も全部ここのところは調査してきたのですよ。ただ、まず最初に百五十メートルだけやってやれば——それまでは歩道があるのです。百五十メートルだけまずやってあげれば、そしたらもういますぐの危険はないわけです。あなたの言っているのは、もう少し先のほうの曲がり角のほうの話をしていると思うのですけれども……。まず百五十メートルだけでも先にやってやる。そうすると、日々の児童の——交通事故が起こりそうなところというようなことを言われたんじゃ話にならないですよ。相当起こっているのですよ。だから、その後父兄が児童に同伴しながら送り迎えをしなければならぬというようなことになっているのですよ。認識がちょっと足らないと思う。だから、ここの百五十メートルだけでも先にやるということをひとつはっきり答えてもらいたい。
○高橋(国)政府委員 百五十メートル区間につきましては確かに歩道が設置されておりませんので、これだけつくるのでしたら簡単にできるわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、前後がちょっと悪いものでございますから、この際一緒に直そうというようなことを考えましたので、そういうふうに答弁申し上げたのでありまして、もし歩道を先につくってしまいましてその前後を残しますと、手戻り工事と申しますか、二重の投資になりますので、この際一緒に直したいと考えたわけでございます。いずれにしましても、先生のそういう御意見でございますので、さっそくもう一度検討させます。
○岡本委員 これはひとつよくあなたも現地から聞いてさっそくやっていただきたい。 次に、診療所の設置あるいはこういった無医村地区をなくすためというこのたびの法律案の一部改正でありますけれども、いままで厚生省としては、無医村に対してどういう手を打っておったのか、あるいはまた僻地に対してどういう処置をしておったのか、これをひとつ聞いておきたいと思うのです。
○木暮説明員 僻地、離島の医療につきましては、昭和三十一年から三回にわたりまして五カ年計画でその充実をはかってまいったわけでございますが、おもな柱といたしましては、診療所の設置、それから患者輸送車、輸送艇の整備、さらに巡回診療車、巡回診療船の整備等をやってまいった次第でございます。
○岡本委員 これにつきましては、僻地勤務の医者がいないとか、そういうような非常に条件が不利な状態であろうと私は思うのです。いままでそういうところへ行く医者は、年のいった——隠居と言うわけにはいかぬでしょうけれども、非常に年のいった人しか行かない。ばりばりした人たちは行かないというような状態を私は各所で見てまいりました。同時にまた、これは厚生省としても、私は実はこれも一ぺん、斎藤厚生大臣の時代だったと思うのですが、淡路島の洲本市の由良というところ、約七千二百三十三名の人がいる。ここに昔は長手医院というのがあったのですが、これは年とってなくなって廃業し、医者がいないということで、診療所をひとつつくってもらいたいというような話をしたことがあるのですけれども、これにつきましても、市長の熱意がなければできない。こういうこともやはり厚生省のほうからむしろ積極的に、僻地あるいは離島、こういうところの無医村地区に対してはやっていかなければならぬと思うのですが、どういう具対策があるのか、これをひとつ……。いかに法律をきめましても行ってくれないのです。これでは法律をつくったところでから証文になってしまうのです。だから、今後どういうふうにするのか、これをひとつはっきりしてもらいたい。
○木暮説明員 ただいま申し上げましたように、無医地区、離島の医療対策につきましては、いろいろやってまいりましたのですが、ただいま先生の御指摘の医師の確保という点が非常に大きな難点になっているわけでございます。僻地、離島の医師不足につきましては、根本的には医師の数が足りないということが一つあるわけでございます。 現在、日本の場合には人口十万単位百二十八人の医師がいるわけでございますけれども、いろいろ統計を見てみましたり諸外国との比較をいたしてみますと、どうしても人口十万について最低百五十人の医師が必要であるということがわかっておるわけでございます。そういう判断に立ちまして、文部省といろいろ協議をいたしまして、昭和四十七年度の計画で、文部省のほうで、人口十万に対しまして百五十人の医師を確保するということを目標といたしまして医学部の入学定員をふやすという措置をとってもらっておるわけでございます。そういうことで、将来医師の数をふやすという措置がとられておるわけでございますけれども、それにはまだ年限がかかる問題でございます。そこで、その医師の養成が増加するのを待たずにいろいろの措置をとっていかなければならないわけでございます。現在私どもが考えておりますのは、必ずしもそういうことではなかったのでございますけれども、僻地や離島の医療問題を、僻地、離島があるその局地の問題としてとらえて解決をしていくというほうに大きなウエートがあったということは事実であるわけでございます。そこで、そういうふうに問題を離島や僻地のありまする局地の問題とせずに、少し広い範囲で見ていかなければこの解決ができないのじゃないかということを考えたわけでございます。具体的に申し上げますと、その僻地、離島のございます市町村だけにまかせないで、その僻地、離島に一番近い親元病院というものを選びまして、そこからお医者さんを巡回させる、あるいは交代で派遣させるということを考えていかなければこの問題が解決しないというふうに考えておるわけでございます。そこで、先ほど申し上げました診療所とか患者輸送船あるいは患者輸送車の対策にあわせまして、四十六年度から少し広域的に医療の連携対策をとるというふうに予算を取りまして、これを実施に移しているわけでございます。今後ともそういう方向で、さらにこの対策を進めてまいりたいと考えます。
○岡本委員 ここで、そろそろ約束の時間だそうでございますので、経済企画庁長官に一言最後のまとめとして質問もし、またその決意を承っておきたいのですけれども、いまもお話ありましたように、この無医村地区、これは病気になりますと非常に不安であり、非常に現地の人たちは日常生活が不安なんですね。また困っておる。そういうことを考えたときに、いたずらに健康保険料を上げるだけでなくして、こんなのは上げなくていいんですよ、ほんとうは。何といいますかお医者さんの現実の姿を見ましたら、たとえば普通分べん、通常分べんをさせますと、何時間かかろうと三千四、五百円しか手数料がない、それをしゃしゃっとこう切りますと一万二千円。だからみんな切っちゃうんですよね。切られるほうはたまったものじゃないですよ。そういうようなことも考えまして、お医者さんの——あなたは所管は違うと思うけれども、役人さんがただ医療報酬についてあれするのじゃなくして、やはり現実にお医者さんの技術料というものを考えなければならぬと私は思うのです。それでこそ私は健康保険料を払っている国民のためになると思うのですが、そういう面もひとつ勉強し、また厚生省とも相談して、この際抜本的な医療の改正ということを考えなければならぬと思うのです。同時に、こういった離島あるいは無医村地区、こういったところに対して、経済発展計画だけでなくして、健康の問題、こういうものもあなたがやはり計画の中に入れて、しかも非常にお医者さんが不足をしておる。そういった面の総合的な調整を経済企画庁でやって、そして各省に示さなければならぬのではないかということを私は最近強く感ずるわけですが、それに対する長官の、今後の国の方向についての計画案を、あればひとつお示し願いたい、こう思うのですが、いかがですか。
○木村国務大臣 今後この委員会で御採決になるように承っております離島振興法の改正案の中でも、医療の確保が非常に大きく取り上げられておると承っております。従来政府においても、この医療の確保については離島のみならず一般的無医地区の解消ということに努力はしておりますが、何せ報酬の点だけでなしに、医師の不足という点もございまして、ただ予算上定員をふやすのみではその目的が達成できないという点で、厚生省はじめ政府としても非常に悩みの種になっております。特に医療問題で非常に後進的なこの離島におきましては、特にこういう問題で政府が力を入れなければならぬということは申すまでもございません。したがいまして、本日御採決になると承っておりますこの離島振興法の中における医療の確保については、もっと予算のみならずそういう実員の配置について厚生省その他とよく連絡をして目的を達成したい、こう考えております。 なお私どもの経済企画庁がいまいろいろ策定か準備しております長期経済計画及び新全国総合開発計画の中におきましても、特に国民の福祉の向上というものが大きな目標になっております。国民の福祉の中で最も基本的な国民の健康、生命の保持ということは、もちろん最大眼目でなければなりません。そういう長期計画、また全国総合開発計画の中では、そういう生活に即した長期計画について各省とよく連絡して万全を期したい、こう考えておる次第でございます。
○岡本委員 これで終わりますけれども、長官、決意を発表しただけであとは知らないということのないように、ひとつ適切な、きめこまかい手を打てるように、あなたのほうがリードして、そして計画をして各省に示してもらいたい。これを特に要求いたしまして、きょうは質問を終わります。
○鴨田委員長 中村重光君。
○中村(重)委員 経済企画庁長官にお尋ねをいたしますが、離島の医療の問題に対しましていまお答えがあったわけですが、抽象的にはいまのお答えというようなことはいつも繰り返されてきたわけですね。ところがもう離島の医療問題というのは抽象的な問題で解決することはできないのですよ。それでは解決しない。今回白浜離島振興審議会会長が代表となりまして、私ども提案者となって一部改正案を提案をいたしております。正直申し上げてどうにもならぬということです、政府の重い腰が上がらないから。だから法律を改正をして、ここでひとつ積極的に政府を突き上げる、これ以外には離島の医療問題の解決はあり得ないのだという考え方なんです。ですからその国土総合開発の一環として、あるいはまたいまの社会福祉全般の全国総合開発計画、いろいろな面から、いわゆる福祉向上という線で積極的に取り組んでまいりたい、そういうような意味のお答えが実はあったわけであります。それから担当課長からは先ほど、親元病院から医師を派遣するのだということ。いままでもこれは、たとえば長崎県の場合は長崎大学の医学部から医師を派遣するのだ、あるいは九大から派遣するのだというが、実効は少しもあがってないのです。それから、離島によっては眼科がない、精神科がない、産婦人科がない、そういったようなことで、離島住民の生命の保障と健康の保障というものはなされていないのではないか。だから具体的にどうするのかということですよ。たとえば離島にも国立病院なんか、手っとり早いところない科目を離島にも全部新設するということです。それから定員をふやすということです。そしてこれだけは絶対に確保する。それで、そこ自体で治療もやるし、また離島といっても相当広い、道路も悪い、交通は非常に不便であるということになってまいりますから、患者もなかなか来ることができない、だからこれは派遣をしていく、こういうことでなければならないと実は思うわけです。あとで松尾医務局長が参りましょうから具体的にお尋ねをいたします。 経済企画庁に……。今回はこの第九条の二として、離島振興法の対象にいまの問題が入ってくることになりました。予算関係におきましても一括計上ということになるわけですね。政府全体の責任でありますけれども、これからあなたの責任というものがさらに加重されてくるわけでありますから、あなたがどうするのかという腹がまえをひとつしっかり固めてもらわなければならぬと私は思うのです。抽象的な答えではどうしても私どもは納得することができない。これは離島住民ももうそれはがまんができないと思うのだから、相当検討を加えてきておることもありましょうし、いま少しく具体的に政府の態度というものをお示しいただきたいと思うのです。
○木村国務大臣 先ほどお答えしましたのはやや抽象的でございますが、しかしながら、当然医療確保という問題について必要なのは、いま御指摘のような予算の点あるいは定員の増加でございます。ただ、離島以外の各僻村、僻陬地区でもいま悩みになっておりますのは、そういう予算または制度があるにかかわらず、実際の医師実員がなかなか確保できないという点が悩みの種になっております。そういう意味におきまして、私ども自治省ともよく相談しておりますが、何らか医師の育成の際に、そういう離島についてのある義務づけをできないかというようなところまで実は突っ込んでいろいろ話をしておるところでございます。そこまでまいります前に当然いたさなければならぬのは、経済企画庁といたしましては、今後離島振興対策の中に、この医療確保についての十分な予算を獲得する、また定員を増加するということが先決でなければなりませんので、その面については全力をあげるつもりでございます。
○中村(重)委員 それでは医療問題は松尾医務局長が出席されてからお尋ねをすることにいたします。 次に離島航路の問題について、具体的な問題ですから運輸省にお尋ねをいたしますが、これもまた私どもはいつも政府に向かって要求をいたしておることですが、なかなか政府のほうも補助金を出すことをいやがって、指定航路というものをふやそうとしない。未指定航路でもって欠損航路は積極的に補助航路として指定をしていかなければならないと思いますが、政府の考え方はどうなんですか。
○深川説明員 お答え申し上げます。 離島航路が離島住民の方々の足として、その生活上欠くべからざるものであるということにつきましては私ども十分認識いたしておりまして、昭和二十七年以来、その航路の維持のための航路補助という制度、さらには船舶の代替建造に要する経費を、公団との共有による一種の融資制度によりまして、建造という形等でいろいろ施策を講じてまいりました。特に離島航路補助の問題につきましては、昭和四十六年度におきましては六十七航路を対象といたしまして、約三億五千万の予算措置を講じてございますが、さらに本年度は約九航路程度を指定対象航路に拡大した予算措置を講じてございまして、沖繩は別といたしまして、四億円程度の予算措置を講じている次第でございます。 なお、未指定の欠損航路の指定拡大につきましては、これは現在未指定となっております離島航路のうちにも黒字となっておりますものはもちろん別でございます。さらには集約等によりまして合理化がはかられる航路とか、あるいは地方自治体等による補助を受けておる航路等もございますので、当該航路の収支の状況等を勘案いたしまして、今後ともさらにその指定拡大につきましては、予算の確保に努力をしてまいりたい、さように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 そうすると、四十七年度は九航路という御説明があったのだけれども、いま指定航路として検討している航路というのはどの程度ありますか。
○深川説明員 現在、四十七年度におきましては、指定を検討しております航路が、昨年の六十七航路にプラスいたしまして、九航路を検討いたしているところでございます。
○中村(重)委員 それは、四十七年度は予算は通った、四億円ということなんだけれども、その中で九航路を検討している。まだ決定していないのだから検討ということばでもってお答えをする以外にないのだろうと私は思う。それではなくて、いまのあなたのお答えの中にあったように、もっと拡大をしていこうということだから、その拡大をしていこうという考え方の上に立って指定航路を検討しておるというのはどの程度あるのかということです、四十七年度ではなくて。
○深川説明員 お答え申し上げます。 私どもが検討いたしておりますのは、全離島航路のうち、生活航路として住民の生活上欠くべからざる航路、さらにそのうちでも他に交通機関がないとか、あるいは交通機関がございましてもそれを利用することが著しく困難な航路ということで、現在私ども指定をしております六十七航路のほかに、未指定の航路のうちに唯一航路といわれるものが五十三航路ございまして、そのほかに、他に交通機関はございますが、それを利用することが著しく不便な航路といわれておりますものが四十四航路、合わせまして九十七航路ございますが、この中にはもちろん収支が黒字になっております航路もございますし、それからわずかの赤字ということで、地方自治体等による補助を受けて、私どもに申請の出てないのもございます。それらをひっくるめまして九十七航路ございますが、私どもといたしましては、それらの航路のうちから航路補助の申請のありますものにつきましては、逐次その拡大をはかっていきたい、さように考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 決して私はずさんにやれとは言わないのだけれども、わずかの航路補助に対してなかなか手続がうるさいといったようなことから、こんなわずかな金ならば航路補助はもらわないで運賃を若干引き上げてやっていったほうがいいのだというようなことで、申請をしていないというのも相当あるわけです。しかし住民の立場からはそうはいかない。住民は、できるだけ航路補助をしてもらってスピードアップもしてもらう、運賃もできるだけ押えてもらいたい、それが希望なんだから、問題は住民の意思に沿うか沿わないかということです、この指定航路をふやすかふやさぬかということは。そこで、あなたのほうはいま九十七航路ある、若干の黒字の航路もある、あるいは申請をするものとしないものもある、こういうことなんだけれども、しないのはいま私が言ったようないろいろな事情があるだろう。そこで問題はやはり大蔵省がなかなかシビアであろう、こう思うのだが、大蔵省の主計官それぞれお見えですが、運輸省関係の主計官お見えかどうかわかりませんが、担当の主計官お見えでしたら、この指定航路の問題についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。
○金子説明員 離島航路につきましては私どもも前向きに補助金の増額をはかるように努力してまいったつもりでございますし、また今後とも努力いたすつもりでございますが、その際、私どもが条件として考えている問題が二つあるわけでございます。 一つは現在の離島航路の料金のあり方でございますが、特にその中で観光ブームなどで夏場に常時満船というような航路も相当数出ておるわけでございまして、こういうレジャー客にまで補助金を出すことはないのではないか、したがってこれについてはいわゆる波動料金制度というようなものを導入することは考えられないだろうかというような問題がございます。ただしこれは技術的にむずかしい問題があるようでございまして、検討事項ということになっております。 もう一つは、地方公共団体が補助を義務づけられていないというのは若干問題があるのではないか。四十七年度予算では、御承知のとおり過疎バスにつきましては地方公共団体が第一義的に助成をする、それに対して国も手厚い補助をするという方向で制度の大改正をいたしまして、従来の補助金を三倍も上回るような補助金を計上いたしましたし、それが平年度化いたしますとまたさらに三倍程度になるという制度改正をいたしました。この離島航路につきまして、実質的に地方公共団体が補助されているところは数あるやに承っておりますが、法的には何も義務づけられていない。私どものほうは、七五%ないし八〇%という、ほかの補助金に比べますれば非常に高い補助をしておるわけでございまして、これをさらに拡充しろということであれば、何らかの形で地方負担を義務づけるような方向で考えてもらえないか。おそらくこの問題につきましては、離島航路の所在する地方公共団体は貧困団体だからという反論は必ず出てくるかと思いますが、それにつきましては過疎バスのときも特別交付税等で措置してもらうようにお願いした次第でございまして、今後その方向でやれないだろうか。 以上二つの問題を四十八年度予算編成までにできるだけ関係方面と検討いたしまして、本件につきましては前向きに処理してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 金子主計官のお答えはわかるのだけれども、たとえば観光航路の問題にしてもこれは補助の対象にすることはどうだろうか、これは生活航路優先であることが当然だと私は思う。しかし離島は、これはあとで木村長官に見解を求めたいと思っているのだけれども、公共事業等に対する高率補助ということだけで離島の振興というものは期待できないのだ、やはり総合開発でなければならぬ、産業振興ということが重要になってくるわけです。その産業振興の一つとして、離島の場合にはいわゆる観光的な航路、これもまた重要性を持ってくる。そういったような面からするならば、観光航路——それも観光航路によりけりなんだけれども、やはり観光という名前がつくからこれはだめだという形は簡単には片づけられないのではないか。 それから地方公共団体とおっしゃるのだけれども、離島等の地方公共団体というのは非常に弱小団体が多いのですね。いわゆる内航などというのは町営でやっているところだってある。それが指定航路の対象にやはりなっているのですね。ですから、その地方団体自体が補助金を出していくということを重点に置かなければならぬというようなお考え方の上に立つならば、地方団体自体がやっている交通線というのかそういうものに対して補助することはやはり問題が出てくるのではないか、そういうことになっていくのじゃないかと私は思います。ですから一がいにやはりいかないですね。これは実態を十分見きわめて弾力的にやっていく、そして離島のほんとうの振興をはかっていくというようなことでなければならぬ。大きい航路になってまいりますとそうはいかないでしょう。ですけれども、離島と離島の間を運航しているような交通線的なものは、これはもう弱小の離島の地方自治体に補助金を出せといっても、みずからその補助金をもらわなければならぬ立場にあるからこれは問題だと思いますから、十分弾力的にひとつやってもらいたい。 それからいま一つは、あなたは相当大幅な航路補助を出しているのだとおっしゃったのだけれども、私どもはこれは低いと思っているのだ。もっと補助額をふやしていく必要がある、そして完全航路主義をとるべきであるという考え方なんですよ。国の補助金というものはやはり住民に還元していくものでなければならぬという考え方の上に私たちは立ちます。スピードアップにつながっていく、運賃を上げさせないでこれを抑制していくということにつながっていかなければならぬ。そうなってくると、やはり航路主義というものが必要になってくるわけです。ですから私のこの考え方に対して、それぞれ大蔵、運輸両省からひとつ見解を聞かせていただきたい。
○深川説明員 お答え申し上げます。 完全な航路主義をとるべきではないかという御質問の点に関しましては、現在一応たてまえとしまして航路主義がとられておりまして、完全ではないという点につきましては、たとえば企業全体としまして八分以上の配当を行なっている事業者に対しましては補助を行なわない、あるいは固定資産総額の三%以上の利益をあげた場合にはその利益分を差し引くという点が完全な航路主義ではないという点に当たろうかと思いますが、この点につきましては、確かに当該航路について赤字を生じておりましてもやはり事業全体としてかなりの利益をあげておるという場合につきましては、それをしもさらに補助するということにつきましては、やはり他にもっと補助を必要とする航路等にそれを回すということのほうがより適切ではなかろうかということで、現在そういう制度を実施しているところでございます。
○金子説明員 第一点の弾力的にやっていけという点につきましては私ども全く同感でございまして、今後とも運輸省と相談いたしまして弾力的に、なるべく離島住民の福祉が向上いたしますように努力してまいりたいと思います。 第二点の航路主義についてでございますが、これは一つの問題といたしましては、企業が補助金を受けますと補助金適正化法の適用がある。それがありますとまた検査院の検査がある、これを企業がいやがるという問題がございまして、離島航路事業をやっているから検査院の検査も要らないとか、適化法の適用も除外するというわけにはなかなかまいらないのではないかという裏の事情がございます。それからもう一つは、過疎バスの制度を改めますときに運輸省と長々と検討した問題でございますが、こういう過疎地域とか離島住民の足を確保する機関というものはやはり弱小な企業主体ではだめではないか、なるべく強力な大きいものがいい。過疎バスの場合には、原則として一県一事業者というようなことに集約していけば補助金を厚くするという制度を導入したわけでございますが、離島航路の場合も、弱体な企業がやっておられる限りは補助金を厚くしていっても離島住民の足は必ずしも確保されるとは保証できない、むしろ事業主体を強くすることによって安定的な足の確保ができるのではないかという考え方を私ども持っておりまして、そういう点からも、航路を分けて一つの航路だけについて黒字赤字を考えて補助金を出すというやり方がいまの段階でいいかどうか、それをすぐに導入すると合併できるもの、集約できるものもできなくなるということはないか、そういう点も考えて結論を得ていないという状況でございます。 しかしながら、御指摘の問題は私どもも重々承知いたしておりますので、四十八年度以降の予算編成の過程で弾力的に考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○中村(重)委員 時間の関係がありますから議論をする余裕がありませんが、ともあれこの航路補助というのが会社主義から航路主義になった。ところが完全航路主義にせよということは、航路補助が住民に還元されるようなことでなければならないというようなことですね。それにはどうすることが最もいいのか、私どもはやはり航路主義がよろしいという考え方の上に立っておるということを申し上げておきますから、ひとつそういう線で十分大蔵、運輸両省とも検討をしてもらいたい、これを要請をいたしておきたいと思います。 なおまた、たとえば離島バスなんかに対する補助金等もやっておるようでありますけれども、購入補助金、これも耐用年数は五年——塩水で洗うから五年は無理なんで三年程度にする必要があるのではないか。これは答弁は要りませんが、いろいろと離島の振興という観点から、離島住民の足を守るという観点から、きめこまかい対策を立てられる必要がある、そのこともあわせて申し上げておきたいと思います。 それから、ついでに運輸省関係を片づけていきたいと思いますが、鮫島計画課長お見えですが、この離島の空路の問題ですね。これは新たに補助額が百分の百から百分の九十になっていることについて、これは私も提案者の一人でありますので、百分の九十を納得してみずから提案したということになってくると、これに対して文句をつけるのはいささか自己撞着みたいになって非常に言いにくいのだけれども、これはみずから提案者に名を連ねながらまことにふんまんやるかたなし、これが私の考え方なんです。大体これは空路、空港だけではなくて漁港も港湾も同じだ。木村長官、あなたひとつお答えを願いたい。先ほど岡本君の質問に対して、提案者代表は北海道の例をおとりになった。これはああいうさんざん苦労されたものだから白浜提案者代表もふんまんやるかたなしと思っている。だけれども政府からねじ伏せられたというのが率直なところこれは実情なんです。こんなばかな話はないです。大体これは離島振興法なんです。いままでよりも振興していく、前進をするということはあり得ても後退することはあってはならない。百分の百を百分の九十とか九十五に補助金を引き下げるなんというでたらめなことがあってよろしいかどうか。もしあなたが北海道の例をおとりになってお答えになるならば、時間の関係がありますから私から申し上げます。北海道離島という考え方の上に立つかどうかということです。これは離島ではないが北海道の振興開発、そういったような面からでございましょうが、それと私はスケールが違うと思っているのです。私どもは、この離島振興法の中の対象としている離島、その負担能力、いろんな面から考えまして、北海道開発において五%下げたから、離島振興の場合におきましても漁港、空港あるいは港湾の補助金を五%下げるなんということはあってはならぬと考える。これらの点に対して長官はどのようにお考えになりますか。
○木村国務大臣 これも提案者からお答えしたほうが適当かと思いますが、いろいろ御相談の上ここに至ったと思います。しかしながら、もちろんそれでもって足れりとせず、いろいろ今後またこの委員会で附帯決議等もあるやに承っております。そういう面で、今回の離島振興法の御改正になる分において足りなかった分は今後またいろいろ御相談の上これを充足していきたい、こう考えております。
○中村(重)委員 これはこの委員会において修正をして百分の百にしてもらえばまことにけっこうなんで、大いに歓迎をしなければならぬと思うのだけれども、そこで長官どうなんですか、五%あるいは一〇%引き下げた、どういうものでこの埋め合わせをするお考えですか。
○白浜議員 御参考までに申し上げますが、実は北海道の第三種の空港は百分の七十五でございます。この離島振興法の指定地域は百分の九十ということで、これは大いに自画自賛するわけではございませんが、皆さま方のお力をかりて政府との間でも話をきめたということでございます。 もう一つは、北海道の漁港の場合には十分の九でございますが、この離島振興法の適用地域をよくよく検討してみますと市町村営の漁港が非常に多い、約八割が市町村営である。北海道の場合は大部分が道営であるというようなことで十分の九にきまったようでございますが、離島振興指定地域におきましてはこれを十分の九・五にきめた、そういうふうないきさつもございます。いずれにしましても私どもは地方公共団体の負担なり地元負担なりは大きくなるということは承知をいたしておりましたが、それで、それなら何を取り返したのかということになりますと、先ほどもちょっと岡本さんの御質問にお答えしましたが、いままでおくれております局部改良とか、あるいは市町村道の特殊改良に三分の二の補助率と従来の補助率よりも高いものにしてもらうとか、あるいは生活環境の問題で、先ほど御質疑がありました屎尿処理とか簡易水道、ごみ処理、こうした点でいろいろと折衝を重ねて補助率をそれぞれ上げてきたというようなことで、おっしゃるとおりの理想案を申しますと何でもただが一番いいわけでございますが、なかなかお互い財政負担が伴う問題でございますので、その辺は十分質問者の中村君もおわかりと思いますが、この問題は触れずに皆さま方がひとつこのままお通し願えれば非常にありがたいと思います。
○中村(重)委員 高率補助の範囲を拡大した。いままでも二十年来の期間延長の間にこの補助率の拡大をやってきたわけです。だからさらに拡大をしていくことは当然なことなんで、拡大をしたからいままで百分の百の補助率であったものを百分の九十五とか百分の九十に下げるということは、これは何としても離島の住民の期待を大きく裏切ることになるだろう。私が指摘をしておりますのは、これは理想ではなくて筋なんです。これは本来的に既得権的なものなんです。これを引き下げるということはあってはならない。しかし、これはみずから提案者として名前を連ねていることでありますから、あまり思ったようには言えないので、あとは同僚諸公の賢明な態度にまつ以外にはない。しかし、政府に私は言いたい。こういう形で提案をしておりますが、これを埋め合わせをするについては、たとえば交付税であるとかあるいは起債であるとかというようなことが当然考えられておるでありましょうし、あるいは漁業協同組合等に対して万が一にもこれを負担させるということがあってはならないし、また、考えてはおられないと私は思うのでありますが、もしおられるとするならば、そのことはそのとおりお答えをいただかなければ——私はおられないと思う、こう言っているのでありますから、お答えがなければ私の言うとおりであると理解をせざるを得ない。 〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 したがって、きわめて良質の、起債にいたしましても長期低利、地方自治体の財政負担という形をきわめて軽減するような方向でやってもらわなければならないと私は考えます。そこで、この点に対する政府の考え方を木村長官からひとつお答えをいただきましょう。
○木村国務大臣 今後そういういわゆる裏負担を避けるように、正面から政府といたしましてできるだけの、あるいは交付金あるいは起債等の方途を見出していきたいと考えております。
○中村(重)委員 それじゃ経済企画庁岡部総合開発局長に考え方をお聞きしたいのですが、対馬の空港の問題なんです。対馬の空港も紆余曲折、失敗を重ねて、ようやく陸上空港ということで土地造成が今年度中に終わる、こういう形であろうと思う。ところが、これが滑走路六百メートルになっているということです。これじゃ話にならない。これはやはり千五百メートルの滑走路にしなければならぬと私は考えます。終わってしまってまた先にやるというようなことがあってはならない。これは木村長官が先ほどお答えになりましたように、全国総合開的計画あるいは国土総合開発計画、いろいろな面からして離島振興もその一環としてとらえていかなければいけないということになってまいります。それから先ほどもちょっと私は触れましたが、離島の総合的な振興開発というものは、産業であるとか林業であるとかあるいは農業、漁業というものの総合的な振興開発計画を進めていかなければならないわけでありますから、そういったような面からいたしましても、せっかく空港を整備いたしますならば、やはり千五百メートル程度の滑走路というものは不可欠の要件であると私は考えます。それらの点に対して局長はどうお考えになりますか。
○岡部(保)政府委員 ただいまの先生のおことば、またいままで再々国会でいろいろ御審議いただきました際に御答弁申し上げました点でもおわかりいただけるかと存じますが、私どもといたしましては、対馬空港、これは本来計画としては千五百メートルであるという考え方に立っております。そこで現実の問題といたしまして、一刻もすみやかに空港を整備しなければならないということで、特にSTOLという機種を使うということを前提にして、少しでも早く整備しようということで、しかも相当に予算も集中いたしまして整備している最中でございます。したがいまして、現段階の進め方でまいりますれば、昭和四十八年末には開港できるのではないかという考え方でございます。ただ今後の問題といたしまして、私どもの考え方は先ほども申しましたように、本来千五百メートルの滑走路を有する空港に整備すべきであるという考えはちっとも変わっておりません。したがって、できるだけすみやかに本来の姿にするということに努力をしてまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 運輸省の鮫島計画課長、運輸省の考え方も同じであると理解をしてよろしゅうございますか。
○鮫島説明員 お答えいたします。 いま岡部局長がおっしゃったと全く同じような考え方を持っております。
○中村(重)委員 それじゃ、いまの御答弁が変わらないように、続いて千五百メートルにするようにひとつやってもらいたい。これは来年度予算要求しておきませんと間に合いませんから、それだけはぜひやってもらいたいと思います。 次に、松尾医務局長、御出席でございますから、また医療問題についてお尋ねをすることにいたします。 本改正案の九条の二について、具体的な問題について今後どのように離島の医療確保について取り組んでいこうとお考えになっていらっしゃるのか、お答えをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 離島もやはり医療の上におきまして非常に困難な僻地でございますが、ここに掲げてございますような診療所の設置でございますとか、あるいは患者輸送車あるいは輸送艇、これは島の状況によりましては輸送車が必要な場合もありましょうし、輸送艇だけでいい場合もあろうかと思いますが、巡回診療でありますとか保健婦の設置、こういったような対策を、離島のそれぞれの持っております条件に応じまして組み合わせてやっていくということが一番いい方法だと存じております。しかしながら、基本的にはそういうところにこういう医療陣営を確保する、このことがやはり一番ネックになっている問題だと存じます。したがいまして、特に五に書いてございますように公的医療機関等の協力体制の整備ということは、これはいろいろな施策をやります上の一つの中心の対策になると存じます。現に一例を申し上げますと、たとえば長崎県の例でございますれば、国立の大村病院というものが、あそこをキーステーションにいたしまして、離島等にも巡回診療その他の人員を派遣いたしております。また鹿児島県におきましては、僻地の診療所のために国立の医療機関から延べ二千回にわたる派遣をいたしておるような事情がございます。個人の開業医という形によってその医療を確保するということは、言うべくしてなかなかむずかしい問題でございます。私どもは、やはり国立その他の公的医療機関が親病院となりまして、そこに診療所を設置いたしましても交代して人が行くということは最低限確保しなければならない、かように考えております。 それから、さらに私どもが離島を含めました僻地対策として四十六年からいたしております対策は、従来その僻地を持っております市町村なら市町村がみずからの力だけですべての問題を解決したい、こういう努力をしておられたのが実態だと存じます。しかし、それのみをもってしては、なかなかその地域だけでは解決がつかない。したがいまして、そのヒンターランドと申しますか、周辺にありますいろいろの医療機関、保健所等々が総合的にその僻地、離島に対しましての対策に協力していただく、いわゆる僻地連携対策といったようなものを打ち立てまして、都道府県に対する補助金を出して、その検討を命じているわけでございますが、この関係におきましては、たとえばふだん健康診断等に恵まれない方々に対しても、そういう健康診断というものによって健康管理をやっていく。同時に、そこの保健婦の設置というものがそれによって生きてくる。また病気になったときに、その健康診断の結果なり保健婦の情報というものが緊急な手を打つ上に非常に役に立つ、こういうような総合的な対策を講じていかなければならない、かように考えておりますが、特に私どもは今後、従来の実績から見まして、国公立の病院等のこういう離島等に対する協力体制に筋金を入れていかなければならぬ、かように存じております。
○中村(重)委員 先ほど私は木村長官に対して、こうあるべきだということについて申し上げたわけですが、具体的な問題でございますからあなたにお尋ねをしようということで、具体的なお答えをいただいていないわけですが、いま言うような国公立の病院に対する協力体制、そのとおりだと実は思うのです。ところが、いつもそういうことをいわれてき、また政府もいま局長がお答えになりましたような答弁を重ねてこられたんだけれども、なかなか離島医療の確保というのはできない。そこで離島には、たとえば眼科であるとかあるいは産婦人科であるとかあるいは精神科であるとか、そういった全科目というものが離島の国立病院にもない。総合病院的なものがない。それから国立病院でありながらお医者さんが一人ぐらいしかいないというところだってあるんです。こんなぶざまなことでは話にならぬと思うのですね。離島の医師の確保が一番できやすいのは、やはり国立病院に全科目を設置するんだ、それからそれに伴って定員をふやしていく、そしてその定員な確保していくということで、そこで十分医療の給付を行なっていくと同時に、親元病院からも派遣をするが国立病院から派遣をしていくといったようなそういう意味の実効性のある協力体制、それでなければ私はならないと思うのですが、それらの点に対する局長のお考え方はいかがなんですか。
○松尾政府委員 おっしゃるとおりの問題だと存じますが、国立病院一つとりましても、それを全科目を置いて総合病院化すると申しましても、なかなかそれだけの要員を確保することは御指摘のとおりむずかしい問題がございます。しかしながらそういう各科にわたりますところの医療需要がありますことは御指摘のとおりでございます。したがいまして、いま御指摘のように、やはりその親元になりますところからひとつ十分に派遣をする定員を措置をする、また親元病院自身をそういう人たちを集めるだけの魅力のある病院に育てていく、こういう二段、三段のかまえでございますけれども、そういうことは基本的に大事だと存じます。特に一例を申し上げますと、いま御指摘のような問題は、たとえば長崎県の対馬でございますとか壱岐にある国立の施設もそうだと存じます。御指摘のとおりだと存じます。しかし、たとえば壱岐でございますれば、これは先生のほうが一番お詳しいわけでございますが、福岡からのほうがはるかに行きやすいという問題もございます。そういったときには、やはり国立の機関であれば何も長崎県の国立の施設でなくても福岡の国立病院等から壱岐のほうに行けば、それで十分お役に立てるのではないか。そういう意味では、やはり県というものの範囲を越えたような弾力的な運用というのは国立機関が一番持てる問題だと存じております。したがいまして私どもも、現に先ほど例をあげましたようなそういう僻地、離島のための別の定員措置と申しますか、人のワクを取っているわけでございますけれども、いろいろやった末の結果として、やはり国立の中心機関により御指摘のようにたくさんの人をそのために用意をする、そして大学等との協力もいたしながらそういう離島に各科の人々がそれぞれの必要に応じて派遣できるような体制、やはりこういうふうに私どもは進むべきだ、先生の御指摘のとおりの方向に努力すべきだと存じます。
○中村(重)委員 局長お答えのような点がこれは非常に当を得ておるというようなことがあることは事実なんですね。しかし同じようなことをいつも繰り返しながら実効があがらなかったという点は反省をしてもらわなければならぬということです。だからして、やはり離島の国公立の病院に定員を確保するというようなことが一番いいんじゃないか。一番離島住民は安心するのじゃないか。派遣をするというけれども、なかなか派遣をしてくれないじゃないか、これはやはり離島住民の実感なんですよ。だからいま局長がお答えになりましたような広域的な形において、十分医師の派遣というようなことが実効があがるような協力体制を強化していくという方針は、私はそのとおり理解をいたします。同時に私が申し上げておることについてもやらなければならないことですから、それはそれなりにやはりやっていくということで、十分ひとつ離島医療の確保に責任をもってこれは対処をしていただきたい。なかんずく離振法の九条の二ということで離島の医療確保ということが離振法の中に入ってまいりました。いままでと少しも変わらないじゃないかということであってはならない。長崎県でもきょうはちょうど全県下の町村長なんかが集まって大会をやっているように伺うのでありますが、おそらくかたずをのんでこの離島医療の問題等についてどのようなことが保障されるであろうかというようなことで大きな期待を持っておられるのではないかという感じが私はいたします。これは長崎県だけではなくて、離島をかかえておる、すべての離島にありますところの市町村、同じような悩みである、あるいは期待であると思いますから、十分ひとつ、離島のことのよくわかっておる松尾局長でもあるわけですからその点は私も期待をいたしますが、十分やる、ひとつ遺憾なく対処していただきたいということを要請をしておきます。 そこで、もう一つ離島医療に関連をすることでお尋ねをいたしておきますが、長崎県は玉之浦が中心になっておるようでありますが、カネミ患者の問題に対してどうも厚生省が手ぬるい、何をしているのだという患者の不安あるいは関係者の不満というものがあるわけですが、このカネミ患者の問題は大体いまどういう状況にあるのですか。また厚生省はこれをどうしようとお考えになっていらっしゃるのですか。今日に至るまで治療方法もない、投薬すらできない。患者の生命と健康はしばまれておる。生活は不安におとしいれられておる。こういうようなことがいつまでも放置されておっていいということはあり得ないことはおわかりのとおりであろうと私は思う。この点に対して実態を御説明いただいて、これに対する対策をひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
○浦田政府委員 カネミ油症事件のその後の経過でございますが、現在、と申しますのは昭和四十七年の二月二十一日現在でございますが、本事件に関しまする患者数は一千八十一名でございます。厚生省はこれらの患者の治療あるいはその後の状況等につきまして昭和四十三年度より研究費という形でもって予算を支出いたしまして、疫学調査あるいは診断治療に関する研究を進めてきております。 結論から申しますと、先生が御指摘のように、カネミ油症に対するいわばそのものずばりの治療法というものは残念ながらまだ発見はされていないわけでございます。しかしながら、対症療法と申しますか、それぞれの症状に対する治療というものはずっと続けておりまして、多くの方はかなり好転され、また中にはほとんど治癒されたという方も出ているわけでございますが、今後ともさらにこの根本的な研究、いわゆる治療法というものに対しまする研究は九大の田中教授を中心といたしまするカネミ油症の研究班にお願いいたしまして、できるだけ早い機会に結論を出していただくようになお御努力をお願いしているところでございます。 また患者さん方に対しまするいわゆるあとのいろいろな手当て、補償の問題でございますが、御承知のように一方では裁判ということでいま係争中のものではございますが、その原因物質が、私どもといたしましては、カネミ油の中に含まれておりました塩化ビフェニールというものであるということにつきましては、これは争う余地がないというふうに考えておりますので、この点に関しカネミ倉庫株式会社に対しまして、厚生省のほうといたしましても患者の治療費あるいは見舞い金、雑費等、会社の負担において見るように指示し、またそれに従いましてカネミ倉庫株式会社は、いま申しましたような治療費、見舞い金等、昭和四十七年二月までに一億四千五百二十五万七千円余りを支出しておるという状況でございます。また根本的には、このような事故に対しまする被害者の救済ということについては、やはりもう少し国としても考えなくてはならないのではないかという御指摘もございまして、大臣のほうからもできるだけ早い機会にこのような事故に対する国としての被害者救済の対策というものを具体化するように下命を受けております。私どもも鋭意、できれば一両年中に結論を得るように、具体化するように努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○中村(重)委員 カネミ会社のほうが一億四千万円くらいの治療費とか見舞い金を出す、こうおっしゃる。きょうは長崎県の議会から厚生委員長が責任者となって上京して、いま厚生省、あなたのところに陳情に行っているくらいの時間でしょう。あなたがここに来ておられるから、どなたに会っておるか知らないけれども、私は厚生委員長とも会ったわけです。見舞い金も出してくれない、治療費も出してくれないと言っている。裏からこっそり交通費を少し出してくれている。係争中だから、何か治療費も出した、見舞い金も出したといったら裁判になると不利になるから、そういったおかしなことをやっているんだろう、こう思っているんだが、一億四千万円の金をどこに使ったか。確実にあなたは、見舞い金であるとか治療費をカネミが出したということを責任を持ってそれが言えますか。
○浦田政府委員 先ほど申し上げましたカネミ倉庫株式会社から支払っております医療費その他の金につきましては、私どものほうは会社の社長のほうから詳細な費目別の金額を報告を求めまして、それによって確認した金額でございます。
○中村(重)委員 あなたのところに後刻また重ねて来るでしょう。だから申し上げたように、県議会の厚生委員会の委員長が責任者となって上京して陳情に来ているわけだから、この問題だけはぜがひでもひとつ、離島医療の問題についてきょうは質疑が行なわれるのだからこれはぜひ取り上げてもらいたい、こう言っている。それでは治療費も会社は出してないんだね、出してない、何にもやってないんだな、裏からこっそり交通費を少し出しておる、こう言う。私は責任を持っているところの委員長がそういうでたらめなことを言うとは考えない。しかしあなたのほうには会社からそうした報告が来ているわけだから、あなたのほうはそれを信頼しておられることだろうと思う。分調査をして、もっと会社に誠意をもってこの問題に取り組むようにひとつ指導してもらわなければならぬと思う。同時に、それは鋭意あなたのほうも取り組んでおられて、その原因が何なのか、治療方法というものはないのか、対症療法ではなくて、もっとほんとうにそのものずばり治癒するための治療方法がないのか、薬は何を与えたらよろしいのかといったようなことについて、積極的に取り組んでもらわなければ、黒い赤ちゃんが生まれたり、健康診断には行ったけれども、そのときは何にもなかったようだが家に帰ったらまた皮膚に穴があく。症状が、極端に言ったら時間をおいて変化してくるというような実情にある。患者が山村の人が多いために、治療費に困り生活費に困っているのですよ。いつまでもこのままの状態で放置してはならぬでしょう。厚生省としては、ただ原因の究明、そういうことだけではなくて、生活に困っておる、治療費に困っておる患者に対して何らかの措置をしていくのでなければならないと私は思います。だから今後どのような取り組みをするお考え方でしょうか。それをひとつ明らかにしておいていただきたいと思う。
○浦田政府委員 第一点の、カネミ倉庫株式会社のほうが実際に患者さん方に対しまして治療費あるいは見舞い金その他を確実に支払っておるかという事実につきましては、私どものほうからもよく実情を確認して、万一事実と違っておるという、履行していないということであるならば、これは会社のほうを督励いたしまして、それが実行できるように指示いたしたいと思っております。 それから、治療方法につきましては、まことに、現在までのところ確実なそのものに対する治療方法とかあるいは薬剤の発見ということはなされておりませんけれども、PCB全体の問題にも関連いたしまして、PCBの体内におけるいろいろな機序その他も逐次解明されてきておりまして、私は、なお今後さらに精力的に治療班の研究の推進について格段のお願いをし、私どものほうからもそれ相応の努力をいたしたいと考えております。 〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕 また全般的に、このような事故にまりまして起こりました被害者の方の救済につきましては、先ほども申しましたように、もしも会社のほうにそれだけの能力がないということになれば、一時的には国のほうで立てかえる、求償権は留保するといたしましても、そのような制度についても具体策を検討しろという大臣の御下命でございますので、私どもはいま鋭意その作業に取りかかっているところでございます。できるだけ早く成案を得たいと考えております。
○中村(重)委員 ともかく、長崎県の場合は、県の世帯更生資金を年間十五万円を貸し付けをしておるにすぎないのです。実にこれは気の毒なんです。だから、厚生省としても、治療費の問題、生活保障の問題、それについては積極的に取り組まれる必要が私はあると思う。強くそれを要求をいたしておきます。 なお、近く外国において国際会議が開かれる。それに学者が患者を伴って出席して、その実態を報告をするということを伺っておりますが、報告は、いま私が申し上げましたようなことを患者はおそらく涙を流して国際会議において訴えるのだ。それは政府や企業の人命軽視に対する態度が明らかとなり、確かに日本にとっても大きな恥だと私は思う。それは医学上の問題として国際会議において議論をするというのはよろしいでしょうけれども、いま言ったような、すべての生活上のそういう問題まで報告をされるということになると思う。だから積極的に対策を講じられて、親切に、患者に対して治療や補償等適切な措置を講じられる必要が私はあると思う。もう一度お答えを伺って、次に進みたいと思います。
○浦田政府委員 いままでにも増しまして私ども、カネミライスオイルの患者さん方の現在あるいは今後につきまして、さらに誠意をもって努力してまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 あなたのほうで、答弁は短い答弁だったのだけれども、誠意をもってやるということだから、それを信頼をしておくことにします。 次に、離島の水対策についてお尋ねをいたします。水源の確保、海底水道に対するところの助成、淡水化、ともかく離島の水不足の問題は、これは非常に重大な問題なんだから、これにどう対処していくのかということは重要な課題でありますから、この点に対する考え方を伺っておきたいと思う。
○岡部(保)政府委員 ただいまの水の問題でございますが、いわゆる生活福祉と申しますか、そういう住民の生活というものを十分これから考えなくてはいかぬということからいたしましても、水の問題非常に重要な問題でございます。ただ残念ながら、現実の問題といたしましては水の資源が不足しがちであるということも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、島外からの導水、これは先ほども先生の御指摘にもございましたような海底導水管の問題、あるいはその地域でほんとうに海底導水もなかなかできないというような際の海水の淡水化、こういうものまでどうしても考えていかなければいかぬ。ただ、いわゆる簡易水道を今回の法律改正によりまして手厚く助成していこうという考え方の内容にも当然海底導水等は入るわけでございますが、海水の淡水化の問題につきましては、現実の問題といたしまして、大量供給、しかもコストが相当に安い水というところまでまだなかなか技術的に進んでおりません。御承知のように一部の島では海水の淡水化の実施も始まったわけでございますが、これからの段階かと考えておりますので、これにつきましても、これは通産省が盛んに研究をしてくだすっておりますが、この点の成果も十分合わせまして、今後水の需給に対して十分の措置をしていきたいということを考えております。
○中村(重)委員 それから文部省がおいでですからお尋ねをいたしますが、さきの法律案の改正の際に、教職員等が離島をいやがる、住宅の不足その他いろいろなことから離島に行くことをいやがる。物価も高い、それで離島に行きやすいような優遇措置を講ずる必要があるというようなことから、離島の公務員住宅等についてもこの対象とすることになったわけですが、その後これらの事業の運営がどういう形になっておるのか。また、最近におけるところの教職員あるいはその他公務員の離島配置の問題に対しての考え方というようなものはどういう考え方を持ってこれに臨んでおるのか。かつては離島には罰みたいなことで、みんないやがるから、管理者の側から見てどうも好ましくないというものを離島に島流しをするのだ、罰で離島にやるのだ、そういったような前近代的なことが実は行なわれておった。それが大きな批判の的となっておったわけですが、これらの点に対してどのように考えていま対処をしておるのか、その点について考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 離島の教員の宿舎につきましては、私ども四十六年の五月一日現在でその不足戸数を調査いたした次第でございます。四十六年の五月一日現在の不足戸数といたしましては四千九百二十戸ほど不足をいたしておるという数字が出ておるのでございます。離島につきまして特別に三分の二の補助をもちまして教員の宿舎を建設する計画につきましては、四十三年度から三分の二の補助をもちまして毎年百六十五戸ほどずつ建設をいたしておるわけでございまして、四十六年度末でもって約六百六十戸ほど建設はいたしたのでございます。しかし、それにもかかわりませず現在のところやはり四千二百七十戸というような不足戸数が出ておることは事実でございます。この不足戸数につきましては、四十三年度以前につきましては一般の僻地のワクをもちまして、一般僻地のワク内におきまして教員の宿舎を建てることといたしておったわけでございますが、四十三年度からはそういうように特別にワクを設けまして建設をいたしておるというような次第でございます。予算の額といたしましては毎年一億一千三百万円ほどを離島の教員宿舎の建設費として計上しておったというようないきさつでございます。 なお後段の、いま先生から特別に離島のほうに島流しのような形でもって教員を配置しておるのではないかというような御質問があったわけでございますが、これは私どものほうの福利課の所管ではございませんけれども、私の聞いております範囲では、そのようなことはないというようなことを地方の教育委員会のほうからは承っておる次第でございますけれども、その点につきましては私どもの福利課といたしましての所管ではございませんので、明確な御答弁は申し上げられないような次第でございます。 以上でございます。
○中村(重)委員 あなたに後段の答弁ができないのはいたし方がないと思います。担当が違います。 予定の時間がぼつぼつ参りますから、あと三、四問お尋ねをいたしまして終わります。高橋道路局長がお見えですから、問題点を申し上げて、一括してお答えをいただきましょう。 離島の県道を国道に昇格する問題、この点については局長は積極的に取り組んでもらわなければならない。かつてそのことを強く要求してまいったことがあるわけですが、沖繩が復帰したならば離島の県道を国道に昇格する問題については積極的に取り組むという意味のお答えが、かつて前任者からだったと記憶をいたしますが、あったように実は思うのです。高橋局長はこの点についてどうお考えになっているのか。 それから、きょうこの法律案が上がりま際に附帯決議がつけられることになっておるわけですが、それに対しては、離島と本土間あるいは離島と離島の間の交通網の整備が必要で、その一環として架橋を積極的に検討する必要がある。その架橋をする場合に、公共性の強い離島航路事業、そういったようなものの航路補償といったような問題等々から障害が起こっておりますことは局長も御承知のとおりであります。そうした障害に対しましては、これを解決しない限りその橋梁もかけられないという形になってまいりますし、同時に、そうした障害となりますそれぞれの問題に対しましてはこれを検討していくということでなければならない、私はそう思うわけです。 それから、橋をかけるといったような場合においては、そのかける場所、どこに橋をかけるかということによりまして、これは橋の高さなんということを十分検討していくのでなければ、橋をかけると天井になってしまう。したがって、たとえば瀬戸の開さくなどをかりにやったといたしましても、橋が低いために大型船が運航できないといったような、これは百年の大計を誤るといったようなことだって起こりかねない。そういう場合は十分それらの点も重要な問題として検討してもらうのでなければならないと思います。 以上申し上げたそれぞれの点について、局長の考え方をお示しいただきたい。
○高橋(国)政府委員 最初の離島におきます国道の指定の問題でございますが、来週早々沖繩が復帰いたしまして、沖繩に初めて国道ができるわけでございますが、この沖繩の国道の指定の準備中に、再三再四実はその他の本土の離島におきましても国道指定をするようにという御要望が非常に強うございましたが、省内でいろいろ検討した結果、今回は沖繩のみにとどめております。離島内におきます国道につきましては、今後、次の日本全国内の道路網の再指定の際に考慮することになろうと思います。その場合におきましても、現在の道路法の規定に示しております基準のものに該当しなければ昇格することはできないと思います。いずれにいたしましても、次の機会におきまして十分に検討させていただきたいというふうに考えております。 それから、第二点の離島におきます架橋を積極的に行なえということでございますが、離島におきましては、確かに橋のかけられるような個所がほかにあろうかと思います。そういうところにつきましては逐次調査いたしまして、橋のかけられる個所につきましては積極的にかけるように努力したいと存じております。ただ御承知のように、現在の技術におきまして、水深が深くかつ流速の速いところにおいてはなかなか下部工事が困難でございまして、また橋のスパンにいたしましても、ある限度を越えますと現在の技術では非常に不可能でございます。そういう点もございますので、個々の具体的な問題について調査したいというふうに考えております。 第三点といたしましては、離島に橋をかける場合に障害となる航路の補償等につきましては、これは十分に措置させるようにいたしたいと存じます。 なお先ほど御指摘のありましたのは平戸大橋についての御質問かと存じますが、それらについては十分検討いたします。
○中村(重)委員 最後に、経済企画庁長官に考え方をお聞かせいただいてこの質問を終わりたいと思います。 本法案の改正に伴いまして、経済企画庁に対する予算の一括計上の範囲が拡大してまいることになります。私はいつも申し上げていることでありますが、ただ単に離振法が経済企画庁の所管である、そこで離振法の改正即予算の一括計上という形式的な形であってはならない。それぞれの実施官庁があることは当然であります。しかしながら、その実施官庁と所管の経済企画庁とが緊密な連携をとるということ、そうして実効をあげていくということでなければならないと思います。国土総合開発の計画の一環として離島振興の重要性というものはさらに高まってくると思うのであります。また、それでなければならないと考えます。先ほども私が触れたことでありますが、公共事業の高率補助ということにとどまらず、離島の産業の振興、観光であるとかあるいは林業、農業、漁業——漁業もとる漁業から育てる漁業、養殖漁業というものが非常に重要性を帯びてまいりました。また林業にいたしましても、たとえばシイタケ山であるとか、あるいはクリ園の総合的な集団的な生産であるとか、いろいろと離島の産業振興としてこれから育てていかなければならない点が多々あると私は考えるわけであります。それらの点に対しましてもいろいろ具体的にお尋ねをしたい。そういった考え方から各省の御出席をいただいておるところでありますけれども、予定の時間が参りましたから、御出席の各位に対しましてはまことに申しわけなく思っておりますけれども、長官から最後のまとめとしてお答えをいただきますので、その点は御了承をいただきたいと思います。どうかひとつ、せっかく改正をいたします、また十年間の期間延長いたします本法案が大きな役割りを果たすことができますように、ひとつ長官の格段の決意を促したいと私は考えます。 以上申し上げました具体的な問題に対しまして、また長官の決意というようなことを含めまして、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○木村国務大臣 委員の方々の御努力によりまして、本日これから離島振興法の改正案が採決されるということでございますが、そういう意味で、離島振興対策の一そうの推進については一つの時期を画するものでございます。そういう意味におきまして、いま御指摘のような、単に離島振興対策を経済企画庁で所管しておるということだけにとどまらず、もちろんこれは各省が実施官庁でございますから、実施官庁である各省とこの上とも連絡をとりまして、この際ひとつ心がまえを新たにいたしまして、一そう取り組みたいと考えております。
○鴨田委員長 以上で、本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○鴨田委員長 本案は予算を伴う法律案でございますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣に対して意見を求めることといたします。木村経済企画庁長官。
○木村国務大臣 離島振興法の一部を改正する法律案につきましては、離島の現状にかんがみて、政府として特に異存はございません。
○鴨田委員長 以上で内閣の意見は終わりました。 —————————————
○鴨田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 離島振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案を原案どおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。 —————————————
○鴨田委員長 この際、本法律案に対し、橋口隆君外三名より、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党、四党共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。橋口隆君。
○橋口委員 ただいま提出されました附帯決議案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 離島振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行にあたり次の点につき特段の配慮を払うべきである。 一 離島航路の改善を図るため、海運造船合理化審議会の答申を尊重し、特に航路補助金の補助率、船舶整備公団の融資率を引き上げ、航路補助金の算定にあたつては完全な航路主義をとるよう措置するとともにその手続の簡素化を図ること。 なお、未指定の欠損航路についても可及的すみやかに国の補助対象とすること。 また、主要の離島航路については、水上用エアークッション艇等の就航を積極的に検討すること。 二 離島医療の確保を図るため、離島の公的医療機関の施設、設備費及び運営に要する費用の補助率の改善を図るとともに、国立病院、親元病院の医師・歯科医師の定員を増員し、これにより医師・歯科医師を離島に積極的に派遣するよう努めること。 三 漁港・港湾・空港事業の国庫の負担及び補助割合の引下げに伴う地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、地方交付税等で適切な措置をすること。 なお、漁港については、国庫の負担及び補助割合の引下げに伴い、漁業協同組合等に対し、極力負担をかけないよう特別の配慮を行なうこと。 四 離島振興関係公共事業を促進するため、離島の実態と時代の趨勢に対応した採択基準に改善すること。 特に、離島においては用水の確保が困難な実情にかんがみ、水源対策を積極的に行なうとともに、簡易水道事業については、新設時の給水量の基準、増補改良時の期間の基準をそれぞれ緩和し、さらに、ごみ・し尿処理事業についても基準緩和の措置を行ない、この事業に要する経費を経済企画庁の所管に一括計計すること。 五 離島における産業経済の発展と民生の安定を図るため、島内交通をはじめ本土と離島、離島相互間の交通網の整備が必要で、この一環として特に架橋については積極的に検討すること。 また、この際これが障害となる航路補償等の措置についても検討すること。 六 離島の産業及び社会教育、情報、生活改善、保健、福祉、レクリエーション等の社会開発的機能を総合的且つ有機的に果すため、豪雪山村開発総合センターにならい、「離島開発総合センター」を設置すること。 七 離島の特殊性を生かした適切な利用を図るため、国民の健康と休養などレクリエーションの場として秩序ある開発と必要な施設の整備を行なうとともに、自然環境の保全に努めること。 以上であります。 御承知のとおり、本土より隔絶し、きびしい自然的、社会的条件の制約下にある離島を振興せしめることは目下の急務であり、離島の後進性を除去し、今後さらに振興、発展せしめるために、万全の諸対策を効果的かつ強力に推進する必要があろうと存じます。 決議案の内容につきましては、先ほどの質疑等により明らかにされておりますので、この際省略さしていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○鴨田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 直ちに採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鴨田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、附帯決議について政府から発言を求められておりますので、これを許します。木村経済企画庁長官。
○木村国務大臣 ただいまの御決議に対しましては、関係各省と十分連絡の上、御決議の趣旨を十分検討さしていただきました上、離島振興対策についての一そうの努力をいたしたいと考えております。 —————————————
○鴨田委員長 おはかりいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○鴨田委員長 午後二時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時五十二分休憩 ————◇————— 午後二時三十分開議
○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、不当景品類及び不当表示防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますのでこれを許します。石川次夫君。
○石川委員 きょうは不当表示防止法の改正にかかわる法案についての質問であります。 そこでまず公取委員長に伺いたいのでありますが、今度の改正の要点は、公取委員会だけで十分その趣旨に沿うことができないということで知事に仕事の委託をする、こういうことになっておるわけでありますけれども、知事に委任をして一体どの程度の効果が期待できるのかという点、私たちは非常に不安に思っているのでありますが、その点の説明をまずお願いしたいと思うのです。
○谷村政府委員 公正取引委員会のやっております仕事のうちで、ただいま御審議いただいておりますような不当景品類あるいは不当表示防止という問題になってまいりますと、これは非常に国民の日常生活に密着したこまかい仕事でございます。しかもそれは全国的に常時起こり得る問題でございます。御承知のように公正取引委員会が昭和二十二年にできましたときには、さような非常にこまかい問題にまで立ち至ってやるというふうな考え方は当初はあまりなかったと思います。それがだんだんと社会経済情勢の変化と、いわゆる消費者行政といった問題が出てまいりますのと相表裏いたしまして今日のような実態になりましたわけで、それに対します公正取引委員会というものの、いわば中央で万処理するという組織のあり方というものが必ずしも対応いたしておりません。そして、ただいま公正取引委員会の手が足りないからと言われましたが、足りないから地方を使うという考え方ももちろんございましょうけれども、むしろ積極的にこの際地域住民の日常生活あるいは消費生活というものと密着しております都道府県知事、そういった地方団体が国の仕事をある程度委託されて、引き受けまして、そして迅速にそういった問題の処理をしていただくということのほうがより効果的であると考えたわけでございます。 そこで、どれだけの効果があると思うかということの一番のポイントは、これは景表法に違反しているのではないかと思われるようなことがありました際に、すぐ迅速に手が打てるというところが一番効果の大きいところではなかろうかと私は思います。地方にまかせるとかえっていろいろ情実にとらわれたりはしないかというふうな逆の面を心配する向きもございますけれども、ただいまの都道府県の行政のあり方は、公害にいたしましても、その他消費者行政にいたしましても、熱心にやっていただいてる状況であると思いますので、景表法の仕事の一部を地方都道府県知事にお願いするようになれば、そういう点で、私どもだけでやっていたんではなかなか日常目が十分に行き届かない点をその地方地方で迅速に処理していただけるという効果があるというふうに考えております。
○石川委員 その趣旨はわかりますけれども、大体各県に対して一人ずつ人件費を持つということでこの充実をはかるということでありますが、この不当表示、不当景品の問題は、各県ごとに行なうというのではなくて全国統一的に行なわれる場合のほうが多いのではないかという感じがするわけでございます。そういうことで、もし地方へそれを分担をさせるというのであれば一人ということではとても十分な機能を発揮することはできないのではないか。たとえていうと、東京も一人ということになるわけですね。東京には全産業の本社という本社がメジロ押しに並んでおるわけで、ここで一人ばかりふやしてみたところでとうていその機能を十分発揮するということなどは不可能であろうと思うのであります。そういう点で、本来的には、各県に一人というようなことではなくて、何としても公正取引委員会それ自体を強化をするという筋を通すということのほうがむしろ妥当なんではないか。たとえていいますと、定員表を私ただいまいただいたのでありますが、昭和四十六年度の定員に比べまして、海外派遣というのが一人あるわけでありますが、二、三名しかふえておらないというようなていたらくであります。物価の問題については住民、消費者というものは相当関心を持っておるし、その番頭をもって任じておる公正取引委員会自体がこの程度の陣容で、はたしてその機能を十分に発揮できるかどうかということがわれわれは非常に不安でならぬわけですけれども、この点は委員長どうお考えになっておりますか。
○谷村政府委員 石川委員のおっしゃいますことは私もよくわかるわけでございますし、仕事を担当しておりますと、やはりできるだけそれにふさわしい、また効果をあげ得るだけの陣容を整えたいという気持ちは私も人後に落ちることなく持っておるつもりでございます。しかしながら一方でやはり国全体としての行政機構なりあるいは定員なりの問題もございまして、私どものほうとしては必ずしも十分であるとは思いませんけれども、その中でも少しずつでもふやしていただいて、今回も景表関係でいえば機構で一課増設ということもできますし、またわずかながらでも定員もふやしてもらっておりますし、必ずしも十分でないと思いますが、全体として御認識いただいて進めていただいておるというふうには思っております。本筋として私どもの機構を強化していくということ、これはもとより考えなければならないことであると思います。 それから地方にたった一人くらいずつふやしてそれでいいのかということもございますが、これもいわば最初の手がかりと申しますか、そういう体制をつくるというところにスタートとしての意味があるわけでございまして、これから国、地方一体となってこういった仕事、特に消費者行政ということに力を入れてまいりますいき方のいわば一つの端緒ができたわけでございますので、それを今後充実してまいるということも進めなければならないと思います。 ただ、私どものような役所——役所と言うのは昔風で申しわけございませんが、行政官庁の姿が、東京におります中央官庁はよろしいのでございますが、地方支分部局といったようなものが、他の行政官庁、たとえば通産省、農林省、厚生省といったところがその所管の行政を進めますのにつきまして都道府県ないし特別市、さらには市町村というものを手足として十分使っていっていらっしゃるのと同じように、私どものところも若干事柄の性質は違いますがやはり行政官庁でございますから、通産省、厚生省、農林省等々が地方行政団体をお使いになって仕事をしていらっしゃるのとある意味では必要に応じては同じようなことを考えてしかるべきであるというふうにも思っているわけでございまして、お説の点は私よくわかるわけでございますので、両々相まっていくべきであるというふうに考えております。
○石川委員 各県にそういう仕事を委託するということ自体別に反対する理由はないわけですけれども、いまの御返事だと、課が一つふえたというようなことでも、課長は一人ふえて、一つの課にいた人を分けてやっただけの話で、実際問題として公取自体が強化されたとはだれも考えないわけなんですよ。本来的にはこれでは不十分だ、何としても公取自体をもっと強化しなければその任務を十分に遂行できないのだという気持ちにあなた自身がなってもらわなければならぬと私は思うのす。たとえば新聞などで非常にいかがわしい広告がたくさん出ておるわけですけれども、予備校の上級合格なんかには相当大きな水増しがあって、調べてみたところが、その予備校が窓口になって全国の模擬試験をやった、その名簿を拾ってきて、あらかじめ自分の学校を出たというふうなことで何十人の合格だというような表示のしかたがされているという例があるわけです。こういうのは大体不当景品類及び不当表示防止法の何条にひっかかって、どういう警告を発しておりますか。
○谷村政府委員 御指摘のような問題がございまして、従来私どもがたとえばみやげ品だ、不動産だというようなところに手を入れておりましたのが、だんだんとそちらのほうもある程度体制も整ってくるような場合に、逆に今度は、いまおっしゃったようなところに思わぬ誇大広告等のようなことがございます。そこで私どもも、ある程度そういう問題について排除命令を出したりあるいは警告をしたりしたわけでございますが、これは不当景品類及び不当表示防止法の第四条に申しますところの実際のものよりも著しく優良であるという誤認を起こさせる表示、ほんとうはそうでないにもかかわらずこんなにいい内容でございますよというふうに思わせる表示ということでございますので、私どもがいままでやりました例では、ある通信教育によっていわゆる予備校的なことをやっておったところには、たしか排除命令を出したと思いますし、それ以外のそういった予備校のようなところで、誇大な、内容が著しく優良であるかのごとく誤認させるような表示をしているものについては現に調査中のものもあるわけでございます。
○石川委員 こまかい例をあげると切りがないのですが、これは私が実際に聞いた話ですけれども、私の友人が合成品でもって香水をつくりました。一つの粗末なびんに入れてたとえば千円といたしますと、同じものをデラックスなびんに入れまして三千円といたします。そうすると、三千円のほうが飛ぶように売れて千円のほうが売れない。ほんとうに笑いがとまらないという打ち明け話を聞いたことがあります。これは明らかに中身は同じなんです。ところがそのデラックスな容器でもってすっかりだまされてしまうというのは、私は明らかに不当な表示、不当な取引ということに当たると思うのですが、なかなかこの取り締まりはむずかしいと思うのですけれども、実際はこれによって女性心理というものの弱さにつけ込むし、また受験生の弱点のわらをもつかみたいというようなことにつけ込むということは許すべからざる行為ではないか、こういう感じがするわけです。そういう点で、公正取引委員会のなさねばならぬ任務が、この面においてもなかなか多事多端でありまして容易ではなかろう、こう思うのですが、たとえば不当景品類及び不当表示防止法の、現行法の四条三号をいままでに適用したということはございますか。
○谷村政府委員 ただいままで四条の三号による指定というものはいたしておりません。したがって、それに基づく不当表示の問題の処理ということは、いままではまだございません。しかしながら、そういう必要がいろいろの角度から考えまして出るだろうというふうに考えて、現在その問題を強勉しているところでございます。
○石川委員 この四条三号が、十年来全然使われておらぬわけですね。しかしこれが適用されるようでなければ、ほんとうに不当表示に関する公取の機能は十分に発揮されたとはとうてい言えないのではないかとわれわれは考えざるを得ないわけなんです。したがって、四条三号も適用されないということでは、この公取の任務は十分ではないということが考えられますので、この条項の適用ができるような体制をひとつつくってもらいたいし、四条三号というものを積極的に使うのだ、こういう御意図でやってもらわないと、この法文を死文にしてしまうということは、非常に重要な事項だと思うのでもったいない限りだ。これを使わなければ公取としての任務は達成できない、こういうふうな気持ちがしてならぬわけです。この点は特に強く要望をしておきたいと思います。一号、二号については適用する場合もあるでしょうが、三号こそは私は生かされなければならぬのではないか、こういう感じがするわけであります。 それから、十条は、大体公正競争規約ということで適用がされておる例もあるだろうと思うのですけれども、これを積極的に推進してみたらどうか、そういう指導をしてみたらどうかという感じがしてならないわけなんです。この点も、条文だけはありますけれども、あまり十分に活用されておらないのではなかろうかという感じがしてならないのでございますが、この点はどうお考えになっていますか。
○谷村政府委員 先ほど第一の御質問の四条三号の、一号、二号以外に、その他特に消費者保護のために表示について必要な問題というふうなことについて、たとえば著しく優良であると認められるとか著しくいい条件だというふうに認められるということ以外で、そういう特に消費者保護のために正しい表示が必要だといわれるのは何であろうかということで、たとえば原産地表示をちゃんとしたほうがいい。これは、何も著しく優良であるとか優良でないとかいう問題とは別に、これはどこそこの製品であるということをきちんと出したほうがいいかどうか、さようなことをいま勉強いたしておりますところで、私ども十年間この点について何もしなかったというただいまおしかりでございますが、だんだんそういうことも、一号、二号のほかに、消費者保護のために正しい表示だという意味では必要になってくるという御指摘の点まことに同感でございますし、私どももしなければならない問題幾つかあるかと考えておりますので、ひとつその線に沿って努力するつもりでおります。 それから二番目の御質問の点でございますが、これは私どものほうで一つ一つを摘発していきますよりも、まずみずからがみずからのルールを立てて、それをみんなで守っていくという公正競争規約のたてまえでございますので、これはおっしゃるとおりできるだけ、日用品等を広範に消費者が選択しなければならない場合には、その選択に際して景品なり表示なりについての正しいルールというものを自主的にきめていただくということが大事でございます。公正競争規約の作成ということにつきまして、一生懸命業界を指導してまいっておりまして、ただいま私は件数な覚えておりませんが、去年も幾つかの公正競争規約をつくった記憶がございます。もし何でございましたら、担当の部長から公正競争規約の現状について申し上げてもよろしいのでございますが、この点も今後とも業界を指導し、消費者側の御意見あるいはその他の学識者の御意見、そういうものも取り入れまして、正しい表示なり景品なりのルールを自主的につくらして私どもが監督していく、さようなことに心がけてまいるつもりでおります。
○石川委員 四条三号は積極的にこれを運用するという心がまえで、ただしこれを行なうについても陣容の強化というふうな問題も裏表になって出てくるのではなかろうかと思いますけれども、これが十分に活用できるという点にまで積極的な運用というものをひとつはかってもらいたい。これを強く要望しておきます。 それから十条の実例ですね。これは何かありましたら、部長のほうからでも若干ひとつ御説明をこの機会にお願いしたいと思うのです。
○熊田政府委員 公正競争規約、現在までのところ昭和三十八年から景品類につきましては十四の規約ができております。表示につきましては、昭和三十八年から四十六年度までに二十五の規約ができております。両方で三十九の規約ができておるわけでございますが、その中で、景品について四十六年からできました最近のものをちょっと申し上げますと、チューインガム業における景品提供の制限に関する公正競争規約、それが四十六年の一月二十日に認定をいたしております。それからビスケット業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約、これが四十六年の七月二日に認定をいたしております。それから化粧品業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約、これが四十六年十二月七日に認定をいたしております。次に、表示のほうについて最近の例を申し上げますと、四十六年以降のものを申し上げますと、果汁飲料等の表示に関する公正競争規約が四十六年三月二日に認定をいたしております。次にチョコレート類の表示に関する公正競争規約、四十六年三月二十五日に認定をいたしております。続いて、ビスケット類の表示に関する公正競争規約、四十六年三月三十一日に認定をいたしております。それから、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ及びチーズフードに関する公正競争規約、これを四十六年三月三十一日、同じ日に認定をいたしております。それから、自動車業における表示に関する公正競争規約、これは四十六年九月七日に認定をいたしております。化粧品の表示に関する公正競争規約、これを四十六年十月二十二日に認定をいたしております。さらに化粧石けんの表示に関する公正競争規約、これは四十六年十二月七日に認定をいたしておる、こういう状況でございます。
○石川委員 いま伺ったわけですけれども、この十条の積極的な運用ですね、まだまだその程度では私は不十分だと思います。なかなか容易ではないと思いますけれども、これも積極的に広範囲にこれが運営されるというところにまで公取の努力をひとつお願いをしたいと思います。 不当表示の問題の質問は大体その程度で、本質的にわれわれは反対するものではありませんけれども、何といっても公正取引委員会に期待を国民が相当大きくかけておるわけでありますから、自分自体の強化ということを中心として考えるということで、ひとつ積極的に、自分たちは国民の輿望を特にになってやるんだという積極的な気魄がほしいということをまず申し上げておきます。 それから、最近の大きな問題としてはカルテルの問題が——ちょうど公正取引委員会が来ておりますから伺いたいと思いますが、これは時間をかければ切りのない問題でありますので、なるべく簡潔に質問をしたいと思っております。 そこで、まず通産省に伺いたいのでありますけれども、今度は前の昭和四十年の不況のときと違いまして、エチレンでは生産能力の三割もの減産を余儀なくされておる。それから、この前は鉄鋼の関係なんかは一割程度の減産にとどまっておったのが、一億二千万トンとか九千万トンというようなことで、相当大幅な減産を余儀なくされておるというふうなその状況下において、不況カルテルで何とかこれを切り抜けるということに対して、公取はこれを認めるという形になったわけであります。この不況というものは、これは通産省のほうに伺いたいのでありますが、これは企業局長の担当ではないかと思うのですが、構造的不況だというふうにお認めになっておるのか、あるいは循環的不況だというふうに考えておられるのか、その点をひとつ伺いたいと思うのです。
○本田政府委員 お答えいたします。 今回の不況は一昨年の夏から後退過程に入っておりまして、かなり長い不況になっておりますが、これを御質問のように構造要因による構造不況なのか、あるいは循環不況なのかというふうに一がいに規定することは、現実の問題としてはむずかしい問題があろうと思います。で、今回の不況につきましては、やはり在庫投資の調整というような性格を持つ短期的な、循環的な要因もございますし、また通貨調整に見られますようにわが国の経済と各国経済との間で国際的な調整の問題が生じておる、あるいは四十年代の前半の大型の投資が能力化してきたということに伴って民間設備投資が沈滞しておる、あるいは自動車、カラーテレビのような耐久消費財の需要が一巡しておるというような構造的な要因も見られるということで、やはり不況の実態としては両方の要因が複合して出てまいっておるというふうに考えるべきではなかろうかと存じます。
○石川委員 いまの局長の答弁を聞くと、まことに抜け目のない、どうにでもとれるような、いわば官僚的な答弁といいますか、そういうふうな感じにとれるのですが、新聞などで見る限りにおいては、通産次官はこれは構造的な不況でなかなか長期にわたるのではないか、こういうことを断定的に言っておるようですね。だから、どちらかといえば構造的な不況だという要因を強く見る見方のほうが常識的なんではなかろうかと考えております。 そこで、たとえばエチレンの年間の生産能力というものは四百八十万トンもあって、これはもう百三十万トンばかりオーバーしちゃっておるわけです。石油化学の関係では八〇%で大体操業が採算点に合うということになっておりますけれども、これを五〇から六〇%まで下げなければ需給のバランスがとれなくて、大体昭和五十年くらいにならなければ需給のバランスがとれないのではないかというような見方がされております。鉄鋼についても大体大同小異の見方のようであります。ということであるとすれば、これは構造的なものだということに考えるほうが正しい見方なんではないか。これはいま両角次官があちらこちらで発表しておるのと私は同感に思うのですが、その点重点はいずれかといえば循環的な、短期的なものではなくて、構造的なものだというふうに見るのが正しいのではなかろうかと思うのです。局長のあと一回答弁を伺いたいと思います。 それと、これは需給のアンバランスということになれば、需給のバランスは一体いつごろとれるというふうに大体推定をされておるのか、その点もあわせて伺いたいと思うのです。
○本田政府委員 お答えいたします。 要因として構造的な要因が大きいのではないかという点につきましては、そうした傾向は今回の不況については指摘し得る性格を持っておると思います。 それから、需給の回復につきましては、それぞれの物資につきまして時期が異なろうと思いますが、御指摘のようなエチレンにつきましては、かなり大型の設備が完成しておるということと、最近の石油化学製品に対する需要が最近までのようなテンポの増勢をとることを期待しがたいというようなことから、御指摘のようなかなり長期の時期を要するのであろうというふうに存じます。
○石川委員 そういうことであれば、やはり構造的という面が強いと見るほうが私は正しいと思うのです。特にエチレンとか粗鋼についてそういうことを言っておるわけでありますから、そうなれば、なおさら構造的な要素のほうが強いのではないか。 そこで、公取委員長に伺いたいのでありますが、二十四条は循環的なものにだけ適用できるというふうに考えるほうが妥当なんではないか。というのは、構造的な場合にだけ認めておるというのはドイツなんかにそういう例があるわけですけれども、ほかの国の独禁法にはどこも不況期の一時的なカルテルというものを認めておるところはないと思うのです。日本にだけこれが認められておるということで、構造的なものについてもこの第二十四条が適用され得るものかどうか。これは非常に疑問があるのじゃないでしょうか、どうでしょうか。
○谷村政府委員 二十四条では、条文の中に特別にいかなる事情のもとにそういう事態になっているかということについての限定がございませんので、法律論的に申しますならば、そういう実態があり、かつその実態を克服するために必要があるという場合には、法律要件その他それぞれ定められている要件にかなり限り不況カルテルを認定することは、法律論としては差しつかえないというふうに私どもは考えております。しかしながら、立法のときなどのいろいろの考え方というのを見てみますと、そもそもカルテルというようなものは、本来ならば競争政策からいうと例外的なものである。そして例外的なもの、いわば一時やむを得ずそこに逃げ込むというふうなものは短期的に処理するというべきものであって、いつまでもそれを長々と続けるべきものではない、こういうような考え方が私はあったと思います。さような意味においては、いわば一時しのぎをするために不況カルテルをやるということが、一応循環的、摩擦的な不況に対するものであるという考え方が私はあったと思います。しかしながら、構造的不況というふうな話になりましても、例は悪いのでございますが、いわゆる産業構造の大きな変化によりまして需要も変わってくる、生産体制も変わってくる、さような中において、なおかつ不況産業というような名において残っておるというふうなそういう不況と、成長産業ではあるけれども成長のテンポなりあるいは設備増設と需要の伸びとの関係がある程度時期的に狂ったとか、あるいは屈折点が経済全体の成長で起こったとか、そういうふうな問題から起こってくるいわば準構造的と申してもいいし、あるいは長い目で見た循環的な不況というふうなそういうものに対して考えてみますと、そういうことは独禁法をつくりました最初の段階ではあまり想定されていなかったろうと思います。それは御指摘のとおりだと思います。 しかし二十四条が、そういう事態に対処するためにそれは使ってはならないということであるかというと、私はそうであるとは思いません。ただし、御指摘のとおり二年かかるかもしれない、あるいはもっとかかるかもしれない需給のアンバランスというものを、当面この不況カルテルによって克服するということは、これは克服ということばの使い方にもよりますが、循環的な不況カルテルの場合のようなわけにはまいらない。かような意味において、いわば短期的に、一時的にやるべきものだというふうに観念されている不況カルテルという立場から見ますと、お説のとおりのような疑問が出てくるわけでございます。私どもも同様に、そういう点で一体ものの考え方がそれでいいのかどうかという問題点としては持っております。しかし法律論としては、別にその点についての限定はございません。
○石川委員 この法律のできたものを読めば、そういうふうな考え方も出てこないとはいえないという感じが私もいたします。いたしますけれども、精神からいうと、やはり循環的な不況ということで、不況を一時的カルテでもって何とか切り抜けていこうという精神であったことは間違いないと思うのです。したがって、裏を返せば構造的な場合にこれは適用すべきではないというようなことにまで拡張解釈ができるのではなかろうか。これは議論の存するところでありますからあまり追及はいたしませんけれども、これは日本にだけ認められた不況期の一時的カルテル、こういうことの適用を二十四条は規定をしているというふうに考えるほうが妥当であろうかと思うのです。 そこで、通産省に伺いたいのであります。重工業局長が来ておられるので、ほんとうはニチレンの関係ですと重工業局長に聞くのはちょっと妥当を欠くのでありますが、通産省は行政指導をして設備投資というものを相当調整をはかってきて、なおかつこのような大きな需給ギャップというものが生まれ、構造的な不況というふうなことがいわれるようになったということについては、通産省が指導しているというふうな事実が存在する以上は、やはりこれは相当責任を感じてもらわなければいかぬと思うわけなんです。この点は、日本株式会社というふうに外国のほうからもいわれるくらい非常に行政指導よろしきを得ておる反面、こういうふうな指導の結果が出た場合は、これは矢島さんが前からやっておられたわけではございませんけれども、やはり通産省は通産省なりにこの点については責任を感じてもらわなければいかぬ、こう思うのですが、どうでしょうか。
○矢島政府委員 鉄鋼の問題についてお答えいたします。 通産省が中心となりまして、産業構造審議会の鉄鋼部会というのがございまして、それで昨年六月設備調整をある程度やったわけでございますが、その際の設備調整の前提となる需給見通しにつきましては、その前年にできました新経済社会発展計画をそのまま踏襲しておるわけでございますので、現状におきましては実勢はそれよりはるかに低い。具体的に申し上げますれば、昭和五十年の粗鋼生産が一億五千万トン程度というような前提で設備調整をやりましたために、実勢がそれよりはるかに低いということでございます。そういう意味におきまして、通産省といたしましても、設備調整の前提となった数字につきまして適切でなかったということはいえると思います。
○石川委員 適切ではなかったということで責任を感じているということになるわけですけれども、何といっても通産省が行政指導をして設備投資調整を行なった、その業種に対して集中的にカルテルが適用されなければならなかったということは、私はたいへんな問題だろうと思うのです。そういう点が二度と繰り返されてはならないと思うのですが、そういう点は行政指導よろしきを得なかったという点を反省をして今後に処してもらわなければならぬ、こう思うわけなんです。 その次に移りますが、第二十四条の三では「特定の商品の需給が著しく均衡を失したため」というふうなことが前提となってこの適用を行なうということになっておるのですが、エチレンとか粗鋼、これは特定の商品——商品といえば一定の市場で取引をされるということが前提になるわけなんで、この商品というものに該当するかどうかという疑問が出てくるわけなんです。この点はどうお考えになっておりますか。
○谷村政府委員 問題を二つに分けてお答えしたいと思います。 まず第一に、粗鋼については私どもは特定の商品とは考えておりません。したがいまして、俗に粗鋼のカルテルを認めたというふうにいわれておりますけれども、私どもは、特定の商品でありますところの、たとえば厚中板、薄板類あるいは普通線材、鋼管、そういったそれぞれの鉄鋼製品、それを商品として取り上げる、そしてそれの需給が均衡を失しているということで、それぞれのそういった商品について不況カルテルが必要である、さような判断をしたわけでございます。そうして、その不況に対処するカルテルをやる手段としては、それぞれの商品の生産制限という方法をとらずに、それのもとになりますところの粗鋼段階において生産制限をする方法を認めたわけでございまして、いわば商品はそれぞれの鉄鋼製品について見る、その手段、方法としては粗鋼という段階における生産制限による、かような考え方をとったわけでございます。これは生産数量の制限にかかわる方法というふうなことで、さようなことが必要にしてかつ必要の程度を越えない限りは許されるものとして考えたわけでございます。 第二にエチレンの問題につきましては、これが商品であるか商品でないか、私どもは結論として商品であると考えたわけでございます。もちろん、全生産量をすべて自社において消費する、そういうところもございますけれども、相当数量のものは、なるほどコンビナートという形でつながっておる向きも多分にございますが、他の会社に商品として売られております。またパイプでつながらなくても、船等によって運ばれて売られているという実態もございます。これをそれぞれのエチレン生産会社につきまして調べました結果、商品としての性格を有しておるという認定のもとに、これはエチレンという商品として私どもは見、そのエチレンの需給が均衡を失しているとして、エチレンという商品の不況カルテルをエチレンの生産制限という方法によって認めたわけでございます。その点粗鋼とエチレンでは私どもの法律上の取り扱いは異なっておるということを申し上げておきます。
○石川委員 これは議論をしますと水かけ論になりそうですけれども、この二十四条の三には明らかに「特定の商品の需給」ということがうたってあるので、粗鋼というものは特定の商品であるという前提に立っていると考えることがきわめて常識的なわけです。エチレンの場合、若干事情が違うとはいえますが、エチレンはエチレンのほかにまた製品としての規制を行なっておる。粗鋼の場合はそれから出ている商品のほうには全然手を加えてないのです。それならついでに伺いますけれども、SC鋼の不況カルテルという申請が出ておりますけれども、これも粗鋼とは無関係ではないわけなんで、これについてはそうすると認めない、こういう御方針ですね。
○谷村政府委員 問題は二つありますので、二つについてお答えいたします。 第一番目のほうは、繰り返しになって恐縮でございますが、粗鋼を商品とは認めておりません。あくまでそれから生産されるところの個々の鋼材を商品と認め、それの不況状況を克服するために二十四条の三の第二項に書いてございます生産数量の制限にかかわる共同行為というそのかかわる共同行為として、生産数量の制限にかかわる方法の一つとして、粗鋼段階における調整ということを考えたわけでございます。 そこで、そういう粗鋼について生産制限を認めた以上はもはや次の段階における商品についての生産制限を認めないのか、不況カルテルを認めないのかという点でございますが、これにつきましては、いわゆる高炉八社について認めました不況カルテルだけではカバーし切れない他のものが入り込んできております。生産メーカーたちを含めましたものとして構造用合金鋼でございますが、これにつきましては、たまたま高炉八社もそれにある程度ながら参加し、その他のものもシェアは大きいわけでございますが、参加しているという形において、構造用合金鋼についてはいわばダブるような形において不況カルテルを認めました。 御指摘のSC材につきましては、これは認可の申請が出ておりますが、いわゆる特定鋼材高炉八社等について不況カルテルを認めました部分と、SC材との不況カルテルの重なり合う部分が、高炉八社の部分のほうが相当に広いわけでございまして、かなり重なる面が大きいという判断のもとに、いまだ私どもとしては認可をしないで留保している状況でございます。
○石川委員 時間の関係があって、あまり突っ込んだ議論ができないのは非常に残念なんですけれども、すらっと常識的に見た限りにおいては、粗鋼が商品だと思えないのに商品だという形でこれを認可をしたということを前提とすると、第十五条に合併してはならない条件として、「当該合併によって一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」、こういうことが新日鉄が生まれる前にたいへん議論の焦点になったところなんですが、そのときに粗鋼のシェアというのは新日鉄が生まれれば六〇%をこす、明らかにこれは合併すべきではないということをわれわれは強く主張した。その場合に、一定の取引分野を持たない、すなわち商品ではないということでこの合併というものが、いろいろな経緯があったにいたしましても最終的に強硬に押し切られたという結果になっておるわけです。でありますから、この不況カルテルのあり方、粗鋼というものを「特定の商品の需給」だということで見る限りにおいては第十五条が生きてくる。そうすれば、とうてい新日鉄の合併はすべきではなかったのではないかということにも言及しないわけにはいかないということがいえるのじゃないかという気持ちを私は持っておるわけです。私は粗鋼を商品と見るなら見るでけっこうだけれども、それなら前の合併はおかしかったのではないか、こういうことを言いたかったわけです。 そこで、時間がありませんから次に進みますけれども、公取のほうの報告には、異常に膨張した産業が不要な部分を切り捨て体質改善をはかる過程に意義があるのだ、したがって安易な不況カルテルは過剰設備や限界生産者をいたずらに温存する結果にもなるのだということで、不況カルテルというものは相当きびしく制限しなければならぬという見解を前に発表しておるわけです。ところが、最近はまあ簡単に不況カルテルというものはできる、だから安易な過剰設備競争というものをやってもすぐに不況カルテルというものに逃げ込めばいいのだというような考え方になってしまうのではないか。私は、これは非常に日本の経済にとっても不都合なことではないだろうかという気持ちがしてならないわけです。その他にもいろいろな問題点があるわけですけれども……。 そこで独占禁止懇話会ですか、ここでは御承知のように、安易な不況カルテルは絶対許可しないい、こういうことを言明しておったわけですね。これはことしの一月か二月ごろだったと思うのです。ところがいまのやっていることを見ると、どうもこのごろ公取委員会は話のわかりがよくなったというふうな見方が、財界やそれから通産省のほうからも出ておるようであります。そうすると逆に言うと、国民の気持ちからいえば、こういう不況カルテルなどによって不当にまた寡占価格というものがつり上げられるおそれもあるし、国民経済の立場からいうと、非常に公取の使命の立場からいって逆行しているのじゃないだろうか。これは業界にとっては好都合かもしらぬけれども、国民経済の立場からするならば、競争を進めて体質改善をはからせるというようなことからいえば、これは時代逆行じゃないだろうかという感じがしてならないわけなんですけれども、今度のこの相次ぐ十種目にわたる不況カルテルの問題について、独占禁止懇話会のほうではどういう意見を持っておったのですか。その人たちに意見をはかったことがございますか。
○谷村政府委員 やはり二つ問題がございますので、二つお答え申し上げておきます。やはり私どもはせっかく御質問いただいた富士・八幡との関係を明らかにしておいたほうがたいへんよろしいと思いますので、この機会にお答えさせていただきたいと思います。 富士・八幡の際には、やはり依然として特定の商品市場において競争を制限することとなるかどうかということが問題になったわけでございます。そして私どもは現在と同様、粗鋼というものは商品としては考えておりませんでした。しかしながら、商品として考えていなくても、粗鋼のシェアが非常に高くなればそれは最終商品の競争市場における制限を引き起こすこととなる、そういう見方もできるわけでございまして、問題は粗鋼のシェアの高さ自体がどの程度であるかということをやはり見なければならないということが確かに問題であったわけでございます。粗鋼の段階で大きなシェアを占めれば、その次の商品の段階でも当然競争制限的な結果になるであろうということは私どもも考えたわけでございます。その際は、いわゆる三六%という程度の粗鋼のシェアというものが、はたしてその次の製品段階において競争制限することとなるものかどうかという検討をいたしましたわけでございまして、商品でないから簡単にはずしてしまったというだけのことではないのでございます。この点はまだ私のことばが不十分かもしれませんが、そういう公正取引委員会の考え方で、商品でないからはずすのだ、それだけの簡単な話ではございません。粗鋼の段階でもやはりそれが競争制限につながることになるということは、当然私どもも考えたわけでございます。ただ、三六%程度というシェアをもって直ちにその合併が競争を制限することとなるというふうに断定することはその際としてはしなかったわけでございます。 それから、第二の問題でございますが、私どもの基本的な考え方というのは、ただいま石川委員がおっしゃいましたようなことのとおりでございまして、確かに独禁懇でも、いわば安易なカルテルマインドに企業家が走るということばそれ自体企業家の自殺でございます。意思の喪失でございます。そういうことではいまの自由私企業体制というものは成り立たないわけでございます。そういう意味で、あとは不況カルテルへ逃げ込めばいいというような、さような安易な考え方であってはいけない。われわれの立場も当然のことながらカルテルを安易に認めるということではない。これはもう申すまでもなくはっきりしたことでございます。 ただ、現実に一つの事態が起こっており、その事態に対してどうするかという問題は、ケース、ケースによって判断すべき問題でございまして、昭和四十年当時の不況に見られましたようないろいろな種類のものが出てきているというよりは、先ほど御指摘になりましたように、大体鉄鋼関係、石油化学関係、それに昔からでございますが紙関係、この三つが今度の不況カルテルの特色でございます。そしてそういうものには、一体成長経済過程におけるいわば設備能力と設備投資と、生産と需要のこのギャップの調整をどうするのか、さらにはコンビナート的に結ばれたそういう先発企業、後発企業との処理をどういうふうにしていったらいいのかというような、通産省としても業界としても頭の痛い、いわば一種の再編成と申しますかへあるいは業界調整の問題というものも出ているわけでございます。その問題自身がまた、実は独禁法的に見ますと一つの問題をはらんでいるわけでございますけれども、弱小企業あるいは非能率企業の温存になってしまうというふうな、そういうことでの安易なカルテルを認めるということは、もうおっしゃるとおりよくないことだということについては、独禁懇の議論を通じてもみんなの一致しているところでございまして、問題はそういったいろいろな不調和が起こってきているのをどういう形によって、かりに構造がゆがんでおるとするならば直すべきかというふうなことが、たとえば通産省でいえば産構審あたりの問題として議論されるとこるだろうと思いますが、その問題を伴わずにいたずらに不況カルテルだけに逃げているということは、企業のためにも決していいことではない。いわんや国民のためにもいいことでない。これはもう石川委員のお説のとおりであると私は思います。
○石川委員 時間が制限されているので、あんまり突っ込んだ議論ができないのでたいへん残念なんですが、不況期の一時カルテルを認められておるのは日本だけで、あとは構造的不況カルテルというのはほかの国でも認められているというのは先ほども申し上げましたけれども、粗鋼だとかエチレンだとか紙だとか大型のカルテルが出そろったところで、独禁政策の七〇年代の新たな産業景気政策という観点で問い直す時期に来ているのではないかという見方が強くなっておるわけです。 そういう見方の出てくるゆえんは、逆に独禁政策といいますか公取のあり方というものが、大きな曲がり角に来ているのではないかという見方がそこから伴って出てくるのではないか。そのことは同時に、どうもこの独禁法の第一条の精神から離れた、産業政策のみに重点を置いたような考え方に公取の姿勢というものは比重がかかっていくおそれがあるんじゃなかろうかということにもつながってくると思うのです。その点については、われわれとしては第一条の精神——競争というものを助長して国民経済に寄与するんだという精神は、あくまでも貫くということでやってもらわなければ困るということを強く要請したいと思うのです。これは抽象的な観念論になってしまうのでありますけれども、その点についてひとつ公取委員長の決意というものを伺いたいと思うのです。
○谷村政府委員 私も時間があればこういう話は幾らでもしたいというくらい、こういう問題についての疑問なり問題点なりをいろいろ持っている者の一人でございますが、いまの御質問に対する端的な答え方といたしましては、私はやはり自由私企業体制を前提として経済を運営していくのが一番能率的であり、かつそのためには競争政策というものをあくまで貫いていくということを原則とすべきである。これに私は依然としてその意義を重要視する者でございます。しかしながら、先進工業国すべてを通じて見られますような意味での一種の競争政策のみでは、全体としての調和がうまくとれない。いわば高度に発展しました工業国におけるそういった基礎産業あるいは重要産業、巨大産業の存在というもの、そうしてそれを国民の利益と企業の利益と全体としていかに調和させていくかというこのむずかしい、いわば一種の管理経済社会におけるかじの取り方の問題、そこには自由私企業体制のその本質だけではなかなか割り切れないものがあるように思う。この問題は、ほんとうに、いま石川委員がどういうお立場からどういう考え方で言っておられるか私はよく存じませんけれども、私自身はそこにやはり非常な問題があるというふうに考えておりますし、今後におけるいわば工業化の段階におきますそういった巨大企業あるいは重要な企業のあり方、しかもそこで自由私企業体制を貫きながら調和を加えていく方法は何か。これはやはり私ども行政官庁におります者の、何も公取だけではなくて通産省その他を含めて一つの課題であるというふうに考えております。 しかし、基本的に競争政策あるいは独禁法第一条に掲げてあるあの考え方、あれを捨ててしまうということであってはならない。あれはあくまで貫いていかなければならない。この点では石川委員のおっしゃったことと同感でございます。
○石川委員 これはまた場所を改めていろいろ議論をしなければならぬと思うのですが、谷村委員長の言われた前段はいいのですが、あとのほうがどうもひっかかってくるのです。そういう考え方だとすると、ずるずると産業保護政策のほうに移行をするという危険性が出てきはしないか。 その次に、私はこれとからんで質問したいのでありますが、実をいうと、不況カルテルというものができてから、鉄鋼関係についていうと、自動車メーカーに対しては冷延薄板トン千五百円、それから圧延薄板千五百円、これは要求の半額だけ自動車業界は値上げを認めたということになっておるのです。ところがメーカーの側、新日鉄のほうの側では全額をかちとるという意気込みです。この倍だけはどうしても値上げをさせなければならぬという非常に鼻息が荒いわけです。減産体制ですから、しかも大型合併というものができた今日においては、そこから買わなければならぬし、品薄になっているという状態ですから、どうしても値上げを認めざるを得ないというような弱点があって、ユーザーのほうはこの不況カルテルのこわさというものをしみじみと最近は痛感をいたしておるわけです。不当に価格がつり上げられるというような情勢を生んできているというのも、不況カルテルの生んだ一つの結果ではないのだろうか。 したがって、ここには物価が引き下げられてきて自由公正な競争市場が形成されるということは影をひそめてしまった。その結果としての値上がりというものがどんどん出てきておる。たとえばこれはオーダーメードの会社でありますと、こういうものはカルテルをつくろうと思ってもできないわけですね。これはストックメードのところでしたら、こういうことが可能なわけです。だからそういう点での不均衡というものがあるわけですけれども、それは別としても、そういう点での値上がりというものも阻止できないような状態がいまは生まれつつあるわけです。こういう点からいっても、その弊害が如実に出ているんではないかという感じがしてならないわけなんですけれども、その点は谷村委員長どうお考えになっておりますか。
○谷村政府委員 これは非常に基本的な問題であると思います。いわば市況商品として動くようなものでございますと、それはやはり不況カルテルを結成した結果、そこに市場としての需給バランスというものが出て、それによって価格というもが出て、たとえばいわゆる市況としては大きく値下がりしたようなものが回復してくる、そういう姿があらわれてくると思いますが、ただいま御指摘のような、たとえば鉄鋼メーカーと自動車産業、造船あるいは電気器具メーカー、そういうところとの間の問題になりますと、これは市場における取引と申しますよりは俗にいうひもつきと申しますか、そういうふうな形での大口ユーザーと供給者側とのネゴの問題という形で価格が形成されてまいります。そういう価格形成というものが、どこまでいけば行き過ぎであり、どこまでいけばある程度はやむを得ないものであるかという判断と申しますものはこれは非常にむずかしいことであると思います。自動車業界のほうが、たとえばそれをこばみたいという気持ち、原材料が高くちゃ困るという気持ち、これはわかります。と同時に、鉄のほうが、やはり自分の製品がこれじゃずっと赤字続きでどうにもならぬから何とかしてほしいということをするのも、これも企業の姿として私はわかります。どの辺でどういうふうになるのが一番いいのか。それはまた原材料の鉄鋼でいえば鉄鋼原材料あるいはその他のいろいろな副資材の価格の問題、そしてまた労賃の問題、そういったものも含めての生産費の問題、しかもそれが今日の生産費ではなくて、あるべき生産費として考えた場合の問題、そういったようなものまで全部含めて、あるべき価格の問題というようなものが判断されることにもなりましょうし、また日本経済全体の循環として考えれば、たとえば世界に、相当技術的にもすぐれたこの日本の鉄鋼というものを基礎にして日本のその他の製品というものが各国に輸出されておるというふうな姿を見ますときに、どの点で経済全体の循環のバランスがとれるのかといったようなことも考えなければなりませんでしょうし、たいへん人為的な経済をつくってしまいますと、価格メカニズムできまる話だと非常によろしいのでございますが、そうでない御指摘のような人為的な環境をつくったその中で、どこが妥当かという問題号見つけ出すことは非常にむずかしい問題だというふうに思います。私どもは、不況カルテルに便乗して価格を不当に上げるというふうなことがあってはならないというふうに思いますけれども、さりとて不況カルテルを結んでいる間は全然身動きしてはならない、一切動いてはならないということでもないというふうに実は考えております。どの程度のところにどう妥当するのが日本経済全体のためにいいのか、この問題については非常に個別のケースになりますからむずかしいのでございますけれども、私どもといたしましては、決してそれが行き過ぎにならないように十分にいわば監視をすると申しますか、通産省もやはり鉄だけの立場ではなくて、ユーザーのほうの立場、国民経済全体の立場、消費者の立場も考えてごらんになると思いますがそういう一種の、ことばは悪いのでございますが、準禁治産になったようなかっこうでございますから、十分後見人としての役割りを私どもは果たさなければならない。そういう意味での監視はいたすつもりでおります。これはたいへんむずかしい御質問なんでございますけれども、私の気持ちを率直に申し上げたいわけでございます。
○石川委員 これまた議論が平行線になると思うのですが、少なくともこの不況カルテル行なったことによって、正当な競争が制限をされて、しかもそのことに伴って、不当といえるかどうかわかりませんが、値上がりが強要されてもやむを得ないという状態を生んでいるということはまぎれもない事実なんです。したがって、これをどこで調整点をとるかという点についていろいろ御説明があったわけなんですけれども、不況カルテルはいま言った自由競争というものを形成するために決してプラスではないんだ、したがって、これは安易に行なうべきではないのだという点については意見は一致しているわけなんですけれども、残念ながら大型なエチレンとか粗鋼についてこういう不況カルテルを結んだということは、日本の経済にとって相当大きな影響を与えるということで、ひとつ慎重な態度で処してもらわないと困るたいへん重要な問題ではなかろうかと思うわけなんです。 そこで一つ伺いたいのでありますけれども、エチレンはことし一ばい大体不況カルテルというものを認める。粗鋼のほうは、巷間伝えられるところによると、期限を八カ月に切って、そこで何とか公取のほうの了解を取りつけた。公取はたいへん話のわかりがよくなったというふうに言っているというふうに伝えられたわけなんです。ところがエチレンはことし一ばいだから、おそらく粗鋼の期間も延長するだろう、こういうふうな見方がいまもっぱらでございます。あなたのほうは延長の御意思はございますか。われわれとしては、率直にいえばこれをいつまでも延長すべきではない。日本の場合には、先ほど議論の分かれたところではありますけれども、一時的な不況に対応する、循環的な不況に対処してこの法案だ、精神的には少なくともそうなっているわけなんです。構造的なことということになれば、やはりそこで一つの混乱が起こるにしても、競争状態を生み出すためにある程度の混乱はやむを得ないのではないか、こういうふうな感じがしてならないわけなんですけれども、この点は粗鋼の期間延長の問題とからんでのことになりますけれども、粗鋼の期間は延長するという巷間の見方、あるいは通産省もそういう見方をしておるやに伺っておるわけでありますが、延長の御意思はございますか。
○谷村政府委員 公正取引委員会がたいへんものわかりがよくなったとかあるいは話せるようになったとかいう話がかりにあるとすれば、それは私にとっては、何といいますか非常によけいなことでございまして、私は私として、私ども公正取引委員会として、与えられた任務を法に照らしてしっかりとやっていくというだけであると考えております。 ただいまの端的に御質問になりました点については、これはもう具体的な問題であり、かつ私どもがそれをどう判断いたしますかということをいまの段階において申し上げるということは、私としては、現時点においては差し控えたいと思います。しかし基本的な私どもの考え方というものは、決してカルテルというものを安易にいいものだ——まあいいということばはよくないのですが、やむを得ないという場合はあるにしても、それを安易に、いいかげんにずるずる認めるというべき性質のものではない。これだけは私どもの基本的な考え方でございます。
○石川委員 時間がありませんから、やむを得ずこの程度で打ち切りますけれども、いずれ機会を見てもっと掘り下げて議論はしたいと思いますが、ともかく不況カルテルというものは、独禁懇の話ではございませんが、安易に行なうべきではない。これを行なうことによって、せっかく競争というものを通じて不要な部分が切り捨てられる——これはあまり大きなことになりますと相当な混乱が起こるんだというふうな反論もあるかもしれませんけれども、不況カルテルというものはそう安易に行なうべきものではないということをきびしく胸に刻んでいただいた上でひとつ善処をしてもらわなければならない問題ではないか、こう思っております。 それから実は輸入の製品が円の切り上げによって相当下がるのではないかということの質問をしたかったのでありますが、時間がちょっと超過をしましたからこれは後日に譲りたいと思いますけれども、ただ一言言っておきたいのは、外国の商社と総代理店といいますか、そういうところとの相当きびしい契約に基づいて、なかなか製品の値段は下げない。ちょうど流通経費が上がって人件費も上がっているんだということを口実にして、そこで円の切り上げによるところの値下がり分というものを吸収してしまうという傾向がきわめて強いわけですね。その点はやはり独禁法の対象として、公取としてはこれからもそれに視点を当ててこの検討をし、審決をするというようなお考えがあるかどうか。これは実はいろんな見方があったのでありますけれども、おそらく円の切り上げがあって輸入品というものが安くなってくるということになれば消費者物価は一%くらい下がるのではないか、こういうような見方が大部分だったと思うのです。現実にはほとんど下がっておらない。横ばい、逆に上がっているものすらあるというようなことは、これを期待をしておった消費者の立場、国民の立場からいって、これは非常に落胆させられた事項、事柄であることは言うまでもないと思うので、こういうことのないように公取としてはどう対処されるつもりか、私はその点についてもいろいろとこまかい資料で伺いたかったのでありますが、時間がございませんから、それだけを伺っておきたいと思います。
○谷村政府委員 けさほど別の、たとえば物特委において私はちょうど同じような御質問に対してある程度詳細に私どもの考え方を申し上げたのでございますが、時間の関係もございますから、一言だけで申し上げますと、この輸入商品の問題はすべてが輸入総代理店制度だけの問題ではございませんけれども、しかし輸入総代理店制といったようなものにからんでいまおっしゃいましたような不公正な取引に該当するようなこと、あるいは取引制限に該当するような独禁法上の問題が全くあり得ないとは思えませんので、その点については私どもは従来やや手抜かりであった点があると思いました点を率直に反省いたしまして、十分その面についてのわれわれの努力を傾けるということをけさほども申しました。いまこの席でもさようにお答え申し上げておきます。
○石川委員 これで終わります。
○鴨田委員長 中村君。
○中村(重)委員 具体的な法案の中身に入ります前に公取委員長並びに経済企画庁の考え方をただしておきたいと思うのですが、先に経企庁の宮崎生活局長にお尋ねしますが、昨年の四月十五日に再販売価格維持行為の弊害規制等について公取が具体的に独禁懇の意見をいろいろ聞き、またそうした各方面の意見を徴しながら公取のほうでまとめたものが明らかにされたわけでございます。経企庁としましては、物価対策の観点から再販の弊害規制の問題について関心をお持ちだと私は思うのですが、この点について公取との話し合いというものはなされていることでありましょうし、まず経企庁としての弊害規制の問題、その後のあり方についての考え方をひとつお聞かせを願いたいと思います。
○宮崎(仁)政府委員 御指摘のとおり、再販制度の問題につきましては、昨年二月二十五日に物価対策閣僚懇談会におきまして、再販制度、カルテルの問題等につきまして物価対策の見地からこれを規制していく必要もあるだろうということで大体の方向をきめていただいたわけでございます。それに基づきまして公正取引委員会において御検討の上、いまお話しの四月十五日付で公正取引委員会としての方針がきめられたというわけでございます。この内容はもう申し上げるまでもないと思いますので省略をいたしますが、この中で、たとえば過大なるマージン、リベートの問題であるとか、あるいは広告費が多過ぎるから適正にしろというような問題とか、いろいろ具体的な数字が判断の基準になるような問題があげられております。こういうことにつきましては、それぞれの再販商品ごとの業界の実態というものを調査をいたしまして、そしてどの程度の線で問題を判断していくかということが必要になるわけでございますので、公正取引委員会のほうでそれについての調査をされるということになったわけでございます。なかなか困難な調査でございますから時間もかかったようでございますが、私どもとしては、四十五年以来この問題について取り組んでまいりまして、何とかひとつ進みたいということで考えておりましたので、公正取引委員会のほうのそういった具体的な調査なり、あるいはまたその結果に基づきますところの具体的な方針の決定を催促をいたしておったというようなのが実態でございまして、大体最近方向が出たように聞いておりますので、こういうことで進めていただきたいと考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 化粧品に対しても公正競争規約、また自動車等についても同じように公正競争規約というものがある。公正競争規約というのは事実上独禁法の除外みたいな形でこれが運営されているわけですが、経企庁としてはこうした公正競争規約を次から次につくり出していくことについてどのような見解をお持ちになっているのでしょうか。
○宮崎(仁)政府委員 公正競争規約といいますか、この問題はいまお話しの自動車とかそういう問題についてもございますし、いろいろな消費財について特に表示が問題になるような場合に、いわば業界の自主的な規制というような形でこの問題が取り上げられておる場合がかなりあると思います。こういう問題でございますから、行政的にはっきりしてまいるということになれば何か法律に基づく権限で一定の基準なりあるいは規制なりをきめていくというのがオーソドックスなものだろうと思いますけれども、しかし、ものによりましてはそういう形ではなかなか処理しにくい問題がたくさんございます。そういう意味で公正競争規約という形での処理が現実に行なわれておりますし、またそれ相当にかなり効果をあげておる、こういうふうに私どもは判断をいたしております。これはそれぞれごとのケースによりましてだいぶ事情も違うわけでございますから、総体にどうだということはなかなか言いにくいわけでございますが、消費者行政の立場あるいは物価行政の立場それぞれから、こういった問題につきましてひとつ適正な処理をしていただくことを私どもも今後とも希望する次第でございます。
○中村(重)委員 今回の不当景品不当表示法の改正案が提案され、いま審議をしておるところですけれども、都道府県知事に対して権限の一部を委譲するという内容になっているわけですが、経企庁としてはこれに対する評価はいかがですか。
○宮崎(仁)政府委員 私どもも御相談を受けておりますが、賛成でございます。
○中村(重)委員 それでは具体的な問題についてお伺いいたします。谷村委員長に、いま私が宮崎局長にお尋ねをいたしました件について具体的にお尋ねを進めてまいりたいと思います。 再販売価格維持行為の弊害規制について昨年四月十五日発表して以来もう一年間になりますが、公取は具体的に何をしてこられたのか、そしてまたどのような効果があがっておるのか、私どものほうにはわかりません。したがいまして、この際明らかにしていただきたいと思います。
○谷村政府委員 昭和四十六年四月十五日に弊害規制方針を発表いたしましたあとで、私どものやりましたことについて四点ばかり申し上げたいと思います。 一つは、再販指定商品の一部を取り消しを行なったり何かしたようなことでございまして、ごく最近におきましては、医薬品のうちでホルモン剤が要指示薬になったので指定を取り消すというようなことをやっておりますが、そういう意味での告示の関係の調整をした点でございます。第二番目には、これは同じような私どもの規則の関係でございますが、届け出させます内容につきまして従来よりももう少し精細に、詳しく再販業者の実態が把握できるように届け出規則を改正したことでございます。この二つは、あわせていわば法制上の措置というふうに申し上げることができると思います。 それから第二番目は、再販実施事業者の実態を具体的に知る意味におきましていろいろと報告を徴し、かつその報告の内容分析をいま進めているという問題でございます。これは御承知のように、昭和四十二、三年のころから問題になりました際の一番問題とされたうちの一つが、先ほど御指摘になりましたようなリベート関係の行き過ぎ、それによっていわば再販の上にあぐらをかいたような姿になって、不当な、価格競争でない、リベート競争とかそういう非価格競争による売り込みが行なわれておるのではないか、さような問題でございます。そこについて、ごく大ざっぱに、もうけておるじゃないかということをいうのではなしに、一体そこの具体的な実態はどうなっているのかということを各業者から報告させますと同時に、その実態についてのヒヤリングを行なったことがございます。これについての調査報告はもう少しまとめました上でいずれ出ることになると思いますが、総体的に申しますと、いわゆる価格体系上のマージンというものは、小売り業などに関して見る限りは普通のところと同じ、またはそれ以下。ただし、そこにいわめるリベート政策というものが大きく働くという結果、そこにいろいろな問題が起こってきているということで、これはまた御質問に応じてあとで申し上げますが、そういうようなことをいろいろと調べております段階におきまして、私どものほうの意図もわかっておりますので、業者のほうから進んである程度リベートのやり方、出し方等について改めてまいりました。さような例が過去においてございます。 それから三つ目は、これは再販指定商品について実質的ないろいろな値上げをしたいという希望が出てまいりました際に、去年の弊害規制等についてという方針では、これを一々私どものほうである程度チェックする、かような方針をきめたわけでございます。具体的には一種の価格統制をするような形になって、私どもとしてははなはだ本意でないのでございますが、しかし再販指定商品として不当に消費者の利益を害することのないようにという立場から、その値上げの内容がはたして妥当なものであるか、やむを得ないものであるか。たとえば例の薬などで申しますと、使用禁止になったために原料転換をしなければならなくなった、そのためにどうしてもこういう原料を使うから値を上げざるを得ないんだというふうな内容のものであるか、いろいろそこの値上げを必要とする理由がございます。そういったようなことを一つ一つ実はチェックするようなことをいたしまして、私どもとしては、その前の年と去年とを比べてみますと、値上げを実質的に合理的なものにある程度チェックし得たと考えております。まだまだ九牛の一毛であるというふうに御指摘を受けるかもしれません。十分でなかったかもしれませんけれども、さような意味で、私どもとしては、一つのやり方をしてきたというふうに思うわけでございます。そして先ほど御質問もございましたけれども、再販という制度を通じた、いわば流通支配的な行動というものに対して、それが競争秩序に与える影響いかんといった問題が私どものほうの、実は物価だけの問題ではなくて、テーマでございますし、同時に業界においても、そういった競争のやり方、非価格競争というものにあまり走り過ぎ、エスカレートすることの問題というものも自覚してまいりました。さようなことも、アヒルの水かきではございませんけれども、わずかながらでもやり得たと私は思っております。そして今後、ある程度いままで集め得ました実態に即しまして、これからの行政指導をやってまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 宮崎局長、いま公取委員長の御答弁をお聞きになっておられたと思うのですが、公取も行政委員会として、公取自身がみずから価格の問題について相談を受けて、これに対してイエスだあるいはノーだと言うことは、ある意味においては価格統制になるという何か自己矛盾的なものをお感じになった、その点はよくわかるのです。かといって、そのようなことはあずかり知らないところだということになってくると、また不当に高い価格で消費者に押しつけられるということも出てくるであろう。非常にむずかしいところだと思うのです。宮崎局長、経企庁として、あなたは特に国民生活局長として、そうした物価の最も中心的な立場にあるわけですが、いま公取委員長は直接的にそうした問題にぶつかられ、一つの悩みというものもある。かといって、いまお答えになりましたようなことで、それなりの指導もしていかなければならぬということになってまいりますが、経企庁としての判断といいますか考え方からして、そうした問題についてはどうあるべきか。そのことが物価の上昇というものに対してあるいはもろ刃の剣という形になって引き上げていく要因にならないという保証もない。かといって、またその必要性もなきにしもあらずということになってまいりますが、経企庁の判断としてはいかがですか。
○宮崎(仁)政府委員 これはいま公取委員長からるるお話がございましたが、私どもも四十五年の物価安定政策会議の提言あるいはそれ以前からもいろいろこの問題について議論がございまして、そういうものを受けて経済企画庁としても取り組んでいるわけでございますが、問題の性質からいきまして一刀両断で処理できるとかいうものではございません。また一方向だけに進めばいいというわけにもいかない。なかなかそこら辺にはいろいろむずかしい判断が必要であるということはよく私ども承知をいたしております。しかしながら、この再販制度というものが現実に法律的に認められるようになりまして、その後の推移というものをずっとながめてまいりました場合に、昭和三十年代の後半ごろからかなりこれが扱われるようになったわけでございますが、最近の事態ということでながめ返してみますると、いろいろ弊害があるということはもうこの四月十五日の方針にも明らかなとおりでございます。したがいまして、こういう機会にやはり必要なものについては規制をしていく必要もあるだろうし、また是正も必要である、こういうことでいま取り組んでいただいておるわけでございます。したがいまして、現在まで行なわれました調査分析の結果の取りまとめ、さらにそれに基づきまするところの具体的な方策の決定ということをできるだけ早くやっていただきたい、こういうのが私どものいまの考えでございます。
○中村(重)委員 いま私の質問に対して局長が御答弁になったわけですが、公取と経済企画庁はこれらの問題について絶えず連絡をとりながら問題に対処しているわけですか。
○宮崎(仁)政府委員 当然私どもとしてもかなり言いたいことも言っておりますし、また公正取引委員会のほうの御事情なり調査の途中の模様なりも伺っております。意見の交換は随時やっておるという状況でございます。
○中村(重)委員 時間の関係もありますから、また委員長にお尋ねいたします。 先ほど弊害規制の問題について三つに分けてお答えがあったわけですが、弊害らしいということを感じておりましたのは価格体系の問題からくるいわゆるリベートの問題であったと思うのです。現在においてこの弊害があるとするならばリベート関係ということだけなのか、またその他にもあるのか。あるとするならばこれを取り除いていかなければならないが、取り除くについては具体的なラインを引かなければならないというように私は思うのです。お答えになりましたようなマージン、リベートの問題にいたしましても、これは当然他の商品の販売リベートとにらみながら、やはり一つのラインをきめなければならないのだろうと私は思うのです。ですから、弊害はリベートといったような問題だけなのか、まだいろいろ弊害があるのか。あるとするならば、これを除去するためにどうしておられるのか。また基準をきめなければならないが、基準をきめることについてどのような作業を進めているのか。いまあなたが特に具体的な問題としておあげになりましたリベートあるいはマージンの問題、これらの点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
○谷村政府委員 昨年も問題になったところでございますけれども、大体弊害あるいは行き過ぎであると思われる点の大きな点は、いまおっしゃいましたリベートあるいは現品添付といったような形。普通の価格体系上のマージン、たとえば卸から七五で仕入れて一〇〇で売る、そして二五の値ざやをとる、その値ざやの中からいろいろな経費を差し引き、そしてネットの利益がどのくらいあるといったようなそれのほかに、販売促進のために出されております現品添付とか累進リベートとかいったようなものが一つ。それが一体流通秩序、競争秩序にどういう影響を与えるか、また物価の面でどういう影響を与えていて、消費者に流れずに不当に途中で非価格競争としてとどまるのではないか、これが御指摘のように第一点。 それから第二点は、これもよくいわれるところでございますけれども、再販商品等のうちで、かなりメーカーの支出いたしますところの一般管理費、販売費というものが他の業種に比べて——これは商品の性質上ある程度はやむを得ないと思いますけれども、非常に多い。販売促進費の中には、たとえば広告宣伝のようなものも入る。これがいわゆる非価格競争という形において、いわば消費者の選択にも間違いを来たすというふうなことに使われておってはわれわれとしては困る。この二つがいわば問題なのでございますけれども、この内容につきましては、実は量の問題と質の問題があるわけでございます。リベートの問題にしましてからが、たとえば累進リベートというのがたくさん出ますと、一般の小売り業者の方は、たとえば二五という程度のマージンをとり、その中から経費を支出して、やっとかっと三%とか五%とかの純益をあげているといった姿であるのに対して、累進リベートという形でどんどん出ていくということになりますと、そこに非常に大きな、消費者には還元されない形での流通経費というものが出ていく。しかもリベートのために販売するというふうな形において販売されるという形になりますと、それはやはり流通秩序に影響があるのではないか、さようなリベートならリベートの行き過ぎというものを量の面とやり方の面、質の面、その両方から見ていくということになるわけでございます。 よくいわれておりますように、たとえばリベートをやるといいましても、いつくれるのか、どのくらいくれるのか、いつまでたってもメーカーのほうから渡さないといったようなやり方もあったりとか、いろいろリベートのやり方それ自身にも私どもとして考えなければならないむずかしい問題がある。さようなことを、何か一つの線というふうにおっしゃいましたけれども、量的にも質的にも何か一つのやり方について行き過ぎの線というものを確定するということは、やはり具体的なそれぞれの事情を見ていかないとできない問題でございまして、たとえば広告宣伝にいたしましてもさようなわけでございます。いわゆる販売促進経費として出されておりますようないろいろな売り方、小売り店に対するたとえばコーナーの設置でありますとか、美容部員とかいうような形でキャチッガールが出ていくという問題でありますとか、そういうふうなことについて何か線を引くというようなことは、具体的にそれぞれの業者のそれぞれの実態を見ていかないと簡単にはできない問題だというふうに私は思います。さっきちょっとおっしゃいましたように、価格の問題も、線を出せばかえってそこまで変に上がってしまうじゃないかというふうな問題、これも酒の値上げのときとか牛乳の値上げのときによく御指摘を受けた問題でございます。余談になりますが、私どもでもカラーテレビの値開きの問題をいたしましたときでも、公取がいけないとおっしゃるからそれ以上値は下げられませんというようなことで使われてしまう例もございます。それこれございますので、線という問題について必ずしも具体的に何か一律的なものをつくるというわけにはいかないし、むしろそれでなくて、個別にその業者の実態を見ながら行き過ぎを是正さしていくということ、特にリベート問題については、量もさることながら、質といいますか、やり方の問題も多分に直してもらわなければならない問題があるように私どもとしては考えております。
○中村(重)委員 それは、経済は生きものだし、また商売人は商魂たくましくやるので、なかなかむずかしいということはわかるのですよ。この前、カラーテレビの二重価格の問題のときは、私どもは通産省をきびしく批判をし、あなたのほうを批判したのだけれども、確かに私どもが申し上げましたように、参考人も私の指摘を裏づけしたわけですが、二重価格なんてけしからぬといってまともに取り組んだ。そのことは私は必ずしも悪くなかったと思うのです。ところが、専門家というか商売人の方々はこれを巧みに悪用して、そこでむしろ価格を硬直化の方向にもっていったということも事実なんでして、なかなかむずかしい。ところが、それは別といたしまして、いまあなたの苦衷というのか問題の取り組み方ということについては、一年前も同じような御答弁を実は伺っているわけなんです。もう一年たちましたから、量の面、質の面、いわゆるやり方の面、こうおっしゃった。ではその量の面からはどうすべきか、質の面からどうするのかということについて、マージンとリベートが問題なのか。累進的なマージンというものがいけないとするならば、ではマージンはどの程度が適当なのか、リベートはどうなのかということについてこの際明らかにしていただかなければ、いつまでも同じようなことでは、調査だ研究だというようなことでは話にならないのですね。ですから、ここらあたりで、もうあなたの腹づもりはできているのでありましょから、量の面からいけばこの点はいけないのだ、さらに、やり方としてはこれがいけないのだということは、当然この際ひとつ考え方を明らかにしてもらいたいと思います。
○谷村政府委員 量の面で申しますと、大体私どもとして明らかにしておきたいと思いましたことは、去年の方針で、他の同種類似の日用品と比較してそれが行き過ぎにならないようにすべきであるということを申しております。そしてまず同種類似の商品、これはなかなかつかまえるのが回転率でありますとかいろいろな形でむずかしいのでありますが、それが一体どの程度のものであるかということを、やはり資料としてつかもうとしているわけでございます。そしてまた私どものほうで、再販商品についての実態がどうであるかということを見ているわけでございます。 それを簡単に申しますと、私どものほうの調べます前に、中小企業庁のほうで出しております中小企業の経営指標というのがございます。それでいわゆる卸売り部門、たとえばくつならくつ、洋品なら洋品というふうな商品部門において卸売りがどのくらいの価格体系上のマージンを持っておるか、それからまた小売りがどのくらいの価格体系上のマージンを取っておるかというのが公表されております。そしてつい最近、それの昭和四十六年版が出たわけでございます。そういうもので私どもは、同種類似ところでは、流通体系上の価格差益と申しますか、いわゆるマージン、もちろんこれが全部利益じゃございません、これから経費その他が支弁されるわけでありますが、どのくらいのものかということを見たわけでございます。そうしますと、大体において、その数字は、高いもので四三、四くらいのところ、それから低いもので三三、四くらいのところというのが、これが卸、小売り両方含めてでございます。そして大体そのほんとうのネットプロフィット、卸、小売りを合わせたいわゆる荒利益でございまして、さらにそのうちの小売りというのがどの程度の荒利益を得ているかといいますと、これもものによっていろいろございますけれども、大体二割から三割の間というところに数字がなっております。一々こまかくは申しません。 それに対しまして私どもが調査いたしました再販商品についてみますと、大体化粧品で平均の卸、小売りの全段階を通じました荒利が三八・八くらいでございます。それから医薬品で、これも直販メーカーとかいろいろございますから、そういうものを整理いたしました姿でいずれ発表するつもりでおりますが、まだ手元に十分整理がついておりませんで、いまついておるところだけで申しますが、四〇・六くらいでございます。これが医薬品でございます。それから歯みがきが二七・七くらいのところでございます。石けんが二七・五、合成洗剤が一九・八というふうなところで、卸、小売り全段階を通じてのいわゆる荒利益というものは、平均的に見ますと一般の他の日常の同種類似のものとさして違わない、あるいは低いものもある。たとえば合成洗剤、石けん、歯みがきのようなものはむしろ低い。これは御承知のように回転率が多少高うございます。そういう数字が一つ出ておるわけでございます。 それからさらに先ほど申し上げました小売りの荒利について、これもまだ十分に資料が整理できておりませんが、私どものほうのある程度の資料で見ますと、小売り段階ではリベートの問題を抜きにいたしますと、たとえば化粧品等におきましては小売り値段を一〇〇として大体二五%くらいのところがいわゆる価格体系上の荒利益でございます。医薬品で申しましてもやはり大体二五、家庭薬みたいなものになりますと二一というようなのもございます。それから歯みがきなどを見ますと、大体これは石けんもそうでございますが、これの荒利益は大体二割程度でございます。合成洗剤になりますとそれがもっと低くなります。 さらに中村委員よく御承知のように、医薬品とかあるいは歯みがき、石けん、合成洗剤等の中には御承知の値幅再販というのがございます。値幅がありまして、定価百円とつけておりますけれども九十円まで下げてもよろしいという、一割値幅をつけておるようなものがあります場合には、大体競争関係から九十円で売られているというような値幅を考慮してそのマージンをはじいてみますと、もう少しその小売りマージンというものは低くなってしまうという姿でございまして、そういう他の商品に比較して平均的なものはむしろ同じか低いくらい。問題はむしろ、たとえばリベートの関係によって大きく出てくるものがあるのではないか、あるいはさらに卸売り段階におけるいろいろな販売促進活動等のためにマージンなりリベートなりが出ているのではないかというような数字がある程度出ているわけでございます。そういうものを実は踏まえました上で、これは商品によりメーカーによりいろいろな区別がございますから、一律にどうというわけにはなかなかまいりませんけれども、そういった実態をやはりまず明らかにしていくということが必要である。その上に立って、たとえば先ほどのようなリベートの行き過ぎというものをどう考えるかというのをそれぞれ考えてみたい。これが量の問題でございます。 それから質の問題で申しますと、さっきちょっと触れたのでございますが、一般にその支払いの留保期間が非常に長いものがございます。いつまでたってもリベートをくれない、年度末になってやっとくれる、普通の支払い準備の期間をかなり長くこえましてやっとくれるというふうなやり方をするものとか、あるいは小売りなり何なりのほうでどういう基準でリベートをつけてくるのやらさっぱりそれが明らかでないとか、あるいはもちろん大量取引になればそれはメーカーとしてもありがたいわけですから、ある程度色をつけるのはけっこうでしょうけれども、それがあまりにも累進度がひど過ぎるといったようなものとか、あるいはある段階で商品一つ売り込もうというときに、非常に大きなリベートなり特売のための現品添付をしたいという、そういうやり方とか、これもだからどういうやり方がいいかという一つの基準をつくることはむずかしい。むしろ私どもは、問題を指摘して業者のほうからどういう改善案を出すかという、たとえば先ほど申し上げましたように、むしろそれを直してきたところもあるわけでございますが、そういったリベートのやり方等にも問題がある。 それから、先ほど申し上げましたが、いわゆる販売促進活動、広告も含めましてその販売促進活動の中での行き過ぎ、これもかなり業界自身でも自分で困ってしまっているというところもあるやに見受けられるのでありますが、そういうものになりますとまたこれなかなかその基準というものが立てにくい。例は別でございますけれども、広告宣伝費一つとってみましても、これはむしろ再販指定のほうじゃなくて、たとえばビールの話にいたしてよろしいのでございますが、ビール各社が広告宣伝にたいへんな金をついでいることは事実でございますけれども、非常に有力な企業は割合からいって広告宣伝が少ないわけでございます。そうしてむしろ弱い企業のほうが広告宣伝に金をうんとかけている。これはやむを得ないこともあるのじゃないか。それをかりにもし一律に、それは行き過ぎだというふうなことをいたしますと、かえっていわば競争上、強いところはますます強く、弱いところはいよいよ太刀打ちができないというふうな結果にもなりかねないわけでございまして、この辺も、もうそろそろおまえ何か線を出したらいいじゃないかというふうに言われますが、そういう点についてなかなか一本の線というわけにはまいらない。やはり具体的な実情を見ながらやっていかなければならないというふうなところであるわけでございまして、去年もおまえはそう言った、ことしもおまえそう言うじゃないかとおっしゃいますけれども、現実の問題がさようなことでやる以外に、私どもは、消費者利益の保護という立場、あるいは再販制度の弊害をなくすという立場、再販の適正な運用をはかるという立場からは、やはりそういう姿で個別に業者の自粛、是正を促していく、かようなやり方になるというふうに考えております。
○中村(重)委員 その量としてのリベートは大体どのくらいですか。それからやり方は一体どういったやり方でやっているのですか。
○谷村政府委員 これも再販指定商品のそれぞれの品種によって違いますし、またそれぞれのいわゆる業者によってのやり方が違うわけでございますけれども、私ども一番、いままでもかつて委員会にも提出いたしました例として現品添付のひどい例とか、あるいは特売時にうんとリベートを出して、これで攻め込めというふうなやり方とか、そういうのを除いて、たとえばひとつ累進リベートという例で、売れば売るほどリベートがよけいになるという累進リベートのある例を申し上げますと、たとえば月の売り上げ高が何万円に達しないうちはリベートは出しません。価格体系上のマージンだけですよ。それが何万円をこえて何万円までになれば、たとえば四%のリベートを出します。さらにそれを何ぼかこえれば、今度七%のを出します。とうとう最後には一〇%、さらには一〇%をこえるリベートが、たとえば月商い百万円以上のときには十何%というふうなそういう累進加重するリベートの出し方をしているわけでございます。そしてある業者についてこれを見ますと、メーカーが支払いましたリベートの総額の半分が、業者の数でいうと四分の一の業者のところにいっているということは、売り上げ高の多い、しかしその数は少ない業者のところにリベートがいっているというふうな姿があらわれておる。したがって、逆にいいますならば、残りの四分の三の小売り業者が残りの半分のリベートをしょぼしょぼと分け合い、かつ、最終的には、全体で四分の一くらいを占めるようなところはリベートも何にも出ていない、こういう姿が、これは量の問題としてございます。そして全体としてそういう姿が、先ほど私は、卸、小売りを通じてほぼ四〇%前後のところにいわゆる流通関係のマージン、リベート等の合計がなっておるというふうに申しましたが、業者のある部分をとってみると、それが平均的に見ても、四五とか五〇近いという数字も業者によってはあるわけでございます。ただし、さっき申しましたように、それが全部均てんしているというわけではなくして、一部に片寄って集中するという姿になっておる。かような実態を踏まえて私どもはどのようにするかと、こういうふうな考え方を実はしているわけでございます。
○中村(重)委員 それじゃそのやり方として、いまリベートの例をおとりになったんだけれども、これはどのように改善しなければならぬとお考えになっていらっしゃるのですか。
○谷村政府委員 その辺がやはりまだ一律的にはいえないと私は思います。たとえば、もうほんとうにある単品だけをつくり、その単品だけをある一定のときにだけしか売らないという、そういう業者もございましょう。また、いわゆる卸、小売りを通じて売るものもあれば、直接にやっているようなところもございましょう。そういうようないろいろなものもございますが、私どもまだそこにはっきりした一つの考え方が出るわけじゃございませんけれども、少なくともさっき申し上げましたようなリベートのあり方としては異常に累進度の高いものはやめていただきたい、それから、支払い期限が非常に長い、いつになって支払ってもらえるかわからないというような長いリベートはやはり是正していただきたい、支払い基準の明らかでないリベートはこれも是正していただきたいといったような、先ほど申しました四つほどの線を考えておるわけでございます。それは具体的には、個別的に個々の業者に対して、その是正の方向なり計画なりをみずからの手で、私どもの意向に沿って考えてもらうということを要請したいと思います。
○中村(重)委員 ここ一年間どの程度改善されておりますか。
○谷村政府委員 失礼でございますが、ちょっと聞き取れませんでしたが……。
○中村(重)委員 いまあなたは御調査にはなっておられる。一年前にいろいろ問題点をお出しになったんだから、当然メーカーも小売り店も話し合いをしているんだと私は思うんですよ。自粛しているところもあるんではないかと思うんです。だからして、あなたのほうの調査も続いているんだと私は思うので、これは改善する以上調査しなければいけないんだから、一年間の間にいまあなたが指摘されたような問題点がどの程度改善されておるということになりますか。
○谷村政府委員 詳しく個別に申し上げるだけの知識を私は持っていないのでございますが、先ほどちょっと申し上げましたとおり、リベートのやり方について累進率の異常に高いものを改めた例がございます。ないしは、累進という制度をやめたということを言ってきた業者があり、かつ、オのとおりであるということでございます。リベートについてはそういうようなことを私は聞いておりますが、まだ事務局に聞けばもっといろいろあるかもしれません。それからまた、たとえば化粧品のほうをとってみればいわゆる美容部員等、あれももちろん、ある程度ああいう指導は必要なのかもしれませんけれども、あれが行き過ぎまして、新聞でもキャッチガールとかなんとかいわれたようなこともございましたけれども、現実問題として人手がだんだん不足になってきていることもございましょう。あのような販売のしかた、お客に対するすすめ方についても、ある程度みずからやり方を改めようというふうに言ってきたところがあるというふうに聞いております。それから広告等におきまして、依然として化粧品、薬等は、その他たとえば自動車とか家電とかいうものと並んで広告のほうの大株主でございますけれども、これも時勢がしからしめたのかどうか、ある程度広告費等について相当自粛してまいったというようなことを私は聞いております。もし詳細に、どういう例がどういう面にあったかということをもっと詳しくということであれば、私いま聞いて知っておるのはその程度でございますので、別途申し上げさしていただきます。
○中村(重)委員 先ほど、リベートを除くマージンについては、通産省がくつとか洋品とかいうような例でもって、いわゆる同種類似ということですか、マージンが卸を含めて四三、四%あるいは三三ないし三四%、くつは二〇ないし三〇%、こういうことになっている、そして化粧品の例をお出しになった。あまりたいして変わらない。そうするとこの程度のマージンは適当な、いわゆる適正なマージンであるというふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○谷村政府委員 そこが、いわゆるどの程度の価格体系上のマージンがあるのが適正であるかどうかということをいわないところが、いわゆる価格メカニズムとか市場機能を生かしてやるべきであるといっている私どもの本来の立場でございまして、私どもがマージンとかあるいは利潤とかいうものを公定したり公認したりするという本来の立場ではないわけでございます。ただ、たまたま今日流通業界というものは、それはそれなりの意味を持ち、役割りを果たし、そして国民の消費生活に奉仕しているわけでございますが、それが中小企業庁でお調べになったところの大体平均的なところがその程度であるというふうに見られましたときに、再販商品のほうもまたそれを著しく上回るものではない、ないしはそれと同じ、ないしはそれ以下のものもあるという姿であるとすれば、それが適正とかどうとかということは申しませんが、まあ、それをもってして直ちに消費者の利益を害するの何のという、そういう私どものほうの立場には触れないだろうというふうにいえる。いえるとすれば、それをはみ出たり、著しくそれに対して行き過ぎておるようなものがあると、私どもは、消費者の利益を害するのではないかという立場からものが申せますけれども、そういう意味では、私どもは適正マージン率とか適正利潤率とかという考え方を本来すべての品物についてあまりとらない。さような考え方でありませんと、たとえば、ことばは悪いのでございますが、品物のうちにはかなり低いマージン率のものもございます。荒利益が二〇%に達しない、一五%あるいは一一%というふうなものもございます。そういうようなものはもっと高くてもいいんだというふうなことを私どもの立場から申す意図は全然ございません。それこそ商売商売、価格メカニズム、市場機能の中で調和ができていって、それでいいんだ、そういう考え方でございます。
○中村(重)委員 じゃ、結果としてわかってください、こういうことですね。要するに公定、公認する立場にはない、適正マージンとか適正リベートとかいうふうなことはあなたのほうでは公定しないんだとこうおっしゃる。だがしかし行き過ぎはだめなんだと、それはあなたのほうでは規制をされるわけだ。そうすると、あなたのほうでこれはだめだといわないのは適当なところだ、こういうことで相手が判断をするということに相なる。だから、ことばでは言わないけれども、自然にわかる、いわゆる結果としてわかってくる、まあそういうことだろうと私は思うんですが、それで、そういう考え方なのかどうか、また、それが適当であるとお考えになっていらっしゃるのかどうか。いかがですか。
○谷村政府委員 要するにいまのようなことでございまして、公正取引委員会としてのやり方が、どういうやり方が一番妥当であるか、消費者のためにも役に立つことであるかということを考えましていまのような個別指導をやってまいりたい、そういうように考えております。
○中村(重)委員 私は業界のほうから出ているプリントをちょっと見たのですが、あなたのほうで、適正マージンというようなものを幾らということで公定するというようなことの態度が、二十七日か八日ごろそれを公表するそうだというようなことで、ずいぶん業界はあわてておったということを伺ったのですが、現在も将来ともそういうことをなさる御意思はないと理解をしてよろしゅうございますか。
○谷村政府委員 特にたとえば景品でこれ以上つけてはいかぬとか、これは景品法に基づいてやっております。たとえば、いわゆるオープン懸賞ではこれ以上出してはいかぬということを出しております。それでもなお、たとえばオープン懸賞でいうと百万円も出していいのか。私ども、百万円以上なんというのはとんでもないぞ、できればもっと低くていいと言いたかったのですが、あそこで百万円ということを出したらたいへんおしかりを受けました。さような意味で何が何までとか、何が適正であるというふうな言い方はよほど私ども慎重でなければならないと思います。さような意味におきましては、ただいま引用なさいましたようなことを私どもは考えない。むしろ個別的に私ども妥当な方針に基づいてやってまいりたい、かように思っております。
○中村(重)委員 宮崎局長、いまあなたはお聞きになっていらっしゃったと思いますが、経済企画庁としてはいかがなんですか。いまのマージンとかリベートとか、早くいえば通産省がこういうものを、先ほど委員長が明らかにされたようなものを出しているので——私はまだ見てないのですけれども、化粧品の例をお出しになった。そうすると自然に小売りマージンというものは二五%程度だ、卸を含めて三〇ないし四〇というようなことが妥当なマージンだというように一応考えられるわけですが、これよりはみ出すようなものはこれは消費者の利益を不当に害するということで規制をする、取り締まりをしていこうという考え方が明らかにされたわけですが、経企庁の考え方は物価対策上の点からどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○宮崎(仁)政府委員 私どものほうはまだその調査の結果を詳細に内容を承知いたしておりませんので軽々に言えないわけでございますが、いまのお話のやりとりを伺っておりまして、結局これは同種の類似の商品というようなものが一つの基準になっていくのではないだろうか、あるいは再販と非再販と同じ商品について両方ある場合には比較的これは見やすいと思いますが、結局それぞれごとの判断ということにならざるを得ないようでございますから、できるだけ似たようなものでどうかというような判断が一つあるのではないか。その場合であっても、その質というような点がやはり問題になるようでございますから、公正取引委員会のほうにはそういった問題に対する専門家の方々もたくさんおられるわけでございますから、ひとつそちらのほうの御判断にまかせたいとわれわれは考えております。
○中村(重)委員 本田企業局長、通産省の中小企業庁という形で公取委員長から引用してお話があったわけですが、企業局長としてあなたはいま議論されましたようなことについてどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○本田政府委員 お答えいたします。 再販商品についての商品としての性格というものと一般的な物価の問題ということであろうと存じます。そういう意味ではやはり一般的な商品のマージン、それがその商品のグループとしての一般的なマージン率というものとの関連で指導されるならば、それはそれで適当であろうというふうに考えるわけでございます。
○中村(重)委員 まあいいでしょう。公取の委員長が事務当局はもっとよく調査をしているのであろう、こういうことでございますから、おそらく私もそうであろうと思います。 私の調査をした範囲で時間の関係もあるから申し上げますが、メーカーと卸、小売りとの間の取引条件はどう改善されたか。これはメーカーの名前もわかっておりますけれども、一つのメーカー、おそらく一番大きいメーカーであると私は思います。 小売りとの契約を毎年十一月に行なう。年間の取引高をここで定める。メーカーはその契約に基づいて商品を組み合わせ、小売り店に直送する。その数量は、契約高の三割をメーカーが選択する。七割を小売り店が選択する。これは大きく変わっております。かつてはメーカーが約八割を選択したものです。三割になりました。だからこの点は改善されている。 商品代は毎月二十日に締め、月末払いである。これは現金取引と同様になっておる。 リベートは二カ月ごとに精算して支払う。これは年に二回でございましたから、二カ月ごとに精算をすることになりましたから、これもある程度の改善ということが言えようと思います。 リベートは取引高によりその率が異なっている。これは委員長御説明のとおり、三%、五%、八%、一〇%、一五%の五段階に分かれているようです。これはたいして変わっていないようですね。前も大体ここらあたりでして、若干変わっているように思うのですが、たいして変わっていない。 小売り店は高いリベートを求めて無理な仕入れをする傾向がある。これは弊害、あなたがやり方の問題として御指摘になったとおり、これは問題点であると思います。 マージンは二五%ですから、これは御調査のとおり。大体前もこの程度でした。 メーカーの販売姿勢はどう変わったか。四十七年から消費者の嗜好を中心とするようになった。従来はそれに対して小売り店に指示をしておったのです。一人のお客さんに対して千円から千五百円持たせて帰しなさい。いままでは押しつけ販売だったのです。小売り店は、これはメーカーからの命令だものですから、それであの手この手でもってお客にそういう化粧品を持たして帰すといういわゆる押しつけ販売をやっておった。これが消費者嗜好、いわゆる消費者の選択にまかせるということによって、一人のお客にたくさんの量を持たせるということよりも、数多いお客さんに対してこれを獲得していく、いわゆる数でこなす、そういうような方向に変わった。これは改善といえようと思うのです。 小売店とメーカーとの取引関係はどう改善されたか。メーカーサイドの取引方法は改められない。たとえば、メーカーが商品の宣伝や美容講習会を計画的に実施するが、その費用は小売り店が負担をさせられている。またペーパーバッグ、紙の持って帰る袋、それらはメーカーの宣伝です。ただ小さく小売り店の名前が入っております。そのメーカーのペーパーバッグは小売り店が負担させられている。こういったように、まだまだメーカーの姿勢は、小売り店との関係はなかなか変わっていない。 メーカーとお客との関係はどう変わったか。メーカーは一年間化粧品を買い上げた人にその買い上げ高によるランクをつけて高価なハンドバッグその他の記念品を贈呈する。しかし客は喜ばない。記念品を出させるくらいなら値引きをしてもらいたい。これはそのとおりだと思うのです。少なくともこれは再販商品なんです。これはたくさん買ったからといって、時計をやったりあるいは高価なハンドバッグをやったり、それだけの余裕があるんだったら、私は再販商品としてはもっと自粛をしてもらわなければならぬと思っているのです。これは問題点であると思う。客は、せっかくの贈呈であるならば、そういったようなものをもらうよりも化粧品をもらいたい。これがお客さんの希望である。しかし、メーカーは化粧品を進呈をしたんでは売り上げが減るから、何としてもメーカーはこれに応じない。 再販商品の生産及び販売状況はどうか。全国で化粧品を使用している婦人は約三千万と推定される。うち二千万人は再販商品を買っている。メーカーは資生堂、カネボウ、マックスファクター、コーセーの四大メーカー、これは申し上げるまでもない。内訳は一千万人が資生堂、六百五十万人がカネボウ、三百五十万人がマックスファクター、百五十万人がコーセー、その中の百五十万人はダブって使用している。これは私の調査であります。これはあなたのほうはより詳細に調査をしておると思うのですが、一年間若干改善されたということは、私の調査の上からも出てきていますが、まだ姿勢が変わっているというふうには思われません。だから、ひとつあなたのほうも十分これからそれらの点について対処していただく。そして再販の問題に対してこれを撤廃をしてもらいたいという消費者の要求、これに対して弊害規制ということで再販問題はそのまま存続をするという形の態度をおとりになったわけでありますから、一年たったいま、直ちに弊害を是正できるものではない、こうおっしゃいましたが、やはり積極的に取り組んでもらうのでなければ、公取としても再販制度を存続させたという責任からして、私は問題があると思います。このことは経済企画庁にも通産省にも私は強く望んでおきたい、そのように思います。 なお、公正競争の問題それから本法案の中身について質疑をいたしたいと思うのでありますけれども、大体きょうは五時までの予定でございまして、自治省の宮澤行政局長とそれから行管から増淵審議官がお見えでございますから、このお二人に対しまして二、三お尋ねをいたしまして、きょうは私の質問を留保しておきたいと思います。 まず宮澤行政局長にお尋ねいたしますが、今回不当景品、不当表示法の改正法案を私どもはいま審議をいたしておるところであります。これは衆議院の物価対策特別委員会において、地方自治体に対して権限の一部委譲を二回にわたって決議をしている。あるいは都道府県知事あるいは市長等から、都道府県の協力体制が好ましいのではないかといったような要請等、客観的なそうした情勢に対しまして、公取が今回これを改正に踏み切ったという形になっております。ところが、都道府県知事はこれを調査をする、それから都道府県知事はこれに指示をするということになっておりますけれども、ところが、ただ指示をする、それに応じなかった場合にはそれは公正取引委員会に対して措置請求を行なうというようなことにすぎない。また、調査に対しまして応じなかった場合は、これを告発をするというような内容に実はなっておるわけです。都道府県といたしましては、一名の何といいますか人件費を支出されるという形になってくるわけでありますが、不当景品、不当表示、これの取り締まりに事実上都道府県が当たるという形になってまいりますだけに、都道府県の責任というものは非常に大きくなってまいりましょうし、また経費の支出というものも大きくなっていくのではないか、そのように考えますが、それらの点に対してどのようにお考えになるのか、まずその点に対してのお答えを伺いまして、また、お尋ねをしたいと思います。
○宮澤政府委員 今回の改正によりまして、ただいまお示しのように都道府県知事は新しい任務を帯びるわけでありますが、かねてから都道府県の段階におきましても、いろいろこういう問題につきまして何らか都道府県知事が積極的に関与したほうがいいという希望もあったようでございますし、公正取引委員会のほうから御相談がございましたので、私どもも、やはりこういう問題につきまして一番住民の身近で解決するのが適当なものにつきましては、そういう方向に持っていくほうが適当であろう、こういうふうに判断をいたしているわけでございます。おっしゃいますように、今回の改正によりまして都道府県知事に与えられます任務は、指示権あるいは措置の要求ということになっておりまして、それ以上のものはないわけでございますけれども、おそらくこの法律に定められました公正取引委員会の権限というのが、いわば一種の準司法的な機能というもので、そこまで都道府県知事にまかせるのは適当でない、こういう御判断があったのであろうと私どもは考えているわけでございます。とりあえずこういうことで都道府県知事に指示権、それから措置の請求権というものが与えられたわけでございますが、これに対しまして、一体それをこなす体制ができているかどうかということが、また第二番目のただいまの御質問であったかと思うのでございます。 消費者行政、中村委員御承知のように新しい行政分野でございます。各都道府県ともいろいろ陣容の整備に力を尽くしているわけでございまして、定数全般をふやさない範囲で新しい行政分野に人を向けていく、なかなかむずかしいことでありますが、大体各県とも県民生活課なり、あるいは消費生活課というものを設けて仕事をやっているわけでございます。今回の法律改正によりまして、公正取引委員会のほうから人件費につきまして、これはまだ私ども必ずしも十分と思えないのでありますが、措置が行なわれたわけでございますけれども、今後なお公正取引委員会のほうにもいろいろお願いをしたいと思っておりますし、私ども自身の地方財政措置の中でもこういうものを充実してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○中村(重)委員 公正取引委員会が指揮監督を行なうという形になってくるわけです。これは後日公取委員長に具体的に指揮監督の内容についてお尋ねをすることにいたしたいと思っておりますが、これは増淵さんからもこの点についてお答えをいただかなければなりませんからお聞きをいただきたいと思うのですが、実はこの改正をいたしましても、その実効についていささか懸念を持っているわけです。正直に申し上げまして両頭立てになるのではないか。公正取引委員会は措置請求があって初めて動き出すという形に事実上なってくるのではなかろうか。都道府県知事は指示を行なう、しかしこれは罰則が伴わない、ただ公取に措置請求をやるだけだ。調査に応じなかったという場合に、これは告発をすることだけですが、はたして公選知事である都道府県知事が、地元の企業に対しましてどの程度き然たる態度をもってこれに対する指示を行ない、あるいは調査をやるのだろうか。都道府県に対して権限委譲をするということに対しましては、都道府県だけではなくて地方自治体に対して権限を委譲するということについては、私はこれは異論はないのであります。できるだけ、こうした問題だけではなくして、ほかの問題も権限委譲という方向に進んでもらう、そして予算の裏づけというものが当然なされなければならないと私は考えるわけです。しかし、どうもこの不当景品、不当表示の問題は、何か公正取引委員会がもう人手がない——正直に申し上げまして、四十七年の三百五十八人、四十七年度においては三名の純増にすぎない。凍結し過ぎるのです。関係の課が一つふえてまいりましたが、不当景品、不当表示関係はわずかに二十四名の人にすぎないということ、これで何ができるであろうか。正直に申し上げて、私は公取はお手上げだと思うのです。公正取引委員会はもう不当景品、不当表示のこの行政から手を引きたい、のがれたいというのが真情であるのではなかろうか、そういったような感じがしてなりません。事実上は——公取委員長は手を振っておられるのだけれども、もう都道府県にこれはゆだねた、都道府県はそれはほんとうにやるのか、熱意のいかんにもよりましょうが、それなりにまた問題が出てくるのではないか、それが盲点になってくる、間隙になってくる。そしてこの重要な消費者行政である不当景品、不当表示というようなものが有効に働いていかないという結果が起こってくるのではなかろうかという懸念が実は私はあるわけであります。したがいまして、行政管理庁の増淵審議官に見解を伺ってみたいと思うのでありますが、きょうは長官に私は来てもらいたかったわけでございますが、まず第一段階にやらなければならないことは、公取にもっと予算を増額をすること、機構を強化すること、人員をふやしていくこと、そしてこの不当景品、不当表示というものに対して、消費者行政にほんとうに公取が熱意を持って取り組んでいく体制をつくり上げる必要が先にあったのではなかろうか。これをやらずして、今回のきわめてあいまいな、貧弱な形の改正の内容というものには私は問題を感じるわけでありますが、これらの点に関しまして、これはまず自治省の宮澤行政局長と、行政管理庁の増淵審議官からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
○宮澤政府委員 公正取引委員会の陣容自身手薄であるかないか、これは私、十分存じておりませんので、その点についてここで申し上げる限りではないと思いますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、地方団体といたしましても地域住民に一番密着をした仕事をしているわけでございますので、そこで不当景品あるいは不当表示というような事態が起こりました場合に、やはり何らか発言をするほうが適当である、こういう気持ちが地方団体の、ことに消費者行政をやっております人たちの間でもかなり強くなってきておりますことは事実でございます。そういうことから公正取引委員会も、都道府県知事に指示なりあるいは措置要求というようなことを行なわせるのがこの法律の趣旨を達成するために適当である、こういう御判断であったのだろうと思います。地方団体のほうの気持ちもたまたまそこにあったと私は思うのでございまして、公正取引委員会の陣容自身の問題とは別に、先ほど中村委員も地方団体に権限を移すことは原則として賛成であるというお話もございましたけれども、私どもやはりそういう方向の一環として今回の改正を理解をしておるわけでございます。
○増淵説明員 お答えします。 行管といたしましても、この仕事の性質から考えまして、消費者なりあるいは県民の身近なところで行なわれるという角度からやはり都道府県知事が行なうにふさわしい仕事であるという点につきましては、ただいまの行政局長の御答弁と同じ立場でございます。 それから定員措置につきましての考え方でございますが、組織機構を持っております行管といたしましては、従来とも簡素で能率的な、あるいは定員については少数精鋭という立場でやっておりますけれども、政府全体としていろいろな行政の需要にこたえますのに、真に必要なところについては定員なり機構なりの措置をいたさなければいけませんし、同時にまた、行政の日的を大体達しましたとか、あるいは事情の変わったようなところは削減して、そして重要なところへ充当する、こういうような立場で一般的にやっておるわけでございます。御指摘の景品、表示の問題につきましても、やはり各省には同じような重要なる問題がございますし、そういったものと十分に対比いたしまして、真に必要だということでこの不当景品、不当表示の仕事につきましての重要性の認識につきましては行管としても十分に認識をいたしておるように考えておるわけでございます。公正取引委員会自体の職場につきましての定員の措置につきましてはあるいは先生には非常に足らない、こういうような御判断のようにお見受けをいたしますが、行管としても必要なだけこの程度でやっていただける、また今後ともこの仕事につきましては公取のほうでしっかりとした運用なり実行の確保をはかっていただけるというふうに判断したわけでございます。
○中村(重)委員 あなたに申し上げてもしようがないと言えばはなはだ失礼だけれども、申し上げてお答えをいただくことは無理なんでしょうが、いかに公取委員長があるいはそこに並んでおられる公取の幹部の方々が熱意を持っておっても、無手勝流ではどうにもならない。この膨大な公取の業務、それに三百五十八名やそこらで何ができるかと私は言いたいんだ。地方の事務所も平均十二名。先ほど申し上げましたように純増わずかに三名です。公正競争というものが日本の経済の安定成長のためにいかに大きな役割りを果たしているか、それらのことを考えると、もっと重要な部面として、行管はこれらの点に着目をして、人をもっとふやしていく、機構をもっと強化していくというような方向に情熱を燃やしてもらわなければ、私はだめだということです。この委員会に中村行管長官をひとつ御出席をいただくことにしますから、あなたから要請があったらばぜひ出席をするように伝えておいてもらいたいと思うのです。 一応きょうは保留をしまして、これで終わります。
○鴨田委員長 次回は、明十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会