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68回国会衆議院1972/04/25

商工委員会 第16号

発言数
191
登壇者
19
会派数
3
開催日
1972/04/25

会議録

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、小規模企業共済法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  本案審査のため、本日、小規模企業共済事業団理事長秋山武夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じまするが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 参議院の予算委員会が開かれておりまして、政府委員の出席の時間的な関係がありますから、まず自治省の佐々木税務局長にお尋ねをいたします。  私どもは悪税として個人事業税を撤廃すべきであるということをかねがね主張いたしておるわけであります。なかなか自治省もそこまで踏み切らないで今日に至っておりますが、この個人事業税の撤廃についてどのような考え方をお持ちなのか、まずその点を伺ってみたいと思います。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 事業税は、事業がその活動を行なうにあたりまして地方団体の施設を利用し、その行政サービスを受けるというような観点から、これに必要な経費をいわば事業経営に必要な経費の一部として分担すべきであるというような考え方に基づいて課税されているものでございます。したがいまして、零細な小規模企業者であるというような理由から、直ちに事業税を撤廃をするということは私どもとしましてはできないというふうに考えております。ただ、たいへん零細な小規模事業者について、従来からできるだけ事業税の負担の軽減をはかるということにつとめてきておるわけでございまして、本年度の税制改正におきましても、事業主控除を従来の三十六万円から二十四万円引き上げまして六十万円にする、あるいは専従者控除額についても引き上げを行なうというようなことにいたしまして、大幅な負担の軽減、合理化を実施したところでございまして、これまでの制度によりますと、納税義務者約二百二十万人でありましたものが、今回の改正によりまして約七十万人の納税者の減少ということになりまして、大体百五十万人の納税者になるというようなことに相なっております。今後ともこうした方向での軽減、合理化ということについてはできるだけ努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 お答えのように、三十六万円の事業主控除が六十万円に四十七年度から実施されるということは承知をいたしておるわけですが、御承知のとおり、退去には農林漁業関係も事業税が賦課されておった。ところが、これが御承知のとおり、いま事業税はかかっていないわけですね。小規模事業というのは非常に勤労性の強い事業であるわけでありますから、農林漁業と区別することは適当ではないのじゃないか。やはりこの事業税というものは賦課すべきではないという原則を打ち立てなければならないと私は思っているのですが、年々減少——いま申し上げた事業主控除にいたしましてもずっと引き上げてきている、あるいはその他お答えになりましたようないろいろな措置を通じて、これもできるだけ軽減措置を講じている。したがって、事業税をかけない、納税をしないで済む人たちがふえつつあるというようなことなんですが、事業税はそういったような方法を通じて、将来これをなくしようという考え方の上には立っているのですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 先ほど申しましたように、やはり事業活動と地方団体の行政あるいは行政施設等の受益関係から見まして、事業税を撤廃するということは私どもとしましては考えられないというふうに考えておるわけでございます。ただ、個人事業の場合におきましては、ただいま御指摘のとおり、その事業主自身の勤労によって稼得される所得部分がある。この点につきましては、私どもも十分検討を加えまして、事業自体の所得というものと、事業主の勤労部分の所得というものにつきましては、これをできるだけ分別をいたしまして課税をするというようなたてまえをとっていきたい、こういうことで、事業主控除というものの引き上げということにつきましては、一般の所得水準の上昇等とも関連いたしまして、できるだけこれを引き上げて、結果的には事業主の負担軽減ということに努力をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 納得いかないのですけれども、時間的な関係もありますから次に進ましていただきますが、中央会、それと商工会の連合会というのがあるのは御承知のとおりだと思いますが、中央会は住民税の免税を、地方税法二百九十六条において市町村民税を、それから同法二十五条の二号で県民税を免除をしておるようですが、ところが、商工会連合会には実はこの免税措置がないわけですね。同じく指導団体であるわけですから、これは当然中央会と商工会連合会は同一に扱うべきであると考えますが、その点の考え方はいかがなんですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 ただいまの中央会と商工会との住民税の負担関係は、均等割りについて処理しておるというふうに考えております。実は、この住民税は、その地域社会の費用をできるだけ多くの住民に負担をしてもらうというような性格のもとに、住民税の均等割りの制度が設けられているわけでございまして、そういう趣旨から、現在住民税の非課税団体というものが、国あるいは地方公共団体、これらの国なり地方団体に準ずるような団体について非課税措置が規定されているわけでございまして、他の固定資産税等から比べますと、非課税範囲は非常に狭くなっておるはずでございます。ただ、この点につきましては、この法律の制定の経緯等から、若干まだ十分整理の行なわれておらない部分がございまして、ただいま御指摘のような中央会と商工会というふうに比較をいたしてみますと、片一方が非課税であり、片一方が課税というような形になっておりますが、私どもといたしましては、この均等割りに関する部分につきましては、できるだけ非課税の団体というものを整理していきたい、こういうつもりでおるわけでございまして、できるだけ機会をとらえましてその措置をとってまいる、こういうことでございまして、どちらかといいますと、中央会のほうの整理がいまおくれているというようなことでございまして、取り扱いといたしましては、同様な方向で処理してまいりたい、こういうつもりでおるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いまのお答えからは、できるだけ整理しようというのだから、いま免税になっておる中央会も課税の対象にするという、私の主張とは逆になっちゃうのですね。やはり中央会は団体法によってできておる。商工会並びに連合会は、商工会法でできておるわけですね。そうなってまいりますと、同じ指導団体、しかもほとんど中小企業センターなんかに入っていますから、同じ建物の中に連合会あるいは中央会というのが、地方であるわけですよ。これはあとで実は中小企業庁の考え方もただすわけですが、職員に対する給与の補助率も中央会と商工会連合会は違うわけですね。これも実はコンプレックスを感ずる。けしからぬことだと実は言っておるのですよ。むしろ私は、勤労性なんというものは、どちらかというと、個々の事業主は中央会に所属するよりも商工会に所属する業者のほうが非常に勤労性が高い。零細性という面からいうと連合会のほうが零細性が高い等々、いろいろ実際の面から考えていきまして、当然私は商工会連合会も指導団体であるから、これは同じように扱うべきである、そう考えて、うしろ向きではなくて、むしろこれを軽減する方向で進めるということがほんとうじゃないですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 中央会なり商工会におきましても、その業務の性格上、ただいま御指摘のとおりの性格を持っておるというふうに私ども考えております。  ただ先ほど申しましたように、住民税の均等割りには、その均等割りが設けられておりますその趣旨がございます。その調整の問題があるわけでございますが、ただ現実の問題といたしまして、商工会に対する課税の扱い方にいたしましても、それぞれの市町村が、あるいはそれぞれの府県が、その団体についての公共性という面からそれらの団体についての現実の課税上の扱い方というものにつきましては、いわば地方団体がそれぞれ判断をして処理することができるわけでございますので、現実問題の処理はむしろ地方団体のほうの取り扱い方にゆだねておいていいのではないだろうかというふうに考えております。ただ、均等割りの性格から見て、地方税法の上において非課税措置を講じていくということにつきましては、私ども検討は続けてまいらなければならない、むしろ私どもの考え方といたしましては、非課税範囲というのは地方税法上はできるだけ狭い範囲で扱うべきであるというふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 わかりました。それで地方税法上からはできるだけ非課税の団体を整理していこう、しかし現実の処理としては地方団体にこれをゆだねる、こういうことですから、各商工会連合会なりが地方団体との交渉ということで問題を解決していくということについては、いまのお答えの中からは御異論はないのであろう、そのように理解をいたしておきたいと思います。もしいまのに異論がありますれば、あとでまたお尋ねをすることであわせてお答えをいただきましょう。  次に、事業税及び住民税において、青色は別といたしまして、白色申告者の場合の事業専従者、この事業専従者の控除限度というものはいままで、現在十五万円である、これを十七万円に引き上げているわけですが、これは私はもっと大幅に引き上げる必要があるんだと思うのですよ。青色申告を奨励するというような面から、青色は御承知のとおり全額控除になっているわけですが、それを奨励しようということはわかるわけですね。わかるのですけれども、非常に勤労性のある事業主ということ、自分でどうしてもこの仕事をやっていかなければならぬのですね。帳簿の処理なんというのはなかなかできない。またいろいろ複雑な青色申告なんというのは時間的な関係等でできにくい。やりたいんだけれどもやれないでいるという、それが実態ではないでしょうか。それらのことを考えてみますと、当然、青色重点ということはわかるにいたしましても、もう少し白の申告に対する控除額は大幅に引き上げていく必要があるんじゃないか。わずかに十七万ということでは、これはあまりにも実態とかけ離れているんではないでしょうか。この考え方はいかがなんですか。私はそのものずばり言わしていただければ、区別をしないほうがこういう勤労性のある所得には適当ではないかとすら考えているわけなんですが、いかがでしょう。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 事業税の上におきまして青色申告と通常の白色申告との申告上の取り扱い方をどうするかという問題は、一面におきましては負担の公平という問題とも関連いたしまして事業税の上でもいろいろ問題がございます。そういう意味におきましては、事業税につきまして、たとえば所得税において認められておりました青色事業主特別経費準備金というものを事業税に取り入れます場合におきましては、白色、青色の区別なしに事業主控除を引き上げるという形で一律的に扱っているわけでございますが、ただ、いろいろな経費の算定なりあるいはそれに準ずるただいまの専従控除の扱い方につきましては、いろいろな納税手続上の問題、課税標準をできるだけ国税のほうと合わせるというような趣旨から、この専従控除の面におきましては国税等の扱い方と同一にしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。少しおくれておりますけれども、この専従控除の扱いにつきましては国税のほうと同じ扱い方にしていきたい。その面におきまして、確かに事業税の面におきましては青色と白色との区別が出るわけでありますが、私どもとしましてはそれほど大きな差はあまり設けたくないというのが事業税の上での取り扱い方でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 住民税の場合、課税最低限を引き上げろ、国税と合わせるようにしなければならぬということを私どもは主張しているわけです。いまの点は国税と標準を合わせていこう。ところが、一方課税最低限ということになってまいりますと、これは実際はまだたしか二十数万円、約三十万円近く差があるわけです。若干縮まってまいりましたけれども、まだ申し上げたような差がある。ですから一方はこのままにしておいて、こういった面だけを標準に合わせていくのだというような——同額には必ずしもなっていないようですけれども、やはりこれも低いわけなんですが、これはいまのお答えの最後に述べられましたように差をつけない、そういうことでひとつ今後も積極的に対処していただきたいということを要請をいたしておきたいと思います。  それからもう一点、住民税において、青色申告事業主特別経費準備金の積み立て額は課税標準に含まないものとする、とありますが、今度改組いたしました青色申告控除制度があるわけですね。この意味なんですか、いかがですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 住民税の上におきましては国税の控除制度に合わせております。事業税におきましては事業主控除の制度がございますので、この事業主控除の額の算定にあたりましてただいまの特別経費準備金というものを、事業主控除六十万円を算定いたします場合に、これに十万円をいわば加算して六十万円にしたわけでございまして、事業税の上におきましては事業主控除に算入をしたということで、事業主特別経費準備金というものは事業税については適用しない、こういうことにいたしておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうしますと、この六十万円というのだけれども、青色申告控除制度というので十万円あるわけですね。それは六十万の中に含めている。そうすると、実質的なその面からは五十万ということになる。これはちょっとけちり過ぎるのじゃないか。三十六万を六十万円に引き上げたといって喜んでいるのに、一方においてはいままで積み立ててあってこれを取りくずすときには一時所得になる、これはけしからぬことだ、こういうわけで、今回は、これは何というのですか、青色申告控除制度という形で大きな前進だというので歓迎されている。これは事業税というのは別だからというようなことでしょうけれども……。それから十万円、これは端的にいえば差っ引くわけです。これはいかがなものかと思うんですが、これはきめてしまったからどうにもならぬということであればなんですけれども、来年度からはこれを直していって、その次の四十九年度からは、こういうことであっては私はならぬと思います。ただぬか喜びになってしまう。三十六万が六十万円になった、そういうふうに期待しておったのが実際は五十万だ、いかがですか。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 青色事業主特別経費準備金というものは、御承知のとおり所得の五%、十万円限度という制度でございます。これにつきまして、事業税でどう取り扱うべきかということについていろいろ検討いたしたわけでございますけれども、事業税におきましては、御指摘の事業主控除の制度があるわけでございます。大体その制度と同様な制度を別個に設けるということについてはいかがであろうかということで、事業主控除に取り入れる、算入をして事業主控除の引き上げをはかるという方針のもとに、今回の事業主控除の引き上げを行なったわけでございます。ただその場合に、所得の五%、十万円限度というものにつきまして、どれだけの額を算定するかといいました場合に、十万円そっくりそのまま算入をしたほうが低所得事業主についての軽減が大きくなる、こういうことで十万円まるまるを算入した。したがいまして、従来ベースで計算いたします事業主控除は御指摘のとおり五十万円ということになるわけでございます。この特別経費準備金の制度が今年の所得税の改正によりまして青色申告控除制度に切りかわるということになったわけでございますけれども、これを四十八年度において事業税でどう取り扱うかという問題は確かに残っておるわけでございますが、ただいま特別経費準備金の取り扱いについて申し上げましたと同じような趣旨で、事業主控除と別個の制度にするということについては私どもは疑問を持っておるわけでございまして、やはり事業主控除の中へ当然算入されるべきものであろうというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私はやはり納得いかないのです。これは先ほどから申し上げますように、個人事業税というのは撤廃せよと私は強く主張してきた。あなたのほうではこれはなかなか撤廃はできない。しかしながら控除額を引き上げていくということにおいてできるだけ納税者を減らしていこうということを強調されたわけですが、先ほど来の御答弁とはあなたは論理的に別であるという考え方の上にいまお立ちになっておられるようでありますけれども、私はそれであってはならないというように思います。四十八年度は十分に検討をしてもらいたいということを要請しておきたいと思うのです。  小規模企業とは次にお尋ねすることは関係はないわけですけれども、私がかねがね主張しております電気ガス税の撤廃の問題、これは撤廃しなければならぬということを考えておられるだろうと思うのだけれども、地方自治体の財政上の面からなかなか撤廃に踏み切れないでおられるようですが、それにしても当面私は電気ガス税が従価税ということが適当でない。電気料金、ガス料金が高い。これは小規模のガス会社、あるいはたとえば電力にいたしましても、九州電力なんというところは非常に料金が高いですね。料金が高い上に従価税ですから、ダブルパンチというような形になっている。これは何としても不合理じゃないか、こう言っておるのだけれども、なかなかそこまで踏み切れない。聞くところによりますと東北のほうは非常に安いので、従価税を従量税に直したのでは、九州方面あるいはその他ガス事業なんかのように弱小のガス会社、料金の高いところは助かるであろうけれども、そうでないところはむしろマイナスになるんだ、そういったようなことも聞くわけなんです。ところが、それではいま言うようにダブルパンチを受けているようなところは浮かばれない、がまんができない。これは何とか別の方法を考究して、消費者に対するそういう過重な負担をさせないような方途を見出していくことが正しいんじゃないか。これを撤廃すれば問題がないのだが、なかなか撤廃しないので、この点は不合理は不合理のまま放置するというお考え方ですか、いかがです。

佐々木敏通商産業省繊維雑貨局長

○佐々木(喜)政府委員 電気ガス税は、現在税収入が一千億をこえます市町村にとりましては相当大きい税収入が得られておる税でございます。したがいまして、この税の撤廃というのはきわめて困難であろうというふうに考えております。またこの課税標準につきまして、その消費価格を基準にいたしておりますのは、現在の消費税の性格から見て、いわば消費金額によるということのほうが消費税としては適当であろうというふうに考えておるからでございますが、確かに現在電力会社ごとあるいはガス会社ごとの料金に差がある。そういう意味で同じ消費量、同じような使用方法の内容でありながら、税負担について不均衡があるではないかという点は確かに御指摘のとおりでございます。こうした点につきまして、現在たとえばガスの場合におきましては、そうした弱小なガス会社の料金あるいはまたそれ以外のプロパンガスを使用いたします場合の税負担との関係というものを考えまして、ガスにつきましては免税点を電気よりも大きく引き上げるということによりまして、現実的に零細な負担になります部分を電気ガス税の課税対象からはずしていくというような措置をとったわけでございます。電気につきましてはガスとは若干違いますけれども、免税点の引き上げということによって零細負担を排除いたしておりますけれども、この割合というものは大体一五、六%にしかすぎない。この点において電気についてやや問題があるというふうに私ども考えております。  ただこの制度、従量税に切りかえます場合におきましては、料金制度が必ずしも単一ではない。料金に非常に差があります関係で、従量税にいたします場合には、税負担も相当大きい変動がされてまいるという点がございますので、いまのところ、現在の消費金額を課税標準にするものから、使用量を課税標準にするということについての切りかえというものは、非常な困難を伴うものではないだろうかというような感じがいたしております。私どももいま御指摘されている点も十分わかりますのでいろいろ検討は続けておるわけでございますけれども、現実問題としては処理がなかなか困難であるという実態もひとつ御了解願いたいというふうに考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 それでは局長は時間の関係があるようですからこれでお引き取りいただいてけっこうですが、消費者中心に考えてほしいですね。いろいろと複雑な面が出てくるかもしれないのだけれども、消費者が納得できないようなことはやるべきじゃない、正しい行政の方向ではない、こう思います。ですから私が指摘をいたしておりますことについても、あなたも私の言っていることは絶対間違いであるというような反論というのか、理論的根拠というものはおあげにならないわけです。多少遠慮しての御答弁かもしれませんけれども、そういう議論があることは事実なんだということで、ある程度は肯定されるわけです。ですから、申し上げましたように住民中心で考える、負担の公平ということだけは、特は公共性の強い事業であるわけですから、そういう点は十分配慮してもらいたいということを要請をしておきたいと思います。どうぞお引き取りいただいてけっこうです。  それじゃ税の関係のことをお尋ねをいたしておりますから、続いて国税の関係でお尋ねをいたしますが、先ほど地方税の問題でお尋ねをいたしておりました青色申告控除制度というのが今度は新たにできた、むしろこれは改組ということになるわけです。ところが国税の場合、事業主報酬というのは実施されていないわけです。たしか税調で検討するといったようなこと等も伝えられておるわけですが、この点に対してはそうした作業を進めていらっしゃるのであるかどうか、これを伺ってみたいと思います。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 事業主報酬の問題につきましては、この委員会でもたびたび国税の考え方というものを申し上げておりますので、あらためてくどくど申し上げることはないわけですけれども、事業税において事業主控除が認められておりますのは、先ほど自治省からお答えがありましたように、事業の収益活動を行なうにあたっての地方公共団体から受ける各種の行政サービスの提供に対するいわば事業の受益に対する課税であるということでございましょうし、所得税の場合にはその人に属する所得というものを全部総合いたしまして、これに累進的な課税を行なうことによって、基本的な所得税という税金を構成しているという性格の差があらわれているのであろうと考えております。  そこで国税の場合、事業主報酬を導入するということでございますけれども、この点につきましてはいままで御答弁申し上げておりますことの繰り返しになりますのでごく簡略に申し上げますと、事業の経理上、事業主が自分に報酬を支払うということが前提になるわけでございますけれども、自分が自分に報酬を支払うというのは一種のフィクションであるというふうに私どもは考えております。したがって、それによって経済的実態に変更がないというふうに考えられるわけでございますけれども、所得税が総合累進というたてまえをとっております関係上、そのことによりまして、つまり自分が自分に報酬を支払うというフィクションをとることによりまして税負担が変動してまいる。いかほどを事業の総利潤の中から事業主報酬として取るかということによって、その額のきめ方いかんによってまた税負担が一方的に動いていくということに問題があろうかと思うわけでございます。  そこで、このような理論的な問題のほかに、事業所得から事業主報酬をかりに認めたといたしましても、それを差し引いた残りがどういうことになるのか。これが賞与ということになりますのか、法人企業に対する課税との対比において考えてみますと、これが賞与になるのかどうかという問題もございましょうし、それから企業用の財産と個人財産をどういうふうに区分していくかということも問題になろうかと思うわけでございます。結局、事業主報酬の問題というのは、たびたび御指摘をいただいておることでございますが、個人企業と法人企業との税負担のバランスをはかっていくというところに発端があるかというふうに思うわけでございますけれども、国税で見ておりますと、個人の事業所得者の事業所得の額は年所得三百万以下というところに大部分の方が集中しておられるわけでございます。そこで、その方々の税負担というものを国税、地方税を通じて考えてみますと、法人税負担よりも所得税負担のほうが軽いというふうに私どもは把握しておるわけでございます。しかしながら、先ほど中村先生からもお話がございましたように、中小企業税制のあり方ということにつきましてあらゆる観点から根本的な検討を行なう必要があるというふうに私ども考えておりますので、税制調査会におきまして、過般の総会で小規模企業税制に関する特別部会というものを設置いたしまして十分審議をお願いして、できるだけ早い機会に結論を出してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 あなたが言われることも私はわからないじゃないのですよ。自分で自分に給与を払う、これはおかしいじゃないか。問題は、あなたのほうが、所得税の申告をします場合にそれを信頼されればいいのだけれども、一方的に課税をするのです。それで実際は小規模の個人事業主等は、その資金に追い回され、税金に苦しめられてどうにもならないでいるという実態なんです。税金で倒産をするというような、これは誇大な言い方かもしれませんけれども、そういったようなことを口にする事業者がいることは事実なんです。したがって、人間だから生活をしていかなければならないのですよ。ところが、事業主報酬制を設けてくれれば、それだけは公然と事業主報酬は幾らということであなたのほうでもこれをお認めになるわけだから、その限りにおいては個人事業主というのも非常に助かると私は思うのです。だから小規模企業、特に勤労性の強い小規模企業に対しましてはそれらの点をできるだけ配慮していくというのが今日正しい行き方じゃないか、私はこう思うのです。これは資本を投下して比較的ゆとりのある経営をやっているというようなそういうものと違うのです。汗水たらして朝早くから夜暗くなるまで一生懸命働いておる人たち、ほんとうに所得はないのだけれども、税務署の税のしぼりというものは非常にきびしい。そういう人たちにせめて個人の事業主報酬制を認めていだたくことにおいて若干息をつくこともできるのではないだろうか。やはり実態を踏まえてもらわなければならないというふうに考えるのです。法人化しているけれども実態は個人と変わらない、そういうものが堂々と給与というものは損金扱いにされておる、ただ法人か個人かという形式の問題なんだから。そういうことで個人事業主に対して、自分で自分の給与を払うのだから、この報酬を認めるのはおかしいのだという理論的立場に立って冷たく扱うことには実態論として問題がある。それはいま最後にお答えがありました税調において十分検討してもらう、それで結論を待ちたいということで前向きであるとするならば理解はできるわけですけれども、全体的なあなたの答弁の中からはそういった前向きの姿勢、考え方というものを受け取ることは私はできなかった。その点に対して、いま一度あなたの考え方をお聞かせいただきたいと思う。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 ただいまの御質問でございますが、私どもといたしましては、事業所得者の方が税金のために倒産をなさるとか生活苦に悩まれることが本来あってならないことだというふうに考えておることはお説のとおりであります。そこで、企業の経営を確立して原価計算というものを正確に把握していく、それが事業の経理にも経営にもいい影響を持つことは当然でありますので、現在四十六年度末で五六%くらいの普及割合になっております青色申告を一そう助長していく必要があるというふうに考えております。これによって各種の税負担の所得税の上でいろいろな特典の利用ということも可能になりますし、あわせて企業の合理的な経営、近代的な経営にも役立つものというふうに考えております。先ほど自治省からも御答弁になりました本年の租税特別措置法の改正による青色申告控除制度の創設というものも、青色申告の一そうの普及、奨励ということのために私どもは考えておるわけでありまして、こういう青色を助長していく、つまり企業の正確な経理というものをますます助長していくことによりまして税負担の合理化をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 青色申告によってできるだけ配慮していくということはわかるわけですが、青色申告の問題で先ほど私が申し上げましたように、個人事業主の置かれておる実情という面から考えますと、それも非常に複雑であるためになかなか思うようにいかないという実態があるわけです。だからこの問題については前向きでひとつ十分対処してもらいたいということを要請いたしておきたいと思います。  次に企業組合に対する法人税率ですが、これは一般会社と同じになっているわけです。所得三百万円以下二八%、三百万円超三六・七五%ですか。協同組合は一律二三%になっておるのです。これは企業組合の実態から考えてみて協同組合と同一に扱うことが当然ではないかという感じがする。これはきょう初めてこの問題を指摘しているのではなくて、企業組合は金融、税制面においてもっと優遇すべしという議論が相当強い議論になっておるのですが、依然としてこれが改められていない。この点はどうなんですか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 事業協同組合に対しまして二三%の特別税率の適用があるということでございますけれども、この根拠といたしましては、個々の組合員と協同組合の営みます事業とが別の人格として存在しておりまして、組合の行ないます信用事業なり購買事業なり販売事業なり、そういった事業を協同組合員に利用させることが目的である。組合自体の中には利益の留保が本質的には残らないのが本来のたてまえであるということから、中小企業の助成という観点で二三%の特別税率が認められておるわけであります。これに対しまして、企業組合は確かに協同組合の一種ではございますけれども、事業協同組合と異なりまして、個々の組合員の事業の補助的な業務を行なうということではなくて、個々の組合員の事業そのものの集合体である一つの企業体ということになる。個々の組合員は企業組合の中に没入をいたしまして、競業避止義務も受けるということで、合名会社などとその実態は変わらないというふうに考えられるわけでございます。したがって、企業組合につきましては、ただいま御指摘のとおり、普通法人として普通法人の課税を行なっておるわけであります。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その点は承知してお尋ねしているわけです。だから、それは適当ではない。企業組合というのは、どちらかといいますと、零細な事業主が集まって企業組合を組織して、その中で一緒に事業をやっているわけなんです。しかもこれには従業員も企業組合員として一体となってやっている。その面から考えてみますと、これを合名会社であるとかあるいは株式会社であるとかいったそういう一般法人と同一視するととは適当でないのではないか。企業組合というものを、現在のような経済情勢の中においてはもっと育成していく必要があるのではないか。企業組合の果たす役割りというのは、今後はさらに強められてこなければならない。これは時代の要請といっても私は差しつかえないと思う。それならば、企業組合に対しては協同組合の一種でもあることであるから、これは当然一般法人とは区別しなければならぬだろう。端的にいって、一般法人のほうが近いのか、協同組合のほうが近いのかということになれば、実態から考えてみて、これはやっぱり協同組合の一種であり、協同組合のほうが近いでしょう。それならば、企業組合は協同組合と同じように、一般法人と異なった扱いをすべきである、そういうように私は考える。形式は先ほどあなたのお答えがなくとも承知をして私はお尋ねをしているわけですから、その点に対しての考え方をいま一度お聞かせいただけませんか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 法人税法の別表の第三に、協同組合等という表が載っております。御承知でございますが、その中で、たとえば森林組合なり漁業生産組合なり、生産事業を行なっておる協同組合がございます。そういうものにつきまして、組合員に給料等を支払うものは単独事業体であるという考え方で、これに対しては普通の法人税率を適用しておるわけでございます。先ほど申し上げたことでございますが、企業組合と申しますものは、先生御承知のとおり、組合員の相互扶助の組織と申しますよりは、むしろ組合員の事業を廃止して組織された企業体であろう、その実態は個人または法人事業者が集合して設立した会社であろうということ、これは税法上の考え方といたしましては、私が先ほど申し上げたことといまのお答えとは同じことになると思いますけれども、そういう考え方で税率をきめておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 そうすると、全然検討の余地なしということですか。株式会社等も、最近の法人というのは、大きくなればなるほど資本と経営の分離が行なわれている。企業組合というのは個人の集合体なんですよ。お互いに一緒になってやろうじゃないか。企業組合というのは国策の方向ですよ。それに対して一般の法人と同じような扱いをするということは、実態論として適当でないとあなたはお考えになりませんか。どうですか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 大法人と中小法人、公開法人と個人類似法人の税負担をどういうふうにすべきかということは、法人を税制上どう認識するかという問題の一環であろうかと思います。かつて税制調査会で長期にわたって法人の本質を検討していただいた際に、大法人につきましては、どちらかといえば実在説的な考え方をとる余地があるだろうし、中小企業、小規模法人、個人類似法人というものにつきましては、いわゆる擬制説的な考え方が妥当する余地が大きいだろうということが取り上げられたこともございます。先ほど申し上げました小規模企業税制というものを掘り下げていきますと結局は税制上の法人のつかみ方、また個人と法人との税制上のバランスということまで突き当たるのだろうというふうに思っております。  そこで先ほどの企業組合でございますけれども、そういう意味で個人類似の企業の税負担をどう考えるかということの非常に大きな問題の一環であろうかと思います。そして将来の検討課題ということであろうかとは思いますけれども、現行の税法の考え方をとります限り、私が先ほど来繰り返し申し上げておりますように、これは普通法人ということの範疇に入れざるを得ないというふうに考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がありませんから、またあらためてその議論をしたいと思うのです。  なお、同族会社の役員賞与とかその他同族会社の留保所得に対する加算課税制度、これは今度二百万円から三百五十万円まで引き上げることになっておりますが、これは私は二重課税であるから、むしろ撤廃すべきであるというような考え方を持っているわけです。このことについては小規模の関係と若干違ってまいりますから、あらためてお尋ねをすることにいたしますが、いま私どもが審議をいたしております小規模企業共済の共済金を一時所得として所得税の課税対象にする、これは私はどうしても理解ができないのです。これは当然一時所得ということではなくて、退職金と同じような扱いをすべきであるという考え方を持っておるのですが、この点に対する考え方はいかがなんですか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 小規模共済制度、これは現在は小規模共済掛け金の所得控除制度がございまして、ただいま御審議が進んでおります小規模企業共済法の改正ができますと、年額十二万円まで掛け金の段階で所得から控除されるということになるわけでございますが、これの共済金の受け取りの段階で、ただいまの御質問のように、現行の所得税法上は一時所得として課税をするということになっております。本来これへの加入及び加入した場合の掛け金の口数というものにつきましては、共済の加入者が任意にきめてかけていくわけでございます。したがって、掛け金の元利合計を共済金として受け取る、これは比喩的な言い方で恐縮でございますが、そういう性格を持っておろうかと思います。そこで先ほどの事業主報酬の際にも申し上げたわけでございますけれども、これに退職所得扱いを認めます場合には、事業主が自分で自分に退職金を支払うということになろうかというふうに考えております。昭和四十二年に現在の小規模企業共済掛け金制度というものが所得税法上の扱いを変えまして、従来の生命保険料控除から小規模企業共済掛け金等控除という形で独立したわけでございます。その共済金の性格ということから考えまして、私どもとしてはこれを一時所得として取り扱うという方針でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 これはどうしても理解できないです。共済金ですよ。そしてあなたも御承知のとおり、事業の廃止であるとか死亡あるいは事業の第三者への譲渡、これが第二種になると隠居であるとか三十年滿期の場合、こういったことになるわけですが、これの共済金を一時所得ということでまた税金をかけるなんということは、これは冷酷無情だと思っている。当然これは退職金と同じように扱うべきですよ。どうしてこれを一時所得に扱うのですか。今度改組することになりました、いままで積み立て金にしておった青色申告の控除、これも実は取りくずすときは、いままでは一時所得として税の対象になっておったのですよ。こっちのほうはしきりにやかましく言われて大蔵省は譲った。これとどう違うのですか。当然一時所得として税金をまたかけるなんということはやるべきじゃないです。零細、いわゆる小規模企業ですよ。考えてごらんなさい。死亡した、事業の第三者への譲渡なんというものも、それから隠居、こういったようなときにゆとりも何もないです、こういう事業主なんというのはね。それで、その共済金によってどうにか生き延びていこうということだと私は思うのです。これは生活費なんだな、実際は。これを一時所得だといって、ぱっと税金をかけるというのはちょっとひど過ぎるんじゃありませんか。実態論からやはりものは考えて、これに対する適切な対処のしかたをしなければいかぬと私は思う。どうですか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 現在所得税の中で一時金を受け取ります場合に、みなし退職所得というふうに考えておりますものは厚生年金、国民年金、各種の共済年金それから適格退職年金というような、いわば公的な社会保障制度というものから、給与のあと払いとして受け取るというものに限度をされておるわけであります。  ただいま御指摘の小規模企業共済でございますが、これがいわば社会保険的な性格が強いということは、程度の問題としていえるかというふうに思いますけれども、それの加入というものが任意制の上に立っておるということ、それからそういう意味で生命保険料控除を強化してこれを全額の掛け金控除というふうに扱っておるわけでありまして、したがいましてこれを受け取ります段階では、先ほど申し上げました厚生年金とか国民年金というものが一時金の場合退職所得扱いになるということとは、おのずからその性格を異にするというふうに考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 何としても私は理解ができないのですね。大企業とあるいは大金持ちの連中、配当にしてもあるいは利子所得にしても租税特別措置法ということできわめて優遇な措置を講じてやっている。こういう零細な人たちに対して、共済金をもらった、これにまた税金をかけるんだ、いかに冷酷無情なやり方なのか。私は国民が納得するようなやり方をやらずして何が行政かと言いたい。強くこの点に対しては——一時所得というようなことは、もうこれで打ちどめにして、これに対しては退職金扱いにする、こういうことでひとつやってもらいたいということを強く要望しておきたい。この点に対しては商工委員会のきわめて賢明な同僚諸君も私と考え方はあまり変わらぬと思う。したがって強い附帯決議をつけたいということを私は申し上げておく。  同時に、この第一種共済、第二種共済、これを区別していることも私はおかしいと思う。四十二年七月十八日、私どもはやはりこの掛け金に対しては全額掛け金に対する控除をすべきであるという附帯決議をつけているわけですが、われわれのっけた附帯決議というものはこれは全く考慮の余地なし、こういう考え方の上に立っているのですか。この点は高橋長官も——大臣がおられると大臣から私はお答えをいただきたいのだけれども、私どもの附帯決議に対しては、趣旨を体してこれを実施することにいたしますというお答えがなされている。そういうことは形式的なお答えであったのか。まずこの点に対しては長官からお答えをいただいて、あとで高橋第一課長からお答えをいただきましょう。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 第一種共済と第二種共済とは、先生よく御承知のように共済事由が違いまして、第二種共済の場合は貯蓄性、任意性が非常に強いということでございまして、先ほど大蔵省のほうからお話のありましたように、生命保険と同様の所得控除ということが適当であろうということで、第一種共済制度をつくりますときに、第二種共済制度から、三カ月の経過期間をもって移行を認めたわけでございまして、現在第二種共済として残っております者は一万人以下でございますし、加入の実態を見ましても、ここ十カ月くらいの間に五十数名ということでございます。こういう状況でございますので、確かに先般本法の改正がございましたときに附帯決議を付せられておることも存じておりますが、いまのような状態でございますので、私といたしましては第一種共済に重点を置いて税の減免ということを今後とも考えていくのが適当ではなかろうか、このように考えております。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 第二種共済でございますが、これはいま中小企業庁長官から御答弁がありましたように、貯蓄性、任意性という点で第一種共済とはその性格を異にしておろうというふうに私どもは考えております。元来、これは釈迦に説法で恐縮でございますが、所得税の上では貯蓄の元本というものに対して所得控除をするということはきわめて異例でございまして、これにつきましてできるだけそういう取り扱いを排除していくということが必要であろうというふうに考えております。それが所得税の中での租税の公平ということにつながるものであるというふうに私どもは信じておるわけでございますが、そういう意味で、貯蓄性、任意性を持った第二種共済というものの掛け金を所得から控除していくということは、これは生命保険料控除という制度のワクの中で選択的にやっていただく以外にないのではないかと考えておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 その貯蓄性という、第一種と第二種と何が違うのですか。一、二、三項目まで同じなんですよ。四項目の「組織の変更で法人の役員にならない場合」、五の「隠居」、六の「三十年満期の場合」、この三つだけが第二種が第一種と違うのです。隠居といったら隠居をしなければならぬ年齢です。隠居してから何ができるのです。この隠居の問題と事業の第三者への譲渡の問題とどう内容的に実質的に違うのですか。事業の第三者への譲渡というものが、第一種でこれは全額控除として認められる、隠居がこの第二種で任意であるからこれを全額控除は認めないということだっておかしいでしょう。三十年満期の場合も、中小零細企業者が三十年もかけてやめるときはもういい年ですよ。もう活動できるような年齢じゃないでしょう。これらのことを考えてみると、私は第二種を任意であるからといって区別をするということは理解できないのです。われわれもそういったような観点から附帯決議をつけたんですよ。そんな、附帯決議をつけようなんというような問題にならないようなことを全会一致でもって附帯決議なんかつけやしない。各党集まって慎重に検討して、それからそれぞれの党の、自民党は政調の了承を得、われわれはまたそれぞれの機関の了承を得てこの附帯決議というものはできている。いまあなたのそういったような形式論で私どもが理解できるような、そういうような不見識な附帯決議なんてつけてやしない。どの程度われわれのつけた附帯決議というものをあなた方は尊重する立場の上に立って検討されたのですか。どうですか。

高橋元大蔵省主税局税制第一課長

○高橋説明員 昭和四十二年に制度改正になりまして、このときに第一種の共済というものを全額所得控除をいたすということになったわけでございますけれども、そのときに、先ほど中小企業庁長官からも御答弁がありましたように、従来の共済の中で任意性の強い部分というものを除外されたわけでございます。それが、ただいま中村先生御指摘のような、たとえば個人事業主の法人成りであるとか、個人事業主の親族への、配偶者または子供への事業の譲渡であるとか、それから法人の役員の任意退職であるとかというようなものでございます。これらのものにつきましては、やはり私どもといたしましては、当時この制度が組み立てられたときの経緯というものから、全額が所得控除になじまないという考え方を持っておる次第でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 時間がないから先に進みます。  高橋さん、どうぞ御退席されてけっこうです。  参考人にお尋ねいたしますが、このサービス業の加入率というのが非常に低いのですが、これはどういう理由でしょう。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 特にサービス業が低いとも考えてはおりませんけれども、PRの上で実際上の困難と申しますが、周知する上で、それこそ、まあ数が多いために浸透がやや弱い、これはあるかと思います。ただ、業種別の加入率で見ます限り、サービス業、現在一〇%余りでございますけれども、そう特に低いとは私ども考えておりません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 まあ低いとはあなたは考えていらっしゃらない。数が多いから率としてはまあ低いんだ、こういうことだと思うのですね。私が言っているのは、サービス業というのは、どちらかというと非常に零細性の強い関係上、焦点は相当ここらに当てられる必要があるんじゃないかというような考え方から、実はお尋ねしているのです。まあ、低いのはなぜかというと——そう低いとは思わないというようなお答えが返ってくるとは思わなかった。まあ、いろいろ努力をしておられるのだろうから、やはりサービス業というのは非常に、倒産というのか何か知りませんけれども、この移動のテンポが早いのですね。またやめたかと思うと次の人がかわってきている。目まぐるしいくらいに実は廃業、開業というのはテンポが早いですよ。そういったようなところから、この加入というのがなかなか普及しないというような苦労、そういうものがあるのではないかというようなことでお尋ねを実はしたかったわけですが、まあ、それはけっこうです。  そこで、四十六年十二月末現在の加入者の推移というものを実は見てみるのですが、四十四年度がピークになっているようですね。四百万業者の中で加入率が七%というのは、これはまあ、あまりにも低過ぎるように思うのです。これは小規模共済の今日までの設立以来の年度の経過から見まして、もう少し加入率が高くならなければいけないというふうに思うのですが、相当努力しておられることは、私どももいろんな会合で一緒にぶつかることがありますから、それはまあ認めるのですけれども、あなたはこの理事長としてこの点どうお考えになりますか。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 制度自体がかなりむずかしい制度であることは一応お認めをいただいているかのように思いまして、われわれの平素の努力を一応お認めいただいたことはたいへん感謝にたえないのでございますけれども、現実の加入の状態が、先生御指摘のように決して悪いとは私ども考えておりません。先ほど申し上げましたサービス業の問題は、他の、たとえば商業とか工業とかの比率という意味において、特にサービス業だけが低いという意味でお尋ねかと思ってお答えを申し上げたわけでございますが、こういうやや特殊の制度と申しますか、少なくとも、一切万人向きという制度ではございませんのと、まあ言ってみれば保険の勧誘に近いようなことをやりませんと、なかなか耳に入らない、加入してこないという性格がございますから、人手あるいは時間、予算等の面の制約上、どうもなかなか思うように加入が進まない。私どもも日夜そのことで苦慮しておるわけでございます。  ただ、まあ一般的に申しますと、中小企業の性格と申しますか、非常に範囲が広い。したがって、先ほど四百万という数字をおあげになりまして、われわれもその程度のものを対象と考えておりますけれども、どうも現実に、たとえば口コミであるいは耳コミで知ったとか、組合の会合で聞いたとかいうようなこととか、どうもその知ってもらうチャンスをつくること自体が私どもとしては非常に苦労でございまして、こういう制度がある、内容はこうなんだということを知ってもらえれば、まあ半分とは言わぬでも三分の一ぐらいまでは大体入っていただけるように私どもには感じられるのでございますが、どうもその知ってもらうこと自体が、こういう事業団の組織上なかなかむずかしかったというのが現状でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私どもはその地域のいろんな会合に出るわけですがね。大きい会合では、あなたのほうの職員の方々が出られて、そしてあいさつをされたり、いろいろこの普及について協力要請をしておられるという姿をお見受けはするわけです。もう少し何か、これは実際は委託していらっしゃるわけなんで、そこらを徹底させる。ほんとうに小規模企業共済に入らなければならないという、その地域の団体の幹部の方々をそういう気持ちにひとつ向かわせるという努力をなさる必要があるのではないか。その点がまだ徹底してないように感じられる。  それからいま一つは、いまあなたがお答えになりましたように、まずこれを知ってもらうことが大切だ。私もそう思う。そうなってまいりますと、加入口数をふやすということよりも、できるだけ加入者を——口数は少ないけれども加入者をふやすという努力がまず重点的に進められてこなければならぬと私は思います。しかし、いただいております資料を見ますと、口数の伸びは比較的高いように思いますけれども、この加入者の伸びというのが低い。この点はあなたの見解はいかがなんですか。私はまず、口数を伸ばすことよりも加入者をできるだけ、一口でも二口でもよろしい——これはまあ、一口二口というのは、ほとんど加入する人は十口近く入る方があるんだろうと思うのですけれども、私はそれが大切である、こう思います。その点は、いずれに重点を置いていらっしゃいますか。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 御指摘のとおり、件数と口数との統計におきましては、口数の伸びのほうが最近比較的よろしい、これはそのとおりでございます。ただこれは実はこういうことがございます。現在までは十口まで、これが最高限度でございましたが、私ども皆さんにおすすめしますときは、たとえ一口でも二口でも、とにかく一応この制度に乗っていただくことをまず先決と考え、その点では先生御指摘のように加入者数のほうに、むしろ範囲を広げることに重点を置いて努力をしておるつもりでございます。一ぺんお入りになった上では、実はこの税制のメリットその他比較的制度のいいところがわかってこられるにつれて、その増し口という、つまり最初は少なくてだんだんふやしていくということが、ことにこの数年多くなってまいってきております。そういうことで年度別の平均口数で見ますと、一貫してずっと、わずかずつでございますけれども上がってきつつある。現在は五・四くらいに平均でなっておると思います。そういうことで確かに口数の増加は多いわけでございますけれども、私どもその口数をふやすことにもっぱら努力をしているわけではございませんので、努力の大部分は加入者の範囲を広げる、人数をふやすほうに置いておるつもりでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 直接還元融資をすることにしたのは私はよろしいと思うのですが、融資条件はどういうことになるのですか。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 融資の問題につきましては、今度法律の改正をお願いいたしましてから具体的な検討はするつもりでございますけれども、大体本来のたてまえが共済金の支払いに差しつかえを起こしてはいかぬという法律の制約を受けておりますから、たとえ今後積み立て金が相当高額になりましても、それを全部使ってしまうということでは、やはり本来の使命に差しつかえを起こすかもしれぬ。したがってある限度を設けまして、いわば緊急の場合に役に立たせる、その場合にだけ流動性を認めるということが適当であろうと考えております。そういう意味で、期間も大体一年、それから金利はできるならもう八分以下でやりたい、もっぱら簡略な手続で借り出せるようにということを念願として実施をしたいといま研究をいたしております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 主計官が来ておりますのでお尋ねをしたかったのでありますが……。当然、無担保無保証の融資がなされなければならない。同時に、利子はいま年八%ということなんですけれども、いまの低金利時代に共済金の還元融資が八%というのは私は高過ぎると思う。もっと国の補助金というものをふやさせるという努力をもちろん長官はされなければならない。そういうことで、この還元融資の条件というものをできるだけ有利にしていく、そういうような努力をされる必要があるということを申し上げておきたいと思います。  それから掛け金掛けどめの制度というものは、これは私はぜひ必要であると思うのですが、この点は検討はしていないのですか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 検討はいたしましたけれども、この共済制度と申しますのは、おもな共済事由としては廃業とか死亡とかいうことを事由としまして掛け金を掛け続けるという点に意味がある。それで任意性あるいは貯蓄性が、先ほど申し上げましたように強く出ないような制度としているわけでございまして、この点掛けどめ制度を導入いたしますと性格を変えることになりかねない、このように考えまして、今回の改正においてはこの制度の趣旨に照らして取り上げなかったわけでございますが、今後の検討事項としては考えておるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 いろいろまだこの小規模共済を拡大をしていく道は十分あるし、私はまた努力をしてもらわなければならない具体的な問題として申し上げたいこともたくさんありますけれども、きょうは各省からもお見えいただいておりますから、また機会がありますとお尋ねをすることにいたしますが、一応小規模企業対策といたしまして、これはぜひ長官並びに御出席いただいております各省のお答えをいただいておかなければならないことは、私どもは中小企業の金融税制の問題というのを相当重視をしておる。  そこで、国民金融公庫の貸し付け限度額等も五百万ではなく一千万円程度にこれを引き上げなければならないということを主張いたしておるわけです。ところが貸し付けの実態を見てみますと、私どもの主張とあまりにも現実はかけ離れておるということを知るわけです。いま限度額が五百万円。平均はどうなのか。一千万円までこれを拡大しなければならぬような実情があるのかということを見てみると、そうではない。実は百万円程度が平均になっている一この点を長官はどのようにお考えになっていらっしゃるのだろうか。私どもがかねて主張いたしておりますような一千万円まであるいは八百万までこれを引き上げるというようなことは、全くその必要性はないというようにこの数字から見るとなるわけなんです。これが百万円前後にすぎないというこの実態はいかがなものであろうか。どこに原因があるのであろうか。さらにまた、この運転資金の融資期限というものは六十カ月である。これも引き上げなさい、私どもはこう言っている。ところが実情を調べてみると、これはわずかに二十六カ月にすぎない。六十カ月ということになっているのが二十六カ月だ。設備資金にいたしましても八十四カ月になっているけれども、実績を見ると四十七カ月にすぎない。もっと償還期限を延ばせということを私どもは主張している。ところが現実にやっていることは、ただいま私が申し上げましたような数字になっている。この原因はどこにあるのだろうか。借り入れ申し込みをする側が、そういうことを希望しておるのだろうか。あるいは貸すところの国民金融公庫が、申し込みは六十カ月あるいは八十四カ月という形でなされるけれども、これを短くしておるのかどうか。借り入れ申し込み金額にいたしましても、もちろんそれは百万円もありましょう、あるいは百万円以下もありましょう、あるいは五百万円というものも私はたくさんあると思う。ところが、その五百万なんというものは数字から見ますときわめて少ない。そのことは、平均額が百万円程度にすぎないということに実はなっておるようですが、そのいずれの側に——そういう平均額が、貸し付け金額にいたしましてもあるいは貸し付け期限にいたしましてもそのように低いのか、この原因についてひとつ明らかにしていただきたいと思う。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 国民金融公庫に対する一件当たりの平均申し込み額は、昭和四十六年で約百四十四万円でございます。そして実際の貸し出しは、いま御指摘のように百二十万円ちょっとということでございまして、私は、国民金融公庫のほうで貸し出しを特に押えておるということではなくて、やはりこういう特に小規模零細企業の方々からの申し込みが非常に多いわけでございまして、ここらあたりが一応の借り入れの希望ということでありまして、五百万あるいは一千万を一度に借りたいというものを押えておるということではないのじゃないかと私は思いますが、なお実情については、さらによく調べさしていただきたいと思います。ただいまはそのように私考えております。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 環衛金融公庫、まあ俗にいうマル環資金、それから生鮮食料品小売り近代化資金、これは俗称マル食資金、これも私がただいま申し上げましたように、大同小異であります。金額にいたしましても、あるいは貸し付け期間にいたしましても、あまり変わらない。この点に対しては、新しい制度であるだけに、厚生省にいたしましても、あるいは農林省にいたしましても、非常に情熱を傾けて取り組んでおられると思うのですが、これらの原因はどこにあるとお考えになっていらっしゃいましょうか。

加地夏雄厚生省環境衛生局環境衛生課長

○加地説明員 環境衛生金融公庫の場合でございますが、御指摘のように、資金ワクのあれに比べまして、貸し付けの金額であるとか期間については、実態上非常に低くなっておるではないか、こういうことでございますが、一つは、御承知のように、貸し付けを申請する営業者の側からの問題があろうかと思います。環境公庫の場合もそうでございますが、貸し付けの金額とか期間につきましては、業種別に非常にバラエティーがございます。それから、大きく分けましていわゆる設備と施設に分かれるわけでございまして、そういった問題で、現実に貸し付けを申請する側につきましても、多少そういう意味のいろいろなバラエティーがあろうかと思います。同時に、取り扱い側からいきましても、やはりそういう環衛業は特に零細でございますし、生業的なものでございまして、取り扱い者側の、たとえば委託銀行からいきますと、まあ当然金融業からいたしまして、担保の問題であるとか信用の問題であるとか、そういうものがございまして、結果的に低くなっておるのではないかと思います。ただ、御指摘のように、その申請した営業が適正な担保を提供し、かつ、しかも金額的に適正な金額を申請しているという場合にもかかわらず、金額が非常に低いということがあってはならないわけでございまして、私どもは常日ごろそういった面については、適正な貸し付けをするように指導しているわけでございます。

野尻春海農林省農林経済局企業流通部商業課長

○野尻説明員 マル食資金、いわゆる生鮮食料品等小売り業近代化資金の貸し付けでございますが、先生の御指摘のとおり、一件当たりの資金は百万九千円程度でございまして、ワクに対してきわめて一件当たりの金額は小さいわけでございます。この原因は、生鮮食料品等の小売り業は、規模がきわめて零細でございます。これは、一つには、消費者の講買活動がもより買いでございますので、勢い全体的にはこれら小売り商の規模がきわめて小さいということでございます。それで、このように平均貸し出し額は小さくなっております。また、その他には、環境業種と比べまして、食品業種というのは組織が弱体でございます。その点、十分な指導、末端へのPR等が届いていない点もあるわけでございます。しかし、一方におきまして、私どもは、最近の物価その他の関連もございまして、これら生鮮小売り業を中心にします食料品小売り業に対しましては、総合化、大型化という方向を一つの指導の方向としていたしております。数多くの小売り商の中には、協業化その他の形によりまして大型化なり総合化を目ざすものがございますので、個々のケースを対象にとりますと、この平均百万という額ではとうてい足らないわけでございまして、一千万以上の額が、当然、御指摘のように必要になってまいります。現在大蔵省との間で、マル食資金の一千万円のワクに対しまして、これに近代化、省力化に必要な設備につきましてはワクとして五百万円の上のせができるように、具体案につきまして折衝をいたしている段階でございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 私は、いま野尻課長がお答えになりましたマル食資金のほうは、いまお答えのとおりに理解ができるわけです。食品業というのは対象設備が非常に少ない。たとえば牛乳販売あるいはうどんとかパンとかいうのは何が対象になるんだろうか。しいて言えば、魚屋さんのほうが比較的対象設備が多いという程度ですね。この点は、私はある程度理解ができるわけです。平均の金額が少ないということですね。今度近代化、省力化ということで五百万円上のせをすることになったわけですが、いま折衝の段階であるということでありますので、もう少しつまびらかにお答えがお聞きしたいわけですけれども、できるならばもう少し明らかにしていただきたい。非常に関心を持っておるからでございます。一千万円に五百万円上のせするわけですから、一千五百万円になる。したがって、これはどの程度積極味が出てくるのであろうか。いわゆる近代化の面におきましてもこれをお答えいただきたい。  それから、ことばじりをとらえるわけじゃありませんが、高橋長官は中小企業庁長官です。この金融問題に対しましては、当商工委員会におきまして私どもはきわめて真剣に問題の指摘をし、あなたの考え方も伺ってまいっております。それだけに、あなたも真剣にこの問題に取り組んだであろう。この四十六年度の白書をいまお出しになっていらっしゃる。それだけに、中小企業庁長官をはじめといたしまして中小企業庁の幹部の皆さん方の頭の中には、中小企業の金融あるいは税制、中小企業の置かれている実態というものが最も鮮明にあると私は考えている。にもかかわらず、具体的な問題に対しましてはよく調査をしてみなければお答えができないというような答弁に至っては、私はもう何と言ってよろしいのか、言うことばを知らない。申し込み金額は百四十万程度である、そして貸し付け金額の平均は百十万だというお答えであったわけです。百四十万という申し込み金額はどうして出てきたのか、それをもう少し真剣につかんでもらわなければならぬということです。まず、申し込みをされる前に、国民金融公庫に行って申し込み用紙をもらってくる。その際に、ほとんどがある程度のことを聞いてくるわけですよ。ところが、実際はもっと借り入れをしなければならぬけれども、貸してもらえないということが、申し込みをする前に申し込み者はほとんどわかっている。そして控え目に出した申し込みというものがさらに削られるという実情にあるのです。償還期限においてもしかり。中には、あまり長期になったのでは、五年かそこらということになってまいりますと長過ぎるから、もう少し短く支払いをしてしまいたいというような申し込み者もあります。ありますけれども、それは比率はきわめて低いのです。実際は国民金融公庫において、設備資金八十四カ月であるとか、あるいは運転資金の六十カ月であるとかというようなことではなかなか受け入れてくれないのです。環境衛生課長がお答えになりましたが、これもお考えいただければわかると思う。クリーニング業において五千万円、浴場において二千万円ですよ。それから今度は、旅館において、防災関係のものを含めまして一千三百万円でしょう。そういったような金額で、しかもこれは七年から十年です。にもかかわらず、貸し付けが十年なんというのは、一年間に一件か二件にすぎないのです。三年程度の平均。そういったようなことは、押えておるからこの貸し付け期限というものが平均としては非常に低くなっている。そういうようなことはどうして出てきているのであろうか。これは、やはり国民金融公庫に対するところの国の出資であるとかあるいは財投であるとか、環衛金融公庫の場合も八五%は国民金融公庫が窓口であるわけですから、やはりそれらのところに絶対量の資金量、貸し付け規模が低いというところに問題があるわけです。だから、第一線の窓口は、申し込み者に対して幾らかでも貸してやらなければいけないから、頭からそれを押えているのが実情なんです。あまり貸し付け期間を延ばすということは、それだけ資金量が多くなってくるわけですから、貸し付け期間におきましても、申し込み者はもっと長く借りたいのだけれども、これを短くしておるというのが実情なんです。そうして、金利にしても考えてごらんなさい。四十七年度二厘下げて、八分の金利になりました。日銀の公定歩合は四・七五でしょう。また公定歩合を引き下げようという動きがあることは御承知のとおり。銀行は四・七五%の安い金利で金を借りて、国債であるとかあるいは有利な公債でもって資金を運用して、笑いがとまらないようにもうけているでしょう。いまの都市銀行の貸し出し、これはもう七%を割るという実情にある。中小企業はどうであろうか。大企業は五%から六%、その程度で金を借りているけれども、中小企業というものはもっと高い金利にある。しかしながら、政府関係金融機関よりも中小企業に対してもそう高い金利ではない、いま資金がゆるんでいますから。政府関係金融機関というものは貸し付け期間が長い、さらに、金利が安いということがこれは常識となってきたけれども、今日政府関係金融機関は、いまのように二厘下げても八%だ。一般の民間金融機関よりも高い金利で融資をしておるという実態をどのようにお考えになっていらっしゃるのか。中小企業庁あるいはその他の特利制度によって貸し付けをするところの厚生省あるいは農林省は、これらの問題に対して目をつぶっておられるのかどうか。六分五厘の制度がある、あるいは七分七厘がある。今度七分七厘というのをさらに拡大をしようとしているのだが、どの範囲に七分七厘を拡大をし、六分五厘で拡大をしようとお考えになっておられるのか。これらの点に対して、反論があれば反論でけっこうなんです。私の指摘と質問に対してそれぞれお答えをいただきたい。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 中小企業対策、特に小規模事業対策といたしましては税制、金融、それから一般会計の面での助成ということでございますが、なかんずく金融の面につきましては、政府系三機関に対する財投を大幅にふやすということで、四十六年度の実績を見ていただきましても、年度間におきまして数度にわたり貸し出し規模の追加、それに必要な財投の追加を行なってまいりましたし、四十七年度におきましても必要に応じて財政当局に対して貸し出し規模の追加、拡大について強く要請して、そして実需に合わすように最善の努力をいたしたいというのが基本的な考えであります。  それから特に国民金融公庫からの資金量の拡充ということについては重点を置いて考えていかなければならないと思いますし、特利、特ワクの対象の範囲の拡大ということについても、いままで努力してきましたし、今後も努力を続けていきたいと思います。一般の金利の低下の傾向下にありながら三機関の金利が八%を中心にして割高であるということは確かにそのとおりでございまするが、国民公庫にしましても中小公庫にしましても、原資の調達の面、それから商工中金につきましては半官半民であるというそういう性格から、原資面でのコストを切り下げるということについてなかなか問題がございますので、基準金利を八%から、さらに下げるということについては実際問題としてなかなか困難な点があるということが私は現状であろうかと思います。  三機関からの貸し出し、それから一般市中金融機関の金利引き下げ、また信用補完制度の拡充ということによりまして幅広く金融の実需にこたえるように努力を続けさしていただきたいと思います。

野尻春海農林省農林経済局企業流通部商業課長

○野尻説明員 第一点のマル食資金の五百万円のワクのかさ上げの問題でございます。これの範囲につきましては、現在近代化、省力化の設備に限るということに考えておりまして、この範囲といたしまして、特利対象施設及びこれらの施設を設置するために必要になりますところの建物の増改築ないしは改装等を中心にいたしまして、これらかさ上げのワクを活用できるように現在大蔵省と協議しておる最中でございまして、近く成案を得る予定でございます。  なお第二点の特利対象施設の拡充でございますが、御指摘のとおりでございます。新しく小売り販売業等におきまして開発される近代化、省力化の設備等をどしどしこれから食料品小売り業等に導入させるために、現在指定されております機械施設等の洗い直し、差しかえ等も含めまして、御指摘のような方向でこれからの特利対象施設をふやしていけるように努力したいと考えております。

加地夏雄厚生省環境衛生局環境衛生課長

○加地説明員 環境衛生金融公庫につきましても、全体の資金量、事業資金と申しますか、資金のワクの拡大の問題とか、さらに先生御指摘のように全体の金利を引き下げる、こういう努力は従来から続けてきたわけでございまして、特に特利の七分七厘ないし六分五厘の適用設備につきましては、環衛業の実態が非常に近代化、省力化を要するようなものでございます。その意味におきまして、そういった営業施設ではございますけれども、近代化、合理化の面に焦点を合わせまして特利対象の設備を広げていったわけでございます。本年度におきましても、いまのところまだ最終的に確定はしておりませんけれども、従来対象にならなかった水洗便所でございますとかそれから自動ばかりでございますとか、そういったものを七分七厘の特利に入れていく予定でおるわけでございます。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣がもうすぐ出席されるようですから結論に入りたいと思うのですが、私は、小規模企業というものを育成していかなければならぬという観点からいろいろお尋ねをしてきておるところですが、御出席の方々では、いまお答えになっておられるようなお答え以上のものは出ないと私はこう思っておるわけです。  そこでいま高橋長官から信用補完の問題が出てまいりましたから、もう大臣がすぐ参られましょうから、ひとつ私から二、三点あげて、それぞれお答えをいただきたいと思います。  信用補完の問題といたしまして、この保証料の先取り、一年間の保証料を前に取る、金額が下がっても保証料を下げないし、返さない、これを直すべしという主張に対しまして、これを是正したのかどうか。私の知る限りにおいては、これを是正しておるようには思えません。  いま一つは、保険制度の問題として、無担保保証推進特別長期貸し付けという無担保保険というものを相当推進をしていくという観点からこの制度を設けたわけです。ところが、四十五年度から総額で十八億、それからこの十八億の金額というものを中止してしまった。そして従来貸し付けしておったのを引き揚げるというようなことになってまいりましたが、最も小規模企業が期待をしておる無担保無保証あるいは無担保保険というものを今後取りやめていこうという考え方の上に立っているのかどうか、きわめて消極的な取り組みをこの問題に対してはしようとしておりますから、この点に対しては出席の大蔵省からお答えをいただきたいということであります。  それから社会保険庁からは、零細企業対策といたしまして、五人以下の企業に対しまして社会保険を適用すべしということをかねがね私どもは主張してまいっておりましたが、なかなかこれは実行しないばかりか、最近は五人以上の企業の社会保険に対しましてもこれを押えようという方向にあるということです。私は、この点はまことにけしからんと思っておりますが、これらの点に対してのお考え方はどうなのか、それぞれお答えをいただきまして、あとの質問は留保いたしまして、私はこれで終わりたいと思います。

磯辺律男大蔵省銀行局総務課長

○磯辺説明員 お答えいたします。  無担保保険の拡充強化の問題につきましては、かねがね中村先生非常に強く御推進しておられることは大蔵省も十分承知しておるところでございます。御承知のように、無担保保険そのものの絶対額はかなり伸びてきておりまして、たとえば四十五年の実績で見ますと五千二百二十六億円、それから四十六年度の見込みは、大体実績見込みでございますが、六千五百二十二億円というふうにかなり伸びてきておりまして、いずれも対前年比が二〇%台で伸びている状況でございます。ただ、この無担保保険全体の総額に占めます割合といいますのは、先生御指摘のように、遺憾ながら若干ずつそのシェアが下がって、かつてのピークで四二%程度ございましたのが、最近では三五%程度に下がってきておるというのもこれまた事実でございます。ただ、これは無担保保険そのものを締めつけてきたということではなくて、御承知のように、四十六年度には普通保険とか、あるいは特別小口保険とかいうようなものの付保限度額をかなり引き上げましたので、そういった意味におきまして、相対的にシェアが下がったという状態でございます。  なお、その十八億円の問題でございますが、これは長期特別貸し付け金という制度がございまして、これはそのときそのときにいろいろ特に力を入れていきたいといったような保険、あるいは保証制度についてのそれを特に進めていく、あるいはPRしていくというふうな目的で特別な貸し付けをしておるのでございますが、この無担保保険というのも御承知のように例年大体五千億から六千億というふうに定着してまいりました。したがいまして、昨年度におきましては、特に繊維対策であるとかドル・ショック等のほうに重点を置きまして、これを削除したようなわけでございます。したがいまして、特にこれに対して力を抜いておるというようなことはございませんで、今後ともこの問題についてはわれわれとしても十分気をつけて伸ばしていきたい、かように考えております。

大和田潔社会保険庁医療保険部健康保険課長

○大和田説明員 社会保険の任意適用を押えておるのではないか、こういう御質問でございます。結論的に申しますと、任意適用の認可基準、これは昭和三十八年に出しておりますが、この認可基準に合致しております限り認可するように私どもも指示しております。したがって、適用を渋っておるということはありません。認可基準につきましては、使用関係が明確であること、それから公租公課の納入状況から見て保険料の納入が確保される、この二点が認可基準になっておりますが、これに合致しておれば認可を渋るということはありません。  なお、数字的に見ましても、昭和四十年におきまして事業所数が九万六千、これは任意包括の事業所数でございます。それが四十五年には十四万にふえております。また被保険者数につきましても、昭和四十年度におきましては六十八万四千、これが四十五年度は九十五万四千、着実に逐年ふえておるわけでございまして、決して渋っておる、押えておるということはありません。

中村重光日本社会党

○中村(重)委員 大臣にまたお尋ねをする機会があるかどうかわかりませんので、一点だけお尋ねをし、もしいまお答えができなければ、この法律案をあげるときにお答えをいただいてもけっこうでございますから、きわめて簡単に申し上げます。  この小規模企業共済、いま私どもが審議いたしております第一種と第二種と、こうあるわけです。第一種というのは、事業の廃止、死亡の場合、事業の第三者への譲渡、この三点になっております。第二種は、事業の廃止、死亡の場合、事業の第三者への譲渡、これまでは第一種と第二種は同じであります。第二種はそれに加えて、組織の変更で法人の役員にならない場合、隠居、それから三十年満期の場合、この五点になっているわけです。  私どもは四十二年の七月、この法律の一部改正の際に附帯決議をつけて、第二種に対しても特別の減税措置を講ずる必要があるということを強調いたしているわけです。ところが、第一種のみで、第二種は今回は全く扱っていない。第一種は全額控除。たしか二十口になったわけですから、全額十二万円まで掛け金を控除する、こういうことになってまいりました。ところが、たとえば第二種の隠居というような点、これは事業の第三者への譲渡と質的にどう違うのか。これは全く同じではないか。したがって、第二種がいわゆる任意加入であり、貯蓄性のものであるという形においてこの減税措置を講じないということは適当ではないという点が一点であります。  もう一つは、この共済金を受けたときに、一時所得として課税の対象になるわけです。これは何としてもあまりにも冷た過ぎる、この共済金をもらうときですから。これは当然退職金扱いにすべきであって、一時金として課税の対象にすべきではない。しかもいままで青色申告の場合に、毎年事業所得の五%、金額として最高十万円まで積み立てて、これを取りくずすときは課税の対象にしておった。ところが今回四十七年度、これは改めまして、全額十万円控除することになったわけです。これは一歩前進になるわけです。これと質的には全く変わらない。したがって、一時所得は課税の対象とすべきではない。当然配当所得としてこれは扱うべきだというのが私の主張であるわけです。いまお答えができればお答えをいただけばけっこうでありますし、あるいは明日でもけっこうでございますが、ひとつ大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 第一の問題は、第二種共済は第一種共済と性格を異にする点があるということでございます。これはないと言われますが、あるということでございます。税制上の取り扱いにつきましても、これを第一種並みにするということは、踏み切り方が幾ばくか違う、こういうことでございます。しかし、非常にむずかしい問題ではございますが、第二種共済の将来のあり方という問題の中でこの問題についても検討してまいりたいということが、第一の問題に対してでございます。  第二の問題は、これは一時所得扱いということになっております本制度の共済金は、事業主がみずから積み立てたものでございますので、税制上一時所得の扱いとなっておるこれを退職金扱いとして税の負担を軽くせよという御意見でございますが、これはやっぱり前向きに検討すべき問題だと思います。これはひとつ政府部内において検討してまいります。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 この際、内閣提出、計量法の一部を改正する法律案、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案、工業再配置促進法案、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案及び熱供給事業法案の各案を議題として、政府より提案理由の説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。     —————————————

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○田中国務大臣 計量法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  計量法は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的として制定されたものでございますが、同法につきましては、最近における社会情勢の変化に対応して、計量による取引や取り締まりの適正化、消費者保護等の観点から、諸制度のあり方に幾つかの改正を加えるべき事情が生じておるのでございます。これにかんがみ、政府といたしましては、昭和四十六年四月から計量行政審議会に計量法における諸制度のあり方について審議をお願いし、昨年十一月答申を得て以来、その趣旨に沿って同法の改正を慎重に検討してまいりました結果、ここに成案を得て提案をすることとなした次第でございます。  次に本法案の要旨につきまして御説明申し上げます。  第一は計量単位に関する改正でございます。第十三回国際度量衡総会の決議及び日本学術会議の意見等に基づきまして、時間の計量単位であります秒の定義を従来の天文学的方法から原子物理学的方法に改めるほか、温度及び光度に関する現示の方法の改正、波数、熱伝導率、比熱等に関する計量単位の追加を行なうこととしております。  第二は計量器の定義の拡大でございます。近年、地域冷暖房の普及に伴い、この取引に使用される熱量計の性能確保に関する要請が高まっておりますほか、主として公害の取り締まり等に使用される濃度計及び振動計についても同様の要請が高まっておるのでございますので、これらを計量法上の計量器として追加して同法の規制の対象とすることといたしておるのでございます。  第三は家庭用計量器についての規定の新設でございます。ヘルスメーター等の家庭用計量器につきましては、その性能等の面で種々の問題点が指摘されておりますので、これについて技術上の基準を定め、製造事業者及び輸入事業者に対してこれを順守せしめる等の措置を講じてその性能の確保をはかることとしておるのでございます。  第四は指定検定機関の制度の導入でございます。新たに検定を実施することとしております濃度計、騒音計等の計量器の検定について、民間の能力を活用し得るよう検定に必要な技術的能力を有する等適正な検定を実施し得ると認められる民間の機関で通商産業大臣が指定するものを検定の主体として追加することとしております。  このほか、計量証明事業者が計量証明に使用する計量器の検査に関する計量士による代検査制度の導入、計量行政審議会の諮問事項の整理、検定手数料に関する改正、罰則の整備等について所要の改正を行なうこととしておるのでございます。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨でございます。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  次に、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  現行特定繊維工業構造改善臨時措置法は、わが国の繊維工業を取り巻く内外の経済環境がきびしくなりつつある情勢の中で、その構造的脆弱性を克服し国際競争力を強化するため、特定繊維工業について総合的な構造改善をはかることを目的といたしまして、昭和四十二年に制定されたものであります。本法律の対象業種としては当初、特定紡績業及び特定織布業の二業種でありましたが、昭和四十四年の改正でさらにメリヤス製造業及び特定染色業の二業種が追加せられたのであります。  しかしながら、その後のわが国繊維工業をめぐる内外の経済環境は、当初の予想をはるかに上回る急激かつ広範な変化を遂げております。すなわち、海外におきましては、発展途上国における繊維工業の目ざましい発達があり、これら諸国における自給度の向上と第三国市場におけるわが国製品との競合によりまして、従来、海外市場において圧倒的地位を誇っていたわが国の繊維製品が次第に後退を余儀なくされつつあります。  また、わが国市場におきましてもこれら諸国からの輸入は、近時急激に増加しつつあり、この傾向は、昨年八月一日から特恵関税が発展途上国に供与されましたこともあって、今後ますます進むものと予想せられておるのでございます。さらに、過般の日米繊維問題に見られますように、先進国におきましては国内産業に対する保護主義的な動きが台頭しており、今後のわが国繊維製品の輸出に対する制約は大きなものがあると考えられます。これに加うるに、昨年末には、国際的通貨調整が行なわれ、わが国の繊維製品の国際競争力は、この面からも大きな影響を受けるものと予想せられるのであります。  国内に眼を転じますと、若年労働者を中心とする労働力需給の逼迫とこれによる賃金の上昇は、当初予期していた以上のものがあります。また、国内需要面においては、製品の多様化、高級化、ファッション化等の需要構造の変化が顕著にあらわれてきており、繊維工業の供給構造の変革を強く迫っておるのでございます。  このように繊維工業をめぐる内外環境は近年著しい変化を遂げておりますので、本法律に基づき昭和四十六年度末を目標として進められてきた特定紡績業及び特定織布業の構造改善事業は必ずしも順調な進捗状況とはいえず、本年度末までに当初計画の目標を達成することが困難な状況となっております。このため、通商産業大臣の諮問機関であります繊維工業審議会及び産業構造審議会繊維部会において慎重な審議を重ねていただきました結果、この時点において構造改善事業を打ち切ることは、これまで積み上げてきた構造改善の成果を減殺することとなることだけでなく、紡績業及び織布業という繊維工業における基幹的な産業が大きな打撃を受けるおそれがあること、また、関係業界ではこれまでの構造改善への反省と内外環境の一そうのきびしさに対する認識に基づいて新たな構造改善への意欲を高めていることなどの理由から、この二業種についての構造改善の計画期間を二年間延長し、構造改善を促進するための措置を引き続き講ずべき旨の答申を得た次第であります。また、最近における需要動向の変化に適切に対応して、わが国繊維工業を高付加価値産業あるいは、知識集約型産業に脱皮させることは、発展途上国のきびしい追い上げの中にあるわが国繊維工業を合理的な国際分業の中に位置づけるためにも必要な道であります。この観点から、今回の臨時繊維産業特別対策の一環として、繊維製品の需要動向の変化に即応するための事業を助成することとなし、そのため十億円の政府出資等をもちまして新たに振興基金を創設することといたしておるのでございます。  政府といたしましては、以上の施策を実施するのに必要な法律的裏づけを得るため、特定繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を作成し、提案することといたした次第でございます。  次に改正の要旨につき、御説明をいたします。  第一は、特定紡績業及び特定織布業の構造改善事業の計画期間につきまして、従来、本年六月三十日までとなっているものを二年間延長し、昭和四十九年六月三十日までとすることであります。  第二は、新たに繊維工業構造改善事業協会に振興基金を設置する旨の規定を置くとともに、同協会の業務として新商品または新技術の開発、海外市場動向調査等の繊維製品の需要の動向に即応するための事業に対する助成金の交付の業務を追加することであります。  以上が、今回の改正の主要点であります。  何とぞ慎重に御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  次に、工業再配置促進法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  戦後のわが国の経済社会は、工業化と都市化を基調として成長、発展を続けてまいり、その結果国民の生活水準は著しく向上いたしました。しかしながら、成長、発展の過程において、国土面積の二〇%にしかすぎないいわゆる太平洋ベルト地帯に工業生産の七〇%強、人口の五〇%が集中し、一方では人口の著しい減少と財政窮迫に悩む市町村が全市町村の約三〇%にも及ぶに至り、これにより、住宅難、交通渋滞、環境悪化等の過密問題と過疎問題とが、同時に発生しているのが現状であります。  こうしたいわば国土資源の片寄った利用による諸弊害を是正し、今後とも長期にわたってわが国経済社会の活力を持続し、国民生活の向上をはかっていくことが、われわれに課せられた重大な使命であると考えます。  本法案は、かかる見地から工業生産の全国的な平準化の促進を柱として国土利用の再編成を進めるため、工業が過度に集積している地域から工業の集積の程度が低い地域への工場の移転及びその地域における工場の新増設を環境の保全と雇用の安定に配意しつつ推進しようとなすものであります。  次に、本法案の概要について御説明いたします。  第一は、工業再配置の基本となる移転促進地域と工場の誘導をはかるべき誘導地域を定めることとしていることであります。移転促進地域は、大都市とその周辺の地域のうち、工業の集積の程度が著しく高い地域について、また、誘導地域は、工業の集積の程度が低く、かつ、人口増加率の低い地域について、政令で定めることといたしております。  第二は、工業再配置計画を策定し、公表することとしていることであります。この計画は、目標年度における工業の業種別、地域別の配置目標、移転促進地域から誘導地域への工場の移転に関する事項、環境の保全に関する事項等について定めるもので、今後の工業再配置政策の基本となり、また民間企業の立地に関する指針としての役割を果たすものであります。  なお、計画の策定にあたっては、新全国総合開発計画その他各種の地域振興計画、農村地域工業導入基本方針等と調和のとれたものとなるよう十分調整をはかることとしておるのであります。  第三は、移転促進地域から誘導地域への工場の移転及び誘導地域における工場の新増設を促進するための税制上、財政上、金融上の措置を講ずることとしていることであります。  まず、移転促進地域から誘導地域へ移転する工場については、移転計画の認定制度を設け、この認定を受けた場合には、企業に対し償却の特例を認めるとともに、固定資産税の減免をした地方公共団体に対し減収分の補てん措置を講ずることとしておるのであります。  また、財政上の措置といたしましては、誘導地域において企業が立地した場合に、主として市町村に交付される工業再配置促進補助金、地方公共団体等の造成する工業団地に対する工業団地造成利子補助金を昭和四十七年度予算において要求しております。そのほか、誘導地域における産業関連施設及び生活環境施設の整備の促進等に関し所要の規定を設けて一おります。  なお、本法に関連いたしまして、工業再配置促進対策の重要な部分を実施させるため、現在の産炭地域振興事業団を改組拡充して工業再配置・産炭地域振興公団とすることとなし、別途産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案を提案いたしておりますので、よろしく御審議を賜わりたいと存じます。  以上が本法案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げる次第でございます。  次に、産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。  戦後のわが国の経済社会は、工業化と都市化を基調として成長、発展を続けてまいりましたが、近時、過密過疎の弊害が顕著になってきており、今後とも長期にわたってわが国経済社会の活力を持続し、国民生活の向上をはかっていくためには、太平洋ベルト地帯、特にその大都市圏に工業と人口が過度に集中している現状を改め、各地域の開発可能性に対応した国土利用の再編成をはかることが急務となっております。  かかる観点から、地域開発の主導力となる工業に着目し、昭和四十七年度から新たに各種の工業再配置対策を推進するため、別途本法案とともに工業再配置促進法案を提案している次第でございます。  工業再配置促進対策におきましては、工場の移転関連融資、工場用地の造成等の諸施策が重要な役割りをになうこととなりますが、これを円滑かつ効率的に実施するため、現在内容的に類似した業務を行なっている産炭地域振興事業団を改組拡充して、工業再配置・産炭地域振興公団にいたしたいと考えております。  御高承のとおり、産炭地域振興事業団は、昭和三十七年に設立されて以来、石炭鉱業の不況により特に疲弊の著しい産炭地域における鉱工業等の計画的な振興をはかるために必要な業務を積極的に行ない、産炭地域の振興に多大の貢献をしてまいりました。今回の改組拡充により、公団は従来からの産炭地域振興事業を積極的に推進するほか、新たに工業再配置事業を行なうこととしたいと考えている次第であります。  次に、本法案の主要な内容について御説明いたします。  第一は、産炭地域振興事業団を工業再配置・産炭地域振興公団に改組拡充するため、名称の変更、役員の増員等所要の改正を行なうこととしていることであります。  第二は、この公団に、工業再配置業務を新たに行なわせることとしていることであります。工業再配置業務としましては、まず過度に工業が集積している地域内にある工場を工業の集積の程度が低い地域に移転しようとする製造事業者に対し、移転資金融資を行なうとともに、その工場あと地を買い上げ得ることとしておるのであります。次に、工業の集積の程度が低い地域において、地方公共団体の要請に応じ、地域発展の中核となるような工業団地を造成することとしております。  第三は、工業再配置業務と産炭地域振興業務をそれぞれ積極的に進めるため、両者を明確に区分経理させることとし、所要の規定を設けることとしておるのであります。  以上が産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  最後に、熱供給事業法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  今日、暖房、冷房、給湯は、より豊かな生活環境を形成する上で不可欠のものとなっておりますが、従来の暖房、冷房等の方式は、個々の部屋ごとまたは建物ごとに設備を置くものが通例でありました。しかし、近時、いわゆる地域冷暖房を主体とする熱利用方式が登場し、その社会的、経済的にすぐれた性格から、急速に普及の段階を迎えようとしておるのであります。本方式は、暖房、冷房等に使用される蒸気、温水または冷水を事業者が集中的に製造し、導管を用いてこれを多数の消費者に供給するものであります。  政府におきましては、このように集中的な熱サービスを行なう事業を熱供給事業として位置づけ、この種事業に歴史を有する欧米諸国の実情を調査する一方、総合エネルギー調査会の審議等を通じて、その経済的、社会的意義と必要な施策について検討を進めてまいりました。その結果、地域冷暖房事業等の熱供給事業については、第一に、これが地域全体の生活環境の改善に寄与するのはもとより、エネルギーの有効利用、都市災害の防止、大気汚染の防止等にも大きく貢献することから、国としてその健全な発達をはかる必要があること、第二に、その際特にこの事業は、一たび事業が開始された後は、その区域について独占的地位を保有するようになるため、消費者の保護が必要となること、第三に、現在法規制が行なわれていない導管等について早急に保安規制を導入することが必要であること、について結論を得た次第でございます。  本法案は、以上の実情にかんがみ、熱供給事業を新たな公益事業として位置づけ、必要な限度で国が監督を行なうことにより、消費者の保護と保安を確保し、あわせて事業の健全な発達をはかろうとするものであります。  次に、本法案の概要を御説明申し上げます。  その内容の第一は、熱供給事業の開始を、通商産業大臣の許可制とし、経理的基礎、技術的能力等を備え、かつ、確実、合理的な計画を有する事業者により事業が遂行されるよう措置したことであります。なお熱供給事業の範囲は、一般の需要に応じて熱供給を行なう事業であって、一定規模以上の供給能力を有するものとしております。  第二は、熱供給事業者に対して、供給区域内の需要に対する供給義務を課するとともに、熱供給の料金その他の供給条件については、これを供給規程に定め、通商産業大臣の認可を受けさせることとしたことでございます。  第三は、熱供給事業の用に供する設備の保安を確保するため、これらの設備は、通商産業大臣が定める基準に適合するように維持すべきものとし、さらに、導管については、工事計画の届け出、使用前検査等の義務を課することとしたことであります。なお、この導管の保安に関する措置については、熱供給事業に該当しない同種の事業に対しても、準用することとしております。  また、熱供給事業に対しては、その健全な発達をはかるため、既存の公益事業と同様の税制上の特例を認めることといたしましたが、このために必要な法人税法及び地方税法の一部改正は、本法の附則であわせて措置しております。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でございます。  何とぞ、慎重御審議の上、御賛同賜わりますようお願い申し上げます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 以上で各案の提案理由の説明は終わりました。  午後三時再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時休憩      ————◇—————    午後三時十五分開議

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  内閣提出、小規模企業共済法の一部を改正する法律案を議題として、その質疑を続行いたします。松尾君。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 政務次官は三時半になったら他の委員会へ出られるようでありますから、最初に政務次官にお尋ねします。  もともとこの小規模企業の共済制度が始まった、本制度制定の目的——個人事業主には、従来社会保障的なものは何にもないわけですね。退職金もなければ、失業保険もないし、厚生年金もない、こういうわけで、個人事業主に対する社会保障的な制度として、この共済制度がとられたものであろう。また、今回の本法の改正もそのような趣旨で計画されたものであろうと思うのでありますけれども、その点をまず政務次官から的確にひとつ御答弁願いたいと思います。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 この法律が改正される問題から先にお話しいたしたいと思いますが、まず、五年ごとに見直すということに義務づけられておりまして、同法の改正は、昭和四十二年に一部改正されて以来、五年目に当たるわけであります。その間、所得の水準が二倍あるいは消費者物価が四十年度対比四〇%、こういうふうに上昇いたしておりまして、経済情勢の推移を考えた場合におきましても、現行法の掛け金や共済金を最高限度二倍に引き上げることが適当である、こういう形で一応法が改正されるわけでありますが、問題といたしましては、これによって零細企業者に対して、退職の問題あるいは倒産の問題、そういう場合において、十二分なというわけにもまいりませんと思いますが、こういった面において救済というものがなされておる、こういうふうに思っておるわけであります。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 そういう救済的な色彩が非常に濃厚である。個人事業主に対するそういう制度が何らなかった、それがやはりもともと本法が制定された理由でありましょうし、今回またこのような改正案が提出された理由だと思うのです。ということは、結局は、零細なる個人事業主に対して社会保障的な観点からこの制度は始まったんじゃないか、このように思うのですけれども、一言、その点どうですか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 全くそのとおりであります。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 けさほどからも問題になっておりましたのは、要するに第二種共済の所得控除の問題であります。また共済金に対する所得税の課税の問題でありますけれども、どうもけさほどの答弁では、第二種というものは、貯蓄性だとかまたは任意性というものによりまして普通の生命保険料並みの取り扱いである、やむを得なかったというような御答弁でございますけれども、これはやはり普通の生命保険等に対する考え方というものと、この共済制度による制度というものはもともと違う。本来の目的も違っておりますし、またこのようにして、育っていく過程も違っていくわけでありますから、やはりこれは本来性格的に違うものである。それを単純に生命保険並みに考えておること自体が誤りである、このように指摘したいのであります。そういたしますると、第二種掛け金に対する所得控除の問題も、また共済金受領の問題にいたしましても、変わった観点から処理していかなくてはいけない。そういう点で、どうも中小企業庁の考え方が消極的であり、退嬰的である。もう少しこちらがしっかりした姿勢というものがあれば、何も大蔵省の考え方に引きずられていく必要はない。零細なる中小事業主の一つの大きな社会保障的な問題としてとらえていくならば、性格の大きな違いから、当然掛け金というものは全額控除になるべき問題でありましょうし、共済金自体というものは退職金並みに取り扱っていくのが当然である、このように考えるわけでありますけれども、その点いかがですか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 午前中大臣が中村委員にお答え申し上げたとおり、第二種共済は第一種共済と性格が異なっておるわけです。税制上の取り扱いについても、これを第一種並みにすることについては必ずしも踏み切りがたい点があり、非常にむずかしい問題であると思っております。第二種共済の将来のあり方については検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 大臣の答弁は確かにそのようにありましたけれども、やはり本来の零細中小企業に対する共済制度というものを推進していくのは政務次官の大きな役目でありますから、やはり大臣のそのような考え方というものを、もう一歩先に出て、それで政務次官がそれを推進していく、そうしてこの制度というものを本来の目的に沿った制度に仕上げていくというのが政務次官の大きな仕事であろう、私はこう思うわけであります。大臣の答弁されたようなことを答弁されるのではなくて、やはり大臣にもしっかりわからせて、そうして大蔵省のほうにも、商工委員会におけるこの論議というものの焦点をはっきりわからせまして、そうして単に前向きというのではなくて、実現の方向で進めていくかどうか、この点をお伺いしておるわけでありますが、いかがですか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 いまお答えを申し上げましたように、大臣もはっきりとお答えをされておりますので、政務次官という立場で現在の域を脱するということはこれはむずかしいことだと思いますが、御指摘の点をいろいろ考慮いたしまして、前向きに検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 時間がありませんので、このくらいでこの問題についての論議はやめますけれども、単に前向きというのではなくて、いま言いましたこの所得控除の問題と退職金並みの共済金の取り扱い方というものは、しっかり実現の方向でひとつがんばってもらいたい、これを強く次官に要望しておきます。  これで次官に対する私の質問は終わります。  では、次は参考人のほうへお尋ねいたしますけれども、素朴な質問から始めていきたいと思うのでありますけれども、この事業団の組織、職員の数等が、大まかでけっこうでありますけれども、大体どのくらいであるか。それで、自分の事業団の組織が——内部組織でありませず対外的な組織、支店網があるのだとか、どのようにやっているのだという組織面が第一番であります。そしてこの共済制度というものを推進していくのがこの事業団であります。この共済制度というものを推進していくその実務というものは、どのようにしていまやっていらっしゃるのか。それから、共済掛け金というものが年々入ってくるわけでありますけれども、この共済金の運用というものはどのようになされておるのか、こういう三点についてお伺いいたします。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 私どもの共済事業団のまず組織でございますが、役員は私とあと常勤の理事が二名おります。したがって、常勤役員三名。それに監事といたしまして、これは民間、商工会議所の代表に出ていただいておりますが、現在は丸善の司社長が監事ということ、これはもちろん非常勤でございます。ですから、役員四名、それから職員が六十八名でございまして、全員で七十二名でございます。  組織は、業務系統と総務系統との二つに分けておりまして、総務系統は、こういう法律改正の問題その他、日常の官庁連絡等の仕事を担当いたします。それから業務部というのは実務の担当でございまして、この業務部の中の十六名ないし七名くらいがいわば外務関係と申しますか、外へ出まして、常時PR、加入の促進に飛び歩いておる、一般の会社で申しますと営業系統に当たるような仕事をいたしております。それから女子が約二十名おりますが、それと男子数名が、二十七万人余りの契約者から入ってまいります申し込み書あるいは掛け金の整理、これはもちろん電算機を使用いたしておりますけれども、そういういわば内部の管理事務、これが約三分の一かかっております。大体そんな構成でございます。  それからPRの業務の主たる仕事は、従来のところは大体二本の方向をとっておりまして、一つは都道府県庁及びこれに連なると申しますか、傘下にあります中小企業関係の団体であります商工会議所、商工会、各種の組合、その中央会、そういう団体にお願いをして、PRをしてもらう。それからもう一本は金融機関でございます。これは主としては掛け金の収納を扱うわけでございますが、あわせて一般にPRの仕事をやってもらっております。  それから支店というお尋ねがございましたが、地方組織は現在のところまだ全然ございませんで、東京に先ほどの七十二名全員がおるだけでございます。したがいまして、地方の関係は全部団体等に委託をして業務を進めるというやり方をいたしております。  運用につきましては、最近のところで百四十億円余りの資金を持っておりますが、それの運用は大体八〇%くらいが商工債券でございます。、それから一〇%前後が中小公庫債と振興事業団債、つまり政府保証債でございます。それから、残りの約一〇%が金融機関に対する主として定期預金に運用されております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 そうしますと、仕事の進め方というのは、PRは事業団自体がやる部面はあまりない。実務というものは地方の商工会議所、商工会、そういうものに行なわせておる、一部金融機関もやっておる、こういうことですね。でありますので、共済の伸び方を見てみますと、あまり伸びていないということがはっきり言えると思うのであります。どうも力の入れ方が足らぬのじゃないか。特に大都会並びにその周辺の加入者というものが非常に少ない。そういうことを考えてみますと、事業団自体があまり積極的でないような感じがするわけであります。それは質問しておる私が誤っておるのかどうか。一生懸命やってもこうであるのかどうか。または何かやるべきことがあるんだけれども、そういう点が抜けておって現存のような状態であるのかどうか。またそうであるとすれば、今後どのようなところに力を入れて共済制度というものを普及し、徹底していこうとするのか。その点はいかがでしょうか。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 現在のところどうも業務があまり進行しておらぬじゃないかというおしかりでございまして、これは甘んじて受けざるを得ないのかもしれませんが、私どもは私どもなりに最善の努力をしてまいったつもりでございます。したがって、なぜ加入が思うようにいかないかということを申し上げますと言いわけのように聞こえますので、これはいかがと思いますが、たとえば私どもが生命保険の加入の勧誘を受けた場合を想定いたしましても、どうも自分から何とか生命のこれがいいということで積極的に加入せられる方というのは非常に少ないのではあるまいか、やはりいるいろ義理があったり、すすめられたりということで入る。まあ私なんかもそうでございました。そういうことで、一ぺん入ってしまえば、せっかくかけた保険料だからということでもちろん続くわけでございますけれども、どうも入るまでの踏み切りは、なかなか自発的にという場合は少ないように存じます。私どもの仕事もどっちかと申しますと、どうもそういう傾向がやはり多い。したがって、一般的なPRの不足もさることながら、その最後の、加入をしていただくこと自体に一体どういう手を打つべきかという、いわばきめ手になるべきようなものがなかなか得がたいということに、われわれとしては常時悩んでおるわけでございます。  それで、何といっても一般的に知られることがまず先決でございますので、午前中申し上げましたように、実は昨年度末あたり苦しい予算をやりくりいたしまして、多少マスメディアあるいはマスコミを利用して、一つのためしのようなことをやってみました。またシンボルマークをつくるとかニックネームをつくるというようなこともやってみつつございますけれども、これはきめ手にはちょっとならない性格の仕事かと思います。と申しましても、こういう事業団という性格から、あまり民放、テレビをひんぱんに使うこともなかなかできがたい。NHK等もときに利用さしてもらいますけれども、これも始終ということもまいりかねます。そういうことで、はっきり申しますれば、活字とはあまり縁の近くない方々に対していかなる方法で知ってもらったらいいのかということが、常に私どもの頭の中に一ぱいある悩みでございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 非常に仕事の運営、拡張面で悩んでおられるようでありますけれども、事業費につきましては昨年も相当出ておるようでありますし、今年の予算でも相当組んであるようでありますから、そういう事業主に対する本制度の普及徹底のキャンペーンを思い切ってやる必要があるのではないか、こう思いますが、その点はいかがですか。非常に困難であるということはわかりましたが、今後どのようにそれを乗り越えて予算的にもやっていこうと思っているかどうかであります。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 資料の中にも、たしか中小企業庁のほうから差し上げてあったかと存じますが、たとえば府県別の加入状況等をごらんいただきますとおおよそわかるのでございますが、どちらかと申しますと、地方の府県は、府県庁が中心で音頭をとってくれれば、皆さんがそれに従って比較的加入に応じていただく度合いが大きいということがいえると思います。逆に大都市、まあ東京はおひざ元でございますから多少特殊な事情がございますけれども、たとえば大阪、名古屋あるいは京都というような大都市ほど、実はいまの浸透がしにくいということが現在の大きな懸案でございます。それで実はこの四月から以後は、しばらく大都市中心でPRなり加入の促進なりをやろうじゃないかということで、いまその具体的な方法を中小企業庁とも御相談をいたしまして、また中小企業庁というよりもむしろ通産省に応援をお願いいたしまして、関係省にもひとつ積極的に応援をお願いしていただくということで、四十七年度は大都市対策を中心にやってみたいということを考えておるわけでございます。  将来この制度をどういうふうに持っていったらいいのかというようなお尋ねもございましたのですが、私ども実務を担当しております側の立場として申しますと、結局都道府県庁の号令の態度、県庁と申しましても結局担当される部長なり課長なり、あるいは直接担当者なりというところの方のわが制度に対する認識と申しますか、理解と申しますか、ということがどうもきめ手になるような感じがいたします。そういう意味で私どもは、常にそういうところにはいろいろ手を変え、品を変えてお願いには上がっておりますけれども、大きいところはそれなりに業者数と職員数とは比例していないというようなことで、大都市ほど忙しいことは事実でございますから、なかなかわれわれのような制度に積極的に一緒に回っていただくというようなことまではお願いできないというのが現状でございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 中小企業庁が大いにバックアップしていく必要があると思うのです。いまのように伸び悩んでおる状態、中小企業者の数に比べて加入者の数が現在非常に少ないという点から、これは今後はそういうところに大いに力を入れていかなければ普及徹底が今後ともなかなか伸びないであろう、こう思うわけでありますけれども、では二言、長官のその面における考え方、そうして本制度の普及徹底ということについてどのようにやっていく考えか、バックアップの意味からこれをひとつ聞いておきたいと思います。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 いま理事長からお答えがありましたように、私も、この制度は世界でも例のないといいますか、非常に少ない制度だと思うのです。発足後まだ五、六年でございますし、この制度を十分知ってもらうということが一番大事だと思います。そのために、事業団みずからやれる範囲内というのは限度がありますので、やはり関係都道府県とかあるいは中小企業関係の団体あるいは金融機関、こういうところの協力を得て制度の周知徹底かつ加入の促進をはかることが基本であると思いまして、中小企業庁、事業団その他関係省が協力し合って、この制度の普及それから拡充をはかってまいりたいと考えております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 では、しっかりその点はがんばっていただきたいと思います。  話は変わりますけれども、二種が最初できて、一種が改正でできた。現在一種、二種とこのような制度がありますけれども、どうも加入者の実態からいえば二種というのはもうほとんど伸びてもいなければ、それだけ利用する価値が非常に少ない。二種の制度が最初できて、改正のときにそれをいきなりやめるということはできがたかったかもしれないと思うのですけれども、現在においては、この一種、二種というこのような並立的なもののメリットはほとんどもうないのじゃないか。そうしますと、先ほどもお答えがあったようでありますけれども、目標をはっきりしぼって、そうして第一種に重点を置いて、第二種もだんだん変えていくというふうにして、これはあまりメリットがないとすればむしろ残しておいても、昔の制度がそのままだらだらと残っておるようなものであっては意味がないわけでありますから、そういうメリットの点からいうても、今後力を入れていく面からいっても、第一種というものに焦点を合わせていくべきであろう、長官、その考え方はどうですか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 私もそう思います。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 そう思いますとおっしゃいましたけれども、第二種をどうされるのですか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 現在の第二種共済契約の加入者は九千人余でございますし、それから四十六年四月から四十七年二月までの新規の第二種加入者は五十数名にすぎません。こういろところを見ますと、やはり第一種共済契約を根幹としてこの共済制度というものは今後拡充をはかっていくべきものだと思いますが、ただ先生からも御指摘がありましたように、いま直ちに第二種共済を廃止するということはまだいかがかと思われますので、併存いたしております。今後の問題といたしましては、第一種、第二種の共済制度を総合してどういうぐあいにもっていくかということは十分検討すべきものだと思いますが、現在においては併存していくということで進めていきたいと思います。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 では、将来第二種というものは解消していく方向である、このように認識していいわけですね。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 本制度のあり方につきましては、審議していただく審議会の場もございますし、またいろいろ関係者の意向も聞かなければなりませんし、また先ほど申し上げましたように他に例のない制度でございますので、いましばらくこの運営の実態を見きわめていくべきではないか。ただ、方向といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、第一種共済契約が主体となっていくべきものであるという考えでございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 これ以上もう言いませんけれども、では、この制度に加入しておる事業主に対して、いままで事業団の融資がなされておったかどうか、いままでどのような融資制度がなされておったかということと、今回の改正によりまして小規模企業者に対しましては直接的な還元融資がなされるようになるわけでありますけれども、なぜいままでこのような還元融資をしなかったのか。この二点について長官からお答え願います。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 還元融資をするということは制度的には法律上認められておりますが、従来は直接還元融資をやっておりません。その理由は、やはりその資金量が十分でなかったということでございます。それに関連いたしまして、直接融資ではありませんけれども、間接的な融資は、この事業団の資金と、それから希望する都道府県と一緒になりまして金融機関に資金を預託しまして、それから融資をしている、こういう実績はございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いままでの金融機関に対する事業団と府県の預託ですね、その貸し付けは共済加入者に限られておりますか、それとも広く一般の中小企業に対しての貸し付けですか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 融資対象は共済の加入者でございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 それで、今度このようにして直接的な還元融資がなされようとしておるわけでありますけれども、その還元融資に対する条件、たとえば利率をどうするのか、申し込みから貸し付けというものはどのように迅速に行なわれるのか、事業団が還元融資をいたしますということになりますると、これは皆さんよく教えてやらぬといかぬわけでありますが、そういうことを徹底しますと、やはり何かとこれは利用したいという希望が必ず多く起こるであろう、これは私の予測であります。そういう意味におきましても、やはり還元融資というものは当然なされるべきであろうし、資金量もここまできたんだからいよいよ踏み切ったとおっしゃいますけれども、これはやはり加入者に還元融資をすることは非常に大切なことだと思います。でありますから、その還元融資をするときの条件だとか時期的な問題等、どのように考えていらっしゃいますか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 還元融資を行ないます資金量としまして、この三月末で約百五十億円程度のものが見込まれます。これをもとにいたしまして、なるべく多くの方に融資をしていきたい。かたがた大事なことは、小規模企業共済契約の運営に支障があってはいけませんので、そちらのほうに対する配慮は十分行ないながらやっていかなければいけない。こういうことで現在検討中の案といたしましては、必要な事業資金十万円ないし五十万円を、償還期間一年、金利八%程度、それから担保、保証なしということで、代理貸し方式で行なっていきたいという案を検討いたしております。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いま概略の内容の説明があったわけでありますけれども、どうも金利八%前後という基準金利というものがいまだに尾を引いてお小ようでありますけれども、これはいまの金融緩るの実態からいっても、少し政府の、要するに中慢企業三金融機関の金融面におけるサービス、貸し付け利率の低下というものをまず総体的にお考えになる必要があるのじゃないかということですね。おまけに、自分の掛け金はこれはどうなるのですか。担保になるのですか。そういうようにして掛け金というものがもともとあるわけでありますから、掛け金担保の還元融資でしょう。そういう点からいえば、相手はもう信用していいわけでありますから、十万−五十万というその融資額につきましても不安はないと思うのですね。心配は要らない。そうしますと、普通の無担保無保証というようなものと、このようにもともと掛け金というものが確実にずっと積まれておるものとは、金利的にも変わってくるのがあたりまえだと思うのですけれども、何かこれを下げていけば事業団の運営等に基本的に困るというような点がありますか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 この共済契約者に対しましては、平均予定利回り六・六%を考えておりますので、やはりこれを基準にいたしまして、それから貸し出しを行ないますときに、金融機関に対して手数料も最小限支払わなければいけないということを考えますと、先ほど申し上げましたように八%程度ということになります。  それから、何を担保にしてやるかということについては、担保というのではございませんで、掛け金を引き当てにして、新たに担保あるいは新たに保証なしで貸し付けを行なうということを考えております。一番大事なことは、共済事由が発生して共済金の支払いを行なう、あるいは解約手当て金を支払うというときに支障があってはいけないということでございますので、その基本原則をくずさない範囲内で、最も効率的な、また共済契約者にとって便利のいい融資を行なうということを骨子にして、案を考えておる次第でございます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 いま掛け金の累計額が百五十億ですか、それを全額還元融資はできないと思います、共済金の支払いがありますからね。では、この掛け金の累計額のどのくらいを還元融資の元本と考えておるのかということが一点と、それから、この金利の見直しを中小企業全般について、いままでの金融機関、まず政府の三機関、信用保証協会、その中でも還元融資する本制度こそ最低の金利をもってやるべきである。なぜかといえば、掛け金があるのですから。それが一つの保証となり担保となっておることはありますから、そういう点からいっても、これは非常に危険がないわけであります。ですから、総体的な金利の見直しという問題と、本制度による還元融資の金利の低下ということをよくよくお考えになりませんと、これはまるで商売的な一つのあり方になる。もともとの発足が、先ほどお話しのとおりに、中小企業者の社会保障的な制度として発足した共済制度でありますから、その趣旨を大いに生かしてもらいたい。これを聞きまして、私は時間が参りましたので終わりますけれども、いかがですか。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 これから還元融資を初めてやるわけでありますので、いろいろと関係の金融機関の協力も得なければなりませんし、さしあたって、初年度二十億程度を原資に充てて還元融資を行なうことを案として考えております。  それから、この還元融資を行ないます趣旨からしまして、御指摘のとおり、金利はできるだけ低い金利で行なうべきものだと思いますけれども、繰り返しになりますが、共済事由が発生した場合に共済金等の支払いに万々支障がないようにということを考えて行なっていかなければなりませんので、そこにどうしても限度があるということは、制度の本質上やむを得ないことかと存じます。

松尾信人公明党

○松尾(信)委員 以上で終わりますけれども、ひとつ全般的な金融情勢から、大いに中小企業全般に対する金利の問題、特に本制度における還元融資の金利の問題というものはよくよくお考えになって、これこそりっぱな結論をこの委員会を通じて出していただきたいと強く要望しておきます。

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 岡本富夫君。

岡本富夫公明党

○岡本委員 最初にちょっとお聞きしたいのですが、この制度ができて約七年、加入者が二十五万人余りですか、この事業団の状況を見ますと、非常に進行状態がのろいように思うのですね。これは普通の生命保険あるいはまた普通の企業だったら、こんなにゆっくりしていたら全部企業がつぶれてしまうわけですよ。ですから、親方日の丸的な状態とは思いませんけれども、どういうところに隘路があるのか、それをどういうように是正しなければならないのか、これをひとつ参考人の秋山理事長さんからお聞きをしたい。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 午前午後を通じまして同じような答えを繰り返すようなことになるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。  一つ、やはり小規模企業者の心理と申しますか、将来のためになるのですからということをわれわれは口をすっぱくしておすすめをするというわけですけれども、おそらく最低十年から十五年ぐらいは続けておかけにならないとまとまった資金は得られないという、これがまずどうも非常にしみ通りにくい根本にあるような感じがいたします。よく保険と同じように比較をされていろいろ尋ねられるわけでございますけれども、やはり保険は、もちろん申し上げるまでもなく、支払った保険料と保険事故が起こりましたときの保険金というものは、とうてい私どもの共済の掛け金対共済金の比では問題にならないわけでございます。不幸にして事故が発生した場合には、非常に集中して大きな金額の保険金がもらえる、それが保険でございますけれども、どうもそういうことでもなかなか普通には入らないのです。いわんや非常に長期にかけなければならぬという、俗に言えばしんどいといいますか、気が長過ぎるということがまずどうも非常に説明しにくいポイントだと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 結局七十人ですか、先ほど聞きますと、これは東京にみんないて、はっきり言うとPRが足らないのですよ。ぼくがあっちこっちの商工会あるいはいろいろな人と話をしましても、ほとんど共済制度のあることを、知っているかもしらないけれども口には出さない。これが一点。  もう一点は、取り扱いするところの金融機関、これを見ますと、ほとんど相互銀行なんですね。相互銀行は、中小企業でも中のほうがわりに利用しているんですよ。小規模になりますと信用組合あるいは信用金庫、こういうところが特に金融の取り扱いをしているわけです。したがって私は、この信用金庫、信用組合、こういうところにもこの推進方を、推進方というとおかしいのですが、こういう制度もあるのですよ。金を借る立場になりますと、こういうことを言われると、では入っておこうか、わりあいにこういうことになるんですよ。そういったPRの方法もあるのではないか。これはなぜいままで信用金庫あるいは信用組合、こういうところにお願いをしなかったのですか。何か理由があるのか、ひとつこれを聞かしてもらいたい。

秋山武夫小規模企業共済事業団理事長

○秋山参考人 先生はいま共済ニュースの数字をごらんになってお尋ねになったようでございますが、実は信用金庫それから信用組合にもずいぶんわれわれとしては世話になっておりますし、またPRもしてもらっております。実は例にあげられました相互銀行全体の扱い高よりは信用金庫全体の扱いのほうが多いのでございますが、ただここには個々の金庫の名前は数があまり多いものでございますからあげてなくて、全国の数字が、これは全国連合会一本と直接には契約をしておるものでございますから、数字が一本に初めのほうにあがっておる関係かと思います。信用金庫は非常に一生懸命やってくれております。また数も多いし、もちろんわれわれの対象にいたしますような企業者のいわば専門の金融機関でございますから、非常に一生懸命やってくれる。ただ残念ながら、信用金庫が全部一律に一生懸命かと申しますと、やはりそうはなかなかいかないと申しますか、上のほうと下のほうと非常に差があることは事実でございますけれども、信用金庫の中でも一生懸命やってくれるところは少なくとも半数以上あると考えております。

岡本富夫公明党

○岡本委員 このもらった資料の表から見ると、各信用金庫あるいは信用組合をまとめて書いてありますから、非常に軽視しているように見える。だからぼくはほとんどやってないじゃないかと思って、ほかの相互銀行は全部一つ一つ出ていますから、これはそういった面にももっとPRが必要であろうと思います。  時間があまりありませんから、次に、中小企業政策審議会の答申、これは内閣総理大臣に対して答申しているわけです。これは佐藤総理に言わぬとぐあいが悪いかわかりませんけれども、いまいないですから……。この答申の中に、掛け金の額として、現在の経済単位、いろいろな状態、経済の成長から見て、一口千円、最高十五口、一万五千円まで引き上げるべきである、こういうような答申が出ているわけですが、こう言った答申を受けたものに対して、いま出てきた法律案を見ますと一万円だ。答申より五〇%低い。この答申をなぜ尊重しないのか。そしてわれわれがいろいろと質問しますと、学者先生方の答申がこういうように出ておりますからと、いかにも答申を尊重したような答えが出る。ところがここに見てみますと、政治資金規正法もそうでありますが、今度は答申を尊重しない。非常に私は矛盾をしておると思うのです。これは内閣総理大臣に対しての答申でありますから、いま大臣もいないし政務次官もいないので、聞いてみてもしかたがないと思いますけれども、まず長官の御意見だけをひとつ承っておきたいと思います。

高橋淑郎中小企業庁長官

○高橋(淑)政府委員 審議会の答申は、いまお話しの一口千円、十五口までという答申でございます。その最高限度、この額を極力確保したいと思って、いろいろ関係方面と折衝をいたしましたが、この掛け金の最高限度まで所得の全額控除を認めるという制度を背景にいたしまして、結局四十年に掛け金それから共済金の額がきめられ、今日まで据え置かれておったわけでございます。その間に所得水準が約二倍、物価水準も一・四倍ということで、そういう点を考えあわせまして、この際一口五百円、二十口までを最高掛け金の額とすることで、この共済制度の改善、普及をはかっていくのにまず支障がないであろうというように考えまして、結論としてはいま御審議いただいておりますような形で法律案をまとめた次第でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 どんどんインフレになってまいります。インフレ経済みたいな状態ですから、変な話ですが、昔は退職金をもらったら、その退職金でゆうゆうと食べていけたわけですね。それがいまは、もう退職金をもらって家を買うこともできない、まして家を買ったらそれであとどうしようもないというような状態になっているわけですから、中小企業、小規模の皆さんだって、いまもらう金よりも、うんとこれから先になるとますます値打ちがなくなってくるわけですから、そういうことを考えますと、やはりこの答申を、答申というかこれはぎりぎりのところだと私は思うのですね。そういった尊重をしなければならないのではないかという意見を言っておきまして、これはまた大臣が見えましたときにこの点についてはいたします。  そこで、次に労働省の中小企業退職金共済制度というのがありますね、こういう事業団が。こっちの小規模共済制度、これは事業主、こっちのは従業員とこういうことになっておりますが、これを比べますと、たとえば中小企業退職金共済制度の五口をかけて、五口で二千五百円、これを三年かけたとしますと九万七百六十円。ところが小規模企業共済制度でいくと、十一万四千七百円、二万三千九百四十円の差がある。さらに三十年間にしますと、退職金共済制度でいきますと、二百八十九万二千三十円、ところがこの中小企業共済制度でいきますと、三百十五万二百五十円、二十五万七千二百二十円の差があるわけですね。毎月同じ二千五百円ずつかけていく、ところが退職金共済制度のほうはもらう額が少ない、こういう矛盾がどうも私は理解できないのですが、労働省のほうの担当している課長来ておりますね、ちょっと御説明願いたい。

金丸明労働省労政局福祉共済課長

○金丸説明員 先生ただいま御指摘の問題でございますが、私どもでやっております中小企業退職金共済制度は、本質的には、民間の企業が個々の企業におきまして自主的に行なわれております退職金制度なるものを中小企業におきましては独力ではなかなかできがたいということで、それを相互扶助の精神に基づきまして共済制度という形で実は運営いたしておるわけであります。  そこで、骨子は民間で一般に自主的にやっております退職金制度と同じでございます。そこでそういうことを踏まえますと、民間ではどういうふうにいたしておりますかといいますと、できるだけ長期の勤続者には退職金のカーブを有利に、する、それから逆に言いまして短期の人たちにつきましては比較的不利に、こういうのが一般の趨勢でございます。それを踏まえまして、私どもでやっております制度でも、実際にかけてまいります掛け金は、全体としましては予定運用利回りは六・二五ということで運用いたしまして、しかしそれは短期の人たちのものをできるだけ削りまして、その分を長期の人たちのほうに上積みをするということでございまして、全体としては六・二五でございますけれども、掛け金をかけます期間に応じまして、短い人には六・二五には回らない、逆に長期の人たちには六・二五以上に回るというような仕組みでやっておるわけでございます。したがいまして、いま小規模のほうと比較なさったわけでございますが、これが小規模のほうでどういう計算方式をとっておるか私存じませんが、私どものほうでやっておりますこの表の数字は、いま申し上げましたような骨子で、全体としては六・二五で回すのだけれども、そのうち掛け金をかけた期間の短い人につきましては比較的不利に、逆にそれより長期にかけられた人たちにつきましては有利にというような調整を加えてつくっておりますのがこの表でございます。

岡本富夫公明党

○岡本委員 私いま説明しましたように、三年というのは短期ですよ。労働省が所管しておるところの中小企業退職金共済事業団、これは三年で退職したときは、同じ二千五百円ずつかけて九万七百六十円、ところが中小企業庁、要するに通産省で管理しておるところの小規模共済事業団でやると十一万四千七百円、すでに二万三千九百四十円労働省のほうが低いわけです。さらに長期につきましても、先ほど私が三十年まで言いましたけれども、二十五万七千二百二十円労働省のほうが低い。同じ政府機関で——政府機関と言ったらおかしいけれども事業団をつくって、そうして労働省のほうは同じだけ金を取って支払うものは少ない。通産省のほうは同じ金を取ったけれども払うものは多い。そんなばかなことはないじゃないですか。この点どうですか。

金丸明労働省労政局福祉共済課長

○金丸説明員 基本的な違い、よって来たる原因の一つとしては、ただいま申し上げましたとおり、私どもの制度におきましては予定運用利回りを六・二五で押えておるわけでございます。それに対しまして中小企業庁のやっておられますのは六・二五じゃなくて六・六というようなことで、予定運用利回りがそもそも違うというのが原因の一つだろうかと思います。したがいまして、私どもの制度につきましては発足以来、当初は六%の予定運用利回りでやっておったわけでございますが、途中で六・二五ということになりまして現在六・二五でやっておるわけでございますが、この制度につきましても、小規模のほうも同様でございますけれども、少なくとも五年ごとには再検討をしろ、こういう法律上の仕組みになっておりますので、次の改正の機会におきましては、小規模までいけるかどうか知りませんが、いま御指摘のありましたような問題を含めまして検討させていただきたいと思います。

岡本富夫公明党

○岡本委員 約束の時間が何か二十分だったそうですが、私きょうは大臣もいないし、それから政府の責任者がいないからあれですが、こういうように国民の側から見れば、労働省でやろうと通産省でやろうと、あるいはまた郵政省でやろうとも、どこでも同じような感覚から見るわけですから、同じ二千五百円ずつ掛け金をして労働省はもらうのが少ない、通産省は多いということは、これはもう非常にアンバランスなように感ずるわけですね。またそうなっているわけです。ですからこの点は、小規模企業者とそれからそこに働いている従業員、こういう差別というとおかしいのですが、差額があるというようなことのないように、ひとつ企業庁でも検討して運営できるようにしてもらいたい。それを要求して、きょうはこれで終わります。      ————◇—————

鴨田宗一自由民主党

○鴨田委員長 内閣提出、計量法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、これを許します。松平忠久君。

松平忠久日本社会党

○松平委員 計量法の一部を改正する法律案につきまして質問に入るわけですが、計量法という非常に膨大な法律があるわけでありまして、この計量法自体について若干最初質問したいと思うのです。  計量法はわれわれの生活にきわめて重要な関係を持っておるということは言うまでもないのであります。われわれの日常の生活はことごとく計量に関係がある。そういう法律でありますけれども、この計量法の、いわゆる長さとか重さとか体積とかいろいろありますけれども、そういう基準になるものの定義というものが非常に学問的にむずかしい定義になっておるわけなんです。たとえば長さは、かつては地球の何十万分の一とかいうものであって、そしてイリジウムで一つの長さの規範になるようなものがあって、それが一定の温度のところに保管されておる。そして何年かに一ぺんは必ずフランスに持っていって誤差を検査するということをやっておった。しかし今日はそれはそういうやり方ではなくて、その基準になるものはいわゆる電波というか電波の何分の一とかという基準になっておる。それから、たとえば光度の計量単位というのはカンデラと称しておるとかあるいは温度のほうはケルビンと称しておるとか、非常に学問的な基準というものがこの計量法の中には書いてあるわけなんです。  そこで、おそらくこれは、われわれが読んでみてもわからないし、専門家といえどもこれを読んでみてどういうことなんだかわからないのじゃないかと思うのだ。これをもう少し整理をしてやる必要があるんじゃないかというふうに私は考えているんだ。  ということは、この計量の基準になる学問的なことというのは、これは国際的な会議できまったとかあるいは日本の学術会議できまったということになっているけれども、いまやメートル法、そういうものがほとんど世界的になってきている今日においては、世界的な規模におけるところのいわゆる憲法的なもの、憲章のようなものを各国がつくって、そしてその憲章に基づいて計量法というのはもっと簡単なもので、国民にわかりやすいものにしなければならぬじゃないか。これば私が計量法自体に対していつも抱いている考え方なんです。計量法というものはだんだんと世界共通になりつつあるという傾向からいたしまして、世界的な一つの憲章というものをつくって、そして長さはこうなんだ、重さはこういうものだ、光度はこうだとかそういったものを世界的に憲章をつくって、その憲章に基づいて計量法というものを各国でつくっていく、こういうことが私は望ましいと思うのだけれども、それに対しては、政府はいままで外国との間に何らかのそういう関係の話し合いをしたのかどうか。政府はどういうことを考えているのか。これじゃあまり複雑で国民にわからないですよ、計量法そのものは。そのことについてひとつ御答弁願いたい。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先生のおっしゃるとおり、計量というものは、われわれの日常生活に深い関心があるばかりでなく、これは国際的にも経済的にも非常に関係があるし、国際的な学術交流にも非常に関係があるわけでございますので、先生のおっしゃるように、これは国際的な憲章のようなものにしなければならぬということでございますが、まさにそのような思想のもとにメートル条約が明治八年にできまして、わが国もその後明治十九年にこれに参加しておるわけでございます。条約としてはメートル条約、それでメートル条約に基づく国際度量衡総会というのがございまして、この度量衡総会で逐次決議をやっていくものが、先生のおっしゃる計量に関する国際憲章であろうかと思います。  おっしゃるとおりに、そういうふうに国際憲章でございますが、中身は計量というものはやはり厳密でなければならぬ、経済取引にも関係するので厳密に規定されなければならぬ、さらに学問的なものにも基礎となって使われるということでございますので、その決議そのものが非常に正確である反面、複雑であって、国民にわかりにくいという弊はあるかと思うわけでございますが、方向としては先生のおっしゃったような国際憲章的な考え方が、国際度量衡総会の決議という形で逐次あらわれているわけだと考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうであるとするならば、計量法というのは二つに分けたらどうかと思うのです。国際度量衡総会でいろんな決議があって根本的なことはきまるということであるならば、それは一つの国際条約、国際憲章として国民に知らせる。そしてわれわれ一般の計量法規を使っておるものについては、もっとわかりやすい体系にして法律をつくっていく。こういう二段がまえにしたほうがぼくはいいんじゃないかと思う。そうでないと、これはもう読んでいて、あなた方これわかるかね。これは読んでいて、おそらく大臣だって、政務次官だって局長だって、どういうことだかわからぬと思うんだよ。どうですか、読んですぐこれぱっとわかりますか。  たとえば、この中で私ども読んでみてもちっともわからないんだけれども、こういうことがあるのですね。これが何べん読んでもわからないのですよ。この法律案の第六条、ページにして八ページ。「第六条第一項第二十九号の次に次の二号を加える。」ということがあるわけだが、二十九の二、こうしていろいろ書いてあります。たとえば「前条第三十七号の二のワット毎メートル毎ケルビンの補助計量単位は、ワット毎メートル毎度、カロリー毎秒毎メートル毎度及びカロリー毎時毎メートル毎度とする。」これ何ですか。これは一体どういうことですか。これちょっと説明してもらいたい。ちっともわからぬね。ますますわからない、これは。

増井敏郎計量研究所第四部長

○増井説明員 一例ということで八ページの第六条第一項二十九号という部分が御指摘ございましたので……。これは単位を組み立てる場合の掛け算、割り算の表現のしかたといたしまして、メートルで割り算をする組み合わせの場合には毎メートル、それから秒で割り算をする場合には毎秒、時で割り算をする場合には毎時というような形で、掛け算、割り算の組み立て方をこういう表現をとっておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 まあそういうふうに説明されれば、掛け算、割り算ということがわかるけれども、しかし、それを聞いてみても何のことやらわからぬね。  それから次の、二十九の三にいたしましてもわかりません。「ジュール毎キログラム毎度は、一ジュール毎キログラム毎ケルビンをいう。」何のことかちっともわからない。こういうことなんですから、いま申しましたように何だか学問的なこと、そういうものは憲章の非常に重要なことだろうと思うから、憲章ということにして世界共通のものにして——共通なんだから、そして別にこれは度量衡の憲章ということで国民に知らせる、こういう態度をとり、それに基づいて計量法というものはこういうふうにするんだ、こういうものなんだ、こういうふうにいったほうが非常にわかりやすいと思うが、当局はそういう考え方は持っておるか、どうですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 おっしゃるとおりその憲章的なものでございますが、計量法はそういうものを法定の計量単位といたしまして、それ以外を、取引あるいはそれ以外で証明に使うことは法律で禁止しているわけでございますので、やはりその憲章を国内法である計量法なら計量法にそれを書かないと法的に強制できないわけでございますので、そういう法定計量単位をきめる以上は、これは国内法に反映しなければならぬということで、まことに複雑で恐縮でございますが、それが計量法となってあらわれているわけです。ただ法技術的には、そういう複雑なものだけは単位法というふうに別な法律にして、取り締まりのほうは取締法というふうに二本立てにする考え方はないことはないわけでございますが、現在のところは一応一本のままでもって法律にしているために、御指摘のような複雑さが露骨にあらわれているというのが現状だと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 この法律というものはやはり国民が見てわからなくてはいかぬし、守っていかなくてはならない、こういう立場にあるわけなんです。ですから、国民が読んでも何のことやらちっともわからない、しかも一番身近な計量のことに関する法律が何のことやらちっともわからないということじゃ、これはちょっとどうかと思うんだ、実際いうと。そこで、これは憲章といたしましても世界共通の憲章として、国会にもはからなくてはならぬし、はかった以上は、これは一つの条約なんだから国民は守っていかなくてはならない。それに基づいて、国民にわかりやすいような計量法、取り締まりなら取り締まりの方法を考えていくというふうにしたほうがいいと私は思う。  政務次官お見えになりましたから、ちょっと政務次官に聞きたいと思うんだが、政務次官、計量法というものをお読みになったことがございますか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 これはなかなかむずかしいことでございまして、この委員会があるということで勉強させていただいたという程度でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 計量法は何カ条から成り立っておりますか。

稻村佐近四郎自由民主党通商産業政務次官

○稻村(佐)政府委員 二百三十九条でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 これは見ればわかるんだけどね。  そこでもう一つお伺いしたいのは、計量の単位ですね、基本単位。その中に、長さ、質量、時間、電流、それから光度とか温度とかいうものがありますが、この基準というものはどこでどういうふうにしてきまるものですか、世界的に。

増井敏郎計量研究所第四部長

○増井説明員 基本単位の定義は、すべていずれかの回の国際度量衡総会の決議ということで国際的に採択されたものでございまして、一番古いものでは第一回度量衡総会、一八八九年という年に採択されましたキログラムから、一番新しいものでは今回の改正案に載っております一九六七年の三件、全部六件とも度量衡総会の決議事項でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その度量衡総会の決議というのは、だれがどうやってきめるのですか。それはどういう専門家が何に基づいて——たとえば長さというものは、どういう専門家が何に基づいて、長さの基準、一メートルなら一メートルをきめるのですか。

増井敏郎計量研究所第四部長

○増井説明員 度量衡総会において表決権を持つのは、加盟国一国につき一人の全権でございます。たとえばメートルの定義をこのようにきめたいというような場合には、度量衡総会から権限を委任されました少数の専門のメンバーによります諮問委員会という名前の組織が運用されておりまして、たとえばメートルにしても秒にしても、いずれもそれぞれ専門の諮問委員会が総会に対して勧告を行ないまして、その勧告を総会で採択しておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 もう少し根本的なことなんですけれども、その諮問委員会に出す原案ですね、これはだれが作成するのですか。

増井敏郎計量研究所第四部長

○増井説明員 諮問委員会において検討されます内容というのは、メートル条約に加盟している国のうちで、比較的大規模な研究所を持っている国のそれぞれの研究成果を持ち寄って審議を行なうわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その場合、電波の何十万分の一だか知らぬけれども、電波が基準になってきめる、こういうことになっていますね。それをしろうとにわかりやすく説明してくれませんか。電波というのはぱっといなびかりみたいに出るやつかどうか知らぬけれども、それのどこを基準にして一メートルというものをきめるのですか。

増井敏郎計量研究所第四部長

○増井説明員 長さの場合には、目に見える光の波長の百何十万倍、それから現在改正案として御審議をお願い申し上げております秒の場合には、ある原子の振動の周期の九十一億何千万倍というようなものでございまして、お説のとおり、長さも時間もいずれも電波の波長あるいは振動数の何倍という形できめられております。つまり一メートルの百六十五万分の一ほどの非常に短い間隔で目盛られたものさしがあって、それを百六十五万何千目盛り、寄せ集めた形で一メートルが組み立てられると御理解いただきたいと存じます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 実際いうと、こういうことをいろいろ問答しているといつまでたっても切りがないと思うのです。全部にわたってどういう理由で基準ができているかということをお聞きしなければならぬけれども、それはもうたな上げにしまして、ほかへ移っていきたいと思うのです。  そこで、計量法ではかる計量の種類というものは現行法ではたしか十八ありましたね。これは将来はもっとふえていくのですか。たとえば現行法の十八の単位というものの中に悪臭をはかること、こういうものは入るのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先生のおっしゃるように法第十二条に計量器を定義づけておりますが、十八の大ざっぱなグループに分けてずっと書いてあるわけです。おっしゃる悪臭の関係は、そのうちの濃度計というところでグループされているわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこでだんだんとお伺いしていきたいのだけれども、こういった計量法にあるところの十八の種類に大体分かれているけれども、その十八の種類についてはそれぞれ専門家のようなものがあるのかどうか。つまり計量士という職業がありますね。   〔委員長退席、進藤委員長代理着席〕 計量士は専門、専門に分かれているかどうか。あるいは計量士という資格のある者はどの計量についてもぱっとすぐわかるような研修会なりそういうものを開いて、そういうものを身につけた人なんですか。  もう一つ伺いたいのは、計量士というのはそもそも何をする人なんですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 第一の御質問の計量士は専門、専門それぞれの計量器に分かれているか、分かれていないかという点につきましては、この法律に基づく計量士はそれを全部カバーする、専門、専門に分かれておらないのが現状でございます。  それから、計量士はこの法律で規定してございますけれども、簡単にいえば、計量を使う事業場の計量管理を行なう。絶えず計量器が正しい姿になっておるように、あるいは使用方法が適正であるように制度の確保というようなことをやるのが一番大きい仕事だと思いますが、それに加えまして、いろいろの計量証明、人のために計量証明をしてやるということがございます。さらに、最近は計量法に基づく定期検査というものがございまして、この定期検査は一般的には都道府県が、あるいは国の機関がやっておるわけでございますが、必要な場合に代検査ができるという公的な任務も加わっておるわけでございます。  以上が計量士の任務でございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 計量士は現在たしか四、五千名日本におるように思うのですが、計量士協会に入っておるメンバーがそのくらいあると思います。  そこで、われわれの生活の上において一番基準になるはかりだとかあるいはものさしだとかいろいろありますけれども、そのほかのガスメーターだとか電気のメーターだとかあらゆるそういった計量器。計量士というものはこういうものを調べて歩く人だろう。いまおっしゃるように正常に動いているかどうかということをその人が見て歩かなければならない、こういう立場にあると思うのです。計量器が正常に動いているかどうかということを検査した場合にたまたま動いてなかった、そういう場合には計量士なりあるいは都道府県なりがそれを直さなければならない、そういうふうに思うのです。そういった場合、かりにメーターがこわれておってどんどんと上がってしまう。そしてよけいにガスを使ったようになってしまう。それを一年も二年も忘れておったという場合に料金はどうなるのですか。やはり違ったメーターに基づいて一般の人は料金を払わなければならないことになるのか、あるいは一年後にそれがわかったということで、一年間のよけいにメーターが上がった分については金をこっちへ戻してもらいたいということになるのか、そこらは一体どういうことになっておりますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 最初に計量法上の取り扱いを申し上げますと、たとえばいまの計量士がこの法律に基づいて定期検査の代検査をやるという場合に、その性能が基準に合致してないという場合にはその使用をストップさせる。すなわち法律的にいえば証紙をはがして使えないようにするというのが計量法のあれでございますが、いま先生の御指摘の点は、たとえばガスメーター等についてそういう事態が起こった場合に、ガス会社とわれわれの家庭との関係の料金の問題はどうなるかということだろうと思いますが、これは私の直接の専門ではございませんけれども、その場合には、供給規程というものがガス会社と家庭との間にある、電気会社についても同じく供給規程がありまして、供給規程におそらく書いてあると思いますが、補償する。電気会社なりあるいはガス会社が補償するというのがおそらく供給規程に書いてあったと私は記憶しております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 いまおっしゃったことは、メーターがこわれておってよけいに金を払ったという場合に、ガス会社ならガス会社が料金を返してくれる、こういうことになっているのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 私記憶で申し上げたので、これははなはだ申しわけないと思いますけれども、私の専門でございませんので、これは公益事業局のほうでやっておる供給規程の問題でありますので、あらためて供給規程を見た上で正確なお答えをさしていただきたいと思います。それのほうがいいと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それから、そういったメーター、計量器というものについては一つの誤差と申しますか、たとえば基準がありますけれども、その基準よりちょっと、上限下限二・五%くらいの誤差というものを法的に認めておる、こういうことを聞いているわけなんです。メーターを使う場合の誤差の承認というか何というか、そういう誤差を認めておるということは、やはり計量器そのものがほんとうに最も正確な計量器というものはないのだ、だから、計量器そのものが若干の誤差があってもしかたがないのだ、こういうことでこれは認めておるわけなんですか。それとも、何らかこれも国際的な決議か何かがあって、そうしてそういうメーター類等について誤差が世界的に確認されておる、認められておるということでありますか。その点はどうなっていますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 前者でございます。別に国際的なそういう取りきめとか決議があって誤差が認められているわけではございませんです。

松平忠久日本社会党

○松平委員 では、その誤差は、日本の場合は日本の政府が認めておるのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 計量法に基づく政令でもってその誤差の範囲をきめております。もっと具体的に申しますというと、全部計量器は検定いたします。使う前に検定しておりまして、検定がなければ使えないわけでございます。全品検査するわけですが、全品検査する場合に、これまでの誤差の範囲内であれば検定してもいい、これ以上の誤差であるものは検定してはならないという、そういうふうな法律のたてまえになっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その誤差は、過去に比べてだんだん誤差を少なくしてくる、こういうやり方で現在までに政令はできておりますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 だんだん少なくなる方向に向かっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 あるメーカーから聞いた話なんですけれども、誤差があるということでありますので——一つの基準がありますね、その法定の、誤差、つまり二・五%必ず下回って出てくる、こういうメーターをつくったというのだ。そして、私のメーターを使うならば、たとえばガスにしても必ず二・五%少なく料金はなりますよ、こういうことで売って歩いたということを聞いておるのですが、そういう事実はございますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 どうも私どもの知る限りでは、そういう話を聞いてございませんですが、なおそういうふらちな者がいないともいえないわけでございますので、今後そういう点、チェックしてみたいと思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 意識的にそういうことをやると確かにいけないと思うのだけれども、しかし商売で、一つの誤差があるとするならば、その誤差の範囲内でなるべくその料金は少なく払うようなメーターをつくれば、法的にはかまわないということになるのではないかと思うのだ。したがって、そういった誤差というものは年々と減ってくるわけだけれども、そういった場合の計量器そのものの正確性というものを調べるのは、これはだれが調べるのですか。これはほんとうにいいという計量器そのものを検定する検定機関はこれは国の機関がやるわけでしょう。そこはどうなっていますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 検定するのは国と都道府県と、それから一応電気計器につきましては特殊法人の日本電気計器検定所、こういうものがございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それから次に、今度のこの法律案の中にありますところの公害の計量器というか、計測器というか、それが新しくこの計量法の中に入ってきたわけなんですけれども、公害を防ぐいろいろな機械とかあるいは設備とかいうものが各会社でできつつあるわけだけれども、この公害を防ぐ機械なり施設というものの性能はどこが調べるわけですか。公害部の方も来ておるのだけれども、ある会社で一つのそういう施設をつくるあるいは機械をつくっておるという場合に、それがほんとうにその会社がいっておる、公開しておるがごとき性能のあるものであるかどうかということを調べる機関というものはどこが調べるのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 実は現在公害防止機器そのものの性能の検査とか検定というものをやっておるところがないのが現状でございます。しかしながら公害防止機器の需要というものは非常にふえておるし、その精度の正確であるという社会的要請もふえてきておるわけでございますので、私どもといたしましては、本年度から公害防止機器についてもその性能検査ができる体制に持っていきたいと思いまして、所要の予算も取りまして、まず研修段階から始めて、ある機関が、おそらく現在の日本機械金属検査協会、今回名前が変わりまして機械電子検査検定協会、そういうものの内容を充実してこの公害防止機器の性能検査もやってもらおう、そういう方向に進んでおります。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それは先進国ではどういうことをやっておりますか。欧米等においてはやはりそういう公害防止機械の検査というものは現在やっておるかどうか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 正確に全部網羅的に調べておるわけではございませんけれども、欧米の先進国等において公害防止機器について国等の機関が性能検査をやっておるという話は聞いておりません。  なお御参考までに、今度御審議願っておる法案では、公害測定機器について規制の対象にする、検定の対象にするということで御審議を願っておるわけでございますが、そういう公害計測機器につきましても調べましたところ、諸外国では検査、検定等の制度はございません。したがいまして、推測するに、公害防止機器についても国等がやってないのではなかろうかというふうに思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 今度の法律案によりますと、公害関係の大気汚染とかあるいは水質汚濁とか、そういうものの計測器というものをつくる、その計測器そのものを検定する、こういうことになっておるわけですね、新しい指定検査機関が。そこで私がいま申し上げた、さっき質問したのは、公害防止の機械そのものを今度の法律案によって指定検査機関が検査するのですか、検定するのですか。そうじゃないでしょう。この法律を見るとそうなっている。計測器は見る、検定する。しかし公害防止の機械そのものは野放しじゃないですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 おっしゃるとおりに、現在御審議願っている計量法の改正案におきましては、公害防止機器をどうするということは全然規定されておりません。これは計量法でございますから、公害計測機器はこの計量器になるものでございますので、この改正案で新しい規定を盛っておるわけでございますが、公害防止機器は、これはたとえば排煙脱硫とかあるいは集じん機ということで、計量器ではございませんので、この法律のワク内においては何ら規定ができないわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃる公害防止機器はこの法律の対象にはしていないわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 先ほど私が質問したのに対して、局長の答えがちょっと変だったからそのことを確かめたわけだけれども、公害防止機器というものはなるほど計量法では検査しないでしょう。しかし、公害防止の機器というものは現在どこかでその性能を検査しているのですか。しているとすれば、どこがしているのか、あるいはしてないとすれば、野放しになっているのか、こういうことなんです。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先ほど公害防止機器について検査、検定をやっているのかという先生の御質問に答えたのは、この法律の問題とは別な話としてお答え申し上げたわけでございまして、繰り返すようでございますが、現在は、先生のおっしゃる公害防止機器につきましては性能検査をやっている機関はございませんです。しかしながらそのまま放置することは問題でございますので、先ほど申し上げましたように、四十七年度から私ども予算も取りまして、国の直接の検査ではございませんけれども、一定の権威ある機関に、具体的には日本機械金属検査協会だと思いますけれども、そういう権威ある機関に、スタッフも設備も充実して、国の検査ではないけれども、民間の任意検査として公害防止機器の検査をやらせよう、こういうことを考えておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 私が聞いておるところは、公害がどの程度あるのかという計量器ですね、計測器というか……。公害がたとえば大気染汚はどのくらいになっているとか、あるいは水質はどうだとかというものについて、計測器、計量器、そういう機械についての検定というものは新しい指定機関でやる、こういうふうに法律には書いてあるわけだ。ところが、この法律案に公害防止機器そのものを指定機関が検査するというふうに書いてありますかね。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 この法律には公害防止機器については全然触れてございません。したがいまして、公害防止機器をある機関がやるとかやらないということは全然この法律のワク外の問題として、いわば通産省の行政でもってやっているわけでございます。繰り返すようですが、この法律には何もそういうことは書いてございませんです。

松平忠久日本社会党

○松平委員 したがっていまのところはこれは野放しになっている、こういうことでしょう、今日は公害防止機器そのものの検査をやっていないのだから、これは法律によってやる機関がないのだから。ところがさっきあなたは、答弁で、この指定機関がやるようなことをおっしゃった。そこでぼくはそのことについてしつこく聞いているわけですよ。そういうことであるのかどうかなんだな。つまり公害防止機器の検定まで今度指定機関がやっていくのかどうか。そうだとすれば、これはたいへんなことになると思うのですよ。計測器だけの検査をするということは法律に書いてあるからいいだろうと思うけれども、公害防止機器そのものの検査、検定までしていくのだということをさっきあなたは答弁なさったが、それは法律に何も書いてないことを行政指導でやらせるのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 私先ほど申し上げたのは、今後の方向を例示的に申し上げたわけでございまして、いずれにしてもこの法律とは全然関係ありませんけれども、公害防止機器の性能検査をやる機関がどこかなければならぬということを考えているわけでございまして、その機関として、別にきめたわけでもないし、法律によって指定するわけでもないし、また行政指導で強制するわけでも全くないわけでございますが、これは機械メーカー全般の権威ある機関だと思ってそこへ持ち込んで性能検査をやれるような機関があればその機関にやってもらいましょう、そういう機関ができれば通産省もいろいろ助成その他も申し上げましょう、こういうことを言ったわけで、その例示としてたとえばこういうことも考えられるということを申し上げたわけで、現在においてそういうふうにきめたわけでは全くございません。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうすると、いま野放しになっているところの公害防止機器の性能というものを検定するということは、やはり将来考えられることであり、その方向で通産省は検討して具体的にそういう方向に持っていく、こういうお考えなんですか。そうするとそれはいつごろになるのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 いまその公害防止機器をつくっているメーカーが、どこが一番権威ある機関かということをいろいろ考えているわけでございますが、そういう機関がなるたけ早くどこかきまりまして、そこに委託検査ができるというふうに持っていきたいと思っておりますが、早ければ年末くらいにそういう運びになるのではなかろうかと思っております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その場合の所管は、通産省のどこの局のどこの課が所管するのですか。公害部というのはそれに対して関係があるのかどうか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 やはり主たる所管は私どもの重工業局でございます。ただ実際問題として公害保安局等といろいろ相談いたす、こういうことに相なるかと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それから、この指定機関をしていまの検定、検査をさせる、こういうことでありますが、その場合に立ち入り検査というようなことがあるわけなんです。そこで法律案によりますと、通産大臣、知事あるいは特定市町村長、これが立ち入り検査ができる、こういうことになっていますね。この立ち入り検査の場合の大臣、知事ということはわかりますけれども、特定の市町村長が立ち入り検査をする権限がある。これはどういう場合に市町村長がそういうことをやるのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 計量法は度量衡法以来長い歴史を持っておるわけでございますが、具体的な取り締まり行政は対象が全国非常にたくさんございますので、都道府県知事が昔からずっとやっているわけでございますが、だんだんその対象もふえてまいるものでございますので、たしか七十五の人口十万以上くらいの市につきましては、そういう行政能力もできているというふうに判断いたしまして、都道府県知事の持っている同じ検定あるいは立ち入り検査等の権限を与えております。したがいましてその七十五の特定市は、都道府県と同じような権限を計量法上持っているということができると思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 その場合に専門家が行かないとわからないと思うのだけれども、その専門家はどういう人がやるのです。たとえば計量士が当たるような場合があるのか。ことに市町村長ということになると専門家がなかなかいないんじゃないかという気もするわけなんです。そこで、それを立ち入り検査をするという場合の専門家はどういう人を予定しているのです。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 通産省の付属機関に計量教習所というのがございまして、これまた長い歴史を持っておるわけでございますが、都道府県にいたしましても特定市にいたしましても、その検査、検定に当たる職員は全部この通産省の計量教習所を卒業した者ということで、十分なる知識経験を有する者ということになっております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうしますと、立ち入り検査をするのは計量士が立ち入り検査をするんだ、こう解釈していいわけですか。それとも計量士以外の者が検査をしてもいいということになるのか、あるいは計量士でなければ検査ができない、こういうことになっているのか、その辺はどうですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 いま申し上げました都道府県の職員、特定市の職員は当然に計量士ではないわけでございまして、むしろ計量教習所を卒業したそういう知識経験を有する者でございます。それでいま先生から計量士のお話も出ましたけれども、計量士は都道府県職員とは別に計量管理という仕事をやっているわけでございまして、これは法律に基づきまして都道府県のやっといる定期検査の代検査をやることはできますけれども、いわゆる立ち入り検査ですね、一番きびしい監査をする立ち入り検査は計量士といえどもその権限は与えられておらないわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうすると、ちょっとその点をお聞きしたいのですが、いまの教習所を卒業するとすぐ計量士と同じような資格というか、そういう能力は持つものですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 計量士の資格は計量法に法定されておりまして、いわゆる計量教習所を出ましてあと五年間の実務を要するということに規定されてございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そうすると、立ち入り検査をする資格のある者というのは必ずしも計量士ではない、教習所を出てきたという者が立ち入り検査する。その人たちの能力と計量士というものを比べてみると、計量士のほうがもっと資格が上だというか能力がある、こういうふうに常識的に判断できますね。ということは私は何を申し上げたいかというと、計量士というそれだけの、さっきまあ質問したのですけれども、全般の計量のことを身につけておる、知っておるんだ、そして試験に合格した者だ、こういうことであるから計量士というものの社会的地位というものは漸次高まってこなければならぬと私は思っている。ということは、いろいろなオートメーション化というようなものが出てまいりますと、これはもうたいへんな計量関係の仕事というものが重要性を増してくると思うのです。すべてメーターというようなものによって流れ作業というものが出てくる。そういうことになると、これはそれをコントロールする、管理するという資格のある計量士というものは、会社なり工場におきましてもかなり重要な地位を占めてこなければならぬと思うのです。そして今度も代検査をするという立場に立たされておるということであると、私はその計量士というものの資格をだんだんと高めていくような方向に指導していかなければならないんじゃないか、こういうふうに見ているわけなんです。したがって、そういう意味からいうと試験なんかはだんだんむずかしくなるのではないかというふうにわれわれも考えているけれども、そういった計量士の地位の向上ということについては通産省としてはどういうことを考えておられるのか、どういう方向へ計量士というものは持っていこうという考えなのか、それをお伺いさしていただきたい。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先生おっしゃるとおり、計量士の社会的地位を向上していかなければならぬわけでございますが、その方法といたしましては大体二つの方向が考えられるわけで、一つは計量士の資質の向上、計量士によく勉強してもらいましてその資質が向上するような事業を考えなければならない。それから第二番目は計量士のやれる業務でございますね。特に公的業務を拡大いたしまして、いわばその社会的な、自由職業としての社会的な地位が高まる、そういうような仕事を与えてやらなければならない、こういうような二つが考えられると思います。  そこで第一の、計量士が勉強して資質を向上させるということではいろいろな研修会を通産省でやっておるわけでございますが、こまかくなりますけれども、計量士の基礎技術講座というものを従来から開催してございます。それから第二番目は、先ほどからお話しの、公害計測が大事でございますので、公害計測技術研修会というのを四十七年度に計画しております。それから電子式はかり検査技術研修会の開催及び検査設備の購入、これも四十七年度予算で計画しているわけでございますが、この電子式はかりも新しい計量器としてこれから規制の対象になるというようなことで、そういう新しい分野等について、あるいは基礎的なものについて勉強をさせるための研修会をいろいろやっている、これが第一の施策でございます。  それから第二は、そういう業務を拡大して、社会的に非常に尊敬されるようにしなければいかぬということでいろいろな点が進んでおりますが、これはいずれにしてもこの計量法以外の、計量法では当然法的な権限がありますが、計量法以外でもいろいろ公的な業務がふえるようにしていかなければいかぬということで、たとえばガソリン税等、これは税務署が取りますけれども、ガソリン税を取る場合の流量計の検査が公にできるということで——これは初めは大蔵省の一部でそういうことをやっておったわけですが、計量士の実力を認めていただきまして、大蔵省からお墨つきをいただきまして、四十四年の十一月以降はそういうガソリン税をとる流量計の検査は全部計量士にやらせる、こういうことになっている。それからコンクリートのJISというのが、これは通産省でやっておりますが、そのJISを認められた工場がコンクリートの材料試験機を持っていなければいかぬわけですが、その材料試験機を持つについてもこれは計量士の検査を受けなければいかぬというふうにJIS法の運用をやっている。あるいは、これは厚生省の関係でございますが、薬事法に基づく薬局法の温度計、薬屋あるいは薬メーカーが薬をつくるについては温度計が要る。その温度計の正確を期するためにやはり計量士の検査を受けなければならぬというふうに厚生省でやっていただくというような、これに類することはまだございますが、そういうことで公的業務が拡大する、こういうことがいろいろやられているわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それから公害のほうの関係なのですけれども、今度の法律案によりまして公害機器の検定を開始するのですけれども、この公害機器、公害計測器の検定の基準というものが新しく制定されなければならぬと思うのです。この検定の基準というものはどこでこれをおつくりになるのか、それを知らしていただきたい。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 検定の基準は通産省でつくるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 通産省のどこでやりますか。どういう手続で基準をつくるのです。通産省といってもたくさんあるでしょう。何課でやるのか、あるいはいまの外郭の機関もあるだろうし、どういうふうにこの基準というものをつくっているのです。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 主管は重工業局の計量課でございますが、さらに通産省には計量研究所があって、ここに四百人余りの権威者がおるわけでございますが、そういうものが中心となってきめるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 指定機関が検査をするわけですね。検定するわけですね。指定検査だからその指定機関というものは検定基準というものをつくる場合において、これは全然あずからないのですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先ほど御説明漏れがございましたけれども、この検定基準は計量行政審議会に諮問して、そこの権威者の御意見を十分聞いた上できめるわけでございますが、その計量行政審議会には指定検定機関の人が入るということになると思いますので、当然指定検定機関の御意見も反映するものと思います。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこで公害計測器を検定し、そのあと定期検査というか、そういうものはやはりやらなければならないと思うのだけれども、それはどういうふうに考えておられますか。検定後の公害計測器というものを今度は定期的に検査するというようなことを考えておられるのかどうか。それは何年に一回やるというふうに考えておられるか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 検定を行なったあとは、計量法第百三十九条によりまして定期検査を行なうわけでございますが、これは都道府県知事または先ほど申し上げました七十五の特定市町村の長がやるわけでございまして、頻度は、市部におきましては毎年一回、郡部におきましては三年に一回、こういうことになるわけでございます。  なお、以上は定期検査の話でございますが、ものによりましては、検定に有効期限を付するということによって三年たてばもう当然にその有効期限が切れちゃうから、もう一ぺん検定を受けることが義務づけられる、そういう方法でチェックすることもこの法律上あるわけでございまして、定期検査でいって一年に一ぺん、三年に一ぺんずつ見る方法がいいか、あるいはガスメーターまたはワットアワーメーターみたいに、有効期限があってあとは当然にもう一ぺん検定を受けなければならぬという制度にしたほうがいいか、どっちがいいか、ものの特性等、使用の実態等に即していずれきめたいと思います。  以上が定期検査もしくは検査の有効期限の問題でございますが、これ以外に当然のこととして立ち入り検査があって別途チェックできる、こういうことに相なるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 そこで、大体いまの予定では、計測器の検査は本年度いつごろから始める予定ですか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 この改正法は公布日から一年以内に施行するということでございますので、もし御審議が終わってお認め願ったとすれば、おそくも来年の五月には施行の運びになるわけでございますので、おそくもそれまでに、施行すると同時に指定検定機関を指定するということで、その段階から公害計測器の検定等の仕事は始まるというわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 これがだんだん軌道に乗っていくということになって、その前に専門家を育てるということで、研修会を開いて五十名ほどの要員を研修させて、そしてこの計測器の検定をやっていくということになるわけだけれども、その場合に私どもちょっと心配しているのは、どの程度一体この仕事というものがあるのか。つまり公害計測器というようなものがどの程度、五十人で間に合うのかどうか。あるいは五十人という要員を研修するというふうにしておる、そこのもとになる考え方というか、それはどういうところからそういう判断をされて、そして五十人でとりあえずやっていこうというふうにしたのか、その辺のところはどうですか。しかも将来にわたって、公害計測器というものはかなりいろいろなものが出てくるんじゃないか、これから次々に新しいものが出てくるのじゃないかというしろうと考えもしているわけなんだけれども、その辺の見通しというか、そういうものはどういうふうに立てておられますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先生がおっしゃるとおりに、公害計測器は次々と新しいものが出てくるし、また会社の要請としてもたくさんの公害計測器を使わなければならぬという情勢になると思います。それで五十名でございますけれども、これはことしの計画でございまして、四十七年度の計画で五十名ということで千七百何十万かの予算を取ったわけでございますが、来年度以降におきましても第二回、第三回をやれるように予算を取って五十名か何十名かの研修を次々とやっていって、そういう要請にこたえたいと思っておるわけでございます。

松平忠久日本社会党

○松平委員 それからこの指定機関というのは、機械電子検査検定協会が指定されることになっているわけなんだけれども、これは輸出検査を専門にやっているわけなんですね。輸出検査を専門にやっているところへもってきて、さらに電子関係の取締法のあの関係の電波等の検査ということも引き受けてやっている。さらにこの公害の計測器の検査もやるということになるわけです。そこで、いろいろな法律によってそういう検査がそこへたまってくる、こういうわけだけれども、それに対する通産省側、——重工が主だろうと思うけれども、デザイン検査課というのもあるし、それから電子関係はほかの課があるだろうし、今度は計量課というものがある、そういった三つの課のものをやるということになると思うのです。その辺の通産省の省内の横の連絡というものがうまくついているのですか。将来何か検査について根本的に少し考えるというような、そういうようなお考えがあるのかどうか、あるいは現状のまま横の連絡をつけながらひとつやっていくということであるのか、その辺の検査全体、——全般の問題にこれはなるわけなんですが、それはどう考えておりますか。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 先生おっしゃるとおりに、今度のこの法律によって指定されれば、三つの法律によって指定されるわけでございますが、やはりその法律自身はそれぞれの目的がございましてそれぞれの局に属しているので、これを一本にするということはできないわけでございますが、しかしながら、一つの機関が三つの法律に指定されるということによってそこに混乱するようなことのないように、省内において十分意思の連絡調整をやってまいりたい、かように考えておりますが、なお法律は違うわけでございますけれども、対象とする商品は機械、電子機器等でございまして、今度は名前も機械電子検査検定協会。法律は違うけれども対象はみな同じだ、したがいまして、その設備もほとんど同じだ、人間もそのすべてについて通暁しておる方がおられるということで、実際問題として、ここに指定することによって効率的な運用ができるというふうに考えております。

松平忠久日本社会党

○松平委員 もう終わりたいと思うのですが、最後に一つ聞きたいのは、これは独立した機関で検査をするということであって、したがって、実際いうと、これはペイしなければ困るわけなんだ。ですから、その辺の料金の設定とか、そういうものはこの検査機関並びに通産省との問にいろいろ話し合いをされて決定するのじゃないかと思う。それはやはり検査を始める前にそういう手続をとらなくちゃならぬだろうと思うのだけれども、そういう料金については皆さんのほうでお考えになっているわけだね。

矢島嗣郎通商産業省重工業局長

○矢島政府委員 まず、考え方といたしまして、三つの法律によって一応三つの違う仕事をやるわけでございますので、それぞれ区分経理をいたしまして、それぞれの区分経理をした事業がそれぞれ独立に収支相償うというふうにしなければならぬというのが基本的な考え方でございます。したがいまして、この計量法によって今度指定いたしまして、公害計測器等を検定していただくわけですが、その際においてはコスト計算をあらかじめ十分やりまして、具体的にはわれわれのほうの計量研究所の専門家の方にも見ていただきまして、それから関係の人にも意見を聞きまして、十分なるコスト計算をやりまして、その結果を——ただいま御審議をいただておる計量法の別表に手数料の上限として数字が書いてございますが、これは相当余裕を持った上限でございますので、その点、御心配ないのではなかろうかと思います。

進藤一馬自由民主党

○進藤委員長代理 次回は、明二十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十三分散会

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