商工委員会 第8号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/04/04
会議録
○鴨田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橋口隆君。
○橋口委員 本日は、石油問題について若干質問したいと思います。 今度の国会に石油開発公団法の一部を改正する法律案と、大蔵委員会に石炭対策特別会計法の一部を改正する法律案が提出されました。これはまことに時宜を得たものでありまして、御同慶にたえないところであります。そこで、本日は問題点についてだけ簡単に質問をいたしまして、政府側の御答弁を承りたいと思います。 初めにお伺いしたいのは、石油開発公団の機能を強化するために、今度は海外における可燃性天然ガスの探鉱、それから海外における石油と天然ガスの地質構造の調査についての機能、それから石油備蓄の増強についての助成と、こういうふうな主要点が改正案として出されていることは、非常に公団の機能を強める意味で適切だと考えるのでございます。そこで問題は、日ごろわれわれの間でお願いをしておりましたが、これだけではまだなかなか公団の機能は十分発揮できないのではないか。その一つの点は、かねがね非常に強い要望のあります利権の取得を公団において認めたらどうかということ。それから、初期の開発段階における投融資をさせるということが適切ではないか。これは長い間論議されている問題ですが、今度改正案で取り上げられていないのはどういうわけでございますか。その必要がないとお考えになったのか、それとも財政当局がどうしてもそれを承知しなかったのか、その辺の事情を御説明いただきたいと思います。
○莊政府委員 その間の経緯について御説明申し上げます。 今回の制度改正では、必ずしも公団が直接的に、たとえばフランスのERAPとかイタリアのENIのような形で、利権を取得して最終段階までの開発を行なうという意味の改正は行なわれておりません。ただし、御指摘がございましたように、公団が物理探鉱を実施することによって有望な候補地点を公団みずから発見して、それを民間につないでいくという道が開かれたという点は、確かに一歩前進ではないかというふうに思っております。もう一つ、法の運用面でございまするが、財政当局とも話し合いをいたしまして、いわゆるつなぎの利権取得と申しますか、民間の開発企業の設立準備の段階におきまして、とりあえず公団が利権を必要に応じて取得いたしまして、公団みずから出資を行なってやる、そういう民間の開発企業が設立された場合にはそれに利権をつないでいくというふうな、法の弾力的な運用という点についても前向きに今後は対処していこうという点について、政府内部の意見調整がようやくできたというふうな点も実はございます。 こういうふうにいたしますにつきましても、結局民間のほうも、やはり的確にその開発体制を整備できるだけの体制整備を今後よほど努力もしてもらい、政府も努力をするという点が不可欠の前提になると存じまするし、公団のほうにおきましても、情報収集機能の整備でありますとか、あるいは技術情報を的確に評価、分析するというふうな意味での技術能力の一段の拡充というふうな点についても今後やってまいるよう努力をし、今回の特別会計でも、初年度でございますが、それなりの予算措置をそれぞれについて講じておるというふうな次第でございます。
○橋口委員 政務次官にちょっと伺いますが、いまの問題は今後の日本の石油開発上非常に大きな課題として取り残されている問題だと思います。そういう意味で、いま局長から前向きの姿勢でやろうというお話でございますが、次の通常国会あたりではそれに関連する改正をされる御意思はございますか。それを政務次官からちょっと承っておきます。
○稻村(佐)政府委員 御指摘の問題についてはエネルギー調査会で検討いたしておりまして、その結論の出次第、どういう形をとるかという問題はひとつ前向きに検討してみたい、こういうふうに思っております。
○橋口委員 これからの日本の石油の需給を見ますと、エネルギー調査会の数字を逆算しまして、昭和五十五年には大体五億一千万キロリットルから五億五千万キロリットルぐらいにする、こういう目標が設定されております。そこで、そのうちで一億三千万キロリットルをこれからの自主開発に期待する、こういう数字が出ておりますね。そうしますと、これは非常に膨大な数字で、現在の開発体制を推進しただけでは三千万しか出ない。そうすると今後八年か九年の間にさらに一億キロリットルという膨大な開発をしなければならぬ。これは非常に大きな事業だと思うのですが、これについて、政府はやはりそういう目標数字というのはそのままで推進をされる決意でございますか。
○莊政府委員 昭和六十年で原油の三割程度を自主開発でまかないたいという目標は、今後とも努力目標として真剣に取り組みたいと考えております。五十五年の時点に引き戻しますと、ただいまお話のございましたような大きな数字に五十五年でもなるわけでございますけれども、この場合の考え方といたしまして、いわゆる自主開発という場合に、わが国だけが利権を取得して、そこでわが国だけの力で開発するというかつての考え方に、通産省としては全然とらわれておりません。広い形で、国際協調を基軸としながら、いろいろな形の、融資買油等も含めましてこれを行ないたいと考えております。また、外国企業の株式を取得できるというふうな機会がありましたならば、今後は現在問題になっております外貨の有効活用というふうな政策を考えます場合にも、それに対応できるような施策を考える、こういう点も含めまして、総合的にいわゆる参加開発の形でこれを推進してまいるということが非常に必要だろうと考えております。
○橋口委員 いまの目標に向かって邁進されるわけではありますが、その中で一番大事な資金の調達をどうするかという問題であろうかと思います。通産省が発表された数字によりますと、昭和四十七年から五十一年までの間に探鉱資金だけで三千四百億円、開発資金で四千億円、こういう膨大な数字になっておりますね。ところが、今度石炭対策特別会計を石炭石油特別会計に切りかえるということになりますが、その場合、原重油関税の十二分の二、それをこの公団に出資した場合、毎年二百十五億円ですね。四十七年度はそれに財政融資が三十億円、そうすると二百四十五億円ぐらい。ところが探鉱融資のほうは五年に振り分けてみると三百四十億円ぐらい毎年必要になる。そうすると資金がどうしても足りないと思うのですが、この調達はどういうふうにされるお考えでございますか。
○莊政府委員 わが国が全部まるがかえの形で開発を行なうという形だけでなくて、やはり外資とも提携するし、必要ならばOPECとも協調するという形での開発体制ということがまず基本であろうと存じます。その場合にわが国が持つべき資金の量というのは、御指摘のように計算のしかたはいろいろあろうかと思いますが、やはりきわめて巨額のものになると思います。したがいまして、政府も今後財政資金を注ぎ込むということが必要でございますが、民間のそれぞれの系列と申しますか、グループでも、たとえば最近三菱系の二十六社が集まりまして、三菱石油開発というのを今年に入って設立しておりますが、三菱系ではやはり四、五百億の資金をそこに集中するというふうな、民間としても体制を整備しようという動きも幸いに出てまいっております。民間のそういう資金の活用につとめるとともに、政府といたしましては、単に特別会計の金——これも非常に重要な財源でございますが、今後は必要に応じまして外貨を積極的に資源の開発のほうに直接に活用するということが、国としても非常に大切な方策になるのではないか、かように考えております。
○橋口委員 いまお話しのありました外貨貸しの問題ですが、これは今後石油をはじめ非鉄金属その他の資源開発にはぜひともひとつ活用していただきたいと思うわけであります。すでに現在外貨は百六十五億ドルをこえて、両角事務次官が最近新聞で語ったところによると、近い将来にもう二百億ドルをこえるようになるだろう、こういうことを言っております。そうして同時に、そのためには外為の特別会計法を改正して長期の運用ができるようにしよう、こういうことを話しておりますが、これは通産省としてはもうまとまった統一的な意見としてお考えになっておりますか、これは政務次官の御意見を承りたいと思います。
○稻村(佐)政府委員 まだその問題については検討中でございます。
○橋口委員 それでは鉱山局長に聞きますが、一応の試案として、石油、非鉄金属、そういうものに対してどの程度外貨を活用したらいいかという試案があればそれをちょっと説明をしていただきたいと思います。
○莊政府委員 外貨活用につきましてはどういう有効な使い道を考えるべきかという方策論について、いま省内でいろいろと検討を重ねておる段階でございまして、具体的な一つ一つにつきましてのプロジェクトとかあるいは金額の積み上げというのは、実は現在のところまだそこまで作業が進んでおりません。方策そのものについて私ども通産省として考えをまとめ、財政当局とも折衝の上で一応政府としての方針がきまっていきますその過程で具体的な金額等も固まってまいる、こういう段階であると思います。現在のところはまだそれに至るまでの、前段階の、省内の一般方策についての検討の段階であるということであります。
○橋口委員 この外貨貸しの問題は、もう日本経済の最大の一つの要請だろうと思います。そういう意味では通産省は、検討も必要ですけれども、ぜひともやらなくてはならぬ、そういう積極的な姿勢で臨んでいただきたいと思います。特に、田中通産大臣もその御意向のようでありますから、政務次官、ひとつ大臣とも相談されまして、大蔵当局とも交渉されて、強力に推進されるようにお願いいたします。ひとつその決意のほどを聞かしていただきます。
○稻村(佐)政府委員 この問題は御指摘のとおり、検討、検討というわけにもまいらぬと思いますので、どういう形が有効活用になるかという問題は、大臣によく御指摘の点を申し上げまして、早く結論を出すようにいたしたいと思います。
○橋口委員 日本のこれからの石油開発は最大の急務になるわけですが、その大半というか、九〇%以上を中東地域に依存をしているということは、これはもう政府も認められるように、非常に不安定な要素をはらんでいると思います。そういう意味で、供給地域を分散するというのは長い間の懸案であるようですが、なかなか進行しない。そこへ最近ソビエトから、チュメニの油田開発、それをひとつ推進をして、日本海側まで石油パイプラインを引こうではないか、そういう申し入れが日本にきているようであります。これはわれわれは、もし実現をすれば日本の石油供給体制上非常に有利になるのではないかと考えております。また、財界も前向きで取り組んでいるようでありますが、通産省としては基本的にはどういう方針で臨まれる予定でございますか。それをお聞かせをいただきたいと思います。
○稻村(佐)政府委員 この問題は、先ほどから御指摘の外貨をほぐしていくという点からもたいへん重要なことであり、また供給面の分散ということもたいへん大事なことだと思います。そういう意味で、ナホトカまで六千七百キロ、現在すでにチュメニ−イルクーツク間二千四百キロ布設されておるわけです。残りの四千三百キロに対して日本側から資材、設備を信用供与いたしまして、その代価約十億ドルを原油で返済を行なうという構想が、一九六六年第一回日ソ経済合同委員会を中心として検討が進められているところであります。当省としては、価格、品質等が合理的なものであるならば、わが国石油供給源の分散に資するものであり、安定供給確保のために望ましいものと考えられております。それを二月下旬、二十一日−二十四日に開催された第五回日ソ経済合同委員会で、信用供与十億ドルの返済、二十年、金利六%以下とソ連側から提出されたわけでございます。いろいろ提出された関係資料によって、五月、六月ころ調査団を派遣をいたしまして、これを慎重に検討いたしまして、その上で方針を決定するということに考えておるわけであります。
○橋口委員 ただいまのお話によりますと、所要資金が十億ドルになると思いますが、これをどういうふうに調達するかという問題でございますが、私はむしろこのあり余った外貨を活用してそれを振り向けるということが一番いいのじゃないかと思いますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
○稻村(佐)政府委員 大蔵省との関係がいろいろむずかしいと思いますが、すでに今年度一ぱいで二百億ドルというふうな膨大なものがたまるわけでございますから、そういう意味からもこの十億ドルというものが当然、私の考え方でございますけれども、大蔵省と詰めて、やはり外貨によってこれはまかなうようにしたほうが適当ではないか、こういうふうに考えておりますが、何はともあれ大蔵のほうがたいへん大きな問題で、通産省側でいい知恵を出してもなかなか大蔵との折衝が問題でありますが、これから大臣ともよく御相談申し上げて、積極的に大蔵との関係を詰めてやりたい、こういうふうに考えております。
○橋口委員 これは外貨を活用するという積極的な姿勢でぜひ取り組んでいただきたいと思います。いままで資源開発の問題は、いつも大蔵省の意向に振り回されてすぐつまずく、こういうような難関にいつも逢着しておりますから、今度はこれはもう日本の一番の国策だというそういう考え方で強力にひとつ推進をして、この隘路を突破していただきたいと思います。政務次官、ひとつ大臣もチュメニの油田の開発はぜひとも前向きでやりたい、こういう御意向のようですから、ひとつぜひとも積極的に推進をしていただきたいと思います。その点をひとつ……。
○稻村(佐)政府委員 御指摘のように、ひとつ積極的に取り組んでみたいと思います。
○橋口委員 この日本の石油開発の目標、それから需給状況を見ますと、非常に膨大な数字にのぼるわけで、五十五年を例にとれば、先ほど申し上げましたように五億一千万から五億五千万、これを現在が二億数千万とすれば三億キロリットル以上これから開発する。そうすると、いろいろな資金上の制約も先ほどのように出ますけれども、もっと重大な問題は、この日本列島の中で石油コンビナートをつくる場所の選定に非常に困ってくるのではないか。そういうことで、これはいま石油だけでなくて、日本の工業立地は非常に大きな難関に差しかかっていると思います。そういう意味で、通産省でも今度の国会に工業再配置促進法を提案をされているわけでありますが、さて、過密地域から過疎地域に持っていくといっても、これは今度はその候補地で猛反対が起こる。そこで公害反対あるいは埋め立て反対ということでどうしてもそれが推進ができなくなる、こういうような事態にいまきているわけであります。そういう意味で、工業立地の問題、特に石油工業の立地の問題は非常に重大な課題になってきていると思います。 そこで通産省としては、現在過密地帯にある石油精製工場をどういうように分散をする計画で、またこれからつくるところの精製工場はどれくらいの規模でどういう地域に配分をする、そういうような計画はできているかどうか、その点をひとつ承りたいと思います。
○莊政府委員 今後相当膨大な石油精製基地の土地が必要になるということはそのとおりでございますが、現在の見通しではあと五年程度の間に必要となる石油精製あるいはこれに伴う用地というものについては、現在のあき地とかあるいは造成の確定しておるもの等によって大体まかなうことができるかと思いますが、その後における膨大な用地需要に対しましては、すべて今後全国各地に新しい工業基地の開発を進めるという形で、やはり工業の地域分散政策の一環として、その中に石油関係のものも組み込んで計画的な造成をはかっていくということが不可欠な事態に実は相なっております。現在主として過密地帯にあります石油精製工場につきましては、現在の石油業法のもとでの設備許可の運用方針といたしまして、これは石油審議会で御決定いただいております許可方針といたしましてこれ以上の増設は極力これを抑制する、そのかわりに新規の立地への設備計画については優先的にこれを認めるべきであるという御方針が確定しておりまして、現在その方向で対処し始めておるという段階でございます。今後はこれをさらに一段と徹底する必要がありますと同時に、既存の製油所をやにわに地方に引っ越しをさせるということは実はできませんので、たとえば東京湾でございますとかあるいは大阪湾でございますとか、そういうところにつきましては海上交通等の問題もございますので、やはりそういった地帯に対しては、今度はたとえばCTS計画とかパイプライン、これも原油を運ぶというような前向きの計画を早急に考えまして、そちらのほうの設備投資を過密地帯に対しても行なっていく、こういう両建ての計画と投資というものが今後きわめて大切だろうと考えております。
○橋口委員 当分の間は、石油工業立地については多少は心配はないかもしれませんけれども、そのあとを見渡せば、これはどうしてもいまから準備をしておく必要があると思います。この五億五千万キロリットルの生産に対応するような立地計画というのは具体的にすでにもう策定をされておりますか。
○莊政府委員 五十五年の時点での計画はいまの段階では実はございません。五十年ころまでのものにつきましては具体的な計画というものが個別にある程度ございます。したがいまして、今後はやはり全国的な工業再配置計画、これは石油精製工場だけでなくて、他の重要産業全体をひっくるめましたそういう全国的な整備計画の一環といたしまして、その中核をなすものとして石油精製についてもその中に含めて考えていく、こういうことを早急に行なわなければならない段階に立ち至っておるわけでございます。
○橋口委員 いまや立地政策はもう非常に重大な時期に差しかかっていると思うのでございますが、それに対応するだけの具体的な努力というのが通産省では少し足りないのではないかと私懸念をしております。それは例の大規模工業基地ですが、むつ小川原にしましても、いま問題になっております志布志湾にしましても、もういわば一種の誤解に基づくような反対運動で行き悩んでおります。こういうようなこれから日本にとっては非常に大事な大規模工業基地に対しては、通産省としてはどういう方針で臨まれるか。それを特に政務次官から承りたいと思います。
○稻村(佐)政府委員 工業再配置とともに、先ほど来からの石油精製の問題たいへん重要だと思います。精製場の問題はたいへん必要だと思います。しかしながら、受け入れ地元先等の意見も十分考慮をしつつ、各関係省協議の問題、これはいろいろな問題多少あると思うのですね。建設省関係もあるでしょうし、運輸省関係もあるでしょうし、また農林省関係もあるでしょうし、そういう意味合いから、今後とも大規模工業団地、こういった問題はやはり地元の受け入れ等もよく考えて積極的に進めてまいらなければならぬ、こういうように思っております。
○橋口委員 初め大規模工業基地については、通産省はそれに関連する特別の法律をつくろうというような非常に積極的なかまえであったようでありますが、その後だんだん後退して、こういう新しい政策については非常に消極的になってきたように思います。 たとえば今度の工業再配置法におきましても、この大規模工業基地の構想はあまり取り入れられていない。これはどういうわけでございますか。これは特に企業局のほうから田中参事官。
○田中(芳)政府委員 大規模工業基地の建設の促進につきましては、新全総計画でもうたわれておるところでございますし、今後のわが国の経済成長、これを確保いたしますためにもぜひとも積極的な推進をはかりたいという気持ちにつきましては、従来より何ら変わるところがないのでございます。こうした趣旨から、今回工業再配置法案の中で大規模工業基地に何らかの積極的な姿を打ち出したいということで検討をいたしたわけでございます。法文上特段のそういった形は出ておりませんけれども、私どもの工業再配置計画の中でその姿を明らかにしてまいりたいと思っておることが第一点でございます。 もちろんこれらのほかに、従来これらの地点につきましては各種の地質あるいは水あるいは公害、こうしたものの事前調査などを十分やってまいってきておりますし、さらに御承知のことと思いますが、第三セクターに対します出資あるいは融資、そういう道を開きますために、従来北東公庫のみに限られておりましたのを、この際日本開発銀行にこれを担当させるということで、開発銀行法の一部改正法案につきまして本国会で御審議をお願いしておるところでございます。 なお、港湾あるいは道路、こうした関係各省にわたります総合的な施策が、大規模工業基地建設に非常に重要でございますので、こうした各省の関係の連絡会等をこれから積極的に開きまして、計画の推進に遺憾なきを期したい、かように考えておる次第でございます。
○橋口委員 工業再配置の法案に関連をしまして、いまの問題はまたあらためて伺うことにしたいと思いますが、特にいまこの石油工業の立地が行き悩んでいる最大の原因は、公害に対する住民の非常に深い懸念、心配にあると思います。私もいろいろ調べてみますと、石油企業が来るというと、もう日本じゅうのありとあらゆる公害がくるように地元の人たちは錯覚を起こしている。非常に大きな誤解があると思います。 そこで、これから工業立地を進める場合には、特に石油の場合には、最近は技術が非常に発達したから、もうほんとうにそういう心配はないのだということがもっと十分説得されなければならないと思います。また通産省としては、一番公害問題が大事な時期でございますから、将来、少なくとももう石油企業に関しては絶対に心配はないというところまで技術的な努力を続けることが必要だろうと思います。その点について特に公害保安局長から政府の方針を聞かしていただきたいと思います。
○久良知政府委員 先生御指摘のように、現在新しい地点に工業立地をする、特に石油精製でございますとか石油化学というふうな業種を持っていくという場合に、公害に対する一般的な懸念というものがかなり大きいわけでございます。私どもこれに対する対策といたしましては、やはり将来そういう地点において公害を絶対に起こさないようにするということが要諦であろうかと存ずる次第でございます。 私ども現在とっておる対策でかなりな効果をあげておるというふうに考えておりますのは、一つは公害防止総合事前調査というやり方でございます。これは、将来立地を予想されます地域の公害に対します環境キャパシティーと申しますか、受容能力というものを正確に調査をし、測定をするということでございまして、その特定の地域の大気の状況、それから港湾のいろんな海流その他の自然条件というふうなものを科学的に測定をいたしまして、それに従いましてまた正確な模型をつくりまして、その模型を使いましてシミュレーションと申しますか、実際の予想されます工場の模型をつくり、またいろんなガスその他のものを出させまして、どういうふうな汚染がその地域に生ずるかということを精密に調査をいたすわけでございます。 そういうデータに基づきまして、進出を予定する企業の計画を、私どものほうで具体的にチェックをする。それによって公害を出さないような工場自身の配置、それから工場の中のいろんな施設の配置、能力というふうなものにつきまして、最適の組み合わせというものを見出しまして、企業にも指導を具体的にしていくという方策をとっておるわけでございます。 私どもといたしましては、そのほか排煙脱硫でございますとかそれから公害源を外に出さない、いわゆるクローズドシステムというふうな技術的な点につきましての研究開発というものも、かなり積極的に進めておる現状でございますので、将来のそういう立地する地域につきましては、私どもといたしましては、進出いたします企業が私どもの指導に従う限りにおきましては、その地域の環境基準の維持というものは絶対に可能であるというふうに考えておりますし、健康をそこなうような程度、規模の公害というふうなものが起こることはないというふうに確信をしておるわけでございます。
○橋口委員 いまの説明を聞いて非常に力強く思うわけでございますが、どうかひとつこれを積極的に推進をしていただいて、そしてこの石油工業地帯の住民が絶対に心配をしないようなそういう配慮を特に加えていただきたいと思います。 これから特にそういうような立地をする場所で、住民に対する一種のPRですか、そういう資料が地方でも非常に不足しているようでございますから、通産省では、今後の立地対策の重要な一環としてそういうPR資料というものを十分そろえて、そして地方の開発に乗り出していただきたいと思いますが、その点に対して準備は十分かどうか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○久良知政府委員 ただいま申し上げましたこの私どものやっております総合事前調査の結果、それからいろんな技術開発上の新しい知見につきましては、極力公表をいたしまして企業それから自治体その他関係者の活用に資しておるわけでございますが、将来とも積極的に、また時間的にもなるべく早く結果については発表をするということで活用に役立てていきたいと考えております。
○橋口委員 そこで、次に海外のこの開発体制について伺っておきたいと思いますが、現在日本の開発会社は大体三十一プロジェクト、二十七社に分かれて、非常にこま切れの開発体制をとっている。そういう面で資金的にも技術的にも非常に弱体を免れない。それで海外との競争にも破れる可能性が非常に強いんじゃないかと思います。これはどうしても、もっと集約的に企業体制を整えて、そして開発を推進する必要があると思います。最近は多少グループごとにそういう結成もされつつあるようでありますが、これは政府がもっと強力にこれを指導推進する必要があると思いますが、その点は鉱山局長どういうふうに今後の方針を進められましょうか。
○莊政府委員 民間の原油開発体制の整備強化は非常に必要であるという点、御指摘のとおりであると考えて、通産省も従来からそれなりの努力を重ねてまいったつもりでございます。幸いに産業界のほうもこれに対応いたしまして、三菱グループあるいはいわゆる興銀グループ等におきまして、現にそういう動きが具体化し始めておるという段階でございます。今後やはり民間の資金力の動員あるいは民間としての海外原油情報の迅速な収集、あるいは乏しいといわれておりますわが国の石油技術者の全体としての機動的な有効活用等々をはかってまいります上において、やはり現在のように三十もプロジェクトがあって、それぞればらばらにその仕事だけやっておって、ほかの仕事には全く対応できない、対応する主体がないという形というのは、いかに石油開発が大切とはいえ、やはり車の両輪でございますから、そういう意味で通産省としては、今後の石油政策の重要な柱として、そういう方面、業界にもさらによく呼びかけもし、必要ならば、またそういうものが動きやすいような諸条件の整備等につきましても、今後業界ともよく詰めまして、そちらの方向へ極力誘導し指導していく、こういう姿勢で取っ組みたい、かように考えております。
○橋口委員 これはぜひともひとつ政府が強力に指導していただきたいと思います。 そこで、これからの自主開発を進める場合ですが、特にOPEC諸国とは協調して、なるべく直接の取引、開発ができるように持っていくことが当然のことでございますが、先般OPECの事務総長であるパチャチさんが見えましたですね。そのときに通産省首脳部との間に、今後の開発についての具体的な相談というのがありましたか。せっかくの非常にいい機会であったので、おそらく私はそういうことまで相談されたのではないかと考えているのですが、その辺はいかがでございますか。
○莊政府委員 私はパチャチさんと直接そういう問題でお話しする機会はあまりなかったのでございますが、当省は事務次官が訪問を受けまして、そこで、新聞でも報道されておりましたようないわゆるOPECの資本参加の問題、あるいはそれに伴う原油をOPECが取得した場合にそれを消費国に直接売ることについて検討しておるというふうなOPEC側の考え方についての説明というものがあったというふうに了承いたしております。時間の関係もございまして、今回は関係政府機関あるいは民間の方面と、その点について、 OPECの事務総長は突っ込んだ話し合いあるいはネゴシエーションをするだけのひまがなかったというのが実は実情のようでございます。ただ、これはOPECの長年の主張でもございまするし、多数の国がすべてその方向に向かってOPECという組織で動き始めておるという世界の大きな流れでございますから、事務総長の来日等と必ずしも関係なく、今後、消費国である日本とかフランスとかドイツにいろんな形で働きかけが当然行なわれてくる、そういうものを踏まえて、石油の市場というのが非常に流動的になっておりますので、そういう実態をわが国としても正確に把握しながら、何が長期的に見て国益にプラスになるか、こういう見地から冷静によく判断し対処をしていきたい、こういうふうに考えております。
○橋口委員 OPECとの話し合いというのはこれから非常に重要になると思います。そういう意味で、これから機会をとらえて、通産省のほうでもOPECに乗り込んでいって、具体的に腰を据えて交渉することが必要だろうと思います。そういう意味で今後ぜひ推進をしていただきたいと思いますが、政務次官は——政務次官、いまこういう質問をしたところです。OPECのパチャチ事務総長が、この間見えましたですね。それで、その際に具体的に今後の開発についての話があったかどうか、こういうことを質問したところが、今回はそれほど突っ込んだ話はなかった、こういうお返事でありました。そこで私は、これからOPECとはもっと緊密に連絡をとって、腰を据えてじっくりと相談をする、これが非常に大事だろうと思うのです。今後の石油開発の一つのきめ手にもなると思うのですが、通産省の首脳部として、今後どういうふうにそれを進められるお考えですか。そのお考えを政務次官から承っておきたい。
○稻村(佐)政府委員 この前事務総長がおいでになったときには、局長が答えたと思いますが、そう突っ込んだ話はなかったと思いますが、やはりこれからの石油事情等々考えて、じっくりと考えてやらなければならぬと思います。ただあのときにアブダビの工業大臣も見えておられまして、たいへん有意義な突っ込んだ話がここでかわされておったことは事実であります。そういう意味合いから、この機関等を通じてやはり積極的に取り組んでいかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○橋口委員 これはぜひ今後とも強力に推進をしていただきたいと思います。 そこで、こういう海外との石油開発と並んで一番大事なことは、日本近海の大陸だなの開発だろうと思います。これについては現在その体制が着々と整備されていることは非常に御同慶にたえないところでありますが、それにつきましても、数年前、通産省としては大陸だなの開発を円滑にする、そのためにたとえば資源開発の基本計画であるとか、鉱区面積の特例あるいは試掘権存続期間の特例等を内容とする特別立法を準備されておる。ところが、その後立ち消えになりまして、そして現在ではそういう音さたは全然なくなったわけでありますが、もうその必要は全然ないとお考えになりますか。もしできるものならばそういう特別立法をしたほうがいいとわれわれは考えるのですが、その辺の見解を聞かせていただきたいと思います。
○莊政府委員 その当時の状況を私必ずしも詳細には存じておりませんが、これから大陸だなの開発で、たとえば鉱区が陸上の場合よりも当然に広い、そういうものに対しての出願の手続の合理化というふうな面まで含めましていろいろな改正が検討されておったことは事実でございます。また大陸だなの石油に対します国の助成のあり方、これを強化する必要があるという実態上の面もその際に非常に議論の中心であったと承知いたしております。現在ではほとんど鉱区というのが出願も終わっていよいよ開発の段階に入っており、中には阿賀沖のごとく成功したものも出てまいりまして、石油開発公団といたしましても、今後大陸だなの開発に関しては資金的に積極果敢に助成を行なっていくという国の路線もようやく確立をしたという段階だろうと思います。したがいまして、必ずしも何か特別の立法がなければ大陸だなの開発が非常にやりにくいという実態はいまのところはほとんどなくなっておるのではないか、そういうふうに実は考えております。
○橋口委員 さしあたっては法律をここでつくる必要はないかと思われますが、将来、いろいろな条件を考えると、これはどうしても立法する必要があるのじゃないか、こう思われますので、その辺は通産省でも十分御検討をいただきたいと思います。 そこで、きょうこの委員会でお聞きするのが妥当かどうかわかりませんが、尖閣列島の周辺は大陸だなの中でも最も有望な地点と目されているようであります。これについては領有権の問題があって非常に国際的にからみ合っている問題でありますから、通産省一存ではいかないと思いますけれども、しかし、この尖閣列島はいまのところは日本の領土である、われわれはこう強い確信を持っているわけでありますから、それに対して何らか大陸だな開発上あそこに必要な施設をつくるとか、あの周辺の試掘をするとかいうような具体的な構想がございますか。
○莊政府委員 現在その領有権につきまして国際的に懸案事項になっておりますいわゆる大陸だなの海底の部分につきまして、具体的な調査計画というものは実はございません。本年度の予算措置を講じておりますのは、沖繩等の周辺の明らかに日本の大陸だなであることが明白であるという部分につきまして、約一億数千万円の予算措置によって計画的な調査を開始しようという予算措置を実は講じております。問題の地域につきましては、日本側でも琉球政庁に対して球琉政府の鉱業法に基づく出願がすでになされており、未処理の状態になっております。こういう状態で、片や台湾側は同国の法律で、ある企業に権利を設定するというふうな重複した状態になっておりますが、大陸だなの開発の問題につきましては、やはりそういう国際的な問題の解決に前向きに対処をするということを経まして、そして十分な安定した状態で本格的な開発になるべく早く取り組む、こういう姿勢で通産省としては国全体として進むことが適当である、かように判断をいたしております。
○橋口委員 この尖閣列島の問題は中国、台湾非常に重大な関心を持っておりまして、また日本としては将来これはかけがえのない地点ではないかと思われます。そういう意味でこの領有権というものは日本では与野党ともに異論のないところでありますが、これについてはひとつ政府はうんと腰を据えてがんばっていただきたいと思います。政務次官、この点についてほかの省ともお話し合いをされたことはございますか、また今後の方針はどういうふうにお考えになっておりますか。
○稻村(佐)政府委員 尖閣列島問題は御指摘のとおり中国、台湾いろいろ問題になっておるのは新聞紙上御承知のとおりですが、日本としても将来たいへん重要なかけがえのない地点であると思います。そういう意味合いから、これは各党とも日本の領土であると意見が一致しておるわけですから、こういう面からひとつ通産省としても各省、特に外務省等に強く働きかけまして、やはりがんばっていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○橋口委員 この問題はひとつ各省とも相談をされまして、強力に推進していただくようにぜひお願いいたします。 そこで、こういう大陸だな等に関連いたしましてやはり日本の国内資源、これもさがせばまだかなり出るようでございますが、先般新潟沖で非常に大きな油田が発見をされたといわれております。それを通産省として実態をどういうふうに把握されておるか、将来の見通し、そういうものをちょっと伺いたいと思います。
○莊政府委員 二月に阿賀沖で約二千メートルの深度のところで、非常に超低硫黄の原油層に到達したわけでございます。現在引き続き探鉱を続けておりまして、それによりまして地面の底にあります油の層がどの程度の範囲に広がり、どの程度の深さのものであるかということの調査に実は入っております。今年中にはそういう調査がおそらく完了し、企業化に踏み切ることになるであろうというふうに判断をいたしております。通産省といたしましては、これが企業化に踏み切る場合には企業の増資の問題にもなってまいりますので、石油開発公団を通じまして十分な助成、そういう資金面の助成という点については万遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。
○鴨田委員長 ちょっと申し上げます。 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。 石油開発公団法の一部を改正する法律案の審査中、石油開発公団から参考人の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じまするが、これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお参考人の人選及び出頭日時等につきましては委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○鴨田委員長 質疑を続行いたします。橋口君。
○橋口委員 いまの公団の参考人に質問してよろしゅうございますか。
○鴨田委員長 よろしゅうございます。
○橋口委員 それでは、参考人がお見えになりましたようですので、お伺いいたしたいと思います。 石油開発公団法の改正案が提案をされているわけでございますが、これに関連しまして、石油開発公団創設以来ことしの三月末に至るまでの探鉱資金投融資の実情、それについて簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○谷川参考人 御説明申し上げます。 四十二年度に石油開発公団創設以来ことしの三月末までに投融資をいたしました総額でございますが、三百六十七億円でございます。
○橋口委員 石油開発公団として、政府の案もあることですが、今後五年間を見通した場合に、どのくらいの資金を必要とするとお考えになりますか、これは念のために伺っておきたいと思います。
○谷川参考人 公団法の改正によりまして、今後公団のなし得る仕事の範囲がどの程度拡充されるかにも関係するところでございますけれども、今後私どもといたしましては、年々三百億円から五百億円くらいの資金量が数年の間継続して必要になろう、かように見込んでおります。
○橋口委員 この数字はもう少し詳細に詰めていただきたいと思いますが、どうしてもいまの特別会計をつくってもあるいは民間の資金を動員しても足りなくなるんじゃないかという気がいたしますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。かなり大きく足りないんじゃないかというふうに思われますけれども、調達可能と見ておられますか。
○谷川参考人 御承知のとおり、石油の探鉱開発事業に対する資金は非常に危険度の多い金でございまするので、民間の資金の需給関係にもよりますけれども、今後は民間資金の導入が比較的困難になってくると思いますので、そこで公団といたしましても政府にお願いいたしまして、できる限り財政資金を極力大幅に公団に出資していただきまして、民間の資金の導入も極力私ども努力をはかってまいると同時に、財政資金も大幅に出資することによりまして、日本の石油探鉱開発事業が日本の石油需要に適応するように今後積極的に公団としても取り組んでまいりたいと思います。
○橋口委員 せっかく参考人として御出席いただきましたので、御意見を承っておきたいと思いますが、先ほども通産当局に御質問したんですが、保有外貨を活用することが最も賢明な方策じゃないかと思いますが、これはどういうふうにお考えになりますか。
○谷川参考人 政府のほうで公団に対しまして資金を供与するいろいろな方策をお考えいただておること、まことに公団としてもありがたいことだと思っておりますけれども、保有外貨の活用という問題につきましても、私どもとしては、積極的に石油の探鉱開発所要資金にこれを活用するということができればけっとうなことだと思っておりますけれども、何ぶん保有外貨の性質上、政府のほうで目下いろいろ御検討いただいておりまするので、むずかしい問題もあろうかと思いますけれども、できれば公団乏してもこれを使わしていただげれば、公団の仕事も一そう積極的に行なうことができるものだと考えております。
○橋口委員 いまのこの将来の必要資金、これについては非常に大ざっぱな数字が出されたわけですが、もちろん公団としては五カ年を見通した計画を具体的にお持ちですね。こまかい数字がちゃんと計上されておりますか。四十七年度から、たとえば五十一年に至るまでの五カ年計画、そういうものをもうちゃんと策定されておりますか。
○谷川参考人 はっきりした数字はまだ策定しておりません。と申しますのは、私ども今後どういう方法で探鉱開発をやっていくか、どういう地域に対して積極的に乗り出すか、いろいろ情報を集めて検討しておるわけでございますけれども、一つには、そういう大きな数字になりますると、私どもの考え方といたしましても相当慎重に事を連ぶ必要がございまするので、まだ結論は出ておりませんけれども、先ほど申したように、相当大きな金額を数カ年にわたりまして継続して公団が支出するに足るだけの対象事業があるわけでございまして、それを今後年次別に、また地域的にどういう方向に計画を進めていくかということについて目下慎重に検討中でございますので、できるだけ早く、できましたならば御説明申し上げることもできるかと思います。
○橋口委員 これは今後石油開発にとって非常に重要な課題でありますから、早急に検討をされまして、その計画を確定されるようにお願いいたします。 そこでちょっと伺っておきたいのですが、日本は世界一の大消費国でありながら開発についての情報がいまのままでは非常に不十分じゃないかと思われます。四十七年度予算でも多少充実をされておるようでございますが、いまだ非常に不十分だと思います。その情報収集体制についての現状なり将来の必要性、そういうものについての御説明をちょっと願いたいと思います。
○谷川参考人 石油の探鉱開発に関する情報といたしまして、一般的な情報と個別具体的な利権情報とに大別されると思いますけれども、私どもとしては、一般的な情報につきましては、既存の政府並びに政府関係機関の海外における情報機能を活用いたしたいと思っております。現に、たとえばジェトロの海外の駐在員事務所から相当豊富な情報の提供を受けておるわけであります。ただ具体的、個別的な利権の情報となりますると、石油の専門家からあるいはまた産油国の関係当局から入手する必要がございますので、その情報を取る側の職員の能力にも限界がございまするので、公団といたしましては、公団独自の立場でそういう個別利権情報の収集に当たらせるために、現在海外におきましてベイルート、ロンドン、ヒューストン、シンガポール、四カ所に駐在員事務所を置きまして、もっぱら情報収集活動に当たらしておるわけであります。四十七年度以降におきましても、それ以外の地域におきまして石油利権情報を極力獲得するという方向で目下政府と設置の場所等について打ち合わせを続行中でございます。その海外の駐在員事務所だけではまだ十分な情報が網羅的に取得できないというおそれもございますので、石油公団本部といたしまして、できる限り海外に職員を派遣いたしまして、たとえばメージャーの首脳部等と会談をする等によりまして、また民間の商社等の協力も得ながら、今後とも積極的に情報を集めて、公団が支出する対象となる事業がいい石油の利権に結びつくように努力いたしたいと考えております。
○橋口委員 今度の改正案におきまして、海外における可燃性天然ガスの探鉱の問題あるいは地質構造の調査の問題、石油備蓄増強に対する助成、こういうような機能の強化案が出されたわけですね。これについて、それで十分だとお考えになりますか。われわれはこれだけでは不十分じゃないかと思われますけれども、その辺についてもう少し公団当局としての御意見を聞かしていただきたいと思います。
○谷川参考人 現在の改正案ではまだ十分ではないと考えております。ただこの問題につきましては、政府当局におかれましても相当真剣に、積極的に公団のあり方としてお考えいただいて現在程度の案になったというふうに承知しております。今後私どもも私どもの立場で、こういうようにすればもっと日本の石油の探鉱開発の問題の処理ができるのだということを具体的に考えまして、政府と御相談いたしまして、公団としてもっと積極的に利権の獲得ができますよう今後とも来年度の予算以降におきまして努力をいたしたいと考えております。
○橋口委員 この今回の法案の第九条の二で、公団は、当分の間、石油備蓄の資金を貸し付けることができるという規定がございますが、当分の間というのは何年ぐらいを考えておられますか。
○莊政府委員 当分の間と申しますのは、少なくとも一、二年とか三、四年とかという短期ではないことを申し上げたいと存じます。今回の備蓄用十五日をふやすために必要な原油代でございますが、これにつきましては、実は三年据え置きの五年払いという非常に長期の運転資金の貸し付けということを公団を通じて行なわしめるという考えでございます。またそれについて利子補給をするということでございますから、最低そういう融資の新規貸し出しを行ないますのは当面三年間は行なうというふうに財政当局の了解を得ておりますが、実際に融資されておる期間というのは、その据え置き期間あるいは返還期間が相当長期でございますので、長期の業務にわたるというふうに御了承いただきたいと存じます。
○橋口委員 この備蓄の問題は非常に重大な課題であると思いますが、今回毎年五日ずつ、三年間で十五日、それでやっと六十日になると思いますが、政府は大体九十日を目標にしておるようでございます。日本でもこれから先を見越して積極的にそういうような計画を立てるべきではないかと思いますが、その辺の方針はどうですか。
○莊政府委員 御指摘のとおり、原油の備蓄につきましては、世界の情勢を的確に見きわめながら、やはり大口消費国として恥ずかしくないだけの備蓄ということを政府として考えるということが基本であろうと存じます。それでは六十日以上どういう水準まで上げるべきか、その場合に民間に主としてやらせるという形ではたして実行可能かどうか、あるいは石油製品価格に極力転換させないために国としてもどこまで踏み込んで助成を行なうべきか、こういう問題いろいろございます。外貨の活用ともからむ面もございます。現在通産省では、総合エネルギー調査会石油部会の場で、昨年に引き続き御検討をいただいておる段階でございます。
○橋口委員 せっかく大臣がお見えでございますので、二、三点だけ念のためにお伺いしておきたいと思います。 大臣恐縮でございますが、先ほど重大な問題について当局から伺ったのですが、石油資源の開発のために保有外貨を活用していただいたらどうか、こういう点を質問いたしました。それともう一つはチュメニ油田の開発の問題ですが、これを通産省としてはどういう方針で進められるか、こういう点をお聞きしたのでございますが、大臣からもその点について、今後どういうふうにお進めになりますか、そういう二点をお聞きしておきたいと思います。
○田中国務大臣 チュメニ油田につきましては、たびたび申し上げておりますように、日ソ経済委員会で話し合いをいたしまして、初めてデータの提出を求めたわけでございます。いままでなかなかデータの提出もしないで、十億ドルということをいってもこちらが評価のしようもないわけであります。グロムイコ外務大臣が参りましたとき、またその後担当大臣が来日をしましたときに、詳しい図面及びデータ等の提出を求めたわけでございまして、これは提出をされ検討に入ったわけでございまして、その結果五月ないし六月には現地を調査するということになっております。ソ連としては初めてのことだと思いますが、日本の技術陣、関係者の調査によりまして、そこで結論を出さざるを得ない、結論を出すものだと考えております。その後わかったところでは、ローサルファであるということでございましたが、必ずしもそうでもないということではありますが、しかし豊富な油量を持っておるものでありますし、二千五百万トンないし四千万トンといえば、そのときになれば日本に搬入するものの五%ないし一〇%にも及ぶだろうというものでありますので、深い関心を持っておるわけでございます。それまでの間には、ソ連側もバンクローンというだけではなく国債を発行してはどうかという提案もしておきました。国債というものを発行したことがないので、そういうものに対しては検討しようということでございました。 保有外貨の直接投資その他に対しましては、いま大蔵省との間に具体的に詰めております。近くこの国会でもってどうしても立法措置を行なう必要があると思うのです。ですからたいへんなことだとは思いますが、皆さんの御協力を得られるならば、この国会で何らかの立法を必要とする、またそういう考え方で大蔵、通産の間で詰めようということでいま大臣間で話をしておりまして、これは事務ベースに早急におろして、外貨が二百億ドルをこすなどという状態をそのまま放置できないわけでありますし、これはもう焦眉の問題でございますので、資源開発、特に石油その他ひっくるめまして外貨の活用その他に対して法制の整備等を考えておる段階でございます。
○橋口委員 大臣のお話を承りまして非常に心強く存ずる次第でございます。どうか積極的に御推進をお願いいたします。 終わります。 ————◇—————
○鴨田委員長 内閣提出、石油パイプライン事業法案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。田中通商産業大臣。 —————————————
○田中国務大臣 石油パイプライン事業法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 石油はいまや国民経済及び国民生活にとって欠くことのできない基礎物資として年間約二億キロリットル消費されておりますが、今後も大幅な消費の増大が見込まれております。 これに伴い、石油の輸送量も増大することとなりますが、これを、従来の輸送手段である自動車、鉄道等にのみ依存するならば、交通の混雑、災害発生の危険を累増させるおそれがあるとともに、石油の流通コストの上昇をもたらすものと見込まれています。 政府におきましては、このような事態に対応していくためパイプラインによる輸送方式を早急にわが国に導入する必要があると考え、石油パイプライン事業に長年の経験を有する欧米諸国の実情を調査する一方、関係審議会における審議等を通じて、その経済的、社会的意義と必要な施策について検討を進めてまいりました。その結果、石油パイプライン事業については、 第一に、これが石油の安定的かつ低廉な供給の確保に寄与するのはもとより、原油及び石油製品の輸送に関連する災害の発生の防止と道路等における交通事情の改善にも大きく貢献することから、国として適正かつ計画的にその設置の促進をはかっていく必要があること。 第二に、これは公共的な性格を有する事業として適正に運営される必要があること。 第三に、これは可燃性物質でもある石油を輸送するものであるため、その施設についての保安には万全を期する必要があることについて結論を得た次第であります。 本法案は、以上のような観点から、石油パイプライン事業について必要な事業規制及び保安規制を行なうとともに、道路占用の特例措置等の必要な措置を講ずることにより事業の健全な発達をはかろうとするものであります。 次に、本法案の概要を御説明申し上げます。 その内容の第一は、国において石油パイプライン基本計画を策定することとしたことであります。基本計画におきましては、石油パイプラインの経路の概要や完成の目標年度等を定めることにしております。 第二は、石油パイプライン事業を営むには、主務大臣の許可を要することとしたことであります。 第三は、工事の計画について、主務大臣の認可にかからしめることとし、また、工事の完成時には完成検査を受けなければならないこととしたことであります。 第四は、業務の監督について、石油輸送に関する料金その他の条件については、これを石油輸送規程に定め、主務大臣の認可を受けさせることとし、また、石油輸送については、引き受け義務を課することとしたことであります。 第五は、保安面に万全を期するため、事業者に施設の技術基準適合義務や保安技術者の選任義務を課するとともに、保安規程を認可制とし、必要によりその改善命令を発する等の措置を講ずることとしたことであります。 このほか、石油パイプライン事業に対する道路占用の特例措置を講ずるとともに、土地収用権を付与することとしております。 なお、本法の主務大臣については、通商産業大臣、運輸大臣、建設大臣及び自治大臣がそれぞれの所掌事務に基づき、緊密な連絡のもとに各事項に応じて共同で所管することとなっております、 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○鴨田委員長 これで提案理由の説明は終わりました。 ————◇—————
○鴨田委員長 内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案及び石油パイプライン事業法案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。
○石川委員 ちょうど大臣が見えましたので、私のこれは数年来の持論でありますけれども、長期展望に立ったときの日本の政策として一番重要なものは一体何かというと、どう考えても資源を確保するという問題、それから情報化時代に向けて人間の位置づけをいまからどうするかということを考えない政治というものはほんとうの政治になり得ないであろう、こういう持論を私は前から申し上げておるわけでございまして、特に一昨年から、私は、いわゆる外貨減らし、こう言っておりますけれども、外貨が四十億ドルになろうとするとき、この外貨がこのままでいったのでは七十億ドルを突破するのではないか。したがって、この外貨というものがたまったことによって円の切り上げというふうなことに報いられるということは、たいへん日本の経済にとっても不幸なできごとであるから、どうしてもこの外貨を減らすという方策としては、海外資源の開発以外にないのだということで、だいぶ私は前の通産大臣に詰め寄った記憶があるわけであります。ところが、そのときは私も十分承知をしておったのでありますけれども、いろいろな法律的な手続の問題あるいはリスキーであってなかなか投資しにくい、あるいは担保能力がない、オペ操作が困難になる、こういうようなことで、趣旨はよくわかるけれども、事実上なかなか困難であるということで、これは実行に移されなかったことは、私はいま考えても非常に残念でならないのです。田中通産大臣にかわりましてから、私は同じ質問をいたしました。ところが、田中通産大臣も、そのとおりだ、さっそくやろう、こういうきわめて力強いお返事があったので、もし田中通産大臣がこの前の通産大臣をやっておられれば円の切り上げがなくて済んだのではなかろうかという感じがするわけですが、そういう点で私は非常に期待をしておるわけであります。 そのことを前提として伺いたいのでありますけれども、まず現在の資源というのは、言うまでもなくアルミニウム、ニッケル、ウラン、これは全部一〇〇%、石油が九九・七%、鉄鉱石が八八%、それから原料炭が七九%、銅が七六%というように、ほとんど海外に資源を仰がなければならぬという宿命をになっておるわけであります。しかも景気は非常に悪い。で、景気対策としての話はここで申し上げる時間の余裕はございませんけれども、まあ個人消費によって景気の下ささえをするという期待、それから財政金融によって、大型予算によって何とか需給のギャップを埋めるという問題、それから住宅投資によって成長率を引き上げるというような対策、こういうようなものを考えておりますけれども、どう考えても、基本的な問題としては輸出入のバランスをとるということでなければならないし、外貨減らしというふうな安易な方法にたよると根本的な対策を見誤るのではないか、こういうような見方が金融界のほうでは非常に強いようであります。しかし私は、当面この円の切り上げを阻止するということと資源を何とかして確保するという問題を結びつけた点で、この切り上げを食いとめない限りは、非常な不幸をもたらすのではないか、これは通産大臣も同感だろうと思うのです。いろいろな景気浮揚対策を考えておりますけれども、とても現在の予算程度でこれを何とかすることは不可能です。これはいろいろな数字を私検討してみますと、どう考えても底をついたという感じはありますけれども、浮揚するという見通しはどこを突いても出てこない。この住宅投資にいたしましても、去年よりことしが減るというような予想のほうが強いようであります。それから個人消費による景気の下ささえといっても、もう百貨店あたりの売り上げの統計を見ると、そう多くの期待はできない。財政でも期待できない。しかしそれよりも増してまず一番困難な状態になっておるのは、円の再切り上げがあるのではないか、必至ではないか、これが景気浮揚に非常な障害になっております。たとえば輸出のほうは、円のベースでもって現状維持というのが精一ぱいではないか。それから輸出するほうは、ドル建てにすればプラス一〇%ぐらいになるでしょう。それから輸入のほうは、せいぜいふやしても、これは円の切り上げというものがありますから、プラス一五%にするということはたいへんなことではないかと思っております。しかしこれも一五%できたと仮定いたします。できたと仮定いたしましても、やはりその間、ことしのうちに二百億ドルになってしまうのですね。なかなかこの二百億ドルよりも減らすというようなことは容易ならぬことで、そうなればまたぞろ——この切り上げの成果というものは二年たたなければわからぬというのが定説にはなっておるけれども、アメリカあたりの世論を聞いても円が強過ぎる。アメリカの態度自体についてもいろいろ言わなければならぬ点がたくさんあります。たくさんありますけれども、ここで申し上げる時間はありませんで、結論的に言って、私がいま御要望を申し上げたいことは、百六十五億ドルの外貨がありますが、大部分はアメリカの財務省証券——わずか利率三%のTBというものに依存をしておるわけであります。そこで、外貨の中で金で準備をしておるのが七億七千万ドル、それからIMFの引き出し権が九億九千万ドル、それから外国銀行預金、これを除くとTB関係というものは百十億ドルというふうに大体見ていいのではなかろうか、こう思うわけです。それで百十億ドルの中で輸入が大体三カ月分見合った分だけここで確保しておけばよろしいのじゃないか、こう思いますと、大体六十億ドルぐらいで十分ではなかろうかということになりますと、ここでこれからのふえる分を見越して九十億ドルというものはどうしても残る必要がない、第一外為会計で六十億ドル以上は必要ないということになるだろうと思うのです。そうすると、これを第一会計とする。あと五十億ドルというものは残るわけです。この残りの五十億ドルというのは、いわゆる第二外為会計というものをひとつつくる。これは弾力的に——運用方法もなかなかむずかしいと思います。むずかしいと思いますけれども、思い切って、これは資源を活用するということの関連において外貨を弾力的に運用するということは、基本的には外貨減らしということになるかもしれませんけれども、日本の資源問題の非常な重要性ということから見ると、これは単なる外貨減らしではなくて、外貨を積極的に活用する。たとえて言うと、石油開発資金なんかは日本では年間一メージャーの半分以下です。全部を合わせても一メージャーの三分の一から二分の一というようなていたらく、こういうふうなへっぴり腰ではどうにもならぬということを考えてみますと、第二外為会計はどうしてもつくって、弾力的に運用をして、それを資源の開発というものに結びつけていくということをやって、何が何でも、なりふりかまわず円の切り上げだけは阻止する、これが日本の経済の最大の課題であります。これができるかできないかは、大げさな言い方をしますけれども、田中さんが総裁になる資格があるかないかということにもかかってくるのじゃないかと私は思うのです。この円の切り上げがまたあったのでは、食うや食わずの貧乏暮らしをして金がたまった、その金を巻き上げる、こういうばかなことはどうしてもさせるわけにはいかないし、その不安におそれおののいているというのが現在の経済界の実態でもあるし、一般庶民の感覚でもあるだろう、こう思うのです。したがって、大蔵省のほうではいろいろな手続の問題、金融対策の問題点、問題あるだろうと思います。しかし、何が何でもこれはやるんだという決意をひとつ表明してもらいたい。そして資源の活用、この備蓄、それとあわせて伺いたい。これは私はいろいろな意見があると思うのですけれども、資源の備蓄公団をつくるという案が財界のほうから出されております。これはいろいろ詰めた議論をしないといろいろな問題が出てくる危険性がありますが、そういうものとの結びつきというものとも関連させて、第二外為会計をつくり段階的に運用する、円の切り上げは断じて阻止する、こういうことの決意がありましたらお示しを願いたいと思うのです。
○田中国務大臣 御指摘の大筋は私どももそのように理解をしております。円の再切り上げというようなものは絶対に阻止いたします、こういう基本的な姿勢でいま施策を練っておるわけでございます。私が昨年七月通産大臣に就任をしましたときに、国際経済調整法の必要を痛感をし、そのときから外務、通産、大蔵、三省で話をしておるわけでありますが、どうも目先の問題がぽんぽんと急進展をしまして、対応策に追われておったということは事実の姿でございます。百億ドルをこせばといっておったのが今度は二百億ドルをこせばということでありますから、もう議論の余地はありません。そういう意味で、再切り上げが行なわれるというようなことになったら、これは日本の経済、中小企業等、ほんとうに景気浮揚などというよりも壊滅的な打撃を受けるという考え方に立って、これは阻止すべく精力的な施策を考究中でございます、こう言っておるわけでございます。 いま当面する経済を浮揚させることが一番大切でありますが、そういう近視眼的なものだけではなく、これから七%ないし八%、高ければ一〇%というような潜在経済力を持っておる日本でありますから、いずれにしても、当面は原材料が外国でうずたかく積まれておって、現地とのトラブルを起こしておるという現象はありますが、しかし長い目で見れば、どうしてもわが国内に搬入しなければならないということは当然であります。それには、いままであまりにも経済原則にとらわれ過ぎておったということを私自身も考えております。これは六カ月間石油の備蓄をやるということで計算をしてみますと年率一五%近く、計算のしかたでありますが、一〇%から一五%近くの利息がつくから、それなら二%か三%オペックが値上げをしても、そういうものでもって比較をすれば備蓄をするよりもずっと得だというような議論、いままではそれで済んだと思いますが、私は産油国の状態や今度のUNCTADの状態などを見ておりますと、そんな簡単ではないと思います。場合によったら国有化にしてしまおうということさえやっておるのでありますから、私はそんな簡単ではないと思う。だから、考えられる限度の備蓄というものはすべてに必要である、こういう考え方をとっておるわけであります。特に、いま外貨が世界の注目の的になっておるわけでありますので、好機逸すべからずということで、この新しい政策に踏み切るべきであるということで、おそまきではございましたが非鉄金属に対して三億五千万ドルばかり使うことにしましたが、あの程度のもので片づく問題ではございません。そういう事情は大蔵当局も非常によくわかってきました。大蔵事務当局さえも、何かしなければいかぬですな、こういうことになっておりまして、いまあなたがいみじくも言われた第二会計、私もそれを考えておるのです。第二会計をつくらなければこの問題は解決できません。大蔵省当局も大体そういう考え方になりつつあります。ですから立法措置を必要といたします。立法措置が恒久的になるのか、臨時的なものにするかは別としまして、この国会で御審議を願わなければ間に合わないということでありまして、けさも大蔵大臣との間に話を詰めております。これは大臣ベースで話を詰めて、そして可及的すみやかに立法処置に訴えよう、こういうことでございますので、大体御指摘の方向で実現すると思います。また実現させなければならない、こういうことを考えておりますので、たいへんたくさん法律案を御審議をいただいておりますが、もっと重要だというような法律案でもございますので、その節はまげてひとつ成立しますように格段のお力添えをいただきたい、こう思います。
○石川委員 たいへん力強い御答弁をいただいたわけでありますけれども、景気浮揚のいろいろな対策というものはありますけれども、それにしても外貨はたまる、これは避けられない。ということになると、円切り上げの脅威といいますか恐怖といいますか、そういうものでもって景気浮揚はどれもこれも成り立たないことになるのじゃないかという懸念がありますので、これは私は別に備蓄ということだけに限っているわけではありません。開発のほうがより多くの要素を持っている。開発にはいろいろ海外協力のあり方ということも問題になってくる。備蓄の場合には、備蓄の一つ一つについて相当詰めた議論をしていかないと、ただ、いたずらに財界といいますか、そういうふうな資本の側に利益を与えるのだという批判も出かねないわけであります。そういうことでありますから、基本的には何としても——頭の片すみじゃなくて頭のまん中にあったという大蔵大臣もあったわけでありますが、円の切り上げは考えないというのじゃなくて、これはどうしても食いとめる、この姿勢は断固として貫いてもらわなければならぬし、そのための方法としては第二外為会計以外に私は方法はないのじゃなかろうかということを、いろいろ勘案した結果、そういう結論になったわけであります。 それから、これは次元がだいぶ違う話で石油の話になりますけれども、一つ大臣に要望として申し上げておきます。 最近、公害問題がたいへんやかましくなっております。そして各地方自治体ごとにいろいろPPMの基準というものをつくっておりまして、この基準を設け、それに合うような石油を使って石油精製、石油化学あるいは火力発電というものをやっていきませんと、今度ほとんど低サルファ、ローサルファのものを確保できるという見通しはございません。厳密にやればほとんど全部、どこでもここでも火力発電所はとめざるを得ないという状態になることは火を見るよりも明らかです。これは橋口さんのほうから、先ほどその施策はどうだというお話がございまして、鉱山局長のほうからは一応の御答弁はありました。しかし私は、この排煙脱硫を徹底してやらなくちゃならぬ。これをやらなかったらもう動きのとれない事態になる。アメリカの、単位当たり面積で大体八倍のエネルギーを日本では使っております。高過ぎますけれども、どうにもならぬ面があります。景気浮揚と関係なく上がる分が半分あるわけですから、そういうことでこの公害対策と照らし合わせて、火力発電所がどこも動きがとれなくなる状態になるのはもう時間の問題ではないかという感じがいたします。ローサルファの石油なんというのは一〇%か二〇%がせいぜいですから、それを全部日本に確保するわけにいかぬわけですから、そうなるといま工業技術院でやっているような程度のプロジェクトではとうてい実現、成功させることは不可能です。したがって私は、アメリカのたとえばマンハッタン計画でもって原爆をつくったときの計画のように、これは思い切った大規模な研究開発をやらなかったらとんでもないことになるのではないか。私は原子力のほうは比較的専門に勉強いたしておりますが、原子力のほうにも問題があります。これはいま直ちにあのようなピッチでやるということについては将来たいへんな禍根を残すのではないかということで、一応わが党としてはブレーキをかけております。そういうことでありますので、要望として強く申し上げて、何か御意見があれば伺いたいのでありますが、この排煙脱硫の関係は国家的な大事業だ、こういうことで思い切ったプロジェクトを基本的に立て直してもらわなければならぬ。大体いま建設中のもので一番大きなのでも十六万キロワットアワー、しかもこれが成功するかどうかわからぬというようなことであったのでは、日本の国は特殊な事情にありますだけにたいへんな問題になります。これを十分にお考えおきを願いたいということを強くお願い申し上げておきます。
○鴨田委員長 午後二時に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後二時二十分開議
○鴨田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。石川次夫君。
○石川委員 休憩前に通産大臣が見えまして、海外資源を開発することとからんで、たまり過ぎた外貨を何とか活用しなければいかぬのじゃないかということに対して、外為会計をつくるというきわめて明快な御答弁があったわけでございます。それに関連をして実は若干の質問をしたいと思うのでありますが、通商局長見えておりますか。——国際金融局長まだ来てませんね。——担当の局長が全部見えておりませんので質問のしようがなくて順序がたいへん狂ってしまうのでありますけれども、それでは、石油開発公団副総裁が見えておられますので、若干きわめて事務的な質問をしておきたいと思うのです。 石油開発公団の資金の事情でありますけれども、四十二年から四十五年までは、私、大体収入と支出の大ざっぱな内訳について持っておるわけです。ところで、四十七年度の計画として政府出資が幾らになり、その他が幾らで、前年度繰り越しがどういうふうになっておるか。この石油開発公団の収入の内訳について計画をひとつお知らせ願いたいと思うのです。
○谷川参考人 お答え申し上げます。 四十七年度の計画でございますが、石炭石油対策特別会計から公団が出資を受けます金額は二百十五億円でございます。それから前年度、すなわち四十六年度から四十七年度への繰り越しでございますが、八十億でございます。それで公団の出資金二百十五億円のうち百七十五億円が投融資関係に向けられるわけでございます。それと、繰り越し金の八十億円のうち相当部分。そのほかに四十七年度におきましては、資金運用部資金からの借り入れ金が三十億円予定されております。
○石川委員 実は四十二年では繰り越し金は全然なかったわけですが、四十三年が二十五億、四十四年が二十九億、四十五年が五十六億ということで、ことしは実に八十億ということになったわけであります。石油というのは何といってもエネルギーの大もとでありますから、是が非でも日本ではこれの確保をはからねばならぬ、そのためには石油開発公団を強化しなければならぬということで、今回も法律の改正があったわけでありますけれども、繰り越しがこう多くなっておるということは、どうもなすべき仕事を十分果たし得てない。まあ危険をあまりおかしたくないということもあって慎重を期しているということもあるのでしょうけれども、これがあまり多くなると、われわれがせっかく期待している石油開発公団というものが十分力を出し切れないのではないか、こういう見方が強くなってくるのじゃなかろうかと思うのですが、この繰り越しというのは年を追うごとにこういうふうにだんだんふえていくものですか。
○谷川参考人 御指摘のように、公団創立以来相当の金額の繰り越しが年々出てまいっておるわけであります。これにつきましては、公団としても、民間企業の要請に応じまして積極的に石油の探鉱資金の投融資として金額を出してきたわけでございますけれども、何ぶんにも対象の事業の権利を産油国から民間企業が取得することにつきまして予定以上の時日がかかるということの点あるいは権利取得後の民間企業の活動状況につきましても相当念入りな調査をいたしております関係上、作業計画が、主として海外での仕事である関係上、努力をいたしておりますけれども若干おくれておるという関係もございまして、毎年若干の金額が繰り越されておるわけでございます。ただ、これは単年度で見ますとそういうことになるのでございますけれども、たとえば石油利権の取得の計画につきましても、長期的な面で見ますと、この程度の繰り越し金につきましては必ず消化されるというような関係になっておるわけであります。 特にことし相当多額の繰り越しが出てまいりましたのは、イラン石油株式会社の関係におきまして、当初の計画においては日本企業単独でイランの石油探鉱開発に取り組むという予定でございましたけれども、危険の分散あるいは技術の問題等を考えまして、モービル石油というのと提携いたしまして、モービル石油の資本も入れて、日本が主導権をとりながらイランの石油開発に当たるという、途中においてそういうことになりましたので、それからまた、当初私どもは公団の出資の割合を七五%程度出資したい、民間を二五%の出資として、七五%出資したいということでございましたけれども、これも政府との折衝の段階において若干その融資割合が減った等のことによりまして、約五十億円、そこで予定よりも必要な金が少なくなったということでございまして、今後とも私どもはできるだけ民間企業の要請に応じて事務的にはてきぱきと処理をしてまいりたいと思いますけれども、相手のある仕事でございますので、若干の繰り越しはやむを得ないと思います。ただ長期的に見れば、予定の利権の取得あるいは予定の計画の遂行というのは順調に行なわれていくものと考えております。
○石川委員 私は別にこれを責めるつもりで申し上げているのではないので、石油開発公団に対して私たちは非常に期待をかけているのです。期待をかけているけれども、こういうふうな繰り越し金がどんどんふえていくということは、どうも力足らずというような感なきにしもあらずという懸念を持っております。と同時に、先ほど午前中の質問にもございましたけれども、情報が非常にとりにくい状態にあるのではないかということで、今度はまた三カ国か四カ国、情報のための人をふやす、場所をふやすというようなことにもなっておるようでございますけれども、先進国のヨーロッパのフランスやドイツなんかに比べて、格段にまた情報収集の能力も落ちておるわけです。しかし、その情報収集の能力をよしんば石油開発公団に与えたといたしましても、それは技術的な情報というものが多いのではないか。あるいはまた、利権の情報というものもあるけれども、マーケティングについては、私は、石油開発公団というのは、そう民間のようにすばやい情報、すばやい対応策というものはとりきれないのではないか、こういう感じを持っておるわけなんです。 そこで、鉱山石炭局長に伺いたいのでありますけれども、いずれ石油開発公団は、民間にこういうリスクのあるようなことを一々やらせるというわけにはとうていいかないので、やはり石油開発公団というものが中心になってこれから開発を進めていくということが主にならざるを得ないと思うのです。その場合に、やはり情報の収集というふうなこともございますけれども、マーケティングまで含めて、石油開発公団でこれができるかというと、ジェトロとかあるいは商社とかの能力あるいはそれの協力というようなもので補っても、なかなか私は十分にこれをまかない切れるとは思えないのです。それで、民間のこういう民族資本の系統に対してこういう権限を委託するというようなことが前提となって、利権の買収とかいうようなことまで権限を拡大していく必要というものがどうしてもあるのではなかろうか、こういう感じがしてならないのですが、その点、どうお考えになっておりますか。
○莊政府委員 外国の例を申し上げますと、たとえばドイツでは民間の石油精製企業が共同いたしましてデミネックスという開発企業体を民間ベースでつくりまして、政府がそれに対して積極的な助成を行なうという形でやっておるのもございます。たとえて申しますならば、ドイツ方式というものがございますが、日本の現在の基本的な開発体制というのは、このドイツのやり方に近い例かと思います。片一方、フランスとかイタリアでは、御案内のようにエネルギーにつきましては、相当以前から電力でも石炭でも、国営でございますとかあるいは公社という形で国が中心になってやっておられて、フランスのERAPなどは、原油の利権取得のみならず、みずから探鉱し、開発をし、それを国内に持ち込み、精製企業に対しても政府持ち株公団というふうな形で支配をする、販売まで管理する。これはENIも同様でございます。こういう徹底した形が片一方同じヨーロッパにございます。 わが国の場合には、アラビア石油の成功、これも民間資本のバイタリティーと努力ということで成功したのだと思いますが、その後三十ばかりのプロジェクトが、それぞれ電力とか鉄鋼とかいうユーザーも低硫黄原油の手当てという公の立場からリスク負担も一部いたしまして、それに公団が助成をして、官民一体になってやっておるというのが実情だろうと存じます。 いま先生からお話のございましたのは、今後長期的に見て世界の利権獲得もなかなか激しい競争場裏に立つであろう、OPECなりメージャーの角逐というものも今後相当に流動的に進展していくその中で、わが国が出おくれておりまするから、利権の獲得をし、開発を的確に行なうためには、やはり従来の方式に加えて、公団も必要に応じて公の立場から開発に直接乗り出すというふうな場合も今後あっていいのではないか、こういう御指摘だろうと思います。 通産省といたしましても、基本的にはその点について従来から同様に実は考えております。現在のところでは、今回の御提案申し上げている法律でごらんいただきまするように、物理探鉱、これは基礎調査でございますが、これを公団がみずから行なって有望地点を発見する、あるいは民間の企業が目下設立準備中というふうな段階の場合には、公団がそこは臨機応変に、利権を一応取りまして民間に国内的につなぐというふうな現行法の解釈、運用、この二つの道というものは、少なくとも確立をしてきたわけでございますが、公団がそういうことを行なうためにも、御指摘ございましたように、情報収集というものがまず先行しなければ動きようもないわけでございますから、公団の実質機能の充実、実力の養成、技術者の養成等々と相伴いまして、今後制度面におきましてもやはり前向きの検討を通産省としてはいたしたい。そして公団の実力の充実と並行して、民間と並びまして政府も機動的に、必要に応じて公団をして利権獲得に向かわせる。こういう二本立ての形で進むのが長期的には基本方向じゃなかろうかという考えを持っております。
○石川委員 私は正直言いまして、石油開発公団が相当努力をされておることは認めるにやぶさかじゃないのでありますけれども、やはり技術的な情報とか利権情報を提供されても、マーケティングまではなかなかいかぬのじゃないか。これはやはり民間のほうがどうしたって相当きびしい競争場裏に打ち勝とうという努力をしておりますだけに、これを活用しなければいかぬのじゃないか。したがって、石油開発公団それ自体もどんどん力を貯えてもらうということは当然必要です。そういうことで、マーケティングのほうにも詳しくなっていただくということも必要ですが、そういう仕事は当面二本立てで、いま鉱山石炭局長からお話がありましたように、今度の法律ではそういう権限まで与えられておらぬわけでございますけれども、この権限の範囲を広げて、その権限の一部は民間民族資本に委託するというところまでいかなければ十分な機能を発揮し得ないし、また石油というものはほんとうにエネルギーの根源でありますから、どうしてもこれは早急に——通産大臣の新聞発表によれば、一度に三倍、とにかく全部でもって三割、こういうふうな目標に近づくのには相当思い切ったやり方をしなければならぬ。そこで、外貨の活用ということも日程にのぼってくるわけでありますけれども、そういうことでぜひ石油開発公団の権限を拡大する、そしてまた民間にある程度の仕事を移譲できる、こういう意味での法律改正というものを早急にやっていただくように、ひとつ努力をしてもらいたいということを通産大臣にも強く要請をしておいてもらいたいと思うのです。 それから、こまかい事務的なことでたいへん恐縮なんでありますけれども、今度OPECが経営参加ということになりました。二〇%、行く行くは五一%。これはだんだん民族的な意識が高まるにつれて、リビアでガタフィが革命をやったということを契機として、その意欲がだんだん盛り上がってくるだろうということは想像にかたくないわけであります。そこで、OPECから直接原油を提供するという問題も出てこようかと思います。しかしその場合には、生産設備というものが減価償却の済んだ安い簿価になって、これをどう評価するか、これを安い簿価でもって買い取るということになるのか、あるいは原油のうちの二割を確保することになるのか、その辺がきわめて有望な段階でありますけれども、もしおわかりになればその見通しの問題と、それから、OPECのほうでは直接原油を出すとした場合にメージャー並みに出すのだというような想定が一つ成り立つわけであります。それからイラニアンヘビーのように大体ハーフウエープライスになるのだという考え方もあるやに聞いておるわけであります。その辺の見通しがまことにこんとんとしておりますけれども、その辺は相当はっきりした見通しをつけないとこれからたいへんなことになるのじゃないかと思うので、メージャー並みなのか、あるいはイラニアンヘビーがやろうとしておるようなハーフウエープライスになるのかというような見通しもあわせて伺いたいと思うのであります。
○莊政府委員 OPECのいわゆる資本参加の動きは従来からの基本戦略の一つでございまして、公示価格の引き上げによるOPEC諸国の政府収入の増加と並びまして、非常に長期的な戦略になっております。単に資本参加をするのが目的ではございませんで、たとえて申しますれば、OPECは原油をみずからの領土の中に有しておるわけでございまするし、その原油以外にその民族が将来大をなし得る端緒というものがないということが一致した国民的な認識になっておりまするだけに、その原油を単に取得してそれを売るというだけではなく、やはりダウンストリームのほうまでOPECが事業者として世界的に各地において参画をしていく、それによって最大の成果をあげるということが一貫した最大の目標になっておると承知しております。したがいまして、たとえばアフリカのリビアなどは、いわれるところによりますと原油の埋蔵量が二、三十年しかなくて、比較的少ないというような家庭の事情もあるかも存じませんが、従来から少なくとも五〇%以上というような線を強く出しておりまして、現実にそういう形で一部メージャーの現地会社の接収に似たような行為も事実として行なわれたことも昨今あるわけであります。ペルシャ湾関係の諸国というのは、これは日本がほとんど原油を輸入しておる先でございますが、六、七十年分の埋蔵量をそれぞれの国が持っておるというふうな事情もありまして、もう少し腰を据えてやっていこうという姿勢のために、現在はとりあえず二〇%で一応は満足しておるようでございますが、はっきりした目標としては五〇ないし五一ということをペルシャ湾諸国もいっておるということでございますから、今後の見通しとして、長期的にはやはりそういう線でいくであろう。ちなみにわが国は、イランとの例の利権協定では、最初から五〇%イランの石油公社に持ち株を認めた形で、共同事業として昨年利権を取得したということは御案内のとおりでございます。それで、これに伴いましてどういうふうにメージャーに対して補償を支払うのかという問題等々、いろいろな現実の問題があると思いますが、このあたりはお互いのかけ引きもございましょうし、これもやはり漸進的に積み上げ方式で、漸次具体的に解決がされるかもしれません。このあたりのところにつきましては、われわれとしては実は正直なところはっきりした見通しなり情報というものをいま持っておるわけではございません。 価格につきましても、実はわが国にとってより直接的に関係のある事項でございますが、私どもの判断といたしましては、OPECが資本参加の見返りとして株式規模に応じた原油を取得してこれを売るという場合に、その売り値というものは、直接消費国にOPECが売る場合におきましても、メージャーが現在消費国に売っておる値段を下回るという可能性はきわめて低いのではないか、同等程度の値段であろうというふうに思われます。かりにOPECが一回取得した油をメージャーに対して売り戻す、当分の間販売能力の点からメージャーの既存の販売組織を使う意味において、いわゆるハーフウエープライスで売り戻すということが行なわれましても、その結果として、消費国が今後従来よりも安い値段で入手し得る見通しというものは、特段のものはあり得ないのではないか、長期的にはやはりOPECが従来から考えておりますいろいろな価格引き上げの路線で、全体としての世界の原油の価格が少しずつ上がっていく、こういう形ではなかろうか、こういうふうに想像しております。確かにOPECが直接に油を売るということになりますと、いままでの消費国がメージャーの陰にぶら下がっておったという形から、消費国も含めて三者が並び立つような形になるわけでございますけれども、その場合でも消費国としては、やはり何らかの形で OPECと共同の事業というふうな形を考えまして、その事業の運営を通じたような形でこの原油を取得するというふうな形でやっていくことが長期的に見て正しいのではないかと思っております。単に従来メージャーから買っておったものを OPECからの輸入に切りかえたところで、消費国としてそれで安定供給するとも思われませんし、価格もきわめて安いという保証も現在のところないのではないか。OPECが原油を取得してそれの処理にこれから努力をする場合には、わが国としても、たとえば現地に将来製油所をつくってともにやるとか、輸送をやるとかいうふうな、これは長期的な課題でございますが、前向きの共同事業の形でOPECの取り分の油に日本も参画をしていく、こういう基本的な姿勢で対処をしていく、相手にも協力を求める、これが国益に合致をする基本線ではなかろうかと私どもは考えております。
○石川委員 そうすると、期待される価格としては、OPECから直接輸入する場合にはせいぜいメージャー並みというのがいいところで、これはイラニアンヘビーの場合で計算いたしますと、大体八セントぐらい高くなるわけですね。ですから、こういうことになるのかあるいはメージャー並みにということになるのか、見通しはつきませんけれども、どうも安くなることは期待できないということになるだろうと思うのです。そういうことに対応する形というものをいまから考えておかなければいかぬのじゃなかろうかということが一つ。 それから、どこでも民族意識といいますか、そういうものが高まってきて、OPECが経営参加ということになりますか、そういう能力があるかどうかという問題もさることながら、それは歴史の流れとして認めざるを得ない。その場合に、デミネックス関係は、ただ単にその原油を掘り出すということだけではなくて、いわゆるインフラストラクチュアというものを広義に解釈して、その付近の開発も一緒にやってやるというふうな、非常に幅の広い経済協力というものを伴っておるわけです。これはやはりいろいろな場合にデミネックスは引き合いに出されるわけでありますけれども、日本としても当然そういう点は、いままでは後進国の援助という名前であったけれども、今度は開発参加というふうに当局のほうでも言い方を変えた、この精神を十分生かして、石油を得るというふうなことばだけではなかなか目的を達成できないということで、この経済協力のあり方も変えなければならぬという趣旨を生かして、インフラストラクチュアというものを十二分に生かしていく。単に石油だけだということではなくて、そのまわりの道路あるいはその付近の文化設備あるいは教育設備というようなものもあわせて考えるという幅の広さというものは、長期展望に立った場合にどうしても必要ではなかろうか。その場合に、この石油開発公団ということでやるとすると、それはなかなか十分にいかないじゃないか。これは石油を十分に獲得するというだけが主目的でありますから、こういう場合にやはり通産省なり政府なりがそういう点でのインフラストラクチュアというものに対しては協力する体制が必要になってくるであろう、こう思うのであります。実はこのデミネックスは自分でそれができるわけですね。日本の石油開発公団はそこまでの権能はとうていないわけです。利権の取得についても制限があるわけです。そういう点を今後どういうふうに打開されるという見通しを持っておられるか、これは鉱山局長に伺いたいと思うのです。
○莊政府委員 およそ資源の開発というものは、石油に限りませず非鉄金属、すべて貴重な、相手国の唯一の国力の基礎ともいうべき地下資源を開発利用しようということでございますから、当然略奪的な形での開発というふうなことが通用しないことはもう既定の事実でございます。そこで、御指摘ございましたように、いわゆる経済協力、これを有機的に資源開発に結びつけた形で、先進国であるわが国として海外に臨んでいくということがきわめて緊要でございます。またこういう形をとりませんと、今後はおそらく、参加開発と申しましても、参加の機会そのものがほとんどないか、きわめて狭められるということが現状だろうと存じます。 そこで政府機関の仕事の分担のやり方としては、これは幾らでも改善の余地があり、くふうの余地があると存じますが、現在のところ、輸出入銀行とかあるいは海外経済協力基金等、前向きのそういう経済協力関係の融資を行ない得る機関もございますけれども、資源の開発に本格的に取り組むというためには、今後の一つの問題点といたしまして、資源行政に携わっておる私どもの日ごろ感じておる点を申し上げたいと思います。 それは、探鉱とか開発に直接的に必要な資金の手当てもさることながら、したがってまたそれに対しての外貨の活用ということもさることながら、やはりより資源の安定した供給を確保するためには、国と国との間で、たとえば政府間の借款でもけっこうだと思います、思い切って外貨を活用して、そういうインフラストラクチュアとかその他もろもろの関連の施設、これに対する投資に対して幅広い協力関係を国と国とが築くようにする、外貨の活用ということを考えます場合にも、直接的な探鉱資金等に限りませず、幅広いそういうところに金をうんと活用するということをやってこそ、初めて長期的に資源のソースというものがほんとうの意味で確保される、資源の安定供給につながるというのは、まさにそういう外貨の使い方があるんではないか。昨今の情勢にかんがみましてどうも痛感するわけでございます。御指摘のございましたインフラストラクチュア、そのほか参加開発の方式というのは、一まず経済協力全部含めた形で前向きに考えるべきではないか、こういう御指摘、私ども全く同感でございます。
○石川委員 国際金融局長、まだ来ていませんか。
○鴨田委員長 国際金融局長は来てないけれども、為替金融課長は来ています。
○石川委員 それじゃ、また進めてまいります。この石油問題というか、これに関連する海外資源確保の問題について言いますと、問題は無数にございまして、とても質問し切れたものじゃないのでございますが、非常に重要な点だけ伺いたいと思うのです。 大体、このアップストリームとダウンストリームの関係でございますけれども、アップストリームの関係では、最近は状態が若干変わっているかもしれませんが、四%以上の利益というものは確保されておる。しかも、非常にこれは規模が大きいわけでございますから相当大幅な利益が出て、これに対して精製過程では一%の利益というものはなかなか確保できないというのが実情だろうと思うのです。ところが日本ではもうアップストリームとダウンストリームは完全に分断されておるわけです。それで、外国ではメジャー関係が特にそうでありますけれども、アップストリームがダウンストリームを兼ねる、いわゆる一貫操業ということになっておるわけであります。そういうことを通じて、この一貫した意思決定のもとに最も合理的な投資、それから政策実行というものが行なえる。それから、税制の問題なんかは外国と日本は若干違うのでありますけれども、この税金なんかも支払いをしないで済むという利点もあるようでありますが、それ以外に、資金の政策とか原油政策、輸送政策というものを集中的に合理的に総合して判断ができるという利点がここから出てくるわけであります。ところが日本の場合は、いつかも小委員会でもってこの精製業の関係者の代表に伺いますと、もってのほかだ、現状でよろしいという、こういうような答弁がはね返ってきたわけでございますが、外資と提携したところは一緒に統合されるということになるとたいへん問題がある。しかし国策的な立場からいえば、やはり一貫操業で大型の操業というものにしなければ、どうしても国益に沿えないんではないか、また非常に合理的な経営というものもなし得ないのではないか。たとえば、アップストリームでもって得た利益というものはダウンストリームのほうに思い切って投資をするというふうなことが行なわれておりますけれども、アップストリームとダウンストリームが分断された場合には思い切った投資もなかなかなし得ない、こういう不便さもあるわけでございます。そういう点で、われわれのほうとしてもどうしても一貫操業というものを実現をさせる、それから販売部門のみの合併ではなくて、精製、輸送、原油、すべての部門で大同合併をしていく、こういうことでなければなかなか国益に沿い得ないのではないか、こういうふうな判断をせざるを得ないのでありますが、この点は鉱山局長はどうお考えになっておりますか。
○莊政府委員 ただいまのお話のございました問題は、今後における石油政策の一つの大きな柱ともいうべき課題でございます。昨年、通産省でも事の重要性にかんがみまして、総合エネルギー調査会の石油部会におきまして、ただいまお話のありましたような問題を中心に、種々学識者の方に御検討いただいて一応中間的な結論に達しておるわけでございますが、その中間的な答申におきましても、今後においてはいわゆる一貫企業、これも民族系を中核としたところの一貫的な企業の育成に官民とも前向きの努力をすべきであるということが、はっきりと結論として出されておるわけでございます。 現実の姿を見ますると、たとえばわが国最初の原油の開発に成功いたしましたアラビア石油というものがあります。アラビア石油の資本構成というのは、石油精製も入っておりますし、電力、鉄鋼等の大手のユーザーから商社等もすべて関係者が挙国一致というような形で支持しておる会社だと存じますが、そこが原油の開発に成功し、現在わが国に持ってきておるわけでございますが、これはまた別途国内においては純粋の原油の販売という形になっております。片や民族系の統合の問題につきまして、いま先生から共同販売だけではだめではないかという御指摘もございましたが、いまやっております共同石油会社というものが民族系でございますけれども、これはまだ国内の精製と販売だけでございまして、海外に打って出て石油の開発に取り組むというところまではとても企業力の点等から申しましてまだまだ力が及ばない、こういう現状でございます。そういうふうに開発に乗り出した企業もまだ一貫ができない。国内での提携、合同関係をやっておるものは精製、販売面に限られておって、海外にはまだ一歩も出るに至らないというふうな中途はんぱな状態でございますけれども、長期的に見まして、やはりわが国の石油精製産業の約半分というものは、従来国の施策といたしまして民族系資本でやらせるということでやってまいっております。この方針は今後とも変わらないわけでございます。今後は何とか民族系資本をひとつ海外開発に向かって提携、統合という実をあげることによりまして、海外における原油の開発というほうにも向かわせる、これが非常に大切ではないか、かように感じております。 その一つのささやかな例といたしまして、民族系の石油精製三社がアブダビ——中東地方でございますが、アブダビにおきまして最近三社が共同で開発いたしました結果、非常に低硫黄の原油を発見して、今年度からわが国に次第に輸入をされてくるというような、ささやかではありますが、一つの明るい例が出てまいりました。今後は、より国内の精製産業等の横の結びつきを強化し、まとまった形で大きな開発プロジェクトにして海外にも出ていく、その際に石油開発公団もそれについて十分の助成を行なわせる、こういう考え方でぜひ努力をさせていただきたいと考えております。
○石川委員 いまの鉱山局長の答弁で大体よろしいのでありますが、とにかくこれを大同合併していく。精製、輸送、原油、こういうものをまとめていくことは実際問題としてたいへん困難だろうと思うのです。非常に困難でありますけれども、やはり民族系資本というものを育てていく。また日本人のことでありますからアブダビの例でわかりますように開発までやってのけたわけですね。これはもちろん日本独自の技術だけではなかなかできない場合もあるし、メージャーとの協力がどうしても必要だという場合も出てくるでしょう。これは想像にかたくないのでありますけれども、何とかそういう方向で一貫操業ができるという、合理的な経営というものが成り立つような形に持っていかなければ、とてもメージャーに対抗していくことは、資本の面でもとうてい競争できないのでありますけれども、できないだろう。資源開発、特に資源の確保というものが石油については特に重要な問題でありますから、この点はよほど思い切った施策を、通産省としても指導育成していかなければならぬ重要な課題であるということを特に申し上げておきたいと思うのです。 そのほか、こまかいことではたくさんあるのでありますけれども、たとえばロレスタンの関係のことについて若干伺いたいのですが、これはどういう条件でやっておりますか。簡単でけっこうですから伺いたいと思うのです。
○莊政府委員 ポイントだけ申し上げます。 イランのロレスタン地区の開発につきましては、現地で国際的な開発企業が結成されるわけでございます。その資本比率は、イランの石油公社が五〇%でございます。残りの五〇%の三分の二が日本側でございます。残り五〇%のその三分の一がモービル石油で、これはメージャーでございます。モービル石油も現に日本で関係の石油精製企業を持っておりまして、当然にそこで出た油は日本に持ってくるということを前提の参加開発でございます。 それから事業計画でございますが、基本的な契約がイラン政府と日本側及びモービル石油の三者間にございます。これはイランでは国会を通し、皇帝の裁可まで取ったというたいへんな力の入れ方だと聞いておりますが、現在の計画では探鉱期間が九年というふうに相なっております。九年間は出なくても探鉱に従事するというふうなことに相なっております。 それから石油は、幸いにして探鉱に成功をいたしました場合には、イランとのこの契約の特色でございますけれども、イラン、日本、モービル、この三者でさらに現地でその油を使いまして合弁の製油所をつくるということについて検討をする、そのときの採算、油の質、量、あらゆる点をその際によく検討いたしまして、可能性ありという判断になれば現地製油所についても前向きに取り組む、こういう点が骨格に相なっております。
○石川委員 このロレスタンは、イランのローサルファというものが非常に期待されるわけでありますから、われわれとしても期待をいたしておりますが、何かなりふりかまわずどんな条件でもいいから一緒に参加してしまうというふうな形に民間ではとられがちで、新聞などでも、こういうふうな資源の確保は必要ではあるけれども、条件をうのみにしたような形でやってまいりますと結局コストが非常に高いものについて、高いものについたがためにバーゲニングパワーにはならないという懸念が多いのではないか、慎重を期す必要があるのではないか——これはもう済んでしまったことでありますけれども、そういう批判がだいぶ新聞紙上などでも散見をされたわけでございます。 このコストは一体どういうふうな見込みなのか、こういう点について、また、新聞のそういう批判というものが当たっているのか、当たっていないというふうにお考えになるのか、その辺ちょっと伺いたい。
○莊政府委員 コストにつきましては、これは探鉱にどれくらい期間を要して成功するかというふうな点とか、あるいは発見される油の量がはたして多いか少ないかというふうなアンノーンファクターが原油の開発にはつきものでございます。したがいまして、イランの場合にも一応の目算というものは立てて事業に取り組んでおるわけでございますけれども、モービル側も含めまして、これは十分採算に乗り得るものだという前提に立ってやっておる、最初からそういう前提でやっておるということはここではっきりお答えをいたしたいと思います。 それから、何か非常に不利な条件を押し切ってあわてて利権に飛びついたのではないかという式の一部の御心配等も一時あったようでございますけれども、メージャーの一つでありますモービル石油というのは、このプロジェクトに対しては実は終始一貫きわめて熱心でございまして、当方もやはりモービル石油との連携においてこれの開発につとめるということが、たとえばそこで取得した原油なり現地精製された製品の世界でのマーケッティングの問題、その他いろいろ先のことまで考えまして、メージャーとの一部提携という形が望ましいということで、わが国が利権を取ったあとで、わが国のシェアの中から参入を認めた、これが実態でございます。モービル石油は最初から一貫してきわめて熱心にこの利権取得に努力をしておったというのが事実でございます。もちろん、イラン政府がわが国を主体としたパートナーとしてぜひ選びたいというふうなところから、モービル石油のほうが一回引っ込んだというのが事の実態であったと私ども記憶いたしております。
○石川委員 ロレスタンの件はデミネックスが本命だといわれたものを退けて日本が獲得した利権でありますから、またモービルは非常に熱心に終始一貫これと行動をともにしたというふうにいわれておりますけれども、モービルみたい大きな資本は、少しぐらい失敗したってたいしたことはないですよ。モービルが終始一貫熱心であったということでだいじょうぶだろうというふうな見方は、私はちょっと甘過ぎると思うのです。しかしながら、いずれにいたしましてもローサルファの石油が期待されるわけでございますから、これは将来を見守る。新聞の、そういう一部のかなり冷たい批判というものをはねのけるだけのりっぱな実績をぜひつくってもらいたいということで、この点の質問は終わりたいと思います。 経済企画庁と通産省の貿易振興局長——大蔵省の稲村国際金融局長が来たので、若干の質問をいたします。 これは、また非常に長くなると皆さんに御迷惑をかけますから短い質問にしたいと思いますけれども、実は午前中に、日本の不況対策をどうするんだということで、いままでは不況になれば輸出を拡大をして在庫調整をして、それに伴って設備投資というものはふえる、それで初めて景気の上昇が行なわれる、いわば民間の設備投資というものと輸出というものに多くを期待をいたしておったわけであります。ところが今度はだいぶ事情が——とにかく四十年の不況のときと現在とは変わっている。変わっているということは、民間のたとえば消費というふうなものが下ささえになるといっても、物のほうにいかないでレジャーのほうにいってしまっているということは、この景気回復に対する影響力というものはだいぶ変わってきているのじゃないか。いわゆる二次産業から三次産業ということにシェアが変わってきているという点と、それから需給のギャップというものが四十年のときとはたいへん違う。二〇%ぐらいあるのじゃないか。大体八兆円ぐらい現在ではあるのじゃないか。ことし中に、いまの設備投資したものが全部稼動するということになれば、その能力は一年間で大体十兆円の需給のギャップになるであろう、こういうことをいわれておりますだけに、この不況回復は容易ではない。 午前中私が質問いたしましたのは、不況の回復は容易ではないけれども、それにも増して大事なことは、円の再切り上げという問題をどう回避するか、この問題を考えなければ、いかに不況回復ということにうき身をやつして集中的に対策を立てても何の効果もないであろう、しかもこの不況対策は一体どうなっているんだというようなことであったわけであります。この前も経済企画庁長官と一々質疑応答をしたのでありますけれども、かなり政治的な意味で楽観的な見通しをお立てになった。しかし厳密な数字の上からいうと、四十七年度の経済の見通しは大きくずれていることは、これは否定できない厳然たる事実ではなかろうかと思っております。 そこで、一つの柱としての輸出入の問題でありますけれども、通産省の通商局長が来ておりませんが、一つ伺っておきたいと思うのです。大体、輸出は一月はマイナス一二%契約は減りました。実際の通関ベースとしての輸出はふえております。成約が減っております。二月がどうなっているか。二月も若干ふえているのじゃないかと私は思うのです。ふえていることが実は問題なのであって、なぜかといえば、円の切り上げというものを予想して成約を急いでおるという面で、二月は逆にふえているのではないか。したがって、全体を見通すというと、円ベースでは四十七年と四十六年ではほとんど変わらない。ただしドル建てにすると、円切り上げがありますから一〇%ぐらいはふえるであろう。これが精一ぱいではないかというような感じがしてならないわけであります。それから輸入のほうでありますが、どうしてもこれは一五%ぐらいふやしたい。ところが円の切り上げがあって、さらにまた円の切り上げがあるのじゃなかろうかということになりますと、輸入の手控えという現象も出てまいります。しかしそれにいたしましても、一五%ぐらいどうしてもふやしたい、こういう基本的な問題で、単なる外貨減らしというだけではなくして、基本的には輸出入というもののバランスをとるということでありますが、それで輸出が一〇%ふえてそれから輸入が一五%ふえた、これは円の切り上げのもとでなかなかむずかしいのです。こういう予想を立てることは非常に困難だと思うのです。困難でありますが、しかしそれが実現したと仮定いたしましても、四十五億ドルぐらいの黒字というものはことしのうちにどうしても出てくる。そのほかの貿易外の収支というもので赤字を大きく二十億ドルと見込んだところで、やはり外貨というものはことしのうちには二百億ドルをこしてしまうであろう。そこで円の切り上げという問題が当然出るべくして出るのではないか。この円の切り上げという問題が出れば、どんな景気浮揚対策をやったところで何の役にも立たない。その不安というものがあるから、民間でも設備投資というものを非常に手控えなければならぬということになるわけでございます。 あと一つの柱としての民間の設備投資は、これは言うまでもないのでありますけれども、もうすでに三・四%も去年よりも減っております。あるいは支払いベースで約四・二%も減っております。それで日本経済新聞の二月末の調査を見ても、製造業では一一・六%減るであろう、こういう見通しになっております。非製造業では若干ふえますけれども、しかしこの前の四十年の不況とは違った、先ほど言ったような事情がございますから、非製造業で若干ふえたといたしましても、非製造業の波及効果というものはきわめて少ないわけでありますから、民間の設備投資というものは冷えに冷え切っているというのが実態で、しかも円の切り上げに備えてとても設備投資なんかやる気にはならぬというのが民間の偽らざる実態でございます。そうなりますというと、民間の設備投資に多くを依存することはできません。輸出入のバランスは一体どうなんだろうということで、二月の成約の実態と輸出入の今後の見通し、これはほんとうは通商局長に伺いたかったわけでありますけれども、都合でお見えになっておらぬようであります。これはしかし為替金融課長ではちょっと無理なんじゃないかと思うのですが、答弁できますか。
○新田政府委員 先ほど来のお話、第一点、経済見通しの問題でございますが、先生お話しのように、最近特に製造業の設備投資を中心としまして需要が非常に停滞しておることは御案内のとおりでございます。ただ最近、官公需の関係、あるいはいまお話がありましたように、輸出が比較的高水準に最近までは続いておったというふうな面から、生産、出荷あるいは卸売り物価という面について多少底固めの段階に入ってきているというふうに見ております。本年度の成長率四・三%と見ておりますが、おそらくこれを上回る公算が大になってきております。 ただ今後の見通しとしましては、四十七年度につきましては、先ほどお話がありましたように、確かに従来のような景気回復のパターンは非常にむずかしいのじゃないかと思います。輸出によって国内の需要がふえ、それを起点にして設備投資がふえる、そして高度成長に入るというふうな軌道というものは非常にむずかしいわけでございまして、したがいまして、一昨年の春以来四分の一ぐらいの水準に最近落ちております。在庫調整は、最近の官公需にささえられまして、それが在庫投資の復活として向かうというふうなかっこうで、過去のようなパターンよりもゆるやかな回復過程に入るというふうに私ども見ております。少なくとも年度後半にはかなりの成長に入るというふうに見ておるわけでございます。 第二点の輸出入の問題でございますが、お話のように最近まで非常に高水準に、ドルベースで二〇%以上の輸出の伸びになっております。ただこれを円ベースにしますと、十二月で七・一%、一月で六・七%、二月で六・一%というふうに逐次前年同期の伸び率が落ちておるわけでございます。これは、結局ドルベースの伸びと円ベースの伸びのギャップというものは、それだけ企業収益を圧迫するか、あるいは輸出のバランスが減少しているということを示すものでございますが、そういう傾向、これはおそらく平価調整の影響でございますけれども、御承知のように平価調整の効果というものはすぐ出ない、逐次出てくる。輸出面の信用状におきましても、一月、二月というふうに一〇%台に落ちてきておるということで、本年度の輸出の鈍化ということは、平価調整の影響としまして、景気回復に伴ういわゆる押し込み輸出的なものは減少するということと相まちまして、相当鈍化するというふうに見ておるわけでございます。ただ本年度に関する限り、私ども見通しとしましては、おそらく二百三十四億、一七・八%と見ておりますけれども、すでに二月が二一二%の水準になっておりますので、かなり上回るというふうに見ておりますが、本年度の輸出の伸びの八・五%というものは、これは平価調整の影響を考えますと、大体そういうふうなカーブでいくんじゃないかというふうに見ております。 一方輸入でございますけれども、昨年度私どもの見通しの二・九%より若干多い実績に、三・七%くらいになっておりますが、本年度におきましては、おそらく景気の回復とともに、過去の景気回復パターンでもそうであったのでありますが、輸入の伸びというのは景気回復につれましてかなり伸びるというふうに見ております。問題は結局黒字幅の絶対額の問題でございますけれども、それがどういう方向になっていくか。拡大の一路をたどるか、あるいは縮小の方向へ向かうかということだろうと思いますが、これはOECDでもあるいはいろいろな国際会議におきましても、平価調整の効果が完全に出るまでには一年ないし一年半かかるというふうなことを強調されております。したがいまして、今後、特に四十七年度に入りましてそういった黒字幅の動向というものは逐次平価調整の影響が出てまいる、そういうふうに思っております。
○石川委員 成長率四・三%というのはこれは四十六年度、しかも最終的に訂正をした四・六%ですね。去年は一〇%という見通しだったでしょう。それが四・六に落ちた。四・六がだめだ。四十七年度のほうは七・二%という見通しですが、これはとうてい不可能でしょう。これは断定的に言ってはたいへん恐縮なんでありますけれども、私の見たところは、どう考えてもこれは不可能です。しかも七・二%台では需給のギャップというものは埋まりません。やはり一〇%くらいにならないと需給のギャップが埋まらないというのは、これは定説になっておるわけであります そういうふうないろいろな状態からいって、この輸出入のバランスがどうなるかということは不確定の要素が多いわけではありますけれども、大体輸出は相当スローダウンをするという見通しだけは、私は民間をずっと歩いて回ってはっきり言えると思うのです。現在実数は多いです。通関ベースの実数は多いのですけれども、成約の関係からいうとだいぶ減ってくるんではなかろうか。輸入が一五%からふえればいいのですが、なかなかそうはいかぬだろうというようなことで、やはり外貨というものは非常な不況でありながらたまらざるを得ないということになってくるであろうと思うのであります。 そこで、いろいろ申し上げたいことはあるのですけれども、その点はあとで経済企画庁長官が来たときにまたあらためてこの点について話をしてみたいと思っておりますから、いまの見通しを聞きおく程度にいたしておきます。 そこで、せっかく大蔵省の国際金融局長が見えておりますので、一つだけ伺います。 それは午前中も伺ったのでありますが、通産大臣からきわめて明快な答弁がございました。それは、このごろ外貨がたまってしまってどうにもならぬ。不況下において、しかも円の切り上げがあるというような声におびえて、景気浮揚策というものは何ら意味をなさないくらいにまでに、円の切り上げに対する予想というものにおびえておるというような実態であります。したがって、日本の経済をどうするかということの中心は、何としても円の切り上げは断じてやらない、こういう体制をつくらなければ、何をやってもだめだ、幾ら大型の予算を組んだところで何にもならぬ、こういうことに集中すべきではなかろうかという点で、第一外為会計と第二外為会計と二つつくりなさい。第二外為会計は非常に弾力的に運用できるという体制をつくる。外貨減らしというのは、枝葉末節の方法を使いますと、なかなか本格的な基本政策というものは成り立たないという批判がございます。しかしながら、いまはアメリカがああいう態度でありますから、日本としてもなりふりかまわずとにかく外貨の活用をするということを、海外の資源の確保と関連をして外貨を活用させるということでなければならぬということで第二外為会計をつくろう、そして今会期中にもこの法案を出そうということにトップレベルでの話はきまったというふうに伺いました。 そこで、アメリカのスミソニアン以来の現在の態度なんでありますけれども、これは私はどう考えても言語道断だと思わざるを得ないのです。これは、アメリカは大統領選挙を控えて、だれしも言っておることでありますが、大幅の赤字財政を組んで、とにもかくにも景気を浮揚する。そして外貨というものはどんどん流出してもかまわないという態度で、低金利政策というものに狂奔をしておる。そして先進十カ国会議というものに今度は開発途上国も含めて、自分に有利なような会合を持とうというふうなことで、その各国のレートを弾力的に改めるようにしてくれ、それから短期資本を押えるためには各国の金利政策を調整してもらいたい、それから為替の変動幅を拡大する、そののちに外国の通貨当局が保有する過剰ドルの取り扱いを考えようということで、金との兌換というものは全然考えないという態度ですね。このアメリカの態度というものは、自分が基軸通貨であるということの上にあぐらをかいた、きわめて身がってなやり方ではないんだろうか、こう思わざるを得ないわけなんです。通貨の根本的な抜本的な対策はどうするかということは、ここではあらためて問いません。しかし、当面アメリカがこういう態度である限りは、幾らわれわれが苦労しても、自分のところのふしだらといいますか、不始末といいますか、そういうものは黒字国が全部、円の切り上げあるいはマルクの切り上げ、フランの切り上げをやればそれでいいじゃないか、おれのほうはこれでいくんだ、なりふりかまわず景気の浮揚と失業対策をやるんだ、こういう節操のない態度であっては、世界じゅうが非常に迷惑をすると思うのですね。その点について大蔵省としてはどういうふうにお考えになっておりますか。その点をちょっと伺いたいと思うのです。
○稲村(光)政府委員 ただいまお尋ねの件でございますが、御指摘のように、最近のいろいろと外国からの報道、ことにアメリカからの報道等によりますと、コナリー長官の記者会見でございますとか、あるいはボルカー次官の記者会見その他で間接的に伝わってきておりますように、アメリカの考え方と申しますか、それによりますと、まあ一言で申せば黒字国責任論と申しますか、問題は黒字国のほうにあるんだ、黒字国がいろいろな手段を尽くして黒字を減らし、国際収支を均衡のほうに持っていくようにすべきであると、そういうことを考えているように伝えられております。この点に関しましては、伝えられておりますところのアメリカの考え方というのが、はたしてアメリカのほんとうの全体を通ずるポリシーであるのかどうか必ずしもはっきりいたしませんが、一つ私どもとして考えられますことは、それらの議論は当面の問題ということよりも、むしろこれからこの十二月のワシントンにおきまする十カ国蔵相会議の結果きまりました各国の通貨調整と、その後さらに、それはいわば一段階が終わっただけでございまして、今後いよいよ新しい国際通貨体制をどういうふうに持っていくかということについての議論はこれから始まるわけでございまして、いわばそれに関連して、その通貨体制においては、アメリカとしては黒字国が調整をすべきである、そういうふうな趣旨の制度を考えるべきではないか、こういうことを言っておるようでございます。この十二月にきまりましたいわゆる各国の通貨調整、その効果につきましては先ほども企画庁の新田局長から御答弁申し上げましたが、これが効果をあらわしますまでにはやはり一年あるいは二年ということが必要でございまして、そういうものについて、たとえば十二月の調整が不適当であったとかあるいは不十分であったとかいう意味の批判としてアメリカの当局者の議論が出ておるのではないのでございまして、むしろこの新しい通貨体制を将来どう持っていくかというそのときの考え方というものが出てきておるのではないか、こういうふうに存じておりますが、これらの考え方、もしそれがアメリカの当局者の考え方であるとすればこれはアメリカの考え方でございまして、われわれのほうといたしましては、そういうふうな黒字国にのみ責任があるというような考え方にはくみし得ないことは当然でございまして、新しい通貨体制の考え方といたしましては、やはり国際収支の調整は世界全体がそれぞれ、黒字国も赤字国もそれぞれの分に応じてその調整に努力をしていく、そういう方向のものでなければならないのでございまして、黒字国にのみ責任があるというようなことはとうていのみ得ない考え方であろうと存じます。
○石川委員 時間が長くなりますからこれでやめますけれども、意見として申し上げておきます。 黒字国にだけ責任を転嫁するということで一九七二年度の会計では、アメリカはすでに二百五十五億ドルの赤字財政というものを組んでおるわけです。しかも非常に低金利であって、ドルの流出なんかおかまいなしに景気浮揚だけ考えればよろしいというような考え方、しかも最終的に最も必要な金の兌換、こういうものを全然認めない、触れようともしない、こういうことで、ドルを非常に脆弱にしたままで黒字国に責任だけを負担させる。他国籍の企業というものについても何ら触れようとしないばかりか、それが非常にけっこうなんだといって推奨するというような態度、まことにもって私は無責任で、基軸通貨であるということの上に、傲慢無礼にあぐらをかいている姿勢ではないか。この点については、やはり日本としては言うべきことは手きびしく言うということでなければならぬと思うのです。これは局長に望んでも私は無理だと思うので、いずれ機会を改めて申し上げる機会があろうかと思うけれども、現在の日本の対策としては、円の再切り上げをやるかあるいは調整インフレに持っていくか、これしかないというようなことを企画庁の篠原研究所長が言っておるわけです。こういうふうなことでは困るので、アメリカの態度というものもきちっとしてもらわなければならないし、一方、円の再切り上げというふうなことは絶対に阻止しなければならぬ。何をやっても円の切り上げという声の前にはうたかたのごとく消え去ってしまう政策にしかならないということで、第二外為会計という構想もおのずから出ざるを得ないのではなかろうかと考えておるので、その点はひとつ国際金融局長としても、大蔵省としていろいろな異論があったようでありますけれども、これに協力してもらわなければならぬと思うのであります。思い切った政策をとってもらわなければとんでもないことになる。中小企業なんかは特に非常な打撃を、再切り上げとなったらもう成り立つ企業はないのじゃないかと思うくらい徹底した打撃を受けることは火を見るよりも明らかであります。そういう点で、ぜひこの点のために、日本の長期展望に立った外国の資源の確保のための活用ということとの関連において、円の再切り上げはどうしても食いとめるという姿勢を堅持するために大蔵省としても協力を願いたいし、また大きく変わった景気の見通しの上に立って——企画庁は変わらない、これからだんだん景気がよくなるのだ、こう言いたいでしょう。またそう言っておかなければ国内に混乱が起こるという政治的な発言だと私は理解しますから、その点は私はあえて問いません。底固めになったことだけは認めますけれども、景気がこれからだんだんよくなるという見通しは全然ないと思うのです。そういう点での腹をきめた対策というものを経済企画庁としても立て直してもらわなければならぬ時期に来ているのじゃないか。減税もその一つの大きな方法でありましょう。その他の、また大型予算を組み直さなければならぬということが必要になってくるかもしれません。いずれにいたしましても容易ならざる事態となっておりますので、その前提としての経済政策、特に円の再切り上げ防止ということのために衆知を集めて政府としては当たってもらいたいということを強く御要望申し上げておきます。
○鴨田委員長 次回は、明四月五日午前十時より理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会