商工委員会 第5号
- 発言数
- 89 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/21
会議録
○浦野委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、その指定により、私が委員長の職務を行ないます。 内閣提出、石油開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
○浦野委員長代理 提案理由の説明を聴取いたします。通商産業大臣田中角榮君。
○田中国務大臣 石油開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げたいと存じます。 石油は、わが国における一次エネルギー供給の約七割を占める重要資源でありまして、その安定的かつ低廉な供給を確保することはきわめて重要な政策的要請であることは、御承知のとおりでございます。特に、最近のOPEC諸国の一連の動きに見られますように、石油をめぐる世界の情勢が大きく変動している状況のもとにおきましては、この要請は、ますます高まっておるのでございます。 ひるがえって、わが国の石油供給の現状を見ますと、年々増大する需要に対して、その大部分を単純な輸入に依存している状況にあり、石油の安定的かつ低廉な供給の確保をはかる見地からは、大きな問題があると申さざるを得ないのであります。 政府といたしましては、このような事態に対処するため、昭和四十二年に石油開発公団を設立し、海外における石油の開発に必要な探鉱資金を供給する等わが国企業による石油開発の促進につとめ、相当の成果をあげてまいっておるのであります。 しかしながら、今後ともわが国の石油消費は増大の一途をたどる一方、世界の石油事情はますます困難なものとなることが予想せられる情勢にありますので、わが国としては、国際協調をはかりつつ、自主的な供給源を確保するための施策を従来にも増して強力に推進してまいる必要があると痛感されるのであります。 また、これと並んで、わが国エネルギー源の多様化をはかる必要があり、かかる観点から、世界に豊富に賦存し、かつ、硫黄分を含まないエネルギーである可燃性天然ガスの開発を促進することが重要であると考えられるのであります。 さらに、国際石油情勢の緊急事態に備え、石油の安定供給の確保の観点から石油の備蓄を増強することが急務であると考えられるのであります。 かかる趣旨にかんがみ、政府といたしましては、一方において、石炭対策特別会計を拡充改組して石油勘定を設け、石油対策のために必要な財源を安定的に確保することとするとともに、この法律案におきまして、石油開発公団の業務の範囲を拡大して、石油及び可燃性天然ガスの開発の促進、公団の調査機能の強化並びに石油の備蓄の増強をはかることとした次第でございます。 次にこの法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたしたいと存じます。 第一に、石油開発公団の業務の対象に可燃性天然ガスを加え、その探鉱に対する出資及び資金の貸し付け、探鉱及び開発にかかる資金についての債務保証等を行なうことといたしておるのでございます。 第二に、海外における石油及び可燃性天然ガスの探鉱に必要な地質構造調査を公団みずから行なうことなどを加えることといたしておるのでございます。 第三に、当分の間、原油の備蓄の増強に必要な資金の貸し付けを行なうことを石油開発公団の業務とすることといたしておるのであります。 第四に、以上申し述べましたような公団の業務の拡大に伴い、本法の目的を改めますとともに、公団の業務の円滑な実施をはかるため、理事の定数を二名増加することといたしておるのでございます。 以上がこの法律案の提出の理由及びその概要でございます。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜わりますようお願い申し上げる次第でございます。
○浦野委員長代理 これにて提案理由の説明は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ――――◇―――――
○浦野委員長代理 通商産業の基本施策に関する件、経済総合計画に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。川端文夫君。
○川端委員 通産大臣が見えているから、最初に二、三承りたいと思うことがあります。 御存じのように、昨日か一昨日ですか、ソ連のブレジネフ書記長が労働組合の大会において演説した中に、今後アジアに対して積極的な経済外交を推進していく、特に日本に対しての積極姿勢を持っていくというようなことを発言したと伝えられておるわけですが、最近、ソ連の外務大臣も日本に見えておることであるし、これらの問題を通じて、日中国交の機運が高まれば高まるほど、やはりソ連としては非常な関心を日本に持ってくるのではないか。巷間伝えられるところによれば、米中接近に伴ってのいろんな対応策が、ソ連をアジアに目を向けさしているのだというように伝えられておるのですが、大臣はこれらの問題に対して、具体的にどのような関係に今後日ソ間の関係を持っていくかということを、日中関係を踏まえての考え方をお持ちであれば、お聞かせ願いたいと思うのです。
○田中国務大臣 世界には多数の国が存在いたしますが、しかしいま経済的に見ますと、日本、アメリカ、拡大ECという三つの拠点ということが考えられるわけでございます。国際通貨の問題国際経済の問題、貿易の問題また南北問題等解決を必要とする事案につきまして考えても、やはりこの三つの経済的拠点は大きな地位にあると思うわけでございます。同時に、軍事的に見ても、国民の数から見ても、中国、ソ連というものを合わせれば、これは地球上の人類の三分の一に近い大きな国であることは間違いありません。私は、百四十に近いいろいろな国があっても、やはりこの経済的な三つの結晶の核ともいえますか、重要な地位にあるものに、中国、ソ連というものがお互いに協調していくことによって、世界の平和に寄与することもできると考えておるわけであります。また、中国が二千年余の長い歴史の中で隣国として位置しておると同時に、ソ連もまた日本海を隔てた隣国でございます。そういう意味で、日中の国交正常化を早急にはかろうという政府の考え方はもうすでに国の内外に明らかにせられておるわけでございますが、やはり第二次大戦においては日本と交戦状態になり、まだ平和条約を結べないような状態ではございますが、しかし日ソ間の貿易もだんだん大きくなっておりますし、懸案の領土問題も私は解決できないものではないと思います。そういう意味で日ソの間にはわだかまりもあるし、やはり北方領土問題が解決しない過程における国民的なわだかまりということは、これは私は実際避けがたい一つの現象として存在すると思います。しかし、どこの国とも仲よくしなければならないという国是、そしてどこの国とも貿易をしようという日本政府の基本的な考え方、やがては平和条約も結ばれるし、また隣国としての大国であるソ連との間にも友好親善の道が開かれなければならない。その意味でシベリア開発その他いろいろな問題がございますが、日ソ両国の利害が一致する問題もたくさんありますので、そういう問題から一つずつ前進を続け、できるだけ早い機会に領土問題も解決し、日ソ両国において平和条約が締結されることが望ましい、また私はそうなるであろうという考えのもとにあるわけであります。
○川端委員 ここは外務委員会ではないので、言うならば、私どもは経済を通じて将来への国交正常化に対する道を一つずつ積み重ねていく必要があるのじゃないか、こういう立場でここで御質問申し上げているわけなんですが、特に最近いろいろ日本に関心を持ってきているというソ連の立場から見て、日本と今日これとこれは可能であるであろう、これとこれに対しては、たとえば石油開発の問題なり天然ガス開発の問題なり、あるいはシベリア開発の問題に対して、ここまでは見通しがついているという何かおありでございましょうか。
○田中国務大臣 日ソ間の貿易はだんだんと拡大をいたしております。輸出の面から見ますと、六九年には二億六千八百万ドルであったものが、七〇年には三億四千万ドルに、七一年には三億七千七百万ドルに拡大をしておるわけでございますし、輸入にいたしましても、六九年の四億六千万ドルが七〇年には四億八千万ドル、七一年には四億九千万ドルと拡大の一途をたどっておるわけでございます。しかし、わが国総輸出の中に占める対ソ貿易のシェアはわずかに一・六%でございますし、輸入のシェアは二・五%でありますので、必ずしも数字的に大きい状態にはないわけでございます。しかし、この数字を見ますと、これは自然に拡大するという前提にもつながるわけでございます。 現実問題としては、もうすでに報道せられておりますように、チュメニの石油開発がございます。もう一つは沿海州大陸だな等の石油ガスの問題、その他銅鉱石の問題非鉄金属鉱山の問題とかいろんなものが出ております。しかしまださだかな結論に達しておるものではありません。現在までに日ソの間で固まっておりますものはシベリアから木材を長期的に日本が輸入するということで、これらの問題は進んでおります。それから、いまソ連側ではトラクターとかブルドーザーとかそういう農耕用の機械の工場を向こうにつくりたいというような問題、またこちらからもそういうものを大量に購入をしたいということで工場等を視察をいたしたりしております。 なお、チュメニの問題につきましては、いままではなかなか内容がさだかでございませんでしたが、おおむね三十億ドルぐらいかかる、そのうち十億ドルぐらい日本から、特にバンクローンの形式で協力が得られないかというような話がございまして、グロムイコ外務大臣が訪日されたときにいろいろ折衝いたしまして、やはり数字を出してもらわなければ、図面を出してもらわなければ、計画の実態を明らかにしてもらわなければ、現地調査を受け入れてもらわなければという私の要求をいれて、その後、日ソ経済委員会におきましては詳細なデータが提供され、それに基づいて検討が行なわれ、雪解けの五月を待って経済ミッションが現地を視察するということになっておるわけでございます。また、非鉄金属その他沿海州の大陸だなの検討等に対しても、サハリンの液化ガスのように十五年間もかかって実際にはなかったというようなことでは困るので、いままでソ連側が詳細に調査をしたものの結果は日本に提示をしてもらいたいということを申し入れてございます。 これらは、言うなれば戦略物資でございますから、外国と協力してやるためにデータを出すということは国内的にもなかなかむずかしい歴史があったと思いますが、しかし、こういうものまで全部日本に提供をしてお互いがオープンの形で議論をし、討議をしようというようになったことは、私は日ソ間というものも積極的に協力ができるという体制に近づきつつあるのではないか、こう考えておるわけであります。特にバンクローンというものの要求に対しては、バンクローンというならば、ソ連が国債を日本の市場で出してはどうかということを私から提案をいたしておきましたら、国債というものが自由市場で消化をされるためにどういうような形態をとるのか、どのような実態があるのかということで、これは日本政府側から参考になるようなものは先方に提示をするということになっておるわけでございます。そういうところまで話が進んでおりますし、またチュメニ油田に対して日本が協力する場合、アメリカ政府としても、石油は一般の商品ではなく、国家安全保障会議の議題でございますが、アメリカの民間が協力をするということであるならば異議はないということでありまして、その点をいいかっこうとして想定をされれば、日本とアメリカの民間の資金が一緒になってこの大きなプロジェクトに対して協力ができるかもわからない。私はできるような方向にあるのではないかというふうに現在見ておるわけでございます。
○川端委員 いま大臣のお話のバンクローンということになれば輸銀でしょう。そうですね。向こうの要求するまま資料を出してもらわなければ答えが出せないという日ソ経済委員会で話があったというわけですが、十億ドルの輸銀の使用をソ連にいち早く認めるという形をとれば、日中間の関係はどうなっていくかという問題に対して、何か考慮を払わざるを得ないという問題があるかどうか、この点をお答え願いたい。
○田中国務大臣 むずかしい問題ではございますが、日中間の国交の正常化を願っておる政府としては、諸般の国際情勢の推移を見ながら、これに対処しなければならぬということは当然でございます。私は、そういう意味でいち早く、中国側との間に立っておる商社が、また中国側が輸銀の使用を求めるならば、これに対しては応ずる姿勢でございますということを明らかにいたしておるわけでございます。この問題は中ソ間の状態を考えて非常に慎重にやっておりますことは事実でございまして、チュメニ油田の推進者である今里日本精工社長等が北京を訪問したときは、この問題に対する感触も聞いてきてもらうようにという要請もいたしておきました。また、日本の経済界が、チュメニ油田の開発にどういう考えを持っておるかということも率直に述べてほしいと依頼をいたしておったわけでございますが、これは中国側との話し合いのときにこの実態を述べたようでございます。それに対する反対論というものはなかったということでございますが、もちろん積極的な賛成論もなかったと思います。とにかく話は聞いたという状態であったようでございますが、日本がチュメニから石油を入れるとしても、それは日本の世界からの搬入量の五%、多くても一〇%をこすようなシェアではないという事実に対しては認識をせられたようなお話しを仄聞をいたしたわけでございまして、これは、日ソが急速に接近をするために日中の障害になるというようなことがないように細心の配慮を払わなければならないということは、通産省は商売ではございますが、しかし買ってさえくれれば、もうかりさえすればということではありません。バイケースということばの中にも、国益を考え、世界の流動する情勢に対処しながらということを常に申し上げておるのでございますから、そういう配慮も当然考えなければならない、こう思っておるわけでございます。
○川端委員 この間予算委員会の一般質問のときに、あまり商工委員会で聞くから田中通産大臣答えてくれぬがと言いながら、吉田書簡の問題に対して外務大臣とやりとりをいたしたことはお聞き置きを願ったと思うのですが、私は中国との貿易のことを考える場合に、中国の感触から感じますのに、少なくとも日本が輸銀を使わしてやるのだというこの考え方では、中国は現時点においては受け入れない、こういう感触を持っているのです。したがって、政治問題として扱われた吉田書簡の問題に対して、もう少し明確な日本側の態度をはっきりすべきではないか。そうすることによらなければ輸銀の使用というものが、日本はいつでも受け入れる用意があるという程度の話では、成立がなかなか困難ではないか。現在、日本に経済調査団として中国から見えておる人々の動きを新聞等の報道によって見ておりましても、最初の目的と違って、やはり石油化学に重点を置いた調査が行なわれる傾向があるということになれば、大きなプロジェクトなり何かを組んだ大規模なプラント輸出になるのじゃないか、こういうことが予想できる関係からいっても、私は何としても、中国のあのきびしくものを言う立場からいえば、この点は、吉田書簡はもう廃棄するのだ、無効になったのだということを高く掲げた立場をとらないで、希望があれば認めるという消極的な態度では、この問題の前進にはならぬのじゃないか。ソ連に対してはかなり大幅に認める立場をとるならば、中国にももっと門戸を開放すべきじゃないか、もっと積極性があっていいのじゃないかという立場を考えて御質問申し上げているのだが、通産大臣、いかがですか。
○田中国務大臣 まあ御質問いただいております御趣旨はよくわかるのです。通産省は商売でございますから、入札をして低いほうに落とすということで、より取り見取りをやります。それでまた、契約をしておっても、その後のネゴシエーションで必ずしも最下位の入札者と契約するということもないし、随意契約もやりますし、一応契約したものを破棄して新たに契約を結ぶということも商行為としてはあるわけであります。そういう面の、商売をするということからいえば考えられるのですが、これは外交の範疇に入るものであって、これは外務大臣の発言を尊重いたしておるわけでございまして、佐藤内閣としては、吉田書簡というものは個人の私信であり、しかも発信者がもうすでに故人となられた今日、これを政府が破棄するとか破棄しないとか言うべき筋合いのものではないのでございます。しかも、吉田書簡で拘束を受けておると思われるような輸銀使用に対しましては、輸銀の使用の申し入れがあればこれを実行いたします――これは政府機関でありますから行政の範疇に入るので、申請は認可するとか許可する、認めるとかいうことになるのですが、認めるということが悪ければ輸銀使用を実行いたしますと、こう東洋人的に申し上げてもけっこうです。そこまででございまして、それを破棄するとかしないとかという問題は、やはりこれは外交上の問題として外務大臣が述べているものをオウム返しに私も申しておるわけでございます。これはあなたの言うことはよく理解できるのです。商売を拡大しようとすれば、前の契約を破棄して、契約でもないものでありますから破棄します……。しかし、私は実際的には拘束は受けません、これは私信でございますし、われわれはその廃棄とか何かを言える立場にございません、しかし、この文章には拘束を受けません、こうまで述べておるのでございますから、ここらでどういうことをまた総理大臣、外務大臣がいろいろな御知恵を出されるかわかりませんが、私はいまは佐藤内閣の閣員の一人でございますし、内閣は統一見解で御答弁を申し上げていますので、それでひとつ御理解のほどをお願いいたします。
○川端委員 私と田中通産大臣がなれ合いで了解し合ったって、問題は受ける立場の中国がどう受けとめているか、これが問題点になっているように感じられてならないから、しつこいように申し上げているわけです。したがって私は、この問題に対してもう少し大胆な発言が、次期総裁候補といわれている田中さんからあってもしかるべきだという意味でお尋ねしているのです。承知しながら質問しているのですが、いまそういうことで拘束されないということは一歩前進として受けとめて、次に移っていきたいと思うのです。 そこでもう一つの問題は、中国との関連の、経済関係の深い台湾の問題に対して、私のしろうと流の感触でいきますと、昨年のいわゆるニクソン訪中声明直後から、台湾に対する自由主義陣営からの経済投資というか産業投資がかなり停滞したように聞いておるわけです。そこで、伝えられるところによると、台湾関係も、日本でいうならば日本銀行のような国立銀行を民間金融機関に直して新しい再出発をしている姿から、特に一月のニクソン訪中以後においてアメリカの銀行支店をも設けるという準備が進められているように聞いておるわけです。それらの関係もあってか、台湾の経済がやや活気を取り戻しつつあるという話――台湾が不幸になることを願ってはおりません。しかしながら、それらの中に、米中会談の中から、台湾の処遇の問題に対して経済的な面からの何か新しい情報が田中通産大臣の耳に入っておることがあれば、お聞かせ願えないか。言うなれば武力解放しないということに対する何か具体的な話し合いがあったかどうか、お耳に入っておるかどうかということをお尋ねしてみたいと思うのです。
○田中国務大臣 特別な情報は耳にいたしておりません。入手をいたしておりません。報道関係を通じて、武力解放を行なわないという中国側の公式の声明、またアメリカ側は、最終的には、アジアから兵の撤退をするときには台湾からも撤退を考えておるという公式の発言があったようでございまして、それ以外には外交ルートを通じての情報は入手いたしておりません。
○川端委員 いま私の聞こうとしているのは、巷間民間産業から、不景気のせいもありまして、台湾を政府がどう扱うように見ているのか教えてほしいという質問がかなりあるわけです。現地を見た姿においては、去年の姿から見ればニクソン訪中以後における台湾はかなり活気づいてきているという情報も入っておるので、今後台湾に対しては、経済的な援助等については政府もかなり積極的にやる考えですか、やらない考えですか。
○田中国務大臣 いままで両国で協定をし、また政府が容認をしておるものの継続は、これを続けていくということでございます。新規の借款の申し入れについては、バイケースで慎重に検討してまいるということでございます。大体、台湾に対しては民間の経済活動が非常に大きいわけでございまして、民間がいままでどおりやっておるところもございますし、いままでどおりよりも少しセーブをしておるところもございます。しかし、日本と台湾地域との年間の貿易量は少しずつ伸びておるというのが実態でございます。
○川端委員 もう一点お尋ねしたいのだが、韓国との関係なんですね。これも北との関係がありますし、これらの問題を考えながら韓国の問題を見ていかざるを得ないわけですが、韓国の経済の将来、日本と韓国との関係に対して、大臣はどのように見て指導されようとしておるか、方針を立てようとされておるか、お聞かせをいただきたい。
○田中国務大臣 日韓は、御承知のとおり、かつては同一の国家を形成しておったものでございますし、二次大戦の結果として韓国が日本から分離をせられた、言うなればきょうだいの国でございます。そういう意味で、韓国との間には、日韓交渉成立、日韓の国交正常化ができました後、日本も継続的に経済援助その他を行なっておるわけでございます。まだ日韓協定に基づく最終的な日本の義務を完済はしておらないわけでございますし、まあ、韓国はその後四分の一世紀余にわたる努力で非常に経済復興が進んでおることもまた事実でございます。そういう意味で、韓国との間には借款も行ない、また日韓両国の国益を守りつつ経済的な交流を拡大してまいるということは従来どおりでございます。 北鮮との問題については、まあ去年は五千九百万ドルというような、日本と北鮮との間にはそういう経済交流はあったわけでございますが、もうすでに現在では、ことしは非常に先方側からの日本商品の輸入というものに対しては希望が提示をされておりますので、ことしは少なくとも一億ドルぐらいにはなるのではないか、場合によればもっと大きくなるのではないかというような見通しでございまして、バイケースで事案ごとに長期的投資の問題等については検討してまいるということでございます。
○川端委員 韓国の問題もなかなか北鮮との関係、中国との関係等あって複雑ではないか、微妙ではないかと考えられる面もありますけれども、やはり大局を見失わないで十分対処してもらいたい。 一つは、これはまあ、ああいう新興国家のせいもありましょうけれども、北鮮の再入国の問題に対しても、すぐ日本へ対して韓国から抗議が出るというような、いろんな意味で、いたずらに問題を複雑にしていくおそれもあるので、十分これらの問題に対しては、田中大臣、ひとつ外務当局に指導性を持たせるように、これらの北鮮と韓国との関係、中国との関係に対して、日本の将来を見通した強い指導というものがどうしても必要じゃないか。その場その場でものをやっているように、外交当局のやり方を見ていると不安でならないものですから、そういう点で、経済を通じて突き上げていくというか、改善していくという立場を大臣にとってもらいたいという希望をも含めての質問を申し上げているんだが、ぜひそういう方向でひとつ御努力願いたい。 これは、この辺にしておきます。 そこで問題は、最近の日本経済の動向を考えた場合に、二つの要素がますます複雑にからみ合って、不況浮揚になかなかならないという面が出てきておるんじゃないか。 一つは、やはり昨年の十二月十八日ですか、多国間調整による通貨の調整をしたけれども、ドル安というものが国際的に改善されない。これはまあアメリカの問題も十分中身にはありますけれども、これらの中身から、最近伝えられるところによれば、やはり大企業は二百八十円なり二百七十円で先物の契約をしているという情報も新聞等が伝えておるわけです。そうなってまいりますと、必然的に日本の円というものを改善せざるを得ないという具体的な実績になっていくおそれがあるように思うが、これらに対してどういう見通しをお持ちであるかお聞きしたい。
○稲村(光)政府委員 ただいまのお尋ねでございますが、この十二月の通貨再調整の後の状況に関しまして、これは日本だけの状況ではございませんが、ドルがなかなか回復をしていないということは事実でございます。 それに関しまして、いろいろと理由があると存じますが、一つは、通貨再調整と申しますものが経常収支に効果をあらわしてまいりますには、どうしても少なくも一年、普通二年ぐらいのタイムラグと申しますか、が必要である。これは国際間の通念と申しますか共通の認識でございまして、先般私が出席いたしましたOECDの第三作業部会、二月の初めにあったわけでございますが、そのときにおきましても同じようなことでございまして、したがいまして、ことしは、従来の黒字国は相変わらず黒字が続く、それから赤字国は相変わらず赤字が続くであろうということは、いわばこの再調整の効果が出てまいりますまでの当然の進みということに認識をされております。 ところが、問題なのは資本取引でございまして、資金の移動と申しますか、そちらのほうの関係がどうなるか。これにつきましては、通貨再調整が行なわれましたあと、場合によっては相当多額の資本の米国への還流が起こるのではないか、こういうことが予想をされておったわけでございますが、実際問題といたしまして、それがむしろ起こっておりません。なぜ、それではそういう資本取引面での還流が起こらなかったか、まだ起こっていないかという点に関しましては、大体二つの理由があるというふうに考えられております。 一つは、アメリカとヨーロッパ及び日本との金利差でございます。短期金利におきましてアメリカが非常に金利水準を低くいたしておりますために、短資がアメリカに還流するインセンティブに乏しい。それから第二の理由は、ドルに対する不安と申しますか、さらに大きくいえば、国際通貨体制がはたして早く再建できるかどうかというようなことに対する不安がございまして、こういうところから、資本移動の面で望まれておりました短資の還流が起こらずに、逆にある程度、むしろヨーロッパ及び日本に対しましては資本の流入の圧力さえ出ておる、こういうような状況で、各国、ヨーロッパ及び日本におきましては、やはりなかなか短資の流入という面での圧力が強い。これに、先ほども申しました経常収支面での効果があらわれるまで、当面は昨年と同じような経常収支の黒字が続くという状況があるわけでございますから、したがいまして現在のような情勢ということに相なっておるわけでございますが、これに対しまして、将来どうなるかという点につきましては、各国ともこの十二月の通貨再調整が不十分であったとかあるいは不適切であったというようなことを、当局者として考えているものはないわけでございまして、いずれもこの通貨調整が効果をあげてくるまで、資本移動の面からするいろいろなディスタービングな要因を、為替管理その他の措置によりましてコントロールすることによりまして、その十二月の通貨再調整を守っていこうということが共通の政策でございます。したがいまして、日本におきましても、これはまたヨーロッパにおきましてもそうでございますけれども、当面は短資の流入に対するいろいろの方策を講じまして、そして当面を乗り切っていけば、そのうちに経常収支面の効果があらわれてくる。これは、まあ貿易収支に関しまして、御承知のとおり、輸出がなかなか出ないというようなことがぽつぽつ出てきておるわけでございまして、将来経常収支面においてだんだん十二月の通貨再調整の効果があらわれてくるであろうというふうに存じております。 それからいまの短期金利の米国とヨーロッパ及び日本との関係につきましても、一つの資本移動の面におきまする圧力の原因でございましたが、また現在でもそうであるわけでございますけれども、これに関しましては、この約二週間ばかり若干明るさと申しますか、アメリカの短期金利も若干上昇ぎみになっておりまして、この意味でのプレッシャーも、このまま順調にいけば緩和されていくのではないか。 それから、国際通貨体制に関しまする問題につきましても、先週でございましたか、コナリー長官がやや積極的に取り組もうというようなことを演説で言っておるわけでございまして、こういうようなことも入れまして、先週末から今週にかけましてのヨーロッパの情勢を見ますと、それぞれワイダーバンドの天井と申しますか底と申しますかについておりましたオランダとかベルギーというところも、だいぶ戻しておるというような情勢でございます。
○川端委員 多国間調整による通貨調整が行なわれて、日本もほっとした一時があったことは、私は認めるにやぶさかではございませんが、当時私どもが常に言っておったことは、アメリカに対する日本からの反省を求めるという努力をどの程度にしたのかということであろうかと思います。 一つは、短期融資のユーロダラーなんかの扱いに対しての無秩序に対して、アメリカに反省を求めるべきであるという意見、もう一つはメージャーというか国際資本家群のこれらが、アメリカの国内の企業の体質改善をするよりは国際的な企業として世界制覇をねらっているという、言うならば日本等に対して資本の自由化その他によって圧力をかけている姿から見ても、これらを通じてやれば、なるほど一部の大企業なりアメリカの資本家はそれはそれなりに経済的にペイしていくだろうけれども、日本等はこれらによって必然的に影響を強く受けざるを得ない羽目におちいるのではないかということを、今日まで私ども民社党は大蔵委員会なり何かでたびたび申し上げておったと思うのです。これらに対してアメリカは反省の色がないように思うのですが、いかがでしょうか。これはそうならば、日本は産業防衛というか経済防衛という問題に対して、当然十分用意をすべきじゃないかという気もするのだが、そういう必要は、やがて一年か二年待っておればということでよろしいのでしょうか。これはいかがでしょう。
○稲村(光)政府委員 ただいまのお尋ねの第一点でございますが、金利の問題等でアメリカに対して何か反省を促すべきではないかという点でございます。この点は先ほども申し上げました先般の第三作業部会の席その他で私自身がアメリカに対して、いまのような金利水準ではいけないのではないかということを、国際的な対外均衡という面からその点を考えるべきではないかということを申しましたし、またこれは日本だけでございません。ヨーロッパの諸国の代表も、同じようなことでアメリカの政策に対する批判を行なったわけでございますが、こういうことをアメリカとしてもやはり筋として認めたわけかどうか、最近の傾向は、先ほど申しましたとおり短期金利におきましても、若干アメリカにおきまする短期金利の反騰がそろそろ起こっておるという状況でございます。 それから第二の、米国企業の海外への進出でございますが、これは御高承のとおり、わが国におきましては、いわゆる対外直接投資の自由化に関しましては、従来ともそういう御指摘のようないろいろの弊害が起こらないように慎重な配慮のもとに、しかし前向きに取り組んで、昨年の七月の第四次自由化に至っておるわけでございます。この点に関しましては、むしろ一番問題でございますのはヨーロッパ諸国に対する関係でございますが、わが国におきましては、従来のところはそういう意味で自由化を進めてまいっておりますけれども、その点につきましては慎重な考慮を払いつつ進めてまいっておるわけでございまして、特に現在においてそういう意味の御指摘のような弊害と申しますか、そういうことに関しましては、やはり日本においては特に大きな、ヨーロッパにおけるような問題は起こっていないということではなかろうかと存じます。 将来におきましてこれはどうするべきかということは今後の問題でございますが、この点に関しましては、やはりいろいろと諸般の情勢を勘案しつつ、今後も問題に取り組んでまいりたいと存じております。
○川端委員 通貨の問題は大蔵委員会でやってくれると思うのですが、それはそれとして、言うならば金本位制によるドルを中心にした通貨体制というものは、自由主義陣営をとっておれば、アメリカが問題を起こせばやはり日本にも必然的に影響が、特に日本のようなアメリカとの経済関係の深い、比重の重い国には影響が大きく出てくるわけでありまして、その点では言うべきことは言う、直すべきことは直させるということでなければ、一応アメリカの要望もいれて資本の自由化に踏み切ったけれども、しかしながら一向にアメリカの経済の体質が改善されないとすれば、日本は日本なりの立場で、やはり国民を守るという立場から考えざるを得ないという強い通告もせざるを得ない時期があるんじゃないか、こういうふうに考えておるわけです。 加えて、今日の輸出増の中にはかなり出血輸出がありますよ。これは不況だからしかたない、何か仕事をしなければならぬという意味で、いま日本の貿易収支では黒字になっておるようだけれども、かなり出血輸出で苦しい立場がだんだん深まっていくように思うのだが、これらを含めて通産大臣、いかがにお考えになっているかひとつ……。
○田中国務大臣 去年非常に大きな貿易収支の黒字が出たわけでございますが、これは十五、六年にわたって一〇%以上の成長が続いてきた日本が、去年とたんに、輸出を除けば三%台――いま数字が大体かたまってまいりましたので、輸出の面を全部加えると四・五%くらいになるかもしれない。一、二月の状態がそのまま三月も続くということで計算をすると、四・七%くらいに成長率がなるかもしれないというところまでいま計算をいたしておるわけでございますが、いずれにしても半分以下になったわけでございます。当初は一〇・一%の成長率を見ておったわけでございますから、四%程度の国民総生産の伸びということになりますと、不景気の状態からくる輸出増ということでありまして、出血輸出ということば、これは外国からいわれておりますから、私はそういうふうには申し上げませんが、国内不況からくる輸出増、そうすると、原材料を海外から仰いでおる日本は、輸入はうんと減るわけでございます。そういう意味で去年は貿易収支の黒字が大幅でございましたが、ことしは、現在が四%から五%ぐらいであるとするならば、年間を通じて政府が企図しております七・二%は確保できるかもしれない。また、確保できるように相当な努力をしなければならないわけでございます。そうすれば、輸入はふえてまいりますし、輸出は減ってまいるわけでございますので、貿易収支は、昨年に比べて相当バランスがとれるということになるわけでございます。 アメリカに対しては、アメリカの外貨手持ち高、いわゆる金の保有高が百億ドルを割ったというけれども、海外には七百億ドルに近い投資があるんだから、これを国内投資に引き揚げられるような国内政策をやはりやってもらわなければだめだ、こういうことを強く述べておるわけでございます。アメリカも、日本もそうでありますが、多国間の通貨調整のほんとうのメリットは、やはり一年か一年半かかる、こういうことから考えてみると、ことし一年の推移というものは十分見なければならぬと思います。 それから、いまは自動車など、家電製品もそうでありますが、一〇%ないし一五%の売り値の引き上げを去年からやっておるわけでございます。いま、出血輸出というように、輸出はしても中小企業がもうからないでは困るということで、いい品物を適正な価格でということを指導しております。どうも輸出業者との間にマージンが多過ぎるのか、その輸出経路というものに通産省でもメスを入れながら、輸出割り当て制度その他に問題があるとすれば、やはりそういうものも調整をしながら、ほんとうに生産をする中小企業等に輸出のメリットがいくように、いろいろ考えておるわけでございます。
○川端委員 いまのお答えの中から二つの問題点が出ると思うんです。 一般的な出血輸出ということばだけでは全部律するわけにいかぬけれども、中小企業の場合の輸出製品は特に二次加工ですから、その原料になるものは一向下がっていないのに、二〇%近いものを下げていくということになれば、やはり出血にならざるを得ない原因が出てくるわけですね。大企業の場合には、総合製造をやっているところが多いですから、どこかで吸収できる一面もあるだろうが、中小企業の場合は、鉄もなかなか下がらぬ、いろいろな原料が下がらぬというところから問題が出ておる。もう一つの面は、二百七十円とか八十円という、ドルの相場がいろいろ出てまいりますると、大企業はやっているんですが、将来に対する輸出の成約ができにくいという状態が、特に中小企業に非常に出てきているんです。 そこで、昨年のあの通貨不安の時期に、緊急融資を輸出関係に大幅に見てもらった。そのとき借りた金を返す時期がそろそろ来るのに、先の見通しがないという不安を持っている中小企業の輸出産業関係の業者が多いという実態がいまあるわけです。これらに対しては、何か新しく――現在のような情勢は一年後には直るかもしれぬ、二年後には直るかもしれぬが、現在、すでにそういう事態が起きているものに対して、大臣は考えてやろうという考えがおありかどうか、承りたい。
○田中国務大臣 中小企業の輸出業者にとって一番の問題は金融でございましたが、この前の国会でも、ドル・ショックによる必要な施策は御審議をいただいて、できるだけのことはやったわけであります。輸出業者は、いま市中の金融は潤沢でございますし、金利も下がっておりますし、借りかえもできる、そのために実勢は現状よりも悪いかもしれないけれども、倒産は前年対比で非常に少なくなっておるというような、数字だけでは見れない実態があることも承知をいたしております。これから第二回の円の切り上げがあるのか、こういうことは、中小企業が契約をする場合には非常に困るわけでありまして、これは一切ない、ないようにいたしますと強く言っておるわけですし、これはもう国際収支の問題を解決し、国内景気を浮揚すれば足るわけでございますので、それは絶対ない。あるんじゃないか、あるんじゃないかということばのほうが中小企業の輸出に一番障害になるわけでございます。そのほかの問題は、いま具体的な問題として、どうしなければならないというものは出ておりませんが、やはりこれからだんだんと平価調整の結果があらわれてくるような過程においては、実態に合うように、適時適切に施策を考えていかなければならない、こういうことでございます。
○川端委員 私は、通貨調整を早くやってくれという立場で質問しようとしているわけじゃないのです。特に通貨のような影響の大きいものは、軽卒に、調整があるとかないとか言うべきではない。ないと言っておったほうが無難だとは思いますけれども、現実に二百八十円なり七十円という相場で大企業が契約を行なっているということは、やがて中小企業の輸出価格の協定においてもそういう値段を押しつけられるはずだ。またそれを逃げて通るわけにいかない。そこで、後ほど質問しようと思っておるのですが、それならば、いわゆる労働集約型の中小企業の輸出関係は、事業転換しろといったって何をしていいかわからぬ、こういう問題もあるわけですから、これらに対しては十分注意して見守りながら対処をしていっていただきたい。私どもも常に意見を申し上げますけれども、私は、もうすでにそれは目の前に迫っているという気がしてならない、そういう立場で御質問申し上げているということを申し上げて、この問題は一応避けて、次に進みたいと思います。後ほどまた、変化によって御質問申し上げる機会があろうと思うのです。 そこで、この前も予算委員会で少し言いかけて、途中で時間がなくなったわけですが、通産大臣は前に、国際産業調整法という構想を打ち出されている。今日の日本の状態からいうと、国際産業調整というものも当然必要ではあるけれども、国内産業の調整というものも同一に見なければならぬ事態になってきているんじゃないか。先日も、日本の産業の中に過剰設備的なものも見受けられるという御答弁が予算委員会であったように私は頭に残っておるわけですが、とにもかくにも、そうであるとするならば、国内産業の産業構造の中に、やはり調整していくという方向、それを通じて事業転換を進めていくということも当然生まれてくるんじゃないかと思うのです。いわゆる国際産業調整法を発想なさった当時ときょうの段階と比べてみて、同列だという見方で考えるべきだという私の意見に対して、御意見がありましたらお聞かせ願いたい。
○田中国務大臣 国際産業調整法というよりも国際経済調整法、国際経済の変動に対処して、国内的な施策が容易に行なわれ、適時適切に機動的に運営されるようにするには特別な法律が必要ではないかという考え方でございまして、私はこれはいまでも必要だと考えております。これは半年前に、通産、大蔵、外務三大臣で、この種の法律の必要性というものは確認し合ったのでございまして、私はほんとうに、やはりこれからこそそういうものは必要だろうと思います。国内産業間の問題については、独禁法の不況カルテルとかいろいろな問題があるわけでございますが、しかし、この前の国会で、中小企業の転換とかいろんな問題に対して対処できるような法律はつくっていただきましたけれども、もっともっとこれから世界の情報を収集をしながら長期的に見て指導をし、調整をしていくということは、これは特別な立法を必要としなくても通産省の生命はそこにあると思うわけでございます。年度年度の自然発生を是認しながら、それの摩擦を避けつつ調整をするというよりも、やはり何らか別な立場からいろいろなことを考えていかなければならないときが来たということは考えます。率直に申し上げると、米の調整減反というのが行なわれましたが、ある時期までというものは米の減反を必要とすると同じような情勢が産業界にございます。これは鉄鋼も一億一千万トンを計画したら、それが九千万トンにもならないという状態でございまして、三十七年度よりも市価は下がっておるということでございます。それから、パルプもそうでございますし、繊維もそうですし、肥料もそうだし、あらゆる問題が設備過剰というような面がございます。まだ公害の除去施設とか、また工場の再配置とか立地の問題とかいろんな問題がございますし、設備投資というものも設備の更新もございます。そういう意味で、いまの施設そのものがそれでいいというのではありませんが、企業の中には転廃業をしなければ国際的にはもたないというようなものも散見をされます。そういう意味で、法律をつくるつくらないは別でございますが、通産省の職務そのものがそういう新しい面、長期的な視野に立ったものを具体的に考え、施策を行なっていかなければならない必要性は十分感じておるわけでございます。
○川端委員 時間もなくなったから、次の機会にまた御質問を重ねることにいたしますけれども、それならば今年度の予算の中においての公共事業投資というやつで景気浮揚策をとるんだとおっしゃっているんだが、この予算が通過すれば景気が直るとお考えになるんでしょうかどうでしょうか。
○田中国務大臣 三十八年度、四十年度の予算、四十一年度の予算等に比べてみてもわかるとおり、非常に大きい予算でございます。私は先ほども申しましたように、現時点で五%程度のものであれば年間を通じて七・二%と政府が企図しております成長は確保できるのではないかという感じでございます。しかし、確保できるのではないかといって、過去のような考え方、公共投資が先行すれば、それに付随して民間の設備投資が起こってきて、経済成長が拡大されるというような面ではないと思うのです。私はそういう意味で、四十七年度を初年度として百五十億、十月一日から発足する工業再配置法を御審議をいただいておるわけでありますが、これはもっと大きいことが望ましい、そういうことで、公害除去とか電力会社の電源の開発とか、量よりも質の問題に対する投資を行なう、こういうこともあわせて行なわなければ、民間の会社そのものが設備投資を進めるというよりも、やはり政府と一つの政策路線に乗った投資を行なう質の問題に転化していかざるを得ない。そういうものを続けていけば年率七・二%、たいへん困難な仕事ではございましょうが、何とか確保するように努力をしてまいろう。いまが四%台であって、年率七・二%とすると、後半は一〇%にもいかなければ七・二%にはならないわけでございますから、むずかしい問題であろうと思いますが、いまから予算の年度間における執行区分やいろいろなものを考えながら、金融の推移も見ながら、必要があれば適切な施策を付加するということでまいりたい、こう思います。
○川端委員 年率七・二%の成長を見込んでの予算をお組みになっておるわけですが、これは、いまのお話しの中からことばじりをとるわけではないが、もしそうならなかった場合、予算執行の場合の影響も出てくるし、次には補正予算という問題も出てくるでありましょうが、だれが責任をとるのだろうかというような感じを受けるわけです。その時分には佐藤さんがやめているだろうけれども、だれか責任をとってくれないと、年率七・二%成長する見込みだからおまえたちはおれについてこい――露骨にいえばそういう言い方を予算の上ではされておるわけだけれども、いま言うように、困難な条件が前途に多いように思うので、それができなかった場合の責任もあるのじゃないかと思うのです。 そういう問題もあるけれども、私は、事業転換というものがいかにむずかしいかということを先日見てきたのです。せんだって予算委員会でもちょっと申し上げておきましたが、米の減産によって農機具は非常に行き詰まって昨年から倒産が続いております。そこでその中に、かなり固定資産を持っておる企業が事業転換を始めておる。その企業を見ていると、いかにあなたらが口では事業転換ということを言っても容易でない。かなりの資産を持っておるものが資産を提供して、あるベアリング工場と提携して、べアリングに踏み切ったけれども、なかなか不景気で、それが思ったような生産をあげるわけにいかぬし、その間の期間が約二年くらいかかっておるのですね。したがって、まず第一番に新しい事業転換するための設備資金が必要であるとともに、その間の訓練と申しますか、仕事の切りかえまでにかなりの時間が必要で、その赤字対策もできなければ事業転換は簡単に進められないものだ、こういうふうに見て帰ったわけです。その間の働く人々の不安な状態、この点を見て――後日この点でもう一ぺん申し上げますけれども、事業転換ということは、文書で書いたりことばで言うことは簡単だけれども、容易じゃない。これをやるならば思い切った施策が必要だし、もう一つ、いま大臣が、法案の審議をしない前に工業再配置の問題も言われておるが、これをやるのならば、先日も言った震災の問題をいま心配しておる東京都に対しては、単に工場を地方に分散させるだけではなしに、その一つの東京なら東京というものを目標にして大きなプロジェクトを組んだような立場に立って総合的な計画を出さなければ容易じゃないというふうにも考えて、この法案は発想としては悪いとは言わないけれども、内容的には十分ではない、こういう感じも持っておるのですが、大臣いかがですか。もう時間が来たから質問をやめますけれども……。
○田中国務大臣 工業再配置というものは、私は、これなくしてはこれから十年、十五年というのはどうなるのかという、これは解決法の一つの大きなものと考えております。内容的には私が考えておるようなものでなかったことは事実でございますが、少なくとも二十五年固定資産税を減免する、これは当然のことでございますが、二十五年がいまの状態においては三年でもって補てん財源が考えられなければならないと考えたときに延ばそうということになっておりますが、三年間の固定資産税の減免ぐらいでやれるわけはありません。これは労働者住宅をイタリアがつくったときに簡単な法律ができております。生命保険及び損害保険の剰余金は労働者住宅以外に使ってはならないと制限をしております。労働者住宅をつくる国有地は無償でこれを提供する、固定資産税は二十五年全免する、非常に鮮烈な政策でございますが、いろいろな制約でできなかったことは残念でございます。これは一・七五%の法人税がまだ未定であって、ことしはこれを特定財源として置きかえるわけにいかないということで腰だめ法案になったわけでありますけれども、実際において設備は老朽化しておるから設備はしなければならない、同時に公害施設をしなければならない、こういう二つの大きな問題があります。しかも同時に、社会資本の拡充という名のもとに拠点的投資を行なえば、それに付随する公共投資というものは非常に大きくなります。これは一例を申し上げれば、自動車が一台ふえるたびに全国民が負担する平均価格は五十万円でありますが、東京や大阪においては千五百万円負担しなければならないわけでございます。一台の自動車が増車をするのに千五百万円の道路維持補修費がかかるという実態であるならば、ここに新たに投資をさせるわけにはまいらないわけでございますから、まいらないならば、新しく転出をする受けざらをつくっておかないで、締める法律だけつくるということは、日本の経済自体を締め上げることになるわけでございます。 しかも農村では、現在一七・四%の一次産業比率が、アメリカまでにならなくても、拡大EC並みになるとすれば、五%になれば八百九十万人も人は浮くわけでございますが、これが全部東京や大阪や県庁の所在地に来るときに一体どうなるのかということを考えれば、どうしても工業の再配置を行なわざるを得ない、こういうことで非常に考えた結果つくったわけでございまして、やはり総合農政を推進をするなら、その人たちが就職できるような状態、それが公共投資にもつながり、それから過密過疎の問題も解決をし、そして投資効率をあげるという面にもつながり、景気浮揚にもつながるのだという質の問題を解決する一つの施策であるとしたならば、やはり踏み切らざるを得ないということで御提案申し上げたわけでございまして、これはいい法律にお直しをいただいてもけっこうでございますし、もうほんとうにこれこそ超党派で考えていただかなければならない問題でございますので、一つの政策としていっときも早く通していただいて、できれば次の国会を待たなくても、大蔵省にもう少し出してくれないかということの交渉もやりたい、こう思っておるわけでございますので、この間の事情を十分御了承賜わりたいと思うわけであります。
○川端委員 時間が来たからこれで質問を打ち切りますが、発想はいろいろ出されるけれども、発想の裏づけがなっちゃいないんじゃないか。言いたいことが多いわけです。その意味で、議論をすればまだしたいわけですが、言うなら都合のいいときは自由主義経済、民間の主導型ということで逃げながら、かなり大企業には政策の先取りをさせながら、一般中小企業なり日本の都市産業等に対しては政府の手がゆるい、なまぬるい、こういう感じを持って質問しているわけです。したがって、もうここらで、いまいわれている工業再配置法も――これは法案審議のときに言いますけれども、一つの自由主義経済の中の政府主導型であるとするならば、政府主導型に値する力のものにならなければ意味がないじゃないかという考えを持っている。これ以上言うと法案審議のときの分に食い込むからやめておきますけれども、ともかく発想だけ出して、お説教でみんなついてこいといったって、ついていけない今日の深刻な状態が日本の産業の中の、特に中小企業に深いしわ寄せが行っていることを十分心して、今後の施策をとっていただきたいことを希望申し上げて、私の質問を終わります。
○浦野委員長代理 石川次夫君。
○石川委員 私の要求大臣で、経済企画庁長官はいつごろおいでになりますか。
○浦野委員長代理 本庁を出ておるそうですから、間もなくお見えになると思います。
○石川委員 それでは経済企画庁関係はあとから質問することにしまして、もうお昼休みになっておるので皆さんたいへんお疲れだと思いますので、なるべく簡単に質問したいと思います。 まず第一に、この前、ニクソン訪中によりまして、国際的な、特に日本に対していろいろな影響を与えたわけでありますけれども、実は外務省のアジア局長に来ていただきたかったのですがいらっしゃいません。そこで簡単に結論的に伺います。 この前、向こうに行ってパラボラアンテナその他、宇宙衛星を向こうに置いてきたという関係のときに、訪中する以前の報道として、インテルサット条約に中国も加入をしてもらうように話をしてもらいたいという新聞報道が伝えられたわけです。それがどういうふうに進展したかということについて、国際貿易課長、御存じなら、ひとつ伺いたいと思うのです。
○浦野委員長代理 まだ来ていないそうです。
○石川委員 それでは通産大臣に伺います。閣議でこの話が出ておりますかどうか。どうですか。
○田中国務大臣 全然出ておりません。
○石川委員 私は、この話を閣議で何ら討議もされなかったということはたいへんな手落ちではないかという考え方なんです。ということは、インテルサット条約に加盟するかしないかということは、ただ単にそれだけの問題ではないと私は思っておるのです。ということはどういうことかといいますと、これはソビエトは加盟いたしておりません。これはいろいろ緯度の関係もあり、それからまた自分の力でもってできるというふうなこともありますけれども、いわばアメリカの商業通信の下風に立つといいますか、そういうことを快しとしないというような面もあるだろうと思う。そういうソビエトの加盟していないインテルサット条約に対して、この大国である、いろいろな利害関係が錯綜しております中国に対して、この加盟をアメリカのほうが求めたのかどうなのか。そして求めた上でこれがどういう結論になったかということはきわめて微妙で、また重要な関係があるのじゃないか。この点についてつんぼさじきのようなかっこうに置かれていること、またそれに無関心だということになると、私はたいへんな手落ちではなかろうか、こういう感じがしてならないのでありますが、何かその点について大臣はお考えはありますか。
○田中国務大臣 いままで情報もありませんし、検討したことはありません。われわれがサンクレメンテ会談でもって、ニクソン訪中に対して、米中間でどういう話をするのかというときには、あまり貿易も拡大をしないだろうという調子でございました。やはりアメリカの製品が日本にさえも出ないのでありますから、いい品物を安くという日本が日中間で貿易が拡大していくということであって、経済問題その他でもって日本の頭越しというようなことは考えられない、こういうことでありました。具体的ないろいろな問題を話し合ったわけでありますが、そういうことで、われわれもそうかなあという感じでございました。 しかし、ニクソン大統領が訪中をする前に、いままで制限をしておった対中貿易の制限を取り払うという声明をいたしました。私もこれはどういうことかと思って検討を命じましたところ、アメリカはココムにプラスアルファということで制限をしておった、その制限をしておった部分を排除してココムの制限に戻った、こういうことでございました。 しかし、その後米中会談が進んで、最終段階において、上海中継局の施設をそのまま置いていく――私は、持っていくときに、持っていったものは持ってこられないなという感じでござい ました。そういうときにそういうことが起こり得ることを予想しましたので、私自身はココムに対しては全廃で進むつもりであるからアメリカ側の協力を求めたい、こう言ったわけでございます。全廃ということはなかなか片づかないにしても、これはひとつ基本的には日本側の提案を支持するようにいたしましょうということであったわけでございます。私は特にそのときに、拡大ECの諸君が対ソ貿易という面では非常に大きく緩和しようとしながら、日中、米中というものに対して制限をすることは望ましくない、こういうことで、少なくともパリにおける会談においては、日本の立場を理解され、応援されたい、こう言っておったわけでありまして、訪中するときに、アメリカは結局電子工学製品の最も高いものは置いていくことになるという感じであります。そうなれば、国際的な機関にも加盟の要請もあるかもしれませんし、また大体アメリカから買うものは飛行機だろう、飛行機には最高の計器が積んでありますから、そういう意味で、ココムの全廃を主張した私たちの立場というものに対してはアメリカもそれなりの理解をした、こう理解をしておったわけでありますが、その後国際条約に加盟の問題とかその他具体的な問題に対しては、今度の会談は何も漏れなかったわけであります。全然漏れないで、両国の公式な声明以外にはなかったわけでございまして、外務省にどのようなものが来ておるかは存じておりませんが、私が知る限りにおいては、いま申し上げたとおりでございます。
○石川委員 私が質問しようとする先の先まで読まれて、だいぶ丁寧な御答弁になったのですが、そうなると、私のほうの質問も勢い長くなるという心配もあるのですが、いま申しましたように、インテルサット条約に加盟させるような交渉をすることは事前に報告されておったわけです。したがって、それがどうなっておるかということは、きわめて微妙でかつ重要な問題をはらんでおる。この問題自体だけの問題ではないのだという意味で、何かその点については全然つんぼさじきでわからないということだけでは済まされない問題じゃなかろうかという感じがするので、これはいまのところわからぬというならばわからぬなりに答弁を求めてもしかたがないので、これはあきらめますけれども、しかし、これは内閣としては十分ひとつ関心を持ってもらいたいと思うのです。このことはココムの問題とは別の問題で、国際関係にも微妙な影響を与える問題ではなかろうかという感じがしてならない。単にインテルサット条約に加盟するかしないかという単独の問題ではあり得ないということを御理解の上で善処してもらいたいと思うのです。 それから、前々から川端さんからも質問され、この委員会で何回も質問したのでありますが、輸銀の融資の問題で吉田書簡がどうのこうのという問題でありますけれども、これは繰り返してもしかたがありませんが、私は考え方が三つあると思う。三つのうちの――これの廃棄、消滅はやらないということは、この前確認いたしましたから、これはいまさら申し上げてももう水かけ論だろうと思います。そこで第一点は、この吉田書簡は死滅をしたとお考えになるのか。第二の考え方は、死滅したものじゃなくて無視する、これは無視するという考え方に立つのか。それと第三番目は、無視はできないから存在を認めざるを得ないけれども、弾力的に対応していくほかないというお考えなのか。この三つの考え方のうちの一つだろうと思うのです。その三つのうちのどのお考え方をおとりになっておりますか。
○田中国務大臣 それは明確に申し上げておりますとおり、吉田書簡に拘束を受けません。拘束を受けませんということでございまして、あなたがいま申された三つの表現とはちょっと違うわけでございますが、拘束を受けません。遅疑と逡巡くらいの差はあるかもしれませんが、いずれにしても、拘束を受けないということでございます。日本語としては非常に明確な解釈だと思います。
○石川委員 これは水かけ論だからこれ以上申し上げません。ですから、私流に解釈すれば、拘束をされないということは、存在はしておるけれども無視するということですね。拘束はされないということは無視するということですよ、こういうことなんだ。でなければ、存在はするけれども、弾力的に運営するということなのか、どっちかだろうと思うのです。だから、いまの拘束をされないと言い切ったところのき然たる口調から察すれば、大体これは、存在はするけれども無視する、こういうふうに理解すべき性質のものじゃないか、こういうふうな感じがいたします。まあこれはこれ以上追及してもしかたがありませんから、これでやめます。 それでココムの問題でありますけれども、四十六年の十月から十二月まで一応の国際会議を持ちました。それから、ことしの二月の十七日から四月二十日まで、またこの問題について討議をするということになっておりまして、ニクソンが訪中をして、いわゆる宇宙衛星あるいは高度の飛行機を持っていくという交渉をしたとかしないとかいううわさもちらほら聞こえてまいりますけれども、この宇宙衛星を向こうに置いてくる……。宇宙衛星その他については、私もいろいろ調べておりますけれども、これに関連して六十品目削除というものを要求する。原則的には全廃だということでありますけれども、六十品目撤廃を要求するということを新聞の報道からは受け取っておるわけであります。 そこで、一体この一番先進的なエレクトロニクスの含まれております宇宙衛星、しかもその中継所というふうな地上の設備になりますると、これは電算機なしにこういうものはコントロールできるということはないのですね。そういうものを含めますと、かなり広範に響くと思うのですが、とりあえず、ごく限定された範囲でココムのリストではどのくらいが宇宙衛星に該当するとお考えになっておりますか。通商局長でけっこうです。
○山下政府委員 人工衛星に直接関係しますのは四、五品目だと思いますが、そのほかエレクトロニクス関係では三十品目余ございます。
○石川委員 正確に言うと、直接的には五品目だろうと思います。しかし、最も目玉商品といわれておりますエレクトロニクスを含む通信関係の最先端の技術ということになりますと、いま言ったような三十品目ぐらいになるだろう。私も認識は大体同じであります。しかしそれに関連して考えていけば、その同列のもの、これだけ先進的な目玉商品というものを出すということで関連するものは、やはり六十品目というのは、決して多い該当品目じゃないと考えるわけなんです。 それで端的に伺いますが、電算機は、向こうに一台しか持っていかないから、一台ぐらい置いてくるのだったらココムには抵触しないのだという考え方もアメリカにはあるやに聞いております。聞いておりますけれども、宇宙衛星のコントロールは別なところで、インテルサットのほうでやるかもしれませんけれども、しかし地上施設を置いてきたということになりますれば、電算機なしの運営、こういうことは考えられないわけです。そういうことを含めて考えますと、これは当然にココムリスト六十品目削除、ないし、この宇宙通信局の中国売却の代償としては全廃というのは、これはきわめてしごく当然ではなかろうかという感じがいたします。 それから、先ほどアメリカと中国との関係では、日本との経済的な交流をじゃましないとかなんとかいろいろなことをさっき回答の中でいただきましたけれども、しかし私は、必ずしもそう思っていないのです。でありますから、ココムリストの削除についてもそう楽観的な見通しは持っておりません。というのは、たとえば沖繩に二十一万バーレルの石油の精製設備がございます。ところが沖繩自体に必要なのは三万バーレルなんですね。残りはどうなるのかというと、本土上陸ということももちろんこれは考えたかもしれませんけれども、本土の現在の状態は、これは経済企画庁長官のほうでよくおわかりのように、石油精製の稼働率はいまのところ六〇%ぐらいなんですね。八〇%なければ採算点にならないのです。五〇から六〇程度の操業率ということで、これはおそらく需給がバランスするのはあと二年ないし三年はかかるだろうという状態でありますので、この石油精製設備の沖繩におけるものも、これは東南アジア、特に中国というものの市場をあらかじめ期待をし、予知をしたというふうに私は判断をしておるわけです。これは、まあここで直接の問題じゃありませんが、そういうことで、アメリカは日本と中国との経済拡大ということは妨害はしないし、アメリカは頭越しにはそういうことはやらないというふうにお考えになるのは、相当私は甘いんではないか。したがって、アメリカは相当ココムリストというものを緩和したいという気持ちは一方にありながら、日本がそれに割り込んで中国に輸出をするということについては警戒をしなければならぬという複雑な立場に置かれているということは、これはわれわれしろうと考えでもわかるのです。したがって、ココムリストの六十品目削除ということは、きわめて私は妥当だと思うけれども、なかなか困難な面もあるのではないか。しかし、これは理屈からいってといいますか、いままでの宇宙衛星を置いてきたという経緯からいって、当然私は、われわれの言い分というのは通してしかるべきではないか、こう考えざるを得ないわけです。これはもちろん、ココムリストということになれば別に中国だけではなくて、対共産圏全体の問題にまたがるわけでありますし、いまの日本の貿易の不振というものをどうやって打開するかということになれば、これなくしては打開できないんだと私は考えざるを得ない。そういう点で、六十品目削除あるいは全面削除ということを言っておりますが、これはまあちょっとステップ・バイ・ステップということにならざるを得ないでありましょうから、これは急にはやはり非常にむずかしいでありましょうが、六十品目削除というものは、少なくともこれは実現をしてもらいたい、こういう希望を強く持たざるを得ないわけであります。その点について、通産大臣の所見をひとつ伺いたいと思います。簡単でけっこうです。
○田中国務大臣 パリのリストレビューにおきましては、六十数品目、六十七品目という提案をいたしておりますが、これはもう上海中継局の問題で、確実に実現させなければならないという感じでございます。
○石川委員 たとえば電算機はどうですか、見通しは。
○田中国務大臣 今度の会議で電算機そのものが入るかどうか、除外されるかどうかということは、私もさだかな結論を持っておりませんが、米中でもって貿易をするということで問題になるのは飛行機と電算機、まあこれが目玉商品であります。私は、そういう意味でやはり電算機を入れるように言ってくるんじゃないか。電算機というものは将来――将来というよりも非常に近い時期に中国には入るのだ、入るだろう、私個人はそのように感じております。 事務当局は、いまの状態における問題でございますから、事務当局は少しかたい気持ちを持っていると思いますが、政治的に見まして、飛行機を入れ、非常に程度の高い計器を入れ、それからもう一つはいまの宇宙中継局を入れ、電子工学製品が入ってくるということになれば、もう電算機が必ず入るというのは、政治的な感覚でそう思っております。
○石川委員 いまの電算機の問題は、これは話がちょっとずれますけれども、北朝鮮からは相当日本から電算機がほしいという要望が強いんです。しかしこれは、中国と北朝鮮になりますとまたちょっと外交姿勢が変わっておりますから、まあ一律には論ぜられないかもしれません。そういう引き合いとまではいがないけれども、いまのところは、アメリカから入れるわけにいかないというので、ヨーロッパと折衝いたしております。しかし、電算機に関する限りヨーロッパよりは日本のほうが進んでおるわけです。したがって、日本のほうが近いし、日本からほしいけれどもどうにもならぬようだという見通しを持っておるようでありますけれども、こういう問題も含めて電算機の問題はぜひココムからはずすべきであるし、また中国は現実に人工衛星を飛ばしているわけですね。このコントロールその他は電算機なしには考えられないわけなんです。したがって、いまさら電算機を秘密にするというようなことは、こまかい点での技術ということはあるかもしれませんが、大まかな、基本的な点では理由はないのじゃなかろうかという感じがしてならないわけなんです。したがって、どうしても電算機は、これは目玉商品でありますけれども、ほかの共産圏にもわれわれのほうとしては進出する可能性が多いんだということで、ぜひこの点はねばり強くひとつこの解除を要求して、戦い取ってもらいたい。このことを強く要望いたしておきます。 それから、経済企画庁長官に質問することはたくさんあるのですが、きょうは時間があまりないので残念なんでありますけれども、四十七年度の経済の見通しの問題であります。これはもうすでに崩壊していますね。これを改定する御意思はありますか。
○木村国務大臣 その前に、四十六年度の実績見通しもございますが、いままでのところ、四十六年度の実績見通しにおいてもおおむね政府の見通しのラインをたどっておりますので、現時点で四十七年度の政府見通しを改定する考えは、現在のところございません。
○石川委員 どうも私はそう言われると、何を言っているんだということを言いたいのですけれども、一々こまかいことを申し上げると切りがありませんから申し上げませんけれども、たとえば民間住宅はプラス二四・三%というのが去年における見通しです。ところが、驚くなかれ、これは実績はマイナス一・五%ですよ。しかし、ことしも輸出が停滞をし、民間の設備投資に多くを期待できないということになりますと、民間消費というものに、購買力に相当期待をしなければ景気の浮揚がはかれない。また一つ、予算、財政がありましょう、金融の問題もありましょうけれども、原則論としてはそういえる。しかも、個人消費の中の柱というのは私は民間の住宅建設だと思うのです。ところが、これは去年の一月から十一月までの実績でありますけれども、プラス二四.三%というのがマイナス一・五%。これは戸数で計算をしたわけでありますから、必ずしも厳密ではないかもしれません。しかし、こういうふうにめちゃくちゃに変わっている。私は、昭和四十六年度の見通しがほぼ正しかったというふうなことはちょっと言えないのではないかと思うのです。そこへもってきて、昭和四十七年度の見通しは、もう早くも私はくずれておると見ざるを得ないと思うのです。 それは一つは、七・二%というのがGNPの伸びだ、こういうことになっておりますけれども、いまのところ一体どのぐらいになっておりますか。
○木村国務大臣 昭和四十六年度のGNPの見通し、御承知のとおり私どもはおおむね四.三%という修正をいたしましたが、この一月-三月の実績あるいは経済指標を見ますと、この四.三%は上回るという可能性が非常に強く出ております。いまのところ私どもは、昭和四十六年度は四・三%を上回って、四・五から六、七ぐらいの線で落ちつくのではないか、こういう考えでございます。
○石川委員 去年における最初の見通しは実質一〇%ですね。それを四・三%に最近になって直したわけです。ところが、それを上回るというのは経済企画庁長官の見方。ところが通産大臣は、今月の十六日に東商ビルでもって、四.三%ではなくて、四%を割って三・九%になるであろう、こういう見方をしています。それに対して、経済企画庁長官は四・三%を上回る、こういう見方なんですが、私がいま聞いているのは、四十六年ということではなくて、七・二%が一体これは可能なのか。いまのままでいけば、後半、下半期でもって大体一〇%ぐらいの成長をしなければ七・二%にならないですね、どうしても。それが七・二%のこの見通しを変えないということは、相当強気な見方だと私は思うのだが、これは私は達成できない見方だと思わざるを得ないのです。幾ら財政でもって景気の浮揚をはかってみたところで不可能だ、こう見るので、正直なところ、いまのうちにこの改定を考えておいたほうがいいのではないか。でなければ、非常に国民を迷わすことになるのではないかという見方をせざるを得ないと思うのです。この三・九%と四・五%という食い違いは、通産大臣どうお考えになりますか。四十六年の見通しです。
○田中国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたとおり、四十六年度は内需だけでは三%台でございますが、私が三・九%と言いましたのは内需でございまして、それに輸出を加えると四・五%くらい、四・三ないし四・五%になると思います、なお輸出が一、二月の程度でずっと三月も進めば四・五%をこすこともあり得る、こう申し上げたわけでございまして、さっきも出血輸出という面の御質問でございましたので、輸出は、内需が非常に低い状態でございますので、やはり輸出のほうに向いておるのが実態でございますと、こう申し上げたわけでございます。
○石川委員 国民総生産ということになれば、この成長率は輸出も全部含めたものが成長率ですね。内需が幾らで輸出がどうのというふうな分け方は普通は考えていないわけですよ。これは非常に混迷させるような表現になっているんだが、私は、正直いってやはり見通しがまだはっきり――大体四十六年度の見通しは立ったのでありましょうけれども、ここで問題になりますのは、去年の成長率四・三%をよしんば上回ったにしたところで、昭和四十年度の一番不況なときに比べてもさらに低いという現実の姿、これは否定するわけにいかぬだろうと思うのです。 それから、ことし輸出は相当通関ではふえております。たとえば四十七年一月あたりは二四・三%も去年の同月に比べてふえておるのです。通関ベースではふえております。ふえておりますけれども、これは前からの契約のものが今日輸出をされておるということであって、一月の成約のほうからいくとマイナス一二%ぐらいになっておるはずであります。それから二月がどうなっているかわかりませんけれども、二月は若干私はふえるだろうと見ているんです。それはどういうことかというと、円の切り上げがまたぼちぼち再燃をしてきたわけであります。その見通しの上に立って、早く契約をしようという動きが若干ありますから、二月は若干ふえても、これは本物ではない。したがって、輸出の関係からいっても、この四十六年度の見通しのようなことにはとうていなり得ないのではないか。円ベースでは大体同じくらいの見通しで、ドル建てにすると若干ふえるというようなことに落ちついてしまうのじゃなかろうか。こういう感じがしてならないのです。この契約の面からいうとそういうことにならざるを得ない。 それから民間住宅のほうも、この見通しでいきますとかなり大きな見通しになっておりますが、一五・六%、これはとてもそういうわけにいかないでしょう。民間の実態を見ますとそういうわけにいかぬ。私はこれを非常に期待しているのでありますけれども、これに関連する波及効果は相当大きいと期待しているのでありますけれども、とてもそういう実態ではない。これは私は計算して数字を集めてみたわけではございませんが、民間の実態も家をつくるどころじゃないという心境になっていることはこれは言うまでもないわけであって、とてもこの経済見通しの一五・六%プラスというわけにはいかないと思うのです。 それから民間の設備投資はプラス二・七%、こういう見方になっておりますね。いままでのところ、どのぐらいですか。いままでの民間設備投資は去年に比べてどうなっていますか。
○木村国務大臣 いまのところ一〇〇%――一〇〇は切っております、九九%であります。
○石川委員 民間の設備投資は大体工事ベースでもって三・四%減っております。それから支払いベースでもって四・二%も減っております。それがちゃんと調査の数字でもって出ております。ということになると、これは一〇〇%ということではないんです。したがって、これにしたって二・七%を実現させるためには、後半相当追い上げなければならぬということになりますが、大型の財政をもってこれを追い上げるということは私は考えられない。そういうことで、この四十七年度の経済の見通しは全面的にくずれ去っておるというふうな見方を私はしておるわけです。 たとえば輸出にしても、八・五%というのですが、そういうわけにはいかないだろうし、輸入のほうはどうか、ちょっと私も調べておりませんけれども、そういうことであるにもかかわらず、まあドルだけはたまるというような実態でありまして、これはまた別の機会に質問したいと思うのでありますが、民間の設備投資からいっても、GNPの見通しからいっても、それから輸出の状況からいっても、あるいは鉱工業のプラス七・五%というふうな見通し、これも民間の実態を見たら、とてもそんなことにはなっておりません。去年を維持するのが精一ぱいだというのが実態だと思うのです。とても鉱工業関係で――非製造産業のほうは、生産があがるかあがらぬか、不況であるかないかということにかかわらずふえる面もあります。ありますが、それに対して一〇%ぐらいの伸び率を期待しているのでありましょうけれども、しかし電力の関係から見ても、契約はふえておりますが消費はどんどん減っておりますね。そういうことから見て、いま四十七年度見通しはこのまま変える必要はないのだというふうにお考えになっているとすれば、その点にまた確信を持っているとすれば、たいへん政治的な、政策的なあやまちをおかすのじゃなかろうか。私は、むしろいまの時点で、この四十七年度見通しは全面的に改定するということを急いで、その上に立って、なおかつインフレというものをどうするか、あるいは財政投融資をどう生かすかというようなことを考えていかなければいけないのではないかと思うのです。これは変える必要はないんだ、確信を持っているんだというのだけれども、だれが考えてもこの数字はもう大きく狂っております。それでもやはりこの数字の上に立っていろいろな政策を進めるということを経済企画庁長官はお考えになっておりますか。
○木村国務大臣 結論としては現在変えるつもりはございませんが、先ほど御指摘のありました民間住宅にいたしましても、この一月、二月の住宅予定統計といいますか、建設省でとっております今後建設する住宅の予定計画、それを見ますと非常に著増を示しております。これはおそらく予定ですから、あと半年あるいは七カ月後に建設に着工するような民間住宅の趨勢をあらわしております。それを見ますと、私どもは昭和四十七年における民間住宅の一五・六%は決して無理な数字ではない、こういう考え方を持っております。また鉱工業生産にいたしましても、われわれは七・五%という数字は、これはもう十分達成できると思いますし、また輸出は、確かに昭和四十六年度はむしろ約十億ドルぐらいの上回る数字を、伸び率も一七・八%という昭和四十六年度の輸出の見通しを上回る二三%。しかしながら、これはおそらく今後成約の伸びがだんだん減ることでございましょうから、これは私どもこれからどんどん伸びるような期待は持っておりませんが、それだけに昭和四十七年度の見通しにおきましても、これを八・五%という非常に低い数字で押えておりますので、これもこの程度の達成は十分可能である、こう考えております。また、先ほど御指摘になりました製造業と非製造業、これは確かに製造業はたいへんダウンしておりますけれども、非製造業の民間設備投資の意欲というものは非常に旺勢でございまして、私どもは、非製造業ではおそらく一〇%ぐらいのレベルはこれを続けていくのではないか。確かに製造業では八%から九%のダウンはあると思いますが、それを総じて考えますと、私どもは決して昭和四十七年度の、先ほどの経済見通しは現時点では修正する必要はないと考えます。 いずれにいたしましても、昭和四十六年度の実績がこの五月下旬には出てくることと思いますので、その上でまた石川さんの御指摘になりましたような、政府にもし修正の必要があれば、これはその考えで修正するにもちろんやぶさかではございません。現時点ではそういう考えでおります。
○石川委員 これは一つ一つをやりますと時間がかかるし、私に与えられた時間は四十分ということになっているものですから、これ以上追及する時間がないのは非常に残念なんですけれども、全面的に見解を異にいたします。これは私の見解のほうが絶対正しいという確信を持っております。 それは公的住宅はどんどんできますよ。しかし去年の全部の統計でいきますと、公的住宅のほうは相当伸びてプラス一四・四%になっているけれども、もう民間の自力建設というのはマイナス六・五%です。それを全体として通算してみるとマイナス一・六%という数字が出ておるわけなんです。ですから公的住宅は今後とも、これはちゃんと予算にも出ておりますように伸びますけれども、民間の自力建設というものは非常に大きく下回るというのが今後とも続くのではなかろうかということを考えると、これは住宅建設の点だけでありますけれども、それ以外の問題につきましても七・五%の鉱工業の伸びなどというものはどう考えたって期待できません。私の知っている範囲でいろいろと当たってみているのでありますけれども、去年を上回るのが精一ぱいというような状態がほんとうじゃないでしょうか。 それから非製造産業というものは一〇%くらいは期待できるといいますが、一〇%上がったところで生産の誘発効果というのは非製造業は製造業の半分ですよ。生産の誘発効果というのはそう期待できるものではありません。そういうことをいろいろ勘案してみますと、どう考えても四十七年度の経済見通しについては早くも破綻をしている。破綻をしたままでその上にいろいろな政策をつけ加えるということになりますと、大きな食い違いが出てくる。したがって、ほんとうにあなたが正直に、この四十七年度の見通しというものは狂っている、これからはシンクタンクやその他を駆使して見通しというものをちゃんと立てていく――それから物価上昇の問題についても言いたいんでありますが、きょうは時間がありませんから申し上げませんけれども、大きくあらゆる面で私は狂っておると思うのです。たとえば工作機械なんかは設備投資は二百億円くらいあったものがもう五十億円くらいですね。それから自主減産をやっておるのは、不況カルテルをやっているのが三つ、減産率が二〇%から四〇%あるのが実に六業種あります。重電機それから産業工作機械、合成繊維、電線、アルミ、こういうものはほとんど二〇%から四〇%の減産を余僕なくされているという現状です。それからそのほかに石油化学なんというのは大きな目玉商品でありますけれども、これは八〇%の操業を大きく割って五〇から六〇%、これの需給がバランスするのはおそらくもう二年か三年後であろうということになっておるわけです。ところが鉄鋼なんかも九千万トンでありまして、これは一億二千万というから、大きく下回っている。それがこれ以上ふえるという見込みはございません。輸出が大いに期待できるときはそうだったのですが、去年は二〇%が普通のところ、三五%も輸出をしてやっと切り抜けたということになっておりますが、ことしはそう大きくは期待できないのではないか。 こうやって全部見通してまいりますと、民間の鉱工業が七・五%ふえるなんということは、私はちょっと論外ではないかという感じがしてなりません。そういうことからいって、この四十七年度の経済の見通しというものは大きく改定をした上に立って新しい政策というものを考えていかないと、いたずらに国民にある程度の幻想を抱かせる、こういう結果にならなければ幸いだと思うのでありますけれども、このままではその幻想を与えっぱなしになります。途中で経済の見通しを変えるということは相当ふていさいでもあるし、内閣がある意味での責任をとらなければいかぬということになりかねないという要素もあるかもしれませんけれども、このまま押しつけていいんだということ自体が、国民にたいへん失望を最終的には与えざるを得ない結果になるのではないか、こういうことになる。四十七年度の経済見通しはまたこまかく一々やればきりがない。時間がないからやれませんけれども、もうどういうところから見てもこういうことにはなり得ない。もう民間の設備投資だって工事ペースで三・四%も減っておるわけですね。そういうところからいって、これはひとつお考え直しをいただいて、そういう恥ずかしいとか責任をとらなければならぬとかそんなことではなしに、親切に経済の見通しを立ててやるという目標を立てる意味で、この経済見通しはいまのうちに改定をすべきである、こう考えます。どう考えてもそう思わざるを得ないのですけれども、企画庁長官、依然としてこの見通しは正しいとお考えになっておりますか。
○木村国務大臣 もとより私どももこれからの経済情勢の推移というものを慎重に検討した上で、御指摘の点を謙虚にまた私ども考えさしていただきたいと思いますが、先ほどちょっと御指摘になりました民間住宅にしましても、その後における住宅ローンの趨勢を見ますると、極端な金融緩和等反映して、いま御指摘のございました時点の統計よりはずいぶん変わってきております。また非製造業の民間設備投資にいたしましても、いまおっしゃった暗い面の統計はいろいろ私どもも把握しております。また、民間設備の意欲がまだ出ておりませんけれども、やはり新しい製品の開発とかあるいは公害技術の開発とか、いろいろな面で新しい面の製造部門が相当芽ばえてきております。政府の公共投資あるいは財政金融政策でもって、なるべくこれの芽を伸ばしていくという政策をとらなければなりません。そういう面から私どもは当然かたくなな態度はとるべきでないと思いますし、今後謙虚にそういう情勢を判断しながら検討していきたい、こう考えております。
○石川委員 物価の問題はきょう触れませんけれども、こういう不況下にあってもなおまた物価が上がるという問題も深刻な問題になっておるわけです。だからそういうものを全部含めた見通しを立て直す必要があるのじゃなかろうかという感じがしてならないのですが、大体輸出が景気回復には七〇から八〇%貢献しているというのは過去の実績でありますけれども、大体輸出の見通しはあまり明るくない。いまのところは通関ベースでは相当ありますけれども、契約の状態からいうと、どうも先行きあまり思わしくないというのが民間の実態であります。非製造業は御期待のように一〇%くらい設備投資がふえたとしても、生産誘発効果というのは製造業の半分しかないということ。いま言ったような公害対策の設備投資は相当大幅にふえております。これはふえておりますが、製造に対する波及効果というのはほとんどゼロですね。それをつくったという製造効果はあるかもしれませんが、生産というものを増すという効果はないわけです。 それで、いまのところは、これはいろいろ学者によって説があるのでありまするけれども、大体一月から三月ころで需給のバランスは大きく去年と狂いまして、七兆円から八兆円供給過剰だという見方が正しいと思うのです。それから設備投資はフル回転をした場合に、ことしの十月ころになれば大体十兆円くらい供給がオーバーするであろう。去年は、佐藤前経済企画庁長官と物価の問題で私はいろいろと話をしたのですけれども、そのときはデマンドプルといった、コストプッシュじゃなくてデマンドプルという要素が大きかった。ところが今度はそうじゃなくて、デマンドプルじゃなくて供給過剰、しかし物価は下がらない。この問題は深刻な問題になってまいります。これは別な機会に申し上げますけれども、需給のアンバランスというのはたいへんなものだということを考えないわけにはいかない、否定するわけにはいかないと私は考えております。そういう点を全部総合して勘案いたしますと、とてもこの四十七年度の経済見通しは、うのみにできないどころではなくて、これはたいへんなあやまちをおかしておるというふうに私は考えておるわけでございます。 したがって、この点だけについてきょうは質問して、あと物価の問題その他については、いずれ機会を見て御質問いたしますけれども、この問題は非常に重要な問題でありますから、ぜひ謙虚に反省をして、これは早目に改定をするということのほうが、国民にとって明確な指針を立てさせるということになるであろうということを考えますので、強くこの点を御要求を申し上げて、きょうの質問はこれで終わりたいと思います。
○浦野委員長代理 近江巳記夫君。
○近江委員 もう昼をだいぶ回っておりますので、皆さん方お疲れと思いますが、いただいておる時間もわずかでございますので、もうしばらくよろしくお願いしたいと思います。 〔浦野委員長代理退席、進藤委員長代理着席〕 いま中国の視察団が来ておりまして、いろいろと各所のプラント等を見て回っておるわけでございますが、相当大幅なまとまりもあるんじゃないか、こう期待されておるわけです。ところが問題になりますのは、やはり輸銀ということが問題になるわけですが、ケース・バイ・ケースということでやってきておるわけです。先ほども、この前の委員会でも、田中大臣は、吉田書簡については拘束されない……。確かにそうなんですけれども、ところが向こうではやっぱり拘束をされておるわけです。今回の視察の状況を見ましても、たとえば日航には乗らないとか、あるいは帝人ですか、工場視察の申し入れをしても行かないとか、そういう原則というものを非常に守るという姿勢を打ち出してきておるわけです。そういう点どうしても、吉田書簡というものの問題が拘束されないと大臣はおっしゃるわけですけれども、やはりそこに一歩前進のそれがないと、まとまるものもなかなか向こうは応じない、こういうことになるのじゃないかと思うのです。特にヨーロッパの中国に対する接触も非常に強力にもなってきておりますし、そういう点、一歩何らかのそういう形がとれないものかどうか、非常にくどいようでありますけれども、これは非常に大きな日中貿易のガンになっておりますので、その点重ねて大臣にお聞きしたいと思うのです。
○田中国務大臣 本件に対しては総理大臣、外務大臣、私も毎々申し述べておりますように、吉田書簡はこれは私信でございまして、お出しになった方はもうなくなっておられるわけでございます。ですから、それをどうするどうするといっても、これはなかなかむずかしい問題で、この間も外務大臣は、どうも吉田さんのところに行ってくるわけにもまいりませんしということまで述べたわけでございますが、私はそこまで申し上げなくても、この吉田さんが出したものを破棄する、これはどうして言えるのかどうか、これはむずかしいんです。ですから、もう拘束は受けません、受けません、こう言っておるわけでございます。それでとにかく私は、こういう公式の質問でなくてもいろんなことを言うのですが、母親があなたを嫁にします、こういう書簡を出した、母親はもうなくなってしまって、実際はその人と結婚しないで別な人と結婚した、そのときにおかあさんが出した、当事者でない人が出したその書簡を破棄しなければならないと同じようなものである。現に結婚するのは私である。現に輸銀の使用を行なうということの申請に対して判断をするのは政府でございます。この政府が輸銀は認めます、輸銀の使用はいたします、こう申し上げておるのですから、これ以上にどうすることもできないということでございます。そこらはどうぞひとつ――あなたの言う気持ちもわかります。私の言うこともちょっと御理解をいただきたい、こう思います。
○近江委員 大臣も非常に頭を痛めていらっしゃるし、そういう輸銀の使用ということも、ほんとうに現実の問題としてそういう意思が非常に強いということもよくわかります。しかしこの問題が解決しない限りは、やはり原則を貫くという中国の態度というのはかたいわけですね。そこで、ここで何とかひとつ――田中大臣はコンピューターといわれるすごい人でもありますし、その辺のところは、吉田さんはおられませんけれども、何らかのそこに対策がとれないものですかね。いまこれをこうやっておっても時間がたつばかりだと思うのですけれども、そういう非常にむずかしいことはよくわかりますけれども、さらにここでひとつ知恵をお出しになって、そういう検討をさらに促進をしていただきたい、このように思うのです。何か重ねるようですけれども、ありませんか。――じゃ、またこの問題は時間があるときにもう一ぺんお聞きしたいと思いますから、一ぺんいい知恵を考えてください。 それから、英国等の動きを見ておりますと、大型産業視察団、これはロンドン商工会議所を中心に、北京とかあるいは広東のそうした見本市等へも行くとか、あるいは空港の管制施設関係会社の視察団が三月下旬には行くとか、中国国内の航空路の整備計画をいろいろ考えておるとか、非常に積極性が目立つわけです。さらに中国側は、発電あるいは化学繊維関係等の両視察団を英国へ送っておる。わが国にも来ておるわけでございますが、そういうようなことで非常に活発化してきておりますし、中国において見本市を大規模なものをやろう、これはスウェーデンとか西ドイツ、カナダ等も予定しておる、このように聞いておるわけです。こういう点まだまだやはり日本のそういう全貌といいますか、そういうものについてやはり、それは中国も勉強はしておると思いますけれども、さらにこういうようにPRもやって知ってもらうことが大事じゃないかと思うのです。こういう点についてはどのようにお考えですか。
○田中国務大臣 中国に対しましては貿易を拡大してまいりたい。貿易を拡大してまいることが日中間の国交正常化に拍車をかけることである、こう考えておるわけでございますから、いま御指摘のようなできることがあれば何でもする、こういうことでございます。広州の見本市等もやっておりますが、こんなものよりももっと拡大したものをやることが望ましいと思いますし、やはり百聞は一見にしかずで、中国から訪日団が来て見ていただくということが一番いいことだと思います。まあ遠いところよりも近くでもって貿易をすることが望ましいことでございますし、やっぱり外国で、ヨーロッパ文明の中でつくったものよりも、日本は中国文明の中に今日があるのでございますから、要すれば一番中国式である、こういうことだと思うのです。そういう意味で、これからも努力をしていくことによって日中間の貿易は拡大一途をたどる、こういうことでございます。 〔進藤委員長代理退席、委員長着席〕
○近江委員 それからこの間の質問でも、今後大臣としては輸入をさらに拡大をしていきたい、このようにおっしゃっておるわけです。そこで輸入等につきまして輸銀の貸し付け対象、これは大体十一業種ということも聞いておるわけでございますが、そうなってまいりますと業種の拡大ということも大事になってくるのではないか、このように思うのですが、具体的にはお考えでございますか。
○田中国務大臣 輸入物品に対する輸銀資金の活用ということに対しては、拡大の方向で検討いたしております。
○近江委員 具体的にはまだ考えていないのですか。たとえばどういうものとか。
○田中国務大臣 先回輸入ユーザンスの期間等を延長するということをやっておりますが、これは品目をどの程度に拡大するかいま考究中でございます。
○近江委員 時間がありませんので木村さんにお聞きしたいと思うのですが、新全総の衣がえということがいま経企庁においても作業を開始したと聞いておりますが、昭和四十四年の五月ごろだったと思うのですが、新全総が閣議決定されまして、そしてもういまの時点で衣がえをしなければならぬ、こういう事態を迎えておるわけです。こういう短期間の間で衣がえをしなければならないというような事態に立ち至った。これは一面から考えると、経企庁のそういう見方というのは非常に甘かったのではないか。今度衣がえをしても、また数年でそういうことになるのではないか。何といいましてもこういう全体計画というものは、やはりわが国の今後の国土開発を考えていく上において骨格になるものでございますし、そういう骨格なりあるいは基本的な方針というものを事あるごとにそのように変更していくということは、わが国にとって非常に大きなマイナスだと思うのです。その点、今回これを衣がえされることについて、われわれ決して悪いとは思いませんし、ほんとうに実態に合った、将来を的確に見通したそういうすばらしいものをつくってもらいたい、このように思うわけですが、そういういままでの経過を考えて長官としてはどういうように反省され、また特に衣がえをしなければならなくなったそういう根本的な問題点についてはどのように把握されておりますか。
○木村国務大臣 私は、新全総の基本的な考え方、構想というものは、この事態に別にマッチしていないとは思っておりません。環境問題について申しましても、確かに基本的方向に環境問題を非常に強く取り入れております。しかしながら、その後における経済社会情勢の変化というものもあまりにも急激過ぎた。したがって、わが国の経済成長も、当時四十三年、四十四年に考えておりました率よりもはるかにこれを上回って、一三、一四%まで実質いったというような変化もございます。 また環境問題新全総を策定いたします当時、すでにその基本的な方向に取り入れてはおりましたけれども、その後における国民の価値観の変化とかいろいろな社会情勢の変化が、やはりこの環境問題、また自然保護に対する要求というものが、その当時の予想を上回るような熾烈なものになったという点を考えますと、やはり基本的方向は誤っていないと確信しながらも、この際、新全総計画というものは一応総点検する必要がある、こういう考えでございまして、総点検した上で、どの程度これを軌道修正すべきかということは、その後の検討にやはりまたなければならない、そういう考えでございます。
○近江委員 それで今後のスケジュールでございますけれども、どういうようにお立てになっていますか。
○木村国務大臣 ちょうど御承知のような新経済社会発展計画、これは総点検というよりむしろ私は修正すべきものであるという考えで改定作業に取りかかっております。それと、この新全総の総点検をちょうどタイミングを合わしていくほうがいいではないかということから申しまして、大体この新全総計画の総点検にもうすでに取りかかっておりますが、おそくとも本年中には一応の取りまとめをいたしたい。また、いま関連を持つと申しました新経済社会発展計画の改定作業もおよそ秋口には大まかな見通しを得まして、その全体の完成は本年中にやりたい、こういうことでいま作業を進めております。
○近江委員 あと岡本委員に譲ります。
○鴨田委員長 岡本富夫君から関連質疑の申し出がありますので、この際、これを許します。岡本君。
○岡本委員 最初に田中通産大臣にお聞きいたしますけれども、通産大臣は先ほど近江委員の質問に答えて、吉田書簡についての答弁がありましたけれども、中国大陸に対して、わが国が日支事変から約一千万人の人を、中国の国民を殺しておる。そして、私もそのうちの一人ですけれども、私は殺したことはないのですが、そういうことで、当時の軍国主義、軍閥が中国に侵したその侵略は、この前、佐藤総理は、確かに申しわけない、こういうような謙虚な反省をしておる、こういうことの答弁がありましたけれども、通産大臣としてどういうふうにその点をお考えになっておるか、その点をひとつ……。
○田中国務大臣 私も昭和十四年から十六年の末まで、満州に兵隊として勤務をいたしておりました。しかし、私は人を殺傷したりすることをしたようなことがなかったことは喜んでおります。しかし、私自身も第二次戦争で友人をたくさん失っておりますから、その実態を承知をいたしております。また報道せられたいろいろな事象に対しても、中国大陸にたいへんな御迷惑をかけたということはほんとうにすなおにそう感じております。日中の国交が復交せられるときの第一のことばは、やはり、たいへん御迷惑をかけましたと、心からこうべをたれることが必要だと思います。再びかかることを両国の間には永久に起こしてはならない。少なくとも、日本は過去のようなことは断じて行なわないという強い姿勢を明らかにすべきだと思います。それはもう憲法に定めるとおり、どんな紛争でも武力をもって解決をしないという明文がございますし、この明文どおりわれわれはそれを貫くという姿勢は明らかにすべきだと思います。
○岡本委員 わが党は決して中国追従ばかりでなくして、今度訪中もいたしておりますが、相当強い姿勢で、何といいますか、向こうの言い分も謙虚に聞き、また国民の感情も率直に伝えたいというわけで、第一回の訪中をしたわけでありますけれども、結局訪中団の報告を聞いても、中国は非常に原則を重んじる国です。今度の米中会談を見ましても、体制が異なる、こまかい問題については意見の合わないところもありますけれども、結局原則というものをきちっときめて共同声明を発表しておる。したがいまして、この吉田書簡につきましても、これはもうなくなった人がやったのでわれわれ関係ないんだ、そういうような御答弁でありましたけれども、やはり原則としてはこれはもう破棄すべきなんだ、こういった原則論を出していきませんと、やはり中国は――しかも日本政府がまだ中国と対等な気持ちでやろうとする間はだめだと私は思うのです。いまあなたがおっしゃったように深い反省の上に立って、そして謝罪すべきは謝罪しながら今後友好を進めていく、こういうことでなければならないと思うのでありますが、そういう面から見れば、やはりここで日本政府としては、吉田書簡は、もうわれわれはこういうものを廃棄するのだ、こういうはっきりした態度を打ち出すべきである、それでなかったならば、日中国交回復の端緒というものはつかめないのじゃないか。これは外務大臣あるいは総理大臣の答弁も必要でありますけれども、少なくとも、次の総理をねらっていらっしゃる、あるいはまたそういう実力大臣といううわさをされている田中通産大臣の現在の立場における御答弁としてお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
○田中国務大臣 私は、先ほども申し述べましたが、商行為の上では契約の破棄もございますし、何でも手段はございます。しかしこの吉田書簡というものは私信である。私信を一体廃棄するようなことが可能なのかどうかという問題がございます。ですから、吉田書簡がいかなる歴史を持つものであっても、いかなる内容のものであっても、政府はこれに拘束を受けません。これだけ明確に言っておるのでございますから、特に中国文化の中に育ってきた日本でございますので、メンツを重んずる、そういうことを特に重んずるのが東洋文明であり、そういう意味で、中国自体も、日本政府がいま当面しておるこの吉田書簡問題に対しては、私は理解が示していただけると思うのです。これは、実際破棄できないものを破棄する、こういうことをもし言ったとしたなら、それはもう目的のためには手段を選ばない、それこそやらぬと言ったってやるかもしれぬ、こういうことになる。やらぬと言ったらやらぬ、拘束を受けぬと言ったら拘束を受けない。そこらが、やはり国情も体制も違うし、お互いに内政不干渉であるし、こちらが輸出をしようとすれば――アメリカへ輸出しようとすればやはりアメリカの制度に従わなければなりません。私はそういう意味で、どうもこの問題だけで日中の交流が進まないというふうには考えておらないのです。第一、むずかしい問題じゃありませんか。吉田さんというもうすでにこの世にない方が私信としてお出しになったものを、それを破棄するとか破棄しないとかいうことを――私自身も暮夜ひそかに考えるのです。あなたですから率直に申し上げますと、自民党とは対決する、自民党は敵だ、こういうことを前委員長が言われた。いまは仲よくするというときに、前委員長の発言を取り消さなければ自民党と民社党と仲よくできないか、そういったら私は非常にむずかしい問題じゃないかと思う。個人の家についても、確かに親がいろんなことを言ったことがあります。そういうものも、もうすでにこの世にない人の発言とか書簡とかというものが東洋思想の中で一体取り消せるのかという問題、それが効力を持ち、自民党政府を拘束しており、日中間の交流のために障害になっておるのなら別でございます。そうではない。拘束を受けない。私自身もこれは真剣に、通産大臣になったときから一番困難な問題はこれかもしれぬ、こういってほんとうに考えたのですが、やはり内閣の統一見解といいますか、どうもそれしかないような気がします。 これはともかくそれ以上のことを申し上げると、いろんな物議をかもすかもしれませんから、いまのところは以上でございます。
○岡本委員 そこで、わが国の政府がやはり中国と対等だという考え方、もう一つは、サンフランシスコ条約ですでに中国と平和条約を結んでいるのだという考え、原則、私はそこらあたりが間違っておると思うのです。まだ戦争状態というものが、わが国はどちらかといえば敗戦したわけですから、この吉田書簡につきましても、こっちは別にそんな拘束をされないし関係ないのだというけれども、相手国である、どちらかといえば戦勝国である中国から、こういうものはもう廃棄したらどうなのだ、そういうことが将来中華人民共和国と平和条約を結ぶ上において必ず私は原則論として出てくると思うのです。きょうは私このままやっていきましても、大臣いまの立場でお答えにくいと思いますから、一応検討をしておいていただきたい。 そこで、予算委員会でわが党の矢野書記長に対して佐藤総理が、台湾は中華人民共和国の領土の一部であるというような答弁をなさった。その後福田さんが横やりを入れて、法的に違うのだ。いろいろなことで相当問題が起こりましたけれども、確かにそのときは佐藤さんの心というものも、あの国連におけるところの逆重要事項指定方式あるいはまた二重代表制が負けた、あんなに負けるとは思わなかったけれども負けちゃったので、非常に動揺が来ていたと思うのです。ところが、サンクレメンテにおいての会談からこっちは、非常に佐藤さんが台湾条項について高姿勢になっておる、こういうようにも考えられるわけでありますけれども、私はおそらくサンクレメンテにおいてアメリカは台湾はすぐには放棄しないのだ、こういうような――要するに日本向けの顔と中国向けの顔、二つあるわけです。これも外交の一つであろうと思いますけれども、そうしておりますと、日本を韓国、台湾にくぎづけにしておいて、そうしてアメリカはこれからどんどんと貿易をしなければならぬ、何としても中国と貿易をしよう、こういうことで米中貿易がどんどん盛んになってくる。日中貿易と米中貿易をこう考えてみますと、日中貿易のほうが地理的にも非常に近いし、それから非常に有利なんです。ですからどうしても日本を韓国台湾にくぎづけにして日中国交回復をおくらせて、その間にやろうとするのがアメリカのやり方ではないかと私は思うのです。したがって、私はこれから対米追従外交あるいはまた貿易政策、これをあまりにもとっておりますと、それは将来はうまくいかないのじゃないか、破綻を来たすのじゃないか、こういうようにも考えられるのですが、その点ひとつ大臣のお考えを……。
○田中国務大臣 アメリカの著名な学者は、米中接触が起こっても米国と中国との貿易はそんなに伸びないだろう、六億ドルが限度であり、十億ドルが限度であるというようなことを言っておりますが、私は必ずしもそう思いません。今度のニクソン訪中を見ても、米中問の貿易というものは別な意味で拡大するだろうと思います。それは何かというと、電子工学製品の非常に精度の高い宇宙中継基地を上海に置いてきた。私は、飛行機の製造能力、一番コストが安いのはアメリカでありますから、飛行機、計器類、そういうものが入るということになれば、これは金額は非常に大きなものになりますから、そういう意味で米中間というものは大きくなる可能性がある、こういうふうに見ております。 ただ、アメリカと日本との競合というものはどうかといったら、これはアメリカは日本にも拡大ECにも、一次産品を自由化してくれといっておるのですから、アメリカが余っておる飼料とか小麦とか、一次産品というものを中国に輸出できるはずはないし、中国から生糸を買ったりいろいろなことができるはずはない。そういう意味でこれはそういう面からはふえない。ですから、家電製品その他いろいろな生活必需品とか、プラント類とかそういうものはやはり日中間でやるべきである。私はほんとうにそういう考え方を持っているのでございますから、まして日本がアメリカ従属などという考えは全くございません。これはさんざん文句を言って一年間休戦、こういうことをやってきたわけであります。むしろ、合繊等で休戦というのでございますから、それはアメリカにたよっておるということではなく、独自の考えで日中間は進める、こういうことでございます。
○岡本委員 その点を意見として申し上げたわけでありますが、そういった非常に深い考え方を持ちながら今後の日中国交回復あるいは日中貿易、これについてひとつ積極的な取り組み方をしていただきたい。これを要望しておきまして、時間がありませんから最後に一問だけ。 これは沖繩関係の問題でありますけれども、明日沖繩の海洋博についての質問を申し上げますが、その前に一つ要望しておきたいことがあります。そのときにひとつはっきりした御返答をいただきたいから私申し上げておくのですが、今後沖繩の開発については、特に海洋博あるいはまたいろいろな問題については通産省が相当主導権を持たなければならぬと私は思うのです。そこで沖繩を再び日本のような公害列島、公害国にしてはならない、これは大臣もお考えだと思うのです。ところが、沖繩振興開発金融公庫の貸し付けの四十七年度の要求を見ますと、沖繩電力あるいはまた配電会社、こういうところへの貸し付けは所要金額の八〇%という融資比率になっておって、融資金利が五%なんです。それに対して公害防止に対するところの融資比率は七〇%で金利が六・五から七%というように、少なくて高いというのが公害関係の融資比率になっておる。こうなりますと、おそらく企業は公害防止に対する融資率が少ない――これは当然逆でなければいけないと私は思うのです。ほんとうであれば、一〇〇%融資します、金利も安いです、だから公害対策だけはきちっとしなさいというような姿勢でなければ、今後の沖繩開発においてはうまくいかないのではないかと思うのですが、この点の修正といいますか、検討して修正するというお考えはいかがでしょうか。
○田中国務大臣 修正ということはいまのところむずかしいと思いますが、まあおいおい、これから公害問題等が起こらないように、資金上また条件等の改善をはかっていかなければならないということで御了承いただきたいと思います。理屈を申し上げるようで恐縮でございますが、沖繩電力というのは公益企業でございまして、当然県民全部が利益を受けることでございますし、もしそうでなければ、電力料金が引き上げられるというようなことになりますので、電力とかガスとか水道とかというものは、最も補助金を出すというようなかっこうでそういうことになっておると思います。それじゃ公害は違うのかということでありますが、そうではなく、公害は本土における公害と平灰を合わしておると思います。公害というものは、しいていえば企業者、原因者負担が原則なんだ、しかし政府の金融機関その他が施策を加える必要がある、理屈でいうとそういうことでございますが、私はそれだけのことを考えておりません。これは本土の公害融資に対してもできるだけのことをしなければならないわけでありますから、これは生命をおかすということになりますので、そういう意味で本土の公害防除施設に対する融資、条件というようなものとあわせて、これから改善の方向に努力をいたしますので、その点御了解いただきたいと思います。
○岡本委員 聞くところによると、無過失法案も通産省あるいは財界等から非常に圧力があってああいうように骨抜きになってしまった。環境庁長官は非常に残念だというようなことを言っておりましたけれども、そういうことから考えますと、やはりここらで大臣ひとつ英断をもって、少なくともまだきれいな沖繩を――商工委員長と一緒にずっと回らしてもらったら一部悪いところはありましたが、特に沖繩に対して企業が進出するにあたっては、やはりこの方面の配慮が相当必要であろうと私は思うのです。もうけるだけもうけて、そして内地へ引き揚げてしまうというような企業のあり方ではいけません。しかし企業というものは、そういった誘い水が相当必要であろうと私は思うのです。したがって、いま大臣が今後改善していこうという姿勢を示されたので、きょうは了解しておきますけれども、明日はまたここでひとつ……。 たいへんおそくなりましたが、ありがとうございました。
○鴨田委員長 次回は、明二十二日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十四分散会