社会労働委員会 第34号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/06/06
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 勤労婦人福祉法案を議題といたします。 質疑の申し出があります。順次これを許します。川俣健二郎君
○川俣委員 勤労婦人福祉法案、高邁な憲法論から質疑が始まったのは、私も聞いておりましたが、ひとつ私は、むしろそれよりも、現実に働く婦人という、これは全くこれほど現実問題はないので、代議士のまわりにはいろいろな婦人がおります。未婚の婦人、それから結婚したばかりのほやほや、それからいわゆる育児に追い回される婦人、それからぐっと落ちついて内職でもやって、へそくりでもためようかという婦人、それから農村婦人等々いろいろありますけれども、局長はこれに取っ組んでくれるという、私らも大いに応援体制を組まなければならぬのだけれども、ひとつ、勤労婦人福祉法案を、ほんとうに、率直に、どういう気持ちで出されたのか、そのひとつ忌憚のないところを伺って、質問に入りたいと思います。局長からひとつ……。
○高橋(展)政府委員 私ども労働省の婦人少年局といたしましては、かねてから働く婦人の保護、福祉の増進ということにつきまして、大きな関心とまた政策の上の努力を続けてまいったところでございますが、近年と申しますか、特に昭和三十年代以降、わが国におきまして、働く婦人の姿と申しましょうか、婦人の働き方と申しましょうか、あるいは婦人の雇用パターンと申しましょうか、そのようなものが非常に大きく変わってまいりました。まず第一に、非常にたくさんの婦人が職場に出るという現象が顕著になってまいりました。それ以前は、どちらかというと、特定階層の一部分の方たちが働くという姿が多かったのでございますが、今日ではあらゆる階層にわたりまして婦人が職場に出て働くという現象が顕著でございます。また、その中でもとりわけ顕著なのは、婦人が結婚をしても働く、あるいは子供を持っても働く、このような動きが三十年以降著しく進行してまいったわけでございます。たとえば、今日におきましては、全国で一千百万の婦人が働いておりますが、これは全雇用者の三分の一でございますし、また、十五歳以上の全女子の人口の四分の一でございます。つまり、十五歳以上の日本の女子の四人に一人が職場に出て働いているという、そのような現象でございます。また、その中の五四%が既婚者でございます。また、その中のおおよそ半分が中学生以下の子供を持つ、このような状態に婦人労働力の形が著しく変わってまいっております。また、婦人が職場に出て働くその動機というものも非常に変わってまいりまして、ただ単に経済的な理由、つまり所得を得るということのほかに、みずからの能力を生かそう、あるいは社会参加をしたい、そのような意欲も顕著にあらわれてまいったように思うわけでございます。 そのような婦人労働の大きな動きの中で、新しい課題が出てきたように思います。それは婦人が家庭生活と職業生活との調和をはかりながら、その能力を有効に発揮する、そして充実した職業生活を営む、このような要求であろうかと思います。そしてこのような要求は、これは婦人の要求であるのみならず、やはりわが国の社会全体の安定成長のためにもきわめて重要な課題であると思うのでございます。このような課題に対応いたしますのには、従来からございますところの労働基準法、職業安定法、その他の労働関係の法律では必ずしも十分にそれらの要求、要請、課題に対応しきれない、新しい視点から新たな立法措置を講じまして、婦人の職場の内外にわたる生活全般を通じて、福祉を進めていくためのよりどころとなる法律というものがぜひ必要である、そのような考えを数年前から持っておりました。それをいろいろな調査の裏づけ等で確かめた上、婦人少年問題審議会にもおはかりいたしまして、御意見を伺いつつ構想をまとめまして、法案の準備をいたした、そのような次第でございます。
○川俣委員 そうすると、「勤労婦人の福祉」と、こう書いているから、福祉となれば厚生省の管轄になると思う、しかし婦人少年局という特別な機関を持っておられるだけに、あえて「勤労婦人福祉」とつけた、その辺もひとつ聞かしていただきたい。
○高橋(展)政府委員 御指摘のように、福祉ということばは、ややもいたしますと、厚生分野と申しましょうか、あるいは民生分野と申しましょうか、そのような分野で多く使われている用語でございます。また語感といたしまして、ややもしますと、ハンディキャップのある者に対する救援というようなニュアンスがないとはいえないかと思いますが、しかし最近の福祉という用語の用い方はもっと積極的な意味合いで、たとえば福祉国家というように用いますように、人類のあるいは社会の構成員の利益、幸福を増進するという前向きの意味に使っている例が最近は多くなっているわけでございまして、私どもも勤労婦人の福祉を増進するという際には、勤労婦人が哀れだから、それを助けるというようなことではございませんで、前向きに勤労婦人のより大きな幸福というものを実現してまいる、そのような姿勢で臨んでいるつもりでございます。
○川俣委員 そうすると、たとえば会社でもどこでも、厚生というのは大体労働の中に入っているのです、部か、課か、係か、分かれるのは別として。それは再生産という考え方が厚生の分野に考えられておったわけです。ところがいまの局長のお話だと、もっと前向きに、働いておる婦人の福祉方面だけを考えるのではなくて、働いている婦人の職場、賃金その他いろいろなところへ積極的に入っていこうという意図があるわけですね。その辺どうですか。
○高橋(展)政府委員 ちょっと御質問の趣旨を十分に理解できなかったかもしれませんが、私どもが使っております福祉というのは、狭い意味ではなくて、広い意味に考えておりまして、それも前向きの意味で考えております。またその限りにおきまして、福祉という場合にはかなり抽象的な概念でもあるかと思います。
○川俣委員 それでは、私もあなたの気持ちをもう少し理解したいのは、勤労婦人というものをあえて取り上げて福祉を取り上げようとするのは、勤労婦人と名前がつく以上は男性に対してだと思うのです。そうすると、あなたは御婦人でもありますし、仕事が仕事であるから、男性に対して勤労婦人福祉というものを国の立場で叫ばなければならない社会情勢は、あなた、どのように感じ取っているわけですか。やはり叫ばなければだめなのか。そんなに勤労婦人の福祉を取り上げなければならない世の中であるのかということです。
○高橋(展)政府委員 先ほども申したところでございますが、近年婦人の職場進出が非常に著しいわけでございます。またこれが、今後の予測といたしましても、ますますその傾向は強まるであろうというのが一般的な観察であると思います。すなわち婦人の労働というものに対するわが国社会の要請というものは、非常に強い。また婦人自身も、職場に出て働くということの中に社会参加あるいは自己充実といったものを見出そうとする意欲が非常に強いわけでございます。それらの両方の要請というものを満たしていくということは、国家にとって、社会にとって非常に重要なことであると思います。特に婦人が婦人であるために、職場に出て働くことにはいろいろと困難があるわけでございます。それらの困難を排除して、そして関係者が一つの共通の理解、理念を持ちまして婦人の問題に取り組んでいくということのためには、そのよりどころとなるところの基本的なこの法律を定めまして、そして国も地方公共団体も事業主も、また働く婦人自身も、働くということの意義についての理解を持ち、また婦人の能力の有効な発揮、それから家庭生活との調和ということのために一貫した共通理念のもとにそれぞれの立場で施策を進め、努力を重ねていくことがきわめて重要な課題であると思います。
○川俣委員 そうだとすると、婦人が世に出る世の中になった、ところがかなり難関とか障害がある、こう認めているわけでしょう。だとすれば、せっかくの基本法なら、婦人が働きに出る、社会に出る、それを受け入れるほうの需要者側を規制する基本法案なんですね。だとすれば、女だからといって差別するなよということをまず旗上げしなければだめなんじゃないですか。大臣、その辺はどうですか。
○塚原国務大臣 この法案はあくまでも男女平等、同権の立場に立って、性別は問わないで立案されたものであります。いまの質疑応答の中で、女性はかよわきものであるというような概念が入っておるようなふうにもとりましたけれども、婦人の占める役割りというものが、三千万のうち一千百万が婦人であるという局長の答弁もありましたように、もちろん婦人が職場に出るか、家庭にあるか、それは婦人が主体性を持ってきめるべき問題ではありましょうが、これからの産業構造、経済情勢に応じて、やはり勤労婦人の占める役割りというものは非常に大きなものがあるというふうに考えますので、この法案がつくられたということは、ちょっと横道にそれましたけれども、あえて性別をつける必要はない、あくまでも男女平等の立場であるということだけははっきり申し上げておきます。
○川俣委員 だから、女性はかよわいものだとは私は思わないのですよ。かよわくないんだ。たいへんなんだ。そうじゃなくて、女だからと差別して使ったり、賃金に差をつけるなということを労働省が言わなければだめじゃないかというのです。どうですか。
○高橋(展)政府委員 大臣からも申し上げましたとおり、私どもの考え方といたしましては、もちろん職場で婦人が性による差別を受けることはよくない、そういう考えに立っているところでございます。ただこの法案自体におきましては、性別による取り扱いの禁止というような点につきまして端的な表現はございませんが、その基調として、両性の本質的な平等あるいは性による差別を排除する、そのような思想に立っております。たとえば第二条の(基本的理念)というところに、この福祉法の志向するところの目標のようなものが描かれているわけでございますが、その中で、勤労婦人につきましては「母性を尊重されつつその能力を有効に発揮」するというように特にいっているわけでございます。母性を尊重することによりまして両性の実質的平等をはかるということが可能でございますし、また「能力を有効に発揮して充実した職業生活を営む」というような表現によりまして、現在ときどき見受けられる婦人に対する偏見であるとか、不合理な差別的取り扱いを解消していくことを目ざしているつもりでございます。
○川俣委員 その気持ちはわかるけれども、大臣がおっしゃったのが基本なんです。ただ、あなたがそれを事務局としてやる。「母性を尊重されつつその能力を有効に発揮して」、こうなるのだけれども、会社のほうからいわせれば、母性は尊重しなければならないから、結婚したら退職しなさい、子供を持ったら退職しなさいということになっているわけでしょう。だけれども、結婚すれば子供は生まれるし、男が結婚する以上は女だって結婚するわけだから、やはり基本法としては、差別することなく、というようなことを強く打ち出さなければだめじゃないかと言うのだ。局長、どうですか。母性を尊重しなさいと社長に言ったら、社長は、尊重する、尊重するから結婚したらやめてもらいますと言うのだ。それでは能力が発揮できない。どうですか。
○高橋(展)政府委員 母性を尊重されつつ能力を発揮するということは、先生がただいま御指摘になられたようなことではなくて、母性というものを尊重しつっということでございますが、ただ基本理念で申し上げますと、確かに先生がおっしゃるような解釈をされる可能性もあるかと思いますが、この法案の中で、たとえば第五条は啓発活動をうたっております。その中でさらに詳しく「勤労婦人の能力の有効な発揮を妨げている諸要因の解消を図る」ということをいっております。これは主として職場における労務管理体制の中における不合理な阻害要因を解消して、本質的に平等な処遇を要請するということを内容としたものでございます。
○川俣委員 それでは、考え方としては、女性だから差別するなということをうたっているわけですね。それが思想にあるわけですね。その辺はどうですか。
○高橋(展)政府委員 それは当然でございますし、また憲法その他におきましてもそのような原則のことが定められているわけでございますから、この法案の前提としてそのようなことは当然に踏まえているつもりでございます。
○川俣委員 それでは、結婚退職というのをうたっている状態、これは民間の場合でしょうけれども、どのように把握しておりますか。 〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
○高橋(展)政府委員 企業の中におきまして、女子の従業員に対してのみ結婚したらやめるのだというようなきまりを何らかの方法できめております場合、結婚退職制というように呼んでおりますが、そのようなことを行なっている事業所が残念ながらあるわけでございます。私どもの調査によりますと、結婚したらやめるという、いわゆる結婚退職制を実施しておりますものが約六%、それから出産退職制を実施しているものが約二%ということでございます。これらの退職制を行なっております場合、その制度をどのようにして取りきめているかという点について見ますと、その六割は慣行ということで、特に厳密な契約ではないようでございます。その残りが就業規則あるいは労働協約によって定められている、このような状態であるというふうに把握いたしております。
○川俣委員 結婚したら退職するなんということは慣行であって、規則にないなんて、それはちょっと甘いよ。どこかに落とし穴がある。それは就業規則にもうたえないし、労働協約にもうたえないのだ、労働組合がある以上はね。ところが、入れてくれ、採用してくれ、会社で働きたいという個人誓約書があるのだが、それにうたわれているのだよ。それはちょっと局長、そういう甘い見方をして勤労婦人の福祉を考えるのは無理だよ。そういう考え方では無理だよ。 では、ちょっと法制局に——就業規則と誓約書と労働協約、大体こういうのが労働者を拘束しているわけなんだが、その優劣というか、何が一番優位に立つものなのでしょうか。
○林(信)政府委員 これは川俣先生すでに御承知のことと思いますが、労働基準法及び労働組合法に規定がございます。まず第一順位は労働協約——もちろん労働基準法そのものは第一順位でございますが、労働協約、それから労働契約書、こういう順序になろうかと思います。
○川俣委員 労働協約、就業規則それから個人誓約書、こういうように確認をしていいですか、どうですか。
○林(信)政府委員 いま誓約書とおっしゃいましたが、誓約書というのはちょっと趣旨がよくわからないのでございますが、それが契約であるとすれば労働契約、これが一番下の位、順番になると思います。
○川俣委員 そうすると、結婚退職というのはずいぶん法廷闘争がやられているのだが、ほとんど労働者側の勝訴に終わっていますね。これはどうですか。
○林(信)政府委員 結婚退職あるいは女子の若年定年、似たようなものかと思いますが、相当下級審の裁判例ではあるようでございます。私その一々についてしさいに検討したわけではございませんが、多くの下級審の裁判例は使用者側が負けているという例が多いように聞いております。ただ、使用者側が勝ちました例もないわけではございません。お尋ねの点がもし法律的な点をお尋ねであるといたしますと、これらの裁判例を通じまして大体看取できますことは、まず憲法十四条の平等性違反ではないかという争い、これが大体中心になっておるようでございますけれども、裁判所の裁判の理論構成といたしましては、憲法十四条違反だから直ちに無効であるという構成ではございませんで、これはあくまで私人間の契約である——憲法十四条は国家と個人の関係を規定するものであって、個人対個人の関係を規定するものではありません。それでは個人対個人の関係はどうか、こういう問題になるわけでございますが、この点に関しましては、まず契約法の世界でございますから、契約自由の原則というものが前提にございます。これに対しまして民法九十条の規定がございまして、「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス」とうたってございます。そういたしまして、さらに民法の第一条の二でございますが、「本法ハ個人ノ尊厳ト両性ノ本質的平等トヲ旨トシテ之ヲ解釈スヘシ」、こういう規定がございます。これらの規定をあわせ考えまして、一体個別の具体的なケースについてその契約が無効であるかどうか、こういう争いが出てくるわけでございますが、裁判所の判断、考え方の傾向としてはまず差別的扱いであるかどうか、そういうことがおよそ性別を理由にして一切許されないものであるかどうかということでございますが、この点はまず法律的理由の有無ということを問題にしておるわけでございます。つまり法律的理由があれば場合によっては差別が許されるということになるわけでございます。しかし法律的理由というのは何であるか、これまたむずかしい問題で、まさにケース・バイ・ケースについて諸般の事情をいろいろ考慮しなければならぬわけでございますが、先ほど申したように、裁判の大体の傾向としてはどうも使用者側が負けておるケースが多いということでございまして、私どもの立場からはこういう裁判例の積み重ね、これを待ちまして様子を見ておるということになると思います。
○川俣委員 局長、そのとおりなんです。あなたは結婚退職というものをどう思いますか。
○高橋(展)政府委員 一般的に申しまして、まことに残念なことだと思います。
○川俣委員 これは残念では通らないよ、この法律で行政指導をやるわけだから。そういう会社に対していままでどういうことをやってきましたか。
○高橋(展)政府委員 私どもとしては、現在の婦人労働の問題の中で最も残念な点がこの結婚退職あるいは若年定年制にあると言っていいほど、これらの制度実施については遺憾に思っているところでございます。で、従来から結婚退職制あるいは若年定年制に対しましては、これが直接基準法の条文に抵触することはないといたしましても、基準法の趣旨に反することであり、もちろん憲法の趣旨にも反することであるという見地から、これを改めるよう行政指導を行なってまいっております。で、本省といたしては、婦人少年局あるいは基準局の下部機関に対しましてこの旨の通達をかねて出しまして、これらの通達はむしろ裁判における判例などが出る前の時期からそのような通達を出しまして、これらの事態の改善に努力してまいっているところでございます。
○川俣委員 その通達の効果というのはどうですか。
○高橋(展)政府委員 まあ下部機関のほうではその通達の意を体しまして鋭意努力いたしておると思います。しかし残念なことに、現在でも若干の事業所においてこのような例が見られているという現実はあるということでございます。
○川俣委員 そうなんだ。非常に残念な問題が起きている、通達をしても言うことをきかないので非常に残念だ、これではいけないので、こういう機会にこそ、こういう法律をつくるときに旗上げすべきではないのか。 では角度を変えて聞きますけれども、この勤労婦人福祉法がなければ、局長は行政指導をしにくいですか。というのは、さっきから出ておるように、憲法あり基準法あり保護法ありということで、それをたてにして行政指導をやれないかね。
○高橋(展)政府委員 もちろん、ただいま御指摘のような法規等を根拠として行政指導は可能であり、従来も行なってきたわけでございます。しかしなかなかそのことの改善が十分にいかないという現実でございます。私どもといたしましては、この結婚退職制あるいは若年定年制といったものこれはわが国社会にきわめて特有な現象でございます。もちろん外国に例がないことはございませんが、外国の場合は非常に特殊な職業の場合などにこの結婚退職制などが実施されて、それが裁判になったりいたしております。しかしわが国の場合はむしろ一般的な事務職といったような分野で、この結婚退職制あるいは若年定年制等が見られるわけでございまして、いわばわが国に特有ないろいろな要因というものがその背後にあると思います。いろいろ要因はあるわけでございますが、やはり基本的にはわが国社会における従来の婦人労働の位置づけと申しますか、そこに問題があるのではないかと思うわけでございます。すなわち婦人の労働というもの、婦人が働くということにつきましての無理解ないし偏見といったものが、根本に非常に横たわっているのではないかと思います。婦人の働くことについてのべっ視というはなはだしい例もかつてはあったわけでございましたし、今日においてもはたして十分な理解が各分野に見られるかというと、いろいろ残念な点もあるように思います。 そこで、この法律案を準備いたしまして、この法律案の中で、勤労婦人というものはどういうものであるべきか、勤労婦人の福祉というものはどういう方向にあるべきかということを明らかにいたしまして、たとえば(基本的理念)の中で、勤労婦人というものは「その能力を有効に発揮して充実した職業生活を営むことができるように配慮されるものとする」ということをうたっております。このように勤労婦人というもののあるべき姿を一体的にとらえて明示したということは、今回が初めてでございます。従来の労働関係法規で、労働条件の分野あるいは職業指導の分野等でそれぞれ婦人の保護、福祉はもちろん行なっておるわけでございますが、勤労婦人というものがどのようにあってほしいかという、その望ましい姿というものをはっきりと打ち出した、一体的全体的に打ち出したというのは今回が初めてでございますので、この法律が制定を見ました上は、これを根拠に行政指導につきましても十分に力を入れることができますし、また、これを根拠に各関係者の理解あるいは責任というものを要請してまいることが、従来とは比べものにならなく強く行なわれると考えております。
○川俣委員 実はその辺なんですね。局長が、残念だ、努力した、いろいろ気をもんでみた……。ところがこの法案を見ると、何か法律というよりも憲章という感じなんです。宣言というか、勤労婦人はこうあるべきだという主張というか、そういうような感じを受ける。法律はそうじゃないですよ。法律というのはどういうことがあるかというと、相手を拘束するといううまみがなければ法律じゃないのです。だから、局長、せっかくこういうようなものを委員会に提示する以上は——自分でかよわくしているんだ。こんな法律はかよわいですよ。こんなかよわいものはいかぬですよ。 そこで、大臣、ちょっと核心に触れてきたのですけれども、こういうようにあるべきだ、そうしなければならない、ほとんどこれは努力規定だね。企業にこういうようにつとめなさい、配慮しなければならない等々、そういう法案なんですよ。ひとつこの辺で婦人少年局長に、結婚退職、結婚を理由にして退職させてはならないというような法律を預けるというような気持ちはどうですか。
○塚原国務大臣 一つの義務規定であり、努力目標だけしか書かないという御指摘でありまするが、まさにそのとおりであろうと思います。しかし高橋局長を中心として、また審議会の御意見等をいれましてここまで努力されたことは、私はこれを多といたします。かねがね申しておりまするように、労働大臣の発言としてはまことに穏当を欠くというそしりを受けるかもしれませんが、ベストではないがベターであるということを申し上げている根拠もそこにあるわけでございまして、基本法としては、今日の段階では私はこれでやむを得ないのではなかろうかと思います。 先ほどからお話がございました結婚退職とか、あるいは若くしてやめるというような問題は、行政指導しても効果がないではないか、いままでの法律でもってなぜ指導できないか、今度新しいこういうものをなぜつくらなければならぬかというお話がございましたが、いま高橋局長も、これによってさらに前向きな行政指導ができる、私もそう考えます。ですから、いろいろ御批判のあることは私今日までの質疑応答を通じてよくわかっておりますが、やはり基本法的な性格のものとしては、見解の相違にはなるかもしれませんが、私はこれはあったほうがよろしいし、ぜひ御審議を願ってこれを通過さしていただきたいという強い要望を持っております。 そこで、なお足らざる点があるでしょう。これを補うための処置——いま一つの例をとりましたね。結婚退職でありますとか、こういうものも今日までは確かにおっしゃるような例があり、またこれが裁判になったことも私承知いたしておりまするが、今度は労働力全般の問題それからこれからの産業のあり方というものから考えますると、もちろん勤労婦人の占めるシェアというものは非常に大きいと思う。また中高年齢の方々の問題も非常に大きくなってくると思う。金の卵、これも必要でしょう。それから青田刈りについて批判がある。学校卒業生の問題、これもいろいろ批判がありますが、これも大事でしょう。しかしそれと同じように今後の労働力の需給関係という面から見ると、決して強制するわけではないけれども、勤労婦人の占める役割りというものが非常に大きくなってくる。だからこそこういう基本法的なものをつくって、そして足らざる点は順を追うてさらに細目にわたった立法措置も必要であろう、このように考えております。基本法としては、今日の段階では私はこれはよきものである、こういう結論を持っております。
○川俣委員 大臣の口ぐせのベストよりベターであるから通してくれ、こういう言い方ですが、そうじゃなくて、これは勤労婦人の福祉法案だから、当然審議会では各団体の婦人代表が審議したと思うのですよ。これは男である私が質問するより、その人方の賛否を問うたほうがいいくらいだと思う。だけれども、大臣御存じのように、まわりの動きが強く反対という——大勢はどうか知らぬけれども、勤労婦人にとってたいへんにいいものだという空気があまりないんだね。なぜかということで、なじまないんだろうか、こうやってみたら、もう一ぺん言うんだけれども、もうみんな努力規定で、こんなのあったってなくったっていいじゃないかというような感じになるわけです。それでも婦人局長が強く主張してこれの通過を願うというところは、いまの政府のとっている——政府が政府なものだから、これは何かあるなと勘ぐられているわけなんだ。そうなんです。だから私が言うのは、せめてこの辺で男女の区別がなくというようなことを強くうたわないと、局長の真意は生かされないというんだ。どうです。これでも生かされますか。あなたはないよりいいと言いますが、いまの基準法だってできるんだよ。いまの保護法だってできるんです。いまの憲法をたてにすればできるわけですよ。結婚退職というのは、下部に流すと言うが、局長はじきじきその会社へ行って指導したことがあるかと言うんだ。いろいろ理由を並べるんだが、いろいろの理由があるからたいへんなんだよ。そこにメスを入れなければだめですよ。どうです。局長。
○高橋(展)政府委員 先ほど申し上げたとおりでございまして、この法律が出るということで、勤労婦人が母性を尊重されつつ、その能力を有効に発揮して、そして生きがいがある職業生活を営むことができるように配慮されるべきだというビジョンを打ち出すということ、これは画期的なことであると思います。また私どものこの法律を準備いたしました意図は、この第一条の目的にも掲げてございますように、「勤労婦人の福祉の増進と地位の向上を図る」、そのことでございまして、何かそれ以外の意図があるということにつきましては、全く理解に苦しむところでございます。
○川俣委員 私が誤解しているのじゃないですよ。婦人方が誤解しているからです。局長を取り巻く各婦人団体の代表があるでしょう。その人方が局長とじっくり話し合って信頼関係の中になければ、勤労婦人福祉なんて国民にとけ込まないですよ。そうじゃないですか。そうだろうと思うのですよ。私はそれを理解したいのだ。そんな権利とかなんとか言ったってしょうがないのだ。やはり、おなかが大きくなれば使いたくないのはあたりまえだよ。だけれども、そこをどのようにしなければならないのかというところに局長が入っていかなければだめですよ。育児休暇は必要だろう。育児休暇は必要だけれども、育児休暇中の生活を何とするかということから、子供をなげうっても働きにいかなければならないというのが実態なんでしょう、この前から質疑があったように。そこにメスを入れなければ、私は婦人少年局という世帯をかまえている価値はないと思うよ。その辺どうですか。 それから、それではもう一つあなたの気持ちを聞く素材は、労働基準法の四条に男女同一賃金というのがありますね。男女同一賃金というのはどういうことか。賃金というのはいろいろ構成があるのですよ。賃金というのは職務給、作業給、年齢給と、いろいろあるわけだ。男女同一賃金というのは何をうたっているのだろうか、あなたはどのように理解していますか。
○高橋(展)政府委員 お尋ねが二点ございましたので、第一点についてまず申し上げます。 働く婦人がその職業生活を営んでまいります上で、一番苦しむといいますか、悩むのが、家庭生活との調和、特に育児との調和であるということ、これはまさに御指摘のとおりでございますし、私どももその点について、この法案策定の準備の段階で最も強く関心を持ったところの一つでございます。 御存じのように、この法案では第十一条におきまして、育児休業という規定を設けております。これは子供を生んだところの勤労婦人が、それを望む場合には一定期間育児に専念をする、しかもその間雇用関係というものは継続して、そしてその一定期間が終わった場合には、原則としてもとの職場に戻るという、そのような制度でございます。今日まで若干の企業で、呼び方はいろいろでございますが、そのような趣旨の制度を採用いたしているところがございまして、それは婦人の家庭生活との調和という点から非常に有効なやり方であると思われますので、私ども従来からそれらの実例の検討等も重ねまして、今度の法案でこれを盛り込んだわけでございます。育児休業という措置を、努力規定ではございますが、わが国の法律の中で初めてこれを明示したということ、これは私どもが勤労婦人の育児の責任というものに対する援助ということについて何かいたさなくてはならないということをかねて検討いたしてまいったところの一つの結果でございますし、またILOの百二十三号勧告というのがございますが、これは「家庭責任をもつ婦人の雇用に関する勧告」というものでございますが、その中にもこのような趣旨のことが入っておりまして、ことに核家族化する今日の社会において、働く婦人にとって職業生活を長期に継続してまいる上でこれは非常に強力な一つのよすがとなってまいるものと期待いたしております。
○渡邊(健)政府委員 ただいま先生から基準法の四条の男女同一賃金の趣旨についてのお尋ねがございましたので、基準局関係でございますから私からお答えを申し上げます。 基準法四条は、御承知のごとく、「労働者が女子であることを理由として、賃金について、男子と差別的取扱をしてはならない」こういう規定になっておるわけでございまして、この趣旨は、賃金というのはいろいろな要素できめられるわけでございます。たとえば職務の内容が違うとか、あるいは職務の能力が違うとか、そういういろいろな要素で賃金がきめられるわけでございます。そういう実際に行なう仕事が違う、あるいは仕事を遂行する能力が違う、あるいは勤惰が違う、そういうことで差があるということは、これは同性間であろうとも異性間であろうとも合理的な理由があることでございますから、それは別にもちろん問題にならない。そういう合理的な賃金に差等をつける理由がないのに、女子であるという性別的な理由だけで賃金に差をつける、これは不当なことだ、これは許されないことだ、こういう趣旨でございます。
○川俣委員 これは渡邊局長に答弁してもらったのでは、ちょっとあれなんです。局長がどのように理解しているかということを私は聞きたかった。というのは、同一賃金というのをうたっているのは、同じ仕事についたらどんな人でも賃金は同じだよということなんです。ところが、同じ仕事につけないわけでしょう。だけれども、賃金というのは職務を遂行するという職務給だけじゃないわけだ。年齢もあるし、職務もあるし、作業の環境もある。プラス男女の差はそこにつけちゃいけないということをいっているのだと私は思う。そうじゃないですか。ところが、一カ月の給料は、同じ大学を出て、女子大と男のほうの大学を出て、同じ年に一緒に入った、ところが実態は初任給が違うわけでしょう、これはどうです。それをどのように把握していますか、局長。それに対してどのようにこれから行政指導しようとしますか。
○高橋(展)政府委員 男女の賃金の開きと申しますか、それは平均的に申しますと確かにあるわけでございます。特にわが国では、賃金の計算のしかたと申しますか、たとえば統計上の処理にいたしましても、もちろん月当たりの支給される給与の総額というところで押えるのが通常でございますので、それを頭数で割りましたのが平均賃金ということになるわけでございます。そうしますと、特に職種による差ということもございますが、労働時間等によるところの、つまり平均いたしますと女子の労働時間は男子の労働時間より月間において二十時間ほど短い、そういう差異もございますし、それからいろいろな手当、住宅手当とか家族手当とかも、男子に比して女子はそれを受けることが少ないわけでございますが、そのようなことも全部込みにいたしまして、そして女子労働者の総数で割り出したものと男子労働者の総数で割り出したものが、通常賃金格差として示されるわけでございますが、そういう際かなり開きがあるわけでございます。しかし、外国のように時間給というような——時間給の制度は日本では正式な統計にたえるようなものはございませんが、かりにそのような時間当たり幾らであろうかというように計算をし直してみますと、賃金の差というものはかなりまた近づいてまいる、こういう現象がございます。
○川俣委員 半分くらいわかるようなあれだけれども、そうじゃないのだ。やはり女だからなということで、鉛筆がやはり一本少ないのだよ、査定するときに。そこにメスを入れなければだめなんです。労働時間だとかそういうことじゃなくて、賃金というのは、年齢とか学歴とかそういうものが入り、それから作業給、職務給、そういうのが入ってくるわけだ。プラス女の子だからな、高等学校を出た者でも。それが働いているんだ。この基準法はそれをなくせといっているんだ。そういうことなんです。
○高橋(展)政府委員 おっしゃるとおりでございます。
○川俣委員 それではもう一つ、個条的に入っていく前に、もう少し局長の姿勢を理解したいから聞きたいのですが、いまだいぶ週休二日制——この前、労働大臣だったか三日制なんという発言が本会議でありましたが、二日制がだいぶ出てきましたが、その二日制に反対する、反対というより必ずしも賛成できないという労働者がいる。どういう労働者が賛成じゃないだろうか。局長どうです。 〔小沢(辰)委員長代理退席、増岡委員長代理着 席〕
○高橋(展)政府委員 二日制に反対している層がどのような層であるか、申しわけございませんが私どもの局で十分把握いたしておりませんが、私どもが仄聞するところによりますと、それは中小企業、零細企業等で、労働日を短縮いたしました場合十分な生産性があげられないというような企業におきまして、また日給制で働いております労働者の間におきまして、そのような声があるというように一般的に理解いたしております。
○川俣委員 一番反対が強いのは日給者です。鉱山労働者なんというのは、日銭賃金みたいなものですから。建設労働者もしかり。こういうのはもうずばり一日分少なくなるわけだからね。ところが私があえてきょうこういう質問をしたかというのは、婦人層にもある。これはどういうことかというと、土曜日の半どんというのはやはり魅力なんだ。お茶、お花、これはうちに寝そべって、わざわざお茶、お花に土曜日朝から出かけない。会社で二時間か三時間ぐらい働いた午後に、会社の施設を使うなり、あるいはそういうグループなり、会社の厚生費からお花の先生のお手当を予算としてもらって、先生に謝礼をして、そしてお茶とかお花とかやる。こういう勤労婦人がかなりいるのですよ。どうです。土曜日と勤労婦人というのはきわめて関係があるんだ。どうです、これは。
○高橋(展)政府委員 ごもっとものような気もいたしますが、それが二日制になりますと阻害されるというように思われているという点がちょっと理解に苦しいのでございます。
○川俣委員 週休二日制になれば、金曜日にすぐに半どんになると解釈していいですか。むしろ二日制を進めることによって、働くほうの五日のほうの時間は一時間ずつ長くなるかもしれないというくらいの情勢じゃないの。あなたはもう少し正直に言いなさい。金曜日が土曜日に置きかえられるだろうと思ったら大間違いですよ。そういうようなことをきめこまかに局長がつかんでないと、勤労婦人というのはこれから指導できないと思うのだが、どうです。
○高橋(展)政府委員 ちょっと理解力が不足で申しわけないのでございますが、私が考えますには、かりに二日制を実施いたしました場合の企業におきましては、土曜日というものも一日休日になるわけでございますので、お茶、お花とおっしゃいましたが、そのような教養文化活動あるいは学習と申しますか、その他レクリエーション等につきましても、それだけ時間が、余裕が多くなるわけでございますので、エンジョイする分量もふえるのではないかと思います。ただ、その会社の厚生施設を使って、あるいは会社の援助のもとにというようなお話もございました。そういう点等につきましては、これは労使の話し合いで、二日制になりました場合、その二日制の有効な活用の方法という点で、いろいろと新しいやり方で、よりよい二日制というもののあり方が研究されていってしかるべきではないかと思います。
○川俣委員 だいぶ局長の姿勢というか気持ちは聞きましたから、時間もありませんから条文に入っていきます。 八条に、職業訓練をうたっていますね。局長は、この間、これは勤務中だけれども、NHKの「こんにちは奥さん」を見ましたか。五日の「こんにちは奥さん」の勤労婦人の職業訓練、見ませんでしたか。どうです。
○高橋(展)政府委員 その当日の分は見ておりません。
○川俣委員 そこで大臣、伺いたいと思いますが、この間のテレビによると、かなり、ブルドーザーの運転手まで勤労婦人が職業訓練を受けておりました。そこで大臣に所見を伺いたいと思いますが、今後こういう勤労婦人にとって職業訓練の必要性はますます大きくなると思います。ところが男子に比べて婦人の職業訓練の受講率は現在きわめて低い実情にあります。そこで、勤労婦人が職業に必要な技能を習得し、能力の向上をはかるためには、職業訓練を受けるに際して、賃金など生活面の保障が、これは非常に重要なわけです。ここに非常に問題が、職業訓練を受けたいのだけれども受けにくい、受けられないというのがあるので、大臣どのように考えていますか。
○塚原国務大臣 近年における急速な産業技術の進歩発展に伴いまして、職業の種類、内容は著しく変化し、複雑多様化いたしております。このような事態に対応しまして、勤労者が能力を有効に発揮できるようにするためには、職業訓練の意義は非常に大きなものがあります。 労働省としましては、かねてから職業訓練の充実強化につとめているところでありますが、御指摘の問題につきましては、第一に、求職者が失業保険の受給資格者である場合で、公共職業訓練または職場適応訓練を受けるときは、訓練が終了するまで失業保険金が支給されるほか、技能習得手当等を支給することといたしております。 第二に、これ以外の一般の求職者である婦人につきましては、これと同様、公共職業訓練等を受ける場合においては、一定の要件のもとに職業転換給付金等の形で訓練手当を支給することといたしているところであります。また、現に就職している婦人が、使用者の指揮命令に基づき認定職業訓練その他の職業訓練、研修等を受ける場合におきましては、労働基準法上当然賃金は支給されるものとされているところであります。
○川俣委員 いまの大臣答弁でそのように確認されれば、この職業訓練の項が非常に理解されると思います。 それから次の九条の妊産婦の問題なんですが、局長、このように便宜をはかれと言ったって無理ですよ。やはり具体的に提示しないと、受け入れる勤労婦人側もわからないし、会社のほうもわからないと思うから、せめて大臣にこれも確認しておきたいのですが、妊産婦の健康の保持をはかるためには、たとえば夜勤、残業、こういったものをさせないというような配慮を事業主に求めないとだめなんだと思います。そこで、九条から十条にかけて、「必要な配慮」の中にこれらの事項も含まれておるんだというふうに解していいのかどうか、この辺、確認しないといかぬと思うのです。
○塚原国務大臣 妊産婦等勤労婦人が母子保健法に規定している保健指導等に基づく指導事項を守ることができるようにするためには、企業主が実情に応じ、健康管理に関し適宜の配慮を行なうことが不可欠であるとの認識に立ち、第十条を設けた次第であります。 本条に規定した「必要な配慮」とは勤務時間あるいは勤務の内容等に関して行なうものであり、御指摘のようなことも当然含まれる趣旨でございます。
○川俣委員 それから、このように局長、確認されれば、なるほど勤労婦人法案というのはないよりいいなというように感じますが、法文に出たところによると、努力しなければならない、配慮しなければならないということだけじゃ無理だと思うのですよ。それで私が局長に要望しておきたいのは、この法律をたてにしてこれから行政指導をやるにしても、かなりこまかく入っていかなければならないと思います。そういう意味において、どういう層だとは言わないんだが、二日制に安易には賛成できないという勢力がかなりあるという例。そういったものを勤労婦人の福祉を考えていく局長としては指導していかなければならない。間もなく二日制になるわけだ。逆を言っているのですよ、私は。そういう人方を指導していくと言っているのですからね。 それからなぜ結婚退職とか若年退職というものを、何回注意したって残念ながら会社は言うことを聞かないのだ。そういうところにこまかく入っていかなければならないと思うのですよ。そうでしょう。使うほうから言わせれば、やっぱり腹をつん出して出てくる女の子は首切りたいという考え方なんです。それだから、なかなか言うことを聞かぬという局長だからいかぬのですよ。そこへ入っていかなければだめですよ。そうでしょう。だからその辺を少し考えてもらわなければならないと思います。 それから私はもう一度確認をしたいのですが、本案を流れる思想は、男女の差別がないんだということが強く思想として流れているかどうか、ひとつこれは大臣からもう一ぺん確認したいのです。
○塚原国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、男女の差別は考えておりません。あくまでも平等であります。
○川俣委員 働く婦人というのは国際的にあるわけなんだが、せっかくILOでかなりレベルを上げてあるわけですよ。これに批准をできる段階になっているんだと思うのです。局長、どうですか。ILO批准を全部やるという意図はあるかどうか。
○高橋(展)政府委員 ILOの条約の中で、働く婦人に直接関係のあるもの、あるいはやや間接的ではございますが若干関係のあるもの等々で、大体常に問題になっておりますのは、八十九号、百三号、百十一号等であるかと思います。これらの条約につきましては、これは御存じのとおり、労働基準法あるいは関係国内法令との相違が若干ございまして、あるいはまた解釈上の疑義等もございますために、批准が行なわれていないわけでございます。それで今後につきましては、現在労働基準法研究会におきまして、わが国における基準法の施行の実情、その問題点等についての調査研究が行なわれているところでございます。その御報告を待ちましてさらに検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○川俣委員 これは早急にやらないといかぬと思います。それだけは強く主張しておきます。 それから企業内託児制度、これを考えているようですが、これはこの前に土井委員でしたか、何か予算の関係で話が出ていましたけれども、どうもはっきりした答弁が出ていませんでしたが、この勤労婦人福祉法案にまつわる予算というのは一体何ぼですか。
○高橋(展)政府委員 この勤労婦人福祉法案はいわゆる予算法案ではございませんので、この法律案の成立に際しまして特に予算化を伴うというものではないわけでございます。またこの法律案は、勤労婦人の福祉に関しまして基本法的な性格を持っておりますということから、この法律の制定に伴って、この関連施策分野でもいろいろと施策の発展、展開が期待されるものでございます。したがいまして、この法案に関する予算となりますと、その範囲のとらえ方はなかなか広くなりましてむずかしいのでございますが、婦人少年局関係のものに限りまして申し上げますと、昭和四十七年度の予算といたしましては総額が約三億円でございます。この昭和四十七年度予算の中で、特にこの勤労婦人の福祉の増進のための新しい事業として計上いたしておりますのは、働く婦人の家の増設八カ所分、それから育児休業制度等を含めまして、婦人の家庭生活と職業生活の調和に関する調査研究を進めていく、そのための研究費、あるいは特に妊産婦である勤労婦人に対する行政指導を強めてまいりますために、母性保護を担当するところの労働衛生指導員の設置、あるいは婦人の就業と妊娠、出産の関係に関する調査等の新しい項目を計上いたしております。
○川俣委員 三億というのはどういうことなんですか。一億八千九百五十二万二千円というのは私の手元にきておるのですが……。
○高橋(展)政府委員 ただいま申し上げました三億円は、いろいろな関係経費を合計いたしたものでございます。先生がおっしゃられました一億八千九百万、これは事務的な経費と、それから内職対策関係の経費の計でございます。このほかに別途、家事サービス職業訓練関係の経費が一億ほどございますために、三億円になるわけであります。
○川俣委員 だけれども、家事サービスというのはこれに関係あるんですね。勤労婦人福祉法案関係予算と出ているじゃないですか。どうなんですか。
○高橋(展)政府委員 お手元に差し上げてあるかと思いますが、勤労婦人福祉法関係予算、これはその中でも婦人少年局の予算でございますが、それの合計として一億九千万ほどがございますが、その下の欄に掲示してございます家事サービス職業訓練、これは予算上の整理のしかたで訓練費というほうに入っているために別ワクに書いたわけでございますが、これは婦人少年行政関係の経費でございます。
○川俣委員 これはいままでどのくらいだったんですか。
○高橋(展)政府委員 お尋ねの点は家事サービスの点であるかと思いますが、この経費につきましては、昨年度も本年度も訓練人員は約三千名でございまして、変わりはございません。
○川俣委員 これは事務局でもいいけれども、問題は、ことしは三億だと局長はおっしゃるから、この三億円に対して昨年は何ぼだったかと聞いているんです。
○高橋(展)政府委員 申しわけございませんが、ちょっと手元に整理されたものがございませんので、後ほど提出させていただきたいと思います。
○川俣委員 というのは、大臣、昨年の予算に比べて二千万円オーバーになっておるんです。だから、婦人法案というこれだけの法案を出して、さっき大臣に聞くと、そこには職業訓練手当、職業転換給付金等々かなり考えておるようだけれども、とてもこんなもので勤労婦人法案の予算でございますなんて……。これは原案はどうだったんですか。
○塚原国務大臣 提出期日を限定いたしまして予算関連法案と一般法案とがございまするが、実はこの法案は予算関連案じゃないほうの部類に入っておりまして、そういう面で、裏づけとなるべきものについての御批判があることは私も十分承知いたしております。ですから、明年度におきましては、私が先ほど申し上げました職業訓練につきましても、その他の問題、たとえば託児所、保育所等につきましても、関係省である厚生省ともよく連携いたしまして、ひとつ十分な、可能な限りの予算措置も講じなければならない。さらには、先ほども申しましたように、法的措置をとらなければならないような場面もあるのではないか、このように考えております。
○川俣委員 そのように確認できればけっこうです。結局、この法案によって、来年度の予算がだいぶ大幅にとられると理解したいんですが、どうですか。
○高橋(展)政府委員 そのように努力いたしたいと思います。
○川俣委員 それから最後にもう一つ確認したいのは、働く婦人の家ですね、これはわりあいにけっこうだと思うのですけれども、その際どうしても児童というものを考えるのですよね。だからそういった場合に、児童館というか、いわゆる学童保育施設ですね、こういったものの増設も考えておるかどうか、検討の対象になっておるかどうか、局長に聞きたい。
○高橋(展)政府委員 御質問の理解があるいは間違っているかもしれませんが、私ども働く婦人の家の増設というものを計画的に進めてまいりたいと考えております。その働く婦人の家は勤労婦人がその職業生活あるいは家庭生活に関するもろもろの相談を行ない、また指導を行ない、あるいは講習を行なうというふうなことを機能する予定にいたしているところでございます。 いまお尋ねの児童の保育という点でございますが、この点につきましては厚生省とも御相談の上、働く婦人の家におきましても、たとえば低学年の学童をお預かりするというようなサービスは、その地域の状況等で必要のあるところでは行なう、しかしまた一般的に児童館あるいは公立の保育所等につきましては、厚生省のほうでまた地域のニードにおいてお進めになる、両々相まって進めてまいりたい、このようなお話し合いになっているようでございます。
○川俣委員 最後に大臣に確認したいと思いますが、これは私らもこの審議会に入った婦人の方々にも聞いてきました。ところが、なかなかぎくしゃくしてするっと通らない理由は、審議会では満場一致だったというのですが、いろいろと聞いてみると、何らうまみがないじゃないかということ、それからうまみがないのに通そうというのは何かあるんじゃないかということ等々、私も話したのだ。そこでやはりいまある基準法とかあれだけじゃ足りないということなんで、基本法だとこう大臣がおっしゃった。これは基本法なんだ。基本法だとすれば、婦人の福祉のために労働基準法とか関連法の基準をある程度引き上げるべく検討するという用意があるかどうかということも含めて、勤労婦人福祉法案全体の考え方を最後に大臣に聞いておきたいと思います。
○塚原国務大臣 田辺繁子さんの婦人少年問題審議会でありますか、ここでは満場一致でこの答申が出たということを私は報告をいただいたのでありますが、その後国会の審議を通じまして、また私自身が外郭団体との折衝等によりましても、いま御指摘になったような御批判の点については私も十分承知いたしております。もちろん労働基準法その他関連法はございますけれども、基本法としてこの法案の御審議を願い、通していただきますならば、われわれはもちろんいままでの法律と相関連をしながら、この法案の運用については万全を期してまいる考えであります。今後ともいろいろ御指摘、御指導のほどを心からお願い申し上げます。
○川俣委員 終わります。
○増岡委員長代理 次に、古寺宏君。
○古寺委員 最初に、この勤労婦人福祉法の中には農村の勤労婦人がなぜ入っていないのかという点について承りたいと思います。
○高橋(展)政府委員 この勤労婦人福祉法案におきましては、勤労婦人の範囲といたしまして、職場に出て働いている婦人、また現在働いていなくともそれを求めているいわゆる求職者、その方々を中核として考えているところでございます。お尋ねの農村の婦人等ももちろん広い意味の働く婦人ということができるわけでございますが、この法案におきましては、職場に出て働く婦人の特殊な問題につきまして、労働行政としてその福祉をはかっていくという見地から、農林省等とも御相談してこのようなものにいたした次第でございます。
○古寺委員 そうしますと、農村の働く婦人というものは勤労婦人という対象にはならぬわけでございますか。あるいは農村の勤労婦人を対象にした基本法というものを別個につくるという考え方で、農林省と打ち合わせをして、今回のこの法案の中からは除外したわけですか。その点についてお尋ねしたい。
○高橋(展)政府委員 先ほど申し上げましたように、この法案におきます勤労婦人は雇用関係にある婦人及びその求職者たちでございます。しかし、たとえばこの法案でいうところの「基本的理念」あるいは「関係者の責務」のうちの国及び地方公共団体の責務等、これらは広く、就業形態を問いませず、働く婦人全般に及ぶ趣旨と解しても差しつかえがないものと思っておりますし、また十二条、十三条等に示しておりますところの国や地方公共団体のいわゆるサービス的な事業がございます、働く婦人の家であるとかそのような事業の中におきましては、農村の婦人がこれらのサービスをお受けになる、また施設を御利用になることを配慮するということも考えておるところでございます。しかし農村の婦人につきましては、農業の経営といったような違った側面の問題もございますし、またそのような面に着目した行政も別に行なわれているわけでございますので、そのあたりは農林省御当局とも御相談して、今回のこの法律案ではその程度にお控えする、このようになったわけでございます。
○古寺委員 最近は農村におきましては減反、休耕に伴いまして非常に出かせぎ者が多いわけです。残された農村の婦人というものは、勢い日雇いであるとか、あるいは中小企業の工場に出て行って働かなければならないというような立場に立っているわけですね。そういう人たちに対して 一体どういうような施策というものを、基本的な考えというものをお持ちになっているのか、お伺いしたいと思います。
○高橋(展)政府委員 私の先ほどの御説明が不十分であったかもしれませんが、ただいま先生がおあげになりましたような場合、これは農村婦人と申されましても職場に出て働いておられる方です。その側面から見れば、これはこの法律でいうところの勤労婦人でございますので、この法律の各条に掲げております措置の対象として当然考えられることに相なるわけでございます。
○古寺委員 そこで大臣にお伺いしたいのですが、いわゆる農村の勤労婦人、そういうようにどこかへ、工場等へ働きに行く人は今度の勤労婦人福祉法によって一応いろいろな施策を受けるわけでございますが、それ以外の農業に従事している、御主人は、男の人はみんな出かせぎに行って、そのあとで農業を一生懸命にやっている、そういう農村婦人に対するいわゆる福祉基本法というようなもの、そういうものについては労働省としてはどういうふうにお考えでしょうか。
○塚原国務大臣 いみじくも御指摘いただきました点について、私は最初この法案の説明を事務当局から承りましたときに、私自身この矛盾というものをどう解決するのかということを考えまして、農林省とも折衝いたしたのでありますが、ただいま局長が答弁いたしましたように、これは雇用関係にある勤労者というものを対象といたしましたので、農村プロパーの者は除外されておるわけでございます。しかしいま御質問のあった、農村の婦人もやはりどこか近所の工場なり何なりに働きにいって雇用関係にある者は当然この法の適用を受けるわけでありますが、いわゆる農村プロパーの者をどうするかということは、これは私は大きな問題だと思います。確かに各党ともなかなか農村対策についてはいろいろお考えでしょう、自民党も総合農政という立場からいろいろな施策を進めておりますが、これは農村の基盤を強化するという点からまず農村婦人を考えるということが妥当であろう、適当であろう。しかし私が当初抱いた何と申しますかコンプレックスはなかなか解消できそうにありませんが、当面は農林省が中心になりまして農村の基盤強化、農政のあり方というものを十分万全を期する対策を考えると同時に、われわれ労働省といたしましても、今日は雇用関係にある勤労者だけを対象といたしておりますが、やはり農林省と十分連絡をとりながら不公平のないような措置を考えることが、これは当然だろうと思っております。しかし今度の法律は雇用関係にある者だけに限定をいたしたわけでございます。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕
○古寺委員 農村の婦人というものは、最近はことに出かせぎが非常に多いために、家庭にあっては育児も出産もしなければならない、さらにまたいままでの男性の分もあわせて過重な仕事を背負い込んでいる立場にあるわけです。そういう勤労婦人の福祉というものを一番先に取り上げて考えていくのが、政府としてのやはり基本理念でなければいけない、こう思うわけですね。それが農村婦人に対してはそういうような施策も何ら行なわれていない、また基本的な方向も示されていない、そこに私は政府の大きな責任があると思うわけなのです。したがって、今後この農村婦人の地位の向上あるいは生活の向上、福祉の向上という立場からいって、当然こういうものを強力に推進していただきたい、こう私は思うわけなのですが、政府の代表としての立場から、もう一度大臣からきちっとした今後の抱負なり決意というものを承っておきたいと思います。
○塚原国務大臣 政治の目的は国民の生活を豊かにし幸福にしなければなりません。それからあくまでも平等でなければなりません。ですから、今度労働省がたまたま提案いたしましたのは雇用関係にある者を対象といたしたのでありますが、私、国務大臣として考えまする場合には、やはり働く権利を持った、勤労意欲に燃えた農村の婦人というものを除外するような措置をとってはならないと考えます。しかしこの問題はやはり総合農政という立場、これを一つの例にとったのでありますが、あくまでも農政のあり方、基盤整備の問題等も重点的に考えなければなりませんが、労働省としてはいわゆる働く婦人、そういう立場から今後農林省と緊密な連絡をとって、御批判のないような措置を講じなければならないと、これは強く考えております。
○古寺委員 まあ出かせぎを防止する立場で農村地域工業導入促進法という法律もできました。しかしながら実効が一向にあがっていないというふうに私どもは考えているわけなんですが、この農村地域工業導入促進法というものに基づいて、どういうような出かせぎ対策が現在進んでいるのか、その点について承りたいと思います。
○道正政府委員 お答え申し上げます。 農村工業導入促進法は、御承知のように五十年までに六十万人の方々に地元での雇用機会を確保しようというのがねらいでございまして、現在第一段階といたしまして、各都道府県から導入促進法に基づきます計画をいま提出させておる段階でございます。現在四十二件申請が出てきておりまして、三十五件につきまして承認済みでございます。今後は、都道府県の計画によりまして、出かせぎ対策も含めまして工業導入促進がはかられるわけでございます。 出かせぎ対策をどう考えているかということでございますが、御承知のように、出かせぎ労働者は依然としてかなり高水準で推移いたしておりまして、この対策というものは非常に重要な問題でございます。四十七年度予算におきまして、政府といたしましては、就労経路の正常化を中心に、地元あるいは就労先での各種援護対策、それをいままでに比較いたしますると、かなり抜本的な予算措置も講じまして、すでに府県との打ち合わせも終わりまして実施の段階に入っているわけでございます。一挙に出かせぎの対策が完全にいくとは思いませんが、こういう措置によりまして今後はかなり徹底した出かせぎ対策が講ぜられるものと私どもは考えております。
○古寺委員 依然として出かせぎ者はどんどんふえているわけでしょう。それから出かせぎによる労働災害あるいは賃金不払いなど、いろいろな問題が起きているわけであります。また留守家族の勤労婦人の問題、いろいろな問題があるわけですね。そういうものに対して労働省は非常に消極的だと思うのです。私は非常に片寄った労働行政というものが行なわれているような感じがするのです。先ほど大臣からもお話があったように、農林省の関係であるとかいろんなことを申しますが、やはりそういう労働行政についてはもっと労働省は腰を据えて出かせぎ対策というものをやらなければいけない、こう思うわけなんですが、大臣から出かせぎ対策、こういうものに関するお考えを承りたいと思います。
○塚原国務大臣 季節労務者、通称出かせぎと申しておりますが、これが年々数が減らないのはまことに残念であります。あくまでもその地にとどまって、その地で仕事ができるという体制がとられるべきである。農村工業導入法という法律もできましたが、御指摘のように必ずしも実効をあげてない面があるとするならば、もう少し法の運用を考えていかなければならない面があるでしょうし、工業の再配置等の問題もいま御審議を願っておるところでありますが、こういう問題につきましてもやはり現地にとどまって、その場で明るい、楽しい環境のもとに働ける下地をつくるということが必要であろうと思います。そうすることがすなわち季節労務者を少なくするまず第一番の近道であろうと考えております。 それからいま、労働省が農村関係とか農村の婦人というものを度外視しておるのではないかという意味のおしかりがありましたけれども、先ほど申し上げますように、これは決してなわ張り争いで農林省の所管だからといってわれわれが逃げているわけではございません。ただ今度の法案が雇用関係にある勤労者を対象としたということは何回も申し上げたとおりでありますが、今年から、農村であろうと都市であろうと、いかなる場所であろうとも、働く婦人の実態の総合調査というものを実施いたしております。またおそきに失するというおしかりはあるかもしれませんが、すみやかにこの調査を完了いたしまして自後の対策をとることが必要であろう。今年度から総合調査と申しますか、あらゆるものを含めた調査というものは開始いたしております。
○古寺委員 時間がないので、この条文についてちょっとお尋ねしますが、第六条の、勤労婦人福祉対策基本方針というのがございます。これは、勤労青少年福祉法では地方自治体が基本計画というものをつくることになっているわけですが、今度の法案にはそういう事業計画あるいは基本計画というものがはっきり出てきていないわけなんですね。これはどういうわけでこういうふうになっているのか、一体どこが基本計画をつくるのか、その点についてまず承りたいと思います。
○高橋(展)政府委員 御指摘のように、この勤労婦人福祉法案と姉妹法とでもいうべき勤労青少年福祉法におきましては、労働大臣がその対策基本方針を定めるのと並びまして、都道府県知事が各都道府県における事業計画を策定するようにつとめるというような期定が設けられているところでございます。そして今回の勤労婦人福祉法案におきましては、基本方針のみが規定されております。その差異につきましてのお尋ねでございますが、勤労青少年福祉法におきましては、その具体的な措置という中で、勤労青少年の余暇の活用のための事業、これが非常に大きな柱をなしているわけでございます。で、地方公共団体の各レベルで、つまり府県段階あるいは市町村段階の各レベルで具体的な勤労青少年の余暇活用のための事業を展開してまいる、また、勤労青少年ホームを網の目のようにつくってまいるというようなことが、勤労青少年福祉法の場合の非常に大きな目玉と申しますか、眼目になっているわけでございます。したがいまして、都道府県が事業計画を策定いたしまして、そしてまたその下部の地方公共団体との連携におきまして、これらの事業を展開していくということが、青少年福祉法の場合の期待されるところの施策の展開の方法でございます。 今回の勤労婦人福祉法案におきましても、もちろん地方公共団体に期待されるところは非常に大きいわけでございますが、特に今回の福祉法案では、九条、十条、十一条等で、事業主の労務管理と申しましょうか、妊産婦に対するところの健康管理であるとか、あるいは育児休業の措置であるとか、事業主の非常にこまかな配慮というものが要請されているわけでございまして、これら事業主の配慮というものの実効を期すためには、私どもはこれはやはり労働省の出先である婦人少年室が地方労働基準局等との連携のもとに強力な行政指導をしてまいる、そのような姿を描いておりますために、特に青少年法の場合のように知事がその事業計画を立てるというような必要性と申しますか、義務づけるということは御遠慮申し上げた、こういう次第でございます。
○古寺委員 私は、そういう考え方がおかしいと思うのですよ。先ほども申しましたように、都道府県の立場というものはみな違います。農村の多い県もあれば、中小企業の多い県もあれば、いろいろ立場が違うわけなんです。当然きめこまかな勤労婦人の福祉を増進していくという施策を講ずるためには、そういう事業計画、基本計画というものは、そういう事業主の考えももちろんでしょうが、地方自治体のいわゆる意向というものが十二分に反映された計画でなければ実効をあげることはむずかしいと思う。なぜ今回この勤労婦人に限って、こういうふうに労働大臣の基本方針だけでおやりになろうとするのか。これをもう一ぺん御答弁願いたいと思います。 さらに、いまお話を承りますと、婦人少年室がこのお仕事をなさるという。婦人少年室は四人ぐらいの人員でもって、こういうような仕事を一切おやりになるということは無理ですよ。もっと内容を充実強化しなければ、とてもこういうようないろいろな問題を推進していくことは不可能に近い。なぜここに、そういう実効の伴わないような取り上げ方をしたのか、もう一ぺん納得のいく答弁をお願いいたします。
○高橋(展)政府委員 先ほどの御説明が不十分であったかと思います。 今回の法案で、大臣の基本方針のみを規定いたしておりますことは、別に地方の事情を無視して国の行政だけで進めよう、こういうことではございません。大臣が基本方針を策定するにあたりましても、第六条の四項に示してございますように、その基本方針を定めるにあたりましては、婦人少年問題審議会の意見を聞くはか、都道府県知事の意見を求める、このようになっておりまして、当然に知事の御意向は尊重して方針を定めることにいたしております。 ただ、都道府県知事の事業計画の策定を特に明記いたしませんでしたのは、都道府県知事の事業計画策定を排除するという意味ではございませんで、策定を義務づけるということについては御遠慮をした、こういう意味でございまして、もちろん各都道府県で勤労婦人の福祉のための積極的な事業計画を展開してくださいますよう、これは御期待申し上げますし、また私どもも御協力を御依頼する、こういうことは当然進めてまいると思います。 また、この法律案の各条項によりまして、国の事業として行なうことと、地方公共団体の事業として行なうことがいろいろとまざっているわけでございます。地方公共団体が責任をもってお進めいただく点につきましては、これはもちろん知事あるいは市町村長の御協力ということを、この法律で要請しているところでございますが、先ほど申しましたように、この法律案でもって新たに打ち出しておりますところの妊娠中、出産後の健康管理、あるいは育児に関する便宜の供与といったものにつきましては、その事業あるいはその業務の内容が、婦人少年室を通じて展開するということに、よりなじむのではないかと考えたわけでございます。 しかし、御指摘のように、婦人少年室というものは非常に機構も小さく、人員もわずかでございますので、婦人少年室が単独でこれを行なおうということではございませんで、都道府県それから職業安定機関、また労働基準局等との緊密な協力のもとに進めてまいる、こういうことでございます。
○古寺委員 大臣、いまお話ししたように、婦人少年室は四人くらいしかいらっしゃらないのです。しかもこういうふうに、地方自治体がやってもよろしいし、やらなくてもよろしいんだ。一方では今度、働く婦人の家を地方公共団体は必要に応じて設置するように努力しなさい、こういうふうに努力規定を設けている。これは非常に矛盾しているように考えられるわけです。 せっかくこういうような基本法をつくっても、実効があがらなければ、勤労婦人の福祉の向上というものはできないわけです。ですから、今後こういうような婦人少年室の内容の充実強化であるとか、あるいは地方自治体に対してどういうような行政指導を行なうのか、そういう点について大臣から、この基本法をより——先ほどのお話を聞きますと、ベストではないけれどもベターだ、こうおっしゃいますが、ぼくはベストを尽くしていただきたいと思うわけです。そういう立場から、もう一度この問題についての御決意を承りたいと思います。
○塚原国務大臣 地方自治体はもちろうのこと、その他関係方面との協力なくしては、とうていものごとを達成することができないことは言うまでもありません。法律の書き方で誤解があったのではなかろうか、また局長の答弁が婦人少年室というものにウエートを置き過ぎたために、そういう誤解があったとすれば、これは間違いでございまして、われわれは地方自治体をはじめ関係方面とも十分連携をとりながら、今後の対策を進めてまいる考えでございます。もちろん、その意味においてはベストを尽くす考えであります。
○古寺委員 ベストを尽していただくことを特に御要望しておきたいと思うのです。 次に、妊娠中及び出産後の健康管理に対する配慮でございますが、これがやはり努力規定になっておりますね。これはいままでにもいろいろ論議をされたようでございますが、ILO条約を批准する立場からいっても、これは当然義務規定にすべきではないか。 さらにまた、育児休業の場合の所得保障の問題についても、たびたび論議をされておるようでございますが、労働基準法研究会においては、母性保護に関して、いまどういう方向で検討を進めておるのか、そしてまたその結論はいつごろまでに煮詰めることができるのか、そういう点をあわせて御答弁願いたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 労働基準法研究会の件でございますので、私からお答え申し上げますが、基準法研究会は彼承知のように、現在の基準法の運用の実情と問題点について、学識経験者の方に御検討願っておるわけでございます。 何しろ基準法がカバーいたしております問題は、非常に多方面にわたっております。そこで、問題ごとに逐次取り上げて検討いたしておるわけでございまして、御承知のように、すでに定全衛生につきまして昨年の夏、それから時間・休日等につきまして昨年の暮れ、それぞれ御報告をいただきました。残りの労働契約の問題とか就業規則の問題とか、あるいはいま御指摘の婦人、年少者関係の保護規定の問題とか労災の問題とか等々につきましては、ただいま引き続き検討願っておるわけでございます。 したがいまして、今後もおそらく問題ごとに逐次報告が出てくる、かように存ずるわけでございまして、現在の段階でいつまでというようなことを、いま直ちにお答え申し上げる段階には至っていないわけでございますが、問題の重要性にかんがみまして、各位それぞれ御熱心に御討議いただいておりますので、逐次問題ごとに御報告がいただけるのではないか、かように考えております。
○古寺委員 この母性保護に関する問題につきましては、やはり早急に結論を出して、労働基準法の改正あるいはILO条約の批准等をすみやかに行なうような体制をつくりませんと、実効ある勤労婦人の福祉の向上というものはでき得ないと思いますので、この点については今後特に推進をしていただきたいと思います。 先日、中国へ行ってまいりましたが、中国では午前と午後に授乳の時間がちゃんときめられております。また企業内の保育所も全部完備しております。そういう点からいきまして、わが国においては、そういう面が非常におくれておるわけでございます。この企業内の保育所の補助制度の問題ですが、地域の保育所については補助がございます。しかしながら、企業内の保育所については、全く補助制度がないわけでございますが、国の子供を育てるという立場では、保育所には何ら変わりがないわけでございますので、今後この企業内保育所についても、当然補助制度というものを労働省が考えなければならないのじゃないか、こういうように思いますが、この点はいかがでございましょう。
○高橋(展)政府委員 企業内でそこに働く従業員のために託児施設を設けるという動きが、わが国でも近年かなり目立っているようでございます。私どものほうの調査によりますと、全国の事業所の一・六%程度でございますが、企業内託児施設というものを持っておられるようでございます。これは、その企業が従業員のための、いわゆる福利厚生施設としてお設けになるわけでございます。そういう意味合いで、また近所に公立の保育所等がない場合には、勤労婦人にとりましては、そこが唯一の子供を安心して預けられる場所にもなるわけでございますので、私どもの立場といたしましては、事業主がその自主的な努力で、このような設備をおつくりになるということについては、これを助成してまいりたいと考えております。 現在では、これは雇用促進融資制度の一環といたしまして融資をいたしております。すなわち、雇用促進融資の制度の中で労働福祉施設融資というワクがございます。つまり、企業がその従業員の福祉のために施設を設置する、それに対する援助でございますが、そのワクの中で、特に四十七年度からはそのワクを従来の十三億を十八億に増額いたしまして、企業内託児施設を設ける事業主に対する低利の融資ということを行なうことといたしております。 また、国庫によるところの補助という問題につきましては、これはまた今後十分に検討してまいりたいと思います。
○古寺委員 この勤労青少年福祉法の第十七条には(雇用促進事業団が設置する施設)というものをちゃんと明記してございますね。ところが、今後の勤労婦人福祉法には、それがない。さらにまた、雇用促進事業団から企業内に保育所を建設したいというので融資を受ける場合には、いろいろな制約がある。そういうことを事業主がやってあげたくてもできないような場合が非常に多いわけですね。そういう面からいっても、当然補助制度とあわせて、こういう問題については、この法案の中には明記すべきではなかったか、こういうふうに考えるのですが、この基本法というものは、現在の実態にそぐわないような基本法の感じを受けますが、この点についてはいかがですか。
○道正政府委員 雇用促進融資につきましては、ほかの福祉施設と同じような条件でございまして、融資の率は中小企業の場合九〇%、大企業の場合八〇%、それから利率も、中小企業の場合は六分五厘、大企業の場合は七分、それから福祉施設関係は、二十年以内の償還ということでございまして、福祉施設一般と同じ扱いにしております。そのことがいいかどうかという問題はあろうかと思います。御指摘のように、勤労婦人にとって非常に重要な問題でありまするし、また子供を大事にするという立場からも今後ますます重要になってまいると思いますので、そういう条件等につきまして十分検討をいたしてまいりたいというふうに考えます。
○古寺委員 それから、勤労青少年福祉法の中には、勤労青少年福祉推進者というものを設置することになっておりますが、今度のこの勤労婦人のほうには、そういう推進者の設置が全然明記されていないわけでございます。これもいろいろな理屈はあろうかと思いますが、現在置かれているところの勤労婦人の地位を向上するためには、やはりこういうような推進者を設置いたしまして、そうして推進いたしませんというと、実効があがらないのじゃないか、そういう面から考えて、いろいろと今回のこの基本法というものが骨抜きにされているようなそういう感じを受けるのですが、この点はいかがですか。
○高橋(展)政府委員 御指摘のように勤労青少年福祉法におきましては、その十三条に、(勤労青少年福祉推進者)の規定がございまして、企業の中に勤労青少年の福祉についてのめんどうを見る人を置くということを努力義務として法律に書いているところでございます。これはねらいといたしましては、やはり若い少年少女としての勤労青少年でございますので、そういう人たちが、心身ともに未成熟な段階に職場で働いているということでございますので、その企業の中で身近に相談やレクリエーション等のめんどうを見る人を置くということの意義が非常に大きいということで、この規定を設けたわけでございます。 今回の婦人のほうの福祉法におきましては、もちろん婦人におきましても二十歳未満の婦人におきましては、勤労青少年法の対象となるわけでございますから、その福祉推進者の事業の対象となるわけでございますが、それ以外の勤労婦人一般につきましては、これはやはり年若いという青少年とはおのずから問題の所在も違ってまいりますし、身近にレクリエーションや相談、指導を、めんどうを見るというよりは、特にこの法案では九条、十条、十一条が事業主に対して要請されている点でございまして、このような問題につきましては、その推進者といったような担当者よりも、さらにその企業の労務管理の責任のある方、そういう方にみずからその責任において行なっていただくということのほうが妥当であろうということで、このようなレクリエーションの専門家といったような方の配置は、特に法律では定めなかったところでございます。 しかし実際に、今度のこの法律案におきまして九条、十条、十一条のきめこまかな配慮というものを事業主が行なってまいるに際しましては、やはり専門の担当者の選任ということも望ましいと言えると思います。そういう点につきましては、私どもこれからこの行政指導を行なうにあたりまして、きめこまかな指導方針をつくりまして、この九条、十条、十一条の趣旨が生かされますよう万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○古寺委員 いまのこのままでは、いままでと何ら変わりがないと思うのですね。五条の啓発の問題にしましても、あるいは九条、十条、十条、十一条の問題にしましても、こういうようなことを徹底を期するためには、やはりそういうような責任者というものを設置をして推進をしませんというと、実効はあがらないと思いますので、ひとつ行政指導については特にこれは力を入れてやっていただきたいと思います。 次に、職業訓練の問題でございますが、妊娠あるいは出産、いろいろな関係で退職する人がたくさんございますが、再就職をする場合の職業訓練あるいは訓練期間中の手当等の問題についてはどういうような施策を今後お考えになっているか、承りたいと思います。
○遠藤(政)政府委員 婦人の職場への進出を促進いたしますためには、職業訓練がきわめて重要であることは申すまでもないことであると思います。その際、その促進をいたしますにつきましては、職業訓練をより一そう受けやすくすることが必要でございますので、そのためにはこういった人たちが職業訓練を受ける際の生活保障、そういった点から訓練手当の増額をすることが非常に重要でございます。 手当につきましては二通りございまして、一般の勤労婦人が再就職をいたします際には、失業保険金と、そのほかに訓練の事項に必要な諸手当が支給されることになっておりますが、それ以外の初めて職場に進出する人たちの手当につきましては、これは転換給付等によりまして、定額の手当が支給されることになっております。この手当の額につきましては必ずしも十分でないという御批判がございますので、今後一そうその増額に努力してまいりたい、かように考えております。
○古寺委員 時間でございますので、これで終わらなければいけないのですが、先ほども申し上げましたように、地域によっての勤労婦人の格差、あるいは職域によっての勤労婦人の賃金の格差、そういうような問題の解消、さらには国際的な視野に立った日本の勤労婦人の福祉の向上、こういうものを今後労働省としては強力に推進していかなければならぬと思いますが、この点につきまして、最後に労働大臣から、日本の非常におくれている勤労婦人の地位を向上する立場から、ひとつ御決意を承って質問を終わらせていただきたいと思います。
○塚原国務大臣 農村の婦人の問題から御質問が始まったのでありますが、これは先ほどお答えいたしましたとおりでございまして、決して十分とは言えないと思います。全国の働く婦人の総合調査を本年度から始めるということも申し上げましたが、この結論を急ぎまして、働く婦人をいかにして擁護するかということのために、全精力を注がなければならないと考えております。立ちおくれているという御批判がありましたが、それを取り戻すための努力は絶対必要であります。 同時に国際的に見た場合、ILO条約との関連の御質問もございましたけれども、国内法との関係でまだ批准までに至りませんものもございますけれども、われわれは、あくまでも立ちおくれを取り戻すために、国際的な視野に立って勤労婦人の権利を守る、そのための努力を続けていく決意でございます。
○森山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○森山委員長 ただいままでに委員長の手元に、橋本龍太郎君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案に対する修正案が提出されております。 ————————————— 勤労婦人福祉法案に対する修正案 勤労婦人福祉法案の一部を次のように修正する。 第二条中「尊重されつつ」の下に「しかも性別により差別されることなく」を加える。 第八条中「習得することを促進する」を「習得し、その能力の向上を図ることを促進し、かつ、勤労婦人に対し職業訓練の機会が均等に確保されるようにする」に改める。 第九条の前の見出し中「配慮」を「配慮及び措置」に改める。 第十条中「必要な配慮をする」を「勤務時間の変更、勤務の軽減等必要な措置を講ずる」に改める。 —————————————
○森山委員長 まず、修正案の趣旨の説明を聴取いたします。田邊誠君
○田邊委員 ただいま議題となりました勤労婦人福祉法案に対する自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党共同提案にかかる修正案につきまして、四党を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。 お手元に修正案が配付してありますので、朗読は省略させていただきますが、その要旨は、 一、勤労婦人の福祉に関する基本的理念について、勤労婦人が性別により差別されることがない旨を明確にすること。 二、国等が勤労婦人について、職業訓練に関して講ずる措置は、技能を習得し、その能力の向上をはかることを促進し、かつ、勤労婦人に対し職業訓練の機会が均等に確保されるようにするために行なう旨、その目的を明らかにすること。 三、勤労婦人が保健指導等に基づく指導事項を守ることができるようにするために、事業主は、勤務時間の変更、勤務の軽減等、必要な措置を講ずるようにつとめなければならない旨を明らかにすること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○森山委員長 修正案について御発言はありませんか。——御発言ないものと認めます。 —————————————
○森山委員長 これより本案及びこれに対する修正案を討論に付するのでありますが、別に申し出もありませんので、これより採決に入ります。 まず、橋本龍太郎君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森山委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除く、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森山委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○森山委員長 この際、中村拓道君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君より、本案に対し、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 その趣旨の説明を聴取いたします。中村拓道君
○中村(拓)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して、説明にかえさせていただきます。 勤労婦人福祉法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、特に次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。 一 勤労婦人の福祉に関連する施策は、広範、多岐にわたるので、本法の施行に当たつては、男女平等の趣旨のもとに、労働基準法等関係法令の施行及び関係施策との連携を密にし、総合的な効果をあげるように努めること。 二 本法の制定を契機として、勤労婦人の労働条件の改善・向上と雇用の安定を図るため、労働基準法その他の関係法令について、基準の引上げ等を再検討するとともに、婦人関係の国際労働条約の批准に努めること。 三 育児休業については、その普及が勤労婦人の職業生活と家庭生活との調和を図るうえに重要な意議を有するので、その円滑な普及を図り実効をあげるため、休業中の生活安定等についての専門的な検討を含め必要な措置を講ずるよう努めること。 四 本法の施行と相まつて、公立保育所等の設置を促進し、その運営の充実を図るよう整備計画の拡充に努めること。また、事業主が乳幼児の育児に関する施設の設置等を行なうに当たつては、その設備及び運営に関し児童福祉の理念が生かされるものとなるよう配慮すること。 五 働く婦人の家については、勤労婦人の福祉を総合的に推進するたての拠点として実効あるものとするため、これを増設しその運営の充実に努めるとともに、児童館その他学童保育施設の設置を促進すること。 六 職業訓練法に基づく公共職業訓練等を受講する求職者に支給される訓練手当については、訓練中の生活面を十分配慮したものとするよう努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。(拍手)
○森山委員長 本動議について採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森山委員長 起立総員。よって、本案については、中村拓道君外三名提出の動議のごとく、附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣より発言を求められておりますので、これを許します。塚原労働大臣。
○塚原国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、善処してまいる所存であります。(拍手) —————————————
○森山委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○森山委員長 次に、あん摩師、はり師、きゆう師及び柔道整復師法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件について、竹内黎一君より発言を求められております。これを許します。竹内黎一君。
○竹内委員 本件につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党、四党委員の協議に基づく試案がございます。各委員のお手元に配付してありますが、四党を代表して、私からその趣旨を御説明申し上げます。 あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう及び柔道整復以外の医業類似行為は、わが国における、いわゆる民間療法として、長い間国民に親しまれてきていることは周知のとおりであります。 この医業類似行為に関しましては、昭和二十二年にあん摩、マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律が制定された際、引き続き三カ月以上医業類似行為を業としていた者であって、都道府県知事に所定の届け出をした者は、一定期間に限り、当該医業類似行為を業とすることができることとされ、その後数回にわたって、その期限の延長がなされたのでありますが、昭和三十九年に至り、届け出業者の業務継続を無期限とする法改正がなされました。 この法改正の際、将来にわたっての医業類似行為の取り扱いについて、あん摩、マッサージ、指圧、はり、きゅう、柔道整復等中央審議会は、医業類似行為に関し専門的な立場から調査審議することができることとするとともに、厚生大臣は、この審議結果を参酌して、必要な措置を講じなければならないことといたしました。 自来、中央審議会においては、医業類似行為に関して関係者の意見を聴取するとともに、将来にわたっての資格制度の創設の可否等、その取り扱いについて審議が続けられておりますが、遺憾ながらまだ結論を得るに至っていないのであります。 一方、法施行後二十余年の長い歳月が経過し、医業類似行為を業として行なっている人々の多くは高年齢に達したため、結論を急がなければ存否の結論の出ないままに、その技術が絶えてしまうことにもなりかねないおそれも出てまいっております。 このような実情にかんがみ、本試案は、厚生大臣のとるべき必要な措置について期限を設定し、中央審議会の審議を促進することにより、昭和四十九年末を目途として、医業類似行為の業務内容及び業として行なうことができる者の資格制度の創設等について、必要な措置を講じなければならないものとすることであります。 この際、私は四党を代表いたしまして、動議を提出いたしたいと思います。 お手元に配付してあります試案を成案とし、これを本委員会提出の法律案と決定されんことを望みます。 委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○森山委員長 ただいまの竹内黎一君、田邊誠君、大橋敏雄君及び田畑金光君提出の動議について御発言はありませんか。——御発言もありませんので、本動議について採決いたします。 竹内黎一君外三名提出の動議のごとく、お手元に配付いたしました草案を成案とし、これを委員会提出の法律案とするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○森山委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○森山委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。これを許します。斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 お疲れのところ、たいへん恐縮でございますが、しばらくお願いをいたしたいと思います。 私は、労働省並びに郵政大臣に二、三伺いたいわけでありますけれども、最初に、先に大臣に聞きます。 大臣、郵政業務を進めている中で、労働組合の問題がいろいろ取りざたをされております。特に郵政関係では全逓労働組合、全郵政労働組合というような組合がございまして、これらの問題をめぐって、あるいは不当な差別の処遇だとか、あるいは組合加入脱退の自由の束縛だとか、いわゆる不当労働行為といわれるようなものが行なわれているというようなことも聞いておりますし、しかし郵政業務正常化のためには、郵政省はいろいろな施策を精力的にやって取り組んできて、その成果もあがっているというようなことも聞いているわけでありますけれども、大臣、率直に言って、あなたの所管する全国でこの不当労働行為といったようなものが全くないと自信を持ってお答えできますでしょうか、いかがですか。
○廣瀬国務大臣 実は、私ただいまの御質問に対しまして、不当労働行為が全くございませんということをはっきりお答えいたしたいのでございますけれども、何と申しましても、三十二万の人間をかかえている郵政事業でございます。したがって、私どもの郵政事業は労務関係が最も大きな課題でありますけれども、それについては長年いろいろ苦慮し、努力を続けておるところでございますが、御承知のように一昨年、その前のいわゆる労変闘争の苦い経験にかんがみまして、十二月十四日に確認事項というのを労使間で取りかわしておるのであります。これがすみからすみまで、くまなく徹底してまいりますれば、そうした忌まわしい事件は起こらないという私は確信を持っております。 大臣就任以来、その努力をずっと誠意を持ってやっておるつもりでございます。不信感を持たずに、信頼感を持って精力を持って対処するというのが私の信条でありましたわけでございますが、ときどき、特に郵政事業を愛して事業をよくしたいという御熱意を持ってくださっております全逓の御出身の方々あたりから、御指摘をいただくのであります。調査の結果、必ずしも当たっていないという事実もいろいろあるようでございますが、また管理者において落ち度があったという事例も必ずしもなきにしもあらずでございます。 しかし漸次、いま御指摘になりましたような理想の域と申しますか、不当労働行為は絶無だというところまで持っていかなくてはならぬということを、いま大いに努力、精進をいたしておるところでございまして、私は以前に比べますと、いまおことばにありました、少しずつよくなっておるというような自信は持っております。いろいろな管理者に対する処分についての言明でありますとか、各種の通達あるいは会議等開いて指導するとかいうようなことでやっておるわけでございまして、だんだん減っておるとは思いますけれども、絶無だということを申し上げられないということは、まことにこのすべての責任は私にあるわけでございまして、申しわけないと思っておるわけでございますが、そういう方向に向かって今後とも努力してまいりたい、こういうように考えております。
○斉藤(正)委員 一言だけ。大臣、客観的な事実が明らかになって、明らかに不当労働行為だというものが出た場合に、処分を含めて善処いたしますか。
○廣瀬国務大臣 御指摘のとおりでございまして、労務関係におきまして、管理者の不当労働行為というのは最も忌むべきことでございますから、そういう事例がございましたならば十分調査いたしまして、処分を含めて善処いたしたい、かように考えておるわけでございます。
○斉藤(正)委員 郵政大臣、けっこうでございます。 石黒労政局長に伺いたいのですが、公共企業体等労働組合が不当労働行為だということで、あるいは裁判所に、あるいは公共企業体等労働委員会に、あるいはそういう提訴というようなことなしで、最も顕著な判例が出た裁判の事件あるいは公共企業体等労働委員会が命令を出した事件、あるいは裁判でも、公共企業体の命令でもないけれども、実は不当労働行為として認定をされたというようなことが、具体的に公共企業体で、たとえば過日国鉄に命令の出たものがございますけれども、裁判で判決があった場合は、ひとつどういうのがあるか、公共企業体で命令を出したものにどういうものがあるのか、裁判もしないし、公共企業体も命令しないけれども、不当労働行為として実質的な処置が行なわれたものにどういうものがあるか、なければないでけっこうです。一つずつ裁判の場合、命令の場合、そうでなくて、前二者いずれでもないけれども、同じような措置がとられたというような場合、もし御記憶でございましたら、年月日なんかいいですから、たとえば国鉄でいつごろにこういうことがありました、全電通でいつごろこういうことがありましたというのが、もし御記憶でしたら、一つずつ教えてくれませんか。
○石黒政府委員 ただいま資料を持ってまいっておりませんので、正確に記憶いたしておりませんが、公共企業体の労働関係におきましては、相当の件数の不当労働行為の救済命令が出ております。特に顕著なものは、ただいま御指摘のございましたように、昨年秋の国労、動労関係のものでございます。裁判関係もときたま出ておりますけれども、支配介入というような事件につきましては、これは裁判所がちょっと扱いにくいものでございますから、公企体関係で、裁判所の不当労働行為の救済判決というものは、比較的少なかったようでございます。 それから裁判所にも出なかった事件というのは非常にたくさんございます。具体的に覚えておりませんけれども、全逓等におきまして、労変闘争その他の事案で労働組合と当局との間で話し合って、その解決策を講じたというような事例もあるわけでございまして、これは私どもとして全部はとてもつかみきれないわけでございますが、若干の件数はあるわけでございます。
○斉藤(正)委員 ありがとうございます。 私は、先ほど大臣からせっかくのお答えでありましたけれども、今日なお郵政の職場には白昼堂々と不当労働行為が行なわれている。しかも、それは労務対策という名のもとに国費が不当に使われて、組織破壊のためにいろいろな行事が行なわれているのではないかというような懸念を持つものであります。 そこで、以下申し上げる資料を明日一ぱいかけてぜひ出していただきたい。口早に申し上げますから、おわかりにならなければ後刻また確認の意味で私のところへお尋ねをいただければ詳細に申し上げるつもりであります。 第一、名古屋郵政局管内で全郵政労働組合結成以来、主任、主事に発令をされた者の氏名、発令年月日、当人の全逓労働組合脱退年月日、四県各局にわたって間違いのない資料を出していただきたい。 第二、名古屋市守山局における新規採用者特訓にあたって、リーダーが部屋へ錠を施して特訓を行なった一件の詳細ないきさつ。 次、岐阜局における簡易保険超過契約の実態の内容として、一個人が加入契約した最高額、勧誘した職員の氏名、官職、同職員の超過契約一覧、何月何日何という方と契約したかはお客さまのことですから、必要ありません。A、B、Cの符号でけっこうであります。 次、静岡局が昭和四十六年十一月十五日、金券を発行し、支払った支払い先が材木町の魚勝という料理屋であります。この四十六年十一月十五日、魚勝に支払った金券の内容、すなわち幾ら支払ったか、どういうメンバーが出席をしたか、何を相談したか。食べたものや飲んだものは問いません。 次、沼津郵便局が昭和四十六年七月八日から四十七年三月九日に分けて前後十四回、頭屋本店に支払った合計五十四万二千円の需品費支出の稟議簿、四十六年七月八日から四十七年三月九日まで前後十四回にわたって頭屋本店へ支払った総額五十四万二千円の稟議簿の内容。 次、静岡県袋井郵便局が四十七年三月、臨時採用した高橋のり子さんの出勤簿、命免簿、賃金請求書及び支払い書の写し。 次、静岡県沼津郵便局が昭和四十七年三月一日採用した郵便課内勤の川口幸子、小林英子、山本久枝、上松立枝さん、以上四名の同じく出勤簿、命免簿、賃金請求簿及び支払い簿。 さらに、同じく沼津郵便局の四十七年四月七日支払いを行なった非常勤職員の同じく郵便課内務職ですが、某大学生の住所、氏名、年齢——某大学生としかわかっておりませんので、そういうお願いしかできません。 次、静岡県伊東郵便局における切手類売捌人である稲葉八重子さんの昭和四十二年以降の郵便切手類売り渡し請求書全部、保存期間が切れているものはけっこうであります。何年かの保存期間があって、郵便切手類売り渡し請求書というのが残っているはずであります。同じく静岡県伊東局における昭和四十七年二月三日発行の金券のあて先、金額、詳細な内容、先ほど言いました稟議書の写しでけっこうであります。 以上、膨大な資料で明日までにつくれないならば、その旨連絡をいただきたいと思います。 最後にお尋ねをいたしますが、この簡易保険の団体契約がたくさん行なわれているようでありますけれども、たとえば東海郵政局管内で代表的な簡易団体保険の種類にはどういうものがあるか、五つほど教えていただきたい。そしてその内容の概略を御説明いただきたいと思います。 以上です。
○野田政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま簡易保険の契約者団体の代表的な五つ及びその内容という御質問でございますけれども本来的に簡易保険の契約者団体、これは保険料の払い込み団体でございますが、一応基本的には職場を同じくする、たとえば官庁あるいは会社、工場、あるいは各学校、寄宿舎、こういうところの保険契約者が団体を組成しまして、取りまとめて保険料を払い込む、こういうのが代表的なものであろうかと思うのであります。ただ、こういうものは普通、日常の簡易保険の業務と運営につきまして、ほとんど問題がございません。 問題がある団体といたしましては地域団体、特にわれわれのほうで最近いろいろ指導矯正の措置を講じておりますのは、いうところの同趣同好団体といいますか、たとえば旅行会というのがある。これは国内を旅行する団体、御婦人が比較的多いのでありますが、あるいは海外旅行団体、先生の御質問の趣旨に沿うかどうかわかりませんけれども、一応代表的な契約者の団体と申し上げますと、まず旅行団体、こういうものがあろうかと思います。そのほか、たとえば観劇をする団体、そのほか東海地方でございますと、半年に一ぺん、あるいは年に一回くらい人間ドックに入ろうということで、その払い込み保険料の割引額を積み立てまして、これによって人間ドックに入りたい、こういう団体。同趣同好団体でございますから、そのほか魚釣りの団体とか、あるいは野球を見に行く団体とか、いろいろあろうかと思うのでありますが、代表的なということに当たるかどうかわかりませんけれども、一番代表的なものは、冒頭申し上げました海外旅行団体、あるいは国内の旅行団体、観劇団体、そういうところだろうと思います。
○斉藤(正)委員 お説のとおりでありまして、海外旅行友の会、簡易保険協力会、子供会、人間ドックの会、学友会、レジャーの会、以上六つが代表的なもので、そのほかにも二百五十九の団体保険があります。 以上、申し上げた海外旅行友の会、協力会、子供会、人間ドックの会、学友会、レジャーの会の発足から三カ月間、重点的に期間をきめてやっておられるようでございますから、これが発足して三カ月の間に、シーズンが始まりますと、毎日勧誘の行くわけですから、連日加入者があるはずであります。連日の加入者の数、掛け金の高、手数料は二回目以後でなければ支払っておりませんけれども、一回目の掛け金を徴収してきて、二回目からは手数料になる七%がどう扱われているかわかる資料を、私もくろうとでありませんから、どういうものかということを具体的に言えませんけれども、郵政の職員が勧誘し、加入契約をしてきたのは、その月の掛け金を第一回分もらってくるわけであります。それが加入の契約をした場合に、全額国の金として納入されているかどうかということがわかれば、けっこうであります。 以上六団体について、簡易保険の団体加入の資料を、同様あす中に出していただきたいと思います。 なぜこういうお尋ねをしたかというと、冒頭申し上げましたように、私どもが知っておる範囲では、差別の扱いがされている。不当な組合干渉が続いている。行き過ぎた職場規律の強要が疑われる。しかもその根源に、公金の不当な支出が行なわれておるのじゃないかという疑いがあるから、お願いをいたしたわけであります。 たいへんざっぱくなお尋ねで恐縮でございますけれども、資料をちょうだい次第、また、委員会のお許しを得て質問いたしたいと思います。 終わります。
○森山委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○森山委員長 速記を始めてください。 次に、田畑金光君。
○田畑委員 最初に、これは郵政大臣にお尋ねしようと思ったのですが、残念ながら郵政政務次官、それから人事局長、御両所にお答えをいただきたいと思うのですが、国会には国政調査権というのがあることは御承知だと思うのですね。国政調査権とは何か、こういうことになってきますと、憲法六十二条にうたわれておるわけです。さらにまた、それを受けて、国会法の百三条に議員の調査権というのがあるわけですね。さらにそれを受けて、衆議院規則を見ますると、その五十五条に委員会の調査権を発動する、その場合は常に委員会の議決、議長の承認を受けて行なうというのが、いわゆる国政調査権です。 そういうような形で国政の調査が行なわれておるわけであるが、まさに議員が地方の官庁に行って議員個人としていろいろな調査をすることも、これは調査には間違いはないけれども、いわばそれが院の決議に基づく調査権と、ともすれば末端の管理者等が誤解をするわけです。あるいはそのように解釈する。あるいはまた、政党の派遣した調査団も、それはあくまでも政党の調査団であるが、いわゆる国政調査権ではないけれども、地方官庁等においては、政党の調査団に対しては、それなりの敬意を表し、協力もしておる。 私は議員がたとえ個人であっても、国の政治課題について、一つの、ある問題について調査をする、それに対して官庁が協力することは当然のことだし、政党としても、政党の調査団が派遣された場合に、関係出先機関がこれに協力するということは、これまた私は望ましいことだ、こう思うのでございますが、しかし、憲法や国会法や規則に基づくいわゆる国政の調査権というものと、議員個人の調査なり、あるいは政党の調査団の調査とはおのずから軽重あり、取り扱いの差別があるのも、これはまた当然のことではないか、こう思うのです。 ところが、私があなたに、政務次官に特にお尋ねをしておきたいことは、私はこれは大臣の答弁でなければ不満足だし、したがって後日、郵政大臣の出席を求めてきちんと見解を承っておきたい、こう思うのですが、私が本日いろいろ末端の実情を聞いたところによれば、たとえば名古屋の守山の郵便局において、郵便局長が全郵政の組合の事務所をあけろとか、あけて中を見せろとか、中を見せることについて協力しろとか、そういうようなことを一体郵便局長という、管理者というものが、特定の組合の組合事務所の調査を強要できるのか、あるいは政党の調査団に対して組合の事務所をあけて調査に応じろとか、こういうような強要が許されるかどうか。別の角度からいうと、これは明らかに正当な労使関係を逸脱しておる局長の行為ではなかろうか。また別の角度からいうならば、これこそ、また、ある意味において正当な労使関係のあり方を逸脱する不当労働行為じゃないのか、こういうことを強く感ずるわけだが、郵政政務次官はこの点について、どのようにお考えなのか、大臣にかわってひとつお答えをいただきたい。
○松山政府委員 先生の御質問、御意見、全くそのとおりだと思います。私も、ごく自然の形で、話し合いの中で見せてほしいということで、組合側が納得して見せてくれるというような形であればけっこうですけれど、そういうことがなくて、強要してそれを見るというようなことはでき得ないかと思います。そのように私自身は考えます。
○田畑委員 先ほど郵政大臣は、不当労働行為があるならば厳正に措置する、こういうことを約束されたわけだから。 今日、郵政省の中で組合が二つあることも事実、鉄道の中に組合が三つも四つもできているのも事実。私はどのような組合がいいとか悪いというものではなくして、組合の勢力が大きい、小さいというようなことではなくして、ほんとうに労使関係のあり方に対して管理者というものは、当局というものは常に厳正中立でなければならない、これは当然のことだと思うのです。どっちにひいきしろ、どっちにひいきするなという問題ではなくして、不当労働行為という問題については、私は厳正な運営をなさるべきであるし、いまも私が申し上げたように、末端の管理者等は、国政調査権に基づく正当な国政調査でなくても、調査というと、すぐ国政調査権、このようにともすれば受けがちであるが、私は繰り返し言う。 政党の調査であろうと、議員個人の調査であろうと、それに協力されることは当然であると思うが、しかし正常な運営を越えた、あるいは法律の規定に反することに機微な労使問題等について一方的な措置等をとることは、厳にこれは注意してもらわなければまずいですぞ、こういうことを申し上げておるわけで——いや、人事局長、一々郵政政務次官に耳打ちしなくてもいいから、あなたの考えはどうだ、こういうことを承っておきたいと思う。
○北政府委員 基本的には、いま政務次官がお答え申したとおりに考えております。ただ私どもへの報告では、守山局の管理者がお入れしろと言ったことはない、こういう報告が来ております。(発言する者あり)
○田畑委員 そういう報告があったということだが、それはいまもそこに不規則発言がありましたように、おそらく社会党の調査団もいろいろ現場を見ておいでのようでありますから、あらためてこれはこの委員会でも取り上げられると思うが、私の報告を受けたところでは、議員の調査団だけでなくして全逓の組合員まで入ってきて、その部屋の調査を受けたというようなこと等を見たとき、私はこれは現場の管理者として、もっと厳正な態度をとるべきでなかったのか、まことに遺憾にたえない。 また、後日この問題については、私も強く事実に即しながらあなた方の考え方を承ることにしたいと思いますが、第二の問題として、私はお尋ねしたいのは、率直に申しまして、郵政省においては労使関係はわりあい健全な方向にきておる。その限りにおいて私は、組合がどうこうというのじゃなくして、全体として今日の国鉄の荒廃した姿を見るにつけ、郵政省関係はよっぽど国民の郵政事業であるという、かねて私は敬意を表しておる一人でありますが、よってきたゆえんは、私は労使関係が比較的平和に話し合いによってものごとが処理されてきておるということ、このことです。 ただしかし、最近私が非常に遺憾に感ずることは、私は国鉄の職場の荒廃ぶりと申しましたのは、マル生運動とかいろいろな問題はありますが、そういうような問題は抜きにして、私が一番今日国鉄の中において憂うべき傾向というのは、暴力事件が発生しておるということなんです。主義主張は違っておるが、お互い社会生活上あるいは団体運営上いろいろの立場があるし、意見が違うし、意見の衝突があることも、これは百も現実のことであるし、またその上に立って、初めて意見の多様性の中からどうするかという、これが私は民主主義社会の運営であるし、ルールである。こう見ておるわけだが、不幸にして、国鉄の中においては組合運動を異にするとか等々のいろいろな理由があって暴力行為が発生しておる。この問題の解決なしに、私は幾ら国鉄の運賃値上げをしても国鉄の再建はあり得ないという、こういうまことに残念に思っておる。 そういう点から見ると、私は郵政省関係においては、そのような問題がない。それが、私は一番郵政の労使当局に対して敬意を表しておるゆえんなんです。ただしかし、ところが最近、だんだん聞いてみますと、これは社会全般の傾向がそうだということも影響しましょう、あるいは鉄道の中における動きがはね返ってくるのじゃないか、こう思いますが、そういう点において、私がいままで調べたところによれば、一、二の例だけを申し上げますと、たとえば静岡の郵便局で起きておる一つの事件です。これは四月の二十五日午前七時五十五分ごろ、第二集配課の事務室で起きた事件でありますが、集団いやがらせ行為。そして中島という全郵政の、これは職場では主任の仕事をやっておる人のようでありますが、全逓の青年部のそれがしから、からだに触れたという言いがかりをつけられてこづき回され、やがて全治二週間のけがをした。しかし、これはこの全逓の一青年でなくして集団でこのような暴力行為を受けて、これが二週間のけがをした。その後も連日、この局では全逓の青年部を中心に全郵政組合員に対する集団的つるし上げ事件が頻発をしておるという報告を私は聞いております。そして、これは地元の警察署にも告訴の手続をとっておるわけでありまするが、御存じかどうか。これは局長でけっこうです。 もう一つだけ申し上げますと、これは三月の二十三日に大阪管内の山科の郵便局で起きた暴力事件であります。全郵政の保険課につとめている出崎それがしが、全逓の地区役員を先頭に加入説得と称して連日いやがらせを受けていたが、四月十日にこれがエスカレートして暴力行為に発展して、全逓の組合事務室に不法監禁され、全郵政脱退か退職かの二者択一を強要されたという事件。四月十日、この出崎君が勤務終了後帰宅すべく事務室を出たところ、全逓のそれがし、それがしが追っかけてきて、話がある、きょうは決着をつけてやると強引に組合事務室に連れ込もうとしたとき、出崎は腰を落とし、足をばたつかせて必死にのがれようとしたが、約四メートル引きずられた。連れ込まれないように物品倉庫の戸にしがみつきながら助けてくれと叫んだけれども、周囲の罵声でかき消された。このとき全逓のそれがしが左右の腕をねじ上げ、上着や左そでのつけ根を破られた。さらに東山局から動員された全逓の組合員約五十名に廊下の壁にもたれていた出崎の背中、腹部、腰をかわるがわるげんこつでなぐるけるなどの集団暴行を受け、本人は全身の痛みや精神的苦痛により完全にノイローゼとなり、五日間病休をとり、五月の十五日復職した。こういう事件。 私は、この姿を読みながら、その現状を考えてみるとき、これは全くどうもおそろしい事件だなという感じがするのです。これは私は全逓組合員の全体がそうだといっているのじゃなくて、反戦青年委員会に所属する云々という話も聞いておりますが、やはりこのような行為は大きくならぬうちに早く押えるように、このような行為がないように、管理者は管理者としての姿勢をたださぬと、せっかく郵政事業が国民のための郵政事業としてりっぱな足跡を重ねつつあるのに、あの国鉄のような荒廃した組合に転落をさせることをたいへん私はおそれるからなんです。このことです。 これは警察庁からもだれか来るように私は要求しておきましたが、警察庁のほうもこの事件御存じかどうか。人事局長もこの事件御存じかどうか。こういう問題についてあなた方としては、今後どのように処理されようとしておいでになるのか。さらに私は先ほどの斉藤委員と同じように、このような職場の中にいろいろ暴力事件が発生しておりますが、当局としても当然資料などをお持ちと思いますので、この資料をぜひひとつ提供願いたい。このことを要求しておきます。御答弁お願いします。
○北政府委員 私ども情報として存じております。本省が直接調査をするという段階にはまだ相なっておりません。一応、各地の郵政局というのがございますが、そこで調査をしておる問題でございます。こういった問題、もちろんたいへん遺憾に存じております。 私どもといたしましては、まずそういったことが起こらないように努力する、万一そういった事態が不幸にして局の構内に起こりましたような場合には、管理者がこれを割止する、あるいは保護するということにつとめさせております。そういった結果が出た場合には、むろんよく調査をいたしまして、それ相応の措置をとる、こういうことでございます。
○鈴木説明員 お答えいたします。 いま御質疑のありました静岡と京都の山科の件でございますが、仰せのとおり、そういう事犯が職場でございます。 静岡の件でございますが、これは四月二十二日、四月二十五日、四月二十九日、それぞれこういった事犯が、合計四件でございますが発生いたしまして、四月段階のこの四件分につきましては、六月四日に、四人を傷害容疑で送致いたしております。 また、五月三十日の事犯がございます。これは、静岡郵便局の四階廊下での傷害事件でございまして、一人の方が右大腿部、背中、腹部打撲傷で全治十日間くらいの傷害を得て入院したというふうな、全逓員と全郵政員によるトラブルでございます。これにつきましては、静岡中央警察署で、専従の係員八名を置きまして、現在捜査中でございます。これは、届け出によりまして、警察として捜査を始めているということでございます。 それから山科の件でございますが、これは、四月二十日の事犯が二つ、それぞれ五月八日、五月九日段階で告訴が提出されております。これも全逓員と当局との間のトラブルでございまして、先ほど仰せのとおり、それぞれ七日間の加療を要する傷害、三日間の通院加療を要する傷害というふうな被疑事犯でございまして、これにつきましても、山科警察署で専従八人によって現在捜査継続中ということでございます。
○田畑委員 時間も参りましたから、きょうはこの程度で済ますことにしておきますが、ひとつ警察庁がつかんでおる暴力事犯のケースについて資料をいただきたいということ、これだけを希望申し上げておきます。これは、委員長においてしかるべく取り計らっていただきたいと思います。 ことに、私はいまの人事局長の答えを聞いて、まことに遺憾に思うのは、現実に警察庁でこれだけ、いつ幾日どうという事件の捜査をしておるじゃございませんか。あなたの答えを聞いておると、報告を受けているような受けていないような、そういう姿勢は、私は間違っておると思いますね。いいのはいい、悪いのは悪い。ましてや、暴力ということは事のいかんを問わず、排除するという姿勢がなければ、私は今後の郵政事業の遂行の面からいってもたいへんなことだと思うのですね。今日のいろんな事件を考えてみるとき、私はあなたの先ほどの答えはけしからぬと思うのだが、しかし、これは後の機会に、またけしからぬ点はうんと追及することにしまして、冒頭に申し上げたように、私が希望申し上げることは、この種の暴行が集団の名においてだんだん拡大、エスカレートしてまいりますと、収拾がつかなくなるということなんです。暴力だけは職場からなくしていただきたいと思う。 組合は、私は極端に言うならば、どっちの組合であってもよろしい。とにかく、組合運動の理論の対立であるとか、あるいは当局と組合員の対立であるとか、いろんな場合があるかもしれぬが、どんな場合があろうとも、暴力だけは排除するというき然たる姿勢をとらない限り、私は郵政事業と言わずして、これは日本の社会全体の問題として、もっともっと真剣にお互い勇気をもって、その立場立場において、ものごとにけじめをつけていくという努力と決断と信念というものが一番大事なことじゃないのか、こう私はあなたに申し上げたい。どうですか、そのことだけ私はお聞きして、私の質問を、きょうのところは終わっておきます。
○北政府委員 私とても、暴力を見のがすというつもりは、ごうまつもございません。職場からそういった事態が一日も早くなくなりますように、大いにつとめてまいりたいと思っております。
○田畑委員 きょうは、これで終わります。
○森山委員長 次回は、明後八日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時四十六分散会