社会労働委員会 第32号
- 発言数
- 312 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/06/01
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。橋本龍太郎君。
○橋本(龍)委員 一昨年、当委員会で全党が一致をして身障基本法を制定をして以来、これで二年が過ぎたわけでありますが、その身障基本法の精神を生かしてわが国の障害者行政は進められ、当時政府もそのように断言をしてこられました。そして本年の予算編成においてある程度の前進を見た分も含めて、今回身体障害者福祉法の改正を提案をされたわけであります。その法律案の審議に先立って、わが国における身体障害者の実態というものがどのようになっているか、これをまず事務当局から御説明を願いたいと思うのであります。 今日まで、障害者関係の行政においてはさまざまな問題が取り上げられてきております。そしてその福祉の向上についても相当多くの努力が払われておりますけれども、これは厚生行政直接の所管とは言いませんが、障害者の雇用の機会の増大であるとか、あるいは教育を受ける権利の問題であるとか、政府全般にわたってはなお考えていかなければならない問題が多くあるはずであります。それらの問題を考えていく上においても、この障害者の実態というものを明らかにされなければ、今後の対策というものはあり得ないわけでありまして、わが国における身体障害者の実態というものをどのように厚生省として把握をしておられるか、まずこの点から明らかにしていただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 身体障害者の実態についてのお尋ねでございますが、厚生省におきましては五年ごとに全国の身体障害者の実態の調査を実施いたしております。 それで、最近の調査は昭和四十五年の十月に調査したものでございます。それによりますと、わが国の身体障害者の総数は百三十一万でございます。これはおとな十八歳以上であります。十八歳未満は約十万おります。おとなの身体障害者は百三十一万という数字でございます。 この障害者を種類別に見ますと、肢体不自由者、手足の不自由なものが約五八%、六割に近いものでございまして、次いで視覚障害者、目の悪い障害者が一九%、それから耳の関係の聴覚障害者が約一八%、内部障害者、これは結核、心臓関係でございますが五%。そういう割合でございます。 そのほか男女の割合でいきますと、男が大体六割、女が四割という状況でございます。 それから年齢的に見ますと、やはり五十歳以上の人々に身体障害者の比率が多いということで、五十歳以上の身体障害者が全体の六六%、こういう状況でございます。 それから身体障害者福祉法では、その障害の程度に応じまして大体六級ぐらいに分けております。重度のものから一級、二級、三級、四級という順序で六級ぐらいに分けておりますが、一級、二級の重度障害者が百三十一万のうちの三十四万九千人、約二六・五%でございます。ですから大体四分の一以上の障害者が重度の障害者であるということになっております。 それから障害の原因でございますが、これは事故によるもの、たとえば交通事故とかあるいは労働災害その他の事故で、この事故によるものが全体の二六・七%。それから疾病によるものが六四・九%。それから不明、原因がはっきりしないというのが八・四%ございます。そういう比率になっております。特に交通事故は原因の四・五%でございまして、これは五年前の四十年の調査によりますと、交通事故による身体障害者が約三万三千でございましたが、四十五年にはそれが五万八千になっている。したがって約七五%ふえている、こういう状態でございます。その他労働災害等も若干ふえているという状況でございます。 それから就業の状況でございますが、身体障害者の就業率は四四・一%でございます。前回の四十年の調査よりも就業率は若干よくなっているという状況でございますが、全体のわが国の一般の人の就業率が六八・八%ということでございますので、なおやはり身体障害者は、当然でありますが就業という点では恵まれていない、こういう状況でございます。 大体以上がわが国の身体障害者の現状でございます。
○橋本(龍)委員 身障基本法をつくります当時からその身障基本法の中に、たとえば罰則規定を担保した障害者の雇用の義務づけを行なえという強い御意見さえ出ておったわけでございますが、多少それが増加したとは言いながら、なお就業率が四四・一%、しかもその障害の原因を調べてみると労働災害によるものもふえている。交通災害によるものに至っては前回の調査時に比べて二万名余りふえているという異常な増加率であります。こうした数字だけをとらえてみても障害者に対する対策、ことにその発生予防という点を考えた場合においては、厚生行政だけの中で障害者対策というものが行なわれるのでは、おのずからその限界がある。これはどうしても政府全体としての立場から考えられなければならないということが明らかにされるわけであります。 ここで私は大臣にお尋ねをしたいと思うのであります。ハンディキャップを負っている身体障害者、その身体障害者に対する対策というものについての基本的な方針というものはいかなるものであるか、またいかなるものであるべきか。これは厚生省だけの立場ではなく、政府全体としての立場からお考えをいただかなければならない点を多く含んでおります。この基本的な方針についてまずここで明らかにしていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 心身障害者に対する基本的な方針は、一言で言えば、昨年成立をいたしました基本法の精神ということで尽きると思うわけでございます。これをやりますのには、もう各分野にわたってやらなければなりません。いまおっしゃいますように、一厚生省だけでやれる部面もありますが、しかしながら、関係各省一体となってやる必要があるわけであります。文部省は教育の面で、労働省は就職の面で、また身体障害者をつくらないというためには、あるいは交通関係を処理する、そういうようなわけで、交通事故等事故対策につきましては、内閣に本部を設けまして、そしてそういう事故を少しでも少なくしていこうというので努力をいたしておるわけでございます。したがいまして、いまおっしゃいますように、関係各省それぞれ連絡をとりながら、基本法の精神を実現するということに努力をいたしておるわけでございます。
○橋本(龍)委員 いま大臣の述べられた基本方針、それがそのとおり私は政府各関係機関において考えていかれることを心から願う次第であります。身障基本法の中で定められました都道府県における審議会というものも、なかなか設置のおくれておるような地域もございますし、わが国の中で身障福祉というものについての関心は、いまだ必ずしも十分なものとは言えません。私は、自分の父親が身体障害者でありましただけに、そうした関係者の方々の気持ちというのは、ほかの方々よりもある程度以上よくわかるつもりであります。世間の一般国民の障害者に向ける目を一つ見ても、まだわが国では考えていただかなければならないことが多くあります。また、教育施設の中においても、ハンディキャップを負った児童の教育効果というものは十分に探求をされたとは言えませんし、厚生省そのものの中においても、疾病による障害発生率を原因別で見ますと、六四・九%といわれるものの中には、医療面における、あるいは母子保健の上における努力によってなお減少し得る余地はあるはずであります。こうした点についてなお総合的な施策の推進を望むものであります。 今回の改正の中で取り上げられた問題に議論を移したいと思います。今回、じん臓の機能に障害がある者を身体障害者の中に加えられた、これは一つの前進であり、それなりの評価を私どももいたしますけれども、必ずしも内部機能障害の中で追加をしなければならないものはじん臓機能障害、ばかりではないと私は感じます。その中で今回、じん臓機能障害というものを身体障害者に加えられた理由というもの、これは事務当局でけっこうでありますが、明らかにしていただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 今度御審議願います身体障害者福祉法の一部改正の一番大きな改正点は、このじん臓の機能障害のある者を身体障害者の中に加えて、それによりまして、人工じん臓による透析医療を更生医療としての範疇に入れる、こういう改正でございますが、その理由といたしましては、確かに先生おっしゃるように、内部障害についてはいろいろ今後身体障害者の範疇に加えるべきもの、さらに検討する必要があろうと思いますけれども、とりあえず今回じん臓の機能障害者を身体障害者に取り入れましたのは、一つは、人工じん臓による透析医療という相当効果的な一つの療法があるということでございます。これをやりますれば、ほうっておけば尿毒症になって死んでしまうというじん臓の機能障害者が、この療法によりまして、比較的軽い者はある程度の軽度の仕事もできる、その療法を一週間に二回程度受ければあとは軽く仕事もできるという療法が一つ確立されているということでございます。これはやはり身体障害者の更生医療というものの範疇に入るということでこれを取り上げたということでございます。 それからもう一つ、やはりこの人工じん臓の透析医療というのは非常に費用がかかります。年間に約四百万ぐらいかかるということでございます。たとえば被用者保険の家族という場合にも、半額と見ましても二百万ぐらいの自己負担がかかる、こういうことで、この人工じん臓による透析医療をやりたいと思っても、年間二百万の負担というのは、一般の国民としてはその負担にたえられないということで、そのために人工じん臓が受けられないで不幸な道をたどるというじん臓機能の障害者が相当あるということを承知しておるわけであります。そういうことで、一刻も早くこのじん臓の機能障害者をこの身体障害者の中に取り入れて、そうして人工じん臓による透析医療を行ないまして、それによってある程度健康を回復して、そうして状況のいい患者につきましては軽い仕事もできる、こういう措置をとることが緊急に必要であるということで、このたび身体障害者福祉法の一部を改正いたしまして、その中に取り入れるということにいたしたわけでございます。
○橋本(龍)委員 そのこと自体は私はたいへんけっこうなことだと思うのでありますけれども、どうも私ども、医学を直接学んだ者ではないせいもありましょうけれども、厚生省の行政の中で非常に理解しにくいところがあります。たとえば今回厚生省としていわゆる特定疾患、難病奇病といわれるものを特定疾患対策として一つ独立の柱を立てられた。そうしてそれはそれなりの対策を講じていかれる。今回じん臓機能障害者については、身体障害者福祉法の対象の中に取り入れていかれる。いわゆる難病奇病の特定疾患対策の中からはずして、別の柱に組み込んでいかれる。そのほか、医療保険関係にからめていっても、実は公費医療に取り入れていくべきもの、あるいはそうでないもの、そうした点の性格の判定というものがなかなかはっきりわれわれにはつかめません。これはじん臓機能障害者に対して、その人工じん臓による血液透析医療というものを給付し、その費用を公費負担をするということ、これはたいへんけっこうなことでありますけれども、この人工じん臓による血液透析医療というものがどのようなものなのか、私どもにわかるように医学的な説明をこの機会に聞かせていただきたいと思うのであります。 なお、それにつけ加えて、じん臓の機能障害といっても、その範囲は相当広範にわたると思います。その中で、血液透析医療を必要とする者がどのくらいあるのか、そしてその全員に対して十分対処し得るだけの医療技術者等も確保され、医療機関が整備されているのか、これをまとめてお答えを願いたいと思います。
○松尾政府委員 第一点のほうから申し上げますと、御承知のように、人間は新陳代謝が行なわれておりますから老廃物が出てまいります。それの一番わかりやすいものは、血液の中に炭酸ガスが含まれまして、これが肺にまいりまして、肺で炭酸ガスを出して酸素を入れ込む、これが一つの問題になります。もう一つ、ほかのそういうガス化できないような老廃物、尿素その他のほうは、これはじん臓ですべてこされて外に出される、こういう機能がございます。したがいまして、ちょうど呼吸における肺がやられたのと同じように、じん臓の機能がやられますと、その血液の中のいろいろな老廃物はじん臓を通して外へ出られない。結局たまってしまいまして尿毒症というような形で死の転帰をとるわけであります。したがいまして、それをじん臓にかわるものということでくふうされましたのが、いわゆる血液透析というものでございますが、これは原理を申しますと、セロファンを使っております。セロファンという膜は、実は細菌でありますとか、あるいは大きなたん白質でありますとか、そういうものは通さない、ところがそのほかの塩類等につきましてはその膜を通すという性質がございます。これを用いまして、いわゆる老廃物のたまりました血液、たとえばセロファンのチューブの中を通していく、通したところに外側に新しい別の液体を用意しておきます。そういたしますと、血液中の尿素その他の老廃物はセロファンの膜を通して外に出ていく、したがってちょうどじん臓と同じような機能を果たす。同時にまた、その機能を逆に利用いたしますと、血液の中にカリウムでありますとかナトリウムでありますとか、バランスが必要でございますが、そういうものを外側の液の中に入れておきますれば、今度は逆にセロファンを通して血液の中に必要なものを送り込むことができる、 これが原理でございます。この場合にそういうチューブを通してやるものと、それから薄い板を何枚も重ねまして、その間に血液と灌流液を交互に通す、こういう二通りのやり方がございますが、いずれにいたしましても、そういうセロファンという性質を使ってじん臓のかわりに血液を通してきれいにしていこうじゃないか、これがいわば人工じん臓といわれているものの原理でございます。 そこでどのくらいの対象患者がそういうものになるかという問題でございますが、アメリカではじん疾患によります死亡患者の大体二〇%が対象だ、これはアメリカの委員会で定説とされている数字でございます。しかし私どもは四十六年にこの検討委員会を設けまして、日本のじん学会の先生方といろいろ検討いたしました結果、わが国では少なくともアメリカよりももう少し多く見る必要があろうということで、死亡数の三〇%というふうに、アメリカよりも五割だけ高いところに、応の標準を置いてものをきめることにいたしております。現在一年間に約一万一千九百人のじん臓による死亡者があります。大体その三〇%と申しますと、三千五百七十人というのが一応対象になるかと思いますが、それを、こまかくは省略いたしますが、じん臓移植によって成功するものもある、こういうものを差し引きまして、三千五百九十四人という、こまかい数字でございますが、それぐらいの数が少なくとも四十七年の対象になるだろう。それに対しまして、じん臓の障害によりましては一週間に一ぺんでいい場合もございます。私どもは大体週二回、しかも土曜日は休むという安全弁をかけまして、一週間に二・五回という計算のもとにやっております。その結果現在約一千百台の保有数がございますので、それを除きました残りの部分は四十七年度に一挙に整備をする、こういうことで今回の整備計画を立てております。 なお、この問題につきましては来年になりましたらどうなるかという問題でございますが、来年はことし受けております患者さんは、その中で成功したものは来年もそのまま引き続いていかなければなりませんので、来年発生いたします患者さんについては、それ相当のものを用意しなければならない、こういう性質のものであります。 それからなお、これにつきましての配分計画等につきましては、ただいま都道府県といろいろ打ち合わせておりますが、大体各府県におきましても主要な医療機関が相互にネットワークを組むというような計画のもとに、いまこまかい折衝をいたしまして、大体の配分計画がぼつぼつ終わろうかというようなところになっております。 それからなお技術者につきましては、かなり訓練された人もおられるわけでありますが、なお新しいところにつきましてはさらに養成も必要であろうということで、医師、看護婦というものをチームにいたしまして、この研修会を実施するということを計画いたしておるわけであります。
○橋本(龍)委員 たしか昭和四十二年の法改正の際に、新たに内部機能障害として心臓または呼吸器の機能障害のある者を身体障害者の定義の中に含め、今回の改正法でじん臓の機能に障害のある方を身体障害者に取り入れてきたわけでありますが、今後さらに身体障害者の定義に取り入れていくべき障害としてはどのようなものが考えられるのか、社会局長、この機会にあなたのほうで考えておられる将来の方向があれば、それを明らかにしていただきたい。
○加藤(威)政府委員 内部障害についてこのたびじん臓を取り入れる、そのほかにどういうものを考えておるかというお尋ねでございますが、身体障害者に取り入れて更生医療を実施いたしますのには、先ほどちょっとお答え申し上げましたように、何か外科的な医療を加えて、それによって障害が軽減され、そうして社会復帰の可能性が出てくる、そういうものが更生医療としてなじむわけでございます。まだじん臓のあとにすぐこれが考えられるというものは、いまのところは必ずしもはっきりいたしておりませんけれども、ただ、たとえば肝臓障害というものにつきまして、何か外科的な療法によって永続する肝臓障害が軽減される、その状態が続くというような、そういう療法ができるということになりますれば、これは取り入れる疾病の一つになるのではないかと思います。更生医療といたしましては、単に薬物――薬とか注射によりまして、内科的な治療によって病気をなおす、これは一般の医療としてやってもらうということで、大体外科的な治療によってある程度永続する障害が軽減される、その軽減された状態が続くというようなことが一つの要件になっております。肝臓障害につきましては、いまのところまだそういう療法が必ずしもはっきりしていないというようなことのようでございますので、万一将来そういうような療法が確立されるということになりますれば、肝臓障害等は一つの有力な候補になるのではないかというぐあいに考えております。
○橋本(龍)委員 身体障害者療護施設というものがあります。その身体障害者療護施設というものの設置目的を明らかにしてください。
○加藤(威)政府委員 従来の身体障害者の更生援護施設というのは、身体障害者が残存して持っているところの能力というものをフルに活用して、そして社会復帰をはかってもらうというのが身体障害者福祉法の一貫した考え方でございます。ところが、身体障害者の中には、もう残存能力がほとんどない、いわゆる寝たきりであって、何か機能回復訓練とかそういうものをやりたいと思ってもとうていできないというような、非常に重度の身体障害者がおるわけでございます。そういう人たちに対する対策というものが、やはりいままで必ずしも十分でなかった。これはおそらく身体障害者に対する対策でも、経済優先的な考え方というと語弊がありますけれども、とにかく少しでも働けるようにしてもらう、それが本人のためでもあり、また社会のためでもある、そういう考え方が非常に表に出ておったわけでございます。中にはやはり、やりたくてもできないという重度の障害者がおるわけでございます。そういう人たちについては、これは国なり地方公共団体が施設をつくって、一生めんどうを見て差し上げるということが、やはり福祉国家としてほんとうの福祉国家たるゆえんではないかということで、身体障害者福祉法の考え方もさらに拡大をいたしまして、単に機能回復訓練ということばかりじゃなくて、そういうものができない身体障害者についても当然施設をつくってその介護をすべきだ、こういう考え方から、今度新たに身体障害者の療護施設、非常に重度の寝たきりの身体障害者の療護施設というものをつくった、こういうことでございます。
○橋本(龍)委員 そういう方面まで目が向けられるようになったということは、私どもたいへんけっこうなことだと思います。しかし、相当数そうした施設は、一たん手をつければ必要になるはずでありますから、この身体障害者療護施設というものを本年度以降どのように全国的に設置をしていかれようとしておるのか、その設置計画等が明らかであれば御説明を願いたいと思います。
○加藤(威)政府委員 四十七年度におきましては、この療護施設は八施設でございまして、定員大体五百六十名ということで最初は実施に移す予定にいたしております。 御指摘のとおり、そういった重度の障害者、ほんとうに寝たきりのようなきわめて重度の障害者が、厚生省の調査では約四千三百人ぐらいおられるということでございますので、先生御承知のように、社会福祉施設緊急整備五カ年計画、これが四十六年度から発足いたしておりますが、その計画の中に当然取り入れまして、この五カ年の間に、その四千三百名の重度の障害者を収容できるような療護施設を、あと四十八、九、十と三年間でございますが、その間にそういう施設をつくってまいりたいという計画を持っておるのでございます。
○橋本(龍)委員 その計画がそのとおり進められることを私も期待します。ただ、建物をつくっただけでは決して万全とはいえないわけでありまして、その中における援護というものがどのように行なわれるか、これがほんとうは一番肝心な点であります。この援護内容というものを具体的に説明していただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 療護施設は、先ほどお答え申し上げましたとおり、非常に重度の、自分でもよくからだを動かせないという重度の障害者でございますので、療護施設に入っていただきまして、その援護する内容といたしましては、まず食事の世話とかあるいは入浴、排便あるいはおむつの交換あるいは身につけるものの洗たく等、日常生活の介助と申しますか、それをやるということが一番重要な問題でございます。そのほか、施設内には医師を配置いたしまして入所者の健康管理を行なう、こういうことにいたしております。 それで、その介護を行なう寮母とかそういう職員の数でございますが、これはいまのところ、私どもの社会局で所管いたしております社会福祉施設で一番そういった寮母の数の多いのは、特別養護老人ホームでございます。これは収容者五人に対して一人の割合で寮母を置いておるわけでございます。病院の普通の看護婦さんが患者四人に対して一人という割合に近いわけでございますが、この療護施設におきましては収容者三人に対して一人の割合の寮母を置く、こういう配置にいたしております。それによりまして身のまわりの看護を十分行き届くようにやるというのがこの介護の内容でございます。
○橋本(龍)委員 実は私の持ち時間はあと三十秒なんでありますが、あとの質問者もまだ見えておられないようなので、私はこの機会にひとつ大臣にぜひお考えを願いたい。そして確かにその作業にもうすでに着手をしておられるはずでありますが、急いでいただきたいと思うことがあります。 いま社会局長からその療護施設における援護の内容というものを具体的に説明がありました。その内容を聞いても、これはたいへんな作業であります。そして今日多かれ少なかれ福祉関係の仕事に従事をされる方々は、それが身体障害者にかかるものであれ、お年寄りにかかるものであれ、あるいは幼い子供たちにかかるものであれ、きわめて大きな負担を背負っておられます。しかもそれが定員のワクに縛られて相当過重な内容にもなってきている。年々少しずつ定員の改正はされておりますけれども、こうした施設がほんとうに完全に運営されていくためには、その施設の中で働かれる方々の処遇というものが十分に行なわれなければなりません。 そしてまた、福祉職というものが一つの職種として確立をされていくこともまた必要であります。今日、学校の先生方、教職員というものは一つの職種として確立をしております。これが聖職であるとかないとかいう議論を私はするつもりはありませんが、教職というものは世間からもそれだけの大きなウエートを置いて考えられている。私は、いろいろな意味でのハンディキャップを負った方々、あるいは力弱くしてほかの人々の助けをかりなければ生活をしていけない方々、こうした方々の世話をしていく方々の職種というものも、また当然一つの独立した職種として確立をされなければならないと思います。こうした福祉施設関係者の処遇というものを私は十分に考えていただきたい。そして職種としての独立した権威を与えていただきたい。そこに働く方々として十分自分の仕事に誇りを持てるだけの待遇を与えていただきたい。これをこの機会に、厚生省で現在進められておると聞いておる作業をなお急いでいただきたいというお願いとともに、つけ加えたいと思うのであります。 私は、自分の子供のころからを考えまして、いまだにどうしても抜けない記憶が幾つかあります。おそらくここの部屋におられるすべての方々が、子供のころ御自分の父親におぶってもらったり、あるいは抱いてもらったりした記憶をお持ちだろうと思います。私は実は自分の父親におぶってもらったり抱いてもらった記憶を全然持っておりません。私が覚えておりますのは、とにかくおやじのあとをちょこまかちょこまかついて走っただけの記憶であります。私が生まれてもの心がついたころは、私の父親はまだ両方松葉づえをついておりました。そして私は、自分の父親が他の方々に比して人間としての能力において決して劣るものではないといまでも信じておりますし、それだけの力も持っておったと思っておりますけれども、子供心でいまでも覚えておりますのは、ただ松葉づえをついて歩いているということだけで、まわりの方々から向けられる好奇心にあふれた、といえば聞こえがいいのでありますけれども、さげすみの目でありました。私は、何で自分の父親がほかの人と同じようにして歩けないのか、ずいぶん考えたことをいまでも覚えております。そしてそれと同時に、足が不自由だった父親を周囲の方々に対して恥ずかしく思った記憶もあります。いいかげん年がいきましてから、むしろそういう好奇心を向ける、あるいは五体が健全だからというだけで自分のほうがすぐれた人間であるかのような眼を向ける方々に対して怒りを覚えるようになりました。私は、いかに設備をつくり金をつぎ込んでいっても、障害者のほんとうのしあわせをつくり出すために必要なことは、その障害のあるなしにかかわらずその人々の持っている能力というものを正当に評価し、公正な競争の機会をその人々に与えていくことだと思っています。 ハンディキャップがあるならあるなりに、五体健全の人たちと同等な競争の機会を与えてあげること、それが実は障害者福祉というものの基本でなければならないと私はいまでも信じております。今日そうした意味でわが国の世間一般の障害者に対する眼というものは、必ずしも私が子供心にくやしさを覚えたころから完全に回復したとはいえません。社会教育の中でこうした問題についてもなお取り上げていかなければならないことは多くあるはずでありますし、また国の施策そのものの中においても、そうしたほんとうの意味でのあたたかみを取り込んでいく努力というものは、なお多くなされなければならないはずであります。そして厚生行政のワクを越えて、働く機会というものをこの人たちに与えていく努力というものも、また最大限になされなければならないと考えています。 子供のころから一度は多くの人たちの前で聞いていただきたかったことを、私はきょうたまたま申し上げる機会を得まして、大臣はじめ厚生省の事務当局の方々も、また各党の同僚委員の方々においても、ただ単に法律の条文の文字の上に書かれたことばかりではなく、法律に書けない国民一人一人の心の中における障害者に対する眼を変えるための御努力というものを払っていただくように、この機会に心からお願いを申し上げておきたいと思います。 竹内委員から関連質問をしたいというお話がありました。竹内委員からの御意見もお聞き願い、今後の厚生行政の中における、また政府全般の施策の中における障害者行政というものを進めていただきたい、心からそう願います。
○竹内委員 関連で、二点お尋ねしたいことがございます。まず第一点は、最近幾つかの府県より、いわゆる身障会館、身体障害者の福祉のセンターというものを設置したい、それをぜひ社会福祉施設整備五カ年計画の中に取り上げ、国庫補助の対象にしていただきたい、こういう要請が出ておることは局長も御承知だと思いますが、目下それがどのような状況にありますか、ひとつ御説明を願いたいと思います。
○加藤(威)政府委員 お尋ねの身体障害者の福祉センターにつきましては、これは老人も同様でございますが、私どもは五カ年計画の中におきましては緊急な収容施設に重点を置いて一応設置をはかっておりますが、同時にやはり老人あるいは身体障害者についても、いろいろな生きがい対策というものの重要性についても各方面で指摘を受けておりますし、その対策を進めるべきであるという御意見もありますので、ただいまお尋ねの身体障害者福祉センターにつきましても、老人の福祉センター等とも見合いまして、これは四十七年度において社会福祉施設整備計画の中で予算措置を講じてまいりたい。どの程度のものにするかということは、まだ百十五億の社会福祉施設整備の配分の案ができておりませんので、まだ申し上げる段階ではございませんけれども、非常に地方の御要望も強いようでございますので、予算の面におきまして十分配慮をしてまいりたいというぐあいに考えております。
○竹内委員 その点はひとつ、国庫補助の対象になるものと期待をします。 もう一点伺いたいのは、これは従来からあった問題でございますが、いわゆる身体障害者、場合によっては精神面の障害者を含めた自動車免許の問題がございます。しかも最近、私、新聞で確かに読んだ記憶があるのでございますが、目下具体的に、ろうあの方でございますか、この問題が取り上げられ、厚生、警察当局において協議中というぐあいに承りましたが、その辺の事情を御説明いただきたいと思います。
○加藤(威)政府委員 肢体不自由につきましては、その肢体不自由をカバーするような身体障害者向けの構造にいたしました自動車もつくられておりまして、可能な限りで肢体不自由者に対しましては免許が与えられておるという現状でございます。ただ、ろうあにつきましては、まだこれがはっきり確立されておりませんで、むしろ否定的な傾向が強いようでございましたけれども、社会生活における自動車のウエートというものが非常に高まっておりますし、ろうあ者もやはり社会活動をいたしますために自動車の免許をとりたいという希望が非常に強いようでございます。ただ、これはろうあ者自身もそうでございますが、しかし、他人に与える被害という問題も十分考慮いたしまして、私どもといたしましては、できるならばろうあ者に対して自動車免許を与えるようにということを、警察当局のほうに折衝いたしております。まだ最終的な結論は得ていない段階でございますが、何らかの安全な方法を考えまして、なるべくならばそういう方向で結論を出したいというぐあいに考えております。
○竹内委員 ろうあについては与えるような方向で努力したいということで、私もそれを了承いたしますが私が知っている範囲から申し上げますと、諸外国においてはいわゆるてんかん、エピレプシーというのですか、てんかんの人に自動車免許を与えておる例があるように思っておりますが、そういう点については御検討願っておりますか。
○加藤(威)政府委員 てんかんについては、私どものほうではいまのところ、てんかんがひんぴんと起こるというような場合にはどうか。諸外国と申しましても、日本などは、先生なんかよく御承知と思いますが、特に交通事情の非常にきびしいところでございますので、てんかんまでは私のところは現在は検討いたしておりません。
○竹内委員 関連ですから、これで終わります。
○斎藤国務大臣 橋本委員の切々たる御心境を伺いまして、私も全く心を打たれたわけでございます。橋本先生の、足が不自由であったというおとうさんを持たれたお子さんとしてのお気持ちであったかと思いますが、橋本先生のおとうさんはまだどちらかといえば選ばれた足の不自由な方であって、もっともっとひどい障害を持たれた方のお子さんのお気持ちもさぞかしであろう、かように思ったわけでありますが、同時に、そういった身体障害者を持たれた親御さんの気持ちは、さらに一そうのものがあったであろう。また、御本人はそれ以上であろう。私ども身体障害者の方々の福祉を考えますのも、一にそういったお気持ちを自分たちの気持ちとしてやってまいりたい、かように考えております。まだ至らない点が多々ございますが、今後も十分ひとつ御鞭撻また御指導をいただきたいと存じます。 なお、福祉施設職員の資格の問題につきましては、御承知のようにただいま社会福祉審議会の専門分科会で検討してもらっているわけでありますが、私どももこれは非常に必要なことではないであろうか、かように考えておりますので、できるだけすみやかに、そしてこれが社会福祉の施設に従事せられる方々の励みになるように、また待遇改善になるようにという考えのもとで進めてまいりたいと存じます。そういった資格のみならず待遇改善も御承知のようにやっておりますが、さらに十分意を注いでまいりたい、かように存じます。
○森山委員長 次に、古寺宏君。
○古寺委員 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案につきまして御質問を申し上げたいと思いますが、最初にお尋ねしたい問題は、今回新たにじん臓機能障害が身体障害者としての適用を受けることになりましたが、今後この内臓疾患に対しての範囲の拡大については厚生省としてはどういうふうにお考えになっているか、特にスモン、ベーチェット氏病等に対してはどういうお考えを持っておられるか、最初に承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 ただいまお尋ねの問題につきましては、先ほどの橋本先生の御質問にもお答え申し上げて、繰り返しのようになりますけれども、身体障害者福祉法に取り入れる疾病、ことに内部障害につきましては現在結核と心臓がございますが、今度新たにじん臓を加える、そのほかにどういうものがあるかというお尋ねでございますが、身体障害者福祉法に取り入れて、そして更生医療の対象にするということのためには、一応外科的な処置と申しますか治療によって、永続する障害がある程度軽減される、緩和される、またそういう状態が続くということによってある程度生活の、社会復帰と申しますか、そういうことが可能になるような医療を行なうのが更生医療の目的でございます。したがいまして、じん臓につきましては、人工じん臓によって経過のいい方は一週間二度くらい人工透析医療を受ければ少しは働けるようになるという状態になるようでございますので、更生医療になじむということで今度取り上げたわけでございますが、その他の疾病につきましては、一つは私どもが考えております、たとえば肝臓疾患、そういうものにつきまして、何かそういう外科的な治療法というものが開発されれば、これは一つの対象になるのではないかという感じがいたします。先生いま御指摘のスモンとかベーチェットというものにつきましては、いまのところ、私医学の専門家ではございませんけれども、いろいろな薬物的な治療はいろいろ研究されておるようでございますけれども、単なる薬物の投薬とか注射による治療というものは更生医療としてはなじまない、これは普通の一般医療のほうでやっていただくという考え方でございますので、まあスモンとかそういう難病奇病につきましても、何かそういう外科的な療法によって機能回復ができるというような、そういう医療が新たに開発されるということになりますれば、これは対象となり得ると思いますが、いまのところはそういう状況で、今度お願いしたじん臓だけに限った、こういうことでございます。 〔委員長退席、小沢(辰)委員長代理着席〕
○古寺委員 この参考資料によりますと「心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害で、永続し、かつ、日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるもの」、これが身体障害者の範囲になっておるわけでございますが、当然この心臓、じん臓あるいは呼吸器以外の内部疾患でも、こういうような身体障害者の範囲に含まれるものがたくさんあると思われるわけであります。特にスモンとかベーチェットであるとか、あるいはリューマチであるとかいろいろな病気がございますが、こういうような病気についても当然早急に身体障害の範囲に加えて、そして救済していくべきではないか、こういうふうに考えるわけなのですが、もう一度その点についてお答えを願いたいと思います。
○加藤(威)政府委員 確かに、私は更生医療との関係で申し上げましたけれども、更生医療になじむ身体障害という意味でお答えいたしたわけでございますが、そういう意味ではなくて、単なる身体障害者ということであれば、これは原因のいかんを問わずと申しますか、さっき申し上げましたような内部障害につきましては、いまのところ結核、呼吸器とそれから心臓、じん臓ということになっておりますけれども、その他の病気につきましても、それが非常に永続してそして内科的な治療をやってもなかなかなおらぬということになりますれば、これは法律上はその中に取り入れる可能性も出てくると思います。ただ問題は、そういう内部疾患につきましては、やはり更生医療的なものがありませんと、この身体障害者福祉法に取り入れるメリットが非常に少なくなりますので、内部障害につきましては大体そういう、法律上の条文をただ機械的に読めばいま先生御指摘のとおりでございますけれども、身体障害者福祉法に取り入れる基準につきましては、更生医療との関連ということをにらみながら入れておるわけでございます。したがいまして、身体障害者福祉法については当初は内部疾患は全然なかったわけでございますが、過去数年の間に結核とか――結核もいろいろ胸部の成形手術等の治療法が出てまいりましたのでこれを取り入れるというようなことで、心臓も心臓手術というようなことが可能になってまいりましたので取り入れる、こういう段取りになったわけでございます。条文からいいますと先生御指摘のとおりでございますが、内部障害をこの身体障害者福祉法に取り入れる場合は、一応私どもといたしましては更生医療との関連をにらみながら入れている、こういうのが現状でございます。
○古寺委員 そうしますと、身体障害者福祉法のいわゆる目的というものは、そういうような外科的な更生医療の対象にならないものはこの法律の対象にならない、救済できない、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○加藤(威)政府委員 これは一応私は内部障害等の関連で申し上げたわけでございますが、肢体不自由とかあるいは盲人とか、そういう内部障害以外の外部的な障害の方々については、これは必ずしもそうではございません。たとえば盲人でもう治療の方法もないという方は、当然これは身体障害者福祉法の中に入ってまいりますから、それはそういうことではないわけでございますが、内部障害につきましては、内部障害も固定するというような――盲人とかそういう外部的な身体障害者と違って、先生も専門家でいらっしゃいますけれども、やはり症状というものは相当流動的であるというようなことで、よくなったり、悪くなったりする、治療によってよくなるというようなこともございます。そういうことで、障害が永続して、ある程度固定するというような、そういう傾向のものが比較的少ないと申しますか、そういうことが外部障害に比べて言えると思うのです。 そういうことで、内部障害については、先ほど申しましたように、更生医療との関連等をにらみ合わせながら入れているということでございまして、身体障害者福祉法全体のあれからいいますと、必ずしも更生医療というものにはなじまない障害でも入れているというのが現状でございます。
○古寺委員 そういう点につきまして、大臣は一体どういうふうにお考えになっているのか、御答弁願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいまおっしゃいましたスモン、ベーチェット、そういった方々に対する福祉施策、これは非常に必要なことだと存じますが、それを身体障害者福祉法、これによってやるかどうかということになりますると、やはり身体障害者福祉法はいわゆる身体障害者というものの福祉を考える。そこで身体障害者とは何ぞやということになりますと、いま局長が御説明申し上げましたように、その障害が大体固定をしておるということが一つのめどであろう、かように考えます。そこで外部的な身体障害、これはそうむずかしくございませんが、内部的な身体障害ということになりますと、その障害が大体固定をして、そして身体障害者だとこの範疇に入れられるという限界になりますと、相当むずかしい点があるだろうと存じます。 現在呼吸器、それから心臓。今度はじん臓も人工透析をやらなければならない。じん臓疾患というものが疾患としてはもう固定してしまっているというところで、この身体障害者福祉法によってその福祉の援護をやろう、こういうようにきめたわけでございまして、このじん臓関係も他の法域でやろうか、あるいは身体障害者福祉法でやろうか、いろいろと検討いたしまして、このじん臓障害は障害としてはもう固定している、それを将来治療によってなおしていくことができない、そうすればやはり内部的な身体障害者と認めてしかるべきではないかということでこの法律の中で福祉施策をやるということを決定したわけでございます。そういうようなけじめが一つのけじめであろう、かように考えます。 こういった考え方に準ずるものがございますなら、今後も中に取り入れてまいりたい、かように考えております。
○古寺委員 今回のこの法の改正によりまして対象になるじん臓病の患者さんというのは、全部のじん臓病患者が対象になるのか、あるいは基準を設けて対象をきめるのか、その点について承りたいと思います。
○松尾政府委員 どういう患者を人工じん臓にかけるかというのは、まさに個々の医学的な判断によらざるを得ないと思います。しかしながら私どもが一つ、予算の中でもこの透析の基準化ということについて検討するような項目を設けておりますのは、せっかく始めますこの対策というものを医学的な面から見ましてもできるだけ効果的にやりたい、そういう意味でいろいろの医学界の知識を集めまして、一つのガイドラインと申しますか、一つの標準的なものをつくる、それによってまた早く普及もし、かつ適正な実行もしていただきたい、こういうことをねらった作業をいまやっているわけでございます。個々のケースについて、この人をかける、かけないということについて特別に一定の基準があってこれ以上はもうだめです、これ以上はかけますというようなことを厳密にやる意思はございません。
○古寺委員 そういたしますと、人工透析を受けたいけれども、人工じん臓の関係その他で透析が受けられないという方々もあるわけでございますが、そういう人も対象にするのかどうか。その場合に身体障害者手帳というものは、人工透析を受けなくても交付になるのかどうか、その点について承りたい。
○加藤(威)政府委員 先ほどお答えいたしましたように、このじん臓をこのたび身障福祉法に取り入れましたねらいというのは、やはり人工透析が更生医療になじむということで、そういう趣旨でこの身障の中にじん臓の障害者というものを取り入れる、そういう措置を講じたわけでございます。したがって、ただ法律の条文からいいますと、そういうことははっきり書いてございませんので、まあこれになじまない方でもそれは身体障害者の手帳をくれということでありますれば、相当のじん臓の障害があるという、軽度でなくて相当の重度の障害があるということであれば、おそらくまたそういうものは人工じん臓が必要だろうと思いますが、ただ台数が足りないためにできないというような方は、当然この対象の中に含まれるということでございます。したがって、結論を申し上げますと、非常に軽微な方とかまだ症状の固定してない方はこれは別でございますけれども、少なくとも人工透析医療の療法になじむ程度の障害というような方であれば、その透析医療を受けられるとか受けられないにかかわらず、これは身障の手帳を交付するということになると思います。
○古寺委員 この人工透析を必要とする患者さんは、等級でいきますと一級になるのか二級になるのか。何級に該当させるお考えでしょう。
○加藤(威)政府委員 大体二級以上ということであります。
○古寺委員 今度の予算を見ますと、更生医療では六百二十四人分、育成医療では十七人分の対象人数を見ているわけでございますけれども、当初厚生省が大蔵省に予算要求した際には、千百四十九人と二十五人だったわけです。 これが査定によってこういうふうに少なくなったわけでございますけれども、適用の申請数がこれを上回った場合の予算措置は一体どういうふうに考えていらっしゃるのか。予算の人員を見ますと、非常に限られた人数になっているわけでございます。これでは十分に人工透析を行なうことができない、こういうふうに考えるわけですが、この点についてはいかがですか。
○加藤(威)政府委員 一応私どものほうでは、御指摘のように、六百二十四人というのを四十七年度の予算の積算の基礎にいたしております。これはこれから整備される人工じん臓の台数というものと見合った形になっているわけでございます。したがいまして、この人工じん臓の活動能力といいますか、それは先生も御承知と思いますけれども一定の制限がございます。日本じゅうの人工じん臓の台数と見合った形でこの六百二十四人というものを出しておりますので、大体人工じん臓による医療費というものについては見れると思うわけでございますが、なお何らかの理由でこれがふえるということになりますと、これは当然出すべきものでございますから予備費その他から出すというようなことで、これは当然支給するという形になると思います。
○古寺委員 これはあまりにも人数が少な過ぎると思うわけですが、各都道府県に対する割り振りというのは何人くらいずつお考えになっていらっしゃいますか。
○加藤(威)政府委員 まだ六百二十四人の割り振りということにつきましては、これは申請その他をにらみ合わせて、やはり患者のたくさんいるところ、それから、私のほうでは保険で来た場合には見ないわけでございますから、たとえば国保なら三割分とか、あるいは健保の場合には、被用者保険の場合には家族の五割分、そういう自己負担分を見るわけでございますので、そういった点で予算の配分につきましては県の割り当てというようなことはまだ、少なくとも社会局のほうではやっておりません。これはおそらく人工じん臓をどういうぐあいに配置するかというようなこともまた関連してまいると思いますが、そういうことで県に対するこれの配分というようなことはまだ行なってないわけでございます。
○古寺委員 今度の厚生、育成医療の適用が十月一日になっているわけですね。こういう患者さんというものは、一日ともいえないわけです。人工透析をやらなければ死んでいかなければいけない、死を待つばかりという患者さんがたくさんいらっしゃるわけですね。こういう緊急を要する問題について、なぜ十月一日から適用を考えたのか。これは当然四月にさかのぼって実施すべき性質のものである、こういうふうに考えられるわけですが、なぜこの期間をずらしたのか、その点について御答弁を願いたいと思います。
○加藤(威)政府委員 人工じん臓の必要な台数、こういうものについてまだ不足である。現在の人工じん臓につきましては、それを利用している人というのは大体健保の本人であるとか、あるいは生活保護で全額医療を見てもらうとか、あるいは例外的に非常な金の余裕がある人が多いかもしれませんが、そういうことでございまして、あとの台数をそろえる――これは更生医療としてスタートいたしますためには、やはり相当の台数というものが必要だと思います。公平という原則から見ましても、相当の台数がそろってから始める、そういうような準備の都合もございまして一応十月実施、こういうことになったわけでございます。
○古寺委員 公平を期する以上は、去年の九月の人工じん臓の保有施設と台数からいきますと、保有台数が千五十五台あるわけです。それから保有施設数が二百八十二施設ございます。こういう施設を現在利用しているのは、健保の本人とかあるいは生活保護を受けている、医療扶助を受けている方々だけであって、家族の人は自己負担が多いためにほとんど人工透析が行なえない。公平を期する意味であるならば、当然こういう現在保有している台数をフルに活用してそういう方々にも恩恵を受けさせてあげるという配慮というものが必要じゃないか、こういうふうに思うわけです。こういうことから考えるならば、四月にさかのぼって、こういう人工透析の医療費というものを国がめんどうを見てあげることによって、現在ある施設についても、健康保険の家族あるいは国民健康保険の対象者等も当然活用できるわけです。なぜそういうような配慮をしなかったのか、その点について今度は大臣から御答弁願います。
○加藤(威)政府委員 これは先生の御質問でございますけれども、現在千百台ばかりあるわけでございますが、それをいま使っておるのは、大体さっき申しましたように健保の本人とかあるいは生活保護の一部で使っておりますが、あとは特別の金の余裕のある人、こういうことでございますが、これは先生十分御承知と思いますけれども、これはやめるわけにいかないわけです。あと国保の三割の人のために譲る――譲るということは自分が使えなくなって、そして死んでしまうということでございまするから、確かにいまのところ不公平で、これを利用できない人はありますけれども、それに譲れというわけにはまいらないのでございます。いまのところは永久にある程度使わなければいかぬという状況でございますので、したがっていま千百台を使っておる人におまえちょっと譲れというわけにはまいらないわけでございますので、早急にさらに台数をふやして、いまかかれない人をそれに取り入れていくということが必要である。そのために時間がかかるということを申し上げたわけでございます。
○古寺委員 それじゃ逆にお尋ねしますが、この千五十五台の中で現在使用している台数は何台でございますか。
○松尾政府委員 確実に何台使用しておるかということはとらまえ方もいろいろでございまして、はっきりわれわれもつかんでおりませんが、使用しておる患者の研究会のほうの御意見等を聞きますと、多く見て大体千四、五百名ではないか、こういわれております。
○古寺委員 私どもが調査をした段階では、現在人工じん臓を保有しておっても適当な専門家がいないために人工じん臓の施設が眠っているというケースが非常に多いわけです。しかも利用者が少ないというのは、非常に医療費の負担が高いために利用することができないでいる患者さんがたくさんいるということなんです。そういう点から考えますならば、当然この四月にさかのぼってこれを適用することによって、少ないけれども現在ある人工じん臓を使用することができる。そのことによって救われるという患者さんがたくさんいらっしゃるわけです。それをなぜ四月に実施をしないで、十月からこれを実施したのか、非常にその点が納得がいかないわけでございますので、大臣からその点について弁明を願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 この制度ができるということと、それからいわゆる人工じん臓の数をふやす、またこれに従事する医療従事者を至急整えるということと、この二つができないと、いまおっしゃいますような御趣旨には沿わないと考えるわけでございます。現状はといいますと、いまおっしゃいますようにまだ人手も足りない、あるいは人工じん臓自身の数も足りないというような点もございますので、それを至急に整えるということが一点。それから、まだ法案も通らないというのに、これが通ったら四月実施になるから、いまから受けなさいと言うて受けさせるということも、これはちょっと国会の審議を少し先取りしてしまうような関係でできがたい。そこで、この法律を通過をさせていただいたら、御承知のようにこれを地方やまたこういった患者の方々に知らせ、また手続もきめるというような事務的な準備も要るわけなものですから、これがあるいは七月、八月ということであればもっとよかったかもしれませんが、そこは事務的に大事を踏んで十月実施ということにいたしたようなわけでございます。おっしゃるお気持ちはわからぬでもございませんが、事務的に完ぺきを期してというか大事を踏んで、十月実施というふうに決定をいたした次第でございます。
○古寺委員 国民が希望しないような法律は、先取りをして四月から実施をする。国民が心から望んでいる、やっていただきたい施策は十月に延ばす。まず、この姿勢というものを改めていただかなければいけないと思うのです。ことしは福祉重点の予算を組んだとか、あるいは、福祉なくして成長なしとしょっちゅうおっしゃっております。しかし、現実にはこれは福祉どころか、この四月から十月までの間にたくさんの人が犠牲にならなきゃいけないのです。こういうものこそ先取りして当然やっていただかなければならないと思うわけです。特にこういう点については、今後は思い切って先取りをしていただきたい、こういうことを強く要望しておきます。 次に、人工じん臓の整備でございますけれども、都道府県によっては極端な差がございます。特に、今度本土復帰しました沖繩には人工じん臓は一台もない、こういうふうにいわれているわけでございます。あるいは現在都道府県の実態を見ましても、島根県あるいは宮崎県、こういうととろには人工じん臓の保有台数が一台もございません。したがいまして、東京とか大阪のように大都市には相当の保有台数がございますが、非常に地域によって格差があるわけでございますが、こういう点をどういうふうに是正していくお考えか、承りたいと思います。
○松尾政府委員 実態は、御指摘のようにかなり格差がございます。したがいまして、先ほど橋本委員の御質問にもお答え申し上げておきましたように、一応、対象人員というものについては一つの目安を持っているわけでございます。したがって、各県でことしどの程度の患者に透析をするか、これをまず算定をいたしまして、そして現在持っている人工じん臓がその県でどれぐらいあるか、そうするとあと何台不足ではないか、こういうことでこの穴を埋めていく、これがことしの第一回にやるべき作業でございますので、私どもはそういう点を考慮いたしまして、その各県の整備を促進する、 こういう計画をいま進めております。 なお、沖繩につきましては、御指摘のとおり沖繩も全く同じ条件でございまして、現在ございませんが、これもやはり必要なものを与えたい。いまのところ、約十台程度整備をするつもりであります。
○古寺委員 公的な医療機関に人工じん臓を整備する場合には、自治体の負担が三分の二でございますけれども、極端に少ないような府県についてはこの補助率をもう少し引き上げるべきじゃないか。そうでなければ、後進県におきましては財政的な負担が大きいために非常に整備がおくれるということも考えられますが、そういう点についての配慮というものはお考えになっておられるでしょうか。
○松尾政府委員 財政の負担がいろいろ差がありますことも承知しておりますが、こういった程度の機械の整備に地域によって差をつけるということはほかにもあまり例がございません。また実態として、それでは先ほど申し上げましたような計画を各県、公共団体がいまのところお手上げで消化できないかというと、さようなケースはいま出ておりません。みな積極的にこの範囲のものは消化するという姿勢でいま計画を立てられておりますので、当面私はそういう差を特にこの問題について設ける必要はないのではないかと考えております。
○古寺委員 そういう点については、実際に運用する場合には十二分にひとつ御配慮を願いたいと思うわけでございます。 次に、昨年の厚生省の試算では、四十七年度に必要な透析の患者数を三千五百八十四人というふうに考えていたようでございます。そしてそのために必要な人工じん臓の台数は千四百三十四台必要である。既存の台数を差し引きいたしますと七百六十八台増設を必要とすると試算しておったわけでございますが、今回、昨年の調査資料によりますと千五十五台にふえているわけです。これは実際に調査をした数字なのかどうか、推計してこういう数字を出したのかどうか、その点について承りたいと思います。 〔小沢(辰)委員長代理退席、増岡委員長代理着席〕
○松尾政府委員 昨年の九月に千五十五台というものを私どもは把握いたしましたのは、先生も御承知のように、じん学会とか人工透析研究会がいろいろとこまかい実態を調べたわけでございます。その資料に基づいて実態を私どもはこういうふうに把握いたしたわけでございます。
○古寺委員 そうしますと、ことしは政府が試算をしたように三百三十六台で十分間に合うわけでございますか。
○松尾政府委員 昨年の九月現在の数字はいま申し上げたとおりでございますが、それを見ておりますと、一般にこの人工じん臓は補助金がなくても自然増加と申しますか、そういう傾向がかなり顕著であります。これは先生も御承知だと思います。そういったようなことを配慮いたしまして、いま千五十五台というものが少なくとも現有としてあるということでございますれば、私どもが先ほど来申し上げておりますような、四十七年に必要とする対象患者三千五百何十名というものにつきましては、これで私どもは十分間に合い得ると確信をいたしております。
○古寺委員 毎年一万人以上の方々がじん臓病でなくなっておられるわけですが、専門家によりますと、そのうち一〇〇%人工じん臓が必要である、あるいは五〇%以上必要である、いろいろといわれておりますが、厚生省は大体三〇%を見ているようでございますけれども、これに対して政府の考えは二〇%である、こういうように聞いたのですが、この点についてはどういう根拠に基づいてこういうふうに違うのか、承りたいと思います。
○松尾政府委員 二〇%と申しますのは、アメリカのじん学会のこういうものについての委員会が出しましたのが、死亡者に対して二割ということを一つ出しておるわけであります。それが日本の学会としていろいろと取り上げられておりまして、それでいいのではないかという議論がございました。しかしながら、日本とアメリカとじんの疾患、じんの形というものが違う。この点はやはり日本の医学者からも指摘をされておりまして、そういうものを考慮するとアメリカよりむしろ多く見るべきではないか。そういうことで、アメリカは二〇%ということを一応の定説として流しておるようでございますけれども、われわれはそういう点を考えればさらにふやすべきであるということで三〇%というふうに組んでおるわけでございまして、われわれ自身は二〇%をとっていない、こういうわけでございます。
○古寺委員 そこで、三〇%以上を対象になさって毎年人工じん臓を今後増設することになると思いますが、来年度以降大体年間どのくらいの台数をお考えになっていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○松尾政府委員 この台数は、御承知のように、ことし整備をいたしますと、ことしの患者さんの大部分の方が来年もそのまま透析をしなければいけない、そういう形で残ってまいります。したがって、来年新しくこういう慢性じん不全になりました方というものは、また新しい装置を用意していく、こういうことをやらなければなりませんので、したがってことしの患者から、だんだんになくなっていく方もおられますけれども、そういうものを、毎年新規発生を加え、そして現在の整備状況をどう差し引きずるか、毎年そういう累積というものを差し引きしながら足していくということで整備をしていかなければならぬ、かように私どもは考えております。これまた一つの見通しでございますが、確定したこまかい数字ではございませんけれども、おそらく来年もやはり七百六、七十台というものが不足をしていく状態であろう、かように考えております。それはもう少し時点の詰まった段階で、先ほど御指摘のように、一般的な保有状態ということも見ながら再度詰めなければならないと思います。考え方としましてはそういうように年々累積をしていく、こういう考え方で整備をしなければならない、かように考えております。
○古寺委員 七百台ではこれは非常に少な過ぎるんじゃないかと思います。三〇%に見たといたしましても七百台ではまだまだ不十分でございますので、今後十分に人工透析できるような台数というものを確保するように御検討願いたいと思うわけでございます。 厚生省は、人工じん臓整備に対する助成につきましては、民間の病院については全く助成措置がないわけでございます。当然、民間の病院その他でも人工じん臓の施設というものは今後相当に増設をされなければならない、こういうふうに考えられるわけなんですが、その点についてはどういうふうに助成措置をお考えでしょうか。
○松尾政府委員 民間のほうにもこの問題についていろいろと分担をしていただかなければなりませんことは当然のことでございます。ただ従来から、民間の施設に国の費用を出すということは非常に困難でございます。したがいまして国庫補助という形ではこれは取り得ておりませんが、しかしこの計画に従ってだんだん整備をする段階におきましては、医療金融公庫の融資というものについては十分配慮してまいりたいと思います。
○古寺委員 次に、この専門技術者の養成でございますが、今年度の予算を見ますと医師と看護婦が六十六人ずつ養成されることになっております。これでは非常に少ないんじゃないか、こう思うわけなんですが、この点はいかがでございましょうか。
○松尾政府委員 この台数等から私どもは一応六十六人というような形で医師、看護婦等を訓練いたしたい、こういうふうに出しておりますが、実際は、御指摘のようにこの六十六人に必ずしもとらわれる必要はございません。現にことしは少なくとも百人以上消化をしたい、かように計画をいたしております。なおそのほかに国立病院、療養所等につきましては、この予算とは別個に独自の立場で研修、訓練というものはやれるわけでございますので、これはすでに着手をいたしておりますが、そういうことも直轄機関では実施して、できるだけ多くの方のトレーニングをやりたい、かように考えております。
○古寺委員 せっかく施設をつくっても医師、看護婦を養成しませんというとまた遊休施設が出るわけでございますので、この点についてもひとつ万全を期していただきたいと思うわけでございます。 次に、この人工透析の場合に非常に問題になりますのが夜間透析の問題でございますが、現在この夜間透析を利用している患者さんが非常に多いわけでございます。こういう点について、国立病院であるとか公的医療機関において今後人工透析を行なう場合に夜間透析というものを考えてくださっているのかどうか、その点について承りたいと思います。
○松尾政府委員 昼間はやめて夜間だけ病院で透析を受けたいという御希望がありますことは、われわれも承知いたしております。ただやはり慎重を要する問題は、この慢性じん炎はたいへんな疾患でございますので、現に患者は病人でございます。したがいまして、そういう方々は常に夜間透析ということを原則にするというたてまえは、やはり患者さんというものを考える場合には原則としてはいかがであろうか。何としても本人の健康、生命を守るために全力をあげなければならない、こういう立場から言いますと、私は、原則として夜間透析を中心にするということは、なかなか踏み切れない感じでございます。ただ個々の施設等において、患者さん等の都合でそういう時間帯を入れて考えるということは、これは当然あっていいことだと考えております。また一方、かりに先生御指摘のように昼間も使え、しかも夜間も使える、こういうふうにいたしますと、こまかい計算の上になりますけれども、一台のものが二十四時間フル回転だということになれば、先ほどの台数が少ないではないかという御指摘が今度は逆に見かけの上では台数が少なくて済むようなかっこうにもなると思いますが、そこいらは私どもはやはり安全をとった整備を大いにすべきだと考えております。ただ、御指摘のように夜間透析が必要だとする患者さんはあるだろうと思います。その点については、個々の事例について時間帯については十分研究してまいりたいと思っております。
○古寺委員 次にリハビリテーションの問題に移りますが、身体障害者が社会復帰するまでのリハビリテーションの問題が非常におくれているわけでございます。現在厚生省では、四十六年からリハビリの研究開発の予算を組んでいるようでございますが、このリハビリテーションに対するいわゆる結論は一体いつごろまでに出るのか。そしてまた、リハビリテーションの国立センターをつくれということが「身体障害者福祉施策の推進に関する答申」の中にも指摘をされているわけでございます。この点についてどういうふうにお考えになっているか承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 先生御指摘のとおり、四十七年度予算でリハビリテーションの研究調査に関する予算が、三百万程度でございますが計上されております。この予算に基づきましてリハビリテーションの研究調査会でそれぞれ専門の先生に委嘱いたしまして現在調査研究をお願いいたしております。本日、中間答申が出る予定になっておりますけれども、私どもといたしましては、場所は、所沢の米軍の返還の基地がございますが、その一部を国立のリハビリテーションの土地としてぜひ獲得したいということで、いま関係方面と折衝をいたしております。その土地を確保いたしまして、わが国におきます身体障害者のリハビリテーションというのは諸外国に比べて非常に劣っておるところでございますので、御指摘のとおり国立のりっぱな総合的なリハビリテーション・センターをつくりたいというのが念願でございます。これがいつまでにできるかということの見通しについては、まだこの場ではっきり申し上げかねる段階でございますが、何とか早急に土地を確保し、調査会の研究の結果を待ちまして、まあ二、三年のうちに何らかのめどをつけたいというぐあいに考えておるわけであります。
○古寺委員 次に、日本におきましてはリハビリの専門職員が非常に足りないわけでございます。こういう養成機関も少ないわけでございますが、こういう問題についていつごろまでにこの目標を達成するお考えを持っているのかですね。全国に百四十万近い身体障害者がいるわけでございますが、そういう方々の立場に立った場合に、一日も早くこの専門職員の養成というものを確立しなければいけない、こういうふうに考えるわけでございますが、その点についてはいかがでございましょうか。
○松尾政府委員 リハビリ関係の職種いろいろございますけれども、いずれをとりましても御指摘のように非常に足らない状態でございます。特にPT、OT等につきましてもなお非常に大きな不足がございます。私どもはやはりいろいろな角度から検討いたしまして、少なくとも五十一年までに一つの計画を実施したいというものを持っておりますが、その一環といたしまして本年度、国立の施設でリハビリテーション関係の理学療法、作業療法を一カ所、それから国庫補助として都道府県に設置されるもの一カ所を新設することにいたしました。なおこれをもってしても足りるものではございませんので、今後、教官になられる方々の獲得その他とも関連いたしておりますので、それと見合いながらいわばしり上がりにこの計画をふやしてまいりたいと存じております。
○古寺委員 これはまだ養成されていない専門職員もあるようでございますので、一日も早くこういう問題の解決にひとつ御努力を願いたい、こう思うわけでございます。 次に、身体障害者の療護施設を全国に八カ所つくることになったわけでございますが、全国の身体障害者の各都道府県の数やいろんな内容から考えてみまして、非常に不均衡である。身体障害者の非常に多い地方には一施設もなくて、非常に偏在している、片寄っているような計画のように考えられるわけでございますが、これと並行いたしまして、福祉工場につきましても関東以南にほとんどつくられまして、東北、北海道には一つの施設もつくられない、非常に片寄った計画のように考えられますが、この点については大臣、一体どういうように考えていらっしゃるのか承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 療護施設につきましては四十七年度から八カ所発足させることになっておりますが、このうちの四施設は既存の重度障害者施設を療護施設に切りかえるというものでございます。それから新規の施設が四施設ということでございます。切りかえの施設は、北海道、静岡、奈良、福井というこの四県の施設は切りかえて療護施設にする。それから新しくつくる施設が東京都、愛知県、熊本県、京都府、この四カ所でございます。福祉工場につきましては東京都、静岡、広島、山口、大分、この五カ所でございます。先生御指摘のように、東京都から北のほうにこういう施設がまだ当初の案の中に入っておりませんが、私どもといたしましては先生御指摘のように、なるべくこういう施設は全国的な均衡を保って設立されるのが望ましいということは、全く先生と同意見でございます。ただこれは国立の施設と違いまして、大体地方のほうから申請が出てくるということで、それに対して補助金を出す、こういう形になっておりますので、地方のほうから申請が出てこないとなかなか設置がむずかしい、こういう状況でございます。したがって今後とも東北地方、東京よりも以北の県にもさらに話し合いをいたしまして、ひとつこういう施設の申請を積極的に出してもらう、そういうことによって地方的なバランスをとって今後整備をはかってまいりたいというぐあいに考えております。
○古寺委員 四十六年度から社会福祉施設緊急整備五カ年計画というものがスタートしたわけでございます。この身体障害者福祉施策の推進に関する答申を見ますと、いま申し上げましたような療護施設あるいは福祉工場のようなものは三年間に緊急に整備すべきであるというようなことが答申の中で強調されているわけでございますが、この緊急整備五カ年計画でいきますと、第一年度、第二年度、第三年度、非常にこの施設の数が少ないわけです。広範にほとんどの施設を一挙につくるような計画になっておるのですが、これでは答申でいっていることと、あるいは現実に百四十万人の身体障害者がお困りになっている実態と合わない、そういうふうに考えられるわけでございますが、そういう点について厚生省は一体どうやってこの答申を解決していくお考えなのか承りたいと思います。
○加藤(威)政府委員 約三千億ばかりの金を使いまして社会福祉施設の緊急整備五カ年計画の計画を持っておるわけでございますが、確かにその中でも特に緊急を要する施設についてはなるべく早く整備したほうがいいということは審議会の答申にももちろん盛られておりますが、私どももさように考えております。これにつきましては一応四十六年度におきましては全体といたしまして、全体計画の達成率が大体一四・三%くらいでございます。そういうことで必ずしも十分とは申しませんけれども、相当の努力はいたしておりますが、その中でも特に緊急な老人の対策、老人の特別養護老人ホーム、そういう施設につきましては当初計画の一〇〇%以上の達成率をいたしております。ただ、身障関係は若干、達成率が一〇〇%までいっておりませんけれども、老人関係はいっておるということで、今後はなるべく五カ年計画の中で御指摘のように老人の特に特別養護老人ホーム、それから重度の身体障害者あるいは身体障害児の施設、そういうものの整備を特に重点的にやってまいりたいと思います。また、この五カ年計画は、経済企画庁でただいま新経済社会発展計画の練り直しをやっておるようでございますが、そこでもう一度再検討いたしまして、私どもといたしましてはこれをさらに発展させて、もっと内容の充実した計画に持っていきたいというような考え方を持っておるわけでございますが、なお今後の整備につきましては、御承知のとおり、特に緊急を要するものをなるべく早くつくるという方向で努力をしてまいりたいと思います。
○古寺委員 次に、障害者の年金の問題でございますが、拠出制の年金も金額が一級の場合で一万一千円というふうに非常に低い。さらにまた、障害福祉年金は今回五千円になるわけでございますが、ほとんどの身体障害者は生活保護の対象になっているわけです。ですからせっかくの年金をいただいてもほんとうに恩恵が受けられない。ですから、少なくとも生活保護を受けなくてもいいくらいの線まで年金の額を上げるべきである、こういうふうに考えるのですが、この点について大臣から御答弁願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 基本的な考え方は大体私も同感でございます。大体そういう線に沿って改善を加えていきたいと思います。
○古寺委員 そこで障害福祉年金でございますが、現在六人家族で二百五十万円の所得制限があるわけです。昨年は厚生省はこの所得制限を撤廃するというようなお考えを持っておったようでございますが、これはまだ実現をしておりません。 そこで大蔵省にお尋ねをしたいのですが、なぜ身体障害者の所得制限を撤廃しないのか。あるいは今後撤廃するお考えをお持ちになっておるのか、きょうははっきりと御答弁を願いたいと思います。
○渡部説明員 お答え申し上げます。 所得制限の問題は国民年金あるいは児童手当、その他いろいろ、各種の社会保障制度の中に位置づけられているわけでございますが、これにつきましてわれわれは基本的にはやはり社会保障給付である以上は、いわゆる所得分配という考え方からいたしましても一定の所得制限があるのは当然ではなかろうか、かように考えておるわけでございます。つまり、非常に高額の所得の人に扶養さておる家族の方にまでそういう国民の税金から実施されております国民年金を支給する必要があるかどうかという点になりますと、われわれはやはり疑問を持っておるわけでございまして、ただ問題はどのような限度で所得制限を設けるかということでございましょう。それでわれわれとしましては、やはりできるだけ多くの人に、そしてできるだけ厚く給付をするというようなことを念頭に置きながら、年々その限度の改定には努力をしておる、こういうことでございます。
○古寺委員 それは、身体障害者の実態というものをよく把握していらっしゃらないからそういう考えに立つと思うわけでございます。現在社会情勢からいきましても、あるいは核家族化が進みまして、身体障害者というものは非常につらい思いで毎日を生活をしているわけなんです。そういう人たちの置かれている立場というものをやはり十二分に理解した上でそういう所得制限等も考えてあげませんと、身体障害者はいつまでも泣いて暮らさなければならない、そういう事例が非常に多いわけです。そういうような実態というものを大蔵省が十二分に把握をして、そして実態に合った所得制限であるのかどうかということを今後十二分にひとつ検討していただきたいと思いますが、その点いかがでございますか。
○渡部説明員 おっしゃるとおり、各種所得制限をつける場合には、その所得制限を付した場合に、その制限にひっかかる人がどのような階層で、かつその方の状況はどういうことであるかということの実態をよく見きわめながらきめるべきであろうと思います。そういう点につきましては、今後の生活水準の動向、こういったものも勘案いたしまして適正な限度額をきめたい、かように考えております。
○古寺委員 次に、運輸省にお尋ねしたいのですが、現在列車やいろいろな割り引きが身体障害者の場合あるわけですが、内部的な疾患ですね、心臓病であるとか、あるいは今度対象になりますじん臓病の患者さん、こういう方々に対しての運賃の割り引きについて運輸省は考えていらっしゃるかどうか承りたいと思います。
○伊江説明員 運輸省が参っておりませんので、国鉄の旅客局長でございますが、お答え申し上げます。 御指摘の身体障害者に対しましての国鉄運賃の割り引きでございますが、これは現在国鉄の鉄道、それから船舶、連絡船でございますが、それと国鉄の自動車、これに対しましては五〇%の割り引きということでございます。それから独歩のおできにならない身体障害者の方に対しましては、介護を必要といたしますので、その介護の方にも身体障害者に同行して旅行されます場合はやはり五〇%の割り引き、こういうことにいたしております。その他につきましては、若干独歩できる、軽症度と申しましてはちょっと言い過ぎかもしれませんが、独歩できる方に対しましては一応の距離制限はございますけれども、やはり運賃の五〇%引きというのを現在やっておるわけでございます。いまお尋ねの内部疾患者につきましては、現在は実はやっておりません。 この割り引き制度ができましたそもそもの理由と申しますのは、そのような身体障害の方々特に肢体不自由の方々あるいは視覚、聴覚の不自由な方々を対象にいたしておるわけでございますけれども、各種の訓練施設あるいはリハビリテーション、遠方のそういったところへ入所をなさる場合、あるいは場合によりましては各種訓練を受けますためにお通いになる、こういった御便宜のために割り引きをやっておるわけでございますので、御指摘の内部疾患者の今度範囲が拡大しますのに対しましては、実は考えていないわけでございます。
○古寺委員 心臓病の手術をする場合には相当に長距離の列車を利用しなければなりません。あるいは今後人工透析を行なう場合にも、列車を利用する人が非常に多くなると思うわけです。特に国鉄は公営企業という立場からいって当然国民にサービスをしなければならないわけですが、特に、身体障害者に対しては優先的に国鉄は割り引きをすべきである、こういうふうに考えるわけなんですが、今後こういうような内部的疾患の方々に対しても当然割り引きというものを採用するように検討をしていただきたいということを御要望申し上げます。 さらに、現在この割り引きをしていただくためには、福祉事務所へ行って一々証明書をもらわなければいけないわけです。しかし身体障害者自体はちゃんと手帳を持っておるわけなんですから、そういう点からいって、そういう事務的な繁雑な問題をひとつ解消していただいて、手帳を出せばすぐ切符が購入できる、こういうような配慮をしていただきたいと思うのでございますが、その点について承りたいと思います。
○伊江説明員 御指摘のとおりだと思います。ただ、割り引きをいたします場合にはあとの事務手続の問題がございますので、私どもの駅の窓口に帳票が残らなければなりません。したがいまして、発行をいたします際に、少し前広に数をよけいお渡ししておいたほうがいいのではないかということの検討を実はやっております。したがいまして、たとえば福祉事務所あるいは区役所で証明書をお取りになる場合は、日曜日はだめであるとかあるいは土曜日の午後はだめであるというような御不便も実は聞いておりますので、その点につきましては、御指摘のような簡易な方法は駅の窓口ではとれませんので、発行のほうで考えたい、かように考えております。
○古寺委員 次に、労働省にお尋ねしたいのですが、身体障害者の雇用率が非常に低いわけなんですが、今後この雇用対策をどういうふうに考えていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○道正政府委員 現在雇用率は一般の非現業の官庁の場合一・七%、現業が一・六%、民間が一・三%になっておりまして、御指摘のように諸外国の例等に比べまして必ずしも高くございません。ただ、達成状況を見ますと、一挙にこれを上げるということもいかがかと存じますが、今後福祉重点の施策を講じなければいかぬということから申しまして、十分雇用率につきましても関係審議会の御意見も拝聴しながら検討をさせていただきたいというふうに思っております。
○古寺委員 次に、ろうあ者の問題でございますが、各福祉事務所等に手話の通訳者を制度化して置いてもらいたいという希望が非常に強いのですが、この点について厚生省はどういうふうにお考えになっておりますか。
○加藤(威)政府委員 手話の通訳者につきましては、これは確かにろうあ者にとりまして非常に重要な意思伝達の媒体でございますので、国のほうでも予算的な補助も考えておりますし、またそういう手話を身につけて、そして積極的にろうあ者に役立ちたいというようなボランティアの方も相当おられるようでございますので、そういう方の善意を生かして、なるべくそういう手話の技術者を養成してまいりたいというぐあいに考えております。
○古寺委員 養成するのも大事でございますけれども、制度的にそういうろうあ者のための手話通訳というものを制度化して配置するようにしていただきたい、こういうふうに言っているわけなんですが、この点はいかがでございますか。
○加藤(威)政府委員 その点については、この席で直ちにお答えはいたしかねますけれども、よく検討させていただきます。
○古寺委員 時間になりましたのでこれで終わりたいと思いますが、身体障害者の福祉の問題につきましては非常に問題が多過ぎるわけでございます。特に、昭和四十五年の八月十三日に出されている身体障害者福祉審議会の答申につきましては、緊急にこの答申を尊重して福祉対策というものを推進すべきであるというふうに考えるわけでございますが、今後の身体障害者福祉施策に関する政府としてのいわゆる決意と申しますか、そういう点について大臣から最後に承って終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 先ほども橋本委員の初々たる体験に基づくお話を伺い、私もお答えしたのでありますが、結局身体障害者御自身、あるいはその御家族の気持ちにもなり、そして答申はもちろんのこと、せっかく基本法もつくっていただいたわけでございますので、その精神にのっとって社会福祉のうちでも一番重点を置いて、将来さらに一そう進めてまいりたい、かように思っております。
○増岡委員長代理 午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ――――◇――――― 午後一時五十分開議
○森山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 身体障害者福祉法の一部を改正する法律案、国民年金法等の一部を改正する法律案及び大原亨君外六名提出の公的年金の年金額等の臨時特例に関する法律案の各案を議題といたします。 質疑の申し出があります。順次これを許します。山本政弘君。
○山本(政)委員 わが国の身体障害者対策あるいは心身障害者対策といったほうがいいかもわかりませんけれども、これは実はいままでは障害の結果といったらいいのですか、その結果、生活困窮におちいっている、そういう場合に初めて一般困窮者と同様に救貧立法と言ったら言い過ぎかもわかりませんけれども、そういうものの対象になってきた。最近社会、経済情勢の変化が出てきたし、そして公害とか、あるいは交通災害とかいうようなことで非常に声が出てきている。そういう意味では、だんだんと積極的な更生援護対策が立てられてきたと思うのです。 先ほどお二人の方からお話がありましたが、まずお伺いしたいのは、身体障害者福祉の基本理念というのは、一体どういうふうに考えたらいいのか、まずこのことをお伺いいたしたいと思います。
○加藤(威)政府委員 身体障害者福祉法におきましては、身体に障害を有する人たちに対しまして、国あるいは地方公共団体が可能な範囲で援助を与えまして、それによって身体障害者の自立、更生を促すということが一つの大きなねらいになっております。それと同時に最近におきましては、先ほども申し上げましたように自立、更生のできない身体障害者に対しましても、国が終生そのめんどうを見るということも身体障害者福祉法の一つの考え方になっております。両々相まって、身体障害者については、できるだけ更生のできるような、あらゆる面での援助をなすと同時に、更生のできない程度の重度の身体障害者に対しては、終生国あるいは地方公共団体で可能な限りのめんどうを見ていく、こういうのが身体障害者福祉法の基本的な理念でございます。
○山本(政)委員 四十七年の二月二十四日に、総理府の社会保障制度審議会から、身体障害者福祉法の一部を改正する法律案についての答申がありました。そこでいっておることは「ここ数年若干の前進が認められるにしても従来の消極的な姿勢には大きな変りがない。この面に対する施策には思い切った公費の投下を惜しむべきではない。」こういっております。そしてそのあとに「今回諮問のあった腎臓の機能に障害のある者を身体障害者に加え、人工透析医療を導入しようとすることは、社会の要望に応えたものといえる。」こういっております。 それでお伺いしたいことは、じん臓の機能に障害のある人たちの数、それから人工透析を必要とする人たちの数というのは、いまどれくらいありますか。
○松尾政府委員 じん炎によりますところの患者数で申し上げますと、毎年行なっております患者調査、例年四月に各医療機関から抽出調査をやったものを統計調査部でまとめております。それによりますと、大体じん炎及びネフローゼ患者は、年によって違いますが、四十三年は三万五百五十九人、四十四年は四万五百四十人、四十五年は四万五千四十五人というふうに、少しずつ増加するような患者の状態でございます。これは、いわば医療機関にかかっておりますきわめて軽い者も含めた数でございます。 それからちなみに、それによります死亡者は、四十三年で一万八十人、四十四年が一万五十四人、四十五年が九千百八十八人ということで、傾向としては、大体横ばいの状態でございます。 それで、こういうような数に対しまして、人工透析の対象はどのくらいあるかということでございますが、わが国では死亡者を基準といたしましたときに、死亡者を対象といたしまして三〇%というものが必要である。これは先ほどお答えを申し上げておりましたように、アメリカの人工じん臓関係の委員会では、死亡者の二〇%ということを標準にしておるわけでございますが、わが国では、むしろそれよりも高くすべきであろうという学会の御意見等も入れまして、三〇%といたしております。
○山本(政)委員 厚生省の予算の中で、心身障害児・者対策として、人工透析医療費が八百万円ついておりますね。厚生省の予算案の概要です。これを参考にしたわけですけれども、十四ページに人工透析医療費八百万円、対象十七人、それから身体障害者の社会復帰の促進ということでついておるのが人工透析医療費三億四千二百万円、これが六百二十四名ですね。そのほかに人工透析費でついているのが何かありますか。
○加藤(威)政府委員 あとは事務費的なものでございますが、人工透析医療事務費の打ち合わせ会費等ということでございまして、大半は先生、いま御指摘のとおりでございます。
○松尾政府委員 そのほかに腎不全対策費といたしまして、透析療法基準検討費が百四十七万、それから専門技術者の養成訓練費が三百九十一万五千、それから人工じん臓の整備のための補助金といたしまして、医療施設の整備費が二億一千百五十七万円というような経費でございます。
○山本(政)委員 私がお伺いしているのは、人工透析費の対象人員としてはいまの数でよろしゅうございますかということでございます。
○加藤(威)政府委員 おとなが六百二十四件、児童が十七件ということでございます。
○山本(政)委員 そうしますと、先ほど医務局長お話しになりましたけれども、死亡者一万人に対して三〇%ということになると、六百二十四人のおとな、十七人が子供、これを合計しますと六百四十一名ですね。一万人に対して六百四十一名ということが三〇%という比率になり得るのかどうか。私はならないと思う。 医務局長でも社会局長でもけっこうでございますけれども、三〇%というのは、一体何を根拠にしておっしゃっているのか。金額なのか、あるいは該当患者なのか、その点をひとつお示しをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 私が三〇%と申しましたのは、あくまで透析を必要とする人員でございます。それだけのものが一年間に透析を必要とする、こういうふうな数でございます。 それから、あと社会局長から御説明を申し上げますが、それだけの対象人員を基本といたしまして、透析医療の場合は健康保険の本人でございますから、そういうことをいろいろ引いて、いま申しました六百何人という形になっているわけでございます。
○山本(政)委員 そうすると、毎年一万人死亡なさっておる。その中で大体三〇%というのが必要とされる。現実には六百四十一人ですから、その五分の一強ですね。この予算の中にも冒頭に書かれておるのでありますけれども、ことばどおりに申し上げますと、人工じん臓に対する予算措置について、計画的に整備をしていきたい、こういうふうに書かれておるわけです。そうしますと、一体計画的にどれくらいの年度で、どれくらいの費用をかけて逐年おやりになる御予定になっておるのか、どうなのか。 人工じん臓の人たちは――私自身がお会いいたしまして、それから大臣にもお会いをいたしました。たいへん気の毒なんです。事情を聞いてみますと、経済的にもたいへんなお金がかかるということになると、そう長い期間その人たちに、いましばし待ってほしいということにはならないと思う。これは可及的すみやかに、そういう障害者に対して手当てをしなければならぬと思うのでありますけれども、一体どういう計画を具体的にお考えになっているのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
○松尾政府委員 四十七年におきますことしの対象人員につきましては、ただいま申しましたことを基準にいたしております。そこで、年次的な医務の計画というようなニュアンスの御質問でございましたが、私どもは一応昭和五十一年ころまでの大体の見通しは持っております。 ただ、ここで一つだけお断わりして御説明申し上げますと、その五年間なら五年間でこれだけのものを全部整備すればいい、この整備はこういう性質のものとは違っておりまして、たとえば四十七年につきましては、一万一千九百名の中の三割というものが透析患者です。それだけのものは、とにかくこの年のうちに透析が受けられるように整備をしなければなりません。ところが、この方々は来年になったらどうなるかと申しますと、残念ながら一部はおなくなりになる。しかし、また来年一万一千何がしかの死亡者を基礎といたします対象患者がふえてまいります。ことしの患者は、一部おなくなりになった方を除きますと、全部来年そのまま繰り越していく。その方々には、ことしの機械を大部分そのまま提供しなければなりません。そうすると、来年発生いたします患者につきましては、来年分としてまた新たに整備をする、こういうふうにつけ加えていかなければならぬわけでございます。 したがいまして、いま私どもがこの段階から推定いたしておりますのは、たとえば人工透析の機械が、ことしは千四百三十七台必要だと見ておりますが、来年になりますと二千二百台、四十九年は約二千九百台、五十年が三千五百台、五十一年が四千九十台というふうにだんだんたまってふえていかなければならない、かように考えておるわけであります。 ただ、いまの段階で私どもが推定いたしておりますけれども、一つはそういう透析の効果があがれば、さらに死亡率も減ってまいります。そうすると、その分だけは翌年に繰り越す分が出る。この辺は年を追いながら調整をしなければならぬと存じますが、大きく見ますと死亡、新しくふえるもの、繰り越し、この三つをもって毎年、毎年計画をしていかなければなりません。したがって、五十一年になれば全部の整備計画は終わりでございますからというわけにはまいらない性質のものでございます。
○山本(政)委員 しかし、ともかくこういうことは言えるのではないですか。つまり患者に比して人工じん臓用の血液の透析装置ですか、毎年、毎年これが十分でないということは言えるのではないですか、この点はどうなんですか。
○松尾政府委員 少なくともいまの段階では、この数の上では大体三〇%の対象ということについては間に合う、私どもはこう考えております。と申しますのは、一台の機械につきまして、たとえば人によりましては一週に一ぺん透析をすればいい方もございます。それから症状によりましては週二回ということが必要な場合もございますが、私どもがこの積算をいたしましたときには、少なくとも週二回は行くという計算をいたしております。多少そこにもゆとりがあると思います。もう一つは一週間フル回転、そういうことで、少なくともこの台数で対象人口はこなせる、私どもはこう見ておるわけであります。 ただ、御指摘は、先ほどの分は予算上更生医療の対象になっておる人員が三千何がしという数字と食い違っておる、そういうことであろうかと思いますが、そこは健康保険の本人とかそういったものを差し引いております。そういった関係で更生医療の対象は全体量よりは減る、こういうことでございます。
○山本(政)委員 要するに子供で人工透析を必要とする人たちは、数からいってどのくらいおるのですか。
○松尾政府委員 私どものほうで、ちょっと子供だけを対象には計算いたしておりません。数字は持っておりません。
○山本(政)委員 十七人という子供の数が出ておるわけでしょう。そうすると十七人という子供の数は出しておって、十七人という子供の基礎の数字はないわけになるのでしょうか、そういうことはないでしょう。基礎の数字がなくて、十七人という数字をなぜ出したかということが疑問になってくる。同時に人工透析をするということになると、子供の場合に限っていうと計画としては、きわめてあいまいなものになってくる、こういうことが言えると思いますが、いかがでしょう。
○松尾政府委員 死亡者の数が十八歳未満という場合に全体の一万一千人のうちで幾らであるか、その比率で、たしか全体を割り切ったはずでございます。子供だけの対象が何人かということから推定したわけではございません。最終的には、そういう子供の死亡が、全体のおとなの中でどれくらいかということから案分をした、かように記憶をいたしております。
○山本(政)委員 十七人というのは、要するに大ざっぱな、人工透析を必要とする人たちの中から、子供はこれくらいなパーセンテージであろうということから、十七名という数字をはじき出したというのですか。
○松尾政府委員 端的に申せば、そういう割り振りをしたということでございます。
○山本(政)委員 そうすると、これは私もデータがないから、はっきり申し上げられませんけれども、日本全国でいま四万五千人何がしかというお話がありましたけれども、その人の中で子供さんに限っていえば、十七人しか人工透析を必要としないのかどうなのか。常識からいえば、私はちょっと、そういうことは考えられないと思うのですがね。この点はいかがでしょう。
○松尾政府委員 私も児童福祉の育成医療のほうは、こまかいことは存じませんが、対象人口が十七名というわけではないわけでございまして、育成医療は育成医療としての適用する制限とかいろいろなものがございますので、そういったものから見ると、最終的には費用負担の対象として十七人、こういうことでございます。対象の、透析を必要とする子供はそれよりももっと多い、こう考えるのが当然だと思います。
○山本(政)委員 そうしますと、今年度は十七人ということになっておるけれども、現実にはそれよりも人工透析を必要とする子供が多いということになる。そうすると、つまり十七人からはみ出た人たちは、実はかなりな不便を感じておるわけですね。そういうことが言えますね。しかも、その数というのは十七人を――私は常識的な判断ですけれども、はるかに多いと思うのです。そうすると、その人たちに対して、やはりもう少し人工透析を受け得る機会というものを与えなければならぬだろうし、必要ならば、そういう装置というものも増設しなければならぬだろう。これは大蔵省にも聞いておいていただきたいのですけれども。 そうしますと、つまり、もう少し飛躍的に、こういうものについてはふやさなければならぬのではないか、こういう感じがするわけで、いまのような十七人という数というものは、全国ですから、数字としては少な過ぎはしないだろうか。 ですから、そういうことを考えると、まさに答申のいうように、この面に対する施策には思い切った公費の投下を惜しむべきではないということが実践されなければならぬだろう、こう思うのです。社会局長、その点はどうなんですか。
○加藤(威)政府委員 確かに児童の数が非常に少ないという御指摘は、ごもっともだと思います。それで、おとなのほうも六百二十四ということで非常に少ないという感じを抱かれるかもしれませんけれども、私どものほうでこれを積算いたします場合には、人工透析が必要な人員が約三千六百くらいおる。そのうち約二千三百人くらいは四十七年の九月にはその透析を受けているだろう、こういう見通しでございます。大体人工じん臓が千百台ぐらいございますから、その倍ぐらいの人間がその透析医療を受けている。そうして、その人たちの大半が、先ほど申しましたように保険のほうに、本人とか要するに費用負担のかからぬような人がかかっておる。生活保護も一部おりましょう。したがって、たとえば保険の家族なんかはほんの一部なんですね。しかし、その人たちは、やはり今後もずっと、約千百台の人工じん臓はやはり独占していく。自分の命を守るためにそのままずっと使っていかなければならない。 したがいまして、今後この透析医療の無料化によりまして、四十七年の十月以降に設置する人工じん臓の台数に応じまして、私どものほうの予算では、四十七年十月以降に千二百人くらいの対象を一応数えたのでございます。しかし、そのうちで、これも中には保険の本人もおりましょう。したがって、その中で家族がどのくらいのパーセントおるか、こういうのを一応積算をいたしまして、その合計が六百二十四、こういう数字でございます。しかも、それは五カ月間でございますから、四十七年の十月実施でございます。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕 医療費は二月まででございますから、五カ月間というようなことで、そういうことで対象が予算の積算上は非常に少なくなっています。 児童につきましても、十七名という児童の積算につきましては、おとなのほうと、また積算が違うと思いますが、しかし考え方は同じような考え方でございますし、それから聞くところによりますと、とにかくじん臓が悪くなると、人工じん臓を使わなければならぬというのはおとなに多いのであって、子供は、未成年者は、それが非常に少ない。しかも、人工じん臓の適応症というのは、子供の場合には非常に少ないという話も聞いております。そういうことでほとんどゼロに近い十七という数字が出たわけでございますが、大体私どもといたしましては、予算の積算としては、そういう積算で数字を打ち出している、こういうのが現状でございます。
○山本(政)委員 ちょっと確認しますが、子供という場合には十八歳以下でしょう。そうじゃないのですか。そうでしょう。ぼくはきのう偶然のことなんですが、狛江から帰りまして、それからぺらぺらめくっていったわけです。電話がかかってきたのです。そうしたら、ちょうど実は私の子供もじん臓が悪いのです、こういう話なんですよ。 そんなことを考えると、十八歳以下ということで考えても、十七人、つまりあなたのおっしゃるようにゼロにひとしい数字ではないんじゃないか。私自身も実はかつてじん臓病にかかったことがあります、小さいときに。そういうことから考えますと、十七人というのは、あまりに少な過ぎやしないだろうか。つまりデータをはっきり、三千六百名という数字をお出しになったけれども、その中で一体十八歳以下の人たちがどれだけおるのか、こういう数字というものは、やはりきちっと把握しなければならぬだろう。同時に、その人たちは少なくとも十割給付じゃないわけでしょう。だから、私は十七人という数字に実はこだわっているわけですよ。とすると、もう少しこの点を考える必要がありはしないだろうかというふうに私は考えざるを得ないわけです。もう一ぺんお願いします。
○加藤(威)政府委員 確かに十八歳未満ですから、じん臓の悪い者も若干はおると思いますけれども、この人工じん臓をやりますのは、ただ、じん臓が悪いということじゃなくて――先生も悪かったけれども、すでにおなおりになっているということで、一時的にじん臓障害のあるということではなくして、もうじん臓の機能がとまってしまった、じん臓の機能をなさないという人たちに対して、そのじん臓のかわり、人工のじん臓でかわりをやる、こういうことでございますから、じん臓の機能が永久的にとまってしまうというのは、おそらくおとなになった場合のほうが圧倒的に多いので、そういう対象は十八歳未満には非常に少ないだろう、こういうことで十七人というような数字になったものと思われます。
○山本(政)委員 たいへん御迷惑かもわかりませんけれども、一ぺん人工じん臓に対する詳細な実態調査をしていただけませんか。これはひとつ大臣いかがでしょう。そうしないと、いまのようなことが私は疑問として残りますし、これは厚生省として、そういう子供さんの実態があまり正確に把握できておらぬということは、やはりまずいことではないか、こう思うので、ぜひ調査をお願いしたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 これは十月実施でございますから、それ以前に人工透析を要する方を現実に調査をする必要があると思います。それで、その現実の調査が予算の積算の基礎と違っておりましても、それは予算の積算のあれだけでございますから、それに間に合うだけは予算を都合して、それだけの人間に限るというようにいたさないで実施をいたしたい、かように考えます。
○山本(政)委員 私そういうことをお願いするのは、実は去年でしたか、東レで人工じん臓用血液透析装置が新しく開発されたという記事を見たことがあります。そして、それは価格からいえば従来の半分だ、そして本格的な生産にも入るのだ、こういう記事を見たことがありますが、そういうことも考えると、つまり従来の予算の半分の予算で、実は従来の台数と同じものが設置できるとするなら、そういう恩恵を受ける人がかなり出ててくるのではないだろうかという、まあしろうと考えですけれども、そういうことを考えたからであります。 それでは、もう一つお伺いしたいのは、予算の概要の一四ページのところで、先天性臓器等障害というのがありまして、これは七億六千五百万円と出ております。これの中身というのは一体どうなんでしょう。ちょっと疑問に思うのは、社会局長のお話では、じん臓病が三千六百人とすると、まるまるこれが先天性の臓器等障害に当てはまるのかどうか、あるいは違うのかどうか。
○加藤(威)政府委員 それはおそらく児童局の予算ではないかと思うのでございますが、いま児童局長がこちらへ参る途中でございますので、もし児童局の予算でございましたら、児童局長が参ってからお答え申し上げられると思います。私、ちょっとわかりかねます。
○山本(政)委員 それでは児童局長がお見えになるまで、ちょっと――心臓病が今度は後天性の人たちも恩恵を受けられるようになりました。これは前の、おととしですか、私質問したときの考え方と全くうらはらな前向きな考えの上に実は立ったのだと思って、たいへん喜ばしいことだと思うのですけれども、育成医療費の場合に、ここも後天性心臓障害三千五百万円、対象百件になっております。心臓病の子供というのは一体どれくらいの数字になっておりましょうか。
○加藤(威)政府委員 心臓病につきましては、これは従来は先天的な心臓疾患のみを対象としておったわけでございますが、今度更生医療で児童――児童は前からやっていたと思いますけれども、おとなのほうでは、今度新しく後天的なものにつきましても、心臓手術を更生医療として取り入れる、それが百件でございます。これはいろいろな疾病の統計とかその他から見まして――この百件はおとなのほうでございますが、統計上の数字によりまして、一応四十七年度は百件ということで予算を組んだわけでございます。
○山本(政)委員 心臓病の患者というのは、全国で二十万くらいおるという話を聞いておるのですが、いまどれくらいおりますか。
○加藤(威)政府委員 心臓病全体の数はちょっとわかりかねますけれども、心臓手術に向いていて、適用するのではないかという患者は大体五千人くらいという一つの統計があるようでございます。
○山本(政)委員 そうすると、これもまた百人というのは、たいへん少な過ぎると思うのですけれども、この点についても、つまり先ほどの話でありませんけれども、計画的に整備をするというお考えがあるのかどうなのか、もしあるならば具体的にお聞かせをいただきたい。
○加藤(威)政府委員 この心臓手術を一応適用するというのが約五千人でございますが、これもいろいろな施設の関係その他で、ほんとうに心臓をやろうと思えば直ちにできるというのが、その約二五%、直ちに手術のできるという率と申しますか、これが二五%。これに社会保障関係の家族率、本人以外の家族率といいますか、そういう――国保なんか本人も入りますけれども、自己負担率、そういうものを掛けますと、大体八百人くらいになるわけでございます。それを一応三年くらいの間にできるだけ消化したいというようなことで、とりあえず本年は最初でございますので百人という予算の立て方をしたわけでございます。
○山本(政)委員 そうすると、確認をいたしますけれども、大体三年を目途として、そういう人たちは一応恩恵を受けられるようになると見ていいわけですね。
○加藤(威)政府委員 一応八百人という数字が出ておりますが、今後三年くらいでできるだけそういう人たちが手術を受けられるように努力をしてみたいと思います。
○山本(政)委員 ありがとうございました。 それでは児童家庭局長お見えになっておりますからお伺いいたしますけれども、四十七年度厚生省所管予算案の概要の中に、一四ページですけれども、育成医療費というのがありますね。ここに新設で、後天性心臓障害というのがあって、三千五百万円、対象百件と、こうなっております。おとなについても大体同じでありますけれども、その下のほうに先天性臓器等障害七億六千五百万円というのがあって、対象三千六百件となっておる。これはじん臓障害者の患者のことをいっておるのかどうか、このことをちょっとお伺いしたいのです。
○松下政府委員 先天性臓器障害のほうは主として先天性心臓疾患……(山本(政)委員「じん臓」と呼ぶ)心臓でございます。中隔欠損等の心臓疾患でございまして、それがたしか、いままでも予算が認められておった分の計上額、それで新規でございませんので「等」ということで、その他育成医療の総額をそこに計上してあったと記憶いたしております。
○山本(政)委員 そうしますと、つまりその他の臓器疾患については考えておらぬわけですね、児童家庭局に関する限りは。つまり、それは全部心臓疾患というふうに考えていいわけですね。
○松下政府委員 主として先天性の心臓の中隔欠損が多いわけでございますけれども、育成医療のたてまえといたしましては、更生医療の場合と少し視点が異なっておりまして、児童の健全育成に必要な、短期に治療のできる範囲の医療が一応対象となっておりますので、たとえば、これは臓器疾患ではございませんが、先天性股関節脱臼というような整形医科的疾患、そういったものも全部含めて対象といたしております。必ずしも心臓だけに限定しておるわけではございませんが、大部分が心臓の疾患でございます。
○山本(政)委員 そうしますと、これは社会局ですか、二一ページですけれども、いまの内臓疾患については、そういう予算が組まれておらぬわけですね。その他の内臓疾患といったほうがいいのか、心臓病あるいはじん臓病を除いたもの……。
○加藤(威)政府委員 先ほど申し上げましたように、心臓とじん臓でございまして、心臓につきましては、先天性のものは新規予算ではございませんで、すでに昨年も入っておるということで、その心臓のうちの後天的なものについて今度新しく予算が組まれたということでございます。その他のものは含まれておらないわけでございます。
○山本(政)委員 正確ではなかったかもわかりませんけれども、つまり先天性の臓器障害ということについては、予算が組まれておるかおらぬか。組まれておらぬというふうに理解していいですね。あるいは後天性の臓器障害についても予算は組まれておらない、心臓あるいはじん臓を除いては。そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○加藤(威)政府委員 そのとおりでございます。
○山本(政)委員 薬務局長おいでになっておりますか。
○増岡委員長代理 来ております。
○山本(政)委員 薬害でコラルジル中毒というのがありますね。ちょっとお伺いしますが、これは基礎研究をやったのか、やってないのか。私が聞いた範囲では、基礎研究がなくて許可したというふうに話を聞いておるのですけれども、事実かどうか。おそらくそんなことはないと私は思うのですけれどもね。
○武藤政府委員 コラルジルの問題でございますが、この問題につきましては許可の場合に、鳥居薬品が輸入したわけでございますが、動物実験を行なわせて、それの資料を検討して許可をしております。
○山本(政)委員 これは心臓の特効薬としていままで使われたわけですね。いまは使っておるのですか、おらないのですか。
○武藤政府委員 四十五年に阪大の西川教授から肝臓についての特殊の副作用障害があるという御連絡を十一月に受けたわけですが、それ以後製造を中止し、会社で自主的に販売の回収をいたしましたので、現在では使われておりません。
○山本(政)委員 四十三年に東大の第一内科から肝臓の奇妙な病気だとして発表されておる。二年前にすでに発表されておるというふうに私は理解しておるわけです。しかし、ともあれそれによって実は肝臓がおかされて、そして不治の病といいますか、そういうものになっておる人たちもおる。そうすると、これはつまり国が許可をして、そしてそれを使用している。しかも、なおりたいがために、それを忠実に服用した。その結果、肝臓をおかされておるということになれば、私は当然救済の道を講じなければならぬと思う。 先ほどお聞きしたように、先天性あるいは後天性の臓器障害というものについて予算を出しておりませんねという確認をしたのは、そういうことに対して、やはり予算を組まなければいかぬのではないだろうか。つまり臓器の機能に障害がある場合に、これを統一的に救済するような、あるいは先ほど社会局長がお答えになったような方向でやっていかなければならぬという、そういう責務があるのではないだろうか。とすると、これは橋本さんの質問にお答えになったと思うのでありますけれども、心臓病がようやく日の目を見ることができた、そしてじん臓病も日の目を見ることができたということになれば、その他の臓器の障害についても、やはり早く予算を組んで、内部的な臓器障害だけではなくて、要するに外部的な臓器障害、そういうことばが妥当かどうか知りませんが、そういうものを統一的にちゃんと救済、自立させるような方向の対策が速急にとられなければならぬのじゃないだろうか。 これは一つの例でありますけれども、忠実に許可をされた薬を飲んだ結果そうなっているという人たち、しかも数としてそう多いほうではない。これは一例でありますけれども、そういうものがほかにもたくさんあるのじゃないだろうか。また同時に、今後出てくる可能性もあるのじゃないだろうかという気がしてならないわけです。 ですから、そういう点について計画的なといいますか、統一的な身体障害者に対する福祉対策というものをぜひ立てていただきたい、こう思うわけですが、これはひとつ大臣のお答えをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいまは臓器障害の人たちに対する社会福祉をどうするかという御質問であろうと思います。ただいま御審議いただいておりますのは、身体障害者の福祉という面で御審議をいただいておるのでありますが、臓器障害の中で身体障害者として扱う分と、それから身体障害者でない一般の臓器障害者、この二つに分かれると思うのです。身体障害者として扱う場合には、その臓器障害が固定をして普通の治療ではなおらない。したがって、これは身体障害者ということでその福祉を扱っていく。そうでない面は一般の治療ということであります。 そこで、そういった多額の費用を要する治療をどうするか。これは臓器だけに限らないと思うのです。やはり一般的に考えるべき問題である。ということは、いま国民皆保険であるけれども、しかしまだ一部負担を持っているものがある。これをどうするか、そこで抜本改正におきまして高額医療、月額二万円か三万円以上かかるものは、それ以上の分は保険で全部見るということが必要ではないだろうか。それが実現いたしますと、いまおっしゃるような事柄は、ほとんど解消すると私は思うわけであります。それを疾病その他の種類によって分けて考えるということは非常にむずかしくて、保険でカバーするか、あるいはそうでなくて他の公費でカバーするかという面になるわけであります。公費で見る分は、社会的な要因によって出てきたような疾病の治療、これは公費負担という原則で将来は見るべきであろう。そうでないものは保険で見るべきではないか。保険では、先ほど申しましたものは十割給付に近いやり方をやるというやり方で解決するというのが一つの方策ではなかろうか、こう思って、私は抜本改正でお願いをいたしているわけであります。 いま一点は、薬害から起こってきた疾病その他をどうするかという問題があるわけであります。スモンのごときは、その典型的なものであります。社会的な問題でありますから、こういうものは少なくとも公害に準ずるような社会保障的な福祉というものを考えていく必要があるのではないだろうか、その方向に進んでまいりたい、かように考えます。 コラルジルから起こったものにつきましては、これはまだ具体的には考えていないというのが現状でありますが、私はいまのスモンのようなものを手始めにそういったものを解決していきたい、かように考えております。
○山本(政)委員 それはスモンに限らず、コラルジルもそうですけれども、薬害から出てきたというものについては、私はやはり早急に手を打ってもらいたい。抜本改正というものの是非は別といたしまして、やはりそういうものに対して別途考慮すべきではないだろうかという感じがするわけです。これはぜひお考え願いたい。 もう一つは、症状が固定をするしないという問題からまいりますと、実は一昨年、たしか坂本さんが社会局長だったと思いますが、そのとき私は議論をしたわけです。障害のあるなしというよりか経済的な面からいってもう負担に耐えかねる、そういう病というのはたくさんあるのです。一つ言えば心臓病。じん臓もそうですね。そういうことから、ここの予算のほうに組むことをお考えになったと思うわけですから、ひとつそういうことは、症状が固定するとか固定しないということより、かなり長期間の療養を要するとか、同時にそれが経済的に非常に負担をかけるというような場合に、やはり格別に考える必要があるんではないだろうかという感じがするのです。その点は、ひとつぜひ御配慮いただきたいと思うのです。 最後に、これは古寺さんのほうで、おそらく落とされたのではないだろうかと思うのですけれども、私がお伺いしたいのは、定期刊行物の第三種郵便の認可で、点字の郵便物ですが、これはたしか無料になっておる。そうすると、いま障害者の人たちが団体をおつくりになっておりますね。そうして、それは要するに相互にそういう被害者たちが連絡をとりながら、ある意味ではお互いになぐさめ合ったり、あるいは経験を交流し合ったり、あるいは政府に要望をしたり、社会的な関心をそれによって高めていく努力をされているわけです。そしてできるならば、みずから自分の足で立ちたいという自立の方向に向かっているわけですね。そういう人たちに対して、点字の郵便物並みの要するに無料の取り扱いができないものだろうか、こういう点をひとつ郵政省としてはどういうふうにお考えになりますか。
○魚津説明員 身体障害者の方々が郵便を利用なさる場合に対する配慮というのは、従来からも続けてきているところでございます。で、ただいま先生お話しございましたように、盲人の方々の点字でございますとか、あるいは盲人関係の施設から発信される、あるいは施設あてに送られてくる盲人用のテープあるいは点字用の用紙といったようなものについての無料扱い、これは三十六年からやっているわけでございますが、そういったものでございますとか、それから実は昨年、四十六年の郵便法の改正の際に、先生ちょっとお話の中でお触れになったわけでございますが、身体障害者の団体の発行する刊行物の第三種郵便物の認可にあたっては、この三種郵便物に認可にならなかった場合には、大体三倍くらいの料金になるわけでございますけれども、その認可の一般的な基準に対しまして、かなり特例措置を設けたわけでございます。 これによりまして発行する刊行物というものを、第三種郵便物という形で定量で郵便を利用していただいているということで、まずまず今日までの配慮というものが郵便全体の利用関係のバランスという点からいたしまして、それ相当じゃないかと思ってきたところでございますけれども、先生ただいま御提言ございましたように、また他日別の機会で、大臣が同趣旨の御要請を先生方から承りましたときに、いろいろむずかしい問題があるけれども検討いたします、こう申してもおられますので、その線で今後いろいろと検討させていただきたい、こう思います。
○山本(政)委員 三倍じゃないのですね。一回に千部を一般では出しておればいいわけでしょう、定期刊行物は。
○魚津説明員 一般の場合は千部でございます。
○山本(政)委員 一般の場合は千部でしょう。身体障害者の定期刊行物に対しては五百部以上です。だから三倍じゃないのです。二分の一以上出しておかなければいかぬ。三分の一じゃないわけです。 それからもう一つ申し上げたいのは、郵便料金はいま現実に上がってきているわけです。ぼくは障害者に対して無料にすべきだという考え方を持っておるわけです。というのは、この人たちは現実に障害者のためにたくさん金を使っているわけですから、なおかつ自分たちで、できるだけ自立への道を歩もうとして、お互いにそういうものを出し合って、励まし合っているわけでしょう。そうするとその人たちは、ない金の中からやはり出しているわけですよ。しかも片や郵便料金は上がってきている。これはやはり考えなければいかぬだろうと思うのです。その点では大蔵省だってたいした金じゃないから異存はないと思うのです、うなずいておられるから。これは前向きでぜひ考えてほしいと思います。
○魚津説明員 ちょっと先生の三倍に対する御指摘がございましたが、私の申し上げた趣旨は、三種の認可の特例をつくりまして、もしその特例なかりせば、その三倍の料金になるところを、昨年の特例によってかなり救済をいたしまして、三種郵便物として三分の一程度の料金で現在利用していただいている、こう申し上げた次第でございます。
○山本(政)委員 お話の趣旨はわかりました。しかし同時に、私が申し上げた、そういう提言をぜひ前向きで考えていただきたい。考えていただけますか。
○魚津説明員 先ほど申し上げましたように、非常に困難な問題いろいろございますけれども、検討をさせていただきますと大臣も申し上げておりますので、その線で検討いたします。
○山本(政)委員 それでは質問を終わります。ありがとうございました。
○増岡委員長代理 次に、大原亨君。
○大原委員 私は、いま提案になっておる三つの法案についてやるわけですが、みなに関係があるということであります。 けさほどから身体障害者の福祉法についていろいろ議論がずっとあったわけでありますが、身体障害者の福祉立法については、最近議員立法による身体障害者福祉基本法ができたわけですが、できたメリットがどこにあるかということも問題だと思いますが、それらの上に立った今回の改正の利点は非常に重要な点ですから、これ自体については、提案になっていることの意義を十分認識をいたしておるわけです。ただ問題は、基本法がそれらの立法の上にできたように、身体障害者の福祉対策について総合的な、または長期的な政策が欠けておる、こういう点で基本法ができたと思うわけですね。ですから、そういう観点で、身体障害者の対策はばらばらにできておる、特に厚生省、労働省にまたがっておる。そういうことによるいろいろな問題点、あるいは制度は窓口が非常に広い、たくさんの窓口がある。そういうことでばらばらと予算はつくけれども、全体としてはきわめて不徹底である。だから総合的であると一緒に、きめのこまかい徹底した政策が必要である、こういうふうな観点が必要であると思うわけです。 今回の直接の問題について、あるいはこれら総合的な政策について、けさほどからずっと議論があったわけでありますが、これらの政策の中心というか、橋本委員は生きがいというような御質問の話もあったわけですが、やはり身体障害者に対する総合的な対策であると思うわけです。そういう点で総合的な対策の重要な点から国民年金法の改正にも関係があるわけですから、順次質問を進めていきたいと思います。 そこで、三つの分野でいうならば、やはり年金の改善ということが一つの大きな政策の柱だろう。それから第二は、雇用問題ということを頂点として、生がいというか、総合的な政策を組み立てる必要があるだろう、あるいは重度障害その他を対象とした施設の充実ということが、総合的に計画的に進められる必要がある、こういうふうに大まかに思うわけです。 したがって、この年金の問題はあと回しにいたしますが、きょうは労働省、文部省にも出てきていただいているわけですが、順序、配列は別にいたしまして、遠いほうから関係なくても質問いたします。 文部省は、身体障害者の国公立の大学の入学について差別扱いはしていないのか。つまり雇用問題を頂点として、教育、訓練や福祉施設というものが立体的にかみ合っていなければならぬわけです。それで身体障害者の可能性を最大限に発揮するのが教育や訓練だと思う。それは何かというと、雇用について国が政策を立てることが必要だ。そういうことでいうならば、教育というのは、その中においては有機的に考えられるべきだと思うわけです。たとえば小児麻痺や心身障害、肢体不自由その他を含めてですが、そういうものの大学やあるいは国公立の高等学校の入学についてハンディキャップをつける考えがある。総合的に判定して身体障害者は除外をしていくという考え方がある。去年かおととしか、非常に大きな社会問題がありましたね。身体障害者の入学という問題について私が指摘した点について、文部省はどのような基本的な考え方を持っておるか、お伺いいたしたい。
○大崎説明員 お答え申し上げます。 大学の入学者の選抜につきましては、法制的に申しますと、教授会の議に基づいて学長が定めるということで、基本的には大学側のお扱いにまかせておる問題でございますけれども、事柄の重要性にかんがみまして、文部省内に大学入学者選抜の改善に関する会議というものを持っておりまして、その会議に大学及び高等学校その他御関係の方々の御参加を得まして、毎年、翌年度の入試の実施要項を定めまして、各大学はじめ関係方面にお流しをしまして、その線で実施をいただくように御協力をお願いしているわけでございます。 その実施要項の基本的な考え方を申しますと、大学で行なう学力検査と、それから高等学校から提出をされます調査書、それから健康診断の結果の三者を総合的に判定をして合否の決定を下していただきたいということが基本的な考え方でございます。 ただいま御指摘のございました問題につきましては、身体検査のあり方というところが中心になるわけでございますが、身体検査の考え方といたしましては、一つは御本人が入学後修学にたえ得ないというような場合には、やはり入学の段階でその旨を明らかにするほうが、御本人にとりましても、あるいは大学にとりましても、よろしいのではないかということが一点と、もう一点は伝染性の疾患その他で集団生活に入っていただくのに適当ではないという場合には、やはり入学許可をするのには不適当ではなかろうかということで、主として、その二点についての判定が身体検査の健康診断のおもな観点として行なわれておるわけでございます。 その場合に、ただ私ども例年その実施要項に基づいて、その趣旨の徹底を各地の説明会等ではかっておるわけでございますが、その際に、特に強調いたしておりますのは、健康診断というのは、あくまでもどうしてもやむを得ない場合に合否の判定の資料に加えるのであって、最初からそういうものを合否の積極的な判定資料に加えることは、きわめて不適当であるということを一つは申し上げております。 それからもう一つは、そういう疑義が起きました場合には、単に診断書等のみで即断をしないで、あらためて精密検査をして、厳重にそれらの点を確認をしていただきたい。 それから第三点といたしましては、学科なり学部の性格上、こういう点が困るという場合には、募集要項にむしろ初めからそれを明示するとともに、受験票の交付等の時期に十分指導していただきたい。その三点につきましてお願いを申し上げておるわけでございます。
○大原委員 たとえば東大の入学者の中で、身体障害者が入学しているのは、どのくらいあるかという実態を調査したことがあるかどうか。
○大崎説明員 現在具体的な数字を持ち合わせておりませんが、平生連絡はとりまして、頭にあります数字といたしましては、例年二、三十名程度の肢体不自由の方が入学を許可されておるというふうに記憶しております。
○大原委員 たとえば小児麻痺とか、あるいは両手とか両足がなくても、あるいは盲人でもコンピューターの訓練をすればできる。むしろ目があいている者よりか集中力があっていい。目があいている者はあちらこちらに誘惑があってよそ見したりするから、遊んだりするから、集中してやるところに――時間的な問題やその他施設の問題があるわけですけれども、小児麻痺とか両手がない、両足がないというようなものでも入れますか。
○大崎説明員 学部、学科の教育の内容あるいは将来の進路とも関連をいたしまして、各大学の御判定にかなりの差があるのではないかというふうに考えますが、どの程度の障害の場合に認められるかどうかという、そのはっきりした線は、ちょっといま申し上げるだけの用意がございません。
○大原委員 ここの数字を見ますと、小学校、中学校あるいは高等学校――高等学校だってもう全員入学、義務教育的なものです。普通教育的なものですが、「身体障害者全体として就学率が一五四%にすぎません。」と、こういうふうに書いてある。義務教育を受けるという基本的な初歩的権利ですら全体で精薄、肢体不自由、ろうあ者等々を含めて一五・四%にしかすぎない、こういうことですね。この質問は問題だけ出しておきます。 問題は、特に国立とか公立とかいう大学――体育をやるなら別だよ。頭脳でやる場合に、ちゃんとできるような場合には両足がなくたって、両手がなくたっていいわけです。いろいろな方法があるのですよ。ですから、そういうものが、内申の体育が悪いとか、あるいは総合判定、身体検査をしてみて、この人はどうも大学生としてはというふうなかっこうだけで、いままでの観念だけで考えるという考えは間違いだと思う。そういう能力がある者は、これはその能力を最大限伸ばす、そして機会を均等に与えるということが国立や公立大学等としての公共性である。ましてや右へならえを私立大学等はすべきだろう。こういう考え方をやはり徹底して考えていかないと、いままでのように漫然として、どこかから落としていこう、その際には、五体不自由な者については除外していこうというふうな考えは、身体障害者に対する教育上の考えとしては根本的に間違いではないか、こう思うわけです。いかがですか。
○大崎説明員 御指摘のように、いやしくも大学において勉学が可能な志願者に対しまして、身体障害であるゆえをもって不合格な判定をするというようなことは、きわめて不適当であり、好ましくないことであるというふうに存じております。
○大原委員 そういうことの答弁だけでなしに、部内で十分討議をして、両手がなくても両足がなくても――交通の被害その他であるわけですから、これは全国民の課題なんだから、その公共的な要請にこたえるのは国立や公立の大学なんだから、そういう能力があるならば、そういう者についてはハンディキャップをつけないで門戸を開いていく。これは当然のことなんですから、教授会があろうが何があろうが、その方針を徹底さして議論をして遺憾なきを期する。 昔は伝統的に小児麻痺その他というのは官公立の大学に入れなかったのです。除外されたんですよ。私立大学等に入った優秀な人一ぱいおるですよ。だから、それこそ公共性を持っている大学が機会均等の門戸を開いて、身体障害者についてはあらゆる可能性を発揮できるような門戸を開く。身体障害者対策としても、総合対策の一環としてもやるというふうな考え方が私は必要であると思う。この点についてはあなたお帰りになってから、大臣その他と十分この話を議論されて新しい方針を立ててもらいたい。いかがです。
○大崎説明員 御指摘の趣旨を十分部内で今後とも検討していきたいと思います。
○大原委員 厚生大臣もひとつその点は十分反映するようにしていただきたい。
○斎藤国務大臣 確かにいい御意見で、私も全く同感でございます。 先日、学生盲人協会といいますか、その人たちが参りまして、これは大学生で、その中に盲人が二人、いろいろ話を聞きまして、私は時間がありませんでしたから、あとは社会局長にいろいろこまかい答弁をさしたのですが、大学生で、現に来たうちの二人は私立学校に入っている。ところが、国公立学校には入れてくれない。私立学校には、われわれが頼んで入れてもらっています。何でも東京で十八人、これは盲人だけですけれども、そういう訴えがありました。これは目のあいている学生と盲人の学生と一緒になって、全国に学生盲人協会というのができて、そして盲人の人たちの就学それから就職その他についても、われわれいろいろやっているのだという話を聞きました。 そのときに、ことに感じましたのは、盲ろうあ学校というのはあるけれども、大学教育をするところがない。そこで、いま大原委員のおっしゃいますように、これは盲ろうに限らないで身体障害者の人たちも大学教育が受けられるように、私からも文部大臣に特に要請をしたい、かように思っておったところでございます。御趣旨全く同感でございます。
○大原委員 文部省は、たとえばこれは埼玉の県立の高等学校だったと思うのでけれども、身体障害者が門前払いを食っている。それが社会問題になったことがある。だから地方の自治体にも、公立の学校等にもその趣旨は徹底してもらいたい。これはあわせて要望しておきます。 次に、労働省ですが、労働省の雇用政策と身体障害者の福祉政策というものは非常に重要な問題であります。労働省と分かれておるのがいいか悪いかということがひとつ議論があると思う。雇用問題は労働省であるし、身体障害者の福祉対策は厚生省であるということで分かれておると思うのですが、しかしこのこと自体について私はいまにわかに、意見はあるけれども、結論的な意見は言わない。私は従来から言っているのですが、やはり公務員であれ、公共企業体であれ、あるいは民間の事業体であれ、それぞれの程度において社会的な任務を持っておるわけですから、社会的な役割りがあるわけですから、身体障害者を一つの全国民的な問題であるとするならば、やはり雇用を保障していくという法律を前進させなければならぬ。いつまでも雇用促進法ということで、一つの倫理的な形で報告させていろいろな意見を言う、こういうだけのことではいけない。やはり一定の――一カ年間に交通の傷害者が百万近くあるわけですから、これは一定の身体障害者を雇用する率をきめると一緒に、ポストですね、どういう職業については身体障害者を優先的に雇用するのだ、この仕事、この職場は身体障害者でもできるのだ、能力を開発していけばできるのだ、こういうふうな雇用の質の問題、量の問題と質の問題から、やはり公共的なそういう目標、規制というものを高めていく必要がある。 このことによって、いろいろな厚生省の更生施設の問題や、福祉施設の問題や、教育や訓練というものが、ここで初めて身体障害者の生きがいというものにつながってくると思うのですね。これは年金の面からも、むだなことをなくするということにも関係するわけです。できるだけ働いて自活をしたいというのが要求であり、願いでありますから、身体障害者雇用促進法はいまや想を改めて改革をすべきだ、身体障害者保障基本法の精神に従ってやるべきではないか、こう思いますが、労働省としては、今日の段階でどういうふうに考えておるか、御答弁いただきたい。
○道正政府委員 四十五年現在で全国に身体障害者が十八歳上で百三十一万おります。そのうち就業されている方が五十八万人、そのうち人に雇われている方が二十五万人でございまして、一般の健康者に比して低率でございます。特に問題は、重度の方々の雇用がなかなかむずかしいということも事実でございます。労働省といたしましては、関係各省と連携を密にしながら雇用促進につとめておりまして、最近におきましては、一般の方々の御理解も徐々に高まってきておりますので、若干ずつ改善は見ております。しかしながら、法的なことから見れば、まだまだいまだしの感があるわけでございます。したがいまして、今後の雇用促進をどういうふうに考えていくか。特に今後は国政の重点を福祉に大きく置いていくということでございますので、ますます身体障害者の雇用促進というのは重要な課題になってくるというふうに考えます。 現在の雇用促進の根幹が、先生御指摘の雇用率を中心にして促進をはかっているわけでございますが、非現業の官公庁が一・七%、現業が一・六%、民間が一・三%という率が、はたしてこのままでいいかどうか、これも検討に値すると思います。 それから、率だけでなくて、中身に立ち入って、こういう職種については何%というふうに、きめこまかくきめるべきではないかという御議論も、そのとおりであろうかと思います。われわれといたしましては、たとえばエレベーターなんかにつきましては、身体障害者に十分つとまる職場であるし、そういう指導もいたしておりますが、これをある程度法律をもって定めるというのを今後は考えていかなければならないと思っております。 いずれにいたしましても、来年度以降の重要な政策課題として現在検討を進めている段階でございます。
○大原委員 雇用率のお答えがありましたけれども、やはり求職者に対して実際に雇用される率というものは計数を見ましても低いわけです。そこで、たとえば民間の一・三という雇用率を達成していない事業所の実態と、これに対しては、労働省としては、どのような具体的な手を打っているのか、この点をひとつお答え願いたい。
○道正政府委員 官公庁につきましては、おおむね雇用率を達成いたしておりますが、民間につきましては一・三と官公庁に比しまして低率でございますが、達成いたしておりません。これは非常に遺憾に存じます。われわれといたしましては、現在の法制のもとにおきましては、刑罰をもって臨むとか、あるいは賦課金その他ペナルティーを科するというようなたてまえになっておりませんので、あくまで指導、助言によって行政を進めるというたてまえになっております。このこと自体がいいかどうかという問題はございますけれども、現行法はそういうことになっております。 また、基本的に考えまして、こういう行政はそもそも罰則つきで進めるのがいいかどうかという基本的な問題もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、現在われわれといたしましては、いろいろの助成措置、たとえば身体障害者を雇用する場合の雇用の奨励金、特に重度の場合には一そう困難でございますので、期間を倍にするとか、あるいは金額を上げるとか、そういう雇用奨励の措置をもちまして、雇用促進につとめておる次第でございます。
○大原委員 民間で一・三を割っているところは大体何%くらいですか。
○道正政府委員 正確な数字は後ほど申し上げますが、全体といたしまして一・二六%程度でございます。特に大企業のほうが成績が悪いという傾向がございまして、そういう意味からも、われわれとしては一そう大企業の協力を得て、中小企業に比すれば余力があるわけでございますから――現実として大企業は人がとりやすいというようなこともございまして、中小企業のほうがむしろ成績がよくて、大企業のほうが必ずしもよくないという傾向がございます。これはまことに遺憾でございますので、そういう点に重点を置いて雇用促進に努力をしたいというふうに考えております。
○大原委員 具体的にどういう措置をとるのですか。身体障害者雇用促進法で、具体的にそういうふうに達成率を守っていないような企業に対しては、どういう措置をとるのですか。
○道正政府委員 先ほど来申し上げておりますように、現在の法制では刑罰あるいはペナルティーを科すたてまえになっておりませんので、あくまで指導行政で臨むわけでございます。これは、達成を見ていない企業に対しましては法律上、計画を作成して身体障害者の雇用計画を立てろというふうに指示をすることができるようになっております。そういうことを一般的に実施するほか、新規の学卒を採用する、これは大企業、中小企業を通じてほしいわけでございますが、その場合に身体障害者の雇用率の達成状況というものを勘案して新規学卒の紹介について、その際に指導するというようなこともあわせて行なっております。
○大原委員 あの法律は、確かに、労働大臣に報告するとか、労働大臣はそれに対して指導監督するとかいうような規定があるのですね。そういうことをやっておるかどうかについての問題ですが、この際私が聞きたいのは、外国で、この職場と、この職場と、この職場は、身体障害者については、たとえば両手がなくても、あるいは片手がなくても、両足がなくても、たとえば車いすとか、あるいは机等について設備を援助する、そういう援助をする政策の裏打ちをしているのと一緒に、職場について優先職場を設けて、まず身体障害者から募集して、ない場合に一般から募集する、そういうような規制をしている立法が外国においてはあるのかないのか、どういうふうに優先雇用の裏づけをしておるのか、そういう点について知っておれば、ひとつお答え願いたい。
○道正政府委員 一般的に、職種まで掘り下げて雇用率をきめるというのをやっているのは少のうございまして、私の承知している範囲では、イギリスがそれに近いようなことをやっております。あとの国は雇用率をきめて、しかもかなり高い率をきめまして、それに対してある程度の制裁規定をもって雇用の促進をはかるというたてまえになっております。なお、アメリカの場合は法律がございませんで、あくまで行政指導でやるというたてまえになっております。
○大原委員 これは西ドイツなども戦傷者を中心にやっていると思うのです。それでいずれにしても、身体障害者であるがゆえに、ハンディーキャップを受けないような施設の上における援助は、補助の制度はやる。やるが、量と質で雇用率を高めていくということにならないと――これはいまは内科的な疾患の議論がありますが、ある意味では、科学物質によって内部環境、外部環境の破壊ということで問題がたくさん出るということと一緒に、交通問題で身体障害者が出るわけですから、先天性、後天性の問題含めて出るわけですから、そういうものに対して、やはり何といっても雇用政策をきちっとする、そういうことが私は必要だと思うわけです。 だから、いままでの身体障害者雇用促進法は一定の役割りを果たしたと思うけれども、非常に認識の程度によって差があるのは、たとえば公共企業体などでも、電電公社なんかは、かなり身体障害者は優先的にとっているという政策をとっているように私の理解の範囲では思われる。ですから、そういう立場があり得るわけですから、まず政府自体が公務員や公共企業体において、身体障害者の雇用問題についての一つの例を示す。そして、民間もやはりやるというようにすれば、国自体が雇用問題について方針を出せば、これは一つのシェアにもなるし、それから指導ということにもなるわけですから、まずやっぱりそういうところでやる必要があるのではないか。 そういう点について、労働省は身体障害者の雇用問題について、量と質の面から現状に対応できるような洗い直し方をやって、そうして、教育の面もそうだけれども、訓練と雇用を通じて、小中学校の小さい子供のときからそれを目標に、おれたちにはこういう職場があるんだということになれば、それはそれだけの生きがいがあるわけですから、そういうことになれば、施設等の関係も出てくるし、年金等の問題も出てくるわけですから、そういうことで雇用問題について、労働省はもう少し積極的に取り組むべきである。もし労働省にそういう意欲がないとすれば、労働省からその権限を剥奪すべきである、厚生省に全部持ってくるべきである、こういうふうに私は思うわけですが、ひとつこれは十分検討して、そして当面の課題として処理をしてもらいたい。あなただけでは答弁できないと思うが、ひとつ十分検討してもらいたい。お帰りになってから協議をしてもらいたい。いかがですか。
○道正政府委員 御指摘のように、労働省の分野におきましての労働基準局あるいは職業訓練局等とも関連がございます。また大きくは厚生行政とも関連がございますので、その辺の連携は一そう密にして効率的に進めてまいりたいと思いますが、基本的には、われわれもただいま御指摘のとおり、重度身体障害者が今後の施策の中心であろう。たとえば、われわれ日常一緒に仕事をいたしておりまして、彼が身体障害者であったのかとあらためて気がつくような、非常に軽度な方も含まれておるわけでございます。そういう方々につきましては、もう特別の対策が要るかどうかということも必要がないほど、就職に支障ないというような方も中にはおいでになるわけです。今後は何と申しましても、重度身体障害者が中心になる。 そういうことで四十七年度からは先ほど申し上げましたように、この雇用奨励政策につきまして、いろいろきめのこまかい配慮をすると同時に、画期的な試みといたしまして、重度身体障害者の雇用を専門的に専管するセンターを上野に設置いたしまして、すでに二カ月余り仕事をいたしております。そういうセンターを設けましてわれわれ感じましたことは、新聞に簡単に報道されただけで、中には北海道から親御さんが同道して東京までおいでになる、あるいは仙台から上京されている方もおられます。また八時半から仕事を始めておるわけでございますが、七時過ぎからもう門の前で待っておられるというような方もおられまして、いかに重度身体障害者御自身あるいは親御さん、その他関係者が雇用問題に頭を悩まされておられるかということが痛感されたわけでございます。 そういう現実を踏まえまして、今後は重度身体障害者中心にきめのこまかい対策を検討してまいりたいというふうに考えます。
○大原委員 つまり施設の補助費、それから税金についての特例措置、あるいはもう一歩進めて、一定の率を達成しない事業所に対しては税金をかけていく、こういう政策が、政策としてはあるわけです。だから、そういう点においては助成策と一緒にそういう規制措置があるわけです。ですから、その問題と一緒に大切なのは、どういう身体障害者はどういう職場においては適応できるのだという職場を示して、科学的に研究して、そうして具体的な指導をする、あるいは政府の施策の裏づけをする こういうきめのこまかい措置が 文部省との関係等においても私は統一的に必要だ、こういう点についてはやっているんですか、どうですか。
○道正政府委員 労働省に職業研究所というところがございまして、いろいろ研究いたしておりますが、現在も、すでに安定所に、身体障害者向けの適職としてはこういうものが望ましい、適当であるという表を配って、行政の参考にいたしております。
○大原委員 だから、そういうような消極的なことじゃなしに、そういうところには、どういう施設を設けたならば、こういう身体障害者であってもできるのだということを、やはり国際的な経験もあるのですから、そういう材料をやりながら、そういう資料を的確に示していく、そうして総合政策を練り直していく、こういうことが私はぜひとも必要だと思います。 この点は、厚生大臣も身体障害者の総合的な問題として、労働大臣との間においても十分意見の交換をして、遺憾なきを期してもらいたいと思います。厚生大臣から簡単に御答弁をいただきたい。
○斎藤国務大臣 これはまことに適切な御意見で、全く同感でございます。労働省と十分協議を遂げまして、その推進をはかってまいりたいと存じます。
○大原委員 労働省の身体障害者に対する職業指導訓練手当、これは月額六千円ですか、五千九百円ですか。
○道正政府委員 一般の職場適応訓練につきましては、月額七千百円使用者に出します。それから労働者に月額二万八千円程度の訓練手当というものが出されております。
○大原委員 厚生省の更生訓練費というのは月額幾らなんですか。身体障害者の社会復帰の更生訓練費は幾らなんですか。
○加藤(威)政府委員 これは障害の程度と申しますか、それによって違いますが、中軽度――比較的軽い障害者の訓練施設に収容されている場合には月額千五百円、授産施設等は七百五十円、こういうことでございます。
○大原委員 労働省の所管で七千百円出るのに、厚生省の更生訓練で千五百円程度しか出ないというのは、どこに差があるのですか。同じ施設に入っていて、やはり社会復帰の訓練をするわけだと思うのですけれども、これはどういうところに差があるのですか、大蔵省も来ていますけれども。
○加藤(威)政府委員 私どものほうでやっております更生訓練におきましては、歩行訓練とか動作の訓練、そういったリハビリテーションを目的として身体障害者の訓練をやっておるわけでございますが、労働省のほうの訓練というのは、さらにそれに職業人としての専門的な技術というより、何と申しますか、社会的にレベルの高い訓練をやるというようなところが、ある程度違いがあろうと思います。 それにいたしましても、いまの数字にあらわれておりますように、やや差がひど過ぎますので、今後私どものほうでも、その訓練費の増額にできるだけつとめてまいりたいと思います。
○大原委員 大蔵省は、大体どういう考え方で予算をやっているのですか。
○渡部説明員 厚生省の関係の施設における更生訓練費と、労働省の関係の施設における職業訓練費について差があるということにつきましては、ただいま厚生省のほうの説明がございましたように、実は内容が違うものでありますので、そこはおのずから必ずしも同じペースで判断をするというわけにはまいらないと思うのであります。 いずれにいたしましても、ただいま社会局長のほうからお話もございましたように、それぞれの施設の実態に即して、われわれは身障者の福利厚生のために適正な訓練費を支給してまいりたい、かように考えます。
○大原委員 ちょっとやかましいから、よく聞こえなかったのですけれども、立法の趣旨が違うわけですか。双方の、つまり片方は福利厚生――福利厚生というか更生、それから片方は職業訓練、こういうのですか。
○渡部説明員 立法の趣旨と申しますか、そこで行なわれる訓練の内容が違うということでございます。 つまり労働省でやります訓練が、いわゆる普通人の職業につくのと同じ程度の技態を習得させるという意味で、やはりそういう意味での必要経費がかさばる、こういうことでございまして、訓練の内容が違い、それに要する費用の実態も違うので、それぞれの実態に即した訓練費を支給しておるということでございます。
○大原委員 しかし、中に入っておる身体障害者が同じように目的は社会に復帰することである。そういう趣旨からすれば、実際上双方はもう少し共通点があるのではないか。あまりにも開きがひど過ぎないかと思いますが、これは将来是正をすべきだと思うけれども、大蔵省、どうですか。
○渡部説明員 内容に問題があるかどうかという点につきましては、十分検討させていただきたいと思いますが、われわれのほうといたしましては、それぞれの機能に応じました経費を支出しておるつもりでございますが、いずれにいたしましても、御指摘の点につきましては、十分両者のバランスがとれておるかどうか、身障者の実態に即した経費になっておるかどうかという点につきましては検討させていただきたいと思います。
○大原委員 厚生大臣、私はこうなっていると思うのですよ。厚生省は医療とかなんとかいって一ぱいあるわけでしょう。だからみんな削られるわけだ。何か理屈をつけては削るわけだ。労働省のほうは、これはまたけちな予算で、労働省の予算は非常に大切でたくさんなければいかぬのにけちなんだけれども、わりあいにこれは窓口が狭いから、整理されているものだから、ある意味では、これは実情に応じて問題が通っていく。厚生省のほうの月千五百円、こっちの七千百円というのはどんなに考えてみたって、使用者の立場になって、身体障害者の立場になってみれば不公平、これはそう思いますよ。厚生大臣、そういう点、あなたの所見はいかがですか。
○斎藤国務大臣 これもまことにごもっとものように思いますから、私のほうの内容もさらに検討をさせまして、御意見に沿うようにいたしたいと思います。
○大原委員 大蔵省も反対だといっているわけではないわけですから。 それから、この法律案の改正されます第一の項目ですが、けさほどからずっとある、外科手術をして疾患が固定している場合に内科医でやる、こういう議論です。しかし、薬物とか、化学物質によって永続性のあるものについては、他に政策がなければ、ここで排除するというのはおかしいと思う。他に政策があれば、ここにおいては更生医療としてこういうふうに限界を設けるのだ、こういうふうに皆さん方が説明しているとおりで、一歩ずつやっていく、ここでは内科的な疾患については、はっきりしているものからやっていくのだ、こういう議論ならいいのでありますけれども、けさほどの議論から見ますと、内科的な疾患について、薬物及び化学物質によってそういう神経がおかされる、あるいは下肢がおかされる、内臓的におかされる、こういうような場合についても、手術をする、しないによって差をつけるというのは、私はおかしいと思う。もちろん、スモンとかベーチェットとかになれば、足が悪いとか目が失明するとかいうことでめくらのほうで救済をしていくということもあるわけでしょうけれども、それにしても私は理屈としてはおかしいと思う。これはいままで議論されたことですから、それ以上は申しません。 そこで、これはいままでの質問の中でちょっと触れてなかったと思うのですが、たとえば重度身体障害者が家庭にいまして、ふろに入る、あるいはトイレにいく、こういう場合には特別な施設がなければ非常に不自由であるだけでなしに、自分の自主的な活動ができない。これに対しては助成をする、こういう措置があるわけですが、手続とか金額のワクとかそういうものがあって、実際にはなかなかきめのこまかな、よい政策が徹底できていないのではないか。その問題に対する実態と考え方を、ひとつお答えいただきたい。
○加藤(威)政府委員 身体障害者に対する予算面の、先生いま御指摘のようなそういうきめのこまかい点につきましては、たとえば、いわゆるギャッチベッドという歯車で上下するような特殊寝台の貸与、こういうのを現在やっております。予算でも約四千万程度でございますが、そのほか補装具、高度難聴用の補聴器というようなものも特に本年度は新規のものとして入れております。それから身体障害者の訪問相談員というような点でも、人員の増加等をはかっております。 これで十分とは申しませんけれども、やはり身体障害者の対策につきましては、いろいろきめのこまかい対策が必要であるという見地に立ちまして、今後も必要に応じて予算の要求をやってまいりたいというぐあいに考えます。
○大原委員 私が言ったのは、トイレとか、いまのベッドとか、それからふろとか、そういうものに対する助成措置がありますね。単価が安すぎるのではないか、絶対のワクが少な過ぎるのではないか。こういうことをやることが、やはり家庭生活における自立というか、あるいは家庭生活における調和というか、そういうものを維持する上においては非常に大切な問題であろう。そういう施策があるのに不徹底になっておるのではないか。私は局長でなくても、その実態がわかっておる課長でもいいから、ここに問題はないのか、予算の項目としてあがっておるけれども、利用されていないのではないか、そこには問題があるのではないか、実際には必要なのではないか、こういう問題が身体障害者の対策にはたくさんあるのではないか、この点はいかがでしょう、わかっておれば、お伺いしたい。
○加藤(威)政府委員 確かに先生御指摘のように、たとえば洋式浴槽とかあるいは湯わかし器、それから便器、それから特殊寝台というようなものが一応予算に計上されております。私どもといたしまして単価の問題よりも、むしろ数を今後もう少し充実していきたい。金額的には、それぞれ個別的にはわりあい単価の安いものでございますから、できるだけこれを数多く配るようにしたいということで、単価の点も全然問題ないとは申しませんけれども、できるだけ数を多く、そしてできるだけ多くの障害者に行き渡るようにということを、今後の予算獲得のめどにしたいと思っております。
○大原委員 単価は幾らですか。
○加藤(威)政府委員 たとえば洋式浴槽でございますと、八万七千でございます。それから便器ですと、八千三百五十円です。特殊寝台だと四万一千六百七十円。
○大原委員 補助半分ですか。
○加藤(威)政府委員 二分の一でございます。
○大原委員 残りは。
○加藤(威)政府委員 残りは都道府県の負担でございます。
○大原委員 全体のワクは幾らなんですか。
○加藤(威)政府委員 日常生活用具給付費補助金という項目になっておりますが、四十七年度予算で四千九十六万円でございます。前年度が三千五百七十五万円という予算でございます。
○大原委員 人数からいえばわずかですから、これらもやはり十分なにしてもらいたいと思います。 それで次の質問ですが、いままで古寺委員の質問の答弁にもあったわけですが、人工じん臓が必要であるという、そういう障害者は、大体身体障害者の級からいえば一級、二級だ、こういうことでありましたね。その一級、二級の中身は大体どういうふうなものであるか、わかっていたら、ひとつお答えいただきたい。中身というのは、実態がどうなのか、二千数百人の中でどういうような……。
○加藤(威)政府委員 一級、二級は、数でいけば先ほど申し上げましたように、三十四万九千人ということでございます。そのうち視覚障害、目の悪い人の一級、二級というのが約十一万ぐらいです。それから耳の悪い、かなつんぼと申しますか全然聞こえないもの、これが二級でございます。これが六万四千人ぐらい。それから肢体不自由児、これは一級だと両手がない、あるいは両足がない、そういう非常に重度の者でございますが、この肢体不自由児が一級、二級で十二万六千人、それから内部障害者が約二千人、こんなものでございます。
○大原委員 いま私が言っているのは、人工じん臓のこの法律ですよ。対象者は、障害の程度でいえば二級ぐらいだ、こういうふうに言いましたね、古寺委員の質問に対して、そう言ったんじゃなかったか……。
○加藤(威)政府委員 そうです。
○大原委員 それは一体何人ぐらいか。その区分けをひとつ……。この人工じん臓の法律を適用する身体障害者の数、二級まで。私は福祉年金の議論をしようと思うので、その話を少ししたいと思います。
○加藤(威)政府委員 人工じん臓の透析医療を適用するというじん臓の障害者は、じん臓の機能がほとんど永久的に停止しちゃっているということでございますから、したがって、これは大体二級に該当するとして、予算の対象になるのは本年度約六百人ばかりでございますが、これはみな二級に該当する者でございます。
○大原委員 それを累積して合計してみて、一級に相当する人はいないのですか。
○加藤(威)政府委員 これは身障関係の専門の先生方の一応の判定で、大体ほかの障害とのバランスだと思いますけれども、じん臓機能の障害については二級ということになっております。
○大原委員 全部二級に位置づけされているの。
○加藤(威)政府委員 はい。
○大原委員 身体障害者福祉法については、ほかにもあるのですが、次に、国民年金の改正について質問を進めていきたいと思います。 今度身体障害者福祉年金は三千四百円から五千円にするというのでしょう。しかし、これは一級障害ですよ。いままで議論をしたような対象者は入らないというのは、私は問題ではないかと思う。五千円でも低いですよ。五千円でも低いけれども、少なくとも五千円という一級障害を対象とする福祉年金を設ける際には、二級障害も障害福祉年金の対象としていいのではないか。こういう改正をやるべきではないか。そうすれば、いまの問題は直接関係はないにしても、二級障害の対象者も福祉年金の対象にならないか、こういう議論を私はしてみたいと思うわけです。二千円とか三千円という段階では、ある意味では一級障害だけを対象とするというような補完立法としての性格もあるから――あるけれども、しかし二級障害くらいまでは――三級と言いたいけれども、二級障害ぐらいまでは福祉年金の対象にすべきではないか。こういうことはいままで議論に出たことはありませんか。
○北川(力)政府委員 福祉年金の改善問題につきましては、先生御承知のとおり障害福祉年金を含めまして、非常に問題が多いわけであります。ただいま御指摘になりました障害福祉年金の障害範囲の拡大の問題でございますが、これも実はかなり前々からの問題でございまして、昨年の七月に、国民年金審議会の小委員会からちょうだいいたしました仲間的な年金改善の意見の中におきましても、福祉年金の根本的な見直しということに関連をいたしまして、障害の範囲を現行の一級から二級に広げることも今後の検討課題であるというふうな指摘があるわけでございます。 したがいまして、この報告書に書いてございますが、国民年金制度自体の中においてそういうふうな改善をするか、あるいは国民年金制度による施策として対処できる範囲を越えている面もございますので、総合的な身体障害者福祉対策のあり方の一環としてこの問題を取り上げてみるか、福祉年金で始末をするか、あるいは総合的な障害者福祉対策として始末をするか、両方から次期改正の際に十分検討をいたしてまいりたい、このように考えております。
○大原委員 国民年金法改正案について逐一質問するわけですが、国民年金を改正する際に、福祉年金をいままで百円、二百円、三百円とちびりちびり上げておったのを、今回は一千円上げたということは福祉優先だということだったのですが、だんだん色があせてきていますね。全体的な色はあせてきておりますが、それにしても、いままでより多いことは間違いないわけです。福祉年金というのは、皆年金のもとにおいてはどのような位置づけをして考えておるのか、あるいはこれからどういうふうに改善をしていこうとしているのか、こういう基本的な問題について、ひとつお答えいただきたいと思います。
○北川(力)政府委員 福祉年金は先生も御承知のとおり発生的には皆年金制度ができました中で、いわば経過的、補完的な年金として全額国庫負担でスタートしたわけでございます。これは公的年金一般が未成熟な段階におきましては非常に問題ではございますけれども、対象者といたしましては福祉年金の受給者が圧倒的に多いわけでございますから、そういった面から考えますと、福祉年金が果たしております役割りは非常に大きいわけでございます。これまた先ほど引用いたしました国民年金審議会の中間報告におきましても、福祉年金について拠出制年金との関連において、なお抜本的に見直すべきであるというふうな総括的な議論もございますので、 〔増岡委員長代理退席、橋本(龍)委員長代理着席〕 今後とも福祉年金につきましては、老後の所得保障に資する、公的年金を実質的に補足する役割りにかんがみまして、真に公的年金にふさわしいものに近づける勢力を続けてまいりたいと考えております。
○大原委員 つまり、いままでは経過的な、補完的な、皆年金のもとにおける年金の制度として主として経過をしてきた。したがって、これにはあまり物価の上昇や賃金の上昇、生活水準の上昇等をも考えないで、小さな改正をしてきたけれども、今回は千円を一応出した。という趣旨は、今後においても、皆年金のもとにおける福祉年金というものの位置づけについて、そういう観点を進めて改革をしていきたい、こういうふうに理解をしてよろしいかどうか。 つまり来年も、三百円を千円にして三・三倍ほど上げたのだから、この調子で上げていくと三千三百円を三・三倍すれば幾になるか、主計官などはすぐ計算するでしょうが、この調子で上げていく、こういうことで、いますぐ食える年金、いろいろな年金が――来年は年金の時代だ、水田大蔵大臣もそういうことを来年からやると言っている。あとからいろいろ総合的な問題を議論をするけれども、皆年金における国民年金の改正について議論するが、福祉年金もどんどんそういうふうに上げていくのだ。そして全体としての水準を上げるのだ、こういう考え方で今回の改正をしたのであるかどうか、厚生大臣と大蔵省にひとつ考え方を聞いてみましょう。
○斎藤国務大臣 福祉年金は四十七年度からでも五千円にしたい、こう思ったのですが、あんまり急激にふえ過ぎるし、諸般の情勢から三千三百円ということにいたしたわけです。来年はぜひ五千円を目途に努力をいたしたい。大蔵大臣も同じように答弁しておられますので、再来年、さらにその先という点は考えておりませんが、さしあたって来年は五千円を目途に努力をするということを申し上げておきます。
○渡部説明員 大蔵省といたしましては、ただいま厚生大臣のお話がございましたような趣旨で、本年度予算におきましては老人対策の重要な柱ということで、老齢福祉年金も画期的拡充をはかったわけでございますが、福祉年金がいまお話ございましたように、現在の年金制度のもとにおきましては受給者の大宗を占めるものであるということで、非常に大事な年金であるというぐいに考えておりますので、老後保障における年金の役割りというものを十分認識いたしまして、福祉年金の拡充につきましては、来年以降につきましても、財政事情の許す限り、できるだけ前向きに進めてまいりたいと考えております。
○大原委員 かなり威勢のいい答弁なんです。福祉年金というのは、賦課方式というならば典型的な賦課方式なんです。税金で出すのだから、これこそ賦課方式なんです。これこそ単年度計算です。だから財政方式も賦課方式なわけです。やはり老人政策全体として考える際には、福祉年金のウエートは三百数十万人に達しておるわけですから、非常に大きいわけです。この福祉年金を、いま三千三百円は国会の論議を通じて修正してもらいたいと思うけれども、そういう趣旨を体して、そういう方向であるから修正する。本年は十月から実施するというのだから、来年と同じことじゃないか。二、三カ月早くなるというだけだから修正してもらいたいと思うけれども、考え方としては、福祉年金というのは単に補完的な、経過的なものであって、国民年金の掛け金を引き出すためにやったわけです、当時の議論としては。エビでタイを釣るということはないけれども、とにかく国民年金になじませるということを頭に置きながら、福祉年金を政策的にやった。しかし、いまの年金の要請に対して、皆年金ということになるならば、これは国民年金の上にかぶさっている年金だけではないわけだ。厚生年金やその他全部の日本の年金制度の欠陥を福祉年金という形で補っておって、国民年金法の中にたまたま組み込んでいる、こういうふうに考えて福祉年金の改善を考える、こういうふうな基本的な考え方が、福祉年金を改革する上においては基本的には必要であると思う、こういう認識に対しまして、厚生省はどう いうようにお考えか、お答えをいただきたい。
○北川(力)政府委員 先ほどもお答えを申し上げましたが、実態関係といたしまして非常に受給者が多いということ、それから他の拠出制の年金が相当なテンポで充実をしてまいりました現在、それとのかね合いから考えましても、ただいま御指摘がございましたように、単に補完的、経過的な発足当時の姿でいいかどうかというのも、私どもも大いに問題があろうと思っております。したがいまして、このような考え方からできるだけいま申し上げました拠出制の年金、すなわち厚生年金あるいは国民年金の改善とのかね合いで、それとの均衡を保ちながら、相当大幅な改善を今後していきたいつもりでございます。
○大原委員 そこで皆年金ということで私どもが考える際に、国民年金や厚生年金や共済年金等に対しましても、何らかの形で国の負担がいっているわけです。それから、福祉年金はもちろん税金がストレートにいっているわけです、しかし、やはり福祉年金を改善するということになれば、金額を上げていく、こういうことと一緒にいまの空白を埋めるいうことになると、国民年金のいわゆる十年年金が昨年から発足いたしました。 そこで、十年年金と福祉年金との間においては空白があるのです。これは昔議論した議論ですけれども、空白がある。しかし、この空白も年数がたつに従って少なくなる。これは幾何級数的に少なくなる。しかし、その空白があって、国の負担がいかないというようなことは、社会的にいままで仕事をしてきた人に対する社会保障としては、福祉年金が非常に大きな分野を占める今日の段階においては、これを放置することは不適当ではないか。 そこで第一の質問は、その空白の実態というものは大体どういうものであるか、これはいつごろまでにどういう形でこの空白はなくなっていくのか、そういうことについてひとつ御答弁をいただきたい。
○北川(力)政府委員 制度の発足は十一年前でございますので、現在におきましては、先生御指摘の空白地帯と申しますのは、六十六歳から六十九歳までの階層の人々であろうと思います。この階層に属する人数は、大体現在百七十七万人と見込まれておりまして、現在の推定によりますと、昭和五十年に四十五万人に減りまして、五十一年からゼロになる、このような見込みでございます。
○大原委員 昭和五十一年には六十六歳から六十九歳の方々は、何も年金をもらわないというふうな人はいなくなってしまう、こういうことですから、かなりのスピードです。しかし、六十六から六十九といいましたら、かなりの年です。元気なときにはそうではないけれども、六十六から六十九といったら、かなりくたびれるときですよ。これは厚生大臣も長生きをしていつまでも――長生きするほど元気な者はおるけれども、実際は六十六歳から六十九歳といったら、社会的にはかなりの年配の人ですよ。私はこれは雇用問題との関係があると思う。雇用政策と皆年金と、どういうふうに結びつけるかという政策がある。 〔橋本(龍)委員長代理退席、委員長着席〕 私どもは、やはり国際的には、働く人は六十五歳までは働く能力があれば働く。そして年金は、それがけじめができたならば、そこからは年金をもらう。逆にいえば、年金をもらうまでは働く権利を保障する、こういう定年制があると思うのです。日本では制度がばらばらになっておる。年金がばらばらだ。公務員のように五十五歳から、こういうのもある。重複してもらっているのもある。その既得権を直ちに取るということについては問題がある。あるけれども、皆年金のもとにおいては、国の税金も入るわけですから、それらのことを整備しないと、われわれのいうような賦課方式とかスライド制とか、そういう水準の引き上げということを全体的にやる場合には、やはり問題が出てくるのではないか。税金を払うという国民の立場からいうならば、問題があるのではないか。皆年金という立場からいうならば、問題があるのではないか。 であるとするならば、六十六歳から六十九歳までの空白というものは、私どもの野党が出しました提案によると、七十歳以上を一万円として上げていく、六十六歳以降については五千円出すべきではないか。しかし、その人数もそれほどたくさんではない。しかし、これで食える年金とはいえないけれども、福祉年金として、少なくとも補完的な年金で、年金全体の水準を上げるときには、このぐらい出してもいいのではないか。これは六十六歳から七十歳までということの、ことばでいうならば、非常にすそ野が広まるというような印象を与えておるけれども、いままでずっと四方八方から狭まっておる、そういう現状から見るならば、六十六歳から六十九歳までの人々に対しては、雇用政策における関係ともこれから長期的に考え合わせながら、そういう点について穴を埋めていくようなそういう措置が、金額を上げることと一緒に幅を広げていくことが必要ではないか。私どもは年金に対するこういう意見を持っておるわけであります。 この点について、これはいままでの答申等でもちょびちょび頭を出しておったわけですが、かなり政府委員や厚生大臣の答弁にいたしましても、うしろのほうに大蔵省なんかおるから、そううかつなことも答弁できぬとは思うけれども、その方向において、皆年金の方向において間違いではないと私は思う。そういう点は、税金を払うという立場から考えてみたならば、老人問題という立場から考えてみたならば、むちゃな話ではない。私どもその点は非常に人数がふえるかと思ったけれども、十年年金が発足しておりますから、そうふえない。 ですから、そういう問題について、やはり社会保障を改善するという長期計画の中では、国民年金ができた当時私どもは議論した議論ですけれども、その議論を蒸し返して、いまの段階においてかなりの国民は協力をしてきたわけですから、この点については空白を埋める、そういう努力が必要ではないか。厚生省のほうから先にひとつ御答弁いただきます。
○北川(力)政府委員 ただいま先生が仰せになりました、いわゆる空白地帯の問題でございますが、一つだけ補足して念のために申し上げておきますと、結局五十一年でゼロになると申し上げましたけれども、このグループは老齢福祉年金に移行するわけでございますけれども、先生も御承知のとおり、老齢福祉年金の受給者は、大体現在の推計では五十一年の三百七十六万人という時点まで、それをピークにするまで伸びていくわけでございます。 なお、こういった空白地帯についてどういうふうな埋め方をするかというような問題につきましては、なかなかにむずかしい問題であろうと思います。と申しますのは、実はこの問題が論議をされまして、昨年の国民年金法の改正で、そういったブランク地帯で、いわゆる寝たきり老人等の身体障害のある老人につきましては、福祉年金の支給の対象にしたわけでございます。しかしながら、一律にこれを福祉年金の範囲内で年齢を引き下げていくことがはたして通るかどうか、あるいはそれ以外に方法があるかどうか、その辺は非常に慎重に真剣に検討しなければならない問題だと思っております。 福祉年金のサイドでこの問題を処理するとしますと、やはり福祉年金全体非常に改善する項目が多いという現実がまずある。これも先生御承知のように、年金額の大幅な引き上げ、あるいはまた所得制限の撤廃、さらにはまた、ただいま議論に出ました障害年金についての障害範囲の拡大の問題等非常に処理すべき問題が多うございますので、そういう中でどういう選択をするかという問題が実はあるわけでございまして、この問題は、率直に申し上げまして、私どもが非常に苦慮をいたしておる問題の一つでございます。しかし、おっしゃったような趣旨は私どもも十分に承知をいたしておりますので、今後どういう指標を出しますか、明年度を目途にしております改正の際に、ひとつ十分に適切な方法を検討して実現できるように努力をしてまいりたいと考えております。
○大原委員 拠出制の国民年金は御承知のように六十五歳ですね。六十歳まで掛け金をかけて、五年間休んで六十五歳からもらうようになっている。厚生年金は六十五歳から八割、こういうことになって、一応本格的に取れるということになる。これの問題についての政策上の議論は別にいたしましても、そういう点から六十六歳から七十歳の福祉年金の空白があるということは、国民の立場に立てば、私は問題があると思うのです。税金を払う立場の国民、いままで働いてきた国民の立場から見れば、私は問題があると思う。いまお話しのように七十歳以上から金額を上げる、そういう問題で金額を引き上げる、所得制限を緩和していく。これは主計官は、前の質問者に対しては身体障害者年金の問題で言われたわけですが、それじゃ松下幸之助みたいなのにもやるか、こういう議論ですが、しかし、そういうところから税金をがっぽり取ればいいわけですから、取るべき税金は取っておいて、やるべきものはやはり平等に出す。これはそう理屈の合わぬ話ではない。ですから、あとの数字上の問題についても、人数からいえば、それほど多くはないわけです。しかし、それはもらわない、放棄するというのはかってだ。辞退できるようにしておけばいい。 問題は、いまのような形の所得制限の問題は議論いたしますが、所得制限をどうするかという問題、それから福祉年金の障害の範囲を一級だけにしておくのは、いまの段階ではあまりにもひどいじゃないか。いまの人工じん臓の問題の議論等にもあるように、人工じん臓の場合は二級ですから、これは内科的な疾患であるだけに身体の生活力、行動力からいえば非常に大きな問題ですから、これを少なくとも二級障害まで範囲を拡大していくという必要がある。いま一つは、いまの年齢がそれほどすそ野が広い問題ではないから、六十六歳まで拡大をするという問題がある。 そういうふうにしておいて、皆年金のもとにおける福祉年金が全体の年金の水準をつり上げていくような、そういう基礎となるようなベースを形成するような役割りを果たすようにしていく、そして全体の国民年金、厚生年金の再計算もやっていく、こういうことを総合的に福祉年金自体の問題としても改善を考えるべきである。総合的にいま申し上げた点、あるいは局長から御答弁になった点を考えるべきであると思うわけです。 厚生大臣、申し上げました点は以上の問題に尽きるわけでありますが、これらの問題を総合的に考えて、全体の社会保障、年金の水準をどうするかという議論と一緒に、この問題は総合的に検討をしてもらいたい。ひとつ御答弁をいただきます。
○斎藤国務大臣 来年は年金を考えなければならない年であるとしばしば申し上げておりますのも、ただいまおっしゃったような事柄を全部含めて考えるべきだ、かように考えております。
○大原委員 大蔵省の主計官はいまの議論が理解できましたか。
○渡部説明員 御意見は十分拝聴いたしました。
○大原委員 そこで、年金全体の問題ですが、来年は御承知のように年金の年であるといわなければならぬと思いますが、年金を改革する際に、今日までいろいろと議論をしてきたわけですが、来年、昭和四十八年には年金の総合的な洗い直しをやって、総合的な水準の引き上げを、厚生年金、国民年金の再計算の引き上げと一緒にやる、こういうことをいままで何回も議論してまいりましたが、厚生大臣は、国会の国民年金法の審議にあたって、そういう議論を踏まえて、今後この問題を政府全体として実行する意思があるかないか。私は先般、衆議院の予算委員会で水田大蔵大臣にも質問をいたしましたが、水田大蔵大臣は七、八割方はこれに同意の意見を答弁されておるというふうに私は議事録を了解しております。水田大蔵大臣はおられぬけれども、国務大臣として、厚生大臣として、あなたはそういう全体の年金改革について取り組むというおつもりがあるかないか、ひとつはっきりお答えいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 これは私がどうとかこうとかいう問題でなくて、まさしく日本の社会情勢はそうである、かように私は判断をいたしております。 さればこそ予算委員会でもさように答弁申し上げておりました。ことしは医療保険の年で、来年は年金の年である。そこで、ことしは医療保険については、これで全部一応の幕を引いていただけるようにお願いをいたしたい、かように申しておったわけであります。来年度は年金に十分打ち込めるようにありたいものだと私は念願をいたしております。医療問題が残ってまいって、また大臣がほとんどそれに頭を使わなければならぬというようなことになっては、まことに困ったことになる、かように思っている次第でございます。
○大原委員 いま私は医療問題で質問しているんではないですよ。あなた、誤解しないでください。年金の話をしているのです。 国民年金、厚生年金を来年は改革するといままで議論してきたけれども、そういう改革する決意を実践する年である。こういうふうに考えているかどうか。あなたはほかのほうを答弁しているんですが、それではだめですよ。私が言うことに対して端的に答えてください。
○斎藤国務大臣 まさしく来年は年金に取り組む年だ、その決意を持たなければならぬ、また私は持っておるつもりでございます。しかし、これは大臣がかわればどうなるかわかりません。しかしながら、大臣がどうかわろうと、いまの日本の諸情勢から考え、ことに日本もいよいよ福祉への政治的な考え方を切りかえる年だ、こういうように言明をいたしておりますし、これがまさしく日本の現状に合ったことだろうと思いますから、厚生省としても、そういった社会情勢を見てまいるならば、これは厚生省がどうのこうのというのではなしに、日本がそう進まなければならない年になってくる。社会党の皆さんだけでなしに、自民党の皆さんもそうなってこられる、私はそういうふうに、にらんでおる次第でございます。
○大原委員 厚生大臣としては、客観的にもそういうふうになるし、国民の合意でもある、国民の要求でもある、まさに来年は年金改革の年である、こういう決意で臨むという御答弁であるように了解いたしますが、大蔵省もそういう情勢については誤りなし、こういうふうに情勢判断をしているかどうか。
○渡部説明員 来年度が年金の年であるというような御議論につきましては、来年度予算の性格をどうきめるかという問題でございますので、一介の説明員が申し上げるのもはばかられることだと思いますが、しかしながら、国民のニード、社会保障の充実を目ざし、さらにその中におきましては、所得保障としてその年金の充実ということを目ざしておることは、これは一致した意見であろうかと思います。 そういう意味で、財政当局といたしましても、来年度以降年金の問題が重要な施策として取り上げられるであろうというぐあいに考えておりますし、いずれこの問題につきましては、厚生省からもいろいろと要求も出てまいるでしょうし、お打ち合わせもあると思いますので、われわれも本腰を入れて検討してまいりたい、かように考えております。
○大原委員 理財局長も出席されておるので、福祉年金自体の問題について、まだ少し総合的に残っておるわけですが、児童扶養手当や特別児童扶養手当その他の問題も残っておるわけですが、質問を進めてまいりたいと思うのです。 つまり、端的に言うならば、いままでのように、たとえばこの問題については何%上がった、一八%です、二〇%よくなりました、予算がふえましたというような程度ではなしに、年金のおくれを取り戻すためには、年金のために必要な予算措置その他については、そういう全体の改善措置の中で思い切って上げていくのだ、そういうことが長期計画の中で、あり得るのだ――経済企画庁はきょう来ておりませんが、そういう情勢にあるのだ、一〇%、二〇%、三〇%というような小さなことは言わぬ、こういうふうに大蔵省は考えて臨んでおるのか。その点はいかがですか。
○渡部説明員 年金の水準につきまして、小幅な引き上げではなくて、大幅な引き上げを行なうべきではなかろうかという御意見でございますが、年金につきましても、各種の拠出制年金、福祉年金、それから年金類似のものといたしましては、恩給なり共済年金なり、それぞれございまして、それぞれについての給付の水準が違っておるわけでございます。その中で、客観的に見まして、どの年金が一番その充実が望まれておるかというようなことを総合判断いたしまして、そのものについて重点的に大幅な引き上げをはかるということも考えられるでありましょうし、また、その他の年金につきましても、やはり物価等の上昇に応じまして、ある程度小幅ながらも改定を加えなくちゃならないというような場合もございましょう。それはそれぞれの、そのときどきの情勢の判断に従ってやるということになろうかと思いますが、来年度以降の問題につきましては、確かに再計算において拠出制年金については大幅引き上げをはかってもらいたいという声もございますし、また、先ほど来お話のございましたように、福祉年金については、さらに一そうの充実を望むというような声もございます。われわれといたしましては、それらを総合的に判断いたしまして、来年度の財政事情等も勘案いたしながら、できるだけ全体の要望に沿ったような年金の充実をはかってまいらなければならない、かように考えておる次第でございます。
○大原委員 きょうこれで質疑、討論が尽きるわけではないのですが、年金を改革する際には、私どもも三党で出しておる四つの柱があるわけですが、その一つは、これは理財局と関係があるのですが、財政方式を変えていく。つまりヨーロッパが戦後インフレのときにやったように、賦課方式にしていく。賦課方式を基礎としながら、これを修正していく、完全な賦課方式というような福祉年金の方式はとりません。とるところではない。それは私はよろしいと思うのですが、賦課方式に切りかえていくという方向で年金を財政方式について改革をしていく、そういう問題については大蔵大臣は、かなり厚生大臣よりも、ある場合においては前向きな答弁をされたことがある。この賦課方式について、大蔵省は基本的な問題として議論をしたことがありますか。
○渡部説明員 内部においても十分検討しておりまするし、厚生省当局ともよく議論はしております。
○大原委員 大蔵大臣が答弁をされましたね。いつまで大蔵大臣におられるかわからぬけれども、大蔵大臣が答弁したことについては、部内では、これはコンセンサスと考えてよろしいか。
○渡部説明員 賦課方式の採用について前向きに検討するという御趣旨の御発言をなさったことは、われわれ十分存じております。 この問題につきましては、もう大原先生十分御存じだと思いまするが、年金の制度を考えます場合には、給付と負担との動向というものを長期的に見ながらプログラムをつくっていくという必要があるわけでございます。問題の財政方式は、その給付の水準、それから負担の水準にそれぞれ影響をいたすわけでございます。これは申すまでもないと思いますけれども、現在の日本の年金制度は、制度的にはまだ未成熟でございまして、受給者が非常に少ない。しかしながら、それが昭和七十年代、さらに八十年代になりまして、日本の老齢人口がピークに達しました場合におきましては、受給者がウナギ登りにのぼっていくということは、制度的に予想されるわけでございまして、そういったときに、国民のニードに応じて給付の水準を、一般負担をなだらかに受忍しやすいかっこうで上げていくというプログラムをどうつかむかということであります。 その中で賦課方式の問題、あるいは積み立て方式、財政方式といった問題がからんでまいります。賦課方式の問題は西欧諸国がとったと同じように、わが国におきましては人口が老齢化し、受給者が平準化しました段階におきましては、賦課方式というかっこうに定着するのではないかとわれわれ考えておりますけれども、これを現在直ちに賦課方式に切りかえた場合には、現在の負担は安くて済みますけれども、将来長い目で見た場合には、負担が急激に増加してまいることは、大原先生も十分御承知だと思うわけでございます。われわれはそういった長期的なプログラムを見通して給付の水準をどのように考えるか、さらにそれに対応する負担をどういうかっこうで求めていくか、そういう過程においてこの財政方式の問題も関連せしめながら検討していきたい、かように考えております。
○大原委員 もう一つ、福祉年金で議論を進めますが、いまの福祉年金は七十歳以上から、あるいは身体障害者、母子家庭等あるわけですけれども、その福祉年金は単純に純粋に賦課方式で、税金方式であり、単年度方式です。私は具体的な議論をいたしますが、この福祉年金が予算的に、あるいは人員的にピークにくるのはいつであるか、そしてこれがほとんどなくなるのはいつであるか、十年年金その他との関係でなくなるのは、いつであるか。長期的な問題で少し議論するから、いまの問題は本質的な議論ですから、長期的なそういう問題についての考え方の資料をまとめておいてもらいたい。福祉年金はいつがピークか、いつになったら福祉年金はなくなるのか。
○北川(力)政府委員 老齢福祉年金の受給者の将来推計でございますけれども、現在のところ、五十一年に三百七十五万八千人という受給者が見込まれておりまして、これがピークだと考えられております。その後漸減をいたしまして、八十年から若干を過ぎましたころ、詳しく申し上げますと、八十四年という時点まで受給者が続きますが、それ以後は受給者がなくなる、このような大体の見通しでございます。
○大原委員 ですから、二十年後の昭和六十七年には六十二万名になる、それから三十年後の昭和七十七年には三万七千名になる、昭和八十四年には一名になる、こういうふうに私の手元の数字でもなっておるのですね。ですからピークは昭和五十一年ですから、福祉年金に。だから国が純粋に福祉年金で賦課方式、税金方式で出していくのは昭和五十一年がピークです。だから昭和五十一年以降、つまりいまから三、四年後以後は福祉年金の受給者というものは、だんだんと減ってくるわけです。福祉年金は純粋に掛け金をかけないで税金を出すのですから、金額はかなりかさむわけですが、そこの見通しはついているわけですね。 そこで問題は、賦課方式やスライド制をとっていく際に、いま主計官も御答弁になったし、厚生省もそういうように考えておると思うが、問題は老齢人口がどんどんふえていく。それでいつごろ大体一つの安定期にくるか、こういう議論がずいぶんあると思うのです。それは一体昭和何年であるか。
○北川(力)政府委員 人口構成の変動の見込みでございますが、年金のサイドから申し上げますと、やはり生産年齢人口と老齢人口との比率というものが、どういうふうに推移するかということがインデックスになるかと思います。そういうことから申し上げますと、いわゆる生産年齢人口に対する六十五歳以上人口、つまり十五歳から六十四歳までの人口に対する六十五歳以上人口の割合は、四十五年で一〇・三%でございますけれども、これが五十年には一一・六%、六十年には一四・二%、七十年には一七・九%、八十年には二二・四%、九十年には二七・三%、九十五年におきまして二七・六%というふうに見込まれております。これは人口問題研究所の推計でございますが、以上のとおり、現在における推計におきましては、九十五年がピークということになろうかと思います。
○大原委員 じゃ年金を、賦課方式をとるのに、いまから五十年待てということかな。そういうことになる、主計官が言った議論は。五十年待つのか。五十年間このままでいけ、このままのベースでいけというのですか。修正積み立て方式、税金方式、賦課方式、こういうふうな方式がありますが、修正積み立て方式の現在のままでいけ、こういう議論ですか。
○渡部説明員 私の申し上げましたのは、ピークのときに賦課方式に切りかえるということではございませんので、ピークのときの状態の推移を見ながら、ほぼ老齢人口が峠に近づいた、平準化に近づいた段階で完全な賦課方式に移行できるのではないかと予想いたしておるのであります。 もちろんその途中の段階におきまして、かりに積み立て方式をとりましても、その修正の度合いを大いに変えるというようなことで、いわば長期的に見れば修正賦課方式といったようなかっこうにも移行できるであろうと思いますし、いずれにいたしましても、この問題は具体的に給付の水準と負担の水準とを組み合わせたプログラムをつくらなければめどが立たないわけでございますので、われわれといたしましては、できるだけそういった具体的な中身を持った数字を伴ったプログラムを立てて、この問題を検討いたしたいと思っておる次第でございまするが、基本的に方式の問題で賦課方式に完全に移行できるのは、どの年度くらいかというお尋ねでございますれば、われわれは、やはり老齢人口がある程度峠に近づいた段階、受給者の平準化した段階で賦課方式に移行できる日がくるのではないかと考えております。
○大原委員 私の議論は、ヨーロッパの例のそういう側面だけでなしに、慢性インフレのとき、インフレで物価が上昇するときに積み立て方式をとることは、日本の現状のように収奪である。そういう側面を持っておる。日本の高度成長をささえた一つのエネルギーは、積み立て金をもってする財政投融資が大きな力によっておる。積み立て方式の運営の問題が議論になるけれども、そういうメカニズムがある。だから物価対策としても、国民所得が上がっていく、GNPが上がっていくならば、それに対応する年金水準を全体として編み出していくことが必要である。そうしなければ人口の老齢化という観点だけで議論することはできないのではないか。 そこで問題は、私はもう少し範囲を決めて、もし資料があれば出してもらいたいが、たとえば昭和五十年、これは大体わかる。昭和五十年、昭和六十年、昭和七十年のGNP――昭和九十年とは言わぬですよ。こうなるととんでもない天文学的な数字になってしまうから、田中の角さんも、その他でも、もう四、五年後のことをこんなに大きくなるという答弁をしたことがありますが、ともかくGNPやNNPは、国民所得は大体GNPの八割見当だが、国民所得は上がっていくわけです。そして物価はどんどん慢性的に七%も八%も上がっているわけです。今度また積み立て金の運用利子を郵便貯金利子と一緒に下げようかという議論をしているらしいが、あとでそれは理財局長にも質問いたしますが、とにかくそういうときに、慢性インフレのときに、物価対策としても賦課方式に切りかえる、そういうことがいまのGNPや国民所得から見ても正しいのではないか、こういう議論があるわけです。もう一つ議論がありますけれども、そういう議論がある。 そうすると昭和五十年、昭和六十年にはGNPでもいいが、国民所得でもいい。昭和五十年、昭和六十年、昭和七十年のGNPはどのくらいになるか、一人当たりの国民所得はどのくらいになるか、または平均労働賃金はどのくらいになるか。平均労働賃金でやるのが一番いいと思うけれども、こういう資料はいまないかもしれない、企画室が長期計画を立てる際にはつくっておるかもしれない、いま手元に、皆さん方にないかもしれない。しかし、あればこれはひとつ答弁してもらいたい。ばく大な数字になると私は思う。ありますか。
○北川(力)政府委員 何ぶんにもGNPのかなり先のことでございますので、現在私ども正確な資料を持ち合わせておりません。
○大原委員 何でも知ているかどうかわからぬが、主計官どうです。
○渡部説明員 いま資料を手元に持っておりませんので、残念ながら申し上げかねます。
○大原委員 つまり人口が、老齢人口が急速にふえていくという議論だけではだめなんですよ。つまり生産年齢人口がかせいでいく財産というものが、どういうふうにふえていくのだ。これの資源をどういうふうに分配するのだというのが私は経済企画庁の長期計画だと思うわけです。それを分配する際に、税金や保険料率その他で賦課方式、積み立て方式の関係が出てくるわけだ。これは私は当然国民として公平な負担をやるべきだと思うのです。その負担をやる。そういうことを決断するのはいまではないか。福祉優先ということが言われている。そういうことが言われておって、国際的にはダンピングということが批判されている。賃金、労働条件だけでなしに、賃金の延長である年金と、こういう議論もある。これは社会保障の水準がどうかという議論がいま現にある。だから、それはGNPとかそういう生産力の発展に対応した分配、いまや公平な分配を考えることが年金の賦課方式の議論ではないか、こういう議論があるわけです。厚生省はどういう立場に立って大蔵省や経済企画庁と連携して長期計画を立てますか。その点について議論があれば、ひとつ私は聞かしてもらいたい。
○北川(力)政府委員 確かにいま大原先生の仰せのとおり、現在はかなり慢性的なインフレの状況を呈していると思います。ただ問題は、経済面全般の問題でございまして、私どものほうでこういった傾向が将来恒常的に長期化するというふうなことを断定することもできないわけでございまして、やはり私どもの見地から申しますと、年金という側面からものごとをお考え願わなくてはいかぬと思います。 年金という側面から問題を考えてまいりますと、いわゆる生産年齢人口と老齢人口との割合、それは言いかえれば、やはり受給者と加入者の割合ということにもなりましょうし、そういう場合に、大原先生はもう十分に御承知でございますけれども、現在はまさに老齢化社会の入り口でございます。そういった老齢化社会の入り口で即時賦課方式に切りかえるということにつきましては、先ほどからもうお話がございましたけれども、現在の世代に非常に軽い負担がある反面、将来の世代には非常に大きな負担が生ずるというふうなことになりまして、そういった世代間の負担の不公平というふうなことをどういうふうに処理すべきかという、年金としての基本的な原点があろうかと思うのでございます。 しかしながら、確かに今後の老後の問題、あるいは現にいる老人の問題、こういうことを考えますと、次の改善の機会には、いま議論になりますような賦課方式問題というふうな問題を――賦課方式問題というのは、ある意味では抽象的な議論である側面を持っておりますけれども、具体的な問題といたしましては、現在の修正積み立て方式というものを今後実情に即して、どのように修正度を深めていくか。現在でも厚生年金は七割、国民年金は五割程度の、失業保険料に比べてその程度の保険料しかとっていないわけでありますから、残った分はすべて後代の負担でございます。 この辺のところを考えながら、今後はたして計画的な賦課方式への移行ということができるかどうか、あるいは現行の修正積み立て方式というものをどういうぐあいに修正の配慮を加えながら維持していくか、その辺を十分ひとつ詰めて、やはり老後を託するに足る年金ができ上がるというような、そういうメカニズムをつくっていくように努力をいたしたい、またそういうつもりで現在作業を進め、関係審議会等におきましても、そういった議論をきめこまかくやっていただいておるような実情でございます。
○大原委員 それでは、私の時間は来ておるらしいですから、きょうは一応これで終わりますが、あと問題だけは言っておきます。 あと一つ、もう少し議論を経済企画庁――経済企画庁も、かすみたいな官庁だから、だめだけれども、大蔵省も入れて議論するつもりですが、まだ積み立て金の運用その他の問題があるわけです。財政投融資の問題があるわけです。 それでいままでの議論で、昭和五十一年が福祉年金のピークで、税金で出す福祉年金はだんだん減ってくる。福祉年金自体を改善することを一つのてこにしておいて、年金全体の水準を上げるべきだ。厚生年金と国民年金の改善は来年だ。そこで人口の変動、生産年齢人口に対する老齢人口の議論をすると、昭和九十五年がピークである、人口が老齢化していくという段階で安定してきたときに、賦課方式をやるべきだという議論もある。しかし、そうではなしに、GNP、国民所得が上がっている。そういう賃金水準が上がっている。そういうことから考えるならば、昭和五十年、昭和六十年、昭和七十年ということを、GNP、国民所得を考えていき、賃金水準を考えるならば、いまの五兆三千億とか、一兆円とかいう国民年金や厚生年金の積み立て金はわずかなものなんだ。これをたよりにしておいて、将来年金を改革しますよ、上げますよというこういう議論は、私は数字の上では、これははじけないと思っておる。そんなものは議論の対象にならぬと私は思っているのだ。それに慢性インフレというのは、政府全体の政策の責任である。だから物価対策としても、年金の仕組みを変えていくことが必要である、こういうこと。国際的にもそうだ。 そこで私は、GNPや国民所得や賃金水準が昭和五十年、昭和六十年、昭和七十年にはどういうふうに上がっていくのか。上がっていくとして、積み立て金はどういうふうにふえていくのか。積み立て金はふえていくのか減っていくのか。どういう仕組みをしたならば、どういうふうに変わっていくのか。賦課方式をだんだん採用していくならば、これがどういうふうに少なくなっていくのか。私は、いまの一年間一兆数千億円である厚生年金の積み立て金は財政投融資の大きな力であって、これは政府としては第二の予算の中枢であるけれども、しかしこういう考えは、もういまや福祉優先からは脱却しなければならぬ。しかし長期的に見たならば、その積み立て金の金額というものは、いま問題にしておる金額は、わずかなものである。それは慢性インフレと水準が上がっていくという問題をあわせて考えた場合には、わずかな問題である。だから、それを総合的に判断する資料を出しておいて、そして福祉年金をどう改革するか、来年の年金をどう改革するか、こういう問題を皆年金の問題として議論をすることが必要である。そして年金間の、被用者年金あるいは国民年金等の制度の問題等をあわせて議論していくことが必要だ。スライド制の問題を議論することが必要だ。全体として福祉年金をどう上げて、年金の水準をどう底上げしていくか。厚生年金なんかいま一万七千円でしょう。これで年金というようなことを言えるか。二万円年金というが、実際は一万六千円か七千円。 ですから、私はGNP、国民所得、一人当たりの賃金、そういうものを見比べながら、いまの制度における積み立て金がどう変わっていくのかという問題等を、機械的にはできない要素がたくさんあるけれども、そういう材料をひとつ出してもらって、そして年金を引き上げる。社会保障を改革する五年計画はどうするのだ、新しい経済企画庁の計画はどうするのだ、厚生省、大蔵省はどういう観点でやっていくべきであるか、あるいは財政投融資はどうすべきであるかというくらいの議論は、今回非常に大切なときですから、政府全体の中で議論をしていきたい、こういう希望があるわけですが、そういう点について、きょうは十分私が質問の通告をしていなかったから材料が出なかったけれども、出してもらいたい。 こういうことで、あと質問者があることですから、私の質問は、これでとどめておきます。
○森山委員長 次に、田畑金光君。
○田畑委員 先ほどの質問の中にも大臣答えておいででございましたが、ことしは医療の年、来年は年金の年だ、こういうお話です。そこで、ことしが医療の年といわれても、とても医療の問題の解決はほんの緒につくかっかぬか、こういう状況で、まああげ足を取るのではないが、また来年も医療の年かなあという感じを持つわけですが、とにかくことし老人福祉法の一部改正法で満七十歳以上の人方について三割ないし五割の自己負担を公費負担にした。このことは老人問題が大きくクローズアップされている時期だけに、この国会の大きな一つの収穫であった。内容の批判はいろいろあるにいたしましても、そういう点から見ますと、確かに老人福祉の問題は、今度は年金問題をどう処理するか、こういうようなことになっていくと思うわけです。ことに、先ほど来議論されておりますように、老人人口の急激な増加傾向あるいは意識の移り変わり、核家族化の問題等々、こういうことを考えてみますと、年金制度というものを一体どうするのか、こういう問題が一番関心事になるわけであります。 そこで、いまお話がありましたように、将来の三十年先あるいは五十年先、修正積み立て方式あるいは修正賦課方式に、あるいは賦課方式にもっていくという将来の構想は別としまして、とりあえずことしの国民年金法の一部改正法については、これこれやったが、今後国民年金の改正、その他年金制度については、こういう構想で臨みたいのだ、そういうプランがあれば、ひとつこの際明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○北川(力)政府委員 年金の充実という問題は、たびたび議論にございましたように、現在きわめて緊要かつ重要な問題だと思っております。そういった意味で私どもも、通常の改正の時期から申しますと、厚生年金は四十九年であり、国民年金は五十年でございますけれども、これを四十八年度をめどに相当大がかりな改正をしたい、このように考えているわけです。その場合にどういった問題があろうかと考えますと、何と申しましても、現実に支給されております年金額は非常に低いわけでございますから、年金水準というものをどの程度のレベルまで上げていくかという問題が一つあると思います。 それから第二の問題といたしましては、現在の社会が非常にゆれ動く社会でもございますし、経済変動の激しい実態がございますので、一般にいわれておりますようなスライドする年金というふうな、そういう問題をどういう形で今度の改正の際に処理をするかという非常に重要な問題があると思います。 それから第三点といたしましては、財政方式の議論もございますけれども、これはいま議論されたとおりでございますから、こういった改正をするについて、どの程度の負担の増加というふうなものが必要であり、また実際に可能なのであるか、こういう負担面から見た場合のきわめて重要なファクターもあろうかと思うのであります。 それ以外にも従来の大きな改正の際に、ともすれば改正の中に取り込まれませんでした老齢年金以外の障害、遺族等の年金につきましても、どういった改善を加えるか、そういう問題も今後の改善におきましては相当大きな課題である。 まあざっと申し上げまして、以上のような点が次期改正のおもなテーマになろうかと考えております。
○田畑委員 当面福祉年金の問題が改正として議論されているわけです。たとえば老人福祉年金等について、一体これは最低生活を基準として考えておるのか、あるいは経済情勢の発展なり、いままで議論されたような国民生活水準全体の推移というものを顧慮しながら、福祉年金というものも、額その他等について考えていくのか、この基本的な姿勢はどこに置いていくのかという問題が一つ。さらに四十九年、五十年は厚生年金、国民年金の財政再計算期といわれておるが、急激な社会経済情勢の変化ということを考慮して、来年大幅な改善措置を行なうというようなことをいわれておるわけでありまするが、私は去年もこの委員会で議論いたしましたけれども、国民年金法のこの第四条の運用等を考えれば、第一項は「年金の額は、国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」ということになっておりますし、私は、やはりこういう考え方に立って、年金制度に対しては毎年見直していくというようなこと。言うならば、物価スライド制の原則に立てということになるかもしれませんが、そういう立場に立ってみるべきではないだろうか。そういう点から見ますならば、第四条第二項にありますように、財政再計算期というのが五年を基準として財政の見通しをやることになっておりますが、この条文等についても、やはり今日の急激な移り変わりを見直すならば考え直してもいいじゃないのかという感じを持つわけでありまするが、この点について、ひとつ御意見を承りたいと思います。
○北川(力)政府委員 第四条の第一項の規定は、一種のいわゆる政策スライドを意味した規定だと考えております。今回改正をお願い申し上げております中にも、拠出制の分につきましては障害、遺族について最低保障の一〇%引き上げという問題もございますけれども、こういった改正は、やはり法律上から申しますと、第四条の第一項の規定の趣旨に沿った改正というふうにお考え願っていいだろうかと思います。 第二項の規定は、いわゆる保険財政、年金財政から見ました財政再計算の規定でございまして、ここにございますように、少なくとも五年ごとにいろいろな要素を加味して所要の調整をするということでございますから、第二項は、まさに財政再計算の規定でございまして、そういった意味で、今後はこの規定の適用として、できるだけ財政再計算の時期を早めたい。そうしてその時期に合わせて改正をしたい、このように考えている次第でございます。
○田畑委員 私が特にお尋ねしておることは、五年ごとに見直すということになっておるが、現実に五年ごとに見直すような状況でないということは、たとえば昨年でしたか、厚生年金について物価の値上がりに準じて一〇%の引き上げ措置を講じた、ことしはまたそれにならって国民年金法の一部改正を一年おくれで実施をした、こういうようなことなどを考えてみますと、第一項の政策スライドの原則に基づいて云々というようなお話がございましたが、私は、第四条等についても、これ自体を見直してもしかるべき状況にわが国の社会、経済一般が入っておる、生活の状況、物価の事情、消費水準の向上等々を考えてみるならば、こういう感じを持って見るわけでありますが、この点について厚生省としては、そのような考えがあるかないか、もう一度明らかにしていただきたいと思うのであります。
○北川(力)政府委員 先生のお尋ねの趣旨は、要するに第四条の規定が政策スライドの規定であるとするならば、今後はそうではなくて一般にいわれておりますような、いわゆる自動スライド的な規定を設けるべきではないか、こういうふうな御主張であろうかと思います。 この問題は、結局はスライド制という問題を今度の改正でどのようなかっこうで取り入れるか、どのような仕組みにするかという基本的な問題にかかわる問題でございまして、スライド制の問題は、いつも申し上げておりますけれども、非常にたくさんの問題点をかかえております。どういった指標でスライドをするか、あるいは政策スライドをするか、自動スライドをするか、給付の面だけではなくて、負担の面においても当然に負担の増を伴ってまいりますから、相当慎重に検討しなければなりませんので、そういった点を今度の改正で、まさにいま御指摘になったこの第一項の規定について、どういうふうな始末をつけるか、どうするか、そういう問題を十分に検討したい、 こういうことでございます。
○田畑委員 話を変えまして、先ほど来答弁の中にも出ておりましたが、国民年金審議会の福祉年金小委員が昨年の七月、中間報告を出しておるわけですが、この中間報告は大事な点を指摘しているようでもあるが、これが今度の改正の中に具体的にどう取り入れられておるか、あるいはまた今後この中間報告を尊重して福祉年金をはじめ改善する措置があるならば、その構想をひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○北川(力)政府委員 国民年金審議会の中間報告は、福祉年金制度についての全面的な再検討をすべきであるということを前提といたしまして、福祉年金の過去の歩みが、拠出制年金の最近における急テンポな充実に比べて、かなりのおくれがあるということを指摘をいたしまして、そういった意味で、今後は福祉年金を、その受給者がきわめて多い現状から申しまして、それだけを切り離して考えることなく、拠出制の一般年金というものとのかね合いで改善をはかっていくようにということを、まず第一点としてうたっております。 そして、その具体的な展望といたしましては、さしあたり昭和五十年ごろをめどにいたしまして、どういうふうな改正をするか、どういうふうな改善をするかということを考えたらどうだろうか、こういう趣旨でございます。 それから年金額の水準の問題につきましては、先ほど大臣からもお答えがございましたけれども、いろいろな社会、経済条件の変動等を考えますと、現在すなわち昨年、現行の二千三百円の倍額程度であっても高過ぎることはない。また昭和五十年ごろに予測される拠出制年金の改善というようなものも考えますと、このころには、さらにその倍額程度になっておるであろう、こういうことを申しまして、そして当面の結論といたしましては、やはり何と申しましても、福祉年金の改善の中で一番重要な問題は年金額の引き上げであり、また所得制限を相当大幅に、社会的に問題にならない程度にまで改善をする、そういうことが当面の課題である、こういうことを申しておるわけでございます。 それで四十七年度におきます予算、またいまお願い申し上げております改正の中におきまして、こういった趣旨を受けまして、五千円ではございませんけれども、まだいろいろ御批判はございますけれども、従来にない老齢福祉年金額をはじめとする福祉年金額の引き上げをはかっておりますし、また所得制限の緩和につきましても、扶養義務者の所得制限につきましては、四十五年が百三十万、四十六年が百八十万、それを今度は二百五十万まで緩和をするというようなことで改善をお願いをしているわけでございまして、私どもといたしましては、この中間報告の趣旨を踏まえて今度の改正をお願いをしておりますし、また今後も、いま申し上げました中間報告の趣旨に沿って福祉年金の改善をはかってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○田畑委員 ことしの福祉年金の額の引き上げが千円だ。昨年は三百円だ、その前は毎年百円ないし二百円だった。その意味においては、昨年の三百円もいままでよりは幅も大きく引き上げられた。そういうことで当時の内田厚生大臣、たいへん腕を自慢されたわけですが、今回は千円ということになってきますと、それなりに大幅に引き上げられた、こういうようなことを斎藤厚生大臣も言われておりますが、千円引き上げたということ、昨年は三百円だということ、その前は百円であり二百円であったということ、これは一体どういう根拠で、このような引き上げの金額が出てきたのか不明でありますが、その根拠を明らかにしていただきたいと思うのです。 要すれば、大蔵省との予算の折衝でこうなったということで、毎年毎年財政の面から押えられて、厚生省としては、せめて年金額等については、先ほどの中間報告もあるし、この程度は考えたのだが、折衝の結果こうなったのかどうか。千円のよってきた根拠というものをひとつ明らかにしていただきたいと思うのです。
○北川(力)政府委員 老齢福祉年金はいまお話しのとおり、三十四年に千円から発足をいたしまして、その後物価の変動等々を勘案いたしまして、消費者物価の上昇を上回る程度の引き上げをやってまいったわけでございます。どういう根拠かと言われますと、やはり最初が千円から発足をして、そのあとはせめて社会的な経済諸指標、そういったものを下回らないようにという意味で改善をはかってまいったわけでございますが、いま申し上げましたように、他の生活水準の向上とか、そういったいろいろな面から考えますと、改善の率は高うございますけれども、額そのものにつきましては、かなりのおくれがあるということで、明年度は千円というふうな大幅な改善をする、こういうことになるわけでございまして、今後も、先ほどから議論もございましたように、福祉年金というふうなものをどういうふうに考えるか、そういう新しい観点に立って改善をはかるようにつとめてまいりたいと考えます。
○田畑委員 何ごとも金額が計上される以上は、何かの基準によってそれは算定され、算出されてくるものだと思うのですね。三十四年当時、一体千円というものが何であったかということは、記憶によれば、その当時の生活扶助基準等を参考にして千円というものがはじき出された、こういうことを去年の私の質問に対しても答えたはずです。三十四年当時の単身老人男子の生活扶助基準、これが四級地でございますが、それのおよそ半分というものが千円であった。老齢福祉年金の額として一応基準がとられた、このような答えであったと思うのですね。そういう点からいうと、昭和四十五年、四級地の単身の男子の生活扶助というのは八千九百七十五円で、その半分としても四千五百円ということになるわけですね。そういう点から見ますと、毎年三百円とか千円とか、こういうことになっておるが、やはり一つの基準というものがあって、それに見合いながら引き上げ措置を講ずるというようなことでなければならぬ。大蔵省との予算折衝で、あるときは百円であり、あるときは三百円、ようやくことしはいろいな財政事情からして、一千円というところに落ちついたわけだが、しかし、それでもなおかつ、ことしは三千三百円だ。現在は二千三百円。そういうようなことを考えてみますと、私は、福祉年金の金額というものがいかに低いかということは、これは明らかだと思うのですね。 確かに昭和三十四年からの千円が二千三百円、昭和四十五年を基準にすると一七九・二二という指数になるわけだが、その間の一人当たりの国民所得を見ると、昭和三十四年を一〇〇とすれば、四十五年は四六六・三、一人当たりの消費支出を見ると、三十四年が一〇〇で、四十五年が四〇五、こういうことになるわけです。そういうことを考えてみると、昨年内田厚生大臣が、四十七年度は誓って五千円年金を実現する、こういうことですね。これは大きく宣伝されていたわけです。ところが、こう落ちついたということですね。あるいはまた、これはすでに四十四年のこの委員会において、記録を見ると、福祉年金の受給年齢が七十歳になっておるが、来年は六十五歳にするということを内田前大臣が約束された。 〔委員長退席、橋本(龍)委員長代理着席〕 ところが、昨年ですか、身障者については六十五歳に引き下げられたが、ことしはこの受給年齢については何ら改善を見ていない。こういうようなことを考えてみますと、私は、福祉年金の実態というものは、四十七年度確かに千円引き上げ措置を講じられたということは、数字そのものからいうと、飛躍したような感じを受けるわけだが、それでも三千三百円、一日百十円というようなことを考えてみると、先ほどの年金小委員会の中間報告等々を見ましても低過ぎる金額である、こう考えておる。 大臣は、来年は年金の年である、年金の年であるとすれば、私は、厚生年金についても国民年金についてもいろいろ改善措置は講じられると思うが、なるほど国民年金の経過的な、補完的な制度としての福祉年金であるかもしれぬが、これについてもっと改善措置が加えられるべきであると思うのだが、この点について、私はこの際大臣に何か構想でもあるならば、明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○斎藤国務大臣 ただいま、来年度はこういう構想でということを申し上げる段階ではないと思います。ただ、福祉年金額は来年度は五千円をぜひ実現したいということは、前からも申し上げておりますし、大蔵大臣も、それについては努力をしようということでもあるわけでございますから、これは申し上げてよかろうかと思います。 あとは問題点、先ほどから局長も申し上げておりますように、拠出年金の額をどの程度引き上げるか、保険料をどの程度引き上げるか、そして財政支出をどの程度にするか、また六十五歳と六十九歳の間のブランクをどうするか、保険料と国費の負担のぐあいは、いわゆる賦課方式、積み立て方式というような、その方式にこだわるかどうかということは別にいたしまして、いままでの考え方を若干でも修正をしなければ今日の要望にはなかなか沿いがたいであろう、それをどの程度にするか、ただいまおっしゃいました、また先ほどからも議論になっておりますように、スライド的な考え方をどの程度取り入れられるかというような事柄が問題点でありまして、それらの問題を十分検討しながら、国民的なニードに沿うようにいたしたい、かように考えておるわけであります。
○田畑委員 まあ幾つかの点を大臣あげられましたが、今後どういうようなスケジュールで、いつごろをめどに――いま大臣いろいろ、拠出制年金について厚生年金、国民年金あるいはその他の年金等々の改善措置ということを約束されたわけであります。そろそろそういうような構想等についても、事務局としては固めておると思うのですが、その作業というのはいまどうなっておるのか、いつをめどにまとめるのか、あるいは関係審議会の議も経なければならないでありましょう。予算措置も必要でありましょう。今後の方向について、ひとつこの際明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○北川(力)政府委員 国民年金につきましても、また厚生年金につきましても、すでにことしの初め、あるいは昨年の暮れから関係審議会において議論をしていただいております。ただ問題が従前と違いまして、いま大臣からも申し上げましたように、広範にわたっておりますことと、きわめてむずかしい問題をかかえておりますので、現在までのところ、大体一わたり問題点をフリーディスカッションをした段階でございます。今後できるだけ早い機会に第二読会に入りまして――まだ第一読会が終わっていないところもございますけれども、私どもといたしましては、四十八年をめどに作業を進めるわけでございますが、なるべく早い機会に答申、意見をちょうだいいたしまして、その結果を十分検討した上で関係省庁とも協議すべき点は協議をして、早急に結論の取りまとめをいたしたい、このように考えております。
○田畑委員 まあ年金の場合は、医療の問題とは違って利害が対立するというような問題ではないし、したがって、その意味においては、来年度抜本改正は期待できる、こう思うのでありますが、ただわれわれが心配することは、医療の問題等について見ますると、結局この国会においても財政対策法案だけで終わってしまって、一番大事な医療基本法の問題にしても、いわゆる抜本改正等を中心とした給付の改善措置等は、次の機会にまた見送らざるを得なくなったようなこと等を考えてみますと、私は、ことしが医療の年、来年は年金の年と言うけれども、年金そのものについては、先ほど申し上げたように、保険料の負担という面において受給者の負担増も当然予想されるが、しかし、この問題については、年金の改善というものが、ほうはいたる国民の要求であるだけに、案外私は、仕上げの作業もさほどの困難は伴わない、このように考えるわけであります。しかし、中身のいかんということは重大な関心事であるわけです。 したがって、年金制度の改善措置については、すみやかに関係審議会の議論が成熟をして、それに基づいて措置を講ずることを、ひとつこれははっきり大臣としても確約していただきたい、こう思うのです。この点あらためて、ひとつ大臣の考え方を承っておきます。
○斎藤国務大臣 私もぜひそうありたいし、またそうしたい、またそうしなければならぬ、かように考えておるわけであります。 ただ、ただいまおっしゃいましたように、先ほど大原委員に申し上げたところが、大原委員は、まあお気持ちがよくなかったようでありますが、いまおっしゃいました医療基本法の問題それから医療保険の抜本改正の問題、これはやはり当面どうしても早急に――とにかく抜本改正はまだ入り口のような問題ではありますが、しかし、これは引き続いて御審議をいただき、そして結論を出していただきたい。それを国民年金全体の改正問題も、これはやはり抜本的な考え方に立ってやらなければなりません。 先ほど申し上げました問題点は、事務的にも相当むずかしいだけでなしに、政治的にも私はむずかしい問題である、かように考えます。両方と取り組んでいかなければならないということになりますと、どうなるであろうかということを、これは良心的に心配するわけでありますが、事務当局は、年金問題と取り組むということについて、基本的ないろいろな調査や検討は進めてくれておりますから、おそらくこの両方を来来年実現ができるのじゃないだろうか、かように考えております。 先ほど申し上げましたように、やはり年金問題は、もう時代の要請でありますから、来年は、これを避けて通るわけにはいくまい、かように考えております。
○田畑委員 まあ、いま被用者年金についても幾つかの制度がありまするし、また国民年金制度、こういうことになっておりますが、ちょうどそれは医療の問題における保険制度の問題と似たり寄ったりの状況でございますが、私は、この年金制度の将来のあり方ということを考えてみますと、被用者保険のそれと、それから国民年金制度、こういう方向にやはり年金制度の一元化ということを考えていくべきではなかろうか、こういう考え方を持っておるわけでありまするが、まあそういう意味で、三党の年金制度の、とりあえず給付額に対する特別措置法というものを出した経緯があるわけでありますが、こういう考え方について大臣としてはどうお考えであるのか、あるいは最低保障額の問題であるとか、先ほど来議論されておる自動スライド制の原則などは、これは当然来年、抜本改正として年金制度についての改善措置を講ぜられるならば、やはりそういう原則を明確に打ち出すことが必要じゃなかろうか、こういうようなことを考えておりまするが、さらに将来の展望としては、積み立て方式や賦課方式やいろいろ言われておりますが、先ほど来の質疑応答を聞いておりますと、昭和八十年前後が一番老人層の人口構成が成熟する時点であって云々というような話もございましたが、やはり私は、将来の一つの構想としては、一体現在の修正積み立て方式でいいのかどうか。やはり将来は、これを賦課方式の方向へ発展させていくという構想があってしかるべきではなかろうか。 当然関係審議会の中などにおいては、こういう問題等についても議論をされて、その上に立って、政府としても、今後の制度のあり方等を考えていくものだと思いますが、こういう問題等について大臣はどのようにお考えであるか、承りたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 被用者年金と国民年金、これは両者の均衡というものは、やはり絶えず考えていかなければならないと思いますが、さしあたっては、被用者保険の間における統合といいますか、均衡を考える。そしてそれと国民年金との均衡を考えていくという両建てでいくのが順序であろうか、かように考えております。 賦課方式、積み立て方式、これは今日も修正積み立て方式と言っておりますが、これがあるいは修正賦課方式になり、完全な賦課方式になっていくというわけで、どの程度の保険料を取り、そしてどの程度積み立てて、そして一般保険料から取った部分を積み立てに回さないで、年金の支給額に充てていくかといういろいろな財政計算上の問題でございますから、したがって、いままでの修正積み立て方式が、いつになれば修正賦課方式になり、完全賦課方式になるかという名前のつけ方の問題であろうと思います。 そういったような長期にわたる財政計画を立てた上で、さしあたって今日のニードに合う保険金額というものを、年金額というものを決定をしていくべきであろう、かように考えておるわけでございます。
○田畑委員 抽象的な議論になりますから、これはこの程度でやめますが、今度の改正の中で所得制限という問題がございます。 扶養義務者の所得による支給制限を大幅に緩和した政令措置によって、扶養親族五人の場合、百八十万円を二百五十万円とした、こういうことになっております。 先ほど来の大臣の答弁を見ましても、大蔵省の主計官の答弁を聞いておりましても、来年は所得制限については、ひとつ大幅に軽減措置を講じたい、こういうような話で意を強くするわけでありますが、特に扶養義務者の所得制限を見ますと、福祉年金の受給者が扶養義務者の所得制限によって受ける比率というものは非常に高いわけですね。たとえば老齢福祉年金を見ますと、扶養義務者の所得制限によって七・三%の人方が制限されておる。障害福祉年金、母子福祉年金、準母子福祉年金、こういう福祉年金全体の中で、扶養義務者の所得制限が六・六%にのぼっておる、こういうことでございますが、扶養義務者の所得制限等々は、世帯の中におけるお年寄りの立場とか、いろいろな生活の状況、心理的な影響などを考えてみますと、私は少なくとも扶養義務者の所得による支給制限というものは、来年あたりはぜひ撤廃すべきではないか、こういう感じを強くするわけであります。 幸いに、この福祉年金小委員会の中間報告を見ましても、「当面最も緊急な福祉年金の額の飛躍的な充実と扶養義務者に係る所得制限の問題の解決を中心に、着実な改善を図っていくことが重要であることをとくに強調しておきたい。」といっております。この問題はぜひひとつ来年あたりは解決してもらいたいし、来年の抜本改正の中で大臣も所得制限の問題を大きな柱の一つに加えておられましたが、この点もう一度明確に、ひとつ方針を明らかにしていただきたい、こう思うのです。これは大臣並びに主計官からもお答えを願いたいと思う。
○斎藤国務大臣 扶養義務者の所得制限は、来年度は撤廃の方向で努力をいたしたい、かように考えております。
○渡部説明員 所得制限の問題は、社会保障給付の性格からいたしまして、税金財源から負担する社会保障給付につきましては、やはりある程度所得の高い人には遠慮してもらうのがいかがかというような趣旨で、さような制度が設けられておるわけでございます。ただいま問題になっております国民年金の所得制限につきましても、われわれとしても、基本的にはそういう考え方でおるわけでありますが、では具体的にはどのようなかっこうで、その所得制限を設けた場合に社会常識から見て不都合がないかというような問題であろうかと思います。 そういう音心底で、われわれといたしましても、できるだけ給付の幅を広くするという意味におきまして、この問題につきまして、その緩和の方向につきましては、前向きに対処してまいりたいというふうに考えております。
○田畑委員 主計官の意見は、大臣の意見と同じだと理解してよろしいわけですか。要すれば、特殊なケースなどは確かに考えられるが、あくまでも扶養義務者による所得制限はなくするという前提で、来年はこの問題に取り組む、こういうように理解していいのかどうか。
○渡部説明員 所得制限を全部撤廃するということにつきましては、われわれのほうは疑問を持っておるわけでございます。所得の高い人に扶養されておる方にまで、こういう税金財源からの福祉年金を支給するのが社会保障給付のあり方としていいかどうかという問題はあろうかと思います。 この問題につきましては、われわれも昨年来、財政制度審議会あたりでも議論していただきましたけれども、これは委員の方の一致した意見として、やはり所得制限の緩和については賛成であるけれども、この撤廃については適当でないという結論が出ておるわけでございます。
○田畑委員 私が言っているのは、財政制度審議会の中でどういう議論があったか知らぬけれども、やはりこの扶養義務者による所得制限ということは、私たちは撤廃を主張する。しかし、確かにこの社会保障給付費、特に福祉年金は全額国民の負担である、こういう性格からいうならば、すべてのケースについてというわけには、公平の原則から見ても、国民感情から見ても許されないであろうが、しかし、あくまでも扶養義務者による所得制限については、これを撤廃すると私は言いたいのだけれども、大幅にこれを軽減する措置を講ずる、こういう思想で来年度予算措置にあたっては取り組むことを、大蔵省としても当然とるべきであると私は思う。そのように理解していいかどうか、いま一度。
○渡部説明員 扶養義務者の所得制限の緩和につきましては、十分前向きに対処したい、かように考えております。
○田畑委員 これも先ほど質問の中に出ておりましたが、福祉年金の支給開始年齢は、昨年身体の不自由な者については六十五歳に引き下げられたが、今回はこれについては見送られているわけで、この点については、今度の法律改正にあたって厚生省の内部でも検討したかどうか。これは特に昨年のこの委員会においても、国民年金法一部改正のときに、附帯決議として、年齢の引き下げ等については政府において善処することを強く要請しておりますが、単に本院だけでなく、参議院においても同様です。この問題等について、どのように議論されておるのか、さらに今後どうしようとする方針か、明らかにしていただきたい、こう思うのです。
○北川(力)政府委員 ただいま御質問の、いわゆるブランク地帯の問題でございますが、これにつきましては、先ほども結論として申し上げましたとおり、どういう知恵を出して、これを処理するか、なかなかむずかしい問題だと思っております。 昨年の法案審議におきましても御議論がございましたので、私どもも今年度の改正の際にいろいろ検討したのでございますけれども、どうも年齢を一律に引き下げて老齢福祉年金の範囲でこれをカバーするということが、はたして適当であるかどうかというふうな問題があるわけで、先ほど引用されました国民年金審議会の中間報告にも「老齢福祉年金については、その支給対象年齢の引下げの問題があるが、こそれを一律に引き下げることは適当でない」こんなようなことをいっておりまして、どうも、どういう方法がいいか実は苦慮をいたしておるのが率直な実情でございます。 しかしながら、かりに福祉年金の分野で処理するといたしますと、先ほども申し上げましたが、年金額の引き上げとか、あるいは所得制限の撤廃ないしは大幅な緩和、あるいはまたそれ以外の改善と、たくさん改善項目がございまして、優先の度合いから、おのずからやはり財源上の制約というものが出てこざるを得ない。しからば、福祉年金という分野を離れてどういうふうな処理のしかたをするか、そういう点が今後の問題点でございまして、いずれにいたしましても、次期改正の際に、この問題はきわめて緊要なまた重要な検討課題の一つとして十分に検討を重ねてみたいと思っております。
○田畑委員 それから、先ほどの質問の中に出ておりましたが、拠出制と無拠出制のこのつなぎの不備から、現在年金から取り残されておる人方が百七十七万いる、こういう先ほどの局長の答弁であったと思うのですが、この人方について、それは一体どうするつもりか。 結局、こういう人方は国の制度から発生してきた人方であるわけです。この制度の発足が、要すればおくれた。まあ言うならば、その犠牲者だ。六十五歳以上になっても何らの年金を受けられない、こういう人方について、これはこのままにしておくのか、どういう措置を講ずるのか、この点、その関係審議会等における議論等はどのようなことになっておるのか、これをちょっと明らかにしておいていただきたい。
○北川(力)政府委員 私があるいは取り違えたかもしれませんけれども、いまお答え申し上げましたのは、実はその問題でございまして、関係審議会の意見といたしましても、老齢福祉年金のサイドで一律の支給対象年齢引き下げというのは問題がある、こういう意見があるわけであります。 なお、いま申し上げたことを重ねて申し上げますと、非常に改善すべき項目の多い福祉年金の範囲で、これを処理することが現実に可能かどうか、あるいはまたそれ以外の、たとえば拠出制年金というふうな分野でこの問題をあらためて考えてみるかどうか、そういう問題を次期改正の際の検討課題として十分慎重に検討を加えたい、こういうのが率直な実情でございます。
○田畑委員 私が先ほどお尋ねしたことは、例の昨年の場合は、六十五歳まで身障者については引き下げ措置を講じられたが、今回この問題について具体的な検討がなされなかったのかどうか、こういうことですが、しかし、いまの答えによると、要すれば、来年の改正等については、こういう問題も含めて検討するということを約束されたもの、こう考えますが、そのように理解していいかどうか。 それからもう一つ、これも先ほどの質問に出ましたが、障害者については、障害福祉年金というものが一級だけで、二級については適用されていないわけですね。この二級について、何か先ほどあなたの答弁を聞いておると、これを福祉年金の中で処理するか、それとも障害者一般という形で特別の措置によって考えていくか、こういうようなことがありましたが、これはどういうことなのか。たとえば身障者について特別の制度を創設しようという考えであるのかどうか、この点、先ほどの答弁について、もう少しふえんをしてお答えを願いたい、こう思うのです。
○北川(力)政府委員 第一点のブランク地帯の問題でございますけれども、明年度に予定される改正において、やはりこういった問題はどういうような処理をするかということを考えざるを得ないだろう。検討項目が非常にたくさんございまして、しかも、いずれもきわめてむずかしい問題ばかりでございますけれども、やはりその中の一項目として検討せざるを得ない問題であろう、こういう気持ちでおるのでございます。 それから第二点の問題でございますが、この問題は非常に複雑な問題でございまして、実は現行の制度の運用といたしましても、障害福祉年金においては一級しかございませんけれども、障害福祉年金の場合の障害の等級のきめ方と、それから身体障害者福祉法における障害等級のきめ方につきましては、若干のズレがございまして、実際の適用といたしましては、先ほど例に出ましたような身体障害者は、実際上は障害福祉年金に該当するようなケースもあることはあるわけであります。しかしながら、年金の分野で問題を考えます場合に、やはり障害福祉年金の障害の範囲を二級まで広げるということにつきましては、相当長年の懸案と申しますか、要請でもございますし、これまた、非常に改善項目の多い中で、この問題も一応やはり検討の課題にならざるを得ないだろうということが一つございます。 それからまた、国民年金制度による施策として対処できる範囲を越えている面があるというふうに申し上げましたが、これはそういうふうに障害年金の範囲で考えたほうがいいか、あるいはまた、現在の身体障害者福祉対策というふうなものは、きわめて総合的なものでございますので、そういう総合的な身体障害者福祉対策の中で別途特別な施策が考えられないものかどうか、視点を変えて新しい発想がないものか、こういう両方からこの問題をにらんで考えてみたい、こういうことを申し上げたわけであります。 具体的に、現在どういう施策があるかということにつきましては、必ずしもきわめて具体的なものを持ち合わせているわけではございません。
○田畑委員 まあ二つのケースが考えられる、こう言っておりますが、この年金小委員会でも、その問題について触れておるようですが、そのようなことも、この来年の改正の中には、こういう方針でいくという結論を出すべく、いま関係審議会で検討しておると理解してよろしいのかどうか、その点どうですか。
○北川(力)政府委員 先ほど申し上げましたように、国民年金審議会で全体について検討いたしておりますので、その中の一項目として検討課題に入っております。
○田畑委員 それから次に、公的年金の併給の問題ですが、今度これがまた変わったようですね。その内容をひとつ御説明願いたいと思うのです。
○北川(力)政府委員 福祉年金の公的年金との併給につきましては、先生も御承知と存じますけれども、制度発足以来、福祉年金相当額までは併給をする、さらに三十七年の改正におきまして、年間二万四千円までは併給をする、それから四十五年でございましたか、福祉年金が二千円に上がりました時点で、その額が同一の額になりましたので、それ以後は、現在まで福祉年金相当額までは併給をする、こういう状態で推移してまいったわけであります。ところが、昨年の十一月から老齢福祉年金が二千三百円に上がりまして、いま申し上げました二万四千円という額の限度をこえることになりましたので、この際そういったこともにらんで、あらためてどういう限度額を設定すべきかということを検討いたしました。 その結果、戦争公務につきましては、御承知のように、昨年准尉までは全額併給といたしましたものを、中尉まで全額併給、それから普通公務につきましては六万円という限度額を設定いたしまして、その額に達するまでは福祉年金額を、その差額を併給をする、こういうふうな仕組みをとったような次第でございます。
○田畑委員 中尉の公務扶助料というのは一体幾らなのか。それと、やはり去年は準士官以下は併給だ、今度は中尉以下、こうなっておるが、一般については六万円というお話でございますが、その間に非常な開きがある。これは戦闘公務によるという性格から見て、公務扶助料の場合は、国家補償の精神に基づいてそういうようなことで特別な措置を講じるというのか、やはり一般の場合についても六万円ということでございますが、この戦争公務のそれに比べた場合に、開きというものを当然もっと埋めてしかるべきじゃないか、こういう感じを持つわけで、しかも今日、公務扶助料等についても、毎年改善措置が講じられておるし、また公務扶助料に対する考え方等についても十年前、二十年前、今日、常に固定的な考え方で臨んでいるのかどうかということも、私は議論として出てきてもいいのじゃないか、こういうように思うのだが、そういうような点について、公的年金の併給について、一方は完全併給だ、一方は不完全併給というか、しかも公的年金が六万円以下という額等については、あまりにも額が少な過ぎると思うのだが、こういう点についても、もっと私は考え直してもいいのじゃないか、このように考えておるわけですが、この点について、厚生省のほうとしては検討しているのかどうか、あるいはこれもまた検討課題に入っておるのかどうか、この点を明らかにしてもらいたいと思う。
○北川(力)政府委員 公的年金と福祉年金の併給の問題につきましては、私どもはもちろん基本的には、やはり本来の公的年金の充実ということが先行すべき問題だと考えております。しかしながら、いま御指摘のございましたように、戦争公務による扶助料等につきましては、やはり戦争といった特殊な性格がありますところから、かねてから一定範囲内で、つまり准尉、今回は中尉ということで全額併給の措置をとられるわけでございます。しかし、普通扶助料のほうにつきましては、そういった特殊な色彩もございません。しかしながら、実態関係はかなり低い年金をもらっておられる方々もあるという実情を考えまして、普通扶助料と戦争公務による扶助料とのその間の倍率というものを勘案いたしまして、普通公務につきましては、六万円を限度にして併給をする、このような措置を講じたわけでございます。 なお、お尋ねの中尉の戦争公務扶助料は、現行は二十万三千九百六十一円でございますが、これがことしの十月から二十四万五千八百四十六円になります。 以上でございます。
○田畑委員 時間が参りましたので、もう一つお尋ねしたいのですが、拠出制年金について、先ほども申し上げたように、昨年は物価上昇ということで厚生年金の応急措置として一〇%引き上げ措置を講じたが、今回の国民年金については障害、母子年金の一〇%引き上げ、こうなっているわけですね。これは老齢年金の引き上げ措置というのが講じられていないというのは、どういうことなんですか。
○北川(力)政府委員 昨年、この厚生年金で緊急的な措置として、とりあえず一〇%の引き上げを行ないましたので、確かにいまお話のございましたように、国民年金につきましても、同様な措置を講じてはどうかというふうな議論もあったわけであります。しかしながら、全体的、総体的に現在の年金制度を見てみますと、先ほどからも御議論がありますように、やはり国民年金も含めて、厚生年金、国民年金両方にわたって、できるだけ近い機会に大きな改正をいたしまして、その改正の中で、そういった問題もいわば発展的に、前向きに吸収するということのほうが、よりベターではないか、こういうことで、今回老齢部分につきましては、その改正を見送ったわけであります。 ただ、障害、母子につきましては、最低保障の仕組みがございますから、そういった意味で、最低保障は先生も御承知のように、むしろ各種年金、国民年金、厚生年金、共済、合わせまして一つの均衡をとっておりますので、とりあえず今年度は障害、母子についての最低保障を厚生年金に合わせる、こういう措置にとどめた次第でございます。 老齢につきましては、いま申し上げましたように、明年度に予定する改正においてこれを処理したい、このように考えている次第でございます。
○田畑委員 時間が参りましたので、私はこれで終わりたいのでございますが、一々の問題点を聞いてみますと、あげて来年やる年金の抜本改正、これに問題をゆだねておるようで、答弁で言われているがごとく、ほんとうに抜本的な年金制度の改善ができるのかどうか、これをわれわれとしては期待する反面、またことば倒れに終わることに非常な不安を持つわけでありますが、幸い来年は厚生年金にしても国民年金にしても、繰り上げて財政再計算期ということで、内容についても相当の改善措置を加える、こういうようなことでありますので、われわれはそれを注目して期待したいと思うのでございます。 どうかお願いしたいことは、確かに医療の問題は、いろいろな角度からいろいろ討議をされて、一つの方向は曲がりなりにも見出そうとしておりますが、年金制度については、医療と同時に大きな問題であるし、今後のわが国の老齢人口の趨勢から考えてみると、喫緊な問題であるだけに、私はひとつ来年こそ厚生年金、国民年金、そしてまた、いま議論されておる福祉年金等々については十二分に、特に福祉年金等については、経済の発展や国民の所得水準、生活水準の向上に伴うて、思い切って改善措置が講じられるように、格段の努力を払うように、私はとくと希望を申し上げたいと考えておるわけであります。 ただ、われわれといたしましては、三党で一つの考え方を提案いたしておりますが、これが直ちに取り入れられることを期待するわけであるが、しかし、またいろいろ掘り下げて議論してみると、直ちにこういう賦課方式に移ることは、またいろいろな問題もあることは、万事承知はしておるわけでありますが、しかし将来の方向としては、構想としては、かくあるべしという一つの方向を示したという意味において、十分政府におかれても参考に供されることを強く希望したいと思います。 以上、要望申し上げて、私の質問を終わります。
○橋本(龍)委員長代理 次回は、明二日金曜日午前十時理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十九分散会