社会労働委員会 第12号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/04/04
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 特定疾患対策に関する問題について、参考人に御出席を願い、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 なお、日時及び人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○森山委員長 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 国有林の現状についてひとつ農林省並びに林野庁に今後の方針をただしたい、こういうように思っておるわけです。それとあわせて労働省関係には労働関係の現状について、それぞれ具体的に伺っていきたい、こういうように思っていますから、その点よろしくお願いいたします。 国有林の役割り、こういうようなことはふだんからいわれております。特に国土保全、森林資源の維持、培養、それから地元産業の振興、木材の安定的供給、こういうようなことでその公共的機能、これが十分期待されておるはずであります。ところが最近は、それがどうもおかしくなっているのじゃないか。ことに紙パルプ業中心の原木要請にこたえて、安上がりの木材増産第一主義の合理化計画を策定して、そのために公共性が無視されて企業偏重になっておる。その企業偏重が労働災害にまでつながってきているのじゃないか、こういうように思われる現象が随所にあらわれております。この点等については、はっきり指導方針が確立されてあるはずです。昭和四十五年には参議院においてこれらの確認事項もあるはずです。最近この基本的な実施計画がゆらいでいるのじゃないか、こう思われる節が多々ございますので、この点についてはっきりした見解をまずお伺いしたいと思います。
○福田(省)政府委員 御指摘がございましたように、最近国有林に対しましてはいろいろと御批判をいただいておるわけでございます。特に大面積の皆伐をし、森林を荒らしておるではないかというふうな点に関しましてはきびしい御批判がございます。実は国有林の経営につきましては森林基本法あるいは森林法あるいはまたそれに基づく国有林の経営規程がありまして、その方針に基づきまして十年計画というものをつくりまして、その方針に基づいて経営しておるところではございますが、ただいま申し上げましたような点につきましては最近特にその方針を改めまして、大面積の皆伐はこれをできるだけやめて小面積の皆伐にいたしまして、しかもその伐採個所は分散する、また伐採した周辺には天然林を保全するという形で、できるだけ国有林の森林の状態を破壊しないように進めてまいりたいという方針を出したわけでございます。それによりまして逆に、大面積の皆伐を避けることによりまして能率が下がるという問題も出てまいります。それにつきましてはできるだけ合理化をいたしまして、能率重点主義よりはむしろ自然保護に重点を置いた考え方に基づいて経営さしていく。それからまた特に最近の災害の多い状態にかんがみまして、治山事業計画におきましても、新しい五カ年計画では前五カ年計画の倍の事業を企画しておるわけでございます。そういうふうなことで、従来の能率重点主義から自然保護を重点としました施策に切りかえる方針でただいま検討しておるところでございます。
○島本委員 そういうような方針がはっきりされてあったことは私ども伺っております。ところが、この昭和四十一年の春の国会確認事項、これは政府表明でありまするけれども、この雇用の安定に関して昭和四十一年三月二十五日、それから同じく四十一年六月二十三日、前者は参議院の農林水産委員会、後者は参議院の社会労働委員会、それぞれの場所ではっきりきめられておるわけです。いわゆる直営直用の原則、こういうふうにいわれておるわけでありますが、これを今後積極的に拡大する、こういうようなことがいわれておったはずでございますけれども、今後はだんだんそれが反対になってきて、請負にだんだん移行されていくような面が見受けられるわけであります。大量のパルプ原木を中心にした全収穫量の六〇%をこえる立木販売は依然として持続しながら、従来は出来高払いの労働さえそれを禁止しておった植えつげの請負をはじめとして、造林の五〇%以上、素材生産の三〇彩以上、これが請負によって行なわれておる。こういうようなことでは、せっかく政府が表明した直営直用の原則が反対に減殺されていっている、こういうようなことになるのじゃないか。結局は経営のための国営の切り捨てであり、そして人工造林のいろいろな面の荒廃に拍車をかけるような結果を招来する。おそらくこういうようなことからして、今後の対策として——公害が叫ばれて緑が大事にされるのは世界的な地球防衛の一つの義務だ、国際会議でこれが要請される段階になってきておりますけれども、林野庁のほうでは依然として経営部門が重要な一つのポイントとなっておるわけであります。今後これでいくならば、全部これは直営直用の方式から請負方式、こういうようなのに変わるおそれが感ぜられるわけでありますけれども、こういうようなことは一切ないのか、あるのか。もしあるとするならば、それは何のために、こういうような原則を踏みにじってそっちのほうに暴走するのか、この点についてこの際解明してもらいたいと思います。
○福田(省)政府委員 御指摘がございましたように、最近直営直用の問題に関連しましていろいろ批判をいただいております。ただいま申し上げましたように、国有林は自然保護を重視しまして、しかもその中で近代的また合理的な経営をいたしてまいらなければならぬということを申し上げたわけでございますが、特にこれを具体的に申し上げますと、今後国有林の収穫量は年間におきまして約三百万立方メートル減少するわけでございます。したがいまして、総体の収量が減収いたしますならば、ただいま先生から御指摘ございましたように——この販売方法とまましては、立木処分でいきます場合と直営生産でいきます場合とございます。直営生産でいきます場合には、さらにこれが二つに分かれまして、直営直用でまいります場合と、請負でまいりまして、その直営生産の素材の形で販売する、こういう大きく分けて二つ、小さく分けて三つの販売方法がございます。しかし私たちは、過去におきましてもできるだけ現在かかえておりますところの作業員の処遇の改善をはかりながらこの直営直用の事業を拡大してまいったところでございます。 しかしながら、最近の情勢を見ますと、ただいま申し上げたようなことで、国営の収穫量全体が相当大幅に将来減少していかなければならぬという状態でございます。一方また、それに伴いまして造林の仕事量も、伐採が減少するわけでございますからこの造林の事業量も減少してまいります。そういう中で近代化、合理化をはかってまいらなければならぬというきわめてきびしい情勢に国有林はただいま追い込まれておるわけでございます。 しかしながら一方、御承知のように民間におきますところの労働力も、これはたいへんな最近の情勢でございます。過去五カ年間におきまして、この林業に従事する民間における労働者は約半減しております。ただいま二十万人と申されております。これがやはり山村地帯から過疎化現象に伴いましてどんどんと減少しておる。これでは民有林の仕事も、伐採にしましても、特に造林の仕事がむずかしくなってまいるわけでございます。私たちはこの国有林と民有林との両方の山林労働の安定化ということを考えて、国有林と民有林の差別なく、日本の森林造成ということにつきましては、今後重要な問題としてその労働者の雇用の安定と福祉の向上をはかりながら、山村地帯に山林労働を確保していくことが絶対に必要である、かように考えております。 したがいまして、直営直用につきましては、ただいま申し上げましたように、雇用の安定ということを重視いたしまして、その中で慎重に検討してまいりたいと思っておるわけでございます。ただいま林政審議会におきまして、昨年から国有林部会におきまして、その中で慎重審議、検討をいただいておるわけでございます。その答申をいただきましてから、林野庁として四十八年度から以降の具体的な方針を打ち出してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○島本委員 いま林政審議会でいろいろ検討中だと承りますが、やはりこれは以前にはっきり国会確認もあり、政府の意思表明もありますから、その中でもこの原則、すなわち直営直用の原則はもう曲げることはできず、それは拡大してこそ意義があるものである、そのための審議会である、こういうふうに私どもは理解しておるのです。次官、やはりそういうようなことになるのじゃないかと思うのですが、この審議会の中で反対の結論を出したり別なことをする動きもあるということを聞いておるのでありますが、やはり確認された直営直用の原則を、拡大こそすれ、それを軌道修正すべきことではない、このように思っておるわけですが、これは農林省はどういうふうな御見解でしょうか。
○福田(省)政府委員 ただいま申し上げましたように、私は林政審議会の答申をいただきましたあとで、林野庁としての具体的な施策を打ち出してまいりたい、それに伴って四十八年度以降の予算編成をしてまいりたい、かように思っておるわけでございますけれども、たびたび申し上げますように、国有林の中に従事する職員、それから国有林の中に従事する作業員のことだけを考えずに、やはり民間の山林労働を一緒に考えましてこの改善をはかってまいりたいというのが私の趣旨でございます。
○島本委員 結局は、一般会計の肩がわりの造林資金の捻出、こういうようなものが昭和三十六年以降あるわけですね。そうなると、この収益ノルマが、いわば俗なことばで言うと強制されるということになるのじゃないか。結局公共施設であるところの治山事業とか公共林道、こういうような経費が毎年の支出の一〇%以上も支出されてきている。とりわけ収支が悪化して予算的な規制がきびしい。常に造林費がやり玉に上がってきたり、地ごしらえだとか下刈り、こういうような徹底した経費の節減、それから手抜き、こういうようなことが行なわれてきておるというのが実情だったわけです。すなわち、これはノルマ捻出のためです。そういうふうになると、一般会計の締めつけということが特別会計の場合に一そうはなはだしくなって、そのノルマのために従業員のほうにいろいろなきびしい条件、ことに労働強化が行なわれる、こういうようなことになるのではないか。したがって、人手を省くために除草剤なんかを空からまいて、それで事足れりとする。山の八〇%をもうすでに全部ほごにしてしまった、こういうような例さえもあるわけでありますから、手抜きが結局は問題になる。その辺が、この特別会計に対するノルマ、こういうようなものにあるのじゃないかと思うのです。こういうような制度を厳格にやればやるほど、林野庁としては今度はそのしわ寄せを全部従業員のほうに持っていく、またいかざるを得ない、こういうように思うのですが、この点大蔵省としてはどのようにしてやっているのですか。むしろ、これを強行することによって、緑がおかされて、結局自然の破壊につながり、いま世界的に指弾を受けることになる、こういうように思うわけです。したがって、この点、これを強行するのかしないのか、この辺の見解を……。大蔵省来ておりませんか、来ているはずですが……。藤井説明員 国有林野事業特別会計の経営悪化の現状に直面して、これからの林業の情勢を見きわめるということにつきましては、林政審議会で検討しているところでございます。そこで、国有林野事業の赤字が出たという場合に、これをもって一般会計から、財政負担の面から非常に締めつけるというようなことにつきましては、私どもとして基本的にやはり——国有林野事業特別会計というものは従来独立採算でやっておるわけでございます。その採算制をとる中におきまして、現在のところ木材の価格が低迷しておる、他方人件費等は恒常的に増大しているというところから、大幅な赤字が出てまいっておるわけでございます。そういう点を考えますと、やはり基本的には、国有林野事業の経営を合理化するというところにまず当面の目標を置くべきではないか。しかし、他方公益機能の面につきましても、現在非常に国民の要請が高まっているということもございますので、四十七年度予算におきましては、国有林野治山の一部につきまして、従来十大流域についてやっておりました一般会計からの繰り入れを、さらに七十五流域に拡大する。したがって、その金額につきましても二十三億円から六十六億円に拡大するという措置をとっているわけでございます。今後の問題につきましては、林政審議会におきます長期の林業を見直しすることによって対処していきたいというふうに考えております。
○島本委員 この問題で、大蔵省では、別にこれはノルマの強制といいますか、こういうようなことの押しつけはしておらないのだという意向のようです。しかし、赤字になって困っておるときに事故が発生している例は、この次に申し上げますが、だんだんよけいになってきておるのです。そういうような例からして、いま締めつけがきびしいと、逆に働く人に対する事故の増大と一緒になって、反比例になって上がってくるのです。そのためにいま前段の状況としてこれを聞いておるのです。そのほかの作意はないのです。 それと同時に、いまのような安易なやり方では、緑を保全するということと相反するような結果を招来しているのです。そういうようなことからして、私どもは、まず労働強化になる点が一つ、それから緑の破壊になる点が一つ、こういうようなものと合わせて、あまりにも締めつけがきびしくなる結果ではないのか。むしろ、これが全面的に環境庁等が協力によって、こういうような緑の保全については十分考えるべき段階で、環境庁にはこれに調整権があるのじゃないか、こう思っているのですが、まあこれを切り出したりいろいろやる営業面に対しては環境庁は全然関知せぬのですか、若干はしているのですか。しているとするならば、それに対する調整権の発動はどういうふうになっておりますか。
○首尾木政府委員 環境庁といたしましては、ただいまわれわれが所管をいたしております、まず自然公園の問題がございますが、その公園地域におきまして、国有林が非常に多くの面積を占めておるわけでございます。その国有林における自然保護の問題ということについては、非常に強い関心を持っておるわけであり、同時に、その適正な施業について林野庁に対して相談を申し上げ協力をいただいておるところであります。 法制的に申し上げますと、ただいま国立公園を例にとって申し上げますと、その国立公園の中に特別保護地区、それから第一種の特別地域、第二種の特別地域、第三種の特別地域といったようなものを設けまして、それぞれ、特別保護地区につきましては特に厳重な禁伐になっておりますし、第一種の特別地域につきましては原則禁伐、それから一〇%までの択伐というものを認めておるわけです。それから第二種につきましては、用材林については三〇%までの択伐、あるいは薪炭林については六〇%までの択伐、それから一部皆伐を認めるというようなことで、それぞれ施業につきましてあらかじめ地域ごとに林野庁のほうとその基準を定めておりまして、その範囲内における林業施業ということに御協力をいただいております。今後そういうような地区のとり方につきまして、さらに自然保護の観点から林野庁とよく協議をいたしまして、そういう緑の保全ということ、そしてまた特に自然の保護ということについて十分発言をしていきたい、かように考えておるわけであります。
○島本委員 そういうような前提条件をもとにして、いわゆる緑が保全され、そして働く労働者、この人たちの待遇は、もう常用雇用であると臨時雇用であるとにかかわらず、これは十分考えられておらなければならないはずなんです。ところが、何回国会決議をしても、この点等においては、経営が先になって十分緑の保全の手も打たれず、あわせて待遇改善のほうも遅々として進んでおらない、こういうような状態が散見されるわけであります。ですから、はたしてどういう考えで国会決議を受け取っておるのか、少なくとも国会で決議されたものは、国権の最高機関でありますから、行政をつかさどる皆さんのほうではそれを尊重して実施しなければならないはずなんですが、それがどうも馬の耳に念仏のような状態にあるということはまことに遺憾なんです。ことに臨時雇用制度と差別処遇を撤廃する件なんかは、かねてこの問題は討議されてきておるわけであります。第一線の労働者の労働条件を抜本的に改善して、そうして労働者が家族と一緒に安心して生活でき、国有林事業に専念できるように、こういうような眼目でずいぶんこれが交渉が持たれ、そのための努力もされてきたはずですが、依然としてこういうような臨時雇用制度が残っておるし、全員常用化の方向は指向すれどもさっぱりそのほうに進んでおらない。勤務時間や諸手当その他の処遇全般について、公務員、いわゆる定員内職員と基本的にだいぶ差がある、こういうようなことであります。この差は詰めなければならないし、そういうようなことが昭和四十一年六月、政府や林野庁では——国会答弁の中ではっきりしているのは四十六年六月ですけれども、国会決議として四十六年三月それと五月の林業振興決議その他でもってこういうような点は確認されておるはずであります。そうして労使確認の具体的な実施と、財政事情その他の理由でこれはできないことはないということで、この実施を要請されてきたはずであります。ところがこれもやっておらない。現場第一線の労働条件はこのためにだいぶ下がっておる。それに手をやいて今度は空中から殺虫剤をまいたりいろいろなことをしている、それがまた公害のもとになっている、こういうようなことであります。私は、そういうようなことからして、まず安全対策は不十分である、この対策はもうすでに労働問題として黙っておくわけにはいかない、こういうような点からして、若干聞きただしておきたいと思うのです。 林野庁の月給制職員と日給制職員、これは定員外職員、これは伐出や造林、苗圃、林道、治山、こういうような方面に従事しておりますが、こういうような人たちのいろいろな差が依然としてあるようでありますが、なぜこの差を詰めないのか。それから安全対策に対して、どうしてもう一歩出てこれに対する完全を期さないのか。どうしてこういうような点解決をしないのですか。しているのですか。しているとするならば、具体的な事実をあげますが、これはどういうふうになっていますか。
○福田(省)政府委員 ただいま御指摘のございました定員内の職員と定員外の職員との差別があるではないか、どうして詰めないか、こういう御指摘でございます。定員外の職員には、先生御承知のように、常用作業員あるいは定期作業員、臨時作業員と三種類あるわけでございます。私たちは過去、今日に至るまで、この定員外の作業員につきましては、現地におきまして造林をしたりあるいは伐採をしたり、その事業の中心をなしてきております作業員でございます。したがいまして、この作業員につきましては、定員内の職員にその処遇を近づけるようにできるだけの努力をしてまいったところでございます。ただ、ただいま先生御指摘のように、まだ不十分な点はあるかと思います。たとえば常用化にいたしましても、過去数年の間に定期から約一万一千人の常用化をしているわけでございます。また定期作業員にしましても、できるだけその雇用期間を長くするということを中心にいたしまして、数年前は平均七・五カ月くらいであったものが、最近では平均八・一カ月くらいに雇用の延長をはかってきております。そういうことで、定員外の作業員につきましては、できるだけ雇用を長期間固定し、できるだけ処遇も改善をするように努力したのでございますけれども、御承知のように、林業の仕事というのはきわめて季節性の高い仕事でございます。特に東北、北海道におきましては、冬季間の仕事を全部常用化するということはなかなか困難な実情にございます。したがいまして私は、特に東北地帯、北海道地帯の定期の作業員につきましては、先ほど申し上げましたように、国有林のみならず民有林関係の仕事も含めまして、あるいはまた第一次産業全体として考えまして、林業以外の農業、そういうふうなものとの組み合わせの中で解決していかなければきわめて困難な問題ではなかろうか、かように思うわけでございます。とは申しながら、やはり私たちが現在与えられておりますワクの中で、できるだけの改善をしてまいりたいということは、先ほど来申し上げているとおりでございます。 一方、ただいま第二点に御指摘のございました労働災害の防止対策といたしましては、現在、四十三年から四十七年にかけまして、第二次の国有林事業災害防止五カ年計画というものを労働省の御指導によりましてつくっているわけでございます。その中におきましては、特に重点事項としまして、死亡災害の絶滅と振動災害の発生の防止に重点を置きまして、その具体的な対策といたしましては、安全対策の徹底をはかるための職場内の研修を強化するということ、機械、施設等の安全を確保するという対策、それから安全点検の実施と事後措置を徹底するということ、次には、安全運転の徹底と林道の整備をはかる、次には、振動障害予防措置を定着させるための指導点検を行なう、それからまた、営林局の幹部による特別安全診断を現地において実施する、あるいはまた、労働災害防止強化月間の設定をする等のことをいたしまして、この絶滅と防止に努力しているところでございます。具体的な点を申し上げますと、さような点でございます。
○島本委員 労働省でも今国会に労働安全衛生法を出して、職場の内外を問わず、また国公、地公、民間のいかんを問わず、この労働の安全衛生に対しては今後画期的な施策を行なうのだ、こういうようなことの考えを進めているようなんです。ところが林野庁の場合には、いまのような考えがおありだということは十分わかりました、またわかってもおったのです。昭和三十二年に災害の発生した件数が六千四百八件であった。それから十年経たあとで四十四年には三千二百六十八件になっておった。これは、約半分くらいに減ったから、効果があがったじゃないか、こういうふうに皆さんのほうがおっしゃるのじゃないかと思うのです。その内容を聞いたら、これまたあ然としてしまう。というのは、働いている人の数が四〇%に減らされておって、設備近代化で、いまのような施策を行なうから、事故は当然滅らなければならないはずなのに、これはもう過半数を上回っている。こういうような結果になっていたら、せっかくそういうような設備の近代化によって、これは減らすのだというようなことをやりながらも、率から見るとさっぱり減ってない。人員は四〇%ぐらいだ、それなのに事故は六千四百八件に対して三千二百六十八件である、こういうようなことになる。これはきっぱり減っておらないというようなことになるのではないか。安全対策の問題点として、これは十人に一人がけがをしている。これはもっともっときびしく安全対策をやらなければならないのではないか、こういうふうに思っているわけなんです。死亡率にしても、四十五年の死亡者が十六件であった。四十六年には、ふえて、二十五名出ているのです。そのころにまた、赤字予算であって、二百三十億かなにかで、これまたいろいろな手を減らしながら実施した、この時期にやはり、どんと死亡者がふえておる、そういうふうなことになっているわけです。やはり数字にはごまかしはありませんよ。この辺に対してはっきりした対策を今後とるのでなければ、緑が保全されないところでは、働く人たちが何の希望を持って働けるのかわからぬのではないか。口では言いながらもさっぱり率においては減っておらない、上がるだけである、こういうようなことなら、とんでもないことじゃないか、こう思うのです。この安全対策に対して、もっともっとこれはきびしく行なわなければならないはずだと思うのですが、死亡者が四十五年より四十六年のほうがぐっとふえたというのは、どういうわけでしょうか。それから、人員が減っていながらも、設備が近代化されていながらも、事故が依然として、件数は減ってもパーセンテージは減らないということは、どういうわけなんでしょう。この辺をなお解明しておいてもらいたい、こう思います。
○福田(省)政府委員 御指摘ございましたように、最近いろいろと事故が発生しております。実は災害件数につきましては、昭和四十年度を見ますと二千七百件以上ございましたが、四十五年がやはり同じように二千七百、途中で二千六百台に落ちたこともございますけれども、四十六年は、現在のところは十二月末で二千四十八件、大体において件数にしましては横ばいでございます。それからまた、死亡の問題につきましては、実は私の記憶では、終戦直後国有林が復興用材の伐出に相当力を入れてまいりました当時、まだ木馬とか雪ぞりがありました時代には、百人をこす死亡が出ておったのであります。その後しばらくそういうふうな事故が続いておったのでありますが、昭和二十四、五年から相当集材その他、チェーンソー等の機械を入れましてこれを近代化してまいりましてからは、死亡事故というのは目に見えて減ってきております。百人以上であったものが五十人台あるいは三十人台あるいは二十人台と減っております。そういう大きな傾向から見ますならば、ここ数年の死亡事故は若干の波はございますけれども、だいぶ改善されてきているのではなかろうかと思うわけでございます。特に四十二年あたりまではきわめて少なかったので、私たちも安心しておったのでございますが、四十四年それから四十五年と急にこの事故がふえてまいりましたことについては、ただいまその内容を十分検討さしておりますけれども、その中ではやはり最近の交通の発達に伴う交通事故とかいろいろの原因のものも入っておるわけでございます。まことに遺憾でございまして、この点につきましてはできるだけ徹底して指導をしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○島本委員 これはもうこういうふうにして、件数から見ると四十五年度の死亡件数より四十六年のほうがこのように上がっておる。いろいろな理由があるようであります。しかし上がっておるのは事実であります。こうなると、今度は、労働省のほうでは労働安全衛生法、これを出して災害の絶滅を期しているわけです。そして近代的、画期的な成果を期待するような法律だといっているわけです。それでありながら、同じ政府部門でこういうふうにして件数がだんだん上がってきているということは、どうも理解に苦しむわけです。この点、労働省ではどういうふうに見ておるのですか。あえてこういうふうな点については何ら関与しておらなかったのですか。
○渡邊(健)政府委員 林業につきましては、確かに先生御指摘のように、全産業の中でも非常に災害率が高いわけでございます。この点は国有林、民有林を通ずる問題でございまして、われわれもまことに遺憾に存じておるわけでございます。災害の絶滅を期する見地からただいまやっております労働災害防止計画におきましても、林業も重点産業の一つに指定をいたしまして、各般の施策を進めますとともに、民間につきましても、民間の事業主の団体でも災害防止の意識を振起してもらいまして、一そうの努力をしていただくよう指導につとめておるところでございますが、国有林につきましても、これと相まって災害防止に御努力を願うよう常々連絡をいたしておるところでございまして、林野庁のほうでもわれわれの趣旨は了とせられまして御努力をいただいておる、かように考えておるところでございます。
○島本委員 死亡した人に対しての手当てはどういうふうにしていますか、林野庁。
○福田(省)政府委員 災害補償法によりまして、遺族に対するそういう手当を出しております。
○島本委員 そうすると、これは災害の関係で見ますと、一般の常用、定期、こういうふうな人たちの賃金は平均五万七千三百十六円というので、私の手元に数字がございます。これが月給制の人は七万一千二百四十一円、これが平均になっているようであります。そしてこの人たち、単身者の場合と妻帯者の場合とあるでしょうけれども、遺族の生活の保障もこれは十分見てやらぬと、国が一つの手本を示さないとだめなんですから、そういうような点については十分私どもとしては心にかけているわけです。平均して、一日日給二千四百四十五円でしょう。二千四百四十五円の場合の千日分でしょう。千日分だったら二百四十万程度でございましょう。そうなった場合には、いま公害病でも、厚生省でやったあの額は、三百万円ではだめだというので四百万円に上がったのです。いまこれからの場合では、もうすでに四百万円、五百万円で命が買えるかということで、もう相当この点が論議されている問題なのに、林野庁では、死んで二百四十万円とはどういうことですか。政府が先に立ってこういうようなことをやっていたのでは、恥ずかしいきわみじゃありませんか。こういうようなことに対しては、どういうようなことになっているのですか。これでいいのですか、悪いのですか。また今後これを改善するのですか、しないのですか。この数字だけでは黙っているわけにはまいらぬですよ。これは林野庁ですか農林省ですか、これはちょっとおかしいです、死んだ人に対して二百四十万円ぽっきりだというのは。仕事を一生懸命やって死んだ人です。これが二百四十万円だ、これじゃ困る。これに対してやはり対策を練らなければならないと思いますが、この対策等についての考えをひとつ示してもらいたいと思います。
○福田(省)政府委員 御指摘がございましたように、私もその金額では決して十分だとは考えておりません。冒頭に申し上げましたように、国有林の事業に従事いたしておりますところの職員は、定員内職員と定員外職員があります。定員内職員に次いで定員外職員、常用の次には定期、定期の次には臨時というぐあいに賃金水準も差がついております。また国有林の賃金とそれから民有林の関係の賃金と比較いたしますと、民有林関係の賃金水準のほうがさらに問題がございます。そういうことを踏まえまして、私は賃金水準の問題につきましては、社会保障の問題と同様に、今後重要な問題として関係各省とも協議してまいりたい、御相談してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
○島本委員 人事院では、こういうような問題はどう考えていますか。あわせて労働省の見解も聞いておきたい。人が一生懸命働いて死んで、その仕事に殉じて二百四十万円、このことをいままでずっと認めていたのですか。四十六年にもう二十五名も死んでいるではありませんか。
○島政府委員 ただいま御質問の点でございますが、これは遺族補償の水準の問題として、労災なりあるいは国の場合ですと公務災害補償法と同じ水準になっているわけでございます。確かに先生御指摘のように、今日の物価水準から見まして必ずしも多くないという点は十分私どもも同意見でございますが、これについては私どもだけで独走するわけにはまいらない。あくまでも労災とバランスをはかって国の水準が定まっておりますので、これはやはり労働省と十分御相談した上で今後この点の改善について詰めていきたい、こういうふうに考えております。
○島本委員 労働省の見解もはっきりさしておいてください。
○渡邊(健)政府委員 業務上災害でなくなられました方に対しまする遺族補償は、労災保険では原則といたしましては年金になっておるわけでございます。公務災害補償法についても同様であると存じますが、ただ年金受給資格のある遺族がいない場合、たとえば妻がいない、子供がおられるが十八歳以上であるといったような、そういう年金受給資格のある遺族がおられない場合には千日分の一時金でございますが、原則は年金でございまして、これにつきましては昭和四十年に労災法の改正で年金制にいたしまして以来、四十五年にもその引き上げをはかっておりまして、現在のところでは妻一人の場合には、これは妻の年齢によりますが、三〇%ないし四〇%。それからあと子供その他の扶養家族がふえまするに従いまして、最高平均賃金の六〇%まで年金が出ることに相なっておるわけでございます。 もとよりわれわれ、この現在の労災がもうこれで事足りると思っておるわけではございませんが、一応はこの年金の水準はILOの国際基準にも適合いたしておるわけでございます。ただ日本の場合には、年金をもらう場合でもやはり長年の慣行によりまして、なくなられたときに一時金がほしいというような問題もございます。そういう問題も含めまして、業務上なくなられました方の遺族の補償につきましてはできるだけ手厚くしてあげる、これが当然のことでございますので、今後とも労災保険法を含めまして遺族に対する補償の改善にはつとめたいと考えておるわけでございますが、現在のところは、これは四十五年に改正が行なわれたばかりであるということ、それから基準法の一部改正でなくなられた方の遺族補償が最高千日になっていること等々との関連もございますので、現在基準法全般の検討が基準法研究会でなされております。それと、基準法の全体の検討と両々相まちまして、労災保険法、基準法、お互いに関連いたしました遺族に対する補償の改善を今後検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○島本委員 これは総体的にやらないとだめです。年金だって四十万、これで生活できますか。こういうような状態、労働省、人事院十分この問題に対して対処してもらいたい。もうすでにやり方が後手後手ですよ。交通災害の場合を例にとっても半分以下である。一生懸命働いた人が殉職してこのような状態だということ、一体これでいいんですか。これはもっと考えないとだめですよ。人事院、労働省、これに対しても十分考えて、いまこういうような点は手厚く見てやるべきだ、こういうように思います。 それと同時に、今度はいろいろけがした場合の傷病手当ですが、私傷病、こういうようなことに対してもやはり月給の人では、一〇〇%ではないでしょうが、その辺までいくようです。これまた一般のいわゆる国家公務員法の非常勤職員といわれる人たち、これもいわば定期または常用といわれる人たちの場合には、これも全然低いようでありますけれども、これは一体どういうようなことですか。この差をなくするようにしてだんだん指導しているというようなことなんですけれども、傷病手当の場合なんかこれは全然なっておらぬのじゃありませんか。死んだ人の場合は、これは今後の問題としてわかりました。これはこのままにしておけません。二百四十万なんというのは、こんなのはだめですけれども、けがした場合の対策もこれはなっておらない。非常勤の人たち、これは常勤じゃありませんが、常用や定期の人たちの場合の私傷病手当は一体どういうようになっていますか。それと一般との違いはどうなっていますか。一般というのは、常用との違い……。
○福田(省)政府委員 遺族補償につきましては、ただいま御指摘ありましたように、定員内と定員外というものと比較いたしましてもその差はございません。
○島本委員 ないですか。——私傷病手当は大体において定員内一〇〇%、定員外の人は、私の手元にある資料によると、引き続き四日以上病休のときは三日だけ、常用は八〇%から六〇%、それから定期は六〇%から四〇%、こういうようになってずっと差があるようですが、これはもう改正されているんですか。私の資料、これは古いんですか。
○福田(省)政府委員 ただいま私お答えしましたのは遺族補償についてのことでございまして……(島本委員「私傷病手当、差があり過ぎますよ」と呼ぶ)休業補償につきましては、一般災害の場合についていうと六割に一割の付加給付がありまして百分の七十、それからレイノーの場合には付加給付が二割、六割と二割で八割、こういうふうになっております。
○島本委員 これは公務災害補償の場合と私傷病手当の場合は別にしているでしょう。公務災害の場合には、これは七割ですよ。これは何ですか。国公法上の非常勤職員といわれる常用や定期の人たちは、七割ですよ。そうでしょう。ところが月給制の人たちの場合は全額です。けがしても病気してもはっきり差があるのです。私傷病の場合なんかだったらずっと違っている。一〇〇%に対してこれは三日間だけは六〇%から四〇%、また常用に至っては八〇%から六〇%、こう差があるんだ。こういうような差は、けがした場合でも、こういうような場合はつけないでやらないといけませんよ。
○福田(省)政府委員 御指摘のように、ただいま私傷病につきましては常用等につきましては共済組合——期につきましては同じように若干の差がついております。これらにつきましてはやはり御指摘のように今後重要な問題として十分研究してまいりたい、かように思っております。
○島本委員 もう時間が迫ってきましたが、月給制の場合に公務災害補償の場合も全額に対して、常用や定期の場合はやはり七割、この線でありまして、これだけでは生活できませんから、こういうような点も十分考えて配慮すべきである、こういうように強く要請いたします。よろしゅうございますか。
○福田(省)政府委員 林野庁としましても、関係省庁と十分連絡いたしまして研究してまいりたいと思います。
○島本委員 じゃ、この問題に対しては最後のこの一問でピリオドを打ちたいと思いますが、大体において月給制の職員と日給制の職員、これを分けて——日給制の諸君は二十年から三十年間、雇用を継続しているのですね。雇用継続している人たちをそのまま日給制、いわば国家公務員法上の非常勤職員ということで、それをまた常用または定期と、こういうようなのに分けて、二十年、三十年継続して一生懸命働かなければならないし、働いている、特技も持っている、そういうような人たちに対してやはり待遇上の差別というものは歴然としてあるわけです。片や賃金は七万一千二百四十一円、これがいわば月給制の職員の人の平均ですけれども、これが日給制の諸君の平均は五万七千三百十六円、一万三千九百二十五円、これだけの差が歴然としてあるわけです。こういうような処遇改善の点については十分配慮していきたい、こう言いながらも、この人たちは二十年、三十年つとめている人たちですよ。こういうふうにして、一方は身分が安定したからえらいんだ、おまえら死んでも二百四十万円ぽっきりだ、こういうような差はつくべきじゃありませんし、やはり今後の林業経営上の大きい問題点だと思います。この点等についても十分善処しておいてもらいたい、この差をなくするように是正してもらいたい。強く要請しますが、この点についてよろしゅうございますか。
○福田(省)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、国有林の中におきますところの不均衡の是正の問題もございますが、特に最近の山林労働は、民有林のほうにおきましても減少し、しかも国有林の作業員と、あるいは定員内職員と比較しましても、民有林関係の山林労働の賃金水準なりあるいは社会福祉の条件がきわめて悪い条件にございます。したがいまして国有林と民有林を一緒にしました山林労働の確保という方向に沿いまして、先生御指摘のような方向で十分努力してまいりたい、かように思っております。
○島本委員 白ろう病対策は十分できておりますか。
○福田(省)政府委員 十分とおっしゃいますというと、自信を持ってお答えしかねる点も若干ございます。ということは、一番問題になりますのは、診断基準がまだ確定してないという点でございます。ただいま、研究機関に四十二年から委託研究を出しまして、すでにこの病気がなおったのかどうかということについての診断の基準をつくることを急いでおるわけでございます。その他の問題につきましては、大体白ろう病対策としましては機械の改善なりあるいは作業の仕組みなり、あるいは作業動作の指導なりという点を通しましてこの絶滅を期しておるところでございます。
○島本委員 昭和四十五年時点で林野庁と政府では、振動のない機械を開発する、こういうようなことでわれわれ承っておりました。その後振動のない機械が開発されましたか。
○福田(省)政府委員 白ろう病対策としましては三つの点を考えております。一つは振動を軽減するということでございます。これにつきましては、パッキングを間にかって直接手に伝わる振動を少なくするというような機械改良はやっております。第二点は遠隔操作の問題でございます。たとえて申しますと、最近スウェーデンから入れましたスンズシステムという機械はボタン一つで丸太を切断することができるようになっております。これは遠隔操作の種類でございます。また第三点は、全然新しい別個の機械を開発するということでございまして、これは一例はツリーフェラーというのができておりまして、これも徐々に普及したいと考えておるわけでございます。これはのこぎりではなくて、簡単に申しますと、はさみでございます。トラクターにはさみがついている、これでもって伐倒する。しかも伐倒したものの枝を払ってたばねて、それをまとめてトラックに積むまでの仕事を一挙にやれるブッシュコンバインという機械もできておりますが、これらのできております機械を将来は導入いたしまして、経営の改善の方向にこれを使用していきたいというふうに考えております。要するに三種類を考えておるわけでございます。
○島本委員 じゃ、具体的にはいま、白ろう病にならないような振動のない機械、これだといってそれを使わせているということの状態ではないのですか、あるのですか。
○福田(省)政府委員 ただいま申しました第二点と第三点は現在実験段階のものでございますけれども、これはまたいろいろと労働条件等にも関連がございますので、この導入の方法につきましては検討中でございます。
○島本委員 四十五年から二年たってもまだ依然として研究段階である、これは行政の怠慢です。これはやはりそういうようないいものが他の国にあるならばそれを取り入れるなりして、白ろう病の絶滅を期さなければならないのは皆さんの一つの義務である、こういうふうに思います。二年たってもまだそういうような研究開発の状態である、機械改良がないということはまことに遺憾であります。 国有林の林野庁では大体機械要員は一万三千名ほどおるようですが、白ろう病の認定患者の数を見ると千二百名余りのようです。民間のほうでは、民有林関係では十七万台くらい機械があるというのですから、そのくらいの要員がいると思いますけれども、認定患者はどれほどございますか。民有林関係ですからやっているのは労働省、労働省のほうの調べを承りたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 民間関係で白ろう病の業務上の疾病としての認定を受けました者は、昭和四十五年におきましては五十八名でございます。そのほかに四十五年に実施いたしましたサンプル調査等によりますと、白ろうの症状を訴えている者は全体の労働者の約一五%ぐらいある、かようにわれわれ推定をいたしておるところでございます。
○島本委員 一万三千の要員で認定患者と思われる人が千二百十一名程度である。十七万をこえるような人たちで五十名くらいであるということは、これはどこか隠されているんじゃありませんか。その上にもう一つか二つけたがつくんじゃありませんか。あまり数が違い過ぎます。国有林関係の林野庁の調べと民有林関係の労働省の調べ、これはあまり差があり過ぎるが、どこかに手抜かりがあるのでしょうか。それともほんとうに民間のほうはこのように成績がいいのですか。
○渡邊(健)政府委員 五十八名と申しましたのは、四十五年に新たに認定を受けた者でございまして、前から白ろう病の認定を受けておる者、総数にいたしますとこれよりはもちろん多いわけでございます。
○島本委員 四十年以来、林野庁関係では三百名ぐらいずつふえている。ところが民間のほうは、一万三千に対して十七万の機械をもってやって、五十名かその辺しかない、百名以内である。あまりに数が違い過ぎるから、どこかこれは隠れているのじゃないのか、また調査が不十分じゃないのか、これじゃあまり違い過ぎているじゃないか、これを指摘しているのです。労働省では、この辺放置して顧みないのじゃありませんか、白ろう病を。
○渡邊(健)政府委員 もちろん放置しておるわけではございませんで、先ほども申し上げましたように、四十五年九月には、サンプルではございますが、ブッシュクリーナー使用関係の労働者二万五千百十人名に対しまして調査等もいたしておるわけでございまして、決して放置しておるわけではないわけでございます。
○島本委員 じゃ、民間のほうが林野庁より成績がいいというのはもう間違いないですか。
○渡邊(健)政府委員 災害補償の認定を受けた者は少なくなっておるわけでございます。
○島本委員 一万三千に対して、十七万が民間、民有林関係だ。国有林、林野庁関係のほうが一万三千だ。一万三千に対して認定は千二百名だ。しかしながらやはり民間のほうが、どう考えてみても、十七万に一万三千、もう三百名ぐらいずつ国有林関係は出ているのに、民間では五十何名だ。そうすると、林野庁は酷使している。そうしてそういうような病気ばかり発生させている。民間のほうは、労働省の指導によってこれを完全に実施しているということに理解していいのですか、それとも調査不良でこの資料が手に入らないということなんですか。労働省のこの答えは完ぺきですか。
○渡邊(健)政府委員 これは労災から支給するわけでございますから、業務上の白ろう病として認定された者については、調査に脱落があるとは考えておらないわけであります。
○島本委員 これよりほかにいると思いますか、いないと思いますか。
○渡邊(健)政府委員 業務上の白ろう病といたしまして療養を要する人は、あるいは、全くいないかと言われますと、それはそれだけの確言は必ずしもでないわけでございますが、このほかにたくさんいるというふうには私ども考えておらないわけでございます。
○島本委員 これは重大な発言ですね。申請してきていないというのはわかった。そのほかにいないのだ、これはやはり調査すべきです。林野庁が少なくとも周囲から監視を十分されながらも、組合の組織をもってやって一万三千ぐらいの要員で千二百名だ。十七万台も動かしてこれは百名足らずである。これが間違いないのだということだったら、これはとんでもないことだ。そうだった場合は、これは林野庁は職員を酷使している、みんな白ろう病にしているという結果になってしまう。民間のほうは、近代的な労使慣行を樹立してりっぱな機械を使わしている、こういうようなことになる。事態は逆であっても、結果としてはそうならざるを得ない。労働省、あなたのほうは調査として怠慢じゃないのか。これはどうなのか。これは林野庁のほうが酷使して白ろう病を出しているような、労働条件をそういうようにしてきびしく実施さしているのか。民間のほうでは近代的労使慣行によってそういう悪いものを使わないで、この認定患者が少ないのか。あまりにも違い過ぎる。労働省のほうでは、これはもう正しい結果だと言う。そうすると林野庁のほうでは、全林野の職員を酷使して白ろう病にみんなしているということになるじゃありませんか。数字が違い過ぎている。千二百人に対して五十八名ですか。片や十七万。林野庁は一万三千人だ。これはちょっと納得できない。予算委員会でないからこれはしようがないけれども、これはどういうことなんですか。これは十分調査して——民間との間で少し差があり過ぎる。調査不良で、不完全なんでしょう。これはやっぱり、こうなった場合には次の対策も必要だと思います。厚生省それから労働省のほう、十分民有林関係の、民間のこの発生の状態をもう一度手を入れて調べることを要請したい。しますか、しませんか。
○渡邊(健)政府委員 さらに今後とも十分調査をしてまいりたいと思います。
○島本委員 もう一、二問してやめますけれども、そういうふうに機械の開発が進まなければ病気になりますから、労働条件はよくしなければならないということに当然なりますけれども、チェーンソーの使用時間規制は、民間であると林野庁であるにかかわらず、これは十分規制して徹底きせなければならないと思いますが、これは十分行なっていますか。双方、答えを簡単に願います。
○福田(省)政府委員 労働組合との間に協議を持ちまして、一日二時間、それからその上にさらに一週間の使用時間、月の中の使用時間、一回に継続して使用する時間、そういう段階に分けてこまかに規制してございます。
○島本委員 白ろう病になった人の対策、これの補償、こういうようなものはどういうふうにしておりますか。災害補償はどういうふうになっておりますか。それと同時に、治療の方法があるんですか、ないんですか。その治療の方法も開発するということになっておりましたが、これは厚生省、開発は全部できましたか。それから温泉治療が当時一番いいということになっておりましたが、あまりこれはされていないようですが、何のためにこれはされないのですか。まとめて三つ聞きましたけれども、それぞれ答えてください。
○福田(省)政府委員 治療につきましては、各研究所、大学にそれぞれ四十二年から研究を依頼しておるところでございます。具体的に申しますと、血管系の外科部門、これは東大の医学部、それから骨、関節、筋につきましては関東労災病院、それから事後措置関係につきましては東京労災病院、神経、筋につきましては東大医学部、それから温泉療法につきましては国立長野病院、それから操作時間の対策としましては労働科学研究所というふうに、四十二年からそれぞれ実験を依頼しております。 ただ、いま御質問にもありましたように、これはなおったかどうかの判断の基準の問題でございますけれども、これにつきましてはなかなかむずかしい問題もございまして、人事院との間でいろいろ協議を進めながら検討を急いでおるところでございます。
○春日説明員 厚生省といたしましては、昭和四十一年、四十二年、医療研究助成金をもちまして白ろう病に関する治療とリハビリに関する研究を行なってまいりました。それからさらに四十六年、昨年からでございますけれども、白ろう病の治癒基準に関する研究をいたしております。なぜこういうような長い歴史を持っておるかと申しますと、振動が局所に当たることによって障害を起こす一番大きな症状はレイノー症状と申しますが、これは何もチェーンソーのみならず、いろいろな振動器具によって起こります。ただ、チェーンソーを使うことによって起きます白ろう病と申しますのは、そのようなレイノー現象のほかに末梢神経の障害、これは多発神経炎の形で起きてまいりますが、それを必ず伴っておるということで、非常にむずかしい病態生理を持っておるわけでございます。したがいまして、これは先ほど林野庁のほうでもお答えになりましたけれども、血管部門、神経部門あるいは骨の部門というふうにいろいろ部門に分けて研究を進め、さらに温泉療法も、厚生省といたしましては林野庁からの申し入れによりまして、国立長野病院あるいは国立塩原病院等で分担を進めていくようにいたしておるわけでございます。非常にむずかしいけれども、やりつつあるわけでございます。
○島本委員 いままでの答弁を総合して全部不十分であり、納得するどころじゃございません。日と場所を改めてこの結果についてもう一度あとからただしたい、こう思います。なおそれまでの間、十分いままでの質疑並びに答弁の内容を考えて検討されるように、対策を十分講じておくように心から要請して私は終わります。
○森山委員長 次に、川俣健二郎君。 〔委員長退席、増岡委員長代理着席〕
○川俣委員 私は山の中で生まれ育って、いまさらながら緑のありがたみというのを痛感します。米の問題で東南アジア十カ国を回った際も、やはり山林と米との関係、特にインド、セイロン、パキスタンそれからアフリカのザンビア、ケニア、コンゴ、ほとんど米を食べる、米を食べたいという、米不足に悩んでおるところでございまして、それに対して、皆さん御承知のように、オーストリア、ドイツ、イギリスというように非常に緑、山林を大事にする国との、いわゆる国の豊かさというものは、なるほどと感じてきたわけです。この間中国へ行って、革命の根拠地とかいう延安に行きましたら、これはただ広漠たる木一本ない場所でした。そういうところへ立たされると、なおさら私は山の中で生まれ育てられたというありがたみを感じておるわけでございます。ところが、この間林野庁で、農林省で出された林業白書を見ますと、いよいよ外材に押される。価格の問題はどうだという問題、数字的な問題よりも、趨勢としては日本の国、政府は一体林業と取り組む気持ちがあるだろうかどうかという、これはいまちまたで、特に私の東北のほうでは非常にそういうささやきがあるわけでございます。それに対して、今度は本年度の予算を見てみます。四十七年度の予算を見ますと物価高だ、インフレだと、当然二十何%の予算増が各官庁の予算——これは金額はふえておっても、実質的にはそうふえないだろうと思います。楽な予算じゃないと思います。そこで、林野庁の予算は、林野庁の長官でありました片山さんが一家をあげて参議院にも当選されたし、おそらく相当大幅な予算増を期待できる、こういうある期待もあったと思うのですが、中身を開いてみたら何のことはない、ほかの官庁に比べて低いなんというものじゃなく、去年に比べて百億ですか、百億というたら約二一、二%むしろ減っておる。こういうような予算がきのう衆議院を通過したわけでございます。 ところが一方、四月の異動で本省から各地方の局長に栄転されて、東京駅からだ、上野駅からだと歓呼の声で赴任される。そのときには非常に張り切って、私の手で緑を回復しようという気持ちがあると思うのです。これはないのだとは私は言いません。国有林がこんなにうるさく言われておるんだから、ひとつ私の局長時代二、三年の間には本腰を入れるという気持ちはおそらくあると思う。さて局長室にすわって、今度は一カ月ぐらいかかって自分の管轄の営林署回りをされる。そこで非常に大事なのは、林野の職員の皆さん方の職場というのは山であり、林であると思うのです。ところが、なかなか思うようにいまの複雑な世の中は、そのように林を見たり、いわゆる山林労働者とひざを交えての話し合いという場がない。むしろ待っているのは各地区の木材業者が、新しい局長が来たということで、それ温泉だ、今度はひとつぜひもっと安く払い下げてもらいたい、できれば直営じゃなく、下請の木材業をやらせてほしいという手で待っておるわけでございます。私はでっちあげというのはきらいですから、ひとつこの実態をそれぞれの個所に調べてもらっておりますので、その点についてはまた後ほど皆さん方に、こういう態度じゃいかぬと思って相談を申し上げる機会を得たいと思います。 ところが一方、たとえば木材関係で有名な秋田の能代なんというのはもうチップ工場に化して、その材料はカナダのほうからやってくる。まさしく世の中は木材は海から流れてきて、労働者は山からおりてくるという状態になっておるわけでございます。 そこで林業労働者という問題について、きょうの一般質問の時間をおかりしたわけでございますから、労働省を中心に各官庁の人方、私は日も浅いしろうとでございますから、追及したり、こうあるべきだというような考え方ではなくて、きわめて素朴な質問で、各大臣方が参議院の予算委員会でとられておるだけに、そういうつもりでおつき合いを願いたいと思うのでございます。 そこで、きょうの委員会の所管の労働省に伺いますが、私からるる申し述べる必要はないと思います。いまの山林というものの切り羽、いわゆる一番の大事な先端で働く労働者の雇用状態について、これは社会党が雇用安定法案というのを例年出しております。それに対して労働省はどのようにこれを検討されておるのか。これは、また野党がおざなりに出してきたのだろうということでは、もう済まされない状態だろうと思います。 そこで私はるるその内容については申し上げませんが、今日の山林業に働く労働者の例の不安定雇用に対して、いまどきこういう労働行政があっていいかどうかということは、これはだれしも、るる申し述べなくったって、わかると思います。一昨年の労働大臣をやっておりました野原さんが、たまたま林野上がりで、いまどきこういう労務管理がありますかと言ったら、ぷっと吹いて、いや、これはちょっと恥ずかしいような状態で——こういうようなことでございました。じゃ、労働省は一体こういうものに対してどういうように考えておるか、まず伺っていきたいと思います。
○道正政府委員 お答えいたします。 民営あるいは国営を通じまして、林業労働が御指摘のように必ずしも安定した労働でないということは、私どももそのとおりだと思います。その理由といたしましては、作業の季節性であるとか、あるいは経営規模の問題あるいは最近におきます林業形態の変化の問題等があろうと思いますが、いずれにいたしましても、他の産業分野に比べまして不安定な実態にある、不安定な労働であるということは、御指摘のとおりだと思います。 労働省といたしましては、農林省あるいは林野庁等と連携を密にいたしまして、何よりも林業労働者の通年雇用の促進を柱といたしまして、林業労働力の対策を樹立いたしまして、林業労働者の通年雇用を促進するということを基本に考えておる次第でございます。ただ遺憾ながら、いろいろ問題がございまして、必ずしも改善を見ておりませんが、今後も労働省といたしましては関係各省と連携を密にいたしまして、林業労働者の雇用の安定のために努力をしたいと思います。
○川俣委員 労働省の代表した意見は全くそのとおりだと思います。 そこで、これと関係する官庁が人事院であり、総理府であり、行政管理庁でありというようになると思いますので、これは私から、いまるる質問をするというのじゃなくて、長年懸案であった、いま局長が言った不安定雇用を何とかしなければならぬ、こういうようなものに対して、ひとつ人事院、総理府、行政管理庁、各官庁一言ずつ、まず御意見を聞かしてもらいたいと思います。
○岡田(勝)政府委員 この問題は常用作業員、定期作業員あるいは臨時作業員、いろいろ問題をかかえております。林野庁からもお話があったわけでございますが、これはいろいろ問題がございまして、定員内、定員外の区分にかかわる問題、あるいは常勤と非常勤という区分の問題、それがきれいに分かれておりませんので、非常に交錯した部面がございます。そういうややこしさがございますし、それからまたいま申しました、常勤、非常勤といいますが、一体常勤とは何ぞや、非常勤とは何ぞや、わかり切ったようなことでございますが、考えてみるとなかなかむずかしい問題でもあるわけでございます。 それから、御承知のように林野の職員は公労法適用の職員でございますので、いわゆる給与法適用の職員とは違うわけで、給与その他の服務条件がすべて団交事項になっておるということもからんでまいります。それからさらには、いまお話しの雇用の安定化ということは、突き詰めていえば、いわば常勤化ということに近づいてくる問題だと思いますが、現在定員法がございますが、これは人事院の所管じゃございませんけれども、その定員法があることで、その定員のほかに常勤の職員というものを置けるかどうか、そういったこと。以上のような三つの点が突き詰めていえば問題でございまして、そういう点をかねてから検討している、こういう状況でございます。
○宮崎(清)政府委員 総理府といたしましては、この問題につきまして直接関係ありますのは、公務員の退職手当の問題でございます。 そこで、現在林野庁のいわゆる非常勤職員の退職手当でございますが、非常勤の職員、極端に申しますと日々雇用される職員でございましても、六カ月以上継続して雇用されていれば、一応は退職手当の対象となっております。さらに、これが一年以上——結果として雇用される期間が一年をこえるに至りますと、これは非常勤でございましても、さらに常勤に近い退職手当が支給される、こういうかっこうになっております。しかしながら、いずれにいたしましても退職手当の本来の性格からいたしまして、常勤、つまり相当期間あらかじめ勤務することが予想されております常勤の職員と、そうでない職員の間には若干の差がございまして、結果としては非常勤の職員が多少不利になっているということは事実でございます。 そこで、先ほども人事院から御説明がございましたように、そういった問題を解決する場合の問題点はどういうことかと申しますと、やはり非常勤の職員を常勤化するということになるわけでございます。これらの点につきましては、先ほど人事院からも御説明がございましたし、私たちもかねてから林野庁の御要望もございまして、関係省庁でいろいろ検討している段階でございますが、残念ながらまだその点についての最終的な結論が出ていないというのが現状でございます。
○古谷説明員 お答えいたします。 ただいま人事院並びに人事局等からお答えがあったとおりでございます。行政管理庁といたしましても、林野庁を中心といたしまして人事院並びに人事局とともに検討に入りたい、こういう次第でございます。
○川俣委員 そこで、問題はこれを常用化することによって国の金がかかるということになると、大蔵省に当然かかると思いますが、これは長年閣議でも統一見解を出されておることだが、この考え方に対して大蔵省からも御意見を伺っておきたいと思います。
○藤井説明員 現在国有林野特別会計がかかえております常用作業員、定期作業員の勤務体制の問題につきましては、かねてから雇用の安定という面もありまして、定期作業員を常用化するという方向でやってまいったわけです。しかしその場合には、やはり雇用を通年化するということでございますが、事業の体制をそれに合わせなくてはいけないわけです。したがって冬山の仕事がどの程度できるか、製品生産事業との関連をどうするか、各事業との組み合わせが非常に問題となります。その限度において最大限の努力をしてまいったわけであります。しかし現状では、全体として伐採量もこれから減るというような見込みもあるわけで、したがって、そういう通年雇用にたえるような事業量というのは、なかなかないということが考えられます。こういうことから考えますと、さらに常用化を促進するということにつきましては非常にむずかしい。林業自体が季節性を持っているという状況から考えますと、やはり常用、定期の併存という形を今後ともとっていくということになると思います。 そこでただいま人事院、人事局、行政管理庁から御答弁がありましたような常用作業員の制度の問題につきましては、これは公務員全体の制度にかかわる大きな問題でございますので、私どもも一緒に検討をただいま進めているわけでございます。
○川俣委員 各官庁の御意見は、もう全くそのとおりだと思います。これは内閣委員会でも、農林委員会でも、この間の予算委員会でも、長年言われておることだし、あるいは当の林野庁でも、労使でいろいろと交渉を煮詰めていると思いますが、いま大蔵省がおっしゃるように、やはり問題は林野庁の態度いかんじゃないかというところまで追い込まれているのだと思います。それじゃ一体林野庁というのはどういう考え方であるのか、これをひとつはっきり、各官庁がおられる前で話してもらいたいと思います。 そこでそのお話を願う前に、一体それじゃいまの山林労働——職員を含めて、どういう数字で、どういう職分、身分にいるのか、その辺をまずこの場で正しい数字を聞かせてもらいたいと思います。これはそれぞれのあれが違うのですよ。ですから、ひとつ新しい数字を示してもらいたいと思います。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 国有林に従事しております作業員の雇用区分でございますが、これは常用作業員、定期作業員、臨時作業員、三種類に分けております。常用作業員は、昭和四十六年七月——七月というのは林業の最盛期でございまして、人数も多いときであります。七月の統計では、常用作業員が一万六千三百三十六名、定期作業員が一万九千六百十二名、臨時作業員が四万二千三十一名、合計しますと七万七千九百七十九名になっております。これが最盛期でございます。参考までに、少ないときはどうなのかという点を申し上げますと、一月が一番少ない月でございます。その月では、常用作業員が一万五千九百三十名、定期作業員が一千四百七十二名、臨時作業員が一万八千九十九名、合わせまして三万五千五百一名、これが雇用区分別の作業員の内訳でございます。 なお、これは四十六年の統計でございまして、じゃこれは以前はどうであったかという点を参考までに申し上げておきます。昭和四十年ごろの数字をちょっと申し上げますが、このときには常用作業員の人員は、これは七月、やはり最盛期の人数でございますが、一万一千二百四十人、先ほど申し上げました一万六千人に比べると、常用は非常に少なかったわけでございます。それから定期作業員は三万三千七百六十九名、これは先ほど申し上げました一万九千に比べると非常に多かったわけでございます。それから臨時作業員が、このころは二色ございまして、月雇いと日雇いとございます。臨時作業員はその後一本にまとめておりますけれども、この一本の臨時の中の月雇いが七千十四名、それから日雇いが八万六千九十二名。これを全部合計いたしますと、七月には十三万八千百十五名という数字であったわけでございます。これを四十年と四十六年とを対照いたしますと、頭数では非常に減少しているわけでございます。ただ、内訳を見ますと、臨時が非常に減りまして、それが定期なり常用にふえている。それから定期そのものの内訳が、大体平均いたしますと、七カ月半ぐらいであったのですけれども、最近では八・一カ月、約半月ぐらい定期そのものの雇用期間というのは延びておる、こういう状態でございまして、一応常用化あるいは通年化の方向に沿うておるというふうに考えておるわけでございます。
○川俣委員 まことに山林労働に従事する人員というものの動きは激しいものだと思います。これが自動車をつくる、ブラウン管をつくるというものなら話がわかる。育っているのでしょう。生きものを育てるということは手をかけるということです。その労働者がこんなに動きを激しくするというのは、長官は長年林野業務をつかさどってこられたでしょうが、一体これでいいのかどうかというのが一点。悪かったけれども、予算の関係でどうにもならなかったということなのか。あるいは四十年に比べて乱伐、過伐の過去の埋め合わせが一応終わったということなのか。それから冬は仕事がないということなのか。それとも人の集め方がなかなか困難で、結果的にはこういう数字になるのだ、こういうことなのか。この五つをひとつ聞かしてください。
○福田(省)政府委員 定員外作業員の総雇用量におきましては、ただいま申し上げましたように、四十年と四十六年と対照したわけでございますけれども、人数にしますと、内容はいま申し上げたように安定化しておるとは思いますけれども、総雇用量は御指摘のように減少しております。じゃ事業量は一体どうなったのかという点でございますが、これはただいま手元に計数がございませんけれども、伐採量の問題を取り上げてみましても、伐採量は大体国有林の場合にはほとんどそう大きな変化はございません。収穫量にいたしまして約二千二百万立方前後のところを過去において伐採いたしております。四十一年度は二千二百二万四千立方メートル、四十二年が二千三十九万四千立方メートル、四十二年が千九百七十七万七千立方メートル、四十四年度は千九百八十七万七千立方メートル、四十五年度が二千三十万立方メートルというふうになっているわけでございまして、四十一年以降ずっと数字的に見ますと、収穫量はやや減少の傾向にございます。ということは、一つには私たちは戦争中のいわゆる軍事用材生産のための増伐要請、あるいは戦後の復興用材の増伐要請、あるいはまた三十五、六年ごろの価格安定のための増伐要請ということもございまして、国有林はやや増伐をしてきた傾向があるわけであります。増伐をいたしましても、必ず造林はしております。ただ、その回復期間が非常に長くなるという点に問題があったわけでございますけれども、そういうふうな経過をたどってきたわけでございますが、最近におきましては、先ほど御指摘がございましたように、自然保護に対する要請が非常にきびしくなってまいっております。 したがいまして、先生御存じかと思いますが、四十一年度に策定しました森林資源の基本計画、木材需給の長期見通し、この二つを本年度内に改定する作業を現在進めておるわけでございます。 その原因は、一つは先生も先ほどお話のありました、外材が非常に多く入ったということで情勢が変わってきたこと。もう一つは、ただいま申し上げました自然保護に対する要請が非常に強い。したがいまして、四十七年度以降は平均しまして皆伐面積は約百万ヘクタール、それから収穫量は三百万立方メートルを減少する計画にしておるわけでございます。ただ急激にこれをダウンしますと、与える影響が大きいために、これは漸減していく考え方ではございます。そういうふうなぐあいで、伐採量が減少し、かつそれに従いまして造林量も減少してまいります。造林量は今後五年ぐらいの間には二割ぐらいは減少するかと思います。十年先を見ますと、おそらく三割ぐらい減少する、こういう大ざっぱな見通しでございます。したがいまして、伐採量にしましても、造林量にしましても、仕事量はずっと減少してきておるという問題があるわけでございます。 そこで、先ほども御指摘ございましたように、予算の面で特別会計は非常に苦しい立場に追い込まれております。その原因は、簡単に申し上げますと、木材の収入、これが全体の収入の約九割以上を占めておるわけでございます。この木材価格が最近横ばいになっております。私たちは販売方法の改善等につきましては、いろいろと努力してまいってはおりますけれども、この基本的な収入構造を見ますと、将来の収入の予測ということは、きわめてきびしい条件にございます。一方また支出の面を見ますと、人件費は約六割ぐらいを占めておるわけでございまして、この人件費が最近数年間毎年一〇数%上昇しているわけでございます。 簡単に申し上げますと、収入がそういう状態であり、支出がそういう状態であるならば、これは赤字に向かうことは当然でございます。しかし、ただいま申し上げましたように、自然保護に対する国民的要請に絶対にこたえていかなければならぬという命題がございますので、できるだけ事業の内容を合理化しまして、また合理化した結果の、たとえば職員なり作業員なりの職場につきましては、公益的な要請にこたえるための仕事に従事していただくとかいうことも考えあわせながら、抜本的な改善策につきまして林政審議会の国有林部会で検討願っておる段階でございます。
○川俣委員 原因の項目をいろいろ並べたけれども、一つはいま自然保護というのが環境問題から非常にうるさくなった、こうおっしゃる。一つは外材が流れてきたので、どうしても圧迫されるという二つの理由がある。そこで、それじゃ林野庁独自の立場で、木というのは切りごろがあるわけだ。樹齢があるわけでしょう。自然保護とか外材がなかりせば、どのぐらいの伐採量であったかという数字を検討したことがありますか。
○福田(省)政府委員 第一の自然保護の問題でございますけれども、これは環境庁におかれましては、ただいま法案を立案中でございます。しかし林野庁としましては、いま突然自然保護の問題が出たわけではございませんで、先生御指摘のように、これは明治の中ごろにおきまして森林法ができました際から、すでに日本の森林というものを永久に保存するために、一つはいま持っております日本の森林の蓄積をふやしていく、そういう考え方があるわけでございます。 具体的に申しますと、ただいま日本の国有林の場合は十九億立方メートルございますけれども、これは今後五十年後におきまして、この蓄積を倍にしたいと考えておるわけでございます。ただ、こういう状態にしておきますと、特に国有林は非常に老齢、過熟な天然林が多うございます。先生御存じのように、秋田のブナ林とか、あるいは秋田杉、これはまだいいほうでございまして、北海道の天然林なんか見ますと、きわめて老齢化して、数百年たった木が一斉にはえております。これが台風なんか参りますと、すぐ倒れてしまう、あるいはまた病気にかかりやすい、そういったような欠点を持っておりますので、若干伐採をしながら若い健全な林を育てていく、そういう考え方を森林経営の中に織り込んでありまして、これが一つの森林法の基本的な計画になっているわけであります。 そういう資源培養と同時に、もう一つは災害なんかのために備えて治山事業を積極的にやっていく、あるいは保安林の制度を拡充して、伐採を制限していくというふうな考え方も織り込んでいるわけでございまして、そのために四十七年度予算におきましては、従来の五カ年計画に比べますと、治山費を約倍にふやしているわけでございます。先ほど申し上げましたように、きわめて苦しい財政状態の中にございますけれども、一般会計からの応援をいただきまして、昨年度、治山については一般会計からいただいたのは、わずか二十三億でございましたけれども、ことしは、四十七年度は六十六億にこれを三倍ぐらいにふやしていただいておるわけでございます。 そういうふうなことで、自然保護につきましては、林野庁といたしましては環境庁とともに徹底した自然保護、積極的な意味での自然保護と申しますか、そういう森林育成を考えてきておったわけでございますが、それに伴う伐採が過去におきまして、ある程度大面積皆伐等の批判はございましたけれども、そういう施業のしかたについては今後とも改めていきたいと考えておりますが、そういう基本的な考え方においてはちっとも昔と変わっておらぬわけであります。 それから外材の問題の御指摘がございました。これにつきましては最近、特に昭和四十五年度に入りましてから五五%を外材が占めて、国内材の比率が少なくなっているわけでございます。これは非常に重要な問題でありまして、このために国内の林業、林産業が非常に停滞しておるという非常に大きな原因をなしておるのでございますが、特に最近のような労働力の不足傾向、また労働賃金の上昇傾向等に伴いまして、特に民有林の場合におきましては伐採を控える、あるいは造林を控えるというふうな傾向がございますので、この点につきましては、特に民有林のそういう沈滞した傾向をさらに指導して、計画的な伐採、計画的な造林が行なわれるように、経営基盤の改善とか、あるいは生産基盤の改善等を含めて、四十七年度新しくまた第二次林業構造改善計画に着手いたしたわけでございます。
○川俣委員 大体そういうことだと思うのだけれども、ただ私の言うのは、自然保護だとか外材とかというのが入ってきているいまの現実は、やはりこうだというのだから——しかし林野庁が管轄の日本全国土の国有林の樹齢からいって、あるべき姿はこのくらいの伐採量だという希望数字をはじいたことがもしあったら、あとで見せてもらいたいのが一つ。これは時間があれですから、答弁はけっこうです。 それから治山費がかなりふえておる、こう言うんだが、その数字をもしお持ちでしたら、私にこの場で見せてもらいたいということ。 それからもう一つは外材の問題なんですが、長官、これはこういうことなんですよ。これはきれいごとの受け答えは、きょうはけっこうですが、さすが外材というのは見てくれがいいということで、農家が非常に外材にたよった新築のブームがあった。これはとにかくうしろに山をしょっている農家が、ボルネオからやってくる材料を使って家を建てている現象があった。自分で山を持っていながら、外材は安い、こういうことだった。それでは日本の木材というのは床柱だけか、こういうことだった。ところが、いまになってみたら節がある。あれじゃだめだ。節があるだけに今度は加工がまずい。だんだんに十年くらいたったら、やはり古い家はいいなという声が出てきたわけなんですよ。一等材、二等材、三等材とこうあるのだが、皆さん方は外材は安いから、安いものがどっと貿易自由化でどうにもならないよと、こういうことで甘んじられないということなんです。それをひとつ率直にあなたは受けとめて、これから行政に当たってください。 それから特別会計に入る前に、あなたが労働力不足だということを理由にあげたようだが、そうですか。そういう考え方でおりますか。労働力不足で思うように林野業務がうまくいかないのだ、こういう考え方ですか。
○福田(省)政府委員 先ほど申し上げましたのは国有林という意味ではございませんで、特に民有林の労働量が最近非常に傾斜的に減少しておる。ここ数年で約半減しまして、ただいま二十万人くらいになっております。国有林は大体安定しております。
○川俣委員 その労働力不足で、前の公害国会でとにかくどうしてもヘリコプターで除草剤をまくと言う。まくなと言っているけれども、まくと言う。みんなもう毒物を世の中から排除しようというときに、空からまくということだった。それからすったもんだやって、下北のサルの問題とかいろいろ出てきたけれども、あるいは山村がやられる、何がやられる、社労委員会でずっとこういう追及をしたら、林野庁から労働力不足でどうにもならないからヘリコプターでまくしかない、こういう答弁が議事録にある。 これは私はこういうことだと思うのです。除草剤なんというのは丁寧に手でまかないと、国有林のせっかく植えた苗がやられちゃうわけです。だから手間がかかっても、どうしても手でまくしかない。ほかのものと違う。これを育てるんだから、ちょうど子供を育てるのと同じだ。かぎをかけて自分がバーにつとめに行けばいいという状態じゃ子供が育たないのと同じで、ほかのことと違うんだ、山林というものは。将来は親を養うものになるわけだ、四十年後か五十年後かに。そうでしょう。だから、どうしても育てるという気持ちがなければ、ヘリコプターでまいてしまえばいいんだと、ベトナムでアメリカがやったような状態では山林は育ちませんよ、こう言ったら、労働力不足だということではね返ってきた。私はそれはまことに詭弁というか、そんなことをするから、労働者は、おれは仕事がなくなったからというので山からおりる、悪循環、そういうことだと思います。長官、その辺は少し生きた行政をやってください。受け答えなんか何ぼきれいにやったってだめなんだから、特に山林というものは育てるんだから。 そこで、特別会計の問題で思うのですが、大蔵省、これは将来の宝なんですよ。四十年か五十年後の林野庁の人は非常に楽だというか、そういう姿勢になれる。いまはものすごく米の問題に合わせて農林省が影が薄くなったのだが、その中において林野庁も閉じこもっちゃって百億の予算減でしょう。百億の予算減をずっと見ると、どういうものがあるかというと、ちょっとおかしいものがあるのじゃないか。おかしいものを一つ二つあげますから、いやそれは川俣、そういうものじゃない、こっちの考え方が常識なんだというのかどうなんですか。これを率直に聞きます。 一つは、九カ月働いて三カ月首切られる、これを反復雇用だ、こう言う。私から言わせれば反復首切りだと思う。それをよく来てくれた、二十年も三十年も九カ月働いて三カ月、また九カ月働いてまた三カ月、よく長年来たなといって長官表彰、大臣表彰、こうなる。いまどきこういうあれは——ところが、三カ月間の失業している間の失業保険をこの特別会計で持つというのはどんなもんですかね、これが一つ。これは特に大蔵省のほうに聞きます。 それからもう一つは、さっき言ったように、局長方が楽な姿勢でいるというわけじゃないんだが、どこかの局長は、公団だ、基金だ、研究所だ、こういう天下り人事の場があるから、それと直接関係があるかどうか知らぬけれども、林業振興諸費というのが八十六億八千万ある。これはどんなものなのか。 大体事業団とか基金とか研究所とかいうものは特別会計と関係があるのか。こういうものこそ、一般会計から持ってくるべきなんだけれども逆なんだ。一般会計へ繰り入れると書いてある。私からいうと逆なんです。 こういうことで、赤字だからどうにもならないんだと林野庁がいうのは、大蔵省にいわせるのか、大蔵省からいわれるからだめなのか、その辺大蔵省はどういう考え方なんですか。
○藤井説明員 国有林野事業特別会計四十七年度予算の編成にあたりましては、四十六年度に二百億、四十七年度に百億という赤字が見込まれる状況でございましたので、長期の国有林野事業の経営の改善——先ほども出ましたように、歳出面では人件費が六割もこえる、それから歳入面では外材等の問題があり、価格が停滞しているという両面の問題を踏まえまして、どうするかということは、これから検討することにいたしたわけでございますが、当面の四十七年度予算につきましては、現在特別会計の保有しております資金の限度におきまして予算を編成せざるを得ないということでございまして、たとえば先ほど百億とおっしゃいましたけれども、全体としては二十八億程度の前年度からの減額を行なったわけでございます。 そこで、その中におきましては造林事業等は伐採面積が減ったということに対応して減っているものもございます。それから中には先行投資的なものをこの際控えるということでやったものもございます。しかし、それにもかかわらず、治山事業につきましては一般会計からの負担を従来よりも大幅に増額する措置もあわせてとったわけでございます。 そこで、もう一つのお尋ねの九カ月雇用三カ月退職しているという定期作業員の問題でございますけれども、これにつきましては、やはり一年間雇用するだけの仕事の量がないという状況におきましては、そういう勤務形態というものが残るのはやむを得ないという考え方でございます。それで先ほど申し上げましたように、そういう考え方でございましたけれども、従来定期作業員は一万一千名程度常用化するという措置もあわせてとってきたわけでございます。しかし、そういう措置をとることは、もう現在では限界に来たというふうに考えておりまして、引き続いて定期、常用という二本立てで、この国有林の経営をささえていくということにならざるを得ないと考えております。 それからもう一点の林業振興諸費というのが八十六億八千万円計上されておりますが、これは特別会計法にも規定がございますように、過去の特別積立金というものが国有林野事業特別会計の中にございます。これは利益の集積でございますが、この分につきましては森林開発公団の水源林造成の事業費に充てるということで五十九億円、それから一般会計に二十七億円繰り入れるというようなことで、その内訳ができております。しかし、この積み立て金は四十七年度をもって底をつきますので、今後においてはこういうことは考えられないと思いますけれども、現在までの体制におきましては林政に協力するという考え方から、こういう林業振興諸費を計上してきているということでございます。
○川俣委員 そうなんですよ、林政に協力するということなんだが、何か知らないけれどもぶら下がられちゃって、全く寄ってたかって食いものにされているんだけれども、林野庁の予算を見ると、非常に窮屈だということから私はこういう質問をしたのです。ですから、こういう一般会計への繰り入れとか公団の資金なんというものは特別会計で見るという筋合いじゃない、国として見るというのなら、話はわかるのですよ。だから、それをひとつ検討を加えてもらいたいと思います。この問題、特別会計の規定にある云々という、こういうのは、もう少し理論的に釈明を文書でお答え願いたいと思います。 それからいまの失業保険の問題、今度は長官に聞きますが、大蔵省では、一年間雇用するだけの仕事がない、こういうことなんだ。そのとおりだと思いますよ。一年間雇用する仕事がないということをおたくのほうからいえば——これはとても定員も常用化もできないし、通年雇用なんというものは、ほかの官庁は手伝うことはできないですよ、あなたのほうが一体一年間雇用するだけの業務があるかどうかという検討を加えておるかどうかが問題であるわけなんです。これは長年こういう各委員会でやっているわけなんですが、長官どう思いますか。
○福田(省)政府委員 先ほどもお答えしましたように、林業労働にはやはり季節性というものがございます。特にまた、伐採事業はともかくとしまして、造林の事業というのは新植のときと、それから手入れのとき非常に労働のピークがございます。これをできるだけ年間ならして仕事ができるように持っていきたいという点での技術開発ということについても、相当努力を重ねてきたところであります。 その一つの具体的な例としましてはポット造林というのがございます。これは紙でつくった鉢に苗を植えまして、これを山へ持っていって植えるわけです。そうしますと、根がいたみませんから、大体冬を除いては造林が可能であるということが考えられるわけでございます。 それから次のピークの手入れ、つまり刈り払いでございます。これは大体夏場にやるわけでございます。これはばく大な労力が要ります。これを一度に調達するということは、なかなかたいへんでございます。自分の力でやったり、あるいは部落の応援を得てやったりしているわけでございます。それを緩和する意味で、ときには薬剤を散布したりすることもやっておるわけでございます。そういったようなことを含めまして、いういうと造林の季節性を排除する努力をしてきているわけでございますが、やはり基本的には造林事業というものは、どうしても年間を通して均等にやるということはむずかしい問題でございます。 したがいまして、まず第一に、造林の仕事と生産事業の仕事、特にこの二つの組み合わせを考えてまいったわけでございます。つまり伐採と造林が一緒にできる、これを考えまして、特に地ごしうえする場合には、先生の選挙区にもあると思いますけれども、根まわりだけでも一ぱいあります、それを薬をまきますと、一年でその根が腐ってしまいます。そうすると刈り払いを先にしてしまうことができるわけです。それから伐採しますというと、足場が非常にいいものでありますから、きわめて能率があがります。伐採したあとに今度植栽するということにしますと、腐っているからきわめて能率があがって、穴掘りも植栽の成績もいいということになります。こういう造林と、それから生産事業との組み合わせをいろいろとはかってまいります。 それから第二の点は、大体林業労働というものは、自分のうちからあまり遠くへ出たがらないという特徴がございます。そこで、ほかの営林署のところへ行ったり、同じ営林署の中でも、なるべくほかの事業地へ行ったり、場合によっては営林局から営林局というふうに地域的な流動ということも考えたわけでございます。これにもやはりいろいろ限度がございまして、そういう作業のいういろな種類を組み合わせる、それから地域間の流動ということを重点にしまして、最近数年徹底した雇用の安定、長期化ということをはかってきたのでございますけれども、先ほど主計官のほうからもお答えがございましたように限度がございます。特に東北、北海道は南九州、四国と違いまして、この季節性の特色というものは払拭できない大きなネックになっているわけでございます。 大体私たちがいままで努力してきた限度というものは、今後特別な技術開発がない限りは非常に困難な状態になっておるというふうに実は判断しておるわけでございます。しかしこれにあきらめず、さらに技術開発の問題は解決してまいりたい、かように考えてはおります。
○川俣委員 一つ目の問題はだいぶ核心に触れてきたと思います。ひとつその一万九千人の地域別の数字をちょっと見せてもらいたいということ。 それから二つ目は、長官が言うのは、雇用安定するのには、やはり冬場はどこかでうんと働かせたいということから流動性を希望したいという言い方だった。山林労働者が遠くに行きたがらない、こう言うんだが、それじゃ冬場に行きたがるということであれば、雇用安定ができるということの意味なのか。
○福田(省)政府委員 局別の数字を申し上げます。一万九千三百七十六人の内訳。旭川営林局九百三十六名、北見営林局九百六十一名、帯広営林局七百四十五名、札幌営林局七百二十名、函館営林局六百八十三名、青森営林局、これは非常に多いわけですが、三千九百八十七名、秋田営林局四千八百十六名、前橋営林局千三百八十六名、東京営林局四百四十八名、長野営林局七百六十名、名古屋営林局千三十九名、大阪営林局二千三百十八名、高知営林局百二十五名、熊本営林局三百四十五名、それから営林局以外に百七名ございます。林業試験場とかそういうところでございます。以上が局別の内訳でございます。東北一帯に非常に集中しているというのが特徴でございます。 それから第二の、冬場に少し流動化したらどうか……。
○川俣委員 いやいや、そうじゃない。逆です。これは大事だから……。冬場に行きたがらないということを長官がおっしゃるから、それじゃ少し動いてもしようがないというようなことであれば、通年雇用ができるということなのかということです。
○福田(省)政府委員 実は私たちは職種間の組み合わせと、それからもう一点の流動化を考えまして、実際に作業をやっております。各営林局営林署の職員について意識調査を実施したことがございます。その際に、ほかの営林署なり、ほかの営林局なり遠くに出て働きたい者はありますけれども、ほかに出たくないかという調査をした結果によりますと、出たくないという数字が案外多かったのでございます。その数字、資料はただいま持っておりませんが、御指摘ございましたように、あとでお届けしたいと思います。 それから、こういう意味で、もし日本全国どこへでも行くということが可能であるならば、またそうしたいという意欲があるならば、できるだけそういう方向で検討してまいったことは事実でございます。そのためにいろいろな設備なりその他の問題も考えながら、職種間の流動、地域間の流動を配慮してまいりましたが、これ以上進めるということは、現実の問題としてはなかなか困難な状態になっておるわけでございます。また先ほどお話ししましたよにう、あわせて事業量の減少の傾向の中でこの問題を解決していかなければならぬというきびしい条件が課せられておるわけでございます。
○川俣委員 それは妻子のいるところ、うちのあるところで働きたいんですよ。いま冬場に、十一月十五日の刈り入れが終われば、出かせぎ労働者が東京から大阪まで八十五万人いるわけです。四月十五日に帰るわけです。ぼつぼつ種まきをやるんです。統計によれば、希望は離れたがらないですよ。しかし放しても、通年雇用をやれということは、私はここで言っちゃあぶないと思う。なぜあぶないかというと、私はこの数字が雪のためかと思っていた。そうじゃないですよ。名古屋なんか千何名だという。それから東京もだいぶいる。そうすると、雪じゃないんだ。冬ということじゃないのです。だから私は一体本腰を入れてやっているのだろうかどうかということを、これは勘ぐるわけじゃないけれども感ずる。例の北海道のカラマツ事件ですよ。だれそれ長官だったか知らないけれども、北海道にカラマツを植える。何でも植えればいいと思っているが、北海道に合わないようにできているんですよ。内地でないとカラマツは合わないようにできていますよ。そうでしょう。やはり生きたものを取り扱う官庁の林野庁だから、ほかの官庁、建設省などと違うんだから、もう少し生きものを預かっているというような考え方をしてもらいたいという点から、こういう質問をしているのが一つです。 それから冬山の問題ですけれども、これは生きたことばと思って聞いてくださいよ。 国有林、国というのは非常にのんきなもんだ——国有林と民有林とあって、隣は民有林だから、民有林の人が笑っている。というのは、とにかく若木が雪で倒れているのをほっておいているというんだ。特に内地というのは、北海道と違ってさらさらしてない。非常に水気があるからね。冬、若木が倒れているのを全然ほっておくというんだ、それが一つ。それから密生しているやつの抜き切りというのは、冬場が一番いいでしょう。適しているでしょう。それから三つ目はクズとかフジとかいわゆるつるですが、つる切りなんというのは冬場が最適でしょう。地元にこういうようなあれがあるんですよ。地元にそういう作業があるというのに、ビルの中の長官のテーブルには、かぜないんだという答えになるかという点、どうなんです、長官。
○福田(省)政府委員 御指摘のように植栽したあとの刈り払い、あるいはまたその後成長した場合のつる切りであるとか、あるいは除伐であるとか、間伐であるとかいう一連の保育作業というものは、これは植栽しっぱなしでなくして、実際やっていかなければならぬ問題であります。南と北は、御指摘のようにいろいろ条件も違います。冬場に向くような場合は、なるべく冬の農閑期、労力の足らぬときに、余った労力をこちらに回してやったり、あちらに回していくというような季節的な配分は、年度当初に計画を組みます際にできるだけ配慮していくつもりではございます。地域、地域、それぞれ非常な条件の違いもございますので、こちらの一存にいかぬ場合もあるかもしれませんが、そういう点につきましては極力指導を徹底してまいりたい、かように考えます。
○川俣委員 どうもそうなると、いよいよ労働問題に——政務次官ずっとすわっておられますけれども、やはり労働時間になるんですよ。いろいろと話したんだけれども、どのように、いつどのくらい切るか、どのように植樹するか、そうして下刈りするか、枝切りするかということは、まずいろいろ話があった。働いている労働者から言わせれば、どうしてくれるかということになると、労働問題ですよ、どう考えたって雇用安定だから。そうなると、これは肉体労働だからなかなか公務員にしにくいという発言もあった、過去の会議録を見ると。そんなばかにするなというんですよ。あのいまの反復雇用、反復首切り、三カ月で首切られる労働者がなかりせば、いまの林業というものは成り立たない。あの人方がいるから、長官が長官のいすにすわっていられると思うのですよ。そうじゃないですか。そういう人方の処遇なんという、こまかい条件は私はきょうは言わないです。なぜこれを労働問題として、もっと雇用安定という問題と取り組む姿勢がいままで欠けておったかということを追及しながら——政務次官とう思いますか。これはひとつ担当官庁として……。
○中山政府委員 御指摘のように農林事業というものは、特に林野業というものは、たいへん特殊性のあるものでございまして、一般の労働問題とはおよそかけ離れた問題ではなかろうかと思います。似通ったものには建設関係のいわゆる労働者がいる。そういう問題をあわせて今後の検討課題として考えさせていただきたいと思います。
○川俣委員 それから先ほどいろいろ要求した資料はあとでお願いします。確認しておきます。 それから大蔵省のほうでは、特別会計に対する林野庁のいろいろな内容が入っているが、あれはどうも私ら、おかしいものが入っておるので、あれを除外していく方向でこれから——ことしはしようがないから、来年度予算に向かって、さらに検討を加えてもらいたいと思います。 それからいま、現実どうしたってこの雇用安定、通年雇用は理屈抜きにすべきだと思います。部長は長官になり、本省の課長は局長になり、みんな出世していくときに、一番働き手の労働者だけが十二月になればちょん、四月一日にまたいらっしゃい。反復首切り、反復雇用だ。これは何といったって、私らは黙って見ておるわけにはいかないと思いますよ。それは何といったって、林野庁がこうこうこうだということで、やはり生きた行政の計画を立てて各官庁に回らなければ、各官庁方の一番先に聞いた意見は、長官、何と言ったのですか。はっきり言えば、林野庁がこれこれこれだという主張であれば、当然これは通年雇用になる問題だと思いますよ。これは各大臣方がすわっておられた内閣委員会でもそうだったのです。そういう意見だったのです。これは同じだと思いますよ。林野庁長官、御就任早々でございますけれども、ひとつどうかこれに本腰で取り組むように私のほうから要求して、質問を終わります。
○増岡委員長代理 次回は、来たる四月六日木曜日、午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時三分散会