社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/14
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 労働安全衛生法案を議題といたします。 (事業者に関する規定の適用)
○森山委員長 提案理由の説明を聴取いたします。塚原労働大臣。
○塚原国務大臣 ただいま議題となりました労働安全衛生法案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 最近における労働災害の発生状況を見てみますと、いまなお交通災害を上回る年間百七十万もの人々が被災し、そのうち六千人にも及ぶ方々がとうとい命を失っておられます。 特に近年、機械設備の大型化や高速化あるいは建設工事の大規模化等に伴い、重大災害を生ずる危険が多くなってきており、また、この数年、職業病は急増の傾向を示し、新原材料、新生産方式等による疾病が目立ってきております。 このような労働災害の状況にかんがみ、労働省では、産業活動の急速な変化に対応できる適切な防止対策を展開するため、労働安全衛生行政の今後のあり方について検討を重ねてまいりました。すなわち、その一環として、昭和四十四年に学識者の方々にお願いして労働基準法研究会を設置し、労働基準法の法制上及び運用上の諸問題について調査研究を依頼しましたところ、労働安全衛生に関しまして、昨年七月に報告書が提出されました。 労働省では、この報告書のほか、労働災害の実情及びその対策等について広く検討した結果、産業活動の変化に即応した労働安全衛生対策を推進していくためには、法制の整備が必要であるとの結論に達し、労働安全衛生法案の構想をとりまとめ、昨年十一月これを中央労働基準審議会に諮問いたしました。 同審議会では、慎重審議の結果、本年二月、若干の事項について配慮するよう意見を付した上、労働省の構想によることが適当である旨の答申がなされました。 労働省におきましては、この答申の趣旨を尊重して成案を固め、ここに労働安全衛生法案として提案した次第であります。 次に、その内容の概略を御説明申し上げます。 第一に、この法律の目的は、労働基準法と相まって、労働災害を防止し、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な作業環境の形成を促進することにあることを明らかにいたしました。 第二に、総括安全衛生管理者制度の導入、安全衛生委員会の活用等、事業場における安全衛生管理体制を整備することといたしました。 第三に、労働災害防止基準を変化する職場の実態に即応できるよう明確に規定し、整備することといたしました。なお、この基準の設定にあたっては、労働災害と密接な関係にある公害あるいは一般公衆の災害の防止にも貢献するよう配慮することといたしております。 第四に、危険な機械等について製造段階から安全性を具備するよう規制するとともに、ベンジジン等の製造の禁止、特定の有害物についての製造許可あるいは有害性の表示などを実施することといたしました。 〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕 第五に、入職時のみならず、配置転換時等における安全衛生教育を行なうとともに、職長等指導的な立場にある者についての教育を徹底することといたしました。 第六に、健康診断の徹底をはかるとともに、職業ガン等に関係のある業務に従事した者について健康管理手帳を交付し、離職後もその健康管理を長期にわたり行なうことといたしました。 第七に、労働災害を未然に防止するため、危険または有害な事業につき事前届け出制を整備するとともに、この制度における科学技術面での検討を確実にするため、専門家の意見を聴取することといたしました。 第八に、事業者の作成する安全衛生改善計画に基づき、自主的な労働災害防止活動を推進することとし、その裏づけとして、労働福祉事業団による労働安全衛生融資制度を創設することといたしました。 第九に、建設業、造船業等重層下請関係にある職場について、元方事業主を中心とする総合安全衛生管理体制の確立をはかるとともに、ジョイントベンチャー、リース業者等の労働災害防止責任を明確にすることといたしました。 以上のほか、労働災害防止計画、一定の危険な業務についての就業制限、監督機関の権限、国の援助等につきまして必要な規定を設けることといたしております。 以上この法律案の提案理由およびその概略につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 —————————————
○澁谷委員長代理 次に、労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。古寺宏君。
○古寺委員 最初に、労働大臣にお尋ねをいたしますが、前の労働大臣は国際的視野に立った労働行政を推し進めていくということを表明いたしておりますが、新労働大臣の所信表明には、国際労働問題についての所信表明がなされておりませんが、どういうふうに取り組まれていくお考えか、最初に承りたいと思います。
○塚原国務大臣 決して背伸びをした申し上げ方をするわけではありませんが、今日世界情勢の一環として日本の置かれている立場を考えますときに、あくまでも視野を広くして、国際的感覚に立ったものの進め方をしなければならないことは、これば言うをまちません。したがって、労働行政におきましても、国際的な視野に立って今後労政を進めてまいりたい。なお、原労働大臣からの引き継ぎ事項の中でも、この点を前労働大臣が強く私にも申し残していったような次第でありますし、私も国際的な視野に立って今後の労政を進めてまいる考えでございます。
○古寺委員 そこで、六月のILO総会での理事選挙にあたりまして、総評、同盟との間で理事候補をしぼるのに難航している、こういうことを聞いておるわけでございますが、現状をどういうふうに把握をされていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○塚原国務大臣 いまお話しのように、改選の時期が近づいております。せっかく理事の地位というものを日本が持っておりまするので、ぜひそういう姿が今後存続することが望ましいことであります。この問題につきましては、総評と同盟との間で御相談が行なわれておると聞いております。両者の話し合いによって事態が円満に解決することを心から望んでおりますが、労働省といたしましても、この問題には重大関心を払って推移を見守っておるところでございます。
○古寺委員 過去においても、この問題は難航したということになっておりますが、その経過について御説明を願いたいと思います。
○石黒政府委員 御指摘のごとく、ILOの理事につきましては、過去におきましてかなり難航いたしまして、昭和四十一年のILOの総会を前に控えまして、総評と同盟の意見が一致しないということがございまして、その間政府も若干心配をいたしまして、最終的に、四十一年の総会においては総評の候補者を理事に立候補させる、それから一期三年を経た四十四年におきましては、同盟の候補者を立候補させるというようなことで話がついて、それぞれ日本推薦の労働側理事が当選したといういきさつがございます。
○古寺委員 過去においても労働省が仲介の労をとって、これをまとめたようでございますが、今回の場合もそういうようなことをお考えになっていらっしゃいますか。
○石黒政府委員 過去におきまして、四十一年の際はたいへんに総評、同盟でいろいろと話をいたしまして、それがついに一致がむずかしいという段階で、たしか総会が開かれます一週間か二週間前に、時の労働事務次官が仲介をしたといういきさつがございます。本年におきましては総会までまだ間があることでございますし、さらに当事者間の話し合いが真摯に進められることを期待しておる次第でございます。
○古寺委員 日本の、またアジアの労働組合のためにも、労働省が仲介の労をとって、一日も早くこの問題を解決をしていただきたい、こういうふうに御要望申し上げるわけでございますが、労働大臣から所信を承りたいと思います。
○塚原国務大臣 冒頭申し上げましたように、理事の地位というものを日本が確保しておるのでありますし、アジア地域その他の期待、また関心もきわめて重大であることは、これは言うをまちません。しかし労働組合自身の問題であり、総評、同盟の話し合いというのを現在待つのが妥当であり、繰り返すようでありますが、重大関心を持って、いまその成り行きを見守っておるところでございます。十分私の頭の中にも、この問題が円満に解決されることを望んでおるわけでございます。
○古寺委員 原労働大臣は、週休二日制の問題についてはかなり熱心に取り組んだようでございますが、塚原労働大臣は、この週休二日制の問題については、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、まず所信をお伺い申し上げます。
○塚原国務大臣 原前労働大臣からの引き継ぎ事項、先ほども国際的な視野に立って云々ということを申し上げましたが、その第一番目の項目が週休二日制の問題でございました。 私自身、今日の日本の現状から、これは非常に望ましい姿である、先進国もほとんど週休二日制に踏み切っておる、アメリカ等においては三日制のところもあるというふうにも聞いておりまするが、ひるがえってわが国の現状を見まするというと、確かに完全週休二日制に踏み切っている大企業もございます。それからなお、二週間に一ペんというテストケースとして、週休二日制に移行するためのことを考えて実施しておる会社もございます。ただ、中小企業においては、かなりこれに批判的というか、まだ時期尚早というような空気もあり、また現に私のところにもそういう話もだいぶ来ておるようなことも、これは事実であります。しかし、望ましい姿である以上、何とかこれが実現できればという気持ちを持っておりまするが、ことしの初めでありまするか、まず各会社が、金融機関とのアプローチが非常に多いために、金融機関がどういう立場をとるかということについて大蔵省に話をして、銀行協会を中心として、金融先行型と申しますか、金融はどういう形で週休二日制に踏み切るかというような審議を願っておったわけでございます。一週間ほど前ですか、その中の人事専門委員会が、答申というか結論というか、そういうものをお出しになりましたことを私は、報告は受けました。しかし、正式に銀行協会からいただいたわけではございませんが、かなり前向きの考え方がそこに示されておるように私は考えております。金融機関がそういうことを、金融先行型ということになりますると、やはり銀行法の改正ということも必要になってくるでありましょうが、これを受けて立つ、これと接触していくところの業者自身が、今度これに対してどういう反応を示していくかというようなことも、これから十分検討していかなけなればならないと思います。 いずれにしろ、この週休二日制は、立法措置等によって役所がこれを強制するという、そういう措置をとるべきものではない。あくまでも労使間の、の当事者間の話し合いによって完全なコンセンサスを求めて、その上に二日制というものが実施されることが望ましいものである、私はこのように考えております。今日までどの程度に進展しているかという資料等がもし必要でありまするならば、事務当局をして説明させまするが、結論から言えば、望ましい姿であり、またその方向にいくことを労働省としても、重大関心を持ってながめております。 労働基準法研究会等においても、この問題の検討を十分お願いしておるような次第でありまするが、望ましい姿であるということ、しかし、かといって、法的措置によってこれを強制すべきものではない、コンセンサスの上にこの問題が進展することを望んでおる次第であります。
○古寺委員 そこで、労働省はコンセンサスを得るために、今後のどういうようなプログラムをお持ちになっているか、また今後の見通しについて、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 労働省といたしましては、ただいま大臣もお答え申し上げましたように、週休二日制は望ましいということで、労使が自主的に話し合いによってその実施に向かうよう、従来いろいろの各種の調査を実施いたしまして、週休二日制を実施したことに伴う効果等調査の結果を発表し、そういうものを参考に労使がこの問題について話し合いをするよう勧奨をいたしておるところでございます。今後とも労使の話し合いの実情等を慎重に見守りながら、その話し合いの中で問題点等があります場合には、それについての調査検討等をいたしまして、労使の話し合いについての必要な資料等を提供するとともに、一般国民がこの問題について、十分正しい認識を持つようにしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○古寺委員 この労働基準法研究会の報告の中に、週休二日制の問題につきましては、「労使の話合いにより計画的、段階的に労働時間の改善が行なわれるよう行政指導を強化」していくことが必要であるということが出されておりますが、この点については、具体的にどういうような行政指導をお考えでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 計画的に進める点につきましては、先ほど大臣もお答えいたしましたように、大企業、中小企業等によりまして、それを実施する難易のいろいろな問題がございます。したがいまして、当面やりやすいところからできるだけ実施をしていただくというようなことで、たとえば、いままででもすでに月一回の週休制を実施しておりまして、さらに今後この週休二日制の回数をふやしていこう、こういう動向も見られました銀行等につきまして、先ほど大臣も申し上げましたように、大蔵省を通じてその検討を求めるといったように、それぞれ産業の実情に応じて指導をいたしておるところでございます。 なお、非常に困難性が多い中小企業等につきましては、中小企業の経営状態の改善等ともにらみ合わせながら指導をいたしてまいりたい、かように考えております。
○古寺委員 自治省では、公務員の週休二日制につきまして、四十八年から一部週休二日制を採用する、四十九年には週休二日、週四十時間労働に移動する、さらに五十年にはこの制度が大勢を占めるようになる、こういうふうに予想をしておられるようでございますが、労働省は、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○渡邊(健)政府委員 基準法研究会等におきましては、大体週休二日制は昭和五十五年ごろまでに大部分の企業に普及する、こういうような見通しを持っておられるわけでございますが、われわれも同様な考え方を持っておるところでございます。
○古寺委員 先ほど零細企業あるいは日雇い労働者についてお話がございましたが、これらの零細企業あるいは日雇い労働者の場合にも、当然この週休二日制の問題については取り組んでいかなければならない問題だと思いますが、これに対する労働省の対策、考え方というものを、もう少し具体的に御説明を願いたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 中小企業は、現在までのところはいろいろな経営上の問題、労務上の問題等もありまして、直ちに週休二日制を実施することについてはいろいろ困難もある。したがいまして、現在のところでは、その実施率も大企業に比べますと著しく下回っておるところでございます。しかしながら、今後大企業等を中心といたしまして、実施しやすい面から週休二日制というものは急速に普及していくのではないかとわれわれ考えておるのでございますが、そのように一般に大企業を中心といたしまして週休二日制が普及してまいり、そういうようなものがだんだんと社会における労使慣行になってまいりますれば、中小企業におきましても、そういうような労働条件の改善がはかられなければ、なかなか人手を獲得することも困難だ、こういうような状況も出てまいることと思います。そうなりますと、中小企業における経営状態の今後の改善等とにらみ合わせまして、そういう社会慣行に順応した労働条件を確保し、労働力の確保をはかっていく、こういうような形で中小企業にも逐次週休二日制が普及していくのではないか、かように考えておるところでございまして、従来、いままでのところにおきましても、中小企業でごく一部ではございますが、週休二日制を採用いたしておりますものは、ただいま申しましたような考え方で週休二日制を採用し始めるものが徐々に出てきておる、こういうような状況に現在あるわけでございます。
○古寺委員 この週休二日制の以前に、現在中小企業等においては長時間の残業等を行なっているわけでございます。いつも申し上げることでございますが、銀行や大企業を優先した週休二日制ではなくして、ほんとうに一生懸命無理をして働いている、そういう労働者の立場に立った週休二日制の実現ということ、また労働時間の短縮ということが非常に大事な問題だと思いますが、この点について大臣の御決意を承りたいと思います。
○塚原国務大臣 週休二日制を実施している実態、またそのメリット論、デメリット論と申しますか、そういうものも私精力的に各方面のお話を聞いております。確かに休養が十分とれる、それからすがすがしい気持ちで月曜には出勤して仕事の能率もあがる。それから採用の場合にも、そういうところには希望者が殺到する。一部金がかかってどうだというようなデメリット論もありまするけれども、やはり非常な効果をあげておるということも聞いております。ですから、これが大企業にのみいって中小企業が依然として無理な過重な労働をしいられているというようなことがあってはなりません。やはり中小企業においても、御指摘のように大企業と同じような形で、それこそ喜んで週休二日制に踏み切って、楽しい職場を持たせるということが一番望ましいことでありまするから、そういった面における今後の、先ほど局長が答えたようないろいろな情報の提供、資料の提供、そしてまたコンセンサスを得るような努力を労働省としても、私どもとしても今後とも続けてまいる考えでございます。
○古寺委員 労働時間を短縮するということは、基本的にはこれは労使の問題でございますけれども、根本的にはやはり国民の福祉という観点からも実現しなければならない大きな問題だと思いますので、今後労働省としても、真剣にこの問題と取り組んでいただきたいことを御要望申し上げておきます。 次に、財産形成貯蓄についてお尋ねをしたいわけでございますが、勤労者財産形成貯蓄がスタートいたしましたが、その出足が非常に悪いと聞いておりますが、現状はどういうふうになっているのでございましょうか。
○渡邊(健)政府委員 勤労者財産形成促進制度は、本年の一月一日より財産形成貯蓄につきましての利子等の非課税措置が実施されて、実質的にこの制度がスタートいたしましたわけでございます。しかしながら、まだスタート直後でございまして、事業場等からの報告ないしは金融機関を通ずる大蔵省への報告等もまだ出ておりませんので、正確な実態はまだ把握できないでおるわけでございます。しかしながら、私どもが主要な金融機関や証券会社等にこちらから問い合わせまして把握いたしました実施状況で申し上げますと、一月末現在では実施事業場は約三千五百、契約労働者が約四万人、貯蓄額は約二億円、かように相なっておるわけでございます。二月末の状況については、まだ全部の金融機関が把握できておりませんので、一月の数字と相対応するような二月の数字はまだわかりませんが、しかし、現在まで一部金融機関等に問い合わせました結果は、一月の状況よりもかなりふえておる、かような状況を把握いたしておりますので、今後とも引き続き増加が見込まれるものと考えておるところでございます。
○古寺委員 現在の財産形成促進法は、元本百万円までの利子所得が無税になるということで、あまり魅力がないようでございますが、さらにこの制度を魅力あるものにして推進するためには、今後法改正が必要ではないか、こういうように考えるわけですが、この点について大臣はどういうようにお考えでしょうか。
○塚原国務大臣 いま局長が答えたように、私はあまり立ちおくれはないと考えております。しかしいろいろな御批判もあることはよく存じておりますが、明年度においては融資の問題も始まりますので、その結果も見きわめたい。また勤労者財産形成審議会等におきましても、その改善並びに諸問題について十分御審議を願っていきたい。したがって、いま直ちに法改正を考えるというところまでは至っておりません。
○古寺委員 直ちに法改正を考えていないということは、十分にまだ検討していないためだと思いますが、実態をよく検討いたしまして、実情に合ったように推進さしていく、いわゆる法改正というものをすみやかに考えていただきたい、こういうように御要望申し上げておきます。 次に、労災保険と失業保険の保険料の徴収の一元化の問題についてお尋ねしたいと思いますが、この一元化に対する対策、こういうものがどういうように進んでいるのかお尋ねしたいと思います。
○藤繩政府委員 御承知のように、労働保険の保険料の徴収等に関する法律は、失業保険、労災保険法の一部改正、それに伴います関係法令の整備関係の法律とともに二年ほど前に成立をいたしております。この全面的実施を、実はこの四月一日から行なうべく目下準備を進めておるわけでございます。そのために、法的な手続といたしましても労働保険特別会計法案を今国会に提出いたしておるわけでございますが、その他関係の労使に対するPR、それから関係職員の研修、特に電子計算機等を用いますいろいろな徴収手続のこまかい規定の整備等々を進めておりまして、新年度から実行に移したいと、寄り寄り関係者が努力を重ねておるわけでございます。
○古寺委員 事業主に対するPRあるいは職員の研修、こういうものが実際に、具体的にいままでどのくらい行なわれたか、どういう通達を出しているかお尋ねしたいと思います。
○藤繩政府委員 いま手元にこまかい資料を持っておりませんけれども、御指摘の、まず事業主等に対するPRはたいへん必要でありますので、私どもといたしましては各基準局、県等の出先におきまして、いろいろ説明会等をやってまいりましたが、特にこれからも精力的にやってまいりたいと思っております。それから職員の研修も、あるいは打ち合わせ会議等も何回も進めてまいりました。特に最近におきまして多数の職員、特にさっき申し上げましたような電子計算機関係の技術的な研修というものも重ねております。しかしながら、何せ非常に画期的な一元化の制度改正でございますので、率直に申し上げまして、私どもまだまだPRも足りない、それから研修等もさらに進めなければならないということを痛感いたしておるところでございますが、できるだけ努力をして、円満な制度改正に移っていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○古寺委員 この問題は職業安定審議会からも増員が必要である、こういうような答申も出ているようでございますが、実際にこの一元化の問題についてどれくらいの職員を増員したか、お尋ねしたいと思います。
○藤繩政府委員 お答え申し上げます。 五人未満の適用を進めます、あるいはこういった制度改正をいたします以上は、相当の事務量がございますので、通常におきますれば、かなりの増員を必要とするわけでございますが、まさに五人未満の適用等につきまして、相当の増員を要するという事態に対処いたしまして、私どもとしては、そのままではなかなかたいへんだというところから、この労働保険料の一元的な徴収ということに踏み切ったわけでございまして、そこで、全体としましては、当然ふえるべきもののうち、一元化することによって二割ないし三割の行政事務の簡素化ということがはかり得るという点から、少なくともこの制度発足の段階におきましては既存の定員を、それだけの節約が見込まれるにもかかわらず、既存の定員を維持することによりまして、この制度を実施していきたいというわけでございます。しかしながら、今後さらに事務量の増加等に伴って必要が起こりますれば、それはそのつど処理をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○古寺委員 私がお尋ねしたいのは、定員を増員しなければならぬ、こういうふうに言われているのに、定員削減ということをお考えになっているのは、全くうらはらの考え方だと思う。その点についてはどうでございますか。
○藤繩政府委員 現在、先生御承知と思いますが、一般的にこの行政職員の定員削減ということが政府の方針として行なわれておりまして、この関係のみならず、一般的に、一定の率を設けて非常にきびしい削減を行なっているわけでございますが、この関係につきましては、先ほど申し上げましたように、通常でありますれば非常に事務量を必要とする。しかしながら、一元的な処理をするということによりまして現定員で維持をしていこうということで進めておるわけでございますので、本年度におきましても、この関係では、そういった一般的な削減の中にもかかわらず、二百四十名の増員をはかった次第でございます。
○古寺委員 いまいろいろ御説明があったのですが、この一元化の問題については、相当事前に事業主に対するPRあるいは職員の研修等も十分に行ないませんというと、四月から一元化が始まった場合にとんでもない事態が発生するのじゃないか、こういうふうに考えているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、審議会からは増員をすべきであるというふうな答申が出ているのに、労働省としては削減を考えている、こういうことではこの一元化の徴収がスムーズに進んでいかないと思いますが、こういう点について今後職員の研修、事業主に対するPRあるいは増員の問題、どう取り組んでいかれるか、大臣からお答えを願いたいと思います。
○塚原国務大臣 いろいろな障害が起きてもたいへんでございます。また、仕事がスムーズに運ばないようなことがあったら、これはたいへんです。いま事務当局から説明いたしましたように、万全の対策はとっておりまするけれども、いま先生御指摘のような不安も確かに一部残っておると考えております。なるほどいま定員増ということについては、非常にきびしい政府の態度がありますが、必要なもの、混乱を起こさないためにとるべき処置というものは、これは当然のことでありますから、よく事態を見きわめまして、この問題に対処していきたい、このように考えております。
○古寺委員 いま申し上げませんでしたが、事業主に対するPRあるいは職員の研修等も実際にはほとんど進んでいないというふうに私のほうではお聞きしているわけでございますので、早急にこの問題には取り組んでいただきたいと思います。 次には失業保険の不正受給の問題でございますが、この不正受給に対するいわゆる労働省の対策、どういうふうになっているか、お尋ねしたいと思います。
○道正政府委員 まことに遺憾なことでございますが、いまなおかなりの不正受給がございます。これは私ども何とか対策を講じなければいかぬということで、監察等の重点事項にいたしまして、中央、地方の監察官等を督励いたしまして、不正の防止に万全の努力を傾けておるところでございます。 中身といたしましては、就職をしながら受給するというケースが圧倒的に多いわけでございます。そういう点に重点を置きまして、行政の重点といたしまして、不正受給対策に取り組んでいく次第でございます。
○古寺委員 この不正受給をチェックする場合には、どういうような方法でこれをおやりになっておりますか。
○道正政府委員 いまもお答えいたしましたとおりに、不正受給の圧倒的多数が、就職をしながら失業保険をもらっているというケースでございます。したがいまして、職業紹介のほうと失業保険の関係の書類の突き合わせが、その手がかりになるわけでございます。そういうことを中心に、事務的には不正受給の防止につとめている次第でございます。
○古寺委員 この点、投書によるのか何かわかりませんが、相手をもう最初から非常に罪人視扱いして不正受給の調査を行なっているという事例を聞いておりますが、こういう点については、どういうふうにお考えになっておるわけですか。
○道正政府委員 御指摘のとおりに投書等によって発覚するケースもございますが、全体から見ますと、数としてはたいしたことはないと思います。 現在、御承知かと存じますが、失業保険は石神井のセンターで機械処理をいたしております。就職とそれから離職を、すべて各人別に機械で機械的に処理いたしますので、機械の照合によりまして、不正が発見されるケースもかなりございます。
○古寺委員 業者間のトラブルから、いろいろそういうような悪質な投書によって不正受給の問題が、最初からそういうふうに罪人扱いされて調査をされているというケースが非常に多いというようなことを聞いておりますので、今後はその適正な調査というものを進めるように御要望申し上げたいと思います。この点について、もう一度御答弁をお願いします。
○道正政府委員 御指摘のとおりに、不正受給是正の熱意の余り、行き過ぎがあってもいかぬことは御指摘のとおりだと思いますが、そういう点は十分配意して、適正な不正受給防止対策を講じてまいりたいと思います。
○澁谷委員長代理 大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 私は沖繩の円・ドル問題等に関連いたしまして、若干質問してみたいと思いますが、御承知のとおりに五月の十五日が沖繩復帰の日になっているわけでありますけれども、それを目前にいたしまして、沖繩県民の心情といいますか、それはむしろ復帰不安におののいているという実情であるようでございます。特に基地労働者の大量解雇、あるいは賃金の一ドル対三百六十円切りかえ要求問題等々で、現在沖繩では、全軍労あるいは県労協等のストも行なわれておるわけでございますが、まず最初に、こういう不安におののいている沖繩の労働者の立場を、労働省としてどのような立場でそれを見、そして考え、今後手を打たれようとなさっているのか、最初にお尋ねしてみたいと思います。
○塚原国務大臣 五月十五日の復帰を前にして、いろいろなトラブルが出ていることは事実であります。またスト等による紛争もありますることは、まことに残念でございまするが、それはそれなりの理由もあることでしょう。いま御指摘のような問題が中心になって、こういう事態が生じておることも、私はよく存じております。したがいまして、不安を完全になくすることが一番よいことでありまするが、不安をできるだけなくする。完全になくなれば一番いいんです。きょうも、いまこの委員会の始まりまする前に、基地駐留軍関係の方々からいろいろな現状についてのお話も承りました。 われわれ労働省といたしましては、総理府と十分連絡をとりながら、この問題の解決に当たってまいっておるところであります。過般金融税制上についての金融措置もとられておりまするが、そういったことも、これは非常な前進であるとは思いますが、今後とも事態を十分把握いたしまして、関係省と十分連絡をとりながら、不安を少しでもなくする努力を続けていきたいと考えております。
○大橋(敏)委員 いま沖繩経済は、いわゆる根底からゆさぶられていると言っても過言ではないでしょう。要するに賃金の実質的な低下ですね。引き下げによって購買力も低下しておりますし、また物価高、あるいは通貨不安によって、ドルが海外逃避をするというようなこと、あるいは賃金不足から設備投資等の減少など、あらゆる面から沖繩経済、いまほんとうに大ゆれにゆれているというのが実態でございます。労働省としましては、あくまでも労働者の生活安定のために戦っていかなければならぬわけでございますが、いまいろいろな情報が地元から来ているという御答弁でございましたけれども、適切な、それに対する手を打っていただきたい。 まず円・ドル交換の、復帰前交換についてでございますが、大蔵省の方いらっしゃいましたでしょうか。——まだ……。それじゃそれはあと回しにしましょう。 実はこれは二月の十六日であったと思いますけれども、交通機関あるいは電力事業従事者に対しては、三百六十円で読みかえが保障されるような措置がとられたということであったわけでございますが、これは労働省の立場から答えてもらいたいと思いますけれども、組織労働者の半分ですね、三百六十円で読みかえられて、格づけされるというのは、その半分程度。要するに未組織労働者を含めて、いま二十三万人だといわれておりますけれども、賃金労働者のうちの、それは約二〇%程度であって、あとの八〇%程度はまだそういう保障はなされていない、もう不安そのままで放置されているという現状でありますが、これに対して労働省はどのようなお考えを持っておられますか、まずお尋ねいたします。
○渡邊(健)政府委員 先ほど大臣からも申し上げましたように、民間の労働者の賃金につきまして、政府が幾ら幾らにするのがいいということを申し上げる立場にはないわけでございますが、ただいまおっしゃいましたように、労働者の実質賃金が低下しないような方向で労使で円満に話がつくことをわれわれ期待いたしておるわけでございまして、そのため総理府などといろいろ連絡をしながら、それに必要な財政金融措置等について政府全体としてとっていく、こういう努力をいたしておるわけでございます。 ただ、いまバス、電気、タクシー等の公共料金につきましては、大橋先生おっしゃいましたようなことで、料金を今後設定していくということでございますが、その他別に料金等が認可やなんかでない一般の企業につきましては、特にそういうこともとる方法もございませんので、一般の金融機関に対する財政金融措置といたしまして、沖繩の金融機関の貸し倒れ引き当て金の繰り入れ率を、現行が千分の十でありますものを千分の十五に引き上げ、復帰後一年を経過した日以後に終了する事業年度から本土並みの千分の十にする、したがって復帰後一年間の間は千分の十五に引き当て金の繰り入れ率を高めるというようなことで、金融機関がそういう措置によって一般の民間の企業に対して金融をしやすくする、こういうような措置によって、そういう方法を通じて民間が労使の話し合いの中で、企業側が労働者の賃金を改善しやすい、そういう企業環境をつくっていく、こういうような方法をいま考えているところでございます。
○大橋(敏)委員 要するに三百六十円から三百八円のレートに引き下げられたわけですけれども、たとえば賃金月額百ドルの場合は、当然三百六十円ならば三万六千円、ところが三百八円になりますと三万八百円で、五千二百円のそこに減額となるわけですね。また月額二百ドルとすれば、一ドル三百六十円ならば七万二千円、これなら問題ないわけでございますけれども、三百八円で換算すれば六万一千六百円で、約一万円のここに落差が出てくるわけで、これは労働者とすれば大問題なんですね。いま局長がいろいろお答えになりましたけれども、そういう程度のことでは地元の労働者の不安はとても解消するものではありません。 それじゃ大蔵省の方いらっしゃったと聞きますので、お尋ねいたしますけれども、まず復帰前に円とドルの交換がなされるかどうかということですね。先般、たしか十日の日だったと思いますけれども、米国政府側が基本的には、それは反対ではないという態度を表明したと聞いておりますけれども、その点についてはどうでしょうか。
○前田政府委員 お答えいたします。円とドルの交換につきましては、一ドル三百六十円の交換ということは、これはいろいろな角度から検討いたしましても無理でございます。しかし、その復帰前に実勢レートで交換することについてはどうか、こういう点につきまして、これは一月のサンクレメンテで開かれました日米首脳会談の際、大蔵大臣から先方のコナリー財務長官に、それをぜひ検討してほしい、こういう申し入れをいたしたわけでございます。その後、いろいろ技術的な問題について検討をして、今日までなお継続しているわけでございますけれども、アメリカ側といたしましては、そのいろいろな技術的な難点が解決されるかどうかという点に中心を置いておるわけでございまして、私たちももちろんそういう観点からいろいろ検討を加えてきているわけでございますが、これはいろいろ為替管理の問題、たとえて申しますと、御承知のように沖繩には現在為替管理が施行されておりませんので、そのまま交換をいたしますと、あとからどんどんドルが入ってくる、こういう短資の流入問題を規制する必要がございます。そのためには、日本の為替管理法とそのままのものを沖繩に施行する必要がある。そのためには民政府令の改正も必要となりましょうし、あるいはまた、立法院におきましてそういう法律手続をとらなければならないといったような、いろいろな難点がございまして、そういう問題について、いまなお細部について検討しておるわけでございますが、一方、実勢レートによる交換ということにつきまして、現状の実勢レートの段階からいたしまして、そういう状況で一刻も早くやるということが、はたして沖繩県民の御要望に沿うものかどうか、こういう点もまた考慮に入れないといけないのじゃないかというふうに考えておる次第でございまして、非常にむずかしい問題が含まれておる、こういうふうに考える次第でございます。
○大橋(敏)委員 復帰前の交換は実現の見通しはあるのかないのか、まずそれだけ聞きます。
○前田政府委員 これは非常にむずかしいと私は考えておりますが、なおまだ検討は加えております。はっきりもうやらないというふうに決定をしたわけではございませんが、先ほど申しましたような事柄を踏まえますと、非常に困難な問題ではないか、こういうふうに考えております。
○大橋(敏)委員 一ドル三百六十円で即時通貨切りかえを、というのが県民の偽らざる要望であり、心情であるわけですね。そしてこれまで政府がとられた沖繩の円・ドル交換についての緊急措置というものは、去年の十月の八日、九日、日本政府の指示を受けて琉球政府が通貨確認作業をやったわけでありますけれども、この作業をやりながら、県民のみなさんが、これは損失を補償される抜本的な策ではないと非常に不満の声をあげていらっしゃったように私は記憶いたしております。その反対の理由のおもなものは、経済悪化におちいっている沖繩の現状の中で、本土復帰の際の交換というのは酷である、あるいは復帰前の切りかえにぜひしてほしいということだったわけですね。それから通貨確認作業後の所得についての補償は全くなされないじゃないか、あるいは給与所得が、復帰後の一ドル三百六十円で支払われる可能性などは全く薄いというのが、その当時の沖繩県民の不満の声であったわけです。 私は、ほんとうは一刻も早く交換すべきである、実勢価格というよりも、むしろ三百六十円でやるのが大体対策庁の基本方針であっただろうと思うのですね。大蔵の立場からは、いまおっしゃったような、いろいろな問題があるようなことでございますけれども、私が手にしました新聞では、通貨当局は、復帰前の沖繩にわが国の為替管理法を適用することは技術的に不可能ではない、こういう結論を出しているということも聞きますし、また多数にのぼる交換場所などの警備に本土警察の応援が必要であり、これには復帰前のため法的な問題も残るけれども、これも物理的な不安はない、こういうふうに通貨当局も言っているわけですね。また水田蔵相も十日の衆議院の大蔵委員会では、事前交換実現の方向で努力するというようなことをおっしゃっているわけですから、これはぜひ実現していただきたい、強く要望いたしておきます。それに対してもう一度答弁を願いたい。
○前田政府委員 事前交換の問題につきましては、先ほど申しましたように、一ドル三百六十円による事前交換と、それから実勢レートによる事前交換、こういう二つの問題があるわけですが、一ドル三百六十円による事前交換というのは、とうてい無理である、こういうふうに考えるわけです。 そこで先ほど来申しましたように、もっぱら、実勢レートで事前交換が可能かどうか、こういう一点にしぼって今日までずっと検討しておるわけでございまして、それにつきましても、先ほど来のような、いろいろな難点がどうしてもまだ解決されていない、こういう実情でございます。 それからもう一つは、実勢レートによる事前交換ということが、はたして沖繩県民の方々の御要請の趣旨に一致するかどうか、こういう点も十分考えませんと、そういう強い要請の内容を誤解してもいけない。 そういう点で、われわれとしてはいろいろ非常に苦慮しておるわけでございまして、先ほど来申しておりますように、この問題は非常にむずかしいのではないだろうか。しかしおっしゃいますように、検討は続けてまいっていきたいと思いますが、なかなかむずかしい問題が含まれている、こういうふうに存ずる次第でございます。
○大橋(敏)委員 アメリカ政府が返還前の、いわゆる復帰前の交換を認めた立場に立ったわけですから、相当むずかしい問題であることはわかるわけですけれども、やはり沖繩県民の心情に立って、ぜひとも実現していただきたいことを再度要望して、この問題は終わります。 それではもう一つお尋ねいたしますけれども、かりに事前に交換が実現したとしてみても、三百六十円になり得ることはまずないということですね。これにもずいぶんと、山中総務長官のこれまでの発言の記録からいきますと、責任問題が出てくるのではないかというような気もしないではないわけですけれども、そうなってきますと、この前確認された後のことについては何をか言わんやですね。四十六年十月八日、政府は返還時における沖繩の円・ドル交換についての緊急措置を閣議で決定した。それに対して県民は非常に不満を持った。先ほど言ったような不満の内容であったわけでございますが、しかも政府は、県民の要望に応じないどころか、そのあとで三百八円という円の切り上げをやってしまったわけでございまして、それだけでも沖繩県民はものすごい打撃をこうむってきたわけです。 〔澁谷委員長代理退席、谷垣委員長代理着席〕 ですから、これは対策庁として、いま大蔵省の考えは考えとしても、復帰対策庁という立場から何としても、最初の約束といいますか、方針に引き戻していかなければならぬという気がしてならないのでありますけれども、その立場から総理府の方から御答弁願いたいと思います。
○田辺政府委員 お答えいたします。 昨年の十月八日と九日に緊急な立法措置を現地でとりまして、通貨の確認、それからそれに引き続いて八日現在の個人の預貯金の確認、名寄せ等の作業を、現在も現地で行なっていただいておりますが、その際、内閣で決定といいますか、発表されました事項については御承知のとおりだと思いますが、なぜそういう緊急の措置をやったかと申しますと、われわれ一生懸命考えました末、いろいろな不公平が起こり得ることはわかっておりましたが、何しろ極秘のうちに抜き打ち的に実施をしなければならない、そういうことでもって一日も早く県民の不安を解消したい、こう念願をいたしまして、そのとき現在、つまり十月九日現在における個人の手持ち通貨及び通貨性資産、預貯金でございますが、これにつきましては将来実勢レートでの交換しかあり得ないであろうから、将来交換をされるときのそのレートと三百六十円のレートとの差額につきまして、別途特別の補給金を支給する、こういうことを決定したわけでございます。
○大橋(敏)委員 いま特別の補給金云々という話もございましたけれども、結局預貯金や借り入れ金の差損補償が行なわれる、あるいは生産資金の貸し付けがあったとしてみても、私は一番問題にしたいところは、賃金の差損補償ですね。この問題ははかられない。企業側がささえることは、とても無理であろうというようなことで、私は非常にこれを重大問題として考えているわけでございますが、先ほど労働省側の答弁では私は納得いかない、不満であるということを言ったわけですけれども、賃金の差損補償について、総理府としてはどのようなお考えをお持ちですか。
○田辺政府委員 賃金の問題、これは復帰後受け取るべき賃金の問題でございまして、先ほど御説明をいたしました通貨及び通貨性資産に関する措置とは、おのずから別個のものがございます。賃金も復帰後は当然に円建てになるわけでございますが、その際の円建て賃金をいかように決定するかということは、政府といたしましては、直接どうこうしろというべき立場にはない。これは基本的な立場としては労使間の話し合いがその基本になる、こういうぐあいに考えております。しかしながら、沖繩のドルと円との切りかえの問題といいますのは、沖繩の県民にとりまして非常に深刻な大きな問題でございますので、まさに先生のおっしゃるとおり、復帰後の賃金問題は個人個人の今後の生活の問題でございますから、ただ単に政府は対岸の火災視をしておる、こういう態度ではいけない、こういうことで、それには企業側がなるべくと申しますか、労働者との間の話し合いを円滑に進めていかれるように、その環境を整備することを政府としては考えなければならぬ、こういう考え方でもって、先般琉球政府の要望に基づきまして、おおよそ三つの点につきまして決定をしたわけでございます。 その一つは、これはすでに労働省から御説明がありましたが、先ほどお話しになりました公共料金を、復帰後の料金を設定する場合に、きまった賃金、一ドル三百六十円というような実質的な賃金が、その企業にとって適正なコストとして支払いが可能であるように、そのコストを考えた上で公共料金の認可をする、こういうことを決定したわけであります。 第二は、企業側に対しましては、やはり体力の劣っている零細あるいは中小の企業が一般的に多いわけでございますから、それらが今後の企業活動を、そういった賃金の解決を見た上で十分な活動ができるようにという意味で、緊急の融資という面で、これは本土政府からの財政投融資の資金を当てにしまして、現地におきますところの政策金融機関、大衆金融公庫、それから特別会計が融資をしております産業開発資金、これにつきましての貸し出しワクをふやすということを決定いたしました。 第三点は、価格、料金等に転嫁しがたい特殊の業務分野であります銀行、保険でありますが、これらは別に料金や価格に転嫁することができません。金利をいきなり上げたり、あるいは保険料率を上げたりということができませんので、要するに資金のボリュームでかせぐといいますか、その道しかないわけでありますが、これにつきましては、いろいろ考えました末、貸し倒れ引き当て金の限度を引き上げるということによりまして税制上の負担を軽減する、こういう措置をとったわけでございます。
○大橋(敏)委員 いまの御答弁の中身は、たしか二月十六日に山中総務長官がおっしゃった中身だろうと私は思います。これはちょうど第二波ストの前日のことでございまして、通貨交換の際、公共料金を一ドル対三百六十円に換算したのと見合う新料金にする、このところは確かに私は効果はあると思いますけれども、他の問題は、私はむしろストの回避の小手先の対策でしかない。全体的にも円切り上げによる差損を抜本的に埋める対策ではあり得ない、私はこのように思うわけでございます。 私の持ち時間がもう切れておるそうでありますので、きょうはこの程度にいたしますが、いずれにいたしましても、沖繩の県民、特に労働者の皆さまはこういう通貨問題で非常に苦境におちいっている立場でありますので、総理府も大蔵省も、そうして労働省も、ともにそうした労働者の立場に立って全力をあげて援護措置をとられることを要望して、私の質問を終わります。
○谷垣委員長代理 山本政弘君。
○山本(政)委員 新聞、印刷、電池、ガラス、化学などの産業で大量の鉛中毒が発生しておる。そして鉛職場における健康障害というものが健康管理上の一つの大きな問題になっておると聞いております。同時にもう一つは、自動車の排気ガスによる鉛公害とあわせて、日本電気硝子藤沢工場、旭硝子船橋工場などの周辺の住民が大気染汚によって中毒にかかるという事態も出ておる。そういう中で、どうも事態が一向に改善をされておらぬというようなことも聞いております。 そこで、私はきょう問題を一つにしぼってお伺いをいたしますけれども、鉛職場に対する監督指導の実施状況はいま一体どういうふうになっておるのか、ひとつ聞かしていただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 お答え申し上げます。 鉛中毒につきましては、われわれ前々からこの予防に努力をいたしておるところでございまして、昭和四十二年には鉛中毒予防規則というものを制定いたしまして、鉛粉じんの発散抑制措置、それから保護具の装着、環境測定、健康診断の実施等につきまして規則を設けまして、これによりまして予防をはかっておるところでございまして、またこれらの規則に基づきます実施状況の監督指導につきましても、鋭意これにつとめておるところでございます。昭和四十五年度の年間の状況で申し上げますと、適用事業場が二万六千三百八十四ございますうち、二千百七十八につきまして監督を実施、そのうち千七百五十六につきまして違反の事実を発見し、是正をさせておるところでございます。なお、そういう一般的な監督のほかに、四十六年十二月には東京、大阪、愛知、兵庫、福岡、宮城、長野といったような鉛関係の事業場が多い七局につきまして一斉に調査、監督を実施しておるところでございます。
○山本(政)委員 二千百七十八のうちに違反が千七百五十六ある。まさに三分の二以上が違反をしているというわけですね。そうすると、基準監督署は現実には、少しオーバーに言えば、実施をしていないにひとしいというようなことになる。そうでしょう。二千百七十八のうちの千七百五十六が違反だという、そういう考えるべからざる違反率があるということですよ。一体違反の内容というのは、どんなものがありますか。
○渡邊(健)政府委員 ただいま申し上げました千七百五十六の違反事業場、確かに違反率は非常に高いわけでございますが、その内容は、安全衛生関係だけではございませんで、たとえば労働時間制の問題、あるいは割り増し賃金の問題等も含んでおるわけでございます。なお、安全衛生関係につきましても、安全衛生基準に対する違反とか、あるいは健康診断、特に鉛の特殊健康診断の実施等につきましての違反がその中に含まれております。
○山本(政)委員 なおさらたいへんだと思うのです。安全衛生だけでなくて、労働条件までも違反がされているということになると、二重の違反を重ねていることになる。つまり千七百五十六という数字が安全衛生だけでないということは、各種の違反というものが行なわれておるということになるわけですね。 それでは、そういうことに対して、つまり申告ということがありますね。職場から検査をしてほしいという申告をする。その場合に、申告に対しては、これに応じてすぐ検査を実施しなければならぬ、あるいは監督を実施しなければならぬということが義務上あるのですかないのですか、その辺をひとつ聞かせていただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 申告がございますれば、それに対しましてすみやかに調査をし、監督をすることにいたしております。
○山本(政)委員 私が手に入れた資料によりますと、東京基準局においては監督の申請に対して、監督署は監督を実施をしておらぬという事実がある。私は職場の名前をあげてもよろしいですよ。
○渡邊(健)政府委員 東京基準局の管内には非常に事業場数が多うございまして、それに対しまして、われわれ増員には努力いたしておりますけれども、監督官の数等も必ずしも十分ではないために、申告があった場合にできるだけ早く行くように努力はいたしておりますが、おくれる場合等はあると存じますけれども、全然監督に行かないというようなことはないと考えております。
○山本(政)委員 職場のほうから——組合と言ったほうがいいでしょう、基準監督署に連絡をしたら、監督を要求したら、これは中央署ですよ、監督署の次長が、人を待たしておるから話を聞くひまがないと言って、電話を一方的に切ったという事実があるのです。一体そういう監督署の態度というのは、正常な監督署としてのあり方だろうかどうだろうか。これを聞かしていただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 監督署といたしましては、労働者から監督についての申告がございました場合に、できる限り親切にその内容を聞きまして、それに基づいて調査、監督をするのが当然であると存じます。 〔谷垣委員長代理退席、澁谷委員長代理着席〕 たまたまそのときに他の用務がありますような場合にも、監督官等もほかにおるわけでございますから、それぞれの分担をいたしまして、申告につきましてはできる限り親切に、その申告の内容を聞くようにいたすよう今後も指導してまいりたい、かように考えます。
○山本(政)委員 私のほうから、あなたのところで調査をしなさいということを申し上げておるはずですから、返答をもらいたいと思うのですけれども、四十六年十二月初旬に一人の患者が出た。そして十二月二十二日に、中央署に交渉を行なった。つまり去年ですよ。しかし二月になって来ないから、二月の十四日に再度交渉した。そしてそのときに、立ち入り検査をしないでもいいという返事がきたというのです。一体現場に行かないで、立ち入り検査をしなくていいということが、どうして判定ができるのだろうか。これが私はまず第一点の疑問であります。 第二点は、先ほど申し上げたように、電話を一方的に切ったというのだけれども、二月の二十二日に、監督課に申請をした結果、きょうは三月十四日ですか、いまだに来ないということ。 これはここだけではありません。私、あえて名前を申しませんが、ここだけではありません。ほかにもたくさんある。人手が足りぬということだけで三カ月も四カ月も延ばすということは、要するに申請をした患者は一体どうなるのだろうかということです。その間におそらく治療を受けておるかもわからない。入院をしておるかもわからない。しかし同時に、職場でなお働いておるかもわからない。そういう判定というのが一向できないわけでしょう。これはちょっとぼくは監督署としては怠慢というよりか、安全衛生法案というのが、きょう出ておるのですけれども、こんなものを出したって、実際はそれをやらなければ意味がないということなんですよ。私の手元にいま来ておるだけで、そういうところが五カ所あります。私はあとで会社をお話し申し上げますけれども、一週間以内にやっていただけますか。三カ月ほったらかしておるのだ。しかも中には監督を拒否しておる会社もあるということを聞いておる。もしそういう事実があったらどうされるか。あとで私は大臣がお見えになったら、重ねて確認をしたいと思いますけれども、そのことをひとつお聞かせいただきたい。
○渡邊(健)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、申告がありましたならば、でき得る限りすみやかに調査、監督すべきものと考え、そのように指導をいたしておるわけでございまして、今後とも十分そういうように指導をしていきたい、かように考えておるわけでございますが、具体的な事例につきましては後刻お話を伺いまして、具体的に調査をさせていただきたい、かように存じます。
○山本(政)委員 調査の結果は私のほうに報告いただけますね。
○渡邊(健)政府委員 はい。
○山本(政)委員 そうすると、確認したいと思うのですけれども、監督というのは予告なしに抜き打ちにするというのが原則ですね。その原則は守られておるだろうかどうだろうかということに対して、たいへん疑問があるのですよ。守られていない場合に、一体あなた方はどうなさるおつもりか。私の話を聞かなければ返事ができぬ、こうおっしゃるかもしれないけれども、守られていない場合にはどうなさるか。まず冒頭にそれを聞かせていただいて質問に入りたいと思うのです。
○渡邊(健)政府委員 おっしゃいましたように、監督はもちろん予告なしに抜き打ちに行くべきものが本来の筋である、かように考えておりまして、私どもはそういうことで実際に行なわれているものと、かように考えておるところでございます。
○山本(政)委員 〇・一八ミリグラム・パー立方センチメートルというのが許容限度だと思うのですけれども、四十五年九月七日の労働衛生サービスセンターの気中鉛測定に際して五・〇四ミリグラム・パー立方センチメートルという数字が出ている職場があるわけです。つまりこれは気中鉛の量が許容濃度をこえている。そしてその職場には真空清浄機がない。ロッカールームが作業衣と通勤衣と一緒になっている。うがい設備がない。こういうものがある。そしてそういう職場が立ち入り検査を拒否しているという話も聞いているのです。どうも先ほどの報告とあわせて聞いておりまして、たとえ労働条件を入れようとも、違反件数が二千百七十八のうち千七百五十六という数字が出てくることを考えれば、きわめて監督上ずさんというのか実施状況が甘いというのか、私はそういう感じがしてならないわけであります。 それで、予告なしに抜き打ち検査の原則が守られておらぬ事実というものは、先般四十六年十月七日の旭硝子の船橋工場においてあったということは御承知だと思うのです。それは御承知ですか。
○渡邊(健)政府委員 旭硝子の例というのは、直接には聞いておりませんが、監督はあくまでも予告なしに行なうのが原則でございまして、行ったときに相手方に責任者がいないために事情が聞けないというようなおそれがある場合に、在否を確めるようなことは、あるいはあるかと存じますが、監督に行くことを予告して、向こうに準備の期間を与えて監督するというようなことはない、かように考えておるところでございます。
○山本(政)委員 四十六年十月七日の臨検に際して、工場へ事前に予告をされたという事実があるのですよ。そのために操業を短縮したり清掃をして待っておったという報告が、そこの職場の組合から出ておる。しかもそれは新聞にちゃんと出ているんですよ。そしてそこの船橋の労働基準監督署長は、立ち入り検査は抜き打ちがたてまえであるけれども、きょうは予告をいたしましたと、組合の人の追及の前にこう言っているんです。 私が申し上げたいのは、そういうところが実は至るところにあるんだということです。事実がないと言うんだったら、私は幾らでもここに出してあげます、これだけのものがあるんだから。要するに、基準監督署のそういう行政的な行為といいますかね。まことにこのごろなっておらぬとぼくは思うのです。一体経営の側についているのか、被害者の側についているのか、働いている人の側についているのか、わけがわからぬというような事態になっているんですよ。ある意味では、労働基準監督署の綱紀というものを粛正しなければならぬと思うのです。そのことに対して基準局長は一体どういう処置をおとりになるつもりか。これは全国的な問題だと思うのです。御意見を聞かしていただきたいと思う。
○渡邊(健)政府委員 ただいま御指摘になりました具体的な事例につきましては、どういう事情があったのか十分調査をさしていただきまして、調査の結果をお答え申し上げたい、かように存ずるわけでございますが、もちろん監督というのは、労働条件の最低基準を労働者のために厳格に守らせるというのが監督の目的であるわけでございます。したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、監督の効果をあげるためには予告なしに抜き打ちに監督を実施するのがたてまえでございまして、そのたてまえは今後とも十分に、従来以上にさらに徹底をいたしまして、厳正な監督を実施させるよう出先を指導してまいりたい、かように考えております。
○山本(政)委員 それじゃそれはよくわかりましたけれども、監督指導を実施する際に監督体制といいますか、つまり検査器具とか、あるいはそういうことに熟知をしておる検査技師とかいうものが十分に配置をされておるのかどうか。この点はどうなんですか。
○北川(俊)政府委員 最近の職業病関係の重要性にかんがみまして、現在のところ全国に専門官を二百七十名配置をしてあります。ただ第一線の監督署までその専門官が十分行き渡っておりませんことは御指摘のとおりでございますが、そういう専門官の研修にあわせまして、監督官につきましても、気中濃度の測定その他につきましては現在研修をやっておりまして、逐次計画的にそういうものの整備をはかりたい、こう考えております。
○山本(政)委員 逐次整備をはかるということはよくわかります。ですからそういう意味の点で、要するに産業の成長とかいうこともありますが、一体いつ、どれくらいのときにそういうものがきちんと整備されるのか。まあ、これは毎年予算のときに問題になりますけれども、監督署の監督官の数が少ない。そういうことがあります。しかし、少ない少ないで、ずうっとここ数年きているわけでしょう。そうしたら、もう少し抜本的にきちんとした、要するに監督官を養成するなり専門家、技師、技術者、そういう者を養成するなり、もう少し人間をふやして、そうして検査器具についても準備をすべきだと思うのだけれども、私が聞きたいのは、違反がいろいろあるときに、いつでも人間が少ない、監督官が少ないということが一つののがれ口になっているわけですよ。そうすると、その辺については、いつごろまでにきちんとそういう人たちを整備し、そして機械も整えることができるのかというものがあってしかるべきだと思うのです。いつを目安に皆さん方おやりになるつもりですか。
○北川(俊)政府委員 実は昨年、明年度の予算要求をいたします際に、労働大臣がこの場でも御説明したかと思いますが、われわれとしましては、一応三年をめどにいたしまして、監督官につきまして千名の増員をいたしたい。あるいはそれと合わせまして、専門官、監督官がそういう有害職場等の臨検にあたりましての器具の整備、こういうものをはかることを計画的にいたしておりますが、一応三年間をめどにいろいろの構想を練っております。
○山本(政)委員 大臣がお見えになったから、時間もありませんので、大臣にお伺いしたいと思うのです。 労働省が監督官で事業場を検査しますね、そういう適用事業場が二万六千三百八十四あるというのです。そしてその中で、要するに検査をしたのが二千百七十八、一割にも満たないわけであります。そして鉛職場における検査とかなんとか、あるいは労働条件とかいうものを含めて、二千百七十八のうちの千七百五十六が違反をしておったというのです。そして、いま私は局長にもただしたわけですけれども、監督の申請に対して、迅速に監督をすることができない。三カ月も四カ月も、申請に対して、おっぽらかしておく。そして鉛中毒の患者が申請をしたにもかかわらず、検査をほったらかしておる。そして予告なしに抜き打ち検査をするのがほんとうだけれども、それが事前に予告をされて、ある職場においては、清掃までされて、機械の操業が短縮をされたという事実まである。ということになると、私は、労働基準監督署の監督指導というものが非常になっていないというふうなことしか言えないと思う。そのことに対して、局長にはお答えいただきましたけれども、大臣、一体どういうお考えをお持ちになっておられるのか。
○塚原国務大臣 この問題については、就任以来、事務当局からも私、いろいろ話を聞いております。山本委員御指摘のような、非常に不十分な点が多いというようなこともいま耳にいたしましたが、人数の少ないことももちろん一つの原因でしょう。しかし監督官の増員についても、、ずいぶん努力いたしておりまするが、四十七年度においても、所期の期待したとおりの数は確保できておりません。しかし、いま御指摘のようなこともありまするので、審議会等にもこれを諮問いたしておりまするので、すみやかに結論を出していただいて、対策を講じなければならない。しかし、それではおそきに失するというような、いまのだいぶ切迫したお話でもありまするから、適応策について迅速な処置をとるよう私としても努力いたす考えでございます。
○山本(政)委員 ぼくは、大臣は非常にアクションを早くとらえるので大臣だと思っているのですよ。失対のときもそうでした。問題は、人間をふやすということも、これは一番肝心な問題だと思うのですけれども、しかし、少ない人数であっても、二千百七十八のうち千七百五十六違反があるという事実に対しては、もう少し監督指導の上に遺漏のないことを私はやっていただかなければならぬと思っていることが第一点です。 〔澁谷委員長代理退席、大橋(敏)委員長代理 着席〕 第二点は、いま迅速にやっていただくという話があったけれども、どうも経営のほうに先に顔を出していって、職場のほうにはそれからあとになって顔を出すということがある。これは事実、あとで申し上げます。そういうことはまことにけしからぬことだと思うのですよ。そういう事実があったときに、やはり当該の所轄長というのですか、所属長というものに対して、厳重な処置をとってもらいたいと思うのです。そうしないと、一向に改まらない。これはたいへんなことだ、えらいことだと思いますけれども、しかし、少なければ少ないほど監督というものを精一ぱいやってもらうという態度をとってもらわなければ、これはどうにもならぬと思うのですね。それが一つであります。 それからもう一つは、認定基準について、業務上になって、要するに労災を受けるようになった人がここにおるのですよ。ここにその人よりか血中鉛、尿中鉛が多い人たちが認定としてはずされているわけですね。私は、労働災害の場合には、要するに、低きに合わせるのがほんとうの態度だと思うのですね。つまり、条件というものは、シビアにずっとして、これでなければ適用いたしませんというのじゃなくて、条件的に、ゆるやかな人がおれば、その人が業務上の災害の適用を受けることになったんだったら、その人に合わせるべきだと思うのだけれども、これを見てみると、全然違うのですよ、データが。そしてこの人は業務外になっておるわけだ。こんなばかなことはないと思うのですよ。この点一体どうされるのか、基準局長、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。
○渡邊(健)政府委員 鉛中毒の業務上外の認定につきましては、昨年の七月二十八日に認定基準を改定いたしまして、これは専門家に御参集いただきまして、その専門家の慎重な研究検討の結果、最近の実情に合うよう認定基準を改正いたしましたものでございます。その専門家の御意見に従いまして、血中の鉛の濃度だとか、あるいは尿中の鉛の濃度、あるいは尿中のデルタアミノレブリン酸とか、コプロポルフィリンの濃度というものをきめますと同時に、そういうものを測定いたします測定方法につきましても、専門家の意見に従いまして詳細な基準を定めて、それによってやっておるわけでございます。そして昨年、われわれが改定をいたしましたこの認定の基準というものは、国際的に見ましても、むしろ非常に進んだ水準にあるものとわれわれ考えておるのでございまして、例をあげて申しますと、血液一デシリットル中の鉛の濃度につきましても、イギリスは八〇マイクログラムという基準にいたしておりますし、国際無機鉛会議でも七〇マイクログラム、それ以上ならば鉛中毒だ、こういう基準を定めておりますのに、日本では六〇マイクログラム、むしろそれよりも非常にゆるやかな基準をつくっております。また、尿中のデルタアミノレブリン酸の濃度にいたしましても、一リットル中英国は二〇ミリグラム、国際無機鉛会議の基準は一〇ミリグラムというのに対しまして、日本では六ミリグラム、あるいはコプロポルフィリンの濃度につきましても、尿一リットル中英国は一五〇〇マイクログラム、国際無機鉛会議では三〇〇マイクログラムというのを基準にいたしておりますのに対して、日本は、英国よりは十分の一、国際無機鉛会議の基準よりは半分であるところの一五〇マイクログラムというものを基準にいたしておるわけでございまして、日本の基準は国際的に見ましても、決して厳格に過ぎることはない。むしろ、非常に労働者を業務上として認めるゆるやかな基準を考えておるわけでございます。ただいま先生がおっしゃいました尿中濃度が濃いものがあるのに、業務上に認定していないといったような御指摘につきましては、おそらく、これは測定方法によっていろいろ結果が違います。その測定方法等につきましては、われわれは専門家の意見を聞きまして、最近の学界の最も通説とされる点に従いまして測定方法等をきめておるわけでございますが、それ以外のいろいろな方法によっておる等のために、そういうような問題が出てきておるのではないか、かように考えるわけでございます。
○山本(政)委員 国際的な、あるいは英国の話はよくわかりました。私がお伺いしていることは、同じ誘発テストによって片一方の人は比較的に血中鉛、尿中鉛というものが少ない。そして、それが認定される。私は、決して悪いことじゃないと思うのですよ。そうすべきだと思う。しかし、それよりも高い人が要するに認定からはずされておるというのは、一体どういうことなんだということを聞いておるので、問題を国際的な比較においてこうだからということは、問題のすりかえになるんじゃないか。そうでしょう。そのことをお伺いしているわけです。
○渡邊(健)政府委員 誘発法によります尿中鉛量の測定につきましてはいろいろな問題があります。たとえば、それをやりますと、場合によりますと副作用が出るといったような問題もございますので、われわれの定めております認定基準によります場合には、一定のこういう測定方法を用います場合を指定いたしますとともに、それにつきましては点滴静脈注射といたしまして、注射開始から二十四時間の全尿を採尿いたしまして、その中における鉛の量を測定する、こういうような方法をとっておるわけでございます。ところが、診療所等によりますと、この点滴静脈注射による二十四時間全尿採尿という方法によらないで、二時間程度の採尿によって測定するといったような方法もとられておりますが、こういう場合につきましては、われわれ、専門家から聞いておりますところでは、これは非常に波動性が多いといったようなことで、そういうような結果に基づく尿量につきましては、必ずしもそれだけを基準にしないで、ほかの方法によった測定等によりまして業務上外の判断をしておる。そのようなことによって、おっしゃるようなことが出ておるのだと感ずるわけでございます。
○山本(政)委員 もう時間がきたようですから、私やめますけれども、問題が違うのですよ、ぼくの言うのは。あなたは診療所で二時間くらいの間で尿をとったテストと、二十四時間をとったテストは違う、テスト法が違うと、こうおっしゃるわけでしょう。私の言っているのは違うんですよ。二時間テストをやって業務上の認定を受けているわけです。同じ場所で同じ方法によって受けておるのが血中あるいは尿中の鉛の濃度が高いわけです。それが認定を受けておらないことは不均衡に失しておるではないかということを申し上げておるんでして、それは前者のほうに合わせて認定してやるべきではないかというのが第一点なんです。 それからもう一つは、そういう認定に対して——ここでやめますけれども、一年以上とにかく保留になって認定が出ていないというものが新日本印刷、これは五名。あるいは日刊工業というところでは、一年以上の人たちが十八名もおるんですよ。この人たちを一年以上もほったらかしていいものだろうかどうだろうか。少なくとも、人体に対して許容限度というものがある。一年ほったらかしておる間にその許容限度を越えるということがあり得るのではないか。私しろうとですからよくわかりませんけれども、しかしそういうことが予想されていいと思うのです。食品だって、そういう蓄積ということが問題にされておるのですから、特に鉛なんかの障害の多い職場では、蓄積濃度というものが加速化されるということだって考えられる。それを一年以上もほっておいて、そして認定をしないということはおかしい。そういうことに対して一体どうなさるつもりなのか。これは局長、そうして全体的に大臣のお答えをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 第一点につきましては、先ほどもお答え申しましたように、二時間程度の採尿によります鉛の測定方法につきましては、非常に波動が多いということで、われわれ、専門家から聞いておるところでは、それは基準にならないということでございますので、認定の際は、そういうものをとらないでおるわけでございます。したがって、それで出てきたものでもとられておるものがあるという御指摘は、これはほかにもいろいろな測定法をやりまして、それらも参考にして認定をいたしておりますので、他の方法によって認定基準に適合するということで業務上と認定されておると考えるわけでございまして、二時間の採尿方法によって、その認定されたものよりも濃い濃度のものが出たものでありましても、ほかの測定方法等から見て認定基準に適合しないということで認定されないもの、こういうものはあり得るとわれわれは考えておるわけでございます。 それから鉛中毒だということで業務上の認定を申請したものの中で、認定が非常におくれておるものがあるという先生の御指摘につきましては、われわれもこれはできるだけ早く認定すべきものと考えておるわけでございまして、鋭意それは急がせておるわけでございます。 一般に申しますと、比較的重篤なもので明瞭に認定基準に当たるような場合には、そう認定がおくれたものはないと思うわけでございますが、ボーダーライン等で非常に認定がむずかしいもの等につきましては、専門家の先生方にこの認定を御依頼しておるわけでございますが、先生方も鋭意認定を早期にするよう努力いたしていただいておりますものの、非常にむずかしい、専門家間でもなかなか判断のしにくい問題等がありますので、おくれておるものが出ておるわけでございまして、こういう方々につきましても、できるだけ早く業務上外の認定をはっきりすることがその方方のため必要と考えますので、私ども、専門家の方々にお願いをいたしまして、できるだけ急いでいただきますようつとめておるところでございます。
○塚原国務大臣 いろいろお話を承りまして非常に勉強になりまして、専門的、技術的な問題、私寡聞にして存じ上げませんので、申しわけないと思っておりまするが、いずれにしろ予防対策の徹底強化をはかるということはもちろんでありまするが、現に起きておる問題について御指摘のような点があったら、これはたいへんでございますので、いま局長の答えたように、すみやかにその対策を講ずる。 それから先ほどのお話で、何か監督官が行くと、なれ合いでもうすでに通報済みで云々というようなこと、これは私そういうことはいままで耳にしていなかったので、実は寝耳に水で驚いたのですが、そういうことは厳重に私のほうからも注意いたしまするし、そういうものの絶滅を期したいと考えております。
○山本(政)委員 大臣、新聞にちゃんと出ておるのです。監督署長があやまっておるということも出ておる。申しわけなかったということですね。だから私は申し上げておる。事実無根じゃないわけですから、ぜひそういう点はお願いをしたい。 なお、きょうは時間が不十分ですから、またあらためてこの問題について質問させていただきたいと思います。 終わります。
○大橋(敏)委員長代理 では寺前巖君。
○寺前委員 いま山本先生からお話がございましたので、私そのあとを受けて、詰めて話をちょっと聞いてみたいと思うのです。 いま局長さんのお話によると、認定がなかなかおりぬのは、専門的な問題があって専門家にまかしておって、どうもおそくなって、できるだけ早めたいというのが最終のお答えだったと思うのです。ほんとうにそうなんだろうか。ぼくは、ほんとうにまじめに災害にかかっている人に臨んでいるのだろうかと疑問に思うのですよ。実は本省の方もお見えになっていたから御存じだと思いますが、私この間、毎日新聞社で鉛中毒におあいになった橋本さんという方にお会いしました。全然私はしろうとですけれども、足を押えたら——大臣の出しておられるその足を押えてごらんなさい、前へ動かぬのですよ。それからひざをぐっと押えましたら、上がらぬのです。手を押えたって、上がらぬのです。完全に麻痺が起こっているのです。三十年来、途中で兵隊さんに行ったりいろいろなことはあったにしても、鉛を使うところの新聞社のそこで仕事をしておった人、鉛というのは、そこらじゅうから自分のからだに入ってきません。そこ以外に原因の発生根拠はないですよ。何でそういう人が去年の十月十日に申請をして、いまだに認定がおりないのだろうか。私は理屈じゃないと思いますよ。専門官というなら、その人は専門官じゃないですよ。局長さん、報告を聞いておられると思いますけれども、一体これはどういうことなんですか。まじめな態度といえるでしょうか。簡単に私はお答えいただきたいと思います。
○渡邊(健)政府委員 ただいまお尋ねの毎日新聞の橋本さんの件につきましては、昨年の九月二十日に請求を受け付けておるわけでございますが、そのとき提出されましたいろいろな検査結果の数値、検査方法その他につきましては、われわれの認定基準から見て、それだけでは判断しがたい点がございますので、その後再調査等を実施いたしておるためにおくれておるわけでございまして、再調査がこの三月の三日に終了をいたしておりますので、至急に専門家の御意見を聞いて業務上外の認定をいたしたい、かようにいま努力をいたしておるところでございます。
○寺前委員 私はもっと簡単に言っているでしょう。直接からだに触れてみて、ぱっと押えたら一ペんにわかるものが、何で去年の九月二十日から今日まで再調査再調査と、そんなこと言うていなきゃならぬのか。さっさとケリつくじゃありませんか。それではこの間、一体病院にだれがお金を払うのです。本人は払わない。そうしたら病院の善意でもって、めんどう見てもらっているだけの話じゃありませんか。そんな不届きなことないでしょう。できるだけ早くとか、何が専門官だというのです。おかしいと思ったら、必要な書類をその場で求めたらいいじゃないですか。即刻やったらどうです。 次に、研究社の桜井さん、そこにお見えになっている。私もからだに触れてみた。やっぱり同じことです。この人は腕じゃなくて足へあらわれております。直接触れたら、すぐわかる。ああ、この人、麻痺が起こっている、あなたどこにつとめておった、やっぱり同じようなところに七年間仕事しておった。鉛というのは、そうあっちこっちから出てくるものじゃないですよ。ところが、六月二十一日に申請を出して、十二月二十五日、あかぬというてきた。どこがあかぬのや。これが専門家ですか、何が専門官だといわねばならぬということになる。ふしぎですよ、ほんとうに。鉛以外の症状だというのだったら、こんな麻痺が起こっているのは何というのですか、いままでなかったものが。局長さん、これどう思います。
○渡邊(健)政府委員 鉛中毒の認定につきましては、先生も御承知と思いますけれども、外見的な症状のほかに、尿中あるいは血液中の鉛だとか、あるいはそのほかのいろいろな測定の結果等も基準といたしまして、総合的に業務上外の認定がされることになっておるわけでございます。 それで、桜井さんにつきましては、症状等はいろいろございますけれども、検査結果が認定基準に該当しないということで業務外と専門家によって決定された、かように承知をいたしております。
○寺前委員 局長さん、あなたのところが出している、去年の七月二十八日の鉛中毒の新基準というやつに書いているのですよ。その一節を読んでみると、「次の各項の何れかに該当する場合には、」と書いてあるじゃないか。総合的とどこに書いてあるか。「各項の何れかに該当する」と書いてあるじゃないか。あなたはどこから、いつの間にやら自分の出した基準も変えてしまうのですか。かってなことを言うのは、やめなさいよ。その中の一番最後に「鉛の作用によることの明らかな伸筋麻ひが認められるものであること。」という、一項ちゃんと明確にある。三つの項がある。明確じゃないですか。局長さん、うしろに聞かぬかってもいい。教えてあげる。こっち向きなさい。私も何も知らぬかったんですよ。知ったかぶりして言いません。この間も東京の基準局長に会ったときに、こんな人の場合どうなるのかと聞いたら、あの一項に明確にありますから、対象になります。と言っておられる。あなたのいまの発言、正式に取り消しなさいよ。どうです。
○渡邊(健)政府委員 桜井さんの場合には、その三項の「明らかな伸筋麻ひ」には当たらないと認められたということでございます。
○寺前委員 明らかに認められないというのは、どういうふうに認められませんか。あなた、言ってください。伸筋麻痺がないというのだったら、言ってごらんなさい。示してごらんなさい。私は自分でテストしてきているから、言うのです。
○渡邊(健)政府委員 専門家がさように判定をいたしたわけでございます。
○寺前委員 冗談じゃないですよ、あなた。診断書をつけて出した医者は、専門家じゃないの。聞きましょう。診断書を出した医者は、専門家じゃないの。もっとまじめに答えてくれよ。診断書がついて出ているのでしょう。あまり言わすなよ、こういうことに。
○渡邊(健)政府委員 出されました診断書の中に、症状といたしましては、鉛顔貌、手肢振顫、易労感、睡眠障害、末梢神経障害、四肢関節痛とございまして、明らかな麻痺ということばは出ておらないわけでございます。
○寺前委員 何を言っているのだ。もう一度言っておくけれども、もう一度まじめに状況を見て——あなたは聞く耳持たないのだったら、大臣に要求しますよ。 大臣、ほんとにまじめに一回会ってあげてください、いまそこにおられますから。なるほど麻痺ですよ。ここに書かれている症状ですよ。何で、医者がつけて出してきた診断が信用にならないのかというのだ。私はこれは大臣に要求しておきますから、あとで大臣、答弁を求めます。 それから局長さん、さっきの総合的な問題は、どうです。私の言うているのは間違うていますか。一つの基準に合致すればいいでしょう。あなたが出したのは、そういうふうに読むのと違いますか。
○渡邊(健)政府委員 この昨年の七月二十八日の通達で「次の各項の何れかに該当する」という各号が三つございまして、第一の場合には、鉛中毒を疑わしめる末梢神経障害、関節痛等々の症状と、それから尿中のコプロポルフィリン及びデルタアミノレブリン酸の濃度及び血液中の鉛の濃度、この三つについて、第一項については判断することになっておるわけでございます。私が総合的と申し上げましたのは、その点を申し上げたわけでございます。それから第二項といたしましては、血色素の量によって判断する方法があり、第三の方法といたしまして、明らかな伸筋麻痺という、この三つの基準があるわけでございます。私が申し上げましたのは、第一の百万に基づく判断につきまして、症状だけではなしに、そのほかの測定数値もあわせて判断をされるのであるということを申し上げたわけでございます。
○寺前委員 あまりそういう詭弁を弄することはやめなさいよ。すなおに言いなさいよ。 次に、日刊工業の渡辺さんという方の申請をお出しになったのが、おととしの七月ですが、この人が去年の十二月になって初めて不認定という決定がでてきているのですね。これは一年と何カ月になるでしょう。ずいぶん長いですね。お医者さん、専門官か何か知りませんけれども、こんなに長期間置いておくということは、一体どうなんだろうか。すみやかにやりたいと思いますというのは、一体すみやかというのはどれだけをすみやかというのだろう。ほかの官庁用語ですみやかというたら、大体一カ月というとるけどね。一年何カ月もかかるのがすみやかの部類に入るのだろうか。 そこで、私が聞きたい問題は、私はこれはどうしてくれるんだろうかと思うのですが、この人は、不認定は不服だとおっしゃって、そして労災保険法の第三十何条ですか、労災保険審査官と労働保険審査会ですか、二次にわたるところの不服の申し立てのやり方がある。これをいまやっているわけですよ。ところが、これ不認定ということが再度、不服申請で結論が出てきたときに、二年たってしまったら、今度は別の面で、健康保険は二年間、病気になってから医療の請求をやらなんだら時効になってしまうという問題があるでしょう。 〔大橋(敏)委員長代理退席、小沢(辰)委員長 代理着席〕 そうすると、これだけ長期にわたって不服申請を出したら、今度は健康保険の適用にもならないという問題が出てくる。労働省が認定を下さなかったために、この人に与える影響というのは重大な問題になる。局長さん、その責任をどういうふうにとります。もしも採用しなかった場合にはたいへんな事態になる。二年分にわたるところの治療費は、本人が持たなければならぬという事態になるのか、病院がしりぬぐいさせられてしまうという事態になるのか。さて、これどうしてくれます、局長さん。
○渡邊(健)政府委員 業務外の疾病の治療は健保が当たることになっておりますので、業務外という認定が昨年の暮れに出たとすれば、健保に申請をされたらいいのではないかと、かように考えているわけでございます。
○寺前委員 そこで、これは不服だと本人が言ってるんだよ。不服申請に入っているものを、あなた、健保を適用してくれと言うわけにいかぬでしょう。どういうふうにやるのか教えてください。本人は業務だと言っているんだ。さあ、どうしてくれるんだ。
○渡邊(健)政府委員 御本人の主張は主張としてけっこうでございますが、一応業務外と認定されたわけでございます。したがいまして、その認定に対して不服ということであれば、不服申請の手続によりまして争われる、そういう道があるわけでございますので、その道で争っていただくことは、これはもちろんけっこうなことでございますけれども、その間、一応労災といたしましては、業務外と認定されておりますので、労災からは支給がされませんので、先ほど申し上げましたような方法が適当ではないかと考えるわけでございます。
○寺前委員 あなたの話はほんとうに無責任だな。そうでしょう。本人は業務上の問題だといって、不服申請の手続が法律的に認められている。だから、それは最終決定といわれたって不服だということになったら、まだ継続しています。その場合には、こういうふうにやって、救済しながら措置をやっていきますとか、何か方法を考えなかったら、いかぬじゃないですか。無責任な……。 あなたがそう言い出したら、私は次に問題を聞いてみたいと思う。 それは、健康保険は業務による場合には出さぬというのでしょう。保険が使えないでしょう。そうすると本人は、鉛というのは、そこらで起こる問題じゃないのですから、治療はやはり生きるためにしてもらわなければならぬわけですよ。自分は治療せぬならぬけれども、労災では、この程度以下については、めんどう見ませんよという範囲で認定というのがあるのでしょう。認定の範囲というのは、業務の中であっても、この程度以上治療を要するということでやりますということになるのでしょう。だから、それ以下の場合が起こるのだから、それ以下の場合に健保適用にならぬというのだったら、自分のからだは仕事場でたいへんな事態になっていながら、ボーダーライン以下ということで認定されない場合に、それが健保適用にならぬとするならば、一体労働者はどうしたら救われるというのでしょう。健康保険と矛盾が起こりますね。健康保険の場合には、仕事に起因する場合はだめだというのでしょう。労災のほうは一定の基準から不認定にするというのだったら、一定の基準以下の人はどうなりますか。どうしてくれますか。 〔小沢(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡邊(健)政府委員 業務上外の疾病としての認定基準と、昨年七月に出しましたこの考え方は、その基準以上であれば治療を要する、それ以下である人については、健康管理は必要だろうけれども、治療を要しない、こういう考え方でございます。
○寺前委員 ところが、現に治療をしなければ生きていけないのでしょう。そういう事態が起こっておるから全部病院に行くのでしょう。あなた、ほんとうになっている人の身になっているのですか。それじゃあなた、その人たちに対して医者がめんどう見ているのは、間違いだとおっしゃるのですか。あなた、そうしたら今度はお医者さんになるのですよ。お医者さんが責任を持って、これはこういう病気にかかっておると認定したのだったら、ボーダーラインだからボーダーライン以下はめんどう見ません、ボーダーライン以下の人は健康保険使えるかというたら、それの原因は鉛以外にあり得ないのだから、健康保険はいかぬわ、労災保険はいかぬわというたら重大問題ですよ。これは労災というのは、その事故が起こった以上すべて認めるという態度をとらなかったならば、この問題は解決しません。ないしはそこをごまかそうというのだったら、けい肺のような処置をしなかったら、問題が解決できないのはあたりまえですよ。私は、これは労働省と厚生省との間にも話を詰める必要がある問題だと思います。そう思いませんか。
○渡邊(健)政府委員 先ほど申し上げました、昨年七月出しました認定基準は、専門家が検討された結果、先ほど申し上げたような結論を出されたわけでございますので、私どもといたしましては、その専門家の御結論が正当なもの、適当なもの、かように考えているわけでございます。
○寺前委員 それじゃ、あなた、そんなに専門家、専門家とおっしゃるのだったら、私はひとつ聞いてみたいと思うのですよ。私の手元に——時間がありませんので残念ですけれども、日本書籍の岡田さんという人が、ちゃんと診断書ももらっておるのですが、背中に皮膚炎という形で鉛中毒の症状が出ているのですよ。その人の状況というのは二千四百PPMという、皮膚病として鉛のあれが出ているのです。普通の人だったら一PPMぐらいだというのですね。これは最近の話ですから、まだ申請していませんが、べらぼうなあれが出ているのです。それで、私はお医者さんに聞いてみたら、鉛の症状というのはいろいろな形であらわれるのだ、年寄りと若い者も違うのだ、こういうこともあるのだと言う。そうしたら、この新認定基準にどこから見たってこれは出てきやしません。あなたのことばをかりて言うならば、専門家がつくられたのだから、そんなばかなことはあり得ないとおっしゃるのだったら、この人は一体何が原因でこんなことになったとあなたは思うのです。これは、私はやっぱり認定基準には不十分さがあったといって検討すべき性格のものだと思うのです。そういうこと、考えられませんか。
○渡邊(健)政府委員 鉛中毒には皮膚炎というものがあるということは、どこの文献にも出ておらないそうでございまして、専門家は皮膚炎というようなものを鉛中毒の症状としておらないわけでございます。したがいまして、もし皮膚炎が出ておられるとすれば、鉛中毒以外の他の原因によるのではないか、かように考えられるわけでございます。
○寺前委員 私はもうこれで最後、終わります。 大臣、いまの局長さんの答弁のしかたを見ておったら、もうここまで来たら一歩も引けないという態度から、ものを言っておられると思うのです。 私は幾つかの矛盾点を先ほどからお話ししました。ですから私は、労働者はその仕事によってこういう事態になっていること、生きるために切実に訴えているのですから、それをすなおに検討して改めるべきものは改めるという態度をおとりになるのが、あたりまえだと思うのですが、局長さんの話を聞いておったら、専門家が専門家がとこうおっしゃるから、これ以上言っておっても始まらぬじゃないですか。大臣は一体どういうようにお考えになるのか、最後にお聞きして、私は終わりたいと思います。
○塚原国務大臣 健康がむしばまれることは、重大問題であることは言うまでもありません。いまのやりとりを聞いておりましたけれども、私はどうもそのほうの専門知識はございませんが、やはりお医者さんなり、あるいはこれを扱う方なり、それぞれの専門的な立場にある方が今日までいろいろと判定を下して、この問題は進んできていると思うのであります。 なお、役所仕事というととかくおくれがちである、寺前委員は約一カ月が大体の常識的な線であるとおっしゃいましたけれども、やはりこういう処理はできるだけすみやかにやらなければならない、それは同感であります。ただ、いまの専門的な立場、専門的な識見に従ってこの問題の処置をするということは、私はこれは当然じゃなかろうかと思う。ずいぶん冷酷無比であるというような意味のお話もありましたが、基準に従ってやるということが、やはり当面の問題としてはやむを得ないことである。しかし、その間においてその矛盾というようなものが発見されるようなことがあれば、これは十分検討しなければならぬ問題だと思っております。私、医者でもありませんし、専門的な知識もありませんので、いまのやりとりを聞いておりまして、どういうものが、はたしてどういうものに該当するかということについての正しい認識が持てないことは残念でありますが、とにかく基本的には健康がむしばまれておるという方に対して救いの手を差し伸べるということは、これは当然なすべきことであると考えております。
○寺前委員 一言だけ意見を申し上げたいと思います。 専門家といいますけれども、基準法に基づくところのこういう問題については、本人の申告、本人が選ぶところのお医者さん、これが専門家です、その人の意見を添えて出すことになっております。明らかに専門家が現基準に対して、問題があるという問題提起をしているわけです。ですから、その専門家が信用ならないというのだったら、事私は重大な問題だというので、大臣にあえて——医者がわざわざ問題を提起している、また本人が生きるために提起をしている問題について、真剣に御検討いただくことを要望して終わります。
○森山委員長 田邊誠君。
○田邊委員 郵政省に起こっている労使関係については、この委員会でもしばしば取り上げてまいりました。実は、この種の問題をもう取り上げることのないように何回も要望してまいったのですが、つい最近も、全国各地においてわが党の国会議員による調査団が実情を調査いたしましたところが、従前にも増してひどい状態であることを実は見てまいったわけであります。 そこで労使関係の基本について労働大臣にお伺いいたしますが、塚原さんが労働大臣になられて、ものごとを客観的にながめておられるので、労使関係の基本は何といっても労使がそれぞれ自主的な立場に立って対等の交渉をやり、問題の解決をはかる、こういうことでありますから、組合の組織に対して相手方であるところの、いわば管理者、非組合員、こういったものが介入することによってその組織の分断をはかったり、あるいはまた組合員であるなしによっていろいろな差別をしたりすることは、断じて許されないことだろうと思うのです。それが国の機関である各官庁において行なわれるとすれば、これは私は直接的に現政府の労使関係に対するところの責任を問われるのではないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、そういった点から見て、いやしくもいままで郵政省でしばしばいわれてきた、あるいはまた国鉄等で現に公労委の救済命令が出ている、こういうような事態というものは当然是正をしていくべきものである。したがって、労働行政のいわば総括的な責任者である労働大臣としては、これらの労使関係の正常化について従前の例をよく聴取の上でもって、改むべきは当然改める、こういう政治姿勢が必要ではないかと思うわけでありまするけれども、この際ひとつ大臣の所信を承っておきたいと思います。
○塚原国務大臣 御指摘のように、労使関係というものはあくまでも話し合いの上に行なわれなければならないことは、これは言うをまちません。楽しい明るい職場、人間尊重をたてまえとして、そういったものが形成されること、これは当然であります。いま御指摘の点はおそらく、郵政大臣もお見えになっておりまするのでその問題であろうと思いまするが、実はこのことを私も聞いておりましたので、あとで廣瀬郵政大臣からもお話があると思いまするが、一体実態はどうなっているんだというようなことを私もいろいろ伺ったわけであります。労働の担当大臣としてやはり聞いておかなければならぬことがあったわけでありまするが、その内容については廣瀬郵政大臣からお話があると思います。 基本的には、いま田邊委員御指摘のように、そこにいささかの不当労働行為、とは申しませんが、批判がされるようなことがあってはならない。あくまでも話し合いで問題の解決をはかり、また労使関係の正しい姿が望ましいものであると考えております。
○田邊委員 私、実はついせんだって松山郵政局管内、引き続いて東京郵政局管内を、局を見てまいったのでありまするが、いま労働大臣の言われたように、明るい、楽しかるべき職場というのが、実は非常に暗い、とげとげしい空気であることに非常に驚いたのであります。特に私は管理者の態度というものが、私どもが国会議員であるからだとか、ないからだとかいうことでなくて、当然正すべきものは正し、そうしてまた、お互いに話し合いすべきものは話し合うといういまの労働大臣の考え方からすれば、全く隔絶された、全く相反した形において職場の環境をつくられているということに対して非常に驚いたのであります。 松山中央郵便局に行きましたところが、この局の貯金課長が、ほかの局から出張してまいりました職員をつかまえて、この松山というところは非常にむずかしいところだから、おまえがいまつけておる組合のバッジははずしなさい、こういう話をしたというのであります。私はそのことを実は問いただしましたところが、口を閉ざして何も語らない。そして、あなたはこのことに対して記憶があるのかないのかという質問をいたしましたところが、私は知りません——私が行きましたのが三月一日でありまして、実はこの対話があったのは二月二十五日でありますから、五日前であります。人間の記憶は不確かでありまするけれども、おおむね五日前の事柄を全然知らぬ存ぜぬということでもってお答えにならぬということは、一体どういうことだろうか。そこで私は、それではその局員に対して課長さんは一体何時から何時ぐらいまでお話しになりましたか、応対されましたかというふうに聞きましたけれども、それも、私は知りませんと言うのであります。 それで私は局長、次長以下に、そういったことは世の中の常識に相反することだ、幾ら何でも郵便局の課長が五日前に起こった事柄を、内容がうすら覚えであるとか、あるいは一部忘れたところがあるとか、記憶違いがあるということならわかりますけれども、一切知りません、存じませんということは世の中に通用しないことじゃないか、ひとつ局長、次長、課長でもって相談していらっしゃい、こういうふうに私は言いまして休憩をいたしまして相談をさしたところが、その結果、実は何時何分ごろから何時ぐらいまで、昼めしをはさんでいろいろと話をいたしました。昼めしを一緒に食べているんですね。前にその局におったのです、その課長さんは、ですから、その来局された職員をよく知っておるわけです。なぜそういうことが、われわれが問い詰めて、いわば相談をさせなければしゃべらぬのか、私はここに現在のいわば郵便局の職場の、実は非常に常識では判断できないところがあるのじゃないかと思うのです。ですから、これは一面、課長には、口を閉ざして言うな、われわれが行っても何もしゃべってもいかぬぞと箝口令をしいておるのかもしれません。とすれば、また私は別の意味で問題だろうと思うのです。いずれにしても、そういうフランクな形でもって応対ができないような状態になっていることに、私は実は大きな悲しみを感ずるわけですね。大臣、いま私が中身に触れる前にそういう事実関係、これはお聞きになっていただければおわかりのとおりですから、私は誇張しても何ともいません。それで、この人がこのバッジをはずせと言ったことはないという話が最後にありましたが、それは私は、見解の相違ですから、テープレコーダーをとってない限りは見解の相違ですから、それはいいのですけれども、いまから五日前に起こったことに対して、全然知らない。一部忘れましたと言うなら話はわかりますよ。知りませんと言い切らなければならぬこの状態、これに対してあなたはどうお考えですか。
○廣瀬国務大臣 私は、田邊委員がうそをおっしゃる方でないということはよく知っておりまして、おっしゃるとおりの事実があったと思いますが、だということになりますれば、ほんとうに申しわけないことだと思います。しかも局を御視察になりまして、その結果につきましてのいろいろ御意見、御見解等については、あるいは必ずしも先生方とわれわれとは意見が一致しないかもしれませんけれども、入口におきましてそういう非礼があったということは、私はほんとうに遺憾千万だと思うのでございまして、これはしょせん私の指導がまだ徹底していないということを非常に恥ずかしく思うわけでございますが、私といたしましては、国会議員の先生方が、その方がいずれの政党に所属するにせよ、そういうことに区別なく、気持ちよく、しかも円滑に十分に御調査、御視察を遂げられるように雰囲気をつくる、御協力を申し上げるということが、私は現業の局長はじめ関係者のとるべき態度だというように強く信じておるわけでございまして、従来そのような指導はしてまいったつもりでございますけれども、それが御指摘によりまして、まだ徹底していないということを非常に恥ずかしく思うわけでございまして、皆さま方が現業局においでになるのは、結局郵政事業をよくしたい、国家のために、また国民のために事業の改善をはかりたいというお立場から御調査になるわけでございますから、表も裏もありのままの姿をごらんに入れて、あるいはおほめのことばをいただくこともございましょうし、あるいはいろいろ御批判の御意見も承ることがございましょうし、そういうことを私どもにお伝えいただきまして、私どもの施策、施政の参考に資するというのが先生方のねらい、国会議員の方々の現業局の視察でございますから、この点はほんとうに、最初の入り口においてそういう態度があったということは重々申しわけないと思います。 ただ、先ほど申し上げましたように、あまり大人数で参りまして現業局の運営に非常に支障を来たすというようなことはよろしくないことでございますけれども、先生方が御視察になるについては調査のお助けと申しますか、手足となって先生方の御調査を助けるというような方の随行、そういう方々はある程度必要だということは私ども理解ができるわけでございまして、今後先生方に不快の念を与えることのないように、そして円滑に御調査のできますように、こういうことを昨年の暮れも申し、また今度繰り返し申し上げるということは、私ほんとうに恥ずかしいと思いますけれども、いかに行政がむずかしいかということをしみじみ考えるわけでございます。やはり今後もほんとうにゆるむことなく、あくまでも徹底した指導をしていかなければならないということを、きのうからきょうにかけて、私しみじみと感じておるわけでございます。いまの、入り口の場所において失態があったということはほんとうに申しわけないとおわび申し上げる次第でございます。
○田邊委員 そこで、大臣、あなたも実は現業に実際に携わったことがおありの方であります。それでまた、職員の訓育にも当たられた経験のおありの方であります。私は、郵政部内についてのよき慣行といいましょうか、またよき時代の風習というものも御存じだろうと思うのですね。いまどこの局へ行っても、当局の職員以外は出入りをしてもらっては困る、こういう張り紙までしてございます。どんな小さな局へ行ってもこれはしていますね。いま国会議員の調査についてお話がありましたけれども、郵政大臣御案内のとおり、いなかの郵便局というのは炉ばたに来て近所の人がお茶を飲みながらいろいろおしゃべりをしていく、いわばこういう場所でもあったのですね。こういう実は非常に大衆に親しまれておった職場なのですよ。いまのような状態でない。近代性を持ったからそれは違うのだと言われれば、それも一つの理屈でありますけれども、私はやはり庶民的な、大衆的な、開放的なものであろうと思うのですよ。ですから、闘争時とか年末首の繁忙期だとか、あるいはまた局の中において現金を取り扱う場所とか、そういう一般の大衆が入っては困る時期とかあるいは困る場所とかいうのはありましょう。しかし、それ以外のところでは入りやすくするということが、国民に愛される郵政事業をつくる根幹じゃないかと私は思うのですよ。どうでしょう。あそこの全職場に張ってある、当局の職員以外は許可なくして入ってはいけないというこの張り出しを、いま申し上げた条件、年末首の問題あるいは闘争時の問題、あるいはまた現金を取り扱う場所については別でありますけれども、それ以外については、はがすようなことをひとつ考えてもらえませんか。あなたは、私の気持ちと一致するならば、それくらいのことはできると思うのですよ。何でもかんでもやれと言っているのじゃない。いま申し上げたような条件はもちろんありましょう。どうでしょうか。何か国会議員をかさに着て権柄ずくに押し入るということは私はきらいですが、そういったことでなく、われわればかりでなくて、だれでもがもう一つ気軽に入れるように——郵政大臣室へ入るのはそうはいかぬでしょうが、その点に対してどうでしょう。考えを直してもらうというか、こういうことはできませんか。
○廣瀬国務大臣 職場を明るくする、また親しみやすくするという点から申しますと、私はそのようなことをすべきでないという考え方は先生と全く一致いたしておりまして、私ごとを申して恐縮でございますけれども、私も郷里の小さな市の市長をやっておりますときに、市長室の入り口のところに、ノックせずにかってにお入りくださいという表示をいたしまして、市民から非常に喜ばれた例がございますが、そういうことであるべきだと思っております。 要は先生のおっしゃるように、昔は郵便局の職場というのは朗らかであったような気がするのでございます。しかし、一々いまと比較したことはございませんので、どちらがいいかはっきりわかりませんけれども、そういうような感じがするわけで、気持ちからしますと先生のお気づきもごもっともだと思いますけれども、ただ、郵便局としましては現金がございますし、それから郵便物もございますし、最近よく盗難がございますものですから、それでそういうような趣旨の表示をしておるのじゃないかと思います。ただ、労務関係からは絶対にそのようなことは指示してないそうでございまして、盗難よけと申しますか予防のためにやっておるかと思いますが、それと住民から親しまれるということと背馳しないような方法を講じなくちゃならぬ。掲示するにいたしましても、公衆の出入りするような場所にはそういうような表示をしないとかいうようなことが必要じゃないかと思うのでございますが、一般的に申しまして、現金を扱ったり郵便物を扱ったりするような非常に大切な職場なものですから、それを警戒する意味においてそういうことをやっておるかと思います。 しかしながら、先生方の御視察はそういうことのいかんにかかわりませず、とにかく気持ちよく御視察を願う、御調査願うというようなことで絶対なくちゃならない、そのように今後も指導いたしてまいりたいと思っておりますけれども、いまの掲示の点についてはもう少し検討してみたいと思っております。
○田邊委員 郵便を取り扱う現場の部屋の前に、ここは現業の職場であるから御遠慮くださいとか、貯金の現金を扱うのは網の中でやっておりますが、ここは御遠慮くださいとか、そういうことはいいですけれども、局長室や庶務、会計などあるいは保険の相談に行く事務室などに入るにも、当局の職員以外は許可なくして入るのを禁ずるなんというのは、いかにお客さまでございますといっても——最近どこかの郵政局長が、国民はお客さまだ、われわれはその社員だとか、そんなことばを使ったからといってこれは直るべきものじゃないと思うのです。私はこの際、いまの出入を禁ずる掲示について、ひとつ模範を示してもらう意味で、ぜひ大臣の決断をお願いしたいというふうに思うのです。 具体的な問題について二、三お伺いをいたしますが、松山の中央郵便局に行きまして驚いたことは、職員の昇給昇格がきわめて偏向的である、きわめて片寄っておるということがまず第一です。これは大臣でなくてもけっこうですけれども、郵便局の職場につとめておるたとえば局長とか課長とかという人ならば、これは能力とか資質の問題もありましょうれども、一般の郵便局員であれば、まずまじめに働いておればだんだんに重きをなしてくる、たとえば役職でいえば主任とか主事とかになってくる。また給料の額からいいましても、自然に昇給ができるということが、郵便局に働いているまじめな職員については大体言えるのじゃないかと思うのです。そうであっていいと思うのです。昇格の基準というのについて、大体普通の人ですから、役付でないから——役付といっても主任です。まず私は、私自身も経験がありますから、郵便局の主任の人たちが、それほど力量の差がなければやっていけないものじゃないと思っているのです。そういった点から見て、まず昇給昇格の基準というのは、いま言った年数を積んでまじめにつとめていればまずまずその人たちは昇格に当てはまるものである、こういうふうに考えていいと思うのですけれども、何かこれに対する基準がございますか。具体的に、たとえば一番上で、一般職の大体主任クラスまでの昇格といわれる三級から二級、二級から一級くらいの昇格について、一体どういうふうな基準があるでしょうか。私のいまの考え方に相合致するものでありましょうか、そうでないものでございましょうか、お教えいただきたいと思います。
○廣瀬国務大臣 さっきの入口で非常に失態があった、失礼があったということには、さっきお答えしたとおりでございますけれども、それに関連いたしまして、実は私の趣旨がさらに現場に十分徹底するように、今回具体的にはっきり明示いたしまして各局に指令を出したい、こういうふうに考えておりますが、その内容については、昨日申し上げましたように、先生方の御意向も十分拝聴いたしまして、効果のある通達をいたしたいと考えておりますから、このことをちょっと申し落としておりましたのでつけ加えておきます。 なお、昇給昇格については、人事局長から答弁させます。
○北政府委員 昇格についてでございますが、昇格、すなわち普通職員と申しますか一般の職員につきまして、現在四つの級に分けてございます。やはりこれは一種の職階でございます。したがいまして、昇格せしめます場合には、やはりそのときの勤務成績というものを中心に考えざるを得ない。もっとも先生お示しのように、勤続年数でありますとかあるいは現在の級号、こういったものももちろん考慮の要素にはなりますけれども、それだけではございませんで、やはり勤務成績というものを中心にそれらのもろもろの事情も総合勘案してきめる、こういうことにいたしております。 なお、具体的な基準でございますが、基準といたしましては最低資格要件、すなわち、たとえば三級から二級に上がる場合には三級に少なくとも何年以上いなければならないという最低資格要件としての在級年数、こういったものにつきまして組合との間に協約をもって相定めておる、かようなことでございます。
○田邊委員 そうすると、たとえば勤務成績がどのくらい、勤続年数がどのくらいという基準はありませんね。
○北政府委員 それはございません。
○田邊委員 それ以外にはあなたのほうで加味する要素はありませんか。具体的にいえば、全逓の組合員であるなしにかかわらず——そういうことに関連して差別をするようなことは断じてないですね。
○北政府委員 さようなことは決してございません。
○田邊委員 ちょっと、これ、大臣に持っていってください。——これは松山中央郵便局の昨年の十月一日付の昇格の内容であります。初めに書いてありますのが二級から一級への昇格、その次のものが三級から二級への昇格であります。二級から一級の昇格でもって、内務の人たちは六人昇格になっております。いま一番古い六十六号の者が一人をはじめとして、五十九が二名、五十八が一名、五十七が二名という状態であります。ところが、いわゆるいまの適格要件になっておる者が六十六以下十六人、なお残っております。おわかりですね。外務については二人の昇格がありました。七十号と六十四号。しかしそれ以外に、七十号俸以下、適格要件の者が十人おります。三級から二級についても大体同じような状態であります。 それで、いまそこに備考欄に書いてございまするが、全逓の組合に入っているのかあるいは全逓の組合に入っておらないのか。未というのが組合に入っておらない、あるいは脱退した人、こういうことです。この職場には全逓以外の組合はございません。そう見てみますると、二級から一級に昇格をした内務の最高俸の六十六号の関谷君というのが一人全逓に入っておるだけでありまして、それ以外は全部全逓に入っておらない者であります。これは結果論だとあなたのほうではあるいは言うかもしれない。しかしわれわれが常識的に第三者的に判断をして、これを、結果を見て、これでもおかしくないとあなた方は言いますか。判断をしますか。しかもこの中でもって、二級から一級に昇格いたしました、内務のうち昇格をいたしました藤田君という者と高田君というのがおりまするが、これはそれぞれ保険、貯金の主任であります。藤田君は四十年の二月に三級から二級になっておる。高田君は四十年の九月に三級から二級になっております。ところが、昇格しなかった者の一番最後のほうから五人目ぐらいのところに栗田君というのがあります。同じ五十九号です。この栗田君というのは庶務の給与主任でありまして、三級から二級になったのは三十七年の八月であります。給与の担当でありまして、自他ともに許す優秀な男であります。ところがこのほうは全逓の組合員。昇格をされなかった。こういうふうに私どもが具体的な比較をいたしましても、この昇格がはたしてほんとうに的格な正確な形でもって行なわれておったのかということに対して、あなた方は疑問を差しはさみませんか。 二枚目の外務を見ていただきたいのであります。五十六号の長野君というのが一人——全逓組合員でない——発令をされました。ところが六十一号の本荘君というのは、この前の昇格漏れの男でありまして、前回の昇格に漏れたときに先任順位の第一番であった男であります。この男は今度は漏れて、五十六号の長野君がなっておる、こういう具体的な事実もあります。 そこで、私は松山中郵局長に、一体あなたのほうの昇格の基準はどうなっているかと聞きましたところが、彼は、勤務成績七、勤続は三、こういうふうにやっていると明確に答えた。それならば勤務成績七というのは、一体どういう基準でもってその七を当てはめているのか。私は、勤務成績を五なり四なり三なりと見たというのならば、それはいろいろな感じ方でもってやったということになるでしょう。少なくとも七〇%勤務成績という以上は何か的確な基準がなければ、これはあまりにも自己判断的におちいりがちじゃないか、基準を示しなさいと言ったけれども、それはありませんと言う。私は、少なくともこの程度の昇級昇格というものは、まあ大体、さっき申し上げたように、勤続年数が長くてまじめにやっておれば郵便局の職場はつとまるはずですから、そういう者をだんだんに上げていくということがまず原則である。しかし人事局長が言ったように、勤務成績を加えて悪いとは言いませんよ。これはあなた方の判断の仕事だと思う。それはせいぜい感じ方としては二〇%とか三〇%でないかと私は思ったのです。ところが全く逆であります。これが七〇%の勤務成績による。いわゆる中身は何もない。ただ局長が見たり課長が見たという感じ方であります。これはまことにおそるべきことですよ。局長の見方、課長の見方なんというものが、はたしてどれだけの正鵠さを持っているでしょうか。一つの事務をやっている者に対して、それほど能力の判定などが科学的にできるはずがないのが郵便局の職場でしょう。御案内のとおりです。それをあえて七の勤務成績によって昇格をさしている、こういう状態。しかも結果はごらんのとおり。いま昇格をいたしました者の中でもって、最高俸に属する人を除いては全部全逓の組合員でないのです。これをもってして、いかにあなた方が言いのがれをして、これは結果論だと言いましても、私は、これはあまりにも偏向的なやり方じゃないかというように、これは第三者がどなたが見ても判定をするんじゃないかというように思います。いま私が二、三の例を具体的に申し上げたことと関連をして、大臣、あなたはこの表を見てどういうようにお考えでしょう、どういうようにお感じですか。
○廣瀬国務大臣 この表を拝見いたしますと、先生のおっしゃったことがごもっとものようにも聞こえますけれども、なお、人事局長から答弁をさせまして、さらに私の考え方を申し述べたいと思います。
○北政府委員 先生のおことばでございますけれども、たいへん恐縮でございますが、冒頭私申しましたように、やはりこういった一種の職階を上がっていくという場合には勤務成績というものが中心になると思うのであります。で、勤務成績といっても郵便局のような職場でははっきり区別がつかぬじゃないかという仰せでございますけれども、必ずしもそうは考えておりません。たとえば、たとえばで恐縮でございますが、たとえば郵便外務の職があるといたします、あるいは郵便外務の主任という職があるといたします、そういった場合、やはり郵便外務ということであれば、日常のその郵便外務の仕事をいかに手ぎわよく、あるいはまあ残留なしに配っておるか、あるいはお客さまとの接触のしかたがどうであるかとか、あるいは主任でありますれば、当然部下を指導する任務がございますが、そういった上において十分であるかどうか、やはりそれなりにいろいろな着眼点があるわけでございまして、そういったことを常に公平に、客観的に把握をして、こういった場合に反映させるということこそ、その局を、あるいはその局のその部門を管理する管理者の任務であろうと、結果的にそれが公平に、またそういった能力というものを客観的にキャッチするということが人事にあらわれましてはじめて、やはりその局全体の士気というものにも影響をするわけであります。むろん、そういった抜てきをやりますと、それに対して一部の者はやはり不満ということもあるかもしれませんけれども、やはり全体として、そういった角度から人事をやるということは、結局それ自体の客観性、公正さというものに当該局長、当該管理者が十分意を用います限り、全体の士気を高めるということにも相なりますし、それから、それだけの気持ちあるいはそれだけの人事は大事なものだという認識を持って、当該局の管理者が公正に、客観的にこういう選択をしたものというふうに考える次第であります。
○田邊委員 いまの人事局長の答弁は全く説得力がない。私は具体的に見てきたんですから。説明したとおりです。私はそんな極端な話をしてませんよ。大臣もおわかりのとおり、私は、勤務成績も加味してよかろうと言っているんですよ、これはよかろうと。何もところてん式に全部一番上からとりなさいと言っているんじゃない。その中には勤務成績を加味されることもあり得ましょう。しかし、それほど大きな、いわば能力の差なり勤務成績の差というものは通例、十人なりのうち七、八人ぐらいまではないものですよ。いま郵便の外務の例を出されました。それを科学的に、あなた方は、現場の局長なり課長が判定をしてありますか。科学的に判定をするような材料がありますか。郵便物の完配なりあるいは貯金なり保険の維持なり募集なりについて、それを科学的にはじき出す要素がありますか。あるんだったら示してもらいたい。私も、乏しい経験からだけれども、そういうことを知っておるから、そんなに科学的な根拠をもって差をつけられるような状態じゃないと私は言っているんです。だから、あなた方のいう抜てきも、中にはいいでしょう。しかしそれならば、さっき私が説明した二級から一級に昇格をした内務のうち、具体的に五十九の同一のものであったところの藤田、高田、栗田というこの三人の田がつく男、しかも現に先に三級から二級になり、庶務の給与主任をやっている栗田君だけ落ちておって藤田君、高田君が上がっておるという状態、あるいはまたこの二級から一級の外務の二名、岩崎君は確かに七十号、しかしそれならばそれからあとの七人を飛び越えて、七十から六十五までの人を飛び越えてこの六十四の岸尾君をしなければならぬほどの差はないだろうと私は言っているんですよ。事実、私どもの調査ではそういった差はないんです。しかも私どもが残念に思うことは、こういったことを局長がいかに公平にやったと言っても、第三者が見てこれはあまりにもひどいじゃないかというときに、それでもなおかつ、局長のやっていることが絶対であり、公平であるというようにあなたは押し切るんですか。われわれが見て、あまりにもこれは不公平ではないかと思う。われわれは見てきているが、しかし局にいる者じゃない。もちろん実情を聞いただけだ。だから局長がわれわれにこれを説明できる材料があればわれわれは納得して帰りますが、材料がないんですよ。七〇%勤務成績、これを基準にしたという。これ自身問題でしょう。七〇%勤務成績なんということを軽々にその局長が言うことも問題ですよ。あれですか、ある局は昇格について勤務成績を七〇%見てもいい、ある局は三〇%見てもいい、そんなでたらめでいいのですか。そういうことについて、あなたは基準はないと言った。これはもう現業の局長の裁量ですか。そうなってくれば、松山の中央郵便局は勤務成績七〇%で判定をする、ほかの局は勤務成績三〇%見たという局長がいたとする、それでもかまわぬのですね。どちらも公平であり、どちらも絶対であり、いかなるところから見てもこれは間違いないとあなた方は言い切るんですね。どうなんですか。
○北政府委員 私申し上げましたとおり、やはり昇格という問題につきましては成績を中心に考え、したがって中心ということが、七〇であるのか六五であるのかということについては、具体的には言っておりません。ただ、まあ、中心であるという場合に、中心が三〇ということではなかろうというふうには思うわけであります。そして、具体的に松山中央局における三人の主任の比較をおっしゃいましたが、確かに今度上がらなかった人は主任になったのが早い、号も高いという実情でありました。しかし、そういう次第でありますので、必ずしも先に主任になったからそれが先に昇格しなければならないということには相ならないだろうと思います。なお、こういった一連の問題につきまして、かねがね組合のほうでもいろいろ問題にいたしたわけでありまして、この点昨年の暮れに、これに関する一つの組合との間のいわば約束というものができておる次第であります。それに言及さしていただきたいと思いますが、それによりますと、要するに著しい抜てき昇格はしないという趣旨のことであります。具体的に申しますと、これは昇格の問題とはちょっと違いますけれども、昇任の問題、主任にするというような問題についてでありましたが、これも主任になりますと、大体主任というのは一級と二級に格づけされるわけでございます。その場合、主任になりましても二級になれない、そういう人を主任に任用するのはごくごく例外の場合を除いてはやらないというようなことを、そういう態度を組合にはっきり示しておるというようなことがございます。
○田邊委員 違うじゃないの、これは。人事局長、私の質問の真意をあなたはおわかりであるのかないのか知らぬけれども、私は、逆説的にものを言われては困ると思う。先に主任になったから何でもかんでも昇格させろなんて、私は一つも言ってないですよ。先になったから必ずしも今度昇格させなければならぬ理由にならぬ、そんなことは聞いていませんよ、あなた。それならばそれがそうならなかった理由づけがあるかと言っているのですよ。具体的には当該局長にはないのですよ、ないんだ。理由づけがあるのならわれわれは納得して帰る。しかし、これを見ても、いま異数の抜てき昇格はしないといっておるけれども、これは異数の抜てき昇格をやっているじゃないか。そこに問題があると言っているのだ。しかも、たまたまかもしらぬけれども、この表をあなた方が、斜めじゃなくてまっすぐに見て、一人の全逓の組合員を除いては、全部全逓の組合員でない者をやっている。これが結果論だといって相すますには私はあまりにも問題がありはせぬかと言っているのですよ。三級から二級に昇格をしたこの内務の人たち、みんないわくがあるのですよ。私はあえて申し上げないけれども、みんな実はいわくがあってこの人たちを抜てきしているのですよ。そういう理由づけは、そういうふうな、いわくというふうに見るのは、あるいは片寄っている見方と言うかもしれない。あるいは全逓の組合員から見た一方的な見方とあなたは言うかもしれない。私は必ずしもそれだけにこだわっているのじゃないのだ。しかし、自由な立場でもってこれを見たときに、あまりにもこれは片寄り過ぎた、偏ぱな私は人事管理ではないか、こういうように実は感じておるから言うておるのであります。 ひとつ、どうでしょう大臣、私いま具体的に問題を提案した。表をお見せをした。その中の具体的な二、三の理由もお示しをした。ひとつ、これに対してあなた方がそうでないという理由づけがありますならばお示しをいただきたい。調査の上明確にお示しをいただきたい。当然でしょう。どうですか。
○廣瀬国務大臣 昇格昇級、こういう人事につきましては最も公正でなければならないわけでございまして、その勤務成績を七〇%見るとか三〇%見るとか、そういうようなことで大きな見解の相違がありましてはいけないわけでございますが、 〔委員長退席、大橋(敏)委員長代理着席〕 ただ本省といたしましては勤務成績に重点を置いて判断をしておるという、これは本省の指導であるかと思いますが、それから先の判断は現業局長が局務の運営に責任を持っておるというお立場からいろいろ判断をいたしまして、局務の成績に重点を置くというようなことをやっているのが実情であろうかと思いますけれども、そういうような判断にあたりまして、その人がどういう組合に所属しているというようなことをもし眼中において判断をくだすということになれば、これは私はたいへんだと思うのでありまして、それが結局、冒頭に先生の御指摘になりました職場を陰惨な、じめじめとしたものにする、明朗さを失うという一番大きな根源になろうかと思うのでございまして、そういうことがあっては断じてならない、そのような指導をしていかなければなりませんが、まあ勤務ぶりが非常に優秀であるというような者は重点的に考えてやるという考え方は、これは公平に行なわれれば私はそれでけっこうだと思うのでございますが、具体的な問題でございますから、私一々内容はわかりませんけれども、先生のお示しになりました表から見ますと、よほどやはり——もう少し私どももそういう不当労働行為とか、あるいは組合の所属によって区別をするという間隙がないようなことに一そう力こぶを入れて指導していかなければならないということを痛切に感ずるわけでございます。
○田邊委員 勤務成績で七〇%、六五%見たというなら私はあえて言わないですよ。それだけで問題を提起するんじゃないのです。いま大臣の言われているとおりに、まあ大体これは抜てきされてもその人の状態というものを職場の者が見ればわかるんですね。ははあなるほどあれは妥当な人事だ、妥当な抜てきだと思うんですよ。私はそういう雰囲気がほしいというんだ。そういう全員のそれに対するところの了解がほしいんですよ。結果が問題にされるようなことがあってはならぬのですよ。これは残念ながら、ほんとうは勤務成績が優秀であるなしじゃないんですよ。十五人のうち一人しか全逓の組合員がおらぬ。ここは大体二百七十が全逓の組合員ですね。それから未加入、脱退者は百二十人しかおらぬのですね。そういう状態の中で、まずどうなんでしょうか、くじを引いても、いろいろなことをやってみても、結果があらわれまするのは一番それが明らかなんですね。十五人のうち、私はまあ半々であればそれはもちろんいいけれども、たとえば全逓の組合員が五、六人でも、私は問題を提起しないのだ。これではあまりにもやり方としても拙劣じゃないですかといっているんですよ。これはだれが見ても、勤務成績という以前に、ちゃんと労使関係の問題をにらんで人事をやっているという、昇格をやっているということが歴然としているじゃありませんか。私はそれを言っているんですよ。おそるべきことですよ、大臣。一局長なり一課長の、いわゆるさじかげんによって、組合員であるかないかによって、この中身について突き詰めることができないというそういうことをたてにとって、いわゆる差別をしているというこの歴然たる事実を私は問題にしているんですよ。私の言っていることが感情に走ったり、えこひいきがあって私が質問しているならば、ひとつ御叱正をいただきたい。私もそれほど、そんなに片寄ってものを見てきたつもりはない。ですからひとつ具体的に私のいま申し上げたようなことに対して、あなた方のほうで、理論的に私どもを納得させるところの材料があったら、ぜひ御調査の上お示しいただきたいというふうに思いますけれども、人事局長、いいですね。
○北政府委員 何せ勤務成績の問題でございますので、個別には当該局長の判定ということに相なります。しかし結果的に、先生御指摘のように、未加入と申しますか現に組合に入ってない連中が大部分であるということははっきりいたしておりますので、その間、万々そういうことはないと思いますけれども、万一先生が御指摘のようなことが、そういう考慮が働いたのかどうか十分に調べてみたい、かように存じます。
○田邊委員 ほかの方も質問がありますから、私、実はいろいろな問題がたくさんありまするけれども省いておきたいと思います。 もう一つだけ端的にお伺いしますが、この局には自主研究会というものがあって、業務の研究をするということで、毎週土曜日に十人前後の諸君が局長室を使って実はしておるのですが、この局長室を使うについて、使用許可願いは昨年一括してこれを認めておる、毎週大体土曜日を使っておる、こういう状態であります。私はこれを聞きまして、その他のいろいろな会合に対しては局長室を貸すことはないということでありまするし、また、許可願いは当然そのつどそのつど、これは局の管理からいってなすべきものであるというふうに考えて、この当該局長にいろいろと話をいたしましたところが、そういったことについては私どもの主張を認めざるを得ないという状態になりましたために、今後については慎重に対処する、こういうかっこうになったようでありまするけれども、この使用許可についての松山郵政の官労五〇四号という許可願いに対するところの取り扱いの文書が出ておるそうであります。これはマル秘だといっているのです。局舎の使用許可をするようなものがマル秘ですか。マル秘でなきゃいかぬのですか。これが問題である。またその中には、外部から三人以上の者が入った場合には貸さないといっているのですけれども、これもどういうところに——貸しているところの自主研究会にはそういうことをチェックしていない。しかも、自主研究会を指導している指導官や課長代理も入ってやっているのですね。大臣、土曜日の午後ですから、いま労働大臣が提唱されようとしている週休二日制の問題もあります。土曜日の午後、毎週、局長室でもって自主研究会と称して業務研究をやらなければならぬほど、郵便局の職場は切迫しているのですか。これはそうじゃないのですよ。それは時間中にやりなさい、時間外は大いに休養をとり、レクリエーションをして活力を養っていきなさいというのが、私は普通だと思う。たまに自主研究会をやることについてどうと言っているのじゃありませんよ。これは実はほかに目的があるのですよ。そのことが私どもは非常におそるべきことだと言っているのです。こういう秘密主義、しかも一方については一括使用許可を与えている。また組合やその他の会合のときには、外部の者が三人以上入ったら貸さぬぞといって、このいわゆる官労五〇四号というものを出したことをたてにしてなかなか使用させない。こんなえこひいきをやっておったのでは、一番最初に申し上げたような状態には、これはやはり郵便局の職場はなりませんね。ひとつこれもさっそくお調べをいただきまして、こういうふうな措置が正しいかどうか。それからまた、マル秘などとぎょうぎょうしくしなくても、局舎の使用許可についてはだれにでもこういう基準でやっていますよというのが当然だから、そういう措置をとってもらう。この文書を念のためにひとつ取り寄せてお示しをいただきたい、こういうふうに思います。以上の点について、よろしゅうございますね。
○廣瀬国務大臣 さっそく取り寄せまして、間違った指導を局長がしているということであれば、直ちに改善させたいと存じます。
○田邊委員 数え上げれば切りがありませんけれども、ある全逓の組合員は、十五分間時間内に食い込んで職場をあけたというのでもって給与をカットされている。ところが、全逓の組合員でない者が勤務時間中に近くの喫茶店に入ったり飲食店に入ってやっている例が、まず数えられたものでも、昨年六月から十一月までの間に六件あります。これのほうは実は何にも文句は言わない。世の中の人が見たら一体どういうことを考えているのか、郵便局というのはわからぬと言っているのですよ。一方の者は、ちょっとでも時間に食い込んで職場をあけておったら直ちに賃金カット、一方は時間中にみんな市民が見ているところでもって喫茶店に入って、いろいろ謀議をしているか相談をしているか知らぬけれども、やっておっても何にも文句は言わない。これで一体規律が保て、これでもって差別がなくて明朗な職場がつくれると、だれが言えますか。こういう状態についてもひとつお調べをいただきまして、これに対する御回答をいただきたいというように思います。よろしゅうございますか。
○廣瀬国務大臣 承知をいたしました。よく調べまして御回答申し上げます。
○島本委員 関連がありますから……。いま田邊委員に答えられた中で、組合によって差をつけ、区別をつけることをやらせるとたいへんだと思う、陰惨なじめじめしたものになる、それから、もし間違った指導を局長がしているのであればすぐ是正させる、大体こういうようなことが大臣から田邊委員に答弁があったようですが、これはそのまま受け取ってよろしゅうございますね。
○廣瀬国務大臣 もちろんそうでございます。
○島本委員 この三月六日ですけれども、参議院議員の横川正市さん、これは参議院の前逓信委員長です。それと私並びに調査団が国際郵便局へ参りました。その際に、議員だけしか入れない、こういうふうに言ってきたから、おかしいと言ったら、そのことは組合に言ってあった。組合と社会党とは違うじゃないかと言っても、がんとして応じない。そうして、上局の指示を待っておった。上局のほうから、ただ一人だけ入れてもよろしい、組合の人を。地区労はだめ、社会党はだめ。社会党の調査団に社会党の者を入れないというこの理由、同時に、議員だけだということは組合に連絡をしておいたからそれでよろしいということ、これは社会党に連絡をしないで組合に連絡したらそれでいいんだ、これは違うじゃないかと言っても、がんとして、東京郵政局の指示を仰いでこれをがえんじなかった。こういうようなことが現にあったわけですが、大臣、これはとんでもない局長であって、局長としての管理能力がないんじゃないか、こう思いますが、この点で大臣どう思いますか。
○廣瀬国務大臣 国会議員の方が郵便局を御視察になるということは非常にけっこうなことだと思うのでございまして、御視察いただきまして、そして率直な意見を承らせていただくということは最も貴重なことだと思いますが、ただ、政党のいかんでなくて、あまり大挙して参りますと、局のほうでも事務の運営に支障を来たすというようなことがございますので、それで、ほんとうに国会議員が手足として使って調査の手伝いをするというような限度にとどめたいということは私どものこいねがっておるところでございまして、どこの政党の所属だから行ってはいけない、そういうことじゃなくて、先生方の随行として何人か限定した数で現場を御視察になることは私ども区別して考えたくない、このように考えております。
○島本委員 きのうも大臣の意向を聞きました。しかし、そこには全部入っておりまして、二時から始めて四時二十分まで、入って別な話をするなら応ずるけれども、調査の話をすると応じない、これは郵政局長からの指示である、こういうふうに言って、どうしても応じない。それで官房長にも電話をかけ、本省のほうにも電話をかけ、そういうようなことはむちゃである、現にすわっておる、すわっていて、円満に話している、横川正市参議院議員と私が主になってやるのである、これでなぜ悪いのだ、いろいろとやって、それでいいというのだけれども、それが通じない。郵政局長のほうに行くと、どうなのですか、ただ一人ならばよろしい、円満にやれる人、その中に都会議員一人、区会議員二人、そのほか中央本部三人、それから支部三人。どうなりますか、これは。そしてあとになったならば、結局は、全部で話してもよろしい。こう言ったときには、われわれが帰ったあとですよ。帰ったあとに、全部で話してもよろしい。それならなぜ初めから言わないのですか。こういうようなばかなことをやって……(「なめられた」と呼ぶ者あり)なめられてもけっこうですよ、けっこうですけれども、この責任は大臣、どこにあるのですか。あとになったら全部でよろしい、前は一人しかだめだ。大臣のほうは親切に扱いなさい、その趣旨が通じない、中間管理者によってゆがめられてしまっておる、この責任はどうしますか、どっちにあるのですか、これに対してどう対処するつもりですか。
○廣瀬国務大臣 それはきのうも御説明申しましたように、本省の意向が、伝達が少し抽象的に過ぎまして、具体性を欠いておったというようなことで、現場の局長は、郵政局長をはじめその他が誤解したのじゃないかというようなことでございまして、今後そういうことのないように十分気をつけてまいりたい。責任の所在につきましては、もう少し調査をいたしまして、何とかはっきりいたしたい、こういうふうに考えております。
○島本委員 それをはっきりさして、今度私のほうにも、このように処置いたしましたということを通知してもらいたい。その点を強く要請いたします。 なお、これはどういうようなことですか。同じ国際郵便局の中で、四十六年十月十八日現在で、職員三百十名中、非組合員十四名、組合員二百九十六名中、全逓が九十名、そして第二組合が百六十名、そしてどっちにも行かないのが四十名、この全逓の九十名は前の年もその前の年も同じ九十名、だんだんふえてきているのが第二組合、それとどっちにも加盟しない人、これがふえてきている。これはまさにおかしい。こういうようなことでいろいろ聴取したところが、大臣、意外な事実がわかってきたわけです。というのは、昭和四十七年二月二十二日午後六時三十分から八時四十分までの間に、神田の「今川」という飲み屋、ここで運行課窓口係主事の鈴木康正という人が全逓の組合員である山口博文君を連れ出して、窓口にいたいのならば、いまのままではだめだ、全逓を脱退しなさい、そして三月二十日までに、組合にいるのか、それとも窓口にもう一年いたいのか返事しなさい、はっきりこういうようなことを言っているわけです。これが局の方針である、窓口は全郵政と中間の者だけにするのが局の方針だと言っている。これは大臣、いままで差別をさせない、そして、そういうようなことをしたならば、陰惨なじめじめしたものになるからだめだ、こういうふうにあなたはおっしゃったが、これは局の方針だとはっきり言っている。これはどういうことですか。そして、将来いなかに帰るときでも、ここの局の課長がだめだと言ったならば帰れないのだ。これもまたおどかしている。この窓口係主事の鈴木康正という人、主事にまで人事権が及んでいるのですか。及んでいない者が、こういうように人事権をかさに着て、こういうような組合勧誘をやっていいのですか。大臣、これは重大ですぞ。 〔大橋(敏)委員長代理退席、委員長着席〕
○廣瀬国務大臣 もちろんそういう不当行為をやるべきでないことは明らかでありますが、事実を十分調査いたしまして何とか措置を講じたい、こういうふうに思っております。
○島本委員 そして、事実を調査するというから、早く調査して、これに対して明確に対処してもらいたい。これは局の方針であるということをはっきり言っております。全郵政と中間の者だけ窓口へ出して、全逓の人は出さない方針だ。これがもし局の方針だとするなら、とんでもないことだ。組合に差をつけないといまあなたおっしゃったことと逆なことをしている。これがまた東京郵政局の指導だとするならば、結局あなたの意を途中からひん曲げて、これはいまの自衛隊の制服の独走みたいなことと同じことがやられている。これはもうあに防衛庁だけの話じゃない。あなたの管理している郵政省の中にも、こういうようなことがある。こういうようなことではだめですから、これは十分調査して早く対処するように要請いたします。 それで、これはいろいろ訓練の中にもこれをやっている例があり、本人からはっきりこれは言っておりますけれども、これはどういうことなんですか。入局して約一週間くらいの間は訓練をさせます。主として就業規則を庶務課長から訓練をするわけですが、その際に、石垣という新しい人に対して、庶務課主任の増田、事務官の長谷川、第一外国課主任の石井、この三人の人が、庶務課や次長室まで来て、全郵政に加入を強要しておるわけです。すなわち、就業規則の訓練中に、わざわざ庶務課や次長室で訓練しているその場所へ来て、第二組合に加入を強要しているわけす。そして全郵政に加入すれば、おまえの望んでいるとおり夜学へ通わせる、そして局長もそれを承諾したとはっきり言っておるのです。石垣君の証言があるのです。本人から直接これは証言として聞いているのです。これだったら、まさに第二組合に対する勧誘を局長みずからが、管理者がやっていることになるじゃありませんか。こういうようなことは許されていいものですか、どうなんですか。これは大臣だったら、調査するだけでしょうから、これを覚えている人だれですか。今度あなた、はっきり答弁しなさいよ。前みたいにまごまごした答弁じゃだめだ。
○北政府委員 申しわけございませんが、私も存じておりませんので、ただいま御指摘の点十分調べて御返事申し上げたいと思います。
○島本委員 同じようにこれも当然知らないわけですね。本人からのはっきりした言明があるのです。入局したときに、市川という人に対して、全郵政に入らなければ紹介者に電話するぞ、どうするのだ、紹介者に聞いてこい、臨時採用だから、全郵政に入らなければ本採用がおくれるぞ、ここで話しているのは局長が知っているのだぞ、おまえのことを局長も心配している。本人がそれをちゃんと記述しているわけです。これだったら全逓は永久にここ一、二年の九十名、どこへも入らない人と、新たに入った人がどこの組合にも入らないでいる、そうすると、第二組合のほうがふえるのはあたりまえじゃないですか。局長みずからが、局みずからが、管理者がこれを指導しているじゃありませんか。この山口君に対しても、市川君に対しても、石垣君に対しても、これははっきり言っておる。これも局長は知らないのですか。知っていましたら、答弁してもらいたい。
○北政府委員 前のケースと同様存じませんので、よく調べて御返事いたします。
○島本委員 こういうようなことに対して、調査に行ったときに本人からわれわれが特にあとから聞いてみたけれども、この調査を局長が拒否したのですよ、国際郵便局で。だから、これは重要だと言うのです。とんでもないじゃありませんか。まだ、それだけじゃないのです。それだけじゃなしに、まだまだたくさんあるのですが、たくさんこんなの言ったってしょうがないから、これも調査しておいてください。 四十六年十一月二十九日に平賀龍飛児という人がはっきりこれも供述しているのですけれども、四十五年十二月の超過勤務支給のときに、同じくらいしか超勤をやらなかった友人、所属は全郵政だそうですが、石川欣宏、これが二十時間分、約八千円よけいについていた。そして、自分のほうは、同じようにやっているからわかるけれども、もらった際に八千円の差がついておった。そしてまた広田という運行課副課長から、おまえが全逓をやめなければいまの勤務からはずすぞと、こうさえ言われている。これでは百鬼夜行じゃないか。ついにこの平賀龍飛児という人は、全逓にいることがこわいんだ、こういうようなことを言って四十七年の二月未に全逓を脱退しているわけです。これだったら一種の脅迫じゃありませんか。連合赤軍じゃあるまいし、こういうようなことが平気で中に行なわれていて、われわれが調査に行ったら、入れないのですよ。それに大臣、いまあなたが考えているように、間違った指導を局長がしているのであればすぐ是正させる、こういうようなことをよく調べて、この点に対してすぐ是正させないと、だめじゃありませんか。それだけじゃない。行って調べたらまだまだある。おそらくもうこれは不当配転。 中にはこんなのもある。これは大臣、聞いておいてください。公金の浪費と不当支出があるのです。逓信委員会でもこれをやったそうです。私の場合は具体的に調べました。昭和四十六年五月二十五日に、勤務時間中に久永という局長が女子の労働者数名を局長室に呼んで、ピンクや黄色のパンティを渡した、一体これは事実ですか、事実じゃないですか。
○北政府委員 そのようなことがありましたことを聞いております。ただ、それは還付不能郵便物というものになりましたものだそうでありまして、還付不能郵便物につきましては、私担当でございませんので詳細存じませんけれども、これは何というのですか、何か条件があるのかもしれませんが、要するに郵便局で処分できる、そういうものをそこの女子局員に分けた、こういうことだそうであります。会計上の詳細な点は、私存じませんので申し上げかねます。
○島本委員 還付不能の脱出品、そのピンクや黄色いパンティ、それを女子職員に渡してやった。還付不能の脱出品だからそれはいいのだというが、これは当然競売に付して代金を国庫に納入することに取り扱い規程ではなっているのじゃありませんか。それをそのまま、パンティだからというので女子職員にくれてやる、こういうようなことは、局長としていいことですか、悪いことですか。それと同時に、還付不能記録簿にこれが載っておりますか、載っておりませんか。
○浅見政府委員 ただいまの件でございますが、現場の処理といたしまして、一年間保管をいたしまして、なお還付不能であるということで国庫に帰属いたしましたあと、その処理につきましては、事業の用に供し得る備品、消耗品等につきましてはそのまま用いるわけでありまして、たとえば鉛筆等が該当するかと思います。事業の用に供し得ないものにつきましては、不用品といたしまして棄却処分をいたすわけでございますが、棄却のいたし方といたしまして、たまたま競売に付する等の道もございますが、この場合先ほど御指摘のように、久永局長は不用処分をいたしました上で、その品物の態様に応じて、自分では妥当と思って女子職員に漏れなく配ったという結果に相なったようでございますが、私ども会計の立場といたしまして、この最後に申しました手続は必ずしも適当でない、かように考えております。
○島本委員 聞いていることは、還付不能記録簿に記入されてありますかと聞いているのです。ある人によると、会計係で購入伝票を見たという人もあるのです。いま幾らあなたがそう言ったって、それは還付不能記録簿に載っている場合ならいい。載っていますかと聞いているのだ。
○浅見政府委員 たいへん申しわけございません。還付不能郵便物処理簿を見ておりません。ただいま申し上げかねます。
○島本委員 見てもいない、わかりもしないものを、どうしてそういう答弁をするのです。国会は国権の最高機関ですよ。その中で、質問に対してわかりもしないことを推定をもって答弁をしている。あなたが張本人じゃありませんか。だめですよ、それは。還付不能記録簿にこれが載っているかどうか。人事局長、これははっきりさしてください。桃色のパンティじゃないぞ、これは。還付不能記録簿についていますかいませんかというのです。
○浅見政府委員 お答えいたします。 先ほど私るる申し上げましたのは、事実行為に関します報告をそのまま実はお伝えしたわけでございまして、還付不能処理の成規な手続がとられたかどうかにつきまして、処理簿関係は、実はあるいは郵務局系統で把握しておるかもしれませんが、私は把握いたしておりません。
○島本委員 それは答弁にならぬよ。はっきり答弁しなさい。どうなっているのだ。
○北政府委員 その点、関係のところと連絡をとりまして、調べましてお答えいたします。
○島本委員 それだけじゃなく、だいぶ乱れているようですね。大臣、これならわれわれ行っても中へ入れないのはあたりまえだと思いますよ。 昭和四十六年三月ころ、発着係の主事の山本一也という人が業務周知時間に、ヌードショーを局長から預かった一万五千円で見に行くから、希望者は申し出ろ、こういうようなことをぬけぬけと募っているようですね。これは一体一万五千円というのは何ですか。これは、日劇のストリップショーを見に行くから、行きたい人は申し出なさいと言った人は、発着係主事山本一也、そうして業務周知時間にやっている。一万五千円ずつでこれをやっている。局長から預かった一万五千円というのは一体何ですか、これは。
○北政府委員 班に対する何か報奨金として、何か三班ありましたそうで、五千円ずつ一万五千円きたそうであります。その使い方をどうするかということを皆で相談したときに、だれか存じませんが、若い者のほうからそういう意見も出たそうでありますが……。
○島本委員 どういう意見……。
○北政府委員 何かヌードショーを見ようかという意見も出たそうでありますけれども、これはその場で否定されまして、結局そういうものは見ておらぬということであります。
○島本委員 しかし、そういうようなことでいいんですかね、これは。どういうような名目か知りませんけれども、これは運行課発着係、第二外国課到着係、第一外国課通常差立係、この方面に対して五千円ずつというのですが、一万五千円ずつじゃありませんか。金額は間違いありませんか。
○北政府委員 一班に対して五千円、三班で計一万五千円というふうに聞いております。
○島本委員 この金額も十分調べておいてもらいたい。そして、どういうような部門でこの金を使うようになるのか、これは業務成績優秀な者に対する報奨制度、こういうように聞いておるのですが、業務成績優秀な人にはストリップを見せるのですか。そういうようなことに対して、どうもやり方自身がおかしいじゃありませんか。大臣、こういうようなやり方を聞いていてあなたどう思いますか。乱れにも乱れ切っているではありませんか。こういうようなやり方で、はたしていいのですか。どうなんですか。
○廣瀬国務大臣 お話を承って私もあきれておりますわけでありますけれども、どうも気風が正常でない、不正常だという感じがするわけでございます。いま人事局長のささやきによりますと、士気高揚のためにいろいろの行事をやるということで、そういう話が断片的に出たようでございますが、結局否定されまして、最後にはみんな寄って一ぱいやって元気を出した、そういうようなことのようでございます。しかし、それにいたしましても、やり方についてよほど考えなければならない。それでは事業精神の高揚になるかどうか非常に疑わしいと思います。十分考えたいと思います。
○島本委員 こういうようなことですから、大臣、自分の考えが下部までそのまま浸透していると思ったら大間違いでありまして、中間でゆがめられているのです。沖繩までとは言いませんけれども、おそらく東京都内でもあなたの考え方が相当ゆがめられている、下まで到達しておらない。これは大事なことですから……。なお念のために、運行課の発着係は、その後ストリップショーをやめて京劇の映画鑑賞をしておりますよ。それから、他の第二外国課到着係と第一外国課通常差立係は、いま大臣おっしゃったように飲食に供しております。ですから、こういうようなやり方はおそらくは局長サイドにまかせてあるのでしょうけれども、望ましくない。こういうことはほんとうにやめさせなければなりませんし、もっともっと考えてやらなければいけないと思います。 あと若干でやめますけれども、大臣、こういう例もあるのですが、これはどういうようなことになりますか。水野という第二外国郵便の分会長がおりますが、この人はいわば虐待に類するようなことをされているようです。全逓に所属しておる分会長です。それは、昭和四十五年一月、作業中に腰痛症になったんだそうです。そして作業中腰が痛くて一カ月の病休。公傷を申請したけれども、郵政局長から却下された。そうして、四十六年十月十三日に、勤務中突然局長室へ呼び出されて、外国郵袋の係のほうに行け、行かなければ処分するぞ、こういうように言われて、そっちのほうに回された。それはあまりひどい、腰も痛いので、翌日、四十六年十月十四日に、お医者さんへ行って診断してもらったところが、椎間板障害である。そして診断書を出した。それも聞かないで、十月二十五日までその作業をさして、病状が悪化した。そして、十二月十三日についに入院手術をした。これは意図的な傷害事件のようです。こういうようなことが普通あるのかどうか。 十二月の三日には、蓑輪という人、児玉という人が作業中に突然腰痛症を起こして、作業不能になっておる。しかしそれはあくまで私病扱いであって、腰痛の発作に対しては、対策は必要なしというふうに現場ではきめているようです。 これあたり見ても、何かこれはおかしいようじゃありませんか、大臣。 労政局長、こういうようなことが現場で行なわれているのですけれども、これは正常な状態だと思いますか。あなたいままで聞いていたのですが、ちょっとあなたの見解をこの場に吐露してくださいよ。
○石黒政府委員 ただいまの腰痛の問題につきましては、最近腰痛症というのが随所に出ておりまして、管理者としましては、最近特に多くなった職業病として、十分に注意して、労務管理上も配慮すべきものと考えております。
○島本委員 注意しなければならないはずのものに対して、当局ではそういうようなものはないのだということで、全然対策も考えておらない。二十五キロから三十キロ、三十五キロもあるような大きい郵袋を、あそこではかかえなければならないのです。そして、その人はわざわざ軟骨を取って、いままでもっているのです。こういうような状態でありまして、入院加療、これは腰の骨が変形して肉が落ち込んで、入院して手術をした、こういうようなことですが、こういうようなことを平気でやらしているなんておかしい。ですから、十分この点については、大臣、あなたも責任があると思うのだ。これもはっきり善処しなければならないと思うのです。ひとつ大臣の意見を聞かしてください。
○廣瀬国務大臣 御指摘のように全く私の責任でございまして、私も大臣になりまして七カ月になりますが、一生懸命にやっているつもりですけれども、まだまだやらなければならぬことがたくさん残っているということをしみじみと痛感をさせられているわけでございます。時間の関係でお述べいただけなかったようなことについても、先生の御指摘は具体的にいろいろ事業上参考になると思いますので、また後日何か会合でもありましたら、お述べいただけなかったことについても教えていただきますと、事業上大いに資するところがあろうと思う次第でございます。
○島本委員 そうしたら、念のためにこれも一緒に調査しておいてください。 去年の十一月十三日に、経費をもらって、エルダー関口清という人がヤンガーに当たる宮地文夫という人に対していろいろ指導してやった結果、ともに全郵政としてやっていこうと確認したということを報告書に書いてあるのです。そして、それを本人が全逓の諸君に漏らしているわけです。そして、局長に対して十二月十四日の際聞きただしたら、そんなことは知らないと言っている。その後その人も、組合の問題を報告すべきではなかったのだといって、あとからあらためて言っているようです。これはとんでもないことでありまして、ヤンガー制度、エルダー制度、こういうようなことに対して金を出してやっている以上、これははっきりとした処置はしているはずです。局長が知らないということはないはずです。これを知らないと言っている。これも調べておいてほしい。そしてこれの写しを資料として提出してもらいたい。このことを要請いたします。 それから最後に、この点だけは大臣の信念を聞きたい。いまの国際郵便局の隣に日本橋郵便局がありますけれども、その日本橋郵便局で、いまでも、私どもの目の前で、横川正市前参議院逓信委員長、それから私どもを前にして、一人々々が全部唱和しているのです。「一、いつもお客様の身になって考え、行動する職員になろう」こう言うと、そのとおり全員が唱和する。(「いいことだ」と呼ぶ者あり)「一、プロとして胸のはれる職員になろう。」そう言うとみんなそれを唱和する。戦陳訓みたい。「一、郵便の結束に徹しよう。」これを言うと、みんながやる。それをやらしている。これは強制的にやらしておるのですか、大臣。(発言する者あり)その辺から不規則発言として、いいことだと言っているのですが、戦陳訓も同じようなことをやった。これに対しても、いま大臣のお聞きのとおりの状態なんですが、これはいいことですか、悪いことですか。また強制でありますか、ありませんか。「プロとして胸のはれる」という「プロ」とはどういうことですか。これをちょっとはっきり解明しておいてもらいたい。
○廣瀬国務大臣 「プロ」というのは事業人としてということではないかと思いますけれども、どういう解釈になりますか、私はいま承っただけではそういうような解釈をするわけでございますが、事業精神を高揚するためにそういうことをやることは、私必ずしも悪いことじゃないと思っております。ただ、強制的に、昔の軍隊式に、やりたくないのに命令を強くいたしましてやらせるということではなくて、みんなが自発的に一緒に声を合わせてやろうということであれば、私は差しつかえないというふうに思いますけれども、これもよほど注意して見ないと、いいか悪いかという判断はできないと思います。もうしばらく考えさせていただきたいと思います。
○島本委員 これは、「プロの精神に徹しよう」こういうようなことも言っているのですよ、保険と郵便とで。郵便のほうでは「プロとして胸のはれる職員になろう。」保険課のほうでは「プロの精神に徹しよう」と言っているのです。これは公僕じゃないのですか。国家公務員でしょう。これはプロですか、公僕ですか。公僕としての精神に徹しなければならないはずじゃありませんか。プロとして自分がもうけて、自分の才能を伸ばす、それによって相手をたたいても何してもぱっと上に上がっていく、こういうようなプロの精神に徹するのですか、公僕の精神に徹するのですか、どっちなんですか。
○廣瀬国務大臣 プロレタリアという意味じゃないと思いますが、郵政省は事業官庁でございますから、その辺はどうもはっきりわかりませんけれども、もうしばらく見きわめさせていただきたいと思います。
○島本委員 これもあとから、どういうふうにしたか措置をお願いしておきたいと思います。
○田邊委員 いろいろと発言がありましたけれども、まだ実はほかの委員も現場を見てきていろいろと質問したいことがたくさんあるようでございまするから、あらためてまたその調査の結果に基づいて質問いたしますが、いまプロの問題も出ましたけれども、大臣、郵便局につとめておることがよかった、郵便局につとめておることに誇りを持つ、こういう職員でありたい、こういう事業人でありたいと私は思うのです。あなたのほうで出している「郵政」という雑誌がございます。私の宿舎に送っていただきまして、拝見をいたしました。その中に、人事局の管理課で意識調査をいたしました「中堅職員は職場で何を感ずるか」こういう調査がございまするが、これも実はいろいろと中身についてお聞きしたい点がありますけれども、一番最初に「郵便局勤務の誇り」ということで、誇りに思っているか思っていないかというのは、「とても誇りにしている」「わりに誇りにしている」というのが合計して五〇・四%、「あまり誇りにしていない」「誇りにしていない」というのが合計して四九・三%、半々なんです。私は、この調査の結果がいいか悪いかは別ですけれども、あなたのほうで出しているのですから、少なくともあなたのほうの中堅職員の意識調査を見ても、誇りに思っているのと誇りに思っていないのと、大ざっぱに分けて半々なんですよ。少なくとも七割から八割くらいは郵便局につとめておってよかったということでなければ、私は本物じゃないと思う。その誇りに思うというのはどういう意味で誇りに思うのかということについては、いろいろ意見はありましょう。しかし私は、少なくともいろいろなあれを見ましても、やはり郵政省の職場の中に問題が山積しているということだけは間違いない事実であります。これらを労使関係の面からとらえてみても、ぜひひとつ解決しなければならない問題が山積しておるわけですから、大臣の勇断をお願いすると同時に、事務当局も、さっき島本さんおっしゃったけれども、やはりシビリアン・コントロールでやってもらいたい。大臣の言うことは馬の耳に念仏のような官僚が幾らおっても郵政事業は一向によくならないと思うのでございまして、国会でわれわれ取り上げることについても、腹の中でどう思っているか知らぬけれども、そういう一面が国会の質問の中にあらわれておることについて、絶対無視してもらっては困ると思うのですよ。そういうことを踏まえてぜひ今後に対処してもらいたい。したがって、さらに調査に基づいて質問をまた機会をあらためていたしますので、きょうはこれで終わりたいと思います。
○森山委員長 次回は、明後十六日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十六分散会