社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 114 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/03/10
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出があります。順次これを許します。後藤俊男君。
○後藤委員 三月一日の午前十一時五十分前後でございますが、国鉄の本社の前におきまして、右翼の暴力団の自動車がデモの中へ突っ込みまして重傷者を出した、この事件につきまして二、三お尋ねをいたしたいと思うわけです。 申し上げるまでもなく、このデモ行為というのは各労働組合の春闘の総決起を意味しまして、これからひとつ春闘でがんばっていこうというような気持ちのデモであったと思うのです。ところが、突然起こりましたこの問題について調べてみますと、右翼と思われる人が乗っておるところの自動車が、デモに参加しておる人間に、殺してしまうぞ、こういうようなことをマイクで放送しながらデモ隊に突っ込んできた。しかもまた、この自動車がUターンをしてはいけないところでUターンをしてみたり、いわばやりたいほうだいのことをやってこのデモの集団に対して、先ほど言ったような非常に重大な負傷を与えておる、この問題でございますけれども、私は立場としまして、整然とデモ行為をやっておる人、いわゆる日本の労働者を守るという立場に立ってお尋ねをいたしたい、こう考えておるわけでございますが、この事件が現在どういうふうなことになっておるのか、その点からお尋ねいたしたいと思います。
○中村国務大臣 詳細につきまして、参事官から報告させます。
○斉藤説明員 ただいま三月一日の事件についてお話がございましたが、いまの御質問に関連して概要を申し述べますと、お尋ねの事件は三月一日の午前十一時五十二分ごろ、丸ノ内の東京駅北口の国鉄本社前に春闘共闘委員会のデモ隊が差しかかったわけでありますが、そこに右翼系の学生青年純正同盟というものの宣伝カーがデモ隊の中へ突っ込んで、そしてデモに参加しておられた田辺文久さんとおっしゃる四十二歳になられる方に重傷を負わせたという事案であります。 この件については当時警察では、この負傷者をパトカーで日比谷の病院に収容いたしまする一方、この加害をした車両を追跡していって、乗っておった学生青年純正同盟員と称する四人の者をその場で傷害及び暴力行為等処罰法違反の現行犯ということで逮捕しております。現在のところこの被疑者の取り調べをなお継続しておりますが、当時の事情を明らかにするために目撃者からいろいろな事情を聞くということで真相を究明することにつとめております。 詳細のことを申し述べますとたいへん長くなるのでございますが、この事案の性質は、当時、ただいまお話しのように、春闘共闘委員会のデモ隊約千五百七十名が東京駅前から国鉄本社のところへ差しかかったのでございますが、たまたま右翼の学生青年純正同盟の宣伝カーが当日同じところに差しかかりまして、そうして場所が一緒になったものですから、両者の間にいざこざが起きて、右翼の車が興奮したあげく突っ込んでしまったという状況になっております。 先ほどお尋ねのUターンをしてはいけないところであるということでございましたが、これもだんだん調べてまいりますと、国鉄本社を少し東側に行った、北口のずっと東側になりますが、子のところで、Uターンは禁止にはなっておりませんが、一ぺん去りかかった右翼の宣伝カーがまた戻ってきて、そうしてデモ隊の中へ入っていったというかっこうになっております。 以上、とりあえず概要だけお答え申し上げます。
○後藤委員 それで、いまも説明がありましたように、この春闘のデモ隊と、いま言われた右翼団と思われる人が乗っている自動車とが一緒になった。そのときにデモに参加しておる者から、非常なあぶない運転をしてくるから、警察のほうで取り締まってくれとみんなが叫んだけれども、警察のほうとしては全然手を出さずに放置しておった。これはほとんどその場で見ておる者がそういうことを言っておるわけでございますけれども、このような危険を与えるような自動車がそういう行動に入ろうとする場合、入った場合に、警察のほらとしては警告を与えるとか注意をするとか、規制をするとか、方法があると思うのです。それを放置しておいたから、こういうかっこうでこういう重大な負傷を与える事故が発生したのだと私は思うわけでございますけれども、その点警察庁としてはどういうふうなお考えでしょうか。警備の相当者としてどういうふうな方針で取り締まっておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
○中村国務大臣 この間東京駅の前の国鉄本社前で起こりました事件につきましては非常に遺憾に考えておるのでございますが、後藤委員も仰せられますように、春闘なんかのデモに際しましてはできるだけ薄い警備で、過剰警備になるなるといっていろいろ批判も出ますので、警察としてはできるだけ薄い警備で万全を期したい、こういう方針で臨んでおるところでございますが、たまたまあの日は全く予期しない右翼の宣伝カーが突っ込んだということで、当時デモに参加しておられた人たちから見れば、警察が手薄であったとかあるいは手抜かりであったとか、いろいろ批判も出たようでございますけれども、警察といたしましては意識的にそういうことをやったのではございませんし、正規のデモでありますからできるだけ手薄な警備で臨んでおったわけでございますが、たまたま予期しない自動車が飛び込んできてああいう不測の事態を起こしましてまことに遺憾に考えておるのでございますが、今後はそういうことがないように十分気をつけなければならないと考えております。 特にあのときは浅間山荘事件の直後でございましたし、浅間山荘の事件の解決しました時点で全国の警察当局に対しまして、あの浅間山荘事件等がかなりやはり右翼等にもショックを与えておると思いましたので、右翼等の騒動による不測の事態が起こらないように、十二分の配慮をするようにという指令を出しておったのでございます。たまたまああいう事件が起こりまして、その後いろいろ総評の市川議長あるいは社会党の代表の人たちとも話しまして、御意見等も聞きましたが、さっそく私はさらに全国の警察当局に対しまして、こういうことが再び起こらないように万全を期すようにという指令を出して、警戒に当たっておるという実情でございます。 〔森山委員長退席、澁谷委員長代理着席〕
○後藤委員 いまのお話は、これからもひとつ万遺憾のないようにやっていきたい、こういう話であろうと思いますが、私そのときの現状、これは私の思い違いかもわかりませんけれども、デモ隊のところヘジグザグで右翼の自動車が突っ込んできた。そのときにはデモをやっておる人は物の陰に待避をして支障はなかった。さらにまたもう一ぺん突っ込んでまいりまして、そのときにこういう事故を起こしておるのだ。しかも、そのときどういうことを叫んでおるかといえば、殺してやる、殺してやるということで、スピーカーで大きく放送しながら突っ込んできておるわけなんです。これはもう明らかにデモ隊のだれかをひき殺そう——殺すぞ、殺すぞと叫びながら突っ込んでまいったのが、その当時の現状だと私は聞いておるわけでございますけれども、そういうようなことをやらせておきながら、これを見て見ぬふりをしておる。いまも公安委員長が言われましたように、警備については手薄だったかもしれませんけれども、その右翼の宣伝カーはわずか三人か四人しか乗っておらないわけなんです。一台しかないわけなんです。取り締まろうと思えば取り締まることができたと思うのです。それを何ら取り締まらない。しかも事故が起こってからにいたしましても、デモ隊の皆さんがいま言いました犯人を取り囲んで、警察官に逮捕させるような状況までつくっておるわけなのです。 こんなことが続くといたしますと、これはたいへんな問題でございますし、いまも公安委員長が、正規のデモにつきましては警備は薄く、こう言われましたけれども、こういう正規のデモに対しましては非常にきびしく取り締まっておられると思うのです。ところが、いま申し上げましたような右翼の宣伝カー等につきましては、われわれに言わすと、何か見て見ぬふりをしておる、やりたいほうだいをやらせておる、こういう感じを強く私は受けるわけでございますけれども、その現場の実情から考えて、警備に当たっておられる警察庁として遺憾な点がなかったかどうか。この点が私は非常に重要な問題だと思うのです。不可抗力で何ともいたしかたがなかったという事故ではないと私は思うのです。この点いかがでしょうか。当時の実情から考えての話です。
○斉藤説明員 お答え申し上げます。 まず、このデモ隊のところに右翼の車がどういうわけで差しかかってきたかということを若干御説明申し上げたいと思うのでありますが、この右翼のいわゆる学生青年純正同盟の宣伝カーは、そもそもずいぶん早い時点で、二月の八日に政策宣伝をやるのだということで、道路交通法による道路を使用するという許可を中野警察署に出しております。これは、こういう政策宣伝はいろいろな立場でなさいますし、あるいは商売の宣伝も方々ございまして、これが道路交通法に照らして差しつかえないものであれば、警察署長は道交法によって許可しなければならないことになっております。そこで二月の八日の時点において、目的が政策宣伝、自動車は練馬ナンバー何々の車で、現場の責任者は長谷川光良という学生青年純正同盟の者が責任者になって、そして宣伝をやるということでございます。これについて道路交通上の目的からいろいろな条件を付しまして、たとえば進行中放送宣伝やビラ、チラシ、そういうものの散布をやってはいけないとか、放送宣伝の場所は一カ所五分以内でなければいかぬとか、放送の音量が公害防止条例で定めた音量をこえてはいけないとか、いろいろな条件を付しまして許したわけでございます。それで、この許可があったものですから、この長谷川外三名の者が二月八日からずっと政策宣伝をやっておったというのが事情でございます。 当日は、三月一日の午前十一時二十三分ころに、新宿にこの右翼の事務所がございますので、そこを車が出発して、いつものように政策宣伝に歩いた。しかもこのときは、先ほど大臣からお話がございましたように、浅間事件があった直後でございますので、この連中はそういう浅間山荘に関する右翼の立場からの宣伝をやりたいということで出発するということがわかりましたので、警察では担当の係員が三名これのあとをずっと追っかけて、もし不測の事態が生じた場合には警察として措置をしたいということで、あとを追っかけていったのでありますが、東京駅の南口のところまで来たときに、交通が混雑しておって車が追尾できなくなった。宣伝車だけが先へ走っていったわけでございます。あとは先ほど報告しましたような事情になるわけでありますが、たまたま十一時五十分過ぎに国鉄本社前に差しかかっておったデモ隊と、警察官がついていったのですが、警察官の目を離れた右翼の宣伝カーが同じ場所で、同じところを通行することになった。そして、そこでやり合ったということでございます。 その場合、最初に宣伝カーがデモ隊に突っ込んで、そして両者の間にごたごたができ、デモ隊がジグザグ行進をしておったので車がうまく通れない。車が興奮してデモ隊のほうに突っ込むことになったというのを見かけて、交通整理に当たっておった警察官が、これは両者を引き離すのが一番いい方法だということで、宣伝カーに警告して、信号が青くなったときに早く丸ノ内一丁目のガードのほうに行けということで行かしたのでございます。 〔澁谷委員長代理退席、増岡委員長代理着席〕 これでもう過ぎたと思ったところが、先ほど御指摘があった、少し離れたところでuターンをしてまた戻ってきた。そしてデモ隊の中に入ってきた。その際に交通整理に立っておった別な警察官が、またこれをバックさせようと思ったのでありますが、デモ隊のほうへ向けて急に突入して、そして負傷者を出したといういきさつでございます。 詳しく申し上げますとたいへん長くなるのでございますが、総体的に見まして、私どもこのような重傷者が出たこと、特に右翼の宣伝カーが警察の目を離れて、先ほど申し上げたように、せっかく追尾しておったものの目を離れて突如として飛び込んでいった。そのときに、その場に居合わせた交通のおまわりさんがもっと手ぎわよく措置をすれば防げたかもしれないのに、数が少ないのと、それからもう行ったと思ったのにまたUターンしてやにわに入ってきた。この事件全体がわずか数分くらいの間にとっさに起きたことでございますので、あるいはデモ隊の方、一般の方がごらんになってまことに措置として歯がゆいことがあったかと思うのでございますが、現場におった者としては精一ぱいの努力をしておったというふうに私ども思っております。非常に不手ぎわな面があった、十分やるべき点があったということについては重々反省をし、またこのような重傷者が生じたということに対しては、まことに遺憾に存じて去る次第でございます。
○後藤委員 公安委員長のほうは十一時というお約束ですので、ただいま十一時ですから、とにかくこのような事件が今後は絶対起こらないような方向で十分検討をしていただく必要があると私は思うのです。それとあわせて、右翼に対する見方が、何と言うのでしょうか、非常に軽く考えておられるのじゃないか、こういう感じを私は強く受けるわけでございます。これらの点につきましてもさらに十分検討していただいて、正規の正しいデモをやっておる労働者を、こういうひどい目にあわせるようなことが発生しないように、今後もひとつ全力を尽くしていただくようにお願いをしたい、こう思うのでございます。ぜひひとつ、この点、御検討くださるようにお願いいたします。
○中村国務大臣 私は右翼も左翼も暴力行為というものは絶対に壊滅させなければいかぬという見解に立っておりまして、右翼であるからというような甘い考えは持っておりません。私は、いま申しますように、集団暴力であろうが、あるいは個人的な小さい暴力であろうが、暴力行為というものは一切取り除かなければ国民の平安な生活はできないと思っておりますので、きびしくあらゆる暴力に対しては対処してまいりたい、こういう決心を持っておりますので、警察官にもそれぞれこの私の精神を伝えておりまして、今後万全を期するようにやらしていく決心でございます。
○後藤委員 それから、斉藤さんですか、これは警備の担当だと私聞いておるわけですが、いまも説明がありましたけれども、国鉄の本社の前でデモ隊に第一回の右翼との接触があった。ところがよくわかる目の前のところでUターンしてきて、さらにもう一ぺん突っ込んできた。しかも突っ込んでまいりまして、それに倒された人の上へ、その自動車がさらに乗り越えていく、こんなことを目の前でやらしておきながら、しかも警察官がそばにおる、これは全く無法状態だと言っても間違いないと思うのです。何のために警察がそこにおったのだろうか、何を一体考えておったのだろりかといわざるを得ないわけなんです。こういう事故を起こさないようにしようと思えばできたと思うのですよ、その現場に警察官もおるのですから。非常にこれは重大な——現在でも危篤状態だと私は聞いておりますけれども、先ほどのあなたの説明じゃないが、遺憾な点もあったということはそれはおっしゃいますけれども、遺憾な点があったじゃ済まぬ問題だと私は思うのです。突然このデモ隊の中へ突っ込んでまいってそういう事故を起こしたというなら、これは食いとめようもなかったかもしれませんけれども、一たんデモ隊に突っ込んで、さらに目の前でUターンして二回目に突っ込んできて、そこで人に傷害を与える、これはみんなが見ております。警察官自体も、その右翼の自動車がいまどういうふうに動いておるかくらいなことは見ておったと思うのです。見ながら、あ然としておる間にこういう事故が起きたのじゃないかと私は思うのですがね。しかも、それも直ちに逮捕ができない。デモ隊の人が取り囲んで逮捕さしたようなかっこうになっておる。デモ隊の人がもし協力しなかったらそのまま逃げてしまおうということじゃなかったかと私は思うのですけれども、どの面から見ても、警備の点でこの事故につきましては非常に遺憾な点が多いといわざるを得ないわけなんです。これは警備を担当しておられる斉藤さんとして、率直なお考えはどうですか。
○斉藤説明員 現場における警察官の制止、あるいはいまのuターンして戻ってきた場合の措置、そういうものについて、実は先日もデモに参加された方々からいろいろお話を伺いましたので、私どもも、今回の事件の処理のためにも、あるいは今後こういうことが起こらないようにするためにも、いろいろと調査をしてみたのでございますが、中には、たとえばせっかくデモ隊の方々がこういう事件があるということを警察官に知らしたのに逃げていったじゃないかという御指摘もございましたし、それから、Uターンをするのがわかっておるのによく阻止できなかったという点、あるいはまた現場で警察官がむしろこれとぐるになって、加担してやらしたのじゃないかとか、いろいろ御指摘がございましたので、私どもこの席に参ります前にも十分調査をしたのでございますが、結論的に申し上げますと、もう一つ適切な機敏な措置がとれていなかったという点もございますが、警察官も一生懸命——この犯人を逮捕したのも、結論は、この現場に居合わせた警察官の連絡で、工業倶楽部の前におりました機動隊員がさっそくかけつけていって、新丸ビルの、駅の前の交差点のところでつかまえたというかっこうになっておりまして、デモ隊の方々の御協力も得たわけでございますが、何ぶんとっさの場合のことでございましたので、やり方はまだまだ万全でなかったというふうに考えておるのでございます。そういう意味で今後反省すべきことはたくさんある。 また、先ほど車の許可のことを申しましたが、内輪のことでまことに弁解がましくなるのでございますが、こういう右翼の車が宣伝をするという許可をする場合に、先ほど申し上げたように、交通上の観点から交通の係でもってその適否を判定しておるのでございます。ところが、二月八日に許可して、三月一日にそういう春闘のデモがあるということを考えた場合には、やはりそこのところの連絡をよくして、デモ隊のところへ行かないように事前に十分な配慮をすべきである、もう少し警察全体の観点からその辺の連絡を十分にすべきであるとか、いろいろ考えてみて、今後なお手を尽くすべきところがあるということを十分反省いたしております。
○後藤委員 しかもこの問題を、先ほど公安委員長も言われましたが、社会党の代表なり総評の代表は直ちに抗議に行った。これは確かに直ちに抗議に参りました。 〔増岡委員長代理退席、委員長着席〕 ところが、この事件を傷害、暴行、道交法違反、こういうことで処理されようとしておるということを私は聞いておるわけですけれども、先ほども言いましたように、犯人は、殺してやる、殺してやると叫びながら突っ込んでいくのですから、これは明らかに殺意のあったことは間違いないわけなんです。殺そうという決意のもとに突っ込んだことは、これは間違いないわけなんです。しかも一回突っ込んでもその目的を達してないですから、またUターンして二回目に突っ込んできて、殺すぞ、殺すぞと叫びながら突っ込んでくる。しかもその倒れた人の上を自動車がまた通っていく、これは考えて見ますると、非常に悪らつな行為なんです。考えようによっては、浅間山荘以上の事件だと言っても間違いないと私は思うのです。一回突っ込んでだめだったから、二回目さらに突っ込む。まだ死んでおらぬようだからその人の上をまた車で通っていく。これは無法状態、やりたいほうだいさせておいて、あとからまことに遺憾でございました、もう少しいろいろ打ち合わせする点がありました、これでは私はこの問題は済まないような気がするわけなんです。なぜ一体そんなに警察官がおりながら、もっと取り締まることができなかったのか。東京駅の付近でございますから、警察官もかなりの数がおられたと思うのです。さらにまた、デモがあるのですからこの警備の関係でかなり警察官もおられたと私は思うのです。目の前でこんなことをやられておって、あとから遺憾でございました、遺憾な点もありましたでは通らぬと私は思うのです。ですから私の言いたいのは、この右翼の宣伝カーですか、私たちもときどき新幹線でおりますと、右翼があの東京駅前の丸ノ内で演説をやっております。よく目かけます。あれは国鉄の構内であるのかどうか私知りませんけれども、あらゆる面で何か右翼団体の行動については軽く考えておられるのじゃないか。先ほど公安委員長は、右翼であろうと左翼であろうと、大きかろうと小さかろうと暴力については、という話がありましたが、ほんとうに公安委員長が言われたような気持ちがありとするならば、この事故だって防げたと思うのです。ああ右翼の自動車が行ってしまったからもうこれでいいわいと油断しておるところへ、またUターンして突っ込んでくる。それを目の前で見て、あ然としておる。逮捕しようとしたところで、逮捕ができない。デモ隊の人が逮捕の援助をする。これがこの事故の現状なんですよ。今後これらの問題については、どういうふうに警備担当としてはお考えになっておるのか。 さらにまた、いま申し上げました傷害、暴力行為、道交法違反ということで処理されようとしておるが、明らかに殺意のあった者をこういう軽い扱いをするということは間違っておると私は思うのです。この点どういうことになるのか、この二つの問題をお答えいただきたいと思います。
○斉藤説明員 まず、この現場でつかまえた四人をどういう処分をするかというお尋ねの点でございますが、普通の交通事故と違いまして、先ほど来るる申し上げたような状況のもとで起こした事件でございますので、当時とりあえず傷害、それから暴力行為等の違反ということで逮捕しておるのでございますが、これは、これ自体が普通の自動車事故とは違った、全くの人を傷つけることが明らかになった事件であるということで、とりあえず逮捕した。それから数人でもって行なった行為であるというので、「暴力行為等処罰ニ関スル法律」というのが非常に重くなっておりますが、そういう法条を適用して逮捕したのでございますが、明らかに殺意があったという御指摘で、殺してやる殺してやると言ってデモ隊に突っ込んでいったという点については、十分いまの点調査をいたしまして、そういう殺人の意思が認められるということを明らかにした上で、法条に照らして処分をするようにしたい。一方、聞きますところでは殺人として検察庁のほうにも告訴しておられるということでございますので、その点について厳重な処分をするということを、検察庁のほうともよく連絡をして措置をいたしたいというふうに思っております。それからその次のお尋ねの、右翼に対してどんな取り締まりをやっていくかというお話でございますが、右翼については、先ほど公安委員長からもお答え申し上げたように、かねがねこういう昨今のような、非常に右翼が何というか高ぶって非常に姿勢が高くなった、いかなる不測の事態が生ずるかもしれないという事態でございますので、警察の視野に入っておる右翼のめぼしい者の動きというものについては十分警戒をして、またこう いうものに従事する人の数もふやしていくという ことに努力をいたしまして、いまのような事態が起こらないように、先ほども申し上げたように十分この連中を目から離さないようにして、あるいはまたデモ隊に接近させないようにしていくというような配慮を十分やれば、今後このような遺憾なことが起きないようになし得るのではないかというふうに考えて、警戒態勢を厳重にやってまいりたいと思っております。
○後藤委員 まあひとつ、処分については厳正なる処分を行なっていただく。さらに今後の問題につきましても、再びこういうような事故が起きないようにやっていただく。それと最終的に、重ねて申し上げるわけですけれども、一般の労働組合のデモ等については非常に、何というのですか厳重に取り締まる、場合によっては弾圧さえ加えるというようなことも、いままでなかったとはいえないと思うのです。ところが、こういう右翼関係の行動については何か軽く考えておられる。これは私だけではなしに多くの人がそういう感じを受けておることは、これは間違いないことなんです。先ほど公安委員長からああいう話がありましたけれども、実情はそうなっておらぬような気がするわけなんです。ですからいま申し上げましたような点も十分考えていただいて、再びこういうような事故が起きないように、特に警備を担当しておられる斉藤さんといたしましても、さらにまた公安委員長とも十分相談をしていただいて、万遺憾のない方策を立てていただくようにお願いをいたしたいと思います。この問題については終わります。 去年の九月三日でございますけれども、全造船機械労組の玉島ですか、あるいは浦賀、これがこめ社会労働委員会で不当労働行為の問題で二人の議員から追及がありました。これに対して労政局長がお答えになっておるわけです。小林進議員からの発言によれば、不当労働行為が全くうまく行なわれておる。しかも、ここの労働組合というのは会社の関係で住友重機と合併になったのですが、それが昭和四十四年です。それまでは別に不当労働行為はほとんど行なわれておらなかったわけなんです。住友財閥と一緒になってからものすごい不当労働行為が行なわれておるわけです。しかも課長であるとか副長であるとか、その辺のところが、勤務時間であろうと勤務時間でなかろうと、とにかく第二組合に行きなさいというようなことで不当労働行為のやりたいほうだいをやっておるわけなんです。その現地を調査してまいりました小林進議員から、労政局長に、経営者のほうへ十分忠告をしてくれ、そういうことのないように労政局長のほうから十分注意をしておけ、こういう話が九月三日の日に労政局長に対して最終的に出ておったわけなんです。 ところが、この間私が現地の調査に参りましたら、労働基準局も、全然そんなことは知りません、東京のほうから連絡がなかったのか、全然そんな連絡はございませんという。しかも労働基準監督署のごときは、不当労働行為は私の守備範囲ではございません、それ以外の問題でございますから、手の届かぬところの問題でございますから、われわれは何ともいたし方がございません。私が調査に行ったときに、労働基準局から参った人がそういうことを言っておるわけなんです。ただ私が一番最初に言いたいのは、九月三日の日に、いま申し上げました問題に対して、社会労働委員会で山本政弘議員と小林進議員の二名がかなり時間をかけてこれほど話をしておるのに、労政局としては、これらの不当労働行為の問題について一ぺんでも調査をしたことがあるのかどうか。経営者と話をしたことがあるのかどうか。これだけ社会労働委員会で話が出ておれば直ちに、日本の労働運動を指導する立場に立つ労働省の労政局として調査するのはあたりまえのことだと思うのです。当然のことだと思うのです。ところが、私が聞いた範囲におきましては、社会労働委員会で問題になったけれども、そのままあとは全然知らぬ。放置されておる。ですから、不当労働行為がさらにどんどんまだ続いておる。現在においてもさらに激しくなってきております。この点労働省として、昨年の九月三日に問題になりました点を今日までどういうふうに指導されてこられたか、その点をお尋ねしたいと思います。
○石黒政府委員 お答え申し上げます。 昨年の九月の社労で問題になりまして以後、私どもといたしましては、主として岡山県の労政課を通じまして実情の調査をいたしまして、できるだけ状況の把握につとめたわけでございます。同時にまた、東京の会社側等もしばしば呼びまして事情を聞きまして調査を進めました。ただし具体的な事案につきましては、同山地労委並びに東京都労委に不当労働行為の事案がかかっておりますので、その労働委員会の審理の進行を見守るというのが私どもの基本的態度でございますので、具体的な事案につきましてはそれほど突っ込んだこともできませんでしたけれども、主として県の労政課を通じて調査をした次第でございます。 それからまたその調査の際には、もちろん不当労働行為ということは、いやしくも、特に住友のような大会社が絶対にすべきことではないんだということは、しばしば注意を喚起しておった次第でございます。
○後藤委員 いま労政局長はそう言われますけれども、中身を聞いてみたり、われわれが現地の調査に行ってみますと、労政局長が言われたように、住友ともあろうものが不当労働行為をやりたいほうだいでやっておる。これは望ましいことではないし、やってはいけないことだと思うのです。そういうふうに、経営者とたとえ一ぺんでも話をされて、調査をされたというなら、少しは変わってもいいと思うのですけれども、変わるどころか、去年の九月以降、今日さらに激しくなっておるわけなんです。 しかも、これは労政局長もお聞きになっておると思いますが、去年の四月十三日の賃金カットの問題です。全然いまだに解決しておらぬわけなんです。わずかに五分か六分食い込んだために三十分の賃金カットを受けておる。第二組合のほうの集会に対しては、三十分やろうが一時間やろうが賃金カットは一切しない。これは明らかに不当労働行為でありますし、差別扱いです。これも、去年の四月の問題がいまだ全然解決していない。労働基準局のほうへはこの問題を持ち込んでいるわけなんです。会社のほうへ支払えと言うわけでもなし、何らこの問題を解決しようとしておらぬわけなんですね。あなたも十分お調べになったということですから、この賃金カットの問題は現在どういうふうに処理されようとしておるのか、お尋ねいたします。
○渡邊(健)政府委員 お答え申し上げます。 住友重機関係につきまして監督署のほうとしていたしておりますことを申し上げますと、昨年八月に組合側から、会社が生産性向上運動に反対する者は会社から排除すると言っておるのは基準法三条違反だという申し立てがございました。それにつきましては、昨年九月二十七日に会社側を呼んで事情を聴取いたしておりますけれども、基準法三条にいうところの「信条」すなわち宗教的信条または政治的信条等について差別をしておるという事態は認められないという判断で、その事実はないと判断いたしております。それから、ただいま御指摘のございました賃金カットの問題につきましては、八月の上旬にやはり会社側を呼びまして、時間内に食い込んだ時間を超過いたしました分の賃金カットについては、これを支払うよう指導を現在いたしております。そういう状況でございます。
○後藤委員 いま言われた、食い込んだ時間については支払うようにというのはどういうことですか。
○渡邊(健)政府委員 時間内に食い込んだ職場大会をいたしております。これにつきましては時間内の組合活動でございますから賃金カットのあるのは当然ではないか。それ以上にもし賃金カットをしておる分があれば、それを支払うように、こういう指導をいたしておるわけでございます。
○後藤委員 そうしますと、五、六分食い込んでおるのに三十分の賃金カットをしておる。あなたの言われるのは、三十分から五、六分差し引いて二十四分間の支払いをせよ、こういうふうに基準監督署としては指導しておられるのですか。
○渡邊(健)政府委員 この住友重機の賃金規則におきましては、無稼働の場合には、一日未満につきましては三十分あるいはそれ未満を単位に、三百五十分の一ずつカットをするという賃金の規定になっておるわけでございます。それによりまして三十分のカットをしたということで、賃金規則どおりになってはおるわけでございますが、おっしゃるように、六分あるいはその前後であったとすれば、実際問題としてカットが多過ぎるではないかということで、行政指導といたしまして、カットの額が大き過ぎるのではないか、それについては、その分は支払うようにしたらどうだ、かような指導を現在いたしておるところでございます。
○後藤委員 そうしますと、そこの会社では賃金規則があるわけなんですね。私もそれは読んでみました。ところが、いま労働省としてこの問題を指導しておられるのは、働いた時間まで賃金カットをするのはおかしい、ですから、勤務時間に五分ないし六分食い込んだならその食い込んだ時間だけ賃金カットをしなさい、三十分賃金カットをしてあったら、その差額は支払うべきだ、労働省としてはそういうふうに指導をしておるんだ、それは間違いないんだ、こういうふうに確認してよろしいですか。
○渡邊(健)政府委員 基準法におきまして、制裁をする場合に賃金を減額するについては、規定がございます。その規定には違反いたしておりませんので、基準法違反だということはいえないけれども、制裁の減額が実際において多過ぎるように考えられるので、それらについては支払うように、こういう行政指導をしておるわけでございます。
○後藤委員 あなた簡単にそういうことを言われますが、公労協関係なり公務員関係はそういうことになっておりませんよ。労働省の指導がそういう指導だということなら、これは大きな問題になってまいります。このことも十分御承知の上で発言しておられるのかどうか、私は知りませんけれども。だから労働省としては、賃金カットをする場合には、明らかに食い込んだ時間のみを賃金カットをする、食い込んでおらぬ時間、働いた時間に対しては賃金カットをしないんだ、こういうことで日本の労働運動の——この賃金カットの問題については、全国的にいろいろ多くの問題があるわけです。それをいま言われたような方向で今後労働省が指導をしていくんだということなら、言うことで私はけっこうだと思いますけれども、そこまではっきり労働省としての見解がないような気がするわけなんです。私はただ、あなたがここで言われたのは、あなたの個人の考え方のような気がしますが、これは労政局長としてどうお考えですか。
○石黒政府委員 労働時間中の労働組合活動につきまして、勤務しなかった時間に対応いたしまして賃金を支払わないということは、これは当然のことでございますが、その賃金の支払いをいかなる時間単位においてなすべきかという点につきましては非常にむずかしい問題が多々ございます。労働基準局ともなおよく打ち合わせをいたしまして検討いたしたいと考えております。
○後藤委員 そうすると、玉島分会については、三十分の賃金カットを受けておるけれども、食い込んだ時間は五、六分であるから、二十四、五分分は会社のほうから支払いなさい、こういうふうに指導しておるということは、うそですか。
○渡邊(健)政府委員 何分分をということは申しておりませんけれども、実際にカットいたしました分がやや多過ぎるのではないかということで、それについては円満に話し合いをして支払うようにと、こういう指導をいたしておるわけでございます。
○後藤委員 いま言われた、円満に支払うように、その円満ということはどういうことを意味しておるんですかわかりませんけれども、そんなものが円満に話がつくんなら、もう一年前の問題ですから済んでおるわけです。終わっておるわけなんです。ですから、いま労政局長が言われましたように、賃金カットの単位はいろいろあるわけなんです。あなたも御承知だと思いますけれども、これはいろいろのやり方があるわけなんです。ところがあなたが言われるように、労働省としてこういう方針でございます、働かなかった時間はやむを得ぬけれども、働いた時間に対しては賃金カットを一切やっちゃいかぬのだ、そういう行政指導からこれははっきりするわけなんです。そのかわりたくさんな問題がこれは出てまいりますよというのです、私は。だから、労政局長は、一ぺん基準局とも相談をしてどうこうと言われましたけれども……。だから、答えられたあなたの言い方がどうもあいまいで、聞いておりましてもわけがわからぬのだ。そういうあいまいなことを言っておりますから、この賃金カットの問題は一年たっても解決しておらぬじゃないですか。それはあなたが行政指導で、働いた時間を支払いなさいなら支払いなさい、はっきりした方針で指導されるなら会社も支払うと思うのです。われわれはこう思いますけれども、その辺は円満にひとつ話をなさって解決してくださいと言っておられるから、一年たっても二年たっても三年たっても、この問題は解決をしないということなんです。 不当労働行為の問題だってそうじゃないですか。やりたいほうだいやらしておいて、ほとんどもうあなたのほうとしては指導しておらぬわけなんです。しかもこの会社では七名の懲戒解雇があるわけなんです。懲戒免職です。六名が出勤停止を省けておるわけなんです。この中身をつぶさに全部検討をしてみますと、首になった人やらあるいは出勤停止を受けた人と同じ条件の人が、ほかに何ぼでもおるわけなんです。その資料はここに十分あるのです。同じ条件の人があるにかかわらず、計画的にと申しましょうか、とにかく第二組合育成のために懲戒免職七名なんです。中には、それより条件の高い人でも出勤停止三日間。これはいま玉島分会としては不当解雇ということで闘争が現在も続いておりますけれども、そういうことをやりながら、まだ職場においては不当労働行為を徹底していまやっておるわけなんです。たくさんあるわけなんです。私は何月何日にこうやられました、私は何月何日にこうされました、全部資料は整っておるわけなんです。これは小林進議員も去年の九月三日に労政局長のほうへ話はしてあると思うのです、不当労働行為の問題については。こんなことを放置しておいて、一体どうなるんです。労働省は一体何しておるんだと言いたくなる。なぜもっと真剣に労働行政に取り組んでもらえんのだろうか。しかも、先ほど言いましたように、四十四年に住友と合併しておる。合併するまでは何ともなかったんですよ。合併してから、住友財閥が入ってから、徹底して不当労働行為をやるわけだ。大企業にこういうことをやらしておいて、賃金カットの問題一つすら行政指導でよう解決しないじゃないですか、一年以上もたっておるのに。大臣、どう思われますか、これらの問題について。
○塚原国務大臣 この問題につきましては、事務当局から報告を受けております。不当労働行為の数々をいま申し上げておったようでありますが、まだ私両者の言い分も聞いておりません。しかし不当労働行為があるということは、これは決してよいことではございません。労働委員会等の機関を通じまして、いろいろの工作と申しますか打開策が講ぜられておると思いますが、いま事務当局が答えましたように、労働省としてなし得ることはやっておるのではなかろうか。いま何もやっていないという御批判もありましたけれども、私そこまで深くまだこの問題をわきまえておりませんので、私自身としてもこの問題の真相をひとつ確かめてからお答えするほうが適当であろう、いまこれについてどうであろうというような論評をすることは差し控えたい、このように考えております。
○後藤委員 大臣はまだ労働大臣になられて間がございませんから、実情はわからぬということだろうと思うのですが、もうぼつぼついろいろなことをわかっていただいてもけっこうじゃないかと思うのです。 第一番の賃金カットの問題は、どう行政指導されるのですか。時間がございませんから、簡潔なお答えでけっこうです。
○石黒政府委員 賃金カットの問題につきましては、率直に申しまして、労政局と労働基準局の間の打ち合わせが不十分であった点がございます。十分打ち合わせまして——特に一方の組合に有利に、一方の組合にのみ不利にするというようなことは絶対許されることじゃございませんので、十分打ち合わせまして善処いたしたいと考えております。
○後藤委員 その方針としては、あなたの向こうにおられる人が言われたように、働かなかった時間については賃金カットするけれども、働いた時間については支払わせる、こういう方向で行政指導されるのだ、こういうように考えてよろしいですか。先ほど言われたのですが……。
○石黒政府委員 働かなかった時間に対応して賃金をカットする、働いた時間に対応して賃金を払う、これは当然のことでございます。ただ働かなかった時間に、はしたがございます場合に、これをどう整理するかという問題につきましては、厳格に何分何秒まで計算してそれに対応するか、それとも若干大ぐくりにくくっていくかという点につきましては、さらに検討させていただきたいと存じます。
○後藤委員 それじゃ、この賃金カットの問題も一年たっておりますから、相談すべきことは労政局としても十分相談をしていただいて、早急に解決するように、厳重なるというとおかしいが、厳格なる行政指導をしていただくということでお願いしたいと思います。 それから、その次の不当労働行為の問題は、地方労働委員会でどうこうというような話もあると思うのですが、地方労働委員会というのは大体月に一ぺんか二月に一ぺんしか開かれないと思うのです。なかなかこの問題は解決しないわけなんです。そうこうしている間に、一方では不当労働行為がさらにどんどん激しくなっていっておる。延びれば延びるほど、やりたいほうだいが続くということなんです。やられるほうはやられっぱなしということなんです。これでいいものでしょうかね、お尋ねします。
○石黒政府委員 不当労働行為を救済する機関は、申すまでもなく労働委員会でございまして、労働委員会の手続がとかく時間がかかり過ぎるという御批判があることは十分承知しておりますが、これにつきましては、労働委員会みずからもいろいろとくふうをいたしておりますし、また当事者にその点からの御協力も求めて努力をしておると承知しております。私どもといたしましては、不当労働行為につきましては基本的にはやはり労働委員会の救済ということを筋として考えてまいりたいと考えております。
○後藤委員 労働省として、労働大臣、どうでしょうかね。私もあっちこっち見てまいりましたが、玉島とか浦賀ぐらい不当労働行為の激しいところはないですから、一ぺん実情を早急に調査していただく、人間を派遣して調査をしていただく、これくらいのことは労働省としてもやるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○塚原国務大臣 やはりこういう問題については、事実の認定ということが私も非常に大事なことだと思っております。いま事務当局から聞きますると、調査もいたしておるそうでありまするけれども、後藤委員御指摘のような点もあると思いまするので、再度と申しまするか、いままで何回行っておるか知りませんけれども、いまのようなおことばを踏まえまして、事実認定のための調査というものをさせたいと考えております。
○後藤委員 それから不当解雇の問題ですが、先ほど言いました懲戒免職が七名、出勤停止が六名、これは会社側が一方的にやっておるわけなんです。昭和四十四年の合併の際に、労働組合と使用者の間におきましていろいろな申し合わせがあるわけなんです。その申し合わせの中身を調べてみますると、合併するまでの各労働組合の慣行というのは今後も守っていきましょう、次の労働協約ができるまでは守っていきましょう、これは会社側のほうから組合のほうへ申し入れ書ではっきりしておるわけなんです。それをほんとうに慣行として守るとするのなら、七名を解雇する場合には、やはり懲罰委員会を開いて、そこで労使の間で十分協議をしてやっていくというのが慣行なんです。ところが、一方的にその昔の慣行を破ってしまって、再三再四注意をしたにもかかわらず考え直してくれないからというような理由で、七名を懲戒免職しておる。懲罰委員会もくそもあったもんじゃないです。しかもこの人については、ここでこういうふうに注意しました、ここでこういうふうに注意しましたというような懲戒免職の裏づけと申しましょうか——その裏づけもでっち上げが多いわけなんです。これは明らかに不当労働行為であり、さらにまた不当な免職である。しかも、先ほど言いましたように、その人方より条件の悪い人があるにもかかわらず、ゴボウ抜きで徴戒免職をさしておるわけなんです。それもほとんど全部が第一組合所属の組合員である。説得して第二組合に入るというような人は、いかに条件が悪くても免職にはしない。これは一々申し上げますと、もう数限りないほどこういうことが行なわれておるわけなんです。 こういうやり方に対しまして、労働省としては、いま大臣も言われましたが、まだまだ現地の調査が徹底しておらぬように思いますから、この不当解雇の問題、さらに労使の間の慣行を無視した問題、懲罰委員会関係の問題、さらに免職された人の条件等の問題たとえばこの人が暴力をふるったから解雇にしました。今度、暴力をふるわれた人を調べてみますと、私は暴力を受けたことございませんと言うておるわけです。一口に言っても、やりたいほうだい、したいほうだい、首の切りたいほうだい、出勤停止のさせたいほうだい。とにかく第一組合というのはじゃまになるから、第二組合に結集させる。これが住友と合併してから激しいわけなんです。それまではそんなことなかったわけなんです。大企業と一緒になってから、そういう不当労働行為が激しいわけなんです。こういう問題について労政局長、どうお考えでしょうか。
○石黒政府委員 私どもといたしましては、主として県の労政課を通じて調査いたしたのでございますが、ただいま御指摘のような従来の慣行であるとか、あるいは暴力行為の実証とかいう具体的な問題につきましては、詳細は実はまだ調査が届いておりませんので、なお十分に調査いたしたいと存じますが、ともかくも、大企業、中小企業という区別があるわけではございませんけれども、特に大企業というようなものは社会的責任も大きうございますので、そういったような不当労働行為あるいはそれと疑われるような行為は厳に慎むべきであると存じます。私ども調査をすると申しましても、監督署あるいは労働委員会のような強制的な調査権限もございませんし、個別行為の黒白を断定するという権限もございませんけれども、私どもが真剣に調査をいたしますという姿勢を示した場合にはかなりの影響力があると存じますので、この際、できる限りの努力をいたしまして、さらに厳重なる調査をいたしたいと考えております。
○後藤委員 時間が超過しまして、もう終わりでございますけれども、いま労政局長が言われました、調査の姿勢を示せばかなりの影響がある、非常に意味深長なことを言われましたよ。だから、まだまだ私も言いたいことがたくさんあって、資料もたくさんあるのですが、問題は、合併してから、玉島分会でも浦賀にいたしましても、やりたいほうだいの不当労働行為をやっておる。こいつはと思うと、すぐばっさりやる。これは第二組合に行きそうだから出勤停止三日ぐらいでかんべんしてやろう、そういうやり方が行なわれておるわけなんです。しかも、去年の九月三日に話が出ましたが、そういうことをやらしておる親分と申しましょうか、参謀長、これは昔労働省におった人なんです。北村何某という人なんですね。これは向こうへ行きますと非常に有名になっておる人なんです。この人が全部作戦を立てて、おれの命令でやれ、労働省のほうは何の心配もせぬでよろしい、たいしたことない、国会ではわあわあ言うてうまいこと言うけれども、そんなことたいしたことはない、やらにゃいかぬ、やらにゃいかぬということで、北村がやらしておるのです。これは間違いないですよ。だから、ぜひひとつ、労政局長みずから行くということもむずかしければ、下には課長さんもおいでになるし、だから、現実こういうひどいことをやられておるのだ、こういう不当なことをやっておるというのを一ぺん徹底して調査をしてもらいたいと思うのです。不当労働行為のひな形というか、一番激しいひな形なんですよ。ですから、賃金カットの問題、不当労働行為の問題、さらに不当解雇の問題、これらにまつわるいろいろな問題がありますし、さらに、地労委でどうこうと言われますけれども、先ほど労政局長言われたように、遅々として話が進まぬわけなんです。不当労働行為でどんどん占領されていくわけなんですよ。まあこの辺でよかろうといって地労委が出てきた時分には、元も子もなくなってしまうのです。それを望んでおる人もたくさんあろうとは思いますけれども、そういうことでは正しい労働行政ではないと思いますから、ひとつ労働省としては大型の、影響のある調査団を派遣していただく、そしてさっきあなたが言われたように、これらの問題を早急にひとつ正しい軌道に乗せるようにやっていただきたいと思います。 そこで、最後に一つ。いろいろ申し上げましたが、労働大臣から一もう一ぺんいまの話の確認を含めての御意見を聞かしていただきたい。
○塚原国務大臣 私も、労働大臣になる前にも、こういった問題についていろいろな話を聞いたことも何回かありまするし、私自身の問題でもそういうことに直面したこともございます。だから、それぞれ両者の言い分はあろうと思う。しかし、いまの問題はだいぶ前から——昨年の秋と言いましたね。それからお二人が行かれた。それで、労政局長に云々というようないままでの経過をずっと聞いておりました、また事務当局からもそれを聞いておりましたけれども、先ほども申しましたように、やはり事実認定ということが前提になると思うのであります。不当労働行為というもの、これはあくまでも排撃しなければなりません。と同時に、やはり労使双方の話し合いでその企業がうまく運営されることが一番望ましい姿でありまするから、いまのお話によりますと、何かどっか入ってきてそれが中心勢力になったら急に云々というような後藤委員のお話でもございましたが、私どもまだ寡聞にしてその間の事情を詳細に知っておりません。労働大臣不勉強なんというおしかりを受けるかもしれませんけれども、あくまでも事実認識に基づきまして、この問題の円満なる解決と申しますか、労使話し合いの上でその企業がうまく進むこと、これがやはり日本の前進にもつながるわけでありますから、先ほども申しましたように、調査と申しますか、よく調べまして、あやまちなきを期したい、このように考えております。
○後藤委員 では、終わりますけれども、大臣、調査をしてというならば、東京におっても調査できるわけです。百聞は一見にしかずということがあります。現地を見てもらうことだと思うのです。ひとつ労働省から調査団を出してみてください。会社側の言うことも聞き、組合の言うことも聞いてもらえばいいと思うのです。そして正しく判断して、こうだという行政指導をしていただければいいと思うのです。そのことだけもう少しはっきりひとつおっしゃってもらえませんか。
○塚原国務大臣 そういう大事な問題でありますから、国会がなければ私自身伺ってもいいのですが、ちょっといま東京を離れることができません。本省からなるべく早い機会において人を派遣いたしまして、両者の言い分をよく聴取いたしまして、先ほど申しましたように、御批判の点について十分の解明を与え、問題の解決に努力したいと考えております。
○後藤委員 終わります。
○森山委員長 次に、古川雅司君。
○古川(雅)委員 私は昨日の予算委員会に労働大臣の出席を求めまして、定年制の延長について大臣の御所見を伺ったわけでありますが、非常に時間が限られておりまして、かえって御質問申し上げたことが失札にわたったのではないかとたいへん気にいたしておりましたが、きょう機会をいただきましたので、もう少し詳しくその辺の経過についてお伺いをしてまいりたいと思います。 最初に、きょうは労政局のほうから課長もおいでいただいておりますので、その辺の情勢から伺ってまいりたいと思うのでございますが、いわゆる定年退職後の雇用情勢について、現状はどうなっておるか、その辺から御説明をいただきたいと思います。
○森山説明員 労働省が実施いたしました調査によりますと、定年到達者の七五%は定年後も雇用労働者として就業しております。一二%は会社経営とか個人営業などに従事しておりまして、無職の者は一三%ということになっております。
○古川(雅)委員 いわゆる一律定年制をとっている事業所でございますが、この定年年齢別の事業所数の概略について、これまた、もう一つ御説明をいただければ幸いです。
○森山説明員 同じく労働省の調査によりますと、五十五歳を定年としておりますものが五七・九%ございます。それが一番率としては多くございまして、六十歳以上のものがそれに次ぎまして、二三・一%ということになっております。あと五十六歳、五十七歳、五十八歳、それぞれ少しずつございますが、大半は五十五歳の五七・九%ということになります。
○古川(雅)委員 これは厚生省の管轄になると思いますが、定年制の延長を考える場合、現在の平均寿命の推移というものを考慮に入れなければならないと思います。これはもうここでくどくど申し上げる必要はないと思いますが、いずれにいたしましても、平均寿命の高まりが、いわゆる労働可能年齢を高めているという点は、これまたそのまま生計費の上昇を呼んでいるという一つの現象をもたらしていると思いますが、いわゆる定年到達直後の、定年退職直後の扶養状況といいますか、そういった点の調査を労働省で、もししていらっしゃいましたら、この点も御報告をいただきたいと思います。 〔委員長退席、澁谷委員長代理着席〕
○森山説明員 定年退職者が退職いたしました後、就職を希望いたしております者は、無職のうちの約八割が希望いたしておりまして、扶養の状況を申しますと、まず平均家族数が本人を含んで四人弱でございまして、そのうちの平均扶養家族数は一・八七人という状況でございます。
○古川(雅)委員 非常に概略的な数字をあげていただいたわけでございますが、これは社会現象的に、定年に到達する、一般的に五十五歳というのが通例になっておりますが、五十五歳くらいで定年退職した直後には、平均寿命の伸長等と合わせて、また非常に扶養しなければならない家族を多くかかえている。特に在学するお子さんをその年代でかかえているということは、生計費に非常な負担を及ぼすものでありまして、そうしたこまかいデータはございますですか。ございましたら、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○森山説明員 在学生を持っております者の比率は、扶養家族数一・八七人と先ほど申し上げましたが、在学生を持っている者の比率は三五・七%ございます。そのうち小中学生を持っておりますのが、六・四%、高校、大学生の者は三二・一%という状況でございます。
○古川(雅)委員 私のほうの調査では、ちょっと数字が食い違うような感じがするのですが、その辺の在学生比率の扶養状況ですけれども、小中学生については年齢の計では一四・八%で、それを区分をいたしますと、五十五歳から五十六歳で一八・一%、五十七歳から五十八歳で一六・七%、高校、大学生になると、年齢の計で四〇・二%、五十五歳から五十六歳で四五・八%、五十七歳から五十八歳で四二・五%、こういうデータがこちらには手に入っているのですが、ちょっとこれは取り方が違うのでしょうかね。
○森山説明員 年齢階層別に詳しく申し上げますと、五十四歳以下では在学生のある者が五七・一%、それから五十五歳から五十六歳では四八・七%、五十七歳から五十八歳では三九・一%、五十九歳から六十歳では二九・二%、六十一歳から六十二歳では二〇・九%、六十三歳から六十四歳では一八・七%、六十五歳以上は一三・〇%という状況でございます。
○古川(雅)委員 この定年制というものでありますが、大臣のお考えをまず最初にお伺いをしておきたいのですけれども、きのうの御答弁はそこまで触れませんでしたので、まずそこから伺っていきたいと思います。 定年制がなぜあるのかということですが、これはいわゆる企業サイドになりますけれども、その辺についてどういうお考え方を持っていらっしゃるのでしょうか。私としては、これは企業が年少の、いわゆる年の若い十分な労働力を確保するためである。したがって、これは生産効率を優先する企業保護のたてまえから出発している制度である、こういう理解をしているのでありますが、労働当局としては、この辺はどういうお考えをお持ちでございますか。
○塚原国務大臣 定年制につきましては、それぞれ今日までの慣行においては、もちろん寿命の問題もありまするし、賃金の問題もありまするし、そういう面から定年制というものが論議されたと思うのでございますが、今日の段階におきましては、いま先生の言われたような寿命の延長と申しますか、それから労働力の逼迫というか、そういう面から、従来の観念と違った定年制の延長というものをやはり真剣に取り上げなければならない時期に私は来ていると考えております。
○古川(雅)委員 どうもはっきりいたしませんが、少し先へ進ましていただきますけれども、そこで問題になるのは、いわゆる定年後の所得の確保の問題であろうと思います。先ほど来いろいろ課長から数字をあげていただきまして、定年退職後の労働者の生活の実態の一端も御理解いただけたかと思いますが、普通五十五歳くらいで定年退職をする。問題は、そこで再就職をしても、所得が急激にダウンすることであります。そこに定年制延長への要望が高まってきている、それでそこに議論があるわけでございますけれども、しかも寿命が伸びた、あるいは戦争の影響で結婚がおくれて定年退職年齢時になって、なおかつ小学校やあるいは高校、大学へ子供を通わせているというような、そういう扶養状況が非常に強く今日あらわれているわけであります。そういった意味で、私が先ほど申し上げたような企業保護政策的な、そうした意図で定年制が定着をしている、そしていわゆる強制退職とも言い切れるような定年制の名において、長い間企業に貢献してきた、あるいは社会の発展に貢献をしてきたそうした方々が、定年制の名のもとに飢えにほうり出されてしまう。これに対して、何ら定年退職後の労働者、またその家族を保護する政策、あるいは法がないではないかというのが国民の嘆きでありまして、その辺を踏まえての所見をもう一歩突っ込んで伺いたいところなんでございますが、その点大臣いかがでございましょうか。
○塚原国務大臣 企業保護の立場と申しましたけれども、いまそういうお話でございましたが、今後は企業を保護するためにも、これからの要求される労働力というものを考えた場合には、五十五でやめていただく——五十五歳というのが大体過半数と聞いておりますが、それでは企業自体が労働力を確保する面からピンチにおちいるのではなかろうか。ただその場合、年齢に応じた賃金体系がどうなるかというところに、それぞれの企業において問題があると思いますが、その観念から一歩前進いたしまして、いま何歳までが適当であるということは私は申し上げられませんけれども、過般御審議を願った中高年雇用促進特別措置法でありますか、これなどを見ましても、大体四十五歳から六十五歳ということでありますから、その辺に常識的なねらいというものが出てきまして、それがむしろ企業を保護していくというか守っていくというような形にこれからはなっていくのではなかろうか。一九七二年、いまの人口構成、これは厚生省所管でしょうが、たいした人口の増というものは私は望めないと思います。これは私個人の見解ですが、いま二人ないし三人ということになりますと、おそらく一億の人口が幾らいっても一億二千五百万ぐらいでとまる。となれば、これから非常に経済の発展によって労働力が要求されるときに、なるほど情報化した、コンピューターによってやるということがあったといたしましても、基礎となるべき労働力は確保されなければなりませんので、そこにやはり中高年齢者の必要性というものは非常に増加してくる、私はこのように考えております。
○古川(雅)委員 大臣の御所見は、現段階においては一応私はうなずけます。しかし雇用情勢の推移あるいは企業側が求めている労働力、その需給関係の、あくまでもその次元でもって定年制を考えていくには一つ不安があるわけでありまして、というのは、今後、むしろ憲法の勤労の権利といった次元から定年制の延長という点をもう少しはっきりした考え方として示していただきたかったわけであります。現にこれまで元気で働いてきた、たまたま定年制のその年齢に達して退職をした、非常に苦労しながら再就職をしたけれども、実際にはそれまで会社で働いていたときの、ひどいときにはもう半分にも三分の一にも満たないような賃金で老後の生活を考えなければならない。もっと極端なことを申し上げれば、いわゆる生涯保護制度というのがございますけれども、非常に救貧的な性格を持った生活保護、しかもそれを下回るような賃金で働かなければならない、いわば自前で保護費をかせがなければならないという、そういう状況の中で働いている定年退職後のお年寄りもたくさんいるわけでありまして、そういった点をただ単に企業の経営状態や、あるいは一般的な社会の雇用情勢の推移だけで、定年制の延長というものを考えていくのは少し甘いのではないか、私はそう考えるわけであります。いわゆる雇用対策法では、身障者の雇用率の設定等に関する要望ができるという例の十九条の規定がございます。こういった要望ができるという非常に弱い内容でございますけれども、やはり私はいま申し上げたように、老人福祉という観点からいっても、定年制の延長というものをもう少し労働行政の中で強く企業に対して求めていく、そうした姿勢が必要なのではないか、昨日の労働大臣の御答弁で一応理解ができるところでありましたが、非常に短時間でございましたので、その辺、当面やはり定年制は何歳ぐらいまで延長するのが好ましいと労働当局はお考えであり、そしてまた政府としては、どういう姿勢で企業に対して今後臨んでいくか。企業側はあくまでも採算ベースで、経営の状態を見ながら、こういった点を勘案していくでありましょうし、それと同じサイドで労働省が働きかけたのでは非常に弱いと思うわけであります。定年制の延長を大臣の決定によって法制化できないかどうかという昨日の私の質問に対し、その点は無理だというような意味の御答弁も含まれていたようでありますが、その辺を含めて、もう一度所見をお伺いしておきたいと思います。
○塚原国務大臣 昨日もお答えいたしましたけれども、時間がございませんので詳しいあれができませんでしたが、現在五十五歳というのが過半数である。しかし、これについての批判があることは、これはまた事実であります。しかし結論から申して、じゃ何歳がよいか、またそれを強制的に立法措置でやれるかというようなことになりますと、きのう私がお答えいたしましたように、私はこれは法律で、立法措置で規制すべきものではない。あくまでも当事者間の話し合いによってこの問題は解決するべきものであるというのが基本的な考え方であります。ですから、おのずからそこに常識というものがあると思います。いま何歳かというお話もございましたが、先ほど、この前御審議を願った法律についても、大体中高年と申せば四十五歳から六十五歳ということでありますから、その辺にめどを置いた話し合いが労使間において、あるいは当事者間において話し合われなければならない、また現に話し合われつつあると私は考えております。特に労働省といたしましては、四十七年度においてはそういった機運の醸成、話し合いの前進のために、われわれのやり得る範囲、つまり立法措置によらないでやり得る範囲のものを推進していきたい、このように考えております。
○古川(雅)委員 その辺の今後どういう手を打っていくか、具体的なお手のうちも拝聴したいところなんでありますが、過去についてはその辺、労働省当局としては、企業に対してどういう働きかけをこの点してきたのでしょう。課長、よろしゅうございますか。
○石黒政府委員 政府といたしましての働きかけにつきましては、第一に、新聞等に定年の延長が望ましいということを発表いたしまして、世論に訴えるということでございます。 それから、労使のトップレベル及び学識経験者をまじえました産業労働懇話会という労働大臣の諮問機関がございます。これにおきまして定年制をはかりまして、定年制の延長が望ましいということの労使の合意を得ていただいております。 それから中央雇用対策協議会におきまして、中高年齢者の雇用対策の小委員会をつくるということもいたしております。 また、四十五歳以上の高年者についての雇用率の設定ということも、定年制にもちろん関係のあることでございます。 そのほか定年制につきましての調査をし、これを発表して世論に訴えるということもたびたびいたしておりますし、また職安あるいは監督署等の賃金相談室とか高齢者コーナーというようなところでも、定年制の延長についての御相談に応じておるところでございます。
○古川(雅)委員 どうもまだこの定年制延長への労働省当局としての働きかけは、これまでは非常に腰の弱いものであったと私は判断せざるを得ないと思います。しかし、ただいまの大臣の御答弁は非常に強力なものでありまして、これまでとは違って定年制延長へのそうした社会世論も高まっていることであり、四十七年度からは強力に進めたいという御所見でございましたので、それをそのまま受けさせていただきまして、今後これを強力に進めていっていただきたいと思います。 この定年退職後の生活保障の問題にからみまして、ここでいま非常に強く考えられてきているのが労働力としての能力再開発を行なうことであると思います。職業訓練行政の拡充が叫ばれてきているわけでございますが、いわゆる研究機関の拡充についてはどう考えていらっしゃるのか、その辺からまず伺ってまいりたいと思います。
○道正政府委員 四十四年に職業研究所というのが設立されておりまして、中高年問題を含めまして、適職の開発であるとか、あるいは中高年齢労働者の体力測定あるいは技術の判断基準等を作成いたしまして、中高年齢者の就職促進にも役立つように鋭意研究を重ねている次第でございます。
○古川(雅)委員 雇用促進事業団が主体になりまして職業研究所というのがあるそうですが、何かまだ間借りで住友銀行の一角を借りて二十九名ほどでこれに当たっていらっしゃるそうですが、これはどういう機能をいま果たしているのでございますか、御説明いただきたいと思います。
○道正政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在は間借り中でございますが、中野の駅前に現在勤労青少年センターを建築中でございます。これが来年六月にオープンする予定になっております。その中に職業研究所も入れまして、名実ともに間借りでない、独立した研究機関に育てていく方針でございます。 何をやっているかというお尋ねでございますが、先ほども申し上げましたように、職業に関するもろもろの研究をいたしておりますが、その中で、たとえば一、二例を申し上げますならば、中高年齢者の雇用率を設定する職種が現在二十九、来年はこれは倍増いたしますが、そういう場合の職種の選定のための判断基準、スデックヘンプ方式というのも開発いたしております。 〔澁谷委員長代理退席、委員長着席〕 それから中高年齢者ではございませんが、学卒の就職問題につきまして、離職状況等が必ずしも低くございません。それはやはり就職をする学卒の皆さんが、必ずしも適職に紹介されていないんじゃないかという点も懸念されますので、そういう学卒向けの職業レジネステストというようなものも開発して、中卒全員につきまして適職判断の基準として、行政の実務の上にものせている次第でございます。
○古川(雅)委員 この職業研究所の研究の内容についてでありますが、いまの御説明のほかに非常に気になりますのは、いわゆる先ほど来申し上げている定年退職後の高齢者の労働力の能力の再開発の問題、この点の研究の現状についてはいかがかんでございましょう。
○道正政府委員 職業研究所が四十四年に発足いたしましてから数年になるわけでございますが、まず最初に取り上げましたのが中高年齢者の適職判定のための基準の作成ということで、先生の御趣旨に沿うように、研究所といたしましても、まず中高年齢者の就職を促進するというための研究から着手したわけでございます。これは私も細部にわたりますと必ずしも専門家でございませんが、たとえば作業強度であるとか、あるいはそれに見合う就職するほうの側の身体の特性であるとか、あるいは聴覚であるとか視覚であるとか、そういうものが一般の成人者に比べますと落ちているわけでございますが、そういう点のかみ合わせであるとか、そういう七つの基準をつくりまして、それに見合ってどのくらいの適性があるのか、またそういう一般的な中高年齢者の適性から見て、どういう職種がふさわしい職種であるかというような研究を鋭意やっているわけでございます。
○古川(雅)委員 きょうは大蔵省呼んでないのでございますが、ただいまの御答弁に関連いたしまして、いわゆる専門の、高齢者だけの職業訓練所について労働省が今回三校分について予算要求をしたということを伺っております。これは全部削られたというふうに聞いているのですが、その辺の経緯をちょっと御説明いただきたいと思います。
○遠藤(政)政府委員 中高年齢者の中でも、先ほどからお尋ねの定年退職をしたような人たちの、比較的高年齢の人たちを対象にいたしました訓練につきましては、先般成立を見ました中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法、こういったものを中心にいたしまして、その再就職をはかってまいっております。こういう人たちの再就職を容易にいたしますために職業転換訓練を実施いたしてまいっております。これは四十六年度よりもワクを増大いたしまして、四十七年度は七万二千人のワクで実施いたすことにいたしております。 そのほかに人材銀行に登録しております、こういう高年齢者の人たちに対しましては、人材セミナーというような、いわゆる職業講習を行なって、その再就職を容易にするような措置をとってまいってきております。 そのほかに、いまお尋ねになりました、高年齢者を専門に訓練をいたします、いわゆる高齢者の訓練を四十七年度から東京、大阪、名古屋、こういった主要都市で大体三百人くらいの定員で実施いたす予定にいたしております。その内容は、こういった五十五歳以上の高齢者になりますと、一般の職業訓練の科目ではなかなか再就職をはかるにいたしましても、容易でないというような面もございますので、比較的容易な事務補助でございますとか、あるいは簡単な家屋修理だとか、あるいは園芸とか、高齢者向きの職種を設定いたしまして、こういう人たちの訓練をはかってまいりたい、こういう予定でいま作業を進めている次第でございます。
○古川(雅)委員 ところが予算要求は通らなかったわけですね。準備をしていらっしゃるというのはわかるのですが、この要求が通らないことによって中高年齢者の雇用促進、特に職業訓練という部面で、一年間当局としての計画が大いにおくれて狂っていくのじゃないか、そういう心配がありますけれども、それは差しつかえなかったのですか。この高齢者専門の職業訓練所というのは、私は非常に重大な意味を持っていると思います。今後これは大きなウエートを占めていくんじゃないかと思います。どうも大臣がかわってしまいましたけれども、大臣の腰が弱くてこの予算の要求が通せなかったというのは非常に遺憾なんですが、そのことによって作業が大幅におくれるという心配があるのではないかと思いますが、来年度の予算要求へのこれは一つの大きな布石にもなりますので、その辺の状況について御報告をいただきたいと思います。
○遠藤(政)政府委員 いま申し上げました、この高年齢者を対象にいたしました専門の訓練施設につきましては、施設を新設することにつきましては、お話のとおりでございますが、東京、大阪、名古屋等の専修訓練校にそういう施設を併設することにいたしまして、ただいま申し上げました三百人の定員で予算が計上されております。
○古川(雅)委員 特に高齢者の能力の再開発につきましては、こうした職業訓練所の整備を急ぎながら将来に備えていかなければならない、それも急がなければならないと思うわけでございますが、当面の問題として、ここで非常に気がかりになるのは、そうした再訓練、再教育の不備から高齢者の労災事故が絶えない、非常に多いということ、これが私ども気になっているところであります。 四十三年度の資料では、労災事故における全体に占める高齢者の事故の割合の資料があるようでありますが、ごく最近の資料ではいかがでございましょうか。
○渡邊(健)政府委員 高齢者につきましての労働災害の状況につきましては、四十三年度に労働災害の動向特別調査を実施いたしまして、そのときに建設業等につきまして年齢、階級別の災害発生率をとっておりますことは、いま先生おっしゃったとおりでございますが、この調査をまだその後は実施いたしておりませんので、最近の数字は特にございません。
○古川(雅)委員 それは大体傾向として、四十三年以後ずっと変わっていない、あらためてとる必要もないという意味なのか、手不足でおありなのか、あるいはそういう資料はもう必要ないとお考えなのか、あるいは近々またそういったデータを新たにとって、今後の高齢者の労災事故防止の方策を立てようとなさっているのか、その辺はいかがなんでございますか。
○渡邊(健)政府委員 四十三年にいたしましたのは特別調査でございまして、毎年定期的にとる調査ではございませんので、毎年はとっておりませんが、適当な間隔をおいて今後もとってまいりたいと思います。その意味で、そう遠くない機会に再度そういう調査をしてみたい、かように考えております。
○古川(雅)委員 労働安全衛生法案が労働省のほうからお示しでございますが、その六十二条で、(中高年齢者等についての配慮)という中で、その辺の、高齢者の労災防止についての配慮も一応あるようでございますが、この法の施行によって、そうした高齢者の労災事故の実態調査も、これはむしろ定年度化してとっていくようになるのが当然じゃないかというような考えを私持つのでございますが、当局としては、その辺の必要はお認めになりますか。
○渡邊(健)政府委員 今度国会に御提案いたしております労働安全衛生法におきまして、いま御指摘のような条項を入れまして、今後中高年齢者につきましての災害防止についての特別の配慮を使用者に義務づけ、そういう面の災害防止に今後ともつとめてまいりたい、かように存じておりますが、調査等につきましては、そういう行政に支障のないよう随時今後調査を強化してまいりたい、かように考えております。
○古川(雅)委員 こまかい質問はまた法案の審議がなされる、その機会に譲らしていただきますが、ただこの六十二条で、「特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行なうように努めなければならない。」という非常に弱い表現になっております。その辺で、やはり高齢者の就労について実際問題として起こってくる安全施設の問題とか、あるいは安全装置、あるいはまた作業環境についての規定が、私の勉強不足かもしれませんが、その辺見当たらないのでございますけれども、すでに提案をなさっている段階でございますが、その辺の配慮はどう理解すればよろしいのでしょう。
○渡邊(健)政府委員 中高年齢者は確かに、急激に変化いたします生産方式や工法等についての適応力が若い人たちより之しいために、災害にかかる率が多いわけでございますが、しかしながら、どういう作業について、どういう配慮をする必要があるか等につきましては、作業の種類によっても違いますし、個人的な差も非常にあるわけでございます。したがいまして、画一的な基準ということはなかなかむずかしいと存じますけれども、われわれ行政指導におきましては、中高年齢者にあまり適しない作業、こういう作業についてはこういう配慮をする必要があるといったようなことは、啓蒙指導の資料等にそういう例を記載いたしまして、従来とも指導につとめておるわけでございますが、今後法律の新設に伴いまして、使用者として、そういうような心身の状況に応じて配慮して、適正な配置をすることが法律上の義務に相なってくるわけでございますので、われわれは、新法ができましたならば、それを背景にいたしまして、一そうそういうような指導を強めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○古川(雅)委員 時間になりましたので、最後に一つだけお伺いしたいと思いますが、きょうずっと一貫してお伺いしてきたのは中高年齢者についてでありまして、特にここでこれから問題になってまいりますのはお年寄りの働き手、老人福祉も、お金を差し上げるとか施設をつくって差しあげるということだけではなくて、いわゆる生きがい論の中で老人問題が非常に議論されております。生きがいを持って働いていく、 そうした場所をつくってあげることも、またその生活をささえるだけの十分な所得について考慮して差し上げることも、現在の政治の中では非常に立ちおくれている。いわば政治のネックになっているわけでありまして、老人福祉法は、これは厚生省の管轄でございますけれども、いわゆる健全で安らかな生活を保障されるものである。この精神は決して労働省当局としてもお見のがしではないと思います。私たちは老人福祉法を論じてまいりますが、この老人福祉法による厚生省関係の予算措置を見てまいりましても、きわめて多くの部分が、特に私こまかい数字は理解しておりませんけれども、伺ったところでは九〇%近くが、いわゆる老人ホームとかそうした施設に関係する方々あるいは老人クラブというような、そういう一つのグループ、団体に属している方々に非常に恩恵が集中している。定年退職後等の再就職によって細々と働いている、これは冒頭に申し上げましたが、そういうお年寄りに対しては非常に恩恵が少ない。先ほどの大臣の御答弁では、たとえば中高年の雇用促進特別法の措置としていろいろ手当てをしているというお話でございましたけれども、これとても就職指導手当あるいは訓練手当等を見ても、その生活をささえるには非常にわずかな額であるといわざるを得ません。そういう点を踏まえまして、労働省の中でこれまで、勤労青少年あるいは働く婦人、壮年の労働者の方々について行政を進めておいでになったわけでありますが、今後はやはり高齢の勤労者についての配慮が一段と強く社会的に要請されていくのではないかと思います。これは当然のことでありますが、最後にその辺の今後の決意につきまして大臣から御発言をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○塚原国務大臣 長い間職場にありまして努力され、そして第一線を退かれていかれた方、この方々の経験というものは非常に貴重なものであり、またその豊富な経験を活用させるべきであることは、これは言うまでもありません。また、それがひいては生活の安定にもつながり、また国民経済の発展にもつながるものであります。先ほどから予算その他についてまだ不備な点の御指摘がございましたけれども、冒頭に申し上げましたように、これからの労働力というものが非常に逼迫してまいりまするときに、この高年者、中高年者の労働力というものをいかに活用するかということが、これからにとって非常に大事な問題であろうと私は考えておりまするので、法的措置はともかくといたしましても、予算措置その他において万遺憾なきを期するよう、最善の努力をいたす考えでございます。
○森山委員長 次に、西田八郎君。
○西田委員 先日行なわれました労働大臣の所信表明を中心にいたしまして、最近の労働問題の中から二、三点を御質問申し上げたいと思います。 まず最初に、勤労婦人の福祉の問題につきまして。 このたび勤労婦人福祉法案なるものを今国会に御提出になるというふうに聞いておるわけでございますが、一体勤労婦人福祉法の対象になりますのは、どういう労働者であるか、その点からお伺いをしていきたいと思います。
○高橋(展)政府委員 私からお答えさせていただきます。 勤労婦人と申しますときに、私どもの考え方といたしましては、広く働く婦人というように考えておりまして、それが働く婦人全般の福祉の向上ということをねらいとして立法を考えているわけでございますが、しかし具体的な措置の対象といたしましては雇用労働に従事する婦人、これが中心になると思われるところでございます。現在、法案の詰めを急いでいる段階でございますので、こまかな点につきましては成案を得次第、お答えいたしたい、そのように考えます。
○西田委員 そうしますと、雇用されていない労働者、たとえば農村で働いておる婦人労働者がおられると思うのですね。また中小企業等、商店など自営業をやっておられる方、小さな中小工業者の中にもそうした働く婦人がおられるわけでありますが、そうした者はどういう対象になるのか、雇用されていない自営の人ですね。
○高橋(展)政府委員 先ほど申し上げましたように、基本的な考え方といたしましては、いまおっしゃられましたような方々も含めた、すべて勤労に従事する婦人というように広く考えているところでございますが、具体的な措置となりますと、かなり限定されて、雇用労働者が中心になるものと考えているところでございます。なお、検討中でございます。
○西田委員 いずれまたその論議は別にいたすといたします。 そうしますと、大臣の所信表明の中にありました婦人の「家庭責任」とは一体どういうことなのか。家庭の責任というものは婦人だけがとらなければならないものなのかということですね。婦人の「家庭責任」とは一体どういうことをさして言われるのか、お伺いしたい。
○塚原国務大臣 雇用関係にある御婦人が非常に多いということ、人口一億のうち五千万が働いておって、雇用関係にある者が三千万、そのうち千百万が御婦人である。しかも、その五二%が既婚者であるというふうに私は報告を受けておりまするが、それだけにいまの御質問のような問題が出てくると思うのであります。しかし夫婦ともに、男にももちろん責任があるわけでありまして、両者の責任というふうに御理解をいただきたいと思います。
○西田委員 そうしますと、両者の責任であるということになれば、憲法では男女の平等性というのがうたわれておるわけでありますが、実際上は女性は結婚すれば退職をしいられるとか、あるいは妊娠をすればその時点で退職をしいられるというような差別、あるいは賃金等にも、一応は合法的に——一級だとか何号だとかいうようなことで、いろいろ賃金体系は複雑でありまして、これはもうとても一本ではない。日本の賃金体系全部調べれば、それぞれの企業によって違いますので、全種類あるのではなかろうかと思うのでありますが、しかし、その中で特に女性に差別をしているところはないと思う。しかし実際の運用の上において、女性の賃金の上昇カーブを二十八歳なり三十歳でとめたりしている企業は数多くあるわけです。実際にはそういう勤労婦人が差別されているところはありますが、しかし憲法上はそうした男女の差別はないはずなんですね。少なくとも法律上はないはずであります。そうだとすれば、ここでやはり女性を特に職場の中で保護しなければならない要因は何にあるのか、これをひとつお伺いしたい。
○塚原国務大臣 先ほど五二%がすでに既婚者であるということを申しましたけれども、やはり女性には子供を育てるという大きな義務、それから家庭を守らなければならないという大きな仕事があるわけであります。私決してフェミニストであることを強調するわけではございませんが、そういう状況を勘案いたしますと、憲法の精神に違背しない形において女性労働者に対してあたたかい手を差し伸べるということは、必要なことであろうと考えております。
○西田委員 結局大臣の言おうとされている点は、男女は平等であるけれども、女性には母性という特権がある。その特権を保障したいという立場で女性を、特に雇用されておる勤労婦人を職場の中で保護しようというか、その福祉を守ろうしいうのが女性の持つもう一つの側面、これは女性だけの持つ特権と言っていいんだろうと思うのですが、母性を保護するという立場からの発想ではなかろうかと思うのです。その辺どういうふうにお考えになっているのか。
○塚原国務大臣 御指摘のとおりであります。育児と家庭を守るというわれわれとは違った両面を持っている方々に対する措置であります。
○西田委員 そうだとしますと、何も勤労婦人だけではないと思います。私は、育児、家事ともに一般に働いている人たちにも家庭で働いている人たちにも、それを持たなければならない責任があると思います。ことに最近のように人手不足ということになってまいりますと、お手伝いさんといわれる家事従事者もそう簡単には雇えません。また商店等におきましては、若年労働者を雇うことも非常に困難であります。そういうときになりますと、その御婦人は主婦であると同時に勤労者であるわけであります。そうした人を保護の対象にしないという理由が出てこないわけですが、その人たちは一応満たされているというふうに御理解になっておるのかどうか。
○塚原国務大臣 先ほど婦人局長が答弁いたしましたように、勤労婦人に一応限って立法措置を講じ、今後さらに検討していきたいというような答弁だったと思いますが、私たちが考えますに、やはり農村の方も御苦労なすっておる、中小企業の方も非常に御苦労なすっておる。ですから、この法律でそういう者に全部効果が及ぶことを望んでおりますけれども、いまの立法の作業を見ておりますと、やはり勤労婦人に限っておるというふうに私は解釈いたしております。まだでき上がっておりませんから……。しかし、そういう趣旨を入れながらこの法律を国会に提出いたすといたしましても、いま御指摘のような農村の方々、中小企業の方々、また御指摘のような婦人に対してこれか及んでない面が確かにあることを私はおそれております。ですから、そういう方々に対しましても、私が先ほどから申し上げておるような基本的な理念に立って、やはり法によるあたたかい措置というものは、当然これは政治的にも考えていかなければならない、このように思っております。
○西田委員 そうだといたしますと、私は何も勤労婦人というものに限ることなしに——男女同権という問題は憲法で定められておるわけであります。したがって、その憲法で抜けておるのは、女性の母性を守ろうという、母性に対する保障規定というものがないわけなんです。それを女性の、側面からの母性を保護するという立場から、これは単に労働省だけではなしに、厚生省あるいは農林省等とも十分の相談の上で、母性保護という立場から、母性保障法というか母性保護法というようなお立場で立法をできればすべきでなかったかというふうに考えるわけでありますが、将来そうした方向に転換さしていこう、発展さしていこうというお考えなのかどうかお伺いをしたい。
○塚原国務大臣 労働省が提案いたします法案でありまして、セクショナリズムをどうこうするわけではございませんが、やはりいま問題になっておる働く婦人、勤労婦人に対してどうするかということをまず最初にやりまして、ここで先べんをつけるということばが当てはまるかどうかは別として、これをやることは私は一歩前進だと考えております。しかしいま各省、たとえば農林省、厚生省と十分相談しなければいけない。もちろんこの立法の過程において各省とも連携はとっておると思いまするが、先ほど申し上げたように、まだこの恩恵、効果というものに浴し得ない方々もあることは事実でありまするから、将来はいわゆる平等な立場において恩恵が行き渡るよう配慮しなければならないことは言うまでもありません。
○西田委員 それはぜひひとつその点で、何か出発点といいますか、足がかりができますと、次にさらにまたそれを広げるということも可能なわけでありますが、わが国のいままでの行政の立場からいきますと、いま大臣もいみじくもおっしゃったように、何かセクショナリズムといいますか、そういうようなものがありまして、どうも労働省がやりかけると、あとはもう厚生省は知らぬ顔だというようなことが往々にして、いままでの立法措置の中でも行政の中でも見られたわけであります。そうしますと、勤労婦人が守られたんだから、あとはいいじゃないかということになっては困ると思うのです。最近私どもが旅行いたしましたときに、ホテルでも旅館でも、その従業員に対しては、午後十時以降のお申しつけは固く御辞退申し上げますという張り紙をよく見ます。これは基準法上からいけば接客業でありますから、その制限は適用されてない、免除されておることではあるけれども、やはり婦人の深夜労働はいけないのだという風潮が出てまいりました。同じようなことが私はやはり一般化していると思うのですけれども、どうも法律上から見ますと、そうした点が十分実態にそぐわないままで残されているものもずいぶんあると思うのです。したがって、いまおっしゃった点、ぜひひとつ今後の課題として、政府自身でお考えをいただきたいというふうに思うわけであります。 特に最近育児休暇の問題が非常にクローズアップされてきておりまして、与党自民党の中でも何か考えておられるようでありますけれども、これに対して高橋局長にお伺いするのですが、育児休暇であるとか、あるいは生理休暇等が、母性を保障するという立場から考えるならば、私は無給ということに若干の問題があるように思うんですけれども、この辺について行政指導として有給という方向で指導できないものかどうかお伺いをいたしたいと思う。
○高橋(展)政府委員 育児休業の点についてお答えさせていただきます。 私どもは、働く婦人が乳幼児を持っております場合、その一定期間、雇用関係というものを失うことなく、その選択によって休業することができるということになりますれば、勤労婦人の福祉という点からたいへんに有効なことであるという考えで、かねてから育児休業につきましてはこれを普及する、そのような立場をとってまいっているところでございます。 しかし、これにつきまして、強行規定で強制的な制度として一律に全国のすべての事業所にこの制度を採用するようにというようなことを推し広めますには、まだ問題が多々あると思いまして、また、その一環として、ただいまお話のありました有給であるとかそういった点が含まれてまいるわけでございますが、そういった点も含めまして、この強行的な制度化ということにはまだ時期が早いと申しますか問題が多過ぎるように思っておりますので、私どもといたしましては、労使の話し合いで、育児休業の内容というものも、現実的にまた有効なやり方を採用していただけるように、それを推進してまいる、そのような態度をととっております。
○西田委員 そういう行政指導をされるということについては、まことにありがたいのですけれども、それに対する経営側の考え方は、やはり、働かざる者に対しての賃金不払いという原則は守っていきたい、いわゆるノーワーク・ノーペイというのが、これが経営の原則だろうと思うのです。しかし、それは、故意に働かないのではなくして、女性という特性からくる休業でありますから、私は当然それを補償すべきだということと、もう一つ、新しい問題として、休業期間中どうして復職を好まないかということになりますと、最近のように日進月歩の技術革新の中では、一年近くも休まれるということによって、その人の休み期間中に技術がかなり進歩をするわけであります。したがって、ずっと常時在勤する人と、六カ月ないし一年間休んできた人の復職の時点における、その職場の中における作業内容といいますか、相当変化をしてきておる。したがって、新しい技術についていけないからという理由もある程度あるわけです。これは私は実際に団体交渉していく中でそうしたことも聞いてきたわけです。そういう主張も経営側から出てきたことも聞いてきたわけです。したがいまして、それらのことを、育児休業中といえども、ある程度拘束をしながら、一週間に一回なりあるいは一月に何回なり日を定めて、そして技術向上のための再訓練の義務を付す、こういうことも考えられるのではないか。そして、それとのうらはらにおいて、したがって拘束しているのであるから基準法上の休業補償六〇%、その率が適当であるかどうか別として、補償をさせるというようなことも一つ考えられるのではないかと思うのですが、局長、そうした点について、いままでいろいろ、婦人問題懇話会なんかあるようですけれども、議論が出たかどうか、あるいはまた局長自身それについてどういうふうにお考えになるか。
○高橋(展)政府委員 最初の点でございますが、休業の実効をあげるためには有給にするべきじゃないかという点でございますが、これは、先生もおっしゃられましたような、原則的な、ノーワーク・ノーペイというようなプリンシプルもございますし、また現実問題としまして中小企業等で、休んでいる婦人に対して休業補償をする能力というものも、これは非常に無理なことではないかと思われます。私どもといたしましては、かりにその休業期間中に、その間の所得について考えなくてはならないとすれば、もっと別の方法も考えられるのではないかというようなことで、しかしこれはまた非常に大きな問題でございますので、今後の検討、研究にまちたいと考えております。 それから、第二の、復職を容易にするために、その休業期間中に再訓練のようなやり方をということで、たいへんにおもしろいと言っては失礼でございますけれども、一つの考え方だと思いますが、そのようなことも含めまして今後一そうこの育児休業ということのあり方についての研究、検討を進めさせていただきたいと思います。
○西田委員 親子の断絶、あるいは今度の浅間山荘事件をながめてみましても、母親が行って呼びかけてみても、それに何の反応もなかったというようなことは、親と子のゼネレーションの相違といいますか、いろいろと、スキンシップとよくいわれますけれども、そうしたものの欠除からくる断絶ということもよくいわれておるわけであります。坂東国男は私の選挙区であって、あのおとうさんは首をつって死ぬわ、おかあさんもいたたまれない。しかも、不幸なことに、一週間日の初七日の日にぼやが出まして、近所から相当痛めつけられて、脅迫電話なんかもひどいようであります。あのおかあさんの気持ちになってみれば、ほんとうに−今日、工場に行って働いて金を取ることだけが目的のような労働というものを、もう少し考えなければならない時代に来ているのじゃないか。特に、母性というものに対して、国はもっと真剣に考えなければならない時期が来ているように思うのであります。そういう意味からいけば、国家の次代を背負う子供を育てるのは、これはだれが何といっても母親のスキンシップから始まってくると思うのです。そういう点からいけば、母性をもっと保護する、こういう立場に立たなければならないわけでありますから、その母性保護のためにとられておるところの立法上の制限、就業制限、こうしたものについては、全国民に訴えてでも、もっと働きやすい環境をつくっていく必要があるのじゃないかというふうに考えて、いま申し上げたわけであります。局長の答弁のように、ある程度私の意向もくんでいただくと言うとおかしいけれども、その点では大体、意見が一致するところであろうと思うのです。したがって、労働省は、今後、母性保護、特にいま考えられておる勤労婦人の福祉の充実のために、思い切った政策を大いに出してもらいたい、そういう点で強く希望をしておきたいと思います。 いま考えられておるものを、ざっと要綱だけしか見せていただいておりませんけれども、福祉法といったって、結局は基準法の焼き直しというようなものであって、特に重要とされるようなところは何もないというように考えられるわけです。法案提出の際には、そうした点も十分配慮して出していただきたいということを要望をしておきたいと思います。 そこで、関連をいたしまして、そうした立場から考えますならば、当然、この際、いままで未批准になっておりますところのILO条約の婦人関係四条約、あるいは三条約といわれておるわけでありますが、八十九号、百二号、百三号のいわゆる女性の深夜勤禁止に関する条約、差別撤廃に関する条約、母性の保護に関する条約をそれぞれ批准する手続をとるべきではなかろうかと思う。これは、私が二年にわたって強調をしてきておるわけでありますが、国内法の整備ができないのでというのが、いままでの政府側の答弁でございました。この際、幸いにして、勤労婦人の福祉法ができるわけでありますから、その中で国内法を整備して、そして同時に批准すべきではないかと私は思うんですが、大臣のお考えはいかがか、お伺いしたい。
○高橋(展)政府委員 ILO三条約の批准の問題でございますが、これは前にもお答え申したことがあると思いますけれども、国内法との関係でいまだ批准という運びに至らないところでございます。 ところで、ILO三条約と国内法との相違という場合、労働基準法の規定との相違ということが主たる相違点でございます。今回、準備を進めております勤労婦人福祉法は、これは勤労婦人の職場内外の生活の福祉の領域で措置を進めようというものでございまして、基準法上の問題には触れない、こういうたてまえの法律でございます。つまり基準法と相まって、福祉の領域の法律で進めていこう、こういうたてまえでございますので、今回の立法とILO三条約とは直接的な関係はないわけでございます。三条約につきましては、基準法研究会で、これからも引き続き母性保護関係の問題も検討してまいるところでございますので、その研究の結果を待ちまして、三条約についても検討いたす、このような手順で考えております。
○西田委員 それはおかしいんじゃないですか。それはもちろん、基準法というものがあって、それを改正せずに福祉法ができてくる。それは基準法の領域を侵すものではないということなんですが、現在の基準法そのものに問題があるわけでしょう。女性の就業制限その他についていろいろな規定がある。したがって、そうした面から、ひとつ婦人福祉法で婦人の福祉を守ろうという立場からいろいろと考慮なさったわけですよ。そして、肝心の基準法がそのままで、福祉法ができて、何で福祉の目的が達せるかということになれば、それは労働省が、ああしなさい、こうしないと言って下部機構に命令するなり、経営者にいろいろなことを義務づけるだけの話であって、何も国としての政策にはならぬじゃないですか。だから、この際、やはりそうした面も含めて、女性の職場内における環境を守るというか、女性を保護するという立場からの就業制限等についても、国際的条約であるILO条約の批准と合わしてやるべきではないか。その点、基準法の改正が必要なら、その部分だけでも基準法の改正で出せばいいじゃないですか。肝心の基準法に触れずに、福祉法だけをつくる。しかもそれは宣言規定のようなものにして、そしてまた、世界的に行なわれておる条約も批准しないということなら、一体どういう形で実質的に婦人の福祉が守られるのか、疑わざるを得ないですね。それはこの際、思い切ってやるべきだと私は思うのですが、高橋局長答えにくければ、大臣からひとつ思い切った答弁をしてくださいよ。
○塚原国務大臣 労働基準法研究会にこの問題についていろいろ御審議を願っておりますので、子のまとまった考えをもとにして対処いたしていきたい、このように思っております。
○西田委員 それは野原さんのときからずっと聞いておって、三代にわたって聞いてきたわけですが、それじゃ労働基準法研究会の結論はいつごろ出るのですか。そうした、もう時代に合わないもの、たとえば一週四十八時間労働とか、先進国の仲間入りをした日本としては、もう全く合わないものもあるわけですが、そういうものの改正を含めて、大体いつごろ研究会のなにが出てくるのですか。
○渡邊(健)政府委員 労働基準法研究会は、四十四年に設置いたしましてから、基準法の運営の実情及び問題点について鋭意検討いたしておるわけでございますが、問題が非常に広範にわたりますために、問題ごとに小委員会等をつくりまして、逐次、一つずつやっておるわけでございます。御承知のように、昨年七月には、安全衛生について調査研究の結果を報告されまして、これに基づいて今般労働安全衛生法を御提案申し上げたわけでございます。また昨年暮れには、労働時間、休日、休暇等につきまして報告をいただいております。引き続きまして残った問題、いまお話に出ております婦人、年少者の労働基準の問題等も含めまして、その後検討に入っておるわけでございます。まだ残っております問題が非常に広範でございますために、ちょっとただいまの段階では、いつという時間的なめどまでついておりませんけれども、できるだけ急ぎまして、逐次、一つ一つの問題について結論を出していく、こういうことで現在進んでおるわけでございます。
○西田委員 これは、委員の方々もお忙しいのでありましょうけれども、時代は大きく転換しつつあるわけでありますし、日本の経済的地位も国際的には上位ランクで、GNPではもうアメリカに次いで二位というのですから、そういつまでも低開発国と同じような労働条件を維持していくわけにいかぬと思うのです。したがって、その根本になる基準法でありますから——それは確かに、いろいろ広範にわたっているのでありましょう。しかし、それは、精力的にやるかやらないか、やる気があるかないかでだいぶん違うのですから、ひとつ急いでいただくことをお願いして、次の質問に移ります。 今年度の労働省の関係予算の中に、通勤途上の災害に対して保護制度創設の準備のための予算が多少組み入れられておるようでありますが、一体これはいつごろから通勤途上の災害を業務上というふうにみなし得られるのかどうか。そういう業務上災害とみなすという前提に立っておるかどうか、この点についてお伺いをいたしたい。
○渡邊(健)政府委員 通勤途上災害につきましては、これも四十四年から通勤途上災害調査会というものを設けまして、労、使、公益、各委員でこの問題をどう取り扱うべきかを御研究願っておるわけでございます。当初は国内の取り扱いのいろいろな実情あるいは外国の実情等の勉強をされまして、昨年の春には中間報告も出されたわけでございますが、その後、その上に立ちまして、どう取り組むべきかという御審議を続けていただいております。 率直に申しまして、労使それぞれの意見が非常に分かれております。ただ、現在までの段階では、現在のわが国における保護制度、これは業務上としては取り扱われてはおらないわけでございますが、これについては現在の実情からいたしまして十分ではないのではないか、現状にプラスする何らかの保護が必要ではないかということにつきましては、大体労使含めまして委員の方の御意向が一致いたしておりますけれども、それをどういう方法で、どういう内容でやるかというような点につきましては、なお労使を中心に非常に懸隔がございまして、現在公益委員が労使個別に折衝いたしまして、両方の主張を歩み寄らせるべく努力をしておられるところでございます。われわれといたしましても、なるべく早く御結論をいただくようにお願いをしておるわけでございますが、そう遠くないうちに結論は出ると思いますけれども、現在いつまでというはっきりしたところまでは、まだ明確になっておらないわけでございます。
○西田委員 前任者の原労働大臣は、六十八通常国会にはぜひともひとつ提案できるようにしたいという御意向があったわけだし、私も個人的にではありますけれども、労働省まで一万数千名の署名を持って陳情に上がったときにも、来年度は実施だというふうに胸をたたいて御回答を得て喜んでおったわけですが、まだそんな段階では、これは非常に公約不履行ということにもなるだろうかと思います。大臣がかわったら、おれは知らぬということではなしに——やはりこの問題はいろいろ問題があるでしょう。しかし、退勤時をどうするかということは当然議論の対象にはなろうと思いますけれども、通勤ということになりますれば、私はこれは一種の依命行為と見るべきではないかというふうに思うわけです。ということは、何時までに労働者は会社の中に出勤しなければならない。遅刻することによって給料を差し引かれるか、もしくは皆勤手当というようなものをつくっているようなところでありますならば、そのために三回なり四回これをやることによって給料の減額の対象にもなっておるわけでしょう。ということであれば、それはもう労働者が何時までに門に入らなければならないということは、企業に拘束をされ、かつ企業による依命行為だというふうに理解していいんじゃないかというふうに思うわけですが、同じコースで起こった事故の場合でも、出張の場合には依命行為として補償を受けられる、通勤の場合は依命行為ではないということは問題ではないか。何時までに入るということが条件づけられて命令されておるわけです。片方はどこどこへ行けという命令です。お互い質は違うけれども、依命行為には違いない。そういう立場から考えますれば、当然通勤途上は業務上とみなしていいのではないかというふうに理解しておるわけです。もちろん、これはいろいろ議論があって、もめておるのでしょうけれども、少なくとも前任者の大臣は四十七年度実施を非常に強調しておられたわけでありますから、そういう点でひとつお急ぎいただきたいと思うのですが、最後にひとつ大臣から、いろいろ事情はございましょうけれども、ぜひこの点についての考え方をお伺いして、時間が来たようですから、私の質問を終わります。
○塚原国務大臣 調査会に御研究を願っておりまして、かなりいい線まできておるというふうに私は報告を承っております。いま詰めの段階に入っておる。先ほど労働基準法研究会のときにも、何かこの前は云々ということを言われましたけれども、やはりそういうことを御研究を願っておるなら、すみやかな結論を出していただくということが絶対条件であろうと思います。いまの通勤途上の問題につきましても、私が聞いたところでは、かなり調査も進んで、何か一、二点問題点が残っておるようであります。したがって、この国会に提案することは、これはちょっと無理ではなかろうか。予算関係法案は二月十八日、それ以外の法案は三月十五日がタイムリミットとなっておりますので、この国会に出すということは、私としてはちょっと言えません、まだ調査会の結論も出ておりませんので。しかし、事の重大性ということを認識しておりますから、今後御趣旨に沿うような努力をいたしていきたい、こう思っております。
○森山委員長 次回は、来たる三月十四日火曜日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時十七分散会