社会労働委員会 第1号
- 発言数
- 73 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/01/24
会議録
○森山委員長 これより会議を開きます。 まず、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。 一、厚生関係の基本施策に関する事項 二、労働関係の基本施策に関する事項 三、社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項 四、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項 以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会を設置し、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森山委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○森山委員長 厚生関係及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 田邊誠君より発言の申し出がありますので、これを許します。田邊誠君。
○田邊委員 私は野党三党を代表いたしまして、厚生大臣の、去る一月十四日の社会保険審議会の席上において発言をされました内容を検討いたしましたところが、きわめて事実と相違をする内容でありまして、私どもは、こういった発言に対しては、これを認めることはできません。特にその中で、健康保険法改正についての通常国会冒頭において自民党から提案をされましたこの内容について、その経過と中身について野党側が認めているやの発言がありましたけれども、これは私は断じて許すことはできないと思います。これは各社の報道によって、その内容を検討いたしましたが、要約いたしまするならば、今回自民党が出されたものは、前国会において廃案になりました健康保険法の中身というものを、その後衆議院社会労働委員会理事会で検討してきたその結果、実は自民党が議員立法として出したというようなことであります。しかもこの自民党提案について野党も認めているような、これはどちらともとれる意味合いでありまするけれども、そういうことを含めての発言であると思うのであります。しかもわれわれが、実は許すことのできない重大な問題は、この自民党提案のほうが国会の成立が容易であるというようなことき発言をいたしておるのであります。私は、政府の責任者として、このような、国会の中における今後の審議に差しさわりのあるような発言をされたのでは、われわれは円滑な委員会運営はできない、このように思っておるのであります。そういった点から、まさにこれは厚生大臣の認識の不足であり、誤った認識である、こういうように私は思うのでありまして、事実はすでに各委員が御承知のとおり、前国会において健保法の改正案が廃案になりました。その際に理事懇談会におきまして、確かに医療保険の財政問題は国民的な問題である。したがって引き続き理事懇談会においてこれを検討しようという申し合わせがあったことは事実であります。いま官房長官になられておる竹下さんも、当時自民党の国対副委員長としてその間の事情は御承知のはずであります。そういう中でわれわれは理事懇談会で、現在の財政状態は一体どうなっておるか、この認識を正確にしようじゃないかということでもって、各党の部会等を通じてみましても、これに対するところの、実は赤字の現状についての説明を受けた、これが第一番目であります。 第二番目は、しかし赤字対策というのは、ただ単に赤字に対するところの政府のてこ入れをすればよろしい、国民が負担をすればよろしいというものではない。まずもって政府が再三にわたって公約を破ってきた抜本改正に対する筋道を明らかにしなければならぬ、これが大前提である。さらには赤字対策は新しくしなければならぬというけれども、現状の中でもっても、行政努力でもって赤字克服のできる面があるのではないか、これをサボってきたところにわれわれとしては許し得ない点がある。政府は現状の制度の中においても、法律の中においても、できるところの行政努力をさらに尽くすべきである、一体何ができるのかということを明らかにすべきである、こういうことの検討がありまして、いわゆる行政努力の状況についての報告を求めたいということをわれわれはやってきたのであります。ここまででありまして、そして赤字が現在かさんでいることに対する認識はわれわれも一致しておる。しかし、いかなる赤字対策を立てるかについては各党とも意見を出さないままに実はわれわれは今国会を迎えた、こういうのが現状でありまして、われわれはわれわれなりに、赤字に対するところの対策は、かくあるべきだという意見は持っておりますけれども、それはまだ理事懇談会の中で当然実は戦わせておらないのであります。にもかかわらず厚生大臣のこの発言というのは、何か赤字対策についてまで与野党が意見を開陳し合い、ある一致点が見出された、あるいは一致点がなくても、自民党側の赤字対策に対するところの一つの考え方に対してわれわれが了解を与えたような、そういう錯覚を与える発言であると私は思うのでありまして、これはわれわれとしては容認することはできません。 問題は、政府がこの健康保険法の改正に対して、特に赤字対策に対するところの手当を講ずるための法律案をつくるに際して、十二月段階でこれができ得なかりた最大の要因は何かといえば、医療費の値上げが決定をしなかったことにあると思うのです。これが一昨日、中医協において答申が出された一こういう状態でありまして、実はこの医療費の値上げ問題が結着がつかないために政府がこれに対するところの法律案の提案をちゅうちょした、これが私は現状ではないかと思うのでありますけれども、このことに触れずして、何かわれわれの間でもってやってまいりましたところの財政対策に対する大前提のこの論議というものが、この自民党提案に結びつくがごとき、そういう錯覚を与えるような発言というものは、政府の側の責任者である厚生大臣のとるべき発言でない。これは明らかに責任回避の発言であれ、今後の国会運営に実は重大な支障を及ぼすところの発言であると私は思うのでありまして、われわれ野党側は一致してこの見解に対して、これは反対いたします。認めることはできません。 したがって、政府のこの際においてとるべきものは何かということに対して、明確な所信を実は承ると同時に、こういった誤まった発言をされたところの厚生大臣の責任と、そしてまた今後に処するところの所信をこの際ひとつ明確にしてもらいたい。したがって、発言の内容についていま私が申し上げたところの衆議院社会労働委員会理事会の検討に対するところの発言は、これを明確に取り消してもらいたい。そして発言の責任を感じて、これに対して当然あなたのほうから陳謝をしてもらいたい。さらに厚生大臣としての真意をこの際明らかにしてもらいたいということの三点、要求すると同時に、本日のこの時点の中でもって健康保険法改正に対して政府自身がどういう手当てを講じよとするのか、この点に対してもあわせてひとつお伺いをして、この点に対するところの疑念を晴らしていきたいと思いますので、明確な答弁を求める次第であります。
○斎藤国務大臣 去る十四日の社会保険審議会におきまして、この通常国会に提案をいたしました政府管掌保険の予算の執行について、一体政府案を出すのか、あるいは自民党の議員立法でいくのか、いずれにしても、この審議会に諮問をすべきであるという御意見でございましたので、その際の発言がただいま田邊委員のおっしゃいますように、いかにも議員立法、与野党合意のもとに出たかのような印象を与えたとするならば、これは私の真意ではございません。私は野党の皆さま方にそういう御心配といいますか御迷惑をかけるようなことがあっては相ならぬということを十分留意をいたしておったのでございますが、ことばが足りなかったのか、そういったような記事に出まして、まことに申しわけないと存じております。私は、明日また社会保険審議会が開かれますから、その席において、もしそういう誤解を与えておったというのであれば、これは私のことばが不十分であったということで、はっきりとその点を明日の審議会において明らかにいたしておきたい、かように存じます。 私は与党からそういう議員立法が出ておりますので、それで政府の法案として出すか出さないかということについては与党と十分打ち合わせた上にいたしたい、与党の方々の熱意にもおこたえをしなければなりませんし、そういう意味でまだどちらかはきめておりませんということを申したわけでございます。私は政府が予算を出しました以上は、これを執行する法律案を政府提案にするのが筋ではなかろうか、かように考えておりますが、与党と十分協議をいたしまして、そして政府提案をさらにいたすかいたさないか、早急にきめたい、かように思っておるわけでございます。 重々、野党の皆さま方に、いかにもあの法案が皆さま方の了解のもとに出たかのような印象を与えたといたしますなら、私のことばが足りなかった、あるいはそういうような印象を与えたといたしますなら、これは明日の審議会においても取り消しをいたしたいと思いますし、またいろいろと政治的な御迷惑をおかけをしたことをここに衷心からおわびを申し上げる次第であります。 ————◇—————
○森山委員長 この際、原労働大臣より、去る十五日の洲本市における発言について陳謝いたしたいとの申し出がありますので、これを許します。原労働大臣。
○原国務大臣 去る一月十五日、成人の日に淡路島の成人式で行ないました老人施設についての私の発言は、私の本意ではなく、全く失言でございます。それゆえ、全面的に取り消させていただきます。これは全く私の不徳のいたすところであり、まことに申しわけなく、心から陳謝申し上げます。 特に、老人施設の皆さまにたいへん失礼な言辞を述べ、御迷惑をおかけ申したことについては、まことに申しわけなく、私の発言を全面的に取り消すとともに、つつしんでおわび申し上げる次第でございます。 今後は、私自身自粛、自戒、心を新たにして、老人福祉や社会福祉につき、いままで以上に尽力し、全力を傾ける決意であります。何とぞよろしく御了承を賜わりますよう、お願い申し上げる次第でございます。
○森山委員長 発言の申し出があります。順次これを許します。田邊誠君。
○田邊委員 ただいま労働大臣から陳謝の発言がありましたけれども、われわれは通り一ぺんの陳謝でもって済む問題ではないと考えております。 まず、労働大臣に率直にお伺いいたしまするけれども、この去る一月十五日における労働大臣の成人式での発言は、新聞、テレビ、ラジオ等でもってすでに報道されておりまするけれども、私どもとしては、その発言の場所といい、発言の中身といい、そしてまた発言をいたしました態度といい、一国の大臣が発言をする中身としては、全く言語道断と言わなければならない内容であると思います。人間、感謝の気持ちを持っていないと成功しないとあなたはおっしゃった。自分が今日あるのは、毎日感謝の気持ちを持っているからだとあなたはおっしゃった。感謝の気持ちを忘れた者は利己主義者であって、末は養老院に行くようになるとあなたはおっしゃった。養老院に入っている者は感謝の気持ちを忘れた下の下の人間であると、あなたはおっしゃっている。私は、議員の一人としても、そしてまた私の父から老人ホームを経営してまいりましたその役員といたしましても、全国の老人ホームでもって、その苦しい人生の最後を何とか明るく、楽しく過したいと考えている老人に対して、このことは、いわばまさに痛撃を与えた一語ではないかと思います。 そういった点から見て、このすでに報道されたあなたの発言というものは、残念であるけれども、事実でありましょうね。事実でありますか、まずもってお伺いいたします。
○原国務大臣 去る一月十五日の成人の日に、郷土の淡路島で開かれた成人式に出席し、ごあいさつをいたしました。そのあいさつの中で、私の真意ではございませんが、老人施設に入っておられる方々を傷つけるような、まことに失礼なことばを申し述べたことは事実でございます。まことに申しわけなく、先ほど申し述べたとおり、全面的に取り消すとともに、心から陳謝の意を申し上げる次第であります。
○田邊委員 いま大臣は、この発言は私の本意でない、真意でないと言われました。しかし私は、この中身を検討いたしますると、この発言というのは、原労働大臣の日ごろの持論を述べたことになるのではないかと私は思うのです。あなたの人生観、あなたの、いわば持っておるところの主張というものを率直に述べた発言ではないかと私は思うのです。したがって、あなたがもし一個の人間とし、政治家として、自分の信念を披瀝したんだということであれば、私はそれはそれなりに一つの意見だろうと思うのです。事実、この発言が新聞で報道されましたその直後において、あなたの談話を見ますると、これは日ごろの持論を述べたものだと、あなたはおっしゃっておるのであります。したがって、私は、あなたのこの十五日における発言というのは、むしろあなたの人生観からきたところの発言であり、論旨一貫をしておると思うのであります、その是非は別として。となれば、私は、発言を取り消すよりも、むしろ、原さん自身の、あなたの本意として率直に認めたほうがよろしいのではないか、このように私は思うのでありますけれども、この際、ひとつあなたのほんとうに腹の底からの真意は那辺にありやということに対して、御意見を承っておきたいと思います。
○原国務大臣 私の発言の内容について、この際いろいろ申し述べることは、むしろかえって言いのがれや弁解と受け取られることにもなりますので、この際は差し控えさせていただきたいと存じます。 要するに、不適当なことばを発し、失礼なことばを申し上げた、その私の発言を全面的に取り消すとともに、あらためてここに陳謝させていただきたいと存じます。
○田邊委員 新聞報道によりますると、労働大臣は、この問題になりました発言に対して、衆議院の議院運営委員会の理事会等におきまして、いや、実は、自分の言いたいことは、感謝の気持ちを持つということだ、たまたま例を養老院という——養老院ということば自身も前時代的でありますけれども——に使ったんだ、たとえば悪かった、こういう発言をしておるのであります。私は、これはたとえが悪かったのではない。問題は、あなたの老人問題に対するところの認識、老人福祉に対するところの、いわばあなたの考え方の違い、こういう基本的にあなたの認識が間違っておるところから出発しておると思うのであります。例がたまたま養老院、老人施設に例をとったというあなたの意見というものは、実はこれはほんとうの意味において、あなたが心からこの問題に対しておわびをしたという姿勢ではないと思うのであります。この老人問題に対して、あなたは一体どう考えておるのですか。あなたが言うように、戦前における養老院、戦後におけるところのいわゆる老人施設に入っておる年寄りというのは、まさにガリガリ亡者であり、下の下の人間であり、利己主義者でありますか。老人福祉というのは、そういった上からの恩恵でもって与えるべきものですか。ここに私は基本的に、あなたのいわゆる考え方の大きな誤りがあると思うのです。 私は、実は、大きなことを言える者ではありません。われわれもまた老人福祉に対するところの認識が足りないことをみずから反省をしておるのでありますけれども、しかし、少なくとも老人福祉に対するところの理念というのは、戦前のような、いわば一部の慈善事業家が恩恵的に与えるところの問題ではないと私は思うのです。憲法と老人福祉法その他の法律に規定するごとく、老人もあくまでも一個の人間として、健康で働く意思のある者については就業の機会を与え、働けない者、社会の条件が悪くてどうしても生活の困難な者に対しては、社会全体がそれを守っていく、国の責任でそれを守っていくというところに、私は老人福祉の基本的な理念があると思うのです。これをあなたは忘れておるところに、発言の出発点があるのではないかと私は思うのですけれども、それに対して、あなたは一体どういうふうに老人福祉に対して認識をお持ちですか。ひとつ明確に、あなたの今後に処するといわれる老人福祉はどういう理念に発するのか、この点に対して明確なひとつお答えをいただきたいと思うのです。
○原国務大臣 老人施設の方々にたいへん失礼なことばを申し述べ、多大の御迷惑をおかけした私の発言を全面的に取り消すとともに、つつしんで重ね重ね陳謝申し上げる次第でございます。 今後は、老人福祉に関する私の認識の足らざる点を是正して、正しい認識の上に立ってこの精神に徹し、私の全政治活動を通じて老人福祉対策の充実のために全力を傾けていく決意を新たにいたしているところでございます。
○田邊委員 あなたの老人福祉に対するところの認識がどの程度であるかということに対して、私はいまの答弁を聞いて、きわめて寒心にたえません。きわめて残念に思います。このような大臣のもとで、いわば老人福祉の前進がはかれるかと思いますると、私は政府全体の姿勢からいって非常に残念に思います。 原さん、あなたはいま再三再四にわたって陳謝をされました。心からおわびをすると言われました。そして、老人福祉に邁進すると言われました。しかし問題は、陳謝をして済むものでありましょうか。問題の性格は違うと思うのであります。新聞等でいわれましたところのこの発言、これがいまあなたは事実であると言われた。しかし、それは本意でなかったと言われた。しかし私は、さっき申し上げたとおり、これはおそらくあなたの持論であり、人生観であり、信念であると思うのです。それを成人式でたまたまあなたが言われたにすぎないと思うのです。この認識、しかも戦前のことばのように養老院といって、いわば年寄りをさげすむような認識、そういう認識の上に立って今後政治をやられることは、そして国務大臣として責任をとられることは、これは私は重大な問題であると思うのです。したがって、このようなあなたの発言が事実であるとすれば、私は当然労働大臣としてその政治的な責任、その道義的な責任を負うべきものである、こういうふうに考えておりまするけれども、あなたはこの政治責任はどのように考えておるか、どのようにあなたは処するつもりであるか、全国民の前に、この際ひとつ明らかにしていただきたいということを強く要求いたします。
○原国務大臣 前段の部分でお尋ねいただきました老人福祉についての考え方でありますが、私が非常に足らないところがございましたけれども、基本的な考え方は、御指摘のように上から授けるというような恩恵的な考え方ではなく、老人の生活及び健康を守るとともに、健康で働く意思のある人には就業の機会を与えること等をいたして、いわゆる老人の基本的権利を保障することであると考えておるところでございまして、私もこの精神に徹して今後とも尽力をいたしていきたい、こう思っております。 次に、私の発言が老人施設に入っておられる方方の心を傷つけたことはまことに申しわけないことでございますし、さらにまた昭和四十七年度の政府提出予算が老人福祉の向上を最重点の一つとしておるにかかわらず、私の発言によって広く国民に疑惑を抱かせるような結果となったことについては、私自身責任を痛感いたしております。このため、まずもってこうした事態を招いた私の発言を全面的に取り消すとともに、この国会の場を通じて老人施設の方々をはじめ国民の皆さんにつつしんでおわび申し上げる次第でございます。 さらに、私の発言が招いた事態を回復するため、今後私の全政治活動を通じて老人福祉対策の充実に尽力し、私の発言が招いた老人の方々の心の傷をいやし、国民の疑念と不安を解消するように誠心誠意努力する決意をかためておる次第でございます。
○田邊委員 私は、いまあなたのべらべらと書いたものを読んでいる姿を見て、さらに怒りを感ぜざるを得ません。原さん、政治家としてあなたはわれわれの大先輩であるけれども、私は、これは国民の名においてあなたに警告しているのです。ひとつ腹々据えて、そんな役人の書いたような答弁をべらべらと読むのじゃなくて、あなたの腹の底から、政治家としてあなたが今まで持ってきたところの人生観を述べ、そしてあなたの信念を国民の前に、何をなすべきかということを述べてもらいたいと私は思っているのですよ。そうでなければ、当委員会を通じて国民の了解を求めることは断じてできないと私は思うのです。しかも発言があった直後において、あなたは居直ったような談話を発表されておる。しかし、一たんこれがいわゆる新聞報道等でもって大きく問題にされますと、とたんに百八十度転換をされて、いわば陳謝をしている。私は考えようによってはこれは一種の延命策だと思うのです。事実新聞報道によりますと、某大臣は陳謝されるまでの謙虚な気持ちでおったけれども、その後辞任したあとにおいては、自分の言った失言、暴言はそのとおりであると、いわば再び暴言を吐いているじゃありませんか。私は、労働大臣も大臣の職におるから陳謝すれば事足りると考えておるのであるとすれば、重大な問題であると思うのです。 政治家の進退は、私から言うまでもなく先輩である原さんは御存じのはずであります。政治家の進退はみずから決すべきものである。労働大臣の進退は一体どういうふうにするというふうにお考えですか。ひとつあなたの気持、あなたの真髄をこの際お聞かせいただきたいと思う。
○原国務大臣 失言をいたしましたから単に陳謝すれば足りる、そういうようには考えておりませんので、今後の私の政治活動を通じて老人福祉対策のために努力すること、またそれによって初めて償われるものであると考えております。そういうことを私は心の奥底から考えておる次第でございまして、決して口先だけではございませんので、この私の偽らざる胸中を御理解いただければ、まことにありがたきしあわせであると存じます。 この気持ちは決して大臣在任中だけのものではなく、在任中はもとより、私の今後の政治活動を通じて変えない覚悟であることをここにお誓い申し上げます。 さらには、政治家の進退はみずからきめるべきものであるとおっしゃいまして、現に各方面からのきびしい御批判と御叱責のあることを十分承知いたしております。今回の問題に関する私の責任は、その責任を痛感し、今後全力をあげて老人の福祉対策の充実に努力することによって償ってまいりたい、こういう決意を新たにしており、その決意を行なうということを皆さん方にもお約束申す次第でございます。
○島本委員 関連して……。 田邊委員のほうから大臣に対して、出処進退を明らかにするのが閣僚たるものの責任である、こういうふうにはっきり言ったのでありますけれども、それに対しては全然触れられません。しかし、大臣はこの際、もう一回思い起こしてもらいたいことがあります。それは古いのですが、昭和二十三年十月十五日に成立した吉田内閣の当時の大蔵大臣泉山三六。やはりこれは酔っぱらった上で女代議士にちょっとトイレでいたずらがあったと報道された。しかし、それが酔いがさめたあと、直ちに辞任して、議員までやめてしまった。そのあとの選挙には、やはりその謙虚な事例を認めたのか、高位当選でカムバックした、こういうような例があるわけであります。私は、やはり出処進退に対してき然たる態度をもって処したものは、国民が見ておる。それで、あとは政策をもってこれを補うから腕前を見てくれという、これはやはり一つの居直りになるのじゃなかろうか、再び国民はそれに対する疑惑の念を持つだろうと思うのです。ですから、私はこの際、こういうような前例があり、きれいな生き方をもう一回考え直す必要があるのじゃないか。大臣はいまの必境として、これはもう自分で態度をきめる、こういうような気持ちがあるのかないのか、そこをはっきりさしてもらいたいということであります。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 もうお説のような各方面からきびしい批判をいただいており、私も大いに反省いたしておるところでございます。その責任の重大性を身をもって痛感いたしております。それで今後老人福祉対策の充実に一そう努力精進いたしまして、それによってこのたびの罪を償ってまいりたい、こういう決意でございます。
○島本委員 それはやはり官僚の書いたそういうような作文をただ読むから——おそらくはそれだけやって、あとは失言しないようにということで、それを何回も繰り返し読んでおられるのじゃなかろうかと思うのです。しかし、あなたがいま具体的に言ったその一つ一つの肉づけをどう考えますか。たとえば老人に対しての今後の雇用対策も十分考えますと言った。しかし、もうすでに去年から法律までできておって、中高年齢雇用促進についての法律は、あなた自身の所管する法律であって、あなた自身の責任でこれを実施しなければならない。この老人の職場の開拓、それとその就労の促進、こういうようなものはあなた自身の義務なのだ、これに対してほとんどまだ施策がとられておらないじゃありませんか。それでいながら、感謝の念がない者は、これはもう不幸な人は感謝を忘れた人である。そうして感謝の念を忘れると養老院へ行くようになるのだ、こういうようなことを言う。それは上からの一つの感謝の押しつけなんです。こういうようなものではおそらく納得できないでしょう。ここで再び聞きますが、それならば老人の職場の開拓、それと就労の促進、これをいまの時点でどういうように考えておりますか。 それから老人に対するおわびはわかった。しかし、その純真な二十代の青年に対して、またそこへ出てショックを受けたこの青年に対して、大臣はどのようにして陳謝するつもりですか。これはまた、ただ陳謝しただけでおさまらない。次代をになう青年ではありませんか、それに対してただ取り消します、これでいいのですか。私はこの問題に対しては、なお陳謝だけで済まない重大な問題があると思うのです。大臣、その心境をはっきりここで伺わしてください。
○原国務大臣 お尋ねになりました労働行政の面においても、高齢者について特別の配慮をすべきであるが、しておるかというのでございますが、私もこの方面に力をいたしまして、このため昭和四十七年度の予算におきまして、いろいろ配慮をめぐらしておるところでございます。 第一には、定年の延長に引き続き努力をいたします。 第二には、中高年齢者の雇用率を設定する場合、その職種を以前よりも拡大していく考えであります。 第三に、雇用奨励措置というのを改善を行なっていきます。 第四として、特に昭和四十七年度予算においてついておるのでありますが、それは老人福祉対策の重要性にかんがみ、高年齢者に対する職業訓練制度を創設することといたしております。このたび初めて高年齢者に対する職業訓練制度をつくることといたしたのであります。 第五には、これに関連して、関係方面とも折衝して、新たに各種の老人施設におられる方々の中で、就職を希望される方々に対する職業訓練を積極的に援助して進めていきたい、こういうようなことを一応考えておるところでございます。
○田邊委員 いまいろいろと大臣から話がありました。私は、もういまの話は、当然やるべきことを当然として言ったにすぎないと思うのです。問題はどういう施策をやられても、基本的な認識が誤っておれば、その施策は生きたものになりません。したがって、あなたが幾つかの形を並べて、それに対するところの対策を述べられても、国民はそれは絵にかいたもちであるという感じしか受けないと思うのです。ほんとうに性根のすわった正しい認識の上に立って問題の処理に当たらなければ、これは何もなりません。まして、いわばその責任の立場にある国務大臣がそういった失言をしている限りにおいて、いかような施策を今後講じようとも、私はこれはほんとうに生きた施策にはならぬ、このように思っておるのであります。 労働大臣に対して、私はいま責任を追及をしておるのでありますけれども、総理が出席でありますから、ひとつこの際、総理にお伺いしておかなければならぬと思います。 事のいきさつは、あなたはすでに御承知だろうと思うのであります。成人式における原労働大臣の暴言、いわば国民に対し、老人に対するところの挑戦の発言、この発言はただ単なる失言としてとらえて当面済まされる問題ではないと私は思うのです。この労働大臣の失言に対して、佐藤総理は一体どういうふうにお考えでありますか、総理の率直な心境をお聞かせいただきたいと思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま最初から伺わなかったので、あるいは最初のほうはどういうお話であったか、私聞き漏らしておりますが、ただいま私に対してのお尋ね、この点は十分理解したと思いますから、その点でお答えをいたしたいと思います。 御承知のように、私ども政治をやるものといたしましては、何と申しましてもいろいろのキャッチフレーズ、あるいは目標、国家建設の目標がございますが、何といっても国民福祉の向上をはかるという、これは一つの大きな私どもの政治目標でございます。このことは国民からも、いままでとってきたことについて理解を得ておる、かように私は確信しておりますが、そういう際に原労働大臣の失言、これは失言というよりも、ただいま暴言と言われましたが、暴言ととられる向きもあるだろうと思います。とにかくその失言、私まことに遺憾に思います。おそらく皆さん方に対しましても、原君率直に非を認めておわびを申し上げたことだと思いますが、私は原君からその話を聞き、同時に、これはたいへんな自分の間違いであり、自分の失言である、そういう意味で深く陳謝する、かように申しており、また同時に、施設の方々に対しましても、これは直接ではありませんが、施設の老人に協議会を通じまして失言を全面的に取り消し、同時に陳謝して、そして国民のこの問題についての深い理解を賜わりたい、こういうことで深く陳謝しておるような次第でございます。 私は、これらの点を考えながら、ただいまのお尋ね、これはやはり原君の、何と申しましても国民に心からあやまらざるを得ない、かような問題だと思いますし、またわれわれ政府自身といたしましても、先ほど来申しますように、政府の基本的な施策、態度にも影響するところでございますから、原君が陳謝するのは、これは当然だと思っております。ことに専門的な皆さん方、社労の委員の方々、これはそういう意味で原君が陳謝しておる点、この点を御了承いただきたい、かように私は思う次第でございます。
○田邊委員 いま総理は原労働大臣の発言はまことに暴言に値する、あなたもお認めになった。私もそのとおりだと思うのです。そのことは、政府のいわゆる福祉行政に対する姿勢にまで影響するとあなたはおっしゃった。それもそのとおりであると思うのです。私は、佐藤総理がいわゆる国民福祉の向上を叫ばれ、福祉国家の建設を叫ばれる。しかし、それらのいままでの政府のかけ声というものは、実はこの労働大臣の失言によって、いわばもうすべてすっ飛んでしまったのではないかと思うのです。いかに政府が言っても、国務大臣の一人がそれに逆行するような、それを打ち消すような、いわばそれを冒涜するような、そういう発言をしておる限りにおいて、あなたの言うところの福祉国家は何ものであるかということに対して、国民は実は大きな疑念をこの際感じたろうと思うのです。そういう意味合いでこの発言は重大な意味を持っておると思うのです。いま原労働大臣も、実は悪いと思って陳謝をして発言を取り消した、こういうふうにあなたはおっしゃった。大臣からも再三にわたっていま答弁があった。しかし私は、この原大臣の発言というものは、ただ単に労働大臣一個人の問題ではない。いま総理自身も認めたように、これは政府の施策全体にかかわる問題である。そして憲法六十六条の規定により、内閣は、国会に対して連帯して責任を負う、こういう立場にある限りにおいて、この労働大臣失言というものに対して、政府みずからの責任が当然私は問われなければならない、このように思っておるのでありまするけれども、総理自身は、この労働大臣の失言の事実に対して政府の最高責任者としてどういうふうに責任を感じられ、どういうふうに責任をとられようとしておるのか。 私は先ほど来労働大臣に対して、政治家としての進退はみずから決すべきであると促しました。私は、当然総理はこの原失言に対して、あなたのとるべき立場というものがおのずからあると思うのでありまして、政府としての責任のあり方は一体どのようなものであるか、この際ひとつ国民の前に明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 私まだ全部年賀状を見ているわけではございませんが、約千枚ばかり、多数のうちから引き抜いて目を通しております。その中には私が全然存じ上げない方からやはり来ている。その中に老人福祉、あるいは子供の施設、こういう社会福祉行政についての国民の関心、これを年賀状に示しているものが非常に多いのであります。私は、御承知のように四十七年度予算編成の際におきまして、福祉行政については積極的な政府の態度を示す、こういうことで取り組んでまいりました。この年賀状を見ながら、やはり国民の希望しておるもの、これは何といっても福祉国家の充実ではないか、かように考えるのでありまして、私はそういう意味からもただいまの原君の失言、これは失言は失言として、もちろん償わなければならないと思いますが、しかしその要望するところのもの、これがいい方向に向かって、ただいま申し上げるような社会福祉の充実の方向にこの失言を向けて、あやまちを正して福となす、こういう形になればたいへんけっこうなのではないだろうか、そういうことが政府としてのやるべきことではないだろうか、かように実は思っておる次第でございます。 今回の予算も近く国会に提案いたしまして、四十七年度予算は皆さんの御審議を受けるわけであります。ことに皆さん方は専門的な立場から、この社会福祉行政についてのいろいろの御高見も聞かしていただけるだろう、かように思いますが、私はただいまこの機会に予算の内容を詳しく申し上げるわけにはまいりませんけれども、ただいま申し上げ、またただいまお尋ねになりましたその方向でやはり政治が動いている、そういう方向でなければならない、かように私は思っております。おそらく厚生大臣等からも積極的にお聞き取りでございましょうし、また内閣自身は厚生行政——非常に狭い意味の社会福祉ばかりではなく、高度の、広義の立場に立って、やはり社会福祉と取り組んでいかなければなりません。そういう意味から申しまして、もちろん原君も担当する範囲において直接の影響がありますが、ただいまの失言、それがその方向で予算その他が動いておればこれは重大でありますけれども、幸いにいたしまして、ただいまのところ予算は原君の協力も得て積極的に福祉予算、そういう方向に編成が終わった、そういう段階でございますから、これはひとつ御了承をいただく、そうして十分な皆さん方の御審議の過程を通じて、さらに御意見も聞かしていただきたい、かように私は思います。
○田邊委員 総理は問題をすりかえていろいろお話がありました。私は福祉問題に対してあなたのことばをそのまま受け取るわけにいきません。いわば見せかけの福祉向上予算というようなうたい文句でありますけれども、その中身はまだまだ国民の納得するところまでいっていない、形ばかりのものであります。これに対して、私どもは政府のいわばこの見せかけの態度に対して、中身のない状態では、断じてこれを認めるわけにはいかない、こういう立場に立って、今後ひとつさらに是正方を強く要求しなければなりませんけれども、問題は、その前に、いわば労働大臣の失言に対して総理自身はどうお考えですか。総理自身はこの問題に対して国民の前にどういう態度をとられようとしておるのですか。すでにもうたびたび大臣は失言でもってやめている。戦後四十数人の大臣がやめられたそうでありますけれども、総理になってからすでに十人以上の大臣がおやめになった。その中で特に失言でやめた大臣が、これは両三回に及んでいる。いわば佐藤内閣は失言内閣、これは名物になっているといわれていることであります。しかも問題なのは、大臣におるときだけそれに対して陳謝をし、申しわけないと言い、あるいは取り消しをやる、こういう態度をとるけれども、西村さんをごらんなさい。国連はいなかの信用組合のごとくであると言った西村さんは、大臣をやめさせられたそのあとにおいて、みずからの発言の正当性を主張し、そういったものをあげつらったところの新聞報道陣や野党は雲助のようなものだと言っておるじゃありませんか。こういう態度であります。これでは心底から、いわゆるあなたの言うところの、今後に対処するということばは、決して十分生きてくるはずはないのであります。この原失言に対して、政府は一体どういう責任を感じられておるか、このことをこの際ひとつ国会に連帯で責任を負うという憲法規定のもとに、あなたはこの問題が起こって初めて開かれるところの委員会でありまするから、この際ひとつ委員会を通じ、国会を通じて国民の前にその責任を明らかにする必要がある、こう考えて答弁を求めている次第であります。ひとつ明確な答弁を再度求めたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 冒頭に申し上げましたように、原労相の失言、これはまことに遺憾でございます。私もまた国民に対しまして、閣僚の一人のこの失言について、総理として私自身の責任もある、かように思いますので、つつしんでおわびを申し上げる次第でございます。 ただ、私はただおわびを申し上げるだけではなく、ただいまの内閣自身の政治姿勢そのものは、原君の失言はあったが、まあとにかくわれわれは社会福祉の向上、その方向で政治を運営している。したがって原君の失言は遺憾ではあります。しかし私は全体としては、今回の四十七年度予算、これを皆さん御審議賜われば、これは全体としてその方向に向かっておる、かような意味で御了承をいただけるのではないかと思っております。重ねてこの委員会を通じて国民各位の御了承、御理解を得たい、かように思います。
○島本委員 関連。いま田邊委員がいろいろ質問された中で、総理、四十三年には当時の倉石農林大臣ですが、憲法第九条を否認するような言動があって、これは罷免になりました。四十六年の二月には、問題の小林法務大臣でございますけれども、これは議会制民主主義を根本的に否定するような発言をして、これも辞任されております。また昨年の暮れには、いま話があった西村防衛庁長官、これはもう国連に対して重大な関心が世界から寄せられておる最中に、国連無視の発言がただいまのようにあって、これまた罷免になっておるのであります。今回の場合には、内閣の政策の根本的な問題になるところの福祉、ことにそのうちの老人福祉を、根本的な問題としてあなたが主張されておるのに、これを無視されるような発言をなすっておるのであります。そうなると、当然これはもう単なる暴言や失言にとどまらず、政治の姿勢や佐藤内閣の性格そのものだと国民がこれを受け取らざるを得ないような状態に相なろうかと思います。この憲法第九条否認の問題、議会制民主主義を根本的に否定したこの問題、国連無視の発言並びに内閣の根本政策に触れるようなこの発言、兄たりがたく弟たりがたいような発言だと思います。総理は以前の問題に対しては、これは罷免いたしました。今回の問題については目をつぶろうとするのであります。この軽重並びに何と言いますか、これに対する評価、これをどういうふうに総理は考えておられますか。原労働大臣の発言は軽くて、以前のものは重いんだというふうに考えるならば、その根拠もついでに国民の前にはっきり明らかにしなければならない、こういうふうに思うわけであります。この点は、特に総理からはっきり承りたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 今回の原君の問題、これは過去の大臣のいわゆる暴言あるいは失言等と比べまして、それをとやかく比較して云々するわけにもいかない、かように思いますのは、この問題をその直後において、みずからその非を悟り、そうして全面的に取り消しております。そうしてあやまっております。したがって、私はそういう点で、これは過去の例と違うように思っております。私、みずから自発的にその非を悟り、そうしてみずから陳謝する、こういうことは政治家として当然のことでありますが、非常な正直な行き方だ、かように思っております。何ら弁解もしていない。こういう点を私は御了承賜わりたい、かようにお願いをしておるわけでございます。
○島本委員 総理、あなたそうおっしゃいます。しかし、問題の発言が問題になった当初においては、これは当然だという意味の発言をなすっておった。これがまた新聞、テレビその他で問題になったときに、総理のもとにあやまりに行っている、こういうようなことであります。当初においては、すでにこれが本意であって、それから問題になったときに失言になり、暴言になる、こういうようなことであります。私は、やはりそういうようなところに重大なる佐藤内閣の性格があるのじゃないかということを国民は疑念を持っていると思います。これは全部、総理の、いままでの大臣も全部、初めは何が悪いのだと言って、そしてそれがはっきりした場合にそれを陳謝する、ほとんどの人が。陳謝なしにやめているという人がございますが、一応は陳謝されている、こういうことであります。今回は違うとおっしゃいますが、これは何ら違わない。軽重をつけがたいような状態なのであります。 それから、私はこういうような点からして総理に特にお伺いしておきたい。この発言そのものも問題でありまするけれども、不幸な人は感謝を忘れた人なんだ、そうしてすべてに感謝を持てば必ず成功するんだ。この話が、このことばが、いたく老人を刺激している。それで取り消し、なお陳謝されている。しかし、陳謝されただけで閣僚としての責任はそのまま終わるものじゃ決してないと思います。もし陳謝されるとするならば、これを総理としてどういうように、では解決しようとするのか。その真意を承りたい。いまのようにして、不幸な人は感謝を忘れた人である。もしそうだとするならば、いま水俣病やその他公害病、これにおかされている人、もう新認定患者があらためて二十九名、去年の十二月の暮れに出ておる。その以前に十月の六日にも、これまた十八名出ておる。この人たちは何も罪がない。罪がないのにこういう病気におかされ、そうして中には八十一歳、七十六歳、七十四歳、こういうような高齢者が三分の一もおる。そういうような際に、不幸な人は感謝を忘れた人である、この人たちにそれが言えますか。感謝を忘れたから水俣病になるのですか。感謝を忘れたからイタイイタイ病にかかるのですか。これはもう根本的な問題だと思います。現にこういうような問題ですわり込んでいる人たちもある。これは話し合いを拒否されてそうなっているのです。総理として、これに対して具体的にどうするのか。感謝を忘れたのかどうか。この点について総理のはっきりした見解を承り、なおあわせてそういうような人たちに対する、今後ひとつ総理としてどうするのかの、対処する方法も聞きたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 感謝、報恩、そういうもの考え方、これが一つあるだろうと思いますけれども、ただいま原君の失言、暴言、これは全部を含めて、全部私は取り消した、かように理解しております。原君の平素の一つの信仰的な信念であろうと思いますけれども、それをも含めて取り消したというそのことをやっぱり考えていただいて、御理解を賜わりたい、御了承願いたい、かように私重ねて申し上げる次第でございます。
○島本委員 罪がない人をそのままにしておいて、感謝しないから悪いのだと言えますか。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまそういう話ではございませんで、全部を取り消した、かように私は申し上げておりますので……。
○島本委員 その実をあげるために、すわり込んでいる人たちに話し合いをさせたらどうですか。
○佐藤内閣総理大臣 いわゆる水俣病の問題については、これはまた別にやはり話をしなければならないことだ、かように私は思います。ただいまの状態が新聞の報ずるところ、さような状態で何ら交渉を持たないということ、そういう状態はいかぬと私も残念に思っております。
○田邊委員 いろいろといま総理から答弁がありましたけれども、われわれはそれでもって了解をするものでない。やはり政治家としての進退をみずから決するという政府の責任をさらに国民の前に明らかにすること、そしてまた形だけの福祉行政、老人福祉だけでない、さらに積極的な福祉行政に取り組むという政府の姿勢というものが私は明らかにされなければならぬと思いますので、その点に対しては、さらに機会を改めて政府の態度を追及しながら、私どもその実を示してもらいたいということを強く要求しておきます。 終わります。
○森山委員長 次に、大橋敏雄君。
○大橋(敏)委員 佐藤総理大臣、それから原さん、あえて原さんと言わしていただきますが、私は御承知のとおり公明党の議員でございます。そして、ただいま社会労働委員会の理事といたしまして、野党の立場から福祉行政の推進にがんばっている一人でございます。 その私が、去る一月十六日の日曜日の日に北九州の地元においてこの新聞を見ました。これは読売新聞でございますが、それの一面に原労相が成人式で暴言、「養老院へ行くのは我利我利亡者だ」と、こういう見出しでございます。いま申し上げました立場で働いております私の心境はお察し願えるでしょうか。しかし原さんは、もともと人情家だということも聞いていましたし、まさか何かの間違いじゃなかろうかという気持ちも起こりました。 そこで、私は兵庫県の問題の起こった洲本に私の友人がございまして、さっそくそこに問い合わせをしてみました。ところが、真相がわかればわかるほど私の憤りはひどくなってまいりました。そうして、事の重大さを感じたわけでございます。その際に、その洲本の友人がたまたま原労働大臣の暴言祝辞をテープに録音いたしておりました。それを送ってくれたわけでございますが、ここにいま持ってきておりますけれども、諸般の事情でこの委員会で公開することは差し控えます。しかし、その中身を私はそのまま収録いたしました。この原文がこれでございますが、「労働大臣の原健三郎でございます。」から始まりまして、「お祝いのことばといたします。ありがとうございました。」大体所要時間七分でございます。その中に特に老人を誹謗なさっている個所は、まあ時間にすれば、わずかに二分前後でございます。ところが、ここで問題になるのは国務大臣としまして、しかも公式の場の発言としてはほんとうにお粗末でございます。不謹慎でございます。話によれば、原さんは国会議員二十六年、選挙なさること十一回、衆議院で永年勤続の表彰も受けられ、また副議長、大臣等なさってきた。われわれかけ出しとは、およそ立場が違うのでございます。その影響性がどれだけ大きいかは十分御承知のはずであるはずでございます。ところが、その中身を申し上げますと、−私はこの原文そのままを、ここでその一番問題になっているところだけを読み上げさしていただきますが、私は原さんと同じような声ではございません。しかしながら、できるだけ近い立場で読み上げてみたいと思います。 「私の言いたいことは、感謝、ありがたいと昔の人はよく感謝したじゃない、御飯でもありがたいと、御飯を落とせばもったいない。この感謝の念をひとつ養ってもらいたい。これは男性も、女性もこの心がけだけを持っていくならば、必ずしあわせになる。必ず成功いたします。私はいろいろ調べてみた。世の中の不幸な人はどんな人か、養老院、年、六十にして養老院に行くがごときは下の下である。一体、だんだんそんな人がふえてきた。何で行っとるか、この人たちは、一番特色は感謝の念がない、ありがたいと思わない、人の世話になっても平気でおる。反対に自分のことばかしをぬかしやがる。自分の利益を追求する、人のことなど考えない。それほどやるんならば金もたまるし、成功もするかというと、さにあらず、反対ですたい。なぜか自分のことばかしでガリガリ亡者で、感謝の念で、人のお世話になっても感謝の念のわからぬようなやつは、親、きょうだい、親戚、縁者から見放される、世間から見放される。そしてしまいには養老院に行く。ううん皆さん方に言うた、もう、いま笑いごとですがねえ、この心がけが悪いと、もう三十年、四十年すれば養老院へ行く人間にならないようにひとつしてもらいたい。行ってもかまわぬ人はそれはしょうがない。私どもとともに語るに足らない。そういうわけでありますから、成人式の日に感謝する心を養ってなさい、感謝する念を。もしそれを無視して自分かって気ままな利己主義、人にお世話になっても恩を忘れる。国家社会の恩を忘れる。神々の恩を忘れる。そんなことをしていると養老院に行きます。まあ、こういうわけでございますから、せいぜいここにおいでの皆さん方は養老院へ行ったりしないように、しあわせに、そして成功してりっぱな人生を送ってもらいたい。」 このあともずいぶんあるのでございますけれども、いまの私が読み上げた内容は、ほとんど原さんみずからごあいさつなさった中身だと思うわけでございますが、それを確認いたします。もし違うとおっしゃるならば、私は委員長や、この委員の方々に御了解をとりまして、このテープをここで公開いたしたいと思います。
○原国務大臣 ただいまの、いろいろ申し上げまして老人の方々を誹謗したことばを申し述べたことは事実でございます。 その点については、さいぜんから申し上げましたように、まことに私の真意でなく、失言でございまして、全面的に取り消さしていただきたい。またそういう暴言を吐いてたいへん失礼なことを申し上げた老人の方々に対しましては、つつしんでおわび申し上げ、またことばも取り消させていただいて、さらに今後心を新たにいたしまして、老人福祉行政のために、また高齢者就職等のために私の政治生命をかけて健闘する決意でございます。
○大橋(敏)委員 限られた時間でございますので、質問したことに対して答えてもらえばけっこうでございます。いま労働大臣は私の言ったことに対しては答えておりません。読み上げた中身は認めたと解してよろしいですね。
○原国務大臣 私の発言の内容について、この際いろいろ申し述べることは、かえって言いのがれや弁解と受け取られる点がございますので差し控えたいと思いますが、そういう不適正なことばを、失礼なことばを申し上げたということは事実でございます。
○大橋(敏)委員 事実だと認められました。あなたは失言だ、失言だとおっしゃいますけれども、実はもう一会場、ほかの会場で同じような趣旨の話をなさったでしょう。これは津名郡淡路町の岩屋、淡路町公民館でも、十一時五十分から約十分間にわたって同じような内容のお話をなさっていることを私は掌握いたしておりますけれども、これはどうですか。
○原国務大臣 大体同じようなことを申し上げましたですが、最初に申し上げましたように、淡路の公民館におけるあいさつと申しまして、両方のことを含めて全部、全面的に取り消しをさせていただきたく、またそれらの方々に対し、衷心よりおわびを申し上げる次第でございます。
○大橋(敏)委員 それは、先ほどから何度も何度も失言だったとかなんとか言って言いわけをなさっておりますけれども、これは失言じゃないですよ。一会場ならば、思いもしなかったことがぽろっと出た、これは考えられないこともない。しかし、またの会場で同じようなことをしゃべったということになれば、もはや失言じゃないですよ。それはあなたの本音じゃないですか。あるいは人生観でしょう。あなたの信念じゃないですか。こういうのを、簡単な失言というようなことばでごまかそうといったって、これは無理ですよ。ごまかされません。 さらに重大な事柄がありますよ。要するに成人式に集まっていらっしゃるほとんどの方は、社会人として人生の門出というべき新成人、それに対して、あなたは誤った人生観を植えつけたんですね。その誤った人生観ということがわかりますか、原さん。感謝をする、私は、感謝を持つ心は大事だと思います。あるいは自立の精神もわかる。しかし感謝がそのまましあわせ、幸福、成功につながるというものではないと思うのであります。世の中には、正反の原理といいまして、世の中そのものは正反の原理です。前があればうしろがある。右があれば左がある。善があれば悪がある。美があれば醜がある。必ずそうなっているでしょう。感謝すべきものと、すべからざるものとが現存するわけじゃございませんか。しかし、あなたの論法でまいりますと、すべてに感謝をすれば必ず成功するんだ、あるいは幸福になるんだ、こういうことを、さあこれから社会に巣立とうという若者に植えつけたのですよ、こういう誤った人生観を。この責任をどうとられるのですか。重大ですよ、これまた。先ほどの失言ではないということ、さらにこのような若者の皆さまに誤った人生観を植えつけた責任、これをどうとられるのですか。
○原国務大臣 こういう成人式の若者に対して失言いたしましたことを私も深くおわびするだけでなく、適当な方法をもって、そういう間違いであったことを申し述べ、陳謝の意を表していきたいと存じております。
○大橋(敏)委員 原さんは、ほんとうに反省なさっているようなふうじゃないですね。老人福祉法をお読みになったことがありますか。老人福祉法の二条、ここには「老人は、多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として敬愛され、かつ、健全で安らかな生活を保障されるものとする。」こうありますよ。原さん、あなたは一貫して感謝の念を説いた。説いてはおりますけれども、最も敬愛さるべきお年寄りの方々に対して、何でこういう侮辱した、軽べつした発言をなさったのですか。自己矛盾ではありませんか。精神異常者でなければ、こんなこと言えないような事柄ですよ。これは、あなたのお話を印象的にとらえますと、老人福祉施設があたかも吹きだまりのような印象を受けるわけですね。あるいは暗い影を若者に与えたということは重大な問題です。こういうことについてもう一度あなたの心境をお伺いしたい。どうですか。
○原国務大臣 御指摘のように私のはなはだ軽率、不注意等で失言をいたしまして、まことにその責任の重大を痛感し、心から陳謝申し上げます。取り消しをいたします。そして今後はその償いと申しますか、老人の福祉対策あるいは広く社会福祉対策等について全力をあげて尽力する決意を固めておる次第であります。そのことはお約束申し上げてよろしいと思いますが、よろしく御了承願います。
○大橋(敏)委員 私はそういうことを望んでいるのではありません。これは国民の声です。 これは横浜市の金沢区に住んでいる主婦の、五十六歳になる島村さんという方でございますが、こう言っていますよ。 「原労相は「私が政治家として活躍できるのは、すべてに感謝しているからだ」「養老院へ行くような人は感謝の気持を忘れた下の下の人たちだ——この人たちは自分のことばかり考える利己主義者で、感謝することを忘れている」と発言したとの記事を読んで、私は怒りを押えることができなかった。どのような根拠があって、このような愚かな言が出たのであろうか。 すべてに感謝する気持のある人が、老人に対してこのような非情な心の持主とは合点のゆかぬことである。世の中に、好んで養老院へ行く人があるであろうか。やむにやまれぬ事情から養老院へ行かざるをえない人に向かって「下の下の人」などと言えるような人物が政治をつかさどっても「下の下の行政」しかできないであろう。 私は社会党員でも共産党員でも公明党員でもないけれど、原労相の暴言を許すことはできない。このような人は、政治家としてだけでなく、人間としても信頼するに足りない。辞職すべきは当然である。取消しておわびする、と言っているようであるが、それは自らの人格の卑劣さを暴露しているにすぎない。」 また大阪府の東大阪市の香村という六十歳の方は、いろいろ時間の関係で省略いたしますけれども、 「これでは原氏自身の感謝も全くスジの通らない、たんなる自己満足にすぎず、営々と働く国民の代表など、おこがましい限りであろう。彼はさらに「養老院についての発言で、誤解を受けているが、私の本意ではない」などと、彼の利己主義な発言に対する批判の声を、批判するものの罪にしている。これはどうみても、彼の本質を暴露したものとしか受取れない。 また、原氏一人でなく、現内閣の閣僚中から、これに類した人が相次いで出ていることは、いわば現内閣の体質から出たウミの一しずくにすぎないように考えられ国民の一人として義憤さえ覚える。」 もう一人紹介しましょう。これは大阪府の堺市の主婦、四十一歳の小野沢さんです。「かりにも、一国の大臣として国民のしあわせを昼夜念じなければならぬ責務にある立場であることをしっかり自覚しているならば、こういった言葉が、うっかりとでも出るはずがない。大臣というイスに安住し、国民の苦しみを、わが苦しみとは感じない人に政治はまかされないと、痛切に思う。」これが国民を代表した声でございます。 総理、どう思われますか。総理の心境をお伺いしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま国民の声を御紹介になりました。私もほんとうにえりを正す、そういう気持ちでただいまの国民の声を承ったものでございます。私が先ほどちょっと披露いたしましたように、私のところに参っておる年賀状の中に多数福祉行政についての要望を述べられております。それを私はそのまま受け取る、こういう意味で御披露申し上げたのであります。ことに、きょうは、こうして、まだ開会式もしないにかかわらず、社労の方々が委員会を開かれて、そしてこの問題を取り上げられ、私は皆さん方の御熱意に対して心から感謝もし、お礼を申し上げる次第でございます。私は、とにかく、ただいまの感謝の念は別といたしまして、お忙しい際にもかかわらず、こうしてこの問題を取り上げられる、社会福祉の問題について積極的な社労の委員の方々のその態度だ、かように私は思います。また、私自身がこの国会を通じて、この委員会の場を通じて、ただいま国民に内閣自身が社会福祉、これと積極的に取り組む姿勢を持っている、このことを表明することのできる機会を与えられたことを私はお礼を申し上げます。同時に、ただいまの原労働大臣の失言問題、これはこの委員会を通じて国民の前に明らかになったことだと思いますし、また皆さん方から、これは単なる失言としてお責めになるばかりでなく、さらに積極的な建設的な方向においていろいろ御提案になっておる、かようにも伺うのでございまして、私はその点について心からありがたくお礼を申し上げる次第でございます。 とにかく、この委員会を通じて原君の失言が国民の前に明らかにされ同時に、このことを原君自身が心からおわびを申し上げ、全面的に取り消すことはもちろんだが、国民の皆さん方におわびを申し上げ、ことに施設に入っていらっしゃる老人の方々に対して心からあやまる、こういう気持ちでそのことをはっきりこの委員会を通じて述べられることができたことは、私はその意味におきまして国民との間にギャップ、これをつくらないで済んだ、かように思っておりまして、厚く私自身もお礼を申し上げるような次第でございます。
○大橋(敏)委員 私がいま聞いていたことは、国民の声は、もうこの原さんのような方を内閣に置いているのは間違いですよ、こう言っているわけですよ。大体わかるでしょう。私もおやめになったらどうでしょうかと言っているわけです。それに対して、総理大臣としてどのような措置をとられようとなさっているのか聞いたわけですがね。 総理大臣、御承知と思いますけれども、現在施設に入っていらっしゃるお年寄りは、六十、七十、八十歳のような方々でございますが、そのほとんどの方は、現在のわが国の大功労者というべき人々でございます。言うならば、あの満州事変、シナ事変、大東亜戦争と、おのれの青春を踏みにじられて、そうして敗戦でございます。敗戦になって、それから再建、復興、低賃金、そして労働過重、働け働け、ほんとうに血のにじむような思いをしてその逆境を切り抜けてきて、今日の日本の繁栄の基礎を築いた方々ばかりでございます。そういう人に対して原さんのあの暴言でございます。ほんとうに許されようはずがございません。 私は思うのです。いま施設に入っていらっしゃるお年寄りは、終戦当時三十歳から四十歳前後の方々、上はお年寄りをかかえ、下は子供をかかえ、食うものも食わず、着るものも着ず苦労した人たちばかりでございます。私は、このお年寄りに対して、もうそれこそ大幅なる老人対策の充実拡充、これをしない限りは国民はおそらく許さないであろう、こう思うのであります。 そこで、先ほどから総理大臣は、今回の予算は福祉優先をやった、こう言っておりますけれども、確かに大蔵省は大型福祉予算と言っております。また、政府も国民福祉優先と大々的にPRいたしておりますけれども、私が調べた範囲におきましては、社会保障関係費はその伸び率は確かに二二・一%になっております。これは一兆六千四十五億ですか、だけれども、国家予算に対する割合を見てみますと、わずかに一四・三%にすぎませんよ。また、社会保障関係費の中に占める老人対策費の割合はわずかに九・一%です。国家予算の中から見る老人対策費の割合はそれこそ涙です。一・三%でございます。これじゃ、口でおっしゃるような、とにかく福祉政策を優先したとかなんとか言って見ても、これは始まりません。確かに老人の医療の無料化は出てきているようでございますけれども、七十歳以上ではございませんか。所得制限がありますじゃございませんか。四十八年一月からでございましょう。不完全なものでございます。こういうことでは、まだまだわれわれが望んでいるような福祉行政ではございません。施策ではございません。それもあわせて、これを思い合わせて答弁願いたいわけでございますが、その前に一つ、先ほど労働大臣は、答弁の中に、高齢者の就職を積極的に援助していくとか、あるいは定年制を延長するとか、中高年齢者の雇用率の設定、職種の拡大だとか、雇用奨励措置の改善等を行なうとか、職業訓練云々など言っておりましたね。私は、あなたがやるとかやらないとか別といたしまして、確かにこの際に労働省としてやるべき仕事があろうかと思います。 その点をひとつ言っておきますが、現在全国で老人ホームの中に作業室を持っているのが、四十六年で十七ホームあるはずです。各五十人。これを合わせますと、八百五十人になるわけでございますけれども、そのほかに授産施設として、生活保護関係の保護授産施設には入所者が四千百三十七人おります。その中に生活保護を受けている方が二千七百二十五人、そしてその中に六十歳以上の方が六百七十人いるはずでございます。また、福祉授産施設を見ますと、これは百五十七カ所ありますけれども、四千三百八人、そのうち生活保護を受けている人が七百五十四名、そのうちの六十歳以上の方が六百六十九名で、合計いたしますと千三百三十九名、これと先ほど申し上げました作業室で働いている八百五十人を合わせまして二千百八十九人になるわけでございますが、労働大臣は自立の精神を説きましたが、ほんとうに働きたいと思っても働く場所がないのであります。そうなりますと、自立したい、就業したいという人に対しては、先ほど職業訓練云々と言っておりましたので、委託訓練を行なって訓練手当等も出すくらいの考えがあったのかどうか、これもあわせて聞かせていただきたいのであります。 労働大臣の答弁のあとに総理大臣の答弁を聞いて終わりたいと思います。
○原国務大臣 お答え申し上げます。 各種の老人施設の中におられる老人の中で、何らかの形でお尋ねのように自営したいとか、あるいは自分で働きたいと希望される方に対しては、このような方に技能を身につけていただくため訓練を委託し、その期間中は平均月額二万八千円程度の訓練費を支給することにいたしてありまして、そしてその自立を援助捉進いたしていきたいと思っております。 その他労働行政の点について昭和四十七年度予算でやろうとしておることは、さいぜん申し上げましたとおりで、積極的に御期待に沿うようにやる決意でございます。よろしく御了承願います。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの老人ホームあるいは━━━、こういう施設について、いろいろございますが、その施設が最近、いわゆる孤老というかそういうことばまでできているように、身寄りのない老人、そういう方がやはりこの施設に行かざるを得ない、これが一つの特質じゃないかと思っております。私は、この施設そのものがいろいろの使われ方をしておる。有料老人ホームもありますし、また社会保障の関係で、無料でそこに収容されておるという方もあります。またその場合に、ただいま言われるごとく、やはりさびしさを感じないようなそういう施設がほしい。こういうわけで、それはただ単なる娯楽室だとか談話室、こういうものだけではありません。やはりただいま言われるような授産、そういうものも必要だ、かように思いますから、この孤老である上に、さらに年とってから何もしない、だんだんさびしさを感ずる、そういうことのないようにしてあげることが、われわれの必要なことではないだろうかと思っております。そういう意味から、私のわずかな施設を見た感じで、ただいまのような批判をするわけでありますが、とにかくさみしさを解消する、こういうようなことの取り組み方も一つの方法ではないかと思っております。 また、全体の施策として足らないというこの御批判は、それぞれあろうと思います。政府は、今回の予算といたしましては、いままでにない思い切った予算と取り組んだつもりでございますけれども、さらに皆さん方から御鞭撻をいただかないと十分のものはできないだろう。これからさらに積み上げていくことが必要でございますし、またものによっては、まだ全然手のつかないものもあるだろうと思いますが、そういう点は、専門家であられる皆さん方の御意見も平素十分に承っておいて、そして予算編成の際にそういうことが取り上げられる、こういうことになれば、これはやはり国会の審議というものが生きてくるのじゃないか、かように私は思いますので、さらに今後とも積極的な、政府も——野党ということで、政府の責任は特ちたくないというお気持ちもおありかと思いますが、ぜひ御鞭撻賜わり、そして国民のための政治をする、こういう立場で政府を御鞭撻いただくようお願いをいたします。 ただいまの問題につきまして、私は、これはもう終わりだということでありますから、重ね重ね原労相の失言について国民にあやまると同時に、他の方法で福祉行政を充実することによって償いをする、こういうように取り組みたい、かように思います。 以上、申し上げておきます。
○大橋(敏)委員 まだ少しすっきりしませんけれども、もう時間が来ましたので、私はこれで終わりますが、原さんの進退はみずから決せられるであろうと思いますけれども、国民の気持ちを十分体して、総理みずから英断を下していただきたい、これを要望して終わります。
○森山委員長 次に、田畑金光君。
○田畑委員 時間が限られておりますので、総理に端的にお尋ねしたいと思います。 世の中には、あやまって済むことと、幾ら頭を下げても済まされない場合があろうと思うのです。今回の労働大臣の発言というものは、一片の陳謝で済まされるものでしょうか。私は、政治家は政治家としての責任があると思う。ましてや国務大臣には国務大臣としての責任のとり方があろうと思うのです。失言か放言以来、原労働大臣はいろいろ各方面に陳謝をなされておられますが、私は、百の陳謝をする前に、みずからいさぎよく政治家として、国務大臣としての責任を明らかにするのが、この残酷なまでの、むざんな発言に対する責任のとり方であろうと考えます。総理大臣はまた総理大臣としての、任命権者としての責任があると思うのです。佐藤総理も、いま一度今回のこの問題についての責任のとり方はどうあるべきか、このことを明らかにしていただきたいと思うのです。
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの田畑君のお尋ねにお答えする前に、先ほど、私が大橋君にお答えした中に━━━ということばを使ったようですが、これは老人ホームその他施設の誤りでございますから、それは取り消さしていただきます。御了承願います。——御了承願っておきます。(発言する者あり)あまりやじらないでください。 そこで、いま田畑君のお話ですが、私は、事柄の性格上、済むことと済まないことがある、これはそのとおりだと思っております。そういうことで十分その措置をつけていかないと、折り目折り目、これを正していかないことには政治はなかなか筋道が立たない、かように私も思います。今回の問題は、原労相がみずからの非を悟って、いち早く全面的に取り消して皆さん方に陳謝いたしております。これはやはり国民にこの国会を通じて陳謝するということ、政治家である限り、また間違ったら当然のことだと申しますが、これはやはり陳謝は、よほど——できることではございませんし、そのことをした、そういう意味で、私は、ある程度御了承も願えておるのではないかと思っておったのでございます。私どもが今後この種の問題についていかに取り扱うか、これはただいま田畑君の御意見もございましたから、十分伺っておきますが、ただいまの今回の問題につきましては、どうぞ御了承を賜わるようお願いしておきます。
○田畑委員 総理にお尋ねいたしますが、総理、養老院は世の中の吹きだまりだ、養老院に行くような者は下の下である、感謝の気持ちがないガリガリ亡者である、さっきの大橋委員の速記の中に出ておりまするが、およそ現代に生くる者にとって、これほど不遜な、そしてまた無謀なことばはないと思うのです。私もたまたま車に乗りながら、車のラジオで労相発言というものを聞いておりましたが、すさまじいほど気負った発言であるわけです。私は、政治家原健三郎の本領が遺憾なく発揮された場面だろうと思います。にしきを着て故山に帰る、二度目の大臣のつとめである、かつては衆議院副議長という要職にもつかれた方である、郷土にとっては誉れ高い、また最高の出世がしらの一人であろうと想像するわけで、そういう郷土の若い人方の前に行くと、勢い私たちも、政治家というのは自分の本音を出すものです。私は、まさに成人式において千余名にのぼる若い人方を目の前にして原健三郎代議士が本領を発揮された場面だ、こう考えるわけです。同時に私は、この発言の内容というものは、言うならば自民党の体質だと私は申し上げたい、体質を暴露したものだと私は申し上げたい。私は、政府与党の社会保障や老人福祉に対する取り組み方、姿勢というものが、労相発言の中に端的にあらわれたものだ、私はこう指摘したいわけです。私はこの発言がもし与党の諸君にきつい発言であり、妥当でない発言であるとするならば、この原労相の発言によって二千万にのぼる多くの年寄りがいかに精神的な深刻な打撃を受けておるか、このことをつぶさに反省されて、このような状況を排除するために総理としては当然努力を払うべきである、こう思いますが、私の質問に対して総理のお考えを承りたい。
○佐藤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、社会福祉、これはわれわれの積極的な政治姿勢でございます。申すまでもなく重点、最重点施策のその一つとして、これを取り上げ、おります。ことに今回の四十七年の予算におきましては、大幅にこれと取り組んだ姿勢を示しております。そういう際でありますから、先ほどもお答えいたしましたように、原君の失言は私にとりましても、まことにショッキングであります。まことに遺憾でございます。そういう意味で私自身も国民の皆さま方にこの委員会を通じて、まことに遺憾だというその遺憾の意を表明しておるわけであります。しかしながらこの問題は、また同じことを申すようでありますが、原君がみずからその非を悟って、これを全面取り消し、そうして国民の皆さまに謝罪も陳謝もいたしております。したがって、ただいまの施設の老人に対しましてこれはやはり十分意のあるところも伝えられて、そして御了承をお願いする、こういうことでほんとうに心を正しておりますから、これでお許しを願いたい、御了承願いたいと、かように思うのであります。政府はもちろん積極的にこの問題と取り組む。ただいまのところ不十分だという先ほどの御批判もございましたが、さらに皆さま方の御意見も伺いまして、積極的に充実をはかっていく。福祉の向上には最善の努力を払うつもりでございます。そのことを申し上げましてお答えといたします。
○田畑委員 総理、私は予算をつけるとか施設をふやすとか、そういうことではこの問題の解決にはならぬと思うんです。この発言の与えた影響というものについて、私はもっと真剣に考えていただきたいと思うんです。 一月十九日、私は地方で新聞を見ますると、原労働大臣は一月十七日、十八日以降各方面におわびのあいさつをなさっておられましたが、ちょうどその一月十八日に兵庫県の西宮市の門戸厄神大祭の初日に、参道には一ぱいの人々が集まっておる。そういうところで労働大臣の名前入りの立て看板が数本立てられておる。「人間優先、福祉第一の政治を、働く人々に持家を、労働大臣原健三郎(ハラケン)」参拝客は、時が時だけに、そらぞらしいなといって、これを見て苦々しく思って歩いていたそうです。総理、私は一個の代議士がそのようなことをなさるということはわからないでもない。私たちも似たり寄ったりの場合があるでありましょう。 ただしかし、私が申し上げたいことは、いやしくもこれが数年間続けられておる。しかも県の屋外広告物条例に基づいても、これは撤去させられる品物であるということ。幾ら選挙目当てでも、こんなひど過ぎることは、私などは断じていたしません。この看板が労働大臣のほんとうの気持ちなのか、あるいは成人式における発言がほんとうの気持ちなのか、ここを私は言っておるわけです。私は、成人式における発言が本物であろう、それが佐藤内閣の体質であろう、与党の体質の一面を暴露しているんじゃないか、こういうことを私は申し上げておるわけです。 私はこのことについて、私のことばが言い過ぎであるならば、訂正をしなくちゃなりませんが、そのために、やはりこういう国務大臣の発言に対して、政府が国民の気持ちを買うた当然の責任の措置をとることが、幾ら予算をふやし、幾ら施設をつくるよりも先んじてやるべきことだ、私はこのように考えております。私は、佐藤内閣のこれは施政責任だと思います。任命権者である佐藤総理の政治責任だと思います。やはり政治責任は佐藤総理も明らかにとっていただきたい。このことを私は強く要請いたします。総理の見解を承って、きょうのところはこの程度に質問いたしますが、この問題は今後続くであろうということだけをつけ加えて申し上げて、佐藤総理の所見を承ります。
○佐藤内閣総理大臣 田畑君の御意見は御意見として十分承っておきます。私自身責任を回避するつもりは毛頭ございません。それだけをはっきり申し上げておきます。ありがとうございました。
○田畑委員 これで質問を終わります。
○森山委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 先ほどから各党の皆さんから質問がありました。私は、わが党の質問をするときに佐藤総理がおられないことについて、まことに遺憾に思います。(発言する者あり)委員長に、今後運営においては御検討いただきたいということを最初にお願いをして、私は、政府を代表しての官房長官に質問をしたいと思います。 いま、先ほどからの各党の皆さん方の御質問の要するにはっきりしない点は何か、それは佐藤内閣として原さんが大臣の資格を持っているのかどうか、政府として原さんが大臣の資格があるのかどうかということを聞いておられると思うのです。私は官房長官に聞きます。 お年寄りの皆さんが、たとえば市町村に行って老人ホームに入りたいという問題を提起される。そのときに、受けとめる側においてガリガリ亡者が来た、下の下のやつが来たという態度をもって迎えられたときに、老人はどういうことになるでしょう。そういう態度をもって老人ホームなり、あるいはまた市町村の当局が、政府当局が迎えられるということに対して、官房長官としてそんなことは許されないことだと思われるのか、どういうふうに思われるのか、私は率直に聞きたいと思うのです。
○竹下国務大臣 お答えいたします。 まず質問の趣旨の第一点は、原労働大臣が大臣としての資格があると思うか、こういうことであろうかと思います。今日の失言問題に対する誠心誠意陳謝されておること、その問題をも含めて、いやしくも本院に議席を有せられること二十六年、その多年の経験、そしてまた、労働行政に対するところの識見等からして大臣たるにふさわしい、このように判断したからこそ認証の儀を経られた、私はこのように確信をいたしております。 なお市町村、地方自治体の窓口に老人の方が参られて、施設への入所を要望された際、そうしたすでに陳謝し、全面取り消しをされたといえ、そうした印象が老人の皆さん方に残っておるということは、それなりに否定できなかろうと思います。その限りにおいては、私も遺憾なことである、このように考えております。
○寺前委員 私の後半の質問について少し受け取り方が違いますので、もう一度問題を発展さしたいと思います。 日本の政治の非常に重要な執行部におられる大臣が、ガリガリ亡者であるという態度を表明された。これが与えている影響は大きいです。私がいま提起する問題はそうじゃなくして、第一線におられるところの老人ホームの担当者なり、あるいは市町村の窓口の人が、こういう態度を持って老人に接しておられて、はたして日本の行政が責任ある行政として進むかどうか。あり得ることですか、あり得ないことですか、どっちですか、その点を聞いておるのです。進みますか。
○竹下国務大臣 地方自治体におけるそうした窓口の皆さんが、ただいまおっしゃったような気持ちで接していらっしゃるとは、私は毛頭考えておりません。
○寺前委員 第一線で活動しておられる人が、ほんとうに老人に対してまじめに接触しようとしているときに、また接してきておられるのに、日本の政治の執行権の一番責任あるところの地位の人が、ガリガリ亡者などというようなことを言われた日には、職員の人はもちろんのこと、また老人自身もたまったものじゃありませんじゃないですか。そういう発言を公然と一カ所じゃなくして二カ所においてもやられてきておる。こういう思想が表明されているのに、大臣の資格が、かつて認証したからといって、いまだにその資格があるというふうに断定できる根拠は一体何です。あれは間違いでしたから、それで済みますか。官房長官どうです。
○竹下国務大臣 その断定する根拠、この種のことは、これは試験問題で採点するとか、あるいはいろいろな角度から積み上げていくとか、この種の根拠というようなものが明らかにされる性質のものではなかろうと思います。やはりここで高度な政治的判断から率直、簡明に国民の皆さま方に、なかんずく専門家おそろいの当委員会を通じて、失言であったこと、そして今後の政治生命をかけて福祉行政、特に老人問題に取り組むとの強い決意が表明された、このことは私は評価されてしかるべきだ、このように考えております。
○寺前委員 金を出したら仕事はできているというふうに考えるわけにいかないでしょう。さきも言ったように施設がある、老人が来た。そのときに管理者がガリガリ亡者が来たんだという態度で、その施設が進むはずがないじゃありませんか。それはもうだれでもおわかりのことです。いま大臣が今後こういうようなことをやりたいといっても——お金をいろいろ出してやっても、その基本的な姿勢においてガリガリ亡者どもめという態度があったら、絶対にそういうことは福祉として前進するはずのものではありません。ですから私は、この人の思想そのものが重大な問題を含んでいるという点において、これは大臣の資格がないということを当然政府において判断を下されなかったとするならば、政府自身が同じ思想だと言われたってしかたがないじゃありませんか。 私は、他のもう一つの問題を提起してみたいと思います。 一月一日の日に、同じ洲本の市民会館で市民名刺交換会をやっておられます。そのときのニュースが「スモト公論」に載っております。私は他の人からも情報として報告を受けております。これを見ると、こういうことが書かれております。いろいろ書れておりますけれども、その中で沖繩国会の問題に触れて、「毎日同じことを阿呆らしい愚問ばかりを繰返された。戦争で二十万人の犠牲者と二十六年間異国人の支配下におかれた沖繩を何とか一日も早く返還させねばと頑張った。実際社会党、共産、公明さんのいう通り基地が多すぎるが、軍隊をもたん日本国がいくら偉そうにいったところでどうにもならん。」閣僚が、軍隊を持たぬことには、えらそうに言うことはできぬということを公然とこの場で言われているという記事が載っております。あるいはまた暴言問題で、西村、小林がやめさせられたことは、たいへん気の毒なことだというようなお話もなさっているようです。 さて、いまの政府の閣僚が、閣議において、あるいはまた国会を前にして、このような沖繩の国会後の状況のもとにおいて、やめさせられた閣僚が気の毒だというのは、一体どういうことなんですか。国会に対して示した態度というのは、政府としてうそであったのか。あなたたちの政府の中の一閣僚が、こういう重大な問題を発言している。政府としてこの問題についてどういうふうに思われますか、官房長官に聞きたいと思います。
○竹下国務大臣 総体的な御意見といたしましての閣僚の発言は、院内外を問わず、それは慎重に配意すべきものである、そういう原則は私も一貫して同感であります。しかし、それぞれの辞表を提出されたその経緯において、それらの問題は本院等においても種々議論のあったところでありますので、いまさらさかのぼってそれに対する論評は私からは、新しい私でもありますので、差し控えたいと思います。原則論として、閣僚の発言は院内外を問わず厳正であるべきである、このことを申し上げておきます。 さらに、原労働大臣の一月一日の名刺交換会等の発言につきましては、これは私のほうで聴取いたしておりますが、これは野党の繰り返しの質問に対し、佐藤総理がよくがんばられた、このような発言で、私もそれに対しては、少なくとも肉体的によくがんばられた、このように理解をいたしております。
○寺前委員 いろいろなことを言われましたけれども、名刺交換会における発言で重要なことは、軍隊を持たないことには話にならぬということを、日本の閣僚が公然と名刺交換会で提起している。あるいは国会の前に、閣僚としてやめさせた人の問題に対して、あれは気の毒だと言う態度は、一体まじめに国会に対して臨んでおられるところの大臣としての姿がそこに見られるか、ふまじめではないか。ですから、当然私は政府において、今回の発言といい、いま私が提起した問題といい、新たな次元に立って、閣僚として資格があるかどうかという態度をきめられるべきであると思います。私は心から日本の政府が、日本の国民に対してこのような態度をとられた大臣に対して辞職させられるように、罷免されるべきである、そういうふうに思います。そのことを要望して、発言を終わります。
○森山委員長 寺前君に申し上げます。 寺前君の発言の冒頭に、発言の時間割りについての御要望がありましたが、寺前君の発言許可は、でき得る限り発言の機会を与えたいとの与野党理事の好意によるものであります。寺前君の発言は、各党理事の好意にそむき、誤解を招くおそれがありますので、念のために御注意を申し上げます。 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会