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68回国会衆議院1972/05/10

公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第2号

発言数
97
登壇者
10
会派数
5
開催日
1972/05/10

会議録

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 これより会議を開きます。  公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 法務大臣にお伺いをいたしますが憲法九十九条には、「天皇又は攝政及び國務大臣、國會議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」、このようにございます。御承知のことだと思いますが、これについての法務大臣の御見解をひとつ承りたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 もとより憲法に従うことは当然の任務でありまして、もちろん公務員といえども、国民全体が憲法に従うということについては、これはもう当然のことと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、私どもの日本国憲法の前文は、「日本國民は、正當に選擧された國會における代表者を通じて行動し、」ということばで始まっております。ここで法務大臣は、「正當に選挙された國會における代表者」、この正当に選挙されるということばはどのような意味を持っておるとお考えになっておるか、お答えをいただきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 正当というわけでありまするから、もちろん違法よりはもっと適切なというような広い意味かもわかりませんが、いずれにしましても、適法に選挙されなければならぬということはもうこれは最小限度、そういうことだと思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私も、実はいま法務大臣がお答えになりましたように、憲法が期待いたしております選挙というのは、最低、少なくとも適法な選挙でなければならないということを憲法は期待をいたしておると思います。  そこで、この選挙に関係のある問題で、いま私どもが非常に注意を払っておる問題が一つあるわけであります。それは、御承知のように、この五月十五日に沖繩返還が行なわれるにあたって、私どもが新聞報道その他で承知をしておる範囲におきましては、政府は、憲法七十三条に定める「大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定する」という内閣の項目に従って、恩赦法に基づく政令によるところの恩赦を行なわれるように聞いておるわけであります。その恩赦の政令の中身の話でありますけれども、恩赦法、あるいは憲法もそうでありますが、恩赦法の第二条には大赦を、第四条には特赦を、第六条には減刑を、こういうふうに段階を設けられておるわけでありますが、現在政府が考えられておる恩赦というのは、一体これらのうちのいずれに該当するものというふうにお考えになっておるか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 実は沖繩で、琉球政府であると思いますが、恩赦を行なった、ついては国内においても恩赦をやるべきだ、こういうことで先ごろ官房長官から話があったわけであります。したがいまして、その内容についてはまだ全然決定もいたしておりませんし、早急にきめなければなりませんが、慎重に考えていかなければならぬ、かように思っておるわけであります。ただ、従来からいろいろ議論がありまして、法務委員会等においては、両論が行なわれておるわけです。その点十分慎重に考えて、結論を出したい、かように思っておる次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 実は今回の恩赦の問題については、特に沖繩におきましては、これまで異民族支配、アメリカの支配下にあったわけでありますから、それらの裁判におけるいろいろな措置が、はたして私ども日本国民の立場から見て正当であったかどうかという点については、われわれとしては多くの疑問を持っておるわけでありますから、この沖繩における恩赦の取り扱いは、日本国民として当然あったであろう裁判の結果が生じるように取り扱われることが恩赦としても相当であろう、こう考えておるわけでありますけれども、国内における問題で、これに便乗をして、この恩赦の範囲が拡大をされ、場合によっては大赦を行なうなどということになるのは、きわめてゆゆしい問題ではないかというふうに考えておるわけであります。  そこで、これは今後の御検討になるということでありますが、現在の段階では、これを大赦のような段階として考えられようとするのか、恩赦の段階として考えられようとするのか、その点について、大臣としては多少何らかのお考えもあろうかと思うのでありますが、重ねてその点をひとつ承りたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 沖繩が返還になりますについて、沖繩はいままでいわゆる外国の支配権下にあったのであります。しかも、高等弁務官の恩赦のようでありますが、恩赦が行なわれましても、それに対してわれわれが、十分な恩赦ができておるかどうか、したがって、それにはなお足らざる点も十分補っていかなければならぬ、これはもう当然のことだと思っております。  ただ、沖繩返還というのは、単に沖繩県民だけの問題ではなしに、国家的な慶事であるということもこれは事実であります。また、私は今後常時恩赦というものを非常に活用して、刑事政策として従来と違ってほんとうに力を入れて、できるだけその個人個人に適応した処遇をし、また、できるだけ早い機会に社会に復帰させるということで、常時恩赦を活用するという点について非常に努力をしたい、かようには考えておりますが、しかし、政令恩赦というようなものにつきましても、やはり国家的慶事の場合に、その喜びを分かち合って、そうして将来の再出発といいますか、将来再び罪を犯さないようにし、しかもまた、ただいまも申しましたように、再出発をするというような考え方に立って恩赦をやるということは、当然これはあることでありまするし、また、憲法の制度としてつくられておるわけであります。したがいまして、それが大赦になるか恩赦になるか、まだ決定はいたしておりませんが、最も適当な措置をとりたいというふうに考えておりますので、ただ、ただいまのところ、大赦をやるかあるいはやらぬかというような点、具体的な問題について触れることは避けさしていただきたい、かように考えておるわけであります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 私が、特に最初に憲法九十九条に触れ、また前文についても申し上げておりますように、いま、私ども日本の中で一番重大な問題だと考えております一つは、やはり政治の問題が、国民にどのように責務を果たすかということが非常に当面重大なことだと思っております。その際、その政治の根幹をなすのは何かといえば、これはまさに憲法の前文が触れております正当な選挙を通じてということが、これが私は民主政治の根幹にかかわるきわめて重大な問題だ、こういう認識を持っておるのでありますけれども、その点について法務大臣いかがでございましょうか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 これはもう申し上げるまでもなしに、おっしゃる意見に対しましては、私は同感であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、これまでもしばしばこれらの政令恩赦が行なわれました際に、最も多数の恩赦の対象者になりますものは、実は選挙違反の関係者であります。その選挙違反の関係者が恩赦があるたびに実は刑が取り除かれる、こういうことになりますことは、片方で公正な選挙を行なうために、自治省等も一生懸命やっておることだと思うのでありますが、残念ながら選挙違反の状態というのは決して減る方向にではなく、ややもすれば悪質のものがふえる方向にあるというのが現在の状態であります。これを考えてみますと、何年かに一回は選挙違反をやっておいても、選挙違反ぐらいは恩赦があればそれはもう白紙に戻るのだ、このような安易な考え方でこれらの選挙違反が行なわれるということは、私は国民の選挙に対する信頼にも大きく影響すると考えておりますので、特にこの際、今回の恩赦にあたっては、選挙違反の問題についてはこれを除外をするということが、私は憲法の正しい順守の方向であろうと、こう考えるわけであります。これについての法務大臣の御見解をひとつ承りたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 恩赦が最近ちょっと短期間の間に行なわれたということは、率直に申しまして私は異常だと思います。そんなに行なわれるものではありませんし、そんなに国家的大慶事というものがたびたびあるとは考えられないのでありまして、最近二回ほど非常に国家的な慶事が続いたということであります。したがって、恩赦本来の制度は、これは憲法でも認め、また外国にもありますが、要するに予期しなかった慶事の喜びを分かち合って、そうして再出発をしていくという考えのもとにつくられておる制度であります。したがって、その制度の趣旨をできるだけ生かして、しかもまた、合理的に刑事政策上も差しつかえないように配慮をしていくべき問題だと思いますが、いろいろお話しのような点をどういうふうに考えていくか、どういう結論を出すかということについては、ただいまのところ申し上げる段階ではないのでありまして、いままでずいぶんいろいろ皆さんの御意見伺っておりますが、そういう点を慎重に検討して決定したい、かように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 前段のほうで、法務大臣と私との間には、現在の政治の一番中心的な課題は公正な選挙にある、そのことが非常に重要であることについての認識は同様でありますし、問題は、今回の恩赦の中にそれが含まれるか含まれないかという問題でありますが、いま法務大臣もお触れになりましたように、昭和四十三年には明治百年の恩赦が行なわれておる等、ともかく最近はおっしゃるように、短期間に恩赦が続いて何回か行なわれておるわけでありますから、これでは選挙違反ぐらいはやっておいても恩赦があればまた白紙になるというようなことが、結果として私は政府が進めておる公正な選挙ということに対して大きなマイナスになってくるということは明らかである。そのことは、いうならば憲法の前文に反することになると、こう考えるものでありますから、特にこの問題についてだけは十分慎重な検討を進めていただかないと、私はこれは国民の期待に非常にそむくことになるのではないか、こう考えておるわけであります。  最近の各新聞紙の論説も、あげて今回における恩赦問題に触れて、この中に選挙違反を含めることについては、全部の新聞紙があげて社説をもって反対をしておる、こういう状況でもありますから、この点については、今後御検討になるということでありますから、本日御答弁はいただけないと思いますけれども、しかし、ひとつこのことは十分慎重にお考えを願って、これまで前段でお触れになってまいりました憲法に対する考え方、あるいは民主政治の根幹としての公正な選挙という問題と選挙違反との関係、累次のわりに近接した恩赦によって行なわれてきたこれらの選挙違反に対する措置の問題とをあわせて考えていただいて、今回の沖繩復帰は確かに国家的慶事であると皆さんお考えでありましょうけれども、しかし、それはそれとして、やはり国の政治上の重要な問題がここでそこなわれることのないように、ひとつ十分配慮をお願いをしておきたい、こう思います。いかがでございますか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 ただいまの御趣旨も十分私も考えて慎重に結論を出したい、かように考えております。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 伏木和雄君。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私も、この恩赦に関して一点だけお伺いしておきたいと思います。  その前に、冒頭にお伺いしたいと思いますが、この恩赦、政令と同時に施行となるわけですが、これは五月十五日に行なわれることになるかどうか、その政令をいつ出すか、その点をお伺いしたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 お話のとおりに、五月十五日に出すというふうに考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そういうことになりますと、きょうは十日でございます。すでに法務省では政令の要綱ぐらいはでき上がっているのではないか、こう私ども理解するわけであります。それがいまだに検討中ということになりますと、五月十五日に、はたしてこれからそんな簡単にまとまってしまうものかどうか、相当のところまで煮詰まっているのではないか、われわれはこのように理解するわけでございますが、この点はいかがですか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 率直に申しまして、いままでやりました恩赦を考えてみますと、そう多くの内容を持ったものでありません。私は、この数日間で十分間に合うというふうに考えております。もちろん、事務当局の諸君もいろいろ準備というような点でいろいろな研究はやっておると思いますし、その点で、数回会議を開けば大体の結論は出るというふうに考えておるわけであります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 それでは、相当のところまで煮詰まったものと理解して、いま問題になっております公選法違反に問われた方々、この選挙犯についての考えは、法務省は現在はどのようにお考えになっているかということです。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 そういう具体的なことにつきましては、まだ未決定でありますから、ただいま申し上げる段階ではありません。そういう問題が数点最終的には残るのではないかと思っておりますが、したがって、ただいま御質問のようなことは、残念ながらこれは恩赦というものの制度上、また、まだ閣議決定も何もない現段階において、私がいろいろなことを申し上げることはかえって非常な誤りを来たすことになりますので、その点は差し控えさせていただきたいと思います。

伏木和雄公明党

○伏木委員 この恩赦についてでございますけれども、司法権によって決定されたものが、行政権において、政令等でこれが安易に結論を出されていくというところに非常に問題はあると思いますが、それはそれとして、それだけに私どもはこれは慎重を期さなければならないと思います。  かつてこの恩赦法の改正が参議院を通過したことがあるように私ども承っております。この中で、恩赦の審議会をつくって広く国民の声を聞いていく、有識者の声を聞いていくということがなくてはならない問題かと思います。冒頭申し上げましたように、司法権の決定を行政権によって変えていくわけでありますから、この審議会の制度は、私はどうしても持たなければならないと思います。この点について法務大臣、どうお考えになっているでしょうか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 恩赦の制度ができます際には、恩赦制度審議会でありましたか、そういうものがあったわけであります。ところで、その後において恩赦の審議会をつくるべきだという御意見はあります。ただ、恩赦の制度は、御承知のように恩赦自体は討論なりいろいろなことをやって、一般に事前に知れ渡るということは禁物でありまして、早い話が大赦をやるというようなことがずっと事前にわかれば、無法律状態になるというような心配があるわけであります。したがって、審議会にかけていろいろな討論をするというわけにまいりませんのが一つ。  それから、やはりこれはあくまで認証事項、天皇の国事行為でありますので、内閣が全責任をもってやる。責任が明らかでなければなりませんので、審議会を設けることによって、審議会に責任を持っていって内閣が知らぬ顔というようなことになりましては、恩赦制度自体に問題ができるわけであります。そういう点から、必ずしも審議会の制度というものは恩赦にとりましてはちょっととり得ないのではないか、こういうふうに考えているわけであります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 審議会の制度がとり入れられないまでも、私は、この恩赦の処置については、国民の意見に政府は耳を傾けなければならないと思います。いやしくも政治色に流れるようなことがあってはこれは問題であると思います。今日、選挙犯を除外しろということは、相当強い声になってあらわれていると私ども考えておりますが、こうした政治色をなくしていくという上に立っても、この選挙犯の除外を行なうべきではないかと思います。  戦後行なわれた恩赦はたしか七回と聞いておりますが、そうなると前後して三年半に一回ないし四年に一回の恩赦が行なわれている、こういう結果になると思います。戦前は八十年間に十六回ということでしたが、戦後はこれがしばしば行なわれている。かりに四年に一回としますと、必ずしも時期は一致いたしませんけれども、四年に一回回ってくる地方統一選挙というのとこの恩赦が同じ数行なわれている。ですから、そのつど選挙犯というものを恩赦にしていくと、数の上からいきますと、実際上公選法違反に問われて、次の選挙に、その服役中あるいは公民権停止の処分を受ける者がいなくなる。数字から判断しますと、そういう結果になってまいります。ということになると、これは公平であらなければならない選挙運動、選挙というものを、根底からこの恩赦によってくつがえしてしまうのではないかという考え方に私どもは立たなければならないと思います。  こうしたしばしば行なわれている、地方統一選挙と同じ四年に一回回ってくる恩赦、こういう恩赦がひんぱんに行なわれ、しかも選挙犯がその恩赦のつど許されていくというこうした悪循環について、法務大臣はどうお考えになっておるでしょうか。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 国民の皆さんの意見なり世論というものに十分耳を傾け、また、それを洞察しながら結論を出すべきであるという御意見については、私は同様に考えております。ただ、恩赦というようなもの、いわゆる国家の非常な慶事というものがたびたび——最近ちょっと重なりましたので、四年に一回とかただいまお話がありますが、はたしてこの沖繩返還というような、領土が返ってくるというようなことが今後も、それはあればけっこうでありますが、そんなに、四年後にそういうようなことがあるということが予期されるような問題じゃないのであります。したがって、たまたま最近において重なったということで、今後も重なっていく問題というふうには私考えておらないわけであります。もちろんそういう問題についても十分考えていくべきでありますし、恩赦をやるかやらぬかということについても非常に慎重に考えていかなければなりません。また、その慶事に対応した、どういう内容を持たせるかということについても慎重に考えていかなければなりません。私どもも、いままでも慎重に考えてまいりましたし、また結論を出すにつきましても、あらゆる御意見なりを十分総合して結論を出したい、かようには思っておる次第であります。

伏木和雄公明党

○伏木委員 国民の声には耳を傾けるというお話でございました。これはある新聞の世論調査でございますが、恩赦について、これがよいか悪いかという調査については、恩赦をやってもよいと答えているのが四六・九%、恩赦はよくないと思うというのは四二・二%、わからないが一〇%、こういう調査が出て、恩赦を認めるべきではないかという声がやや強いようでございます。ところが、こうした世論調査の中にあって、それでは選挙違反はどう思うかという調査に対しては、選挙違反の恩赦をやるべきだというのが一六・四%、これは公平にならなくなるからやるべきだという理由のもとに一六・四%、ところが選挙違反は除外すべきだというものが七〇・一%、圧倒的に国民世論は選挙犯を除外せよ、こういう声がこの調査で明らかになっております。  ただいま法務大臣は、国民の声に耳を傾けて恩赦をやりたいという御意向のようでございますが、こうした世論の動向、世論調査の結果が数字で明らかになっておりますが、このことについて御所信を承りたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 恩赦制度の本質を十分考え、また、そういう世論のあることも考え、それでほんとうに適切な結論を出していきたい、かように私は考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 いろいろ申し上げましたが、とにかく選挙というものは民主主義を育て上げていくものでなければならないと思います。その民主主義に最も肝要な選挙の制度を犯し、そして罪に問われた者が、戦後しばしば恩赦によって減刑もしくは無罪となっているという実情から見まして、私どもとしてはこうした事実は許せるものではない、こういう立場に立っておるものでございますが、今回の恩赦にあたりましては国民世論の動向を十分見きわめた上で、ひとつ法務省の方向をきめていただきたい、最後に申し上げまして質問を終わります。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 門司亮君。

門司亮民社党

○門司委員 私は、いま堀委員、さらに伏木委員から聞かれた問題と重複する点がありますが、なおこれをもう少し詳細に聞いておきたいと思います。  最初に聞きたいと思いますことは、沖繩の復帰に対する恩赦ということがかりに行なわれるとして、沖繩県民の諸君にはどの程度まで、どの範囲まで大体適用されるかということがもしおわかりなら、ひとつ話していただきたいと思います。これはもとより、今度の協定、それから特別法等によって、大体のラインは示されておるのでございますが、なお詳細にひとつこの際聞かしておいていただきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 沖繩の関係だけについて言いましたら、きょう大体において四分の一減刑が行なわれたようであります。しかし、私はそれだけで十分であるとは思っておりません。と申しまして、まずいろいろなくふうをしなければならぬほどでもないようであります。というのは、現在係属中の事件にいたしましても、布令で引き継がないという分がほとんど、十八件でありましたか、係属中のものがありまして、そのうち大部分が引き継がない、布令のために公訴権が消滅するようなかっこうになります。   〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 でありまするから、個別恩赦を活用していけば十分まかない得るのではなかろうかというふうに考えられるわけでありますが、いずれにしましても、これは何といいましても、沖繩県民については十分なことをやっていかなければならぬというふうに私は考えておるわけであります。したがって、きょう、それが判明いたしましたので、その点について十分検討して間違いのないようにやりたい、沖繩県民の問題についてはこういうふうに考えております。しかし、御承知のように、沖繩返還は、沖繩県民にとどまらず、国民全体の問題でありますので、国家的な慶事と考えて、そうして政令恩赦もやるべきではなかろうか。実はきょう官房長官からも話がありまして、それに従って早急に結論を出してきめたい、かように思っておるわけであります。

門司亮民社党

○門司委員 私は、その間にほんとうに遺漏があってはならないと思います。いまの布令、布告ですが、こういう高等弁務官——いまは高等弁務官でありますが、昔の軍司令官の出した布令、布告等によって罪を着せられたというような諸君は、全く日本の憲法にも法律にも関係がないのでありまして、この辺はひとつ十分配慮していただきたい。  たとえば、戦後日本で行ないました第一回の恩赦は、昭和二十七年の四月二十八日の講和条約のとぎでありますが、このときは戦時刑法の特例であるとかあるいは陸海軍の刑法であるとか、治安警察法に対する法令の違反であるとか、あるいは経済統制令に対する法律の違反であるとか、戦時立法についてというようなものが大体多くこの場合はその恩恵に浴しているわけであります。   〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕 沖繩の場合もこれらの戦時中——本土においては戦時中ですけれども、沖繩においては、彼らの占領中のこういう布令や布告に基づく犯罪というもの、これは全面的に削除されるべきであって、もし、かりにもきょう発表されたものだけで事は十分だ——私はまだその内容をよく聞いてもおりませんし、ただ見ただけでよくわかりませんが、ただ、いずれにしても、そこに粗漏があってはならないということで、大臣に特に留意をしていただきたいと思います。  それから、その次に問題になってまいりますのが、どうも選挙違反と恩赦あるいは特赦といいますか、大赦、特赦。憲法によりますと大赦、特赦と二つしか使っておりません。俗に恩赦といわれておりまするものとの関連は非常にむずかしい問題が一つございます。それは何であるかといえば、御承知のように、ここで書いてありまするものは、結局例の復権あるいは減刑というようなものが憲法の七十三条の七号にある。政府の一つの私は専管事項とは言いません。片っ方に恩赦法という法律がありますから、必ずしも専管とは言いませんが、しかし、一応の政府の行政上の措置の特例という形で七十三条はこれを規定しているようであります。したがって、ある意味においては恩赦というものについては政府の一つの国事であるということが言えようかと思いますが、こういう立場に立って選挙違反との関連を考えてみますと、これは私の資料ではありませんで、法務省から出た資料、全部こまかい数字でありますので、ここで私申し上げることは避けたいと思いますが、戦後いままで四回やっております。第一回の二十七年の四月は、講和条約の恩赦でありました関係から、比較的ここでは選挙違反関係の数が少ないのでありますと同時に、なかなか推定がしにくいということが法務省の資料には書いてあります。それから、その次の第二回の昭和三十一年十二月十九日、国連加盟の恩赦の対象になりましたときの恩恵に浴したのは、約三分の二は選挙違反であるだろうという推定をきれておる。それから、その次の三回目、昭和三十四年の四月十日の皇太子の成婚のときの恩赦の対象になりましたときは、数字をあげておりませんが、公職選挙法違反がその大部分を占めていると推定される、とこう書いてある。それからその次の第四回の昭和四十三年十一月一日の明治百年記念の恩赦のときでありますが、このときも選挙法違反の犯罪がその半数を占めておるということが大体推定されると書いてある。これは数字で見れば大体わかるわけでありますが、数字の重複はきょうは避けておきますが、こういうことになっておる最大の原因はどこにあるかということが一つ考えられます。これは、従来の日本の選挙違反というものに関する考え方というものは、一つの国事犯であるというような見方をしておったところに一つの問題がありはしないかと考えるのです。そういう考えについての法務大臣としての所見を伺っておきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 おっしゃるとおりに、私も、従来は選挙違反というものは純粋な国事犯という考えをとっておったと思われます。それがだんだん希薄になりつつあること、これはいなめない事実だと私も思っております。

門司亮民社党

○門司委員 希薄になるというのは、国事犯と考えておりました当時においては、選挙法といいますか、選挙に関する資格というのが非常に限定されておりまして、特定の人だけが選挙権を持ち、被選挙権を持っておったという時代でありました。したがって、ある意味においては国事犯の観念も出てきたと私は思います。しかし、いまは年齢だけが制限があるのであって、そして国民全体が選挙権、被選挙権を持っておりますので、国事犯としてのものの考え方は当たらないのではないか、概念的にも当たらぬのじゃないか。昔の、政治は少数のえらい人たちだけがやるのだという概念から、普選という形に変わっておりますので、全然そういう考え方は当たらないのではないかということで、いま大臣の答弁もそういう意味だと解釈を一応しておきたいと思います。  ところが、実際になってまいりますと、選挙違反の対象になったものはほとんど全部と言っていいほど罰金刑なんですね。法務省の諸君はよく御存じだと思いますが、体刑になった例は私の記憶ではほとんどないと言っていいと思います。ほとんど罰金です。そうすると、憲法七十三条七号に規定いたしております減刑というところにぴたっとこれははまってしまうんですね。要するに、罰金も一つの刑罰ですからね。これを減じようとすれば、実刑でありますと、三年を一年に縮めるとか、あるいは半年にするとかいうようなことができるかもしれませんが、罰金刑というやつは、納まってしまったら減刑するわけにいかぬのだな。罰金を幾らか払い戻すというわけにいかぬ。そこで、全部が当てはまってしまうんだな、いい悪いは別にして。そこに私は選挙違反の取り扱いの上に問題がありはしないかと思う。選挙違反で、いままで体刑にしたやつはないとおそらく法務省の諸君は言うでしょう。選挙の途中で人殺しをやったり、傷つけたりすれば別な話ですけれども、普通の買収とか供応とか、戸別訪問とか文書違反というものはほとんど全部体刑がない、罰金刑ですね、ここに私は問題がありはしないかと考える。その辺に対する大臣の感触を一応伺っておきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 まず、前段の国事犯という観念から遠ざかってきたというのは、全く私も門司さんが言われるとおりに、昔の制限選挙から現在の普通選挙になってきた過程で国事犯と考え、それが現在国事犯ではないということも言えるかもわかりません。だが、いわゆる自然犯とは違う、いろいろ制度上のことでありまして、自然犯とは多少趣を異にしているのじゃないかというふうには考えるのでありますが、いずれにしましても、私も選挙違反がよろしいという——これはもう当然犯罪でありますから、できるだけそういうことが行なわれないようにするのは当然のことだと思います。  ただいま、また罰金刑が多いというお話でありますが、もちろん罰金刑ばかりではありません。やはり体刑になった人もかなりあると思います。ただ罰金刑が多いという事実は、これはいなめないことだと思います。これを将来の問題として、あるいは現実の問題としてどういうふうに考えていくかということについては、先ほど来申しておりますように、私も恩赦といえども刑事政策とできるだけマッチしていきたいという考えは持っておるわけでありますが、それらの点も十分考えて結論を出したい、かように思っておる次第であります。

門司亮民社党

○門司委員 私はいまの答弁を聞きまして、大臣は非常に大きな勘違いをされているのじゃないかと思いますが、なるほど刑法の系列から現在の段階で議論をすれば、あるいはそういう自然犯的なものではないという解釈が成り立つかもしれません。しかし、これは非常に大きな誤りだと思う。そこに一つの選挙法の違反行為に対する大きな考え違いが出てくるのではないかと思う。なるほど自然犯という犯罪については類別されていろいろ問題があるにいたしましても、自然犯というものについては、個々にはそれなりの一応理由があるわけです。選挙違反をしなければならないという理由はどこにもないのですよ。自然犯よりもむしろこれのほうが悪いということであって、自然犯のほうにはいろいろ変な理屈をこねれば、どろぼうにも三分の理ありなんということばが昔からあるわけでありますけれども、選挙違反だけはそういう抗弁の余地は一つもないですね。純然たる一つの政治に対する冒涜であって、どうも大臣のその考え方は少しおかしいのじゃないかと私は実は思っておりますけれども、ここでその議論を長くすると、大臣の時間がなくなりますので長く触れませんが、どうもその辺は少し考え直してもらったらどうかと思います。選挙違反というものは国の政治を大きく毒している問題であって、個々のいまの刑事犯とは違って、少したちの悪い犯罪であるということ、これは個々の問題でありますと、くどいようでありますけれども、自己の何かの不満をどうするとか、あるいは自己の利欲をどうするとかいうことになりますけれども、選挙というのは国事、最も大きな国政に関する一つの基礎的な行事でありまして、この基礎的な行事がゆがめられるということになると、国の政治がゆがめられることであって、たいへんなものなんですね。それを非常に軽く、先ほどから申し上げておりますように、ある意味においては国事犯のような何か考え方があったり、一方には、いまの大臣のようなお考えがもしあるとすれば、これは選挙違反はなくならないと同時に、選挙違反もますます悪質にならざるを得ないのじゃないかということが考えられます。  そこで、私は時間もあまりございませんので、その次に問題として取り上げてみたいと思いますことは、いまのようなことをずっと考えてまいりますと、選挙違反というのが、どうも法律のたてまえ、それから現実の問題というようなことを考えると、特赦、恩赦もあれば、さっき言いましたような減刑だということになれば、また復権だということになれば、選挙違反が復権の対象になることは当然でありまして、その他の復権についてないわけじゃありませんけれども、本人の申請に基づいて法務省の審査を受けなければ、いろいろな普通の犯罪の場合は復権するということはなかなかむずかしい、そう簡単に復権はできない。ところが、恩赦の場合はそういうことと一切おかまいなしに復権をする、こういう形が出てきております。したがって、性質からいえば、選挙違反については当然恩赦の対象にすべきではないという厳然たるものがなければ、いつまでたっても選挙の腐敗の防止はできない。いわゆる勝てば官軍だという、これも昔からの日本の一種の思想でありますが、その思想がどこまでも支配する。そうすると、選挙違反が絶えない限りは選挙が公正に行なえないということ。  私の口からこんなことを言うと皆さんにおこられるかもしれませんが、選挙違反が検挙されております。ここに検挙件数を持っておりますが、過去二、三回の選挙違反の検挙件数と起訴件数がありますが、これを調べてみましても、こういう起訴件数、それから犯罪検挙件数というようなものがいつまでたっても減ることはない。だんだんこれがふえていく。政治に最も深い関係を持っておる選挙こそ厳正に行なわるべきだというならば、やはり厳正に取り締まるべきであって、いささかでもこれに触れるものは処罰をすべきであると私は考えております。ところが、ここにあげられておる数字も、選挙違反全体の何分の一かということになるときわめてこれはわずかなんです。氷山の一角とよくいわれますけれども、氷山の一角というよりももっと少ない。頭が出るか出ないか、まだ水の中に氷山があるくらいで、幾らかこの辺に氷山があるのだというような、頭くらいしか出ていないのじゃないか。氷山の一角といえば三分の一くらいは出ておるのですけれども、それ以下である。選挙犯罪全体の比率からいけばきわめて微々たるものだ。それはいまの警察力で、いまの捜査範囲で全部を検挙することはできない。そこで一方においては、とにかくつかまった者が運が悪いのだというような概念がまた国民の中に出てくる。その運の悪い人がまた恩赦を受けるということになるとこれはどうしようもない。選挙違反がエスカレートするという一つの大きな原因だと私は考える。そうなってまいりますと、この選挙違反についての問題は、恩赦からぜひ省くということを英断をもって行なうべきである。そうすることによって選挙の粛正ができるのではないかということ。  いま国会で、選挙法の改正をこの委員会が担当しておりますが、どんなことをやってもなかなか選挙法の改正というものはできない。根本的にはやれない。そして技術的に、部分的にびほう策だけを講じておる。びほう策をやればやるほどほころびが出てきて、ますますおかしな複雑な選挙法になってしまう。こういう実態から考えてみますと、この際、政府は思い切って、選挙違反に対する恩赦を行なわないということのほうが、選挙をきれいにし、日本の政治を明るくする最大の問題ではないかと私は考えるのです。その感想について、先ほどから二人の方の御質問に答えておいでになりますので、よけいなことを言うようですけれども、同じような答弁をされると思いますが、私はもう一度念を押して聞いておきたいと思います。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 選挙違反が国事犯的な観念が薄れてきて、と申しまして、私は自然犯とは違うということを申しましたのは、何も悪質であるとかないとかいう問題あるいは評価の問題ではなしに、いろいろ制度と関連しておる問題でありまして、たとえば文書違反あるいは戸別訪問、いろいろな種類があるわけであります。その中には非常な悪質なものもあり、また形式的な犯罪というようなものもある点を申し上げたわけで、もちろん、どれもやってはならぬことではありますが、また自然犯でないから軽く見たという問題ではないつもりであります。ただ、選挙法自体とも、もちろん選挙制度とも関連した問題であり、ほんとうをいいますと、できるだけ個別的に当たるべき問題かもわかりません。しかしまた、先ほど来申しております個別恩赦ばかりではなしに、やはり政令恩赦という制度も認められており、また、一般的にそういう制度も否定されておるわけではなしに、これをうまく活用すれば、将来にわたって自分を戒めるという意味合いの点もあるわけであります。それらの点も十分考えまして、先ほど来申し上げておりますように慎重に考えて結論を出したい、かように考えておるわけであります。  恩赦の本質上、いろいろなことをいま私が申し上げるわけにはいかないことは、門司さん十分おわかりのとおりであります。そういう点は、はなはだはっきりしないお答えで恐縮でありますが、私としまして、できるだけ公正な結論を出したい、かように考えております。

門司亮民社党

○門司委員 それで、その次の段階としてさらに突っ込んで聞いておきたいと思いますことは、したがって、私は、選挙違反の問題を現行選挙法の中から取り除いて、これを全部刑法に移すということが一つの方法だと思う。現行選挙法の二百二十一条から二百五十四条までの間に犯罪をずっと羅列しておりますけれども、これを刑法に移してしまう。たとえば戸別訪問が悪いということがきめられておる。これを刑法の条項に持っていくならば——ここで条文を一々私は読む時間を持ち合わせておりませんが、大臣のほうが御承知だと思いますが、これを刑法の家屋の侵入に持っていく、あるいは選挙のポスターにいたずらしたり何かする者は、これも刑法の私物の毀棄罪に持っていく。買収は、むろんまだ公務員ではないという理屈は一応立とうかと思いますが、しかし、特別公務員としての職につくべき立候補者が、もし投票権を持っている者を買収するということになれば、これはやはり私は収賄罪に通ずると思う。そういう形で、現行の選挙法にあります刑罰を全部刑法に移すということにすれば、先ほどの大臣のお考えになっているような概念というものは私はなくなると思うのですね。いまこれを特別な犯罪にしておりますから、結局これが何か国事犯のような考え方を持ったり、あるいは選挙というものが特別な犯罪であるという概念を持ってくるのであって、そこにやはり選挙違反のなくならない一つの大きな問題がある。あるいは取り締まりのほうにいたしましても、選挙法の罰則であるということになりますと、これが問題があっても——強い警察はときどき、選挙中であっても手を入れますなんということを言いますし、ひょっとするとそういうことがないわけではありませんが、選挙法だけの考え方からいくと、犯罪行為があるとしてもなかなか手が入れにくい。これを刑法に持っていけば、それほどむずかしい問題ではなくなりはしないか。したがって、選挙中においても犯罪の検挙というものは行ない得る、そういうことによって選挙が粛正されていく。それから選挙民のほうも、そういうことが一般的に熟知されて、やはり一つの犯罪行為としてこれを認めてくるということが、選挙違反というものがなくなる最大の原因になりはしないか。どんなに選挙法を改正してまいりましても、現行の二百二十一条から二百五十四条までの間の罰則で、選挙違反というものが特別の犯罪であるというような概念を持たしておるところに私は問題がありはしないかと思う。その点についてひとつ最後に、ちょうど与えられた時間になりましたので、これ以上拘束するわけにいきませんが、大臣の感想をこの際率直に聞かしていただきたい。

前尾繁三郎自由民主党法務大臣

○前尾国務大臣 非常に示唆のある、たしかドイツでありましたか、選挙違反を刑法に規定しておる——記憶間違いかもわかりませんが、そういうことは、将来として考えるべき問題ではなかろうかと思います。ただ、現在の制度、ことに普通選挙に日本がだんだんなれていくという状態でありまするから、これはむしろ当委員会で十分御検討願うべき問題かもわかりませんが、現実問題としては、刑法上の刑罰になっていないものですから、そこらにやはり、一般の国民の考え方がそこまで熟していないというような現実にあるのじゃないかと思います。ただいまの御意見は、私も十分将来の問題として考えさしていただきたい、かように思う次第でございます。

門司亮民社党

○門司委員 ちょうど時間ですから、これで終わります。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 以上で法務大臣に対する質疑は終わりました。  引き続き質疑を続行いたします。堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 法務大臣に対する質問時間がちょっと制約をされておりましたので、具体的な中身についての話を聞く時間が十分ございませんでしたから、法務省のほうに最初にちょっとお答えをいただきたいと思います。  これは、先ほどもうすでにお聞きになったと思いますが、恩赦の関係の問題の質問をしたわけでありますけれども、最初に、最近における恩赦と選挙違反の関係の具体的な数字その他についてちょっとお答えをいただきたいわけです。  さっき私、四十三年の明治百年恩赦にちょっと触れたわけでありますが、最近十年間ぐらいでけっこうですから、それの恩赦がいつあって、そのときには一体何名が政令恩赦の対象になり、その中における選挙違反関係というのは同名であったのか、ちょっとそれを具体的にお答えをいただきたいと思います。

笛吹亨三法務省保護局長

○笛吹政府委員 最近十年間と申しますと、皇太子御結婚恩赦と明治百年恩赦だけになりますが、それでよろしゅうございますか。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 それでけっこうです。

笛吹亨三法務省保護局長

○笛吹政府委員 皇太子御結婚の恩赦が昭和三十四年の四月十日に行なわれまして、これは政令恩赦が復権令だけでございます。復権令の該当者が四万五千七百九十七名、そのうち公職選挙法違反関係、これがほかの犯罪との併合罪関係なんかありまして、きちっとした数字はわかりませんが、大体の数字で、まあ近い数字なんですが約一万二千二百名。  それから、昭和四十三年十一月一日に明治百年記念の恩赦がありまして、これも政令恩赦としては復権令だけが出されたわけであります。これの該当者は、そのときは道路交通法違反を復権の対象にいたしましたので、非常に膨大な数字になりまして、ほんとうの復権になった人の数はわかりません。約一千万以上あると思います。それで、私どものほうで証明書発行その他のことで把握できている全部の数字が十四万八千七百三十二名でございます。実際は一千万以上あるはずでございます。その中で、公職選挙法違反、その他これに類似した関係の法令の違反者が約六万七千名でございます。  以上でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 これは刑事局のほうでお答えをいただきたいのですけれども、いま選挙違反関係で刑が確定をしていない、係争中のものは大体どのくらいありましょうか。

吉田淳一法務省刑事局参事官

○吉田説明員 ただいま選挙違反で係属中のものの件数でございますけれども、係属中の選挙違反の件数としては統計上把握できておりませんので、その件数はわかりません。  ただ、それだけではお答えにならないと思いますので、一応最近の大きな選挙、たとえば四十四年十二月に行なわれました衆議院選挙におきましては、その約六カ月後におきまして調べたところによりますと、約二千五百名公判請求をしております。それから、その次には昭和四十六年四月に行なわれました統一地方選挙、これも約六カ月後に調査したところによりますと、約五千人公判請求をしております。それから参議院選挙につきましては、去年行なわれたわけでございますが、その約半年後の調査によりますと、約八百名近く公判請求をしていることが調査の結果わかっております。  これらの裁判が、その後随時裁判言い渡しがあるものももちろんたくさんありますし、それから裁判があってもさらに二審へ係属しているものもあるかと思います。そういうような次第で、現存裁判係属中として何名いるかという点については、正確な数字は把握しておりません。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 最近における恩赦と選挙違反の関係者及びいま刑事局のほうからお答えいただきましたように、まあこれから類推をして、四十四年十二月の総選挙の二千五百名という中では、これは期間が二年近くもたっておりますから、上告して係争中でなければ現在そうではないと思いますし、昨年の統一地方選挙以来のものは、一審確定以外のものがまだかなり残っておるのじゃないかと思うのです。私がいまこれをちょっと伺ったのは、恩赦の内容いかんによっては、係争中のものを含めて、犯罪から解放されるといいますか、そういうことになるおそれもあるという点を実は非常に気にしておるわけであります。  そこで、自治大臣にお伺いをいたしたいのですけれども、憲法は、国会に対して内閣は連帯して責任を持つというふうに定めておるわけでありますが、いま法務大臣にも、正常に選挙された国会の代表者によってという憲法の前文を引いて——要するに憲法九十九条で天皇以下、閣僚その他が憲法を守らなければならないという規定がある以上、少なくとも正常な選挙、適法な選挙を進めるということについては、私はやはり内閣に連帯した責任があると思うし、片方でそうやって適法、公正な選挙を進めるために、自治省が所管の省として予算をもって啓蒙活動その他を行なっておるということから見ても、私は、そのような政府の行政事項に大きなマイナスを与えるような恩赦の取り扱いをすることは、この際適当でない、こういうことで実は法務大臣の見解を承ろうと思ったのですが、実は十五日に行なわれるということの御答弁はあったにもかかわらず、中身については正確を期せられなかったという状態であります。  そこで、自治大臣にお伺いをしたいのは、法務大臣は恩赦についての責任のある立場でありますが、自治大臣とすれば、これらの選挙違反の問題がこのような恩赦に含まれることが、かねがね私どもが当委員会で公正な選挙を進めるために、立法上でもこれらの問題について配意をしながらいろいろと努力をしておる経過にかんがみ、当然これらの問題が除外されるべく主張をされるものだ、こう私は了解をしておるわけですが、その点についての自治大臣の見解をひとつ承りたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 選挙が正常に行なわれなければならない、これについて私たちは自治省といたしまして、その責任者といたしまして、絶えず努力せなければならないという立場にあることは、いま堀委員御指摘のとおりでございます。恩赦という問題は、これは刑事政策の問題でありまして、私の所管する問題でなくして、法務大臣の所管される問題でありますが、そのことの結果が、選挙そのものに関係があるということは当委員会等でも絶えず御議論もございますし、過般の選挙制度審議会におきましても、こういうふうな意味から議論がございました。私もそのときの審議会にちょうど出ておりましたので、官房長官あるいは法務大臣にその議論の内容をお伝えしたような次第でございます。なお、会議の模様を、審議会の皆さんの御意向を体して、会長、副会長が総理にお会いしていただくそのためのあっせんの労を私たちとらしていただいたような次第でございます。刑事政策でございますので私の所管ではございませんが、いま申されたような趣旨に従いまして、私として選挙の浄化ということの責任を全うできるようにできるだけやってまいりたい、このように考えておる次第であります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 特に私どもが問題にしておりますのは、ややもすると選挙違反というものについては、破廉恥罪ではないというような感覚に基づいて行なわれている点も現在非常に多いわけでありまして、恩赦というものの性格によって、これらの刑の免除その他が行なわれることになりますと、どうせ四、五年のうちにまたあるんだ、まあこのぐらいならひとつまたやっておけというようなことになったのでは、これはまさに日本の民主政治の根幹にかかわる重大な問題でもありますので、十五日までにまだ機会もあることでありましょうから、この際、特にひとつ閣議の席上等において、これらの問題について、私どもから、今回の恩赦の中に特に選挙違反を含めないということについては強い希望があったということを、当委員会における実情等をひとつ強くお伝えを願いたい、こういうふうに要望をいたしておきます。  そこで、実はこの際、御承知のように、選挙制度審議会において区制の改正等を含めていま審議をいただいておる途中でありますが、御承知のように今回の国会が終わりますと、まあ普通でありますならば、本年十二月に通常国会が召集せられるということになるわけでありまして、私どもは、今後の選挙を考えてみますと、現在の異常な定数のアンバランスはやはり是正されるのが相当ではないかということで、実は当委員会としても有志相寄っていろいろと協議を続けておるわけでございますが、ここでひとつ、自治大臣が現状認識をどの程度していらっしゃるか承りたいのでありますけれども、現在一番人口が多いのは、選挙区の割合では大阪三区であります。この大阪三区における一人当たりの人口を大臣は一体どのくらいに御認識をいただいておるのか、お答えをいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 大阪三区の一人当たりの人口が五十万をこえる数字になっておる。したがいまして、もし現行選挙区のままで定数是正をいたしましても、大阪三区だけは二名、三名ぐらいを増員せなければいけない数である。まあここに資料をいただきましたからなんでございますが、議員一人当たりの人口が五十四万五千百三十六名。相当開きができておると、あの当時の新聞等で私読ましていただきまして感じておるような次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いま御指摘になりましたように、大阪三区は議員定数一人当たり五十四万五千百三十六人でありますが、同時に一番少ないのは、自治大臣も私も兵庫県でありますが、兵庫県五区が一名当たり十一万二千七百一名、こういうことになっておりまして、時間がないからこちらで申し上げますが、この比率は何と四・八三七倍ということですから約五倍ですね。一対五の割合ということが大阪三区における実情であります。実はいまの定数は昭和三十九年に定数是正を行なっておりまして、これはたしか第二次の選挙制度審議会における定数是正だったと思います。私も当時選挙制度審議会の委員をしておりましたから……。そのときにも、定数のアンバランスが非常に強いので、少なくとも一対三の割合の中に入れるのが相当ではないか、こういう論議になりました結果、現在の定数になったというのがこれまでの沿革であります。そう考えてみますと、いまこれを少なくとも兵庫県の五区を単位といたしまして、一対三の割合に全部おさめるということになると、何名ぐらいの増員になりますか。これは事務当局でけっこうです。——それじゃ、時間がかかりますから私のほうから申しましょう。実は、十六名増員をいたしますと、一番下が愛知一区でありますけれども、愛知一区がいま一名当たり三十四万二千五百六十三であります。ここまでが実は、兵庫五区を一とした場合に三倍以上になるわけでありまして、愛知六区以下は、正確に申しますと三倍を切れる、こういうことになるわけであります。そのために、増員をいたしますと、結局十六名の増員——選挙区ごとにはこまかいことは申しませんが——をすれば実は三倍以内になる。三十九年に行なわれた沿革から見ても、私どもは、現在の昭和四十五年に行なわれた国勢調査の人口をもとにして、これだけは当然過去の例から見ても、その程度のことを行なうのは最低限必要ではないか、こう考えておるわけでありますけれども、自治大臣、これについてはこれまで総理も、昨年の予算委員会においてはっきりと、定数是正の問題を早急に行ないたい、こういう答弁をしておられる経過もあるわけでありますが、どうお考えになっておるのか、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 いま十六名と、具体的に最少の兵庫五区から三倍以内におさめるという一つの案を出していただいたのでございますが、私はいろいろな案も聞かさしていただいております。定数是正を行なわなければならないというその重要性、私も当委員会でたびたび述べさしていただいたとおりでございます。しかし、堀委員も御承知のとおり、いま抜本的なことをやっていただいておりますが、それに移りますまでの間の定数をきめますのにも、総定数をいかにするか、選挙区割りをどうすろか、このたびきめることによりまして、次に来たるべきものを非常に困難にするというふうな、抜本的なものに触れざるを得ないというふうな状態にあることも、堀委員一番通じておられますので、幸いそういう意味から、選挙制度審議会のほうで、一環としてこれを考えるという姿でやっていただいておる姿でございますし、また、現に鋭意そのために努力していただいておるというのが、今日の選挙制度審議会の動きでもございますので、ぜひともできるだけ早く取りまとめをお願いいたしまして、その結果をまって、私も処置せなければならない問題である、かように考えておるような次第でございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そうすると、自治大臣は、いまの選挙制度審議会がどこまでの答申をしてくれると考えておられますか。要するに、衆議院の区制については、御承知のように、第五次選挙制度審議会でしたかでも、区制に関する答申がありましたけれども、これは答申というにはあまりにも並記をされた案でありまして、おそらく政府としても、あれはどれをとっていいのかわからなかったというようなことではないかと思いますが、現在の選挙制度審議会はあれとは違って、一つの具体的な案を答申されると期待しておられるのかどうか。選挙区制の問題というのは、なかなかこれは複雑な問題を含んでおりますから、すでに私どもの承知しておる範囲でも、現在、審議会の中の小委員会でありますか、何かで、すでにある程度固まった案として私ども承っておる案に対して、自由民主党がお考えになっておる考え方も、これとはかなり大幅な相違があるというふうに承知しておるわけでありますが、現実問題として、一体、選挙制度審議会が一つに固まった案を、それは場合によっては多数決によってでもきめて、答申を受けられるという見通しを持っておられるのかどうか、その点をひとつ伺いたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 選挙制度審議会の答申がどのような姿になるかということにつきましては、私からかれこれ申し上げるべきものでない、かように考えますが、私が選挙制度審議会の委員の皆さま方とお会いをしたときの感覚によりますと、いま堀委員が指摘されましたように、なかなかこれを実現に移しにくい。移しにくいということは、いま申しましたように、並列のものであるとかなんとかといったようないろいろなものが出てくる。そのために、できるだけ最大公約数を求め、また特別委員で出ておられます委員の方々も、自分の説に固執するものでなく、最大公約数によって、ルールでございますから、やるべきでなかろうかというふうな、何と申しますか、過去の失敗に反省しての上に立っての審議をしていただいておるような気運が出ておるのじゃないか。こういう上に立ちまして、ある程度従来と違いました一つの方向というものが、固定的なものでなくとも出てくるのでなかろうかと思うのでございます。その上に立ちまして、当委員会等で各党お話し合いを願ったなれば、一つの案も出てくるような姿のものになるのでなかろうか。そういったような答申の姿が私は期待できるのでなかろうか。その一環として、定数等の問題も一つの方向を打ち出していただけるのでなかろうか、そのような期待は私、審議会に対しまして、従来と違ってのというか、従来の審議会の状態に反省しての上に立っての、委員各位の御検討をしていただいておるのが現在の状態でなかろうか、このように考えております。したがいまして、多数決その他によって、一つのものにまとめるというふうなことは、審議会の制度上なかなか困難でなかろうかと思いますが、少なくとも最大公約数を求めて、実現可能なような線の答申を出したい、これが皆さま方の御意見でなかろうか、また、そのような答申を期待しておるのがいまの私たちの気持ちでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 まあ答弁ですから、やはり立場、立場がありますから、なかなかどうも遠回りの話が多いのですけれども、率直にいいますと、審議会の任期はことしの十二月まででありますから、十二月までには確かに答申がされるんだろうと思いますが、どうもこの区制の問題というのはまさになかなかむずかしいんですね。ですから、私はどうもその一つにまとまった答申を期待するのは困難であろうというふうにいま見ておるわけです。これは別に審議会にその影響を与えようとかそういう意味ではなく、過去の事実から見て客観的にきわめて困難である。そうすると、そういう答申が出たときに、それでは政府がこれを受けて直ちにそれが法制化できるかといえば、一つにまとまった答申が出れば、政府は選挙制度審議会の答申を守るという選挙制度審議会法にのっとって、それなりのものを提出するということもまだ可能でありましょうが、これが並列になると、必ずしもなかなかそういう処置が取りにくくなるということもあって、現実の問題としては、私は衆議院における区制の改正が具体的な日程にのぼる、決定じゃないのですよ、具体的に日程にのぼるまでなお数年を要するのではないかという感じがしてしかたがないのです。これが第一点。  そうなりますと、いま前段で自治大臣がおっしゃったように、現在審議会に区制についての抜本的な処理をお願いをしておるから、そこで、その際にいまの定数是正等をすることはある意味ではむだ骨になるから、いまこのままにしておいて、抜本改正に期待をしたいと言われることがわからぬではありませんが、期待をしておったのでは、いまの国民の選挙権に対する公正な権利が著しくゆがめられておるという現状を放置することになるし、さらにその傾向は年を追ってますます拡大をする傾向にあることは、最近における都市の周辺地帯における人口急増から見ても、自治大臣御承知のとおりだろうと思うのであります。そうしてみると、この問題というのは、やはり一つの決断を要する問題ではないのか。要するに、定数是正は定数是正として一回やり、そうして、もし幸いにしてごく近い機会に区制の改正が行なわれるというのであれば、それはあるいはむだになるかもしれませんけれども、しかし私の感じておるところでは、ここ数年の間に区制改正が行なわれるなどというのはきわめて困難であろうというのが私なりの現状に対する理解であります。やはり定数の是正は、国民の重大な選挙に関する権利の問題でありますから、一日もそのまま日を送ってはならない、きわめて重要な問題ではないのか。だから政府の立場としては、確かに選挙制度審議会がああいう仕事をしておられる際に、これについてすみやかに処理をするのは困難かと思いますが、あわせてもう一つ伺っておきたいのは、これらの問題は最終的には十二月でありますけれども、それ以前に、審議の過程等もあるわけでありますから、さらに固まった問題が出てくるのではないかと思うのです。その固まったものが出てくれば、答申はさておき、固まった案というものが、実際に実現可能な時期がどのくらいであるかというようなことは、私はわかり得ることではないか、こう感じるわけです。  これは事務当局にちょっと伺いますが、そういうある程度固まったものが審議会で出てくる時期というのは、いまの審議の日程等から見て大体いつごろになりますか。

山本悟自治省行政局選挙部長

○山本(悟)政府委員 ただいま審議会の審議の状況といたしましては、区制関係を取り扱っております第一委員会は、毎週一回というテンポで開催をされておりまして、従来に比べまして非常にテンポを急がれておることは事実でございます。そういうような審議の状況から見ておりまして、また、第一委員会といたしましては、将来さらに参議院の制度を考える、またあるいは第二委員会におきましては、政党本位の制度になった場合を前提としての立候補、あるいは選挙運動等を考える、こういうことになっておりますので、そういう他の委員会の審議等とも関連いたしまして、第一委員会としては早く衆議院の区制の根本問題についての態度をきめたいという気持ちであられることは間違いないと思っております。そういう意味から、この部分についてだけでもなるべく早い機会に出されるのではないかと存じておりますが、まだ委員長なり何なりのほうと、いつをめどにという話までは私どもいたしておりませんので、確言はしがたいわけでございます。従来に比べて早いテンポであるということは申し上げられると思います。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 例年、選挙制度審議会は、八月の暑い時期にはお休みになるということだと思います。私も委員をいたしておりましたから承知をしておりますが、そうすると、その夏休み前に結論が出そうですか、どうですか。皆さん事務当局としてこれに出席をしておられることでありますから、委員長にお聞きになったということではなくて、事務当局として感触はいかがでしょう。

山本悟自治省行政局選挙部長

○山本(悟)政府委員 運営問題でありますから、事務当局からはなかなか申しにくいことでありますが、ただいま申し上げましたように、第一委員会におきまして参議院制度をさらにやるという関連、あるいは第二委員会におきまして前提がなければ非常に審議がしにくいという関連、こういうものからあわせ考えますと、衆議院に関します第一委員会としての大かたの考えというのは、早い機会に出るのではないかというふうに考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで大臣に伺いたいのですが、これは閉会中でありましても、事は非常に重要な問題ですから、この国会の会期は二十六日で終わることになっておるわけですから、いまから区制の法律の審議ということは時間も十分にないので、問題は残るわけでありますが、もし出された答申が、実現が非常に可能であるという判断がある場合もあるし、具体的に見て、これはなかなか実現困難であるという判断の場合もあり得ると思うのです。これは実現がなかなか困難であるという判断に立った場合には、私がいま申し上げてきたように、この定数の是正をそうこれから四年も五年もにわたって放置をするなどということは、これはちょっとわれわれとしてもそのままにしておくわけにはいかない、こういうふうに思うのでありますが、大臣はそういう答申といいますか、答申にならなくても、答申は十二月ということにあるいはなるかもわかりません。中間答申ということになるのか、あるいは一応の委員会における結論ということが出た場合に、これを判断の素材として、いまの定数是正についての考え方をそこで固める意思があるかどうか、その点についてお伺いをいたしておきたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 第一委員会で衆議院にしぼって、また、しかももうすでに定数の問題も議論の対象にあがっておるという姿で進めていただいている審議会の状態からながめまして、私は、いま堀委員が御指摘になりましたように、区制そのものの改正は非常にむずかしいかもわからない。しかしながら、その区制と関連しなければ定数是正も行ないがたい状態になっておるということが実情である、もし区制がむずかしいようであれば、定数是正も捨てなければならないか、あるいは区制がおくれたような場合であっても、将来の区制のことも考えながら、暫定的な定数是正をすべきであるか、こういったことの判断の上に立って、私は答申をいただけるというふうな状態で、委員の皆さん方はそういうお考えのもとに審議を急いでいただいておるのでなかろうか、私はこのように判断しております。  いま言われましたように、十二月まで任期がありますから、おそらく正式答申は、まだ参議院の面も残っておりますし、その他の政党のあり方等についての第二委員会の問題も残っておりますから、十二月になると思いますが、少なくとも中間答申といったような形で衆議院のやつを出していただけるようなテンポで進めていただき、また、中間報告を出されるときの中身は、すでにもう精通された方ばかりでございますから、いまのようなお考えのもとで結論を出していただけるのでなかろうか。したがいまして、その結論を見せていただきましたときには、おのずから私たちの進むべき道の方向を示していただけるものでなかろうか、かように私期待いたしておるものでございます。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 そこで、それは見なければわかりませんから、先のことですからあれですが、一つだけ伺っておきたいのは、審議会の答申を一つにまとめてしたといたしますね。ところが、審議会の中で、残念ながら自由民主党の特別委員はその案に反対だ、こうなったときに、自治大臣としては、審議会の答申を尊重しなければならぬという審議会法の定めが片一方にありますね。しかし、与党である自民党がその案に反対であるというときに、これの立法化については自治大臣どうされるつもりですか。仮定のことでたいへん恐縮でありますが……。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 仮定の問題でございますからなかなかお答えしにくいのでございます。率直に申し上げまして、法律になりますように、全力をあげて政府の立場を説明して出させていただくというふうに努力するのが私たちの立場である、このように考えております。しかしながら現実問題といたしまして、私たちが法案を提出しますためには、政府与党という立場もございまして、各手続を経なければ閣議決定を見るに至らないという姿になりましたら、いかに自治大臣ががんばりましても出ないということでございます。私たちといたしましては、そういうことがないように、政府提案として提出することができるようにするのが自治大臣のつとめである、また、それをようせないようなことであれば、自治大臣としての責務は果たせない、こういうつもりでがんばらしていただくつもりでおります。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの御答弁たいへんけっこうなんですが、いまちょっと中でお触れになったように、政党内閣でありますから、政党が最終的に了解をしなければ政府提案にできない。こうなったら、やはり定数是正を暫定的にやらなければいかぬという事態は来ますね。要するに、審議会が答申をされる、それが、自由民主党の反対のために、答申はされたけれども政府は提案できないという場合があり得るのですね、いまお答えになったように。そのときには暫定的に定数是正をやるということになりますね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 これも仮定の問題でございますからわかりませんけれども、私が前に答えさせていただいた中身は、むしろ答申の中に、区制そのものは非常にむずかしいであろう、その場合はかくすべきじゃないかといったような御示唆までいただけるような姿のものが出てくるのではなかろうか、このように考えております。

堀昌雄日本社会党

○堀委員 いまの自治大臣の御答弁で私も大体事情がわかってきましたから、これは審議会の事務を担当しておるほうで、いまの自治大臣の答弁をひとつ十分審議会の委員の皆さんにもお伝えをいただいて、答申とそういう実際上の——答申は、審議会の委員の皆さんがあるべき一番最良のものを答申なさるようになると思います。しかしまた、この問題は立法事項でもありますから、いまおっしゃるように、与党である自由民主党が反対をしておると、最良の案といえども政府案にならない場合があり得るわけですから、その場合には、やはり暫定的な定数是正も含めて審議会は答申いただくように、ひとつこの際強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 伏木君。

伏木和雄公明党

○伏木委員 最初に、沖繩恩赦について一言だけお伺いします。  ただいま自法大臣の御答弁にもございましたように、選挙制度審議会の委員の申し合わせによって、沖繩恩赦から選挙犯を除くべきである、こういうことがきめられまして、政府のほうへ会長、副会長で申し入れがされているという経過がございました。選挙制度審議会は、ここで私どもが論ずるまでもなく、この審議会の方向の決定によっては、政治の動向が根本的に変わるということもあり得るわけでございます。ということは、前回の衆議院の選挙を見ましても、自由民主党の得票は四八%でございます。その四八%の得票の自由民主党が三百議席を確保するという、言ってみればここに得票数と議席数と必ずしもその方向が一致しないものがございます。これが今日の選挙法であるし、区制であります。したがって、これがかりに選挙制度審議会で、有権者の民意といいますか、これが正確に比例して議席に反映するような制度ができたといたしますと、自由民主党は二百三十議席になるということになります。   〔委員長退席、吉田(重)委員長代理着席〕 そのように、言ってみれば、選挙制度審議会でいま審議をしている区制については、わが国の政治の方向すらも変えるような重大な審議会でございます。それほどウエートを持った、わが国の民主政治で重大な意味を含めた審議会において、沖繩の恩赦から選挙犯を除くべきではないかという委員大多数の意見、それを反映して会長、副会長が政府に申し入れた、こういうことから考え合わせ、その選挙制度審議会を主管する自治大臣として、この選挙制度審議会の意向をどう受けとめているか、自治大臣自身の所信を承りたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 選挙制度審議会は、民主政治の根幹となる選挙制度というものを審議願っておる、総理大臣の諮問機関でございます。したがって、その意思は政府としても尊重しなければならないということは、もとよりでございます。あのときは、皆さま方の多数の御意見を尊重して、会長、副会長が総理にじかにお話しになるということでございましたので、私も当面の担当者といたしまして、その機会をつくり、お会いをしていただいたような次第でございますので、総理もそのことをお考えの上、善処賜わることであろう、かように思います。しかし、私といたしましても、閣僚の一人でもございますので、当面のこの問題についての責任者である法務大臣、あるいは内閣の連絡係と申しますか、すべてのものを調整しておられる官房長官等に、あの場の空気を、私がちょうど出席させていただいておりましたので、連絡させていただいたというふうな姿でございます。  ただ、刑事政策でございますので、私の直接の担当でないということは、いま堀委員にも答えさせていただいたのでございますが、その結果が清い選挙、選挙制度の浄化ということに及ぼす影響等があることは、これはいなむことのできないことでございます。   〔吉田(重)委員長代理退席、委員長着席〕 十分にその点を反映しますように善処していただき、また、国務大臣としてそのようなつとめをすべきが私の責任である、このように考えておるような次第でございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 恩赦そのものについては法務大臣の主管であると思いますが、ただいま申し上げたように、選挙制度審議会を主管していらっしゃるのは自治大臣でございます。そこで、選挙犯を除くという申し合わせに対してこれを尊重するならば、具体的に申し上げますと、閣議等で、選挙犯は除くべきである、これが選挙制度審議会の意向でもあり、主管の大臣としてその強い意見をお述べになるかどうか、この点をお伺いしたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 この点、いま申しましたように、皆さま方の御意見をすでに具体的に会長、副会長から、これは総理直属の諮問機関でございますので、総理自身にもお話し願い、また、関係閣僚に私からもお伝えさせていただいたという姿でございます。その上で御検討されることでございますから、御検討された結果がどのような姿で閣議の席上で出てきますかわかりませんが、そのときに考えさしていただきたいと存じます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私が申し上げているのは、選挙制度審議会から、そういう申し入れがあった、そういう議論があったという選挙制度審議会の報告でなくて、選挙制度審議会でそういう申し合わせがあった、それを受けて、自治大臣として今回の沖繩恩赦について選挙犯に対するお考え、これを私は承っている。選挙制度審議会がどうきめたという報告ではありません。主管大臣として、この沖繩恩赦について、選挙犯の問題についてどういう所信を持たれているか、そこを承っておる。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 責任者でございますから、責任者として選挙制度審議会で御意見のあるところを最高の決定者である総理に伝えて、また、私も法務大臣、官房長官等にそういった意見があるということを伝えた上で決定していただくのでなかろうか、かように考え、その意見をどう反映させていただいて、どういう姿において出てくるか、これはまだ仮定でございますので、いまこの席上で大臣がどう答えるかということは、ちょっと答弁を差し控えさしていただきたい。しかし、私たちが述べたことは十分考慮の上で、担当の法務大臣、また最高責任者たる総理の決断をされたものが閣議に出てくるものである。それを見さしていただかぬことには、いまここでこういうふうに述べるということは、私は申し述べるべきものでない、かように考えます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 これはこれ以上申し上げません。ただ、自治大臣が選挙を主管する大臣として閣議において強い意見をお述べになることを期待して、これはこの程度にしておきます。  次に、定数の是正についてでございますが、ただいま堀委員からも詳細にわたって質疑がございましたので、私もなるべく簡単に質問したいと思います。  今日、衆議院の定数において国民に強い批判があるということは、十分大臣も理解されていると思います。ただいままでの答弁ですと、選挙制度審議会の方向が定まってから、答申を得てからこの定数をいじりたいというようなことでございましたが、少なくとも選挙制度審議会がどういう形で答申をし、それがどのように法制化されるか、これはこれからの仮定の問題として、あるいは次の選挙に間に合わないかもしれません、あるいは間に合うかもしれません。少なくともこうした定数に対する批判ですね。議員の定数が人口に比例していない、不公平だ、こういう批判が次の総選挙ではなくなるように、自治省は、政府はつとめなければならないと思います。この点について、この次の選挙に定数の問題で批判を受けることがないような措置をとるかどうか、この点をお伺いしておきたいと思います。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 相当アンバランスが出ていることは事実でございます。これを是正すべきということも重要なる問題であるということは御指摘のとおりであります。しかしながら、それをいらうとなれば、選挙制度の根本に触れてくる問題である、これも事実でございます。そのために、この前の審議会の席上で、あるいは区制と離してこれを急ぐべきでないかという意見も出ましたが、一貫して考えるべきであるという学識経験者等の強い意見があったことも事実でございます。その一貫して考えるという態度で、いま現実に定数の問題等も議論にのぼして、毎週審議を練っていただいておるのが事実でございまして、私は、そのようないまの審議会の姿からながめまして、ぜひともこの審議会の御意見によりまして、次の選挙までにはそういった御批判を受けないような姿にしての選挙が行なわれるようにでき得ると期待をし、また、そうせなければならない、こう考えておる次第でございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私が質問している点は、審議会においては区制をいじる、その上において定数を議論しようではないかということは、今日の政党本位の選挙を諮問されている、諮問内容はそれである、それに伴うところの定数是正を諮問されている、これが審議会の考え方でございます。したがって、政党本位の選挙制度をつくった上で定数を是正しようという方向で、いま審議会は議論を続けているわけでございます。ですから、先ほど申し上げたように、これが次の総選挙に間に合うような形で答申が出てくれば、私はそれで定数の是正はできると思います。しかし、間に合わない場合も考えなければならない。むしろそれのほうが強いのではないか、われわれはこういうふうに理解するわけでございます。いずれにしても、答申が出さえすればこの定数是正の問題はできる。答申が出なければまたこのままでやってしまうのか。それとも、いま定数のアンバランスについて国民の強い批判、区制ができようとできまいと、この強い批判を避けるために、政府とすれば何らかの措置をとるのか、こういうふうに聞いているわけでございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、先般の学識経験者の方々の御意見、また現在審議会を進めておられます態度等からながめまして、選挙制度審議会の定数是正問題に対する取り組み方、伏木君と少し見方を異にしておるのでございます。選挙制度審議会は定数是正ということと区制と当然合わして考えておるわけであります。しかしながら、同時に、区制が間に合わない場合におきましては、将来あるべき区制の姿に合わすために、現状をいかにすべきかということ等も勘案されながら進めていただいておる。そのために、われわれは一貫して考えるという意見があのときの大勢を占めたのもその意味ではなかろうか、こういうふうに思っております。したがいまして、解散がいつありますか、これを予測することはできないのでありますけれども、私は審議会の審議の状況というものは、いま伏木君が述べられたように区制は区制だ、区制あっての定数是正だというふうな考え方だけで進んでおられるものでない、かように期待しておりますので、それが全部の答申となって出てまいりますか、あるいは中間的なものとして出てまいりますかわかりませんけれども、私は、十分そのことを認識の上御審議を賜わっておるのが現在の審議会の姿でなかろうか、このように期待をいたしております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 私もあのとき選挙制度審議会に出ておりましたけれども、あそこで述べられた意見は、主としてわれわれ野党の特別委員から出た議論でございます。というのは、根本的な区制改革が次の総選挙に間に合わないかもしれない、したがって、とりあえず定数是正だけをきめようではないか、こういう強い意見をわれわれは述べたわけでございます。そのときに学識経験者の方々から出た意見は、いま区制をどうしようと根本的改革を議論している。したがって、それが間に合わないときのいわば便法ですね、とりあえずの措置というものは国会でやってもらえないか。この審議会の議題にすべきではない、こういうふうに学識経験者からの意見がございました。それでその便法、次の区制がきまるまでの間に行なわれる総選挙においての定数是正はあそこでは問題にしない、こういう方向がきまったわけでございます。したがって私どもは、自由民主党の理事の方にも呼びかけて何とかしようではないか、こういうことで一回、二回理事懇談会をやったような経緯でございます。したがって、かりに区制が間に合わない場合の措置というものは、選挙制度審議会の意見の中には全然反映されないということになってくると思います。ですから、私どもはこの次の総選挙、この国民の批判をこのままに放置はできない。したがってとりあえずの措置としてでもいまやるべきではないか。  なぜ私どもがこういうことを言うかというと、選挙区制の改革というものはそう簡単にできるものではない。先ほど自治大臣は、答申が出たらこれは忠実にやるという決意を述べられましたけれども、われわれが政治資金規正法を早く改正しようと要求した際も、総理は一貫して審議会の答申が出たならばその答申を尊重してと言い続けてまいりました。しかし、答申が出てもそれはほおかぶりしてしまった。それで出してきたものは答申とはおよそかけ離れた異質のものを出してきた。こういう経過もございます。  その次、参議院の地方区の定数是正。東京、大阪、神奈川、これが非常なアンバランスになっておるということで議論が出た際も、ただいま審議会で参議院地方区の定数是正を御審議いただいております、それが出ましたならば、とこうずうっと答弁を続けられた。ところが東京、神奈川、大阪各一名の定数是正を行なうべきだという選挙制度審議会の答申が出ました。これもついに立法化されず踏みつけられてまいりました。こういう経過から見まして、わずか三名の定数是正の問題についてですら、選挙制度審議会の答申というものが踏みにじられてしまうということになると、区制改革などという根本的な改革は、大臣が言われているような簡単なものではないということが過去の経緯から見ておわかりになると思います。そうしますとこの次の総選挙、少なくとも来年の十二月にはもう任期一ぱいです。しかし過去何回かの選挙で任期一ぱいというのはございません。次の選挙は、私、率直に申し上げて絶対新しい区制ではできない。これができるのだったら、それこそ内閣をかけておやりになるような大臣が出てこなければおよそできないのではないか。そういう大臣が出るかもしれませんけれども、ほんとうに政治生命をかけてでもやり抜くだけの決意がなければできない。それでも国民の強い批判があって、一つの内閣がぶっつぶれるほどの大騒ぎになるかもしれません。そうした大改正が、自治大臣が言われているように、答申が出ましたらすぐ立法化して改正し、この次の選挙に間に合うなんということは、過去の常識から考えてもこれはでき得ないということは、これは明らかでございます。  そういうことから、私どもは、現行制度の中にあって定数の是正をすみやかに行なうべきではないかということを申し上げたわけでございます。このことはもう自治大臣もはっきりおわかりになっていることだと思います。この区制改正が容易でないという——かりにこの区制の改正がどういう形で出るかは知りませんけれども、それではひとつお尋ねいたしますけれども、区制の改正にあたって、審議会に答申として区割りまで出してもらうように希望しているのかどうか。新しい区制に基づく区割りまで政府は審議会に要望しているかどうか、この点お伺いしておきたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 前段の、先般の審議会に暫定的な定数是正の問題についての御意見の受け取り方、私、当時おりましたのでございます。経過のお話がありましたが、最終的な結論といたしましては、私ニュアンスをちょっと異にしておるのでございます。それは、自分たちは区制をやっておるのだ、だからいま定数是正は取り上げぬ。だからそのことは国会のほうでやってもらったらいいのじゃないか、こういう単純なものでなくして、現在の定数是正というものは総定数の問題、選挙区制の問題、根本の問題に触れる問題であるから、一貫的にやらなければならないし、一貫的におれたちはやっておる。したがって、いまこの時期において、暫定的な定数是正の問題だけを取り抜いてやるべきではないと思っておる、こういうお考えであります。しかしながら、特別委員はみな国会に籍を置いておられることであるから、国会が独自の見解でやられる場合は、私たちの関与せざるところであるという御意見でなかったかと思うのであります。そういうふうな意味からは、向こうは、むしろできれば選挙制度審議会で区制と一貫して定数の問題も取り上げたいという趣旨で、しかもその後の審議状態をながめておりますと、それらをあわせてすでに御審議に入っていただいておる。しかも、一番焦眉の急を要する衆議院の問題につきましては、すでに総定数の問題とかあるいは定数是正の問題等も御議論願っておるという現状でございますので、私たちはあくまでもこの結果を待って行ないたい、このように考えております。  ただ私たちは、できれば区制改正と定数是正というものを一本にして実現したい、これが希望でございますが、いま伏木委員のとおり、区制改正というものは非常にむずかしい問題である、私もその認識を持っておるものでございます。そういったときにはおのずからその答申の中から、暫定的な定数是正をやるにしても、いかにすべきかという方法も示唆されるのではなかろうか、その結果をもって行なうのが私たちの立場でなかろうか、このように考えておるような次第でございます。  区割りの問題、答申の中でそこまで考えていただけるかどうかということは、いまのところ私たちどういうふうな答申になってまいりますか、予測を許しませんが、あるいは審議の基本方針を示していただき、また国会等の審議の過程等を経まして、第三者に区割りをまかすというふうなことも起こり得るのじゃないか、かように考えております。

伏木和雄公明党

○伏木委員 前段の問題ですが、いま審議会では、定数については、あくまでも区制改正を根本にしての定数ということが中心でございます。現行制度の上に立っての定数の是正ということは、これは全然触れておりません。ということは、昨日の審議会ですか、審議会の御意見の中にいろいろ出てまいりました。私も簡単に意見は述べましたが、たとえば自民党の委員さんから、偏差を一・五に縮めたらどうだというような御意見も出てまいりました。かりにそういうような前提に立って定数が出てきた場合、これは現行区制ではとてもじゃないが、その定数だけを——あくまでも区制改正が前提に立っての定数が出てくるわけですから、区制が間に合わないからということで、その定数だけを現行法に盛り込んだらそれこそ大問題になってしまう。これはもうそんな話がちょっと出た段階で、法律にするしない、その以前にぶちこわれることはあたりまえのことです。  だから、われわれが言っているのは、あまりにも格差のひどいところだけを暫定的にやるべきでないかということで、審議会の定数というのは根本的な改正を前提にしてのことですから、大臣言われた御答弁とは全く違ったものだと私思います。かりに定数が出たとしても、そんなものは現行制度で使えるものでありません、これが一つでございます。  それから、かりに区割りまで入れないで答申が出たとします。そうすると、これは区割りでもってたいへんな問題になる、あるいは大臣いま言われたように、出た答申に基づいて、区割りについては再度答申をするということになれば、これまた明らかに次の選挙には間に合わなくなる。だから大臣がどう言われようと、次の選挙は現行制度でやる以外にないということです。  ということになると、十二月に総選挙があるかどうかわかりませんが、常識的に考えれば、今国会で定数是正をやるのが当然のことである、あるいはおくれても、次の臨時国会ではこのアンバランスのひどいところだけでも定数の是正をやって、まず国民の批判、その辺を解消しておくべきではないかと私は考える次第です。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 私は、どういう形になりますかわかりませんが、おそらく現在の審議会の方は、もし暫定でやらざるを得ないというふうな、次の選挙に間に合わないというふうな答申の姿の場合においては、次に来たるべきもののために、おのずから暫定でやるべきことの方針がきめられるのでなかろうか。その上に立っての定数是正というものも考えなくてはいけないのでなかろうか、私は、そのようなことも答申のあり方によっておのずから判明してくるのでなかろうか、このように期待しておるものでございます。区制と全然離れて、定数の是正だけはどうせこれでやるんだからやれ、そういう姿のものでいませっかく努力していただいておりますので、その結果を待ってやらしていただきたい、このように考えておるのでございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 そうすると、次の総選挙に間に合わないというその見通しに立った時点では、審議会で暫定的な答申を求める、こういうわけですね。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 求めるか求めぬか、いま急いでいただいている最中でございますから、私ここでお答えしにくいのでございますが、少なくともそういった姿で臨むべきがいま私たちの政府としてのとるべき姿でなかろうか、こう考えまして、せっかく努力をしていただいておるのがいまの状態でございます。

伏木和雄公明党

○伏木委員 これは幾らやっても押し問答のようでございます。しかし、大臣に要望しておきます。  次の選挙は、この定数の問題で国民の批判を受けるようなことは断じてないように——もう民主主義の否定になります。政治不信とかあるいは政党不信とかいう、いろいろ国民の批判もあり、あるいは脱政党だなんということばも出ておりますけれども、そうしたものを起こす一つには、国民の声を正確に反映できないいまの政治、国民の要望するところが政治に反映されない、その以前に、国民の声を正確に議席にあらわさない、こんなところにも大きな政治不信があるということ。幾ら選挙法をりっぱなものにしようと、選挙制度をりっぱなものにしようと、国民、有権者の声が正確に議会に反映しないならば、これはもう民主主義の否定につながります。われわれは何も、五倍だから、六倍だからどうのこうのと、単なるそういうことじゃなくて、民主政治の根幹につながる問題であるという点で当局はもっと慎重に、もっと真剣にこの問題に取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 青柳盛雄君。

青柳盛雄日本共産党

○青柳委員 私も定数是正のことについて大臣からお答えいただきたいのですが、先ほどからの御議論を聞いておりますと、どうも公職選挙法の別表第一の末尾にありますあの文言が、何か形式的に理解されているような感じがいたすのであります。法律のことばに、訓示規定と強行規定などという区分けもありますけれども、訓示的なものだからそんなに守らぬでもたいした問題はないだろう、強行的なものはこれは絶対に守らないと法律違反ということになる、こういうことだそうでございますが、これは政治のことでございますから、政治責任の問題にかかってくるわけですが、「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」これは過去二十六年、五回ぐらい、おそらくその間に国勢調査もあったのだろうと思いますけれども、そのつど、五年ごとに更正すべきかいなかを政府は検討してきたのかどうなのか、これを振り返ってみていただきたいのですが、もしそういう努力がされなかったとするならば、なぜそうだったのかという点を、まずお尋ねしたいわけです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 その文言がありますので、目下議論を戦わしておりますが、まあ、委員の方々はもうこの国会ですべきじゃないか。私たちは、幸いにしまして、いまの定数是正というものが相当区制に関係あるようなところまで来ておるのが現実でございますから、一番最初に例にとりました兵庫五区と大阪三区との違い、しからば兵庫五区を減らせば二名区になります。これを引っつけるか、どこかへ持っていくかといいましたら、おそらく民意を反映するような選挙区ができない。ふえる予測のないところに、現在の中選挙区三名から五名まで、兵庫五区のようなところを特別区奄美大島のような姿にして中選挙区を守るかどうか、兵庫五区だけにするのか。そのほかにそういうようなところはないか、最低のところはどこにするのだというふうな問題まで触れてきておるのが、非常に人口の過密過疎を生じました現在の日本の姿でございまして、幸いにいたしまして、選挙制度審議会で、いまそのためにこれをあわせて御審議を願っておるところでございまして、その末尾にあります文言等も忠実に守らなければならないと思いまして急いでいただいておる。決してなおざりにしているものではない。これは私の心境でございますけれども、そういうふうに御理解願いたいと思います。  なお、過去の実例等につきましては、私つまびらかでございませんので、事務当局からお答えいたします。

山本悟自治省行政局選挙部長

○山本(悟)政府委員 公職選挙法の中に規定があることは御指摘のとおりでございます。五年ごとに国勢調査があるわけでございまして、そのたびにこの例関係をどうするのかということが問題があったわけであります。それで結局、実際の例といたしましては、先ほどどなたかおっしゃいましたように、第二次の選挙制度審議会におきまして、この問題が、調査が戦後三、四回目くらいになるかと存じますが、それをもとにいたしまして、当時といたしましては三・数倍の差が開いたという段階で取り上げられました。それが三十九年に一応ある程度の実現を見たわけであります。その後また、二へん目の国勢調査がすでに過ぎたわけでありまして、ただいま大臣が御答弁申し上げましたように、やはりこういったものを含めて、またいまの段階では、大臣が申し上げましたように、すでに四・数倍というような非常な差になっている。そのために、単にふやすというだけでは済まなくなっているというような問題も含めまして、区制問題というものが現在提起されておる、かように存ずるわけでありまして、そういう意味では、やはりそのたびごとに問題として政府としても検討し、かついろいろなところで論議されてきた、かように存じております。

青柳盛雄日本共産党

○青柳委員 いまの御答弁で尽きているようには思えないのです。というのは、公職選挙法の別表第一ができました当時は、格差を一と三というほどに見ていなかったと思うのです。私もそこのところは調査しておりませんから正確なことは言えませんけれども、そんな格差はおそらく最初に表をつくるときにはなかったと思うのです。大体平均して人口二十万当たりで一人、それだからああいう形になったのだけれども、人口の移動はその後急速に起こり、そして過疎過密が出てきているわけですが、それは、特に最近だけに顕著だというのではなくて、過去二十五年の間にも格差は必ずあったと思うのです。それがあえて無視されてきたゆえんのものは、小選挙区制をつくることによってこの問題は解決しようというような考え方がありまして、そして是正の問題が出ると、それにからんで抜本的な区制の問題が出てくる。区制のほうはなかなか簡単にいかない。そこで是正は流れる。そしてあまりにも極端な形になったので、三十九年にようやくわずかの是正が行なわれたというのが実情ではないかと思うのです。  そこで私は、やはり、いままでこの別表第一の末尾の文言が非常に軽く扱われてきたのだということをいわざるを得ないわけです。最近また、大臣のお答えによりますと、そういう点を重視するからこそ、政党本位の選挙はどうかという七次審に対する諮問にあわせて、是正のことも諮問しておるのだ。何とかうまい知恵がないかということで考えておられる。それはわかりますけれども、本来、五年ごとに国勢調査の結果によって更正するという作業は、この前の政令できめた選挙制度調査会、あるいは法律できめた現在実行されておる選挙制度審議会、こういうものに諮問しなければ実行できないものかどうか。これは政府の責任において、また場合によったら国会の責任において実行する義務があるんじゃないか。選挙制度審議会の意見を聞くのもけっこうですけれども、何かそこにおまかせをして、そしてそのほうの結論が出るのを待ってから、おもむろに実行に移るというような問題ではないのではないか、このように思うのです。たまたま政党本位の選挙制度はどうあるべきかという諮問をした。あわせて是正のこともやった。だからその結論が出るのを、答申が出るのを待って一挙にこの問題を片づけよう。これについては、先ほどからの御議論を承っておりましても、それは少し無理じゃないか。そこでそういう場合には、次善の策として、是正でもとりあえずやるというような答申の内容になるかもしれないという淡い期待を持っておられる。あるいは淡くないそういう答申になるかもしれませんけれども、それにしても答申待ちということになる。だから、答申を待たなければならない根拠というのは、とうてい私には理解できないです。  というのは、いまの選挙制度というのは後援会本位の個人選挙になっておって、金がかかってしようがない。だから政党本位、政策本位の選挙になれば、金がかからないし腐敗も防げるだろう。それが理想ではないか。それには小選挙区制が一番、同じ党から二人以上の立候補者がないから、したがって後援会にたよるというような同士打ちは防げる、こういう単純な論理ですね。それは合理的な根拠があるかないかは別問題といたしまして、そういうことは真剣に考えられていいことです。小選挙区制がいいか悪いかはまた別の問題といたしまして、政党本位の選挙制度というものをわれわれがあくまでも熱心に追求していくということはいいことですけれども、それができたから、もはや人口移動の流動性というものが自動的に解決するかというと、これは解決しっこないですよ。これは別問題ですから。だから、五年に一ぺんずつ国勢調査が行なわれるのだったら、かりに政党本位の選挙制度ができ上がっても、五年に一ぺんずつ検討し直すということは必要になるわけです。ですから私は、たまたま七次審のほうには二つのことをあわせて諮問されているから、それを待つというようなことでなしに、本来の原点に立ち戻って、一緒くたにすべきものでないのにあえて一緒くたにして、アンバランスの是正ということをサボタージュするということは許されないのではないかというふうに考えるわけなんですね。この点について大臣のお考えを承りたい。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 法律に書いてあることだから、審議会に諮問せずに当然政府なり国会なりがやるべきもの、それを審議会にかけるのはサボタージュではないかという御意見でございますけれども、私は選挙のルールというものは、これはルールでございますから、むしろ審議会のような御意見を聞くことによって改正をしていく。定数是正の問題にしてもそれであってしかるべきだ。昭和三十九年の是正のときも、これは審議会から御意見を得て出していただいたという姿でございます。この前の特別委員の選挙制度審議会における御意見等も、審議会として切り離して、定数是正だけをやられてはどうかという御意見が出たのも、やはりそういうふうな意味で出されたのじゃなかろうかと思います。  審議会といたしましては、一貫していまやっておるのだから、学識経験者の方々の意見としては、選挙制度の改革と一貫して定数是正の問題も考えろ、そういう意味から現実の姿をとらえまして、いま定数の問題もあわせて急ぎやっていただいておるというのが事実でございまして、私は、審議会によってサボタージュしておるとか、あるいはなんとかという、そういう意味ではございませんので、あくまでも選挙制度審議会の御答申を現段階においては期待しながら、責任を果たさせていただきたいと真剣に考えておりますのが、政府としての立場でございますので、おことばを返すようでございますが、この点は御了解を賜わりたいと存じます。

青柳盛雄日本共産党

○青柳委員 おっしゃるとおりであれば、そんなに偏見を持ったような発言を私はしたくないわけですけれども、どうもいろいろの政治のやり方を見ておりますと、定数のアンバランスがあまりにも極端になっている。、だから、これをどうしても緊急に直さなきゃいかぬという世論が高まっている。これはもう政府の責任であるばかりでなく、国会の責任でもあるのだ、政治をやる政治家の責任でもあるというところまで来ている。だから、これをいわばさか手にとって、これを実現するのには政党本位の選挙ということで小選挙区制——これは純粋の小選挙区制もあるでしょうし、あるいは比例代表併用制とか併立制とか、その他いろいろのニュアンスの違いはありますが、いずれにいたしましても、小選挙区制を中心とするものを実現する過程で、この強い国民の要望は達成されるであろうという、たとえば、非常に悪いのですけれども、お預けを食わしておいて毒の入ったまんじゅうを食わせると、ひもじいからそれに取っついていくだろうといったような考え方が、そのどこかにあるんじゃないかということを疑わざるを得ないのですよ。それを、たとえば、ここで定数是正をやってしまうとそれで一安心で、もう小選挙区制とか、その他政党本位の選挙というようなことはゆっくりやろうやということになってチャンスを失する、だからこの際はがまんにがまんをして、アンバランスはなるべく是正をじらしておく、ひがんだ見方といわれるかもしれませんけれども、そういう気がしてしようがないのです。だから、この辺はすなおに、やはり私は、あえて答申を受けるというようなことでなしに、かってにやれというようなことを言っているわけじゃありません。しかし、答申待ちで結局はぐずぐずしてしまうというようなことだけは、過去に苦い経験がありますから、やめていたきたいと思うのです。それは歴史を——いつのときがどうだったということは私もつまびらかにしておりませんから申し上げませんけれども、とにかく、小選挙区制を実施しようというのが昭和三十一年ごろから始まって、そして是正という問題が起こるたびに流れたことは、天下公知の事実のようでございます。だから、これはひとつそういう誤解といいますか、何かこれをさか手にとっているのだというように見られないように、是正のことは是正のこととして、切り離してやるということに踏み切れないものかということを考えるわけです。重ねてお尋ねをするわけです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 これをえさにして逆手にとってということでございましたが、微力でございますから、結果においてようしなかったら、おわびするしかしかたがないのですが、私の心の中にはそういった気持ちは全然ございませんから、御了承を賜わりたいと思っております。純粋に考えております。ただむしろ、いま青柳さんのおことばの中にもございましたが、これをやってしまったらあとはもう政党本位の選挙なんかはぼつぼつやったらいいんだ、こういうふうなお気持ちがむしろ審議会の学識経験者の方々の頭の片すみにでもあるのでなかろうか。あの審議会の学識経験者の方々の、われわれは一環として考えてやっておるんだから、いまここで切り離してやろうとは考えてない、その段階でない、もしやられるんなら、国会は国会でやられる権利を持っているんだからおやり賜わりたい、こういうことばの中には、むしろ審議会の学識経験者の中に、いみじくも青柳さんが言われたような気持ちを持っておられる、その不信感がああいうふうなことばになったのでなかろうか、私はそうさえ思った次第でございます。私自身といたしましては、いま青柳さんが言われましたような気持ちは毛頭持たずにこの問題と取り組んでいきたい、かように考え、いま審議会に全力をあげてこの問題と取り組んでいただいておるというのが実情でございますので、御理解を賜わりたいと存じます。

青柳盛雄日本共産党

○青柳委員 もう一点だけお尋ねして終わりにいたします。  いま第七次選挙制度審議会で、政党本位の選挙制度ということで、一部と二部に分かれてやっているようでございます。したがって、政党というものについてどうあるべきかというようなことも、当然この区制の問題とあわせて実施される方向へいくのだろうと思いますけれども、そうでなかったら、区制だけ動かして、政党がどういうものでいいか悪いかということを抜きにしては、これは実現不可能になると思います。  そこで、非常に大問題なわけですね。この七次審の結論が出た場合に、これを実行するということは日本の議会制民主主義の根幹に触れる、日本の将来の民主主義の問題に重大な影響を及ぼす大作業だと思うのです。したがって、これだけのことを一選挙制度審議会の答申というものを受けて、それを厳正に時の政府が案文化して国会の審議にかける、そして国会の多数決によって実現してしまうというのには、あまりにも冒険ではないかということを私は考えるわけです。一ぺんそういうものができ上がりますと、まずかったからといってそう簡単にまた直せるというものではないと思うのですね。それはもう戦後二十六、七年間、この中選挙区制度でずっと来たのがなかなか直らない。悪い点もあったって直らない。よくたとえに引かれる、公務員の恩給なんかがなかなか直らないというのと同じようなものでございますけれども、そこで私の考えは、こういう重大問題をやるんだったら、その答申を受けて実施するんだという政策を掲げる政党と、これには反対だ、自分たちはもし抜本的な改正をするんだったらこうすべきだという考えを持っている政党とが、選挙によって国民の信を問うという一つの過程を経てから、それで多数をとった政党が、与党である内閣が、その自分たちの公約を実現すればいいのであって、簡単に、答申が出た、それを政府が法文化した、多数決であとは押し通すというようなことは、民主主義的な考え方からいうと少し不十分どころかまずいのじゃないか。やはり一ぺんは国民に問うてみる。国民はまだ小選挙区制というものの経験はあまり持っておりませんし、また、比例代表制というのは一ぺんもやったことがない。比例代表ということになった場合に、有権者に比例代表による当選者を選ばせるのか、それとも、政党に責任を持たせて固定的にリストを出させるのか、この辺のところも、これから十分に国民の経験なり世論なりというものを見きわめた上でやらないと、変な結果になるのではないか。まあ、なれればそのうちにわかってくるから、やらせてみるということではなしに、その前に国民に、こういう案が出てこれで法律をつくって実施しようと思うのだけれども、いまの選挙制度のもとで国民はどれを選ぶか。結局、どういう政策を掲げている同党が第一党になり、また内閣をつくるかということをまずくぐり抜けた上で実行すべきではないかというふうに考えるのです。少しくどくなりましたけれども、この点はいかがでしょう。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 選挙制度の改革というものはたいへんなことでございますから、慎重の上にも慎重を期さなければならない。実際、また出てきておる段階と違いますから、それを実現に移す方法を具体的な例をあげてお示しになりましたが、いま私から、それに対してイエス、ノーを答えるべき段階でない、かように考えます。しかしながら、私は、これはルールでございますから、各政党が十分に話し合った上できめられるのが選挙制度でなかろうかと思います。審議会の中に、特別委員として各政党代表も加わっていただいておるのもその意味でなかろうかと思います。幸い、おたくの共産党も今回の選挙制度審議会の中に特別委員として加わっていただいておりますので、十分……。(「入ってないのですよ」と呼ぶ者あり。)入ってないのですか。わかりました。十分、特別委員の皆さん方にも入っていただいておりますので、私は、反映したものが答申の中にも出てくる、かように考えますので、その点、制度をいかにしていくかは、当委員会等で十分練られてきめていただけることだ、かように考えておりますので、慎重の上にも慎重を期すという点に対しましては同感でございますが、いまの具体的な案に対するお答えは、私から現在仮定の問題としてお答えすべき問題でないと思いますので、ひとつこの点はお許し賜わりたいと存じます。

青柳盛雄日本共産党

○青柳委員 終わります。

岡崎英城自由民主党

○岡崎委員長 本日は、これにて散会いたします。    午後四時二十四分散会

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