公害対策並びに環境保全特別委員会 第11号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/04/18
会議録
○田中委員長 これより会議を開きます。 内閣提出の大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案並びに島本虎三君外七名提出、公害に係る事業者の無過失損害賠償責任等に関する法律案を一括議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。まず、大石環境庁長官。 —————————————
○大石国務大臣 ただいま議題となりました大気汚染防止法及び水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 わが国の環境問題は、経済の急速な拡大と都市化の進行の過程で、深刻な社会問題となっているところであります。 このため、政府におきましては、先般来の国会で体系的整備が行なわれた公害関係諸法に従い、公害規制の強化をはじめとして、各般の施策を強力に進めてきたところであります。 しかしながら、公害により被害を受けた人々に対しては、すでに行なわれている行政上の救済措置に加えて、事業者の民事上の責任を強化して、私法的な面においても、一そう円滑な救済ができるような措置を講ずることが強く要請されているところであります。 今回の改正法案は、このような要請に対処して、人の健康に有害な一定の物質が大気中、または水域等に排出されたことによって、人の健康にかかる被害が生じた場合における事業者の無過失損害賠償責任について定めることにより、公害によって被害を受けた人々の保護の徹底をはかろうとするものであります。 以下、改正法案のおもな内容について御説明申し上げます。 第一に、工場または事業場における事業活動に伴って一定の有害な物質が大気中に排出されたこと、または一定の有害な物質を含む汚水等が排出されたことにより人の生命または身体を害したときは、当該排出にかかる事業者は、故意または過失がない場合であっても、これによって生じた損害を賠償する責めに任ずることといたしております。 この場合、有害な物質として無過失責任の対象となる物質は、大気汚染防止法及び水質汚濁防止法において人の健康に被害が生ずるおそれがある物質として規制の対象とされているもので、硫黄酸化物等複合汚染を常態とする物質をも含めることといたしております。 第二に、損害が二以上の事業者の共同不法行為によって生じた場合において、その損害の原因となった程度が著しく小さい事業者については、裁判所が、その損害賠償の額を定めるについて、その事情をしんしゃくすることができる道を開くことといたしております。 第三に、本法律は、その施行の日以後における有害な物質の排出による損害について適用することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○田中委員長 次に、島本虎三君。
○島本議員 ただいま議題となりました公害に係る事業者の無過失損害賠償責任等に関する法律案につき日本社会党、公明党、民社党の三党を代表いたしまして、提案の理由及びその内容の概略につき御説明いたします。 今日、わが国の公害は、一部の地方、地方にとどまらず、全国的に深刻な問題となってきております。東京、大阪、瀬戸内海などの水や空気が人の許容限度を越えて、太平洋沿岸はもはや漁場としての価値がなくなるほど破壊が進んでいます。一方、陸上においてもプラスチック等産業廃棄物が処理の見通しがつかないまま捨てられております。DDT、BHCの汚染をはじめPCBの汚染が進み、国民の体内には、これら有害物質が蓄積されています。近年の異常児の出産は、こうした広範な環境の汚染と密接な関連があることは言うまでもありません。こうした事態は、もともと法が予想しなかったものであり、司法による救済になじみにくい問題であるため、現行法のみによっては、公害による被害者を迅速かつ確実に救済することはきわめて困難であります。すでに、われわれは、公害被害者救済のため無過失賠償責任制度の立法化を急ぐべきことを繰り返し主張するとともに、公害国会と呼ばれた第六十四臨時国会におきましても無過失損害賠償責任に関する法案の提案を行なってきたところであります。 政府もようやく公害にかかる無過失賠償責任の法制化の必要性を認識し、今国会に提案をされております。しかし、その内容は、大気汚染防止法、水質汚濁防止法の一部を改正する方法によるもので、これらの法律によりすでに規制の対象とされている特定有害物質による健康被害にのみその適用範囲を限定しているばかりでなく、因果関係の推定規定さえも削除されており、全く狭い無過失賠償責任制度になっております。 増大する公害の実態を考えますならば、無過失賠償責任制度を大気汚染、水質汚濁に限定する理由は全く乏しいと言わなければなりません。また、新潟水俣病判決に見られますように、公害訴訟の判例においては、厳格な過失責任主義の立場を緩和し、因果関係についても企業側が汚染源になり得ない理由を説明し得ない限り、その存在は事実上推認され、すべての法的因果関係が立証されたものとするとして、広く被害者の救済をはかっているのであります。 今日、真に国民が求めておりますのは、これらの諸点を十分に配慮した無過失賠償責任の法律であると考え、本法案を提案したものであります。これが本法案の提案理由であります。 次に、本法案の概要を御説明いたします。 第一は、本法案は公害によって他人に損害を与えた事業者の無過失損害賠償責任、事業者に対する公害の差しとめ請求及び規制権限を持つ行政機関に対し、住民が直接規制権限の発動を求められる制度を確立し、公害についての事業者の社会的責任を明らかにするとともに、被害者の保護と国民の生活環境の保全をはかることを目的としております。 第二に、公害の定義につきましては無過失責任、因果関係の推定などの適用範囲は明確に限定される必要があると考え、典型七公害に限って限定列挙することが妥当であり、公害対策基本法の定義に従ったわけであります。 また、事業者には、国、地方公共団体も事業者として責任を負うこととしております。 第三の無過失損害賠償責任につきましては、人の生命、健康、重大な財産的被害に限らず、広くすべての損害に適用することとしております。ただし、異常に巨大な天災地変または社会的動乱によって生じたものはこの限りでないとし、不可抗力に対する免責事由を明らかにしましたが、不可抗力以外はすべて責任を課するのだという趣旨であります。しかし、損害が第三者の行為によって生じた場合は、事業者が賠償の責めに任ずることとし、事業者は第三者に対して求償権を持つこととしました。 第四に、複数原因者の賠償責任ですが、共同不法行為者に対しては、寄与度を問わず、全損害について賠償の責任を課すこととしました。もし、分割責任を認めれば、すべての事業者は分割責任を主張し、立証に多くの日数をかけ、その責任を免れようとするおそれがあるからであります。しかし、損害の発生につきその原因となった程度が著しく小さいと認められる事業者すなわち中小企業等については、損害賠償の額をきめるについて裁判所はその事情をしんしゃくすることができるとしました。 第五の因果関係の推定につきましては、従来の訴訟では被害者側が立証しなければならず、訴訟上多大の困難があったのであります。そこで、因果関係の推定規定を設けました。この推定規定は、可能な限り各種の公害の類型に応じてこまかく規定することが望ましいと考え、規定しました。 第六の消滅時効につきましては、民法は三年ですが、本法案では七年とし、進行中のものは進行がやんでから起算することとしたのであります。 第七の民法の適用についてでありますが、不法行為についてこの規定にないものは、すべて民法の規定によることとしたのであります。 第八は、損害賠償保障制度でありますが、国は損害賠償を保障する制度を確立する措置を講じなければならないとしておりますが、これは公害基金制度を考えております。 第九の差しとめ請求ですが、損害を受けた者または受けるおそれのある者は、事業者に対して、公害の原因となる行為の停止、操業の停止など必要な損害防止の措置をとることを請求できることとしました。これがなければ、真に公害を排除できないと考えるものであります。 第十に、規制措置請求ですが、今日、行政の公害規制権限は強化され、地方公共団体に移譲された権限も強化されていますが、これが有効に発動されない面があることはまことに遺憾であります。したがって生活環境の汚染、損傷、破壊に対して、行政機関が規制権限の発動を怠っているときは、権限の発動を求めることができるとし、住民の監視を盛った公害の積極的排除を明確にしたのであります。 その他、雑則といたしまして、公害訴訟には多額の費用がかかり、公害訴訟に対して地方公共団体が一部費用負担をしている例もあることを考慮し、訴訟上の救助規定を設けるとともに、公害に関する資料を公開することが国民監視を強め、公害排除を前進させることから、資料公開を明示する文書等の提出命令等の規定を設けました。 さらに、附則におきまして、この法律の施行前に公害の原因があり、施行後に生じた損害についてもこの規定を適用することとしました。これは、公害被害の原因と結果の間がきわめて長期にわたることを考慮し、公害被害者の救済を第一とすることがきわめて重要であるからであります。 以上、本法案を提出いたしました理由並びにその概要を御説明申し上げました。 何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに可決されんことをお願いいたします。 ————◇—————
○田中委員長 次に、内閣提出の公害等調整委員会設置法案を議題とし、審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島本虎三君。
○島本委員 この際、いままで審議してまいりました公害等調整委員会設置法並びにそれに付随する各事項につきまして、総理府総務長官に疑念、疑問の点をただし、そしてこの実効のすみやかに期せられるような方途を講じていただきたい、こういうふうに思って、次の質問を展開する次第であります。 まず、総理府総務長官は以前から御存じのはずでありまするけれども、公害紛争処理法案に対する附帯決議が第六十三回国会、すなわち昭和四十五年四月十五日、衆議院の産業公害対策特別委員会で付されておるのであります。この附帯決議の第二項に、「本法からいわゆる基地公害を除外することについては、相当議論の存したところであり、今後本法との関連において既存の防衛施設周辺の整備等に関する法律等をも含め真剣に再検討し、いわゆる基地公害の防止等の対策に遺憾なきを期すること。」このようにはっきり付してあるのであります。しかし、今回出されましたところのこの公害等調整委員会設置法案の内容はすべて紛争処理の改正案でありますが、この点につきましては何ら考慮が払われたあとが見えないのであります。私は審議の過程からこの点を摘出して遺憾の意を表してまいりましたが、なぜこの件について十分なる検討が加えられなかったものであるか、その必要がなかったものであるかどうか、この点についてまずお伺いしておきたいと思います。
○山中国務大臣 私は必要があると思っているのです。その前に、予算審議が変則状態のために、参議院で現在予算審議中でありまして、本来ならば私がずっとこの委員会で責任をもって質疑応答に立ち会わなければならなかったわけでありますが、その点、途中で私の責任を欠いた、すなわち、常時出席できなかった点は私も心苦しく思っておりました。その点をまずおわび申し上げておきます。 ただいまの点ですが、これは中央公害審査委員会をつくります際にも附帯決議として指摘された事項であり、これは国みずからが持っている防衛施設というものに関連する処理でありますから、一義的に防衛庁においてみずからその紛争の処理に当たり、そして国の良心においてそれを処理すべきが至当なたてまえであります。法律体系もまたそのようになっております。したがって、防衛庁においてはそのような措置を当然とるべき義務があると考えておるわけでありまして、この法律の中に公害紛争の処理について三条機関に移行する予定の中央公害審査委員会に防衛庁から別途その権限の部分だけをこちらに持ってくるという点についての判断は最終的に防衛施設庁みずからの責任において行なうことを是とする判断に立ったわけであります。しかし、防衛庁自身がその判断に立って今回の三条機関に移行して独立の審査権限を持つ機関が発足するという前提に立ってはたして国の責任におけるそのような体制が完全であるかどうか、この点はやはり防衛庁自身がみずから顧みて国民のためにそうあるべきだというような体制を整えるべきであり、必要ならば法的な整備等をはかるべき責任を持っているものと考えておるわけであります。
○島本委員 したがって、この際防衛庁にただしておきたいと思います。 これはすでに私が言う必要もないほど自明の理でありますが、いま自衛隊の隊員は選挙権、投票権もあるのであります。これができた当初においては警察予備隊から出発したのであります。したがって、これは新憲法のもとにいわゆる軍隊という名前にはとうてい値しないものであって、これは当然そういうような状態からして、いわゆる演習その他いろいろ行なっている場所は、これは基地公害から除外される必要はないのじゃないか。すなわち、基地はもう治外法権であってはならないはずでありまして、そこに発生した公害に対しても、いわゆるこれは一般の公害と同様に扱うのが妥当じゃないか、こう思うのであります。これが除外されていたということはまことに重要なのであります。はたして防衛庁では基地公害に対しては、治外法権であるというふうにお考えになっているかどうか、この点だけははっきりさしておいていただきたい、こう思うのであります。
○長坂政府委員 お答えいたします。 自衛隊も自衛隊法その他の法のもとにあり、それからこの公害関係と申しますか、自衛隊あるいは米軍の行為または防衛施設の運用等により生ずる障害の防止等のためには、特別な防衛施設周辺の整備等に関する法律とかあるいは駐留米軍の行為に伴うところの特別損失の補償に関する法律等の規制によりまして、それぞれ自衛隊とか米軍とかの行為の特殊性あるいは防衛施設の特殊性から生じますところの障害をあらかじめ防止するとか、あるいはその障害によりまして住民の方々に損失を及ぼしたようなときにはそれを補償するとかいうような特段の定めがございまして、そういう法律の運用によって関係住民の方々の生活の安定と福祉の向上に寄与するようにわれわれは義務づけられておりますので、そのような法の運用によってそういう目的を全うしたいというふうに考えておりまして、決して治外法権にあるものとは考えておりません。
○島本委員 いわゆる基地公害は、治外法権でないという考えに立っておられる、このことは了承いたしました。もしそうであるならば、この公害等調整委員会、この裁定なり、仲裁なり、調停なり、住民なりが訴えた場合には、当然基地公害もその対象として処理されてしかるべきであり、本公害等調整委員会の設置法によってこれは律されても当然ではないか、こういうように思うわけですが、それができない理由は何ですか。
○長坂政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、この自衛隊とか米軍とかいうものは特別な車両を持ち、特別な飛行機も持っておるというようなことで、それが関係の住民の方々に及ぼす影響というものは、ほかの産業とか、民間とかの団体等に比しましてはるかに重い影響を与えるであろうということから、別にいま申し上げましたような法律をもちまして、特段に重い社会的責任に服するという形で、そういう別な立法が講ぜられておる。 したがいまして、障害防止工事の助成であるとか、あるいは民生安定施設の助成であるとか、あるいは移転の補償であるとか、損失の補償額の決定であるとか、あるいは別に第一次的に防衛施設庁長官が行ないますその補償額等の決定、あるいは障害防止工事の助成に対する措置、そういうものが不十分でございますならば、都道府県を通じまして関係住民の方々は異議を申し出る。それに対して内閣総理大臣がさらに上級官庁として決定を下すというような措置がなされておるわけでございまして、私どもは、その法体系に定めるところによって、鋭意それにつとめていくというふうに考えておるわけでございます。
○島本委員 したがって、いまのような考え方によって対処してきた基地公害の対処のしかた、これはいままでのはっきりした事例によって万全ではなかったということが立証されました。 それで総理府総務長官、これはやはり基地公害は治外法権的なものではない。やはり一般の公害と区別する理由もない。そうするならば、当然この公害等調整委員会設置法によって当然住民の被害者の救済をはかって差しつかえないものであり、これを除外した理由はまことに根拠が薄弱だ、こう思わざるを得ないのであります。ことに、長官はこの点はっきりしていないかもしれませんが、この委員会で詰めた内容は、いま自衛隊基地に対しては基地周辺整備法、それから米軍基地に対してはいわゆる特損法、こういうようなものがあるのでありますが、基地周辺に対する騒音被害、これらについて、いわゆる個人的な被害の補償、これにはまだ立ち至りておりません。騒音による人心の影響についての対策、これもやっておりません。個人の住宅に対する騒音対策、これも及んでおりません。それから苦情等についての取り扱い、これも不十分であります。こういうようなことからして、やはり音の凶器という名前でこれは表現されるような状態になり、だんだん民心が離反するような傾向がこの基地周辺にあるのであります。 そういうようなことからして、なぜ治外法権でもない——経済法律の適用を受けないような企業並びに事業はございません。それぞれある。自衛隊もやはりそれらの法律によって拘束されているとすると、みんな同じですから、やはりその中に立って公害等調整委員会のこの法の適用によって、当然住民の苦情処理、また被害救済、これを行なうのが妥当であって、そのほかの理由はないものである、こういうように思いますが、なぜこれを載せなかったのですか、これについてまず大臣にお伺いいたします。
○山中国務大臣 ただいま防衛施設庁のほうから事務当局の答弁ではありますが、一応初めから国の責任としてそれは受けとめているという法的なそれぞれの根拠、運営の方法等について話がありました。しかし異議のある場合は最終的に総理大臣に上がるとしても、その中途の段階、すなわち防衛施設庁として、そして国の防衛庁たる役所として、国がまず責任を負いますという立場でそれをきめます場合に、それの妥当であるかないかの客観的な判断というものが、はたして防衛庁そして施設庁だけで判断をしていいものであるかどうか、その問題についての論点が残っているだろうと私は思うのです。そこらの点は防衛庁の中でやはり検討をされて、そしてやはり公正な審査機構なり何なりを確立されたらどうかという気持ちが私はします。 また一方においては、騒音公害等になりますと、現在共用飛行場等もあるわけでありますから、これらの問題は防衛庁の分野だけで確定するのはきわめて困難な問題もございましょうから、これらの問題は中央公害審査委員会との今後の連絡の問題あるいは機構上何か考えられるかという問題がなお残るとは思いますけれども、それらの問題について、防衛庁自体が検討さるべき一つの課題がある、私はそう思います。これは内政干渉で、他省庁のことに触れるわけですけれども、やはり国の姿勢としてそういうことの検討が必要じゃないかと思うのです。 これはむだしゃべりになるかもしれませんが、天下りの防止というような問題については、国全体としては人事院のチェックというものを持っておりますが、しかし防衛庁は長官限りでそれが許可されるということになっておりましたのを、ようやくいま防衛庁の中に、今回提案している法律の中で、人事院、そして総理府人事局、そして防衛庁の内部の人事教育局、そういうようなところが構成する審査をするように法律を出しているようであります。 ですから、やはりこの公害の問題も、ワンテンポおくれることになりますけれども、そういうような何か知恵を出してもらったならば、私どもとしては協力するのにやぶさかでないという気持ちでおります。
○島本委員 それはやはり、大臣はそういうように言ったけれども、基地といえども治外法権的な扱いはないのである。いまいる自衛隊のそれぞれは、これはシビリアンであっても軍隊というこれの範囲に入るものじゃないのだ、まして投票権もあるのだ、こういうようなところだったら——各企業も民間も、それぞれ律する法律があるのです実体法として。すなわち、自衛隊の中にもそれを律する実体法があるのです。ですから、それぞれに持っている範囲は全部同じ。これはここに国家行政組織法第三条機関として発足するのです。そして裁定権も持つのです。この強力な一つの機関が、自衛隊であろうともそれに遠慮する必要はないのじゃないかと思うのです。向こうは向こうだから知らないと言ってもそれは全部各省庁に影響するのです。なぜ自衛隊だけに遠慮なさるのか。これは治外法権的なものというお考えがどこかにあるのじゃございますまいか。もしそうであったとするならば、大臣はそれを遠慮しないでやるように申し出ても差しつかえない問題じゃないか、こう思っているのです。 この問題について、先ほど意見は伺いましたけれども、私の考えはそういうようなところにありますが、何ら遠慮するところはない。これは三条機関として裁定も及ぶようにしてやったほうが、なおさら日本の憲法に沿うゆえんなんだ、こういうように思うわけですが、大臣は、何か遠慮しておられる。
○山中国務大臣 私は本来遠慮する性格をあまり備えていない男でありますから、遠慮しておりません。しかし、現在あります防衛庁の法律で、これらの基地周辺等の問題が起こった場合においては、まず国のほうに責任があるというたてまえの法律を持っておりますから、問題は、それがはたして、われわれは、被害を受けたといわれる周辺の人たちとの間の最終的な話し合いの過程において、客観的に公正、妥当な判断が下されておるかどうかという問題が、あと運用の問題として残ると私は思うのです。その点を、防衛施設庁そして防衛庁のほうできちんとしてもらえば、初めから自分たちがその責任をのがれようとしておるならば、これはもう防衛庁といえども総理府の外局でありますから、きちんとその法律の中に全部取り入れて、そしていかなる防衛庁の場所であっても、あるいはアメリカ軍の施設でも、立ち入って書類を検査したり、そういうこともせざるを得ないと思うのですが、しかし法律を持っておりますから、やはりそれについては、持っている以上、その責任を果たすべき機構が万全であるかどうか、あるいは被害を受けた国民からそれでいいといういままでの運用がなされているかどうかという反省、それの自己点検に立って、足らない点があれば私は改正されればよかろうと思うわけです。
○島本委員 これは多分に大臣並びに政務次官の判断による点が多いので、いまここへ来ておりませんが、この問題だけはちょっとあとで来てからにしまして、次に移ります。先般、加藤委員のほうからこの場所で質問をされました。その中に、電気、ガスに伴う公害紛争の処理については明らかにされましたけれども、原子力による被害についての公害紛争処理法との関係が明確でなかったわけですが、この際ですからこれを明確にしてほしい、こう思います。
○山中国務大臣 どういう論議が行なわれたのか、間違っていたらあとで小澤委員長なり事務局長から訂正させますが、おそらく直接の被曝という問題、さらされたという問題をこの対象にするかどうかの議論だったと思うのです。その点はこの対象とはなり得ないのでありますが、しかし原子炉あるいは原子力その他によって被害が生じた、それが二次被害、二次汚染等によって大気汚染、水質汚濁、こういうようなことから周辺住民に、国民に対して問題を提起したとすれば、これはまさに問題の私どもの新しい三条機関の審査の対象になり得るわけでありますので、その点は、いわゆる炉の直接の被曝という問題は、端的にずばりそのものの問題でありますから、紛争処理として上がってくるべき性格のものでなくて、別途処理さるべきものであると思いますが、もし間違っていたら、質疑応答しておらぬわけですから、間違っていたら小澤委員長から訂正してもらいます。
○小澤(文)政府委員 いま大臣のおっしゃるとおりでございまして、この前私は非常に短いことばで、これは入りませんと申しましたけれども、これは詳しく申しますと、いま大臣のおっしゃったとおりでございますので、ことばの足りなかったことをおわびします。
○島本委員 この法律の中で、いわゆる立法上被害者救済の観点から設けられた規定というのは何条くらいあるのですか。それはどれとどれとどれですか、具体的に示してもらいたいと思う。
○川村政府委員 お答えを申し上げます。 先生十分御存じのとおり、民事訴訟のほかに行政委員会による裁定の制度を設けること自体が公害紛争を迅速かつ適正に解決をし、被害者に適切な救済をするという趣旨から、もちろん全体が被害者救済という趣旨は含んでおりますが、いま個々の条文でどんな点かという御質問でございますので、その点を一応列挙いたしますと、全体としては七点ぐらいあろうかと思います。 まず第一点は職権探知でございます。これは法文では、第四十二条の十六及び第四十二条の十八というところで、職権によりまして証拠調べ及び事実調査によりまして被害者側の立証能力の補充の機能が期待されるわけでございます。 第二点は原因裁定の制度でございます。これは原因裁定の制度自体を、また当事者間の紛争解決という面のみならず、この成果を公害行政に反映させるということによりまして、広く公害の発生拡大の予防、防止に奉仕をいたしまするし、被害者救済の実をあげようとするものでございます。 第三点は原因裁定の申請における相手方の特定留保でございまして、法文では第四十二条の二十八でございます。これは、とかく相手方がいずれかわからないような場合においても申請を許すわけでございまして、これは実際に被害を受ける者がという条文になっておりますので、これはその点で明らかであろうかと存じます。 第四点は裁定事項についての不告不理の原則の適用排除の点でございます。法文的には第四十二条の三十でございまして、これは具体的にかりにA工場だと思いまして実際に相手方として裁定に入ったところが、実は調べているうちにそれはBの事業場であるというような場合には、本来は初めから告げられていない相手でございますけれども、これもその中に取り込んで裁定を進めるということでございまして、この点も被害者救済の一つの助けになろうかと存じます。 五番目は仮差し押え及び仮処分における保証の特則でございまして、第四十二条の二十二がこれに当たろうと思います。これは原則として担保を積ませないで仮差し押え及び仮処分をするという意味でございまして、これは明らかに被害者のために便宜であろうかというふうに考えます。 それから第六点は参加の制度でございまして、これは第二十三条の四というところが条文ではこれに当たります。これは実際ある事案が進行いたしましたときに、それと全く同じような、かりに被害者がそれを申し出る場合におきましては、従来は別個に申し出ましてそれを併合するというような手続に実際なるわけでございますが、この参加という手続をやることによりまして、より一そう簡易、迅速にそれを進めることができるという点でございます。 それから第七点は時効の中断でございまして、法文は第四十二条の二十五というところがこれに当たります。これは現在までの中央公害審査委員会でやっております事案の例ないしは現在地方に出ております事案の例等からいいまして、かりに調停あたりの場合におきましてもたまたま時効が来るわけで、そのためにわざわざ調停を打ち切るというような事態もまま出ております。これは、調停はもちろん、裁定におきましても、それを申請するならばその時効の中断の効力を持つということで、これはやはりその意味での被害者救済に資すると考えております。 以上でございます。
○島本委員 その点は解明されましたが、そうすると、この裁定そのものは被害者救済に重点を置かなければならないものでありますが、ここに原因裁定と責任裁定、この二つ区分されてあるのであります。これはもう長官、この責任裁定によって賠償の支払いを命ぜられた相手方が無資力の場合において、その支払いの担保についてはどのように考えられておるか。もうせっかく裁定しても、無資力であって裁定に応じられないような状態であった場合には、これは被害者の救済を叫んでやっても何ら効果が発揮されないことになるおそれがないか。これは大事なところであると思いますが、この点はいかがでございます。
○山中国務大臣 これは私、先ほど島本委員の野党三党の共同提案にかかる趣旨説明を聞いておりまして、中小企業のいわゆる負担能力の弱い者に対する配慮をしておるという点をちょっと注意して聞いていたのでありますが、やはりいずれの場合でもその負担能力の問題はあると思うのです。交通事故なんかの場合でも、加害者が逆に自殺したりすることもあります。そういうことを考えますと、いまの御質問は、確かにそういう場合を想定しておかなければならぬと思いますが、これはやはり日本の社会慣習というものが、人間の生命の尊厳というようなことからなじんでまいりますれば、一部に伝えられるような、国が出資までしてつくるというのはおかしいのですけれども、やはり関係業界というものは全国組織も持っておるわけでありますから、そういうようなところが支払い基金みたいなものを、いわゆる3Pといっていま言われている、そういう精神にのっとった積み立てをしておいて、場合によってはそういうものは税法の特例を認めてやっていいと私は思うのですね、これは何も取りくずして利益留保をするためにやるわけではないのですから。そういう意味で、不測の場合に備えておくような、そういう企業側の立場も整備されていくべきだろうと思いますが、法律でそこまで書き込むことは、今日の時点では私は困難だと思います。しかし現実にはやはり、裁定はした、しかし支払い能力はだれが見ても持っていないという場合が間々あることであろうと思いますが、これらの問題は、民事訴訟の場にかりに最初から持ち込まれ、そうして民事の判決が最終審があったとしても、そういう場合は起こり得るのではなかろうか。この点はやはり問題点として今後も残ることであろうと思いますが、大体において、今日の普遍的なケースを見れば、裁定が下れば、裁判に持ち込んでも——持ち込んだらケースは別だという小澤委員長の答弁もありましたが、裁定であろうと裁判であろうと、やはり裁定に服し判決に服するということで、最大限の支払いを義務として実行するということを法律のたてまえとしておく以外になかろう、そう思います。
○島本委員 たてまえはわかりましたが、実際にこういうような場合もあり得ることでありますから、その想定がなされる以上、それに対する対処というのは当然考えておかなければならない。しかし現在それも常識的な範囲を出ないようでありますから、この点は特に注意すべきじゃないか、こういうふうに私は思います。それが一つ。 もう一つは、裁定の中に原因裁定と責任裁定というのを織り込んでございます。原因裁定は当事者であればこれを行なうことができ、責任裁定は救済を含んでこれは被害者だけが行なうことができるようになっているわけです。原因裁定を当事者としていわば加害者が申請し、同時に被害者が責任裁定を申請した場合は、加害者と思われる人が原因裁定をしたそのものの結果を被害者が責任裁定として受ける、こういうようになったら、この被害者救済のための法律が、逆に加害者が意識するその時点においての損害補償が行なわれるおそれがあってはならないと思うのです。この辺の区別、被害者救済に徹するようなこの行き方に対しまして、少し不判明な点があるように思われますが、この辺を長官からはっきり解明しておいていただきたい。これは国民の聞きたいところだろうと思います。
○山中国務大臣 これは私も原案作成の過程において、どの道を選ぶかについてずいぶん考えました。当然この法律は、そういう紛争において弱い立場にある人たちの救済、あるいはそれに対して国の力によって裁定まで与えてめんどうを見るべきだという立場から貫かれておるはずであります。 ところで、私どもの法律では、典型公害全部の問題についてこれを受けるという姿勢でありますから、いま実績で見ますと、苦情件数が一番多いのは騒音なんです。そうすると、騒音も私どもは受けて立とう、こう言っているわけです、騒音、振動ですね。ところが、騒音等になりますとやはり……。(島本委員「自衛隊基地」と呼ぶ)そういう意味の騒音ではなくして、隣の子供が音楽教室に行っていてピアノをやたら鳴らすとか、あるいは作曲家が現代音楽か何かで一生懸命これは音楽だと思ってひいているけれども、隣の家の人は何か変な音をかき鳴らしてという感じで、そういう苦情が実例としてあるわけです。そういう場合も、やはりこの公害審査の場に裁定として取り入れなければならぬのかどうかの問題等も、被害者の立場からいうとまた一方あります。また、加害者と名ざしをされた企業は、反面にその場合においてはしからばどういう現象があるかというと、私はどのような調査をされても甘んじて調査を受けますが、企業の良心、その実績に照らして私は完全にその問題と関係ありませんと言う企業も出てくると思います。そのときには、いままでのような単なる調停、仲裁というものだけでやっておりますと、これはその場のがれであるいはそこに逃げ込もうとする気が起こる企業があるかもしれませんが、今度は裁定ですから、行政における最終の権力に最も近いものをここで行使されるわけでして、したがって顧みて少しでも自分のところにじくじたる点があるとすると、おそらく加害、被害という立場からいえば加害者と目されている企業側の立場からは、進んでお白州に出ていくというところはちょっとないと思うわけです。そうすると、よほど自信があって、自分のところはどこをどう調べてもらってもけっこうです、絶対にそのような物質もそのような原因もつくっておりませんというようなところは、私は堂々と名乗り出てよろしいと思うのです。そして実態を究明したところ、先ほど委員長か局長でしたか答弁しましたように、そうじゃなかった、実は他の企業であったという場合もとの裁定の行為は動いてまいりますから、その場合名ざしをした、いわゆる自分たちが被害を受けておるという人たちの権利を不当に侵害するものではない。もっぱら事実について適正な調査をいたしますから、ぬれぎぬであることが立証されるならば、その企業はやはりそれだけの世間的な寛恕の立場において許されるべきもの、関係はなかったんだということはやはりはっきりさせる責任もあると思います。
○島本委員 いまのような状態でございまして、やはり被害者救済の観点からこれは運営されなければならないものである。その際の相手方が無資力であった場合が一つと、もう一つは、いまおっしゃったような傾向がございますが、実際の公害の実例は必ずしもそうじゃないというような実態からして、やはりこの点は間違われないような運営、間違われないような方法によるところの実施、これが一番だと思うのです。この辺がなかなか今後疑われる可能性のある場所であり、長官がいまいろいろ長時間を要して答弁されましたが、やはり答弁にも長きを要するような条項なんじゃないかと思うわけです。したがって、運営の場合に一番気をつけなければならない点はそこじゃないかと思いますので、特にこの点は心から注意するように申し上げておきたいと思います。 それとあわせて原因裁定です。この原因裁定は人の健康にかかるものに限定されているものではなくて、これは環境の保全に対する原因裁定もあり得るものだと解釈してもよろしいかどうか、これはどうですか。
○山中国務大臣 人の環境という表現だけで全部を言い尽くせるかどうかわかりませんが、典型公害にかかるものは全部その対象にするということは明確だと思います。
○島本委員 次に差しとめ命令について、本法にはこれは受け入れておらない。これはあくまでも審議の過程で明確になりましたけれども、これは手続法であるために必要がないのである、むしろ実体法であるならばこれは必要なんだ、こういうような答弁があったのですが、実体法ではやはりこれは必要なものである、こういうように解釈しておいて、この場合これは手続法だから取り入れないのだというような解釈でいいのかどうか、この点もはっきりしておいてほしい。
○山中国務大臣 環境庁ができておりますので、この中央公害審査委員会の新しい三条機関としての権能には、いわゆる環境保護行政というところまでの行政権限はないわけです。したがって、そういう問題まで今後の環境行政に反映してもらうような貴重な資料が出た場合には、それはやはり通知することにしてあります。そこの点はやはり判然と区別しなければならないところだろうと思うのです。すべての問題を含めての前提でありますが、私は、三条機関に移行する際、これは今後独立して権限も持つかわりに、その機能というものも完全に果たし得るだけの条件を整えてあげて、三条機関に移行してあげませんと、本来必要な機能を与えられないまま三条機関に移行さしてあげることは、これは私としてとてもできないことでありますので、三条機関に親元と離して独立させるという場合は、十分これでやっていけるという検討は慎重に重ねてまいりましたので、それらの点については、いまの問題と直接関係ありませんが、親心を持って、一人立ちできて、そして国民の要望にこたえられるものということで進めてまいったつもりであります。
○田中委員長 島本君に申し上げます。野呂防衛政務次官が入りましたから……。
○島本委員 いまのけりをつけますから……。 そうすると、これは裁定についての実体法にとらわれないで、被害者救済の立場で行なうだというようなことを、小澤委員長のほうから以前に答弁されております。これは念を押しておきたいのですが、おそらく変更はあり得ないだろう、こう思います。まして裁定は実体法にとらわれずに被害者救済の立場で今後も進められるものである、これはこのように理解してよろしゅうございますか。
○小澤(文)政府委員 裁定、調停、仲裁等を通じでその考え方でまいりますが、ただ、裁定はあくまで紛争に法規を適用してその結果を宣言するわけでございまして、待ったなしのものでございますから、その適用については、解釈上はあとう限りの努力はいたしますが、おのずから限度がある場合もございます。それだけ申し上げておきます。
○島本委員 岡本委員の質問に対しての答弁だと思いましたが、これはやはり裁定は実体法にとらわれず行なうという答弁がございましたが、今後は、これはそうじゃない場合もあり得るということになると、これはよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 委員長は法律の専門家で、そういうちょっと誤解を受けるような答弁をされたと思いますが、この法律を何のために提案したかということは、今日の日本の公害紛争というものをすみやかに裁判の場以前の場において解決できるところまで、裁定制度まで持ち込んで、そして被害者の立場を守ってあげようという思想で一貫しておりますから、純法律的に言えば、たとえば原因裁定の場合等において、当事者の常識でいう加害者と見られている人からの申請等も受けつけることもある。しかし、それが事実その加害者であれば、直ちにそれは裁判の被告みたいにして強制裁定されるわけでありますから、そういうことを少し言われたかと思いますが、姿勢、考え方というものは一貫して弱い立場の人たちの擁護に当たるためにこの法律を提案したんだということであります。
○島本委員 野呂防衛政務次官参っておりますので、あなた前からいろいろ質疑の段階でもうすでに私の言わんとするところはわかっておられるだろうと思うのです。いわゆる紛争処理法の五十条には、基地除外が規定されております。防衛施設にかかる公害紛争処理にかかわる事項は別に法律をもって定める、こういうことになっております。別の法律というのは、これは何をさすものでありますか。そして、この別な法律で事足りるのでございますか。この点は、昭和四十五年十一月一日から実施してございますから、いままでの経過措置をあわせてひとつお考えを承りたいと思うのです。
○野呂政府委員 基地公害の問題につきましては、これは一般産業公害と同じ立場において考えられるべきことでございまして、たびたび御指摘のような、基地公害に対しては、これは治外法権だということであってはなりませんし、また、私どもさように考えておりません。 なお、五十条に示されております別の法律をもって定めるということは、私どもといたしましては、基地周辺整備等に関する法律、これをもって別の法律だと考え、しかも政府は、そういう統一見解のもとに、その法律の適用範囲を拡大しつつその実施にあたりましても、十二分に御迷惑をかけないという形で進めてまいっておるわけでございます。もう申すまでもなく、基地の公害の場合は、原因者は政府でございます。防衛庁でございます。したがいまして、みずからの責任をすみやかにその防止、改善につとめることは当然のことでございまして、一般企業に比べまして、基地公害に対しまする政府の責任ははるかに重い社会的責任がある、かように考えて、周辺整備法の充実強化のために努力を続けてまいっているのが現状でございます。
○島本委員 いまやはり防衛庁の責任者として、長官がいない以上、これはあなたにはっきり伺っておかなければならないのですけれども、もう防衛施設については、自衛隊基地については防衛施設周辺整備法ですか、それから米軍基地についてはいわゆる特損法ですか、こういうようなのがあるんだ、こういうふうにはっきりしている。これがありながらも、なおかつ、いわゆる乳牛ですか、それから鶏ですか、こういうふうなものに対する音によるところの被害、またはこの騒音によるところの人身についての被害、それから個人的な住宅に対する騒音被害、そうしてもうその他苦情等についての取り扱い、こういうようなのが、陳情であり要請でありお願いなんですから、それをもう受けて立って、それを知事を通じてやってきて、それはもう間接にそれを受け与えるぞ、おまえに与えるぞというこの考えなんです。しかし、いま御存じのとおり、基地といえども、治外法権じゃないんです。そうしていかに基地にはこれはもう防衛施設周辺整備法があろうとも、他の企業にも同様な法律があるんです。したがって、そういうような状態からして、基地公害にかかる紛争について、国の機関たる公害等調整委員会がその処理に当たることにどこに問題があるのか、これは防衛庁の見解を承りたいのです。
○野呂政府委員 たいへんむずかしい問題でございますが、確かに基地公害は一般公害から除外されるべきもの、つまり特別な立場を与えられるべきものでないことは、先ほど申し上げたとおりであり、また先生の御指摘のとおりでございます。しかし、事防衛ということでございますので、その原因者が直接国にあるんだという形でございますから、あえて第三者の意見を徴するまでもなく、当然、この紛争にあたりましても、言い分につきまして十分な反省をし、かつまた、これに対する対策を立てるのが当然でございます。したがいまして、周辺整備等に関する法律あるいは特損法などの中身を十分に検討しながら改善を加えていくことが、むしろ実体処理の上において私どもはいいのではなかろうか、こういう見解を持ってまいったわけでございます。しかし、将来にわたりましては、これは御指摘の点を考えますと、中央におきまする調整委員会などと十分連絡協議の場を経まして、その紛争がいささかも住民の意思を押え、あるいは特別扱いだという形でないような方法をとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○島本委員 やはり政務次官、それだけならば、一般法たる本法によるのがいいというようなことで、それによらなくともいいということ、これにはまだまだならないように思われます。ただ基地であるから、自分らは十分やっているからがまんしなさいというようであります。はたして十分やっておるからがまんしなさいという状態でこれは満足できるか。音の凶器といわれる航空騒音、こういうような中で、まだまだだんだん住民の間にこの協力の度合いが、その音の凶器といわれるこういうような状態であるからして阻害されてくる。私は、そういうような点からして、もしほんとうに住民の立場に立って被害者を救済するというなら、一般法たる本法によるほうが妥当なんです。もしそうでないとするならば、防衛庁として、この委員会以上にりっぱな機構と適正な手続を持つところの紛争処理制度をみずからつくること、これを約束できますか。
○野呂政府委員 御承知のとおり防衛庁は、中央においての審議会を持っております。また地方におきましては施設局の地方審議会を持っておるわけでございます。したがいまして、その審議会は中央、地方ともにいまだ紛争処理という問題がその機能として行なわれておりません。今後この審議会の機能を紛争処理関係におきましても十分処理し得るようなものに高めていきたい、かように考えているわけでございます。しかしそれで十分処置ができたということに相ならないかと存じますので、私どもは長期的な展望に立って、基地問題は確かに今日住民と防衛庁との間は何か対決的な感じがいたすわけでございます。私どもは、防衛は住民との対決においては成り立たないわけでありますから、基地問題に関しましては、公害等を含めまして、その基本的な問題を十分調査し、あるいは今後の対策に対する方策を立ててまいりたい、かように考えまして、近くプロジェクトチームを発足させまして基地公害に対する万全を期してまいりたい、かような心組みでございます。御理解をいただきたいと思います。
○島本委員 やはりその立場を主張して、離れることができない。私どもが言っているのは、決して非難する意味で言っているのではなくて、住民サイドに立って、一番よく被害者を救済できるような方法はどれなんだ、これかあれか、一般法によるところの本法の適用を受けるのでなければ、それに相当する機構を内部につくる意思があるのかないのかと聞いているのです。何かあるように見てえ、ないかのように、しこめの深情けのようなことを聞かされると、私はどうも理解に苦しむ。どうもその辺でわからないのですけれども、これはどういうふうに解釈いたしますか。つくるのですか、つくらないのですか。それとも、現在防衛施設中央審議会や防衛施設地方審議会、こういうようなのがあるけれども、こういうようなものを順次紛争処理の点まで持っていくんですか。それともこれと一般法によるところの公害調整委員会のこれとくっつけて、双方意見を調整し合って、そして紛争処理のまことをあげていきたい考えなんですか、どっちなんですか。
○野呂政府委員 現在ございます防衛庁の審議会、あるいはまた地方にあります防衛施設局の審議会などを十二分に活用して、中央におきましては審査委員会と連絡協議の場を設けつつ、その問題の処理に当たるようにいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございますが、先ほど申しましたのは、将来においてこれでいいのかどうかということは、いろいろやってみて、その後において基地公害にどう対処すべきかということについては根本的に考えていきたい、いま直ちの問題といたしましては、十分協議の場を設けながら善処できるようにいたしたい、こう考えております。
○島本委員 なまぬる過ぎるのですよ。何か自衛隊となると特権があるような考えで、一歩も自分の考えを前進させようとしない。あなたも総務部長も同じだ。せっかくあなたも来て、ここで準大臣としてのりっぱな御高見を拝聴したいと思った。しかしさっぱりそこまでいかない。これは、われわれの基本的な考えでは、余分な基地なんかなるべくなくして、そうして基地の運用をやりやすくしてやって、なるべくなくして、ここから受ける被害をなくするほうが望ましい。これはあたりまえだ。余分に持ち過ぎておるからこんなことになる。こんなものはなくするのが一番よい、被害がなくなるから。もしあったならば紛争処理の適用を受けるんだ。受けるのでなければ自分のほうもそれに該当するだけの機能は持ちます、こういうようなところまでいってほしい。そうでなければ、いまここにせっかく防衛施設中央審議会、これがあるでしょう。防衛施設地方審議会があるでしょう。これらはただつかみ金を知事に命じられて被害者にやるだけの機関。だから、悪代官とは申しませんが、こういうようにして、ただくれてやるだけの、これだけの裁きしかできない。これを被害者の側に立って行なう紛争処理機関との間に一本の線を通して、相談しあって、協議しあって、そうしてやるようなところまでいま考えていなさるのかどうか、これを言っているのですが、そこさえ考えていない。これじゃ少しあなたの進歩性が失われますから、これはほんとうに困るのです。まずこれは自衛隊基地だ。考えないですか。
○野呂政府委員 先ほど申しましたとおり、防衛庁の中央審議会あるいは地方審議会、これはいまのところ紛争処理というような処理機能を持っておりませんから、この機能ができますように体制を強化していきたい、それを通して十二分に紛争処理に対する処置ができますように持っていきたいということは申し上げたとおりでございます。しかし基地全体を通しての問題については少しお時間をいただきまして、私どもは公害を含めて基地問題の基本的な問題あるいは基地全体の総点検も行ないつつ、将来日本の防衛としてのあるべき基地の姿というものを描き出し、その上に立って基地公害等についても善処する方法等もあわせ考えていきたい、こういう意味でございます。
○島本委員 まず、それはどうも食い足りない。 それで長官、今度は基地周辺整備法の適用を受ける防衛関係の空軍の基地ですね、飛行機の騒音です。それと同時に、若干の地域では民間航空とそれから自衛隊の飛行機と共用しておる施設がある。少なくとも三カ所くらいあるという、そういうようなところに対しても、これは中央、地方を通じてもこの調整委員会等が防衛施設庁または防衛施設局との間に何らかパイプを通して、そうして、基地関係の該当機関と公害調整委員会との話し合い、協議、こういうようなことを行ないつつ、一年間の期間またはそれに類するような期間を十分調査にあてて、そうして結論を出すようにして、住民の迷惑にならないような機関運営をはかるべきである、またそうすべきである。大いにへりくだってこの辺までわれわれは考えるのです。その辺は、当然私は実施すべきであると思うのですが、長官、いかがですか。
○山中国務大臣 今回の新しく三条機関に移行する機関として、防衛施設庁の全部を同じ法体系のもとで対象にするということは、これはやはり異質であすりまから、何も加害者を被害者の人たちが特定するということなども要らないわけですし、原因裁定その他についてもあまり原因についての議論はないので、問題はその金額あるいはその措置というものに周辺の住民が納得されるのかされないのか、そこらの、ある意味での客観的な審査が必要であろう、私はこういうことを思うのです。したがって、野呂君が申しておりますように、現在の審議会の中に、そういう防衛庁に対して、防衛庁の中で客観的な審査ができるようなものをおつくりになれば、私としてはそれでやっていけるものと思います。しかしいまはやってないということですからやるべきだと思うのです。 ところで共用空港等の問題については、これはやはり一義的に騒音公害として当方の機関においてまず処理をする、そして防衛施設庁のほうともその部分について、いわゆる共用の自衛隊の飛行機の部分について、当方の考え方というものを伝えて、それができなければ全体をひっくるめて中央公害審査委員会、今回の公害等調整委員会というものにおいて決定をしていくということになると思います。
○島本委員 沖繩ではこれはどうですか。本法成立後も適用して、住民を騒音並びに基地公害の被害から十分救済し得るとお考えでありましょうか。この点沖繩に関していかがでしょう。
○山中国務大臣 沖繩のいまの騒音公害というものは、飛行機に関する限りは現時点では全部軍用です。しかしやはり町工場、その他の紛争、先ほど申しましたような周辺の人家の紛争、その他の紛争はあると思います。しかしながら、これは復帰しますと沖繩には全面的に適用もされますし、また沖繩県自体も、県について地方公害審査会をつくるわけでありますし、また国の定めによって、那覇市は人口も相当ありますから、公害苦情相談所の設置、そういうものをすでに予算措置をいたしております。こういうことで国の公害行政も一元的に及ぶということが前提であります。
○島本委員 これは及ばないのじゃないですか、基地に。基地に及ばないから、沖繩のような基地の町では本法が成立してもほとんど恩恵がないのではないか。あの音を消せと言うわけにいかない。がまんせいということは言える。がまんせいというだめに、じゃどういうふうにするか。あの暑い中に、もしも音を遮蔽するような家になると、冷房装置も当然してやらなければならない、せっかくつくったこのりっぱな法律が、裁定書を持った国家行政組織法第三条機関が、沖繩に対してはもうほとんどこれは実効が発揮し得ない、こういうようなことになるのじゃなかろうか、私はそのことを言っているのであります。ですからもう実効あるようにするためには基地でなくするのが一番いいのです。それが望ましいのです。しかしあるならば本法の適用によって住民がせめて最大の被害を免れるように、そしてまたどうしてもだめな場合には相談に乗ってやれるような、こういうような運営のしかたができないだろうか。いまの場合不勉強でできないのかもしれませんが、本法はだから沖繩には適用できない、こういうようなことになるのじゃなかろうか。できても被害の救済じゃなくて、当てがいぶちでやって何とかがまんしてください、こういうような一つの処理しかできない。これは私はまことに残念だと思います。 そういうようなことで聞いたのですが、それとあわせて、委員長からもう時間もないということですから、先を急いであと一、二にとどめますが、私の住んでいるところでこの問題についてほんとうに沖繩と共通した一つの困難な事態に逢着しておるのであります。というのは北海道の千歳市です。千歳市が公害防止条例をつくって航空機の騒音を取り入れようとしたら準拠法がないからということで、ついに作成でき得なかった。航空機騒音についても公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律、これがあるからこの適用を受けようとしたら、大阪、東京及び新東京空港より適用ができなかった。これもできない。そのうちに北海道庁が騒音規制法に基づく北海道条例をつくったわけです。そして北海道内の七つの都市に適用地域を定めたわけなんです。当然千歳市がその適用指定市として定められて、そして市が届け出の義務を負わされたわけであります。しかし航空機騒音が除外されておって、そしてそのほかの五十をこえるようないろいろな業種を騒音対象にしても、これはもう有名無実で、実際の効果は全然期待できないというようなことで、逆に住民のひんしゅくを買っているのが実情です。まして、この音の凶器といわれるようなこういう問題に対して、自衛隊周辺基地のこの騒音について規制は全然できないということになれば、これはやはり音の凶器として存在する以上、幾ら法があっても解決できないような状態になる、こういうようなことでありまして、大砲によるところの震動等も含めて、この救済策というようなものはいまや考えられないのであります。沖繩の問題と合わせて、この千歳市が具体的にこういうような問題で困っている。これに対しての救済策がもしあるならば、これが最後でありますが、お聞かせ願いたい、こういうふうに思うのです。この点は特に長官と防衛庁のほうからお願いしたいと思います。
○山中国務大臣 先ほど一方的に、沖繩にはこの法律は復帰しても適用にならないのだというお話で終わってしまうと、速記録だけでは適用にならないことになりますから、そうじゃないと思うので、適用はされるわけです。ただ沖繩の現在の飛行場の実態は全部軍用ですから、したがって、先ほど申しました防衛施設庁のほうで処理することになるであろう、しかし那覇空港等が返ってまいりますと、共用空港ということになるでしょう。これらのものは法律の適用から除外される地域というふうに受け取られては困ると思うので、一応おわかりの上の質問ですけれども、申し上げておきます。 ただいまの具体的な千歳空港の例をとってのお話ですが、これは大部分が大石君のほうに質問してもらうべき事柄だと私は思うのです。しかしそれらの過程は全部省略をして、その空港騒音に対して今回の公害等調整委員会は全く手を触れられないのかという質問であるならば、そうではありません。やはり航空騒音に対しても、その紛争の申請は受理しますということであります。
○島本委員 では、一つだけちょっと。航空騒音に対して申請は受理する。受理してどういうふうになりますか。
○小澤(文)政府委員 航空機騒音につきましても一般的に受理するのでございますが、ただ本法の五十条の場合に該当するときは、これは一般の軍事基地と同じ関係になるわけであります。
○島本委員 したがって、五十条がある以上、これはもうそれは受けたならば、それはどうなりますか、受理は。
○小澤(文)政府委員 五十条の適用のある防衛施設周辺の問題については、取り上げることができないということになります。
○島本委員 まあそういうようなことになるわけでありますけれども、今後運営において一年間、防衛庁もいま誓ったような実態ですから、十分これを考慮して、そうして被害者救済の立場に立って、特権的な考え方を捨ててこれに対処されるように、私は心から望んでやみません。 これでやめます。
○田中委員長 島本君の質疑は終わりました。 次に、岡本富夫君。
○岡本委員 時間があれですから率直にお尋ねしますから、明確に答えてください。 そこで、四十二条の十二の二項、この不受理の問題につきまして、先般の委員会でも詰めたのですけれども、受理を原則とするというのであれば、四十二条の十三の不適法な責任裁定の申請で、ここで却下することができるのですから、やはり受理をして、いけないものは却下する、これが正しいのではないかと私は思うのです。そこでその観点から他の質問をしたいのですが、この「被害の程度が軽微であり、」というところでありますけれども、先般小澤委員長のお答えでは、それが百件でも五百件でも当然取り上げなければならない、こういう結論です。そうしますと、損害の程度が軽微であっても受理するということではないかと思うのですが、この点ひとつ……。
○小澤(文)政府委員 金額が少ないということだけで受理しないということはできないのでございます。金額のいかんにかかわらず、当然取り上げるべき必要のあるものは全部取り上げなければならない、そういうふうに考えております。
○岡本委員 そこで長官、そういった判断は中央委員会で全部行なわれてしまうということになりますと、被害者から見れば、住民サイドから見た場合には非常に不満であるというように感ずるわけでありますが、これはほとんど受理をたてまえとするということを、あなたひとつきちっと答弁してください。
○山中国務大臣 もちろん受理するのが原則であり、たてまえです。しかし、世の中にいろいろな人がおるわけですから、審査を公害等調整委員会に持ち込まれても、先ほどちょっと島本君に答えたように、隣のあれがうるさいからというようなことなんかは、それはどうでしょうというようなことでお引き取り願うこともあるということを、念のために法文化してあるわけです。原則はおっしゃるとおりです。
○岡本委員 そういう特に変なの、これはうしろの四十二条の十三で受けてあるわけです。不適法な申請、これはだめだということで却下することができるわけですから、あなたの言うのはちゃんと四十二条の十三で却下できるわけです。だから、この前の四十二条の十二の二項というのはきわめてこの点があいまいであるというので、この点はあなたのあとのことばを消して、要するに受理がもう原則である、こういうように受け取っておきますが、それで……
○山中国務大臣 それでいいです。
○岡本委員 そこで前に当委員会で公害紛争処理法を審議しましたときに、これは山中長官だったと思うのですが、全部典型公害を入れますというようなお話があった。ところが政令のところへいきましたら、この範囲が非常に狭まっておる。たとえば健康被害に関する紛争、これは大気汚染の問題と水質汚濁では水俣病とイタイイタイ病だけ、それから財産被害、これは一億円以上、こういうように政令に典型公害が入っていないわけですよ。そうすると、当委員会が審議するときには政令に非常に制約されますから、だから一年間で二件か三件あるいは四件ですか、こういうことになってしまう。ですから政令改正をして、典型公害を全部入れるかどうか。これをひとつ念を押しておきたいのです。
○山中国務大臣 今度はもう三条機関で独立の権限機能を持つわけですから、典型公害の一切を受けるという趣旨の政令にいたします。
○岡本委員 そうしますと、水俣病とかイタイイタイ病とかこういうのは大体地域の人が非常に困っているわけです。有機水銀中毒による、あるいはまたイタイイタイ病はカドミ中毒による、こういうように解し、またもう一つは電波障害も入っておりませんし、それからいまやかましいPCBあるいは弗素、チタンというようないろいろなものが入ってくると思いますが、こういうのも全部含まれて裁定できる、こういうように理解してよろしいか。 〔委員長退席、島本委員長代理着席〕
○山中国務大臣 これは環境庁において、典型公害を逐次物質を拡大して指定しておりますから、それを受けて、この公害等調整委員会がそれを受理するということになるわけです。
○岡本委員 次には委員の構成につきまして、人格高潔、識見の高い人というだけではなくして、やはり三党の案のように、識見とそれから経験、こういうものを加えなければならないのではないか、こういうふうに思うのですが、その点どうでしょう。
○山中国務大臣 これは、この種の国会承認を経て総理大臣が任命するという人事の表現のパターンをそのまま踏襲したにすぎません。しかし、実際の運営、すなわち委員の選考、任命にあたっては、これは医学の分野からあらゆる問題を背景にして審査をしなければなりませんから、専門委員等で補ってもいきますけれども、本委員会の特性はいまお話しになったような点が全くの特色であるということにおいて、十分そういう選定をしてまいりますので、法律の表現としてはそこまで書かなくても、そうしなければこの三条機関がやっていけないということになりますから、私はその点は配慮してまいるべき当然の要素だと思います。
○岡本委員 そうしますと、何べんも答弁を受けておるわけですけれども、専門委員、専門委員、こうおっしゃる。いままでの専門委員を入れて調査しておるというような状態でありますけれども、これが一案件について一名とか二名とか、見ますと一名くらいですね。これでほんとうの調査というものができるのであろうか、こういうことを考えますと、われわれ野党三党で出しておりますところの公害専門調査会、五十名、常勤、非常勤入れますけれども、そういったもの、しかも裁定委員会は専門調査会の意見を聞かなければならぬ、専門調査会をがっちりやっていく、これでなければりっぱな審理というものは出てこないのではないか、こう思いますが、その点について……。
○山中国務大臣 それも私としてはあえて反対するようなことではないのです。しかし、専門委員を選びます場合に、その申請された事柄のいかんによってその内容にふさわしい人をそのつど選んでいくわけでございますから、十分に機動力も駆使しますし、その選択の場合においては、だれが見ても、一般から見てこの人が権威者だという方を頼んでいきますので、それらの人たちの御意見というものを曲げてきめるということは事実上あり得ないことでありますから、そういう御提案の趣旨は十分反映しながら専門委員の運営というものを駆使してまいりたいと思います。
○岡本委員 専門委員につきまして、この人はだれが見てもだいじょうぶだというような人がたくさんいるわけです。たとえばいま問題になっておりますのがイタイイタイ病。そうすると、学者の中で私は専門だと言うのです。こっちは私が専門だと言うのです。経験からしても、いろいろな問題もありましょうが、確実に意見が対立する場合、専門委員は権威者ですけれども、被害者サイドの専門委員を入れずに企業寄りの専門委員を入れれば、これはおのずから色がついて、はっきりした答えが出ない。したがって、われわれは三党で検討したときは、公害専門調査会、どうしてもこういうものをがっちりして、そこに専門委員を——それはほとんど専門の者を入れて、さらに必要があればそこに非常勤のものを名前を出しておいて、そしてやっていく、それで公正な判断をくだす。いま山中長官も、私もそれは賛成だとおっしゃるんだから、そういうぐあいにして、予算がないからなんて言わずに——これはいままでなぜ中公審が使われなかったかと申しますと、たとえば仲裁をとりましても、一方からの申し立てでは受け付けられない、両方の合意がなければ受け付けられないから、だから上がってこないのです。今度はそうでなくて、一方だけの申し立てでも受け付けられるのですから、道がある。また、それでなかったら、こんな委員会をつくる必要はありませんよ。したがって、あとでまたつくりてもいいなんてそんな権威のないことでなくて、やはりこれだけのものをつくろうとして、そしてほんとうに今後の公害紛争を迅速にやろうとするならば、やはりかっちりしたものをこの際つくるべきではないか、私はこういう意見を持っておるのですが、それに対しての長官の御意見をお聞きしたい。
○山中国務大臣 専門家というのは、自称じゃだめなんですね。やはり客観的に見て、だれでもがその人はその分野についてオーソリティーであると思う人が選考さるべきが、これは当然の前提なんです。 〔島本委員長代理退席、委員長着席〕 ですから、自分は企業の側から見たら専門家だということで重宝がられているからといって、世間一般がその人を普遍的な権威者だとは見ないだろうというふうなこともあり得るわけです。私たちはここで、野党提案に対して、これに敬意を払う、傾聴に値すると言ったって、それに賛成するとは言っておりません。賛成ならば、それを取り入れるべきであります。しかし、そういうふうに言われるならば、それをきっちりした調査会という形で、もう初めから人選をして固定しておくということについては、どうだろうかという気持ちがいたします。やはりそのつど、ケース・バイ・ケースというものでもって、この案件に一番ふさわしい人を日本じゅうから選んで任命していくということが一番機動力があると思いますので、ここで、政府提案を、これはいろいろ御意見を述べることは自由ですが、政府のほうで野党の提案について一々反駁するということは、これはお互い道義上、傾聴すべき御意見は傾聴すると申し上げる程度にとどめておくというつもりで申し上げたのでありますから、野党提案にそこは賛成という場合は、これは政府が原案を修正し、あるいは委員会の修正に応ずべき姿勢を持って答えるべきものでありますから、そこらのところはひとつよくわかって答弁しているつもりであります。
○岡本委員 この問題は、私は、だれが見てもオーソリティーであるという専門委員を任命するにあたりまして、応募するわけにもいかないでしょうし、そうしますと、これは中公審といいますか、今度は変わりますけれども、そこで判断が非常にむずかしい。たとえば先ほど申しましたイタイイタイ病の問題にしましても、じゃそれがだれがほんとうのオーソリティーか、こうなってまいりますと、いろいろ意見があろうと私は思うのです。そういうような、これはもう準司法的な三条機関でありますから、世間から批判を受けるような専門委員を任命をしなくてもいいようなかっちりしたものをつくっておくのが、これは野党というより、実際の運営にあたっては必要じゃないか、こういうように私は提案を申し上げ、また意見を聞いているわけでありまして、野党案に賛成してくれとは言っておりませんけれども、その点は常識であろうと、この点が私はどうも不満なんですが、なぜ私そういうことをきびしく言うかと申しますと、かつてこの紛争処理法案を審議したときにも、結局あとで政令にしたときには非常に不満なことになっているというような面から考えますと、この点はやはりきちっと詰めておかなければいかぬ。専門委員の任命にあたって、じゃだれが見てもという、この判定は非常にむずかしいと思うんですが、この点をひとつ詰めておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山中国務大臣 これは、こういうふうに言いかえましょう。要するに岡本君の言われる、りっぱな、そしてだれが見てもその問題の公正、妥当な最高の権威者であるという人が選ばれるべきである。もしその選び方を間違えたら、いわゆる三条機関としての独立の権能、権利を持った機関の信頼性について国民に失望と裏切り感を与えて、これは政治として、行政として、その期待に沿えなくなる結果になり、みずからの三条機関の権威をみずから失墜するようなことはあり得ないことであるというふうにお答えしておきたいと思います。
○岡本委員 そうしますと、やっぱりそういう間違いができないような合議制と申しましょうか、私は、やっぱりこうした専門調査会というものをかっちりとつくっておけば間違わぬで済むんじゃないか。これは幾ら論議しておっても、われわれのほんとうに公正な提案に修正するという考えがなさそうだから、時間がたつばかりですから、これは次の機会にひとつ考えていただきたい。と申しますのは、この案件を迅速に処理して、要するに被害者を救済しなければならないというのがこの法案の一番の根本精神であろうと思うのです、それでなければ裁判でやれるのですから。そうするとその調査体制というものをかっちりしておかなければならない。それにあたって、いまあなたのおっしゃるような、そのつどそのつど専門委員をあれするということではほんとうの調査体制ではない。だから私は、そのことを考えると、専門調査会をかっちりとつくっていくことがほんとうの正しいあり方ではないか、こういうように考えるわけですが、これをひとつもう一ぺん……。
○山中国務大臣 その専門調査会というのも、私は傾聴に値する御意見だとは思います。したがって、そういう御意向を出された背景というものは、あくまでもこれがその被害を受けた人たちの結果救済に役立つような公正妥当な権威者によってそれが解明さるべきであるという考え方が前提に立ってのお考えであろう、したがって、そういう御意見に対して耳を傾け、そして今後そういう人選等について誤りのないように、三条機関がみずから墓穴を掘ることのないような運営に心していくということをもって答弁にしたいと思います。
○岡本委員 傾聴に値する、だけじゃどうも話にならない。そこで、私はそれに対して非常に不満なのでありますけれども、あとこの野党の提案の中で調書の作成というところがあります。六十九条ですが、これも提案を申し上げておるわけですが、「審査委員会の事務局の書記官で審査委員会の委員長が指定するものは、期日に立ち会い、裁定委員長の命を受けて、期日ごとに、審理の要旨その他審査委員会規則で定める事項を記載した調書を作成しなければならない。」と、こういうように、やはり後日のためにも、内容をきちっと調書をつくっておくという義務づけが私は必要ではないかと思うんですが、その点について。
○小澤(文)政府委員 御趣旨はよくわかるのでございますけれども、この裁定の手続は、やはり迅速に結論を得る必要がありますので、手続の硬直化を非常にきらうのであります。いまの調書をつくるということも、実際問題としては、もし必要ならば、これは規則でよく考えたいと思いますけれども、いまこの場ではそこまできまってはおりません。
○岡本委員 小澤委員長のほうではこれによって運営されるのでありますからあれですが、総理府長官はどういう気持ちですか。裁判でも何でも、みんなやっぱり書記官がおりましてね。委員会も全部そうですよ。あとでトラブルのないように議事録にみんな載っていますわね。こういった調書というものをやはり作成して——証拠がなければ、あの審議はどうでしたかと言われましても、やったことはやったけれども何にもわからぬ。何にもわからぬということはないでしょうけれどもね。これはそのときそのとき書記官がそこで書けばいいのですから、決して審議をおくらせるものではないと思うのです。だから私はやはりこの規則あるいはこれの中にきちっと盛り込んでおく必要があるのじゃないか、こういうように思うのですが……。
○小澤(文)政府委員 いま伺いましたその程度の、その日その日の内容、たとえばどういう人が来てどういう手続をしたという簡単な調書はもう当然つくらなければなりませんので、裁定についてはもちろんのこと、なお現在調停などについてもそれを規程でもってつくることにしております。現につくっております。
○岡本委員 現につくっておるからもうここに書かなくていいというのではなくて、やはりきちっとこういう調書の作成というものを義務づけておくということが必要であろうと私は思うのです。長官からその答弁もらっていませんね。いかがですか。
○山中国務大臣 まあ小澤委員長が実務をよく知っておられるわけでありますが、これは裁判における調書みたいなものとはやはり少し違うと思うのですが、しかしあとでそういうことは言った覚えがないとか何とかということで開き直るようなことがあってはなりませんので、そこらのところはきちっとしておくことだけはきちっとさせたいと思います。
○岡本委員 それからこの委員数が六名、土地調とそれから中公審合わせて六名。これは案件がふえてまいりますと非常に少ないんではないか。われわれ考えておるのは、やはり九名ぐらい必要じゃないかということで提案もしたわけでありますが、案件が今後どんどんふえてくるということになりますと、この委員数をふやすということは考えておるのかどうか。これを一つ。
○山中国務大臣 六名の委員で、大体三名を原則としてそれぞれチームでもって案件を処理してまいるわけですが、いま言われたそのような処理が実質六名という限られた数では非常に物理的に不可能になってくるような事態、これは悲しむべきことなんですが、そういうことがかりにあるとすれば、これはそのときに、この法律の目的を達成するためにどうしても必要な人数ということで場合によっては改定の必要が出てくるかもしれませんが、現在のところ六名でもって出発してやっていけるものと思って、法律を出しておるわけであります。
○岡本委員 私は六名だけでできないということになれば、非常に悲しむべきことでなくてむしろ非常に歓迎すべきことだと思うのです。ということはそれだけの案件がたくさんふえてくると人間やはり限界がありますから、いまの六名の方で全部処理できなくなる。これは裁定制度ができますと全国のやつが相当来るんではないか。また来なければ、山中長官がおっしゃったようなあの土地調みたいになってしまう。これでは私は法律をつくり、裁定制度まで入れたけれども、魂が入っていないものだと思う。大体いままでのわが国の法律をずっと見ますと、たくさんつくるのですけれども、ほんとうに休眠みたいになってしまっておりますからね。だからその点がないように、これからは必ず仕事があり、使えるような体制にしなければいかぬ。またそれだけの案件を全部処理できるようにしなければいかぬ。こういう面から考えましても将来——もう一ぺんあなたにお答え願いたいのは、そういう事態に対処して委員数もふやすというはっきりした答弁をしておいてもらいたいのです。
○山中国務大臣 私が先ほど、処理できなくなるような事態になれば悲しむべきことだと言ったのは、紛争処理の件数がふえることを悲しいことだと言ったのではなくて、そういう状態を続けていくことは、環境保護行政というものが役所までつくったのにそれがなおかつ功を奏しないという、長い展望に立って、そのしりぬぐいばかりをさせられるということになったら悲しむべきことであるということで、少し説明不足でありました。 したがって、現在のところ委員長外六名ということで私としては処理できると思っておりますが、先ほどの繰り返しになりますが、なおかつ現実において物理的に処理できないという事態になったら、当然それに対応する改正は必要になるだろうと思います。
○岡本委員 次に、原因裁定につきまして、もう一ぺん念を押しておきたいのですけれども、原因裁定というのは、おそらく被害者の側からは、原因裁定してもらいたいというぐらいだったらもう金額のいろんな責任裁定をしてくれというのが当然であろうと私は思うのですよね。ですから私どもの提案では、責任裁定という場合は原因も含まっているわけです。企業側から原因裁定をしてくれ、こういうことになってそちらのほうに重点を置かれてしまいますと、被害者のほうには非常に不利である、こういうような見解を私どもはとっているわけですが、何らか私はここで、この「当事者」というところを被害者というような考え方にならないものだろうか。おっしゃることはわかるんですね。公正な立場から判断するんだから、一方だけでなくて加害者のほうからも、企業側からも原因裁定を申請することができるようにしておくということは、これはこの法律から見れば非常に公正なように見えますけれども、現実に公害というものは要するに被害者のほうがどうしても弱いわけですよね。加害者のほうが強くて被害者が非常に弱い。そういう面を考えますと、ここで対等にするということは私はちょっと気に入らない。そういう点についてどういうような運営のしかたをするのか。またこの「当事者」というのを被害者、こういうように直さなきゃならぬと思うのですが、その点についてちょっと……。
○山中国務大臣 被害者と加害者とを対等に扱うというつもりではなくて、これは権利として原因裁定の場合には、自分は加害者といわれているけれども、そういうことはありませんという事実を明確に立証し得るというものであるならば、当事者としてそういう道を企業にもあけてあげるべきだ。そして責任裁定の場合は、これは金額まで決定するわけでありますから、自分のほうはこれだけ払うのが妥当ですという申請を受け付けるわけにはいかぬという姿勢でおります。私は先ほどのお話とちょっと考えが違うのですが、原因裁定というものであなたは加害者だという因果関係がはっきり解明されれば、紛争の八割は大体解決をしたもの、いわゆる解決の一番のネックの大部分が原因裁定によって因果関係がはっきりと裁定をされるとその紛争の山は越す、あとは金額の問題だ。それはもう法廷に出ようと、あるいはさらに責任裁定に遊んでそこで金額の裁定を受けようと、これはもう加害者、被害者がはっきりしたということにおいて、ある意味の、一番紛争の多数の部分はそこに問題があるという実態をとらえて、私としては、原因裁定でおおよその問題点の究明というものが明らかになるというふうに考えます。
○岡本委員 それは一方的な考え方だと私は思うのです。たとえばですよ。これはあと裁判にいくわけですから、裁判の中で原因を調べるわけですから、裁判所は学識経験者あるいはいろいろなところで調べて、そして原因は、たとえば富山県のイタイイタイ病の問題をとりますと、三井の神岡にあるのだ、こういうように裁判所が決定した。そのときに三井のほうはそうでないんだと争っているわけですが、そうすると、この三井がここにまた原因裁定を出して、そうしてまた引き延ばす、こんなことになれば、結局裁判を迅速にやるというのにかえってマイナスになる。要するにおくれるというようなことを考えるわけです。だからものというのは両方考えなければいかぬと思うのです。 それともう一つは、被害者から原因裁定をやってくれということは、おそらく私はないと思うのですね。だから裁判所に出しておる、裁判所にお願いしているわけですから、その二点についてひとつ……。
○山中国務大臣 これは原則として、控訴審の過程にあるものが、今回の公害等調整委員会のほうにさらに原因裁定を持ち込むということはあり得ないわけですし、そういう場合は大体受け付けないということであります。
○岡本委員 私は、いろいろな事件を考えまして、被害者のほうから原因裁定をしてくれというようなことはおそらくないと思うのです。ですから私は、どこまでも被害者が原因裁定、こういうようにしておけは——加害者が原因裁定というのは抜いたほうがすきっとするのではないかという考え方を持っておるのですが、いずれにしましてもこの法案に対しては、私は非常に不満な点がたくさんあるわけです。 委員長にお願いしておきたいのですが、当委員会におきましては、公害国会のときにはたくさん法案が出ましたから、各委員会に分かれてやったために総理の出席はなかったわけでありますけれども、それでも出られるところは出てもらってやった。公害の法案を審議する際には、最後には必ず総理に出てもらって、きちっと政治姿勢をただして今日まで法案の審議を終了したわけであります。したがって、今後はこういう安易なことのないようにお取り計らいをいただきたいことを切望いたしまして、時間ですから終わりたいと思います。
○田中委員長 岡本君に申し上げます。 重要な法案につきましては、御期待に沿うように努力をいたします。 これにて内閣提出の公害等調整委員会設置法案に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○田中委員長 ちょっと速記をやめて。 〔速記中止〕
○田中委員長 速記を起こしてください。 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十五分休憩 ————◇————— 午後二時二十九分開議
○田中委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 公害等調整委員会設置法案を議題といたします。 本案に対し、始関伊平君、八田貞義君、林義郎君、藤波孝生君、山本幸雄君より、修正案が提出されております。 まず、修正案について提出者から趣旨の説明を求めます。始関伊平君。
○始関委員 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております公害等調整委員会設置法案に対する修正案について、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 公害等調整委員会設置法案に対する修正案 公害等調整委員会設置法案の一部を次のように修正する。 附則第一条第一項中「昭和四十七年四月一日」を「公布の日から起算して三十日をこえない範囲内において政令で定める日」に改める。 附則第五条中「第十六条の三」を「第十六条の四」に改める。 次に、その要旨を申し上げますと、本法の施行期日は昭和四十七年四月一日となっているが、これを公布の日から起算して三十日をこえない範囲内において政令で定める日に改めるとともに、これに伴い、総理府設置法の改正規定中条文の整理をしようとするものであります。何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げます。
○田中委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○田中委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに公害等調整委員会設置法案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、始関伊平君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいまの修正部分を除いた原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立多数。よって、本案は、修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○田中委員長 本案に対し、始関伊平君、阿部未喜男君、岡本富夫君、西田八郎君より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表いたしまして、内閣提出、公害等調整委員会設置法に対する附帯決議を付すべしとの動議について御説明いたします。 まず、案文を朗読いたします。 公害等調整委員会設置法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行にあたり、次の事項について積極的に対処し、公害紛争処理制度の実効性の確保に努めるべきである。 一、公害紛争の迅速かつ適正な処理の必要性にかんがみ、調査体制の充実等につき万全を期すること。 二、いわゆる基地公害については、なお問題が存すると認められるので、次の諸点につき、検討を加え早急に結論を出すよう努めること。 (一) 防衛施設周辺の整備等に関する法律等の運用にあたっては、補助事業範囲の拡大、補助率の引き上げ並びに損失補償対象の拡充を行なうこと。 (二) 防衛施設の運用等から生ずる障害に係る紛争の処理については、学識経験者で構成されている防衛施設中央審議会及び防衛施設地方審議会の意見を徴し行なうよう体制の整備を図ること。 (三) 民間が共用する防衛施設たる飛行場の運用に係る障害に関する紛争の処理について、中央、地方を通じ、公害等調整委員会等と防衛施設庁又は、防衛施設局との間に、連絡協議の場を設けるなど実効をあげる方途を講ずること。 以上でありますが、この動議の趣旨につきましては案文中に尽くされておりますので、省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○田中委員長 採決いたします。 本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田中委員長 起立総員。よって、さよう決定いたしました。 この際、山中総理府総務長官より発言を求められておりますので、これを許します。山中総理府総務長官。
○山中国務大臣 ただいま本法案について議決されました附帯決議については、私どもも十分にこの趣旨を尊重し、今後この運営の実際にあたっては、十分御趣旨を実現できるようつとめてまいる所存であります。 —————————————
○田中委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田中委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田中委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十五分散会