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68回国会衆議院1972/04/05

交通安全対策特別委員会 第4号

発言数
107
登壇者
15
会派数
4
開催日
1972/04/05

会議録

今澄勇民社党

○今澄委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますので、順次これを許します。小此木彦三郎君。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 質疑に入ります前に、御報告を申し上げます。  首都圏における交通事情及び交通安全施設の整備状況等調査のため、去る三月二十五日、神奈川県下における京浜港内の船舶運航状況、国道十六号線、国道百三十四号線及び西湘バイパスを中心とした交通事情及び交通安全施設の整備状況等を重点的に視察してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。  視察委員は、今澄委員長、河野洋平君、佐藤守良君、後藤俊男君、渡辺武三君、野中英二君、私、小此木彦三郎であります。  また、地元より平林剛君、小濱新次君、河村勝君、三議員の御参加を得ました。  神奈川県は、東京に隣接し、首都圏という立地条件から、地域開発、産業経済の発展及び人口の急増が目ざましく、陸、海交通量の増加も著しいものがあり、その上、国道十六号線、百三十四号線、市道高速一号線、二号線という、神奈川県と東京都を結ぶ国道が県内を縦貫し、通過交通が特に多いという特色を持っており、また、神奈川外郭環状道路等の整備も着々と進んでおります。  海上における交通も、船舶の大型化、巨大タンカー、二十数ノットの大型コンテナ船から小型鋼船や漁船まで、種々雑多な船舶が一分間に一隻弱の割合で航行し、これによって交通事情の激化もさらに予想される状況にあります。  以下、順を追って申し上げます。  川崎港から海上保安庁の巡視艇で運河、港の船舶運航状況を視察しながら、船中で、海上保安本部長から、最近の海上交通事情、特に大型タンカー、カーフェリーの増加による安全対策について説明を聴取いたしました。  次いで、横浜市中心部の国道十六号線の地下鉄工事、共同溝整備工事、大江橋かけかえ工事及び首都高速工事が同時に実施され、そのため混雑している交通事情を視察し、神奈川県警察本部の交通情報センターの機能、混雑状況等の説明を聴取いたしました。  次に、県庁において、県内における交通事情の説明及び交通安全対策に関する要望を聴取いたしました。  首都東京に隣接する好立地条件から、地域開発の急速な伸展、経済の著しい成長等により、人口増は年間二十万人を数え、また、自動車は年間十万台のぺースで増加している。この急激なモータリゼーションのうねりは、都心から郊外へと伸び、高速自動車道、国道一号、二百四十六号線等を利用する通過交通車両の増加等、交通事情は年々悪化の度を加え、逼迫した事態となっている。こうした情勢に加え、箱根、鎌倉、三浦半島等、全国有数の観光地があり、これらへ来遊する車両による交通混雑と、京浜港の出入船舶の増加に伴う大型車両の通過交通量の増加も加わり、憂慮すべき交通情勢下にあって、道路の整備と安全施設はこれに追いつかず、都市部にあっては、朝夕はもちろん、一日中交通渋滞が慢性化している個所も多々ある状況にあります。これらの状況のもとに交通事故もまた多発しており、昨年の事故発生状況は、三万六百四十件、死者七百五十一名、負傷者三万八千六百八十六件、全国的には第六位の位置にあります。これらの事態に対処するため、人命尊重、特に歩行者保護を最大目標として積極的な事故防止をはかり、道路交通環境の整備に重点を置いて、歩車道の完全分離、道路交通の立体交差化をはかり、通学路、生活道路の安全確保の施設の整備に努力しているとのことであります。  また、県、市及び商工会議所から次の要望がありました。  一、高速道路における夜間通行料金を割り安にすることについて検討されたい。  一、東京湾環状道路の早期着工と横浜環状道路建設促進及び周辺のバイパスの早期完成につとめられたい。  一、横浜市内の交通渋滞慢性化の解消と排気ガス等の公害防止対策につとめられたい。  次に、小田原に向かう途中、国道十六号線君ケ崎付近の交通混雑状況、県道横浜−鎌倉線、国道百三十四号線及び西湘バイパスの交通事情を視察し、小田原市内に到着し、開催中の小田原競輪場周辺の駐車状況、競輪終了後の交通事情を視察した。  競輪は毎月平均六日間開催され、来集する車両も三千台にのぼり、周辺の狭い道路は車両であふれ、違法駐車が目立ち、一般車両の通行妨害のほか、一般住宅の出入が困難となり、さらに、競輪終了時に観客と車両が一度に狭い路上にあふれるので、非常に危険である。   〔委員長退席、渡辺(武)委員長代理着席〕 かつまた、周辺道路の交差点における交通渋滞が激しくなる等の問題が生じている。これに対し、交通規制の実施、駐車違反取り締まり体制の強化、渋滞交差点における交通整理の強化等の対策が望まれるとともに、周辺道路に歩道の設置または歩行者用道路の新設、駐車場の増強をはかるべきである。  次いで、アジアセンターにおいて、小田原市長、警察署長及び地元代表から交通事情の説明を聴取した後、  一、競輪場周辺の交通安全施設の整備について配慮されたい。  一、文教風致地区に位置しており、教育上好ましくないので、移転について努力されるとともに、早急に通学路の整備、信号機及び横断歩道橋の設置等に努力されたい。  旨の要望等を受けた。  以上が、神奈川県における調査の概要でありますが、本調査の結果、次のような問題点と、それに対する措置が必要であると思われます。  一、神奈川県は、首都圏のベッドタウンとして急激に人口が増加し、交通量もこれに伴って増大するなど、交通事情の悪化の著しいところで、交通対策も、一時的な対策に終わらず、総合的な交通体系を早急に確立し、それを基礎として根本的な道路整備等を推進する必要があり、これについて国の積極的な援助措置を講ずること。  二、横浜市内を中心とする国道十六号線等の幹線道路の交通渋滞は、都市機能の低下を来たしているので、国道十六号線のバイパス(保土ケ谷バイパス、南横浜バイパス)工事、横浜羽田空港線第二期(東神奈川−山下橋)工事等の完工期の繰り上げをはかること。  三、長期計画による東京湾環状道路等の早期建設について国の財政措置を講ずること。  四、神奈川県は、交通安全対策の重点施策として、交通安全施設整備五カ年計画を作成し、その実施をはかっているので、国の財政援助を強力に実施するよう措置を講ずること。  五、京浜港、横浜、川崎区における入港船舶は、最近十年間に約二倍になり、特に大型タンカーとフェリーの増加は著しく、海上交通安全の確保と事故発生に伴う公害防止は緊急の問題となっているので、その対策として、湾内航路の整備及び規制並びにCTS計画の早期促進について国が必要な措置を講ずること。  以上でありますが、政府は必要な財政措置について十分配慮し、交通安全施策が一そう推進されることを強く望むものであります。  以上で報告を終わります。  質問の第一番に申し上げたいことは、当日私たちが海上保安庁の巡視艇で川崎港から横浜港へ京浜運河の中を進んでまいりますと、かなり船が混んでおったわけであります。その上に、京浜運河の中にもスピード制限というものがあるそうでございまして、大体十二ノットくらいの速さで進んでいったのでございますが、それは非常にスムーズにいくわけです。この分じゃわれわれが川崎港でおりたバスよりも早く船が横浜港の高島桟橋に着いてしまうのじゃないかと思ったのでございますけれども、案の定、バスよりも三十分くらい早く着きました。船が四十分で、バスが一時間十分くらいかかったわけでありますけれども、このことは、いかに京浜間の陸上交通というものが混雑をきわめておるものであるかということを物語ると同時に、また当然のことではございますけれども、交通というものが単に陸上だけではなしに、海の上もあれば、海の底もある、あるいは海をまたぐ方法もあるのだということをあらためてわれわれに思い知らせてくれたことなのであります。  そこで私、気がつくことは、非常に京浜運河の海の水がきれいであった、びっくりするほどきれいだったのでありますけれども、あのきれいさというものが、われわれが視察したその日だけのことであったのか——と言うと、おかしな言い方でありますけれども、近ごろ常にあのようなきれいさを保っているのは、何らかの公害対策と申しますか、そういう面での助けがあるのではないかというような気がしたわけでございますが、近ごろは、京浜運河の清潔さを保つ公害対策と申しますか、そういうものにどういうことをやっておるのか、少し説明してもらいたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚政府委員 昨年の国会で、海洋汚染防止法という法律が施行されることになりました。この法律によりまして、海上保安庁は、新しく海洋の監視、汚染の取り締まりという任務を課せられることになったわけでございます。この任務に基づきまして、私どもは一定のルールに従った監視の方法というのを打ち立てることにいたしました。たとえば飛行機と船との連携動作ということで、必ず両者一体となったものが午前、午後定期的にパトロールをする、かようなことを始めまして、この監視によりまして、相当に汚染の発見あるいはそれの防除ということの実績があがってきております。しかし、こういう汚染防除につきましては、単にこういった取り締まり、監視だけではもちろん十分ではございません。一般の海の公害防除という認識の高揚が非常に必要であろうと思いますので、そういった面について、たとえば、昨年六月末から七月、一カ月にかけまして、海をきれいにする月間運動というのを、これは京浜運河を含めました全国的な問題でございますが、これを展開をいたしましたところ、関係の皆さん方のたいへんな協力を得ましてその成果があがったものと自覚しておりますが、こういった意味におきます皆さん方の協力姿勢というのも非常に強まってきた、こういう面の両々相まって、いま先生のおっしゃるような、従来よりはやや改善の徴が見えてきておるのではなかろうかと考える次第であります。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 人によれば、きのう強い風が吹いたから、きょうは特にきれいなんだろうと言う人もおりましたけれども、どっちにしたところで、当局の御努力でああいうようなきれいさを保てているということに、率直に敬意を表する次第であります。  そしてお聞きしたいのでありますが、東京湾における最近の交通事故の状況に関してでありますけれども、たとえばタンカーなどの事故はなくなったのであるか、それに対する安全施策は万全であるのか、数字をあげて説明願いたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚政府委員 四十五年度でございますが、東京湾の中におきます海難事故、これは、私どもに報告があり、私どもが何がしかの手を下したという意味における海難でございますが、この四十五年におきます東京湾の海難件数は百九十七件、衝突が七十件、乗り上げ二十七件、その他百件という数字でございます。  なお、御参考ですが、全国が二千六百四十六件ございます。その中で約一割弱というのが東京湾の中の海難でございます。  この海難につきましてのいろいろな安全対策という問題になるわけでございますが、東京湾の中におきましても、港湾内、いわゆる港域内におきます問題と、それ以外の場所というのと、大別しますと二つに分かれて、港湾内におきましては、法律として港則法というのがございますので、これでいろいろ安全対策の基準として諸種の対策を講じておる。私ども従来問題は、いま先生御指摘の大型タンカーその他の出入りで非常にふくそうしておりますところのそれ以外の、特に狭水道、浦賀水道面におきます安全対策であるわけでございます。これは、いま件数をあげました事故の中でも、やはりタンカー等によるものの事故が含まれておりまして、幸い被害としてはあまり大きなものはございませんけれども、そういうもので、四十五年には、浦賀の安全緊急対策というようなものをある事故の直後に打ち立てまして、これは船舶の構造面、設備面から始まりまして、私どもがこれをやりますについての、いわゆる行政指導によるところの可能な限りにおける運航面における安全対策、こういうものを打ち立てて、現在着着と成果をあげておるつもりでございます。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 いまの数字は減少しているのでありますか、それとも増加しているのでありますか。  それからもう一つ、ついでにお聞きいたしますが、船舶がますます大型化する。十分気をつけて事に処していただきたいと思うのでありますけれども、いまおっしゃったように、大型タンカーやフェリーが増加しておる。海上交通安全確保のためにも、万一事故発生の場合の公害防止のためにも、先ほどの報告にもございましたけれども、CTS計画の早期促進をわれわれも望みたいところでございますが、これに対して国が必要な措置を講じているのかいなか、伺いたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚政府委員 年間別の変動は、多少の出入りはございますけれども、総体的に見ますと、少し漸増しておるかという程度でございまして、さほどの大きな相違はございません。ただ問題は、やはり質的な増が出てきておりまして、タンカー等の増加に伴いますそういった種類の船の海難というようなものがふえつつあるということで、その面から大いに注意を要するものであると考えております。  CTSの問題につきましては、これは私どもも、特にこういった狭水道並びに港内におきますふくそうに伴う海難の防止という意味で、非常に重視をいたしております。昭和四十二年から始まる五カ年計画ということでスタートをいたしましたが、財政的理由等が主でございましてこれが少しおくれてきておりますが、現在の段階におきましては、まず京浜川崎港内というようなものにおきます必要なテレビ等の設置を今年度において完了する、それから観音崎にこれらのものの全部を集約しましたセンターを置くことになっておりますが、いまこれの土地等の調査をやる、それから本牧にレーダー庁舎を必要といたしますが、このレーダー庁舎等の建物外部の完成、いま内部の施設の整備中、こういうふうな具体的な進捗状態でございまして、少しおくれましたけれども、大体四十八年度をもってこれの完了をいま目標にいたしておる、ことしの実行計画におきまして、私どもはこれに相当ウエートをかけた実行で馬力を上げたいと考えております。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 重ねて早期促進をお願い申し上げる次第であります。  そこで、二、三こまかいことをお尋ねしたいのでありますけれども、たまたまあの視察の日には、京浜運河の中も外も——外はあまりよく見ませんでしたが、いかだの回漕というものが見受けられなかったのですけれども、いかだの回漕、非常に危険なものでございまして、もし回漕がいまなお行なわれているとするならば、長さやスピードなどにどのような規制をしているのか、これを伺いたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚政府委員 東京近辺におきますいかだの曳航は、東京から横浜へ向かうもの、横浜から東京へ向かうもの、これが主でございまして、前者が年間十四回、後者が十六回というぐらいな回数で行なわれております。この回漕につきましては、いまお話がございましたとおり、法律面におきまして港則法という——港内の曳航と港外の曳航がありますが、港内につきまして、港則法というものが、こういったものへの規制の法律がきまっております。この内容は、たとえば長さにおきましては、現在の港則法では二百メートルということになっております。しかしながら、この東京から横浜あるいは横浜から東京というところの場所につきましては、非常に船舶もふくそうしておりましていろいろな交通障害が考えられますので、こういった規制の面を強化をいたしまして、横浜については、この長さを、半分の百メートルの長さ以上のものはいかぬということにしております。東京航路においては、これはちょっとはかり方が違いますけれども、実質的には大体似ておりまして、一番最初の引っぱる船の頭から一番終わりまでを百二十というふうな押え方というふうなことで、全体の形態の規制をいたしております。  なおこれを実際に運航していきます場合についてのまたいろいろな配慮を、港長の許可のもとにいろいろ指導しております。たとえば、こういったいかだの曳航については、昼間でなければこういう作業をさせない、あるいは、所定の場所、いろいろな作業をします場所等についての厳重な位置の指定というようなこと、あるいは、これを引っぱってまいります際に、並列であるとか、あるいは追い越しであるというようなことは絶対いけないというような規制をする、こういうこと、あるいは気象状況等の関係を特に留意をさせまして、気象条件の問題のありそうな際に作業は絶対禁止するという問題等々、相当こまかい面について港長としての職務上の規制をするようにして、安全確保につとめております。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 わかりました。  さらに、その木材に関することでございますけれども、横浜港の港内には船舶が非常にたくさん係留されているのをわれわれ全員が見たわけでありますが、それが岸壁にとまって荷役されるのならばよろしいのでありますけれども、木材の原木などの荷おろしなどというものはそういうわけにはいかない。水面で作業を行なうわけでございますけれども、水面おろしの荷役の際には非常に危険が伴うと思うのでありますが、その場合の監督は港湾管理者がやっているのか、あるいは海上保安庁がやっているのかということをまずお聞きしたいと思うのであります。さらに、どういうぐあいに安全を期しているか。  また、木材といいましても、水に浮かぶ材木ばかりではございませんし、水に沈む材木、すなわち、沈木というものがあるのは御承知のとおりであります。それを荷役しているときに、一〇〇%沈木をつかまえていかだに結びつけてしまえばいいのでありますけれども、一〇〇%そうはいかない。見落として沈めてしまう材木がしょっちゅうあるわけです。ところが、始末の悪いことに、その沈木が後日突然浮上してきて、海面に浮かび上がってくる、大型船舶の推進機にぶつかって推進機を故障させる、あるいはそういったもろもろの海上安全の障害になるのです。こういう安全対策こそは、もちろん、港湾管理者よりもむしろ海上保安庁であると思うのでありますが、こういうことに対してどういう施策を行なっているか。と同時に、もっと将来にわたっての恒久対策というものをどう考えておられるか、この点を説明願いたいと思います。

手塚良成海上保安庁長官

○手塚政府委員 京浜港等の特定港内におきましていかだを係留する、あるいは先ほど申し上げた運航をする、あるいはこういったものを船舶から陸上におろそうとする、こういうような作業形態、作業過程におきましては、これは港長の立場におきます海上保安庁の許可を受けるというのが、港則法の三十四条の規定になっておりますので、そういう作業面においては私どものほうの所管に属するということでございます。  そうして、こういう許可におきまして安全性の観点からいろいろ配慮をいたしておりますものに、ただいま御指摘がありました沈木の発生あるいは出たものの排除ということを、非常に大事な観点の一つとして留意をしております。その沈木の発生ということにつきましては、たとえば荷役にあたりまして検数人というのが必ずつきますけれども、その検数人のほかに、荷役業者にも検数ということを厳重にやらせる。知らないうちに落ちて沈木しておるという状態を来たさないように、必ずそういうような荷役業者以外の検数人を立てさせる。それから、実際のそういった作業にあたりまして、沈流木防止用ネットというものを、行政指導のもとではございますが、展張させて作業をさせる、こういうようなことをして沈木の発生を防止する。それからなお、荷役中には原則として潜水夫を待機させる。そして沈木が起こったらば、直ちに荷役を中止してその沈木を引き揚げさせる、こういうこと。それから、荷役が終了しました暁に、荷役中検数によって沈木が起こったと思われる際には、音響測深機あるいは潜水夫、そういったものによって掃海探査をさせて、落ちた沈木を完全に引き揚げさせる、こういうようなこと。それからなお、そういうことをいたしまして、現実は沈木発生あるいはその出たものの引き揚げ等の安全措置を講じておりますが、従来やはりそういう面の間隙から現実に沈木として沈んでおるものが相当ございまして、それらが間々先ほど御指摘のような障害を起こしておるという事態がございます。そういう面をひとつ総ざらい的にある一つの行事として清掃したいということで、昨年は六月二十一日から一カ月間、先ほど申し上げました、海をきれいにする月間運動という中の運動項目の一つといたしまして、沈木の港内の総点検ということを重要港湾についてやらせまして、その結果、七月から相当そういうものが出てまいりまして、半年で、たとえば東京では四百二十四本、横浜では四本というような枕木が発見、引き揚げというようなことになっておりますが、こういった毎回の作業の過程における留意あるいはそういった総ざらい的な沈木の清掃、こういうものを今後さらに厳重に続けて問題をなくしていきたい、かように考えております。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 いまの枕木の問題も含めて、昭和三十四年でございましたか、伊勢湾台風のときには、木材が百万石流失した、それで人家が倒壊してえらい騒ぎになったということでございますが、この場合も、もちろん輸入外材という大きな危険なものを扱う海上交通安全対策のためにも、私は、いまお答えがございませんでしたけれども、やはり木材というものは、木材の専用バースというか、もっと離れた別の場所で行なう。しかし、われわれがあのような船がたくさん係留しておった現場を見てみれば、単に木材バースというようなことでなしに、木材専用港というようなものがどうしても必要である。事情調査をされまして、これは必ずしも海上保安庁の管轄責任ではないと思いますけれども、運輸省全体で御協議願って、海上交通安全のためにも木材港建設というようなものを促進されるように私は望みたいのであります。  同時に、いま一つ聞きたいことは、横浜ドックのことに関してでありますけれども、われわれの乗っていた巡視艇が高島桟橋のところに到着する寸前、横浜ドックに大きな二つのいわゆる巨大船が建造されつつあったわけなんです。その片方を見ますと、まん中からまつ二つに割れたような形になって——見上げるような大きな船でございますけれども、まん中からまっ二つに割れているから、どういうわけだと海上保安庁の方に聞きますと、近ごろの船はあまりに大きいものだから一つつくることができないのだ、半分ずつつくって、それを埋め立て地にある別のドックに持っていって一つにつないで超巨大船にするのだ、こういうことなんです。あとで考えてみますと、半分ずつ切ったそれぞれの一つずつは、自分の力でもって航行することができないというわけなんでありましょうけれども、自分の力で航行できない船を船が混んでいる海上を引っぱっていく、これもラッシュの場合は非常に危険だと思うのです。そこで、いまの木材港と同じように、やはり造船所のようなものももっと離れた安全な場所に移すべきであると私は考えるのでありますが、将来を考えてこういう問題に関してどういう方針を持っておられるか、簡単にお答え願いたいと思います。

田坂鋭一運輸省船舶局長

○田坂政府委員 まず、将来の問題でございますが、造船所の今後の労働事情、あるいは先生のおっしゃいましたような事情で、今後は大体地方に造船所をだんだん分散していく、そういう傾向にございます。現在まだ都市の相当混雑する地区にございます造船所は、相当古い造船所でございます。これらの造船所の合理化という観点からも、新たな造船所を建設するときにはだんだん地方に分散していくというふうに私ども考え、造船所自体もそういうふうな方向で今後進めていかれる傾向にございます。  さて、分割建造、まっ二つになっておったという問題でございますが、最近まで十万総トンをこえます超大型船の新造需要というものの増大は非常に顕著なものがございまして、わが国の造船所は世界に先がけてそういう大型船の建造施設の整備に努力してきたわけでございますけれども、まだそう十分にそれに追いつかないということで、一部の造船所におきまして、長さの短い船台において船体の一部をつくりまして、それを大型のドックでつなぎ合わせるという工事が行なわれております。  先生のただいまのお話しの三菱重工の問題でございますが、三菱重工におきましては、横浜工場と本牧工場におきまして船体の一部をつくりまして、本牧工場の大型のドックにおきましてその両者をつなぎ合わせるということが行なわれております。海上約七キロメートルの間、横浜造船所でつくりました船体が運ばれるわけでございます。運ばれる回数は、年間三隻から四隻くらい、三回から四回ぐらいでございますが、この移送につきましては、京浜港長の指示によりまして、十分安全に対処してやっておるつもりでございます。  今後の対策といたしましては、現在なお大型造船所の整備が続けられております。これらの大型造船所が整備されますれば、だんだんこういう建造形態はなくなっていくということでございますが、当面十分に海上交通安全に配慮いたしましてやっていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 十分安全を確保された上でやっておられると思いますけれども、私の申し上げるのは、あくまでも海上交通安全という線に沿って、離れた場所に持っていったほうがよかろうという考えでございますので、この線に沿って御検討を願いたいと思います。  それで運輸省のほうはけっこうでございますが、今度は陸上のほうに移りまして、国道十六号線高島町の交差点は、ここ二十年来、神奈川県下の最大の交通渋滞地区であるのであります。私たちそろってその現場を直接見たわけでございますけれども、いまその地点を中心として地下鉄、共同溝あるいは橋のかけかえの大工事を実施しているために、市内の交通は混雑をきわめているわけであります。混雑をきわめているというよりも、あそこに参りますと、車がにっちもさっちもいかないというようなていたらくであります。そこで、この工事の見通しというものは一体どういうことになっておるのか。また、あれだけの工事をすればあのような事態が起こるということは、当然予想されると思うのでありますけれども、なぜ代替の道路を確保しないであのような工事を始めてしまったのか、説明願いたいと思うのでございます。

吉田泰夫建設省道路局次長

○吉田説明員 御指摘のように、横浜市内の国道十六号の桜木町の周辺におきまして各種の工事を同時に施行いたしております。一つは、十六号の大江橋のかけかえ工事でございまして、二つ目は、共同溝の工事をその近くで行なっております。さらに、その大江橋の個所と膚接いたしまして首都高速道路の工事を行なっておりまして、四番目に、市営の地下鉄工事もほぼ同じ場所に集中しているということでございます。これらはいずれも四十六年秋以降に着工したものでございますが、どうしてこのようにたくさんの工事が集中したかと申しますと、まず大江橋のかけかえ工事、これはもうかねて老朽がはなはだしいものですから、早急なかけかえが要望されておったものでございますが、これと、首都高速の川を渡る部分との工事個所が、橋の取りつけ部においてくっついておりまして、そういう関係でどうしても同時に施行しなければならぬということでありました。たまたま首都高速道路工事の着工の計画が立ちましたので、あわせて大江橋のかけかえ工事にもかかるということにいたしたわけでございます。そのために、大江橋をほぼ現位置においてかけかえますために、現在四車線あります橋を片側ずつ取りこわしまして、二車線を残すのみでしばらく工事をし、別途臨時の歩道橋はかけますけれども、車道付近としては一時的に半分になって工事を進める、それが完成をした後、さらに残りの片側を取りこわしましてそこに新しい二車線をつくる、こういう段取りをやっておるわけでございます。  まず、このかえの工事につきましては、ことしの秋になりますと片側の工事が復旧します。これは片側ではございますが全部車道に利用できますので、やや狭いわけでございますが、この秋からは四車線になる。完全に完成いたしますのは四十八年秋ごろになりますが、そうしますと、両側に四メートルの歩道を置いて十分の広さを持った四車線が復旧するわけでございます。当面、この秋ごろまでの間は、四車線が半分の二車線になっておるという状況であります。  それから首都高速道路工事も、その部分につきましては同じく四十八年度には完成するという予定であります。  次に共同溝工事でございますが、昭和四十五年度に横浜市電が廃止されました。そのために、廃止された軌道のあとを舗装修繕いたさなければなりませんが、それに先立って共同溝を埋設するということにいたしました。この共同溝は、東電、電電、上下水道、ガス、各種のものが入っておりまして、完成いたしますと、将来の安全あるいは掘り返しの防止に非常に役立つわけでございますので、これを四十六年度から着工して、ことしの末までに完成する予定であります。  さらに、四番目の横浜市営の地下鉄工事でございますが、これも四十六年度着工いたしまして、この国道に関係する区間につきましては四十八年度に完成いたします。全体は四十九年度完成と聞いております。  二番目の御指摘の点でございますが、このように平素から交通混雑している個所で、しかも車線の幅を一時的にせよ非常に圧縮して済むとは考えられないではないか、代替路線の確保ということが前提条件ではなかったかということでございます。確かにおっしゃるとおりでございまして、私どもも、できれば代替道路を何らかの形で確保しまして後着工したいと考えて、事前にいろいろ相談いたしました。すぐそばをほぼ並行して走っております桜川新道というのがございます。これは相当部分すでにできておるわけでございますが、残念なことに橋がかかっておりません。したがって、この橋をあらかじめかけておくか、少なくとも何らかの仮橋を設置してこの十六号の工事区間に対応する部分が代替線として使えるようなことを検討したわけでございます。しかし、残念ながら、いずれも取りつけ道路の関係でどうしてもできないということで、やむなく断念いたしました。その結果御指摘のような現況を招いておることは、まことに申しわけないと思っております。この上は、一刻も早く予定どおり施工を進めまして、できることからでも逐次完成していくということによって、この渋滞のひどい期間を極力縮めるよう努力いたしたいと思いますが、あわせて、横浜市街の街路全体を通じて交通の流れができるだけスムーズにいきますように、いろいろと関係方面とも相談し、あるいは案内標識板を増設するなどいたしまして、この工事中の道路の部分に集中するものを避けるような方途を講じつつありますので、その面においても一そうの努力を払いたいと考えております。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 恐縮ですが、答弁もう少し短くお願いしたいと思います。  いまの代替道路のことですが、いま予定されているところの羽横線の延長工事の工期をもっと抜本的に研究して短縮してもらうということが第一だと思うのでありますが、いま一つ、かつて建設省が湾岸道路の一環として、本牧埠頭から大黒町に橋をかける、いわゆるベイブリッジ構想ということを直轄工事でやる旨を運輸委員会で言明したことがあるのであります。そして、もしもそのベイブリッジというものが技術的にむずかしい場合は、海の底を通った沈埋トンネルをつくる、現段階ではこの沈埋トンネルのほうがいろいろな意味で有望であるといい、かつまた、どちらにしたところで早急に検討し、また、どちらにしたところで建設省が直轄工事を行なうんだということでありますが、その後約一年たっているわけでありますが、あの問題はどういうことになったのか、簡単でけっこうですから、答弁願いたいと思います。

吉田泰夫建設省道路局次長

○吉田説明員 前回御質問いただきましてから一年はたっておりますが、結論から申せば、まだ検討中でございます。結局二つに分けて、高い橋で通すか、あるいは航路の下に沈埋トンネルで埋めるか、二つなんでございますが、この両案はそれぞれ一長一短がございまして、いずれも技術的に不可能というわけではないのでございますが、その取りつけのぐあいによりまして土地利用のぐあいもすっかり変わりますし、兼ねて経費の比較その他なかなか検討すべき事項はなお残っております。いずれにしても、これをどちらかの方法によって越えまして湾岸道路を東京のほうにくっつけるということで、大事業ではありますが、急がれておりますので、この点は十分意に体しましてなお急ぎ検討を進めたいと思っております。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 建設省も御存じと思いますけれども、いま話の出たベイブリッジ構想というものが昭和三十八年に提唱された。当時、革新市政というものができて、それが提唱したものでありますけれども、その後十年たってもいまだに工事の動きがさっぱり見られない、いわば蜃気楼か、まぼろしの大橋であるということなんでありますが、困ったことに、このできないものがこの周辺の連絡道路の計画になっておるわけです。そのできないものが中心になっておる。だからまわりのものが全部できないというように私は判断しておるのでありますけれども、このような実現不可能な計画であるならば、一刻も早くこの計画を捨ててしまって、最近計画している、また実現がベイブリッジよりも容易であるといわれる沈埋トンネル建設に踏み切られて、この地区の、いわゆる交通安全ではない、交通不安全の根を断ち切ってもらいたいということを私は特に要望する次第であります。  時間がありませんので、今度は首都高速道路のことをまとめてお聞きいたしますので、ひとつメモされてまとめて御答弁を願いたいと思うのです。  首都高速道路というものができまして、現在の交通量を十分さばくことができるできないは別問題として、われわれが十年前には思いも及ばなかったあのようなりっぱなものができたということは事実なんでありますけれども、その建設によって、当然、いままで非常に静かであった環境というものが騒音に悩まされる、あるいは排気ガスの発生に悩まされる、さらには絶え間ない振動でおののかされる、そういうようないわゆる道路公害、そういうものに関して、その種類や件数、その処理方法と申しますか、そういうものをまず伺いたいと思います。  そしてさらに、今後首都高速道路が将来計画がたくさんありますし、それ以外の高速道路に関しましても、遮音壁であるとか遮断へいであるとか、あるいはトンネル、そういう施設を設置いたしまして積極的な公害対策を推し進めるべきであると私は思うのでありますが、こういう点に関してどのような考えを持っているか。  そしてさらに、いまの高速道路の渋滞地区というものは、たとえば六、七号線でいえば箱崎町、二号線でいえば目黒付近、三号線は用賀付近、横羽線でいえば東神奈川、平和島、芝浦、銀座などが慢性的な渋滞地区であろうと私は思っているのでありますけれども、これらのほとんどは他との合流点か、あるいは通行料金の徴収所のある付近なのであります。そこで、この慢性的な渋滞地域を解消するために、建設省あるいは公団は、設計変更して改良工事を行なうべきであり、あるいは料金の徴収所を広げるべきであると私は思うのでありますが、この点どういう考えを持っておられるか。  さらに、いま交通規制を行なっておられるようでありますけれども、交通規制を行なって、たとえばランプの下に綱を張って車を入れない。そうすると、この場所は何時にあくのだということを知っている車は、そこに行列して待っている、そのためにかえってランプの下が——十時なら十時にあくことになると、十時十分前には車が並んでしまって、その付近はたいへんに交通渋滞になってしまう。高速道路にのぼるために、えらい交通渋滞になってしまう。私は、むしろ、あのランプの下の混雑を解消するために、時間を待っている車の停車を禁止すべきであろうと思うのでありますが、こういう点は、建設省あるいは警察関係の方はどう思っておられるか。  そしてさらに、高速道路の中は文字どおり車が高速で走っている。近ごろどんどん道路が拡張されて複雑多岐にわたって、行く先がたいへんたくさんできました。ところが、よっぽど要領よく行く先の表示が書いてありませんと、車が間違えてそこへ突っ込んでしまう。間違えて急ブレーキをかけたときに、うしろから続々と車が走ってまいりますから、追突、大事故ということも起こしかねない。この点も建設省あるいは警察はどういう考えを持っておられるか。  さらに、このことの最後にお聞きしたいことは、いま計画されているところの首都高速道路、そういうものが全部でき上がった——全部でき上がってもなおかつ、自動車の交通量というものはますますふえて道路以上のものであるということは、明白に予想されるわけなんです。道路はこれでもって全部できた、ところが、車はもっともっとふえてきた、これ以上おれたちは道路というものはできない、お手あげだということになってしまうのか、あるいは高速道路そのものに屋上屋を重ねて、高速道路の二階というものをさらにこさえるのか、そこらあたりをひとつまとめて御答弁願いたいと思います。

吉兼三郎建設省都市局長

○吉兼政府委員 私のほうから、警察庁のほうの御答弁以外のことにつきましてまずお答えを申し上げておきます。  第一点の、道路公害についてどういうふうな処理をやってきているかというお尋ねでございますが、最近、首都高速道路の沿道住民等から、騒音とか排気ガス、電波障害、こういった苦情がかなり出てまいっております。これに対しまして、公団当局におきましても、十分地区住民等の意見を徴しまして、その辺の対策についての方法を講じてまいっております。  具体的な実施例といたしましては、まず騒音関係につきまして、現在工事実施中のものは、高速道路二号線の例の自然教育園近くの白金トンネル付近でございますが、この地区につきまして、高欄をかさ上げするといいますか、大体〇・四メートルから四メートルの高さのものを、延長約三百メートルにわたりまして防音壁の工事を実施中でございます。  それから電波障害の関係につきましては、現に一部の地区からすでにそういう苦情が出てまいっておりますので、集合アンテナというようなものを、NHK当局とも十分連絡をとりながら、一部設置の仕事を始めているところがございます。  それから排気ガスにつきましては、これは非常に根本的な問題でございまして、非常に対策がむずかしいのでございますが、高速道路は、どちらかといいますと、一般道路に対しまして道路の性格上排気ガスの排出量が少ないというふうなことがいわれております。これは、根本対策はやはり自動車のエンジンの改良に期待するよりほかに方法がないというふうに私どもは判断をいたしております。  それから渋滞対策の問題につきましては、いろいろ都市高速道路、都内並びに横浜を含めまして各所に渋滞状況を呈しております。具体的にこれの当面対策としまして私どもが手をつけておりますものは、まず、非常駐車帯とか非常電話の増設の工事を実施いたしております。それが第一点。それから第二点としましては、一号線の浜崎橋と汐留間の、一番込むところでございますが、あれの合流部の拡幅工事を四十五年から着工いたしております。上り線一車線の増幅でございますが、これは四十七年度中に完成の予定でございます。それから、東京の高速道路で一番込んでおります都心環状線に対するロードを軽減するために、環状線の手前におきましてオフランプを増設することが非常に効果があるということから、地区のいろいろ選定等をやっておったわけでございますが、具体的に、三号線の青山地区、それから五号線の早稲田地区にいずれも都心方向のオフランプをつくるべきであるということで、青山ランプにつきましては四十七年度に、早稲田ランプは四十九年度に完成をするというふうなことで工事を進めております。  いずれにいたしましても、やはり都市高速の渋滞対策の根本問題は、横浜地区を入れまして現在の供用路線約百キロ足らずでございますが、これの現在の路線のネットがまだ非常に弱体でございます。といいますよりは、ネットワークの面からいきまして、環状線的といいますか、バイパス的な路線がまだ非常におくれておる。たとえて申しますと、東京の湾岸線でございますとか、あるいは首都高速道路の箱崎から埋め立て地に至ります九号線でございますとか、あるいは現在の都心のリングの外に中央環状線という環状線をもう一本つくることでございますとか、そういうバイパスといいますか環状線の工事、それの促進をはかっていかなければならぬということが一番大きな課題と思っております。したがいまして、現在、そういう方向で計画の決定なりあるいは工事の実施ということで、やれるところから推進するようにいたしておるような次第でございます。  それから将来のビジョンでございますが、現在道路計画全体のビジョンとしましては、昭和六十年ということを目標にいたしましていろんな道路事業を進めていくことになっておりますが、首都高速につきましても、六十年のビジョンを踏まえまして、いま私があげましたような環状線を中心にいたしました高速道路の新設でございますとか、あるいはさらに外環状線の整備とか、あるいは湾岸線の整備というふうなことが実現いたしますならば、現在の東京地区の自動車交通事情に対しまして、現在よりは改善されるような交通処理というものが期待されるのじゃないかというふうに私どもは思いまして、そういう方向で鋭意検討してまいりたいと思っております。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 お答えいたします。  交通規制をやっているけれども、待っている車で街路が混雑しているので、駐車禁止をすべきじゃないかということでございますが、いままで私どもとしましては、警視庁が中心でございますが、首都高速道路公団、それから建設省、私ども、四者でいろいろ協議しながら規制をやってまいりました。ちょうど首都高速の三号線が昨年の暮れ東名とドッキングしまして、あのときから交通量が約四万台ぐらいふえております。そういう事態を迎えて、どのようにしてやるかということを、いろいろなプログラムを組んでやったわけでございますが、現在の基本的な方針としては、いま都市局長が申しましたように、環状の渋滞なり停滞をなくする、そのためには流入制限をせざるを得ない、この流入の制限のしかたとして、主として集中料金所のブースの制限と、それから単独の料金所のある流入路の通行の禁止と、この両方を時間的に併用してやっておるわけであります。今後の問題としては、御指摘のような状態をなくするために、集中料金所のブースの制限にできるだけ重点を移行していく。と申しますのは、集中料金所のほうには、まだだいぶ料金所に至るまでの道路空間がございますので、なるべくそれを利用していく、そして個別の料金所の通行を禁止することによって、一般街路に停滞することをなくしていく、そういう方向で今後やってまいりたいと思っております。  なお、もう一つ御質問ございました、案内をしっかりやれという点でございますが、これも公団のほうと御相談しながら標識も整備しておりますし、標識だけではなくして、御承知のように、路面に、「空港方面」とか「渋谷方面」とか、合流点の相当手前から路面標示もするということで、正確な情報に基づいて運転手が行動のとれるようにいたしておりますが、さらに努力してまいりたいと存じます。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 実は私、毎朝毎晩、羽横線あるいは第三京浜を経て目黒から首都高速に入るのですが、どっちにしたところで必ず非常な渋滞にぶつかるわけです。乗るたびに、何かいい方法はないものかと、しろうと考えに考えるわけでありますけれども、専門家の皆さんがひとつ今後慢性渋滞地域解消ということについてなお一そう研究を固めて、早急にこの問題を解決していただくことをお願いする次第であります。  最後にお聞きいたしますけれども、報告の終わりにありましたように、私たち小田原競輪場付近の交通混雑状況を視察してきたわけでありますが、これこそ聞きしにまさるものがあったわけであります。当局はこの安全対策につきましてどのようなことを考えておられるのか。たとえば信号機増設あるいは横断歩道橋の設置、駐車禁止、こういうような規制をもっと強力に実施すべきではないかと私ども全員思ったのでございますが、この点に関して、簡単でけっこうでございますから、御答弁願います。

片岡誠警察庁交通局長

○片岡政府委員 さっそく関係者を呼びまして、路道管理者、運輸関係者、それから警察、寄りまして委員会を設置して、そして道路の拡幅とか駐車場の整備とか、あるいは駐車規制といった問題に至急に取り組み始めております。それから、あの道路幅員がそう広くございませんので、橋断歩道橋よりも、とりあえず信号機をつけるということで大体計画を始めまして、おそらく五月中旬ごろにはもう信号機がつくことになろうかと思います。

小此木彦三郎自由民主党

○小此木委員 終わります。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員長代理 長谷部七郎君。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 私は、運輸省並びに国鉄当局に対しまして、若干の質問を行ないたいと思います。  まず最初に、去る三月の二十八日に総武本線船橋駅構内において発生いたしました列車衝突事故についてお尋ねをいたしたい、こう思います。   〔渡辺(武)委員長代理退席、委員長着席〕  本件につきましては、すでに運輸委員会等におきましても取り上げられた問題でありまするので、重複する点は極力避けてまいりたい、こう思っております。今回発生いたしました船橋駅の列車衝突事故の直接原因についてまず最初にお尋ねをいたしたいのであります。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 去る三月二十八日、総武線で電車の衝突事故を起こしまして、まことに申しわけない次第でございます。  ただいま御質問ございました衝突の原因につきまして、私どもいままでの調査の結果では、追突いたしました運転士が信号を見なかったため、前のとまっていた電車に追突したものと、そのように考えておる次第でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 運転士が前方不注意であった、こういう副総裁のお話でありますが、運転局長からいま少し詳しく承っておきたい。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 ただいまの原因、いま少し詳しく申し上げます。  蕨変電所の送電線が断線いたしまして、信号高圧が停電いたしました際、第七一一C電車のATSに警報の表示——これはベルが鳴動いたしまして、赤色灯が点灯いたします一がありました。その際、当該電車の運転士は、ATSの警報の表示に対して確認ボタンを取り扱ったわけでございますが、警報のベルの鳴動がやまなかった。これは、停電に際してのATSの機能といたしましては正常でございます。ところが、当該乗務員はATSの故障ではないかと思って、警報ベルの鳴動に気をとられているうちに、信号機の消灯——停止信号と同じ扱いというふうに部内できめております——を確認しないで運転して、船橋駅構内に停止しておりました先行の第六二二C電車を前方に認めたため、非常ブレーキをとったのでありますが、間に合わずに先行電車に追突して先刻の事故が発生いたしたというふうに私たち推定いたしております。なお、さらに詳細につきましては、もし御必要でございましたら、非常に技術的な問題にわたるかと思いますが、御説明さしていただきます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 事故原因につきましては、あとで文書でひとつ詳細にちょうだいすることにいたしまして、先に進ませていただきたいと思いますが、いまもお話がありましたように、ATSはどのような条件で警報表示をするのか、このことをひとつ承っておきたいと思うのです。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 ATSの機能といたしましては、信号が赤の場合に警報を発するというわけでございますが、この装置といたしまして、前提条件といたしましては、運転士が必ず信号確認をしながら運転をするという前提に立っておりまして、前方の信号機が停止信号の場合に、乗務員に警報——先ほど申し上げましたようなベル及び赤色灯で警報を発しまして、乗務員に信号確認の意識を喚起するわけでございますが、万一列車の運転を継続することができないような状態、具体的には、失心とかあるいは居眠りとかといったような状態が発生いたしました場合に、自動的に非常ブレーキが動作いたしましてそして列車を停止させるというのが機能でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それでは、ATSが警報を表示したときは、信号機が停止信号を現示しているということを乗務員に知らせる、こういうことになりますか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 原則的には、おっしゃるとおりでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ATSの警報が鳴った場合に、信号機は停止を示すものであって、すなわち危険信号でありますね。運転士は直ちに列車を停止するということになると思うのですが、その点はどうですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 先ほど申し上げましたように、ATSが鳴るという場合は、乗務員に、次の信号が赤だよということを、信号確認の意識を喚起するというためのものでございまして、すぐに非常ブレーキをかけてとまるとか、そういうことを目的としてつくっておるものではございません。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 そうなりますと、私ちょっと疑問を感ずるのです。国鉄のこの問題につきまして、私はしろうとでございますが、若干運転規程なるものを拝見をしたわけなんですが、あなたのほうの運転基準規程の三百六十四条によりますと、「機関士は場内信号機又は出発信号機の箇所でATSの警報の表示があったときは、直ちに列車を停止しなければならない。」云々と書いてあるわけですね。この点は、そうすると、いかがですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 ただいま御指摘ございました三百六十四条は、「機関士は場内信号機又は出発信号機の箇所でATSの警報の表示があったとき」と断わってございます。それはちょっと専門的なことでございますが、私たち部内では、出発直下、場内直下と言うております。と申しますのは、普通のところにありますATSの警報点じゃございませんで、出発信号機の真下に近いところ、二十メートル程度でございますが、それから場内信号機も同じような個所に設けておるものでございまして、その場合には、普通につけております先刻の普通の状態のATSではございませんで、ちょっと技術的なことでございますので、比喩的に申し上げたいと思いますが、ここに出発信号機がございます。そうしてここにホームがあります。ここへ列車がとまっております。そのときに、隣の出発信号機を見て列車を発車した事故が過去にございます。そうしますと、この場合にだけすぐに停止手配をとらないと、ここがすぐに分岐点があるとかその他重要なことがございまして、出発直下のときだけをここに、先ほどの三百六十四条を読みましたように、場内信号機も同じ条件でございますが、「出発信号機の箇所で」というのは、その場合だけに限定してきめておるわけでございまして、一般論の、普通のところにおいておりますATS警報を発する場所については、この条文のほかのこと、それは一般論は、三百六十五条に「確認ボタンの取扱い」という項目がございますが、それにのっとれということに部内規程でなっておるわけでございます。いまおっしゃいました点は特殊例でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いまのあなたの御答弁を聞いていますと、ATSが警報を鳴らしておるという場合に、私のしろうとの解釈では、直ちに列車をとめなければならない、こういう国鉄の運転取扱基準規程というものとちょっと食い違いを感ずるわけなんですがね。部内の何かあるんですか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 それでは三百六十五条を読ませていただきます。そうしますと、いまの御疑問が解消するかと存じます。三百六十五条は、「機関士は、場内信号機又は出発信号機の箇所以外で」、先ほどの例外として例にあげた二カ所はいまの三百六十四条でございますが、それ以外で「ATSの警報の表示があったときは、信号機の停止信号に対する」、要するに、自分の次の信号は赤だよということを意味しますので、「停止信号に対するブレーキ手配をとった後でなければ確認ボタンを押してはならない。」非常に技術的なことで恐縮でございますが、警報が鳴りますとブレーキをともかく扱う、それから確認ボタンを押せ。確認ボタンだけ押したのでは非常制動がかってにかかるようになっておりまして、したがいまして、ブレーキを扱って確認ボタンを押せということをきめておるわけでございます。それで、確認ボタンをそういうときでなければ押してはいけない、ただし、例外的に、信号機の使用を停止したときとか、そういう例外的な場合はございますが、一般論はそこまででございまして、先ほど御指摘ございました三百六十四条といいますのは、きわめて特殊といいますか、例外措置として認めておるというものでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 三百六十四条はきわめて例外措置だ、こういうわけなんですが、私はこれが基本だと思うのですがね。そうして、いまあなたがおっしゃっておることが例外なのじゃないか、こう思うのですが、どうなんでしょう。内部通達が出ているのでしょう。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 そういうふうな御質問に対しましては、いま申し上げました例外措置である場内信号機及び出発信号機の個所における警報というのが、歴史的に見ましても一番最後にできたわけでございます。これはいまの三百六十五条に相当する普通の信号機あるいは閉塞信号機に対する警報は、普通の場合は一番初めにきめてございまして、そうしてその扱いが信号機の数で勘定しても膨大な量であり、片一方の三百六十四条に当たりますのは、それだけでは不十分だということであとから付加したものでございます。そういうふうな装置の追加経過から見ましても、基本は三百六十五条であり、またその設置してある個所の本数から見ても、いまおっしゃいますような疑問は全然当たらないかと存じます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 場内信号機、出発信号機以外の信号機、すなわち、自動閉塞信号機の警報表示があったときは、信号機の停止信号に対するブレーキ手配をとることになっていますね。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 はい。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 すなわち、ATSの警報表示の場合は、いずれも停止信号に対するブレーキ手配とは、列車をとめることになっているというぐあいに私は解釈するわけなんですが……。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 この信号機の停止信号に対するブレーキ手配ということでございまして、やみくもにすぐとまれと規定上書いてないわけでございます。前の信号機が赤であるぞという、一種の警報でございます。それで、その信号機に対するブレーキ手配をとれということで、普通、別のほうの規定でございますが、その赤の信号機の前には、五十メーター手前を標準に、場合によりまして百メーターでもかまいませんが、とめるというのが、別の規定できめてございます。したがいまして、この停止信号に対するブレーキをとるということは、すぐに何でもかんでも非常ブレーキでとまれという意味では毛頭ございません。その点、部外の方にはこの表現が非常にわかりにくくて恐縮でございますが、部内の者に対してはその方針がよく徹底しておるわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 きのうでしたか、おとといでしたか、毎日新聞だったと思いますが、国鉄は、「見込み運転で大丈夫」、こういう見出しで、見込み運転だいじょうぶなんだという主張をされておられますね。運転基準規程をこれは無視したものじゃないか、私はこう思うのです。特に、地方局ではかってにATS執務基準を作成いたしまして、非常に危険な運転をしているということが公表されておるわけなんです。執務基準というものは、私はあくまでも規程があっての運用だと思うのです。したがって拘束力はないものだと私は思うのですが、その点どうでしょうか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 いま御質問ございました、地方管理局で本社の規程にかかわらずかってに執務基準規程をつくっておるという御質問でございますが、さようなことは全くございません。本社の、先ほど読み上げました二つが基本でございます。それの範囲内で、地方事情に応じて、全国比べますと多少やり方を、地方がいろいろ線区の条件その他で変えておるところもございますが、あくまでもこの本社の、先ほど申し上げましたブレーキ手配をとってから確認扱いをし、しかもいまの信号機に対するブレーキの扱いをするという基本線は守って全部きめておるということは、私たち確認いたしております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 どうもいままでの運転局長の御答弁を聞いていますと、ATSが警報を鳴らしておってもとまらなくてもよろしいのだというぐあいにしか私は受け取ることができないのですが、だとするならば、運転士に対して、危険をおかして運転をしなさい、こういうことにならないのかどうかということですね。とてもこれではATSを取りつけた趣旨も何も意味がなくなってしまいます。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 その点、先ほど初めに私お答えいたしましたことにもう一度戻るわけでございますが、あくまでもATSがない前提での考え方で、乗務員は、ないものとして運転するというたてまえで、信号に従って運転するということが、一番初めのほうに規定的に書いてあるわけでございます。しかし、歴史的に見ました場合に、人間の注意力だけでは一また異常な事態、不測の、たとえは失心等の場合に際してだけいまのATSが非常ブレーキを働かすということでございまして、これがついたから、信号を見ないでいいとか、乗務員がそれにたよるというようなことを認めておるものではございません。したがいまして、先ほど憶測運転その他御質問がございましたが、そういうことはATSがなかった時分から認めておりませんので、いまのATSがついてからどうのということは、変わりがないわけでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ATS、これは専門的な用語でございますが、私たちは、正確に申し上げますと自動停止装置、こういうぐあいに受けとめておるわけなんです。やはり運転士も人間でありますから、いろいろな場合が予想されるわけであります。したがって、警報ブザーで停止をするように装置をしている、こういうぐあいに受けとめておりますし、三百六十四条の規定から申し上げましても、ブザーが鳴ったときは直ちに列車を停止させなければならない、こういうぐあいにもなっておるようでありますので、ただ私は、こういう規定があるにかかわらず、現状は、非常に人口が過密になって、交通問題を解決していくためにはどうしても過密ダイヤを編成しなければこれを消化することができない、こういう観点から、この規定を大きく大幅にゆるめていっておるのではないか、こういうぐあいに私思うのですが、そういうことはございませんか。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 私が先ほど御説明申し上げましたごとく、ATSは、これはオートマティック・トレイン・ストップということばから、一般社会の方にはそう御理解願ってもやむを得ないかと思いますが、先ほど来申し上げておりますように、これはあくまでも自動運転装置とかそういうふうな意味のオートマティックではございませんで、列車の運転を継続することが正常にできないような乗務員の疾病その他の不測のときに、自動的に非常制動がかかってとめるという意味のオートマティックでございまして、それ以外は、普通に乗務員が正常な健康状態であり、運転を継続し得る状態のときには、警報が鳴って、乗務員に信号確認の意識を喚起するという範囲内のものでございます。したがいまして、この点御理解をいま一度お願い申し上げたいと存じます。  それから過密ダイヤのことでございますが、私たち、いまお話しございますように、二分ヘッドあるいは二分半ヘッドをやっております。しかし、これは設備あるいは列車ダイヤの設定におきましても、二つの閉塞区間をあけて、最小限二つの、これはテクニカル用語といたしまして、ツー・セクション・クリアーと申しておりますが、あけて設定いたしております。したがいまして、さらにそれに幾らかの、何秒ずつかの余裕時分まで設けておりますので、いまおっしゃいますような御心配は全くございません。たとえば、設備の条件によりまして、フランスのパリの地下鉄は一分五十秒ヘッドでございます。イタリアのミラノは一分三十秒時隔でございます。それからアメリカのニューヨークは一分三十秒、ソ連のモスクワの地下鉄は一分四十五秒でございます。たとえば、いつもよく疑問を立てられますのは、中央線が二分で、今回の事故の総武線が二分半だ、これはどういうわけだとおっしゃいますが、これは普通ヘッドを一番制約いたしますのは停車時分でございます。それで、御承知のように、新宿はラッシュアワーのその方向に向かいましてはホームを専用二面、一本のホームを両方、朝、上りなら上りに使っておって、かわるがわる入れておるわけでございます。総武線の場合に、一番のネックは秋葉原でございます。しかし、御承知のような条件でございまして、ホームをもう一面ふやすことができません。したがいまして、あそこで制約されまして、現在のところ二分半よりは詰められない。それで、その対策としまして、この七月に開通いたします、いわゆるわれわれ地下ルートと称しております、両国のところから地下へ入ってまいりまして東京地下駅へ参るルート、これは将来品川まで下をくぐってまいりまして、横須賀線と直通運転するわけでございます。その線を使いまして——いまの、ホームだけ無理すればつくれるのでございますが、それだけよりも、別のルートをつくったほうがほかの効果も多いということでやっておるわけでございまして、いまおっしゃいますような、確かに稠密ではありますが、過密という語韻が、安全を犠牲にして入れているというふうな印象を世の中に与えますので、私たちは、非常に詰まったヘッドであることは——しかし、まだまだ世界中には幾らでも詰まったところがあるわけでございますが、われわれ稠密ダイヤというようなことばで言っております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いろいろ諸外国の例なども引用されて、決して過密ダイヤではない、こういうことを強調されておられますが、私は、やはり現在の人口の過密、現在の輸送体系からいって、普通の運転の取り扱いでは、あるいは普通の運転では、とうてい交通問題を解決することはできない、したがって、非常手段をとっているんじゃないか、本来停止しなければならない個所に、停止をしないで見込み運転をやらせておる、そのことが今回の事故の原因になっているんじゃないか、または、昭和三十七年でしたか、お茶ノ水で出た事故と全くケースが似ておると私は思うのです。こういう見込み運転というものを許しておるということは、やはり国民にとっては私は最も危険なことだと言わなければならぬと思うわけであります。やはり人間の生命を大切にする、安全運転をするという観点から見るならば、この運転規程三百六十四条というものを国鉄は厳守する方向に指導をしていくべきではないか、こう考えるわけでありますが、この点……。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 先ほど詳しく御説明申し上げませんでしたが、今回の事故に際しましての乗務員の取り扱いにつきまして、乗務員が保釈されてまいりましてまだ間がなく、十分そのときの心理状態といったものを聞いておりませんが、現在までほかのいろいろな関係者の証言その他を考慮いたしますと、本日絵を持ってきておりませんのでちょっとあれでございますが、要するに、衝突いたしました地点から逆に参りまして三つ前の信号機のどのくらい手前かが、本人の証言とほかの条件とがまだよく合いませんので、二百メートルか三百メートルか、あるいは百メートル手前か、よく何とも現時点で申し上げられませんが、そこで警報が鳴っております。それでいわめる確認、いまのブレーキをとって確認扱いを本人はしたものと推定されます。そして確認扱いをすれば、正常な普通の運転のときには音がチャイムに変わるわけでございます。ところが、この場合は、電源が切れたために、警報がそのまま大きなベルの音が継続したわけでございます。このような場合に対してこのようなことが起こるということは、本人が習いました学園の教材を調べても教えておるわけでございますが、残念ながら本人はそれが身についていなかった。とっさのことで、その応用動作まで身についていなかった。その点、私たち教育上今後反省すべきことと思っておりますが、それはいずれといたしまして、本人はそれで一たんとまりました。その信号機はすぐに消灯したはずでございますが、消灯したのを確認をいたさないで通り過ぎて——これは物理的にとまれません。その信号機を越えて一たん停止をいたしました。そしてまだ二つ信号機が残っておるわけでございます。これは消灯しておるわけでございます。電源が切れたので、警報が鳴ったと同時に信号灯も消えておるわけでございます。それで、いまのそういうような本人にとりましては異常な現象をわからないまま、とまったときにATSの電源スイッチを切り入れしてみた。それを何回したかは、とっさのことでございますから、まだ本人はっきりしないだろうと思います。何回かやってみて直らない、それで、ほんとうであるならば、そこでとまって、よく信号機を見てくれれば、消灯しておるわけでございます。したがって、動いても、その信号機の手前五十メートルまでしか動いてはいけないわけでございます。それを、ノッチを入れまして動いて、そしてその信号機の消灯も気づかず、また次の信号機の消灯も気がつかずに、気がついたときには数十メートル先に前の電車があるというので、非常をかけたというのが実情でございまして、先ほど来、憶測運転とか見込み運転とおっしゃっておりますが、そういうことは私たち許しておりませんし、今回の場合にはそれと関係が全くないと申し上げてよいものと私存じております。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いまの停車場内に進入する場合の問題について少し承っておきたいのですが、よく新聞等では、ゼロ号信号機、こういう形で表現をされておるわけです。私の調査によりますと、場内信号機から出発信号機までは、通常、停車場と定義づけられておるようでございます。さらに、停車場とは、通常、乗客が乗車降車することを原則とし、一閉塞区間と定められておるようであります。しかし、今回発生しました船橋駅、さらには山手線、中央線、総武線など都市周辺の国電は、ほとんどの停車場の中に区分しさらに構内閉塞信号機、いわゆるゼロ号信号機を設けておる、そして、列車が進入してもよいという方式がとられておるようであります。このことは、私、非常に危険なことだ、事故発生の原因になっているのじゃないか、こういうぐあいに考えます。特に国鉄の運転規程では、場内信号機、出発信号機は絶対信号をおかしてはならないことになっている。そうでしょう。場内信号機の内側に常時列車が停車することを原則としたもので、ATSの場合は直ちに停止をせよと定義づけられておると私は解釈しております。この点どうでしょう。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 いまの御質問は、私どもの信号の種類その他につきましてもう少し深く御説明申し上げて、御理解いただければと思います。  お話しございましたように、信号機には、出発信号機、場内信号機、閉塞信号機と三種類ございます。それらの違いは、場内信号機、出発信号機は、赤または消灯のときには、原則的には、とまって動けないわけでございます。とまったままで、いつまでも特別の指示があるまでは動けない。しかし、閉塞信号機は、とまってから一分たって、どんなによく前方が見えて確認できても、十五キロ以上出してはいけないという条件のもとで前方へ進入してもいいという、そういうことで、一たん停止後、しかも非常にきびしい条件で入っていいか悪いかだけの差でございます。いまおっしゃいまするように、名前からして場内信号機と出発信号機とあるんだからというふうなお話しでございますが、その間に閉塞を切るために閉塞信号機を設けても、いろいろな制動距離その他の条件さえよければ、何ら規程上もまた実質上も問題はございません。したがいまして、今回の場合も、普通の場合は、先ほどお話しございましたように、場内信号機を設け、あと、駅内へ入ってまいりますと、ポイントがたくさんあるわけでございますが、あの駅は御承知のように一本線の駅でございます。ポイントも何もございません。したがいまして、普通でいえば、閉塞信号機ばかりが並んでおってもよいわけでございます。しかし、駅に対しましてはおおむね出発信号機と場内信号機を設けております。と申しますのは一先ほど、その信号に対する乗務員の側からの扱いの違いは、一たん停止後はいれるかはいれないか、条件つきではいれるかだけで、しかし設備上からは、場内信号機と出発信号機は、駅の駅長事務室で運転掛の部屋でその信号を、普通は自動的に赤になったりイエローになったりしておるわけでございますが、出発信号機も、それから場内信号機も、駅長が判断して手動で赤にしようと思ったら赤にできるということが運転上場合によっては必要であるという駅に対しては、一本線の駅でも場内信号機を設け、出発信号機を設けておるわけでございます。したがいまして、運転面から見ました場合に、乗務員にとりましては、場内信号機あるいは出発信号機に対しては、そこから中へははいれない。しかし、閉塞信号機に対しては、一分たってからなお赤であれば、前途の見通し得る範囲内でいつでもとまれる態勢で、しかもそれでも十五キロ以上出してはいけないという条件のもとに前方を警戒しながら入っていいという違いでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 当局は、停車場内に閉塞信号機を設けてもよろしいのだ、現在の規程、規則からいって差しつえないのだ、こういう解釈をとられておるようでありますが、私はいろいろ規程を不勉強ながら拝見をした中では、そういうことは一つもうたわれていないように思います。いわんや、停車場の中に列車が入っておるというのに後続列車を場内に入れることができるというようなことだとするならば、私どもは安心して国鉄当局に足をまかせておくわけにはいかないのです。そうでしょう。列車が入っておるところへ後続列車を入れることができるような、そういう運用が行なわれてよろしいということであるならば、これはたいへん危険きわまりないことだと私は思うのです。そういう意味で、あなたは、閉塞信号機、ゼロ号信号機を置いてよろしいのだという解釈をとっておられるようだけれども、国鉄の運転規程の第何条にそれは書いてあるか、ひとつお示しをいただきたいのですよ。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 本日その規程は持ってきておりませんが、国鉄の規程といたしましては、ゼロ号信号機というのはございません。閉塞信号機と出発信号機と場内信号機の三つしかございません。したがいまして、その三つの設備条件、許された条件にはまるように設けたその一つが、いま御指摘のゼロ号信号機かと思いますが、ゼロ号信号機というのは、規程をさがしましてもどこにもございません。それは閉塞信号機の一種の通称かと思いますので、規程上はそのゼロ号信号機がないとおっしゃるのは、そのとおりでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いや、そのゼロ号信号機などという呼称は、これは規程の中にはないことは私も承知をしております。私の言っておるのは、いわゆる閉塞信号機を申し上げておるのであります。しかも、一つの停車場というものは一閉塞区間として定められておるのでしょう。その一閉塞区間の中にいわゆる閉塞信号機というものを設けるという規定は、私は拝見した限りにおいては見つけることができなかった。どこに書いてあるか、こういうことなんです。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 設けても悪いということはどこにも書いてございません。そうしていまの条件で閉塞信号機を、場内と出発の間に、ほかのいろいろな設備条件に合って、そうしてそれに対する扱いが正しく設けられる限りにおいて設けることは、何ら差しつかえございません。本日その規程は持ってきておりませんが、いけないということはどこにも書いてございませんし、設けても毛頭差しつかえないと存じます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 ですから、私の言わんとすることは、停車場内に列車がとまっておるのに後続列車をどんどん入れてもよろしいという運行をやられた日には、またぞろこの種の事故が発生するのではないか、したがって、一つの停車場の中にはいわゆる閉塞信号機というものを設けないでやっていくべきじゃないか。いまあなた方が停車場内に閉塞信号機を設けるということは、過密ダイヤ——二分おきにダイヤが走っておる、こういう非常手段でしょう。それをやりのけるための一つの措置だと私は思うのですよ。ですから、できるならば、人の生命と安全を守っていくような立場に立っての運転をやるということになれば、そういうことをなくすように指導すべきではないか、こういうことを申し上げておるのであります。

鈴木宏日本国有鉄道運転局長

○鈴木説明員 確かに、おっしゃいますように、列車のヘッドウエーが詰まるときに、いまの閉塞信号機をふやしていくということは事実でございますが、しかし、それが不安全なように設けてきておるということは絶対ございません。先ほど来御説明しておりますように、閉塞信号機もそうかってに入っていいものではございません。とまりまして一分間待つ、そうして前途をよく注視しながら、しかもどんなに先がよく見えても十五キロ以上出してはいけないということを守って入るということでございまして、往々にして、十五キロまで上げていいというふうに規程にございますのを、部外の方で、十五キロまで上げなければいかぬというふうに御理解になっておるのじゃなかろうかと存じますが、どんなに先がよく見えても十五キロ以上上げてはいけないという意味でございます。したがいまして、おっしゃいますような心配はございません。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 いずれにいたしましても、今回の事故は、都市周辺の電車乗務員労働者は、膨大な輸送人員を、限られた車両で、定員の三倍も四倍もの乗客のため、日常規程で定められているブレーキ扱いで定時運転ができないものですから、乗務員は絶えず人力により最大の精神力と注意力で運転保安をカバーしている現状ですね。さらに、日常運行は、絶えず二分間隔、後続電車に追いまくられておる異常な過密ダイヤを押しつけられている。一閉塞区間を短小区間に分割され、信号機をふやし、乗務員は常に信号確認に追いまくられています。今回のように、信号機の故障、またはATS等運転保安機器の故障などが発生した場合は、前方注視もできず、最大の事故に発展をさせているのですね。ですから私は、そういう意味で、今回の事故の本質的な責任はやはり国鉄の当局にあるのではないか、こう言わざるを得ないのでございます。この点につきまして御見解を承っておきたい。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 今回の事故で多数の負傷者を出しましたことは、まことに申しわけなく存じております。それから事故の原因、また、それのいろいろな客観的な条件等につきましては、いま運転局長から御説明したところでございますが、毎日非常に多くの乗客を輸送している国鉄といたしましては、過去の苦い経験、率直に申しまして、申しわけのない事故をたびたび起こしたような経験をとうとい経験といたしまして、安全ということに最大の努力を払ってまいったつもりでございます。また、これは単に機械が設備されたから安心だというようなことではなくて、四十六万人の職員全体がやはり輸送の安全の使命に徹して仕事をしてまいっておるわけでございます。たまたま今回のような事故を起こしまして、私自身、運転士を憎む気持ちは毛頭ございません。非常に不幸な事故を起こしてくれて残念であるという気持ちでございますし、それから、それに関連していろいろな機械その他、いま申しましたようなことを反省いたしますと、やはり機械は幾ら発達いたしましても——今回の事故にかんがみまして、人間は信用できない、もう完全な自動運転、もう発車も停車も全部自動運転にしたらどうかというような議論もないことはございません。しかしながら、私は、やはりどんな機械を完備いたしましても、それを使うものは人間である、その人間というのはわれわれ国鉄の職員であるという確信をいたしております。それで、その点につきましての使命感なり、また、その使命感に徹する指導について欠ける点があったとすれば、その点は私どもの責任として今後さらに充実して考えていかなければならないと思いますし、それから警報装置も、先ほど申しましたように、自動運転装置ではございません。これのおい立ちから申しますと、最初は、単に信号が赤になってるぞといういわゆる警報だけの装置でございまして、それに万一の場合を考えて非常制動がかかってとまる装置がその後加わったわけでございます。それをさらに徹底するとすれば、その機械がその状況を判断して機械が自動的にとめたり動かしたりするような、そうなりますと、いわゆる自動運転装置になります。これはまだ世界各国で——一部イギリスあたりで開発しているという話は聞きますけれども、そう開発されている技術ではございませんけれども、そうなればもう人間は要らなくなる、全部機械にまかせてしまったらいいじゃないかという極論になりますが、私は、やはり最後の最後まで、機械を扱うものは人間である、そういう確信でこれからの部内の指導もいたしてまいりたいと思っております。非常に残念な事故でございましたけれども、これをとうとい経験といたしまして、輸送の安全については万全を期してまいるつもりでございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 このATSの問題あるいは閉塞信号機の問題につきましては、私もまだ十分勉強しておりませんから、いずれ詳細に調査をいたしまして、後刻、別の機会にもう一度質疑の機会をつくりたいと思っておりますので、その点ひとつよろしくお願いをいたしたいと思います。  次にお尋ねしたい点は、昭和四十七年度を初年度とする国鉄財政再建特別措置法の改正案が出されておるわけでありますが、この中でいろいろ国鉄の合理化の方針として、赤字線につきましては、八十三路線、今回の変更計画では三千七百キロの赤字線を廃止する、こういう計画を立てられておるようであります。この赤字線の廃止の問題につきましては、いままでいろいろと関係方面から強い抵抗もございまして、いまだ廃止をされた路線の数は少ない、こういうぐあいに承っておるところでございますが、これは昨年でしたかの運輸委員会等で問題になりまして、地域関係市町村の少なくとも議会なりあるいは市町村長なりがよしとしない限りは、廃止を強行するようなことはない、こういうことを国鉄御当局は答弁されておったと記憶しておりますが、いまもその方針に変わりがないのかどうか、ひとつ承っておきたいと思うのであります。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 いわゆる地方閑散線の廃止につきまして問題が起きましたのは、国鉄総裁に対する諮問機関として、国鉄部内でございますが、諮問委員会というものがございまして、そこから数年前に、もう道路交通が非常に発達した世の中で、国民経済的に見て、汽車を動かすより自動車に道を譲ったほうがいいんじゃないかというような候補の線が、当時で約二千六百キロ勧告されたことがございます。それを一応スタートといたしまして地元といろいろ御協議を重ねてまいりまして、御指摘のように、まだそう全般的に数多くの線路を廃止したという状況ではございませんが、いままでやってきております過程におきましては、地元の方々の同意を取りつける、形式的には、御指示のような地方議会の議決をいただく、あるいはその議決にかわるものとしての地方行政団体の長の同意書をいただいて、そして運輸省に申請をいたしておるのが実情でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 実はこの赤字線八十三線の中で、秋田県の矢島線というのが入っておるわけです。この矢島線というのは、現在の国鉄敷設法の中にも厳然として生きておるわけでありますが、羽越線の羽後本荘から奥羽線の院内に通ずる路線ということで御決定を願っておるわけであります。たまたま戦争のために中止になった、こういういきさつがございますが、時あたかも、この矢島線は、秋田県政の最大の重点課題の一つである鳥海山ろくの開発問題が、いろいろ政府の援助もいただきまして開発をいま進めつつあるわけでありますが、こういう開発途上においてこういう重要な路線を廃止するということになりますと、地域開発というものに与える影響というものは私はまことに大きいと思っているわけであります。しかも加えて、鉄道にかわる道路でございますけれども、この道路の整備も、国道に昇格になったとはいいながら、いまだその整備はきわめておくれておる現状であります。しかも、もう一つ申し上げておきたいことは、わが国でも屈指のいわゆる豪雪地帯でございます。したがいまして、冬季交通という面から見まするならば、ほとんど道路輸送では解決できない、こういう状態でございます。したがいまして、いろいろ国鉄当局に対して何回か地元地域住民は要請をいたしておるところでありますけれども、それにもかかわらず、執拗に国鉄の支社あるいは管理局等から廃止の同意をとるべく働きかけが関係市町村になされておる、こういう現状でありますけれども、われわれは、国鉄の使命からいっても、地域開発の推進という観点からいっても、これは存続し、むしろ前向きに地域開発促進のためにこの線路の延長をはかるべきではなかろうか、こういうぐあいに考えておるわけでありますがこの際国鉄の責任者から御見解を承っておきたい、こう思います。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 いま具体的に矢島線のお話が出たわけでございますが、これからの地方閑散線の整理の問題につきましては、ただいま御審議を願おうとしております再建促進特別措置法の改正法律案に、これは具体的にそう詳細には出ておりませんが、今後十年間に国鉄を立て直そうという一つの方向が出ているわけでございまして、それは遠からずこの国会で御審議、成立をさせていただきたいと思っておるわけでございます。その中に地方閑散線の整理の考えが出ております。それで、その考え方としてはいままでと特に変わった点はございませんで、私どももこれは各方面で申し上げていることでございますが、地方閑散線が赤字を出しているからやめるのだというような考えではございませんで、先ほど申しましたように、最近の道路状況、それから自動車交通の発達にかんがみて、自動車交通のほうが国民経済的に有利だと思うようなところは思い切って自動車に道を譲るべきではないかという考え方でやるわけでございまして、先生御指摘の、現在の赤字がどうとか、現在の状況がどうだというような、単に足元だけを見た議論で処理をするつもりはございません。将来の開発計画なり、あるいは将来の国土を形成する鉄道網のネットワークの一つになるかどうか、そういう点を総合的に考えまして処理してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 それからもう一点お尋ねしておきたいのは、同じく国鉄財政再建のための措置だと私は思うのでありますが、貨物駅の集約の問題がございます。これも地域的な問題になりましてはなはだ恐縮に存じますけれども、羽越線の羽後本荘という駅がございまして、この羽後本荘駅に周辺の貨物取り扱いを全部集約しよう、こういう御計画のようでございます。しかるに、この羽後本荘駅の貨物ホームというものはきわめて狭隘でございます。さらにいま一つは、依然としてまだ都市計画が進んでおりませんために、駅前の広場というものも非常に狭隘でございます。そういう関係、もう一つは、貨物駅に通ずる主要な路線の整備も非常におくれておる、こういうことから、国鉄だけが貨物を集約するという先走った考え方はひとつやめてもらいたい、こういう地域住民の非常に強い声がございます。もしそういう都市計画あるいは駅の貨物ホームの改善拡張、さらには駅前広場の拡張事業をやらないままに強行するということになりますると、これは必ず交通が渋滞をして、思わざる交通上の惨事が発生するのではないか、こういうぐあいに関係市民は非常に憂慮しておるわけであります。しかしながら、国鉄当局の進め方は、そういった条件というものを無視してそうして一方的に強行をしよう、こういう考えのようでございますが、私は、これは国鉄の一方的な態度であって、絶対容認することはできない、こういうぐあいに思っております。したがいまして、今回の三月三十一日でほとんど取り扱いができないような状態になっておりまするけれども、これを変更する御意思があるのかどうか、この機会にひとつ承っておきたい、こう思うわけであります。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○山田説明員 羽後本荘の貨物取り扱いの問題でございますが、これは従来いろいろのいきさつを経まして、地元には十分御説明をして御了解の上でだんだん進めてまいってきたわけでございまして、特に申し上げたいのは、この日本海縦貫の動脈でございます羽越線、奥羽線の複線電化をずっと引き続きやっておりまして、特にこの羽後本荘のございます部分につきましては、この六月いっぱいに、CTCという、これは運転上のリモートコントロールの装置でございますが、これをつけまして、そして一挙に電化をしてしまおうという計画をいたしております。その関係もございまして、羽後本荘に貨物扱いを集約したいという段取りで進んでいるわけでございます。したがって、そのほかの駅が貨物扱いがなくなって羽後本荘に集約されるわけで、その近所では、羽後岩谷駅等が貨物扱いをやめまして、そして羽後本荘駅に集めるわけでございますが、この貨物の集約は、これも御承知のように、明治初年からの貨物駅の配置が大体四キロないし五キロごとにありまして、二万キロの鉄道の中で四千駅、多いときは五千駅も貨物扱いの駅がございます。その一つ一つに貨物列車をとめていくというので、貨物輸送が原始時代の姿のままできたのが従来の姿でございました。それを、列車のスピードアップ、それから取り扱いの合理化等によりまして貨物輸送を近代化しようというのが、この貨物駅集約の発想でございます。率直に申し上げまして、そのために、自分のすぐ前の駅でいままで貨物が積みおろしできていたという方が、隣の駅まで持っていかなければならないという御不便は確かに出てまいると思います。しかし、これも全体的に見て、最近特に自動車なり、足が十分確保できるような状況でございますので、ちょっと足を伸ばしていただいて、より合理的な積みおろしができる駅で取り扱いをさせていただいたほうが全体的なメリットがあるということで、全国的な計画で進めているわけでございます。  具体的に、羽後本荘駅の設備が非常に悪いというお話でございましたが、これは昨年の十月に、約八百万円をかけまして舗装をやりましたり、それから積みおろしに便利なようなホームをつくったりいたしておるわけでございます。また、道路が非常に悪いというようなお話でございますが、これも関係個所にお願いいたしまして羽後本荘の町の中の舗装をしていただく、これは何か工事中というふうに伺っておりますが、そういうことで、全体的にはメリットがふえるような方向でお願いしているということと、特に、この線につきましては複線電化の目標をこの七月に置いておりますので、どうしてもそれに合わせて駅の整備をしていかなければならないだろうという状況でございます。   〔委員長退席、渡辺(武)委員長代理着席〕  なお若干取り扱いの残っておりますものにつきましては、農協その他関係の方々に十分御説明をし、御納得をいただくような努力をこれからもやってまいりたいと思います。

長谷部七郎日本社会党

○長谷部委員 この赤字路線の廃止にいたしましても、あるいは貨物駅の集約の問題にいたしましても、いずれにいたしましても、私は、やはり地域住民の了解といいましょうか、地域住民の納得の上でこういうことをやっていただきたいということを特に強調したいと思うわけであります。本来この国鉄が持っておりまする約八千三百億円にのぼる累積赤字あるいは三兆円にのぼる負債、こういうものを解決するための一環としてこういう措置が計画されておるということについては、わからないわけではございません。しかも、この赤字なり負債の解消についても、これは多くの議論のあるところだろうと思うのです。この国鉄財政の再建につきましては、われわれはわれわれなりの考え、意見というものを持っておりますが、きょうは時間がありませんのでその全部を申し上げるわけにはまいりませんから、これで終わりますけれども、私は、何といっても、国鉄だけが先行していく、こういうことじゃなくて、国鉄が計画すると同時に、関係地域の道路なりあるいは設備なり、そういうものが対応した形で整備されていく、そういう中で実施をしていただくようにぜひお願いを申し上げたい、このことを強く要請をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

渡辺武三民社党

○渡辺(武)委員長代理 沖本泰幸君。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 私も少し時間をオーバーします、だいぶ待たされたから。  前回に引き続いて航空問題について御質問したいと思います、政務次官もお越しになりましたし、それから外務省の方もお越しでございますね。  今国会の予算委員会でも問題になりました、那覇空港が沖繩返還時の五月十五日現在で完全に返還されないという問題についてでありますけれども、P3の移転費用が認められなくて移転ができないということで、普天間のほうの飛行場の整備を待って移転する。そういうことになってきますと、返還にからみまして、那覇空港が返還時において実際にどういうふうな機能を発揮し出してくるのかということになってくるわけです。  そこで、P3が五月十五日以降も那覇空港に居すわることになってしまうわけですが、それに対する善後措置についてアメリカ側と協議するといわれておりますし、また、沖繩復帰後、普天間基地の滑走路補強工事が完成するまでは那覇空港の一時使用を認めることになるであろうということなんですが、この交渉の経過、いま現在どういう段階になっておるか、その点について御説明願いたいと思います。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 先生御存じのとおり、諸般の事情でP3が五月十五日の返還のときに那覇の空港からいなくなるということが期待できないという状況になりました。まことに遺憾とは存じますが、したがいまして、その後においてなるべく早い時期に移転のために必要な工事も完了をして、P3をなるべく早く那覇の空港からどいてもらうという方向で、その後も話を続けております。ただ、ただいままでのところでは、具体的にこうなるであろうというところまでまだ話し合いが煮詰まっておらない現状でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、那覇空港が完全に民間ベースということになる時期は、外務省としてはいつごろにめどを置いているわけですか。いま交渉続行中で、はっきりしためどはついていないと言いますけれども、やはりある程度の目標を立ててこういう交渉はやっていかなければならないと思います。このことは国民の重大な関心事ですから、また、今度の国会で一番論争を呼んだ、焦点になっている問題でもあるわけでありますから、その後の交渉が、できるだけ五月十五日に焦点を合わせた早い時期、これは当然ですけれども、やはりどの辺までという目標を立てて話し合いをつけてP3に移ってもらう、こういう一つのめどを立ててやらなければ、こういう問題は進んでいかないと思うのですが、その点についてはいかがですか。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 先生御存じのとおり、P3を移転してもらうのには、行き先について所要の工事をするという必要もございます。したがいまして、そのための予算というものがまず必要なわけで、そのために来年度の予算として、普天間、嘉手納という飛行場における工事の所要予算を国会に提出申し上げているわけでございます。それが一つ。したがいまして、そういう予算措置が講ぜられるという前提が第一でございます。それからその次に、その工事というものにどれくらいの時間がかかるかということももう一つございます。先般の国会の審議の場におきまして、その工事の直接所管官庁でございます防衛庁の長官から、たしか一、二カ月くらいかかるかもしれぬというような御発言もあったと承知しております。したがいまして、こうした要素も考え合わせましてなるべく早い時期にと申し上げました次第でございますが、それ以上突っ込んで、いつごろまでであろうかということをはっきり申し上げるところまでは、ただいまのところ至っておりません。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうしますと、その問題が解決さえすれば、米軍とはP3を移転するということには了解ができているわけですか、その点いかがですか。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 まずそういう工事ができるということが、移転することの最初の前提である、こういうことでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうしますと、私が聞かんとしているところは、交通安全の立場からお伺いするわけでありますから、このP3が居すわるということになりますと、空港の管制というものが、米軍側の管制と日本側の管制と両方の二重管制の心配が出てくる、具体的にそうなるだろうということになるわけですが、そうなった場合に、いままで国内の基地で二重管制をやったような、それと同じようなケースになっていくのか、空港管制の主導権というものは、移転されるまではアメリカが持つものであるか、あるいは日本が持つものであるか。アメリカの必要な出発時期あるいは帰ってくる時期に時間を合わせていくと、日本の民間機というものは、定期便あたりはそのためにダイヤのくずれを起こしてくる、あるいは、同時に着陸とか出発とかいうことになると、そこにやはり事故のおそれも出てくる、こういうことになってきますけれども、その管制の関係についてはいかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 那覇空港の管制の問題でございますが、これはP3Bが居残ってもいなくとも、五月十五日には日本のほうに引き継ぐということになっております。と申しますのは、現在那覇空港で管制をやっておりますのは米国の空軍でございます。P3Bは米国の海軍、しかし、海軍のほうでは管制をやっておりません。したがいまして、米国との間におきましては、P3Bの問題は別といたしまして、返還の日に引き継ぐということになっておりまして、管制につきましても、すでに管制官三十四名が現地に参りまして実際の職場訓練を受けております。したがいまして、五月十五日には差しつかえなく私どものほうに引き継ぐ、こういうふうに考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そうすると、もう一つ念を押すようですけれども、那覇空港に関しては日本の民間べースで空港管制はもう完全に実施される、一切米軍には関係しない、ただ、P3が出るときには日本の管制の許可を得て出発する、こういうことになるわけですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 そのように考えます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは、その点に関して、どうぞひとつ、認識の違いがあったりあるいは了解の違いがあったりして今後トラブルが起きたり事故につながることのないようにはかっていただきたいと思うわけです。しかし、外務省のほうにおいても、予算委員会でも問題になりましたとおり、P3が長くここにおるということは完全返還でない、こういうことでやはり問題になったわけですから、この点はひとつ力を入れて、その後の処理が十分にできるように全力をあげていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。  そのほかに関しましては、普天間にするか、あるいは嘉手納になっていくかというふうな点については、まだ完全な話し合いとか了解とかはついているわけではないのですか。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 ただいま提出されております予算案の中に三十八億円何がしというものが計上されておりまして、それが普天間と喜手納の所要の工事の見積もりということになっております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは、外務省のほうはけっこうでございます。  では運輸省のほうにお伺いいたしますが、四月二日の「朝日」によりますと、「五月十五日の沖繩返還で沖繩線が国際線から国内線に切替わることになった。」「日航が国際線として沖繩線を運航してきた既得権を主張するのに対し、全日空は国内線となる沖繩線はもはや「国内幹線」ではないとし、」日航は国内幹線になるのだという見解で沖繩にジャンボを取り入れると、こういうことで、二つの民間会社がトラブルを起こしてきておるということの記事が出ておったわけですけれども、この間のいきさつにつきまして、政務次官は、ジャンボについては二、三年これを延ばすというような御発言をしていらっしゃるわけですから、その辺の御見解をお伺いしたいわけです。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 お答えいたします。  具体的に那覇に日航がジャンボの就航を運輸省に申請してきたそれ以前の問題として、御承知のとおり、新聞紙上を航空行政だいぶにぎわしておるような現状でございます。したがいまして、幹線並びにローカル線、国際線を含めて運航している会社は、日航、全日空、東亜国内の三社でございます。三社おのおの担当分野を明らかにして、いたずらな過当競争を排除していく、しかも需要のバランスを考え、安全を基礎とした企業体制を確立する必要があるのじゃなかろうか、そんな考え方から、大臣から話がございまして、現在私の手元で、日本の航空企業体制の再検討という、はたしてそういう表現のしかたが該当するかどうか別として、いま検討している最中でございます。日航の那覇に対するジャンボ機を就航させたいという申請も、その中の一環として考えていきたい、かように考えております。現在のところまだ結論は出ていませんが、できるだけ早い機会、今月の中ごろまでに結論を出して、おのおの事業分野を明らかにしたい、かように考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 その点については、新聞にもある程度載っておりますので、了解できるわけでございますが、ところが、そこの中に、日航なり全日空なりそれぞれの思惑があっていろいろ問題が出ておるということで、全日空のほうは、東京−那覇線は比較的安い運賃でやりたい、こういうふうな話を出してきて、日航のほうはジャンボを入れる、こういうことで両社がそれぞれの線を打ち出してきておるわけです。何かその間のトラブルの内容としては、全日空のほうが初め火をつけたということで乗り入れ、国内線になったからということでIATAのほうに縛られない全日空のほうが安い運賃だということであり、されば日航はジャンボを入れます、こういうふうな形になってきているように新聞ではとれるわけです。その辺の内容でお互いに申請を出してきておるわけですけれども、その申請について運輸省のほうとしてはどういうふうなお扱いをやるおつもりなんですか。返還時には当然入っていくことになるわけですし、すでにその返還前に運航していこう、こういうことであり、いま国際線として日航がやってきている、こういうふうな現在のトラブルから端を発し、もうすぐ目の前にそういう問題が出ているわけです。申請書も出ている、こういう段階になっているわけですけれども、運輸省としてはその問題に対してどういうふうにお考えになっていらっしゃるんですか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 御承知のとおり、沖繩が五月十五日返還になる。したがって、沖繩が返還になった時点で那覇の空港が幹線なのかローカル線なのか、いまだ幹線という定義もまだ明らかになっておりません。したがいまして、沖繩の那覇が幹線としての扱いをするのか、それともローカル空港としての認定をするのか、それによって——日航は幹線以外飛んでおりませんから、おのずから結論が変わってくるものと思います。  それからジャンボについてはいろいろ新聞紙上話題を提供していますが、ジャンボはこれは長距離の旅客輸送機でございます。したがって、ファーストの席も製造当時からあるわけでございます。はたして、日本の幹線と幹線を飛ぶ場合そういう長距離の国際的なジャンボという超大型機が必要かどうか、こういう問題も、利用者の立場、日本の管制、その他現在航空行政全体の中で判断しなければならない問題だと思っています。安全第一に、同時にまた、利用者の立場に立って公平妥当な結論を出したい、かように考えています。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そこで、結論を出したい、こうおっしゃっておるわけですけれども、そうしますと、結論をお出しになるには、先ほどおっしゃったような、安全を基礎としてのバランスを考えながら検討していらっしゃる、そのワクの中で、結局沖繩は国内幹線になるものであるか、あるいはローカル線に当たるものであるかという定義づけをやっていきたい、こういうことになるわけですね。その点についてはまだはっきりした結論が出てない、その段階で両社に対するそれをきめていく、こういうことになるわけですね。そうしますと、ジャンボについての御発言がありましたが、ジャンボは、御承知のとおり長距離機であるという点から、国内線にはあまり向かないんじゃないかというようにとれるような次官のお話なんですが、まあそれはそれとして受け取れると思うんですが、もう三月三十一日に、日航が沖繩で盛んにジャンボを入れますという運動をやっているわけです。したがって、全日空も、安い運賃で運びます、これは国内線になりますからということで、自然にその辺でトラブルを起こして、お互いに腹の探り合いになる、あるいは自分の利益を考えながらいろんなことをやっていくわけですから、もう四月も半ばに達しようとしている現在ですから、いずれにいたしましても、五月十五日返還時にこうだというはなばなしい打ち上げ、お祝いをするというような観点から考えてみても、このときはすでに完全に定義ができ、機体もきまって——それもちゃんときまらなければおかしいと思うのです。そうすれば定期航路になるわけですから、いずれにいたしましても、印刷物も必要であればポスターも必要であれば、事務所もいろんなものも要るし、定員も要るということになってくるわけですね。これは利用者の立場から考えても、早急に結論を出していただかないと困るんじゃないかということが考えられるわけです。その点について次官はどういうふうなめどをお持ちになっていらっしゃいますか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 御指摘のとおりだろうと思います。したがいまして、できれば今週中と思ったんですが、おのおの航空三社の最高責任者の旅行等の都合でいまだ最終的に話し合いの合意を得ていない。できれば来週中にでも結論を出したい。決して沖繩返還時に間に合わないような——拙速主義はとらないつもりでございます。どうぞ御理解のほどをお願いいたします。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そこで、はからずも政務次官がお話しになりましたその幹線の定義ですね。幹線の定義といっても、私がいろいろあちこち聞きかじって回ってきたところによりますと、まあ全日空あたりでは盛んに、鹿児島空港が国際線にきまったということについてだいぶ異論を言っておったわけですけれども、そういう観点から考えますと、いままでの幹線の定義というものは、どれとどれが幹線なのか、東京から福岡までが幹線なのか、千歳を入れて福岡までが幹線なのか、それから鹿児島が国際線になってくると幹線に入るのか、そうして沖繩を幹線に入れると、幹線の定義がだんだん伸びていくということになりますね。そこで、結局鹿児島の空港が国際空港になったという点について、国際線としてどれだけの利用価値があるんだということになってくるわけですね。ジェット機になってできるだけ足の長いところを飛んでいかなければ目的というものが十分果たせないときなのに、あえてそれを小切り小切り国際線をつくっていくについては、私はずいぶん疑問がある。単純な考え方ですが、そう考えるわけです。むしろ、伊丹から沖繩、あるいは羽田から沖繩、福岡から沖繩というようなことは、まだ外国に属しますから、そういうことが考えられたわけですけれども、それが鹿児島に寄って飛んでいくということになると、鹿児島が寄る便の中に入ってくるということになると、どうも国際線の定義というものがまたくずれて、何かおかしい考え方でものごとを考えなきゃならぬじゃないか、こういうふうに考えられるわけですが、その点についていかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 私、最初に事務的な説明だけさしていただきます。  国内幹線とは何であるかという問題でございます。これについては、幹線の定義というものは実はございません。幹線ということばが出てまいりますのは、日本航空株式会社法の第一条の「日本航空株式会社は、国際路線及び国内幹線における定期航空運送業並びにこれに附帯する事業を経営することを目的とする株式会社とする。」これが幹線ということばが出てくる唯一の表現でございます。したがいまして、逆に申しますと、日航がやっているところは国内幹線と申しますか、あるいは日航にやらせることがふさわしいところが国内幹線というふうなことに、現状では相なっているかと思います。  それから鹿児島についてでございますが、鹿児島は国際空港ということがいろいろいわれるのですが、これについては、実は二とおりの意味があると思います。一つは、一種空港、これはもっぱら主要な国際線が利用するもの、これが一種空港でございまして、羽田、それから大阪、それが一種空港になっております。それに対しまして、たとえば板付でございますが、これは国際線はついておりますが、二種空港でございまして、一種空港とはおのずから違った性格を持っておりますが、国際線は若干なりともついておりますし、それに必要なCIQ、関税とか、検疫とか、出入国管理、こういった施設はございません。それから鹿児島については、現状はこれは実は那覇との間の航空便がございます。そのためにCIQの施設がございまして、そのために国際線が現在そこに発着しておるというのが実情でございます。  事務的な説明だけさせていただきました。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そういう関係から鹿児島に日航が乗り入れるということになったので、国際線、国際空港という形になったという、あるいは鹿児島のほうの地元の方の非常な要望があってそういう形になったんだということになるわけですけれども、いろいろ聞いてみますと、鹿児島線は、東亜国内航空あるいは全日空が、全然採算がとれない間から一生懸命いままで持ってきてやってきたんだ、それがだんだんよくなってきたら、日航がすっと横から入ってきて、いまおっしゃったとおり日航にやらせることにふさわしい空港になったから日航を入れてきたということになると、これはそういうものの考え方、とり方というところに大きなハンディがあるんじゃないですか。仕事の面あるいはものごとを運輸省のほうでおきめになるときに、そういうふうに考えられていくということになるわけです。それの延長が沖繩のほうでトラブルを起こしてきたということになります。前にも国内線でジャンボを入れるというようなことでたいへんな問題になって運輸省のほうはジャンボはやめろということで、ジャンボを入れることはやめたということになって、どっちかというと日航のほうが横車を押してどんどん自分のところを広げて、日本の国内の航空に関してはもう日航オンリーであるような形に持っていこうとするような感じさえ受けられるということになるわけですね。反対側のほうへいって聞いてみたり調べてみたりすると、そういう感じを受けてくることになるわけです。そういうことになってきますと、運輸省のほうは指導監督をしていかなければならない機関であるのに、ただ政府が出資しておるという会社であるがゆえにそういうふうなハンディをつけられて、日航だけがどんどんよくなっていくのか、こういうふうなものの見方ができてくるということになるわけですね。そういう角度から御質問もしておるわけなんです。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 私、先ほど御説明申し上げましたことに誤解を生ずるといけませんから、もう一回申し上げますけれども、いわゆる国内幹線というのは、日本航空株式会社は国際線及び国内幹線ということでございますけれども、しからば、国際線が入っている空港、これが幹線空港かと申しますと、そうではないんです。たとえば名古屋につきましては、これは国際線が入っております。しかし、これは幹線とは認めておりません。したがいまして、国際線の発着する空港と結ぶものが、必ずしも国内幹線ではないわけでございます。この点、私の説明が不十分だと思いますので、ちょっと補足して……。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 いまいろいろ航空三社の分野についてお話ございましたが、私も全く同意見でございます。民間航空事業が日本に導入されてからちょうど約二十年経過します。そういう意味では、日航の果たすべき役割りというものは、国内線に関する限り十分果たしたのではないか。したがって、将来の日航は、やはり国策会社ですから、長距離国際線、貨物、こういうものを今後新しい分野として開拓するなり、また担当すべきものだ。他の二社は、これは純然たる民間企業でございます。閣議了解の線によってこの二社をいかに育成強化していくか、これがこれからの課題だろうと思います。  それから幹線は、まだ幹線の定義とは何ぞやという最終的な詰めはいたしておりませんけれども、作業の過程でございますが、札幌、東京、大阪、福岡、これを幹線と考えております。那覇については、まだ返還になっておりませんけれども、返還されることを前提にいま検討している最中でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 次官のお話聞いていると、なるほど納得できるような話に変わってくるわけですが、そういうふうなことでこの際やはり幹線の定義づけをしていただいて、どこまでが日航が持つべきことであるか、あるいはどこが民間ベースとしてほかの二社が受け持つべきであるか。当然、資本主義の社会の中ですから、競争の原理に従ってやらなければなりませんが、その出発当時にハンディがついたのでは、当然やりにくくなってくるということになります。次官にこういうことを申し上げては逆のお話になるわけですけれども、先ほどは国鉄の将来についての問題、いろいろな問題が交通の問題の中にあるわけですね。しかし、これから航空というものの持つ分野というものは、たいへんなものになってくるわけです。したがいまして、空港整備なり何なりを急いで、空港整備五カ年計画というものをお立てになってやっていらっしゃる、こういうことになってくるわけです。したがいまして、やはりローカル線の発達を考えていかなければならない。いまはYS11が飛んでおりますけれども、機材が当然727ジェットにかわってくる、こういうことはもう目の前に見えておる。そういう時代にだんだん入ってくる、これはもういなめない事実ということになってきまずから、そういう点が、いつもトラブルを起こしてお互いにしのぎを削るというようなことの起きないようにしていただかなければならない。私の意見としては、国際線も、日航が持つべき国際線は、すべてヨーロッパなりアメリカなりに通じていく距離の遠い、いわゆるジャンボなりDC8なりの長距離機を使ったところの路線をおもに持っていくということにし、それ以外の中距離機による国際線はむしろその下におろして、それでそういうところの発展もはかってやる。それで、日中間、日朝間の問題もすでに問題化されてきておりますし、東南アジア諸国との関係もいろいろあるわけですから、そういうところのそれぞれの分担する分野というものを、やはり運輸省の方が指導的な立場を果たしながら、きちっと分けて発展をはかっていくようにすることが一番大事なことではないかと私は考えておるわけでございます。  そこで、いかにバランスがくずれていくかというのはこれから御質問するわけなんですけれども、燃料税がきまったわけです。そこで、燃料税を四月一日から払うことになってきました。そういたしますと、航空三社において燃料税をそれぞれ払うことになった場合、各社とも経営が赤字になるのか、黒字になるのか、その点いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 燃料税の問題でございますが、これにつきましては、運賃値上げの申請と相まちまして、各社のほうに一応試算してございます。その計算については現在なお検討中でございますが、一応会社側の申請によりますと、燃料税が入ってまいりました場合に、やはり日航は黒字でございます。しかし、四十七年度におきまして、日航は黒字をなお存続いたしますが、全日本空輸あるいは東亜国内航空、それぞれ相当な赤字になるという申請になっております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 それでは、なぜ日航だけが黒字が残り、他の二社が燃料税によって赤字を生ずることになるんでしょうか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 詳細な数字を持ち合わせませんけれども、概括して申し上げますと、まず日航のほうがほかの会社に比べまして集客率がいいというか、お客さんがよけい乗るという事実が一つございます。それからもう一つの問題は、やはり日航のほうが、ブレークイーブンと申しておりますが、採算分岐点、これが比較的低い、この二つの理由によりまして日航のほうは黒字になり、ほかのものは赤字になるということがいわれておるようでございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 結局損なほうばかりを持たされておるという結果が、燃料税も負担したときに赤字が出てくるという結論になってきておる。その辺に、日航がいい目をして、他の二社が悪い目をしておるということになっていくのじゃないか、こう思うのです。  これは次官に聞いていただきたいのですが、私、この間、東京−大阪間の最終便に乗ってみたわけです。あまり乗りませんが、乗ったわけです。八時半が全日空です。あとは騒音の規制で変わってきますけれども、八時五分が日航です。それで八時前に行ったわけですね。そうすると、八時五分はDC8です。八時三十分の全日空のほうは727です。ところが、行ってみると、DC8の日航のほうは、空席待ちのお客さんいませんかといって、日航が出る前に全部お客さんを吸ってしまっている。乗客としては、DC8のほうが安全性も考えられるし、機内も広いし、乗りごこちとしても、国際線クラスの飛行機に乗ったという感じも出てくるわけですから、みなそこに流れてしまう。そして今度大阪空港の騒音規制でダイヤを変えて、全日空のほうがもっと時間を短縮することになると、ますますお客さんは日航のほうへ行ってしまう。いろいろ聞いてみると、DC8を持って割り込んできたのは日航だということになるわけですね。そういうことがいいのかどうかということになる。お客さんの立場から見れば、大型機を使って安全をはかったほうがいいということになりますけれども、それじゃ中型機で安全性はあるのかないのかということにもなってくるわけです。やはり燃料税の比較の差もその辺に出てくるのではないか、こういうふうに考えられるわけですが、その点は次官もお耳にとめておいていただきたいわけです。  そこで、燃料税に関しましては、大蔵委員会できまったことをいまさらということになるわけですけれども、少しこの辺を固めておきたいと思います。   〔渡辺(武)委員長代理退席、委員長着席〕  これは三月十四日の大蔵委員会でわが党の貝沼委員が質問したことにかかってくるわけでございますが、この燃料税によって運賃の値上げをしてくる、こういう問題が出てくるわけです。簡単に言いますと、これで便乗値上げになったらいけない、そういうことはさせませんかということに対しまして、運輸省側のほうは、原価計算を十分見て、適正な原価計算によって割り出されて申請してきたものであれば認めよう、そうでない、いわゆる便乗値上げに類するものはきびしくやっていく、こういうふうに答弁していらっしゃるわけなんですが、その点について、次官、いかがでございますか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 燃料税が新設されることによって、三社のうち二社が、原価計算の結果、赤字になる、先ほど航空局長から答弁したとおりでございます。厳密な原価計算した上でなおかつ赤字になるならば、私どもは、赤字のまま企業経営させることが安全性の上にも少なからず影響があるのではなかろうか、かような考え方に立って、それが妥当なものならば、適正な運賃値上げも考慮しなければならぬ、かように考えております。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 そこで、近々に航空三社の社長さん方が運輸省のほうに陳情これ及ぶというようなことも伺っておるわけですが、すでに国鉄の運賃に見合って、名目が二三%、実質が約一六%くらいを見込んだ値上げの申請を持ってきている。われわれは公共料金の値上げにつながるものは全部反対である、こういう立場はとっておりますけれども、こういう内容につきまして、いま申しましたとおりに、審議会のほうの意見があってもと、こういうふうなことばが出ているわけです。運輸審議会からいろいろな意見があっても、運輸省としてはこの運賃値上げに対してきびしい態度で臨むという答弁があるわけなんです。ところが、いろいろ聞いてみますと、すでに運輸省のほうでは十月ごろには値上げをしたらいいのではないかというようなお話があった、こういうふうに聞いておるわけですけれども、そうしますと、燃料税によって値上げをするということを一応は内々で認めていらっしゃるんじゃないか、こうなってくると、問題はたいへんなことだ、こう考えるわけですが、その点どうですか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 非常にめんどうな問題でございます。ただ私はこういうことが考えられると思うのは、同じ公共料金といっても、選択の種目、たとえば、いまの航空機、それからタクシー、これは絶対私どもの生活に必要だというものではないと思うのです。反対に、国鉄とか、あるいはバスとか地下鉄とか、いわゆる大量輸送機関、これは名実ともに公共料金とみなしていいんじゃないか。したがって、国鉄の場合、沖本先生の御同意を得られるかどうか知りませんが、例の国鉄十カ年財政再建特別制度を設けまして、国民の同意を得て、その利用者に一部を負担していただこう、かような考え方から国会に提案いたしているわけでございます。それと、航空料金、タクシー料金、これは、同じ公共料金でも多少異なる点があるのではなかろうか。これは国民の同意を得て税金をそれに回すという種類のものじゃなく、やはり利用者が負担すべきものじゃなかろうか。もちろん、便乗値上げには断じて私どもは応ずる考えはありませんけれども、原価計算の結果どうしてもこれだけの赤字を生ずるというものならば、これは利用者に負担していただかなければならぬ、かような考え方に立って、現在審査している最中でございます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 いまの次官のお話でさらに話を進めたいのですが、この前の委員会でも少し触れたわけなんですが、空港整備五カ年計画の中で、それに対する負担分については応分に各業者に負担してもらう、こういうことがちゃんと規定されておるわけです。ということは、空港を整備して、空港を使用することによって負担を企業にかける。以前に私が質問しましたときは、いままでいろいろな空港の整備計画を立てたけれども、結果的には理論破れになっていた。実際には具体的に進まなかった。なぜかと言うと、財源の問題でこの空港整備というものが全然進まない状態で終わってきた。今度は受益者負担の原則に立ってものごとをやって、企業に負担を負わせるという立場に立って財源を見込んでいけば、これはできないことはないのだということをおっしゃったわけです。そこで、そうなってくれば当然航空運賃の値上げは見込まれるじゃありませんか、近々に航空運賃の値上げがはかられるということになりますかと言ったら、そうならざるを得ないというような御答弁があったわけです。これは記録を読めばわかりますけれども。そこで、そうなってくるとわれわれたいへんだということになるわけです。なぜかと言いますと、空港を整備すること自体は、一つの財産ができてくるわけです。整備されて、滑走路を延長し、土地ができていく、それは国の財産になっていく。その財産になった空港そのものは、今後五十年百年という長い間の使用に供していくということになれば、これは大きな財産になるわけです。そういうものが運賃値上げという中できめられていき、あるいは空港整備五カ年計画として負担率というものがきめられて、かぶせられてくると、結局——たとえば、ある空港がある、そこへ727が入るようになるので滑走路を延ばさなければならないということになった、そういう計画はいろいろあるわけです。今後やらなければならないのがおくれているわけですから、それをやることになるわけですけれども、やる以前に結局負担がかかってくるということになると、それが運賃にはね返ってくれば、まだ整備されていないものに対していわば先取りで運賃を払うというような事態が起きてくるということになる。これじゃ全くこの間の四次防の先取り問題じゃありませんが、受益者負担の原則という一つの理屈にかこつけられて、われわれ国民自体はまだできてもいないものに対して先に払わなければならない。こういう点は不合理じゃないか。それはちゃんと順序を立てて、できたものの中からやっていくとか、でき上がったものについて運賃に負担をかけていくとか、できるまでの財源なり何なりは国のほうで都合していただいて空港を整備していただく、その上で、できた分のところに来る路線に対するものは企業のほうに負担をかけていくという内容もあるのではないか、こういうふうに考えられるわけですけれども、そういうところを一緒くたにしてそれで運賃だけぽんと上げられると、運賃の中には空港整備五カ年計画の財源の分も入っている、燃料税も入っています、こういうことになると、一番ばかを見ているのはわれわれ国民だ、私はその疑問はどうしてもぬぐえないと思うのです。空港整備五カ年計画をもう少し練り直していただいて、国民の納得いくような方法をとっていただかなければ、この問題自体が問題だ、私はそう考えるわけです。その点、次官、いかがでございますか。

内村信行運輸省航空局長

○内村(信)政府委員 先生御指摘の点、たしか先般の本委員会でもそういう御指摘があったと思います。まことにその御指摘のとおりだと思います。ただ現実問題として考えますと、本来ならば、空港というものは、その個別空港ごとに独立採算でやっていくべきじゃないかという議論が一つございます。そういうふうに考えてまいりますと、これを整備するためには、未整備の空港について、これからこれを整備いたします金が必要だから、それについて受益者負担で金をいただきますということになりますと、相当大きな負担になってまいります。そういたしますと、かえってローカル空港に過重な負担がかかってくるという問題がありまして、現実にはかえって不公平になる。それから、先生のおっしゃったように時間の問題がございます。将来の受益者が負担すべきものを、いま受益していない者が負担するのはどうか、こういう議論があることは確かに問題点であります。  それからもう一方、でき上がった飛行場からは離発着の収入あるいは燃料税の収入が相当入ってまいりますので、こういったところについては、まさに受益をする方々が御負担いただくという形になるかと思います。しかし、それならばそうしたものをその当該空港に投資するかどうかと申しますと、でき上がったものについてはそれほどの投下の必要性はない。こういう状況におきまして、当該空港においての受益者というものと——これから整備すべき空港においての受益者負担というものがそう取れないということを考えますと、やはり結果といたしましては、でき上がった空港から相当多量にいただきまして、それででき上がっていない空港に投資するということも、全体を総合的に見ますと、必ずしも無理ではないのではないかという気もいたします。  しかし、確かに先生のおっしゃったように、将来の受益者が負担すべきものを、現在利用していない者が負担するというのはおかしいという議論は確かにそのとおりでありまして、そういう意味では借り入れ金というものも考える必要があるのではないか。たとえば公団なんかの場合におきましては、相当借り入れ金制度を活用いたしまして、借り入れ金によって現在はまかない、その借り入れを将来の収入によって返済していくということを考えております。そういう点なお今後は研究の必要があるかと考えます。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 いまの問題につけ加えますと、受益者負担の原則を私たちは認めているわけじゃない。認めているわけじゃないけれども、現在起きている議論に対して私はお話ししているだけのことであって、でき上がって将来ずっと使っていくわけですから、国鉄なんか見ましても、国鉄が分担してやる鉄道整備というものの分野と、あるいは鉄建公団が別に仕事をやっていく分野もあるわけですけれども、そういったできていない新線計画、これからつくっていく新幹線なりあるいはほかの路線に向かって、現在運賃が加算されているわけは全然ない。それと同じ理屈から考えていきますと、全然ないところに金をかけなければならない、こういうことが起きるわけです。いま立てていらっしゃる空港整備五カ年計画の財源措置に関してお話をすれば、そういう問題が起きてくるということになるわけです。これは大問題だと思うのです。ですから、先ほど言ったように、国の財産になって、将来財産評価すればこれだけになるのです。あるいは高速道路をつくりますと、高速道路を使う人たちが距離に従って一回の使用料をみんな払っている。しかし、そこで高速道路をつくっただけのものが浮いてくれば、そこの高速道路はただになっていくという原則があるはずなんです。そういうものが積算されて、それでそういう上に立ってどれだけの財源を見込んでいくかということにしていかなければならないですね。ですから、つくる前から企業に負担さしていくというのは、これはおかしいと思うのです。ですから、つくるまでのものは国のほうできちっとしてやっていかなければならない。それは一歩譲ってのお話なんです。私たちの考え方は、当然国のほうが財源を見込んでそれをつくってちゃんとやっていくべきである。それから応分に使用料を取っていくということになっていき、それをもう一つ進めていけば、こういう問題は、空港を国が整備して、空港の管理だとか、こういうものに対しては、政府のほうから民間のほうへ譲っていただくか、あるいは地方自治体のほうに譲っていただいて、地方自治体のほうに財源が幾らかでも落ちていって、地方自治体が空港について力を入れてローカル空港を守っていくというような形にしていかなければ、将来のローカル空港の発展というものは考えられないということになります。国がつくってくれて、そして騒音ばっかり起こされて、それで地元へは何にも落ちないわけです。こういうふうなことが起きるから、ますます反対の声が強くなってくる、こういうことになっていくわけです。この点も、将来のために大きな計画の練り直しをしていただかなければ、将来のローカル線なり何なり、日本の空のほうの発展というものは成り立たない、こう考えるわけです。  そうすると、やはり大きい話を持っていきますれば、次官に考えていただきたいことは、こういうふうなふくそうした交通体系下になってきますれば、これは私質問したときに、総理大臣もおっしゃっておったわけですが、全国の、ほんとうの陸と空と海とが持つ完全な交通体系の確立というものができれば、空が何を受け持つのか、陸は何を受け持つのか、海が何を受け持って、その中でどういうふうなことをやっていくのだということでなければ——いまはごちゃごちゃになって問題が日本の中でふくそうしているということになるわけです。そういうところに大きな経済のロスというもの、あるいは政治の、行政のロスというものが起きてくるということをお互いに考え合わせていって、将来の国の開発というものを考え合わせていかなければならない、こう考えますけれども、いかがでございますか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○佐藤(孝)政府委員 先ほど運輸委員会でも同様のことを申し上げたのですが、私は政務次官ですが、同時にまた国会議員でもございます。そういう立場で考えたときに、本来この種の行政は、やはり国民にビジョンを示して、政策の先取りをして希望を与えて、それを現実のものとして実現していくところに、政治に対する国民の理解と協力が得られるのじゃないだろうか。総合交通体系全体を見たとき、むしろおそきに失している感がございます。御指摘のように、おのおの担当分野もいまだ明らかでない点もございます。おそまきながら、運輸省は、政府と一体となって総合交通体系をつくりまして、大きく分けると空、陸、海ですか、おのおの担当する分野を明らかにし、大量輸送機関はおのおの大量輸送機関としての使命を果たすには、どういう方向で将来、たとえば国鉄とか地下鉄とかバスとか、こういう問題はどういう方向に持っていくか。空を担当する三社は、担当事業分野をこれも明らかにして、過当競争を排除して、安全でしかも国民の期待にこたえる、いま一生懸命努力している最中でございます。  先生御指摘の燃料税の問題は、理論としてそういうことはあり得ると思いますが、現実の問題として考えたとき、先ほど局長から答弁したように、なかなかめんどうな点もございますが、将来検討すべき事項として御意見は拝聴してまいりたいと思います。

沖本泰幸公明党

○沖本委員 これくらいでやめたいと思いますが、ただ私はその問題を運輸省のほうに投げかけただけのことであって、そっちのほうでお考えになっていただかなければならない問題なんです。それで、これから先いろいろ起きてくる問題について御質問したわけでございますが、幸いにも、次官がおっしゃったとおりに、ジャンボの持つ使命、そういうところからこの際もう一度話を戻しますけれども、いわゆる国内幹線の定義なり国際線の定義なり、あるいは大型の長距離機が持つシェアなり、あるいは中型機、小型機の分野というものをはっきりきめて、その上に立った行政企画をきちっとしていただかなければ、いたずらなこういうトラブルが起きていき、日本の空が混乱していくということにもなってきますから、そういうことに対してはやはり運輸省が担当すべき問題だと思うわけです。そういう点は、先ほどおっしゃったとおりに早急に定義をきめていただいて、整理をしていただきたいことを要望して、質問を終わります。

今澄勇民社党

○今澄委員長 次回は公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後四時四十六分散会

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