P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
68回国会衆議院1972/05/24

建設委員会 第19号

発言数
188
登壇者
16
会派数
4
開催日
1972/05/24

会議録

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。  新都市基盤整備法案審査のため、本日、日本住宅公団総裁南部哲也君、同理事播磨雅雄君、日本道路公団総裁前田光嘉君及び首都高速道路公団理事長鈴木俊一君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 内閣提出、琵琶湖総合開発特別措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上普方君。

井上普方日本社会党

○井上委員 ただいま議題になっております琵琶湖総合開発特別措置法の法律を見てみますと、水質の保全というところが強調されていないかに見えるのであります。御承知のように、琵琶湖、これは下流、京阪神の水源地でもあり、かつまた琵琶湖それ自身が日本民族に残された天然の資源であり、また観光資源でもある。そういう面からいたしますならば、この琵琶湖の水質が現在以上に汚染される、汚濁するということはたえられないことだと思うのです。したがいまして、この点につきましてもう少し強調する必要があるのじゃないか、このように思うのでございますが、大臣いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 私、水質保全のことを最も力を入れたのでございます。その水質の保全、水質というのは第一条の「目的」には書いてありませんが、私は初め立案のときには、「自然環境」ということで含まれておるなと痛切に感じたのです。自然の環境というのはやはり海、山のことを表わしておるのですから、その意味で十分代表されておると私は実は思ったのです。それであえて水質云々というようなことを第一条の「目的」に入れなかった。それから、観光ということについて多少誤解があるように私は思われるのでございますが、観光という意味はいろいろな意味にとられると思います。悪くいえば、たとえばレジャー、遊びということ。実は観光という意味は、もう私が申し上げるまでもなしに井上さん十分御承知でしょうが、つまり国の光を浴びる、その土地に行ってその風物に接し、その土地の山川に接し、その土地の人物に接して、そしてそれをもって心のかてとして帰るというシナの故事に基づいてつくられたものですから、正当な意味の観光というのは実際その観光でなくてはいけないのです。その風物に接して、あるいはその土地の人物属して、この土地はどういう土地柄であるかというようなことというふうに私は解しておるのですが、ややもすれば観光という意味がいろいろな意味にとられる。私は、第一条の「目的」に入れたときには私なりに解釈しておったからですが、いろいろな解釈があろうと思っておるわけでございまして、私は非常ないい意味にとって第一条の「目的」に入れた次第でございまして、その意味におきましては、これは井上さんもあまり異存はなかろうと私は思うのでございます。水質の問題も、自然環境を保持するというところでりっぱにあらわれておる、こう思ったわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 しかし大臣、現在の琵琶湖の水質汚染の状況からいって、特に私どもはこの水質の保全あるいはまた回復ということを強調する必要があると思うのであります。先般来当委員会におきまして修正案が論議されております一点も、実はこの水質等の保全ということが重要な題目になっておる。したがいまして、われわれはこの「目的」の中に特に水質の保全と回復ということを強調いたします。これに対して大臣は御認識をさらに新たにして、琵琶湖の水質の回復と保全のために御努力なさる御決意ありやいなや、この点をお伺いいたしたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 第一の事業の「目的」は、十カ年でやっても第一にそれに着手しなければならぬ。おそくなればおそくなるほど悪くなる。また琵琶湖の水質が悪くては琵琶湖の自然環境は保たれない。私として一番先に力を入れる事業である、また一番大きな金を使う事業であろう。私は一番大きな事業、かように考えておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 しかし、原案に水質の保全が強調されていないということは、私ははなはだ不満に思う次第でございます。  続いての「観光資源」についての解釈の問題でありますが、大臣は、自然の風物というようなことで、芭蕉のごとき心境に立って言われる。しかし現在の滋賀県における観光施設というものは、一口で言いますならば非常に俗悪なる観光開発が行なわれておる。こういうような状況でいくならば、おそらくや、琵琶湖の持っておる、あるいはその周辺が持っている自然環境というものは俗悪なる施設のために破壊されるおそれがあると思うのであります。大臣は先ほども、観光資源についての定義のしかたもいろいろあろうと思います。しかし自然環境を守るのだと言われた。そのままストレートに、この字句のとおり考えて、そして、たとえていうならば、レクリエーション基地というような考え方、こういう考え方を排除した案にするおつもりがあるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思うのです。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 やはり、人のいこいの場にするということはどうしても必要であろうと思うのですが、そのやり方の問題でございます。やり方の問題につきまして、これは自然のままにしておくといっても、ほったらかしておくという自然のままということはあり得ないのでございまして、やはり人の休息の場にする、その場合のやり方の問題でございますので、その点につきましては私は今後最も注意しなければならぬと思っております。たとえば道路一本つくるにいたしましても、いろいろな施設をするにいたしましても、やはり秩序ある、ほんとうの、景観をそこなわないようなやり方において開発は進めなければならぬ、私はそう思うのでございまして、ただ単にいまのままでほったらかして、それが自然の環境がいいんだ、こういうわけにはいかない。その点は十分具体的な案で留意をしなければならぬ、かように思っておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 そこでさらにお伺いするのでございますが、琵琶湖は現在は国定公園に指定されておるようでございますが、地元においてはこれを国立公園に指定しようというふうな動きがある。そういたしますならば、公選知事といいますものは、これは何をいいましても選挙民の利害得失によって左右せられるということが非常に多い。したがいまして、心ならずも俗悪なる施設をつくらざるを得ないということが多々あろうかと思うのであります。そこで、地元からも国立公園に指定というような動きがあるやに承っておるのでございますが、これは厚生省所管でございますけれども、私が質問しておるのはきょうは政府に対して質問しておりますので、この点につきましていかなる方針で臨まれるのか、この点についてお伺いいたしたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 私は、国定公園からさらに国立公園にこれを昇格といいますか何と申しますか、国自身でもってこれを措置するということはけっこうだと思いますが、その問題につきましてはまだ政府部内で固まったことではございません。それも一つの方法だ、私はかように思って、あえて反対をするものではございません。そういう案が出ましたら進んで私も推進したい、かように考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 それであるならば早急にひとつ、所管は厚生大臣ですか——環境庁と御連絡になっていただいて、そしてすみやかにそのような方向に進んでいただいて、俗悪なるレクリエーション基地なんというものをひとつ排除していただきたい、このように考えるのですが、いかがでございます。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 努力したいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 自治大臣が時間の御都合があるようなのでお伺いするのでございますが、このたびの琵琶湖総合開発計画によりまして、滋賀県内における市町村が事業を非常にたくさんやらなければいかぬ。したがいまして国庫補助の率は上げた。上げてはおりますけれども、何ぶんにも事業量が膨大になってまいります。これは後ほど建設大臣にもお伺いしょうと思うのですが、下水道工事あるいは屎尿処理工事なんかは前期五カ年間で大体完成していただかなければならぬと思うのです。そういたしますと市町村の財政は非常に圧迫されてまいります。支出が増大いたします。そうなりますと、貧弱なる市町村財政——先般も連合審査の際に滋賀県の町村の財政力についてお話がございましたけれども、私はあのような実態ではなかろうと思うのであります。もっともっと低いと思うのであります。そういうような点から考えますならば、町村財政を圧迫してあとあとの事業にまた困るというような結果にも相なるかと思うのでございますが、この点につきまして自治省におきましては財政的に特に御考慮あってしかるべきではなかろうかと思うのでございます。この点につきましての交付税なりあるいは地方債等の財源について御配慮なさる御用意ありやいなや、この点をお伺いいたしたいと思うのです。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 琵琶湖総合開発の事業計画の具体的内容というものはまだ決定せずに、概算程度でございますが、私たちが聞いておりますところ、総事業四千二百七十億、そのうち国庫負担事業で国庫補助の伴う事業が三千四百四十億、この事業に対する県並びに市町村の負担金が、大体地元負担金として千五百億になるという計算でございます。これに対して、今回の法律の特別措置によりまして補助金の国の持ち分を百五十億上げる、同時に、事業の内容によりまして、下流の受益団体が同額の百五十億を負担するというふうにきめさしていただいております。これらの過程に至りますまでの間、いま申されました県並びに市町村の財政を考える自治省の立場といたしましても、建設省と常に緊密な連絡をとりながら国庫補助のかさ上げ等につとめさしていただいたわけでございまして、さらに下流の特別融資五十億等も考えていただく予定でございますが、これらによりまして大体の市町村の事業もなし得るのではないか。またいま御指摘になりましたような事業に対しましては、下流のいま申しました国と同額の百五十億によるかさ上げ等も行なえる事業でございますので、一応市町村におきましてもこなし得るであろうというもとに計画いたしましたものでございます。しかしながら、現在の市町村財政、いま井上委員御指摘のとおりたいへん苦しい状態でございますので、一度に事業が重なりましたなれば御指摘のような問題もあろうかと思いますが、そのようなときには十分、いま御指摘の地方債あるいは交付税の措置等によりまして配慮さしていただきたい、このように考えておるような次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 四千二百六十六億という膨大なる事業をやるためには、やはり市町村あるいは県の負担は非常に膨大なるものになります。しかも、先ほども建設大臣に申しましたが、水質保全ということを一番中心に賢く以上は、特に下水道工事につきましては、国庫補助率をかさ上げいたしましたところで持ち出し分が非常に多い。たとえていいますならば、この下水道事業は五百九十億事業費が要りますが、そのうちの補助対象額は四百八十一億でございます。この点につきましては補助対象事業費の比率が非常に高いけれども、まだまだ百数十億というものを国庫補助の対象外の事業としてやらなければならない。しかもそれを年限を縮小してやるということになりますならば、市町村財政というものが非常に圧迫されてくることは御承知のとおりでございます。したがいまして、この国家的な琵琶湖総合開発事業というために市町村が疲弊するというようなことになりましたならばこれはたいへんでございますので、この点につきまして十分なる御配慮を、あるいは交付税あるいは地方債等々による御考慮をお願いいたしたいと思うのですが、いかがでございますか。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 御承知のとおり、下水道事業はいままで、ほかの公共事業と比べまして、市町村が行なわなければならない事業といたしまして、水道のごときは、簡易水道を除いては全額起債でやっていただくという姿でございますが、下水道はなかなか受益者負担としての収益がとりにくいために補助金が出ておりますけれども、補助の率と申しますか、それらはほかの、たとえば道路とかそんなものに比べて補助率が低いという姿で、今回のかさ上げはございましてもなお相当の持ち出し分が見込まれるといわれるような状態になっております。しかし、これらは長期的な市町村の施設でございますので、他の市町村におきましても大体起債でまかない、また一般財源で見ておるのでございますが、いま申されましたように短時日に集約して行なうということによって、市町村の一般財源に与える影響も相当多いのじゃないかと思います。そのようなときにはぜひとも、御指摘のとおりの地方債あるいは交付税の措置等によりまして、地方財政に非常なる圧迫を加えないようにできる限りの配慮をさしていただくように措置さしていただきたいと存じます。

井上普方日本社会党

○井上委員 自治大臣の御答弁で了承いたしますけれども、起債起債と申しましてもやはり借金なんです。でございますので、特にその点を御考慮願いまして、この専業推進にあたって、あるいは事業遂行後も、町村財政に圧迫を加えないような特別の処置を強く要求いたしたいと存じます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○渡海国務大臣 重ねての御要望でございますが、その旨十分配慮いたしまして処置をさしていただきたいと存じます。

井上普方日本社会党

○井上委員 建設大臣、実は、この原案を拝見いたしますならば、常に「開発及び保全」こうなっておるのですね。開発といいますならば、これは御承知のように自然環境を破壊することはもちろんのことであります。開発が先に立って、あとで保全が出てくるところに問題があるのであって、私どもはむしろ保全を先にして、そのあとで自然環境を破壊しない程度の開発を行なうべきだという考え方に立たなければならないと思うのであります。この点、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 まさにそのとおりです。保全しつつ開発する。保全をネグレクトして開発するなんということは許されません。

井上普方日本社会党

○井上委員 原案はどうもこれがさか立ちになっているような感を深くしてならないのでありますが、この点につきましても十分な御考慮をお願いいたしたいと存じます。  さらに、原案を拝見いたしますならば、この総合開発計画といいますものは、琵琶湖の水位を一メートル五十、あるいはことによったら二メートルも下げるようなことでございますので、滋賀県の県民にとりましては個人個人の利害関係が非常に大きいと思うのであります。そうなりますと、この計画それ自体が住民に直接非常に大きな関係を持ってまいりますので、当然ここで憲法九十五条にいうところの国民投票によらなければならないという問題も起こってくるのじゃなかろうか、私はこのように思うのでございます。しかしこれにいたしましても、過去の例もこれにあり、憲法を守るという立場からいうならば私はこれは国民投票によらなければならない、こう考えるのでありますけれども、それにかわる方法といたしまして、案を作成する際には少なくとも、県民、住民の意思を十分に盛り込む、こういう立場からいたしまして、公聴会を開く、そして県民の意見、意思というものをプランに反映させる、こういうことが必要ではなかろうか、ぜひとも必要だと私は考えるのであります。大臣、いかがでございますか。地方自治が住民自治というような考え方に立つ以上は、住民の意思というものを忠実に反映させるためにも公聴会を開く必要があると思うのですが、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 原案ではそれは、滋賀県全体の地域住民に関係することではありますが、滋賀県知事が代表するものとしてあえて公聴会の条項は入れなかったわけでございます。賢明な知事さんでございますから、案をつくるのにつきましては、それぞれ議会もありますからそういう方々と御相談をして、またこの計画をつくるのに議会の同意を得なくて知事が一方的にやるというようなことは当然考えられません。だから事実上の問題としては、それはやはり県民を代表する方々によってりっぱな案がつくられるのであろうと思って、あえて公聴会のあれも入れませんし、また議会の了承とかいうような事項も入れませんでした。私はそういう意味におきまして、知事が代表してりっぱな案をつくるであろう、こう期待しておったのですが、それは公聴会を開くのも一つの方法でしょう。私が知事なら公聴会をやります、法律にはなくても。そういうふうに知事さんをあまり縛りつけぬほうがいい、あまり拘束されぬほうがいいのだ。知事さんは選挙で出ているのですから、やり方が悪ければみんなの批判をかって落選しますから、知事さんはあまり縛りつけるとやりにくい、こう思いまして、原案の中にはそういう配慮もしまして、知事を信用してあえていろいろなことで拘束しなかっただけでございまして、そういうことで了承を賜わりたいと思うのでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 しかし大臣、この計画自体が、洪水期には水位を三十センチ下げておる、そしてまた渇水期には水位を上げておる、さらにはまた渇水期には一メートル五十ないし二メートル下げる。これは後ほどお伺いいたすのですが、そういうような計画なんであります。したがいまして、どういたしましても湖畔の住民の財産あるいは生活権、こういうものに重大な影響を及ぼす開発計画なのであります。これは天然現象じゃなくなってくる、ここが問題なんです。そうなりますと、やはり憲法九十五条にいう国民の直接の利害ということにも関係してまいるのであります。そうなりますならば、その関係住民の意思というもの、これを十分に吸い上げる。公選知事、だから住民の意思を代表しておるのだろうというようなばく然としたものじゃなくて、憲法上の問題からもこの問題は私は重大じゃなかろうかと思うのであります。したがいまして、どういたしましてもこの条項には、まあ国民投票とまでいきたいのでございますけれども、それも先ほども申しましたように先例もこれあるので、ここらあたりでやはり公聴会を十分に開いて、利害関係を持つ住民の意見を、これをプランの中に盛り込む必要がある、このように考える次第であります。   〔委員長退席、田村(良)委員長代理着席〕 この点につきまして、大臣の御答弁につきましては私はどうも了承できないことをつけ加えておきます。  さらに、この原案によりますならば、関係市町村、たとえていいますならば滋賀県におきましては、滋賀県の関係市町村長の意見というものが反映されておりません。下水道事業なんかは、これはもちろん市町村営の事業でございますので、市町村への重大な関係が出てくる。ところが、その市町村長の意見を聞く機関が法律上ないのであります。あるいはまた淀川下流流域の関係市町村も、これはまた先ほど来自治大臣も言われたように、これも後ほどお伺いいたしますが、負担がかなり出てくる、大きくなってくる。にもかかわらず、関係市町村長の意見というものが、これが反映する機会がないのであります。まことにこの点につきましては私どもは奇異に存ずる次第なのであります。大臣、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 私は、実質的に広く国民の意見を聞かれるであろうということを思っておったのですが、そういう心配があればまたこれは法律の不備ということにもなるのですが、私は、知事が立案する場合にはあらゆる方法をとってそれはやってくれるだろう、こういうふうに思うのです。もちろん下水道事業をやるときば、それは市町村がやる場合も県を通じていろいろ現在でも相談してやっておるのでございまして、実際上の問題はこれは県だけでやれるものじゃ、ございません。市町村が意思表示をして、そして県を通じて、そして本省にというようなことで予算の獲得にたるのであります。私はもちろん市町村長に関係なくしてやれるなんということは思っておりません。ことに流域下水道でございますと、これは県がみずから多くの市町村に連絡をとって初めて県の主体の事業としてやるわけです。   〔田村(良)委員長代理退席、委員長着席〕 まあ、法律の、原案にはあえて市町村との連絡をとって云々という字句は入れておりませんが、実質上はそう変わらないのじゃないか、こう思っておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 市町村長と、卒業のプランをつくるにあたっては連絡するでろうというようなことを期待して法律をつくられては私は困ると思うのであります。あくまでも市町村が財政的に負担する、また事業主体も市町村である以上は、プランを立てる際にはやはり市町村の意見というものを関係知事は十分に聞いて、その意見を取り入れた計画でなければならないと思うのであります。こういうのを法律上抜かしておるということにつきましても、私どもは大きな不満を感ぜざるを得ないのであります。するであろうということよりもむしろ、やはり意見を聞かなければならないという一項を入れることによって法律の体裁も整うのじゃないか、このように私どもは考えるのであります。したがいましてこれ以上は、原案をつくられた大臣との間の質問はもうやめておきます。  それから第九条でございますが、「国は、総合開発事業の用に供するため必要があると認めるときは、その事業に係る経費を負担する地方公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。」こうあるのです。この場合は有償ですか、無償ですか。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 先般も御同様の御質問がございましてお答え申し上げたのでございますが、通常、無償の場合は、無償であるとかあるいは譲与とかいうことばを使っておるような例になっておるようでございますので、この場合は原則は有償と申しますか、無償ということではないということでございます。しかしながら、御存知のとおり国有財産の譲渡につきましては国有財産法等によりまして、いろいろケースがございますから、それらの規定に従う、こういう趣旨と受け取っていただきたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 そうすると、この場合は例の国有財産の処分規定と同じと考えて差しつかえないのですね。——そういたしますならば、わざわざこんな「譲渡することができる。」なんて書く必要がないと思うのです。これこそ法律上期待感を持たすだけのことじゃないですか。これは無償でくれるのだ、あるいは割り安でくれるのだということを、関係住民に対し、あるいは関係地方団体に対し期待感を持たすだけじゃありませんか。こんなのなら、普通のとおり扱うならば何もこういう一項目を入れる必要はございませんでしょう。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 他の開発立法等におきましても同種の規定がしばしば見られるわけでございまして、特にそういった配慮をいたしますということを強調しておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 これはかっこうをつけるだけでこんな九条を入れたのですか。ほかの開発立法にあるから、かっこうをつけるだけにこれをつけたのですか。どうなんですか。かっこうをつけるだけで、手続は他の法律と同じであるというならこんなのは要らぬじゃないですか。繁文縟礼ということばがあります。こんなものだったら、他の法律どおりやるのであれば、こんな九条なんというのは要らないじゃないですか。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 特に優先的に考慮をいたしますという趣旨でございますので、右傾、無償ということにはかかわりなく、実際にそういう譲渡の希望があり、そういう国有財産等があれば優先的に配慮いたします、こういう趣旨とお受け取りを願いたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 この第九条からいうと、そういうような趣旨に受け取れますか。「譲渡することができる。」であります。これは国有財産も譲渡することができるのであります。そうであれば「優先的に」となぜ書かないのですか、そういう趣旨を。入っていない、じゃないですか。国民はこれはもう常識的に条文のとおり読むものなんです。優先的に地方公共団体に対し譲渡するのだ、しかも有償で、時価で譲渡するのだということであるならば、その旨を明確にしたらどうですか。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 有償か無償かは国有財産法等の規定に従うわけでございますけれども、そういった財産は譲渡の希望がある場合には優先的に配慮いたします、こういう趣旨でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 これ以上言ったところで……。こんな九条みたいに、かっこうをつけるためだけにつくられた法律なんというのは、もう少し内容のある条文にしていただきたいということを強くこれは要求しておく次第でございます。  それから第四条でありますが、「滋賀県知事は、毎年度、その年度の開始前までに、琵琶湖総合開発計画に基づく当該年度の各事業の実施に関する計画の案を作成し、これを近畿圏整備長官を通じて当該各事業に関する主務大臣に提出するとともに、関係行政機関の長に送付するものとする。」こうあるのであります。これでありますならば、年度計画の決定といいますものは三月三十一日でいいわけなんです。そのときはもう予算の配分も何もかも大体きまってしまっておる。こういうのはただこの専業に関係する事業を羅列して報告するにすぎないと思うのであります。でございますので、これも法律上かっこうをつけるだけかもしれませんけれども、これは少なくとも実態に合わすためには年度の開始前までに、少なくとも十一月もしくは十二月というような限定をされる必要があるのじゃないかと私は思うのですが、大臣、これはどうでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 やはり、政府予算は八月に概算をやりますから、そのときに意思表示をしておかなければそれは事業はできません。滋賀県知事はその年度の初めということですが、年度の開始前、実際問題としては滋賀県知事が、四十八年度の予算でやるのならば四十七年度の夏に、概算のときに意思表示をしておかなければならぬ。それは、意志表示はするけれども、正式な各省に対する要望はその年度の初めに、いよいよ政府の予算がきまってからでもいい、私はそう思っておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、これは年度開始前ということになっておるわけです。少なくとも政府が各予算案を決定する前に、当該年度の各事業の実施に関する計画ですから、少なくともそのころまでに明示するという必要があると思うのです。総合開発計画は往々にして形式に流れまして、そして済んでしまって羅列して報告されるということがいままでの通例であります。これは直さなければならぬと思うのです。予算案を決定する、予算案の概算要求をするというのは省内の、あるいはまた各省間の事項でありまして、少なくとも政府案が決定するというのはやはり一つの政府としての行為であります。でございますので、それまでに、実施する計画というものをこの前後に通知するということにする必要があると思いますが、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 いずれにしても形式に流れぬように、実際問題でやはりこれは、明年度の仕事でありますれば概算予算をつくるときにわれわれは十分連絡をして、そうして予算がきまってからさらに詳細なものについて、滋賀県知事は、ずっとこまかいものの要望をしてもらう。大ワクがきまってから後にということで結局おざなりのやり方はしたくない、かように思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 それはいまの大世の御答弁のように実施前に明確にきちっと入れるのでないにいたしましても、いまの大臣の御答弁は重要でございますので、この点は私は一つ確認をしておきたいと思います。特にはっきり申し上げますなら、予算案をつくって、予算案が通ったあとにおいて個所づけをするというのが各省のやり方なんでございます。でございますので、実際の仕事というものは、形式上いいますと、四十八年度事業でありますならば四十八年四月一日以降において個所づけができる。したがって総合開発のここにはこういう金額を出せるのだということになっているわけなんです。そうするならばここに食い違いが出てくるのです、もうすでに実施する計画なんですから。でございますので、あらかじめその年度におけるマスタープランというものを予算案決定の前に一つ書く、こういう手続をとられるという確認のもとに、私はこの質問を終えたいと思います。  それから続いて、総合開発計画は十年の長きにわたるわけでありますが、当初に申し上げましたように、この総合開発の一番重要とするところは、大臣も言明になりましたように水質の保全ないしは回復ということであります。そういう観点に立ちますならば、この計画をつくるにあたりましては、まず第一番に考えられるのは水質を保全し、なおまた現在よごれておる琵琶湖の水を回復せしめる処置でなければならないと思うのであります。そういたしますならば、事業の重要度からいいましてもまず第一番に、水質を保全するという立場から下水道事業あるいはまた屎尿処理施設というものを最重点的に最もすみやかにやる必要があると思うのであります。こういうような観点からいたしますならば——先般も連合審査の際に、大臣は、これは前期五カ年計画、後期五カ年計画でやったらどうかというようなお話がございました。したがいまして、この下水道事業あるいは屎尿処理事業というものを前期五カ年間にやってしまうだけの御決意がありますかどうか。最重点的な事業でありますゆえにこれをやらなければならないと思うのです。どうでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 私はそういう気持ちで事務当局等にいろいろ話をしておりますが、正直なところなかなかたいへんだ、五年以内には、こう言うのですか、これはやり方の問題であります。いまかかっているのは流域下水道の三カ所でありますが、流域下水道三カ所は絶対的にやらなければいかぬけれども、もう少し流域下水道をやらなければならぬところがあるの、じゃないか。それは尚高地区であります。それからさらに三次処理の用地も買っておけばいいじゃないか。これはデテールの問題がございます。しかしおおむね五カ年で仕上げたい、こういう気持ちをいたしております。それだけはもう大体は五カ年で仕上げるようにしなければ非常によごれますから、そういう気持ちをいたしております。

井上普方日本社会党

○井上委員 そういう気持ち、では私らはどうもぐあいが悪い。この間下水道センターをつくるくらいに技術者が少ないという事情も私らわかります。わかりますけれども、少なくとも財政上の理由によってこれが五カ年をはみ出すということのないような御処置をおとり願いたいと思うのであります。どうでございますか、この点。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 あなたの言うようにいたします。

井上普方日本社会党

○井上委員 この点につきましては、少なくとも私どもは、私の言うとおりにいたしますというので了解いたします。  それから、先般来学者先生を呼びまして聞いたのですが、土倉鉱山とか、あの周辺には鉱山の廃鉱がありまして、カドミウムとかあるいは、水銀はそうじゃなかろうと思うのですが、鉛とか亜鉛、マンガンというようなものが非常に流れ込んでおる。これはいまはそうたいした濃度ではございませんが、やがてこれがもっと増してくるのではないか、このようにいわれておるわけであります。したがいまして、これは建設大臣の関係ではないかもしれませんけれども、政府に対してお伺いする。これらの廃鉱の処理をどういうふうにしていくか、この点ひとつお伺いいたしたい。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 琵琶湖の北湖の底質の汚染につきましては、いまお話しの土倉鉱山からのいろいろ汚水その他等が底層を侵しているというおそれがあるわけでございます。私どもといたしましては、工場の排水規制とあわせまして、休廃止の鉱山につきましても、特に土倉鉱山につきましては今河私どもが計画いたしております休廃止鉱山の  一斉点検の対象に入れまして、至急対策を講じたいというふうに考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 特にこの点につきましては、したいと思いますというようなのではなくて、具体的に少なくとも出していただかなければならないと思うのです、総合計画なんでございますから。この中にその計画は入っておるのですか、入っておらないのですか、どうです。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 具体的にはまだ計画の中に入っていないと思いますけれども、水質を保全する、また琵琶湖の底質を改善をするという立場から、当然私どもはほかの事業計画とあわせまして対策を講ずるつもりでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣はこの近畿圏整備本部長官で、これの実質責任者なんです。いままで出されておる各案によると、廃鉱処理というものが具体的になっていないのです。この点が重大なんです。しかも琵琶湖の重金属による汚染というものが非常に重大なのでございますので、これはぜひとも入れていただきたいと思うのでございますが、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 琵琶湖の総合開発に対する責任は全くこの近畿圏の長官にあるわけです。また建設大臣が兼ねておりますから私にあるわけであります。したがいまして、この法律が通過いたしますれば——まだ通過しないうちから通過するというのは悪いのですけれども、気持ちはやはり名打の連絡会を開きたい。事柄はたいへん各行にまたがっておる。しかも、解決すると一口で言ってもたいへんむずかしい仕事もあるわけでございます。したがいまして、これから詰めていくわけでございますから、それには建設大臣が大任を持ちまして、あらゆる機関を動員してプッシュしていかないとできないわけでございます。いまの重金属の問題等も、一口に言いますけれども、なかなかむずかしいが、まず実情を十分把握していかなければならぬ。これからの問題であろうと思いますけれども、そういう困難な点がありますので、各省、また農林関係にもだいぶむずかしい仕事がございます。水産業につきまして学者の意見も十分聞きまして進めたい、かように思っておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 この法案がつくられる際には、一体事業計画はどれくらいになるだろうかという策定で、すでに御承知のように七百二十億あるいは四千二百六十六億という事業が出てきておる中に、廃鉱処理が出てきていないことを非常に残念に思う次第であります。したがいまして、大臣におきましてもこういうような点は、今後の遂行の上においてはそれらについて十分にやっていただかなければならないのであります。いかがでございますか。環境庁もそれを早急に実施いたしたいと申されます。大臣もひとつ所管大臣といたしまして、この廃鉱処理——いままで各省庁において気がついていない。気がついておれば当然この事業計画の中に入っているでしょう。入っておらぬから私は、言うのです。この点についていかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 十分調査をいたしまして措置したい、かように思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 さらに、湖でございます。すでに御承知のように諏訪湖なんかは非常に汚染されて、回復不可能というような状況にまでおちいっておる。しかしまだ琵琶湖はこれから回復する余地は十分にあると思います。何ですか、先般琵琶潮汚染の原因の七〇%は工場廃液、あと三五%が家庭廃液、あと四%はその他、こういうお話でございました。したがいまして、そういうようなことを考えるならば、工場の排出基準につきましてはいままでの水質基準のPPM方式ではもう、だめだと思うのです。これよりもむしろ排出量の絶対量、総量を規制するという方向でなければ、湖であるだけに汚染というものが、外洋でございましたならば太平洋からアメリカの近くまでいくでしょうけれども、これでございますと中に沈でんしてしまう、あるいは蓄積の度合いが非常に早いというような点からいたしますならば、いま左での水質基準PPM方式では、だめではないかと思うのです。それらの点につきましてはいかなるお考え方を持っておられるか。これは公害対策特別委員会でもかなり議論せられておるようであります。特に、先ほども大臣は琵琶湖を国立公園に指定するべく今後御努力を願うというような状況でございますので、この点につきましてはさらに御決意のほどを承りたいと思います。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 お話しのとおり普通の河川ではございませんで、湖というように水の交換が非常に困難な場所につきましては、従来の濃度規制だけでは十分な効果があがらないということは当然私ども考えております。そこで、私どもは先般琵琶湖の環境基準をつくったわけでございますが、環境基準の設定並びにそれを維持するための諸対策を検討するにあたりましては、琵琶湖に流入いたします汚濁の負荷量というものをいろいろ計算いたしまして、その負荷童をカットするという方法で、たとえば上のせ排水基準を設定するとか下水道の基準をこういうふうに進めるということを私ども検討し、その実行を考えておるわけでございます。具体的に容量規制の方法は現在とっておりませんけれども、当然容量規制の考え方で各府県においては排出基準を設定するということをいたしておりますし、当然滋賀県におきましても、琵琶湖の汚濁負荷量全体を勘案いたしまして排水規制を強化するということを私どもも指導し、滋賀県のほうもそういう方針でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 環境庁、水質保全局長か何か知りませんが、その負荷量であるとかなんとかといっても、われわれしろうとなんです、わからぬですよ。国民にわかるようにひとつ教えていただきたい。水質基準はいままでは濃度で規制をしておった。しかし濃度でやっておってもこれではだめじゃないか。少なくとも有害物質の全体量を規制するような、総量を規制するような方法でなければだめなんじゃないか。これは一般に通用せられておる事柄であります。先日も環境基準によって規制せられたようでありますけれども、これも濃度の規制であって決して総量の規制ではない。入ってくるのは総量なんです。そこに私は問題があると思うのです。その点について今後どういうように進まれるのか、その点を伺いたいのです。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 ちょっと申し上げますと、琵琶湖の北湖につきましては、私ども環境基準AAというふうに規定をいたしております。そのAAを維持するためには、琵琶湖周辺に工場が位置したり、また住宅が建ったりということで、今後どれだけ琵琶湖の水をよごすかということを一応計算をいたします。その計算をする場合に、たとえば捨てる中で工場排水ではこれだけよごしている、家庭下水ではこれだけよごしている、畜産排水ではこれだけよごしているということを計算をいたしまして、今後、一応五年間でございますけれども、五年後にはこれだけ汚濁がひどくなるだろうということも計算いたします。そこで、そういうような汚濁がひどくなることに対しては、汚濁の量を減らさなければ、カットしなければ現状が維持できないということになるわけでございます。そのカットする場合には、工場排水につきましては現在の濃度規制をたとえば半分にするとか三分の一にするとか、そういうようにさらに規制を強化するというふうにいたします。また家庭下水につきましては下水道をこれだけ整備をするというような計画を立てるわけでございまして、それらを総合的に勘案をいたしまして、琵琶湖の北湖はAA基準が維持できる、また維持しなければならない、それは可能であるという結論のもとに私どもは環境基準をつくったわけでございます。先ほど先生がおっしゃったように、濃度規制なのか容量規制なのかということでございますけれども、私が申し上げましたのは、現在の水質汚濁法によりますと、一律基準も、また上のせ基準もPPMという濃度規制の方式によっております。その限りにおきましてはこれは容量規制ではないというふうにいわれてもいたし方がないわけでございますけれども、これを逆用によりまして、たとえば琵琶湖の北湖の周辺の工場につきましては、非常に汚濁が進行するから、そういうことも考えて普通よりもさらに強く濃度を落とすということによりまして、結果的には容量を勘案し濃度規制たができる余地がある、そういうことにいたしたい、私どもは現にそういうふうに運用しておるということを申し上げたわけでございます。さらにこれを実効をあげるためには、おっしゃるとおり、法律のたてまえからもまた規制の態様からも、容量規制、水の排水童と排水の濃度と両方勘案いたしました規制に進まなければならないと思っておりますけれども、現在各工場別に量と濃度と合計いたしました排水を規制する技術的な方法が開発されておりません。そこで私どもは濃度規制の方法をとりながら、実質的には容量規制につながるように、そういうような濃度規制の方法を採用していると申し上げたわけでございます。したがいまして、琵琶湖につきましてはそういう容量規制の考え方を十分取り入れまして濃度規制の方法を運用してまいるということを申し上げたわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私どもは、この法律によって水質の汚濁を防止するのではなくて、回復させようという趣旨なのであります。しかしいまの環境庁のお話でございますならば、これは汚濁の量がひどくなることを、現状を維持することが可能である、あるいはできるのだ、現状を維持しよう、少なくとも最低限現状維持というような考え方で進まれておるようでありますか、この点に私らはひどい不満を感ずるのであります。いまはAA基準かもしれませんけれども、AA基準そのものにいたしましても現状は昔とだいぶ違っておるのです。大臣も琵琶湖を船でお渡りになった。先般私も見に行きますと、私が子供のころ船に乗ったときには、あんなにおいはしなかったと思うのであります。南湖だけでありましたけれども、現状ではわれわれは非常なにおいを感じた。あるいは洗いぜきの落下する水の色を見ましても、もうすでに緑色がついた水が出ておりまして、他のダムの水とは色が迷う。こういうようなことからして、これは回復しなければならない。琵琶湖というものは民族の遺産だ。これを後世にまで昔のまま伝える必要があるのだという考え方に立って、私どもは人質の回復ということを強く要求いたしておるのであります。しかし、いまのお話でございますならば、汚濁の進行度をとめるのだというくらいの程度であります。しかも、これは御承知のように、工場の廃液の濃度規制でいきますと、かたわらにはたくさん水があるのですから、水を吸い上げて薄くして流せば幾らでも流せる、これが企業の事態です。濃度規制をやるならば、水を大量に使えば濃度が薄くなるということに問題があるのです。でございますので、少なくとも湖周辺に建つ工場等の廃液税制というものは、あくまでも排出する総量、全量についての規制ということでなければ実効はあがらないと思うのです。大臣どうでありますか。あなたは水質を総合開発のまず第一番に重点的に考える。それならば、汚濁を防止し、復元させるというためには、周辺の工場の廃液規制をいままでの濃度規制ではなくて、少なくとも有害物質の総量を規制するという方向でなければならないと思うのですが、いかがでございますか。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 私ちょっと簡単に申し上げたので、たとえば琵琶湖の現状を維持するだけではな  いかという御質問でございますけれども、さらに詳しく申し上げますと、北湖につきましてはAA基準という、湖につきましての破局の基準にいたしておりますが、私どもの計算によりましても、北湖もさらによくするというような計算のもとに排水規制等を計画いたしております。南湖につきましては現状Aでございます。これを五年以内というのはちょっとむずかしいようでございますけれども、五年を経過してなるべく早い機会においてAAに持っていく。さらによくするというような考え方のもとに規制を考えておりますので、琵琶湖全体の現状を維持するつもりは私ども毛頭ございません。さらにこれをよくするという方向で諸般の規制その他を考えております。  容量規制につきましては、おっしゃるとおり、企業が水で薄めて流す場合には何ぼでも濃度は薄まるじゃないかということ、理論的にはそういうことでございます。必ずしもすべての企業がそういうことになることはないと思いますけれども、そういうことをする企業につきましては、当然そういうことがあってはならないというふうに、工場の公害防止施設その他の点検の際に私どもは指導いたしております。法律上当然規制はできませんけれども、運用におきましては、先ほど申し上げましたように上のせ排水基準その他によりまして規制をしておりますし、現に排水の場合も水で薄めてやるから規制にかからぬということは企業に許しておりません。そういうような方向で、特にこのような排水面については今後配慮していくつもりでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 企業というものは金もうけのためには何でもやるのです。大体そういう考え方で規制というものに臨まなければならない。特に近ごろでございますと、濃度規制があるので大量に水を使って薄くしようというのが大体企業の考え方です。そういうような事例もほかでは見当たるはずです。これはうなずいておられるからあなたも実例を御存じだろうと思う。かたわらに湖があって水は幾らでもある。濃度規制をやられた。さあそれでは湖の水を少しよけいに吸い上げて流そうか、これが人情の機微であります。これがやられるおそれがあるから総量規制をやらなければならない、全量規制をやらなければならない、私はこういうふうに申すのであります。あなたの考え方と、だいぶ違うようでありますから、またあとで大臣にお伺いいたします。  近畿地方建設局で出された「琵琶湖総合開発」というものを見てみますと——あなた持っておられますか——。「びわ湖総合開発後」というページを見てごらんなさい。北湖の東側には大規模工業団地が造成される計画になっております。さらにまた福井県寄りのところにも大規模工業団地がつくられる計画になっておる。こういうような計画を見ましたときに、現在でも琵琶湖の汚濁の原因の七〇%以上が工場廃液だということから考えますならば、こういうような大規模工業団地が造成せられるこの計画自体にも問題がありますけれども、これによってさらに水質が汚濁しないか、私は非常に危惧の念を持つものであります。したがって、諏訪湖のごとく——諏訪湖はもう死の湖とかいわれております。こういうようにならぬためには、従来のPPM方式の濃度規制ではもうだめだというのが学者並びに一般の常識になっておる。この際に総量規制、全量規制、容量規制というもので、工場が出す廃液全体の有害物質の総量を規制する方向に進まなければならないと思うのです。しかも、琵琶湖総合開発計画という大きな計画なんです。国家的な事業としてやろうとしておる。このときにこういう方法を講じなければならないと思うのですが、所管大臣としていかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 あなたのおっしゃることはわかります。つまり、PPMですから千分の幾らで薄めればよくなるじゃないか、そういうことをやって企業がごまかせば、それはそういうことになりますけれども、そんな規制は規制のうちには入らないのです。あくまでも絶対量をカットするということです。したがいまして、いままで企業がそういうことを行なっておれば、それは十分監督しなければならぬと思っております。絶対量を減らして、絶対量の減らされたものが川に流れ込めば自然によくなるわけでございますから、その点は十分わかります。また、御案内のとおりあの付近は高速道路が通りました。その影響で工業立地として非常にいいところがたくさんできたものでございますから、おそらく住宅地にしても工業立地にしてもこれから非常に進むと私は思います。したがってその点につきましては、無秩序な開発はさせないように十分注意しなければならぬと思っております。草津及び近江八幡の付近にある工場の規制につきましては、あなたが言われるように絶対量について汚濁を減らす。これは今後環境庁も十分考えるでしょうし、私たちもその気持ちで監督をしたい、かように思っておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣の言われるのはよくわかるのです。しかし現在の環境基準の設定のしかたが、先日の法律によってPPM方式になっておる。したがって、これが湖の開発、湖の周辺の開発ということを眼目にしておる以上は、しかもその眼目の第一番に水質の汚濁の防止あるいは回復ということをやる以上は、特別に法律でもつくって、大田のおっしゃるような総量の規制、容量の規制、絶対量の規制ということをうたわなければならないのじゃないかと思うのです。私の言うことに賛成していただきましたが、大臣はいかなる方策をもってそのお考えを推し進められるのか、この点をお伺いしたいのです。行政処置ではもうだめです。

岡安誠環境庁水質保全局長

○岡安政府委員 いま建設大臣もお答えになりましたけれども、環境庁といたしましても容量規制の方向に持っていくことは賛成でございまして、できるだけ早くそういうふうに持っていきたいと考えておるわけでございます。先ほど申し上げましたとおり、現状におきましては、技術的な問題で企業個々につきまして水の量と水質と両方合わせてこれを規制するということはちょっと問題がございますので、できるだけ早く技術的な難点を解消いたしまして、水質規制一般につきましてこれを容量机制の方向に持っていくということを実は考えておるわけでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 大臣、いま環境庁は、総量規制じゃなくて濃度規制で技術的にやろう、こう言われるのです。私どもは企業の実態から考えまして——昨年でございましたか、これはひどい例ではございましょうけれども、わが党の、石橋書記長が通産省役人と企業の癒着につきまして質問をいたしました。ああいうような事例は至るところに見られるのです。したがいまして、環境庁がそうだとは私は申しませんけれども、企業というのは金もうけを善とする考え方で出発しておりますから、何をいいましてもそういうような傾向がでてくる。先ほど申しましたような例が出てくると思います。したがいまして、総量規制をやらなければいかぬ。しかも湖でございます。海洋に面しあるいは河川に面した都市じゃないのです。でございますので、この点についてはきびしく総量規制という方向、容量規制という方向で進まなければならない。特にこの総合開発をやる以上は、特別立法でもつくって琵琶湖周辺の工場廃液の規制ということを行なう必要があると思うのですが、近畿圏整備本部長官としてはいかがですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 十分研究はいたしたいと思いますが、非常に高度の技術的な問題で、考え方はわかりますけれども、法律でそれが防げるかどうかということです。今日、公害はひどくなったが、法律としては日本は非常にりっぱにできておると私は思うのです。おそらく諸外国と比べて、公害に関する法律としては微に入り細をうがってできておる。ただ今日のごとくしたのは、やはり監督がいけなかった、私はこう思うのです。法律をつくるだけでほったらかしておいて、現実はそれに沿わなかった。それでこんなになったと私は思います。しかし、あなたがおっしゃることは技術上のたいへんむずかしい点もありまするが、ますます琵琶湖が悪くなってはいけませんから、十分そういうことで検討したいと思います。御案内のように、水が循環しないところに非常に問題があるのです。湖というものはおおむね水が循環をいたしません。それが非常に汚濁の原因になりますし、一たんよごれた湖というものは生き、返らすのにたいへん年月がかかるのです。まだ琵琶湖は洲のうちでも比較的いいほうだといわれております。したがって、法律をつくってそれで防げるものなら、法律をつくるのもけっこうでございます。十分検討いたしたい、かように思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 早急に検討されまして、そして琵琶湖の水質の回復という目的のために御協力願いたい、この点をひとつ要望しておきます。  さらに水質の問題につきまして、屎尿処理をやられる。この屎尿処理につきましては、いままでいただきました資料によりますと、十二地区で五十市町村に実施するということになっておるようであります。しかし一方見てみますと、補助対象事業としていかに補助するかという点につきましては、まだ検討中のようであります。しかしながらこの屎尿処理は町村財政にかなり圧迫を加えますので、いま近畿圏整備本部の考え方は国庫補助の対象事業として設置するのかどうか、この点ひとつお伺いしたいのです。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 事業の量はわかっておるわけでございますが、仰せのように国庫補助の対象にどこまで取り入れるか、これは実はまだ下水道事業との関連もございまして検討いたしておるわけでございます。しかしながら、これは補助率アップの対象等にはいたしませんが、極力補助対象に取り入れて、事業が円滑に実施できますようにいたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 その点につきましてはさらに、事業を強力に推進する以上、これを対象にするべく御努力願いたいということをお願いいたしておきます。  さらに、この近畿圏の水需要につきましては、いままででございましてもかなりな量を取っておる。しかも水利権として取っておる。ですが、琵琶湖の水位を一メートル五十下げるということにつきましては、琵琶湖の周辺住民にとりましては非常な被害を及ぼすのでありますが、しかし下流地域におきましてもやはり、水利権を持っておるのだという理由で、水の節約をしていただかなければならぬところはこれは水の節約をしていただかなければならぬと思うのです。一例をあげますならば、下流におきまして、大阪府下におきましては淀川水系の水利権として農業用水に十八・幾らの水も取っております。しかし、その農業の実態を見てみますと、これは先日も建設省にお示し願ったのでありますが、ひどいところでございますと宅地化しておるのが三分の一です。そのほかにも例の米作調整で、米作をやめて蔬菜園芸に転換しているところがあると思います。そういたしますと水の需要というものは、十八・幾らの水というものは私は下がっていいと思うのです。三分の一少なくなったから水の量が三分の一だということは私は申しません。これはいろいろ事情もありますけれども、少なくとも今後二百万人人口が増加するのだから、それで四十トンの水をくれというのが大阪の要求なんです。で、二百万人あの下流に入れるのでありましたならば、当然それだけの農地というものはつぶれて宅地化する、あるいはいままで水田であったのが蔬菜園芸化する。そういたしますならば、いままでのようにかんがい期にたっぷり要った水というものは、これは少なくなってしかるべきなんです。しかしそれには導水路をやり直すとかあるいはまたポンプの施設を新たにするとかいうような施設をしなければ、十八・幾らの水をそれだけの面積が減っただけの比率に直すことはこれは困難でございます。しかし、やはりそういう努力を下流の関係市町村あるいは関係府県というものがやっていただかなければならないと思うのです。滋賀県あるいは琵琶湖周辺の住民につきましては一メートル五十ないし二メートル水位を下げる以上は、下流のほうでもこれだけ節約をやりましたという実績があらわれなければならないと思うのです。そういう面からいたしまして、農業用水にいたしましても、あるいはまた電力にいたしましても——これは昭和二十七、八年ごろつくられたダムが非常に多い。でございますので、水需要よりもむしろ電力需要という面から電力会社に水利権を与えておる場合が非常に多いのです。でございますので、これはひとつ水利権の洗い直しをやっていただく必要がある。そうでなければ、下流はこれだけ節約しましたよ、だから上流の住民はひとつしんぼうしてくださいと言うわけにはまいりませんので、しんぼうしてもらうためにはそれぐらいの努力はしなければならない。その努力がどうも私は不足ではないかと思うのです。この点、いかがでございますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 いままで経済企画庁でできなかったものは、水系として淀川の基本計画はできなかったのです。それは、いままでもめておって、琵琶湖から何トンの水をくれるかということがきまらなかった。今回、いままでの水利権以外に、琵琶湖から流れておった水以外に、常時四十トン・パーセコンドの水が出るということにきまりましたから、したがいましてまず淀川の基本計画をきめることになろうと思います。その場合に、水のそれぞれの分配、水のアロケーションにつきましてやはり再検討しなければならぬのは当然でございます。それだけ地元が、水源地が負担をするのでございますから、大阪府、兵庫県等の水の利用の面につきましてはやはり十分今後考えたい。さらに建設省といたしましても、最近もっぱらいわれることは、ただダムをつくって水をたくわえるのみならず、水の再生、再利用を考えようということが強くいわれております。したがいまして、これは通産省にも関係いたしますが、この制度といいますか、方策を立てるようにいま私は命令をいたしております。いろいろ水の再利用のことにつきましても現在小々ばかりはやっておりますけれども、まだ十分じゃございません。十分淀川全体の基本計画をこの機会につくりたい、かように考えておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 淀川の水の基本計画をつくるのでありましたら、私もこれは言おうと思ったのですか、あの桂川の水が非常に汚染されておる。これは京都府下に非常に下水道の施設ができておらないというところに私は原因があると思うのです。したがって、私はこれはもう桂川流域も高率補助を適用して下水道の普及を、やらなければならないと思うのであります。河川の中流に百万の都市があるというのは、全国見ましてもこの淀川の京都以外にはございません。でございますので、京都の廃液というものが淀川の水の浄化のためにいかに問題かということはもう御存じのとおりであります。しかも京都は下水道の普及が非常におくれておる現状においては、やはり京都市あるいは京都府下の下水道の整備をやらなければならないと思うのでございます。この点については大臣、いかにお考えになりますか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 京都の桂川の水につきましては、単独に下水道の処理を進めておりますから、京都は京都として下水道を十分進めていきたい。なお、琵琶湖がよくなることによって、京都にも疎水を通じてりっぱな水がいくのですから、決して関係のないことはございません。京都は京都上して下水道は進めていきたい、かように思っておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 この点につきましてはさらに御努力をお願いいたしたい。それから、工業用水の利用等も御承知のように非常に低い、私もそのように思います。大阪府にいわせれば何か非常によさそうなデータを出してきますけれども、どうもあれでは不十分だと思います。この点、なお一そうの御努力を大臣においても要請せられるよう強く要求いたしたいと思います。  さて、この計画ができたあとで四十トンの水を流すにつきましては、大阪府あるいは大阪市当局が非常な財政負担をやらなければいかぬ。そうしてくると水道料金に一体どういうようにはね返ってくるだろうか。これは非常に関心を下流流域の住民としては持たざるを得ないところだろうと思います。でございますので、この総合開発計画ができた暁においては、水はたっぷり来たけれども水道料金は一体どれくらいになるだろうか、これの試算がありますならばひとつお示しを願いたい。同時に、工業用水をかなり取るようでありますが、これによって、阪神工業用水近事業所とかなんとかいうのができておりますが、一体工業用水の原価が現在より幾ら高くなるのか、この点お伺いいたしたいと思います。

国川建二厚生省環境衛生局水道課長

○国川説明員 琵琶湖開発に関連しました事業費の負担の影響ということでございますが、いわゆる完全な水資源開発卒業のほかに、いろいろな意味で下流で費用を負担するわけでございますが、この負担の内容につきましてまだ具体的に詰まっておりませんので、直ちにその影響ということにつきましていま申し上げる段階に至っておりません。そういう負担につきましては、水道料金への影響をできるだけ少なく済むように、私どもも所要の措置をとっていきたいというふうに思っております。

平河喜美男通商産業省企業局立地指導課長

○平河説明員 琵琶湖総合開発によります工業用水道のコストアップについていろいろ試算しておりますか、かなり上がるのじゃないかという見通しでございます。一つの試算によりますと、一立方メートル当たり五、六円ぐらい上がるのではないかという試算もございます。料金につきましては総合的に今後検討していきたいと思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 私はどうもこの点、先ほどの御答弁は実は不満足なんです。これだけの事業量を下流の大阪府、大阪市は負担するのだという数字が大体出ているわけです。したがいまして、これが水道料金にどのようにはね返ってくるかということは、少なくとも水道の原価においてはどれだけはね返ってくるのかということは計算済みでなければならないと思う。これができないというのは非常に怠慢だと思うのです。言えないのですか。できていないのですか、実際に。どうなんです。

朝日邦夫近畿圏整備本部次長

○朝日政府委員 先ほどの話は下流の負担、いわゆる下流負担は百五十億円程度に相なるということでございますけれども、これの団体間への配分でございますが、これはこれから、この法案が成立いたしました後に各団体間で協議をしてきまってまいりますので、しかも、そうしまして配分の量等がきまってまいりました場合にも、これをどういう負担のしかたをするか、その点も含めまして検討されるわけでございます。そういう意味でまだきまっておらない、こういう答弁であると思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 しかし、いま四十トンの水があるならば、寝屋川においては幾らの水が充足されるのだ、あるいはまた大阪市の水道局には幾らの水が加わるのだということは出ているんじゃありませんか。アロケーションができていないと言いますが、大体の数字はあなた方のほうでつかんでおるはずなんです。この事業計画によって水道料金がいかに上がるか、少なくとも原価はどれくらい上がるだろうか、概略の計算くらいはされてしかるべきである。それができていないというのは——大体水がほしいがために、水道がほしいがためにこの計画がなされておるのでしょうが。それに従って水が一体どれくらい上がるのだろうかというぐらいの計算ができていないというのはどうも私らは納得できません。

国川建二厚生省環境衛生局水道課長

○国川説明員 お答えいたします。  ただいまも近畿圏の御説明がございましたけれども、費用の負担の方法で下流受益者といいます場合に、水道事業の場合にはいわゆる水道会計という別会計になっておりまして、その中で全額を負担するものか、あるいは一般行政費的な意味で地方公共団体として負担するかというようなことで、非常に前提条件がいろいろ変わります。したがいまして、いまの段階でその辺の影響を申し上げるのが、各団体の実情によっても違いますし、大阪府あるいは大阪市、兵庫県その他いろいろ千差万別でございますのでその辺のことを申し上げにくかったわけでございますが、大体におきまして、水道料金への影響範囲と申しますと、一立方メートル当たり大体三円以下に十分入るのではないかというように思っております。

井上普方日本社会党

○井上委員 ほんとうに三円以下に入りましょうか。これは自治省のほうは大体試算は行なっておりますか。どうですか。

植弘親民自治省財政局指導課長

○植弘説明員 自治省のほうではまだやっておりません。

井上普方日本社会党

○井上委員 水をくれ、水を四十トンともかく取るのだ、上水道を取るのだという以上は、しかも下流は負担をする以上は、水道料金にどれくらい、少なくとも、末端価格ではなくて原価においてどれくらいはね返るであろうかというくらいの計算がなくして、水をくれ、あるいは下流の負担は百五十億するというようなことば、どうも私どもには納得いたしかねるのであります。これは私、けさほど政府のお役人が来ましたときに、一体先生何聞くんですかと青って、水道料金はこの事業の負担によってどれくらい上がるのかひとつ調べておいてくれ、よろしゅうございますということで、通告してあるのです。これすらできていない。こんなことじゃどうも私ら納得できません。大臣どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 この下流においての負担金はずいぶん変わっていったわけでございますが、そこで最終的には決定をいたしました。それでその最終的の決定は、それもこの料金について大阪、兵庫両県を合わしての決定、それは、おそいことで最終的にまだ決定をいたしておらないのだが、何と申しますか、この見込みは大かたつくと思うのです。あなたがおっしゃっておれば、大かた概算は、これぐらいの負担をしなければならぬとなればこれぐらいな値上がりはあるのじゃないかというぐらいのことはわかりそうなものだと私も思います。しかもあなたが直接にお尋ねをしたというということならば。したがいまして、これはできるだけ早く、どういうぐらいなことになるか——正確な計算はまだできないと思います、とことんまできまっておりませんから、総額がきまっておるだけですから。それは後ほど政府の関係の方に私からもそういうぐあいに頼みます。

井上普方日本社会党

○井上委員 まあ、大臣ならわかりますが、しかしきょうこの法律を上げようかというときなんです。そういうような基本的なことがわからなくて、後ほどひとつ御通知しますというのはどうも納得できません。(「親切なんだ」と呼ぶ者あり)親切で言うのじゃないんだ。われわれの言うのは、これは政府に対して要求するんだ。当然それくらいの用意はしてしかるべきなんです。それができていないということにつきましては、私どもは不届きしごくだということを強く申し上げておきます。  それに、先ほどの問題でございますが、水道料金は大体三円以内でおさまるだろうなんということを言っているのです。片一方、工業用水のほうは、五円くらいだ、五、六円上がるのじゃないか、こう申されます。ところが、現在の立法のたてまえからいくと、工業用水道法という法律がございまして、五円五十銭以上であれば国庫補助をする。工場に渡す水につきましては五円五十銭以上出さない。これは昭和三十八年ですか、法律ができてそうなっている。一方において大衆は、この水をともかくやってくれる、総合開発をやってくれるのはいいけれども、水道料金は個人負担となってどんどん上がる。片一方においては工業用水の料金というのは五円五十銭で押えておく、それ以上になったら国が国庫補助をする。これじゃ流域住民というものは納得できません。またわれわれ国民といたしましても、これだけの水の開発をやり、そして工業用水道に渡す。ところが依然として五円五十銭で押えておく。工業用水道の料金については五円五十銭で押えておく。これについては私どもは納得できないのであります。特に総合開発を進める上において、このたびの総合開発においては現に工業用水として幾らでございましたか、十八トンですか出しておる。ところが工業用水道のほうは五円五十銭で押えておる、法律で。一般水道料金のほうは下流負担のために住民は値上げの料率を受けなければならない。こういう不合理がありますか。これを直す努力を大臣される御用意ありやいなや、この点を伺いたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 御質問の趣旨がちょっとわかりません。水道料金が値上がりする、工業用水料金が値上がりするということはたいへんなことですけれども、そこまで詳細なことをいまつかめないということなんでございます。それで四十トン・パーセコンドの水は、水がないから困るのだということでそれだけ送るのですから、下流の方はたいへんな恩恵ですよ。しかし、それが値上がりにすぐつながるかつながらないかということは、計算ができていないからわからぬという。それはちょっと井上さん無理ですよ。あまり、とことんまでわからぬということを——それはまだ水のアロケーションもわからぬことですから、いずれ全部のことがわかってくればそれは計算は十分できますから。いまの御質問の趣旨はどういうことなのか、もう一ぺんひとつ聞きたい。

井上普方日本社会党

○井上委員 あなたのさっきの御答弁は私すなおだと思うのです。これだけの法律をつくって水を取る以上は、少なくとも水道料金がどれくらい値上がりするかくらいのことは計算しておかなければならない。これはあたりまえの話なんです。先ほどどこか、あそこのすみにおる役人からの答弁によりますと、三円以内くらいでできるのじゃないだろうか、一般水道のほうはできるのじゃなかろうかというまことにばく然としたお話でございました。しかしそれは全部、一般水道は料金の値上げという形で受益者に転嫁されるのです。これも大臣は、水がよけい来るの、だからけっこうなことじゃないか。ある程度そういう理屈が成り立ちます。ところが工業用水道のほうは、このたびの事業によっていま単価が五円から六円くらい上がるだろうと言われる。ところが工業用水道法という法律があるがために、一般の工場、企業者が使う水は一立米当たり五円五十銭で押えておるのです。おわかりですか。同じ水を取りながら五円五十銭に押えておる。国庫補助によって五円五十銭に工業用水道にはやられておる。ところが同じこれだけの事業を行ないながら、一般の消費者にとりましては値上げされるのです。概算のところ、いまのところ三円くらいで、こう言っておりますね。原価でですよ。末端価格になったらもっとになるでしょう。こういう不合理が許されていいものだろうか。利益を受けるのは企業。これは私らの意見は違いますけれども、あなたの考え方からいきまして、立場として、受益者は、ともかくこの総合開発事業によって水はたっぷりくれるから少々くらいは負担してもよかろう、こういう考え方が成り立つ。ところが工業用水は恩恵を受けるのです。五円五十銭しかともかく企業者は払わなくていい。これが現在のたてまえになっておるのです。しかも片方において、工業用水は五円から六円原価で上がるのです。だから、この総合開発事業をやる以上は、少なくとも、私は考え方は違いますが、あなた方の考え方に立ってものごとを考えていった場合にでも、企業も消費者も一般住民も同じように恩恵を受けるの、だから、それだけの負担は企業者も持ってしかるべきじゃないか。ところが法律によって片一方のほうは五円五十銭に押えてしまって、現在、昭和三十八年以来ずっと五円五十銭で押えておく。今度五円ないし六円原価が高くなってもやはり国が工業用水に補助してやる。これじゃどうも私どもは納得いたしがたい。また下流の住民にいたしましてもこれは納得できないと思うのです。また上流の滋賀県民にいたしましても納得しがたいです。この点いかがでございます。したがって、この工業用水道の法を改正して、同じく値上がりを受けるような方法を講じてはいかがですか、こう伺っているのです。

平河喜美男通商産業省企業局立地指導課長

○平河説明員 ただいまの、工業用水道料金につきましては、地下水のくみ上げによります地盤沈下対策、それから産業基盤の強化等の観点から、コストをベースにいたしまして、合理的かつ妥当な料金を基準料金として算定しております。淀川水系に依存しております大阪府及び兵庫県の工業用水道の料金でございますけれども、一立方メートル当たり五円ないし八円五十銭程度でございまして、これは過去からコストアップに見合いまして逐次値上げしてきております。御指摘のございました今回の総合開発によりますコストアップという問題に対しましてどう対処するかということでございますけれども、これはコストの上昇を見まして、経営その他の総合的判断から、料金値上げも場合によっては考えてまいるというふうに考えております。

井上普方日本社会党

○井上委員 場合によってはというけれども、片方のほうにおいて水道料金というのは、これは受益者として一般市民が受けなければならないのです。たちまちはね返ってくるのです。ところが片方は、工業用水は場合によってはというような考え方では私どもは納得できない。この点は明確にしていただかなければならぬと思うのです。どうでございます。

平河喜美男通商産業省企業局立地指導課長

○平河説明員 工業用水道料金につきましては、先ほども申し上げましたように、コストアップに見合って逐次値上げしておりますので、今回におきましてもコストアップを考えまして料金の値上げも考えております、ということでございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 しからば、この下流食掛によって工業用水道の原価が上がった場合、そのまま企業にかぶせると理解していいのですね。

平河喜美男通商産業省企業局立地指導課長

○平河説明員 工業用水業事業を行なっております経営全体の問題を考えまして処置いたしたいと思います。

井上普方日本社会党

○井上委員 企業の経営の実態ということを勘案してとあなたはおっしゃる……

平河喜美男通商産業省企業局立地指導課長

○平河説明員 いや、工業用水道の事業の経営の実態でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 そう考えれば、それでは私どもは、これは値上がりするものと理解してよろしゅうございますな。そういうことでひとつ理解いたしておきます。  そこで、先ほど来から問題になっておりますのは、大臣も水系の保全をはからなければいけない、こうおっしゃる。そのためにはどういたしましてもこの京都を加えなければ、私は淀川水系の汚濁を直すことはできないと思うのです。少なくとも、下水道あるいはこの関連事業、水質を保全し回復さすための事業を進める上においては、京都府というものが非常に大きなウエートを占めてくると思うのです。したがって、先般来この関係府県の中に京都を入れろという要求が各委員から出ました際に、大臣は常に、京都府は今度のことは関係ないなんというような御答弁でございましたけれども、淀川の水質の保全という面からいたしますならば、どういたしましても京都を加える必要があると思うのです。この煮はいかがでございましょう。やはり加える必要があるのじゃございませんか。どうでございましょう。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 加えろということですけれども、琵琶湖の水質がよくなることによって、京都は疎水を通じてよくなるわけでございます。しかし、琵琶湖それ自身との直接関係は、やはり大阪とかあるいは兵庫とかいうよりは関係が薄いと思うのです。京都それ自身の水の供給あるいは京都それ自身の下水道の処理については、それは単独でやるということです。したがいまして、実際上これから関係が出てくる、必要によりましてはもちろん京都の関係者、当局についてもそれは相談をすることはあってしかるべきだと私は思いますけれども、いままでの関係においては三県ほどの関係は持たないということで、何も京都を無理やりに除いたわけではございません。そういう考え方でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 やはりあそこに京都も宇治市も入っているのです。それからまた下流のことを考えましても、やはり桂川の水をよくしなければ淀川の水はよくならないのです。そういうような面からしますと、どうしてもこれは京都を関係府県の中に加える必要があるのじゃないか。必要によって加えると大臣は言われますけれども、もっと積極的な姿勢で臨まれる必要があるのじゃないかと思いますがいかがでございますか。宇治市も入っておるのですよ。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 それですから、必要が起こったときはそれは関係府県として十分連絡をとらなければならない。この法律それ自身については私はそうじゃなかろう、こう思っております。実際これを逆用する場合に、淀川の問題でございますから、琵琶湖それ自身の問題でございませんから、何も無理やりに京都を省いたのではございません。したがって、関係があればどんどん相談するわけですから、それは御了解いただきたい。

井上普方日本社会党

○井上委員 しかし琵琶湖の水を使っておるのは、やはり疎水で京都も使っておるのですよ。水質の保全につきましても京都は重大な関心を持っておるのです。やはり関係しているのですから、この点は積極的に、事あるごとにともかく京都に対して御配慮をお願いいたしたい。了解いたしましたと思いますので、ひとつ私はこの点についてはおいておきます。  さらに、実は近畿地方建設局で出されておる資料で、「琵琶湖総合開発」というこのパンフレットを拝見いたしますと、一四ページをちょっとあけていただきます。十三ページから一四ページ。持っておいでですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 いま持っておりません。

井上普方日本社会党

○井上委員 持っておいでにならない。持ってきてください。——この一四ページは、これは分厚くなっているのですね。ここだけ分厚くなっておるのです。ここだけ何で分厚いんだろうと思って、こうやってめくってみますと、のりで一ページ張ってあるのです。ことしの三月につくられたパンフレットです。この「基幹事業」として「利水計画の概要」というのがここに出てきておりますが、この新しく張った紙と、前に刷ってあるのとは全然意味が違うのです。たとえて言いますならば、「利用低水位をマイナス一・五メートルとし、新規開発水量四十立方メートル・パーセコンドを確保します。」というように、新しいほう、張り直してあるほうでは書いておるのです。ところが、このパンフレットをつくられたのはことしの三月なんですね。三月の原文を見てみますと、「利水のためには渇水時の最低水位をマイナス二メートルとし、洪水期にはマイナス〇・三メートルからマイナス二・〇メートル、非洪水期にはプラス〇・三メートルから二・〇メートルまでの間の約十二から十六億立方メートルを渇水時に淀川に流して」と、こう書いてある。そして最後には、「なお、非常渇水時の最低水位マイナス二メートルは約二十年に一回の割合で起こり得る水位で、利用低水位マイナス一・五メートルは約八年に一回の割合で起こり得る水位です。」と、こう書いてあるのです。これが三月に出されておる原案なのであります。これはこの上にこれが張ってあるんだから、これは大臣が三月の二十七日に三県知事との相談の上で協約をやり直して協約することになった。しかし、基本的にいうならば水の量は変わらないのですから、とするならば、どうもこっちの新しい張りつけたほうはごまかしてあって——ごまかしと言っても差しつかえございません。このままの計画で四十トンあるいはまたそれ以上取る場合においては、現在の計画の場合においてはやはりマイナス二メートルに最低水位がなることは予測されるわけなんです。この点は二十年に一回ある、こういわれておる。マイナス一・五メートル以上の場合は大臣は三県知事と相談するということになっておるのですね。極力マイナス二メートルにならないように努力はされるのでしょう。努力はされるのでしょうが、やはりマイナス二メートルにはなり得ることが十分に予測されるのであります。このことについて、こう薬で張ったんだからこれで済むことか。三県知事との間で協議が成立したから、これはこう薬を張ったので済むのだと言ってしまえばそれまでです。しかしやはり、実態を、実際どれくらいに起こり得るのだろうかということは県民は知っておらなければならない、このように思います。この点、いかがですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 そういう非常事態はいまから予想するわけにはちょっとまいらないと思います。したがいまして、その利用低水位からさらに下げるというときは、それは諸種の事情を勘案して、やはり関係知事さんと相談して建設大臣がやることでございまして、それが一体何回あるかというようなことは、私はいまから予測はできない。ほんとうにそのときは危急なときでございまするから、十分慎重な態度で臨みたい、かように考えておる次第でございます。

井上普方日本社会党

○井上委員 私はこういうような場合には、それは起こり得ると思います。先般来河川局長は当委員会において、マイナス一メートルになるのは、九十何%はそれ以上でできますとかおっしゃっておりましたけれども、私は、時間がございましたならば年度別に、昭和四十二年はどうだったんだ、計算上四十四年にはどうなんだ、三十八年にはどうなんだ、昭和十四年はどうなんだといって具体的に聞いていきたいと思うのでありますが、時間の都合上これは割愛いたします。しかしながら、マイナス一メートルから一メートル半までは大臣の自由にできる、しかし一メートル半から二メートルに下げるときには、一メートル半以下になるときにはこれは関係府県知事との協議をしなければならぬ、するということになっておるようです。しかしいままでの慣例からいいましても、何を申しましても一番被害を受けるのは水源地であって、滋賀県知事の立場というものは私は強くなければならぬと思います。下流の住民はそれはもうたいへんでございます。しかしやはり水源地を持つ知事の意見というものを——いままでは知事と協議するということでございますが、協議がととのわなかった場合はどうなんだ、あるいはまた、協議とは知事の同意を必要とするのか、この協議の解釈をめぐっていろいろ詳細なることはあり得ることであると私は思うのです。そのときになって、前の知事はそんな協議してきめるということにしたけれども、私はいやなんだと言われたら一体どうなる。こういうような協議の定義の内容までも明確にしておかなければならぬと思いますが、しかしこのことをいまやかましく言っておるとあるいは不測の事態も招くかもわかりませんので、この点はやめておきますが、そういう場合の滋賀県知事の発言というものは十分に尊重する、大臣このことをひとつ確言していただきたいと思うのであります。少なくとも滋賀県知事の意向というものを十分にそんたくし、あるいはまた関係府県知事との調整をはからなければならないと思います。最重点的に滋賀県知事の意向というものを尊重されるお気持ちがあるかないか、この点をお伺いいたしたいわけであります。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 そういうときは、一メートル半辛以下に下げるときは、滋賀県もたいへん被害を受ける、重大な水源地の関係がありますから、もちろん尊重いたします。しかしこれは、下のほうは下げてくれ、上のほうはそうはいかぬというのでは、なかなか協議がととのわないと思いますから、建設大臣は公平な立場に立って、それでおまかせを願うということで、もちろん滋賀県が重大な影響を受けるということは十分承知いたしておりますから、その意味で滋賀県知事の意見を尊重せよということは私も十分了解ができます。

井上普方日本社会党

○井上委員 時間がなくてまことに残念ですけれども、あと四、五時間質問したがったのでございます。ともかくこれで終わりますが、総合開発のこの法律は手続法だと私は思っておりますので、このプランをつくるにあたりましては、特に水質の保全あるいは回復、あるいは自然景観の回復、保全ということを十分にお考えになっていただいて、下流や流域住民の福祉の向上につとめられんことを心から切望いたしまして、私は質問を終わります。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これにて本案に対する質疑は終了  いたしました。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 この際、天野光晴君、阿部昭吾君、小川新一郎君及び渡辺武三君から、琵琶湖総合開発特別措置法案に対する修正案が提出されております。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 提出者天野光晴君から趣旨の説明を求めます。天野光晴君。

天野光晴自由民主党

○天野(光)委員 ただいま議題となりました琵琶湖総合開発特別措置法案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表してその趣旨を申し上げます。  案文はお手元に配付してあるとおりであります。  御承知のとおり、政府原案におきましては「水質の保全」という表現が用いられているのでありますが、この際、最近における琵琶湖の水質汚濁の現況にかんがみ、単に保全をはかるだけでなく、積極的に汚濁した水質の回復をはかることとするとともに、琵琶湖総合開発計画の決定及び変更に際し、住民の意思を反映せしめる等、第一条、第二条及び第三条等に対し、所要の修正を加えようとするものであります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本修正案について、別に発言の申し出もありません。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 これより両案を一括して討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、天野光晴君外三名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。  次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 起立多数。よって、琵琶湖総合開発特別措置法案は、天野光晴君外三名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、天野光晴君、阿部昭吾君、小川新一郎君及び渡辺武三君から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  まず、提出者小川新一郎君から趣旨の説明を求めます。小川新一郎君。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ただいま議題となりました琵琶湖総合開発特別措置法案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文は御手元に配付してあるとおりであります。  御承知のとおり、本法案の審査にあたりましては、現地調査、参考人の意見聴取、連合審査会の開催等を通じ、各般にわたる質疑、意見の開陳、あるいは要望等が行なわれたのでありますが、これらのうち、本法の施行にあたり特に重要と考えられる諸点について附帯決議を付し、その運用に遺憾なきを期する必要があると考えられるのであります。  まず、第一項−第三項におきましては、主として琵琶湖における水質の保全と回復、自然景観の保全等についての措置、第四項−第五項におきましては、琵琶湖総合開発事業の実施に伴う関係地方公共団体の財政負担の軽減化並びに被害者に対する補償措置等について、また第六項におきましては、下流側における将来の新規水資源の開発等に対する措置について述べたものであります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。     —————————————    琵琶湖総合開発特別措置法案に対する附帯決議案  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、琵琶湖総合開発計画の長期性にかんがみ、計画遂行途上における社会情勢に応じ、弾力的な措置を講ずるとともに、下水道事業等水質保全上有効な事業については、これを早期かつ優先的に実施すること。 二、琵琶湖における水質回復のため、廃鉱の処理・工場排水の規制の強化を図ることともに、農業用排水をも含めた各排水の高度処理技術の開発を促進し、あわせて内湖の復元等、自然浄化力の向上に努めること。 三、琵琶湖における自然景観並びに水質の保全を図るため、公有地の拡大等、積極的な土地の先行取得を行なうとともに、湖周道路・観光資源等の開発計画については、慎重に措置すること。 四、琵琶湖総合開発事業の実施に伴う関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、交付税・地方債等の財源措置について十分配慮すること。 五、琵琶湖の水資源開発事業により生ずる湖水位の低下に伴う被害影響の特異性にかんがみ、生活基盤を失う者に対する生活再建、予測しがたい事後の被害に対する補償等について万全の措置を講ずること。   また、非常渇水時および洪水時における洗堰の操作については、滋賀県知事の意向を尊重しつつ、関係府県知事との調整を図ること。 六、将来における近畿圏の水需給の均衡を図るため、淀川水系以外による広域的な 新規水資源の開発を早急に検討するとともに、工業用水の反覆利用等、水利用の合理化・高度化の促進を図ること。   また、淀川水系の水質の保全を図るため、中下流地域における下水道整備事業の促進並びに桂川等の汚染防止対策についても、十分に配慮すること。  右決議する。     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 以上、で趣旨の説明は終わりました。  本動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、これより採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 起立総員。よって、天野光晴君外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、西村国務大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村国務大臣。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 琵琶湖総合開発特別措置法案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。  審議中における委員各位の御高見については、今後その趣旨を生かすようにつとめるとともに、議決されました附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、各位の御期待に沿うようにつとめる所存であります。  ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表しまして、あいさつといたします。(拍手)     —————————————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 なお、おはかりいたします。  ただいま修正議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————   〔報告書は附録に掲載〕      ————◇—————

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 次に、内閣提出、新都市基盤整備法案を議題といたします。  この際、先刻決定いたしました参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川新一郎君。   〔委員長退席、田村(良)委員長代理着席〕

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 二、三問ちょっとお尋ねします。  新都市基盤整備法のこの法律を生かして都市づくりをするのでありますけれども、この都市づくりの用地を買収するときの買収基準はどうするか、お尋ねいたします。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 この新しい法案に基づきます新都市づくりの用地買収につきましても、従来の用地取得方法と大体同じような方法でいたすわけでございまして、価格につきましては、地価公示価格があったら地価公示価格によりますし、また不動産鑑定士の評価によってきめるということになろうかと存じます。いろいろな補償的なものにつきましては、従来のそういう補償基準に準拠いたす次第でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それで買収するときは、土地の登記簿の面積でやるのか、実測面積でやるのか、土地の登記簿の面積と実測面積との併用をしてやるのか。まず土地登記簿の面積でやっていくのか、それとも実測でお買いになるのか、それともその土地登記簿と実測とをあわせた方法でやるのか。どういうふうにやるのですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 この新法案によりますと、事業の施行者は御承知のとおり地方公共団体または日本住宅公団であります。この地方公共団体または日本住宅公団が従来やっておる方法と、先ほど申し上げましたとおり、大体同じような方法で行なうわけでございますが、公団におきましては従前から、土地所有者の了解のもとに、公爵面積によりまして買収するということが慣例になっておるようでございます。しかしながらそういう場合におきましても、施行地区内の全体につきまして実測をいたしまして、そうしてそれを参考にして、各筆の地積にこれを案分して当該の宅地の地域をきめるという方法をとっておりますし、さらにまた、公簿面積と実測の面積とが非常に差があるという場合におきましては、土地の所有者の申し出によったり、また公団もみずから当該宅地を実測しまして、そして用地を取得するという方法もあるのでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうすると、特別に全部買い上げるときには実測面積でいくというような厳格な規定はないのですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、従来の慣例によりまして、民間の慣例もそのようでございますけれども、土地所有者の了解のもとに公簿面積によってこの土地を取得するということになっておりますけれども、そういう面積が著しく差異があるという場合におきましては実測をするということと、もう一度申し上げますけれども、全体につきましては、実側をいたしまして、そして各地積にこれを案分するという方法を併用しておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 この問題はちょっと複雑になって、あとで話が出てくるので、私ももう少し本格的にこの問題に取り組みたいのですけれども、多摩ニュータウンなどは、実測で買うのか、それとも公簿上で買うのか、いま非常に不明確な点が出てきたのですが、いま不動産を買うのに公簿上で買っている民間はないのですね。たいがい実測いたします。またなわ延びがあったり、足りなかったり、いろいろな面がありますけれども、これははっきり明確に打ち出しておかないと、たとえばこれだけの新都市基盤整備をやるというときに、地主が片方では話し合いで公簿上でよろしい。地主が公簿上でいいという場合には、それは実測して、自分たちがはかってみて少ないから公簿ということもあり得るでしょう。実際に自分たちが陰ではかってみたら多いから、これは天測しろという。どっちにしても、買うほうも売るほうも損をしてはならないので、これは明確にしなければならない。多摩ニュータウンの場合、公団がやった場合は七〇%ぐらいは公簿上でお買いになった。ところが今度市街地のほうに近づくに従って、あとになればなるほどだんだんその土地が高くなって、山林原野として買っていたときよりも価値が生じてきた。そうなってくると今度は実測を要求してくる。これは人情として当然そうなってくると思うのですが、そういうふうになった場合、前の地主ががたがた言い出したということは話し合いでやったのじゃないという証拠になってくると思うのです。この買い上げ方式が一貫していないということなんですけれども、話し合いであるならば多摩ニュータウンの場合は問題が起きない。ところが現在、いままで公簿上で売った地主からいろいろクレームがついて、もう一ぺんはかり心してやれという声が起きてきた。こういうふうな問題はどう解釈したらいいのでしょうか。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 多摩ニュータウンの買収は御承知のように昭和四十年ごろからで、最近稲城地区々買収いたしておるわけでございますが、かなり長期間にわたって地区ごとに準備し、買収を進めてまいったわけでございます。それで当初私どもが、第五住区、第六住区あるいは第七住区以西の公団施行分、西のほうでございますが、西のほうで最初買収にかかりましたときには、地区全体のなわ延び率を価格で勘案さしていた、だきまして、面積は公簿面積で売っていただくということで、公団は、あるいは東京都もそうでございますが、買収を進めてまいりたい、こういうお約束で進めましたことは現実でございます。それが五年間も歳月がたったりして、また稲城地区のほうにまいりますとかなり市街化も進んでおるというふうなことがございまして、昨年稲城の買収に入りましたときに、稲城地区では大きくいって三つの部落が土地を持っているのですが、部落ごとにかなりなわ延びが違うのだということをお互いに認め合っているという状況もありまして、名筆測量するわけではございませんが、ブロック別に分けてなわ延びの差を出してくれ、こういうふうな話がございました。そういうことで地元がお互いに認め合っている点もあるわけでございますから、公団としては、それでは適当なグループをつくって差を反映するというやり方をやりましょうというところまで——確かに一番初めに買いましたところでは若干やり方は違っておるわけでございますが、全体としては公団の支払う金額にはそうたいした差はございませんので、こういった方法に改めまして稲城地区の買収に入ったようなわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 なわ延びがどうだとかどうでないとか、そんなものは実測して正確に買うべきじゃないですか。あるとかないとかいっているけれども、これを買うお金は国民の金じゃないですか。ではなわ延びがなかったらどういうことになるのですか。公簿上で損しちゃうじゃないですか。国が買うのにそんないいかげんな契約のしかたじゃ許せません。あるのを見込んでとか見込まないとか——実際あるのかないのか、それじゃはっきりしてください。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 それでは具体的な数字で申し上げます。いま特に新聞紙上等で問題になっておりますのは、私どもの言い方で申しますと、第七住区以西の公団施行分などが問題の中心になっておるわけでございますが、ここの民有地の公簿面積の合計は五百四十四万九千六百六十三平米ということになっております。この地区につきまして、航空写真をもとにいたしました三千分の一の地図で地区全体の面積をはかりまして、それから公共用地が大体二十万平米くらいあると見込まれますので、その分を差し引いたいわゆる民有地の推定実測面積は六百五十一万八千平米でございます。平均延び率で一・一九倍、一割九分のなわ延び率、こういうふうに全体としては計算が出たわけでございます。したがいまして、この地区につきましては平均いたしましてその程度のなわ延びがある土地だということで、買収単価をはじき出します場合にその率を勘案して少し価格を上積みして提示した、こういう計算をいたしておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 この公簿上の面積というものは、全部なわ延びがあるのですか。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 それは場合によりますが、一般的にはなわ縮みもあろうかと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 なわ編みの場合には、公団はどういうふうに処置をするのですか。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 地区全体といたしましてなわ縮みがあるという場合には、やはり単価をはじき出します場合に、この地区全体では比率はこれだけしかないのだからということで、その分だけ勘案さしていただく、こういうことになろうかと思いますが、現実には、そういった場所にぶつかった経験はいままではございません。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 では最初から、そんな問題があるのだったら、最後までその一貫した姿勢で多摩ニュータウンを貫き通したらいいじゃないですか。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 確かに仰せのとおりでございまして、私どもも多摩のほうの方々には、最後までこれでやるんだからという説明をいたしておったことは事実でございます。しかし、かなり年月がたちましたことと、したがって単価もかなり上がってきた。それともう一つは、稲城全体で申しますと、同じような計算をいたしますと四割三分のなわ延びが計算できることになっておるわけです。かなり稲城のほうはなわ延び率が全体としても大きいのですが、それが三つの部落でだいぶ差がまだ中にあるのだ、こういうことをお互いに言うものですから、そうするとかなりな大きなあれもあるだろうということで、ブロック別に分けましてそのなわ延びの差を反映させよう。そのブロックの中では結局各筆測量までなかなかできませんので、地主さん同士で案分していただく、こういう扱いにさすことで、いま話し合いを進めておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 大臣、お話を聞いていていかがですか。住宅公団の土地の買収の方式で、こういう多摩ニュータウン、また新都市基盤整備法でもそうですが、土地を買うのに公簿上で買っていくのがいいのか、それとも実測して買ったほうがいいのかという議論をいましておるのです、もう一ぺん申し上げますと。ところが多摩ニュータウンの場合には、ブロックを三つだか四つだかに分けて、そしてなわ延びを見込んで、ある程度の見込んだやつで契約して買っていった。ところが歳月が五年もたったから、地価が上がったから、もうなわ延び、そんなものよりも実測したほうが出るというように地主の考え方が今度変わりまして、残りの地域の人は全部実測で買ってくれ、こう言い出したわけです。そうすると今度は、いままで公簿上で売ったところは、不公平じゃないか、おれたちのあれはどうしてくれるのだということで、いま市議会で問題になって、地元で大騒ぎを起こしておるわけです。これに対して大臣のお考えを聞きたい。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 実際の実務上の問題でございまして、私はあまりつまびらかにしませんが、とにかく理屈一点ばりでいけばそれはもう実測で全部やるのだ、こう言うべきでしょうが、まあ、実務上どうなっておるのか。こちらがやはり土地を売ってもらうといいますか、そこを立ちのいて売ってもらうというような立場もありますから、これはある場合には話し合いにおいて、公簿でやってくださいという場合もありますし、いや公簿じゃいかぬ、実測でなければ買わないという、対等の立場でもないという点もあります。それのために非常にトラブルが起きておるということは、私はいま初めてあなたからお聞きしたような次第でございます。実際上の実務でございますが、私はここでこうやるべきだと、ただ理論一点張りで言うわけにもいかないと思いますから、もう少し私としては実情をひとつ関係のところから聞いて、そういう判断をしたい、私自身としてはそう思っておる次第であります。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 ただ問題は、多摩市議会が旧地主たちの言い分を取り上げて、肩を持って、反対のいま気勢をあげておるわけですね。そうしますと、残りの多摩ニュータウンの建設が行き詰まるのですよ。公団、よくわかっておるはずです。それだから公団としてはだんだん地主の意見になってくる。実情はわかりますけれども、そういう不公平な態度を今後とり続けていくといろいろな問題が起こるから、土地を買うなら、実測なら実測にしてしまえ、できないのだったら公簿上のなわ延びを見込んだところのある一定の方式で出す。それを建設省の指導方針としてはっきり示さないところがこういうことになるのであって、ただ実務上の問題だ、実務上の問題だと済んでおるうちはいいのですけれども、都市建設が行き詰まってしまったらこれは何にもならないのです、こういうことが原因になって。これを私は心配しておるのですからいまこの問題を提起しておるわけです。公団、それはどうなんですか。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 公団といたしましては、実際問題といたしまして山のようなところで各個人の筆ごとに測量するということは、なかなかこれは時間と労力がかかりまして、しかも境界線の決定が非常にむずかしいという点がございますので、なかなか採用しにくい点だろうと思います。そういったようなことで、いまその地区地区の実態に応じまして、大方の御賛同を願える方式で、なお途中で変えたりしないでやっていくように今後いたしたいと思います。  なお念のために申し上げておきますけれども、多摩の場合も稲城の場合も、公団の払う総額そのものの計算においては私は違いが出てこないと思うのです。ただ、全体でなわ延びを見るか、三つのブロックなり四つのブロックなりに分けてなわ延びをはじいて積算をするか、積算の過程が違ってくるだけでありまして、それによって公団のお払いすべき金額の差は、単価に若干差がありますからときにはズレがあるかもしれませんが、観念的には出てきません。こういうふうなことでございますので、この点は御了承をいただきたいと思います。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 それじゃ何も地元でそんなに大騒ぎをするはずがないです。やはり地元が判断するのは、そこにお金がからんでいるから問題になるのであって、ではなわ延びを含んだ公簿上で買ったら幾らになるのですか。それから個々に実測すると幾らになるのですか。正確にお願いしたいと思います。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 公団といたしまして提示いたしました価格は、なわ延びを勘案しながら、なお多摩の場合でも十数地区に分けまして、各宅地とそれから山林と農地、三種類に分けまして、そして詰めが違っておるわけでございますが、全体の価格を出すときに、二割程度のなわ延びがあるということで上積みして出してある、こういうことでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 だから、その二割程度のなわ延びがあるということはわかりました。二割程度のなわ延びを見込んだ価格で買収価格をはじき出したわけですね。ところがそれじゃ不満だといって、二割だか以上に見ているわけでしょう、地主たちは。二割とちゃんと正確に押えられているのだったらそれで自分たちはいいだろうけれども、結局実測すればもっと出るのだということではじき出してきたのだ。そこに差がなければならないはずです。同じということはないでしょう。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 個々の地主さんの場合でありますと、その全体が二割平均のなわ延びがあるということでありましてもあるいは個々に違っておったかもしれませんので、中には地主さんの中で、私の土地は平均以上になわ延びがあったのだということを言う人もいらっしゃったことも否定できないと思いますけれども、その点は一々はかることはできないという事情をお話し申し上げまして、平均で解決してもらった、こういうふうに私たちは受け取っておるわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 だけれども、これは実際買い方がどんなになっても、実測でちゃんと買っていけばこういう問題はなかったので、それがいまになってどうのこうのといったって、地主側に言わせれば、一坪十万だ、二十万だというような計算をしておるわけですから。これは一坪ですよ。こんな大ざっぱにばっとこういうふうにやると、坪幾らで計算されていったらこれはとてもたいへんな問題ですよ。これは同じことなんで、と言われても私はどうしても了解できないのですね。個々の地主に入ってくる収入が、それが同じだったら、何も市議会までそんな三多摩で大騒ぎをして、地主側に肩を持って、公団のこういった公共事業に対してさからうわけはないと思うのですよ、市議会が。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 私が申し上げましたのは、個々の地主さんのほんとうの実測面積がどれだけあるかということはわかっておりませんので、個々の地主さんからすればあるいは実質的には面積を切り下げられて損をしたような、すなわち二割くらい上積みされたのではかなり損をしておるという方がおられたということまで否定するわけではないのでございますけれども、実際問題として実測しにくい状況があるわけですから、平均のところで皆さんの御了承を得て買収をした、こういうことでございまして、公団としては平均の面積、現にある面積をお支払いすれば、個々の方には不公平が実質的にはあるかもしれませんけれども、それしかその当時の状況では方法がなかったというのが実情でございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私はあなた方の苦しい立場をここでどんどん詰めるということは本意じゃありませんが、それなら最後に詰めてこれで終わるのですが、それでは残りの部分についても前の方式の公簿上の方式で買い取るのか、それとも地主側の要求に従うところの実測方式で買うのか、これを明確にしていただきたい。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 実測と公簿面積ということでかなり誤解を受けていると思うのですけれども、新しくやっております稲城の場合も、名筆測量するということは実際問題としてできませんから、やるような話し合いにはなっておりません。結局稲城の場合には、なわ延びの非常に多そうなところと、あそこはどうも少なそうだということがはっきりしているわけですから、その差を出しているわけです。平均は四割三分なのです。そういうふうにしてもらうことにいたしておりますので、確かに個々人から考えますとやり方の違いということは響いてくると思いますけれども、公団といたしましては、同じようにお支払い申し上げるような地区全体に対しましては同じように払ったつもりでやらしていただいたわけでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 だから、将来それでやっていくのですね。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 その程度のとり方でやっていきたいということでございます。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 そうすると、この大騒ぎしている問題については、公団としては十分収拾はできる、そして最後にははっきりと市議会のほうの説得もできる、その明確な確信はあるのですね。

播磨雅雄日本住宅公団理事

○播磨参考人 公団といたしましては、若干誤解に基づいて言われておるところもございますし、また面積につきましても、先ほどから申しておりますように一割九分程度でありますけれども、虫は二倍もあるんだ、こういうようなことからも騒ぎが大きくなっている点もございます。そういったことがございますので、十分に関係の方々に御説明申し上げまして、誠意を尽くして説明いたしたい。そうすれば公団の立場というものがわかっていただけるのじゃないか、かように考えております。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 私は災害対策の質問を申し込んありますのでこれで終わらしていただきますけれども、非常にこの問題は大事な問題でございますので、大臣、今後買収方式についてはどんなに手間がかかっても実測でやる。そういうケース・バイ・ケースということはこういう問題が起きてくるのです、最後になると。一ぺんにばっと買収はできないので、必ず何年かたってまいりますと地価が上がってくる。上がってくれば、自分の土地に対してなわ延びがある人は文句が出てくる、たければ黙っている、こういうことはどっちにしても私ども不明確でございますから、はっきりと建設省の買収方式というものを打ち立ててもらわないとこれはまずいと思います。この点だけ最後にお聞きして終わらせていただきます。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 さいぜん育ったとおりですが、しかし公団は長い間実務としていろいろなことを考えてやっておると私は信じております。一口に実測といいましても、境界というのが、私自身のところを考えましても隣のうちとの部分、やはり問題があると思います。なかなかむずかしい。それがはっきりしておれば問題がないのですが、いろいろあると思います。公団は長い間土地の買収については知恵を出していろいろやっておると思うのですが、私としても実務上の問題ですから、いまあなたが提案されて初めてこの重要性を知ったわけですから、今後私も十分検討していきたい。この場ではそれくらいしかお返事ができませんですが、どうぞよろしく御了承を賜わりたい。

小川新一郎公明党

○小川(新)委員 終わります。

田村良平自由民主党

○田村(良)委員長代理 浦井君。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 新都市基盤整備法の質問をしたいと思いますが、まず最初に、この事業を全国で八カ所考えておられるというお話なんですが、どういうような自然的な条件のところを考えておられるのか。山林あるいは原野、農地、いろいろなのがあると思うのですが、どういうところを考えておられるか、それをひとつ建設省にお聞きしたい。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 八カ所とこの前の委員会で申し上げましたけれども、具体的にはまだ私ども手続をとっておるわけじゃございません。したがって、どこの場所でどういういまの地口の現状であるとかいうことは申し上げかねますけれども、大体従来からのそういう大規模な宅地開発の状況から推測いたしますと、平地林というものが相当多い。農地、緑地もちろん入っておりますが、平地林というのが相当多い。そういうような地域、また場所によりましては、もちろんそういうことからいたしまして自然のそういう環境というものも非常に良好な場所でもあろうかと存じます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そうすると、その辺はいまのところはまだ地価は比較的安いというふうに考えてよいわけですね。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 地価が安いか高いかというのは、これは相対的なものでございますけれども、しかし施行する場所は、この前から申し上げておりますように、大都市圏から相当距離のある場所に施行区域、また地方の中核都市周辺、そういうものを考えております。したがいまして、そういう中心の都市に比べますと地価は低いということがいえるだろうと思います。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そうすると、そういう新都市整備をされまして新都市ができ上がる、あるいは完全にでき上がらない前に必然地価が上がっていくだろうというふうに思われるわけなんですが、その辺のおおよその推定はどれくらいの上がりぐあいですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 これはどのくらい上がるかということは、地域によりましても違いますし、また私ども地価が上昇することを期待しているわけじゃございませんので、そういう計算をしたこともございません。わかりませんが、従来からの宅地開発の取得価格とそれから処分価格というようなものを見てみますと、いろいろな関連公共施設を整備したり宅地造成の工事をやったり、そういう経費を相当かけておることもございまして、大体四倍くらいになっているものが多いようでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私、なぜそういうことを尋ねたかといいますと、この前の他の同僚の委員からの質問の中にもあったと思うわけですが、やはり不動産業であるとかあるいは相当大きなデベロッパーが入ってくるだろうという危惧といいますか、を持っておるから、特に今度の法案でいきますと、根幹公共用地、それから開発誘導地区、こういうものを除いた部分には相当そういうデベロッパーが現在すでにいろいろなことで動いておるかもわからぬ。だから、将来もう少し計画がはっきりすれば、必ず先行的に大手の不動産業をはじめとしていろいろなデベロッパーに類するような業種が買い占めをやるだろうというふうに患うわけです。そこで聞いたわけなんです。だからそういうものの先行的な買い占めを厳重に規制をする必要があるというふうに思うわけなんですが、これについて具体的にどういう措置を考えておられるかということをお聞きしたい。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 デベロッパーがこの施行区域内の土地の買い占めを行なうではないかということでございます。それに対してどういう予防措置を講じたらいいかということだろうと思いますが、これも、そういうデベロッパーの土地買収の段階がこの事業施行段階でいろいろございます。一番最初から申し上げますと、全く何も施行区域を指定しない、きまっていないときにデベロッパーが自分で、ここはこういう事業が行なわれるだろうという推測で買うという場合があろうかと思います。これはデベロッパーといたしましても、そこが市街化区域になるのか、また施行区域に指定されるのか、そういうことが全くわからぬ時期でございます。われわれもそういうデベロッパーが土地を買収したとかしないとかいうのとは関係なしに、この法の基準に基づいて指定するわけで、適地を選定してこれを指定をするわけでございます。したがってそれは相当リスクがあるので、その問題は、デベロッパーといたしまして買い占めをするかどうかということは、私どもこの法律では措置はないわけでございます。  それから今度は多少具体化しまして、事実上具体化して、都市計画の決定をするいろいろな手続がございます。その段階になりますと、ある程度この地域にこの事業が行なわれるということがわかってくるわけでございます。その段階におきまして土地デベロッパーがどうだということでございますが、土地の所有者は、御承知のように任意で、デベロッパーから話があって、当時は売却をすればできるわけでございます。ただ土地の所有者は、御承知のようにこれは従来の事業と違って半分は自分の手元に残るわけでございます。つまり土地の所有者も開発利益を受けることができるわけでございますから、土地の所有舌が従来のようにこれをデベロッパーの言うなりに売るということはないだろうというふうに考えられます。  それから次の段階で、マスタープランについて都市計画決定をいたします。それから事業認可の間におきましては、すでに国会におきまして御審議をいただいております公有地拡大法案、これが成立いたしましたならば、それによりまして届け出をして、そして先買いをすることができるということになります。それから事業認可のあった後におきましては、いわゆる都市計画法によりましての先買い権が、これが変わりまして、届け出をいたします。そうしてその届け出によりまして、必要なものにつきましてはこれは先買いをすることができます。そういうことによりまして、デベロッパーの土地買収というものに介入することができるというふうに私ども考えておる次第でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣、いま局長からそういうお答えがあったわけなんですが、地方行政委員会でも公有地拡大法案が通ったわけなんですが、その中でも私指摘したのですが、結局持ち主と公共団体との間に、ある期間話がまとまらなければしかたがないというような、かご抜けであるということがはっきりしておるわけなんです。そういう点も加味しますならば、いまの局長の答えでいきますならばほとんど、というと言い過ぎになるかわかりませんけれども、先行の買い占めを規制できないというような結果に終わる危険性が非常に多いのですが、大田どのように思われますか。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 公有地拡大法案によりますと、地価公示価格を基準にしてこれは買うということになっておるわけでございます。今回の場合におきまして、最後は土地収用にすることができる地域があるわけでございますが、これにつきましても、土地収用によりますと地価公示価格を基準にするということになります。したがって、公有地拡大法案が適用される、そういう段階におきましても、これはどうせ地価公示価格で土地を取得されるところでございますので、手放すということは、土地所有者の気持ちとしては容易ではだかろうかというふうに考えます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 だから私は大臣にひとつ提案をしたいのですが、計画が固まっていく中で施行者側としてもいろいろ動き出すわけなんですが、そのときにすでにデベロッパーあるいは不動産業者がさかのぼったある時期に安い値段で土地を手に入れておる。こういうようなことがわかった場合には、これを時価で買い上げるというようなことでなしに、さかのぼった時点の価格を基準にして、相当低い値段でそれを施行者のほうが買い上げるというような形で地価の高騰を防ぎ、あるいは先行の買い占めを防ぐというようなことが必要ではなかろうかというように私思うわけなんですが、その点についてひとつ大臣の御意見をお伺いしたい。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 技術的な問題もありますので私からお答え申し上げますけれども、先ほど申し上げましたように、都市計画決定をいたしましてからは先買い権というものがずっと働いてくるかっこうでございます。その前はいろいろなことで土地所有者も手放さないだろう、デベロッパーもなかなか入りにくいだろうということを申し上げましたが、実際にリスクを相当考えながらデベロッパーが土地を買収した場合ということでございます。これを今度は施行区域に編入いたしましても、御承知のように大体半分ぐらいは施行者が取得する。その場合におきましても、一般の土地所有者と同じように任意でいきますけれども、土地収用法も適用になるものでございます。それと同時に、いまの御質問の価格の点は、購入するときの時価ではございませんで、開発前の価格にこれは固定して購入することができるようになっておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そういうことで途中から入り込んできて、そして開発利益を取っていくというのは、これはどういう表現になりますか、ぬれ手にアワといいますか、こういう形になるだろうと思うのです。だからそういう開発利益というのは、こういう法律もできることでもあるし、社会的な還元する方法を十分に講じていくということが必要だと思う。これはあとから触れたいと思うのですけれども、自治体のほうも、こういう大都市がこつ然としてでき上がるということになると、当然財源に困るわけですから、たとえばそういう開発利益を自治体が吸い上げて、そしてそれを関連公共公益施設に使うとかいうような方法は一体ないものかどうかという点を、これも大臣なかなかお答えにならぬわけですが、どうですか。   〔田村(良)委員長代理退席、委員長着席〕

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 民間デベロッパーですが、これが一口にいいましてもいろいろあるわけですからね。ですから、民間の開発能力というものをわれわれもある程度利用しなければならぬという点もありますから、あながち民間デベロッパーというのは全部悪いのだというきめ方もどうかと思われまするけれども、またあなたが言われるように、やはり何かそこのうわさが立って、あの地点を開発するというようなことがわかると、民間ですから、すぐ有無を言わせず買っておいて、開発利益を壟断しようというような民間デベロッパーがないとも限りません。したがいまして、やはり根本的な問題は、そういう不当な開発利益については、結局相当に税の改革をもって、税制をもって対処する。端的にいえば法人に対する税の問題で対処するということじゃなかろうかと私は思うわけであります。それでなければ、いろいろな場合があると思います。またいろいろなデベロッパーがあると思います。したがってその点は一口にこうだと言い切るわけにはいきませんけれども、根本的には土地は投機の対象にすべからず、これがいまの世間の常識、また政治のやらなければならぬ仕事ではないか、こういうふうに私は考えておる次第でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 大臣、口で言われるだけではだめなんです。大臣在任中に少しでもそういう点で、税制に限らず、デベロッパーに類するような業種の不当な利益を規制する、同時に地価の高騰を抑制することに力を尽くしていただきたい。このように私は要望しておきたいと思うわけです。  そこで、次の問題に移りたいのですけれども、今度の法律は、読んでみますと、いままでの新住法であるとかあるいは公団による区画整理というようなものと違って、その土地にいままで住んでいた人を、表現は悪いですけれども、追い出さずに、そこに引き続いて住んでもらって、同時に開発利益も折半したい、こういう趣旨だと思うわけです。それに該当する地域内の土地を画一均等に買い上げたりあるいは収用したりというようなことが書かれておるわけですが、広い面積の土地を持っておる方はある程度、そういうことであってもその後も何とか生活なりあるいは社会生活なりというものができていくだろうと思うわけですが、問題は過小面積の方なんです。この過小面積を持っておられる方をどうするかということが一つの大きな問題になってくるだろうと思う。百坪持っておられる方は、六十坪買い上げられることになって四十坪残る。その四十坪を、今度の新しいことばでいいますと、土地整理をやるのですか、そうしますと、百坪持っておられる方でも三十六、七坪ぐらいになるという計算ができてくるわけです。だから、百坪であれば三十六、七坪になっても、単に住むことができるという程度になるかもわかりませんけれども、これがもう少し低くなって、もともと六十坪所有しておるのがそうなると、その人はせっかく退職金であるとかいろいろな積もりをして、静かなところで余生を送りたいというようなことを考えておられた夢が、よそへ移ることによって奪われるというようなことになるだろうと思うわけです。先ほどのお答えによりましても、まず地価は四倍くらいになるだろうということになりますと、たとえ土地を新たに買うにしても、六〇%売り払ったお金によって面積としては四分の一になるわけですから、そういう庶民の夢が奪われることになるのではないかというように思うわけですが、その辺の過小面積を持っておられる方に対する措置は一体どのように考えておられるのか、聞きたいと思います。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 先生の御質問ごもっともな点でございます。そういう小規模な土地の所有者に対しまして、均等に土地を施行者が取得して、その残りが非常に小さくなるわけでありますが、その場合におきまして、用地買収の際にまず、土地収用法でもこういう考え方がございますが、施行区域外におきまして土地を与える、またそういう土地をあっせんするという方法がございます。土地収用法でも、そういう土地の所有者、関係人から要求がありましたらそういうことができるかっこうになっておりまして、そういうことも一つの考え方であろうと存じます。それから、この法案に規定いたしております過小宅地に対する配慮というものにつきましては、三十六条で土地区画整理法を準用いたしておりますけれども、土地区画整理法におきましても同じでございますけれども、今度の場合におきまして、一定の基準以下の地積の宅地、これを政令で百平方メートルというふうに私ども考えておりますけれども、そういうもの以下の宅地につきましては、これをいわゆる増し換地、地積を増して換地する増し換地ということも考えておるわけであります。つまり、地積が大きくて余裕があるという宅地の地積を減らして、それをそういう過小宅地に増して換地するということを考えております。そういうことに上りまして、先生のおっしゃるようなことのないようにいたしたいと考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 土地の面積を広くすることは可能であると思うのです。問題は、その面積をいままでと同等、あるいはそれ以上の面積を取得する場合の金が問題なんです。だから、いま言われた方法をとってみても、やはり相当な出費は覚悟しなければならぬというふうに私は思うのです。時間がありませんので結論だけ申し上げますが、そういう意味では広い面積を持っておる人からは多く取っていいというふうに思う。しかし少ない面積しか持っておらない人からはそれなりの配慮をすべきだと思うし、同時に最低限の保障というものはぜひしてほしいというふうに私は要望したいと思うのですが、大臣どうですか。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 それはやはり均等でないとなかなかむずかしいと思います。しかし、あなたのおっしゃいましたように、たくさん持っておる人には割合を多くすればいい、非常に少なかったら不公平じゃないかという気持ちはわかりますが、実際問題そういうことができるかできないか。また個人個人のこういう場合にはずいぶんいろいろな問題があろうと思います。もうそこは売って立ちのきたいとか、あるいはあまり狭くなったから増してくれとか、いろいろあろうと思いますが、その辺は事業の運営ではないかと思います。原則的にはある基準をきめればそれによってやるので、そのために生活ができないとか、あるいはそのために非常な不利をこうむるとかいう人については、また別途の方法で補償をするというようなことになるのではないかと思いますから、直ちにこの面積以下は三割しか取らないとか二割しか取らないとか、そういうことは実際上できないのではないか、かように思います。気持ちは十分わかります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 その点で局長のほうから……。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 私どもの申し上げますような過小宅地対策、増し換地というようなものにつきまして、先生は出費とおっしゃいましたが、これはおそらく、大きいところからそっちに回すときに清算をするわけですから金がかかるというようなことであろうと存じますけれども、これは土地の所有者から四割か五割か施行者が取得する際には、補償金も支払うというか、財源と申してはおかしいのでございますが、そういう金があるわけでございますから、それをもちまして増し換地のときの精算をするということで、土地の所有者が希望すればそういうことも可能であろうというふうに考えておりますので、先生のおっしゃったようなことのないように、十分施行上は配慮するように今後とも施行者を指導いたしたいというふうに考えます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 そのことに関連して、同じような問題ですが、農業経営の場合、今度は、この間の説明によりますと、市街化区域だけでなしに、それと連続した調整区域、一部必ずひっかけてくるだろう。ということになりますと、これは現在農業を営んでおる、あるいは将来もやめる急患がない農民の方がこの対象になってくるというふうに思われるわけなんですが、その場合も、根幹公共用地あるいは開発誘導地区ということで六〇%買い上げられるということになると、当然農業経営に大変化を来たさざるを得ないというふうに思うわけなんですが、これに対してはどのような措置を考えておられるか、お聞きをしたいと思います。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 先生のおっしゃるように、この地域の中にはいわゆる農業経営者、農地の所有者というものがなお考えられます。しかしながら、この施行区域は、御承知のように市街化区域という地域で行なう、また市街化区域でないところにおきましては、そういう利用調整をちゃんといたしまして市街化区域に指定がえをしてこの事業を行なうというふうに私ども考えておるわけであります。したがいまして、市街化区域が設定されますと、これは土地の利用上は市街化をする場所であるわけでございます。そういうことからいたしますと、従来どおりに農業経営するという地域ではございませんので、従来どおりの農業経営ということは、これは非常に困難も伴うだろうと私どもも考えるわけでございます。一般的にはそういうことがいえるかと思います。しかし、場所によりましては従来の水田耕作というものを畑作に転換するというようなこと、そういうふうなことで、農業を継続するというような条件が整っておる、また本人もそういう意思があるという場合におきましては、これは継続しても差しつかえないというふうに私ども考えておるわけでございます。しかしながら、その継続するところの農業経営について特別にこれを助成していこうというようなことは、この法案では、この目的からいたしまして特に考えていないわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 その辺が非常に荒っぽいと思うわけですが、たとえば、これも私の一つの提案になると思うのですけれども、新しい土地ができて、四〇%が土地整理をやって使える、ここへまたたく間にどんどんと住宅あるいはビルが建つというような形になりますと、せっかくいま建設省が意図しておられるような潤いのある生活あるいはコミュニティーの非常にはかられた市民生活というようなものが、そういうファクターがなくなってしまって、いままでと同じような、新住法によるお化け団地といわれておる、ああいうものになってしまったりする危険性が非常に多い。そういう歯どめの一つとして、この際に農業をその四〇%の土地に積極的に取り込んでいって——生産緑地であるとかいろいろな名目が立っておるわけなんですが、そういうようなものを積極的に取り込んでいって、潤いのある生活をその地域に住んでおる市民全体が営めるような、そういうようなやり方は考えられないものなのかどうか、この辺についてひとつお聞きしたいのですが。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 先生のおっしゃるとおり、今後の大規模な土地開発なり新都市の建設にあたりましては、そういう自然環境を十分保護いたしまして、そうして環境のいい、良好な新都市をつくっていくということが大事であろうかと存じます。そういう意味のいろいろな配慮というものは、ほかにこの法案の中でもいろいろ配慮しておる個所があるわけでございますが、先生のおっしゃるように、この場合に農業というものも十分取り入れて、そうしてそういう環境保全というようなものを考えていくということ、これはまことにごもっともな御意見ではございます。つまり、この点につきましては農住構想ということもいろいろいわれておるわけでございます。この農住構想というものにつきましては、いろいろなこれを推進する上についての要望も強うございますけれども、従来からのいろいろ複雑な問題もなお介在しておるわけでございます。たとえば線引きをどういうようにするかというような問題だとか、あるいは開発の地帯をどういうふうにしたらいいかというようなこと、また土地の利用上も宅地として利用するところと農地として利用するところがありますので、そういうところについてのいろいろな基盤整備をどういうかっこうでやっていくのかというようなことだとか、さらにまた先生のおっしゃったようなそういう農用地だとか緑地というようなものをどうして保全していくかというような問題、そういうようないろいろな問題があろうかと思います。この農住構想につきましては、この新都市基盤整備法案ということのみでなくて、一般的なそういう問題といたしましてなおいろいろな方面で検討されておりますし、建設省及び農林省もそれぞれ調査費を使ってそういう方面の研究調査をいたしております。その際に、私さっき思いつきでここでちょっと申し上げたような問題点もあろうかと存じますので、十分ひとつそういう点につきましては一般的な問題としてそういう問題を解決して推進をしてまいりたいというふうに考えます。そういうようなことにつきまして、こういうようにしたら先生のおっしゃるようなそういう農住都市というようなものが建設できるという方策、結論が出ましたら、もちろんこの新都市基盤整備法案の新都市基盤整備事業推進におきましてもこれは十分取り入れていきたいというふうに考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 私が先ほど言いましたようなことを、いろいろな障害があろうともやっていただくならば、それによって農業をこれからも続けていきたいというように考えておられる人が生きてくるわけですし、また新しい都市ができコミュニティができる、その中で、いままでと違った潤いのある雰囲気、ムード、こういうようなものができてくると私は思いますので、ぜひこの点はもっと積極的に各方面とも当たっていただいて、実現さしていただきたい、このように私は思うわけです。  それから、一番問題はやはりお金の問題だろうと思うのですが、この新都市基盤整備法を適用していく上で。そういう点で最後に地方財政の問題に移りたいと思うわけなんですが、これはずっと前からもいわれておりますように、また本委員会で土地住宅問題小委員会でも取り上げられておるように、こういういわばいままでいなかであったところに突然に人口十万、十五万というような町ができ上がりますと、関連公共公益施設、この問題が爆発的に起こってまいります。自治体が非常に困るというふうに思うわけなんですが、この点について、この法を具体的に実施していく上で、大臣としてそういう面での手当てはどのように考えておられるのか、この辺をまず最初にお聞きしたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 いままでの手法でございますれば、いわゆる公益事業等は関係の省でいろいろ打ち合わせをして、地方公共団体がやらなければならぬものは、一町、金を立てかえてやっておるといういわゆる五省の協定があってやっておったわけですが、私はどうもそれでは地方公共団体の受け入れがなかなかむずかしいと思うのです。したがって、やはりそれを何らかの法的な措置を講じて、やらなければならぬ、こういうように思われますから、この問題はやはり急速に考えないとこういう開発川下は結局進まぬと私は思います。したがいまして、これはいまも五省協定ですから、関係者が非常に多いのでございますから、建設大臣としては流行の幹部の方々にこれを法制化するようにひとつ話しかけたい。話しかけね、はこういう開発は簡単にはできぬ。ことにいま一番問題は、ずいぶん前からかかっておるのですが、これは事情も違いますけれども、学園都市ですね。やはり一番困っておるのは学校問題ですよ。だれでも子供のない方はありませんから、したがってやはりそれに真剣に取り組まないと……。それから、簡単に小学校をつくれ、中学校をつくれといいますけれども、それは地方公共団体は、ばく大な金が要ります。したがって、その裏づけなしに今後開発を進めようといってもなかなか困難だと思いますから、それらの点には政府として十分考慮しなければならぬ、かように考える次第でございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 五省協定を打ち破って、もっと前向きに法的措置を考えたいというお答えなんですが、たとえば今度の場合に当てはめて考えてみますと、施行区域内は、問題はあるにしても一応——もっと大きな問題は、区域に接した域外の問題があるだろうと思うのです。やはりそこから都心部へ行くのに道路も使わなければならぬ、あるいは河川の改修もしなければならぬということになってまいりますと、なるほど域内についてはそれなりの特典もあるということになるわけですが、域外については全くいままでと同じようなやり方をしなければならぬ。そうすると、その新都市ができ上がった自治体としては、そこに住んでおられる方のいろいろな生活を具体的に保障していく上でいままで予定しておったところをあと回しにしても金をそちらに回すというようなことが起こってくる。東京都の方にお伺いしますと、多摩ニュータウンの問題でも、補助金は出るにしても補助翼をつけなければならぬわけですから、そこへ金を回してしまうと、都内の二十三区の方々がなかなか承知いたしませんというような苦衷を漏らしておったわけなんですが、その域外の問題についてはどのような措置を考えておられるかをお聞きしたいのです。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 この新都市基盤整備事業につきましては、御承知のようにこの施行区域は、新都市の性格がいわゆる半独立型ということで、自然的な社会的な条件で一体として開発されるところをとりますので、これはまとまっておるので、比較的そういうような先生の御質問のようなことはないだろうと思います。しかしながら、一般的に大規模な宅地開発をいたしました際には、そういう関連公共施設、特に区域外のことにつきましても、市町村の財政負担が相当多くなることは断然でございます。これにつきましても、この宅地開発に面接関連のある道路だとか河川改修だとか下水道とか、そういうことにつきましては、現在の五省協定におきましてもこれを対象として立てかえができるという制度になっておる次第でございます。したがいまして、こういうことも十分に活用いたしまして地方公共団体の負担軽減につとめてまいりたいと思う次第でございます。  なお、この問題は入口急増市町村の財政問題ということで、一般的な問題として今後もいろいろな問題を検討して解決していく必要があるのでございます。先ほど大臣もそういう立法化のことについて答弁申し上げました。自治省におきましても関係各省と相談いたしまして、人口急増市町村におきますところの公共施設の整備に関する特別措置の要綱というものを四十七年度予算の要求のときにもまとめまして、そうして極力そういう市町村の財政負担の軽減ということに努力してまいっております。私どももこの点につきまして、私どもが幹事役になりまして、関係の各省連絡協議会というものを設置いたしまして、いろいろ相談をいたしておるわけでございます。これからも関係の省庁と十分連絡を密にいたしまして、そういう市町村の財政負担の軽減につとめてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 ひとつそういう方向で、先ほどの大臣のお答えも含めて努力していただきたいと思うのですが、公団なんかのやり方の場合に、それをすぐに家賃にふっかけてしまって、公団住宅であるのに高い家賃の住宅に入らなければならぬというような、社会問題化したようなこともございます。だから、受益者にどの部分を——全く負担させないというような、そう極端なことは私も言いませんけれども、やはりできるだけ受益者の負担を軽減するような方向でひとつ努力をしていただきたい、こういうふうに私思うわけなんです。  それと同時に、いまのはつくる問題なんですが、今度はつくったあとどう維持管理していくかという問題もあるだろうと思うのですが、その点についてはどうですか。

高橋弘篤建設省計画局長

○高橋(弘)政府委員 でき上がりました関連の公共公益施設の維持管理の経費が、やはり市町村の財政におきましては非常にかさむという問題であろうかと存じます。この点につきましては自治省のほうの地方交付税で措置するということになっておる次第でございます。私どもこの点につきましても自治省に十分申し入れをいたしまして、適正な地方交付税の配分を考慮してもらい、市町村のこういう施設の維持管理費につきましても負担が軽減できるように努力してまいりたいというふうに考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 多摩ニュータウンの場合にも、多摩市が、学校はつくってもらった、しかしなかなか受け取らない、道路の場合でもそうだというような話を東京都の方はしておられたわけなんですが、ぜひそういう点で、建設省としていまの大臣のお答えも含めて前向きの努力を私は期待したいと思うわけなんです。  そこで自治省にお聞きをするわけなんですが、同じことなんですが、こういう新しい都市がつくられるということになってまいりますと、これはどうしてもいままでの考え方を改めて、もっと公共団体が責任を持ってやるというような方向で具体的な努力を今後もされるだろうと思うわけなんですが、その辺について御意見をお伺いしたい。

植弘親民自治省財政局指導課長

○植弘説明員 お答えいたします。  関連公共施設の整備につきましては、先ほど大胆から、それから建設省の政府委員から御答弁したとおりでございまして、一時に大量の資金を投入しなければならないという現実でございますので、いろいろな措置を講じておるわけでありますが、その維持管理費につきましては、先ほどの答弁にもございましたように、経常的経費といたしまして交付税の算定上見ることになっております。しかしながら問題の一つは、施設等をくつりましても、まず住宅等をつくりましてもその人口が、張りつくのにはだいぶんタイムラグがございます。したがって、当該市町村にとりましては地方債等ないしは公団の立てかえ等に対する建設費の支払い償還といったような問題もございまして、その間に若干の時間的なズレといいますか、タイムラグが生じてくる点でございます。現在交付税の基本的な考え方といたしましては、学校施設といたしましても、その他の公民館、そういった公共的施設といたしましても、大体人口ないしは学校の場合でございますと学校数といったようなものを基準といたしまして、妥当なる管理費を交付税の需要に計算しておるわけでございますが、人口の張りつきぐあい、その施設の維持管理との間における若干の問題はあろうかと思います。そこらの点につきましては、建設費の償還問題ともあわせながら、十分に具体の調査について困らないように考えていかなければならないだろう、このように考えております。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 なかなか苦しいお答えなんですが、人口が張りつくまでの時間をできるだけ活用して大きな矛盾を生じさせないようにしたいということで、軽わざ師的な綱渡りをやらなければならぬという感じがするわけなんです。そういう点で、大蔵省は建設省の意見も自治省の意見も十分わかっておられると思うのですが、この新都市基盤整備法を成立をさして新しい都市をつくっていくという点で、やはり国の責任というのは一番大きいだろうと思うのですが、大蔵省として何か特別の措置を考えておられるのかどうかということを最後にお聞きをしたいと思うのです。

藤井直樹大蔵省主計局主計官

○藤井説明員 今回の新都市基盤整備を進めるにあたりまして、事業資金そのものについては、公団とか地方団体が施行する場合の資金については財政投融資、まあ調査を含めまして大いに努力していきたいと考えております。その場合に問題になります関連公共施設につきましては、現在五省協定に基づく措置等があるわけでございますが、この際かなり改善を加えておりまして、ただいま人口が張りつくまでの期間というようなことがありましたけれども、そういう点も考えて償還期間を非常に延ばすということを四十六年度にやっております。それから金額自体もふやしておりますし、他方におきまして、人口急増市町村におきます学校が一番問題になるわけでございますけれども、学校の用地について補助制度を設けるとか、またはその用地債についての利子補給制度を設けるというようなこともあわせてやっております。それからさらに今回、ニュータウンに対する私鉄ないしは地方公共団体の鉄道を建設するという際に対する助成措置というのも考えておるわけであります。こういうような措置を活用いたしまして、これからの新都市基盤というものについて十分対処していきたいと考えておる次第であります。

浦井洋日本共産党

○浦井委員 最後に大臣ひとつ、私のいろいろな注文を申し上げたわけなのですけれども、確かにこういう新しい都市をつくっていくというようなことは、ある意味でもう不可避であるし、必要だろうというように私思うわけなんですが、いろいろな私の具体的な提案そのほかを含めまして、大臣の決意を伺って質問を終わりたいと思います。

西村英一自由民主党建設大臣・近畿圏整備長官・中部圏開発整備長官・首都圏整備委員会委員長

○西村国務大臣 このように大規模な団地はどうしてもつくっていかなければならぬと思います。政府としては、それと並行ではなしに、大局的にはやはりこの過密を防ぐということについては、これから工業分散等の問題もありまするけれども、現実の問題はこういう大規模の宅地造成をやらなければならぬ。それで今度のこの法律の志すところは、いままでの開発の方策を少し変えて、その土地の人にも利益を得させようということが主眼でございます。その公益施設等につきましては、いま大蔵省から言いましたように、四十六年度、四十七年度、地方公共団体が助かるような多少の方策はこれはやっております。やっておりまするが、なおかつそれでも地方公共団体が満足にこれを受け入れるかということには多大の疑問もありまするから、十分ひとつ留意をしてこの卒業を進めてまいりたい、かように考える次第でございます。

亀山孝一自由民主党

○亀山委員長 次回は、来たる二十六日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時五十六分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗