建設委員会 第13号
- 発言数
- 130 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/05/09
会議録
○亀山委員長 これより会議を開きます。 この際、つつしんで御報告申し上げます。 本委員会の委員砂原格君が昨八日逝去されました。哀悼にたえません。 同君の御冥福を祈り、一同黙祷をささげたいと存じますので、御起立を願います。 〔総員起立、黙祷〕
○亀山委員長 黙祷を終わります。 ――――◇―――――
○亀山委員長 内閣提出、河川法の一部を改正する法律案及び内閣提出、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案、以上両案を一括して議題といたします。 この際、川崎河川局長より発言を求められておりますので、これを許します。川崎河川局長。
○川崎政府委員 先月の二十六日の委員会におきまして、松浦先生から、福地ダムにつきまして政府内の統一見解を示せというお話でございまして、その後、関係各省それぞれ協議をいたしまして、次のように統一見解をまとめましたので、報告をさせていただきます。 福地ダムについて 一 一九七一年十二月十三日福地ダムに関し、日米町国政府間で交換された口上書は、〔同ダム(福地ダム)が復帰までに完成されない事が明らかとなった時は、合衆国政府は同ダムの建設のためすでに割当てられている千二百一万二千合衆国ドルのうちの未使用部分を復帰前に琉球水道公社に移転する。〕ことを約束したものである。 二 同ダムは沖繩復帰の時点で建設省で引継ぎ、直轄で事業を継続実施し完成を図ることとしているが、同ダムの建設のため割当てられている額の範囲内で仮に完成しない事が明らかになった場合にも、その完成に支障ないよう政府内において所要の措置をとる所存である。 以上でございます。
○亀山委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。松浦利尚君。
○松浦(利)委員 ただいま河川局長から福地ダムの問題について政府の統一見解が表明されましたが、この統一見解について質疑をかわしておりますと法案審議に影響を与えますので、これについては別途の機会に質問することを留保さしていただきたいと思います。
○亀山委員長 了承しました。 次に、小川新一郎君。
○小川(新)委員 時間の関係上、私簡単に率直に聞きますので、お答えのほうも明快にひとつお願いしたいと思うのです。 この河川法、多目的ダム、治山治水、三法律案の審議について、特に河川法と多目的ダムについてお尋ねしたいのでありますが、同僚議員等がもう聞いておりますので、重複することを避けまして、会計検査院の指摘事項について二、三お尋ねしたいと思います。 特定多目的、ダムの本体建設工事の予定価格の積算についてでありますが、会計検査院が建設省に対して、「直轄で施行する特定多目的ダム建設工事において、ダム本体建設工事の予定価格の積算が施工の実情に適合していない事例が見受けられ、ダム工事の施行の実績資料等を収集、解析、整理して基準化し、積算の適正を期する要がある」と認めております。その件については昭和四十五年十一月、この改善の処置を要求しておりますが、その後建設省ではどのようになったか、お尋ねします。
○川崎政府委員 お答え申し上げます。 ただいまお話しのように、昭和四十五年度に会計検査院から、ダム工事につきましての積算について改善の勧告がなされたわけでございます。私どもといたしましても、ダムの事業そのものにつきましてはいろいろ地域地域の特殊性等がございますので、できるだけこれを統一的に積算等を行ないたいということで努力をいたしておりますが、なおやはり多少地建間におきましてその辺で必ずしも統一的でない面がございまして、したがって、同格なものは別といたしまして、基本的なものだけでも基準等をできるだけ統一いたしたい、こういうことで作業をしてまいりましたが、本年の四月に、ダムを所管いたしております開発課の課長名で、関係機関に対しましてそういった基準の作成等について通達を出しました。なお、さらに細部につきましては、一そう調査検討いたしまして、今後誤解のないような処置を進めていく考えでございます。
○小川(新)委員 ダム積算委員会というのは現在何名で構成され、何回これに関して会合を開き、それに対する報告は私どものほうへ出していただけるものなのかどうか。この点についてお尋ねいたします。
○川崎政府委員 私どもの建設省の内部で、それぞれ各地方建設局の担当とかあるいは経験者、そういったものでそういった積算に対する参考の資料を集めるために委員会を組織いたしておるわけでございますが、回数等につきましてはちょっと現在詳細に承知いたしておりません。なお、どういうことが問題になって、どういう方向へ進んでおるか、そういった資料につきましては、後ほど、御要望に従って提出いたしたいと思います。
○小川(新)委員 これは大臣、御出席したことがございますか。
○西村国務大臣 積算委員会に出席したことはありません。
○小川(新)委員 会計検査院で指摘された。ダム積算委員会というのを建設省で設けられまして、河川局長もまだ回数もよく御記憶がないようでございますが、私はちょっとそういう点ずさんだと思うのでございますが、この点については局長、もう少し真剣に取り組んでいただかなければ、ちょっとわれわれ議員といたしましては納得ができかねますので、この点について所見を承りたい。
○川崎政府委員 ただいまの委員会は、担当いたしております開発課長が中心でそういったいろいろ技術的な設計上の積算基準を検討いたしておるわけでございます。全体的なやはり設計の価格ということになりますと、それはまた省としてのいろいろな経費その他の取り組み等もあるわけでございますが、一応ダムの建設そのものについてのいろいろな直接の参考になる基準を検討いたしておるということでございます。なお、ダム工事は非常に大規模な工事でございますので、他の一般の工事とはやはり同列に扱うことはできないと思います。したがいまして、私どももまことにいままで十分目が届かなくて申しわけございませんが、今後十分慎重に私どもも関与いたしまして、適正な基準を作成するように努力いたしたいと思います。
○小川(新)委員 ダム積算委員会については十分ひとつ局長もお入りになっていただいて、会計検査院の指摘事項でございますし、この問題についてはとかくいろいろな問題が起きますので、よろしく御配慮を願いたいと思います。 その次に、ダムの建設能力のある会社というのはいま日本の国ではどれくらいあるのですか。
○川崎政府委員 ダムの規模等によりますけれども、私どもの直轄で考えておりますのは約二十社前後じゃなかろうかと思います。
○小川(新)委員 そうしますと、住民の生命、財産に非常な危惧を与えるような大きな工事をするダムの建設にあたっては、たとえばその能力のある一社が入札いたしまして、これは指名競争入札制度で落札した場合、ジョイントベンチャー方式によるようなことは今後あり得るのかないのか。また現在どうなつておるのか。それについてお尋ねいたします。
○川崎政府委員 ジョイントベンチャーの制度でございますが、これには、完全に一体になって一つの工事に対して対処するという場合と、それから一つの工事に対してそれぞれ区間等を分担し合ってやる、結果的に一つの工事が完成するわけでございますが、そういったいろいろなケースがあろうかと思います。しかし最近のように工事量がふえてまいりますと、やはりかなり大手の業者にいたしましても、それぞれ労務なり資材なりあるいは特別の技術者等で格差等があるわけでございますが、そういったものをある程度調整して危険を分散する、こういったようなメリットもある。また中小企業等でやって、そういった企業の資質の向上等に資する場合もあるというようなことで、必ずしも私ども否定はできないのじゃないかという考えでおります。現在そういった形を直轄でやっておりますのは東北地建の御所ダムにその例がございます。今後どのようなやり方でやるかということにつきましては、これは私ども特に定見はまだ持っておりませんが、やはりケース・バイ・ケースでそのつど検討していきたいと考えております。
○小川(新)委員 この問題は大事な問題ですが、大臣、河野建設大臣のときには、ダムの建設にあたってはジョイントベンチャー方式は取り入れない。特にその責任分割が、ここからここまではA社がやる、ここからここまではB社がやるということになりますと、万が一事故が起きたときの責任が非常に複雑になるので、ジョイントベンチャー方式はやらないというようなことを私記憶があるのですが、いまの河川局長のお話を聞いておりますと、ケース・バイ・ケースということになってくるのですが、このについては大臣のお考えいかがですか。
○西村国務大臣 つまり、ジョイントベンチャー方式は、大体そういうやり方は、たとえば中央で大手の方が事業を受ける、しかし、地方の中小企業の方を救わねばならぬとか、あるいは中小企業の方はその土地の人であるから土地カンがあるからいろいろ利益をするというような、大手と中小企業のジョイントベンチャーというものは土地の事情からいってやるほうがいいのじゃないか。そうしないと中小企業に工事の割り当てがないというようなことになるので、工事が大体は大型化しますから、大きいところと小さいところでジョイントベンチャーをやる、そういうことを私は前から考えておって、大手のジョイントベンチャーというものは原則としてはあまり好ましくない、やっぱり責任体制をとるべきだ、こういう考え方であったわけでございます。しかし、事によりましては、私がそう思いましてもそれとは別に、やはり非常に大きいダム等でございますと、実際問題が、Aが受けましても、その受けたAがBに自分の受けた責任においてある事業をあてがうというようなこともやっておるようでございます。したがいましてそれを表向きにするというジョイントベンチャーのやり方、それもいいのじゃないか。道路工事のごときは大手同士がジョイントベンチャーいたしております。そこで私は、元来は、ジョイントベンチャーはいま言いましたように大手と中小企業が組む場合を認めておるのがいいと思っておったのでございますが、それではなしに、やはり大工事になればそういうプライベートの分け方じゃなくて、公式に仕事を分けることも一つの方法であろうというふうな考え方をいたしております。しかし原則としてはやはり大手は一本で責任を持ってやる、こういう行き方のほうを私はどちらかというと好むわけでございます。
○小川(新)委員 先ほど私が、日本のダムの建設の規模からいって能力のある会社はと質問したのですが、結局ダム建設に能力があるということは、それを指名競争入札制度で建設省が落札させるということは、その会社ができるという、能力からすべてを含んで落札させているわけでしょう。それをまたA社がB社にプライベートであるからといって仕事に分け与えたときに、あのダムがもしも決壊するような大きな事故につながったときには、それはA社に責任はいくでしょうけれども、そういうことが業界でやられているということについて大臣は公然とお認めになっているような発言でございますが、私は非常に疑問を生じてきますね。中小企業を救うというのは、下請としてやらせる場合はあり得るでしょう。だけれども大手と大手が、ここからここまではおまえさんがやるのだということは、指名競争からはずれた業者をお互いにプライべートでくっつけ合ってやっていくということについては、河野建設大臣が、好ましくない、そういうことは危険であるからだめだと言っているのです。それをまた復活させるようなやり方ではちょっとおかしいのじゃないですか。どうなんですか。
○西村国務大臣 復活させるというのじゃない。そういうことをやっておる場合もあるから、それならむしろ公にジョイントしたほうがはっきりなるのじゃないか。仕事によって分担したほうがはっきりなるのじゃないか。実際問題はそういうやり方をしておる場合もあるようだから、それはおもしろくない。したがって、そういうようなら公にそれぞれ分担して責任を持たしたほうがいいのじゃないか、こういうように考えられるわけでございます。
○小川(新)委員 実際にはそういう事例があるのですか。
○西村国務大臣 あるように私は聞いております。
○小川(新)委員 局長、それはどこですか。
○川崎政府委員 ただいまお話しのように、初めから完全に一つの共同企業体として三社程度が参加して仕事をしておる場合と、それから三社が請け負って、しかし一社だけではいろいろ資材、労務あるいは技術者、こういった面で十分でない、その他いろいろな事情があろうかと思いますけれども、それの一部を下請に出しておるというところは直轄でもございます。
○小川(新)委員 そうすると、大臣の表現と局長の表現は違います。局長の表現はあくまでも大手が、ある指定されたA社が下請に出しているのであって、ここからここまで分けてお互いに共同でやるというのじゃないのですね。それはどうなんですか。
○川崎政府委員 完全に共同でやる場合は、これはやはり当初からの共同企業体ということで入札時から参加してやるというのがたてまえじゃないかと思います。したがって、道路等ではそういったものを延長の区間で切りましてそれぞれが施行しておるという例はございますけれども、ダム等の場合におきますと、これは一つの業者が落札した場合に、たまたま二社等がその下請で入っておる、役所のほうもその下請を承認しておるというのが一般の例でございます。
○小川(新)委員 そうすると先ほど言ったような、ちっとも好ましいとか好ましくないじゃなくて、普通のあたりまえのことなんですな。別にどうのこうの、批判するとかなんとかじゃないじゃないですか。大臣どうなんですか。さっき好ましいとか好ましくないとか言っているけれども、局長の話を聞いている範囲では、好ましいも好ましくないも、あたりまえのことになって聞こえてきますね。
○川崎政府委員 下請の問題でありますが、一般のいわゆる下請の概念といいますか、そういうものを越えて、ある程度のものを大手に譲っておる。したがって、外から見ますと、三社以上のものがダムをやっているという認識を与えるというような点では、われわれとしてもすっきりしないのじゃないかという気がしておるわけでございます。
○小川(新)委員 すっきりしない気がしている、どうも好ましくない、だけれども結果においては下請だ、こういう答弁では……。ダムは道路なんかとは違うのであって、何億トンの水をためて、これは一回決壊すれば、イタリアの事故のように一村落が全滅するような大きな問題を含んでいるのに、かっこうにおいては下請になっているのに見た目は下請じゃない。同格の会社がやっている場合には下請とは見受けられない、あくまでも話し合いで、自分たちの企業のもうけに対しての分割工事のやり方である、それを建設省で御理解しているから、好ましくないとか、大臣の言われているような表現になってくるのであって、この見方が率直なんですね。だから、そういう思わしくないのだったらジョイントベンチャー方式にやろうという姿勢になってきたのじゃないか、こう理解している。それは危険だからだめだと前の大臣が表現しているのだから、あくまでも一社が責任を持ってやっていくような形にして、好ましくないようなことがあったら監督し、そういう業者は指名を取り消したらいいじゃないですか。いかがですか。
○西村国務大臣 これはもちろん、あなたが言われるように、道路はほとんど大手でもジョイントでいまやっているのです。ところが、それがいいか悪いかということはこれはまた別問題。それからいままでは、ダムは責任体制の意味で、また重要性からいえばあなたのおっしゃるようなことで、道路と違うから、原則としては一社というやり方でやっておるわけでございます。しかし、どちらかといいますと、やはりジョイントベンチャー方式も一つの検討しなければならぬ方式だと私は思うのです。したがいまして、いままで私は、ジョイントベンチャー方式の場合は、大手とその土地の土地カンに通じた人で、中小企業を救う意味で意味があるだろうと思っておったのでございますが、この問題は請負工事については重要な問題でございますから、建設省としても今後十分検討いたしたい、私はさよう考えております。いまやっておる方式を見ますと、どうも入り乱れておる。しかしジョイントベンチャー方式というものも捨てたものじゃないというふうな考え方もできるわけでございますから、十分今後検討したい、かように思う次第でございます。
○小川(新)委員 中小企業を救うこととジョイントベンチャー方式、現在行なわれている好ましくないやり方とがこんがらがっては困るのでありまして、この辺のところを明快にしなければならぬですが、時間がありませんからきょうはそれ以上追及しませんけれども、非常に私はこの問題についてはちょっと複雑な気持ちになっています。それで、ダム積算委員会のように、ダムの本体建設の調査委員会というようなものをつくって、いままでのダムの総点検ということも考えなければならぬし、いろいろな問題が含まれた中でこの多目的ダムという法律の改正ということも考えていく、私はこういう深い認識の上に立ってこの法律の審議に携わってきたわけです。だけれども、いまほんとうに最終になってこういう問題が浮き彫りになってきて、将来の方針もいまだに明確にされていない、そういう中でダム法の改正を行なうということについても私ははなはだ疑義がありますが、どうかひとついま私が申し上げたような点を踏まえた上で、十二分にこのダム建設については格段のひとつお考えを、私ども議員に納得するように今後説明していただきたい。これをまず申し添えておきます。 それでは最後に、時間の関係上、私の地元の問題でございますが、緑川と芝川の改修の件について、実はこの緑川の上の藤右衛門川――浦和の地域を流れておるのは藤右衛門川という名前になるのですが、浦和と川口の接続点のパイプですね。川のパイプが非常に狭くなっておりまして、いつもこの問題について川口と浦和がトラブルを起こしております。川口側を太くすれば川口側がはんらんする。このためにこの入り口を細めてある。ところが、それを細めてあるために、浦和の市域はわずかに二十ミリから五十ミリ程度の雨ではんらんいたします。これについての改修という問題がもう十年来行なわれておりませんが、この問題についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。また、川口の毎秒四十トンのポンプアップ場の建設はいつ完成するのか。この二点をお尋ねしたいと思います。
○川崎政府委員 川口の緑川、それから旧芝川と存じますが、それぞれにつきまして、緑川のほうは四十六年から着工いたしておりますが、四十八年の出水期までにはこれを完成したいと考えております。それから旧芝川でございますが、これにつきましてもやはり四十六年から着工いたしておりますが、ポンプの規模が四十トンとかなり大きな規模になりますので、現在の計画といたしましては昭和五十年の出水期までにこれを完了したいと考えております。なお、緑川の上流等につきましては、やはりまず下を改修した上で、いろいろ用地の取得その他問題がございますので、もう少し詰めた上で改修の計画を立てたいと考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 この問題については、大臣、重要な都市河川として浮き彫りになっておる藤右衛門川、旧芝川ですが、この問題のポンプアップの問題については、大至急ひとつ促進方をお願いしたいと思うのです。 それから最後に、これで終わりますが、一九七一年七月の「行政監察月報」に出ております、ページ数は二五ページ、そこの「建設省」として、「河川と下水道の機能区分については」というところで、「下水道に転換すべき普通河川の選定基準を策定することとしている。」という、これについては、その選定基準の策定はいつ行なうのか、この点のお答えをいただいて質問を終わらせていただきます。
○川崎政府委員 現在、数カ地区をモデルにいたしまして、たとえば川口市等のあの辺の周辺の地区を取り上げて、具体的にどういう問題があるか、それから流域下水道あるいは公共下水道を布設した場合にいわゆる普通河川の実態とこれの転用改廃、こういったものを合わせて総合排水計画というものを立てたいということで、私どものほうと都市局と両者でいろいろ技術的な検討を行なっておるわけでございまして、近くそういった基準につきまして一つの目安をつくった上で、これを各市の都市小河川の問題あるいは下水道の整備の問題に当てはめまして、今後の都市の治水環境の是正に力を持っていきたいと考えておる次第でございます。
○小川(新)委員 そうすると、何年までにつくっていただけますか。
○川崎政府委員 大体、モデル地区等につきましては年内にそういったことの骨格をつくりたいと考えております。
○小川(新)委員 では、私の質問はこれで終わらしていただきますけれども、ただいま申し上げましたこと等をひとつ十分大臣は御参考にしていただいて――都市河川並びにダムの問題、治山治水等の問題は非常に大きな問題でございます。どうか、この委員会で発言された問題については建設省、先ほどの積算委員会についても、河川局長もあまりよく回数を覚えていらっしゃらないようだし、大臣も一ペんも御出席もないようだし、こういうような事態であっては私はまことに残念でございますので、ひとつもう一ぺん行政の面で的確なる御措置と前向きの姿勢で取り組んでいただきたい。以上です。
○亀山委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○亀山委員長 この際、天野光晴君、阿部昭吾君、小川新一郎君及び古田之久君から、河川法の一部を改正する法律案及び特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対し、それぞれ修正案が提出されております。
○亀山委員長 提出者天野光晴君から趣旨の説明を順次求めます。天野光晴君。
○天野(光)委員 まず、ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨を申し上げます。 案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり、政府原案では、この法律は昭和四十七年四月一日から施行することとしておりますが、御説明申し上げるまでもなく、現在すでにその期日を経過しておりますので、これを公布の日から施行することに改めようとするものであります。 次に、ただいま議題となりました特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨を申し上げます。 案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり、政府原案におきましては、都市用水にかかるダム使用権の設定予定者が特定していない段階において基本計画を定める場合は、基本計画の作成後相当の期間内にダム使用権の設定予定者を定める見込みが十分でなければならないことといたしておりましたが、この相当の期間をより明確にすることが望ましいとの趣旨で、この期間を政令で定めることに改めようとするものであります。 以上で両修正案の趣旨説明を終わります。委員各位の御賛同をお願いいたします。
○亀山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 両修正案について、別に発言の申し出もございません。 ―――――――――――――
○亀山委員長 これより両案及び河川法の一部を改正する法律案、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対する両修正案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もございませんので、順次採決いたします。 内閣提出、河川法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、天野光晴君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立総員。よって、河川法の一部を改正する法律案は、天野光暗君外三名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案について採決いたします。 まず、天野光晴対外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま議決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立多数。よって、多目的ダム法の一部を改正する法律案は、天野光暗君外三名提出の修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○亀山委員長 ただいま修正議決いたしました両案に対し、天野光晴君、阿部昭吾君、小川新一郎君及び古田之久君から、それぞれ附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者天野光晴君から趣旨の説明を順次求めます。天野光晴君。
○天野(光)委員 まず、ただいま議題となりました河川法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の四党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり、本法案は、最近の都市地域における治水環境の悪化と水需要の増大に対処するため、準用河川制度の拡大、河川の流況調整等について所要の規定を整備しようとするものでありますが、本法の施行にあたっては、特に準用河川、普通河川の整備及びその財源の充実、利水に関する法制の体系的整備等について、政府は適切な措置を講ずる必要があると思うのであります。 次に、ただいま議題となりました特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 案文はお手元に配付してあります。 御承知のとおり、本法案は、最近の水需要の増大に対処し、緊急に水資源の開発を行なう必要がある場合には、ダム使用権の設定予定者が特定していない段階であっても当該ダムの建設に着手することができること等としておりますが、本法の施行にあたっては、特にダム建設に伴う水源地域住民の生活再建、ダム建設を緊急に着手する場合のダム使用権設定予定者の早期特定、ダムを建設する場合の地質調査、ダム建設の際の責任体制の確立等について、政府は適切な措置を講ずる必要があると思うのであります。 以上で趣旨の説明を終わります。委員各位の御賛同をお願いいたします。
○亀山委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ――――――――――――― 河川法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、河川法の一部を改正する法律の施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 最近の都市化現象の進展と小河川災害の発生に対処するため、法定外河川の整備及び適正な管理が重要であることに鑑み、その実態を調査検討し、準用河川及び普通河川を整備改善を促進し、これに必要な財源を充実させるための措置を講ずること。 二 水需給のひつぱくに対処し、水資源の開発、流水の広域的管理、水利用の合理化、慣行水利権の近代化等利水対策をさらに総合的に促進するため、治水と併せて、利水に関する法制の体系的整備について検討すること。 右決議する。 ――――――――――――― 特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、特定他目的ダム法の一部を改正する法律の施行にあたり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 水需要のひつばくに即応して、水資源開発事業を積極的に促進するためには、ダム建設等により、社会経済事情に急激な変化を与える水源地域における住民の生活再建及び地域の公共施設の再編整備等が必要であることに鑑み、これに対処する適切な措置を講ずることとし、この場合において地方行政を総合的に相当する地方公供団体の意向を十分に尊重すること。 二 ダム使用権の設定予定者を定めることができない段階で多目的ダムの建設に関する基本計画を作成し、又は変更しようとするときは関係地方公共団体の意向を十分に尊重するとともに、できる限りすみやかに当該ダム使用権の設定予定者を定めるよう努力すること。 三 ダムの建設に際しては、地質等の調査を精密に行ない、土砂流等により、水質が汚濁されないよう、細心の注意をなし、ダム公害を完全に防除すること。 四 ダム建設は、住民の生命財産に及ぼす影響が多大であるので、その建設にあたっては、工事施工業者の責任体制を明確にすること。 右決議する。 ―――――――――――――
○亀山委員長 両動議に対し、別に発言の申し出もありませんので、これより順次採決いたします。 まず、河川法の一部を改正する法律案に対する天野光晴君外三名提出の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立多数。よって、天野光晴君外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。 次に、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案に対する天町光晴君外三名提出の附帯決議を付すべしとの動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀山委員長 起立多数。よって、天野光晴対外三名提出のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、建設大臣より発言を求められておりますので、これを許します。西村建設大臣。
○西村国務大臣 河川法の一部を改正する法律案及び特定多目的ダム法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたしまして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 審議中における委員各位の御高見については、今後その趣旨を生かすようにつとめるとともに、決議されましたただいまの附帯決議につきましても、その趣旨を十分尊重し、今後その運用に万全を期して、皆さま方の御期待に沿うようにする所存であります。 ここに、これらの法案の審議を終わるにあたりまして、委員長はじめ委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表しまして、ごあいさつといたす次第でございます。ありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
○亀山委員長 なお、おはかりいたします。 ただいま修正議決いたしました両案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○亀山委員長 次に、内閣提出、参議院送付、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井土普方君。
○井上委員 このたび、治山治水緊急措置法の一部を改正する法律案に伴いまして、五カ年計画が閣議了解事項として出され、昭和四十七年度予算が初年度として提出されているわけでございます。そこで、この閣議了解事項を拝見いたしますと、第二項において「新治水事業五カ年計画及び新治山事業五カ年計画は、総合的な施策との調整を図り、その実施にあたっては、経済、財政事情等を勘案しつつ、弾力的に行なうものとする。」こうあるのでございますが、これはどういう意味であるのか、どういう含みがあるのか、この点ひとつお伺いいたしたいと思うのです。
○川崎政府委員 国の社会資本投資の親の計画でございます経済社会発展計画が近く改定を予想されておるわけでございます。したがって、今回の治山治水の五カ年計画を決定をすることに相なるわけでございますが、やはりそういった計画も十分調整をしないと、国の財政事情あるいは今後の国の経済の見通し等もございますので、そういった段階では弾力的に調整をする必要があるんじゃないかということでございます。しかし、治山治水の重要性にかんがみまして、この治水五カ年計画、治山五カ年計画が、十分新しい経済社会発展計画の作成の段階では尊重されると私どもは考えておる次第でございます。
○福田(省)政府委員 ただいま河川局長からお答えしたとおりでございますけれども、林野の場合におきましては特に保安林の整備もございますので、その点も十分考慮していきたいと思います。
○井上委員 そこでお伺いするのでございますが、特に建設省の治水関係におきましては昭和四十七年度が前の計画の最終年度であったはずであります。なぜこれを一年切り上げて四十七年度を初年度とするのか。なぜ、いま経済社会発展計画が改定せられ、新全総もまた改定せられる運命にあるとき、あえてこの五カ年計画を出される理由をひとつお伺いいたしたいのであります。と申しますのは、「弾力的に行なうものとする。」という個条が入っております以上は、その間において非常に幅が広くなってくると思うのでございます。これであるならば、何と申しますか、五カ年計画の意味は少なくなってくるという感を深くいたすのですが、その点いかがでございますか。
○川崎政府委員 すべての国の計画がそういった経済社会発展計画の作成と歩調を合わせるということになりますと、これは非常にわかりやすいわけでございますが、それぞれ所管しておる事業の特殊性あるいは連続性、こういったものから、やはりやむを得ず先行して改定をする、あるいはおくれて改定をする、こういったことが、それぞれ各省の五カ年計画とも同じような事情にあるんじゃないかと思います。それで、今度の治水事業五カ年計画の場合には、昨年御承知のように災害が非常に多発したわけでございます。そういった意味で治水に対する関心も非常に高まっておる。それから第三次の五カ年計画の内容を見ましても、それ以後都市問題あるいは水問題、こういったところでかなり現在の五カ年計画の修正を迫られておるわけでございまして、当初第三次の五カ年計画で考えておりませんでした都市環境の整備の問題だとか、あるいは地盤沈下の問題あるいは都市小河川等の新しい補助の制度の問題、こういったものもいままでには考えてなかったわけでございます。したがって、現在の第三次の五カ年計画で運営していくにしては少し内容の変動が激しい、こういうこともございまして、この際、機運の高まったときにできるだけ治水事業を伸ばしたいという私どもの希望もございまして、強い世論も背景にいたしまして今回の改定を企図した次第でございます。
○福田(省)政府委員 ただいま河川局長からお答えしたとおりでございます。特に山地の場合には最近災害が非常にふえてまいりました。水資源の確保の問題。第三点は都市の環境が非常に悪い、これを改善していかなければいかぬ。二点を中心として考えたわけでございます。
○井上委員 そこで私は林野庁にお伺いしたいのですが、この五カ年計画は林業審議会ですかの意見を聞かなければいかぬということに相なっておるようですが、この点、お聞きになっておるわけですか。閣議了解事項として一応出されておりますが、五カ年計画は林業審議会に聞かれたのでございますか。どうでございますか。
○福田(省)政府委員 ただいま御指摘のございましたのは林政審議会だと思います。これが可決されましたあとに林政審議会にはかる、こういう予定にしております。
○井上委員 では全然かけていないわけですか。
○福田(省)政府委員 法律によりまして――ただいま林政審議会とお答えしましたけれども、訂正させていただきます、中央森林審議会でございます。中央森林審議会に、法律によりましてあとでかけることになっております。
○井上委員 これからかけるということはどうもさかさまみたいな話になるのでございますが、林野庁は昭和四十八年度から国有林野事業の抜本的な改革に乗り出す方針と承っております。それに従いまして林政審議会に改革案を諮問することになったという新聞報道もなされておるのでございますが、この点いかがでございますか。どうなっておりますか。
○福田(省)政府委員 林政審議会には、ただいま御指摘ございましたように、現在検討を願っているところでございます。正式に諮問事項としましては今月の下句から来月にかけまして――現在のところでは国有林部会を設けて検討しておりますけれども、それが終わりましたあとで林政審議会に正式に諮問して結論を出す、こういう予定になっております。
○井上委員 それは、四十八年度から国有林野事業の抜本的な改革に乗り出すということですね。
○福田(省)政府委員 御指摘のとおりでございます。
○井上委員 そこでこの五カ年計画はそれでは意味がないじゃないか。五カ年計画は現在出されておるわけでございますけれども、四十八年度から抜本的な改革を行なうのでしょう。その諮問案と現在出しておるのでしょう。そうすると、その答申が出てきたときに現在の出されておる新五カ年計画とは一体どういう関係になりますか。
○福田(省)政府委員 中央森林審議会にかけますものは治山治水五カ年計画でございます。林政審議会にかけますものは、それ以外の国有林の問題につきまして経営全般に関する問題の諮問をいたす予定にしておるわけでございます。
○井上委員 一般にはそれで通用するかもしれませんけれども、現在日本の国有林の様相を見てみますと、実態としましてそのほとんどが水源涵養林みたいなところばかりではございませんか。したがいまして、五カ年計画と国有林野事業の抜本的な改革とは表裏一体をなすものだと私どもは理解せざるを得ないのであります。そこで、四十八年度から抜本的な改革を行なう、しかも新しく四十七年度からは五カ年計画を発足させる、ここにも矛盾が出てくると私は思う。表裏一体のものでなければならないにもかかわらず、片一方におきましてはやってない。ちぐはぐになっておるじゃありませんか。一年ずれておる。これが一つです。しかも林政審議会と中央森林審議会との間に差が出てくるということになりますと、五カ年計画自体は数字のマジックみたいな感じがしてならないのでありますが、この点どうでありますか。
○福田(省)政府委員 国有林の特別会計の状態を申し上げますと、従来収入と支出の差はこれを積み立て金にしておりまして、四十六年度当初約三百五十億あったわけであります。ところが四十七年度の予算編成に際しまして、それを全部使いましても前年度の予算に比べますとそれが減る、こういう状態になったわけでございます。一般会計がふえますところに、特別会計につきましてはむしろ前年度よりも減少をする。治山事業は別でございますけれども、そういう状態になりまして、四十七年度を最後といたしまして、予算編成は従来の方式では実は困難になったわけでございます。したがいまして、四十七年のおそくとも六月一ぱいくらいには四十八年度の予算編成につきまして抜本的な改正をしなければならぬ、こういう状態に立ち至っておるわけでございます。そこで林政審議会に、国有林の経営につきましての、主として財務の問題を中心といたしましてこの問題の解決をはかるために諮問する予定にいたしておるわけでございます。一方、治山治水五カ年計画につきましては、国有林と民有林と両方含めまして、なお建設省と関連を持ちながら治山治水の総合的な計画を、先ほど申し上げたような理由によりましてあわせて四十七年度からこれを改正するというふうにお願いしたわけでございます。
○井上委員 しかしながら、治山問題につきましては国有林野の占める位置が非常に大きい。しかも、それが財務的な理由であれ、この国有林野事業を抜本的に改正するということになりますならば、いままで考えておった治山五カ年計画というものは当然改定されるべき運命にあるのではなかろうか、私はこのように考えざるを得ないのでありますが、ここらをはっきりさせていただかぬことには、いまの御説明ではわれわれ納得できません。われわれ納得できるようなお話をひとつお示し願いたいのです。これは四十八年度から国有林野事業の抜本的な改革を行なうのです。しかもこれは、財政的な理由にしろ、財務的な理由にしろ、抜本的な改革を行なう。そういたしますと、四十七年度から行なわれる五カ年計画というものは当然それを含まなければならない。ところが抜本的改革をこれから諮問するのでしょう。そして四十八年度から改定する、こういうことです。それならばそこらあたりにどうも独走しておるような感がなきにしもあらずであります。この点いかがでありますか。
○福田(省)政府委員 御指摘ございましたように、特別会計におきましてはそういう財務の事情がございますが、治山治水計画につきましては、第三次計画におきましては御承知のように前計画の倍にしたわけでございます。そこで、四十七年度はそういう苦しい事情に財務の状態がございますけれども、国有林におきましては一般会計から従来二十三億の導入をはかっておったのでありますが、これを一般会計から六十六億繰り入れまして、特別会計の持ち分六十一億、合わせて百二十七億を初年度の四十七年度の治山事業の計画としたわけでございます。したがいまして、治山事業につきましては、五カ年計画全体としましては計画どおりに実施する予定にしておるわけでございます。
○井上委員 そこでお伺いいたしたいのでありますが、治山事業につきましては五カ年計画をそのとおりやられると了解いたしましょう。そういたしますと、この五カ年計画がそのまま進むためには、これは特に治山事業の関係、砂防というような関係もございましょう、これに対して特別会計でやられておるところに無理があるんじゃなかろうかと思うのです。したがいまして、あなたはいま得々と百幾らもらったというお話でございますけれども、これは当然国のほうの一般会計で出すべき性格のものであろうと思うのです。ところがそれが十分なされていないということになりますと、大きな治山の面からいたしまして私らも重大な関心を持たざるを得ないのであります。この点いかがなんでございますか。大体何割を治山事業として特別会計から出しておるのか、一般会計からは幾ら治山関係に出されておるのか、この点をお伺いしたいのであります。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 四十七年度におきましては、一般会計から導入しましたのは先ほど申し上げましたように六十六億でございます。それから特別会計で負担しました金額は六十一億でございますから、半分強を一般会計から導入しておるわけでございます。ただ、六十六億一般会計から導入しましたけれども、実はこのうち約二十億は特別会計の積み立て金の中から一般会計に回っているわけでございます。したがいまして、実質は六十六億から二十億引きました四十六億というものが一般会計からの純然たるもらい分でございます。この分だけ見ますと半分弱になる、こういうことでございます。ただ、ただいま御指摘ございましたように、一般会計から初めて治山事業費をお願いしたわけでございますけれども、四十八年度以降、ただいまの特別会計の状態では非常に困難がございますし、治山事業については公共的な性格の最も強い事業でございますので、一般会計から全面的な導入をお願いする方向でただいま林政審議会において検討をお願いしておるところでございます。ただその場合におきましても、在来の事業の近代化、合理化ということをはかりながら、一般の国民の皆さんの支持を得なければならぬ、かように考えておるわけでございます。方向としましては、私たちの考えでは、林政審議会にそういう方向の結論をいただけたらというふうに希望しておるところでございます。
○井上委員 公共的な性格が非常に強いところは、強いと申しますよりも公共的な性格そのものの事業につきましては、私は一般会計に出さすべきが当然だと思います。これは農林水産委員会の決議におきましてもはっきりと出されておると思います。そこで、問題は飛び飛びになりますけれども、林業振興に関する決議というのが第六十五回国会の農林水産委員会でなされておりますが、その林業振興に関する決議とこのたびの五カ年計画との関連はどういうようになっておりますか、お伺いいたします。
○福田(省)政府委員 林業振興に関する決議の中には国土の保全の重要性ということもうたっております。そのための施策をはかるベきであるという項目もございまして、それに従いまして治山事業の問題を最も重要視して考えたわけでございます。またその経費、区分につきましては、一般会計の導入をはかるようにという決議もございました。それに基づいて先ほど御説明申し上げたような一般会計からの導入もお願いした結果になるわけでございます。
○井上委員 あなたはそこに六十五国会の林業振興に関する決議をお持ちなんですか。宙であなたおっしゃっておりますが、何項目あるのですか。六項目出ておるのですよ。宙で人をごまかすようなことをおっしゃってはだめですよ。これを尊重されておるというなら、一項一項につきまして、この項についてはどういうような予算措置がしてございます、どういう計画を五カ年計画に盛り込んでいますと、一々御説明になっていただきたい。
○福田(省)政府委員 決議の中で取り上げられました問題は御指摘のように六項目ございますが、すでに予算措置を講じましたもの、まだ検討中のもの、いろいろございます。ただいまお答えしましたように、一般会計からの繰り入れ、これは六十六億見たわけでございます。その他、自然保護に関連しましては、薬剤の使用について十分安全度を確かめて検討するようにということにつきましては、昨年、BHCあるいは二四五Tなどの薬剤について中止をしたものもございます。それからただいま検討中のものにつきましては、造林事業に関する問題、林道に関する問題、外材に関する問題、労働力に関する問題、長期計画改定に関する問題、以上のようなものがございます。
○井上委員 それではお伺いしますが、第六十五国会の決議の第何項めのどれに入るのですか。
○福田(省)政府委員 実はいま申し上げたのはその内容の検討の資料でございまして、原文の六項目の資料を実はただいま手元に持っておりませんので、たいへん失礼いたしました。
○井上委員 持ってこずに、あなたのほうで宙でものを言われておったのでは困りますよ。公共性の強い林道については高率国庫負担でやれということは書いてございますが、治山関係につきましてはあまり書いてないのでございます。あと全部これは検討事項じゃないですか。林業振興に関する決議ではございますけれども、実際問題といたしましてこの問題は治山問題と非常に密接な関係がある。むしろ、治山関係におきましては林業がいかに重要であるか、しかも奥地林業が水源涵養、災害防除として重要な事項であると思いましたがゆえに、私はあえて農林水産委員会の決議を読み出して申しておるのであります。六十五国会のこの六項目にわたる決議、これは与野党一致した決議でありますが、いまおっしゃったのはこの中に入っておらぬ。六項目には入っておらぬけれども出された。そうしますとこの六項目は全部現在検討中の事柄じゃございませんか。こういうようなことで質問せいというのはまことに無理な話だと思うのであります。六項目にわたっての林業の振興と治山事業とはいかに密接かということを私は考えますがゆえに、この新五カ年計画との相関関係をお伺いしているわけなんです。これについてもう少し明確な、より具体的な御説明をお願いいたしたい。できなければ、これはもう私は質問を保留いたしたいと思います。
○福田(省)政府委員 六項目、手元に持ってきておりませんが、その中に、国有林の使命を達成するために、特に公益的な面についての一般会計の繰り入れをやるようにということは、最後のその中の項にあるはずでございます。そのことを先ほどから私申し上げておりましたのでございます。治山事業との関連は、それをもとにしまして六十六億の繰り入れをお願いした、こういうことになる、かように考えております。
○井上委員 私が先ほどからお伺いいたしておりますのは、四十八年度に国有林野事業の抜本的な改正を行なう、こういう話があるのでございます。ところが四十七年度を初年度とする五カ年計画が出てきておる。長官のお話によりますと財務関係だとおっしゃいますけれども、それがはっきり出てこなければ、私どもはこの五カ年計画がどういうようにされるのか、審議するわけにはまいりません。せめて、林野庁の考え方としてどういうような四十八年度以降の国有林野事業に対する基本的な考え方を持っておられるか、諮問案を少なくともわれわれにいま提示していただかなければ、この法案につきましての審議をすることはできませんので、それが出てくるまで私は質問を保留いたします。
○亀山委員長 井上君のお話よくわかります。それ以外の林野庁に対する御質問ございませんか。
○井上委員 それを承って、それからあと質問を行ないたいと思います。
○亀山委員長 ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○亀山委員長 速記を始めて。 福田林野庁長官。
○福田(省)政府委員 失礼いたしました。先ほどの御質問にお答えいたしたいと思います。 治山治水、五カ年計画、この中の林野庁の五カ年計画につきましては、この法案が通りましたあとにおきまして中央森林審議会にはかりまして、閣議の決定を見、この計画を必ず実施してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 なお、最近の森林に対する国民的要請にこたえまして、従来、伐採によりますところの木材の増産、たとえば戦前の軍需材の増産あるいは戦後における復興用材の増産、あるいは昭和三十六年当時における価格安定対策のための増産、かような使命を国有林に課せられておったのでございますけれども、森林が本来持っておりますところの公益的な機能、つまり、先ほど来先生から御指摘ございますように、水資源の確保あるいは国土の保全、あるいは清浄なる空気の造成あるいはレクリエーションの場としての森林、かような国民全般からの強い要請にこたえまして、森林の、特に国有林の経営につきましては抜本的な改正を予定しておるわけでございまして、これらの問題につきまして、昨年秋以来、林政審議会におきましてその検討をお願いしておるところでございます。特にその中に国有林部会を設けまして、毎月三ないし四回鋭意検討をしておる段階でございます。その内容をかいつまんで申し上げますならば、いままで申し上げました国有林に対する木材増産のそういう経済的な機能のほかに、公益的な機能の要請がございますので、これらの調和をいかにしてはかっていくかということが大きな問題でございます。そこで、木材の生産に伴うそのあとの造林と一緒にしまして、経常の合理化を十分にはかりました上で、治山事業あるいはその他の公益的な機能に対する要請にこたえるために、その経費の負担につきましては一般会計の援助をお願いしなければならぬ、かように考えているわけでございます。したがいまして、この抜本改正案の中に治山治水五カ年計画を十分に盛り込みまして、林野庁としましてはこの計画を全面的に実施していく決意でございます。かように考えておりますので、お答え申し上げたいと思います。
○井上委員 ただいまお話を承りましたけれども、具体的には、治山事業の経費につきましては一般会計の援助を受けたいということのみでございまして、新聞紙上伝えられておる抜本改正の方向すら実はお示しになっていないように承るのであります。いま改革案が国有林部会で討議されておりまして、そして、新聞報道によりますと、この部会の報告が四月中にもまとめられる予定である、こういうこともすでにいわれておるのでございます。これは新聞記事だからと言われたならばしようがありませんけれども、この中で、一、生産の合理化、二、間接部門の合理化、三、国有林野事業関係職員削減策、四、収支改善計画の樹立、五、国有林野事業の経営組織のあり方等々、広範囲にわたって論議が進められておるように私どもは承知いたしておるのであります。そういう事実があるのですか、ないのですか。あるとするならば、ただいま申し上げました五項目にわたって各項目別に詳細なる御説明を承りたいと思うのです。
○福田(省)政府委員 林政審議会の国有林部会におきましてただいま検討願っておるところの項目につきましては、大体ただいま先生から御指摘ありましたような内容でございます。特に在来の仕事の重点でございますところの収入の面から申し上げますと、国有林の特別会計の収人の九割以上が木材販売収入でございます。この木材の販売のやり方には、立木で売る場合、それからこれを素材に生産して販売する方法とございます。しかもその販売の方法は、原則としましては会計法で競争入札でございます。しかし、地元の産業擁護その他特殊の場合におきましては、法律によりまして随意契約ができるようになっているわけでございますけれども、最近、先生御承知のように外材がすでに半分以上も入っておるわけでございまして、国内のこういう林業の振興のためには、販売の方法につきましても国有林はやはり従来の方式を抜本的に改める必要がある、かように考えておるわけでございます。端的に申しますならば、外材と対抗しまして国内の木材の販売を有利に展開していく、こういう問題につきまして検討をお願いしているところでございます。 支出の面におきましては、直営生産事業、これは最近いろいろと近代化をはかりまして、たとえて申し上げますならば、伐採なり搬出なりにつきまして機械化を推進し、その作業のしかたにつきましては民有林の範となるというふうなことで鋭意努力をしてまいったところでございます。この伐採の方法につきましては、従来のような大面積の皆伐、これは能率を重点に考えたものでございますけれども、それだけでは自然の保護という面からは思わしくないのでございます。この自然保護の立場を考えまして、伐採の方法につきましても、最高二十ヘクタールを限度としましてできるだけ小面積の伐採をする。かつこれを飛び飛びに伐採する。そしてその伐採面の周囲には天然林をできるだけ残す。また亜高山地帯等におきましては禁伐あるいは択伐の方式を取り入れて、できるだけ自然の形態を残すというふうな作業仕組みに変えておるのでございます。こういう方法によりましてある程度生産事業につきましては能率の下がる点もございますけれども、これらにつきましてはそれなりのまた技術開発を検討してまいりたいという点で、いろいろとまた検討をお願いしておるわけでございます。 また、林道の問題につきましても、御承知のように日本は平均してヘクタール五メートルぐらいしかございません。これもやはり、作業のしかたを、ただいま申し上げたようなきめのこまかい仕事をするためには林道の密度を上げていかなければならぬので、平均五メートルの林道をできるだけ密度を上げまして、そして簡易な、安全な、しかも労働強度の低い作業仕組みに変えてまいるということで、林道の密度を上げてまいるということも検討しておるわけでございます。あるいはまた造林事業につきましては、過去においていろいろとカラマツの造林等が重点に行なわれました理由は、やはり繊維の総生産量を上げるという意味もあったのでございますが、これにつきましても若干の反省を加えなければならぬ状態もございまして、その土地に適したいろいろな樹種をまぜて経営してまいるということも検討しておるわけでございます。 そういうふうな、在来の伐採事業なりあるいは造林事業、林道の事業につきまして、近代的な合理的な方法についての検討を従来もやってまいっておりますけれども、この林政審議会の国有林部会におきましても、その経営形態のあり方を含めましてあらゆる検討をお願いしておるところでございます。 さて、いま申し上げましたように、仕事の分量が在来の伐採事業を考えますと減少してまいります。逆に公益的な面におけるいろいろな仕事が増加してまいるわけでございます。たとえば、森林地帯にレクリエーションのために入る人たちが非常にふえてまいっておりますので、これらの人々が入ってまいりました場合のいろいろな指導あるいは管理、この面における仕事が非常に増加してまいります。したがいまして、職員の問題につきましては、先ほど先生からも御指摘がございましたように、在来の事業の減少する面につきましては、そういう公益的な面における仕事の増加の面に振り向けてまいらなければならぬということが検討されておるわけでございます。この経済的な機能と公益的な機能とをできるだけ組み合わして、その中での仕事の配分を、特に公益的な面における仕事の量を増加しまして、職員並びに作業員の配置につきましては慎重に対処してまいる必要があるということで検討をお願いしておるものでございます。 なお詳細につきましては、いずれ近く結論をいただきまして、それを尊重し、政府としての原案をつくり、四十八年度の予算編成あるいは法律改正に間に合うように鋭意検討を進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○井上委員 どうもただいまの長官のお話は総論を言われたようでございまして、私は具体的に五項目にわたりまして一つ一つ詳細に承りたいのであります。討議の内容といたしまして新聞紙上に伝えられているところによると、第一が生産の合理化、第二が間接部門の合理化、第三、国有林野事業関係職員の削減策、四、収支改善計画の樹立、五、国有林野事業の経営組織のあり方というように、広範囲に討議がされておる。この五項目にわたっては長官はいまお認めになったのであります。したがって、それらにまたがる横断的な話じゃなくて、この一つ一つについて、一体どういうような方針でいま討議がなされ、諮問案が出てくるのか、ここらあたりの内容を私は知りたいのであります。国有林野はいまも長官言われたように大体ほとんどが亜高地帯が占めておる。ここらの林野の事業がどういうように進んでいくかということが、治山事業としてあるいは治水事業として重大な関係を持たざるを得ないと私は思うのであります。したがって、今後国有林町がどういうように進んでいくかというのは治山治水の関係から非常に重大に考えざるを得ないので、私はあえて各項目にわたってお伺いいたしたのであります。まあ長官、どうも最近に御就任になったという話を先ほど承りましたので、詳しい人が御説明になっていただいてもけっこうですが、この点ひとつお伺いしたのです。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 林政審議会の国有林部会におきましては、委員各位の御検討に必要な材料を、政府としましては事務局から提出しておるのでございまして、私どもは委員として出ておるわけでございます。そこで林政審議会の検討の内容につきまして総括的にただいまお答えしたのでございますけれども、ただいまでも事務局はいろいろ資料を要求されておる段階でございまして、まだ国有林部会として結論を得ておるものではございませんので、ただいまの段階ではお答え申しかねる次第でございます。
○井上委員 そうであるならば、五カ年計画との密接な関係がここに出てくるのです。私は先ほども申しました。また別室でも申しましたが、五カ年計画がことしから発足するのです。しかも四十八年度からは国有林事業の事業そのものを抜本的に改正するのですよ。そうするならば、金の総ワクではくくっておるとはいいますものの、一体日本の国有林野がどういう方向になって進むだろうか。それがまた日本の国土の治山事業、治水事業にどういう影響を及ぼすであろうか。必ず、国有林野の事業形態が変わってくる、仕事の内容が変わってくるならば、治山事業の内容も変わってこなければならないのです。総ワクはいかにもきまったかもしらぬ。だから、たとえて言いますならば国有林野の職員を大削減するというのですよ。そういう諮問案がすでに出ているのでしょう。この新聞によりますと、国有林野事業関係職員の削減ということすら審議せられているのです、国有林部会で。それが一体どこが削減されたならばどういう山の姿になるだろうかということに私どもは大きな関心を持たざるを得ない。それすらも内容的にわれわれに示せないのでありましたならば何をか言わんやです。ましていわんや、国有林事業における雇用制度に関する決議が国会においても、農林水産委員会においても再三にわたって決議されておる。その問題について、あなたのほうは今度林政審議会の国有林部会において国有林野率業関係職員の削減案すらいま検討されておるのでしょう。それを見なければ、五カ年計画がどっちの方向へ進んでいくか、私らにはどうも納得できない。それをおたくのほうは四十八年度からやるというのでしょう。また先ほどのむし返しになりますよ。ここらあたりは明確に出していただかないと話にならない。五カ年計画は審議できぬような事態になる。
○福田(省)政府委員 先ほど御指摘のありましたように、単独決議の冒頭に、国土の保全、治山事業ということは、ただいま取り寄せました資料にございます。私もそう思っておったわけでございます。そこで、この治山事業につきましては、先ほどもお答えしましたように、前計画から倍の増加になっておるわけでございます。この実施につきましては、抜本改正案ができました際に当然これはこの中に織り込みまして、私たちは実施していかなければならぬ責務を持っているわけでございます。必ずこれは関係官庁とも十分折衝いたしまして実施してまいる覚悟でございます。
○井上委員 その一例として承りますが、国有林野事業関係職員の削減ということは論議にのってないのですか。四十八年度からあなたのほうはやらないのですね。その確認だけひとつお願いします。新聞紙上に伝えられるところによると、国有林事業の関係職員の削減をいま審議せられておるというように聞いておるのです。あなたのお話であればまだきまっておらないというので、四十八年度からやれないのですねということを聞いておるのです。また、国会決議におきましてもはっきりと出ておるのですよ。「国有林野事業の健全な発展を期するため、基幹労働者については、常勤職員の雇用条件との均衡を考慮しつつ処遇の改善に特段の措置を講ずること。」というのを第五項目にいっておる。こういうような事柄について、おたくのほうは一体どういうような方法でやられるのか。しかも四十八年度から抜本改正案を考えているのでしょう。だからそこを聞いておるのですよ。明確にひとつ御答弁願いたいのです。
○福田(省)政府委員 先ほどお話ししましたように、在来の事業、つまり一例をあげますと伐採事業でございますが、これは自然保護を重点に考えて、新しい施業計画に立ちまして減少してまいる。したがいまして造林量も減少する。しかし仕事のやり方は非常にきめがこまかくなりますので、従来以上に、はっきり申し上げますと能率は下がるかもしれない、人手はかかるかもしれない。そういうことは、やはり国としてはぜひ自然保護を重点に考えていかなければならぬと思っております。逆に公益的なやらなければならぬ仕事が非常にふえてまいります。その方面に職員の配置を考えてまいりたい、かように思っているわけでございまして、職員の削減案というふうな言い方は私たちは考えていないのでございます。ただいま林政審議会の国有林部会で検討しておりますことも、そういう在来事業から公益的な仕事に、つまり経済的な仕事から自然保護を重点とした仕事に職員を振りかえるということで、鋭意検討をしておる段階でございます。
○井上委員 私どもは、事業が変わってくること、それ自体はわかるのです。しかし、わかるけれども、それが一体この五カ年計画の中にはどういうように入ってきておるか、そこのところを明確にしていただきたいのが一つです。金額面においてどういうように変わってきておるのか。また、四十八年度からは抜本改正が行なわれるという、それは当然でしょう、木を切る人間を少なくしていくならば配置転換せざるを得ない。しかし片一方においては、国有林部会においては職員の削減までも考えておるということがもう堂々と新聞に出ているのです。これがあるかないかということを私は承るのです。これを明確にしていただきたいのです。配置転換は私は起こり得ると思う。起こり得ると思うけれども、削減ということが明確に出ている以上――いまあなたは削減は考えないとおっしゃいましたが、それは確認できるのですね。これが一点です。 もう一点は、この国一有林野の経営組織のあり方を変えようとする。どういうように変えるのか。あるいは経済同友会が出しておるグリーン計画なるものを見てみますと――経済同友会といったら民間団体です。民間団体が発表しておるグリーン計画なるものを見てみますと、林野庁の組織を全部変えようとしておるのです。そうして全国で八十カ所の作業場にしてしまおうとしているのでしょう。あるいは営林署あるいは事業所の整理統合までも経済同友会が計画し、発表しておる。どうもこれにのっとって林野庁の計画が進められておるように考えられてならないのです。でございますので私はあえて聞いておるのです。この点、営林署の整理統合、機構改革というものは考えておらないのですか。当然考えられる。伐採を考えずに自然保護ということを中心に考えるならば、林野庁の組織変えということも私は行なわれるだろうと思うのです。行なわれるだろうけれども、いま八十カ所というような数字が明確に出てきているのです。これは、グリーン計画なるものを御存じないのですか。――委員長、私はお願いしたいのです。林野庁の長官は最近長官におなりになったそうで、まだどうも私らの質問するところとピントが合わないので、古い方でけっこうでございます、政府委員の方であればけっこうでございますので、どうかひとつ質問との行き違いのないような的確なる答弁をしていただくように格段のお願いをいたしたいと思うのです。
○福田(省)政府委員 第一点の職員の削減案はどうか、こういう御指摘でございますけれども、これだけの職員を削減するというふうな検討はただいまのところ数学的に出ておりません。ただ、先ほど来申し上げますように、市来の伐採事業が減少するに伴ってほかの部門における仕事がふえてまいります。その方面にできるだけこれを回してまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それから組織の問題でございますけれども、グリーンプランなりあるいはその他新聞等にいろいろ発表があるのでございますけれども、この点に関しましてはどういう形にすべきかという議論もまだ林政審議会の中では具体的にはなされておりません。国有林としましてはいかなる仕事を国民の要請にこたえてなすべきか、それにはどういう方法がよろしいかということがきまりました上で、それが最もやりやすい組織としてはどういう形がいいかということは最後に出てくるものでございます。したがいまして、組織問題については、いろいろの方面に出ていますような、想像されたような形で出ておるのでございますけれども、現在のところまだその点には触れていないのでございます。自然保護を重視する、これは国有林としては非常に大事な役割りでございます。しかし、やはり外材に対抗しましてこの木材生産も最も合理的にやっていかなければならぬわけでございます。これらを含めて一番いい組織はどうかということは最後に検討願いたいと思っておるわけでございます。なお、営林署、事業所等の問題につきましては、これは大正年間にきめた組織でございますが、その後交通事情もいろいろと変わってまいりました。むしろ職員から見ましても通勤しやすい場所に移りたいという希望等を含めまして、これらの点も含めまして、組織問題の最後に最も適切な方法を検討いたしたい、かように思っておるわけでありまして、林政審議会でもこの問題にはまだ触れていないわけでございます。
○亀山委員長 阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 時間がないようでありますから、私の質疑は関連でお願いしたいと思います。 そこで、いまも井上委員から具体的に指摘がありましたが、今度の、林野庁が四十八年度に行なおうとする根本的な諸改革、これは長官も何度も答弁されておりますように、林野庁自体の立場から見ますと銭にならないことを大いにやらざるを得ないようになってくるわけであります。もちろんわがほうの建設サイドの治山治水計画を遂行するという観点からも、やはり今度の改革の段階では、山を荒廃に追い込むようなことにならぬように、皆伐はせぬとか切るのはうんと減らしていくとか、いろいろなことをやらざるを得ない。それから、うんと長期的になってこなければ採算ベースに乗ってこないところの植えつけの部面とか、いろいろなことをやらなければいけない。したがって、建設サイドでわれわれが求めておる治山治水、国土の保全、あるいは最近問題の公害、自然破壊というものをやらせない、こういう観点でこの林野行政というものを進めるということになれば、銭のあがらぬ山の経営をやらなければならぬのであります。したがって、私どもは今度の治山計画、治水計画に基づく林野庁の行政は、いままでのような考え方で、あがってきた銭でいろいろなものを全部やっていこうといってもこれはできない。したがって私どもは、いま林野庁が求められておる、わがほうサイドからも強く、要望いたしますこの治山治水計画を遂行するためには、財政、一般会計の側から、いわゆる林野庁行政の収支のワク外の資金というものを大量に導入しなければ、これからのわれわれが目ざしておる治山治水計画とマッチした国有林経営というものは出てこない。林野庁の行政は出ていかない。成り立っていかない。こういう観点にわれわれは立っておるわけであります。これがまず第一点。この観点を林野庁長官はしっかり踏まえてもらいたい。われわれは、少しさか立ちじゃないかと思う。こっち側の治山治水五カ年計画がいま出てきておるというのならば、治山治水というのは長官のほうの仕事と不即不離であります。したがって当然に、こちらのほうのこの治山治水計画と長官のほうのこれからの山をどうするかという具体的な計画とがきちっと結合していなければならない。その結合が、いままでの井上委員の指摘の中でも明らかにされましたように、長官のほうはずっと数段まだおくれておるのであります。これは大問題でありますが、そこで私はこの問題を進める場合に、長官のほうも急速度に、できるだけ早い機会に、われわれの流山治水計画に基づく山のあり方、林業のあり方というものをはっきりさしてもらわなければいけない。その前提はいま言ったとおり、営業収支だけでやれといっても全く不可能な問題であることは明らかだ。したがって、いまも答弁がありましたが、その面でひとつ確たる方針を具体的に示してもらわなければいけない、これが一つであります。 もう一つの問題は、私どもは国会審議を通じて政府との間に具体的に質疑をかわし、討論をし、その中で明らかにされたことは、少なくとも建設省に関する限りはまあまあ誠意を持って、相当、九九%と言いたいのでありますが、まじめに実行してきたと思う。従来、林野庁の行政というのは、国会でいろいろな決議があったり質疑があったり、その中で明らかにされたことが、そのとおりどうも守られていない。非常にあいまいに扱われている。これは国会軽視だと思う。したがって、いま長官が答弁したようなことは確実にやはり守るという態度でやってもらわなければいけない。これが一つ。 それからいま一つの問題は、実は私も長年山間地の農山村のあり方に対して、私自体も深い没入をしながらいろいろな問題と取り組んでまいりました。特にその中で、いま長官はどういう認識をされておるかわかりませんが、農山村はまさに荒廃のどん底にあるのであります。この間、亀山委員長の郷里のある村に行った。亀山委員長の選挙区とは違いますよ。そういたしましたら、六つの部落、千七百ヘクタールという農地を、日本のある大手の大商社が、一坪当たり、三・三平米当たり百円平均で全部買い取ってしまったんです。村全部を買い取ったんですよ。そうして、そのかわりそこにはこれからいろいろ就業の機会をその買い取った商社が保障するという約束で買い取ったんだが、行ってみたら、その連中は全部マイクロバスに乗っけられて、一時間半くらいかかる水島コンビナート工場地帯に季節労務者みたいなかっこうで建設工事や何かで出かせぎに運ばれておる、こういう状態が起こっておるのであります。土地は全部ただ同然で取られた。話が違うといってもめて、私は新聞を見て、あまりにもいまの農山村の姿を象徴しておるものと思って現地の調査に行ってきたのでありますけれども、いま農山村はまさに荒廃の非常にけわしい状態にある。 そこで、実は私は、長官の傘下にある国有林の仕事とある意味では不可分な関係にある一般の山で働いている、伐採の事業とか植えつけの事業とか地ごしらえの事業とか、あるいはいろいろな育成事業に従事をしておる人々と、もう十数年にわたって一定の関係を持って、私もいろいろな問題を解決をしてきた経験を持っております。そこで、最近の山元の状況は一体どうか、山間地の状況はどうかということになると、山はもう個人ではやっていけないという状態が起こっておる。私のところのような国有林の非常に多い地帯、山の非常に多い地方でさえ、ある地域の製材業者なりそういうところで製品にしておる原材料、原木というものは、もう六割近くが全部輸入外材であります。山元の山間地の地場で生産する木材の価格は、七、八年前までは物価にスライドして少しずつ上昇をたどってきた。七、八年前から横ばいに入って、この三、四年は現地における木材の価格は、立木の値段にしても値下がりの傾向です。しかし製品のほうは下がっておるかというと、下がらない。したがって、最近では山林というもの、林業というものはなかなか個人でやれないという状態が起こっておる。そういう状態等から見ますると、私どもは、治山治水というこの目標を達成するためには国有林の果たす役割りは非常に大きくなっておる、こういう認識をして、そこで国有林をどうするかということになると、私も実はずいぶん現場を回って見ておるのでありますが、長官の傘下における現場の皆さん、日本ではあのくらいよく働く人々はおらぬのじゃないでしょうか。このぐらいほんとうに劣悪なる条件のもとで働いておる。いまこの上に、わがほうの治山治水計画というものを長官のほうの行政とのからみ合いで貫徹をしていこうということになりますれば、これはさっき冒頭申し上げましたように収支が償わぬことをもっともっとたくさんやらなければならぬのですから、そのしわはさらにまた長官の傘下で日本一よく働いておるこの山元の皆さんの上にかかっていく、こういう方向を私は心配しておるのであります。そういう意味では、今度の組織の問題の、たとえば伐採事業やなんかは相当減らして、減らすというのは何も切る量を二五%あるいは二〇%減らすというだけにとどまるのではなくて、私はどうもこいつは全部――さっき長官の答弁でちょっとお聞きしたいと思っておったのでありますが、今度の組織、機構というものをどうするのかということ、このやり方一つ間違うと――私は、いま林野行政というものが、治山治水という問題や、新しく今度自然環境の保護、こういう新しい命題等をもになっていかなければならぬというこのむずかしい時期を考えると、今度の機構改革のやり方一つを間違えると、なかなかこれはたいへんな大混乱が起こるんじゃないかということを心配するのであります。したがって、この治山治水計画の貴徹という観点からいまの機構の問題は一体どうするつもりなのか、このことを実は先ほどから井上委員も指摘されておるわけでありますが、長官のほうからは、目下検討中でその確たるあれはまだ発表できないということなんです。そうすると、わがほうの治山治水計画というものは、長官のほうのやり方一つ間違うと全部くずれるおそれがあるという心配を持っておるわけでありまして、いまの機構改革というのは一体どうするつもりなのか、こういう点もこの機会にお聞かせを願いたい。前段のほうは相当一般論がありましたが、私と長官との間に相当意見の違いがあるとすれば、この点についてもこの機会に発表してほしいというふうに思います。
○福田(省)政府委員 最初に治山計画に対しての問題でございますが、これはたびたび申し上げましたように、四十七年度はおよそ半分一般会計から導入を願ったのでございます。今後の考え方としましては、公益的な仕事における治山事業というものが最たるものでございます。これはぜひ全額一般会計から導入するようにお願いしたいと考えておるわけでございます。それらを含めまして林政審議会でこれを検討願っておるわけでございます。ただこの場合に、治山事業だけをやっておるわけじゃございませんで、先生から先ほどお話がございましたように各種の事業をやっております。これは国民全体から見まして、なるほど国有林は適正な仕事をやっておるというふうな姿勢を示す必要があろうと思います。それをはっきりと計画の中にあらわしまして、その上で、国民の納得を得た上で一般会計の導入をお願いしたい、かように考えておるわけでございます。 次に、従来の単独決議を含めまして、国会における決議に対して林野庁は態度がきわめて悪い、こういう御指摘でございます。その点につきましては、そういう点がございますれば直ちに改めまして、十分尊重してまいりたい、かように考えております。 それから第三点の、地元農山村の部落民の方々、これは国有林の経営をいたします場合に、地元の農林業に従事する人たちの協力を得なければ、ただいま御指摘の治山事業その他できないわけでございます。造林事業にしましても林道事業にしましても、また伐採事業にしましても。治山事業ばかりではございません。地元の農山村の労働量というものが最近減少しつつあることは先生御承知のとおりでございます。したがいまして、国有林と民有林とを一緒にしまして、国有林、民有林の造林の振興をはかっていくためには、この労働力の維持ということは絶対必要なことでございます。そのためのいろいろな賃金水準の問題あるいは社会保障の問題等含めまして、この雇用の安定をはかってまいるということは、単独決議にもございますように絶対必要なことでございまして、これは十分その覚悟で邁進してまいりたい、こう思っておるわけでございます。 なお、組織の問題につきましては、治山事業その他公益的な機能を森林に求める声が非常に強くなってまいりました。いわば行政的なそういう需要が非常に強くなってまいっておるわけでございます。単独にこれは能率をあげるための独立採算制度ということだけではございません。やはりそういう公益的な機能を十分尊重した、つまり行政的な仕事が非常に濃くなってまいりましたことを十分考慮に入れまして、懐重にこの組織の問題は林政審議会の御意見を尊重してきめてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○阿部(昭)委員 時間がありませんからもう一、二点。 一つは、実は私の郷里の、私の出生の村であります。そこの国有林地内にヘリコプターでこの何年間、ものすごく毒薬をまいておるのです。そこで、先ほど長官は山にいろいろレクリエーションとかあるいはその他が非常に広がっておる、こう言われておるのでありますが、毒薬をまかれた現地に私も行って見ました。そうすると現地営林署長の名前で、何月何日これをまきましたから、これから四十五日間は立ち入り禁止、こういう立て看板がかかっておる。私は、そのレクリエーションの問題もさることながら、山間地の農民にとっては長い間国有林野と深い深い結びつきでなりわいを立ててきておる。そこでいまごろのシーズンでありますとワラビをとるとかゼンマイをとるとか、山のさちを相当大量に採取をして市場に出荷をして生計を立てておるのであります。ところが、あのあたりの山には営林署が毒薬をまいたんだということをみな知っております。したがってそこから出てくるワラビとかゼンマイとか、そういうものはなかなか金にならぬのであります。営林署では、ああいうものはずっと時間がたっておりますから害にならないということをしきりに言っております。しかしそこに相当多くの生計の基盤を求めておる方々としては、毒薬をまかれた地帯の、農民の持ってくるそういう山菜類は買ってくれぬのであります。売れないのであります。こういう問題が起こっておる。いや、私のところは毒薬をまいた以外の場所からとってきたんだといっても、とっておる場所はだれも見ておらないから、あの地域からとれた山菜は困るといって引き取ってくれない、こういう問題がいま実は起こっておるのであります。 それから、毒薬の問題でありますけれども、自然環境の保全の問題、こういう面からいっても、私の地域では自今毒薬はまきませんということを署長は言明されております。しかし除草剤散布のほうぼうの実例等を調べてみまして、長官に私この機会に承っておきたいのは、害があるということがはっきりしない、だからまだ使っていいんだということを当局の皆さんは言うのであります。長官の部下の皆さんですよ。しかし、いまの時代はそうじゃなくて、害がないのだということがはっきりしたものでなければ使ってはいけないという時代ではないかと思うのであります。長官の部下の署長や皆さん、みんな命令には非常に従順であります。だから、害があることがはっきり証明されておらぬから使うんだ、こういう態度であります。私はこれは間違いだと思う。害が絶対ないということがあらゆる意味で証明され、一般的にも心理的にも保証されたもの以外は使わぬという時代になってきているのじゃないか。現場の皆さんは上と下の板ばさみで非常に苦しんでおられるようであります。毒薬というものは、いわゆる昔の下刈りという機能を果たすだけではなくて、本来生長させたい樹種、雑草ではないものを相当痛めつけておる。どうもあのやり方等から見ますると、いままでの毒薬散布の方式というのはむしろ害が非常に多かったのじゃないか。営林署等の収支という観点からいっても害が非常に大きかったのじゃないか。こういう意味で、私の地域では自今もうやりませんと現場の責任者はおっしゃっておるからいいのでありますが、全国的にも私の署長のところのような方針を根本的にとるべきではないか。この問題については、農林委員会における農林大臣の答弁とかいろいろあるようでありますけれども、長官はひとつ前向きに、前進的な角度で態度をとってほしいということが一つ。 それからいま一つの問題は、さっき私がお尋ねをいたしました問題で答弁されておらぬのは、山に対する認識のしかたであります。日本の大商社のように、四十年、五十年、七十年先までずっと展望して、もうかるかもうからぬかということでいけるような皆さんはいいでしょう。しかし普通の山間地の零細な農民は、荒廃に瀕した山に低賃金で働くよりかは全部都会に流出する、あるいは生計の基盤を全く都会に移すという前に、まず長期の季節労務、出かせぎに出る、こういう形態になってまいっておりまして、山間地の農民の皆さんは、山というもので生活が成り立つということは全然考えることができないと言い始めている。そうすると、これからの山の経営、治山治水計画の貫徹の一環をになう林業の方向という面からいっても、林野庁の行政の範囲はもっともっと広げていかなければならない。そうでなければ山をほんとうに安定させることはできない、私はそういう認識を持っております。この面について、先ほどの長官の答弁では必ずしも具体的にはお聞きできなかったのであります。そういう意味で、国有林の仕事は、いまの国有林という問題をどうするかということも一つありますけれども、山全体をどうするのか。個々の農民はもう山をやっていこうという気が起こらないと言うのであります。このままでまいりますると山はますます荒廃に瀕していく、こういう観点に対して林野庁は一体どういう将来展望を持つか、これが一つ重要であると思います。 それから山をやる場合に、営利を目途とする会社とかそういうものにかりに移していった場合は、それは営利目途でありますから、山が荒廃しようと治山治水計画に支障を来たそうと、そんなことは関係ありませんね。もうかることが先なんであります。したがって、営利を目途とする業者の側に山をゆだねていくということは、われわれが自ざしておる治山治水計画をそこなうことにつながっていく、こういう判断を私ども持っておりますが、この点はいかがでしょう。
○福田(省)政府委員 お答えいたします。 第一点は、先生は毒薬とおっしゃっておりましたが、従来国有林で使っておりました薬剤の中で、単独決議の中にございますように、安全性を確認できないような薬剤については問題がございますので、昨年、除草剤の中で二四五T、これはいわゆる催奇性があるということで一応問題になりまして、使用を中止いたしました。それからBHC、これも残留性の問題がございますのでやはり使用を中止したのでございます。ただいま使っております薬剤は塩素酸ソーダでございます。これは主として事前の地ごしらえに使用しております。あわせて除草にも使っておるわけでありますが、主として禾本科にきく除算剤でございます。ネマガリダケその他のササ類があるところはどうしてもこの塩素酸ソーダを使いませんと、在来のかまなりくわで仕事をいたしますと、地下茎が非常にはびこっておりまして、働く者もそれでは困る、また能率もあがりませんし、非常にけがもしやすい、こういう問題がございます。これを事前に散布いたしますと、これは一年たちますとほとんど枯れます。なお三年くらいしますと全部腐敗してしまうということは先生御承知かと思います。そういう意味で事前の地ごしらえに、特に労働力が不足する場合等を考えまして、先ほどのお話にもありました農業に影響するところあるいは住宅に影響するところ、保護林その他を避けてこれを使用さしておるのでございますが、この安全性の問題につきましては、昨年厚生省の試験を受けまして、きめられた基準に従って使用する限りこれは人体その他に影響はない、かような証明をいただいておるものでございます。 それから次の、零細な山林に働く人たちの問題でございますが、これは御指摘がございますように、やはり国有林、民有林を通じまして治山事業を実施する場合に、この労働力を確保するということは林野庁としても重大な問題でございます。したがいまして、今後は、地元におりますところの林業に従事する人たちの賃金水準なりあるいはまた社会保障の制度なり、これがほかの産業と同じように適用できるような方向に持っていくための努力をしていかなければならぬと思いますし、かつそういう方法をただいま具体的に検討しておるところでございます。 なおまた、営利を目的とする会社等について、これは森林の経営に支障があるではないかという御指摘でございます。このことにつきましては、やはり治山治水その他公益的な機能が森林にございますことは私たちも十分承知しておるつもりではございますけれども、たとえば保安林の制度その他につきましては、非常にきめのこまかい一つの制約をしておるわけでございまして、伐採の方法なりあるいは伐採の量なり、その他面積等についてきびしい制約をしておるものでございます。これらを十分尊重いたしまして、計画的に森林の経営をしていく考え方に立っておるのでございます。したがいまして、単純に営利を目的とする会社にこれをまかせるというようなことについては、十分慎重にこれは検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○阿部(昭)委員 もう一点。いまの、みんな厚生省がだいじょうぶだというものだけやっているのです、それから塩素酸系のものはササを枯らしているだけだというのですが、実は何せ私の郷里の山も一ぱい毒薬をまいておるのです。ずいぶんわらじをはいて現地を見ておるのですが、必ずしも長官の言っておるようなわけにいっておりませんね。害のほうがむしろ大きい。それからいまの山菜とりの皆さんが、おれのは毒薬をまいた山じゃないところでとってきたんだといっても引き取ってくれない。こういうような問題は、官山の上におい立った性格からいって、山間地の山元の皆さんの持っておるいわば既得権、入り会い権、こういうものをそこなうものだと思うのであります。したがってこれはやはりもっと根本的な検討が必要だと思うのです。 それから最近、よくわかりませんが、ケーピンとかいう薬剤、毒薬を使っておりますが、これは二四五Tなどと同じような危険性を伴っておるものではありませんか。 それから、時間がありませんからこの際河川局長に、これは全然話が違うのでありますが、治山治水の観点の、治水と、不可分の問題なんですが、国直轄河川の中で遊水地帯というものがあるのですね。そこのたんぼは洪水のときには水浸しになるのがあたりまえ、こういう場所があるのです。こうなると、この地域の農民というのはたいへんかわいそうなことになる。したがって、さすが川崎局長、つい最近私の県のあるところの遊水地帯の農民に対しまして、河川改修計画からいうとそこに堤防をつくるわけにいきません、したがって、洪水が起こったならばどれだけ減収したかという、減収補償をひとつ制度化しようということで話を折り合わしたようであります。これは将来、全国的に遊水地帯のところは全部それをおやりになるということで認識をしてよろしいかどうか。実はわがほうに、堤防をつくってくれ、つくってくれといっても、いや、あそこは遊水地帯だ、こういうのでなかなか認めてもらえぬ場所がまだまだあるのであります。これが一つ。 それからもう一つは、私どもは大体河川改修というのは下流から順々と上にのぼってくるものと思っておるのですが、最近はいろいろ都合があると見えて、上流のほうをやったり途中をやったり、こういうことでやりますると、改修をやられたおかげで洪水時あるいは降雨時に一挙に水が押し出してくる。したがって、いままでは、河川改修をやるまでは水害などなかったところにどんどん水があふれ込んでくる、そこで減収、こういう問題が起こっておるのであります。この場合は、工事をやってもらったおかげで実は水害が起こるというような状態が、たいへん妙な現象ですが、起こっておる。そこでこの洪水を起こらぬようにできないか。できないならば、これは人為的に工事をやったためにいままで起こらなかった洪水が起こるようになったのでありますから、洪水を起こらぬようにしてもらうまでの間、やはりこの遊水地帯と同じような考え方で減収補償をしてもらえぬかという議論が実はあるのであります。 この一連の問題、これは局長としてもなかなか頭の痛い問題だと思いますが、わがほうの地域の遊水地帯、長年懸案のところで、提防をつくるわけにいかぬ、将来ともここは遊水地帯にしておかなければいかぬので、減収分について補償していくという道を講じよう、こういう方針を出されたようでございますので、この考え方の一般的な位置づけは一体どうなるのかということをお聞かせ願いたい。
○福田(省)政府委員 山菜の問題についてお答えいたします。これは御指摘のように、国有林と地元部落との関係というものは古い歴史がございます。いまでも共有林制度がございまして、山菜あるいは枯れ枝その他林産物の採取の制度を設けてあるわけでございます。薬剤を散布いたします場合には必ず地元の人たちの御了解を得てこれを実施するということにいたしております。山菜の採取の特に重要な地帯はこれは避けるというふうに指導してまいっており、もしそういう点がございましたならば厳重に注意したいと思います。 それからケーピンというお話でございましたけれども、ただいま手元に資料がございませんで、ちょっと私承知しておりませんので、後ほど調査いたしましてから先生のほうに御連絡をしたいと思っております。
○川崎政府委員 遊水地の扱い方の問題でございますが、一般に治水だけからものを見ますと、できるだけ水が遊んでくれているほうが下流にも影響がいいし、流勢も穏やかになっていいわけでございます。しかし流域がだんだん開発されてまいりますし、土地も少ないものですから、できるだけ堤防を全部つくってくれ、川幅が狭くても何とか耕作する土地なり宅地がほしいという声がずいぶん出てきておるわけでございます。やはりこれにも一定の限度がございますので、治水上安全を確保する範囲でいろいろ堤防の扇形、そういったものを検討しているわけでございますが、最近どうしてもやはりある程度の、下流の治水環境を見まして遊水地を持ってないと困る、こういう河川計画上遊水地を確保したいというようなところにつきましては、これを計画的な遊水地として、その中を、やり方としましては第一に買収する。それから、買収もこれはなかなか、国有地にしましても、中に耕作をしておられる方が、買収されたのじゃ困るのだ、後々も、多少三年とか五年に一度は被害があっても耕作を続けていきたい、こういうような場合には、いわゆる使用の権利を多少制限しまして、別の地役権を設定する等でその差額を補償するとかいったことで、いわゆる計画的に実施しておる遊水地については買収なりあるいは被害の程度に応じた差額を補償する、こういうことで進めておるわけでございまして、全国でも現在上野市等にもやっておりますし、過去にも一、二、例があろうかと思いますが、いまの段階では非常に数の少ない例じゃないかと思います。一般的にそういったところの差額を補償するかということになりますと、河川自身は本来自然的なものでございますので、そこまで全部水害のめんどうを見るということはわれわれの立場ではちょっとできないかと思います。災害対策委員会等では水害保険とか、こういったものもいろいろ議論されておりますが、治水上の立場からはちょっとむずかしいのじゃないかと思います。 それからもう一つ、河川の改修の順序等によって逆に被害が出たというような事例も、これは皆無じゃないと思います。しかし、雨の規模等にもよりますが、大体平均的な過去の資料等から見てよほどの災害がない限りは、上流も下流もまあまあそうたいしたバランスをくずさないという範囲で、非常に要望が強いといったような場合には多少順序を前後しましても、断定的にでもその地区を守るように努力をしたいというようなことから全体の改修計画を進めておるわけでございまして、いま御指摘のような問題につきましては、補償とかなんとかいう問題はちょっと私どもの範囲では扱いにくい問題でございますが、むしろ改修の順序等につきましてはさらに十分私どもも慎重を期するようにいたしたいと思います。
○阿部(昭)委員 河川局長はうちうちでありますからまたあらためて、この場所でなくてもいろいろやることにいたしまして、林野庁長官、時間がありませんのでこれで私の関連質問は終わります、終わりますが、治水五カ年計画遂行の過程において、再び林野行政とこの治山治水計画との関連におけるいろいろな問題について長官にこの委員会に来ていただいて――この委員会はこれで終わって、法律が通ってしまえばいいじゃないかということじゃありませんから、今後ずっと当委員会に出て、治山治水計画の相当重要な部分を担当されておる長官とわが委員会との関係でいろいろなことをお尋ねしなければなりませんので、そのことを申し上げまして、私の関連質問は終わることにいたします。
○井上委員 先ほど来のお話を承りまして、五カ年計画と国有林町事業の四十八年からの抜本改正とは、どう考えましても密接な関係を持たざるを得ないと思うのであります。したがいまして、林政審議会の国有林部会――まあ隠れみのです。審議会というのはみな行政機関の隠れみのであることは間違いない。それを隠れみのにいたしまして明確な答弁をやっておらないので、国有林部会で答申案が出ました場合には、直ちに本委員会に対しまして通知していただき、われわれに内容を知らせていただく、このことを委員長においてお手配願いたいと思うのでございますが、いかがでございますか。
○福田(省)政府委員 そのとおりにいたします。
○亀山委員長 お聞き及びのとおりですから、さように取り計らいます。
○井上委員 最後の問題に移りたいと思います。 先ほど来、治山事業につきましては一般会計の援助を受けるとか、全額一般会計から出させる方向で進む、まことにそのとおりやっていただきたいと思うのです。とかくこのごろ大蔵省というのを、これもまた行政機関は、大蔵省が金を出さぬ、金を出さぬと言って、隠れみのにする傾向もある。ですが、そういうような方向で進んでいただきたいと私は思います。したがって、いままで直営事業で治山事業をやっていた場所は、今後は一般会計から出てくるのですから、としますと、私は廃止ということはなさらないだろうなと思いますけれども、この点いかがでございますか。特に指導部長の前任地でありました私どもの県におきましては、祖谷という平家の落人部落がありまして、そこにおきまして直営事業が行なわれておりますが、過疎現象が激しいということで山の仕事がなくて困っておる。いままで直営事業でやられておったのですが、一般会計から金を出すということになりますとこれの廃止ということはあり得ませんでしょうな。この点はどうでございますか。
○福田(省)政府委員 国有林の中におきます治山事業につきましては、すべて請負事業でやっておるものでございます。直営でやっておる治山事業はただいまのところはございません。
○井上委員 指導部長がよく知っておるが、あなたたち、祖谷川流域治山事業というのは直営でやっているのですよ。御存じないでしょう。ないと言ったが、全国で一つある。
○松形説明員 お答え申し上げます。 ただいま長官がお答え申し上げましたのは、国有林内の直接の事業につきましてはほとんど請負でやっているということを申し上げたのでございまして、民有林内の国有林が委託を受けたような形におきます直轄事業というのをやっております。二県にまたがるとかあるいは高度の技術を要するとか、そういう点で営林局がやっているという場所がございます。したがって、そういう場所では一部直営というような個所もございます。それにいたしましても大部分は請負に出しておるというのが実態でございます。現在全国でそういう直轄事業所と申しますのが二十二カ所置いてございます。
○井上委員 直営事業による治山事業所はどうですか。――わからなければいい。あなたも御存じの祖谷川流域においては直営でやっておられます。これにつきましては、これから一般会計で入ってくるのですから、当然直営でやられる、存続されるものと私は思いますが、いかがでございますか。
○松形説明員 御指摘の徳島県の祖谷川につきましては、現在は一般会計の直轄治山ということでやっております。
○井上委員 存続するのかということです。
○松形説明員 この存続につきましては、先ほどちょっと御答弁申し上げましたように全国二十二カ所ございますが、そのそれぞれの個所でそれぞれの計画がございます。したがってその計画が終われば一応目的を果たしますので終わりますけれども、現在のところ継続しているところでございます。
○井上委員 しからば、その事業が存続する限りは直営でやると考えて差しつかえございませんね。
○松形説明員 直轄治山として続行いたします。
○井上委員 時間が足りないので、まだまだ舌足らずのところがございましてまことに申しわけなく存じておるのでございますが、治山治水というのは国の重大なる問題でもございます。委員長におきまして、また違った機会に質問をさせていただくようにお願いいたしまして、本日はこれでやめさせていただきます。
○亀山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 次回は、明十日水曜日午前十時三十分理事会、午前十一時委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時二十七分散会