建設委員会 第7号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/07
会議録
○亀山委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、下水道事業センター法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新井彬之君。
○新井委員 私は、下水道事業センター法案につきまして質問をさしていただきます。 初めに、経済企画庁がお見えになっておると思いますが、見えておりますか、経企庁——。 それでは、第三次下水道整備五カ年計画におきましては二兆六千億円という予算を計上してあるわけでございますが、現在水質環境基準の設定をされました八十二水系にかかわる事業費は約一兆八千億円が見込まれている、このように聞いているわけでございます。それから五カ年間に基準の達成が可能となるものは八十二水系中四十四水系のみにとどまりまして、八十二水系全部の基準を達成するにはさらに約一兆九千億円の投資が必要である、こういうようにいわれておるわけでございますが、さらに七水系追加されまして、現在八十九水系となっておりますけれども、今後の投資額の確保についてはどのような考え方でいくのか、お伺いしたいと思います。
○藤尾政府委員 お答えいたします。 ただいま御指摘のとおりの水系について、私ども第三次の五カ年計画を進めさしていただいておるわけであります。しかしながら、これで十二分にその必要を充足できるか、こういうことになりますと、私はできるとは言いかねると存じております。したがいまして、この五カ年計画の遂行中においても、できましたならば五カ年計画の改定をいたさなければならぬ、かように考えまするし、かりに五カ年計画を所期の計画のとおり実施をいたしましても、さらに引き続きまして第四次、第五次という五カ年計画なり何カ年計画なりを策定いたしまして、そうして十二分の必要の充足に努力をいたさなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○吉兼政府委員 お尋ねの点について、数字的に若干補足してお答え申し上げます。 現行の五カ年計画の中で、現在水質環境基準が設定されておりますのが八十九水系ございますが、これに予定いたしております投資額は一兆九千五百億程度、こういうことになっております。この八十九水系を完全達成いたしますための総投資額は約四兆円、こういうふうに予定されております。むろんこれは環境基準のいろいろな類別基準がありまして、五カ年達成、それから五カ年以上かけてすみやかに達成というような類別がございますので、それに即応いたしまして、この五カ年計画では環境基準達成の下水道整備に最重点を置いてやってまいりたいと思います。引き続きましては、いま政務次官からお答え申し上げましたように、将来の下水道投資はさらに拡大的な計画というものを考えていかなければならぬというように私どもは考えておる次第でございます。
○新井委員 私がいまのことをお伺いしたのは、確かに昭和五十年あるいはまたそれ以後に、その環境基準に合うような設備が、下水道が設置されるということで現在進んでおるわけでございますけれども、環境庁のほうは日本全国順番にそういう環境基準をきめてまいりまして——この前の委員会でもいろいろ指摘がされましたように、外国と比べますと非常に下水道整備がおくれておるわけでございます。したがいまして、日本といたしましても現在努力はいたしておるわけでございますけれども、何しろいままでの下水道整備というものはあまりにもおくれている。したがいまして、この五カ年計画が達成できましてもやはり三八%しか達成ができない、こういうような状態になるわけでございます。それから、いままでの第一次、第二次、第三次のデータを見てまいりましても、第一次の場合は——排水面積普及率あるいはまた排水人口普及率ということで目標を設定してあるわけでありますけれども、第一次の場合は排水面積普及率が二七・四、排水人口の普及率が三九・四、こういうような目標であったわけでございますが、これもなかなか到達ができなかった。そこで第二次、五カ年計画におきましては、四十六年度末の目標が、排水面積普及率が、三二・五、排水人口の普及率が四八・九ということでありましたけれども、これもそのような達成ができなかった。現在五十年度までを目標といたしまして第三次をやっておりますけれども、このときの排水面積の普及率が三八%、排水人口の普及率が五五%ということになるわけであります。今回は補正予算等、去年のドル・ショックというようなことで経済を浮揚しなければならぬという立場からそういう公共投資がふえたわけでございますけれども、この今回の排水面積普及率の三八%、排水人口普及挙の五五%、これの到達はこの五カ年計画で間違いなくできるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○吉兼政府委員 過去の五カ年計画の実績等についてお触れになったわけでございます。言いわけを申し上げるつもりはさらさらございませんけれども、たびたびお答え申し上げたかと思いますが、第一次、第二次五カ年計画は、確かに計画に対して実績がかなり下回ったような状況で今日にまいっております。下水道の整備におきましては、市街地面積といいますものが、人口、産業等の都市集中によりまして、当初の見込みよりは相当ふえてまいっております。下水道整備をしなければならない面積、そういうものが見込みの点におきまして若干下回っておった。したがいまして、普及率という点が目標設定より下回っていたというふうな結果をたどってきた点もございます。第三次の五カ年計画におきましては、そういう点を、十分過去の実績等を踏まえまして設定をいたしております。でございますので、今後は、現在定められましたところの五カ年の投資額を確保いたしますならば、所定の普及率が確保できるというふうに私どもは思っておる次第でございます。
○新井委員 そこで、できたところで三八%ということでございますから、今後下水道事業といたしましては何年度を目標に——これは一〇〇%おやりになろうと思っていらっしゃると思いますけれども、その一〇〇%を普及するのは大体何年度までに、大体どのくらいの予算を考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○吉兼政府委員 下水道に限りませんで、国の各種の公共投資等の長期の目標といいますのは、一応昭和六十年ということにいたしております。下水道につきましては、昭和六十年に一〇〇%の、その時点におきますところの市街地面積に対しましての下水道を完備する。これに要する投資額でございますが、現在の価格で推算をいたしておりますが、約二十兆円程度の投資が必要か、かように見込まれております。
○新井委員 じゃ、まあ六十年にはこの市街地については一〇〇%できる。で、四十七年度価格におきましては大体二十兆、このくらいの投資を見込まれるということでございます。 そこで私は、公共下水道あるいはまた流域下水道、都心下水路、特別都市下水路というのがございますけれども、その中で、今後それだけの膨大な予算を組んでやってまいりますときに、一体どこが費用負担をしていくのか。費用負担の問題があるんではないかと思います。現在におきましてはやはり地方公共団体がする。この前、流域下水道につきましては一部、そういう都道府県がタッチをするようになったわけでございますけれども、今後それだけの膨大な予算を投入する段階において、いままでのような予算措置、市町村にほとんどまかしていくような、そういうことではなかなかできない。これは、もういつもこの下水道で問題になりますことは、補助対象事業、この事業費が非常に少ないということ、それからもう一つは補助率が非常に少ないということになってまいるわけでございます。これはこの前の委員会でもお話が出ましたように、附帯決議等におきまして努力をするということでなっておるわけでございますけれども、そういうことから考えまして、今後この補助対象率というもの、これを私はやはり一〇〇%にしていかなければならぬじゃないか、このように思うわけでございます。と申しますのは、この下水道の機能というものは、流域下水道なりあるいは公共下水道にいたしましても、最後の終末処理場までできて初めて一つの役割りをなす、こういうようなことで一貫したものでございまして、やはりその全体については、いまのこの環境基準、ほんとうに公害を防止するというような立場からいたしましても、補助対象率というものは当然一〇〇%していかなければならない、このように考えるわけでございますけれども、今後これだけの、六十年を目ざしての大きな仕事をしていく段階において、そういうことの考え方をお聞かせ願いたい思います。
○藤尾政府委員 仰せ、ごもっともでございまして、私どもとといたしましては、国民の生活環境といいまするものをより高めていくということのためには、全国至るところの下水道の事業というものを対象にして、その早期完成をはかっていかなければならぬ、こういうたてまえ、したがいまして、仰せのとおり一〇〇%の補助対象率を達成するということが望ましいに違いありません。その目標のために毎年努力を積み重ねていかなければならぬ、かように考えております。しかしながら何といいましても、全国至るところの下水道の要望が出てまいりまして、これに一気に対応するだけの事業遂行ということが、技術的にもまた財政的にもなかなか困難であるという現在の実情から、補助対象を逐次上げてまいらなければならぬ、そのような考え方で、将来は必ずその対象率を一〇〇%に持っていくということのために努力をいたします。
○新井委員 これはいろいろなところで問題になっておりますけれども、この前の分科会におきましても、洞爺湖の下水道事業に関しましての質問に対して、虻田町という一つの町があるようでございますが、この町財政が五億三千万円、このうち公共下水道の費用が一億五千二百万円という、非常に高額を負担しなければならない。これはその町に洞爺湖という観光地がございまして、たくさんの方がみんな遊びに来たり、あるいはまた見学に来るわけでございますけれども、そのためにその洞爺湖が非常によごれてしまった。そのために、そこの町であるところの虻田町が下水道をするためには非常な負担をしなければならぬ、こういうような問題があったかと思うわけでございます。こういうような、非常に負担のできない町でもって、なおかつ観光地であるとか、いろいろな湖沼があるとか、そういうような状況によりまして、どうしてもその環境を保全しなければならぬ、こういうような場合においては、自然環境保護のための公共下水道事業というようなことで、やはり特別な配慮というものもしてまいらなければならない、このように私は思うわけでございますけれども、そういう点は局長はどのようにお考えになっておるか、お答え願います。
○吉兼政府委員 確かに分科会で同じような御質問がございまして、お答えを申し上げておいたわけでございますが、今後下水道を整備する上におきまして、御指摘のような湖沼等で非常に風致景観のすぐれたそういう観光地といいますか、そういう自然環境の整った地域にたまたま一つの町がある、しかもその町は非常に弱体な市町村である、ところが自然環境保全の立場から主としてそこの下水道を整備しなければならないというふうな事態が全国的にも出てまいると思います。そこで、そういった特殊な地域の下水道については、地方財政との関連から特別な何か財政上の手当てをする必要があるかどうか。私はやはりこれは将来の課題としましてこの問題は検討していくべきものの一つじゃないかというふうに思っております。現在の五カ年計画のあれでは、そういった問題については特別の配慮はいたしておりません。現行のワクの中で、地方財政の許す限り手当てをするということになっておりますが、それで十分かどうかという点につきましては今後も検討してまいりたいと思います。
○新井委員 経企庁が見えたそうでございますのでお伺いしたいと思うのですけれども、きょうのラジオで放送しておりましたけれども、財界のほうは、景気があまり芳ばしくない、そういうようなことで、今後の銀行貸し出し金利等を下げるというようなことも言っておったようでございます。この前予算委員会におきまして経企庁長官は、本年は大体七・二%くらいの景気見通しである、こういうぐあいに答弁があったわけでございます。今回、下水道事業あるいはまた公共事業費が伸びたということは、これはやはり昨年八月のあのドル・ショックのために経済が非常に落ち込んだ、したがいましてその経済を、何とか不況を克服しなければならないというこてで大型の補正予算を組んだわけでございます。また本年におきましても、下水道事業等非常に伸びておって喜ばしいことでございます。これはまあ基本的な政策の転換、そういう公共事業に対して今後ほんとうに継続して、そういうことをどんどんやっていくというような考え方で当然いくべきでありますけれども、日本の経済の体質といたしましては、やはりどうしても、経済が立ち直ってくると、国内景気というものを刺激すると過熱をするというような一つの形になっておるわけでございます。今回、今後経企庁としてこの景気の見通しと、それからまた新たに経済社会発展計画というものを考え直していらっしゃるということでございますけれども、その中における下水道の位置づけというものをどのように考えていらっしゃるか。四十四年度の新経済社会発展計画におきましては、四十四年の単価で五十五兆円ということですね。この中で環境衛生費三兆一千四百億円、この中で下水道計画は六年間で二兆三千億、こういうようなことであったわけでございます。今後、いま非常に環境庁あたりがいろいろと鋭意努力をしていただきまして、環境整備につとめるためにはどうしても下水道というものが必要である。したがいまして、公害費用というものの大半は下水道につぎ込まれておるということで力を入れておりますけれども、先ほどの建設省のほうの局長の答弁は、昭和六十年には市街地における下水道を一〇〇%完備するんだ、そのためには三十兆円の予算が必要である、こういうぐあいに話をされておるわけでございますけれども、経企庁が新たにつくる経済社会発展計画ではそういう面についてはどのように見ておるのか、答弁願いたいと思います。
○伊豆説明員 ただいま、次の経済計画で下水道をどういうよりに考えているかという御質問でございましたが、御指摘のように、次の経済計画におきましては国民福祉の向上に重点を置いた計画として考えていかなければならないという方向で検討作業を進めております。現在まだ準備作業の段階でございまして、四十七年中に何らかの成案を得たいということで準備を進めておるところでございます。 ところで、この改定におきましては、どうしても国民生活の優先ということを強く打ち出さざるを得ないのではないかということは、あらゆる面で、現在経済審議会のもとでいろいろな研究委員会が設けられていますが、名委員会ともそういったような報告を出しておりますし、こういったような線に沿って計画の改定の方針がつくられていくんじゃないかと思いますが、なお先ほど申し上げましたようにまだ準備段階でありますので、確定的なことを申し上げる段階にはないわけでございます。しかしながら、ただいま御指摘がありましたように、今後の都市化の進展、市街地の拡大、またあらゆる面での国民生活の向上といったような観点から、良好な快適な生活を確保できるように、良好な市街地を整備し、また公害対策の面からも、水質の汚濁防止といったような観点からも、この下水道事業の重要性がきわめて高いというように考えられるわけでございます。しかしながら、六十年まで普及率一〇〇%、二十兆円といった一応の試算結果に対しまして、次の経済計画期間中にどの程度実施するかにつきましては、これはいろいろな面からの社会資本に対する要請、財政バランス等を勘案してきめざるを得ない問題でございますので、改定のための経済審議会において十分検討していただきまして、その結果に基づいて決定せざるを得ないと考えております。現段階ではまだ検討中ということで、確定的なことを申し上げられないのが非常に残念でございますが、いずれにいたしましても国民生活優先ということで、相当重点を置いて検討を進めていくということになろうかと思っております。
○新井委員 新経済社会発展計画、これにつきましてはそれなりの評価があったと思いますけれども、やはりいままでの日本の公共事業というものが非常に立ちおくれておったということを考えますと、そういう面においてはもっともっと今後力を入れていかなければならない、こういう考え方になるわけでございます。特に今後都市化がどんどん進みます、人口は集中してくる、そういう中でほんとうに住みやすい都市をつくるということの不可欠な要件というのは、やはり下水道の完備ということは欠かせない要件でございますので、そういう点も今後よく検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それから、自治省が来られておるそうでございますので自治省にお願いしたいのですが、下水道に関する財源の大部分は地方債に依存の状態でございますけれども、この起債の貸し付け条件の改善をはかる必要があるということを思うわけでございます。現在の貸し付け条件というのは、政府資金六分五厘、それから公営企業金融公庫資金が六分七厘、償還期限が、政府資金が三十年、四十六年から五年延ばしていただいたわけでありますが、公庫資金が二十三年、四十六年から二年延ばしていただいておるわけでございますけれども、今回のように国のほうでもって景気浮揚のために大型のこうした公共投資を組み、国のほうももちろん一兆九千五百億円の建設国債を発行しておるわけでございますけれども、やはりそれに伴ってどうしても地方自治体のほうも起債ワクがふえてくるわけでございます。したがいまして、一億借りるのと二億借りるのとではやはりそれだけの利子の金額が違ってくる。こういうようないろいろな国の一つの方針等によって、また国民の皆さんの要望等によっていろいろ変わってくるわけでございますけれども、こういうような場合に何とか利子をもう少し安くしてあげるとか、そういうようなことも考えていかないと、非常に無理をして、どの地方公共団体においても下水道整備ということは緊急な課題になっておるわけでございますから、少々お金を借りてもどんどんやりたい、起債ができないところは単独でもやらなければいけないというところに追い込まれているわけでございます。そういうわけでございますから、そういう場合においては貸し付け条件の改善をはかってあげる、こういうことを考えなければならないと思いますけれども、自治省のお考えをお伺いしたいと思います。
○石原説明員 下水道の事業資金につきましては、御指摘のように事業規模の増大に応じまして地方債の充当額も年々増額をしておるわけであります。そこで、ただいま先生御指摘のように、昭和四十五年度までは、政府資金の場合は償還年限が二十五年であったわけでありますけれども、これを三十年にまで延ばす。それから公庫資金の場合には、まず金利につきまして、四十二年度までは七分三厘であったものを四十三年度には七分に下げ、さらに四十五年度から六分七厘に下げております。この金利は現在の公庫資金一般の金利、標準金利であります七分四厘に比べましてかなり大幅な引き下げになっておるわけであります。また償還年限につきてましても、四十五年度までは二十一年でありましたが、これを四十六年度から二十三年、これも各種事業資金の中では最も長期の年限になっております。このようにしてこれまでも改善につとめておったわけでありますが、今後におきましても、事業が相当伸びることが予想されますので、条件の改定につき、ましてはさらに努力を重ねてまいりたいと思います。
○新井委員 もう一つ自治省にお伺いしたいのですが、地方交付税の算定にあたってどのように下水道関係の経費というものが見込まれておるのか、それをお伺いしたいと思います。
○石原説明員 下水道関係の経費につきましては、その一般会計が負担すべきであると考えられる部分につきまして地方交付税の基準財政需要額に算入しておるわけでありますが、具体的には、市町村分の都市計画費の中に下水道費という費用を設けまして、経費の測定単位して人口集中地区の人口を用い、経常経費と投資的経費の二つに分けまして、経常経費につきましては人口集中地区の人口を一応基準にしますが、具体的な普及率を加味する必要があるということで、排水地区の人口、これを調査いたしまして、その人口集中地区人口に対する密度によって割り増し補正を行なうというようなことで、実態に合うように計算を行なっております。それから投資的経費につきましては、一応標準的な規模の経費を単位費用に組みまして、さらに各団体ごとの具体的な事業費の裏負担額の一定部分を事業費補正という形で割り増し算入をいたしております。それから過去に起こしました地方債の償還費につきましても一部算入を行なっております。これらの基準財政需要額に算入された額が、下水道会計に対する一般会計からの繰り出し金の財源という形になっておるわけでございます。
○新井委員 自治省のほうにつきましては、地方公共団体からそういう面については再三にわたってのいろいろな要望とか御意見があろうかと思います。どちらにしましても、非常にこの下水道の占める位置というのが各地方公共団体におきまして比率が大きくなっている。そういうことから考えまして、今後こういう地方交付税の算定にあたりましても、よくその点を勘案してひとつやっていただきたい、このように思うわけでございます。 それから、大蔵省にお伺いしたいのでございますが、先ほども申しましたように、下水道法案、四十五年十二月九日、このときの建設委員会で附帯決議がついておるわけでございます。そのときに、補助率のアップ、償還期限の延長、こういうようなことで非常にいわれておるわけでございます。今後大蔵省としてもやはりこういう問題について御協力をいただかなければならない、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、大蔵省のお考え一をお聞かせ願いたいと思います。
○藤井説明員 四十五年の十二月に下水道法改正に伴いまして附帯決議がございまして、それに対します財政面からの措置状況を申し上げますと、まず補助率の問題につきましては、公害の防止に関する財政特別措置法というのがその後できまして、その際に、公害防止地域におきます公共下水道の処理場に対しまして、十分の四の補助率を二分の一にする。同町に、特定公共下水道、それから都市下水路につきましても、特定公共下水道は三分の一から二分の一、都市下水路も三分の一から二分の一というふうに補助率の改定をいたしております。さらに沖繩の復帰に伴いまして、沖繩で、行なわれます流域下水道につきましては、通常の率の二分の一を三分の二に上げるということをいたしております。それからさらに、補助対象の取り上げ方でございますけれども、これにつきましては、全般的に従来五四%ということを採択の率にしておりましたけれども、これを五七%に引き上げるということを四十六年度予算におきましてとっております。それから同時に、その附帯決議におきまして国の補助に関して負担区分その他を明確にしろというお話がございまして、それはその後政令におきまして補助率、補助対象の関係を明確に規定しております。それから起債の面につきましては、先ほどの先生の御指摘のとおり、償還期限について、政府資金、公営公庫資金について延長をするということをあわせて行なっております。同時に、起債の計画の額についても大幅に増加しろということで、四十六年度には三六%の増加をいたしております。 大体以上が、その附帯決議に対する財政面からの措置の状況でございます。
○新井委員 いま答弁がございましたのですが、一つは、いま答弁があったように、公害防止計画を定めたときに、終末処理場が十分の四が十分の五、それからまた沖繩の流域下水道については十分の五が三分の二になっておるということは承知しておるのですけれども、このときの附帯決議というのは、現行公共下水道十分の四を四分の三、あるいはまた流域下水道十分の五というのを四分の三、それから都市下水路三分の一を二分の一、こういうことで大幅に引き上げろということが附帯決議になっているわけでございます。そういうわけで、大蔵省としては今後この附帯決議を尊重して、当然そういう方向に今後改善をするということでやる決意だと思いますけれども、もう一度その点をお伺いしたいと思います。
○藤井説明員 下水道の整備を急速に行なうということで、四十六年度から二兆六千億円にのぼる計画を策定して、やっておるわけでございます。その計画を達成するために事業費的に非常にその伸びが大きくて、三割、三割五分というような伸びをこれからは続けていかなければいけない。さらにその上に補助率の引き上げというようなことをいたしますと、財政面から見ますとたいへんな負担になります。そこで四十六年度の発足にあたりましては、補助対象率を引き上げるということで地方財政の面の負担も十分考えながら事業の促進をはかっていこうということで、四十六年度には下水道予算が全体の公共事業の一九%に対して四〇%、本年は二六%に対して四七%という、非常に大幅な伸びを見込んで下水道整備を進めていこうということにいたしておるわけでございます。したがいまして、現在の五カ年計画を進める場合に、その事業量の促進のほかにさらに補助率の引き上げというようなことを行なうことについては、非常に財政面からの問題がございますので、私どもとしては現状の方向で、現状の姿でこの五カ年計画を遂行していきたいというように考えております。
○新井委員 四十七年度予算においては総事業費は二千三百億円ぐらいだったと思います。その中で補助対象事業費が二千百五十八億四千七百万、国費が九百七十一億二千七百万、地方債が千四百六十三億、国庫債務負担行為が四十五億というようなことになっておろうかと思いますけれども、今後この下水道予算というのが六十年までに二十兆というような予算になった場合に、それだけの規模になってまいった場合に、当然その中で国費というものがあまりにも少なければやはりその完成はできない。したがいまして、いま非常にうしろ向きの答弁であったわけでございますけれども、そういう面についてほんとうに真剣に考えていただいて、そうして、この下水道事業がどれほど今後の都市の環境整備にあたって必要なもので、あるか、そういうことをもっと認識をしていただきたい、このように思うわけでございます。 もう一つお話をしておきたいのですけれども、この下水道事業というものは地方自治体がやるのか、あるいはまた、いま全く国家的な見地に立って国家的な事業として進めていかなければならないのか、そういうようなところをやはり大蔵省ははっきりしていただきたいと思うわけでございます。そうでないと、やはり今後の下水道のこの事業にあたっていろいろなそういう、特に予算関係においては挫折を来たすのではないか、こういうことを思うわけでございますけれども、もっともっとやはりこの下水道関係については、今後予算を投入していくという一つの決意に立ってやっていただきたい、このように思うわけでございます。 それから、次に環境庁にお伺いしたいのでございますが、先ほどもお話をしましたように、この下水道五カ年計画ができましても三八%しか完備できない。しかしながら、環境庁といたしましてはどんどん環境基準というものを設定しておるわけでございます。環境庁から見て、この環境基準が間違いなく守れるというには一体どのような要素があるのか、まずお伺いしたいと思います。
○山村説明員 環境基準を守るための対策といたしましては、水質汚濁防止法によります排出水の規制ということが一つの大きな柱でございます。第二には、下水道等汚水処理施設の整備が第二点でございます。そのほか、住宅あるいは工場の立地規制その他の措置によって抜本的な解決をはかっていくというその他の施策がございます。
○新井委員 昭和四十六年十二月から工場排水の規制、あるいはまた四十七年の六月からは全面的に工場排水の基準をきめましてやられるというようなことになっておるわけでございますけれども、やはり下水道の完備と、それから二つはそういう規制措置、そういうものが伴わないと、終末処理場だけにまかしてもなかなかできない、こういうことになろうかと思います。そういう問題について、これは各都道府県が責任を持ってそういう監視体制はやると思いますけれども、そういうような現在の状況において実際問題それが可能かどうか、その点の考えをお聞かせ願いたいと思います。
○山村説明員 ただいまもお話がございましたように、環境基準を達成するための施策といたしましては、下水道の整備と排水規制によって、この二つがきわめて重要な柱でございます。環境基準を、類型の当てはめと申しますけれども、指定するにあたりましては、これら各種施策を総合的に推進するということを考慮しながらその達成期間を定めることになっておりまして、直ちに達成するものと、五年以内で可及的すみやかに達成するもの、五年をこえて可及的すみやかに達成するもの、三つに分類いたして達成の期間を定めることとしております。したがいまして、たとえば五年以内に達成するにつきましては、先ほどからお話のありますような下水道整備五カ年計画等との関連を十分考慮いたしまして、建設省とも十分な連絡を保ちながらきめておるというのが実情でございます。
○新井委員 これは、こういうことばのやりとりにおきましては非常に簡単なことになろうかと思いますけれども、実際には小さな工場、あるいはまた大きな工場、あるいは非常に密集しているところ、そういうようなところにおいて、これは不心得者がおってはなりませんけれども、よほど監視体制をきびしくしていかないとこれは不可能ではないか。そういう点についても、環境庁としても鋭意、いついつまでにやるというような日にちはいつでもきめられるわけでございますけれども、そういう現実の問題ともあわせて、ひとつよく検討していただきたい、このように思うわけでございます。 それからもう一つは、東京湾だとかあるいはまた大阪湾、あるいは洞海湾とかあるいはまた瀬戸内海、全般にわたりまして非常に海が汚染されている。近ごろの魚はPCBが非常に出てくるとか、いろいろな問題があるわけでございますけれども、そういういままでに流されてしまったものについて、そういうところの環境基準というものはどのようにきめていかれるのか、お伺いしたいと思います。
○山村説明員 制度的に申し上げますと、いわゆるヘドロ等の底質の環境基準は特にきめることにはなっておりません。しかしながら、御指摘のありましたように、底質の問題は水そのものに及ぼす影響も考えられますし、魚等を通じて人間の体内に入ってくるという心配もございますので、さっそくそういった、どういう場合にそういうヘドロを排除すべきであるかとか、その排除にあたってはどういう方法があるのかというような基準を現在検討いたしておる段階でございます。
○新井委員 この問題はいま非常に問題になっておる問題でございますし、そういうこともひとつすみやかに検討して、そういう排除をどのようにするかということを決定してやっていただきたいと思います。 それから、少し法案の質問をしたいと思いますけれども、この下水道事業センターというのは非常に根幹的な施設の建設を行なうということが大きな目的の一つになっております。この面から見ると、一つは、必ずしもそのセンターという名称が実体をあらわしていないように思うのですけれども、センターとなった経過ですね。初めは下水道建設事業団だとか公団だとか、あるいはまた規模も百二十名程度だったということをお伺いしておるのですけれども、現存非常に小さな、六十名くらいになったということも聞いておるわけでございます。そういうような経緯についてお聞かせ願いたいと思います。
○藤尾政府委員 この前のこの委員会におきまして、村田さんあるいは古内さんから同じような御質問があったわけでありまするけれども、私どもといたしましては、こういった仕事の内容から考えまして、これをできれば半公共的なものにすべきであるというたてまえから、この発足にあたりましては事業団方式といいまするものをぜひ実現をいたしたい、かように考えてまいったわけであります。ところが、御案内のとおり国家行政の組織簡略の意味から、新しい公団、事業団を新設するにつきましては、必ずいままでにあったものをつぶして、こういった公団、事業団というたぐいのものを一定数に保っておけという行政的な規制がございます。したがいまして私どもといたしましては、私どものこの事業団を成立させるということにつきましては、別途のいままで持っておりますこの種の公団、事業団といいまするものを一つつぶさなければこの新設ができない、こういう規制を受けたわけでございまして、こういった関連を配慮しながら、どのようにして下水道事業といいまするものの当面の役割りを充足をしていったらいいかということを考えました結果、とりあえず、いま各地に散在をいたしております技術者を集めたセンターというようなものをつくりまして、本来政府資金を使うということが望ましいわけでありまするけれども、これは当面、民間の資金によりまして短期的な振りかえをするという臨時的な措置で補っていっても、事業の遂行は必ずしもできないわけでもないということに落ちつきまして、今回御審議を願っておりまするセンター法案になったわけでございます。以上、お答え申し上げます。
○新井委員 第三次下水道整備五カ年計画に対する執行体制の確立をするという目的でございますけれども、このセンターの長期構想といいますか、センターをそのまま続けていくのか、それともまた今後はこういうぐあいに幅のあるものに発展させていくのか、そういうようなところはどうかということが一点でございます。それからどの程度の人員を考えていらっしゃるのか。その二点をお伺いしたいと思います。
○藤尾政府委員 第一、第二の両点ともに、現在御審議を願っておりまするセンターを発足をさせまして、その事業遂行の内容をよく検討して、足らざるところがあればそれを補充をしていくという方法をとってまいるのが妥当ではないか、かように考えます。
○新井委員 もう一つ、資本金の場合は地方公共団体あるいはまた国から一億ずつ、三億ということですけれども、借り入れ金であるとか、あるいはまた職員というものの限度、今後たくさんの仕事をやっていくわけですけれども、そういうものについても、いま答弁があったように今後センターができたときに考える、こういうようなお考えでございますか。
○藤尾政府委員 さようでございます。
○新井委員 そうしますと、この業務についての人員の配置、そういうものはまた今後だと思いますが、職員の供給について、大都市が主体となるものと考えられますけれども、これはあくまでも国家公務員、こういう方だけを職員にするのか、あるいはまた民間からも入れるのか、そういうところはどのようになっておりますか。
○藤尾政府委員 当面、国家あるいは地方公務員が主体になると思いますけれども、その技術者の技術の性格によりましては、それに適正な民間の有識の方々がおられますれば、これを採用していくのにやぶさかではございません。
○新井委員 長期借り入れ金の借り入れ予定先というのはどのような機関を考えていらっしゃるのか。局長でけっこうですから……。
○吉兼政府委員 センターの仕組みからいきまして、そう長期な資金ということは予定しておりません。比較的短期的な資金を調達すれば足りるかと思います。資金の調進先につきましては、民間借り入れということにいたしておりますので、一般の市中銀行というものを対象にいたしております。
○新井委員 職員あるいはまた技術者といいますか、その人数がはっきりしないので、これは非常に多くなる場合も少なくなる場合もあるということだと思うのであります。下水道をやりますときの事業費というのは、年間大体一億ないし二億の費用の分を一人がやることが限度になっているということがいわれておりますけれども、委託工事を受けた場合に相当な問題が出てくるのではないか、このように思うわけでございます。ということは、先日もデータ的に発表がありましたけれども、下水道の技術者が非常に少ない。したがって、各地方公共団体が民間のコンサルタントとか、そういうところに頼んで仕事をだいぶやっておるのではないかと思われるわけであります。そこで、こういう事業センターというものができた場合には、一挙に各地方公共団体、これは大都市からではありませんけれども、たくさんのところから要望が来る。その場合にやはり事業費としても非常な金額になってくる。したがいまして、人員が何名になるかということにもよりますけれども、非常に総花的な仕事になる。下水道の場合というのは手抜きがあってはなりませんので、一つ一つチェックをしなければいけない。そうしないと、今後下水道が終末処理場までできて動いたときでも、その能力を果たさないということになろうかと思いますけれども、そういう面についてどのように考えていらっしゃるか、お聞かせ願いたいと思います。
○吉兼政府委員 センターが発足しました以降のセンターの事業計画並びにこれに見合った要員の確保ということにつきまして、確たる長期の見通しはまだ十分立てておりません。しかしながら大体の考え方といたしましては、受託事業を中心に、あるいは受託に基づく技術者の派遣ということがセンターの中核の事業になります。その際に、全国的な下水道事業の展開に伴いまして、センターに対する委託という事案が相当出てまいることが予想されます。そこで、センターそのものの能力の限界等もございますので、どういうものからセンターが優先的にこれを取り上げていくかということになろうかと思いますが、大体の方向としましては、これから環境基準等との関係で、一般の十万以下の中小都市に下水道をつくらなければならぬという事態が予想されます。しかるにそういう中小都市におきましては財政的にも貧弱であります。ことに技術者が皆無といったような市町村も多うございます。しかもそういった中小都市で、環境対策との関係から緊急に優先的に下水道整備をやらなければならぬというふうな都市も出てまいりますので、そういう点を十分考慮いたしまして、緊急優先度を判定して、逐次要請に応じまして委託、工事なり技術者の派遣といったようなことを考えてまいりたいと思います。
○新井委員 それとちょっとダブるかわかりませんが、いまお話があった委託工事が非常に多い場合に、一都市に投入する資金限度あるいは採用基準というものはどのように考えられるかということです。たくさんのところから来ますから、あまり要望にこたえられないと陳情合戦みたいなことになってしまう。そういうわけで、順番をきめてやるのか、あるいは資金量とかそういうものをきめて全体的にやるのか。そういうところはどのように考えていらっしゃるのですか。
○吉兼政府委員 一都市に対する受託工事の規模といいますものにつきましては、明確な限度というものはいまのところ考えておりませんが、大体のところ、受託事業は二カ年程度、つまり翌年度分を先行的に施行していくのですが、立てかえてセンターがやるというふうな運営になろうかと思います。でありますから、当該年度分は当該地方団体に対する補助金とか起債とか、そういう手当てがなされますので、その関係の資金の提供を受ける。翌年度についてはセンターが立てかえてやるということから、下水道の現在の各都市の毎年度の事業規模というものからいきますと、一都市当たりですからそうべらぼうに大きなものにはならないと私ども思っております。それから採択基準につきましては、先ほども申し上げましたように、財政力、それから技術力、そういう点を勘案いたしまして、しかも環境基準対策上、緊急に事業効果をあげなければならないというふうなことが要請されております都市の下水道事業から取り上げてまいりたい、かように考えております。
○新井委員 役員の問題ですけれども、指導的な役割りをになう理事長一名、理事三名、監事一名、非常勤理事三名。人事は大臣の任命ということになっておりますけれども、この場合よく問題にされますのは、高級公務員の天下りの場ということにならないかということでございます。これは国と地方公共団体の合作機関であるセンターの本旨に照らしまして、理事には地方公共団体または下水協を代表する人材を入れて、そうして風通しのいいサービス機関ということを忘れてはならぬ、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、その点、政務次官いかがでしょうか。
○藤尾政府委員 お説のとおりでございますので、そのような方針で選んでまいりたい、かように考えております。
○新井委員 計画、設計あるいはまた建設工事のコストが、センターに委託した場合には高くなるのかあるいは安くなるのか、あるいはまた世間一般並みなのか。どういうことが考えられるか、一点局長にお伺いしたいと思います。
○吉兼政府委員 このセンターが委託を受けて事業をやるというたてまえからいきますと、センターにお願いすると非常に高くなるということでは委託の希望も出てまいりません。こういう優秀な技術者を集めて、かわって事業をやる。技術開発とかそういうこともセンターがになってやるわけでございますから、当然設計なり工事の面におきまして、コストダウンなり生産性を上げるような、そういう運営をはかっていかなければならない、またそういうふうなことを十分期待できるというふうに思っております。
○新井委員 第三十条で、「役員は、営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。ただし、建設大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」こういうぐあいになっておりますけれども、「ただし」以下は除外するかあるいはまた非常勤に限定してはどうかと思うんですけれども、政務次官いかがでしょうか。
○藤尾政府委員 これは建設大臣の判断でございますから、建設大臣が、そのような営利を目的とする会社の役員であって、そのセンターの役員になることによってその営利をさらに助長するような人たちを任命するとは私は思えません。したがいまして、これは大臣の良識におまかせをいただいてよろしい、私はさように考えております。
○新井委員 最後にもう一つだけお伺いしておきます。既成都市の下水道の普及状況と達成目標年次というのがございますけれども、この中で大阪におきましては達成目標年次が五十五年、それから神戸におきましても五十五年ということになっておるわけであります。しかしながら京都は六十年ということになっておりますけれども、大阪、神戸、こういう方は淀川から取水した水道の水を飲むわけでございますから、上流がよごれればどうしてもそれだけ下流の水もよごれてくる、こういうことになろうかと思います。したがいまして、京都六十年というのは、下流が早くできても上流ができなければ何にもならないのじゃないか、こういうぐあいに思うわけでございますけれども、この点どのようにお考えになっておるか、お伺いしたい。
○吉兼政府委員 確かに大都市の中で京都は現在格別に下水道の普及率が低うございます。したがいまして、一般の下水道投資のぺースからいきますと六十年というふうな目標が出てくるわけでございます。しかしながら私どもは、御指摘のように京都の下水道整備が淀川の、ことに下流との関係において占める重要性というものを十分認識いたしております。京都市も最近非常に意欲的に下水道整備に取り組んでおりますので、できるだけ整備の完成を早めるように今後とも努力してまいりたいと思います。 〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕
○新井委員 この下水道センターは、いままでもたくさんの要望がございまして、各地方公共団体の要望をになって設立をされるわけでございます。そういうわけで、人事の面におきましてもあるいはまた事業の内容におきましても、どうか地方公共団体にほんとうにこたえられるようなりっぱなことを、努力も伴うと思いますけれども、ひとつやっていただきたい。このことを最後にお願いいたしまして、質問を終わります。
○天野(光)委員長代理 渡辺武三君。
○渡辺(武)委員 まず、基本的な問題からお聞きをしていきたいと思いますが、現存行なわれております第三次下水道整備五カ年計画、この進捗率をひとつお聞かせを願いたい。さらに、この五カ年計画が完了をされたとしたときに、わが国における水道の普及率は一体どの程度になるか、この辺をお聞きしたいと思います。
○吉兼政府委員 まず、下水道の三次五カ年計画の進捗率でございますが、二兆六千億円の五カ年計画の総投資に対しまして、事業費ベースで申し上げますと、五カ年計画の第二年でございます四十七年度末の進捗状況は二八・六%ということでございます。それからこの計画が計画どおり達成されますと、市街地面積に対する普及率は三八%ということを目途にしております。
○渡辺(武)委員 ただいまお答えをいただきました一八・六%というのは、総事業費ベースに対していわゆる予算を獲得されたといいますか、予算が決定された率、いわば工事の進捗率ではなくて予算獲得率ではないだろうかと思うわけです。 〔天野(光)委員長代理退席、葉梨委員長代理着席〕 したがって、それを聞いてもあまり意味がございませんので、現在行なわれておる工事そのものはどのように進捗を早しておるのか、工事ベースではどう進捗率が出ておるかということであります。
○吉兼政府委員 事業量の面でどういう進捗かというお尋ねでございますが、五カ年計画は四十五年価格ということで投資規模をセットしております。その後実際に実施にあたりましては地代等の値上がり等もございます。そういうものを私どもの手元の試算で大体の推定をいたしておりますのが、四十七年度末で事業量の進捗ぺースは約二六%前後になるのではないか。事業費で先ほど申し上げましたが、二八・六%に対して二六%というふうに予想されます。
○渡辺(武)委員 そうしますと現実には、予算のペースで見ましたときには二八・六%進捗をするのだけれども、実際にはそれよりさらに約三%近く工事ベースではおくれておる、こういうことがいえるかと思いますが、全体の予算費ベースで見ましても、あと七一・四%というものが四十八年以降三カ年間で消化をしなければならぬ、こういうことになるわけですけれども、この達成というのは非常に容易ではないというふうに思われるわけですが、その辺の見通しはどういうふうに見ておられるのか。四十七年度の予算面から見まして非常に疑問が生じておるわけでございます。それはどういうことかといいますと、御承知のように、四十六年度補正後予算九百七十三億、これと同額が実は予算化をされておるわけでございますが、しかし地方債のほうを見てまいりますと、四十六年度の実績千八百三十六億に対して四十七年度は千四百六十九億円と、実に三百六十七億円というものが減額になっておるわけです。こういう実情から見ますと、はたしてこの五カ年計画というものが達成できるのかどうかという疑問があるわけですが、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
○吉兼政府委員 五カ年計画達成の見通しということでございますが、私ども三次五カ年計画を当初設定いたしましたとき、初項の四十六年度の予算をベースにいたしまして、計画伸率、大体事業費でもって、三四・九%、約三五%の毎年の平均の伸び率を確保しなければならないというふうなことで実はスタートいたしたわけでございます。ところがその後、第二年目の四十七年度に至りまして、四十六年度の景気対策の関係で補正が相当組まれたということ等もございまして、先刻申し上げましたような二カ年の投資額をベースにいたしますと、残事業を平均の伸びで見ますならば、残る三年間は三〇%の伸び率を確保いたしますならば五カ年計画が達成できるという計画の指標になるわけでございます。三〇%の伸びといいますものは、下水道の過去の投資の伸び等からいきますと決してこれはむずかしい投資額ではない、計画達成が非常に困難な投資額ではないというふうに私どもは見ております。十分に計画は事業費の面におきてましては達成できる、かように思っております。 それから起債の関係で御指摘ありました、四十六年に対しまして起債額がダウンをしておりますのは、四十六年度の補正予算で見ました下水道投資に対しての起債が一〇〇%起債充当ということで計画されましたために、四十六年度が非常に起債額が大きくなっております。全体の投資額は大体変わらないのに起債の充当率が下がっておりますのは、四十七年度には四十六年度の当初の起債充当率に戻ったというようなことの関係でございます。
○渡辺(武)委員 いまのお答えは、残り分を三年間で分割してみると三〇%くらいの伸びならばいいのだ、こういうお答えだろうと思いますが、最初にお尋ねをしたときに、予算ベースと工事ベースでは、物価の値上がりだとか人件費の値上がりがあって、実は予算費ベースよりも三%ぐらい工事量としては達成がされていない、こういうことですから、当然その物価の値上がりなり人件費の値上がりというものがプラスアルファされていかないと、この五カ年計画というものが達成が困難であるわけです。簡単に残り分を分割してみたら三〇%の伸びくらいでいいのだということではないと思います。現実にそういうのが二年間でも出てきているわけですが、その辺は考慮されているのですか。
○吉兼政府委員 下水道に限りませんで、すべての公共投資の長期計画の五カ年といいますのは工事量と事業量でセットしております。したがいまして、その事業量を確保しなければ計画が達成できない。それをかりに名目投資額で、ある基準年次の価格であらわすならば、下水道で申し上げますならば二兆六千億、こういうことになつております。したがいまして、まず計画工事量を確保するということが五カ年計画の内容そのものでございます。でありますから、計画の後年度に至りまして、おっしゃるとおりに物価等の値上がりの関係で、そこに工事量と計画資金量との関係でギャップが出るのは、過去の長期計画にもある例でございます。そういう際におきましては、五カ年計画というものをどうするか、その時点において検討するという事態が起ころうかと思います。
○渡辺(武)委員 時間がございませんので、次に移っていきたいと思います。 いま提案されております法案は下水道事業センター法案ということになっておるわけですが、当初建設省が計画をされましたときには、国が全額出資の下水道事業団というものの新設を計画されまして、そして大蔵省との折衝によって下水道事業センターというふうに名称が変更されたというふうに聞いておるわけですが、それはどのような理由があるのか、お聞かせ願いたい。つまり、建設省が下水道事業団というものを新設しようとされた。しかしいろいろな折衡があって下水道センター、こういうふうに名称が変更されたということですが、その変更されたのにはどのような理由があったのか。
○吉兼政府委員 この問題につきましては、先刻来政務次官から御答弁申し上げましたようなことに尽きるわけでございますが、若干補足さしてもらいます。 この下水道を強力に整備していくためには、現存の執行体制といった面において非常に問題がある。でありますから、これを強力に推進するための、技術者不足対策等を中心にいたしました全国的な立場の中核的な組織が必要であるということは異論のないところであったわけでございます。私どもはさような観点から、当初事業団というふうな政府の狭義の特殊法人を要求いたしたわけでございますが、予算折価の経緯におきまして、一つには、政務次官がお答え申し上げましたように、新しい公団、公庫という新設の特殊法人をつくるということに対して、それを抑制するということについて政府の強い姿勢があったことが第一点でございます。それからもう一点は、私どもの考えております新しい組織は、公共団体が本来やるべき下水道事業、そういうものを委託を受けてかわってやるというふうな事業内容でございますす。そういうことからいきますと、やはりこれは公共団体の共通の利益に関係する法人的な性格が強いわけでございます。であるから、国が一方的に全額出資で法人をつくるよりは、国も大いに関係はするが、やはり地方公共団体もこの設立に参加するというふうな法人組織のほうがむしろベターじゃないかというふうな議論もございまして、結論といたしましてはこのような、法律で設立要件を規定いたしましたような、国、公共団体が共同で参加するような、そういう認可法人というふうな形になった次第でございます。センターという名称の適否については議論があろうかと思いますが、類似のこういった認可法人にセンターという名称を使っておる法人もございますので、便宜私どもはセンターという名称を使わしていただいた、こういう経緯でございます。
○渡辺(武)委員 きわめて疑問があるわけでございます。なぜかといいますと、つまり既存の考え方そのものに問題があると思うのです。非常に世の中は急激な変化を来たしておりますし、実際に国民の要請に従ってやらなければならない新しい事業がどんどん出てくる。ところがそれらに行政が対応していかない。ただ数をふやしてはいけないのだとかなんとか、そういう単なることで事業団という名前を使わせないということは、われわれはちょっと理解ができないのです。現実にその内容を見てまいりなすと、すでにセンターなる名称でつくられておる特殊法人というものと、今回つくられるセンターという名称の冠せられた特殊法人とは、業務内容においても非常に異なっておる。つまり、今度の下水道事業センターというものは、従来からある公団なりあるいは事業団なりの業務内容と非常に似通っておるわけですね。名前だけがセンターという名前になっておる。名前さえ変えればそれでいいのかどうか。こういうふうになってまいりますと、ことさらに、いま行なわれておる行政そのものがさらに複雑になっていってしまう。本来は、公団はこういう業務、事業団はこういう業務、センターという名称のつくものはこういう業務、こういうことがおおよそ区分されておると思いますが、今回のような措置がとられていくことによって、それらが非常に複雑さを増してくるのではないだろうか。なぜ名前だけにこだわらなければいけないか、こういう疑問が実は非常にあるわけでございます。しかし、それを議論しておりますとたいへん時間が長くなってしまいますので、次に移りたいと思いますが、私はそういう意味で、基本的な考え方について非常に疑問を持つものでございます。 次に、昭和四十六年四月現在で、公共下水道事業を実施をいたしておりますのが全国で二百七十九市あると思います。さらに、市街化区域設定都市が七百九十三市あるというふうに見ておりますが、そういたしますと、約五百の都市が今後新たに下水道事業を行なうということになっていくと思います。そうしますと、これらの弱小都市におきましては、この法案の中でも指摘をいたしておりますように、ほとんど下水道事業の技術者というものが皆無の状況にあるのではないだろうか。そこで、今後このセンターができて技術者の養成をはかっていくということでございますが、五カ年計画等の進捗状況等から見まして、いまからその技術者を養成をしておってほんとうに間に合っていくのでしょうか。あるいはどの程度その技術者を養成しようとなさっておるのか。その辺の内容についてお聞かせを願いたいと思います。
○吉兼政府委員 今後の下水道事業の展開につきましては、いまお触れになりましたような、当面、例の市街化区域設定の都市がございます。これを十カ月間で公共投資をしていくというふうなことになっておりますが、そういう都市の数からいきまして、今後五百程度の新規に下水道を非常に整備をしなければならないという都市が予定される。そういう都市は、確かに下水道関係の組織なり技術者が非常に貧弱でございます。皆無にひとしいという都市が大部分かと思います。これにつきましては、私どもは全力をあげましてこの技術者不足対策に取り組まなければならないというふうな観点から、今回の下水道事業センターというような新しい組織を御提案を申し上げるのもその一つでございます。何もセンターだけですべてをカバーできるものとは思っておりません。技術者の不足数——前回お答え申し上げましたように、今後技術者の充足をはかっていってもなおかつ相当の不足数がございますので、これにつきましては研修を、センターのみならず、関係の機関において相当大幅に強化拡充をしていくということもやらなければいけませんし、それから基礎的には学校教育の面からこういった下水道関係の科目の充実といったことも手を打っていかなければならない、かように思っております。総力をあげましてこういった技術者不足対策に取り組んでいかなければならない、かように考えております。当面の五カ年計画につきましては、これはどちらかといいますとやはりまだ大都市地域——ことに環境対策、そういった点から大都市地域に対する投資のシェアが非常にウエートを持ってくるのであります。したがいまして、長期の見通しとしますならば、次の五年というふうな時期に相なりますと御指摘のような、かなり全国的な中小規模の市町村に一斉に下水道事業が展開されるというふうなこと等からいきまして、そういう時点で技術者対策というものが非常に強く要請され、技術者要員の確保ということが非常に要請されるという事態になろうかと思いますので、いまからそれに備えて、十分な、現在申し上げましたようないろいろな施策なり方策を講じてまいらなければならぬ、かように思っておる次第でございます。
○渡辺(武)委員 一面でこのセンターがいわゆる技術者のプール機関だといわれておるわけですが、発足当初は一体どのようにして技術者を確保されようとしておられるのか、あるいはまた何名ぐらいを予定をされておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
○吉兼政府委員 発足の昭和四十七年度におきましては、全体の職員は六十名程度で、そのうち技術者要員といたしまして五十名程度の要員を確保するということにいたしております。この技術者をどういう方面から集めるかというお尋ねにつきましては、現在全体として技術者が足らない中でも、比較的大都市地域におきましてはかなりまだ技術者が相当集まっております。その東京とか大阪とか名古屋とか、そういう大都市地域から中堅の技術者を割愛していただきます。むろん地方公共団体だけではございませんで、国のほうにおきましても必要な技術者を派遣するということも考えております。それから民間におきましてもそれに適したような技術者がおりますならば、この際センターに参加していただくというふうなことで、四十七年度の要員確保につきましては十分見通しは立てられるのじゃないかというふうに私どもは見ております。将来、四十八年度以降につきましては漸次これを拡充してまいらなければならないということになろうかと思いますが、それにつきましても大体の考え方は、いま申し上げましたような、そういう供給源を対象にいたしまして充員をはかっていくということにいたしております。
○渡辺(武)委員 そうしますと、いろいろのところから供給をされるであろう。その供給源から供給されました職員に対する身分保障的なものはどのようにお考えでしょうか。
○吉兼政府委員 まず、この身分保障につきましては、いい技術者を確保する上におきましてきわめて大事なことでございますので、十分立案の段階で関係方面と折衝いたしました結果、公共団体、それから国からセンターに出向いたします公務員につきましては、休職扱いということでセンターに派遣するという制度を予定いたしております。このことは、休職でございますので、センターで二年なり三年間勤務していただいて、やがてまたもとの公共団体に復帰するという場合におきまして、退職金なり年金といったようなものが前後通算されるということが担保されます。したがいまして、現行の公団等におきましてはその点の手当てについていろいろ問題があるわけでございますけれども、センターにつきましてはそういう扱いが大体制度化される見通しを持っておりますので、身分保障については十分な措置が行なわれるというふうに考えております。
○渡辺(武)委員 それでは次に進みます。 このセンターは、地方公共団体の委託を受けて計画の策定だとかあるいは事業の施行を行なうというふうにされておるわけですが、いまおっしゃっておりますように、技術者が非常に不足しておる、さらには地方公共団体の財政難の現状から、この種の事業がこのセンターの事業のうちで非常に大きなウエートを占めるんではないか、こういうふうに思われるわけですが、そういうような状況を勘案して、ほんとうにそれだけのものを消化していくだけの能力を有するかどうか。さらに、このセンターそのものが資金のいわゆる立てかえ建設ができる、こういうことになっておるわけですが、そうしますと将来、完成後は地方公共団体が返済をしていかなければならぬわけですけれども、その場合の長期借り入れ金の金利だとか、あるい年賦返済期限というようなものはどのようにお考えになっておるでしょうか。
○吉兼政府委員 先刻もお答え申し上げたかと存じますが、センターが公共団体から委託を受けまして事業をやるわけでございますが、大体の受託事業の規模は二カ年程度のものを予定いたしております。でありますから、当該年度の分につきましては、私ども並びに関係の機関におきまして、補助金なり起債なりという資金手当てをいたすわけでございますそれをセンターに委託金として出していただく。それから翌年度分につきましては、これはセンターが民間から資金を調達して、立てかえて施行するわけでございます。完成いたしましたならばこれを公共団体に引き継ぐ。その際の返済でございますが、これは翌年度になりますと当然継続事業ということで、その公共団体に対する補助金と起債等で手当てがなされるわけでございますので、十分その返済の担保がそこで確保されるというふうに思っております。センターの立てかえ資金の金利等につきましては、先刻申し上げたかと存じますが、一般の民間借り入れを予定いたしておりまするが、政府なり公共団体の債務保証という制度も考えておりますので、現在の資金情勢等からいきますと、一般の公共団体の縁故債程度の、七%前後の金利の資金が調達できるんじゃないかというふうに思っております。
○渡辺(武)委員 それでは次に移ります。 先ほど、本来この下水道事業というのは地方公共団体がやるべきもので、まあ国ベースでやる公団とか事業団というようなものではないので、それでセンターという名称を冠したというようなことを言っておられましたけれども、その考え方も私はちょっとおかしいと思うのです。なぜかといいますと、やはりいますでにもう建設にかかっております流域下水道、これが発展をしてまいりますと、いわゆる地方公共団体ベースをオーバーをした、つまり他府県にまたがるような、数府県にまたがるような事業というものが当然出てくるのではないかということが予想されるわけです。そういたしますと、当然またこれは地方公共団体がやるべきものだという事業量をオーバーして、国自身が当然やっていかなければならない事業と相なってまいるわけではないか、こういうことが考えられるわけですが、そういう場合にはこのセンターはどのような委託事業を行なわれるのか。あるいはセンターみずからがそれにかわって事業主体となってその流域下水道事業を行なわれるのか。その辺をひとつお聞かせ願いたい。
○藤尾政府委員 御指摘の、下水道事業というものがより広域化していく、こういう傾向にあることは間違いございません。したがいまして、今日地方公共団体の事業として発足をいたしておりますこの下水道事業といいまするものが、ただいまの河川事業に対してと同じように、数府県にまたがるというようなことになっていけば、当然これを直轄事業として国自体がやらなければならぬというような時代になることも十二分に私どもは考えられる、さように考えております。しかしながら今日のところではまだそこの段階までまいっておりませんので、とりあえず地方公共団体の事業として発足をいたしまして、そうしてその事業の代替をセンターがやらしてもらう、こういうかっこうでセンター法をまず発足をさして、そうして下水道の事業自体の普及をはかっていくということでございまして、将来のことにつきましてはさらにこれは発展的に考えていかなければならぬ問題ではないか、別個の観点がある、私はさように考えております。
○渡辺(武)委員 そうしますと、将来はこのセンターが、つまり公団なりあるいは事業団なりというような名称が冠せられた国家的ベースの事業も行なうようになるであろう、こういうことでしょうか。
○藤尾政府委員 そのようなことも当然将来は考えていかなければならぬ、かように考えております。
○渡辺(武)委員 それでは法案の二十五条についてちょっとお尋ねをしたいと思うのですが、二十五条には、このセンターの役員及び職員の罰則の適用については公務員たる性質を有するということになっておるわけです。つまり、罰則の適用についてのみ公務員たる性質を有しておる。その他の部分はどういう性質を有するのでしょうか。
○吉兼政府委員 罰則以外の扱いにつきましては、これは特に規定がございませんので、一般の民間の会社、法人等の職員と同じ扱いということになろうかと思います。その点に関しましては、政府機関でございます公団、公庫等と同じような扱いになるかと思います。
○渡辺(武)委員 その罰則についてのみ公務員としての性質を課さなければならないというのは、どのような理由でしょうか。
○吉兼政府委員 これはまあ、特別法によって国が認可する法人ということには淵源すると思いますが、他の公団等と同じに、やはり認可法人ではありますけれども、下水道事業というきわめて公共性の高い、こういう仕事を公共団体にかわってやる、そういう使命を持った法人でございます。したがいまして、職務の遂行というものについては非常に公共性を確保するというふうなことが強く要請されますので、罰則等の関係につきましては、公務員に特別に刑法で要請されておりますような、そういうふうな配慮をこの法人にもやる必要があるというふうな観点からそういうふうな制度になった次第でございます。
○渡辺(武)委員 それから、関連して第四十条についてお尋ねをしたいわけですが、第四十条は、「給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、建設大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。」こういうふうになっておるわけですが、そうしますと、まずこのセンターの職員の労使関係というものは一体どのようなもので律せられるわけでしょうか。
○吉兼政府委員 先刻申し上げましたようなことでございまして、お尋ねの労使関係につきましては、センターの職員につきましては民間の企業と同じように、やはり労働三法の適用を受けるというふうな扱いになろうかと思います。この点につきましては公団等と同様かと存じます。
○渡辺(武)委員 いわゆる民間ベースの労使関係が存立するんだ、こういうことのようでございますが、だとするならば、いわゆる憲法に保障された団結権、団体交渉権、こういうものが当然あって、それによってここに働く職員と管理者の間で折衝がされ、交渉がされ、そして給与あるいは退職金等がきめられてしかるべきではないかと思いますが、この法文に特別にこのような条文を載せたければならない理由があるのかどうか。労使関係はとにかくいわゆる民間べースの労使関係を存立さしていくんだ、こういうふうにいまおっしゃっておりながら、実は第四十条では「建設大臣の承認を受けなければならない。」こういうことになっているわけですが、その辺の矛盾はないでしょうか。
○吉兼政府委員 先刻申し上げましたように、このセンターは公共的な色彩のきわめて強い法人でございます。したがいまして、国とか公共団体が出資をしてつくる法人である。また別途、国、公共団体から補助金というものも出ることになっております。そういうことから非常に公的色彩の強い法人でございます。しかしながら、労働三法等の適用につきましては公団等を同じように、民間企業と同じような扱いを受けるというふうなことになるわけでございまして、その辺の調整をどうしていくかという点が、まあこういった法人の一つの問題かと思いますが、特に給与等の基準につきましては、そういった公的ないろいろな国の援助なりも出ている関係上、ある程度予算上の統制というものもあろうかと思います。他の政府関係機関との均衡というふうなものも配慮しなければならぬということも要請されます。そういう観点から、給与のペース等にも大体の基準があり、大臣の承認にかけるというふうなことにいたしておるわけでございます。
○渡辺(武)委員 国の予算を使おうと補助金が出ようと、このセンターの職員には何ら関係ないんですよ、労働を提供して賃金をもらうという面については。公共性があるからということでそういうふうに制約を加えるならば、いわゆる公務員のような別途の救済機関というものがなければ——公務員は、たとえば人事院の裁定によって賃金を是正していくとか、いろいろやっておりますね。これはその面ではいわゆる民間ベースの労使関係を存立させるんだ、交渉をさせるんだといっておしきながら、片一方のほうでは抑えつけていこう。国の予算なり補助金を出しておるんだから、そうむちゃくちゃにはやらせぬぞ、こういうことであるなら、その面で制約を加えるなら、当然そこに起こる紛争の救済機関——これは公共企業体等労働関係法は適用されないのでしょう、この職員には。民間ベースなんでしょう。だとしたらどうなるのですか、それは。当然それは、やはり民間べースで折衝を続けていく。そこの管理者と職員とが折衝をしてきめる。ところがその上に、法律によって「建設大臣の承認を受けなければならない。」こうなっておるから、もう完全にこれは当事者能力がないわけですよ。そうなると、健全に発展すべき労使関係というものは、みずから法律によって阻害をしていくということになると思うのですが、どうですか。
○吉兼政府委員 こういう性格の法人が適当かどうかという点についてはいろいろ御議論はあろうかと思いますが、センターに入る職員につきましては、やはりこういう性格の法人であるということを十分認識をしていただいた上で入っていただくということになろうかと思いますが、あと、この法人のそういう労働法関係の適用につきましては、先発のいろいろな公団等と全く同じでございます。確かに当事者能力につきましてもいろいろ議論は出ておりますが、やはりこういった法人の性格というふうなものを踏まえまして、使用者側はその範囲内において労使の交渉に当たるということをしてもらうわけでございまして、その関係の労使閥の紛争等の調整につきましては、現行制度では一般の中労委のほうのあっせんを持つということしか現在はないわけでございます。極力、こういう一つの制約のもとにおける政府の特殊法人としての中において、適切な健全な労使関係の運営をはかっていただくということを期待いたしたいと私どもは考えております。
○渡辺(武)委員 建設省所管の中にこういう類似の公団——住宅公団もそうですが、たくさんあるわけですよ。いわゆる準公務員的な職員がやはり普通の民間ベースの労使関係を存立をさせながら、しかも一方では制約を受けておる、こういう不健全な労使関係、相手方には当事者能力はない、こういうのがたくさんあるわけですから、この矛盾を一体どうするかということは、基本的な問題として建設省そのものが、この問題に限らず、全般の問題を含めて考えなければいけないときにきておると思うのです。 〔葉梨委員長代理退席、委員長着席〕 九段の下の日本住宅公団でもだいぶ紛争が多かった。われわれが通るときにはだいぶ赤旗が立っておった。いろいろ聞いてみますと、どうも幾ら言ってもらちがあかぬのだ、上は上で抑えられてしまう、当事者能力がない、ところがわれわれには労働基本権が与えられているから折衝するんだ、こういうことなんですよ。それらを何らかの方法で解決をする具体策を考えてやらないと、事が公共企業だけに重大ですよ。迷惑をこうむるのは国民ですからね。そういう紛争の種をみずから、もうわかるようなことをあえて法律で定めなければならぬということが私には理解できないのです。従来の例からいってもそういうことが当然起こり得るという予測がつくわけですから、この辺の関係についてもっと正常化につとめる。法律の上でどう改正をしていくかということが考えられてしかるべきではないのか。ほかの公団等にもそういう条文があるのだとか、従来そういうふうにやっておったのだとか、そういうことだけではいけないわけですよ。従来やられてきたその状態の中では、きわめて労使双方に不満が存在をしておるわけですよ。この間、住宅公団の総裁に聞きましたら、総裁も困っていますよ、実際には。今度はセンターの理事長も困ると思うんですよ。実際に交渉が始まった、ところが自分には当事者能力がない、ところが組合からはどんどん突き上げられる。一体どうすればいいのでしょうか。まあ非常にむずかしい問題ですから、これは建設省の宿題として、私は、これら関係諸団体も含めたこのような労使関係を今後どうしていくかということについては、ひとつ早急に考えていただきたいというふうに要望をいたしておきたいと思います。 次に移りたいと思うのですが、終末処理場の二次公害についてでございます。実はいま流域下水道計画が各地で進行をしておるわけでございますが、特に地域的な問題で恐縮でございますが、愛知県の矢作川、境川流域下水道、これの終末処理場が刈谷市に建設をされんといたしております。ところがこの建設予定地の住民の皆さん方が、処理場そのものは実は公害の源になるということで一大反対運動が巻き起こっておるようでございます。そこで建設省はどのような技術的な見通しを持っておられるのか、あるいは対応策を考えておられるのか、お開きをしたいと思うわけでありますけれども、大阪市立衛生研究所の本多衛生主幹という方がおられるわけですが、この方も実は、処理場は公害源だ、こういうことを発表をしておられます。どういうことかといいますと、終末処理場ではやはり汚泥が堆積をする。その汚泥をある薬剤を入れて凝結させる、その汚泥を凝結させたものを焼却をする場合に、その焼却炉から出る、排出をされる物質にきわめて有害な物質があるんだ、それが一つ。さらにはこれは非常に悪臭を伴うということで非常に反対運動が実は多いわけです。この辺について建設省としてはどのような見通しを持っておられるのか。現在の技術でそれはもう十分消化できるような状態にあるのかどうか。ないとするならば、今後それに対してどの、うな対応策をとっていこうとされておるのか、お尋ねをしたいと思います。
○藤尾政府委員 技術的な点は後ほど技術的に係から御説明を申し上げますけれども、私どもといたしましては、何といいましても処理場自体といいまするものがきれいなものを処理するわけじゃございませんから、当然きたないものをきれいにするわけですから、そこにきたないものが残ってくることはあたりまえのことでございまして、そのきたないものを処理する過程において何らかのことが起こり得る、そういうことは十二分に考えられることで、したがいましてこれは技術の進歩によりまして、その公害の性質にもよりますけれども、とりあえず私どもといたしましては、できるだけそういったものがいろいろな意味で人にいやがられるようなものでなくするための努力をしていかなければならないのではないか、かように考えまして、そういった処理場をかなりの地域をとりまして、そのまわりをたとえば緑地化するとか公園化するとかいうような措置を講ずるとか、あるいはいまいろいろな学問的な技術的な開発をひとつ急がせまして、そういったものの処理に、より近代的な、より学問に沿った新しい手法を止り入れていくとかいうことを絶えず取り入れていかなければならない、研究していかなければならぬ、そういうことだと思います。しかしながら、これは技術の問題でございますから、現時点でこれは一〇〇%よろしいというものではないと私は思います。したがいまして、将来にいくに従いましてより形のいいもの、そういったものが開発されてまいるとは思いますけれども、それを待っていたんではこれは処理場になりませんから、とりあえずその副次的な二次的な公害というものの性質を見分けまして、それを対応的に取り除いていくというようなことを段階的にとっていく以外には方法がないのではないか、かように考えております。 技術的な話は私にはわかりませんから概括的な話だけを申し上げまして、あと、その公害というものの中にどういうものがあるか、出てくるどういうものに対してどういう処理をするかということにつきましては、技術者から解明をいたさせます。
○吉兼政府委員 確かに御指摘のような二次公害的な問題が処理場にはあるわけでございます。その一つ、処理場の汚泥の始末をどうするかという問題、またその汚泥の中に含まれるところの有毒物質をいかに二次公害を起こさないように始末をしていくかという点が一つであろうかと思います。これにつきましては、先般の下水道法の一部改正のときに、こういう処理基準を政令で定めなさいというふうな規定に御修正をいただいてきまったわけでございます。この政令の制定につきましては現在関係方面と調整中でございます。具体的には埋め立てとかあるいは海洋投棄というふうなことにならざるを得ないのではないかと思いますが、御案内の海洋汚染防止法との関係がございまして、それとの調整をどうするか、その際の処理の基準をどうするかということについて、いま政令案の作成について調整をはかっておる段階でございます。 それからもう一つはにおいの点でございます。防臭につきましてはいろいろ今後技術開発をされなければならぬという問題があろうかと思います。オゾンを発生させましてにおいを消すとか、いろいろな方法があるようでございます。私も技術者でございませんので専門的なことはわかりかねますけれども、そういった点をやはり詰めていきませんと、処理場の建設というものに今後重大な支障を来たすというふうなことになりますので、このを十分考慮いたしまして取り組んでまいりたいと思います。
○渡辺(武)委員 きわめて抽象的なおことばでございますのでよくわからぬのですが、将来の問題ではなくて現実の問題としてもうすでに反対運動が起こっているわけですよ。流域下水道のように、数個の地方公共団体が一つの終末処理場に集まってくる、こういう問題があるわけですから、いままでのような都市下水なんかと違って、自分のところで出たごみは自分のところで始末しろという観念を超越してくるわけです。よそのところの汚物を何でおれのところで処理しなければならぬかという感情が住民の中に芽ばえてまいります。したがってこれは早急にやらないと問題があるわけです。たとえば環境基準で規制基準をきめるとかいろいろ言いますけれども、規制基準をきめればそれでいいものではありません。規制基準をきめたって、現実に処理技術が開発されていないとこれはどうにもならぬわけですからね。どんどん出てくるわけですよ。そうするとごまかし的に、水質でいえば水をよけいふやして基準値に合致するようにしてしまう、こういうことがされてしまうわけですからね。そういう面では、やはり本来的に発生源となるものについては早急に国の立場でそれを開発していくという努力、研究なりをやっていかなければいかぬ。今度いろいろ問題にされておりますたとえば無過失損害賠償法、こういうようなものが生まれてまいりますと、地方公共団体が出すこの排煙、あるいは将来国がやるかもわかりませんそういうものも、一つの公害の発生源として当然残るわけですからね。そういう場合には一体責任はどうなってくるのか、きわめて重大な問題だと思う。現実にこれから国民の生活環境を高めるために、守るために、早急に下水道整備をしていかなければいかぬ、こういう実情にあるわけです。ところがそれをより広域化すればするほど、その終末処理場にたまる汚物、汚泥というものは量を非常に増してくるわけです。それらを焼却をする、あるいはいろいろな方法がいわれておりましても、いずれにしてもそこらは現実の問題として公害源になっておるという問題があるわけですから、今後の早急に建設をしていかなければならない下水道事業そのものにも大きな影響が生まれてくるのではないか、こういうふうに私は心配をするわけです。したがって、一日も早くそういう面は、より明確にしていかないと、終末処理場を建設する地域の住民を納得させることもできない、こういう問題があると思います。したがってそれは早急に何らかの対策を樹立をしていただくように特にお願いをしておきたいと思います。 それに関連をいたしまして、実は私、先ほど言いましたように、愛知県の矢作川、境川流域下水道の終末処理場の建設には住民の方々がたいへんに反対をしておられて、私のところにも陳情に来られました。そういうことがございますので、矢作川、境川流域下水道の計画等について、詳細にわたる資料を提出をしていただくようにひとつお願いをしておきたいと思います。 時間が参ったようでございますので終わりたいと思いますが、先ほど新井委員が指摘をいたしておりましたように、このような公共的なセンター、こういう機関はややもすると役人の天下り的だ場になってしまう、あるいはサービス精神不在の機関となりがちでございます、従来の例からいきまして。特にいまの情勢から考えて、きわめて重大な使命を持った機関だというように私は考えておりますので、初心とサービス精神を忘れないで、ほんとうに下水道の推進機関になるように強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○亀山委員長 暫時休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後零時四十七分開議
○亀山委員長 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑を続行いたします。浦井洋君。
○浦井委員 それでは、下水道事業センター法案について質問をしたいと思います。 まず、藤尾政務次官に最初に確認をしておきいのですが、今度のこの法案は、ここに「目的」が書かれておるわけなんですが、特に下水道の技術者が不足しておる。その中でも十年以上あるいは相当経験を経たベテランの技術者が少ないというのが、下水道事業を促進していく上で一つの大きな隘路になっておる。しかも現在、数少ないそういう技術者も、いままで下水道事業がある程度やられてきておるところの指定都市そのほかの大都市に偏在しておるということでこの目的が一つ唱えられておるわけなんです。それと同時に、このセンターの「設立」の項を見て見ましても、本来下水道事業というのは自治体がやっていく事業であるというふうにきめられて、その中で、今度の下水道事業センターの設立には自治体の代表も発起人に加わる。それから役員の中の評議員の構成についても、このセンターに出資をした地方公共団体の長及び下水道または下水道事業について学識経験を有する人たちから選ばれるということがはっきりと書かれておるわけなんですが、この点は非常に私、趣旨としてはよいことだと思うし、よいというだけでなしに、非常に重要な問題だろうというふうに思うわけです。「業務」につきまして、ここに「下水道の整備に関する計画の策定及び事業の施行並びに下水道の維持管理に関する技術的援助を行なう」ということで書かれておるわけなんですが、これもやはり地方自治体の委任に基づいて行なわれる。それから下水道の根幹的な施設を建設する業務をやるということになっておるわけですが、これもやはり自治体の季託に基づいて行なわれる。先ほど私申し上げたように、下水道事業というのはあくまでも自治体が主体になって推進していくという点で、このセンターは業務の点で自治体の委託に基づいてやるということがはっきりうたわれておるというふうに私は見ておるわけなんですが、これは非常に重要な問題なので、政務次官からひとつ御確認のお答えをいただきたいのです。
○藤尾政府委員 浦井先生御指摘のとおりでございます。私どもは地方公共団体の委託に基づいてこのセンターを運用してまいるという趣旨をどこまでも貫いてまいりたい、かように考えております。
○浦井委員 確認をしていただいたわけなんですが、それで、先ほどからの質問にもいろいろ出ておりますように、この下水道事業センターというのは、今後組織的にも、したがってそこに要する資金量の上でも非常に大きなものになるというふうに当然予想されるわけなんです。たとえば一つのめどとして、五十年度ぐらいにはこの下水道事業センターというのは大体どのぐらいの規模になるものだろうかというふうに思うのですが、ちょっとその点を担当の下水道部長の辺からお答え願いたいのです。
○久保説明員 お答えいたします。 昭和五十年度の下水道下業センターの予測される規模ということでございますが、一応現時点で孝えられます規模は、五カ年計画の範囲内で事業センターの活動が始まるということと、それから今後予想される技術援助あるいは受託工事の予測が、発足した上で公共団体の要請を正確に調査しなければ出ませんけれども、一応いま私ども予測しておる範囲は、根幹的施設の建設の受託がほぼ五、六百億程度ぐらいではなかろうかというふうに予測をいたしております。
○浦井委員 五、六百億程度、資金量としてそうだということになりますと、たとえば、発足は人員の上で六十人ということだそうですけれども、それに見合うような形になりますと大体何人ぐらいになるのですか。
○久保説明員 ただいま申し上げました規模に対応する人員といたしまして、約二百人から四百人程度ではなかろうかというふうに予測をいたしております。
○浦井委員 そこで政務次官にもう一度確認しておきたいのです。人員の上で五倍、六倍ということが予測される、非常に重要な事業になってくるわけなんですが、このような大きな規模になった時点でも、先ほど私申し上げたような、このセンターの運営についても地方自治体の意向を十分に尊重してこのセンターの運営がやられる。もちろん業務の上でも、あくまでも自治体からの委託に基づいてこの事業が進められるという、原則を今後ともはっきりと貫かれるべきだろうと思うのですが、その辺の政務次官の確認なり御決意なりをもう一ぺん聞きたいのです。
○藤尾政府委員 当然のことだと思います。
○浦井委員 それで、具体的な問題に移りたいのですが、久保さんにひとつお尋ねいたします。 このいただいた「下水道事業の現状と課題」の二二ページに書かれておりますように、四十五年度の数字で、現在日本の国に下水道の技術者が八千七百人おる、これが五十年度には二万四千人、いまの予測でいけば必要だ。七百人ずつ毎年増加していくだろうということになっても、差し引き勘定、一万一千八百人ですか、こういう不足が当然予測されるわけなんですが、これを充足さしていがたければならぬ点での具体的な対策をひとつ簡単にお答え願いたい。
○久保説明員 お答えいたします。 浦井先生ご指摘のように、現状の下水道技術者に対応いたしまして昭和五十年時点の事業量を予測いたしますと、現状よりも約三倍ほどの人が必要になります。しかしこれは、マクロ的に見ればそういう計算になるわけでございますが、実際の仕事の分析をいたしますと、仕事の仕組みを合理化することによりまして、現状の仕事量をこなす上で、人一人当たりの仕事量をそう無理することなく向上させることができる分野もございます。さらにはまた仕事の一部を民間に委託するという方法もございます。それからもう一つは、技術者の態様のうち、約七六%ぐらいになりますが、これは土木系統の技術者でございます。残りの二四%が、たとえば電気とか機械とか、あるいは化学あるいは生物学という特殊な技術を必要とする分野になります。したがいまして、七六%に相当する土木系統の人につきましては、かなりな範囲、他部門の土木分野の方々の協力を仰ぐことができるわけでございます。たとえば農業土木系統であるとかあるいは河川系統、そういうような系統の方は比較的下水道の建設技術分野にはなじみやすい分野でございます。したがいまして、研修計画を組む場合でも、それらの技術の態様に応じた研修計画を組むことによりまして、短期の研修で比較的早く下水道技術者として建設業務に携われる、こういう分野もございます。したがいまして、従来から実施しておりました建設大学校の研修とかあるいはまた下水道協会の研修とか、さらにはまた若干時間をかけて実務的な研修をしなければならない特殊な技術者に対しましては下水道事業センターで研修を行なうとか、それらを繰り返し行なうことによってほぼ目的を達し得るのではないか。全体のマクロ計算でいきますとなかなかたいへんのように見えますけれども、そのようなくふうをこらすことによってかなり全体の目的を達し得るのではないか、そのように考えているところでございます。
○浦井委員 仕組みを合理化することによって、それから他の河川とか道路から転換をさせる、簡単な講習などによって、というようなことなんですが、この下水道の専門技術者を養成するために、建設省は文部省に、大半の工学部関係でもっと養成してもらうような形の申し入れをやったというふうに聞いているわけなんです。これも一つの大事な方法だろうと思うのですが、この申し入れの結果というのは何か実効があがっておりますか。
○久保説明員 長期的な技術者養成対策といたしまして、先生御指摘のように建設省の官房長から文部省の官房長に申し入れをいたしました。それ以外に全国の大学、高専あるいは私立大学の協会等、広範にわたりまして依頼をしたわけでございますが、四十七年度の予算におきまして、宮崎大学の工学部の中に衛生工学講座というのが生まれまして、それに必要な学生の定数もふえたということが国立大学については一つのいわれるところでございます。それからなお日本大学では衛生工学科というのをつくりまして、下水道の学科目を特に強化することがきまったというふうに聞いておるわけでございます。
○浦井委員 藤尾さんにひとつ、いまお話を聞かれたと思うのですが、いろいろ下水道部のほうではこの下水道事業を促進するために人の上で苦労をされておるということはおわかりになっただろうと思うのですが、やはりもっと技術者の養成に現実性を持たしたような計画を立てる必要があるのではないか。そういうことになってまいりますと、本来、事業はもちろん自治体がやるわけなんですが、その事業を進めていく技術者の養成というのは、センターもその部分に入るかもしれませんけれども、国が主要な責任を持つというような形にならなければならぬだろうと思う。そういう点で、もっと建設省は努力をして、下水道センターをはじめとしたそういういろいろな養成機関を国が責任を持ってつくっていく。したがって、そこにもっと金を注ぎ込むというようなことを、それこそ発想の転換ではないですけれども、相当思い切ったことをやらなければ追っつかないのではないかというふうに私は思うのですが、その辺で政務次官のこれも御決意なり御意見なりを聞きたいと思うのですが。
○藤尾政府委員 先ほど下水道部長からお答えを申し上げましたように、足りない技術者、現在おる技術者もそうでございますけれども、技術者の中にもいろいろ千差万別でございまして、一番大切な、人口とその容量の計算をするとか、あるいは汚水の処理をする場合の生物学的な分析をして所要の機械を決定をするとかというような、高度の技術者が一番足りないわけでございます。それが基礎計画の立案の際に最も必要なわけであります。したがいまして、こういった高度の技術者といいますものを専門的に養成するということは、ただいま私どもが努力をしたから来年になったらできるというものではございませんで、相当の年次をかけてやっていかぬことには、私はそれは充足されないものだと思う。しかしながらそんなことを言っておりましても、当面する下水道設置の御要望、特段と水質の処理あるいは環境の浄化というものに対する御要望のほうが強いわけでありますから、とりあえずとにかく早く発足させて、そうして追っついていかなければならない、こういう現実の要請にかられまして、とりあえずは従来の河川技術者でありますとか農業土木の技術者でありますとかいうものをもって代替し得るところは、それをもって代替をしていくということであろうかと思います。したがいまして、たとえば導管を布設していくというような仕事は別に下水道の技術者でなければできないというものではない、私はかように思うのでございまして、技術者の中にもいろいろな種類がございますから、その中で最も高度の、下水道をほんとうに生かすか殺すかというような肝心かなめの核的なところを握る、それをほんとうにきめていく、そういう技術者を将来とも養成をいたしたい、かように考えておるわけであります。 対策といたしましては当然恒久的な基本的な、たとえば大学にそういった専門的な学問、技術といいますものを研究する単科をどんどん設置をしていただいて、しかもこれは日本だけじゃございません、世界的な問題でございますから、OECDならOECDとか、あるいはもっと広く国連なら国連とか、WHOならWHOというようなところにおきましても、世界的な規模で技術を開発をしていく、そういったところにも人間をどんどん出していくといったような、世界的な技術者を養成していく。そういう恒久的な対策と同時に、とりあえずず短期的に、ただいま申し上げましたような建設大学校でございますとかあるいは建設省でございますとかいうようなところにおきまして、あるいはこのセンターもそうでございますけれども、これが生まれましたならばそういったところで所要の技術を補足をさせまして、そうして下水道技術者として立ってもらうというような臨時応急的な手段、これを併用してまいらなければならぬのじゃないか、かように考えておるわけであります。私どもといたしましては、基本的に、世界に誇るような下水道技術者といいますものを生み出して、それが全世界的にそれぞれの分野で貢献ができるというようなものを養成するというのが理想だと思いますけれども、それを目ざしてこれから発足するわけでございますから、なかなか一挙にそこまではまいりません。やむを得ませんから、暫定的な応急措置というものにとりあえず重点を置いてやっていかなければならぬのではないか、かように考えておるわけであります。
○浦井委員 非常に長くお答えをいただいたわけなんですが、もちろんいろいろな制約はあるだろうと思うのですが、やはり建設省の責任者として思い切った対策を、特に技術者の養成についてとるべきだということを私申し上げておるわけなんです。ひとつその点を十分に考えてやっていただきたいと思います。
○藤尾政府委員 当然のことでございますから、全力をあげて取り組みます。
○浦井委員 それで、今度は職員の身分保障の問題に移りたいのですが、これは都市局長のほうですが、センターはさしあたって六十人の専門職員を含む構成になるわけだそうですけれども、やはり地方から専門職員に来てもらう、集めなければならぬということになりますと、先ほどから言われておるように、指定都市などから事業センターに集まってくるということに当然なると思う。その場合の身分保障の問題についてなんですけれども、まず最初に賃金格差の問題ですね。なるほど国家公務員に準ずるというような形になりそうなんですが、地方公務員との差がございます。それから地方公務員の中でも特にそういう指定都市は比較的べースが高いということになってまいりますと、相当いろんな点で待遇上問題が出てくるのではないかというふうに思うわけなんですが、この辺のことについてはきちんとした方策なり見通しを持っておられるのかどらか、ひとつ聞きたいのです。
○吉兼政府委員 身分保障の点につきましては、先刻来お答えを申し上げましたように、センターに地方公共団体から参ります職員は休職出向という形式を考えたいと思っております。といいますことは、親元の地方団体の公務員としての身分を保持して、センターに出向中は休職扱いをする。二年なり三年間センターに勤務してまた親元の団体に帰るという場合は、休職扱いでございますから、退職金なり年金の身分通算がそれによって担保されるという効果がございます。それで身分関係は十分確保されるんじゃないか、かように思っている次第でございます。 それから給与水準の点につきましては、まさに御指摘のとおり、公共団体、指定都市を中心に考えますと、一般的にいって給与水準が高うございます。こまかくいえば指定都心の中でもアンバランスがございます。また国家公務員とのアンバランスという点もございますので、その辺のことを十分勘案いたしまして、どうせセンター自身の給与水準といいますか給与べースといいますか、俸給表とかそろいうものがつくられることになりますから、そのベース並びにそれに対する個々の職員の当てはめにあたりましては、親元の団体におきまして格づけされておりましたところの給与とかそういう点を十分勘案いたしまして、決して不均衡にならないように、十分そういう待遇が確保されるような人事、給与上の扱いをしてまいらなければならぬと思っておりますし、そういうことでそういう情勢に十分対処してまいりたいと思います。
○浦井委員 不均衡にならないというだけでは不十分で、やはり具体的にダウンにならないということをひとつ絶対に心がけなければならぬというふうに思うわけなんです。東京を中心として、それから地方にまた出張するといような形に業務形態としてはなるだろうと思うのですけれども、やはりいままでの勤務地などに比べて何かと出費が多いわけですから、この点は絶対にダウンにならないように心がけていただきたい。 それから、これも当然考えられておると思うのですけれども、職員の出入りが多いだろうと思うのです。また指定都市に帰ったりあるいは他のところから来るというような形で、そういう点で不利益な結果に終わらないような十分な保障を、身分的な保障、それから物質的な保障を考えてやっていくべきだということを要望しておきたいと思うのです。 それから次の問題として、少し技術的な問題で、下水道部長にお聞きしたいのです。現在一次処理、二次処理まで一般的にやられておる。しかしいろいろな点でもっと高度な処理、三次処理といいますか、こういうことがいまの社会情勢から強く要請されておるというふうに思うわけなんですが、特に私ここで取り上げたいのは、下水道部が出された「下水道事業の現状と課題」にありますように、七六ページですか、湖沼の問題ですね。これは琵琶湖や印旛沼のような湖沼が、汚染が非常に急速に進行して、しかも除去されにくいということをここではっきりと書いておられるわけなんです。これを根本的にやるために、投資を急激に、しかも根本的にやらなければならぬというふうに図表入りで書かれておるように理解をするわけなんです。 私、実は琵琶湖にも最近行ってきたんですが、これは日本最大の湖で、湖沼問題ということになると琵琶湖が一番典型の例になるだろうと思うのです。ここでは皆さん方御承知のように、すでにCODで北湖でも一PPM汚染されておる、南湖はもっとよごれておる、こういうことなんですね。簡単に考えますと、琵琶湖というのは二百七十五億トンですか貯水容量があって、年間五十億トンいろいろな百数十河川から入ってきて、そして瀬田川から五十億トン出ていくということで、算術計算をしますと五年に一度全部の水が入れかわるというようなことになる。そういう計算は成り立つのですけれども、しかし実際に滋賀大学の学者などに聞きますと、決してそういうような機械的にいかずに、よごれた水が入ってくる、そこできれいな水と混合されて、その混合されたものの中の五十億トンが出ていくということで、精密な計算をすると、一たんよごれてしまうと十数年かからなければもとのような美しいきれいな状態にはならないというような話を私聞いたわけなんです。そこで、こういうような、たとえば琵琶湖の問題について、汚染の状況あるいはそれに対する対策の科学的な調査を、建設省では下水道部を中心としてやっておられるだろうと思うのですが、その辺の実情をちょっとお聞かせ願いたい。
○久保説明員 お答えいたします。 琵琶湖の設例でお話をいただいたわけでありますが、この種の現象は湖あるいは沼、そういうところは大体同じでございまして、たとえば諏訪湖であるとか霞ケ浦、琵琶湖、大体同じような現象であろうかと思います。そういう湖は、先生申されましたように、一度よごれ、水質汚濁が進行いたしますと、水の入れかえが比較的河川のようにしょっちゅう流れて入れかえるというわけにまいりませんので、それを回復するのに非常に時間がかかるということでございます。特に琵琶湖あるいは霞ケ浦というように水利用が非常に高度化されて、琵琶湖からの水を京都の水道であるとか、あるいは下流の淀川を通じて上水道にしているということもございますし、急いで、どういうふうにすれば最も適切なる対策になるかということにつきまして、建設省でもここ数年来いろいろな調査を実施いたしました。その一つは昭和四十四年に実施をしたわけでございますが、建設省の近畿地方建設局の琵琶湖工事事務所を中心といたしまして、現状のまま何の対策も立てずにそのままにしておいたならば琵琶湖の水質はどうなるであろうか、こういう一つの水質の予測調査でございます。これにつきましては、土木学会衛生工学委員会でこの調査を担当いたしましたので、その調査報告書が出ております。 それから、そういう将来を予測をいたしますと、このまま放置をしておくとたいへんなことになるというようなことがほぼ明らかになってまいりましたので、四十五年度に国土総合開発調査費をもちまして、琵琶湖周辺の下水道の基本計画の調査を実施をいたしました。これはただいまも申し述べました琵琶湖の将来水質予測のいろいろな条件を受けまして、下水道対策を具体的にするにはどういうようなやり方が一番いいか、こういう調査でございますが、これにつきましては下水道協会に委託をいたしまして、その中にいろいろな専門家のチームをつくりまして調査をしたわけでございます。結論といたしましては、琵琶湖を四つのブロックに分けまして、流域下水道の方式で実施をすることが適当である。しかもその中で一番急ぐのは南湖対策である。北湖のほうの現状よりも南湖のほうが非常に急ぐということで、南湖につきましては四十六年度から流域下水道の事業に着手をしております。 それからなお、その流域下水道の処理法でございますが、これは南湖のものにつきましては、高度に処理した上、琵琶湖にその処理水を入れないで、むしろ瀬田川のほうに流すということが適切であろう。もちろん瀬田川でも下流の水利用を考えるので、非常に高度な処理をする計画でございます。それから、それ以外の地域の流域下水道につきましては、先生が一番冒頭に申し述べられました三次処理を実施いたしまして、琵琶湖の水質汚染の原因であるところの、たとえば窒素であるとかあるいは燐分であるとか、そういうものをも除去するような処理をした上で、琵琶湖に放流をする、こういう計画ができ上がったわけでございます。 それからなお問題点は、湖の汚染につきましては、いわゆる富栄養化現象、栄養分が入りますと、その栄養分がある一定濃度になりますと、その栄養分に最も適合した動物性のプランクトンが異常の発生をいたしますが、その異常発生の原因は窒素の蓄積でありあるいは燐の蓄積であろうというようなことが予測されますので、四十五、六年度では、これも近畿地方建設局のほうが中心になりまして、主として燐分あるいは窒素分に対する富栄養化の調査を現在実施をいたしております。四十五年度の調査結果は出ておりまして、まだ印刷はできておりませんが、近日それが印刷、出版される予定でございますし、四十六年度のものは内容的にはほぼまとまった調査が出ております。 そういうような状況でございますので、建設省といたしましては三次処理の実用化ということが非常に急がれる、こういう状況になってまいりましたので、第三次下水道整備五カ年計画の中で三次処理の調査研究を進めることにいたしておりましたが、それを若干スピードアップをする、こういう趣旨から、四十六年度には横須賀市の下水処理場の中に燐酸塩の除去を目的とするパイロットプラントをつくっております。これはもうでき上がりましたので、四十七年度にはそのプラントを動かしまして、三次処理の基礎実験を始めることにいたしました。それ以外の対策といたしましては、三次処理の必要性が湖の地域のみならず全国の河川で必要になってくる地域がかなりございますので、建設省の土木研究所と、それから指定都市の技術専門職員による三次処理技術開発のプロジェクトチームをすでに編成いたしまして、それらのチームによって三次処理に関するいろいろなる実験あるいは調査を行なうとともに、各都市の研究を総合化いたしまして、効率的な実用化をはかってまいりたいということで実施をしております。 それからもう一つ、これは一次処理の研究は諸外国でも実施をしておりますけれども、アメリカでこの十数年来かなりな成果をあげておりますので、日米の下水処理技術委会というのを、昨年度第一回の委員会を東京でやりまして、アメリカの連邦政府の三次処理研究所長さんに団長になってもらいまして、わが国に来て三次処理に関するいろいろな技術的な意見の交換をしておりますけれども、そのような場を通じまして、今後とも十分なる情報の交換をしていきたい。 いままで申し述べましたようなことを総合化いたしまして実際のプラントにそれを適用していくということになってくるわけでございますが、実際のプラントに適用していくには設計上いろいろ実用化の問題があります。したがいまして、ただいま御審議をしていただいております下水道事業センターの部門におきましても、特に実用化の点に重点を置いた二次処理のテーマを実施していただいたらどうか、かように考えておるところでございます。
○浦井委員 非常に懇切な御説明があったわけですが、繰り返すようになるわけなんですけれども、二次処理を済ましたあとでも確かに窒素、燐が残る。滋賀大学などで聞いたところ、あるいは建設省委託の土木学会やあるいは下水道協会の研究の結果を読んでみましても、年々琵琶湖には膨大な量の窒素と燐が蓄積をされていっておる。しかも、北湖は少し必要性が低いというようなお話であったけれども、学者の研究によりますと、そういう燐や窒素が南湖から北湖へ移っていくというような現象さえも認められるということなんですね。これは瀬田川を通って淀川に行くと相当薄められて基準以下になる、問題ないという点はいえるわけなんですが、しかしいま言われた富栄養化の問題ですね、これで非常に憂慮すべき状態がきておるという報告を受けたわけなんです。というのは、現在琵琶湖ではPやN、燐や窒素が多く残って、いろんな珪藻類あるいは緑藻数、藍藻類、こういうプランクトンが繁殖をしておる。諏訪湖ではすでに水がまっさおになって、これは青湖と称するわけですが、これが出ておる、こういうことなんです。この中の藍藻類の中には、現存はまだ認められないけれども、有毒成分を含んだものがある。これは私も調べてみたのですが、一九三〇年から一九三二年ごろのアメリカのオハイオ州のオハイオ川ですか、そのオハイオ川を水源としておる都市で胃腸障害が非常にたくさん出ておる。しかも、馬をはじめとした家畜が水を飲んで死んだらしいということで、藍藻類——ミクロキスティスという名前だそうですけれども、藍藻類の中の有毒成分を持ったものさえも琵琶湖で出る可能性がある。現在すでに他の藍藻類は出ておるのですから、有毒成分を持った藍藻類も、アメリカの例からいって琵琶湖で出現する可能性がある。非常に憂慮すべき問題だというふうに学者から意見を聞いたわけなんですが、この辺の対策は、はたしていま久保さんの言われたようなやり方、内容、速度で、こういうことが絶対に起こらないという保証はむずかしいでしょうけれども、どうですか。
○久保説明員 正確なお答えはなかなかできないと思うのですが、確かに琵琶湖南湖で藍藻類その他が発生していることは事実でございます。そのような藍藻類の中で有毒物質を含むもの、こういうお話がございましたが、そういうことは湖に入ってくる物質、成分の状況によってはあり得ることだと私も思います。現状ではそういうものはない、まだ見つけられないというのは非常に幸いなことだと思いますが、そういう現象を下水道対策だけでできるか、こういう御賛同に対しましては、これはなかなか困難だと思います。と申しますのは、琵琶湖の中に入ってくる汚濁源というのは市街地だけからではもちろんございません。下水道対策は主として市街地を対象にいたします。市街地外で、たとえばあの地域では養豚業が非常に盛んでございますから、そういうものから入ってくるものもあります。それから農地に肥料をまく、その肥料の大部分は土壌に抑留されますけれども、結局溶出する部分があります。そういうような総合的な汚染源というものを下水道だけで捕捉することはなかなかむずかしい状況かと思います。したがいまして、琵琶湖全体の総合的な汚濁対策というのは、下水道以外の対策をも加味しない限り、なかなか徹底的な対策はむずかしいのではなかろうか、かように思うところでございます。しかし、そのうちどれだけのウエートを下水道対策で占めるかということに対しましては、かなりな対策には十分なり得る、そういうふうに考えておるところでございます。
○浦井委員 これは下水道事業センターの審議から多少はずれますけれども、いま政府が出してきておられる琵琶湖総合開発の特別措置法案を見ますと、琵琶湖の汚染防止は流域下水道しか書いてないわけですよ。とすると、いまの久保さんのお答えでは、これはかなり防げても、だんだんと琵琶湖は汚染されるにまかせっきりになるということもいえるのではないかと思うのです。その辺はひとつ国としても十分なやり方を、しかも早くやってもらわなければならぬと思います。それと同時に、重金属の問題も出てくるでしょう。銅、鉛、それから例のカドミウム、水銀、これは下水道水質という観点からいけば低いかもわかりませんけれども、自然の循環で魚や鳥を経て、人間に入ってきて、イタイイタイ病であるとかあるいは水俣病というようなものを起こしているという例があるわけですから、これも十分にやっていただかなければならぬ。それから、最近出ておる問題では例のPCB、ポリクロロビフェニルですね。これはもう詳しく申しませんけれども、琵琶湖ですでに底質や魚から検出されておる。これなんかも下水道を担当されておる部局としては一体どのように考えておられるのか、ひとつ御意見を聞いておきたいと思うのです。
○藤尾政府委員 この問題は下水道だけの問題じゃございませんから、私から概括お答えを申し上げます。 これからさらに琵琶湖総合開発法案というものの中で御審議を願うことになると思いますけれども、その中で御指摘のような流域下水道を中心にした水質対策をとっていくわけでありますが、その対策は流域下水道に限るということではございませんで、その中にあり、あらゆる予測できるものに対する防止、そういったものが含まれていくのが当然である、かように考えております。これは都市局をはじめといたしまして、主として当たっておりますのは河川局でございますけれども、河川局、水資源公団あるいは滋賀県、大阪府、京都府、兵庫県といったようなところを中心にいたしまして、これからかかる開発計画についての計画の立案を進めるわけでございますから、その中にありとあらゆるものは当然組み入れていくべきである。これはただ単に琵琶湖の開発法案でございますから琵琶湖でやるということではございますけれども、諏訪湖にもあるいは霞ヶ浦にも、その他の湖沼にも当然とらるべき措置である、かように考えておるわけであります。私どもといたしましては、この琵琶湖の総合開発ということを中心にいたしまして、こういう未来に対する一つの技術的挑戦と申しますか、そういったこを試みてみよう、こういう気組みをもちましてこの問題に当たりたい。また、このような見地から大臣はこの開発方法について方策をお進めになっておられるということを、私どもは漏れ承っておるわけであります。
○浦井委員 下水道対策の中で、ありとあらゆる汚染防止の対策をとっていきたい、こういうことなんですか。
○藤尾政府委員 その他の対策にいたしましても、たとえば農業対策とかあるいは工場管理方針とか、いま考えられるところにあらゆる手を打っていく、こういうものを全部集めまして総合開発ということになるであろうと思います。
○浦井委員 ありとあらゆる汚染はできるだけの手段を尽くして防ぎたい、こういうふうに理解してよろしいですね。
○藤尾政府委員 さようでございます。
○浦井委員 そういうことで、三次処理の問題からそこまで議論が発展したわけなんですが、三次処理は緊急の問題なので、ぜひ建設省としても早く抜本的な方策を立て、しかも実用化していただきたい、このように私要求をしておきたいと思うわけなんです。 そこで、そういうことをやる場合に隘路があるだろうと思うのですが、隘路はやはりお金ですかね。それとも、実際にやっていく上の、先ほどから出ておる技術者の不足なのか。国と自治体あるいは民間との協力が非常にやりにくいという点が隘路なのか。その辺のところを簡単に聞いておきたいのです。
○久保説明員 三次処理技術を開発し実用化していく上の隘路ということでございますが、一つには、現在実用化を進めていく上で予想されておりますことは、かりに実用化するという方針がきまり、やりましても、それには非常に金がかかるだろう。たとえば現在の下水の二次処理場に三次処理の部分を付加していくわけでございますから、それにはほぼ倍くらいの建設費がかかります。それからなおそれを実施をしていくには、維持管理していくには、維持管理費が現在の二次処理のほぼ倍くらいかかるというようなことがいままでの調査でわかってきております。したがいまして、現在私どもがやろうとしておることは、いかにして安い建設費で三次処理ができるか。あるいは建設費が安くても維持管理費が高ければ、これはまた将来の維持費をどうやっていくかということが非常に問題になりますので、それをいかにして安い維持管理ができるかということに最大の努力を置いておるわけでございます。それを実施していく上には、やはり一つは研究費等のお金の問題がございますし、それからその次には、わが国としましては初めてのことでございますから、それの研究スタッフの充実という、二つのことが隘路であろうかと思います。
○浦井委員 いかに費用を安くかけて最大限の効果を発揮させるかというところに一番大きなエネルギーを注いでおるということで、非常に涙ぐましいような感じがしたわけなんですが、ひとつそういう点で政務次官にお願いしておきたいのですが、やはりこの三次処理、高度処理の問題は未開拓である。だからいろいろな研究をやり、それに伴って開発をやり、実用化していかなければならぬ。この点はセンターをつくってそこにまかせておけばそれでよいのだということでなしに、もっと国が全面的な責任を負うべきだというふうに思います。だからそういう点でいま下水道部長言われたように、金の面あるいは研究していく上でのスタッフの点で特別な配慮を行なうべきではないか。これは前と同じ論点なんですが、この辺についてひとつ政務次官の御意見をお伺いしたいと思います。
○藤尾政府委員 ごもっとも千万でございまして、こういったことは未開発の技術でございますから、今日のこの時点でいまの技術というものを対象にしましてこうこうというわけにはまいりません。したがいまして、これもまた日本の国力、技術力、学問力、科学力というものだけでもいかないわけでございますから、こういったことについては世界的な協力というものが必要であり、情報の交換が必要であり、そういった面につきましては、単に下水道センターでありますとか建設省でありますとかいう小さな規模でできるものではございませんから、国をあげてこれに対処してまいるのは当然であり、またそれに対する必要な経費を使うのはあたりまえのことでありますから、何をおいてもそういうものに金をつぎ込んでいかなければならぬ、さように考えております。
○浦井委員 最後に、例の受益者負担金の問題なんですが、時間がございませんのでこれに移りたいと思うのです。 公害国会のときに、建設委員会で非常に画期的な附帯決議と下水道法の改正につけて、これは自治体からも非常に歓迎をされたというふうに聞いておるわけです。ところが、その公害国会のあとで「下水道事業の現状と課題」というものが出ておるわけです。その中で受益者負担金制度のところを見てみますと、受益後負担金制度を国は積極的に行政指導しておるのだ、これからもしていくのだというような表現があるわけですが、公害国会のときの下水道法改正のときの附帯決議というものは、やはりいろいろないきさつはあったと思うのですけれども、受益者負担金制度というものをなるべく軽減していく、極端にいえばやめていくような方向であの附帯決議の精神は貫かれておったというふうに私記憶しておるのですが、これは建設省内部にまだ徹底しておらない結果なのかどうか。その辺、これは簡単でけっこうですが、聞いておきたいのです。
○吉兼政府委員 確かに附帯決議の御趣旨はいま御説明ありましたようなことだと私どもは十分承知いたしております。しかしながら、現在の下水道事業を進める上におきまして受益者負担金制度につきましては、前にも申し上げましたように、これは公共団体が自主的に、そういうものを採択するかどうかをきめるというたてまえになっております。もっとも、私どもは過去において、下水道事業の現状にかんがみまして、この負担金制度の採用等について行政的に指導してまいっておることも事実でございます。そこで、この下水道事業を今後飛躍的に大いに拡充しなければならないという上から申しまして、何と申しましても相当ばく大な資金が要る。これについていわゆる公的負担と住民負担との関係をどういうふうに割り切っていくかしていう基本的な問題がございます。住民負担といいますのは、いま問題になっております受益者負担金もございましょうし、使用料の問題もございます。そういうことを含めまして、方向といたしましてはやはり公的な負担を拡充すべきである。なかんずく国の負担を現在よりも相当大幅に拡充していくべきではないかというふうな認識を持っておりますので、全体の下水道投資の費用負担の今後の基本的なあり方という関連において、少し時間をかけましてこの負担金制度のあり方というものを検討したい、現在のところはさように考えております。
○浦井委員 ひとつ附帯決議のあの精神を建設省の中でも受け継いでいっていただきたいということを要望しておきたいと思うのです。 それに関連して、自治体から出ている補助対象率の問題ですが、これは第二次五カ年計画で対象率五四%、第三次では五七%になっておる。一般の都市が七四%、指定都市が四二%に上がったということです。ところが指定都市からは相変わらず要望が来ておるわけです。これは御承知だと思うのですけれども、大都市においては、公共下水道建設の緊急性に鑑み、その財政窮乏にも拘わらず年々事業量を拡大し、住民の要請に応えるべく努力してきたが、これに対する国庫補助金は事業量の伸びに即応せず、このため実質補助率は年々低下し、また四十六年度を初年度とする第三次五カ年計画においても、四十六年度の実質補助率を見る限りでは一四・四%となっている。そこについておる資料を見てみましても、実質補助率が四十二年の一九・四%から四十五年一五・一%、こういうふうに下がってきておるわけです。これは大都市という統計だったかもわかりませんが、第三次五カ年計画で補助対象率が四二%になったとすると、これは十分の四ですから一六・八%にならなければいかぬわけです。それがなっておらないという点はどうですか、四十六年度の見込みなんかも含めまして。
○吉兼政府委員 七大都市の四十六年度の下水道事業の投資の見込み、それに対する補助対象率の問題につきまして、私どもの調査では、これはまだ決算でございません、見込みでございますが、七大都市を合計いたしまして補助対象率が四〇・一%ということになっております。五カ年計画全体の指定都市関係の補助対象率が四一・六%というふうな基準を設けておりますが、これは五カ年計画全体の補助対象率でございまして、各年度ごとの補助対象率は若干上下するということもあり得るわけでございまして、これは推定都市に限らず、一般都市も同じでございます。また指定都市の中でもかなりばらつきがございます。この四〇・一%を上回っておる都市もあれば、それを下回っている都市もございます。これは当該年度の事業内容でどういうところに重点を置いてやっているか、たとえば枝線のパイプを中心とした事業を重点にやっておるところにおきましては、そういうものは単独事業というような扱いになっております。したがって全体としての補助対象率は下がるわけであります。逆の場合に、処理場とかそういうものが重点にやられたところにつきましては補助対象率が上がるというふうなことになるわけであります。実情はそういうことでございます。
○浦井委員 もう終わりますけれども、四十六年度の見込みが四〇・一%とすると実質補助率が一六・〇四%ということになるわけで、当初の五カ年計画のうたい文句でございます四二%を下回っておるし、しかもそういう指定都市の自治体からの要望も私もっともだと思うわけなんです。だから、五カ年計画通しが四二%だということで逃げるのでなしに、常にこのパーセントを上回るような努力をしていって、それによって五カ年計画が次に三年間で改定していくというような形になってもこれはよいだろうと思う。道路なんかはそういうようになつているわけなのですから。だからぜひ自治体のこういうような要望も十分に建設省として理解をしながら、国がもっと金を出すような方向、あわせて住民の負担にならないような方向、受益者負担金制度をなくする、あるいは使用料をなるベく低くするというような方向に、ひとつ今後も努力をしていただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
○亀山委員長 次回は、来たる十二日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十三分散会