建設委員会 第2号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/03/08
会議録
○亀山委員長 これより会議を開きます。 参考人出頭要求に関する件についておはかりをいたします。 建設行政の基本施策に関する件調査のため、本日、帝都高速度交通営団から総裁荒木茂久二君及び理事西嶋国造君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀山委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。 ————◇—————
○亀山委員長 去る二月十九日、本委員会に付託されました内閣提出、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案、内閣提出、下水道事業センター法案、内閣提出、河川法の一部を改正する法律案及び内閣提出、特定多目的ダム法の一部を改正する法律案の四案を一括して議題といたします。
○亀山委員長 まず、提案理由の説明を順次聴取いたします。西村建設大臣。
○西村国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 住宅金融公庫は、昭和二十五年設立以来、国民大衆の住宅建設に必要な資金並びに土地の合理的利用及び災害の防止に寄与する建築物の建設に必要な資金を融通する等により、住生活の安定と社会福祉の増進に寄与してまいったのであります。 福祉社会を目ざすわが国におきましては、住宅対策は国民の福祉向上をはかる最も重要な施策の一つでありまして、居住環境の良好な住宅の計画的な建設及び都市環境を整備するため市街地の再開発を促進することは現下の急務であります。 この法律案は、以上のような観点から、公庫の業務範囲を拡大するとともに、既存の貸し付け制度等の改善を行なおうとするものであります。 次にその要旨を申し上げます。 第一は、都市の再開発を推進するため、都市再開発法による施設建築物等で相当の住宅部分を有するものに対し、建設資金にあわせて、土地または借地権の取得に要する費用を融資する道を開こうとするものであります。 なお、都市再開発事業に対する融資については、今後実施の経験を積み重ね、事業が促進されるよう弾力的に対処する必要がありますので、貸し付け金額の限度、貸し付け利率及び償還期間は、政令で定めることにいたしております。 第二は、公庫の融資を受けて建設された相当の住宅部分を有する施設建築物等または中高層耐火建築物を購入する者に対し、購入資金を貸し付けることにより、市街地の高度利用を一そう促進しようとするものであります。 第三は、現在個人住宅等に対する貸し付け対象床面積の限度を六十七平方メートルと法定いたしておりますが、最近における居住水準の向上に伴い、貸し付け対象となる床面積の限度を引き上げ、今後の住宅事情の動向に対応できるよう、これを六十七平方メートル以上で主務大臣が定める床面積に改めようとするものであります。 第四は、大都市地域において、計画的かつ良好な住宅の供給を促進するため、地方公共団体等以外の民間住宅分譲事業者に対して、政令で定める利率の分譲住宅の建設資金を貸し付けることとするものであります。 第五は、新住宅市街地開発事業等大規模な宅地造成事業につきましては、宅地造成に要する期間が長期化しておりますので、償還期間を七年以内に延長するものであります。 第六に、民間住宅分譲事業者及び民間宅地造成事業者による住宅または宅地の譲渡価額の基準は、主務省令で定めることといたしております。 これらの改正に伴い、産業労働者住宅資金融通法、北海道防寒住宅建設等促進法、地方税法及び都市再開発法について所要の改正を行なうこととしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。 次に、ただいま議題になりました下水道事業センター法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 今後飛躍的な増大をはからなければならない下水道事業を計画的かつ迅速に実施していくためには、総合的で効果的な下水道計画の策定、事業量に見合った十分な財源の確保とともに、その執行体制の整備確立が急務であります。 特に、地方公共団体における下水道技術者総数の不足とその大都市への偏在ははなはだしく、今後新たに下水道の整備に着手しなければならない多くの都市において、所要の技術者を確保することが困難であることから、緊急の施策として下水道技術者の効率的かつ流動的な活用をはかる制度の確立を早急にはかる必要があります。 このような下水道事業の執行体制の現状並びに地方公共団体の要望にかんがみ、国及び地方公共団体の出資による下水道事業センターを設立し、地方公共団体の要請に基づき下水道に関する技術的援助を行ない、下水道技術者を養成する等の業務を行なわせることにより、下水道の整備の促進に資させることといたしたのであります。 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。 第一に、下水道事業センターは、地方公共団体の要請に基づき、下水道に関する技術的援助を行ない、下水道の根幹的施設を建設するとともに、下水道技術者の養成並びに下水道に関する技術の開発及び実用化をはかり、もって下水道の整備の促進に寄与することをその目的といたしております。 第二に、下水道事業センターは、法人といたしまして、建設大臣の認可を受けて設立することといたしております。また、その資本金は、政府及び地方公共団体からの出資金の合計額といたしております。 第三に、本センターには役員として、理事長、理事及び監事を置くことといたしております。また、運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置くことといたしております。 第四に、本センターは、その目的を達成するため次の業務を行なうことといたしております。すなわち、その一は、地方公共団体の委託に基づき、下水道の整備に関する計画の策定及び事業の施行並びに下水道の維持管理に関する技術的援助を行なうことであります。その二は、地方公共団体の委託に基づき、終末処理場、ポンプ施設等下水道の根幹的施設の建設を行なうことであります。その三は、下水道技術者の養成及び訓練を行なうことであります。その四は、下水道に関する技術を開発し、これを実用化することを促進するために研究、調査及び試験を行なうことであります。 第五に、国及び地方公共団体は、本センターの業務の円滑な運営がはかられるように、必要な配慮を加えることといたしております。 第六に、本センターの財務及び会計につきましては、本センターが長期借り入れ金をすることができること、並びに政府及び地方公共団体が本センターの長期借り入れ金にかかる債務について保証することができること等を定めております。 第七に、本センターは、建設大臣が監督することといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。 次に、ただい崖議題となりました河川法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 政府におきましては、かねてより河川改修、多目的ダムの建設等河川の治水利水の両面にわたり努力を重ねてまいりましたが、近時、特に都市地域における水需要の増大と治水環境の悪化に対処するためには、三以上の河川を接続して、これらの河川の流況を調整し、洪水処理、内水排除、維持用水の確保をはかるとともに、あわせて水の効率的な利用をはかることが必要となってまいりました。この種のいわゆる流況調整河川工事につきましては、これにより新たに河川の流水を利用することが可能となる者に適正な費用の負担をさせることとして工事の促進をはかる必要があります。 また、いわゆる普通河川についてその管理の適正化をはかるための制度を整備すること、その他河川法施行後の実態に基づく所要の改正を行なう必要があります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次にこの法律案の要旨について申し上げます。 まず第一は、特別水利使用者負担金制度についてであります。 ただいま申し上げましたとおり、治水利水の両面から広域的に水管理を行なうため、河川管理者が、二以上の河川を連絡するいわゆる流況調整河川工事を行なう場合、新たに専用の施設を新設し、または拡張して流水を占用することとなる水利使用者に対して、当該流況調整河川工事等に要する費用の一部を負担させることができることといたしました。 この場合、工事及び管理につきましては、関係する河川の流水の正常な機能の維持に支障のない範囲内で行なうこととし、さらに、河川管理者は、この工事を行なうときは、関係行政機関の長との協議、関係都道府県知事等の意見の聴取、費用負担者の同意を得ること等の手続を経ることとし、負担金の額の算出方法、徴収方法等については、制令で必要な事項を定めることといたしました。 第二は、準用河川制度の拡大についてであります。 現在、河川法の規定を準用する準用河川は、級水系または二級水系以外の水系についてのみ市町村長か指定できることとなっておりますが、一級水系または二級水系の末端のいわゆる普通河川については、管理体制が明確になっていないものもあるため、不法占用等管理の不十分、不適切な点もあったことにかんがみまして、これら一級水系または二級水系の末端河川につきましても、市町村長が必要と認めた場合は区間を定めて指定を行ない、河川法を準用して適正な管理ができる方途を開いたものであります。 第三は、一級河川の指定手続の変更についてであります。 一級河川の指定は、国土保全上または国民経済上特に重要な水系をまず政令で指定し、これらの水系について、さらに、政令で名称、区間を明らかにして一級河川を指定することになっております。今回の改正におきましては、一級水系の指定については、従来と同様政令で行ないますが、一級河川の指定は、建設大臣が告示により行なうこととして事務の簡素化をはかろうとするものであります。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。 次に、ただいま議題となりました特定多目的ダム法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明即し上げます。 政府におきましては、従来から国土の保全及び水資源の開発をはかるため、特定多目的ダム法に基づく多目的ダム建設事業を推進してまいりましたが、最近における産業の発展、人口の都市集中、生活水準の向上等に伴う水需要の増大は著しく、全国各地におきまして、緊急に水資源の開発を行なう必要性が一段と大きくなっているのであります。 しかしながら、現在の特定多目的ダム法におきましては、各利水者の容量配分、費用の負担等が確定してから多目的ダムの建設に着手することとなっておりますため、いわゆる都心用水の配分につき調整がつかない事情があります場合には、水資源の開発がことさらおくれる結果となりますので、逼迫した水需要に早期に対処していくためには、この点を改める必要があります。 以上がこの法律案を提出する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、建設大臣は、冷水上及び利水上緊急に建設する必要のある多目的ダムで、水の需要が十分にあるものにつきましては、都市用水にかかるダム使用権の設定予定者が特定していない段階でありましても、基本計画を定めまして、その建設に着手することができることといたしました。この場合には、相当の期間内にダム使用権の設定予定者及びその容量の配分等を定めることといたしております。 第二に、第一と関連しまして、多目的ダムの建設に要する費用のうち、特定していないダム使用権の設定予定者の負担金に相当するものの財源に充てるため、治水特別会計におきまして資金運用部から借り入れ金をすることができることといたしました。この借り入れ金の償還は、その利子を含めましてその後に決定されるダム使用権の設定予定者が納付する負担金によりまかなうことといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願いいたします。
○亀山委員長 以上で四案の提案理由の説明聴取は終わりました。 四案に対する質疑は後日に譲ります。 ————◇—————
○亀山委員長 次に、建設行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際先ほど決議いたしました参考人からの御意見は、質疑応答の形式でお聞きすることにいたしたいと存じますので、さよう御了承願います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 そこで、大臣にお伺いいたしますが、今回の四十七年度予算、この中には大尉が所管をされておるたくさんの建設予算が計上されておるわけであります。この予算の性格は、円の大幅切り上げによって日本の経済が停滞をする、そこで、公債一兆九千五百億円を含む大型予算で、特に公共事業を大いに強化をして景気の落ち込みをサポートをする、ここに今回の予算のいわばねらいかあるというふうにいわれておるのでありますが、政府の、何というんですか、政権末期、いわばそういう状況から予算の審議が非常におくれておるという関係で、この予算が目標としております景気浮揚策、これがはたして目的のとおりに機能するだろうかということが心配をされておるわけであります。そういう意味で、建設省の、大臣が所管をされておる事業の推進、その目標としております景気浮揚策、この関係で一体どういう判断をいま持っておられるのか。目的のとおりにいくのかどうかということを冒頭お聞かせを願いたい。
○西村国務大臣 景気の浮揚でございますが、これはいろいろな方によって意見が違うと思いますが、しかしおおむね、ことしは膨大な公共投資をやることになっておるのは、その目的でございまするが、まあ一般的に政府として期待しておるのは、この秋ごろまでには景気は回復するであろう、こういう見通しのもとにいまいろいろやっておる次第でございます。もちろん、予算は約一カ月ほどこれは施行がおくれるのではなかろうかと思っております。しかし、一カ月程度でございまするから、やり方によってはこの公共事業の促進にも、まあ影響はないとは申しませんが、あまり大きい影響はないのではなかろうか。また、建設省といたしましても、昨年も予算を相当に上期に消化するということで、上期に七〇%以上四十六年度もやれというような方針でやりましたが、それ以上の予算をこなしました。したがいまして今年も、それ以上の大きい予算でございまするから、建設省としても工事促進の体制をいろいろいま相談をして今日までまいった次第でございまして、工事促進の体制、それはいろいろあります。たとえば民間の能力を使うとか、また特に三月、四月、五月というのは会計検査のある月でございます。会計検査をこの三、四、五月にやると非常に工事施行の妨害になる、といっては失礼でございますが、非常に手をとられますので、この辺の検査の施行の日にちも会計検査院等と打ち合わせまして、適当な時期に検査をやってくれとか、いろいろ工事促進の体制をとっておりますから、一カ月程度のおくれならば、まあ今後のやり方によっては取り戻せるのではないか。景気の浮揚はいつごろから浮揚するか、これはいろいろ見方がありますが、政府としては、秋ごろにはと期待してやっておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 現場のほうでは、建設予算が非常に強化をされる、ところがこれを消化するいわば人員の配置というのが非常なアンバランスが自立っておる。したがって、都道府県や建設省の各出先の工事事務所等に参りますと、もうほとんど設計その他で徹夜、超勤、こういうものがものすごい。ある意味では限界を越えた状態になっておる。したがって、最近では病人などが非常に多く出る、こういう状態なんです。したがって、さっきの下水道事業センター、これもけっこうです。同じように——ただ民間に出せばいいというわけにはいかぬのじゃないか。たとえば道路公団でああいう不祥事が起こる。したがって、民間に出せばいいという考え方は相当吟味をしてみる必要がある。かりに民間に相当のものを設計その他についても分掛をさしていくにしても、監督、指導、管理、こういう責任は当然に行政当風が負わざるを符ない。そういう意味では、今後の事業を進めて行く上に、人的な配置についてももっと強化をしなければならないのではないか、こういうふうに思うのであります。 そこで、時間の関係で急いで申し上げますが、先般新聞に新しい第七次の道路整備五カ年計画の構想が伝えられておるのであります。これによりますと、総額二十兆円くらいのことになるのじゃないか、こういっているようであります。したがって、この第七次五カ年計画、新聞等の伝えるところによりますれば、七月をめどにして原案づくりを進めておるということでありますが、その構想、大要、大まかな中身、こういうものをこの機会にお示しを願いたいと思います。
○西村国務大臣 ただいまのは題六次で、四十七年度で三年目でございます。実は道路の計画資金としては多々ますます弁ずるということでございましょう。いままでの道路計画もおおむね三年くらいで改定をしたということで、これから第六次をさらに第七次に改定すべきじゃないかという意見があるようでございますが、私個人としては、私はまだそれまで実は考えてはおりません。あるいは、いままでの例で、第六次の金が足りないから第七次に改定されるのじゃないかという、いままでの経過からそういうことをいっておるのじゃないかと思っております。もちろん建設省といたしましては、これはこの程度では金が足らないから第七次というような事務的な調査はいたしておると思いますが、建設大臣としてはまだそういう指示をいたしておらないのが現状でございます。とにかくことしは、この四十七年度の予算をいま満足にこなすということで一生懸命やっておる。今後第七次と、第七次の改定というようなこともないわけじゃございませんが、いま断言するわけにはいきません。
○阿部(昭)委員 そうすると新聞に出たのは、これは建設省のあずかり知らぬものだということでしょうか。しかし、この新聞記事等を見ますと、ずいぶんと詳細に、相当具体的なものとして出されておる。第七次の五カ年計画は二十兆円程度になるであろう、頭の痛いのは財源問題だ、こういうことになっておるのであります。したがって、まだ建設省は……とおっしゃるのですが、どうも相当正確に出てきて、相当まとまったかっこうで活字になっておるのですけれども、道路局長、大臣はまだたな上げだ、局長段階では相当いろいろな討議が進んでおるということならば、おおよその局内のいま検討されておる状況をこの機会にお示しを願いたい。
○高橋(国)政府委員 ただいま御指摘の第七次道路整備五カ年計画の新聞記事が日曜日、地方紙に載っておるように存じます。中央紙には全然載っていないようでございます。そういう記事が流れまして、われわれも月曜日に入手いたしまして初めて拝見したわけでございますが、実はわれわれも、こういうような内容については、これほど詳しく検討は進んでおりません。ただいま大臣からお話がございましたように、従来道路整備五カ年計画は三年目までで、四年目に改定しているのが実情でございます。これは第一次から第五次まで、すべてそうなっております。そういうことから、四十七年度が第三年度目でございますから、四十八年度から改正されるであろうという意見が前からございます。それを受けての推測記事じゃなかろうかと考えられます。ましてや、これを見ますと二十兆円というふうな膨大な予算が書いてあるわけでございますか、これにつきましては私ども全く存じません。ただ、内部でいろいろ検討しておりますときに、もし改定したならばという、われわれが考えておるものが一部入っておるように思われますので、そういう点では、ある程度取材して、相当推測を交えて書いたものではなかろうかと思います。したがいまして、いま申し上げましたように、内容的にはいまのところほとんど何ら具体的に検討が進んでおらないのが実情でございます。
○阿部(昭)委員 わかりました。この第七次の計画、これはいろいろな面で非常に重要な問題だと思います。したがって、具体的な計画策定の作業の経過段階においても、当委員会、国会に対しても構想を明らかにされて、民意を受けとめられるように配慮してほしいというふうに思います。 次に、この前の大胆の所信表町の中に、「国民福祉の向上をはかるべきときである。このときにあたり、過密、過疎の問題、交通問題、公害、災害など、国民の生活環境を脅かす諸問題を解決し」云々、ずっとあるのでありますが、私はここで鹿島の臨海工業地帯にかかわる問題でお伺いをしたいのであります。 鹿島の第二期の工業用水道の事業が、たしか昨年の四月段階で、当時の根本大臣によって、土地収用法に基づく事業認定が行なわれておるのであります。現在茨城県では土地収用委員会でいろいろやられておる。したがって、この鹿島の工業開発の中で第三期の工業用水道というのがどういう状況になっておるのかということを御説明をいただきたいと思うのです。
○高橋(弘)政府委員 御質問の鹿島地区におきますところの工業用水事業の進捗状況でございますが、御承知のとおりに、鹿島地区はああいう大規模な工業開発及び港湾の整備を行なっておるわけでございまして、これは御承知の工業整備特別地域整備促進法に基づく工特の指定を受け、また首都圏整備法に基づく開発が行なわれておるわけであります。ここにおきまして五十五年以降において工業用水が、大体見通しとして日量百八十万トンというものが必要でございまして、御承知のように第一期はすでに二十一万トンというものが完成しているわけでございます。第二期の工業用水道の建設工事につきましては、先ほども御質問の中にありましたように、建設大臣に対して事業認定の申請が四十五年十月になされております。いろいろな手続を経まして、四十六年四月二十二日に建設大臣の事業認定がなされて、告示がされておる次第でございます。 この現在の状況でございますけれども、用地取得につきましては九九・九%、ほとんど解決済みでございまして、あと残る一部がまだ未解決のものがございます。これにつきましては、これも御質問にございましたように、四十六年十二月十八日に裁決申請がありまして、収用委員会で二月二十一日に第一回の審理を行なっておる次第でございます。その部分を除きましては、大体第一期の工事は概成しておるというふうに受け取っておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 局長、なぜその一部がいまもめておるかという御調査をされておりましたならば、そのもめておる事情、内容、これを御説明をいただきたい。
○高橋(弘)政府委員 その一部につきましては、土地の所有者と——大体二十坪ばかりの土地の所有者のようでございますけれども、起業者である県の企業局の買収交渉がうまくいかないということのように聞いておる次第でございます。詳細につきましてはまだ私ども調べておりません。
○阿部(昭)委員 そこで、ぜひこれは一ぺん、事業認定をやったのが建設大臣でありますから、あの全体計画からいえば二十坪のわずかの土地ですが、なぜもめておるのか、もめておる経過、内容を建設省は詳細に調査をする必要があると思います。 そこで、そのことはまたあとで申し上げますが、百八十万トンの日量の水資源が必要だ、こういわれております。これはどういう計算と調査と判断の上に立ってそういうあれが出されておるのかということですね。大臣のこの所信表明によりますと、「水などの国土資源は、国民全体の貴重な資産であるという認識に立って、これらの資源を有効に利用しつつ自然環境の保全と調和した開発が進められるよう」云々と、こういう所信が述べられておるのである。鹿島開発の全体計画の中で、あの霞ケ浦、北浦という湖から百八十万トンという取水、工業用水、これははたしてこの大臣の表明されておりまする、水は国民全体の貴重な資産だ、したがって有効な利用をしていかなければならぬという観点と一致するものなのかどうか、これが一つ。それから、百八十万トンという水を取ってだいじょうぶなのかどうか、この点はどうでしょうか。
○高橋(弘)政府委員 鹿島開発のあの事業につきましては、私どもの直接の所管ではございませんので、その点の詳細はわかりませんが、あの工業用水の給水量の目標は、茨城県の説明によりますと、日量百八十万トンといっている次第でございます。また、第一期、第二期につきましては、具体的にいろいろな調査を行なって、通産省の指導のもとに茨城県がその工事に着手し、またほぼ完成しつつあるわけでございます。また、北浦についての河川からの導水につきましては、河川管理の人とも十分に協議して、おそらくその面については十分合意がなされておることと存ずる次第でございまして、そういうことを大体県と河川管理者が合意して、それは可能であるということであれば、また施工能力もあるものであれば、私どもは認定するわけでございます。
○阿部(昭)委員 そこで、私がいま問うておりますのは、水は国民全体の貴重な資産だ、したがって有効に利用しつつ、自然環境の保全と調和した開発を、これが大臣の所信なんです。その意味でいうと、たとえば四日市なり川崎なり、いろいろ日本の開発が進められておる地帯があるわけである。そことのかかわりでこの鹿島というものを考えると、水をものすごくむだ使いをする、こういうふうに思うのです。大体百八十万トンの水を取ったならば、あの周辺の農業なり漁業なりというものは決定的な打撃を受けることになる、こう思うのでありまして、それは通産省の所管ですと言うのですが、水そのものは、この大臣の所信で言われておる国民全体の貴重な資産だ、こういう観点からいえば建設省がやはり、この計画がいいのか悪いのか、もうめちゃくちゃな水のむだ使いをさしているのかどうかということなどについては——これは建設省はあずかり知らぬということになるのでしょうか。たとえば通産省で出してくるものは企業側の立場に立って全部オーケーなんだ、水なんかどんなにむだ使いをやってもかまわぬということには私はならぬのじゃないかと思うのです。
○高橋(弘)政府委員 先ほども申し上げましたように、この工事を行なうにつきまして、実際の所管は通産省系統でございますけれども、実際にこの通産省の指導を受けて県がやる場合におきましては、建設省河川局系統の河川管理者の取水についての許可を受けて、そういう合意に基づいて行なっていくものでございまして、そういう可能な前提におきまして事業認定に当たるわけでございます。
○川崎政府委員 お答え申し上げます。 鹿島開発関係の水資源につきましては、やはり利根川水系から依存をいたしております。したがいまして、利根川水系の水資源開発の基本計画ということで、経済企画庁を中心にいたしまして、私ども直接河川を管理する立場、それから通産省あるいは厚生省、そういった水の需要側の立場からの指導をしておる官庁、こういったところが寄りまして、一応昭和五十年時点でどの程度の工業用水あるいは上水道の需要があるかというようなことをいろいろ調査いたしまして、現在基本計画が五十年を目途に定まっておるわけでございます。その時点におきましては一応、水の需給の問題、あるいはそれぞれの需要の緊要度、あるいはその内容、こういったものが調整されておるわけでございます。ただし、五十年より以降の問題につきましては、現在経済企画庁を中心にいたしまして、それぞれの担当の面につきまして調査をいたしておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 この問題は私深く追及することをいたしませんが、日量百八十万トンの取水、これの理論的な調査の根拠ですね、この資料はぜひひとつ御提出願えるように、経済企画庁なり通産省なり建設省、協議をして出してほしい。私の判断では、どうもよその工業開発に比べますと、水をものすごくむだ使いをする、こういう組み立ての上に成り立っておるように思われてならぬのであります。そういう意味では正確に調査をした資料というものを御提出願いたいということを希望いたします。
○西村国務大臣 たいへん水は大事でございます。あなたの言うとおりです。これは、あなた百八十万トンと言うけれども、この調査には昭和五十年の時点で百二十万トンと書いてありますが、まあいずれにいたしましても、水は大事ですから、そうその通産省が使うのだからといってこっちが黙っておるわけにいきません。有効に使わせなければならぬと思います。 それから収用法の問題も、これは私はいま初耳でございます。何らかの理由があるのでしょう。これもやはり事業認定をした建設省としては、その善悪は別として、どちらがいい悪いは別として、私のほうも事業認定をした以上、一応確認をしておきたい、かように思っております。私はいま初耳でございますから、調査をさせて、いずれ御報告申したいと思います。
○阿部(昭)委員 私は大前提として申し上げますが、従来、企業の地方進出なりあるいは日本の工業のいわばバランスのある配置、こういうものを進めるということについて、きわめて積極的に賛成の立場に私は立ってまいりました。しかし、そのことと、いま現実に起こっておる、水はむだ使いをするし、公害はどんどんたれ流すし、企業と行政が癒着をして妙なむちゃなことをやっておるし、これを野放しでよろしいかということ、日本の工業なり産業というものをバランスのある配置をやって、国全体をほんとうに理想的な発展を遂げさせようという、われわれの持っておる目標と、だからといって何をやってもよろしいということとは全然別の問題だ。こういう観点でいま問題を提起しておるわけでありますが、私がこの問題に深い関心を寄せましたのは、私の調査によりますとたくさんの問題があるのです。第一に、あとで正確な調査を建設省のほうでやっていただかなければなりませんけれども、昨年の四月二十二日、ここで事業認定が行なわれた。そのときには、公害の起こらぬ、農工両全の理想的な開発をするのです。それが鹿島臨海工業地帯の開発であります。そこでその一環をなす第一期二十万トンの水はもうすでに通水されておる。第二期の六十万トンがいまの土地収用委員会で争っている問題。第三期が六十万トン計画されておる。 そこで第二期の問題——事業認定の際に、たいへんりっぱな、公害のない、理想的な農工両全の鹿島の開発をやるのだといって、事業認定申請書か根本大臣に出されておる。これはおととしの暮れです。そして四月の二十二日に建設省によって事業認定が行なわれたのです。事業認定が行なわれた段階の以降に、私が非常にこの問題に関心を寄せましたのは、最初は七十九平米の土地に送水管を通す、使用権を使用するというものなんでありますから二万二千円くらいの補償費ということで話し合われた。これが四月の十七日。これは県の関係者が行って、いまの争っておる地主に対して折衝されたことでありますが、それが次の段階では、間もなく十一万六千円何がしに補償費がはね上がった。第三段階は、七十九平米の土地にパイプを埋め込む使用権だけで五十万円になった。三十坪余りの土地の使用権が。その次は、四月の末には百万円になったのです。そして、そこまでならばまだしも、最後に補償費が一千万円になっているのです。一千万円になって、そのお金はちゃんと持ち込まれているのですよ。通帳にちゃんと入っておる。これはどうもおかしい。やはり補償費なんというものには一定の基準があって、こっちはごねてつり上げようというのが目標じゃない。事業認定申請の中に公害のない、農工両全の理想的な開発をやるといっておるのですが、いま現実に鹿島は三〇%くらいの開発の進捗度にあると思うが、そこでもうものすごい、重金属、有害物質はどんどん排出をされるし、シアンはたれ流しほうだい、亜硫酸ガスはどんどん大気を汚染していく。したがって現実の状況は事業認定申請の趣旨と違うじゃないか、このことを何とかするのでなければ私は協力できませんよ、一千万円持ってきたが、この金はどこから出ておるのか私はわからぬというので、それを突っ返して、収用委員会でいま争いになっているのです。二万二千円の補償費が、だんだんやっておったら一千万円ちゃんと持ってこられて払い込まれるなんて、こういうむちゃなことはあってはいかぬことだと私は思う。したがって、こういう経過については、これは政治に対する、行政に対する国民の不信感を招くことになりますので、ぜひひとつ建設省が正確な調査をされる必要がある。そうでないと、今後全国の開発を進めるという過程におきましてもいろいろ問題が出てくると思われるのであります。そういう意味で厳格な調査をやってほしいのであります。 そこで、建設省には農工両全の、公害など出さぬりっぱな開発にする、その一環としての工業用水です、こういっておるのですね。当時もうすでに相当公害は出ておりましたし、農工両全でない条件がたくさん出ておった。したがって、事業認定の申請の内容に盛られておる事実と現場で起こっておる状況は全然違うのですから、事業認定申請が出されてから認定するまでの間、建設省はどういう調査をやられたのかということをひとつお聞かせを願いたい。
○高橋(弘)政府委員 いまの御質問にお答えする前に、先ほどの土地所有者の補償額の問題でございます。私ども、最近の、先生のおっしゃったことは実は聞いておらない次第でございますけれども、裁決申請が収用者である県から収用委員会に出ております。これは昨年の十二月十八日でございます。この裁決の補償の見積もり総額は二万七千八百六十六円となっておる次第でございまして、私どもそれ以外のことは実は聞いてない次第でございます。その点も十分調査さしていただきます。 それからただいまの御質問でございますけれども、事業認定の申請があったときにおきまして、その中で確かに、先生のおっしゃるような、公害を起こさないというようなことも書いているのでございます。この鹿島の開発をやる場合におきまして、あそこの知事さんがよく言っておられるように、先生もただいまおっしゃいましたように、農工両全ということで、そういうものを理想にしながら行なっているのは御承知のとおりでございますけれども、そういうことから事業認定申請書にもそういうのが出ております。私どもももちろんそういうことができることを期待いたしております。同時に公害の問題につきましては、公害関係のいろいろな立法が一昨年のいわゆる公害臨時国会におきましてもなされております。そういう公害規制の立法がなされて、それに基づく規制がされ、さらにまた県におきましても、条例におきまして加重した基準というものをきめておる次第でございまして、そういうようないろいろな措置によりまして、そういう権限のある行政機関の監督とか規制によりまして、国民の生命と健康、そういうものが十分守られるということを前提にいたしまして本件の事業認定をいたした次第でございます。 しかしながら実態におきましては、私どもも十分に承知しておりませんが、今後の地域開発という面におきましても、鹿島のみならず全国どこでもそうでございますけれども、地域開発と環境問題ということは非常に重要な問題でございますから、私どももそういう見地に立ちまして十分ひとつ実態を調査して、また御報告申し上げたいというふうに考えておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 局長、いま私がお伺いしておるのは、十月に事業認定申請が出されて、四月二十二日に事業認定をやった。その間に、事業認定をする建設省の側としては、土地収用法の二十一条とか二十二条でやらなければならぬことがたくさん定められていますね、こういうことを具体的にどういうふうにやられましたかということをお尋ねをしておるわけなんです。 それから、いま私がそのことをお伺いいたしますのは、前提とし、二万何がしの公定の補償費、これに一千万の札たばを現実に持っていかれても、それをけ飛ばして立ち上がるというのはもそれは並みたいていのことじゃできないはずです。みんなやはり欲もあればいろいろなこともある国民ですよ。そのあれが一千万円突きつけられて、札束を通帳に入れられてもそれをけ飛ばして、どうもいかぬといって立ち上がったのは、それは並みたいていのことじゃない。したがって、私が建設省に伺っておりますのは、事業認定申請から認定までの間にやらなければならぬこと、建設省でせなければならぬことがいろいろある。二十一条なり二十二条できめてあるわけですね。それをどういうふうにやられたのか。そのことをやられれば、認定するにあたって、茨城県当局等に対して建設省としてもっときびしい指導なり注意なり勧告なり、いろいろなことが生まれておったのではないかと私は思われから、申請から認定までの間にどういうことを建設省はやられたか、承っておるのです。
○高橋(弘)政府委員 事業認定の申請がございますと、御承知のようにこれの根本は公共の利益となる事業かどうかというものが根本でございます。また、その起業者というものがいわゆるその三条の適格業者かということが第二の問題でございます。その点につきましては、御承知のすでに工業用水道事業法に基づく公共事業でございますから、これは事業者として適格でございます。先生のおっしゃいましたように、事業認定をする要件といたしまして二十条にいろいろございますが、いまも申し上げました第三条のいわゆる起業者かどうかという問題、それからその起業者が事業を遂行する十分な意思と能力があるかどうかという問題、それから第三に、その事業計画が土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであるかどうかという点、さらに第四点として、土地を収用する公益主の必要があるかどうかということについて、その要件についていろいろ調査をいたすわけでございます。もちろん私どもも、この申請があって認定するまでにだいぶんの期間がございます。その間に起業者である県の当局を呼び、十分に意見を聞き、そうしてそのもとに、さっき申し上げたような公害関係の点につきましても十分にああいう規制の方法がとられるということを前提に、そういうことを考慮して事業認定をした次第でございます。
○阿部(昭)委員 そういたしますと、公害対策や何かもきちっとやるというお話であったので認定をいたしました。しかし実際上はやられておらぬという場合はどういうことになるのでしょうか。
○高橋(弘)政府委員 先ほど申し上げましたように、土地の適正かつ合理的な利用に寄与するものであるか、公益上の寄与をするものであるかどうかというようなことがもちろん認定の要件でございますから、そういう点からいたしまして、公害の点につきましても十分その実態を、どうなるかというようなことを考えながら認定をいたす次第でございますので、その際に、さっき申し上げましたように現在ある規制法というようなものその他によりまして、強力な行政機関の指導、規制というものが行なわれれば守れるという前提で私ども事業認定をした次第でございます。ただこれは、事業認定につきましては許可条件というようなものじゃございませんので、私どもその点につきましては、十分権限のある行政機関がこの公害問題についての十分なる措置をとるということを期待する次第でございます。
○阿部(昭)委員 局長、私は何もあなたを責めておるわけじゃないのです。私の申し上げておりますのは、公害を起こさない、農工両全の理想的な開発をやります、その中の一環として第二期工業用水道はどうしても必要です。したがって、いまどうしても公害をなくさなければ協力できないといってがんばっておる者がおるので、一千万ずつ金を持っていったけれどもなかなか承知ならぬというので、内容からいえばこの土地の収用法と、こういうことになってきたのだ、こういうように思うのです。しかし茨城県は、一千万持っていったこともおそらく局長のところに言わぬと思うのですよ。それから公害がどんどん出ておることも言わぬだろうと思うのです。したがって役所のほうとしては、この申請のとおりだというふうに思って事業認定を実はやったんだろうと思うのです。現実にはどんどん重金属、有害物質もたれ流しだし、あるいは亜硫酸ガスもたいへんな濃度になっておるし、あるいは海洋汚染もどんどん進んでおる、こういう状況の中でこの申請が出されておる。したがって、環境庁からおいでいただいておると思うのですが、ちょっとお伺いしたいのですが、こういう場合に、前の公害関係法が全然まだ日の目を見ておらぬ段階と、いまのように公害の問題のここまで法制化されてきた段階とでは、私ども相当、同じこういう問題の場合に違うんじゃないかという考え方なんですが、その辺はどうでしょう。
○竹内説明員 お答えいたします。 公害関係の諸法令は四十五年の暮れのいわゆる公害国会で非常に大幅に整備されたわけです。またそれに伴いまして、各種の排出規制等も非常にきびしくされてまいりました。ただいま御指摘のありました硫黄酸化物につきましても、昨年の六月二十三日付の大気汚染防止法関係の政令、省令におきまして、さらに昨年の暮れの十二月二十五日付で硫黄酸化物のK値の規制というのを一段ときびしくしたところでございます。また水質関係につきましても、水質汚濁防止法の制定に伴いまして、有害物質の排出規制等につきまして大幅な強化をはかってきたところでございます。したがいまして、私どもとしては、それぞれの地域における公害防止という問題については、現在の体制が必ずしもこれで十分だと言い切ることは非常にむずかしいかと思いますけれども、少なくとも当面私どもの考えられる限界点においては最善を尽くしてまいりたい、かように考えております。 ただ、その間におきまして都道府県におきましても、公害防止関係の法令の中にはそれぞれ上乗せ基準というものがございまして、国の基準をさらに上回ったきびしい基準をものによって設定できるという形をとっております。茨城県におきましても、たとえば塩化水素あるいは弗素、それから弗化水素等についての上乗せ条例を設定をしておるようでございます。また環境庁といたしましては、鹿島地区につきましては第三次の公害防止計画の策定ということを前提にいたしまして、現在公害防止計画の策定のための準備をしているという形でございまして、総論的に、十分お答えにならないと存じますが、私どもといたしましては、鹿島地区における大気汚染あるいは水質汚濁の状態というものが、現段階ではともかくといたしまして、今後、現在の約三〇%程度の立地というものがさらに進展をしていきますときには、相当の汚染物質の排出その他が増大されるということが予想されますので、公害防止計画を策定をし、あわせて関係諸法令の排出基準等のよりきびしい制約というもとで鹿島地区の公害防止について最善を尽くしていきたい、かように考えておるところでございます。
○阿部(昭)委員 抽象的な答弁で、どうもじーんときませんね。 そこで建設省の計画局長、私がさっきお伺いしたのは、申請から事業認定するまでの間に具体的にどういうことをやったのか。それについて茨城の起業者を呼んで説明を聴取をしたとか、あるいは地元の町村長その他の関係団体の代表を集めていろいろ事情を聴取したとか、そういう具体的なことをおやりになったのかどうか。なったとすれば、やった際のそういう記録や何かがあるのかどうか。この点もひとつお聞かせを願いたい。
○高橋(弘)政府委員 申請がありまして認定するまでに地元に対して、御承知のその事業計画の縦覧をいたします。これについての意見書が提出できるのですが、意見書は全く参っておりません。それから県につきましては、本省に来てもらってその内容をいろいろ聞いたわけでございます。また河川局につきましても、さっきお話しございましたような利水上の問題につきまして可能性があるかどうかというようなことも意見を聞いたというようなことで、県につきましては数度いろいろ意見を聞いて、そうして認定をいたした次第でございます。
○阿部(昭)委員 さらに、関係市町村や地域にありますいろいろな団体等の意見は聴取されましたか。
○高橋(弘)政府委員 建設大臣が事業認定する場合におきましては、事業認定の際にはそれを市町村長に送付いたしまして、市町村長がこれに基づいて今度は縦覧という手続をとるわけでございまして、市町村もそういう面におきましてはこれを十分承知をして、そしてその地元の意見が出てくるというふうに考えておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 私が聞いておるのはそうじゃなくて、あなたのほうでどういうことをやったかと聞いておる。いまわかったのは、茨城県からは来てもらいました、それから河川管理者等の意見も聴取しましたということでありますから、その聴取の際のいろんな議事録のようなものはございますか。
○高橋(弘)政府委員 説明を口頭でいろいろ聞いておるだけでございまして、議事録というようなものはないようでございます。
○阿部(昭)委員 口頭で聞いて、ただ、たれ流しじゃないが、聞き流しですか。
○高橋(弘)政府委員 この鹿島の場合は事業認定いたしておりますけれども、場合によっては事業認定を拒否いたす場合がございます。したがって聞きっぱなしということじゃもちろんございませんで、事業計画の内容を十分審査して、要件に当てはまるかどうかということも十分審査しながら、そして認定するかどうかをきめるということでございます。
○阿部(昭)委員 茨城県を呼ばれたということですが、ここに茨城県知事の岩上さん、鹿島町長黒澤さんですか、この方と地元の関係者との間に確認されておる確認書というのがある。それによりますると、ずっと何項目かあるのでありますが、「土地買収にあたっては理解と協力によって推進する方針を堅持し、強制収用は行なわない。」という項目を確認されておるのです。この確認書はそのほかにもいろんなものを確認されてあるようですが、この確認書があるということは御存じだったでしょうか。茨城県から説明があったでしょうか。
○高橋(弘)政府委員 ただいま担当者に聞きましたら、そういうことは聞いてないそうでございます。
○阿部(昭)委員 局長でも大臣でもいいんですが、こういう確認書がある。それから、公害は出さない、農工両全で理想的なたいへんりっぱな開発をやるといっておきながら、重金属、有害物質がどんどん出ておるし、亜硫酸ガスは出るしという状態がそのままになっておる。この状態だとすると、事業認定の申請書は建設省、建設大臣をペテンにかけておる内容だと私は思う、事実と違うのですから。私はその意味で、建設省は、こういう種類のものが出た場合にいろんな事情聴取をやるとか調査をするとか、こういうことはもうちょっと正確でなければならぬような気がするのです。正確を欠いて行なわれた事業認定というのはちょっと問題なんじゃないでしょうか。この辺はいかがでしょう。
○高橋(弘)政府委員 私ども事業認定をいたしておりまして、その審査をする場合におきましてまろいろ各方面から説明を聞いて、そして認定をいたしたわけでございまして、その間におきまして、さっきも何回も申し上げましたように、たとえば公害の問題につきましては、現在の法律によりまして十分強い規制、監督が行なわれる、そういうことで公害は発生しないという前提でいずれも事業認定いたしたわけでございます。その時点におきまして、私どもこれについて何ら不足があるというようなことは考えてない次第でございますけれども、先生のおっしゃるとおり、事業認定につきましては最近相当数も多うございますし、また複雑な内容のものもございますので、今後も十分そういう慎重な調査をいたしまして、そうして事業認定をするかどうかをきめたいというふうに考えておる次第でございます。
○阿部(昭)委員 そこで大臣、お伺いいたしますが、いま土地収用委員会で争われている。その際に、つまりいまの鹿島工業開発というのは公害も起こさぬし、農工両全でりっぱな理想的な開発、こういうことであったが、そのとおりなっておらぬというところに紛争があるわけであります。したがって、いま土地収用委員会で争われようとしておる内容は、もういまのままのやり方は、企業の利益にはなっても、公害たれ流しそのままというのじゃ、公益性、公共性というものを疑わざるを得ない。そこに公共性、公益性を認めるわけにはいかぬというところで実は争いになっておる。そうすると、土地収用委員会の会長さんは民法学者で、いま非常に苦悩されております。土地収用委員会というところは、公共性、公益性、つまり工業用水道事業の公共性、公益性について争うべき場所なのかどうか。公共性、公益性についてはすでに建設大臣が事業認定を行なった段階のときにすべてオーケーということでやっておることなんじゃないか。したがって、土地収用委員会というものがいまさらこの事業の公共性、公益性というものを云々するということは一体どうなんだろうか。しかしながら、この事業認定された以降の段階での情勢は、公害関係法が全部整備されてきておる。ますますそれが強化をされるという段階になってみれば、公害たれ流しの企業というものがそのままじゃ、公共性、公益性一〇〇%というぐあいにはなり得ないように思う。したがって、大臣が認可をした段階といまの段階との、法制的あるいは社会的客観情勢の変化というものを考慮に入れれば、この問題の論議、審議をせずして決断を下すというわけにはいくまいという判断をしなければならぬのではなかろうかと思うけれども、なお慎重に考えたい、こういう言い方をあそこの収用委員会の会長は言っておる。 大臣のほうは、すべて公共性、公益性に合致した事業なりとして認可をしたに相違ない。現状はどんどん公害たれ流しですから、いまあそこで非常におそれております問題は、——今度建設省の下水道部もたいへん努力をされるのだと思うのですが、下水処理施設や何かをいろいろやられると思うのです。それと通産省とのかかわり合いを持つのじゃないかと思うのですが、産業公害、そういう排水や何かを処理する施設等もつくろうという段階にあるのだと思う。そうすると、重金属、有害物質の処理というものはどうしても企業の側でやってもらわぬと、微生物処理をする機能の中に重金属が流入してきておったんじゃ、微生物処理機能というものが全部こわされてしまう、めちゃくちやにされてしまうという問題等もあるわけであります。したがって、いま茨城では、鹿島の場合の企業のあり方を見ると、水を大量にむだ使いすることによって——絶対量はものすごいものが出ておるのだが、水をものすごいむだ使いして、薄めて出せばいいじゃないかという考え方なんです。薄めようと何であろうと、鹿島の海は、あの辺に絶対量のものすごい量の有害物質がどんどん排出されてくる。その水それだけをすくってみた段階では、わりと公害基準に合致しているじゃないか。シアンや何かはそういう意味では分解可能な面はあっても、有害物質、重金属類なんかはそう簡単には分解せぬわけですから、問題は絶対量というものが問題になって、将来イタイイタイ病とかいろいろな問題が起こったんではかなわぬということで、地元がたいへん心配しておるという経過があるわけであります。 そういう意味で、この申請の趣旨と現実が相違をしておる場合に、建設省は一体いかなる態度をとるのか。このことが明らかにされたならば一体建設省はどういう態度をとるのか。認定をやっちゃったからもうかってにどうぞ、企業利益で、一千万の札束で抵抗する住民はやりながらどんどん進めよということでいくのか。そうはいかぬぞ。やはりもう一ぺん根本問題を突き詰めてみよう、調査をしてみよう、その中でいろいろ事態の解決のしかたを考えようということになるのかどうか。もしそうでないというなら、私どもはもっと根本的な——あまり好みには合いませんけれども、こういう一千万の金の動きなんて単純なことじゃないと思う。どこでこの金を一体出したのか。そういう面から見ると、どうもこの金の出どころは企業が出して、そして県の役人を通じて流れてきておるというふうに大体私ども見ております。そういうことまでやって企業の利益というもののために行政当局が癒着してやらねばならぬものなのかどうか。もっとやはり行政なり政治は根本的な点で、企業に対して要求すべき公害施設や何か、きちっとしたものをやらせていくということであらねばならぬのじゃないかと思うわけです。 そういう意味でいうと、一つには、建設大臣はこの事態を調査して、やはり事業認定をやったという責任は建設省にあるわけでありますから、その事態が明らかになったところで、いろいろ事実は違う、公害対策はきちっとやられていないということになったならば、事業認定そのものをどうするのかというようなことまで含めて、建設省はどういう態度をとるのか、どういう措置をとる、こういうことになり得るのかどうかということも含めて御答弁を願いたいと思う。
○西村国務大臣 私はこの件は初耳でございますが、とにかく事業認定をするというそれ自身はやはり私権を制限するということにつながっておるのでございますから、公共のために私権を制限することはある事業に相当するんだということを証明するわけでございまするから、事業認定を許可することには、もちろんあなたの言うようにあらゆる調査をしなければならぬということは、これは十分建設大臣の責任あることでございます。しかし、そうかといって、たとえばやってみたら予期しなかったことが起こる。予期しなかったことが公害で起こった。初あのときはそうではなかったけれども、予期しない公害が起こったが、その段階ならばもう一ぺんそれは取り消しができるかできぬかというようなことは、これはなかなか法律上の問題ももう少し調査しなければならぬと思うのであります。環境庁の法律ができたんですから。しかし、それは法律の前後の問題がございますから、これは十分予期しない公害があるんだから、それは前のやつを取り消すべきだということは私はここでは断言できません。しかし、いずれにしましても、行政上、そういうあなたがおっしゃるようなことが事実といたしますれば、それはもう金を払って、そして懐柔をするほかないなんというようなことは、やはりこれはあまりよくないことだ。これは裏でやっておることでしょうけれども、いずれにしましても、やはり妥当な線でものごとは解決しなければならぬと私は思います。したがって、建設省がもう認定をしたのでございまするから事後でございまするけれども、できるだけ調べてみたい、かように思っておる次第でございます。今後そういう事件があってはたいへんでございまするから、事業認定については、私権を制限するということが、それでもってきまるのですから、十分注意をいたしたい、かように思ってる次第でございます。
○阿部(昭)委員 大臣、ちょっと私はすらっときませんね。というのは、事業認定をやった段階で予見せざる事態、これが起こったとしても当時の判断を変えるわけにはいかぬ——大臣、こういうことなんです。予見じゃなくて、その当時すでに問題は起こっておったわけです。公害や何かどんどん起こっておった。したがって建設省がもし、事業認定申請の内容のとおりであるかどうかということを、公害なき、農工両全の理想的な開発であるのかどうかということを正確に調査をされたとすれば、あるいは茨城県知事あるいは鹿島町長また関係者との間で確認されておる確認書、強制収用は行なわぬといった確認がかわされておる。こういう事態の調査等々を十分行なったとするならば、私は四月二十二日の事業認定というのはこう簡単には出されなかったんじゃないかと思うわけですね。予見されざる事実じゃなくて、調査しなかった事実なんです。これは一体どうなるでしょう。したがって、私もいまさら、少なくとも建設大臣が一ぺん認定をしたものを取り消すなんということは簡単にはいくまいとは思う。それだけに問題の本質は、とにかく一千万、わずか二十坪余りの土地にパイプを埋めるだけの補償費表向き二万二千円、それをどんどんつり上げてくるから、それでは契約書の中にそのことを記載できるのですかと言ったら、それはできません表にのっけるのは二万何ぼだけですあとのものは別ですこういう県庁の役人の説明なんだそうであります。そこで、だんだんつり上がって、一千万持ってきて、ちゃんとこのとおり通帳に入っておるのですよ。どう考えても納得いかぬというので突き返して、なぜそれならば公害なき、農工両全のちゃんとした鹿島開発をやらぬのかといって、いま収用委員会で争いになっておる、こういう段階なんですね。 私はこの事態を考えると、やはり予見せざる事態がその以降に起こったのじゃなくて、その当時建設省が調査しなかったがゆえに、具体的な事実をはっきりつかみ切れなかったがゆえに、この茨城県当局の事業認定申請をそのまま信用して実際上は認定をやったというのが経過なわけです。だからといって簡単に取り消しできるとも私も思わない。思わぬが、やはり今後の問題解決については、おれのほうは認定をやったんだからあとは茨城県だ、茨城県の収用委員会の中でやっていればいいのじゃないかという問題ではなくて、今後は全国の地域、私の地域なんかも開発は進んでいくが、いろんな問題についてこういうやり方で企業と行政当局が癒着をして、こういうむちゃなことで公害はどんどん見のがされていいか。私は開発に賛成ですよ。だからといって、公害、どんどんたれ流してよろしいということにはならぬと思う。水なんてどんなにむだ使いやってもよろしいということにはならぬと思う。そういう意味ではやはり建設省の立場というものはもっと正確なことでなければいけないのじゃないかと思うわけです。そういう面での考え方。 それから環境庁は、こういう問題、どんどん公害が広がっていく、それも、その当時は確かにまだ環境庁は独立した機関ではない時代、環境庁発足以前の段階のことでしたといえばそれまでなんですけれども、現実にいまこういう問題がずっと起こっている。私がさっきお尋ねをした、水をうんとむだ使いして重金属、有害物質をうんと薄めて出せば、水をしゃくってきて調査をした限りでは基準に合っているんじゃないかというけれども、排出をされて蓄積をされていく有害物質の総体量というもの、もうそれが一番おそろしい問題だろうと思う。 〔委員長退席、天野(光)委員長代理着席〕 この問題に対して、正義の味方黄金バットのような環境庁は、一体どういう基本的な態度に立とうとするのかということもお聞かせを願いたい。
○山中説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の鹿島地区の問題につきましては、茨城県が水質汚濁防止法第三条によりまして一月に排出基準をつくりまして、特にシアンにつきましては検出しないというような基準をつくっておりますので、そういうような希釈というのは、希釈して大量に流すというのは意味がなくなってきております。それから微量重金属につきましては、これは全国的な問題でして、公害対策特別委員会等におきましても量的規制につきましてはどうするかという問題再々出ておりまして、私どもといたしましては、やはり先生御指摘のように量的規制という方向に向かわざるを得ないだろう、こういうように一応考えております。ただ現実問題といたしまして、量的な規制を行なう場合には、一応その基準に違反するかどうかというふうな基準が必要なわけでございますけれども、現在のいわゆる測定技術等によりますと、そういうふうな完全な量というものを把握するということは非常に困難な面がございます。そういうことで、現在われわれ考えておりますのは、排水量と水質との二本立ての規制を検討中でございます。
○阿部(昭)委員 大臣、後段のほうはどうですか。つまり、予期せざる事実じゃなくて、その当時から起こっておったのが、調査しなかったがゆえに明らかにならなかった、そこで事実認定をやっておる……。
○西村国務大臣 とにかく、原則的には私権を制限するんだから十分調査しなければならぬ。いまの時点ではいろいろ、知事と町長との申し合わせをいつやったのか、それを先にやっておって、それから、それではいかぬものだから認定をやってきたのか、これは事実関係も少し調べないと軽々には言えないと思います。しかし、いずれにしても相当にトラブルがあることでございますから、私のほうも責任官庁として十分大いに調査はしたい。調べたい。また通産省等におきましてもどういうような考えをしておるかどうか、その辺も少し聞いてみないと軽々には論じられない、かように考えるわけでございます。
○阿部(昭)委員 大臣、知事と町長その他の確認書は四十年の六月三十九日にかわされておるものなんです。そのときには「理解と協力によって推進する方針を堅持し、強制収用は行なわない」という確認書があったにかかわらず、一千万の裏金、買収費を積んでやらざるを得ないという段階になっているわけですね。これは補償基準の問題ももちろん、二万何ぼが妥当かどうかについて争いはありますが、それだけならば、一千万も持っていったのですから、補償基準の争いだけならきまっておるはずですよ。一万円札を一貫日持ってきたといっていなかで大評判だそうでありますが、それをけ飛ばして立ち上がるというのは、いまの公害問題をおそれるがゆえに立ち上がったことなのです。したがって、この調査はぜひひとつ大臣のほうで、認可をされた責任者として事実調査をやられて、今後の鹿島開発というものをひとつ申請書どおり、農工両全、公害なき理想的な開発になれるようにやってもらわなければならない。 そこで、さっきお願いをいたしました資料、たとえば霞ケ浦、北浦、私どもの承知をしておるのでは、ここから百四十万トンですか、このくらいのものを取ろうという計画だというふうに承知をしておるのです。先ほど計画局長は百八十万トンと言われましたが、私どもの聞いておるのは百四十万トン……。
○西村国務大臣 年の量でございます。五十年は幾ら、六十年は幾ら……。
○阿部(昭)委員 いや日量だ。その水ですが、四日市の開発の状況と水との関係、四日市なんかに行きますと、企業は一ぺん使った水をまた戻して使っておる。三回半くらい回転をしておる。それから私の承知しておるのでは十回くらい水の回転をやっておるというところさえある。したがって、いま鹿島の場合を見ると、公害物質、有害物質というものを大量の水で薄めている。有害物質の絶対量は変わらぬ、だけれどもうんと薄めて出しますから、そこの分だけをとってしゃくって調査をしてみると、どうも公害基準としてはたいしたことないじゃないか。しかし、長い間に沈でんしていく絶対量というのは、水をよけい使うことによって蓄積される有害物質の量というのははかり知れないものになっていく。こういう経過なのですが、この辺の調査をやられて、それからいまの水の利用のしかた、計算の根拠、調査の経過、それはぜひ資料としてまとめて御提出をお願いしたいと思います。 この問題だけで時間をとってしまいましたが、ぜひひとつくれぐれも申し上げますが、私ども前提として、企業の地方進出に異論を持つものじゃなくて、大いに促進したい。だからといってそれは全部善なんだ、全部公益的なもので公共的なものだというふうにならない。やはり公害をめちゃくちゃに出すようなことではいかぬのであって、それをきちっと、特に私は、企業が地方に進出する場合に、最初の間に完全なる公害施設をやれば、わりとわずかの金でりっぱなことができると思う。公害が出るようになってから二段階、三段階ということで公害施設をやったならば、うんと費用をかけましたわりあいにりっぱなことができないということになってくると思われるのです。そういう意味で、最初の段階でやはり行政当局はきびしいチェックをして、しっかりしたことをやらせていくということでなければならぬと思われます。そういう観点でさらに私は次の機会にこの問題を、いろいろ調査していただいた資料等に基づいてやりたいと思いますけれども、お願いしたい。 それでは、この問題に対する大臣の確たる御答弁をあとでもう一ぺんお願いすることにいたしまして、次にきょう帝都高速度交通営団の総裁と西嶋理事においでをいただいておりますので若干お尋ねをいたしますが、あなたのほうで、確かにいまの都市交通というものはたいへんな状況、したがって積極的に地下鉄交通というものを強化をしていく、これは私どもも大賛成であります。だけれども、そういう時代の要請によって行なう事業だからといって、工事をやるやり方ですね、これはどんなむちゃなやり方をやってもよろしいのか。たとえばレストランだとか、いろいろなムードを相当要求されるような商店街のところで、路上でどんどんタールを燃やしてみたり、あるいはくい打ちなんということになると地震でも起こったようなことを平気でやる、こういうことではいかぬのじゃないか。したがって、あなたのほうでは実際工事に当たっておる建設業者に対してどういう指導、どういう監督、どういう管理、こういったものをやっておられるのか。これはもう国家的な要求、時代の要請に基づく事業ですから何をやってもかまわぬ、付近の住民の迷惑など考えないでやれという指導をされておるのかどうか。その辺の指導のしかた、監督のしかた、管埋のしかた、これは一体どういうやり方かということを承りたい。
○荒木参考人 いま御指摘ありましたような気持ちで、大事な仕事だから何をやってもいいという考え方は毛頭ございませんで、非常に御迷惑をかけることで苦情もありますから、工事の方法、工事を行ないます時間帯等十分考慮しまして、迷惑をできるだけかけないようにすることをたてまえとして強く指導しておるつもりでございます。その気持ちはいま申し上げましたように、何をやってもいいということは絶対にないつもりでございます。そうして、現実には設計をいたしまして請負に出すわけでございますが、請負会社の監督は現場の建設事務所から参りましてやっておる次第でございます。できるだけやっておるつもりでございますが、さらに一そう厳重な監督をいたしたい、かように考えます。
○阿部(昭)委員 つもりとおっしゃるのですか、そのつもりのとおりきちっとやられておれば問題は起こらぬのだと思うのです。たとえば私のところに訴えられたのによりますと、東京都内の方々に店を持っておられる大きな食堂、たまたま外苑あたりの工事のようなんですが、支店長がずいぶんと成績か悪いといって飛ばされた。その支店長が、おれは成績が悪いといって飛ばされて格下げをされたけれども、いま地下鉄の工事で、店の前で毎日毎日タールを燃やされてくさいにおいを出されたのでは、おれでなくてもこの工事を終わるまでは店の成績を落ちぬようにすることはできるものではない、こういう問題などが出てくるのです。たとえば、ああいうムードを要求されるような店の前でタールなどかまわずにどんどん燃やしてよろしいという監督のしかたをされておるのか、くい打ちなどやると地震でも起こったようにどんどんやってよろしいというように指導されておるのかどうか。つもりとは相当違うように思うのですが、どうですか。
○西嶋参考人 ただいまの御質問でございますが、建設工事を行なう前に沿道の皆さま方にお寄りいただきまして、工事の方法、それから時期等につきまして十分御説明をいたしまして、皆さま方の御理解をいただいて工事を進めていくというやり方をやっております。これはもちろん工事施工にあたります業者の責任者並びに監督の責任者が同道いたしまして御説明を申し上げるわけでございます。それによりまして連絡先、工事による苦情の連絡先その他も周知徹底いたしまして、電話の番号とか書いたものをお渡しするとかあるいは口頭でお話しする。そういった営業の支障がきて非常に困るというような問題につきましては事前に連絡をいただきまして、それに対して相互に協議をいたしまして、最善の努力をするたてまえで工事を進めております。長い間の期間でございますので、工事過程におきまして連絡が不十分なために御迷惑をかける場合も現実の問題としてなきにしもあらずと思うのでございますが、その際におきます連絡先、それに刻する処置については十分徹底して仕事をやっておるつもりでございます。したがいまして、先ほどのような問題につきましては、御苦情があれば、それの現地で、たとえばタールのかまにつきましても、必ずしもその場所でなければいかぬという問題でもないのでございまして、それは相談しながら、場所を変えるとかあるいは地下に設置するとか、いろいろのくふうをしながら工事を進めているのが現状でございます。
○阿部(昭)委員 たいへんごりっぱに言われましたが、ごりっぱのとおりにいっておれば紛争は起きないし、苦情は起こらぬのです。支店長が工事期間中何人も何人も更送されるということにはならぬのですね。その当時現場におられる工事責任者に対して、何とかこういうやり方はやめてほしいということをずいぶん言ったが、まるで問題にならずに、けんもほろろ。そこで私のほうに苦情来た。そして私どものほうでちょっとあなたのほうに注意したら——それはもう残念ながらいいだけ痛めつけられて、工事は完成段階になってからなんです。そしたらあなたのほうで厳重に注意をしたとみえて、一々関係者に相談をするようになった。それまでは、こういうやり方じゃ店にお客さん来ないようになるし、かなわぬから、こういうやり方をやめてほしいということを何度頼んでも聞かなかったそうです。そうして、ある店屋さんは方々に食堂がいっぱいあるらしいのです。そこへ支店長で行けば、そういう状況ですからどんなにがんばっても売り上げは落ちる。左遷される。左遷されてもまだ行き先があるからいいのですか、ある店の人などは売り上げが落っこちて病気になっちゃったという例も起こっておる。やり方を何とか変えてほしいということをどんなに頼んでも、あなたのおっしゃるように十分な話し合いをしながら円滑な運営をはかってきたということにはならないのですよ。なったのは、私があなたのほうに注意をした、その段階で初めて業者の責任者が来て、今度親切に丁寧にやりますから何とか頼む、こういう話になったという。これじゃいかぬのじゃないですか。やっぱり最初からあなたのいま言われたとおりのことにならないといかぬのじゃないですか。そういう指導、監督、十分やったとはいえませんね。そういうことになっていなかったために、私どももっと注意をしてやれば、それでもいろんな迷惑は及ぶでしょう、及んでも、いろいろな意味ではある程度において防げたと思うが、それが防がれなかった。それはあなたのほうまで住民がじかに来なかったとあなたのほうは言うかもわからぬ。しかし住民はそんな組み立てのことを知りませんから、やっぱり現場においてやっておるその責任者らしき人に苦情を言ったり抗議をする。全然受け付けてもらえない。長い期間でありますからたいへんな迷惑が及んでおる。いまあなたのお話しのとおりに全部やられたと思いますか。そうなれば、私は写真や何か一ぱい持っておりますから、こういうやり方もあなたの指導したとおりにやってこういうことになったのかお聞きをしますから。あなたのいま言われたとおりの方法で、円滑に正常にぴしっとやられたというふうにあなたはっきり言われますか。そこまで言われるならば、私の調査して集めた写真等もありますからお見せをいたしますが……。
○荒木参考人 いま申し上げましたような方針でやっておりましたわけでございますけれども、現実にあるいはそのとおりになっていなかった場合がないとは断言できかねると思います。今後さらに一そう徹底いたしまして、さようなことの起きないようにいたしたい、かように考えます。
○阿部(昭)委員 あなたのほうの仕事のやり方は、業者に渡してしまうとあとは全部業者まかせなんですよ、実際上は。ここから一要らざる紛争がいっぱい起こっているんです。それがたまたま私どものようなところに苦情が持ち込まれた。私どものほうでも、これは全く地域住民に迷惑をかけずに地下鉄ができるなんというふうには思いません。思いませんが、やっぱり人間ですから、お互い気は心です。しかしながらあなたのほうはもう工事が始まってしまうと、事実上ほとんどのことは業者におまかせなんですよ。タールを店の前で燃やすのだけやめてほしいと何度頼んでもだめ。それはそうでしょう、ああいう食堂なんか、目の前でタールをぼんぼん燃やされたら、だれだってそんな店へ行くのはいやになるわけでょう。どんなに頼んでも注意をしてもだめ。そうして私どものほうに苦情が来た。そこであなたのほうへ私が電話で注意をした。そうしたら、三日たったら、自今いたしませんと来たそうです。いろいろ御迷惑がかかっておったならばそのことを一々御注意をいただきたいといって、一軒一軒あいさつ回りしたそうですよ。ですから、やらぬとは断言できませんじゃなくて、私は、あなたのほうの業者に対する監督、指導、管理、これが非常に手ぬかりをしておるというふうに思います。断言できないなんという程度のものじゃない。どうですか。
○荒木参考人 おことばを返すようでございますけれども、われわれとしましては十分にそのつもりでやっておるわけでございまして、いま……。
○阿部(昭)委員 写真のとおりのことをあなたのほうでやらしておるのですか、おことばを返して。この事実のとおりやっておるのですか。
○荒木参考人 具体的事実はともかくといたしまして、そういうつもりでやっておりますし、その事実がなかったとは申しませんが、今後さらに一そう徹底いたしまして、さようなことのないようにいたすことをここでお誓い申し上げます。
○阿部(昭)委員 お誓いはされても、いままでのことはともかくとしてなんて片づけられたんじゃ、これは話にならぬじゃないですか。やはりいままでのことをきびしく反省をしなければだめですよ。そうじゃないですか。食堂の目の前でぼんぼんタールを燃やすなんというやり方は、これはむちゃな話ですよ。ほかにあるでしょう。さっきあなた言われました地下でやるという方法もあるし、よそで燃やしたタールを持ってくるという方法もある。タールを燃やすような時間は食堂なんかのやらぬ時間、そういう手もある。何度頼んでもそれはやらなかった。したがって、これからお誓いするじゃなくて——いままでのことはともかくとしてじゃかなわぬです。やはりいままでのことをきびしく反省をして、その上に立って将来、業者に対する発注者としての監督指導、管理、これを厳重にやって、全然迷惑のかからぬということは不可能でしょうけれども、最低のところでいけるような努力をしてもらわなければならぬと思う。そうじゃありませんでしょうか。
○荒木参考人 おっしゃるとおりでございますので、ぜひそのようにやりたい、こう思います。
○阿部(昭)委員 まだありますが、時間の関係で私これで打ち切りをいたします。 ただ大臣、先ほどの鹿島の問題——私のところも近々、もうすでに開発計画がどんどん進んでおります。私は、企業の私の地域に来ることに対して大いに協力、受け入れ体制を整えようということでやっております。だからといって、公害を野放しにしてどんなに来てもよろしいということにはならぬわけですね。やはり公害もきちっと対策をするということでなければならぬわけです。鹿島は公害はたれ流し御自由です。私のほうだけきびしくといったってそうはいきません。大臣もいまの鹿島の現状については十分調査をされて——大臣のほうは事業認定をやった責任者ですから、事業認定のときに予見されない事実が起こったのではなくて、その当時建設省が十分の調査をやって、事業認定の申請のとおりであったかどうかということをやれば、私はもっともっとぴしっとしたことがもうちょっとやられたと思う。そういう意味で、この問題についてはあとでまた次の機会にお尋ねをさしていただきたいと思います。 以上で私の質問は終わります。
○西村国務大臣 答弁は要求されなかったのですが、今後開発していくたくさんな個所がありますから、十分事業認定につきましては気をつけたい。鹿島の問題についても私は調べたい、かようにお答えをしておきます。
○天野(光)委員長代理 北側義一君。
○北側委員 時間は四十分、このように言われておりますので、四、五点の問題につきましてお聞きしてまいりたい、こう考えております。 まず最初にお聞きしたいことは、昭和四十七年度の予算案、これは一般会計の公共事業費の規模において対前年比が二九%、二兆一千四百八十四億、これに財投資金及び地方自治体が支出する公共事業の金額が加わりますと、この総事業費は相当膨大な金額になるわけです。そこで、これは出たかもわかりませんが、私一番心配しますことは、このような膨大な事業費がもたらす影響として、まず第一番に、地価がこれでまた急騰するのではないか、こういう心配があるわけです。現に、物価指数等を見ますとあまり上がっておりませんが、たとえば昨年、昭和四十六年九月現在の日本不動産研究所の発表によりますと、市街化区域の市街地価格指数が半年間で六%、また一年間で一三・七%上がっておる、このように出ておるわけです。こういう点から考えて、この膨大な公共事業費がまたしても大きな地価急騰の原因になるのではないか、こういう心配が第一番です。 第二番目として、この超大型の公共事業費、これは国だけが公共事業費を出すわけではなくして、たとえば道路にしましても下水道にしましても、また学校用地の取得にしましてもまた住宅建設にしましても、どうしても地方公共団体は地方公共団体としてのいわゆる負担金があるわけです。たとえば住宅にしましても、いままでの例ですと大きな超過負担、これが地方公共団体の財政を非常に悪化さしておるわけです。この問題につきましては、大臣も先般美濃部さんと住宅問題で対談されて、いろいろ美濃部さんが要求を出されたようなことを聞いておりますが、この二つの問題について、はたして地方公共団体が公共事業のこの膨大な計画に対して、地方財政を悪化していかないか、また計画がはたして達成できるのか、私こういう心配をしておるのですが、それにお答え願いたいと思います。
○西村国務大臣 公共投資、たいへん投資額は大きいので、あなたのおっしゃるような心配が全然ないというわけにはまいらないと思います。しかし、地価の問題でございますが、非常に不景気で、地価は上昇はいたしておりまするけれども、いまあなたがおっしゃいましたように、上昇率はだんだん下がっております。おそらく上半期が六%ぐらいということでございます。下半期になりますれば——三月になれば下半期かわかりますが、六%よりももっとずっと下がるのではないかと思っております。それは上昇率が下がる。上昇はいたしております。 そこで土地問題はどうなるか。影響がないわけではございませんが、同じ経済成長にしましても、統計を見ますと、土地が上がる場合も、民間投資の場合と公共投資の場合とは、民間投資の場合のほうがよほど土地に影響するわけです。公共投資はやはりそんなに高い値段で買えないということで、役所として守らなければならない一定の基準がありますから、それほどつり上げない。民間はそういきません。事業それ自身を早く開始したいというようなことで、民間事業のほうが土地をつり上げる要素が大きくなっております。しかし、いずれにしても土地の値上がりを心配いたしておることはこれは当然です。しかし、四十七年度の予算のこなし方は、これは相当にストックを持っておる。正確に申しますと、全国で二万四千ヘクタールぐらいな土地のストックは持っておる。これは、四十七年度に事業をやるのにいまから大部分を買うということは間に合いませんから、ストックを持ってやっておる。しかし四十七年度でもっての用地の所要額は一万二千ヘクタールぐらいと思っておりますから、ストックで間に合うわけでございます。しかしそれには買わなければならぬものもあります。次の四十八年、四十九年に備えなければならぬから、もちろんそのストックのために買わなければならぬ。いずれにいたしましても、今回の公共投資でそんなにつり上げることはなかろう、こういうことです。もちろん影響はあります。 第二番目の地方公共団体が一体どうだということですが、これは地方公共団体も減収でございますから、公共投資をやる場合に自治大臣も今度は大蔵大臣と財源につきましてたいへん心配をしまして、ああいうような結果になったのでございます。したがいまして、原則としては公共投資に対する地方の負担分については一応自治省のほうで用意があると思います。ただ超過負担の問題でございますが、超過負担の問題で、われわれも超過負担がないように、こういうことでもって年々歳歳大蔵省と折衝いたしておるものでございますけれども、住宅一つ建てるにしても何一つやるにしても超過負担はあります。ただ超過負担について申し上げたいことは、いわゆる超過負担の中に二種類ありまして、つまり住宅を建てるにしてもいい住宅を建ててやろう、会計上よりも余分なこと、たとえば台所にファンをつけてやるとか、こういうものは対象にならないのでございますけれども、そういうようなものが大部分の超過負担になっている。いわゆる超過負担ではないわけです。よくするためにやる、よけいに金がかかる。しかしいわゆる超過負担というものもあるわけでございまして、これは年々歳々超過負担がないようにわれわれは心がけておるわけでございますが、このために地方財政が赤字になるというようなところまではいかないのじゃないか。自治省としても地方財政について十分用意はしておるのじゃなかろうか、かように期待をいたしておるのでございます。
○北側委員 ただいまの大臣の御答弁によりますと、すでに大体二万四千ヘクタールの用地が確保されておる、こういうことでございますので、そうしますとことしの総公共事業に対する用地のあれが大体一万二千ヘクタール。私はこれをちょっと聞いておったのですが、二万四千ヘクタールあるということ、私もっと少ないと思っておったのです、正直なところいいまして。これは私の調べたところでは七千八百くらいだと聞いておったわけですが、この内容につきましては、公共事業を行なう場合にその場所によっていろいろ差がありますので、大体半分くらいあったらいけるのじゃないか、私は現在こう思っておるわけですが、できたら二万四千ヘクタールの内容を資料としていただきたい。できたら次の機会にお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○西村国務大臣 出されたものがそれだけあって、そこの土地が直ちに使えるとか使えないというようなこともありますから、総体的な面積を申し上げたのであります。概略のことは後ほどまた委員会にお知らせしてもいいと思います。 〔天野(光)委員長代理退席、委員長着席〕
○北側委員 超過負担の問題もここで本来ならばいろいろやりとりをやりたいのですが、他の問題もありますし、今度また予算のほうで同僚の新井委員がいろいろこの問題を細部にわたって聞いていきたい、こうおっしゃっておりますのでこれでやめさせてもらいますが、ただ一点聞きたいことは、第二期住宅建設五カ年計画、これが第二年度に入ったわけです。第一期の場合は、大臣も御存じのように、公的資金住宅と民間自力建設の割合は四対六で、民間自力建設が六、公的資金が四、こうなっておったわけです。ところが実際の問題として民間自力建設のほうは四百万戸を上回ってできたわけですね。そして公的施策のほうは、これは少し足らなくて、民間自力建設で補って六百七十万戸計画を達成した、こういうふうになっているわけです。ところが今度の第二期住宅建設五カ年計画もやはり同じような比率でなっておるわけです。ちょうど民間自力建設戸数、これは五百七十万戸、そうしますとこれは三八%の増になっておるわけですよ。そうしなければ九百五十万戸の達成にはならないわけです。民間自力だけ見てみた場合でも。ところが昭和四十五年の計画とそれからこの昭和四十六年の民間自力建設の計画達成——目標も入っておるのですが、これの見通しを見てみますと、昨年ああいうドル・ショック等があって非常に落ち込んでおるわけです。その数字は、大体昭和四十五年四月から九月まで、これは民間自力建設が六十一万一千百六十八戸なんです。ところが四十六年四月から九月まで、これは上半期ですが五十六万一千百四十五尺だいぶ落ち込んでおるわけです。このような実態でずっといった場合に、はたして計画九百五十万戸は達成されるかどうか、非常に疑問になってくると思うのです。たとえばいままでの経済成長を見ておりますと、大体一〇%平均ぐらい伸びております。しかしこれから、ことしもやはり落ち込んでおりますね、それがそういう民間自力建設に与える影響、これは非常に大きいと思います。それが一つと、大臣が先ほど答弁なされましたが、地価の問題も、なるほど前のような上がりぐあいでなく、カーブはゆるやかになっておるかわからない。しかし他のいわゆる諸物価、消費者物価あたりから比べてみても、現在やはり非常に急勾配で上昇しておるわけです。そういう中において、はたして第一期計画より三八%増の民間自力建設住宅というものが建設できるかどうかということですね。そういう疑問を私現在持っておるわけです。その点についてどうでしょうか。
○西村国務大臣 公的住宅と民間住宅の比率ですが、何%が何%になる、どちらを何%にしてどちらを何%にしようというような考え方でなしに、九百五十万戸の数字を出す。一体住宅難がどれだけあるかということを昭和四十三年度の住宅統計で調べたそうでございます。それで、その住宅統計で、今後五カ年間のうちにはどれだけ世帯数がふえるか、あるいは住宅難に悩んでおる不良住宅はどれだけあるか、それから人口の移動はどれだけあるか、建てかえがどれだけあるかというようなことで集計をして九百五十万戸が出たわけでございます。そうしてその九百五十万戸の分け方は、所得の点から割り出して自力で家が建てられない人はどれだけあるか。したがって、その人たちには初めに公的住宅をあてがわなければならない三百八十万戸のほうが先に出ておるのです。これを差し引いてあとは自力でやっていただこう、こういうことになっておるのでありまして、たまたまその比率がそうなっておるのでございます。したがって私は、ただ民間を何%にするか、公的を何%にするかという初めのそういうようなやり方よりも、そういう計算のしかたのほうがやはりいいと思います。 ただ御承知のように、いま言われましたように非常に景気が悪いものですから民間が少し落ち込んでおる。去年、四十六年度は予定より少し落ち込みました。したがって公的でもって補正で少し取り返しましたけれども、なお落ち込んでおります。したがいまして、ことし、四十七年度のこれからの予算につきましても、初めの予定よりも民間は少し低目に見ておりまして、公的を少しよけい見ております。それでも、四十六年、四十七年を合計いたしましても総計としてはやはり少し予定よりも少な目になるでしょう。今後の民間の見通しでございまするけれども、これは私は、だんだん国民所得もふえるし、やはり持ち家を皆さんが好んでおるから、この民間の住宅はそんなに落ち込まないのじゃないか、あと三年くらいでりっぱに取り返しができるのじゃないか、かように思っておる。かりに、ことしも予期より相当に落ち込んだ、来年も相当落ち込みそうだというならば、九百五十万戸は絶対に守らなければならぬ数字でございまするから、公的の資金をそれにかえなければならぬということは当然でございます。さようなつもりでやっておる次第でございます。
○北側委員 いま大臣の答弁を聞いておりまして非常に力強く思った、ということは、たとえば九百五十万戸——これは一人一室が目標ですから、それで大臣は第二期五カ年計画においては、この住宅難解消のためにどうしても九百五十万戸は達成しなければならない、いまこういう意見を述べられたと思うのです。その場合の比率につきましても、いま大臣の答弁を聞いておりますと、対比は問題でない、民間が幾らで公的施策が幾ら、こういう対比は問題でないんだ、九百五十万戸とにかく達成しなければならない、そのためには民間自力建設が落ち込んだ場合に、その分を公的施策住宅で九百五十万戸達成していく、このように私いまお聞きしたんですが、私の見通しでは、実際の問題として民間自力建設は必ず落ち込んでいくと思うのです。というのは、御存じのとおり、都市計画法で線引きが行なわれまして、調整区域と市街化区域が線引きされたわけです。市街化区域は正直いいましてやはり相当地価が上がっております。特に狭い市街化区域のほうは地価の上がり方が早い、いま実態を調べてみますと。そういう中で民間自力建設が、やはり現在の経済の見通し等考えてみますと、この四十六年度は落ち込んでおるわけですから、四十七年度これが上向きになるという自信は、正直いいまして私ないわけなのです。そういう点からいきますと、第二期住宅建設五カ年計画の民間自力建設の伸び率は、第一期と比べて三八%伸びなければ五百七十万戸というものは達成しないわけです。そうしますと、五百七十万戸がたとえば四百万になるかわからない、その場合には公的資金住宅は百七十万戸くらい追い足さなければならない、大臣の答弁を聞いておりますとそのように私了解したのですが、それでいいんでしょうか。
○西村国務大臣 議論するわけじゃございませんが、去年、四十六年に民間の住宅が減ったという、その減ったのはどこで減ったのか。国内一般じゃないわけなのです、景気が悪くても。ただ企業が拡張していく住宅、会社住宅ですね、そういうものが多く減ったように見受けられるわけでございます。したがって一般の住宅というものはそう減ってないのじゃないかと思われるわけです。しかしこれは議論になりますが、いずれにいたしましても、それは市街化区域の値段が上がったということもありますので、ちょっと私が減らないと断言はできませんが、もしそういうことがあるとすれば公的資金でもってこれに対処しなければならぬ、かように考えておる次第でございまするから、とにかく九百五十万戸の住宅建設計画を守りたいというのが私のいまの覚悟でございます。
○北側委員 この問題いま大臣言われたように非常に大事な問題ですから、大臣の言われたいまの問題につきましては必ずそのようにやってもらいたいと思うのです。特に私のほうからお願いしたいことは、たとえば今度の場合、住宅金融公庫等も百二十万を百五十万にしたり、また老人がおられる場合には百七十万という、非常にアップしております。しかし実際の問題としてはまだまだ、一般のほんとうの低所得者というような、そういう人にはやはり縁の遠い話なのです。この住宅金融公庫の貸し付けを受けても相当の自前の金を出さなければならない。また、たとえば住宅ローンの減税措置も講ぜられた、こういうことがやられても、問題はやはり一番住宅で悩んでおられる、東京におきましても大阪におきましても約三百万になんなんとする住宅難、これはやはり低所得者層として公営住宅で救う以外にないわけなんです、実際の問題としては。ところが、公営住宅の分を考えてみますと、東京都あたりでも、たとえば昭和四十六年一万八千五百戸、そういう建設計画が千戸、二千戸はどうしても本年度ではできない、四月一日以降になってしまう。ところが大臣、この間美濃部さんと相談されたときも一万九千戸で落ちつきましたが、これはまた四十六年度の残り分が入っていくわけなんです。そういう面から考えると、ここらで相当やはり腹をきめてやっていかないとこの問題は解決しないのじゃないか、こう思うのです。そういう点をひとつ考えていただいて、できたらやはり一人一室という以上は、そのような目標に向かって実現できるような方向、計画、これを私ぜひともひとつ大臣のほうから立ててもらいたいものです。正直いいまして、いまのままではおそらく一人一室はなりません、私の見た目では。住宅難解消は、どうしたって都心へ寄ってきているのですが、都心は用地はないのですから、公有、国有地の利用なんかをずいぶん考えなければいけない問題じゃないかと思うのです。そういう点をひとつ前向きに取り組んでもらいたいと思うのです。 時間がないので次へ進みます。 一つだけこれに関連して、市街化区域と調整区域の線引きにあたって、先ほど申しましたとおり、建設省の指示されたように狭くとったところと広くとったところとあるわけです。その問題につきまして、これから、民間自力建設にしましても公的施策住宅にいたしましても、建てていく場合に、私思うのですが、調整区域内においても地方公共団体の場合は、団地建設その他そういうものについては許可してやらせちゃいけないのです。たとえば調整区域については、二十ヘクタール以上の開発については、これは民間企業に許可しておるわけです、現在。その場合、調整区域の地価はやはり安いですし、そこに立地条件さえ整えば地方公共団体がそこで団地建設をやってもいいというような、そういうぐあいにならないのですか。
○西村国務大臣 区域をきめたのは、都市をよくしよう、でたらめにあっちこっち建てちゃ困る、それは公共施設は間に合いませんからということできめたのですが、やはり調整区域内であっても特定の条件を備えなければ許可しないというようなことは実情に合わないと思いますから、その実情に応じて、調整区域でも一定の条件が整えばそれをやらしていい。しかし、どこでもここでも調整区域にやらせるんだというと、これはもう秩序がないことになりますから、そんなものはきめないほうがいいということになります。ある一定の条件を備えれば許可してもいいという私の考え方でございます。
○北側委員 ある一定の条件を備えれば許可してもいい。なるほどそういうところもあります。しかし、これは線引きした以上は、やはり一つの方法として、そのために都市計画法が成立したわけですから、それは私はわかるのです。問題は、一つはやはり住宅建設その他から見てみて、立地条件、それが整った場合には、そういう調整区域についても、地方公共団体のようなそういう施行者に、そういう場合にはやはりもちろん生活環境整備等も行なうでしょうから、許可して、そうしてやはり安い土地を取得して——公団にしましても、もう家賃が三万三千五百円くらいになっておりますよ、ことしの予算のあれから見ますと。これではもう都合が悪いわけですから、やはり交通の便とか、そういういろんな立地条件を考えて、そういう調整区域についても、地方公共団体のそういう施行に対しては許可を与えていく、こういう方向に進まなければならないような実態になってくるのではないか、こういう心配をしておる、市街化区域は非常に高くなっているから。そうしなければ、いま大臣が言われた超過負担の問題とか。いろんな問題が全部からんでくるのです、この問題に。そういう点で私は申し上げておるわけです。これは答弁していただかないでもけっこうです。 次は、水の問題でひとつお聞きしたいのですが、近畿圏整備本部、お見えになっておりますか——。実は水の、特に京阪神の琵琶湖の総合開発、この問題、ことに今度立法されるようになっておりますが、私もいま非常にこれには関心を持っておるわけです。何しろ、御存じのとおり京阪神の一千万の水需要、これはもう昭和六十年度ごろになると全然足らないようになってくるわけです。この琵琶湖総合開発が達成したとしても、ずいぶんと足らないわけです。そういう点からこれをずっと私、見守っておるわけですが、現在この状況、新しい特別立法をするにあたってどのような現状になっておるのか。また見通しはどうなっておるのか。これをまずお聞きしたいと思うのです。
○相川説明員 お答えいたします。 実は一昨年の十二月にこの琵琶湖の総合開発に最も関係の深い五省庁の事務次官によりまして、下流の水需要に見合う水資源開発と琵琶湖周辺の保全開発をはかる、こういうことがきまったわけでございます。昨年の二月に、御承知のとおり政府部内に関係省庁で構成されます琵琶湖総合開発連絡会議というのができまして、その事務次官の申し合わせ事項に基づきます、いわゆる琵琶湖総合開発を推進するについての推進体制なりあるいは財源措置なりあるいは事業計画なり、そういうものを検討していこうじゃないかということになりまして、二月以来関係省庁のこの琵琶湖総合開発連絡会議幹事会を中心にいたしまして、約一年間いろいろ検討を重ねてまいったわけです。その間、滋賀県の意向なりあるいは計画なりも十分聞きまして、さらに下流地方公共団体の意向等も聞きまして、一年間相当、数回にわたりまして調整を重ねてまいりまして、ほぼ事業計画のアウトラインについてはそう異論はないというところまでまいったわけでございます。 ただ、その計画の前提になりますのは、御承知のとおり、建設省が水資源開発公団事業の事業計画書というものをつくっておりますが——これは四十四年でございますが、それは取水量は四十トン、それから利水限度はマイナス二メートル、こういう計画で水資源開発公団の基幹事業は達成しよう、こういうことになっております。したがいまして、私どもが実際に琵琶湖総合開発の計画をつくる際に大前提になりますのは、やはりマイナス二メートル、四十トン、これでないと、いま先生おっしゃった下流一千万の水需要に対する水資源開発はできない、こういう前提に立ちまして、一応政府部内の意向の取りまとめをやってきたわけでございます。さらに本年の一月からは、これらの計画をもとにして、さらに下流地方公共団体なりあるいは関係省庁なりあるいは滋賀県の意向をもとにいたしまして、琵琶湖総合開発法案の作成に取りかかりました。現在すでに法案につきましては大体法制局の第二読会も終了いたしまして、各省庁の調整もほとんど済んだという段階でございます。 この琵琶湖総合開発法案、これは仮称でございますけれども、総合開発法案の柱といたしましては、十カ年の時限立法にしております。十カ年の長期の事業計画を作成する。さらに年度ごとの計画を作成する。そしてそれらの事業の達成のために必要な財源措置につきましては、下流負担を求めることができる。さらにその国庫補助の特例をする。こういうようなことを内容に盛っておるわけでございます。そういうことを柱にいたしまして、現在総合開発法というのがほぼ成案を得まして、いつでも国会に提出ができるという段取りになっております。 ただ、ここで一番問題なのは、最後に至りまして、御承知のとおり滋賀県のほうで、正式には経済企画庁の水資源開発促進法に基づく基本計画の協議ということで利水限度なりあるいは取水量というものがきまるわけでございますけれども、その協議の段階で、初めて滋賀県が今回、一・五メートル以上はできない、いろいろ地元の住民感情等を考慮した結果、どうも一・五メートル以上は無理である、こういうような回答をよこしまして、現在、御承知のとおり、一・五メートルかあるいは下流の要求する二メートルかということで、利水限度をめぐりまして意見が対立しておるというような状況でございます。したがいまして、私どもは現在この意見の調整に最大の努力をしておるわけでございますが、とにかく上下流でお互いに主張をくずさないという姿勢でありますと、この琵琶湖総合開発の大事業が達成できないという事態にもなりますものですから、私どもは、できますればこの法案提出までにそういった実態の詰めをいたしたいということで、現在鋭意この調整に努力しているというような段階でございます。
○北側委員 相川さんや建設省の宮崎さんあたりが非常に苦労なさっておるのは私も聞いておるわけですが、建設大臣、これは非常に重要な問題なんですよ。これが実際、いわゆる琵琶湖の水資源の問題で、いま下流の意見、また建設省、それからいま相川さんが言われたような意見が対立しまして、これがおじゃんになってしまうとたいへんなことになるのです。その点、建設大臣として、この問題についてぜひともひとつ全力をあげてやってもらいたいわけなんです。水の問題は別に京阪神だけでなくて、京浜とか京葉、そちらの問題もずいぶんそれぞれ聞いておりますが、この問題については昭和三十一年ごろからいろいろと取りざたされて、いまやっと成案を見るまでに至ったわけです。そういう対立点ができて、成案がこのままおじゃんになってしまいますとたいへんなことになるわけです。そういう点を考慮していただいて、ひとつ大臣のほうからも、この問題は成案を今国会に提出できるように動いていただきたいわけなんです。そのことをひとつ大臣にお願いしたいのですが……。
○西村国務大臣 国会に法律案を出す時期も限度がありますので、私もたいへん心配をいたしております。したがいまして、できるだけ努力したい、かように考えております。
○北側委員 この問題は、先ほどから言うておりますとおり、いろいろな立場があると思うのです。琵琶湖を持った滋賀県の立場、また下流の立場。しかし実際の問題としては、建設省案、経済企画庁のそういう案が出ておりますが、先ほど相川さん言われたとおり、何とかこれを今国会に提案できるように、ひとつ全力をあげてやってもらいたいと思うのです。これがだんだん延びていきますと——大阪のいまの水の問題というのは非常に深刻なものでありまして、大阪市の上水道になっております淀川の河川の底には、PCBもすでにどろの中に含まれておる、こういうことが現在いわれておるわけです。こういうものが体内に入りますと、また同じカネミ事件のような事件が一千万の人に起こってくるわけです。そういう点を私非常に心配しておるわけです。帰るたびに、大阪府あたりでは私のほうの党の担当の委員からやいやい言われておるわけです。そういう点も考慮していただいて、一千万というと一億の十分の一ですからたいへんな問題なんです、ひとつそこを何とかうまく煮詰めて、そうしてぜひともこれを今国会に提案されるようにやってもらいたい。また、マイナス二メートル、毎秒四十トン、これは一つの限度だと思うのです、大阪府あたりで聞きまして。そこらの問題もありますが、ひとつ何とかこの法案が今国会に提案されるようにやってもらいたいと思うのです。 それと、現在のたとえば大阪の淀川の水需要、これを見てみますと、大阪と兵庫の水利権量というのですか、これはいま全部で毎秒百三十六・六七トンです。そのうち上水が二十五・六六トン、工業用水が五・七一トン、それから農業用水が十六・八トン、河川維持用水が八十八・五トン、こういうふうになっております。実際は、上水道、工業用水道の取水を見てみますと、だいぶこれよりオーバーしておる、こう聞いておるわけです。オーバーしているのは河川維持用水から取っておるわけです。そういう点から考えますと、河川の汚濁というのはますます激しくなるわけです。 あわせて、御存じのとおり、淀川流域というのは非常に宅地造成されている。大阪ではあの辺しかないのです。工場も非常にあそこに集まっておるわけです。おまけに、下水道計画を見ますと、現在、大きな京都、それが人口百六十万ぐらいですか、そのような京都が前にある、上流にあるわけです。京都のほうでは、昭和四十五年度末の下水道の普及率、これは三九・一%です。達成目標年次が六十年になっております。下流の大阪や神戸、ここらは五十五年になっている。達成年次が五年おくれるわけですね。ほんとうは逆だったら一番いいのです。しかしそうじゃないのですね。そういう点から、この琵琶湖総合開発がかりにできたとしても、やはり淀川の水は非常に汚染される、そういう心配が出てきておるわけです。そういうところで、できたら、この淀川のそういう上水道の水をよごさないためにも、下水処理専用溝というのですか、そういうものをつくってはどうかという意見、これは私も二、三年前から聞いておるわけなんです。これについて、河川局長さん、大体現状はどうなっておりますか。
○川崎政府委員 ただいま先生のお話しのように、現在の淀川では、維持用水を含めまして約百三十六トンぐらいの水利権量といいますか、流れもあるわけであります。今回琵琶湖の開発が順調に進みますと、それに四十トンが加わるわけでございまして、約三割弱ぐらいの水がふえますので、それだけ薄まるといいますか、水質の面では若干楽になることは事実でございます。しかし、現在の琵琶湖の計画についても、先ほど近畿圏からお話しのございましたように、二メートル程度まで琵琶湖を活用いたしたいとわれわれは考えておるわけです。それにいたしましても、ある時期にはやはり節水をするなりあるいは維持用水を食うなり何かいたしませんと、過去のいろいろな記録から見ますと必ずしも十分じゃない。したがって、上流と下流がどの程度がまんをするかというところに問題があるわけでございますが、水質の点では楽観を許さない状態であることは確かでございます。 そういった点で、大阪といいますか、淀川につきましては、水量はもっとほしい、それから水質は悪くて困る、こういうような二重の問題をかかえておるわけでございます。在来は、上流で使用しました水は浸透伏流して、また還元して再利用できておる。それが自然の浄化機能の範囲であれば、下流ではかなり量的にも恵まれてきたわけでございますが、今後水質汚濁がもし進んでまいりますと、全部の水が飲めなくなるというようなことも可能性としてはあるわけでございます。したがって、量をふやすこと、それから下水道の整備をする、こういった汚濁源をまず撲滅しなくてはいけないと思いますけれども、 それにしましても、今後ますます汚濁の負荷というものが増大してまいりました場合には、きれいな水とそういったきたない水を分離する必要があるのじゃないかということがやはり当然考えられるわけでございます。それでは、そういったものを、流域下水道の中でも広域的なもので分離したほうがいいのか、あるいは河川の中でそういった悪水と清浄水とを分離したほうがいいのか。かりに分離をいたしましても、いろいろ支川、派川の合流点なんかの物理的な措置をどういうようにするか。それから、きたないものをそのままかりに海にストレートに流しましても、大阪湾ではたしてどういう状態が起こるか。いろいろな問題が予想されますので、ひとつ四十七年度はその点と積極的に取り組んで見通しを立てるようにいたしたい、こう考えておるわけでございます。 それから、PCBのお話がございましたが、これは、淀川の下流では建設省その他各関係の機関が寄りまして水質汚濁防止協議会、こういったものを組織をいたしまして、水質その他をいろいろ調べておりますが、底質につきましては、大阪府の衛生部のほうで最近に調査した結果を私どものほうにも報告がございまして、 これによりますと、約〇・六ないしまあ一・九程度のPCBの含有がやはり汚泥の中に認められるようでございます。環境庁等にも相談をいたしましたが、現在適切なそういった汚泥の中の許容量というものはないようでございます。しかし、この物質は比較的水には溶けにくいという性質でございますので、現在取水源になっておりますその表流水については検出はいまのところされてない、こういうことでございますので、まあ緊急を要する事態でないと思いますけれども、やはり全般の水質の汚濁の傾向とか、こういったものの蓄積状況については今後も十分調べまして、先ほどの保全的な水路も含めて検討していきたいと考えております。
○北側委員 大臣ひとつ、いま聞かれたようなことですから、よろしくお願いいたします。 それから、都市再開発事業についてお聞きしたいのですが、実はこの都市再開発事業はいままで二十五カ所行なわれておるわけです。ことしも新規採用分として十二カ所が出ておるわけですが、大臣の所信表明にも、都市再開発事業、これは推進してまいりたい、こういう御意見が所信表明で述べられたわけです。私、非常に心配しておりますのは、この市街地再開発事業、特に地方公共団体施行の分ですが、随所に住民とトラブルが非常に多いわけです。たとえば、去年の十月でしたか、大阪の阿倍野の市街地再開発事業、これを私は視察したわけですが、その際も——これは都市局長また大臣に報告がいっておると思うのですが、非常に反対の機運が強いわけです。特に小さな駅前の再開発、たとえば桑名なんかうまくいっていますね。そこらと違いまして大きい分、たとえば、いままで行なわれました二十五カ所のうちでも、大阪の阿倍野、これはもう十九万三千四百平方メートル、東京都の何というのですか、江東のほうの三十一万四千九百平方メートル、これは防災街区として前から計画があった分ですが、非常に大きいわけです。特に阿倍野の場合は、その権利者数が三千二百十一人、そのうち七割ないし八割が借家人、こうなっておるわけですよ。これは非常に事業がむずかしいわけなんです。私、こういう点から考えまして、この市街地再開発事業をこれからずっと推進していく場合、そうして都市問題を解決していこう、こういう場合には、やはりいまのこのあり方というもの、これをもう少し考え直さなくちゃできないんじゃないか、そういう考えを持っておるわけなんです。現実の問題として随所でいろんな意見を聞いておりますが、宝塚の場合もずいぶんもめました。市役所まで反対の住民が乗り込みましてすわり込みをやった、こういうことも聞いておるわけであります。また、木村経済企画庁長官の先般のお話では、やはりこの市街地再開発事業というのは、非常にこういう権利がふくそうした既成の市街地では非常にむずかしい、こういうふうに言っておられます。そういう点から非常に私はこれは心配しておるわけですが、こういう点についてどのようなお考えを持っておられるのか、それをお聞きしたいと思うのです。
○西村国務大臣 組合はトラブルはないのですけれども、これはまあ住民の了解でやりますから。やはり公共団体がやる場合にはトラブルが起こるということでございます。まあ、都市再開発でございまして、小規模よりは大規模でやったほうがいいのですけれども、大規模でやればやるほどこれはトラブルが起こるわけでしょうから、なかなかこの辺の問題は一がいにいかないと思うのです、その地方地方の実情で。しかし、やる場合にはとにかく住民の参加が十分できるように。これは組合でもってトラブルが起こらぬというのは、初めから住民の参加を得て了知の上でやっておるからです。一方、この地方公共団体でやるのは、一部分の人が考えてこうやろうと、こういうものですから、そこに住民の参加がないわけですから、初めの計画でもって十分住民の参加を得るようにしなければ、これはやはりどうしてもトラブルが起こります。したがいまして、その辺に十分力を注ぐということじゃなかろうか。ですから、再開発は大規模であればあるほど地方のいろいろな施設ができますからいいけれども、なかなかそうはいかないと思っておるわけでございます。どういう考えをしておるか、私もその専門じゃありませんが、実際にもトラブルのあることは私も知っています。けれども、どういう対策すればいいか、私もつまびらかにあまりよく知りませんが、実情は都市局長にひとつ……。
○吉兼政府委員 ただいま北側先生からお話ございましたように、現在二十五地区、それから旧法の関係が七地区でございますが、事業実施中でございます。これのうち、住民との関係等で難航をいたしておるのが二、三ございます。主としてこれは大規模のものが多いわけでございます。大臣からお答え申し上げましたように、やはり再開発法の本来の趣旨、たてまえからいきますと、規模が大きいほうが効果的な事業が期待できるわけでございます。しかしまた逆に、そういう大規模なものは非常にむずかしいという面がございます。 それで具体的には、私どもは、現行の制度上、この手法において現行制度を改善する面があるかないか。それから次には、再開発事業の中におきますところのいわゆる公的な負担と住民負担との関係について改善すべき点がありやなしや。それから、これはまあ運用の問題かと思いますが、再開発に関連しましたいろいろな関連諸施策、そういうものをいかにうまくコンバインしていくかどうかというふうな点。この三点に問題点があるのじゃないかと私は思います。なおそのほか、やはり住民に対するPRといいますか、施行者側と地域の住民とのコミュニケーションといいますか、そういうようなものをいかにうまくやっていくかという点は当然あろうかと思います。
○北側委員 一つお願いしたいことは、大臣、この問題は非常にむずかしい問題なんです。都市再開発を権利変換方式でやるわけなんですよ。たとえばここに古い建物がある。その権利を新しいビルへ移すわけです。当然これは床面積は三分の一ぐらいに減ってしまうのです。これはもうその権利も非常にふくそうしているんですよ。土地所有者もあれば、借地権者もあれば、家を持っておる人もおれば、持ってない人もおる。その持っておる人も、五十年ほど前から買っておる人もおるし、二年ほど前から買っておる人もおる。いろいろこれは権利が全然違うのです。だから、その一人一人は全部権利が違いますので、非常に不安がっているわけです。 私、これは前提としてお願いしたいことは、やはりこういう再開発はなるほどやらなければならないでしょう。地震対策、いろいろな上からやらなければならないと思いますが、しかし、あくまでも、住民をそういう再開発法で規制する以上は、それに対する助成措置というものもがっちり講じなければ、私はこの再開発事業というのはできないのじゃないかと思うのです。私は何も規模の大きい再開発事業をせいと言うわけじゃないんです。小さい規模の再開発の場合はやりやすい、私はこう言っているわけです。大きい場合にやりにくいのは当然なんです。やはり中の住民の大多数の人がそれに賛成できるような方向へこれを持っていってもらいたい、こう私考えておるわけなんです。その一つとして、これは私の一つの案なんですが、たとえば公営住宅なんか、二種の場合ですと三分の二、一種の場合ですと二分の一、国から補助金が出るわけです。この住宅再開発というような考え方で、そういう国の補助というものを考えなければ実際の問題としてはできないのじゃないかと思うのです。都市局長が言われたとおり、なるほど住民も当然古いところから新しいところに入るわけですから、環境がよくなるわけですから、負担があるのは当然だと思うのです。住民の負担なしではできないですよ。しかし、少なくともいまおられる住民が、そういういろいろなあれを勘案してみて、少なくとも半分以上の賛同がなければできないんじゃないかと思うのです。現実の問題としては、いま阿倍野の場合でも十町団が十町団全部反対しています。というのは、東京都の江東区の場合ですと、私はここに資料を持っていますが、比較的親切なやり方をやっています。東京の場合はまた、ここにあるのですが、たとえばこの場合ですと、これは改良住宅を建てましょうというわけですよ。その場合、たとえば公営住宅を建てて、家賃が収入金をオーバーな人も入れましょうとか、税金軽減の問題についても都のほうではこのようにしましょうとか、またたとえば床面積のよけいほしい人は安い金利で金を貸しましょう、そしてその金利を都のほうで負担しましょう、このように非常にこまかくやっているわけなんです。ところが片一方ではそういうこまかいやり方をやってないのですね。そこらが非常に、扱う地方公共団体のやり方によっても違うのでしょうが、また法の面でもやはりこれは根本的に洗い直す必要があるんじゃないですか。私はそう思っておるのです。そうしなければ、大臣が所信表明で言われたとおりいわゆる都市再開発事業を進めて、そして都市問題を解決していくというのは非常にむずかしい問題になっていくんじゃないか、私はこう考えておるのです。そういう点をひとつ——この問題、時間がありませんのでもうやめますが、私はもう少し研究して再度これを質問させていただきたい、こう考えておるわけですが、こういう点について、ひとつ建設省としてももっと事業がスムーズにいくような方向というものをひとつ検討してもらいたい、かように考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○亀山委員長 次に、小川新一郎君。
○小川(新)委員 簡単にぱっぱっと聞いていきますから、要領よく答えてください。 第一点は、先ほど大臣、市街化調整区域内における公営住宅の建設については、一定の条件が整えば建ててもよろしいということは、二十ヘクタール以下でもいいということですか。
○西村国務大臣 その面積についてはまだ十分考えておりません。
○小川(新)委員 そうすると、面積は二十ヘクタールがなければならない、で、ある一定の規模ということですか、どうなんですか、それは。公営住宅の建設は調整区域内において前向きの建設をするという約束がいまあったけれども、これについてはどういうふうに……。
○高橋(弘)政府委員 御承知のように都道府県については許可がはずされておりますけれども、市町村については許可が要るわけでございます。したがって、許可を要しないものについても、これはもちろんそういう基準によって、大体それに準じたようなものでやるべきだと思います。また、市町村については許可が要るわけですが、これは調整区域におきましては御承知の基準が、三十三条でしたか、文面にありまして、特に大規模な宅地開発につきましては二十ヘクタール以上ということになりますから、その基準に適応することは必要だと思います。
○小川(新)委員 私が聞いているのは、調整区域内において、先ほど北側君が言っているように、市街化区域内における宅地が高くて土地を借りられない、その公共団体が調整区域内に公営住宅を建てるときには、ある一定の条件が整えば許可するということを発言したのです。だから、その一定の条件とは何かということを言っているのであって、そのある一定の条件とは何かというのです。
○高橋(弘)政府委員 ただいま申し上げましたとおり、都市計画法の三十四条に調整区域の——さっき三十三条と申し上げましたのは三十四条でございますが——調整区域内の開発許可の基準がございます。その基準に適合すれば許可をする。もちろん、たとえば三十ヘクタール以上のものについての十号の規定がございますが、これは「開発審査会の議を経たもの」ということになっております。そういう条件が合いましたら許可することも必要だと考えます。
○小川(新)委員 だから、そういう条件があることはわかっていて質問しているわけでしょう、質問者は。だから、そういう公営住宅の場合には一定の条件が整えば許可をするという大臣の発言というものは、いま定められているよりも緩和の考え方をしているかどうかということをぼくは聞いているのです。
○西村国務大臣 やはりある程度の面積ということを、その面積が私はわかりませんでしたから、どういうふうに法令でなっておるか聞いたのです。それで、やはりこれは適地というようなこともありましょうが、ばらばら建てるのじゃいかぬ。ある面積、やはり開発をやるのですから、それにはいま法令でそうなっておるというのは二十ヘクタール、二十町歩。そういうふうに大きくとったということは、やはりその中でいろいろな公共施設をやらなければならぬということからきておるのでございましょうが、 そういうことを言ったので、面積を私は詳しく知りませんでしたから——二十ヘクタールになっておる、そういうことでございます。それ以上のことは考えておりません。
○小川(新)委員 それは大臣、この質問は大事な質問なんです、さっきの質問は。なぜ市街化区域と調整区域をきめたかということは大臣が趣旨説明のときに述べているのだから、私は何もそれを聞いているのじゃない。二十ヘクタール以上の開発でなければならぬという特定の条件があるけれども一公営住宅の場合には一定の条件が整えば許可をすると言ったのだから、その一定の条件とは、そういういままで述べてきたものをわれわれは聞いているのじゃなくして、それ以下の、何か一定の条件をくっつければその二十ヘクタール以下でも許可はできるというふうに理解したわけです。それは間違いなんですか、ぼくの理解は。
○西村国務大臣 そういう意味で言ったわけじゃございません。やはり一定の条件ということはその面積がある程度。ばらばら建てるということは私はどうかと思います。
○小川(新)委員 それじゃ、法律のとおりやるのだったら一定の条件も何もないわけであって、それにかなわなければ、民間デベロッパーの開発であっても公営住宅の開発であっても同じことになってしまうのです。ただ私が言うのは、公営住宅という政府施策住宅のかなめである住宅については二十ヘクタール以下の開発でもいいのかという、おそらく北側君の意図だったと思う、質問は。そういうことで、私はそれについていま聞いているわけですから、それじゃ全然前向きの答弁でも何でもない。あたりまえのことなんです。それじゃ特定も何もないわけですよ。同じじゃないですか。全然同じということですね。だめなんですか。それじゃ建てさせてくれない。東京都のように土地のないところでは困ってしまうので、われわれは言っているのです。それから埼玉県でも、ある小さな町では財源がなくて、土地が高くて買えないから調整区域に出してくれという陳情が殺到しているから、大臣にお聞きしているわけなんです。
○西村国務大臣 やはり市街化区域と調整区域と分けて、しかもいま市街化区域というものはいまの線引きでは相当広くなっておると私は思うのです。相当市街化区域内の面積は広くなっておる。したがって調整区域については、やはり公営住宅でも、そこに十戸でも二十戸でも三十戸でも建てるというようなことは、この制度がある以上は好ましくない。やはりある一定の規模というものを……(小川(新)委員「二十ヘクタール以下でもいいわけですね」と呼ぶ)二十ヘクタール以下じゃいけない。二十ヘクタールということです。
○小川(新)委員 それじゃ同じことなんです。だから私は、確かに三戸や四戸の公営住宅を建てろと言っておるのじゃなくて、十五ヘクタールとか十七ヘクタールくらいでも勘案をしてあげるという姿勢かと思ったのですよ。そうじゃないのですか。
○西村国務大臣 そういう場合は結局、たとえば公営住宅で、それは二十尺三十戸ということじゃなくて、何千戸建てる場合もありましょうからね。そういうふうに集団になってくればその地域を市街化区域に編入して、区域がえをしてやるという方法もそれは考えられないことはないと思いますよ。つまり、公営住宅でも二千戸、三千戸、こういうふうなところの適地がある、しかも公共の施設もできるというところがあれば、それは市街化区域に区域がえをしてやるという方法もあるわけで、原則はやはり市街化調整区域は大きいある一定の区域、こういうものをやるのが適当じゃないか、私はこう思います。
○小川(新)委員 それでは、そういう規模があったら来年でも市街化区域に編入してくれますか。
○西村国務大臣 検討いたしましょう。
○小川(新)委員 これは大事な発言ですよ、大臣。市街化区域と調整区域の線引きの変更は五年たたなければできないですね、御承知のとおり。そうすると検討ということは、そういった一定の条件が公営住宅の場合にできれば、五年たたなくても市街化区域内に調整区域の線引きを変更してくれると理解していいんですね。
○西村国務大臣 私も五年ということは聞いております。おおむね五年ごとに調整区域……。それは時代が変わっていきますから。しかし特別な場合があれば、その五年以内で絶対やれないかやれるか。私はこの法律にどう書いてあるか知りませんが、やってもいいんじゃないかと私は想像するのです。法律はどう書いてあるか、事務当局に説明させます。
○吉兼政府委員 お答えいたします。 法律上は、おおむね五年ごとに見直しをするというふうなことを書いてございますが、私どもの行政指導としますれば、これは一つの全国的な基準でございまして、各都市ごとにいろいろな事情がございます。当初の線引きをやったときのいろいろな事情等があり失して、それはその事情事情によりまして、五年を待たなくても時宜により線引きの手直しとかいうようなことをやって差しつかえないんじゃないか、そういうふうな指導はいたしております。
○小川(新)委員 そうすると、私が聞いているのは、市街化が調整区域のそばでそういうのができて、市街化の条件として改正をしなければならないというところでなくても、ある一定の条件が整ったところをこういうふうにゲリマンダーみたいに、大臣の言っている考えというのは変更するというふうになっちゃうんですよ。それはおおむね五年以内ということは、私どもが理解しているのは、市街化がどんどん進んで、調整区域の中でも相当に住宅が建っちゃって、当然これは市街化をしなければならないというのはいまのように、私はあらためてきょう私の誤解を解いたわけです。五年たたなければできないと思い込んでいたぼくが間違いなんですが、五年以内でもできるということを理解しますが、それじゃ端っこのほうに、土地がないからといって調整区域のところへ二十ヘクタールつくった。公営住宅をつくったら、そのところは市街化区域に五年以内でもなるというふうに理解しちゃいますよ。そういうことはできるのですか。いまの大臣の答弁だったらできることになる。
○吉兼政府委員 これはいろいろなケースがあると思うのでございます。現在市街化区域を設定した。その区域を手直しする際に、まず先ほどからお話に出ていますように開発許可という方法で一つ手があります。この開発許可されたものを、いずれしかるべき時期においてさらにそれを市街化区域に編入するという方法もあります。それから当初から、たとえば新しい工業団地をどうしても市街化区域外に求めなければならぬという飛び地があったというような場合には、その飛び地としてそういうところを市街化区域に編入するという場合もあります。それから縁辺部におきまして、市街化区域設定のときのいろいろな事情がありまして、その関係でこの際五年を待たずして手直しをする、市街化区域に入れるという場合が私はあるんじゃないかと思います。これはケース・バイ・ケースで判断していきたいと思います。
○小川(新)委員 わかりました。それでは、五年以内にも市街化区域、調整区域の手直しはできるということを私はあらためてここで理解いたしました。そういうこともケース・バイ・ケースだということで、これ以上は追及しませんが、この点はまた今後詳しく聞いていきたいと思います。 それから、建築行政の面からちょっとお尋ねいたしますが、不法建築をやっているプレハブというものがたくさんある。これは今回わかったのでありますけれども、そういう場合にはどういう処置を建設省ではとるのですか。
○沢田説明員 お答えいたします。プレハブ建築に限らず、違反建築を発見いたしました際は、基準法によりましてこれの是正命令を出します。
○小川(新)委員 文部省の方、きょう来ていらっしゃるからお尋ねいたしますが、私どもの党で今回大阪の小中学校のプレハブの実態を調べました。四十六年五月一日現在で、小学校の総数が六百六十二校、うち百四十校六百十二教室、中学総数二百三十六校中、四十六校二百三十六教室、これはプレハブ教室で授業が行なわれておりますが、建築基準法、同法第八十五条第四項により、プレハブ校舎は仮設建築物として府知事の建築許可を必要としておりますけれども、これらが、プレハブ校舎を持つ府下の百八十六小中学校のうちのたった十六校しか許可をとっておらないということがわかりました。これは一体これからどういう行政措置をとられるのですか。
○大串説明員 最近におきまして、東京周辺あるいは大阪周辺等の人口が急激に集中しておりますところでは、学校の学齢児童が急激に激増いたしまして、それに対しまして本建築は追っつかないという場合に、プレハブ建築をつくりまして教室の不足を補っているということが広範に行なわれております。その点につきまして、御指摘のようにプレハブ建築、つまり仮設建築でございますけれども、これにつきましても建築基準法の確認を受けなければなりませんのですけれども、それを確認を受けずに建築しておりますというケースが多いということにつきましては、たいへん困ったことだと存じております。これにつきまして文部省では、教育委員会の所属長会議におきましても、厳重に基準法によりまして確認を受けて適法に建築するように注意を喚起いたしておりますけれども、なおこれにつきましてそういう例があとを断たないといたしますと、文部省といたしましてもなおさらに厳重に、そういう不法建築が行なわれませんように注意を喚起していかなければならないと存じております。 なお、実際の建築の執行におきまして、文部省の教育委員会関係では実際に工事を担当しておりませんで、実際に工事を担当いたしますのは市長部局の営繕部局でそれぞれ担当するということがございまして、その辺の連絡が円滑を欠くような面も多いというようなことからこういう事態が起こってくるかとも考えられますので、なお今後教育長会議等におきまして、厳重にそういうことが起こらないように処置を考えていきたいと思っております。
○小川(新)委員 小中学校の校舎は、義務教育児童ですから、われわれおとなが入っているんじゃないんですよ。あなた、地震が来たらどうする。火事が起きたらどういうふうにする。このプレハブは熱いのにどのくらい耐えられる。雨が降ったとき漏る。どうするのです。一体いつ文部省ではこういった実態をとらえて通達を出しましたか。そんないいかげんな答弁で、実態があるということがわかっていて何も手を打っていないじゃないですか。建設省ではこれから厳重にやると言っているんです。どうなんです。いつ通達を出したのですか。
○大串説明員 ただいまの点につきまして、特別に通達は出しておりませんけれども、教育委員会の所属長会議におきまして厳重に注意を喚起しておるわけでございます。
○小川(新)委員 それは何年何月何日にやったのですか。
○大串説明員 四十五年の五月の所属長会議、それから四十六年度の新年早々に行なわれました所属長会議におきまして、厳重に注意を喚起いたしております。
○小川(新)委員 それで、こういった大阪の実態が今日まで浮き彫りにされなかった、われわれ党が調べてみて初めてわかったという状態で、国会でいままで審議されたこともない。都道府県の、この大阪府の本会議でもいまだかつてやられたことはないのです。そういう注意をしたといったって、何にも改まっていなければ何にもならないじゃないですか。建設省はこれに対してどうですか。
○沢田説明員 そういう手続違反のものが多数あるということにつきまして、私どもは、地方公共団体でございましたので、こういうこともございますが、そういう見落としがありましたことにつきましては非常に残念に思っています。 そこで、私どもは、この問題は手続上の問題と実態の問題があろうと思います。手続上の問題は今後ひとつ厳重にやっていただかなければならない。また、いまやってないものは直ちにそれをやっていただく。手続をしておりませんものにつきましては、先ほど先生もおっしゃったような安全性とかその他の問題に問題があるものがあるかもしれない。そういう点につきまして非常に心配がございますので、私どもはこれを最近知りまして、大阪府に通知をいたしまして、至急大阪府の手で点検をし、是正をするというふうに指示を下しております。現在着々と進んでおります。また文部省のほうにつきましても、今後こういうことのないように、至急知らせていきたいと思っております。
○小川(新)委員 これもこういうふうに大騒ぎになってから、何でもあとあとに行政が追っかけている。子供の安全とか子供の教育上、プレハブ校舎で勉強している子供と本建築で勉強している子供では、勉強をする、授業をする、まずそれ自体に格差が出てきている。夏は極端に暑い、冬は極端に寒い、そういう耐乏生活をしいられなければならないことの理由はこれからいろいろあるでしょうけれども、そういうところにどういう実態であるか。文部省は建築基準の申請もいいかげんにして、ただ手続上の問題だけじゃないと思う。この実態の調査、実態という問題は、われわれ裏づけにあるからいま声を大にして叫んでいる。万が一これで事故があったときはどういう責任がとれるのですか。もしもその建築物それ自体がいいかげんな建築であった場合には、子供に大きな被害を及ぼさなければならない。そういうことを考えたときに、私はいまこの問題を提起しているのであって、そんないいかげんに、やったとかやらないとかという問題ではない。多くの、ほとんど九〇%近くが不法建築じゃないですか。一件や二件じゃないですよ。これをいままで四十六年と四十五年にやったからいいんだ。何にも改まっていないじゃないですか。どうなんですか。もう一ぺんあらためてお聞きします。
○大串説明員 御指摘のような相当大量のプレハブ建築が、不法建築で建築されております事実がございますので、ただ手続を怠っていてということ以外になお原因がございますか、その点よく調査をいたして、不法建築が行なわれないようにしたいと思っております。 それからなお、このようなプレハブ建築が起こりますのは、できるだけ本建築を促進するということも重要ではないかと存じておりますので、御承知のように四十七年度の義務教育諸学校の施設費負担法の改正によりまして、小学校の建築の補助率を二分の一に引き上げていただくように、それから人口集中地帯の集合住宅の団地等の行なわれますところでは、これまで前向きに、学校建築をつくりますのに一年半ございましたけれども、それを三年先を見越して建築ができますように、今回法律改正をお願いしておるような次第でございます。
○小川(新)委員 よろしくひとつ厳重に注意を喚起しなければいかぬと思いますので、この問題については後日私どものほうにきちっと、どういうふうな注意をしたのか、どういう結果が出たかということを、委員会にまた発表しなければなりませんので、それに対するあなたのほうの処置について、私のほうにその資料をきちっとしたものをお届け願いたいと思います。 次に大臣、市街化区域内、調整区域内の農地の固定資産税の問題です。固定資産税の問題で、市街化区域内の農地の課税についてはいま相当大きな世論が巻き起こっておりますが、これは地方行政委員会に付託されましたこの地方税法一部改正の法律案が採択されました。これについては建設省としては、大臣としては、都市計画を立法する以上、当然これは立法の上でいろいろな問題があると思うけれども、このA、B、Cの農地についての課税はそのまま実行していくお考えですか。
○西村国務大臣 そもそも市街化区域あるいは調整区域をきめたというのは、やはりスプロールしてはいかぬということできめたのでございます。したがいまして、市街化区域内は原則としてはやはり宅地にするということでございます。しかし、実際その市街化区域内の農地といいましても、ずいぶん農地もたくさんな種類がございます。したがってああいうような種類に分けたのでございましょう。したがって、建設省の立場と申しますか、これは私、建設省の立場であり、国務大臣でございまするが、いまの制度は方向としては私はいいと思うのです。ああいう方面じゃなかろうかと思っています。 しかし、また一方、考えられなければならぬことは、やはり住民に対して、農民に対して税が一ぺんにかかってくるというようなことも政治としては考慮しなければならぬ点があろうと思います。したがいまして、いまこの問題については、やはり一つの大きい社会的問題にもなっておりますから、われわれの党でも研究いたしておりますし、私たちでもまた若干の検討はしなければならぬと思っておりますが、やはり目的は目的として、宅地をなるべく——その区域内の農地はずいぶん差はありますから、C農地なんか大部分ですが、いまA農地ときめられたところは介在農地でございますから、なるべくこれは皆さんの協力を得て早く宅地へ、住宅難がないようにしたいということでございます。しかし税金そのものにつきましては、これはやはり急激に税がかかるということも一方考えてやらなければならぬ、かように思っております。
○小川(新)委員 そのためにA、B、Cの農地に分けて政府・自民党が提出した問題に対して、自民党さんは賛成、聞くところによると野党は反対。わが委員会ではありませんが、本来私は、この法律は連合審査で、農業の立場と都市の立場とほんとうは並立してこれを審議して、A、B、Cの農地の分け方が適当であるのか適当でないのか。われわれ都市サイドに立っている者としてはどうしても住宅宅地というものの要請がある。これは農業のサイドからまた違った角度からものを論じることになりますが、いまの、大臣がそういった大きな国民の側に立っての御判断はもちろんこれは大事なことです。 そこで具体的にお尋ねいたしますが、A農地はこれはもう市街化されている土地の中にある農地、たとえば駅前にまだ農地があったとか、そういうようなA農地については四十七年度から実施することには大臣反対じゃありませんか。賛成ですか。
○西村国務大臣 これはいま政治問題にもなっておりますから党でも研究いたしております。また私はおおむねその方向はいいと思いまするけれども、これはわれわれもそういう農民の立場にも立って考えてやらなければならぬことですから、運用の面でやはりいろいろな手は考えなければならぬ。いまきめたとおり全部やるんだ、こう言ってしまえば早いことになるでしょうけれども、私はそうはやはりいかない、ある程度の考慮はしなければならぬ、かように思っております。
○小川(新)委員 それは野党が言うのならいいんですけれども、少なくとも建設大臣や農林大臣が——法案を通すときに採択して決定した事項ですよ。ほかの方々が言っておるのならそれもわかりますよ。少なくとも責任者がそんなあやふやなことでは困っちゃいますよ。きまった問題ですよ。昭和四十七年度からA農地は課税する、昭和四十一八年度はB、それから五十一年はCというふうに、こんなようにちゃんと分けたには分けたような実態があって、その理由によっては、自力建設とか住宅五カ年計画に及ぼす影響というものも大臣の立場は、言わなければならぬでしょう。私は少なくともこのA農地については、もう少し大臣のがっちりした答弁をきょうはいただきたいのです。これはたいへんな問題です。いま問題になっているのはA農地です。ことしから課税になるところが大反対になっている。そういう実態を、突き上げがくる主では政府としては何も全然考慮をしないであの法律を通したということになりますし、また一面いえば、保利大臣のときには、急速には市街化区域の中の農地というものの固定資産税が上がらないということを言った。こういうことがいまあらゆる方面から追及されている。大臣のこの発言というものは非常に大事なんでありますけれども、どう理解したらいいんですか、結論としては。
○西村国務大臣 この法律をつくる場合にはずいぶん議論があったようでございまするが、やはりA農地というものは、そういう市街化の中にあって比較的にもう宅地に早くしたいということであのようになったのですから、私はその方向としてはいいだろう、こう言っておるわけでございます。
○小川(新)委員 それでは大臣、市街化区域内にある農地は五年以内の変更のときにまた調整区域に入れる考えはありますか。
○西村国務大臣 もう一回言ってください。
○小川(新)委員 市街化区域内にあるA、B、C農地のC農地を——建設省は八十万ヘクタールを市街化区域に編入しようとした。ところがこれがいろいろな圧力によって百二十万ヘクタール以上になっておる。それだからこういう問題が出てきておるのだから、今度の変更のときには拡大でなくて、C農地は市街化調整区域に逆戻りさせる考えはないかということです。
○西村国務大臣 それは私は一がいに言えないと思います。もともとこの線引きは建設大臣それ自身が引いたわけじゃないのです。知事が、公共団体の長が住民の納得のもとで一応引いたんですから、したがって住民参加でやったんです。しかしそれをまたいろいろな事情でこれを調整し、直そうということが出てくれば、それはその段階で考えるわけで、一がいに市街化されたものを、そういうものをまた調整区域に入れるかというようなことは、これはケース・バイ・ケースのことでございまして、地方公共団体の長がまた住民の、これは同じ手続をしてやはり変更しなければならぬと思いますから、それはそういうことがあると私はいま言明するわけにいかないと思います。
○小川(新)委員 農民団体が反対しているんですね。一つは、市街化区域と調整区域に分けるときに、はっきり言うと固定資産税が上がるという認識がなかったといっているわけですよ。要するに市街化区域と調整区域に分けたとき一番頭にあったものは、調整匠域に入ったらうちが建てられない。土地の流通ができなくなる。だから南街化区域に拡大して編入しよう、しようという圧力が相当加わったと私は思っていますよ。それだから、建設省が八十万ヘクタールに計画していたものが、いつの間にか五〇%も拡大してしまったんですよ。ところが今度は、市街化区域内の農地は宅地並みにやるといったらわあわあ騒ぎ出したわけですよ。騒いだということは、政府の行政がはっきりそこまで言わないから、農民の生活にそれだけ重大な影響を持つということになってきたから世論が騒いできたわけでしょう。であるなら、もう一ぺん洗い直しをやらなければならぬ。そういう前提条件をはっきり農民の方々や地主の方々に納得してもらった上での線引きをやれば、C農地というものは当然その面積が市街化調整区域に編入され、八十万ヘクタール近くの建設省当初のラインと同じになっていくのではないか。その中に緑地指定地域とか生産緑地地帯とか、そういったいま要求されているものが加味されて、新都市計画法の姿を原点に戻したところの都市計画法というものを施行するのが建設大臣の権限だと私は思う。また、これは都道府県知事に権限を与えられておりますが、最終決定は大臣でしょう、この線引きは。違いますか。そういう、おれは知らないんだ、知事がやったんだ、地元の公聴会できめてやっちゃったんだから関係ないなんて、そんな無責任なことを大臣言われたら、日本の都市問題というものは大混乱を来たす。そうでなくてもいま土地問題だとか住宅問題で問題を起こしておるのですから、こういう点、私は大臣の明確な理念をもう一ぺんお聞きしたいと思うのです。
○西村国務大臣 私は責任がないとかなんとか言っておるわけではないのです。そういう線引きをする段階としては住民の参加を得るように、その段階において公聴会を開いたり、あるいは決定をするときには結局縦覧に供したり、いろいろやって、地方公共団体の長がやはりきめておるのでございますから、したがって、それがいろいろな理由によりましてそれを変更するというようなことはそれはあるから、五年にならなくても、五年たたなくてもいろいろな変更があるだろう、こう言っているのです。ところが、市街化区域になったところは全部宅地にするというようなことではないので、ある一定の規模をそろえれば、そのうちには緑地も要るであろうし農地も要るでしょうし、いろいろあると思います。したがってやはり弾力的にものごとを考えなければ、ちゃんと変更されたからどうにもならぬのだという考え方ではいかないのではないか。しかし根本の目的は、やはり住宅難で土地がないからということ、その目的はやはりはずしてはいけない、かように考えております。
○小川(新)委員 だからそういう弾力的な考え方で後退もあり得る。調整区域にもう一ぺん戻す。市街化区域に拡大することばかり考えてきたのだから、いままでは。土地がない土地がないで、農業政策の何にもできていないときにこういうことをしたからこういう問題が起きた。税金がこんなに高くなるという認識がなかったから農家の方々がぶったまげたのです。そういうことをいろいろ考えると、確かに八十万ヘクタールよりも百二十万にふえちゃったということ、これは日本の都市行政上必要がないという建設省の試案であるならば、私は調整区域にもう一ぺんC農地を戻しても、ケース・バイ・ケースならいいじゃないですかという、こういう質問なんです。一言でいいです。
○西村国務大臣 そういう側面もあり得ると思います。
○小川(新)委員 それじゃこれはずいぶん前向きな姿勢です。私どもはいままで拡大ばかり考えていたけれども、後退もあり得るというきょうは答弁をとったわけですね。 それじゃもう一ぺんお尋ねしますけれども、市街化区域内の農民の方々を守るために、市町村でその差益分だけ税金で負担をする条例をつくった市があるのです。私の埼玉県の川口。こういう考え方は大臣どう思いますか。
○西村国務大臣 ちょっと質問が理解できませんが……。
○小川(新)委員 市街化区域内のA、B、Cの農地にあって、いいですか、いままでは一坪八円五十銭ぐらいの農地がA農地として今度は一躍その千倍にもしがる。その差益分、置くなった分だけを市民税で払ってやるという条例です。こういう考え方についてはほんとうは自治大臣に聞きたいのだけれども、きょうは自治大臣おらないから、建設大臣はこういう問題についてはどうお考えになっているか。基本的な問題……。
○吉兼政府委員 本来大臣からお答えすべきことかと思いますが、私が承知している範囲内でお答え申し上げます。 確かに川口市でそういうふうな新しい制度をつくろうとしているということを伺っております。その中身はいま先生おっしゃったような中身と承知しております。その問題は、市民の税金をそういう特定の農民に割り戻すという点は、直接にはこれは地方税財政の問題だと私は思いますが、そういうものを選定する考え方でございます。これは川口市の考え方によりますれば、やはり都市化というのは、十カ年でやるにしても一ぺんにできないわけですから、その間において段階的に、やはり存在的な緑地といいますか、生産緑地といいますか、そういうようなものが市街化区域内に過渡的に系統的に配置されてあるということは、これは都市環境のためにはベターじゃないかというふうな観点から、そういう都市内の緑地を確保する、緑地環境をリザーブするという観点からそういう農地を選んでいく。選ばれた農地について、一定期間これを宅地転用は困りますよ。そのかわりの反対給付として税金は据え置きます。上がった分についてはお返しいたしましょう、こういう考え方かと思います。私どものほうの都市化の立場とすれば、そういう存在緑地といいますか、都市環境上の緑のスペースを確保するということは、これからやはり考えていかなければならぬ問題だ。単に公園緑地だけで十分というふうに私ども思いません。そういう制度はやはりこれから検討しなければならないという趣旨からいいますと、これは一つの考え方じゃないか、かように思います。税法との関係につきましては地方税財政の問題かと思います。
○小川(新)委員 局長、そうしますと、生産緑地というものは都市対策上——これはいま法律にない問題をあなたおっしゃったのだけれども、生産緑地というのは野菜ものを植えている緑地のことをいうのですね。それと都市問題とどうあるのですか。私は、そういったところの空閑地というものは木を植えたり公園をつくったりするのがあたりまえであって、今度の一部改正のこの法律の中に生産緑地なんというのはあるのですか。それをいまあなたは認めているのじゃないですか。
○吉兼政府委員 税法上の扱いとしましては、都市計画上の公園緑地、いわゆる施設緑地、そういうものを都市計画できめたものは税は据え置く、こういうふうに税法上はなっております。いま議論になっておりますのは、そういうもの以外に緑地スペースというものが都市環境上必要なんじゃないか。そういうものは現在制度上ございません。ございませんから、川口市はああいうふうなことを川口市独自で考えておるのだと思いますが、やはりそういうものを制度上、都市サイドからも検討することが将来の方向としまして必要なんじゃないだろうか、そういうことを私は申し上げております。
○小川(新)委員 生産緑地というものは市街化区域内の畑やたんぼのことをいっている。そうすると全然相矛盾した論理になってくる。だけれども、これは農家を守るための、いま与野党から出ている新しい対案として局長が認識しておっしゃっているのです。それを守るための税金、これをやっていったら非常に議論がむずかしい議論になりますけれども、そういった生産緑地構想というものは、大臣、これはいいんですか。都市化の、宅地のないところで、A農地やB農地やC農地という前提を、ワクをはずしても市街化区域の中に生産緑地を置くんだという考え方は、大臣どうなんですか。
○西村国務大臣 それはそういうこともやはり土地によってはあるのじゃないかと思いますけれども。——A農地ですか。
○小川(新)委員 A、B、Cの農地において。
○西村国務大臣 私は、A、B、CのC農地というようなところは、これは相当に広い面積ですから、そういう野菜をつくるとかなんとかいうようなところはやはりあり得るのじゃないかと思いますがね。
○小川(新)委員 これはだんだん非常に不明確な線になってきてしまったですね。この線引きは最初はそうじゃなかったのですからね、言っていることが。だんだん固定資産税の問題から生産緑地という問題が浮き上がってきたのですから、それはA農地でやってくれという声なんです。A、B、Cを問わずケース・バイ・ケース。そうすると大臣は、C農地だけならばとっておくという。とっておくのだったら、もう市街化区域を調整区域にしちゃったらいいじゃないですか、それだったら。
○西村国務大臣 しかし都市化するといいましても、そう急激に都市化されるものじゃございません。それからC農地のごときは、やはり固定資産税を取るといったって来年からすぐ取るというものじゃございません。スタートするそれ自身がずいぶん先です。しかも、取りかかっても、全部ほんとうの宅地並みに取るのは五年もかかるのですから、そういうところは暫定的に認めるということもあってもいいのじゃないかというような気がするのです。私は法律上はどういうふうになっておるか知りませんけれども、そういうような気もいたします。
○小川(新)委員 これは予算委員会だったらいろんな大臣がいるから、ほんとうのこと言ったらこういう答弁だったらほんとうに詰まっちゃいますよ。大臣だけしかいないから私もこれ以上大臣をいじめません。これは自民党の案がいまそうなんです。自民党が言っていることもそれなんです。生産緑地を置こう。これは四十七年を一年繰り下げよう。だんだん後退している。一ぺんきまったものを、いま世論の圧力に負けてもう一ぺん手直ししようという。都市化問題からいったら大後退だという議論もある。だけれども農民の立場からいったら守らなければならぬという立場から、大臣そう言われているんだから私はこれ以上追及いたしませんが、いまの大臣の答弁というものは私にはまだよく理解できないのです。これは後日またお願いしたいと思うのですが、よろしいですね、委員長。 それからさらに続けて言いますが、大蔵省の構想の中に住宅対策庁新設なんという新聞記事がでかく出ている。それから通産省からはこういうのが出ているのですね。建設促進の三段がまえとして、景気浮揚の柱に建設省の五カ年計画とはまた別の考え方を述べている。それから経済企画庁、これは住宅建設に総合施策をやる。こういうふうに建設省のお株を奪うように、大蔵、通産、経済企画庁、これらが頭越しに——一体建設省が知っていてこういう案が出てきているのかどうなのか。これはひとつ各省から構想をお聞きしたい。なぜこういう問題が起きてくるかということは、建設省の住宅計画があまりにも遅々として進まない、見るに見かねて各省がこういう構想を打ち上げてきたのか。一体この辺のところはどういうふうな連絡ができているのか、こういうことを私非常に疑問に思います。もしもこういうことが事実でないならば、書いた新聞社は日本経済新聞ですが、日経新聞はうそを書いたということになる、そういうことになりますが、私はあるところから確実にこれをつかんでおります。どうかその辺のところを各省、いま申し上げました大蔵、通産、経企の順でひとつ構想を、簡単でいいですから述べていただきたい。これについて建設省とはどういうふうになっているか。これがわかれば私の質問を本日は終わらしていただきます。
○藤井説明員 三月四日付に大蔵省の構想として、住宅対策庁を中心とした住宅対策、地価対策についての記事が出ていたことは私ども承知しておりますけれども、内容については全く思い当たるところがありません。関知していないというのが現状でございます。
○並木説明員 ただいま御指摘のございました日本経済新聞の記事でございますが、あれは実は昨年、部内で景気振興対策の一環としまして仮定的に、住宅建設を取り上げたら一体どういう手があるかということを部内的に検討いたしました。その結果が新聞に漏れたということでございまして、その内容につきましては通産省の公式見解ということになっていないわけでございます。 なお、部内資料の内容でございますが、これは総額におきましては、建設省の第二次住宅五カ年計画の内容、これを逸脱して別に考えておるわけではございません。
○生田説明員 お答え申し上げます。 住宅投資、住宅建設の問題につきましては、社会資本の充実、それから今後の景気浮揚という観点から非常に大きな問題でございますので、経企庁としてもこの問題をこの際勉強しておこうということで、部内に勉強会を設けまして勉強を続けているところでございます。それから建設省その他各省との関係につきましては、その研究会、勉強会の途中におきまして各省のお知恵を十分拝借いたしますし、さらに民間の学識経験者の意見も伺っていきたいということで進めている次第でございます。
○小川(新)委員 ただいまお聞きのような状態なんですが、建設大臣、いかがですか。
○西村国務大臣 各省が住宅に対して関心を持ってくれることはけっこうなことです。また、一口に住宅といいましてもやはりいろいろな関係がある。大蔵省においては金の関係、通産省においては量的な住宅の関係、その標準化の問題、いろいろございます。しかしそれは一つの勉強会というようなことで、大蔵省は全然知らぬというようなことですから、あまりたいしたことはないんじゃないか。
○小川(新)委員 私はもう言うことはありません。これだけ大事な、国民的世論の住宅問題について各省が真剣に取り組んでいることを、たいしたことがないと一言のもとにきめつけてしまうところに、建設省にまかしきれないからわが省のほうでもいろいろ研究しなければならぬ、こういう問題でこういうふうに新聞報道がされてきていると思うんですね。それもものすごく大きく、ほとんど一面を使うように書いてある。これを報道した日経が間違った報道をしたとかしないとかの議論をここでやっているのじゃなくして、やはりこういう問題が各省で大きなテーマとなっていることは事実です。取材に当たった記者の諸君だってめちゃくちゃなことをここへ書いているわけじゃない。ただ、たいしたことであるかないか、その判断の基準というものがどこにあるかということは、大臣の気持ちと私は別の考えを持っておりますから同じとは言いませんけれども、少なくとも各省がこういった住宅の本質論という問題できわめていることについて、建設省はもっと責任を持って、よい意見であるならば取り入れるだろうし、またそういった面で分担をして仕事をやらなければならぬようになった場合にはこれをやらなければならぬと思う。しかし、たいしたことでないなんということを言われたんじゃ……。私もせっかく質問した当事者として、たいしたことないことを本委員会で聞いたわけではない。一つ一つ聞いていけばたいへんなんですけれども、時間がございませんから、再度大臣の決意を伺います。
○西村国務大臣 最初に申しましたように、住宅はいろいろな面が非常に多いわけです。それで各省が協力してくれることはたいへんありがたいのです。私は新聞を詳しく拝見いたしておりませんが、それは住宅についていろいろなところからいろいろな意見がございます。したがいまして、たいしたことはないというのはそういう意味で言ったんじゃございませんけれども、それはいいところは十分取り入れなければならぬと思っております。とにかく、公共事業もいろいろありますけれども、建設省といたしましても、やはり何と申しましても住宅が一番大事だ、こういうことは私は自分でも十分認識を持っております。力は足りませんけれども、そういう認識だけは持って、少なくとも建設省できめられた五カ年計画、また住宅に対する責任官庁である役目だけは、皆さま方の御協力で十分果たしていきたい、かように考えております。
○小川(新)委員 最後に、私は資料要求をお願いしたいのですけれども、昨年の四月、本委員会において沖繩の土地の問題で質問をいたしました。そのときに取り上げた米系資本のマニング・コーポレーション、マニング商会等々の、要するに沖繩の土地を買い占めているこの後の調査実態についての資料をまず要求したい。 第二点は、地元不動産業者と提携して沖繩の土地を買いあさっているところの実態を知りたい。まず面積、会社別名、それから地元のどの地点がどのくらいの面積買い占められているのか、それから一平方メートル当たりの単価、これが沖繩総合開発計画にどのような影響を与えているのか、この点についての資料要求をいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。 ありがとうございました。
○亀山委員長 次に、吉田之久君。
○吉田(之)委員 先ほど小川委員からも、市街化区域、調整区域の問題、それに関連する農地の宅地並み課税の問題についていろいろ御指摘がございました。そこで、この機会に大臣にお伺いいたしたいのですが、今日全国的に大体線引きというものは全部終わったのですか。その進行状況を御説明いただきたい。
○西村国務大臣 正確な数字は政府委員から説明させますが、初めは九百七十市町村です。それが九百三十三カ所で、まあ九〇%以上、ほとんど終わった次第でございます。
○吉兼政府委員 市街化区域の設定を行なう最初の市町村は七百九十でございます。それに対しまして、今日現在においてその設定を完了しております市町村は七百三十三でございます。率にいたしまして九三%に当たります。残っております町村は五十七町村でございます。
○吉田(之)委員 あとからおっしゃった局長の答弁のほうが数学的に正しいと思うのです。 そこで、市町村の数からいって九三%完了したが、想定される面積からいってどの程度完了しているのですか。
○吉兼政府委員 面積の割合はちょっと手元に資料がありませんから、後ほどお届けいたしますが、おそらくもうネグリジブルだろうと思います。面積におきましては、残っておりますものはごくわずかだと思います。
○吉田(之)委員 該当市町村の数あるいは面積からいっても、ほぼ九〇%をこえているのではないかというふうに思いますが、ただ、たてまえとしては一〇〇%すべて終わっていない現時点で、農地の固定資産税をどうするかという問題がすでに深刻な問題として出てきているわけですね。この辺の調整がとれないと、ともかくぐずぐず言っているところはそのままなんだ、早くきめたところはすぐに差し迫った問題が出てくるという点で非常に行政上はおもしろくない面が出てきていると思います。それから、この機会にきまるにはきまりましたけれども、市街化区域の線引きのしかたにおいて、各市町村の当時の政治的な事情から実態において相当格差、むらがあると思います。たとえばある町などはもう全部、一〇〇%市街化区域にするのだということでしてしまって、いますぐに宅地並み課税で、これは考えていたことと全然食い違ってきたという点でたいへんな問題を惹起しております。また非常に限定して、市街化区域を小さくつくり過ぎている面もあるのではないか。こういう作業はまだ完了してない。また、いまから見てその内容にいろいろと千変万化の変化がある。そういう中でこのA、B、C農地の宅地並み課税を直ちに発足させることが行政上正しいのかどうかという点で、大臣はいかがでございましょうか。
○西村国務大臣 ここに、市街化区域内の面積は一万二千平方キロ、そのうちで農地の面積が三千平方キロメートル、こうなっております。これだけお知らせしておきます。 そのほとんど完成をしておる。しかし全部完成はしていない。この段階でどうかということです。が、そういうことも踏まえて、もうすでに法律は発足してやるようになっておるわけでございます。しかしそれがどうかという問題がありますから、いまそういうようなトラブルもいろいろ起こっております。しかし、そのうちで、農地——農地といいましても、三千ヘクタールの農地のうちの大応分、九〇%がC農地といって、すぐ宅地開発ができないところなのです。しかも固定資産税を取る年度も五十年からというふうにずいぶん先からスタートしよう。そしてその完了には五カ年もかかるということですから、ずいぶん先のことなのです。しかしA農地できめられたところは、ほんとうの市街地に接近しておるとか、きわめて都市の機能、下水道とかあるいは水道とかいうようなものもすでにあって直ちに宅地にできるところ、こういうところもありますから、そういうところはやはりきめられた年度でスタートしたほうが私はいいと思うのです。運用の面はいろいろありましょう。法律はすでに決定されておるのですから。A農地というのはわずかな面積であります。二・四%といわれておりますが、三千平方キロメートルの二・四%、九〇%はC農地といわれておるのですから、C農地、B農地はもうずいぶん先のことですよ。A農地についてはやはりきめられた時点で、多少運営の面は考えてもいいけれども、これはスタートすべきものだ。また建設省のほうでも、住宅難の解消のためにもなるべく早くスタートすべきである、かように考えております。
○吉田(之)委員 大臣のお考え、よくわかります。ただC農地あたりは、現実に市街化区域には入りましたけれども、そしてこの新都市計画法は十年間で市街地にしようということではありますけれども、さしあたってはほとんど買い手もないでしょうし、まだ計画も進んでないでしょうし、純然たる農業経営地帯であることには変わりはないと思います。ですから、いま四十七年、五十年からそろそろ段階的に課税を宅地並みに引き上げていこうという発想ではございますけれども、もっと先まで延ばしてやるほうが自然ではないでしょうか。実態に即したことにならないでしょうか。まだ全然買い手もない、そうしてきのうときょうと何も変わらないのに、そろそろ三年後から宅地並みに税金が変わってくる。C農地なんかは十年後に出発してもいいのではないかと考えますが、その点はどうですか。
○西村国務大臣 C農地、相当にやられて、五十一年からですか、宅地並みの課税がスタートするのは。それですから相当に延ばしておるし、それからすぐ宅地並みの固定資産税を取るようになっておりません。A農地だけです。A農地は三年かかるというのですから。C農地は五十一年からスタートする、相当先です。いまの制度はそのままにしておいて、C農地に関してもまた五年もたてば事情はいろいろ変わってくると思うのです。そのときに手直ししてもいいと私は思うのです。五年先に延ばしておるのですから、それを十年先にしようとかなんとかいうような、そういうことはいま考える必要はないのじゃないか。さしあたりの問題はA農地は四十七年からスタートしようじゃないか。これはまさにわずかな面積であって、だれが考えても近郊の宅地とあまり変わりはないのではないか。また宅地を供給してもらいたい、そういうところは農業をやる適地でないのじゃないかというスタートからきておるのですから、四十七年度からスタートするA農地については既定方針、その他のものはあまりいじらなくて、将来そのときになってまた考えればいいのではないか、こういうように考えております。
○吉田(之)委員 いますぐあまり心配しなくても、五年くらい走ってみてからいよいよ問題ならば再検討してもいいじゃないか、お説のとおりだろうと思います。 そこで、そういうことになりますれば、たとえば先ほど質問が出ておりました生産緑地の問題、A農地は別として、B、C農地あたりでは、差し迫っていまあまり神経を使ったり苦労して、地方自治体がいろいろ方針をきめたりする必要はないですね。
○西村国務大臣 それはそういきません。A農地については、これは宅地が少ないのですから、やはり宅地化したほうがいい。B農地、C農地はそうでない。A農地についてはことしからきめられたとおりにやったほうがいいだろうと思います。B農地、C農地はいま直ちに考える必要はないのではないか、こういうふうに思います。
○吉田(之)委員 わかりました。 それで、A農地の場合に、たとえば生産緑地とみなして特別に宅地並みの課税をしない場所が設定される。ところが、それが約束を守られない場合に、法的な根拠とかいう点で現在非常にあいまいだと思うのです。そういう点、いろいろと法律上手直し、整備しなければならない問題点があるのではないですか。
○吉兼政府委員 生産緑地とかなんとかいうことで約束をしたものについて約束を守らなかった場合は、当然これは租税法上の特別の措置を講じなければならぬというふうに私は考えております。
○吉田(之)委員 次に、いま大臣も所信表明の中でお述べになっておりますが、いろいろと既成市街地の再開発、あるいは新市街地の計画的な整備を推進していかれる面の中で、現在都市計画の推進、あるいは都市再開発法の実施の中で随所にトラブルが非常に起こっております。そういうトラブルがますますひどくなってくる傾向にあるのではないか。建設省としても非常に重大な問題だと思うのです。現在大体どのくらいの計画がたとえば都市再開発の場合に進められておって、どのくらいが軌道に乗り、どのくらいが全くデッドロックに乗り上げておるかという点について概況を御説明願いたい。
○吉兼政府委員 市街地再開発事業の現在の施行状況は、先刻もお答え申し上げましたとおり、新法によるものが二十工地区でございます。それから旧法による継続中のものが七地区でございます。したがいまして三十三地区に手がけておるという状況でございます。この中で、お尋ねのトラブルの関係でございますが、私どもの承知しておる範囲では二地区あるようでございます。なお、もう一地区、これは東京の江東防災の関係でございますが、これは非常に規模が大きいために、まだ煮詰めなければならぬ問題点が若干残っておる、そういう状況でございます。
○吉田(之)委員 たとえば私どもの近所のある町で、いま都市計画法並びに都市再開発法による市街地再開発計画、道路計画をやっておりますけれども、二度の公聴会を開いたところ、公聴会に公述した人たちが全部反対してしまったというふうな例がございます。こういう場合どうなりますか。
○吉兼政府委員 公聴会というのは都市計画法上の一つの手続上の要件ということであります。したがいまして、そういう手続を踏んで、その結果お話しのように、公聴会としての目的は十分達せられなかったかどうかというふうな状況判断等はあろうかと思いますが、最後はやはり施行者が決断をする問題かと私存じます。
○吉田(之)委員 そうすると、公聴会というのはただ参考までに聞いたというだけの場合もあり得るわけですね。
○吉兼政府委員 公聴会というものの制度上の性格はそういうものでございますが、やはり制度の趣旨からいいますと、できるだけ公聴会を再度重ねまして、地区住民の意見がその事業に十分反映されるような努力をすべきものと私どもは考えております。
○吉田(之)委員 例として伺いたいのですが、たとえば、今後も大いにこういうことがあり得ると思いますので、公聴会が全員反対するというような場合、再度いろいろと公聴会を開催して事情を説明し、あるいは若干計画等も変更して、やはり住民のほぼ多数の協力を得てから発足するのが私どもはこの精神だと思いますが、そういう点で、いままで公聴会がネックになって推進できなかった例があるのかないのか。
○吉兼政府委員 再開発事業計画ではほかにそういう例を私どもは承知いたしておりませんが、例の市街化区域設定の作業の中ではそういうケースが若干あったように承知いたしております。
○吉田(之)委員 こういうトラブルが起こった場合に、建設省はどの程度指導的な役割りを果たされるか。いろいろと地域地域の事情がありますし、かまっていいのか悪いのか。しかし、最終的にはもうどうにもならないという場合が今後間々出てくると思うのです。建設省は、こういう住民とのスムーズな合意が成り立つために今後どういう役割りを果たそうとされるのか、この点について伺います。
○吉兼政府委員 再開発事業にいたしましても、これはあくまでも公共団体が中心になってやる事業でございまして、重要な都市計画ということで建設大臣の認可権がございます。したがいまして、私どもの指導としましては、やはりできるだけ施行者と地区住民が十分なコミュニケーションをとりながら、お互いの納得、合意の上で事業に立ち上がるということが望ましいわけでございます。そういう観点から、場合によりますれば施行者側の原案というものを、いま御指摘のように固執せずに、その手直しをするとかというふうな弾力的な態度で、住民との調和を保っていくというふうなことはやはり考えるべきだと思いますし、随時個々のプロジェクトごとに状況を聴取しながら、適切な指導をしてまいりたいと思います。
○吉田(之)委員 特にわが国全体の都市計画あるいは再開発の推進としてはまだ初歩的な段階だと思いますので、建設省のここしばらくの指導の適否が、いろいろと全国的な今後の問題に大きな影響を与えてくると思います。十分ひとつ知恵をしぼってコミュニケーションをはかっていただきたいというふうに思います。 それから、今度通産省のほうで工業荷配置促進法案なるものを用意しておられます。これはいろいろ説明を聞きましたが、建設大臣は所管大臣に入らないようでございますね。しかし、われわれの常識から考えれば、建設省とはきわめて重要な関連を持つ法案であり、そして再配置の大事業であると思います。私どもはこれで一番気になりますのは、たとえば誘導地へある工場を移していく場合に、その工場のあとに再び工場が建てば全く意味がないわけです。だから、これは公共施設に転用するとか、あるいは先ほどから話が出ておりました緑地化していく、公園化していく、こういうことがぜひなされなければならない。その場合に一体幾らの価格で地方公共団体が買うのかという問題、それは当然地価公示法による公示価格の問題も関連してくると思うのです。したがって建設省は、この重大な発想に対して相当深い関心と適切な指導をなさらないと、これは絵にかいたもちに終わってしまうと思います。工業再配置促進法案に対して、建設省自体はいまどのように考えておられるか。
○西村国務大臣 実はこの法律は最も建設省と関係がある法律でございまして、私はやはりこれは通産省と共同で提案すべきぐらいな値打ちのある法律であると思うのであります。しかし、そういうことを考えまして折衝に当たらせたのですが、一方やはり官庁のセクショナリズムということがあって、そういうことはおれのほうでやるのだというようなことで、私どもはあまりそうがんばらせなかったのです。しかし、実際は最も密接な関係があるわけです。たとえば工場分散をしても、やはり道路もなければならぬし、水の供給もなければならぬし、それからいま言いましたあと地の問題、こういうようなことで密接な関係があるわけなのですから、この法律はどうあろうとも、私はできれば建設省、通産省あたりで、ほんとうの工場の再分配については一つの連絡会を持ってがっちりやっていきたいと思っております。そうしなければ、いまあなたが言われたようにあと地問題で、また工場があと地に移るということでは何にもなりません。また、いま首都圏でやっておる工場の分散のときには、あとを適当な値段で買い上げるとかなんとかいうようなことをやらしております。私は、この法律は非常にけっこうなことであるが、またあまりセクショナリズムになるようなことをしてはいかぬと思って、ちょっと遠慮を実はしたのです。しかし、実際の運用につきましては十分注意をし、私ども十分関心を持っておるところでございます。
○吉田(之)委員 セクショナリズムがあることを認められて、いろいろ問題はあると思ったけれども、向こうもあまりかたいので無理にはがんばらせなかったという大臣のお話ですが、この辺でがんばってもらわなければそれはたいへんなことだと思うのです。これはとても通産省サイドだけででき得る相談ではございません。主管大臣に建設大臣がお入りにならなければこういうものは前へ進みようがないと私は思うのですけれども、今後そういう折衝をして、閣議で再度練り直されるお考えはありますか。
○高橋(弘)政府委員 御質問のとおり、この法案につきましては、これはあと地の問題もございますし、また移転先の公共施設、社会資本の整備の問題、環境問題、その他非常に建設省に関係の深い問題でございます。したがいまして、私ども、この法案が提案されたときにいろいろ通産省にも意見を言って、当初案とは相当違った点が多くなっている次第でございます。 この骨子については詳しく申し上げませんが、私どもは通産省とよほど折衝して、その案の最終的決定になるに及びまして、たとえば地域区分をいろいろ行なうわけです。誘導地域、それから移転促進地域、こういう地域については、最初は、通産省が基準を、したがって通産大臣がこれをきめる、告示するというようなことであったわけですけれども、私どもそれでは困るということで、政令でその地域をきめるわけでございますが、これは具体的には政令はもちろん政府部内で協議することはあたりまえでございますけれども、政令の立案にあたっても建設省と事前に協議するということに話はなっております。また、工業再配置の計画というものも、これは通産大臣がきめますけれども、当初案におきましてはこれは通産大臣だけできめる。これを、建設大臣も含めて関係の大臣と協議して、この基本方針となるべき配置計画というものをきめるということになっております。同時にまた、この再配置計画そのものも新全総計画だとかその他のいろいろな計画との調整がございます。都市計画のあるところにつきましては都市計画との調整ということで、ちゃんとこの法律に規定しておるわけでございます。また、一番最初にお話しのございました移転あと地の利用につきましても、これは必要なものにつきましては優先的に公的機関にあと地を譲渡するということを、この法律提案にあたりましての覚え書きの中にも第一に書いている次第でございます。また、この法案とともに新しくこの事業をやる性格を帯びた国の公団ができるわけでございます。この公団の業務その他につきまして、建設省を含めた関係省庁の連絡協議会というものをつくって、そしてこの業務について十分連絡協議していくということを覚え書きでいたした。そういうことについては私どもは実際に実行していきたいと思いますし、またそういうことを通じまして、先生のおっしゃるような弊害の起こらないようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
○吉田(之)委員 いま大臣もお述べになりました。そしてまた局長もお答えになったとおりでございますが、この所信表明の中に一言半句も書いていない。おそらく、無理に建設省が乗り出さなくても通産省のお手並み拝見しようじゃないか、それこそ私はセクト主義だと思うのです。ほんとうにこのことを完全に実施するために、建設大臣は、むしろこの主体になるべき省は建設省であるというふうな考え方で臨んでいただきたいと思うのです。 実はこういう話を聞いておりまして私どもがあらためて一番疑問に思いますのは、公示価格の問題であります。たとえば、そのあと地を何を基準にして買うのか、買い上げるのかということになりますと、公示価格かといえばそうでもない。プラスアルファがあるわけです。公示価格というものはそういう程度のものなのか。それから、こういう大きな仕事を進めていくためには、いわゆる全国の価格の決定がどの程度進んでいくか、これをはっきりさせないと仕事は始まらないと思うのです。そういう意味で、いま全国にわたる地価公示の進渉状況、並びにその前に、地価公示そのものの異議についてあらためて聞いておきたいと思います。
○西村国務大臣 地価公示はまだ完成をいたしておりません。四十九年度でもっておおむね一万二千カ所くらいの地点をやろう。四十七年度は相当、二千八百カ所くらいやるわけですが、まだ完成はいたしておりません。それから公共用地は、やはり地価公示制度がありますから、公共用地を買うことはそれがめどになるわけで、いませっかく地価公示制度をやって何も役立たないのじゃないか、こういうことを一般にいわれておりますが、それはたいへんな間違いです。それがために地価が下がったとかなんとかは申しませんが、一定の標準にはなっております。たとえば民間の土地を買うにしてもやはり鑑定士がこれを評価しますから、そういう鑑定士を使ってこっちが地価公示をやっておるのですから、私は無形の相当な利益を来たしておると思います。しかしこれが完成した暁にはこの制度を十分活用しなければならぬ。たとえば地価公示以上の価格で買った場合には税金をどうするとかこうするとか、もう少しこれが完備すればこの公示制度が十分実働するようにこれを仕向けていかなければ、せっかくいま努力して数千カ所、数万カ所の地点をやろうとしておるのでございますから、ひとつ完成した暁には——まだ部分的でありますからそこまでいきませんが、完成した暁には相当にこの制度を生かしたい、このように考えて、せっかく来年度におきましても相当の地点をやる計画をいたしておる次第でございます。
○吉田(之)委員 ただ、気になりますのは、この一万カ所に及ぶ地価の公示でございますけれども、大体メガロポリスを中心にやられるはずでございますね。今度は誘導地域というのができて、北海道とか裏日本とか、このほうに工業を移して、いこう。向こうのほうの基準もきまらないといろいろ混乱を招くと思うのです。こういう点も、建設省がいろいろと進めていく国家的な政策にマッチするような手だてをしておかないと間に合わないと思います。そういう点、ただ福岡だとか大阪、東京、名古屋周辺だけの地価をきめるのではなしに、今後国がなさんとする必要に応じて、地価公示というものもさらに推進していかれなければならないというふうに考えます。この点は強く要望をいたしておきますし、建設省としても検討を進めていただきたい。 それからいま一つは、河川に対する大型ごみの不法投棄であります。これは各地で問題になっております。それが飲料水の水源地に当たる、その辺で大量のごみから悪臭を放ち、また有毒なものが流れ込んでいるのではないか。あるいはごみそのものがごみくずれ、がけくずれみたいな現象を起こしはしないだろうかというようなことが危ぶまれております。現在、不法投棄には罰則五万円以下という軽い定めがあるようでございますけれども、こういうことではとても現状の河川は維持できないのではないかと思いますが、建設省はいかがですか。
○西村国務大臣 私も近ごろはあまりあちらこちら全国に行って見ないのですが、災害のときに私は現地に行って見たのです。実はいま吉田さんから言われたのとは全く違って、河川のごみ捨ても、これは町の中を走っておる中小河川ですが、ずいぶんよくなったな、前にはこんなことじゃなかったが、ずいぶんごみなんかも川のふちに捨てる人がなくなったな、こう感じたのです。したがって、あなたからはほめられるんじゃないかと思ったのですが、そういうところがまだずいぶんある、前よりもずいぶんあるのじゃないかということを聞いて実は意外に思うのです。特別なところは別でございましょうが、一般的にいって、昔よりは相当にごみ捨てはよくなった。ただし廃棄物が非常に多く出ておりますから、その点について、特定な開発が遊んでおるところ、そういうようなところで特定なところはあなたがおっしゃるようにはなはだけしからぬじゃないかということですが、一般は昔よりはずいぶんごみを捨てる者がなくなったな、こういう感じが私はしたのですがね。その点は私も認識が不足かもしれませんが、そういうことであれば、これは絶対にそういうことのないように、河川局に、河川管理の方々に私は十分に注意したいと思います。
○吉田(之)委員 たいへん失礼ですが、認識不足もはなはだしいのじゃないかというふうに思います。確かに部分的には、市街地を流れる小河川については、みんなの目がきびしくなって、少し自粛されているようではございますけれども、むしろ県境の大きな河川に大量の大型ごみが投棄されておる。たとえば、これは一月二十三日の新聞ですが、「“ゴミ戦争”は東京だけではない。大阪では三千トンに及ぶ不法投棄のゴミが谷間を完全に埋めつくしてしまった。現場は茨木市車作、山の中の砂防指定地。谷のミドリはトラック千台分ものゴミに消され、悪臭がたちこめる上空をカラスの大群が舞う——」というような、まさにどうにもならない状態でございます。いろいろと大臣みずからひとつその辺のところもさらに関心を払っていただいて、こういう危険な状態を一刻も早くなくするように最大の御努力をいただきたいと思うのです。 それから最後にお尋ねいたしたいのですが、運河の問題は建設省の所管だと思いますが、そうですね。
○西村国務大臣 私もさようだと思っております。
○吉田(之)委員 実は建設省の設置法を見ましたら運河と書いてございます。ところで、日本に運河があるのか。現在運河らしい運河はございませんけれども、やはりそろそろ日本は大規模な運河を考えるべきではないか。特に東京湾の場合、千葉県を横断してそして太平洋と結ぶ。それで港湾の中を一方通行にする。また港湾の汚濁を根本的に解決する。そういう計画が千葉県議会あたりでも、あるいは該当市町村でもいろいろ出されているよりでございますけれども、建設省はいまだかつてそんなことをお考えになったことがないのかどうか。
○西村国務大臣 私はその辺については詳しく知りませんが……。後ほど調べましてお知らせしたいと思います。私の知る限りにおいては、建設省でいま運河をどうということはありません。
○吉田(之)委員 大臣のお答えから察しまして、おそらく全然念頭になかったと思うのですが、必要はそういうところまで来ていると思いますので、これは運輸省も関係のあることでございましょうけれども、ひとつ大規模な日本の港湾のあり方、あるいは海上交通のあり方、建設省も根本的な対策を樹立せられるべきだというふうに思います。 以上を申し上げましてきょうの私の質問を終わります。
○亀山委員長 次に浦井君。
○浦井委員 私、きょうは大臣の所信表明に対する質疑として、居住環境、特に日照問題についてしぼってお尋ねをしたいのです。 まず、最初にお尋ねしたいのですが、大臣、WHOというのは御存じでしょうな、世界保健機構。——いやそれで安心したわけですが、WHOが一九六一年に健康な住宅環境の基準をつくっておるわけです。ここで、住宅の基本は四つのファクターだというふうにきめておるのですね。それは何かといいますと、安全性がしっかりしておる、それから二番目は健康性、それから三番目が効率性、四番目が快適性、この四つの性質が完備しておらなければ健康な住宅環境であるといえないというふうにはっきりと言って、これが世界じゅうに広がっていっておる。で、この二番目の健康性というファクターの中に、その健康性を阻害するものとして、上下水道の不備であるとか、清掃がやられないとか、大気汚染であるとか、不潔であるとか、過密であるとか、それからプライバシーの侵害というものと並んで日照とか通風の障害がはっきりとあげられておるわけです。WHOのつくりました健康な住宅環境基準の二番目に、はっきりと規定されておるわけなんです。こういうところから見ましても、日照問題というものは少なくとも人間が社会生活をしていって、居住をしていくというような環境にとっては必須の条件だというふうに私思うわけなのですけれども、この点についてひとつ大臣のお考えをまず最初に聞きたいのです。
○西村国務大臣 世界保健機構の基準にそういうことを言っておりますし、まさにそのとおりでございます。しかし日本の現実はどうかということになると、およそそういううがったことは蓄えないのであります。しかし日照、採光、この点は今後の住宅政策についても最も考えなければならぬという認識はいたしております。
○浦井委員 次に、住宅局長はきょうはお休みだそうで、沢田さんにひとつお尋ねをしたいのですが、同じような趣旨なんですけれども、学者によっていろいろなんですが、太陽の恵みというのはいろいろな効果がある。光の効果が一番、それから熱効果、これは物を乾燥させるということもいえると思うのですが、この中に含まれておる。それから三番目には殺菌消毒効果をあげておるわけです。それで、その一つ一つの効果を分解してこれを人工的に置換していくことは、いまの進歩した技術の中で私は可能だと思うのですけれども、先ほど申し上げたように、大臣も言われたように、少なくとも現在の日本で居住する環境では、まだまだ——まだまだという表現か適当だろうとは思うのですが、自然の恵みとしての太陽の総合的な効果というものは否定できない、無視することができないのではないかというように私は思うわけなのです。私ちょっと科学者に聞いたのですけれども、大阪の梅田に地下街がございますね。あそこで何百人かのあの地下街で働いておる労働者を調査したのです。飲食店であるとか、あるいは衣服、シャツや何かを売る店がずっと並んでいますね。そうすると、そこで働いておる労働者は目の疲れを訴える人が六三%もある。そこで科学者が調べてみると、照度が五百ルックスある。それでもなおかつ雨が降っておる地上の三分の一しかないということで、その科学者のグループは、地下に主として住んでおる人もおるし、仕事しておる人もおるわけですが、地下でほとんどの生活をやっているためにこういう目の疲れが出ておるのではないかといりことを主張しておるわけなのです。結論づけておるわけなのです。それから、これは私の経験なのですが、やはり快適というか、太陽光線をさんさんと浴びるような住宅街に比べて、私がここ十何年間やってまいりました貧困な環境ですね、そこではもう日照というようなことが度外視されておる。スラム街、こういうところでは、いまはっきりしたデータは持ち合わせておりませんけれども、やはり相対的に見たらいろいろな疾病が多発しておるわけなんです。こういうところから見て、やはり日照を確保していくということは非常に必要だというように私は強調したいわけなんですが、ひとつ住宅局の御意見を伺いたいと思うのです。
○沢田説明員 先生おっしゃいますように、これは人間といたしまして太陽というものが大事だということはもうだれも否定できないと思います。ただ、要はそういうものをいかにして得られるような状況にあるかというふうなことが問題だろうと思います。日本で、いま大臣が申しましたように、いろんなことで太陽の恵みを十分受けられないということは、一つ例をとりましても、地価の問題あるいは所得水準の低さ、先生のいまおっしゃいましたそういう問題がある。そういう問題と太陽の受け方をいかに調和していくか、こういうところに問題があろうと思います。 そこで、たとえば外国の例を見ますと、ヨーロッパなどでは、元来、町の建て方が立体化しております。したがいまして、私どもが事務所で働いておるように、ほんとうに日の入らないところで日常生活をするという人たちがかなり多うございます。そういう人たちは一体太陽の熱なり効果なりをどういうふうな方法で享受するかといいますと、都市構成上オープンスペース、緑の公園、こういうところをとりまして、一定時間そういうところへ出るとか、日曜日には朝から晩までそこにいる、そういうふうな方法でそれを補っております。これは社会背景からさようなかっこうにならざるを得ないだろうということになったのだと思います。そういうことを考えますと、太陽の光というものは必要だということはございますけれども、それを一体どういうふうにわれわれが取り入れなければいかぬか、これの具体的な方法だと思います。先生いまおっしゃいましたように、熱とか光とかあるいは消毒とか、こういうものを機械で置きかえられるかどうか。私は相当部分は置きかえられるだろうと思います。しかし、やはり心情的な部門も最後には残ってくるかと思います。したがいまして、大部分はそういうもので置きかえられるけれども、やはり人間の生活には日光を切り離せない。切り離せない部分を、非常に高地価の、高密度の住生活をしなければならぬところでどういうふうにとっていくか。それを外国のほうではオープンスペースで果たしている、かような行き方をしております。日本ではそういうものを都市の生活でどうしていくかというふうなことが都市計画の基本であり、住宅政策の基本だ、かように考えております。
○浦井委員 調査官の御意見の中で、最後に心情的なものが残るというふうに言われたのですが、私は心情だけではないと思うのです。心理的なものだけではないと思うのです。具体的にはやはり人間の健康に必須なものが欠けていくのではないか。太陽に長いこと当たらずに人工光線で置きかえるということをやれば——これはそういう実験データ、そういうデータというものはないですから、これはここではもう問答を繰り返しませんけれども、このことを強調しておきたいと思うのです。 そこで、具体的に日照を確保していく法的な問題に入っていきたいのですけれども、建築基準法の二十九条に「日照」という文句が出てくるわけですね。日照が必要だ——必要だという表現ではないのですが、ここに出てくるわけなんです。具体的に日照が必要だというふうにそこで述べられておるけれども、一体これをどういうふうに具体化しておられるのかという点を聞きたいわけなんですね。それと同時に、いろいろ大都会を中心として日照の問題でトラブルが起こっておる、こういう現象も含めまして、建設省、現在どういうような考え方で、しかもどのような対策を立てようとされておるのか。これはあとで具体的な問題はこまかく聞きますけれども、大まかな大筋をまず最初にお聞きしたいのです。
○沢田説明員 基準法の三十九条は「住宅の居室の日照」ということでございまして、住宅につきましては、敷地の周囲の状況によってやむを得ない場合を除くのほか、その一以上の居室の開口部が日照を受けることができるようにしなければならない、こういう規定でございます。したがいまして、通常は一室以上に日がちょっとでも入るようにしなければいけない、これが住宅だ、こういうことをまずいっております。ただし、やむを得ざる場合にはそれを除外してございます。これはまあ非常な過密の場合とか、あるいはどうしてもがけの下でしようがないところで人の住むところとか、そういうことが例外として述べられておるのじゃないか、あるいは地価の話とか、そういうものがあるのじゃないかというふうに思います。 これはこの条文の話でございますが、そういうふうな前提に立ちまして、私どもは、日照問題につきましては、住宅、人が住むということにつきまして大事だという基本線には立っております。ただし、わが国の都市は、先ほど申しましたように、宅地事情あるいは都市形態からいきまして、比較的過密居住をしなければいけないというふうな問題がございます。その問題から日照が十分にとれないかもしれない、こういうふうなかっこうの問題が非常に起きております。そこで非常に問題が起きてまいりましたので、これを建築基準法の中におきましては、いわゆる集団規定——都市計画に通じます集団規定、都市の建物はいかにあるべきか、こういうふうなものの改正を実はいたしたわけでございます。先生も御存じのように、四十四年に改正をいたしております。これは要は、いままでの用途地域というものは四つにしか分かれておりませんで、住居地域は一本しかございません。したがいまして、住居地域はいろいろな種類の建物が入っておる。あるいは低いものも高いものも入っておる、かようなことでございますので、日照問題につきましてもその他の問題についても混在地区で問題が起きるだろう。したがってこの住居地域を三つに分けまして……(浦井委員「簡単に」と呼ぶ) 〔委員長退席、田村(良)委員長代理着席〕 用途を純化をいたしまして、低いところには低い制限をかけて、個別の二戸建ての住宅を建てる、高いところにはアパートを建てる、こういう地区を設けた、そういうふうに用途の純化をしてやりました。低いことを要するところ、特に日照の確保を必要とするところには北側斜線制度というものをつくりまして——完全に現在の都市状況で日照が得られるかというと完全ではございませんので、日照、採光、通風、プライバシー、そういうものに寄与するという程度の北側斜線を全国一律の最低基準を定めた次第でございます。そういうことで、要するに都市計画的な集団規定の改正によりまして、日照問題、こういう問題に資そうというふうな態度で処してまいってきておるわけであります。
○浦井委員 そうすると、そういういま言われたような措置が時間的に——用途地域の指定の問題はあとで尋ねますけれども、これはまだ完了しておらない。こういうものが完了すれば、ほぼ所期の目的は達成されるだろうというのがお考えの基本ですか。
○沢田説明員 先生おっしゃいますように、所期の目的の程度でございますが、相当程度いまの日照トラブルは減少するだろう、相当の効果をおさめるだろうと思います。ただし宅地が非常に狭小であるという事実がどんどん進行いたしますれば、幾らそういう規制をいたしましても、宅地が小さければもともと日が当たりませんからそういう問題が出てくるということで、紛争は残ろうかと思います。
○浦井委員 それで、建築審議会の中に生活環境、住居環境分科会ですかを置かれて、そしてそこに日照問題を諮問をされておるということを聞いたわけですけれども、これは事実なんですね。なぜそういうものを置かれたのか。この辺の事情を聞きたいのです。
○西村国務大臣 日照問題は非常に大事でございますので、もうこれは大事なことはあたりまえでございまするが、しかし、法律でも北側斜線をつくったとかというようなことがありますが、なおそれ以上に、やはりどういう限度までいいか。これは非常にトラブルがたくさんありまして、これは後ほどいまのトラブルの件数も当局から申し上げるでしょうけれども、正式なトラブルも相当にあり、また正式なトラブルでないほう、これが相当にある。これはあたりまえなことでございますけれども、その程度はやむを得ないじゃないかとか、あるいはもっと進んでこうすればいいじゃないかといういろいろなのを、日照の点でそれぞれ学識経験者の方々からひとつ知恵を出してもらいたいということで先般私が諮問いたしたのでございまして、それもやはりなるべく早く答申を得たい、かように考えて、先般答申を得るようにお願いをいたした、諮問をいたしたような次第でございます。
○浦井委員 その辺の具体的なことをお聞きしたいのですが、その審議会の分科会はいつ発足をしたわけですか。
○沢田説明員 三月二十一日——間違いました。二月二十五日に第一回をやっております。
○浦井委員 それ以後は開いておらない。第一回をやっただけですね。
○沢田説明員 そのとおりでございます。先ほど言いました日にちにその次回ぐらいをやろうかということでございます。三月に……。
○浦井委員 分科会を発足させた。しかしやはり分科会だけでもまだ——どういいますか、どういう表現が適当なのか知りませんが、十分でないので、専門委員会もつくられたというふうに聞いておるのですが、事実なんですか。
○沢田説明員 お答えいたします。 いま先生が言いましたのは、市街地環境分科会というものの中に日照問題専門委員会を設けた。その専門委員会を設けて第一回をやりましたのが二月二十五日でございます。こういうことでございます。
○浦井委員 そうすると、分科会では専門委員会を発足させるということをきめて、日照の問題についての具体的なことはあまり討議はされていない、こういうふうに理解していいわけですか。
○沢田説明員 専門委員会を設けるに際しまして、日照問題についての一般的なフリートーキングを一回やりました。その席で、こういう分科会を設けてやるということで設けられた次第でございます。
○浦井委員 もう一つ具体的なことをお聞きしたいのですが、その専門委員会の中で——いま沢田さんが、残るのは心情的だと言われたのですが、私はそうとも言えぬと思う。これはまあ結論が出ないですけれども、このような心理学的なあるいは医学的な問題もその専門委員会、あるいはもっとその上の段階の分科会の段階で研究をされて大臣に答申をされる、こういうことになっておるか、どうかということを聞きたいのです。
○沢田説明員 私がちょっと心情的と申し上げましたのはきわめてあいまいなことばでございまして、そのほかの何かが残るだろうという意味で申し上げたわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても、この専門委員会の中にも公衆衛生院関係の先生も入っております。そういうことで、現在どういうテーマをどういう時期までに価値づけるかということを協議している最中でございまして、そういうことにつきましてはまだどれをどうということはきまっておりません。
○浦井委員 大臣にそれではこの問題についてお聞きしたいのですけれども、そういうものをつくられた。これは大臣言われたように、まあいろいろトラブルも起こっておるし、騒ぎも起こっておる。だからひとつやろうということになったんだろうというふうなことだろうと思うのですが、大臣としては大体いつごろまでに答申を得たい御予定なのかという辺をひとつお答えを願いたいのです。
○西村国務大臣 大体秋ごろまでに答申を得たいと思っております。しかし、まあスタートしたばかりでございますので——この建築審議会の中の委員の方々が集まっておられるその小委員会の中に専門委員会をつくったのですが、これは相当にその道の権威者をいわば集めなければいい結論が出ない。しかし、いま発足したばかりですからあまり干渉いたしておりませんが、私は、中間報告でも一ぺん出て、どういう結果が出るか、やはり見たいような気もいたしておるわけでございます。
○浦井委員 お話を聞きますと、日照問題、その中に日照権の問題も含まれるわけでしょうけれども、日照の問題が大都会で頻発してまいりましてからそれなりの日にちが経過するわけなんですが、これに対応したにしては少し手の打ち方がおそいのではないか。 〔田村(良)委員長代理退席、委員長着席〕 分科会にしても一回、専門委員会にしても一回ということで、もっとやはり住民の立場に立った、いろいろなこの問題を解消していくためのよい案を出すための努力というものが不足しておるのではないかというふうに私思わざるを得ないのです。 そこで、いま建設省の持っておられる資料で二点ほどお尋ねをしたいのですが、一つは、現在日本全国で日照問題についてトラブルが大体どれくらい起こっておるのかという問題です。 それからもう一つは、そのトラブルが起こっておるというのは表面に出たということなんですね。ところが実際には、それは氷山の一角であって、日陰になったけれども泣き寝入りしておられる方もたくさんおられるでしょうし、あるいは日照が必要だということを自分で自覚せずに、たとえば先ほど私申し上げたように、スラム街などでそういうことを自覚せずに、そのまま健康を害されながら長いこと生活、居住をしておられる、こういうことは当然考えられるわけなんですが、そういうような、たとえていえば日照ゼロというような居宅、住宅が、たとえば東京都に限っていって大体どれくらいあるものなのか。この二点をお尋ねしたいのです。
○沢田説明員 お答えいたします。 まず、その苦情の表面にあらわれた件数から申しますと、最近私どものほうで全国の都道府県を通じまして調査をいたしました。それによりますと、市民相談室などに持ち込まれました苦情の件数、これは二千九百三十五というのが、こまかいものでございますが、おおむね三千件程度がございます。これは最近の三年間ぐらいの話でございます。それから、さらにそれが知事なり市長なり市議会なりに陳情という、やや強い形であらわれましたものがそのうち四百件余、かようなことになっております。これはまあ氷山の頭だとおっしゃられるわけでございましょうが、私どもは相当、現在の毎日の新聞紙上にも出ておるああいうムードからいって、この数字はわりに近い数字なんじゃないかというふうに考えております。 ただ、その眠れる日照ゼロのもの、これはどのくらいあるかということに関しましては、私どももちょっと資料を持っておりません。また調査もないかと思います。したがいまして申し上げる次第にはならないと思います。
○浦井委員 三年間に三千件足らずだ、その数字はわかったわけなんですが、私がむしろ問題にしておるのはその第二の問題なんですね。これはやはり住宅行政をあずかる側として調査をしておらないというのは怠慢ではなかろうかというふうに思うのですけれども、これはやる予定でもあるのですか。
○沢田説明員 私どものほうの関係の統計で住宅統計調査というのがございます。これが四十三年に実はこの前やって、五カ年計画のもとになっております。次は、五年おきでございますから四十八年でございます。これには先生のおっしゃるようなものを取り込みたいと思って現在企画をしております。
○浦井委員 四十八年から取り組みたい、非常におそいわけなんですが、ひとつこれは真実を反映したよいデータを出していただきたいと思います。 それで、その第一の点なんですが、その中で府県別、市町村別が出ていたと思うのですが、たとえば大阪市と神戸市では何件くらいになっていますか、相談室へきたのは。
○沢田説明員 大阪市は十一件で、神戸市は四百十一件でございます。
○浦井委員 どういうことなんでしょうね。期間は同じ三年間でしょう。そして大阪市は人口がどれくらいあるのですかね、三百万以上、神戸市は百三十万、半分以下。都市化の進展の度合いからいきましてもおそらく大阪のほうがひどいと思うのですが、しかも件数は四十分の一。これはどういうことなんでしょうか。
○沢田説明員 この調査そのものにつきましても、調査方法にも問題があったかしれません。私どもが行政を通じてとりました資料でございまして、その点に問題があったかもしれませんが、傾向といたしまして私が推量いたしますのに、やはり大阪の土地事情、こういうものの反映と申しますか、いままでの生活態度との関係で日照問題に対して神戸よりもそれほど過敏でない、こういう傾向もあらわれておるんではないか、こういうふうに私は解釈しております。ただこのデータそれ自身の正確度につきましては、全国ではマクロで私はかなりの線をいっていると思いますが、個々につきましては、これが全く正確なんだというほど確信を持っておりません。
○浦井委員 大阪の市民は日照問題についてあまり過敏ではない、神戸の市民に比べて。どういう根拠でそういうことを言われるのか、私はよくわからぬですね。同じ関西人で、しかも隣の都会で。私、神戸市に実は電話をかけて聞いてみたわけなんです。そうすると、電話で簡単な連絡があったり、それから建築騒音がひどい、まあ日照も障害されるだろうというような電話の受け答えがあった、たとえばそういうものも全部含めておる。だから人口が少ないにもかかわらず大阪の四十倍というような数字が出ているんだろう、私はそういうふうに分析をしておるのです。だからそういうのを消去いたしますと、神戸の実数というのは大阪の十一に見合うような数字、大体二十件くらいだろう、こういうことを私は調べてわかったんですが、建設省、そういう事情を御承知ですか。
○沢田説明員 個々にはそういうことは私はちょっと知りませんでしたけれども、しかし私が最初に申しましたように、この調査のやり方に多少欠点があったんじゃないかということはそういうことを予想して申し上げました。したがいまして、先生のおっしゃることがあるんじゃないか、こういうふうに思います。
○浦井委員 だから、私は先ほどの言い分に戻るわけですけれども、日照の問題を一体建設省は真剣に取り上げようとされておるのかどうか疑わしいと思うのです。そういう非常に基礎の違うような数字を並べて、マクロでございます、マクロで見ておりますからというようなことで審議会に資料として出すというようなこと一つを見ましても、私は、都市計画あるいは土地の高度利用というようなことには非常に御熱心ではあるけれども、少なくとも事日照の問題については建設省はあまり御熱心でないように遺憾ながら思うわけです。だからひとつこの点は考え方を改めて、今後住民の立場に立った日照問題に対する対処のしかたに方向転換をしていただきたいということをひとつ要望しておきたいと思うのです。 そこで具体的な問題に入るわけなのですが、先ほどお話のありました新都市計画法あるいは建築基準法に基づく用途地域の指定がえの問題ですね、これが四十八年の末までに完了する予定だということなんですが、現在の全国的な進捗状況というものはどうなんですか。
○吉兼政府委員 新しい用途地域の編成がえは四十八年末という目途になっておりますが、現況で申し上げますと、完了いたしておりますのは高知の広域都市計画区域等十三の都市計画区域、市町村数で申し上げますと二十市町村、この地域につきましては新用途地域が決定をいたしております。今後の見通しとしましては、大多数の市町村がこの秋ごろまでに決定を終わる見込みというふうな予測を立てております。
○浦井委員 そのやり方なんですがね、たとえば私、ここにこういうようなのを持ってきておるのですが、これは東京都がいまからやられるわけですね。案がこの間発表になって、そして現在住民の理解を求めるという作業を進めておられるようなのです。東京都では、これはまだ配っておられないそうですが、こういうりっぱな——りっぱなといいますか、文書を全世帯に一枚ずつ配布をして、あなたの地域はこういうふうになりますよ、いろいろ御希望があれば申し出てくださいというふうに、できるだけの手段を尽くして親切に周知徹底させようと努力しておられるようなのです。法的にいけば、先ほどの都市計画の話で出てきましたように、公聴会を開いたり縦覧期間を置いたりということになるわけなのですが、私望みたいのは、できるだけこの用途地域の指定がえにあたっても住民の意見を十分に取り入れて、できるだけデモクラチックにやっていただきたい。そういうふうな指導を建設省としてすべきではないかというふうに思うわけなのですが、これはひとつ大臣、大事な問題ですからお答え願いたいのですが……。
○西村国務大臣 そのPRもある程度やっておられるのですけれども……
○浦井委員 知っておられますか。根拠のあることを言っていただかないとぐあいが悪い。
○西村国務大臣 PRもある程度やっておると私は思っております。しかし、おっしゃったとおり、住民の地域が、自分の地域がどれであるか、どの種類に属するかということは十分知ってもらわなければならないと思っております。なお注意をいたします。
○浦井委員 私言っておるのは、大臣、自分の地域がどういう地域指定になるのかということを十分知るのでなしに、こうなりそうだ、これに対してあなたの御意見はどうですか、ひとつディスカッションをやってくださいというようなやり方をやってくださいというんですよ。どうですか。
○西村国務大臣 そういう、皆さんから意見を徴するというようなところまではいっておりません。なおしかし研究はいたしますが、そういうところまではいっておりません。
○吉兼政府委員 補足してお答えいたしますが、この用途地域の再編成というのは線引きと並んで都市計画で最も重要な作業の一つだと思います。しかもこれは非常にわかりにくいわけですね、御案内のとおり。でございますから、今度の用途地域がどういうふうになるんだというふうなことにつきましてのPR、これは全国的な立場から制度の解説なりそういうものをやる必要があるということで、具体的にというお尋ねでございましたが、私どものほうでパンフレットをつくりまして、各地方公共団体のほうに全部配布してございます。それからさらにそれを受けまして、東京都のその例かもしれませんが、具体的に、この都市計画地域において、あなたのところはこういうふうな地域になるんですよ、用途地域はこういうふうになりますというようなことを書いたような、そういう図面を添えたようなPRのパンフレット、そういうものをつくるように私どもは指導をしております。そういうことを公聴会とかいう前に、事前の説明会ということでやりなさいということにいたしておりますので、そういう機会にそういうものを使ってまずよく実態を住民に認識してもらう。その地域がその都市全体の中でどういう位置を占めるのかということをよく理解してもらう。その理解の上に立っていろいろ意見を出していただくというふうな指導をやっておるわけでございます。
○浦井委員 わざわざ大臣にこういうのをいただいたわけですが、まあ、紙厚きがゆえにとうとからずということになりますが、問題は、これが自治体までいって自治体の関係部局でとまっておるというのではなしに——東京都の場合は紙も分厚いし、大きいし、きれいなんですよ。これが一戸一戸配布されるということなんですよね。しかも、先ほど私が申し上げたように、こうなりますよということをきめられて周知徹底されるんではなしに、いろいろな住民運動をやっておられる方の御意見なりを聞きましても、できるだけ地域を細分化して、その地域に見合うような、適当した用途地域の指定をやろうというふうに東京都は努力をしておられる。だからこれを一つの参考にして、建設省も形の上だけで丁寧な指導をいたしましたというのではなしに、心のこもった、住民の立場に立った指導をやってほしいということを私は要望しておるわけです。よろしいですね。 それで次の問題なんですが、それに関連して、いま都市局長がお話しになったように四十九年の三月までにまだ終わっていないところがたくさんあるわけなんですが、それまでに、地域指定がやられないうちに、いまのうちにマンションを建てておけというようないわゆるかけ込み建築の問題ですね。これをどういうふうに規制をすればよいのかという問題について、ひとつ建設省の関係の御意見をお伺いしたいのです。
○沢田説明員 ただいま都市局長からいろいろと手続のお話しがございましたように、地域の住民の意思を反映する、そういう各種の手続が行なわれまして、それによって案が次第に決定してくる、かようなかっこうになろうかと思うのです。これはかなり時間がかかるわけでございまして、その間に出てくるもの、これを先生はかけ込みとおっしゃっておるのだと思いますけれども、これはそういうものが時間を要する前に示されますので、かけ込みを完全にとめるということは現行制度では不可能でございます。ただし私どものほうは、これがそのままいった場合にはどういうことになるかといいますと、建築基準法上の既存不適格ということになりまして、あとあと都市のかっこうが悪くなる、かようなかっこうになります。しかし、私どもは先ほど言いましたように、それを法的に阻止するようなことはできませんので、この指定を極力早めるという方向に徹したいというふうに思っております。
○浦井委員 時間がないので次々に進んで早く終えたいと思うのですが、有名な武蔵野方式ですね。指導要綱をつくりまして、それで武蔵野の場合はそういうマンションとか中高層建築、特殊建築物などに対してあらかじめ住民の合意書が要るというふうになっておりますがね。こういう自治体がそういう要綱というようなものをつくって、少なくとも自分のところからは日照問題が起こらないようにというふうな努力を、東京都下を中心としてずうっと全国的に広がっているのですが、こういう動きについては建設省としてはどう考えておられますか。
○沢田説明員 いわゆる武蔵野方式と申しますのは、建築確認申請の事前指導といたしまして、先にそのマンションなり何なりの届け出をさせまして、その段階で周囲の居住者の同意をつけてこなければいかぬ、そういうふうなところを内容としております。そういうものが得られぬ場合には水道その他の公共事業で便宜がはかられない、こういう内容だと思います。これは一番強い例だと思いますけれども、多少でもそういうことをやっておりますのが現在全国で八例ございます。 しかし、これに対しましてどう考えるかということでございますが、私どもは、そういうふうな建物の規制をいたしましていい町づくりをする、しかも長いこれからの新しい町をつくるというふうな建物の規制は、やはり用途地域あるいはそのほか高度地区、そういうふうなものの都市計画としてこれはやるべきものが本筋であろう。したがいましてそういうものを的確に早くやるというのが本道でございまして、建物のケースによりましてそれを一つずつその場で押えていくということにつきましては、これはいろいろ検討しなければならぬ問題点があろうかと思います。そういうことで、私どもはそういう問題を含めまして審議会の議題に供しておる次第でございます。
○浦井委員 検討すべき問題だ。しかし自治体の側に立ってみれば、やはり振りかかった災難を払いのけるといいますか、そういうところから見た生活の知恵的な行き方、これによって少なくともそこで起こっておるローカルなトラブルというものは一応取り除いていっておるというふうに私は聞いておるのです。だからそういう観点でやはり見ていくべきではないかと思うのです。 それに関連いたしまして、これは提案なんですが、時間がないので読み上げるみたいなかっこうで進めますけれども、私こういうふうに思うのです。これに関連した建築確認の問題で、日照障害を起こすような、いわば環境を害するような中高層建築物、特殊建築物、こういうものに対して、いま言われた建築確認の申請の段階で住民に公開するような手だてを講ずることができないものか、これが第一点。それから第二番目は、そのときに業者が、いままで概要書からそういうものだけ添えればよかったわけでしょう。それだけでなしに、もっと詳しい図面、それから日照図、反対に日影図、こういうようなものを添付するというようなことにしてはどうか、これが第二。それから第三番目には、その関係する住民の大多数の同意を得て建築の確認をするというようなやり方に変えたらどうかという問題。それから第四点は、そうしますと建築主事の問題が浮かび上がってくるわけなんです。そこで、そういう特殊なあるいは高層の建築物に対しては、建築主事でなしに、むしろ別な機関、たとえば現在の法でいきますと建築審査会、こういうようなものがそういう特殊な、環境を阻害するような建築物の確認申請に対してはそれが当たるというようなやり方で、主事の手を離れさせるというようなことが考えられないものだろうかというふうに私思って提案をするわけなんです。それと、建築審査会の問題が出ましたので、これもそういうことでいきますと、いまのような受動的な、しかも権限の弱いものでなしに、できればもっと機構を強化したり、あるいはいまの特定行政庁から独立をさして、別個の機関にする。そして審査をする内容も拡大をして、当然日照問題も処理できるというような、一種の紛争処理機関の役目も果たせるようにしてはどうかというふうに私は考えて提案をするわけなんですが、これについてひとつ関係部局のほうからのお答えを得て、大臣のお考えを最後にお聞きしたいと思うのです。
○沢田説明員 何点かございますけれども、まずまず申請の段階で図面を公開したらどうか。これは実は基準法の改正の内容といたしまして、図書を縦覧させるというふうにたしかなっておるはずでございます。それから、その次の例の日照図とかそのほかをつけさせるという話でございますが、これはいまの基準法に必要な図書ということではございません。したがいまして、これも先ほど申し上げましたような審査会その他におはかりをしておる内容のことだろうというふうに感じます。それから、主事の制度を強化したらどうだという話、これは現行の主事を強化するということは、人数をふやすとかあるいは——いまでも主事は独立した権限を持っております。要するに基準法に合っているかどうかということを、ほかに侵されずに確認していくということでございまして、独立したユニークな存在でございますけれども、それの欠点は非常に手が足りない、そういうことでございますので、そういう意味での強化というふうなことは十分やっていきたいし、また現在もやっているわけでございますが、さらに発展させて、紛争処理機関のような機能まで持たせるということにつきましては、これもたびたび出てまいりますが、審査会の課題、議題、こういうふうなことの内容ということになろうかと思います。
○浦井委員 せっかく提案しているのですが、たとえば図書の閲覧の制度があるのではないか——ほとんど利用できておらないのが現状ではないかと思うのですよ。だから、いろいろ討議したいとは思うのですけれども、もう省略いたしますが、私の提案したことをひとつ十分に取り入れていただいて、日照についてのよけいなトラブルが一日も早く解消するような方向に努力していただきたい。建築協定の問題も実は取り上げたかったわけなんですが、この方向は建設省としても推奨したいというふうに聞いております。私たちももう少し検討しなければなりませんけれども、あながち反対をすべきものでもなかろう。やはりそういうある地域の環境を保全していくためには、こういう地域民主主義というようなものが必要ではなかろうかというふうに思いますから、この点もひとつ努力をしていただきたいと思う。最後に、大臣、こういうふうに日照問題が起こってくるのも、もうお気づきだと思うのですけれども、いままでの政府のとってこられた都市政策といいますか、ひいては住宅政策、土地政策ですね、こういうようなものが非常に誤っておる、と言うとまた反発をされるかもわかりませんけれども、やはり誤っておったからだ、その一つの結果だというふうに思うわけなんです。だから、日照問題も根本的には、私どもが言っておりますように、勤労者の住宅は国なり自治体なりが責任をもってこれをつくっていくという方向、それから都市計画あるいは土地利用計画についても非常に高い立場に立った総合的な、しかも民主的なそういうものをつくっていくという方向、さらに土地問題についても、宅地並み課税の問題が出てまいりましたけれども、昨日の予算委員会でも指摘されておりましたように、大きな会社が投機のためにいろいろな膨大な土地を保有しておるという問題をのがして、それを手をつけずにいろんなことをやられても、結局は成功しないのではないかというように私思います。ですから思い切って、メスを入れられるならそこにメスを入れるべきだということを主張して、ひとつ大臣に最後の締めとして決意を聞いて、私の質問を終わります。
○西村国務大臣 日照問題はたいへん大事な問題でございまするから、諮問をいたしたのでございますが、いませっかくいろいろな御提案もございましたので、十分検討をしたいと思っております。いろいろな手があるだろうと思います。それからもう一つ大事なことは、やはりすべての仕事をするのにはある程度地域住民の方々に納得をさせるということ、これも大事でございます。土地問題にいたしましても、いま法人の土地譲渡所得の問題が出ましたが、建設省としては毎年、私は特に、個人の譲渡所得に対するあれをやったんだから法人にはやるべきだということを今回も相当主張したのでございまするけれども、なかなか関係省が税金の問題はなかなかむずかしいということで、見送ったのでございまするけれども、大蔵大臣はやはりこの問題は真剣になって取り組みたい。たくさんの土地はないのじゃない、土地はあるけれども使わせないようになっておる、使えないようになっておる、こういう感じも私多少持っておるのでございます。 せっかくいろいろな御提案がありましたから、建設省といたしましては十分検討させていただきたいと思います。
○亀山委員長 次回は、来たる十日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開くこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会