決算委員会 第14号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/06/01
会議録
○福田委員長 これより会議を開きます。 この際、諸君におはかりいたすことがございます。 理事鳥居一雄君より理事辞任の申し出がございます。これを許可するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより理事の補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、坂井弘一君を理事に指名いたします。 ————◇—————
○福田委員長 昭和四十五年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、大蔵省所管について審査を行ないます。 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 私は大蔵大臣に、現在問題になっておりますいわゆる対外経済緊急対策、この問題について少しお尋ねをしたいと思うのであります。 第一にお尋ねをしたいのは、先般閣議におきまして、郵政審議会で決定がなされなかった、こういうことに対しまして大蔵大臣あるいは佐藤総理大臣から廣瀬郵政大臣に対してたいへんおしかりがあった、こういうことが新聞に出ておるわけであります。おしかりということばが適当でないならば、いろいろ責任の追及等が行なわれたということがかなり詳細に新聞に出ておるわけです。各新聞とも大体似たり寄ったりのことを書いておりますから、新聞報道はその意味においては一致をしておるわけですが、大蔵大臣、実際の事実はあの大方の新聞が報道しておるとおりでございましょうか。
○水田国務大臣 先日の閣議で、大蔵大臣が金利についての発議を日銀の政策委員会にしたことを報告しまして、そうしてこの預金金利の引き下げについては、郵便貯金の金利引き下げもぜひこれに歩調を合わせていただかなければならぬと思うので、御協力をお願いするという発言をしたことでございまして、新聞で出ている、しかったとかどうとかというようなことは別に閣議ではございません。これに対して郵政大臣が、二十九日に郵政審議会を開いて、すでに、六月二日に参考人を呼んで意見を聞いて、そして一番最初は別に諮問もなくて、いろいろな自由意見を述べてもらったが、今後利下げの問題に順次入っていくという報告が郵政大臣からございまして、みなこれは国策であるから、できるだけ協力してくれ、と重ねて総理からもお話があったということが真相でございます。
○西宮委員 各新聞は、しかったというようなことばは私も不適当かと思いますけれども、大蔵大臣あるいは総理大臣等から、諮問のしかたが悪いというような点等についてかなり具体的な指摘がなされた、あるいはこれはもうすでに政府の方針として決定している事項である、あるいはさらにOECDに行っている木村長官の立場もある、そういう点がいろいろ大蔵大臣からも指摘をされているというふうに新聞は伝えているわけですが、その辺はいかがですか。
○水田国務大臣 そのときに質問が出まして、どういう諮問があったかということで、もう閣議の方針はきまっておることでございますので、したがって、みんな最初の審議会に一応そういう具体的な諮問案が出ておったものと思っておりましたが、そうでなかったということなので、そのいきさつはどうであるかという質問がこれは当然出ました。それについて、一番最初はそういう具体的な諮問をしなかった、逐次諮問をしていくつもりであるというふうに郵政大臣が答えたということが真相でございまして、これは御承知のとおり郵政関係者においても非常に関心を持っておる問題でございますから、早くから一日でこれをどうこうというようなことも郵政大臣は言っておりませんでした。これは協力するということを閣議でも申しておりますし、このやり方については一応まかせてあるような形になっておりますので、私どもはできるだけ方針どおりひとつ協力してほしいということを重ねて要請したというのがあのときの真相でございます。
○西宮委員 郵政大臣の態度として、郵政大臣は、まず郵政審議会が開かれる前に金利改定幅がきまっていることは問題である、あるいは大蔵省や閣議の圧力によって郵便貯金の金利がきめられるということは、郵政省の主体性欠如を示すことになる、こういう点を配慮いたしまして郵政大臣はもっぱら聞き役に回った、こういうことがまず最初に伝えられたわけですが、私は、こういう態度が郵政大臣のとるべき態度としては当然だというふうに考えるわけです。いま大蔵大臣のお話だと、むしろ具体的な提案をして、下げ幅は幾ら、あるいはまたいつから実施をするというようなことを具体的に審議をするのが当然だと思っておったのが、そうではなかったので云々、こういういまの御答弁でしたけれども、私は、郵政大臣がとったこの態度は、郵政大臣の態度としてはこのほうが正しいというふうに思いますが、その点はいかがですか。
○水田国務大臣 どちらが正しいとか正しくないという問題じゃございませんで、その前の閣議におきまして、預金金利の引き下げは〇・五%の引き下げを大蔵大臣は期待するということを、まず民間の金融機関に対して期待の幅をはっきり明示しまして、したがって、これと歩調を合わせて郵便貯金の引き下げについても協力をお願いするというふうに、すでにこの問題についての閣議における大蔵大臣の発言は済んでおります。したがって、その線に沿った郵政審議会の開会であり、当然そのことが諮問の内容をなしておると私どもは思ったのですが、郵政大臣の説明によりますと、閣議において大蔵大臣が期待しておる利下げの幅はこうであるということも一応、それは諮問ではないが、全部審議会において紹介してあるというような報告もそのときの閣議でなされましたので、逐次その方向でこの審議会が会議を重ねていくものというふうに私どもは考えております。
○西宮委員 その下げ幅についても、〇・五%である、こういうことを要請して、それによって審議会にかけるというふうなことになるとたいへん問題だと思うのですが、いまの〇・五%下げるという点は、これは閣議ではきまらなかったわけですか。
○水田国務大臣 これは閣議でまだきめる時期ではございませんで、大蔵大臣が日銀の政策委員会にまず発議をして、政策委員会が金利調整審議会に諮問していくというようないろいろな順序をとります。まず大蔵大臣の発議というものが必要でございますので、この発議をしました。そのときに、大蔵大臣の希望する金利の引き下げ幅はこれだけを期待すると言って、期待する額は示しましたが、これは閣議できめる問題でございません。
○西宮委員 その点、あとでもう一ぺんお尋ねをいたします。 少し古くなりますけれども、新聞の報道によりますると、日本消費者連盟の竹内直一さん、これは代表委員でありますが、あるいはサラリーマン同盟の青木淑子さん、こういう人が昨年の暮れからことしの二月にかけて合計四回ほど郵政大臣あるいは企画庁長官、こういう人に会っております。さらに大蔵省では大蔵大臣のかわりということで、銀行局のある課長が面会をした、こういうことであります。その際に郵政大臣などは、そんなことは絶対にないということで安心をさせたわけです。引用されていることばをそのまま読みますると、「大蔵省がなんといおうと、身体を張って、引下げは阻止する」こういうことを言い、あるいは木村経済企画庁長官は「キミたちのいうとおりだ。引上げはともかく、引下げには私も反対だ」こういう発言をしております。これは郵政省と企画庁の代表者でありますから大蔵省に直接関係ありませんが、大蔵省銀行局のある課長は「預金者に“裏切られた”という気持を与えたら、貯蓄増強に支障をきたす。大臣も、預貯金金利の問題は物価が安定したとき、改めて検討することにしておられる」こういうふうに答えておるわけですね。つまり預貯金金利の引き下げの問題は、物価が安定した時点で初めて検討されるのだ、こういうことを言っておるわけです。いま大臣は〇・五%下げるのだということでそれぞれの機関にはかって、大蔵省の意向を明らかにしているわけですが、そうすると、このときに答えたことは、いわば陳情に来た人たちを裏切った、欺いた、こういうことになるわけです。もちろん大臣自身の発言ではありませんから、私はそういうことは知らなかったとあるいは言うかもしれないけれども、この時点においては大蔵省もそういうことを考えておったのじゃないか。「大臣も、預貯金金利の問題は物価が安定したとき、改めて検討することにしておられる」と大臣の態度を説明しておるわけですが、その時点において大臣は、この課長が言ったようにそういう態度をとっておられたかどうか伺いたいと思います。
○水田国務大臣 御承知のように、この預貯金の金利の引き下げということは国民に相当の影響を持つ問題でございますので、私どもはいままでこの問題は慎重に取り扱ってまいりました。したがって、一昨年来五回公定歩合の引き下げが行なわれましたときにも、公定歩合の引き下げと預金金利の引き下げを関連せしめないで、一・五%の貸し出し金利の下げを行なっても、預金金利には手をつけないで今日まで来ました。また余裕がある間はこれにできるだけ手をつけないことがいいという考えで来ましたが、ここに参りますと情勢が変わってまいりまして、日本の内外事情から見更したら、もう一歩の金利水準の引き下げが必要だという必要性に迫られてきました。その際、その必要性によって全般の金利水準を下げる。下げるためには、預金金利の引き下げをしなければもう一段の金利利下げができないという限度に来ておることは事実でございますので、ここでこの問題に手をつけるかどうかということは、もう政策判断の問題であろうと思います。これによって不況の回復が早くなり、そして国民所得の増というものを通じて国民が預金金利の引き下げ以上のメリットを得るということであるなら、これは決して国民にとって悪いことではございませんし、また現在の物価状況を見まして、社会コストが引き下がるということによって日本の物価の上昇が相当押えられて、これが国民生活にいい影響を与える、同時に国民福祉の向上といっても、もう一段金利水準が下がらぬ限りは、国民福祉の拡大が望めないということはもう事実でございますので、こういう一連の政策上の観点から踏み切ることは、国民大衆にとってこれが利害はどうかというときになりましたら、これは預金金利の引き下げに手をつけても、政策的に国全体の金利水準を引き下げることのほうが国民のためだという結論をようやく最近になって得たのでこういう措置をとったということで、ここへ来るまでには私どももずいぶん慎重に考えてきました。貸し出し金利の引き下げも、預金金利の問題に手を触れないで、余裕のある限りはこの引き下げの遂行をやってきましたし、ここ二、三カ月に相当水準の金利引き下げをやりましたが、国際水準との妥当な関係を保つというような必要からも、もう一歩することが望ましいということになりますと、もう限界が来ておると思いますので、今度は預金金利の引き下げに私どもは決心をしたという事情でございます。
○西宮委員 最近の経済の状況は、たとえば経済企画庁の発表、先月ですか、五月の九日だったと思いますが、景気の上昇のきざしが見え始めた、こういうことが報告されているわけですね。そういうことで、むしろ景気の上昇、景気の回復というような点からいうならば、もうそういう傾向がまさに見え始めてきているのではないか、いまあわてて金利の引き下げというようなことをやらなくても、当然そういう状況が出てきておったので はないかというふうに考えられるのですけれども、その点はいかがですか。
○水田国務大臣 不景気がもう大体底固めの段階に入っておって、上向きの方向になってきているということは大体はっきりしていると思いますが、しかも非常にこのテンポはのろいと思います。と申しますのは、需給ギャップがまだ大きいときでございますので、製造業における設備投資の意欲というものはすぐには出る状態にございません。したがって、金利の引き下げをやるということによってもこの部門の刺激にはならないと思いますが、非製造業部門をはじめとする一連の企業に関しましては、もう一段の金利水準の引き下げということは景気の上昇を相当早める役割りをすることは明らかでございますし、またこのテンポがあまりにもおそいことが見通される以上は、金利引き下げという金融政策をここで財政政策にもうひとつ加える必要があるという判断でこの金利水準の引き下げということをいま考えておることでございます。 一方、これからの経済の成長力の中心は、製造業による設備中心とか、あるいは輸出増進というものを中心とするのじゃなくて、やはり国民福祉を中心としたいろいろな仕事、住宅建設とか、あるいは国民の消費支出というようなものを中心とした経済成長力というものを私どもは期待しなければなりませんが、そういう点から申しますと、収益力のない福祉的な仕事についての一段の拡大をはかるためには、いま一歩の金利水準を下げるという仕事をしなければ、これは実現することができないという必要にも迫られておりますので、いろいろな点から考えて、金利水準を下げるということはここでやらなければならない緊急な政策になってきているというふうに私どもは認めておるわけでございます。
○西宮委員 その点についてはいろいろ見解が分かれるところだと思いますけれども、その見解の一つとして、OECD等では、むしろ景気回復のためにはたとえば所得減税をするとか、あるいはもっと福祉行政を充実させる、こういうことによって末端の需要者に直結をしたやり方のほうがより有効である。いわゆる所得減税等を行なって末端の需要を喚起する、こういうことのほうが先だ、OECD等ではそういう意見を述べ、あるいはこの間行なわれたイギリスとフランスを代表する審査員というのですか、あそこでもそういう意見が述べられたというふうに新聞等は報道しております。そういう点について私どもは、やはりそのほうが筋だ、大幅な所得減税をする、あるいはまた福祉行政をさらに拡充することのほうがより先決問題だというふうに考えておりますが、その点はどうですか。
○水田国務大臣 OECDでそういう意見が出ておることは事実でございますが、これは御承知のように、昨年末の通貨調整の成果をお互いに維持確保しよう、そしてこの成果をむだにしないようにしようということを、あのときの十カ国が機会あるたびごとに集まってそういう相談をしておるのでございますが、そのためには、各国が国際収支についてのいろいろな、お互いに節度のある国内政策をとらなければならないということを確認し合っておるわけでございます。 その一つの方法として、減税ということも当然必要な手段であると認められております。イギリスなどもそれによって相当大きい減税をするというようなことをやっておりますが、日本の場合はどうかということになりますと、何としても日本の場合はここで早く不況から脱出することが必要である、これを解決するのでなかったら、対外均衡の回復ができないというのが各国の認めておるところでございますので、その点についての関心が非常に強うございました。 そこで今回の日本の金利引き下げの方針というようなものも、これは各国がみな賛成するところで、この会議でも積極的に賛成意見が出たというようなことでございまして、日本の場合は、他国と違って、減税政策をあまりやらなかった国と違って、すでに昨年度においては本年度分の年内減税をやっておるというような事情が説明されて、そういう点においては、日本において減税よりも当面の政策はやはり金利政策であるということは、一般に今回の会議においても認められている方針であるというふうに私は思っております。
○西宮委員 私は、たとえば物価の問題等についても、さっきこれによって物価を下げるというようなことを大臣は言われました。純粋な理論的にはそういうふうになるべきはずだと思うのですね。これは貸し出し金利ですから、貸し出し金利の引き下げ等を行なえば物価が下がってくるということは、理論的にはそうなるべきはずなんだけれども、日本の場合には、流通機構の複雑さ、その他いろいろな問題があって、とうていストレートにその効果が及んでこないということは明瞭だし、さらに貸し出し金利を下げることによって、これでまず得をするのは、言うまでもなくたいへんな融資によって仕事をしている大企業、これはたいへんな目に見えた利益を受けるわけですね。しかし、ここでもし預金金利の引き下げを行なうということになると、おそらくこれは現在の物価上昇の上昇率を下回ってしまう、こういうことになると思うのですね。たださえ今日預金の吸収が困難であり、あるいはまた少なくとも預金者の立場から見ると、貯金をしても損をする、それならそのように投資をしたほうがいいという傾向が非常に強い。そういう際にまた預金の金利を下げるということになると、さらにその点が、開きが大きくなっていく。貯金をすれば損だ、こういう傾向が非常に明白になってくるわけですね。したがって、そういう点で、私は、低金利政策なるものは、まず第一に大企業が利益を受け、反面、一般大衆が迷惑をこうむるという結果になる、これは間違いないと思うのですが、その点についての大臣のお考えはどうですか。
○水田国務大臣 私はそう簡単にならないと思います。と申しますのは、今度の措置は、いまある預金の金利がすぐに全般にわたって下がるということではございませんで、既存の契約はそのままで、いま定期を持っている人は、その定期の期限が終わるまでは預金の金利は下げるということはいたしませんし、新しい契約から始まるというようなことでございます。同時に、貸し付けの金利もやはりそういうふうになっていくと思います。したがって、いままで成長経済時代に膨大な設備をしている大企業が、この預金金利引き下げによって、すぐに過去の投資の金利が下がってひとり得をするというようなことにはなりません。同時に、では今後は、貸し出し金利が下がることによって大企業だけが得をするかと申しますと、そうじゃなくて、さっき申しましたように、そういう大企業側にはまだまだ、いまの需給ギャップから見ましても、設備投資意欲というものがすぐにはわいてこない状況にございますので、そのほうにはむしろあまり響かない。すぐに響くほうは何かと申しますと、住宅ローンとかあるいは消費者ローンとかいうような、いまこれからどんどん需要が起こってこようという方面の貸し出し金利が下がっていくというようなことによって、そちらのほうが一番早く預金金利の引き下げの効果を受けるということになりますので、むしろ一般国民の生活に関係のあるほうへ先に影響があらわれてくるということが今度は言えるのじゃないかというふうに私は考えます。
○西宮委員 いままでの日本の例で申しますと、預金の利子が下がっても、それに応じて貸し出し金利が下がらない。したがって、佐藤総理なども今度は、金利引き下げのメリットは一般国民に還元をしろ、たとえば住宅ローンなどを下げろ、こういうことを閣議で指示をしたというふうに新聞は報道しておりますが、実はなかなかそこまで及んでいかないというのが従来の実態であったように私ども思っているわけです。もちろん、そういうところに将来、効果が及んでいく、そのメリットがそこまで及んでいく、こういうことをわれわれ当然期待したいわけですけれども、なかなかそれは容易ではない。その前に、金利の引き下げによって現実に、さっき申し上げたように、物価騰貴よりもさらに下回ってしまうという問題があったり、特に郵便貯金の場合のごときは、たいへんな大衆が大きな損害を受けるわけですね。そういう点について郵政大臣はきわめて慎重であり、あるいはまた郵政審議会から非常にいろいろな意見が出ておるということは、むしろ私は当然なことだと考えるわけですね。 それでは、具体的に伺いますけれども、もし〇・五%郵便貯金は下げない、こういうことになった場合にはどうされるのですか。
○水田国務大臣 これは金利体系の不均衡ということになって、金利政策全体の阻害となりますし、所期の目的を達することの大きい障害となる事項でございますので、これが一般金利と歩調がそろわないようなことであったらたいへんなことであろうと思います。したがって、いままで市中金利と郵便貯金の金利は歩調をそろえておりますし、一般金融機関の金利が上がるときには、そのたびごとに連動して郵便貯金の金利も一緒に上がってきているのが実情でございますので、下げるときだけひとり下げないというような金融政策はおそらくあり得ないというふうに考えます。 それからもう一つ、いま物価と金利との比較をされましたが、これを物価と比較されることは、私はあまり適切ではないと思います。むしろ、そうだとしましたら、物価がどんどん上がったときには金利をどんどん上げなければならぬかというようなことにもなりますので、物価高を預金金利で吸収しようとかいうような方向は、政策的には全然筋の違ったものであって、もし、物価対策としても、金利が下がっていろいろな生産性の低い部門の近代的合理化というようなものがどんどん進むということでしたら、金利を下げることが物価を下げる大きい要因になることでございますけれども、預金金利の利率そのものと物価を直接に比較されて、物価が上がったら金利も上がらなければいかぬし、金利が下がるときは物価が下がっているときでなければならぬという考え方は、私はあまり適切ではないと考えます。
○西宮委員 私も大臣の、貸し出し金利を下げることによって将来物価引き下げに役立たせるという点は、さっきも申し上げたし、全くそう思いますよ。ただ、日本の場合は流通機構等がきわめて複雑で、なかなかそれを下げたからといって物価にそのまま反映しない、それが実態だということをさっきは申し上げたので、理論の筋道として、貸し出し金利を下げれば物価が下がるであろう、そうならなければならないというのは、確かに大臣の言われるとおりだと思う。ただ、現実はそういっていない。私が物価との関連において言ったのは、物価上昇率よりも預金の金利が下回るということになれば、貯金をすれば貯金しただけ損をするということになる、大衆はそういう不満を強く持つわけです。その点を言っただけなんです。 しかし、その問題は時間がかかりますから、この程度にしておいて、そうすると、さっき大臣が言われたのは、〇・五%ということになればこれは全部連動しなければならぬ、こういうことで当然に郵便貯金も〇・五%下げなければならぬという大方針を宣明されたわけですか。
○水田国務大臣 これは、一般の民間機関は金利を安くする、政府の機関だけがひとり金利を上げるというようなこと自身問題でございまして、国策として民間の金利をこうするというときには、これに呼応して郵便貯金もそれと同じ幅の引き下げということが政策上は当然望ましいことであるというように考えます。
○西宮委員 そうなりますと、私は、郵政審議会が独自の機関として存在をするということの存在意義が全くなくなってしまうと思う。郵政審議会は当然に自分の自主的な判断で政策を決定するということになるべきはずなんだけれども、そういうふうにおっかぶされたのでは、全く独自の機関としての意義がなくなってしまうと思うのです。 それではもう一ぺんあらためて伺いますが、もし郵便貯金がこれに連動しない、そういう答申を郵政審議会等で行なった場合は、結局それに連動することになるわけですから、全部御破算になってしまう、あるいはまた、その下げ幅が〇・五%というものが〇・五%でなかった、こういうことになると、郵政審議会が下げたその下げ幅に全部が連動する、こういうことになるわけですか。
○水田国務大臣 そういう事態が起こったというときには、そういう事実は事実としてまた別に考えなければならないと私は思います。今後政策がそういうことによっては所期の効果を期待することはできないという事態になるとしますれば、なったような考えをしなければならぬと思いますが、郵政審議会において、郵便貯金においても一般民間金利等を勘案してきめるというふうなことも法律に書いてございますし、審議会の方たちは当然こういう問題についてはいろいろ考慮してくださることといま私は思っておりますので、そういうことは考えておりません。
○西宮委員 三十日の閣議のあとで、大蔵大臣は記者会見をいたしまして、その際に、郵政審議会においても十分審議をしてもらおう、こういうことを言っております。新聞はこれを解説をして、水田大蔵大臣がそういう譲歩を示した、こういうふうに書いているわけですが、そうすると郵政審議会において十分審議をしてもらおうというふうに水田大臣が言われたその心境は、いわば郵政審議会の独自性を尊重してそこで十分に検討してもらおう、こういう趣旨ではなくて、やっぱり〇・五%というのを郵政審議会においても強引にやらせる、こういうお考えだったのですか。
○水田国務大臣 郵政審議会に強引にやらせるとかなんとかいうような感触があるようであってはいけないと私は考えておりますので、郵政審議会に対しては、ひとつゆっくり十分検討してもらいたいという態度をいまのところとっておるのですが、その結論としまして、十分やった結果、国の金融政策において非常に重大な支障を来たすような結論を出してくださることになるのかならぬのかということは別の問題でございますし、そうならぬように私は慎重にやっていただきたいといま思っておることでございまして、これをこうしろとかああしろとか、強圧的にやろうということは考えておりませんので、したがって、そういう表現をしたのだろうと思います。しかし、結論としましては、慎重に審議していただきたいのですが、それによって閣議できめた政策がどうしてもやれないというような事態になることは、いまのところ私どもは望んでいない次第でございます。
○西宮委員 望んでおらないことは私もよくわかります。しかし郵政審議会はあくまでも独自な機関ですから、どういう結論が出るかはだれもわからないわけですね。したがって、もし大臣が期待するような答えが出てこない場合には、これは全部御破算になるのか、あるいは郵政審議会が決定したその幅で全体の金利水準が下げられる、要するに郵政審議会に右へならえをする、こういうことになるのかどうか、そういう点、簡単にお答えをいただきたいと思います。
○水田国務大臣 経済が国際化した現在、国際金利水準との均衡とか、いろいろな問題を控えておりますときに、一つの審議会の意向によって国全体の金利政策が全部遂行できなくなるということについては、私は非常に大きい問題であろうというふうに考えますので、その意見に従って全部国がやらなければならないのか、どういうことになるのか、これはその事態で真剣な考慮をしなければいけない問題であると私は考えます。
○西宮委員 それはそのときに判断するということでありますから、これ以上繰り返しませんけれども、ただ、そういういまの大臣の発言は私はいささか穏当を欠くと思うのです。なぜならば、こういう国際情勢下にあって、一審議会の意見によって全体に影響を与えられる、こういうことでは困る、そういう趣旨の発言があったけれども、私はそれではその審議機関を設けておく意味が全くなくなってしまうし、ただ要するに政府の考えることをそのまま審議会の名において答申をさせる、意見の具申をさせるというようなことであるとするならば、これはしばしばいわれておるとおり、あの数多くの審議会というのは全くの政府の隠れみのにすぎない。ことさらに政府の隠れみのをつくるために審議会というのを設けておるのだ、政府の責任をぼやかすために審議会を設けておるのだ、こういうことがしばしば非難をされておるのだけれども、いかにもそれを肯定した発言を大臣はいましておるわけですね。私はその点はまことに重大だと思うので、その点もう一ぺん、審議会の独自性という点についてどういうお考えなのか聞かしていただきたいと思います。
○水田国務大臣 いや、そうではございませんで、いまあなたの質問で、早い話が、たとえばもし審議会が金利は引き下げるべきじゃないといって、これを拒む審議会の結論でもあり得ることでございましょう、これは独自の権限を持っておるのですから。そういう場合には国は断念するかというような問題と関連しますので、そういう金利引き下げが必要であるという国内、国際的情勢のもとにありながら、そういうことが一審議会の見識によって否定されるというような重大なことがもしあるというときには、政府は政府としての方針を捨てるか捨てないかということになるわけでございますから、これは大きい問題だからそのときに研究します。いまのところは私ども、そういう審議会がその線に沿わない審議をしてくれということは、そこまで考えておりませんので、したがってあしたまでに審議してくれとかどうとか、早くやってくれというふうな、審議会について干渉がましいことを私どもは避けて、十分審議会の立場において審議していただきたい、それを希望するということをこの間記者会見で言ったわけでございまして、決して審議会をどうこうという、干渉したり圧迫したり、そういう意図ではございませんので、そのことを申したわけでございます。
○西宮委員 たいへんくどいようですが、それでは最後に一言、もう一ぺん伺ってこの問題については終わりにしたいと思います。 要するに大臣は、審議会に対してあるいはまた郵政大臣に対して、たとえば〇・五%はぜひ下げろ、あるいはいつまでにやらなければだめだといったようなこと等について大蔵大臣の立場から圧力をかける、こういうことは絶対にない、こういうふうに私は了解したいと思いますが、その点について間違いないかどうか。
○水田国務大臣 そのとおりでございます。圧力じゃなくて、ただ協力をお願いするといっても、めどを示さないでお願いするというわけにはまいりませんので、したがって閣議で皆さんの了承を得て、まず民間については〇・五%の引き下げを大蔵大臣は期待をするという発言をする、したがって郵政大臣についてもしかるべく御協力をお願いするという期待の発言はいたしました。これは当然だと思いますが、そのほかに圧力をかけたり何かするというような意思は全然ございません。
○西宮委員 圧力というようなことばは俗なことばで、適当ではないかもしれないけれども、この間の大蔵大臣あるいはまた特に佐藤総理の発言等がかなり詳しく新聞に出ていますけれども、あれなどは私は圧力ということばに値すると思うのですよ。圧力ということばにふさわしいと思うのですよ。あの程度に、郵政大臣は一体何をやったんだ、こういうことで郵政大臣のやったやり方について非常な強い批判をされる、こういうことになると、これはもうわれわれ仲間同士のことばで言うならば圧力に該当すると私は思うのですね。そういうやり方で郵政当局に臨まれる、あるいはまた審議会に対してもそういう態度をとられるということであっては断じてならないと私は思うので、その点を繰り返し強調しておきたいと思います。 もう一つ、最近金融状況がたいへんに緩和をしたわけです。したがって、いままでにないほど金融は緩和しておる。そういう情勢の中で行なわれる金融行政というものはいろいろな特徴があるだろうし、さらに最近の金融機関の動向ですね、これにも変わった現象が出ておるということは当然だと思う。私は新聞で見た程度でありますが、たとえば金融機関が不動産投機に手を出すとか、あるいはまた株を買い占めるとか、あるいはまたレジャー産業等にたいへんな意欲を示すといったような傾向がある。したがって、大蔵省銀行局ではそういう金融機関を呼んで事情を聴取している、こういうのを新聞で見たわけですが、その点について、これは局長でけっこうですが、最近の状況はどうなのか、お聞かせ願います。
○水田国務大臣 その点については参議院の大蔵委員会でも事務当局から説明いたしましたので、結果を事務当局から説明いたします。
○近藤政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、最近土地あるいは株式等に対する融資が多いのではないかということで、先般来聞き取り調査を大蔵省並びに財務局においてやっております。その結果がまだ第一次の聞き取り調査を終わりました段階でございまして、今後引き続き本省並びに財務局において聞き取り調査を継続してまいるというつもりでやっておりますが、ただいままでのところ、やはり土地、株式等に対する融資は、昨年の五月、六月くらいから非常にふえておることは事実でございます。ただ株式につきましては、年度がわりになりまして、特に四月、五月はやや従来よりも減ってきております。 そういう状況でございますが、それらを通じまして、個々に問題のあるものにつきましては、これを是正をさせるという方向で指導をいたしているわけでございますが、なおもう少し現在の聞き取り調査を継続いたしまして、それによる予防的効果をもあわせて今後の措置を考えてまいりたいというふうに考えております。
○西宮委員 局長の言われたいわゆる今後の処置ですが、どういう方針をもって臨みますか。
○近藤政府委員 ただいままだ聞き取り調査の続行中でございますので、今後の具体的措置について大きな方向をどういう方向でいくかという方針はまだ定まっておりませんが、全貌がまとまってまいりますれば、それに応じて対策も考えてまいりたいと考えているわけでございます。
○西宮委員 大臣に一言御意見を伺っておきたいと思うのですが、金融機関に対する監督官庁としての立場、あるいはまた第一世間の見方も、金融機関をいろいろ俎上にのぼせて議論をする、こういうことは従来できるだけ避けておった、そういう傾向があると私は思います。なぜならば、これは一つにはたくさんの預金者に影響する問題であり、あるいはまた日本の経済に大きく影響を与える、そういう点から何か金融機関の問題を論ずることは一種のタブーみたいな考え方があった。あるいはまた、したがって金融機関の側から言うと、自分たちの領域を聖域と心得る、そういう傾向がなかったとは言えないと思うのです。しかし、そういう中で、やはり金融機関は確かに公共的な任務を持った機関であることをわれわれ十分承知しておる。したがって、あくまでも公共的任務を全うしてもらいたいというふうに考えるのですが、やはりこれも営利企業の一つでありますから、ときによりますともうけ主義に走る、そういう傾向がないわけでは決してありません。先般私は、たとえば金融機関によりましては、ときによると経営状態がむしろ非常に悪化しているそういう企業体に金を貸して、しかも途中でぱたっと融資をとめてしまう。そうすると企業体は一ぺんに手をあげる。その手をあげた時期をねらってその財産を取り上げてしまう、あるいは企業の経営権を全部奪ってしまうというようなやり方が、そういうことが往々にして行なわれているのじゃないかというような問題を取り上げて銀行局としての考え方を聞いたわけでありますけれども、当時出席したのは銀行局の課長でありましたが、この課長は、そういう相手の弱味につけ込んでそういうやり方をすることは断じて許せない、こういう答弁をしておりましたけれども、全くそのとおりだと私も思います。ややもするとそういうことさえもないわけではない。私はそういうことを考えると、金融機関の指導というのは大蔵省にとって非常に重大な任務であると考えます。ただ、戦時中のようにああいうあれと違いますから、たとえば不要不急の事業に金を貸してはならぬというようなことなどを簡単に言えない。あるいはかりに言うとしても、不要不急とは何だということになると、戦時中と今日とではおのづから違っておりましょうから、こういうことも簡単な基準は立てにくいと思います。しかし、一般的に、そういう金融機関の中では、そういう点で公共的な任務を逸脱をしているのではないかというふうに考えられる場合が往々ありますので、そういう点についてどういう態度で臨まれるか。これは大臣と局長と、それぞれ簡単でけっこうですが、御答弁いただきたいと思います。
○近藤政府委員 ただいま御指摘のとおり、金融機関に対する行政の基本的な態度といたしまして私どもは二つのことが重要であるというふうに考えております。一つは、預金者保護と申しますか、そのために健全な経営を常に行なっていくということであります。もう一つは、免許を受けて成立いたしました機関でございます。一般の自由な参入がはばまれている機関でございます。その意味におきまして高度の公共性を要求されるということがございますので、貸し出し先その他を通じまして社会的に非難を受けるようなことがいささかもあってはならない。先ほどちょっとお触れになりましたようなことがもしあるとすれば、たいへん問題でございまして、それらについてはきびしい態度で監視をしてまいらなければならないというふうに考えているわけでございます。
○西宮委員 公共的な機関であるがゆえにたいへんな手厚い保護を受けているわけですね。第一、競争相手が出てこないということだけでもたいへんなことだと思うのですね。私の記憶に間違いがないとすれば、昭和三十二年くらいでしょうか、たしかそのころだと思ったが、日本不動産銀行が設立を認可をされて、おそらくあれが最後だったと思いますね。それほど、ことほどさように競争相手が出てこない。これは自由競争の一般の経済界とはたいへんな違い。そのほかたくさんの問題がありますけれども、ライバルが出てこないということだけでも国はたいへんな保護をしているわけですね。したがって、そういう立場からいって、もしそういうことがあったらこれは看過することができないという局長の答弁は私も了解いたしますので、ぜひそういうことで金融機関に対する行政をやっていってもらいたいと思います。 一つだけ要望いたしまして私の質問を終わります。 それは、前に決算委員会で質問をいたしましたが、具体的な例でありますので、実情を調べて書面でお返事をもらいたいと思います。 農林省関係の保安林の解除に関する問題として、私は農林当局に質問をいたしました。大蔵省の課長にも来てもらいましたし、それから警察の刑事局長にも出てもらったわけであります。 これは静岡県の田方郡の函南町平井字南谷下というところにあります保安林を解除をするという問題について新聞報道が大きく出ましたので、それで調べてみたわけであります。そうすると、ここは約五十ヘクタールの保安林がすでに解除になっておるわけですが、地元の町長からの書類等によりますと、昭和四十年ころからいろいろ開発計画を練ってきた。そしていろんな業者の話もあって、昭和四十二年ころからその土地を買いたいというような業者等があらわれてきたというようなことが報告されております。それから静岡県に土地利用対策委員会というのがあって、そこに昭和四十四年の二月でありますが書類を出して、審査をしてもらった結果、昭和四十四年六月七日にその県の土地利用対策委員会からは保安林解除申請を行なうことを前提にして事業の認可がもらえた、こういうふうに報道しておるわけであります。 そこで私が非常にふしぎに思いますことは、地元の町長が保安林解除の申請をしたのは昭和四十五年の三月二十三日であります。ところが、その前の昭和四十四年十一月の二十日にすでに五億五千万円の根抵当をつけた金融機関がある。それから四十五年の一月五日に一億三千万の貸し出しをした金融機関がある。前者は平和相互であり、後者は日本不動産銀行でありますけれども、しかも買った土地は、私の調査が間違いでないならば、二億四千万で買っている土地であります。それに対していま申し上げたような根抵当ないしは融資を行なっている。こういうことは、もし保安林の解除なかりせば、価値としては全くゼロにひとしい、そういう筋合いのものです。それにまた、保安林解除の申請さえも出てこない時点でそういうことが行なわれておるということは、一体どういうことなんだろうかということに私は非常な疑問を感ずるわけです。これはあるいは、その当時の新聞によれば、政治家の暗躍だというようなことを書いておりますが、そういう点が私には同じように疑問になるわけですが、これはいまここで大蔵省を呼んでこの委員会で問題にする事項ではありませんから、その点は触れません。ただ、大蔵省の立場としてごらんになって、その点は一体どうなのか。つまり財産価値がもし保安林の解除なかりせばゼロにひとしい、そういうものにこういう多額な融資をするというようなことは、これは明らかに預金者保護の趣旨に反するのではないかというふうに考えるのですね。この間の事情を調査をして、お返事を願いたいと思います。
○近藤政府委員 ただいまお示しの点、さっそく調査をいたしまして、御報告申し上げます。
○福田委員長 坂井弘一君。
○坂井委員 国有財産の管理それから払い下げ、売買に関する問題でございますが、きわめて内容は重大なものを持っておりますので、御答弁はひとつ正確にお願いをいたしたい。大臣には問題の経緯をひとつあらまし御認識していただく意味におきまして、一応よく聞いていただきまして、後ほど御答弁を賜わりたいと思います。 終戦の直前、つまり昭和十九年ころに、旧軍の要請によりまして、大蔵省が直接に土地収用法をもって収用した土地というものが相当あるやに私は聞いております。また調査をいたしております。はたして収用法を適用したものがあるのかないのか。まずそこからお伺いをしたい。
○小幡政府委員 戦前に土地収用法を適用いたしまして収用いたしました土地でございますが、調査いたしましたところ、現在までに判明いたしておりますのが若干ございまして、具体的内容は必ずしも全部つかんでおりませんが、そのうちの茨城県鹿島郡神栖町のそういった事案を約二十件ばかり把握いたしております。
○坂井委員 鹿島地区に約二十件ばかりある。しからばその面積はいかほどでしょうか。
○小幡政府委員 全体で一万五千六百三十九坪、相手方の人数にいたしまして二十一名でございます。
○坂井委員 土地収用法を適用いたしまして国有財産になった。いま申されたのは、収用法を適用したものが鹿島地区に約二十件、一万五千六百三十九坪でございますか、これは有償で収用したのか、それとも無償でしょうか。
○小幡政府委員 土地収用法の規定に基づきまして補償金額を払うということになっておりまして、いずれも補償金額を支払って収用したものでございます。
○坂井委員 補償金額を支払って収用した、乙うおっしゃいましたけれども、そのことに間違いございませんか。間違いないとすれば、補償金額はいかほどでしょうか。
○小幡政府委員 収用年月日は、昭和十九年十月二十日でございまして、そのときの補償価額でございますが、坪当たり四十六銭、全体の総額につきましては、実は全部計算いたしておりませんので恐縮でございますが、そのうちの十一件につきましては集計できておりまして、四千五十五円と相なっております。
○坂井委員 うち十一件が四・五五円、四円五十五銭でしょうか。
○小幡政府委員 先ほど申し上げましたのは、相手方二十一名分が登記簿の登記によりまして判明しているわけでございまするが、そのうち補償価額を幾ら払ったかというのが判明しておりますのが二十一名のうちの十一名でございまして、その補償総額が四千五十五円でございまして、それに対応します面積、先ほど一万五千六百三十九坪と申し上げましたけれども、十一名の分は八千七百五十七坪でございますので、それを坪当たりにいたしますと、四十六銭、こういうふうになるわけでございます。
○坂井委員 では、なお念のためにお尋ねをしておきますが、この収用の目的はいかなる目的をもって収用したのでしょうか。
○小幡政府委員 これは実は旧軍ではございませんで、当時の内閣の中央航空技術研究所というのがございまして、それの用地に充てるために国が昭和十七年以来買収しておりまして、総計で約二百四十万坪くらいございますが、そのうち、買収折衝が成立いたしませんで収用に持ち込まれたものが、先ほど申し上げました件数がある、そういうことでございます。
○坂井委員 それでは具体的にお尋ねしたいと思いますが、いまのこの場所でございます。つまり鹿島臨海工業地帯の造成用地内でございますが、計画の中にあります土地でございますが、ここに東京都の大原精久氏が所有しておりました土地がございます。鹿島郡神栖村に土地二反一畝十歩を持っておったわけでございますが、これを収用法によって大蔵省が収用したのは一体いつでございますか。年月日を教えてください。
○小幡政府委員 収用年月日は昭和十九年の十月二十日でございます。
○坂井委員 登記簿謄本を見ますと、大蔵省が収用したこの土地を神栖村に払い下げられておりますけれども、それはいつでございますか。
○小幡政府委員 神栖村にこの土地を大蔵省が払い下げましたのが昭和二十八年六月の十六日でございます。
○坂井委員 なおお尋ねいたしますが、今度は神栖村から鹿島臨海工業地帯開発組合に転売されておりますけれども、それはいつでございますか。
○小幡政府委員 神栖村がこれを鹿島臨海工業地帯開発組合に売りましたのが昭和四十二年二月一日でございます。
○坂井委員 それではお尋ねいたしますけれども、この登記簿謄本を見ますと、「収用ノ時期ヨリ貳拾箇年内ニ土地ノ全部又ハ壹部カ不用ニ歸シタルトキハ奮所有者又ハ其相続人ハ補償價格ヲ以テ買受クルコトヲ得ルモノトス」こうなっておりますね。そういたしますと、二十カ年の収用期限の切れる時期はいつでございますか。
○小幡政府委員 この二十カ年の切れます日は昭和三十九年十月二十日でございます。
○坂井委員 昭和三十九年十月二十日で収用期限が切れる、つまりその日までは旧所有者に買い受け権があるわけでございますね。収用法によれば買い受け権のある旧所有者がおりながらも、その買い受け権を無視してなぜ二十八年の六月の十六日に神栖村に払い下げられたのでしょうか。明確にお答えいただきたい。
○小幡政府委員 先生がおっしゃいますように、この土地につきましては、登記簿を見ましても、付記登記がございまして、「収用ノ時期ヨリ貳拾箇年内ニ土地ノ全部又ハ壹部カ不用ニ歸シタルトキハ奮所有者又ハ其相続人ハ補償價格ヲ以テ買受クルコトヲ得ルモノトス」こういう登記がございます。したがいまして、これは第三者にも対抗し得る要件でございますので、実は当時の現地の水戸財務部がなぜこういうことを確認しないで処分をしたのか、はなはだ理解に苦しむところでございますが、まことに事務手続上の不手ぎわでございまして、遺憾に存ずる次第でございます。
○坂井委員 それではお伺いしますけれども、土地収用法の第百七条、買い受け権の消滅の項でございます。読みます。第百七条一項「前条第一項に規定する不用となった土地又は事業の用に供しなかった土地があるときは、起業者は、遅滞なく、その旨を買受権者に通知しなければならない。但し、起業者が過失がなくて買受権者を確知することができないときは、その土地が存する地方の新聞紙に、通知すべき内容を少なくとも一月の期間をおいて三回公告しなければならない。」つまり、明確にこの土地が本来の目的の用に供しない、変更を生じたときは、遅滞なく買い受け権者に通知しなければならないと明示されているわけでございますけれども、本人、旧所有者、つまり大原氏に通知をいたしておりますか、どうですか。
○小幡政府委員 当時の法律の根拠は、旧土地収用法六十七条に現在の土地収用法百七条と同じような規定がございまして、「不用ノ土地アルトキハ起業者ハ奮所有者又ハ其ノ相続人二通知スヘシ」とございます。しかるに、これにつきまして通知したかとおっしゃいますと、先ほど申し上げましたように、まことに遺憾ながら通知をいたしておりません。
○坂井委員 通知をしておらないということは、それは故意でしょうか。それとも何かそのような通知をしなかったという理由がほかに存在するのでしょうか。私はずいぶん理解に苦しみますので、ただわからないではなくして、通知をしなければならないにもかかわらずなぜ通知をしなかったのか、その辺はどういう事情にあったと理財局はお考えでしょうか。
○小幡政府委員 実はだいぶ古い話でございますので、いろいろ調査しているわけでございますが、なぜこういう規定ないし登記簿に付記登記がありますのに、しなかったかということについては、実ははっきりした現地の回答がございませんので、これはおそらく事務上のミスで失念したのではないか、かように考えておるわけでございます。
○坂井委員 理財局次長、いまずいぶん重大な御発言をなさったと私は理解をいたします。つまり、私がここで指摘したいのは、単なるミスではないということです。ただ、私は一例として大原氏所有の分を、ここで具体的にその内容等をつまびらかにするために申し上げたのだということでありまして、つまり大原氏あるいはまた他にごくわずかな人たちが、このような状態で、買い受け権があるにもかかわらず、当局の単なるミスによってこのような失態を演じたというならば、あるいは人間の行なうことでありますから、そのようなことも場合によってはなきにしもあらずであるということは言えるかもしれない。こういうような事例が数たくさんあるということになってくると、これは私はミスとは言えないということを申し上げたいわけなんです。臨海工業地帯で造成を進めつつある鹿島地区で、いま申しましたような事例が、あなた方がおつかみになっておる範囲内でけっこうでございますが、何件ございますか。またその面積はどれくらいございますか。
○小幡政府委員 この鹿島地区で同様の事案でございますが、これが最初に御答弁申し上げましたように、全体で二十一名、一万五千六百三十九坪でございます。
○坂井委員 その二十一名は全部、このように買い受け権がありながら、つまり土地収用法による買い受け権がありながら、その権利を無視して第三者に大蔵省は払い下げられた、こうおっしゃられるのでしょうか。
○小幡政府委員 この二十一名の土地でございますが、これはいずれも鹿島臨海工業地帯開発組合の土地に現在なっております。その間に、先ほどお話ありましたように、一部は神栖村に処分し、神栖村から開発組合に渡っているものと、それから一部は国際電信電話株式会社に処分し、それから開発組合に渡っている、この二通りございます。
○坂井委員 それでは、先ほど私一例として申し上げました大原氏の例とほとんど同様のような経過をたどって、つまり神栖町に払い下げて、神栖町から開発組合に売られた分、それからもう一つは、国際電信電話株式会社に払い下げられて、それから開発組合に売られた、この二通りだ、それが二十一名に及ぶ、こういうように理解して間違いございませんか。
○小幡政府委員 実は二十一名のうち私どもがこの補償価額を把握しております十一名分、これが八千七百五十七坪でございますが、これにつきましては、ただいま御答弁申し上げましたように、神栖村あるいは国際電信電話株式会社に処分し、それから開発組合に渡っているということでございますが、残りの十名分につきましては、実は何ぶん昨日こういった事案があることを把握したばかりでございまして、内容はまだつかんでおりません。
○坂井委員 では少なくともいまの十一名については大体同様のケースだ、こういうことでございます。ですから、なおひとつ大原氏の例についていささか詳しくその経緯を申し上げたいと思います。 これが、先ほどからもありましたように、昭和十九年十月二十日に土地収用法で収用されるわけでございますが、その収用の満期になるとき、期限が切れるときは昭和三十九年十月二十日でございます。ところで、十月の二十日が来たならば期限が切れるということを大原氏が気がついた。これでは早く手続をしなければこの買い受け権は消滅をする。そこで登記簿謄本をとって調べたところが、買い受け権のあるこの土地がすでにその前に神栖町に払い下げられておる。その事実を知って実に驚いた。これはたいへんだというわけで、その当時神栖村です、神栖村に、印鑑証明をつけまして、これは私の土地なんだ、権利がある、それがあなたの村に払い下げられておる、私はすぐに大蔵省関東財務局水戸財務部に対して買い受けの手続をとりたいのだが、あなたの村のものになっておる、払い下げられておる、一体どういうわけでそういうことになったのかということで、驚いてあわてて手紙を出した。その日にちが昭和三十九年十月八日でございます。印鑑証明がつけてある。つまり十月二十日で切れる。ところが、驚いたことには、ここに回答が参っております。読みます。神栖村の税務課、これが昭和三十九年十月三十一日付、故意に引き延ばした。「お尋ねの貴方が元お持ちだった土地について調べて見たところ、」云々とありまして、「昭和十九年十一月二十五日に大蔵省で軍用地として収用され現在ありません。詳しきは茨城県水戸市関東財務局水戸財務部宛御問合せ下さい。誠に御返事遅れまして恐れ入ります。」、これは一体どういうことでしょうか。全くびっくりいたしまして、すぐに水戸財務部に対して、私が買い受け権があるのだからというわけで手紙を出した。その返事。「昭和三十九年十一月二十七日、大原精久殿、関東財務局水戸財務部長神田保、収用にかかる土地の買受請求について、下記土地について昭和三十九年十一月九日付で土地収用法に基づく買受請求を受けましたので調査したところ、本地の買受請求期日は昭和三十九年十月二十日で、請求権は時効により消滅しております。当部としては、誠に残念とは存じますが、貴意にそうことができませんので御了承いただきたく御回答申上げます。」、一体どういうことでしょう。つまり二十年の期限が切れたから、まことに残念だけれどもあなたの買い受け権は消滅をした、こういう返事であります。 まさに本人の誤りで、二十年が来たのに知らなくて、後においてこの手続をとった、その返事がこうである。私は、これは法律はきびしいものだ、冷ややかだ、いたし方がないということになると思います。そうではない。経緯は、すでに大蔵省が神栖村に対してこの土地を無断で払い下げておる。買い受け権者の買い受け権を無視して払い下げしておった。こんなばかなことがというわけで、早く手続をとらなければ十月二十日の期限が切れてしまう。あわてて神栖村に手紙を出した。しかも自分の印鑑証明をつけて出しておる。私は証拠を全部持っておる。これはそのときにつけた印鑑証明、十月の八日ですよ。このときに出したのですよ。間違いございませんよということをわざわざ証明しようとしてつけたのです。これは引き延ばした。そしてこのような財務部の通知が返ってきた。これではいかにもひどいではございませんか。なぜこのような卑劣な方法を用いて買い受け権のある相手方のある土地を、私はあえて言いますが、大蔵省がなぜ取ったのでしょうか。これは取り上げた。しかもなぜ取り上げたかというと、鹿島臨海工業地帯開発の用地の確保とこの問題は重要なつながりがあります。私はそのことを立証していきたいと思うのです。 鹿島臨海工業地帯開発計画の沿革を荒々申しましょう。すでにここに臨海工業地帯が造成されるであろう、つくられるであろう、またつくらねばならぬという構想が明らかになってきたのが昭和三十五年四月でございます。試案の作成、発表までいっております。三十六年二月には造成計画のマスタープランが作成された。調査事務所が開設されておる。三十七年四月に鹿島臨海工業地帯開発組合が設立された。翌年三十八年七月には工業整備特別地域の指定を受けまして、三十九年二月から用地買収の開始です。四十一年十一月には進出企業十八社を茨城県が公表いたしております。四十二年十月には鹿島工業団地造成事業決定の告示を受けております。鹿島臨海工業地帯開発組合、これが都市計画法の主体です。この鹿島臨海工業地帯開発組合は該町村、つまり鹿島町、神栖町、波崎町、この三町の共同出資及び県。用地確保の代金というものは企業からの前受金をもってそれに充てる、こういうことですね。 ところで、この開発組合が設立された三十七年の四月でございますが、念のためにどれくらいの価格で買ったかといいますと、たんぼは坪当たり六百三十三円、畑は五百三十三円、山林は三百六十六円。ただし六四方式という新方式での開発手法であります。つまり六割は還元する、四割は買い上げる、こういう方式です。これは農工両全思想といいますか、そういう考え方を基調に置いた茨城県の新方式だそうでございます。高く評価されております。私は、そのことについてきょう触れるわけじゃございません。ただそのような、六割の土地は農業用地として別に確保しましょう、あなたの土地は十割いただきますが、四割については買い上げましょう、その値段がいま言った値段です。これは頭に置いていただきたい。 しからばこの開発組合の内容はどうかといいますと、管理者は茨城県知事、副管理者に先ほど申し上げました三町の町長。現在の用地買収面積が千二百二十六万七千坪、買収計画の総面積が千二百四十六万坪でございますから、その達成率は実に九八・五%。買収は、これを見る以上においては、数字の上からうかがう範囲においては、きわめて順調に進んだということが言えると思う。しかしながら、いま申しましたように、開発構想が浮かび上がったのが三十五年。その以前にもずいぶんいろんなうわさはありました。またいろんな記録によりますと、この地域は不毛の地である、砂地であり農業用地には適さない。そういう中でどう開発しようか、どう生きる道を求めようかということはずいぶん真剣に考えられた。そういう中で、ずばり申しますが、大蔵省が払い下げた中に神栖町と国際電信電話株式会社があるのですが、これに払い下げたのが三十六年五月三十日。そうしますと、マスタープランが作成されたのが三十六年二月です。その前です。開発組合ができ上がったのが三十七年四月。時を同じくしております。そしてもののみごとに開発組合に売られておる。開発組合が用地の確保をしようということで、国もそういう方向のこの計画を認めた。そうして用地の確保にこれつとめておる。そういうさなかに買い受け権者のある物権を無視して、その権利を無視して大蔵省が神栖村なりあるいは国際電信電話株式会社にこの土地を払い下げた。払い下げて間もなく開発組合に売られた。これはどういうことですか。それが単なるミスである、当時のことでありますので、いささかいろいろ問題等がございまして、あるいは手落ちがあったかもわかりませんというようなことで相済みますか。ここの土地が開発組合に臨海工業地帯造成用地として相当有利な条件で買い上げられた。六四方式である。そういうことはもうずいぶん以前からわかっておった。開発組合の副管理者神栖町の町長、つまり神栖町と開発組合は同体なんです。 では一点伺いますが、神栖町及び国際電信電話株式会社に払い下げをいたしております。これは有償だと思いますが、いかほどの金額で払い下げられておりますか。
○小幡政府委員 神栖村、現在の神栖町に払い下げておりますのは昭和二十八年六月十六日でございますので、その当時の単価は坪当たり二円ということで払い下げております。それから国際電信電話株式会社でございますが、これは昭和三十六年五月三十日でございますので、この当時の時価としまして坪当たり四十六円ということで払い下げております。
○坂井委員 神栖町は坪当たり二円、国際電信電話株式会社は四十六円。言うならば当時の地価でございますけれども、ただみたいなものですね。開発組合には六四方式でこれが売られておる。かなりな暴利をむさぼったでしょうね。私はあえて申しますが、大蔵省がこうしたきわめて悪らつな払い下げ、そして転売、それに手を貸した行政上あるいはまた政治的な責任というものは絶対に免れるわけにはいかぬと思う。大蔵大臣の所見をまずこの辺でお伺いいたしたいと思う。
○小幡政府委員 大蔵省が払い下げました目的は、二十八年に神栖村に払い下げいたしましたときは、砂防林、それから薪炭採草林造成という目的で払い下げたわけでございまして、その当時はまだ鹿島の開発構想がないときでございます。ただ、おっしゃいますように、問題は、昭和三十六年五月三十日に国際電信電話株式会社に払い下げた件でございます。これにつきましては、実は調査いたしましたところ、国際電信電話株式会社が送信所並びに受信所の用地としてほしいということでございまして、当時は鹿島地区におきましても、こういう電信電話株式会社を設置することが、適当であろう、こういう判断で払い下げたわけでございます。ただ、たまたまあとで開発組合が全部買収して、電信電話株式会社の構想が変わったわけでございますが、大蔵省としましては、別に神栖村ないし電信電話株式会社に不当にもうけさせよう、こういうつもりで処理したわけではございません。
○坂井委員 大臣、御答弁待ってください。 理財局次長、それで答弁はよろしいですか、たいへんですよ。そういうことを言い出しますと、私はおさまりませんよ。まだまだ出しますよ、ほんとうに。そんなばかな話がありますか。神栖町の場合も、昭和二十六年ですか、関係がないと言い、この開発組合に売ることについては直接的な関係はないのだ。私はあろうという見解をとっておる。なぜそうとらざるを得なかったかというと、一つ一つ調べておりますと、買い受け権者がわざわざ二十年の期限が切れるからというので、その前に神栖村に行っているわけですよ、印鑑証明をつけて。しかもたいへん驚いた、腹は立つ。大蔵省が払い下げしている。ばかな話があるか。しかし、いずれにしても払い下げられたのだから、いまの所有権は神栖村に移っておる。何とかしてこの神栖村の了解をとらぬことには私のものにならぬ、そういう手続を必死になってとっておるのじゃありませんか。そういう中でなぜ神栖町が故意に返答をおくらしたか。そしてまた木で鼻をくくったような財務部の回答、これは何ですか。切れております。切れておるとするならば、わずか十九日間、しかもこれは本人がミスによって十九日間おくれたのではないのです。だれの責任なんですか。大蔵省のあなた方の責任でこうなったのでしょう。しかもただ単なるそういう公共の目的があって払い下げの申請が出てこれが払い下げられたのではないと私は断定する。法律の番人じゃありませんか、大蔵省は。また模範的な立場に立って管理しなければならない責任がある。しろうとだってこんなばかなことはしませんよ。登記簿上においても明示されておることを平気で払い下げをした。非常に何か意図があったのであろう。何かがなければこういうことをするわけはない。案の定鹿島にみんな行っているじゃありませんか。国際電信電話株式会社の場合も同じです。これはさなかですよ。払い下げ申請の目的と完全に反しているじゃありませんか。全部開発組合に行っちゃった。値段はここではあえて申しません。だから、いまになってそのような言いわけをすることはおやめになったほうがいいんじゃないですか。たいへんみっともない。私の手元にも幾つも持っております。まだ出てきます。ですから大臣、先ほどと同じ趣旨の質問でございますけれども、こうしたような経緯をたどってきた問題でございますけれども、このことに対していかが大臣はお考えになりますか。
○水田国務大臣 その当時の事情、私はまだ調べなければわかりませんが、いずれにしましても、買い戻し権のある期間内に本人から話があったという以上は、そのときにおいてまだ何らかの措置をすれば措置のしかたがあったような気もいたしますが、最初本人の申し出もないときに処分したというのでしたら、これは単純なミスということも言えるでしょうが、まだ期間がある間にその問題が提起されておるとすれば、単なるミスということではやはり済まない責任が政府側にあるというふうに思います。それをもとに戻せる問題であるか、あるいは国が賠償の責任を持たなければいかぬ問題であるか、それは別の問題としましても、どうもいま聞いておる範囲では、全く責任がないということも言い切れないような気が私はいたします。しかし実情をいま私は初めて聞く問題でございますから、これはもう少し調査しないと、いまのところ何とも御返事ができないと思います。
○坂井委員 大臣、きわめて慎重な御答弁です。しかしこれは実情を調べるとか調べぬとかいう問題ではない、いまの時点では。きわめてはっきりしております。大蔵省はすでに理財局のほうでも問題はかなり的確につかんでおられるはずなんです。私は登記簿をみんな持っている。あなた方の手元にも持っているはずです。従来からも知っておったはずなんです。ただ、この問題の処理に苦慮されているにすぎない。しかし、いつまでたってもいまのような考え方で大蔵省が処理の方法をお考えになっているようなことでは、これは問題は解決しませんよ、申し上げておきますけれども。 会計検査院に伺いますが、問題の経緯は大体いまのようなことでございますが、土地収用法で収用したものがいまのような状態で第三者に払い下げをされる、ないしは転売された。買い受け権者の意思が全然無視された。つまり通知もしていないわけです。買い受け権がありながら、一方的に払い下げ、売買された。この行為についてどうお考えになりましょうか。
○福田委員長 坂井君に申し上げます。ただいまの会計検査院に対するあなたの御質問に、幸いにして服部第一局長がお見えでございますから、服部局長からお答えさせます。
○服部会計検査院説明員 お答え申し上げます。ただいまの先生の御質問の点でございますが、いまの御論議を拝聴しました段階で判断しました限りでは、やはり本件につきましては国が旧所有者へ通知すべき義務があったものと考えられる。したがいまして、この通知を国が事務手続上の過失かどうか知りませんが、とにかくしなかったということは、これは適正処理ではない、かように判断いたします。
○坂井委員 さらに会計検査院にお伺いしたいのです。つまりこの救済方法、措置はないかという問題でありますが、私はここで法律論争をするつもりは毛頭ありません。ただ先ほど申しました買い受け権の消滅、第百七条の二項に「買受権者は、前項の規定による通知を受けた日又は第三回の公告があった日から六月を経過した後においては、前条第一項の規定にかかわらず、買受権を行使することができない。」この六カ月間というのは、一応猶予を見ておるといいますが、そういう項ではないかというような解釈も成り立つのではないかと思うのですけれども、不法に買い受け権者の意思が無視された、こういう場合、この二十カ年の期限をさらに延長するというようなこともあり得るのでしょうか、どうでしょうか。
○服部会計検査院説明員 ただいまの御質問は急な御質問でございますので、ちょっと明確な御返答はいたしかねますので、後日検討して結論を得たいと考えております。
○坂井委員 これは一番最初、昭和十九年十月十九日、このときの収用法では、金は一銭ももらえないで、軍あるいは当時の国策に沿って協力をしなさいと、強権をもって無償で収用された、そういうような土地です。それが不当に不法に法律違反行為によって払い下げられた。しかもそれがあたかもそのことを最初から意図したかのごとく、鹿島開発組合に売られた。開発組合と神栖町のあれは同体である。あるいはまた国際電信電話株式会社、これは明らかに開発組合に売らんとして、その払い下げ申請の理由をもっともらしい理由づけをしながら、開発組合に売ってしまった。つまりその陰に非常に大きな——私はあえて言うならば、二百坪、三百坪、あるいは五百坪、六百坪というような零細なもとの土地所有者が、違法行為によって非常に大きな損害をこうむっておる。中には、この土地に自分の生活の場所を求めて、わざわざ買い求めておった人もおるわけであります。あるいは父祖伝来の大事な、たとえ不毛であるといっても非常に大事な土地、それが昭和十九年、終戦の前年ですが、あの当時非常にこんとんとしておる。まあそういうことならば、何はさておいてもこれをお役に立たしていただければというような気持ちは多分にあったでしょう。そういう中で、一銭の金も受け取らないで土地収用法によって土地を提供した。やがて戦争が終わった。まずは平和が訪れてきた。二十年の期限は近い。やっとこさ返してもらえるであろう。時たまたまこの地に鹿島臨海工業地帯造成の話がどんどんとのぼってきておる。作業も進行しつつある。皆さんがここに買い上げてもらうなら、私もそのことについては協力もいたしましょう、そういう心組みの人もおった。それが買い受け権がある、もとは自分の土地でありながら、その土も見ることはできない。このことに対して、私は、まず第一の責任者は、こういうきわめて悪どいやり方、払い下げ、転売、それに手を貸した第一の責任者は大蔵省であると断ぜざるを得ないわけです。したがって、大臣、先ほどきわめて慎重な御答弁でございましたけれども、会計検査院の見解もありますように、これはどうしても大蔵省の重大なる失敗です。もっと、こういう人たちの立場に立ってみれば、官公民合体の大どろぼうだと、こう言っていますよ。大蔵省が人のものを盗んでもいいのかと言いたくなりますよ。佐藤さんはよく、沖繩が返ったら戦後は終わるという。まだ戦後は終わってない。本土の中にだってこういう問題を放置している限り、これは戦後が終わったとは言えぬじゃありませんか。いま申しましたような経緯、わずかばかりの土地を当時のあの状態の中で提供した人たちです。こういうことに対して、間違いは間違いであったということを率直に認めてしかるべきです。これらの人々に対する適切なる処置と申しますか、手を打たなけたばいけない。救済しなければならない。私は当然だと思う。大臣、いかがでございましょうか。
○水田国務大臣 坂井さんが言われるような事実であるといたしますれば、これはやはり大蔵省に責任があることのように思われますし、そうだとしますれば、この問題については、救済の措置を責任をもって私どもはとらなければならぬと思っております。
○坂井委員 大臣重ねて、あるいは少し言い過ぎだとおっしゃるかもわかりませんけれども、もう一つ理財局次長にお尋ねしておきますけれども、先ほどあなたは十一件とおっしゃった。その十一件の中で、これは大蔵省の失敗であったということをお認めになって、何とかして解決に当たろうとして努力もなさった、結果として解決されたものがおありですか。あればおっしゃっていただきたい。件数だけでけっこうです。それで、全然こういう話はうわさにものぼっていない、ただ十一件こういう事例がある、しかし、いまそのような話は何にも買い受け権者からはない、こういう分は何件ございますか。
○小幡政府委員 十一名のうちの一名でございますが、坪数にいたしまして千三十四坪でございます。その一名の方から昭和四十六年に御請求を受けまして、同じような事案でございますので、それにつきまして実は話し合いをいたしまして、金銭の支払いをして解決した、そういう事例がございます。 あとは、先生のおっしゃっております大原さんという方でございますが、この方につきましては、まことにおっしゃいますとおりでございますが、昨年からいろいろ話し合いをしているわけでございまして、解決を見ました一名の方と同じような方法で何どか円満に解決したい、かようにいま努力しているところでございます。 あとにつきましては、実は実態を十分に把握しておりませんし、また、相手の方からも何ら御請求を受けておりません。 このような状態でございます。
○坂井委員 大臣、お聞きのとおりであります。すでに大蔵省はこれを一応認めまして、まず補償の交渉に入りまして、解決したものもある。補償しているわけです。したがって、他の件についてもすることは当然だと思いますね。しかし、かりにどのような形でこの問題が解決されるにもせよ、やはり先ほど申しましたような、きわめて法律的には言うなれば違法行為によって、国の、あるいは町の、あるいは開発組合の、あるいは県の、そういう責任がある行政担当者のみずからの違法行為によって引き起こされた問題であるというだけに、ただ単にこれに対して何がしかの金銭的な補償をすればそれで済むのだというような考え方であったならば、これはきわめて遺憾なことである。しかし、問題の解決にあたっては、やはりこれに対して金銭の補償をするという以外にないでしょう。その場合も、ただ計算的な、そろばんの上で数字をはじくだけの考え方であってはならぬということ。同時に、いままだまだ埋もっておるそのような問題もある。言うなればこれも一種の戦争の落とし子でしょう。したがって、これらをいまのときにおいて、きわめて法律に厳正にして公平に、そしてまたそのようなみずからの意思ではない被害をこうむった人たちに対するあたたかい配慮の中で問題の解決を急ごう、この姿勢こそが私はやはり一番大事だと思うし、それがまた国有財産管理の責任者である、言うなれば模範となるべき大蔵省が、みずから範を示し、信頼をつなぎとめていく唯一の方法であろうと私は思う。したがって、あえてここでは触れませんが、単にこの地域のみにとどまらず、鹿島臨海工業地帯造成の、成田空港の十倍と称せられるあの膨大な地域全域、さらに日本全国の各地において類似したような問題が埋もれております。さわらぬ神にたたりなしではなくて、そういうものをこの際掘り起こして、拾い上げて解決をしていきましょう、こういう姿勢がまずここでは一番ベターな方法ではなかろうかということを私は提案申し上げたい。したがって、そうした意味合いにおきまして、これで終わりますけれども、大臣、最後にお伺いいたしたいのは、全国的にいまのような実態があるにかんがみまして、こういう問題に対して一ぺん総点検、少なくとも土地収用法によって収用した物件について、全国的に一応総点検をする必要が私は多分にあると思うのですけれども、大臣いかがなものでしょうか。
○水田国務大臣 承知いたしました。そのようにしたいと思います。
○坂井委員 大臣の御答弁を得まして、先ほどの内容についてはずいぶんこまかい点についてまだいろいろありますが、そのことにつきましては、これからの総点検の中できわめて前向きにこうした問題を解決していく、そういう立場から私はまた次回に問題の提起をし、あるいはその解明、解決に対する質疑を行ないたいと思います。 本日はこれで終わりたいと思います。
○福田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとして、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会