決算委員会 第12号
- 発言数
- 67 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1972/05/23
会議録
○森下(元)委員長代理 これより会議を開きます。 委員長所用のため、私が委員長の指名により委員長の職務を行ないます。 昭和四十五年度決算外二件を一括して議題といたします。 農林省所管及び農林漁業金融公庫について審査を行ないます。 まず、農林政務次官から概要説明を求めます。伊藤農林政務次官。
○伊藤(宗)政府委員 農林省所管の昭和四十五年度歳入歳出決算について概略を御説明申し上げます。 まず、歳入につきましては、収納済み歳入額は一般会計において七百三十七億三千五百十五万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において五兆八千百九十六億七千七百九十二万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において千九百二十九億七千百三十一万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計ほか六特別会計の総合計において千五十億二千八百十九万円余となっております。 次に、歳出についてでありますが、支出済み歳出額は一般会計において一兆四百三十六億七千四百三万円余、食糧管理特別会計各勘定合計において五兆八千百三十七億六千七百十一万円余、国有林野事業特別会計各勘定合計において千九百二十七億二千五百九十八万円余、農業共済再保険特別会計各勘定合計ほか六特別会計の総合計において七百四十三億二千百四十六万円余となっております。 これらの経費は、農業生産基盤の整備、米対策、農業生産の選択的拡大、農業構造の改善、農産物の価格の安定と農業所得の確保並びに流通の近代化、農業技術の開発と普及等、農林金融の拡充、農業従事者の福祉の向上と地域の振興、農業団体の整備強化、林業の振興、水産業の振興その他災害対策事業、食糧管理事業、国有林野事業等の諸事業の実施に使用したものであります。 これらの事業の概要につきましては、お手元にお配りいたしております昭和四十五年度農林省関係決算概要説明によって御承知を願いたいと存じます。 これら事業の執行につきましては、いやしくも不当な支出や非難さるべきことのないよう、常に経理の適正なる運営について極力意を用いてまいりましたが、昭和四十五年度決算検査報告におきまして、なお不当事項として相当の件数の指摘を受けておりますことはまことに遺憾に存じております。今後とも指導監督を一そう徹底いたしまして、事業実施の適正化につとめる所存であります。 何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
○森下(元)委員長代理 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。田中会計検査院第四局長。
○田中会計検査院説明員 昭和四十五年度農林省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明申し上げます。 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項が六十件、是正改善の処置を要求したものが三件、本院の質問に対し農林省において処置を講じたものが二件ございます。 まず、不当事項について説明いたします。 一四号及び一五号の二件は工事に関するもので、監督及び検査が適切でなかったため、橋梁下部工等のコンクリートの施工が設計と相違し、その強度が設計に比べて著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められるもの、及び井堰水たたき部コンクリート保護工の施工が設計と相違し、被覆の効果が著しく低くなっていて工事の目的を達していないと認められるものであります。 一六号は収入に関するもので、素材の売り渡しにあたって入札事務の執行が適正でなかったと認められるものでございます。すなわち、上松運輸営林署で、木曽ヒノキ等の素材を一般競争契約によって売り渡しておりますが、入札後、最高価格入札者が入札金額の計算違い等を理由として入札の取り下げを申し出たのに対し、これを認めて二番札の者と契約したものであります。 しかし、会計法の規定によれば、契約担当官は最高価格入札者と契約することになっており、入札者は提出した入札書の取り消しをすることができないことになっております。また、入札にあたりましては、あらかじめ資格審査を経て選定された者に、物件明細書を送付し、現物を熟覧させた上で入札を行なっており、予定価格と最高入札価格との開差も少ない状況でありまして、契約担当官がこのように入札取り下げの申し出を安易に認めて、二番札の者と契約したことは当を得たものとは認められないものでございます。 なお、このほかにもこれと同様の事態と認められるものが上述の営林署及び王滝営林署で見受けられましたが、いずれも関係記録がないため、入札執行の経緯については不明の状況であります。 一七号から五三号までの三十七件は、いずれも公共事業関係補助事業に関するもので、コンクリート工事などの施工が不良で設計に比べて強度が低くなっているもの、石積み及びコンクリートブロック積み等の施工が設計に比べて粗雑となっているもの、事業費の精算が過大になっているものなどでございます。このような事態につきましては、毎年度の検査報告に掲記してその適正をはかるよう注意を促しているところでございますが、なお今後一そう工事の監督及び検査の強化をはかるなど、工事の適正な施工について配慮の要があると認められるものでございます。 五四号から七二号までの十九件は公共事業関係以外の一般補助関係のもので、事業の実施にあたって補助事業の認識が十分でなかったため、補助事業で導入した施設等が補助目的達成のために役立っていなかったり、補助の対象とは認められないものを含めて事業を実施したり、工事が設計どおり施工されなかったのに設計どおり施工されたものとして処理したり、実際の事業費より高額な事業費を要したことにして過大に精算したりしていたものでございます。 七三号は、都道府県が国からの農業改良資金助成補助金と自己資金とによって資金を造成し、農業経営の改善をはかる技術の導入に必要な資金を農業者等に無利子で貸し付ける農業改良資金関係のもので、借り受け者に対し本制度の趣旨を十分徹底させていないなどのため、貸し付けの対象にならないものに貸し付けているもの、借り受け者が事業を全く実施していないもの、借り受け者が計画事業費より少額で事業を実施しているものなど、道府県の貸し付け金の運営が適切を欠き、補助の目的に沿わない結果となっていると認められる事態でございます。 次に、是正改善の処置を要求したものについて説明いたします。 その一は、水田麦作団地育成対策事業の事業効果について是正改善の処置を要求したものでございます。農林省では、農業協同組合等が実施する水田麦作団地育成対策事業について都府県が補助金を交付する場合、都府県に対し補助に要する費用について補助金を交付することにしておりますが、事業主体のうちには、土壌、排水等の圃場の条件が麦作に適していないのにその対策を考慮していないことなど、事業計画の策定にあたっての配慮が十分でなかったため、麦の作付が全く行なわれていないものなど、補助の目的を達していないと認められる事態が少なからず見受けられました。つきましては、今後、事業計画、事業実施等について指導を強化するなど適切な方途を講じて事業効果をあげる必要があると認められるものでございます。 その二は、押航士運船の損料の算定について是正改善の処置を要求したものでございます。農林省では、干拓工事に使用する押航士運船の損料について、運転日当たりの基準額を定め、一日当たりの運転時間が八時間を著しくこえる場合にはこれを補正することにしております。この基準額算定の基礎になっておりますのは、運輸省の実態調査資料でございますが、その内容を検討いたしましたところ、この基準額は一日おおむね十二時間程度の運転時間に対応するものと思われます。したがって、八時間を基準として補正することにしておりますのは実情に沿わないと認められるものでございます。つきましては、農林省では押航士運船を使用する工事を今後も引き続いて実施するのでありますから、このような事例に注目して実情に適合した補正基準を定めるなど、予定価格積算の適正をはかる必要があると認められます。 その三は、米穀の原材料用変形加工に伴う徴収金の算定について是正改善の処置を要求したものでございます。食糧庁では、みそ、米菓等の原料にするため玄米を破砕精米に変形加工することを精麦会社に委託しておりますが、この委託契約にあたりまして、変形加工の過程で発生する微細米、ぬか等の副産物は加工会社に引き取らせ、その代金相当額から変形加工に要する経費等を差し引いた額を算定して徴収することにしております。しかし、この副産物代金相当額について見ますと、積算の基礎とした価格は、会社の売り渡し価格等に比べて低いものになっており、このため徴収金の額が適正額を下回ったものとなっていると認められます。つきましては、この種変形加工は今後も相当量行なわれる見込みでありますから、変形加工に伴って発生する副産物の価格に検討を加えるなど、徴収金算定の適正を期する要があると認められるものでございます。 以上の不当事項及び是正改善の処置を要求した事項のほか、本院の質問に対して処置を講じたものについて説明いたします。 その一は、隧道工事の予定価格の積算に関するもので、農林省が定めている積算基準が十分でなかったため、隧道の覆工に使用するコンクリートの量、掘削用の爆薬の種類と量、ずり積み込み機械の損料の計算が適切でないものが見受けられましたので、当局に注意を促しましたところ、農林省では、爆薬の選定について適正を期するよう通達を発するなどの処置を講じたというものでございます。 その二は、食用または飼料用に充当できない米穀の処理に関するもので、営業倉庫等に保管寄託している多量の米穀のうちにはカビ等に汚染されているため食用または飼料用に充当できない米穀が相当に含まれているので、これらカビ米等が工業用原料として需要が多量にあることからすみやかに売り渡して保管料等の節減をはかる必要があると認めて注意を促しましたところ、食糧庁ではこのような米穀をすみやかに売り渡すよう各食糧事務所に通達を発するなどの処置を講じたというものでございます。 なお、以上のほか、四十四年度決算検査報告に掲記いたしましたように、四十四年度検査の進行に伴い、コンクリート二次製品等を使用する工事の施行について、草地改良、開拓パイロット両事業における土壌改良等の施行について、開拓パイロット事業の事業効果について、外国小麦の買い入れ予定価格のうちに含まれる海上運賃の積算についてそれぞれ是正改善の処置を要求いたしましたが、これに対する農林省の処置状況につきましても掲記いたしました。 以上簡単でございますが、説明を終わります。
○森下(元)委員長代理 次に、農林漁業金融公庫当局から資金計画、事業計画等について説明を求めます。武田農林漁業金融公庫総裁。
○武田説明員 昭和四十五年度におきます農林漁業金融公庫の業務の概要について御説明申し上げます。 昭和四十五年度のわが国農業は、年度後半からの景気後退に加えて、米の需給関係の緩和がいよいよ恒常化し、さらにその生産調整が実施され、農政の大きな転換がはかられた年でありました。 このため、野菜、果樹、畜産などの部門において選択的拡大が進んだにもかかわらず、全体としては農業生産や農業所得は停滞を余儀なくされました。 このような情勢の推移を反映して、これまで順調な伸びを示してきた農業等における設備投資にもようやく手控えの傾向が見られたため、昭和四十五年度における固定資本形成は六%という低い伸び率にとどまる結果となりました。 こうしたきびしい農業情勢の変化に対処して、国においては総合農政の強力な推進がはかられ、生産、加工、流通の各段階に対して新たな諸施策が積極的に講ぜられました。 以上のようなきびしい環境のもとでの当公庫の融資業務について概要を申し上げますと、昭和四十五年度における貸し付け決定総額は二千百十七億四千三百二十六万円でありまして、これは前年度実績に対し二百八億五千二百十三万円余の増で、その伸び率は約一一%でありました。 この貸し付け決定実績の内訳を申し上げますと次のとおりであります。 農業、林業、漁業等に大別してみますと、一、農業部門千五百五十四億六千八百万円余、二、林業部門二百十二億六百万円余、三、漁業部門二百九十一億四千六百万円余、四、その他部門五十九億二千二百万円余であり、農業部門が全体の七三%を占めております。またこの貸し付け実績を主要資金使途別に見ますと、農林漁業経営構造改善関係が全体の四三%に相当する九百十二億八千五百九十一万円余、土地改良など基盤整備関係が四〇%に相当する八百五十四億一千百六万円余となっており、この両者が依然として貸し付けの大宗を占めております。 このうち、委託貸し付けによるものが全体の七四%に相当する一千五百六十七億二千七百九十七万円余を占め、残りの五百五十億一千五百二十八万円余が公庫の直接貸し付けということになっております。 次に、昭和四十五年度の貸し付け資金の交付額は千九百八十億九千三百十八万円余でありまして、これに要した資金は、資金運用部からの借り入れ金千四百十九億円、簡易生命保険及び郵便年金の積み立て金からの借り入れ金百億円並びに貸し付け回収金等四百六十一億九千三百十八万円余をもって充当いたしました。 また、昭和四十五年度から開拓者資金にかかる国の債権債務を引き継ぐことになり、初年度に当たる本年度において百十七億六千六百八十四万円余の債権と九十七億二千六百四十七万円余の債務を引き継ぎまして、この差額二十億四千三十七万円余が当公庫に出資されたことになりました。 この結果、昭和四十五年度末における総貸し付け金残高は一兆十八億九千八十二万円余となりまして、前年度末に比べ一千四百二十八億五千五百万円余、約一七%の増加となっております。 昭和四十五年度の融資にあたりましては、農政の重点施策に即応しつつ、関係各機関との密接な連携のもとに、農林漁業の生産基盤の拡大整備及び経営構造を改善するための融資を従来に増して一そう推進するとともに、多様化する資金需要に対処して、融資条件の改善も含めて融資の円滑化に特に配慮いたしてまいりました。 次に、昭和四十五年度の収入支出決算の状況について御説明いたします。 昭和四十五年度における収入済み額は五百六十七億九千四百六十二万円余、支出済み額は五百六十三億七千四百九十万円余でありまして、収入が支出をこえること四億一千九百七十一万円余となっております。 最後に、昭和四十五年度における当公庫の損益について申し上げますと、本年度におきましては十九億七千五百五十八万円余の償却前利益をあげましたが、これを全額滞り貸し償却引き当て金及び固定資産減価償却引き当て金に繰り入れましたため、利益金はなく、国庫納付はいたしませんでした。 以上が昭和四十五年度農林漁業金融公庫の業務の概況であります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○森下委員長代理 これにて説明聴取を終わります。 —————————————
○森下委員長代理 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がございますので、これを許します。西宮弘君。
○西宮委員 私は先般、今月の十一日でありますが開かれました当委員会において資料の要求をしておったわけです。きのうの午後それについての回答をもらったのでありますが、私は、実ははなはだ不満であります。こういうことに文句を言うつもりはないのだけれども、なぜあの十一日に要求した資料がきのうの午後になってようやく出てきたのか。しかも、おそらくきょう私が質問することになったので、あわてふためいて出してきたのだろうと思うのだけれども、あまりにも不親切だと思う。どういうわけでそんなにおくれたのですか。林野庁の長官いないのだけれども、長官のかわりに答弁してください。
○松形説明員 お答え申し上げます。たいへんおくれましたこと、申しわけございませんが、資料につきましては、官房あるいは大臣の許可を得るというような提出手続を農林省としていたしております関係から手間どった関係で、たいへんおくれたこと、申しわけなく思っております。 以上でございます。
○西宮委員 かりにそういう内部の手続に時間を要するとしても、きわめて簡単な資料なんですよ。実をいうと、きのうもらった資料と全く同じものを、私は質問の時点で持っているわけです。全然同じもの。若干違うのは、私のほうが少し詳しい。そういうものを大臣の決裁を得るために十何日かかかるのですか。ただの過去の事実を書いただけじゃないですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。一般的に、わりあいスピーディーな努力をいたしておるわけでございますけれども、国会あるいはその他の問題等がございまして、私どもたいへん不手ぎわでございまして、その点御迷惑をかけましたことをお断わり申し上げます。たいへん恐縮でございます。
○西宮委員 私は、要するに、どうも林野庁はこの問題にさわられることを好まない、そういうためではなかろうかと思う。きのうの午後になって初めて資料を持ってきて、そのもらった資料は、私はもう前からちゃんと百も承知の資料なんですよ。ただ過去の事実、年月日を書いただけなんです。それで地図を貸してくれと言ったらば、たった一枚の地図を持ってきて、しかも持ってきたのは午後の六時過ぎですよ。ずいぶん早く私は言っておいたのに持ってきたのは六時過ぎ、しかもたった一枚しかない。どうしてもそれを持って帰らないと上司に説明ができないというので、見せただけで持って帰ってしまった。私は別な申請書の資料を借りたので、それで補いつけました。つけたけれども、その地図一枚、当然来るならばコピーにとってくるくらいの親切さはあっていいと思う。おそらく林野庁としては、この問題にこれ以上さわられるということを極力避けている。したがって、もうぎりぎりどたんばにきて、私がそれ以上の準備をしたりそういう時間のない時刻を見計らって持ち出してきたというふうにしか思えないのだが、その辺はどうですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。そういうつもりは全然ございません。今後十分注意いたしまして、なるべく早く提出するよう私どもも努力いたしたいと思います。
○西宮委員 これ以上責めてもしかたがないのでやめますけれども、私は資料の要求は五月の十一日にしておる。そしてさらに十八日の委員会で、次の定例会議には私が質問をする、こういうことを通告して、したがって委員部のほうに確かめてみたけれども、委員部のほうでは、その日のうちに農林省に次の定例日には西宮が質問するということを通告してあっにそうだ。それにもかかわらず、いまごろになって、ほんとうにぎりぎりどたんばに、しかもそういう不完全な資料を持ってくるというようなことでは、私はどうしても痛くない腹を探らざるを得ないのであります。 それではお尋ねをしますが、前に参議院でも論議をされておりますけれども、あの函南町の保安林の解除について、保安林を解除をすれば当然にその下流の地域に水害等の被害を与える、そういう懸念が十分あると思うのだけれども、その点はどういうふうな判断をしたのですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。本件につきましては、代替保安林の指定と、さらに土砂流出のおそれということに対処いたしまして諸施設を完備するというようなことで対処できるというふうに理解して解除いたしたものでございます。
○西宮委員 解除される以前からこの地域では相当の大きな水害が起こっているわけですよ。それは、地元の役場の記録あるいは写真等がいろいろたくさんあるわけだけれども、相当な大きな水害が起こっている。保安林があってなおかつしかりなのだ。これを解除したら、それがさらに倍加するということは当然じゃないですか。それで差しつかえないのですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。本件の場所は、昭和五年伊豆震災等におきましてはたいへん被害があったことがございます。その後、植林をいたしまして、昭和三十三年御承知のとおり狩野川台風等がございましたおりも、このときはほとんど災害の発生をいたしておりません。したがって、私どもは、やや安定した状態であるというふうな理解をいたしたわけでございます。その後、植林等が部落等によって行なわれまして、保安林の指定が行なわれ、本日に至っておるものでございます。 なお、本地域は火山性の土質でございまして、覆流水的な水の流れというようなことをなしております関係上、現在解除いたしました第一期分として、御承知のとおり解除いたしました分につきましていろいろな施設ができておりますけれども、現在のところ土砂の堆積とかいうようなことは見られない、やや安定していると理解しているわけでございます。
○西宮委員 その下流に住んでいる地元の住民が大挙して陳情運動を起こしておる。それは要するに、こういうことを何も知らないで、知らずにいるうちに、寝耳に水にこういう解除になったということを聞かされて、非常な不安におちいっている、こういうことで陳情運動が起こっているわけです。私は当然だと思うのですね。これは全く違う水系に保安林をつくっているわけですよ。ずっと下へ下がって、下で合流すれば一つの流域にはなる。そういうことは農林省の説明にあったわけだけれども、大きな流域としては、北伊豆の流域というような大きな地域になれば、確かに保安林が甲の地域から乙の地域に移っても、それは十分に効用を果たすと思うのだけれども、しかし局限された地域には、その水系に関連するところでは、当然そういう災害の危険がある、こういうことは当然だと思う。 さらにそれでは、私は事務的にも問題があると思うのだけれども、保安林を解除をする際には、農林省の通達に従えば、転用の場合には次の各号に掲げる要件をすべて具備しなければならぬ、こういう通達がなされておって、それには必要最小限度であるといわれているわけだ。しかし、ここの保安林は九十七ヘクタールの中で七十一ヘクタールが解除をされた。割合にすると七三%くらいに当たるわけですが、そういう地域が解除をされているということは、私はとうてい必要最小限度とは言えないと思う。どうなんですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。御指摘のとおりの保安林面積でございまして、現在第一期分として解除いたしました分と、今後解除されるであろうと予定いたしておりますのが、合計いたしまして七十一ヘクタールでございます。それに見合う保安林といたしまして、第一期分と第二期分を合わして九十一ヘクタールという指定をするつもりでおります。 以上でございます。
○西宮委員 その指定をするのは違った水系に指定をするわけだ。だからいま九十七ヘクタールの中で二期分の解除もするということになれば、七十一ヘクタールになるというようなことは、とうてい必要最小限度とは言えない。しかもこれは、目的は別荘地をつくるというのでしょう。別荘地をつくるための保安林の解除なんですよ。公益上の必要というようなことであればある程度やむを得ないということも当然あろうと思うのだけれども、これは宅地造成業者が別荘地をつくって売り出すのだ。そういうことのために貴重な保安林を簡単に解除をしてしまうというようなことは、私はとうてい許されないと思う。 さらにもう一つの条件は、当該保安林以外に適地を求めることができないことというのが保安林解除の際の条件になっているわけです。ところが、これ以外に適地を求めることができない、そういう状況ではなかったと私は考える。なぜならば、この業者がここに保安林を解除してというか、要するにここに宅地造成して別荘をつくろう、別荘地として売り出そう、こういうことを考え出したのは、昭和四十四年の三月ごろ時点の登記がぽつぽつありますから、それ以前だと思う。その時点ならば、この周辺には広大なそういう適地がたくさんあったと私は思う。業者は昭和四十四年の二月、三月ごろから移転の登記等を始めてやってきたら、途中で保安林にぶつかった。保安林がその中にある。しかも保安林が大きくその中の面積を占めているわけだ。そういうことを、おそらく最初は御承知なかったのだと思う。したがって、一時計画は中断をしたわけです。しかし、その後、この業者は、これはもう保安林を解除する以外に手がない、こういうことで強引に解除を押しまくったと私は想像するのだけれども、他に適地を得ることができなかった、こういうふうに認定する根拠がありますか。
○松形説明員 お答え申し上げます。他に適地がなかったのかどうかという御質問と同時に、水源保安林についての代替保安林等が十分配置されているかどうかということを含めてのお話かと思います。この土地の利用計画につきましては、私どものほうで調べておりますところでは、昭和四十年ごろ、部落を中心といたしまして、町の総合開発計画の検討が開始されているわけでございます。そうして、四十二年六月ごろになりますと、そういう総合開発計画が、県の指導等によりまして、ある程度まとまりを見せてまいっております。したがって、そういうまとまりと申しますか、町の中にも開発委員会を特別に設けまして、そういう計画がなされ、しかも県の中にも土地利用委員会等がございまして、そういうものの中で、この利用が総合開発の中の一環といたしまして認められたものでございます。そうして、その地域全体の中で、はたしてそういうものが近いところにないのかというお話かと思いますが、その当時の事情としましては、その地帯に約四千ヘクタールの山林を函南町は持っておりますが、そういう山林を中心とした開発計画は、土地の取得がたいへんむずかしい時代でございまするので、財産区等を中心といたしまして、そこで土地を見つけてきたというかっこうになっているわけでございます。したがって、そういう山林を十分そこで獲得できるかどうかという面につきましては、町の計画の中で十分検討されたものだと私ども理解いたしておるわけでございます。
○西宮委員 なるほど一般の山林は、業者の取得が困難だ、業者がそれを手に入れることは困難だ、それに比べたら、保安林は、保安林に指定されておったのでは利用価値も少ない一したがって、それが解除してもらえるなら、そのほうが簡単に手に入るのはあたりまえだと思う。だから、業者としては、それに目をつける、あるいは地元としてもそれに目をつけるというようなことは、当然かもしれぬ。しかし、その四千町歩の土地の中で、他の地域で物色をすることが困難だというお話だけれども、現在はいろいろな業者が、その周辺に同じような宅地をつくっているわけですよ。彼らはあなたの言うところのそういう困難を克服して、宅地造成をやっている。私は、ちっともできないことはないと思う。だから、これを避けるつもりならば、保安林は保安林として残したい、そういう考えがあるならば十分できると思う。これは農林省の通達として、いま言ったように、必要最小限度にとどめるとか、あるいはそれ以外に適地がない場合ということに限るとか、農林省が強く通達を出しているわけですよ。だから、広い面積の中で一部保安林が若干ひっかかったというのならやむを得ないと思うんだけれども、この別荘地の場合は、全体七十町歩の中で三十町歩が保安林ですよ。ここで、さっき申し上げたように保安林の中の七割三分という面積を解除しなければならぬ、こういうことは、保安林の行政を預かっている林野庁としては、私はどうしても納得できない。 それでは、その次に参りましょう。これは大蔵省の係官にお尋ねをしたいのでありますが、この業者は、大誠総業というのですけれども、二億四千万でこの土地を買っているようです。それに対して金融機関、これは平和相互銀行というのですが、これが五億五千万の根抵当を設定しているわけです。その設定した時期は昭和四十四年の十一月二十日です。これはその保安林解除の問題が起こるずっと前なんですね。そういう時点で二億四千万の土地に五億五千万の根抵当を設定した。こういうことはちょっとわれわれの常識では考えられないんだけれども、これは一体どういうことなのでしょうか。あなたは銀行局検査部管理課長という職責だそうですから、いわゆる検査の仕事とは直接関係がないかもしれないけれども、銀行局長が来れないというので代理で来られたから、私はそういう立場で見解を伺いたい。これは全くの私見でもけっこうです。そういうことが普通あるだろうか、二億四千万の財産に、それをはるかにオーバーした根抵当を設定するというようなことがあるだろうかという疑問があるのですが、その辺はいかがですか。
○箸本説明員 お答えいたします。二億四千万円で取得した土地について五億五千万円の根抵当権を設定することはどうか、こういう御質問のように伺いますが、通常、金融機関が不動産を担保にして金を貸す場合に、不動産について抵当権を設定するというわけでございますが、その抵当権の設定の基準といたしましては、金融機関それぞれが内規でその抵当権の設定限度額というものを定めておるのが通例でございます。その場合に、その抵当権の設定額の当否というのは、大体時価あるいは処分可能価額というものを基準にいたしまして、その六割ないし七割ぐらいで貸し付けの極度額を設定するというのが通常でございます。この場合に、二億四千万円で取得したものが、その計算でいきますと、八億円かあるいはそれに近いような価額で直ちに処分できるという見込みがなければ、これだけの極度価額を設定するわけにはいかないわけでございまして、こういう極度価額の設定というのは異例な措置ではないかと思います。
○西宮委員 よくわかりました。いま課長の御説明だと、少なくとも八億くらいの財産価値にはなるというふうに見込んだのだろう、こういうことなんですが、これは言いかえれば、保安林は当然に解除されるということを前提にして金融機関は判断をしておるわけです。さらに続いて、日本不動産銀行は一億三千万の融資をしておるわけです。それは昭和四十五年の一月五日に融資をしている。これは二番抵当の登記がなされておりますから。それから、これは両方ともまだ保安林の解除については申請書も出てない、そういう時点なんですよ。その時点において、こういう金融機関が、いま申し上げたような根抵当を設定し、あるいはまた現実に貸し出しを行なうというようなことは、さっきの課長の答弁を待つまでもなく、私どもはとうてい想像できない。ということになれば、明らかにもうこの時点において農林省の当局はあるいは県庁等も含めて、これは将来保安林を解除する、こういうことで黙約があったに違いない、われわれはそう断定せざるを得ないと思う。いかがですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。保安林の第一次解除分につきましては、四十五年三月、函南町から静岡県知事を通じまして解除申請の提出がございました。したがって、その申請書の中にはそういう書類が当然つくということになりますけれども、私ども、そういう抵当権の問題とかあるいはそういう融資の問題というようなのが十分理解いたしてなかったというふうに思っております。
○西宮委員 融資の問題を十分理解していなかったという答弁はどういうことなのか、ちょっと私にもよくわからないが、要するに私が指摘をしているのは、まだその保安林解除の申請さえも行なわれていない、そういう時点に金融機関がそれぞれ融資を行なったり、あるいはまた大きな額の根抵当をつけたりというようなことが行なわれているのを見れば、やがてこれは保安林は解除するのだ、こういうことが約束をされたに違いない。そうでなければ、だれが、どんな金融機関がそういう大きな金を貸したりしますか。もし、解除にならぬということになったら、これはどうしようもない。ほとんど宅地造成の土地としては全く無価値になってしまう。そういうところにこういう膨大な金額を貸し付けるというようなことはあり得ない。それは当然県庁なり農林省なり、そういうところを含めて、最終決定は農林大臣がするわけですから、農林大臣がそういう決定をしておった、そういう意思表示をしておったというふうに考えざるを得ない。 たとえば、先般読売新聞に、これは元大臣の圧力があったからだ、こういうふうな記事が載っておったけれども、そういうふうに想像されるのは、これはもう当然だと思うのですね。まあ、あなたにそれを聞いても、そういうえらい人が約束をしましたなんということはあなたが言うはずもないだろうから、私はこれ以上聞くわけにはいかない。聞いてもしかたがないと思う。 では、一つだけ伺っておきますが、この当時の農林大臣と林野庁長官は一体どなたですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。林野庁長官は松本守雄でございますが、大臣についてまだちょっとわかりませんので……。(「わからぬということはないよ」と呼ぶ者あり)倉石農林大臣でございます。
○西宮委員 いまの不規則発言のとおり、私はちゃんとわかっておって聞いておるのだ。そんなことごまかしちゃ困りますよ。 それから、さっき言いましたように、第二期分も含めて七十万坪、それを開放する、こういうことに地元の申請は出ているわけですね。それで、そのうちの大体四十九ヘクタールが解除になっている。あと残っているのが二十二ヘクタール程度、これはどうするつもりですか。反対運動が出ている。
○松形説明員 第二期の分につきましては、現在、先生御指摘のとおり、地元からそれぞれの陳情書等が出ておりまして、私ども、保安林解除というものが、そういう地元の町長から出されておる関係もございまして、地元の意思というようなものを十分尊重してまいりたいということから、現在これは手続を中止いたしております。そしてまた地元においてもそれぞれ調整も行なわれておるという段階でございます。
○西宮委員 そうすると、解除にならぬ場合もあり得るわけですか。
○松形説明員 第二次保安林の代替保安林の指定等を含めまして、そういう調整がはかられた上でないと、われわれはこの事務を進めるわけにまいらないというふうに考えておるわけでございます。
○西宮委員 わかりました。 ところが、業者のほうはもう当然それを予定して七十万坪売るのだ、こういうことで盛んに宣伝をしておるわけですよ、その第二期も含めて。これはどういうことになるのですか。
○松形説明員 お答え申し上げます。ただいまそのパンフレットにつきまして私承知いたしておりませんけれども、それの宣伝というものは、保安林の解除とか指定とかいうこととは無関係に宣伝されておるのではないかというふうに理解いたしております。
○西宮委員 そのとおりだと思うのだけれども、業者のほうは当然解除があるものと予定してこういう宣伝をしておる、こういうことになるわけです。さっきから言うように、第一の指定解除以前から金融機関は多額の融資をする、あるいは第二次がひっかかっておるのだけれども、それも含めて売る宣伝をしておる、こういうことで私ははなはだ不明朗きわまると思う。 警察庁からおいでを願っておりますので、ちょと一言だけお尋ねをしたいと思うのです。 これはうわさでありますけれども、保安林解除に伴って、この仕事をする上について反対を押し切ってこれを推進したという公務員がある、したがってそれに関連する収賄等の疑いがある、そういううわさを私は聞いておるわけです。そういうことがあるかどうか。もしおわかりならお答え願いたいと思うのですが、それは、この解除を推進する県の機関、県の担当課は静岡県の企画調整部の調整課というところです。ところが調整課長は、最近の調整課長もまた同じような問題を起こして、つい先ごろ警察の取り調べを受けておるわけです。しかも本人は辞任をしておる。そういう最近の例もあるわけです。そういう問題がありはしないかといううわさが流れておる。それからさらに、いま反対運動が約四百名ばかりの署名をとって行なわれておるわけです。それに対して、これを切りくずすということのためにたいへんな工作が行なわれているという、これまたうわさを私は聞いている。それに、もし何らかの金品等を用いてそういう工作を行なうというようなことがかりにあるとするならば、それはたいへんなことだ。そういうことについて何か御承知ならばお答えを願いたいし、御承知なければあとで調べて報告をいただきたいと思います。
○高松政府委員 この問題につきましては、五月三日の読売新聞に出、それからその前に地元の韮山を中心にした地区からの反対陳情書がことしの初めから出ているということでございます。静岡県警本部と三島警察署でこの間の事情について、現在のところ犯罪の容疑があるかどうかはっきりいたしませんが、いろいろ調査をしている、こういう段階でございます。
○西宮委員 それでは調査結果がわかりましたら御報告願います。 これを買収して宅地を造成している会社は日誠総業という会社なのでありますが、実は沖繩でも全く同じような強引な土地の買い占めをやっているわけです。ここに持ってきたのは全部現地の新聞です。こんなにたくさん出ている。その中で試みに、この見出しの中に日誠総業ということばが入っているものだけを御紹介すると、「くい荒される八重山の土地」「本土資本日誠総業広大な買占め」「波紋よぶ日誠総業土地買い占め」「日誠総業を準組合員に・財産処分も追認・緊急臨時総会」それから社説に「日誠総業誘致に思う」「日誠総業加入で紛糾か・きょう土地改良組合総会」「日誠総業にふり回わされる」「日誠総業の加入決まる・市議らに退場命令・審議終始荒れる」「土地買収問題・刑事事件に発展」「深夜の区民総会、緊迫」「石垣市白保の日誠進出」その見出しに大きく日誠総業という文字が書かれているのを拾っただけでもこの程度。おそらくこの会社は非常に強引に土地を買いあさる、こういう会社ではないかというふうに私どもは想像するわけです。 私は昨年沖繩に参りまして、現地に行って見てきたのです。そして現地からいろいろな陳情を聞かされてきたわけです。そうしたら、はしなくもまた同じ会社が、もちろん沖繩では人格は別になっておりますが、合弁資本で経営をしているわけです。こういうことで私は、この問題についてははなはだ問題が多過ぎると思う。したがって後刻また質問をいたします。 時間がなくなりますから、次の問題をお尋ねしたいと思います。私がさっき申し上げた、いまの函南町の保安林を解除して、その土地の造成をやっておるのは日誠総業という会社であって、さらにこれに金融的なバックをしているのが、さっき申し上げた平和相互という銀行なんであります。 ところが最近、これは日活労働組合から出された新聞でありますが、これを見ると、「黒い銀行平和相互」という見出しで、たいへん詳細に書いてあるわけです。要するに、赤子の手をねじ伏せるようにして日活の貴重な財産を買い占めてしまった。こういろことをたいへん詳細に書いて訴えておるわけです。あるいはまた同じようなものが「大映・日活」、これは両方一緒にした新聞ですが、「大映・日活のポンコツ化でボロもうけ」という中に同じようにこの銀行が悪徳銀行、こういうことで指摘されているわけです。実態については、もちろん私はわかりませんけれども、銀行局にお願いをしたいと思うのだが、ここに書いてあるような内容が事実とすれば、たいへんな重大問題だと思うので、銀行局としてはこの金融機関について調査したことがありますか。もちろん銀行検査は規則に基づいてやっていると思うのだけれども、まず第一に、この日活会社に対しては昨年の六月一日から十七日までに六回にわたって七億円の金を貸しているわけです。しかしこの貸し方は、日活に直接ではなしに、東南貿易という系列会社を使って、そこに貸して、トンネルをくぐって日活に貸し付けをしている。こういうトンネル貸し付けというやり方について銀行局は御存じですか。
○箸本説明員 お答えいたします。平和相互の貸し出しの内容につきましては、私は現在承知しておりません。検査は最近実施しております。 以上でございます。
○西宮委員 いま私が具体的に指摘した七億の金をトンネル貸し付けをしているという事実についてはどうですか。
○箸本説明員 その個別の貸し出しの内容については、私は承知しておりません。
○西宮委員 承知しておらないというのは、その銀行検査を担当するあなたとして、きわめて怠慢だと思うのだけれども、これは会社の当局と労働組合の団体交渉の記録を見ると、社長が、いわゆるトンネル貸し付けをはっきり認めているわけですよ。きわめて明瞭に認めているわけですよ。一体、そのトンネル貸し付けというのは差しつかえないのですか。
○箸本説明員 トンネル融資と一言に言いますが、普通金融機関が債務者に対して金を貸す場合は、その資金使途をよく確かめ、そしてその債務者に返済能力なりあるいは将来の収益力なり、そういう返済財源が確実であるかどうかということを判断して貸すのが通例でございまして、そういう場合に、その信用が不安である場合には、保証人をとる場合もございますが、保証人をとる手続のかわりに、信用力の確実な会社に融資をして、そこの責任で第三者に資金を転貸するという場合も間々ございます。そのような貸し出しのしかたというのは通常は必ずしも好ましいものではございませんが、そういう形のものがしばしば実例としてはございます。本件の場合に、どういう動機でどういう貸し出しが行なわれたのかは私は承知しておりませんけれども、そういう形のものではないかと思います。
○西宮委員 私は、そのトンネル融資というようなことがもし安易に行なわれるというようなことになれば、これは預金者の金を扱っておる金融機関として、まことに預金者に迷惑をかける、そういう事態が起こってくるのは当然だと思うのですね。そういう点について銀行局がもっとき然とした態度で臨まなければならぬのは私は当然だと思う。実は私は銀行局のもう一人の課長の意見も聞いたのだけれども、こういうことは許すべきじゃない、ただしかし、なかなか銀行局として検査の際にそれを発見するということは困難なんだ、それにはすっかりわれわれは手をやいているのだ、絶えずその問題が問題になるのだけれども、残念ながらそれを発見する手段がないのだ、こういうことを訴えておったわけです。私はそのとおりだと思うのですね。しかしこれなどは、二度目に借りた実質的な債務者、その社長がトンネルで借りましたということを明瞭に言っておるわけですよ。こういう事実を黙過するというようなことになったら、将来どういうことになるか、こういう懸念が多分にあります。 それからもう一つは、銀行局としては、担保価値の評価というような点についてはどういう指導をされますか。つまり、担保価値を過度に高く見れば、預金者保護にならない、あるいは過小に評価すると、そのために安く財産を取られてしまうといったような危険性が生まれる、こういう心配があると思うのだけれども、その担保の評価という点についてはどういうふうな指導をしておられますか。
○箸本説明員 貸し出しの場合に、担保の評価の問題でございますが、これは先生のおっしゃいますように、過大に評価しても、また過小に評価しても、いずれにしても弊害があるものでございますが、普通貸し出しにあたって、不動産担保の場合でありますれば、先ほど申し上げましたように、処分可能価額の大体七掛けくらいということで極度を設定するというのが通常の金融慣行であります。検査にあたりましても、こういう金融慣行を尊重してやっておりまして、それに著しくはずれるというような場合には、そういう融資の態度が不適正であるということで指摘して、その是正を求めるということにいたしておりますが、一律に七掛けというわけにはいきませんで、個々の場合に若干の相違があるということはいたし方ないことでございまして、そこまでとやかく言うわけにはまいらないと思います。
○西宮委員 労働組合から出された書類を見ると、八億五千万の貸し出しをして、これに対して見返りとしてゴルフ場とホテルを押えた。これは十年前の投資でありますが、そのときに、ゴルフ場には七億五百三万一千円という投資がなされており、ホテルは十一億七千二十六万二千円という投資が行なわれている、こういう財産価値を持っている。もちろんそれから十年の年がたっておりますから、建物が痛んだというような点もありましょうけれども、同時に十年前の物価と今日の物価とはたいへんな違いなんで、したがって財産価値としては、労働組合の説明によると三十億は下らない、こういうことを言っている。それに対して八億五千万の融資をして、しかもそれを返済ができないというと、直ちにそれを他に売らしてしまう、あるいは他に売ることを強要する、こういうことが行なわれているといわれておるわけです。 この銀行は日活の再建に協力をすると称してやったのだけれども、事実は、日活にとって、したがってこれは労働組合にとってもきわめて貴重な財産であるわけでありますが、それをねらっている。団体交渉の中で社長はこう言っています。この二つの財産は、日活再建のためには絶対に売れない物件です。ところが、それを売れということで強引に売らされてしまった。それから、それはさっき昨年の六月に金を借りたと言ったが、その融資のときにすでにその物件をねらっていた。この二つの物件をねらっていたということも、この団体交渉の中で社長がこれを暗に認める発言をしております。したがって、そのときから債権者のほうはそれをねらっておった。こういうことなんだけれども、私はこの問題についての質問を終わりますが、労働組合が非常な怒りをもって私どもに訴えている点は、先般来申し上げたそのトンネル会社の東南貿易であるとか、あるいは今度これを買わしたところの昭和振興であるとか、あるいは前に同じようなことで北海道登別のホテルを買い取らした徳間コンツェルンとか、あるいはさっきの保安林を解除をさして宅地造成をやっている日誠総業、これは全部その銀行の系列の会社なんです。全く一心同体といいますか、ほんとうの系列会社、しかもこういう会社を数多く銀行の周辺に配置をしておるわけです。そうして一般金融機関が手を出さないような弱体な企業に融資をして、にわかに融資を打ち切ってしまうということによってその財産を乗っ取ってしまう、あるいはその企業そのものを乗っ取ってしまう、こういうやり方なんだ、こういうことを強く訴えているわけです。もしそれが事実だとすれば、私はきわめて重大な問題だと考えるわけですが、これに対する課長の所見をお聞きして、この問題の質問を終わります。
○箸本説明員 御指摘のような事実があるとすれば、これは非常に遺憾なことでございまして、われわれも検査にあたりましてそういうことのないように十分詰めてまいりたいと考えております。ただ、御指摘のありましたような点につきまして、そういう貸し出しにあたりまして、その担保物件を低く評価して、相手の弱みにつけ込んでその物件を取得してもうける、こういう暴利をむさぼるような金融機関の行き方というのは、これは御指摘を待つまでもなく非常によくない、金融機関の公共性の立場からいっても、そういう経営態度というのは許さるべきものではないと考えておりますので、そういう態度で運営されておるということでありますれば、厳重にそういう姿勢を改めるように求めなければならない、かように考えております。
○西宮委員 私はその事実を知っているわけではありません、私自身が見聞したわけではありませんから、銀行局のほうでそういう事実を十分に調査をして、その結果を知らしてもらいたいと思います。 次にもう一つは、林野庁の問題に返ります。実は林野庁の問題は、全く私も手をやいてしまったわけです。これはあまりにも問題が多過ぎて、どこから取り上げて究明していったらいいのかわからぬほど問題が山積をしておるわけです。今月の十一日に私が取り上げた、あのときの問題だけでも実は三件あったわけですが、その後次から次と問題が出てくるので、どうも、私もこれにはほとほと困り抜いているわけですが、一番新しい問題として、最近わが党で調査した問題がありますから、きょうはひとつその問題についてお尋ねをしたいと思います。 これは岐阜県にあります、局は長野ですけれども、坂下営林署管内の国有林についてであります。これは保安林になっておるわけですけれども、たいへんな大面積を皆伐をしているわけですね。しかもそれはほとんど——ほとんどじゃない、途中の保護地帯さえも残しておかないで皆伐をしている。こういうことがそもそも大問題。それがために山は非常な激しい荒廃をしているわけです。そういう事実について、まずひとつ説明してもらえますか。現地をどういうふうに見ているか……。
○松形説明員 お答え申し上げます。実は私、そちらのほうの担当でございませんので、十分承知いたしておりません、まことに残念でございますけれども。新聞紙上等において、坂下営林署のそういう伐採、特に保安林の伐採あるいは林道の問題ということがある事実につきましては承知いたしておりますが、その細部について承知いたしておりません。そういうことでございます。 〔「長官を連れてこいよ」と呼ぶ者あり〕
○西宮委員 だから私は、もちろん長官に来てもらうことで通告しておったんだけれども、もうあっち、終わったんじゃないですか。
○松形説明員 ただいま連絡に係官を行かしておりますので……その結果をまちまして、答弁できる者を、現地を承知いたしておる者がおればこちらに参るように連絡いたしたわけでございます。
○西宮委員 長官は内閣委員会に行っている。私は、長官に対する質問は、まず第一には十一日に要求をして、さらに十八日には、具体的に二十三日にやるというととで要求をしておったんですからね。長官はその心がまえをもって出席をされるのが当然だと思う。かわりに来られたあなたが答弁できないというのでは、これはどうしても長官に来てもらうほかないと思うので、こう内閣は設置法の問題だけだから、おそらく終っているだろうと思う。あっちには農林大臣も出ているのだし、ぜひ来てもらいたいね。どうですか。あるいはかりに終わってなくても、大臣も出ていることなんだから。
○松形説明員 先ほどお答え申し上げましたように、ただいま連絡に飛んでおりますので、しばらくの間時間的猶予をいただきたいと思います。 〔発言する者あり〕
○森下(元)委員長代理 西宮委員に申し上げます。 長官の所在を調べまして、早急に出席するようにいたしたいと思います。 速記をやめておいてください。 〔速記中止〕
○森下(元)委員長代理 速記を始めて。 福田繁芳君。
○福田(繁)委員 関連。いま同僚委員からの、先般農林委員会で問題になった、事相当重要な案件に関する林野庁なり大蔵省等に対する御質問があったわけなんです。一番大切なところで、林野庁の長官が内閣委員会のほうにおいて社会党議員さんの御質問に答えられておるようなんで、それを終わったら間もなくいらっしゃる。したがって同僚委員は、事大事なところだから、長官が来られて御質問申し上げる、こうなっておって空白が生じましたので、私は関連して、ひとつ銀行局の諸君にちょっと伺いたいのだが、まず一応、はなはだ失礼なことを申し上げるが、先ほどの御答弁ぶりをつぶさに拝聴しながら感じたわけなのですが、あなたは大蔵省のお役目上、どういう職能を御担当されていらっしゃるのか。もし書くならば検査課長さんか。どういう仕事をなすっていらっしゃるのか、これを伺いたい。簡単でけっこうです。
○箸本説明員 お答え申し上げます。管理課長という職務は、検査事務に関します計画の立案とか、それから職員、検査官に対する指導等が主たる仕事でございまして、そのほか検査に関する庶務を担当しております。
○福田(繁)委員 わかりました。そのままそこで…。 そこで、あなた方が検査をもろもろに担当しながら、出先の金融機関に行って、金融機関に対する金融の行政指導のあり方ということは、どういう基準で御指導されておるかお漏らし願えれば、非常に質問者にも適切によくわかると思うのです。なぜ私それを伺うかというと、先ほどの質問者の御質問に関して、不動産融資に対して六割とか七割とか、六掛けとか七掛けとかいう、不動産銀行のように不動産オンリーで融資しておる機関はそのとおりなのです。しかしながら、先ほどのお話では、一般市中銀行か相互銀行のように存じますので、そういった金融機関が、われわれしろうとの判断では、融資をする場合に、おのおの不動産以外のワクを持っておられるわけなんで、手形の割引とかあるいは信用貸し付けのワクとかいうものをフルに動かして事業経営者は経営いたしておるわけです。たまたまその両方のワクがややはみ出すかオーバーするに近い線だったときに、どうしても資金が要るときには、このとおり両方のワクが一ぱいになっている、何か担保でもないかい、いやこういう担保がございますというて、えてして市中銀行には不動産抵当権設定、根抵当権設定ということがあり得るので、勢いその根抵当権を設定する場合の不動産というものは、あなたが先ほどおっしゃったように、不動産銀行、不動産オンリーでやっておる銀行と違うて、ときには六割が七割、八割、九割ということがあり得るのは、一般の市中銀行の取引先に対する不動産を抵当にして融資するところの一つのワクじゃなかろうか、かように私たちは常識的に考えておるのですが、こういう点、おわかりになりますか。
○箸本説明員 お答えいたします。長期信用銀行のように長期貸し出しをする場合には、これは不動産担保が必須の条件でございますけれども、普通の市中金融機関の場合には、必ずしも不動産担保貸し出しオンリーではございません。むしろ不動産担保貸し出しというのは例外的でございまして、通常は手形の割引であるとかあるいは信用貸し、中にはそれを補完する意味で抵当権を設定する場合もございますけれども、不動産担保で長期の貸し出しをするというのは、通常の場合さほど大きな比率を占めておらないというのが実情でございます。先ほど申し上げましたような不動産担保の掛け目というのは、これはそういう長期信用銀行のみに限らず一般の金融機関におきましても、不動産担保で金を貸し出す場合にそういう掛け目をとっておるということを申し上げたのでございまして、一般の市中金融機関がすべてそういう不動産担保をあらゆる貸し出しの場合にとっておるということではもちろんございません。通常資金を貸し出す場合には、その資金の使途なりあるいは返済能力なり、その事業計画の確実性、そういったものをよく検討いたしまして、要するに債務者の信用の上に立って金を貸す、それを補完する意味で手形を担保にとるとかあるいは不動産を担保にとるということがあるということでございます。
○福田(繁)委員 よくわかりました。願わくば、先ほどの同僚議員の御質問に対して、いまの私に対するおことばのように詳細にあらゆる角度から……。 普通銀行というものは、やはり取引先に融資する場合には、いま申した主力対象があり、なおかつそれ以上の運転資金がなければ困るという場合には、あなたたちの指導方針にのっとって何とか間に合わしてやりたいという場合に、担保を提供する場合があるのです。その担保の場合には、いまあなたがおっしゃった長期信用銀行あるいは私が申し上げた不動産銀行のような不動産のみを対象にする、時価の六掛けという線を逸脱してやっておることは間違いない、それがために取引業者も非常に役に立っておるということも検査官として御念頭に置いてお答え願いたいと私は思うのであります。 それで、よい機会だから、これに関連しませんけれども、あなたに伺っておきたいのだが、これは本来なら私は銀行局長さんに伺いたいと思っておったのだが、やはり事会計監査に関することだから、あなたが元締めらしいから伺うのです。 一体いわゆる銀行、言いかえれば市中銀行、相互銀行、信用金庫、こういったあなたの所管の金融機関に対する監査と申しまするか、検査と申しまするか、それは何年に一ぺんぐらいずっとおやりになっていらっしゃるのですか。それをちょっとお聞きいたしたいのです。
○箸本説明員 お答え申し上げます。金融機関の検査、これは法律の規定に基づいて行なっておりますが、大蔵大臣はいつでも必要があるときに検査をすることができるということになっておりまして、何年に一ぺん検査をしなければならないということではございません。そういうわけで、われわれは必要な範囲において検査を実施しております。過去の経験から申し上げますと、各金融機関全部通算して言いますと、大体二年に一度くらいの検査周期になっております。これは平均でございまして、個々の金融機関にとりましては必ずしもそのとおりにはなっておりませんけれども、平均いたしますと、大体二年に一ぺんぐらいの周期で検査をいたしております。 以上でございます。
○福田(繁)委員 よくわかりました。私、なぜこれを聞くかというと、御承知のように、昨年のドル・ショック以来、いまの中小商工業者の、金融機関でいうなら末端金融機関と申しましょうか、これに対する問題が相当山積しておるらしいので、あなたたちも業界新聞で御承知のように、きょうは時間がないから簡単に信用金庫だけに例をとって申し上げてもお思い出しになられると思うんだが、昨年秋以来、非常に信用金庫関係の不正融資といいますか、われわれ一般中小商工業者があ然とするような、相当の年月にわたって蓄積しておるところの不良貸し付けがときおり新聞をにぎわしておるわけなんです。いま申した一般中小企業者は、ドル・ショック以来、銀行には金はあるけれども企業者には金がない。たとえ百か二百の金でもなかなか貸してもらえない。大蔵省の検査がうるさいからというので貸してくれないらしいんだ。しかるに、最近新聞をにぎわしたように、三年、四年もの間、一信用金庫が一取引者に対して十億とか十五億とかいうところの膨大な金額を融資しておられる。そうすると、去年もおととしもさおととしも大蔵省の監査はなかったのかな、あるいは小さい百万や五十万という庶民金融、それのみの監査はされて、そういう大口の監査はやられないのかなというように、決して皮肉じゃございませんけれども、ひっかかるものがありますので、それで監査の元締め役のあなたにそれを回りくどく伺ったわけなんです。このごろ信用金庫の不正融資というのはずいぶん多いんじゃございませんか。あなた、監査の元締めとしてどういうようにお考えになられます。これを伺いたい。
○箸本説明員 一昨年以来かと思いますが、金融機関の不祥事件が新聞紙上をにぎわわされるという事例が頻発しておりますので、われわれも、検査に携わっておる者といたしまして、こういう事件が起こらないように未然防止につとめるという覚悟でやっておるわけでございますが、まだ依然としてそういう事例が起きておるということは非常に遺憾に存じております。特に信用金庫につきまして、大口の不正貸し出しであるとか、あるいは大口の資金の流用といったような不正事件があるわけでございますが、これにつきましては、信用金庫というのは比較的経営体質がまだ近代化されておらない、体制的にも整備されておらないというところが非常に多く、そういう中で内部の体制の欠如からそういうすき間が生じて不正事件が起こるという事例が少なくないように思います。われわれといたしましては、こういう中小金融機関の金融機関としての使命を経営者が十分自覚していただいて、内部体制をしっかり整えて、そういう不祥事件が防止されるように指導をいたしておるわけでございます。経営者は、ややもすると業容の拡大あるいは利益の追求ということにあせるあまり、そういう内部体制が整わないままに業容の拡大ということにつとめておる結果、こういう大口の不祥事件が起きても、それが長期間発見されないままに放置されておる事例が多いのではないかと思います。われわれといたしましては、そういう内部体制を確立するように指導につとめてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○福田(繁)委員 たいへんよくわかりました。時節柄何かと御苦労がたいへんだろうと、その点は私も当局を高く評価はいたします。だけれども、いま申されましたように、数ある信用金庫の中、数ある相互銀行の中、えてして国会でたいへん問題になり、また新聞の活字にあらわれるのも、ほんの一、二のものが繰り返し繰り返しなにしておる傾向がありますので、こういうところを数字上の検査のみならず、行政指導のあり方等ひとつ上司と十二分に御相談の上、万遺漏ないようにやっていただきたい。これだけ希望を申し上げておいて、ちょうど西宮君の空白がなくなりましたから、西宮君にかわります。どうぞよろしくお願いいたします。
○西宮委員 それでは、このまま質問を続行するわけにいきませんので、これで保留をして、できるだけ早い機会にやらせてもらう、さっき理事会では今週はやらぬというようなことを言いましたけれども、委員長にお計らいを願って開催していただいて、そこでやらせてもらう、こういうことにいたしましょう。ですから、委員長においてその点お計らいをいただくようにお願いをいたします。
○森下(元)委員長代理 西宮君に申し上げます。 伊藤政務次官がちょうどおいでになっておりますので、いまの件に関しまして政務次官より御発言願います。
○伊藤(宗)政府委員 資料の提出あるいは政府委員の出席等でたいへん御迷惑をかけましたことをおわびいたします。以後そういう事態のないように農林省あるいは林野庁としても十分注意をしたいと思います。 なお、御質問等でいろいろ御指摘あるいは御論議のあった点につきましても、われわれとしても行政当局として十分配慮をして、万遺漏ないようにしたいと思います。
○森下(元)委員長代理 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十二分散会