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68回国会衆議院1972/04/06

決算委員会 第4号

発言数
137
登壇者
24
会派数
3
開催日
1972/04/06

会議録

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度決算外二件を一括して議題といたしとう存じます。  この際、男頭に各党委員諸君におはかりいたします。通商産業省所管審査のため、日本航空機製造株式会社より参考人として関係者の出頭を求め、その意見を聴取いたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 御異議ないようですから、さよう決定いたしました。  なお、参考人出頭の日時及び人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 御異議ないようですから、さように決定いたします。     ―――――――――――――

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 本日は、総理府所管及び北海道東北開発公庫について審査を行ないたいと存じます。  これより順次概要の説明を求めます。  まず、総理本府関係について概要の説明を求めます。砂田総理府総務副長官。

砂田重民自由民主党総理府総務副長官

○砂田政府委員 昭和四十四年度における総理府所管の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  総理府所管の昭和四十四年度歳出予算現額は九千九百十一億三千二百六十五万円余でありまして、支出済み歳出額は九千八百十六億五千五百五十五万円余であります。この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、九十四億七千七百九万円余の差額を生じます。  この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は八十四億四千二百六十八万円余であり、不用となった額は、十億三千四百四十一万円余であります。  総理府所管の歳出決算のうち警察庁、行政管理庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁及び科学技術庁については、各担当の大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち総理本府、公正取引委員会、土地調整委員会、首都圏整備委員会及び宮内庁関係について申し述べますと、歳出予算現額は二千七百三十一億七千四百七十万円余でありまして、支出済み歳出額は二千六百九十億八千三百十五万円余であります。この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、四十億九千百五十四万円余の差額を生じます。  この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は三十八億八千百六十八万円余であり、不用となった額は、二億九百八十六万円余であります。  翌年度繰り越し額は、恩給費及び沖繩財政援助金でありまして、これは旧軍人遺族等恩給の軍歴の調査確認に不測の日数を要したこと等及び沖繩に対する財政援助事業において、相手側との交渉の関係、計画及び設計に関する諸条件、用地確保の困難並びに天候不順による工事遅延等のため年度内に支出を終わらなかったものであります。  また、不用額のおもなるものは、沖繩に対する財政援助事業において沖繩財政援助金を要することが少なかったこと等のためであります。以上をもって、決算の概要説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いをいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、警察庁について概要の説明を求めとう存じます。後藤田警察庁長官。

後藤田正晴警察庁長官

○後藤田政府委員 昭和四十四年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  昭和四十四年度の歳出予算現額は四百六億六千三百八十四万円でありまして、支出済み歳出額は四百六億五千二百八万円であります。  不用となった額は一千百七十六万円でありまて、これは職員諸手当等の人件費を要することが少なかったためであります。  次に、支出済み歳出額のおもな費途についてその大略を御説明申し上げますと、第一に、警察庁の経費として二百七十七億五千二百九十三万円を支出いたしました。これは警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち、警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。  第二に、科学警察研究所の経費として二億一千五百五十五万円を支出いたしました。これは科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。  第三に、皇宮警察本部の経費として十億六千百九十八万円を支出いたしました。これは皇宮警察の職員の給与その他皇居の警備、行幸啓の警衛等のための経費として支出したものであります。  第四に、警察施設整備の経費として十八億八千百二十八万円を支出いたしました。これは警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。  第五に、都道府県警察費の補助として九十七億二千五百万円を支出いたしました。これは警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。  以上警察庁関係の決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、行政管理庁について、その概要の説明を求めとう存じます。岩動行政管理政務次官。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 昭和四十四年度における行政管理庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  行政管理庁の歳出予算現額は四十七億四千二百六十四万円余でありまして、支出済み歳出額は四十七億三千八十一万円余、不用額は一千百八十三万円余であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額四十七億八千八百五十四万円余、宮内庁へ移用した額四千五百九十万円であります。  支出済み歳出額の内訳は、人件費二十二億一千二十三万円余、事務費等二億八千八百四十二万円余、統計調査事務地方公共団体委託費二十二億三千二百十五万円であります。  不用額を生じましたおもな理由は、職員俸給等の人件費を要することが少なかったためであります。  以上をもちまして、行政管理庁関係歳出決算の概要説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、北海道開発庁について、その概要の説明を願いとう存じます。上田北海道開発政務次官。

上田稔自由民主党北海道開発政務次官

○上田政府委員 昭和四十四年度の北海道開発庁の決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  北海道開発庁は、北海道総合開発計画について調査、立案し、及びこれに基づく事業の実施に関する事務の調整、推進を主たる任務としております。  この任務を遂行するため、当庁に計上されている経費は、北海道開発計画費及び一般行政費等並びに北海道開発事業費であります。  このうち、開発事業費は総合開発の効果的な推進を期するため当庁に一括計上されておりまして、治山治水対策、道路整備、港湾整備、農業基盤整備等の事業費であります。  昭和四十四年度の当初歳出予算額は千五百二十二億六百十一万円余でありましたが、これに予算補正追加額六億五千六百三十六万円余、予算補正修正減少額六千九百十四万円余、予算移しがえ増加額三百五十万円余、予算移しがえ減少額四百七十五億六千三百十二万円余、予備費使用額千二百六万円余、予算移用増加額三千三百八十八万円余を増減いたしますと、昭和四十四年度歳出予算掛額は千五十二億七千九百六十六万円余となります。  この歳出予算現額に対して、支出済み歳出額は千五十二億七千八百六十万円余でありまして、その差額百五万円余は不用額であります。  開発事業費の執行にあたりましては、関係各省所管の一般会計へ移しがえまたは特別会計へ繰り入れの措置を講じ、直轄事業については北海道開発局が、補助事業については道、市町村等が実施に当たっているものでありますが、各省所管別に移しかえ及び繰り入れの状況を申し上げますと、移しかえた額は、厚生省所管へ七百三十六万円、農林省所管へ三百九十九億六百二万円余、運輸省所管へ十億四千百九万円余、建設省所管へ六十六億八百六十五万円、合計四百七十五億六千三百十二万円余であります。  また、特別会計への繰り入れとして支出した額は、農林省所管の国有林野事業特別会計へ二十億六千三百万円余、運輸省所管の港湾整備特別会計へ七十六億三千三百九十万円、建設省所管の治水特別会計へ百八十五億五千五百十五万円余、建設省所管の道路整備特別会計へ六百十七億五千十万円、合計九百億二百十五万円余であります。  次に、その他の経費の支出につきましては、北海道開発計画費で一億三千三百九十九万円余、北海道開発庁の一般行政費で二十九億八千百七十九万円余、北海道開発事業の各工事諸費で百十八億六千百五十五万円余、北海道開発事業指導監督費で二億九千五百五十八万円余、総理府所管科学技術庁から移しがえを受けた国立機関原子力試験研究費で三百十一万円余、文部省所管から移しがえを受けた南極地域観測事業費で三十九万円余、合計百五十二億七千六百四十四万円余であります。  以上、昭和四十四年度北海道開発庁の決算の概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、防衛庁についてその概要の説明を求めとう存じます。野呂防衛政務次官。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 昭和四十四年度における防衛庁関係歳出の決算につきまして、その概要を御説明いたします。  まず防衛本庁の経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は四千五百二十六億九千七百万円余でありまして、これに昭和四十四年六月以降政府職員の給与を改善するための予算補正追加額百三十一億七千八百万円余、高空における放射能じんの調査研究等のため、科学技術庁から移しがえを受けた額一千四百万円余、南極地域観測事業のため、文部省所管、文部本省から移しがえを受けた額四億一千五百万円余、札幌オリンピック冬季大会競技施設建設のため、文部省所管、文部本省から移しがえを受けた額一億三千九百万円余、科学的財務管理方式導入準備調査のため、大蔵所管、大蔵本省から移しがえを受けた額百万円余、前年度からの繰り越し額三十三億四千五百万円余を加え、既定予算の節約等による予算補正修正減少額二十一億一千五百万円余を差し引きますと、歳出予算現額は四千六百八十六億七千八百万円余となります。  この歳出予算に対して、支出済み歳出額は四千六百七十三億四百万円余、翌年度へ繰り越した額は十二億四千百万円余でありまして、差し引き不用 額は一億三千二百万円余であります。  昭和四十四年度の予算の執行にあたりましては、第三次防衛力整備計画にのっとり、計上された予算を効率的に使用して計画を着実に実施し、実質的な防衛力の整備を推進することを主眼といたしました。  以下、自衛隊別に内容を申し上げます。  陸上自衛隊につきましては、戦車、装甲車その他の部隊装備品の計画的更新による装備の近代化と充実、ヘリコプター等航空機の購入による機動力の増強及びホーク部隊の整備等により、一そうの防衛力の内容充実をはかりました。  また、航空機につきましては、多用途ヘリコプター十一機、輸送用ヘリコプター六機、小型ヘリコプター八機、合わせて二十五機を取得し、新たに昭和四十五年度に取得予定の多用途ヘリコプター十一機、輸送用ヘリコプター六機、連絡偵察機一機合わせて十八機の購入契約をいたしました。  海上自衛隊につきましては、昭和四十一年度計画の護衛艦二隻、潜水艦一隻、練習艦一隻及び昭和四十二年度計画の中型掃海艇二隻、潜水艦救難艦一隻、訓練支援艦一隻、海洋観測艦一隻並びに昭和四十四年度調達にかかる支援船九隻、合わせて十八隻を取得し、新たに昭和四十五年度以降に竣工予定の護衛艦三隻、潜水艦一隻、中型掃海艇二隻、掃海母艦一隻、敷設艦一隻、魚雷艇一隻、合わせて九隻の建造契約をいたしました。  また、航空機につきましては、対潜哨戒機二機、機上作業練習機一機、救難用ヘリコプター三機、対潜哨戒用ヘリコプター六機、練習機八機、初級操縦練習用ヘリコプター四機、合わせて二十四機を取得し、新たに昭和四十五年度以降に取得予定の対潜哨戒機十一機、機上作業練習機一機、練習機二機、対潜哨戒用ヘリコプター七機、救難用ヘリコプター一機、合わせて二十二機の購入契約をいたしました。  航空自衛隊につきましては、ナイキ部隊の整備、新戦闘機の調達など防空能力の一そうの強化をはかりました。  また、航空機につきましては、輸送機二機、救難用捜索機四機、救難用ヘリコプター四機、合わせて十機を取得し、新たに、昭和四十五年度以降に取得予定の戦闘機三十四機、輸送機二機、飛行点検機一機、練習機二機、救難用捜索機四機、救難用ヘリコプター三機、合わせて四十六機の契約をいたしました。  昭和四十四年度の防衛本庁の職員の定員は、自衛官二十五万八千七十四人、自衛官以外の職員二万五千六百十三人で、合わせて二十八万三千六百八十七人でありまして、これを前年度の職員の定員に比べますと、自衛官において七千七百二人の増員で自衛官以外の職員において千四百六十九人の減員となり、合わせて六千二百三十三人の増員となっております。  また、予備自衛官の員数は三万三千人でありまして、前年度に比べて三千人の増員となっております。  次に、繰り越し額十二億四千百万円余は、装備品等の輸入及びアメリカ合衆国からの有償供与品の引き渡し、並びに施設整備に関する計画または用地の取得に不測の日数を要したこと等のため年度内に支出を終わらなかったものであります。  また、不用額一億三千二百万円余は概算契約に対する精算の結果等によって生じたものであります。  続いて防衛施設庁の経費について御説明申し上げます。  当初の歳出予算額は三百億七千四百万円余でありまして、これに昭和四十四年六月以降政府職員等の給与を改善するための予算補正追加額一億二千二百万円余、前年度からの繰り越し額十二億三千六百万円余、駐留軍関係労務者の大量解雇に伴う特別給付金の支払い等に予備費を使用した額四億一千七百万円余を加え、既定予算の節約等による予算補正修正減少額五千五百万円余、防衛施設周辺の障害防止事業等に要する経費として移しがえをした額、農林省所管、農林本省へ五億九千五百万円余、建設省所管、建設本省へ一億五百万円余を差し引きますと、歳出予算現額は三百十億九千五百万円余となります。  この歳出予算現額に対して、支出済み歳出額は二百九十二億三千五百万円余、翌年度へ繰り越した額は十六億八千八百万円余でありまして、差し引き不用額は一億七千百万円余であります。  支出済み歳出額のおもなものは、施設運営等関連諸費でありまして、防衛施設周辺の整備等に関する法律等に基づく自衛隊施設の維持運営並びにわが国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の提供施設の維持運営に関連し必要な騒音防止措置、障害防止措置、民生安定施設の助成措置、飛行場周辺の安全措置、各種の補償、土地の購入及び賃借等のため二百二十六億五千三百万円余を支出いたしました。  次に、翌年度への繰り越し額十六億八千八百万円余も施設運営等関連諸費でありまして、計画または設計の変更、用地の取得難及びアメリカ合衆国軍の事情等のため工事等が遅延したことによるものであります。  また、不用額一億七千百万円余は各種補助金の精算の結果等により生じたものであります。  昭和四十四年度の防衛施設庁の職員の定員は三千二百三十一人でありまして、前年度の職員の定員に比べますと百五十六人の減員となります。  以上をもちまして、昭和四十四年度における防衛庁関係歳出の決算の概要説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、経済企画庁について、概要の説明を求めます。木部経済企画庁政務次官。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 昭和四十四年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明いたします。  経業企画庁の歳出予算現額は二百二十九億五千九百八十五万円余でありまして、支出済み歳出額は二百十四億四千百万円余であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、十五億一千八百八十五万円余の差額を生じますが、これは、翌年度へ繰り越した額十億五千二百一万円余と、不用となった額四億六千六百八十四万円余であります。  歳出予算現額につきましては、当初予算額は三百七十九億五千二百七十五万円余でありますが、予算補正修正減少額五千二百九十万円余と、関係各省所管へ移しかえた額百六十億三千五百四十一万円及び移用減少額六百九十一万円余を差し引き、さらに前年度より繰り越した額十一億二百三十三万円を加えまして、二百二十九億五千九百八十五万円余が歳出予算現額となっております。  支出済み歳出額のおもな内訳は、経済企画庁の一般経費十三億三千二百七十一万円余、水資源開発事業費六十億三千三百五十六万円余、国土総合開発事業調整費四十六億一千二十四万円余、離島振興対策事業費七十四億七千九百万円、国土調査費十五億三千百六十三万円余であります。次に、翌年度へ繰り越した額は、水資源開発事業費十億三千三百六万円余、山村開発特別事業費九百万円、消費者啓発費補助金九百九十五万円余であります。不用額は四億六千六百八十四万円余でありまして、そのおもなものは、水資源開発事業において用地買収が難航したこと等により治水特別会計へ繰り入れを要することが少なかったためであります。  以上、昭和四十四年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、科学技術庁について概要の説明を求めます。粟山科学技術政務次官。

粟山ひで自由民主党科学技術政務次官

○粟山政府委員 科学技術庁の昭和四十四年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、歳出予算現額は四百四十五億三千八百十五万円余でありまして、これに対する支出済み歳出費は四百三十九億三千五十五万円余、翌年度繰り越し額は五億七千八百五十九万円余、不用額は二千九百万円余となっております。  次に、支出済み歳出額のおもなる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。  第一に原子力関係経費といたしまして二百八十六億一千百五十四万円余を支出いたしました。これは日本原子力研究所における各種原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、日本原子力船開発事業団における原子力第一船「むつ」の建造及び運航に必要な陸上付帯施設の整備、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉及び新型転換炉の開発、ウラン資源の探鉱並びに核燃料の開発、放射線医学総合研究所における放射線の医学的利用に関する調査研究及び民間企業等が行ないます原子力関連試験研究に対する助成費など原子力平和利用の促進をはかるために支出したものであります。  第二、宇宙開発関係経費といたしまして六十七億百九十五万円余を支出いたしました。これは宇宙開発推進本部及び昭和四十四年十月に同本部の権利義務を承継し発足いたしました宇宙開発事業団におけるロケット及び人工衛星の研究開発並びにロケット打ち上げ施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケットに関する基礎的、先行的試験研究並びにこれらに関連する研究施設の整備のほか、種子島周辺におけるロケットの打ち上げを円滑に行ないますための種子島周辺漁業対策事業費補助金に必要な経費等として支出したものであります。  第三に、試験研究機関経費といたしまして、当庁の付属試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所における垂直・短距離離着陸機など航空機に関する試験研究並びにこれらに関連する研究施設の整備、金属材料技術研究所における高融点金属等の研究及び金属材料疲れ試験等金属材料の品質向上に関する試験研究並びにこれらに関連する研究設備の整備、国立防災科学技術センターにおける深層試錐による地震活動の研究等防災科学技術に関する試験研究、さらに、無機材質研究所における無機材質の創製に関する研究及びこれに関連する研究施設の整備のため三十四億九千九百三十万円余を支出いたしました。  最後に、海洋開発の推進をはかるための海中作業基地の建造、また重要総合研究等の推進をはかるための特別研究促進調整費の活用、研究公務員等の資質向上をはかるために行なう内外への留学研究のほか、理化学研究所、日本科学技術情報センター及び新技術開発事業団の事業を行ないますため必要な資金に充てるための政府支出金及び科学技術庁一般行政費等として五十一億一千七百七十四万円余を支出いたしました。  以上簡単でありますが、昭和四十四年度の決算の概要を御説明申し上げました。よろしく御審議のほどお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、会計検査院当局から順次検査の概要説明を求めとう存じます。まず服部会計検査院第一局長。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 昭和四十四年度総理本府、行政管理庁、経済企画庁、科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上、簡単ですが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、柴崎会計検査院第二局長。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○柴崎会計検査院説明員 昭和四十四年度の警察庁の決算及び防衛庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上、簡単でございますが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、桜木会計検査院第三局長。

桜木拳一会計検査院事務総局第三局長

○桜木会計検査院説明員 昭和四十四年度北海道開発庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、北海道東北開発公庫当局から、その資金計画、事業計画等について説明を求めとう存じます。吉田北海道東北開発公庫総裁。

吉田信邦北海道東北開発公庫総裁

○吉田説明員 北海道東北開発公庫の昭和四十四年度決算について概要を御説明申し上げます。  当公庫の昭和四十四年度における事業計画は、政府出資金五億円、政府借り入れ金六十五億円、債券発行二百五十億円及び自己資金百三十億円を加えた四百五十億円を原資として、五億円の出資と四百四十五億円の融資を行なら予定でありましたが、出融資の実績は左記のとおりとなりました。  融資につきましては、予定四百四十五億円に対して実績は四百四十六億一千万円、出資につきましては、五億円の予定に対しまして実績は三億九千万円でございました。これらを合計いたしました出融資総額におきましては、予定どおり四百五十億円の実績と相なっております。  なお、原資調達のうち、政府出資金五億円、政府借り入れ金六十五億円は予定どおり実行されましたが、債券発行額は、郵政省簡保資金の金繰りの都合等から、政府保証債券のうち二十九億円が政府引き受け債券へ振りかえられました。  すなわち、政府保証債券につきましては、当初計画百六十億円が百三十一億円となり、政府引き受け債券は、九十億円の予定が百十九億円となりましたが、いずれもその合計においては同額の二百五十億円でございます。  次に、年度中の出融資状況を業種別に見ますと、北海道では、金属鉱物の採掘、製練等の地下鉱物資源の開発利用工業、紙・パルプ工業等の森林資源利用工業、電力業、産業基盤整備事業、これは水運、地方鉄道、道路運送事業等でございますが、これらが中心となっており、東北では、化学工業、紙・パルプ工業等の森林資源利用工業、地下鉱物資源の開発利用工業・機械製造業等、が中心となっております。  この年度の決算は、貸し付け金利息収入等の益金総額が百五十七億九千九百七十九万円余となり、これに対し支払い利息、事務費等の損金総額は百三十七億六千四百十八万円余で、差し引き諸償却引き当て金繰り入れ前で二十億三千五百六十万円余の利益を生じました。  この引き当て金繰り入れ前利益から固定資産減価償却引き当て金へ二千三百七十七万円余を繰り入れた後、残額二十億一千百八十二万円余を全額滞貸償却引き当て金へ繰り入れました。  したがって、この年度は、国庫に納付すべき純利益金は発生しませんでした。  かくいたしまして、昭和四十四年度末における資産、負債の状況は、貸し付け金残高一千七百二億九千百万円余、出資金十六億一千五百五十万円となり、これに対しまして、政府出資金七十億円、政府借り入れ金残高百八十四億二千四十万円余、債券発行残高一千三百九十四億六千万円、滞貸償却引き当て金残高九十七億三千八百九十六万円余となりました。以上、昭和四十四年度北海道東北開発公庫の決概要を御説明申し上げましたが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これにて説明聴取を終わります。      ――――◇―――――

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 この際、先般、本委員会は、委員を岡山県、広島県、香川県、愛媛県に派遣いたしました。  その調査の結果を便宜この席から私が報告いたします。  昭和四十七年一月十七日から一月二十日までの四日間にわたり、農林省中国・四国農政局、海上保安庁第六管区海上保安本部、水島海上保安署、郵政省松山郵政局、建設省土器川出張所、防衛庁陸上自衛隊善通居駐とん地、日本専売公社四国支社、本州四国連絡橋公団、岡山県水島地区、愛媛県川之江伊予三島地区、広島県大竹地区等の国政調査を実施してまいりました結果の詳細については、各委員に配付してありますとおり、別途会議録に掲載いたします。  特に政府において早急に対策を講ずべき事項を御報告申し上げます。  一、本州四国連絡橋の問題は、建設省、日本国有鉄道等により数年来調査してまいりましたが、四十五年七月本州四国連絡橋公団が設立されてから四十七年までに約二百億円の調査費が予算に計上され、早期着工のため鋭意努力を続けておりますが、三ルートとも世界的な大事業であり、やり直しのきかない事業でもあるので、調査が手間どり、いまだに着工の決定を見ていない実情であります。早期着工のためには、四国における新幹線鉄道の建設方針を早急に確保し、資金の構成として国と地方、民間の資金負担配分及び道路と鉄道の建設費の負担区分を決定すること、また建設に伴う海上交通安全の確保、用地の先行取得等を推進するための何らかの法的措置が必要であると思われますので、各省庁及び関係機関においてその対束を講じ、早期に着工し、完成させて、国民の期待にこたえるべきであると思われます。  次に、瀬戸内海は、わが国の目ざましい発展と、恵まれた地理的条件による臨海工業地帯の造成及び沿岸都市部の形成、それに伴う船舶交通量の増加等により、海域は多目的に利用され、それらの活動による海洋汚染が急速かつ広範囲に進行しております。このまま放置しておくと死の海となりかねない実情であります。公害防止対策事業は各県が単独でやるだけでは実効が上がらないし、また事業費を有効に使用するためには、沿岸の各県が一体となり、総合対策を樹立し推進しなければならないと思われます。環境庁が設置されるまでは、通産、運輸、建設等の数省にまたがり、予算も施策もばらばらで国費のむだ使いになることも心配されます。公害は社会問題であり、企業を含めて国と自治体が一体となり、さらに一般住民の啓発を行ない、広い視野で公害防止対策を講ずべきであると思われます。  一、公害によって生ずる漁業補償問題については、関係者間において解決するのが望ましいが、被害の実情により、国なり企業が責任をもって積極的に乗り出すべきである。また中央公害審査委員会に調停申請が提出されているものは、慎重かつ早急に審査して、関係住民の生活安定をはかるよう善処すべきであると思われます。  一、新技術による塩の製造方法の転換に伴い、塩田も四十六年度をもって廃止されることになっております。塩業整理交付金として四十五年度五十億円、四十六年度百二十九億九千五百万円、計百人十九億九千五百万円が予算に計上され、現在逐次整理中であります。そのあと地利用が今後重要な課題となっております。塩田あと地を円滑に転用し、その合理的利用をはかるため、関連する道路、港湾等の公共施設並びに区画整理、土地造成事業を早急に整備する必要があります。これらの事業を実施するには、政府の強力な指導と財政援助等の措置を講ずべきだと思われます。  次に、瀬戸内海は七百以上の島嶼が散在する多島海であり、八十六にも及ぶ狭水道と航路の屈曲、速い潮流、濃霧の発生等のため海上交通の場としては、安全確保の面から見る限り多くのネックがあります。この海域には高速のカーフェリーが行きかい、小は一トン足らずの小型漁船から大は原油を積載したマンモスタンカー等、狭く屈曲した水路に大小異質の船舶がふくそうしている現状であります。  船舶交通の安全と円滑をはかるためには、港内における港則法のように、狭水道にも特別な交通ルールを定める海上安全交通法案(仮称)を早急に制定する必要があると存じます。さらに、法制の整備とあわせて、狭水道及びこれに接続する港における情報の提供、船舶の誘導等を行なう総合的な航行援助施設、海上交通情報機構とも申しますか、これを整備する必要があると思われます。ただし海上交通の安全保持の名をかりて、零細漁民の生活権を無視し、狭隘にしてふくそうする備讃瀬戸に広大な新航路を設定し、漁労の制限と禁止によって、タンカー等巨大船の無制限航行を最優先することがないよう、国民ひとしく法の保護を受け、交通の安全が確保されるような対策を講ずべきであると思われます。  最後に、都市河川環境整備事業によって設置される河川敷公園は、市民のいこいの場所として、また健康増進のために利活用されることが多いと思われます。直轄河川である香川県土器川の場合は、モデルケースとして総事業費二億九千万円で四十六年度を初年度として着工したが、完成までにはまだ相当年月がかかるように見受けます。このようなことでは利用効果が著しく減退し、予算使用の効果が市民に反映しないように思われます。モデルケースであり、また予算の効率的使用上も、なるべく集中的に早期完工をはかり、市民の要望にこたえるように善処方お願いします。  右報告いたします。  なお、今回調査に御協力を賜わった関係機関の方々に深甚な感謝の意を表するとともに、派遣委員並びに現地参加の委員各位にはまことに御苦労さまでございました。  なお、ただいま報告いたしました内容の詳細につきましては、これを会議録に参考として掲載いたしたいと存じます。これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 御異議ないようですから、さように決定いたします。     ―――――――――――――   〔報告書は本号末尾に掲載〕      ――――◇―――――

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がございますので、順次これを許します。吉田賢一君。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 総理府に対しまして、綱紀粛正問題を若干伺ってみたいと思うのであります。  先般来、衆参両院におきまして、例の沖繩返還に伴う対米交渉の過程における秘密文書漏洩の問題が大きくクローズアップせられております。これはやはり国の行政官庁における綱紀粛正の問題といたしまして相当重視しなければならぬと思うのであります。  そこで伺いたいのでありまするが、総理府は四十四年の三月十四日付で、総務長官通達として各省庁に、綱紀粛正についてという文書をお出しになっておる。これは、当時すでに幾多の職務上の綱紀を疑われる事件がありましたのでお出しになったのであります。幾つもの例があったのでございまするが、そこで詳細な報告を要求しておる、この点が大事であります。つきまして、まず第一に、総理府といたしまして、官庁における綱紀粛正に対してどのようなかまえでおられるのであろうか、根本的な、大事な点でありますので、この点をまず前提として明確にしておきたい。これは答弁はだれですか。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいまの吉田委員の御質問に対して、総理府から宮崎人事局長が参っておりますから、宮崎君に答弁させます。宮崎人事局長。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 御指摘になりました官庁のと申しますか公務員の綱紀粛正の問題は、私たちといたしましてもきわめて重要なことであると考えております。したがいまして、この問題につきましては、私どものほうで主宰いたしております人事管理官会議等を通じまして、常々、各省庁に綱紀粛正について遺漏なきを期するよう、協議その他の方法によりまして、その実効性を確保いたしている次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 綱紀粛正について実効性を確保しておる、まことに重要な御発言になるのでありますが、それならば、たとえばいま問題になっておりまする昨年の五月二十六日付の外務省の秘密電報が外部に漏れる、そして過日来国会で論議の対象になって、国民はあ然として外務省の実態を凝視しておるような実情であります。としますると、もう半年以上経過して、なお外務省においてはこの種の案件について知らなかったのであろうか。とするならば、各省において実効があがっておるというような御期待のことば、あるいは粛正が行なわれておるという御意向らしいのであるが、その辺についてかなり疑わしい。さらに再反省しなければならぬという課題が投げられたように思うんだが、この点は局長、どう考えるのでしょうか。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 今回の外務省の事件につきましては、実は私まだ詳細を承知いたしておりません。しかし、新聞等において報道されていることがかりに事実であるといたしますと、これははなはだ遺憾なことだと存ずる次第でございます。したがいまして、私たちも平生から関係省庁と協力しつつ、綱紀の粛正に努力しておるつもりではございますが、ただいま御指摘になりましたようなととが皆無であるかどうかということになりますと、今後一そう心を新たにしてまたその点についての努力を重ねなければならない、かように考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 人事局長は心を新たにして努力をしなければならぬ、そんな中途半端なことでこの問題を扱うわけにいきませんです。やはり総理府いたしましても厳とした姿勢をもって、たとえば四十四年のこの通達によってみましても、「貴省庁において綱紀粛正の実効をあげるために、具体的な措置について四月末までに報告せられたい」となっておるわけです。ところが半年も後になって、国会が騒ぎ出してあらためて知ったような事態、これはたいへんなことでございまするので、この点につきましては人事局長の段階の問題じゃないのであります。きょうは本府の砂田副長官が見えておりますね。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 吉田先生、ちょっと申し上げますが、砂田政務次官はちょうど参議院の予算委員会の発言順番になったというので、先ほどからしばしば連絡があって、退席を許しました。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 わかりました。  人事局長、私はいまことばの末をとらえて言うのじゃないんですよ。またそれを求めているのじゃないです。要するに、総理府本府が綱紀粛正について全省庁にわたって相当な権限と責任を持っておる立場であるとするならば、事態重大なりとして何らか最高の意思決定をするというところまでいかなければ、粛正の実はあがってこないのではないだろうか。その辺は通達を出したり、粛正を求めたり、報告を求めたりするようなことを繰り返しておりましても、それはマンネリズムになっちゃうというようなことも考えられるのです。どこにその病弊があるのだろうかということさえ実は思うのであります。そこが私の疑惑の焦点になってくるのです。だからいまおっしゃったような程度ではいかぬです。たいへんだということを総理府本府といたしまして態度決定する、警察の調べも最終にはならぬ、それなら裁判、しかし裁判は一年かかる、二年かかる、そのうちにもう何かしらん社会事情も変わってしまうということになっては、生きた行政は行なわれませんです。国民は死んだ行政の歴史のあと片づけだとか追っかけをしておるんではございませんです。やはり何かの不祥事件が起こったならば、この間外務大臣も言ったのでありますが、外務省がみずからの不始末であると認定して、そうして警察官署のほうに捜査を依頼するということは間の抜けた話だ。まずもってみずから厳とした姿勢で調査するということをしなければならぬ。これと同じことですよ。これは官公庁全体につきまして、行政官庁全体につきまして言い得る問題である、綱紀粛正の観点からしますと。だからそうなりますと、総理府といたしましては最高の意思決定をするということで、急遽相当なかまえでこれに取り組んでいかなければいかぬ。あなた一人だけがそれを考えて、また通達を出すということでは間に合いません。総理府本府として、どういうような議がどう進められて、どうなっておるのかということをもっと詳細に言うてください。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもまだ事案の詳細をすべて知悉いたしておりません。しかし、いま御指摘になりましたように、訴訟になるとかならないとか、そういう時期を待っているわけでは決してございませんで、私どもといたしましても、関係当局からできるだけ早い機会に詳細な事実を入手いたしまして、これに基づきまして、必要があると考えます場合には、先ほど御指摘になりましたように、綱紀粛正について厳重な方策をとるよう各省に対して、私のほうは総合調整官庁でございますので、指示というわけにはまいりませんが、各省にそういう協力を要請するつもりでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 そのような抽象的なお答えでなくて、具体的に、なるべく早く資料を得たいということでは非常に抽象的になってくるのだが、総理府自身といたしまして何か具体的行動を開始していないのかどうか。内部協議でもよろしい。あらためて何かの具体的な要請をするとか、外務省と協議するとか、行政庁としての立場から最善を尽くさねばいかぬと思うのですが、そういうことはやっていないのですか。そして何か資料を求める、早期にその資料の入手を待つというような状況にとどまっておるのでしょうか、それはいかがです。  それからもう一つ、さきに読み上げたところの四十四年三月十四日付の綱紀粛正についての通達について、各省庁は紊乱の事実が起こらないように具体的に何か措置に関する報告をするようにということの要請をしておられます。この四月末までの綱紀粛正の実効をあげるような具体策というものは各省庁から出てきたのかどうか、外務省についてはどうなのかということをあわせて聞きたい。この二点。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 最初に第二の御質問についてお答え申し上げます。  御指摘のように、昭和四十四年三月十一日の閣議決定の趣旨に基づきまして、同月の十四日に総務長官から各省大臣あてに依命通牒を出しまして、官庁の綱紀を厳正に保持するように呼びかけたわけでございます。その結果、総理府といたしましては、各県庁において実施する具体的な措置について報告を求めました。その結果が総理府にいろいろ集まりまして、それをまとめたものがございます。これはたとえて申しますと、責任体制の整備でございますとか、服務規律の確保でございますとか、部内監査制度の強化等、いろいろうたわれているわけでございますけれども、その中で秘密保持につきましても、特にその指導監督を強化することをこちらのほうで強調したわけでございまして、それに対しましては、たとえば具体的な措置といたしまして、秘密保持に関します訓令等の改正を行なって、実行可能かつ厳格に指導できるような制度を確立する、あるいは職員の秘密保全意識の徹底をはかる。それから、さらには毎年秘密文書の保管状況等につきまして定期検査を実施する、こういうようなことが各省庁から具体的な方策として私たちのほうに報告がきているわけでございます。したがいまして、このような一連の措置が十分行なわれているとするならば、これは結果論になるわけでございますが、今回のような事件もあるいは発生しなかったのではないかとも考えますが、何と申しましても、先生も御承知のように、この秘密保持につきましては、いろいろの制度等もさることながら、秘密保全に関係いたします個々の職員の心がまえというものもきわめて重要な要素を占めているわけでございまして、このような点についてやはり欠けた点があったのではないかと私たち非常に反省しているわけでございます。現在、総理府といたしましては、人事局内におきましてこの問題を今後どう処理するかということについてもちろん検討はいたしております。したがいまして、先ほど御指摘ございましたが、なるべく早い機会にこの点につきましては関係各省と協議いたしまして、今後こういう事案の再び起こらないように強力に要請をしてまいりたい、このように考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 綱紀紊乱につながるような事案が発生したようなときに、行政省庁内部におきましてしかるべく厳正な規律の再点検をする、そうして以後さらに再発をしないように、もしくは原因が何かというような探求とかいったようなことを進んでやるということが第一。そのことなくして、いたずらに他にたよることは実にあぶない。この点は私は外務大臣にもちょっと指摘したのであります。内に起こった不祥事、しかもそれは外との関係があるかもわからない。とするならば、これはいろいろな利害関係がつながるおそれがあるということでありますので、そういう事案があるならば、これを大事な問題と考えて、そして取り組んでいくということのほかに、全体の姿勢といたしまして、綱紀紊乱に値するような事案については、内部的に処置すべき方法もあれば、また法規もあれば、それだけの厳正な規律があってしかるべきなんで、司法権につながるところへすぐに頼みにいく、そして能事終われりとするというような、その安易な姿勢自体に問題があるのじゃないだろうか、こう考えるのです。内部的にはやはり厳とした姿勢でやるべきなんです。もし家庭でしたら、どうします。家庭でも、夫婦、親子等々の家族の間に何か社会に申しわけないような問題が起こったとします。そのときに、あれこれと外へ騒ぎまわって外に頼みにいくという前に、まずもって自己が最善を尽くしてその根源を深求し、そしてその根絶を期する対策を立てるということが、これは家庭の普通ですよ。ですから、そういうように素朴な考え方からいたしましても、法規があり、また人の関係、重要な国民の福祉、国連につながるような仕事をやっているのですから、みずからの手で最善の措置をするということが、まずもってなすべき点なんですが、それを勘違いまして、他に依頼していくというようなかまえが国民には映ってくるのです。そこにやはり問題の根本がひそんでいるのではないか、こうさえ思うのですが、その辺は、あなたらのような人事を担当しているようなところから見まして、いま、かまえの問題が出ました。心がまえの問題が出ました、もっともなところなんだ。第一、公務員のモラルの問題なんか、国民はひんしゅくしていますよ。時によると、オールマイティーのような顔をして仕事をいたしますし、時によれば、他へあるものを託して顧みないというようなことさえあるのです。何もそれが全部というのじゃございません。優秀な有能な者もそれがために隠れていってしまう。それをおそれますので、みずからの姿勢をみずからの手で正すということが非常に大事ではないかと思うのですが、これは基本方針はどうなんです。綱紀粛正についての通達を出すような立場の官庁は、その点については厳とした線を持っておらなければいかぬと思うのですが、どうです。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 先生御指摘のとおりに、綱紀粛正につきましては、まず関係者がみずからえりを正して、再びそういう事案が起こらないように努力することが第一であろうと存じております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 総理府といたしまして、今回他の官庁に捜査の依頼をしたような不祥事件を起こし、国会論議の対象になったのでありますから、綱紀粛正の観点からして、新しい決意をもってこれを機会に何らかの重要な措置をとってしかるべきだと思うのです。そしてそれは閣議にのぼすなり、しかるべき手を打ちまして、行政の責任官庁として相当な決意をもって措置をしなければならぬ、こう思うのです。そういう方向へ、あなたの立場から総理府の意向を固めるように進言するなと何なと適当な措置をとらねばならぬと思うのですが、これはいかがでしょう。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 御指摘の方向で努力いたしたいと存じます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 ちょっと尋ねますが、人事局長、あなたはそういうような方向へ努力するということの権限があるわけなんですか。ちょっと言ってください。

宮崎清文総理府人事局長

○宮崎(清)政府委員 先生も御承知かと存じますが、総理府はいわば総合調整機関でございますので、政府としての全体の方針等を各省庁と相談しながら定めまして、それで実際には各省庁に強力に実施いただく、こういうたてまえをとっております。なお、総理府におきまして公務員の服務関係を担当しておりますのは、もちろん総務長官、総務副長官がおりまして、その補助部局としては人事局だけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 わかりますよ。わかりますけれども、行政府といたしまして、また各省庁の関係からいたしまして、総合調整という機能は非常に重要なんです。総合調整の機能が麻痺してしまったら、これはどうにもいかぬ。だから、それが力が弱ければ強くするという手が当然とられなければいかぬのです。どうもいまのお話によりますと、総理府自身がしゃんとした姿勢が、これだったらできないという感じがしてならないのですが、これは非常な事態といたしまして、この際総合調整の機能を発揮するということにするのでなければ、全国の数百万の公務員の綱紀の粛正、ないしはほんとうに綱紀を正すということを国民が期待しておるのですから、そういうことにこたえるゆえんにはなってこないのです。相も変わらずということになるおそれがあるのです。あなたでは何もかも答弁できないし、副長官まで参議院に行ってしまって来てないので、責任のある方としての答弁を求めにくいのですけれども、やはりそう持っていかなければ総合調整にならぬ。総合調整というたら、それはぺこぺこ頭を下げていくようなものでもなければ、算術的にものを集めるというものでもなし、やはり高い見地に立ちまして、全体の行政省庁のそれぞれの施策実行等を総合調整していくというのがほんとうの筋でなければならぬ。そうでなければ、あなた、何のためにそれぞれ任務を持っているのかと疑いますよ。だから、そういうふうにせねばならぬと私は申し上げているのです。そう言っているということを、あなたお帰りになったら幹部の諸君とも相談してください。あなたにいろいろなことを求めることは無理です。そう思いますから……。よろしゅうございますか。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 吉田君に申し上げますが、あなたのいまの御質問に対して、幸いに行政管理庁の岩動政務次官が参っておりますので、岩動政務次官に発言を許して、一括して決意の表明をさせとうございます。岩動政務次官。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 ただいま吉田委員の御指摘は、まことに政府にとりましては重要な御意見でございまして、今回の事件につきましても、政府といたしましては、今日までも十分な体制をとりつつ行政を行なってまいりましたが、あのようなことが起こりましたのは、やはり私どもにとりましても、深く反省をいたしますと同時に、御指摘のように国民の知る権利とあわせて、また国民のための行政のあり方、その中において、当然機密も守らなければならない点も多々あるわけでございますので、それらを十分に勘案をいたしまして、先生の御指摘の点につきましては、今後政府全体として、新たな観点から原点に立ち返って諸般の措置をとってまいりたい、かように考えておりますので、御了承を賜わりたいと存じます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 行管の政務次官のいまのおことばがありましたので、なお私からつけ加えて申し上げまして、ひとつ決意の内容にもしていただきたいのであります。  私は、いまの例の機密漏洩事件の問題につきましては、一面におきましては、それは国民の知る権利はありましょう。憲法論といたしましての国民知る権利はありましょうが、これは憲法論であり、原則論であり、一般論でございますね。同時にまた、反面、全国民が総意によってつくった法律を守るべき義務があります。権利はあるけれども義務は守らぬというのではどうにもならぬ。そういう点におきましては、やはり法は厳正になければ法治国の実はあがってまいりません。もちろん知る権利といえども、思想の自由、表現の自由等にも通ずるがごとくに――さりとて、たとえば司法権の運用につきましても幾多の機密があります。行政権の運用上の機密があり、秘密があるのと同様であります。したがいまして、あらゆる方面に秘密があるということも、これはやはりあるわけでありますので、知る権利もあるが、法律を守るべき義務もある。それぞれ官公庁におきましてのお互いの立場があるが、また別の角度からの政治論もあります。そういうふうに政治の論議があり、同時にまた国会におきましても、これは立法府といたしまして、司法と立法と行政、三権が正しく分を守って分立をすることによって憲法はほんとうの精神が生かされてくるわけでありますから、その分をお互いに守っていかなければならぬ。こういうことになる反面におきまして、国会の立場は若干違いますが、国会といたしましては、国権の最高機関ということになっておりまして、行政に対する監督の関係もあるわけでありますから、別の角度からそれは監督はしましょう。けれども、いずれにいたしましても、こういう問題につきましては、行政庁の長以下幹部の職員全体が厳とした姿勢でおるということにあらゆる角度から検討をしていかれるようにあってほしいと私は思うのです。それは行管の一つの大きな使命になるかもわかりませんが、災いを転じて福となすことができましたならば、これは日本のためにも非常に大きなしわあせに転じていくであろうと思われますので、そういう趣旨も含めまして、行政管理庁においても、ひとつ総理府とも手を組みまして、この種の問題の絶滅を期する、よって来たる原因を探求する、そしてお互いが分を守り責めを果たしていくということについて遺憾のないようにしていく、これが綱紀粛正のほんとうのねらいであろうと思いますね。だから、その辺のことは十分ひとつ御勘案いただきまして、きょうは大臣はおいでにならぬらしいですが、行政管理庁の立場も非常に重要ですので、次官、あなたからどうぞよろしくお願いいたします。これを御要望申し上げておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 仰せのとおりでございます。私ども、行政管理の制度、機構、運営全般につきましての責任ある立場から、政府全体におきましての反省と、そしてあるべき姿をさらに確立してまいる覚悟でございますので、よろしく御指導を賜わりたいと存ずる次第であります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 ちょっと時間を食いましたので、適当に運びたいと思いますから御了承いただきます。  警察庁にお尋ねいたします。  別の意味からやっておりますから、私は深くお尋ねするつもりはございません。ただ、この機会に一、二だけちょっと伺っておきたいのでありますが、最近あちらこちら、たとえば成田事件その他大学の騒動等において見ましても、例の火炎びん騒動というのが相当広範囲に被害を及ぼし、かつまた世人を畏怖せしめておるわけであります。派出所が四十六年でも三十焼かれておりますし、大学におきましても、あるいはまた高校とかその他飯場、警察以外の車両なんかもずいぶん焼き払われたりしておるのであります。この火炎びんの機能状況を見てみますと、過般も警察学校の実験しているところをちょっと拝見いたしましたが、たとえばビールびんにガソリンを八分目入れまして、そしてぶち投げたときに、燃焼時間は三十五秒。三十五秒で二、三メ-トルばっと焼いてまわっておりますし、五メートルぐらい炎がどっと高く上がっておりますね。こういうようなことを見ますと、警察官の立場で、いま国会の周辺でも、相当なデモが行なわれますときは、ヘルメットその他の装備をしてたくさん警察官が立っておるのですが、取り締まりと並びに捜査も入るかもわかりませんが、主として取り締まり等の場合に、こういうような理化学的な現象を活用いたしまして危害を加えるというような火炎びんその他のものが出てきますと、警察官の人命の問題も相当重要なことになってくるのではないかと思われます。統計によって見ましても、警察官の受傷しておりますのが四十四年には三百四名あります。四十六年には百六十八名あります。そして死亡した者が四名あります。三十秒や四十秒で数メートルの炎が上がって、そしてビールびんでぶち投げたときにそのような被害があるというようなときに、たとえばいま着ておるあの服装でいいのだろうか、こういうこともひとつ考えます。これは何の材料でつくっておるのか存じませんけれども、最近は化繊が大はやりでありますから、そういうことについてはどうなんだろうか。要するに、服装におきましても、あるいはまた取り締まりにおきましても、科学的な探求というものを絶えず進めていくようにすることが非常に大事ではないだろうか。そして、そういうような凶悪なものに対しまして、取り締まり職員の人命を守っていく、そして同時に取り締まりの機能、目的を達することにしなければならぬというようなことも実は考えるのであります。そういうことにつきまして、こういう凶悪な一つの凶器といいますか、そういうことが行なわれるような時代になりますと、かなり科学性に富んだ取り締まりの方法、したがって研究などをしなければならぬじゃないか、研究機関があるのだろうか、現実に研究しておるのだろうか、あれでよいのだろうか、こういうふうに実は思われますので、その点につきまして、ひとつ最高の方針ないしは一番重要な点について御説明を願いたい、こう思うのであります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいまの吉田委員へのお答えは、後藤田長官がさっきまでおられましたので、後藤田長官にしてもらいたかったのですが、ちょうどいま公安委員会のほらへ参りましたので、幸いに土金官房長がおりますから、長官にかわって答弁をさせます。土金官房長。

土金賢三警察庁長官官房長

○土金政府委員 お答え申し上げます。吉田委員御指摘のように、最近の過激暴力集団のエスカレートぶりと申しますか、これはまことに目に余るものがあるわけでございまして、最初は投石、ゲバ棒というようなところから発しまして、火災びんはおろか、爆弾あるいは銃というふうなものまでも持ち出して、過激な暴力の限りを尽くしておる、こういうふうな状況でございまして、これが国民の皆さまに不安を与えておることはおろか、さらに警察官自身にも、ただいま御指摘のような多数の受傷者を出しており、まことに私どもとしても遺憾に存じておる次第でございます。こういうふうな情勢に立ちまして、警察といたしましては、断固たる決意をもってこれに対処して、彼らの暴力を未然に防ぐとともに、犯人に対しましては、これを早期に検挙して、その絶滅を期してまいりたいというふうに考えまして、その方針のもとに、目下全力をあげてこれに努力を傾注しておるところでございます。  そのためには、ただいま吉田委員の御指摘のように、私どもの装備ということもまことに重要な喫緊の問題でございまして、従来はゲバ棒とかあるいは投石というようなことを前提にしておった装備、いわゆる個人装備というようなものを急速改善いたしまして、たとえば防炎服等におきましても、単なる木綿の服というようなことにとどまることなく、それに防炎の材料を加工いたしまして、それ自体ではちょっとガソリンがかかっても燃えない、こういうような被服を準備いたしておるところでございます。しかし、被服自体が燃えないというだけでは、過般の殉職者等の経験にかんがみていろいろ検討してみますと足りない。つまり、これにガソリンがかかりますと、そのガソリンが被服の表面に残る、その残ったガソリン自体が燃える。そうなりますと、被服自体は燃えなくても、ガソリン自体が燃えるものですから、これを着用している警察官の皮膚にその熱が伝導いたされまして、警察官がやけどを負うというような実情にまだ依然としてあるわけでございます。これは、何とかして一日も早くこの状態を改善しなければならないということで、目下、ただ単にそれ自体が燃えないということでなく、さらに熱を伝導しないような、そういう出動服というものを早急に検討しなければならない。これは幸い、消防関係の点におきましても、いろいろそういった被服の研究も進んでおりますし、私どもといたしましても、そういった関係省庁の御経験というもたのも参照しつつ、さらに一歩進んで、そういった危害防止のために役立つような被服の研究をいま重ねているところでございます。これにつきましては、部内でも幸い科学警察研究所というふうなものもございますし、さらには関係方面のいろいろな御忠言というか御助言も得まして、目下研究開発を急いでいるところでございます。  さらに、銃とか爆弾とかいうふうなものも使用して、これが国民に与えます不安感というものも無視できません。私どもといたしましては、これに対する対策といたしまして、従来のようなたてをさらに強化するとともに、そのほかのいろいろな、たとえば特殊防護車と申しまして、タンクに似ているような、そういった車両をもさらに整備して、万全の体制をとって、一日も早くこれを絶滅したい、こういうふうな決意をもってやっているところでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 今日はこういう科学時代に入っておりますので、犯罪の予防あるいは取り締まり等におきましても、できるだけ科学的な研究調査の方法などを一そう進められんことを御希望申し上げたいのであります。いままでのように、例の三億円事件等について見ましても、どういう方法か知りませんけれども、なかなかに捜査結論を得ることが困難らしい状態のままになっておりますし、いまのような火炎ぴんとか爆発物のような、そういうものが横行する時代になってまいりますと、捜査の科学性、取り締まりの科学性という方面に一段と研究を遂げられんことを御希望申し上げたいのでありますが、また別の機会にいたしまして、警察庁はこの程度にいたします。   〔委員長退席、森下(元)委員長代理着席〕  次に、行政管理庁見えていますか。――ちょっと時間が迫りましたので、少し急ぎますから、簡潔にお答えをお願いいたします。  行政管理庁に伺いたいのでありますが、何回か国会の論議の対象にもなったのでございますけれども、例の七年来まだ十分に行なわれておりませんところの行政改革の問題ですね。行政改革の問題につきましては、現在の行政管理庁といたしましては、事実をどのように評価しておるのだろうか、結論だけちょっと求めたいのであります。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 私どもといたしましては、臨時行政調査会の答申を得まして、それをもとにいたしまして行政改革の年次計画もいたしてまいりました。また定員につきましても、総定員法を国会で御承認をいただきまして、その数がふえないで配置転換を行ないつつ効率的な行政を行なうような措置も講じてまいり、定員の削減につきましても、第二次の削減計画も本年度から進められることにいたしております。  また、いろいろな許認可事務の整理にいたしましても、千件をこえる整理をいたしており、さらに引き続いて、今国会におきましても、私どもは許認可事務の簡素化のための法案を御審議お願いを申し上げて、着々と行政改革、行政の簡素化の措置を講じてまいっておるわけでありまするが、しかしまだ根本的に重要な問題についての改革は十分に行なわれてないことは率直に申し上げなければならないと存ずる次第であります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 着々行なわれているというようなことは少し言い過ぎでございまして、何もしておらぬとは申しません。多少何かはしておられまするけれども、まあスズメの涙か何か知りませんけれども、何かはやっておられますけれども、根本的に国民の求めておりまするものは、臨調の意見にもありましたが、国民といたしましては、膨大な官庁があり、たとえば十一兆円予算を組みましても、行政庁の人件費は相当な割合になっておることは申すまでもございません。しからばその構成員はどうか。構成している人材は、世界的に、私はしょっちゅう言うのですが、最も優秀な人材がそろっておりますよ。人材はそろっておるわ、予算はたくさんとっておるわ、機構は膨大であるわ、中央、地方加えましたら数百万の人を擁しておる。このような行政庁が、しからば行政の能率はどうか、その効率はどうか、予算の効率執行ということについて、どのような成果をあげてきたという誇らしい報告でもできるのかということになってきますと、その根本の重要な柱については、実は何も手がつかぬというのが実情ですよ、これは率直に申し上げまして。もちろんそれは何かやっておる。それは簡素化はやった。多少減らすということも、ずいぶんもみにもんで、わずかばかりの簡素化ができたか知りませんけれども、全体といたしまして、もっと能率をあげなければいかぬ。全体といたしまして予算の効率化をはからねばいかぬということは、これは例をあげて指摘すれば何ぼでもございますが、時間の関係もあるからそう申しません。申しませんけれども、私は、行政管理庁といたしましては、えりを正して今日は行政改革に取り組むという姿勢をほんとうに持ってもらわねばいかぬと思うのです。いまはその段階ですよ。  これは行政監理委員会がこの間十月でございましたか、行政改革の現状と課題について、毎年の報告を出しておりました。特に指摘しておりますように、なかなか行政改革が行なわれないということをみんな指摘しておるのですが、大いにやっておりますという人はだれもありませんよ。この間私は尋ねておいたのですけれども、やはりこれはなかなか至難である、容易でないのだということを前提にして、そして行政改革の問題を議論しなければ、やっておりますというような安易な考え方だと、これは全く監察点が違っちゃっているということになりますね。  行政監理委員会が、私はことばまで抜いて持っておるのでありまするけれども、改革が思うようにならぬのは何が原因か。阻害因といたしまして、官僚の機構自体にある。また全国の利益団体の活動にある。第三番目には行政の実情に対する国民の関心が少し乏しい。頼みにいく、物をもらいにいく、陳情にいくことはするけれども、少しでもよくなれ、少しでも能率をあげ、よりよくするというようなことについての国民の関心が乏しいということの三点を指摘しておりますよ。これを指摘して監理委員会の諸君みんな去りましたよ。みんな去っております。新しく任命されました。そういうことを指摘しておりますることは、何も新しいことじゃありません。前から言われておることなんです。  私はあまり繰り返しません。新しい七〇年代に日本はどうなるべきかということについて、何せねばならぬかということについて、たとえば福祉国家についてもそうです。高度成長一本やりではいかぬ。大いに反省して福祉国家実現へ切りかえていくということにしましても、これはほんとうに運用していくのはだれかというと、やはり行政庁ですよ。だからその行政庁は、その時代に当面したところの重大な課題を控えておるのは行政改革ですよ。改革ということばがいかなければ、合理化でもよろしい。もっと予算の効率をあげて、行政能率をあげるにはどうすればいいか。そして生涯ほんとうに安んじて愉快に仕事をやってもらえるという場にあってほしいと私は思うのです。それにつきましては、これはどうもなかなかむずかしい、事実はやられておらぬというのが率直な評価だと私は思うのですが、その点いかがでしょう。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 御指摘のことは私ども率直に認めたいと存じます。先ほどお答え申し上げましたように、最後に、重要な改革については思うように進んでおりませんということを申し上げたわけでございまするが、これにつきましては、今日七〇年代に入りましてから、特に国民の要望がきわめて多様化、多極化し、あるいはまた公害等、いろいろな行政需要がふえてまいっております。そういう中において何が要るべきものであり、何要らざるべきであるか、この整理をまず行なわなければ、真の行政改革は行ない得ない。かような観点から私どもは、根本からこの際あらためて再検討をしなければならない、かように考えておるわけであります。  臨時行政調査会の答申は、いわば日本の行政改革におけるマグナカルタとも申すべき、きわめて貴重な勧告であったわけでございまするが、これもすでに数年を経まして、今日においてはさらに新しい観点からこれらを踏まえながら進まなければならない。かような意味におきまして、今回、政府におきましては、行政監理委員会のその役割りの重要性にかんがみまして、全員の新任をお願い申し上げるような手続を、ただいま国会にお願いをいたしておるような次第でございます。この新しい構成による行政監理委員会が発足をいたしまするならば、ただいま吉田委員の御指摘のような根源に立ち返って、真に国民のためになる、能率がよくて、しかも安い政府をつくることに真剣に取り組んでまいらなければならない、かように考えております。しかし、これらを実現してまいるためには、ただいま御指摘のように、国民の関心がきわめて薄いとか、あるいはいろいろな団体の御要望が強いとか、いろいろ阻害要因もあろうかと存じまするが、やはり政治家が、そしてまた国会と政府が一体となって初めてこの困難な行政改革を強力に推進してまいることができるのではないか、かような観点から、私どもは今回の委員会の発足を心から期待をいたしておるようなわけでございます。行政改革に対する意欲は、政府としては、今後一そう強く臨時行政調査会のともしびを燃え上がらせてまいりたい、かように考えている次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 この間、あなたじゃなかったかな、大阪へ行って発言をしておられたのを新聞でちらっと見たんですけれども、あなたでしたかな、ちょっと記憶が正確じゃないんだけれども。一体、行政改革ができないというのは、行政管理庁は何もする場じゃないんですよ。行政管理庁だけではできませんから、閣僚会議、内閣全体、各省庁がそれぞれ先頭でやっておられるのだからね。各長官は同時に閣僚ですから、閣僚を合わせて内閣になる。しからば、これを統率していくのは総理です。総理の統率力、これを強化していく。これを強化するためには、あなたのお説だったかと思うのだが、それはやはりたくさんのスタッフを持って――アメリカのニクソンなんか甲乙丙丁、のみならず、ケネディなんか二百名もスタッフを持っておったといわれるぐらいでありますから、優秀なスタッフ、それは陰のスタッフでなくてよろしい、公然でよろしい。いずれにいたしましても、総理の統率力をもっと強化せなければいけませんです。大蔵省で予算の方針をきめて、総理が演説する、そんな調子ではだめです。やはり総理大臣は総理大臣の立場で、一切を統率していく。統率するためには、いまのあれでよろしいかということになると、それはそれぞれほんとうに重要なスタッフを別に設けなくちゃなるまい。これは臨調も指摘しておったんですが、やはりその点でもやらなくちゃいくまいと思います。  いずれにいたしましても、これはいまおっしゃったチープガバメントじゃなくても私はいいと思うんです。しかるべき経費が要りましても、それだけの効果があがればいいんですから。百億円使って、百億円に相当する業績があがって、それで政策目的を達成する、それは国民の福祉、国益の隆昌につながる、平和につながるということになってくる。これが政府のほんとうの使命なんですから、その任務を持っていけばそれでいいんだから、今日は安あがりの政府でなくてもいいと思うんです。したがいまして、これは官庁を減らしてしまう減らしてしまうというのが能ではありません。必要なものは置いていいと思うのです。環境庁に私どもが賛成したのもそれなんです。同じことなんですね。そういうことでございますので、この際、行政監理委員会がせっかく新しくなったということになりましたならば、たとえば行政監理委員会だけでもよろしい、監理委員会の指摘しましたことは全面的に実施するということを、やはり内閣でやらなければいけません。監理委員会は言ったけれども言いっぱなしだ、また言っても言いっぱなしだ、それでもわずかばかりやった、わずかばかりやったけれども、監理委員会があるということで何かしらんお茶を濁しておるということを、この間監理委員会が去るに臨んで指摘しておりますわ。そんな文句をうとうております。でありまするから、監理委員会の意向を尊重するということを大臣にやらせねばいかぬ。大臣にやらすという意味は、やはり閣議で決定まで持っていかねばいかぬ、それを具体化するようにさせねばいかぬ。こういうように思うのですが、いずれにいたしましても、行政管理庁の使命は相当大きくなり、長官が委員長であるところの監理委員会には特別な使命をさらに持たすくらいにして、行政改革に数歩前進する。同時に、裏を返せば、財政の改革にもなるし、浪費が防げるし、決算委員会が常に目的にするところの予算の効率化ということにもつながってくるのでありますから、どうしてもこれは推進せねばいかぬと思うのです。新顔の委員ができたのなら、それを機会に一そうこれを尊重し重視して、その意向が全面的に実現できるようにはかっていく。物価じゃないけれども、作文あれども実行なしというのじゃなしに、その進言するところはどんどんと実行する、そのくらいの意気込みで長官はおらねばいかぬ、こういうふうに思うのですが、あなたひとつ長官とも話し合って、そういうふうに進めるようにしてください。あなた、大阪の発言だったか、新聞でも持ってくればよかったのだが、非常にいいところをついていると思って、私もちらっと読んでみたのです。いかがですか。

岩動道行自由民主党行政管理政務次官

○岩動政府委員 一々ごもっともな御指摘で、ありがとうございます。私ども行政改革の案は幾らでも出てまいりまするが、問題は実行ということにございます。そして、その実行の力は、最終的には内閣であり、その統括者である内閣総理大臣の決意がきわめて大きな要素になることは、すでに御承知のとおりでございます。かような意味におきまして、私どもが今後検討すべき課題の最大のものは、内閣の機能の強化、そしてその統率者である内閣総理大臣の機能の強化、統率力を行政改革においても十分に発揮してもらうような、そういう組織も検討しなければならない、かような観点におきまして私は、私見ではございましたが、大阪の行政制度の委員会に呼ばれまして、講演の中でその点にも触れて申したような次第でございます。  また、行政監理委員会の前回の委員の諸先生が最後に残された一つの勧告では、生鮮食料品につきまして、生産から流通、消費まで直結をした行政、国民向けの行政をやるべきであるという御指摘をいただきました。本年度の予算におきましても、農林省の機構改革をお願いいたしておりまするが、その中において食品流通局というものを新たにつくりまして、御要望にこたえる姿を少しでも実現に移してまいろうといたしておるようなわけでございます。なお、新しい委員会におけるいろいろな御意見は、直接内閣総理大臣に意見を具申する制度がございまするので、これらの制度を十分に活用して御期待に沿いたい、かように考えておる次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 たまたま物価問題がちょっと出ましたが、流通機構の改革、充実、これはもうすでに物価懇談会以来何べんも言われていることでありまして、ある程度の予算もとっておるわけなんです。しかし、そういうことだけではなかなか物価の安定はいたしません。これは企画庁の問題でありますが、現に今日にいたしましても、外国の安いものはあるけれども、なかなか日本に入ってこない。食糧につきましても、生鮮食料品等につきましても、日本にそのままずっと入れていきますと、日本の業界の圧迫になる。業界自体はどうかといったら、二重構造で、圧迫するとあしたから食っていけない。二重構造という一つの断層があります。それだから、安いものがあちらこちらにちらついておりましても、なかなか日本に入ってこない。また入ってきても安くならぬ、入ってきても安くならぬというのが町の声であります。そういうこともありますから、卓に何とか局を新たにつくるということだけやりましても、これはまた屋上屋になる危険がありますので、よほどそこは厳格に、何をなすべきか、なすことにほんとう各省の協力ができるのかいなや、そうしてまた具体的に民間の協力もあるのか、あるいは貿易上の効果は消費者に直接つながってくるのかというようなことにつきましても、相当精細綿密な検討をいたしまして、その前提に立ちまして、一たんそれを確認する以上はいきさかのあやまちも許されないということになっていくのでなければ、物価問題の解決にならぬ、こう思うのであります。局をつくって役人をふやして喜ぶというような、従来の屋上屋になってしまったら、これはたいへんなんです。官僚のなわ張り意識というものはそう簡単ではございません。こんなことを皆さんに私が言うのは釈迦に説法になりますけれどもね。その辺のことは、真に国民のために、新しい行政機構の機能を十分に発揮し得るというような確信を持つまでやはり準備はやってもらわなければいくまいと思います。初めてそこに物価安定の施策に対する寄与ができるのであろう、こう思います。幾多の提案がございましたけれども、やったようなふうにしておるけれども、実はあまりやっておりませんというのがこの間の一氏の先言ですよ。一々そこらは読みません。私は文章は書き抜いておりますが、こういうことでございますので、行政監理委員の諸君にしましても、満足に思われないで去っていったものと実は思われます。再びこういうことになってはたいへんです。これはやるような顔をして、看板に置いておくということではたいへんでございますので、そういうことがないようにひとつ一そうの今後のかまえを明らかにしていただきたい、こう思います。ぜひ大臣にもその辺をお告げ願いたい、こう思います。きょうは希望を申し上げておきます。この点は答弁は要りません。それでよろしゅうございます。行管けっこうでございます。  防衛庁に伺います。  先年来、すでに予算を組みまして、予算をもって各庁においてPPBSの実施へのいろいろ調査研究が進められてきたのでありますが、一番先の実施官庁として防衛庁があったはずであります。防衛庁は、一そう具体的にこのPPBSの導入につきまして、準備のみならず、ある程度の実施に踏み切っていきつつあるのじゃないだろうか、こう思うのですが、現段階における準備、その他実施についての諸般のあなたのほらのかまえ、ないしは成果の見通し、あるいは困難な事情等々、よい面も悪い面も全部さらけ出してひとつ御報告願いたいのです。いつまでも研究に停滞しているわけにはまいりませんので、アメリカのジョンソン大統領がもうすでに先年、全省庁に向かってその実施をするということを声明をしたようなことでございます。ですから、わが国も各庁において研究をするだけで何年も暮らしておるわけにはいきませんので、まっ先に取り上げたのは防衛庁であるはずですから、防衛庁は現段階におけるいま申しました点についての御説明を願いたい。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 吉田先生からかねてから御指導、ご鞭撻をいただいておりまして、この機会に感謝を申し上げたいと思います。  PPBSにつきましては、昭和四十四年の四月に経理局の会計課にシステム分析室を設けまして、導入の準備を始めておるわけでございます。なお、御指摘になりましたとおり、アメリカの国防省ではすでにこれが定着をしておる現状でございますが、この実態をおおむね掌握いたしますとともに、防衛庁の問題のためのシステム分析の手法の開発を手がけてまいったわけでございます。今後、引き続きましてシステム分析手法の開発を重点に準備を進めてまいりまして、第四次防衛計画が終わりました次の段階、つまり昭和四十五年度予算編成にはぜひ間に合わせたい、こういうことで具体的なこの制度を固めてまいるような準備を進めてまいっておるわけであります。  なお、詳細にわたりましては、政府委員のほうから御説明を申し上げたいと思います。

田代一正防衛庁経理局長

○田代政府委員 お答えいたします。ただいま政務次官から概略御説明がございましたので、さらに付加して私から申し上げたいと思います。  先ほどお話がございましたように、四十四年の四月に経理局にシステム分析室というのをつくりまして、その後人員その他非常に増強してまいっております。そこで、現在までどういうことをやってきたかということでございますが、一つは、これは御案内のとおり、アメリカが非常に進んでおります。そこでアメリカの国防省を中心にいたしましたPPBSの実情、これは御案内のとおりマクナマラ、その後数代にわたって国防長官がかわっておりますが、その間において当初のPPBSの考え方がどういうぐあいに変わってきているかということを毎年実情を把握しているという状況でございます。それから具体的な作業といたしましては、これは吉田委員も御承知のとおり、PPBSの中心をなしますのは一つはプログラムストラクチュア、これをどうきめるかということが非常に大きな問題でございます。第二の問題としましては、システム分析の手法の開発、こういうことになろうかと思います。  そこで、まずプログラムストラクチュアの問題でございますが、これはどちらかと申しますと、国の防衛政策ということに非常に関連いたします。そういうことで現在プログラムストラクチュアをどういうぐあいに考えたらいいか、つまりストラクチュアを考えるにいたしましても、カテゴリー、サブカテゴリー、エレメント、こういう要素をどういうぐあいにとったらいいかということを鋭意検討中でございます。  それからシステム分析の手法の開発という問題でございますが、これにつきましても二つございまして、一つは費用モデルというジャンルがございます。この開発を進めております。もう一つのジャンルといたしまして、効果をどう評価するかというモデルであります。このモデルにつきましても現在開発中でございます。  こういうことで目下着々として進めているわけでございますが、私どもの将来の展望といたしましては、ころいった一連の研究を昭和四十八年度ぐらいまでに完了いたしまして、四十九年度以降は、おそらく過去の経緯に徴しますと、次期の防衛力整備計画をつくるという予備作業が始まる時期かと思います。その時期までにこういった一連の作業を終わっておきたい。結論的に申しますと、第四次防衛力整備計画が終わった直後の年度から、このPPBSのシステムでもってフル回転するということを目途にいたしまして現在整備中でございます。  それからPPBSを進めるにあたりまして何か問題があるのじゃないかというお話がございます。確かに問題が幾つかございます。その中で一つの大きな問題は、技術者の養成という問題でございます。これにつきましては、現在防衛庁といたしましては、防衛大学校、この研究科にこういった研究ができるという部門をつくってございます。それから各自衛隊のいろいろな学校がございますが、この学校の中にもこういったOR分析の手法を勉強するという課程をつくりまして、昭和四十五年以来育成をいたしている、こういうことを現在やっているわけでございます。  それから、非常に時間がかかって、途中で一体何をしているのだという御指摘がありますが、これにつきましては、御案内のとおり、従来防衛庁はシステム分析の手法のその前の段階でございますオペレーションズリサーチ、こういう手法は非常に前から取り入れられているわけでございます。現に陸海空三幕を中心にしましてオペレーションズリサーチ、これは非常に活発に行なっているわけでございますが、この手法は、現在問題になっております第四次防衛力整備計画、これにつきましても部分的にこの手法を適用している段階でございます。さらにPPBSの作業の過程におきまして、いろいろなトライアルと申しますか、こまかいトライアルを幾つかやっております。こまかい話でございますが、たとえば海上自衛隊の印刷代、これをどういうぐあいにしたらいいかというこまかい問題もございますが、それにつきましても現実に適用いたしまして、その適用の成果に基づいて大蔵省に予算を認めていただいている、こういうのが現状でございます。  以上が、おおむね防衛庁におけるPPBSの手法の開発の現段階でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 PPBSを導入するにつきまして、現段階における日本の予算制度が、説明によりまするとそれはそのとおりだとおっしゃるのですが、たとえば例の事業別予算制度ですね。一口に申しますると、いまは予算は、使うべき省庁、使うべき官署が主になって、何に使うかということは従になっております。したがいまして、説明書には何に使うかということが、若干、たとえば予算の説明書未定稿としまして、毎年、薄っぺらなものですが、大蔵省の主計局から出しております。あれには社会保障費等々何に使うかということがかなり書かれておるのでありますけれども、しかしそれは説明のほんの一部にすぎません。やはり全体に、どこが使うかというのではなしに、何のために使うのかという根本的な予算制度のあり方にするということが伴わなければPPBSの導入の成果が十分にあがってこないのではないか、こう思われます。PPBSにいたしましても、どのような政策決定をなすのかということが先行するのでありますから、したがって、そういう面と思いあわせまするとき、やはりあなたのほうで各予算内容の検討をされまして、そして事業別予算の趣旨に全面的に沿うておるかどうかということ、可能な範囲でできるだけそのほうに持っていくということをあわせて行なう必要があると私は見ております。この点も先年来、つたない意見ですけれども、私も御指摘申し上げておるわけであります。どうしてもこの点が日本の予算制度の言うならば病根です。ついそうなるのです。たとえば利益団体が活動する、圧力団体が予算を取りに来る、それならそのほうにちょっと分けてやろうか、これもやむを得ないんだ、一たん積んだけれども、これは何とか消しておこうとか、歳入見積もりはしたけれども、それならこれも一、二年延ばそうかというようになってまいります。予算のぶんどり合戦があまり激しいので、予算の浪費のみならず、国民の一切の浪費につながっていくわけでありますから、ここから改めてくるのでないと、なかなか日本の予算制度を改革することは容易でないだろう、こう思われます。また、そういうことをするにいたしましても、もっと技術陣を充実しなければいかぬ、コンピューターの導入にいたしましても。私の懇意な者があるコンピューターの会社をつくりましたとこう、うまくいかなんだ。なぜうまくいかぬかというと、周囲と技術者等々がそのようになかなか歩調が合わなくて成長してこないのです。そこに社会的断層があるわけですね。というようなわけでありまするから、かっこうだけはよくて十分に成果があがらぬということになってもたいへんであります。それなら次に反対の批判が起こってまいります。そんなことは抜かりない問題でございましょうけれども、この点は十分に御注意あってしかるべきでないか。要するに、事業別予算制度をむしろあわせて行なっていくということが必要でないか、こういうのが結論であります。経理局長、その点いかがでしょう。

田代一正防衛庁経理局長

○田代政府委員 お答えいたします。私もちょっと古い記憶でございますが、たしかアメリカは過去の古い予算システムからパーフォーマンスバジェットに転換して、さらにPPBSというシステムに変わったということを伺っているわけでございます。アメリカは、国内におきましても、PPBSのシステムと国会における予算審議の形式、これをどうするかということが非常に大きな問題になってきているかと思います。なかなかアメリカは国会がうるさいということもあって、予算表示のしかたを昔ながらにやっている。そこでPPBSではじいた金額をそういった違ったフォームに置き直すということはこういう問題があって、俗にクロスウォークということばが使われておりますけれども、これはそういう問題じゃないかと思います。ただ、わが国の場合これをどうするかという問題でございます。確かに御指摘のような問題いろいろあるかと思います。これは防衛庁限りの問題ではございませんので、また大蔵省ともよく相談いたしまして、何か考えるべきじゃないかと思っておりますが、確かに先生のおっしゃることは一つの大きな御意見かと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 アメリカにおきましても、フーバー委員会以来、パーフォーマンスバジェットが先行したことは公知の事実でございますが、いずれにしましても、日本は理屈を言ってもなかなか実効があがってこないのが実情じゃないかと思うのです。  きょう大蔵省は見えていませんね。検査院ではちょっとこれは畑違いかもしれませんけれども、私は、この予算制度を考えるときに、いつもそう思うのです。なぜ日本はこんなたくさん陳情に来なければいかぬのだろうか。陳情に来ぬで電話一本で片づけてやったら、どれだけ国民は助かるかわからぬし、時間も浪費をしないで済む。何で大切な人間の労力をむだにするのかな、何かもっと手がないのか、こういうふうに思うのですが、年々予算期を中心にいたしまして国会並びに政府に殺到する国民の団体、地方団体等々のこういう陳情は、私は相当な経費を浪費していると思うのです。浪費といったら語弊があるかもわかりません。しかし経費は使っておると思うのです。検査院ではわかりませんか、何ぼくらい使っておるか。私は十二、三年前に大蔵省の主計局のほうで調べてもらったときに、五、六百万円使っておる、こういうことであったのですが、その辺について何か御意見が出せますか。ちょっと畑違いだからぐあい悪いかと思いますけれども、だれかその辺のことわかりませんか。推定でよろしい。これは非常に大事な点です。私は千億円は下らぬと思いますがね。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 お答え申し上げます。ただいま先生おっしゃいました予算獲得のための陳情の経費がどれくらいであるか、この点につきましては、検査院といたしましては、現在の段階では把握しておりません。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 せっかくですから、検査院の方にちょっと一点。かねて私はこの点指摘するのですが、どうもまだ解決に至りませんので、ぜひとも積極的な姿勢になっていただきたい、こう思うのです。もしどうしても予決令とか財政法の改正の必要があるなら改正してもよろしいが、予算というものは国民の大事な税金でございますので、どうか効果、効率というものに重点を置くようにしてもらいたい。税金を払っている人から考えたら、私らが税金を取られるときのことを思えば、何であんなむだ使いをするのかなということ、これはやはり政治不信につながりますので、予算の効率使用、効率化ということにつきまして何か積極的な御指摘を、よしんばそれが不当事項にあらず、違法事項にあらずといたしましてもよろしいから、効率的に使っている、不効率になっているということをどんどんと大きくクローズアップして、各省庁に向かって御指摘になったらいかがかと思うのです。究極国民のために予算の目的を達するゆえんですから、その点いかがでしょう。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 ただいまの先生御指摘の点でございますが、検査院といたしましても、従来から、単に個々の不当事項あるいは違法事項、そういったものだけではなしに、予算の効率的な使用、そういう総体的な見地から、特に院法の三十四条ないしは三十六条に基づきます意見表示または処置要求、こういった点に特に力を入れて検査をしてまいっておるつもりでございます。しかし、いま先生おっしゃいましたように、現状ではまだわれわれといたしましても十分であるとは必ずしも考えておりません。今後さらに一段とそういう方向に沿いまして努力をいたして検査をしてまいりたい、かように考えます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 政策目的を達成するための予算の編成でございますので、いささかもむだであってはいかぬ。同時に、他に代替方法といたしましてより安く上がる、しかし効果は同じであるというものがございましたならば、臨機に処置をとっていく、こういうことも可能ではないだろうか。そういう点において予算の流用が必要ならば流用も認めていいのではないだろうか、こういうことも考えるのでありますが、そこらにつきまして、やはり各省庁とも予算執行上の一つの重要課題いたしまして、国の政策が大きく変わろうとするいまの機会に、予算の効率的執行という面だけを一つの主題にいたしまして、そして各省庁とも話し合うというような場でも持つことが必要ではないだろうか。検査院の立場からでも何かそういうふうなことを提案でもできないだろうか、こう思うのですけれども、これはできませんかな。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 その点につきましては、検査院全般の問題でございますので、ちょっと私からは責任のある答弁はいたしかねますが、私が承知しております段階におきましては、たとえば予算の編成との関係では、現在一年に二回大蔵省の主計局のそれぞれの主計官と各検査課長の段階で打ち合わせをしております。それから検査の結果、各省庁との打ち合わせということになりますと、それぞれ実地検査の段階、あるいは省によりましては全体の検査が終わりました段階で打ち合わせをしているのではないか、かように推察いたします。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 終わりに防衛庁のほらに、PPBSの導入の問題につきましてさきに御指摘申しましたような点、これは次の予算には相当具体的なものが編成されていくということまで進めていくべきだと思うのであります。そうして、もしそれに不足があるならば、十分に企画庁とも御連絡をおとりになり、各省からあそこには出向して研究しておりますから、何かと御協議になってしかるべきではないかと私は思う。いずれにいたしましても、次の予算段階におきましては相当具体的なものを出していくというふうにせられてはいかがかと思うのですが、経理局長、そのかまえで進められてはいかがでしょうか。それだけで終わっておきます。

田代一正防衛庁経理局長

○田代政府委員 お答えいたします。次の予算と申しますと四十八年度予算という意味かと思いますが、四十八年度予算は、もし年内に四次防がきまりますと、四次防の二年目ということに相なります。四次防は、先ほど申しましたようなことで、オペレーションズリサーチという手法はかなり使っているのでありますが、いわゆるPPBSで全部カバーしているということになっておりません。したがいまして、来年度予算につきましては、この手法が全部適用になるということにはならないかと思います。しかし、こういった手法、ものの考え方を取り入れながら予算編成に当たっていきたいという点につきましては変わりない点でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 企画庁、来ていますね。防衛庁は済みまして企画庁にまいります。  企画庁さん、あなたのほうの長年の懸案で、古い問題で未解決の問題はやはり物価安定問題ですね。これは木村さんのときにもどうもなかなかよい答弁が出てこない。ことばは出るのですけれども、出てこない。佐藤総理の答弁によりましても、ことばはあっても、なかなか実は出てこない。一体、物価安定というものは、これはしかるべく経済が成長し所得がふえたら、格別安く安定せいでもいいのじゃないか、上がってもいいのじゃないかという議論もあるわけでございまして、必ずしも安定、全面的にそうだ、みな賛成だ、悪だというようなかまえで対策に取り組んでいくというふうに一致しておらぬと思うのですね、学者の議論を見ても。でありますので、結局企画庁といたしましては、経済の成長に伴って、これは安定せいでも、だんだん上がっていってもいい、上がり度合いだけ適当に、例の見通しの線で食いとめたらそれでいい、しかも少しでもそれが大きく上回る、予測がはずれるということになったらたいへんだ、そういうことになるのか。国民が求めておる物価安定ということにかなり遠いのが現状であるということを率直にわれわれは思うのですが、安定対策についての物価庁としての企画庁のかまえはよほどしゃんとしておってもらいたいと思うのです。ことしのごとき、いつまでも押えておいてもかえって悪いので、だから適当に値上げをしたのだという、例の公共料金問題もありますが、公共料金を上げたら、ついでにあれも上げこれも上げ、上げられるものはどんどん便乗してきたということになりまして、大阪の富田林という市なんかの主婦の述懐によりましても、これは四割ぐらい上がっていやしないかという実感なんですね。そういうようなことでありますから、物価安定対策につきましては真剣なかまえと強い態度をもっていかなければいかぬ。物価懇談会以来、何べんも提言が行なわれておりますけれども、物価は安定しないというのが日本の現状。今日のように景気が悪くなった、それでも物価だけはどんどんと遠慮なしに上がっていきます。景気が悪くなって、物価は上がる。これも日本の病気かもわかりませんけれども、この点については、一体企画庁はどういうふうな姿勢でいくのだろうか。一口にはこれはむずかしい問題ですけれども、どうでしょうね。企画庁はちゃんと姿勢は正しておっても、ほかが同調しない、企画庁が号令できない庁であるからしようがないというようなことにもなっておるのだろうかどうか。いかがでしょう。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 吉田先生からたいへん高い次元の御忠告をいただいておるわけでございますが、物価の安定というものは、御承知のとおり国民生活の安定に通ずるわけでございます。しかし、同時にまた、安定成長ということも非常に大事なことであると考えておるわけであります。そういう意味でわれわれは真剣にこの物価問題の安定ということに取り組んでおるわけであります。たとえて申し上げますれば、昭和四十七年度の予算なんかを見てみますと、対前年二七%、一兆四百億くらいの予算を計上しておりますのも、その姿勢の一環と見ていただいてもいいと思います。そういう意味で、たとえて申し上げますれば、低生産性部門の近代化であるとか、競争条件を整備するとか、ないしはまた生鮮食料品の価格安定をはかるとか、同時にまた、いま一番大きな、われわれが真剣に取り組んでいかなければならない問題として円の切り上げがございまして、当然その円の切り上げ分を国民に還元していかなければならぬということであります。そういう意味で、ことしの予算では、輸入物資について追跡調査をしようというようなことで、わずかでありますけれども二千五百億くらいの予算を計上して、そして輸入物資に対する追跡調査を真剣にやっていこうという考え方であるわけであります。同時にまた、過般物価閣僚会議が開かれまして、政府所管の輸入物資に対しての引き下げを具体的にやっていこうというようなことが決定されておるわけであります。最近では、御承知のとおり、いま季節商品、野菜その他が比較的安定いたしておるわけでありますが、いま吉田先生からも数々の御指摘をいただきましたとおり、われわれは、今後とも国民生活の安定という立場に立ちまして、行政の面でも物価対策を真剣に強力に推進をしてまいりたい、かように考えておるわけであります。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 私は菅野さんにもかつて言ったことがあるのですが、企画庁自身が案を立てましても、たとえば農林省、通産省が同調してこない。そういう命令をするわけにはいかない。総理がそれを統率していけばいいじゃないか。総理もまた各省の長に向かってはいけないというようなことになってきますと、結局企画庁においては、よい案を持って、こうすればいいという物価懇談会その他等々から出てまいりました案を出しましても、実施官庁がそれを行なってくれない、だから上がっていく。国民は同時にまた協力しない。管理価格がどんどん出てくるし、また自由に設定できる価格にどんどん上げてくる、こういうことにもなってくるわけなんですから、各省庁との歩調も合わせなければいかぬが、もっと強力に推進する手はないか。これは企画庁だけに尋ねたってしようがないですけれども、そこに心ありともなかなか実現しないうらみがある。原因はどこか。省庁が一致してくれぬから。それを推進するところの力はあなたのほうにあるわけじゃなし、並列しているのだから、同じになっているのだから、提案するけれども、そんなものは食いたくないから食わない。物価は適当に安定しない。こういうことになるんじゃないだろうか。四十七年度に一兆四千億、特別会計を加えたりするならば、そうなりますよ。一兆四千億も安定対策費を予算で取っておって安定しないということになったら、これは国民に申しわけありませんよ。それを思うんですよ。われわれ予算の執行を監督していかなければならぬという、こういう委員会におきましてよけい思うんです。一兆円以上も物価安定対策費を取っておいて物価は安定しない、また上がった上がったということで、国民は物価が上がると恨んでいる。こんなていたらくじゃ、一体日本に物価政策はあるのかどうかというようなことになる。それで、大体国民の立場でですけれども、五%、六%物価が上がったってあまり感じがしないんです。ここに感覚のズレがありますよ。アメリカあたりにおきましては、三%、四%上がったらたいへんですよ。いまだったら、一割ぐらい上がったって平気ですよ。また上がったなんて、そんなものです。だから、その辺につきましても、啓蒙も必要かもしれませんが、何とかしなければいかぬ。かなり広範な施策をもちまして物価の安定、つまり貨幣価値の安定――一万円お金を持っておれば来年も一万円として使える――来年はそれが五千円になってしまう、それならいまのうちに借金しとこうか、借金しておいたら半分で済むじゃないか、借金借金で借金しまくっていけばいいじゃないか、これが大企業の根本の経営方針かもわかりません。そんなことになるのかもわかりません。やはり国民といたしましては、一万円の金の収入があったら、貯金して、来年も一万円として使えます、つまり、それだけ物価が安定しておりますということであってほしいですよ。そこに力を入れなければ、企画庁はあってもなくてもたいしたことはなく、仕事がなくなってしまうですよ。あなたのほらの国民生活局は、かかる意味においては非常に重要です。総合調整庁としても重要であります。その点につきましては、きょうは物価論争をやるわけじゃありませんが、ともかく膨大な予算を物価安定対策費に毎年使っておいて物価を安定しないということは、一体何というていたらくですかと言いたいんです。被害者はだれでもありません、国民が被害者です。とりわけ勤労所得者、給与所得者が被害者です。それを思ってもらいたい。善政とはそういうところを潤すことですよ。福祉国家といったって、そんなところを泣かしておいて善政も福祉国家もありません。その意味において企画庁の責任は重大です。企画庁は案を立てて、成長何%、消費者物価が何%というようなことをきめる、それだけが能じゃありません。国民はそんな数字のパーセンテージはわかりません。国民の実感というものは、もっと物価にいじめられております。確かにそうなっております。そして悪いくせもついておるのは、これは国民の側ですけれどもね。その辺のことをひとつ十分に検討しないことには――国民生活局長、きょう見えていますね。あなたの使命は重大だ。しっかりおやりなさいよ。いま私が言いました点について、いかがです。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 一々ごもっともの御指摘の点でございまして、私どもも、物価の安定という非常に大きな困難な問題に対して、何とか実効をあげたいということで、局をあげて取り組んでおるわけでございますが、思うように効果があがらぬ面が多いということは率直に反省しなければならぬと思います。一々ごもっともの御指摘でございますので、そういった面でさらに努力をしてまいりたいと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 きょうは長官が見えておりませんので、政務次官、長官とも一ぺん御相談しておいてもらいたいと思うのです。私はかねて思うのですが、物価問題を論じますときに、やはりほんとうに高い国民のモラルが必要でないだろうか、こういうふうに思うのであります。そうでなくて、もうけ主義でいく、金さえあればいい、物さえあればいいというようなことになっていきましたら、これはやはり一種のアニマル式ですよ。ですから、やはりここに高い国民のモラルが伴いまして物価を考えていく。それならば、せっかく汗水たらして働いた人の一円のお金にも一円の価値を持たせてもらいたい。せっかくお百姓さんがつくったものが、あまり価格が動揺しないで安定していく、新しい生鮮なものをなにして食べてもらう、お互いにそういうふうにしていく。それならば、流通機構にしても、外国から入ったものにしましても、外国から安いものが入ってくれば安く売ります。国際価格とにらみ合わせて売りますというふうになって、おれはもうけたらいいんだ、関門通るときにうんととってやるんだ、ぱっといけばいいのに、くるくる回ってむだなことをしておいて、流通過程で経費が上がっていくということをしないで、結局はやはりモラルにつながりますね。ですから、この高いモラルのもとに物価国策を考えるということは、結局国民の福祉を高めるゆえんでないだろうかと思われます。それが欠けておりましたならば、国民一億合わせてアニマルになってしまいます。アニマルのもとにおいては物価安定なんてありはしませんよ。おれさえもうけていればいいんだ、この土地は、農地解放のときは三百坪千五百円で解放になったんだけれども、いまは一坪十五万円する、持っておったら二十万円するんだから売ったらいいんだ、一億円金をつかんで親子、夫婦ひとつええ暮らしをしようじゃないかというようなことに国民がだんだんなっていったら、相手かまわずもうけてやれ、相手の不幸をかまわないということになってくる。そうなったら土地価格対策はできやしません。同じことです。私はそういう点におきまして、やはりこれは一切の政論に共通の問題でありますけれども、特に物価問題を考えますときには、別の次元に立ちまして高い国民的モラルを要請したい。それであわせて日本の経済力の発展、国民生活の向上ないしは福祉の充実がほんとうに約束可能になってくるのでないだろうかと思われます。それがなかったならば、もうあげてアニマルになります。経済アニマルだけでなしに、政治アニマル、国際アニマル、もう何もかもアニマルになってしまいます。こう思いますので、その点については、特に内閣の姿勢として、物価を論ずるときにぜひとも重視してもらいたいと思いますので、ぜひひとつ長官とも御相談の上しかるべき御方針を立ててもらいたいと思います。よろしゅうございますか。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 吉田先生からごもっともな御意見を拝聴させていただいたわけであります。われわれいままでも真剣に取り組んでおるわけでありますが、これからも勇気をもって物価安定の問題に対しまして真剣な努力を払っていきたいと考えております。なお、木村長官にも吉田先生の意のあるところを十分伝えてまいりたいと思っております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 科学技術庁おられますね。これで終わります。簡単にいたします。  新しい七〇年代の日本を建設する上におきまして、科学技術庁の存在は、私は非常に重要だと思うのです。なぜならば、もっと合理的に、もっと科学性を持ちましたものが各方面の行政に要請されておる際でありますから、その意味におきまして。  そこで伺いたいのでありますが、先般来海洋開発につきましていろいろと新しい計画が実施されようといたしております。また、すでに実施されてきた面もあるらしいのであります。そこで、海洋開発の問題につきましては、いろいろな角度から考えてみる問題があるのじゃないだろうか。そして同時に、科学技術庁でありますから、大学でもなし、また企業の研究機関でもなし、行政につながらなければいけない、国政につながらなければいけない。したがって、国政上重大な問題になっております面をひとつ相当重視して、それと取り組んでいくという姿勢が大事ではないだろうか。こういう意味におきまして海洋開発、とりわけ日本の置かれておる環境が四面環海であります。また日本の食糧が、魚が動物性のたん白給源でね。これは非常に重要でございます。しかしながら、最近の近海漁業というものは、次第に魚源が枯渇してまいりまして、そして遠方の海域から、外国から輸入していく、冷凍ものがたくさんに来る、こういうふうになりまして、したがって生きた魚はわれわれは食するわけにはいかないというのが、だんだん追い詰められた現状ではないだろうか。こういう面につきましても、これはあるの科学的手法をもちまして、海上に、先般も栽培魚業なんかもその一環として指摘されておったようでございますが、単なる栽培漁業という狭い視野でなしに、これはたくさんなプランクトンも住んで、ただしそれは公害につながらないように、そして幾多の狭い海域にも、一面においては交通の必要もありましょう、一面においては魚源として使用する必要もありましょう、その他水そのものを活用する必要もありましょう。水の中に含有しておりますいろいろな物質、それをだんだんと新しい開発をしていく必要があるのではないだろうか。海水によって黄金をつくる、そんなことはほんとうかうそか知りませんが、そういうこともありましょう。また、一たん新潟のようにどっと油を流した、そして多大な被害を受けた、それを一挙にある手段で清潔なもとの水に戻すというような手法はあるのかないのか、開発されておるのかどうか。そういうような、直接民生に直結し、行政につながり、日本の政治、経済につながり、社会、経済のあらゆる需要に応じ得るところの豊富な宝庫としての海洋、この豊富な宝庫としての海洋に被害が生じたりしないように、あるいはこれから開発したり等々しなければならぬものは、ほんとうに立体的な、多角的なものがあるように思うのですね。そういう面について、私はいまの沿岸漁業を相当重視する一人なんです。沿岸漁業を重視いたしまして、そうして魚が十分に住めるように、住み得るのですから、いま住めないようにしていきよるのですから、そうして南洋からあるいは豪州から輸入せんならぬようなことになってくるのですから、そういう辺について相当積極的な姿勢である種の開発をしていくのが、これがあなたのほうの大きな使命でないか、私はこう思っておるのですが、それはどんなふうな実際目標があるだろうか、プログラムでも持っておられるのかどうかというようなことにつきまして、報告的にひとつ御答弁、御説明願いたい。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 実は当庁は、御案内のとおり総合の調整官庁でございまして、関係各行政機関のいろいろな科学技術面の開発とか、試験研究のすべての調整をいたしております。この一面と、さらにもう一つの面は、いわゆる宇宙とか原子力というような総合的な研究を推進いたしておるわけでございます。  それで、この海洋の分野につきましては、当庁といたしましても、つとに、宇宙、原子力に次ぎまして取り上げまして、この海洋の科学技術の振興を強力に推進してきたわけでございますが、ただいま先生が御指摘のとおり、海洋につきましては、一体開発の基本構想をどうするかという点が、まず第一にわが国の海洋の問題についての基本的なことでございます。こういった点を明確にいたしませんと、海洋の科学技術の振興というような問題はなかなか焦点が定まらないという点がございまして、御案内のとおり、昨年海洋科学技術審議会といいますものを、海洋開発審議会に変、えまして、これは総理府に設置されておるものでございます。この場へただいま、わが国の海洋開発の基本構想、それから開発に伴ってのいろいろな具体的な施策につきましての基本的な考え方、こういった点をいま諮問いたしておりまして、近々これの答申がいただけるというようなことになっております。当庁といたしましては、ただいま御指摘のとおり、学術的な面だけにとどまりませんで、どちらかといいますと、海洋の開発がわが国の国民の豊かな生活に結びつくというような方向で開発するような、いわゆる行政ベースの開発につきまして当然重点を指向させていまいるわけでございます。  それで、具体的にいま先生御指摘の、沿岸の漁業がいまいろいろ問題になってきている、魚もなかなか住みにくいような状況にまでなっている、こういうようなことでございまして、海洋開発はまた非常に多角的に、水自身の利用もあるではないか、こういったものをよく考えて行政のベースに沿って開発するようにといういま御指摘でございます。全く同感でございまして、海洋はまだ未知の場でございまして、無限と考えられるような資源を有するわけでございます。それで、関係各国もこの海洋開発につきましては強力に推進いたしております。わが国といたしましても、こういったような未知の、まだ手のつけられていないような海洋の数多くの資源、これはもちろん漁業も含みますが、こういったものを当然開発していきますと同時に、海中の利用といいますか、海の中のスペースを利用いたしましていろいろなものを貯蔵するとか、それからそこを運ぶ場所にするとか、さらにいろいろ海のエネルギーを利用するとか、海水自体をいろいろ利用いたしまして、それで国民の豊かな生活に結びつけるというような点に目標を指向させまして、それで、きわめてむずかしい点は、これに要する科学技術が非常にむずかしい。たとえば海中にもぐること自体が、非常に温度も低い、それから圧力もたいへんな圧力である、それから暗黒であるというような、環境といたしましてはきわめてぐあいが悪い環境でございます。こういったものを克服しながら、いま申し上げましたような開発を行なうような技術を開発すること自体がまた非常なむずかしい問題かと私ども考えております。  これらの問題につきましては、今後最重点の一つといたしまして、当庁としては解明していき、また推進していきたい、かように考えておるわけでございます。  さらに、沿岸の漁業の点につきましては、実はこの海洋の開発が、海洋自体がわれわれの生活の環境にきわめて重大であるというような認識を持っておるわけでございまして、海洋が開発されたりいたしますと、海洋がまた汚染されるというようなことがないように、さらに海洋というものは、先ほど申し上げましたように環境、海洋環境を保全する、そして、これを私どものいろいろなレクリエーションなどに使うというのも、これは一つの海洋の開発であるというような認識も持っております。そういったことで、沿岸の海洋、これの環境の保全を十分にはかっていく。これがひいては魚族の住む、非常に生きのいい魚が住めるような状態に相なる。これがまた、沿岸の漁業の振興につながるというような認識を私ども持っておるわけでございます。  こういったような観点から、この海洋の開発をいわゆる行政ベースで進めていこう、こういうように考えておるわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 最後に伺っておきますが、科学技術庁の存在は、あなた方は実施官庁でないのでありますから、したがって、たとえば魚族の繁栄あるいは栽培漁業等の指導等にいたしましても、水産庁、農林省があるわけでございまするから、そのほうとの適当な連絡等がなされねばいくまい。あるいはまた予算関係につきましては大蔵省との関係もなければいくまい。同時に、金を使ってただ研究しておるだけではとてもいきませんので、大切な予算をもって研究するという特殊なワクがありまするから、したがいまして、そこに相当効率的な方法、横の連絡は緊密に総合せられて、そして適当に人材、物的施設あるいは対象の場等々、まあいろんな面におきまして相当高度な、広い意味の施設が必要になるのじゃないかと私は思うのであります。そういう点につきましても、大胆な、相当の、あなたのほうの施設内容、準備、人材養成等々がなされていかぬと追っつかぬのじゃないだろうか。それほど重要な問題じゃないだろうか。実はこういうふうに思います。新潟あたりのあの石油の、あの被害のあと始末の状況をじっと見ておりまして、いかにも日本の科学、日本だけでなく世界じゅうかもしれませんが、まだまだ貧弱なものだなという感じがしないでもないのであります。したがいまして、小さな沿岸の汚濁の防止にいたしましても、あるいは下水道の、この間も実は委員長以下岡山へ行ったのでありますが、またもう一度行くことにしておりますけれども、下水道の終末処理等の問題を見ましても、科学的にずっと処分していって、そして最終処理の結論は、再び、その人ぶんをまじえた汚濁したところの汚水が、あるいは人間が飲めぬまでも、植物のために栄養に還元できるというようなことまでいけましたら、これはやはり科学の進歩によらねばなるまい、こう思うのであります。だから、そういうようなことにつきましても、至るところで科学性の必要なことは痛感します。  音響にしましてもそうです。飛行機のあの音響、騒音、その他のじんあい等にいたしましても、何か相当、科学技術庁というところはもっと、ひまなところじゃなしに、広範なそういう任務を達成すべき陣容がなければいくまいじゃないか、こういうふうに実は思いまして、いかにも、いろいろと方向をずばっと求めようといたしましても、ぴんとこぬのです。試みに、あなたのほうで、石油なら石油で汚濁してしまった、そういうものを、こうしたらもうそいつはなくなってしまうとか、こうしたら防止ができるというようなことについて、何か結論でも出ていますか。したがって、報告でも当委員会に出してもうえましょうかどうか。あるいは、そういう汚濁をなくするには、こういうものはこうすればいいとかいう、下水の終末処理につきましても、あなたのほうにおいて研究調査したものがあろうか。他でやっておるんなら、他の省庁でそれと連絡をして、適当にそれは推進する、科学性を一そう高揚していくというような手でもあるんだろうか。何かその辺について具体的な研究成果の結論でも当委員会へ出してもうえるような材料、もうできておりますか。そこまで進歩しておるのでしょうか、どうでしょうか。

千葉博科学技術庁研究調整局長

○千葉政府委員 いま先生からいろいろ御指摘がございましたが、まことにそのとおりでございまして、科学技術庁は、先ほど申し上げましたように総合調整官庁でございまして、特に総合研究として推進しておりますのは宇宙とか原子力に限られております。それで、その他の、たとえばいま御指摘の油濁、新潟のタンカーの油濁事故でございますが、ああいった面についての研究はどうなっているのだというような点でございますが、そういったような緊急に起こってきます研究課題につきましては、私ども特別研究促進調整費というお金を持っておりまして、この予算で関係各省あるいは大学、あるいは民間の研究機関の方に寄っていただきまして、それでそのグループをつくって、この油濁の対策の研究をやっていただくというようなことをやっております。たとえば新潟の点については、その促進調整費の中からお金を出しまして、それで鋭意いま研究をしていただいておる最中でございます。これができ上がりますれば、この成果を発表いたしますので、これはぜひお持ちしたいというように考えておりますし、こういったようなお金は今年度で約九億五千万ばかりありまして、私どもてまえみそでございますけれども、非常に有効な総合研究にいま使われていると思っております。  こういった予算をもちまして、実はそのほか、いま御指摘のいろいろな環境の問題、公害の問題とか、たとえばPCBの研究でございますが、ああいった問題も昨年の六月から手をつけておりまして、それで、分析方法は一体どうやって分析するかとか、それからさらに、どんな経路で人体へ入ってくるのか、それからその毒性の慢性化は一体どんな調子なんだろうかというような、非常に重要な研究を各方面の方にやっていただいております。これはもう科学技術庁の特性で、各方面の方を集めるのは非常にやさしいものでございますので、そういったことで、そういった重要な研究もこの促進調整費なるものでやっておりまして、これもせんだって一月には、分析方法の一部、こういったらいいという点も公表しまして、それでいろいろいま分析などをやっていただいているというように考えておりますけれども、そのほか、来月あるいは再来月になりますと、後段の慢性毒性の問題とか、それから人間のところへ入ってくる経路というような点も、ある程度そのメカニズムがはっきりしてくるだろうというように考えているわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 終わります。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員長代理 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 最初に総理府に二つだけ質問します。一つは沖繩への渡航の拒否の問題、一つは久米島における旧日本軍隊の虐殺事件について、この二つです。  総理府に具体的に渡航の拒否の問題を伺いますが、これについては、現に渡航を拒否されておる人が相当いると思いますが、時間の関係で具体的問題だけに集中します。いま問題になっている外務省の密約文書事件、これとも非常に関連しております。現在拒否されているというのは、「赤旗」の遠藤昌照政経部副部長、三宅生郎政経部記者、二人は新聞記者であります。もう一人は民主主義文学同盟の作家中里喜昭、もう一人は沖繩返還同盟牧瀬恒二常任理事、この四名が理由なくアメリカ軍から拒否されております。これにつきまして総理府は、私はきのう、こういった質問をするのでと申し上げまして、次長、事情を調べてほしいと言いましたが、この拒否のいきさつについて御存じであるかどうか、一応簡単にその点だけ最初にお答え願います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 渡航の問題につきまして本年の一月から三月までの状況を見ておりますと、申請件数三万二千六百六十九件、不許可百四十九件で〇・四%といろ状況です。この状況は、過去の毎年の状況から見ますると、非常に、だんだんよくなってはきておりますのですけれども、なお現在こんなような状況になっているという状況です。その点につきまして私たちのほうは、そのたびごと、あるいは個人的な人間の名前をあげたりいたしまして、ぜひひとつ渡航をさせてくれということを向こうに申し入れることを具体的に個々的にもやっておりますし、こちらだけでもいかないときには、現地のほう、この間などは高瀬大使を通じまして、ランパート高等弁務官に直接話そして、かけ合ったりしているというような状況ですが、にもかかわらず不許可の人間が出ておるという状況で、特にこういう現在まできているようなところでは、もう意味もないからということを再三申し入れるのでありますけれども、その点は何といっても最後まで向こうは施政権を持っているということで、また別な観点で、われわれとはまた観点が違った考え方でなかなか許可してくれないという状況です。その理由につきましては、私たちのほうもどういうわけだということを尋ねますけれども、その点につきましては、いずれの件につきましても理由は全然言わないという状況で現在まできておる状況でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 私は、この点につきましては三月二十七日の昼過ぎ、アメリカ民政府に行き、公安部並びに渉外部――局といっているようですが、この責任者に会いました。知っておりました。そこで私が申し上げましたのは二つの点です。一つは、沖繩協定の批准書が交換されている現在、三月十五日――さらにきょうから数えれば、あと四十日すれば施政権が返還されるとかいわれております。私が行きましたときは、向こうの公安部とそれから渉外局の部屋に、英語で、復帰はあと四十九日と大きい文字で書いてある。あなた方、こういったことを書いておきながら、いまごろ日本国民が日本の国の領土に入れぬって何事だ。そうしましたらどんなことを言ったかというと、この人たちは何のために来るか、というわけだ。この人だちは何のために来るか、商売じゃないか。新聞記者は何のために来るんだ、取材に来るんだ。作家というのは、あたりまえじゃないか、作家がいろいろな小説を書いたりいろいろな作品をものしたりする場合に、やはり調査し、取材しに来るんだ、あなた方の渡航の拒否は、言論、出版、取材の自由、これに対する挑戦だ、民主主義をうたいながら、あなたのほうは――民政府ですから、あと四十九日すればアメリカへ帰らなくちゃいけないじゃないか、ゴー・ホーム・アメリカ、そういったような人々が、日本国民の、しかも日本国民に真実を知らしめる、そのために渡航申請したこの新聞記者に拒否するとは一体何事だ、その渡航を君たちが自主的に拒否するんじゃないかと言ったら、そうじゃないんだ。じゃあどうするんだと言ったら、上司にその旨をお伝えします、という答えでした。われわれとしてはどうにもならぬ、と。どこにいるのか、その上司は。ランパート高等弁務官かと言ったら、いやそれは言うわけにはいかぬ。G2かと言ったら、それもノーコメントだ。ところが、拒否するというのは、ランパート高等弁務官だとはっきりしているじゃないかということを言いましても、いろいろ問題をそうしておりますけれども、理由は何か。理由はわからぬというのじゃなくて、言うわけにはいかぬと言っておりました。私考えますに、いま外務省のあの密約文書の漏洩事件で毎日新聞記者が逮捕されている。非常に関係があります。これは言論の自由あるいは出版の自由、新聞記者からいえば、まず取材の自由なんです。取材しなければ発表もできない。さらに分析もできない。それで分析し発表して国民に知らしめる、これが新聞記者としての、さらに新聞社としての公器といわれるゆえんである。一方本土では、佐藤政府がそういった面でむしろ抑圧している。逮捕している。さらに一方アメリカは、沖繩でまたこういったことをやっております、同じことを。根が非常に深いんです。いわゆるこの根は、基本的には対米従属のあの軍事同盟、これが侵略的な、むしろ屈辱面からきているものだと私は分析しております。こうなりますと、総理府は渡航関係のものを大体総括してやるところであり、沖繩関係の窓口なんですね。したがって、これは不法だ、不当だ。いま申し上げましたように、もう四十日もすれば――私パスポート持っておりますが、私のパスポートには返還の前日までと書かれているんですよ。それで返還の十五日からはもうパスポートはなくて行けるという意味だと了解しております。こういった中でいまそういう新聞記者が、さらに作家が、しかも理由は何もありません。以前は、理由を示す場合に、共産主義者であるとか共産主義の同調者であるなどという理由をつけた場合もあります。ところが、それをつけたら反撃の世論が高まったものだから、あなたのパスポートの申請は好意的には検討されませんでした、これがいつも拒否の理由なんです。ところが、いま申し上げましたように、これは相当根は深いですし、しかも国民に知らせる義務があり、取材の権利がある。こういう問題につきましては、私、相当憲法の問題から掘り起こしてやる必要があるんじゃないか、そうすれば対米折衝を総理府なら総理府が強腰でいけるんじゃないかと思うのです。これは憲法にはちゃんと表現の自由も保障されておるし、この表現の自由は民主主義の基礎だと私は思うのです。憲法はいわゆる反戦平和、そして主権在民、民主主義を前文で全部簡潔にうたい尽くしております。その場合、抵抗権の問題、これにぶち当たるわけなんです。憲法を踏みにじるようなものがあれば、国民は抵抗権をもって抵抗すべきである。しかも憲法を守らなくてはいかないという者がちゃんと具体的に書かれている。天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官及び公務員、これはこの憲法を擁護し、そして尊重しなくてはいかぬと義務づけを特に明記されている。こういったような者が憲法を踏みにじる場合には国民は抵抗する。抵抗権はそこから生まれてくると私は思うのです。そういった意味で、山中総務長官来ておられませんので、かわりに副長官来ておられますから申し上げますが、そういった姿勢でこの際一日も早く、いま申し上げました人々だけではなくて、もうすでに復帰前に渡航拒否されたような者がいない状態にする、こういったことで努力してもらいたい。国民の権利の場合にはあまり先取りはしないが、自衛隊などという場合にはちゃんと準備行動で行ったりして、また荷物を取り返すような醜態を演ずる、こういったようなことがあってはいかぬ。それこそ先取りどころか、ほんとうに率先して、かかるものが準備行動の中で復帰をかちとるまでにはすっかりなくなっているということにしないといかない。沖繩返還協定の屈辱的な面は実にここからにじみ出ているということを私は考えますので、そういった方向で検討され、アメリカに強い姿勢で断固交渉し、抗議して、一日も早く、一刻も早く、こういったようなパスポートを拒否された事件が一掃されるように努力してもういたいと思いますが、どんなものですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 御趣旨の点もっともだと思いますので、私たちのほうも、復帰も間近いことだしするから、ここでチェックするということが施政権の問題にそう大きく響かないだろうということを、なお私らのほうからも付言をして、なるたけそういうものが残らないようにしたいと思います。ただ、その点はまだ施政権が向こうにありますものですから、最後決定はどうしても向こうということになるわけで、その点思うようにいかないところがありますけれども、ひとつさらにその点、御趣旨を含みまして向こうに今後折衝をしていくことにしたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 この点は御参考に申し上げますが、あなた方が大臣なら大臣、次官なら次官として責任を持って、体当たりまではやらぬでもいいかもしれませんが、そういった姿勢でやると通ったことがあるのですよ。沖繩で日本平和委員会の主催で、アジアの平和のための日本大会をやりました。そのときに平和委員会の平野会長は、何回行ってもなかなかパスポートが出ない。そこで平野会長外三名が直接山中総務長官に会いました。これじゃどうもならぬじゃないか。もう沖繩返還協定も締結されておる段階でしたからね。それで山中総務長官、それじゃ私の責任で何とかしようということで、山中総務長官の責任でやった場合に、もしそのとき拒否されたら、山中総務長官が拒否されたことになりますよと言ったのですが、やはりすぐ許可されました。その事例があるのです。拒否された事例もたくさんありますが、その腹になれば許可せざるを得ないところまでいきます。と同時に、私関連して申し上げましたが、言論、出版、取材の自由、そのために、この自由を行使するために、毎日新聞記者が逮捕されておる、これの即時無罪釈放を、全国民的な世論になると思いますが、これも要求して、この点は一応終わります。  次に、久米島の虐殺事件。この問題は四日の決算委員会において、具体的内容につきましては、特に久米島出身の仲間智秀氏の「久米島戦記」、これに基づきましてその具体的な実態と、それから鹿山正というのですが元海軍兵曹長、これの週刊誌とのインタビュー、その後における新聞記者とのさらにインタビュー、そういった面を四日の決算委員会で出しまして、法務省のこれに対する見解を聞きました。  いま久米島というのは、御承知のように仲里村と具志川村と両村で久米島といっております。両村議会は、向こうも政党ありますが、政党政派超越して全会一致で決議しております。決議の要点は、鹿山発言は許されぬ。あれは向こうでは山賊と言っておる。海軍ですと海賊ということばがあるが山賊。戦争がどんどん激しくなって、そして六月二十三日、いわゆる昭和二十年です、いまから二十七年前の二十三日に、牛島中将などは戦死ではなしに腹を切りますが、一応終戦となっております。その後に久米島に上陸します。その兵隊どもは三十三名だったそうです。山に上がってそこで虐殺をやった。銃殺をやるし、強盗はやるし、婦人を恥ずかしめるし、さらに火をつける、放火やる、一切の考えられないような凶悪犯罪を犯しておる。しかも最後の虐殺は、その年の、八月十五日終戦でしょう、二十日にやっておる。子供まで殺しておいて、そしてうちに閉じ込めて、閉じ込めるといっても殺しておりますから、火をつけて殺したなどと言っておる。これにつきまして、私その本人のことばをどうのこうの言おうとは思いません。本人も、なに軍人としてあたりまえのことをやったんだ。それから激発して全県的な空気になっております。いわゆる旧日本軍隊の亡霊が沖繩を俳回しているというような状態なんです。そしてこの両村は、いま申し上げました政党政派を超越して決議している内容は何か。こういったようなものは許さぬという内容です。鹿山正、これは処罰せぬといかぬというわけです。どうしてももうたまらない。処罰する。もう一つは殺された人、遺家族に対する政府の完全補償を要求している。この三つが大体焦点であります。  これにつきまして最初にお伺いしたいのは、法務局のほうに四日に聞きましたら、統一見解を出さなくちゃいかぬ、この問題、非常に複雑な問題で、旧軍法会議あるいは軍事刑法の問題、あるいは新しい憲法になって現在の刑法の問題とか、あるいはまた戦時国際法規などとの関連でどうするか、刑事、民事問題、非常にむずかしい事情があるので、これは統一見解をまとめて、あとで返事をることになっておると言っておりましたが、私がお伺いしたいのは、この久米島の虐殺事件は、実際火をつけて殺されているのは二十名です。いまわかっておるだけですよ。それから間接に死んだのが、夫が殺されたんで入水自殺をしたというふうな者が四名で、含めて二十四名。その遺族が百名をこすといわれておる。そういった人々のいま問題になっておる訴訟の問題ですね。どうあってもこれは刑事事件としてやらぬといかぬという問題、さらに民事事件としてあるいは補償をどうするかという問題、もしそれもできないとなれば一体どうなるのか。いまの沖繩協定の中で請求権が規定されておりますね。そういった請求権にも含まれないとかりにしたならば、どういうことで補償するのか。二十七年前で戦争中だから、いや戦後ももちろんやっておるのだ、これは手のつけようがないんじゃないか。殺され損、焼かれ損という状態にしていいのかどうか。憲法は適用されていない。日本の法律は適用されていない。沖繩はいまでもそうだ。法律に適用されているのはアメリカの布令、布告、さらに旧日本法、立法院でつくった法律が雑居している。そういった法の保護を受けていないわけですね。ここらも勘案されるでありましょうが、この事件は新聞などにも取り上げられ、特に総理府では情報も受けておると思いますが、これは全県的に、私は今月一ぱいに沖繩の全市町村議会がこの旨決議すると見ております。そういった意味で総理府として、沖繩関係窓口でもありますので、基本的にどういう姿勢を持っておられるか、正確に答えてもらいたいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 御質問の事例につきまして事実関係がまだよくわかっておりませんので、それは佐藤総理及び山中大臣からも御下命がありまして、私のほらは、いま現地の沖繩事務局を通じまして、実際がどうなっていたのか、現実問題についてのいろいろの調査資料等を早急に集めるようにという進行状況でございます。その結果を見まして、法律的に一体どうなるのか、確かに法律的なものだけ取り上げてもいろいろ問題があると思うのですが、そういよ点での事実関係をはっきりつかんだ上、関係の各省とも検討をいたしまして、どうするかということを決定したいと思っておりますような状況でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いまの久米島の虐殺事件については調査員を派遣して調査される。それから、これだけではないのです。旧日本軍隊、軍人が犯したこのような事件はほとんどの市町村にあるわけなんです。この調査も含めて、要望ですが、いわゆる総合調査、これをやってほしい。さらに法的な救済処置はどういうふうにすればできるのかという問題について、総理府がまず中心になって各省関係の知恵をしぼって、一日も早く佐藤内閣のそれに対する統一見解を出してもうえるかどうか。いまの調査のための人員の派遣の問題と、さらにいま言った統一見解、さらにその場合、証人として被害者、遺族あるいは殺した人もおる、見た人もおる。こういったのを国会に証人喚問をして具体的に調査し、それで真実を明らかにするために喚問の問題など出てくると思いますが、こういったことについて、これは国会できめる問題でありますので、前の二つの問題について、調査の方法、これは久米島事件だけではない、全県的に旧日本軍隊の犯した犯罪とその被害の実態、それとそれに対する政府の統一見解、これをぜひ一日も早くまとめてほしいと思いますが、ここで長官のそれに対する確かな意見を述べてほしいと思います。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 調査の点は早急に事務局のほらに調査をさしておりますから、その結果でさらに所要の措置をとっていきたいと思います。  統一見解につきましては、それもその結果で各省といろいろと打ち合わせの点が出てくるだろうと思いますので、必要があればそういうところにいくと思うのですけれども、いまここで私が統一見解をつくるつくらぬとかいよ事態そのものをまだ把握しておりませんから、それを把握した上で、どのようにするかということは上司とも相談いたしたいと思っております。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 これにつきましてはまだ実態もつかまぬとか、実態はほんとうにつかんでおらぬだろうが、いずれにしましても先月の二十四日から広がっているのですよ。週刊誌は取り上げる、本土の新聞も取り上げ、沖繩の新聞は全部取り上げている。マスコミもテレビもラジオも。これが窓口であるといわれて、いつでも沖繩県民の心になってやっているのだといったような総理府が、まだ概念もつかんでいないということになると一体どうなんですか。これで沖繩県民の心を心として、平和な沖繩の県づくりなどという親心があるんですか。この問題は全県をあげているのですよ。なま傷が吹き出しているのですよ。自衛隊とも関連しているのですよ。旧日本軍隊の亡霊がミサイルを持って押しかける、ここまで沖繩県民は言っているんですよ。長官、これに対してどうなんですか。少し責任を感じませんか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 お話しのような点でありますので、私たちも、何とかこれをはっきりとつかまねばならぬという観点に立って、いま仕事を進めておるという状況でございます。しかも、これは過去のことですし、また非常にデリケートな点もあったりして、真実をつかみませんと、その点は単なる話だけというわけにはいかないと思うのです。そういう面で、沖繩事務局で詳細に調査をするようにというふうにいまやっておりますから、その結果を待って、早急にいろいろと今後の施策を考えていくという状況になっておりますので、決して私たちのほうはこれをなおざりにしているわけではございません。むしろ、真実はどうであるか、もし実際にその問題はいろいろな観点において問題があるということがはっきりいたしますれば、その方向で進んでいくということでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いま、長官としていつごろまでにはっきりさせるつもりですか。私は、このことを突然にあなた方に言ったら、またわからぬと言われたのじゃ困るので、きのう特にこれを質問するからと言いました。この点は、あなた方は知っているんですよ。知らないとすれば、たいへんなことですよ。責任問題ですよ。あれだけ沸騰している、それこそ怒りに燃えていますよ。それはそうでしょう。あなたの子供がやられたという場合は、一体どうなんですか。殺されても怒りませんか。あたりまえだと思いますか。沖繩県民が怒りに満ちて憤激している、こういうことが毎日の新聞にも載るんですよ、そしてラジオにもテレビにも。沖繩の新聞はあなた方のところにも来ているでしょう。タイムスとか琉球新報とかあるでしょう。飛行便で毎日とっておるでしょう。それで、これはたいへんなことになったなというぐらいはわかる。私よりも、その点についてはもっと知らなくちゃいけないんじゃないかと私は思うのです。  そこで、そういった点を繰り返し、巻き返し言ったってしようがないが、この問題は統一見解の問題だから、事実関係ももちろん調べなくちゃいかぬが、一般的に言うとしても、これは大臣がいなかったので、すぐ不用意に口頭で見解発表はできないから、一応時間をかしてくれ、法務省すら、統一見解を出すためにそういう約束をしたのですよ。あなた方は総理府なんですよ。総理府だけじゃどうにもならないところにいっているんですよ。これは佐藤内閣全体として問題になっている。しかし、全体の問題であればあるだけに、沖繩問題の窓口は総理府、総理府の対策庁、ここでしょう。その意味で、あなたは対策庁の長官ですから、そういった統一見解を早目に出して、ほんとうに沖繩県民が安心して生活ができるように、また戦争が起こりはせぬのかなというふうな戦争の不安、生命の危険、そういったものを感じないようにするためには積極的に一そういうことが早目に調査できていないという点がむしろ怒りの対象なんですよ。これは別にしましょう、統一見解の問題は。当面大きい問題なんですよ。どうなんですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 実際に、実際問題がどうであるかということがはっきりいたしませんと、あとそれについてどういう手を打つかということがわからない状況なのでございまして、あるいは先生のおっしゃるように、その問題の事実を把握したときに、そういう方向へいくということが十分考えられると思いますので、実際を把握いたしました上で、しかも統一見解でございますから、私のところだけというわけにはいきません。関係省庁のそれぞれの分析と意見というものをお聞きしての結果になりますので、事実問題のはっきりし次第、早急にそういう点での各省間の考え方というものを固めていきたいと思っております。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 岡部さん、あなた、沖繩の琉球新報とかタイムスとか、新聞を見たことがありますか。毎日見ていますか。どうですか。対策庁は、沖繩現地の新聞を飛行便でとりますかとらぬですか。これからお伺いしましょう。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 新聞は私たち見ております。ただ、この問題は、新聞、雑誌だけで判断をすべき問題ではございませんので、そういう点で実際に調査をよくするという点に力を入れております。単に新聞、雑誌だけで判断をすると誤りますから、その点で慎重によく解明をするという方向で進んでいるわけでございます。もちろんわれわれも新聞、雑誌を見ておりますし、さらに、新聞、雑誌だけじゃなくて、実際にどうなっていたのかという点についていま仕事を進めておるということを御理解いただきたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 新聞はあまりうそをつきませんよ。あなた、新聞はうそをつくかもしらぬと思っているかもしれないが、大体は、国民の権利とか義務とか、ほんとうに真実を報道するという点に重点を置いていますよ。特に沖繩の新聞はそうなんです。どこの新聞もそうなんですがね、新聞全般が。これを見たことがあると言うのだったら、いまごろは調査をして、あるいは琉球政府に電話でもして――この新聞が出てから何日になりますか。あなた、新聞を見ていると言うのだが、一体いつの新聞を見たのですか。新聞を見て、ああ、これはたいへんなことになったな、それで主席とはすぐ電話でツーツーでしょうが。あなた方は、調査するのであれば、当然琉球政府の主席とか、手がかりはそこから始まるのじゃないですか。一ぺんでもそれについて電話したことがあるのですか、また調査員を派遣したことがありますか。この問題は単に、調査します、調査の上事実が明らかになったら何とかしますでは、沖繩県民は納得しないほど底が深いのですよ。旧日本軍隊の犯した犯罪じゃないか。この亡霊がいまなお県民の心をゆさぶっておるというこの事実、それを、これから調査します、調査してわかりましたら統一見解を出します――じゃないんだ、統一見解はまだ触れてない。岡部さん、あなた、対策庁の責任者でしょう。それがこのような答弁で一体沖繩県民が納得すると思うのですか。どうですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 いや、だから調査をして、その結果を見て――先生は何か、ただ調査をすると、ことばだけで言っているようにお考えのようですけれども、そうじゃございません。いやしくも総理及び所管の大臣からの御下命でございます。でございまするので、ただ私が口だけで調査をしますと言っているのじゃございません。実際にそれを調査して、現実をつかんだ上で、やるかという状況でございますので、その点はひとつ御了承をいただきたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 だから、この久米島だけではなくて、調査員も全県的に調査できるように真実を把握せぬといかぬでしょう。やってもらうかと言ったのはそこなんですよ。いまほんとうに調査員を派遣する前に、あなたは新聞をごらんになったという。この新聞少しうそじゃないかな、少し広げ過ぎたんじゃないかなということが頭にあるのだろう。主席に電話でもしたことがあるかと言ったのは、その点が聞きたくて私は言ったのですよ。主席に電話したことはないのでしょう。ありますか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 主席にはございませんけれども、私たちの出先機関として沖繩事務局がございます。そこがそういう諸調査をやることになっておりますので、そこに私のほうから命じて調査をさせておるということでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 あなた方の沖繩対策庁というのはたいへんな対策庁だということがこれでわかります。もう暴露されてしまうということなんです。これから調査する、あしたかあさってか派遣しますか、どうなんですか。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 現在すでに現地のほうで調査いたしておるという状況でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いつまでに佐藤内閣としてこの事件に対し一さらにこの事件に類似するようなものがあらわれるはずであります。統一見解を出して、内閣として政府として対策を出すことになりますか。見通しを聞きましょう。

岡部秀一沖繩・北方対策庁長官

○岡部(秀)政府委員 極力早くこの仕事を進めていくということにつきまして拍車を入れて私たちもやっていきたいと思っております。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 その点は、そういった意味で現地でいま両村が村会で決議した問題、ざらに全県的にこの運動が盛り上がるという問題、さらに民主平和団体ではそれぞれ旧日本軍隊の犯したいろいろな被害について部門を設けて調査を開始しております。この問題は根が深いということを心にとめてもらって、早目に県民をほんとうに安心させて、平和な豊かな県民の生活ができるような、佐藤政府のそれに対する方針を一日も早く出してほしいということを要望して、防衛庁に移ります。  陸海空自衛隊の中における旧軍人、将官もいるでしょう、佐官クラスもおるでしょう、あるいは下士官クラスもおるでしょうが、陸海空に区別して旧日本軍人の、氏名まではめんどうくさいでしょうが、それができないか、防衛庁にきのう申し上げておきましたが、できておりますか。たとえば海軍兵学校、士官学校、経理学校、いろいろ出て、何期といったよらな者もおるでしょう。そういった者が現在の自衛隊の構成の中でどのくらいの比重を占めておるか、陸海空自衛隊別々に将官クラスが何名くらいおるか、この点を明らかにしてほしいということを申し上げましたが、ありますか。

江藤淳雄防衛庁人事教育局長

○江藤政府委員 現在自衛官は約二十六万一千人くらいおりますが、そのうち旧軍学校出身者は二千七百六十人名でございます。現在、人事管理の面におきましては、一般に期別管理と申しますか、そういう方法で実施いたしておりますので、陸士、海兵、陸軍経理学校、海軍経理学校、あるいは海軍機関学校、そういう出身学校別の統計はとっておりません。しかしながら、もしあれでしたらあとで調査の上、資料をお渡ししたいというふうに考えております。  具体的には、旧軍学校出身者は将官クラスで約七八%、佐官クラスが二二%、尉官クラスはほとんどおりません、わずか一名でございます。そういうような状況でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 この点につきましては、現在の自衛隊の性格を把握する上からも非常に重要でありますので、野呂次官のほうでいろいろ調査当局を督励してもらって、いま将官級が七八%とか佐官級二二%と言われましたね、陸海空各部隊別に将官が何名、佐官が何名、尉官は一名しかおらぬそうで、そういった点を詳しく資料を出してほしい。さらに出身学校別、これもあらためて委員会に資料を出してもらいたいと思います。いいですね、委員長、委員会にひとつ出してもらうように配慮をお願いしたいと思います。  次に、簡単なものから最初に防衛庁にお伺いしますが、この前沖繩に送り込んだ品物、物資、これは航空自衛隊のものだけでしょう。そこで陸上自衛隊、海上自衛隊、この装備も送られていると思いますが、確認しますか。

黒部穰防衛庁装備局長

○黒部政府委員 突然の御質問でございますので、いま私の記憶で間違いなければ、海上自衛隊はライトバンを一台だけ連絡用に運び込んでおります。陸上自衛隊のほうは、文房具とライトバンが、後ほど正確な数字を申し上げますが、たしか二台か三台連絡用に入っております。文房具のほかに若干の事務用の器具類などが入っております。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 これは現地の労働者はよく知っておるのです。陸上自衛隊がライトバン三両、フォークリフト一両、貨物七十梱包、海上自衛隊がいま御説明のとおりライトバン一両、これは二月二十八日博多港から出て、三月三日那覇に着いております。船は照島丸。それを申しますのは、この前国会で問題になった、いわゆる自衛隊が行く前に準備行動として装備を沖繩に夜陰ひそかに、夜かどうかわからぬけれども、持ち込むのはいかぬじゃないかということで、審議の結果、それではといって送り返した。ところが、これは送り返されていない。何も航空自衛隊のものだけを送り返せということじゃないはずだ。いま陸上自衛隊、これが七十梱包もあるというふうなことなど、海上自衛隊を含めて、こうなりますと、この物資は一体どうなるのかという点をここで明らかにしてほしいと思います。

黒部穰防衛庁装備局長

○黒部政府委員 沖繩に持ち込みました三自衛隊の物資は、すべて準備要員のものであるわけでございます。ただし、航空自衛隊の分につきましては、当初復帰前の準備要員が五十三名と予定してございました。したがいまして、その準備要員用の貨物が主体なわけでございますが、寝具類あるいは炊飯用具、かようなものにつきましては大体二百名分くらいのものが入っていたわけでございます。その理由は、復帰後直ちに要員として航空自衛隊ではその程度の人員が行くものということで送ったわけでございますが、これが国会の審議の場におきまして、復帰後の人員については国防会議にかけてきめることではないか、しかるに、まだ国防会議の議を経ていないということで、江崎防衛庁長官のたびたびの答弁にもありますように、準備要員五十三名分程度のものであるならばいいわけですが、復帰後の部隊用のものまで入っているということについていささか配慮に欠けるものがありましたので、この際、航空自衛隊の分につきましては、準備要員の分も含めて一ぺん本土に持ち帰る、また現実問題といたしまして、多数の梱包しました荷物を、五十三名分とそれ以外のものとにまた分ける作業がたいへんなものでございますので、航空自衛隊の分については一切持ち帰るということにいたしたわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 私の聞いているのはそれではないのです。その問題はもうちゃんと予算委員会あたりで討議になったでしょう。これをやっているのに、なぜ、陸上自衛隊はたくさん持っているでしょう、これを持ち帰らぬのかということなんですよ。まだあるのでしょう、向こうに。

黒部穰防衛庁装備局長

○黒部政府委員 先ほどあるいはことばが足りなかったか知りませんが、私どもといたしましては、現在、復帰を間近にいたしまして、準備要員を配置いたしておりますが、この準備要員の事務のため、あるいは最低限度必要な生活用具というものについては当然必要なものであるということで、持ち帰る必要はないというふうに考えておるわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 この問題は、この前持ち帰った問題との関連で相当根が深いですよ。というよりも、自衛隊が忍び込んでいく、その忍び込むための行為とも関連して、それで大体わかったものだけは撤去する、まああまり問題となっていないものは伏せておこうといったような政府の姿勢がこの中にあらわれている。そういった意味で、私時間の関係でこれ以上は追及しませんが、この点はそういった観点であらわれておる。航空自衛隊だけは、これはもうしようがないから持って帰ろうじゃないかということで、陸上自衛隊、こういったものは向こうに置いたままじゃなしに、もうすでに使う、あるいは寝ていたものがあるだろうが手に触れぬというようなことで非常に根深いものを持っておりますので、これは後ほどあらためて追及することにします。  次にお聞きしたいのは、あしたかあさってか国防会議があるといわれておりますが、久保・カーチス協定と自衛隊の沖繩配備の関係、これについて先ほどの衆議院予算委員会で江崎防衛庁長官の話もあって、久保・カーチス協定で取りきめられた六カ月以内で三千二百人ですか、沖繩県民の気分も考えて、これを少し削減したほうがいいのじゃないかといったような手直しをするということで国防会議にかけるとか言っております。これは新聞報道ですが、そのいきさつについて、野呂さんのほうから何か説明ありましたらやってください。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 お答え申し上げます前に、先ほどの吉田委員のPPBSに対する私の答弁のうち、実際に防衛庁がこのPPBSを使って取り組む時期につきまして、四十五年と誤って申し上げたようでございますので、これを五十二年と速記録の訂正を願いたいと思います。  なお、瀬長先生の先ほどの荷物の問題について一言触れておきたいと思うのでありますが、準備要員は現在までに十人名ということでございまして、そのうち五名がこちらへ帰ってまいっております。陸が十五、海が一、空が二と十八名を派遣しておったわけでありますが、この間の荷物とともに五名こちらへ帰ってまいっておりますので、現在準備要員は十三名でございます。当初の計画といたしましては、復帰前に約百名の準備員を送ってその準備に当たりたい、こういう考え方でございました。その百名の内訳は、陸が四十名、海が六名、空が五十三名という計画でございました。したがいまして、その荷物は、そのいわゆる十八名に対してのいろいろな連絡用あるいは向こうにおきまする生活資材等を含めて向こうへ持ち込んでおるわけでございます。その後、増員いたします分について、空のほうから持ち込んだものは全部こちらへ帰ってまいっておる、こういうことでございます。  なお、沖繩への自衛隊配備のことでございますが、御指摘のようにただいまおそらく国防会議の幹事会を開いておるわけでございまして、幹事会を通して十分問題点を詰めて、八日に予定いたしております国防会議にはかって、沖繩配備の具体的な計画をここできめられることになろうかと思うのでございます。   〔森下(元)委員長代理退席、委員長着席〕  経過について簡単に御報告申し上げますならば、復帰後の沖繩への自衛隊の配備につきましては、従来の防衛庁の考え方、計画では、復帰当初に施設の維持管理のための陸海空の先遣隊として約六百人を配備いたしまして、その後、本年末ごろまでに陸海空合計御指摘の約三千二百人を配備する予定であったわけでございます。しかし、国防会議の議を経ておりませんので、その準備が今日若干おくれつつあるわけでございまして、配備につきまして、その部隊の施設等の準備が若干おくれてまいっておる、こういう関係もありますし、いろいろ沖繩の現地の情勢を判断をいたしまして、できる限り沖繩県民の理解を得られるような配慮が必要ではないか、こういうことで部隊の配備計画につきましては若干修正することに相なったわけでございます。しかし、その中身につきましては、今度の国防会議で十分検討されておきめいただくことだ、かように考えておる次第でございます。  なお、久保・カーチス間で結びました取りきめは、申すまでもなく、沖繩の局地防衛責務の引き受けというための自衛隊配備のいわゆる技術的調整の結果を取りまとめたものでございます。いわゆる事務的な取りきめでございます。したがいまして、この取りきめを大きくたがえないと申しまするか変更しない範囲、そして沖繩県の諸情勢を勘案して局地防衛の責務を引き受けるという考え方で、予定よりもやや変更し得るかわかりませんが、そういう配備計画をいま考えつつ検討を急いでおるような次第でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 そうしますと、久保・カーチス協定にきめられた全体としての配備計画は変えない、変えないが、いま沖繩現地で自衛隊配備に反対する空気、感情があるので、当分三百名くらいは減らしておいて、じわりじわりその配備計画全体として持っていきたいというふうに理解していいんですか。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 先ほど申し上げましたとおり、久保・カーチス間で結びました取りきめ、これを大きく変更しないという範囲の中で当初計画は若干修正されざるを得ないのではなかろうかという考え方でございまして、根本的には、久保・カーチス協定で取りきめました線は、それを通していくことになろうと考えております。したがいまして、航空機の数の問題であるとかあるいは部隊の人員につきましては、若干減少するというような形になろうかと思いますが、いずれにしても、国防会議で十分検討されることだと考えておりますので、ただ私たちのいまの考え方あるいは今日までの経過だけ申し上げて御了解をいただきたい、かように考えます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いままで説明されたものだけでもわかるのは、これは国民をだますための粉飾、とりわけ沖繩県民のそういったような反戦平和に基づく自衛隊の配備反対の空気に当てられて、現時点であれだけやっていくと、これはまた火に油を注ぐものになるからということで、結局ごまかしにすぎない、粉飾することにすぎないということに大体理解されつつあると思いますが、いま野呂次官からの話の中で、久保・カーチス協定、これは取りきめである、事務的なものである。これは従来言われていたことでありますが、今度あの外務省の密約文書の暴露とも相関連して、さらに立川への自衛隊の奇襲投入、あるいは沖繩への装備の配備の問題など関連しまして、その中で予算委員会でも明らかになったことは、どうもこれは事務的なものではない、国防会議にまでかげて変更せざるを得ないというところまで持っていかれつつある。これは国と国とが、その責任者同士がきめた協定である、軍事条約みたいなことになっておる。しかもこの久保・カーチス協定は沖繩返還の前提となっておる。これは野呂次官はっきりおわかりでしょうが、マイヤー米大使が議会に――もちろん米国議会です。議会に対し防衛問題がきちんと処理されていることを説明し得ないのでは困るということを、これは交渉の過程でマイヤーは強調しております。さらに沖繩の防衛取りきめが両政府間の確認を必要とする、さらに本国の訓令は正式の合意を取りつけるべしというものである、そうして同協定が軍事的に政府を拘束する政府間軍事協定であることを明白にしておるわけであります。しかもパッカード米国防次官は、そのあとを受けまして米議会で説明しておる。沖繩返還交渉の主要な面が日本への防衛責任移管のあり方を中心としていた、これは去年の十月米上院沖繩問題公聴会での証言であります。こう述べて、この協定締結が、すなわち久保・カーチス取りきめといわれておるこの協定の締結が、沖繩施政権返還の前提条件であることを明らかにしておるわけです。そこから言いますと、この協定自体国会に対して十分審議されなくちゃいけないような本質を持っておる。シビリアンコントロ-ルとかいわれて、いま国防会議、この国防会議はあさって開かれて、これにかけるという、この協定に織り込まれたものを追認するというふうな性格を持っておるところに、沖繩に対する自衛隊配備のほんとうに危険な屈辱的な要素を含んでおる。私はそう見ておりますが、これに対してどういう見解を持っておりますか。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 久保・カーチス間で結びました取りきめは、政府間協定のように法的に政府を拘束するものでないということは、たびたび総理及び担当大臣のほらから国会におきましても今日まで明らかにされてまいっておることでございます。ただし、この取りきめを結ぶ過程の中におきましては、アメリカ側はこの取りきめを結ぶに際して、政府間協定にしたいということを強く要望したわけでございます。しかし日本側は、その要望を尊重しながらも、外務、大蔵、防衛、官房の四相会議の了解を得まして、さらに閣議で報告した上で、第十三回日米安保協議委員会の席でその内容を報告いたしました。手続について取りきめを締結するというようないきさつもあったわけでございます。したがいまして、防衛庁としては、その取りきめを尊重して、またあくまで防衛の責任を果たし得る範囲内におきまする最小限度の配備計画を実施したいということを、今日計画を立ててまいっておることでございまして、軍事協定などと私どもは考えておりません。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 委員長からの申し出もありますので、急ぎ結論を出したいと思いますが、もう一、二点明らかにして、また次あたりでもやりたいと思うのです。  いま自衛隊配備の問題と関連いたしまして土地問題ですね、軍用地問題。自衛隊が行くところはアメリカの基地なんですね。アメリカの基地、ここに自衛隊は公用地を基地として占有するわけにいかぬということになっておるが、この沖繩における基地を取るための公用地等の暫定措置法、これは沖繩では強奪法と名づけておるのです。もしかりに契約しないという地主がおった場合、当然違憲訴訟で裁判に持ち込まれると思いますが、告示はいつやるのか。これは簡潔にいつやるということを答弁してほしいと思います。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 結論から申し上げますと、現在のところ四月下旬、あるいは若干手続がおくれますと五月に入るかもしれませんけれども、四月中には告示をするということを目途にいたしまして鋭意準備中でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 もし訴訟が起こったら、判決が下るまでは自衛隊は配備しないということになりますか。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 行政訴訟が起こりました場合に、その最終的な判決が得られますまでかなりの時間を要すると思いますけれども、自衛隊が配置されれば当然契約拒否者に対しましては暫定使用法の適用がございますが、法律、行政訴訟のあるなしにかかわらず自衛隊の配備は理論的に可能でございますし、おそらく実際的にもそうなるだろうと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 それでは、不承知の地主の土地を、所有権を侵して自衛隊は強引に沖繩に配備されるということですね。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 現在、土地の所有者と賃貸借契約の締結につきまして鋭意交渉いたしておるところでございまして、私どもは、やはりあくまで円満な合意の成立を待って契約するということを念願いたしております。ただ、ごく一部とは思いますけれども、どうしても最後まで契約に応ぜられないという方が出てくることを予想しまして、一つの歯どめとして、昨年の国会で通過いたしました暫定措置法を制定いたしたわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 委員長、大急ぎでやりますから、あと二つだけ、ひとつ……。  これに関連する問題ですが、地代、あれは百六十五億円ですか、たしかそう覚えていますが、この中で純地代というか――純というのはおかしいかもしれないが、百三十億で、二十五億が何か不動産を買い取るものだ、あとの三十七億何がしが謝礼金みたいになっておるそうでありますが、そうであるのか。そうであるとすれば、この二十五億の不動産購入費というのは一体何に使うのか、謝礼金というのは一体何に使うのか、これを明らかにしてほしい。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 四十七年度予算で土地の借料関係の経費として計上されておりますのは、いま御指摘の提供施設等借料、これが約百三億三千七百万円でございます。それから借料関連経費、これは予算科目上は不動産購入費ということになっておりますが、これが約二十六億九千六百万円、それから借料関連の見舞い金が約三十五億円、合計で、御指摘のように約百六十五億円ということでございます。  そこで、借料関連経費約二十六億円、これにつきましては、当初の百三億円で交渉をいたしまして、一部どうしても契約がその金額において折り合わないというふうなことが出ます場合に備えまして、これも借料関連経費として借料に充当する。もちろん、土地の所有者が土地を買収してくれという要望があります場合、その予算で買収するということになるわけでございます。そこで、見舞い金でございますけれども、これは従来米軍に提供されておりました土地でございまして、引き続き提供していただく、そういう所有者に対しまして、米施政権下におきまして長年にわたり提供していただいたことによりますところの多大の心理的あるいは経済的な負担、それから復帰後におきまして提供していただくという、そういう協力あるいは貢献に対する一つのお礼という意味でこの見舞い金制度を設けておる次第でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 では、これは宣撫工作費になりますね。いま、そういうことをやるなというのが沖繩の地主の――私、数回行きましたが、何でこんなことをやるのか、何で地代として出さぬのか、これなんです。これは宣撫工作費なんです。二十五億の不動産購入費というんだが、不動産売らぬという場合どうなるのかという問題もありますよ。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 地元の地主会連合会から当初百八十八億という要求がございまして、それに対して政府としては、ほぼ満額の予算を計上いたしたわけでございます。復帰日が五月十五日になりましたので、その分を差し引きますと、先ほど申し上げました百六十五億という金額になりますが、これを全部借料として見ますと、やはり本土との関連におきまして、借料そのものをそうむやみに引き上げるというわけにもまいりません、これはその土地、土地の周辺の開発状況なりあるいは土地の売買価格等からある程度客観的に出てまいりますので。したがいまして、借料関係費としましては、先ほど申しました百三億に二十六億ということになります。そこで、残りの見舞い金でございますけれども、これは何も地主に対する宣撫工作ということではなくて、過去における長年の御苦労に対しましてお見舞いをしようという気持ちと、それから、今回日本に施政権が移りまして、その際にあらためて提供していただくという方々に対して、協力に対する一つのお礼というふうな意味でございまして、決してそういう宣撫工作というふうなものではございません。できるだけ地主の方々の御要望の線に沿ってどういう予算を計上したつもりでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 もう一つ。いま地主を集めての懇談会の中で、事実に反することを宣伝して無理に契約させようという方向がとられて、私、現に知っております。たとえば、契約しない地主には軍用地代をやらないんだとか、さらに謝礼金、見舞い金のごときも、契約しない地主にはやらないんだといったようなことがあるのですね。これは契約しないでも当然、自分の土地ですから、自分の土地を国が使っておる。ただ使いはできぬ。あの占領当時すら、アメリカでさえただ使いできなかったんだから。一体日本がただ使いできるものか、これを明らかにしてほしいと思います。契約しないでも土地代は当然やらなくちゃいかぬ。

島田豊防衛施設庁長官

○島田(豊)政府委員 もしそういう誤解をしておられる方があるとすれば、たいへん遺憾でございます。私どもは土地地主会連合会並びに各市町村の地主会に対しましては正確な御説明をして御了解を得たつもりでございまして、その間に食い違いはないと思いますけれども、いまの、土地の契約を拒否された方々に対しましては暫定使用法による使用というものが可能でございますが、そういう方々に対しましては、当然損失補償が出ます。したがいまして、これは借料相当額ということになりますので、そういう方々に地代が出ないということは全くございません。それから見舞い金につきましても、これは過去の長年の御苦労に対する謝礼という意味でございますので、もちろん契約に応ぜられない地主の方々にも支払いをするつもりでございます。ただ、一部積極的に協力していただく方々に対しましては、やはりその御協力に対する謝礼も別に考えなければならぬと思いますので、そこに若干の差異はあると思いますけれども、契約拒否者に対しましても、これももちろん借料相当額の補償金とそれから見舞い金、この両者は支払うことにいたしておるわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 最後にもう一つ、いまの長官の話で大体宣撫資金的なものであるということはわかりましたが、次は野呂さんにひとつ、これは最後の質問にします。  尖閣列島の領有権の問題と関連して、政府が協定できめた、アメリカ軍がずっと使うAリストがありますね。その中に、これは英語で、黄尾嶼レインジ、尖閣列島ですね。黄尾嶼、赤尾嶼、これは射爆撃場ですね。これはいわゆる安保条約に基づく地位協定なんかで区域・施設を提供する。この場合、領海、領空、それから地上になると思いますが、区域ということになると思いますが、これがこの前の政府発表によって、尖閣列島は日本の領土であるということになった。ところが、アメリカはこれに対して、領土問題は当事者間できめなさい、私たちは関係しないということになった場合、これは一体どうなるか。日米安保条約が適用されて、地位協定が適用されるから、あの射爆場はAリストにあるわけですね。この領土問題、これは見通せるわけだ。かりにという、万一の場合が想定されますね。あるいは中華人民共和国ということになるかどうかは別として、いま疑問に残っているのは、これが疑問になるわけなんですね。いまの黄尾嶼、赤尾嶼の射撃場、これはAリストだからアメリカが使うことになるでしょうが、基本的立場として、私たちはそれを全部返還させろ、それで平和な尖閣列島にしなくちゃいかぬということが私の基本的態度なんです。ところが、こういったのがAリストにあるので、一応これに対して明確な姿勢がなくちゃいけないのじゃないかということで、最後に野呂さんの意見を聞かしてほしいと思います。

野呂恭一自由民主党防衛政務次官

○野呂政府委員 尖閣列島のうち二つの島が今日米軍の海軍のほうの射爆場になっておるようでございます。したがいまして、地位協定に基づいて米軍に提供する施設・区域として八十八カ所の中に入っておることは御指摘のとおりであります。したがいまして、この島に地代を日本政府が支払って米軍に施設・区域として提供することになるわけであります。この点から考えても、当然米軍のほうもわが国の国有の領土であるという考えだと私どもは承知いたすわけでありまして、またわが国の領土であるからこそ、米軍に対して提供する施設・区域として八十八カ所に明記しているわけであります。しかし、これが領有権の問題に関して、外交紛争といかないまでも、いまや問題になっていることはすでに御承知のとおりでございますが、防衛庁としては、米軍に提供する施設・区域である、したがいまして、当然これは固有の領土であるからこそ、ここに日米間でそういう話し合いの上に立ってきめられておるものだ、かように解釈をいたしておるわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 この問題は外務省が当然解明しなくちゃいかぬと思いますが、特に区域にする問題があったので次官にお聞きしたのですが、これは日本の領土と思ってやった、そうでしょうが、特に最近あの尖閣列島の領有問題が出たので、アメリカは領土問題と関係がないのだ、当事者間でやれという場合に、必然的に起こる問題はこの二つの射爆撃場なんです。一体これはどうなのか。日米安保条約を私は認めておりません、反対なんですが、これをかりに一歩譲って確認した場合でも、問題が起こってくるわけなんです。したがって、これに対する政府の統一見解はぜひ出さないと、このAリスト全体に影響してくるということになりますので、これをぜひ外務省との打ち合わせで統一見解を出して発表してほしいということを要望して、質問を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次回は公報をもってお知らせすることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。    午後二時五十五分散会      ――――◇―――――

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