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68回国会衆議院1972/04/04

決算委員会 第3号

発言数
268
登壇者
22
会派数
5
開催日
1972/04/04

会議録

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これより会議を開きます。  昭和四十四年度決算外二件を一括して議題に供しとう存じます。  本日は、裁判所所管、内閣所管、法務省所管及び外務省所管について審査を行ないたいと存じます。  この際、おはかりいたします。  裁判所所管の審査に関して、国会法第七十二条の規定による最高裁判所長官の指定する代理者から出席説明する旨の要求がありました場合は、その承認に関する決定につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いとう存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 御異議ないようでありますから、さように決定いたします。  まず、裁判所所管について、この際、概要説明を求めとう存じます。吉田最高裁判所事務総長。

吉田豊最高裁判所事務総長

○吉田最高裁判所長官代理者 昭和四十四年度の裁判所の決算の概要について説明いたします。  昭和四十四年度裁判所所管の歳出予算額は、四百二十三億八千五百八十六万円余でありましたが、この予算決定後、さらに十七億三千五百四十万円余増加し、合計四百四十一億二千百二十七万円が昭和四十四年度歳出予算の現額であります。  右の増加額は、予算補正追加額十五億七千五百三十七万円、大蔵省所管から移しかえを受けた金額三億五千七百七十万円余、昭和四十三年度から繰り越した金額二千三十一万円余、合計十九億五千三百三十九万円余の増加額と、予算補正修正減少額二億千七百九十八万円余であります。  昭和四十四年度裁判所所管の支出済み歳出額は四百三十七億五千八十四万円余でありまして、これと歳出予算現額との差額は三億七千四十二万円余であります。  この差額のうち、翌年度に繰り越した金額は一億四千二百八十八万円余でありまして、不用となった金額は二億二千七百五十三万円余であります。  この不用額の内訳は、裁判所職員の俸給手当等の人件費一億二千百四十万円余とその他の経費一億六百十三万円余とであります。  次に昭和四十四年度裁判所主管の歳入予算額は二億千九百八十二万円余でありまして、昭和四十四年度の収納済み歳入額は二億八千六百五十四万円余であります。  この収納済み歳入額は右の歳入予算額に対し六千六百七十二万円余の増加となっております。  この増加額は、宿舎等敷地の交換による交換差金及び用途廃止による建物売り払い金の収納があったこと、並びに土地、建物等の貸し付け料及び保釈保証金の没取等の増加がおもなものであります。  以上が昭和四十四年度裁判所の歳出及び歳入決算の概要であります。よろしく御審議のほどをお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めとう存じます。柴崎会計検査院第二局長。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○柴崎会計検査院説明員 検査の概要を御説明いたします。  昭和四十四年度裁判所の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  簡単でございますが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、内閣所管についてその概要の説明を求めとう存じます。三原内閣官房副長官。

三原朝雄自由民主党内閣官房副長官

○三原政府委員 昭和四十四年度における内閣所管の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  内閣所管の昭和四十四年度歳出予算現額は三十億六千八百六十一万円余でありまして、支出済み歳出額は三十億六千百五十二万円余であります。  この支出済み歳出額を歳出予算現額に比べますと、七百八万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため不用となったものであります。  以上をもちまして、決算の概要説明を終わります。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めとう存じます。服部会計検査院第一局長。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 昭和四十四年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上、簡単ですが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、法務省所管について概要説明を求めます。村山法務政務次官。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 昭和四十四年度法務省所管一般会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。  法務省主管の歳入につきましては、当初予算額は二百六十一億五千五百九十八万円余であり、これに予算補正追加額二十三億六千五百十六万円余が増加されましたので、歳入予算額は二百八十五億二千百十五万円余となっております。  これに対しまして収納済み歳入額は二百八十八億一千九百八十万円余であり、歳入予算額に比べると二億九千八百六十五万円余の増加となっております。この増加しましたおもなものは、刑務所作業収入の二億八千二百四十六万円余等であります。  次に法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は八百二十二億五千八百八十万円余であります。これに予算補正追加額二十七億五千八百八十四万円余、予算補正修正減少額六億三千百九十八万円余、前年度からの繰り越し額一億四千六百四十六万円余、予備費使用額六億四千八百七十四万円余、差し引き二十九億二千二百八万円余が増加されましたので、歳出予算現額は八百五十一億八千八十八万円余となっております。  これに対しまして、支出済み歳出額は八百四十四億三千五百七万円余であり、その差額は七億四千五百八十万円余となっております。  この差額のうち、翌年度へ繰り越した額は二億八千三十二万円余であり、不用額は四億六千五百四十八万円余であります。  支出済み歳出額のうちおもなものは、外国人登録事務処理経費一億九千六百十七万円余、登記事務等処理経費十五億四百五十二万円余、検察事務処理経費九億二千百七十八万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費六十九億九千九百五十万円余、補導援護経費十一億九千三百三十三万円余、出入国審査及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費九千四百九十三万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費十億五千七百十九万余円、施設費三十六億一千五十六万円余となっております。  不用額となったおもな経費は、人件費、刑務所等被収容者の食糧費及び都道府県警察実費弁償金であります。  以上、昭和四十四年度法務省所管一般会計歳入歳出決算について説明申し上げました。よろしく御審議を賜わりますようお願い申し上げます。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めとう存じます。柴崎会計検査院第二局長。

柴崎敏郎会計検査院事務総局第二局長

○柴崎会計検査院説明員 昭和四十四年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  簡単でございますが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、外務省所管について概要説明を求めます。大西外務政務次官。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 昭和四十四年度外務省所管一般会計歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  歳出予算現額は四百三億五千四十四万円余でありまして、支出済み歳出額は三百八十五億二千九百四十九万円余、翌年度繰り越し額は十五億三千五百五一万円余、不用額は二億八千五百四十三万円余であります。  歳出予算現額の内訳は、歳出予算額三百八十四億七千九百七十五万円、前年度繰り越し額十四億九千八百二万円余、予備費使用額(大韓民国コレラ対策救援費、ナイジェリア食糧等救援費に要した経費)三億七千二百六十六万円余でありまして、前年度から繰り越したものの内訳は、各所新営関係費一億七千二百二十九万円余、国際友好団体補助金一億三千万円、海外技術協力実施委託費十一億五千六百八十万円余、在外公館庁舎等施設費三千八百九十二万円余であります。  支出済み歳出額のおもなものは、科学技術振興のため国際原子力機関に対し同機関の憲章に基づく分担金及び拠出金として一億六千百十九万円余、並びに国際連合その他各種国際機関に対する分担金等として三十億三千五百三十六万円余、また、貿易振興の一環として、外国におけるわが国商品の輸入制限運動に対処し、かつラジオ、テレビ、新聞、雑誌等マスコミに対する啓発宣伝工作、PRパンフレットの配布を行なう事業等のため四億七千三百七十二万円余、並びに万国博覧会開催に伴う政府賓客等接遇のための受け入れ体制の整備等のため四千百四十三万円余、次に、経済協力の一環としての技術協力の実施につきましては、コロンボ計画等に基づく技術研修員千六百二十七名の受け入れ及び専門家二百七十名の派遣業務のほか海外技術訓練センターの設置、投資前基礎調査、日本青年海外協力隊派遣、医療協力、農業協力等の委託事業並びに海外技術協力事業団交付金、国連開発計画の拠出等に要した経費九十三億二千九百三十一万円余、さらに、移住振興につきましては、中南米等への移住者五百九十七名を送出及びこれを援護するため等の経費十八億六百二十八万円余であります。  次に、翌年度繰り越し額について申し上げますと、財政法第十四条の三第一項の規定による明許繰り越しのものは十四億一千九百六十二万円余でありまして、その内訳は、各所新営関係費一億三千十三万円余、海外技術協力実施委託費八億四千三百五十七万円、在外公館庁舎等施設費四千九百八十六万円、経済開発特別援助費三億九千六百六万円余、また、財政法第四十二条ただし書きの規定による事故繰り越しのものは一億一千五百八十八万円余でありまして、その内訳は、海外技術協力実施委託費一億一千五百八十八万円余であります。  不用額のおもなものは、外務本省の項で文化人等派遣外国旅費等を要することが少なかったこと、貿易振興及び経済技術協力費の項で海外技術協力実施委託費を要することが少なかったこと、移住振興費の項で移住事業団交付金を要することが少なかったこと、並びに在外公館の項では、職員諸手当を要することが少なかったこと等のためであります。  以上でありますが、何とぞ御審議のほどをお願いいたします。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、会計検査院当局より検査の概要説明を求めます。服部会計検査院第一局長。

服部桂三会計検査院事務総局第一局長

○服部会計検査院説明員 昭和四十四年度外務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  以上簡単ですが、説明を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これにて説明の聴取を終わりました。     —————————————

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 これより質疑に入るわけでございますが、委員諸君に御参考に申し上げておきます。  ちょうどいま外務大臣が参議院の予算委員会で発言中とのことでありまして、当委員会に出頭されるのは大体十二時直後と存じます。したがって、それまで外務政務次官及び関係の局長諸君が来られておりますから、その諸君に対して御質問を願いとう存じ上げます。  まず、発言者申告順位としまして、中川俊思君に発言を許します。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は、過般来問題になりました沖繩の軍用地補償費に対する秘密漏洩の問題について質問したいと思うので丈が、その前に、委員長にちょっと御忠告申し上げ、なお委員長からしかるべくお取り計らいを願いたいと思いますことは、大体、外務省だけじゃないのですが、政府の連中は国会の委員会を一体どう見ておるのか。率直に申し上げると、特に決算委員会なんかどうでもいい、あとの済んだことだというようなことで決算委員会を軽視するきらいが必ずしもなきにしもあらずだと思っております。  私は、昨日森次官並びに関係局長にも御出席をお願いしたのでありますが、特にアジア局長はちょうどその時間にほかにアポイントメントをとっておる、こういうことで出られない。ところがいま聞けば、そうじゃなくして、参議院の予算委員会に出ておる。けっこうです。予算委員会に出ておるというのならば、なぜそういうでたらめを言うのか。それから森次官は、事務次官は原則としてあまり委員会には招致しないことは私も知っておりますが、しかしそうかといって、全然事務次官に国会に来てもらわないとばかりはきまっておりません。今日までも、外務事務次官に限らず、各省の事務次官にも御出席を願ったこともある。ところが、なるべく出まいとする国会軽視の傾向が事務当局には特にある。また、きょう私が特に事務次官の出席を求めましたのは、特に事務次官に一言注意したいこともあるので出席を求めたのでありますが、いまだに事務次官は来ていないのでしょう。ですから、さっそく連絡をとっていただいて、来るのか来ないのか、はっきりしてもらいたい。そういう点をひとつ委員長から特に関係方面に御忠告を願いたい。このことをまず冒頭に委員長にお願いをいたしておきたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいま中川委員からしごくごもっともなありがたい御経験に基づく御発言がございまして、委員長として重々敬意を表します。  幸いに、いまあなたの御意見の中にありました外務省所管に関しては、きょうはわれわれの最も信頼する大西政務次官が来ておられます。なおまた、そのほかに官房長あるいは局長、課長諸君も来ておられますし、後ほど福田外務大臣も参られまするから、委員長から公私ともよく伝えて、貴趣に沿うようにいたします。なおまた外務省以外の政府当局にも、重々御意見をそんたくして、さようにいたしまするから、御了承願いとう存じます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は決して政務次官ではいけないとか、大臣ではいけないとかというわけではありません。事柄によります。大臣、政務次官にお尋ねすることもあるし、また事務的の問題についてはやはり事務次官並びに官房長でなければわからない場合がある。特に政務次官や大臣は国会にしょっちゅう来ておられますので、本省を留守にされる場合が非常に多いと思う。本省におって留守役をつとめ、すべてに差配をしておるのは事務次官並びに官房長なんです。そういう意味で私は事務次官に特に聞きたいことがあったから、実は出席を求めたわけでございますから、この点ひとつ御了承を願いたいと思います。  それでは本論に入りますが、今回の問題について官房長から大体の経過並びに外務省のとった処置、たとえばけさ初めて私はニュースでも見、新聞でも見たのですが、なぜこういう問題をいつまでもあたためておいたのか、なぜこれを発表できなかったのか、国会の審議とにらみ合わせてというようなことを言われるかしらないが、外務省は一体国会の審議とこれとどちらにウエートを置くのか、そういうような問題について、まず今日までの経過並びに外務省が今日までいろいろな問題を処理した点について詳細に承りたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 中川委員にちょっと議事進行上伺いまするが、あなたの御質問は、言いかえれば今回の云々という点は、委員長お察ししますのに、外務省の機密漏洩の問題かと思いまするが、さようでございますか。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 そうです。冒頭に申し上げたとおりです。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 したがって、その点に対してまず佐藤官房長より御回答願いとう存じます。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 お答えいたします。いろいろお騒がせいたしましたが、けさ九時半に外務省で詳細発表いたしました。その発表いたしましたことをまたここで御報告いたします。  去る三月二十七日の衆議院予算委員会で問題となりました文書は、外務省の極秘の電信の複写であることが判明いたしました。その後、外務省部内で鋭意調査を行なっておりました。このほどこの文書の取り扱いに関係した一省員、蓮見という事務官でございますが、それから複写を部外の者に手渡したということの告白がございました。その後も事実関係がわかりにくうございまして、これを調査を続行してまいったのでありますが、その結果、本人の陳述にほぼ誤りがないというふうなことが明らかになりましたので、昨晩警察のほうに捜査を依頼いたしました。本人は本暁警視庁に自首いたしました。  以上が本件の経過でございますが、先ほど先生お聞きになりました、非常に長くあたためておったというようなお話でございましたが、実は本人の陳述が、何と申しますか、女でございまして、非常にわかりにくうございまして、ほとんど事実関係がなかなかわかりませんでしたものでございますから、この事件に関連すると思われる省員を調べておりました。実はこれは昨年の五月の終わりから六月の初めにかけての話でございまして、私らの省の、特別でございますが、そのころの人間で外国に行っております人間が数名おりました。その外国のほうにも問い合わせをいたしまして、したがって非常におくれてしまいました。いろいろ御迷惑をかけたことはまことに遺憾だと存じております。特に外務省が厳重に保管すべき国の秘密というものが漏れたと申しますか、私個人といたしましても非常に責任を感じております。もちろん当該省員及びこの事件につきまして監督の責任がありますわれわれの処分につきましては、すみやかにこれを行ないたいと思っております。  今後の問題といたしましては、秘密文書、電信の取り扱いにつきましても、十分再検討いたしまして、誤りなきを期したいと思っております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 昨年の六月ごろに発生した問題だというのでいま伺うのですが、それがいままでなぜ放任されておったかということですね。それから、関係者が外国に行っておったつて、そんなものは電信ですぐ、テレタイプなら十分もたたないうちに返事が来ますよ、今日どこにおったって。外務省にそのくらいな装備あるでしょう。それが外国へ行っておったから問い合わせなんかに時間がかかったとかなんとかということは理屈にならぬ言いわけだと思うのですよ。  それから、部外の者に手渡したというのは、だれです部外というのは。言われたら言ってもらいたい。  それから、監督の責任が官戻長には特にあるが、官戻長や事務次官はどういう責任をとろうとするのか、これをまず承りたい。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 最初のお話の外国におりますという点は、実は大使館以外におりますのもおりますわけでございます。大学に行っておるような者もおります。それから、それだけではございません。最初に申しましたとおり、事実関係がわかりにくかったということが一番重要な問題だと思います。  それから、その次にお聞きになりましただれに手渡したかということでございますが、これは当時外務省におりました新聞記者でございます。毎日の新聞記者でございます。  それから、私及び事務次官の処分につきましては、大臣におまかせしております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 事務次官、官戻長の処置については大臣にまかしてあるということでございますから、これは大臣が御出席になったときにお尋ねすることにいたします。  そこで、官房長にお尋ねしますが、一体どうしてこういう問題が起きたのか。むろんいかに防ごうと思っても防ぎ得られない場合があります。人のやることですから、官房長といえども、事務次官といえども神さまじゃない、わかるが、しかしただそういうような問題だけであるかどうか、もっと複雑な様相が外務省の中にはあるのじゃないだろうか。もっとかいつまんで申しますと、私も、友人といっていいか、知り合いが外務省にもおりますけれども、彼が私にいつも述懐するのは、外務省というところは、実に自分の栄達のためには、もういかなる友人であろうと血肉を分けた者でもけ落として、そうして自分の栄達をはかろうとする、これは役人みな同様でございましょうが、外務省はそれがひどい、こういうようなことも私は聞いたことがあって、まさかそのとおりを信用しておりません。信用してはいないけれども、そういうような問題、さらにはまた内部の人事の不公平の問題、そういうような問題も介在をしておるのじゃないだろうか。たとえば、いかに手腕力量があっても、なかなかその人は栄達しない。おれのほうが先に課長になるんだ、おれのほうが先に出るんだというような者でも出さないという傾向がかなりあります。そういう点について、まあ官房長ざっくばらんに言えないかしらぬけれども、私はきょう外務次官にも出てきてもらいたいと思ったことは、外務省の中にはいまだに、ばからしい話ですけれども、枢軸派と反枢軸派が分かれておるじゃありませんか。どうですか。そんなばかなことないとみんな笑う、いまごろこんな話をすると。ところが、牛場君や森君は戦時中枢軸派だったのです。枢軸派の者が責任をとらないで今日どんどん栄達しておって、その当時の反枢軸派の者は辺地に追いやられておるじゃありませんか。全部わかっているんだ。そういうようなことが積もり積もって今回のような問題が起きたということも私は考えられる。この蓮見何がしとかいう女性もけしからぬ話だと思います。国家公務員法あるいは外務省の公務員法というのがあるらしいから、それに抵触するだろうけれども、そんな問題はもう大した問題ではないのです。これはもっと根源にさかのぼりて検討すべき問題が外務省にあります。どうなんです、その点は。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 人事の問題、それからいまいろいろ枢軸派、反枢軸派というようなお話もございましたが、私自身は、そういうところに入らない、そういう問題が起こったあとに入った人間だものですから、どうも何とも申し上げようもないのでございますけれども、私自身そういうものはないようにしたいと思っておりますし、ないと思っておりますが、そういう御批判を受けますのは、われわれのほうにも非常に欠点があると思いますから、大いに反省いたしたいと思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 事務次官まだ来ないですか。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ちょっと速記を中止して。   〔速記中止〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 速記を始めて。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 告発された以上は、警視庁のほうで取り扱うでしょうが、私は、元に戻りますが、告発されたこの蓮見何がしなる女性、これもむろんけしからぬですが、それよりか官房長とか事務次官というものは、進退は大臣にまかしてあるなんてずるいこと言わないで——昔なら腹切りものですよ。そういうことはひきょうな言い方だ、私はそう思う。みずからの進退はみずからがきめるべきです。大臣にまかしてあるとか、女房にまかしてあるとかいうことを言うのは、これは卑劣な言い方であって、そういうことはもう役人の常套手段である。慎重にお考えを願いたいと思います。  それから、先般来国会で問題になったことはもう御承知のとおりですが、これを告発することについてどこからか制肘があったのですか。そういうことをしたら承知しないぞとか、あるいは与党のほうから、そういうことをされたのでは国会審議がおくれるから、たとえば予算委員会が済んだあとでやってくれとか、あるいは野党のほうから、もしそういうことでもやるのなら承知しないぞとか、何かそういう制肘でもあったのですか。そういうことのためにおくれたのか。そうでなければ、こんな問題、去年六月に起こった問題がいまごろはっきりするなんということは——外務省のほうではわかっていたと思う。しかも多少わかっておったものを今日まで放任しておったのはなぜかということです。私がこういう質問をするのは、こういう問題はもう即刻片づけないと、いつまでもこういう問題を遊ばしておくということは、もう影響する面が非常に多いですから、こういう問題はすみやかに解決しなければいけない、こういうのが私の考えでありますので、そういう観点からお伺いをしておるのです。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 私から経過等につきましてもお答え申し上げたいと思います。  実は、外務省におきまして機密が漏洩をしておったということが判明をいたしましたのは去る三月二十七、八日、予算委員会における横路議員の発言の際に、具体的に文書の写しがその前後に示されたわけでございます。写して持っておりますところの現在の電信のコピー、それを外務省は具体的に知ることができたわけでございます。現在、そのコピーの原本は、そのまま外務省にあるわけでございまして、外務省では、何かその事実関係について外部へ漏れておるのではないかといったような風聞は耳にしておったわけでございます。したがいまして、事務当局におきましても、すべての関係文書を調べたように聞いておりますけれども、原文がございますから、一つも盗まれたものはなかった、発見できなかったわけでございます。ですから、どの文書がどのようにして、はたしてまた外部へ漏れておるのかどうかも事務当局のほうにはわかっておらなかったと聞いておりますが、そのわかっておらなかったということについては、それは当然ではないかというふうに私自身は見ておるわけでございます。  そこで、その漏れましたコピーそのものを入手をいたしまして、そしていま外務省にあります原本が、ある時点でだれかによってコピーされて、そして外部へ漏れたということが、最近に至って初めて判明をしたわけでございます。ですから、そのことが判明をいたしましてから、直ちに外務大臣は幹部総員を一堂に集めまして、そして厳重な訓示をされたわけであります。  その訓示の内容は、第一点は、機密漏洩の事実については、私情をまじえないで、厳重に徹底的に、また早期に、できるだけ早くこれを調査せよ、その責任は官房長においてそれをやれ、こういうことでございます。  第二点は、こういう問題が起こったことについて大いに反省をして、そして機密保持に対して欠陥があるかもわからぬ、これを洗い直して、将来再びこのような問題が起こらないような機密保持体制をつくり上げるために検討をせよ、こういうことでございます。  第三には、外務省の執務をいたします前提として、各幹部が部下をすべて完全に掌握しておるということが執務の前提であるから、十分にこの際その点に留意をして、そしてまた、このことを部下の最後の一人に至るまで周知徹底せよ、こういう厳重な御訓示があったわけでございます。  それに従いまして、直ちにそれぞれこれに応ずる処置をとってまいったわけでございますが、その間におきまして、官房長を中心とするいまの漏洩事件そのものの調査を鋭意進めてまいった、こういうわけでございます。  そこで、いま官房長がここで報告をいたしましたように、蓮見という事務官が調査の途上において自白といいますか自首といいますかをしたようでございますが、ただ、ちょっと、申しますことが、いまも官房長申しておりましたように、女性でありますし、こういった事件を起こしたということにおいて、いろいろと落ちつきも失っておったでございましょう、申すことが、必ずしも一々こちらに理路整然と受け取れないというようなこともあったようでございまして、かつまた、その自白そのものがある程度信用に値するものかどうかということの裏づけをする必要もございましょうし、そういうことで今日に至りましたことは、あるいは非常になまぬるい調べ方ではないかとか、あるいは時間がかかり過ぎるのではないかとかいう御批判なり、おしかりを受けることもあろうかと思います。それは甘んじてお受けをしなければなりませんけれども、そういう事情でございまして今日に至りました、こういうことでございます。それでひとつ何とぞ御了承を願いたいと思うのです。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は、くどいようですが、最近になってわかったということがいかにもたるんでいたのじゃないかという気がする。ほんとうに、そういうように最近になってわかったのかどうか。  それから秘密保持体制を確立なさること、それはむろん当然のことであって、こういうことがわかったから秘密保持体制を確立するなんというのは、どろぼうをつかまえてなわをなうということと同じであって、今日までそういうことが行なわれていなければならなかったと思うのですね。そこらに外務官僚のたるんでおるところがここで一気に出たわけですよ。  そこで、官房長にお尋ねするのですが、蓮見事務官を調査する段階においてどういうような問題を官房長は痛感されたか、感じられたか。たとえば、これは、この女の蓮見事務官が一人でこういうような問題を考えついたのかどうか、何かバックに強力な糸を引いた者でもあるのではないかどうか、こういうようなことをお感じにならなかったかどうか。ただこれは蓮見事務官という女性の人が一人で考えついて一人でやったことである、あるいは金ほしさにやったとか、あるいは、何かあまり外務省はアメリカ一辺倒だなどということで義憤でも感じてやったのか、また、何かその蓮見事務官と非常な交友のある人でもおって、そういう人の依頼に基づいてやったのか、そういうようなことが、蓮見事務官を調査された責任者としてどういうふうにお感じになったか。また、調査の段階において何かそういうようなニュアンスを得られなかったかどうか、こういう点について、感づかれた点を率直にお聞かせ願いたい。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 最初に、金銭の授受はないと言っております。  動機につきましては、先ほど申し上げました新聞記者と非常に親しかったということは言っておりますが、これもみんな本人の言ったことでございますが、これは結局は警察の調べにまたざるを得ないと思いますけれども、本人が言ったことはそういうことでございます。  ほかの、いわゆる、何と申しますか、義憤と先生おっしゃいましたですが、それだとかあるいは政治的なものだとか、そういうふうな話は全然いたしておりません。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 どうもそこらがはっきりしないですね。私は、まあ想像ですが、単に蓮見という事務官が思いつきでやったとか、どこかの新聞社に頼まれたとかというだけの問題じゃないと思うんです。冒頭に言ったように、外務省の中は非常に複雑で、一種の伏魔殿だからね。そういうようなことから、私どもは、どこの役所へ行ってもそうだけれども、特に外務省へ行くと非常に陰惨な気持ちにおおわれる場合が多い。中だけはきれいにできておるけれども、非常に陰惨である。何となく人を警戒するというか、そういうような気がする。これは、私だけでなく、みんな、そう感じておる者が多いようであるのですが、何か私はあるんじゃないかという気がする。  そういうような問題について、この内容を提供した先が単に一新聞社であるとかでなく、まだほかの方面にこの蓮見事務官は内容を提供しておるんじゃないですか。たとえば社会党の横路君はどこからこれを入手したか、横路君自身はむろんそんなことを言われやしないだろうと思いますが、官房長はどういうふうにお感じになるか、どこからそういう点に、国会の問題になるようなことになったのか、伺いたい。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 これは、私自身警察官でもないものでございますから、その本人だけしか私は聞いておりません。したがって、それから先は私、もちろん権限もございませんし、聞いておりません。だから、本人の供述だけにつきまして私もお答えしているわけでございまして、それ以上のことは警察のほうのお調べにまつよりほかしかたがないと思っております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 けれども、このたび問題になったのは、国会で、横路君が予算委員会で摘発したから問題になったんですよ。それをあなたは、その蓮見事務官を取り調べるのに、調査するのに、国会に問題になったことは全然そっちのけにして、どうかということだけを調査したんですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 申し上げましたとおり、その蓮見事務官は、その新聞の人に渡した、それから先は知らぬと言っております。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 この際、委員長として外務省の首脳部の諸君に御参考に供しておきまするが、きょう中川君御質問のこの問題は、御承知のように、もろもろの新聞に出ておるように、言いかえれば、非常にわが国の国益に関する重大な問題勢い当委員会としてこれを対岸の火事としてながめるわけにいかぬ、かように考えて、先般の理事会でおのおのの政党の理事の諸君も真剣にこれをお話を進めておられるわけなんです。勢い、もちろん警察当局の手に入ったから、時日を許せば事の経緯はわかると存じまするが、それまで御遠慮はいたしますけれども、当委員会として、先ほど申したようなわけで、後ほど責任者である福田外務大臣、場合によれば佐藤総理大臣を喚問して、一応この責任の、あるいは経緯の大体を伺いたいと思うわけなんです。  同時に、委員会で本問題の発展のいかんによるというと、証人を喚問して、入手した方、渡した方、もろもろの方、証人喚問して一応聞かれる場合もあるかと思いますので、そのときの各君の、関係者の御意見と、今日の発表される外務当局の御発言の食い違いがないように、十二分に国益という点において大乗的に、これから中川その他の諸先生から御質問がありまするから、率直に答えてもらいたいと思う。われわれ政治家として、これがより以上広がり、犠牲者を出すことを好むわけでない。事柄は国益に関する、こういう問題でありますので、そのおつもりで、えりを正して率直にお答え願いたい、かように実は存じ上げます。御参考に申しておきます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 政務次官にちょっと申し上げておきたいと思うのですが、これはいまも委員長からお話がありましたけれども、波及するところは単なる国内問題だけでないのですね。日本政府は頼むに足らないじゃないかということで、対外信用を非常に失墜する。それが、いま委員長から国益に関する問題というお話がありましたが、たいへんな問題なんです。うっかり日本の外務省には言えないぞ、これは何を言ったらどういうことになるかわからない、こういうことになる。まあ私ども国会におる以上は、こういう問題を取り上げたら、これが一体国益に反する問題かどうかということも慎重に考えて発言をすべきであると思います。むろん国会は言論の自由ということで、そう拘束されるわけじゃありませんから、私は他の諸君の言動を拘束しようと思いませんが、おのずとそういうことは自粛しなければならない問題だと私どもは思う。そういう点から、外務省には、毎日各国からいろいろな秘密事項であるとか、いろいろな問題がたくさん来るだろうと思う。そういう問題が来る外務省が、こういう問題がたまたま海外に知れ渡るということになりますと、ただいま申し上げたような結果を招来する。これは一番私ども困る。ですから、何でもかんでも、まあ最近特に特定政党の中に、防衛、外交の機密事項を専門に調査して、そうしてこれを大げさに発表して、内外に国の威信を失墜しておる面があるのじゃないかという気が私はしてしようがない。ですから、こういう問題については十分にひとつ政務次官並びに大臣は、冒頭に申し上げたように、国会に来ておられたり選挙区へ帰ったりする場合が多いですから、ほんとうは何といったって事務次官と官房長ですよ、責任は。私はそう思うのです。だからそういう点からいって、大きく言えば大臣の責任になるかしらないけれども、しかし実際は、内容を分析すれば、これは事務次官、官房長の責任である。一事務官を首切ったり、公務員法違反で告発してそれで済むものじゃないと思います。問題の根源は、私が冒頭に述べたようなところにあるんですよ。外務省はそういう派閥関係が特にひどいんですよ。ですから、それはなかなか一年や二年外務省におったってわかりません。わからないけれども、ずっと昔からのなにをたぐってみますと、非常に派閥関係がひどい。しかも、先ほども申しましたとおり、友人であろうが血肉を分けた者であろうが、おのれの栄達のためにはそんなものを切り捨てることは何とも思わない。特にそれが外務省はひどいのです。ですから、そういう点についてひとつ特に御留意を願いたい。特に前段ですね、前段の問題については。ですから、こうした問題が起こったということは、単に蓮見という事務官の一行為ではない。それを起こさすようにした裏面には必ず何かがありますよ。その点を探求してもらいたいと思うのです。起こった問題をかれこれ言ってみてもしようがない。これはいま官房長が言うように、これをやったら告発するのですから、警視庁は調べるでしょう。ところが、その前段において、こういう問題がなぜ起こったかということを検討してもらいたい。必ずあります。私がちょっと先ほど、ばかみたいな話に触れましたけれども、ああいう問題もあるんですよ。いまごろ言えば、枢軸派、反枢軸派、そんなばかな話があるかといいますけれども、現にそのときに反枢軸派の連中はみな遠くへ追いやられているじゃありませんか。調べてごらんなさい。もう私は、三木外務大臣時代から、この問題はあまりひどいではないかと言って何べん注意したかしれない。ぼくと篠田弘作君と二人で三木外務大臣に会って注意したときに、いや君、すまぬ、ひどいと思う、どうも事務当局がひどいことをしやがるから、もう半年ほど待ってくれと外務大臣はぼくと篠田君に約束して、それでも実行させない、事務当局は。ですから事務当局の紐帯というのは、大臣や政務次官が一年や二年すわっておったって、なかなか紐帯を断ち切ることはできないですよ。もっと思い切ったことをやらなければ……。中川俊思のような大臣だったら、やるんですよ、実際。だめなんだ、ほんとうに。みな官僚に左右されてしまっておる。これは外務省だけではありません。きょうはたまたま政務次官にまことに申しわけないけれども、日本はほんとうにもう官僚政治で国を滅ぼしますよ。私は、日本は軍部で国を滅ぼしたけれども、この次は官僚で滅ぼすだろうと思っているんですよ、ほんとうに。ですから、原因はそういう非常に深いところにある。この点をひとつ政務次官、特に注意してもらいたい。まあ大臣来ましたら、大臣に申し上げますが……。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 この問題が、先生がおっしゃいましたように、国の外交上、将来にわたって非常に大事な問題であるということは、私どもも深く痛感をしているところでございます。外務事務当局におきましてもそういうことを痛感しておるということを私はひしひしと感じております。  御承知のとおりに、この問題は、時点から申しまして、まだ沖繩協定が調印を終わってない時期に、その交渉の過程においての電信が漏洩をしておるという結果になるわけでありまして、これこそほんとうに重大な問題であると、問題の重大さを私どもすべて痛感をしておるわけでございます。したがいまして、これに対する調査と、それから今後における——もちろん、いまおしかりを受けましたけれども、そういうことばを使うことはどうかと思いますけれども、できたこのことに対して、禍を転じて将来の日本外交に対して福となすような措置をこの際とらければならないと思っておるわけでございます。そういうわけで、そういう事実関係そのものについても厳重に取り調べをしたわけでありますが、しかし外務省は、本来捜査機関ではございませんので、その能力と権限といいますか、権限というと少し言い過ぎかもわかりませんが、それにはおのずから限界があることでございまして、それ以上のことをなす能力もありませんし、またなすべきことでもないかもわかりません。したがいまして、これは司直の手によって十分に事柄の原因なり、あるいはそのよって起こった、起因するところ、これらを深く糾明をしてもらわなければならない。そうして第三者の手によって公正にこの事件を糾明してもらいたいというのが私たちの願いでございます。そのことは事務当局、事務次官以下、すべてそういう考えに立っておるわけでございます。もちろん政務官であります大臣、私どもも当然そういう考え方でございます。  それから私は、ほんのちょっとの間外務省に籍を置いているわけでございまして、先生がいまその他の問題についてお述べになられましたことについては十分には存じませんが、ただ感じますことは、外務事務当局はいわゆる官僚でございましょう。しかし官僚は、政治家が国の大方針をきめていくについて、それを中立的な立場からいろいろと資料を提供し、政策に対するいろいろの考え方、それらを提供して、最後の断は政治家にゆだねるというのが、これが今日の官僚制度のあり方だと思います。官僚もなければならないし、そうして政治家はもちろんそれらの調査あるいは研究あるいは政策立案等を見て、これに対して政治家が思うところに従って断を下す、こういうことでなければならぬと思います。でありますから、まあ外務省というところは直ちに国際政治そのものに関係をしておるわけでございますから、その他の各省とは違っていろいろまた別の問題があろうかと思いますが、言うところの枢軸派とかあるいは反枢軸派とか、こういうものが戦前あるいは戦中にあったということも私たちは聞いておりますけれども、事務当局の中にそういうものがかりにあったとしても、これは必ずしも事務当局だけの責任を追及するということは、私は酷ではなかろうか。政治の動きというものに対して、いかに政治家が責任があるかということを先生とともに痛感をするわけでございます。ですから私たちは、外務省が、事務当局、官僚があるべき姿においてあるように、われわれもお互いに政治家としてそういうことを考えていかなければならないのではないか、こういうことを先生とともに痛感をしておる次第でございます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 いま政務次官のおっしゃったこと、まあ了解しますけれども、私は、単に表にあらわれた問題でなく、伏在している問題をもっと事務当局が探求しなければ、大臣、政務次官じゃおわかりにならないですよ、非常に複雑ですから。そのことを私は特に官房長にお願いします。私は官房長にきょう初めて会うんですよ。いままで一度も会ったこともないし、何も憎しみもないけれども、私はこういうような問題が起こったときには一罰百戒で、官房長や事務次官は責任をとらなければいかぬ。そういうことによって、将来こういう問題は再び起こすべきでないという不文律が外務省の中に確立できれば、ぼくは官房長や政務次官もって瞑すべしだと思うのです。ですから私は先ほど来そういうことを言っておるのです。これはいま政務次官がおっしゃるとおり、われわれにだって責任ありますよ、政治家にも。それから事務当局、官僚というものは行政事務をやることであるけれども、これが今日ではもう政治の面に入ってきておるのですよ。日本の政治の姿勢というものは官僚に左右されておる。たとえば卑近な例であれば、総理大臣が一つ答弁をするのだって官僚の書いているものをみな読んでいるでしょう。あれなんですよ。あれが一つのあらわれです。ですから、そういうようなことによりてもう官僚が日本では政治を左右しておる。これはわれわれもいくじのない話だと思います。われわれも考えなければならぬ問題だと思う。決して私は官僚だけを責めるわけじゃありませんよ。責めるわけじゃありませんけれども、われわれも考えなければならぬ。一罰百戒ということでこの際外務省は断固として他省に手本を示すべきである。こういうことを私は考えます。これは大臣が来てからだが、もし政務次官に意見があれば伺いたいと思います。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 あとで大臣からお答えになると思いますので、大臣にお譲りをいたしたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 この際、丹羽久章君から関連質問の発言を求められております。これを許します。丹羽君。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 非常に重大な問題が今日新聞で発表せられ、テレビで発表せられまして、しかもそのコピーをとったのは外務省の女秘書であるということがはっきりいたしたわけであります。国民は密約だとか秘密電報だとかいう国益に関するそのようなものがだれによって持ち出ざれたかということを非常に心配いたしておりましたけれども、一応これで輪郭はあらわれたわけでありますが、この新聞報道を読んでみますと、本人はそれをコピーしたということを認めた、そして認めたから、外務省では本人を説得して、そして出頭させることにしました。さらにもう一点ここで重大な問題としては、「外務省は国会審議の模様などをにらみ合わせ、これまで告発を見合わせていた。」と書いてあるけれども、これは先ほど中川委員から質問もありましたけれども、なぜ国会の審議の模様などをにらみ合わせるというような——こうした国民関心の国益に反するそういうようなものは、公務員の処罰ははっきり百条にうたわれておるのに、なぜにらみ合わせなければならなかったのかという理由をもっと明確に国民の前にしてもらいたいということを第一点まずお尋ねいたしたいと思います。これは官房長から。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 先生お持ちの新聞は、けさの朝日新聞だと存じますけれども、それは実は私のほうの発表の前に書きましたものでございまして、必ずしも全部が全部事実でないわけでございます。大部分は事実だと思いますが、いまのくだりは、私は先ほど御説明いたしましたように、にらみ合わせてというような気持ちは全然ございません。  それから「説得して」と書いてございますが、けさ自首したわけでございますが……。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 「説得して同庁へ出頭させる方針である。」と書いてある。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 自首すべきであるとは申したことはございます、説得という字が正しいかどうかわかりませんが。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 わずかな時間でありますが、先ほど委員長の言われたように、事は非常に重大ですから、真剣にまじめなひとつ答えをしていただきたいと思うのです。こういう機密漏洩に対しまして、あなたが委員長になられて、だれがこれを持ち出したか、外部へ漏らしたかということで順次ずっと調査をしていったところが、蓮見女事務官がやったという事実があらわれてきた。そうすると、先ほどの答弁でも、きょう出頭させることにしまして本人は出頭しております、こういうことである。だからここで説得をして、ことばは違うとしても、出頭させたということは、よく本人にも言い聞かせて出頭させましたという話のようだったが、こういうものは出頭させるとか出頭させないとかいうことよりも、これを告発して、国益に反することであるから、技術的な問題であろうけれども、直ちに逮捕をしてくれ。いろいろの圧力なんかがかかった場合にはまた逃亡するおそれもある。そういう意味から、こんな大切な文書を、国益に反するようなことをするような者を、わかっておりながらどうしていままで待ったかということと、もし彼女がどこかへ逃げたときにはだれが一体責任を持つかということなんですよ。わかり次第に直ちに秘密的に告発をして、逮捕せよといって願うことがあなた方の責任じゃないかと思うが、どうしてそんななまっちょろいことをやるのですか。もし本人があなた方の説得に対して、納得をしてきょう自首してきたからいいけれども、もしこれを知ってどこかへこの本人を隠してしまったり、あるいはどこかへ逃亡させる手配をしたとするならば、本人はわかっておるけれどもそれをさがし出すことが困難だということになると、たいへんなことになると私は思うけれども、なぜそのぐらいの処置があなた方のようなエリートが、あなた方のような頭のいい外務省の首脳部が踏み切らなかったのですか。そして一体いつほんとうにこれがわかったかということなんです。そうすれば、新聞は国会とにらみ合わせたなんというようなことをいっているが、全く違うということである。もし国会中でもわかっておるならば、このような問題は直ちにその手続をとるべきである。この二点に対して、一部間違っておりますなんというような言い方は私は納得できない。だから、いつこの女が自白して間違いないということが決定したかということと、なぜその時点でやらなかったかということ、この点はっきりしてもらいたい。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 先ほどもお話しいたしましたように、昨日の十一時ごろに警察に逮捕と申しますか捜査依頼をいたしました。それでけさの五時に出頭しております。したがって、事実関係がはっきりいたしましたのは昨日でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 昨日の国会の終了したのは御承知のとおりに九時前後であったと思う。そうすると、きのうのいつわかったのですか、これは。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 昨日の午後と申したほうがよろしいと思いますが、午後わかりまして、大臣に御報告いたしまして、大臣の御指示を得て警察に捜査依頼いたしました。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 警察のほうに連絡したというのは、何時ごろに告発手続をとったのですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 私ではございませんですけれども、文書課長がやりましたのですが、十一時と聞いております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それは十一時というのはいつの十一時なんです。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 昨晩の十一時です。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 昨晩の十一時だと、国会が終わったあとにわかったということですか。予算が全部あがってしまったあとでわかった、こういうことですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 事実関係が全部判明いたしましたのは昨日の午後早くでございます。それから私は大臣のところに参りまして、大臣と御相談いたしまして、その手続をとるということにいたしました。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 そういうことになると、新聞が真実と全く違った報道をしておるということになりますが、よろしいですか。それに責任を持ちますか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 告白いたしましたのが、そこに三十一日と書いてあると思いますが、実際は三十日でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 私が非常にきびしい言い方をするから、どうも官房長のおっしゃることは、ちょっともたもたしていらっしゃるようですが、実際にわかった時点でなぜすぐやらなかったかということが一点と、わかったのはいつであったのかということ。新聞には、国会の審議とにらみ合わせてこのような告発をし、そして本人を説諭して出頭させるようにしたということであるが、一体沖繩密約というものはだれが持ち出したのだろう、こういう外務省のルーズなあり方というものは、もっとしっかりしてもらわなければいけないというのが、少なくとも国民みんなの希望することであるのです。決してあなた方を責めようとするのではない。もし機密的な文書というものの保管上に欠陥があるとするならば、それは一日も早くはっきりして、十分な保管をしなさい、そして国益のために機密を守るべきものは守っていきなさい、そういう気持ちからわれわれはあなた方に申し上げておるのに、詭弁を弄したような、その場限の答弁的なことは断じて許すことはできません。新聞報道が絶対に間違っておって、国会の審議とにらみ合わせてなんというようなことは断じてありません、そうでなくて、真実がほんとうにわかったのは昨晩の十一時ですということであったら、この新聞の書いておることはでたらめであるということになるが、その点はっきりしてもらいたいということを私は要求するのです。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 経緯をずっとお話しいたしましたほうがいいと思いますが、三十日にその本人の告白がございました。それは口頭で安川審議官に告白いたしました。その話を、先ほどいろいろ御説明いたしましたが、非常に支離滅裂な告白でございましたために、その後いろいろ事実関係の裏づけをいたしました。それから、先ほど政務次官もおっしゃいましたが、いろいろ外国にも聞き合わせたりいたしました。それで、われわれが知り得る事実と申しますのはもうこれ以上ないということで、昨日、これ以上はもう司直の手にゆだねるよりしかたがないというところまでまいりましたので、大臣に御相談いたしまして、昨晩警察に捜査依頼いたしました。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 官房長にお尋ねしますが、秘密文書というのは、重要秘密、特別な秘密あるいは普通の秘密といったように、いろいろな秘密があろうと思いますが、その電報の種類というか秘密というものは、外務省では何段階に分かれておるのですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 これは、各省庁同様だと思いますが、極秘と秘と、二段階でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 今度の沖繩密約はその何に該当するのですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 これは電文自体が極秘の文書でございます。電報の案でございますから、電報を打つその字で書いたものでございますから、その文書自体が極秘のものでございます。内容という意味ではございませんで、その文書自体が極秘のものでございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 文書自体が極秘のものであり、まあ密約的なものであったということになるが、結局、極秘電報、秘密電報を決定する者は、これは極秘にしよう、何々にしようということは、だれがきめるのですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 文書の取り扱いの規定がございまして、たとえば官房関係におきましては、私が責任を負っております。それからアメリカ局におきましては、アメリカ局長が責任を負っております。その責任者の下にいわゆる補佐として課長、私のところではたとえば人事課長とか文書課長、アメリカ局だと北米一課長、この二人がし得る形になっております。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 先生御質問の中で密約ということばが出てまいりますけれども、これは本省なり、パリに行っておられる当時の大臣なりあるいはアメリカの大使である牛場大使なり、交渉過程におけるやりとりのそれを通信した電文でございまして、沖繩交渉に関しては密約というものはございませんので、その点はひとつ明瞭にお願いしたいと思います。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それはいままで予算委員会で、沖繩の密約だとかいって論議をせられた。外務省は一貫して、密約ではありませんという言い方であった。私は与党として、大西政務次官のことばを信じ、そう解釈しましょう。しかし、沖繩の密約であろうとなかろうと、そういう電報の写しをとられたために国会がストップをして、総理が党首に対して自分の気持ちを訴えなければならないということになってきて、言われっぱなしで、わが自民党は全く残念でなりませんよ。あなたは政務次官として、いまは役人の一人であるけれども、もとに返れば、一年たてばまた代議士として私らの仲間になられるでしょう。そういうことになるわけです。あなた自身がいまおっしゃることは、役人の立場でそういうことをおっしゃるのでありますから、それはよくわかる。わかるけれども、私どもの立場に立てば、少なくとも私どもの総裁の総理大臣が、言いっぱなしをせられて、それでだまっておらなければならないというのは——ここに「沖繩密約」と書いてあるが、それは違いますよと言われても、国民はそれで納得するでしょうか。私の言うのはそれなんですよ。だから、とられたということに対し、それを写されたということに対して、私どもは何と外務省はずさんなことをしておるのかと思うのです。大切な書類に対しては、機密もあり、秘密もあり、密約もある。それを国民の前に公にする段階でないところの過程においては、当然それを守っていくことが外務省の仕事であろう。そして明らかにすべきものは、明らかにするときが来たら、ちゃんと明らかにせられていいと私は思うのです。ところが、いろいろと予算委員会の過程を聞いておっても、そういうものはありません、そういうことは断じてと言っておるうちに電報が出てきて、これはどうだと言って突きつけられた。こういう現在の状態からいって、どうしてずさんなことをやったのかということが第一点。第二点は、犯人がわかった以上は、なぜこれを徹底的に早くやらなかったかということなんですよ。私はそれ以上の他意は何もない。そういう意味で私はあなたに聞いているのです。  あとは中川先生に専門的にやっていただけるので、私はもうこれ以上申し上げることはありませんし、関連ですから、あまり多くを語ろうとは思いませんが、私がこれをほんとうに唱えていくなら、まだこれから言いたいことは幾らでもある。しかし、きょうはもう一点だけ。それは別な問題で聞こうと思いますが、外務省の顧問として、小林中、堀田庄三、植村、奥村、朝海、木川田、こういうようにたくさんの方々が官公庁の職員名簿に載っておる。これは名簿の間違いかどうか知りませんけれども、大臣秘書官の市村健一の次に、顧問として小林中をはじめ有名人がずっと名前を並べておられるが、この方々はどういう顧問をせられて、どういう会議を進められてきたか。この点をひとつ官房長、あなたが知っていらっしゃったらお尋ねするし、あなたが知っていらっしゃらなかったら知っておる人に来てもらって一ぺん聞きたいと思います。どうぞ説明願いたいと思います。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 顧問の方々、そこに出ておりますとおりでございます。重要な外交案件が出てまいりましたときに、大臣に対する顧問といたしまして、随時お集まり願いまして、大臣が御意見を伺っております。たとえば、先日中国問題について御意見を伺いました。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 こういう方々は有料であるのか無料であるのか、名誉職であるのか、これはどういうふうですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 無報酬でございます。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 ありがとうございました。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 御要望があるようですから、もう一点だけ。これは政務次官にも官房長にもお願いしておきたいのですが、私はこの問題の詳細を知りませんけれども、しかし発表されておる程度は知っております。しかし、密約だとかいうようなことは外務省の皆さんの口からはおっしゃらないほうがいいのじゃないですか。私は密約だとは思っていないのだな、こういうことは外交であり得ることじゃないかと思っているから。だけれども、外務省の人が密約だとかいうようなことはおっしゃらないほうがいい。  それから、これだけ問題になって、外務省は蓮見事務官を告発したのだから、こんなことは議題になる前にすみやかに国会にだけは報告をされる義務がありませんか。私は、こちらからかれこれ言う前に、外務省のほうからむしろ積極的に真相を発表されたほうがいいと思うのです。いまからでもおそくない、おやりなさい。  それからいま一つ、これは事実かどうか知りませんよ。事実かどうか知りませんけれども、けさの新聞に「逮捕されれば法廷闘争」という社会党の態度が出ている。「沖繩返還交渉をめぐる極秘公電問題について、火つけ役の社会党はすでに竹下官房長官に対し「犯人捜しは問題の本質をそらそうとするものだ。すぐやめてほしい」と申入れている。同党は「沖繩密約問題対策特別委員会」(安井吉典委員長)を設けて、これからの問題の発展に対処することにしており、もし公電をもらした当事者が刑事事件として逮捕されれば、これを守るため「真の国益とは何か」を真正面から取上げて、法廷で徹底的にたたかう構えだ。」ということが出ております。まあ、真実のほどは知りませんよ。そういうことが、何か外務省に対して社会党の方面から圧力があったとか、あるいは申し入れがあったとか、竹下官房長官から外務省にあったとか何かありませんか。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 新聞は私もけさ見たのでございますが、いま御質問の点に応ずるようなことは外務省には何も来ておらぬようでございます。といいますのは、圧力とかその他が外務省にかかったとかいうふうなことは、(中川(俊)委員「官房長官からも何もない」と呼ぶ)聞いておりません。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 それでは、あと理事会を開いていただいて、竹下官房長官をまず呼んでもらいたい。これは事実であったか。これは重大な問題だと私は思いますから、国会が司法権に介入するというようなことについては、やはり問題でございます。これらの点について検討したいと思いますから、あと理事会にはかっていただきたいと思います。  それでは私は一応、大臣が見えますまで保留しておきます。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 この次の質問者に時間を与える前に、一応委員長として外務省当局に進行上伺っておきたいのだが、蓮見という事務官問題のきのうかおとついかきょうか、その経緯は大体わかりました。しかしながら、蓮見という事務官が書類のコピーをどなたかに渡した、その方がごらんになって、これはいやしくも国益に重大問題だというので、予算委員会で慎重にお取り上げになったのだが、そのコピーを渡す前に、言いかえれば外務省のことなんだから、外務交渉の過程におけるところの機密書類というのは山をなすほどあると思う。これは一体だれがどういう管理をしておるか。先ほどのあなたの御説明によると、私の推定するのには、本件は吉野アメリカ局長の所管じゃなかろうかと思うけれども、管理のミステークがある、善良な管理ができていない。いやしくも外務省として外交交渉のもろもろの過程におけるところには、秘もあれば極秘もある。これを忠実に守ってこそ外交官の責務は全うできるのだ。勢い国益に寄与するところがあるのだ。その管理ができてないから、一女性ごときにコピーして持っていかれる。台本が外務省にあるからというて誇りを感ずるわけにはいかぬ。またそういうすきがあったということもおのずからわかるが、本家本元の書類の管理は一体だれがしておるのか、この点をひとつ、よい機会だから佐藤官房長に、あとの方の御質問にも重大な影響があるから、はっきりお答え願って責任を明らかにしてもらいたい。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、官房関係の書類は私でございます。それからアメリカ局関係の書類の管理責任者はアメリカ局長でございます。局長及び官房長が管理責任者になっております。それの補佐として課長がやっております。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 そうすると、蓮見という事務官がコピーした本件の書類は君とアメリカ局長の二人の責任であると、かように解釈してよろしいか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 その書類自体の管理責任者はアメリカ局長でございます。私自身は全体のすべての機密保持の責任を持っておりますから、そういう意味では私は責任があると思います。事務次官はすべての事務の責任を持っておりますから、そういう意味で事務次官は責任があると思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は、いまこの問題、社会党なり公明党の皆さんにお譲りしようと思ったら、総理が来てその問題をやるということでございますので、私は中国問題をちょっとやらせていただきますから、総理が参りましたら——総理じゃない、外務大臣が来ましたら——まだ総理になっていませんが、外務大臣が来たら譲ります。  それでは中国問題についてちょっとお尋ねしたいのですが、これは私寡聞にして知らないので教えていただきたいと思うのですが、最近御承知のとおり、中共訪問者が与野党を限らず国会でも激増しておるわけです。何かバスに乗りおくれまいと思って競っているような気がするのですね。そういうことはないかもしらぬが、とにかく与野党に限らずそういう傾向がある。中には実際どこの国の政治家かわからぬような気が私はする。国会に長くおってそういう気がするのですね。そこで私一つわからないことはこういうことなんです。そもそも日華平和条約を結んだのは一九五二年二月二十日ですね。それから中華人民共和国が成立したのは私は一九五四年の九月二日だと思っておった。ところが、だんだん調べてみると、これは私のミスであるかもしれぬが、一九四九年というから、人民政府ができたのは日華平和条約の前である。そこで、私が間違っておるのならばなにですが、それはそうですか。まずその点を……。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 お答えいたします。ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 そうしますと、日華平和条約を結んだ時点で、中共のほうから日華平和条約を否認するという声明か何かあったのですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 私の知っております限りでは、その当時に直ちに否認するという声明があったとは聞いておりません。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 私は何かそういう声明があったというようなことをちょっと聞いたんですが、まあそれはよろしい。  日本は、一九五二年に日華平和条約を結んだわけですね。その後、中江参事官のお話によりますと、そういう否認の声明も何も中華人民共和国からなかった。にもかかわらず、この対日平和条約というものは無効であるということが今日言われておるわけでしょう。これは日本の了解を得なくて、相手国の了解を得なくて、一方的に向こうが無効だと言えば国際法上無効になるものなんですか、どうなんですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 中華人民共和国政府の言っておりますのは、日本国が中華民国との間に一九五二年に締結した日本国と中華民国との間の平和条約というものは、そもそも存立の基礎のない、意味のないものだということを主張しておるのでありますけれども、中華人民共和国政府の一方的な主張だけで、日本国が有効に中華民国との間に締結した平和条約が国際法上無効になるというものではない、こう考えます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 そもそも一九四三年十一月二十七日のカイロ宣言、ルーズベルトと蒋介石とチャーチルの三人が寄ったときのカイロ宣言には、御承知のとおり、第一次世界戦争の開始以後において日本が盗み取った満州、台湾並びに澎湖島のごときは中華民国に返還することと、ここに具体的に書いてありますね。ところが第一次大戦後じゃないのですね、日本が台湾を領有したのは。日清戦争の下関条約のときなんですね。樺太も同じなんです。ポーツマス条約ですね。三十七、八年戦役の日露戦争です。このカイロ宣言に基づいてポツダム宣言を日本はサンフランシスコ条約で受諾したわけでしょう。そうですね。そうすると、架空なもの、効力のないものを日本は受諾したというような形になるんじゃないかと思うが、それはどうなんですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 御指摘のカイロ宣言にいたしましても、ポツダム宣言にいたしましても、これはまだ戦争が行なわれている、つまり戦争状態にあるときに連合国側が行なった政策表明といいますか、一つの意図の表明と申しますか、そういう形で行なわれたもので、通常の国と国との間の約束になるような性質のものではなかった。したがいまして、カイロ宣言、ポツダム宣言の受諾をもって直ちに当時の戦争状態の一方である日本国と連合国との間に何らかの合意が成立するというものでは国際法上ないわけでございます。国際法上その両者の関係を規定いたしますものは平和条約でありまして、連合国多数との間ではサンフランシスコの平和条約、中華民国との間では日本国と中華民国との間の平和条約、これによって国際法上有効な合意が成立するわけでございます。したがいまして、ポツダム宣言、カイロ宣言の中の事実と、それを受諾したという日本国の当時の行為と、それだけで国際法上の効力のある合意ができたというふうには見ない、これが国際法上の考え方だ、こういうふうに了解しております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 台湾はまだ日本のものかね、それじゃ。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 台湾の所属につきましては、連合国多数との間のサンフランシスコ条約と、中華民国との間に締結いたしました日華平和条約の中で、日本国は台湾に対するあらゆる権利、権原及び請求権を放棄するということが書かれております。この平和条約の中の条項によって、初めて国際法上、日本国は台湾に対する権利、権原、請求権を放棄したわけでございます。この放棄したという事実は、これは国際法上有効な合意としていまだに残っている、こういうことになるかと思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 どこへ放棄したのですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 この点はどちらの条約にも、どこに向かってと書いてございません。したがいまして、日本国はただ放棄した、国際法上日本国が台湾に対する権利、権原及び請求権を放棄したということのみが確立しておるのでありまして、その放棄されたものがどう帰属するかというようなことは別な国際法上の法理が適用されるか、こう思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 それに対して外務省はどういう処置をとったのですか。たとえば台湾にしても樺太にしても、日本はサンフランシスコ平和条約で放棄した。ただし放棄したものは中華民国に帰属すべきものである、ソ連に帰属すべきものであるという条文はないんでしょう。たとえば南洋群島を日本が委任統治していましたね。これは同じように放棄というか、アメリカに占領されたわけですね。いまは国際連合の委任統治になって、施政権はアメリカにあるのでしょう。日本は放棄したというだけで、直ちに第三国の力の強いものが取っておるのだが、そういうことが国際的に国連で認められるのですか。一体どうなんだろう。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 まさしく御指摘のサンフランシスコ条約、日華平和条約で日本国が放棄したかっての日本国の領域であった台湾の帰属がどうであるかという問題が、いま非常にむずかしい問題になっているわけですが、これは政治的にむずかしいばかりでなく、法律的にも国際法上も非常にむずかしい問題であるわけであります。したがいまして、当然これは中華人民共和国のものだと主張する国もあれば、いやこれは中華民国のものであると主張する国もあれば、いやこれはどこにもまだ帰属がきまってないものだと主張する国もあれば、いろいろの立場があるわけでございます。本件の場合、特定の台湾という領域の帰属の問題についてきめ手になるような国際法上の理論というのはないわけです。したがいまして、これから国際法上の帰属がどうきまっていくかということは、いま直ちにこれがきめ手になるのだという論拠も根拠も見出し得ない。ここに法律的にもむずかしい問題が残されている。こういうふうに思います。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 国際的にペンディングになっているわけですね。それを私は中共の言いなりになっているような気がするのだが、なぜ外務省はき然たる態度で日本の主張を貫かないか。外務省がぐずぐずしておるために、尖閣列島まで取られかけておるじゃないか。それからあなた方地図を見たら気づいているかどうか知らぬが、樺太はソ連の地図に塗られていますよ。こんなことを外務省、黙って見ておるのですか。何のために外務省は日本の国際的な地位を保っていく上において存在しておるのですか。私は、そういうことを処理していくために外務省という役所があるのじゃないかと思うのです。南から北から日本の領土はどんどん蚕食されておるような気がしてしようがないのです。樺太だってそうですよ。ポーツマス条約でもらっておる。第一次大戦前ですよ。しかも、日本とソ連というものは、近衛内閣時代に松岡外務大臣が日ソ不可侵条約を結んで以来、条約というのは結んでいませんよ。領土の移譲は条約によらなければできないでしょう。条約によらないで取られている。これは明らかに大東亜戦争の末期において、日本がへとへとになって、もう軍事力もない、食べものもない、飛行機もない、軍艦もなくなった時点に、日ソ不可侵条約を結んでおったソ連が、どっとなだれを打ってソ満国境から入ってきた。その余勢をかって略奪しておるのですよ。千島は日本固有の領土である。そういう問題を外務省は知らぬ顔しておって、北のほうからだんだん取られ、南のほうからだんだん取られておって、あなた方は月給をもらって役人として日本の国益を守る責任を全うしておると思うのですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 ただいま先生御指摘の諸領域の中にも、その性格がそれぞれ、経緯その他現状にもニュアンスの違いがございまして、日本国固有の領土につきましては、外務省はもちろんのこと、国をあげてその領有を主張しているわけでございます。たとえば、いわゆる北方領土といわれております南千島の四島でございます。それから、いま御指摘の尖閣諸島、こういったものは日本固有の領土でございますので、これは日本国に国際法上、当然帰属する権利があるということで、あらゆる機会をとらえて日本国の立場を主張し、またそれに対する他国の不当な、不法な主張に対しては一々反駁しておるわけでございます。ところが、台湾及び澎湖諸島、あるいは南樺太というふうに、サンフランシスコ条約あるいは日華平和条約に基づきまして、国際法上、日本国が権利、権原、請求権を放棄してしまったものにつきましては、権利、権原、請求権を放棄しておりますので、それに対してとやかく言う国際法上の根拠がないわけでございます。したがいまして、日本国は、南樺太がどういう現状にある、あるいは台湾、澎湖諸島はどういう状態にあるかということについて、国際法上、有効な根拠をもって日本の主張というものを主張できない。そういう立場に第二次大戦の結果、置かれているわけでございます。  台湾、澎湖諸島に対する中華人民共和国の領土的主張を外務省は認めたように御質問がございましたと思いますが、これを認めているわけではなくて、中華人民共和国政府があれは自分の領土だと主張していることは、日本国としても、そういう主張も一つの主張であるということは理解ができる。冒頭に申し上げましたように、台湾の帰属については国際法上のきめ手がないわけでございますから、いろいろな主張がある。その中の一つの主張として、中華人民共和国政府が言っている主張も理解はできる。しかし、日本国といたしましては、日華平和条約とサンフランシスコ平和条約によって放棄している領土の帰属の問題でございますので、それに対して正面からどうこうという立場にはないというのが、現在日本国のとっている立場だ。こういうふうに私は理解しております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 ちょっとそこが解釈の違いですけれども、私は、国際的にペンディングになっておるものは、日本は主張だけはしてもいいんじゃないか。ということは、放棄した、放棄したと、あなた方は頭からそういうふうに解釈していますけれども、ソ連に放棄したんじゃないもの。中華人民共和国に放棄したんじゃありませんよ。それなら、ぶらぶらしておる。向こうは力で取っているのですよね。力で取るということは許されないのです。ですからそれを私は、外務省は放棄したんだから、放棄したんだからといってそのままにしておくことはどうかと思うのですね。日本の外務省はへっびり腰だというのはそれなんです。昔から軟弱外交といわれるのはそれなんです。だから、もっと外務省はしっかりしてもらわなければいけない。それから歴史的事実が一つあるんだ。決して私はハト派でもタカ派でもないんです。私はきょうは率直にお教えを願いたいと思っているんだが、何かで私見たのです。ちょっと読みます。  台湾は中国の一省だったことはないと書いてある。中国歴史の上で固有の領土であったこともない。以上は延安時代の毛沢東も認めている。エドガー・スノウの世界的なベストセラーである「中国の赤い星」の七六ページに毛沢東がこういうことをいっている。満州は取り戻さなくちゃならぬが、朝鮮や台湾については、日本帝国主義の鉄鎖からのがれたいと望むならば、その独立闘争に援助を与えるであろう。——これは毛沢東のいっていることばですよ。それから、日清戦争の講和談判下関条約で、清国の首席全権李鴻章は、清国は台湾及び澎湖島に対してその宗主権を主張したこともなければ、統治権がそこに及んだこともない。台湾は化外の地である。化外は御承知のとおり、統治権の及ばないものである。それらの島々を日本が欲するならば、かってに領有することができる。すなわち、当時の台湾は通常の意味で清国の植民地でさえもなかった。しかるに中共は、蒋政権を台湾に追いやると、台湾は中国の固有の領土だと主張し始め、歴史の偽証者となった。もし台湾人が、台湾は台湾人のものである、蒋政権打倒のために独立闘争に立ち上がるというなら——御承知のとおり蒋介石と行っているのは、わずかの百万か百五十万で、千五百万の人口の大半は台湾人ですから、台湾人が蒋政権打倒のために独立闘争に立ち上がるという場合は中共は援助するにやぶさかでないというのなら、筋が通っている。ところが中共は、ヒトラーのまねをして、台湾の領有を叫び始めたのである。一九五五年、昭和三十年バンドンでのアジア・アフリカ会議で、当時のセイロンのコテラワラ首相が、台湾の領有を主張する中共は新植民地主義である、今後台湾問題に対するいかなる国際会議にも、台湾人は自由な一国民として議席を与えられるべきであると言明した。このセイロン首相の発言に対して、周恩来はあわてて台湾問題については米国と話し合う用意があると声明したが、もし、台湾が中国固有の領土なら、周恩来はセイロン首相になぜ反撃を加えなかったか。これは歴史的事実です。外務省はこういうことを研究しておるのですか。台湾の問題についてどう考えておるのですか。

中江要介外務省アジア局外務参事官

○中江説明員 外務省といたしましては、日中国交正常化のためのいろいろな準備をしております中の一つには、当然のことですけれども、従来とも台湾の帰属についてあるいは台湾がどういうふうに扱われるべきであるかという問題については、いろいろ過去の歴史、いろいろの言明などを調査しております。そういうただいま先生御指摘のようなものも、その一つの資料として外務省でも承知しておりますけれども、そういうものを加味しても、なおかついま直ちに台湾、澎湖諸島の国際法上の帰属がどうあるべきかという点について、はっきりした立場というものは国際的にも確立されておらないものでございますので、したがって、これはやはり国交の正常化にあたっての最後の段階でこの問題についても何らかの解決が必要になると思います。しかし、いまこれがきめ手だという手がないのが——非常に複雑な台湾の地位であるものですから、鋭意研究は進めておりますけれども、いまこの段階で、日本国政府としてこうあるべきだということを世界に向かって主張し得るような論拠に欠けているというのが実情だ、こういうふうに了解しております。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 これは非常に残念なんだ、ぼくらから見ると。これはほんとうにはがゆくてしようがないんです。だから私は外務省のへっぴり腰ということを言っている。政務次官、こういう歴史的事実があるのですよ。検討してもらいたいのだ。だから、それなら日本は、まあいま中江さんのおっしゃるように、すぐは、日本はこういう状態で、軍事力持ちませんからできませんわね。できないけれども、その主張だけはしておかなければいかぬと私は思うのです。その主張すらもしないで、外務省はいまでは中共の言いなりほうだい、ソ連の言いなりほうだいになっているでしょう。私は単身ソ連大使館に数回乗り込んで、この問題言っているのですよ。おまえの国は日本の国と、米中会談が行なわれて、幾ら手を握ろうと思っても、まず北方領土を返しなさい。日本人は黙ってたつて、腹の中ではあなたの国に対して不信感持っていますよ。ぼくは率直に言っていますよ。ぼくは外交官、日本の国を代表しておるなにでないから権威はないかもしらぬが、外務省はいかにも弱腰なんだ。日本の外務省というのは、もう政務次官御存じのとおり、そういう伝統があるのですよ。伝統的に弱腰なんですよ、外国に対しては。もう西園寺さんがフランスの平和会議に行って以来有名なんです、そういうことは。ですから私は、外務省は主張すべきことは——できるかできぬかは別です。そのときの国際情勢によって、何ぼやろうと思ってもできないことはしようがない。しかし、正しい主張もやろうとしないで、そうしてもうよその国の言いなりほうだいになっておったのでは、外務省というものはないほうがいい、ほんとうに。私はそう思うのです。  まあ政務次官、それ含んでおいてください。あなたもわれわれと同志である。まあ、私はそういうことも、政務次官や大臣はこまかい事務はわからぬでしょうけれども、こういう問題に対しては、あなたさっき言われたように政治家ですから、戦争か平和か、繁栄か緊縮か、経済をどう持っていったらいいかということは、政治がピリオドを打つんじゃないですか。ですから、そういうことについては、私は大臣や政務次官はそういう大きな外交姿勢というものを示してやって、そうして、事務当局にこのあたりでやれ、こういう気概がなくちゃいけない。あなたがそうとは言いませんが、日本の大臣でも政務次官でも、もう役人の言うとおりになっているのですよ。それは私がさっき言うとおり、総理をはじめとして、答弁からみんな役人に書いてもらって読んでいる。ぼくらから見るとそれははがゆくてしょうがないんだ、ばかな話だと思ってね。あのくらいの答弁ができないんかと思う、ぼくら議席にすわっておって。全部役人が書いたとおりを拳々服膺しているのですよ。それではだめだと思うのですよ。ですから、いまの問題については、まあ非常にむずかしい問題です。これは中江さんの言うとおり非常にむずかしい問題だと思いますけれども、しかし、ぼくはそのくらいな姿勢を外務省は示さなければいけない。できない場合は、幾ら姿勢を示してもできない場合があります。しかし、その姿勢を示さずして、向こうの言いなりほうだい、相手の言いなりほうだいになるなら、外務省要りません。ほんとうですよ。私はそう思うのです。  まだいろいろあるのですよ、外務省の問題については。私はもう二年に一ぺんくらい方々回っておりますから、いろいろ外部でも聞いて、いろいろ問題はあるのですよ。だけれども、きょうは時間がありませんから言いませんが、質問しませんが、もっと外務省自信を持ってもらいたいと思うのですよ。それは、軍事力の大きなのだけが国の力じゃありません。経済力もその一つである。今日は日本は自信をもって、何も戦争するというんじゃありません、平和のために主張すべきことは主張する。こういうことを考えてもらいたい。  それから、官房長に重ねてお願いしておきますが、この問題、どうですか、証文の出しおくれの感はあるけれども、一応真相を国会に発表なさったらいかがですか。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 大西政務次官にちょっと申し上げまするが、間もなく大臣がいらっしゃいますが、いま中川委員の御質問に関して、あなたお取りまとめになって御答弁願って、そうして本問題に、他党の先生に譲りたいと思いまするから、あなたからよくお考えの上に御答弁願います。できることでありますれば、中川委員は得がたい資料を持っていらっしゃるから、きょう決算委員会に出てきたおみやげにいただいてお帰りなさい。  大西君。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 お答えいたします。いま先生のお尋ねの中の台湾の帰属問題でございますが、これはいま中江参事官が御答弁を申し上げましたような経緯並びに現在の政府の立場でございます。このことは、御承知のとおり、あれは三月六日でございますか、たしかそう記憶いたしておりますが、政府の統一見解というのが出ましたわけでございます。それによりますと、第一点は、中を省略いたしますけれども、台湾の帰属については日本はとやかく言う立場にない。こういうことと、第二点は、この台湾を中華人民共和国が、中華人民共和国の領土であると主張しておることは十分理解をする。第三点は、そういう認識に立ってわが国は積極的に中華人民共和国との国交正常化に努力をしたい。この三つのことが政府の統一見解でございまして、現在もその統一見解は変わっておりません。ですから、政務次官といたしましては、そのことを申し上げるよりほかにないと思います。  それから、尖閣列島とかあるいはいわゆる南千島、つまり国後、択捉、それから歯舞群島、それから色丹島でございますが、これらは御承知のとおり、もうかねてから日本の固有の領土である。あのサンフランシスコ条約に書かれております千島列島、いわゆるクーリール群島といいますか、それは放棄をいたしておりますけれども、その千島諸島というのの中には、いま申し上げました国後、択捉、歯舞群島、色丹、もちろんでございますが、それらは含まれておらない。そうしてそれは日本の固有の領土である、こういう主張を常に、機会あるごとに政府がいたしておりますこと、外務省がいたしておりますことは、御承知のとおりだと思います。  それから尖閣列島につきましても、これまた、沖繩は近く返ってくるわけでございますが、アメリカが沖繩返還までにその施政権を持っておると主張しておる区域の中に含まれておりまして、そうしてそれはサンフランシスコ条約に基づいておるわけですが、そのこと自体が、日本のかねての領土であったものがアメリカの施政権のもとに入ったということを意味しておるのでありまして、尖閣列島は当然に日本のものである。まあ、ほかの国がどういう主張をするかしないか、これは主張すること自体をとめましても、主張しておればそのこと自体はどうなるわけでもございませんが、これが日本の固有の領土であるということは厳然たる、歴史的に見ましても、またサンフランシスコ条約そのものによりましても、きわめて合理的、かつ、国際法上当然日本のものでございますから、そういう主張をし続けておりますことは、これまた御承知のところだと思うのでございます。  なお、御承知のように、先般ソ連のグロムイコ外相が訪日されて、そうして、ことしじゅうには日ソ間に講和条約の交渉が開始される、こういう段階になっておるわけでございますが、福田大臣も予算委員会において答弁をなさっておられますように、この講和条約というものは、領土問題をきめるということが講和条約の前提といいますか、そういうことでありますから、その際において、いま申し上げました日本固有の領土については断然これを講和条約の際に片づけて、晴れて日本のものにしたい、こういうことを予算委員会におきましても答弁をなさっておられるところでございまして、そういうことでわが外務省といたしましては進みたいと存じておるところでございます。大臣来られましたから、これで……。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 委員諸君に御了承得たいのでありまするが、ただいま諸君お待ちかねの外務大臣が来られたわけなのです。したがってこれから質問に入るのですけれども、先ほど申し合わせしましたように、各党の委員から御質問してもらいたいと思う。  そこで、まず一番中川君、井野君、鳥居君、吉田君と、こういうような申し合わせになっておりますので、いま聞きますれば、参議院のほうで外務大臣は野党の方の御質問が非常に山積しておるので、ここで三十五分おったらすぐに行って社会党さんにお答えせねばいかぬのだ、こういうところの時間的の御苦境を申されておりましたから、諸君のほうもどうぞひとつ、なかんずく与党の先生は持ち時間を御励行願いたいと思うのです。  そこで、まず福田外務大臣に申し上げておきますが、きょうも委員会の劈頭から、どうぞひとつ決算委員会の立場をよく御了承くださって、次回に必ずや出てもらって、十二分に所見を申し述べてもらうということで御了解得ておりまするから……。  それならば申し合わせに従うて中川君。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 大臣非常に忙しいようですからごく簡単に私は一、二の問題について……。  実は、先ほど来問題になっておりました例の沖繩の軍用地の補償問題についての問題。けさ新聞で見ますというと、蓮見事務官というのが告発された。これが犯人であったということが出ておる。私は先ほど来お尋ねしておるのですが、それは官房長にしても事務次官にしても神様じゃないのだから手落ちもある。こういうことをやろうと思っておるわけじゃないけれども、多くの職員のおるうちには顔も違えば心も違うのですから、いろいろな者がおる。ただ問題は、こういう問題を外務省はほっておいちゃいけない。ただ告発したからそれでいいというので放任しておくべき問題じゃない。だから一罰百戒ということがあるけれども、大臣や政務次官はしょっちゅう国会に来ておって、一々もうだれがどういうポストにおって、どういうことをやっておるというようなことを、こまかく事務官のところまでわからないと思います。そこで、その責任はだれかといえば、事務次官と官房長です。ですから私はさっき官房長にも言ったのですが、君責任をとれ、どうして責任をとるのだといったら、大臣にまかしておりますとこういうことですから、そういうことは大臣にまかすべき問題じゃない、責任問題はみずからが処置すべき問題であって、人にまかすとかそういう卑劣なことを言うべきでないということを私はさっき言うたわけです。  そこで、大臣はもうまかされておられるでしょうけれども、特にこの問題は、先ほど委員長からも発言があったのですが、沖繩の問題に対して、密約があったか何か知らないけれども、私はそう考えないのだが、そういうような問題で電文がコピーされて出たというようなことになりますと、これはもう日本の国益に反する問題、日本の外務省は信用するに足らぬじゃないか、何やっているのだ、こういうことになる、このほうにウエートを置いて考えるべきだと私は思うということを先ほど主張したわけです。そこで、この問題に対して大臣は一体どういうふうに処置されようとするのか、責任の所在をどうされようとするのか、この点を伺いたいと思ってお待ちしておったわけです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 今回のできごとは二つあるわけであります。一つは、国会で予算委員会で御論議いただきましたが、沖繩協定に裏協定があるんじゃないか、こういう話です。これはありませんということをるる御説明申し上げたわけであります。  それから、同時にまた、機密の電報が漏洩したこの問題。それに対しましては、第一に申し上げました問題とまた別の角度の問題として、これは非常に重大な問題である、こういうふうに考えております。こういうことが反復して行なわれますというようなことになれば、日本の外務省に対してもう打ち割った話をするわけにいかぬというようなことにもなりかねない。そうしますと、もう日本外交というものはできない。こういうことになってしまうのです。ですから、あれはあれ、これはこれといたしまして、この問題、つまり機密漏洩につきましては、これが再び反復しないという保障をここで打ち立てなければならぬ、こういうふうに考えております。  その第一は、とにかくこの事件に関係した人の究明の問題、すでに告発という問題がございましたが、告発はまだいたしておりませんでしたが、それに先立って犯人は自首して出たわけなんであります。したがいまして本件の究明は司直の手に移る。しかし同時に、この犯人の監督の責めにあったところの外務省の規律の問題というものがあるわけであります。この問題は私が全責任をもってこれの処置をとる、こういう方針でございます。そのとおりにひとつ御理解願いたい。つまりいま自首があった、そこでこの状況がかなり自首によって判明するであろう、その判明した結果をもちまして早急に部内処置をいたしたい、こういうふうに考えております。  なお、同時に、これが将来の問題といたしまして、再びこういうことが反復しないように庁内の綱紀の振粛、これにつきましてはあらゆる角度から検討いたしまして万全を尽くしたい、かように考えておる次第でございます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 おっしゃるとおりなんですが、綱紀の粛正、大臣そういう決心でおやりになることは非常に賛成ですけれども、なかなか大臣の思うようにいかない場合があるのですよ。  そこで私の言うのは一罰百戒で——私は官房長だってきょう初めて会うのです。恨みも何もないですよ。事務次官にも官房長にも何の恨みもないけれども、そういうことを抜きにして、とにかく将来保障の道を講ずるといってみたところで、外務省に何人職員がおるか知らないけれども、一々朝から晩まで大臣がついておられるわけのものでもなし、官房長がついておられるわけのものでもないのですから、もう将来、こういうことがあっては困ります。あっては困りますけれども、また勃発しないともだれも保証はできないわけです。ですからそういう問題を将来起こさせないというためには、もう一罰百戒ですぱっとした処置をしておかないと、こういう問題が頻発する心配があるということ、そういう点について十分大臣もお考えでしょうから、御考慮を願いたいと思います。  それから、いま大臣は、保障の問題の次に、告発はまだしていないようなことであったが、官房長は告発しているということなんですが、どうなんですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 これは手続といたしまして、まずだれが犯人であるかということを見定めなければならぬわけです。これを見定めないで不特定多数の人を告発するのも異例のことでありますから、そこでまず第一に、部内でだれが犯人かという突きとめをやっておったのです。そういう過程におきまして自首というものが行なわれた、こういうことなんでございまして、別に綱紀粛正について怠っておったということは全然ありません。私はこの際は、とにかく厳重にその根源を突きとめ、今後の反復に備えなければならぬ。きつい態度をとっておったことを申し上げます。

中川俊思自由民主党

○中川(俊)委員 やはり事務当局は連絡が悪い。大臣は知らぬじゃないですか。告発するということを、これだけけさの新聞に大きく発表しておいて、蓮見事務官というものがこうだという。なぜ大臣にそういうことを報告しないのか。そういう連絡が悪い。外務省はだらけておるのです。  それから大臣、こういうことがけさの新聞に出ているのですよね。社会党が、逮捕されれば法廷闘争をやる。つまり「沖繩返還交渉をめぐる極秘公電問題について、火つけ役の社会党はすでに竹下官房長官に対し「犯人捜しは問題の本質をそらそうとするものだ。すぐやめてほしい」と申入れている。」そこで同党は、これを聞かなければ徹底的に法廷闘争をやるということをいっている。まあ事実かどうかわかりません、新聞ですから。新聞も間違うことがある。先ほど政務次官は、竹下官房長官から何もそういう話を聞いていないということでございましたから、本委員会に竹下官房長官を招致することになるかならぬか知りませんが、このあと理事会できめるわけでございます。こういうことはあり得ないことだと思いますけれども、かりにあっても断固とした処置をとってもらいたいと私は思います。福田外務大臣はそういうことはないと思いますが、外部からの圧力で外務省がへっびり腰になるようだったら、外務省は信頼するに足りない。内外からそういうことになると思いますので、この問題に関する限りは、いかなる方面から、総理が何と言おうと、どこが何と言おうと、どこの国が何と言おうと、他の政党が何と言おうと、断固としてやってもらいたいということをお願いしておきますよ。どうです、決意のほどを聞かしていただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 国会で御論議いただきました沖繩の秘密協定問題と本件とすりかえるようなけちな考え方は持っておりません。あれはあれ、これはこれとして厳重に調査しなければならぬ、さように考えております。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 関連で社会党、民社党、公明党にちょっとお願いいたして、大臣にお聞きいたしたいと思いますが、先ほどから私どもは非常に心配いたしまして、大臣の御苦心のほどもわかるし、さらに外務省の姿勢をしっかりしてもらうように、官房長にもお願いして、私どもは好意的に話をしてきたのです。それで官房長は、この蓮見という事務官がその電報を持ち出し、コピーをとったということがはっきりした、だから告発しましたということをはっきり言っておるのですよ。それを大臣は、いま、全然そういうことはありません、まだ告発しておりませんとおっしゃるが、外務省は大臣に何も報告していないということになるのじゃないですか。これはたいへんなことだと思うのです。一体どういうことですか。これほど私どもが与党の立場に立って真剣に、国益に反する、日本の外務省を信頼しないようなことになったらたいへんだから、姿勢をしっかりしなさいと、大臣のいないときに外務省の役人の皆さんにそう言っているのですよ。それで、どうしたのです、この処置はと言ったら、ゆうべ十一時にそれがちゃんとわかりましたから、告発しました、こう言っている。それを大臣は、告発していないと中川委員に答弁せられると、これはたいへんな食い違いになる。その点、一体どうなのです。大臣からはっきりさせてください。そんなおかしなことはどうかと思う。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 いま聞きますと、昨晩十一時に捜査依頼をしておるそうです。捜査依頼、捜査を警察当局に依頼をしておる、こういうことなのです。告発していないと私は申し上げましたが、捜査依頼ということなのです。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 それでは速記録を調べてください。皆さん聞いていらっしゃるけれども、官房長は告発しましたと言っている。だから言い直しをするなら、この席で告発することにしましたということならいいが、告発をしましたとはっきり言っているのだから。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 私は捜査依頼いたしましたと申し上げたつもりでございますが、もし告発と言っておりましたら、私、訂正いたします。

丹羽久章自由民主党

○丹羽(久)委員 では、速記録を一ぺん調べてください。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 わかりました。  この際、井野正揮君に発言を許します。井野君。

井野正揮日本社会党

○井野委員 端的にお伺いします。大臣、外交の秘密と秘密外交とは違うと思うのです。この見解をひとつ……。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 まさにそのとおりと考えます。

井野正揮日本社会党

○井野委員 そうしますと、昨日の本会議の予算案の討論において、自民党を代表された足立篤郎君は、外交については、ぜひ与野党が一致をして外国に当たるような体制をつくるべきだと言われました。まことに傾聴すべき御意見を承ったわけなんです。私どももそれは賛成であります。しかしながら、外交機密は保持しなければならないけれども、秘密外交であっては、これは与野党の一致を求めるすべもないと思うのです。私は、国民の合意ということについてはいろいろ含みを持って、各般の機関を通じて多くの国民に説明をしなければならぬ問題があると思いますけれども、少なくも国民合意とは国会の中で求られなければならぬと思うのであります。またそういうことが秘密外交ではないという証左にもなると思うのでありますが、この機密保持の問題と秘密外交を排する問題と国会内の合意を得る手だて、これについて、特に代表討論で行なわれたのでありますから、ひとつ大臣の御所信のほどを伺いたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 政府が公に国民に対し国会に対して申し上げたこと、これに裏があるというような場合には、これは断じて許すべきじゃない。これは秘密外交です。つまり条約を締結するあるいは協定を締結する、その裏に密約があるというようなこと、これはまさに秘密外交でありまして、断固として排斥しなければならぬと思います。しかし、その交渉に至る経過にはいろいろなやりとりがあるわけでありまして、これを一々世間に公表しておったら交渉は成り立たないです。これは国会の運営を見たってそのようなものなんです。交渉ごとというものはやはりいろいろないきさつがありますから、これは途中で公開するわけにはいかぬ性質のものが多いと思います。これは秘密にしておかなければならぬ。またその点では御了承を願わなければならぬ。こういうふうに考えます。  それから第二点の超党派外交、これができればたいへんけっこうだと私は思います。思いますが、いま外交の中で超党派というやり方はなかなかやりにくい。部分的にはありましょうけれども、本質的な問題になりますと、たとえば安保という問題になりますと、これは否定をする議論もあるわけです。これを堅持しなければならぬという立場にある政府との間で、これはなかなか決着がつかぬ問題である。こういうふうに考えますが、できるだけ外交というものは国内で大いに論争をする、しかしその論争は水ぎわでとめる。こういうような美しいやり方でやっていきたいと思うが、日本の政界の現実はなかなかそうはいかぬ。私は非常に残念に思っております。

井野正揮日本社会党

○井野委員 そうすると、ことばじりをとらえるわけじゃございませんけれども、自民党を代表する足立篤郎君の討論は、討論のための討論だったということに理解をしてよろしいですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私も討論を聞いておりましたが、超党派外交というものが望ましい、こういう期待の表明じゃないかと思うのです。現実の問題として、いま超党派外交ができますか。井野さん、御自信が持てますかどうか、私も疑わざるを得ない。こういうふうに考えますが、私も気持ちはそうですよ。超党派でやっていきたい。しかし、現実はそうもなかなか行きかねるという面が多い、こういうことです。

井野正揮日本社会党

○井野委員 大臣の真意はわかりました。  そうしますと、外務省の言う機密保持とは外国に対してはもちろんであるが、国民に対しても国会に対しても機密なんだ、こういうことですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 機密は、国民に対しましても、あるいは政党に対しましても、あるいは国会に対しましても、あるいは外国に対しましても、守るべき機密というものはそれぞれあります。

井野正揮日本社会党

○井野委員 大臣、あなたは機密というものは、あなたの御説明の過程の部分にありましたように、外交交渉の過程において、相手の信用を傷つけたり、あるいは発言が相手国家に与える影響等について、信義を守らなければならないということは、機密の中に入ると思います。しかしながら、それらの中身の間において、もしあなたもおっしゃられたように密約——先ほども与党の皆さんが密約密約とおっしゃられておるんでこちらがびっくりしておるんですが、密約があるかのごとき印象を受ける。あってはならないことでありますが、しかし、われわれ日本国民は過去においてこの政府の偽った報道、国民に対する宣伝によってあの敗戦というものも味わいました。特に大本営の平出海軍大佐の偽りの報道はあまりにも歴史的に有名であります。片やまた最近は、アメリカ国務省の公務員がベトナム戦争に至る数代の大統領あるいは各国との間にあった秘密を暴露することによって、これが実際のアメリカのベトナム戦争の真実をアメリカ国民に知らせ、今日ではニクソンはアジアからの撤退をする政策に転換をしたという大きな効果の歴史的事実があります。こういうことを考えてみるときに、先ほど官房長の御説明によれば、これは中川先生の御質問の中から出たわけでありますが、極秘とか秘の書類の区分は当該局長がするというのであります。当該局長がこの判断をするというのであります。もちろん、官房長官も事務次官も知っていることだろうとは思いますが、私はこの取り扱い、特に極秘などという——この外務公務員法第十九条で国益に関する秘密を漏洩した場合、こう規定をされておるわけでありますから、そうすると、局長が国益の判断もすることになるわけですね。現行憲法の中でそういう形になっておりますか。大臣、これはたいへんな問題だと思いますので、佐藤官房長の御答弁のとおり、極秘という印を押す書類の取り扱いの基準は局長決裁によってきまるのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 そのとおりだと思います。国益国益とおっしゃるから事は大きくなりますが、これは伏せておかなければならぬ文書だということ、これは当該局長が判断をする、これが通則でございます。しかし、場合によっては課長がやる場合もあるし、大臣がやる場合もある、これは例外の場合であります。

井野正揮日本社会党

○井野委員 大臣、ことばじりとらえるわけじゃございませんけれども、私が国益と言ったのは外務公務員法第十九条にそのとおり書かれておるんです。私は事を針小棒大に言っておるんじゃないんですよ。また、先ほどから御質問のあったいろいろの問題、蓮見事務官の問題もこの法律によって捜査を依頼したと答えられておるんですよ。大臣、いまのことばはお取り消しになったらどうですか。国益国益と重大そうに言うけれどもというのは、それはちょっと失礼じゃないですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 国益国益というと話が大きくなりますが、しかし、この文書は機密文書であるかどうかという判断ですね、その判断は当該局長がして、その判を押す、こういうことです。

井野正揮日本社会党

○井野委員 もう十分になってしまったので、たいへん残念でございますが、私はこの問題はきわめて重大な問題でありますから、約束の時間を守ろうと思います。意を尽くしておりませんし、大臣も言いたいことを言っていないと思います。しかし、非常に大事なところでありますから、私の質問は後日のこの委員会にお願いをすることにいたしまして、これでとどめたいと思います。質問を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 この際、鳥居君の関連質問の発言を許します。鳥居君。

鳥居一雄公明党

○鳥居委員 今回のこの機密文書漏洩の問題でありますけれども、もともとこれは内容からいっても国会に報告されるべき内容のものでありまして、全くその次元は違うわけでありますけれども、公務員法というたてまえからいいまして、電文そのものが外に漏れることは確かにいけないことでありまして、国家公務員法のそのたてまえを守っていかなければならない。その前提の上で伺うわけであります。  三十日に本人が告白をしておるわけです。そうしますと、三十日に告白をされまして昨夜十一時警視庁のほうに移すことになった。その間にあまりにも外務省における時日が長い。非常に政治的に利用された面がうかがわれるわけであります。もともとこの事件の発端から、三大角福戦争のその波を受けて起こった話だなんというそういううわさも流れておりました。三十日に本人の告白がありまして、大臣はいつその報告を受けましたですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私も私なりに情報網を持っておりますから、いろいろな筋からいろいろなうわさ程度の情報は二十八、九日ごろから聞いておりました。しかし、かなり確度を持った情報、それは三十日の夜十一時ごろ安川審議官から、実は私のところにおります蓮見事務官からこういう話がありましたという報告を受けたわけであります。

鳥居一雄公明党

○鳥居委員 そうしますと、百歩を譲りまして、三十日に本人が告白をして出ておるわけです。それまでにこの捜査に関しては警察庁並びに警視庁の捜査の協力を得たい、こういうことでありまして、特定のある人、AならAという形で煮詰まった場合に、この告発という、外務省としては第三者でありますから捜査当局にゆだねる、こういう形の行為になってくるわけです。ですからその時点で、あるいは外務省として内部の話でありますから知らなければならない……。一日や二日かかったとしても、三十日から昨晩三日までの間は、あまりにも時日が長過ぎます。ちょうど昨夜といえば本会議が終了いたしましたのは九時前後。予算が上がって、ゆっくりそれが出てくる、こういう形の告発のしかた、ここに大きな問題があるように思うのです。先ほどの話では、官房長の話によりますと、捜査依頼を昨日の夜十一時にしたというのは、これは間違いじゃありませんか。捜査依頼というのは従来して、特定の個人ときまって、この告発をする。これがおくれにおくれて昨夜の十一時だったということじゃありませんか。どうでしょう。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、この告発はしておらないのです。その間、というのはどういうことかというと、本人が三十日に申し出た。しかし外務当局といたしましてはその本人にまだ関係者がおるのかないのか、そういうようなことがつかみ得ない。そういうような状態で数日経過した。ことに経過的には関係者と一応見られました方が海外に転勤をしておったというような事情もあります。そういうようなことでまだ特定の本人というところまでいかない段階において本人が自首して出た、これが真相でございます。

鳥居一雄公明党

○鳥居委員 そうしますと、官房長、三十日以降本人は軟禁された状態ですか、それともどういう調査を今日までやってきておりますか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 いま大臣も御答弁になったように、三十日の朝に安川審議官に話が来まして、それで安川審議官が夜大臣のところに御報告したという点は先ほど申し上げたとおりでございますが、それは先ほども私申し上げましたとおり、そのときの話が非常に混乱しておりまして、あまりはっきりしなかったものでございますから、文書課長が秘密取り締まり責任者でございますが、文書課長がいろいろ話を聞いております。したがって、役所には来ておりませんけれども、ほかのところで文書課長が話を聞いております。

鳥居一雄公明党

○鳥居委員 少なくともこの論議で予算委員会はストップしております。国会の場で論議されておる事件でありますし、そういう意味からいっても、ほぼ間違いないという段階で捜査当局に移して当然じゃないでしょうか。そういう意味からいって、予算があがった昨晩十一時にそちらのほうに移されるということに大いに疑問を抱かざるを得ないのです。しかもある新聞に抜かれております。けさの朝刊にも出ております。記者会見をやって発表したのがけさの九時半だというお話でありますから、そういう外務省における調査の段階で抜かれておる。こういうさまざまを考えてみまして、対応策が非常にだらしがないという以外にないと思うのですが、大臣どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私どもは故意に告発行為を遷延したということはないのです。ないのですが、いま鳥居さんがおっしゃることも私よくわからないのです。鳥居さんなんかの政党でも、あの機密問題と裏取引という沖繩協定の問題とすりかえては困る、こういうことも言ってきているのです。はからずも結果において、これが別々の時点において行なわれるということになって、皆さんの御主張が結果においては通ったというような形にもなるのです。まあそれは余談でございますが、いずれにいたしましても、私どもといたしましてはこれを故意に遷延をいたしておったというのではない。特定の人の名誉に関することでありまするから慎重に内調べをしておった、こういうことでございます。

鳥居一雄公明党

○鳥居委員 以上であります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 以上で鳥居君の関連質問が終わりましたので、この際、吉田君の発言を許します。吉田君。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 大臣、直截簡明に願います、簡単にしますから。  私はいまの蓮見事務官の問題は、一つは外務省における綱紀問題と思います。もう一つは、われわれも国会に議席を持ちまして、国会は行政を監督すべき憲法上の責任もあります。こういう意味におきまして、外務省の機密漏洩事件が国会で論議されたということは非常に遺憾なことであります。そこで、この原因は何か。やはりさっきから言われておりますように綱紀が弛緩しておるんじゃないか。総点検をせなければいかぬのじゃないか。どこか姿勢をしゃんとすべきものがなければいけないのじゃないか。それとも外部の力が非常に強いのか、あるいは機密漏洩するような何か関係があるのか、そんな点が一つ。  それからもう一つは、四十四年の三月十四日には、前年の四十三年十二月三日の官房長官の依命通牒を受けましてあらためて官房綱紀の粛正についてということを全省庁に向かって通達を出しております。総務長官の名によってこれを出しております。こういうこともあるわけです。  それからもう一つは、警察というものは御承知のとおりに刑事訴訟法第百八十九条の二項によりまして、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査する」、だから調べてもらいたい、犯罪捜査をしてもらいたいということになりますが、やはり行政庁は行政庁の一つの領域があります。いまは昔の制度と違って検察官が手元に警察を持っておりません。したがいまして、警察が事実上の起訴、不起訴、いわゆる立件をするやいなやということを決定しております。言うならば司法権につながっておるわけです。行政権の主体をなすところの外交の重要な官庁が、それが司法につながるところへこのような内部の事情を持っていって調べてもらいたいということ、刑事訴訟法の発動を促して犯人及び証拠を捜査してもらいたいということを依頼していくということは、やはり官庁の、行政庁のあるべき姿の一つのゆがんだ状態になる危険があります。内閣以下全国の行政省庁が犯罪ありと思料したようなときに、それを一々警察へ持っていって捜査を依頼するというようなことが風潮として起こったらたいへんでございます。これを非常に憂えるのでございます。  以上の三点につきまして大臣ひとつ簡単明瞭に、率直にあなたの所見を述べておいてもらいたい。それでよろしゅうございます。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 どこに欠陥があったか、こういう第一の問題でございますが、私はやはり外務省における文書取り扱いに欠陥があった、これは率直に認めざるを得ない、こういうふうに存じます。  それから第二の、これからの綱紀粛正をどういうふうにしていくか、こういう問題につきましては、これはこの際徹底的に、この種のことが反復しないように、これこそが外交を遂行していくところの基本問題であるという認識のもとに、これは反復せざることの保障を打ち立てるという気持ちをもって対処していきたい、かように考えます。  それから捜査依頼をいたしましたという問題ですね。これは私はどうも刑事訴訟法上の知識がございませんが、よく検討いたしまして善処をいたしたい、かように考えます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 以上で、外務大臣の時間がちょっとこえましたので、外務大臣の退出を御了承願います。  引き続いて井野正揮君より外務省首脳部の諸君に対する御質問が残っておりますので、この発言を許します。井野君。

井野正揮日本社会党

○井野委員 実はただいままでいろいろ論議されましたように、外務省の設置法、組織令、あるいは内規、規約、規則等によって、どのようにこうした文書が組織的に管理されているのか、あるいはそういう手はずはどうなっているのかということを承知した上で御質問をしたいと思って、人事課長に電話をいたしましたところが、この種の資料は委員部を通じて参事官に申し出てもらわなければお渡しするわけにいきませんという回答をいただきました。これについて私はたいへんな議論を持っておりますが、そこで議論をしてもしかたがありませんので、委員部を通じてこの資料の御提出を求めましたところが、今度は文書をもってそれは出せませんという回答をいただきましたので、ちょっと読んでみます。「秘密保全に関する外務省の内規は秘密保護の制度を規定したものであって、この規則自体を外部に公表する場合にはその仕組みを明かにすることになって秘密保護の目的が達せられなくなるので、外部に公表することは差し控えたいと存じます。ただし、外務省の秘密保全に対する内規も基本的には昭和四十年四月の事務次官会議申し合わせに基づくものであると理解していただいてよく、右御了承願います。昭和四十七年四月四日 外務大臣官房長佐藤正二 衆議院議員井野正揮殿」という文書回答をいただいて、昭和四十年四月十五日の事務次官会議申し合わせの文書を参考として添付していただいたわけであります。たいへんこれはどうもありがとうございました。  しかし、私はここで考えてみますには、憲法、法律、施行令を受けてこの外務省の秘密保全に関する規則——これで間違いありませんね、官房長。秘密保全に関する規則、こういうふうに人事課長は電話で教えてくれたのですが、そういう名称になっておりますね。したがって、これは何人にも秘密にすべきものではないと思います。日本国民である限り国の法律、規則、これを秘密にするということは私はあり得ないことだと思うのです。明らかに憲法の負託によって、国会の代表によって運営される国政、そしてこの負託を受けておる内閣、内閣の委任を受けておる各行政庁の中における法律は、普遍的的なものであり、何人にも公正に提示されるべき性格のものでなければならぬと思うのですが、これが国会の委員部を通じて要求した場合に、秘密保全の手だてが外部に漏れるからこれは差し控えさしてもらいたい。この見解は私は国会対内閣ということにおいて許されるべきことでないと思うのですが、この点いかがですか、官房長。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 この規則は御承知のとおり秘のものでございます。したがってこれを公開すると申しますか、公のところに出すことは大臣の許可がないとできないと思います。それから実は外務省の機密保持と申しますのは、御承知のとおり外国との関連があるわけでございます。したがって、公開したところに出すには大臣にも御承知を得なければなりませんし、なるべく差し控えたい、そういうことを考えております。内容につきまして御質問がございましたら、私できる限りのことはお答えするつもりでございます。

井野正揮日本社会党

○井野委員 それは話がだいぶ違うじゃありませんか。委員部を通じて、もちろん本日の審議に必要だから要求しているのですよ。大臣の許可を得たら出す、出さぬがきまるのですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 私、その規則を全部見ておるわけではございませんからちょっとわかりませんが、私の記憶しておるところでは、大臣の許可を得れば出せると思います。

井野正揮日本社会党

○井野委員 それではこの「差し控えたい」というのは官房長自身のお考えで、大臣の決裁を受けておられないわけですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 秘の文書であるのと同時に、先ほども申し上げましたように、差し控えたいという気持ちがございますものでございますから、先生に差し上げました文書は大臣の決裁を受けております。

井野正揮日本社会党

○井野委員 大臣がいませんので大西次官にお尋ねをいたします。  先ほど中川さんは、やめれば代議士に戻ると言われましたけれども、いまもあなたは代議士なんで、たいへんな認識の違いだと思いますが、そういうことだから官僚になめられると思うのです。国会を代表して、政党の責任政治のたてまえから政務次官をお出しになっておられるのであって、あなたが総裁の意図を受けて一番外務省を管理される立場にあると思うのですが、これは大臣にかわってお答えされるのですから、次官としてでなくて大臣としてお答え願わなくてはならぬと思います。  先ほど私は外交の秘密と秘密外交との見解をお尋ねをしたわけですが、確かに交渉経過過程の中ではまだ固まらないことですから、固まらないことだから相手側に迷惑をかけることもあるし、また国内にも誤解を生じて無用な紛議を起こしてはいけないから機密保持しなければならぬという問題があると思います。しかし結果的にはその国民に国会を通じて報告したこととその中身に相違があったならば、これは国民の負託にこたえておらぬことになるわけですね。ですからきまった結果について過程にあったことを言う必要はないと思います。これは経過過程の中の秘密ですから、相互信頼の上で保持しなければならぬものだと思うのです。しかしその結果が出たときに指摘された事項と全く同じであるということになりますと、これは重大な問題をはらんでおると思います。しかしきょう私は、予算委員会で論議されたこの問題をさらにやろうとしておるのではございません。決算委員会の性格を知っておりますから、あくまでも膨大なる経費を使って外務省が国民の負託にこたえて進めておる外交行政の、事務の分野における行政のあり方について私は尋ねていきたいと思うわけですが、いま官房長がお答えになった、国の規則の中で国会に報告することができない規則がある。それは私は秘密国家だと思うのです。一体いかなる憲法なり法律条項によって、国会の負託を受けて、委任を受けて定めた規則を国会に公示することができないという規定がありますか。それを守る法律がありますか。ひとつお示しください。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 いま官房長からお答えをいたしましたのは、外務省におきましては、外務省に限りませんが、各省庁におきましてそれぞれ機密事項というものがあろうかと思います。ところでその中で外務省は何と申しましても対外機関、つまり外政機関でございます。その他の省庁は内政関係の省庁でございますが、外務省は対外つまり外政をつかさどっておる機関でございます。ですから直接の相手はもちろん外国であるわけでございます。したがいまして諸外国との間におけるいろいろのやりとり、その間に機密がありますことは申し上げるまでもないところだと思います。同時にそのことが国家の安全と利益に関係するいわゆる非常な機密事項、これが外務省に多いことも御承知のとおりだと思うのでございます。  そこで今回の漏洩事件として問題になっております事件は、いわゆる沖繩協定締結途上における関係当事者両国間の交渉の過程におけるやりとりでございます。そういうやりとりが外部にそのまま漏れたということになりますというと、そのこと自体に対する国家間の、当事者間の信頼関係、これはもちろんでありますが、それを契機として今後それとは違ったいろいろの、たくさんの諸外国との間におけるこれからやっていかなければならない交渉というものが、日本国とはそういうやりとりもできないのじゃないかという、こういう不安感を諸外国に対して与えるおそれが多分にある、私はしろうとでございますけれども、そういうように感じます。おっしゃいますように、私は政務次官で、言うならば、一年志願をしたわけじゃありませんが、一年志願兵みたいなものです。ですから、近いうちにどうせ代議士、衆議院議員プロパーに返るわけでございますが、いまでも私は、おっしゃいますように政務次官であると同時に代議士であるわけでありまして、これを忘れてもらっては、私は迷惑をいたします。それは冗談でございますが、それはともかくといたしまして、私は外交のしろうととして、この問題は非常に重大な問題であるというふうに考えております。そういう趣旨において、この問題が外部に漏れたこと、これは言うならば外交関係における最高の機密の一つではないか、私はこう思っております。極秘というのは、やはり国家の安全とそれから利益に重大な関係のある秘密、それを極秘と言っておるのじゃないかと思います。それから秘は、その程度には至らないけれども、関係者がこれの秘密を保たなければならないというものもあろうかと思います。今回の問題は、その極秘の中の最たるものだと思います。(井野委員「私の質問はそんなことじゃない」と呼ぶ)ですから、そういう関係で、そういう機密を守るべき機構といいますか、組織と申しますか、そういうものを規定しておるのがいまの規則であろうと思います。私は、この規則を見たことはございませんが、そういう規則の仕組み、そういうものが外部へ公表されるということは、その機構のあるところをねらえば、あるいはここは非常に機密をとりやすいとかいうことがあり得るかもわからぬと思うのでございます。したがいまして、そういうことを慎重に考えて、官房長は、こいねがわくは、この規則を公の場所に出すことはごかんべんを願いたい、こういう願いを込めて、そういう文書を差し上げたものと思っております。  それから密約問題は先ほど申し上げたとおりでございますから……。

井野正揮日本社会党

○井野委員 ずいぶん長い間お話しなさいましたけれども、それは一つも私の質問に答えてないのです。私そんなことを聞いておりやせぬです。大体憲法、法律、施行令を受けて、規則がつくられるわけですね。この設置法でいけば、第七条、また組織令でいけば第三条第三号、これにどの課でしたか、秘密を守ることという項目が起こされて、業務分掌がきめられておるわけですが、この秘密を守ることによって、外務省には秘密保全に関する規則というのが設けられている、このように電話でお答えなさったのです。では、その秘密保全に関する規則というのを一部下さい、こういうわけですね。これは何人も承知しなければならぬものなんですよ。知って犯してもいけないし、知らないで犯しても罪になるのです。規則なんですから。この規則は国会議員にも出すことができないという権限は、いかなる法律によって保全されているのか、権利が担保されているのか。それを聞いているのですよ。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 この機密の漏洩に対する処罰関係は、御承知のとおり、一般の公務員でありますれば国家公務員法、外務省でありますれば外務公務員法に基づくわけであります。そうしてそれは、外務公務員法は国家公務員法を受けているわけでありますが、これは限られた身分の公務員でございます。一般国民ではございません。一般の国民が処罰される問題とは別なんです。(井野委員「見当違いのことを言っておる」と呼ぶ)お聞きください。間違っておれば訂正してください。——でありますから、先ほど申し上げたような省内の特殊な身分を有しておる諸官吏、あるいは公務員という限られた、そうしてそれを守るべき人たちは十分知っておらなければいけませんけれども、そうではないのでありますから、その仕組みが外部に漏れるということはこの際どうであろうかということで、そういうお願いを申し上げたと思います。ですから、私は、これが憲法に触れるか、法律的にどうなのか、研究をしてみぬとわかりませんが、しかし常識的にはそういうことが言えるのじゃないか、かように思います。

井野正揮日本社会党

○井野委員 大西次官、もう大臣の代理だなんて敬意を表しませんよ。それでは管理能力が全然ないですよ。私が聞いているのは、かつて日本帝国であった時代に機密保護、特に軍事機密の保護法という法律があったのです。いまはございません。主権在民ですから、ないのです。私は、佐藤官房長が文書をもって私にお答えになったのですから、依拠すべき根拠があるものだろうと思うのです。しかし私は、知らないのです。国会審議の上で重大な影響があるから、私は聞いているのです。大臣が許可すれば出せるものなら出す、あるいは要求されても出さないものがある……。そのことは、この憲法の中で明確なんですよ。官房長の言い方をすれば、井野正揮にこの規則を渡すと、機密文書のある場所がわかって、盗まれるからこれは渡さないと言わぬばかりに書いてありますよ。憲法の中には、第五十七条には、先ほどからお話しのようないろいろの文書に関する場合等の質疑がかわされて、合意を得るためには言わなければならないし、もし漏れては困るというようなときには、秘密会議の条項が憲法で定められているのです。もちろんこれは出席議員の三分の二の多数の承認を必要としますが、先ほど福田大臣は、安保の問題に関連して、永久に与野党の間には、外交問題については合意を得られないような発言があったことははなはだ遺憾だと私は思う。四百九十人の衆議院議員を網羅した本議会において、きのうのことですよ、一党の代表責任者が超党派、意思統一した国家的外交を主張しておきながら、きょうの答弁のごとく、外務大臣が、そんなことを言ってもできないことです……。そこに秘密外交があるのじゃないですか。しかも国の規則を、国民を代表して国政を論ずる最高の機関に提示できないということは、私は何としても了承できない。いいですか、大西次官、規則ですよ。私は、内部におきます文書なら、これは行政の責任者として、いまは出せません、こうなるかならぬかわからぬし、相手の立場もあるし、これは言えません、ということはあってもいいと思う。私は、先ほどから認めている。だが、いやしくも行政機関が、国会の委任を受けてつくった規則を、国会に出せませんということは、私は了解できない。その根拠を示してください、官房長。大西次官は規則すら見たこともないないというのだから、これは話になりません。官房長に伺っておきます。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいまの井野議員の御質問に対して、むしろ佐藤官房長から、先ほどに関連しておるのだから、あなたから御答弁に立ってもらいたいと思う。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 先ほど申し上げたのを反復するようになるかもしれませんが、私が先生に御返事申し上げたのは、先ほど申し上げたとおり、秘の文書であるということと、それが公開されるといろいろ問題になるということで、先生に差し上げたからどうということを私は申し上げておるのではございません。  それで、もう一つつけ加えさせていただきますと、この規則は内部訓令でございます。外務大臣の訓令の形になっております。

井野正揮日本社会党

○井野委員 規則でありましても訓令でありましても、それは一般的普遍的なものを定めているにすぎないわけであります。このものさしによってこの文書は極秘にするとか、この文書は何年間保存しなければならないとか.この文書の責任者はだれというふうにきまっていくものと思うのであります。その普遍的な訓令、規則を明示できないという根拠は、何によってこれは守られておりますか。国家行政機構に暗い陰はないはずなんです。重要なる文書を出せないということについては、官房長、私は初めから譲っていますよ。あるでしょうと言っている。しかし、規則を、訓令を出さぬという話はないですよ。これは何によって政府は、そんな国民の権利を侵害するような規定があるんですか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 御承知のとおり、その訓令を国会、立法府のほうで見たい、秘のものでも見たいというお話でございましたらば、いろいろ、何と申しますか、その影響を見ていただいて、ある席をいただければ当然出せると思いますし、それから、これはそういう影響はないと大臣が御判断になれば出せると思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 井野委員にちょっと申し上げまするが、あなたの御質問は、これから、ここ数日当委員会に非常に重要なきめ手になると思いますので、はなはだきょうは、ちょうど吉田君と瀬長君が法務省関係の質問をいたしたいと思って待っておいでになりますので、次回の理事会であなたのほうの下平先生とよく相談して、次回にこの問題を、おもむろに御高見拝聴させてもらうということにいたしたいと思いまするから、ちょっとこれは次回にしてくれませんか。下平先生、お願いします。

下平正一日本社会党

○下平委員 それではこの問題はいいですよ。この問題は次回でけっこうです。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 そこで井野正揮君にただいまの問題以外の点において簡潔に、また、簡潔にお答え願うことにいたしとうございます。

井野正揮日本社会党

○井野委員 与党の皆さんに聞いてもらいたいと思うのです。私がいままでやったことは、ほんとうに簡単なことなんです。この規則はこういう趣旨に基づいて公表しないことになっている、しかし憲法や法律で国会に対してこれを拒む理由はありません、御協力願いたいと言えば、話はわかることなんです。そうでしょう。しかし、これを国会で求められて、もしそれが行政官僚の特権だなんということにしておいたらのさばるんですよ。与党何ですか、さっきからのざまは。みっともないですよ。私はこう思うのです。(「何を言っているのだ」と呼ぶ者あり)これは与野党含めて、あなた方の言ったことを私は言っている。これを含めて、官僚をはびこらせるのはこういうところに問題があるのであって、私は何も、何回も重ねてやりたくないのですよ。中川さんの言ったとおり言っている。   〔発言する者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 お静かに願います。

井野正揮日本社会党

○井野委員 次にお尋ねしたいと思います。(「与党の人間に対して何を言うんだ。君が与党を攻撃するなら反論しようじゃないか。」と呼ぶ者あり)野党の攻撃をしたじゃないか。社会党の名前をあげて盛んにやったじゃないか。   〔発言する者あり〕

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 お静かに願います。委員長の、ちょっと運営のへたな点があったから、私に免じてお静かに願います。

井野正揮日本社会党

○井野委員 この機会にやはり明らかにしておかなければならないのは、憲法の前文の国家概念に対する官僚のものの考え方をはっきりさせておきたいと思うのです。これはもう次官にお尋ねするのはよしました。官房長、国家とは何ですか。国家の要素は何と何と何で国家と言いますか。これをひとつお答えください。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 国民が主権を持っているということと、国家は、通常考えますれば領域——何か私もあ承り、憲法学者でないものでございますから、そうはっきりいたしませんが、そういうことじゃないかと思います。

井野正揮日本社会党

○井野委員 私は、国家概念がはっきりしないところに、いまのような、国民主権を行政が侵すような結果が起こるんだということを言っているのです。憲法学者でなくても、国家とは国民と国土と主権ですよ。あと、この中に書いてあるのは運用のしかたを書いてあるだけですよ。この前文を受けて条項的に、国会がいかに重要なものであるかということが規定されているのです。その権利すら否定するから、私もそういうことを言いたくなるのです。私はこの国会の論議というものが単なる与野党のかけ引きではないと思うのです。一億国民の負託に基づいてこの憲法を順守しながら国政を運用し、行政においては内閣に負託をする。内閣と国会は連帯をして、また国民に責任を負うべき義務が課せられておる。条項もおわかりになるでしょう。第何条ですか、それは。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 国会につきましては四十一条、国会は国権の最高機関であるという条文がございます。内閣につきましては、六十五条、「行政権は、内閣に属する。」という規定がございます。

井野正揮日本社会党

○井野委員 したがって、私は何も知ったかぶりをして言っているのじゃないんですよ。往々になれた人があやまちをおかすように、国会の論議を聞いておっても、明治憲法の時代の運営と今日の憲法の運営について、根本的なあやまちをおかした論議があります。われわれは厳粛に国民の負託にこたえなければならない。したがって、先ほどから繰り返して言う文書保全の問題と、法令、法規、規則の運用の問題とは別だということなんです。これは何人にも秘密にすることはできないということを私は言っているのですよ。この点は十分御検討の上、これはあらためて御回答いただきたいと思います。  最後に私はもう一つお尋ねをしたいのは、憲法九十九条の規定をどういうふうに考えられますか。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 九十九条は、この憲法を尊重し擁護する義務を負うという規定でございます。天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員がこの憲法を尊重し擁護する義務を負うという規定でございます。

井野正揮日本社会党

○井野委員 この憲法の前文と九十九条の規定はきわめて重要な尊厳な意味を持っておるわけであります。天皇、摂政、国務大臣そして国会議員、この憲法を順守することによって、一億国民に奉仕する立場がなければならぬわけです。特に国家公務員は全体の奉仕者であって、一部の権力者の奉仕者ではないわけでありますから。また政党責任政治なるものは、多数を得て首班を指名し内閣を担当した政党の責任でありまして、この中に起こってくるいろいろの問題について他党にその責任を負わせることはできない。特に公務員の規律等については、むしろ内部の問題として十分これを監督、指導しなければならないし、その責任が生じたときには、その政党は責任をとるのが私は憲法のたてまえだと思うのです。したがって、先ほどから足立君の演説を何回も例にとりますが、私は単なる願望を述べられたものではないと思います。もしわれわれが今日国家的利益を口にするならば、そこに介在するもろもろの問題について秘密保持の場合は、政党間の信義を守ってこれを説明をし、秘密会をもって国民的合意を得る方法がなければならないし、国会において重ね重ねのうその答弁をすると、公務員の中にも、憲法に照らして反発が起こるのはあたりまえであります。アメリカのどろ沼に入ったベトナム戦争を回避するために、アメリカ国民の権利意識を目ざめさせるためにアメリカのあの十数年にわたる秘密が暴露された結果、ニクソンは世界の歴史を変える政策転換を始めたではありませんか。私は国益というものはこのように重大な意味を持つものであり、これらの文書の取り扱いが、次官も見ておらなければ大臣も知らなかったというような野方図な行政運営、外交の中に問題があることを指摘したいのであります。  まあ次の時間に譲れということでもありますし、私がいままで出た委員会では一番長い時間をいただきましたので、きょうは落ちついてものを言うこともできたことに感謝しますが、背後にある問題とはここであります。私のほうから指摘をしておきたいと思います。秘密漏洩ではなくして、秘密外交の疑い濃厚であり、しかも与党すら知らないような問題が隠されているところに問題があると思います。あるいはこのまま進むならば、日本の前途に大きなあやまちをおかす危険すら内在しておるところに今回の問題の重要性のあることを指摘をいたしまして、委員長のお計らいどおり、また、たびたびこの委員会にもおじゃまをして論議をさせていただく権利を留保させていただいて、私の質問を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次に、吉田賢一君から発言を求められております。吉田君の質問を許します。吉田賢一君。   〔委員長退席、森下(元)委員長代理着席〕

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 外務省の方に伺いたいのですが、海外技術協力の問題につきまして伺います。  一九五四年のコロンボ計画に参加いたしまして以来実施してまいっているようでございますが、この海外技術協力は年間ざっと百億円ぐらいの予算を取っておると記憶しておりますのですが、日本の平和外交の推進のためには、開発途上国に対する行政のあり方としまして、非常に重要な任務を持っておる、こう考えますのです。そこでただいま、DACの議長の報告によりますると、日本の負担しております経済支出は非常に低いようでございます。これは七〇年の報告でございますけれども、日本の負担は千九百万ドル、支払いベースにしまして千三百七十万ドル。アメリカの五十分の一、フランスの三十五分の一。世界で見ますると第九位。こういうことになっておるようでございます。申すまでもないことでありますけれども、ピアソンの報告の援助目標は、国民総生産の一%ということですが、こういうことにつきまして、経済大国といわれる日本が、アジアの先進国といわれる日本が、この技術協力の面におきまして、経済負担の実情が比較的に低いというふうに思うのでありますが、この点はいずれまた別の機会に詳しく聞きますけれども、相当内部には反省、批判ないしは今後の施策等があってしかるべきであろう。数年継続しておりまするので、だんだん過去の実績につきましても検討してきたと思うのですが、どういうふうにこれは考えて、どういうふうになっているのでしょうか。またどう評価して今後の目標をどうしようとしているのか、そこらをひとつはっきりしておいてもらいたい。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 お答えいたします。現在、経済協力全体をひっくるめて申し上げますと、大体GNPの一%には達しておるのでありますけれども、技術協力の面等におきましては、政府の予算、政府援助といいますか、政府の財政における協力、そういった面でかなり縛られておるわけでございます。したがいまして、それだけを見ますと、諸外国に劣っておるというのが偽らざる現状でございます。このことはまことに遺憾でありまして、今後これを大いに改善をしていきたいと存じております。詳細につきましては事務当局からお答え申し上げます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 事務当局のほうからひとつもう少し詳しく言ってもらえませんか。——答弁者がおらぬのですか。時間が早くなったので答弁者がおらぬということになると、一人でしゃべってもしようがないので……。  そうしますと官房長に聞きますが、あなたのほうで、たとえば専門家の派遣ですな、そういう人事関係につきましてはいずれ関与するんでしょうね。ちょっと質問の必要上聞くんですが……。

佐藤正二外務大臣官房長

○佐藤(正二)政府委員 専門家の派遣及び向こうの、何と申しますか、勉強する者の受け入れば、技術協力事業団と申します外務省所管の事業団がございまして、そこでやっております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 技術協力事業団が事実上扱っておることもわかっておりますのですけれども、そうは簡単に結論が出ないのであります。それならば聞きますが、技術協力事業団を通しましてのここ二、三年来の予算、決算はわかりますか。——ちょっと調べなさい。  政務次官に聞きますが、いま私が一言申しましたように日本の先進国である立場、それから開発途上国があまりに多い現在のアジアの実情、南北問題は政治的にもきわめて重大化してきた今日、ベトナムをはじめとしまして幾多の社会不安、戦争等々が繰り返されておりますこのアジアの地域におきまして、一つの平和的な人道的な先駆者的先進国としての大きな役割りがこの海外協力事業にもあると思うのです。そういうような場合には、たとえば事業団があるので事業団で人事を扱っておりますというだけではこれはどうかと思うのです。といいますのは、どの方面に向かって、どのような成果があがっただろうか、成果の検討をして次の対策を立てる。したがって予算の組み方にしましても、予算の要求にいたしましても、積算の基礎を検討するにいたしましても、どのような事業協力、技術協力をしておるのかということを本省が知らずに数百億円の予算をとるということは間違いということになります。しからば首脳部といたしましては、大まかなら大まかなりにもやはり技術協力の実績を年々検討して、そしてこうなければならぬ、ここに問題がある、ミスがある、開発の問題があるというようなことを検討されなければならぬと思うのです。やっておるのですか、やらぬのですか、まかせ切りなんですか、どうなんですか。どちらからでもいいです。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 先生の御意見まことにごもっともであると思います。ほとんど私も同感でございますが、そういうことはやっておるのでございまして、やっておるといっては語弊がございますが、担当局におきまして十分やっておりまして、そうして省全体におきましても、担当局の策定しました方策について全部の幹部が集まりまして検討もいたしまして、そうして最終的には省の意見をまとめるわけでございますが、いま担当の局と申しますのは経済協力局でございまして、いま呼んでおりますが、すぐ後刻参ると思いますので、詳細を御説明申し上げたいと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 経済協力局が主管局であることもわかりますのですが、やはりもっと重要視するというときには、大臣以下この問題に相当積極的姿勢で取り組まなければいけないと思うのです。先年、いつだったか忘れましたけれども、三木さんが外務大臣のときだったかもしれないと思うのですけれども、私はインドの農業協力につきまして少し質問したことがあるのです。たくさんの餓死者が出たようなことを前提にいたしまして、ガンジー首相まで一日の配給の食糧を減らしますといって、写真までとられておったような実情を示しまして、いかにこの種の事業がアジアにおいては重要な課題であるかということを尋ねたことも実はあるわけです。そこでいまの段階において聞きたいことは、やはり投資的な意味で、ギブ・アンド・テークで何か次にもうかる種をまくのだというようなことは、いささかでもあるべきものではない、これが基本姿勢だろうと思うのです。それならば政府が直接手を差し伸べて、投資を通して経済的に技術的にその他それぞれと協力する姿勢を重視していかなければならぬ。そういうことにつきまして、金額の面においては非常に少ない、検討していかなければならぬ。問題が重要であるということはちらっとお述べになりましたのですが、それより前に実績の再検討を、総点検をしてみるということが必要でないだろうか。たとえば教育とか文化とかいうようなことについてどんなことがあるんだろうか、こういうことも実は考えてみたいのです。教育とか文化とかいうことは、これは経済面といささか違った次元の問題であります。けれども、教育とか文化という面を重視するということはきわめて重要な課題であります。ですからそういう辺についてそれぞれの計画、実績あるいは実情、こういうものが詳細に本省にあがってくる。それで局、局というが、局が万能じゃありませんから、それぞれいろんな方面の意見なり資料なり前提にいたしまして局の意見をきめてくると私は思うのですがね。それほど局は何もかも材料を持っておるようには思われぬのですがね。いま教育とか文化は一例をあげたのですが、それほど多方面にわたって真にその国の文化、教育ないしはその他経済各方面の施策に役立つようなことが技術協力としてできておるのだろうかどうか、こう思うのですがね。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 先生おっしゃいますとおりでございまして、単に経済協力あるいは技術協力、そういった面だけではなくて、広い文化そういう意味における諸外国との国際交流、これはまことに必要なことでございます。したがいまして、ことしのこの国会に外務省といたしましては国際交流基金法案というものを提案をいたして御審議を賜わっておる途上でございます。これは日本に対する諸外国の理解、それからまた国際間の相互の理解を深める、そして国際親善を大いに促進していこう、こういう趣旨の法案でございます。これをいま御審議を賜わっておるわけでございますが、そういう点にも先生のおっしゃいますように外務省としてはこれを重視いたしまして、そういうことをやろうとしておるわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 経済協力局長に伺いたいのでありますが、ここ二、三年来の海外経済協力、技術協力の問題につきまして、総括して申しますると予算はどのくらい組んで出しておることになりますでしょうか。概略でよろしゅうございます。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 四十七年度の技術協力関係の予算といたしまして百十六億八千十九万一千円、これを要求しております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 そこで事業がだんだんと追加されていっておるようでございますが、その割合で見ますると、たとえば研修生の受け入れとか、あるいはまた専門家の派遣とか機材の供与ないしは技術センターなども設置しておるようでありますが、調査とか医療協力あるいは農業協力、開発ないしは青年海外協力隊の事業、そういったようにだんだんと拡大しつつあるらしいのであります。これはそれぞれ仕事をしておるのだろうが、最も多く財政を投じ、最も大きなウエートを占めるのは、そのうちどれとどれとどれということに認識すればいいのですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先生の御質問の、受け入れ及び専門家の派遣あるいは機材の供与、それから医療の分野、青年協力隊の分野、いろいろな分野にまたがっておりますが、われわれの考え方としましては、個々を取り上げるということよりも、むしろそれ全体がお互いにつながり合っているという考え方でございます。先ほど申し上げました四十七年度に計上しております予算も、前年度比約二〇%増しでございまして、全体としてそのくらいの伸びをここ数年間示しているというふうに申し上げていいのじゃないかと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 各技術協力の事業につきましては、いろいろな批判がここ数年来起こってきているようでありますね。技術者を派遣するにいたしましても、どれほどの期間が適当であろうか、ないしは派遣者につきましての待遇などは、いまのような状態でいいのでしょうか。もっとも私自身も、先年タイで医療協力をわずかに視察した以上の知識は持っておらぬのでありますけれども、報告書なんかを読んでみましても、また一般の声を聞いてみましても、現状に対する批判がかなり出ているようであります。専門家を派遣する期間の問題とか待遇の問題などにつきまして、もっと十分に、精力的に打ち込んで仕事ができるような状態にすることが安定を求めるゆえんではないだろうか、こう思うのですが、この点はどうですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 専門家の派遣の期間がどのくらいになるか、短期間のものもあれば、長期間のものもございますが、その専門家が何を担当するか、相手国の要請がどうであるかということを勘案してきめております。  それから、待遇の問題は御指摘のとおりでございまして、われわれ自身まだ満足しておりません。ただ、ここ数年来は、われわれの考え方といたしまして、派遣する専門家については、数よりもむしろ行く専門家がそれにふさわしい待遇を与えられていくという方向に重点を注いでおります。具体的に申し上げますと、四十七年度要求におきまてしも、専門家の給与につきまして前年度比一五%アップをいま予算計上要請をしております。それから、所属先補てん制度、つまり専門家が日本から海外へ派遣されました場合に、その専門家がかりに民間の会社にいた場合、その民間の会社にどういうふうに補償するかというような点も、まだ不十分ではございますが、若干計上しております。そのほか、もし専門家が行った先で災害にあった、あるいはやむを得ない公務上の損害を受けた場合にどうするかということにつきましても、救済金というものを四十七年度では計上しております。先ほど申し上げましたように、われわれまだ十分とは思いませんですが、徐々に先生の御指摘の方向に今後とも努力したいと考えております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 外国に行くにいたしましても、たとえばヨーロッパの先進国に行くとか、アメリカに行くとか、しかし家族は日本におるとかいうような状態でしたら、長期滞在の場合でもそんなに問題は起こらぬのです。しかし、行く先が開発途上国でございますと、生活の状況、環境等々非常に不便であって、そこへ中学校へ行っている子供、高等学校へ行っている子供を連れていって、親子夫婦が同居するわけにもいきますまい。そういうふうな場合にはよほどお考えくださいませんと——外務省だから、そんなことは私よりも知り抜いておられるだろうけれども、内地にとどまっておる者は、言うなら父の指導を受けられないわけなんです。母だけの手によりまして児童の教育をせねばならぬ立場にも置かれております。そのような状態ですから、ほんとうに過誤並びに不備、不足がないようにそれを十分にしなければ、よい優秀な人材を選んで、開発途上国へはなかなかやれないものであります。  そこでもう一つは、向こうに行った、仕事は済んだ、期間は満了した。はたして日本に帰ってきまして再就職口が待っておるだろうか。研究途上のその研究につきましても、たとえば医学なんかにおきましては研究も相当あると思います、新しい資料がたくさんありますから。そういうことについても、日本に研究所が適当にできておらぬおそれもある。それで外国へ行っちまうということになると、家族的に考えましてももうばらばらになっちゃうのですね。それから、その人の生涯というものも、これで分断される危険がありますね。不安定である。こういうことを考えましたら、よほどこれは——宗教家が人道的な立場から生涯そこに打ち込んで、家族も捨てていくというのであれば別ですよ。そうでなしに普通に行くというような場合には、よほどこれは注意して、待遇の問題なり、帰ってからの再就職の問題なり、あるいは引き続いて何か仕事をするというようならそれに協力する問題なり、十全の用意をもってからなければ専門家の派遣というのは簡単にいくまいと思うのです。機械的にやりましたら、それは成果があがりませんわ。そういうことを思うのです。  同時に、向こうへ行きましても、おそらくは物的の資材、機材との関係もありましょう。人間は、技術がある、頭がある。しかし物がととのわない。こういうことになりましたら仕事にならぬ。そういうようなことを合わせて毎年総点検をやる。しかし、四十七年度予算は二〇%増し、それが最上のものでも何でもありませんわ。内容いかんによります。理由、条件いかんによります。だから、これはこうせにゃいかぬということになります。その辺の総点検を、あなたのほうですっかり準備しちゃって、予算要求のときの積算の基礎、前提になる資料一切をまとめまして、外務省としての方針が決定になる。そして民間の協力を求めるものがあればそれは求める。こういうふうになすべきだと私は思うのです。そういう手続をするようになっておるのだろうかどうだろうか。あなたが来ぬので、これはわからなかったのです。そういうふうにしなければ、この問題を完遂することはむずかしくなるんじゃないかと思うのです。どうですか。それはあなたのほうで準備しちゃって大臣のところに持っていくとか、外務省の大方針をきめるというところに持っていかなければならぬ。準備するところはあなたのところですよ。ほかにはありませんからね。どうですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 ただいま先生から御指摘のありました諸点につきましては、われわれももちろん気がついております。それで、具体的に専門家を派遣するという場合にも、その人が一定の期間の勤務を終えて帰ってきたあとどうするかというような問題それからもう一つは、いま御指摘のありました、専門家を派遣してそれがほんとうに効果的な仕事ができたかどうかというような点につきましても、われわれといたしましては、特にここ二年来気をつけておりまして、たとえば専門家のやった業績につきましては、相手国政府の代表を呼んで、いわば追跡調査と申しますかエバリュエーション、効果測定をやるというようなこともやっております。この点につきましては、御承知の海外技術協力事業団、外務省、それから外務省だけではなくて、やはりその専門家が関係する関係各省が緊密に連絡をとりながら仕事をいたしております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 できましたら少し継続的に聞いたほうがいいので、あなたにお伺いします。家庭問題ですが、前段に私が述べました点、これは非常に大事な問題であります。たとえば子供が高等学校にいく、どこの高等学校にやるべきか、やはり大学にいく、ある方向を選ばなければならない、そういうようなときに、学校の選択だけでも、おやじさんおらぬのです、おかあさんだけなんですというような状態になりますと、非常に大事な子たちの育成の時期、その時期に家がいわば欠損状態になっておる、たとえば数年間でも。でありますので、そういうときには何かそういう方向を誤らないように、過失がないようにするということは、これは大事な問題であります。外務省はその方面は専門だから、至れり尽くせりにやっておるかもわかりませんけれども、非常に大事な問題でありますので、その辺は一体どうしているのだろうか。その辺につきましても、これは家族の構成の問題かもわかりませんけれどもね。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 実際に専門家を決定しまして派遣するということの前に、もちろん専門家御自身の御意向、その家族構成上、一体外国へ出られるのかどうかということは当然相談いたしております。いま御指摘になりました子弟の教育の問題これはわれわれ外務省の人間といたしましても非常に重要な問題でございますが、特に専門家の派遣の場合、いわばふなれという点もございますので、そういう点、事前に十分打ち合わせをしてやるというような方向で仕事をしております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 これは単なる打ち合わせにとどまるべきではなくて、本人の意向にかかわりませず、幾多の事例を社会事情をくんで、これは意向にかかわらず、その子たちのために、しあわせのために、方法を用意せにゃいくまいと思うんです。これはもう当然に付随すべき事業でありますから。  もう一つは、政府だけの単独じゃなしに、地方公共団体も、あるいはそれぞれの公私の大学とか、大学並びに民間の企業ですね、そういう辺についても相当緊密な連絡をとりつつあるということになっているんですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 もちろん政府の役人だけが行くのではございませんですし、役人も入りますけれども、民間の企業の方あるいは学校の先生方、特に医療協力の面では、具体的に申し上げますが、たとえば慶応大学である、あるいは日本大学の医学部であるというようなところにごやっかいになっております。先ほどの子弟の教育の問題につきましても、この問題は、しかし行かれる専門家御自身の希望、あるいはかりに残られる母親の気持ちということがやはり第一に考えられなくちゃならないので、いま先生おっしゃられたように、あらかじめやるべきことではありますけれども、どっちの方向に行けということをあらかじめ指示するということはできにくい問題じゃないかと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 もちろんです。  それから、参りました土地におきまして、かの国の民衆に対する教育とか文化につきまして相当協力するという、このような施策が相当あるわけでしょうか、これはどうですか。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 先生の御質問の御趣旨は、相手の教育について協力する用意があるかというふうにお聞きしましたが、そういうことですか。——もちろん、そういうことを行なう用意はございます。ただ教育と申しましても、その国としては当然一貫したものを考えているでしょうし、いまのところ具体的に行なわれていますのは、そのうちのある段階についての教育協力ということが行なわれております。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 それから、日本の財政制座は単年度制度でありまするが、やはりこの種のものは数年間継続した計画がないとなかなかいくまいじゃないだろうか。ことしぶつんと切れる、来年ぶつんと切れるというようなことでは内地のようにはいくまいじゃないか。やはり三年とか五年計画、そういう計画のもとに裏づけの財政を組む、こういうふうにせにゃいきませんので、継続事業としての財政の長期計画、事業の長期計画、あらかじめそういうものをしていくというような方向へ何か努力しておるんでしょうか。そこらは大蔵省との話し合い並びに実際の計画として、そうでなけりゃそうするという方向へあなたのほうは希望するんじゃないだろうか、この点どうでしょう。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 現在の財政会計法上、多年度支出は非常にむずかしいわけでございます。ただ実際いま御指摘のように、一年こっきりではない、二年、三年続く専門家の派遣もあるというのも事実でございまして、その際には外務省が事前に大蔵省と協議いたしまして、相手に対しましては予算の国会の承認を条件としてこういうコミットをするというような形で、事実上支障のないようにやっております。  なお、これを抜本的にやるためには、やはり法律改正を要するという問題が出てまいります。この問題につきましてもまだきわめて予備的な段階でございますけれども、大蔵省と話したこともございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 方法といたしましてどうすればよいかということを検討する、そうして財政の継続的な計画を立てるにはどうすればいいのか。たとえば立法措置が必要であるか、そうでない方法もありやいなやということを、具体的に大蔵省と折衝するというようなところまであなたのほうの機が熟しておるのでしょうかどうでしょうか。そこらはどうでしょうね。

大和田渉外務省経済協力局長

○大和田政府委員 早晩その問題は大蔵省と詰めなければならないということはわれわれ知っておりますし、先ほど御説明申し上げましたように予備的な話はしております。ただ問題は、こういう形の法案がいいあるいはこういう会計制度がいいというようなところまではまだ詰めておりませんです。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 やはり外務省の方針といたしまして、海外の技術協力の重要性にかんがみまして、いまのような実情ですと、事業それ自体、それから事業の過去の実績の点検をすること、予算がどう効率的に使用されておったか、効果があったかどうかということも検討すること、それからいま申したように一定の長期計画性をもって臨まねばならぬ。でなければ完全にこれは行なうことができない。特に専門家の派遣、技術屋さんあるいは医師あるいは医学者等におきまして、よほどその辺はそういう専門家派遣ということの配慮も重要でありますので、いまの段階においては、一度海外の技術協力事業全体といたしまして早急に総点検をするということが必要ではないであろうか。特にアジアにおける日本の地位が大きくなっておりますし、平和外交的なあらゆる面に新しい課題が次から次へと起こっておる際でありますので、外務省の一つの大きな柱になって進んでいかなければならぬ、こんな段階がいま来ておるのではないかと思う。また別の機会にもっと詳しくお聞きしたいと思いますけれども、この点締めくくりといたしまして、政務次官、大臣にもよく申されまして、省の方針として海外の技術協力事業はさらに一そう充実したものに持っていかなければならぬ、この際検討の時期に来ておると思うのですが、詳細はさらに別の機会に聞きますけれども、これは次官からひとつお答えを願いまして、きょうは終わっておきます。  なお、残余の質問はあとにいたします。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 先生の御意見は私どもも同感でございます。そういう意味におきまして、今後ともこの問題につきましては極力御趣旨に沿うような方向に進みたいと存じます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 以上で終わります。  法務省、最高裁はあと回しにいたします。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員長代理 瀬長亀次郎君。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 私、最初に、中川委員の質疑の中でも出ましたが、秘密文書とかいわれておる電文ですね。この電文の写しをすぐいまここに提出できますか。すぐできなければ、委員会にすみやかに提出してほしい。この電文は秘密ではなくなって、明らかになっておるだけに、ただ新聞を読んで知るだけではなくて、国会にやはり外務省としては提出していただきたいということが国民の意思だと思います。この点からお伺いします。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 国会は国の最高機関でございますから、国会あるいはその委員会、そういうところから正規の手続によりまして御命令がございますれば提出をいたしたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 それでは委員長に申し上げたいと思います。いまの外務省からの秘密文書の電文の写し、たしか三通だといっておりましたが、この点委員長のほうでぜひ委員会に提出できるようにおはからい願いたい。それと同時に、特にアメリカ局が沖繩協定を合作するいわゆる主管局になっておるようでありますが、いままでの委員会の質疑応答の中で秘密文書なるものは官房長のほうとアメリカ局、各局にあるかもしれないが、そういった局が取り扱っておるといっております。このほかに相当これに類似する秘密文書があると思われます。この点につきましては、当然のことながら国民は知る権利がありますし、この秘密文書事件でも明らかなように、わかってからこれを隠そうというふうな努力よりは、協定はそういった過程があって成立した、成立したならば、いままでの過程については国民にこれを全部知らせて理解を求め協力を求めるというのが政府のあり方ではないかと思います。その意味でむしろこの三つの暴露された秘密文書のほかに、特にアメリカ局で保管されておる秘密文書の全部を国会に提出してほしいということをつけ加えて委員長にお願いし、理事会など開かれて正式に決算委員会としての要求をしてほしいと思います。

森下元晴自由民主党

○森下(元)委員長代理 瀬長君に申し上げます。ただいま瀬長君より請求の外務省関係の文書については、後日理事会で相談の上処置いたしたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 ありがとうございます。  では質問に移りますが、最初に日米沖繩協定の中における財政項目についてのいわゆる三億二千万米ドルをアメリカに支払うということが沖繩協定の第七条に明確にされ、その七条には特にはっきり「総額三億二千万合衆国ドルを支払う。」と書かれております。   〔森下(元)委員長代理退席、委員長着席〕  これは四十七年度沖繩関係予算の中にまた打ち込まれて三百八億円、すなわち一ドル三百八円のレートで計算して予算化されております。この条約を正しく実行するわけなんでしょうから、円ではなくて、合衆国ドルで払うということなんですが、いわゆる三百八円ではなしに、合衆国ドルで一億ドル払うわけなんでしょうな。これを明らかにしてください。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 先生御存じのとおり協定の中に三億二千万ドル支払うとございますので、そのとおり支払うつもりでございます。それに必要なわが国の予算は、それに相当する円貨をもって予算案に計上している次第でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 では、一ドル対三百八円のレートで合衆国ドルを計算してアメリカに支払う、すなわち米ドル、外貨がありますね。その外貨を払うわけなんでしょうな。その場合私お聞きしたいのは、現在もちろん日本銀行にドルがある。このドルから払われるということは、「合衆国ドル」と書いてありますから当然でしょうが、私の申し上げているのは、ドルの価値の問題、円切り上げとの問題、たとえばいま沖繩から旅行者がやってきて、一例ですが、この前琉球政府、立法院議員が政府に陳情に来ました。そして泊ったホテルで持ってきたドルを円にかえました。幾らでかえたかというと二百九十円であります。三百六十円で切りかえろという沖繩県民の要求からすると、一ドル七十円損させられております。百ドルかえた人は七千円の損であります。事実いま沖繩県民は、労働者を問わず企業家を問わず公務員を問わず、ドルを持ってやってきまずから、結局実勢レートで押えられているのが現状であります。この場合大蔵大臣あるいは外務大臣、そういった担当大臣は、沖繩のドルを即時円に切りかえよという要求に対して、できぬとはっきり言いました。そして交換する時点の実勢レートによる。そのときに実勢レートが三百円であるならば一ドル三百円だ。ところがアメリカに対してはどうなんだ。アメリカに対してもそういう計算でいくならばドルを払えばいい。円で払うという場合に予算上どういう措置がくるか、私はそれを聞きたい。というのは三百八円で組まれている。実勢レートが三百円になった場合、ここに八億の剰余金が生まれる。これは決算と関係します。この四十七年度の決算は三年後になるかもしれませんが、いまからそれが想定される、これを明らかにしてほしいのです。沖繩県民には実勢レートでかえて、アメリカには三百八円でやるのかどうか、この問題です。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 日本側の協定上の義務といたしましては、協定の第七条に書いてありますとおりの支払いを米側に行なうということでございます。先生が触れられましたいろいろな換算等に関する点につきましては、恐縮でございますが、むしろ財務当局の支払い上の技術的な問題と思いますので、できますれば大蔵省といった財務当局のほうに御質問をいただいたらよろしいかと存じます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 これはアメリカ局、特に外務省に聞きますのは、外務省でこれをアメリカと合作した。当然財政関係の第七条は大蔵と相談されたでしょうが、ちゃんと合衆国ドルで払うということであれば、日本銀行に現在ある外貨のうちから一億ドルを払うのか、これが一つなんです。一億ドルを払う場合でも、予算には三百八億円組まれておる。その操作をどうなさるかということを外務省に聞いているわけなんです。沖繩問題に関連させたのでこんがらがっているかもしれないが、これまた沖繩問題はたいへんなことになります。八億の大黒字が出てくる。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 繰り返しになりましてたいへん恐縮でございますが、沖繩の返還協定に伴います日米間の関係で日本政府側の支払うべきものとしては、協定の第七条に書いてあるとおりの金額の米ドルを支払うということに尽きると思います。御質問の円価と米価との換算云々という点につきましては、まさに財務当局の支払い技術上の問題と存じますので、大蔵当局のほうに御質問いただけたらと存じます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 委員長にお願いですが、次回に大蔵当局にこの点を明確にしてもらうことにして先に進みたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 よろしい。わかりました。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 次に、これは外務大臣に直接お聞きしたがったんだが、政務次官が来ておられますので、明確なお答えができれば政務次官でよろしいと思います。ぜひお答えいただきたいのは、いまの問題、三億二千万米ドル、この内訳を、去った沖繩国会で三つに大別しておられました。一億七千五百万ドルがいわゆる水道公社、電力公社などの公社関係。それから七千五百万ドルが軍関係労務者の退職金に充てる。あとの残された七千万ドル、これが核撤去、愛知外務大臣が核並びにいやなものという表現を沖繩特別委員会でやっておりました。いずれにしても三つだと思いますが、いま秘密文書の内容で明らかになった、きのうの予算委員会でも明らかになりましたが、要するにアメリカが支払うことになっておる四百万ドルの請求権に関する金は、アメリカの予算の中に組まれておりますかどうか。これはきのうの予算委員会で究明されましたね。アメリカがどうしようが関係ないんだ。まさに関係ないのか。帰るのは沖繩県民である。沖繩県民がアメリカから取るのか取らぬのかわからぬことに、関心がないとは何事だと言われていた。きょうお聞きしたいのはいわゆる大統領は予算教書を出しております。いつも予算教書の中には沖繩関係のものが全部款項目別に組まれておりまして、ですから確かに払うことになればアメリカも予算は非常にうるさいらしいんですね、日本の国会以上に。だから組まれているかどうかお調べになったことがあるのか、また組まれていないのかいるのか、これを明らかにしてほしいと思います。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 三億二千万ドルの内訳に関する問題につきましては、いま先生から御指摘ございましたように、予算委員会において大臣がお答え申し上げておるとおりでございます。沖繩協定によりますれば、四条によっていまお話しのものをアメリカが払うわけになるわけでありますが、これはアメリカがこの協定どおりに払うことは協定上間違いない、私どもはさように信じております。そうしてその財源が一体アメリカのどの予算に組まれておるのか、あるいはどういう項目に組まれておるのか、予備費に組まれておるのか、あるいはどういうところから出してくるのか、その手続上のことにつきましては私どもは関知をしておらない、こういうことでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 関知をしておらないのではなくて、あなた方は、沖繩県民は日本国民だから、日本国民に対して行政府でしょう、相当責任を持たなくちゃいかぬわけなんですね。責任を持たなくちゃいかぬ政府が、相手国がその沖繩県民に四百万ドル——かりにいま私は好意的に解釈しての話なんです。払うと言っておるが、確かに払うかな。払う場合には復帰後すぐやるでしょう、アメリカ予算は御承知のとおり年度は違います、向こうは六月末までがあれで、すぐ払わなくてはいかぬわけなんだ。そうなるとアメリカの七二年度予算、この中に入っていなくてはいかぬわけなんです。あるいは補正するか、いずれにしても大統領のあの報告の中にあるはずだが、調べてみたらないわけだ。ありませんよ。沖繩はよくアメリカからいじめられたので、この連中はこれだけ米政援助と言って組んでおきながらとったこともあるのです。だから私たちはその点これまで非常に注意して、向こうの予算の組み方から、援助すると言っても出すまでは安心できなかったのが沖繩県民のこれまで置かれた状態だった。だから私は政務次官に、これはほんとうは大臣に聞きたいわけなんだが、そういった点を事務当局あたりは綿密に調べて、大臣、こういうふうな協定結んで、ないですよというだけの熱意があってもいいのじゃないですか。私当然だと思いますがね。関知しないじゃなしに、調べたらありませんでしたとか、そういった点が指摘されるのは初めてなので調査してみますとか、何かそういった答弁できないんですか。関知しません、どうであれ、これはアメリカの政府とどこかの国民ならいいんですよ。日本国民とアメリカとの関係ですよ。そうじゃないですか。しかも、国会がその中に入っておる。その点をもう少し明らかにしてほしい。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 アメリカは、まあ言うならば世界の一極といわゆる大国でございます。その大国が公々然とこういう協定を結んでおるわけでございます。私どもといたしましては、アメリカがこの条約を条約の文言どおりに履行することを信じております。信じておりますが、もちろんそれが支払われるかどうかは重大な関心を持っておるわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 重大な関心ぐらいしか持っていないで、支払われるかどうか。ただ信じておる。あなた方すべてそうだ。核兵器が撤去されるかどうかも疑問が残っておる。これに対して、いや大統領が撤去すると言ったから大統領を信頼するほかにはない。そこまで言っておる。沖繩県民の身になってごらんなさい。実際請求権者の身になってみれば、はたしてアメリカが四百万ドルを、この四条三項に書いてあるんだが、払うかな。もちろん四百万ドルという文字までは書いてないが、これは日本政府がそういう態度だから、結局秘密外交なるもののとびらがいかに厚いかということで、不信感があらわれてくる、私そう思います。では、三億二千万ドルアメリカに払うつかみ金で、この三つが大体その柱になっておる、一億七千五百万ドル、七千五百万ドル、七千万ドル。最後のは核撤去費用とか言われておる。この中からアメリカは何に使おうが別にかまわないという了解を取りつけていますか。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 そういうものは特に取りつけておるわけではございません。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 それを取りつけていないにしても、アメリカにやるわけなんだから、アメリカがどのように料理しようがかまわないという態度ですね。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 先生も御承知のように、先ほどまたそういうことをおっしゃっておられましたが、この内訳として言われておるものにつきましては、つまり退職金、その他の——これは予算委会員で大臣から明確に御答弁申し上げておるわけでございまして、それによって御承知だと思います。そういうことはわかっておりますが、それは明確でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いやちっとも明確じゃないから聞いておるわけなんすでよ。大臣もちっとも明確にされていないのです。きのうの予算委員会の中でも明確になっていなかったから、きょうは幸い大臣が来られるので、これを明確にしようと思いましたが、委員長にお願いですが、これ以上大西政務次官のほうでは答弁できないようでありますから、大臣が来られた次の委員会ででも、大臣にぜひこの点だけははっきりさしてもらいたいと思いますので、御了承をお願いしたいと思います。  次にお聞きしたいのですが、この問題と関連しまして、あなた方事務屋でもよくわかると思うのですが、いわゆる官僚、まあ局長とか参事官とか政務次官はおわかりでしょうが、アメリカの国務省の日本部担当官でマケルロイという人がおるのです。この人が三月二十七日、これはワシントン発共同で談話を発表しております。これによりますと、このマケルロイ氏は、協定七条によって日本政府が支払う三億二千万ドルの経費は沖繩返還に伴うすべての必要経費をカバーするものであって、協定四条三項の米国が支払うべき復元補償費もその中に含まれていると語っている。これは日本担当の係官ですよ。御存じですか。それは明らかにはっきり言っておる、これまで含んでおるのだと。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 昨日の委員会におきましてもその問題が出たようでございます。そのとき私ちょうど席におらなかったので、私自身記憶にありませんが、いま事務当局から聞きますと、その問題は昨日大臣が答弁をなさっておられました。そうして、そういう事実があるかどうかを問い合わせましたところ、その御指摘になりました本人から、そういうことを言ったことはない、こういう返答が来ておるそうでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 この人はでたらめを言ったわけなんですね。それでは、これはあなた方にそれ以上聞いても、すべて大臣の言ったとおり、大臣の言ったとおりですから、時間も空費しますから、大臣から聞くことにいたしますが、次は極東放送の問題なんです。  極東放送の点で、この問題が飛び出したからこういったことになったと思いますが、これも三十一日AP=共同、ウィッチア(米カリフォルニア州)からの電報で、「ニクソン米大統領の姻族で、沖繩の極東放送(FEBC)の所有権を持つクリフォード・マーシュバーン氏は三十日「同放送は沖繩の日本返還後、日本のキリスト教信者グループに移管される。同放送がニクソン大統領一族との関係から特別な配慮を受け、沖繩返還後も米国の手に残るとの一部新聞報道は誤りである」と述べた。」などと言って、「同氏によると、同放送局は日本移管に当たって「回収可能なものはすべて回収出来るよう」なんらかの手を打つことをニクソン大統領に要請したが、これまでのところ政府援助の見込みはないため、放送局の支配権を失う代償として、ある程度の補償を希望したという。」同氏は、その姻戚関係は、こう書いてありますね。「マーシュバーン氏はニクソン大統領の叔母と結婚したオスカー・マーシュバーン氏の兄弟である。」と書いてあります。私、これを読みますのは、すでに新聞に報道された、外務省のあの電報などが暴露されて国会で論議になった、この人はうるさいと思ったのかどうかわかりませんが、要するにこの人は、日本にいるキリスト教信者にこの極東放送の管理権をやるのだといったようなことを言って、手を引こうとしておるのですね。これにつきまして、いま愛知・マイヤー書簡によって、この極東放送は、日本語版だけにするのだとかいう条件をつけて許可することになっておりますが、現在の管理者の、いま私が読みましたような事情、この人の手から移る、そうなると、結局日本の放送局になるといったようなことになるとすれば、この愛知・マイヤー書簡はほとんど形骸化する。当然のことながら、この愛知・マイヤー書簡を廃棄すべきだという結論になります。これについてどうお考えになるか。もうすでにその人ははっきり言っておるわけなんです。

大西正男自由民主党外務政務次官

○大西政府委員 いま事務当局から答弁について資料を渡されましたから、これを読み上げます。  沖繩復帰後の極東放送の運営に関しては、外務大臣書簡第八節にしるされている以外の方針は、米側に対し、示されていない。同節によっても明らかなとおり、日本の関係法令に従うことが条件となっていることは、米側も十分承知しているところであり、最近では三月三十日、国務省プレイ報道官は、記者団の質問に答え、在沖繩の極東放送の問題は、弁護士、医者などを含むすべての在沖外資系企業の地位の問題の一環として取り扱われたものであり、極東放送が特別な扱いを受けたことはないとの趣旨を明らかにしたと承知している。現在、在沖繩極東放送から琉球政府に対し、財団法人設立の申請が行なわれており、琉政において審査中であるが、政府としては、右財団法人がキリスト教信者のグループであるとは承知しておりません。  以上でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 私がお聞きしているのは、現在の極東放送が琉球政府の認可によって認可されればこうなるかもわかりませんが、これが、この形が違った場合に、いまのこの愛知・マイヤー書簡に打ち込まれておるものとの、経営の問題、管理の問題、すべて変わった場合には、この愛知・マイヤー書簡の、これは放送事業、一番最後ですね、八項ですか、これはほとんど空洞化していく。われわれの立場からいえば、VOA、これは当然のことである。電波法すら踏みにじって、ほんとうに屈辱的にアメリカの一方的な要求に応じてこれを許可するなどということは、日本国民のほんとうのプライドが許さぬと思うのですよ。いま、中川委員から、一番冒頭での中に、外務省の中に枢軸派と反枢軸派があるといったような指摘がありましたが、私も基本的にはこれがあることは認めます。基本的には、なぜそうなるかというのは、対米従属の外務省だからですよ。対米従属、追随がいかに深いか、これのあらわれだと思います。その中から、いわゆる自主性がなくなり、さらに屈辱的な、売国的な条約も、そうでないような装いのもとで結ばれる。そういう屈辱的な、売国的な行為、対米従属性というのが、係官がほんとに日本国民であれば、こんなことをしててもいいのかなという疑問が出るのは、これはあたりまえじゃないか。だから私は、秘密漏洩の問題を大きく新聞に書き上げて、そしてそれによって国民の世論をそこに引っぱっていって、それでほんとうに責任を持つべき政治家、外務大臣が責任をとろうともせぬ。そこに大きい問題が伏在していると思う。したがって私は、このマイヤー書簡は、廃棄すべきだ。しかも、いま冒頭で委員長にもお願いをしましてきょう、発表されたあの秘密文書なる三通の電文コピーを委員会に提出してほしい。委員長はその旨を計らうと、さらにつけ加えまして、秘密外交で使われたいろんな電文があるはずだ、あるいは電話もしたろう、したと言っていた。こういったのを含めて、全部を洗いざらい出すということが現在行政府のとる道じゃなかろうか、私はそう思うのです。私は、この六月十七日に締結された、はっきり申し上げますと、これは沖繩返還協定ではなくて、沖繩協定であり、軍事条約なんです。しかも、侵略的である、屈辱的である、そして、売国的であると指摘しました。これは、秘密外交をやめて、すべてを明らかにせよ。その中でこそ沖繩、特に沖繩百万県民の欲するような協定ができるだろうということを主張してきました。案の定、こういったようなのが出てきた。これが、秘密が漏洩したからどうのこうのというのじゃなしに、秘密をなくするということが問題なんだ。なぜ秘密のベールにおおわれてこういったような条約をつくるか。問題はそこにある。大臣の責任は、さらに総理大臣の責任はたなに上げて、一介の女の子を、これは公務員法違反だ、自分で自首しましたなどということを堂々と国会の決算委員会で言うに至っては、何をか言わんやだ。心ある人は外務省にもたくさんおります。日本国民がこういったような電文を見ると、一体こんなことをやっていいのかな、隠れて。おこるのはあたりまえじゃないか。私はそれはあたりまえだと思う。そういう意味で、私は最初に申し上げた、秘密で取り扱われた文書の一切を公表せよ。さらに私は、委員長が言ったこと、こういった問題は決算委員会で、あるいは総理大臣に来てもらうかもしれぬといったようなこと、これは将来そういったような不心得の——これはカッコつきなんだが、不心得な職員が出ちゃいかぬとかいう焦点をしぼるんではなくて、こういった秘密文書じゃなしに、秘密外交、これをどう直していくか、その責任のありかはどこにあるか、これを究明するために絶対必要である。その意味では、委員長の言われたことに対して非常に、もろ手をあげて賛成するわけなんですが、いずれにいたしましても、こういったような、いま私次官にいろいろもっとこの問題で尋ねたいことがあるのですが、もうすべて大臣が言ったとおりでありますなどということになっておるので、これ以上その問題では追及いたしませんが、もう一つ、目玉商品とかいわれていたあの那覇空港、これのP3の話でありますが、この点は、もちろんこの移転費は大蔵省あたりに聞かぬとわからぬですが、このP3は復帰の時点にはもういなくなると言っていたが、これがいわゆる目玉商品、那覇空港にいなくなると言っておりましたが、この点外務省あたり何か新しい情報があるなら教えてください。相変わらずがんばっておるのかどうか。

橘正忠外務省アメリカ局外務参事官

○橘説明員 先生御存じのとおり、P3の問題に関しましては、暫定予算等の関係がございまして、所要の工事のおくれというような要素のために、復帰の時点において那覇の空港からなくなるということが期待できないという状態になったのはたいへんに残念である、これは大臣からも種々の機会に御説明がありましたとおりでございます。その後特につけ加えるべき事態の発展というものはございません。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 時間がありませんので、最後に申し上げて、外務大臣が次に来られたときに引き続きやることにしますが、いま外務省の次官も来られておるので言っておきますが、あなた方言ったことはすべて秘密外交の中で吹っ飛んでしまっているのですよ。請求権、放棄しましたね。それから三項で、まあまあ全部放棄するといかぬというので、四百万ドルくらい払うんだ、アメリカが自発的に払うんだというようなことを書いた。これもおかしいかっこうになってしまった。那覇空港も、これもおかしいかっこうになった。VOA、すべてアメリカにいかに譲歩したか。いかにアメリカの言いなりになってこの沖繩協定がつくられ、付属文書ができ上がったか、これがだんだん明るみに出つつあるのです。ですから、あなた方、秘密秘密と言わぬで、ほんとうのことを国民に知らして、実はこういうことであったんだ、だからひとつ国民の皆さん協力してほしいと、戦争で負けたんだから、もうこれはアメリカの言うことも一応はもっともであるので聞きました、などと言えるかどうか、これは別として、いずれにしても、この交渉の過程の中で出たという。これが暴露されなければ——秘密協定のそのものなんです、本質なんです、これが。財源までめんどう見てくださいましてありがとうございます、ちゃんといっているじゃないですか。そういったような、また極東放送のごときはニクソンのおじさんの妻のきょうだいだ、何だ、非常にこんがらかっておりますが、そういう面で沖繩県民の怒りはだんだん大きくなりつつあるということを私ははっきり申し上げ、さらに一切の秘密文書をこの委員会に提出していただき、そうしていま申し上げましたように、こういった協定はむしろ破棄すべきだ、これが日本国民のほんとうのとるべき道だということをはっきり申し上げまして、外務省に対する質問を終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 以上で、一応瀬長亀次郎君の外務省に対するきょうの質問は終わりました。  いずれ次回にまた、沖繩返還が目睫に迫っておる関係上、瀬長君からいろいろと御質問があると思いまするから、大西政務次官、その他の方もよく御研究の上、答弁の統一をお願いいたしておきます。  次に、吉田君の発言を許します。吉田賢一君。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 裁判所のほうを先にやりますから……。ちょっと時間の関係がありますので、ひとつこちらも簡潔に問いますので要点をずばりとお答えください。  私の伺いたいことは、申すまでもなく三権分立のうち司法の位置づけはまことに重要でございます。したがいまして、司法権を行使する立場にある裁判官は、やはりその地位、職務は厳として行なっていただきたい。そこで最近ちょいちょいとよく問題になりまするのは、裁判官が、いささかでも裁判に影響するような司法行政の行為、こういうことにつきましても、何らかの方法、何らかのときに、一般にそのようなことのないようにということを警戒する必要がないであろうか。一つの例をあげましたら、先年の札幌地裁における例の長沼事件でありますが、あのときなんかも、地裁の所長が担当の裁判官に、仮処分の事件につきまして事前に自己の法律上の見解を述べております。それは私信と称して述べておる。そういうことは、やはり上司でありまするから、上司にそのような意見を述べられますと、勢いそれに動揺するおそれはないか。少なくとも独立の立場で、法律にのみよるべき裁判官の地位に影響を、仕事に影響を与えやしないか、こういうふうに思われますることが一つ。したがいまして、これはあらゆる機会にそのようなことのないように、独立を尊重せなければいかぬ。そういうようなことがひいてはやはり訴追請求の原因にもなるわけなんですから。もう一つは、裁判官自体もみずから万能じゃありませんから、したがいまして、何もかも判例を知って、何もかも法律の権威でもないはずでありまするので、むずかしい事件になると同僚の意見を聞いたりすること、これもやむを得ぬかもわかりません。ただし、裁判所外の遠方の同志もしくは友人、裁判官もしくは弁護士等に事案を送りまして所見を求めるというようなことは、これまた逸脱するんじゃないであろうかということを考えるのであります。要するに裁判官としまして、司法行政の行為と裁判の行為は厳として両者峻別してなすこと、これが非常に大事なかなめになるんじゃないであろうか。とかくいま全国の弁護士連合会、弁護士会など、その他から、個人からいろいろな問題が裁判官に向かって起こってきたことは御承知のとおり。そういう際でもありまするので、私がいま指摘しましたような司法行政行為につきましては、その守るべき限界をきちっと守って、司法の独立に向かってみずから貢献する、こういう姿勢が必要でないか。特にいまは必要でないか、こう思うのでありますが、所見を聞きたいのです。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 吉田君に申し上げまするが、あなたのいまの御質問に対して、きょう幸いに吉田最高裁事務総長が来られておりまするから、事務総長から一括してお答えしてもらいとうございますが、御了承願います。矢口人事局長。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 ただいまの吉田委員の御指摘の点はまことにごもっともな点でございまして、裁判官の心がまえといたしまして、たとえ同僚のことであれ、また後輩のことであれ、そしてそれが親切心、老婆心というようなものから出たものでありましょうとも、具体的な事件等に関しまして、尋ねられもしないのにアドバイスを与えるというようなことは、これはやはり慎むべきことであると私どもは日ごろから思っておるわけでございます。具体的な例をお出しになりましたが、そのような具体的な例に触れますまでもなく、裁判官の心がまえといたしましては、各人が良心に従って独立して職務を行なっておるということのその裁判官の本質というものを常に堅持いたしまして、そのようなことをお互いにおかし合うことのないようにしなければいけない、これは私ども常に心から戒めておるところでございまして、お説の点、まことにごもっとも、同感でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 同時に、同じようなことにおちいる危険がありまするのは、やはり裁判官の日常の生活活動ないしは部外における活動の問題であります。この点につきましても、これは直接裁判に影響のない場合には、これは国会におきましても、訴追委員会におきましても放任せざるを得ないわけなのであります。ただ私は、いろいろな面で今後の課題として重大視しまするのは、いまとかく政治不信の声が露骨にいわれるのであります。行政に対する不信ないしは国会に対するとかくの意見、不信感さえ与えられるというようなときに、もし日本におきまして司法の不信ということになってきましたならばそはれ何をかいわんやで、要するに根本の、日本の大きな憲法の柱ががたがたくるおそれはないだろうか、こういうことさえ心配いたすのであります。でありますので、これは結論は同じになりまするから答弁は要りませんが、やはり同じように、いま私の例示いたしました例以外に、日常のレクリエーションじゃなしに、ある生活活動、もしくはその他の行動、これはもう人間はそこまで制限するわけにはいきません。制約するわけにはいきませんけれども、その辺はよほど注意いたしませんと、裁判に重大な支障を来たすおそれがあるということをやはり思いまするので、そこはやはりみずから自制するということは大事でございます。どこに境界があるか、どの点に接点があるかわかりません。わかりませんけれども、やはりみずから自制することが非常に大事なことではないかと思います。これは答弁は要りませんから、何かの機会にこの辺につきましては、裁判に影響あるおそれありということは、断じてお互いにみずから自制するということの方向をちゃんと持ってもらいたい。それを示してもらいたい。  第二番目に聞きたいことは、裁判官の処遇の問題でございますが、この点を聞いておきたいのであります。  とかく裁判所というものは、行政府と違いまして、たとえば予算の要求につきましても、大蔵省あたりへ水増し水増しでどんどんと要求するというようなことは大体はしないのが従来の例でございますので、そういうことも考えてまいりますると、一般の国家公務員と裁判官の処遇に相当な開きがあるのかないのかということが一つと、それからもう一つは、裁判官は象牙の塔に入っちゃったら、これはだめなんですね。法律の虫みたいになってしまいまして世間知らず、世間の常識がないということになりますので、それじゃ生きた裁判はできません。生きた裁判をしないで司法権の独立、尊厳、そんなものはあり得ません。そうしますと、もっと弁護士の経歴のある者がどんどん司法の畑に入るということが必要でないだろうか。ところが現実におきましては、一たん弁護士をしたら裁判官になる人はほとんどないですね。よほどもの好きですね。これが実情である。そういうことになりますので、これではいかぬ。どこのとびらをどうすればそのようなことがなくすることができるのだろうかとは思いますけれども、これは今後の研究課題にしてもらいたい、かねて問題かもしれませんけれども。  それから問題の第三番目は、やはり処遇の問題でありますが、たとえばこのごろのことですから、どんどんと外国語を使う人が相当あると思うのですね。裁判所に外国語の法律の本でもあるかと思ったら、ほとんどないのです。これは全部はよく知らぬのですけれども、そういうこともありますね。一年留学という必要はありませんから、何か裁判官も適当に、たとえばヨーロッパにおける司法運用上の学説あるいは判例の傾向とか、そういうものを調べるとかいうので、たとえ一月でも視察くらいでもどんどんと出すようなことを考えたらどうなのか。これもひとつ生き生きとした裁判をするゆえんであります。そういうことで裁判が停滞したり、あるいは大きな間違いを起こしたり、生きたそういう例はないでもありません。私はこれは別の機会に聞くことにしていますけれども、これはもう火炎びん事件におけるラムネ弾判決と最高裁大法廷の判決と比較なんかいたしてみましても、もっともっと何か豊富な常識がほしいなというふうに思われますね。同時に並べて一般の職員の問題ですね。職員につきましても、科学時代に入っておるのですから、いつまでもこんなちょっと妙な筆記をしていくような、ああいうことは早く去るべきでないだろうか。全部速記にしなさいとは言いません。言いませんけれども、何かもっと方法はないのか、くふうは。会社でしたらとても能率あがりません。そんな非能率の職員を雇っておりましたら会社はつぶれます。国費でまかなっておるのですから、少々多くても、それはどうもないかもしれませんが、もっと能率をあげて、かつ職員の処遇を豊かにするという面、こういうふうなことはできぬだろうかということについて、ずばりといま案を出してくれとは言いません。言いませんが、しかし非常に大事なことでございますので、処遇の問題これはひとつ相当明確にしてもらいたい。日本の司法権の尊厳を維持するという一つの基盤になる、条件になる、こういうように思いまするので、あえて尋ねたい。  これは最高裁の事務総長に聞かねばいかぬ問題なんです。最高裁としまして、こういう方面は相当毎年検討しまして、そうしてひけをとらないように充実していく、もっとうんと効率的な仕事をする、こういうふうにしなければならぬ、こう思うのですが、どうですか。詳しい答弁は要りませんよ。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいまの吉田君の質問は、裁判官並びに職員の処遇問題が第一点と、裁判所における設備、機構というか、そういう問題にも触れておられるので、幸いきょうは矢口人事局長が来られておりまするから、処遇問題を御答弁願う、同時に続いて、長井総務局長が見えていらっしゃいますから、それ以外のあなたの御質問にお答えしてもらう、かようにいたしたいと存じます。

矢口洪一最高裁判所事務総局人事局長

○矢口最高裁判所長官代理者 最初に御指摘ございました裁判官の待遇の問題でございますが、裁判官の職責というものから見てみまして、その待遇がしかるべきものでなければいけないということは、私ども常に念願いたしておるところでございます。現在のところ一般職の公務員と比べまして、私どもは、その中堅のところにおきまして大体六割から八割くらいの高い待遇を与えられておるというふうに考えております。しかし全般的にながめてみますと、必ずしもそれが裁判官の待遇として妥当なものであるかどうかというところにつきましては問題がないわけでもございませんので、そのような見地から今後とも十分検討、折衝を続けていきたいということを考えておるわけでございます。  それから次に、弁護士からの任官者の点が御指摘ございましたけれども、確かに吉田委員御指摘のように、一たん弁護士になってしまわれますと、それから裁判官になってこられるという方が非常に少のうございます。皆無ではございませんが、非常に少ない数でございます。私どもはあらゆる機会に任官されるようにお話を申し上げるのでございますけれども、なかなかその数を多くするということができないという現状でございます。これもまた古くからあった新しい問題として、十分にこの点についての努力を続けなければいけないと考えております。  裁判官がその裁判をいたします上において外国の知識等を必要とするということは、まことに御指摘のとおりでございまして、これなくしては普遍妥当ないい結論は得られないと私ども考えております。現在でも年間を通じまして十数名の裁判官が海外に出張いたしており、その制度、風物等を検討いたしておりますが、さらに本年度の、過日衆議院を通過さしていただきました予算におきましては、判事補に任官早々の裁判官を、毎年五名ずつ一年間海外に派遣して、外国の裁判制度にじかに触れて見聞を広めるということの予算が認められたわけでございますが、このような道というものは、今後ますます広げていかなければいけないというふうに思っておるわけでございます。  また、裁判所の職員の一般的な待遇でございますが、裁判官の待遇だけがよろしくても、これはいわば車の一方の輪を欠くようなものでございまして、その両輪を全うせざる限り、やはり司法の健全な運用ということはないわけでございますが、御指摘の速記制度等、確かにもっと合理的なものとして進めていかなければいけない問題ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 それから事務能率をあげるという課題でありまするが、これはいつぞやの当委員会におきましても、最高裁の総長でしたかに聞いたことがあったのですけれども、こういうような科学時代に入っておりますので、一々数百冊の膨大な判例を調べるというようなこと、首っ引きでやっておるようなことでは能率があがりません。数百の事件をかかえておるのに、それを処理することは不可能であります。裁判が停滞しますので、一そう事務能率をあげる意味におきまして、コンピューターをもっと活用するということを早急に、技術者を訓練し、資料も集めて、あるいは適当な方法でそれぞれを直ちに、二、三十分もあればすぐに適切に判例が出てくるというふうにでもしなければいけないのじゃないだろうか、こう考えておるのです。そうしましたら、どれだけ適切な裁判を行なうべき事務の促進になるかわからぬ、こうまで思います。若干この期に手をつけるというようなことを聞いておりますのですけれども、それならば一そうこの機会に大いに積極的なかまえでこれを充実していくようにしてはどうか、こう思いますのですが、その点どうですか。

長井澄最高裁判所事務総局総務局長

○長井最高裁判所長官代理者 お尋ねの裁判所の裁判官及びそれ以外の職員の執務の近代化ということにつきましては、裁判所も大きな関心を払って予算の要求その他の措置の最大限の努力をいたしておるわけでございます。  ただいまコンピューターの採用につきまして御指摘がございました。裁判所は、他の各官庁に比較いたしますと、コンピューターの採用につきましていささか出足がおくれている感がございますので、これを取り戻すべくいま大いに努力をいたしております。今年度におきましては、従来裁判統計のみに使っておりました小型コンピューターを中型のOUK九三〇〇型に機種を変更いたしまして、従来の執務のほかに、新たに裁判所においてコンピューターで処理できる内容の事務とはいかなるものであろうかということの検討を、職員の養成と兼ね備えまして大いに努力いたしておるところでございます。コンピューターの処理に適切なものといたしましては、御指摘のように判例、法令の検索が第一にあげられるべきではないかと存ぜられます。ただこの点は、アメリカにおきましても、なかなか人間の頭脳の働きの微妙さというものを機械で代用することがむずかしいために、その成果がはかばかしく進んでおらないのと、御承知のように英米では、十三世紀以来の多数の判例の集積がございますので、この数百万の判例をこまかく分析すれば、かなり内容の豊富な検索装置ができるのでございますが、わが国は西欧法系を継受してから時間的にも長くない。その上に法典国でございますために、実際にコンピューターに乗せ得る判例は三万足らずという、数においても比較的少ないものでございまして、一つの事項を取り上げまして、俗に射程距離といっておりますが、その概念でカバーできる範囲はどの程度のものであるかというようなことをコンピューターでまかないますためには、まだ相当の検討を要するのではないかということも考えておるわけでございます。なおこの点については大いに研究の努力をいたしたいと思っておる次第でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 次に法務省に願います。これは簡単に言いますから、法務省いいですか、一点。  国家賠償法でありましたか、国の公務員の故意、過失によりまして国民が損害を受けましたときには国家賠償の制度がございます。ところが裁判によりまして、裁判が無罪確定した場合現に私自身が扱った場合におきましても、これは船長が船が転覆したというので起訴されまして、裁判に十六年かかっておりました。十六年かかって、船長さんは一生を棒に振っちゃったのです。いまどうしているかといいますと、昭和二十四年に起こった事件でございまして、昭和四十三年に判決が確定しておるのですが、この事件につきましても、その船長さんはいま養老院の事務をとっております。哀れな話ですね。というようなことでございますが、こういうような拘禁されたとか留置されたというような場合にはまた別でありまするけれども、そうでないようなときには、いまのところちょっと困難じゃないだろうかというふうに思ったりもするのですが、しかし何かの方法でこれを国家賠償する方法はないだろうか、このように考えるわけであります。裁判が十六年かかって、その間日陰者になって、そして無罪が確定して、りっぱな船長さんが半生を棒に振って、いま養老院の事務をとってござる。哀れな話です。こういうようなときに、たとえばイギリスにおきましては国家賠償の制度なんかがかなり整備されたものがあることは御承知と思いますけれども、暴力犯による国家賠償ですね、これなんかもかなり整備されたものを持っておりますが、いまそういうような面につきまして手の打ちようはないものだろうかどうだろうか、ずばり。そのことで損害賠償の訴訟を起こすということになればまた三年、五年かかる。その人は結局裁判に明け暮れて一生を終わってしまうという結果になってしまいます。これは見るに忍びません。そういうことを見ますので、何か方法はないか、こういうふうに考えます。これは詳しく述べたらいいのですが、私自身が書いたものを持っておるのですが、時間の関係があるから詳しく述べません。ちょっと一般論でもよろしゅうございますから、ともかく何かの方法で国が賠償の方法はないか、あるか、これをずばり聞いておきましょう。いずれ法務大臣にまた別の機会に聞きます。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 ただいまの吉田君の国家賠償に関する御質問に、幸いにして法務省の民事局の古館参事官が来ておられますから、一括して答えさせます。

吉田豊最高裁判所事務総長

○古館政府委員 お答えいたします。一般論といたしまして、検察官の訴追行為、これは刑事訴訟法に基づく正当な職務行為でございます。したがいまして違法性がございません。そのような場合に、無罪になった場合、刑事補償法の規定に基づきまして刑事補償の支払いを受けるということのほかに、国が賠償責任を負うということは原則としてあり得ないというふうに思います。しかし、たとえば検察官の故意、過失によりまして、本来無実である事件、これを誤って起訴したというような場合でありますれば、国が賠償責任を負うという余地もあろうかと思います。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 いまおっしゃったそのお答えですね、もし検察官の故意、過失を立証しようと思いましたら、また別の形の訴訟でも起こさぬとしようがないのです。たとえば行政訴訟を起こすとか何かして救済の方法を後に訴えなければならぬのです。そういうことは事実上能力のないような人、年輩の人であろうから、実際問題として不可能でございます。それでまた損害の規定にいたしましても、留置されておったとか、拘禁されて勾留されておったとか、未決におったとかというのは別として、いわゆる日陰者になって十数年経過したというのはその条件に当てはまらぬと思うのですね。けれども、いずれにしてもこれはだれかの過失、だれも過失なくして、起訴されてそして無罪になる、そんなことはあり得ません。だれかの過失です。どこに過失があるのか。それは国が責任ありますよ。第一人間の自由を拘束して、自由に行動できる人を刑事被告人として拘束しておるのですから、そして十六年間も裁判につないでおったのですから。それで国は責任ありません、起訴は刑事訴訟法の適法行為だからというようなことでは、これはさっきの議論じゃないけれども、国民主権やら独裁国やらわかりませんよ。そんなことをしょったら、発展して法の不信につながります。法務省は一体何ごとや、人間を縛るということが法務省の仕事か、こういうことにもつながってまいります。これはたいへんなことでありますよ。そういうことについては厳として姿勢を正してもらわなければならぬ。昔の話ですけれども、イギリスにおきまして、大西洋のまん中で一人の水兵が軍艦から落ちた。それをあとで発見した。びっくりしまして、艦長は方向を変えまして、その水兵の海中捜索のためうしろに戻ったということが伝わっております。いやしくも人間を尊重するというなら、そこまで徹底しなければいけませんよ。刑事訴訟法で適法行為だったのだから、十六年被告になって、職を失って食うに困って、あたら人生を棒に振ってしまった、それはしようがない、これは切り捨てごめんの思想につながりますよ。そんなことをしたら法の紊乱になりますよ。何とか山の赤軍派のような事件が起こる原因の原因をなすおそれがあります。だから積極的に講ずる必要があります。きょうは詳しくはよろしいけれども、ともかく検討なさる必要がある。イギリスでは御承知のとおり暴力犯等による国家賠償がある。そういうことがありますから、日本におきましても考える必要があります。そういうこともひとつ考えておいてもらいたいと思いますね。これは別の機会でもまた言いますけれども、ぜひお考えになる必要がある。よろしいか、どうでしょう。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 あなたの御質問に、幸いにして法務省の政務次官の村山君が参っておりまするから、村山君から法務省の大臣にかわって答弁させます。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 ただいま吉田委員のおっしゃったことは、非常にむずかしい、そしてまたある意味で国が制度を立てるときの本質的な問題を突かれていると思うのでございます。  言うまでもなく、検察官は、犯罪行為があると考えられるときには、国にかわって訴追行為の任務が与えられておるわけでございます。その検察官が、故意または過失によって、当然無罪であるということがわかりながらやったというようなことがありますれば、おっしゃるように国家賠償の責任を負わなければなりません。しかし、そうでない場合で、裁判所が証拠価値その他刑事訴訟法等に基づいて無罪の判決をし無罪になりましても、いろいろな場合がございますが、最終的に無罪の判決になったときに、現在の国家賠償では遺憾ながら国が責任を負わないということになっておるわけでございます。しかし、それだからといって、ただいまおっしゃっているような方が、いま養老院の事務職員になっておる、非常にお気の毒なことである。そのときのいろんな調整の制度というものが、賠償制度ではない何かほかの次の問題が考えられてしかるべきではないかというふうに常識的には思うのでございますけれども、今後なおこの問題は検討の余地のある問題であると思うのでございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 御希望申し上げておきます。ひとつ政務次官も大臣にも御相談いただきまして、この種の問題はほかにも事例もたくさんあると思いますので、今後積極的にかまえて、その御検討をよろしくお願いします。  それから最後に、もう一点だけ法務省にちょっと聞いておきたいのですが、これはある程度何かおっしゃることが可能ならばおっしゃっていただいてけっこうです。例の沖繩返還が迫っております。沖繩返還が迫りまして、でかでかと沖繩恩赦が伝わっておるわけでございます。これは恩赦か大赦か知りませんが、沖繩本土は一応別としまして、沖繩自身の土地は別としまして、本土に対して広範な沖繩恩赦というのが、これがほんとうは可能なのかどうかというようなことにつきまして、これも御答弁できるのならしてください。いまのところそこは言うことはできないというなら、それはかまいません。きょうはしいて私も皮をむいてぜひ何か知ろうというようなそういう意味で聞くのじゃございません。ございませんのですけれども、何か相当なよりどころがあってか知りませんけれども、大きく特報が出ておりまするので、ちょっとついでに伺っておきたいのでございます。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 率直に申し上げまして、現在までのところ、沖繩返還に伴う恩赦をやるかどうか、やるとしてどの範囲やるかということについては、具体的な検討はまだ始めておりません。したがって、いまのところ具体的に申し上げる段階ではございませんが、ただ一般論として申し上げますと、何ぶんにも恩赦の問題は裁判の効果を変更するという大きな問題でございます。したがいまして、各方面の角度から慎重に検討しなければならない問題ではないか、かように考えておる段階でございます。

吉田賢一民社党

○吉田(賢)委員 きょうは終わります。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 瀬長君に発言を許します。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 私、法務省に二つの点をお聞きしたいと思います。  一つは、戦争中、それから戦争が済んでから起こった沖繩の久米島における虐殺事件、これが一つ。一つは、いま吉田さんも言われましたが、沖繩恩赦について、二つであります。  最初の久米島における虐殺事件というのは、虐殺をしたのは元海軍兵曹長鹿山正、徳島県の農協の参事をやっているそうであります。この久米島の虐殺事件につきましては、すでにいろいろの面から、沖繩県民は知らないのはおりません。本質は、旧日本軍隊、これのほんとうに山賊的な、人道を無視した虐殺であります。これは子供まで虐殺しております。直接手を下した者、これが二十名、本人認めております。さらに間接を含めて二十四名、子供も含んでおる。殺してから、さらに一束にして、その住みかに火をかけて火葬したというところまできておる。  この点は、私、これから事実を簡潔に申し上げまして、法務省の見解を承りたいと思います。  最初にこれが現在問題となりましたのは、週刊誌がこの事実を知り、本人にインタビューをした。その結果、本人は、日本軍人として当然のことをしたのであって、何ら責任を感じないという放言をやった。これはごく最近なんです。事実はもう以前から全部知っておるのですよ。久米島というのは那覇からいまのプロペラ機で約二十五分かかる。すぐ隣なんですが、具志川村と仲里村、二つの村でこの島をつくっております。  事件は、私が申し上げるのは、特に現在、その当時のことをよく知って、沖繩における久米島の戦争記、いわゆる戦争日記というものをまとめた仲間智秀、この人は、現在県青少年健全育成県民会議の事務局次長をやっていまして、この人が具志川村役場の戦争日誌、具志川村青年学校の日誌、元いわゆる久米島郵便局発行の日誌を集めまして編集して久米島戦記というものをまとめた。これは沖繩県民は知らないのはいません。この中で事実がはっきりしておるのは、鹿山兵曹長が銃殺の布告、これは六月の十四日、すなわち終戦の年、二十年ですね、一九四五年六月十四日にこういうことを、軍布告として布告しております。この人は久米島の守備隊長なんです。その隊員が当時三十三名——この人が言っているのです。三十三名のうち下士官が四名、もちろんこの人も下士官だから、ここら辺は、自分も入れて四名と言っているのか、自分を除いて四名と言っているのか、さだかではありませんが、要するに三十三名だった。これが軍だ。軍布告で、アメリカに拉致された者が帰ってきたら、自宅にも入れず、直ちに軍駐とん地に引致、引き渡すべし、もしこの命令に違反したる場合は、その家族はもちろん字区長、警防班長は銃殺すべし、こういった布告を出して、実際行なったわけなんです。  行なった一番最初は同じ六月の二十九日、具志川村の北原の区長、警防班長、並びに拉致者及びその家族全員、すなわちアメリカに拉致されて山をおりて帰ってきた、その全員、合計九名、夜十一時ごろに鹿山隊長に銃殺された。これが最初の銃殺なんです。その後、退山する者は殺害すべし、すなわち日本軍は山にあがっておりますから。アメリカは占領しておる。これがもし住民がいない場合には、全部捕えられてわれわれやられるので、なるたけ住民と一緒にいたい。退山する者を殺すということなんですね。これが実際に行なわれて、二番目に、無抵抗を訴えて惨殺される。すなわちアメリカが上陸してくる。そのときアメリカは沖繩をもう全部占領しております。六月二十三日には牛島中将も腹を切っておりますから、いわゆる戦争は済んでいるわけです。その後、沖繩の戦争はもう済んだのだから、抵抗はやめたほうがいいのじゃないかといったようなことを言ったために、これまたつかまえられて虐殺される。しかも赤ん坊まで虐殺した。「八月二〇日戦前から久米島に在住し、字上江洲で貧しい生計を営んで居た、朝鮮人谷川昇、妻ウタ(大宜味村の人)一二歳を頭に五人の子供計七人を惨殺した。」このことは、全部本人が認めておるわけなんです。  一々ここで読み上げますと時間がありませんので……。要するに八月二十日、いま申し上げました朝鮮人の虐殺は。八月十五日は終戦でしょう。ポツダム宣言を無条件に受諾して、日本軍国主義は降服した。その五日後にこういったことをやっておりますね。さらに、その後も同じことが行なわれていて、九月一日ごろに軍刀を持って山からおりてきて——もう山の中にしかおれない、アメリカが全部占領していますから。おりてきて、農協長をおどして、食糧を出せと言って強要する。殺人、放火、さらに強盗、一切の凶悪犯罪を日本軍隊はやっておるわけです。  これに対しまして、週刊誌のインタビューに応じて、いま申し上げましたように、日本軍人として誇るべきことをやったので、何ら恥ずることはないと放言した。そのために、この男に対していま沖繩県民は怒り出した。怒りますが、普通はおとなしいのです。まあこの男は、いまごろ生きておっても、坊さんになって、自分が虐殺した人の冥福でも祈っているだろうと思っておったら、あにはからんや、農協の参事をやっていながら——参事をやるとかやらぬとかの問題ではない。しかも、殺したのはあたりまえのことをやったんだと言っている。それから、具志川村議会でもいま決議をしておる。さらに中城といいまして、中部なんです、コザの基地の付近、ここでは、自民党もありますし、社会党もありますが、与野党を問わず全会一致で、このことを許さぬ、本人に抗議するだけではなくて裁判にかけなくちゃいかぬといっている。あるいは殺された人、それから遺族に対してどういうふうに補償するか、これは請求権である、こういった問題がある。私はいま、鹿山という男がどうのこうのとは言いません。しかし、これは事実なんですよ。それでいま全県民的な世論がわき起こっておるのです。これは自衛隊の沖繩配備とも関連するのですよ。あさって防衛庁関係がありますから、その点は防衛庁に聞きますが、法務省に聞きますのは、このような日本軍隊の行なった残虐行為、これは許されていいのかどうか。大臣がおられませんので政務次官のほうから、これは不法である、不当であるといったようなこと、あるいは正しいと思うんだったらそういったような基本的な見解をぜひお答え願いたいと思います。それから二、三聞きたいことがありますから。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 ただいま瀬長委員から、終戦直後における日本人同士のまことに悲惨な、また痛ましい話を聞きまして、私自身まことに遺憾に思っておるのでございます。道義的の責任あるいはそういった問題につきましては、今後事実が判明するに従っておのずから評価がきまってくると思いますが、法律的の責任という問題になりますと、これはもう少し事実を調べましてお答えしなければならないと思うのでございまして、残念ながら、いま詳細にお答えする用意がないことを非常に遺憾に思っておるのでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 もちろん、政務次官おっしゃったように、具体的に、これは正当だ、正しいということを言い得る日本人はいないと思うのですよ。残虐行為ですからね。これは本人もちゃんと言っておるのだから、事実は否定できないのですよ。そこで問題になるのは、日本軍隊のああいったような犯罪行為は総決算の時代に来ている。いまはアメリカが占領中ですが、今度沖繩は復帰するので、終戦処理としての総決算の時代である。この場合、日本軍隊が行なったこういった許すべからざる残虐行為に対しての法的措置はどうしたらいいのか、その見解を一応承りたいと思うのです。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 はなはだ残念でございますが、事実を調査いたしまして、法律的の責任あるいはいまの救済制度としてはどんなものがあり得るか、この点をよく見きわめた後にお答え申し上げたいと思うのでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 刑事事件になるかどうか、どういう処罰の対象になるか、これはいま、調査の上お答えすると言われましたが、もう一つ、殺害された本人、その遺家族が相当います。これに対していわゆる補償金、賠償という問題がある。確かにアメリカの占領下では殺され損、なぐられ損でした。すべて、アメリカのやることはもう当然のこととしてやられていた。ところがこれは、戦争中から戦後にかけて日本軍隊のやったことである。これに対して政府は——いわゆる請求権の範囲に入るのが相当あるのですよ。この協定の中に、いろいろ請求権の問題なんかありますね。向こうは放棄した。ところが日本政府は、やはりやらぬといかぬと思いますね。そういったような範疇に入って、調査の上出すようなことになるのか、ここら辺はどうなりますか、これははっきりさしてほしいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 瀬長君、いかがでしょうか。あなたがきょうここではっきり当局に求めることはよくわかるのですけれども、おそらく法務省の諸君も外務省の諸君も、きょうの当委員会では、例の機密漏洩問題で頭が一ぱいで来ておるようだし、けさ話を伺ったのでお調べするいとまもございますまいし、さればといって、沖繩返還が目睫の間に迫っておる関係上ゆるがせにできない。慎重に取り上げてもろうて、見解の統一をとってもらわねばいかぬので、いずれ次回の委員会にはあなたあるいは先ほどの吉田君の御質問も継続せられると思いますから、次回に法務省がお出ましくださるまで、きょう幸いにして吉田刑事局参事官、笛吹保護局長、三方ともここであなたの申されることをつぶさに聞いておるわけなんだから、勢い当時をしのびながら、目睫に迫っておる問題全般的に関連して鋭意研究してもらって、次回の委員会にお答えをいただくように宿題に与えておこうじゃございませんか。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 けっこうです。  そこで要望しますが、あさって委員会がありますね。防衛庁関係もありますが、いま政務次官は、これは具体的に調査検討の上、まとめて御答弁になると言っておりました。これは刑事事件の問題あるいは補償の問題を含めてでありますが、一つだけお聞きしたいのは、調査ですから係員を沖繩現地に派遣されるか。私の持っている資料もあげてももちろんいいと思うのですよ。現地に行かない限り、具体的調査といってもわからぬと思うのですが、この調査の方法だけははっきりさせてほしいと思います。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 御承知のように、いま一般論として申し上げる以外におそらく法務省としてはないと思うのでございます。そして一般論として申し上げるためにも、その事実関係をはっきりさせなくちゃいけない。たとえて申しますと、その事実がどういうことになっておったのか、それは当時の陸軍刑法上許される問題なのか、許されない問題なのか、陸軍刑法上でも違法性を持っている問題なのかどうか、あるいは陸軍刑法が廃止された今日において、新憲法下でいかに取り扱うべき問題であるのか、あるいはさらに、それから年数がたっておるから、道義的な問題あるいは救済措置が何らかで必要だという立法論は別にいたしまして、現行の上ではたしてすぐ刑事訴追炉できるのかどうか、こういった一般論についての見解をまとめるためには事実を調査しなくてはならぬということを申し上げたわけでございます。そして具体的な問題になりますれば、当然この問題は裁判の問題、あるいは特別の救済措置、将来に向かって新しい立法措置が必要なのかどうか、こういう問題になるのではなかろうか。そういう意味でこれからよくわかった範囲の事実に基づいて一般的にどういうことになるのかということをお答えできるように努力したいといま申し上げていることを御了承賜わりたいのでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 わかりました。それでお聞きするのは、六日に決算委員会があるわけです。私が現地に派遣されるのかどうか聞きましたのは、現地に派遣して後やるとなると、あさって間に合わぬから、それをお聞きしているわけなんです。現地に派遣しないでもあさっての委員会でまとまった統一見解を発表できるのであれば、別に私がそれについて何か差しはさむことはありません。  それではその点はあさっての委員会に継続してやることにしまして——このことは久米島だけにあるのじゃないのです。いま沖繩県祖国復帰協議会を中心に、あるいは沖繩県教組があります。そういったような労働組合、民主団体がこれまでの一切の旧日本軍人の犯した罪悪、蛮行、野獣のごとき行動、これを全部調査するために委員会ができておるということもお知らせします。  それで全県的な雰囲気として、旧日本軍人のかかる残虐行為を許すなという運動が自衛隊配備反対の運動と結合して進められておる。これを放置しますと、五月十五日さあ復帰だなんていってだれもちょうちん行列をやる気にならぬのはそこら辺にあるのです。二十七年間の決算ができていないのです。この点は具体的事実に基づいて統一見解を述べられるわけでありますから、この点だけははっきり配慮してほしいことを一言申し上げまして、次に移ります。  申し上げましたように、沖繩返還を契機にいたしまして、いわゆる沖繩恩赦、これをやるということ、佐藤総理が先月の三十一日参議院予算委員会で沖繩恩赦の必要を認める発言をしております。具体的にきのうでしたかの新聞の朝刊にも、もう法務省が現にそれを具体化しておるということが書かれております。その場合、法務省としては、いわゆる大赦であるのか特赦であるのか、そういった恩赦の種類、どういったものが該当するのか。特に私申し上げるのは、いろいろ恩赦を七回かやっておりますね。そういった場合とは違って、占領支配下の沖繩で、アメリカの不法不当な裁判に基づいて刑を執行され、あるいはは執行中の者、裁判係争中の者、これはもちろんこの協定にもありますが、やるとすればそういう特殊な場合の恩赦なんです。それを具体的にあなたのほうでは大体案を立てておると思うのですが、そういったような計画、方針を述べてほしいと思います。もう新聞にもちゃんと出ておりますからね。いまごろ別に外務省の機密文書でもないだろうし、はっきり言ってもいいのではないですか。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 いま瀬長先生の問いの中に二つあると思うのでございますが、一つは、三十一日の予算委員会において総理の答弁をめぐります恩赦の問題、あれはおそらく政令恩赦の問題を問題にされたのではないかと思います。もう一つは、今度の沖繩返還協定並びにそれに伴う特別措置法の関係で、裁判を引き継いだ者についての個別恩赦がどう働くかというようなお話、この二つあったかと思うのでございます。  政令恩赦につきましては、先ほど吉田委員にお答え申し上げましたように、率直に申しまして、現在まで何らの検討もいたしておりませんので、その政令恩赦の種類、範囲等につきましては、現在答える段階に至っておりません。ただ、私も総理の御答弁を新聞紙上で拝見いたしたのでございますが、各新聞ともいっておられますのは、沖繩地域における犯罪、これについては、占領治下にあったことでもあり、恩赦とか大赦とか、そこはどうなるかわからないけれども、沖繩地域で犯された犯罪については何とかやりたいというような意向を漏らされておったのではなかろうかと思うのございますが、その点について法務当局に対して現在までのところ総理からもいまだ何らの指示があったわけではございません。私たちも新聞で総理の意向を知ったわけでございます。したがって、沖繩を含んでの本土等についての政令恩赦の問題につきましては、全く今後の検討問題でございます。もとより裁判を変更するという重大な結果があるわけでございますので、各方面から慎重に今後検討してまいりたいと思うのでございます。  次は、いま先生おっしゃいました第二の問題で、沖繩で米軍の施政権下において犯罪を犯した刑事事件について、今度返還協定並びにそれに伴う特別措置で日本の裁判所に継続になったものがございます。もちろん継続にならないものもございまして、一般的に申しますと、琉球政府の裁判所の刑事裁判につきましては、講和条約発効後の確定判決の分、この分は継承しておるのは御承知のとおりでございます。そしてまた民政府の裁判につきましては、昭和三十年の四月十日以降の最終判決について継続しておるわけでございます。それで、継続しておるものにつきましては、当然日本における刑事訴訟法その他が適用になるわけでございますから、恩赦あるいは仮出獄であるとか、あるいは再審とか、こういったものは現行の刑事法罰の手続規定によりまして適用があり得ることは当然のことでございます。これは個々の問題として今後進めて、継続後考えていきたいと思っておるわけでございます。しかし、先ほど申しましたような、こちらが裁判権を引き継がないものにつきましては、これはこちらのほうでは引き継いでおりませんので、言ってみますれば、どうにもならないことであろうと思うのでございます。  いずれにいたしましても、恩赦につきましては、政令については今後検討いたします。引き継いだものにつきましては、個別事案について必要に応じて恩赦、仮出獄、再審の事由を働かしてまいりたい、かように思っておるわけでございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 一国の総理大臣の委員会での発言ですから、これは当然法務省がその担当省になる。そこで、法務省では、具体的にここまで来ておるのだといった新聞の発表、あなた方が発表したかどうかは別として、これはすでに報じられております。  そこで、一応そういった沖繩恩赦ということをやるということになると、大体いつごろ具体的に発表できるめどがあるのですか。この点は、残されたのはわずか五月十五日でしょう。もしやるとすれば、あと四十一日前後しかない。こうなりますと、ほかのものはもう先行してどんどんやっておるわけだ。実際はあなた方もやっておるのじゃないかと思うのです。いま残念ながら発表できない。それで、いつごろから手をつけて、いつごろ発表できるか、この点だけは明確にしてほしいと思います。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 先ほど申しましたように、これは、率直に申しまして、まだ検討も始めていないところでございますので、いつどうするかということはいまのところお答えはできないわけでございます。ただ、やるということにきまりますれば、もちろん間に合うように発表いたすことは当然でございます。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 もう一つお聞きしたいのですが、沖繩恩赦に便乗して、むしろ沖繩返還を道具に使ってと言ったほうが正しいと思いますが、いわゆる選挙違反にひっかかったようなものまで含めて恩赦の対象にするのだといったようなことが一部報じられております。こういった点についてはどうお考えになっておるか。法務大臣がおられれば法務大臣に聞きたいのですが、この点、法務大臣の代理として政務次官来られたのだから、政務次官の意見をお聞きしたいと思うのです。

村山達雄自由民主党法務政務次官

○村山政府委員 しばしば繰り返しお答え申し上げていますように、まだ検討しておりませんので、お尋ねのように公職選挙法違反を含めるかどうかについても、お答えできる段階ではございません。ただ、沖繩恩赦に便乗してというようなつもりはさらさらないことだけは申し上げておきたいと思います。

瀬長亀次郎無所属

○瀬長委員 いま時間が残り少なになっておりますので、これは何を聞いてもはっきりしたことがここでは出ないというのがどうもきょうの委員会の性格らしいので、一応私希望だけ申し上げます。  いまの沖繩のアメリカの裁判を受けたいわゆる犯罪人といわれているのは、本土であればほとんど犯罪人にならぬようなのが多いのです。実に不法不当である。この復権の問題は沖繩県民は実に重大視しております。これを先行させなくちゃいかぬ。恩赦とかなんとかいう問題よりは、そういう点を先行させて、いかに現在の刑を執行された者の復権、あるいは現在そういった不法不当な、日本の法律に照らしても明らかにこれは犯罪人でないということまで含めてこの復権の問題は非常に大きい問題である、これを私指摘します。  もう一つは、かりそめにも、沖繩恩赦がきまり、政令恩赦がきまった場合に、いままで行なわれた七つでしたかの恩赦、この前のものなんかは六万人余り選挙違反者が入っている。調査の結果によると、この前の恩赦以後選挙違反者が四万人をこすという。こういったものを沖繩返還を道具に使って入れるに至っては、国民的反撃が大きくなるだろうし、とりわけ沖繩県民の反撃はひどいものになるということを私はここではっきり申し上げ、沖繩恩赦をたとえやる場合であっても、絶対そういった選挙違反者はここに含めない、含めてはいかぬという基本方針を堅持してほしいし、この点はぜひ法務大臣にも伝えてもらいたい。沖繩県民の正しい要望はそこにあると思います。それをつけ加えて要望いたしまして、きょうの質問を終わりたいと思います。

福田繁芳自由民主党

○福田委員長 次回は、あさって六日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会いたしとうございます。  本日はこれで散会いたします。    午後四時七分散会

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