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68回国会衆議院1972/03/10

外務委員会 第2号

発言数
49
登壇者
7
会派数
4
開催日
1972/03/10

会議録

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します.山田久就君。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 本日は、過般公表されました米中共同声明、これをめぐってひとつ大臣にお尋ねいたしたいと思うのです。  この米中共同声明は、むろん今後の米中関係さらにはアジアの情勢の推移ということに非常に重要な影響を持っておるものであるということは言うをまちません。それだけにこの共同声明というものを一体どのように評価するか、これは正確に評価されるということが非常に重要であって、やはりこの分析、評価というものは、言うまでもなくきわめて冷静かつ客観的に行なわれなければならぬということは申すまでもございません。そういう意味におきまして、政府も万全の努力を払ってそういうふうにやっておられるのだと思うのでございますから、この点についての政府のお考えをお尋ねしたいと思うのですけれども、それに先立ちまして、一体世界の主要各国はこの点にどのような評価を下しておるか、これは客観的にものを考えていく場合に非常に重要な点である。外にあらわれた資料のみならず、また外交チャンネルその他を通じて得られた情報、そういうようなものも織りまぜて、ひとつこの点についての主要各国の評価、これを外務大臣にお尋ねしたい、こう思うわけです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 米中共同声明についてお尋ねでございますが、米中共同声明もさることながら、北京会談、これ全体を含めてその影響というものを検討すべきじゃないか、そういうふうに考えております。わが国といたしましては、一月の六日、七日、サンクレメンテでアメリカ首脳とわが国の首脳との会談が行なわれたわけです。そのとき、アメリカから訪中、訪ソについて話があったわけですけれども、特に訪中については詳しい話があったわけですが、大体この訪中はこの線で行なわれ、特に共同声明に見ると、大体当時の会談から予測されたようなことになってきておる。私は当時からそうですが、これは米中会談というところに非情に大きな意味がある、共同声明の中、一つ一つあらわれてくること、これは予想どおりでありますが、米中会談の行なわれたこの事実、この事実の及ぼす波及、これは非常に大きなものがある。何かというと、これによってアジアにおける緊張緩和ムード、これが非常に強く前面に押し出されておる。私はこのムードを大事に育て上げなければならぬ、こういうふうに考えておるわけなんであります。何とかしてこのムードをそこなうことなく、これはもとよりケース・バイ・ケースで、いろいろな具体的な適用にあたりましてはこまかい配慮を加えなければなりませんけれども、このムードだけはこわしたくない、こういうふうに考えております。  また、わが国に対する影響いかんということになりますと、とにかくいままで中国はアメリカの封じ込め政策の中で国際社会の外にありました。それが昨年の秋には国連社会に参加する、そういうことになったわけであります。それから同時に今回の訪中、これはアメリカの中国封じ込め政策を転換するものである、対決の米中関係から対話の米中関係、和解に引き戻すことになる、こういうふうに見るわけでありますが、中国から見ますと——わが国は決してそうじゃございません、しかし中国から見ますと、日本が従来アメリカの中国封じ込めの一環をなしておったのじゃないか、そういう受け取りをしておったので、その御本尊であるアメリカが封じ込め政策を転換して、対決から対話へ転換をする、こういうのでありますから、したがってわが国に対する中国の見方、これも非常な変化を来たす影響を持っておるのじゃあるまいか、その辺も私は今後のアジア政策を遂行する上において考えておかなければならぬ、こういうふうに考えております。  いま山田さんは、各国はどういう反応だという話でありますが、新聞雑誌がどんなふうに各国でこの問題を見ているかということについてなら申し上げられますが、しかし外国の政府が有権的にどういう判断をしておるかということにつきましては私としては申し上げかねる。これはもう外交の機微の問題ですから、あなたも御理解いけるんじゃないか、そういうふうに思います。総じてとにかく緊張緩和、これについては歓迎だ、こういうことじゃないかと思います。ソビエトあたりは多少冷ややかな見方をしておるのではないか、そのような感じがいたします。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 外交チャンネルを通じてのいろいろな話をここで披露できない、これは当然のことですけれども、いわばこれの評価の点で特に私がお尋ねしたのは、日本の中におけるこの点の評価というもの、私はこれは前にも外務大臣が、言っておられるように、過小評価してもいけないし、また過大評価もしてはいかぬ。しかしながら、ややこの点については客観的な分析ということよりも、希望的な見解というかあるいはムード的なそういう評価がわりあいに強い、そういう意味では西欧その他の方面において行なわれている評価がやや違った点があるんじゃないか、そういうことを考えるものだから、そこで公表以外にその内容を一々伺おうというわけじゃないけれども、その他の情報も織りまぜて主要各国ではどのような評価をしているかということをここでひとつ大臣から話していただくということはきわめて有意義だろうと思って、その点をお尋ねしたようなわけなんです。その点特に補足する点があったらひとつお聞かせいただきたいと思うのです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 大体緊張緩和という大勢、これについては歓迎の意を表していると思うのです。ただ先ほど申し上げましたように、ソビエト並びにソビエト系というか、この国々においては多少違った感触を持っておるのじゃあるまいか、そういうふうに思っております。個々具体的にどこの国がどういう見解を述べておるか、これになりますと、外交の機微の問題でありまして、ここで私から申し上げることは差し控えたほうがいい問題だろう、こういうふうに思いますので、ひとつ御了解願います。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 先ほど政府自身がどういうふうにこの点を見ておられるかという点は実はあとから御質問しようと思っておったのですけれども、先にそのほうに大臣が触れられたようなことになったわけですが、むろんこの共同声明ないしは共同声明に至る一般情勢というものから考えてみますると、先ほど大臣が触れたように、何しろ長年の敵対関係ということから、ニクソン自身も言っているように、とにかくテーブルにおいて争いがあるとしてもやるのだ、そういう対話の関係に入ったという点、それからまた今後の国際間の関係の両国のいわば基本的な原則というものはどういうことに立脚するかというようなことを明らかにする、またこれは国際紛争というものを武力の行使あるいは威嚇というようなことじゃなくて、平和的な話し合いでやる、さらにはこれまでの、長い敵対関係にかわって米中関係の正常化というものに向かって前進をしていこうということ、これらの基本的な問題は、今後の国際情勢の基本的な流れとして頭に入れておくべき私は非常に重要な点だとは思います。  しかしながらその他の評価の点についていささかお尋ねしたいと思うのですけれども、結局米中間において非常に長きにわたって両国の紛争のいわばかなめというような形で存在しておったものは、事は朝鮮戦争から始まったということもあるけれども、結局台湾問題というものがその中心になっていたことは御承知のとおりであります。この台湾問題がどのように取り扱われるであろうかということは、これは非常に重要な点であったわけですけれども、この点について一体どっちが譲歩したか何かという点の評価はいろいろ意見が分かれているようであります。実は台湾はせめて中国の一部分であるというような基本的な原則のことについては、アメリカから一本とるということで相当食い下がるのじゃないかというふうにも思っておりましたけれども、結果においては両方が、中国は一つである、台湾はその一部であるということを言っておる、このことに対して、かつてアメリカは帰属はきまっていないと言っていた立場をいささかこれは変えて、この点についての議論はあえてチャレンジしないというところに変わってきたという以上にはとうとう進むことができなかった、こういうことになっておる。そしてまた最後の米軍の撤退、施設の撤去という問題になってまいりますると、一つの見方としては、これはニクソンドクトリンの再確認ということである、したがってこれは引くと言っておるけれども、緊張が緩和したらということは、つまり見方によっては非常に条件つきであって、一体どっちがこの点について譲歩したのかというような点についても、いろいろと評価が分かれているようなことに相なっておりまするけれども、この台湾問題についての評価というような点、これはこの声明のみならず、その他のいろいろな情報も取りまぜて、政府自身としては、このかなめの問題どのように見ておられるか、この点ひとつお伺いしておきたい、こう思うわけです。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 台湾問題では、サンクレメンテ会談で二つの重要なことをアメリカ側は申しておるのです。第一点は、ニクソン訪中において、対台湾政策は変えない、こういうことを言っております。それからもう一つは、軍事上約束したことは守り抜きます、こういうことを言っている。しかもこれは、北京政府においてもよく承知しておるはずである、こういうことを言っておる。それで、共同声明を見ますると、まことに台湾問題については、そういういきさつからいきますと、そのような考えが出ておるように思うのです。つまり、中国の主張、台湾海峡をはさんだ両国民の間に一つの中国論が出されておる、それはよく承知しておるし、これに挑戦はしない、こういうようなことを言っておる。つまり、私どもから言いますると、これはまあ台湾問題はたな上げというような形の共同声明だ、こういうふうに見るわけなんです。両方ともおとなだな、こういう感じがいたします。アメリカが、ただいま申し上げましたような一つの基本原則を持つ以上、両国間で台湾について一致する意見が出るはずがない、また、これを議論しておったら北京会談というものはまとまらない。そこでまあたな上げというようなことにいたしまして、そして、ほかの諸問題を一つ一つ解決していく、つまり積み上げ方式で国交の接触をはかる、こういう考え方をとったんじゃないか、そういうふうに評価しております。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 この点について、つまりどっちが譲歩したのかどうかというようなことについては、どうも国際的な評価でいうと大体五分五分、いわば歩み寄りというような評価が行なわれているようでございまするけれども、なおこの点についての国内の判断や空気というような点にもかんがみて、政府としては、いろいろな形ではすでに発表はされておるようでありまするけれども、やはりこれの一つの正しい見方、このような根拠で見るというような点をひとつ国民に対して示していただくということは、この問題の重要性にかんがみて非常に必要であろうか、こう考える次第でありまするが、その点、ひとつ希望しておきたいと思います。  なお、今度の米中接近の問題に関連して一つお尋ねしてみたい点は、御承知のように、中国の対外政策、これはこれまでもそうでございまするけれども、内政的な要因というものときわめて密接に結びついておると私は考えます。これはこれまでもそういう例である。御承知のように、文化人革命、このときにはいわば中国は造反外交ということで、原則一点張り。それで、外とのいろいろな摩擦というものが第一次的に起きるということで、中国ははなはだ孤立するようなかっこうになっておったけれども、その後は非常に大きな変化を来たして、国連への加入というようなことについて、従来国連に対してとっておった態度も変えて非常に柔軟な方式をとる。加入後においては、いわば国連の舞台というものを通じてより広い中国のつまり国際的なインフルエンス、あるいは対ソ関係において非常に有利な、あるいは対米関係において有利な場を築くというような点では、かなり柔軟な方式をとっていた。そのことが最後には米中会談というようなところまでに至ったわけでございまして、とかくわが国あたりではこの大きな関係を持つ内政上の動きというものに、すでに伝えられているような相当いろいろな変化があるにかかわらず、この変化がいかなる要因に基づいたかということをあえてよけて通ろうというようなことをしている傾向があるのは、これは非常に大きな誤りであると私は考えるのであります。  そこで、これは何しろ竹のカーテンの、向こうのことですからなかなかむずかしい点であろうかとは思います。しかしながら、そこで一体、この対外政策にいろいろな変化を及ぼしたそもそも内政的な要因というものはどういうものなんだろうか、どういう情勢にあるのか、これを、いままで外務当局において得られた情報というものを基礎にしてどのように見ておられるか、この点でひとつ外務大臣にお尋ね申し上げたい、こう思うわけであります。  何しろ、いろいろ、まあこの点について一々触れろというわけではありませんけれども、毛主席は確かにこれは権威の存在ではあるけれども、しかしながらなかなか周さん、このごろ実権を握ってきたのではないかというようないろいろな説、そもそもそうなってきた要因というものはどうなんだ。いろいろな説が行なわれております。差しつかえない限り、いろいろ持っておられる情報に基づいての現在の内政上の判断をひとつお答えいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 今回の米中会談が実現をするということになりました背景は、私は、国際的要因と、それからいまおっしゃられたところの国内的要因と、こういう二つがあると思うのです。いまのお尋ねは国内的要因ということでありますが、国内的要因を分けますと、これは純政治的な要因、それから国内政治的要因、それからさらに国内経済的な要因と、こういうことがあるのじゃあるまいか、そういうふうに見ておりますが、その政治的要因につきましては、これは竹のカーテンの中のことでございまして、どうもこれを把握することが非常に困難である。これは世界各国の状況に徴しましても、なかなかこれを把握することが困難だ、こういうことを言っておるような状態でございます。ただ一致しておりますのは、むしろ経済的側面といいますか、純粋に経済的ばかりじゃありませんでしょう、これは政治にも関係することでありましょうが、やはり中国というものが文化革命を経ましてこれから国内建設を進めていく、そういう段階になりますると、その鎖国的なやり方、これでは他の国々との関係におきまして立ちおくれになる。やはり目を国際社会に開き、国際社会との交流、まあ特に経済の開発というようなことを考えまするときにそういう考え方をとらないといかぬじゃないかというような時期に来ておるんじゃないか、そういう見方をする人が多うございますが、私も経済的な側面に中心を置いて考えまするとどうもそういうような考え方の変化が出てきておるんじゃあるまいか、それが米中会談というものに強く影響をしておるんじゃあるまいか、そんな感じがいたします。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 いまの経済的な面の要因ですね。これはまあ今度の米中会談の背景として非常に大きな要因だという一般的な推測が行なわれておりますけれども、それに関連して実は今度の米中会談に踏み切った大きな理由として、直面している経済困難あるいは中国経済の近代化、このことのほかに実はいろんな議論があったけれども、ソ連というものとの関係を断ち切った、いわばこれを見捨ててそれでつまりアメリカにこれを切りかえた、これが背後の実は中国側の非常に大きな要因であったというふうな観測が行なわれているようでございますけれども、そしてまた、これがゆえに今後やはりあのマーケットにおいて、つまりそういう米中関係の経済的な一つの連携というもの、これは日本の将来の関係においても非常に大きく頭に入れておいてやらなければいけないんだという、そういう観測が行なわれているようであります。この点について大臣はどのように考えておられるか、ちょっと御意見承りたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私が先ほど国際的側面があると、こういうことを申し上げたんですが、世界一般の見方、これを集約いたしますと、やはり米中会談の背景としてはソビエトという問題があるという見方、これが多うございます。まあ圧倒的に多いと、こういうふうに申し上げていいだろうと思います。しかし私自身がどういうふうに見るか、それはまあ機微の問題でありますので、見解の表明を差し控えさしていただきます。ただそういう人が多いということだけを御紹介申し上げておきます。  そういう場合に、いま御指摘のソビエトとの経済関係をもうあきらめて、そうしてアメリカとの経済関係を考える、そういう考え方が動いたかどうか、そういうことにつきましては動いたんだと、そういう見解、これは私はあんまり聞いてはおりませんけれども、まあこれは山田さんの御判断にまつほかはない。非常にデリケートな問題でありますので、私が見解を申し上げるということはどうも妥当ではないんじゃないか、ひとつ御了承願いたいと思います。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 どうも時間がないのでまとまった質問ができないで残念ですけれども、それでは最後に、尖閣列島の問題についてちょっとお尋ねいたしたいと思うのです。  御承知のように沖繩返還協定に関連して昨年来この問題に中華民国あるいは北京政府、その領有権についていろいろ声明が行なわれておりまして、最近でもその種のことが行なわれておるようでございます。まあ国の紛争ということで、いわば領有権の問題というのはなかなかデリケートな問題でございますが、しかしながらこれはまたあいまいにしておるとかえっていろいろ問題をこじらせることもあるわけで、したがって、すでにこの点については政府はいろいろ措置をとっておられるようですけれども、あらためて本委員会においてひとつこの点についての日本政府の態度、これをはっきり伺いたいと思うと同時に、ひとつその態度を実際上有効ならしめるために一体どのような有効な措置をさらにとろうということを考えておられるか。これはわが党においてもいろいろその点についての希望的意見が出ておるようでございますし、この点についてのひとつ政府の立場をお答えいただきたい、こう思うわけであります。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 尖閣列島につきましては、わが国といたしましてはこれがわが国の固有の領土であるということにつきまして一点の疑いもない、こういう態度で対処したい、こういうふうにいま考えております。  その理由につきましては明治十八年にさかのぼりますが、時の沖繩県令、いまで申しますれば沖繩県知事ですが、知事が部下の者をして調査せしめたわけであります。実地調査までさせて、その結果を時の内務卿、いまのことばでいえば内務大臣、山縣有朋氏に報告いたしております。その山縣内務卿はさらにこれを閣議に報告いたしておるわけであります。そこで確認されたことは、これは無人島である、また当時の清国の支配の形跡は認められません、こういうことであります。  そういういきさつを経ましてずっとわが国は尖閣列島は沖繩県の一部であるという観念で経過してまいりましたが、明治二十八年の一月に至りまして閣議において正式に尖閣列島はわが国の領土であるということを確認し、その標識を立てるということにいたしております。次いで二十八年の日清戦争の結果でありまするところの下関条約、この条約においてわが国は清国から台湾、澎湖島の割譲を受けたのでありまするけれども、問題の尖閣列島は割譲された領域の中には入っておりませんです。それから平和条約が結ばれた。この平和条約におきましても、わが国は台湾、澎湖島を放棄することになりましたけれども、放棄したわが国の領域の中には、この尖閣列島は入っておりません。逆にアメリカが施政権を行使する区域の中に編入されておる、そういう状態で今日に至っておるわけであります。  それで今度、したがってアメリカは尖閣列島に基地を持っておる、わが国が今度の沖繩返還協定において提供すべきA表の中にはこの基地のある尖閣列島もまた含まれておる、こういうことになっております。ですから、どこから見ましてもわが国の領土であるということに一点の疑いがない、いろいろ説をなす国がありますけれども、確信を持ってこの問題には対処していきたい、こういうふうに考えます。

山田久就自由民主党

○山田(久)委員 以上をもって質問を終わります。

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長 松本七郎君。

松本七郎日本社会党

○松本(七)委員 いま御答弁の中に共同声明の評価の御説明があった中で、封じ込めから話し合いを唱えない。これはこのとおりです。これは前から言っていることです。

曾禰益民社党

○曽祢委員 仮定の議論みたいなことで恐縮ですけれども、これはやはり政府の態度を明確にする意味で、ぜひその点を聞きたかったわけです。そこで当然に領土の問題は、領土の主張のほかに、日本の立場としてはアメリカも言っているように、これは当然の期待として平和的解決、円満なる解決という、こういうことの主張をお持ちなわけですね。そうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 そのとおりでございます。

曾禰益民社党

○曽祢委員 いわゆる統一見解に私はこだわるつもりはございませんが、統一見解は領土権の問題だけをあれしているんでして、それとうらはらの関係にあるのが特に日本の場合は日華平和条約の位置づけの問題になるわけですね。ですからもし統一見解と同じ立場から言うならば、日華平和条約をどういうふうにしようとされるのか。交渉の過程においてこれは一番大きな問題になりますね、日本の場合は。これこそテークノートとかなんとかいきませんわ。日本だけが負わされている。これはダレスが吉田首相を言うならば強制して、脅迫ということばは使いませんが、強制して結ばした条約で、しかもその立場についてはさっき松本君も指摘されたように、ほんとうはいわゆる全面的な平和条約じゃなくて、部分的な限定承認の友好条約の性格がほんとうだったわけですね。とにかくそういうものを結ぶんじゃなしに、これが向こうから見ればにせ政権と結んだ条約だ、これの廃棄を通告し、また予定していることは当然です。ただ日本の立場は違う。強制されても条約であるから、そっちを一方的に破棄するという態度はとるべきじゃないし、とりたくない。そこでこの問題は非常にやっかいな問題であるけれども、これをどういうふうにして処理されるというお考えですか。基本的態度でこまかいことを一々あれすると、交渉する人もやりにくいということもあるでしょうけれども、基本的な態度はやはり領土権の問題と条約をどういうふうに処理するか、これはうらはらのなのでそっちに対しての基本的姿勢は明確にされる必要がある。お伺いします。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私どもは、日中間にたいへんいろいろ解決しなければならぬ複雑な諸問題がある、そういうふうに考え、さらばこそまずとにかく政府間の接触をいたしましょう、こういうことを言っておるわけなんです。その大きな問題が台湾帰属の問題であり、日華平和条約の問題である、こういうふうに考えておるわけです。しかしとにかく接触を始めなければならぬ。始めるにつきましては、中華人民共和国は中国を代表する正式の政府だという認識です。こういう立場をとらざるを得ないわけです。そこで話が始まって、一体むずかしい諸問題にどういう結論が出るか、これは話し合いの結果の問題だろうと思うんです。これは曽祢さん、話し合いやったらこういうふうになっていくだろう、こういうふうになっていくだろう、こういう御認識当然お持ちだろうと思いまするけれども、私どもはあくまでもこの過程でそういう問題は出てくる、話し合いの過程の問題だ、こういうふうな態度で臨んでいきたい、こういうことなんです。そういう態度を政府がとらざるを得ないゆえんのもの、これは十分御理解願えるんじゃないか。これだけ複雑な中国問題、ほんとうは中国は一つである、一つの中国には一つの政府、これが理想的なんです。しかし不幸にして二つの政府という現実がある。そこからいろいろなむずかしい問題が出てくる、そういうようなむずかしい現実を前にしてのわが国の態度ということにすると、この辺が精一ぱいなところじゃあるまいか、そういうふうに考えておるのですが、曽祢さんがその先いろいろ読んでおる、私わかるような気持ちがしますが、その辺まで掘り下げてやっていくということは、曽祢さんがいま御指摘がありましたように、交渉上に支障が出てくることになるんじゃないかということを考えまして、はっきりしたお答えは差し控えさせていただきたい、かように思います。

曾禰益民社党

○曽祢委員 基本的認識としては、やはり絶対不動の平和条約で全面的な平和条約であるということをとるのは、非常に私はまずい。ですからこれは軽々しく条約を取り扱うことはいけませんけれども、やはり基本的認識は正統政府ができて、それと国交調整やるのですから、この旧条約は悪いけれども、神だなに上げたような形になりますか、新条約によって事実上安楽死になりますか、知りませんけれども、そういうような方向をやはりわれわれはとる必要があるという意見だけを申し上げておきます。  時間がありませんけれども、もう一つだけ伺いたいのは、これは私非常に重要な問題だと思ってぜひひとつ取り上げたいのは、実はこの間のわが党の春日委員長の本会議質問で、日中の国交調整に関連して台湾防衛について質問した項に対する大臣のお考えに、私非常に気になることがあるんです。それは何かというと、大臣は台湾防衛についてはアメリカが全責任を持っておる、これは御承知のとおりである、しかしそれだからといって日本のほうに責任がないかというとそうじゃない、いろいろこう言っておられて、日本から発進することもあり得るので、この限度におきましては、わが国もまた台湾の防衛に関連がある、かように御理解を願いたい。——関連があることはいいですよ。そこで次に実際問題とすると、わが国の防衛責任というものの発動が一体起こり得るのかという問題である。これをずっと言いまして大臣は、私は現実の問題とすると、わが国の防衛責任という問題は起こらないんじゃないかというふうに見ている、こういうような答えで、わが国の防衛責任という問題がお答えで非常に明瞭であるというふうに言っておられるのですが、私はわが国は防衛の責任はない、台湾であろうが朝鮮であろうが、日華平和条約による——アメリカは、アメリカと台湾あるいは韓国との条約によって、それぞれの地域を防衛する条約上の責任というか義務を持っています。わが国はアメリカに対して日米防衛のため及び極東の平和と安全のために基地を貸与することは条約上の義務ですね。その基地から戦闘作戦行動に出ていく場合、この場合にイエス、ノーを言うということがありますよね。しかし、それは防衛の責任を分担することじゃないと思うんですよ。あくまでも防衛は、日本の憲法の精神からいってでも、防衛の責任を外国の領土に対して負うということはあり得ない。私はことばじりをとらえるんじゃありません。これは非常に重大であるから、条約上基地貸与の義務があるし、そのことによって発進の場合にもしイエスを言ったならば、政治的に非常に問題が起こりますね、そのアメリカが戦うような国からは、しかし、それは防衛の責任を日本が分担しているからじゃない。日本の安全保障のために必要だと思って基地を貸与した。そこから極東の平和や安全と日本の平和とのかかわり合いから、もし日本がイエスを言うならば、基地から発進することを許容するということは条約上の義務であるけれども、それは防衛の分担の責任だということなら、とんでもないことになると思うんですよ。そういうふうに感ずるんですが、そうじゃないでしょうか。もし私の言うことが正しいならば、防衛の責任とか分担とかいうことじゃないというふうに、これはむしろ明快に訂正なすったほうがいいんじゃないかと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 私が申し上げている趣旨は、いま曽祢さんからお話しになったようなわけなんです。そういうことを申し上げておるんです、ですから、私も注意深く、「その事前協議にあたりましては、わが国の答えといたしましては、イエスもあり、ノーもある。その次が大事なんです。その時点におきまするところの紛争の状態、また、それがわが国に及ぼすところの安全性への影響いかん、かような国益を踏んまえましてこれにこたえる、かように考えておるわけであります。」こういうふうに申し上げておるんです。あくまでも私どもは基地を提供しておる。その基地から米軍が発進するという場合がある。そのときには事前協議は受けます。受けますが、それをイエスと言うか、ノーと言うか。この発進の対象になるところの紛争、それがわが国の国益から見てどういう状態のものであるかということを踏まえて判断をするということをはっきり申し上げたいと思います。私も手ぶらでお答えしているから、ことばじりからいいますれば何かいろいろのこともありましょうが、私の申し上げている趣旨は台湾防衛の責任があるということじゃないんです。わが国の国益を踏んまえましてイエスと言う、ノーと言う。そのイエスと言う場合には、わが国の基地から発進が行なわれるわけでありまするから、そういう意味においてはわが国に責任がある。まあ責任ということばが強ければ、関連がある、こういう趣旨のことを私は申し上げて、あなたのおっしゃっていることと趣旨においては大体同じです。

曾禰益民社党

○曽祢委員 私がこれを取り上げるのは、単にことばじりの問題じゃなくて、政治的にも私は前々から、ニクソン・佐藤共同声明の台湾に関する言及は非常にまずかった、台湾海峡においては、どっちも戦争して苦しいなということだけ言っておけばいいのに、武力攻撃があった場合にはアメリカが応援しなければならないだろう、そのときに日本の基地から飛び立つときには事実上朝鮮と同じように自動的オーケーととられるがごとき、これはナショナル・プレスクラブにおける総理の説明を含めて言えば非常にまずい言及をしたものだということを言っておって、沖繩国会の際にもその点に触れて、朝鮮半島の問題もそうだけれども、特に台湾の問題については、あの部分は訂正しなさいということを強く申しまして、訂正しようとしたような形跡もあったけれども、最終的には、日本の国益に関連してプラスにならないときには拒否するというようなことで事前協議の対象の拒否ということで、逃げ切ったような形になっておりますけれども、米中会談の結果、少なくとも武力衝突が起こるということは事実上あり得そうもないというかっこうになってきたのですから、ますます国交正常化の場合には当然に、平和的に台湾が中国のふところに返っていくときは、全く防衛の範囲にはなりっこないわけですからいいわけですけれども、しかしこういう際ですから、防衛の責任を分担するがごとき表現はいまお取り消しになったと思いますけれども、これは大いに慎んでもらいたい、かように要求しておきます。  時間がありませんのでこれで終わります。

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長 松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 外務大臣に中国問題についての見解を若干伺いたいと思います。  まず最初に、予算委員会や本会議でいろいろの見解が出ましたけれども、一日の参議院本会議で総理大臣が答えました中国との国交、将来日中間の国交正常化が実現した暁は台湾が中華人民共和国の領土であると認めることになるというのが私の基本的な態度であるということは、このまま政府の見解になっているのかどうか、その点をまずお答えいただきたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 予算委員会でいろいろ論議があり、また本会議でもいろいろ論議があって統一見解を示せというので、領土問題についての統一見解というものを出したわけですが、領土問題はその統一見解で御承知のとおり、こういう書いたもので配付してありまするとおりになったわけでございます。  それでいまの御質問ですが、予算委員会における答弁を取り消すということもいたしておりません。また本会議における答弁も取り消しておりませんけれども、それらの答弁を総合いたしました統一的な見解はこれこれです、こう申し上げたわけです。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうすると、もちろん六日に外務大臣が説明をされた政府の統一見解も頭に置いての質問でありますけれども、いまの御答弁では、一日の参議院本会議の答弁は取り消していないということでありますので、それを前提に伺いたいと思います。  その国交正常化をするまでは、台湾を中華人民共和国の領土というふうに認めることができないと考えているということが逆には言えると思うのですけれども、その理由はどういうことになるでありましょうか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 それはわが国は、台湾にある国民政府と国交を持っておる、こういうことですね、それもありまするし、それからこれは非常に法律論になりますが、サンフランシスコ条約で領土権を放棄した、そういう立場にある国としてそういうことも言いかねるのじゃないか、こういうようないろいろなことを考えまして、ただいまの段階では中華人民共和国の主張が理解できるというところまでしか進めない、こういうことであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そうしますと、サンフランシスコ条約があるから領土について発言できないというのは統一見解にもありますし、いまもお話しになったわけですけれども、この点についてまずちょっと伺っておきたいのですが、そういたしますと、サンフランシスコ条約がある限り領土問題について発言をすることができないということになるのじゃないか。一体日本はいつになったらこの台湾の領土について発言をすることができるようになるのか。これは先ほど引用いたしました参議院本会議の答弁で考えますならば、中国との国交正常化をすればそのときにははっきりと中国の領土であるということを言うことになるのではないかというふうに思いますけれども、この辺の関係は外務大臣はどうお考えになっているか、お答えいただきたい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 実際問題としまして、サンフランシスコ条約に参加しました四十五カ国が集まって協議いたしまして統一見解を出す、こういうことはあり得ないのではないかと思います。やはりこの四十五カ国の中の動き、あるいはその中で大きな発言権を持つアメリカであるとかイギリスであるとか、そういう国々の動きがどうなっているか、こういうようなことを見て判断をするほかはないのじゃないかと思いますが、ぼつぼつそういう動きも出てくるかもしらぬ。これはちょっとひとの国のことですからよくわかりませんけれども、また日本が台湾の領土所属を申し上げる立場にはありませんけれども、しかしそれにもかかわらず、中華人民共和国を相手にして国交の話をする、その際には台湾の領土所属ということについての日本の見解を聞かれるかもしらぬ。そういう際に、そういうことに対して答える立場にはない日本ではありまするけれども、しかしながら四十五カ国、その中の有力なる国々の意見なんかも徴して、あるいは発言し得るようなところにくるかもしらぬ。その辺を踏んまえますると、とにかくこの領土権についてわが国はこう考えるのだ、こういう認識を示し得るのは、これは正常化後になる問題であろう、こういうふうに考えております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 正常化をして領土について発言できるようになる。そして、先ほどの参議院本会議の答弁のように、台湾が中華人民共和国の領土いうふうに認めるという事態になった場合、そういうことになった場合には、その台湾の上に乗っかっている蒋介石政権というものは当然否認をせざるを得ないし、あるいはないという状態を想定されているかどうかわかりませんが、そういう関係になると思いますが、その点については外務大臣はどうお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 日中国交、正常化ができました暁において、台湾政府の地位がどういうふうになるか、わが国から見てどういう立場になるか、これは日中国交上正常化交渉を待たなければならない、こういうふうに考えておるわけであります。いまこの段階でどういうふうな形になるということは私の口からは申し上げられません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 日台条約、条約のことばでは日華平和条約というふうにいっておりますが、この日華条約によりますれば、国籍でありますとか財産でありますとかの扱いその他についても、台湾、澎湖島について全部規定をしてある。普通でいえばこれは中華民国、蒋介石政権の領土として台湾、澎湖島を認めたというふうに客観的には見ざるを得ないものだと思います。先ほど引用いたしました参議院本会議の答弁に基づきますならば、中華人民共和国との国交正常化をした暁には台湾は中華人民共和国の領土として認めるということになれば、どうしてもその時点では少なくもこの日華平和条約、蒋介石政権と結んだいわゆる日台条約というものはなくならざるを得ない、こういう関係にある。これは客観的な論理からして当然のことであると思いますが、これについての外務大臣の御見解を伺いたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 それは正常化交渉の中身の問題なんです。正常化交渉の結果、台湾にある国民政府をどういうふうに見るかということですね。それによって結論が出てくるのであって、したがって、いまからその形を予見することはできないというのが私の見解であります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 そういたしますと、日華平和条約が残ったまま中華人民共和国との国交正常化ができる場合もあり得るというふうに外務大臣はお考えでありますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 松本さん、そこまでお聞きになられると非常に私も当惑するのですよ。これは松本さんの御想像におまかせします。私はお答えすることはできません。

高島益郎外務省条約局長

○高島政府委員 ただいま松本先生が、日華平和条約によって日本が台湾について中華民国の領有権を認めたことになるというお話がございましたけれども、この点につきまして、日華平和条約第二条では、サンフランシスコ条約の規定をそのまま承認するというだけのことでございまして、このことは何ら日本が領有権を認めたという趣旨ではございません。このことは、つまり日本がそういうことを決定する権限がないという立場に基づいて、そのとおりきめたものでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 日華条約についての政府の考え方というのはわかっているんですけれども、そういうことになれば、中華民国、蒋介石政権というのは領土を持っていない、そういう幽霊政権だということが日華条約の論議のときにも出たことだけを指摘しておきましょう。そして外務大臣が答えられた、いまの答弁は差し控えたいということであります。答えられないということでありますが、いま日華条約というのはどうなるのかということが与野党の対立の焦点となっておるし、国民にとってみれば、政府は中国との国交を回復したい、国交を正常化したいと言っているけれども、ここが一番焦点ではないかというふうに考えておるわけなんです。私は、中国問題について国民の一番聞きたい点はここだと思います。外務大臣はそうはお考えになりませんか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 国民がどういう点に関心を持っておるか、これは松本さんとは私ちょっと見解が違いますが、いずれにせよ、いまはこの問題について私からあえて私の見解を申し上げる立場にない、これは非常にデリケートな問題であって、何ら国益上裨益するところがない、こういう考え方です。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 サンフランシスコ条約があるから台湾の領土権について発言できないということを外務大臣言われましたけれども、サンフランシスコ条約で放棄をしております千島についても日本は発言権がありませんか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 千島といっても広うござんす、こういう次第でありまして、北千島、それからわが国固有の領土である千島、あの歯舞、色丹、国後、択捉、こういうところが別に区別されておるわけです。北千島につきましてはわが国は発言権はございません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 条約には千島を放棄するというふうに書いてある。政府の見解は、いま外務大臣の言われたのは、いわゆる千島でないからということでしょう。私たちは間違っていると思いますけれども、千島については発言権がありませんか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 千島のうちでもいわゆる北千島、これにつきましては、わが国はこれを放棄したものでありまして、発言権はございません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 政府の領土についての統一見解はいわゆるテークノート方式だと私は考えます。これでは、カナダやその他とは違って国交正常化はできない、それは日華条約があるからだ、これはもう一般にいわれておることで、だれでもがわかることであります。この点については外務大臣はどういうふうにお考えになりますか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 カナダのテークノート方式というのは、台湾の領有権、帰属問題に対しまして二年間議論に議論をした結果、テークノート方式ということで国交の正常化をはかれましょう、カナダからいいますれば中華人民共和国を承認する、そういうことなんです。わが国はまだそんなところにきておるのではない。議論が全然始まっていない。そのしょっぱなから、わが国はカナダのような立場をとっておるわけなんです。ですから、これを比較して同一に論ぜられる、これは私には理解できません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私が言いますのは、日華条約で、先ほど条約局長は、領土として認めたものではないというふうに言いましたけれども、実際はその支配する地域、その台湾、澎湖島に住んでいる人たち、あるいはそこにある財産についての規定を含むそういう条約、それは実際上領土に対する主権を認めたと同じことです。ことばの上ではそうではないというふうに言っているのが条約局長の話ですけれども、そういう条約があるままではとても国交ができないのじゃないか。いわゆる中華人民共和国の領土についての考えを認識するというだけでは、国交正常化はできないのではないかということを私は言っておるわけです。実際上領土として認めたと、中華民国、蒋介石政権の領土として台湾、澎湖島を認めたと言うにひとしい。私は正確に言えば、認めたというふうに言うべきだと思いますけれども、政府の見解ではなかなかそうは言わないけれども、そういう条約がある限りは、これはどうしても中華人民共和国の領土として台湾を認めることはできないし、国交も回復することはとうていできないのじゃないか。その見通し、これは外務大臣が国民の前に明らかにすべきだ。もしそうでないと言うならば、それでもできるんだという見通しを明確に国民の前に示すべである。私はそのことをお聞きをしておるわけです。その見通しに関してです。そういう態度ではできないと私は思います。思いますが、外務大臣がそれでやるんだ、あるいはそれでできるんだと言われるならば、その見通しの根拠を国民の前に示されたい、これが私の質問であります。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○福田国務大臣 相手のあることですかし、これは交渉ごとですから、相手の言うことを、全部聞かなければ交渉まで始まらぬという立場は私は正しくないと思うのです。やはりわが国にはわが国の主張がある。それを踏まえまして交渉に入る。当然のことだと思う。私は国民大多数がこれを理解してくれると思います。そういうお答えをするほかはございませんです。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 これは私はわが国の立場といいますよりは、中華人民共和国を中国を代表する、正統政府あるいは唯一の政府として認めなければ国交が回復できないということは、これは識者の一致したところだと思うのです。そうでないならば、その点についての見通しを明らかにすべきであるということをいま申しましたけれども、いまの外務大臣の立場、できるという根拠を示すべきだということを申しましたけれども、それについては何ら申されないで、そしていま私がお聞きしたのでは、とにかくやってみるんだという程度のものしかとうてい見られないのです。そういうことでは、これは私は福田さんのお考えのもとではとうてい中国との国交回復ということはででないんじゃないか、こういうふうに結論を出しても何ら差しつかえないのじゃないかというふうに思います。これは私だけでなくて、この議論を聞いている国民みんながそういうふうに思うだろうということをつけ加えて、私の質問を終わりたいと思います。

櫻内義雄自由民主党

○櫻内委員長 次回は来たる十五日午前十時より理事会、十時十五分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時四分散会

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