科学技術振興対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 80 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/05/18
会議録
○渡部委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興対策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。木野晴夫君。
○木野委員 ポリ塩化ビフェニール、いわゆるPCBの被害についてでございますが、さきにカネミ油症の事件からこの問題が起こりまして、その後さらに調べてみますると、いろいろな分野でこの問題が起こっておるということがわかりました。さきにわが委員会におきましても、公害の特別委員会と合同で参考人を呼び、いろいろな意見を聴取したのでございます。また、この問題を何回にもわたりまして議論をしておりますと、問題が非常に深刻で、かつまた、これが対策につきまして万全を期さないとたいへんなことになる、こういうふうに感じておるものでございます。 この問題につきまして、公害特別委員会におきましては、公害特別委員会の立場からさきに決議をされまして、政府に対して特段の努力をば促したわけでございますが、私は、当委員会におきましても、科学技術の面から政府に対しましてこの際万全の措置をとることをお願いいたしたい、このように考えておるものでございます。 きょうは、この問題につきまして、当委員会におきまして各委員からいろいろ御意見がございまして、——それは与党といわず野党といわず、各党から一致した意見であったと思うのでありますが、各委員からいろいろ意見がございまして、私はその意見を聞きまして、大臣にこの問題につきましてどういうように考えておるか、所信のほどを聞きたいのでございます。 と申しますのは、このPCBといいますものは、たまたまこの問題で起こったのでありますが、新しい化学薬品といいますものは世界で毎年五百有余出ておるというふうな状態でございます。そうして、それに対しましてその成分はどうであるか、ことに人体に及ぼす影響はどうであるか、そういったことが確かめられずに使用せられておる。ことにまた、それが企業の面から、安いからないしは効果があるからということで使われておるということでございましたならば、ゆゆしき問題である。政府におきましても科学技術大臣が科学技術の振興の一つの柱としまして、生活に密着した科学技術の振興ということをとっておられましたが、生活に密着したといいますのは、人の生活にプラスになるように、そうしてさらに豊かな生活が実現するようにということであるわけでありまして、そういった面から申しますと、いまのような効果があるから、安いからということでもしこういったものが放置されておりましたならば、私はまさに重大な問題であると思うわけでありまして、まず科学技術大臣に、こういった問題につきましてどういうふうに考えておるかということを聞きたいのであります。 PCBの問題につきましては、大臣御承知かと思いますが、PCBといいますのは非常にその性質が安定しておる、熱に強い、酸にもアルカリにも強い、酸化されない、それから油には溶けますがそれ以外のものには溶けない、そうして純度が非常に高い。それだけ効果があるわけですが、逆に言いますとどこまでも残留するということでありまして、この残留する、どこまでも残るという点が今回の問題を引き起こしたのでありますが、このような点を考えてみますると、その物質の長所が逆に短所になってきておるわけであります。ということは、生態的な、エコロジー的なアプローチが足らない、そういったことにも基因するのでありますが、私は研究にあたってはそういった新しい研究態度、そういった物質に対する、そういった薬品に対する新しい研究態度というものが必要であろうかと思うのであります。 それで、繰り返し申しますが、こういった問題を引き起こしまして、そうしてこの問題をとらえますときに、そのものが安いから、そのものが効果があるからというだけではなしに、人間生活にいかにプラスになるか、もしそれがたとえ効果が幾らありましても、また幾ら安くとも、人間生活にマイナスになる、悪影響を及ぼすというときには断じてこれをとめるという態度。そしてまた、こういった問題を判断いたしますときに、研究ということをしっかりやる。五百何ぼ出ているから、わからないからそれでおるというんじゃなくして、この研究を十分やる。そうしてその研究の態度も生態的な研究、これが大事であると思うのでありますが、こういった問題につきまして大臣の考え方をまずもってお伺いいたしたいと思うのであります。
○木内国務大臣 ただいまのPCBの問題、まだ、それに関連して今後における科学技術開発のあり方、その態度についてきわめて適切な御質問であり、御意見を伺いましてまことに感謝にたえないのであります。 私どもは今後の科学技術庁行政のあり方として、御案内のように科学技術会議から七〇年代の科学技術のあり方ということについての答申があるのであります。それはいまお説のとおりでして、これからは人間尊重の立場に立ってこの科学技術行政を進めていかなければならぬという答申がありまして、われわれはその趣旨に沿って今後この科学技術の行政を進めてまいりたい。御趣旨のような線に沿って進めてまいりたいと思っておるのであります。 このPCBの問題につきましても、これも御説のように非常に貴重な物質でありますけれども、同時に、これが非常な危険を伴っておる。ことにこれがカネミ油事件によって大きく問題になってきた。そんなことがありましたので、実はそんなこと申し上げてははなはだ恐縮ですけれども、ことしこれだけ問題になってきましたのですが、去年のいまごろまだそれほど新聞その他においても書き立てない、それほど問題になっておらない時期にすでに関係各省が集まりまして、この問題は急性のカネミ油のような問題に対する対策はもちろんですが、長期にわたるところの人体に対する影響、こういうものについてもひとつ研究しなければならぬというので、科学技術庁は三千七百万円の研究促進調整費を出しまして各省と力を合わせて研究を始めておった際なんですが、それがことしになりまして人体に対する影響がいろいろな面にあるということが一そう明らかになってまいりましたので、これに対しまして関係各省で対策の推進会議を設けまして目下検討している際なのであります。この問題は、もちろんお話しのように環境に対する影響、人体に対する影響もありまして、非常に大きな問題でありまして、そこでいま申しましたように関係各省で協議してやっておるんですが、科学技術庁といたしましては、この行政措置が有効適切にひとつ運用されていくように、そうしてまた、科学技術庁としては科学技術面から、いまお話がありましたように、これは非常に役に立つ物質であるがそのマイナスの面についてもひとつ深く研究していく、科学面からこれを研究してこの行政措置が有効適切に行なわれるように指導してまいりたい、かように思っております。 基本的な問題につきまして、私から一言申し上げました。
○木野委員 科学技術大臣として科学技術の面からやるということ、それは当然でありますが、お願いいたしたいことは、この問題につきましてとらえ方が各省ばらばらにならないこと、科学技術のほうでとらえるといいましたときに、いやこれは通産省の工業技術院の問題だ、いやこれは環境庁の問題だ、いやこれは農林省の問題だ、いやこれは厚生省の問題だということにならないように、科学技術庁の科学技術の面におきましては科学技術大臣といたしまして総合調整の権限があるのでございますから、万遺憾なきを期していただきたい、このことを繰り返しお願いいたす次第でございます。 それとともにもう一つは、こういった事件が起こってからでは取り返しがつかないわけであります。取り返しがつかない段階になりましてどうのこうの申し上げることは、政治といたしまして、われわれとしましてほんとうに力のなさを感じておるのでありますが、取り返しのつかないというような事態にならないようにやっていかなければいけない。そういたしますと、事件が起こってからではなしに、あらかじめ予防的に先々読んでやっていくというふうにしなければいかぬ。ところが、科学技術庁のほうで、ないしは政府全体といたしまして、そんなことは人手がないのでできるか、忙しくてできるかというふうなことで、ないしは科学はそもそもわからないのだからというようなことでおりましたならば、またこういった事態が起こりますので、取り返しのつかないことにならないように、予防的な見地から先々やっていく、これだけの配意が必要である。そうしてまた、こういったことがわからないときには安全を踏んで措置していくというふうにひとつお願いいたしたいと思うのであります。 それで、実はただいまカネミ油の問題が出ましたが、これがこの事件の原点と思うわけであります。ただいま訴訟中でもありますし、この席上でどうのこうの言うことは私も差し控えますが、実はこの問題が原点であると思うわけであります。そうしていろいろな原因があったと思うのでありますが、実は現に被害者が出ておられるわけでありまして、これにつきましては政府においても十分に対策その他につきましては努力される、このことを繰り返しお願いいたす次第でございます。各委員会におきましてもこのカネミ油、これが原点だからこれについての善処方を特に政府にお願いする、政府を督励するということがございますので、私もまことにそうだと思うわけでございまして、きょうは各省来ておられますので、このことを強くお願いいたす次第でございます。 それで、この問題は研究が大事であると言います意味は、予防的な意味からやってほしいということが一つと、それから研究の態度といたしまして、生態的、エコロジー的にものごとを考えてほしい、そうしてもしそれがわからないというときには万全を期していただきたい。その考え方といいますのは人間尊重、こういう点からやっていただきたい。このことでございますので、繰り返しでございますが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○木内国務大臣 まことにごもっともな御意見でありまして、私どもも、ただいまの御意見のような趣旨に沿ってものごとを運んでいかなければならぬと思うのであります。 ところで、たいへんこれは言いわけのようで申しわけない言い方かとも思うのですが、事実をちょっと御参考までに申し上げておきたいと思うのですが、このPCBというものは最近一両年に用い始めたものではないのですね。世界各国ともにこれをみな用いておったのですけれども、世界各国ともこの問題についてあまり、毒性の問題、人間の健康に及ぼす影響等というようなものについてはどうも考慮が払われておらなかったようなのです。また、事件もなかったようにといいますか、あるいは事件はあったのかもしれませんが、これは知らなかったというようなことのために、私どもはカネミ油の問題があった当時においていろいろ各省で集まって研究しようとしたのですが、大体資料がない、各国にもその文献が十分にない、こんなようなことでございました。アメリカなどは、御案内のように何かそういうことがあると最も早く処置をする国ですけれども、それが全然その問題については処置していなかった。カネミ油の事件が日本で起こったのであわててと言ってはあれですが、それに伴いましていろいろな安全基準を発表した。それもこの三月十八日に初めて発表したというようなわけでありまして、各国ともにそういう資料が十分になかった。 そこで、さっき申し上げましたように、昨年、三千七百万円出してやったときにも資料がない、大体分析方法自体がまだ確立しておらない。そこで、これは御案内のようにDDTもBHCもみな同じく有機塩素系の化合物でありますので、そういうものとの混合、混同などがありまして、大体分析の方法自体が確立していないというような状態でありましたので、分析の技術を確立しなくちゃならない。それから、大体どういう経路を通ってこれは人間のからだまで入るのか、そういう、経路もまだどうもはっきりしないし、文献などもない、資料などもない。そんなようなことで、その毒性も、急性のものはわかるけれども、慢性のもの、徐々に少しずつ入ってくるこの毒性の程度についてもわからないというようなことで、非常に資料がないので困っているわけなんです。 そこで、資料を集めるために昨年処置をとったようなわけなんでありますけれども、いまお説のとおり、今後においては、いかに有益な、有用な物資、化合物であろうとも、ことにいろいろな化合物ですが、そういうものであっても、これの有用、プラスの面と同時にマイナスの面についても十分に検討し、プラスマイナスを検討して、そしてそれの取捨をきめなければならぬ、これはお説のとおりでございまして、今後におきましては、政府関係機関の力を合わせてそういう方面に十分に注意をしてまいりたいと思っております。
○木野委員 PCBについて世界各国の状態はこうだ、そうしていままでそういった分析方法とかそういったものがわからなかった、いまそれをやっているのだという話はわかりましたが、被害者が出ているのは事実であります。これをどうするかということでありますので、これ以上に馬力をかけて、そうして先ほど申しました人間尊重という点から、科学技術庁として、また政府として、それにおくれをとらないというところまでひとつ持っていく、特段の政府としましての努力を願いたい、また努力をすべきである、このことを申し上げる次第であります。 それではPCBが有害である、そこでPCBにかわるものがあるのだということでありますが、通産省の局長さんでけっこうでございますが、PCBにかわるものとしてこういったものがあるのだというふうなことでいろいろ新聞紙上にそれが載っているようでありますが、それではPCBの代替品としてどういったものがあるのか、それについてどういうふうに考えておるのか、簡単に説明してもらいたいと思います。
○山形(栄)政府委員 PCBの代替品につきましては、電気機器用につきましては大体鉱物油が使われております。それから熱媒体用につきましては炭化水素油系統が使われておりまして、これらは両方ともほぼその成分が石油類に近い炭化水素でございまして、ともに塩素を含んでおりません。したがいまして、蓄積性等の問題については問題がないのではないかと考えておる次第でございます。 また最近、感圧紙、ノーカーボン紙の代替品といたしまして、アルキルナフタリン、アルキルジフェニール等が開発されておりますけれども、これらはともに合成炭化水素でございまして、塩素を含んでおりません。その後の数多くの大学の試験結果によりましても、PCBに比較いたしまして毒性は少ないことが確認されております。問題の分解性の問題につきましては、その構造からしてこれも石油類と同様でございますので、問題は少ないと思われますが、念のために通産省の傘下にございます微生物工業技術研究所におきまして、現在分解性の試験を行なわせておる段階でございます。
○木野委員 私がPCB、それからPCBに代替するものをいまお聞きしたのは、政府の態度といたしまして、まあ木内大臣はしっかりしておられますからいいと思いますが、PCBはちゃんとしました、しかし代替品で実はもう一つ大きなことを起こしましたということでは困るわけであります。そこ交PCBの問題が起こりましたならば、PCBの代替品、それにつきまして十分に配意するというふうにいたしたいと思うわけでありますが、こういった問題を考えて考えてまいりますと、PCBの性格につきまして初め私申しましたが、残留するもの、それから動物、植物、魚、そういった関係で濃縮なるもの、こういったものが特に問題があると思いますので、私はこのカネミの事件を契機といたしまして、PCB関係のもの、それから特に残留するもの、濃縮なるもの、こういったものにつきましては政府のほうで、われわれから言われてこれこれというのでなくして、前々に研究をして、そして万全の措置をとっていただきたいと思うのでございます。 そこで、この問題にからみましてよく問題になってきますのは食品添加物でございます。食品添加物につきましてはやはり同じような問題がありまして、量をきめておるといった場合でありましても、実はわれわれ委員といたしまして一番心配しておりますのは、Aのことにつきましてだいじょうぶだといいましても、人間はA、B、C、Dいろいろとるわけでありますから、A、B、C、D全部足しますと危険になってくるということがありますので、この食品添加物につきましてこの際同じような観点から取り上げ、同じような観点からこれを研究する、こういった配意が必要であると思うのでありますが、関係の厚生省のほうではどういうふうに考えておられるか、また、どういうふうに処置しておられるか。
○登坂政府委員 御説のとおり、PCBはもちろんでありますが、ただいま食品衛生ということが非常に大事な問題になってまいり、また、化学食品が非常にたくさん出てまいりました関係上、食品衛生をあずかるわれわれ厚生省といたしましては、なお特段の注意を払わなければならない。そこで今国会においては食品衛生法の一部改正に関し、特に添加物に関しましては厳重なる態度をもって臨むために法律を提出いたしましたし、今後その法律実施にあたりましては、御説のように国民の健康を守るという立場において厳重に善処をしてまいりたい。 なお、事務的な専門的なことについては局長から答弁いたさせます。
○浦田政府委員 添加物につきましては、従来から十分安全性を確かめたものについて、最小限に使用を認めております。逆に申しますと、原則的には化学合成品である添加物は禁止という考え方でございます。現在すでに三百四十ほどの添加物が指定はされておりますが、新しい学問、技術の進歩に伴いまして、先生のおっしゃったようないわゆる相乗毒性といいますか、多種類の添加物を一緒にとった場合には、かえって新しいいろいろな問題が起こるのじゃないかといったような問題も含めまして、それから近ごろPCBなどでも非常に問題になっておりますいわゆる慢性毒性、ごく少量のものを何年間という長い期間にわたって摂取した場合の毒性の問題、さらには子孫に影響を及ぼすかどうかといったような問題このような新しい観点からの再点検ということを現在進めておる段階でございます。 相乗毒性に限って申しますと、まだ調査の中途段階でございますけれども、いままでのところでは御心配のような点は発見されておりません。また、安全の基準の考え方にいたしましても、FAOあるいはWHOの定めた基準を私どもは尊重しておりますが、さらに食品衛生調査会などにおきましても十分に御検討願いまして、安全性、安全率と申しますか、かなりの高い安全率、たとえば百倍あるいは二百倍といったような安全率を見込んでおりますのも、相乗毒性というものをある程度考慮したということでございます。 また、ただいま政務次官のほうからも答弁がございましたが、さらに十分これらの趣旨が徹底できるように、今国会に食品衛生法の一部改正法案を提出いたしまして御審議願っているところでございます。もしもこれが御可決願えますれば、さらにその趣旨の徹底についてつとめてまいりたいと思います。
○木野委員 食品添加物の関係で努力しているのだ、そうして法律の改正も考えているのだということでありましたが、法律改正したからこれがなくなるということではないわけでありまして、こういったものを検査するのは衛生研究所でやっていると思うのでありますが、衛生研究所のこういった問題に直ちに即応できる人員と予算とはあるのですか。法律の改正をしたからそれでというだけではいけないのであって、それに対応する研究所の状態、それはどうなんですか。
○浦田政府委員 御指摘の添加物関係の試験研究につきましては、国立衛生試験所を中心にしてやっておるところでございます。この中でも専門にかかっておりますのは食品添加物部、それから関係のものといたしましては毒性部あるいは薬理部というところで、定員で申しますと、それぞれ十一、十九、九名といったような人員でございます。 これで十分かという御指摘でございますが、もちろん検査するもの、あるいは研究分野も非常に広がってまいりまして、たいへんに忙しい思いをさせておりまして、私どもといたしましては、決して十分であるとは思っておりません。いろいろと国立衛生試験所全体といたしましても、業務の繁閑その他やりくりいたしまして対応しているわけでございますが、さらに私どもは既存の、たとえば各県にあります衛生研究所、これの拡充をはかりまして、国立衛生試験所でやるのと同時に、このような各都道府県にあります研究機関をも動員してまいりたい。さらには、関連のいろいろな研究機関、大学等の力、またいま設立を急いでおります食品薬品安全センターと逐次整備につとめて、全体としてできるだけ新しいこれらの需要に応ずるように、今後ともつとめてまいりたいと考えております。
○木野委員 いま衛生試験所の人員その他の説明があったのですが、これで十分かと言われれば云々ということばがありました。あなた方のほうはこれだけやりましたで済むかもしれませんが、これで先ほど申しました取り返しのつかないというようなことになってはほんとうにたいへんでございますので、予算その他につきましても、厚生省として十分に努力する。また、この問題を取りまとめいたすのが科学技術庁でありますから、科学技術庁長官といたしましても特段の努力をする、このことをお願いいたしたいと思うわけであります。特にまた、末端の府県の研究所、それにつきましても十分に見ていただくようにお願いいたしたいと思うわけであります。 そこで、こういったものが有害だとわかったときに、製造しておる場合には、製造の禁止をされますか。通産でもけっこうでございますが、まとめて大臣でもけっこうでございます。そういったものが有害である、人体に悪影響を及ぼすということがわかったときには、製造の禁止をするか。
○山形(栄)政府委員 簡単に答弁申し上げますが、通産省といたしましては近く、通産省の諮問機関でございます軽工業生産技術審議会におきまして、いま先生の御指摘の問題等を早急に検討する段取りになっておりますが、さしあたりその専門家の意見も聞きまして、一定の基準をつくって、人体に非常に影響があるというようなものにつきましては、製造、販売等につきまして行政指導でこれを禁止の方向で指導していきたいと思っております。 なお、そういう行政指導で不十分である可能性もございますので、同審議会の審議の場を通じまして、将来は立法措置も考えていきたいというのが、現在のわれわれのほうの考え方でございます。
○木野委員 販売、製造にあたって、それが有害であるというときには、ただいま法律がございませんから、行政的な面で販売禁止の指導をするということだと思いますが、立法も考えておるという意味は、有害であると認めたときには立法でもって製造を禁止し、販売を禁止するということも考えておる−まだその法律はできておりませんからなんですが、そういうことだと思うわけであります。繰り返し申しますが、この問題は原点に立ち戻ってひとつ考えていただくように政府当局にお願いする次第であります。 それで、PCB関係で申しますと、製造禁止したないし販売を禁止したということはありますが、残留性が非常に強いのでそれはどこまでも残るということであります。それの専焼炉につきましてまだ開発されておらない。油の面はこれを相当な高温で焼却する。しかし、それでも残るわけであります。また、ノーカーボン紙の場合にはどういうふうにするか、まだ開発されておらないということを聞いておるのでありますが、この専焼炉の開発の状態、研究の状態、それから科学技術庁はこういったものに対して特調費をつけておられるかどうか、その点を聞きたいと思います。
○千葉政府委員 ただいま、この処理の方法全般についてでございますが、これにつきましては、特調費でこれの研究を推進するというようなことはまだやっておりません。しかし、現在のところ、関係各省集まりまして、実はこの処理方法の技術開発について、全般にわたりまして、たとえばいま先生の御指摘のような炉で燃やすとか、さらに微生物を利用して処分していくとか、それから吸着法によって処分するとか、そういったようなことをいろいろいま研究開発のやり方につきまして検討いたしております。これがはっきりいたしましたら、特調費をもちまして緊急にこの研究を進めていく、そういったような段取りにいま相なっておるわけございます。
○山形(栄)政府委員 電気製品等から回収されました油状のPCBにつきましては、すでに、PCBメーカーが日本に二社あるわけでございますけれども、鐘淵化学と三菱モンサントでございますが、そこに焼却炉が設置されておりまして、また両社ともいま増設を計画中でございますので、この油状のものにつきましては、現在の技術によりまして二次公害の危険性のない焼却が可能だと私は考えております。で、特に問題は、PCBの付着した固形物とか、PCBを紙なんかに浸して使う場合が多いものですから、そういう場合の紙製品等の場合には、その完全な焼却というのは技術的に非常にむずかしい問題があるわけでございます。その焼却を可能にする前処理等を含めまして、今後技術的に早急に検討を加えなければならないと考えておりまして、これがため、現在関係者からなります委員会を設置しまして専門家の検討を進めておる段階ございます。 さらに、回収されましたPCBが入っておりますノーカーボン紙の処理は、これまた非常にむずかしい問題でございまして、これの専門の炉の開発につきまして現在通産省の工業技術院、公害資源研究所、東京工業試験所、東京都の清掃研究所の研究員のほかに、通産、厚生、環境庁、科学技術庁の係官からなります研究チームの発足につきまして、先般各省間で合意が成立いたしましたので、目下その検討を開始する予定に相なっておるわけでございます。
○木野委員 新化学薬品ができましたときに、それが有害であるとわかったときには製造を禁止し、販売を禁止する、行政指導で、あるいは法律も考えておるということでありますが、それはまあ当然でありますが、少なくともこの成分をば公開すると、こういうことが必要であると思うのであります。この成分公開については、私は当然やらなければいかぬことであるし、また場合によっては、それが人体に関係することがわかっておれば、そういったこともあわせ付記するというふうなこと、そういったことを考えていかなければからぬと思うのでありますが、大臣はどういうふうに考えておられますか。
○木内国務大臣 お説もまことにごもっともでありますが、現に民間に出回っておるもの、そういうものにつきましては、これはなるべくすみやかに回収して焼却する、その他適当な処分方法を考えなければなりせんが、新しくできてきた場合において、毒性があるとかいうような場合におきましては、もちろん製造禁止してしまうというのも一つの方法でありますし、毒性はあるが、毒性がほんとうに毒として人体に影響のない方法で使うという道がないかどうかということを研究するのも、これは一つの方法ではないか。そのものによりましては、毒性があるから直ちに製造を禁止してしまうというのは、もちろんこれは最も簡単な方法でありますし、それはそれもありまするけわども、しかし、毒性があるけれども、それは毒性が人体に影響を及ぼさない方法でこれを利用する方法が、もし有用なものであるなら、これを利用する方法がないかどうか研究するのも、一つの研究の問題だと私は思っておるのであります。 そういうような意味におきまして、製造禁止するか、または製造しておっても、それを人体、環境に悪影響のない方法によって利用するような方法研究もあわせて私どもは研究してまいりたい、かように思っております。
○木野委員 カネミ油から出ましたこういった一連のPCBの問題でありまするが、考えてみますると、科学技術庁は研究調整の総元締めでありますから、先ほど申しました総合調整の立場から、そうして予防的な見地から、そうしてまた考え方はエコロジーの見地から、そうして人間尊重という見地からひとつ十分にやっていただきたいと思うわけであります。先ほど申しました、これがばらばらになっておるということでは困りますので、たとえば各省集まってこの問題の研究のプロジェクトチームをつくるとか、そしてまた科学技術庁には特調費があるわけでありますから、それを重点的に使う。この特調費がつきましたならば、翌年はこれは一般予算に載るわけでありますから、そのようにしてこのつなぎは十分に見てやるというふうにしまして、政府の人間尊重という立場から十分そういった線が出るように努力していただきたい。これが一番大事なことであると思うのであります。 そしてまた、通産省とか厚生省、関係の役所にお願いいたしますことは、これは企業機密なんだ、ないしは効果があるんだ、コストがどうなんだというのは、これは企業の立場から一応言う かもしれませんが、そういったことではなしに、やはり人間尊重ということから、そうしてまた、こういったことでまた軽々になにをいたしますと取り返しのつかないということになりますので、ひとつ十分にやっていただきたい。そのためには、先ほど申しました製造の場合に、有害であるときにはこれを製造を禁止するということは考えておると言いました。これは考えてみると当然のことでありますので、ひとつそういったことのないように前々と先回りしていくぐらいのつもりでやっていただきたいと思うわけであります。 それで、科学技術庁のほうで特調費というものがありますが、これは現在、ことしはどの程度の予算がついておって、そうしてこの関係でどの程度使っておられるか、ここ二年か三年の推移とそれからこの件に実はこれだけ使っておるのだというもそういったのがあればお示し願いたいと思います。
○千葉政府委員 特別研究促進調整費の内容でございますが、これにつきましては、四十七年度は全体で九億五千万円の予算に相なっております。そのうち約二億五千万円程度がいろいろ緊急に研究開発が必要だというようなものに使うというようなことになっております。 それで、ただいま御指摘のとおり、本件につきまして緊急にいろいろ研究を進めていく必要があれば、その中から出そうかということで各省関係者集まりまして、この研究の内容さらにその成果をどうやって、どんな体制でいけば一番成果があがるかということで、プロジェクトチームにつきましても、御指摘のとおりにいま考えているわけでございます。この研究開発の責任の体制も、テーマごとに責任をきめまして、それでこの研究を進めてもらうというようなことで、いま関係各省ともはかっております。当庁といたしましても、とかくお金を出しますと、そのまま出しっぱなしということで、それを総合的に取りまとめるところが欠いていたうらみがところどころにございましたので、当庁といたしましては、本件につきましては、いろいろなテーマにつきましてこれを総合的に把握いたし、これを推進していくということをいたしたいというようにいま考えておるわけでございます。 それから、過去において特調費を一体こういったようなものにどういうふうに出していたかという点でございますが、四十六年度におきましては、先ほど長官のほうから御説明ございましたPCBの慢性毒性の解析の問題それからこれの分析の問題、さらにどういった経路で入ってくるかというような問題につきまして、全体の予算が六億九千万でございましたが、そのうちの三千七百万ほどを本件に充てております。そのほか目ぼしいそういったような関連のものといたしましては、有機塩素剤、農薬が主でございますが、そういったものの母子の健康に対する影響でございますが、これについての特別研究というようなことを進めておるわけでございます。これには二千三百万ほど出しております。そのほか人命の尊重という点につきましては、血清肝炎の成因の究明とか治療とか予防とかいう問題についても、これは少しPCBが肝臓に来ますので、こういったような問題の関連も若干ございます。いま申し上げましたような血清肝炎の問題についても、二千万ほど出していま関係各機関に研究をしていただいておるということになっております。全部トータルいたしますと、約八千万ほどの金をこの特調費の中から出しておるというようなわけでございます。
○木野委員 科学技術庁のほうで、特調費その他あるのでありますから、また、総合調整の権限があるのでありますから、各省と連絡を密にして有機的な連携をとってやっていただきたい、このことをお願いいたす次第であります。 私はいままでずっと質問いたしましたが、これはこの委員会におきまして各委員がいずれもこういった点を聞きたいと言っておった点であるかと思うのあります。各省にまたがるわけでありまして、きょうは各省来ておられますが、一々答えは要りませんが、どうかひとつこのPCBの関連の問題につきましては、繰り返し申しましたような人間尊重という政治の原点に立って対処していただきたい。そうしてこの問題の早急な対策を練り、また解決の一歩を踏み出していただきたいと思うわけであります。そのことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。 ————◇—————
○渡部委員長 ポリ塩化ビフェニール等汚染防止に対処するための研究開発の推進に関する件について、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五党を代表し、石川次夫君外四名より、決議をすべしとの動議が提出されております。 まず、趣旨の説明を求めます。石川次夫君
○石川委員 ただいまの動議につきまして、趣旨の説明をいたします。 まず、案文の朗読をいたします。 ポリ塩化ビフェニール等汚染防止に対処するための研究開発の推進に関する件(案) ポリ塩化ビフェニール(PCB)汚染の人体に及ぼす影響は、現在、世界的に重大な問題となっているが、わが国においても政府による諸般の対策にもかかわらず、過去の生産、流通面の実体からみて、さらに被害を受けることが予想されており、国民生活に不安を与えている。 当委員会としては、PCBに関連する諸般の問題につき、鋭意調査を進めてきたが、その結果にかんがみ、政府においては、科学技術面からの基礎的な研究を推進するとともに、所要の予防措置をとるため、次の諸点につき可及的速やかに適切な施策を講ずべきである。 一、PCB汚染の実態把握に必要な分析方法の確立、汚染機構の解明を図るとともに、人体への影響の究明に努めること。 二、回収されたPCB製品による二次公害を防止するため、専焼炉の研究開発等所要の研究開発を行なうこと。 三、PCB代替品、PCB類似品、その他人体に影響を及ぼすおそれのある化学物質による製品の使用、販売に際しては、その成分を一般に公開せしめる等その被害の防止を図るための所要措置を講ずること。 四、以上の研究開発にあたったは、プロジエクトチームの設置等広般な分野の研究開発能力の有機的連けいを図るとともに責任体制を明確にし、その総合的な推進を図ること。 右決議する。 昭和四十七年五月十八日 以上であります。 PCB汚染問題につきましては、当委員会にいて数多くの委員から質疑がなされ、その趣旨つきましては、すでに質疑の過程で明らかになれているところであります。また、本日決議案主要項目について、木野委員より政府の見解、策等について質疑が行なわれまして、十分御理願えたものと思いますので、詳細な説明は省略いたします。 委員各位の御賛同をお願いいたします。
○渡部委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
○渡部委員長 おはかりいたします。 ただいまの石川次夫君外四名より提出されましたポリ塩化ビフェニール等汚染防止に対処するための研究開発の推進に関する件を本委員会の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ただいまの決議に関し、木内国務大臣、小澤環境政務次官、登坂厚生政務次官、伊藤農林政務次官、稻村通商産業政務次官よりそれぞれ発言を求められておりますので、この際、これを許します。木内国務大臣。
○木内国務大臣 ただいまの御決議につきましては、まことにごもっともな御趣旨でありますので、その趣旨を十分に尊重いたしまして、善処いたしたいと思います。 他の省庁からも御発言があるようでありますが、科学技術庁といたしましては、PCB等の汚染防止のために一そうの努力を傾注してまいる所存でございまして、各省庁の汚染防止のための科学技術研究の調整を行ないますとともに、特別研究促進調整費の支出により、当面緊急に必要な研究開発を各省庁との有機的な連携をはかりながら推進する等、科学技術面から問題の解決に寄与してまいりたいと思うのであります。
○渡部委員長 次に小澤環境政務次官。
○小澤(太)政府委員 ただいま御決議になりましたことにつきましては、御趣旨もっともでございますので、その御趣旨を十分に尊重いたしまして、善処いたしたいと存じます。 特に、環境庁におきましては、とりあえずPCB含有排水に関する暫定指導基準をすみやかに設定いたしますとともに、分析の方法、汚染の実態、汚染のメカニズム及び人体影響等に関する調査研究を促進することといたしまして、このために、先ほどからお話のありました科学技術庁の特別研究促進調整費とあわせて当庁の所管いたしております環境保全総合調査研究促進調整費を用いまして、万全の措置を講じてまいる所存でございます。
○渡部委員長 次に、登坂厚生政務次官。
○登坂政府委員 ただいま御決議をいただきました点につきましては、その御趣旨に沿って鋭意努力させていただきます。 なお、PCBに関しましては、特に母乳及び食品等の汚染実態把握及び毒性について研究を進めてまいっておるところでありますが、できるだけ早期にその解決をはかりたいと思っております。 なお、今後各種の化学物質が食品等を介しまして人体に及ぼす影響等の問題につきましては、現在食品に関する農薬の規制、食品添加物の安全性について再検討を進めているところでありますが、今後とも国民の健康を守るという立場において一そう努力させていただきたいと思います。
○渡部委員長 次に伊藤農林政務次官。
○伊藤(宗)政府委員 ただいまの決議につきましては、その御趣旨を体し、農林省といたしましても極力善処してまいる所存であります。 このため、農林省におきましては、PCB様特定有害物質研究会を設け、総合的な調査研究の推進をはかるとともに、その具体的な調査研究として、一、土壌、農作物及び飼料中のPCBの分析法の開発促進、二、農畜産物の汚染の実態把握と汚染機構の解明、三、汚染農用地に現地改善対策圃を設置し、その改善対策の検討、四、水産物の汚染の実態と汚染メカニズムの解明等を実施することとしております。 これらの調査研究の成果を踏まえた予防措置については、関係各省庁とも緊密な連携をとり、善処してまいります。
○渡部委員長 次に稻村通商産業政務次官。
○稻村(佐)政府委員 ただいまの決議の御趣旨を体して、PCB対策の推進に今後とも一そう努力してまいる所存であるが、特に難分解性で蓄積性の高い化学品等についての安全性のチェック並びにPCB使用製品についての専焼炉の開発について力を注いでまいる所存であります。
○渡部委員長 なお、ただいまの決議につきましては、関係当局へ参考送付いたしたいと存じます。その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡部委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう取り計らいます。 ————◇—————
○渡部委員長 引き続き、質疑の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。
○山原委員 最初に、防衛庁に対しまして質問をいたしたいと思います。 防衛庁は去る五月十二日に、米原子力潜水艦シードラゴンを目標とする対潜訓練を五月の九、十、十一の三日間にわたって行なったということを発表いたしました。さらに石田海幕長のほうの発言を見ますと、この原潜の追跡をする対潜訓練は今後も行なう、こういうふうに言われておるのでありますが、この問題はちょうど昨年の三月に問題になりまして、原子力潜水艦が起こす事故の場合の補償問題その他が当委員会において論議をされたところであります。ところが、今回の場合も、何らの事前通告なしに演習をしたいという事実が事後になって発表をされるという事態であります。これでは事故が起こった場合に、出漁漁船に対する補償であるとかそういうことにつきましても防衛の手段が全くないわけでありまして、今後もこういう形で演習を継続するのかということについて、関係漁業者の中に、また関係漁業者をかかえておる各県におきまして深刻な不安が起こっておるわけでありますが、この点について、今後もこういう形で演習を行なっていくのか、防衛庁の見解を伺っておきたいのです。
○福田説明員 たしか昨年の三月に同様訓練が行なわれました後におきまして本委員会で、防衛庁としては、米原子力潜水艦を目標にいたしましてそれを探知、追尾する訓練を今後ともやるのかどうかという御質問があったわけでございます。その際に、当時の防衛庁長官中曽根大臣が、今後ともやっていきたいということを新聞等で一般にも発言されておりますので、防衛庁の方針といたしましては、今後も続けていきたいということを申し述べたわけでございますけれども、その際に、当時演習が終わったあとにおきまして米海軍側は、できればあの演習を秘密にしておきたかったということなんでございます。と申しますのは、あまりにも早く新聞等に漏れてしまった、いましばらく置いておいてもらったほうが米原子力潜水艦の航跡等を秘匿する上においてよろしいというような趣旨からだったと思うのでございますが、そういう意味におきまして私ども事務当局としては、今後アメリカ側が訓練を援助するについて相当渋るのではないかということを申し上げたわけでございます。その後アメリカ側もいろいろ都合があったかと思うのでございますけれども、今回、訓練の目標艦として援助してやろうということで訓練が行なわれた次第でございます。 今後どうするのかということでございますが、せんだって海幕長が新聞等にも発表されたわけでございますけれども、最近各国につきまして原子力潜水艦の保有隻数等も非常にふえまして、私どもといたしましてはこういった高性能の、特に潜航速度の早い潜水艦の捜索、探知、追尾の訓練というものはどうしても海上自衛隊としてはやっていきたい。こういうことで今回の訓練を行なわさせていただいたわけでございます。 なお、この訓練の際におきます安全の確保、すなわち一連の衝突等を含めました事故の防止という点につきましては、慎重配慮の上にも配慮を重ねまして、護衛艦、大小の舟艇を周辺に張りつけまして、双眼鏡望遠鏡等で付近に客船あるいは漁船、そういったものの姿を見た場合には訓練を直ちに中止する、こういう措置をとったわけでございます。もちろん衝突等の事故につきまては、これはもう絶無を期するということで、技術的にあらゆる検討をいたしまして、安全確保という点には万全を期してやっておるわけでございます。
○山原委員 昨年三月の場合は、スヌークを目標とする演習が行なわれたわけです。今度の場合は、さらにもっと演習の規模としては拡大をして、次第にエスカレートしているのじゃないか。たとえば唯一の対空ミサイル積載艦である「あまつかぜ」を中心とする九隻の艦船が出ておりますし、またヘリコプターその他、これは大々的な演習が、しかも米側の要請とはいえ——これはチャーリー区域でありますから、出漁漁船だっておるわけです。しかも現在、カツオの最盛期というような事態に、米側の要請があるとはいえ、秘密裏にこれを行なって事後に発表するということは、これは日本の国民の立場に立って、まさに重大な問題だと思うのです。これはストレートではないかもしれませんが、非核三原則——自主、民主、公開の原則にも触れてくると私は考えるわけです。しかも今後もそういうことを、優秀な潜水艦を追跡をする訓練を行なうということになると、これはますます秘密裏に行なわれる可能性があるわけですね。これは非常に重大な問題だと思いますし、それはまたチャーリー区域だけで行なうのですか。
○福田説明員 実は、訓練の今回の海域でございますけれども、一応大島東方海面ということで非常に大ざっぱな発表をいたしておりますけれども、使用いたしました海域でございますが、これは御承知のチャーリー海域の東南東でございまして、チャーリー海域を今回は含まない訓練をいたしております。
○山原委員 この地域を選んだ理由はどういうところですか。
○福田説明員 客船あるいは漁船、そういった航行等を十分考慮いたしまして選んでおります。
○山原委員 この問題は、ちょうど御承知のように、現在、アメリカがベトナムに対する封鎖その他を行なっておりますし、このシードラゴンそのものが米第七艦隊に所属しているわけです。だから、こういう状態の中でこういう演習が行なわれるということは、これはわれわれにとってみますと、まさに日米共同作戦の拡大であり、また防衛分担と関係をしておる、沖繩協定との関係において演習の拡大強化だというふうな感じ、疑惑を持つのは当然です。しかも、その中で、漁民並びに漁業者を持っておりますところの各県において、深刻な不安が出てくるというのは当然でありまして、現在の防衛庁の答弁では、そういう疑惑あるいは不安に対してこれを解消する答弁では私はないと思うのです。そういう不安に対してどうこたえていくか、この点について防衛庁の考えを伺っておきたいのです。
○福田説明員 これは率直に申し上げますと、主としてこの訓練によりまして得られる成果というものは、わが海上自衛隊側に一〇〇%ある訓練でございまして、アメリカ側としてはむしろ、わがほうのそういった在来型の潜水艦しか保有しておらないそういう海上自衛隊が訓練等で困るのであればということで協力をしてくれておるということで、アメリカ側の立場からすれば、むしろこの訓練のために日本の海上自衛隊に手を貸すという形でございまして、この訓練によって得られる成果というものは、一〇〇%わが海上自衛隊側にある、かようになっておる次第でございます。
○山原委員 ただいまチャーリー区域とは限定をしないで、いわゆる伊豆大島東方海上という形で行なったというわけですが、チャーリー区域は確かに現在、常時制限区域になっているわけですね。そのほかでもやるということになると、日本近海においてはどこででもそういう演習を行なう可能性を持っているわけですか。
○福田説明員 先ほども申し上げましたように、できるだけ客船、漁船、そういったものの航行が、もちろん季節的な関係もございますけれども、少ない場所、時期を選んでやるということでございます。今回の場合には、大島東方海上が最適であるこういことでやらしていただいたわけであります。
○山原委員 客船、漁船等の航行その他がない場所を選ぶ、こういう見解ですけれども、実際にこの在日米軍の海上における制限区域その他は、チャーリーにしてもリマにしても、あるわけですね。それから逸脱をして演習が行なわれるということになりますと、一体どこで、しかも事前通告がありませんから、そうすると、米原潜を中心とする対潜訓練がどこで行なわれているかわからぬという事態になるわけです。知っておるのは防衛庁だけ、こういう不正常な状態は、私は排除しなければならぬと思うのです。 さらに、それに引き続いて質問をいたしたいのですが、防衛庁は、五月の二十二日から五月二十七日の六日間、犬吠岬の沖において、海上自衛隊の爆弾並びにロケット投下訓練を行なうということを情報として流しておるようでありますが、これは事実ですか。
○福田説明員 事実でございます。
○渡部委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○渡部委員長 速記を始めて。
○山原委員 きょうは、外交、防衛問題をやるつもりはありませんので、その事実について伺っておきたいのですが、この情報は、これもいままで防衛庁は、演習をやる場合、事前通知といいますか、事前協議を漁業者に対して行なっておったようでありますけれども、最近はほとんど問答無用というような形で、ただ情報を流す、それを漁船がキャッチしなけばならぬというような状態があらわれておるそうであります。そういう中で、この犬吠岬沖は、現在御承知のように、静岡、千葉、三重、高知その他の漁船が出漁しておりまして、五月というのはその漁業の最盛期でありますね。そういう状態のときに、ここで六日間も爆弾並びにロケットの投下を行なうということになってまいりますと、これはたいへん重大な問題です。したがって、現在、各県におきましては、連絡をとり合って、これは中止をしてもらいたいという要請が防衛庁に出る情勢にあると思うのですね。漁民側の受け取り方としても、この五月十四日の夜、伊東無線局で無線によって傍受したという状態でありまして、事前通告というよりも、演習をやるから気をつけよというようなことをそれとなく流しておるということで、これはまさに事前通告でもないので、こういうやり方は全く旧軍隊のやり方に戻ってきたのではないかという心配を言っておられるわけですね。 これについて、この演習というのは、しかもここには百隻船団をはじめ多くの漁船が出漁しておる状態でありますが、先ほどのあなたの御答弁に上りますと、客船、漁船の航行その他がない場合を選ぶというわけでありますが、こういう状態でもこういう問題は強行していくという考え方ですか。
○福田説明員 ただいまお話が出ました二十二円からの訓練でございますけれども、これは銚子沖の東経百四十二度、北緯三十五度の地点を中心にしてやるということでございます。この訓練につきまして、実は地元の漁業組合等といろいろ話し合ったのでございますが、地元の千葉の漁業組合としては、なるほど例年カツオの時期にこういった訓練をやっておるけれども、全然危険を感じないのでクレームをつけない、こういうことを地元の漁業協同組合では言っておるわけであります。なぜ千葉の漁業組合ではそういうことを言っておるかと申しますと、現在カツオの漁業をやっておりますところは、ちょうど東経百四十一度、北緯三十五度の地点でございます。私どもが訓練をする中心は東経百四十二度北緯三十五度でございます。ちょうどカツオ船が密集しております海上のポイントから百二十キロ離れた地点で、ちょうど東京と沼津ぐらいの離れた沖合いにさらにわがほうは出まして、そこで演習をするということです。地元の千葉県の漁業組合では、別にクレームはつけないということをおっしゃっておるわけであります。 ところが、あそこに高知県の漁業組合の方々からクレームがつけられておるわけでありますが、千葉のほうではそういった実情を御存じなんですが、高知のほうでは実情を御存じないんではないかというふうに私どもは理解しておるわけでございます。この点につきましては、高知のカツオ漁船が銚子沖まで出張ってきて漁をやっていらっしやるというような実情もございますが、そういうことで高知を中心にいたします漁業組合に対しましては十分御理解をいただくように御処置をしていかなけばならないんじゃないか、かように考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、カツオ漁船が集中して漁をやっている地点から百二十キロ離れたところで私どもはやるということでございますし、また曇天の場合には訓練はもちろん中止いたしますし、晴天の場合で、少なくとも中心から十マイル、すなわち十八キロ離れた地点に、どういう船影であれ、ある場合には一切訓練をしないというような厳重な見張りをやってやるということにいたしておりますので、その点は私どもは安全確保という点では安心ではないかと思います。千葉の漁業組合等もそういったことを十分理解して私どもにクレームをつけないのではないか、そのように考えている次第ございます。
○山原委員 本来はそういうことが、日本の海上自衛隊が演習をする場合におきましても、ただそれとなく情報を流していって漁民が自発的にそれをキャッチしていく、そしてその中から不安が起こるという事態が起こっているわけですね。私もその百二十キロ沖合いだということは初めていま聞くわけでありますけれども、そういう情報の流し方の中から不安が起こっているわけです。したがって、千葉の場合にそういう点を了承しておると言われましても、ちょっと私もわかりませんけれども、この問題についての事前の協議といいますか、そういうものがなされないところに問題があるんじゃないかと思うのです。そういう理解が十分取りつけられれば、漁業者として直ちに反対だということにはならないかもしれません。しかし、いままで操業してきた幾多の経験から、そういう不安が出てくるわけですね。しかも事前協議も行なわれない。防衛庁というものはいかにも昔のような軍隊調で問答無用ということでやるのではないか、こういう疑問が出てくるわけです。そういう中で漁業者がお互いに連絡をとり合って、こういう演習は中止してもらいたいということになるわけですから、その辺についての防衛庁の態度といいますか、こういうものについてはもっと親切な態度をはっきりとるべきだと思うのです。その点について再度伺っておきたいのです。
○福田説明員 先生御指摘のように、銚子沖の訓練でございましたので、どうしても千葉の漁業組合等を中心にいろいろ折衝しておったという点では、私どもも今後は銚子沖まで高知の漁船が出張ってきておるというような事実をよく確かめまして、今後はそういう漁場に参加している漁船の出身県、そういったものをも十分考慮して、事前に十分お話し合いをして、誤解のないようにさしていただくように努力していきたい、かように思います。
○山原委員 これと関連しまして、運輸省のほうにお伺いしたいのですが、運輸省におきましては、今度の新東京国際空港の開発にあたって、いわゆるチャーリー水域において海上訓練は民間の航空の安全に障害をもたらすといっておるようでありますが、これは事実ですか。
○金井政府委員 御指摘のとおり、成田が開港しますと、羽田と成田への出発進入機を厳然と分離する必要がございますので、その時点になりますと、現在羽田に出入りしておる、南からの場合は大島を経由して出発あるいは進入しているわけですけれども、その大島の上空を通って成田へ進入するということになりますと、大島上空が非常にふくそうしますので分離する必要がある。したがって、成田への出入りは三宅島に集中して、そこから出発、進入させるほうが最も望ましいという考えに立っております。したがいまして、現在御指摘のチャーリー海域につきましては、三宅島から千葉県の御宿の沖合いを通って成田へ出入りする場合に、一部チャーリー海域の上空を通ります。したがって、これは望ましいことではないというふうに考えております。
○山原委員 この運輸省の航行の安全の見解に対して、現在防衛庁はどういう見解を持っているのですか。
○福田説明員 この問題につきましては、運輸省と協議を続けておりますが、大体運輸省の御意見等をいれて調整がつく、こういう見通しになっておると理解いたしております。
○山原委員 大体チャーリー水域を、あの形のまま二十マイル南方へ下げるという案が防衛庁のほうから出されておりまして、防衛庁のほうでは大蔵省、外務省、海上保安庁、水産庁その他に対して意見の聴取を求めておるというふうに聞くわけですが、そういう状態ですか。
○福田説明員 その件につきましては、そういう案もあったわけでございます。私どもといたしましては、チャーリー海域の北部の、ちょうど扇形のかなめのほうにあるその北部の部分でございますが、そこの上限を削ってジェット機等が航行するのに十分必要な高度をとって、その高度をとるために必要とする区域、北部の部分だけでございますが、そこをカットして、それ以下の高度の部分を従来どおり射場として使うならば妥協が可能ではないか、こういう技術的な意見を私ども持ったわけでございまして、そういうことで施設庁等を通じまして交渉等をやっていただいておるということでございます。私どもの技術的な見解としてはそういう見解を持っておるわけでございます。
○山原委員 そうすると、チャーリー海域の上辺を削って狭めるという案ですか。
○福田説明員 私どもの技術的な意見といたしましては北部の部分だけの、ちょうどあの航路にかかる部分だけのところを高度の上を削っていただいたらどうか、こういう意見を出しておるというふうに承知いたしております。
○山原委員 そうすると、いままで出されておりましたようなあれを二十マイル南方へ下げるという案はもう解消しているわけですね。
○金井政府委員 先ほど申し上げましたように、三宅島から成田空港への出発、進入経路が一部チャーリー海域へかかりますので、その解決策としまして、御指摘のように二十海里南へ現在の形のまま下げるという案と、それからひっかかる部分を一部削除するあるいは高度を制限するというふうな解決策があるわけでございますけれども、そのすべての解決策について現在検討中でございます。
○山原委員 水産庁にお伺いいたしますが、このチャーリー水域における漁業の実態でありますけれども、たとえばいま論議されておる二十マイル下げると約四十キロ下げるわけですね、その形のまま下げるということになりますと。ここは黒潮の流れておるところであり、しかもカツオ漁業の宝庫であるということを私どもは聞いているわけです。そして各県の漁船団がここに特に五日を中心にして出漁しているという状態ですね。そうすると、一方では航行の安全のためにチャーリー空域の上辺を削らなければならない。これはもう飛行機の安全の問題ですから当然のことだと思うのです。それを南のほうへ下げればここには好漁場がある、こういう問題が起こるわけですね。だから私どもはこのチャーリー区域というもの自体がこれは非常に不自然なものだと思っております。だからこれは当然撤去すべきだというふうに考えるわけですけれども、そのことはここでいま論議する問題ではないと思います。けれども、これは漁業の立場から見てこれがどういう漁場なのか、説明をいただきたいと思います。
○前田説明員 ただいま先生から御指摘ございましたように、チャーリー海域周辺は御指摘のとおり優秀なカツオの漁場でございます。私どもが防衛施設庁のほうからこの件につきまして正式な連絡を受けましたのが、三月の二十七日に連絡を受けております。直ちに関係都県に対しまして照会状を発しまして、残念ながら現在のところまだその回答に接しておりませんので、漁業に対する影響につきましては、その回答の来次第取りまとめをいたしまして、全般的な面から施設庁に対して回答を申していきたい、そのように考えております。
○山原委員 防衛庁内の見解としては、そういう意見が関係者から出された場合、これは当然一つは航行に差しさわりがあるという問題、一つは好漁場に関係してくるという場合ですね、そういう場合に対してこれに対する考慮する余地というものは防衛庁としては現在持っておられるのでしょうか。
○福田説明員 私どものぎりぎりの線でございますけれども、これはもちろん米軍との関係もございますので米軍の意見も聞いてみなければならないということでございますけれども、扇状になっておりまして、扇状の先の部分はやはり高度を必要とします、扇状の狭まった部分についてはある程度高度を制限されても使用が可能である、こういう技術的意見があるわけでございます。できれば運輸省のほうの御要望も満たさなければならないと思いますし、できればあそこにチャーリー海域、制限海域というものはできるだけあの姿で置いておきたいというそういう妥協的な——妥協的と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、技術的にぎりぎりの線でできるだけ運輸省と調整が整うように私どもとしては努力をしていかなければならないんじゃないか、かように考えている次第でございます。
○山原委員 チャーリーの問題についてはこれから先論議されると思いますし、ここでこれ以上の収策論争をやることもできないと思いますけれども、何べんも繰り返します。一つは、国際空港の新設にあたっての航行の安全ということは絶対的な問題それから漁民にとりましては漁場を守るということはこれまた水産行政の面から見て絶対的な問題ですね。そういう状態ではたしてチャーリー区域というものを存続をさせるべきものであるかどうかということが問題になると私は思います。この点については防衛庁のほうで、これ以上質問はしませんけれども、当然この撤去を含めて日米合同委員会にかけるなり考えていただきたいものだということを私は申し上げて、この問題の質問は終わりたいと思うのです。 次に、新島の問題でありますけれども、聞くところによりますと、新島は現在までミサイル発射訓練が十月に年一回行なわれておったのですが、今度新たにつけ加えて五月にも行なうという案が防衛庁から出されておると聞くのでありますけれども、これは事実ですか。
○福田説明員 その話、まことに申しわけないのでございますが、私まだ耳にいたしておりません。そういう案があるということを前にもまだ報告聞いておりませんので未知でございますので、お許しいただきたいと思います。
○山原委員 新島の問題につきましても特に五月という時期ですね。これは五月という時期は黒潮に乗ったカツオを追ってカツオ船団が移動する時期で、特に関東周辺に漁場が移る時期であります。そういう点で私は五月に新島の演習追加ということはこれまた重大な問題だと思うのです。 次に、沖繩の復帰にあたりまして、沖繩周辺の海域の米軍の演習並びに自衛隊の演習によるところの補償問題です。この補償問題について伺っておきたいのです。 たとえば科学技術庁の場合の種子島におけるロケット実験による補償が行なわれております。この科学技術庁の行なっておる補償形態というのを調べてみますと、これは必ずしも万全なものではありませんけれども、しかし、漁業者にとってはかなり好感を持って迎えられておるということを私は伺うわけです。ところが、防衛施設庁の場合の補償というのは、現在本土周辺における補償問題についてもきわめて不十分であるということ、さらに今回施政権復帰に伴うところの沖繩周辺においてはこれは新たな問題として出てくると思うのですが、現在沖繩周辺の補償に関する調査というのは行なわれておるのでしょうか。各県にはそういう照会が出されておるということも聞くのでありますけれども、これは当然やらなければならない問題だと思うのですが、防衛施設庁としてそれをやっておられるかどうか、わかっておればお開きしたいというのが一つです。 それからもう一つは、たとえばチャーリー区域などにおきましても防衛施設庁に関する補償というのはきわめて少額でお話にならない。たとえばチャーリー区域の場合は一隻当たり一万円の見舞金ということになっています。これは土佐カツオ船団の場合ですけれども、現在百隻が行動している。ところが、該当しておる補償対象の船はわずかに二十七隻。これはなぜこういうことになったかといいますと、昭和二十七年の安保条約発効当時の船を持っておった人、またそれからその家が分家した人に対する補償である。しかもそれが一隻について一万円というような見舞金ですね。こういう状態と科学技術庁のやっておりますところの補償現況と比べますと相当の開きが出てくるわけでありますが、こういう状態を今後も続けていくのか、これについておわかりになっておれば伺っておきたいのであります。
○福田説明員 補償の問題の前に新島の訓練の問題でございますが、五月にやるという話は部内にないそうでございます。いま確かめましたところが。一言補足しておきます。
○森山説明員 第一の質問の沖繩関係につきましては、現在沖繩におけるある程度の漁業の調査はやっておりますけれども、本土のほうからのカツオその他マグロ漁船等が相当影響を受けると思いますけれども その辺の調査はこれから早急にやっていきたいと思います。 それから漁業補償額につきましては、操業制限法によりまして漁船の操業制限をするわけでございますが、これの損失補償額の算定基準につきまして総理府の訓令がございまして、その訓令に従って私どもは検討をしているわけです。具体的にいいますと、操業制限がない状態、すなわち操業制限がなければ得られたであろう漁業所得額から、実際の水揚げといいましょうか、操業制限がある状態の水揚げを差し引いた額の八割をもって損失補償額というふうにしているわけです。この損失補償額の決定につきましては慎重を期して、漁業者等と十分折衝いたしまして、なるべく納得のいくような額を提示し、訴訟とか異議の申し立てとか、そのような事態には現在のところなっておりません。 なお、科学技術庁の件につきましては、どのような漁業補償をしているのかちょっとわかりませんので、その辺は研究したいと思います。 それからもう一言。見舞金というお話ですけれども、これは漁船の操業制限法に、制限時において、従来適法であった者という法律上の制約があるので、法律上補償対象にできないということで、私ども四十五年からそういう人たちも段階的に救済しようということで、漁業見舞金という制度をつくったわけです。それによりますと、たとえばチャーリーの四十五年は四十五名に対して二百七十三万円、四十六年度は七十八名に対して八百四十三万円というふうな見舞金を支給しております。なお、この見舞金は補償額に比して若干低額になっておりますけれども、なるべく法律上補償できない者に対しても実質上救済しようというふうな考え方で努力している次第でございます。
○山原委員 漁民の場合は出漁すればそれだけ収入、水揚げというものがあるわけですね。だから率直にいって、見舞金とかそういうものでごたごたを起こしたり、訴訟事件を起こしたりするような感覚ではないのです、漁民の体質というものは。そんなややこしいことは一番いやなんです。だから、そんなことよりも出漁したほうがましだということが漁民の感覚ですね。だから案外こういう問題については言わないのです。そんなけちけちした話はいやだという、そういう感じを持っておりますから。ところが、科学技術庁の場合には、これは種子島の宇宙ロケット基地の補償については漁業振興策で、たとえば近代化事業の利子補給という形で相当額の金を出しているわけですね。これらはもちろん先ほど言いましたように万全なものだとは言っておりませんけれども、かなり話し合いをした結果として、好感を持って迎えられているのが事実です。ところが、一方のほうはあまりにも金額が少ないものですから、だから、それをもう少し上げろとかなんとかいうことは漁民は言わないのです。言わないのですけれども、たとえば現有船隻が一つの船団で百隻を持っておりますのにその対象は二十七隻、これは土佐カツオ船団のことですけれども、それに対して昨年度は百万六千円というような状態ですね。これでは全く話にならないという問題が出ているわけです。 そういう問題も含めて、この漁業補償の問題はただ単に金額だけの問題ではなくして、漁民としては自由に自分たちの海で魚をとれるようにしてもらいたいという希望を持っているわけですね。それがチャーリーの水域が南のほうへ下がるとか、それから新島ではまた十月に加えて五月にやるとかいうようなうわさが出てくる、犬吠岬では防衛庁が黙って演習をやるというようなことが出てくる、こういうことになってくると、漁民がこれはほんとうに信頼できないということで立ち上がるというのは当然のことであります。 最後に伺っておきたいのでありますが、この犬吠岬の沖合いの演習について、現在船団を持っております一これは千葉県の場合は私よく知りませんけれども、千葉県は賛成をされているということですが、千葉県の場合は私調べておりませんけれども、静岡、三重等の関係県が一つになりまして、防衛庁に対して中止要請をするという話も聞いているわけです。こういう要請に対しては十分こたえるべきだと私は考えますので、それに対して説得可能な面もあると思います。しかし、説得できない面もある。そういう場合には、特に漁期を迎えた今日ではそれを延期するとか、あるいは場合によっては中止するとかいうことが考えられなければならぬと思うのですが、再度伺いますけれども、そういう余地を持っておられるのかどうか、伺っておきたいのです。
○福田説明員 先ほども申し上げましたように、千葉県の漁業組合のほうはクレームはつけない、こういうお話でございます。その他の府県からお見えになっておられる漁業者の方々に対しましては、必ずしも私どもの訓練の内容等十分御説明がまだいっていないという面もあろうかと思いますので、その辺のところ十分御説明をいたしまして、また漁業者の方々のお話につきましても、筋の通っているお話については私ども聞いていかなければならないんじゃないか、かように思っている次第でございます。
○山原委員 以上で終わります。
○渡部委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時十八分散会