沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 180 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/19
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 上原康助君外十四名提出にかかる沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 —————————————
○床次委員長 提出者より提案理由の説明を求めます。美濃政市君。
○美濃議員 ただいま議題になりました沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 私は、提案者を代表して沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その理由を説明いたしたいと思います。 私は、一般に、国民の権利義務がどうあるかは、その国民の歴史に負うものであって、その歴史の重みを認識することなしには軽々しく権利義務について論ずるべきでないと考えておるのであります。こめような考えに立ちまして、沖繩の歴史を振り返ってみますと、悲惨な沖繩戦の荒廃のあとに、二十有余年にわたる米軍の軍政下に置かれてきたことを忘れることはできません。 軍施政は、本来的に、軍事がすべてに優先するものでありますから、施政下の市民の権利は大きな侵害を受けるのが通例であります。沖繩におきましても、自由の騎士を自任する米軍ではありますが、県民の民主主義諸権利は至るところで踏みにじられ、侵され続けたのであります。私は、米軍に向かって、琉球人は人間ではないと言うのかと叫んだ幾多の県民の声を知っております。 沖繩の歴史は、米軍により圧制の歴史であったと同時に、また、県民による権利闘争の歴史でもありました。米民政府が発する布令に基づいて行なわれた軍事施政であったわけですけれども、県民の戦い、文字どおり血みどろの戦いによって圧政的布令は一つ一つ排除されていったのであります。このことは沖繩の二十年を顧りみるときに、だれもがひとしく認めることのできる事実なのであります。 このような歴史を経て、今日、沖繩県民は、民主的な権利をほぼ回復するに至っており、中には、平和憲法下にある本土より一そう進んだ権利を持つに至っているのであります。代表的な事例が、教育委員会の公選制、公務員労働者の労働三権の保障であることは広く知られているところであります。 公務員労働者の労働三権については、国際的にも国内的にも長年の論議の歴史があるところであります。今日では、公人としての公務員といえども、本来的にスト権等の労働権を剥奪することが誤りであることは、国際的にもまたわが国における諸判例においても明らかにされてきたところであります。その意味で、国家公務員法、地方公務員法等も再検討すべき時期に来ていると申せましょう。このときに当たって、沖繩県民がその歴史の中で築いてきた権利を画一的に本土並み化することは大きな誤りをおかすものであると同時に、沖繩県民の歴史を否定することであります。 私は、画一的に道を急ぐ結果、労働者の基本的な権利についての検討を置き忘れ、既得権を侵害することは許されてよいことではないと考えるのであります。復帰という新しい出発点に立って、沖繩県民がいかなる新しい歴史を持つか、その中で県民としての、労働者としての権利をどう考え、どう築いていくか、それを見守り、尊重し、援助することが本土に課せられた課題であり、それが沖繩を迎えるに当たって、最も重要なことであると信ずるものであります。 次に法案の概要について御説明いたします。 第一に、沖繩県の市町村職員の労働関係その他身分取り扱いについて、三年間は、経過的に、従前の沖繩の制度を適用することといたしました。 第二に、職員にかかる労働協約または仲裁裁定については、三年間は、地方公営企業労働関係法の規定を準用することといたしました。 以上、十分御審議の上、御賛同くださいますようお願いいたします。
○床次委員長 これにて提案理由の説明は終了いたしました。 ————◇—————
○床次委員長 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、沖繩総合事務局の事務所の設置に関し承認を求めるの件、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、労働基準監督署及び公共職業安定所の設置に関し承認を求めるの件、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、食糧事務所の設置に関し承認を求めるの件、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の設置に関し承認を求めるの件、以上四件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出があります。順次これを許します。西銘順治君。
○西銘委員 地方自治法第百五十六条六項の規定は、国の行政機関の設置については、国会の承認がなければこれを設置することができないという規定になっているわけでございますが、まずその趣旨をお伺いしたいのであります。つまり、地方自治の本旨にもとらないかどうか。または関与するものはあくまでも純然たる国政に限るものと考えているのでございますが、さらに、このことは沖繩県民にとって利益があるかどうか。まずこの三点をお伺いしたいのでございます。 一方、同条七項では、第六項の規定が除外されているのでございますが、この除外されている機関との関係について明確にしてもらいたいのであります。
○山中国務大臣 第一点の県の自治を侵すものではないか、これは侵すものではありません。第二点、第三点にも関係がありますが、逆に、沖繩の県民のために利便をもたらすものである。これは利便という表現もおかしいのですが、どうせこの事務は国がやらなければならない事務です。その際に、沖繩のほうにそういう便宜に資するようなものをつくりませんと、明確なことは、沖繩の人々にとっては逆に非常に不便になるということが言えると思うのです。その意味において、自治法のそういう定めに従って出しておるわけです。 後段がちょっとよくわからなかったのでありますけれども、第百五十六条の第七項のおしまいだけ読みますと「専ら国費を以て行う工事の施行機関については、これを適用しない。」、このことですか。
○西銘委員 七項においては六項適用の除外が規定されておりまして、たとえば税務署とかこういう機関については国会の承認が必要でないというふうにして、六項に規定されない除外機関がたくさんあるわけです。これとの関連についてどうかということでございます。
○山中国務大臣 第七項は、ここにも書いてあるように、国がもっぱら行なうものということで、地方公共団体との関連というものを何も考えなくても設置をしなければならないたてまえのものというもので、自治法との関連性がないというものはここに除外されているというふうにお受け取り願ってけっこうです。
○西銘委員 提案されている事務所の定員と、それに引き継がれる琉球政府職員の数は幾らになっておるか、また琉球政府職員の国、県、市町村への引き継ぎの見通しはどうなっておるか、その場合、琉球政府職員の希望がいれられていくかどうか、お伺いしたいのであります。
○山中国務大臣 国、県、市町村へのそれぞれの現在の琉球政府職員の移行については順調に進んでおりますが、現在沖繩開発庁設置法が衆議院で通っておりませんで、審議中の段階でありますので、これの話し合いは進めておるにしても、名簿にして、個々の人たちの国またはそれぞれの場所に移行する場合におけるポストその他について、国へ移行する場合においては国のほうがその名簿を琉球政府のほうへ送って、本人の了承をとるという行為がとれないという段階でありまして、これが作業としては進めておりますけれども、順調でありますが、しかし、手続的には国会の審議との関係で、その行動が開始できないという状態であります。 なお、引き継ぐ人数その他のおおよその見通しについて事務当局から補足させます。
○岡田(純)政府委員 引き継ぎますといいますか、いまの御質問の中で、財務出張所その他ただいま承認をお願いいたしております関係の職員について定員を申し上げますと、財務出張所、二カ所でございますが、それが八人、それから統計調査出張所四カ所でございますが、七十八人、それから海運事務所が二カ所で八人、合計いたしまして、承認関係の現地事務所の点につきましては、定員九十四名となっております。それ以外に他の省がございますけれども、さらに必要ございましたら申し上げます。
○西銘委員 財務出張所でございますが、平良市と石垣市に設置することになっておりますが、本土の場合はかつて軍港のあったところに設置されているわけでございますが、その理由は何であるのか。本土における設置の状況と沖繩の場合の関連についてお伺いしたいのであります。
○長村説明員 お答えいたします。 財務出張所を設置することを予定しておりますのは、宮古群島及び八重山群島にあります国有財産の実態を新たに国の立場で十分に把握いたしまして、沖繩復帰に伴う公共用地の活用あるいは沖繩の振興開発、民生の安定等に国有地の管理及び処分を最も効率的に遂行するように、現場にそういう国有地の管理、処分に当たる事務所を設ける必要があるであろうということでございます。これは、総合事務局で直接処理することといたしますと、何ぶんにも多大の時間、労力というものを必要とすることで、現場に事務所を設けたほうが能率的であろうということでございます。 それから、現在本土に同じような観点から、と申しますのは、それぞれの所在地に国有財産がわりあい大量にあって、やはり現地で処理をする必要があるだろうということで、現在二十二カ所の財務局の出張所がございますが、これも同じような観点で、それぞれの所在地に比較的集中している国有地の管理、処分あるいはその債権の管理、徴収というようなことを現地でやっているということで、機能としては同じことになろうかと思います。
○西銘委員 いまの説明によりますと、宮古群島、八重山群島における国有財産の管理、処分だけに限定しておりますが、それをなぜ那覇に設置される総合事務局の中に置かないか。というのは、北部の国頭にも国有財産はあるかと思うのですが、この国有財産の管理、処分についてはどこがやるのですか。
○長村説明員 総合事務局の中の財務部でいまの国有財産の管理、処分の仕事はもちろんいたします。いわばその指揮系統下にあって、しかし、その本部といいますか、その財務部で全部を直接処理するとなると、宮古、八重山の地区には、そこへ出かける往復の時間というようなことからいって、現地で処理したほうがもっと便利であろうということで、現地に別個独立した出張所を設けようという趣旨でございます。
○西銘委員 次に、海運局の事務所についてお伺いしたいのでございますが、本土の場合におきましては地方支局の出張所または支所におきまして、もっぱらその職務が船舶検査に限定されているわけでございますが、この本土との相違があるかどうか、職務の内容についてお伺いしたいのであります。
○見角説明員 お答え申し上げます。 沖繩の総合事務局のもとに今回設置されます海運事務所と申しますのは、本土に当てはめますと、ちょうど地方海運局の支局に相当する、全くそれと同じものを考えております。海運事務所という名前は、ほかの関係の事務所と同じ名称で統一するということで、海運事務所という名前をつけたようでございますけれども、実際は本土の海運局支局と全く同じでございます。したがって、先生ただいまお話しの船舶検査その他の業務、本土の支局並みの業務を遂行する、こういうことでございます。
○西銘委員 すでに成立いたしております沖繩振興開発法におきましても、復帰に伴う職業安定のための特別措置が定められておるのでありますが、これらの特別措置が生かされるよう、公共職業安定所の設置について配慮されているかどうか、お伺いしたいのであります。
○床次委員長 労働省、あとで参りますから、別の御質問を……。
○西銘委員 現地はドル・ショックでもってたいへん騒いでおりますが、次々に適切な手が打たれまして、非常に感謝しているわけでございます。ところが、救済の対象になるのはもっぱら政府公務員、地方公務員だけでございます。また民間におきましても、三百六十円との差損については、労働組合から三百六十円の読みかえ等について本土政府の援助を得て、その対応策が十分とられていると思いますが、ただ、その施策に乗らない中小企業をどう救済するか。先ごろ特別政策融資が決定されておるわけでございますが、この中小企業の対策について具体的に御説明いただきたいと思うのであります。
○山中国務大臣 これは、すでに予算措置をいたしました産発に対する十億、それから大衆金融公庫に対する一種、二種を通じての七億六千万、またそれに金融機関の貸し倒れ準備金繰り入れ率の充当限度率を引き上げましたが、それだけでは、いまおっしゃるように、一般の中小零細企業でも全部雇用者の立場にある人たちにとって同じ問題が提起されておるわけでありますから、私としても、琉球政府のほうからそう特別にその問題についてのその後の要請はなかったわけでありますけれども、やはり国会答弁においても心配な点があるということを答弁しておりました、その後、実情を調査してみますと、やはりいままでとりました既往の処置では五〇%程度しか、読みかえといっております措置が労使の間で確認されていないということが判明いたしました。したがって、先般、沖繩振興開発金融公庫法を衆議院大蔵委員会において採決、可決いたしまする際の各党の共同提案による附帯決議を受けまして、政府のほうでは一年間の融資として八十億、条件は年利三%で二年据え置き、償還期間七年という条件を設定いたした次第であります。これによって、沖繩の残っております、読みかえようにも収入の面において何らのメリットがなくて、読みかえることはコストプッシュ要因のみが企業として取り入れさせられるという問題に大体貢献し、解決し得るものというふうに考えておるところでありまして、この措置に対して若干の利子補給、三分の低利な利子で融資いたしますから、利子補給等の措置が要りますが、これらについては、与野党の了解のもとに、あと払いということで処理ができるということでもって八十億融資を設定いたしたという次第であります。
○西銘委員 お聞きしたいのは、資金量八十億で足りるかどうか、また現地側の要望は無利子、無担保ということでありますが、これは政策融資の面から三%にこぎつけたことは、われわれといたしましてもたいへんありがたい話でございますが、この無担保にかわるような措置というものがないかどうか、資金はそれで十分かどうか、お伺いしたいのであります。
○山中国務大臣 これは実際に担保の問題となると、貸し付け条件の具体的な検討に入るわけですけれども、私どもとしては、この金が、復帰を日前にして、沖繩においてはやはり復帰後の円というものとの間に、ドルと円の関係で三百六十円で保障されるかどうかという問題の解決に資するためということで、この八十億の融資を設定いたしますので、その融資にあたっては、人をかかえて、そうして労賃を支払っておる企業については、まずその条件において融資をしていくということを前提といたしますので、それらの金融上の当然の前提条件の幾つかについては、今回は相当ゆるい貸し出し条件にせざるを得ないと考えておりますが、なおこまかくは詰めてまいりたいと思います。
○西銘委員 次に、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所を那覇市に設けることになっていますが、その理由をお伺いしたいのであります。 また、既存の琉球物産検査所は、これは従来、本土向け輸出産品の検査に当たっておったわけでございますが、この現在の物産検査所の職員四十五人の取り扱いはどうなっておるのか、お伺いしたいのであります。
○平石説明員 工業品検査所の関係についてお答え申し上げます。 沖繩の本土復帰に伴いまして、沖繩からの輸出品に対しましては、現在わが国の輸出貿易の健全な発展をはかる目的で施行されております輸出検査法が適用になるわけでございます。したがいまして、輸出検査法によりまして検査が必要でございます品目で、沖繩から輸出されます光学機械とかガラス製品、陶磁器というような機械、雑貨製品の輸出検査を実施いたしますために検査機関が必要となるわけでございまして、工業品の検査技術と、それから十分な指導能力のあります政府機関としまして、工業品検査所の出張所を設置することが適当であるというふうに考えておる次第でございます。 なお物産検査所の件でございますが、工業品検査の関係につきまして見ますと、物産検査所が検査あるいは指導をしておられます品目は、農水産物それから宮古上布、琉球がすりというふうに伺っておるわけでございまして、これらの品目は、工業品検査所が輸出検査を行なっております工業品関係の品目とは異なっておりますので、物産検査所が持っております設備等の引き継ぎということでは考えておらない次第でございます。 以上、工業品検査所関係についてお答えいたしました次第でございます。
○床次委員長 繊維につきましては仲矢審議官から……。
○仲矢説明員 繊維製品検査所関係についてお答えいたします。 繊維製品につきましては、輸出関係につきましては、ほとんどのものを輸出検査という形で、品質その他の保持あるいは公正競争の保持につとめておるところでございまして、沖繩関係につきましても検査機関が必要となるわけでございます。ただし、沖繩関係の繊維製品につきましては、現在のところ大部分の輸出品が縫製品でございます。したがいまして、縫製品につきましては財団法人の縫製品検査協会が検査をすることになるはずでございます。ただし、縫製品以外のものも若干ございますので、そういう縫製品検査協会で検査をいたさないものにつきましての輸出検査をするためと、それから先ほど申し上げました縫製品検査協会がやります検査業務につきまして、これを監督、指導いたしますため、それからその他一般に繊維製品につきましての品質表示法でございますとかあるいはJIS関係、そういうものの指導をも兼ねまして、繊維関係の検査所の出張所を沖繩に設置することになっております。 現在ございます沖繩の検査関係の仕事につきましては、先ほど工業品検査所長のほうからお答えしましたとおり、繊維関係につきましては宮古上布とそれからかすりを対象にしておるだけでございまして、これは、現在のところほとんどいわゆる本土のほうへ持ってまいる以外に、諸外国のほうへ輸出というようなことにはなるまいかと思いますし、直接的には検査対象品目ということにはなるまいかと考えておりまして、これからの推移によりましては、その検査所との関係をどうするか考えていかなければなるまいと思いますけれども、現在のところそういう体制で進みたいと思っております。
○西銘委員 労働省の政府委員が見えましたので、先ほどの回答をお願いします。
○中原政府委員 復帰後における沖繩の職業安定所の設置の問題でございますが、たびたび御論議いただいておりますように、復帰に伴いましていろいろ離職問題が重要性を帯びてまいりますので、私どもといたしましては現在本島に三カ所、離島に二カ所公共職業安定所がございますが、この五カ所の公共職業安定所の職員を増員をいたしたいと思っております。その増員につきましては八名を新規に増員するほか、職業安定所で庶務課の関係で法令等をやっておる人が、本土に帰ってまいりますとこれをそちらに振り向けて、第一線重点でやるというようなこともありますので、そのほうで十名、合わせまして十八名職業安定所の職員の増員をはかりまして、さらにそのほかに職業相談員、これは嘱託のような制度でございますが、職業相談員というのが本土にございますが、これを八名配置することに決定を見ておりまして、こういうような職員の増員によりまして離職者対策の万全を期したい。 なお、御承知のとおり、労働省と協力のもとに各種の雇用促進、職業援護措置を行なっておりまする特殊法人で、雇用促進事業団というのがございますが、雇用促進事業団の支部を沖繩に設けることにしております。さらに、その事業団の下にあります新設の就職援護センター、那覇にございますが、これも十分活用しまして、沖繩におきまする職業の安定、離職者対策には万遺憾のないように十全の努力をしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
○西銘委員 最後に山中大臣に御見解を承りたいのでありますが、国土緑化はもちろんわが国民の一致したコンセンサスでございまして、沖繩におきましても、復帰を記念いたしまして、十一月に植樹祭が計画されているわけでございまして、焦土と化した沖繩にとりましては、これはまことに全県民の悲願であり、画期的な復帰記念事業だと私たちは受けとめておるわけでございます。この植樹祭におきましては、天皇陛下が御臨席になられるのが慣例になっておりますが、琉球政府は沖繩の治安の面から、またごく一部の過激派の動きから、陛下の御臨席を思いとどまろうとしているというふうに新聞は報じているわけでございますが、これはまことに残念しごくな話でございます。 このように国民が一つになった国家事業、特に沖繩の場合には、復帰を記念いたしましての最初の事業であるのであります。陛下がおいでになられないということは、結局異例ともいうべきことになるわけでございまして、前例をつくることになる。これは沖繩百万県民といたしましても、陛下の御臨席を心から念じておると思うのでございますが、こういうような昨今の動きは、どうも国民感情をさかなでするように私は受け取っておるのでございますが、大臣、これをどう受けとめておられるのかお伺いしたいのであります。
○山中国務大臣 これは御承知のように、政府がタッチすべき問題ではありません。国土緑化推進委員会というものがありまして、そこで、年に一回の各県持ち回りの植樹祭が戦後長く行なわれております。これは陛下がお出ましになることが恒例であることもおっしゃるとおりです。その際の恒例として、ある年にある県で開催が緑化推進委員会できまりますと、その県の責任者である知事が、緑化推進委員会の座長でございますかと一緒になっておいでになって、宮内庁に、私の県にきまりましたので、恒例ながらお出ましのほどをという手続をとるようになっているそうであります。その手続についてよく御存じなかったせいへありましょうが、先般の、昨年の国土緑化推進委員会の決定として、沖繩で復帰記念特別植樹祭を行なうということについて、宮内庁にその旨の申し出がなかったということを聞いております。その後、宮内庁のほうへ申し入れられたということを聞いておりませんから、したがって、いまのところ、そのような恒例の手続が踏まれていないものと見ておりますが、しかし、総理府としてこれにタッチする問題ではない。したがって、いわゆる大臣の立場においてこれをどうこうせよと言われても、やはり私どものほうに報告がなくとも、連絡がなくともそのことは行なわれ、かつまた推進されるべきものでありますから、願わくは、恒例どおりの緑化推進委員会であり、そしてまた植樹祭が行なわれるように念願をしております。
○西銘委員 これで終わります。
○床次委員長 美濃政市君。
○美濃委員 最初に資料要求をいたしたいと思います。 今回沖繩の復帰に伴って、政府の出先機関として、今回承認を求めておるもの以外にもあるわけでありますから、配置する予定人員、それから沖繩開発庁の機構と最終的にきまった定員ですね、機構と定員、これを一覧表にして出していただきたいと思いますが、出していただけましょうか。
○山中国務大臣 承知いたしました。
○美濃委員 これは質疑との関係がございますので、できれば、きょうの終わり時間ぐらいまでにつくれるか、それともいつごろになりますか。
○山中国務大臣 御審議の都合もありましょうから、一応私どもの事務当局で御説明できる点を説明させますが、いまうしろで相談していますのは、開発庁関係以外の各省庁の分が何時間でできるかということを相談しておりますので、それを急がせることにいたしまして、いまこの席で御答弁、御説明できる問題については説明をさせて、その点についての御質疑を賜わりたいと思います。よろしいですか。
○岡田(純)政府委員 それでは、ただいま御承認をお願い申し上げておりますもの以外に、開発庁の沖繩総合事務局関係のもの、これはわかっておりますので申し上げますというと、石垣島農業開発調査事務所というのが、もちろん石垣島でございますが、置かれることになっております。それからダム建設所、御承知のとおり福地ダム等でございますが、その関係、それから国道事務所、これは要するに十分の十国道として出す国営でございますが、北部と南部に二カ所の国道事務所を設けます。それから港湾関係で那覇港、石垣港、それから平良港に工事事務所を設けます。この四種類のもの、これは全く国営ということでなされますもので、今回の承認案件としては提出していませんけれども、沖繩総合事務局関係であります。そのほかに他省庁のものがございますけれども、なお後刻御提出することになると思います。
○美濃委員 次に、去る沖繩国会で提示されました政令案要綱のうち、変更がなければ、もういただいておりますからけっこうでありますが、その後復帰を迎えて、あの政令案要綱のうち変更が行なわれたものがあれば、行なわれた部分を資料として提示をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 沖繩国会で提出いたしました政令案要綱と違うものは現在のところはない。しかし、その後追加する必要があるかもしれませんが、いま検討されておりますから、その点については資料提出をいたします。
○美濃委員 次にお尋ねいたしたいことは、公用地等の暫定使用に関する法律、これに伴う政令案というものはいまどの程度進んでおるか。もうでき上がってしまったか、それとも概要どういうふうに進められておるか。
○床次委員長 防衛庁が来ておりませんから、あとでもって呼ぶようにしましょう。
○美濃委員 それでは長官にお尋ねいたしたいと思いますが、資料が出てこないとよくわからぬのでありますけれども、今回、この法律では暫定使用でいくということにきめたわけですが、沖繩の土地所有者の実態から見れば、これは日本政府が使う、まあ空港もあるでしょうし、いろいろ使われるわけですが、私は、暫定使用で近い年限で所有者に返せるものはそれでいいと思うのですけれども、返せないもの、将来とも返らないというものがかなりあると思うのです。将来とも公用施設であり、公用地であって、おそらく所有者に返すということが不可能である、こういうものが多いと思うのですが、どうですか。
○山中国務大臣 公用地等暫定使用法並びにその政令について、一切タッチいたしておりませんので、その問題については関係省が来てから御質問をお願いしたいのですが……。
○床次委員長 ただいまの件も政府委員を出席させることにいたします。
○美濃委員 やはりこれは買収する要があると思うのです。五年もこの法律で使うというのではなくて、将来ともその使用目的のおそらく変更されないだろうというものは、日本政府が買収して、そして所有者は必要に応じて代替土地を取得するなり、あるいはそれを資金として別な企業的な仕事をするなり、これは本土で政府が土地を恒久的に使用する場合はほとんど買収しておるわけですから、暫定使用で告示して使用料で使っておるものはごくまれだと思います。ほとんど土地使用暫定措置法なんというものはないわけですから、これはやはりすみやかに買収——まあ当然所有者の意思もあるでしょうけれども、買収の計画を立てて、所有者が使用料でいいというものはまあ別になりましょうけれども、しかし買収してくれという希望もあり、そういうことが大切だと思うのですが、これは今後どういう計画になっていきますか。
○山中国務大臣 そういう意味なら、予算に関係がございますから、私が答弁できます。 私はそのとおりだと思います。したがって、道路等については、国道はもちろん前提としては買収費を——一ぺんに全部買えませんので、予算化いたしましたし、それに対して残ったところについては、買収に至るまでの間賃借料を支払う予算が組んであります。また空港等についても同じ措置を講じておるわけであります。しかし、いわゆる安保条約に基づく提供施設、自衛隊の施設等については、私のほうで予算その他もタッチいたしておりませんので、御趣旨はよくわかりますが、私の答弁は、ただいま申し上げたような点ではタッチしておるということを申し上げておきたいと思うのです。
○美濃委員 次に、復帰とともに、私は一番大切だと思うことは土地調査だと思うのです。これは前にも提示しておりますけれども、特に公用地内部で所有者がおそらく——公聴会に行ったときも、その状態は公聴会の中では出しませんでしたが、別途いろいろ調べてみましたが、おそらく公用地の中で境界というもの、自分の土地の境界を知っている者はまれではないでしょうか。ほとんど境界などはわからないんじゃないでしょうか。何ぼ使われておるということはわかっておるけれども、少なくともおおよそここだということはわかるけれども、ここからここまでが自分の所有地だという——特に公用地の中は不明確で、あるいは琉球政府の担当局長の話では、やはり特別法律をつくって強力に進めてもらわぬと、軍用地の関係の調査が全く不可能である。土地調査ができなければ、これから沖繩開発庁設置をいたしたとしても、開発を進めていく作業上、土地調査というものが何よりも先行していく。現在の場合、ある部分については琉球政府もやっておりますから、また財政的な援助も行なわれておりますから、ある部分はできるけれども、ある部分は全く不可能だ。国土調査法に基づくかどうかしなければ、今度は復帰すれば沖繩県となるが、県の力では全然調査が実行できない面があって壁にぶつかってくる、こういう問題がある。これは長官は何回も行っておるからよく御存じだと思うのですが、これは復帰と同時、また来年度予算とも関係があるわけですが、この関係はどういうふうにお考えになっておるか。来年度予算には早急に計上してこれを強力に進めないと、まず開発計画あるいは具体的な計画に大きな支障が起きると思う。復帰して沖繩県となっても、地方自治団体だけではこれはやれないと思います。どういうふうにお考えになっておりますか。
○山中国務大臣 筆界、境界の確定は、最終的に争いがある場合は民事をまたなければならないことは御承知のとおりであります。しかしながら、沖繩においての国土調査法に基づく調査については、本土各県に比べて比較的パーセンテージは高く進捗をしておりますが、しかし、一番問題な沖繩本島における中南部について、それが遅々として進んでいない。しかも、その理由は、軍用地になっておる施設の中はもちろん調査ができない。さらに今度は返還をされた場合、いまおっしゃったような問題点が賃借料の前提として、自分に支払われている根拠はおぼろげながらにわかっていても、それが実際に返されてみると形態も改まっているし、自分たちが、それぞれすべての関係者が立ち会い、すべての関係者が確認をし、承諾をするという条件におよそ遠い状態で返されてくる。そこで、いろいろと問題が派生しておるわけであります。それが一つ。 いま一つは、やはり沖繩本島を中心に、戦乱の中に巻き込まれて瓦れきと化したということから、みんなが自分たちのところに、それぞれ正常な権利をもって自分たちの境界の中におさまっていないまま、それぞれ住みついてしまっていて、それぞれわかっているけれども、それを解決する手段がないという問題と二つあると思います。 そこで、一応今年度予算には調査費を計上しておるのでありますが、しかし、現在の琉球政府の復帰後の県としての権限のもとでは、最終確定はできないことはよくわかります。かといって、全部これを民事の争いに持ち込んでみたところで、合意を得るのはきわめて困難であろう。したがって、沖繩においては、特殊な中間の段階における行政上のある意味の権限を持った境界確定というものが、しかも民事の争いにいかずに関係者が全部立ち会い、そして確認する手段を行使できるような方法はないだろうかと思っていま考えておりますが、最終的には、これは法務省とも経企庁ともよく相談をしなければなりませんが、特別立法を沖繩のためにしなければならないだろうという感じでおります。したがって、特別立法を必要とすると考えますので、その作業をどのような形で個々の境界、筆界の確定に貢献し得るかということについて、さらに検討してみたいと思います。
○美濃委員 長官も特別立法をお考えになっておるようでありますが、やはり現況を把握されておるわけでありますから、所有者の立会を求めて、法律に基づかなくても、いわゆる土地の境界決定がスムーズに行なわれることを期待いたしますけれども、どうしても話し合いがつかない場合、やはりいまお話しのように特別立法に基づいて、責任の持てる測量に基づいて、これが境界だといって決定できる一つの手段が必要じゃないかと思うのです。いまそういう趣旨のお話を承りましたが、私は特別立法が必要だというふうに考えておりますから、これはぜひ今後十分検討を重ねてもらいたいと思います。 あとの質問はそれぞれ政府委員に対する質問になりますので、十二時までの時間もあまりないようでありますから、午前中の質問はこれで終わります。
○床次委員長 中川嘉美君。
○中川(嘉)委員 一番最初に総合事務所のほうの件について伺いたいと思いますが、平良市とかあるいは石垣市に財務出張所及び海運事務所那覇、名護、平良、石垣市等には統計調査出張所等を設けられるということは、これは提案理由の説明にもあるとおり、いわゆる国有財産の管理であるとか、基礎的な統計資料の整備とか沖繩の海運行政について利便をはかる上で必要であることは、これは私たちにも理解ができるわけでありますが、これらの問題についてすでに他の委員からも触れられておりますので、これに関連をして総務長官に一、二伺いたいと思います。 それは、昨年の夏ニクソン大統領の訪中が発表されるや、わが国はむろんのこと、世界じゅうの視点が中国に向けられたわけであります。そのような雰囲気の中に、昨年秋の第二十六回の国連総会、ここで中国招請、国府追放の決議案が圧倒的多数をもって可決された。そして昨年秋の六十七回国会におきまして、当然したがって中国問題等が大いに論議をされた。このことによってというわけではないですけれども、一部に、沖繩問題はもうこれで終わったのだというような声も聞かれておりましたし、また現地におきましても、なかなか沖繩のことが審議に入らないじゃないかというような声も聞かれておりました。 五月十五日に沖繩の施政権の返還ということが実現すると、それですべてが終わったのだという態度をとられることを、沖繩の人たちは非常に心配をしておる。戦後二十七年間にわたる空白というものは、単に返還協定とか、それから法律の制定等をもって、一朝にして埋まるものではないわけで、沖繩に対する諸施策というものが軌道に乗るまで、少なくとも今後二、三年間、政府は現在と同じような姿勢で沖繩問題に取り組んでいかなければならないし、また、こういったことを要望するわけですけれども、こういうことに対する長官の御所信をまず伺いたいと思います。
○山中国務大臣 私は沖繩の問題は、沖繩県民にとってもそうですが、本土自体にとっても、やはり復帰の日からがある意味の出発だと思います。したがって沖繩開発庁についても、現地を含め賛否両論ありますが、沖繩開発庁を設け、責任ある大臣が内閣に列している、しかも総理の直属として列しているという形をとることによって、少なくともそのような姿勢に疑問を生じた場合に、沖繩県民からも国民からも、そういう姿勢ではだめではないかとねじ込まれる相手、責任者がいるべきであるという気持ちを持っているわけであります。しかし、これは単なる機構のことでありますから、心の問題として、私たちは沖繩が復帰したからそれで終わりではなくて、それは沖繩が異常な事態であったことの終わりでありまして、その異常な事態において空白であったことに対する、本土政府のこれから行なわんとする行政あるいは政治的な姿勢というものは、まさにこれからが始まりであるということでもって、かりに沖繩振興開発計画が十年の計画であるといっても、十年後はどうするのかということも含めて、これは沖繩の人々がもうよろしい、沖繩、沖繩と別扱いにしてくれるなという日まで、私たちはこの姿勢を貫いていかなければならないものだ。そして永遠に沖繩の人たちから私たちが、復帰の日以後の本土の国民、政府のあり方について批判を受けることのないような、戒心、自重した立場でもってやらなければならぬことであると思っております。
○中川(嘉)委員 総務長官の御答弁の中に、復帰の日からが出発であるという、そういうおことばで、確かにほっとした感じはしますけれども、四十二年に設置をされました沖繩問題等に関する特別委員会、これは今日まで幾多の質疑を行なってきたわけで、それによって政府の基本姿勢、こういうこともただしたり、あるいはまた鞭撻をしてきたつもりでありますけれども、残念ながら沖繩の方々はいまだ多くの不安と、そしてまた不満が残っておるようであります。うわさによると、沖繩特別委員会が五月十五日の沖繩返還によってなくなるのじゃないかというふうにも聞いておりますが、返還後、少なくとも最低一年ないし二年というふうにこの特別委員会を存続させて、そして沖繩問題を論議していかなければならないのではないか。これはもちろん院の構成の問題ですから、直接政府とかかわり合いがないということになるかもしれません。しかしながら、政府としては、返還後もはたしてこの委員会を一定期間存続したほうがよいと思われるか、それとも解消するべきと思っておられるか、この辺を長官から伺いたいと思います。
○山中国務大臣 これは中川さん言われるように、院の問題でありますから、国会で決定されたことに政府は異議を唱えることもできないわけです。あるいはまた、賛否を表明することも控えなければならぬ問題であります。しかし、やはり形は少し変えたほうがいいのじゃないかと思いますのは、いつも沖繩及び北方ということばがついて回らなければならない現在の政府の機構を受けての話ですけれども、そのことについて、実は、北方の人たちにも少し申しわけないと思うのですが、何よりも沖繩の人たちに少し申しわけない気がいままでしておりました。本土からすれば、いまだ帰らざる日本の領土ということで南北そろえてもいいのですが、百万の人間が生きて毎日生活しておる島と、全然日本人そのものは追っ払われてしまっておる島と一緒に、委員会や政府のほうが機構を持っておりましたことについて、反省しておる点がございます。 私は、政府のほうについてだけ申し上げますが、政府のほうでは、御承知のように、北方対策本部を別に総理府総務長官を長とするものを設置いたしますので、それらの事情を勘案をされて、そして復帰したといえども、沖繩の問題は復帰の日からが始まりである、その姿勢を国会のほうでもお示しいただくということについて、しいて賛否を表明せよと言われるならば、私は今後のために非常に歓迎をいたしたいと思います。
○中川(嘉)委員 それではこの問題、ただいまの長官の御答弁をそのように現在のところ承っておきたいと思います。 次に、労働基準監督署及び公共職業安定所の設置のほうですが、これは現在の琉球政府が設置しているものを引き継ぐのだということで、これらの設置は、琉球政府の要望をそのまま実現するという点で特に異存はないと思います。 関連としまして、やはり、一、二問伺いたいところですが、まず第一に、復帰後に生ずる沖繩の失業者ですね、これをどういった方法で再就職させるか、あるいは沖繩にそれを受け入れる職場が急にふえるという話でもないわけなので、その対策をどのように考えておられるか、この点まず伺いたいと思います。
○中原政府委員 ただいまの御質問でございますが、現在の沖繩につきましては、第三次産業の雇用者といいますか、就業者が比率として非常に多いわけでございまして、約六割くらい就業している。これは本土では東京と同じくらいのあれだと思いますが、その第三次産業の、しかも大部分が基地並びに基地関連であるという事情になっておりますので、これが復帰の暁には、かなりの雇用構造といいますか、就業構造の変化等に伴いまして、離職対策は先生御指摘のように、いろいろ問題が出てくると思います。 私どもとしましては、長期的には振興開発法の精神に基づきまして、本島、離島含めまして、バランスのとれた産業、それから雇用の安定ある発展ということを期待しなければならないと思うわけでございますが、やはりごく過渡的、経過的にはそういう制度の改廃、それから基地の縮小等に伴いまして、かなりの離職者等も出ることが予想されますので、これにつきましては、先般成立いたしました法律によりまして、有効期間三年の求職手帳というものを発給いたしまして、非常に手厚い措置を講じまして、この人たちが健全な職場等に転換していくこと等に万全の力をいたしたいと思います。 それでは、転換する先はどういうようなものであるか、こういうことにつきましては、振興開発法の審議会その他万全の十分なプランを立ててやっていきまして、これも離職者対策には万全を期さなければなりませんけれども、そういう長期的なあれにつきましては、慎重な配慮のもとに、沖繩の実態にふさわしい、健全で、かつ安定した職場にこの人たちを転換していく、こういうことが必要であろうか、かように考える次第であります。
○中川(嘉)委員 いずれにしても、こういった方の再就職の問題はいろいろ非常にむずかしい問題があるかと思いますが、いま御答弁いただいた線をはずすことなく、何としても、三年という根拠はどこから出てきたか私もちょっとわかりませんけれども、万全の対策を講じていただきたい、このように思います。 次に、沖繩の人口の問題ですけれども、現在九十四万、これは五年後あるいは十年後にどのくらいになるという見通しを持って労働行政を行なわんとしておられるか、現在は九十四万ですけれども、その辺、計画に対する見通し、これをお答えいただきたいと思います。
○中原政府委員 沖繩の五年後、十年後の人口をどのくらいにすべきかということにつきましては、人口のみならず、労働力人口その他雇用者と雇用者以外の比率というようなことにつきましては、現在のところ私どもはっきりした数字は持っておりませんが、私どもの考え方としましては、これは復帰に伴いまして、本土の各企業等は、沖繩の学卒その他に対して、非常にこれを本土のほうに吸収したいというような要望も出てまいろうかと思いますが、私どもは、やはり現在の沖繩の情勢をしさいに分析をいたしまして、現在九十四万、約百万近くの人口、これは戦前に比べれば多いわけでございますけれども、やはり沖繩の将来の健全な振興開発というような観点から見て、これをいたずらに本土に持ってくるということには私どもは賛成しかねるわけでございます。したがいまして、もちろん本土に就職希望の方もございましょうし、いま毎年、学卒以外の方も含めまして、一万人くらいが本土に来ているかと思いますが、本人の希望、それからその地域地域の実態、本島と離島はいろいろ事情が違いましょうし、そういう実態に即してこれを考えなければなりませんと思いますけれども、いたずらに、沖繩の人口は多過ぎるので、これはもっと本土へ持ってこいというような方向ではなく、沖繩の、長期的な未来のある振興開発計画と密着しました雇用計画というものを立ててまいりたい、こういうふうに存じておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 一説によりますと、五年後に十万人、十年後には二十万人くらい現在よりも人口が減少し、場合によってははなはだしい過疎現象も推定される、こういうことですけれども、こういったことでは、せっかくの本土復帰が意味をなさなくなる、このように思います。どうかひとつこういう点を勘案して、政府の周到な労働行政というものを期待していきたい、このように思います。 次に、短い時間でいろいろ聞かなければなりませんが、食糧関係、食糧事務所の設置のほうについて、一つだけ伺いたいのです。 いま申し上げたように、沖繩に九十四万の県民がおられる。年間十万トンもの米、これが必要であるということから、沖繩食糧事務所を置くということは、これは当然のことだと私も思います。沖繩に対する政府の農林行政のあり方にこの問題はあると思いますが、いままでこの特別委員会においてもいろいろと議論されたわけなんです。この際、あらためて政府の沖繩に対する農林水産行政の基本姿勢、これを伺っておきたいと思います。すなわち、パイン産業であるとか、砂糖、畜産、水産業、あるいはまたいまの米価問題に対する基本姿勢、こういったものもあわせてお答えをいただきたいと思います。
○床次委員長 基本問題につきましては、あとで政府委員が見えますけれども、とりあえず食糧関係につきまして、食糧庁の高須総務課長からお答えいたします。
○高須説明員 沖繩県におきましても、本土の各県に置いております食糧事務所と同じような性格を持ちます食糧事務所を設置いたすことにいたしておりますが、従来の米麦の流通状況と非常に異なっておりますので、仕事の内容につきましてはだいぶ違っておりまして、本土におきます検査、買い入れ等の業務は実施いたさないことになっております。ただ、米麦の供給、それから本土米の輸送、保管、売却、それから輸入麦等の一元的か処理、それから沖繩産米の、ただいま農業協同組合を通じて買い入れが行なわれておりますが、それに伴います不足払い、そうしたような一連の業務を遂行いたしますために事務所を設けるわけでございます。食糧関係につきましては、そのようなことで、政府が責任をもちまして米麦の供給を実施いたす、かような考え方でございます。
○中川(嘉)委員 それでは、農林水産行政の基本姿勢については先ほど委員長言われたとおりであるようなんで、ひとつあとでそういう政策に関する資料ですね、そういったものを提出していただければと思いますが、よろしいですか。
○床次委員長 それでは総務長官から……。
○山中国務大臣 御質問の展開が答弁をやりますと長くなりそうですからちょっと遠慮していたのですが、なるべく簡潔にやります。 すなわち、沖繩の農林漁業というものは亜熱帯農業というもので、本土に比し、施策のいかんによってはきわめて有利な条件にあることが一つ。林業はたいしたことはありませんが、漁業については、漁場の中に島がある、この条件に取り組むことによって、現在の本土から輸入しなければならない、物品税をかけなければならないという状態というものを完全に解消して、漁業県としての沖繩が設計できる、こういうふうに思っております。 沖繩において有利な条件で作物が栽培されるとすれば、やはりどうしてもパインとキビが中心になります。したがって、キビについては共済制度というもので、天災その他に対処するような制度の検討を急ぐとともに、パインは果樹農業振興法に基づいて、生産者価格等についても措置をいたすつもりでありますし、企業対策については、本土の糖価安定法によって事業団が買い入れ、精製糖、分みつ糖は別として、含みつ糖については、琉球政府を通じていままでどおり補助をしていくという政策をとって、分みつ糖になれない小さな島に対しての配慮をいたしてまいれば、何とかキビはささえていけると思います。 パインもまた国が買い入れることはできませんが、それに対する共済を含ませた果樹農業振興法の一環として、共済のほうも果樹保険の中に取り入れるということにできそうでありますので、これも相当前進をすると思います。いままでの政策では、栽培農家そのものは、被害を受けても何らの見返りがなかった、救済がなかったわけですけれども、今度は、被害そのものに対する見返り給付があるという仕組みに変わると思います。 さらに、パイン、キビに関連をして、畜産というものが、年じゅう非常に青草が茂りますから、牧草改良あるいは家畜の品種改良によって、肉牛という観点から非常に有望であると思います。現在は二万八千五百頭しかいないので、これを底辺を広げていって、そうしてできれば将来現地に産地処理工場をつくって、製品化したものを本土にコールドチェーンに乗せて送り出すということで有利になるのではないかと考えております。 漁業のほうについては、沖繩の漁船の七〇%がくり舟といわれるきわめて小型の非常に危険なものでありますから、操業範囲も非常に狭うございますし、これを近代化するための、二分五厘のくり舟の近代化大型化の資金を引き続き融資対象にいたして近代化しますとともに、問題は、くり舟の基地でありましたために、漁港らしい整備が行なわれておりませんので、沖繩の全群島の漁港を本土の五年後の状態に五年間で完成させるための漁港整備五カ年計画を発足させるわけであります。これらの問題と相まって、沖繩の漁業というものは飛躍的な成長をもたらすであろうと見ておるわけであります。 なお、米の問題については、沖繩についてそのような本土よりもすぐれた条件を選択させることが、沖繩の農村にとって一番有利であると思いますので、米の本土並み食管の買い入れというものを、いまの農協を通じたあと払い制度のままでがまんしていただく、反面、それに対して減反の割り当て等をしない。しないけれども、キビ、パイン等に転作をされる場合においては、転作奨励金の交付対象にしようということでもって、やはり有利な農業地図の上に描かれるべき営農形態のほうに移行できるように進めていくつもりであります。
○中川(嘉)委員 それでは最後に、工業品検査所及び繊維製品検査所の出張所の件ですが、こういうものを設置することは、これはまた当然必要だと思います。ここにいま資料がありますが、この資料を見ますと、検査対象ではトランジスタラジオであるとか、またトランジスタラジオの関係で電気関係品目、これが三十七万四千ドルとありますが、これを除くと、あとはその下のほうの双眼鏡であるとかあるいはウルシ製品、こういったものが年間一万ドル台あるいはせめて二、三万ドル程度のものがほとんどだと思います。問題は、法律に基づいてこのような国の地方行政機関を設置さえすればいいというものではないと思います。いかにして沖繩からの輸出品目の量と額をふやすか、こういう通産行政の基本姿勢いかんにあるのではないかと思いますが、政府は、沖繩の輸出業者の育成並びに競合しない本土の輸出企業をいかにして沖繩に誘致せしめようとするのか、その辺の基本姿勢をここで承っておきたいと思います。 〔委員長退席、西銘委員長代理着席〕
○田中(芳)政府委員 沖繩の経済の振興をはかるためには、現在の基地依存型の経済から自立型の経済へ脱皮していく必要があるというふうに考えております。このためには、やはり経済開発の機動力となり得るような工業を現地で振興させるということが緊急の課題であるというふうに私どもは考えております。このための基本的課題といたしましては、やはり前提条件となります水あるいは電力等の産業基盤の整備を早急に推進してまいりたい。第二に、現地の産業の振興をはかりますとともに、これと調和のとれた企業あるいは産業の現地への進出を大いにはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 この場合、沖繩におきましては、雇用機会の創出ということもきわめて大きな問題であるということにかんがみまして、私どもといたしましては、雇用効果の大きい、かつ付加価値の高い産業を沖繩に持ってまいりたい、このように考えておるわけでございます。具体的には、今後策定せられるところの沖繩振興開発計画の線に沿って施策を展開してまいりたいと思っておるわけでございますが、なお、今国会で御審議をいただいております工業再配置促進法、これを御承認いただきますれば、私ども沖繩を誘導地域といたしまして、これに対する税制あるいは補助金の支給等の助成措置を、沖繩振興開発特別措置法によりますところの各種の優遇措置に上乗せいたしまして、これら企業の進出に遺憾なきを期したい、このように考えておる次第でございます。
○中川(嘉)委員 時間もありませんので、最後に急ぎますが、那覇に設置される二つの出張所ですが、これはどのようなスタッフであるか、またどこに出張所が置かれる予定であるか、この辺がわかっておりましたらお答えをいただきたいと思います。
○平石説明員 工業品検査所の関係についてお答え申し上げます。 工業品検査所は那覇に設置を予定してございます。それから陣容でございますが、那覇出張所としまして所長一名、主任検査員一名、計二名でスタートする予定になっております。
○仲矢説明員 繊維関係の検査所、出張所につきましては人間は二名を考えております。場所は、先ほどの工業品検査所と同じところをただいまのところ借りる予定にしております。
○中川(嘉)委員 これは那覇ですけれども、那覇港の非常に便利のいいところにそういったオフィスを設けるのかどうか、それはどうですか、単に那覇というふうにお答えいただいたのですが。 それからもう一つは、あわせて聞いてしまいますが、どうも陣容がもっと強化さるべきではないかというふうに私は直感するのですけれども、この点をあわせて……。
○平石説明員 お答え申し上げます。 工業品検査所、繊維検査所と、先ほどございましたように、同様のところに、那覇市の牧志町にございます沖繩銀行の牧志支店の中に設置する予定にして、いま準備をいたしてございます。 なお、陣容の点でございますが、今後復帰後どのようになりますかはわかりませんが、現在の段階の調査で判明しております輸出品の検査を要する輸出品目から見ますと、当初二名で十分いけるのではないか、さように考えておる次第でございます。
○中川(嘉)委員 では最後に一つだけ伺って終わりたいと思います。 この資料の最後のところを見ますと、「縫製品については、民間の検査機関である縫製品検査協会が沖繩に検査所を設置し別途検査する」というふうにここに書いてあるわけですが、これはどういうことですか、ひとつ説明をしていただきたいと思うのです。繊維品のほうに加えることはできないわけですか。この点を最後に伺っておきたいと思うのです。
○仲矢説明員 繊維関係の輸出品検査につきましては、たてまえといたしましては指定検査機関といいます民間にございます検査機関が検査するというのがたてまえでございます。それで、国のほうでいたしますものは、検査数量が非常に少ないものでございますとか、場所的に非常にへんぴなところでございまして、そういう民間の検査協会で検査を実施することが、コスト的にも物理的にも非常に不便で引き合わない、そういうものにつきましては国のほうで検査する、そういうたてまえになっております。したがいまして、先ほども申し上げましたとおり、沖繩の繊維関係製品は大部分が縫製品でございまして、これは民間でございます縫製品検査協会で検査いたしまして、それからこぼれ落ちると申しますか、その縫製品検査協会で検査できないものにつきまして国のほうの出張所で検査する、こういう体制を考えておるわけでございます。
○中川(嘉)委員 終わります。
○西銘委員長代理 安里積千代君。
○安里委員 沖繩総合事務局の事務所の設置に関し承認を求める件に関連してお聞きをしたいと思いますが、他の法案にも共通する問題だ、こう思っております。これらの法案は、いずれも地方自治法の百五十六条第六項の規定に基づいて国会の承認を求めるものでありますが、自治法の百五十六条第六項の規定によりますというと、行政機関、これと駐在機関を含む、これは国会の承認を受けなければ設けることができないということでありまして、行政機関の設置、そのことが国会の承認事項になっておるようであります。 ところで、この案によりますと、「別紙のとおり」ということで、その別紙によりますならば、設置しますところの行政機関のほかに、位置、それから管轄区域までも同時に承認事項の中に入ってきておるわけでございますが、これもやはり国会の承認を受けなければできない問題であるかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 御指摘のとおりに、まさに地方自治法の百五十六条の六項は「設けてはならない」ということでございまして、設けるということにつきまして国会の承認を得る、こういうことになっておるわけでございます。そういう意味からすると、設けるということでもいいのでございますけれども、この種の事案を従来の状況を見てみますと、その場合にやはりこの別紙のように名称、位置、管轄区域というふうなものを出しておる次第でございます。それはさらに、置くということだけでよろしいということでもいいのでございますけれども、一つの事務所を置くということになりますと、やはりその管轄区域というものが問題になってくるだろうし、また位置という点も問題になってくる。そういう点において、そこまで積極的に出しておるという状況になっておる次第でございます。第百五十六条の第二項で、その名称及び管轄区域は条例または規則で定めるという、そこまで積極的にやっておるというふうなところまでは、法律でそこまで承認を受けろ、こういうふうにはなっておりませんけれども、これはおそらく従来の慣例からいうと、そういう点が重要な問題になるということで、従来こういうケースにおきましては管轄区域等も掲げてあるというのが前提でございます。
○安里委員 従来の慣例がどうであったか知りませんが、どうもこれを見まして、私は非常に疑義を差しはさむものであります。そうしますと、この位置、管轄区域まで含めまして、国会の承認を得て設けたということになりますと、将来この管轄区域が変更になるというような場合でも、今度は国会の承認とは違った方向にいくとすれば、やはりこれも国会の承認を得ることを必要とするということになりますか。
○岡部(秀)政府委員 ここにそこまで出してありますと、やはりそういう観点で御承認を得ているということでございますので、これを変更するということになりますと、またそのときに承認を受ける、こういうことになると思います。
○安里委員 別途に出ておりますところの開発庁設置法の第十二条によりますと、「事務所の名称、位置、管轄区域、所掌事務の範囲及び組織は、総理府令で定める。」こういうふうになっております。一方の法律では、このような名称とか位置、管轄区域、これは命令で定める、そういうことになっておるのですが、これとの関係は、そうするとかち合ってきますね。これは立法府が行政府のやり方について一つの介入と申しますか、行政府令にまかされておるところのものを、今度は国会における承認でなければならない。事務所の変更をする場合にも国会の承認を必要とするということになりますと、これは行政府のやり方に対します非常な圧力というとおかしいが、介入と申しますか行き過ぎじゃないか、このように思うわけでございますが、管轄区域までもあわせて承認を受けた以上は、開発法その他の法令によって、所管官庁の命令あるいは所管大臣の権限に属しておるものを、国会の承認を経なければ変更もできないということになりますと、いまの御答弁からしますとたいへんまずい結果になりませんか。
○岡部(秀)政府委員 失礼をいたしました。 従来の慣例は、変わったときに、大蔵等の前例を引きますと、その場合はかけておらないというのが前例だそうでございます。
○安里委員 前例、前例と言われますけれども、悪い前例であるかいい前例であるか、筋の通らぬ前例でないか、こう思うのです。他の法律におきましても、労働基準局の問題でありましてもあるいはその他のものでありましても、この管轄区域それから位置、これはみんな所管大臣あるいは命令にまかされて、つまり行政府の行政の運営の機構、権限の中にあるはずであります。ほかの関係する同じような案件が出ております各省のお考えはどんなでしょうか。
○岡部(秀)政府委員 その設置するという場合に、設置をするということだけで法律上はよろしいという法的解釈でございます。ただその場合に、その名称、管轄区域等が重要な問題になるのでそれを出しておる。出しておるが、しかしそれは法律の上からいきますと参考という程度で出しておりますので、そこでこれの管轄区域、名称、位置というところまでが法律事項の範囲内には入っておらないということでございますけれども、従来その点を積極的に管轄区域や位置、名称まで出しておる。そこでこの法律を、今度は位置を変える場合は承認を得ますけれども、管轄区域を変える場合には、法律事項としてはそこまでいかなくてもよろしい、こういう解釈でございます。
○安里委員 私は非常に疑問があるのです。参考資料としてやっておるということでございましたならば、参考資料でけっこうだと思うのです。しかし、この承認を経る件は、明らかに別紙のとおり設置するということになりますので、別紙といたしましては、管轄区域も含めて国会の承認を受けておる。しかし設置するだけの承認でありまして、参考書類として、別途に資料として、こういうところに置く、管轄はこうするんだという行政府の参考資料ならば、これは問題ありませんけれども、私はどういう前例があるかはわかりませんけれども、それは純然たる法のたてまえからいたしまして非常にまずいのじゃないか。むしろ、積極的にいいますならば、行政命令あるいは所管大臣にまかされた事項まで国会の承認の条項に入るということ自体が誤りじゃないか。私は善意に解しもしたのです。 今度沖繩が復帰されることについて、いろいろな機関を沖繩に設けるという場合においては、これは大事なものだから、今回の場合におきましてはその設置位置とかあるいは管轄区域までも、沖繩復帰に伴う前例のないところのやり方であるので、今回は特に、地方自治体あるいはまた所管のものをある意味で制限した立場において国会の承認を受けたのじゃないか、特別の扱いじゃないか、こう思ったわけでありますが、そうではないのですな。
○岡部(秀)政府委員 この地方自治法の第百五十六条六項というのは、国会の承認がなければ設けてはいけない、こういうところに重点があるわけでございまして、第七項におきますと、ここに掲げてありますところのものについてはこれを適用しない、こういうふうになっておりまして、この第六項の重点は、設けてはならないのだが、国会の承認を得るというところに——承認を得て設ける、ここに重点がございます条文でございます。 そこで、その場合において、ここまで詳しく書かなくてもよろしい、よろしいのだけれども、その点が、管轄区域等というふうなものまで積極的に出してあるということでございますので、法的解釈におきますならば、管轄区域の変更等の場合において承認まで経なくてもよろしい、こういう法的解釈でございます。
○安里委員 その問題は、私としてはまだ釈然といたしませんけれども、別に災いをもたらすものではないと思いますので、質問をそれでとめておきたいと思います。 時間もありませんけれども、通産関係で工業品の検査所及び繊維製品の検査所などを置かれるようになっております。これはもちろん輸出に関係する問題でありますが、お聞きいたしたいのは、復帰後におきます沖繩の、貿易管理に関しまして当然沖繩にも適用になるということになるわけでありますが、その割り当て、そういったものに対します考え方というものがどのようになっておりますか、通産省関係でお聞きしたいと思います。
○仲矢説明員 繊維関係につきましてだけお答えさせていただきます。 繊維関係二つあるわけでございまして、一つは綿製品関係でございます。これにつきましては、ただいまのところ、いわゆる琉球政府とアメリカとの間に数量取りきめがございます。そのワクにつきましては、復帰とともに、現在本土側とアメリカとで協定しております数量の上に上乗せされるという基本方針が固まっております。これにつきまして、具体的にはただいま数量をどうするかという問題につきましては、米国側と協議中でございます。
○安里委員 いまのお答えの問題は、特別な、本土の従来のワク以外に別ワクを設けるという方向、数量の問題は別といたしまして、別ワク扱いをするという方針でやっておる、こういうわけですね。
○仲矢説明員 先生の御質問の趣旨とは若干違うかと思いますが、別ワクということではございませんで、従来本土が持っておりましたワクに、沖繩が持っておりましたワクを加えまして日本全体のワクになる、こういう意味でございます。
○安里委員 農林水産関係の輸出品についてはどのようになっておりますか。そのほうの検査というようなものが当然また行なわれる部面がございますが、農林関係にお伺いしたい。
○高須説明員 担当者がおりませんので、かわってお答え申し上げますが、農林水産物関係の輸出品の検査関係も、本土と同様に取り扱うことに相なると思います。
○安里委員 その場合の農林関係の出先機関というものは設ける必要はない、それはどちらのほうにおいて扱うことになりますか。
○高須説明員 農林省といたしましては、輸出品検査所を設けまして、本土と同じように実施いたしたいと思います。その場合、御参考までに申し上げますと、輸出品検査所は、自治法の御承認をいただくものの例外になっておりますので、この件については御承認を求めておりません。——若干訂正させていただきます。検査所そのものでなしに、輸出品検査所の分室を設ける予定でございます。
○安里委員 その分室は出先機関になりませんか。
○高須説明員 門司検査所の分室ということでございまして、従来自治法の、これは私ども直接解釈の権限を持っておりませんが、従来の一般の解釈からいたしますと、分室等の場合には自治法に当たらないというふうに聞いておるわけでございます。これは、私どもただ聞いておるだけでございまして、直接の責任者ではございませんので、責任あるお答えはちょっといたしかねると思います。
○安里委員 その疑問を持ちましたのは、この農林水産の輸出という問題これは沖繩の場合におきましても非常に必要と申しますか、輸出の振興ということが当然考えられてこなければならぬ問題でありますが、農林省関係にそのものがございませんので、私は一応疑問に思ったわけであります。分室を設けることが、出先機関のうちに入らないということであれば、これはまた別の問題として扱いたいと思っております。沖繩のいろいろ現実にいま起こっておるたくさんの問題がございまするけれども、次の機会に大臣の御意向を伺うことにいたしまして、終わります。
○西銘委員長代理 午後一時三十分より委員会を再開することにいたしまして、暫時休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後一時三十四分開議
○床次委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。質疑を続行いたします。西銘順治君。
○西銘委員 もうすぐ沖繩県になるわけですが、沖繩県は気象的に見て稲作の適地でございまして、二期作、三期作が可能であることは御案内のとおりであります。それにもかかわらず米の輸入県になっております。沖繩の消費全体を押えまして約十万トン、そのうち島内でできる米はわずかに一万一千トンしかないわけでございます。そういう中で、本土における稲作転換事業は、政府は沖繩で進めるのかどうか、進めるとすれば、どういう形で進められるのかお聞きしたいのであります。——まだ農林省見えておりませんから、あとで聞くことにしまして、次の質問に移ります。
○床次委員長 政務次官、間もなく来るそうですから……。
○西銘委員 次に、尖閣列島の領有権の問題についてお尋ねをしたいと思います。 尖閣列島の領有権は日中間の問題になっておりまして、政府、外務省は、従来歴史的に見て、中国の主張はその根拠が薄いということを主張されておるのであります。これに対して、従来の政府の見解からいたしますと、この尖閣列島の領有権問題は、日中国交正常化の話し合いの経過の中で解決されるであろう、復帰の時点において問題になるようなことは、トラブルは起こらないだろう、一貫してそういう主張をしてこられたわけであります。 ところが、ことしに入りましてから、台湾政府は尖閣列島は宜蘭県の一部であるということを同県に通告いたしまして、そういう情勢を反映いたしまして、アメリカにおける華僑の動きが非常に活発になっております。というのは、サンフランシスコ、シカゴ、またニューヨークにおけるわが国総領事館を通じまして、尖閣列島は中国のものであると、こういう主張をして、十五日の返還の時点においてこの運動を盛り上げようとしているわけでありまして、事柄は従来政府のとっておられるような楽観的なものではなくして、きわめて重要な時期を迎えた、かように考えているわけでございますが、これについての外務省当局の見解をお伺いしたいのであります。
○前田説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の動きにつきましては、私どももかねて承知しておりまして、そういう中国系の人たちの動き、さらにそういう学者等がいろいろな学会等の機会に意見などを表明してくる場合、またわが在外公館に対していろいろの意見を述べてまいる場合に、日本政府といたしましては、この尖閣列島の領有権問題について、かねてからのわがほうの立場、つまり歴史的、法的に日本国の領土であるということについて一点の疑いもない、こういう立場から、十分な資料も添えまして、そのつど解明につとめておる次第でございます。
○西銘委員 それは従来の見解を一歩も出てないわけですよ。尖閣列島はわが国の領土である、そういう主張をしたにとどまって、問題は、先ほども申し上げましたアメリカにおける華僑の動き、しかも尖閣列島内に台湾からの漁船の進出が最近に至って非常に目立っているわけです。こういう中で、ただわが国の領土であるという従来の歴史的な国際法上の主張ばかり繰り返して、こういう事態に対処する道はないのかということを聞いておるわけです。
○前田説明員 そういう中国側の主張に対しまして、わが政府といたしましては、わがほうの歴史的あるいは法的な根拠に基づいての十分わがほうの主張を裏づけるに足る資料を、国内向けにも、さらには中国に対するものを含めまして、外国に対する啓発資料、こういった従来のわがほう手持ちの資料を整理しまして現在準備中でございます。 他方、中国側の、ただいま先生の御指摘のございました二月に宜蘭県の一部に尖閣列島を編入した、そしてそこに調査団を派遣するとか、さらに管理所を設けるというような動きが伝えられましたことに対しましては、さっそく外務省のアジア局長から、在京の中国大使館の鈕公使を招致いたしまして、日本と国府との間のかねての歴史的な友好関係にかんがみ、中国側がかりそめにも尖閣列島に調査団を派遣するとか、あるいはそこに管理所を設けるというようなことをあえてするならば、これは大問題になることでもあり、日本と中国との間の友好関係をはなはだ阻害するものであるから、これを厳重取り締まるようにということを申し入れまして、先方はこれに対して善処を約束しておる次第でございます。
○西銘委員 そうしますと、いま在米華僑の動き、また台湾漁船のひんぱんな領海侵犯、潜入、いろいろあるわけですが、そういうことがすでにトラブルが起きている。こういうことに対する外務省の対処のしかた、たとえて申し上げますならば、琉球政府の警察の監視艇の燃料の補助でもやって、それを監視してもらうとか、また、復帰後においてはどうするのだというような打つべき手がそこになければならぬと思うのです。ただ、国際法的に、歴史的に見てわが国の領土である、ほかの国の介入は許さぬ。また、施政権者であったアメリカも、領土権の問題は当事者間できめるべきだというような、非常に冷たい態度になってきているわけです。こういうことで、何らか打つ手はないか、これを聞いているわけです。
○前田説明員 ただいま御指摘の、中国側の漁民が尖閣列島のまわりの海域に、かねて歴史的伝統的な漁場として出漁してまいっておるという事実は私どもも承知しておるところでございますが、これらが領海外で操業しております限りは、これは法律的に問題にならないわけでございますが、かりそめにもこれが不法上陸してくる、領海内に侵犯してまいる、こういう事態があってはなりませんので、この点につきましては、復帰後におきましてそのような事態が起こらないように、関係の当局、つまり海上保安庁、法務省、防衛庁等々関係の部署におきまして、復帰後のわがほうのとるべき措置、不祥事態の発生を避けるという趣旨から、たとえば海上保安庁のパトロールを強化してまいる、こういうような点をも含めまして、現に関係各省庁におきまして検討中でございます。
○西銘委員 お聞きしたいのですが、中国側の主張ですね、その歴史的な根拠になっているものが何であるのか。また、わが国の中でも、文化人の集団が、尖閣列島は日清戦争のときに中国から略奪したものであるというような見解を表明しておりまして、非常に困った問題でありますが、まず一つは、中国側のそういう領土権があるという根拠、それが何になっているのか、おわかりであれば御答弁いただきたいと思います。
○前田説明員 尖閣列島に対します中華民国政府及び中華人民共和国政府が主張する、つまり自分のほうの領土である、こう主張しておりますのについて、これは先方ははっきり言っておらないわけでございますが、いわゆる歴史的さらに地質的な根拠、こういうような言い方をしてまいっておりますが、従来、両政府ともその内容を必ずしも明らかにしておらない次第でございます。しかしながら、中国側において出版された新聞、雑誌等より推測いたしまするに、いわゆる歴史的な根拠と申しますのは、中国側の古い文献などに尖閣諸島の島嶼名が記述されているというようなことをさすものと解されますし、また、いわゆる地質的な根拠と申しますのは、尖閣諸島が地質学的に中国の大陸だなの一部である、こういう主張をさすものと思われます。しかしながら、これらの諸点は、いずれも尖閣諸島に対する中国の領有権の主張を裏づけるに足りる、国際法上の有効な論拠とはいえないものとわれわれは考えておりまして、そういった点をも含めまして、先ほど申し上げましたわがほうの啓発資料にもしかるべくその点をも踏まえまして、われわれとしては議論を展開したい、このように考えております。
○西銘委員 最後にお願いしておきたいことは、これはわが国固有の領土でございまするが、さっき申し上げたトラブルが具体化しそうな事態に入っているわけです。返還までは、アメリカが施政権者として当然その管理の責任に当たるとは思いますが、復帰ももう一月足らずでございますので、遠いことじゃございません。そういうトラブルに対処する体制というものを十分つくっていただくように、特別なそういう配慮というものが必要じゃないか、かように思っておるわけでございます。 荒勝局長が見えておりますので、さきの質問の答弁をお願いいたします。
○荒勝政府委員 お答えいたします。 沖繩が近く復帰するわけでありますが、農林省といたしましては、沖繩におきますサトウキビ並びにパインその他のものにつきまして、従来から、それらの沖繩の農業に占めております地位の重要性にかんがみまして、今後とも、さらに引き続き大いに振興してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○西銘委員 いま、分みつ糖の年間の生産は約二十万トン、ことしは干ばつでだいぶ減っておりますが、それに対しまして含みつ糖は約一万トン余り。分みつに対しましては事業団の買い入れ等、政府の特別な配慮で十分保護されている、かように思っておるわけでございます。 そこでお聞きしたいのは、含みつ糖の将来はどうなるのか、本土市場における見通し等についてお聞きしたいのであります。
○荒勝政府委員 御存じのように、沖繩におきます分みつ糖の生産のみならず含みつ糖の生産は、沖繩農業におきます、特に離島の問題として重要な地位を占めておるわけでございますが、ことしは沖繩におきましても干ばつの影響を受けまして、従来から沖繩におきます含みつ糖の生産量は年々一万二、三千トン前後あったわけでございますが、四十六年産の含みつ糖はわずか五千トンということで、非常に少なく見込んでおるわけでございます。含みつ糖に対する国内におきます需要量は、年間、相当強い、固定的な需要がございますので、これにつきましては、今後ともさらに沖繩の含みつ糖の育成をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 ただ、分みつ糖につきましては、糖価安定事業団による買い入れということが引き続き行なわれますが、含みつ糖につきましては、糖価安定事業団による買い入れの手続が、本土に復帰いたしましても、これはいろいろな事情から実行いたさないかわりに、われわれといたしましては、含みつ糖につきまして、従来琉球政府がとっておりました含みつ糖の原料となるべきキビの価格維持につきましては、従来と同様にキビの価格は維持するということで、その価格につきまして、一定の不足払いのような、資金を援助するような方向で行なってまいりたい、こういうように考えております。 そのための一つの手段といたしまして、含みつ糖対策の法人をつくりまして、その事務費につきましても援助するということで、四十七年度予算といたしまして七千二百六十九万八千円の予算を計上いたしまして、含みつ糖の育成に資してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○西銘委員 含みつ糖の買い上げのための法人の組織ですね、これはどういう形でこれが組織されて、どういう経路で流通のルートにのせようとされておるのか、それをちょっとお聞きしたいのです。
○荒勝政府委員 われわれといたしましては、民法法人ということを考えておるわけでございますが、大体いまの段階では社団法人ということで、名称等につきましては、現在琉球政府でいろいろ御検討中でございますので、どういう名称になるかわかりませんが、含みつ糖を中心とする一つの価格支持機関、こういうふうに御理解願いたいと思います。 含みつ糖をつくりますメーカーが、一定の政府のきめますサトウキビ代金で含みつ糖をつくりました場合におきまして、当然に、キビ代が一定の価格水準であります関係で、含みつ糖の売ります価格からいたしますと、若干の赤字といいますか、損害が出ますので、結論的には、その不足分を政府が補助金で支払うという形で価格の維持をはかってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○西銘委員 今度できる法人で、含みつ糖の全量を全部買い入れるということですか。
○荒勝政府委員 現物を買い入れるという形ではなくて、われわれの考えておりますのは、現在の糖価安定事業団が行なっておりますと同様に、瞬間タッチ方式といいますか、帳簿上の振りかえを中心としてやる、その部分につきまして不足払いを行なう、こういうふうに御理解願いたいと思います。
○西銘委員 今度沖繩に農林省の食糧事務所が置かれるわけでございますが、戦後、本土とは違いまして、流通機構が全然別個の形になっているわけでございますが、この流通機構を本土の基準に持っていくために、どういうふうな措置をとられようとするのか。ここ二、三年、現在の流通機構をそのまま置かれるのか。それについて農林省の見解をお伺いしたいのであります。
○森説明員 お答えいたします。 基本的な考え方といたしましては、現在ございます沖繩におきます米麦の流通を基準にいたしまして、五年間は、たとえば農協の不足払いですとか、それから消費者米価、生産者米価、そういうものを従来のとおり引き継いでいき、漸次本土の価格水準に合わせてまいります。それから、流通機構そのものにつきまして、直接国が買いますとか売りますとか、そういうことに切りかえるという考えは、ただいまのところ持っておりません。したがいまして、いまの制度をそのまま引き継いでいくということを基本に考えております。
○西銘委員 たとえば菓子製造業者がモチ米を、従来ですと卸商から全部とっておったわけです。復帰することによって、何とか食糧庁と直接に取引をしたい、こういう要望が現地側から出ておりますが、これについてはどうですか。
○森説明員 ただいまの御質問の件につきましては、確かに本土におきましては、直接政府が原材料用の米穀をそういう菓子業界に売却をいたしております。ただ、沖繩におきましては、その取り扱いが違っておるようでございまして、その辺は、一応従来の流通機構というものを考えながら、菓子業界の御陳情もいろいるあるようでございますので、流通が合理化されていくような方向で善処をしてまいりたい。ただ復帰に伴いまして、われわれ急激な変化をもたらすということは考えておりません。
○西銘委員 沖繩復帰対策の基本は、何と申し上げましても、あまり復帰することによって混乱を起こさないということが眼目だろうと思うのですが、漸次本土並みの水準に持っていくことはけっこうだと思うのです。ところが、急激にそういう流通機構が乱れるということになりますと、現地側の不満が爆発しまして非常に困る事態が起きてきますので、できるだけ、漸次本土の水準に近づけることはけっこうであると思うのですが、そういう点で現状の機構というものをあまり乱さないように処置していただきたい、これは要望しておきます。 次は米穀協会、卸業者のマージンの問題でございますが、現在精白米一トン当たり十五ドルというマージンが琉球政府によって決定されておりますが、ドル・ショックによって物価が非常に騰貴しているわけでございます。こういうことを勘案して、マージンについても検討するのかどうか、お聞きしたいのであります。
○森説明員 マージンの問題でございますが、これも毎年適正に審議会などにかけられてきめられているように承っております。復帰にあたりまして、私どもお米を売却をいたすわけでございますが、当然必要な経費というものをわれわれ算定をいたすことになっております。その算定の過程におきましては、十分現地の実態というものをよく調査をいたしまして、適正なマージンの算定を行なってまいりたい、こういうふうに考えております。
○西銘委員 次は、いま沖繩繊維業界、縫製品が主でありますが、原反を本土だけでなく、台湾、香港その他から入れております。この原反の輸入について、現地側ではこれが再輸出された場合、免税措置をとっていただきたい、こういう要望がございますが、これについての通産省の考え方をお聞きしたいのであります。
○仲矢説明員 ただいま先生御質問の免税措置については、私どもも沖繩の産業振興という意味から検討を進めてまいりたいと思っております。ただ、一般論として申し上げますと、手続その他の面でかなりむずかしい問題があるのじゃなかろうかと思いますけれども、先ほど申し上げました沖繩の産業育成の面から検討を進めてまいりたいと思います。
○西銘委員 免税措置をとられる場合、具体的にこれは戻し税でやるのか、保税地域を設定して、そこでやられるのか、そういう具体案があればお聞かせいただきたい。再輸出の場合の原反輸入ですね、本土以外の。
○仲矢説明員 具体的な問題になりますと、先生おっしゃいます二つの方法があろうかと思います。ただ現実問題といたしまして、保税という形でうまく処理できますのかどうか、繊維製品といいますのはどこの国でも同じようなものでございまして、そういう処理が現実に沖繩でどういう形でできますか、もう少し検討を進めてまいりたいと思います。
○西銘委員 国内の繊維行政の基準からすると、沖繩の業界というものは問題になりません。むしろ整理の対象になるようなものばかりでございますが、そういう点、国内繊維行政の基準ということではなくして、振興特別地区として何とかして沖繩の産業を見ていこう、できるだけの措置をしてあげようという立場から、なるほど国内繊維行政の基準に合わない点もたくさんあるかもしれませんけれども、そういう意味で繊維業界の要望等もいれられて、適切な処置をしていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
○床次委員長 美濃政市君。
○美濃委員 最初にお尋ねしたいことは、今回提案されております四つの承認案件のうち、総合事務局の機構と定員は資料をいただきましたが、これが事業のうち、琉球政府もこれに類することはやっておると思うのですが、いまの時点ですからおおよそでよろしゅうございますが、こちらからこの機構に伴って人員が派遣されるものと現地で補充されるもの、それぞれいま提案されておるものについて御説明をいただきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 現地におきます行政機関で、トータルでの定員は八千四十三名でございます。そうしてその八千四十三名のうちで、琉球政府から国へ引き継ぐ、琉球政府の現在の職員でこの出先機関へ引き継ぐというものが六千四百五十人、こういう数字でございます。個々の定員だけは差し上げましたその表で出ておりますが、それのうちに、さらに個々に何人かということは、いま盛んに作業中でございますが、いまここで各個々についてのお答えまでの資料は持っておりませんので、その点御了承願います。
○美濃委員 もう一つ、現地の事情をできるだけ行政に反映するということで琉球政府から本庁へ来る者、これはございますか。本庁へ入る人員
○岡部(秀)政府委員 あるいは本庁へ来る者もあるかと思いますけれども、いまのところ本庁へ来る者というもので、各省からその連絡が私のほうにあるのはございませんが、今後あるいはあるかもしれませんけれども、大体現地で出先機関の国家公務員になるというのがほとんど九九%といってもよろしいと思います。
○美濃委員 農林省関係でちょっとお尋ねしたいと思いますが、家畜の防疫関係、これらの機構なり、あるいは復帰時点から本土になるわけですから、向こうの防疫体制が整備されれば、たとえば肉牛を積んできてこちらで防疫検査をする必要はないわけです。これをやらなければならぬわけですが、それらの機構なりあるいは準備はどうなっておるか。 それからもう一つ、これは直接ではない、復帰とともに沖繩県に委託される問題だと思いますが、改良普及所の関係、この定数はどういうことになりますか。
○増田(久)政府委員 お答え申し上げます。 こちらに返還になりますと、十三名であそこに検疫所の支所をつくるわけでございますが、先生御存じのとおり、現在でも沖繩には検疫所があるわけでございます。したがって、現在でも牛肉が入る、あるいは牛が入るということで検疫をいたしておりますから、十五日から看板が変わって、十三名は国家公務員になりますけれども、業務はそのまま引き継がれて円滑に行なわれるものということに相なっておるわけでございます。
○美濃委員 普及所の関係はどうなっておりますか。
○増田(久)政府委員 私が答えるのもどうかと思いますけれども、御存じのとおり普及員というのは県の職員でございます。したがって、現在でも沖繩の政府には普及員というのはいるわけでございますけれども、返還になれば、それが沖繩県の職員ということに振りかわってそのまま行なわれる、こういうことに相なるわけでございます。
○美濃委員 それは前もって言ってあるんで、県の職員ですけれども、これはしかし、改良普及事業は、職員の身分は県であるけれども、経費その他については大幅に、普通の県の事務職員と違って農林省は見ておるでしょう。それらの定数が、いま琉球政府ですから、定数その他について、復帰とともにどういうふうになるのか。その定数は現在本土と同じ規模のものであるのか、それともふやさなければならぬのか。
○伊藤(宗)政府委員 全く本土並みの比重の定員で、普及員が六十五人、それから専門技術員が三人ということで、本土並みの三分の二の補助で復帰後は補助をすることになっております。——いま申し上げたのは、生活改善普及事業員でございまして、先生のおっしゃいました農業改良普及事業のほうは、専門技術員が九人で、普及員が九十人、それから私がさっき申し上げた生活改善普及事業のほうは、専門技術員が三人で普及員が六十五人、いずれも三分の二補助という本土並みの補助のしかたでやることにしております。
○美濃委員 そうすると、家畜防疫の体制は現在はどうなっておりますか。現在沖繩から来るものは家畜検疫所に入れているのか入れていないのか。現在すでにその点は向こうの防疫と検査を信頼されて、生体のものがこちらに着いた場合、これは検査の対象にしていないのかしておるのか。
○増田(久)政府委員 現在沖繩から来るものは検疫をいたしておりません。
○美濃委員 それではスムーズにいくということだと思います。 次に、いま蔬菜等の、等というのは、蔬菜の生産流通、ことしも大きく農林政策に出ておるのですが、私は沖繩農業を考える場合、単にサトウキビあるいはパインというものではないと思うわけです。たとえば宮古島あたりの温度になると、私は宮古農林学校あたりを見せてもらいましたが、トマトは一月末に多少色づく、いわゆる生育されるわけです。ビニールハウスでなくて、自然条件でそういう生育が得られるわけですから、あの立地条件、一戸当たりの経営面積等から考えて、亜熱帯の気候を利用する一定のそういう野菜の生産というものが当然開始されるべきであろう。また運賃はかかっても、ビニールハウスで生産するコストよりも運賃のほうが安いと思います。そういう条件を生かして、そういう生産を沖繩で開始するということになると、沖繩という条件を除いて、稲作転換その他だけで、本土のカラーだけでやっておると、総体として沖繩を含めた生産体制に欠けては困ると思うのですが、きょうも午前中総務長官の話ですと、やはり沖繩農業の振興はパインとサトウキビということで、いま言ったような面が、主管しておる総務長官の政策にまだ入っていないということです。この点は農林省としてはどう考えておるか。 それから、沖繩の気象条件を含めた蔬菜の生産体系というものを、もう復帰するのですから、計画にそれは考えるべきだと思うのです。そこらはどういうふうになっておりますか。
○荒勝政府委員 沖繩におきます野菜の関係でございますが、四十六年度の需給事情から申し上げますと、沖繩で産出されます野菜の総生産量が約七万三千トンくらいでございまして、輸出がわずか千二百トンばかりございまして、さらに沖繩におきましては野菜がやはり不足いたしておりまして、約一万九千トン前後の輸入がございまして、総需要量といたしまして約九万トンの野菜の需要量になっております。このように沖繩におきましては、現在の時点におきましてはまだ輸入といいますか、不足するような段階になっているわけでございます。 われわれといたしまして、復帰後におきまして、まずさしあたり沖繩の野菜をある程度自給ができますようにいたしたいということを念願いたしておりまして、さしあたり沖繩に野菜のモデル団地として二カ所、補助金もつけまして野菜の一つの団地育成をはかってまいりたいと、こういうふうに思っておるわけでございます。 このように、沖繩は亜熱帯といいますか、非常にあたたかい地帯でございますが、従来の経緯等からして、なかなか野菜の生産というものがそう簡単に伸びなかったという経緯等もございますし、また日本の内地におきましても、南九州方面の野菜の供給団地として最近ようやく軌道に乗ってきたようなかっこうでございまして、南九州の先例というものを今後よくのみ込みながら、さらに沖繩にもこういった本土との間の交通の便利化といいますか、輸送手段が今後伸びるということをよく検討した上で、今後さらに振興してまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○美濃委員 その今後というのはどういう期間ですか。いま私が指摘したように、特に夏野菜は輸送費の関係があるし、距離の関係で、ものによっては本土でなければ、沖繩で生産することがコスト高になって生産開始にはならないものがある。とにかく冬期間のものについてはかなりの生産開始ができると私は思うのです。そういう点を十分取り入れた経営方式というもの、たとえば、かなりいま肉牛がおりますけれども、私どもが行って見る沖繩の体系というのは、いまああいう軍施政の中で、全くそういう産業関係は放置されて、専業農家一戸当たり千五百ドルくらいの所得ということで、個人農家に入ってみるとまことに貧困な生活である。所得内容も全然違うわけで、復帰をすればああいう所得内容でおくことはできないということになると、いまやっておる全く副業的に何がしかの所得になればいいということで、少頭数の肉牛飼育もありますけれども、まあ基本的に肉牛で他産業並み所得をあげる構造なんかということになると、全く要素は変わってこなければならぬわけですから、草地条件その他を勘案すると、全くそういうふうに持っていくとすれば、もう沖繩農業構造なんかというのは、平均面積とか戸数条件とかいうものは、極端にいうなら積算温度やその他から見れば、ニュージーランドやオーストラリアのような畜産経営の規模にすれば、それは私はできると思います、牧草も伸びるんだし。しかしそういうことは沖繩の現実に合わない。そんなことを沖繩の島民は考えていない。小規模頭数でいまやっておるような経営条件というものが、本土に復帰して所得の向上となったときには、経営体系として、おそらく持続する意思が、特に若い人、後継者あたりはなくなっていくだろう、こう見ておるわけです。ですから、やはり亜熱帯の気象条件を生かせば、経営面積は小さくとも高反収の所得をあげ得る要素というものはあるわけですね。そこがやはりこれから沖繩農業振興の特質だと思うのです。 ですから、いま需給量に足りないと、こう言っても、いまの要素を基礎にして考える必要もあるけれども、しかし、いまの要素が、必ずしも沖繩農業あるいは復帰した場合の日本全体の経済の中で沖繩の農業に求めるものというのは、いまやっておる形態がそうなんだから、そういうものはそうならないのだ、そう伸びないのだというものではないと思うのです。その方法を変えていかなければならぬと思います。ですから、逐次というのじゃどうもちょっと納得できないのですが、そういう面の政策の検討なり企画なり、あるいはそれに伴うたとえば改良普及員が九十名おるといっても、現実でき上がっておる農業の指導者ですから、新たな着想、新たなそういう技術体験は改良普及員にいってみれば少ないわけですね。やはりキビとかパインとかあるいは一部でん粉はつくっておりませんけれども、食料のいわゆるカンショですね。そういうものの技術屋でありまして、新たなそういう着想に基づく技術指導をするという技術がないわけです。ですからそういうものを抜本的にやらなければならぬし、それからまたものによっては研究所、気候、風土、土地条件に合うか合わぬかといういわゆる研究所の試験研究を先行しなければならぬものもあると思うのです。こういう時代の早いときですから、復帰とともに明年度予算あたりで、そういうものの展望について必要なものはそれに対する着手をしていかないと、たとえば試験所の強化であるとかそういう着想に基づく、あるいは試験をしてみなければ、気候、風土に合わぬかもしれません。条件は合うと、こう想定しても。やはり現実には試験をして間違いのない体制を進めるということになれば、そういう構想の方向へ農業試験所の強化をはかっていかなければならぬ。技術員も派遣しなければならぬし、機構も拡大しなければならぬという問題が出てくると思います。そういう点の総合性をどういうふうに考えておるか。来年、すぐ復帰とともに四十八年で直ちにとは考えておりません。しかし、そういう確実な着想と企画と展望を持って、少なくとも四十八年度には、その方向へ試験開始なりあるいは一部もう指導しても間違いないというものは、指導体制なりというものを高めていかなければならぬと思う。徐々にというようなものの考え方ではテンポに合わないと思うわけです。そういう徐々にという考え方でおると、ややもすると産業体制が確立しませんから、所得との関係で、もうパスポートも要らなくなると、いわゆる本土の過密地帯へ特に若年労働が流れてくる、こういう現象が現在でも起きつつあるわけですから、これが復帰してパスポートも何も要らなくなれば急激に高まって、行政なり指導がおくれて、そういう手段を考えようとしたときには、もう沖繩の農村は過疎化してしまって、そういうことを行なう者がいなくなる。三年も五年もただいま申し上げたような着想なり行政手段なり指導なりというものがおくれていきますとそういう危険性が考えられるわけで、やらそうと思ったときにはもう島におる者は年寄りだけになってしまった、特に農村あたりはほとんど老齢化してしまった、もうそういう新しい農業経営に取り組む意欲の者は島にほとんどいなくなってしまう、四年も五年も計画だ検討だなんて言っておると、その間にそういう現象が起きるのではないか。去年宮古へ視察に行ったときもすでにそういう現象が一部起きておるわけですし、現在も起きつつあるわけですから、そういう点をどういうふうに考えておるか、どうしようとするのか。
○伊藤(宗)政府委員 先生御指摘の点は、一つ一つ沖繩の実情を踏まえられた御意見でございまして、全く同感でございます。先生のおことばにもございましたとおり、沖繩の農業をどうするかということは、沖繩の立地的条件、有利性を巧みに生かすことであるとともに、二十数年間にわたるブランクを、少なくとも本土農業に一日も早く追いつかせるということがわれわれ農政当事者の最大のねらいでもございます。したがって、一つ一つの御意見に全く同感でございまして、それなりにわれわれ農政当局者といたしましても、四十七年度予算にきめのこまかい配慮をしたつもりでございますけれども、なお先生の御意見を十二分に組み入れまして、沖繩振興開発特別措置法による沖繩振興開発計画というものに十分取り入れまして、なおひとつきめこまかく配意をして、また一日も早くそういう本土の農業に追いつかせるように、また追い越すように、そういう農政の配意をしたいと思っております。
○美濃委員 次に米の問題を若干承りたいと思います。 第一点。沖繩の米の生産事情は、もう申し上げるまでもない量でありますが、これは生産調整を持ち込む考えがあるかどうか。私どもとしては、あの程度の米だから、いまあの程度の反別に生産調整の必要はないと思いますが、しかし最近米が余るということで、農政の中で米を目のかたきのようにしておるわけですが、生産調整を持ち込む意思があるのかないのか。
○伊藤(宗)政府委員 先生御指摘のとおり、沖繩に生産調整をストレートに持ち込む考えはございません。ただ、いわゆる本土と同じでございますので、農民の方々の自主的な御希望で、本土と同じような生産調整をしようという方があるならば、本土の農家の方々より不利にならないような措置はしていきたいという心組みはしておりますけれども、先生御指摘のとおりでございます。
○美濃委員 次に取り扱いの問題について二、三お尋ねしたいと思います。具体的にもうきめられております、いわゆる従来の実績で米を取り扱うというのですが、特に生産者米価、消費者米価ともにどういうふうに取り扱おうとするのか、その方向をお知らせ願いたいと思います。
○森説明員 復帰後の沖繩の島産米の取り扱いにつきましては、従来どおり農協の買い入れを通ずる不足払いを実施することとしておりますが、その場合の農協の買い入れ価格につきましては、復帰後五年間、復帰時におきます買い入れ価格を基準にいたしまして、その後の本土におきます、もし生産者米価、政府買い入れ価格の変化がございますれば、その変化の割合を参酌してきめるという考え方でございます。 それから消費者米価につきましても、復帰時におきます価格を基準といたしまして、やはり同様な考え方で対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 いま考えております復帰時の予定価格、それは復帰時までには経済ですから多少動くことはやむを得ませんが、現在の価格でもよろしゅうございます。あるいは四十六年度産の処理された実績価格でもよろしゅうございます。
○森説明員 ただいまのお尋ねの件につきまして、若干最近事情が変わってまいりまして、沖繩におきます支持価格が三百八十ドルでございました。最近四月八日に琉政で告示をされまして四百四十四ドルに引き上げられておるわけでございます。これをかりに基準の価格で換算をいたしますれば、十三万六千七百円程度になるということでございます。 消費者米価につきましては現在二百六十ドルということでございまして、これを換算をいたしますと八万円ということになるわけであります。
○美濃委員 この四百四十四ドルという告示は琉球政府がしたわけですか。
○森説明員 お尋ねのとおり、四月八日、今月でございます。
○美濃委員 それは今年度産生産者米価ですね。
○森説明員 去年の十一月一日から遡及適用するということで告示されたものであります。
○美濃委員 三百八十ドルですとかなり生産者米価との差が出るわけでありますが、四百四十ドルで、何か沖繩の米はいわゆる本土で言う上位等級の米は少なくて、四等米ですか、ちょっと等級が一等級くらい下がるようですね。それらの質等も勘案して四百四十ドルというのは、現在政府買い入れ米価、生産者米価から見た場合の差はどうなりますか。
○森説明員 品質的に見ますと、大体一番近いのが五等じゃないかという見方があるのでございますが、本土におきます五等の価格をちなみに申し上げますと十四万七千百六十四円ということでありまして、これに比べますと、ほとんどもう大差はない状態になっておるのではなかろうか、こういうふうに考えております。
○美濃委員 これはどうですか。本土の生産者米価がきまると、復帰とともに、四百四十四ドルがいま琉球政府が告示している価格ですか、この告示は農林大臣が行なうことになりますか。復帰時点はそれは継承するとして、復帰後においては事後の措置はどうなりますか。補給金を出すわけです。どうなりますか。
○森説明員 この価格は農林大臣がきめるということになっております。
○美濃委員 そうすると、同じ農林大臣がきめるのであれば、将来は、等級があるわけですから向こうの米に五等米が多ければ五等価格になるわけです。等級がきまっていくわけです。ですから、生産者米価は同じ価格で農林大臣は告示するということになるか、これは補給金だから差別をして、別の価格で告示をするということか、どうなりますか。
○森説明員 ただいま考えておりますのは、いま四百四十四ドルという農協の買い入れ価格をどういうふうに円に直していくかという問題はございますけれども、いずれにいたしましても、それをそのまま復帰時の価格というふうに考えまして、それを農林大臣としてきめてまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○美濃委員 こういう問題が出てくると、政策上片や賃金とか消費的な立場に立つと、三百六十円を堅持せよ、こうなりますし、こういうものを算定するときは、ちょっと間違っておるかしれませんが、三百六十円で計算するより三百八円で計算したほうが、生産者米価は有利になるのじゃないですか。こういう一つの問題が出てきますが、ここら辺、三百六十円は何かいろいろ復帰時点までの約束事項にもなっておるようでありますが、三百六十円をとることと三百八円をとることによって、非常に損得が起きてきますが、こういうものを計算するときは、一ドル三百八円で計算すれば円価は高くなるのじゃないですか。そういうふうに計算するのですか。どうなりますか。三百六十円と三百八円を沖繩島民の経済に適用する場合、どちらが有利なように適用するという考えか。これはどうなりますか。
○森説明員 全体の法律の体系の中の一つとして、食糧管理に関する特例がきめられておるわけでございますから、全体の中の、全体との調整は当然必要かと思います。したがいまして、関係各省とも十分協議をいたしました上できめたいと思っておりますけれども、買い入れ価格が四月に改定されたという事情も考えますと、むしろ一般的な三百八円でという考え方を、私どもとしてはいまのところは持っております。
○美濃委員 これはいま復帰前ですから、ここで結論的なことは申し上げませんけれども、生産者米価はやはり同様にする要があると思います。一万トン切れる米です。八千トンか九千トンの米ですから、一つは政府が直接買わないにしても、同じ農林大臣が同じ日本人に告示して扱う米に、何のために二重価格をやらなければならぬか。しかもそれが生産規模でも大きくて、どう計算してみても本土の米よりも生産コストがかなり違うというのであればいいですけれども、これは沖繩県にこういうことを適用すると内地はどうしますか。各県のコストで米の価格を変えるのですか。消費者米価は消費の実態によって、当面二百六十ドルで据え置くということは賛成です。これはいいと思いますけれども、生産者米価について何もトン当たりしぶるほどのものじゃないのじゃないですか。こういうことを行なうとこれが前例となって、各県別米価だというようなことになりますか、どうなりますか。各県の米の価格で告示する、こういうことも将来考えるのですか。
○森説明員 特例法の中で、現にあります価格に相当する額を参酌してきめるというふうになっております。したがいまして、現にある価格四百四十四ドルということを円に換算して出すということで考えておるわけでございまして、別に、特に沖繩県に対して不利な扱いをするとか、そういう考え方、あるいは個別に県別にということでなしに、全体として、ただいま申し上げましたように、消費者米価は従来の水準で据え置くということの関連もございますから、そういう形で、法律できめられておるというふうにわれわれは理解しておるわけであります。 先ほど先生に申し上げましたように五等になりますか、あるいは等外という、これはどうかと思いますけれども、いずれにいたしましても十三万と十四万ということで、ほとんど違いがなくなってきておるという実情からしますと、別にいまの法律で規定されております考え方を実行に移しましても、あまり矛盾は生じないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○美濃委員 ちょっと、ことばですが、一トン千円以下の差であれば、ほとんど大きな差でないから、そう大きな影響はなかろうという表現は了解できるが、一トン一万円違って、ほとんど接近したからそう差はないという表現はどうかと思います。そういうふうに考えるべきではないのではないか。従来の実績踏襲とか、その他の要因で説明されるのであれば、これは私どもの感覚と違っても——しかし基本米価が一トン一万円違って、そう差がないというのは私はおかしいと思うのです。それは大きな差ですよ。二万、三万違うのから見れば、それは差は接近したかもしれません。一トン千円以下の差に圧縮されておるのであれば、そう差がないといういまの表現は一応その表現なりに聞きとれますけれども、一トン一万円違って、価格差が圧縮されて、そう差がないという表現はこれはどうかと思います。 次に、沖繩の一番大きな農産物であります砂糖について若干お尋ねしたいと思いますが、これは、復帰とともに現在まで行なってきた生産がどういうふうに変わるか。いわゆる糖安法の適用のしかた。いままでは施政権が違っておったのであります。あるいは砂糖類事業団の買い入れ等について復帰前と復帰後と——ことしは五月十五日復帰して、四十七年度産の砂糖は農林省が直接やることになるんでしょう。琉球政府じゃないわけです。その差はどういうふうになってくるのか、その説明をしていただきたい。
○荒勝政府委員 四十六砂糖年度までの分につきましては、いわゆる沖繩産糖の買い入れに関する法律という法律をもちまして、いわば一種の外国の砂糖というふうな扱いになっておりまして、本土で沖繩産糖を買っておったというかっこうでごございます。それに対しまして、今後は従来の糖価安定事業団によりまして国内産糖を買っておったと同じような手続きになりますので、現地のほうで沖繩でできます粗糖を買い入れる、こういうふうに多少取り扱いは異にされるわけでありますけれども、実態的にはほとんど従来と大差のない姿勢で今後沖繩産糖の育成をはかってまいりたい、こういうふうに考えております。
○美濃委員 サトウキビの価格は農林大臣が告示することになりますか。
○荒勝政府委員 サトウキビの値段につきましては、従来から、内地におきます奄美のサトウキビの値段を農林大臣がきめまして、その値段を基準といたしまして沖繩産糖の買い入れ価格をきめてきたわけでございます。その際、サトウキビの値段は、奄美で採択いたしますキビの値段をそのまま沖繩に適用できますように、琉球政府を通じまして、基準価格といいますかサトウキビの値段をきめておった次第でございまして、ほとんど同一の価格水準できめてきたようでありますけれども、内地は円価格できめましたし、沖繩産糖の場合のキビの価格はドル建てできめられておったというふうな多少の違いはございます。
○美濃委員 この二十万トンの砂糖を生産しておるわけですが、これは、今後いつまでも粗糖で扱うという方針なのか、二十万トンの粗糖があれば精製をやるべきだと思うのです。先島や何かのほうは粗糖で、沖繩本島に精製糖工場をつくって幾らかでも砂糖を仕上げて、たとえばいささかのメリットでも沖繩の農民に出るようにするのが政策じゃないかと思うのです。どうですか、今後のお考えは。私は精製糖工場をつくって精製糖にすべきだと思うのです。いかがですか。
○荒勝政府委員 沖繩で産出されます粗糖は、従来約二十万トン前後、というよりも強ぐらいあったわけでありますが、そのほかに含みつ糖という砂糖がございまして、それを粗糖の段階で二十万トンの粗糖を日本の糖価安定事業団で買い入れるという形であったわけであります。復帰を前にいたしまして、ただいま御指摘がありましたように、沖繩におきましてもやはり砂糖の消費があるということ等から、一部の精糖工場におきまして精製糖をつくることを認めまして、大体沖繩で消費されるであろう砂糖の分について、精製糖にしてもよろしいという考え方で現在指導しているわけでございます。
○美濃委員 現時点でとりあえずそれをやった。将来、将来といってもそう長い将来を意味するのではないのですが、いつまでも沖繩の砂糖を沖繩で精製するということはだめなんですか。私ども聞いておると、認めるとか認めぬとかいう表現はちょっとわからないのですが、どうして植民地的に粗糖でなければだめだと押えつけなければならないのか。精製糖にすることがどういう損失があるのか。粗糖にして押えつけておくことがどういう有利性があるのか。
○荒勝政府委員 われわれといたしましては糖価安定法という法律があるものですから、現在沖繩糖につきまして粗糖で買ったり、今後さらに精製糖という形の過程も踏むわけでございますが、問題は需給事情で、沖繩の現地で生産され、かつそれがさらに消費される分が二、三万トンぐらいのところでよかろうという形で指導しているわけでございまして、今後粗糖をどうするかということにつきまして、ただいま御指摘がありましたように、現地で精製糖にしてこちらまで持ってこられるということもあるいは適当であるかもわかりませんが、われわれの見ている段階でいきなり全量そういう形になったといたしましても、販売網の整備とかあるいは加工段階におきまして、沖繩産糖で加工した場合に、内地で精製したほうが加工賃が安い。こまかい計算ではございませんが、三、四円ぐらい精糖コストが沖繩で精製した場合のほうが高いということで、われわれとしましては、こちらへ持ってきたほうが流通コストが安くなるのではなかろうかという形で現在指導しているというふうに御理解いただきたいと思います。
○美濃委員 いまのお話はそれなりに承っておきますが、沖繩で精製した場合にコストが高くなるということは、こちらの精製糖企業の設備とか、新しくつくれば精製糖工場の償却の問題とかなんとかいうことで、一時的にはそういう問題が出るかもしれませんが、基本的には将来としてどう考えますか。
○荒勝政府委員 御存じのように、日本におきます精製糖の工場は非常に多数ございまして、御存じのように競争が激しい段階でございます。したがいまして、現在におきましても逐次、精製糖の極力省力といいますか、合理化工場をつくるという方向で、さらに端的に申し上げれば、無人工場をつくるというくらいな形で二十万トン工場、あるいは三十万トン工場というふうな、一日当たり千トンというような非常に大型の合理化工場が内地で建設され、あるいは今後建設されるであろうというふうに理解されておるわけでありますが、沖繩におきます全体で約二十万トン前後の粗糖を、たくさん現在の沖繩でつくられています製糖工場でそれぞれ精製糖にされておったのでは、やはり今後の問題としても操業コスト等の違い等がありまして、コストとしてそう安くなるとは期待できないのではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。
○美濃委員 次にパインの問題をちょっとお伺いしておきたいと思いますが、いつも、これは沖繩だけに限らず、絶えず日本農業は自由化というものに脅かされておるわけです。パインも合理化をすれば大きな影響が起きると思うのですが、この関係はどういうふうに考えておりますか。
○荒勝政府委員 パイナップルのかん詰めにつきましては、復帰後におきましても、従来と同様の形で、農林省といたしましては沖繩のパイン農業並びにパイン産業を育成してまいりたいと思っております。 したがいまして、昨年来の農産物の自由化問題の取り扱いにつきましても、沖繩のパイナップルは沖繩の農業において重要な地位を占めておるという観点から、パイナップルかん詰めの自由化は、農林省としては見送った次第でありまして、この姿勢につきましては、今後自由化する考えは現在の時点においては何ら持っていないというふうに御理解願いたいと思います。 さらに、沖繩パイン産業の合理化というものがただいま進行途上でありますしいたしますので、関税につきましても、国内におきます議論としましては、関税を下げるべきではなかろうかという意見もあったわけでありまするが、従来と同様に五五%の関税率を当分の間維持してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○美濃委員 以上で質問を終わります。
○床次委員長 次回は、来たる二十五日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会