沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号
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- 4
- 開催日
- 1972/03/17
会議録
○床次委員長 これより会議を開きます。 沖繩及び北方問題に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷鉄也君。
○中谷委員 総務長官にお尋ねをいたしたいと思います。 数日前に予算委員会においてお尋ねをいたしましたが、沖繩の人口動態に関連をしてお尋ねをいたします。 一九六九年の総人口が九十七万六千、一九七〇年十日十日においては沖繩の人口は九十四万五千と、明らかにこれは減少であります。そういうふうな中で、沖繩の長期経済開発計画によりますると、一九七一年九十九万二千、一九七五年百三万一千、一九八〇年百九万一千、こういうことに相なっているわけであります。 そこで、さっそく具体的な問題についてお尋ねをいたしたいと思いまするけれども、このような人口動態の推移の中で適切な措置がとられない限り、沖繩におけるところの人口の減少、特に若年労働者の減少ということは憂慮すべき事態に立ち至るだろうと思うのであります。 そこで、具体的な問題として本日お尋ねいたしたいのは、次の点であります。 就職の自由、居住、移転の自由というのが何人にも与えられているわけでありまするけれども、将来の沖繩におけるところの、復帰後における沖繩における職業あっせんその他については、本土と異なる方法を用いなければ、本土に対する復帰後の人口流出というものは一そう拍車をかけることになるのではないか、こういうような感じがいたします。しかし、そういうことは、私自身が援用いたしましたように、就職の自由、居住、移転の自由というふうなことで、沖繩における労働行政、職業安定行政の中において特段の配慮、要するに本土流出をしないような配慮、逆に言いますると沖繩に若年労働者が定着するような配慮、本土に流出しないような配慮というふうなことが許容されるのかどうか、許されるのかどうか、この点について総務長官の御見解を承りたい。
○山中国務大臣 冒頭に述べられました琉球政府の調べました人口と、本土政府が国勢調査と同じ方法で調べました九十四万五千百十一名、これとは食い違いがございまして、やはりこの人口の数は、国勢調査方式で本土政府のやったのが正しいとお受け取りを願いたいと思います。しかしながら、それにしても、やはり琉球政府の十カ年計画の見通しの最終年度における人口というものは、いまおっしゃったように、私としてはその目標達成はきわめて困難ではないかと思っておりますし、そうなってしまうと、計画の設計あるいはその設計の推進者というものも——ことに若年労働者に代表される働き手が流出をするという事態につながるわけでありますから、これはきわめて憂慮にたえないところであります。 そこで、沖繩において予想されるそのような就職機会の増大、あるいは再就職のための訓練手当その他の配慮につきましても、本土について同じようにとられておる措置の最高の配慮をいたしました。すなわち、駐留軍離職者あるいは炭鉱離職者あるいはまたそれらのからみ合わせによって、中高年齢層の就職促進、こういう手段をとったのでありますが、復帰後は出入域の壁が完全になくなりますから、そうすると、原則論としては本土に職業を求める者にも同じように見てあげなければならないということに理論上はなるのですけれども、そのようなことを私も中谷委員と同様心配をいたしておりましたので、雇用主が求職手帳、失業者手帳を持っておる者を雇用した場合に給される雇用促進手当、これについては沖繩県内における企業主については与えられますけれども、沖繩県の者が、いろいろな就職促進やあっせん等によって支度金まで持って本土においてその職場を求めた場合には、本土の雇用主にはそれを与えないということにおいて、これは就職機会の平等その他からいえば、なぜ差別するのだということにつながるおそれもありますが、やはり沖繩の労働力を本土に流出させることの脅威ということを考えた場合に、その点は御理解を願うことができるだろうと私は考えて、本土雇用主に支給される沖繩の手帳所持者に対する、ある意味では当然してあげなければならない雇用促進手当は、その対象から排除をいたしております。 なお、実際の就職のあっせんその他についても、現地に雇用需要の喚起をすることはもちろんでありますが、その間の訓練、指導等について、なるべく沖繩県内の産業経済のにない手になるような訓練の方向で進めていきたいと考えております。
○中谷委員 総務長官あるいは対策庁の長官のほうからお答えをいただきたいと思うのであります。 沖繩における第一次産業の比率が一〇%を割っている、九%程度、第二次産業が一八%を下回っている、第三次産業が七〇%を上回って、七五%まではいかないけれども七五%近くというふうな比率を示している、こういうふうな状態であることはもう共通の認識であります。そういう中で第一次、第二次、第三次の産業構成というふうなものが、どのような比率を何年度において達成すべきであろうか。それと、復帰後の沖繩における人口の流出を防ぐ、要するに過疎県沖繩にならない、こういうふうな観点から振興開発計画というものが策定せられなければならないことは言うまでもない。といたしまするならば、復帰後におけるところの当面の施策としてどのようなものが考えられるか、企業の誘致、その他第二次産業の育成ということが一般的にいわれているのでありますけれども、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。特に第一次、第二次、第三次産業というものの比率が、どのような年次においてどのような構成を持つべきであろうか、これは、本来、沖繩県において振興開発計画の立案の素材がつくられるべきであることは言うまでもありませんけれども、それらについての一つのビジョン、見通しについてお示しをいただきたい。
○山中国務大臣 ただいまお述べになりました第一次、第二次、第三次産業のパーセンテージは、これは従事者数ではなくて、沖繩の所得の中に占める分野でありますから、その従事者数の裏に、さらにその所得が高率の第三次産業、低率な一次産業あるいはまた不均衡な二次産業、その裏にまた従事者が、本土と比べて特異な一次産業は、それだけの所得を上げるのに本土よりも多い相当な数、あるいは三次産業については、やはり本土よりも多い従事者でありますが、その実態は、基地経済依存の実態から三次産業的なものが非常に大きなウエートを占めておる形にやむなくされておる、こういう背景を持っておるわけであります。 そこで、やはり一次産業については、現在の沖繩の立地条件を生かして、農林漁業、林はあまりありませんが、農業、漁業について、たとえば沖繩のくり舟をすみやかに近代化する、近代化しても港がないから、漁港の整備については五カ年で本土各県並みの漁港整備を全額国庫補助で行なうというような施策をすることによって、漁業者あるいはまたパイナップルあるいはサトウキビその他の園芸蔬菜等を組み合わせることによって、沖繩の一次産業の中の大きな柱である、そういう農村に居住しつつ所得の向上をみずから努力し、またその目標を自分たちの希望として持てるような、そういう努力をしていきたいと思います。 二次産業については、やはり雇用労働市場に非常に貢献をする企業というものに本土から行ってもらいたい。場合によっては、外資も必要であれば、そういう沖繩に対して非常に効果があると思えば考えなければなりませんが、しかしながら、現在沖繩に進出しております石油産業を中心の企業というものは、これは環境問題その他から考えても、復帰後の沖繩について石油産業の進出はもう許してはならない、CTSだけであって、もう拒否すべき限界点に達しておると私は見ておるわけであります。したがって、造船とか内陸、弱電とか、いろいろそういうような非常に人手を多く雇うようなものが現地に行ってもらいたいということで、いま努力はいたしておるわけであります。 一方の三次産業については、これは先ほど申しましたとおり、特異な形態として沖繩にそのような発展を遂げてきたわけでありますので、これらを、基地が一ぺんになくなるというふうにはなりませんから、この面からいえば、全員が職場を失うということにはなりませんが、これは徐々に平和産業の中に、できれば三次産業になれた人たちですから、そういう就職転業の機会を得られるようにしてあげなければならぬ。その意味からは、やはり海洋博覧会等の開催も間近に迫りますので、観光立県が沖繩の一つのスローガンでありますから、そのような方面における三次産業の分野で新しい進路を見出してほしい。そういうことについては、いま御審議を衆議院で願っております開発金融公庫の中で、そのような方々に対する特別の転廃業資金というものを準備して、新しい出発をしたいといわれる方には、手当てをできるように一応いたしておるわけであります。
○中谷委員 内陸的、労働集約的第二次産業企業ということはもうすでに指摘をされている点でありまするけれども、具体的にそのような性格の企業が、復帰後の沖繩にどの程度進出が予想されているか、誘致が予想されているか、具体的な企業の名前等を、努力しておられるものを含めてあげていただきたいと思います。特にそれらの企業誘致にあたってのネックになるもの、すなわち、電力の質と水の量、これらの問題について、企業が沖繩に容易に進出をしない、企業誘致に努力をしてそれがうまくいかなかった、それらの具体的な理由は一体どこにあったか。おおむね私は電力と水、そうしてその他工場の立地等に問題があろうかと思いまするけれども、しからば、それこそ条件というものをどのように整備するのか、このような問題について、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 具体的な例で申しますと、糸満にすでに膨大な敷地を取得をして、もう二年ほど前に復帰の準備をいたしました松下電器産業、これは水とか電力の関係と関係なく、ドル・ショックによる進出不可能で、いま見合わせておる状態である。まあ電器産業としては、ドル・ショックばかりでなくて、やはりアメリカのテレビその他の家電製品に対するきびしい締めつけ等も伴っておるようでありますが、その意味で、土地は取得したものの、企業として進出するところになかなか環境が許さなくなってきてしまったというような点があるようです。さらに川崎重工が造船所を計画いたしておりまして、当初私どもは、八月下旬の段階で、大蔵に、沖繩開発金融公庫の融資の対象として考えておりました事業の中に、明らかに川崎重工の造船所に対して融資すべき金額、金利その他の返済条件等も予定をいたしておりましたけれども、これは完全にドル・ショックによって——まあその後の円切り上げによってもちろん衝撃が加わったわけでありましょうが、川崎重工のほうから通産省を通じて、せっかく沖繩に行く準備をしておったけれども、もうしばらく見合わせてほしいということになったわけであります。さらに沖繩アルミについては、中心となる日本軽金属が依然として情熱を持っておりますし、進出のためのボーリングその他もいたしておりまして、ほぼ金武湾の立地条件も確定をしたようであります。しかし、一応沖繩アルミとしては、当初四分の金利を予定いたしておりましたものが、開発金融公庫の金利では五分になりました。したがって、それらの点、さらにまた法人税を当分の間免除をしてほしいということも、そこまでのめんどうは見れないということになりました。しかしながら、進出する意欲については変わっていないということを直接私も聞きましたので、それならば、あと何か問題があるかということで、融資比率あるいはその後の原料非課税等によっておおむね解決できるものと思っておりますが、電力料金は、全体として沖繩の現在の卸売り価格を据え置くということを政策の重点といたしておりますから、五配電を含めた小売り価格も、現在は幸いにして本土とあまり変わりませんので、この点は何とかやっていけると思っております。 水力のほうは、これは幸か不幸かアルミのほうは相当水を使いますが、しかし、実際に稼動し始めるのは少し年次が先になりますので、これはダムからの送水が始まって、工業用水としての応分の負担をしてもらえば、これによって水の問題は沖繩アルミだけであれば解決すると思っておりますが、全体としては、安波川、普久川等全体を含めた突貫工事をやることによって、工業用水確保の万全を期していきたい計画を持っております。
○中谷委員 それでは、話が少しこまかくなりなすけれども、対策庁のほうにお答えいただきたいと思いますが、その前に、電気の質の問題については、それがネックになっておらないということが確定的であるならば非常に私はけっこうなことだと思うのです。 そこでお尋ねしたいのですが、川崎重工、松下ナショナル、それから沖繩アルミすなわち日本軽金属、これらの企業が計画どおり誘致された、工場立地したという場合に、それぞれの生産規模、そして就職する雇用の従業員数。それと日本軽金属、松下ナショナル、川崎重工業の関連中小下請がどの程度予想されるか。したがって、それらに直接雇用される労働人口と、関連下請の、そのことによって予想されるところの労働人口、どれだけが就職機会を得るか、これらの点についてひとつ資料がありましたら対策庁のほうからお答えいただきたいと思います。
○岡部(秀)政府委員 その点の具体的な計画資料は、まだできておらない状況でございます。
○中谷委員 ナショナルだけはわかっておるんじゃないですか。
○岡部(秀)政府委員 まだ私たち承知いたしておりません。
○中谷委員 ですから、これは企業が経済の論理、資本の論理ということで、特に全般的な民間設備投資が鈍化している中において、沖繩進出を見合わせたという事情ではありまするけれども、一体、日本軽金属が来た場合にどれだけの——労働集約的なものとしてアルミというものをとらえておるならば、ことに労働集約的という点からいいますと、家電企業のナショナルというものはかなり若年労働者を雇用する。しかし一体どの程度ナショナルが雇用するのか。同時に、そのことによって、下請がどの程度あるいはまた関連産業がどの程度沖繩において興るかというふうなことは、当然資料としてお示しいただくべき筋合いのものだと思うのです。この点については委員会において問題点を指摘いたしましたので、そのような点についての試算等を含めた資料をお願いしておきたいと思います。 そこで、与えられた時間の後半を、防衛庁の防衛局長さんと、それからそれに関連をして、あらためて総務長官にお尋ねいたしたいと思います。 久保さんにお尋ねをいたしますけれども、自衛隊の沖繩配備が必要不可欠なものではなくて、むしろ、沖繩に自衛隊を配備すべきじゃないという点については、もう繰り返し繰り返しわれわれは指摘をしてきたところであります。そういうことを前提にしてお尋ねをいたしますけれども、中村陸幕長が、沖繩への自衛隊の配備は延期すべきだということについての意見を具申した旨のことが報ぜられております。そこで沖繩の自衛隊配備というのは、この機会に防衛庁の原案とも思われるべきものがあれば、どういうことに相なっておるのか、あらためてお答えをいただきたいと思います。最初の質問はそういう質問にしておきたいと思います。
○久保政府委員 沖繩への部隊配備については一切私は承知いたしておりますが、陸幕長からそういう提案があったことは全然存じておりません。 それから、防衛庁のいまの考え方と、若干動きつつある情勢を申し上げてみたいと思うのですけれども、五月十五日の返還日から、直後大体一週間ないし十日ぐらいの間に、陸海空合わせまして約六百名持って参りたい。それから、もう少し詳細に申し上げますと、陸上自衛隊につきましては、七月の当初に約千百名、これは大体その数字でまいりますが、四十八年の三月の末にホークの部隊含めて千八百名という計画であります。海上自衛隊につきましては、十月の初めに基地隊をつくりまして約二百名足らず、十二月の初めに航空隊を編成しまして、これが約四百名、航空自衛隊につきましては、七月の初めに混成団をつくりまして、これが約五百名、十月の初めにF104Jを持ってまいりまして、これで約千四百名になるという計画でありました。 ところで、こういった計画について、現地の情勢でありますとか、いろんな関係を考慮いたしますると、私どもはいわば沖繩の防衛といいますか、そういった見地から、整々として部隊を配備すべきであるという観点に立っておりましたけれども、やはりある程度テンポを落としたほうがよろしいのではないかという観点に立ちまして、検討をし直し始めているところであります。
○中谷委員 では、問題点になりそうな点をお尋ねいたしますけれども、先ほど防衛局長が御答弁になったのは、中村陸幕長が十六日、昨日ですね、一言で言えば、返還直後に沖繩に部隊を現地入りさせることにはかなりの抵抗があるので、部隊配備をおくらせるのが得策である、あるいはまた別の報道によりますると、沖繩返還直後の陸上自衛隊の配備は、県民感情から見て混乱を招く公算がきわめて強い、こういう時期に陸上自衛隊が移駐を行なうのはどうかと思うと述べ、次官を通じ、返還直後の陸上自衛隊配備を延期するよう長官に意見具申をする考えを明らかにした云々という報道がありますが、こういうことを局長が存じていないということは、そういう中村陸幕長の意見具申がないのだという趣旨の御答弁でございますか。まずその点についてお答えいただきたいと思います。
○久保政府委員 私、その記事を読んでおりませんが、きのうのことであるとするならば、私どものほうでいま動きつつある、あるいは防衛庁の庁内で動きつつあるその情勢を背景にして、おそらく記者会見か何かで述べたのであろうと思います。そうして内容そのものと申しますと、陸上自衛隊はたいへん使命感にあふれておりますので、従来の考え方というのは、返還日当初に日の丸の旗を立てて部隊が設置されるということが望ましいというのが陸上自衛隊の考え方でありました。しかしながら、現地の情勢からいいますと、それは必ずしも適当でない。したがって、少なくとも当初は、五月十五日と限らず、一週間あるいは十日ぐらいの間に管理要員、つまり、相当膨大な施設が返ってまいりまするので、それの管理をする、警備をする、そういった要員に最初はしぼっていくべきであろう、そうして漸を追ってふやしていくべきであろうというのが、ここ数日来の防衛庁の空気でありましたので、おそらく、そういった空気を背景にして、記者会見をやったのであろうと思います。
○中谷委員 そういうことで記者会見をしたのだと思う、そうすると、そのことについての陸幕長の自衛隊の沖繩配備についての意見具申ということは、自衛隊法の中において当然陸幕長の権限、責務として許されていることなんでございますか。
○久保政府委員 陸幕長は技術的な分野、専門的な分野については、長官に対する最高の補佐官のうちの一人でありますから、当然であります。
○中谷委員 そうすると、沖繩の配備についての縮小、延期の意見具申ということは、陸幕長としては当然の責務、権限の中に入っている、こういうことでございますか。
○久保政府委員 当然の責務のうちに入っておりますが、しかし、そういったことは私どもも十分承知をいたしておりますし、おそらく私どもの見解と同じ範囲内のことで申し述べられたというふうに私は思います。
○中谷委員 もう一度お尋ねしますけれども、たまたま内局と制服との間の見解の一致があればそれはいいという、それは結果論であって、縮小、配備についての意見具申ということは、見解が一致するしないにかかわらず、陸幕長としての権限、そして責務の中に入っているかとお聞きしているわけです。
○久保政府委員 陸幕長が長官にそういった建言をするのは、当然の責務であろうと思います。
○中谷委員 そこで、あらためて防衛局長にお尋ねをいたしまするけれども、そうすると、現在縮小、延期の方向において自衛隊の沖繩配備については考えているというふうに防衛局長から伺ってもよろしいのでしょうか。そうすると、縮小、延期の具体的な内容についてはどういうことになるのか、この点をひとつ防衛局長のほうからお答えをいただきたいと思います。
○久保政府委員 いまも会議を部内でやっておったわけでありますが、各幕と私どものほうで意見の相違はございません。むしろ私どものほうの指示で各幕が動いておりますが、その内容は、先ほどちょっと触れましたように、当初の計画から少なくとも一カ月ないし二カ月は延期すべきであろう、そうして当初から、たとえば陸上自衛隊で申せば千百名の部隊を復帰後一、二カ月ですぐに配置するというのもいかがなものであろうということで、これを少しテンポをスローにするという方向で考えておりますが、具体的な計画は、いましばらくすれば出てまいると思います。
○中谷委員 時期の問題人数の問題、使用する施設、区域の問題、これらの問題を含めて、どのような点が検討の対象になっているのか、お答えをいただきたいと思います。 それと、引き続いてお答えをいただきたいと思いまするけれども、その縮小、延期の検討はどのような手順で成案化されるのか、それをひとつお答えいただきたい。
○久保政府委員 施設でありますとか、最終的な配備されるべき部隊の規模というものは変えるつもりはございませんけれども、どういう時期にどの程度の部隊を持っていくかということについて、少し延ばしてみたいというふうに思っております。 それから手順といたしましては、一応施設の整備の関係もありまするし、地元の関係、一般の情勢をよく勘案しながら各幕から意見を求め、私どものところで最終的に決定をいたします。もちろん長官の御承認を得るわけでありますが……。
○中谷委員 そこで、当然防衛庁の内部においても問題にされていると思われる点ですけれども、あらためて防衛庁にお尋ねいたしたいと思うのです。 一つは、延期、縮小の問題については次のような点が問題になったということがいわれております。すなわち、沖繩に自衛隊を配備することは、県民感情から強い抵抗が予想される点が一点。要するに、県民感情という点が配慮、検討の対象になっていることがうかがわれるわけであります。 そこで、あらためて防衛庁にお尋ねをいたしたいと思うのでありますけれども、自衛隊の沖繩配備を拒否をする、反対をする、それを容認しない、それを好まない、それについて非常な危惧を感ずる、あるいはまたそのことについて非常な不安を感ずる、そういうふうな沖繩県民の県民感情のよって来たる原因は一体何か、どのように防衛庁としては把握しておられるのか。そうして、その県民感情というものはどのようなものとして防衛庁は把握しておられるのか。県民感情というものの具体的な内容、全体として把握しておられることについて、防衛庁の御見解を承りたい。
○久保政府委員 これは私よりも大臣が答弁されるほうが適当だと思いますけれども、この前の沖繩国会で総理、防衛庁長官からるる申し述べられたとおりでありまして、私が再論する必要もないと思いますけれども、やはり戦前におきまする日本軍隊の横暴といいますか、そういった問題、それから敗戦に連なった沖繩決戦というものにおける被害の状況、それのしこりというものは当然今日まで残っている。われわれもそうではありまするけれども、親類縁者になくなった人たちが非常に多いというようなこと、戦後における米軍というものがやはり軍の象徴として残された、そういった感情がいまだに続いているというようなこと、そういうようなことと同時に、沖繩がやはり孤島といいますか、本土から遠く離れておって、なるべくならば平和な島でありたいというような感情そういうものを総合していうべきであろうと思いますが、非常に複雑なものでありまして、いずれまた詳しく申し上げたいと思います。
○中谷委員 そういうような御見解については承りましたが、三月十五日批准、五月十五日復帰、そういうふうな中における、最近における県民感情というものが要するに縮小、延期を検討する、その内容は先ほど述べたとおりというふうに、情勢の判断をされたということ、特に注目すべき、防衛庁において着目しておられる最近における県民感情をうかがわせるものは一体何か、具体的なできごとは一体何か。そういうことは、防衛庁において率直に謙虚に受け取らなければならないことだと私は思うのです。 要するに、長い間の戦前、戦中、戦後を通じての県民感情というものの蓄積というものはあります。しかし、ことに最近における自衛隊の沖繩配備に関する県民感情というものは、一体どのようなことに象徴されているか。また、特に最近に至って縮小、延期を検討せざるを得なかったところの沖繩県民の県民感情というのは、どのようなものとして把握しておられるのか。この点はいかがでしょうか。
○久保政府委員 私どもがいま部隊配備を検討いたしておりまするのは、必ずしも特にごく最近の情勢によるものではございません。もちろん、ことしになって自衛隊配備の反対運動が非常に高まっているということも承知いたしておりまするし、反面、自衛隊の配備について消極的あるいは積極的賛成の意を表しておられるというような方方の意見も伺っておりまするし、したがいまして、やはりまず最初は小規模な部隊を配備して、そして県民にわれわれ実際の姿をいろいろ知ってもらって、そしてなれてから逐次ふやしていくというような一般的な考え方がよろしいのではないかという発想に立ったわけでありまして、最近の特定の情勢がどうというようなことが必ずしも直接の原因にはなっておりません。
○中谷委員 そこで、次にお尋ねをしておきたいと思うのでありまするけれども、自衛隊を沖繩に配備をする理由の一つに、民生の安定と災害救助活動ということを、繰り返し繰り返し防衛庁は述べてこられたわけであります。そこで、その点について総務長官にお尋ねをしたいと思うのであります。要するに、自衛隊の沖繩配備については、国の防衛というものは一日もゆるがせにできないのだという側面がありますということを答弁されて、いま一つは、同時に沖繩県に対する県民の災害救助という任務があるのですということを、総り返し繰り返し述べてこられたと思うのであります。 そこでお尋ねしたいと思いますのは、災害対策に関してでありまするけれども、中央防災会議の委員としての長官にお尋ねをいたしたいのであります。ことに、参事官もおいでいただいておりますけれども、議長が総理、そして総理府の中に中央防災会議が置かれている、これは当然のことであります。そういう中で防衛庁は、繰り返し繰り返し災害の救助というふうな任務があるのだといっておりますけれども、従来防災会議の中で、沖繩に自衛隊が配備されることは、沖繩の県民感情その他とのバランスあるいはまた比較考察の中において、はたしてどの程度のメリットがあるのか、それがための自衛隊の配備ということならば、一体どの程度のもので足るのかなんという点について論議されたことがあるのでしょうか。 それからなお、防災会議の事務局参事官がおいでいただいておりますので、参事官のほうから御答弁いただきたいと思いますけれども、沖繩に対して、防災会議は一体次のような事実を承知しておられるでしょうか。すなわち、自衛隊の配備ということが、これは将来復帰後必ずつくられるところの都道府県防災会議、沖繩防災会議を前提として、主席等に対して、沖繩において災害の救助にはたしてそういう自衛隊の配備を必要とするのかどうかというような点について、防衛庁のほうから接触があった事実はあるのでしょうか、これらの点について、防衛庁の御答弁はあとに伺うことにいたしまして、防災会議参事官のほうから、そういうふうな事実を承知しているかどうか、事実の有無について御答弁をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 中央防災会議では、沖繩を別な形でとらえてはおりません。やはり、全国の防災会議の一環として沖繩が入ってくるということであります。しかしながら、地域防災計画としては、これはやはり沖繩県の、国の防災基本法にのっとった防災体制がとられなければなりませんから、これについては、いまのところ消防庁のほうで事務的に、復帰した後の沖繩県の防災のあり方というようなもの等については指導助言、連絡をとっております。しかしながら、自衛隊を一個の防災の立場からの存在としてとらえて、沖繩に対して自衛隊が配置されることに対して、中央防災会議としてどのような役目を具体的に分担させるか、あるいはそれが沖繩の防災のためには必要なものであって、不可欠なものであるか等の議論はいまだいたしておりません。 しかし、ただ、別な面から見ますと、私も沖繩をいろいろ見まして考えておりますことの一つに、これは防災とは関係ありませんが、現在米軍にたよっておる救急の患者の輸送とか、あるいは台風の際の仮設住宅や救出作業に米軍が先に来たとか、あるいは干ばつの際の水の輸送にアメリカの上陸用舟艇が非常に活躍して米兵が働いた等のことが現実にありました。これらの問題は、自衛隊が向こうに行く、行かないの賛否は別にして、少なくともそのような施設、設備をもって参加をした以上は、そういう方面について、まず沖繩県民のそういう災害の起こった場合における第一線の働き手の一翼はになってもらいたいという気持ちは持っております。
○中谷委員 参事官から御答弁をいただきます前に、先ほどの質問につけ加えて参事官にお尋ねをしておきたいと思います。 要するに、沖繩県地域防災計画というのは——そうすると現在中央防災会議事務局としては、長官のほうからも御答弁がありましたけれども、どの程度の指導助言をしておられるのでしょうか、そういうような点を含めてお答えをいただきたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 復帰後、当然災害対策基本法が沖繩に適用になりまして、その防災体制の整備をすることになるわけでございますが、それで地域防災計画を沖繩県がつくらなければならない、そういう観点に立ちまして、昨年から総括的な説明を沖繩のほうにいたしておりまして、また、さらに二月になりまして、消防庁、これは地方自治の防災について現実的な指導を消防庁で行なうということになっておりますけれども、係官を派遣いたしまして、市町村、県、それから琉政を呼びまして、いろいろ講習会を開きまして、できるだけ早くその準備をするように、このように指導いたしているわけでございます。私どものほうとしては、復帰後に順調にこの災害対策基本法が沖繩においても円滑に実施できますように、それを念頭に置いてさらに指導を進めてまいりたい、このように思っております。
○中谷委員 それではもう一つお尋ねしておきますけれども、災害対策基本法の第二条第三号の規定によって、内閣総理大臣が指定する指定行政機関の中には、総理府を筆頭に消防庁まで、全部で十幾つも省庁が指定されておる、その中に防衛庁もあることも私は存じております。しかし、もう一度お尋ねしておきますけれども、本来災害のためにという自衛隊の配置のことがうたい文句であるならば、沖繩県防災会議が設立をされて、そうして沖繩県地域防災計画というふうなものが策定をされる、そういうふうな中において、配備される自衛隊のうちのどのものがどのような役割りを果たすだろうというようなことについて、議題あるいは話題あるいは検討材料、あるいは計画、その他の中に入ってこなければいけないということに私はなると思うのです。そういうことについての指導助言というものがない、むしろ県民感情は、そういうもののメリットというものを考えてはいない。沖繩に自衛隊を配置することが県民感情をさかなですることになるのだというようなことで、とにかく強く拒否し、そのことについては合理的な理由があるとわれわれは考えておる、そういう中における消防庁の指導助言の中には、指定されている防衛庁、すなわち具体的には自衛隊というふうなものが位置づけられて話をされたというふうなことは、中央防災会議事務局としては聞き及んでおられるでしょうか。そういうような点について、現地においてそんな接触があったという話は私は聞いておりません。そういうことになると、災害救助だということをうたい文句にして、実際は自衛隊は別の目的、当然そうであろう別の目的についての配置でしかないのだということになると思う。この点についてはいかがでしょうか。
○高橋説明員 お答えいたします。 現在は、沖繩における防災の指導につきまして、防災基本計画、付属法令、規則、まずそういうものの集約的な説明と、それから総括的な体制の説明をしておりまして、消防庁のほうにおいてもそのようにしていると了知しております。したがいまして、各具体的な事項まで突っ込んで話しているようなことは私どもは了知しておりません。
○中谷委員 時間のようですので、最後に防衛局長に一点だけお尋ねをしておきたいと思うのです。 要するに縮小、延期を検討し、それを具体的な作業日程にのせられたということを御答弁いただきました。そうして、私、先ほど質問の最後でつけ加えた点ですけれども、そうすると、一体そのほうはどのような手順によるのですかということ、どういうような会議を経て、そしていつごろまでに縮小、延期についての結論をお出しになりますか、そのめどについてお答えいただきたいと思います。
○久保政府委員 防衛庁の中で案をつくるのは一週間もかからないと思います。ただ、それを正式のものにいたすためには、総理大臣も再々答弁されておりますように、国防会議にはかりまして、県の情勢も考えて、大体こういうようなことでまいりましょうというような御了解を得る必要があろうと思います。そこでその国防会議がいつごろ開かれるかは、ちょっとまだ見当ついておりませんが、私どもの希望としては、そう遠くないうちに開いていただきたいというふうに思っております。
○中谷委員 そうすると、その問題は、次に開かれる国防会議の議題にしたいという趣旨なんですか。
○久保政府委員 さようでございます。
○中谷委員 防衛庁にお尋ねいたしたいと思いますけれども 中央防災会議、それから都道府県防災会議、要するに災害対策基本法が現在沖繩に適用されていない。そして現実に防衛施設庁なり防衛庁なりが琉球政府との間にそれらの問題について、自衛隊の配置の目的の一つに災害救助ということをあげられた、そんな点について、具体的な接触は防衛庁としては琉政とされたのでしょうか、どの程度のことをされたか、お答えいただきたい。
○久保政府委員 琉球政府に対しましては、折衝と申しますよりも、今後配備されるべき部隊の規模はこうこうことである、その任務がどういうことである、どういう点について沖繩県にお役に立つことになるであろうというような点を申し上げてあります。
○中谷委員 そういうふうな点について話をした、そういうような点について説明をした、しかし沖繩県民の県民感情というのは、自衛隊の沖繩配備について強い拒否を示している、こういうことは全く率直に評価しなければならない事実だと思うのであります。そういうことで、特に防衛庁が繰り返し繰り返し述べておられる自衛隊の沖繩配備の目的が、一つには民生安定あるいはまた災害救助ということにあるのだといっても、県民はなかなかその点については納得しないし、県民感情、むしろ県民の正当な判断としても、自衛隊の沖繩配備については許容しないというようなことは、私は、今後も続いていくだろう、こういうふうに思うのであります。 時間が来たようでありますので、質問を終わることにいたします。
○床次委員長 門司亮君。
○門司委員 私はごく簡単に、率直に二、三の問題についてお聞きをしておきたいと思います。 一つは、ドル問題が非常にむずかしい問題になっておることは、長官もよく御存じのことと思います。その中で私どもが考えなければならないことは、表面にある手持ちのドルあるいは使用されて動いておるドルもさることながら、将来に向かっての約束のされておるもの、たとえば電気関係の社債のようなもの、あるいは市町村で出しておる例の起債のようなもの、こういうものの処置と、それからこれらの問題について十分検討がされておるかどうかということ、それからその次には、生命保険の問題をどうするかということ、こういう幾つかのいままであまり話題にならなかった問題で、しかも、これは長期にわたる対策を立てなければならない問題が幾つかあるわけでありますが、こういう問題に対して調査されておるなら、その数字はどうであるか、あるいは差額がどのくらいあるかということ、さらに時間がないからまとめて聞いておきますが、どう対処されるつもりなのか、あわせてお話し願いたいと思います。
○山中国務大臣 まず社債の問題については、これは証券の問題なんかもやはり同じ性格を持ってまいりますので、今回の昨年の十月九日のチェックの際には対象外とすることで、あらかじめ琉球政府の立法の中にもそれを入れないという了解を得ているわけであります。 また町村の起債については、これは為替差損の議論ではなくて、やはり復帰後の町村の財政の問題ということで、本土政府の起債に切りかえるということでもってこれは処理できるだろうと思います。 なお生命保険の問題は、これは債権債務の問題と、生保独自の性格であるといっていい掛け金を、何年後かに自分の老後のために給付される対象として掛けていくんだという考え方、あるいは不慮の事故によってなくなった場合においては、遺族にこれだけの生命保険金が戻るんだという考え方でありますから、これはやはり債権債務を処理するということで、一様にこれを三百八円の掛け金と見、三百八円の給付と見るか、あるいは三百六十円の掛け金と見て三百六十円相当の給付とするか、これはバランスさえとれれば問題のないものだと考えておりますので、これも対象にはいたしておりません。
○門司委員 社債の問題については問題というよりも、むしろこれがどういう形で処理されるかということ等については今後の問題だと私は思いますが、しかし問題になるのはやはりこの社債を持っている人、公債を持っている人「これは市町村の債券が政府間の取引で行なわれるというけれども、これは私は非常に無理じゃないかと思うのです。沖繩のこの債券というのは日本政府がいままで保証しているわけでありませんで、これについては全部個人の手持ちでありはしないかと思うのです。それを全部日本の政府で、本土でこれを買い上げてしまうというのなら別の話でありますが、本土においても同じことであって、いわゆる政府のお金を借りておるのと、市場債、いわゆる市場で募集したのと、さらに縁故債というように、起債の中にはいろいろの種類があって、一律にこれは政府が買い上げるからよろしいという筋合いではないと思う。同時に、これに対する利息の関係が出てくるのであって、その辺の数字的の根拠が何かありますか。これは調べられたのか。たとえばどれだけの社債がある、どれだけの公債を持っている、これを政府が買い上げた場合に一体利息はどうなるのか。そうして沖繩の利息と本土の利息は違うわけでありますが、損をさせないように、本土と同じような形にこれが支給できるというような、何か根拠のある数字がどこかにあればひとつ示しておいてもらいたいと思います。
○山中国務大臣 私の先ほどの答弁で、社債は対象としないということで琉球政府との間に話がついて、政府立法がなされておるわけでありますから、これを政府が買い上げるというようなことを言ったつもりはないのであります。私の言ったのは、起債市場もない時代のことでありますから、起債にかわる形として、町村が民間からの借り入れによって財政需要をまかなっておる、この点は地方財政の問題としてとらえれば、これは復帰後、本土の起債として借りかえられるわけでありますから、この問題は片づくという意味のことを申しました。したがって、先般のドル・チェックの際に対象としないときめたものについては、しないものの金額は幾らであるかという調査までは実はいたす必要もなかったし、しておりませんので、社債の個人持ちが幾らあるいは団体がどうであるかというようなどころまでの調査をいたしておりません。
○門司委員 社債についてもはずしたというのですけれども、実際これは現実の問題としては出てくるのですね。ドルで持っている社債が下がってくるということ、これが証券市場でどういうふうに取り扱いをされるかは今後の問題でわかりませんが、とにかくいずれにしても、そういう問題の出てくることは事実であって、そういう問題に対して私どもいま知りたいのは、これの調査が一体ほんとうにできているかどうか、どのくらいあるかということが一つの問題であり、それからさっきの市町村の持っている公債でありますが、これは政府が買い上げるといっても、私は利息についての相違があろうと思うのです。日本政府が買い上げて、向こうで支払っている利息をそのまま払えるかどうかということ、それからそういう器用なことが実際にできるかどうかということなんです。これは政府間で、向こうも政府間で借りている金ならこれは何とか移しかえが簡単にできると思いますけれども、そうではないのであって、民間から借りた金が私はかなりあると思う。民間の人は、やはり三百六十円の価値で一応買っておることに間違いがない。そうしてそれからくる利潤というものを自分の所得と考えて、これに応募していることに間違いはない。そうすると、それをただ単に形式的に、政府が買い上げるからいいんだということでは済まされないのではないか。私どもが知りたいのは、理論はそういうことになるかもしれないが、一体格差がどのくらいあるかということを一応知っておきたいので、この際もしあれば、市町村の債券がどのくらいあって、そうしてそれの利率がどうなっているかという一つの明細なものを出してもらいたい。本土においても御承知のように、この公債についてはいま申し上げましたように、政府資金で六分三厘のもあれば、六分五厘のもありますし、公営企業などは七分三厘くらいの金庫の金を借りておりますし、市場債に至っては八分をこえるものもありますし、いろいろのものが六つか七つあるはずであります。そういうものと照らし合わせて、市町村の財政に対してどう国が処置していくかということ、同時に債券を持っている人に損害を与えないように、利息の換算というようなものをしないわけにはまいりませんね。本土がこれだからこれでいいという筋合いではないと私は思う。その辺の事情を知りたいので、いますぐお話ができなければ、各町村別にひとつこういうものを調べてもらって、そうして沖繩の町村財政をどうするかというようなこと等についての一つのポイントでありまして、これらの問題を、いま資料がなければあとでよろしゅうございますから、ひとつ資料を出していただきたいと考えております。これは政府のほうはどうなんですか、資料できますか。
○山中国務大臣 市町村が借りておる条件はいろいろあると思いますが、これは先ほども申しましたように、市町村が財政のために借り入れしたものについて、本土のほうで新しい起債あるいは交付税、そういうもので見ていきますから、その実額を見ますので、したがって、その意味における損害は市町村には起こらないと見ておりますが、その数字はたしかあると思いますから、担当部長から説明させます。
○岡田(純)政府委員 これは、一九七二年度末の市町村の借り入れということで調査いたしたものでございまして、本来ならばことしの五月十四日現在のものを把握いたしたいのでございますけれども、市町村なかなか集計に困難いたしておりますので、七二年度末、すなわち六月末の推計でまいりますと、円で百二十五億円、もっともこれは三百六十円計算でやっておりましたので見方によりますが、百億ないし百二十五億、こういうことになっております。 それに対しましてどのように措置していくかということでございますが、いまの赤字の中のわりあいに大きな部分というのが、門司先生御承知だと思いますけれども、教育関係の借り入れが大きいのでございまして、約五十二億円に至っております。市町村そのもののほうは健全財政をいわば一般的には維持いたしておる。しかしながら、そういうふうな背後に借り入れがあるという事実もでございます。 そこで、このたびの地方財政計画では、この中で公営企業関係を中心にしてもっと借りかえをしてあげなければならないというような高利率のものに着目をいたしまして、十七億を措置いたしておること、これは御承知だと思いますけれども、十七億の地方財政計画、それが本来公債につきましては、交付税計算上当然見るべきものは措置いたしてまいるということでございまして、今回、臨時特例交付金というようなことで財源措置をして、そういう面についても配慮をいたしてまいることになっております。十分考えていくことにいたしたいと思っております。
○門司委員 いまの数字でありますが、これはもう一つ落ちているのは、一体利息はどうなっていますか。それからこれの支払いだけは政府対市町村の場合はそれで済むと思いますけれども、沖繩の場合はそうでなくて、大体政府で借りかえるといたしましても、原資は民間から出ている、民間から借りているお金である、こう思いますので、政府間の取引だけでは、これはただ肩がわりするというだけではなかなか済まないのではないか。個人個人の利害に関係したものが必ず出てくるので、その辺の配慮はどの程度まで行なわれているかということです。
○岡田(純)政府委員 借り入れの条件、当時調べました段階でも非常にまちまちでございました。一割前後のものが多かったと思っております。非常にまちまちでございますので、さらに復帰時点で調査の部分は調査いたしまして、把握してまいり、実際の具体的な措置を考えてまいりたいと思っております。
○門司委員 復帰の時点だということですけれども、復帰の時点で一体よろしいかどうかというと、いま地方財政計画の中にあらわれてきているものの大まかな数字は、これは国と沖繩県あるいは沖繩の市町村との間の取引であって、個人との取引は隠れておってわからぬのであって、私どもの知りたいのは、やはり地方の自治体が、現地の市町村が処置しようとすれば、ただ国から借り入れたらそれで済むというわけじゃありませんで、いま申しましたように、この起債のほとんど全部が、日本本土と違って大体市場債だ。証券市場がないといっても市場債にひとしいものであって、あるいは縁故債であって、だれかの関係から来た借金であることに間違いはない。だから私どもの知りたいのは、これの利息が一体どのくらいになっているかということが知りたいのであって、その辺はわかりませんか。幾つかの段階別に借りていると思うのですけれども、本土でもいま申し上げましたように六つぐらいの段階があって、おのおの原資の関係で利息は違っているわけであって、沖繩の場合でもそういうことはありませんか。これは大体同じことだと思うのですけれども、どのくらいの利息の幅になっているかということです。
○岡田(純)政府委員 いま申し上げましたように、借り入れの相手その他によって千差万別になっております。その点地方財政負担の問題でございますので、自治省財政当局とよく相談いたしまして、把握してまいりたいと思います。現在のところは、お答え申すべき的確なデータというものは把握いたしておりません。それをよく相談いたしまして、把握してまいりたいと思います。
○門司委員 それから結論として申し上げておきますが、そういうものは数字がわからぬなりに、きょうここで詰めてもしようがないと思いますが、あるいは詰める必要がないかもしれませんが、結論としては、地方の自治体のまちまちな財政負担がそこから当然出てくるわけでありまして、Aの地区ではわりあいに安いお金を借りている、Bの地区ではわりあいに高いお金を借りているということであって、そういうものを全部ひっくるめて、とにかく市町村もそれから公債を持っている民間人も損をさせないということだけは、ここでひとつ言っておいていただかぬとぐあいが悪いのですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 これは市町村か、場合によっては個人のこともありましょうが、それぞれの借り入れ先に償還をしていく、その金額が完全に見られればその個人との関係とおっしゃいますが、そういうものも含めて全部解決するんだ、私は、理論上も実態上もそうだと思うのです。ですから復帰後ではおそいということもあるかもしれませんが、これは本土のほうで起債の手当てをして、そしてその調査をして、大体はつかめておるはずでありますので、そういうものに対して市町村が、本土の措置が足らないことによって、交付税も含めてですが、個人に対して迷惑をかけたり、償還が不能になったりということはないように努力はいたします。
○門司委員 それからもう一つは基本の問題で、すべて三百六十円で換算されるかどうかということです。
○山中国務大臣 これは債権債務は、原則として、復帰の日前の内閣の承認を得て大蔵大臣が定める実勢レートということで全部読みかえられることになっておりますから、したがって、それが町村財政というものに対してどのような影響を及ぼすか、あるいはまたそれによって償還される対象というものが、読みかえられたことによる実際上の被害というものがどういう形になって出てくるのか、これはやはり今後検討をしていかなければならない一つの課題でありますが、いまのところは、法律で定められたとおりの復帰の日前の実勢レートということで、全部債権債務を読み直していくという形をとるわけでございます。
○門司委員 それからその次、もう一つ地方の財政のことで聞いておきたいと思いますことは、何といっても地方財政の形で町村によっては非常にむずかしい立て方をしなければならぬところがたくさんありはせぬかということです。それは御承知のように、沖繩の実態を見てまいりますと、ちょうど中南部に、ほとんど沖繩の七割ぐらいの人口が七つの市町村にまとまっておるということですね。そして、そのあと三割ぐらいの人口が全地域におるということです。したがって町村財政にいたしましても、行政の面からいたしましても、沖繩はおのおのの自治体のあり方に非常に大きな相違を持っておるということであります。こういう点で沖繩の市町村行政というのがある意味においては非常にやりにくい。それに加えて、御承知のように、ある町村は五〇%以上もまだ地域的に占領されておって、どうにもならないというような実情であって、したがって、町村がこれから本土に復帰すると同時に、新しい角度から将来への展望に基づいた町村の開発計画を立てようとしても立てようのないところが、私はかなりたくさんあると思う。そういう問題についての将来への展望というようなものが、ある程度市町村では認められないと、目安がつかないと、実際の豊かな沖繩づくりといっても私は困難だと思う。したがって基地の返還のスケジュールというものは、そういう意味から申し上げましても非常に大事なことであって、ただ抽象的に私どもが返還のスケジュールを早く出せといって、数字の上だけでものを考えるわけにもいかない。おのおのの市町村に基地が及ぼしておる影響というものを考えて、将来への村づくり、町づくりというものをどうするかという基本的な問題がこれから私は議論さるべきである。そうなってまいりますと、ある程度の基地の返還の時期あるいは規模というようなものが事前にわかってこなければ、市町村としては将来の展望に基づく計画は立てられないんじゃないかということが考えられる。 これとのかね合いで、非常にむずかしい話だとは思いますけれども、政府としては基地の将来の返還の様態というようなものをどの程度まで把握されておるかということです。いままでは基地が一つあって、それに占領中だからやむを得ぬというようなことであきらめて、そして将来への当該市町村の展望というようなものはあまり考えられなかったんじゃないか。これから先はそうはいかない、やはり住民の幸福を願っていこうとすれば、ある程度の将来への展望というものが必要になってくる。そうした場合に、繰り返して言うようですけれども、その市町村の面積の大部分というものが基地であって、平ったくいえば、都市計画も立てられない、道路計画も十分に立てるわけにもいかないというようなことで、かなり市町村は行政の面で混乱がありはしないかと考えるから聞いておるのでありますが、そういう点について、基地の返還の要求というものは概念的の考え方でなくて、実際的のものの考え方として、どの辺まで把握されているか、もしわかっておれば、この機会にひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。
○山中国務大臣 私は、基地の返還について直接対外折衝はできませんので、外務省に対して絶えず要求をいたしておるわけでありますが、市町村財政の議論をしてまいりましたので、その財政面から見ますと、御承知のように復帰した後、米ドル資産の所在市町村調整交付金が、沖繩においては当然のことでありますが、本土に比べて一件限りにおいては相当大きな金額が、それぞれの基地が不当に広ければ広いほど、その町村には交付金がよけい参るということで、市町村財政の面においては、いままでよりも私はその意味において財政には貢献すると思います。しかし、それは収入の面の貢献であって、これから先のほんとうの発展というものについて、基地があったままでその村あるいは市というもののこれから先の発展計画は、どういうふうにレイアウトしたらいいのかという問題では、それぞれ、はたと行き詰まってしまう。いつも例にとっておりますけれども、県庁所在地になる那覇市において、牧港住宅街といわれておる上之屋一帯というもの、これはもう放置できない状態でありますし、これをやはりすみやかに那覇市の都市計画の中に組み入れて設計ができるような状態にしなければ、独立国家の県庁所在地のありさまとしてはまことにぶざまであり、都市計画のほとんど片りんすらないといっても過言ではない。那覇市の新しい町づくりには必要不可欠のものであるというようなことで、強い要請をいたしておりますし、外務大臣も、その点についてはサンクレメンテで内々の折衝をした報告をしてくれておりますので、見通しとしてはたいへん明るい。これについては、日本政府のほうでしかるべき場所に代替施設、いまのような広大な地域を要しない、マンションみたいなものを建設することによって、アメリカもそれに移ることについて、ほぼ合意が得られつつあるという背景等もございます。 これは一例でございますが、私としては、やはり沖繩の都市づくりあるいは町づくり全体の、主として本島あるいは伊江島等を含めた地域の経済発展の未来図というのを描くのに、やはり一番支障のある地域については、積極的に外務省に今後も、復帰後といえどもさらに要請を続けていって、それぞれの地区において描いておられる新しい青写真に対して、基地がじゃまにならないように努力を続けていかなければならない責務があると考えております。
○門司委員 現状面の町村財政の問題については、きょうはあまり触れないつもりでおります。これは触れてみてもなかなかわからぬことが多いと思いますけれども、行政面から来るそういう未来性というものがどうしても市町村になければ行政は行なえないのであって、その日その日がどうなるかということだけでは、自治体の行政の様態をなさないのであって、やはり住民に将来の展望というもの、将来の希望というものを理解せしめて、それに住民が協力するというところに地方の自治体の発展があり得るのである。どうにもならない状態の中だからどうにもならないんだという、その日暮らしのことではもういけないのではないか。そうするならば、やはり基地の返還要求に伴って、将来の見通しがどうあるかということを早くつけておかないと——本土でもこの例はたくさんありますが、しかし本土の場合は、特に神奈川県は全体の三分の一くらいの基地を持っておりましたけれども、これは沖繩の基地とは非常に大きな違いがあるのであって、沖繩では、想像しがたい、さっき言ったように、一つの町村の区域の中の七割くらいまでが自由にならないというところで、これは都市計画の中に組み入れるわけには当面なかなかいかない。入れてみたところで実現は困難であるということですね。財政面だけを幾らめんどうを見てあげても、行政面から来るそういう不都合というものをどう直していくかということが非常に大事な問題だと私は思う。 そういう問題について、一つの見通しとして、これは行政面からだけ私はきょうは論じておりまするので、経済のことは別でありまするが、できるだけ早く将来の展望における、市町村に住民の望みを持ち得る行政の計画というものが必要であって、そのためには、いまの長官の答弁だけで私は納得するわけにまいりませんが、これも言うだけで、あるいはむずかしいかもしれない。いまの基地に対するお金にいたしましても、米ドル資産がどれだけあるかということの算定の基礎ははっきりしないのであって、これは何が何だかわからぬのであって、ただ大体このくらいあるだろうということで支給されておると私は考えておる。これもアメリカのいろいろな議会などの現地の証言等からずっと勘定していくと、かなり私どもの勘定からいけば数字が違うのがあります。しかし、償却がどの程度償却しておるかということも議論の一つであって、必ずしも十億ドル投資したからそれがそのまま残っておるとはいえないし、あるいはあとからまた高いものをやっているかもしれないし、同時に、これは現地で完全に把握することのできない品物である。が、しかし、これはこれとして、現地を完全につかんでもらいたいとは思っているのだけれども、それが現状ではできない。ただ、一つの見込みのような形ででも支給されることは支給されておるのであって、これの議論はきょうはいたしませんが、いま申し上げましたようなこと、これと関連した問題で、少なくとも早く町村が立ち上がることのできる、いわゆる行政的に将来への希望をつないで立ち上がることのできるものが沖繩では特に必要だということ、これは先ほど申し上げましたように、中南部の狭いところにほとんど沖繩というのは人口が集められている形をとっておりますので、この点は特にひとつ御注意を願いたいと思います。 それから、時間もあまりございませんので多くを申し上げることはできませんが、最後に聞いておきたいと思いますことは、長官もよく御存じであり、また、これも長官の所管でないといえば所管でないということになろうかと思いますが、全軍労の諸君がいま従来にないストライキを始めておる。十日間のストライキを全軍労が組むということも、私もいささか駐労関係に関係をもっておった者として考えてまいりますと、十日間のストライキはかなり長いのであって、思い切ったことをやったなと思っておりましたが、さらに一週間延長するというような情報を得ております。こうなってまいりますと、非常にむずかしい。労働組合としてもなかなかむずかしい問題ではございましょうし、これから来る将来へのいろいろな問題にも支障がございまするしするので、これに対して、日本政府がどこまで一体御努力をされておるかということ。 全軍労の要求の中には、本土の政府限りできまりのつくものもございます。たとえば退職金をどうするかとか、あるいは健康保険の問題がどうなるかというような問題は、これは日本の政府限りである程度解決がつこうかと思いますが、このネックになっております首切りその他に対する配慮というものが一つの大きな課題でありまして、長官に考えていただかなければなりませんことは、アメリカさんというのは非常に勘定の高い国でありますから、自分たちが権限を持っている間にできるだけ荒療治をやっておきたい、財政負担は避けたいという感情がありはしないかと思う。そうすると、結局復帰前に、復帰ということに便乗した必要以上の首切りが出てくるということが一応アメリカの性格からして考えられるのでありまして、本土と同じになってしまって首切りするとお金がこれだけ要るとかあるいはややこしいということで、いまのうちにやったほうが得だという軍の全くのエゴイズムから出てくる。このために、沖繩の軍労の諸君に犠牲をしいるということがあってはならないと思う。ところが、どうもいま様子を見てみますと、そういう感じがしてならぬのでありまして、これらに対する政府の今日までとられてきた態度、これは一面は外務省になるかもしれない、あるいは施設庁になるかもしれない。が、しかし、沖繩を受け持っておられる長官の今日までの動き、さらに将来への見通し、あるいはこれをどう解決すると考えておるかというような所信がこの際聞かれれば非常に幸いだと思います。
○山中国務大臣 まず私限りで御答弁できます範囲のものは、現在、本土の駐労退職者の諸君と沖繩と差があります部門について予算で埋めておりますが、それがもし不幸にして復帰までに予定された人数——若干、九十名ほど減ったようでありますけれども、かりにそれが解雇をされたという最悪の不幸な事態になりました場合には、これは私どもが予算上の手当をしなければならない義務があると思います。おおむね四億円余りの金は、不幸にして復帰を目の前にしてやめられる方々については沖繩対策庁の予算として追加支出をする必要がある。これは義務であると思っております。 さらにそれ以外の分野でありますと、現在私どものほうは、沖繩側のいわゆるどろ沼ストというものに何とか終止符を打ってあげたい。また、そうしなければ復帰を前にしてまことにお気の毒であるということで、上原君あたりとも連絡をとっておりますが、その意味において、担当大臣として少し行き過ぎがあるかもしれませんが、いろいろの案を防衛施設庁並びに大蔵省に取り次ぐ。あるいは直接私が国会議員や軍労の諸君と会って、その感触を得て、動ける範囲で動いております。 その一つは、本土復帰後の基本給の問題として、二号俸アップがされれば大体それでおさまるといういわゆる基本給の改善があります。現在は、もらっております給与のドルをそのまま三百六十円に相当する金額に改定することについてしか、私の聞き及ぶところ了承していないようでありますから、やはり二号俸アップによって、国家公務員が置きかえられるような姿において、完全に勤続年数その他の通算ができるように、ぜひ施設庁のほうで外務省と一緒になって折衝してもらいたい。 さらに英語手当などについては、現在の既得権を一年間認め、その経過措置の後に、本土における英語手当支給の条件と同じ条件を沖繩側においても受け入れることは、これはけっこうであるという内々の感触はありますから、それについてはぜひ実現をしてもらいたい。あるいは夜勤手当については、二年の経過措置を終えた後に、三年目から本土並みになるならばまあよかろうという、これも内々の感触でありますが、そういうこともぜひ実現をしてもらいたい。こういうような点についていま話をいたして、私のほうから積極的に意見を申し述べておるわけであります。その線に沿って交渉はしてくれておるようであります。 しかしながら、いまのところ沖繩の全軍労の諸君が、延長せざるを得ないストの環境の中でその旗をおろす、一応ストをやめて、話し合いによってさらに残った分を持ち込むという態勢には、米側の姿勢が——いまおっしゃったようなところかあるいは本音かもしれませんが、団交にも応じないというような姿勢を一方示しておりますために、その意味においてなかなかスト収拾のきっかけがつかめないという環境がありますことを私も非常に心痛いたしております。 なお、これはきょうも含めて、なるべく早く糸口の見出せるような努力を私は私なりにいたしたいと考えております。
○門司委員 お約束の時間ですからこれ以上はいたしませんが、施設庁だれか見えていますか——施設庁も外務省もおりませんので、これは言いっぱなしのようなことになろうかと思いますが、さっき言いましたようにアメリカさんというのは、非常に悪く言えばずる賢いのであって、私もある程度交渉した体験を持っておりますが、ことにいまのアメリカの財政の事情、いわゆるドル防衛をどうするかということについては、なりもふりもかまわないでやる性格を持っておりますので、したがって必要以上の——必要ということばが適当かどうかわかりませんが、必要以上の首切りをしてくる。そうして首切りをした者についてはそういう意味で、ただ作業がどうだこうであるということを離れて、向こうにあるドル防衛の形から犠牲をしいてくるという姿勢が私は非常に強いと思うのです。やはりこの姿勢を破っていくには、少なくとも本土の政府が本腰を入れて、そうしてまた交渉を続けて、これを肩がわりするということばもどうかと思いますが、この全軍労の言っておるいろいろな問題等について、国内の問題はいま長官のお話がありましたようなことであるいは片づくかもしれない。しかし首切り自体は向こうさんの権限でありますので、問題の解決はなかなかつきにくいと思いますが、しかし、その辺は日本政府としてひとつ腹をきめて、アメリカ側にむちゃなことをやらないように、こういう復帰というような時限につけ込んでむちゃな首切り等をしないように、政府としては厳重にアメリカとの交渉をしてもらわぬと——何かいまのところはかりに施設庁が出て行きましても間接であり、防衛庁が出て行ってもこれは間接であり、直接の本土における駐留の問題を議論するようなわけにはなかなかまいらないと私は思うので、この点だけはひとつ長官にお願いをいたしておきますけれども、外務省あるいは施設庁との間に十分連絡をとっていただいて、そうした彼らのドル防衛から、日本の労働者に犠牲をしいるというようなことのないように御配慮を願いたいことを最後に申し上げまして、一応私の質問は終わりたいと思います。
○床次委員長 瀬長亀次郎君。
○瀬長委員 私きょうは、四十七年度予算の中で特に沖繩関係予算について質問したいと思います。 この予算書を見ますと、二千二百二億円などという実に膨大な沖繩関係予算が組まれております。「県民生活の安定と福祉の向上を図るため、各種社会資本の整備、産業経済の振興、社会保障や文教の充実等、各面にわたる施策を講ずることとしている。このため、沖繩開発庁を設置して諸施策の推進体制の確保を図るとともに、沖繩関係経費として総額二千二百二億円を計上している。」こういうことであります。 ところで、だんだん調べてみますと、一例でありますが、防衛庁関係のものの中に「四十七年度においては、新たに、沖繩の復帰に伴い、沖繩における自衛隊施設及び前記条約に基づく提供施設等の維持運営等に関連して必要な経費として総額二百二十九億五千九百万円を計上しているが、」さらに続けまして「駐留軍等が使用する土地建物の借料、見舞金等借料関連経費百七十六億一千二百万円、」なども組まれ、さらに基地周辺対策経費として八億九千百万円などが計上されております。 私は、この二千二百億円余りの沖繩関係予算を大まかに四つに分析できるんではないかと考えます。一つは、日米沖繩協定路線を強行するための軍事費的な面が一番多いんです。この軍事費的な予算、それから次は当然日本政府が義務として出さなければならない終戦処理費的な費用、三番目に、これも当然のことながら、沖繩県になるわけですから、国家の事務事業の費用、さらに四番目が四十七年度の沖繩県予算の中に組み込まれるものになるのではないか。 そうしますと、この二千億円余りの予算というものは、だんだんしぼられてきますと千億円以下になってくる。こういったような予算の組み方で、沖繩がいかにも豊かな、平和な新生沖繩県づくりができるのだといったような、擬装に基づいた宣伝のための予算の説明がここで行なわれておる、したがって、きょうは、第一番目にそういった点を明らかにしてほしい。 たとえば一例ですが、完全に軍事費的な問題として沖繩協定の中に三億二千万ドル、米資産買い取りのために出すといったような初年度の一億ドル、これが三百八億あまり、P3対潜哨戒機の普天間移転につきまして三十八億何がしが組まれておるなど、さらに土地代もアメリカが出したのを日本政府が肩がわりして出すといったようなこと。さらに終戦処理費的な問題といいますのは、 一例ですが、二百六十億円何がしかのいわゆるドルと円の交換による差損金、こういったものが組まれておりますが、これなどは当然終戦処理費的な性格のものなのです。沖繩県民が好んでドルを使わしてくれといったのではなくて、四八年に布令でドルを強制されてきた。それでどんどん損害を与えられておる。そういったようなものを含めますと、ほんとうにいま申し上げたような四つのいわゆる区分けにして、初めて沖繩県の四十七年度予算に組まれる、国から支出される金額というのが出てくる、そういったような分析について、一応総務長官の総括的な御意見を承りたいと思います。
○山中国務大臣 表現のしかたは違いますが、そういう分類は確かに可能であろうと思います。沖繩関係経費二千二百億といっても、その中に一億ドル、三百八億円というものが入ることについては、沖繩関係経費であっても大蔵省で計上するためには、そういう費目の中に入るでしょうが、沖繩県並びに市町村並びに沖繩県民というものに対して、何の関係があるかといえばそれは私はないと思うのです。したがって、そういう意味において、表現のしかたは違いますが、そのような仕訳はあると思います。しかし、他面地料その他について支出される金額は、沖繩に関係ないとは私はいえないと思うのです。 沖繩で現在米軍の支払っております軍用地料というものは、常識を絶する低料金で支払われておる。それに対して地主連合会と防衛施設庁との間で相談して予算化した金額が、少なくとも沖繩県民には渡るということでありますから、それらの問題は、今後毎年改定されていく本土の例にならった地料改定によって、やはり沖繩県民の地主といえども県民の方々に渡っていくわけですから、広義の沖繩関係経費になるであろう。また、終戦処理費的なものとしてあげられました十月九日のドル・チェックによって二百六十億の予算を組んでおる、これはまさしくそのとおりであります。しかしながら、あの時点においてドル・チェックをしておいたから予算化ができたものであると私は考えておりますし、したがって、ドル・チェックのしかた、そのことについての議論はありますが、そのことによって円高になればなるほど、ドル安になればなるほど、予算額は二百六十億でありましても、これはさらに三百億という金になっても、国は支出する義務を負っているわけでありますから、沖繩県の方々のために、これは当然国が義務として支出をやるわけでありますので、これは単年度限りの措置であるとはいっても、またそれが完全にカバーされていない、なお犠牲が残っておるといっても、沖繩県民のためにならない金ではない、やはり関係経費の中には、私から見ても入っていい経費と見ているわけでありますから、冒頭申しましたように、そのような四種類の見方によって分けられる分け方も可能であるということは、私も否定いたしません。
○瀬長委員 時間が限られておりますので、今度の沖繩関係予算について基本的な意見を申し上げまして、その中から三つ、四つ質問を申し上げたいと思います。 よく平和で豊かな沖繩県づくりというふうな文句が使われます。ところが、平和である、豊かであるというものの前提は、核も基地もないという前提がなければ、平和で豊かな県づくりはできない。その意味で、われわれはいまの日米沖繩協定なるものが実に屈辱的で、侵略的な協定であり、新しい日米軍事条約的な性格を持っておるということを指摘いたしまして、当然のことながら、沖繩の全面返還を要求する戦いは、今後一段とますます強めなくちゃいけないということになりますが、平和で豊かな沖繩県づくり、この場合、私、さしあたり、今度の予算で第一番目に、個人、企業を問わず、沖繩県民の所有する一切の通貨、預金、資産を一ドル三百六十円レートで即時切りかえる。切りかえまでの期間、県民が受けた損害を全面的に補償する。賃金も三百六十円で読みかえる。これが第一番目に予算の中にあらわれてこなければならぬと考えております。 二番目に、米占領下及び旧日本軍による県民被害の実態を調査し、すべての損害をさしあたり国の責任で補償する特別措置法を制定する。 三番目に、物価安定や減税のための特別措置をさらに拡大する。沖繩離職者手帳の適用対象を広げ、内容を改善する。さらに、無医地区解消をはじめ社会保障、社会福祉対策を強化する。低家賃住宅を一千戸建て、生活の基盤を根本的に改善する。 四番目に、キビ価格の労働報酬を米並みに引き上げ、農地改革の促進、国費による大規模な土地改良などで農漁業を振興させる。中小企業、伝統産業に二百万円までの無担保、無保証人融資を行なう。観光大資本の土地投機を規制し、公営の観光事業を育成する。 五番目に、本島縦貫鉄道を建設し、もちろん国鉄であります。離島航路を整備し、民主的総合交通体系を確立する。商漁業港、道路を整備する。 六番目に、開発金融公庫を県営とし、国の出資金をふやし、農漁民、中小企業に低利、長期の融資を保障し、勤労県民の借金の肩がわり融資をする。 七番目に、教育復興五カ年計画を立て、幼稚園から大学に至る全教育施設と教育スタッフを五カ年で本土並みにする。 八番目に、復帰に至るまでの県と市町村の一切の赤字を国が肩がわりする。臨時沖繩特例交付金を六百億円まで増額し、市町村道、住宅、上下水道、社会福祉、教育施設など、県民生活に密着した公共事業への政府補助率を引き上げ、補助対象を拡大し、沖繩県の自主財源を拡充する。 九番目に、施政権買い取り費第一年度分三百八億円組まれておりますこの費用、自衛隊派遣費、沖繩進出大企業のための公共事業費などを削り、県民本位に使用する。 この場合、一年度で大体三千億あればこの要求が通せるのではないか。これも当然のことながら、決して不当なあるいは夢みたいな金額ではありません。赤字公債を発行しなくてもできる問題であり、国の財政制度を民主化すれば、当然保障され得る問題である。 たとえば軍事費あるいは海外進出費、警察費など、国民に不要な支出の増額をやめ、大幅に削減する問題、あるいは総価格にして二千数百億円の為替投機の利潤を全額国庫が吸収する問題など、いろいろあります。 いまのような私が述べた意見に対しては、当然、財政面で補償される場合に、やっと平和ではなくても豊かに近い新生県づくりができるのではないか。いま、基地があった場合、国鉄を敷く問題にしても、基地を取り払わない限りできないような条件に置かれております。 その前提に立ちまして、最初にお聞きしたいことは、第一番目にあげました円・ドル問題であります。円・ドル問題につきましては、山中総務長官、もちろん苦労されたことは大体認められる点だと思いますが、この場合、この四十七年度予算の中に二百六十億しか組まれていない。この県民あげての一ドル対三百六十円に対するいわゆる即時切りかえと、一切の損害補償、賃金を三百六十円で復帰後直ちに読みかえるという問題を含めて、現時点でこの予算と関連さして、これをどうお考えになっておるか、その意見をまず第一に承り、次にキビ価格の労働報酬を米並みに引き上げ、農地改革の促進、国費による大規模な土地改良などで農漁業を振興させる問題。中小企業、伝統産業に二百万円までの無担保、無保証人融資を行なう。観光大資本の土地投機を規制し、公営の観光事業を育成するという問題、これについての御意見、これはもちろん農林省あたりとも関係はあるでしょうが、担当大臣としての構想、これに対する御意見を承りたいと思います。 次に、三番目に国鉄の問題でありますが、これは国政参加の場合にも私申し上げたのであるが、いまでは公害との関連もあって、国有鉄道の問題は、これをもし沖繩の縦貫鉄道として敷くならば、奄美大島あたりまで非常にその利益を受ける。さらに沖繩の離島航路問題もこれによって解決されるという、いわゆる鉄道体系、交通体系の整備の面で一番大きい問題だと思います。これに対する御見解。 次に開発金融公庫、これはどうしても県営としなければならぬ。県営として国の出資金をふやし、農漁民、中小企業に低利、長期の融資を保障し、勤労県民の借金の肩がわり融資をする、この問題。 次に、これは赤字補てんの問題等もありますので、特にお聞きしたいのでありますが、復帰に至るまでの県と市町村の一切の赤字を国が肩がわりする。臨時沖繩特例交付金を六百億円まで増額し、市町村道、住宅、上下水道、社会福祉、教育施設など、県民生活に密着した公共事業への政府補助率を引き上げ、補助対象を拡大し、沖繩県の自主財源を拡充するという問題。 以上の点について、特に担当大臣としての御所見を承りたい。もちろん関係各省の責任者にも聞かなくちゃいかぬ問題でありますが、そういったようなことについての担当大臣としての御意見を承れば幸いであると思います。
○山中国務大臣 一ぺんに並べられましたので、簡潔に答弁してまいります。 円・ドルの一ドル三百六十円による復帰前即時切りかえ、これが県民すべての要望であることは私も承知いたしております。アメリカも、いままで施政権即布令、そして通貨を定める権利というようなことを言っておりましたが、サンクレメンテにおける折衝で、そのことはもう言わなくなりました。あとはアメリカが、日本本土の為替管理法みたいなものを、布令にかわる新しいものとして出してくれるかどうか、あるいは、いやならば、琉球政府の出した本土の為替管理法的なものにアメリカが従うかどうか、そしてまた復帰前であるならば、施政権者であるための当然の権利として、米側軍人その他の非居住者の持っておるドルも全部交換をしろという難題について、どのように対処できるかという問題が大きな問題としていま具体的な技術問題で議論がされておるところであります。 通貨の問題は大蔵の専管事項でありますが、大蔵としては、復帰前に切りかえる場合であっても、それは実勢レートでなければ切りかえられないという意見を、これは筋として述べております。しかしそれは、実勢レートだと、現在は三百八円も割り込んでおる円高相場でありますから、ドル安相場と言ったほうが沖繩の人にはぴんとくるはずでありますが、そういう相場でありますから、こういう状態の実勢レートでかえられたのでは、これは何のために復帰前交換を要望したかというメリットはほとんどなくなる。そうすると三百六十円でなければならぬのだということになりますと、昨年、一応琉球政府と相談をして、抜き打ちに、日本人のみの持っておるドルについてチェックをした二百六十億、現在の実勢レートでいけば三百億近くなりましょうが、それを御破算にしなければ、現実においてはほとんど、九五%を上回る流通ドルの差額についての二重支払いになるという問題について、政治的に、また琉球政府の立場からも、実態的にもきわめて困難なことである。しかし、それならば二回かえるということができるかということについては、これはやはり私自身も二回——ほとんど同じ対象のドルに対して、県民の所有者も変わっておりますから、二回でもいいという意見もあるかもしれませんが、そこまでは踏み切りきれないという問題等をいまやっておるところでございます。 なお、賃金読みかえ等については、許認可料金等の、実際上三百六十円相当の新料金の設定等を認めることによって、電力株式会社に至るまでの一応措置できるものは措置をいたすことにして了承してもらい、また金融機関等について、御承知のような貸し倒れ準備金の繰り入れ限度額を、本土においてはもうすでになくなりましたけれども、沖繩の場合の千分の十を千分の十五まで引き上げて、それによって出ると思われる四億円余のプラスのコストに貢献する金をもって、解決をするというようなことが逐次行なわれてまいりましたが、なおしかし、一般の大多数の人々である中小、零細な雇用者の方々に対する賃金を読みかえるにあたっての収入増、あるいは消費者価格に転嫁するにも末端価格に転嫁できない企業の人たち、かりに転嫁した場合においては、復帰後は本土企業に圧倒的に押しまくられてしまって存立できないだろう、こういうような人たちに対する心配は残っておりますので、一応琉球政府の要請でありました産業開発資金融通特別会計に対する十億の追加並びに大衆金融公庫に対する七億六千万円の追加と、第一種に対する、いわゆる生業資金に対する貸し出しも今回は認めようということで何とかやっていけるという見通しを、一応は両政府間においては立てておるわけでありますが、なお完ぺきであるとは私も思っておりませんので、さらにこの事態の推移を見守ってまいりたいと考えます。 キビ価格については、労賃を完全に三百六十円に相当する金額の労賃として認めろ、こういうことでありますが、糖価安定法によって、キビは糖価安定事業団のほうで買い入れることになりますから、これは円建てでありますので一番解決しやすいケースの一つであります。これは問題なく復帰後円で買い入れられる砂糖になりますので、そのコスト、いわゆる労賃もその中に入りますけれども、これも奄美大島並みに円で計算されることになりますから、この問題は解決することであろうと思います。 その他、農漁民、零細企業等に対してめんどうを見ろということでありますが、当然パイン等もまた重要な問題でありますが、本土の果樹共済が、本日の閣議で決定をいたしまして、これが共済制度の中に試験共済の段階を終わって登場することになりました。したがって、果樹の樹体保険の場合においては被害の八〇%を限度、また、くだものそのものについてはこれを七〇%までということで、共済の仕組みの中に入ることになりました。おそらくパインも問題なくこの中に入ってこられると思っておりますので、さらに、キビが地域の作物として共済に——農民の人たちが犠牲になる段階をどこまで救えるかという問題である共済にキビを組み込むために、積極的な努力をしてまいりたいと考えます。これは全国一円の共済の形にはなじみにくいという半面もありますので、もう一ひねりのくふうが必要であろうかと考えます。 国鉄を本島縦貫鉄道の形においてすみやかに敷設をしろという御要請は、これまでもたびたびございましたし、佐藤総理も戦前の軽便鉄道その他のことをよく承知いたしておりますせいか、検討してみようということを言っております。しかしながら、現在のところはまず道路、それもやはり海洋博とも関係が出てまいりますので、那覇市から石川までは有料で可能である、しかし、石川から、現在北部市町村会の要望である山岳沿いに名護の上を通って、北部の本部の海洋博会場に一直線に突っ走る高速道路は有料にはできないだろう。したがって、これは、将来の償還のないものとしての国家の投資でなければできないだろうということで、いま調査団を送りまして、先日帰ってまいりましたので、一両日中に、昭和五十年に間に合うかどうか、これに対する最終的な態度をきめてまいりたいと思いますので、さしあたりは道路建設に全力を傾けます。 鉄道の問題については、本土の国鉄のいろんな事情等もございますし、敷設した後の通勤者の便には供せられますけれども、貨物運送その他についての貢献はほとんどないと思われますし、島内道でございますから、それらの点をよく検討してみたいと考えております。 開発予定されております沖繩振興開発金融公庫を県営にしろという御意見は、瀬長さんとしては自分の当然の主張だと言われるかもしれませんが、国策金融機関というものを県営にゆだねるということはきわめてむずかしいと私は思います。したがって、これは政党の違いでありましょうから、ひとつごきげんをそこねないように願いたいと思いますが、開発金融公庫は県営に移管するつもりは全くございません。たいへん遺憾なことでありますが、この点は意見が合わないわけであります。 さらに、県、市町村の赤字を完全に肩がわりしろということでございますが、これはすでに予算措置をいたしておりますように、沖繩県となるべき琉球政府がいままで出してまいりましたやむを得ない赤字については、全額国のほうで十カ年にわたって償還するために、大蔵省の予算として十億、自治省の予算として国庫から十五億というものが来年度予算においては処理されたわけでございます。これは、今後十カ年にわたって、琉球政府の赤字を完全に国の責任において肩がわりして償還に当たっていこうというものでありますから、御意見と全く合うわけであります。 市町村の赤字については、先ほど門司委員とも議論をいたしましたように、これは償還について、起債の肩がわりと交付税の手当てをいたしますので、実際上において支障なく行なわれるものと考えます。 そこで、全体の沖繩県の地方財政に貢献する臨時特例交付金を総額六百億にしなさいということでありますが、その根拠の積算の議論は別にして、現在の予算は五月十五日からの十・五カ月分の予算でございますので金額は少ないように見えますが、この積算の前提となりましたものは、通年予算であれば四十七年は五百十億という金額になっておりますので、五百十億と六百億との違い、多々ますます弁ずという意味では六百億のほうが、多いにこしたことはありませんが、五百十億の四十七年度予算のベースによって計算された金額であるということは、御承知願いたいと思います。 なお、道路その他港湾等の補助率等については、すでに明らかにいたしておりましたとおりに、予算折衝で確定をいたしましたので、これらのものは法律に、別表に書いてあります補助率の確保はもちろんのこと、その他の補助率についても、全部いままで存在したかつての本土、現地を通じて最も高い補助率、さらにまた性格によって、道路、港湾、空港、漁港等については十分の十の補助をもって実施するということにいたしておるわけであります。 また学校については、お話がありましたが、五カ年間で本土並みにするための経費を組んでございますし、その補助率は十分の九ということで手当てができるものと考えておる次第であります。
○瀬長委員 時間がありませんので、最後に、円・ドル問題の一番最初の質問でありますが、いま差損金の補償として二百六十億組まれておりますね。これが立法院でも決議をし、行政主席も要請をしておる。そういった面の、去年の十月八日、通貨の確認をやったその後における差損の金額を幾らと見て増額するつもりであるのか。いま説明された方針、御意見、これは全然予算面にあらわれないのか、これを明確にしてもらいたいということと、もう一つは、四十七年度沖繩県予算の中に組み込まれる金額は、二千二百三億円余りのいわゆる沖繩関係予算といわれておるもののうちで、幾らぐらい金額としてあるのか、この点だけを大まかに説明していただきたい。これは総務長官のほうで記憶になければ対策庁からでもいいと思います。これを明確にしないと、あまりテンプラ予算になって、いかにも去年の五倍になったんだなどという宣伝が飛んでおりますから、明確にしなくちゃいかぬ問題だと考えますので、その点をつけ加えて質問しているわけであります。
○山中国務大臣 十月九日、チェックの終わった以降の、いわゆるふえたドルについてのことだと思うのですが、理論上、経済成長はなお続いておりますから、軍の受け取りあるいは軍の雇用者に対する支払い、あるいはドル圏との貿易の収支のプラスになって残った分、こういうものは確かにあとで付加された、沖繩経済成長に伴うドルの増加だと思うのです。しかしながら、それは一体だれに幾ら帰属するということについては、きわめて困難でありまして、打ち解けた話、主席ともいろいろ相談もしておりますが、個人別につかまえるということは、これはきわめて困難なことであって、不可能であると思います。したがって、十月九日以降において、沖繩においてドルがふえたという問題について、本土政府のほうでそれに対する補償をするという金額は、予算には組まれておりません。また琉球政府としてもそれを個人別につかまえるということになると、十月九日に個人で確認された金額が、はたして復帰の時点でその人の手元に残っているのかいないのか、あるいは物になっていやしないか、その物はしからば今度は御破算にしなければならぬとすれば、その価値は見ないのかという、いろいろな問題に発展することもありますので、この問題については、私も問題点の所在は確かにあると認めるわけでありますけれども、予算でいま幾らくらいということでそれを見ておるということはしておりません。 さらに、しからばそれをどのような補償をするかというような問題についても琉球政府といま相談もしておりますが、具体的には要求はしても手段がない。したがって、沖繩全体に対してといえば、琉球政府の財政に貢献するようなことになるのでありましょうか、そういう議論に落ち着かざるを得ないということで、この問題の性格上きわめてむずかしい問題であって、なお目下議論をしている最中であるとお受け取りいただきたいと思います。 さらに第二点の質問については、私よく聞いていたつもりでありますが、御質問の明確な、何を言えとおっしゃるのかよくわからなかったのでありますが、その点ではっきりお示し願えれば、たとえば琉球政府のあるいは市町村の地方公共団体の財源に幾ら組んだのか、あるいは臨時特例交付金で幾らになるのかという、それだけを取り出して言えということであったのか、そこらがどうもよくわからないものでありますから、そのほかに起債もございますし、すみませんが、もう一ぺん第二点の質問をお願いいたします。
○瀬長委員 さっき申し上げましたのは、最初に申し上げたように、この予算の性格からいって、私は、沖繩協定路線を強行する予算だと見ているわけなんです。そこで軍事費的なもの、終戦処理費的なもの、さらに国家の事務、事業経費的なもの、最後に本土の沖繩県の予算に組み込まれるような——それは一〇%補助もあるでしょうし、あるいは五〇%のもあるでしょう。いろいろ対応費もあるでしょうが、その最後に申し上げました金額が幾らになるか、もちろん財投の金額その他もあると思います。いずれにしても一般会計と特別会計的なものに分けて、一般会計の中に国家から交付される金額は一体幾らあるのか。細目についてはあとでいいと思います。概略大体どうなっているのかを明らかにしてもらえばいいと思うのです。
○岡田(純)政府委員 御質問に的確にお答えできるのかどうかわかりませんけれども、おっしゃいました二千二百億の中で、沖繩の振興開発に直接関係のあるものといたしましては、いわゆる開発庁に一括計上いたしまして、移しかえる経費が本体をなすであろうと思います。これは七百六十二億でございます。もちろんこの中には、沖繩開発庁自身がいろいろ施策を講じますものでありますとかあるいは金融公庫の出資金等も入っております。しかし、これはいずれも振興開発を直接目的といたしておりますので、そういう意味におきましては七百六十二億でございまして、四十六年度予算と対比いたしますと、内容にはさらに精査いたすべきものがあるかもしれませんけれども、四十六年度四百二十五億でございますから、はるかに多額のと申しますか、大幅な増額をいたしたものというふうに考えております。 なお、それに直接かみ合うというものではございませんで、たとえば義務教育費の国庫負担金等はいまの七百六十二億の中には入っておりませんで、文部省に直接計上しておりますけれども、そういう国庫支出金等も含めまして、国庫支出金だけ言えとおっしゃいますならば、沖繩県の関係につきましては四百二十八億というふうに心得ております。自治省のほうの報告といいますか聞いたものでございまして、その後精査いたしまして変わることもあり得べしということでございますが、そういうふうな状況でございます。他の団体に比較いたしまして、国庫負担は相当大幅に確保されているというふうに考えております。
○床次委員長 次は、安里積千代君。
○安里委員 防衛施設庁関係にお伺いしたいと思います。 返還後におきましてアメリカに提供する軍用地については、契約が進められておると思いますけれども、現在の進行状態においてどの程度進行いたしておりますか。
○銅崎政府委員 お答えいたします。 三月の三日に那覇地区の説明会をやりまして、以後六日から現在まで、各市町村の地主会におきまして説明会をいたしております。われわれといたしましては、これはまだ初めての段階でございますので、今後も引き続き地主の方々と話し合いを進めていきたいということで、いまのところの目標といたしましては、四月初めごろ復帰後の提供について同意をいただき、契約の予約をしていただければと思って、現在鋭意地元との話し合いを進めておるところでございます。
○安里委員 これは、具体的に申しますと、復帰までの間においては予約の形でなさるのですか、あるいは仮契約というような形でなさるのでしょうか。
○銅崎政府委員 契約の予約という形でしたいと思っております。
○安里委員 そうしますと、現在はただ地主との間の説明会をしておる程度であって、具体的に予約の契約をしておるものはまだ一件もない、もしこれが始められるとしても四月からしか始められないという状況である、このように理解してよろしゅうございますか。
○銅崎政府委員 そのように御理解いただいてけっこうであります。
○安里委員 沖繩におけるいろいろな軍用地の提供について、覚え書きによってアメリカに提供される土地については、いろいろと無理があったのではないか。ということは、アメリカ側が必要とする土地に対して、日本側といたしまして十分なる検討を加えずに、ただ、アメリカが必要とするということでその要求に応じて、あのような提供のしかた、覚え書きの状態になっておるのではないか、こう思うわけでありますけれども、具体的にいま一つのことを承りたいのですが、リストの中のA表にございます前島の訓練場の問題につきまして、地元の村当局と地主との間に非常に紛争が起きており、そして絶対にこれは貸さないんだという強い要請もあるという事実につきましては、対策庁としては御存じでございますか。
○銅崎政府委員 承知いたしております。
○安里委員 そこでお聞きしたいのでありますけれども、このA表の八十三でございましたか、前島訓練場をアメリカに提供するリストの中に入れました日本側といたしましては、この訓練場というものがどの目的に使われ、またどのようにされてきたものであるという実態につきまして、覚え書き作成当時これは了解の上でされたものでありますか。もしわかっておったとしますれば、当時どういう内容で、どういういきさつで、アメリカのいわゆる軍用地に入れなければならないような状況であったということを、十分理解の上で提供されたものでありますかどうか、そのいきさつについてもお聞きしたいと思います。
○銅崎政府委員 いわゆる一時使用訓練場につきまして、私ども具体的に承知いたしましたのは、常時使う施設の話し合いを始めてからかなりたった後でございます。それで、一時的に演習場としてこういう土地が使われておる。しかも、復帰になりましても、米軍としてはこういう土地を一時演習場として提供してもらい、使用したいということでございましたので、八十八施設の一つとして加えて提供したということでございますが、その際、私どもどういうことで使われているかということを調べたわけでございますが、こういういわゆる一時使用演習場は、市町村長の使用許可によってやっている。これは前島の具体的な使用許可証でございますが、米軍の演習を行なうための土地の使用許可証というものが、村長の名前で、しかもこの中に、渡嘉敷村長は、関係地主にかわり、彼らの代表として、渡嘉敷管内の前島を米軍が実弾を使用しない演習場として使用することに同意し許可する、どういう使用許可証が出されておりますし、こういうことをいろいろ検討いたしまして、それで提供するということに同意したわけでございます。
○安里委員 私がお聞きいたしましたのは、その内容につきましては、了解覚書を作成する当時においても——政府とされましては、その内容の具体的な問題も、どのように使用され、どのような実績を持っておるかということについても十分知った上でのことである、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○銅崎政府委員 さようでございます。
○安里委員 それでは、あの土地はどういう目的で使用されておるか、そしてその契約の内容というものはいつから始まっていつ終わるものであるか、その点についても、いまの段階じゃなくて当時の段階においてもよくわかっておってやられたわけですか。そして、いまの内容について、どういう目的でどのように使われてきたのだということについて明らかにしていただきたいと思います。
○銅崎政府委員 この前島のいわゆる一時使用演習場は、米軍がそこでサバイバル訓練といいますか、生き残りの訓練をするということで、年間数回、その島に兵隊を運んでそういう訓練をしたあとまた引き返してくる、そしてその際実弾その他使わないということで使っておる、こういうふうに承知しております。
○安里委員 もうめんどうくさいから私申し上げますが、一番初めになされたのが一九六四年九月から、しかもそれはたった一年間の問題、爆弾を使わない、実際の問題は耐乏訓練だということで、六四年の九月一日に契約をされました。しかし、それはあくまでも一年限りのものだったと思います。そして翌年さらにまた一年間の契約。しかし、六四年度も六五年度も実際は使われておりません。したがって、一文の地料も入りません。使った日数に応じて使用料を払うというような契約の内容のはずです。そして、六五年度も六六年度も六七年度も契約をしただけで使われてはおらない。そして、六九年度と七〇年度の二年度しか、わずか三十日足らずしか使われていない、こういう実態も御存じでありましょうか。そしていま問題になりますのは、覚え書き協定をつくりました当時のものは、七一年に契約をされて、そしてことし一年間、つまりことしの六月三十日で終わる契約だ、こういうこともよくわかった上で提供されるところの土地のうちに加えたわけですか。
○銅崎政府委員 この使用許可は、毎年六月の末に許可が出て、その年一年限りであるということは承知しておりました。それから使用実績も、大体先生の言われましたとおりの使用実績であるということも承知しております。
○安里委員 そうしますと、いま有効であるところの——これは市町村長が地主を代表してという、これは前の委員会においてもだいぶん問題になりましたから、私はあえて繰り返しませんけれども、はたして村長に地主の代表権があるかどうか、代理権があるかどうかという問題もありますし、現実に地主は全然知らされずにやられた問題であるということもありますが、その問題は抜きにいたしましょう。それはあるにいたしましても、アメリカとの契約はことしの六月三十日で終わる。ただ、返還協定やあるいは返還というものは五月十五日で、その以前である。いわば契約はもう六月三十日で終わるのですよ。終わるのに、五月十五日の返還時におきましては、このA表により、かつこの提供については、公用地等の暫定使用法によりまして今度アメリカに提供する、こういうことになるわけでありまして、そこに一つの矛盾を感じないでしょうか。軍が借りているのは六月の三十日までだ。しかも、それは実際においてはあまり使っていない。それを今度は日本の政府において、期間の定めもなく、これまで以上の大きな義務を負わされて提供するということが、ほんとうに日本政府としてこれは道理にかなうのだ、当然なアメリカ側の要求であるというふうに思われてやられたのですか、その点どうでしょう。
○銅崎政府委員 私どもの考えとしましては、米側が従来も使い今後も使うということで、どうしても必要な施設である、こういう観点に立って返還後の提供ということに同意しておるわけでございますが、なお、期間につきましては、こういう一時使用演習場が、先生も申されますように、過去一年に限って一年ごとの更新でやってきておる、そういうことで使用期間をどうするかということになりますが、これは現在政令段階でわれわれも検討いたしておるところでございますけれども、こういう演習場については、政令段階においてできるだけ短くするという方向で現在検討いたしておるわけでございます。
○安里委員 アメリカに提供するA表というものは、ああいうふうな協定と申しますか、両国間の了解がついたとしますと、これは政令だけでもって期間を定めるということもアメリカ側として承知するわけですか。もし、アメリカが、これは承知しない、アメリカがやったときには一時的なものだった、しかし、今度の返還によって今度は恒久的な基本的な、いつまでもアメリカから開放されるまでの間というものは使用を認めたということにしかならないと思うのですが、それにもかかわらず、こういう一時的な使用については、アメリカ側も一時的な使用として、あるいはまた政令の段階においてもそのように定める予定なんですか。
○銅崎政府委員 アメリカとの関係におきましては、こういう施設を支障なく提供できればいいということであろうかと思います。こういう施設につきましても、契約によりまして御同意をいただいて提供するということが最も望ましいわけですから、われわれはそういう方向で努力したいと思っております。 不幸にいたしまして、かりに暫定使用の対象として考えるという場合におきましても、これはわれわれとしては国内措置としてこれに対処すればいい。アメリカとの関係においては、支障なく提供できればいいということで考えておりますので、これに対してアメリカの了解なり同意が要るものであるというふうには考えておりません。 それからなお、こういう一時使用演習場につきましては、先ほど先生申されましたような使用の実態もございますので、われわれとしては、復帰後の使用の実態を見まして、できるだけ返していただくという交渉を前向きでやりたいというふうに考えております。
○安里委員 これはおかしな使用なんですよね。ただ五、六日耐乏訓練、ということは無人島になっておるものだから、アメリカの兵隊を無人島に置いて、そうして耐乏訓練をするというだけのものなんです。人のおらないところに置いておくというだけの訓練ですから、六四年から七〇年までの間にちょこちょこと一週間やってみたり、六日置いてみたり、しかも人間は五、六名、こういったようなものさえも、沖繩の返還によって軍用地としてアメリカに提供しなければならないという義務を、政府が唯々諾々としておるということは、あまりにも情けないと思うのです。こんなもの必要ないじゃないかというくらいのことは言えるはずなんですよ。お聞きしたいのは、もうあなた方は覚え書きに入れておるのだ。問題は、一たんこうやったものに対して、これは前島だけじゃございません、北部にもございます。同じように一時的に使われて、前の国会におきまして問題になりました各所あります。こういったことについて、返還までの間にこういう土地はもう返す、もう五月十五日というところの段階においていやならば強制的にでも使用権をとる、そういうめんどうくさいトラブルの原因になるようなことをせずに、こういったものはもう事前に、五月十五日の段階、形式的には日米協議委員会ですか、それで決定するでございましょう。ですから覚え書きにどうありましょうとも、返還時までの間に、こういったもの、これは類似のものがあると思います。そういったものは、反対があるならば、強制的に公用地の使用権を握るという、そういう法の適用を受けるまでもなくこれを開放する。アメリカもそれは私は納得すると思うのです。そういう交渉と申しますか、そういう主張というものをなされて、返還時までにおいても開放、そのことによって地主との間の不必要なトラブルを避ける。公用地のあの暫定使用法というものを適用せぬでもいいような状況をつくる、こういうところの努力というものがなされておりませんか。またその見通しはございませんか。またアメリカに対してそのような要求を具体的にやっておられるでしょうか。その点をお聞きしたいと思う。
○銅崎政府委員 現在アメリカとの交渉は、外務省を窓口としてやっておるわけでございますが、これは先ほどのサンクレメンテの会談におきましても、総理からもそういう点についてアメリカに話をしたというふうにわれわれは聞いておりますし、返還までに実現ということは、これはたいへんにむずかしかろうと思いますが、そういう気持ちで、復帰後直ちにできるような方向で、いまからアメリカと話し合いを進めていく、こういうことは私どもやっていきたいというふうに考えております。
○安里委員 もし返還までにこれが提供される土地のうちに入るということになりますと、その契約の内容というものは、アメリカがこれまでやっておった趣旨——額の問題は別として、同様な趣旨で契約がなされるのですか、あるいはまた、契約がなされなければ強制的に契約と同様な効力を生ぜしめる処置をとる、内容についてはアメリカがやっておったものと同じような内容になる、こういうことになりますか。
○銅崎政府委員 内容あるいは補償につきましては、かりに契約できたといたしますと、契約のやり方は、日本政府で一般の賃貸借契約の契約書がございますが、それに準じたかっこうになると思うので、使用許可というかっこうではなくなると思います。 補償につきましても、現在考えておりますのは、一応年間を通じまして一〇%程度の補償金をお支払いする。それから実際の使用に応じて、使用日数に応じた使用料をお支払いする、こういうふうなことを現在考えております。
○安里委員 アメリカも実際の使用日数に応じて払う、こういうようないまの契約になっておりますね。 そこで、問題は、沖繩の復帰後におきまする、ことにあの島におきまする、あの村におきまするいろいろな経済開発の問題と関係してまいります。現在、もちろん人は住んでおりませんけれども、あそこにはまだ、学校のあとも、家屋のあとも、墳墓もありまするし、そうして、日本政府の全体のいろいろな政策もあわせまして、たとえて申しますと、あそこにおきまする畜産業の振興というようなこともいま計画されております。ところが、アメリカのこの目的からしまするならば、これは耐乏訓練です。孤独の訓練をしようというわけです。そうしますと、使用するのはわずか数日でございましても、あそこに人間が住んでおったら、あるいはあそこで仕事がもしされておりましたならば、このアメリカの訓練の目的にならないのです。無人島の中に数日間置くという耐乏訓練をする目的のために借りております。そうなりますと、使用料は使った日数だけ払うとなりましても、村の経済、いろいろな計画、産業開発、アメリカの使うところの目的からしまするならば、これは全然手をつけられないのです。人間があそこに入り、人間があそこで経済的な仕事をするということになりますると、もうアメリカのあの訓練はできません。できませんから、逆に全然これについては、経済開発をしてはいけない、人間は入っちゃいけない、こういう結果になって、これはたいへんなことになると思うのです。わずかアメリカが一年の間に数日間使うことのために、大事な経済的な問題、産業開発の問題というものが、たったそれだけのために妨げられる、こういうばからしい負担をわれわれは持つべきものじゃないと思うのです。しかもこれは、地主は全然反対しておることなんです。それを無理に、わずかそのことのために、四カ年か五カ年の間にわずかしか使ってない。私は、こういうものに対しましては、もう理屈の上からも軍用地に提供しない。開放されるところのものに軍用地に提供したこと自体が私はおかしいと思うのです。六月三十日までの一年間の契約のものを、これから恒久的に使わす、そういうやり方自体まずいのですけれども、過去のまずさはともかくといたしまして、これはほんとうに開放してやるのだという、アメリカを納得せしめるだけの——防衛上からは問題ないと思うのです。それだけの自信と申しますか、腹は政府にないのですか。
○銅崎政府委員 特に個人で持っておられます私有地につきましては、村長さんが代表して米側と交渉する許可を与える権限がないということがわかってまいりましたし、先ほどから先生言われますような演習の実態というのも、私どもまたきょうはっきりとお教えいただきましたので、この点につきましては外務省ともよく相談をして、これは復帰前というのはたいへんむずかしいと思いますが、復帰後重点的にこの問題は取り上げて、できることならば返還してもらうというような交渉をやっていきたいと思います。
○安里委員 時間もありませんからこれだけにとらわれておるわけにはいきませんけれども、もちろん対米交渉は外務省かもしれませんけれども、軍事上必要でないのだというような、また行き過ぎであるのだというようなことを——私は防衛庁のほうとされましてやはり主体になると思うのです。防衛庁の意思に反してまで外務当局もあれするはずはないと思います。ひとつ強力に推進をしていただいて、この土地ばかりじゃございません、多数のものがあると思うのです。お願いしたいと思います。 それから、この土地の暫定使用法によりまして、もちろんこれは任意契約でございますので、契約ができないものもあると思います。契約ができないというものの中には、条件が合わないということが出てくると思うのです。具体的にある地域については、地料に合意がなされないということで、契約がなされないこともあると思います。 そこで、お聞きしたいのは、五月十五日までにそのような契約がなされない、あるいはまた積極的にこれを拒否するというところの地主に対しますいわゆる補償金ですね。この措置はどのようにされるわけですか。
○銅崎政府委員 この補償の措置につきましては、暫定使用に関する法律の三条に書いてございますが、一応土地の所有者の方と協議して定めるようになっております。ただいま先生のお話のように協議できないとか話し合いがつかない場合どうするかということですが、補償の支払いのほうは、所有者から請求がありましたらこれは私どもで見積った額を直ちにお支払いいたします。それで、協議ができない、あるいは額について不満な場合には、一応収用委員会に裁決を申請することができるようになっておりますので、収用委員会に裁決を申請して、収用委員会にその額について裁決をしていただく、こういうことになるかと思います。
○安里委員 いま御指摘の第三条四項には「前条第一項の規定により土地又は工作物を使用する者は、その所有者及び関係人の請求があるときは、自己の見積った当該年度に係る損失の補償の額を払い渡さなければならない。」こういうことでございますが、これは請求があって初めて払うということですね。そこで、強制的にいまの収用——収用ということばは使っておりませんけれども、使用を認めたもの、それで請求のないものに対しましてはどうするのですか。
○銅崎政府委員 請求がないという理由がいろいろあろうかと思いますが、補償の額について異議があるという場合は、やはり私どもとしては、この収用委員会の裁決を申請してそこできめていただく。どうしても受け取らないとか、お渡しすること、お支払いすることができない場合には、これは法務局にその補償金を供託をするという手続をとることになるかと思います。
○安里委員 その供託の根拠というのはどういうことになりますか。普通の供託法による供託で、弁済のための供託ということになるのですか、それともその供託は何らかの条件のついた供託になるわけですか。
○銅崎政府委員 条件は別につきません。ですから供託法に基づく供託になると思います。
○安里委員 しかし供託の目的というのが出るはずなんです。弁済のための供託ということであると思います。補償のため、弁済のためということになりましょう。 そこでお聞きしたいのは、その場合に地主が、契約するわけにいかない、金額もいやだということであります。しかし政府とされまして、自分がきめた額を供託をする。そこでその供託を受領した場合にどういう効力を生ずるかという問題が私は出てくると思うのです。わかりましょうか。弁済のための供託、場合によってはそれを受領することによって、供託の趣旨、代償として承諾して受け取った、こういう効力を生ずるということは地料を受け取ったことによって、明示の契約はないけれども、暗黙のうちに契約を承知して、つまり承諾したのだという、そういった効力の生ずるような供託になりますか。
○銅崎政府委員 この使用に伴う損失の補償でございますから、それに対して適正な補償を支払うということで、ここで三条の四項によりまして、その補償額を請求して受領されても、それによって暗黙に土地の使用を承認したということにはならないと思います。したがって、供託金を受け取りましても、これは土地の使用について承知したということにはならないと思います。
○床次委員長 安里君、大体時間が参りましたので、簡潔に願います。
○安里委員 その点は、あとでまたどんなへ理屈が出てこぬとも限らないと思うのです。問題は、それを多くの者が不満だといって受け取らなかった。しかしその補償を受領したがゆえに、この使用というものを地主が承諾したのだというふうに曲げて解釈されるというような事態がくるということになりますと、これはまた地主に対する大きな欺瞞ともなることだと思います。それは決して契約を承諾した意味にはならないのだ。それによって承諾の効力が生ずるのではないのだ、私もそう思いますけれども、そういった点、不必要なトラブルが将来に起きないように願いたいと思います。 総務長官にもお伺いしたがったのですけれども、せっかくおいでになりましたので、一つだけ。 海洋万博の問題についていろいろお骨折りでございますが、これはもちろん通産省の主管になっておりますけれども、私は非常にけっこうなことだと思います。 ただ、長官も前からいろいろ心を配っていらっしゃるように、あとに残るものが何もなかったのでは私は非常に困ると思っております。 そこで、総括的にこの海洋万博の開催について、将来沖繩の、ことに、単なる経済的な問題ではなくして、文化的な位置づけにおきまする沖繩の立場を考えた場合、海洋万博が何らかを将来に残すものでなければならないと思っております。ところが、肝心な総務長官とされましては、この開催の内容についてどれだけ関係を持たれるかわかりませんけれども、長官の御意見というものが十分反映できるような内容になってくるかどうか、これに対する長官の意見がどのように反映されるような機構と申しますか、仕組みになっておるかどうか、その点長官の考えをお伺いいたしまして、私、終わりたいと思います。
○山中国務大臣 これは役所の機構からまいりますと、実は私はその発言の正式な資格はありません。すなわち通産省において組織し、計画し、そして海洋博覧会協会というものを通産省の法人として設立をして、そこでいろいろと仕事をやってまいりますから、正確にはそういう立場にないのでありますが、しかし沖繩担当の大臣として、沖繩において海洋博が国際的な催しとしてされる以上は、直接あとに残るものとしての道路とか港湾とか、あるいは宿泊施設とかというメリットは当然のこととして、やはり沖繩の未来の新しい展望のために、国家的な立場、規模というものから見て、残し得るものというのはその万博の催しの中に入っていかなければならぬ。 それは端的にいえば、海洋開発研究センターみたいなものがそこに残ることになって、そして日本の、世界各国と競争し得る分野の貴重な一つである未知の分野の海洋開発に沖繩を拠点として、日本の学者、世界じゅうの学者がそこに注目をして、そういう新しい学術の拠点になるということにもぜひしたいと私は思いまして、相当差し出がましいこともいままでいろいろと言っておりますが、なお努力をいたします。
○安里委員 意見が一致しました。そういうことで、ひとつ長官、単に一つの催しものにならないように、あるいはまた、これにまた政府の相当大きな支出も出てくる。これに便乗して、一つの利権的な、あるいはまた一時的なものになってあとに何も残らなかった、かえって災いをもたらしたというような結果を来たさぬように、担当大臣として、牛耳ると言っては語弊があるかもしれませんけれども、将来の見通しのもとにひとつ十分努力していただきたいことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○床次委員長 上原康助君。
○上原委員 時間が限られておりますので、要点をしぼって三つの問題を大体長官にお尋ねをしたいと思います。 返還協定の批准書もすでに交換されて、いよいよ五月十五日の施政権返還というものが目前に迫っているわけですが、外務省の法的な手続面では返還の問題が一応片づいたということになっていようかと思うのです。しかし、県民生活あるいは新しい自治沖繩県を確立していくための諸準備というものは、かなりまだ残されている面があると思うのです。 そこで、関係法案も三つほどまだ審議が残っているわけですが、総理府として、この残された六十日間にどういう問題を最も重点的にやっていかなければいかないのか、あるいはまた、復帰準備を完了するのに最も支障を来たしているような問題、そういう面をぜひ明らかにしていただいて、私たちも協力できる面においては、十分意見を交換し合いながら、復帰がスムーズに実現をするように、なお一そう努力を傾けてまいりたいと思うのです。そういう意味で、かかえている諸問題の重要性といいますか、特にこの点は片づけなければいかないというような点を明らかにしていただきたいと思うのです。 これとの関連で、昨年の沖繩国会でも、いわゆる政令条項というのが、大体要綱なり、方向づけというのは出されたわけですが、各関係省庁の政令事項はいつまでに完了し、またその事務的手続をとるようになっているのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 復帰までの問題点の一番大きなものは、私にとって円の変動相場制移行並びにその後の円の切り上げ、それに伴う琉球経済全体の混乱、そうして物価その他の生活上の影響並びに賃金換算その他の個々の生活の収入面。企業にとっては、それに伴って起こる企業存立の問題、この問題は担当大臣としてまことに心痛のきわみでありますし、これに対してとっております政策のどこまでをさらに発展させることによって、これが五月十五日を円滑に迎える障害として——全部除去することはできないかもしれませんが、少なくとも本土の国民であったならば同じ日本国人であってもそのようなことはなかったわけでありますから、沖繩の人たちに対して、もうすでに大きな被害を与えておりますけれども、これについて最大限の努力を私は五月十五日まで、場合によっては清算事務等は復帰後も責任を持って努力していかなければならぬ問題だということを一番心配いたしておるわけであります。 あとの心配点は、これは国会審議の模様でこうなりましたからしかたがありませんが、開発庁設置法並びに金融公庫法がいまだ通過いたしておりませんために、琉球政府の国家公務員への身分の引き継ぎの個々の人々の折衝というものが、いまのところできかねる状態に置かれておりますこと、並びに金融公庫の設立準備委員というものが、法律が通りませんと人選ができませんので、総裁、副総裁等のきわめて中心のポストにすわるべき人の委員の委嘱ができないで、事務段階の懇談会的な形式で準備を進めざるを得ないことになっていること、これはもう五月の十五日からは直ちに融資業務を開始できる状態に置かなければなりませんので、この点は非常に心配をいたしております。しかし、これは国会の審議の結果によってきまることでありますし、私は、相なるべくんば、公務員の身分にも関係がありますし、あるいはまた、復帰直後の金融全般の問題に影響のある問題でありますから、すみやかな国会の審議並びに意思の決定をしてほしいものだと考えております。 さらに、上原君がかつてその立場にあったということで言うようにとられては困るのですが、現在起こっております、沖繩にとっては非常に大きいウエートを持つ軍労の争議、これもいまの非常な心痛事でありますし、しかも、それが復帰の前日に解雇の効力が発生をする、今夜の午前零時には晴れて日本国民になるのだという、本土に入るのだという、その前日に解雇される人々の心情というものはまことに察するに余りあるものがありますので、この点も私としては、いまのところいろいろと工作は先ほど申し上げましたとおりいたしておりますけれども、なおかつ軍労の方々の、それならばという納得を得られる点に至っていないことについて、なおかつ私としてできる限りの努力を、それぞれの所管当局に、外務省も含めて努力を続けていきたい、こう思っております。 なお、政令の問題は、先国会でおおむね政令案というようなものを要綱的にお示しをいたしましたのと大差はございません。しかしながら、手続的にはやはり閣議決定できまることでありますので、法制局の立場からの審査というものに時間を要しますし、他面において、政令が具体的に書き込まれる場合において沖繩現地の人々の理解を十分に得て、あるいは場合によっては政令の内容の考えておりましたものよりかもっと前進していかなければ、沖繩の人々の要望にこたえ得ないものもあるかと思いまして、いま各省庁手分けをして、政令案の内容を携えながら、現地に行って、琉政並びに、場合によっては密接な関係のある業界の方々等とも懇談等で説明をいたしておる役所もあるようでありますけれども、そのような意思の疎通をはかりつつ、大体これで問題点は解消できるという確信を得た後に、全体として一括して法制局との審査に入っていくということにいたしたいと思いますので、大体四月下旬ごろになのではないかと考えます。 これは非常に慎重な作業をすべきであって、政令の段階でいやしくも法律の趣旨が、政令においてその趣旨が完全に果たせないことになったり、あるいは法律の趣旨を害するような政令になってしまうようなことの絶対にないように、私も全部の政令に目を通して、その点は確めてみたいと考えております。一応時期は四月下旬ごろと考えておりますが、なるべく急いで沖繩県民の方々にも全部これが最終的な案だということで発表できて、そして安心願える日を早く迎えなければならぬと考えております。
○上原委員 問題の所在点につきましては、いま大体大臣が御説明なさった点だと思うのです。そこで、通貨の問題にいたしましてもあるいは残された法案にいたしましても、また基地労務者の問題あるいは政令事項にいたしましても、やはり県民の要求というものを具体的に解決をしていく中で、これらの問題もスムーズに解決をしていくという政府なりの一そうの御努力も私は必要かと思うのです。そういう面について、いま御指摘いただいた問題につきまして、通貨の問題等はもう何度か議論をいたしましたので、中身は省きますが、県民の損失というものがこれ以上深くならない、積み重ねていかれないように最善の解決策を早急に見出していただきたいと思うのです。 さらに、政令事項は、関連法案の審議が十分でなかったというようなこと等もありまして、ややもすると中央の感覚だけで押しつけられていく政令事項というものが出るのじゃないかという懸念を非常に持っております、不安を持っております。この点もいま長官述べられたような方向で、できるだけ結論を出す前に琉政なりあるいは県民、国民の前に明らかにして、足りない面を補っていくという前向きの解決策をとっていただきたいということを付言をしておきたいと思います。 次に、先ほども琉政の財政問題いろいろございましたが、復帰までの現年度の予算で、二千万ドル以上落ち込みがあってたいへんに支障を来たしている。これは屋良主席のほうからも長官といろいろ話し合いをなされたと思うのですが、これらの件は、やはり沖繩が予測できなかった支出というものがふえたということも大きな原因かと思うのです。そういう意味で、これに対してどう対処していかれるお考えなのか。 さらに、公務員の年休買い上げの問題がうまくいかない。財政措置が十分なされないというようなこと等もあって、現に琉政の公務員も五割年休を実施せざるを得ないというように支障、支障といいますよりいろいろな行政事務に支障を来たすような状況というものが残念ながら出ている。こういうことも早急に解決しないと、ますます現地においても、復帰諸準備を進めていく上に重大な支障を来たしております。 この二点について政府の対策なりあるいは解決策というものをぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○山中国務大臣 先般、琉球政府より屋良主席を通じて、復帰が五月十五日になったことに伴う沖繩の会計年度との差による歳入の見込みがそれだけ落ちる当然の減と、さらにその他の要因によって歳入が予定どおり入らない要素等について説明があり、さらにまた、歳出の面において当然これだけふえなければならないもの、中には前々年度からずっと続いた義務経費の政府負担分の支払いがなされていないというようなもの等もありますが、これはまあ琉球政府の財政が苦しかったからということで、それらをひっくるめて大体ネット四十二億程度の要望になりました。その中で本土政府として少し問題のあるところはやはり指摘せざるを得ませんので、それらの指摘をいたしました結果、四十億を少し切るかと思いますが、そういう金額については、復帰前の最後の沖繩県の累積負債は予算で処理するといっても、その最後に政府の店じまいをするときに、なおそれだけのものが残っていたのでは、これはどうにも新しい沖繩県の開庁式すら喜んでできないことになりますから、これは全部要請の金額にほぼ近いものを処理することにいたしたいと考えます。まあ中には歳入の面で、復帰後、本土政府において徴収されることになる法人税、所得税等を、復帰前において政府立法で琉球政府の歳入として収入を得たいというような話もありまして、それも私どもとしては大蔵省と相談をして、これはやはりいずれ納めなければならない税金であるならば、復帰前に沖繩県将来のために、沖繩県民の方々が繰り上げて納税するということさえ琉球政府が了承されるならいいではないかということで、その点も了承をできる見通しであります。 なお、公務員年休買い上げについては、これはもうたびたび質疑あるいは陳情、請願等についてお答えいたしておりますとおり、沖繩においては確かに永続して存在した権利であります。したがって、復帰まであるいは復帰の時点において退職される人には、当然の権利としての年休の一括買い上げによる支払いがなされることは当然でありまして、その意味では、先ほど申しました四十億前後の金の中にも、琉球政府の教職員の方々が復帰前に勧奨退職を受けて退職される財源と、さらにその退職する人に当然ながら支払われる年休の買い上げ分も当然の必要な経費として、私どもは異論を唱えておりません。しかしながら、復帰後もなおかつこの権利を継続して持たしてほしいというのが要望であります。しかし、これは国家公務員に身分の移る人もありますし、したがって、退職するときにかりにその時点において支給されるものであったとしても、本土政府の国家公務員、地方公務員の制度にない制度によって、休暇をとらなかったがためにそれを有給として計算をして支払うということは、どうしても本土政府として、かつて琉球政府の職員であったというだけで、同じ国家公務員の中でその人だけに特別な権利としての給付が行なわれるということはきわめて困難でございまして、たびたびできない旨を答弁いたしておりますので、私も現地側の要望というものはよくわかっておりますし、現在、公務員の人たちが五割年休を行使をしておられることも、復帰準備作業に支障を来たしてたいへんお困りだろうということもわかっておりますが、この基本線については、私としてはどうしても復帰後について色よい返事ができないということについてはいまだに変わっていないことを残念に思います。
○上原委員 特に後者、公務員の年休買い上げ問題につきましては、これまでもいろいろ御答弁をいただいたし、また内閣委員会でも議論をされましたが、少なくとも組合側あるいは該当者の権利というもの、既得権というものがなしくずしにされないように、なお前向きの御検討を強く要望いたしておきたいと思います。 あと一点、開発庁設置法との関連もございますので、基本的な一点だけお尋ねをしておきます。復帰後の県庁機構の問題、これはまあ琉政側のことですが、やはり身分引き継ぎの問題がありますので、開発庁設置法による出先機関の機構等については、最終的な案というものがすでに確定をしたのか、特に県庁機構の問題は人事の配置なりそういう面、最終結論というものが出たのかどうか、あるいは以前に発表された案そのものがまだ検討中であるのか、その点今後の議論もございますので、お聞かせをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 まず国の開発庁の機構並びにその組織、定員等についてはまだ国会を通過いたしておりませんから、したがって私どもが、もし通過をしたならば、法律として決定されたならばこういうことになるでありましょうということで、一部予算措置等も関係がありますから、輪郭はできておりますのでこれは事務当局に検討をいたさせます。 県庁の機構、組織、定員等については、全体としては、琉球政府の職員に残るべき人、そして国家公務員に引き取るべき人、また勧奨退職でそれまでに本人も希望し琉政も、退職金も本土の二倍、いわゆる現在の退職金給付の勧奨退職の金額は支給できればいいという人たちの数、そういうものを含めて大体話はついておりますが、県庁機構その他は自治省が主としてやっておりますけれども、おおむね国と琉政との間に基本的な構想については合意を見ておるようでありますが、琉球政府の中で何部を残すか、あるいは何部をつぶすかといういろんな意見はあるように私も拝察しておりますけれども、一応の合意いたしました機構等については、私のほうの事務当局より説明をいたさせます。
○上原委員 いいです、大体内容はわかっていますから。この点も後ほど開発庁設置法案の審議の過程でいろいろ意見も申し上げたい点もあります。また琉政側の建議書等にもかなり意見が出ておりますので、そういう面も御参考にしていただいて、最終的な結論というものを出していただきたいと思うのです。 次に、昨年の沖繩国会で、いわゆる沖繩の復帰に伴う特別措置法ができたわけですが、その中で、特に沖繩における免許取得の問題で漏れがあるのじゃないかと思うのです。琉政から出されました建議書の中でも触れておりますが、特に私が指摘をしておきたいことは、この免許資格の中でいわゆる社会保険労務士の取り扱い、この件、もちろん本土法に準じた形で一部免許取得をした方々もおるわけなんですが、沖繩において、こういう免許取得の取得方法があるということを該当者が十分に理解をしなかったというようなこと等もありまして、かなりの部分について試験を受ける資格がありながら試験も受けてない、また免許も取得できないというようなことが出ているわけなんです。そこで、一応法律もきまったということじゃなくして、こういう漏れの分については十分検討した上で、該当者に復帰までに何らかの特別な措置を講ずるということも必要じゃなかろうかと思うのです。そういう面でこれについてお気づきなのか、あるいはまた、もしそういう漏れがある場合にはどういう——まあいま一例を申し上げましたが、そのほかいろいろあろうかと田やりのです取り扱いをなさろうというお考えなのか、その点をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○田辺政府委員 お答えいたします。 沖繩の復帰に伴う特別措置法で手当てをしてあります免許資格の引き継ぎの問題でございますが、いま御指摘の社会保険労務士の問題は、正確に申しますと、沖繩法でそれに相当する資格制度がございませんので、免許資格の引き継ぎそのものではございません。いま作業をやっておりますのは、免許資格を、沖繩で大体相当の資格を持っておる者は全部本土法の資格とみなすというやり方で作業をやっておるわけです。この社会保険労務士の問題は、いわば新しく本土の社会保険労務士法が適用されると、こういう際にいかがすべきかという問題でございますが、これはすでに御承知と思いますが、本土法で、沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法というのが先年制定されておりまして、これは本土法による資格を復帰前であっても沖繩の人に与える、それのための特別の試験をやって資格を与える、こういう趣旨で制定された法律でございまして、その中で社会保険労務士に関する手当てをしております。これは社会保険労務士法が本土法で適用されました際に、その施行の際にとられたような、たとえば、その際までに一定の学歴を有して一定の年数実務に従事しておった者、そういうような者については特例選考によりまして、これは申請の期間が限定されておりますが、申請をすれば免許は与えるという、いわば本土法の経過措置があったわけでございますが、それらにならいまして、昭和四十四年に社会保険労務士法に関する沖繩の特例試験、正確に申し上げますと選考でございますが、その昭和四十四年十二月一日現在で一定の学歴を有し、それまでに一定の年数の経験を有しておった者に対しましては、選考によりまして本土の社会保険労務士の資格を与える、こういうことになっております。ただしそれには申請の期限が切ってある、こういうことでございまして、この法律によりまして資格を取得された方は二百十四名ある、こういうぐあいに聞いております。
○上原委員 確かにいま御説明ありますように、昨年、沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法というのができました。しかし、その中で、この社会保険労務士の取り扱いについては非常に不明確なんですね。測量士その他については明確で、通関士そういうのが主で、社会保険労務士については非常に不明確な取り扱いをしている。そうしますと、いま端的にいいますと、本土の社会保険労務士法を適用することによって、試験を受ける資格のある方についてはさらに追認といいますか追加して試験を受けられる、その措置をとる方法はあるということですか。
○田辺政府委員 ただいまお答えいたしましたのは、本土法の施行に先立ってと申しますか、沖繩の復帰に先んじまして、沖繩における特例試験、特例選考のことをやっております。こういうことを申し上げたわけですが、それによって本土法の資格をとられておる方が二百十四名ある。 それで、いまお尋ねの問題は、おそらくこういうことではないかと思います。今度復帰した後、本土法が施行されるその際にまた試験が行なわれるのか、こういう問題であるかと思いますが、それにつきましては、本土法では毎年やはり一定の資格を持った者に対して社会保険労務士の試験をやっておりますから、その本法による本来の試験というものは、これはもう復帰すれば全く本土並みに行なわれる、こういうことになるわけでございます。
○上原委員 ちょっと私の質問の要領が得ないかもしれませんが、二点ほどあるわけです。復帰後に、確かに本土法に基づいて社会保険労務士の資格をとる方法、しかし現に資格をとりたいということで、試験の経過措置というものもわからないで、二百十四名はすでにとったわけですが、たとえばこの社会保険労務士法の第八条に受験資格というのがあるわけですけれども、一項から十項まで、その八項あるいは九項において「労働組合の役員として労働組合の業務にもっぱら従事した」云々、こういう方々は経過措置、特別措置においてはほとんど試験を受けてないわけですよ。ですから私がお尋ねしているのは、復帰まで残された六十日の間に、こういう受験資格を有する人についてはさらに試験をさせて、その免許を交付する方途があるのかということなんです。
○田辺政府委員 お答えになりますかどうか自信がございませんが、先ほど来申し上げておりますのは、本土の社会保険労務士法本則による資格ではございませんで、沖繩における免許試験及び免許資格の特例に関する暫定措置法に基づく選考のことを申し上げているわけでございまして、それは、具体的には政令で規定をいたしておりまして、社会保険労務士となる資格を有する者で政令にゆだねられているものは、第一には、昭和四十四年十二月一日現在まで引き続き六カ月以上行政書士の資格を持っておる者、沖繩法による行政書士、それから第二番目が、先ほど来申し上げております「厚生大臣及び労働大臣が行なう選考により、社会保険労務士となるにふさわしい知識及び能力を有すると認められたもの」、その中に学歴と経験年数との組み合わせがございます。これはすでに行なわれておるわけです。これは申請の期限が四十五年十一月三十日までに申請した者に限る、こういうことになっておりまして、ちょうど一年間の申請期間を置いて、そして登録が行なわれている、こういうことになるわけでございまして、復帰前に、これからの六十日間にということは考えておりません。
○上原委員 こういうのはあまり公式の場でやりとりしても要領を得ないようですから、あとでまた資料と突き合わして御相談したいと思うのです。 それで、時間が来ましたので、最後に一点だけ長官にお尋ねをいたしますが、全軍労の問題でたびたびお尋ねいたしましたが、ずばり答えていただきたいわけですが、要するに賃金調整あるいは語学手当の問題等は、米側と労使間で詰めなければいかない。もちろん、日本政府の折衝なりも必要だと思うのですが、問題は復帰の時点で切られる方々に対して、当然、間接雇用に移行した場合は賃金の読みかえということで、実質的に三百六十円の保証ができる。五月十四日の時点で退職手当その他一切米側が支払う部分については、ドルでもらっても、円に交換する時点においては実勢レートになりますと、ばく大な損失になるわけですよ。私はきのうも申し上げましたが、たとえば七千ドルの退職金をもらう人が、実質的には千二百ドル近くの損失になるわけですよ、三百八円としても。こういうことが千六百名に及ぶわけですから、万々解雇の撤回ということがむずかしい情勢であるならば、そういった差損については、やはり日本政府の政治的な配慮によって何とかこたえていただく、それが私は、明日から復帰というのに首を切られながらも、やはりそこに政治の何といいますか、やるべきことというのが残されているのじゃないかと思うのです。その点について、ぜひ関係省庁と打ち合わせをして、沖繩担当大臣として前向きに答え得るということでも、この段階でぜひ明らかにしていただきたいと思うのです。
○山中国務大臣 いままではそのような具体的な、最悪の場合のドルでもって払われた場合の差損の問題についての指摘はなかったわけです。これは新しい御提案として、施設庁のほうとも相談をしていきたいと思います。
○上原委員 ぜひ要望に沿えるように特段の御配慮を要求いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○床次委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十四分散会