運輸委員会 第28号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/06/07
会議録
○徳安委員長代理 これより会議を開きます。 本日は、委員長所用のため、委員長の指名によりまして、私が委員長の職務を行ないます。 陸運及び航空に関する件について調査を進めます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。田中昭二君。
○田中(昭)委員 きょうは私は航空行政全般といいますか、基本的な問題について、現状をただしながらお聞きしてみたいと思います。ほんとうは大臣の御出席をいただかなければ、この問題は残る問題があるかと思いますが、それはそのまま残しまして、質疑の過程の中で必要であれば大臣に対する質問を留保いたしまして、ということをここで前もって申し上げておきます。 わが国の航空の需要というものは急速な増大の状態を見ておるわけでございますが、政府はこの現状に即しまして、四十五年の十一月の閣議におきましても、航空の大量高速輸送、こういうことを踏まえまして、その閣議了解事項ができたわけでございますが、この了解事項のできました時点と現時点ではどのような進展をしてきたものか、そういう経過的な相違点をあげながら御説明を願います。
○住田政府委員 昭和四十五年十一月に「航空企業の運営体制について」という閣議了解が行なわれたわけでございます。この内容は、いま先生からお話が出ましたように、航空輸送の大量化、高速化に伴いまして、今後の国際、国内航空事業のあり方についてきめたものでございます。 その内容といたしましては、日航につきましては国際線、国内幹線をやる、それから全日空については従来どおり国内線、ローカル線一緒に加えまして、日航との提携によりまして近距離の国際チャーター航空をやるということでございます。それから従来、四十一年の閣議了解によりまして、日本航空と国内航空とが合併をし、東亜航空と全日空が合併をするということがきめられていたわけでございますが、この閣議了解におきましては、その合併を取りやめて、国内航空と東亜航空会社が第三航空会社を設立するということが定められております。この第三航空会社の設立に伴いまして、従来ローカル線がほとんど独占されておりましたものを、原則としてダブルトラックにするということがきめられております。また国内航空が昭和四十一年の閣議了解に基づきまして日航と合併を前提にいろいろ援助を受けておりますので、四十五年の閣議了解によりまして、合併が取りやめになったことに伴う処理は、日航と国内航空で話し合った上で政府の承認を受けるということになっております。 その他幾つかありますけれども、四十五年の閣議了解の主たる内容は以上申し上げましたようなことでございます。 その後の発展といたしましては、この閣議了解に基づきまして、昨年の五月、東亜航空と国内航空が合併いたしまして、東亜国内航空という会社を設立いたしております。またローカル線につきましてはダブルトラックを導入する、ダブルトラックでいくということでございましたけれども、現在まだダブルトラックはとられておりません。経過としては以上のとおりでございます。
○田中(昭)委員 私がお尋ねしましたのは、もう少し具体的に、四十五年当時のエアラインの航空需要に対する体制といいますか、それと現時点における各企業並びに政府の航空需要に対する考え方、またやってきたこと、そういうものにどういう進展がありますか、こうお尋ねしたわけでございますから、そういう点で何か具体的なものがあればそれをひとつお聞かせ願いたい。
○住田政府委員 閣議了解できめられております大きな内容は、先ほど申し上げましたように、東亜航空と国内航空と合併するということであったわけであります。新しい会社にダブルトラックをやらせる。それで幹線の問題についても書かれてありますが、当時の需要から考えまして、昭和四十五年の時点におきましては、それ以前において国内幹線は大体三四%程度の需要の伸びを示しておりましたが、特に四十五年におきましては万博もございまして、非常に大きな需要の伸びを示しておったわけでございます。幹線につきましても相当高いロードファクターを示しておりましたけれども、特にローカル線につきましては便数が少なくてお客さんが乗れないという状況であったわけでございます。そういう状況を考えまして、今後の大量輸送あるいは高速化に備えて、ダブルトラックシステムをとる必要があるということであったわけでございます。しかし、現実の問題といたしまして、昭和四十六年度は、景気後退に伴いまして、需要の伸びも八%にならない程度の伸びではないかと推定いたしております。したがいまして、現状の需要から見ますと、幹線につきましては、大体平均いたしまして六五%程度のロードファクターでございますので、特に幹線の需要者が飛行機に乗れないということはなくなってきておると思います。それから、ローカル線につきましても、一時よりはやはり需要が落ちておりまして、かつては八〇%近いロードファクターを示しておりましたけれども、現在では大体七〇%を越えるという程度でございます。ローカル線につきましては、必ずしも常に切符が買えるという状況ではございませんけれども、四十五年当時から比較いたしますと、需給の面はかなり緩和されているというように見ております。
○田中(昭)委員 航空行政については、四十五年の閣議了解事項をもとにして行政並びに指導を行なっておる、こういうふうに認識しておりますが、そういう面での政府の航空施策に対する実行はどういうものがなされてきただろうかということを聞きたいわけです。その点で何か具体的なものはございませんか。四十五年から現在まで、政府としてはこの閣議了解事項にのっとってどういう問題を具体的にやってきたか。いまお話を聞いただけでもわかりますけれども、何か足らないことがあるような気持ちがするんですが、いかがでしょうか。
○住田政府委員 四十五年に閣議了解ができましてから、約二年間たっておるわけでございますが、閣議了解に基づきまして東亜航空と国内航空が合併いたしております。それから全日空につきましては、近距離国際線に月数便出ております。こういう点では閣議了解の実施ということになろうかと思いますけれども、四十五年以降、航空行政の面で大きな問題が起きておりますのは、むしろ安全の問題ではないかと思います。昨年の「ばんだい」と全日空の二つの事故によりまして、航空の保安体制を.急速に整備する必要があるということで、私どもといたしましては、従来の五カ年計画を繰り上げて実行するということで、本年度の予算でも、保安施設の面では大幅な予算を組んでいるわけでございます。したがいまして、保安施設の不備という御指摘を受けて、現在その点についての努力を重ねているわけでございますが、この点からいいまして、この二年間航空利用者は非常に不便であるという批判はいただいていないのではないのではないか。閣議了解の実行といたしましては、東亜航空の合併ということで、今後東亜航空のジェット化その他の問題がございますけれども、航空局といたしましては、この閣議了解の線に従って行政をやっておるという考え方でいるわけでございます。
○田中(昭)委員 まああなたもお役人だからそういう答弁しかできないのかもしれませんけれども、政務次官、こういうことを繰り返していても同じですから申し上げます。 航空の問題について御批判を受けたことはないと言いますけれども、実際問題として二年間になろうとするときに、昨年からああいう大きな事故を引き起こして、そうしてそれに申しわけ的に五カ年計画を——保安設備ついては三年でやるということが打ち出されましたけれども、それもそういう批判を受けて、五カ年計画を早くやらなければいけないということになったというのが、だれが聞いても常識的な話だと私は思うのですよ。問題は、この閣議了解事項を私が読むまでもなく、「航空の大量高速輸送の進展に即応しつつ、利用者の利便の増進と安全性の確保を期する観点から、」こうこうこういうふうにします。その中で一番初めにあがっておるのは、「安全性の確保については、航空環境の好転に眩惑されることなく、」こういう「眩惑されることなく、」というようなことまで了解事項に人っているので、私はいまの御説明では納得がいかないのです。それに対して、 「国及び航空企業において安全対策を一腰強化するとともに、航空事業の着実な運営を確保することにより、国民の負託に応えるものとする。」こうなっておるんでしょう。国民の負託にこたえたんですか。ああいう全日空の事故なり「ばんだい号」の事故なり、最近の航空機事故を考えてみた場合に、政府の施策というものがそういうエアラインまた乗員——乗員組合の会合にも私行ってみましたけれども、もう不平だらだら、不満だらだらです。航空企業にタッチする者がそういう心の動揺と環境の不安を訴えているようであれば、航空機事故が起こらないほうがふしぎなんです。大体、政府は、このエアラインに対して、ここ一、二年——ここにエアラインの企業の充実をはからなければならないということがうたってありますけれども、同じ航空関係の企業同士がお互いにいがみ合うような情勢です。そして、いま言いましたように、乗員もそういう不安にかられている。そういうもとで、どうして政府の施策が逆行したようなことをやらなければならないか。着陸料の値上げ、援助料の新設、燃料税の新設、そういうことについては前もって各企業に相当の負担をかけておる。そういうことをよく踏まえて、この閣議了解事項に対して政府は努力をしてもらわなければならない、私はこう思うのです。 もう一ぺんお尋ねしますが、「利用者の利便の増進と安全性の確保」という目標はどのように達成されつつありますか、政務次官からまとめてお答え願いたい。
○佐藤(孝)政府委員 御指摘の点に私も全く同感であります。田中委員はお手元に閣議了解の公文書をお持ちのようですが、ここに書いてあるとおり、これは航空企業の連帯体制についての閣議了解であります。したがって、国内航空と国際航空と大きく二つに分けて、多少抽象的な点もありますが、将来の運営体制はかくのごとくあるべきだということを書いているのがこの閣議了解だと私は判断しています。それじゃ、それを現実にどのように具体化されているかというと、いささかもって私は、かくかくの具体化がはかられているということは、いまの時点では言いがたいんじゃなかろうかと判断しています。これからいろいろ御質問等でもあるいは御指摘されることかと思いますが、昨年の九月の下旬ですか、生産問題も含めて、この閣議了解事項をもっと具体化するようにという命令を私は大臣から受けまして、現在までいろいろ努力しているわけでございますが、私の考え方は、いま日本に定期航空運送業というのは三社ございます。この三社のおのおの担当すべき事業分野を明らかにして、利用者の利便の増進をはかり、かつまた安全性を確保すると同時に、過当競争を排除して、均衡ある航空事業の育成をはかるのが閣議了解の本来の趣旨だと思います。そういう考え方で現在作業を進めているところでございますが、いまだ運輸省としての最終的な成案を得ていないことはまことに申しわけなく存じています。
○田中(昭)委員 防衛庁の政務次官の時間の都合で、そっちのほうを先にやらしてもらいます。全然別な問題でございますが……。 私も航空行政につきましてはいろいろ勉強さしてもらっておりますが、特に私の地元にいままで米軍と民間機の併用の飛行場、いわゆる福岡空港がございまして、ことしになって正式返還されたわけでございますが、いろいろな関係者の話を聞きますと、日本の基幹空海、いわゆる北海道から東京、大阪、福岡、こういう基幹空港の中で一番あぶないのは板付の福岡空港だというようなことをほんとうに物騒な根拠を示して私はお聞きをしたわけですが、これは少なからず、いまの板付の福岡空港の現状から見た場合に、そういうことも考えられるわけでございますが、特にいままでの返還前、返還後のこの福岡空港の管理、使用といいますか、そういう面については、聞くところによりますと自衛隊も使用する、米軍機もこれはやはり必要な場合は使うという了解がなされておるというふうに聞いておりますが、最近特に、ベトナム戦争の関係かもしれませんが、たいへん米軍機が多いようでございます。そういう問題につきましてどのような認識を持っておられるのか。 それからさらに、自衛隊の使用する飛行場の中の区域というものが、聞くところによりますといろいろ問題があるようでございますが、こういうものは私は早く福岡空港をひとつりっぱな民間空港としての整備をしていく上においても自衛隊の使用というものもはっきりすべきではないか。そういうことがなければ、民間空港の整備ができないということもあるかと思いますから、そういう点につきまして、米軍機の板付空港の発着の状況並びにいまの自衛隊が使用するとするならばその使用することの計画等について政務次官からお答え願いたいと思います。
○野呂政府委員 田中先生御指摘の最近におきまする板付飛行場におきましては米軍機の使用が若干ふえておるようでございます。しかし、これはベトナム戦争とかその他の問題でなくて、板付飛行場におきまする米軍機が、前の時点からはたいへん使用回数が減っておるようでございますが、返還された時点と比較しますと若干増加しておるのではないか。これは米軍施設の機能停止であるとかあるいはそれを縮小したり、または一部返還がございまして、それらの施設の撤去だとかあるいは資材あるいは人員の輸送のために一時的に使用が増加しておるのではないか。したがって、この状態は約一カ月くらい続くのだ、こういう推定をいたしておるわけでございます。試みに、昭和四十七年四月飛行機の数は約五十機だというふうに私どもは推定をいたしているわけでございます。自衛隊機も、御指摘のように使用さしていただいておりますが、これは定期便のYS11が週三回、人員及び物資の輸送に当たっておるわけであります。また、第八航空団西部支援飛行班、これは連絡用にT33Aが三機あるいはT34二機が常駐いたしておりまして、業務連絡いたしておるわけであります。こういったような米軍及び自衛隊機の使用状況でございますが、当然この自衛隊機の使用区域につきましては、運輸省の空港整備計画に伴いまして将来他の地域に移っていきたい、こういう予定に立っておるわけであります。また先般も運輸省航空局からこれに対する予算措置を早くしなさい、こういう指示もあったことでございます。私どもは今後の運営管理につきまして民間航空のほうと問題の起こらないように十分の処置をする所存でございます。
○田中(昭)委員 時間がありませんから、その点についてはもう少し詰めたいのですけれども、私、指摘しておきたいことは、確かに米軍機は、私が調べたところでは今年に入りまして二月なんかは普通の月の三倍くらい入っておるのです。問題はその機種です。いま政務次官おっしゃったような、縮小のための、輸送のための輸送機であれば——私は、その機種を調べてみますと、そういうことと思われないような大型輸送機が着陸しておるような状態、特に先月なんかも大体米軍機が普通の月の二倍です。そうこまかく見ていきますと、いまおっしゃったようなことにはならない、そういうことが予想されるような状態がありますから、そういう点はひとつ今後よく調査されて教えていただきたい、このように思います。 板付の問題は、時間がありましたら、またそのあとに譲りますが、政務次官のほうはけっこうでございますから……。 そこで、先ほどのエアラインの再編問題をもう少しお尋ねしておきます。 政務次官からお話がありましたところによりますと、航空事業というものに対する政府の施策ははなはだ完全ではない、進んでない、そういう卒直な御答弁だと私理解しますが、それはそうしましても、旅官を輸送するという安全性の確保については、私はそういうことを育っておれない、こういうように思うわけです。最近の事故を見てみますと、先ほどから言いますように、国民から見ればたいへんな怒りと不安感というものを持ちながら航空機を利用しておる利用者のお客の中にもそういう不安感を持っておる人が相当おる。そういうことであるならば、この問題は、ただ何か施設をするとか計画を立てましたとか、こういう問題だけでは解決できない問題、そういうものがあるのじゃなかろうかと私は思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤(孝)政府委員 日本に三社の航空会社がございますが、一社は御承知のとおり政府出資の企業でございます。他の二社は一〇〇%民間企業でございます。同じ株式会社であっても、たとえば石油だとかあるいは製鉄の企業と異なるのは、御指摘の安全性があらゆるものに優先するという特色が航空企業に課せられた至上使命だと思います。したがって、運営体制においても、ダイヤの編成においても、あるいは航空機の購入やその他においても、すべての面で人命尊重、安全第一ということを前提にした経営基盤なりあるいは将来のビジョンがなければならない。こういうことについては、事故の前後はもちろんのこと、以前からも他の株式会社と異なる企業であるということは、行政の立場にある運輸省からも再三指摘をし、またモラルの向上には努力するよう今日まで指導してまいっているところでございます。田中委員のお考えと私どもの考え方とは根本的に全く同じものと判断しています。
○田中(昭)委員 ところが最近の新聞報道等を見てみますと、運輸省の中でも、また航空局の中でもいろいろな試案というようなものがつくられていろいろ論議されておるようでございますが、私はこういう報道を見てみますとほんとうに情けないのですよ。国民の人命を守るという立場の政府施策が同じ航空行政をあずかる中で論議されて、そのために国民の安全が保てないとするならば、根本的に何を考えているのか、こういうふうに言わざるを得ないのです。この報道を読みましても、これは直接その問題に触れていくわけですが、航空業界の再編成の問題について運輸省に二つの試案がある。片方の佐藤政務次官の試案の内容は、民間三社を育成する、もう一方は、町田事務次官の案として、現行体制を踏襲していく。こういうことばかりやっておっては、いわゆる空の安全、人命の保護というのがかえってその方向と反対に行くのじゃなかろうか、こういう率直な意見を私は持っておるわけです。大体こういうような二つの案をもとにして政府は何をしようと思っているのですか。これはそれぞれの立場からになりますとそれぞれの立場の説明になるかもしれませんけれども、やはりこれを総括する大臣の御出席を願って、大臣としてこれをほんとうにどうさいはいしていくのか私はただしたいところです。聞くところによりますと、佐藤内閣もあと余命短いものになったようですが、そういうときに限ってこういうものが出てくるということも考えられるし、ほんとうにこういう問題を解決しようということになるのだろうか、そういう心配があるわけです。きょうは大臣に御出席いただいておりませんから、片方の言い分だけ聞くことも不公平かとは思いますが、これは私のほうの責任ではありませんから、ひとつそれを踏まえて、いま私が率直に申し上げました、こういう案をもてあそぶだけではいけない、簡単に言ってしまえばそういうことになるわけですけれども、それはそれなりの試案の考え方もあるかと思いますから、まず佐藤政務次官に、民間二社を育成するという、それはそれなりの意味があると思いますが、そういうことにつきまして、ひとつ簡単に御説明をいただきたいと思います。
○佐藤(孝)政府委員 ちょっと簡単にといわれても……。なるたけ要領を得たお答えをしたいと思いますが。 私は、運輸政務次官であると同時に国会議員であります。そういう立場で私は運輸省に昨年の七月から赴任したわけですが、運輸省全体を見たときに、ややもすると、私から見ると、許認可行政が優先しているという印象を私はどうしても受けるわけです。私から言うと、許認可行政というのは、そこにビジョンなり政策があって、それを実現するための方法なり手段として許認可行政というものがあるべきじゃなかろうか、かように考えております。 航空についても同様のことがいえるのじゃなかろうか。たとえばジャンボー機購入するにしても、注文してから手元に引き取るまでに最低二十カ月から二十五カ月の日時を要するということです。しからばそれなりにやはり長期ビジョンというものがあって、それに基づいてエアライン各社がおのおの会社の将来のあり方というものを運輸省と一緒になって考えて結論を出していくべきものと私は考えております。 その話は別として、私の立場を率直に申し上げますと、先ほど申し上げたように昨年の九月の末ですか、大臣から、どうも三社ともあまりうまく事を運んでいるように思われない。また事務当局と、たとえば燃料税の問題でもエアラインとしつくりいっていない。何とか調整してもらえぬか、こういうお話がありまして、今日までいろいろ努力してきたわけでございますが、閣議了解は、先ほど御指摘のように国策会社とそうでない二社といかに均衡をとっておのおのの立場を尊重しながら日本の航空事業を育成して国民の負託にこたえるか、こういう観点から閣議了解というものができていると思います。 そうすると、いま日航以外の三社は赤字でございます。特にひどい東亜国内は、率直に申し上げてどうかと思いますが、倒産寸前だといっても私はさしつかえないと思います。それほど困った状態に立っております。その会社を自然淘汰させるならば別ですが、そうじゃなくて閣議了解の線に基づいて三社おのおの育成強化していくというならば、やはり自由競争の以前に、最低の自由競争できる、だけの基盤を確保した上で自由競争をさせるべきではなかろうか。それには三社おのおの立場を得しめる。これが最も適切な方策じゃなかろうか。かような考え方から大臣から私にお話があったことですから、私なりに良識をもって判断して私の案というものをつくったわけでございます。 田中先生御指摘のように、いまの時点で私のこいねがうことは、行政の最高責任者としての運輸大臣の良識と英断を私は期待している次第でございます。
○田中(昭)委員 連れてきてもらわなければ困りますね、質問ができませんね。 佐藤政務次官からお話がございましたから、私はそのお考えを佐藤政務次官の案としていただいているものがございますから、もう少し確認しておきたいのですが、「定期航空運送事業三社それぞれの事業分野を明らかにし、利用者の利便の増進と安全運航を期するとともに、過当競争を排除して健全かつ均衡ある航空事業の育成強化を図る」とございますね、この「健全かつ均衡ある航空事業の育成強化」ということは、どういうことをお考えになってこの文章になっているのですか。
○佐藤(孝)政府委員 三社の現在の運営体制を大別すると、日本航空は国内のドル箱といわれている幹線と、それから国際線全般、定期、不定期、チャーターを問わず国際線一切を担当しております。それから全日空は、国内の幹線とローカル線、さらに先ほど監理部長からちょっとお話がありましたが、近距離国際のチャーターを日航の了解のもとにごくわずかな便数をやっている。これが全日空の現在運営している部門でございます。東亜国内はローカル線だけでございます。 そこで、日本航空というのは国策会社です。日本航空に対しては、政府は出初は五割、現在は増資の関係で約四割ちょっとだと思いますが、政府出資がございます。その分に対して株主配当もありません。同時に利子補給、あるいは世界銀行から金を借りる場合、飛行機を購入する場合、政府は一切この保証をしているわけです。いわば国策会社としてまるがかえの実情にあるのが日本航空でございます。すべてまるがかえといいませんけれども、それだけの恩典を与える国策会社でございます。したがって、国策会社というのは、国の国策の線に従って、日本の航空権益を守るために、日本の国益と利用者の利便を考えてその分野で活躍するというのが私は日本航空のあり方だと思いますが、同時に全日空というのは、いま申し上げたように、幹線とローカル線を担当しております。それも今日では赤字でございます。やはりこの会社も一〇〇%私企業ですから、幹線の分あるいは国際不定期並びにチャーターの近距離において政府はノンIATAとしての全日空を、私は、ある程度考えてやるべきじゃなかろうか。それから第三の東亜国内航空ですが、これは現在ではローカル線だけを、しかもプロペラ機によって運航しておる。しかしジェット機とプロペラ機の営業業績というものは二割ないし三割の格差がございます。プロペラ機というのは時代の要請にはもう全くこたえられない、採算のとれない機種である、こういうことでございます。したがって、第三の航空会社を育成強化するという閣議了解の線に従うならば、これをいかに安全性を確保しながらジェット機に切りかえるかということ。さらにどういう比率でこの航空会社を幹線に入れるか、こういうことを考えて、三者おのおの担当する分野を明らかにすることが、即安全にも連なるし、過当競争も排除して、私は均衡ある航空企業というものが日本に定着するのじゃなかろうか、こう判断しています。 補足になりますが、たとえば東京−福岡便があるのですが、現在飛んでおるのは全日空と日本航空です。日本航空のほうは六割ないし七割近いロードファクター、利用者がございますから、これは採算に合います。全日空は札幌同様三割前後でございます。これは採算に合いません。なぜ採算に合わない飛行機を飛ばすか。やはりいつ行っても、キャンセルした場合でも、自由にその航空会社が発行する搭乗券で乗れるということで、無理してそこに便数をふやしておるということ、これは明きらかに私から言うと過出競争だと思います。それこそ安全性という面から考えると、疑問が出る点でございます。 以上でございます。
○田中(昭)委員 まあ政務次官のおっしゃったことはわかるわけですが、それと対照的に事務当局の事務次官案というのもございますが、それをひとついまの線に沿って、幹線の航空についての事務次官案というものをだれかに説明していただくと同時に、私は、いまいろいろお話の中にありました、そういうことによって過当競争が引き起こってくるという問題、それからその航空企業が経営難におちいって、そして将来に不安というものを持ちながら航空輸送事業を行なうこと自体、私は、そういう立場に立ち至らせたことが問題ではないか、こういうふうに思うのです。ですから、そういう名前をあげれば全日空、東亜国内航空、こういうものに対して幹線の輸送をやらせるという問題、それからその企業がそれぞれたいへん将来の希望もないというような状態にあるものを、事務当局としてはどういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○住田政府委員 先ほど御指摘がございました事務次官案というものは、事務次官が私案としてお書きになったものだと思いますけれども、外部に発表するというようなものではございませんので、私どもといたしまして、文書の事務当局案がどうであるかということは、この席上で申し上げかねるわけでございます。
○田中(昭)委員 それでは、その二つの民間会社が、そういう将来の希望を持てない不安な状況であって、そしてさらに過当競争的な運航をすることについては何の責任もないのですか。その点の御答弁がなかったようですが……。
○住田政府委員 航空企業として一番重要なことは、先ほど政務次官から申し上げましたし、先生からたびたび御指摘ありましたように、安全ということ、だと思います。航空企業では競争といいますか、営業という面は非常に少ないわけでございまして、むしろ利用者というものは安全性を信頼して飛行機に乗るということであろう、こう思います。したがいまして、新聞紙上で、ある航空会社の飛行機が引っ越したとか、あるいは昨年の事故の経緯を見ましても、飛行機の大きな事故がありますと、その航空会社に対する利用者の利用というものは急激に落ちてしまう現状でございます。したがって、営業上の競争ということよりもむしろ安全性ということがすべてに優先する企業の性格を持っておるわけでございます。 安全性の問題につきましては、国がやる面と企業自体がやる面と二つの面があろうと思います。国のやる面につきましては、先ほど申し上げましたように、五カ年計画におきまして、航空保安施設の整備については、強力に、かつできるだけ早い機会に完成するということで現在鋭意努力いたしておるわけでございます。 それから航空企業の問題につきましては、国が監督する面と航空企業自体がやる面と二つの面があろうかと存じます。国が監督する面というものにはおのずから限界があるわけでございまして、やはり航空会社というものが、自分の責任で安全性を高めていくということが必要じゃないかと思います。先ほど申し上げましたように、航空会社の場合には、安全性がすべてに優先するわけでございますので、航空会社の経営者というものは、何をおいても安全性を確保するということが経営者の態度じゃないかと思います。もちろん運輸省といたしましては、航空会社に対して、運輸省として気がついた点につきましていろいろ指導いたしておりますけれども、最終的には、航空会社の責任においてやってもらうという考え方でいるわけでございます。安全性の問題につきまして、航空会社の努力の程度というものは確かに差があるわけでございまして、そのために利用者の利用が実際に数字であらわれますのは、ロードファクターの点であろうかと思いますが、ロードファクターの面でかなり差が出てくることは事実でございますけれども、その大きな理由は、安全性に対する信頼じゃないかと思います。 四十五年の閣議了解のときの考え方でございますけれども、東亜国内航空というものは、従来YSを中心にローカル路線を経営しておったわけでございます。ローカル線の経営は、四十五年当時におきまして、東亜航空も国内航空も相当の利益をあげておったわけでございます。したがって、両者が合併して、ローカル線を中心に運営していっても十分採算がとれるという見通しであったわけでございます。先ほど政務次官から話がありましたように、今後はYSをジェットに切りかえるということでジェット化をはかれば十分採算がとれるというような見通しを当時立てておりましたし、現在でもその見通しは間違っていないというふうに考えております。現実の数字を見ましても、全日空の例では、ローカル線は相当大きな黒字を出しておりますので、ローカル線、だけでも十分採算はとれるというふうに考えております。またYSにつきましても、現在沖繩では南西航空という会社がYSだけで運営しておりますけれども、やはり相当な黒字を出しておりますし、路線によりましては、ロードファクターの高いところでは十分YSでもやっていけるというふうに考えております。
○田中(昭)委員 幾らお役人でも、もう少し私の言うたことを——あなた、さっき事務次官の案は外部に発表するものではないということを言われたから、そういうことだったら、答弁はもう少し簡単でいいです、私も聞いておることだし。ですから、あれでしょう、いまの外部に発表できないというような問題でも、新聞には発表して、何でここで発表できないのですか。あなたがそういう答弁をするのだったら、そういうふうに言わなければならないですよ。どうですか、新聞発表をしておきながら、なぜここで発表ができないのですか。そういうことを言っても繰り返しになりますけれども、私は確認していきます。たとえば、東亜航空のローカル線、これはあなたのほうの、新聞に出ておるのを見れば、これがはっきり出ていますね。町田事務次官案としては大体四十七年度から東亜国内航空にもジェット機を運航させる。ところがこの新聞にも載ってないようなことでこういう考え方があるのですが、それは四十七年度から原則として入れるが、その東亜国内航空の運営についてローカル線の実績がよくならなければいけないということでしょうね。実績をもとにして、そして安全体制が確立され、基盤の強化がなされるならばそういうことを前提として自主運航させるものとする、その時期は大体おおむね四十九年だ、こういうことを考えておられると聞いておりますが、間違いございませんか、その内容には。
○住田政府委員 先ほど申し上げましたように事務次官案というものを外部に発表いたしたことはございません。先ほど先生が新聞に発表してというお話ございましたけれども、私のほうで事務次官案として外部に発表したことはございません。 それから、いまお話がございました東亜航空の幹線の問題でございますが、これは四十五年度の閣議了解の中にも、「新会社は、当面、ローカル路線を運営するものとし、将来、安全体制の確立を含め企業基盤の充実強化がなされた段階において、幹線における航空輸送需要の動向に即応し、航空法に定める要件を充足すれば、幹線運営を認めるものとする。」ということが書かれているわけでございまして、本年度からローカル線をやってみて、その結果安全性について十分信頼できるという段階になれば幹線をやるということは認められているわけでございます。その時期を大体四十九年くらいには、これから努力すればできるのではないかというような見通しが述べられているものと考えております。
○田中(昭)委員 どうも事務次官案というものについては要領を得ないようでございます。しかし私はいま聞いておりまして、たとえば、はっきりした問題としまして申し上げましょう。国際貨物の輸送体制といいますか、そういうものについてはどういう認識を持っておられますか。いまあなたの話を聞きますと、都合のいいときは四十五年の閣議了解事項を持ってこられる。私は最初に聞きましたね、そういう四十五年の閣議了解の事項のときと現在で、国際貨物はどうあるべきですか。それをひとつ聞いておきましょう。
○住田政府委員 国際航空貨物につきましては、将来は相当大幅に伸びるだろうということが見込まれております。しかし現段階ではそれほど大きな伸びはないわけでございまして、四十五年度におきましても十万トン程度でございます。この閣議了解のときにおきましては、今後国際航空貨物というものは相当ふえるであろう。したがって、それを前提に今後の運営体制を考えてはどうかということを述べておるわけでありまして、これに基づきまして運輸政策審議会の物的流通部会におきまして今後の国際航空貨物につきまして一応の試算をいたしたわけでございます。それが最近発表されまして、昭和六十年には五百万トンになるということがいわれております。これは昭和四十五年の十万トンに比較いたしますとたいへんな大きな伸びであるわけでございまして、そういう伸びを前提に今後国際航空貨物の運営体制を検討するということで、これからの問題として取り上げることになろうかと思います。
○田中(昭)委員 だから私、あなたたちの答弁が気に食わないのですが、そういう国際貨物の急増するというようなことは四十五年のときにも閣議了解事項で出ているじゃないですか。それが二年たとうとしておるのに現在も同じようなことを繰り返していくというようなことですね。あなたは現在はたいしたことはないけれども将来はふえる、こういう認識に立っておるならば、将来ふえるということを考えながら、現時点でやっていることがどうなんだということを指導監督するのが航空行政じゃないか。その都合の悪いものは、あなたのような意見を持っている人は、私はいろいろ聞いてみますと日航だけですよ、そういう考え方を言っているのは。ほかの人は、一般的に国際航空貨物というのは、いままで輸送した実績もありますし、それじゃ四十五年から先月までどうふえたかというようなことは私が言わなくてもわかっているわけでしょう。現時点ではあまり変わらない、将来は伸びるという予測ができるのに二年前と同じことを繰り返すようなことじゃどういうことになりますか。そうでしょう。四十五年から現時点まで国際航空貨物がふえてなければいいですよ。ふえてないにしても今後急増するということが予想できるならば、それに対する——いまむずかしいエアラインの調整を行なおうとしているときでしょう。そういうときに、二年前と同じことを言っているのですよ。急増する国際貨物輸送の需要に対処し得る航空企業体制に有効な方策を今後早急に検討するというのに、まだ現在も審議会にかけて云々、こういう隠れみのの審議会を通してやるというようなことを言っている。どうですか、これは。
○住田政府委員 昭和六十年に五百万トンになるというのは、先ほど申し上げましたように運輸政策審議会の見通しでございまして、昭和六十年というのは相当先の話でございますし、それには幾多の前提条件があるわけでございます。たとえば、ジャンボの貨物専用機が飛ぶとか、あるいは航空運賃が相当に下がるとか幾多の前提があるわけでございますし、またこの五百万トンの数字自体については一部批判のある数字でございます。私どもといたしましては、国際航空貨物が相当の量まとまって一つの営業単位として十分採算に乗るというのは昭和五十年以降の問題ではないかというふうに考えます。現在でもジャンボのフェリーで約三十トンくらいの荷物を運ぶ能力を持っておりますし、昭和五十年程度までの需要の伸びでは現在の航空機の能力で十分まかなえるのではないか。大型のジャンボ貨物専用機を太平洋へどんどん飛ばすというのは五十年以降の問題であるし、五十年以降に急速に伸びる問題である。したがって、早急にいま運営体制をきめても直ちにそれで採算がとれるような企業が成り立つかどうか疑問を持つわけでございます。そういう点を含めまして、今後航空審議会等で運輸体制について意見を聞きたいというふうに考えておるわけであります。
○田中(昭)委員 どうもそういうことでも、いまあなたのお答えだけでは四十五年の閣議了解事項とほとんど変わらない。その言いわけをしているだけですよ。ですから、いままで先輩議員からも、航空行政というものは航がない、から行政である、そういう痛烈な指摘もあり、身にしみて航空局はほんとうにやらなければだめですよ。こんな航空三社の調整もできない、お互い同士でそれぞれの立場に立ったようなものの言い方をしておって、私が最初に言いましたようにどうして国民の負託にこたえていけますか、もう少し考えていただきたいと思います。この問題はやはり責任者の大臣の御出席を得なければ結論が出ない問題でございますから、この次またそういう機会をつくっていただくことにお願いしまして、保留しておきます。 時間がございませんから、今度は地元の問題でたいへんあれでありますが、航空に関する問題でございますから少しお尋ねしておきたい。板付、いわゆる福岡空港の問題です。 先ほど私が申し上げました日本の基幹空港の中で福岡空港ほどあぶないものはないということを聞きますが、これに対する当局のお考えをお聞きしておきたい。
○丸居説明員 福岡空港ほどあぶない飛行場はないというお話でございますけれども、私は、もしあぶないところでいま気になっておるところはどこかということの御質問でしたら申し上げられないことはないと思います。それは、滑走路の端をいままで県道が通っておりました。この県道は必ずしも航空法そのものに触れる程度のものではございませんでしたけれども、やはりそこは滑走路の末端にかなり近いものですから、自動車が通るあるいは自動車がそこでとまって、北を通っておる飛行機を見上げる。そういったものが滑走路の末端にありますと、どうしてもやはりパイロットの神経をいらだたす点もあると思いますので、ここはやはりそういった一般の道路を、廃止すべきであるということで、長年これについて廃止をお願いいたしておりました。福岡空港について私が従来特に気にしておったのは、この県道の廃止の問題でございます。しかしおかげさまで、最近に至りまして県道の廃止をしていただきまして、そして代替の道路を、前からついておりましたが、これが非常によく整備をされまして、いまではそちらの方の道路ばかりを通って、私が申し上げております道路、アプローチライトのまん中を通っておる道路というのはいま通らないようにいたしておりますので、その点は改良されたと思います。 それから、もう一つ申し上げられることがあるとすれば、板付の飛行場の保安無線施設がかなり古うございまして、これはわれわれのほうへ返還されましてから逐次直しつつ、取りかえつつあります。本年度一ぱいを待たないでほとんど新しい、東京、大阪両国際空港にあるのと同じような施設に取りかえるつもりでおります。現にかえてしまっておるものもございますし、現にあるものが古いということだけでございまして、古ければ古いだけテストをひんぱんにいたしまして、十分に安全の確保をはかっておるつもりではございます。
○田中(昭)委員 あなたのそういう考え方で福岡空港を見ておって、この前ちょうどあなたが空港の開港式におみえになって、福岡空港は了解を得ればすぐ国際空港、一種空港にでもできる、そういうあなたの考え方をもとにしていろいろ福岡空港の整備計画についてお述べになっておるのが新聞報道されておりますが、その真意は何ですか。一種空港にするとかしないとか、そういう条件がそろえばとか、そういうことを言われますと、いままでの私たちがいろいろお聞きしたこととちょっとひっかかることがあるわけですが、その真意はどういうことですか。
○丸居説明員 国際空港というものの概念があまりはっきりしていないのでございますが、国際線が入るのは国際空港だ、つまり税関空港も国際空港だという考え方と、それからもう一つは、国際空港といえば一種空港のことなんだという制度上の問題と二つございますが、たいていそれが混同されて、一種国際空港にしてくれということをときどぎ福岡で言われておるのをいままで聞いておるわけでございます。この間参りましたときに、ちょうど新聞記者の皆さんに会えという御要望がございまして、私お会いしたのですが、そのときに国際空港という意味は、私がいま申しました後者の意味で、一種国際空港に福岡をするつもりがあるのかないのか、こういう御質問がございました。そこで私は、一種の国際空港にすることにはいろいろ手続上むずかしい問題がありまして、これは運輸省の意思だけでもなかなかきまらない。これは政令の改正を要しますので、関係省庁の了解を得なければならないのだけれども、その中で非常に問題になる点があります。それは、国際線がある程度の量があって、それがはっきりフィックスするということが一つの条件でしょう。もう一つは、飛行場が国際空港として今後永続的に十分使えるという状況にならなければならぬのじゃないだろうか。その二つのことが完備すれば、この飛行場は面積が百万坪もございますから非常にりっぱな飛行場である、そういった国際空港になり得る資格が十分あるように思います、こういう回答をしたわけですが、それが新聞にああいうように載ったということでございます。
○田中(昭)委員 あなた、いま国際空港にも十分なような空港整備をする、あぶないという話もあったから。そういっておきながら、その一種空港問題を突くと、そういうような条件が整えば一種空港にできるのですよということを言われたというのだ。そういうところをもう少しはっきりしてもらいたい、こう思うのです。大体福岡空港のマスタープラン、整備計画というものはどこがつくって、いつつくるのですか。
○丸居説明員 そのプランは航空局でつくり航空局が決定することになると思います。ただいまのプランでございますけれども、プランの作成上われわれが非常に窮境におちいっておるというほどではないかもしれませんが、困っておりますことは、先生も御承知だと思いますけれども、福岡空港の現在の民間空港としての表玄関は東側にございます。しかし東側は、面積が非常に少のうございます。それと、ビルを将来建てていく上において、滑走路までの幅が非常に問題です。それが東側は非常に狭いわけです。将来福岡に大きなジャンボ機が入る時代も来ると思いますけれども、そういったときに幅がないと、りっぱなターミナルビルを建てることが非常にむずかしい。そういうこともございまして、東側に土地を買収してそういうものの幅をとって建てるべきであるか。それとも今度返還されたのだから、西側に広いところがあるのだから西側に持っていって建てたらいいのではないかというふうないろいろな意見があります。それらの意見を十分検討いたしまして、なるべくならあいておるところへ建てていきたい。しかし東側がさびれるという地元の御意見にもわれわれ十分耳を傾けなければならぬのではないか。東側もさびれないように、東側も西側もともに使っていかなければならぬ場合が来るわけですから、それらの最終的な時点をつかまえて、最初から両方が成り立つような方法を考えながらターミナル計画というものを立てていきたいというのでいま苦心をしておる最中でございますが、これはおそらく半年か一年の間には何かはっきりしたものができ上がってくるのではない、だろうか。いずれ十分なる調査も必要であろうと思いますので、そういう調査を待ってはっきりしたものを打ち出したいというふうに思っております。そのときには、何といいましても東側の皆さん方と十分話し合いをして、そして納得をしていただいた上でそういうものを発表していきたいというふうに思っております。
○田中(昭)委員 マスタープランをつくるのは航空局が責任を持ってつくる。いつつくるかということについては半年か一年だ。そういう肝心なことをここで言えないことは、それはそれなりの事情があるにしても、あなたも将来航空同の中枢に立って働かれる方だし、それにしては地元ではマスタープランがいつできるかわからぬというような、航空局が一番やらなければならないことについての発言はいいかげんにしておって、それで県とか市にまかせたような発言をなさる。それはそれがいいのですよ。もう少し、マスタープランなんというのは一番早くできなければならない問題だと思いますよ。いまから調査をする。いまから何を調査しますか。いままでに調査しておくべきではないか、またしてあるものだと思います。きょうはここで、時間がありませんから、そういう航空行政の中枢におられるあなたたちとまた地元とのいろんな話し合いがスムーズにいって、そして一日も早くそういものを教えていただくようにお願いをしておきます。またあらためて教えていただくということで参りますから、そういうときにはっきりしていただきたい。そして先ほどからいいますように航空の安全ということをほんとうに真剣に考えるならば、航空局がやるべき仕事がまだまだたくさんある。そのやるべき仕事の正しい方向なり妥当な方向ができたならば、それはちゅうちょせずにやっていただきたい、私はこういうように思いますが、そういう問題で政務次官に最後にもう一つ御決意なりお聞きしまして、終わりたいと思います。
○佐藤(孝)政府委員 大別すると、公共企業体のする仕事と、それから運輸省がやる仕事と二つあろうかと思います。私の持論を申し上げて恐縮なんですが、先ほど来申し上げているように、三社均衡ある、しかも安全性を前提とした三社おのおのの企業分野を明らかにしていくということが第一です。 それから第二の運輸省自体でやることですが、何といっても航空の飛行場の整備は時代の要請であり、また緊急を要するものでございます。同じ運輸省の中でも港湾局がございます。港湾局と同じ感覚で社会資本を充実するという意味で飛行場の建設なり整備を、やるべきものであって、それを燃料税というワクの中で判断して公共資本を充実さすべきものではないのではなかろうか。もっと広義に解釈して、他の港湾なり漁港なりと同様に社会資本を充実するという観点からとらえなきゃ、時代の要請にこたえるような飛行場が完備できないのじゃなかろうか、私はこう考えているわけでございます。事務当局を督励いたしまして、御指摘のように、ビジョンのある、そして将来とも見通しの立てられるような、運営体制にしろ、あるいは飛行場の整備にしろ、そういう長期的展望に立った上で将来の構想を明らかにして、時代の要請なり国民の要望にこたえていきたい、かように考えております。
○田中(昭)委員 終わります。
○徳安委員長代理 林百郎君。
○林(百)委員 私は、主として運輸省、通産省、大蔵省に対して、陸送中の自動車が事故によって事故車になって、それを再生して新車として売っておる、しかもこれが相当の数にのぼっているということで、このことは日本の国内の自動車産業の信用にもかかわることでございますし、またこのことが外国にまで伸びているということになりますと、日本の自動車製品の国外に及ぼす信用にも関係しますので、この点をお聞きしたいと思います。 最初に大蔵省にお聞きしますが、通称一貫保険といわれている自動車の陸送中の事故件数は何件になっていますか。四十六年、四十五年、四十四年と三年くらいわかりましたら、件数と、それから支払いました保険金額がわかりましたら知らせていただきたいと思います。
○磯辺説明員 お答えいたします。 ただいま先生のほうから三年間というふうな御質問でございましたけれども、ただいま手元に持っておりますのは四十四年、四十五年二年間でございます。その点はお断わりさせていただきたいと思いますが、これは具体的な事故率と申しますか、基本的には出荷台数とというものは必ずしも保険ベースでつかみにくいものでございます。といいますのは、ただいま先生おっしゃいましたように、販売業者については包括契約が多いというようなことで、ディーラーあるいはメーカーから出在したとき、それは包括保険に全部かかっておるということで出荷台数を一応被保険数として押えざるを得ないということでございます。 自動車のうちのオートバイ等を除きました四輪車の出荷台数は、通産省の統計によりますと、これは暦年でございますが、四十四年四百五十九万二千台、四十五年が五百十七万五千台でございます。これに対しまして事故が起こりまして保険金を支払いました件数は四十四年で十万七千台、四十五年で十三万二千台でございまして、かりに出荷台数を分母といたしまして保険金の支払いの件数を分子として事故率を算定いたしますと、四十四年の保険事故率が二・三三%、四十.五年が二・五五%というふうに相なるかと思います。 御質問でございますが、実際に保険金を支払った、つまり陸送中の自動車の車両事故によって払いました件数、金額を申し上げますと——ただいま申し上げました件数は私、若干自信がないと申しましたのは、保険を支払いましたのは年度でいっております。それから出荷台数は暦年でやっておりますので、その点は若干食い違いがあると思います。保険金を支払いました件数と金額を申しますと、四十三年度が件数で八万九千六百六十七件、金額にしまして二十二億四千七百七十六万三千円、四十四年度が件数にいたしまして十万七千五百八十九件、金額にいたしまして二十六億九千三百八十四万円、四十五年度が件数にいたしまして十三万二千百三十六件、金額にいたしまして三十億四千九亘二十一万七千円、そういう金額になっております。
○林(百)委員 これは日野、トヨタ、日産という各社別の事故件数、それから支払い金額はわかりますか、わかりませんか。
○磯辺説明員 ただいま申し上げましたのは全部総額でありまして、各社別の数字は、いまのところ直ちにこれを調査するのは無理でございます。
○林(百)委員 運輸省にお尋ねいたしますが、暦年度十万以上の新車の陣送中に起きた事故車、これがばく大な保険金をもらって一定の修理をして、今度はメーカーと一体となった販売会社、自販会社がこれを新車として売り出しておる。こういう事実を運輸省は知っておりますか。
○隅田説明員 運輸省といたしまして正式に調査したことはございませんが、世俗にそういうことがいわれておるのは聞いております。
○林(百)委員 世俗にそういうことがいわれておるにもかかわらず、運輸省が調査をしないということはどういうことでしょうか。一つは私が言いましたように、自動車製造業の信用にもかかわるし、一つは売られたユーザーを欺満することになるのではないでしょうか。一極の詐欺的な疑惑が非常に強いのではないでしょうか。ということは、だれだって陸送中に事故の起きた車を直した車でございますと、正直にそういわれれば値引きをするなりあるいは事故でない車をほしいというのに、何食わぬ顔で新車として売られているということになれば、ユーザーにとっては一種の詐欺的な行為の被害を受けておる、こういうことになりませんか。そういうことに対して陸運の行政責任にある自動車局としては、そういう陸送中の新車が実は事故の起きた車である、これを新車で売るべきでないということについて、世間でよくいわれている、そういうことが運輸省の耳に入っているとするならば、運輸省としてはこれを追跡してよく調査をして、そういうことをしないようにという注意をすべきじゃないでしょうか。
○隅田説明員 ちょっと答弁のことばが足りませんで申しわけございませんでした。流通上の問題といたしまして、運輸省としては安全の問題としては非常に関心を持っておりますので、その面についていろいろと責任を持った行政をやらなければならないことは御指摘のとおりでございますが、商品性の問題、たとえばそれが新車であるかないかというようなことについて通産省のほうでいろいろやっておられますので、私たちのほうでやっていないということでございます。
○林(百)委員 安全性に重大な影響が起きてくるんじゃないでしょうか。事故の起きた車を一定の手直しをして新車として売るということになれば、これは人間でいえば、からだに傷を受けた者が、傷を受けないような装いをしているということだけなんです。その人のからだにはもう傷があるわけなんです。陸送中の新車が事故を受けているといえば、その車はもう傷を受けているわけなんですから、それは保安基準からいってもやはり陸運局が調査をして、新車として売るべきものか、あるいはこれは保安基準にはずれるから新車として売ってはならないという注意を与えるべきじゃないでしょうか。これは通産省にも聞きますけれども、しかし運輸省が通産省にしりぬぐいをかぶせてしまって、あなたのほうが逃げられるということはできない問題だと思いますがね。
○隅田説明員 安全性に関係する部分がかなりあることはそのとおりでございまして、その部分に関しまして運輸省として逃げるつもりは毛頭ございません。実際上の、私たちが聞いております範囲内で、たとえば非常に小さい手直し程度で直るようなものは、おそらく現地で適当に処理されているのだろうと思います。それからスクラップになってしまうような大事故については、もしそれが再生されて使われるということになりますと、これは当然新車の場合には新規検査を受けて、新規検査に合格しなければ使えないだろうと思います。それから中くらいのものは、中古車として若干売られておるということも一応聞いておりますが、われわれとしても安全の問題といたしまして、事故を起こした車についてどういうふうにするかということについて、いろいろ検討いたしてまいりたいと考えております。
○林(百)委員 例を申しますと、これは長野県松本市の窪田という人ですけれども、この人が通称日野レインジャー、日野KL三〇〇—一四一七五、四・五トントラックですが、これを買ったところが、どうも購入後、車台のペイントの値が一部分変色をしたり、キャブテルトをおろすとき、通常はすとんと入るのにがたがたぶつかって無理をしなければ入らないなど、各所に欠陥が生じた。そこで調べてみたところが、この車は四十五年一月二十四日——これをこの人が買って、受け取ったのは四十五年五月十三日ですが、それから四カ月前の一月二十四日に、実は東京日野自動車販売所が長野日野自動車というディーラーに運送中、東京から二百十四キロメートルの地点で同僚車と追突して、当該車は車台前部を大破して、運行が不能の車となった。これを日野自動車直属の特殊の整備工場——こういうものがあるのを知っていますか。新車が陸送中事故を起こした。その車を装備し直す、そして新車とする、そういう特殊な整備工場を各メーカーが持っている、こういうことを知っていますか。これはあとで聞きます。 この日野自動車は、そういう特殊な整備工場である英信自動車工業に運び込んで、その工場で塗装、新車に改装して、四十六万円の保険金を四十五年六月十二日に受け取っておる。要するに、あなたの言うように部分的な、たとえばフロントガラスがこわれたとか、あるいはバンパーが取れたという程度なら別ですけれども、四十六万円もの保険金を取って、車台の前部が大破しているものを修理して新車として売り込む。そういう陸送中の事故車の特別の整備工場を各メーカーが持っておる。その整備工場へ渡して新車として売り込んでいるという事実がはっきりしたわけですけれども、これは一例であります。その後私のほうの調査によりますと、トヨタ・マークIIのGSS一九〇〇ccこれは四十六年一月に新車として購入したものでありますけれども、車体番号がRT七五—〇〇三六九三、この車も購入当初からどうもハンドルが右に切れて、それに基づくためかどうも運転が困難だ。リアのトランクのペイントの色が他の部分と異なり、変色しているなどの欠陥を持っていた。これを調べてみたら、これも陸送中事故が起きた新車を塗装し直したものだということがわかった。 それからトヨタ・マークIIGSL、車体番号がRT七二—一九六七八〇、これも同じ状態が生じた。 それからニッサン・ローレル一八〇〇GL、車体番号C一三〇—一四三二六ですが、これは四十七年三月二十五日に新卒として購入した。この車については、これは自販会社が事故車であることをみずから認めて三十万円で示談が成立している、こういう事実があります。 私たちのような民間の者が調べただけでも、もう四件もはっきりしておりますし、ことに長野県の鍵田さんはわざわざ私のほうへ、こういうことがあって私としては非常に迷惑だ、この点を国会でも明らかにし、それから運輸省の自動車局のほうでもこのことについて今後姿勢を正すようにしてもらいたい、こういう要望が特にありまして、それで私質問しておるわけです。これを要するに、保険契約をしておる。保険契約書を見れば、そしてその保険契約書の中を調べれば、事故の起きた車というものはわかるはずなんですから、それに対して運輸省が各メーカーがどういう措置をしているかということを調べることが必要じゃないでしょうか。これは当然欠陥車に準じて調べるべきものであると思いますが、どうですか。
○隅田説明員 自動車メーカーから車が出まして、それがユーザーの手にわたるまでの間に事故を起こしたりあるいはその他かってな改造が行なわれたりというようなことが最近出てきておりまして、いま御指摘を受けましたとおり、私たちとしても調査不足でまことに申しわけないのでございますが、そういう事実が起きておるということを最近御指摘を受けて承知したわけでございます。 これから先の問題でございますけれども、メーカーの完成検査を経て出てきたものが、ユーザーに渡るまでの間にどういうことが起きるかということの問題でございますので、われわれとしても、たとえばこれが事故の問題でございますと警察庁の協力をもらうとか、あるいはもちろんわれわれの車検場でわかるものであれば、当然これは車検場でわかるわけでございますが、関係官庁とのいろいろな連絡もとりながら前向きにデータを収集いたしましてその事後処置を講じていきたいと思います。
○林(百)委員 そうすると、今後は警察庁とも連絡をして、事故の超きた車について検査をして、そしてどうするのですか。その前にもう保険金の支払いがなされているのだから、事故の起きた車がどういう車かということはそれを調べればわかるはずですから、あるいは届け出を各メーカーにさせてもいいわけですから、それをどう処置しているかということをすれば幾らでもわかることじゃないですか。一方では保険詐欺みたいになるし、ユーザーに対してはまた新車を売るという一種の詐欺的行為になって、それを自動車局が何もつかんでいないということは、自動車行政の責任者としてはなはだ無責任なことだと思います。そういう陸送中の新車が事故を起こして保険金を支払ったという段階で、届け出をさせればわかることなんですから、それについて追跡をして、これを整備工場でどのように整備をしたのか、それは検査終了証を一応取り上げて、そして自動車局で、これは中古車として売るべきだ、あるいはこの程度なら新車として売っていいとか、そういうことをして、あらためて検査終了証を添付して、そして売りに出すなら売りに出す、そういう指導を運輸省としてはすべきじゃないでしょうか。
○隅田説明員 御指摘のとおり、保険の証明書を添付させるということも一案だろうと思います。メーカー自身の利益的な体制にそういうふうに待つ手もございますけれども、一方におきまして、事故そのものがわれわれのほうでも警察その他の協力を得て積極的につかめるわけでございますので、そういう面からあるべきものに対しての報告をさせる、それで安全の確保をはかっていくという方法はいろいろ講じていきたいと思いますので、具体な方法については今後いろいろ検討してまた御説明をいたしたいと思います。
○林(百)委員 具体的な方法がはなはだ不明確で不満足ですが、通産省にお尋ねします。 四十四年で年間約十万七千台、四十五年で十三万二千台、こういうような新車の陸送中の事故車があって、それが化粧直しをして新車として売られている。こういうようなことは日本の自動車業界の信用にかかわる重要な問題だと思いますが、通産省としてはそういうことを御存じでしょうか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 率直に申しまして、私どもいまお話を伺いましてたいへん、びっくりしたわけでございますが、私ども行政組織、地方のネットワークがないためもあろうかと思いますが、そのような陸送中の事故車が新車として売られているというようなことにつきましては、初めて私伺った次第でございます。
○林(百)委員 それでは運輸省にお尋ねしますが、各メーカーがそういう陸送中の新軍に事故が起きた場合に、それを装いし直して新車として組み直す特別な整備工場を各メーカーあるいは自販——メーカーと一体となっている自販会社が持っているということは御存じでしょうか。
○隅田説明員 そういう特別な整備工場を持っているということは私ども全然知っておりません。
○林(百)委員 知らない。世間でみんな知っているのに運輸省が知らないということははなはだおかしいと思います。一つも知りませんか。たとえば、日野にしても、トヨタにしても、日産にしても、三菱、いすゞにしてもわかりませんか。道路運送車両法によりましても整備工場に対する運輸省の監督権というものはあるわけですから、場合によってはその整備の状況について報告を取り寄せるなり、あるいは立ち入り検査もできるはずなんです。どこの整備工場がどういう仕事をしているかということ、ことに大きい工場ですね、それを運輸省が把握しておらなくて知らないということは、これはおかしい話だと思いますがね、どうでしょう。
○隅田説明員 先生いま御指摘のような特別な整備工場があるということにつきましては、残念ながら承知しておりません。
○林(百)委員 おかしいですね。ここに私のほうで持ってきておるのは、英信自動車工業株式会社という日野の特殊な会社が、陸送中の事故を起こした新車の修理をした伝票です。これだけあるわけですね。これは四十六年度だけでこれだけあるわけです。あなた、これだけの整備をしているというのに運輸省がそういうことを全然知らないということはどういうことなのでしょうか。整備工場に対する運輸省あるいは陸運局の監督というものは行なわれているのですか。整備工場に対しては当然、これは車検の仕事を代行する場合もあるのですから、隆運局なり運輸省がつかんでいなければいけないはずじゃないですか。その整備工場はどういう仕事をしているか、ことにそこで忌まわしいような、いま言ったメーカーと一体となって陸送中の新車が事故を起こしているのを装い直して新車とする、そういう仕事をしている整備工場があったとすれば、それを把握し、それに対して一定の注意を与えるなり、その業務内容の報告をとるなり、そんなことをするのはあたりまえのことじゃないですか。それじゃ一体整備工場の監督というのはどこがやるのですか。
○隅田説明員 整備工場の監督は運輸省の出先機関の陸運局でやっております。御指摘のとおり、いままでの整備工場の監督に対しまして、どういうお客からの仕事をしているかというような意味での実態調査というものを個々の工場についてやっておりませんので、そういう意味で運輸省といたしましては十分把握していないことがございます。今後必要性もございますと思いますので、ひとつ調査をしてみたいと考えております。(「みんな知っているよ」と呼ぶ者あり)
○林(百)委員 そうですよ。陸運局なんか知っているはずですよ。あなただって知っているはずですよ。知っているのを国会でしらばくれているとわれわれ言わざるを得ないですよ。世間で有名ですよ。それじゃ、あなた調べてひとつこの次の運輸委員会で、私か、私の同僚の田代議員になるかもしれしませんが、私が言いますからちょっとそこにメモしてください。ここでどういうことをやっているかということを、運輸省よりあなた、共産党のほうが内容を知っているなんてそんなばかな話どこにありますか。 いいですか。日野自動車ではそういう仕事をやっているのは英信自動車工業、それから千代田自動車工業株式会社、これは日野市にあります。それから第三は日本特車開発工業株式会社。そのうちの英信自動車工業というのは——よく聞いてください隅田さん。実はメーカーから自動車局の役人を接待した、その接待の割り当てとして六百万あなたのところへ割り当てるということで、あまり人をばかにしている、何もメーカーが運輸省の役人を接待したからといって、その費用を整備工場まで持たなければならないという、そういう不合理なことはもう私はがまんできないといって解散しました。これははっきり言っておきます。しかし考えられることですね。これは英信工業に行って聞いてみればわかりますよ。英信工業の所在地は日野へ聞けばわかるはずです、特殊な工場ですから。それからトヨタ自動車は関東自動車工業株式会社、これは綱島にあります。それから日産自動車工業株式会社は五日市街道にあります。昭島の手前です。それから三菱、いすゞ、日産は泉自動車工業というのを持っています。これは大泉学園にあります。ここでこういう特殊な整備をやらしている。(「昔から知っている」と呼ぶ者あり)同僚委員からも昔からやられているという声すらある。知らないのは運輸省だけ。あなたは知らないふりをしているのかもしれませんがね。重要なことです。ことに私が問題にしたいのは、たとえば日野自動車株式会社のそういう特殊な仕事をしている日本特車開発工業株式会社は、陸送中の事故の起きた新車を化粧し直して、おもに東南アジア等外国へまで輸出しているのですよ。そういうことになりますと、これは日本の自動車工業に対する外国の評価、信用にかかわる重要な問題なんですよ。それを日本の運輸省が知らないというばかげたことは、仕事をあなたのほうでなまけているというよりほか言いようがないと思うのです。これは私り言っようなことをしているのかどうかということを至急調べて、委員会に報告してもらいたい。 通産省にお尋ねします。いかに東南アジアとはいえ、後進国とはいえ、そういう自動車を外国にまで売り出すということは、日本の自動車工業界の信用にもかかわることですが、こういうことは通産省は知っているのですか。もちろん知らないと言うでしょうけれども、もしあったとしたら、通産省としてはどうするつもりですか。
○中村説明員 私、率直に申しまして、全然存じ上げないケースでございますけれども、どういうような事故車をどういうように新車としてやっているのか、よく十分事情を調べてみたいと思います。先生が御存じのデータにつきましては、よくお教えいただきたいと思います。
○林(百)委員 これはさっき言いました日野自動車のそういう特殊整備工場で整備したものの伝票ですが、これによりましても、これは四十六年分だけでこれだけですが、四十四年の四月から四十六年の十二月まで、二年八カ月で少なくとも四百五十台以上にのぼる台数をやっている。これは整備工場が一つだけじゃありませんからね、日野には三つありますから。しかしこれは内輪の数字だと思うのです。いま私、これを一枚一枚数えるいとまがありませんが、四十六年だけでこの三冊分ありますから、四百五十台というのはごく内輪な数字だと思います。こういう大量なものを新車として化粧し直して売り出している、こういう重要な事実があるわけですね。 それからその次に、私としてはもう時間が参りますから結論を急ぎますが、通産省や運輸省としては、私がいま質問したような事実がありとするならば、今後どのような措置を通産行政としてはしていくか、あるいは運輸行政としてはしていくか。事は国際的な信用にまでかかわることですから、これをまずここで聞かしていただきたいと思うのです。
○佐藤(孝)政府委員 こういう事実があったということは、自動車行政を監督している運輸省としてはまことに遺憾だと思います。あるいは型にはまった答弁になろうかと存じますが、えりを正して、今後はこういう問題のないように指導する方針でございます。特に国際問題というお話が出ましたから、こういういわば輸送中に事故が起きて欠陥になった、事故が起きる時点までは私は新車だと思いますが、修理した時点ではこれは明らかに中古車でございます。それを新車という形で東南アジアに輸出しているということは、国際信用にも関するし、重大なことだと思います。 話は脱線いたしますが、おととしか去年でしたか、ちょうどここにいる中里課長も一緒で、議運から与野党一緒になって、各国を国際政治、経済情勢視察に私ども参って、アフリカを約三分の二近く回ったのですが、そこで感じたことは、私は免許証を持ってちょうど二十年ぐらいたって、エンジンをいじったり、運転するのが趣味の一つでございまして、中里君も大体同じような趣味を持っているようなんですが、あの温度の高いアフリカの土地を日本の二気筒の空冷車が走っている。われわれ運転経験がある者から見ると、一体何カ年耐用年数があるか、非常に疑問を感じました。もしこんなことで、安かろう悪かろうメード・イン・ジャパンという、昔のようなイメージを再び彼ら東南アジアの利用者に与えることは、日本の自動車業界全体にとってゆゆしき問題じゃなかろうか。もっとメーカーはえりを正して、やはり信用第一でございますので、その土地環境に合うような自動車を良心的に輸出すべきじゃなかろうか、こんなふうに考えて、ことしの二月ごろですか、販売業者の全国大会でもあえて私はその点を指摘したことを記憶しております。 そういう自分の経験等からかんがみまして、これは通産省にきわめて関係の深いことでございますが、もっと製造メーカー、販売業者ともに、日本の自動車産業の将来を考えて、良心的な製造なり販売をするように考えて、運輸省の立場からも指導する方針でございます。
○林(百)委員 隅田さん、もう少し具体的に。年に十四、五万台の陸送中の新車の事故があるわけでしょう。これを把握して、それが整備工場でどう整備されて、どういう形で販売されているか、それで保安基準はどうなっているかということを追跡調査なさる、そういう手段はとられないですかどうですか。
○隅田説明員 御指摘のような実態調査はぜひやってみたいと考えております。
○林(百)委員 具体的にはどういうふうにやるのですか、やってみたいだけではなく、もう少し詳しく述べてみてください。
○隅田説明員 メーカーからユーザーへ渡るまでの間に実際上いろいろ起きた事故の実態を調査するということでございますので、メーカーを調べることもそのとおりでございますし、先ほど先生御指摘のような、たとえば保険サイドから調べることも可能でございますし、あらゆる手段をいろいろ考えながら、できるだけ正確なものを調べ上げていきたいと思います。 それから、もう一つ具体的な手段といたしまして、実態を調べるばかりではなくて、将来の問題といたしましては、完成検査終了証というものが——メーカーを出てからユーザーに渡るまでの間に車の状態が変わった場合にこれをどういうふうにするかという制度的な問題もございますが、この辺もひとつ制度的な問題として検討してみたいと考えております。
○林(百)委員 いまの点も非常に重要だと思いますが、検査完了証を運輸省としてはメーカーに代行させているわけでしょう。ですから、一台のモデル単だけの型式認定を得れば、あとはもうみんなメーカーが検査完了証の判をべたべた押して送り出している、こういうところに問題があるわけですね。そうかといって、運輸省が三百万台全部——年産どのくらいですか、三百万台くらいありますか、この自動車一台一台を検査しろとは私は言いませんけれども、そこのところをもうメーカーにまかせきっているということですね。そうして運輸省はそれに対して何らの監督権限を行使しない、こういうところに問題があるのじゃないでしょうか。しかもいま私が一例をあげましたように、こういう公の席ではなはだ言いにくいことですけれども、整備工場へ自動車局の役人の接待費の割り当てがくるというようなことまで世間でいわれているということは、ますます自動車局の信用にかかわることなんですね。私もこれが事実であるということはよほど確かめてからものを言っているわけなんです、本人がそう言うのですから。私は本人から聞いた話をここで言っているわけなんですけれども、もう自動車局と自動車メーカーの癒着ぶり、何というか腐敗ぶりということがそれほど世間で口の端にのぼっておるということを十分知っていただかなければならないと思いますね。この点はどうでしょうか。
○隅田説明員 自動車メーカーとの癒着について、先生いま御指摘のようなとかくの事実がもしあったといたしますれば、これは私の責任上たいへんなことでございますので、この点をよく調べて、今後部下その他にも十分な監督をしていきたいと考えております。 それからメーカーに対する監督でございますけれども、一般的に申しまして、もちろん完成検査終了証というものを発行する権限はメーカーに全部まかしているわけでございますが、私たちといたしましては、最低年に一回は事業場に立ち入りまして監査をするということも従来から行なっております。こういうことを強化しながら、一方において、先ほど先生の御指摘のあったような変な癒着が起きないようにしまして、しかも監査を強化していくということがやはり一つの道だろうと思います。 それで、この流通の中途における問題、これは形式的にいいますと、メーカーを出てからの問題でございますので、メーカーを出てからユーザーの最終的な手に渡るまでの間の完成検査終了証の問題、これをまた一つの観点でやっていきたい。現在のところでは完成検査終了証というものは、法律的には六カ月間有効、六カ月以上たったものは無効になるということだけしかございません。そういう意味で、それから先のこともこれから検討してみたいと思います。
○林(百)委員 通産省にお尋ねします。 いま私の言ったようなことが行なわれている。これは国内、国際的にも、日本の自動車産業の信用にかかわる重大な問題だということで、今後どうなさるつもりですか。それといままで一体自動車メーカーに対して通産省は、どういう通産省としての行政指導をされてきたか、また今後どうなさるか、ここでなるべく具体的に説明を聞かしていただきたいと思います。
○中村説明員 通産省といたしましては、自動車の生産段階につきまして、生産の助成あるいは技術開発の助成というような側面を、従来になっていたことは事実でございます。ただいま先生の御指摘のとおり、今後の大きな課題といたしましては自動車が非常に大衆のものとなって普及してまいっております。そういう意味からも、消費者の立場に立ちましての消費者保護というような問題は非常に重要な問題かと思われます。私どもの行政の分野に入ってきますニュースというのは、私はそれなりにそしゃくいたしまして、具体的な問題として取り上げているわけでございますが残念ながらそういう情報が欠けているという点も率直に反省しているわけでございます。今後いろいろな具体的な問題につきましては、いろいろ御教示をいただきまして進めてまいりたいと思います。 ただいま具体的に問題になっております事故車を新車として販売するというような問題につきましては、事故の程度とか改造の程度とか、いろいろあろうかと思いますけれども、消費者に対します信用、あるいは輸出の場合にも国際信用というような問題がございますので、十分実情も調べ、これはもちろん私どもだけでするというよりも、運輸省と御協力して実情調査をしたほうが的確な調査ができるかと思いますが……。
○林(百)委員 実情調査をしたし、そういう事実があったならば、どういう行政指導をするのですか。私の聞きたいのは、もう内容は私の質問でわかったと思いますから、もしそれが事実だとすれば、調査して——調査なんか幾らしたって、あなた方、調査の結果を報告しろ報告しろと言ったって、ちっともしないんですよ。しかしここで、もう公の運輸委員会で公になったんだから、それが事実だとすれば、今後どういう指導をなさるのですか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 事故の程度、それからどういう改造がなされたかということも関連するかと思いますが、先生が先ほど具体的におあげになりましたようなケースにつきましては、それを新車として販売することはたいへんおかしなことでございますので、やめさせるように行政指導したいというふうに思います。
○林(百)委員 それでは時間が参りましたので、もう一問で終わります。 これは隅田さんに質問したいのですが、私がこの前、地方行政委員会で質問して、日産のクレーム会議の、要するに欠陥車を出しておいて、メーカーもその欠陥のあることを知っていて、その欠陥の部品を各修理工場へ流しておいて、必ずこのところの修理をしてくれといってくるから、そうしたらこの部品を出てはめて、欠陥を是正するようにしろよ、こういう会議がなされている。これはその会議の秘密の資料だったのですが、これをあなたにお見せして、これを必ず日産から取り寄せて、そういう事実があったかどうかということを確かめてくれ、そしてそれを委員会で報告してもらいたい、こういうことを再三あなたにお願いしておいたのですが、これは日産自動車から取り寄せてくれたのですか、そしてごらんになったのですか。
○隅田説明員 先生からの御指摘の点は、日産自動車はじめ各社ございましたが、各メーカーを呼びまして調査をいたしました。 現在の段階を中間的に御報告申し上げますと、日産自動車の分につきましては、ほとんどそのとおりでございました。これにつきましては、技術的にすべての、いわゆる回収をするかしないかという技術的な問題もございますので、現在、運輸省の交通安全公害研究所のほうに回しまして、技術的な検討をやってもらっております。
○林(百)委員 そうすると、このクレーム会議の文書も取り寄せられてごらんになったわけですね。そうしてその事実を確かめられたわけですね。私のほうの聞くところによれば、日産が出してくれないからまだお答えできませんという、しばしばの運輸省の回答だったのですが、日産からこんな書類が、運輸省が取り寄せることができないなんという、そんな無能といいますか、遠慮し過ぎたといいますか、業者と癒着し過ぎているというか、そういう姿勢では、自動車の製造、それから保安基準の厳守という監督が運輸省にできないということで、念のために聞いたわけですが、私が申し上げたことが事実だということがわかった、それに対していま対策を講じておるということは非常にけっこうだと思いますが、この会議録は取り寄せられたのですか。
○隅田説明員 日産の会議録は取り寄せられました。
○林(百)委員 それでは、委員長、これで終わります。取り寄せて、こういう事実があることがわかって、そうしてそれに対してどういう対策をこれから講ずるというのですか。それだけ聞いて、私の質問を終わります。
○隅田説明員 先ほども申し上げましたのですが、技術的なことにつきましての問題がございますので、研究所のほうに回しまして、そこで現在、これは日本じゅうの車をすべて回収すべきものかどうかということを、技術的な面からの検討を研究所の線でやってもらっております。
○林(百)委員 それでは、時間が参りましたので終わります。
○徳安委員長代理 次回は、来たる九日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会