運輸委員会 第17号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1972/05/08
会議録
○小峯委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、本日、東京大学助教授岡野行秀君、交通評論家村木啓介君を参考人として出席をお願いし、意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○小峯委員長 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人の皆さん 本日は御多用の中を御出席いただきまして御意見を承りますこと、まことにありがとうございます。本案について、それぞれ忌憚のない御意見を承りまして、審査の参考にいたしたいと任じます。 次に議事の順序について申し上げますが、岡野参考人、村木参考人の順序で御意見をお一人十五分程度に取りまとめてお聞かせいただき、次に委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、まず岡野参考人からお願いいたします。岡野参考人。
○岡野参考人 ただいま御紹介にあずかりました岡野でございます。私は、今度の運賃法改定の問題は国鉄の財政再建の問題と分離しては論ぜられないというふうに考えます。そこで、そういうことを前提にしまして私の意見を申したいと思います。 運賃というものはそもそも交通サービスの価格であります。したがって、一般論としましては、交通サービスの費用は究極的にだれがどのように負担する結果になるかということは一応別にしまして、直接的には利用者負担が原則であります。さもなければ、われわれも市民の一人としまして、運賃が非常に安ければよけい鉄道の輸送サービスを使う。たとえばこの連休のように運賃が安ければなるべく遠くへ行こうということになります。それから出かける回数もふえるようになります。したがって、ほかの財の価格と同じように、やはり運賃はわれわれ消費者が鉄道の輸送サービスをどれだけ、どういうふうに消費するかということを決定するためのシグナルになりますので、したがって利用者負担が原則であります。ただし、これは原則であって、それではその交通サービスの費用をだれがどれだけ負担するかにつきましては条件があります。一つは、その費用が、交通サービスを生産するのにあたって必要とされる生産要素に対して適切な対価を支払って、しかもこれ以上は節約できないというようなぎりぎりのコストであるということが前提になります。それから第二に、これはとりわけ今度の問題と関連があるわけですが、交通サービスの生産がどういう生産の条件のもとで行なわれているか、それからその供給しているサービスがどういう市場の条件のもとで供給されているかということとかかわりがあるからです。この問題は、現在の大都市のように現存の施設でも不足といわれるほどの需要がある場合と、それから人口が希薄な地域のように需要が非常に小さい場合とでは、鉄道の輸送サービスの生産の条件は単線、複線、複々線というようなことで条件は違いはありますけれども、コストの構造は本質的に同じであります。したがって結論的に言いますと、人口希薄地域のように需要が絶対的に少ないところにおいて、そのコストを全部利用者が直接負担する形でやるべきであるということにはならないということを申し上げたいと思います。 今度の運賃法改定につきまして、私は四十三年に財政のほうから国鉄への補助が始まりましたときに、ある新聞に書いたのですが、よほど抜本的な対策をいまのうちに講じないと、これは第二の食管会計になるということを書きまして、多くの識者に第二の食管会計とは何事かというのでおこられたわけですが、残念ながら状況はそのままのようであったわけです。現在におきましては、もはや国鉄が総合原価主義をとるということは、実は多くの矛盾をはらんでいるということを申し上げる必要があると思います。これは何も国鉄だけではありませんで、地方のバスについても全く同じで、企業単位で総括原価主義をとる場合でも全く状況は同じであります。総合原価主義が矛盾を持つようになった理由は、一言で言いますと、市場の構造の変化であります。これは地域間で人口が非常に移動して、大都市へ人口が集まり、そして一方で人口希薄地帯ができた。それから貨物の輸送の市場と旅客の輸送の市場についても、自動車やフェリー輸送というものができてきた。こういう市場の変化がありまして、旧来ですと、鉄道が、大都市であろうとそれから地方であろうと、ほぼ独占的な輸送機関でありましたから、したがってその運賃を適当に全国一律できめても、一部で損失を生じてもそれを補てんすることが可能であったわけです。しかし現在となりましては、すでに国鉄の輸送サービスの需要というものは、大都市の近郊を除きますと、必ずしも需要は運賃について弾力的ではない。つまり運賃を若干上げたところで、お客が減らないというようにはなっていないわけです。したがって、こういうふうに総合原価主義で、内部相互補助を行なうということが、すでに矛盾をはらんでいるということであります。そういう状況のもとで総合原価主義をさらに貫く、要するに全国一律の賃率でやっていくということになりますと、実は本来鉄道にとって市場の条件が有利である、つまり鉄道がより機能をよく果たせるような場所において、鉄道の競争力が弱まるということになるわけです。そこで今回の運賃法の改定につきまして、率直に申し上げまして、私はこういう大幅の運賃値上げを、しかもいままでの国鉄運賃法の条件の制約下で行なわなければならなかったということを非常に残念に思うわけであります。しかし、国鉄の財政再建ということを考えてみますと、今回の運賃改定は私はやむを得ない。ただし条件がありまして、現在の財政再建の措置によりますと、今後十年の間に三年ごとにさらに何回かの運賃改定をしなければならない。しかもそれは実収一五%増収をめどとするような引き上げでありまして、私は特に長期的に考えまして、この際この財政再建の措置についてもっとドラスティックな措置をとって、国鉄の旧来のあかを落として、そこで将来運賃の値上げを、回数も少なく、やらないで済めばそれにこしたことはありませんが、少なくとも運賃の改定の回数を少なく、しかも幅がずっと少なくて済むというような形にしなければならないというふうに考えております。これを達成するためには、思い切った財政措置を、十年間というような長い期間でなしくずしにするのではなくて、思い切って行なうことと、それからヨーロッパの鉄道がそういう傾向にありますけれども、財政措置をとった上で国鉄の営業について労使の協力で自主的に、かつ責任を持たせて積極的にやらせる。財政措置をとったからといって、その経営にあまりくちばしをいれないで責任を持たしてやるということが必要であるというふうに思っております。基本的に言いますと、戦後の二十数年間に交通の条件が非常に変わった。一方では国民のほうも、交通のサービスについての欲求の構造が、所得が増加しまして非常に変わっております。こういう状況を踏まえて、これまでのいわば旧来の鉄道の構造から新しい鉄道の体系を生み出すということによって、鉄道の役割りというものは私は十分発揮できるというふうに考えております。
○小峯委員長 ありがとうございました。 次に、村木参考人にお願いいたします。
○村木参考人 村木啓介でございます。私は、国鉄運賃法と国鉄財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案に反対の立場から意見を申し上げます。 一般の利用者が、運賃値上げに反対しておる理由を整理いたしますと、三つあると思います。第一は、直接負担が重くなるということ、中身は省略いたします。第二は、間接的に物価の上昇を誘発するということ。第三は、値上げの理由が納得できないということ、同時に、負担の不公平が、一そうひどくなる差別運賃も納得できない。そういうことのようでございますが、私ももっともだと思います。 そこで私は、この三つの反対理由を支持した上で、この二つの法律案について意見を申し述べさせていただくことにいたします。 この二つの法律案は、申すまでもなく一つのものでございますが、同時に、別に用意されている国鉄再建新十カ年計画を強引に実施するための立法措置だと思っております。したがって、この法案が公布されますと、運輸大臣と国鉄総裁の権限に基づきまして、一般の利用者と国鉄労働者の上にさらにひどい負担がかけられますので、全体として反対するわけでございます。要するに私は、国鉄再建新十カ年計画が民主的な性格を持っていない、だから反対する、そういうふうに主張するわけでございます。 それではこれから、民主的でないという事実の一部について申し上げることにいたします。 四十四年の五月に公布されました国鉄財政再建促進特別措置法によりまして、国鉄の守備範囲は、新幹線網を中心にした都市間旅客輸送、中長距離大量貨物輸送、それに大都市の通勤通学輸送の三つに置かれましたわけでございます。国鉄はこの三つの守備範囲に重点を置いて、同時にこの三つの守備範囲を裏返しにして、地方交通や中小交通は切り捨てるのだ、そういう方針で運営をしております。政府の御指導もまた同じだと承知しております。 国鉄を運営する上で日本国有鉄道法や国鉄運賃法は、運輸大臣と国鉄総裁に大きな権限を持たせておりますのは、御承知のとおりでございます。たとえば営業路線や駅の廃止、それに貨物や手小荷物などの取り扱いの廃止をはじめとしまして、国鉄運賃法に定めていない運賃・料金、この変更が自由にできるのでございますが、これらは必ずしも民主的な処理になっているとはいえません。この処理のしかたは、一般の利用者や国鉄労働者にとってみれば、ときには生死にかかわる問題がございます。こうした権限が実際に行なわれておりますときに、一体だれの利益を中心にして、だれの負担や犠牲が重くされて国鉄が運営されているのかが、私にとっては問題でございます。 第一次五カ年計画が始まってからの貨物の扱いを例にとって申し上げてみることにいたします。三十二年当初、全国に貨物を扱う駅は三千八百四十九ございました。これが四十五年度末には二千五百二十七駅に減らされておりまして、千三百二十二の駅で貨物を取り扱わなくなりました。つまり三分の一以上も廃止されておるわけでございます。これを五十年度末までには千駅にするという計画でございます。三十二年当時には貨物駅というのは平均して五キロメートルおきにございました。現在はこれが八キロメートルおきと長くなっておりまして、五十年度末には何とこれが二十一キロメートルおきになるということでございます。これは大量貨物輸送を迅速に確実に、そして安上がりに送るためには、中小貨物を扱う駅がじゃまになる、五キロメートルおきの貨物駅は馬車時代の遺物だと国鉄当局が公に言っておられますけれども、はたしてこれは馬車時代の遺物でございましょうか。中小荷物を託送しておる荷主はそうは考えておりません。こうした運営によって確かにこの大量貨物輸送は迅速に、確実に、しかも割り安な扱いを受けておりますけれども、しかし中小荷主へのサービスは一体どうなったのでございましょうか。レールの上だけの輸送時間が多小短くなりまして、運賃が比較的割り安であったといたしましても、戸口から戸口までの輸送時間は長くかかります。しかも運送費用全体はたいへん高くなったというのが実情でございます。 こうした事実は申し上げれば数限りなくございますけれども、こうした事実が日本国有鉄道法の第一条に定めておりますところの「国が国有鉄道事業特別会計をもつて経営している鉄道事業その他一切の事業を経営し、能率的な運営により、これを発展せしめ、もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本国有鉄道を設立する。」そういう定めに照らしてみますと、現在の国鉄の運営のしかたは私は問題がある、このように思います。だれの利益を第一にして、だれの犠牲と負担が重くなっているかということは、この例を一つ申し上げただけでも、御理解いただけるのではないかと思います。例をあげれば切りなくございます。 次に工事資金調達の面から意見を述べることにいたします。 第三次長期計画の発足にあたりまして、経理担当の常務理事がこういう意味の講演をしておられます。「二兆九千七百二十億円という大変な金をどうして調達するかと申しますと、私どもが政府に金を出してくれというと大蔵省は反対して、国鉄というものは、明治以来、りっぱな企業なんで、借金をしてもそれを運賃で返し返しして、これだけの財産ができたんだ。だから、国鉄はとにかく力があるんだから自分でやりなさい、とこういうんです」といって、これは講演記録でございますけれども、これにそう載っております。また、前の石田国鉄総裁のことばによりますと、「国鉄の資産は二十数兆円にのぼるが、国の出資はわずか四十億円だ。借金があるが大したものじゃない」こういうふうにおっしゃっております。これも記録がございます。こうした国が金を出さないできた百年の歴史、自分の力と借入金資本でやってきましたこの無理がたまりまして、財政的な危機に追い込んだ最大の原因であるということは、これはよく知られていることだと思います。したがって、いま二十数兆円といわれる規模の国鉄に政府が一千億やそこいらの金を出したからといって、大援助をしたように吹聴するには当たるまい、私はこのように理解しております。 ともかく経理担当の常務理事の話でもわかりますように、国鉄に課せられている任務は、全社会的な、公共的な役割りを果たすことだと考えますが、その公共的な役割を果たすにあたりましての方法は、企業的にしいられる仕組みになっております。国鉄は力があるのだから自分でやりなさい、そういうぐあいでございます。そこで公共性と企業性の対立、矛盾が生まれるのでありまして、これがヨーロッパ諸国の国鉄と根本的に違うのであります。こうした矛盾のもとで企業的な解決を迫りますのが、大蔵省当局からの予算執行による事実上の監査、監督だと思います。予算統制を通して、独占的な大企業の利益を第一にいたしまして、働く者の犠牲と負担を重くして、国鉄に与えたこの三つの守備範囲を遂行させる、これが国鉄経営を貫いている政府の民主的でない政策だと私は思います。 そこで、日本国有鉄道法は第二条で、国鉄は営利を目的とする企業ではない、そう定めております。国鉄は営利を目的とする企業ではないと定めていることに照らして考えますと、国鉄の運営の基本をきめるこの二つの法案には、その根本に日鉄法の精神とは違った問題があると考えますので、提案に反対するわけでございます。 さて、国鉄の公共性ということばは、ほかの交通機関でも同じでございますが、常にその時代の政治的な、経済的な背景を反映して用いられてきました。戦時中の公共性というのは、国家目的を第一にしておりました。戦後の民主主義の高揚期には、多少の混乱を伴いながらも、一般国民の利益における公共性を第一にしている一時期がございましたけれども、これは間もなく民主的な力が弱められましたので、公共性と企業性をどう調和させるかという取り上げ方に変わってまいっております。そして今日まではどうかと申しますのに、公共性というものは企業性、つまり企業採算がとれて、その上で初めて公共性を生かすのだ、そういうぐあいに後退しておりまして、採算がとれなければ公共性もハチの頭もない、こういう考え方が国鉄の経営方針を貫いているように思いますし、この二つの法案にも、また四十七年度の国鉄予算案にも、この方針が貫いていると思います。こうした民主的とは思えない方針は、第一次五カ年計画が実施されるにあたりまして、特に鮮明になってきたものでございます。たとえばこうでございます。ここに磯崎国鉄総裁が三十三年に営業局長時代にまとめられた「鉄道運賃」という書物がございますが、この序文に、「運賃制度の近代化とは、鉄道運賃を純粋に企業の立場から見直して、過去の梏桎を振り切った自由な姿での運賃制度の実現である。即ち、財政運賃的な運賃改正から一転して、企業運賃的な運賃改正への発足である」、このように述べておられます。この文章から考えますと、公共の福祉を増進するための国鉄の使命は、二義的になってしまっております。「能率的な運営により、これを発展せしめ」という手段と、「もつて公共の福祉を増進することを目的として、ここに日本国有鉄道を設立する」という本来の目的と、その手段とがあべこべになっている。またこの書物には、「三十二年四月の運賃改正は、国鉄五カ年計画を実行するための所要資金を確保することを第一義としておこなわれた」そういう趣旨の説明がございます。 そこで、どんなぐあいにして昔から工事資金を確保したのか、ごくかいつまんで申し上げてみることにいたします。 昭和十一年から四十年までの三十年間について、旅客と貨物に分けた損益を見ますと、旅客は一貫して黒字でございますが、貨物は、初めの四年間だけわずかに黒字を出しているほか、一貫して赤字であります。これを四十年度の物価で修正してまとめてみますと、旅客は一兆二千三百四十八億円の黒字、貨物は八千八十八億円の赤字でありまして、貨物の赤字を旅客の黒字で補って、残った利益で工事資金がまかなわれているのであります。大まかに申し上げまして、旅客収入の九割は、昔流に申し上げますと三等旅客からであります。貨物収入の六割以上は大企業が荷主でございますから、資金確保のやり方のおよその性格が明らかだと思います。三十二年から四回行なわれました運賃値上げも、国鉄の部内資料によりますと、所要資金を確保することを第一義として行なわれたと述べてあります。昔から今日に至るまで、いつも工事資金を調達することを目的として、一般大衆の負担に重点が置かれて運賃値上げが行なわれたのは、これは歴史的な事実でございます。しかしながら、工事資金を調達するために運賃値上げをする、そういうのでは説得力が弱いと見えまして、今回の法案の提案説明も含めて、いつでも赤字が値上げの主要な理由になっております。 そこで、赤字について私の考え方を述べることにいたします。赤字には二つ問題がございます。第一は、見せかけの赤字でございます。第二は、赤字の生まれる根本的な原因についてであります。 第一の見せかけの赤字は、修繕費と減価償却費による利益操作によるものでございまして、これは御必要ならば資料を持参しておりますので差し上げますが、四十五年度末の繰り越し欠損金が五千六百五十四億円計上されておりますけれども、この赤字は全額帳消しになる性質のものだと思います。四十七年度の減価償却費についてだけ申し上げますと、千九百三十億円のうち八百億円以上がこれは大き過ぎるものと判断されます。ともかく毎年度赤字は誇張されておりまして、運賃値上げと合理化をやるための説得材料に赤字が利用されているという問題を申し上げたわけでございます。 それでは、赤字というものは全部見せかけかというと、そうは言えません。今年度が赤字になるのかどうかにつきましては、詳しく立ち至った分析が必要だと考えます。いずれにいたしましても、なぜ財政危機といわれるのか、そういう問題は短い時間に簡単に述べるわけにはまいらぬわけでございます。それにいたしましても、赤字の生まれる根本的な原因については、貨物輸送、支払い利息、資材購入と工事請負の契約のしかた、そのほか公共負担とか市町村納付金などのさまざまな要素がございますけれども、説明は省略させていただきます。 なお、提案説明によりますと、「ベースアップ等による人件費の大幅な上昇等のため、国鉄財政は、さらに悪化し」と、赤字の原因に国鉄職員の賃金が問題にされております。しかし、新経済社会発展計画の中にも、一人当たりの雇用者所得が一二・一%ずつふえることを予想していることでございますし、国鉄労働者の生活状態から考えますと、今日までのベースアップが満足すべきものだとはとても考えられないのでございます。そういたしますと、人件費が経営を圧迫するといっても、ほんとうの原因は政府の物価政策に求めなければならないということになろうと思います。政府の措置によっていかようにでもなる公共料金を抑制することが、とりわけ国鉄運賃を据え置くことが、まず第一の措置だと考えます。 そのためには次に申し上げる五つの措置が必要だと考えます。第一には、収支の決算を、つまり見せかけの赤字ではなしに、企業会計の原則に基づいてこれを適正にしていただくということ。その上で第二に、政府からの借り入れ金の支払い利子は全額たな上げにすること。第三に、民間からの借り入れ金の利率は引き下げること。第四に、一般会計からの利子補給を増額すること。第五に、なお運営上不足する額は一般会計からの欠損補助とすること。これは公共性という、公共の福祉ということを貫徹するのには、どうしてもこの措置が必要になるわけであります。 なお、以上の措置がとられた上でどうしても運賃値上げを行なうというのでございますれば、差別運賃制度を点検して差別運賃をなくするようにしてほしいという希望を私は持っております。 工事勘定と資金計画についても結論だけ申し上げておきます。第一に、償還期限の来た借入金の期限を延長してほしいということ。第二には、政府出資について再検討してほしいということ。第三に、工事計画について再検討してほしいということ。これらの措置をとるにあたりましては民主的な審議を必要とすることは、これはもう申し上げるまでもないことでございます。 大切なことが最後になりましたが、国鉄職員の定員を三十五万人に減らす、ベースアップを一〇%程度に抑える、これで二兆四千億の資金を合理化でひねり出すのだという計画が国鉄財政再建の一つの柱となっている問題についてでございます。こんな無理なことができる可能性は私にはとうてい考えられません。いまでさえ合理化によって安全性が脅かされておりまして、国鉄労働者は仕事と暮らしの両面から不安な気持ちになっているのに、どうしてこれ以上のことができましょうか。あえてこれを強行なさるというのでございましたら、たいへんな混乱が起こるだろうということを私は申し上げておかざるを得ないわけであります。 また、いたずらに定員を削減することが経費を節約することとはならないという事実もございます。たとえば四十一年の十一月号の「国有鉄道」という雑誌に、経理担当の常務理事がこう述べております。「過去においては外注するということによって職員数を押えたのでありますが、経費としてはそうは変わらないのです」、定員を押えたけれども経費は変わらない、こう述べていますが、こんなばかばかしいことがあっていいものでございましょうか。定員は押えたけれども経費は減らぬ、こんなことにならないという保証が一体この計画でいえるかどうか。 これと同じようなことだと思いますけれども、五年以内に三千四百キロのレールをめくるということが新十カ年計画の中に織り込んでありまして、予算の裏づけもしてあります。過去においては外注するということによって職員数を押えたのですが、経費としてはそう減らない、こういうことがこの中にも同じようなことがいえないのか。八十三路線、二千六百キロだけをとりましても、四十五年度には収入が七十四億円でありまして、これに要する経費が三百十四億円、欠損が二百四十億円というふうに報告されておりますが、これを切り捨てて二百四十億円だけ国鉄は身軽になりたい、三つの守備範囲に専念するために身軽になりたいというのでしょうけれども、ここでの交通需要はバスとトラックで代行するのでありますから、経済的にいくかどうかわからないと思います。三百十四億円で輸送できるという保証が一体あるかどうか。 現在、鉄道建設公団で地方路線が四十七ほど建設中でありますが、このうち二十五路線は、建設の手前のレールをめくることになっております。先のほうは建設しておるのですが、手前はめくるということになっております。こんな矛盾したことはないわけです。建設公団の幹部にこのことを尋ねてみますと、国民経済的な観点からは廃止することがおかしい、そういう御意見でございますけれども、私もこの答えに同感でございます。 これらのこともすべて含めまして、問題は、国民経済全体から見まして、国鉄に与えられている任務、つまり日本国有鉄道法に定められている公共の福祉を増進することを第一の任務として国鉄の運営が行なわれますように切に願うものでございます。そのためには国鉄再建十カ年計画はつくり直してほしいわけです。こうした願いからこの二つの法案が廃案になることを切に希望いたします。 まだ申し上げたいことがたくさんございますけれども、与えられた時間がたいへん超過したようでございますので、これで終わることにいたします。
○小峯委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの御意見の開陳は終わりました。 —————————————
○小峯委員長 質疑の通告がありますので、順次これを許します。加藤六月君。
○加藤(六)委員 参考人お二方は、連休明けのたいへんお忙しいときにわざわざおいでいただきまして貴重なる御意見を開陳いただきまして、厚く御礼を申し上げる次第でございます。 いい御意見を承りましたので、これに対し簡単にさらに質問さしていただき、御意見を承りたいと思います。 岡町参考人の御意見、私たちたいへん考えさせられる点がたくさんあったわけでございます。特に自民党、政府与党といたしまして、今回の再建案をつくる過程におきましていろいろな多くの論議を繰り返してきたわけでございます。また当委員会の国鉄問題小委員会におきましてもいろいろ議論をいたしてきたわけでございますが、その中で、岡野参考人がおっしゃいました財政再建にもっとドラスティックに、国鉄の旧来のあかを落とせという意味のことをおっしゃいました。そしてその骨子としては、できるならばそうやって運賃値上げをしないほうがよろしい、あるいはやむを得ない場合は回数を少なく、あるいはまた実収アップ率一五%という率を、幅を小さくしたらどうだ、こういった御意見等も出てまいりましたし、また十年間でなしに、もう少し短期間にやれ、こうおっしゃいました。これを実施する前提として、労使の協力と、労使が責任をもってやらなくてはならないということ等も言われたわけでございますが、特に、最後におっしゃいました国民の側からの交通に対する欲求というものと、新しい鉄道の体系というものをつくり上げなくてはならない、こうおっしゃっておられました新しい交通の体系ということでございましたのですが、具体的にはどういう新しい鉄道並びに交通の体系というものを岡野参考人はお考えになっておられるのだろうか、そのことをまずお教え願いたい、こう思う次第でございます。
○岡野参考人 これは例の総合交通体系の問題と関連があるわけですが、私はなぜ、人口が減ったということ以外、国鉄を利用するお客がそれほど伸びないか。要するに人間が非常に動くようになっているわけですが、新幹線のようなものは別にしまして、本来であればもっと国鉄を使うはずのものが、とりわけローカルな交通においては減っているわけです。これは過去の国鉄が、いわば独占時代であったときの国民というのは、所得も低かったということもありますが、交通サービスについていえば鉄道を決して満足し切って使っていたわけではないわけであって、鉄道しか輸送機関がなかった。本来であれば、大体人間の交通サービスに対する欲求といいますのは、一番いい例がおとぎ話に出てくるわけでして、きん斗雲、あれは衝突もないし、非常にソフトであって、スピードがあってどこでもおりられる。あるいは魔法のカーペットも全く同じであります。これが本来人間の持っている交通サービスに対する欲求である。これをどういうふうに満たしてくれるか。よりよく満たしてくれるものを国民は選択するわけです。したがって、現在のようにいろいろな交通機関、手段がわれわれにとって利用可能であるからには、鉄道の位置づけというものはやはりそういういろいろな交通機関、さらに新しく出てくる交通機関も含まれて鉄道の位置づけをすべきであるというふうに考えます。さしあたりましては、私は、やはり旅客についても貨物についても中長距離の旅客ないし貨物の輸送と大都市交通であろうというふうに思います。貨物につきましては私は先ほどの村木参考人と全く意見が反対でありまして、大いに駅の集約化をすべきであるという考え方を持っております。これはかって三キロあるいは五キロごとに駅がないとまずかったというのは、駅まで持っていくのはリヤカーか自転車であったわけですが、現在では多くの車が、自家用車もあります、したがって、小さい荷物は集約されて駅まで持っていけばよろしい。しかも先ほどからお話がありますように、労働者の賃金は当然高くなってしかるべきである。とすれば、そういう小さい荷物をわれわれが——確かに年とった父親が東京に何か送ってやろうというのはうるわしいことではありますけれども、そのために非常に手がかかるということであれば、われわれはやはり集約された駅まで自分で持っていくということをすべきである。そういうことがほかの輸送機関を使ってできるという状況であるからには、集約化を行ない、貨物の輸送の効率を高めたほうが国民全体としてプラスであるというふうに考えます。 この場合でも、特に問題なのは輸送サービスの質の問題であります。なぜ旧来国鉄で運ばれていたもの、これは必ずしもすべてが国鉄で運ばれていたものがトラックに移ったわけではなくて、エネルギー源の変更、変化といいますか、それによって旧来石炭の輸送が多かったものが石炭がなくなるというような事態もありましたけれども、貨物が国鉄からトラックに移ったということの背景には輸送サービスの質がある。これはだれが勝負をきめてくれるかといいますのは荷主であるわけで、安ければ安いほど、そしてサービスがよければよいほど、問題は自分のところから荷物を出して自分が先へ荷物を送りたいという、まあ届け先ですね、そこへ安全に、しかも所要時間が非常に、何と申しますか、乱れることなく到着するかどうかということが問題なのである。これからの輸送サービスは、そういう点でいいますと、貨物についていえば荷主、それから旅客についていえば利用者ですが、いかに利用者に歓迎してもらえるようなサービスを提供するかということが輸送機関の任務であるというふうに考えます。したがって、現在、今後の国鉄がとろうとしている新しい国鉄の体系といいますか、その経営の方向としましては、大体私は賛成であります。
○加藤(六)委員 次に村木参考人に御質問いたしますが、今回の法案には反対である、直接負担が重くなる、間接に物価の値上げを慫慂する、値上げの問題が負担の不公平を招き、差別運賃をさらに拡大する、こういうようにおっしゃっておられ、また、あるいは運賃と料金の問題にも触れられて、ときには生死にかかわる問題を含んでおる、だれの犠牲において国鉄を再建するかというような問題等あげられ、特に工事資金の調達方法についての矛盾を追及せられ、あるいはまた国鉄の公共性と企業性の問題についても御意見を承り、あるいはまた償却のしかたその他にも問題があるようにおっしゃって、最後に三十五万人に減らすということはいけないというような理由をおっしゃったわけでございますが、先般、公労委の一万百二十四円という裁定が出てまいりました。これを完全に実施するかどうかはこれからの問題でございますが、御存じのように、ことしの一五%運賃アップの運賃改定、四月一日から実施したとして、千七百七十億円になります。これは五月八日の今日、まだ衆議院でこの法案を議題といたしておるわけでございますから、相当おくれるわけでございます。いつ通っていつどうなるかわかりませんが、かりに六月一日ごろからこの法案が施行されることになりますと、昭和四十七年度の国鉄の運賃増収分というものは、千四百億を切るのではないかと思います。千三百億前後、千三百五、六十億になりはしないかと思います。ところが一万百二十四円の裁定を完全実施いたすとしますと、千四百億円の経費が要ります。過去、私たちは、昭和四十四年の国鉄財政再建計画をつくったときには、御存じのように九%で計算をいたしておりました。それが、実質上ベースアップは非常に大幅に行なわれてきました。御存じのように、一%ベースアップをしますと、国鉄は経費として八十五億円前後要ります。十円のベースアップをいたしますと百三十五億円前後の経費を必要とするわけでございます。今回一万百二十四円の完全実施をいたしますと、いま申し上げましたように、大ざっぱに申し上げまして千四百億円の金が新しく要るわけであります。再建計画におきましては、私たちは、過去の苦い経験にかんがみまして、四十七年度から当分の間は一二・八%のベースアップを織り込んだ再建計画をつくりました。しかし工事費に回す金が、いままでの調達のしかたが、われわれも率直に申し上げましてまずかったと反省いたしておりますが、運賃値上げをやる自民党といって悪口を言われて、実際は国鉄四十七万人の職員のために自由民主党がどろをかぶって運賃値上げをしてやるのだということになってくるわけであります。ここに私たちの非常な苦しみがあるのです。 そこで工事費の調達方法でございます。運賃の中から工事費を完全に調達しようとは私たちも考えておりません。その工事の費用というものを一体どこから出せばいいのかとお考えでしょうか、それをまず承りたい、こう思うわけであります。
○村木参考人 申し上げます。 経営の中で賃金を考えますれば、お説のように、これは上げれるものではございませんですね。今日国鉄労働者の賃上げが一二・九%ほど認められたようでございますけれども、これは私は経営の中で幾らやりくりをしたって払えるものではないと思います。しかしこの一二・九%の賃上げ、これは先ほど申し上げましたように、新経済社会発展計画の中にも一二・一%の賃上げは当然だというふうに政府が認めておるわけでございますからね。その認めているものをああやって、当事者能力があるとかないとかいうことかもしれませんが、御承認なさらないから、ああいう紛争が起こるわけでございましょう。
○加藤(六)委員 私が質問しておりますのは、工事費をしからばどこからどうやって調達するかという内容であります。
○村木参考人 それはいまから申し上げます。運賃と国鉄労働者の賃金とを、対立するように私は考えてはならぬと思うのでございます。経営の中で賃金を考えれば、賃金というのは安いほうがいいにきまっておるわけでございますよ。賃金の割合には能率のあがらない年寄りはやめてもろうて、どんな仕事にでも適応できる若い人を雇うたほうがいいにきまっております。そういうことを前提にしなければ、お答えしても私は意味がないと思うのでございますよ。そのことを前提にしなければ意味がない。ですから、もともと国民は、国鉄は国有企業なんだからさだめし国がたくさん資本を出しているだろうというふうに勘違いしていらっしゃいます。四十六年度は三十五億円追加されましたけれども、今回また六百十六億でございますかお出しになるようでございますけれども、国鉄のいままでの資産というのは二十数兆円だと前の石田総裁はおっしゃっているわけですね。それはいろいろの計算のしかたがあると思いますので、にわかにどの数字が正しいかということは私も申し上げませんが、国鉄のいままでの矛盾がずっと累積したわけでございましょう。政府の交通政策が矛盾して今日のような国鉄の危機が起こってきたわけでございますよね。どうにもならなくなった状態を構造的危機と申しておるようでございますが、いま国鉄経営は構造的危機だというふうに昨年の監査報告書に書いてございますけれども、こうした状態は本来資本主義的なやり方で生んだ矛盾でございますから資本主義的なやり方でこれは解決するわけはないわけでございます。この際抜本的な処置をおとりにならなけらばこれは解決のしようはないわけです。国有企業でございますから政府がこの工事費をお出しになるのは、これはあたりまえでございましょう。それから、たとえば四十七年度の予算書を拝見いたしましても、工事費と減価償却費の関係と借入金の関係などを見ましても、かなり自己資金でおやりになるわけでございますね、減価償却費と除却費ということで。一方、政府がたくさん金をお貸しになるようでございますけれども、一方お返しになる金もあるわけでございますね。歩どまりはたいへん少のうございましょう。こういうようなこともひとつ抜本的に考えていただかなければ、この百年の間積もり積もった矛盾などというようなものはそう簡単に解決できるものじゃないわけでございます。どうぞひとつ政府は思い切ったことを今年度おやり願いたいと思う。新十カ年計画は思い切ったことをおやりになるようでございますけれども、一般の国民大衆と国鉄労働者の犠牲によって思い切ったことをおやりになろうとしている。以上でございます。
○加藤(六)委員 次に、御質問いたしたいと思いましたが、細田委員が関連質問をやりたいと言われるので、私あまり時間をかけたくございませんが、村木参考人にもう一つお伺いします。 先ほど岡野参考人がおっしゃいましたが、国鉄の旅客におけるシェアは三二%ぐらいに落ちてきた、貨物におけるシェアは一五、六%に落ちてきた。私たちは前のときにも申し上げたのですが、せめて旅客や貨物におけるシェアが五〇%以上であればわれわれはもう少し思い切ったドラスチックな革新的な財政援助ができるのではないかと思う。ところが、そこまで落ちてきた国鉄というものに対して、政府の援助とおっしゃいますけれども、私たちはそのシェアの問題を非常に心配しておるわけです。これをどうやってシェアを持ち上がらすか、せめてもう少しシェアが前向きに伸びていくという可能性があるならば、もう少し手当てができるのではないか。率直に言ってですよ。われわれは、一億国民の生命と財産と幸福とを預かっておるわけですから、そのシェアの問題というのは必ず念頭に置かなくちゃならないわけです。国鉄は赤字だから国が思い切ったことをする、そうすると公共性があるといわれるバスでもタクシーでも、すべての問題についてそういうようなことをやらなくちゃならなくなる。そうすると、企業の努力と責任というものの存在が薄くなってくるというところが、ほんとうは一番の苦しみなんです。 そこで、国鉄の旅客や貨物におけるシェアをアップさす方法はどういうものであるかということを簡単にひとつ御説明いただきたい、こう思います。
○村木参考人 よく、総合交通体系を確立すると、これが打ち出の小づちみたいに問題が解決するように言われる向きがございますが、この総合交通体系という問題意識は幹線輸送だけが日程にのぼっておりますね。これは先ごろ磯崎国鉄総裁が日本交通協会で講演なさいました記録がここにございますが、その記録にもそういう御不満を述べておられます。つまり総合交通体系を政府が問題にしているのは幹線部門だけで、地方路線のことは日程にあまりのぼってこない、こういうふうに述べておられますが、私も当時講演を聞いておりまして、ごもっともだと思いました。このような交通政策のあるもとで、いま先生のおっしゃっていたような方法をどうやって解決するかと言われましても、私も別に妙案はございません。問題はやはり国民経済全体の立場から全体の貨物輸送をどういうふうにするか、国鉄の旅客を含めた輸送をどうするかという問題を一諸に考えなければ、別に妙案があろうわけはないと、どうもお答えになりませんけれども、私はさように存じております。
○加藤(六)委員 どうもありがとうございました。 村木参考人、最後に申し上げておきたいと思いますが、われわれがつくった総合交通体系は幹線だけじゃございません。それぞれの陸海空、鉄道、バス、タクシーその他についてのきめのこまかい任務を割り出しまして、それに従ったところの国家の投資という問題と、ただそれに指導性を持たすか自然の成り行きというものを重視するかという問題での議論と、昭和六十年における投資額におけるところのパーセンテージ、問題は、大激論をやりましたけれども、幹線だけを考えた雑な目の荒いものじゃございませんことを申しておきます。磯崎さんがそれを言ったとするならば、磯崎総裁勉強不足であります。わがほうでおこっておきます。どうもありがとうございました。
○小峯委員長 関連質問を許します。細田吉藏君。
○細田委員 村木さんに一点だけお尋ねをしたいと思います。あなたのお述べになった御意見はあなたの体系でいろいろお述べになっておりますので、いろいろな点で私たちと見解を異にしておる点が多いのであります。まあこれを一々みんなやっておりますと、これはなんでございますが、ですから、あなたの大体お述べになっておる、あなたのお考えになっておることをかりにあれとしても、少し問題があるのじゃないだろうか、どう考えたらいいだろうかという一点だけしぼって伺いたい。ですからほかのところはみな賛成というわけじゃありませんが、大体平行線じゃないかと思うから、まあ議論もいたしません。 それは、これはよくある話なんですが、どうも旅客でもうけて貨物で損をしておる、そういう数字を国有鉄道で出しておりますね。監査委員会でも出しております。私はこの分け方自体にも問題があると思っておりますが、この貨物運賃を特に安くしているんだ、独占に奉仕しているんだということ、まああなたはいま独占ということばはおっしゃいませんでしたが、何かしかし非常に零細な荷主に高くして大企業に安くしている、こういうお話でございました。私はこれは非常に問題がある。そこで、あなたのおっしゃっておる真意を伺いたいのです。国有鉄道は貨物運賃を上げたら、国有鉄道の貨物はそうでなくても減っておるものを、もっと減りますね、いまの状況でございますと。日本の国有鉄道の貨物運賃というものは、もともと鉄道ができたとき海運との——陸上輸送は物資輸送ではたいしたものじゃありません——海運との関係の制約を受けて、大陸国家で見られるような貨物運賃制度でないのですね。これは私、釈迦に説法だと思う。あなたは御存じのとおりだと思う。そこへ戦後のモータリゼーションで自動車が出てきておりますね。そこで端的に伺いますよ。日本の物資の運賃そのものが全体が低いんだ、しわがそこへ寄せられておるのだ、こういうお話でしょうか、そうではなくて、国有鉄道の運賃だけが安いんだ、こういうことなんでございましょうか。この辺をぜひお聞かせいただきたいのです。それともそうじゃなくて日本が与えられておる条件が、海運やトラックとの関係において国有鉄道は非常に不利だ、こういうことなのか。それとも全体として海運賃も自動車運賃も国鉄の運賃も全部が貨物運賃は低くて、結局一般の産業界、つまりコストの中に占める運賃の部分が日本では非常に安くなっておるのだ、安過ぎるのだ、こうおっしゃるのでしょうか。どっちでございましょうか。
○村木参考人 お答えします。 安いか高いかということになればこれは比較の問題でございますので、ちょっとお答えしようがないわけでございますけれども、どこを基準にして安いか高いかという問題でございますからね。国鉄の運賃というのは、運賃水準の問題と運賃制度の問題がございますわけですね。今回の法案もそうでございますけれども、運賃水準を一般的にどうするかということと、それから中にある運賃制度をどう再編成するかという問題でございますが、この運賃制度のほうは、細田先生おっしゃっているように、歴史的にずっと見てまいりますと、貨物運賃制度の変遷をずっとたどってみますと、鉄道省だけの考えできまったのでないことだけは、これはもう先生御承知のとおりでございますね。海運の関係、道路の関係、そういう問題で非常に政策的にきまったわけでございますから、たとえば遠距離逓減の問題にいたしましても、それは海運との関係で、特に戦争中それが非常にシャープに政策が出ておるわけでございますね。こういうことでございますから、私は、国鉄の企業の中でこの運賃——さっき岡野先生がおっしゃったように、全体の輸送にかかる費用をどういうふうに配分するかという上で、私どものことばを使ってみれば、運賃制度というのはきわめて階級的な色彩を持っている、こういうふうに私どもは申しております。それは非常に階級的な性格を持っているものだ。これは本日事実を申し上げる余裕はございませんけれども、そういうふうに考えるわけであります。したがって、この運賃が安いか高いかという比較の問題をここでお答えする用意が私にはないわけでございますが、問題は運賃水準の問題じゃなくて、運賃制度のほうの問題に非常に不均等な、働く者が主として犠牲を受けているということを強調しまして、差別運賃制度というものを特に強調したわけでございます。お答えにはならないわけでございますけれども……。
○細田委員 もうお尋ねではありませんから……。いまお答えになりましたのは制度の問題ですから、あるものが安くて、あるものが高いのじゃないかという御議論はいいのですが、全体を上げるには制度だけじゃ上がってきません。あなたがおっしゃったようなこれだけの赤字を埋めるためには大幅な、しかも大量の荷物をアップしなければだめです。ところがアップをすれば貨物は減ります。ですから、どうしても海運賃との関係、自動車運賃との関係を考えなければいけない。私が言いたいことは、独占に奉仕しているとか大企業に奉仕しているとかということではなくて、もっとそこに根本の問題があるのじゃないか。日本における運賃、海陸空全部を通じて運賃の問題があるのじゃないかというとを私は言いたいわけで、あなたのおっしゃっているあるものに厚く、あるものに薄いという問題は、これはまた別な議論としてあるでしょう。これはいろいろ私も見解はありますけれども、まあ伺いません。そういうことでございますから、どうも。
○村木参考人 ちょっといまのことに関連して。貨物運賃は、第一次五カ年計画が始まりました昭和三十二年、それまでを基準に十六年間の値上がりを平均してみますと、平均でございますけれども、一・八倍でございますから、これはほぼ一般物価並みに上がっているというふうに思いますが、しかし旅客運賃は、今度の御提案がもし御承認願うことになれば、三・一倍になります。定期運賃は四・三倍になるわけでございますね。これは平均ですからぴんときませんけれども、たとえば東京−大宮間をとってみますと、昭和三十一年までは七百七十円だったわけでございます。これが四千六百七十円に、何と六・一倍になるわけでございますね。これでは通勤者は、二階に上がってはしごをとられておるようなものだ、こういうふうにおこるのは私は当然だというふうに思うのです。このことでひとつ御理解いただけるだろうと思う。 それから、貨物運賃を上げると荷主が逃げるとおっしゃいますけれども、タンク輸送が一体どこに逃げますか。たとえばガソリンなどの輸送量は、全体の二万トンの輸送量の中で一万四千トンでございますから、七〇%がタンク輸送でございます。タンク車で送られている。一体どこへ逃げますか。あるいはバラ積みのセメント輸送がどこへ逃げますか。かなり独占的な貨物というのははっきりしております。これは時間の都合で私は申し上げませんでしたけれども、必ずしも運賃を上げたからといって荷物がなくなるということはございません。ある一部の貨物は逃げるでしょう。それだからこそ、政府が全体の、紺田先生すでに御承知のような運賃政策を民主的におきめ願いたい、かように思うわけでございます。
○細田委員 もうこれ以上申し上げません。
○小峯委員長 斉藤正男君。
○斉藤(正)委員 最初に、参考人の皆さん御苦労さまですが、岡野参考人に伺いたいと思います。 原則的に先生は、今回の二法案は条件つきであるけれども賛成だということで、その条件について短いことばでありましたけれども、数点触れられております。このうちで最も重点的に最も優先してやらなければならない条件とは一体何か。一つか二つしぼって先生からもう一度御説明を、願いたい。と申しますのは、先生も必ずしも全面的に賛成ではないわけなんで、運賃は安ければ安いほうがいいし、また、こうした再建特別措置は別な形でやればやったほうがいいのだけれども、この際やむを得ないという言い方であったと思います。したがいまして、重点的に優先的にどういう施策をやらなければならいのか、二点にしぼってひとつお答えをいただきたいと思います。
○岡野参考人 重点的に一、二しぼれとおっしゃるのですが、一、二にしぼって、ほかをやらなくていいというふうにお考えになっていただいては困ると思います。私は、いま現在の累積債務がこれだけできているということの裏には、かなりの投資をしてきたわけですが、少なくともその投資は収益を生むようなものではなかったということの反映であるわけです。この点については、私は、ここにおられる国会議員の先生方にも若干不満を申し上げたいわけですが、やはり交通の条件、市場の構造が変わってきたときに、初めから相当の赤字をもたらすということがわかっているような——ということは、それたけ鉄道がコストをかけても輸送がついてこないというような線をなぜそうたくさんおつくりになったかということであります。これからもまたそれをおつくりになっているということであります。 それから第二は、私自身、地方の交通についてこういうふうにしたらよろしいというふうに考えていることはありますが、これを申し上げますと非常に長くなりますので……。私は、赤字線をすべて切ってしまえという考え方は持っておりません、赤字線の中にもいろいろな形態のものはありますので。ただし、この赤字線の中でやはり廃止すべきものというものは私はあると思います。これをやはり廃止すべきであり、そういういわばうしろ向きのことと、要するに累積債務を十年間かかって少しずつなしくずしにやっていくということは、過去の収益を生まない投資資産が残っておるわけですが、その資産が新たに急に突如収入をうんと生み出してくれる、その結果財政状態がよくなるということはあり得ないわけです。そうしますと、結局これは、比較的採算がとれるような、要するに運賃を上げても収入があがってくるようなそういう線へかぶせてやっていかなければならないということになりますと、私は、やはり日本の国鉄として国民に親しまれておる鉄道がそういう形で改善されていくのは望ましくない。したがって、累積債務を一掃してしまえというのが私の根本的な考えです。それによってまず第一に過去のあとくされをなくしてしまって、そうしてこれからの新しい国鉄のあり方というものをもう一回新たな立場からやっていく、これはちょうど行き詰まった民間企業が会社更生法にかかるのと同じようなことでありまして、そういう点では、ここで抜本的な対策を早くやることが急務であるというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 お答えの条件として、これさえやればいいのだということではない、ほかにもいろいろあるのだがということで、私が二点にというたいへん失礼な条件をつけたものですから、そのように言われたと思うのですけれども、村木参考人もおっしゃいましたけれども、鉄建公団がいま建設を進めている新路線が四十七線ほどございまして、そのうち二十五線は、半分以上でありますけれども、その手前——ある線があってその続きをやっておるわけなんですけれども、その手前が廃止をする予定線になっておるというような事実があるわけなんですが、これは私どもも非常に矛盾を感じておるわけであります。おそらくこの新線はでき上がったとたんに廃止予定線になりはしないか、その手前が廃止予定線ですから当然だと思うわけでありますけれども、こういう矛盾、いみじくも先生が言いましたけれども、ただ単なる国鉄の責任ではない、われわれ国会議員の責任も、遠慮しいしい言ったように思いますからなんでございますけれども、ありますよというざっくばらんな御意見、拝聴いたしました。まさに私はそのように感じているわけでありますが、御承知のように、前回の法案改正にあたりましても、今回のような突き詰めた審議は行なわれなかったわけでありまして、強行採決という手段で通過成立をしたという経緯があって、本格的な論議、論争というものはなかったわけでありますが、今回いろいろこうして時間をかけてやっている中で、貴重な参考人や公述人の意見を私どもが聞いている中で、いろいろ矛盾点、問題点が明らかになってきたわけであります。そうした中でひとつ先生に伺いたいのは、五月二日に鉄建審が東北の延長、そうして北海道、北回り、九州という新幹線を基本計画の中に組み入れるということで決定をいたしておりますが、こういう新幹線建設が、いまほぼ並行して走っている既設線との関係においてどういう結果を招来するであろうか、でき上がれば当然赤字だと明らかなのに年々建設を進めている線が一方にある。東海道新幹線や山陽新幹線がドル箱だからということで、また成田、上越あるいは東北に上のせして、東北の延長、北海道、北回り、九州といったような新幹線が基本計画に入れられる。北海道新幹線や山陽新幹線のようなわけにいくのかどうか、あるいは東海道新幹線や山陽新幹線のおかげで在来線が非常な圧迫を受け、利用者はたいへんな迷惑を受けているという事実もございますけれども、その内容は別として、私はやはり東海道新幹線や山陽新幹線のようなわけにはいかないよ、柳の下にドジョウはいないよ、さらに在来線はいまの東海道線や山陽線よりももっとひどい荒廃した線路になりはしないかということを心配するのでありますけれども、岡野先生、どのようにお考えでございましょう。
○岡野参考人 いまの御質問の御趣旨の一部につていは、私も同じように考えております。それは東海道新幹線や山陽新幹線のようには収益はあがらないだろう。私もおそらく東北の場合、延長についてはかなりペシミスティックであります。ただこれが在来線との関係ですが、これは新幹線ができたときに在来線がどうなるか。だれがきめるかといいますと、これは園児のほうが選択してきめるわけであります。これは東海道線についても同じであって、新幹線の利用者が非常に多くて、しかも新幹線のコストの構造等の関連で新幹線で黒字が出る。一方在来線のほうでは若干ですが営業係数が一〇〇をこえるという事態になっていますが、これは在来線が一〇一になったから、一〇二になったからといって別に問題にするに足らないわけであります。これはお客の中には在来線を使って新幹線に乗り継ぐ人もいるわけであります。要するに東北あるいは新しい計画にあがっている新幹線につきましても、問題は需要の構造いかん——需要の構造といいますのは、確かに運賃収入を計算しますときには、大体長距離逓減はありますけれども、人キロ幾らということで計算すればいいわけですから、したがって、ある線でどのくらい、何万人キロを運んだかということがわかれば大体収入はわかるわけです。しかし問題は人キロの問題ではないわけであって、その線のどこを、だれが、どういうふうに、どれだけの量を使っているかということが問題なのであって、これはたとえば仙台と盛岡の間と、東京と大宮の間ではたとえば人キロが同じになっても全く別の財であります。要するに収入の計算上だけが同じ財であって全く別の財で、これは代替することができないわけですから、したがって東北の中とそれから東京から北海道まで、要するにその沿線のすべての需要の構造というものいかんでこれが国民経済にとって有益なものであるかどうかということがきまりますし、また、その在来線につきましてもこれと新幹線とどういうふうに使わせるか。これは在来線も新幹線も同じ鉄道ではありますけれども、よくいわれているインターモーダルトランスポーテーションであって、在来線と新幹線を乗り継いで使う。そういうような便をどういうふうにはかるかでも影響がありますので、私こまかくはとても予想できませんけれども、もちろん東海道新幹線や山陽新幹線に比べますと条件は悪いというふうに思っておりますが、これはその需要の構造をよく調べてみないとわからないということであります。
○斉藤(正)委員 先生は主として国鉄の企業、採算といったような面でお話しをいただいたんじゃないか、いやそうじゃないんだと言われるかもしれませんけれども、私は利用者の立場、国民の立場に立ったときに、やはり本人の意思いかんにかかわらず、新幹線にならなければ、在来線では乗れないのだ、間引きをするとかあるいは停車しない駅ができるとかいうようなことで、国鉄側がやはり新幹線本位の経営主体になってしまう。したがって、利用者の意思いかんにかかわらず、そういう形の強制をさせられるというおそれがあり、利用者の立場、国民の立場から立てば在来線というのは非常に冷遇されやしないかという心配があって伺ったわけであります。まあけっこうです。 そこで最後に、最近ある筋では三年に一ぺんなんという、しかも国会で長時間の時間を、空費とは言いませんけれども、政府あるいは国鉄関係者が連日国会にくぎづけにされ、巨大なエネルギーをこのために消費をして、しかも実施がたいへんおくれていくというようなことは不経済であり、不合理であり、非能率的だ、したがって交通輸送機関の業種別に合理的な経営コスト指数を作成し、政府はこれを基準として毎年運賃料金を査定する方式を導入することが望ましい、こういう提言をしているグループがあって、先生も御承知だと思います。一体国会無視とかあるいは反民主主義だとかということを抜きにして、客観的に経営コスト指数を交通輸送機関の業動別に合理的にできるとお考えでございましょうか。これができるということになれば、また別の角度の問題提起があるわけでありますけれども、経営コースト指数というようなものはできるものかどうか、そしてできたとしたならば、それはかなり客観的なものであるかどうか、先生から御意見を伺いたいと思います。
○岡野参考人 私も、最初にちょっとお話がありましたことですが、運賃の改定についてこれを国会で審議する必要があるかどうかということについては、若干の疑問を持っております。これはイギリスにおいては、たとえばイギリスの国鉄はすでに運送義務の免除をしておりますし、それからフランスにおきましても最高運賃、最低運賃をきめており、その中では自由であって、それから運賃の公表義務も次第にやめるという傾向が出ております。これはどうしてそういうことができるかといいますと、これは国鉄が独占でありますと、いわゆる独占の横暴が幾らでもふるおうとすればふるえるわけですが、現在のように非常に市場が競争的になってきますと、幾ら国鉄さんがもとの夢を追って、上げれば収入がふえるだろうといってお上げになってもふえないわけであります。これはもうすでに三十年代からその徴候があらわれておりまして、四十一年、四十年だったかの運賃改定のときに、その翌年の運輸白書に盛んに書いてあります。国鉄の財政は運賃値上げをかくかくしかじかしたにもかかわらず収入は伸びなかった、それから財政は運賃改定したにもかかわらず改善されなかったと盛んに書いてあるわけですが、私から言いますとこれはあたりまえの話で、すでに輸送の市場というのは非常に競争的になっておりますから、需要者はそれに応じてちゃんと調整行動をとるわけであります。したがって、いままでのようにきっちりとがんじがらめにする必要があるかどうかということについては、たいへん疑問に思っております。 それから第二の合理的なコスト指数をつくって毎年査定するという方法があり得るだろう。これは私はこういうことができれば非常にけっこうだろうとは思いますが、私自身これをやれと命ぜられました場合には、幾つかの点でこの問題は私には解決できないというふうにいわざるを得ない点が出てまいります。 その一つは、これが非常に短い区間の単一の輸送であれば、これはわりあいにコストの計算は正確にできます。どのくらいの人数が技術的に必要であるか。それからどれだけの頻度で動かした場合にどれだけのコストがかかるか、査定は比較的容易であると思いますが、たとえば国鉄のように貨物と旅客を同じレールの上で運んでいるという場合になりますと、これは先ほど貨物は赤字で旅客は黒字でけしからぬという話がありましたが、これはコストのアロケーシ三ンの問題であって、たとえば同じレールの部分のコストは、これは共通費用であって、共通費用の配分を完全に両者にトレースすることはできません。普通、会計学的にやっておりますのは、その線路の費用を列車回数か何か、あるいは列車本数あるいはトンキロあるいは換算車両キロ等で配分するということですが、そういうふうに配分して、たとえば平均的な費用をまかなうように運賃をきめたとします。そうするとお客のほうはそれに対応する。そうしますと今度輸送量自体が変わってまいりますと、かつて基礎にした換算車両キロは変わってしまう。そこでまた共通費の配分をし直すということになる。この共通費の配分につきましては、これは答観的に配分するということは実際上不可能であるというふうに私は思います。この点は市場が競争的であるならば、その場合にはむしろある意味では差別運賃を使って共通費用部分を回収するということを認めていいというふうに私は考えています。これは、一九六〇年ごろにアメリカで何人かの学者が集まって鉄道の最低運賃をどうきめたらいいかというときに出た報告にもありますように、市場が競合的であれば差別運賃を使って利用者にたいへんな差別をして、便益を多く受ける者と非常に不利になる者が生ずるというようなことはできなくなる。これは例外は、日本の場合ですと、大都市の通勤については大都市の通勤者がそれではマイカーを使おうというような調整は実際上できませんから、その点については問題があると思いますが、少なくとも都市間については問題はないというふうに考えております。
○斉藤(正)委員 ありがとうございました。 村木参考人に二、三伺いたいと思いますが、先生は国鉄というのはいわゆる独立採算制という企業性と、国民の、あるいは物資の大量輸送という公共性と二つを持っていて、二律背反的なものだ、こうおっしゃられております。しかし御主張なさった論点の重点は、やはり企業性、独立採算性でなくて、公共性を強調されたように承ったわけで、私どもも全くそのとおりに考えております。もう一度、日鉄法その他との関連においてなぜ国鉄は公共性を重視しなければならないのか、そのためには企業性は、没却というわけではありませんけれども二の次に置くべきであるのかという点を、法的根拠、論理的にひとつもう一度お教えいただきたいと思います。
○村木参考人 公共性と企業性の問題を申し上げましたのは、運賃をどうきめるかという問題意識のところだけで本日申し上げたわけでございますが、そうした問題意識のところで見ますと、元来個別原価と個別運賃を対応するように徹底するということはたいへんむずかしいことでございます。さっき岡野先生もおっしゃったように、私も同感でございますが、個別原価を計算する上ではたいへんめんどうなことがたくさん出てまいりますし、同時に個別原価を計算し得たとしても原価主義で運賃をきめるのか、それとも負担し得る負担力主義と申しますか、こういうようなことによって運賃をきめるかということで、たいへん問題が起こるわけでございます。むろん、運賃が安いと需要はそこにかなり殺到するという問題は、これはいまの社会の仕組みでは当然のことでございますので、企業性と公共性という問題はいろいろなところで矛盾、衝突するというのが御理解のとおりでございます。 そこで、私は結局は、民主的な運賃体系というもの、合理的な運賃体系というものはどういうものかということを判断する基準というものは、だれがだれのためにどういう運賃体系をきめるか、そういう立場の問題だと思います。だれの利益を中心において運賃制度がきめられているか、あるいは運賃水準がきめられているかというようなことになるのでございますから、当然それは企業的な立場からはきめかねるわけでございます。そういう考え方が、これは私流の解釈でございますけれども日鉄法が「公共の福祉を増進する」という上でそのことをきめているものであろう、かように解釈するわけでございます。同時に、運賃法それ自体も、あそこに矛盾する四つの原則を掲げておるわけでございます。これはまさに四つの原則は矛盾するわけでございますけれども、このような意味から、結局はこの委員会の御審議で私の申しげ上たことが、自民党の先生方には必らずしも御了解いただけなかったのは、これは立場の違いということがあるいは前提になるかもしれません。あるいはそうでないかもしれませんが、それは御判断にまかせますが、もう一度申し上げますと、だれがだれのためにどういう運賃制度が、運賃水準が公正妥当であるかということをきめるのは、これは先生方が民主的に御審議をなさいます問題意識だ、かように存じております。
○斉藤(正)委員 ありがとうございました。 次に、現在の国鉄が赤字を出している原因はいろいろあって、具体的に御指摘になりました。大部分私も了解をし、そのとおりだと思いましたが、一つ、具体的に、この問題は一体どうしたらいいのかということを伺いたいと思いますが、国鉄は通過している地方自治体に納付金なるものを納めております。先生は、一体この納付金というのはどんなに国鉄が赤字であっても続けて納めるべきものなのかどうなのか、もうこれはイエスかノーかでけっこうです。地方自治体云々ということになってきますと、またいろいろになりますので、的確にお答えください。 それから通勤定期の割引をいたしておりますが、これは今日大部分が企業の一部分負担なり大部分負担になっておりますけれども、そうでないところもあるわけでありますが、この通勤定期の割引は、一体どういうように扱うべきか。同様に通学定期についても恩典があるわけであります。この納付金と通勤割引、通学割引、これは一体、いまの国鉄の財政の現状からいっていかにすべきであるか、どんぴしゃりお答えをいただければ幸いだと思います。
○村木参考人 申し上げます。 納付金の問題は、今日地方自治体では大きな財源になっているという点では、何らかの措置をしないでにわかにやめることには、私は反対でございます。これは当然、地方自治体の財政を援助するという別の裏づけをしていただいて、国鉄からはこの納付金をやめるべきだ、こういうふうに考えます。 それから定期券の割引でございますが、元来、法律できめております割引率と申しますのは、あたかも普通運賃が公正妥当であるという前提に立って、割引というものがけしからぬという言い方を通例されるわけでございますね。これは昔からそうでございますけれども、普通運賃というのはべらぼうに原価を上回った運賃がきめられていたわけでございます。そのような意味から考えますと、はたして通勤定期が原価を割っているかどうかという点についても問題がございます。しかし通学定期に至っては、これはもう論外でございまして、原価を償うわけのものではむろんないと思います。これらのものは当然なこととして、普通運賃をどういうふうにきめるか、あるいは国鉄の全体の総括原価をどういうふうにそれぞれの人人に負担させるかという民主的な手順を経てこれを審議していただきたい。にわかにこれが差別運賃であるかどうかということについて、私はここで即答しかねるわけでございます。一体、差別運賃とは何かということもにわかに申し上げにくいことでございますので、これはどうぞ民主的な機関をおつくりいただいて、はたして国鉄の運賃制度の中にはどのような差別運賃制度があるかというようなことを含めまして、もし差別運賃が一般的に承認されるならば、これを取り除いていただくということと、同時にこれが一定の、だれでも承認する運賃原則に照らしてこれが著しく割り引かれているという場合には、これは政策的なものでございますから、国がその分について負担するということも当然考えられることでございます。 以上でございます。
○斉藤(正)委員 ありがとうございました。終わります。
○小峯委員長 宮井泰良君。
○宮井委員 参考人の方々にはたいへん御苦労さまでございます。 私は基本的に今回の運賃値上げに対しまして、反対の立場をとっておりますが、端的に申しまして、いろいろ理由はございますけれども、まず政府の、国の努力、そして国鉄自身の企業努力、それと国民の皆さんにも応援をしていただく、この三者一体ということで国鉄というものの再建をはかる。これは基本的な考えになっておるわけでありますが、どうもいろいろと検討いたしてまいりますと、政府のほうの努力が非常に足りない。先ほども話が出ておりましたが、いままでは国鉄自身で努力をしていけということで、何ら援助をしてなかった。今回からは多少援助をいたしておるようでありますが、また国鉄自身もいろいろな面で、企業努力という面が欠けておるというふうなこともあり、私は矛盾を幾つか考えて遺憾に思っておるわけであります。したがいまして、お二人の先生方に一つずつ御質問をいたしたいのですが、特に政府の努力が足りないというふうな点におきましては、岡野先生にその点をまずお伺いします。 先ほどもある自民党の委員から、自民党だけが値上げをしてどろをかぶっているんだというような話がございましたが、そうならば、党の部会等においても大いに議論されたわけでありますから、政府になぜもっと言わないのかということを私は強く感じまして、これはまあ質問とはちょっと関係がございませんのであれですが、具体的に申しますと——時間がありませんから一点だけ。運賃の公共割引制度というものが今日までとられてきておったわけであります。それは主要農産物等は非常に国民にとっても大事な供給のものでございますから、いままでは割引制度というものがあったわけですが、最近になりまして、割引制度を半分に縮め、さらに今度は全廃するということになっておりまして、前回の、四十四年の第六十一国会におきましては、原田前運輸大臣は、そういった公共割引制度の廃止は物価の値上げに対して大きな影響を与えるので見合わしますということを答弁いたして、それはそのままになったわけであります。いろいろ具体的な数字もございますが、たとえばせんだって私北海道へ参りまして、北海道の皆さんの公聴会に参加いたしましたが、北海道などは相当痛手をこうむる。知事さんなども往復で二百億くらい、この割引制度を全廃いたした場合に、金額といたしましてもそのくらい響いてくるということを仰せになっておったわけであります。また政府は、この新全国総合開発計画という中に、北海道というものはそういった主要農産物を中心にして、これからどんどん発展をさして、北方領土との交流をはかるというような、政府の経済政策自体は北海道をそのように盛り上げていこうというふうな基本計画になっておりますが、それが逆にこういったことで運賃が値上げしていくという、値げの上にさらに割引制度が全廃されるということにおいて、二四・六%ということになっておりますけれども、合計いたしますと、五〇%ぐらいになるというふうなことで、極端なことばで言いますと、そういった生産に従事している人たちが消費者に影響を与えないよう切り詰めていきまして、もうわれわれが犠牲になるんだ、早く言えば仕事ももう成り立っていかないんだというようにするか、それともしようがないから消費費者の方々にかぶっていただく、そういったものは消費者物価の値上げということで、生産者が守られていくためには皆さん方に負担してもらわねばならないということで、物価が値上げしていくということになってきておりまして、これは非常に深刻な問題であります。まあ割引制度などというものは、政府がそれだけの援助をするからという前提でしておりましたことも約束を破ったというようなこともありますが、こまかいことは別といたしまして、基本的にそのような問題に対して、先生はどうお考えになっておるかという点をお伺いします。
○岡野参考人 公共割引制度の中には、いま御指摘になりました農産物等、あるいは新聞、雑誌等がありますが、これは一般には公共割引といわれているものの内容を見ますと、実は非常に性格が違うものがまじっております。たとえば通学定期は、これはなるべく教育を均等に受けさせようという配慮であるわけですし、それから通勤割引は、かつて職工定期という割引から始まりましたように、比較的低所得層の労働者の負担を減らそうという考え方でもあったわけです。いま御指摘の農産物の件ですが、非常に簡単にお答えいたしますと、短期的には生産者にとって痛手になるだろうということは間違いない、負担になるということは間違いないと思います。ただ、こういうふうにとりわけ長距離の貨物について、特定の商品について大きな割引があるということが、もしなかったならばいまどうなっていただろうかということを考えてみる必要もあると思います。たとえばそのコストは比較的高いけれども運賃負担はわりあいに低いところで生産されている農産物と、農産物の生産性が非常に高く、しかしそのかわり運賃負担が市場に出荷するには非常に大きくなるような場所で生産されている場合、もし公共割引がなければ実は前者のほうで農産物の生産がよけい行なわれているかもしれないわけです。これは端的に言いますと、比較的大都市に近いところで農産物の生産が行なわれるということであります。また、これは長期的に見ますと、私は、これはかなり調整の行動が行なわれますので、その影響は短期的な影響に比べますと小さいと思います。これは農産物によって、たとえば保存のきくものであれば他の輸送機関による、たとえばフェリーによるということもあるでしょうし、それからある程度加工して出荷するということで運賃負担を減らすということも可能であります。そういう調整が行なわれますから、したがって公共割引の現象が短期的には生産者にショックを与えるということは間違いないですが、長期的には短期的に考えるほどのショックにはならないだろうと思います。 それから第二に、消費者と生産者、どちらが負担するかという問題ですが、これはあるいは東京をとりますと、東京における市場の状態によるわけであって、たとえばその生産物についての需要の弾力性が大きい場合には、これは生産者が実際上運賃負担をかぶらなければなりません。それから生産物の需要の弾力性が小さければ、これは相対的に多く消費者がかぶるということになります。したがって、その負担の大きさがどういうふうになるかということにつきましては、それぞれの農産物の場合でも、それぞれの農産物に対する市場での需要の条件によって異なってくるということになると思います。
○宮井委員 たいへんありがとうございました。私はまだ当委員会におきまして質問をいたしておりませんので、これから審議に入る段階におきまして、こいったいまのお話なども参考にいたしまして、徹底的に審議をするというふうに考えておるものでございますが、それでは、村木先生にお伺いしたい点は、先ほども申しました国鉄の企業努力という、また国鉄自体の体質の問題。お話は抽象的になると思いますが、どうもマンモス化いたしまして大きなこの国鉄は、サービス問題一つとっても何をいたしましても、相当改善ということが叫ばれても、なかなか進んでいかないという根本的な体質問題というのがあるわけでありますが、そこで、国鉄を取り巻く外郭団体というものがありまして、これは国鉄出者がそこの主要な地位につきまして、いろんな仕事をしておる。特に資材の買い付けなどにおきましては、間に入りまして、そして二割から二割五分のそういった手数料を取りまして仕事をしておる。国鉄には資材局というのがありまして、直接購入いたしますと非常に安く買えるものが、そういったものが間に介在いたしまして、もう市価の何倍にもなっていくということで、そういった外郭団体自体が百数十というものが国鉄を取り巻いて全国にある。これはもう御承知のとおりであります。根本的に国鉄を最も愛し、国鉄を育てていかねばならないこの国鉄の先輩が、極端に申しますと国鉄を食いものにして、そうして赤字に拍車をかけておるというふうなことで、私は憤りを感ずるものであります。そういったことが是正されていくならば、資材の購入の節約という面、大幅にそういったものを、むだに講入するとか——毎年会計検査院からも指摘されておりますように、むだなものを多く買い付けたり、あるいは高く買ったりというふうなことで、国鉄のお金のないところにおいてさらにそういったものがかさんできておるということを、私は強く感ずるわけでありますが、こういった国鉄の持っております体質と、そしてそれを取り巻くところの外郭団体の今日のあるべき姿というようなことについて、日ごろお考えになっております点がございましたら、参考のためにお伺いいたしたいと思います。
○村木参考人 お答えいたします。いまお話のございましたような点は、ただ、ひとり国鉄だけではなしに、国やそれからその他の国有企業におきましても同様なことが行なわれておると存じますので、これは国鉄だけをやり玉に上げましても、たとえば契約のしかたにいたしましても、なかなか容易に問題は解決しないわけでございますので、ひとつ全体の、国や国有企業の資材や工事請負の方法について、民主的なメスを入れると申しますか、会計検査院などがございますけれども、どうも私どもが見ますと形式的に行なわれているような気がしてならないわけでございますので、ひとつ民主的な監査機関をつくっていただいて、特に国鉄には監査委員会というのがございますけれども、あの監査報告を総裁や大臣に行なうのではなくて、国会にこれを行なうように、ひとつしていただいたら、問題はかなり解決の方向に近づいていくのではないか、かように日ごろ考えているわけでございます。
○小峯委員長 河村勝君。
○河村委員 お二人に、時間もありませんからまとめて質問をいたします。 最初に岡野さんにお伺いいたしますが、条件つき賛成の、その三つの条件のうちの一つの中で、国鉄の労使間の協力体制をつくって、そこに責任を持たせてやるという意味のことがあったと思います。現実にこれから再建をやろうとする場合に、そういうことが望ましいことでありますが、これを言われたのは一体具体的に何か制度的に新しい構想を持って、こうやればよろしいのだという意味で言われたのかどうか、単に教訓的な意味で言われたのか、その点を伺います。それが一つです。 それから村木さんにお伺いいたします。先ほどから差別運賃をやめろ、それから階級的運賃はいかぬ、こういう主張が繰り返してありました。質疑の間で聞いておりますと、旅客運賃のほうではこの差別運賃のことを言っておられないように私には受け取れたのでありますが、もし貨物運賃の面で言っておられるとすれば、それは現在ある貨物等級制度というものをやめて一本化しろという意味であるのか。もしそうでなければあなたの御主張のような見地から全然別に新たな差別運賃をつくれ、こういうことなのか、どっちか。その点をひとつ伺います。 それからいま一つ。貨物駅の廃止に伴って中小荷主が犠牲になる。それは若干の不便になることはわかりますが、そのときにレールの上の輸送時間は多少短縮できるかもしれないけれども、戸口から戸口への輸送時間というものは逆に長くなるのだということを述べられましたが、何かそれは根拠がおありかどうか、それを伺います。
○岡野参考人 私は労使の協力体制をとって、そして責任を持たせて経営をやらせるべきだということを申し上げましたが、きわめて具体的な形でこうしろというところまではいっておりませんが、いままで公共企業というものは企業性と、それから国の事業といいますか、政府といいますか、それのいいところをとるのだということにはなっているわけですが、実はどうもこれは全世界的に見てそうですが、悪いほうをとった例になるという形が見られるようであります。ここで一つのルールができ上がって、やはり国鉄の労働者——たまたま私は毎年一人ないし二人の若い委託生を聴講生として預かって、いろいろ勉強しておるわけですが、やはり労働者のほうに勤労意欲がわかなければ話にならない。しかしこれは客観的な条件としまして、かつては国鉄が膨張の時代にあるときには、次々に昇進の道といいますか、そういうポストがあったわけですが、こういう時代になりますと、それが非常に閉ざされてくる。やはり労働者にとって勤労の意欲がひとつ盛り上がらないということがあります。それから企業であれば成果の配分ということが行なわれるので、その成果をやはり労使で——会社をつぶしてしまってはしようがない。やはりその成果を配分するには、成果であるパイを大きくするような努力をしよう。国鉄の場合でも同じようなことが行なわれなければならないというふうに考えるわけでありまして、私は赤字線全部を廃止しろという意見ではございませんので、たとえば赤字線の一部をやるべきだということになった場合にも、きまった額のそれに見合った財政補助をするというような形になりまして、要するに現在の国鉄が国民に供給している質と量のサービスを生産するのに、どんなに努力してもこれだけのコストはかかるというコストに対して、それをもし上回るような努力が行なわれて、黒字が出るということになれば、その成果の一部は従業員にボーナスとして配付される、給付されるというような制度を入れる、これはフランスに若干これに似たような制度があるようですが、そういう形で結局最終的にはやはり国民にうんと使ってもらって、そして収入があがって、それの成果が労働者にも恩恵として入ってくるのだというような、そういうインセンティブが生じない限り、どうも公共企業体の望ましい企業性というものは出てこないのじゃないかというふうに考えております。
○村木参考人 お答えいたします。差別運賃ということばは、簡単に申し上げますと非常に抽象的になるわけでございます。現実の運賃を具体的に一つ一つ分析してみますと、そこに差別運賃という問題が浮かび上がってくるわけでございますが、本日はこれを多少抽象的に申し上げましたので、旅客と貨物というふうに二つに分けて考えてみたわけです。交通生産というものは元来土地に固着して行なわれている。生産と同時に消費が行なわれるというような性格になっておりますので、地域的にコストを見ていきますと問題がはっきりしないわけでございますけれども、本日旅客と貨物というふうに二つに大づかみに分けて、旅客の一般的性格、貨物の一般的性格、こういうようなものから判断してみますと、抽象的でございますけれども差別運賃という問題が浮かび上がってくるわけでございます。これは具体的な事実をたくさん積み上げた上で私は差別運賃という問題を申しておるわけでございまして、はたして差別運賃と感ずるかどうかはその人かどういう立場でその運賃を見るかということとかかわり合いがあるわけでございます。私がそれは差別運賃だと言いましても、ある人は、いやとんでもない、それは公正妥当だ、こういうふうにおっしゃるだろうと思います。このようなことから、何が差別運賃であるかということについては、これは時間をかけて具体的に委員会などをつくってひとつ御審議願った上でおやりいただくことが望ましい、こういうふうに思います。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 それから、中小荷主が貨物駅が廃止されることによってという問題でございますが、これは駅が二十キロも先に行かないと——二十キロじゃない、まん中へ入りますと十キロになりますが、どうしても自動車輸送がそこに入ってくるわけでございますね。それが荷主にとってみれば戸口から戸口までの費用というものが、レールの上の費用だけじゃなしに道路上の費用がそこにかかって、手続なども非常にめんどうになってまいるものでございますから、費用がたいへんかかってくるわけでございます。同時に、輸送瞬間につきましても、手続上の問題、取り扱いの問題その他で、どうしても全体の運送時間というものが長くなってくる。レールの上にある国鉄が受託をしてから国鉄の手を離れるまでの時間というものは、いまのフレートライナーであるとかそのほかの物資別輸送だとかいうことで、国鉄の輸送というものは、当局のことばを使ってみると非常に近代化されておりますから、レールの上の輸送時間というものは非常に短くなっている、こういう傾向を申し上げたわけでございます。
○河村委員 私わからないのですが、運搬距離が長くなると多少両側の費用がふえるということは言えると思うのですが、時間的に手続がめんどうでそれで戸口から戸口の時間も延びるというのは、どう考えても私にはわからないのですが、具体的にそういう根拠がおありでしょうか。
○村木参考人 それはいままでのように五キロおきに貨物駅があります場合には、小さな荷主も直接国鉄の窓口に委託することができたわけでございますね。ところが四千からありました貨物駅が千駅になってしまいまして、二十一キロごとに駅ができるということになれば、これはもう当然なこととしていろいろな手放がそこにかかってまいるわけでございましょう。そのことを私は問題にしているわけでございます。
○河村委員 はい、やめます。
○細田委員長代理 田代文久君。
○田代委員 まず岡野参考人に一言だけ質問いたしますが、先ほど、今度の法案の内容になっておりますけれども、貨物の集約化という問題はこれは正しいのだ、これは支持すべきであるという御説明がありました。この点が、国鉄法の第一条、いわゆる公共性の問題、福祉の増進というそういう観点から見まして非常に疑問に思うわけなんで、この貨物の集約化によって国民全体としてこれはプラスになるのだということをお話しになりましたですね。どうもその点が理解できないので、たとえば再三問題になっておりますけれども、中小の荷主ですね、ただいまお話がありました、そういう集約化によって荷主なりが非常にこれは値段も高くつくし時間もかかる、非常に不便を感ずるということが現実にあって、全国のこれは公聴会などでもこの問題は特に地域的に問題になっておるわけなんです。それから基本的に過疎過密の問題、この問題が現在全体的な経済現象の中で、現在の政策の中で問題になって、これをどう解決するかという問題にもなっているときに、この貨物の集約化ということはますます過疎地域を過疎化し、国民に、その地域におる住民ですね、その人たちに不便とあるいは割り高の負担をかけるのじゃないかという点で、国民全体としてこの貨物の集約化ということがプラスになるというふうにはどうしても理解できないのですね。これは一部の方には、一部の荷主には、明らかにこの集約化が利益になるし、またそういう意図でこれが非常に重要な柱として据えられておるのじゃないかというふうに思うわけなんですが、国民全体の関係から見てそのように考えられない。とすると、われわれとしましては全国民の代表なんですから、そういう一部の産業人の利益によって他の中小の荷主が犠牲を負うということについては、これは黙過するわけにはいかない。全体としてこれが国民の利益という方向で私たちは法案について対処しなければならないわけでございますし、そういう点からいわゆる国鉄法でいう公共性とそれからこの集約化との関係ですね、原則という面、また実際上の面から見て、これが国民全体のプラスになるのだという点について、ひとつ御説明願いたいと思うのです。
○岡野参考人 国民全体にとってプラスになるといった言い方は、若干修正はしなければならぬと思いますが、確かに中小荷主が貨物の集約化によって以前よりコストなり手間をかけなければならなくなることは事実です。 〔細田委員長代理退席、委員長着席〕 ではその状態をいつまでもとっておくべきかというふうにお考えになるかどうか。それは従来のように比較的労働賃金も安かった、そういう時代であれば、それからほかの輸送機関も整備されていないという状況のもとでは、駅を多く置かなければこれらの中小荷主は貨物を発送することができなかったと思います。ところが、現在のようにそういう貨物を扱うために小さな駅をたくさん置く、しかもその各駅において扱う荷物の量はそれほど多くなくて、しかもある程度の人員を配置しなければならないということになって、その人員のコストは以前よりもずっと上がっているという状態のもとで、中小荷主は相変わらず安い運賃でその鉄道の駅を使わせろというふうに言うのは、私はこれは利己主義であろうというふうに考えます。要するに他の人の犠牲において自分だけが安いコストで運ぶということの特権を維持しようとすることにほかならないわけであります。それからいまの中小荷主の関係になるわけですが、実際の日本のトラックの保有の状況を見てみますと、とりわけ小型のトラックについては中小企業の所有が非常に多いわけです。これは自分で貨物の輸送を自家用トラックでやっておるわけであります。貨物の駅が集約化されたときに、そこへ持っていくという程度のことをやるのは、私は資源の配分を考えて当然のことであるというふうに思います。なお、過疎過密の解決にこれもなっているかといいますと、小さな貨物駅をそのまま残していたことがこれまで過疎化を実際に防いでいたかどうかということを考えましても、小さな駅の貨物の取い扱い量は年々減っております。一つは、これ以上減らしたらもっと減るのではないかということがあるわけですが、私は、荷主の場合には、われわれ乗客として鉄道を利用する場合よりはもっとそろばんをはじくわけでありまして、与えられている状況のもとで、それを最も有効に利用するということをやるのが企業者としての、中小企業といえども義務であると思います。 そこで、もう一つの問題ですが、国民全体、といってその全体の一部は不利をこうむるということになるかもしれませんが、国民全体にとってという意味は、現在の貨物輸送は、個別に見ておりますと、こういう小さな駅で、駅が多ければ多いほど操車場の中に滞留する時間というものは非常に長くなります。これが国鉄の貨物がトラックとの競争において貨物を失った一つの理由であるわけです。駅が多ければ多いほど操車場である程度の貨車の量がたまって列車を編成するまでは操車場に置いておかなければならない。しかもその操車場に置いておく時間が長くなればなるほどそこでの従業員もよけい要るということになるわけで、しかもそれが輸送サービスについては質の低下ということになります。したがって、集約化によって列車編成がはるかに楽になる。したがって以前よりも操車場の滞留時間も短くなるということになった場合には、荷主としても、自分が集約化された駅へ持っていくコストを含めてもそれは全然マイナスにはならないで、輸送サービスの向上という形で返ってくるわけですから、したがってまるまる負担になることにはならないので、場合によっては、とりわけなまものを扱うようなものにとっては、これはむしろプラスの恩恵を受けるかもしれないわけです。したがって国民全体、それも各員個々の国民をすべてピックアップして全体といいますとちょっと問題があると思いますが、私はやはり総対としての国民にとってはプラスであるというふうに考えております。
○田代委員 ただいまの御説明はなお納得しかねるわけですが、これは議論をする場ではありませんからあれしますが、やはり基本的にいわゆる国鉄という名前そのものが示し、あるいは国鉄法自身の第一条に明確にいっているように、公共の福祉ということで国民全体として受け取っているのは当然であるし、またそういう一般の営利企業でないことは明らかなんですね。それから実際の問題として、今度の法案の基本的な解釈のしかたなどにおきまして、どうしても法律自身にこの公共性という大原則をうたっておるその問題を空洞化する。実際上公共性とか何とかいうのはただ答弁をするときにぐあいのいいように抽象的に言うだけであって、具体的な内容においてはその公共性がだんだんとむしり取られてしまって、そして産業の、特に大きな産業の営利主義の方向へ持っていかれるということについて、国民全体が非常に不安と危惧を持っているわけですね。それに対しては、私どもとしてははっきりそういう国民の立場に立って、これは全体を解決しなければなりませんので、特にその公共性を国鉄法でいっているような形に原則的にこれをどのように守るかどうかということは、今度の法案の一つの重大なポイントになっていると思うのです。その点でお尋ねしたわけですが、これは議論するつもりはありませんから……。
○岡野参考人 ちょっ申し上げます。きわめて簡単に申し上げますが、私はその公共性ということ自体がどういう意味でお使いになっているか、むしろ伺いたいくらいなんですが、私は最近ある雑誌に公共性について考えたわけですが、鉄道の輸送サービスというのは本来私的なものであります。われわれは個人個人、自分が消費するわけであり、荷主も自分が消費するし、消費しない権利もあるわけです。この点では、国防のサービスであるとか、それから人間が生存の上で病気になったときに一定の病人を救うというような意味でのミニマムの医療サービスを確保するということとは違うわけであります。鉄道についての公共性という問題をむしろ国民に正確に理解させるということこそ政府の義務であるというふうに私は考えます。国民の個人個人がむしろ自分の利害にかかわることを公共性の名において要求する。これはおそらく相手が私的な企業であれば要求しないことを国の企業であればその損失は政府がしりぬぐいをしてくれるということで要求するのであれば、私はむしろそういう考え方を改める必要があるというふうに考えます。
○田代委員 ただいまの説は、公共性に対する理解が私の考え方と根本的に違っているわけなんで、その点については私はいまは議論する場ではありませんからこれはいずれ政府、法案を提出した当局と私は大いに徹底的にやるつもりですが、これは参考人の御意見として承っておきます。 次に、これは村木参考人にお尋ねしたいのですけれども、先ほど御説明していただいた中で、いまの公共性と企業性との関係において日本の政府とそれから国鉄との関係、特に路線を敷くとか新しいいわゆる新幹線を敷くとかいうようなそういう工事面における経費、これはばく大なる投資がなされているわけですが、そういう面において日本の場合とヨーロッパ諸国の場合には相当相違があるように思うというふうにお話があったようでございますが、その点がどのように違っているのか。これはやはり赤字問題を解決する重要なポイントだと私は思うのですが、その点の御説明が一点。 それからもう一つは、今度の法案の趣旨説明の中で、値上げしなければならないのは人件費のベースアップによる、人件費が上がるのだということを非常に大きなウエートにしておるわけですね。私自身の理解によりますと、労働者の賃金、したがって人件費という問題とこの運賃上げという問題は全然無関係だとは言えませんけれども、大体本来人件費とか賃金とかいうものはそれ自身の独自性を持ったものであって、したがってこれはベースアップしたから、だから運賃はそれにスライドしてそのまま上げるんだというような形で、これを運賃値上げの条件として出すべき性格のものではない。人件費とはそういうものではない、労働者の賃金とはそういうものではないということが、私どもの基本的な考え方なんですが、今度のこの法案の内容としては、人件費を目のかたきにして、これが高いからとにかく赤字になっているんだ、だからとにかく上げざるを得ないということに、何もかもそういう国鉄に勤務している労働者あるいは国民の旅客全体に負担をかけるというような方向が打ち出されていることは、どうしても納得ができないわけです。そういう意味で、人件費が本来持つ原則的な意義、労働者の賃金の持つ意義、それとこの値上げとの関係について御説明していた、だければ非常に幸いです。
○村木参考人 お答えいたします。 最初の御質問は、私が公述いたしますときに、五つの措置を政府がやってほしいということを希望したわけでございますが、これはヨーロッパ諸国、これはすべて国有鉄道でございますが、これらではみなやられていることでございます。これは当局の監査報告書をごらんいただきますと具体的に出ておりますが、そういうことがすでにやられておるわけです、単年度の欠損という問題について。それから、新しく設備投資をするというつまり工事資金の問題についても、これはたてまえとして国が出資するというのが基本でございます。したがって、冒頭申し上げました私の意見は、特別に何も資本主義の世の中から飛び離れたことを提案しているわけではないわけでございます。すでにヨーロッパ諸国では、第一次大戦後、企業がオートノミーという形で民主化されてきておるわけでございますが、そのような中でこれはすでにやられておるわけです。その一つの例を、私たちがどうも外国の国有鉄道についての認識が不足しているんじゃないかと存じますのは、たとえばよく閑散線区を廃止するという問題がございます。たとえばイギリスの場合でいえば、最盛期には三万キロほどあったのが、今日では一万キロ整理して二万キロになっている、そういうふうに言われて、あたかも三千四百キロの路線を廃止することが当然なように言われるのでございますけれども、イギリスの例をとってみますと、閑散線区といっても閑散線区の程度が違うわけです。いまあるイギリス国有鉄道の二万キロの中の路線を見ましても、イギリスでは、閑散線区は土曜日、日曜日はお休みなんですよ。これは国柄によって違うわけでございますけれども、お休みでございます。これは国鉄の外務部の次長さんがこの前イギリスにおいでになりまして、イギリスの国有鉄道の閑散線区の御報告をしていらっしゃいますのがここにございますので、ちょっと御紹介申し上げますが、お休みの日にある駅にお調べにおいでになって、イギリスでは、駅の待合室が社交場みたいになっているそうでございますが、そこに売店がございまして、たまたまたずねていったところでは、駅長のお嬢さんがその売店をしておられたんで尋ねてみた。「夏には観光客で混雑するでしょう」そう言ったらお嬢さんが「そう、冬に比べて倍ぐらいの乗客になります」「どれぐらいの数になりますか」「いまは一日十二人ですが、夏には二十五人ぐらいになります」こういうふうに胸を張っておっしゃっていられる。「夏の間はたいへんですね」心の中では、何がたいへんなものか、たいへんなのはイギリス国有鉄道のほうではないかなどと思いながらも、美しいお嬢さんに対する礼儀は欠かさなかった、なんていうようなお話があるぐらい、閑散線区のけたが違うわけですよ。岡野先生がさっき、ことばのはずみでございましょうけれども、利己主義とおっしゃいましたけれども、沿線に住んでいる人はもう少し私は、利己主義という概念が問題でございますけれども、利己主義になるべきだと思うのです。自分の権利をもう少し主張すべきだ、こういう点が少し弱いと思うのでございます。国鉄を維持していくためには、今日のような条件のもとでは、国鉄を独立採算でやっていくことはむずかしいわけなんです、いろいろな条件があって。ですから、政府がいろいろ援助するのは、これは当然なことでございまして、特に日本はもう百年からのあかがたまって今日の状態になってきたわけです。外国じゃそうじゃないわけです。あかなんてそんなにたまりはしなかったのだけれども、今日のような援助をやっておるわけなんです。こういうふうに私は外国鉄道の援助については理解しております。これは監査報告書に書いてある事実を申し上げたわけでございます。 次に、国鉄労働者の賃金と国鉄経営の問題と結びつけることについては、全く同感でございます。企業の中で、先ほど申し上げましたけれども、労働者の賃金をどうするかというよなことを、収支の上で考えたのでは、これは賃上げなんて実際にはできるものではございません。もともといまの社会では、労働者は雇われて働いているだけなんです。国鉄職員といえども雇われて働いているというルールは、これは自由民主党の先生方もお認めになるだろうと思うのです。雇われて働いているという事実で国鉄労働者は賃金を要求しているわけでございますから、どうぞひとつその権利は承認してやってほしいと思います。 以上でございます。
○田代委員 どうもありがとうございました。
○小峯委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、お二人の参考人にお礼を申し上げます。 本日は、御多用の中、当委員会に御出席いただきまして、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚くお礼申し上げます。(拍手) この際、暫時休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ————◇————— 午後三時二十三分開議
○小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案に対する質疑は去る四月十八日終了いたしております。 これより本案を討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 道路運送車両法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小峯委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) —————————————
○小峯委員長 この際、宇田國榮君、加藤六月君、徳安實藏君、細田吉藏君、箕輪登君から、自由民主党提出をもって、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。加藤六月君。
○加藤(六)委員 ただいま議題となりました本案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党を代表いたしましてその趣旨を御説明申し上げます。 附帯決議の案文は、お手元に配付してありますので、朗読は省略させていただきます。 本附帯決議案は、当委員会における本法律案審査の過程におきまして、委員各位から述べられました御意見及び御指摘のありました問題点等につきまして、これを六項目に取りまとめたものでありまして、今回、本法により軽自動車の検査制度が実施されるにあたり、政府において積極的に措置すべきところをここに明らかにし、本委員会の決議をもちまして、その実施に遺憾なきことを期することといたした次第であります。 附帯決議案の内容につきまして簡単に申し述べます。 まず第一項は、今回新たに認可法人として設立されます軽自動車検査協会が、国にかわりまして軽自動車の検査を、実施することと相なるわけでございますので、協会の検査業務の適正かつ厳正な実施を確保いたしますため、当局の協会に対する監督指導に万遺憾なきを期すべきであるとの趣旨であります。 第二項は、協会の役職員の選任につきましては、その選定の主たる範囲が一部に偏すること等によりまして、世論の非難を受けることのないよう、特に公正妥当を期するよう配慮する必要があるとの趣旨であります。 第三項は、協会が選任いたします軽自動車検査員の確保充足につきましては、民間業界における人手不足の実情をも十分に配慮いたしますとともに、軽自動車検査員の職責の重要性にかんがみ、軽自動車の検査が厳正に実施されますよう、当局において適切な措置を講ずべきであるとの趣旨であります。 第四項は、道路運送車両法の目的のうちにあります自動車整備事業の健全な発達をはかりますとともに、民間車検制度の拡大に資するため、自動車整備事業、特に指定自動車整備事業の育成をさらに一段と強化する必要があるとの趣旨であります。 第五項は、軽自動車の検査手数料につきましては、軽自動車の排気量、大きさ等と小型自動車その他の一般の自動車との比較、協会の収支との関係等を十分に考慮の上、その額の決定につきましては、将来における改定をも含めて、適正なものとするよう配慮する必要があるとの趣旨であります。 第六項は、協会による検査対象自動車は、本法により軽自動車に限られているのでありますが、将来ともこれを他の一般の自動車に拡大することなく、軽自動車に限定することとする趣旨であります。 以上、本動議につきまして、その趣旨を御説明申し上げましたが、何とぞ御賛成を賜わりますようお願い申し上げます。 ————————————— 道路運送車両法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法による軽自動車の検査制度の実施にあたり、次の事項について積極的に措置すべきである。 一 軽自動車検査協会の検査業務の適正かつ厳正な実施を確保するため、軽自動車検査協会に対する監督指導に遺憾なきを期すること。 二 軽自動車検査協会の役職員の選任について、特に公正妥当を期するよう配慮すること。 三 軽自動車検査員の確保充足とその厳正な検査実施について適切な措置を講ずること。 四 自動車整備事業特に指定自動車整備事業の育成を一段と強化すること。 五 軽自動車の検査手数料の適正について配慮すること。 六 軽自動車検査協会による車検制度は、軽自動車に限定すること。 右決議する。 —————————————
○小峯委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○小峯委員長 起立多数。よって、本案は、宇田國榮君外四名提出にかかる動議のごとく、附帯決議を付することに決しました。 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽運輸大臣。
○丹羽国務大臣 ただいまは、道路運送車両法の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果、御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。 また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意をもって実施に当たる所存でございます。 まことにありがとうございました。(拍手) —————————————
○小峯委員長 おはかりいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小峯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○小峯委員長 次回は、明九日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十九分散会