運輸委員会 第12号
- 発言数
- 179 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1972/04/13
会議録
○小峯委員長 これより会議を開きます。 道路運送車画法の一部を改正する法難案を議題とし、質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので、順次これを許します。井野正揮君。
○井野委員 まず最初に大臣にお尋ねするわけでありますが、この軽自動車に対して検査を実施して交通安全の確保につとめたいとする政府の意図に対しては、これを否定するものではございません。しかしながら、意図がよいからといっても、その行政の手段が適正を欠く場合は必ずしもその成果は期待しがたいし、あるいは結果は期待に反する場合もあることは言うまでもございません。私はそういった観点から、逐次お伺いをしていきたいと思います。 まず第一番に、軽自動車協会を全国一つに限って法人として設立するという理由なのでありますが、今日までの車検を実施してきた各種自動車についてその経過をながめてみて、しかもその中で、将来は七〇%民間に委託したいという御説明がしばしばありましたし、そういう観点に立って民間移行が行なわれてきたわけでありますが、その結果、やはりよかった場合と伴う弊害もあるわけでありまして、これらはその反省の上に立って年々改善を加えていかなければならないものと思うわけであります。特にこの軽自動車を検査をするというに立ち至りましたのには、やはり社会を震憾させた軽自動車によって巻き起こされたいろいろな交通事故の問題やら、あるいはこれに伴う行き過ぎた商業の問題等々放置しがたいというところから、本委員会でもしばしば論議をされ、これを実施すべきであるという意見がかなり強かったわけでありますし、大臣や自動車局長もこれに対して実施の方向を示唆され、検討されてついに御提案に至った、こういう経過があるわけであります。またこの説明を聞いてみましても、ほとんどが国庫負担によるということでありますから、本来であるならば、こういう初めての試みにおいては、当然国の仕事として行なった後に各般の検討が行なわれた上で、民間移行という形がとられるべきだと思うのです。これはおそらく大臣にしても局長にしてもそういう考えに立っておられると思いますが、にもかかわらず、民間でもなければ官でもない、特殊法人といって、あるいは公認法人という足法上にない名称を私生児のようにつけておられるようでありますが、こういう法人の運用の中にも、たとえば競馬協会とかあるいは自動車振興会などなど、民間でもない、あるいは官営でもない、公社でもない特認された法人という形の中で、やはりいろいろ弊害が生じ、社会の論議を呼んでおる問題もある中で、あえてこういう法人にされたのは、私は、今日の産業経済の変更に伴って、民間の需要に対応して行政が指導しなければならない各般の仕事があるにもかかわらず、行管等のまことに教条的な公務員削減の意図というものが災いをして、苦しまぎれの便法としてこういう法人がとられたのじゃないか、こういう気がしてなりません。この点大臣の——やむなくとった措置であるからとはおっしゃらないかと思いますけれども、あらゆる方法を通してそういう弊害をなくすという御答弁になろうかとは思いますが、こういう行き方それ自体を、将来の日本の政府の行政のあり方として是認していくのがいいのかどうかということにはなはだ疑問があるものでありますから、この点は、私どもはそれを反対の理由にするなどというけちくさいことは考えませんが、心境をひとつ聞かせていただきたい。 なお、この点については、行管のほうの出された勧告、閣議決定等も、またほかのほうにもたいへん影響する問題がありますから、ひとつこの際御所見を承りたい、こう思っておりますので、まず大臣からお聞かせいただきたい。
○丹羽国務大臣 ただいま井野先生からいろいろの御指摘がございました。一々ごもっともな点であると申し上げておきます。 実は、昨日もその点につきましていろいろ御論議をいただいた次第でございまして、今回の軽自動車に対する車検制度を実施するという根本につきましては、井野先生もその必要性をお認めいただきました。まことにありがたい次第でございます。ただ、その方法といたしまして、民間との中間みたいなものでやることが是であるか、やはりいままでどおり官庁が中心になってやるべきじゃ、ないか、こういう御論議と思う次第でございます。 これは、いま御指摘がございました行政簡素化ということも一つの理由でございます。しかしながら、私きのうもその点は申し上げた次第でございますが、やはり社会の生活様式が複雑になってくるに従いまして、自動車のみならずいろいろの機械器具の使用というものが非常に多くなってまいります。これが使用の増加に伴いまして、一般に及ぼす影響というものも非常に多い。それらのための検査機関というものも非常にふえている。こういうことになってまいりますと、これはある程度の規制でございますから、法律的に申しますとやはり公勝負にやらせることが至当じゃないかということが、これは一つの正論でございます。しかし実際問題といたしますと、公務員にはたしてそれだけの技能者というものが確保できるかどうか、こういう問題もございまして、すでに御承知のとおり整備士等民間の人に委託いたしまして、整備工場につきましてもある程度の権限を与えておるというようなことがございます。そういうようなことからいたしまして、その点はたとえば自動車だけでなく、きのうもそういう答弁がよその官庁からございましたけれども、ガス事業その他の検査につきましても民間に委託をしているというような実例がある。それがために、そういったような中間の法人をつくらしてやらしておる、しかしながらその監督は十分に国がするというような方式、漸次そういうのがふえてまいりますと、やはりそういったようなことも必要じゃないか。公権力を民間に委譲するのはどうかという問題がございますけれども、民間の技能者にある程度そういったような権能も委託をいたしまして、そして相伴って、生活様式の高度化とともにその守るべき規則もやはり民間の協力によってやっていくという方式、これは非常に議論の分かれるところでございますが、やはりある程度こういうことも必要じゃないか、社会の複雑化に伴ってそういった制度もやむを得ぬじゃないか。ただし、これに対しまして、ただいま先生から御指摘いただきました弊害も十分伴う次第でございますので、その点は十分に監督をしてまいりまして、弊害の除去につとめてまいるという方向も必要じゃないかと思いまして、今回の措置につきまして私は提案をさせた次第でございます。
○古谷説明員 ただいま大臣より御答弁があったわけでございますが、行政管理庁といたしましても全く同感でございます。すなわち、能率的で効果ある行政運営につきましては、極力事務の機械化あるいは民間能力の活用をはかるべく、各省庁を指導している次第でございます。
○井野委員 行管を改革しなければならないという気持ちに強く立つわけであります。これは私、なるべく決算に出席をして、行管のなされておる勧告について各省庁ごとに究明をしてまいりたいと思って、いま一生懸命やっておりますが、実は行管のものさしそのものが非常に非能率的で、実は上つらをなでて問題を解決したような気持ちになって、それがほんとうに実施行政庁の正しい主張をチェックしてしまっている、そういう傾向を私は強く感じているのです。きょうは私の手続が悪くて大蔵のほうが来てもらっておりませんこと非常に残念に思いますが、実は問題をさかさまに見ていく必要があるという気がしますのは、車検等を民間に移して民主的なこういう秩序を業界に立てるということについては、私どもおおむね消極的ながら認めていっておるという傾向がこの委員会の論議だと思うのです。これを急に過ぎるときには、その目的はかえって悪用されるという危険を指摘しているわけですから。今回の措置の場合でも、大臣は、官として人間の充足をすることができるかとおっしゃっておられるけれども、いま大臣、就職の傾向を見ますと、民間を避けて官に採用されたいのですよ。こういう不安定な経済事情の中で、官のほうはつぶれる心配がないのですから、首切りといったってそう簡単にできるものじゃありませんが、民間のほうは立ち行かないということでばっさり何千人という会社が会社もろともいってしまうのですから、それは少々一〇%や五%給料が安くても官のほうで採用したら幾らでもいますよ。ところがこんなふうなあやふやな、中間的な、いつなくなるかわけのわからないような協会に就職するくらいだったら、大いばりで国家公務員に採用されることを期待するから、大臣の答弁は、この点に関する限り私は受け取れない、落第点だと思います。 〔委員長退席、宇田委員長代理着席〕 しかし私は、いま言った大臣の意見に大賛成だという行管の意思が実はこういう苦しい措置をとらしたのだというふうに考えますが、この点御答弁は要りません。あとでもう少し詰めてみたいと思います。 次に、この検査組織と機構についてお伺いをしたいのですが、いろいろ説明書の中に書かれております。大体この説明書を考えてみますと、また私どもに御説明いただいたところでは全国で五十三カ所ほどの支所を設けたいとか、あるいは協会役職員については、理事長と監事は大臣が、丹羽大臣が任命されることになり、四人以内の理事については、その選ばれた理票長が選任をして、そして認可を受ける、こういうことになっておりますから、まさにこの協会は官製協会で、普通の民間協会とは違うわけですね。民間協会は多くの人がおって、集まって、総会を開いて役員を選任するわけですからきわめて民主的だけれども、これは初めから理事長を大臣が任命して、監事を任命して、そのときの理事にはこういう者を持ってくるんだぞといっておけば、持ってくるわけですから、そして認可すると思うのですから、いわばこれは丹羽協会ですね。丹羽協会、こうなるわけなんで、そこで私はお尋ねをしたいのは、陸運局が全国に九カ所ですか、あるわけで、そのほかに陸運事務所に今度は支所ができる、この関係はどうなるのですか。協会本部にストンートにつながるのか。広島陸運局、仙台陸運局、札幌陸運局というふうに、その陸運局の中にある支所を総括して、そして九つにまとめて本部につながるという機構になるのか。そして四人の理事との職務関係はどうなるのか。特に四人の理事は全く古品払い下げ、あるいは知名度の高い知識人、あるいはまた何か権力を背景にしたような人で、この人たちが集まると、事務局長提案が異議なし、早く宴会、なんというようなことになる役員会であっては、これはたいへんだと思いのですが、この組織、機構の関係、役員配置の関係について、ひとつこれは局長のほうから御説明願いたいと思います。
○野村政府委員 お答えいたします。 まず組織でございますが、組織は全国一本の法人でございまして、その本部を東京に置きますとともに、各都府県に一カ所ずつ支所というものを置きまして、北海道は地域の関係から七カ所ということでございまして、その合計五十三カ所というものは、沖繩にももちろん一カ所予定しております。したがいまして、この五十三カ所というものは陸運局のようにブロックの機関を置きませんで、各県、北海道では七カ所の五十三カ所が本部に直結する、こういう組織になっております。これが発足当初の組織でございます。 それから業務の分担でございますが、理事を四人以内ということで四人の理事を予定いたしております。四人の理事の担当業務といたしましては、総務、経理、業務、技術という四つの部門を担当するわけでございます。総務部は、普通の会社、官庁等の総務と同じでございまして、人事、文書、それから福利厚生、広報、庶務というようなものを担当するものでございます。それから経理につきましては、出納、契約、それから管財、予算、決算、資金運用計画、こういうものを担当いたします。それから業務部でございますが、業務部は年度の業務計画を担当いたしますとともに、業務方法書を作成をして認可を受ける、そういう業務方法書の所掌、それから法規関係、一般的な調査、統計、検査事務以外の事務、そういうものを担当するこいうことでございます。技術部門におきましては、いわゆる検査の事務規定を整える。それから検査の施設、検査要員の養成、技術的な講習、そういう問題を担当するということにいたしまして、できるだけ簡素で能率的な業務の分担をして実効ををあげたい、かように考えます。
○井野委員 そうしますと、この四人の理事、重役という人は、有名であって無実の閑職ではなくして、全国の自動車の三分の一に当たる自動車の検査を適正に行なって安全を確保するに足りる業務担当能力を有する理事だ、こう理解をしてよろしいわけですか。
○野村政府委員 そのとおりでございまして、この自動車検査の事務及びそれに関連する管理的な業務というものについての学識経験を有する人、そういうものの中から選びたい、かように考えます。
○井野委員 そうすると、これはもうあらかじめ頭の中にないといかぬことになるわけですが、予算も確定した、法案も確定した、人選についてだけはまだない。何といっても大臣が理事長を任命するわけです。それからその理事長が持ってくる ものを認可するわけですから、これは何といっても野村局長が進言をして大臣が許可をする、結果的に、と思っておれば間違いないわけです。違うとおっしゃると思うけれども、担当者ですからそういうことになると思うのですが、そうすると、これはやはり求めるとすれば、現在こういう行政に堪能の人、あるいはこういうような検査技術等に能力を持った人、あるいはこういう協会の運営能力を持った人ということになりますと、広く全国に募集をして採用試験をやって、テストをやった結果の点数によってきめるなんという性格のものではなくて、抽象的に頭の中で考え出してリストをつくって選択をしてきめる、どうしてもこうなってくると思うのですね。ですから、いま頭の中にあるなんということは言ってもらわなくてもけっこうですが、十分民主的な、しかもこの法律制定の意思に沿って行なえるような人の人選に配慮して、惜しいような人でも出したほうがいいと思うのです。もう定年になるから、これは役に立たぬというようなことで出すのでなしに、おそらくこれは運輸省の中か政府の人の中から出ると思いますが、そういう配慮はなさるべきだろうし、天下りといわれぬように抜き取り供出をしたというような形がないと、私はやはりうば捨て山として運輸省はまた協会をつくった、行管から有名無実といわれる法人をたくさんつくって趣旨に沿ってないなんという勧告を受けて、——行管はまたこういうものをつくるような仕組みにしておるわけですから、この辺十分生きた行政にならなければならぬのではないか、こういうふうに考えますが、この点はお答え要りませんけれども、十分配慮されるべきだろう、また特に民間人等の登用を行なってよく織りまぜて機能を果たすようにしなければならぬのではないか、こういう気がしますので、ひも付きあるいはそういうふうな天下り、古手払い下げなどということにならないように御配慮を期待をいたしたいと思います。 そこで、これは四十八年の十月一日から計画が実施されるわけでございますが、予算の執行期間は準備期間として継続される性格を持っておるわけですね。四十七年度予算と四十八年度予算に、二カ年にわたって継続されるわけです。それで、施設その他について予算の区分けがあると思うのです。四十七年度ですでに人を採用します。施設が二カ年にわたってされるということになりますと、あの例の四次防の先取りになりました予算のときにも論議が出まして、私も立法府という立場で、あらためてこの予算の関係を勉強してみましたが、本来であればこれは明許して継続すべき予算になるわけですね。全額国庫支出でありますから、これは明許して継続されるべきで、ことしは三億の予算を出すことを予算の中にきめたけれども、残りの十数億は来年に期待しておるわけです。これは本来正しくないと思うのです、この予算の出し方は。私は、政府はこういうふうにしてやるとして法律を提案し、予算を提案するからには、人件費は別としても、施設費等はほんとうは継続する予算にして出すのが正しいのではないかと思うのですが、この点、予算運用の面からの見解はどうですか。
○野村政府委員 この設立されるべき協会の予算につきましては、これは認可法人でございまして、法人の予算でございますが、もちろん先生おっしゃるように長期的な展望を持ってこの協会の予算を組むということが望ましいわけでございますが、やはり制度としては最終的には単年度ごとの予算を組むということでございます、協会の予算の方針としては。ただそれに関します国の関与でございますが、先生のおっしゃいますように、発足の当初においては業務収入がございませんので、全額政府出資の金と、それからそれに不足する金につきましては民間の銀行から借り入れて、運営、建設費その他の金に充てるわけでございまして、そういう意味で国から支出する出資金につきましては、私ども発足の当時にはなるべく資金コストの安い金を導入するということから、そういうことを考えるわけでございますが、協会として恒常的な、でき上がった姿を見ますと、その検査手数料の収入と、それからその他の支出というものがバランスをとれるような財政を考えますから、恒常的な姿としては検査料収入でもって支出をまかなう、発足当時はそういう収入がございませんので、政府の出資を核といたしまして、これは金額はわずかでございますが、それに借り入れ金を借り入れて、借り入れ金を収入に伴って長期に償還をしていく、こういう姿でございますので、協会自身の予算のたてまえは単年度ごとの収入と支出、手数料収入の範囲内で支出をまかなうというような計画でいきます。発足当時は政府の出資というものを期待して、必要に応じてはこの出資を増額をすることを、私どもは大蔵省に要求していく、かように考えております。
○井野委員 四十八年の十月一日から始まるのですから、実際の収入は四十八年の十月一日までないわけですね。だから、四十八年度においてもおおむね二四半期近くないわけですね。六〇%ぐらいですか、年間を通じますと。本来当該年度じゃなくて翌年にまたがって、翌年度の後半期にならなければ収入を得られないような——民間でもなければ官でもない特殊法人などということばをつくって、これが一番の兄貴じゃありませんけれども、兄貴分はガスその他にいったわけですが、その方向が正しくないというか、適切でないということを言いたいわけなんですが、しかしまず全国の建物、これは四十七年度で確定して建ててしまわないと、事務所も検査所もないわけです。それから職員の教育をするとかなんとかといっても、借りものじゃうまくないわけです。それから第二に、採用する職員を、良質の職員を得ようとすれば、やはり福利厚生その他がなければ、今日なかなか来ないわけです。国家公務員ならいつかまたほかへも回れるという期待もありますけれども、この協会で一生検査業務で生きていくわけですから、非常に良質の職員を得るためにも、事務所とかいうものは完備していかなければならぬ。これは二カ年にまたがる契約を分割してやるときに、契約条項が不利益であるということは間違いないのです。これは、契約事務をやった者にしてみれば、ことしは半分だけ建てて、あと来年半分建てるという計画を立てれば、業者は一括して仕事をやったほうがいいにきまってますから、一括で来年やったことにして、来年お金をいただきます、こうなりますと、発注するほうはおのずからひけ目があるので、どうしても割り高になってしまう。その上に局長の言われるように、来年度政府が予算で組んで見てくれる分まで銀行から借りなければならぬわけですから、利息がかかる、こうなるわけです。なぜそういうふうに国家的に大事な仕事を、法律を制定してやるときに大蔵省を説得して、そんな不経済な金の使い方をさせないようにしないのか。明許繰り越しの形をとってきちっと一括契約できる契約行為が正々堂々と二カ年でできるような仕組みにしておけば、たとえば金を借り入れたにしても、あるいはまた明年度払いにしたにしても、契約それ自体の条件が、非常に発注者としては有利になる。それをまた行管は言われぬわけです。こういうことを行管は言うべきなんですよ。行管は何も知りませんね。そういうことを知らんで、もう役所の定員を減らせと言えば国民受けがすると思って書いている。こういうことがほんとうに行政の実のあるものなのか。月夜のカニのようにからばかりで中身がないものになるのです。この結果、協会が受ける負担は、必ず手数料にたって大衆にはね返ってくる。合理化というのはこういうところをやらなければ合理化にならない。首切るのが合理化じゃないのだ。人を減らすのが合理化じゃないのだ。同じ十九億の金を使うにしても、生きた金の使い方ができるような予算の組み方をしたらどうか、私はこう言っているのです。だから、局長のおっしゃる点は便法としてわかります。便法としてわかるが、実際に金を生かして使う予算執行の姿勢ではないと思うので、全部は認めがたい。非常に説得力が弱いものだ、こう思うのですが、こういうことはこういう立法の機会に論議をして、行管なり大蔵省の姿勢を直させていくということでなければ、運輸行政だってうまくいかぬわけです、この点それでは何%重圧になったかということは、積み重ねの上でなっていくわけですが、やはり負担を大衆にかける原因になるのじゃないか、こういう私の主張に対しては理解されますか。
○野村政府委員 先生のおっしゃるように、資金コストといいますか、金利の要らない金を当初に必要量出して、そしてそれでもって長期計画を立ててやるということが、確かに財政運用面からいえば効率的である、私も同様に思います。その点につきましては、実は協会を発足する準備段階におきまして、どういう方法で政府の金を導入するのが財政法あるいは会計法のたてまえからも一番いいのか、またこの協会の設立に効率的かということはいろいろ検討いたしましたが、私ども、結論的にはただいまお手元にありますように、一億五千万の政府出資にとどまったわけでございます。しかし、おっしゃるように効率論からいえば確かに先生のおっしゃる御意見が有効であると思います。そこで、私どもは、民間銀行から借り入れをいたしますものにつきまして、長期低利、当初は据え置きをしてもらって、そうしてその金利の負担が増大しないようにというような方向で、これは決してベストではございませんが、次善の策としてそういう方向をとりつつあるわけでございます。考え方は先生のお説よく理解できます。
○井野委員 理解していただいたら、ひとつあらゆる機会にそれが政府部内の意見となって、常識になるように高めてもらいたいと思うのです。局長もいつまでも自動車局長ばかりではないだろうと思いますので、ぜひこれは考えていただきたいことだと思います。 その次にお尋ねをしたいのは、若干こまかい話になりますけれども、予算の内訳についてお伺いをしておきたいのです。予算はすでに衆議院を通過をしておるので、この点についてはあまり発言権はないことになりますが、予算の執行の裏打ちという意味でお尋ねをしていきたいと思うのであります。 大体この予算は、本部と支所に分けられて、施設や検査諸道具や、それから事務所、職員等に分類して出されるのだと思いますが、この大まかな区分ですね。たとえば先ほどおっしゃられたように、ブロックごとに総括してやるのではなくして、本部が直轄をされるということになると、ちょっとまたここでふしぎに思うことがありますのは、諸般の許認可、そういうものの権限は陸運局長に委任をしておられるんですね。
○野村政府委員 先生の御質問の趣旨は、この協会の予算等を執行するについて、許認可を与える権限を陸運局長に委任しておるかという御質問でございますか。ちょっと恐縮ですが、もう一回……。
○井野委員 質問の表現が悪いようですが、いま一般的行政、陸運行政の中のほとんどの大臣の権限を陸運局長に委任をして仕事をさせておられるんですね。
○野村政府委員 一般的な権限の委任につきましては、事柄の内容によりまして大臣に保留をしてあるもの、それから陸運局長に委任してあるものというふうに分かれております。整備関係の業務におきましては、たとえば認証工場の認証とか、あるいは指定整備事業の指定、そういうものは陸運局長に委任をしてございます。 それから、この協会で考えられておりますような全国一本の団体等に対する許認可、そういうものは大臣の手元に保留をされまして、そして大臣が認可をされる、こういうたてまえになっておるのが通例でございます。
○井野委員 そうしますと、この協会が直接政府の指導監督を受けなければならない部面について、今度は陸運局を通り越して本省直轄の仕事になっていくのじゃないかと思うのですが、この点いかがですか。
○野村政府委員 この協会の管理監督につきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように全国一本の協会でございまして、公団、公社と非常に類似いたしております。したがいまして、公団、公社等につきましては、いわゆる法律上の業務の執行につきましては、いま申し上げましたように、大臣の権限に保留されておる事項が多うございますので、協会の中央本部から大臣のところに申請があがってきて、大臣が検討して許認可をされるということになるわけでございますが、ただ業務の執行に関しましては、地方の陸運局長が一般的な監督助言というようなことはやるわけでございます。そういう意味で、確かに先生の御懸念のようなここがルートとしてはあるかもわかりませんが、今度は一般的な監督については、いま言いましたように、整備関係の日常業務については、ほとんど地方陸運局長に委任されておるものが多うございますから、そういう意味の管理監督ということは、たとえば監査をするとか、あるいは検査事務の規程をつくる、これは全国一本でございますから、中央でやります。それから業務方法書の制定とか改廃ということも中央でやりますが、地方の陸運局長は、日常の監査とかそういうものについての監督は十分できて、これから浮き上がるということはないと私どもは考えております。
○井野委員 あまりすっきりしませんけれども、この点は地方ではたいへん懸念しておるところのようでございます。初めのことでありますから、積極的に本省が乗り出して指導されることはけっこうだけれども、実はスタートからブロックごとに陸運局がこれを指導整備し、あるいは人員配置等についても現地採用になる者が多いと思いますので、こういう点十分民間との融合、またなれ合い過ぎてしまって検査機能が落ちてしまってにたいへんですが、そういう点が十方地方陸運局長に委任をされないと、飛び越えて全部野村局長から出るようになりますと、なかなか御多忙ですから目も届かぬと思いますし、また協会に関する限り、陸運局の言うことを聞かないで本省の言うことを聞いておれば御身安泰だというような弊風が出たのではたいへんだと思うのですが、この点、いまの御説明では中央のほうにウエートが大きいような気がしますが、この点は詰めて十分検討されてあるかどうか。あるいはさっそく五百三十人にわたる人の採用になってくるわけですが、こういうような採用等についてかなり地方局におまかせになるのかどうなのか、あるいは陸運事務所長の意見をかなりお入れになるのかどうか、この辺どうですか、ひとつ……。
○野村政府委員 先ほど機構の説明を申し上げました際に、全国五十三カ所にこの支所をつくって、それが協会としては中央一本に直結するこいうことを申し上げましたが、現在の機構はそういうことを考えております。ただ、私ども、運用画におきましてこういうようなことが考えられるので、ただいまの先生の御意見を参考にして、これは協会でございますから、その運用につきましては、役所のように法律の改正とか政令の改正を要しないでできるわけでありますが、先生あるいは御案内かと思いますが、昔、陸運局ができます前に、各都道府県に道路運送管理事務所というものがございました。その中で、県庁の所在地にある道路運送管理事務所を特定道管と申しまして、そこがその県の業務をやると何時に、そのブロックの他の県の業務についてある程度監督的なことをやっておったわけです、したがいまして、この機構の運用につきましても、各県庁の所在地にある支所というものが、そのブロック内にある他の支所について、人事面とか予算面とか、そういうものについていわば総括支所的なかっこうで監督をする、そしてその支所が、そこの所在地にあります陸運局と連絡をとってやるというようなことは実行上可能でございますので、この業務の運営の状態を見ましてもそういうことも可能ということで、私ども、そういう議論を部内でやったわけでございます。ただいまの井野先生の御意見は非常にごもっともな点が多いと思いますけれども、また現実に発足までの人の養成とか採用の計画とか、そういうことについてはもう陸運局が十分連絡をしてやらなければなりませんので、そういう意味で先生のお説のとおりの運用というようなことは十分可能であると考えます。
○井野委員 たいへん乏しい予算で大きな仕事をしようとしておるわけでありますから、そうして三億だけが国の金で、あとは借り入れ金ということになり、人事等についても早急に、需要を満たしながらこの業務に対応する教育をやっていく、こういうことになりますと、当然また、これらの関係業者の協力を求める、こういうかっこうが出てくるわけです。そうなってくると、今度はまた、人間を入れるときにも、許認可、取り締まりの関係から、どうも自動車学校の学校長がほとんど警察の署長であるというような傾向がこの協会にも生まれてこないとは考えられないわけで——警察署長が悪いというのじゃありませんが、しかし、非常に伸び伸びとして、しかも弾力性をもって積極的な整備を指導し検査を行なっていくというような期待を持つなら、この人間構成にも非常に配意をせなければならぬことであり、沖繩の採用について本省の目が届くわけじゃないですから、あるいは広島は広島、仙台は仙台というふうにそれぞれ事情があるとするならば、それらの支所の雇用関係については、何といっても陸運局長が中心になってやらなければ中央の期待するようなものにはなっていかない。また業界の協力を求めるあまり、四分の一は協力職員だったなんという陸運事務所の残渣がまだ残っているわけですから、こういうこと等を考えてみますと、この協会の発足にあたってはかなり配意しなければならぬのじゃないだろうか、こういう気がするわけです。 そうしますと、この三億の金というのは、ほとんど施設、建物のほう、それから一部人件費、たとえば一カ所にどれぐらいの施設費と人件費がいくのか、こまかいのは要りませんけれども、大まかに言ってどれぐらいに分けておられるのですか。本部に使う金はどのくらいですか。
○隅田説明員 ただいまの先生のお話でございますが、一カ所の建設費がどのくらいかかるかということでございます。ちょっと数字的な問題でございますので、私から説明させていただきます。 軽自動車でございますので、普通の自動車よりは若干大きさも小そうございますので、普通の検査場から比べますと、たとえば所要面積にいたしましても、われわれの普通の国の検査場をつくる施設基準で考えている数字よりは六割方狭くても済むだろうと考えております。それから建屋にいたしましても、軽自動車というのは大きさはほとんど画一的でございますので、それだけ小さい建屋で済みます。それから機械も、機械の名前でいいますと、やはりブレーキをはかる機械は必要でありますし、ヘッドライトをはかる機械も必要でありますし、全部同じものが要るのであります。しかしそれぞれの機械はやはり小さいものになるでございましょうし、単価も下がってくるだろうと思います。それから、いまのところ軽自動車専門のものをまだ一回もつくっておりませんので、正確なことは申し上げられませんけれども、大ざっぱにいきましておそらく六割方のものでいけるのじゃないかと考えております。
○井野委員 そうするとどれくらい、まるい数字でいいです。
○隅田説明員 ちょっとあとで試算してまたもう一ぺん御返事させていただきます。
○井野委員 それはちょっといただけないですね。いいですか、局長の答弁によれば、ことし三億で残りの金は安い金利のものを借りて使う。本来なら明許継続して、一括計画して発注すべきで、その場合一括してやるのと分割してやるのとは、予算の金が違う違わぬで議論があったときに、うしろに控えている予算の積算の根拠を持っている皆さんがそれでいいなんということでは、どうも運輸省は役人の質が悪いという評判があるのですが、その辺のことを言っているのじゃないですか。
○隅田説明員 計算の組み立て方がちょっと違いましたので、単価のやり方がありますので、一カ所大体四千万くらいであります。
○井野委員 四千万、それは施設費だけですか、人件費を考えないで。
○隅田説明員 施設の建設費だけでございます。
○井野委員 そうすると、五十三カ所ですから、一カ所で二億一千二百万円ということになる。残ったのが人件費だと考えていいのですか。
○隅田説明員 約二十億になります。
○井野委員 それは二カ年ですからそういうことになろうかと思いますが、おおむね積算は十九億と見て二カ年で三十八億くらいになるわけですね、残りは人件費、こういうふうに考えてみればいいわけですね。そういうことですね局長。よもやこのほかに民間協力、あの分もありませんので、この分もありませんのでというようなことで協力費を取るようなことはないのでしょうね。
○野村政府委員 これは法律で定められました手数料収入としてのものでございますので、それ以外の収入を疑問から取るというようなことは考えられません。
○井野委員 どうもこまかいことばかり聞いて恐縮でございますが、その次にたった一人の監事ですね。いろいろの協会の法人の監事の機能というものを私いま一生懸命行管にかわって勉強しているわけです。ところがこの監事に機能がくっついていないのです。一人だけぽつんと格別いい役員室に入れられてある。これは飾りものですね。私も監査員を二年やったことがありますけれども、これは一々伝票なんか見れるものじゃないですよ。実際は監事を置いて監事機能をくっつけてなかったらないにひとしい。まずこの監事一人が全国五十三カ所を回って見ることはたいへんな労作だと思うのです。しかも一人で行ったんじゃしようがない。一生懸命見るとみんなから口をきいてもらえぬで、おる場所もないということになるし、やらなければ自分の価値がない。しかしまた一人ということは判断に困るのです。必ず対立する意見があって監事の牽制力というのは効果があると思うのです。また調和があると思うのです。妥協もできると思うのです。妥協せいというのじゃないですよ。正確に言って監事が総スカンを食って監事の能力を果たせぬ場合がある。二人いるときに、二人が見てこうなんだからということになれば、なるほどということになると思うのです。それはこの協会の行なう仕事が検査という仕事であるからなんです。これを一人にされたことはおそらくあまり深く突っ込まないで、へその緒のように、なければ検査機能がないではないかと言われるし、あればうるさいし、機能もくっつけなければならぬしというようなことで、これはどうですか部長、適当にしたのじゃないですか。この辺ひとつ御見解を聞きたいと思います。
○野村政府委員 監事の具体的な仕事については、ただいま先生が御指摘になりましたように、他の団体等で見ましても、非常に十分な機能をしていないケースがあるということは、私どもよく承知しております。この理事、監事の人数をどうするかこいうことにつきましては、他の類似機関の監事の数あるいは理事の数、そういうバランスを考えたわけでございますが、確かに監事一名ということだけでは、十分な仕事はなかなかむずかしいと思います。ただ、理事の数が、そこにございますように、理事長を別といたしまして四人という非常に少数でございますので、監事は一人ということにしたわけでございますが、この監事が十分監事としての本来の機能を果たし得るようにするためには、先ほど私が経理部門の中で予算、決算を見るということがございましたが、この機構を独立さすかどうかということはいろいろ議論があると思いますが、こういう監事を補助する人を置きまして、これはこの団体の性質から当然会計検査院の検査の対象となるところでございますので、いわばそういうスタッフをつけて、監事が仕事をし得るような体制にするということは十分考えたいと思っております。
○井野委員 五百三十人の中で、監事付の職員を何人にするかということは考えてあるのですか。
○野村政府委員 これは本部の要員といたしまして、四十人ほどの人間を考えておるわけでございます。その中に、いま言いました、現在私どもが考えております経理部の所掌事務の中に、決算というものがあるわけでございますが、その四十人の中から監事の補佐役というようなものを選ぶということになろうかと思います。
○井野委員 これはしかし局長、少しく思いつきのような気がする。決算を監査するのですよ。決算の中から監事付を出したら、どろぼうと巡査と一緒にいるようなものですよ。悪いことをするのは決算のところなんですよ。あるいは決算がそれを牽制する場合もありますが、決算なんというのは元来第一次貸借対照表を出して、どうもバランスがとれぬから評価し直して、第二次の修正をややって、今度は修正し過ぎて利益が出過ぎたから、これはまた第三次修正で本案にするなんというのが資本主義の経理なんですよ。これはやはり官庁経理を適用するとはいいながら、民間経理的なものもあるので、在庫品を廃品にしたり、あるいは建物の評価をしかえしたりすることによって、収支のバランスは変わってくるのです。簡単な経理が、だんだん仕事していく中でできなくなってくる。金利の計算にしてもそうです。同時にまた、職員の給与、役員の報酬にも影響してくるでしょう。したがって監事機能というものは、これは独立させなければならないのであって、四十人の中でほんとうに足りぬかもしらぬが三人見ておるということは、なるほど局長は考えておるわいということになるのだけれども、決算の中から一緒にやらせようか、そのセクションに置いておこうかということなら、これはいやなことを聞きやがったな、そう答えておけという答弁にしかならない。これは最初から機構の中で独立させて監事室付をつくって、そういうことでやる、そして一人の監事でも全国一年に一回は監査をする、こういう計画だ、そう説明してくれればそうかと思うのですよ。
○野村政府委員 どうも、私は先ほど申し上げましたが、申し上げ方がまずかったと思います。私の趣旨は、いま先生おっしゃいましたように、現在の私どもの試案で経理部の所掌事務の中には決算というものがあって、そこに割り振る人間を四十人の中から予定しておりますが、それを改めて、いま先生おっしゃいましたように、たとえば監事室という独立のものを監事の下につけて、人員的には四十人の中から持っていくというようなことも考えられますということを申し上げたつもりでございましたが、そういう意味でございますので、そういうふうに御理解いただきたいと思います。
○井野委員 たいへん具体的に御答弁いただいたんで、これは間もなく実施されるわけですから、ぜひそういうふうにお願いしたいと思います。 それから、職員の身分、分限ですね。これについてお聞きをしたいのですが、一番私どもの気になる点は、ここなんです。これは国家公務員として採用される場合には、採用後その能力が見出されて他に転用されて、最初採用になったのは厚生省へ入ったけれども、その能力がよくて大蔵省へ出向になったり自治省に出向になったり、あるいは警察に入ったけれども航空関係に来たとか、その能力開発がされて終生希望を持って働き得るというところに公務員へのあこがれがあるんですね。ところが検査屋になってしまったら一生検査屋になる。そこに、人減らしもいいけれども、良質の能力のある者を官庁事業に吸収できないという欠陥があるわけですから、この点についてどうなんですか。この協会からときには他に転用をはかるような人事交流の道を考えているとか、あるいはここは特にそういうことで終生やってもらうんだから研修等をして、少なくともこの給与は公務員給与を基準として幾らかいいんだとか、宿舎その他等については完備をして、少なくとも業界なんかから届けものをしたときに検査の手かげんをすることがないというようなプライドを保持するとか、こういうことについては局長特にお考えになっている点ありますか。
○野村政府委員 御指摘の点でございますが、この協会の職員は一般的には国家公務員ではございません。したがいまして、この協会に入れば協会の職員としてずっとやっていくということがたてまえになっております。 〔宇田委員長代理退席、委員長着席〕 ただ一般的に申し上げますと、給与その他の待遇につきましては、先生のいまおっしゃいましたような点、福利厚生その他の面も考えまして、同じような経験、年齢の公務員よりはやや割り高の給与になるものというふうに考えられます。 それから将来公務員への登用の点でございますが、これは一般論で申し上げますと、公務員は、これを採用する場合には公務員試験というものをそれぞれの級に応じて行ない、合格した者のうちから任用するということになっておりますが、これは非常に技術的な職でございますので、おそらく人事院と協議をすればあるいは特別任用等の道が開かれるかと思います。その点につきましては、まだ現在この協会に関しては制度的に確立しておりませんが、そういう制度を考えなければならないということ。 それから、これは非常に大きな問題でございますが、広い意味の共済でございます、そういう意味の長期、短期の掛け金——短期は別といたしまして、これをどうするかというようなことも一つの人事交流の障害になる例が多うございますので、そういう点についても制度的に門戸を開かないとなかなかスムーズな登用はできないと思いますが、事柄は非常に技術的な職でございまして、この知識、経験というものは官のやっております自動車検査官と非常に類似しておりますので、そういう点につきましては人事の交流ができるような方法を考えるというとこで検討いたしたいと思います。
○井野委員 ストレートに交流することは非常にむずかしいと思います。しかしながらこの仕事の方は、検査所に共通の学校とかあるいは研修通信等が行なわれて、この試験を通れば一般官庁職員にも栄進の道があるとか、先ほどおっしゃられたような共済関係の共通性を持たして、他の官職に行った場合もこれは共通して通算されるとか、そういう社会に、いつまでもここにおらなければならぬというものでもなく、よければ一生おってもらってもいいが、そういう道が開かれるということが前提になれば募集されるときには良質の人材が得られるけれども、ここへ入ったら生このままで検査所におるんだということになると、これは良質の人材は得られませんし、ときに人材をさいてやる場合にも、ああおれはもう運輸省にいるからだめで検査所に捨てられるのかということになる可能性がある。これはこの業務をより効果的により効率的にやろうとすると一番先に検討されなければならぬ。検査協会職員になるプライドと喜びというもの、これを前面に出さなければ局長成功しませんよ。これはぜひ考えておいてもらいたいと思います。 それからもう一つ、これは職務も、大別すれば管理者の検査技術の問題と、もう一つは事務職員と、こうなるわけですから、特にいま言ったように検査業務というものには、何の検査でもそうですが、必ず利益供与を求めて職員の公正な検査を阻害するという問題は、一番警戒せなければならぬ問題であるし、それが厳に過ぎると全く警察署の門をくぐるような気持ちにさせてもこれは意味がないのじゃないか、行政サービスに欠くることになるわけですから。こういう点考えてみますと、親切で能力があって能率的な仕手をしてということになれば、その職務に励むプライド、そしてその職務に励んだことによって、また自分が勉強することによって、社会的に発展できるその最もいい場所だということにならなければならぬと思います。さらに、給与上の問題は通算される、こういうことにならぬと、これはほんとうに何のためにこういう協会をつくったのかということになりますから、この点の配慮はもう第一番に局長、考えてもらわなければならぬことだと思います。 同時に、これらのものか処置されないときに、この職員は団体を構成して団体交渉の相手は今後は理事長になるわけですが、これがもめて業務ができなくなれば、大臣が監督せなければならぬことになるわけです。団結権、団体交渉権はこれはもうはっきり憲法で保障されているわけです。労働組合法にもあるわけです。これは協会ですから当然できると思いますので、積極的に、一つの支所に所長以下六、七人のところですとなかなかむずかしい問題になってきておる、初めから協会の中に悪い習慣が生まれると民生的な職場ではなくなる危険がある、この点どういうふうに指導されるか御答弁いただきたいと思うわけであります。
○野村政府委員 まず、この協会の職員に将来の希望を与えるという制度的な保障でありますが、これは先生おっしゃるように、私は有能な人材を集めるために必要なことだと思います。ただ、現時点におきましては一般的に民間の方が公務員になるという道はいろいろ任用の関係もございまして非常にむずかしい問題がございますが、先ほど申し上げましたように事は非常に技術職でございますので、私どもできるだけそういう特別任用の道が開けるように今後とも努力したいと思います。 それから、この協会の職員でございますが、これは認可法人でございますけれども、労働三法が適用になるわけでございます。したがいまして、労働三法にのっとった労働組合というものの結成は可能でございますが、もちろんそれに対しましては使用者側についてはこれに違反するようなことがあれば不当労働行為ということになるわけでございますから、これは私ども正常な労使関係が維持されるということを期待をし、またそういう方向でこの組合ができ上がることを望んでおります。
○井野委員 すぐ不当労働行為の嫌うを先に心配するから初めからあつれきが起きるのです。労働組合は使用者にとっても非常に大事なものです。それは一括した意思の中に協力が求められるからなんです。個人個人が競争すると逆に全体の機能をそこねて、いまの国鉄のようにああいう騒ぎになって、にっちもさっちもいかぬようなことになってしまう。これは何といっても当面の責任者の思想を変えない限りああいうものはなくならぬと思うのです。このごろはそんなことで、なかなか佐藤さんはじめやめないくせがあるので、責任をとらないくせがあるので非常に遺憾なことだと思いますが、みずからのやり方を、自分の責任を回避して、これは相手が悪いと言うような管理者であってはならぬわけです。私はこの協会のスタートにあたって、まず職員団体が構成されるように積極的な指導をなさって、御用組合にしてもいけないし、いつでもけんかする組合にしてもいけない、健全な労働組合とする教育をなさるべきだろうと思います。どうかそういうことを通じて、私きょうたいへんこまかいことまでいろいろお尋ねしましたが、ぜひ発足にあたってはこのようなことになりましたという御報告が当委員会においてなされることを期待をいたしたいと思います。 ちょうど一時間になりましたので私の質問を終わりたいと思います。
○小峯委員長 松本忠助君。
○松本(忠)委員 先に、通産省関係の方においでいただいておると思いますが、運輸省関係の方と御一緒に私の質問に答えていただきたいわけでございます。 まず第一でございますが、大分県の佐伯市におきまして、自動車の購入時におきまして登録費という項目で費用を取られている、こういうことにつきまして投書がございました。私その投書を読みまして非常に不審に思いましたので、たった一件なのか、それとも何件かそういうものがあるのか重ねて問いただしてみました。ところが、約一カ月を経過いたしましたけれども、その間に四つの例を持っている、こういう状態が佐伯市にあるということで、重ねて返事があったわけでございます。 第一例を申し上げますと、これは佐伯市に住むNさんという方でありますが、四十六年の五月一日にスズキフロンテのバン三百六十ccを購入いたしました。その際、登録費としまして五千五十円の請求を販売店から受けたわけであります。この場合、ナンバープレートや代書料等で千百円くらいは実費がかかると思うけれども、五千五十円はどうも納得できない、実費の五倍もかかるということはどうも納得できないから、その理由を聞きたいということで理由を問いただしましたところ、理由をあかさないわけであります。理由がわからないんじゃ支払うことができないということで支払いを拒否いたしましたところ、そのまま払わないで済んでしまったわけでございます。いろいろとその事情について聞いてみましたところ、佐伯市におきますところの販売会社の申し合わせで、いわゆる登録費という名目で徴収をしている、こういうことがわかったわけであります。それに対する投書並びにそのコピーしたものもございます。 それから第二の例は、やはり佐伯市のYさんという方でございますが、四十七年の三月二日、日産プリンスの二千ccスカイラインを購入いたしました。このときには、自動車税が二千円、取得税二万三千二百二十円、登録費として一万四千五百円、これが問題だと思うのですが、それから重量税が一万五千円、合計五万四千七百二十円、こういう請求を受けたといっております。その場合に、陸運事務所関係の登録に要する費用としては一体幾らが正しいのか、この点を関係の方からお答えを願いたいと思います。
○野村政府委員 法律で定められました正規の登録の手数料でございますが、これは一件につき新規登録は三百円、変更登録は百円、移転登録は三百円、抹消登録は百円というふうにきまっておりまして、その額が収入されるのが正当で、法律で定められた登録手数料としては、いま申し上げた額でございます。
○松本(忠)委員 その登録手数料はわかるのですが、検査料とかナンバープレートの実費、代書料、現実にはこんなものを含んでやってくるのですけれどもね。こんなものを合計しまして、正確でなくてもいい、大体これくらいだという、要するに日産プリンス二千ccスカイライン、この場合だったら幾らくらいになりますか。
○野村政府委員 スカイライン級のものでございますと、登録手数料、検査手数料合わせまして千百円ないし二百円程度であろうと推察いたします。
○松本(忠)委員 私もそう思います。そうしますと、先ほど申し上げましたような登録費として一万四千五百円というのは明らかに高いのではないかと思います。現に、ここに御本人から送られてまいりましたところの合計五万四千七百二十円の請求書、並びにこの人は全額払っておりますので、その領収書の写しまで送ってきておるわけであります。 それから第三の例は、やはり佐伯のHさんという方でありますけれども、この人はスバルのキャッスルホワイト三百六十ccを購入した。このときも登録費用として七千円を請求されているわけです。 ところが、第四の例では、佐伯市のある役所かダットサンを一台購入した。このときも登録費用として七千七百六十円を請求されて、一応計算書に載せてございますが、現実には販売会社で負担しておりまして、この場合は支払われておらない。しかしその役所では、ここにもございますけれども、女出命令までちゃんと切ってあるのです。 こういう問題について、運輸省側にも登録費という名目がつけられているため関係なしとはいいがたいと思いますが、いま自動車局長から御答弁があったわけですから運輸省の関係とも思いますが、通産省の関係もあるように私思うわけです。こういうことを許しておいていいかどうか。特に、相手が役所の場合、それから民間人の場合、この取り扱いについて異なっている。役所の場合は請求はあったけれども、まけてやった。払わないで済んでいる。それからある名目をどういうわけかといって聞いた人は、その内容の説明をしないで、これも払わないで済んでいる。何も聞かないでおると払わなければならぬ。取り扱いかこういう三通りある。いずれにいたしましても、この第一次の責任は販売会社にあることに当然だと思いますけれども、運輸省、通産省、いずれにいたしましても、こういう取り扱いは、登録費用として多額の実費以外のものを請求していることについて、指監督督の責任があると私は思いますけれども、この点はどちらの役所の責任でございましょうか、この点をお伺いいたしたい。
○野村政府委員 非常にむずかしい問題だと思いますが、私ども運輸省といたしましては、登録という業務は法律に基づいてやっておるわけでございます。その登録の手数料というものは、法律に基づいていま申し上げましたような金額が規定されておるわけでございますので、登録という行為があれば、また検査という行為があれば、法定の手数料を取るということは当然でございます。 そういう意味で一般的な指導をしておるわけでございますが、一般的な自動車の販売に関しては、これは通産省のほうで監督しておられると思いますので、そういう点につきましても私ども通産省と協力をいたしますが、いわゆる自動車の販売業務一般の問題は通産省でやっておられるわけであります。
○中村説明員 ただいま自動車局長の御答弁のとおりでありまして、運輸省とどちらが責任という問題はむずかしい問題かと思いますが、販売行政に対する指導という意味で私どもも十分監視しなければならない問題かと思います。
○松本(忠)委員 要するに、販売業者の範囲であるから通産省にも責任がある、登録の問題であるから運輸省にも責任がある、両方で御相談して何らかの決着をつける、こういうお考えですか。これでよろしいでしょうか。
○野村政府委員 私どもの登録業務について申しますと、これは販売業者が登録を受けようと、あるいは一般のユーザー、私人が登録を受けようと、先ほど御説明になりましたような国が登録を受けようと、同じ額でございます。ただ、その登録手続を販売店等が代行する場合にどの程度が妥当なものか、これは法定の料金ではございませんから、その指導はおそらく通産省がなされるべきものであろうと考えます。
○松本(忠)委員 私が先ほど申し上げました第二の例ですね。要するに、一万四千五百円も登録費と称して請求書にはっきり載せてきておる。しかもこの一万四千五百円はこの人が全額払ってしまっている、こういうことでございますが、支払った人に対しては、実費以外の返還の請求があった場合には、これは返すべきものだと思いますけれども、どうでしょうか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生三つの例を御指摘になりましたとおり、この問題は一律に処理されてないように思います。他からもいろいろ指摘がございまして、私どもいろいろ調べておりますが、一応販売店側のきまりのようなものがありましても、それが自動率の価格自身とからんでいろいろネゴシエーションが進められております。したがいまして、いまのお話しの点、手数料であるから実費でないものは返還できるかということになりますと、両者の間の契約と申しますか話し合いの状況というものが一つのデリケートな問題であろうかと思います。
○松本(忠)委員 自動車課長、この一万四千五百円という金額はあまりに常識はずれだと思うのですね。ですから私はそう申し上げるわけでありますけれども、こういうことが佐伯市にあったということをあなたは知っていましたか。
○中村説明員 ただいまの御指摘のケースは初めて伺いました。
○松本(忠)委員 他の地域にこれと同種の問題があるかないか、この点についてはわかりませんか。
○中村説明員 ただいま御指摘のような高い数字は私も初めて聞いたわけでございます。そういうふうに登録と申しますか、自動車の販売にあたりまして、実際販売してそれが使用できるには登録検査あるいは車庫証明、こういうようないろいろな手続があるわけでございますが、それを一括、ディーラーのほうでかわっていたしまして、それの手数料を取っている。その場合に、いわゆるほんとうの手数料と申しますか、実費だけでなく、いろいろサービス的なものも付加して取っておる例がございますし、その場合に名目を一本の名前で取ってみたり、幾つかの名前で取ってみたり、いろいろケースがあることは承知しております。
○松本(忠)委員 いずれにしましても、この問題は通産とそれから運輸と両省でひとつ至急に調べていただきまして、はっきりと御返事をちょうだいいたしたいと思うのです。また、こういう例が他の都市に波及しているということになりますとたいへんでございますので、他には例があるかないか、全国的に一応調査してみる必要があるんじゃないかと思います。そういう点でひとつ御注意を申し上げて、御回答をお待ちするわけでございます。 それから次の問題でございますが、これはひとつ大臣に聞いておきたいのですが、東京交通新聞という業界紙がございますが、三月二十八日のこの新聞に載っている記事を見まして、これは現在個人タクシーを申請している人だと思うのですが、その人から当局の意向を確かめてほしいといいまして、新聞を入れて私のところへ送ってまいりました。ちょっと読んでみますと、その中にこういうことが書いてあるのですよ。「東京乗用旅客自動車協会(川鍋秋蔵会長)は、二十四日午後一時から」二十四日というのは三月のことでございますけれども、「二十四日午後一時から支部長会議を開催、現在陸運事務所に出している増車申請会社は、今週中に申請を取下げること、同時に、個人タクシーの新規免許抑制を強力に陸運局に対して陳情運動することとした。またメーター不倒行為のあった運転君については“業務上横領”とみなして刑事責任を追求、各社で提訴することとし、会社指導員による指導を四月もひき続き強化して行なうことなどを決定した。」こういう記事なんですが、この中の一点だけです。「個人タクシーの新規免許抑制を強力に陸運局に対して陣情運動することとした。」こういう記事を見まして私のところへ投書があったわけです。川鍋秋蔵会長の東京旅客自動車協会がこういう個人タクシーの新規免許の反対運動を起こす、抑制運動を起こす、こういうこと自体は、これはかってだとは思いますけれども、この行為は憲法二十二条の職業選択の自由まで侵すことになるんじゃなかろうかというふうな解釈も成り立つのではないかということです。当局の考えを聞いていただきたい、こういうことでございます。大臣、ひとつお答えをお願いいたします。
○丹羽国務大臣 ただいま松本先生が御指摘いただきました新聞記事、私もただいま初めて聞いた次第ございます。東旅協でそういうような運動をしているかどうかもまだ存知しておりません。しかしながら、運輸省といたしましては、先般タクシーの値上げを閣僚協議会できめまして、個人タクシーは将来ますます増加していくという方針はいささかも変更しておりません。ますますその方針でやってまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。さよう御了承願いたいと思います。
○松本(忠)委員 いま大臣のお答えのあったとおり、二月五日にタクシーが一斉に値上げになったわけでありますけれども、その時点でやはりサービスの問題が一番に問題になっているわけですね。サービス改善、乗車拒否をしない、こういったことを役所に対しても業界が約束していることだと思うのです。また、そのことは東京都民、東京に来て自動車に乗る人に対しても全部お約束していることと私は思うのですね。ところが、こういう新聞の記事、これはほんとうかうそかわかりません。しかし新聞がこういって取材してきているのですから、新聞の表現の自由があるわけでありますし、大臣もいま初めて話を聞いたとおっしゃるので、確証も握っていられないのでしょうが、これはどうも私は一ぺん東旅協に聞いてもらって、こういうことをやるのはけしからぬぞ、おまえたちは何を勘違いしているのだということで、大臣が当然のこと、おしかりがあってしかるべきだと思うのですが、いかがですか。
○野村政府委員 ただいま大臣からお答えになりましたとおりでございますが、実は私はその新聞の記事をときどき——この新聞だけでなくて、そういう記事が出ますので、それは見ておりますその時点におきまして、東京陸運局等にも連絡をして真相を聞いておりますが、もちろん政府の方針は先ほど大臣が申し上げたとおりでございます。私どもはこれを取り上げるといいますか、それを受けてその方向に沿ってやるというようなことではございませんので、いま大臣からお答えしましたように、東京陸運局を指導してやるという方針に変わりはございません。
○松本(忠)委員 繰り返すようでございますけれども、個人タクシーは会社タクシーよりも乗車拒否も少ないし、良心的な運行をしておりますし、接客態度も良好ですし、事故率も少ない。どうしても個人タクシーは私どもは今後もどしどし伸ばしていきたい。この点についてはいま大臣が確言されたとおりでございまして、全く私と意見が一致なんであります。個人タクシーの免許についての当局の考えを聞きまして、私は一応このことを投書の人には言ってやりますけれども、なおこの個人タクシーの免許という方向については、ガラス張りでフェアにやっていただきたいということをお願いしておくわけです。 これらの問題についてもいろいろのことを言っておりますが、これは、本題のことがございますので、きょうはこれでやめますけれども、一点だけ、これはお願いしておきたい。いまお答えがすぐできなければあとでもけっこうでありますが、四十六年度末、四十七年三月三十一日の東陸局と大陸局——東京、大阪両陸運局におけるところの法人タクシーの会社数、車両数、それからまた個人タクシーの免許数、そのいずれもの実働の状況、これをお知らせ願えれば、たいへんありがたいわけです。 それから、ごく最近、たぶん三月三十一日じゃなかったかと思いますが、東陸局と大陸局で個人タクシーの免許申請を受理しまして発表しております。これについての免許数、要するに申請に対する免許の比率、どれくらいの免許比率になったか、八〇%とか九〇%とか、こういったことをひとつお調べいただいて、後刻でけっこうでございますけれども、御報告を願えればけっこうでございます。お願いいたしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいま松本先生から重ねて個人タクシーのお話がございました。私ども、個人タクシーがいままでの実績から見まして、サービスその他の点におきまして非常に優秀であるというふうに認めている次第でございまして、先般も申しましたとおり、できるだけこれを増加してまいりたいという方針を確固としてとっている次第でございます。将来とも必ずこれを堅持してまいる次第でございますので、重ねて申し上げますが、その点で御了承を願いたい、こう思う次第でございます。
○松本(忠)委員 了承しました。 次に、道路運送車両法の一部を改正する法律案の問題につきましてお願いをいたしたいと思いますが、私は一昨年、四十五年の六月十日に交通安全対策特別委員会、それから九月の二十二日に当委員会におきまして、当時問題となっておりました欠陥車の問題、特に軽自動車の欠陥車の問題、これにつきまして運輸当局と質疑を取りかわしました。その時点におきまして、軽の車検を実施するように当局に強く要望いたしておいたわけです。その要請が実現を見ようとしているわけでございますが、なかなか問題をたくさんかかえておりまして、私が考えておりました軽の車検体制とはほど遠いものとなって提案されてまいりました。この点、まことに残念だと私は思っているわけでございます。すなわち、軽自動車検査協会という、いわゆる運輸省の外郭団体、これをつくって実施しようとしているこういうことであります。これは結局運輸省関係者の天下りの場所をつくって退職後の安住の地をみずからの手でつくったにすぎないというふうに一部の者が批判をしております。この批判も当たっているのではなかろうかというふうにも私、思います。こういう批判があることに対して、大臣、率直にどのようにお考えになりますか。
○丹羽国務大臣 今回そういった協会をつくりましたことにつきまして、昨日来いろいろの論議を呼んでいる次第でございます。私、長所もあり短所もある、こういうふうに思っている次第でございますが、いま松本先生御指摘になりましたようないわゆる天下りの場所をつくったというような非難に該当するようなことはないように、ことに新発足の機関でございますので、十分留意をいたしまして世間の期待にこたえたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○松本(忠)委員 御答弁ごもっともでありますが、この間も鉄建公団法のときに、鉄建公団の中にいわゆる民鉄関係の建設部門を、常務一名を配置してそこにつくるわけであります。その問題に対しましても私お話しをいたしまして、いまと同じようなお答えを大臣からいただいているわけであります。ことしは運輸省は二つも天下りをつくっているということで評判でございます。このようなことが世間のうわさにのぼっているということを十分考えられて、これに対する人事の問題に対しては十分お考えにならなければならないのじゃないかと思うわけであります。 それから運輸省として、認可法人としては軽の検査協会が初めてだろうと私は思うのです。当初運輸省としては公益法人にやらせるお考えがあったようでありますけれども、それが急遽認可法人として行なうようになりました。いかなる理由によるのか、この点をひとつお聞かせ願いたいわけであります。
○野村政府委員 この軽自動車の検査業務をやりますにつきましては、その検査体制をどうするかということで、昨年の夏の予算編成期以来いろいろ部内で論議をいたしました。先生御指摘のように、当初はいわゆる民法法人たる公益法人でやるということも考えたわけでございます。しかしながら、この協会の事柄の性賢上、国の代行機関としての確認行為をやるというようなことを考えますと、もっと厳正公平な監督ができるような体制を考えなければならない。民法上の公益法人といいますのは、御承知のように、民法にきわめて簡単な規定がございまして、完教とか祭祀、慈善その他公共の目的に役立つ法人ということでございますが、今度の法人を考えますと、運輸大臣のこれに対する監督につきまして相当厳重な規定を設けなければならない。とうてい民法の現在の規定では不十分であって、相当の項を起こして特別の監督の規定を入れなければならないという法律技術的な理由が一つございます。それからもう一つは、従来の社団法人等の公益法人でございますと、その資金の調達につきましていろいろの方法がある。たとえば一般から募金をするとか、銀行借り入れはもちろんでございますが、そういうことで、業務の性質上、なかなかそれが適当でない。結局国の代行機関としてこういった厳正中立なるべき業務をやるためには国と同様に大臣が厳重な監督をし、その資金の調達につきましてもそういう利害関係者等の拠金を求めなくても国から資金を出してやるというような形態が一番ふさわしいということで、いろいろ検討いたしました結果、その公益法人以外の法人ということを考えたわけでございます。その中に特殊法人と認可法人とあるわけでございますが、私どもはその設立に ついて、これはもう以前からこういう団体をつくってやろうという民間の要望もありますし、そういうことからあえて特殊法人にしなくて認可法人にしても十分その目的は達せられる、かように考えて、認可法人の方法をとったわけでございます。
○松本(忠)委員 いろいろ問題はありますが、それはそれでいいでしょう。 次にお伺いしたいことは、車両法の七十六条の九、「第二節設立」「発起人」これ以下です。七十六条の十、十一、十二等において、設立の認可についての定めがございます。この手続に準拠いたしますと、軽自動車検査協会というものは幾つでも設立できることになるわけでございます。ですけれども七十六条の四におきまして、「協会は、一を限り、設立されるものとする。」こうなっておりまして、いわゆるただいま申し上げましたような天下り安住の地は日本にただ一つしか生まれないというふうになっておるわけでありますけれども、この種のいわゆる政府外郭団体というものは全く官僚臭がぷんぷんとしておりまして、サービスの悪いことはもう評判であります。むしろ私は二つ以上認可して互いにサービスの向上をはかり、そしてまた膨大な車検事務に真剣に取り組ませるべきではないかと思いますけれども、どうでしょうか。
○野村政府委員 この協会をどういう姿でつくるかということにつきまして私どもいろいろ論議をしたわけでございますが、これはいろいろ考え方があるかと思います。ただ現在、御承知のように国にかわりまして代行機関として業務をやるということでございままして、検査員たるべき者の資格あるいは検査員が業務を行なうにあたりまして適用する保安基準というものは全く一本のものでございます。したがいまして全国的に統一された基準、統一された方針のもとに業務をやるということで考えますと、国の代行機関としては全国一本の組織のほうがいいであろうというふうに考えましたのが趣旨でございます。 それからただいま法律の条項について御指摘がございましたが、実はこの問題につきましても、昨日も論議をされたわけでございますが、私ども実務当局といたしましては、いま申し上げましたような理由で全国一本、一つがいいということから、そういう実務的な要請を持っておるわけでございます。法制当局の見解は、きのう申し上げましたように、七十六条の十一ではこれこれの場合には大臣は「認可をしなければならない。」とありますが、七十六条の四は、ただいま先生の御指摘のように、「一を限り、設立されるものとする。」ということで、一を限り設立されるものというようなことが大前提になっておりますので、実際上は一つの協会というものが設立をされて、そして大臣から認可されれば、それが一つ限りのものになるという運用になろうかと思います。そういう意味で私どもは国の代行機関としての性格、任務、適性というものから考えて、これは全国一本、一つの団体のほうが適正であろうと考えてこういうような組織を考えた次第でございます。
○松本(忠)委員 大臣、いま局長から答弁がありましたように、監督のためには一つがいいのだと言いますけれども、監督するのは自動車局なんですから、全国に二つあろうと三つあろうと監督する役所が一つで、このようにやりなさいといって、三つでも四つでもできたものに対してぴちっと同じような指導をすれば、これは監督ができると思うのです。少しも監督ができないなんということはないだろうと思うのです。 そこでいまの設立の問題ですけれども、七十六条の九によりますと、ここに書かれたとおりに学識経験者七人以上が発起人となって、七十六条の十の規定に従って定款及び事業計画を大臣のところにお出しすれば大臣は設立の認可をする、こうなっておるのです。確かにいま私も申し上げましたように、七十六条の四は「一を限り、」こう書いてあることは間違いありませんけれども、やはり私は一を限りということでなくて競争体制にすべきじゃないか、このほうがサービス向上はいいのじゃないか。監督は陸運局もあるし、原局であるところの運輸省の自動車局があるわけですから十分できる、こう思うのです。ですからこのようなものが、AとBと二つ認可申請が出たとした場合にも、七十六条の四を適用して一つなんだからということになれば、大臣はどっちかに認可しなければならない。その場合にどちらも同じような、要するにここに従ったものをきちっとつけて出してあったときには、一体どっち、Aに認可するのかBに認可するのか、その判定の基準、これはどういうことになりますか。大臣にお答えを願います。
○丹羽国務大臣 実はきのうも、一つにする、それから条件の整ったものにつきましては運輸大臣が認可しなければいかぬという点について非常に御議論がございました。法制局からも出ましていろいろ御議論があった次第でございますが、ただいま松本先生からお話がございまして、二つにしたほうがいいのじゃないかということにつきましては、やはり軽自動車の検査事務を統括するところでございますから、私は二つより一つで統一したほうがまぎらわしくなくていいのじゃなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。 またどちらがあれかといいますると、ことごとく同一条件ということもあり得ないのだろう。やはりその目的に沿った条件のほうをとりまして一つにいたしたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○松本(忠)委員 判定は非常に微妙だと思うのです。どっちも同じような条件で、全く甲乙判定つけがたいというのが出てきた場合に、大臣がいずれに軍配を上げるか、これはゆゆしい政治問題にまで発展するのじゃなかろうかと私は心配するわけです。その点について、優劣をつける等のはっきりした基準がちゃんと出ていればよろしいわけであります。全く同じだったときには一体どうするのかということですね。二つも三つも出てくるかもわからないわけですから。私も学者を動員しましてけしかけてつくって申請を出すかもわからないです。そのときに、私の政治力ではとてもじゃないけれども認可しないだろうと思いますけれども、ここにおる加藤君なんかが申請すればきっとやるかもしれません。いずれにしましても、全く同一の条件だったら一体どうするか、この点について重ねてひとつ……。
○野村政府委員 基本的な考え方、大臣が答弁されましたとおりでございます。事務的に補足さしていただきますと、この法律にございますように、「協会の資本金は、一億五千万円とし、政府がその全額を出資する。」という条項がございます。したがいまして、結局政府の出資が二カ所に出るということは、実際上なかなか困難なものでございますので、政府が出資をきめるという段階におきまして、たとえばその内容を審査して、そして出てくるということになるわけでございますので、結局私は、実際問題としては一つのものが出てくるということになると思います。
○松本(忠)委員 局長、質問をすりかえてはいかぬですよ。私が聞いているのは、二つ同じのが出たら判定の基準をどうするか。その判定がきまって大臣が認可した、それからですよ、あなたの言っておる一億五千万円出すのは。話の筋が違いますよ。要するに、こういうものが出た場合にどっちに認可するのか、その基準は何なのだ。同じものが出た場合に一体どうするのだ、それを聞 いているのですよ。
○野村政府委員 基準は結局七十六条の十一にございますように、「申請の内容が次の各号の一に該当せず、かつ、その業務が健全に行なわれ、軽自動車の安全性の確保に符与することが確実であると認められるとき」ということでございまして、こういう条文に照らしまして、先ほど大臣が申しましたように、結局全く同じということは審査をすればあり得ないわけでございまして、どちらかが業務を遂行する能力について優劣の判定ができるものと考えます。
○松本(忠)委員 あなたはどっちも同じのものは絶対にないときめているが、では、もしあったらどうする。あなたは同じものはないとおっしゃる。だけれども全く同じものが出て、七十六条の十一にきちっと該当するものが出ていった場合にはどうするか。あなたが天下りして、いわゆる学識経験者から推されて、そして認可後、学識経験を有する発起人が大臣のところへ出す。そして発起人が推薦した者の中から「協会の理事長となるべき者及び監事となるべき者を指名する。」その該当者にかりにあなたが当てられているとしたら、片や前自動車局長、片や現職の自動車局長、こういったどっちも自動車局長、前と現と、野村さんの政治力もかなりあると思うけれども、大臣はたしていずれに軍配を上げるか問題だろうと思う。こういった場合にどこを基準にしてやるのかということをさっきから聞いている。
○野村政府委員 結局は、事務的にはその計画の内容を見ることになると思います。したがいまして、たとえば組織がどういうふうな組織になって、そして具体的にどういうふうな地方の組織がどういうふうなことを考えて、そしてその規程の案でございますね、業務方法書とか検査事務規程の案とか、そういうようなものの内容を審査すれば、そこにはやはり客観的に優劣というものは判定できる。そういうことによってこれは運輸大臣がそういう判断を最終的に下すということになると思います。
○松本(忠)委員 それは局長、全く内容が同じで、まだこの時点においては発起人は違います、片方は七人の学者さんと、片方は八人でもいいです、どっちも学者、学識経験者。その学識経験者が申請を出す時点においては、まだ、だれが理事長になるか、だれが監事になるか、わかってないわけでしょう。そうでしょう。おおよそうわさくらいはあるかもしれないけれども、書類上には、この人が理事長になるとかこの人が監事になるとかいうことは、申請の中に書いてあるわけですか。書いてないわけですよ。そうとしたら、かりに、運輸省を困らせようと思って、申請書を、その学者の名前のところだけ、七人の名前は変えるけれども、ほかは一切コピーしてしまう。同じ字で、同じに出していって、七人の学者の名前だけ違ったものが二つ出てきた。こうしたときに、一体どっちをとるか。いかがでございましょう。
○野村政府委員 かりに先生のおっしゃるように発起人だけが違って計画内容が全く同じということであれば、これは私は実態は一つの計画だと思うのでございます。そういう意味で、これは、発起人が違えば、発起人の方とよく話をしてみれば、実態は一つの計画であるか二つの計画であるか、わかるわけでございますから、そういうことで、先生の御質問の趣旨はよくわかりますけれども、ひとつ、私もできるだけ、先ほど大臣が申し上げましたような、国の代行機関として、厳格な、公正な職務をするということでやるつもりでございますから、その点ひとつ御了解いただきたいと思います。
○松本(忠)委員 だめですよ、局長、ごまかしちゃ。発起人の名前だけが違うけれどもあとは全く同じだから同一だということなんですか、その御答弁は。発起人の名前が違うのですよ。だから同一ということはないじゃないですか。発起人が違うのだもの。それを、同一だと思います……。内容は全く、プリントしちゃうのだから、コピーしちゃうのだから、同じですよ。ただ名前のところだけ違うのですよ。全然別ものですよ。そういうものが二つ出てきたときにどうするかということです。そのことに何にも回答がしてないのです。ここに問題があると思うのです。もう少し明確な答をしてください。まだたくさんあるのですよ。もう残りが二十分になっちゃった。
○野村政府委員 ただいまの御質問、発起人だけが違うけれどもあとは計画内容が全く同じであるとすればということで、私は、そういうことは、あるとすれば非常に珍しいケースだろうと思います。実際問題として、定款の案とか、そういうことについては同じようなことができますけれども、それをさらに細部に分けて、どういう場所に検査場を設置するかとか、あるいは先ほど申し上げましたような業務方法書の案はどういうものを考えているか、あるいは検査事務規程はどういうものを考えているかという、その具体的な業務の細部の計画を一つ一つ検討しますれば、これは結果的に申しますと私は、一人の人がその案をつくらない限り、そういう細部の事項についてまで全く同じ計画ができてくるということはないと思いますので、そういう点につきましては、具体的な細部の計画あるいはその計画内容案というものを見ていきますと、そこに優劣の判定ができるものが出てくるというふうに考えますので、そういうふうに御了解願いたいと思います。
○松本(忠)委員 あなた、いい答弁をしてくれましたよ。一つの人がこしらえない限り同じものはできないと言っていますが、代書屋さんがあって、この代書屋さんに一つの人が両方から持っていって頼んだらどうなのだ、一つの人が二つをつくることになる、ただ取り扱いは違うのだ、そういうことだってあり得るのですよ。ただ、その問題でいつまでやっておってもしかたがありませんから、このくらいでやめます、野村さんも気の毒ですから、この問題は尾を引きますよ。何とか解決しておかないと、尾を引くということでです。いずれにしましても、私どもは、この問題に対しては、まだはっきりいたしておりませんので、もう少しはっきりしたお答えを大臣から聞きたいと思いますので、この回答については満足はできませんので、保留しておきます。そんなことでやっていられませんので、次に移ります。 本法の改正の中で、最も重要な部分は、七十六条の八だと思うのです。七十六条の八で「民法第四十四条及び第五十条の規定は、協会について準用する。」ということでございます。このことについては私が一昨年の欠陥車問題で質問したときにも、この点がはっきりと明確にされなかったのですよ。この点、今回、協会に民法四十四条を準用するというふうに法律できめられて発足するということになれば、これは私はもうたいしたものだと思っているのですよ。御承知のように、民法第四十四条というのは「法人ハ理事其他ノ代理人カ共職務ヲ行フニ付キ他人ニ加ヘタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」こうあるわけですね。私が二年前に欠陥車問題を取り上げたときに、運輸省の型式認定を得て売られた軽自動車が欠陥車とされた場合に、国とメーカーの責任の分岐点を明確にしろと、こういうふうに迫ったわけですよ。そのときはついに明確な判定はできなかった。結局回答は将来に持ち越されているわけですよ。今回軽自動車検査協会に対しまして、民法四十四条を準用するということをしてあるわけですけれども、これを私はこのように解釈するのです。これは車検を経たばかりの車両が車検のミスによって事故が発生した場合に、協会はこの責めを負って賠償することになると判断をいたしますが、これでよろしいかどうか。
○野村政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、協会の検査に欠陥があるということがはっきりすれば、協会は国の業務を代行するものでございますから、国家として賠償の責めに任ずるというふうに考えられます。ただ、この問題は、その協会の検査に欠陥といいますか、不可避な点があったかどうかという判定にかかわる問題があると思いますが、そういうことに判定されて、協会の検査のミスであるということがはっきりすれば、国家の賠償の対象になる、こういうふうに考えます。
○松本(忠)委員 それでは伺いますけれども、軽自動車検交協会の業務の主体というのは何か、これは七十六条の二十七は、一から六まで書いてあるわけですね。その一は何と書いてあるのですか。
○野村政府委員 七十六条の二十七の一は「軽自動車の検査事務」というふうに書いてあります。
○松本(忠)委員 七十六条の二十七ですね、そこのところに一、二、三、四、五、六と、あと二項になりますが、一項の一は「軽自動車の検査事務」、こう書いてあるのですね。要するに検査事務である。検査事務をやるのが軽自動車検査協会の業務の主体だ、そうしてその検査事務をして、そのことによって七十六条の二の「目的」、これを果たしていくわけです。そうなってきたときに、いま局長のお答えになった車検のミスがあったということの判定があった場合には、国家賠償の責めに任ずる、こういうことですね。これはよろしいですね。間違いありませんね。
○野村政府委員 国といいますか、協会が賠償の責めに任ずるということでございます。
○松本(忠)委員 あなたはさっき国家が賠償と言われましたから、それで私は問いただしたわけでありますが、協会が賠償の責めに任ずるということになると思うのであります。そうなりますと、今度は車検のミスというものの範囲、これをひとつ具体的に言うと、どういうことがあげられるでしょう。専門的なことを私も存じませんので、ひとつ御承知の方がありましたならば、教えていただきたい。
○隅田説明員 非常にわかりやすい例をひとつあげますと、たとえばヘッドライトのたまが切れたままで車検に参りまして、それがたまの切れたまま合格させたということがあるとすれば、これは明らかに車検のミスだろうと思います。
○松本(忠)委員 もう一つ二つそういう例はありませんか。
○隅田説明員 その他で考えられますことで申し上げますと、たとえばブレーキ装置の例を取り上げますと、実際上ブレーキホースが切れていた状態であって、ブレーキを踏んでもきかない状態であったということが明らかになっているものが車検を通れば、これは明らかに車検のミスになると思います。
○松本(忠)委員 いまお答えのように、そういうことを見のがして車検をパスさせてしまうということもなきにしもあらずですよ。いま二つの例が出ましたけれども、専門家ならぱっと思いつくのですから、われわれしろうとにはわかりませんけれども、そういうミスが起きるということは想定されると思うのですね。そうしたときに、それによって大きな損害ができてくる、人身の事故もできてくる、こうなりますと、賠償すればそれで済うというものではなくて、そういうミスをおかすような検査協会ではこれはたいへんなことになるのですよ。それこそ指導監督を厳重にしてもらわなければならないわけですよ。全国にわたって陸運局あるいは陸運事務所、そういうものが指導監督の目を光らせなかったら、そういうミスの発生が可能であると私は思うのですよ。そうなったときに、協会は賠償の責めに任ずるのだから、賠償すればいいのだ、簡単にそうおっしゃいますけれども、金で済まない問題ができてくる、こうなってくるとたいへんなことになる、その辺に対するお考えはいかがでございましょう。
○野村政府委員 先ほどお答え申しましたように、協会としてそういう事故があった場合に協会の責めに帰すべきものは協会として賠償の責めに任ずるわけでございますが、運輸省といたしましては、もちろんそういうことで済むことではございません。したがいまして、協会に対する監督につきましては、法律にも規定がございますように、大臣はじめ各陸運局長等におきまして、十分事前の予防的な監督、あるいは事後の矯正的な監督をするということでございまして、そのために検査員についての資格というものあるいは検査員についての研修を陸運局が援助する、あるいは不適任な者に対する解任命令を出すというようなことで、事前の予防、事故の矯正ということについて万全の体制をとらなければならないということは、御指摘のとおりでございまして、単に金銭的な賠償をすれば済むという問題ではもちろんございませんで、事前の予防的な監督という点について、特にこれを厳重に監督していくということをやりたいと考えております。
○松本(忠)委員 この問題の原点となりましたいわゆる欠陥車につきましても、その責任の範囲と配分が今度これによって明確にされたと私は解釈する、こう思いますけれども、この点はどうでしょうか。
○野村政府委員 ただいまの先生の御質問の趣旨、ちょっとよく私、理解いたしかねますが、つまり欠陥車の問題として従来問題になったのは、私は事柄の性質はそう違わないと思います。その構造、装置等について国が検査をした、その検査自体が間違った検査であったということがはっきりした場合の責任でございまして、これは、検査協会が検査をしたその検査自体のミス、型式指定を含むそういう検査自体の間違いというものが原因で事故が起これば、それは当該検査をしたものの責任であります。問題はそれが検査をしたもののミスであったかどうかという判定が非常にむずかしい問題でございまして、従来、先生御案内のように、一般の欠陥車問題の中にも、まだその点はっきりしていないものがございますので、これだけで従来の欠陥車問題の原因といいますか、その責任の帰属がはっきりするということにはならないかと思いますが、要するに、そういう間違った検査をしたものの責任ということは、これはもうはっきりいたしておるわけでございます。
○松本(忠)委員 要するに、明確でないとおっしゃるわけですな。
○野村政府委員 私が申し上げますことは、その検査をしたもののミスによって事故が起こったということがはっきりしておれば、そのものの責任。それが国であれば、国の責任、団体であれば、この団体の責任である。問題はそのもののミスによって事故が起こったかどうかという判定が、これはなかなか裁判でも争われておる点でございまして、むずかしいということでございます。
○松本(忠)委員 それではひとつ伺いますが、国の車検について現在民法四十四条の適用というのはないのでしょう。あるのですか。
○野村政府委員 国の車検について直接民法の四十四条の規定ということではございませんで、これは、私どもは、国という一つの行政機関の責任でございます。そういう意味で民法の四十四条の規定が直ちに国にそのまま適用になるのではございませんが、公務員の行為によりまして国民に損害を与えた場合に、その損害について国は賠償の責任を負うというその責任論の考え方は同じだと思います。
○松本(忠)委員 ですから、いま局長が、国の場合もそうだ、責任賠償するのだ、協会の場合も、車検ミスならば、賠償の責めに任ずるのだ、国の場合もやるとあなた言ったじゃありませんか。やると言ったけれども、その民法の適用というものは、現在の国の車検の体制の中においては明瞭に書かれていないと私は思うのですけれども、書かれていないから、やらないのか。それともいま局長が言ったように、そういう場合が発生したときには、国として責任を負うのか、書かれてなくても責任を負うのか。
○野村政府委員 先生の御質問、私非常にむずかしい法律理論だと思います。ただ、私の理解している限りで申し上げますと、民法の適用になりますのは一般の個人あるいは一般の法人、そういうものの特に四十四条については不法行為能力というものを定めたものでございますから、それによってその損害を受けた者に対してそれを犯した者が責任を有するということでございます。ところが、国の場合は国という一つの行政機関の行為でございますので、先ほど申し上げましたように、国に責任があるとすれば、同じような責任が私は当然出てくると思いますが、その根拠が民法四十四条、つまり私人あるいは法人、私法人というものを対象とするいわゆる民事法の一般法であります民法から国の責任が直ちにくるものではない。国は国として責任は負うけれども、その根拠というものは私は別途の法律からくる。これはむしろ行政法の分野の責任、行政法に基づく責任である、かように解釈いたします。ただ私、その点につきまして法律の専門家でございませんので、きわめて不十分なお答えしかできませんが、民法の規定はその民事の私法人、あるいは私の個人、そういうものに対する責任をきめたもので、国の同じ態様の責任であっても適用になる法律の条文が違う、私はそういうふうに理解いたしております。
○松本(忠)委員 要するに、国がやろうと何であろうと、国民に対して損害を与えた場合、国の車検のミスによって損害を与えた場合、協会の車検ミスによって損害を与えた場合、いずれの場合でも局長はそれは補償すると、こうおっしゃたのです。法律的にこまかいことはいずれにしましても、要するにいままでも国の車検のミスによって損害を生じたけれども、泣き寝入りしている人がいるのですよ。明らかにこれは国の車検のミスだと思われるものがあるのですよ。まだこれは表へ出してはいませんけれども、それが、いま局長のお答えのように車検のミスだということの認定が成り立った場合には、これは国に対して損害賠償の請求ができるわけです。いま局長ははっきりこの公開の席上において国の場合でも車検ミスがあった場合には、それを補償いたしますと、車検協会の場合だって同じでございますと、こうおっしゃったのでございますからね。その問題については実例がございますので、いずれまたこの実例をひっさげていたしますけれども、きょうははっきり議事録に書いてあるわけですから、この点については私は一応確認をしておきます。 それで、時間がだいぶなくなってしまいましたので、この問題につきまして、大臣ひとつお願いしたいことは、国の車検にしても、いわゆる軽の検査協会にいたしましても、車検をします。そうしますと、中にはいま申し上げたようなミスが発生する場合があるかもしれませんが、大部分についてはそういうミスにおそらくないものであろうと私たちは確信したいわけです。 そこで、世間一般ではいわゆる車検を受けた車というものは二年間は安全だと思い込んでいる人が非常に多いと私は思うのです。それは国というりっぱな機関が車検してくれたのだ、また今度軽の車検についても一つできるか、二つできるかわからないけれども、この国の代行機関というか、外郭の団体であるところの軽の車検協会が責任を持ってやってくれたのだから安心だ、こうなってきますよね。それにだれでも安心して乗るということは通念だと思うのですよ。ところが、自動車にはいろいろと部品がありまして、部品が一つ一つ構成され、組み立てられた機械ともいえると思うのです。したがいまして、その部品の一つでも欠損した場合は、重大な事故を引き起こすことになるおそれがあるわけです。特に重要保安部品、たとえていえば、ブレーキあるいはハンドル回り、こういったものが欠損いたしますと、重大な事故になるおそれがあると思います。したがいまして、こういう重要保安部品については耐用年数をその部品そのものにシールで張りつけるとか、あるいは交換の時期を明示するとか、こういうふうなたぐいの掲示を全車両の——これは軽とは限りません。全車両の内部に掲示させるところの責任をメーカーに負わせてはどうか。単に車検が済んだから安全なんだ、新車同様なんだというような気持ちになって運転させるということは、絶対にこれは危険だと思いますから、させないように指導すべきだと思うのです。メーカーに対して部品交換の時期、こういったものを明示するいわゆるシールを張るとか、どこか車内に張り出しておくとか、こういったこと、それとまた指導の問題、この二点についてどのようにお考えになるか、お聞かせ願いたい。
○隅田説明員 技術的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。 ただいま先生の御指摘のとおり、自動車の重要保安部品の中には定期的な点検整備を十分やってもらわないと、たとえ二年に一回あるいは一年に一回の車検が通ったといいましても、その中間において危険な状態になるのも幾らもあるわけでございます。特にたとえばゴム製品とか、そういうようなものになりますと、自然の時がたつということだけのためでもだんだんと性能が劣化してくるというような問題がございます。そういう意味で、前回の欠陥車騒動以後、運輸省といたしましても、そういう面の行政の強化をはかっておりまして、先生のただいまの御趣旨のことをそのまま取り上げて、目下いろいろな部品について徐々に及ぼしつつある段階でございます。われわれが一番最初に取り上げておりますのは、ただいま申し上げたようなゴム製品、たとえばブレーキホースといったようなものでございますが、こういうものはとにかく時がたつということで劣化してくるという問題もございますので、こういうものについてそういう表示をし、しかも表示をするだけではなくて取りかえ義務を課していくというようないとについて十分措置をとっていきたいと思っております。今後ともさらに積極的に分野を広げながら進めてまいる所存でございます。
○松本(忠)委員 次に、大臣にお伺いいたしますけれども、第二節の「発起人」のところで、七十六条の十一です。「運輸大臣は、前条第一項の規定による認可の申請があった場合において、申請の内容が次の各号の一に該当せず、かつ、その業務が健全に行なわれ、軽自動車の安全性の確保に寄与することが確実であると認められるときは、設立の認可をしなければならない。」こうなっておりますね。そこで、その次のところにいきますと、「運輸大臣は、前条の規定により認可をしたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、協会の理事長となるべき者及び監事となるべき者を指名する。」これは大臣が協会の理事長と監事を指名するということになっておるのですね。ところが今度はそれに対するいわゆる役員の欠格条項ですね、七十六条の二十。これをひとつ参考にして見ていただきたいわけですけれども、普通会社をつくる場合だったら発起人が登記をする、大体発起人が社長になる。株式会社のような場合ですと大体そうですね。ここは特に学識経験者が発起人であって、そして常識経験者の推薦した者の中から大臣が理事長と監事を任命する、こうなっているわけですけれども、おそらく御自分で学識経験者がなるということは常識的にないだろう。この条文からいえばそう思うのですけれども、さてそうなってくると運輸省出身の者で現在退職しておる者、そういった者が協会の理事長になる、こういうふうに私は推測をするのですが、この推測は間違っておるでしょうか、正しいでしょうか。
○丹羽国務大臣 ただいまのところは全然白紙でございまして、どういう者を理事長の適任であるということはまだ考えてない次第でございます。
○松本(忠)委員 おそらくそういうお答えが返ってくるだろうと私は思っておったのですけれども、やはり予期したとおりでございました。しかし、私がさっきなぜその「欠格条項」の七十六条の二十のことまでもちょっとことばに触れたかというところなんですね。この一は「政府又は地方公共団体の職員」、二が「自動車若しくは自動車の部品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)」、三には「前号に掲げる事業者の団体の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。)」こういうふうな者は役員になれない、こういうふうに書いてあるわけですよ。これはそのとおりに解釈いたしまして、今度は裏から見ますと一体どういうことになるかということですよ。これはここにも書かれてあるように「自動車若しくは自動車の部品の製造、改造、整備若しくは販売の事業を営む者又はこれらの者が法人であるときはその役員」となっている。ということは、これを見ますと専門家というのは大体どこかに所属しているわけです。専門家がなれないということよりも、これを裏返しに見ると、「自動車若しくは自動車の部品の製造」というからメーカーはだめでしょう。「整備若しくは」云々ということになると整備業界からも入れないと思うのですよ。「販売の事業」云々というと、これまたディーラーからも入れなくなると思うのですね。そうなりますと、整備振興会だとかいうような法人からもだめになるんじゃなかろうかと私は思うのです。そうなりますと、ある一部の人間しか残らなくなってくると思うのですよ。その一部の人間というのはどこをさすかというと、もうこれは私は明敏な大臣ははっきりおわかりだろうと思うのですけれども、いかがでございましょう。
○丹羽国務大臣 これは現職のままでは困る、そういう意味でございます。たとえば、公務員または地方公務員または製造業者、あるいはディーラーの方でございましても、おやめになって、それがそこに入って専門にやっていただくというような方で適任でございましたら差しつかえないということでございます。必ずしも非常に限定しているわけでございません。ただ、兼職でやられますと、そこにいろいろの弊害が起こるということで兼職を禁止しておる、こう私どもは思います。
○松本(忠)委員 兼職を禁止なさっておるとおっしゃいますけれども、たとえば、メーカーなりあるいはディーラーなり整備事業界、こういったものは一切なれないだろうと私は思うのです。ということは、そういう自動車の検査について関係を有する者が役員になると、これはやはり退職していたとしても、もと自分のいたところの会社の製品が検査に打ち込まれた場合、これに手心を加えるというようなことがあってはならぬわけでありますし、そういうことをしないためにも、誤解を受けないためにも、そういうところにいた人間がやるとこれは世間の批判のもとになる。そうなってきますと、結局兼職はいけないのじゃなくて、運輸省にいた人で現在は退職している人、こういうのが一番公平な判断を下し、しかもよそからも非難攻撃を受けない人間、こういうことになると思うのですよ。そうすると、結局お役人さんの隠れみのをつくるために検査協会をつくるのだという批判が出たってくるわけなんですね。こういう点どう思いますか。
○丹羽国務大臣 先ほどもそういう御指摘がございましたが、運輸省をもうやめた者から選ぶというのでは困るが、運輸省でまだ非常に有能であって、公務員としても十分つとめられるけれども、こういう新発足の大事な機関であるから、みずからそっちのほうに進もうというような有能な公務員、あるいはまた先ほどお話しがございましたが、民間の方でも、自分は前職をやめて入って、それで公平にやろうという方で適任者がありましたら、何ら差しつかえない、こういうふうに私は思います。
○松本(忠)委員 さっきから時間の点を非常にきびしくいわれております。まだたくさん質問するものがございまして、いまの役員の問題ばかりではなく、七十六条の二十五「職員の兼職禁止」の規定もあります。この問題も私聞きたい。それから七十六条の二十七以下の「業務」に関する規定、それから、さらに七十六条の三十一項の「検査設備」の問題、これはまた大きな問題だろうと思うのですね。しかもこれらの点について私は葛飾区に参りましてKという民間の指定工場を見あるいは足立区に参りましてOという工場を見て参りましていろいろこの問題に対して実地の現場の意見というものを聞いて参りました。そういってものもぜひとも申し上げて、そして聞いていただきたいし、それに対する明快な答えをお伺いしたいと思うのです。特に七十六条の三十九に協会に対する「監督」という問題があるのですよ。この問題につきましてもいろいろ問題があると思うのですね。この点は四十六年四月のあの茨城行政監察局が監査を行なったところの茨城県の陸運事務所の問題、こういう問題もお聞きしなければならない問題でございます。なお七十六条の四十一項「解散」この問題がまた大きな問題でございますので、いろいろと質疑をいたしたい点がたくさんございます。きょうは時間の関係上やむを得ませんので、この辺でとどめておきますが、この点についてはひとつ十分の御答弁を用意をしてきていただきたいし、先ほどの問題になっている点これはひとつ次回に明快なお答えをお伺いしたいと思いますので、よろしくひとつお願いいたします。いかがでございましょうか。
○野村政府委員 次回の御質問に対しては十分な御答弁をいたしたいと思います。
○松本(忠)委員 では終わります。
○小峯委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際暫時休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後一時四十一分開議
○小峯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑の続行をいたします。金丸徳重君。
○金丸(徳)委員 長い間いわれておりました自動車時代を迎えまして、それからまたその自動車時代の中で交通地獄であるとか公害問題であるとかいうようないろんな弊害をももたらしてきて、それらに対してあらゆる角度から何かの措置を講じて、よきものはこれを伸ばし、悪きものはためて、ほんとうの意味におけるよき自動車時代というものをつくり上げていかなければならないという意味におきまして、この小型自動車につきましても、まずいところは補い正していくという措置が講ぜられなけばならないということはよくわかります。そういう意味において、今回提案されました道路運送車両法の一部改正をなさろうという大臣の意図につきましては、私もよくわかります。ただ、実は私はまことにしろうとでありまして、こうした問題について平素深く勉強しておるわけでもありません。ただ昨日来の本委員会における審議を通じ、質疑応答を通じて、こういうことではたして大臣が意図されるような十分な成果があげられるかどうかに疑問を少し抱いてまいりました。そこで、しろうとながらも疑問の点をお尋ね申しますので、どうかしろうとにわかりやすいようにお答えをいただきたいと思うのであります。 私は、そうした小型自動車問題それ自体にまっすぐに入ります前に、一応こんなことをしろうとにわかりやすく、また文書や図表や統計表などにおいてはたびたび承っておるのでありますが、あらためてことばとして、いま日本における自動車、大型の自動車、小型の自動車、営業車、自家用車、そういうものをひっくるめまして、自動車がどういうふうな趨勢をもってふえつつあるのか、またどういう方向にそれが進みつつあるのか、ちょっとそれを簡単でよろしゅうございますから、御説明を願っておきたいと思います。
○丹羽国務大臣 いつもよく御指導いただいております金丸先生から御謙遜な御質問をいただいてまことに恐縮でございます。先生は御謙遜でございますが、私もあまり詳しいほうじゃございませんので、はなはだ恐縮でございますが、自動車の総合交通体系に占める位置というものは非常に重要になってまいりました。それゆえに御承知のとおり道路が非常に狭隘になってきているということは事実でございます。また日本の、ことに都市交通におきましては、道路空間というものが非常に狭隘でございます。 したがいまして、自動車のうちにおきましても、ことに小型の軽自動車の占める位置というものは、あるいは駐車場の面積それからまた幅員の狭い道路その他を走るのに非常に重要になってまいりまして、いわゆる短距離輸送機関としてはますます重要の度合いを加えてまいりまして、その数も漸増しておるということが実情でございます。
○金丸(徳)委員 局長から数字をちょっと、ざっとでいいですから。
○野村政府委員 自動車の使用台数でございますが、四十五年度までの実績を申し上げますと、いわゆる貨物自動車、乗用自動車それから小型自動車、軽自動車すべてを合わせまして、自動車全体といたしまして千八百九十一万台の台数になっております。四十七年度の推計でございますが、全部の推計をいたしますと、四十七年度には自動車が全部で二千三百二十七万台に達するであろうということでございまして、そのうちただいま御審議をお願いしております、対象になっております軽自動車、これはこの中に軽の二輪も含めますが、軽の三輪、四輪が六百三十七万台と四十七年度において推定をされる、こういう状況でございまして、軽自動車が全体の自勤車の大体三分の一という状況になっておりまして、そういう数字の実情であります。
○金丸(徳)委員 本年度において三分の一という数字は、過去において振り返ってみるとふえてまいりましたか。それから今後、たとえば五年あとにはその率はどういう状況になっていくお見込みですか、その辺をちょっと……。
○野村政府委員 全自動車に占める軽の割合を見てみますと、三十九年度におきましては三九・三%というパーセンテージでございました。これは軽自動車も絶対数はふえてまいりましたが、いわゆる普通自動車もふえておりまして、四十七年度現在では二九・八%と推計されます。これが、数はだんだんこれからふえますけれども、将来を見通しますと、これは一つの見通しでございますが、全体のパーセンテージは二五%程度に五十一年度においてなるものと予測をされております。
○金丸(徳)委員 そうすると傾向としては率は減っていく、こういうのですね。今度の提案理由を見ると、ふえる傾向があるので、あらためてこの措置を講じなければならないというふうに説明されておるのでありますが、これはどういうことになるのですか。
○野村政府委員 その点でございますが、私どもの推計では、四十九年度において大体軽自動車は七百二十五万台に達し、以後は大体横ばいの状況であろうというふうな推計でございます。これに対しまして全自動車の数は、さっき申し上げました五十一年度において二千八百万台と見込まれますので、現在の六百万台から七百二十五万台というふうにふえるわけでございますが、やはり全体の二千八百万台と比べますと、軽自動車が七百二十五万台ということであれば二五%程度になるということで、数はふえておりますが、軽以外の自動車の伸びということを合わせますと、全体のパーセンテージは現在よりは減ってくる、こういう見通しでございます。
○金丸(徳)委員 私が疑問としましたのは、かつては軽自動車は無規制の状態であったのですね。かつて率が高いときにでも無規制の状態であった。それが今度全体として比較すると、軽自動車は率としては減っているのにかかわらず、規制が加わってくるというのは何か別な理由があるのでしょうか。同じように道を走っているトラックありバスあり大型乗用車あり、そういう中に入っておった軽自動車は別に車検も受けずによかった。規制を受けなくてもよろしかった。今度はその率が減ってくる。だからしろうとが考えますと、無規制の状況に置いてもいいんじゃないか、野放しでもいいんじゃないかという理屈が言いたくなるのですけれども、いかがでしょうか。何かそのほかの理由があるかどうか。
○野村政府委員 軽自動車は、いま申し上げましたような将来の予測がございますが、現状におきまして申し上げますと、非常に急速に伸びてきまして、ことに大都市等におきましては、いわゆる個人の乗用車としてあるいは中小企業の商店等の営業用車として非常に珍重されております。それは一つは日本の都市構造とか都市の道路事情とか非常に道路幅が狭くて、小回りのきく車というような点から、日本の実情に適しておるという点がございます。しかしながら一方で見ますと、軽自動車が六百万台という普及をいたしまして、そのスピードも、私ども相当制限をいたしておりますが、それにもかかわらずそのスピードの上昇というものも相当になりまして、高速走行をする機会というものが非常にふえてきております。それからまた、普及に伴って高速走行をする機会がふえ、スピードもふえる。そういうことに伴いまして、これに対する安全というものを——件数はこれも他の大型自動車に比べると少ないわけでございますけれども、確保しなければならないということと、さらに公害防止の見地からあわせてこれに対する規制を行なうということが、安全及び公害防止の見地から必要である、こういう判断のもとにやっておる、こういうことでございます。
○金丸(徳)委員 公害防止という別の理由が最近出てきたものですから、それをつかまえて、あらためて車の規制というものを丁寧にやっていかなければならぬということだったら、その意味においてはわかるのです。しかし、それは特に軽車両についてあらためてこう取り締まりを厳重にするという理由にはならぬように思う。公害の最大の元凶というものは大型じゃないでしょうか。あるいは重油なんかを使っている方面にあるんじゃないでしょうか。小型の二輪車だとか軽の四輪車だとかいうものはきわめてつつましやかに、うまいことばが出てきませんけれども、丁寧におそるおそる走っておるのですね。そういう意味においては、まあしおらしい存在、その存在をつかまえて、ほかのものには課せられない、かつて課せられなかったような規制を課するということは、何かほかのほうももっと大きく規制しておるという場合なら別なんですが、どういうものでしょうか。
○野村政府委員 先生おっしゃるように安全上及び公害上につきまして、現在の自動車の検査の取り扱いはいろいろ段階があるわけでございますが、現在やっておりますのは、いわゆる登録対象車という、俗にいわれております普通車というものをやっております。この軽自動車におきましては、これは登録もいたしておりませんし、検査もいたしておりません。しかしながらだんだんと安全の実態及び公害の実態というものを調べますと、たとえば現在検査対象になっております大型の二輪車というものがございます。これは自動車の中で、いわゆる警察等で用いられております白バイとかあるいは若者たちが乗り回しております大型の——俗に雷族といわれておりますが、ああいう人たちが乗っております二輪車でございますが、すでにもう検査の対象になっておるのです。もちろんそういうものも含めましたいわゆる普通自動車のほうが軽自動車よりも安全上あるいは公害上問題があるということは御指摘のとおりでありますけれども、すでに現在二輪車につきましても、いま言いました大型の二輪車については検査をしておりますので、今回軽を検査するといいますのは、先ほど申し上げましたようなその使用の状況、走行スピードがふえてきた、また使用される活動される範囲も非常にふえてきた、そういうことから、安全及び公害の検査をどの程度まで広げるかということを検討いたしました結果、軽自動車全部でなくて、その中で比較的用途の広い、性能の高い三、四輪車に限定をしてやろうというのが、今回御審議をお願いしておる趣旨でございます。
○金丸(徳)委員 確かに車の整備が不十分であるとかいうことから起こる事故もあるようですから、これらについて、さらに念には念を入れる意味においていろいろの指導をする、管理をするということは、まあやって悪くないこととは思います。やったほうがいいかもしれません。 ただ私は大臣にお伺いいたしたいのでありますが、いまの日本の状況におきましては、ますますこの道路交通、路面交通といいますか、自動車による輸送量というものが高まってまいる。大臣は建設のほうが専門、エキスパートでいらっしゃる、その立場から考えて、いまの道路の整備状況と両方合わして、はたしていまのような増加状況をいつまで許されるのか、かりに公害問題が科学者その他の健闘によりまして解決されたといたしましても、道路の整備状況と比較して、さらに進んでこれをオーバーするようなことになったならば、いまの不安、交通上の不安というものはますます増してくるのじゃないかと思うのです。そういう意味において、その方面の措置はどういうふうにお考えになっておられますか。
○丹羽国務大臣 ただいま御指摘がございましたように、路面交通、ことに自動車輸送の無制限の増加というものはなかなかに許されないのじゃないかと、私は端的に申しまして思っておる次第でございます。と申しますのは、最近、国会の御審議によりまして、道路建設が非常に進んでおります。漸次五カ年計画も倍々というふうに増加をしてまいってはおりますけれども、ことに都市交通におきましては、その路面空間というものはやはり非常に制約をされております。したがいまして、多量輸送ということは、もうすでに自動車輸送の限界がきておると私は思っておる次第でございます。それゆえに高速鉄道、地下鉄その他の輸送機関をもってしなければ、もう通勤、通学は可能でない、こういうふうな限界にきておりますので、私は無制限に自動車輸送にたよるということは非常に危険な状態になる、こういうふうに思っておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 そういう将来の見通しに立っていきますと、いま大臣が手がけておられまする総合交通体系といいますか、そういう政策面においてもかなりそれが具体的に盛り込まれていかなければならないと思いますし、それからそういう見通しの中におきましては、いまトラック、バス、特にトラック、いろんな大型トラックなどにおいて輸送されているものがかなりの面において鉄道に移行されなければならない。にもかかわらず、逆に鉄道は陸上輸送のほうに、陸連のほうに流れつつある。というのは、そこに何か運賃上の、経費上の問題があり、そしてさらにそれを掘り下げていきますと、陸連のほうが少なくとも線路の建設費などは負担しておらぬという基本の問題に触れてくる。つまり経費の負担が片一方は免除されている。鉄道のほうにおいては線路の保守、建設その他一切負担しなければならぬというような非常に不公平さがあるというところで料金上の不公平さが出てくる。その料金上の不公平さがいまのような陸連の状況になってきておる。これも陸連を奨励するということであるならば、一時的なそういう方法もいいかもしれません。もうこれ以上奨励はできないのだということになってくると、もとへ返って負担すべきものは負担してもらうという意味において本来の輸送体系に返ってこなければいかぬのじゃないか、こう思うのですが、そういう点について十分考えをめぐらしておると思うのであります。これはこの問題には直接関係ないようでありますが、その基本が解明されてきませんと、どうしてもこの問題を解くわけにまいりませんから、いかがでしょうか。
○丹羽国務大臣 ただいま御指摘のとおりだと私も思っておる次第でございます。いま御承知のとおり料金その他、それから定時性と申しますか、スピード化と申しますか、そういう点で貨物輸送よりもトラック輸送のほうがむしろ便利であるし、低廉であるし、そして定時性も保てるというようないろいろな問題からいたしまして自動車輸送のほうがふえておりまして、いまは貨物輸送は全体の陸運の一割八分、自動車輸送のほうが三割八分、こういうふうな傾向になっております。このままでいま国鉄の改良をいたしませんと、たとえば拠点輸送のいろいろの方策を改良しないとかヤードを改良しませんと、ますますその傾向はひどくなってくると思っている次第でございます。料金の問題も確かにあると思う次第でございます。西独のレーバープランというものが直ちに日本に適用になるかどうかということは別にいたしまして、そういう点で輸送力というものを考えて何らか取り入れていかなければなるまい、こういうふうに思っておる次第でございますが、そういう点につきましては、今回国鉄の十カ年再建計画を提案をいたしまして御審議を願う一策といたしましても、やはり貨物輸送の輸送方法の近代化をよほど徹底的にやらなければ鉄道本来の目的が達成されぬということが焦点であることも、その一つの証左であると思っておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 この問題についてやっておりますと、いろいろ時間の関係もありますし、またこの問題はきょうの本来の問題でありません。 そこで、そういうような見通しの中で、一方においては道路は整備されていきます。大型トラックなどはできるだけ少なからしめるといいますか、少なくとも末端における輸送上の方法としてはこれにたよる以外はないのでありまして、中距離から長距離にかけての輸送は最も低廉でかつ速いといいますか、ほかに公害などを及ぼさないところの鉄道に将来たよる、そういう方向で進めていきますと、道路が整備される。そういうことで車は大型はいまのような率でなくなってくると思います。そういう中においてもなおかつこのような措置を講じなければならないようなことになるのでありましょうか。実はいままで小型を無検査に置いたというのには私は大きな理由があると思うのです。小型は機械故障を起こすのですけれども、営業用のものとは違って所有者が自分で自分の車を運転しておる、大体そういうことであろうと思います。したがって、自分の車の欠陥なり不足なりは十分承知しておるはずです。無理がないはずです。そういうことを前提として、人間の善良さというものを前提にしてそれにたよってきた、それでよかったと思う。ところが最近の交通状況からいうとそうでもいけなくなった。それには小型自動車を運転する者、所有する者に原因があるよりも、いまのような大型が横行濶歩するというところにあろうかとも思ったものですから、そういう方向に全体として進むのであれば、この段階においていまやらなくてもいいのではないかというような疑問を持ったのですが、いかがでしょうか。いまの総合的な立場に立って方向とにらみ合わせますとちょっとあいまいにするように思う。
○丹羽国務大臣 私、承知しておりますところでは、もうすでに小型車の交通安全に対する障害が非常に出てきておるということは従前からいわれておったところでございまして、国会におきましても再三軽自動車に対する何らかの安全規制措置を講じなければいかぬ。また一面、欠陥車が発生いたしまして以来、装備の点においても安全の確認ということを非常に強く要望されてきておる次第でございます。これを放置しておくことは運輸行政、交通行政をしていく上におきまして非常な欠陥ではないかということが再三いわれております。すでに委員会においても御決議をいただいた、こういうことでございまして、いま現実の状態といたしましても、早急にこれらの安全に対する検査をしなければならぬという要請に基づきまして今日やっておると思っておる次第でございます。 幸いにいたしまして、いま統計によりますと、総体といたしましては小型車も大型車も事故率は漸次減少してまいりまして、これは非常に喜ばしいことでございますが、一面におきましてその車両数が絶対数においてはどんどんふえてきておる次第でございますので、そういう点から交通の安全をはかるという点におきましては、やはり今日におきましては何らかの安全を点検する組織を考えざるを符ない、こういうことになってきて今回の提案になったと思う次第でございます。
○金丸(徳)委員 事故の絶対数がふえておるということはよくわかります。これもたくさんの車が入ってくれば、ただ率においてふえておるのかどうかということと、その起こっておる事故は都会地に多いのか地方に多いのか、それから車自体に原因があるのかその他の原因、その他の状況によって起きているのかどうか、その点によってこれからの措置を講じていかなければならない。もちろん数が多くなったのだから何とかしなければならぬという声が高まることはわかります。しかし、車自体において従来と変わっていないとするならば、あたりの状況がよくなるに従ってそれは減っていくはずと思われる。そこで小型自動車に起こる事故と大型自動車に起こる事故の最近の傾向はどういうことになっておりますか。地方と都会とにおいて起こる問題その他とあわせてしろうとにわかるようにざっと御説明願いたい。
○隅田説明員 ただいまのお話でございますが、先ほど大臣から申しましたとおり、事故の絶対数は大きいほうも小さいほうも横ばいないし増加の傾向でございますが、事故の比率と申しますか、これは車両増も含めまして確かに減ってきていることは事実でございます。 ただいま先生御指摘の地方と都会の問題でございますが、ここに正確な数字は実は持っておらないのでございますが、現在の事故の一つの傾向といたしまして、都市内におきましては事故は減っておりまして、都市の周辺におきまして——これは専門の人たちがドーナツ現象と申しておるようでありますが、都市の周辺におきましては事故が増加してきておる。都市内においては走行速度が落ちておりますし、走行量がふえておる割りには事故そのものは減ってきておるというのが実情のようでございます。
○金丸(徳)委員 都市内において大型、小型も合わせて事故が減っておる。これは車自体が都市内においてはよく整備されておるということではなくて、むしろ最近は交通形態のゆえに、事故を起こそうとしても起こし得ないような状態に置かれておる。地方においてあるいは周辺においては悪い車——いなかでは悪い車を無理に使っておるということもあろうと思いますけれども、しかし、それよりも事故を起こし得るようなスピードを出したりということになるのか、あるいは運転する者の不用意さといいますか、不熟練さというものもあるのではないか。はたして車自体にそうした欠陥があるのかどうか、その点はどういうふうに証明なさるか。
○隅田説明員 自動車の事故の原因を追求する場合に、一つの単純な原因ですべてを解決するには実はいろいろむずかしい問題がございます。 ただいま先生御指摘の車両自体に欠陥があって起きた事故、われわれこれを整備事故と申しておりますが、こういう事故につきましてちょっと数字を申し上げてみますと、今度検査の対象にいたします軽自動車におきましては、一万台当たり四十三年に一・二六件、これが四十五年におきましては〇・七三件、だいぶ下がってきております。絶対数だと若干逓減しておりますが、それほどひどく下がっておるわけではありません。 それからもう一つつけ加えて御説明をさせていただきたいのでございますが、私ども事故、ことに整備事故あるいは車両検査をやります目的、こういうものからわれわれが一つ考えておるのでございますが、これは通称ハインリッヒの法則といわれておるものでございます。一般に事故の発生につきましては、大きな事故が一件あったといたしますと、それの外周には似たようなことで小さい事故で済んだ、原因その他はほとんど同じような状態だけれども、たまたま小さい事故で済んだというようなものが約二十九件ある。今度その外側には同じような状況だったんだけれども、結果において事故にならなかった、こういうものが三百件からある。だから、具体的に起きた事故が少ないからといって、必ずしもその原因を小さい原因であると考えてはならない。これがそういう原則的な事故に対してのその方面の一つの通念になっております。この車両検査の効果というものは、ちょうどこれの部分に当たるものだと思います。整備事故の件数が非常に少ないからといって、車両検査をするかしないかというだけの議論をやりますと、これは相対的な比較はできると思いますが、絶対的なものとしてそれを考えるのはいろいろ問題があると思います。実際問題としては、整備状況が完全でない自動車を運転しておりますと、必ずしもブレーキがきかないわけではなくて、そういうことによって運転上の事故を起こす可能性というものが非常に上がるわけでございます。そこら辺に車両検査の意義というものがあるわけであります。ただいま数字を申し上げましたけれども、一方においてそういうこともひとつ御理解いただきたいと思います。
○金丸(徳)委員 いまの御説明、先般ちょうだいしました關谷先生御要求の資料でもあらわれております。むしろ減っていく傾向があるものですから、それで最初から、減っていくのにあらためてワクをはめるというか、規制をするのはどうであろうかというような感じを持ったのです。しかし、最初申し上げたように、やらないよりもやったほうがいいのでありましょう。念には念を入れろということでありますから。ただ、やるとしますると、利用者にとっては相当の負担になると思います。国は一億五千万円ですか、出せばいいことになるのでありましょう。しかし、協会は料金として取るとか、その他のいろいろな方法でやっているのだけれども、それは回り回って、利用者、検査を受けるほうで相当額の負担をしていかなければならないと思います。これははたしてこれだけの負担をせしめてやらなければならないようなことでしょうか。言うならば、これだけの負担をかけてその事故を少なからしむるだけの効果があるのかどうか。いままで車検というもののあり方、結果についてずいぶん世間でも疑問があったんですね。きのうもここで議論になりました、不徹底ではないか。あるいはこれは行管のほうの意見の中にも出てきておりますけれども、十分の検査といいますか、検閲といいますか、できてない。それをそのまま放してやったというような事態もあるようであります。そうしますると、形は整ったといたしましても、悪いものが野放しになっていくのでは、結果的には同じなのではないか。といいますのは、いいものだけは喜んで検査を受けるけれども、悪いものはなるべく逃げてしまうとかあるいは何かそこに一つの工作を弄していって、不十分なまま結局使っておる。事故のもとになるというようなことになりはしないか。やるとしますると、相当徹底してこれをやらなければならないが、その可能性があるか。これはどういうお見通しでありましょうか。現段階の陸運事務所その他でやっておる車検においてすらも欠陥ありと指摘されておる。また世間でもそういうことをちょいちょい耳にいたします。私も、私の地方のほうで、これは小型ではありません。バスの会社が一台の車で検査を受けてきて、そうしてさっそくそのタイヤを取りかえて別のほうに使っておった。車検を受けたけれども、実態は依然として直っておらなかったというような事態も生じて問題になったことも聞いております。同じようなことがまた軽のほうにおいても起こるとするならば、むしろ不徹底のゆえに、金は使ったけれども事故は減らなかったというようなことになりはしないかをおそれる。この点はどういうふうな用意、心がまえ、それから体制をおとりになるのでしょうか。
○野村政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたことは非常に重要な問題であると思います。私ども現在各県の陸運事務所でやっております、いわば私どもの出先の検査についていろいろ手落ちがある、またやり方に問題があるというようなことにつきまして、指摘を受けたこともございますし、私自身もそういう資料を見ていろいろ反省をしておる点でございまして、この点につきましては、私どもも国みずからやります検査につきましても十分体制的にそういう整備をして、そういうことを繰り返さないように自粛するとともに、末端を指導していきたいと思っております。 今回軽自動車につきまして検査をやりたいと考えておりますのは、その体制の問題でございますが、いまお話しのように、従来軽自動車というものの定期点検整備といいますのは、ユーザーに課せられた、これは罰則を伴わない道路運送車町法上の義務でございました。いわばユーザーが自主的に自分の車を点検するということによって、その車の安全を保つという方法をやってきたわけでございます。そして、その事故率の全体のパーセンテージは、いままで話が出ましたようなことで、絶対数はふえておるけれども、幸いに事故のパーセンテージはダウンぎみである、そういう状態でございまして、現在の定期点検の整備ということすら十分行なわれていない、そういう状態でこれを守らなければならない。そういうことから考えまして、私どもは軽の検査を今回始めるにあたりましては、国にかわる代行機関というものを設けまして、これを全国の各県に一つずつ配置するということと、それからもう一つは、現在普通車についてやっておりますところの国の指定整備事業、いわゆる民間車検制度というものを民間の技術力を活用することによって、全国的にこれを育成して、指定していくということを期待しております。国にかわる代行検査と指定整備事業による民間検査、これを相当の分布を地方的にいたしまして、軽の検査というものが漏れなく行なわれるようにということで、このためには万全の指導体制をとっていきたい。従来の国の検査結果等につきましても深く反省をして、これを指針として今後の検査に臨みたい、かように考えておる次第でございます。
○金丸(徳)委員 これをいま局長が言うように十分に徹底してやるとすると、担当の経費がかかるのです。どのくらい見込んでおるか。もうここですでに十分究明されたことだと思うのですけれども、話を進める上においてあらためて私にも聞かせていただきたい。どれくらいの経費がかかるのか。そしてそれは一台当たりどれくらいになるのか。
○野村政府委員 私どもがいま考えておりますのは、四十八年度の十月から検査を開始いたします。それから、約六百万台の車を一ぺんにはできないわけでございまして、順次検査をしていくわけでございますが、いわゆる平年度になりまして、四十九年度を考えますと、検査によって得られる収入が大体十九億程度でございます。これが平年度であろうと思います。支出も大体これに見合う十九億程度の収支ということになって、これでバランスは保たれるだろうと思います。それからその収入の基礎になっておりますのは、検査を受ける人から一件当たりに取りますところの検査手数料でございます。この検査手数料は、現在、法律で一般車の検査手数料というものがきめられておりまして、その法律のワク内において政令できまっておるわけでございます。この中の小型車とのバランスを考えながら軽の一件当たりの検査の手数料を考えるということで、現在考えられておりますのは、一件六百円程度のものがこの検査の手数料になるであろう、こういう想定をいたしております。
○金丸(徳)委員 それで、徹底しておるというまでには、その六百円取ることによって——二年に一度ずつやればいいという計算でしたね。十分自信が持てましょうか。と申しますのは、むしろ小型車というのは、先ほど申しましたように、またあなたも言っておったんだが、むしろ自主的に、みずから戒めつつ自分の車を大事に使い、自分の車の欠陥を見つけて、進んで直すという方向に進むことが望ましいんじゃないでしょうか。人の車を運転する、会社の車を運転するという場合と違って、私はそこに、小型車の特殊性があって、いままでそれで間に合っておったということなんですね。そういう方向にこそ国は指導していくべきじゃないかと、私は根本的に考えるのですよ。それについては、もうこれよりほかに道なしと考えておるのですか。金は十九億というのですが、ユーザーのほうへ負担させるのですから、全体としてたいしたことはないと言ってしまえばそれまでですけれども、私が心配するのは、検査を受ける制度があるがゆえに、横着者はその隠れみののゆえに、かえって車の点検を怠ってしまうとか、あるいはこれは検査を受けておるからということで、無理な運転をするということになりはしないをおそれる。事故を起こしても、おれの車はもう検査済みなんだということでやる心配がある。むしろみずから常に戒めつつ、みずから常に責任を持ちつつ運転させていくという方向のほうが自主的じゃないか、こう思うのです。これについては、私は一番初めから思った疑問だったのです。いかがでしょう、くどいようですけれども、もう一度詳しく。
○野村政府委員 先生のおっしゃるように、軽自動車の場合はみずからの車を自分で運転するという、いわゆるオーナードライバーの場合が非常に多いと思います。したがいまして、そういう方はみずから自発的に自分の車を定期点検整備をするという意欲が多くて、それを励行されておるということは私どもも容易に想像できるわけでございます。また従来もいわゆる一般の検査をやります場合に、定期点検整備については軽自動車についてもやるような規定になっておりまして、これは罰則を伴うものではございませんが、定期点検整備を自主的にやりなさいという指導を極力法律に基づいてやってきたわけでございます。ところが残念ながら、今日まで業界団体を通じ、ユーザー団体を通じていろいろな定期点検整備をやってきたわけでございますが、その定期点検整備は、たとえば自家用車についてみますと、六カ月ごとに一度一定の項目の定期点検整備を、十二カ月ごとにはさらにこまかい項目が追加された定期点検整備を行なうというようなカテゴリーがあるわけでございますが、私どもの調査では、軽自動車の定期点検整備の実施率は、六カ月の定期点検整備が約六七%、十三カ月の定期点検整備については六九%というように、一般の自家用自動車に比べると特に十二カ月の定期点検整備の実施率では軽自動車のほうが非常に劣っておるというようなことで、自主的な点検整備ということだけにゆだねておきましてはなかなか十分な整備が行なわれていない。これを確実に励行させるという手段はないわけでございます。そういう意味では確かに先生のおっしゃるように——もちろん一般車についても定期点検整備をやらせておりますから、これは両々相まって自主的な定期点検と検査が必要でございますが、小型車につきましても今後検査をやりますとともに、自主的な定期点検整備をさらに励行させるように指導するということが事故防止上も必要だと思いますので、そういう心がまえで指導していきたい、かように考えおります。
○金丸(徳)委員 徹底しなければ不公平を生ずるという心配を持つことが先に立つものですから、横着者に利益をさせる、善良なるオーナーに六百円でもよけいな負担をさせたくない、そうあるべきだと思うものですから、あえてこれを問題にしたのであります。 そこで、公平でなければならない、徹底しなければならない、定期検査をやるから、こういうことでありますが、自動車の使用方については、中には六カ月で一万キロ走るのもある。一年たっても千キロしか走らない車もあるでありましょう。それから町のたんたんたる車道を運転する車はいたみも少ないでありましょう。地方のでこぼこ道を走る場合においては、同じ千キロ走っても車のいたみ方その他は違うでありましょう。またドライバーの技術のじょうず、へたあるいは誠実さいかんということによっては車のいたみ方も違うでしょう。したがって、こういう車の検査だとか点検だとかいうことは、外部からある期間をきめてやってもとうてい徹底するわけには、あるいは少なくとも公平なる措置を講ずるわけにはまいらない本質的なものを持っているのじゃないかと思うのです。それで期間を定めてやるということが前提となる限りにおいてば、いかに公平になろうとしても公平になるわけにはいかないと思うのです。不公平さが必ず伴う。不公平さが伴うということであると、そこにまた横着者が得をするというような事態が生じてくるものですから、これはもとに返って、自主的に管理し、丁寧に扱うという方面に指導の重点を置いてなさったほうがより効果的であり、長い目が見るとそのほうがとるべき策だということのように思える。いかがですか。 私はいろいろ今度出された規定を実は横読み程度に読んできたのでありますけれども、一番なにしたのは二年ごとにやればいいということなんです。この点だけを考えてみても、これは非常に不十分であり、不徹底であり、かつ不公平であるを免れない、こう思うのですが、この点はどういうふうに措置なさるおつもりなんでしょうか。
○野村政府委員 今度検査を適用いたします場合に、先生おっしゃいましたように、軽自動車については二年ごとにその検査をするということでございます。これは画一的といえば画一的でございますが、軽自動車の構造、装置のもとに、先生のおっしゃいましたような使用形態あるいは運転の態様というものから現実にはその車のいたみ方というものは違うわけでございますが、義務として少なくとも二年に一ぺんは検査をしないとその車を走らせないようにするという強制力を持った検査でございます。そういう意味でこれは画一的なものでございます。ただ、ただいま先生おっしゃいました定期点検整備、これはユーザーがみずから行なうものでございまして、もちろんその罰則はございませんが、自分の車の使用状態に応じて、あるいは道路の状態に応じて定期点検整備をみずから行なうということで、いわば法律に基づくとはいえ、きわめて自主的なものでございまして、この両方でもって私どもは安全を保ちたい。そういう意味でもちろんユーザーが自分の車を愛するがゆえに、あるいはその交通の安全を願うがゆえに定期点検整備に力点を置いて、極端にいいますと、その二年ごとのいわゆる継続検査というものはもう受けなくてもいいぐらいに定期点検整備が行なわれれば、それは私はまさに理想的な状態だと思います。ですから、先生のおっしゃいます自主性を生かして定期点検整備に力点を置いて指導したらどうかというお気持ちはよく私どもも理解できるわけでございます。ただ二年ごとの継続検査というのは最低限の法律の歯どめと申しますか、画一的に課する義務でございます。私どもはもちろん自主的な定期点検整備を大いに活用されてそれが非常に効果をあげるということであれば、これは非常にけっこうなことで、そいう方針で指導することについては私どももやぶさかではございません。
○金丸(徳)委員 まあこれをいろいろ押し問答しておってもただくどいだけになります。それはやらないよりもやったほうがややよい程度にきり私には思えないのであります。むしろやらないほうがあるいは結果的にいいのではないかとさえ思う。というのは、横着者の隠れみのになりはしないかをおそれるからであります。もしこれをやるとしますならば、そういうことを十分警戒しながら取りかかってもらいませんといけません。 そこでもう一つ、これも実際の仕事を受け持つところの軽自動車検査協会ですか、これは先ほどもお尋ねいたしましたが、十九億ぐらいの収入をもって十分やれるということのようであります。はたしてこれでいけるものかどうか。この程度の経費をもっていま世間から一番問題にされておるような交通地獄、それから排気ガスに伴う大気の汚染というような大きな問題を、——大臣の説明によりますると、それがねらいである、こう言われておりまするが、それが数からいいますと、三分の一か四分の一になりますか、減ってくるということならばあるいは安いものであるという考えも出てくるかもしれません。しかしそうであればあるだけ、この協会の内容というものは充実されていかなければなりませんし、そしてそれに携わる人たちは、いまの陸運事務所の人たちがやっている誠実さといいますか親切さといいますか、私どもはそれを期待しておるのですが、それ以上の誠実さ、親切さを持って仕事をしていかなければならないと思います、新しい負担として、新しい制度としては。この点について確信を持たれますか。一年の時間があるようですから準備を整えなければならないと思います。 ただ、私一つ心配いたしまするのは、現在の車検制度におきましても、先ほど申し上げましたようにとかく欠陥がある、不十分さがある。官庁事務としてやった場合においてもそうした事態も起こしやすい。行管としても常に忠告も各地においてやられておるようであります。私はこれを否定することができない事実も知っておりますから、あえて申し上げます。としまするならば、それに対して陸運事務所以上の心がまえ、体制というものがなければなるまいと思います。この点どうでございますか。と同時に、そういう体制が軽自動車においてとられるとしますならば、大型自動車、もっときびしくやられなければならないはずの大型関係については、どういう体制、準備をなさっておられるか、それについて承っておきたいと思います。
○野村政府委員 今度の軽自動車の検査を開始するにあたりましてこういう協会を設立をしてこれによって検査事務を実施しようということで、この点につきましては先生いまおっしゃいましたように厳正公平にして能率的な検査をするということは全部が努力をしなければ非常にむずかしいことであると思います。そういう点につきまして私どもは陸運事務所の過去の検査の業務につきましていろいろ関係方面から指摘をされ、また自粛自戒して今後そういうことがないようにやらなければなりませんが、この検査協会につきましては大臣の厳重な監督のもとにまずその設立について認可するほか、業務方法書を大臣の認可にする、あるいは検査事務を認可にする等々、またその役員の任免につきまして大臣の認可にするというようなことで、あとう限り役所側におきましてはこれに対する予防的な監督を強化するという体制を法律でとっておるわけでございますので、これが文字どおり厳正に履行されて、この法律で担保されておる厳正な予防的な監督が行なわれるようにということで、私ども最大限の努力をいたしたいと思います。 それから陸運事務所の、国がみずから行なっております検査につきまして、いままでいろいろの点が不備あるいは手落ちがあったという御指摘に対しましては、私ども率直にこれを反省しているわけでございますが、このためにはやはり自分たちの業務の適正な運営を期するとともに、民間の事業者に対しての監督体制を強化していかなければならないということで、私ども特に民間の指定整備事業者を指導監督するための要員については、毎年予算要求をして、わずかずつではございますが、これがついております。しかしこういう体制ではまだ不十分でございますので、これは単に数的に人数を整えるということではなくて、心がまえの問題とそれからその監督要員の確保というものと相まって、いままでの世間からのいろいろな批判、指摘というものを十分反省をいたしまして、むしろこの設立されるであろう協会の模範になり得るような陸運事務所の建設にあたってまいりたいと思っておりますので、よろしく御指導のほどをお願いしたいと思います。
○金丸(徳)委員 御意見をそのとおり承って期待するものでございますが、きょうは行管のほうから近藤さんに出席願っておるのでありますが、行管のほうではお立場上各地において現場のほうのいろいろの事情をよくごらんになっておられるようであります。そして指摘された状況によりますと、手が足りないゆえに不十分であるというような意見も付されておるのでございますが、そういう中において、今度またあらためて新しくこういう制度がとられようとしております。そして、それは新しい協会をつくってというような考え方であります。こういうことがあなたのほうの立場から、長い経験を持ち、広く全国的に見られて、いまの交通地獄、交通公害というようなものを少なからしむる意味においても、こういうやり方、こういうあり方で御満足なさるおつもりなんですか。この席で運輸大臣に何かあらためて意見を申し上げ、忠告なさっておくというようなことがないものかどうか、ここでひとつ承っておきたいと思います。
○近藤説明員 ちょっと御了解いただきたいと思うのですけれども、行政監察と申しますのは、行政機関の業務の実施状況について監察し、勧告をするというたてまえになっておりまして、まだ業務が実施されてないものについて行政監察の立場からものを申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。
○金丸(徳)委員 それでは、過去の実績について何かひとつ御意見がありませんか。
○近藤説明員 今度できます協会とは別の、現在行なわれております民間の自動車整備工場の実態につきましては、私ども調べました結果、十分でないという点は把握しておりまして、この点につきましては改めてほしいということを運輸省のほうに申し上げております。
○金丸(徳)委員 時間がもう過ぎましたからこれで終わりますけれども、実はあなたのほうから運輸省に向かってあるいは自動車局長に向かって出された御意見については、ずいぶんきびしいものがあるようであります。そういう御意見はごもっともだと思う。よくわかります。と同時に、現場においてたくさんの車を処理していかれる上で、あそこの人たちが非常に苦労なさっていることもよくわかっている。にもかかわらず、なかなか手が足りないのですね。そしていい人が行かない。現場の仕事ですから、ただいいかげんにやればいいということじゃなくて、くどいようですけれども、やはりそこは切実さ、親切さがないと検査が検査にならない、指導が指導にならないのですよ。そういう人にあそこに行ってもらわぬといかぬということですから、あなたのほうで監察なさり、お小言なさると同時に、ひとつその方面からも積極的なる運輸大臣の応援体制をとっておいてもらわぬといかぬのじゃないかとぼくは思うのです。 そこで大臣、私はこれで質問を終わるのですけれども、冒頭に申し上げましたように、モータリゼーションといいますか、自動車時代を迎えまして、ますます自動車が現代の社会において、あるいは経済的、文化的においても大きな影響力をもってきている。いい面において、悪い面においても、自動車はいまや現代の怪物なんですよ。非常に大きな仕事もしているし、ある面においては、この地球をつぶすのじゃないかといわれる公害の元凶とまでいわれているという意味において——これは通産大臣あたりとも十分なにしなければいかぬと思いますけれども、車の改良なり、それから道路との関係において相当規制の方向をとっておかれる必要があるのじゃないか。同時に、そういうねらいにおいて、総合交通体系においては、単がふえていけばいいのだとか、自動車がふえたから高度成長だということでなく、根本的に考えを進めておかれるべきじゃないかと思います。そういう意味においてさらに一つのねらいは、オーナーなりドライバーなりの人間的素養といいますか、品性といいますか、なかなかむずかしいことだと思いますが、そういう方面の指導なり監督なりをやってもらわなければいけない。今度の制度は、そういう指導とは逆にいくような気がしてしょうがないものだから、大事な時間を一時間ばかりちょうだいして、くどいようですけれども尋ねた。ねらいはそうあってほしい、それが根本的な解決策ではないか、こう思うものですから、大臣、それについてどうお考えになりますか、承って、私は終わります。
○丹羽国務大臣 ただいま金丸先生から御指摘いただきました自動車の装備、点検、また操縦も自主的に行なうのが第一根本じゃないかという御意見のように承った次第でございます。私も事実そのとおりであると思うわけでございます。ただ定期的に点検するだけでは、私は十分安全性が保てるとは思わないのでございまして、その安全性を保つための一つの方法であると思っておる次第でございます。 また輸送手段としての自動車の限界、他の輸送機関との斉合性、これがこれからの運輸行政の一番大きな根本の問題であると思う次第でございます。私、運輸省にまいりましてから、それらの点をいかに具体的にその限界をきめるかというのにせっかく苦慮している次第でございます。またこれが立ちませんと、ことに国土狭隘なわが国におきまして、道路その他交通空間の少ない日本におきまして、完全な円滑な輸送はできない、輸送体系も確立しない、こう思っておる次第でございまして、私どものほうも斉合性の点を重点にいたしまして、せっかくこれから運輸行政の根本的な確立につとめたいと思っておる次第でございます。一そう御鞭撻と御指導をお願いしたいと思います。
○金丸(徳)委員 どうもありがとうございました。
○小峯委員長 田代文久君。
○田代委員 まず大臣に質問いたしたいのですが、今度軽自動車検査協会がこの法律によってできるということについて、いろいろ巷間、好ましくないかどうかわかりませんか、そういううわさが立っております。つまりそれはこの協会の常勤役員の問題です。 〔委員長退席、細田委員長代理着席〕 昨日来、これは非常に重大だということで質問があっていたようですが、なお確かめておきたいのですが、現在本省で勤務し仕事しておられるそういうメンバーがこの協会の設立と同時にそこに横すべりされるというようなことがあるのかないのか、それはまた、すべきかすべきでないかという、基本的な見解をひとつ明らかにしていただきたい。
○丹羽国務大臣 ただいま田代先生からの御質問でございますが、昨日来、この検査協会の人的構成、これが非常に問題で御指摘をされておる次第でございます。私も、その機関が所期の目的を達成するかどうかというのは、構成に適材を得るかどうかということにかかっていると思います。そういう点につきましていろいろの禁止条項、公務員はいかぬとか、メーカーはいかぬとか、この法文に書いてございます。それらも含めまして真の意味の適材を持っていきたい、こう思っている次第でございます。いわゆるよくいわれておりますように、公務員をしていたけれども、もう退職で行くところがないから行かせるとか、そういうようなことは絶対にさせない。行かせる場合にはむしろ公務員としても惜しい、またもう少し残しておきたいけれどもそっちのほうが重要だから行かせるというような、もし人があればこれをやりたい、こういうふうに思っている次第でございまして、そういう点も含めまして今回の協会の委員、この重要性ということから考えまして、ただいま白紙でございますが慎重に検討して適材を得ることにつとめたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○田代委員 ただいまの御説明ですと現在やはり本省で仕事をしておられるという方も、この協会の設立と同時にそこに行かれるという可能性もあるというように理解したのですが、そうなんですか。
○丹羽国務大臣 適材がございまして、しかも本人がいまの現職を退任をしてもそっちへ、新しい仕事をやる、しかもそれが適任であるというような人材がございますれば、これを拒否するものではございません。
○田代委員 そこに非常に問題かあるので、この協会の設立というのはそういうことが非常に深い意味を持っているんじゃないかということでいろいろ言われていることなんで、その点で私どもは現在本省でとにかく仕事をされている人が適材また技術的に入り用だというような理由のもとに、それが横すべりされるということがもう事前に大体認められておるということになりますと、これはやはり非常に問題が大きいんじゃないかと思います。いま、大臣が、大体しかしそういう方向をとるんだということを、そういうこともあり得るということをおっしゃいましたが、これの問題は、私どもとしては非常に重要に考えておりますし、協会を設立する本旨、ねらいがどういう点にあるかという点についても、これは疑惑を持たざるを得ないという点を一応申し上げておいて、時間の関係から次の質問をいたします。 大体この協会の設立、したがって本法案の実施にあたっての予算ですね、この設立の予算をどうするかというようなことが昨年来問題になったわけなんですね。そのときに、きのうも同僚議員の質問の中に、いわゆる船舶振興会の出資という構想があったのじゃないか、それは実際どういう理由でそうなったのか、現在どうなっておるんだというような御質問がございました。それについていろいろ御意見がありましたが、この点につきましては、私どもやはり依然としてこれは非常に大事な問題だと思いますので、これがどういう形でそういうふうになったのか、そしてまたそれが取りやめになったのか、また将来どういうように考えておられるのかという点について大臣から御説明いただきたい、このように思います。
○丹羽運輸大臣 船舶振興会から一定の寄付を求めてそれを事業費にするかどうかということは、その経過のときは私おりませんで、あとから聞いた次第でございまして、ただいまはそれを考えていない。それらの振興会から出すということは考えていない。事務段階におきまして決定を見た次第でございますので、詳しくその理由につきましては自動車局長から御説明に当たらせます。
○野村政府委員 ただいま大臣からお答えになりましたとおりでございますが、この協会を設立するときに、昨年の八月ごろからいろいろな案をつくって、どういう性格のもので資金の調達をどうするかという論議を部内でいたしました。そのときに、一時船舶振興会から資金を導入してということを私ども部内で考えたことがあるのは事実でございます。しかし種々検討いたしました結果、国の業務を代行する、いわば代行機関というものが厳正公平に業務をやるためには、その資金というものの源泉を国の資金から導入するのが一番いいということから、いろいろ大蔵省とも折衝いたしまして、資金としては全額政府出資の資金でまかなう、そうして政府出資の資金で間に合わないところは、これは銀行から借り入れをしてまかなうということでございまして、平年度的には検査手数料の収入と支出とがバランスをとるような、先ほど申し上げました十九億程度のバランスでもってやるということでございます。したがいまして、今後とも政府の出資の要求は私は要求しようと思っておりますけれども、そういう船舶振興会等、民間の団体から出資を仰ぐというようなことは考えておりません。
○田代委員 そういたしますと、これはまだはっきりしないのですが、つまり船舶振興会からという、そういう構想が浮かぶについては、いわゆる船舶振興会のほうから、そういう協会ができるなら自分のところは資金がたっぷりあるからひとつ金を出しましょう、というふうに申し出なりであったのか、それとも運輸省自身がそういう構想を初めからお持ちになったのか、その点はどちらなんです。
○野村政府委員 その点につきましては、もちろん船舶振興会から、そういう協会ができるならば私のほうの金を出してもいいという申し出は全然ございません。私どものほうでこの資金の調達をどうするかということを局内でいろいろ検討いたしておりました段階におきまして、なるべくその資金コストを安くするために出資を多くする、あるいは借り入れ金は長期低利の金を借り入れようというような議論をしておりましたときに、私どものほうは課長レベルの段階で検討をして、と申しますのは、船舶振興会はもちろん本来は競艇の上がった金を持ってきて、それを造船工業あるいは造船関連工業その他海事振興、海事思想の普及等のために出すということが一番大きな目的でございますが、あわせて公共の目的のためにも出資をする、あるいは補助金を出すというようなことがあって、造船関係の仕事、海の関係の仕事以外にも金を出している例があるわけでございますので、もしそういうことが可能であれば船舶振興会から出資を求めるということも考えようかという、事務的な段階での検討でございまして、私どももいろいろ検討いたしました結果、もちろんまだ話が船舶振興会の首脳部にも上がらない前に、私どもの課長と向こうの担当者との話し合いのあった段階で、私どもこれは全額政府出資にしようという方針をきめまして、そして予算要求時にはもうそういう方針を確立いたしましたので、船舶振興会との話は去年の秋に立ち消えになってしまった。以後、今後とも船舶振興会の金を導入するという計画はございません。
○田代委員 いま立ち消えになっているというお話で、これは私ども当然だと思うのです。 〔細田委員長代理退席、委員長着席〕 しかし私がいまはっきりさせなければならないものは、この法案そのものが持つ一つの影というものを感ずるわけなのです。とにかく政府自身が、あなたたちは課長クラスかどうか知りませんけれども、こういう国家の重要な検査というような事業を構想するにあたって、その資金を船舶振興会にひとつ仰ごうじゃないかというような構想自体が私はどこから起こるかと思うんですよ。実にふしぎでならない、そういう構想そのものが。そして船舶振興会以外はどういうことをやっているかというんですね。これはいまおっしゃったようなことをやっておられるでしょう。しかし船舶振興会がやっておるのは、一般の国民的な立場からいえは競艇の上がり金というようなことでしょう。競艇というのは大きな意味からいえば、これは実際において国家的なギャンブルですね。俗なことばでいえば大きな国家的な事業によるテラ銭というか、そういうものによって運営されている。したがって国家そのものが非常に健康に発展していく中では、そういうものは当然克服され、解消されなければならない内容を持ったものでしょう。ところが、そこにまず資金を仰ぐというような構想を政府自身がお持ちになるということは大体どういうことかというですよ。私は、そういう構想を大体また運輸省が持っていること自体がこれは実にけしからぬ、おかしい、実際において。いかれているのじゃないかという疑惑を持たれてもしようがないと思うのですよ。かりに、そういうところからばく大な資金が——これは初めから半分ということですが、入ってきたとしますね。どうしますか。単なる資金を出すことによって、一定の金利に相当するか何か知りませんけれども、そこであれをあげるということではなくて、だんだん実質において、非常に根を張るということを想像なさいませんか。そうして、結局車検事業というものがどういうことになるのかということですね。とにかくこれは、協会から申し込まれていればなおさら問題ですけれども、設立するにあたって、すぐぴんと頭にきたのはとにかく設立の予算ですね。これについてここにひとつ資金を仰ごうじゃないかというような構想からされているということはもってのほかだと思うのですよ。そういう構想がいささかでもあったならば、私は、こういう協会を設立する意味はないし、また、すべきじゃないと言わざるを得ないのです。その点はどうです。
○野村政府委員 その点につきましては、私どもが考えましたのは、できるだけ資金コストの少ない金を導入しようということから、いろいろ事務的な案を持ち寄って局議をした、その過程の中におきまして、一つの案として、船舶振興会といいますのは、いろいろ先生の御設例にありましたような、すでに造船工業会とかあるいは船舶関連事業等に金を導入して、相当公共目的のために使われているようなこともございますので、これは海と陸と全く関係がないといえばないにしても、そういう金を公共の事業に投入をするということもありますので、そういうことが事務的な検討の過程において出たということでございます。しかし、何べんも申し上げますように、私どもいろいろ検討しました結果、この業務の性質にかんがみて、全額政府出資にすべきであるという結論に到達いたしましたので、このお話というものはもうそれでさたやみになったわけでございます。今後ともそういうことは考えていないわけでございます。したがいまして、これはたまたま自動車局の局議の席上におきまして、各担当課長あるいは関係課長がいろいろな案を持ち寄って、それをたたき台にしていろいろな案を出した過程においてそういう案が出たということでございまして、私どもは、それを局内において慎重審議をして、自動車局の案として固める段階におきましては、もうすでに全額政府出資という意見を固めて省議に出したわけでございます。それはたまたま局内の審議の過程でそういうことがあったということでありますので、さように御理解をいただきたいと思います。
○田代委員 そういう説明がおかしいんですよ、実際に。過程においてそういう構想がなぜ出るかということを私は問題にしているわけですよ。国家的な検査というような事業をやる場合に、とにかく資金が有利であるというようなことがかりにあっても、これはどういう性質の金であってもいいというようなものじゃないでしょう。それで、結局結論としては、いろいろそういう点で問題があるものだから、まあ正しい結論を出されたわけですね。運輸省としては、初めからこれは予算そのもとしてもたいした金じゃないですから、当然これは国家の資金でいかなければならぬでしょう。また、そういう基礎的な厳然たる態度をとらなければ、こういう検査事業というのはうまくいかないという構想が、第一番に一〇〇%なくてはならぬと思うのですよ。いささかもいまお話があったような構想が出るという余地、どこにそういうことがあるかということを私は——政府の機関の中の運輸省自体がそういう欠陥を持っている。ですから、正しい結論が出ていれば過程にどういうことがあってもいいじゃないかというようなお話しのようですけれども、そういうことじゃないですよ。われわれ国民としては、そういう構想を政府自身が持っていること自体、はっきり反省してもらわなければ困る。そのこと自体がこの法案の持っておるかげりというものを非常に明確にするのじゃないかということなんです。それをはっきりさせておいて、今後明確に注意していただくということにして、法案の内容に入っていきたいと思うのです。 そこで、質問いたしますが、この法律のメリットといいますか、これが私どもには十分理解できないのです。結局、これは機関の安全を基礎にして出されておるということですけれども、非常にはっきりしているメリットといえば、これはただ政府が、安全確保という名目はいいのだけれども、結局自動車税あるいは重量税を一〇〇%取れるというメリットがやはりありますね。それからまた、いわゆる自賠責の保険の加入を非常に促進するということも、これはいわれましょう。そこにポイントがあるのじゃないか。だから一面からいうと、自動車メーカーの利益がこの法案によって非常に有利にされるというような方向が出るのじゃないか。したがって、欠陥車の問題が非常に問題になっておりますけれども、この法案によって、欠陥車の問題がほんとうにわれわれが期待するような方向で解決されるのか。一面からいえば、欠陥車問題というものはますます混迷した形になるのじゃないかというような疑惑を持ってこざるを得ないような内容を持っているのじゃないか。検査というものはとにかくいいかげんなことでは危険であるし、まずいので、なぜこれを国家の手によって、き然として検査の全責任を、直接責任をとってやるという体制を維持されなかったか。きのうからも質問がありましたけれども、結局これを民間に回そうが政府がやろうが、費用は同じだとおっしゃいましたね。費用が同じならば、なぜ国家自身がやらないかということなんです。どうです、そういう点。
○野村政府委員 その問題につきましては、昨日来いろいろ先生方との間に御質疑があり、また御答弁申し上げたわけでございますが、結局検査という問題を国家がみずからやるということが、これは一つの原則的なたてまえであると思います。しかしながら、軽自動車の検査をやるという場合に、軽自動車の構造、装置、そういう技術的な面、それから国家がこれに十分監督を加える予防的な監督あるいは強制的な監督の面から見て、国家がやると同じような所期の目的を達することができるということであれば、こういう法人をつくってやるということも考えられるという見地から、いろいろ論議はありましたが、結局国にかわる、国家の代行機関としての軽自動車検査協会を考えたということでございまして、そういう、第一義的に国家がやるということはもちろん基本的なたてまえでありますが、いま申し上げましたような面から協会が代行機関としてやるということを考えたわけでございます。
○田代委員 それでは質問いたしますが、この協会も指定工場制度というのをどんどんつくって発展させるかどうかという問題と、それから先ほどちょっと質問が出ておりましたけれども、特定メーカーのある種の部分品とか構造について十分メスを入れるようなことをやられたか、またやられていないとすれば、これは今後どういうことによって十分しようとしておるか、そういう点について御説明願いたいと思うのです。
○野村政府委員 二つの点でございますが、まず第一点で、いわゆる普通自動車についてやっておりますような指定整備事業の指定、これはその権限があくまでも大臣にといいますか、運輸省に留保されております。したがいまして、軽について民間車検をやる場合には、この協会は民間車検場を指定するというようなことはございません。これは国がみずから指定をやります。それが第一点でございます。 それから第二点の型式指定、これは継続検査の業務をこの協会にやらせるということでございまして、自動車の構造、装置についての新しい型式を指定をするという業務は、これはあくまでも国の業務として保留されるわけでございます。そういうことでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。
○田代委員 いまの御説明ですと、実はきょうの質問の中に出たのですけれども、大体運輸省としては、初めはこれは公益法人という考え方でおったのだけれども、しかし結局は民間法人にしたのだという御説明でしたね。やはりここに問題があるのじゃないか。公益法人という構想を持っておって、それから民間法人になぜ切りかえられたのか。その点について、これは民間からも要望があったという説明が、たしか大臣かあなたからかありましたね。これは、つまり民間がこれを民間法人にしてほしい、われわれのほうにやらせるようにしてくれぬか、そういうような要望が出たのか。したがって、初めとにかく公益法人でいこうというたてまえにしておったのを、なぜそのように変えられたのか。それをひとつ説明してください。
○野村政府委員 その点はこういうことでございます。民間におきましては、一昨年来のいわゆる自動車の欠陥事故問題がありまして、リコール制度が確立をされたり、いろいろな問題がありました時点から、軽自動車の検査の問題についてはいろいろ甲論乙駁、議論がございました。その間私どもも何べんも民間の団体等と論議を重ねました結果、軽自動車について近く検査制度が適用されるということについてはやむを得ないと申しますか、民間としてもいつまでも反対をするものではない。したがいまして、民間の自動車メーカーあるいはディーラー等の団体におきましても、近く国として軽自動車の検査をやるということには、むしろこれはもうできるだけの協力はしようという意味でございます。そういう意味で、軽自動車の検査をどういう組織によってやられるかは、これは民間としては別でございますが、要するに、国が法律を出してそういう検査をやることにはあえて反対しない、むしろ協力をして、そしてやるべき点は自分たちとしてやらなければならぬのじゃないかという空気でございました。したがいまして、私どもがそれを国でやるか、あるいは公益法人をつくってやらすか、あるいは認可法人という形態でやらすかということにつきましては、部内でずいぶん、昨年の夏から秋にかけて論議をしたわけでございますが、そのときにはもちろんいわゆる外部の民間の団体の意見というのは聞いておりませんで、運輸省の中で予算の局議をする、あるいは省議をする段階におきまして、その法人の性格論争をしたわけでございます。その中で、最初は私ども実は民法の公益法人ということで考えておったわけでございますが、やはり国の業務を代行させるということになれば、もっと公的の色彩の多いものでなければならない。民法の規定は、御案内のように、今日から見ますと、公益法人の規定は非常に不備でございまして、このような国の代行業務をやらせるための監督規定、あるいはいろいろの運輸大臣の許可に対する認可規定あるいは解任命令とか兼職禁止の規定とか、そういうことは、かりに民法の法人にやらせても、また新たに法定しなければならない。そういうことを考えるならば、いっそそういう不備な民法の法人をつくるよりも、十分その目的に合致したような規定を盛り込んだ法人をつくるべきであるということに意見の一致を見まして、この認可法人になったわけでございます。この論議の過程におきましては、もちろん民間の関係の団体、ディーラー、ユーザー等の意見というのは別に聞いておりません。私どもは、役所の独自の立場から検討をやったわけでございます。
○田代委員 あまりに佐藤内閣なり現在の政府は、民間の企業の意見をすなおに聞きいれられ過ぎていますよ。これはもう少し裏を読んでもらわないと国民は迷惑する。おかしな言い方ですけれども、これはこういうことなんですよ。つまり民間が要望されたというのは、いまあなたがおっしゃったような単純なものではない。そのように私たちは考えざるを得ないのです。もう少しほんとうによく裏を読んでくださいよ。実際それで国民が迷惑するわけです。 そこでお尋ねいたしますが、大体車検ということは、まずこの法律関係から見て、どのように御理解なさっておるか。普通車検といいますと、これは別なことですけれども、現在軽自動車に対して車検がないということで非常に国民の歓迎を受けておるわけですね。今度これをやると、これはとにかく車検の検査料からいろいろなものが非常に取られるということで、物価にもはね返ってくるということになるわけですが、とにかく車検ということは、ただ部品の損耗とか、それの補充とかいうように一般には、俗に考えられるような点がありますが、そういうものじゃないでしょう、車検というのは。私どもは、とにかくそういう点も当然車検の対象にしなければならないけれども、現在の欠陥車の問題を考えますならば、メーカーがつくった製品、それの一定期間使用後における信頼度を点検する。点検した結果は、これはとにかく全然使わない新品であっても、非常に欠陥があるということを国家としては、また政府としては発見して、それがそういう欠陥を持ったものであれば、これは売り出す前からこれに対しては規制をするということをしなければ、ほんとうの欠陥という問題は解決しないでしょう。それをとにかく十分やっておるかどうか。きのうからの説明によりますと、全くこれはめちゃくちゃですよ。あなたは首をひねられるけれども、きのうの茨城県の水戸あたりの実例はどうでしょう。こういうことがやられて、車検もくそもないじゃありませんか。むしろそういう法律のために野放しにやられておるという形になっているでしょう。ですから、時間を非常にせき立てられますから結論を申し上げますならば、大体車検の考え方が、つまりそういうことになっておって、ほんとうのわれわれ国民あるいは車の所有者の立場からのあれに十分立っていない。ただ車検をとにかく民間のほうですることによって、そしてむしろこの法律のねらいというものは、政府がこれをとにかく全部おっかぶるのじゃなくて、これを全部やるということになるとこれはたいへんだ、できるだけ民間に落としてしまって、息を抜こうというふうにしかとられないのですよ、これはどう考えても。その結果はどうなるかということですよ。国家の直接的な責任がある車検ということがおざなりにならざるを得ないのじゃないか。それは私は、いままで申してきたところによっても、そういう点が初めから至るところにちらちらしておると思わざるを得ないです。 そこで、先ほどから申しておるわけなんですけれども、いま言っているように、これをずっと下のほうに下げていって、そして代行させるということになる場合、それを指定する場合に当然メーカーが割り込んでくることは明らかですね。そうすると、メーカーが自分のつくっておるところの部品とか、あるいはいろいろのものをそこにとにかく持ち込む。そこを、むしろ自分の製品を販売させるために、有利にするためにこれを活用するというようなことが考えられなかったかどうか。私は、その点が非常に考えられるのじゃないかと思う。メーカー自身がこれをとにかく利用することによって、当分も販売体制を有利にする。その車検によって、とにかく車検を下請、代行するところで、その部品というようなものをいろいろと自分のやつをどんどんつぎ込んでいくということのために、メーカーはそういう点で非常にメリットがある。そうすると、肝心の車検、安全のためのこの目的というやつはその点で非常に薄められるし、また、メーカーがその自分の部品をそこで検査するというような体制になってきたら、これは厳密な意味においてできないんじゃないですか。非常にそこに手心が加えられる。ですから、なぜこれを、基本的な考えとして、国家の直接的な責任においてやらないか。いわゆるこれを民間に移すということ自体が非常におかしいし、また、いま言ったように、メーカーがこれを利用する、メーカーのメリットのために役立たせるという方向が出てくるわけですね。一向安全の解決の方向には役立たないということになることを、なぜ十分これは考慮されないのかということの質問なんです。どうです、その点。
○野村政府委員 先生せっかくの御質問ですが、私は誤解なさっておられる点があるんじゃないかと思います。それは、先ほど申し上げましたように、この協会がやります継続検査といいますものは、使っている車を二年ごとに検査をして、その検査は、保安基準に適合しているかどうかということだけを見るわけでございます。したがいまして、その部品がどうであるとかあるいは型式がどうであるとかという型式指定は、これは軽自動車といえども国がみずからやるわけでございまして、この機関に委任いたしません。 それから、どこを民間車検場に指定するかという指定整備事業の指定、これは国がやるわけでございまして、この協会にはやらせません。言いかえますと、この協会は、ユーザーが持ってきた車、現に使用中の車を二年ごとに検査をするというきわめて技術的なその実務をやるわけでございまして、そういう行政的な型式指定とか、指定工場の指定などということはやらないわけでございますから、御懸念のような、この協会が云々ということは全くございませんので、その点についてはひとつ御理解いただきたいと思います。
○田代委員 もう時間が来てしまってあれですが、それでは、いまおっしゃっていた、この法律でやる以外の検査ですね、いわゆる安全を確保するための方策はどういう方策なんですか。
○野村政府委員 国のやっております検査、これは型式指定あるいは指定工場の指定、広い意味のそういう業務全体を見まして、これは外部からいろいろと御批判があり、また、昨日来あるいはきょういろいろ御論議がありましたように、私どもとして反省しなければならない多くの点があるということは、これは私ども率直に認めております。この点につきましては十分自粛自戒して改善をしていかなければならないと思いますが、ただいま先生の御指摘のこの協会という問題とはこれは別に、国自身の問題として、改むべき点は改めて是正をしていきたい、かように考えております。
○田代委員 私は、いまの説明では納得できませんが、これは他日に保留して、また質問いたします。
○小峯委員長 次回は、明十四日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開くこととしし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時二十四分散会