運輸委員会 第10号
- 発言数
- 104 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1972/04/07
会議録
○小峯委員長 これより会議を開きます。 道路運送車両法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
○關谷委員 この法律案は、安全性の確保と自動車の公害を防止するために、車両検査の対象範囲を軽自動車にまで及ぼし、これを軽自動車検査協会にやらせるというきわめて簡単な法案でありまするので、問題点は限られた範囲にとどまるものでございます。大きな論点はもう安全確保、公害の防止、技術の向上、これが中心となるわけでございます。 そこで、以下簡潔にお尋ねをいたしたいのでありまするが、まずこの検査登録とかあるいは検査証の発行というような行為は、国の行政権の行使でありまして、これを公団とかあるいは協会というふうなものに委託をするということは、従来は疑義があるとせられておったのでございます。国家行政組織法ができまして、すべて行政は法律によらなければならないということになって、昭和二十五、六年に大量の法律が制定をせられたのであります。その当時、私は法律制定の作業にタッチをいたしておりましたので、いろいろ議論をしたことが記憶に残っておるのでございます。これは法律上疑義があるとせられておったのでありまするが、この軽自動車検査協会にやらせるということについて、そのような疑義はないということになっておるのかどうか。それについての議論がなされたのかどうか。また、その後どのように変わって、前例としてこういうものがあるというのなら、その点を簡明に説明をしていただきたいと思います。
○野村政府委員 ただいま關谷先生が御指摘になりましたように、以前におきまして、検査というような政府の公権力の一つの発現と考えられるような行為を、国家以外の団体がやることについて、法律上疑義があるという意見が政府部内等におきましてもありましたことは、御指摘のとおりでございます。しかし、その後政府部内におきましてもいろいろ検討を重ねました結果、検査というものは、つまり新たに国民の権利を設定をするあるいは制限をするという意味の公権力の行使ではない。たとえば、政府の定める法令によって定められる基準に合格したものは自動車を運行してよろしいという、いわば一種の確認的な行為であります。したがいまして、その反射的利益と申しますか、公にこの自動車は安全であるという確認を受けた人は、自動車を有効に動かしてもよろしいということでございまして、いわば一種の確認的な行為であるということから、政府そのものがそういう検査の合否を決定するということは、法律の趣旨から見て問題はない。むしろそういうことを認めることは、法律上支障はないという議論が行なわれまして、今日ではその議論が一つの有力な意見になっておるわけでございます。 と申しますのは、ただいま御質問にございましたように、最近におきまして、たとえば農機具の型式検査を行なう農業機械化研究所、高圧ガス容器の検査等を行なう高圧ガス保安協会、電気機器の検査等を行ないます日本電気計器検定所、技能検定を行ないます技能検定協会、消防用機械器具の個別検定を行ないます日本消防検定協会というようなものがございまして、そういうものがいわゆる検査という業務を国にかわって、代行機関としてやっておるという先例がございます。したがいまして、今回の道路運送車両法の立案の過程におきましても、いまのような議論が行なわれました結果、こういう先例にかんがみ、また解釈としては私が申し上げましたような観点に立って、国の代行機関としての性格を有するものが検査を行なうことは違法ではない、こういう考えからこのような法案になった次第でございます。
○關谷委員 私がお尋ねをしておりますのは、検査行為そのものをいうのでなくして、検査証を渡すということなのでありまして、検査ということについて民間団体がやることは往々にしてあるのですが、それが検査証を渡すということになって、一つの資格を与えるのでありますが、その点が問題である。いまの局長の御答弁は、検査そのもののことを言っておられるのであって、民間団体が民間団体としての規格に合格しておりますというのでなくして、国家がこれを証明するものでありますので、これはいま例示せられたものとは種類が違うのです。それを混同せられて答弁をしておられるようでありまするが、一つの資格を与えるところの行政行為でありますので、これがいま例示せられたものと同じだということは大きな違いがあるのです。その点どうですか。
○野村政府委員 私が申し上げましたのは、検査、技術的な判定という事実行為ではなくて、技術的な判定をして、それがよろしいということになった場合に、国にかわってその有効な確認を法律に基づいてやるという行為、これをいま申し上げましたような団体がやっておるわけでございます。そういう意味で軽自動車検査協会もその先例にならった、こういうことでございます。
○關谷委員 どうも、この法律議論を自動車局長とやっておったのでは、ちょっとかみ合わぬようでありますので、これはまたいずれ機会のありまする際に法制局に出ていただいて、その御意見を聞くことにいたします。 それから、この法律によりますと、第四条、第五条、第六条にありまするが、登録をしないということになっております。普通車の持ち主に対しましては検査登録をして、その所有権の確認をする、軽自動車の持ち主にはそれが必要ないというこの区別が私はおかしいと思うのです。業務量の関係でやりきれないからということで、いままでは検査対象にしてなかったのだと思います。ところが、これで軽自動車検査協会をつくって、万全の体制を整えて検査をする、そこまでやるのなら、いっそ登録にまで踏み切って、登録をするというのがほんとうだと思います。登録をせられたら、そこにいろいろ恩典もできてまいりますし、金融その他につきましても便利になってまいりますので、百尺竿頭一歩を進めて、これは登録までやるというのが親切ではなかろうか。手数は同じようにやるので、検査証を渡す、それを登録するというならきわめて簡単なことでありますが、なぜ登録をしないことにしたのか、これを伺っておきたいと思います。
○野村政府委員 ただいま先生が御指摘になりましたように登録の問題でございますが、私ども、登録というものは二つの目的を持っておると思います。一つは、いわゆる自動車の所有者、軽自動車の所有者というものを所轄の行政庁が確認をいたしまして、そうしてその使用の実態というものを把握する。そうして、それに基づいていろいろな行政指導をするという行政上の目的が一つでございます。それから第二の目的は、先生御案内のように、登録ということは、普通の自動車についてやっておりますのは民事上の商取引の安定を確保するという意味でございます。したがいまして、その登録によれば、御案内のように登録によって第三者に対する対抗要件というものを取得し、それに基づいて取引の安定を確保するということでございます。この点につきましても、第一の、実態を把握するということは、検査のときにその所有者というものを確認をするということができますので、検査関係の書類によってその目的は達せられる。それから、第二の商取引の安全を確保するという目的につきましても、いろいろ議論をいたしたわけでございますが、これは御案内のように、軽自動車というものは比較的廉価なものである。したがいまして、他の面から見ますと、これがいわゆる金融上の大きな取引の対象には、担保の対象ということには社会通念上あまりならないのではないか。現に検査をすでに行なっております小型自動車、たとえば二輪のオートバイというものがございます。これは検査の対象にはなっておりますけれども、そういう意味で登録の対象にいたしておりません。そういう意味で、二輪の小型自動車、現在普通車の検査の対象になっております先例もあり、それとのバランスから考えまして、この軽自動車というものをそういう意味の登録の対象にする必要はなく、行政目的というものは検査の際の届け出といいますか、書類によって確保できると考えて、登録の対象からはずしたわけでございます。
○關谷委員 局長の御答弁はまことに不親切な御答弁でございます。この軽自動車の所有者といいますのは中小企業者あるいはサラリーマンでございます。時によりますと、これによって金融ができるというような態勢が整えば、これで金融をするということは希望するところであろうと思います。それを軽自動車は金融の担保にもならないのだというふうな、軽く一蹴せられておるところが私は思いやりのないことだと思います。むしろ普通自動車を持っておるというような人は相当な資力、信用がある人でありますから、そんなものは何も担保にする必要もない。それで金を借りるという必要もないので、今度新しく対象に入れられるようなものこそ、その必要があると私たちは考えるのです。局長のようなお金持ちはそういうふうなことを感じないかもわかりませんが、私たちのようにいつも庶民と一緒に暮らしをしておる者はつくづくそういうことを考えるわけでございます。 今度の場合、こういうふうなことで出ておりまするので、これを登録のところまですぐ引き直せ、こういうふうなことは私は申しません。まだほかにも改正する部面がたくさんありまするが、将来改正する場合にはそういうふうな点もあわせて改正するようなお考えをいただきたい。このくらいでやめておきます。 その次に、自動車の安全性を確保いたしまするためには、事業者に対しましては道路運送法において運送秩序の確立の規定がございます。車両の安全性の確保及び整備並びに整備事業の発展性というようなことにつきましては、この道路運送車両法で規制をいたしております。また道路における危険の防止につきましては、交通の安全を円滑にはかるための道路交通法というのがあるわけですが、この三つの法律をよくかみ合わせてこそ初めて万全の態勢が整う、こういうことになるわけでありますが、この三つの法律が完全に食い合っておるというふうに考えておられるのかどうか。その間に多少、ここはかみ合いの悪いところがいささかではあるがある、あるいはまたこのところはちょっと不都合だがというふうな、こんなことを検討してみられたことがありますか。 この問題について、いろいろ言いますと、これはいま事例を言えといってもたくさんあるのですし、これを議論いたしますとこれだけでも三時間や四時間の時間がかかりますので、きょうは私はこれについての突っ込んだ議論をしようとは思いませんけれども、この三つの法律をじょうずにかみ合わさなかったならば、この安全性の確保ということはできない。そんな関係で私は宿題としてこれは局長のところへお預けをしておきます。この三つの法律が完全にかみ合っておるかどうか。かみ合っていない点はここにある、こういうふうなことは私が考えてもあるのだから、それは局長が専門家が考えたらあるはずであります。そこらをよく検討をして、そしてこれを一つ一つ答弁しろといったのでは、これだけでも三時間、四時間かかりますので、いずれこれもあらためて議論をすることにいたしまして、きょうはただ、これらについて考えたことがあるのかないのか、将来またこれを考えて多少これは修正をしたいところがあるのだというふうにお考えであるのかどうか、それだけを伺って、この点だけは素通りをいたします。
○野村政府委員 關谷先生御指摘のとおり、この三つの法律は互いに非常に密接な関係がありますが、この法律をそれぞれの所掌——道路運送法と運送車両法は私どもの所管、それから道路交通法は警察庁の所管でございまして、これらをそれぞれ改正する場合には今回の車両法の改正案の研究をもめぐって相互に非常に密接な連絡をとってやっておりまして、この法律間の矛盾のために安全その他が阻害されないように配意しているつもりでございます。 ただ御指摘のように、その法律の規定のしかた、対象の範囲等につきまして、いろいろとその矛盾といいますか、かみ合わない点があることは御指摘のとおりでございます。しかし、今後これらの点は交通行政の総合的な施策の中で、現在かみ合っている点もかなりありますので、かみ合わない点につきましては十分各省と研究し合って、相互の規定のしかたあるいは考え方というものが矛盾をしないようにさらに研究をしてみたいという意欲は十分持っております。
○關谷委員 次へ進みますが、安全性を確保いたしますためには欠陥車をなくさなければなりません。これにつきまして運輸省には自動車工場をリードするような高度の研究機関がないと私は思っております。そのために、欠陥車が出た、それを製造工場のほうで回収してそれを直していくとか、あるいは輸出をした自動車の欠陥を外国で指摘をせられて、初めて欠陥のあることがわかって回収の命令を出したりする程度のように、いままで運輸省のやっておる仕事はその程度のものであると私は考えておるのでございます。運輸省の研究機関といたしましては、船舶技術研究所から交通公害研究所が独立をし、そこに交通安全部、交通公害部、自動車審査部というふうなものがあって、型式の審査等もやっておるのでありますが、しかし、これは製造工場あたりの持っております研究機関から比較をいたしますと、だいぶん劣っておるようでございます。監督の立場にあるところの技術が製造工場等よりおくれておるというのでは、これは監督のしようもない。これを何とか高度の技術研究所をつくって、そして役所のほうでまさにこれが監督だというふうに思えるような指導をするというようなことにしなければならぬと思いますが、そういうふうなことについてはどういうふうに考えておられるのですか。現状のままで安閑としておられるのか。このごろのように自動車事故の多い、しかもそれが欠陥車であったりする、こういうふうなことでありますと、責任は監督官庁にあるということになりますが、それならばその責任だけを自分が背負ってじっとしんぼうする必要はないので、これだけの研究機関があればこれは自信をもってやれるのだというような研究機関をつくらなければならぬ、そんな声が運輸省の中から、自動車局から一向出たことがない。私たちも予算のときに局長から、こういうふうな研究機関をつくってやらなければこの安全性の確保はできません、したがってこれだけの予算はどうしても確保してくれ、こういうのなら、いろいろ各党あたりがこの安全性というようなことにつきましては意見が一致するのでありまするから、各党が一致して、そうして予算要求ということをやってりっぱなものをつくり上げることができるわけですが、一向そんな声を私たち聞いたこともない。局長も考えたことがないのかもわかりませんが、そんなことは考えたことがありますか、ありませんか。またあるのなら、ことし八月ごろまでに要求しておけば、来年度実現するわけでありまするが、そういう際に、この程度のものは最小限ほしいのだというプランでもつくって、そうして要求するという気がまえがありますのかどうか。またそういうふうなものがあるのかないのか、ひとつ考えていただきたい。 〔委員長退席、宇田委員長代理着席〕
○野村政府委員 關谷先生の御指摘のように、自動車の安全、公害の研究機関といたしまして、昭和四十五年七月にやっと船舶技術研究所から交通安全公害研究所が独立いたしましたことは御承知のとおりでございます。しかし、もちろんこの研究所はその陣容におきましても、それからいろいろ機械その他の設備の面におきましてもきわめて貧弱なことも、これは残念ながら事実でございます。決してこの現状でもって私どもの自動車の安全行政あるいは公害防止の行政が十分いけるというふうには考えておりません。したがいまして、今後この研究所の充実強化ということにつきましては、研究員の陣容を充実するということはもちろん、機械設備を充実していくということは、これはきわめて重要なことでございますので、長年の遠い将来のことを見越しまして一歩一歩これを充実さしていくということはぜひやりたいと思っております。私自身も予算の要求のときにこの問題については重大な関心を持ってやっておるわけでございますけれども、微力にして人員の増加につきましても、あるいは施設の整備につきましても非常にその幅が狭いということについてはまことに申しわけないことと思いますが、今後はさらに安全問題、公害問題というものは社会問題としても大きくなる問題でございますので、これに対する試験研究機関の充実については従来よりも一そう努力をしたいと思いますので、よろしく御指導をお願いしたいと思います。
○關谷委員 どうも局長の御答弁は私はまことになまぬるい答弁だと思いますね。遠い将来を見通して一歩一歩これを進めていきたい、二十年、三十年先のことを考えておられるのかもしれませんが、安全性を確保することはいま差し迫った問題でありまするので、遠い将来を見通してというような、そして一歩一歩、何千かある階段を来年は一つ上がります、次には十歩上がりますというふうななまぬるい話では、どうも私たち気に入りませんので、これについては安全性の確保という大事な問題でありまするので反対するところはないので、与党、野党が一体となって要求するということならできるのだから、しないかと聞いておるのに、それも遠い将来を見通してわずかずつではございますとは、まことにゆっくりした御答弁ですね。もう少し迫力のある行政と取り組んでやってみようという気概がなければいけませんが、気概のある答弁をひとつしてみてください。
○野村政府委員 どうも私のお答えのしかたが適切でなかったかと思いますが、私の申し上げたい真意はそういうことでございませんで、長期計画を立てて、そうして着実にやっていきたいということで、のんびりと時間をかけてぼちぼちという意味では毛頭ございません。この点は先生の御叱正を持つまでもなく、おそらくこのことについては政府はもちろん各党とも御異論のないことだと思いますので、私どもはできるだけ最大限の努力をしてこの研究所の充実強化ということをすみやかに、また相当思い切った構想を持ってやりたい。ただそれは長期計画を立ててという意味でございまして、そういう意味で相当思い切った内容の充実をはかるということは、先生の御指摘のとおりでございます。そういう真意でございますので、よろしくお願いいたします。
○關谷委員 そのプランはできておりますね。
○野村政府委員 現在お示しできるような計画はございませんが、これは運輸技術審議会におきまして安全の研究それから公害の研究をやっております。したがいまして、そういうものと並行してやるということで、現在五カ年計画とかそういうまとまったプランはまだございません。ございませんが、これは将来の方向といたしまして私ども自動車局といたしましても自分なりの計画は持っておりますけれども、まだそういう固まったものとしてはございません。
○關谷委員 これは自動車局長がリードしてやるのがあなたの職責なんだから、ひとつ思い切って五カ年計画なら五カ年計画、まだありませんというような情けないことを言わないで、これからつくって間に合わせますくらいな答弁をしてもらいたいと思いますが、これ以上は深追いはいたしません。 それから次に、安全性と公害防止とを道路運送車両の保安基準に同時に含めております。この間いただいた資料を見ましても、安全性の部面でこういうふうに変更をする、改正をする、公害防止の面ではこういうふうに改正をする、こういうふうなことがあるのですが、このごろのように公害ということがやかましくいわれ、安全確保ということがいわれておる際に、保安基準は安全性のみ、こういうふうなことにして公害防止は別に公害防止基準というのをつくるのがほんとうではなかろうかと思います。公害防止は近ごろやかましくなった問題だからまだやっていないのだというのにしてはあまりにも重大な事柄でありますが、公害防止の面からいいますと、大気汚染というものはこれは一番の加害者は自動車だといわれておるくらいでありますので、別に法律のていさいをとやかく言うのではありませんけれども、やはり保安基準は安全性の確保だけ、それから公害防止は別に公害防止というようなことで基準をつくって、そうしてこれをぐんと進めていくようにするのが、これが本来ではなかろうかというふうに私は考えるのでありまするが、どうお考えでございますか。
○野村政府委員 先生御指摘のように、現在までの経過でございますと、道路運送車両法の中の規定は主として安全の規定ということが大部分で、質的にも量的にも非常に多いということでございまして、現在までは、公害問題が最近社会問題としてやかましくなってきましたその途中の過程におきまして、道路運送車両の保安基準の中にも大気汚染防止のための規定それから騒音防止のための規定というものを取り入れまして、広い意味の保安の中に公害というものを含んでやっておるということは御指摘のとおりでございます。しかしながら安全の問題と並んで公害の問題というものは今後非常に重要な問題になってまいりますので、今後安全と公害というものを二本の大きな柱として広い意味の自動車の保安行政をやらなければならないということは御指摘のとおりでございます。したがいまして、今後公害問題に対する対策の充実ということとあわせまして、御指摘の方向で十分検討して、別個といいますか、安全と並んだ大きな柱として公害の規定を持っていくように検討を進めたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○關谷委員 排気ガスの関係等につきましては、マスキー法案というようなものがアメリカあたりではずいぶんいわれておるのでありまするが、こういうふうなことにつきましては、アメリカよりは日本のほうが大気汚染の度合いがひどいというようなことでありますので、外国のあんな法律ができるというようなことを耳にしたならば、やはりみずから振り返ってみて日本はどうなのか、アメリカでさえそんなことを言うのなら日本ではなおさらやらなければならぬのだというふうなことで、この車両法のたてまえから排気ガスを少なくするようなことを先へ先へと手を打っていくのが本来だと思いまするが、外国でこんな法律ができる、また環境庁がどうやら言い出した、それから初めて運輸省が乗り出していくというのでは、監督行政の政治姿勢としてはあまりにもおそい。いまの自動車行政を見ておりますと、後手後手に回っておるようで、環境庁に引っぱり回されてみたり、運賃行政については経済企画庁に振り回されてしまったりしておるというようなことで、何やら自動車行政というものが手おくれになっておるような気持ちがするのでありますが、もう少しみんなが一つになって、この際やってみようというような気持ちを持って、従来の政策等にはこだわらず、大きな発想でこれらの公害防止あるいは安全基準というようなものについては取り組んでもらいたいと思いますが、意気込みのほどをひとつ自動車局長から——いままでのとおりでございますでは、私はもうこれは野村自動車局長に望んでみてもだめだと思いますので、ここでひとつ奮発して大いにやってみようという気概を見せてもらいたいと思いますが、そこらのところを御答弁願いたいと思います。
○野村政府委員 排気ガスの規制につきましては、ただいま先生から御指摘になったように、非常に日本の排気ガスの公害というものが大きいことから、むしろこれを先取りしてやるべきではないか、私、全くそのとおりだと思います。これは先生も御案内のことだと思いますが、環境庁が発足いたします前に、実は私どもも昭和四十五年の七月に、排気ガス規制の五カ年計画を運輸技術審議会にはかりまして世間に発表をし、そしてそれに基づいて保安基準の改正をして、一酸化炭素その他の排気ガスの規制をやっております。この意味では、まだ環境庁ができる前に五カ年計画をつくりまして、そしてこれを推進しており、また最近におきまして、さらに使用過程車の排気ガスの基準を強化したということもございまして、努力をしておるわけでございます。また、マスキー法案につきましても、パーセンテージによる濃度の規制から重量規制に移るという方向も、すでに四十五年七月の排気ガス規制の五カ年計画の中に盛り込んでおるわけでございます。したがいまして、私どもは、公害の問題というものは、アメリカがやったからこれにならうということでなくて、むしろ日本として独自の立場といいますか、日本の実情に即応した規制は当然これをやらなければならないと思います。 ただ、技術的にいろいろ問題がございまして、そういう意味で、現在も運輸技術審議会におきましてもいろいろと検討して、場合によったら四十五年七月のあの五カ年計画を改正して、さらにシビアなものにするということも、十分決意をもって御期待に沿うようにぜひやりたいと思っておりますので、これもよろしく御支援をお願いしたいと思います。
○關谷委員 それから、安全確保というようなことは、やはり経営の健全化ということからよってくるものでありますが、一部の乗車拒否というようなことを理由に、企業が倒産に追い込まれるまで料金を押えるというようなことは、これは安全性の立場から運輸行政の大きな誤りであると思っております。四月二日の毎日新聞あたりでも、物価安定政策会議の提言で、企業単位の総コスト主義を改めるというようなことをいっておりますし、受益者負担の原則を貫け、こういうことをいっております。また昨年の八月か十月の運輸政策審議会の答申にもありますが、運賃の自由化の方向を暗示をしておるようであります。これはやはり適正運賃というものをやってやらなければいけませんが、いまの姿では経済企画庁あたりの関係もあったりしてできませんので、これは運輸政策審議会の答申あたりのように、おいおい自由化のほうに持っていくのがほんとうだと思います。そして、公共料金という名のもとに、政府が責任をもって——ぐるりから袋だたきをせられる、そうすると自分がたまらないし、どっと業者のところへ無理がいく、こういうようなことはやはり安全性の面からいって改めるべきだと思いますが、これまた大きな問題でありますので、いまここでわずかの時間の間に、これの結論を得ようとかあるいはいい答弁をいただこうとは思っておりません。しかし、運輸政策審議会の答申というようなものは尊重すべきものだと思いますので、この点は尊重する方向に向かうべきだ、そしていままでのような運賃政策はやるべきではないと私は考えておりますが、局長はどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいと思います。
○佐藤(孝)政府委員 先ほど来御質問を承って、私も全く同感なんですが、全体から見ると、運輸行政の中で自動車行政は、今日までどちらかというと許認可が主体であったろうと思います。しかし、社会環境並びに国民の要求というのは、許認可はある程度板についてきたという感じがいたします。むしろ公害なりあるいは人命事故という方向に変わってきておるのでございます。したがって、これからの自動車行政は、時代の流れに沿うといいますか、人命に関する問題、公害、事故、そういう方向を主体とした自動車行政に方向を転換すべきではなかろうか、私はかように考えております。 それから、いまの御質問の自動車料金の問題ですが、御指摘のとおり、広義に解釈すると公共料金に入りますが、われわれの生活にとって自動車は、特にタクシーは、絶対必要だという品目には該当しないのじゃないか。地下鉄とかバスとかいう大量輸送機関はわれわれの生活にとって欠くべからざるものでございますが、それとタクシー、いわゆる自動車とは、おのずから公共料金でも異なるものである。したがって、利用者が負担するのはやむを得ないのじゃないか。そういう点から判断すると、いままでのような許認可から徐々に切りかえて、将来は自由料金制度に持っていくのが至当だと思います。ただし、極端に自由料金にすると、そこにまだなじまない体質がございますから、アレルギー反応が起こる可能性がございます。徐々に持っていくのがこれからの自動車行政だと考えております。
○關谷委員 この法律案で新しく車両検査の対象とする自動車の所有者あるいは使用者のほとんどが中小企業あるいはサラリーマン階層であると思います。そうすると、検査の簡素化あるいは迅速化、また料金の低廉というようなことが要求をせられるのが、私は必然だろうと思います。これに対してどういうふうに考えておるか。また、簡素化、迅速化、料金の低廉というようなことを極度に推し進めてまいりますと、安全性の確保ということが忘れられるということになっても、これはまたたいへんでありますので、これらの点の調和ということについてどういうふうに考えておられるのか、承っておきたいと思います。
○野村政府委員 先生御指摘のように、一方では軽自動車の安全を確保するとともに、他方ではこれを利用する人々に対する検査をできるだけ簡素化し、迅速化するという調和の問題は、きわめて重要であると思います。ただ、私ども考えますに、軽自動車といいますのは、型式の数が比較的少なくて、普通の自動車に比べてその構造というものが非常に画一化されておると申しますか、そういう構造になっております。また、たとえばブレーキとか走行装置とか電動装置とか、いろいろなもののパターンと申しますか、そういうものも比較的多種多様の複雑なものでないということから、それに即したような検査機器を整備して、検査の流れをよくする、そして検査に要する時間等も極力節減をしていくというような方法を講じていけば、検査をなるべく簡易にして、しかもその保安度を落とさないという目的にかなうものであると思いますので、そういう方向でぜひ進めたいと思いますし、また検査に関する費用等につきましても極力圧縮といいますか、低廉なものにするという方向で、御趣旨に沿うように準備を進めておるという状況でございます。
○關谷委員 この法案を読んでみますと、軽自動車検査協会は全国で一つに限るということになっておるのです。出先機関を設けなければならぬことは常識でもわかるわけでありますが、出先機関をどのように設置する計画を持っておられるのか、青写真のようなものがあれば教えていただきたいと思います。 出先機関というものは多ければ多いほど検査を受ける人のためには便利で、また安全性確保の面からいっても、なるべく多く設置して、たやすく検査ができるようにしてやらなければいかないと思います。一県一カ所ぐらいということになりますと、私はあの陸運事務所あたりがやっておりましたのを見ておるのでありますが、遠方から車を持ってきて検査登録をしてもらう、こういうようなことになって、ところによりますと、私の県の愛媛県あたりは、南の奥のほうから出てきます人は泊まり込んででなければやれない、こういうふうなことで、まことにこれはかわいそうだなというような気持ちを持ったことがあるのでございます。そのために、私たちいろいろ話し合いをいたしまして、出張検査というようなことをやらしたことがあるのでございますが、今度の場合でも一県一カ所というようなことであったならば、検査を受けるほうにとっては迷惑この上もないというようなことになります。したがいまして、出張検査というふうなものができるような体制を整えるのかどうか、その点も配置計画と同時に御説明を願いたいと思います。
○野村政府委員 お話のように、私ども、この支所といたしましては、北海道は七カ所、あとの県につきましては、各県に一カ所ということで当面の計画として考えております。しかし、検査受検者の利便というふうなことから考えますと、それでは非常に不便な点が多うございますので、出張検査というものを普通自動車に対してとっておりますと同じように、協会が出張検査所を借り上げるとか、そういうような措置を講じまして、検査員を一定の地に派遣をして、そこで利用者の方が出張検査を受けられるというような措置はぜひ講じたいということで、そういう方向で計画を立てております。
○關谷委員 出張検査をするための人員その他、いろいろな旅費その他というものは、これは四十八年十月からやるので、間には合いますが、これは十分に予算を要求いたしませんと、ことしが十四億ですか、そして来年が五億か六億で二十億ぐらいのようでしたが、そんなことではとてもそんな費用はまかなえないと思います。四十八年の十月以降の予算については、十分にそれを要求をしておいていただきたいと思います。旅費がありませんので出張検査をやらぬことにしてみたり、いろいろの経費を業界の負担にしてみたり、いろいろなことを役所はよくやるものでありますから、そんなことがないようにしてもらいたいと思います。これは希望でありますから御答弁は要りません。 それから今度の検査対象には二輪軽自動車がはずされております。もちろんオートバイの二百五十cc以上のもの、これはいまでも検査対象になっておるようでありますが、スクーターその他のものについては検査対象からはずされておるようであります。これらのものも、事故数においては私はそんなに少ないのではなかろうと思います。私の懇意なのが二輪の軽自動車に突き当たられて、ずいぶん長らく入院しておったという例もあるのでありますが、二輪の軽自動車だから事故の数が少ないというわけでもないのであります。むしろやるのなら、軽三輪、軽四輪というようなものまでやるのでありますので、二輪車を含めるのが私はいいのじゃないかと思います。今度の場合は含めておりませんし、いろいろ軽自動車検査協会あたりの組織その他規模というようなことから考えましてもそれはやれないのかもわかりませんが、今度の場合はすぐやれということは申しませんが、将来こういうふうなものも含めるというお考えがあるのかないのか、この点伺っておきたいと思います。
○野村政府委員 御指摘のように、現在御審議をお願いしております法案には、軽の二輪というものは検査の対象からはずしております。これは過去の統計でございますが、特に私ども一番最近の統計を見てみますと、一万件当たりについて一般の自動車は一・三〇という計数になっておりまして、軽の二輪は〇・一六、軽の三輪、四輪が〇・七三という比率になっておりまして、軽の二輪が非常に事故率というものは少のうございます。また、それの利用者本人あるいは他人に及ぼす被害というような点から見ましても、そこには三輪、四輪とはかなりの差があるということから、今回の改正の法案の中には、軽の二輪は除くことにいたしております。 これは将来の事故率の推移の問題でございますが、私どもの考えでは、現在軽二輪がユーザーの自主的な点検、整備等に期待をするということで現在のこのような低い事故率でございますので、このような状態であれば特に軽二輪というものを検査の対象に取り入れる必要はなかろう。ただこれが一時的な現象としてではなくて、傾向的に軽二輪の事故率が非常に高まってくれば別でありますけれども、現在のところ、軽二輪というものは検査の対象に入れなくても、保安上さしたる重大な支障はない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○關谷委員 さしたる影響がないから今度ははずしたというのですが、将来もやはりそのつもりでずっとはずしていくというお考えですか。
○野村政府委員 現在のところ、将来もこれは対象にするつもりはございません。いま申し上げましたように、これは事故統計から見まして私どもそういうふうに考えております。
○關谷委員 まことに確信を持っておられるようでありますが、私は実際にそういう被害の実例を知っておりますので、これは将来はやるべきだと考えておる。その点、局長と私はちょっと意見が食い違っておるようでありますが、いますぐ今度やれというても困難な問題でありますので、次の改正の機会には私たちはそういうことを要望したいと思っております。 次に先般「道路運送車両の保安基準の一部改正(案)について」「昭和四十七年三月」というのをもらいました。それによりますと、保安基準の中に、「乗員被害者軽減対策」として「乗用車について衝撃吸収性のかじ取ハンドルを義務づける。」とありますが、乗員に対しての配慮だけであって、乗客に対します被害軽減設備の強化ということを考えておらないのかどうか。テレビで私は実験映像を見たことがございますが、何やら空気の入ったバッグのような形のものがあって、乗客がどうなるかということの安全性の実験をしておったように思います。乗員に対してそれだけ考えること、もちろんこれはけっこうであって、それはやるべきだと思いますが、乗客に対する配慮というものが何もないのであろうか。テレビで外国でやっておったようなことを日本では考えておらないのか。何かそういうふうなことについては計画があって、これからどういうふうにしようということになっておるのか。その点を説明していただきたいと思います。
○隅田説明員 技術的な問題でございますので、私からお答えさしていただきます。 保安基準の中で、乗客についての安全性につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、空気の入ったバッグを衝突の瞬間にふくらますような方法とか、あるいはガラスがぶつかっても頭の損傷が比較的少ないようなガラスを選択するとか、まだ幾多の問題がございます。これにつきましては、もちろん技術的な問題がございますので、現在保安基準改正まで持ち込むことができないという状況でございますが、私たちといたしましては運輸技術審議会というところの自動車部会におきまして、保安基準全体につきまして長期の目標、計画を目下練っていただいております。この御答申をいただきましたら、その線に沿って保安基準を逐次改正したい、その場合には当然乗員の問題も入ってくる、こういうことでございます。
○關谷委員 せめて最低限の設備としてバンドのようなものでもやるようなことをタクシーあるいはバスあたりには義務づけてみてはどうですか。そういうことはまだ義務づけるというようなことは考えておりませんか。
○隅田説明員 タクシーにつきましてはバンドと、それから例のむち打ちのためのまくら等は、すでに一部義務づけております。普通の自家用の車につきましてはまだ運転席だけになっております。これも将来の自動車の使い方の問題でございますけれども、すべての座席に取りつけさせるようになるかどうか、これはいろいろ技術上の検討の問題がございまして、目下前向きで検討している段階でございます。先生御指摘のタクシーにつきましては、すでに一部義務づけております。
○關谷委員 普通車の検査、それからその検査証を民間整備事業者にやって、そうして事業者を活用しており、それから運輸省でその登録をしておる。今度のは軽自動車は協会まかせ、こういうようなことになると、普通車というものに対しては重要視しておるが、軽自動車というものはまことに軽く扱うというような、実質はそうでなくてもそのような感じがする、粗略に流れやしないかという感じがするが、そういうことのないようによく検査協会あたりを指導しなければいけませんが、何やら私は、検査証書を渡すのだけは全国で一カ所ということなら、これはやはり普通自動車と同じように陸運事務所でやらして、そして検査、それについて、これはこのとおりで十分に整備ができておりますということを、業者からの証明によって検査証書というようなものは私は役所が渡すのがほんとうのように思います。そうすると、やはり重みができるというのではなかろうか。官庁崇拝というような思想があるのではありませんけれども、何やら一般にそういうふうな気持ちがするのじゃなかろうか。普通車と軽自動車と区分するところに問題がある、私はこういうふうに考えますが、これはそういうふうに直すというふうなお考えはありませんか。最初に、国の行政権の問題、それと関連があるのでありますが、そんなことは考えておりませんか。
○野村政府委員 国の権限の問題とこの代行機関との問題につきましては、冒頭の御質問にお答えいたしましたような見解でございますが、これは検査証書そのものをこの協会が与えることにいたしましたのは、一つは、保安基準適合証みたいなものを検査協会からもらって、それをまた持って国の陸運事務所に行って、そこで正規の検査証書と引きかえるというようなことになりますと、現在もちろん民間の指定整備事業はそれをやっておるわけでございますが、利用者の利便から見まして非常に手間がかかるということと、それからもう一つは、やはり国の行政事務の簡素化ということから考えまして、みずから検査をした協会が最終的な合格検査証書を発行するということにしたいということでやっておりますので、そういうたてまえで利用者の利便と、それから国の行政事務の簡素化という二つの観点から原案のような趣旨でやっていきたいと考えております。
○關谷委員 それともう一つは、これはていさいの問題ですが、道路運送車両法の第一条にありますこの文章を見ますと、これは公害というふうなことばが一つも出てないのですが、私はこれは公害を防止し、くらいのことは条文を改正して、今度これだけ改正をするのなら入れるべきがほんとうだと思いまするが、そんな気持ちがしませんか。
○野村政府委員 御指摘のように、道路運送車両法の第一条の目的の中に公害ということばをはっきり入れたほうがいいのではないかという御趣旨、私も趣旨においては全くお説のとおりだと思います。ただ先ほど申し上げましたように、広い意味の保安ということの中に、安全と公害と両方含めてやってきておりますので、そういう意味で、規定としては必ずしも公害ということばがはっきり出ていない。少し鮮明を欠くというきらいはございますけれども、従来そういうことでやっておりますので、先ほど御指摘のように将来公害の規定というものが量的にも質的にも非常にたくさん出てきて、安全と公害二本の大きな柱ということになりますれば、これは法律そのものを別にしなければならぬということもありましょうし、法律は別にしなくても公害という柱をもっと大きく立てなければならないということから、先生御指摘のようなことになるかと思いますが、現状ではそういう広い意味のことばの中に公害ということを含めてやっております。これは目的に関する規定でありますので、それがなければどうしても困るという実務上といいますか、社会上のそういう問題もございませんので、こういうことになっておるわけであります。
○關谷委員 妙なことを答弁しておられるが、この法律をつくったときに、この目的を書いたときには公害というのはさらさら頭になくてつくったのです。私らこれをつくるときに参画したのですからよくわかっているのですが、公害というのは頭のすみにもなかったのです。そのためにこれには公害という文句が出てないのですが、いまのこの時代ですから、公害というのは広い意味の安全性の確保の中に入っている——入ってないのです、こしらえた当時。はっきり言っておきますけれども。それをいつまでもこれは公害を防止し、こういうふうにそれだけ入れることにそんな長い答弁をせずに、お説のとおりでございます、公害を防止いたしますとすなおに答弁してみたらどうでしょう。まれそのくらいなことならすぐできるはずですが、もう一ぺん考え直しませんか。
○野村政府委員 気持ちとしては先生のおっしゃるとおりでございます。
○關谷委員 気持だけではいきますまいぞ。気持ちは実行に移さなければなりません。どうもとらわれて、今度改正案に出してないのだからどこまでもこれはがんばらなければいかぬが、私が最初から、どうも今度は無理であろう、こういうふうなことでやわらかに言っておると、あなたのほうはそれはけっ飛ばしてしまえばそれでいいと思っておるのかもしれませんけれども、そうはいきませんぞ。これはそのくらいなことは、このごろのような公害公害というてやかましい時代に、公害を防止し、くらいなことを第一条の目的に入れたらどうでしょう。この安全性確保の中には公害という考えは入っておらないということを私がはっきり申し上げたのですよ。その中に入っておる、局長はそう解釈しておるか知りませんけれども、私たちがつくったときにはそれは入っていないのです。そのくらいなことはあまり強情なことを言わずに、今度のときに間に合わぬということならこれはまた修正するというようなことになれば、手続上非常に手数がかかるからかんべんしてくれ、次に直しますとすなおに答弁してみたらどうでしょう。
○野村政府委員 そういう趣旨に改めることにこだわる意思は毛頭ございません。私どもとしては、公害の重要性にかんがみて目的の中にうたうということはけっこうなことだと思います。
○關谷委員 変なところでちょっと時間をとりましたが、条文についてお尋ねをいたします。 この協会は検査事務を行なうと第七十四条の二には書いてあるのです。ところが七十六条の三十一には「運輸省令で定める基準に適合する検査設備を備え、かつ、これを当該基準に適合するように維持しなければならない。」こういうふうにしております。そうすると、検査そのものを行なう、こういうふうなことになりますが、これは民間の整備事業者を育成強化するという面から民間の整備事業者にやらして事務だけをやるのかと、私は第七十四条の二を読んだときには考えたのでありましたが、あとの七十六条の三十一を読んでみますると、検査そのものも行なうのだというふうに見えますが、現実にはどういうふうに運営しようとするのですか。
○野村政府委員 この協会がみずから検査そのものを行なうわけでございます。ここの法律に規定しております検査事務ということばは、これは検査そのものとそれに付帯してやります各種の、たとえば税金の確認行為とかそういう付帯して行なう仕事を含んで検査事務といっております。協会そのものがみずからいわゆる検査の実務を行なうわけであります。
○關谷委員 なかなか事務ということばは意味が深いですね。私たちは事務というと、業務と離れて別に事務というのかと思えば、どこの会社でも業務課があるのと総務課あたりの事務があって、事務課といっておるところもあるのですが、この法律読んでみますと、中には事務と書いてあるところあるいは業務と書いてあるところがあったりして、妙な解釈がせられるようなところがあるんですが、いま局長が言われたように、事務の中へは業務も含まれるのだ。広い解釈、便利に解釈しますね。そういうふうな解釈があるというならそれで了解をいたしますが、事務と業務というふうなことははっきりと区別をしてもらいたいと思います。 それと、この第一条の目的を読みますと、目的の中に「あわせて自動車の整備事業の健全な発達に資する」ということが書いてあるのですが、そうすると、この検査協会というものは検査の証明書を渡すという事務だけにとどめて、この整備事業そのものの業務というものは、民間の整備事業者を活用するというのが第一条の目的には沿うのではなかろうか。私たちは気がやさしいのかすなおに何でも読み過ぎるのか知りませんが、そういうふうにするのがほんとうじゃなかろうかと思います。こう内容を見てまいりますと、直接に業務をやっていくことになっておりまするが、そういうふうな施設が伴いますと、やはりたくさん出先機関をつくるといいましても、なかなかつくりにくい。そこで民間企業を活用しながら事務所をたくさんつくって、もう軽自動車の保有者に便利を与えてやるというのが、私は行政の情けというものではなかろうかと思います。それを業務も自分でやるというふうなやり方というのはどうもおかしいし、第一条の目的に沿わないと思います。 〔宇田委員長代理退席、委員長着席〕 第一条の目的からいったら、民間企業をフルに活用をして、そして事務だけでやっていくというのが至当のように考えるのですが、そういうふうなことにいまから発想を変えてみたらどうでしょう。
○野村政府委員 この法律の考えておりますのは先生の御指摘のように、協会がみずから検査の実務をやりますと同時に、従来普通自動車についてとっておりますところの民間の指定整備事業というのは、当然軽についてもやるというたてまえでございます。したがいまして、普通自動車について国と指定整備事業者が両々相まってやっておりまして、指定整備事業の将来の育成、充実をはかりたいと考えておりますのと同じように、軽につきましても国の代行機関として協会みずから検査をするのと相並びまして、民間の指定整備工場を指定して、そこが一般車についてやっておりますのと同じような制度でやるということで、先生の御質問の趣旨を生かすようなシステムに性格としてはなっておりますので、私たちはその実施の面においてもその方向でやっていきたい、かように考えております。
○關谷委員 私は運輸省の考え方というものを改めてもらいたいと思います。と申しますのは、役所自体で持ったり協会で持つような施設整備というふうなものは、これは欠陥車でもすぐ見抜ける、テストしたらすぐわかるというような高度のものを持って、それでじっと監督する。そして普通の整備その他というようなことにつきましては民間企業を活用してやらす。政府自体で持つ、協会とかあるいは役所自体で持つべきではないと私は考えます。 自分の持つところのものはろくな機能も持っていない。それでまた出先にもつくる。そういうふうなことであちらへもつくりこちらへもつくりというような不完全なものをたくさんつくりますよりは、運輸省としては一つの高度のものをつくって、そこで高度の技術を検討して監督をやる。そして普通の整備というふうなことは民間企業にやらすんだ。この姿に変えなければなりません。 これも今度の法律ですぐ変えるというのは無理かもわかりませんが、しかし一たんつくってしまって、その姿を変えるというようなことになりますと、また非常な何と申しますか整理統合というようなことが要るわけでありまするが、私は今度つくりまする役所自体の施設というふうなものは、なるべくつくらないようにして、民間企業で整備工場のようなものがないところは別ですが、それ以外のところでは、民間の整備工場の指定工場のあるようなところは指定工場にやらせて、この軽自動車検査協会等が直接持つべきではない、このように考えますが、そういうふうなことに改められたらどうですか。あなた方が持つべきものは高度の研究機関を持って、そして一般のものは役所自体あるいは協会自体としては持たないで、民間企業者にやらすというようなことにこの考え方を根底から改めて、はっきりとしたものにしてもらいたいと思いますが、どんなお考えでしょう。
○野村政府委員 先ほど申し上げましたように、この軽自動車の部門におきましても、民間の整備事業を育成、強化して十分これを活用するという点については、先生のお説と私ども全く同じでございます。したがいまして、将来のあるべき姿としては、民間の指定事業者の業務とこの協会の業務とが、私はフィフティー・フィフティーと申しますか、半分以上は民間でやるというような体制に持っていきたい。 ただ先生のおっしゃいました国あるいは代行機関がみずから検査しないというところまで持っていきますと、これは従来やっております発想法、やり方の一つの大きな転換になりますが、確かに一つの御示唆ではございますので、この点は十分検討いたしたいと思います。また、民間の整備能力、検査能力を活用するという点については、これは御趣旨の方向で、私どもも軽自動車についても十分やっていく所存でございます。その点についてはひとつよろしくお願いをしたいと思います。
○關谷委員 まずいものをたくさん持つより、ほんとうの高度のものを一つ持って、そこで研究をしていい技術者をつくる。皆さん方がその知識を得て、ほんとうの監督ができるように使用し、こういうふうなものは民間事業者にまかせる、この発想の転換ということを私は強く要望をして、これ以上深追いをいたしません。 それから第七十六条の三十二の第一項の軽自動車検査員、こう書いてあります。これは協会の検査員か、民間整備事業者が検査員というものを持っておりますが、その検査員か、どちらか読み方によってはちょっとわからないのですが、どちらですか、はっきりしておいてください。
○野村政府委員 この法文にございます検査員というのは、この協会の検査員のことをさしておるわけでございます。
○關谷委員 まだだいぶお尋ねもしたいのですが、参議院の予算委員会が休憩ということになって……。 車両の番号標ですが、これは所有権は政府のものかあるいは協会のものか、車両保有者のものか、これ以前非常に問題になったことがありますので、これははっきりしておきたいのです。これはどこかでそういうふうな問題が起きたことがあるので、その際にはっきりとしたことが局長のところにわかっておるはずでありますので、ひとつ簡単にこうだということだけ言っていただきたいと思います。
○野村政府委員 ナンバープレートは現在私どもはそれは所有者のものであるという解釈でございます。
○關谷委員 軽自動車は有効な自動車検査証の交付を受けたものでなければ運行の用に供してはならない。有効なというと、これは国が渡す検査証でありまするから、これは権威あるもので、有効なものであるべきはずでありまするのを、ことさら有効なというふうなことばを使っておるのはどうか、これも簡単なことでありまするので、時間がありませんから、一括してお尋ねしますが、それが一点。 それからこの法律施行日が四十八年の十月一日からというようなことになっておりまするが、準備に時間がかかるとはいいながら、あまりにもテンポがおそいという感じがいたしまするが、そうは思いませんかどうか。それが第二点。 第三点は、発起人が学識経験を有する者七人以上とありまするが、予想せられる顔ぶれはどうかということ。これとあわせてお答えを願いたいのは、普通の会社その他は発起人がきまりますと、その発起人が今度はそこの役員になる。これが常識なんですから、おそらくこれもそういうふうになるんではないかと私は懸念いたしまするが、これはそういうふうなことになるのかどうか、それもあわせてお答えいただきたいと思います。それが第三点。 それだけお答えを願いたい。あとでまた……。
○野村政府委員 まず第一点でございますが、有効なという意味は、これは国もしくは代行機関が発行するから当然有効でございますが、たとえば使っているうちに期限切れになったならばそれは有効でなくなるわけですから、そういうものではない期限的にもちゃんと期限内のものというようなものが主なる意味でございまして、まあいわば当然なことでございます。そういう意味の有効なということでございます。 それから第二の四十八年十月一日から検査をするということで、私どもは考えましたのは、これだけの検査施設を獲得し、それから検査要員を確保する、それから検査のいろいろの機械器具を整備するというようなことに一年程度の期間はかかるであろう。特に土地の取得とかあるいはその人員の養成ということに一年くらいを見るということで四十八年十月一日を予定をいたしております。 それから発起人を考えておりますのは、この協会の理事及び役職員は結局普通の関連事業との兼職を禁止されております。したがいまして、先生御指摘のように普通の場合は、その発起人が重役といいますか、そういうものになるケースが多うございますが、この場合は発起人として現在考えておりますのは、たとえば運輸技術審議会の自動車部会のメンバーであられますような学識経験者、学校の先生とかあるいはそういう自動車関係の研究所の所長とか、あるいは一部運輸省の技術関係、こういう自動車の整備に精通しておる学識経験者とか、そういう方を現在考えておりまして、そういう方々を予定しておるわけでございます。その中の方は、私どもその兼職禁止の規定にかんがみまして、この協会が設立されたならば、ほとんどの方は発起人が終わって、その協会役員にはなられない、こういうふうに考えております。
○關谷委員 大臣が見えましたので、まだお尋ねしたいことがありましたが、もうここでやめます。 そこで、資料を提出してもらいたいと思います。 七十六条の二十八第二項の「業務方法書に記載すべき事項は、運輸省令で定める。」こう書いてあります。この運輸省令の案を、次の委員会のときでいいですから御提出を願います。 もう一つ、第七十六条の三十第三項の検査事務その他の省令というのがありますが、この案がどうなっておるのか。 それから過去五年間くらい——五年がむずかしいようでしたら三年でもいいですし、その三年もないというのでしたら一年でもいいですが、自動車事故数、保有台数との比率等がほしいのと、その中で、今回対象になります軽自動車の事故数とそれから対象外のいわゆる軽二輪車の事故数というものの統計かわかりましたら——これはわからないものを出せと言っても無理ですから、わかればでけっこうですが、御提示を願います。 自動車の安全確保と公害防止対策というものは、これは運輸省が全責任を持って完ぺきを期するんだというふうな気概でこの法律を運用してもらいたいと思います。どうも御質問をしておりまして御答弁を伺っておりますと、局長の熱意というものがちょっと欠如しておるような気持ちがいたしますので、勇断を持って、ひとつ完ぺきを期するようにお願いをいたしまして、大臣が見えましたから、質疑を打ち切ります。
○小峯委員長 関連質疑の通告がありますので、これを許します。増田甲子七君。
○増田委員 私は元来当委員会に所属しておりますけれども、発言しないことを旨としておるわけでございますが、きょうは年来考えておることを発言するわけでございます。別段昔運輸省におったからとか、そんなような関係で発言するわけではございません。 年来考えておったというのは、三、四十年前から考えておりました、内燃機関の排気ガスというものが非常に空気を汚濁する。このことについては、もう公害なんということをいわれる前から一生懸命でございました。 日本は、御承知のとおり、内燃機関の気筒容積の体積が七百五十CC以下の場合には特別な計らいをいたしまして、わが国はもう三、四十年前、すなわち第二次大戦以前にすでに欧米等に小型自動車の進出を見たわけでございます。戦後におきましては、なかなか国内産自動車というものはうまくいきませんでしたが、運輸省と通産省との奨励によって、いまやまた昔あるいは昔以上に世界を風靡しつつあるというようなことは、私は慶祝にたえないと思っております。両当局の御努力を感謝いたします。 それから、三百五十CC以下の軽自動車につきましては、私は協会の顧問というものももう四十年来やっておりますから、そういう立場から申し上げます。 いま同僚の關谷さんから公害ということについてもっと研究してほしい、公害という字を入れてほしいというようなことがございましたが、私はそのことについてはきわめて熱心でございまして、公害基本法ができましたときに——大気汚染、水質汚染、土壌汚染、この三つの汚染のうちのカドミウムとか水銀とか農薬とか、そういうようなことはもちろん重大でございますけれども、きょうは申しません。私は大気汚染によって人類は死滅しつつあるとか、あるいは水質汚染によってバルテック海はほとんど死滅した状態に、近くなるのであるというような論文等を見ますと、日本に比べると、日本の瀬戸内海のほうがもっと狭いのですから、早くなりやせぬかというような心配もございますが、これは別段自動車に関係ございませんから、私は申し上げません。大気汚染のことを申し上げます。 大気汚染は、工場排水とかあるいは水銀とかカドミウムとかシアンとか、そういうもの以上に人類の生存に害悪を与えておると私は思います。その主なるものは私は自動車であると思います。都会へ入ってきて、自動車が二千万台ある、単車を加えると三千万台近くあるということは、人口密度、面積から見まして世界一だと私は思っております。東京へ飛行機で入ってきましても、あるいは汽車で入ってきましても、どんよりした気分で、これでは子供を養育するのに非常に悪い環境であるという感じがつくづくいたします。 そこで、私が、自動車局長を含めて、自動車局長を部下としておる丹羽運輸大臣あるいは通産大臣、総理大臣にも申し上げたいことは、内燃機関、つまり排気ガスというものは炭酸ガスでも害があると思います。いわんや一酸化炭素を出しまするし、また気化した状態において鉛も入れますと、オクタン価はふえるということでこれはだんだん規制をされているようでございますけれども、炭酸ガスを出すだけでもたいへんな害であると私は思っております。そこで炭酸ガスを出さない方向に向かって自動車を研究してほしい、こう思っております。それは電気自動車でございます。どんなメーカーか私は知りませんよ。ただ、いまから三十年ばかり前に北海道で知事をしておったときに、東京において私の使った自動車は電気自動車でございまして、時速は四十キロでチャージをするのに非常に時間がかかりました。ドライバーも泣いておりましたけれども、いま夜は溶鉱炉の火を落とさないと同様に、重油をたく発電所の火は大体落とさないと私は思っております。そうすればどうなるかというと、電気はいたずらに放電しておる状態でございます。たまには揚水式発電所、つまりポンプアップで電力を逆流させまして、そして揚水式発電所というものもこのごろはちょいちょい開発されておりますけれども、ラッシュアワー以外の電気というものは私は放流されておる状態であると思います。これは経済的に見ても非常に惜しいことでございまして、あの万博みたいなちゃちな電気自動車でなくて、いまは時速六十キロの自動車が電気自動車として開発されているそうでございます。その蓄電池をつくるときに鉛か何かを使うという話でございますが、それはまた工場廃液とかそういうような関係で留意されるとともに、ぜひとも運輸大臣が主となって通産大臣等と相談し、総理大臣と相談して、自後五年以内には内燃機関のガソリンもしくは重油の自動車は政令都市その他の大都市においては使ってはいけないというような法令をつくる。東名道路やそういう道路は別問題でございます、これはやはり出力がないといけませんから。とにかく東京都と郊外を結ぶ自動車なんかは、最初ライセンスを与えておいて、そして内燃機関でもいたし方ないけれども、東京都内を往復するような自動車は内燃機関であってはいけない。これは自動車公害のおもなるものでございますから、ぜひこのことをやってもらいたい。 公害基本法ができまして、環境庁はできましたけれども、まだ魂が入っていない状態でございまして、私どもの公害というのは東京都が非常に空気が悪いということなんです。大阪市が空気が悪いということであり、福岡市が空気が悪い、北九州市が空気が悪い。要するに政令都市が空気が悪い、その他の相当の都市が空気が悪いということでございまして、その都市に住んでおったらもう子弟は健全に育ちませんし、われわれ自身もお互いが寿命を縮めておるわけなんです。でございますから、意見を兼ねた質問でございますが、大臣においてこれこそはいわゆる蛮勇のうちの蛮勇だと私は思います。そこでいまから言ったっていいと思うのです。行政というものは何も法律を施行するばかりが行政ではございませんから、勧告行政もございますし、申しすすめるという行政もございます。いま日本には相当な大メーカーがございます。そのメーカーの名前はいいませんけれども、世界的にも有名なるメーカーがたくさんございますが、日本が率先して蓄電池による推進力を持った自動車を使うようにいたしていただきたい。それを最も近い将来、われわれの寿命があってまだぴんぴんしておる間に東京都にはもう大体スモッグはなくなった——自動車は動いておる工場でありますから、動いておる町工場が東京都の中に五百万台あるわけでございますから、そういうことがないようにぜひとも御留意願いたい。公害という字を關谷さんのおっしゃるとおり入れていただけばなおけっこうでございます。大臣はきょうはほかの案件でここへお出ましのようでございますから、簡単に申し上げておきますが、真剣に御研究なさって行政措置として、それから将来は立法措置としてやっていただきたいことを、質問並びに意見を開陳いたしまして、やはりしっかりやるという御答弁をいただきたいと思うのであります。
○丹羽国務大臣 ただいま自動車公害の問題につきまして非常に真摯なはたまた該博な御質問をいただきまして、まことにありがたく思っておる次第であります。 確かに都市の大気汚染につきましては、自動車の排気ガスからこうむる影響の大きいことは私も痛感をいたしております。私、運輸省へ就任以来、いま増田先生からお話がございましたように、電気自動車を何とかもう少し活用はできないかということを尋ね、また調査させた次第でございますが、ただいまのところ、いま御指摘がございましたように蓄電に非常に難点がある、走行キロがすぐにとまってしまう、こういうような点がございまして、さらに研究を進めなくちゃいかぬということになっております。また一方発電機関といたしまして夜間の発電をいかに蓄電するかということを、いま電力会社で非常に問題にして研究をしておるようでございます。御承知のとおり冷房、暖房その他の点につきましては、夜間の余剰電力をいかに蓄電してそっちへ向けようということの研究もただいましておるようでございます。これをいま増田先生のおっしゃいましたような電気自動車の蓄電に振り向けるいろいろの技術的な問題もあろうかと思う次第でございます。ただいま通産省と私のほうで共同で研究をさせております。通産省ではことに一生懸命いまその研究についております。ただいまの先生の御趣旨を体しましてさらにこれを強力に進めまして、公害発生の原因を除去するように極力つとめたい、こういうふうに思っておる次第でございます。よろしく御指導をお願いいたします。 ————◇—————
○小峯委員長 次に、日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行ないます。 質疑の通告がありますので順次これを許します。松本忠助君。
○松本(忠)委員 法案の第十九条の四項についてお尋ねをいたしたいわけであります。 この点については先般三月二十八日の当委員会で斉藤議員が質問されておるようでございますけれども、四項では、「運輸省令で定める規格を有する地方鉄道又は軌道に係る鉄道施設又は軌道施設で大都市圏(政令で定める大都市及びその周辺の地域をいう。)」ここまででございますが、「政令で定める大都市」、これを政令で定めることにした根拠、それをまず第一に伺いたいのです。それから「その周辺の地域」というのは距離的にいってどの程度のものをさすのか、この二点。
○山口政府委員 この法律では、大都市におきまして人口の集中が非常に著しく、鉄道輸送網の緊急な整備を必要とする、そういう地域に対しまして鉄道の整備を促進しようというところにあるわけでございます。したがいまして、いま申し上げましたような法律の趣旨にかんがみまして具体的に法律で地域を確定することなしに、政令によりまして弾力的にその地域を広げていくというようなことも考えまして、ここで「政令で定める大都市」ということにいたした次第であります。 なお「周辺の地域」ということでございますが、周辺が何キロくらいであるかというのは非常にむずかしい問題でございますけれども、一応社会通念上の周辺の地域ということでございますが、なお従来都市交通審議会その他で私ども周辺地域ということを考えてみます場合には、一応東京圏等においては五十キロ圏内程度までを考えております。
○松本(忠)委員 いまのお答えによりますと、弾力的に、要するに将来その地域の拡大をしていく、こういうことを考えておられるようですね。それでは、わかりましたが、要するに現在のところ考えられているのは一体どこか、こういうことになるのです。私もこの点につきましては、資料要求いたしましてちょうだいいたしておりますが、一応の話を聞くと、東京、大阪、名古屋というふうに考えている、こういうお話でございましたが、そうなってきた場合、対象を拡大していくというお話がございますけれども、当面のところ、第一条にあるところの「地域格差の是正」——目的にございますね、「地域格差の是正」当面三つだ。しかし、いただいた資料の中には、具体的には名古屋は載っておらぬわけです。東京と大阪二つだけ、名古屋は全然載っていない、こういう資料を私はいただきました。そうなりますと、第一条の「地域格差の是正」ということにならないのじゃないか。いま局長のお答えでは弾力的に将来ふやしていくという、こういうお話でありますけれでも、一体どの辺までそれを拡大していく考えがあるのか。
○山口政府委員 第一条でございますが、実は従来鉄道建設公団は国鉄の運営いたしますところの鉄道の新線の敷設というものをやっておりまして、その目的といたしましては、経済基盤の強化と地域格差の是正に寄与するということを目的としておったわけでございます。今回は、従来やっておりましたものに加えまして、新たに大都市の機能の維持、増進ということを加えたわけでございまして、この鉄道建設公団が行なうものは大都市の機能の維持、増進ということのほうの工事でございます。 なお、政令で定める大都市は、ただいま先生御指摘のように、東京、大阪、名古屋というものをとりあえずこの大都市圏ということで考えておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、この法律の目的からいきまして、人口の集中が著しくて、そうして鉄道輸送網の緊急な整備を必要とするというような地域につきましては今後広げてまいる余地を残しておるわけでございまして、具体的な必要が生じた場合には、政令によりましてこれを指定してまいるということに相なるわけでございます。
○松本(忠)委員 なお、それでは十九条の四号に、後段のほうですが「以下同じ。)内に存するものの建設及び政令で定める大規模な改良(以下「大改良」という。)を行なうこと。」となっておりますね。この大規模な改良、大改良というものは一体、どういう工事をさすのか。
○山口政府委員 この法律でねらっております鉄道に関する工事の中で鉄道建設公団が扱わなきゃならぬというものは、非常に規模も大きくて、しかも工事としてまとまっているものでなければ、運営上も非常に適当でないわけでございますので、そういう意味で、この大改良を政令で定めるということにいたすわけでございまして、当面は複線を複々線化にするというような性格の大きな工事を行なう。したがいまして、この法律の十九条四号によりまするところの業務の範囲というものは、ただいま考えておりますのは、たとえばニュータウン新線、ニュータウンに行きますところの鉄道新線の建設あるいは地下鉄路線に直通するような鉄道新線の建設あるいは既設線路の複々線化というような工事をこの四号で規定しておるわけでございます。
○松本(忠)委員 次の五号でございますが、五号のところで「前号の規定により建設又は大改良をした鉄道施設又は軌道書設を当該地方鉄道又は軌道に係る地方鉄道業者又は軌道経営者に譲渡すること。」貸し付けをしない、譲渡のみに限ったというその根拠。
○山口政府委員 これは実は現在は、鉄道建設公団が建設をいたしまして、そうして国鉄に渡すやり方は主として貸し付けによっております。譲渡のものも若干ございますが、主として貸し付けによっております。それで、この法律では譲渡というふうに限ったわけでございますが、これは私ども技術的にいろいろな点を実は検討いたしました。それで、たとえば譲渡と貸し付け、どこに違いがあるかと申しますと、第一番に、譲渡いたしますと、その施設の維持というものが直接私鉄に移るわけでございます。貸し付けにいたしますと鉄道建設公団に依然として残るということになりますから、その施設の、たとえば維持だとかあるいは管理だとかそういったようなものは依然として鉄道建設公団に残る姿が貸し付けでございます。そういたしますと、それに対する管理の仕事というようなものもございます。さらにまた災害が起こったような場合におきましても、その災害の復旧というようなことが、鉄道建設公団の所有しておるものの災害でございますから鉄道建設公団がその災害の復旧をしなければならぬというようなこともございます。そうしますと、通常の、たとえばその施設の維持、修繕とそれから災害を受けた場合の災害の復旧というようなものとが、実際、事実上判別が困難な場合も非常にございまして、そういった場合にこの法律関係も非常に不明確な場合が大きいわけでございます。それから、さらに譲渡にいたしました場合に割賦弁済というような形が行なわれるわけでございますが、それに従いましてその施設の私鉄の担保力というものが増大をすることによりまして、たとえば他の債権の担保に供することも可能となるということになりますので、私鉄みずからの行なう整備というものが非常に促進をされるというようなこともございますので、その他税法の問題もございまして、やはり譲渡にしたほうが鉄道建設公団にとっても非常に都合がいいし、また事業者にとっても非常に都合がいい、しかも法律関係も非常に明確になるし、争いも少ないということで、今回は譲渡にするということにしたわけでございます。
○松本(忠)委員 そこで、条文のほうの解釈はわかりましたけれども、大臣にお伺いしたいのは、この譲渡価額をきめることでございます。この問題については三月三十一日に加藤議員が質問をされておるようでございますけれども、関連ある二十三条の三項ですか、この譲渡価額についてはあらかじめ運輸大臣の認可を受けなければならない、こうあるわけですね。そこで私鉄業者が譲渡される価額に不服を唱えることが予想されると思いますが、大臣その点はどうですか、御見解は。
○丹羽国務大臣 ただいまのお話でございますが、これは適正な、敷設に要しましたぎりぎりの原価ということにいたしております。したがいまして、それらの点につきましては民間の譲り受ける業者から不服がないように、私どもも認可の際におきまして十分考慮をいたしまして適正な価額で譲渡させるように指導してまいりたいと思っておる次第であります。
○松本(忠)委員 不服があった場合、それをどこで取り上げるのか、取り上げるところがないとするならば、不服があった場合に困るのではなかろうか。しかも問題は、いま大臣も言われましたように、ぎりぎりの工事費の原価だとおっしゃいましたけれども、はたしてその工事費の原価だけでいいものかどうか、公団としても若干でも上乗せすることも必要があるのではなかろうか、こんなことも考えられる。そういう場合にはたして譲渡価額というものを私鉄側と公団側で、大臣の認可を得てあるからといって、いやいやながら承知する場合、これはけっこうですという場合、いろいろあると思うのです。特に公団が——そう申してはなんですけれども、この間も言いましたが、公団が非常に親方日の丸的なものがあるわけです。現在、言うならば国鉄さんもどうにもならないというふうな鉄建公団、こういうふうなことが世間でよくいわれるわけです。そうしたときに、いわゆる親方日の丸式でやるならば、工事費も、私鉄がじかに自分のところでほんとうに経済的にやると考えることよりも、もっともっと上がってくるのじゃなかろうか。こうなった場合に不服が出てくるということが考えられる。そうしたときに一体どうなるのかということなんですね。大臣、どうですか、そのお考えは。
○丹羽国務大臣 ただいまのごもっともな御質問でございますが、不服が出ました場合には運輸省に引き受けの民間業者から言っていただきまして、それを調整する道を開きたい、こういうふうに思っている次第でございます。またこれは大都市の通勤通学輸送の増強のために良質なサービスをできるだけ提供するための特別な施設でございますから、できるだけ安い価額でもって上がるように十分指導してまいる。それがために管理費その他につきましても十分節約してやらしてまいる、こういうつもりでございます。 それにつきましても重ねて申し上げますが、万一不服がございましたならば、直ちに運輸省にそのことを申し出ていただきまして、その中を調整する道を開いてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○山口政府委員 ただいま先生御指摘のように、この法律では、譲渡に関しまして政令で定めるところによりまして、その譲渡の価額等について認可を受けるわけでございます。 そこで問題は、その譲渡の価額でございますが、結局鉄道建設公団といたしましては、これは国の機関でございますから、別に利益を上げる必要もないわけでございますから、当然かかった原価だけを回収すればいいということに相なるわけでございます。そこで問題は、その原価をどうするかということが問題でございまして、そこが先生御指摘のように非常に高い工事をしてしまうということになれば非常に問題なわけでございます。そこで、この法律ではそういうことがないように、私鉄の工事のやり方というものに合わせた工事のしかたをさせなければいかぬということで、工事施行の認可に該当するような姿の工事実施計画を定めましてこれを鉄道建設公団にやらせる。さらにその工事をやらせるにあたりましては、公団と地方鉄道業者または軌道経営者がその建設なり工事のやり方、実施の方法について協議をする。さらにその施設の譲渡等について協議をするということによりまして、事前にそういうような不服の生じないような措置を十分に講じまして、そうして工事をやってまいる、こういう仕組みにいたしておるわけでございます。
○松本(忠)委員 先般もお伺いしましたときに、公団の常務理事以下それぞれの部局ができて、職員が配置される。そういったものの予算は百二十五億の中に入っている。今度は実際上原価を算定する場合にそれらの職員のものも個々に何らかの形でその工事したものの中に還元されている、こう理解していいわけですか。
○山口政府委員 当然その管理費等につきましては工事費の中に含めまして、そしてその全体としてそれが回収されるという形になります。
○松本(忠)委員 ですから、管理費をのせるに際して、いろいろ工事の内容が違うわけです。いまわれわれが聞き及んでいるものでも、かなり難工事もあれば簡単なのもあるわけですね。そういったものにどういうベースでのっけていくのか、その辺のところがあとで不服になってくるのじゃないか、こう思うのです。要するに不服になる原価に問題がある。工事そのものについては合意の上でやるのだというけれども、いわゆる常務理事以下の管理費、人件費、業務費、こういったものの割り当てをどうやって新しくできる新線にくっつけていくのか、この辺のところの取りきめはどうなっているのか。そこによって問題が起きるのではないだろうかということを心配するわけです。その不服を解消する方法は一体どうなのか。
○山口政府委員 まず鉄道建設公団が行ないます工事は、今回つけ加えました工事のほかに、国鉄に関する工事が当然あるわけでございます。したがいまして、こういう国鉄に関する工事とそれから鉄道建設公団が行なう私鉄に関する工事とをしっかりと区分的に経理をいたしまして、そしてそれの混淆が生ずるというようなことになりますれば問題が起きますので、そういうことのないようなことをしなければならぬ。 その次に各工事でございますが、私鉄の工事の中の各工事につきまして、これは具体的に工事費を算定をいたしまして、さらにそれに対します管理費その他の割り掛けをしなければならぬわけであります。その割り掛けの基準というものを定めまして、その割り掛けの基準によって各工事にそれを配付するという形になって、各事業者間のアンバランスなり不平というものが生じないようにしなければならぬ、こういうふうに考えております。
○松本(忠)委員 一応現実に始まってみないことには、幾らかかるかわからない。実際、予算のとおりいけばいいのですけれども、なかなか予算のとおりいかない場合もあるだろうと思うのです。とにかく管理費の問題は後に災いを残さないようにしてもらいたいと思うのです。 そこで二十二条の二によりますと、いろいろ長く書いてありますけれども、最後のところ「運輸大臣に対し、公団が当該鉄道施設又は軌道施設の建設又は大改良を行なうよう申し出ることができる。」要するに、申し出て初めてそこで始まるわけですね。現実には、この法律が通って、そして私鉄の業者が運輸大臣に対して、こういうことをやっていただきたいと申し出があって初めてそこでそれを運輸省として検討する。こういうような順序になっているわけでありますけれども、現実にはすでにどことどこをやるということはあらかたきまっているわけですね。その資料を私は要求して、いただいたわけでありますけれども、私、ふに落ちない点が若干ありますので申し上げたいと思うのですが、すでに工事に着手していてそれを公団が継続してやる、こういうケースが九線中六線あるわけですね。具体的に言うならば、西武鉄道の練馬−向原間の二・五キロ、京成電鉄の青砥−高砂間の一・二キロ、小田急電鉄の代々木八幡−東北沢間一・九キロ、これを除きますと、あとの六つというものは継続事業になるわけですね。そうなってまいりましたときに、地下鉄直通の二社の十一・九キロですか、それから複々線線増の五社の十六・四キロと、問題の多摩ニュータウン線の二社二十・三キロ、合計四十八・六キロの中で四十三・六キロが継続でやる事業、この資料によると、こういうふうになるわけです。 そういった場合に、この工事の責任範囲を明確にする必要があると思う。民鉄側でその工事を一部でも着手している、それをさらに公団が請け負って事業をやる。公団が直接仕事をするわけではない。いずれにしても公団がまた建設業者に下請させるわけでしょうけれども、その一部着手しているところの区切りのつけ方、たとえばこの法律が公布になった暁、その時点でやるのか、あるいは一区切り区切って、現在私鉄がやっている工事が完成するのを待ってその次の工区から公団が請け負うのか。この辺のところはもうはっきりしているわけですか。その点はどうなんでしょう。
○山口政府委員 具体的な工事につきましては、申し出があって初めてきめてまいるということでございますが、考え方といたしまして、ただいま先生御指摘のように、もうすでに着工している線がかなりあるわけでございます。そういったようなものを公団がやらないのかという点につきましては、そういったようなものにつきましてもやはり公団が引き受けて工事をやるということを考えております。その場合に、その工事の引き継ぎのしかたあるいは財産の区分のしかたというようなことは十分に厳密にやっておかなければいけないわけでありまして、これは両者間で、先ほど申しました協議の制度がございます、その協議の段階におきまして、この点までは私鉄がやる、この点は公団が工事をするというふうにかっちりときめた上で、工事をしてまいるということに相なるわけでございます。
○松本(忠)委員 大臣、いまの鉄監局長のお話で、大臣聞いていらっしゃってわかると思うのですが、要するに私鉄としては、こういう線をこういうふうに引っぱるのだという一つのプランがあったわけですね。今度は、それをここから先のほうは公団にやってもらうことになるのだということになって、そこで協議するのだ。協議するのは、十分な協議が行なわれることと思いますけれども、やはり民鉄は民鉄の持っていたところの技術があるわけです。民鉄のすでに持っていたところの長年の経験、そしてまたその技術陣もいるわけですね。そういったものと、今度は公団側の技術陣との間の調整、これは協議で完全にするのだと言いますけれども、どうしてもそういう場合に公団側から押しつけてくるのじゃなかろうか。そうなってくると、私鉄側の持っていたところの主体性というものが喪失してしまうのじゃなかろうか、こういうおそれが多分にできてくるのじゃなかろうか、こういう点も私鉄自身はおそれているのじゃなかろうかと思います。やってくれるのはけっこうだけれども、自分のほうで考えているプランが大きく変更されることがあるのじゃなかろうか、こういうおそれを持っているようにも見えるし、私鉄側としては考えておるようです。この点について、大臣としてはどのようにお考えですか。
○丹羽国務大臣 今回のこの法案につきましては、もうすでに松本先生御承知のとおり、本来ならば財政的余力があれば私鉄がどんどんと自発的にやってもらう種類のものであろうと思う次第でございますが、いま都市空間が非常に少なくなってきた、設備自身にも非常な金がかかるということで援助をするというたてまえのものでございますから、したがいまして、この施設にあたりましては、民鉄の意見を十分取り入れ、そしてまた技術陣におきましても、いままでやっております私鉄の技術陣を十分取り入れて、それを主体といたしまして、それにこちらとしてもアドバイスするところがあればアドバイスするというようなことでやっていったら円満に行くのじゃなかろうか、そういうふうに私は指導していきたい、こういうふうに思う次第でございます。
○松本(忠)委員 一応それでいいとしまして、次に二十二条の二の2以下は私も説明を聞いておりますので、これはいいと思うのですが、問題は、大臣、要するに建設費用、言うならば予算の問題、資金面の問題、この点についてひとつ大臣に伺いたいわけでありますけれども、現在これらの大都市高速鉄道建設は、いずれも完成が非常に急がれておる、これは私も認めます。またそうなければならぬと思うのですね。それにしては初年度の資金面が不足だと思うのですよ。百二十五億、これはどうも総額九百五十億という資料をいただきまして私も承知しておるわけです。全体の総額で千二百四億ですか、そのうち私鉄ですでにやっておる分を二百五十億除きますから九百五十億、初年度百二十五億だ、こういうわけですね。そうしますと、毎年百二十五億くらいでこちょこちょやっていたんじゃ七年半から八年くらいかかる。そんなのんべんだらりとやられたんじゃ困ってしまう。そうならば、何も公団にやらせる必要はない、こう思うのですね。 そこで、一体その残りの八百二十五億——九百五十億として八百二十五億、これは四十八年、四十九年、五十年、少なくともこの三年ぐらいで完成させなければ実際上の役に立たぬと私は思うのですね。そこで、そうなってくると、二百七十五億という数字を三年間やって八百二十五億、こういうことになる。運輸大臣が大蔵大臣に対して強硬な折衝をすべきじゃないかと思うのですね。ことしはとにかく百二十五億で何かどうも押し切られているかっこうになってしまったが、こんなことではだらしがないと思う。もう少しがんばっていただいて、積極的に二百億でも二百二十億でもつけておいて——いずれにしても二百七十五億というものをつけなければ三年でできないのですね。そういう点から考えると、一体何年で大臣はおやりになるつもりなんですか。来年度、さらに四十九年度、五十年度は一体どれくらいの資金を獲得していくお心づもりなのか。これを、大臣の御決意をひとつ聞いておきたいと思う。
○丹羽国務大臣 ただいまの御質問、ごもっともでございまして、初年度でございますので、ほんとうに微力のために百二十五億しか取れませんで、まことに申しわけないと思う次第でございます。しかしこれは新しい、初めての試みでございますので、今回はやむを得なかった、こう思っておる次第でございますが、いま松本先生の御指摘のございましたように、これが八年かかるというようなことでは、今日の過密都市におけるところの通勤通学の混雑緩和を達成することはとうていできない次第でございます。まあいまのところ、三年でやるとか二年半でやるとかいう区切りはつけられない次第でございますが、できるだけひとつ短期間にこれらの線増を行ないまして、そして過密解消に当たりたい。少なくとも来年度におきましては——私いま、来年度は運輸省にいるかどうか、もちろんわかりませんけれども、できるだけ、私も交通部会の一人として、いままでのいきさつもございますので、十分これを推進いたしまして、大蔵省にも迫りまして、先生方の御協力を得まして、いま出ました約二百五十億、三百億を取ってまいり、さらに、先般申し上げましたが、利子のついた融資だけでなくて、出資のほうにつきましても努力をいたしまして、そしていまの大都市の交通緩和のために一日も早くこれが達成できるような努力をいたしたい、こう思っておる次第でございます。御了承願います。
○松本(忠)委員 大臣、いまの御答弁の中で、二年半とか三年とかいう区切りはつけられないとおっしゃいますけれども、これはやはり目標をおきめになるべきじゃないかと思うのですね。こちらが二年半とか三年とかはっきりしないからこそ、また大蔵から押しつけられてしまう。延び延びになってしまう。やはりここで大臣が二年なら二年、あるいは二年は無理にしても三年、少なくとも五十年には完成させるのだ、いま話題になっておるところのこれだけの新線は、どんなことがあっても五十年には完成させるのだ、こういう強い決意をお示しにならぬことには、これはまた来年度押し切られてしまいますよ。そんなことじゃだめです。やはり必要があって、こういう法律をつくることもわれわれが検討させてもらっておるわけです。これはもう必要はわかっていながら、二年半か三年、見当もつけられない、区切りがつけられない、こんなようなことでは情けない次第だと思う。どうしてもやはり大臣の強い決意があって、そして来年度予算の獲得も、また出資の面にも道が開けるのじゃないかと思うのです。当面、ひとつ大臣に重ねてこの御決意を示していただきたいと思う。
○丹羽国務大臣 強い御激励をいただきまして、まことに恐縮に存ずる次第でございます。いま工事計画ができておるものをさっそく検討いたさせまして、三年なら三年でやるのには来年度どのくらいでやるかということもひとつ検討させたいと思う次第でございます。 ただ、ここでいま申しました三都市だけに限ることは、将来はできないと思う次第でございます。あるいは横浜とか、あるいはまたその他の大都市であるとか、必ずそういう問題が起こってまいる次第でございます。多々ますます弁ずる、こういうことになってくる次第でございまして、私、年来申しておりますように、交通社会資本の投資ということもおくれておりますなら、そういう点では、計画をつくるとともに、いろいろ御協力をいただきまして、できるだけその達成に努力したい、こう思う次第でございます。
○松本(忠)委員 大臣、重ねて私、申し上げますけれども、要するにここに書かれておるところの資料によると、九つの線があるのですよ。これはどうしても必要だと思うからこそ強く私、申し上げたのです。将来、これは鉄監局長が言われておるように、その地域が拡大するというお話もあります。これは拡大しなければいかぬと思いますけれども、まずさしあたって九つの線について、残り九百五十億という一つの予算、もちろんこれは年々九百五十億が、人件費も上がるし、いろいろの資材も上がるでしょうから膨張はするでしょう。それにしてみても、この九つの線について一体いつまでにおつくりになるかということ、これなんですよ、お聞きしたいのは。
○丹羽国務大臣 重ねてのお話でございますが、具体的の路線につきまして、その工事費を検討しまして、年限をきめて、そして実行に移したい、こう思っておる次第でございます。
○松本(忠)委員 どうもはっきりしたお答えができませんね。 ことしの予算の百二十五億ですか、これが財投とそれから公募、こういう形で一対一・五という形になっているわけですね。これでいきますと、いわゆる国鉄のCD線並みだと思うのです。この辺の折衝を、大臣なさったのかどうか。少なくとも私は対々でいいんじゃないかと思うのですよ。一対一・五という割合、これを対々ぐらいの割合に、できるならばむしろ逆というところまで持っていくべきじゃないか、こう思うのです。そういう点について大臣は折衝なさったのかどうか、こ の点どうでしょうか。
○丹羽国務大臣 その点も、微力ではございますが、大蔵省には強く申した次第でございますが、何ぶん、新しい初めての計画のときはどうしても国のほうの財投のほうを出ししぶる、ほかの需要がございまして、これでしかたなく妥協した次第でございますが、将来におきましては、来年度からは、いまおっしゃったような、少なくとも一対一、むしろ先にいきましては逆にする、より財投の資金を多くするというふうな傾向に持ってまいりたい、こういうように思っている次第でございます。
○松本(忠)委員 もちろん、そういった努力を大臣が今後もなさることは当然のことだと私思うのです。 そこで、公団債のほうですが、金融事情が悪化した、きびしくなったというような場合に、引き受け手がなくなる、こういった場合は予想されませんか。
○山口政府委員 この工事は非常に緊急を要するものでございますので、公団としても、全力をふるってこの引き受けに努力するというふうにいたしまして、調達には万全を期してまいりたいと思います。
○松本(忠)委員 非常に楽観していらっしゃるようでございますけれども、私は、その七十五億程度のものなら、まだやはりこれから量をふやしていかなければならぬ。二百五十億、二百七十五億という数字、あるいはもっともっとふやしていく場合に、一対一・五という数字でいった場合、この公団債の消化という問題が一つの頭痛の種になるようでは困るわけです。この点を一つくぎをさしておきます。 問題の多摩ニュータウン線でございますけれども、四十九年の三月までに、一応の入居計画がずれ込んでいっているわけです。まあ四十九年の三月になりますと、かなりの入居者ができてくるわけです。その入居の状況に合わせて新線の建設というものが、連携されて、連動されてつくられていかなければならぬわけであります。 ところで、その多摩ニュータウンなるものは日本住宅公団あり、住宅供給公社あり、あるいは東京都の都営の住宅がある。さらにはまた民間の土地区画整理組合等、いろいろこの折衝の窓口が多いわけでありますけれども、そういうものについての折衝の窓口は公団一本にしぼってやるんですか。そこに全部、公団にいままでの経過その他を引き継いでしまってやるわけですか。
○山口政府委員 多摩ニュータウンは、先生御指摘のように、すでに入居いたしておりますが、全部は五十五年完成ということになっております。 そして、多摩ニュータウンにつきまする鉄道につきまして、まだもちろん申し出はないわけでございますけれども、当然これにつきましては、この鉄道建設公団の工事といたしまして建設するということに相なるわけでございます。そして、その具体的な建設の工事のしかたにつきましては、各実際の工事の実施者、たとえば住宅公団もございますし、東京都住宅供給公社というものもございますし、東京都営のものもございます。そういったようなところと具体的に折衝をいたしまして、そして工事を進めてまいるということに相なろうかと思います。
○松本(忠)委員 そこで、さっきも述べましたけれども、四十九年の三月の時点になりますと、かなり入居計画がおくれているといいながらも相当の入居者が出てくると思うのです。その時点になりますと、バスではとうてい通勤者を運び切れない、そういう事態になります。それまでに、はたしてこの多摩ニュータウン線が完成するのかどうか。少なくとも、この資料によるところの九線のうちで、この多摩ニュータウン線、二線に主力をかけてやることになるだろうと思うのです。そうなったときに、資金的にも、現実の工事の面からいっても、ほんとうにその確信があるのかどうなのかということですね。四十六年度の夏の計画によりますと、四十九年の三月には三万五千世帯、十三万人の入居計画がある、こういうことになっています。その四十九年の三月までにほんとうにこちらの側はできるのか、そしてまた、いわれるところの陸の孤島というものが解消できるのか。その辺の確信があるか、見通しがあるかということであります。
○山口政府委員 多摩ニュータウンにつきましては、先生御指摘のようにすでに入居をいたしておりまして、さらに、四十九年度には相当程度入居するということになります。現在は京王線の聖蹟桜ケ丘でございますが、あすこまでバス輸送をやっておりますが、とてもそんなことではもう間に合わないことははっきりいたしておりますので、どうしてもそれまでには何とか鉄道線を引かなければならぬということに相なるわけでございまして、そういう工事計画で進めてまいる、そのために必要な予算措置その他も講じなければいかぬというふうに考えております。
○松本(忠)委員 いま大臣、鉄監局長から言われましたように、ほんとうにできればいいんですよ。資金面でも工事の面でも十分な力を尽くして、そして必ずやってくださるということならいいわけですけれども、一方、どんどんどんどん、完成するに従って入ってくる、もうバスでは運び切れないという状態になって、ほんとうに何のためのニュータウンをあそこへつくったんだか、その意味がわからなくなってしまう。そういう点で、せひともこの点は大臣が積極的に取り組む姿勢をきちっと示しておいていただかなければ困ると思うのです。 そこで、その五十五年度末になりますと、要するに多摩のニュータウンは一応完成する、順序からいけば。十一万世帯、四十一万人という数字が出てくるわけです。その時点になりますと、このNT線の多摩ニュータウン線はまあ当然それまでにはでき上がっている、どんなにおそくたってでき上がっているわけですね。その時点で、確かにその採算面において、初めのうちは、バスでは運び切れない、電車はまだまだすいているという状態が若干続くだろうと思います。まあそうしたところで、その多摩ニュータウン線については、四十九年の三月に完成して、この返還が二十五年、こういうことになりますと、七十四年が終期になるというふうに計算するわけです。そうすると、五十五年から七十四年までの十九年間というものは、私は完全黒字になるのじゃなかろうか。それまでは、まあ確かに五十五年まではかなりすいている状態だ。五十五年になるに従ってかなりこんでくる。五十五年から支払いの終期の七十四年までの間は、かなりの黒字が見込めるのじゃなかろうか。そうなったときに、その返還の、いわゆる二十五年という期間の短縮をすべきではないかと思うわけです。要するに、地下鉄の直通線あるいは複々線化、他の七線と違いまして、この二線はもう必ず将来はペイすると私は思う。ですから、この二線と他の七線についての償還の差を設けるべきではないか。まあこのことは大蔵省も利子補給の問題でNT線のほうを十五年に決定した、その他は二十五年にしたということでもうなずけるわけであります。そういう点から考えて、この多摩ニュータウン線については償還期限はむしろ短縮してしかるべきではないかというふうに私は思いますが、この点どうでしょう。
○山口政府委員 この鉄道線ができまして、完成いたしましても、これは輸送量は漸増しかしないわけでございます。したがいまして、完成をいたしました五十五年時点というのでも、当然その時点では赤字でございます。完成したからすぐに黒字になるという性格のものではございません。そうして非常に長い懐妊期間を持っておりまして、相当長期間その赤字が続きまして、そして単年度収支におきまして黒字になるのはかなり先のことだということに相なります。そして、かりに単年度収支におきまして黒字になりましても、さらに累積赤字が相当あるわけでございます。その中の長い期間の累積赤字があるわけでございまして、その累積赤字を処理するためにはやはり相当の期間を必要とするわけでございます。したがいまして、総合的に見まして、私ども、収支が均衡の状態に達するという期間のためには長期を要するわけでございますから、決してこの期間が長過ぎるというふうに考えておりません。なお現在の私鉄の資金需要その他からいきまして、これを長期化することにしなければとても設備投資ができないということがあるわけでございまして、したがいまして、そういう意味では、この長期の割賦ということがぜひとも必要だというわけでございます。
○松本(忠)委員 時間もございませんので、もう一点だけひとつ確かめておきますのは、東急の新玉川線、あれはほとんど用地費を必要としないところの工事だと思います。こういったものに対しても六分になるような利子補給を受けるわけですね。一方、小田急とか京王などの工事はかなり用地費が多いと思うのですけれども、この差についてはどのようにお考えになりますか。簡単でけっこうです。
○山口政府委員 工事費の検討は非常にむずかしいわけでございまして、東急の玉川線の場合には全線地下鉄工事でございますから、工事費の面では非常によけいかかるわけでございます。それからニュータウン線のほうは、地下鉄の部分がほとんどなくてむしろ高架線の部分がございますので、その意味では工事費はニュータウン線のほうが安くあがります。そういったようなことを考えまして、両方くるめて二十五年の均等償還ということにいたしたわけでございます。
○松本(忠)委員 いずれにしましても、この問題につきましては私どもも前向きに検討して、ぜひともやりたいと思っております。また、そうならなければならないというふうに思いますが、どうか大臣も——先ほど何か、その時分はどうも自分は大臣をやめてしまうようなお話で、われわれとしますと、非常にたよりにしている大臣にやめられると困ってしまう。やはり前向きにこの問題に取り組まれて、そして大蔵からもどんどん金を引っぱってきて、この工事をぜひとも短期間に完成させてくれ、そういう大臣の決意をひとつ最後にお伺いしまして、質問を終わりたいと思います。
○丹羽国務大臣 今回の、鉄建公団をしてそういったような民鉄の線路につきましても施工せしめるというこの問題は、私が今回予算折衝をいたしました最重点項目の一つとして、最後まで私はやった次第でございます。どうしてもこれをしませんと——大都市交通の混雑緩和を達成するためには困難が非常に予想されますので、どうしてもこれは、いま御鞭撻をいただきました線でやってまいりませんと達成できないと思う次第でございますので、今後とも極力力を入れまして、先生方の特別のまた御協力をいただきまして、この目的の達成に邁進したい、こう思う次第でございます。
○松本(忠)委員 終わります。
○小峯委員長 田代文久君。
○田代委員 大臣にお伺いします。一分間でやれと言っていますが、そんなことは……。大臣、御多忙のようでございますので、いずれ他の機会にこの法案の詳細につきましては御質問いたしたいと思いますが、一点だけ大臣に所見を伺いたいと思います。 最近でも船橋の大事故が起こりまして、単にあれだけではなくて、現在、都市交通というのは、これはどこから見てもにっちもさっちもいかなくなっているという実情で、これはよほど政府としては思い切った政策なり手を打たなければ、とてもこれは解決しないのじゃないか。そういう意味で現在提案されている法案、これによってこの都市交通対策が相当の効果をあげるなどは、これはいささかも私どもは期待できません。そういう点で、こういう法案の内容の審議に入るまでに、ほんとうの意味で都市交通対策を抜本的に、基本的にとにかく解決するという基本姿勢、いままでとにかく都市交通対策に対してどういう欠陥と弱点を持っておったのか。その欠陥なり弱点を今後どういう方向で大きな線でこれを解決しようとするか、基本的な姿勢を示していただきたい。そうでなければ、こういう法案を審議してみたって、ほんとうはこれは何ら解決できないのじゃないかという不安を感ずるわけであります。 そういう点で、結論を時間の関係から一言申し上げたいのですが、今度の法案の中で事業主体ですね、事業主体を、どうしても多摩ニュータウンなどの問題においては、当然地方公共団体の東京都が実際の事業主体になるというような関係で、しかもその資金とかなんとかという面は、思い切って政府はそれに対しては補助するというような姿勢を示しませんと、私は、こういう法案によって解決できないのじゃないか。ですから、そういう点で都市交通の使命を果たすというためには、いわゆる環境整備が基礎になると思います。このように大企業の中枢がどんどんできるというようなことにもなってくれば、これはたいへんなことになりますので、その政府の持っておられる基本姿勢、いままでの弱点なり欠陥、これを明らかにしていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 どうも時間がなくてほんとうに恐縮でございますが、いまおっしゃった点で、大都市交通につきましては非常におくれておることは事実でございます。したがいまして、これを行ないます場合には、国鉄、私鉄、それからまた各自治体、三者が一体になりまして、そうしてこれを達成しなくちゃならぬ。それゆえに今回国鉄の財政再建の法案におきましても、都市交通の線増を極力やらなくてはいかぬということをやはり計画的にやっておりますし、また自治体の交通機関にいたしましても、今回首都圏におきまして、地下鉄の問題につきましては、前の約三倍の走行キロを答申に求めている次第でございます。それとあわせまして、これらの民鉄の線増もやりまして、そうして三者一体となりまして、この都市交通の混雑化を防いでまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。
○小峯委員長 次回は、来たる十一日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開くこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時八分散会