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67回国会参議院1971/11/05

予算委員会 第5号

発言数
124
登壇者
20
会派数
4
開催日
1971/11/05

会議録

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  昭和四十六年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十六年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)以上三案を一括して議題といたします。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) この際、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。三案審査のため、本日、日本銀行理事渡辺孝友君を参考人として出席を求め、意見を聴取することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 前回に引き続き、渡辺君の質疑を行ないます。渡辺君。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 きのうに引き続き、円ドル問題についての政府の対策を伺いたいと思います。  間もなくアメリカのコナリー財務長官がたくさんの要員を引き連れて来日するといわれております。経済問題についてのアメリカ側の日本に対する要求、これに対する日本政府の態度、これについてまず伺いたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) コナリー長官が三十人ぐらいの一行で来日されるということは聞いておりますが、これは南ベトナムの大統領就任式に出席された帰りに東南アジア諸国及び日本へ立ち寄るということでございまして、したがって、一行はほとんど全部が国務省の関係者ということでございます。いま連絡のきているところによりますと、できるだけ日本についてのいろんな事情を知りたいという希望があるようでございますので、したがって、いろいろ財務長官とお会いする機会は、閣僚そのほかで機会はつくるつもりでございますが、先方は終始聞き役になるんだと、今回は要求の提示とか、あるいは解決を迫るというような具体的問題をもってこれを協議することを考えて来日するんじゃないということを言っておりますので、この機会に、いい機会でございますので、いろいろ日米間の問題についてお互いが了解のいくような話し合いとか、そういうものの機会にこれを利用したいと私どもは考えておりますが、しかし、具体的ないろんな協議の場には今回はならないというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いろいろ話し合いをしたいというふうなおことばですが、どういうような問題を話し合おうとされておられるか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) ことしの八月もそうでございましたが、やはり日本経済の問題そのほかについては、いろいろ諸外国においてまだ十分理解していないところもございますし、したがって、日本のいまの国際収支の現状が相当一時的要因に基づいた一時的な現象であるという理解も世界が十分持っていないということを私どもはいままでの国際会議を通じて感じておりますので、引き続きこういう点で、日本の実情というようなものを理解してもらうには、またいい機会となるんではないかというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 コナリー財務長官は、九月の十カ国蔵相会議で、アメリカの国際収支改善目標を約百三十億ドルというふうにして、これを改善するために各国の負担を要請したということがいわれておりますけれども、それは事実でしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) それは事実でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 日本政府としては、この百三十億ドルというのは妥当の線と思っておられるか。また日本政府としては、どの程度の負担が妥当だというふうに考えておられますか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) OECDの会議に引き続いて代理会議におきまして、このとき出た話、これは各国の経済にもまた市場にもいろいろ影響する問題でございますので、数字の問題とかいうようなものは一切お互いにこれは世間に公表しないという約束になっておりますので、この内容を申し上げることはできませんが、いまの百三十億の数字だけは議長から発表するということで同意を得た数字でございますので、これは差しつかえございませんが、この数字は、非常に過大であるということが各国の大体意見で、まだ合意ができなかったと、こういう事情でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 会議の内容を伺っているんでなくして、現在の日本政府の見解を伺っているんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 各国別に、各国の意見はこうだったということも、これは外へ出さないということになっておりますが、いま申しましたように、各国とも、この百三十億という数字には合意しなかったということは事実でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 会議の内容ではなくて、現在の日本政府の見解ですね、これを伺っているんです。大体どの程度負担したら妥当と思っておられるか、また、アメリカが言っている百三十億ドルという線でいけば、日本の為替レートというのはどのくらいの切り上げになるのか、その辺の見解を伺っているんです。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) その辺の見解を、いわゆる各国とも、公の場で述べない、世間に公表しない、という約束になっておりますので、この点は、具体的なことは申し上げられません。  しかし、申し上げられますことは、たとえば日本でいいますと、日本が分担する範囲というものは、やはり日本が各国の経済援助をなし得る余裕と、それから日本はいままで経済成長のために社会資本の投資というものが相当おくれておるということは事実でございますので、このおくれを取り戻す余裕というものを、やはり経常収支において日本は見てもらわなけりゃいかぬ、対外援助とこの国内政策を行なうゆとりだけをあくまで確保すると、それ以上のものにおいては日本は率先して対外国際協力に応ずるという態度は一貫して示してあることでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 今後、この通貨問題についてどのような政策を立てられるのか、考えておられるのか。きのうの日本銀行総裁の記者会見の内容がけさの新聞に発表されておりましたけれども、それとの関連で、お話しいただきたいと思います。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) やはり、各国とも、現状のままで推移するならば国際通貨は安定しない、したがって、経済の安定を期するととはできないので、できるだけ早く解決したい、共同の協力によってこの平価の調整をしたいというのが各国の希望でございますので、その希望の線に沿った努力を私どもはしたいと考えています。  そうしますというと、そこで障害になっておる幾つかの問題がございます。たとえば、欧州から見ますというと、欧州諸国は、もうやはりドルの切り下げということを前提として譲らない国もございますし、課徴金の撤廃ということがもう前提の条件であると、この条件が確保されなければ平価調整に応じないという強い主張の国もございますし、いろいろでございますので、また一方、各国が平等の負担をするという態度ははっきりしておりますが、その協力するという、いま言った赤字幅の問題において、米国においても弾力的な態度をとってくれなければこの協調には応じられないという国もございますし、そこらの三つの一番やっかいな問題をどう調整するかが、これからの会議の問題になると思いますが、そのうちの一つとして、きのう、日銀総裁が記者会見のときに申したということばは、金を基準にした比率というようなものをこの際考えて何らかの調整をしようとしたら、なかなかひまがかかるだろうと、ですから、ドルに対する基準レートというようなものを考えることがこの際早く解決する道じゃないだろうかというようなことを、ただ述べたということを、けさ言っておりましたが、そういうような、この際、金の問題は次の問題にして、やはりドルを中心とした各国のレート、平価をきめる、基準相場、基準レートをきめるということが現実的な問題じゃないかというような動きも、いま各国内に出ているということは事実でございますが、これはやはり、各国が集まっていろいろ相談する過程で、いずれの方向か、とにかく解決へ一歩ずつ努力するということになるだろうと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 日銀総裁は、比較的早く解決するだろうというようなことを言っております。月末に十カ国蔵相会議もありますし、その辺の見通しはどうでしょうか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) 私は、早くなるかならぬかは、いま言ったむずかしい問題のうちの大半がやはりアメリカ側の意向にもあるということは事実でございますので、アメリカがどういう態度を今後示すかということによって、この解決の時期が早まるかおくれるかではないかと思います。  もう一つの問題は、欧州の中でいま大体意見がまとまりかけておっても、まだフランスの意見がなかなか最初のところから変わっておりませんので、その間の調整を欧州諸国でやっているようでございますので、この見通しがいまのところわかりません。したがって、アメリカの考え、方向というものについては、今度コナリー財務長官が来れば、その点は私どもはお聞きするつもりでございますが、それによって大体の見当がついていくんじゃないかというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 そうしますと、円の単独切り上げというような可能性もあるということですか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) もう単独切り上げというようなことがどれだけの意味を持つかということは、ここまできた現状から見ましたら、ほとんど意味を持ちませんので、平価の調整の問題だけは、これはもう多国間協調によってきめる以外には——きめてもあとが安定するわけではございませんから、これは多国間の合意によってきめる以外には方法がないと思っております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、アメリカは、従来西ドイツにやっておりましたように、いわゆる防衛費の負担、これを日本にも要求しているといううわさがしきりに飛んでおります。そういう要求があって、いま日米間で話し合いが行なわれているのじゃないかというふうに思いますが、その点どうでしょう。外務大臣。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) わが国に対しアメリカから防衛費を分担せよと、こういうような要請は一切受けておりませんです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この問題については、七月上旬にレアード国防長官が来て、自衛隊の兵器はすでにもう古いというようなことも言っておりますし、これは逆にいえば、アメリカの武器を買えということをいったとひとしいというふうに見ております。また、九月の日米貿易経済合同委員会では、ロジャーズ国務長官の最初の演説の中には、アメリカの武器を購入してほしいということが書いてあったが、正式な演説では削ってあったというようないきさつがあって、当然日米間ですでに交渉は行なわれているのじゃないかということが予想されるわけですけれども、ほんとうにないのですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ほんとうにございません。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ニクソン大統領がもうすでに日米間でこの問題交渉中だというような趣旨のことを発言していると思いますが、その点どうですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ニクソン大統領がデトロイトで、何か演説会がありまして、演説をした。その席上質問がありまして、日本に対して軍事費負担を求むべきでないか、そういうようなことがあったようです。それに対してニクソン大統領は、御趣旨はわかるが、相手国の国内政治上の問題もありますので、ここではお答えはできませんと、こういうふうにお答えいたしておるやに聞いております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。  ただいまの外務大臣の答弁がありましたが、私は、この点につきまして、ニクソン大統領が今年の九月二十三日に、ミシガン州のデトロイト市において、アメリカの経済人との懇談会で行なった発言、この発言はホワイトハウスの報道室から外務省に送付されているということを聞いておるわけです。この資料があるわけですね、この資料を提出してほしいんです。これにはニクソンの発言がはっきり出ておると思うんですね。たしか一五ページになると思うんですが、この資料をまず提出してほしい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 資料を提出するまでもなく、ニクソン大統領の演説並びに質疑に対する応答の要旨は、ただいま申し上げたとおりでございます。  なお、必要があれば、それを書いたもので差し上げてもけっこうでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この資料で正確にやれば、外務大臣のいまの発言とはだいぶ食い違いがあると思うんです。どうですか、資料ないですか。ちょっと読んでください。一五ページのニクソンの演説を読んでください。どういうことになりますか、きのう要求しておいたんだから。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 要旨はただいま申し上げたとおりでございますが、文章にしたものはあるそうでございまするから、追って提出いたします。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 いや、きのう話しておいたのだから、いま読んでください。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 持っておるものをなぜ読まないんです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 該当個所を読んでくださいよ。外務大臣の答弁、事実と違っている。該当個所を読んでください。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) 該当個所をいまさがしておりますから、しばらくお待ちください。——申し上げます。これは英語で書いてありますから、口頭で翻訳さしていただきます。  質問は、大統領に二つのことをお聞きしたい。一つはドルの価値の問題、そしてもう一つは国際問題。なぜわれわれはヨーロッパ及び日本に対し、彼らの防衛のかさの価格を払わせないのか。われわれが彼らに提供している防衛のかさの価格を提供させないのか。大統領、われわれの兵器や、われわれの国債を買わせること、なぜそういうことをやらせないのかということですね。そうして彼らがドルを持ち過ぎておるといっておるから、つまり彼らがドルを持ち過ぎておるというから、そのドルを使ってわれわれの武器を買わしたらどうかと、こういうことでございます。  第二の問題は、われわれがドルをフロートさしたあとですね——これは、以下ドル問題でございますから、ドルの点はこの問題に直接関係ないと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いや、その質問に対する大統領の答弁があるでしょう。

吉野文六外務省アメリカ局長

○政府委員(吉野文六君) はい。それでは、大統領の答弁のほうを読まさしていただきます。  これに対して、大統領は、まず第一に、その資本の輸出のコントロールの問題についてはと——これはまあ問題ないわけでございますから、その次にいたしまして、なお、その負担の分担の問題につきましては、これは(「何できのうから言ったのに、ちゃんと翻訳して準備しなかったの」と呼ぶ者あり)——その点は聞いておりませんでございました、私は。この日本及びヨーロッパ、これらに対しては、われわれは、彼らが負担の分担をやるということを前提として防衛のかさを提供しているのであるが、その日本及びヨーロッパに対して普通に使われておる、いわゆる負担の分担ということばにつきましては、これはアメリカと日本にいる友人及びヨーロッパにいる友人との間に常時討議はしております、しかしながら、この問題を敵対するがごとき形でお答えすることは問題の解決にならないと思います、というのは、この問題は国内政治の観点から考えていかなきゃいかぬというようなこともありますからと。こういうことでございます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 これはきのう……。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 関連質問は簡潔に願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 外務省のほうに通告をしておいたわけです。そうすれば、この問題を聞かれるぐらいの勘が働いてもいいだろうと思う。同時に、この部分に対して目を通しておくとか、翻訳を用意しておくとか、これは当然の準備だと思う。ところがここに来て——まあ、私もあまり横文字は強いほうじゃないけれども、あなたも、いまのようなことでは答弁にならぬと思う。審議がこれじゃ進まない。何ぼ進めたくても進まない。ところが、いまのようにもたもたしているから、聞いたって、私聞いてもわからない。ことでお聞きになっていた方も、これはわからないと思う。  要点を尽くせばこういうことでしょう。この質問は、「彼等に提供している防衛費を支払わせないのか。」、なぜ一体ヨーロッパと日本に防衛費を支払わせないのか、また、中期債の購入などということでなくて、もうドルが余っているんだから、そういうもので兵器を購入させると、そういうようなこともこれはやってもいいじゃないか、こういう質問であり、これに対しまして、ニクソン大統領は次のような答弁をしているんじゃないですか。——あなたのさっきのは、もう切れ切れで、なかなか捕捉しようとして聞いていてもわからないから、読んでみますが、そういうことだかどうか確かめますから、よく聞いてください。  ニクソンのこれに対する答弁は、「負担の分担に関しては、われわれは、日本人とヨーロッパ人のために、防衛費のより多くの部分を引きうけているが、負担の分担の問題は、アメリカと日本およびヨーロッパの友人達との間で、たえず議論をつづけている」、こういうふうに答弁した。こういうふうに私たちはこれを読んでいるのでありますが、これでいいですね。あなたのほうのをつづり合わせると、そういうことになるようでありますが、そうすると、これは福田外務大臣の先ほどの答弁と食い違ってくる。「議論をつづけている」、この議論を続けにコナリーがやってくるのじゃないですか。この一環でしょう。明らかにしてください。そのために来るのだ。そしてレアードは、この前夏にやってきて、御承知のように、日本の兵器をずいぶんあっちこっち視察をした。北海道を視察をするとか、浜松を視察をした。そして御承知のように、どうしても日本の装備は古い、これはアメリカのものを買うべきだ、こういうことで、日本の国産体制などもずいぶんそれによっていろいろなその後変動があるように聞いております。内部からのいろいろな反撃もあります。——むろん兵器の生産そのものについて、われわれは大きな反対の意見を持っております。しかし、こういう形でアメリカのドル防衛でこのような防衛費の分担、これを日本に押しつけるというか、あるいはヨーロッパのこれらの諸国に押しつけるというかっこうでこれがなされているという、この具体的なあらわれとしてコナリーがやってくるということは、今日明確だと思うのです。先ほどの外務大臣の答弁というものは、国民に真相を知らせない。きのうもそうですよね。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 質問は簡潔に願います。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 私は、そういう点から、この点について明確な答弁を要求したいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) アメリカと日本との間に防衛分担費についての話は全然ありませんです。  なお、アメリカから万一そういう話がありましても、わが国といたしましては、絶対にこれに応諾いたしませんから、その点は御安心を願いたいと、かように存じます。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 もう一問。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 渡辺君、続けてください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう一問だと言うから。(「進行進行」と呼ぶ者あり)

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 簡潔に願います。意見は差しはさまないように。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 そう言っていますが、防衛分担のやり方は、古い兵器を買わせるという形でも防衛分担はできるんです。正面切っていろいろな手を使っているでしょう。しかし、一つは、その兵器を押しつけることによって防衛分担費のこれはなにができるわけですよ。当予算委員会で、そのようなわざと子供をだますような答弁では話にならぬ。  それからもう一つは、先ほどの資料、出してくださいよ。ついでに、これはちゃんと翻訳して出しなさいよ。当委員会にこれは出してほしい。委員長からも要求してください。  外務大臣には、いまの答弁をもう一ぺん繰り返してもらう。それから資料は、はっきりと出してもらう。そういうことを確認してほしい。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 資料は提出いたします。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 答弁は……。  それでは、アメリカがいま西ドイツにやらしている兵器の買い付け、中期債の引き受け、こういう要求があっても絶対応じないということですね。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 防衛分担という考え方のもとにおきましては、わが国としては、これに応諾いたしませんです。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 それで大体底意はわかりました。  質問を次に移しましょう。いまのように言を左右にされながら、事実上アメリカのドル防衛政策に協力するというこの政府の立場によって、円の切り上げにも追い込まれていく、そして国民はいま深刻な生活上、経営上の打撃を受けているというのが実態だと思います。  そこで、中小企業、労働者、それから農民、それから地方自治体にどんな影響が出ているのか。それからまた、この物価問題あるいは日本経済の現在の不況、これの状況、この辺について各担当大臣の——調査されていると思いますので、御報告をいただきたいと思います。

赤城宗徳自由民主党農林大臣

○国務大臣(赤城宗徳君) 円が切り上げになる場合の農林漁業への影響でございますが、切り上げにならないでもフロートで相当影響を受けております。  一つは、すでに大量に輸入されている一部の農林水産物でございます。たとえば小麦とか、大豆とか、飼料とか、砂糖、生糸と、これは輸入していますが、農林水産物の輸入価格が安くなるということで、それが国内のいまの農林水産物に影響を来たす、こういう影響がございます。  もう一つは、輸出をしております水産かん詰めとか、合板、これは輸出が非常に停滞しております。そういうことでこの農林関係の中小企業に影響がございます。  それから、中小企業一般でございますが、景気の停滞によりまして、農林関係の兼業所得が相当減る、あるいは雇用の関係も悪くなるという影響をこうむっております。  こういう三つの影響がございます。それに対してそれぞれの措置はとっておりますが、これは後ほど御質問にお答えいたします。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 中小企業に対する影響というものは、まだ数字的には具体的に指摘できるような状態にはなっておりませんが、しかし、対米輸出というものが押えられるような方向に移りつつあるということは考えられるわけでございます。  八月の十六日以降の倒産状況等を見ておりますが、数字の上では九月が七百二十四件、ドル・ショックと思われるものが十四件、十月は八百六十五件数、そのうち直接ドル・ショックだと思われるものが十一件でございまして、これらは対前年度から言うと一〇%ぐらい件数では減っておるわけです。減っておるんですが、影響が出るとしてもこれからであろうと、こう思うわけでございまして、このニクソン新政策及びその後の状態が望ましいような方向でない状態に移りつつあるということは申し上げられるわけでございまして、通産省としては、これら中小企業、零細企業対策等に対して万全を期しておるわけでございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 輸出関係の中小企業、成約状態はどうです。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 成約状態も八月、九月、十月と見ておりますと、いままで四カ月間ぐらいの契約を持っておりましたし、そういう意味では、まだ直接ドル・ショックで成約がぐんと減ったというわけではないわけでございます。  しかし、品目物に見ますと、五、六%程度減っておるものもございますから、これはもう少しやっぱり年末まで見ないと品目別にどういう影響があらわれるということは、ちょっと述べがたいというのが実情でございます。

原健三郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(原健三郎君) お答え申し上げます。  景気の低下に従いまして、雇用の需要も弱含みとなってきております。しかし、依然として求人と求職とを比較いたしますと、求人のほうが上回っております。失業者の水準も増減はございません。  多少数字でこれを申し上げますと、来年度春の新規学卒者、これに対する求人の取り消しがございましたが、八月の中ごろから二カ月間で、およそ七万人の取り消しがございました。一般の求人の取り消しは、最近九月じゅうに二千八百人くらい、そういうことでございますが、新規学卒者の求人は二百四十万、求職が七十五万人、求人倍率は、依然として新規学卒者につきまして三・二倍と高くなっておりまして、これは九月末現在でございます。一般でも求人が五十万、求職が三十二万人、倍率は九月で一・六倍の求人倍率になっております。失業のほうは、八月の統計で、完全失業者が六十四万人、完全失業率といたしましては一・二%で、これはほとんど変わらない程度でございます。

渡海元三郎自由民主党自治大臣・北海道開発庁長官

○国務大臣(渡海元三郎君) 景気の停滞によりまして地方税の減収が予測されますが、大体におきまして、本年度千三百三十四億と見積もっております。なお、国税三税の減に伴いまして、地方交付税の減が七百四十八億、それに景気浮揚のために今回の補正予算に計上されております公共投資の増に伴いますところの地方負担がございますが、この分は千五百二十二億、なお、所得税の年内減税によりまして地方交付税のはね返りが五百二十八億ございます。  いずれもこれらに対しましては、ただいま御審議賜わっております補正予算で措置をいたしております。これら一連の措置によりまして、本年度の地方財政運営は、ほぼ支障なく行なわれるものと確信いたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 景気の見通しと物価の問題。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) ドル・ショックによります大体景気の見通しに対する影響でございますが、これは大胆な試算から申し上げれば、これによる昭和四十六年度内の経済成長率に与える影響は一・五ないし二%と、こう考えております。  また、物価に対する影響に関する限りは、このドル・ショックは輸入価格を引き下げるという面でプラスになっています。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 不況の……。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 質問は委員長の許可を得てやってください。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 ひとわたり伺いましたが、私は、失礼だけれども、政府の把握は非常に不十分だと思う。実態はもっと深刻だと思います。  時間がないので、私のほうからそれは申し上げませんけれども、いずれにしても、この円の変動相場制移行以来、あるいはニクソンのドル防衛政策以来、日本経済、国民生活にさまざまの深刻な打撃があらわれてきているということは、これは否定すべくもない事実だと思う。これはやっぱり一つは政府の責任だと思う。総理大臣は、こういうような状況に対してどんな対策を考えていらっしゃるか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) いままでもたびたび申し上げたように、私どもは、昨年来、経済の落ち込みに対して、これを浮揚しようといろいろ努力をしてまいっております。その効果がようやくあらわれた、これなら明るいかなと期待を持った際にニクソンのドル声明、したがいまして、過去の努力が実は実を結ばない、また新たな困難に立ち向かっております。  まず、われわれがこれに取り組む態度は、税制、金融、財政、それらの各面から最も重大なる影響をこうむるであろう中小企業対策あるいは農業対策等、比較的生産性の小さな部門に対して厚い手当をする、これがまず第一の問題であります。また同時にかもし出される物価の問題、これは庶民一般に影響するところまことに甚大でありますから、従来からこれに対する対策はとっておりますけれども、さらにこの際に積極的な対策をとるべきではないか、ことに、為替変動、その利益が消費者に直ちに及ぶように輸入品についても特別な考慮を払うべきだと、かような行政指導をしておるような次第でございます。  私は、先ほど企画庁長官が申しましたように、今回のこの経済が受けておる打撃、これはなかなか容易なものでない、かように思いますが、しかしながら、国民がその力、英知を結集すれば、過去においてわれわれがりっぱな実績をおさめた、その経験を生かすこともできる、かように思って、ただいまの困難な場面に立ち向かっておるような次第であります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、景気浮揚策を講じておるという御趣旨の御答弁が一つありましたけれども、今度の補正予算案にあらわれた政府の景気浮揚策、これを見てみますと、大きな欠陥があると思うのです。その一つは、赤字公債を増発して、インフレーションを高進させる、それが第一です。何よりも。第二に、総理自身が、民間企業の活力を生かす方式を検討するということを施政方針演説の中で言われておりますように、公共投資、これは主として大企業を潤すような公共投資になっているのじゃないか。また、第三に、いま言われた減税にしましても、中小企業対策にしても、きわめてこれは不徹底なものだと思います。  私どもは、景気浮揚策、このためには、何よりも、国民の生活や経営をよくするというところに重点を置いた対策を講ずべきじゃないかというふうに思っております。まず、赤字公債の発行はやめる必要がある。そうして、物価の安定を重要視する必要があると思います。それからまた、今回のような部課長減税、これはやめて、低所得者層中心の大幅減税を断行する必要があると思います。また、労働者の首切り、これは防いで、賃金を大幅に引き上げること、中小企業、農業に対する救済施策を緊急に大幅にやること、これらが必要だと思います。こういう緊急の特別措置をおやりになる意図が、さらにおありかどうか、伺いたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 渡辺君と私たちの考え方の一つの相違、ただいまの公債発行について、頭から赤字公債だときめつけておられますが、私は、赤字公債だと、かようには思っておりません。ただいまのような、年度途中におきまして公債を増発するということ、これが財政法上も許されたものであり、また、市中消化をたてまえとする限りにおいて、いわゆる赤字公債の非難は当たらないものだ、かように私は考えております。この点をまず申し上げて、公債発行を取りやめる意思のないこと、これをはっきりいたしたいと思います。  第二の、減税についての問題でありますが、所得減税、これは、納税をしておらない方々に対しては、それは物価等の施策において十分救済の処置を講ずべきだと思いますし、社会保障の制度におきましてもそういうものに対する対策はあると思います。減税率そのものについては、とにかくこれが年度途中において行なわれたという、これは画期的な減税ではないかと私は自画自賛したいような気持ちのものでございます。いままで、年度途中においてこの種の減税をしたことは、まず、過去において、ないのじゃないか。これがいかに現在当面しておる経済情勢を政府は重要視しておるかと、そういうような、いままでにない格段の処置をとったと、こういう点に御留意をしていただきたいと思います。また、その減税率等が部課長級にだけいかにも特別な考慮を払ったように考えられますが、しかし、この減税の実情等について大蔵大臣からもお聞きとりをいただきたいと思いますが、私は、これまた十分の効果のあるものだと、かように思っておりますので、これまた渡辺君と所感を、感じ方を異にするものでございます。私は、さらにもっとしたいくらいな気持ちまで持つぐらいに、実は減税を高く評価してしかるべきだ、かように思っております。  一般的な問題としての、いわゆる中小企業あるいは農業等についても生産性向上についてそれぞれ努力する、こういうことは、もうそれぞれの担当大臣もそのつもりでおります。ことに、輸出産業、これの影響をこうむる中小企業について、これは特段の留意をし、絶えずその動向、これに注意をして、適時適切なる処置をとるべきだと、かように私は考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 私どもは、いま社会主義国との間にある貿易制限、これはやめて、そして社会主義国を含むすべての国々と自主、対等、平等の立場で経済交流を発展さして、いまアメリカに過度に依存している貿易構造を改めることが必要だ。そうして、これらを中心として日本経済をほんとうに自主的、平和的に発展させることが、現在の経済的危機を乗り切る根本的な道だと思います。しかし、いま申しましたように、緊急対策も一日も早く講じなければなりません。この立場から幾つかの問題を伺ってみたいと思います。  まず、物価の問題でございますが、政府は、円が切り上がれば物価にはいい影響があるんだと盛んに言っておられたけれども、いま物価は異常に急騰しているというのが実情であります。いまの消費者物価の急騰の原因、そうして今後の見通し、これに対する対策、これを伺いたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 円の切り上げに伴う物価への影響、それは先ほど概括的に申し上げたとおりであります。ただ、今後の問題としまして、いますでに円がフロートしております。それの国内の物価安定効果というものは、これは私どもはあくまで確保しなければならない。したがいまして、まだまだその効果がはっきりあらわれておりませんが、経済指標を見ますと、いよいよ今月あたりからその影響が出ているようでございます。前月比二・九%ぐらい、ある物資の輸入価格が減になっております。ただ、問題は、こういう自由化あるいは円フロートによる、円変動相場による輸入物価への影響、これが、国内へ入りましてから、加工段階あるいは流通段階で減耗されるということを、あくまでこれは防止しなければならない。そういう面におきまして、今後は、その効果が減殺しないように追跡調査を続けていきたい、こういう考えでおります。また、現時点、特に九月におきましては、生鮮食料品の急騰を中心にして、たいへん消費者物価が上がっております。これは、まあ九月における一時的異常原因ではありますが、もう今後の問題としましては、気象あるいは天候によって消費者物価が左右されるようなことは、これはあくまで政府の責任においても防止しなければならぬ。そういう面におきましては、特に生鮮食料品の今後の価格対策について、いままでのような対策ではとうてい間尺が合いません。したがいまして、今後は、そういう面について根本的にメスを入れていきたい、こう考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 物価の問題ではいろいろ申し上げたいことがありますが、時間の制約もあるので、一つ二つの点だけ伺いたいと思います。  円の切り上げに伴って、原材料の輸入、これが下がっている。そうして、特に輸入原材料を使う石油精製あるいはまた食料油脂その他等々、大企業の為替差益というのが大きく生み出されてくるのじゃないかと思う。これは、労せずして円切り上げによって生まれてくるいわば利益だと言って差しつかえない。いま経済企画庁長官のおことばによりますと、輸入価格の下がっているものがあるというようなお話もありましたし、先ほど、特に総理大臣は、この問題については特段の考慮をしなきゃならぬということも言っております。原材料輸入によって大企業の手に入るべき為替差益、これは物価の引き下げに回すべきだと思いますけれども、その点、総理大臣、どうでしょうか。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 私は、さようにあるべきだ、渡辺君のいまの御議論のとおりでございます。しかし、実際にいろいろ製鉄メーカーや製油業者等に聞いてみていると、これがどうも消費者に及ばないというのが現状のようであります。一体これはどこに欠陥があるのか、そういう点をさらに掘り下げてみる必要がある。そうして、ただいま御指摘になりましたように、輸入物資については原材料が確かに利益があるはずですから、そういうものが消費者に及ぶというようにしむけなければならぬ、かように思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総理大臣のそういう御答弁がありましたが、通産大臣、そういう方向に行政指導なさるかどうか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 円高ということになれば、原材料を海外から輸入しているものは利益を受けるわけであります。安く入るわけでございますから、そういう状態が消費者価格、最終需要者に利益をもたらすように強い指導をやっております。一つには、原材料の大半を受けるという鉄鋼などは非常に下がっております。これは、三十七年−四十年当時の二万九千円に対して、二万六千円ということでございまして、一番高いときの半分以下になっておるという事実は——それだけの理由ではありません。その他、不況の理由もたくさんございますが、そういうものもございますし、また、石油のように全部海外から輸入しておるというものは、これは石油価格全体が下がってはおりませんが、OPECの原油料の非常に大きな値上げがあったにもかかわらず、そういうものを相殺しております。ですから、そういうものを個別品目別に十分調査をいたしまして、利益は国民に還元できるように、できるだけの配慮をいたしております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 輸入原材料が、もうすでに円の事実上の切り上げによって下がっている、これは事実なんです。しかも消費者物価は急騰している。国民はこの問題を疑問に思っているんですよ。なぜ一体、輸入価格が下がっているのに国内の消費者価格は下がらないのか、この点、通産大臣及び経済企画庁長官、その原因をどう思っておられるか。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 消費者物価が上がっておるというのは、生鮮食料品その他、通産省所管のものは、これはもう卸売り物価も下がっておりますし、全面的に下降状態にあるのでございまして、これはおおむね順調な行政と、こう見ていただけると思います。生鮮食料品とか、そういうものが特に大幅に上がっておるということ、それから教育費とかその他のものでございまして、これは内閣全体の問題ではございますが、国務大臣として当然責任はございますけれども、通産省所管のもの以外が上がっておる、こういうふうに理解しております。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 確かに輸入品の価格は下がり始めておりますが、それが流通過程を通じて小売り価格に至りますまでには、ある程度のタイムラグというのがございます。これは漸次あらわれてくると思いますが、われわれ政府としましては、責任を持ってそれを追跡調査して、そういうことがないように防止するということが第一の政策でございます。また、いま通産大臣が申し上げましたとおり、そういう要因とは違う原因でもって消費者物価が上がっておる。すなわち、生鮮食料品を中心とする値上がりが顧著なことでございます。それにつきましては、これは構造的な要因のものでございますから、それ相当の手当てをしなければならぬ、こういうことを申し上げておきます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 もう少し具体的に御答弁いただきたい。特に経済企画庁は、安い外国製品の輸入を自由化したけれども国内の価格は下がらなかったというその原因を、カラーフィルムその他四品目について調べていると思う。どこに原因があったのか。共通の原因だと思います。御報告いただきたい。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) その御指摘になった品目について追跡調査もいたしましたが、主として流通段階においてその価格低下の効果が減耗されているというところでございますから、私が先ほど申し上げたとおり、流通段階に根本的にメスを入れる必要があるということでございます。しかし、その中で、たとえばバナナとかあるいはレモンのごときは、もう昭和三十八、九年から輸入の自由化を実現しておりますが、当時の価格に比べまして、レモンは半分以下、バナナは約六〇%の値下がりとなっております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 流通過程と申しましたが、経済企画庁の出されたその報告を見てみますと、たとえば、商社が輸入を独占していて、そのために下がらないのだとか、あるいはまた、カルテル行為のようなものをやっているから下がらないのだとか、とにかく大企業の独占行為が原因だということも報告の中ではっきり言われている。ですから、現行の独占禁止法の運用を適正にやれば、この問題についても私は解決の道をつけることができると思う。同時に、わが党が従来主張しておりますように、この国会に、適正な調査権を持った価格調査その他の委員会をつくって、そうして独占価格引き下げの措置をとるようにしていけば、私は、この問題についても解決の道はつくと思う。そういうことをなさるおつもりがあるかどうか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) そういう面におきまして、今後各省庁で物価担当官会議というものがありますが、その中に特にこの輸入価格の調査班というものをつくりまして、厳重な監視を続けていきたい、こう考えております。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 関連。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 簡単に願います。岩間君。

岩間正男日本共産党

○岩間正男君 この変動期に、いままでの政治献金の問題、これを調べてみますというと、どうもこのような関連産業から非常に政治献金が多く入る。今度の問題が、私は、政治献金の財源みたいなものになっては非常にいかぬと思う。国民は非常にこの問題については疑惑を持っております。したがいまして、このたびの円の切り上げによって起こる、そうして、しかも、有利な産業からの政治献金については特に国民の関心が集まっている。従来の姿を検討しますというと、非常にそういう要因を持っていますから、この際、総理大臣、佐藤総理にお聞きしておきますけれども、こういうところは、特に政治献金については十分に警戒し、この問題を自粛する必要があると思うのです。これについて総理の見解を伺っておきたいと思います。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 政治献金は、もちろん、岩間君の御指摘になるまでもなく、いずれの場合でも十分厳正に扱われなければならないと、かように思います。ましてや、こういう問題が特殊な利益がある、そういうところに政治が結びついていると、かような誤解を受けるようなことがあってはならない、かように思いますから、十分注意してまいるつもりでおります。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 総理大臣も先ほど申しましたように、為替差益は国民に還元すべきだという趣旨のことを強調しておられる。その点に立って今後各省ともに努力してほしいと思う。  物価の問題で、もう一つ伺いたいのは、いわゆる外貨インフレの問題であります。五月以来外貨が急増しております。外貨保有高。特に八月末のあの大きな為替投機で外貨の保有が急増した。このために、日本銀行の外国資産の保有高、あるいはまた政府資金の民間に対する散布要因としての外為会計の要因、これが非常に重要な役割りを演じている。これがいまの物価値上がりの一つの大きな原因になっているのじゃないかと思う。その点の実情を御報告いただきたい。また、それに対する対策をどう考えていらっしゃるか、これを伺いたい。

渡辺孝友日本銀行理事

○参考人(渡辺孝友君) 先般来の外貨の流入に伴いまして、その代り金が市場に支払われたわけでございまして、したがって、いわゆる流動性は非常に高まった次第でございます。それにつきましては、日本銀行といたしましては、金融の適正な基調を維持するという見地から、各種の手段を講じまして金融調節をいたしておりますので、そういった外貨の流入に伴う円の支払いによって物価をつり上げているというようなことはないというふうに考えております。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 いま、ないという御答弁ですけれども、客観的な事実は、そうでないことを示している。日本銀行の外国資産の保有高、これが通貨増発の大きな要因になっていると思いますが、その増加状況、それから外為会計の資金散布超過の状況、これをおっしゃっていただきたい。

渡辺孝友日本銀行理事

○参考人(渡辺孝友君) 申し上げます。  外為会計の支払い超過でございますが、四十五年度中は六千七百五十五億円でございましたが、四十六年度の四月−六月が九千八百四十五億円でございます。それから七−九月を申し上げますと、二兆一千九百二十八億円にのぼっております。ただ、財政全体といたしましては、もちろん、税金の引き揚げ等がございますので、それらで相殺されている面もございます。  四十六年度に入ってからの金融勘定の動きを申し上げますと、日本銀行は、ことしの四−六月に七千九百億円を市場から吸い上げをしておりまして、必要な通貨の流通に要する資金以外は、全部これを吸い上げております。七−九月につきましては、一兆四百三十五億円の吸収をいたしております。そのためには、売り出し手形というようなものを売り出しを行ないまして、そういう手段も講じている次第でございます。  それから外貨の状況でございますが、十月の末には、たしか百三十四億ドルぐらいになったと思います。三月末がいかほどでしたか、ちょっといますぐに数字が出ませんのでございますが、八月中に四十五億ドルふえたというようなことでございますが、その後、九月、十月と、それぞれ数億ずつふえておる状況でございます。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 どうも答弁があいまいで、よくわからなかったけれども、概略のところ、外為資金は散布超過。外貨がふえたために。日本銀行も外貨を買い過ぎたために円を大量に出さざるを得なかった。これを国債その他の売りオペで吸収しておる。しかし、不況下でもあるのにもかかわらず、日銀券の前年同期に比べての発行高は一六%というような非常に高い水準。預金通貨も入れればたいへんなインフレ状態になっている。これは新しいインフレ。  きょうは時間がないので、これ以上追及できませんけれども、大蔵大臣及び日本銀行の当局の方は、この問題について今後十分対策を講ずべきだと思いますが、この点、どう考えておられるか。

水田三喜男自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(水田三喜男君) いままでの例によりますと、成長通貨の率が一八%、一九%もいったことはございますが、いまは外為の払い超があっても、市中の金融の調節が行なわれておって、日銀のいわゆるオーバーローン、一般貸し付けはほとんどゼロというふうに、貸し出しで調整がされておりますし、そういう意味から、日銀券の発行が二八%前後ということは、いままでのあれに比べて非常にむしろ少ない。日銀券はそう増発になっていないという状態だと思います。今後日銀券が増発されるというような方向にいきますというと、先ほどの御質問のような物価とか、そういうものに関連を持つことになると思いますが、いま程度のものなら、私は、いままでよりは、むしろ日銀券の増発速度は鈍っているということが言えるのだろうと思います。

渡辺武日本共産党

○渡辺武君 この問題は、いずれ機会を見て、また質問したいと思います。  次に、中小企業の問題について一つ二つ伺いたいと思います。  いま、通産省が輸出関連の中小企業については若干の対策を講じられましたけれども、現在の不況下では、輸出関連の中小企業だけではなくて、不況その他の問題のために、かなり苦況に落ち込んでおる中小企業がたくさんある。きょうは実情を申し上げる時間がないけれども、その問題についてどう考えておられるか。私どもは、この間輸出関連の中小企業にやられたような対策を、中小企業全般にやられるべきだというふうに思いますけれども、その点、まずひとつ伺いたい。  時間が来たので、質問を全部言っちゃいますよ。いいですか。  それから、もう一つは、政府のなさった輸出関連の中小企業に対する融資対策、これについてもいろいろ問題がある。たとえば、滞貨融資にしても特別融資にしても担保が必要だ。ところが、いまのような深刻な不況の状況では、担保も出せない零細企業こそが最も困っている。そうして、担保も保証人も利子も要らない融資がほしいんだというのが、中小企業の切実な願いです。特に下請中小企業、ここでは、親工場から原材料をもらって加工をしておるから、担保を出したくても出せないような事態にある。したがって、担保も保証人もない、しかも利子も要らないというような融資制度をもっと考えて、新設あるいは拡大すべきだと思います。  それから、無担保、無保証人の小口融資制度、これも、このたび、八十万円に八十万円で総額百六十万円に融資ワクが広がりましたけれども、とてもこんなことじゃ間に合わぬ、どうしてもこれは一口五百万円のところまで広げてほしいというのが、これまた切実な要求です。その点についても御見解を承りたい。  また、融資の金利は特利で六・五%、あんまり高過ぎる。この点も考慮する必要があると思います。特に下請代金の遅払い、これが政府の通達にもかかわらず非常に広範に起こっている。これは厳重に対策を講じてやめさせるべきだと思いますが、それらの点について御答弁をいただきたい。

田中角榮自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田中角榮君) 輸出関連中小企業対策は、過般来行なっておりますことは御指摘のとおりでございますが、これから四十七年度予算編成期に入りますので、年末対策ともあわせまして、対応する政策、及び恒久的なもの等、いま中小企業庁を中心に検討いたしております。  で、いま御指摘になりましたように、具体的に例示できるもの、すなわち、官公需を拡大するとか、下請に対する支払い代金が遅延防止法の精神のとおり運用されることに努力をするとか、また金利を引き下げなければならないとか、中小企業三機関の資金源を拡大するとかという問題は、これはもう例年やっておる問題でございますし、これからも具体的に今度は特にやりますが、いままで指摘しなかった問題に信用補完の問題が一つございます。それからもう一つは、やっぱりスクラップ・アンド・ビルドという——転廃業したいんだけれども、どうしても転廃業もできない、何とはなしに現状のまま自然発生をそのまま続けておるというようなものに区切りをつけたいという面もたくさんございます。そういう新しい問題があります。もう一つは、急速に対米貿易その他に問題があるわけでありますが、そのしわを全部下請企業に寄せてしまわないように、これはひとつ厳重な監視が必要なわけでございます。  これは今度新しく取り上げる問題として、いま申し上げたような問題を具体的にいま検討いたしております。これは国会の審議の過程において議員の皆さんからも御意見も承りますし、私たちも、各産業からももう陳情を待たないで、意見があったら出してくれと。で、具体的に数字を披瀝して出してもらうようにという積極的な態度をとっておるわけでございまして、今度はひとつ、もう戦後二十五年、日米、日米といっておりますが、日米だけではなく、二十五年周期的に、もう中小企業や日本の企業そのものが洗い直しを必要とする時期にも来ておるわけであります。そういうものがダブり、ダブりになっておる状態でございますので、相当積極的な施策を行なわないと、中小企業、零細企業に寄る影響というものは、過去の例に徴したのではわからないと思っております。そういう意味で、具体的に積極的な施策をいま検討いたしておりますし、一部は実行いたしております。なお、四十七年度予算までには十分間に合わしたいと、こう思っております。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 以上をもちまして渡辺君の質疑は終了いたしました。     —————————————

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 外務大臣より発言を求められております。これを許します。福田外務大臣。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) きのう黒柳委員からアムチトカ島の地下核実験についてのアメリカ政府部内の動きについて御質問がありました。照会中でありましたが、資料が整いましたので、ここで、まず政府委員からその状況を説明いたさせます。

西堀正弘外務省国際連合局長

○政府委員(西堀正弘君) カニキン計画と呼ばれますアムチトカ島の地下核実験につきましては、もうすでに新聞紙上で報道されておりますけれども、十一月三日に米国原子力委員会が発表いたしましたその発表によりますというと、米国政府は、国防上の理由から、アリューシャン列島のアムチトカ島——これはアッツ島の東方、キスカ島の隣でございますが——におきまして十一月七日午前七時——日本時間でございます——五メガトン以下の地下核爆発実験を行なう予定である。もっとも、天候その他の条件でこの実験日時が延期される可能性もあるわけでございます。  この実験実施決定に先立ちまして、米国政府は、十月二十七日に、在米日本大使館に対しまして、十月三十日から十一月十六日まで同島周辺半径五十海里の円形区域及び上空一万八千フィートを警戒区域——今回はウォーニング・エアリアということばを使っておりますけれども、——といたしまして、実験実施の四十八時間前から同海域へ航行する船舶に対し退避勧告を行なう旨、通報いたしてまいりました。  で、この件につきましては、翌々十月三十日に米国連邦官報は、米国政府のこのウォーニング・エアリア——警戒区域の設定等につきまして公表いたしました。したがいまして、これに対しまして、わがほうは、その通報のありました翌日の二十八日、在米大使館を通じまして、米国政府に対して、この核実験を非常に遺憾とする、かつ、日本国政府及び日本国民が損害をこうむった場合の賠償請求権を留保する旨の申し入れを行なったのでございます。  一方、わが国におきましては、十一月二日午前に、放射能対策本部の第七十七回幹事会を開催いたしまして、関係各省庁から約二十数名が出席いたしまして、この核実験のわが国に及ぼします影響につきまして、検討いたしましたけれども、本年六月初旬のフランスの南太平洋におきます大気圏内の核実験の際の場合と異なりまして、今回は地下核実験であり、日本国内に対する放射能の影響よりも、むしろ、地震、火山爆発、津波を誘発する場合の対策が問題となりました。さしあたっては、平常の監視体制で臨むことと決定されたのでございます。  しかるに、米国内にございますところの環境保全団体の告訴に基づきまして米国の裁判所で本件が争われておったのでございます。すなわち、環境保全団体は、この核実験の停止の仮処分を申請しておったのでございますけれども、十一月三日、米国裁判所はこの仮処分の申し出を却下いたしまして、その仮処分の却下の中に、同裁判所の命令によりまして米国原子力委員会が秘密文書を公開いたしたのでございます。で、その公開いたしました秘密文書——従来、秘密文書として取り扱われておりましたところの文書——の中に、大統領の環境問題諮問委員会の委員長でありますところのトレイン——先日も日本に参りましたが、——このトレイン委員長から、この実験は、地震、津波あるいは放射能漏れを惹起する可能性は排除し得ないという証言があったのでございます。したがいまして、わが国といたしましても、さらに——すでに二度抗議をいたしたのでございますが、一度は先ほど申しました申し入れ、その後に、実は二日に牛場大使をしてジョンソン国務次官補に申し入れせしめたのでございますけれども、——その再度の申し入れにさらに加えまして、今回、このトレイン環境問題諮問委員長のこういった証言もございますので、わが国政府の深甚なる関心を再度表明いたさせまして、アメリカ政府に対して強い抗議をいたすよう訓令いたした次第でございます。  以上が大体の従来の経緯でございます。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 質問がありますか。——それじゃ大臣。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) ただいま政府委員からお答えいたしたとおりでございますが、ちょうど黒柳委員からああいう御指摘を受けましたので、さっそくアメリカ当局における実情を調査した。そうすると、トレイン委員会の中で津波についてのおそれということを指摘しておるという資料も出ておりますので、これは注意の上にも注意をしたほうがよかろうと、こういうふうに考えまして、その資料を入手した直後におきまして、在米大使に対しまして三度目の抗議を行なうよう訓令をすでに発出いたしました。御了承願いたいと存じます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 再三抗議を行なっておるということでありますが、私は、いまの抗議の姿勢ではまだまだ弱いと思います。いまの報告のとおり、やはり、この実験はかなり危険な実験であるということがアメリカの内部でも問題になっておりまして、アメリカの内部における市民の反応、あるいはカナダの抗議等を考えますと、わが国のこの実験反対に対する政府の姿勢はまだまだ弱いと、こう感ぜざるを得ないわけでありまして、たしか昨年ソ連が日本近海で演習をやるという際には、外務大臣がたしかこの国会にソ連の大使だったかだれか忘れましたが呼ばれまして、厳重な抗議をされて中止をされております。しかし、今回のアメリカに対する姿勢というものは、非常に私は外務大臣の姿勢は弱いと思う。先日も社会党の山崎委員のほうからも特使の派遣の問題が出ましたけれども、こういうふうな内容がかなりはっきりしてまいりました以上、ただ牛場大使を通じての抗議だけでは私は足りない、特使を派遣することも一つの案でございますが、日本政府としての抗議文を直接大統領に渡すという、そういった方法、あるいはまた外務大臣が直接駐日大使と会われる、そういったもっと強い姿勢を示さなければ、国民はまだまだ政府に対するこの実験反対の姿勢の強さに対する疑問が解けないと、このように思いますので、さらに強い行動を形をもって起こされるかどうかこれが一点です。  次に、昨日の向井委員の質問に対しても補償問題について外務大臣から答弁がございましたが、トレイン・メモによりますと、一年ないし二年の間に地下水から放射能汚染が海水に出てくるという可能性が言われておりますので、今回実験があってすぐには放射能がわが国の近海には来ない、一年ないし二年ということも言われております。この場合かなり長期にわたっての監視体制が必要になってまいります。  津波とあわせて放射能に対するこの監視体制、さらにそれによって汚染された場合の補償問題、その点について、もし実験がされた場合は、それに対する体制をつくられる用意があるのかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 第一点につきましては、とにかく三回の抗議を行なっておる。これはまあ異例のことかと思いますが、なお状況の推移を見まして、必要と認めたならば厳重な抗議をいたしたいと、かように考えます。  それから第二点につきましては、核実験と被害現象との因果関係、その問題があろうかと思いますが、ともかく因果関係のある限りにおきましては賠償の問題が起こるわけでありまするから、時間的に直後の損害でなければならぬというふうな認識は持っておりませんです。

藤田進日本社会党

○藤田進君 私は、いまここで直ちにといっても無理があろうかと思うのですが、これは非常に重要な結果をもたらすような気がしてなりませんが、気象庁は——いま秘密文書にも心配されておることが書かれておりますが、これを否定した発表をしておりますね。その辺を詳しく聞きたいと思うのです。御承知のように広島の二百五十倍にもなりますと、広島の場合に相生橋というあの大きな橋は合掌のように上がっておりますし、そうして朝の八時十五分の満員電車が倒れないでそのまま——あの戦時中ですから一ぱい乗っておるのに、そのままレールのはるか向こうへ何台もそのまま持ってきているんですね。いまのは一例ですが、こういう大きな、この二百五十倍。いま青函連絡の隧道も掘っておりますしね、地下の変動がすぐあるか、後日あらわれてくるか。私は、諸般の広範な面から見て、損害賠償をあとでもらえばいいんだなんていうような姿勢であることが、私はむしろ非常な問題のように思うのです。ですから、気象庁にも来ていただいて、きょうは宮之原委員一人のようでもありますから、劈頭、緊急質問の形で気象庁の態度も私ども解せませんし、お願いしたいと思うのです。

羽生三七日本社会党

○羽生三七君 ついでに。私のはごく簡単なことなんですが、いまの御説明では、抗議をしたとか、あるいは権利を留保したとかいうことだけで、中止の要求ということは全然説明の中にも、大臣の答弁の中にも一言も入っていないんですが、抗議をしたということは相手の注意を喚起したというように受け取れるのですが、中止は要求していないんですか。そこは正確にしてください。

西堀正弘外務省国際連合局長

○政府委員(西堀正弘君) 当初に厳重に申し入れました口上書の中に明確に書いているのでございまして、日本政府の立場という点で、核実験一般に対しまするところの日本政府の立場、これは要するにいま部分核停条約でもって地下核実験だけは国際条約上は認められておりますけれども、日本政府の立場というのは、そういうものをも含めて一切の核実験を停止してくれという立場である、この立場は繰り返す必要もない、ついては今回の米国政府のこの発表、これに対して日本政府としては深甚なる注意を喚起するとともに、強く抗議せざるを得ないのであると、こういう書き方をしているわけでございまして、これは私は中止するよう強く抗議していると、こう解釈いたしている次第でございます。

高橋浩一郎気象庁長官

○政府委員(高橋浩一郎君) ただいまの件についてお答えいたします。  気象庁がこういった核爆発の実験を認めているというわけではございません。ただ科学的の見地からいたしますというと、なるほど今度の爆発エネルギーは非常に大きいのでございますけれども、それによりまして直接の津波というものは、多少その付近では起こりましても、日本に起こすような影響はないということを科学的に申し上げただけのことでございます。なお、それに伴いまして、さらに大きい地震を誘発して津波が起こるという可能性は、これは全くないわけではございませんで、わずかはございます。そういう意味におきまして万が一のことを考えまして、気象庁といたしましては、この実験に伴います地震及び津波の観測を、十分警戒いたしまして、万が一のことが起こりましたならば、早速それを警報なり何なりで一般の国民にもお知らせをいたしまして災害を防ぐと、こういうような態度をとっているわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 その地球物理学か気象学か、いずれにしても、再三テレビ等でも報道されて、気象庁は、被害はない、しかしながら、向こうの津波予報にはお願いしてあるというようなことなんですね。私は、北海道をはじめわが領土に非常に近いですし、それから火山系がずっと御承知のようにつながっている。したがって、連鎖反応的な、そういったものが起こり得るのではないだろうか。そういう科学者の心配というものも出ております。先ほども言ったように、広島は〇・〇二メガトンでしょうが、今度の場合は五メガトンというのでしょう。二百五十倍という史上最大のものがあの非常に地殻の悪い地帯に、御承知のようにあの辺は、相当——北海道では地盤沈下もはなはだしいところです。それが気象庁の検討では、津波はおろか、地震の連鎖反応、そういった被害はないと断定し得る根拠を、科学的に、あるなら示してもらいたいと思うのです。

高橋浩一郎気象庁長官

○政府委員(高橋浩一郎君) ただいまもお答えいたしましたように、それを否定しているわけじゃございません。ただ、一般の科学的な常識から言いますと、そういうことが起こる可能性は大きくはないということを申し上げているのでございます。ですから、やはり起こる可能性はございますので、十分な警戒体制をとると、こういう状態ではあるわけでございます。

藤田進日本社会党

○藤田進君 可能性は大きくないと言われるのです。じゃ科学的根拠を示しなさいよ。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 関連。福田大臣ちょっと。  三回も抗議して三べん目くらいに返事があったと思うのですね。向こうは何という回答、御返事をしたのか。ただ文書か何か書いて置いてきちゃったのか。一回、二回、三回——しかも、この短時間の間にぶっ続けでやれば、それは何か向こうは言わざるを得なかったと思うのです。国益だからやらざるを得ないと言ったのかどうか。その公電は来ておるでしょう。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 先方の応対ぶりは、日本政府の抗議をテークノートいたしますと、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 テークノートって何ですか。

福田赳夫自由民主党外務大臣

○国務大臣(福田赳夫君) 通常の意味は、承認もせず、承諾もせず、また否定もせずと、こういうことでございます。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 それは牛場大使がどなたに三回——一回ずつはどなたに会ったのか。玄関の受付に置いてすっと帰ってきても困るからね。そうでしょう。それでテークノートすると言ったらば、こちらでかってに解釈して、オーケーしたんだととって帰ってきちゃったんですか。テークノートするのはあたりまえですよ。抗議ですから、無視したら国交断絶ですよ。

西堀正弘外務省国際連合局長

○政府委員(西堀正弘君) 先ほど申し上げましたように、口上書でまず抗議をいたしまして、引き続きまして、二日、牛場大使がジョンソン国務次官と会見いたしまして、るるわがほうの立場を申し入れたわけでございます。それに対しまするところのジョンソン次官の回答は、要旨は、「一、日本政府の抗議をテークノートする、米政府として日本政府が実験に異議をとなえる理由は理解するものである。」と。

森元治郎日本社会党

○森元治郎君 何回目の回答——三度あるんだから、三度。

西堀正弘外務省国際連合局長

○政府委員(西堀正弘君) これは、牛場大使が二回目に申し入れたときの回答でございます。三回目は、ただいま大臣が申されましたように、昨日のトレイン委員長の情報に基づきまして訓令を発した次第でございまして、現在——いま向こうは夜でございますので、これは朝になり次第会見をいたしまして、返答が来るものと存じます。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 関連。  気象庁にお伺いしますけれども、いまの藤田委員の質問に関連してですが、津波の可能性と、もう一つ問題なのは、たとえ津波が来なくても、かなり潮流が変わる。それによって漁業に影響が出てくる。その潮流の変化ですね、その点についてはどのような認識をされておりますか。津波が日本の沿岸までたとえ来なくても、潮流が変わる可能性があるという点についてはどうですか。

高橋浩一郎気象庁長官

○政府委員(高橋浩一郎君) 先ほどの津波の件でございますけれども、再び繰り返すようでございますけれども、こういったようなことは初めてでございますので、それがはたしてどうなるかということについては、はっきりとしたお答えは実は申しかねるわけでございます。ただ、従来の経験からいたしまして、親子地震とか何とかがございます。そういうような意味で、専門家の意見を聞いた結果によりますというと、比較的少ないのではないか。誘因によりまして大地震が起きて、それによって、さらに大きな津波が起こるという危険は比較的少ないのではないか、あまりないのではないかと、こういう見解でございます。  それから、次の潮流の件でございますけれども、この面につきましては、遺憾ながら、実は十分研究をしてございませんので、はっきりしたことはお答えしかねるのでございますけれども、ただ、私の常識的な判断からいたしますというと、範囲が比較的狭いので、あまり大きな影響を及ぼすことはないのではないかというように思われます。やはりむしろ問題といたしましては、それに伴います放射能、これが流れてくる、この危険のほうが非常に大きな問題になるのではないかというように考えております。

矢追秀彦公明党

○矢追秀彦君 よくわからないと言われますけれども、もちろんアムチトカ島は初めてかもしれませんけれども、過去に地下の実験は相当行なわれているわけです。二百三十回。そのうち六十七回は気象事故が起こっておるわけです。そういうふうな過去の例がありながら——もちろん、今回のいろんな核実験の規模等から、ある程度のことは——かなりいろんな点で気象学も発達しておる今日、大体の計算とか予測ができないというのは、私は怠慢ではないかと、このように思いますが、その点いかがですか。

高橋浩一郎気象庁長官

○政府委員(高橋浩一郎君) 先ほどの地震のことでございますけれども、実は、自然現象というのは非常に大きいのでございまして、一般のエネルギーの点で申しますというと、核爆発によりますエネルギーというものは非常に小さいのでございます。それから今回の場合におきましても、エネルギーといたしましてはマグニチュード七に相当するわけでございますが、それは計算によりますと、津波を起こすような地震の規模にかえますというと、大体五・七であると、こういうような計算になっておりまして、そういう意味から申しまして、直接核爆発によって起こる津波というものは、あまり大きくはないということでございます。  それから、その次に潮流に関する件でございますけれども、この面につきましても、やはり自然現象は非常に大きいのでございまして、そういうエネルギーの見地から申しますというと、比較的そういうことは問題がないのじゃないかと思うのでございます。と申しますのは、例のビキニの実験によって、あれは島の上でやったわけでございますから、ある意味で申しますと影響がさらに大きいのでございますけれども、これに伴いまして特に大きな潮流の変化があったということは観測されておりませんので、そういうような科学的な見地からいたしますというと、直接、潮流なりあるいは地震に及ぼす影響というものは、あまり大きくはないというのが一般の見解であろうかと思うわけでございます。

塩出啓典公明党

○塩出啓典君 関連で一つ。  これは、いまいろいろお話を聞きますと、実際これはよくわからない問題だと思うのですね。まあ初めてなんだから、この実験は。だから、それで気象庁はたいしたことはない、たいしたことはないということばかり強調しておるのだけれども、アメリカに抗議するには、あぶないという——こういう点が心配だと、そういうところをやっぱりどんどん調べて、PRをして、それを申し込まなきゃ全く抗議にも何にもならないと思うんですよ。へのかっぱにもならないと思うんですね。そういう点で、ひとつ総理も各省に指示をして——やっぱり、ほんとうに起こってから、しまったと、あとからじゃおそいわけですからね、ほんとうにあらゆる点をこまかく検討して、地下水の点も心配だ、放射能も心配だ、津波も心配だ、こういうことが心配なんだと、こういう、もっと大きくPRしてやはり申し入れてもらいたいと思うんですね。そういう点で気象庁の言っておることは、ともかくだいじょうぶだ、だいじょうぶだ、たいしたことはないのだ。そういうことを言ったって保証できないわけだから、やっぱり不安のほうをもっと強調すべきじゃないでしょうか。ひとつ総理にそういう態度でやってもらいたいと思うのですけれどもね。

佐藤榮作自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(佐藤榮作君) 今回の地下爆発実験について当方のとりました態度は、先ほど来外務大臣から詳細に皆さん方に御披露いたしました。なお皆さん方は政府の態度は軟弱じゃないか、こういう意味で御鞭撻をいただいております。さらにわれわれは今後の問題としてその点を十分考えていきたいと、かように思っておりますが、今回の処置といたしましては、私は政府として言うべきことははっきり申したと、かように思っております。ただ、いまの気象庁長官は、これは純科学的な立場、学者的な立場で言っておることでございますから、政治的にあまりそれを関係を持たすということはいかがかと私は思います。それよりも、われわれが純政治的な立場で外務省を通じて米政府に申し入れたこと、それをそのままひとつ評価していただきたいと思います。

徳永正利自由民主党

○委員長(徳永正利君) 午前の審査はこれまでとし、午後四時より再開し、宮之原君の質疑に入ります。  暫時休憩いたします。    午後零時二十二分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕

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