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67回国会参議院1971/12/22

物価等対策特別委員会 第3号

発言数
112
登壇者
12
会派数
4
開催日
1971/12/22

会議録

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。  当面の物価等対策樹立に関する調査中、当面の物価対策に関する件、消費者行政に関する件、これを議題といたします。  質疑のある方は順次御発言をお願いします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 経済企画庁の長官にお尋ねしたいと思いますが、しばらくぶりでございますので、若干うしろへ戻ることもあろうかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  まず、この十九日に円・ドルレートが決定をされたわけでありますが、経済運営の担当企画官庁として、今度のこの四カ月来の問題というものについては、いろいろ内部でも御討議があり、それに対して対処するあり方というようなものもたくさんあろうかと思いますが、木村長官に、まずお尋ねしたいことは、こういうような事態になった、しかもかなり大幅に、国民が予想していた以上に大幅な切り上げということになったわけでありますが、私の予測も二円ばかり違うてしまったわけでありますが、こういう切り上げを生んだ原因といいますか、まあ対外的にはいろいろアメリカの問題等もありますが、私は、特に国内の、円切り上げを招いた原因といいますか、そういうものを全体としてどのようにお考えになっているのか、まずその点をお伺いしたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 一言で申しますと、やはり二十数年たちまして、国際政治面にもあらわれたことでございますが、国際経済面におきましても特に一つの転機に差しかかってきております。そういう意味で、私どもは、ある意味ではこれは戦後体制の終わりであるというような理解もしなければなりませんが、特に、私が企画庁長官に就任いたしまして、経済白書を作成いたしましたときに、その副題を「内外均衡達成への道」という表題をつけたわけでありますが、すなわち、対外的にも、また対内的にも、長い間に醸成された不均衡というもの、アンバランスというもの、あるいはひずみというものが各方面にあらわれてきた、それがいよいよ調整を必要とするような時期に差しかかった、こういうような認識でございました。いま竹田さんが御指摘になりました特に対内面におきましては、私どもは、政策的反省も含めまして、従来のわが国の経済運営、特にこれは政府の政策面も含めて、いよいよ転換しなければならぬ時期に際会している、こういうようなとらえ方をしているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ、転換をしなくちゃならない時期に差しかかってきているというお考え方は私も全く同感でありますけれども、具体的にそれではどういう面でどう転換していくのかということが非常に具体的に必要になってきておりますし、また、その転換方策というものも明確に出していかなければならない時期であろうと思いますが、佐藤内閣が誕生してから、社会開発ということばも佐藤さんがお始めになったことばでありますし、人間尊重というキャッチフレーズも、また佐藤さんが出されたことばだと思うのですが、そういうことが言われ始めてから実はもう七年間過ぎ去ってしまっているわけですが、それにもかかわらず、七年間というのが何か無為に過ごされてきたような感じを私は持っております。まあ私は、ここで特に転換しなければならない対象というのは、とにかく、いままでの生産第一主義——日銀が信用を市中銀行に与え、そして市中銀行は企業にそれを貸して、いわゆるオーバーボローイングというようないままでの姿勢、こうしたものが日本経済をインフレ的な方向の中で拡大をしていった、企業は、もうけた利益というものでさらに企業規模を拡大したり、新しい会社をつくっていった、こういうような生産第一主義、あるいは輸出については、税制や金融というようなものを特に優遇をしていくというような金融財政のメカニズムというものがもうでき上がってしまっている、ここを基本的に直していかなければ、私は大きな転換というものはできないような気がするわけでありますが、この辺に対して、先ほど転換が必要だと長官は言われたわけでありますが、具体的にどういうふうにしてその転換をしていかなければならないのか、その辺を早く御明示をいただかないと、何か、私——ニクソン声明からの円・ドル問題というのは、私は一つは非常にいいメリットがあった。というのは、日本経済に対する国民全体が反省を非常にしいられてきた場があったということは私は非常に大きなメリットだと思う。そういうメリットが出てきているにもかかわらず、どうもまた最近は、不況だ不況だというようなことで、何かまたあと戻りをしそうな感じを私は深く受けているわけであります。そうした点では、ただ転換が必要だということだけではなしに、具体的に経済企画庁としては、今後の日本経済を、こう持っていかなくちゃいけないという転換の具体策というものをお示しいただかなければ、またこれで景気でもよくなりますと、いままでの反省を忘れてしまって、この経済の高度成長をしてきた、そうしたメカニズムが、また生き返ってくるということになってしまうのではないか。そういう点では、具体的な転換策を、経済企画庁として、あるいは政府としてでもけっこうでありますが、具体的にどう考えているか、この点をお示しいただきたい。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 経済運営に一つの区切りをつけたという面については、確かに、ドル・ショックというものはたいへん大きなメリットを与えたと思いますが、しかしながら、そういうようなことでショックを受けて経済政策を転換しなければならぬということでは、私はいけないと思います。そういう意味におきまして、もうすでに数年前から、わが国の経済運営の態度を改めなければならぬ、政策転換をしなければならぬ必要は十分これは考えて、総理も社会開発というテーマを唱えたわけでございますが、何せ、悲しいことに、当時の、まだわが国の経済というものは非常に底が浅い、何らか政治的決断をもってある政策に乗り出そうといたしますと、えてして国際収支というものの偏重がそれを妨げた、すぐ外貨準備が赤字になって、それがあえてできなかったというところに、一つの宿命的な経過があったと思います。そういう意味において、確かに政治的決断の足らなかった点も反省しなければなりませんが、わが国の経済そのものの体質が、その当時においては、それをあえて、はばんだことも客観的にあることは御了承願いたいと思います。  そこで、わが国の国民の営々たる努力の結果、ここまで経済規模も大きくなりました。それが一つの大きな対外的な不均衡に、積もり積もって、今回の通貨調整をあえてしなければならぬところまで来たと思います。まあしかしながら、半面におきましては、そういう結果、百五十六億ドルという大きな外貨準備、国際収支の黒字、ゆとりができました。今後はこれを活用して、大きな経済政策の転換を、またしなければならぬし、それが可能となるような段階になったと私どもは理解しております。  そこで、どういうふうに一体具体的に経済政策を転換させるべきか、これはもう、およその国民的コンセンサスがすでにでき上がっておると私は思います。すなわちいままでの生産第一主義あるいは輸出重点というような経済運営の政策から、社会福祉、国民生活優先のほうへ大きく切りかえて、従来の社会資本の立ちおくれ、対内均衡の取り戻し、回復という点に、すべての財源の配分のウエートを置きかえなければならない、こういうような時期に差しかかっておると思います。そこで、具体的に言えば、もういま編成の過程にあります来年度の予算の中で、社会福祉施設、社会保障、あるいは生活関連施設等について、財源の配分を十分これにウエートを置いて予算をつけるということに今後は実現してまいる方針でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いま最後に言われたところが、ここ一週間ぐらいできまる可能性があるわけでありますけれども、その辺がほんとうに実行されるのかされないのか、たいへん大きなポイントではないかと私は実は思うわけであります。  いま長官がおっしゃられたように、社会福祉や社会保障、あるいは生活環境、そういうところに非常にウエートのかかった予算がつくられてくるということになりますれば、国民の期待にこたえることでもありますし、いままでの産業構造を変えていく一つのきっかけに私はなると思うのであります。これはまだ最終的に決定されたものではありませんけれども、何か私はその辺に、長官のリップ・サービスにならないことを強く期待をするわけであります。  予算に関連して若干お聞きをしておきたいことなんですけれども、国民経済計算から見てみますと、個人の消費支出の割合というものはかなり年年下がってきておる。そして、それが民間設備投資、あるいは輸出、あるいは政府のいわゆる産業基盤整備の公共投資、こういう方向に向けられていっている数字が具体的に出ているわけでありまして、個人消費支出が、昭和三十一年で国民総支出の中で六二・五%を占めていたわけでありますが、昭和四十年の例の不況のころにおきまして、そのときは不況でありますから、これは若干上がっておりまして五六・四。そして、きのうでありますか、おとといでありますか、企画庁が発表された数字によりますと、五一・三ですか、五一・三という数字になっておりますが、五一・三というのは、おそらく四十五年の後半から不況に入ったということで民間設備投資が減ってきた、したがって、個人消費支出の割合が高まって、民間設備投資の割合が低くなったということで、率の上では高まっているわけでありますが、全体的に見て、そうした形で個人の消費支出が低くなってきているということは、やはり、ある人に言わせれば、それは日本の経済の弱いせいだと言う人もありますれば、それは資源配分の政府のしかたが悪いんだという説、いろいろ見方はあるようでありますが、いずにしても、個人消費支出が低くなっているということは経済の成長と矛盾するように思いますし、個人消費支出がもっとぐんぐんふえるということも、いろいろ問題があろうと思いますけれども、総体で見て減少傾向にある。少なくとも、他の比率と同じ割合程度において伸びていくことが私はむしろ至当ではないか、こういうふうに思うわけでありますが、こういう観点から見ますと、一体、昭和四十七年度の国民総支出の中で個人消費支出は幾らぐらいに経済企画庁としては見込んでいるのか、お伺いしたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 現在、来年度の経済見通しの中で経済指標その他、いま作成中でございますので、きょうまだ正確な数字は申し上げかねますが、来年度における国民総支出の中における個人消費支出は、当然これは増加するものと、こう見込んでおります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 長官、それは金額的には、私、当然増加すると思いますよ。物価が上がっているわけですから、当然これは増加する。割合においても四十五年以上に増加させますかどうですか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まだ正確な数字は申し上げかねますが、大体数字においても増加する見通しを立てております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そこで、もう一つ、もとへ戻ってお聞きをしておきたいと思いますが、経済企画庁の長官として、一ドル三百八円というふうにきまり、しかも上下の変動幅おのおの二・二五%、それからアメリカが課徴金の撤廃をこれによってするだろうと、こういう条件での今度の三百八円というものは、いわゆる将来の日本経済、当面の日本経済にも関連してくるわけでありますけれども、一体どのような評価をされているのか。これは国民生活にもかなり大きい関係になると思いますが、その辺どうなるのか、三百八円という数字はどうなっているのかということについてひとつ御意見を伺いたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 今度きまりました三百八円の新レート、確かに一般の予想を上回った切り上げ幅であったということは、これは否定できないところでございます。しかし、いま竹田さん御指摘になりましたとおり、上下に二・二五のワイダーバンドがついております。昨日あたりの為替の現実レートを見ますと、やはり下限のほうは三百十四円ぐらいの実勢相場になっておるようでございます。そういう意味から申しますと、いまスタートしたばかりでございますので何とも申せませんが、やはりそれは相当な大幅の切り上げであったということは実勢上も言えることだと思います。ただ、この通貨調整を余儀なくされた、確かにわが国自身の責任もございましょうが、これは国際通貨全体の面から見て、国際協調という面から見て、やはりこれに適応するような考え方で対処していかなければならぬということは当然でございます。そこで、大蔵大臣の報告をいろいろ聞きましたが、やはり各国とも、アメリカを除いて約二%ぐらい各国自身の切り上げ幅の予想よりは上回ったというようなことを言っておりました。わが国も、いままでの世界におけるわが国自身の経済的な実力、これはもちろん国民の労働力の評価にほかなりませんが、その実力が世界の中で評価されたということもあろうかと思いますが、しかしながら、それかといって、この打撃というものはなかなか当面たいへんなものだろうと思います。したがいまして、これが輸出に及ぼす影響、またそれに関連していろんな関連産業、あるいは中小企業に及ぼす影響というものは、国民生活にもたいへんいろいろ打撃があろうと思います。しかしながら、わが国の経済的なバイタリティーと申しますか、あるいは国民のエネルギーをもってすれば、これに対しまして適応力を発揮しまして、いずれ長い目で見ますと、これがわが国にとっては長期的に見て新しい発展の時代へスタートする一つの区切りになりはしないか。もちろん、そのためには政府の政策がこれにマッチしなければいけないことは当然でございます。当面、こういう円の切り上げによるショックを救済するためには、緊急対策も必要となってまいりましょうし、またこれに対して政府が的確な今後の予算その他の財政措置、あるいは金融措置を通じまして、これに対応するだけの適当な政策措置をとっていかなければならないということは当然でございますが、そういう面を通じまして、当面、あるいは長期的な展望のもとに、政府といたしましては、これに誤りのない政策をとってまいりたいと、こう考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 まあ評価は各人違ってもかまわないものであろうし、そういう点では今後の、将来のことでありますけれども、中小企業にも農業にも労働者にも、国民各層にかなり大きな影響を与えていくであろうという、そういう点については意見の一致を見ることができたというふうに思いますが、その程度、あるいは対策等については、またいろいろ違ったものもあろうかと思います。今後ということもありますので、その付近はさらに今後お聞きをしていく場もあろうと思いますので、そのぐらいにしたいと思います。  この一ドル三百八円ということによって、四十七年度の経済見通し、これがまあいろいろ論議をされておりまして、各銀行や、あるいは研究団体や、そういう方面でいろいろな数字が出ているわけでありますが、どうも財界のほうは不況というものを強く何か印象づけているような数字も出しているようであります。経済企画庁としては、予算編成もじきに終わることでありますから、経済見通しというものは閣議の決定は経ていないにいたしましても、ある程度、最終的な経済見通しがもうすでに出ているはずだと思います。そうしたことから、一般会計の予算をどうするか、あるいは国債の発行をどうするかというような議論も出ているように思われますので、経済企画庁としての四十七年度の経済見通し、これをお示しいただきたいと思う。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 御承知のように、予算編成段階に差しかかっておりますので、経済企画庁といたしましても、各省と十分連絡の上、数字その他見通しについて詰めておる段階でございます。したがいまして、いまこの場で、その最終結論的なことを申し上げる段階にはまだ至っておりませんけれども、大体の見通しといたしましては、来年度の予算、これからの財政、金融措置をどうするか、政府の政策をどうするかによって、もちろん見通しも大きく動くことでございますので、むしろどうあるべきかということを前提にいたしまして、経済企画庁としてはいろいろ経済見通しをいま詰めておる最中でございます。おおよそ、私どもといたしましては、来年度は安定成長の段階にまで経済の動向を持っていきたい、それにはぜひ国民総生産から申しましても、まず七%をこえるところまでこれを引き上げたい。こういうような概略の戦略方針は立てておるところでございます。もちろん、それを可能とするような財政規模の予算は編成をしなければなりませんし、また、非常に落ち込んでおります財政以外の要因、すなわち、民間の設備投資意欲、その他は今後、公共投資その他によってこれを誘導的に引き上げなきゃならぬと思いますが、そういうようないろんな総合対策を含めまして、来年度の経済見通しの中で国民総生産の大体位置は七%を上回るところでおさめたいと、こういうような見通しを立てておる最中でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 物価関係の見通しはどうでございますか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 物価関係は、昭和四十六年度の実績見通しをもとにして、来年度の物価の大体見通しをいまつくっておるところでございますが、まあいろんな経済指標、特に為替レートの新レートによりまして、当然、物価は下がらなければならぬということも考え、また、それに見合うような政策努力をいたさなければならぬということから申しまして、新指数ではございますが、来年度の物価は、本年度の物価よりは下回るような目標で持っていきたいと、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 具体的にどのくらいの数字を期待をしておるわけですか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) まだ最後の詰めばいたしておりませんが、およそ五・三%から五・四%ぐらいにおさめたい、こういうようなことを考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この物価指数というのは、どうもいつも経企庁で出されて閣議決定した見通しがなかなか、大体その見当にいくということであれば非常にけっこうですが、大体いつもかなりこれは乖離してしまっているというのが実態であろうと思いますが、四十六年度は、当初五・五%というようなお話でありましたけれども、これもたしか六%くらいになっちゃっているというふうに思いますけれども、私どもの感じではどうも五・三%から五・四%におさまりそうもないんじゃないかと、私どもは勘で言うよりほかはございませんので、勘でございますけれども、六%ぐらいはいくんじゃないだろうかというふうに思います。五・三%あるいは五・四%におさめるには、かなりの努力がいるんじゃないだろうかと思いますけれども、具体的にそれにおさめるための施策のポイントといいますか、というところはどこにございますか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) それにつきましては、政府の姿勢の問題だと思います。そういう意味におきまして、従来この物価問題、当然、政治の最大課題でございましたが、それに見合うだけの予算、あるいは財源の配分において、いささか私は足らなかったことを反省せざるを得ません。そういう意味におきまして、来年度はもちろん今回の通貨調整に伴う物価に対するよいところの影響はございましょう。それを十分物価の安定のほうに結びつけるという努力もしなければなりませんし、また、従来、一番消費者物価を押し上げたきな要因となりますのは、やはり日常の生鮮食料品の物価でございます。そういう生鮮食料品の物価を抑制するための行政、特に野菜、あるいは魚介、牛肉その他の行政が、まあ農林省もよくやってはいましたけれども、どうも中途はんぱのそしりをまぬがれなかったということは、われわれも反省しなければならぬと思いますが、来年度の予算には、これをただ予算だけではもちろんいけませんけれども、前年度に比べて約六倍ぐらいの予算を確保いたしまして、これに全力を集中しよう、こういうような努力もいたさなければなりませんし、また、せっかく円の切り上げによりまして出てまいります輸入品の価格低下の効果というものも十分監視いたしまして、これを消費者物価の安定に結びつけるように努力をいたす、これも重要でございますし、また当然、流通段階、あるいは構造的な面にメスを入れなければなりません。これもやらなければなりませんが、最後に、やはり政府の姿勢を示す最も大きな要素としては、公共料金の問題があると思います。私どもは公共料金については極力これを抑制するという方針は現在も変えておりません。おりませんが、ただ、私も就任当時に申しましたとおりに、やはり物価も一つの経済現象であるからには、やはりそこに合理性というものが保たれなければならぬ。したがいまして、いかにそれが公共事業といえども、採算というものを度外視して、これが成り立ち得るものではない。しからば、その事業の健全な発展のために何が必要かといえば、やはり企業自身の合理化、極力合理化を企業の努力によってやっていかなければならぬ最も重要な問題ではあるが、やはり、それでも人件費、資本費等が最近の経済社会の変化に伴いまして、どうしてもそれが大きくなってまいります。この事実は否定できませんので、その結果、事業が成り立ち得ない、あるいは採算が危険におとしいれられるような段階になりました場合には、まず考えなければならぬのは、これを財政的にどうカバーするか、政府の財政援助によって、これを何とか公共料金の引き上げに結びつかないような方法を考えなければならぬ、これは当然のことでございますが、それを極力政府の責任においてやりたいと思います。しかしながら、財政措置といいましても、結局これは一般の納税者からいただく税金でもってまかなうわけでございますので、その公共事業の性格によりましては、それほどの財政措置をあえてすることが、はたして一般国民のコンセンサスを得ることになるかどうかという点は、またいろいろ論議がございましょうし、財政事情もございましょうから、それにもおのずから一定の限界があると思います。また、その二つのことをあえてして、極力やってなお事業が成り立ち得ない場合には、やはり一般納税者の負担よりは、どうしても受益者負担でこれをある程度まかなわなければならぬということも、これは健全な事業の運営のためには必要な場合もある、こういう考え方に立脚してはおりますが、私のほんとうの考え方を申し上げれば、昨年十二月六日にいたしましたように、もう一度ひとつ一年間の公共料金のストップをやりたいとまで実は考えておったのでございますが、なかなか経済のいろいろな原則から申しましても、必ずしも私の考えておるとおりにはまいらないことは、はなはだ残念でございますが、まあ基本的にあらゆる方途を尽くしまして、公共料金の値上げはなるべくこれをひとつ抑制したいという方向で、今後とも努力を続けたい、こう考えておる次第でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 調整局長にお聞きしますが、五・三ないし五・四というのは、新レート三百八円ということを基礎にしてはじかれた数字なんですか。それとも大体その前にいわれておりました三百十五円レートくらいを考えてはじかれた数字なんですか、どっちなんですか。

新田庚一経済企画庁調整局長

○政府委員(新田庚一君) 最終的に物価の目標数値というものはきまっておりませんけれども、計算の検討の内容としましては、当然新しいレートによる輸入物価の値下がりというものを織り込んできめるというふうなことで検討しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうすると、三百十五円あたりでも一回計算されたことがあるんじゃないですか。あるいは三百二十円だったですか、中間で一回検討されたことがあったというふうに、私はちょっと新聞で見たんですけれども、それは検討しておりませんですか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 先般、補正予算を編成いたします際に、一応の試算として計算したことがございます。そのときは四十六年度の大体見通しとして五・五という数字を出したことがございます。その際には来年度の消費者物価の見通しというものはつくっておりません。したがいまして、昭和四十六年度の五・五という見通しはその当時における課徴金の存在、また為替変動相場の大体の実勢を基礎にして一応の試算をつくったというような数字でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういたしますと、年度は違うにいたしましても、物価上昇率は三百八円というレートによって若干下がりぎみだというふうな理解をいたしますわけですが、そこで長官、いま三百八円のレートによって、確かに理論的には輸入物資の価格がこれは下がりますが、しかし、現実に末端消費者のところへいくと、これはちっとも下がっていないわけです。ウィスキーなどはほとんど手を加えることなしに入ったものが、そのまま末端消費者のところへいくわけです。こういうものも、どうも私飲みますから酒屋へ行ってにらんでみますけれども、ちっとも下がってはいない。それから紅茶なんかにいたしましても同様であります。私は政府が輸入価格の下がることをもっと末端消費者に還元するという立場でいくと、パンにいたしましても、これは下がったという話はいま全然聞いていないわけです。おそらく計算上は一斤当たり二円幾らぐらい下がるということになるわけでありますが、途中でその為替の差益というものは食管会計の赤字へ入れてしまって、何ら末端のほうには及んでいかない。これは政府が決意さえすれば私はできることだと思うんです。先ほども、政府の政治姿勢が物価抑制にはたいへん重要だ、こういうふうにおっしゃっているんですが、どうもこの辺、私納得できないわけです。いままで三百六十円であって、十九日から突然三百八円になったというものではないわけです。もうすでに為替の変動相場制になってから四カ月たつわけです。そうすると、そろそろその当時の差益が末端消費者に還元されてきていいはずだと思うんですけれども、政府がこういうことをやっているということになると、民間業者はもちろん、政府もやっているんだから、おれたちが何も消費者にそんなものを還元する必要はないんだ、こういう論理は当然出てくるわけですから、これは政府の政治姿勢との関係を私どもは一体どう理解したらいいのか。どうでしょう。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) いま御指摘がありましたが、たとえばレモン、グレープフルーツのごときは相当な値下がりをしておるのは御承知のとおりでございます。ただ、原料で輸入しまして、これを加工して、これが消費者に渡る品物は、やはり加工の段階で相当タイムラグがございますから、最終末端価格にまでまだそれが及んでいないということは事実ございましょう。また、ちょっとおあげになりましたウイスキーのごときは、アメリカのウイスキーはどうも最近値下がりしておるようでございますが、この円の切り上げによりまして、商店その他のバーゲンセールが相当繰り返されておりますので、おそらく市中に相当出回ることによって値下がりすると思いますが、ただ、そういう高級のウイスキーとか、あるい高級の時計、あるいは万年筆のごときは、やはり消費者のイメージというもの、高級イメージというものが相当これに影響しておるようでございます。そういう意味で、今後は相当強い行政指導によってこれが値下げに結びつくように指導していきたいと思います。  実は昨日も物価安定政策会議の第四調査会から私ども提言を受けまして、やはり円の大幅切り上げに伴いまして国民の率直な受け取り方は、これによっていわゆる舶来品が値下がりするであろうというような受け取り方をしておられる。これは消費者の偽らない心だろうと思います。これを政府の政策努力によりまして、そのとおりひとつそのような効果を発揮できるようにしたいということのために、実は調査部会にもいろいろ具体的な考え方をお示し願いたいというお願いをしておったんですが、昨日の御提言にありましたとおり、これを阻害するいろんな要因がございます。せっかく輸入価格が低くなったのにかかわらず、それが卸売り段階、あるいは小売り段階でいつか効果が減耗してしまうということが多々ございます。その一番大きな一つのあらわれとしましては、国内における総代理店、輸入総代理店という制度が、えてしてそういうことを妨げておるという点もございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 長官、ぼくはそういう余分なことを聞いているんじゃなくて、小麦の場合の政府の姿勢を聞いているんですから、時間もありますので、ひとつそのポイントをお答えください。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 小麦の場合は、これは食管の赤字という問題からきた問題で、私ども経済企画庁としては、これが直ちにパンの値下げに結びつくようなことを考えておりますが、これはまだまだ今後政府部内のいろいろな調整を待たなければならぬと思いますので、経済企画庁としてはそういう立場から大いに発言をしてまいりたい、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうもそういう話を聞いていますと、先ほどは経済見通しは努力目標としてCPIで五・三から五・四ということなんですが、そういう政治姿勢だと、その経済見通し達成はできないし、これは企画庁はこんなことを言っているが、こんなことはとてもできないのだというような感じを私は与えてしまうと思うのですよ。ですから、長官は先ほど、それは政府の姿勢なんだと言われたが、私も政府の姿勢から出発しなければならないと思いますよ。それを先ほどの長官の話では、何か消費者のイメージのせいにそれをしてしまったりして、むしろ消費者が高いものを買いたいのだという。パンなんかについては消費者のイメージはない、決してあるわけじゃない。しかも、それは加工段階においてとやかくいう問題を私は論じているわけではない。政府の製粉会社に対する卸売り価格をなぜ下げないか。政府がそういう姿勢を示せば、政府だってこうやっているのだから、おまえたち業者もひとつこれをやってもらわなければ困るということがほかにも言えると思うのですが、政府自体、自分のほうは赤字を埋めるために安くすることができない、こう言われたなら、民間のほうはなおさら、私どものほうも赤字だから私どものほうはどうにもならない、どこからも金を補助してくれるわけでもないのだ、私どものほうはなおさらできませんよ、いままでの赤字を埋めなくちゃならないと、はっきりそう言っているのは石油業界ですよ。石油業界なんかはずいぶん安くしていいはずだと思うのです。計算上はおそらく五十八円のガソリンを五十円ぐらいにしたってまだやっていける。それでもかれらの言うのを聞けば、私どものほうは昔OPECから値上げを迫まられて上げた、過去の赤字があるからとても下げられません。と言っているわけですね。政府の言っていることと同じことです。そういうことでは国民は理解もできないし、計算上いわれているところの輸入品の価格を下げて物価抑制の効果をあげるということは、これは私はできないと思うのですね。これはただ単に農林省だけの問題では私はないと思うのです。これは政府全体の責任でこの問題を早く解決しなければならぬわけです。いままでにそういうことはすでに検討をされてあるべきで、むしろそれは、とにかくこういう際だから、食管会計の赤字を小麦で埋めるのじゃなくて、ひとつそれはそのまま消費者に還元しよう、また製粉業者も、あるいはパンやめん類の加工業者に対しても、おれたちがこただけ安くしてやるのだから、君たちも何とかしろ、方法はいろいろあろうと思う。量をふやす方法もあろうと思う。そういう形で消費者に還元をしていくというようなやり方というものは当然私はあり得ると思うのです。政府がこういう姿勢では五・四%は架空の数字にしかならないし、不況下の物価高というそういうことは、続くのじゃなくて、政府が奨励しているという形になるのじゃないですか。この問題を早急にひとつ政府としての見解を出してもらわなければ国民は承知しないと思うのです。長官の御決意をひとつ承っておきたいと思うのです。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) やはり食管の会計と申しましても、これは一般納税者の税金をいただいているわけでございますから、そういう面で、必ずしも政府が、国民のそういう負担と全く乖離した世界で解決するわけじゃございませんけれども、しかしながら、当面こういう主食に準じた、主食の中でございますが、そういうものについては、私個人の考え方はそういうようなことで、消費者の利益につながらないような財政措置はとるべきでない。私自身の考えを持っておりますので、今後、政府部内でその点は十分強調してまいりたいと、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 くどいようでございますけれども、この点、個々の姿勢がよくならない限りは、私は円の切り上げということが、国民に負担だけ与えて少しも国民にメリットを与えない。そうして、安く買った者だけはふところを肥やすというような不公平な経済運営をまたしてしまう。片方で損しているわけですから、片方で得したのはやっぱりはき出してもらう。こういうことをしなければ、私はこの円の切り上げを通じての今後の日本の経済運営というのは国民の協力を得られないと思いますから、この点はひとつ、ただ単にここでの長官個人の発言じゃなくて、政府としてもこの点について明快な、納得できる、とにかく、それだけ安く払い下げるという態度をこの際出していただかなければ、一番最初に長官がおっしゃられた経済政策の転換をはかると言ったところで、それは結局何か絵にかいたもち、紙の上に書かれた文章にしかすぎない、それにしか終わらない、こういうふうに私は思うわけでありますから、この点ひとつ、とくと——これは私だけの意見じゃないと思うのです。ここにおられる委員の方、全員の私は意見であろうと思いますし、そうした点で解決の対策をひとつ出していただきたいと、このように思うわけであります。  それから、先ほども長官は公共料金はストップをさせたい。なかなかそれができなかった。こういうふうにおっしゃるのですけれども、しかし、あまりにもこの公共料金、次から次へと上がっていく、確かに大学の授業料等においても、私学と国立大学とのこれはアンバランスがあろうと思います。そのアンバランスは他の方法によって解消することも全然できないわけじゃないと思うのです。おそらく、こうしたことは、学生紛争をまた再びかき立てる材料を政府みずからがやる、こういうことになるのじゃないかと思うのです。たとえば、公営バスにしても、私営バスにしても、かなり大幅な値上げをいま申請していると思う。いままで三十円なのを五十円くらいの申請を出してきている。こういうことも、どうも私ども納得できないわけでして、これは幾らバスの料金を上げても、二、三年たてばこれは必ず赤字になってしまう。だから、私は交通体系なり、あるいはそうした公営企業の会計のあり方自体を問わなければ、私はこの問題の解決はできないだろうと思うのですが、あまり長く申し上げていますと、ほかの方の御迷惑になりますので、長官に対してはあと二問だけひとつお尋ねしたいと思います。  日銀が、二十五日から公定歩合を〇・五%下げておる。——これは大蔵省の方もいらっしゃるかと思うんですけれども、これはあとからお伺いしますけれども——それに伴って、おそらくその他の市中金利も引き下げられてくるであろうと思う。しかし、一般の貯蓄性の預金をやっている人たち、こういう人たちは、少なくとも物価をそれ以下にしないと、これはおそらく金利は結局とられてしまう。それ以上に上がれば、それが元本の価値をも減らしてしまう。こういうことになってしまって、たいへんな問題だと私は思うのであります。そういう意味では、定期預金の金利が一体幾らになるか、まあ一年ぐらいのものが一体幾らになるのか。それとの関連において、一体、消費者物価をどうするか。これは非常に大きなところに差しかかっているだろうと思います。金利全体としては、国際経済の中で、これは当然下げていかないといけない、一方にはこういう強い要請があろうと思いますけれども、そうした点で、その定期預金の金利と、消費物価との関係、これはどのようにお考えになって、どのように措置されようとしているのか、長官に伺っておきたいと思うのです。もし、その前に何かありましたら大蔵省のほうからでも。

磯辺律男大蔵省銀行局総務課長

○説明員(磯辺律男君) ただいま先生から御質問のございました預金金利の引き下げの件でございますが、これは、まず公定歩合の件につきましては、御承知のように日本銀行総裁の権限でございますから、私のほうから御答弁申し上げるのは差し控えたいと思います。  それに伴いまして、かりに公定歩合が引き下げられたとしますと、当然やはり預金金利の引き下げも行なわれるということで、いま大蔵省としては検討しておる段階でございます。ただ、この場合に、要求払い預金金利、つまり普通預金、それから通知預金でございますね、この二つの金利につきましては、昨年の金融制度調査会の答申がございまして、公定歩合に連動さして上げ下げすべきであるというふうな答申をいただいておりますけれども、ただ、ただいままで、昨年の十月以来、四度にわたる公定歩合の引き下げのときには、この要求払い預金金利も連動さすべきでございましたけれども、いままでやっておりませんでしたが、少なくとも、近く公定歩合の引き下げが行なわれるとすれば、要求払い預金金利につきましては、ある程度これを連動して下げていきたいというふうに考えております。ただ、定期制預金につきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、やはり、これは国民の金融資産の運用の場として、定期預金というものが非常に利用されているということはいなめない事実でございますし、それから、かたがた、最近の消費者物価の動向等を考えますと、やはり定期制預金の金利を動かすにつきましては、いろいろなことを考えながら検討していかなきゃならないというふうなことで、ただいま検討中でございます。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) ただいま大蔵省からお答えいたしましたとおり、定期預金と申しますか、貯蓄性の強い預金の金利につきましては、これはやはり消費者物価との関連も非常に大きいものでございますから、これは私どもの立場としては、消費者物価の最近の動向からみまして、動かしてもらいたくないという考えでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これは大蔵省責任でこういうのは上げ下げするべきものだと思いますけれども、それを企画庁が、物価が下がらないから、こっちも押えて下げさせないんだというような形になる可能性というのは非常にあるわけですね。この辺は企画庁も責任を転嫁しないで、自分に与えられた分野の消費者物価というものを下げるということをやってもらわなければ、それがとめ置かれたから、安心だから、ひとつ一休みしようというようなことでは、これは困るわけでしてね。この辺は、下げないというならば、その点は当面いいと思うんです。しかし、将来は、はたしてそれでいいのかどうなのかということになれば、やっぱり金融機関のいろんな関係で、必ずしもその線がいつまでも守れるかどうかということになりますれば、金融機関の経営の関係にもおそらく及んでくるるわけであります。この辺はひとつ責任を転嫁しないで、経済企画庁のほうが進んで物価を下げるというかまえをとっていただかないとしようがないと思います。  次に移ります。消費者運動について、一つの転機に私はきているような感じがいたします。そうした点ではユーザーユニオンの例の二人の問題というものは非常に私どもにとっては、消費者運動にとってもたいへん大きなショックだったと思います。そういう意味で、いまちょっとこの消費者運動というのは鳴りをひそめたというような感じもするわけでありますけれども、しかし、消費者運動というのは生協運動と並んでやはり物価を下げていく大きな国民の力であるということについてはこれは事実であろうと思います。そういう意味で、今後の消費者運動というものを企画庁長官として一体どう進めていくべきか、これは私かなりむずかしい問題だと思います。こうしたユーザーユニオンの事故が起きたというようなことも、これは一つはわな的なものも全然ないとは私は言えないと思う。同時にそういう消費者運動の資金というもの、ここにかなり大きい問題が私はあったと思います。ですから、外国あたりでも消費者運動の中には、政府は金を出して口を出すなというような形で消費者運動を進めているというところもありますけれども、これを契機にして、日本の消費者運動を推進していくという立場において政府としてやはり何か考えなくちゃいかぬ、こういうふうに思うわけですが、その点をまず一点と、それからもう一つは、私どももこの委員会でも、産地との直結販売の問題について参考人の方にも来ていただき、お聞きをしたわけであります。これについても生協というようなもの、この点が非常に重要だと思いますけれども、なかなか生協の施設をつくっていく、あるいは生協で実際仕事を担当していくということになりますと、ここにもいろいろ問題が出てきているようであります。この二つの運動というのは、私は物価を下げていく運動として経済企画庁も無関心ではいられない問題であろうと思います。生協運動については、生協の監督官庁としては、これは厚生省です。それは戦後の状態では、私、厚生省でよかったと思います。現在の段階ではたして生協の監督指導というものが厚生省であっては私はもうならない、むしろそれは経済企画庁が広く担当をしていくべき対象になってきている、こういうふうに思うんです。これなどについて、ひとつ長官は今後、消費者運動の一方のこれは商品検査運動といってもよかろうと思いますけれども、それと具体的に物を扱う生協運動の政治指導というような政治的な立場での監督指導というものをどういうふうにされようとしているのか。私は厚生省ではどうもぐあいが悪い、むしろ経済企画庁にそういうものを持っていくべきだという意見でありますが、この辺についての長官のひとつ所見を承って私の長官に対する質問は終わりたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 不幸な事件はございましたけれども、しかし、これによって消費者運動が足踏みすることは許されないと思います。そういう意味におきまして、政府といたしましても、消費者運動が今後自主的にかつ建設的に発達していくためにあらゆる助成をいたしたいと思いますが、ただ、これは消費者運動のあり方につきましては、先ほど竹田さんがおっしゃいましたように、あまり政府が口を出すべきでない、むしろこれを側面から援助して、財政その他の助成によって健全な発達に持っていくということが本道であろうと思います。そういう面から十分予算措置等を考えていきたいと思います。また、生協に対する監督問題、これは政府全体が考えるべきことでございますけれども、まあ戦後のいろんないきさつもございましょうし、現在は厚生省でやっておりますが、今後これを一体どういうようなふうに行政機構の中で持っていくかということについては、政府部内でよくひとつ協議したいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 企画庁長官にお尋ねいたします。  今回の大幅な円切り上げについては、政府の従来とってきた産業第一義、経済優先の結果であったと私は思います。そこで、先の経企庁の国民生活の調査の実態によりますと、国民の七八%が国民生活優先の経済を願っていることは明らかでございますが、長官は今度の円切り上げを国民生活にどのように反映させようとしていらっしゃいますか、具体的にお聞かせをいただきたいと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) いまの御意見、全く私は同感でございます。今回の通貨調整、これはいろいろ従来のわが国の経済運営のしかたが、やり方がもうすでに転換を迫られておるということの証左にもなるわけでございますが、従来の生産あるいは輸出第一義から、国民福祉中心主義と申しますか、国民生活の優先ヘウエートを置き変えていくということについて、十分、政府としましては責任を持って政策を遂行していきたい、こう考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 先ほどもちょっとお話に出ましたが、タクシー料金、バス料金が来春早々に値上がりになるそうでございますが、この公共料金の値上げについて、長官はこれからの値上げにどう対処するつもりか、この点を先ほどのお話よりさらに具体的にお聞かせいただければお願いいたします。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 先ほど竹田さんのお尋ねにお答えいたしましたとおり、いろいろ公共料金の値上げが問題になっておりますことは事実でございます。しかし、その中に、公共料金といいましてもいろいろございまして、たとえば先ほどお話がございました大学授業料、あるいは国鉄運賃というようなものから、いま柏原さんがおっしゃいましたタクシー料金に至るまでいろいろございます。その中で特に公共性の非常に強いもの、大学授業料とか、国鉄運賃のごときは、やはりそれを、公共料金を引き上げることによって国民の負担にする前に、まずやはり政府としては、国鉄であれば国鉄自身、合理化に対する最大限の企業努力というものが必要であろうと思います。それがあって、しかる後になお赤字が出るようでございましたら、これはまあ国鉄再建ということは国民にとりましても大きな問題でございますから、これについてまた財政措置というものを考えなければならない。しかし、財政措置にもおのずから限界がございましょう。また財政援助といってもそれに使う資金、財政資金というものはやはり一般納税者の税金をいただいてやることでございますから、そういうものについても非常に慎重なやり方が必要であろうと思いますが、そういう企業自身の最大限の合理化努力、また財政措置を極度にいたしましても、なお赤字が出るような場合に、これはやはり国鉄であれば、その再建のためにある程度受益者のほうに御負担を願わなければならない場合もあるかもしれませんが、まだ国鉄の運賃の問題につきましては、政府部内でも統一した考え方でありませんので、次の予算編成の段階でこれを具体的にいろいろ問題にしたいと思っております。また大学授業料のごときは、私自身もこれについては非常に慎重な考え方でおります。文部省もそのようでございましょうし、これはできることならばこの際上げたくないという考え方でございます。またバス料金のごときは、これも企業のいろいろ経理の問題もございましょうが、やはりタクシーのように零細事業でもございません。これは私の考えでは当面これを引き上げる考えはございません。認める考えはございません。また、お話がございませんでしたが、当然お話に出ると思います公団家賃のごときは、建設大臣とよく話し合ってこれを上げないというような方針で進みたいと、こう考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 タクシー料金の場合はいかがでしょうか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) タクシー料金はこれは当然経済問題ではございますが、バスとか、あるいは鉄道のような大量輸送の機関でございませんので、どちらかと申しますと、タクシー料金を上げる、上げないより、サービスがなってないじゃないか。そのサービス改善についての国民感情的な、あるいは心理的な問題がむしろ大きく取り扱われておるようでございます。もちろんタクシー業をやっております中小企業、非常にいま経営の赤字を続けておりまして、昨年だけでも七百四十台くらいが廃車届けをやっておるような現状でございます。また、昭和四十五年に東京都内だけで延べ七億人の旅客を運んでおるというような、都民のためには非常に重大な影響がある都民の足でございます。これが倒産してタクシーがだんだん少なくなるというのでは、また国民にとってもたいへん御迷惑だと思います。この倒産、あるいはタクシー業の危機は、私はこれは何とか救済しなければならぬと思います。さりとて、このタクシー企業がはたしてどこまで健全な経理をやっておるかということは、これはまた厳重にいろいろ精査しなければなりません。当面、今回の値上げ申請につきましては、そういうタクシー事業の今後のあり方、これは長期的にもちろん考えなければいけませんが、当面タクシー事業のいまの危機と申しますか、ピンチに立ってどうすべきかということについて、ただ政府の中、運輸省と経済企画庁だけではどうも公正を期せられないという御意見もありますので、特に物価安定政策会議の方々にお願いいたしまして、先般からこのタクシー値上げの問題について御意見を伺っておりまして、その御意見が本日私の手元まで上がってくると思います。提出されると思いますので、その御意見を十分参酌して慎重に結論を出したいと、こう考えておる最中でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 農林省にお伺いいたしますが、山形県庄内地方の生産者たちがたくさん大根を抱えて農林省の行政指導に大へん不満を持っております。私も先月、千葉県の八街方面に行ってまいりましたが、同じような声を聞いてまいりました。国が介入して、それが失敗した場合、きちんと責任をとる、来年の生産意欲を失なわせないようにしなければ、来年の作付は相当減少し、そのためにまた野菜が暴騰することが想像されます。過去においてこのようなことが何回か繰り返されておりますので、またこうしたことが起こるのではないか、こうした苦しみを味わされるのではないかと、こう思いますが、その点いかがでございましょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) ただいまお尋ねの、今年の秋から冬にかけましては、特に九月から十月にかけては若干高騰があったわけでございますが、十一月につきましては若干、台風、低温等のおくれのものと、それから、そのときの出荷期のものが重なりまして、ただいま御指摘のございましたような、山形県の特に砂丘地方の新しい産地の大根等には、かなり価格の低落の打撃があったわけでございます。いまお尋ねのございましたように、価格の問題につきましては、現状ではやはり生産されたものが異常な価格の低落がありましたときには十分な補てんをしたい。こういうことで従来から価格の補てん事業を仕組んでまいったわけでございますが、特に今年の秋冬につきましては、生産を十分安心してやってもらいたいということで、八月末から手配をいたしまして、ただいまお尋ねになりました大根、それからキャベツ、白菜等で、秋から冬にかけて出荷されるものにつきまして、価格の補てん事業の基準となります補償価格、大体、物により差異はございますけれども、従来より五割程度引き上げまして、またこれに使います資金の負担につきましても、従来、国庫補助五割でございましたけれども、六割に引き上げる、こういうような改正をいたしまして、ただいまの価格の低落については十分心配のないようにしてまいりたい、こういうことで鋭意制度の改善をはかっているわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 その野菜の暴落に対して十分な補てんをしたいというお話でございますが、この価格補てん事業として資金協会がつくられておりますね。この資金協会のことについてお聞きをしたいのですが、指定産地がそれぞれに加入しております。その状況はどんなふうになっておりますか。秋冬大根についてでけっこうでございますが、どれくらい作付がされて、そうして、これに対して資金協会に申し込んだ予約数量がどれくらいになっているか、お願いいたします。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) お尋ねのございました具体的な数字につきましては、もし必要がございますれば、別途、各出荷時期区分ごとにどれくらいの加入があるか、資料をもちまして御説明を申し上げたいと思いますが、全体として価格補てん事業につきましては、従来かなり加入度の高いものと低いものと両方ございまして、たとえば大根は実は今年度から価格補てん事業に仕組んだものですから、現状では大体全体の、たとえば京浜地区に入荷いたします市場の入荷量の中では、低いところですと一〇%程度のものしかまだ加入していないところもございます。それからタマネギとか、キャベツのように、かなり前から価格補てん事業をやっておりますものは、だんだん年度を経過します間に、この事業の必要性が相当認識されまして、入荷量の中の五割をこえます相当高い量について、価格補てん事業に加入が見られているわけでございます。なお数字等について必要がございましたら、別途資料で御説明申し上げたいと思います。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 私、千葉県の場合を県庁の資料でもって調べましたら、それによりますと、秋冬大根ですけれども、指定産地が四つございまして、その中の三つだけが加入しております。それで、秋冬大根、この四つの指定地の生産数量が約一万百七十五トン、この一万百七十五トンに対して、予約数量がたった千五百トン、約一割五分ぐらいの程度の予約数量なわけです。私はこれは非常に少ないじゃないか。先ほどのお話ですと、大根の問題は今年やったばかりだ、タマネギなどはたいへん前からやっているので成績を上げておるというお話でございますけれども、たった一割五分が予約数量の量である。これじゃ価格補てん事業としてあまりにも魅力がなさ過ぎるのじゃないか、これで価格補てんが十分にできるかどうかということはたいへん疑問だと私は思うのです。こうした点どのようにお考えになっていらっしゃるか。

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) 速記を始めて。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) ただいまのお尋ねの点、まことに現在では価格補てん事業の対象になります割合は確かに低うございます。これにはいろいろな制度上の原因もございまして、まず、いまの価格補てん事業は法律によって仕組まれているものですから、たとえば八街なら八街という産地をとりましても、京浜地域の中央市場に出すと、そういうものが対象になっているわけでございまして、ほかの市場に出しますものは対象にならない。あるいはこれはまあ制度の本質でございますが、農業協同組合から県の連合会という農協組織を通ずるものに限り対象にしている、こういうこともございまして、産地の生産市場全体として見ますと、数量の割合は確かに低いわけでございます。ただ、非常にこれからの問題といたしましては、そういう仕組みと同時に生産者の負担の問題がありまして、これは逐次改善をしてまいりまして、できるだけ少ない負担金でこの制度の加入ができるようにということで、今後とも、財政措置の問題でございますけれども、できる限り生産者団体の負担を軽減しまして、この制度の対象範囲を広げていくように努力いたしたいと思っております。

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) なお柏原君の御質問はあるんでございますが、これはあとに回さしていただきまして、次の質疑者に移ります。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 先ほど竹田四郎委員からいろいろ御質問がありまして、大体私の用意した質問と重なっている点が相当ございますが、去る十一月の二十六日に総理府の統計局から今度の基準消費者物価指数を発表されました。その翌日にこれが新聞に載りまして、どの新聞を見ましても、これは数字の魔術だとか、あるいは統計の魔術だとか、いろんなことを言われまして、消費者はたいへん自分たちの実感とはあまりにずれているということで、いろんなショックを受けたと思います。その中で、今度は円の切り上げが非常に大幅でございました。こういうようないろいろな問題をとらまえまして、消費者はもっともっと物価が下がるのかと期待をしておったようです。ところが、なかなか物価は下がるどころか、ますます年末を迎えて思うようには物価が下がってくれないし、非常な心配をいましているところでございます。そのような中で、為替レートが一ドル三百八円に決定をして、国民はこれを機会にどんどん輸入をして、そして安いものを提供してほしいとか、安いものを買わしてほしいとか、そして物価が下がるだろうというふうな期待を実は持っているわけです。ところが、これで先ほどの竹田委員の御質問に長官がお答えになったのでは、よいほうに向かうだろうけれどもという御答弁でございました。はたしてほんとうにこれで物価が下がるかどうかということは、私どもたいへん見通しは暗いと思います。長官の御意見をひとつお伺いをさしていただきたいと立ち上がったわけでございますけれども、ドルショック以来、為替の変動相場制が採用されまして、先ほどもお話がありましたようなウイスキーの問題やいろんな問題を見てまいりますと、必ずしも物は下がっていなかった、こういうようなことですから、この三百八円になって輸入をしていただいても、はたしてこれから国民生活が楽になるのかどうか、まずその点を一点お伺いしたいわけでございます。  それからもう一つは、輸入業者というのがいままできまっていた。つまり実績を持っている人だけに輸入が割り当てられている。そうしますと、もうそれからは卸売り業者というのはパイプがつながっているんですってね。つまりルートがもうきまっているので、ここら辺に利益が吸収されてしまって、せっかく輸入を広げていただいても普通の輸入業者というのはなかなかこれは割り当てがいただけないのかどうか。その辺も合わせてお聞かせをいただきたい。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 先ほど来お尋ねがございましてお答えいたしましたとおり、当然、消費者の方々は輸入自由化、あるいは為替相場の新しいレートによりまして舶来品は下がるはずだ、こうお受け取りになる、これは当然だと思うのであります。そこで、そういう国民の期待をわれわれの政府の政策によりましてぜひそのとおり効果を発揮させたい、こういう考えでやっておりますが、やはり御意見がありましたとおり、中には非常に値下がりを示したものもございますけれども、総じてこの変動相場以来、輸入価格が下がることによってそれが消費者の手元に渡るときに、小売り価格がそのとおり反映していないというのが実情でございます。これにはいろいろ原因がございましょう。あるものは加工段階を経て消費者の末端価格に影響するために、まだそれだけの時間を経ていないというものもございましょうし、また、完成品で消費物資として輸入するもの、こういうようなものは、たとえばグレープフルーツのごときは相当値下がりしておりますが、その他はいま中沢先生御指摘のような輸入機構にいろいろ問題点がございましょうし、また国内の販売、特に卸売り段階でのいろいろなメカニズムというものがありまして、それが輸入価格の引き下げを妨げておるというものもございましょう。そういうものも具体的に私どもはとらえまして、それについての十分な監視体制を整えるということで今後は十分国民の皆さん方の御期待に沿うように持っていきたいと、こういう考えでおります。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 いま、たまたまグレープフルーツの問題が出てまいりましたけれども、グレープフルーツというのはずいぶん高級なものでございまして、いままでなかなか普通の消費者はいただけなかった。せめて最近為替レートが下がったものですから何とか食べてみたいということで少し安くなったので買ってみた。ところが、それがたいへん粗悪品で、もうふにゃふにゃになっていて、せっかく買ってみたけれども食べられなかった。こういう苦情を私実は聞いたことがございます。そこで、こういう点で多少粗悪品が出回っているのではないか。こういうことでひとつ現状をお聞かせいただきたいのと、それから輸入価格の問題でございますが、為替の変動相場制を採用されたあの何日でしたか、夜ですね。夜、突然に発表がありました。私そのときにたまたま沖繩に調査に行っておったわけですけれども、そうしますと、もうとたんに翌日、日本から沖繩に入るかん詰め類がみな十セントから二十セントずつ、たちどころに値上がりしてしまう。こういうことで為替の変動相場制を発表された翌日は沖繩では実はたいへんでございました。そして中には一部もう商売にならないからということで店を締めてしまったような非常に混乱した場面を実は私見てきたわけでございます。こういうようなこともございますので、これは同じ日本人同士であってもこうなんです。ですから、ましてこれから為替レートが三百八円になっても、これからほんとうに国民が期待しているようなわけには、おそらく私なかなか容易なわざではまいらないと思います。どうかその辺は、ずいぶん通産省との問題もあろうかと思いますけれども、ひとつ国民生活の実態を握っていらっしゃる、国民生活をほんとうにこれから経済優先よりも国民生活第一主義に行こうという長官の御期待どおり生かしていただくためには、ずいぶんがんばっていただかなければならないと思いますので、その辺の御決意もひとつ伺わせていただきたと思います。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 先ほどお示しになったグレープフルーツの粗悪品のことですが、私ちょっと専門的なことはわかりませんが、ちらっと頭に浮かびましたのは、ちょうど最近入ってまいりましたグレープフルーツは、七、八、九というあまりアメリカにとってもグレープフルーツの最盛期でない時期にとれたものだと思います。それに港湾ストが続いておりまして、あるいは船に積んだものがいまごろ入ってきたためとも思いますが、そういうことはやはり量とともに価格、質も十分監督しなければならぬと思うんです。ただ、経済企画庁としては、なかなかそこまで目が届きませんので、ひとつ農林省にお願いして十分そういう面の監督もいたしたいと思います。  それから、もっと基本的な問題にお答えするのを忘れましたが、いろいろ私困難があろうかと思います。なかなかいままでの政治、行政制度の惰性というものがございますから、私の非力をもってしてはとうていなかなか打ち勝ちがたいものもございますけれども、私としては最大限努力をいたしたいという決意を表明申し上げておきます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 来年度は今年度以上に不況が輪をかけてやってくると見通されておるんですが、このようなときに円の切り上げの恩典があらわれて、それが消費者に潤いをもたらされることがほんとうに願わしいわけですが、幸い外貨もたっぷりあることでございますから、ぜひとも輸入の自由化が促進されまして、消費者にその恩典が環元されるように私どもは心から要望するわけです。  いままでいろいろ竹田委員も同じような質問をされたわけですけれども、いまの沖繩の問題を取り上げても、いつも消費者が置いてきぼりを食わされてしまう。輸入タマネギの問題のときもずいぶんこれは大騒ぎをしたわけですけれども、そこら辺の輸入機構の問題についてもひとつこれから十分調査をしていただいて、消費者がいつもばかを見ないようにしていただきたい、このように考えるわけでございます。  最後に、いま現在、予算は編成中でございますので、来年度の見通しや、あるいはまた来年度の物価上昇の見通しはどのようなことか、これも私御質問を申し上げようと用意をしたわけですけれども、先ほど竹田委員のほうにお答えをいただいたものですから、これはもう取り下げることにいたしまして、あとは、私実はきょうは総理府の統計局のほうへいろいろ質問さしていただきたいと用意をいたしてまいりましたので、長官にはこの程度でお帰りいただいてけっこうです。ありがとうございました。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 市場の問題でございますが、物価安定政策会議、また行政監理委員会などの答申を見ますと、中央卸売市場における卸売り業者の手数料の是正が提言されております。これは検討されるものかどうか。特に行監の答申の中には、中間業者が不合理な利潤を得ているとはっきり言っておりますが、この手数料の是正の問題は、長官としてはどういうお考えでいらっしゃいますか。

木村俊夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(木村俊夫君) 私もその提言にありますとおり、非常に不合理な点が多々あると思いますけれども、いま農林大臣の諮問機関でございます卸売市場審議会に具体的に提案されまして、いまいろいろ御意見を伺っておるところでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 農林省にお伺いいたします。  この作付意欲を喚起するための価格補てん事業について特別調査報告の中にも取り上げられております。そして現地の声がいろいろ出ております。そして結論して、価格補てん事業はあまり魅力を感じてないようだという報告になっております。ですから、作付意欲の喪失を防ぐ効果をあげていないということになると思います。またこのことについては、いままでも各方面からの提言もございました。異口同音に価格補てん事業の強化を訴えております。  そこでまず第一に、過去の平均市場価格、これについてお伺いいたしたいんですが、この過去の平均市場価格は保証基準額あるいは最低基準額の基礎となるもので非常に大事なものだと思います。京浜市場の秋冬大根を見ますと、過去の平均市場価格は一キロ二十二円となっております。昨年の卸売り価格は二倍の四十円程度になっております。こういう比較はたいへん単純な比較のしかたであるとは思いますけれども、比べてみますと非常に平均市場価格というのが低くなっております。この市場価格の計算のしかたは非常に合理的な方法で計算されたものとは思いますけれども、この点いかがでしょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 野菜の価格補てん事業の基準を見ます場合に、いまお尋ねのございましたように過去の市場価格を平均して使っておるわけでございます。で、従来の方法から申し上げますと、昭和三十六年度から、物によって違いますけれども、四十二年度あるいは四十四年度という、まあ少し前に価格をきめております関係で、そのときの最近時点までの年度の平均価格を用いておるわけでございますけれども、従来ですと、その場合に食用農産物の卸売り物価指数でその現数値を修正しまして、その修正しましたものを平均しておるわけでございます。簡単に申しますと、修正はしておりますけれども、過去の価格の平均値をそのままとっておった。特にそれが三十六年度から四十二、三年度というような少し前の時点までの価格になっております関係で、だいぶ平均価格それ自体としてみてもかなり低い水準であったわけでございます。  で、これにつきましては早急にまず基礎になります平均価格をもっと現実の時点に近いものにしたいということで、実はこれは四十七年度予算の際に全般的に検討をいたすことになっておるわけでございますけれども、とりあえずの措置としましてのことしの秋冬の大根、白菜、キャベツの三品目についてでございますけれども、いまの過去の価格を平均するという方式ではなくて、これはちょっと技術的で恐縮でございますけれども、過去の価格を用いましてそれを一種の傾向線と申しますか、傾向線をつくりまして、その延長したところで、たとえば四十六年度でありますと四十六年度の価格を求める。過去の価格を実はなまのままとりますと、かなり年によって大きな変動があるわけでありますので、一応それを三年間ごとの移動の平均修正をやる。そういうことをやりまして、簡単に申しますと、過去の傾向値をいわば延長した形でその年の平均価格を求める、そういうことにいたしますと単純に過去の価格だけを用いました場合よりもいわば傾向として、いろいろな生産品の上昇であるとか、需給の逼迫によりまして価格が上がりぎみになりますと、その上がりぎみになります関係がこの求める平均価格のほうに出てまいります。単純に平均しましたよりも若干高くなるわけです。そういう関係で平均価格の算定のしかたについては新しい方法として傾向線を用いる、こういうことでだんだん現実に近いものに近づけていこうと、こういうことをとりあえずやりまして、全体的には四十七年度予算の問題として検討いたしたいというふうに考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこで、過去の平均市場価格の問題でもう一点。その消費市場の平均を出しているわけですね。このやり方はもう少しきめこまかにできないものか。野菜の特殊性というものを加味したやり方、産地、品質、形状、出荷期間というようなものを考えた考え方はできないものかどうかと、こう思いますが、いかがでしょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) いまお尋ねの中で、夏季価格の算定につきましては、たとえばタマネギのようなものになりますと一つの種類のものが全国的に流通をしておりますので、ただいまお話し申し上げました平均価格につきましても、全国の市場価格をそのままとって平均してみてもそんなに違いはないわけです。しかし、キャベツとか、白菜とか、あるいはまあ大根というような、わりあいかさばるものになりますと、流通圏がそれぞれ違うものですから、やはり価格算定については、たとえば京浜なら京浜、それから京阪神なら京阪神というように消費地域別に計算をすることによって、できるだけ実態に近いものにいたしておるわけでございます。  それから出荷時期につきましては、これはやはりそれぞれの産地が一つの単位として出荷をする期間がございますので、たとえばまあキャベツで申しますと、春の四月と、それから初夏の五月から六月、それから七月から十月にかけての夏秋物、それから冬の十一、十二、それから年明けの一−三月、こういうふうに全体を年間五つに分かちまして、その五つの期間ごとにいまの価格を計算をいたしたほうが、それぞれの期間ごとの価格の違いが実態に即する、こういうようなことで、できるだけきめこまかくやるという趣旨で実施をいたしておるわけでございます。  なお、品質の問題のお話がございましたけれども、これは実はなかなか数値的に把握することがむずかしいわけでございますので、実際のやり方は、各産地から消費地域に出ます全体のものの加重平均価格を用いて保証価格と平均価格両方とも実施しておりますので、まあ比較的値段の低いものを出しておる産地、比較的値段の高いものを出しておる産地と、いろいろあるわけでございますけれども、全体の加重平均価格同士で保証価格と実際価格を平均いたしまして算定いたしますので、低いところは低いところなりに、高いところは高いところなりに、補てんを受けるときには同じような補てん幅の補てんを受けると、こういうことで実施をいたしておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 保証基準額の問題についてお聞きしたいのですが、この二十二円という、これは大根の場合ですが、この低い価格を平均市場価格にしております。で、この保証基準額というのは、その八五%としておりますので十八円五十銭という額になっております。この保証基準額が十八円五十銭、これは秋冬大根の場合ですが、これは生産費と見合ったものと考えていらっしゃるかどうかですけれども……。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 生産費なり出荷経費が全額と見合っておるかどうかということになりますと、これは平均価格に八五%をかけておりますので、確かにこの点は全額というわけにはまいらないわけでございます。ただ、現在の価格補てん制度の考え方自身が、やはりある程度価格が低落のあったときに補てんを開始するという考え方になっておりまして、その場合にどの程度の価格低落から補てんの対象にするかという問題については、これはまあできるだけ高いほうが生産なり出荷の安定の上には望ましいわけでございまして、来年度の予算につきましても、これは相当全般的な引き上げを実は要求いたしておるわけでございますけれども、まあ八五%というような考え方がどこから出てきたかということで申し上げますと、大体、生産費と出荷経費を足しまして、その中でたとえば減価償却費的なものであるとか、あるいは生産費の中におきます利潤的な部分、あるいは利息的な部分、こういうものは若干繰り延べ可能と申しますか、価格の低落のときに一応別ワクにしまして、たとえば労賃の部分とか、それから市場の手数料とか、あるいは包装、出荷経費というような、現金でその年に払わなければならない部分、そういうような考え方で大体出荷経費と生産費を足したものの中でどのくらいそういう現金支出的なものが占めておるのだろうかということを大ざっぱに推算しますと、大体八十から八十五くらいの間になるという感じになりまして、そういうことを考えますと、従来七十五であったわけでございますけれども、八十五に引き上げるということによって生産者の打撃を緩和するという面ではかなり効果もあるのではないか。ただ、将来これでいいというわけにはまいりませんので、今後ともこの価格の引き上げという面については一そう努力してまいりたいと考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 で、この保証基準額十八円五十銭というこの値段を産地の方たちに伺ってみますと、こんな程度で売るんだったら損しちゃうから売らないほうがいいというようなことを言っておりました。農林省の考えと生産者の考えが非常に食い違っていると私は思うんです。この生産者たちがそういうことを言っておりますが、どういうふうに納得させる説明をしたらいいか、これをはっきりとお聞かせいただきたいと思うんです。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 生産者の側から見ました採算価格というのは、確かに十八円五十銭というような水準というわけにはまいらぬと思いますけれども、価格補てん事業自体の考え方は、経常的なコストそのものではなくて、ある程度価格の低落があった場合の打撃をほうっておくとたいへんだと、こういうような、いわば国の金も含めまして価格補てんを開始するにはどこからがいいだろうか、こういう意味で算定をいたしておりますので、その価格がそのまま生産者の採算価格と合っておる、こういう考え方は確かにとれないと思っております。そういう意味でありますけれども、打撃緩和のためにはある程度高い方向に持っていきたいという考え方は持っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 この保証基準額を下回った場合の平均販売価格は、先ほどのお話のように三ヵ月間の加重平均販売価格でございますが、秋冬大根の場合を例にとって考えてみますと、十月が保証基準額を上回った、十一月が今度は下回った、十二月が上回ったと、こういうように変動がございますとすると、最終的には加重平均として下回らなければ交付の対象にならない、こういうことになると思います。で、私の言いたいのは、このように三カ月間の期間というのは計算の期間としては長過ぎるのではないか、事実三ヵ月の間には変動がございますし、また、生産者も三ヵ月間連続して出荷しておりません。こういうふうに考えますと、この期間をせめて一カ月間程度にできないか、そうすれば、もっと恩恵を受けやすくなるのではないか、魅力が出てくるのではないかと、こういうふうに思いますが、三カ月の期間というものについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 現在の業務区分の考え方は、先ほどお話し申し上げましたように、十月から十二月というのが一応一つのまとまりを持った出荷期間であります。その間まとまって一産地で大根というものはつくられるという考え方で、したがって、価格もその間にいろいろ上下があるのだが、全体をプールして計算するほうが妥当であろう、したがって、低い部分もほかの高い部分でカバーされるという考え方で、現在三カ月なら三カ月、もちろん中には一カ月とか二カ月の期間できめておるものもございますけれども、そういう一単位の出荷期間という考え方で実施しておるわけでございます。これは現在でございますけれども、これは予算の問題でまことに恐縮でございますけれども、農林省の要求としては、これをいまお話しのありましたように月別に計算をしたほうがより実態に即するということで昨年も一つ問題になったわけですが、これからの予算の問題として月別の問題については検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 そこでもう一点、この市場の価格の平均が基礎になっております。これは産地の価格じゃなくて市場の価格が平均されているわけです。で、先ほどの例で申し上げたように、十月に上回り、十一月には下回った、十二月にまた上回った。そうしますと、十月と十二月の上回った時期に出荷した産地はいいけれども、逆に下回った十一月に出荷した産地は全く損をしても何の補てんもないということになるわけです。これを産地別にすれば、こうした不公平が解消されると私は思います。千葉県なら千葉県、群馬県なら群馬県というふうにできないものか、こういう点いかがでしょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 月別の計算ということは、私どもも将来こういうふうに改めたいという考え方でございまして、産地別という考え方、これはもちろんときどき問題として出るわけでございますけれども、これは幾つか問題がございまして、一つは産地別で、たとえば千葉県ということで一単位にまとめるわけでございますけれども、千葉県として見ても幾ぶん十月に集中している場合、十二月に集中している場合、いろいろありますけれども、やはり全期間出荷しておりますので、たとえば、ことし問題になりました群馬県の嬬恋のキャベツなども七月から十月まで出荷しておりますが、これも全期間出しておりますので、たとえば七月に下がって十二月に上がったというようなことになりますと、産地別で群馬県一単位に計算しますと、やっぱり七月の低落については補てんがなされない、こういうような不満がやはり残るというふうに考えております。したがいまして、産地別計算というのでは、おそらく産地側のほうの価格の補てんをきめこまかくやってもらいたいという御要求にはあまり沿わないのじゃないか。やはり月別というような期間で改めたほうが、その辺の、ある産地が三カ月にわたって出荷している場合に、そのある月の低落を見てくれ、まあこういう御要求にはより沿うのではないかというふうに考えまして、まあ月別のほうがそういう趣旨には沿うのじゃないかということでいろいろ財政当局と検討いたしておるわけでございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 品質、形状なども含まれたものを考えてみましたが、消費市場の販売価格の平均が基準になっておりますので、大ざっぱな計算のやり方、この野菜の種類——五種類にもまた六種類にも区別されている、こういうものを一括して単純平均にしている。こういう点、中間のMという級を計算の対象にするというようなふうに、もう少し品質を考慮に入れた平均価格の出し方はできないものかどうか、こう思いますがいかがでしょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 非常に価格補てんの技術的なむずかしい問題についてのお尋ねでございまして、もちろんある品種のものの規格というものが非常にはっきり設定されますと、お尋ねのように標準規格というものをつくりまして、その標準規格のものの保証価格と実際価格の比較である、まあそういう方法があるわけです。そういう方法をとっているものは、これは野菜ではございませんけれども、ほかの、農産物でないわけではございませんけれども、野菜の場合にはなかなか標準的な規格というものが特定しにくいということになりまして、規格を分ける、あるいは産地を分けたそれぞれの補てんということが実はできにくいわけでございます。それを規格を分けませんでやりますと、たとえば比較的安いもの、まあ大衆ものと言っては恐縮ですけれども、安いものを大量に出している産地は常に価格が低目である。それからわりあい高級品をねらっている産地は常に価格が高目である。そうしますと、保証基準価格もそれぞれ高目のもの、低目のもの、別々にきめなければならないわけであります。こうしますと非常に制度も複雑になりますので、全体加重平均というのは非常に大ざっぱのようでございますけれども、現状なかなか品質規格は分けにくい。現状ではやむを得ないとも思いますし、また、それなりに全体として保証基準価格もこれは平均できめておりますから、たとえば加重平均の価格が全体で一円上がれば、ふだん高いものを出しているところも一円もらえるし、低いところも一円もらえる。これはまた公平とは言えませんけれども、一つは仕組みとしては成り立っているのではなかろうかと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 次に、最低基準額についてお伺いいたしますが、この最低基準額は市場平均価格の半分になっております。で、秋冬大根の場合は十一円までということですが、それ以下に、十円とか、九円とかというふうに卸売り価格が下がっても補てんの対象にならない。最低基準額をもっと引き下げようという考えがおありかどうかお聞きいたします。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 最低基準額につきましては、現在大ざっぱに五割ということできめておりまして、これはまあ沿革的にいろいろな考え方がありまして、一つは五割以下を割る低落というのは、実際問題としてこれは平均価格としてはなかなか起きない。その起きない部分まで補てん対象に仕組んでおくことはなかろうというふうな実際論もございますし、それからもう一つは、最低基準額というのは、半値以下に落ちる場合には出荷しましても出荷経費、包装費等がまかなえないような場合、こういう場合における補てんをしますと、包装・出荷経費をかけてどんどん損を覚悟で市場に持ってくる、そしてなお価格補てんのほうは無制限に補てんをする、こういうふうな結果になるのは実際問題として問題だということで設けておるわけでございまして、これはまあ問題としましては、私どもとしては、現在はその二分の一という割合を下げると申しますか、最低基準額を下げるという考え方は当面はございません。むしろ最低基準額を割るような非常な低落がもし起きましたら、これはいろいろ御議論のあるところでございますけれども、むしろ産地のほうでその市場に出荷をしないで何らかの価格低落防止措置をやる、市場に出さないような方法というものをあわせて別途考えていく、これが産地廃棄でありますとか、産地段階で加工や貯蔵に回すとか、こういうふうな方法になるわけでありまして、むしろそちらのほうの手段として検討したほうがよろしいのではないかというのが現在の考え方でございます。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最後にもう一問お願いいたしておきます。  この補てん率が差額の八割になっておりますが、これを十割にする必要があるとお考えかどうか。また、大蔵省の方おいででしょうか。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) この補てん率につきましても、これは理論的にはいろいろむずかしい問題がございますが、やはり補てんとしては全額補てんが理想である、まあこういうことであろうと思います。そういう意味で、これも制度改善の要求の問題としては何回も出しておるわけでございます。ただ一つの方法として、十割補てんということになりますと、簡単に言いますと、価格が幾ら落ちても完全に補てんがありますので、こういうことを全然条件なしにやるのもいかがかということで、今年初めての試みですけれども、出荷計画を大体守った産地に、たとえば千トン出すという出荷計画を出したら、大体そのとおり出荷した場合には補てん率を引き上げるということです。ことしは十割にはまいりませんでしたけれども、そういう出荷計画を守った産地について、八割でありましたのを九割に引き上げる、こういうようなことにしておりまして、また来年度以降の予算の問題としてもさらに補てん率を引き上げたい、そういう対象品目を広げたい、こういうような考え方をとっております。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 大蔵省からはいま来ておりませんが、経済企画庁の立場から若干申し上げておきたいと思います。  いま農林省のほうでだいぶ御遠慮したお話だったわけでありますが、私どものほうは昨年秋、また今年、野菜についての緊急提言をいたしておる責任もございまして、もう予算編成がだいぶ押し迫った最近段階で、農林省のほうでかなり大幅な追加要求をいたしてもらいました。その内容としていまお話がありました補てん率の引き上げの問題、あるいはこの基準価格の改定の問題、その他内容の改善をかなり大幅にやってもらおうということで、要求を出していただいております。もちろん財政の制約もございましょうけれども、私どもの見地から見ましても、野菜について現在国が予算化している金というものは非常にわずかでございまして、まあそういう点から見ますと、この今回の農林省の御要求に対してはぜひ全面的にサポートしたいというふうに考えております。そういうことでぜひ実現をはかりたいと思っております。

柏原ヤス公明党

○柏原ヤス君 最後に。先ほど、打撃をほうっておくとたいへんだからこういう事業をやっているんだというようなお話でございましたけれども、先ほどからいろいろ私お伺いしているのは、安心して野菜をつくっていけるように、暴落した場合にはこういう資金協会がちゃんとめんどうをみてあげると、こういうふうにぜひなるように、今後内容の充実をしっかり予算の上からしていただきたいと思います。以上でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 公取委員長さんが先ほどからお見えいただいておりまして、たいへんお待たせをして恐縮に存じます。  公取委員長の立場で、今度の円の一ドル三百八百の切り上げ、これを一体どういうふうにお考えでしょうか。国内物価に及ぼす影響というものを公取委員長としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、まずその点の御感想をお伺いいたしたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 私どもの公正取引委員会の基本的な立場というものは、できるだけ市場機能、あるいは価格メカニズムを生かし、それに乗って全体としての経済の調和、調整がはかられていくと、こういうのが私どもの基本的な立場でございます。さような意味から申しますると、為替レートの問題が各国の間の経済の実勢の相違によってお互いにその間の調和がはかられなければならないという、そういう実態が起こってきているにもかかわらず、それを無理に固定しておく結果、そのためにたとえば本来の働くべき市場機能が働かないという姿になるのは、むしろよろしいことではないというふうに考えておりました。さような意味において、基本的に為替の問題が経済の実勢に応じてある程度調整されていくという姿がとられましたことは、私どもはむしろよろしいことである。物の面で人為的に流れを押さえつけていくというふうな考え方でない立場に私どもおりますということを、まず冒頭に申し上げておきたいと思います。  次に、私は物価との関係で二つ問題があると思います。第一は、先ほどから企画庁長官にも御質問になっておられましたような、そういうたとえば日本の輸入する品物が安くなるというふうなことが具体的にわれわれの現実の生活にどういうふうにうまく表現されてくるか、そこにわれわれのほうから見て何らかの阻害するような力が作用しておったんでは困るのではないか。こういう問題を一つ私は今回のレート問題との関係で考えております。具体的にはいろいろあるかと思いますが、つい先だっても、実は本屋さんで輸入の本を扱っている方々を招致いたしまして、レートが変更あるいは変動相場制になったときにすでにそのことを知ったんでございますが、やはり買いつける値段が安くなったんだから、日本の、本をお読みになる方々には安くお渡しをするようにしなければならぬのじゃないかという話を申し上げたことがございましたが、たとえばさような話が一つあると思います。しかし、第二に、やや長期の問題になりますが、これからの経済運営というものを、たとえば設備投資から社会投資へというふうなことばで、あるいはまたあまり働き過ぎていたからいけないのだというふうなことばに表現されておりますように、円の切り上げがあったということが実はまずかったんだ、いいことじゃなかったんだというふうな考え方のもとに、経済の運営をもうちょっと能率を落とせとか、あるいはもうあまり働かぬでいいんだというふうな考え方でいきますと、逆に今度は本来の意味での経済の正しい、生き生きとした活動がそこなわれまして、日本経済としてはむしろ物価の面から見ると悪い姿が出てくるのではないか。もしも、かりにもさようなことがあってはやはりいけないので、将来においてまた為替調整の問題が起こってくることも当然自分たちの計算に入れながら、やはりわれわれとしては力を尽くし、経済をよりりっぱなものにしていくだけの努力をしないといけない。レートを上げることはいやだから物価は上がってもいいという、そういう考え方をかりにもとるようであってはならない、ちょっとむずかしくてことばが足りないかと思いますが、さようなことを私は感想としてただいま持っておりますことを申し上げておきます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そうしますと、これはいまの御感想に対する私の理解ですが、いまの中でおっしゃられた点はいろいろ私の意見と一致しておるところがございますが、公取委員長としては、レートの再調整というのは大いにあっていい、そのほうがむしろ物の流通といいますか、あるいは生産費の安いところの物が入ってきて、そして競争条件を高めていくんだというようなお考えのように承っております。洋書関係の輸入品の反映のしかたについてはまた後ほどお伺いしたいと思います。  それからこれもひとつお聞きしておきたいと思いますが、四十年の不況のときには、当初非常に構造的な不況だということがかなり喧伝されまして、そして構造的な不況だから国債を発行してやる必要があるんだと、こういうふうな議論が当初かなりされたように私も記憶しております。しかし、結果的にはどうも循環的な不況のような感じを私はいま持っておるわけで、これも定義の問題でいろいろ変わってくると思いますが、今度の円切り上げに基づくところの不況の性格といいますか、これを公取委員長としてはどんなふうに考えておられますか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 私も竹田委員と同じように、構造的という問題と循環的という問題と好んで使うほうの男でございますが、まさに四十年のときにはある程度構造的なものを含んだ経済の曲りかどに立っていたような、そういう不況であったという認識のもとに、当時私は大蔵省の予算編成の局におりましたが、そういう考え方であのとき初めは対処し、あとにはそれはそうでなかったという、いまおっしゃったような実は感じを持っておりました。そういう感触からいま考えてみますと、私は時期的にどのくらい長ければ構造的である、どのくらいであれば摩擦的であるとか、循環的であるとかという問題があるかと思いますけれども、三つほど私は特徴があるのではないかと思っております。一つは、当時の四十年不況のときにそれが循環的なもの、あるいは摩擦的なものとして過ぎたことの大きな要因に輸出の問題というのがあると思います。これは先のことですからわかりません。経済の問題をそう断定的に申し上げるわけにいかないと思いますが、今回は輸出の問題というのがはたしてどう展開していくかということについて、かなりことばは悪いんでございますが、重苦しい問題が乗っかっているようにも実は思います。しかし、私は本来、為替調整ができれば輸出の問題については当然そこはフリーに、自由にやっていくべきだという考え方に立ってわが国は主張しなければならないと思いますけれども、世界の姿というものは私どものそういう主張をそのまま受け入れてくれるような状況に必ずしもなっていないという面は、やっぱり一つの大きな相違点ではないかと思います。  それから第二点は、これも経済のことですし、専門家の方がおいでになりますけれども、当時の経済に比べましてかなり経済のスケールが大きくたっておる。その大きくなったスケールが、しかも、たとえば設備等について見ましても、かなり大型のものによって供給力というものが次々とつくられていく、そういう姿でやってきておりましたときに、たとえば平均のGNP成長率というものが従来とかなり変わったペースに落ち込んでしまう、したがって、二年、三年という長期について見れば、その需給ギャップというものはバランスをするでありましょうけれども、経過的には半年とか、一年とかいう程度で需給バランスが回復できるようなわけにはいかない、そういう業種がかなり見受けられるという点でございます。これは後ほど場合によればさらに補足さしていただきますが、不況カルテルを認めましたステンレスにいたしましても、あるいは問題になっておりますエチレンの問題につきましても、どうもかなりそういう構造的なギャップが、時間を長くとれば、それはやがて適応いたしますけれども、一過性とか、摩擦性とかいう程度のものではない不均衡が、どうも四十年に比べて強いように私には思われます。  それから第三番目に、ある程度こういう情勢が長引きますということを前提にして考えた場合に、しかも所得上昇、あるいは賃金上昇とい問題は、かなりわれわれの生活が高度化しておるということとの関連もございますが、消費需要等との循環と相まって、全体としては経済成長がある程度ベースダウンをする、また、ミクロ的に構造的な不況があるという、そういう情勢でありながら、いわゆるスタグフレーション的な動きというものが、さらにいままでよりも大きく出てくるのではないか、かような感じを私は、この公正取引委員会の見解でも何でもございません、ただ谷村の考え方としてお聞きいただければいいのでございますが、そんな感じを持っております。したがって、何と申しますか、四十年のときのような摩擦的、あるいは緊急避難的な意味での姿よりも、もうちょっと深いものがあるという、そういう感触でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 御意見承りまして私もたいへん教えられるところがございます。賛成する個所もたいへん多いように思いまして、その点はありがとうございました。したがいまして、この前の四十年不況に比べては非常に構造的な内容をかなり持っているというふうに、これは私も思います。そういう立場で考えてまいりますと、おそらく、かなり不況カルテルという、そういうものに対する考え方というものも、ある程度やはり認めていかなければならないというようなところへいくんじゃないかというような感じを私は受けるわけですが、事務局の方でけっこうですが、今日、公取委に対して不況カルテルの申請というものは一体何件くらい出ていて、何件くらい認可をし、また、まだ出てはいないけれども、大体そういう動きがあるものはどういう業種で何件くらいあるか、こういうことについて、もしわかっていたら教えていただきたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 事務局で用意をしてもらったものを持っておりますので、私から申し上げます。  すでにただいままで認可いたしましたものはステンレス鋼板、これは十一月二十六日に認可いたしておりまして、認可の日から四十七年六月三十日まで生産数量の制限ということをいたすという内容でございます。日本冶金工業ほか五社が参加者になっております。  第二番目に認可いたしました不況カルテルは、特定鋼材、すなわち厚中板、薄板類、普通線材、それから鋼管——パイプ類でございます。それから機械構造用炭素鋼の棒鋼といういわゆる高炉六社が申請いたしました不況カルテルでございまして、十二月八日に認可をいたしております。認可の日から四十七年の同じ六月三十日まで、これは特定鋼材の生産数量を制限するために、そのもとになっております粗鋼の生産を調整するというやり方によってやるものでございまして、参加者は新日本製鉄ほか五社でございます。  それから、まだ認可はいたしておりませんで、現在厳重に審査中のものがございます。これはすでに申請はしましたが、まだ認可いたしておらないというものでありまして、その一つは塩化ビニール樹脂でございます。十二月十五日に申請がございました。生産数量及び設備の制限をしたいということで、電気化学工業ほか十六社が共同行為をしたいという申請でございます。  それから構造用合金鋼、はがねでございますが、これは十二月十六日に申請がございました。やはり大同製鋼ほか八社が生産数量の制限を共同でいたしたいというものでございます。この二つが現在申請中になっておるものでございます。  それから、事務局のほうに申請したいがということで、準備の段階で申し入れてきておるものが五つほどございます。中しん原紙、これは紙でございます。それから同じく紙で外装用ライナー、これも紙でございます。それからポリプロピレン、これは化学製品、繊維でございます。それから四つ目が小形棒鋼等でございます。これは主として平電炉メーカーがつくっております棒鋼でございます。これは五十社くらいたしかあったと思います。それから五番目が機械構造用炭素鋼——炭素はがねでございますが、大体この五つが現在申請を準備中であるというふうに申しております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 もうおそらくこの前以上に不況カルテルの申請というのは出てきそうな感じがいたしますけれども、こういう形になってまいりますと、高炉六社の申請の前にも、ある社の社長が、これは五千円の値上げをするのだというようなことで、むしろ値上げのためのカルテルではないかということで、かなりあちこちに波乱を巻き起こしたわけですが、おそらくあの場合に、腹の底にそういうことを考えていたのが事実であろうと思います。その他のカルテルでも、結局、ある程度の価格の維持ということは当然あるわけであります。それ以上に価格を押し上げていくというような、腹の中にはそういうようなものをかなり持っている、まあ大部分持っているといって私よかろうと思うのですけれども、そういう形になりますと、価格の引き下げということではなくて、どうも不況カルテルが価格の引き上げに悪用される、こういう心配があると思うのですが、そういう意味では今後の独禁法の運用というのは私は非常にむずかしくなると思う。その辺、これから公取委員長としてどういうふうにお考えになっているのか、たいへんむずかしい段階にあるのじゃなかろうかと私は思うのですが、いかがでしょう。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 私は問題を二段に分けて考えるべきではないかと思っております。  第一段は、不況カルテルというものが要請され、そしてそれが何を一体基本的にはねらっているのかということとして考えてみますと、本来これを、先ほども竹田委員がおっしゃいましたように、考えますのは、循環的な、あるいは摩擦的なそういう不況を緊急避難的に回避するという趣旨でこれは考えられていたと思うのでございます。で、そういうことは具体的に申しますと、需給バランスがくずれまして、そうしてたとえば在庫圧迫が非常に強くなってくる、それがまた値を下げる、乱売が起こる、また値下げを呼ぶという形で、一つの業界としての乱売といいますか、無秩序状態が起こってくることをいわば計画的に緊急避難的に避けてもとへ戻す、普通のペースまで戻すのだ。別のことばで申しますと、在庫整理がひとつ落ちつくまでやりたいというふうなところが大体いままでの例であり、そこまでいけばおおむねまた需給バランスも経済全体として回復していく、こういう見方であったろうと思うのです。したがって、そういうような場合には非常に大きく落ち込んだ値くずれ、そういうものがある程度戻りますことは、これは当然不況カルテルとしてそれをねらって考えていることでございますから、そこまでは私は不況カルテルの効果として、かりに値下がりのひどかったものが戻したとしても、戻すという意味においては許される問題であるというふうに思うわけでございます。そして戻ったところで、それは一体いつの時点、いつの水準のところに戻っているのかというその見方が一番大事なんでございます。今度はそれを越えて、さらにそれ以上にいくのだという話になりますと、そこにいま御指摘になったような便乗的な値上げの問題や、あるいはさらにそこで基本的に考えなければならない業界自体の構造の問題とか、そううことを本格的にそこで見直さなきゃならない、そういうことではなかろうかと私は思っております。  しかし、その次に今度は第二の段階に入りまして、まだ私はこれは実はよくわからないのでございますけれども、もし生産能力と需要との関係がかなり大きな乖離を示しながら、しかもそれが一年や二年でバランスがとれないという形で続いていくというふうな姿がかりに継続してつながって起こってきたという場合に、しかもまたその場合に、海外の原料市場でありますとか、あるいは国内の労働市場でありますとかいう関係からコストアップの問題ということが、先ほどちょっと触れましたスタグフレーションの問題に関連いたしますけれども、出てきました場合には一体どう考えるか、この点が実は正直申しまして私どもまだ実は答えを出しておりません。第一段階のところでいま不況カルテルの問題のあり方というものをまず考えておこうと、こういう気持ちでおるということを申し上げたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 その辺が非常にむずかしいという点になってくるんじゃないか、ある意味では業界の転換というようなことも国際経済上はしなければならないという場合もあるだろう。それがかえって不況カルテルによって、その矛盾するものが解決されないで、矛盾を起こしたまま次の不況に入っていってしまう。そういうことによって、かえって経済というものをおくらしてしまっておるというような点もあるから、そういう点で不況カルテルに対する態度というものをどういうようにやっていくかという問題についても、かなりむずかしい点があろうかと思います。それは今後の問題でもありますし、私もそういう問題についてはっきりした確信を持っているわけではありません。今後私もその点はよく考えてみたい、こういうように思います。  それから先ほど、すでに企画庁長官に質問いたしましたし、さらに公取委員長も先ほど当初に申されました輸入品の価格の問題、この問題はほんとうはたいへん困ったことである。政治に対する不信というようなものがこの辺からもわき上がっていく。一番手っとり早いわかりやすいことであると思うのですが、こういうものは先ほども質問したように解消しなければならないと思いますが、谷村委員長も、かつて、日本経済新聞の布施編集委員ですか、この点に触れられておられます。ちょっと読ましていただきたいと思うのですが、こういうように書いてあります。「それらがそれなりの競争状態を維持してきちんと動いていればいいが、どうもそう言えない種類のものがかなりあるような気がする。しかしなかなか手がつかないですね。おかしいものには、これから大いに監視の目を光らせて、つっつくということを言っているが、実際はなかなかむずかしい。」ということを発言されています。これはこのまま発言されたかどうかわかりませんが、先ほども洋酒の輸入の業界を呼ばれてお話をなさったということは私は非常に賢明な措置であったと、こういうように思いますけれども、こういうような関係で、いままで公取委員会としてはどういうように動いてこられたか、非常にやっかいな、なかなかわからないところもあろうかと思うのですけれども、公取として監視の目はもちろんこれからも光らしていただいて、輸入価格の低落が消費者の末端価格に反映するということをどうしてもしていかなければならないと思うのですが、その辺について、公取としての考え方、あるいは公取がいままでやってこられた、先ほどの洋酒の件はよくわかりましたが、その他の点でどういうようにやっておられたのか、また今後どういうようにやられようとしておるのか、その辺もしありましたらお述べいただきたい。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) これは前々から私ども考えておったのでございますが、なかなか私どもだけでは、先ほど弱音を吐いたようにちょっと申しておったのでございますが、手の及ばないことでもございます。しかし、私どもとしては、二つ大体チェックのポイントがあるわけでございます。  一つは輸入の、たとえば総代理店契約というようなものをいたしましたときに、その契約は必ず独禁法の第六条第二項によって、私どもの手元に届け出てもらっております。その中から、たとえば時計でありますとか、万年筆でありますとか、あるいは洋酒でありますとかいったように、ある種の、これはと思うような品種に限って、あるいは特に限ることはない、一般的に見てもいいのでありますが、総代理店の契約の中に、たとえば日本国内における売り値をこうしろというようなもの、いわゆる価格を指示するような不公正な内容のものがないかどうかというようなことを、大体はそういうことはございませんが、そういう不公正な取引、拘束をしているような内容のものがあるかどうかというようなのを私どもは一応目を通すことにいたしております。それが第一のスクリーンであろうと思います。  それから第二番目には、そういった輸入品について、輸入品同士で、あるいは輸入品と国内品との間で、やはり本来ならば競争があるわけでございます。同じ万年筆にいたしましても、パーカーが入ってくれば、モンブランも入ってくる。それがそれぞれ競争する。そうして国内のほうともまた競争する。輸入品のブランドとかいうようなことによって、それが独占的な、あるいは差別的優位を占めて、こう思ったような値段で売れるというような姿に本来はならないで競争があるだろう、ところがそうはいかなくて、やはりそこに一つのブランドとしての差別的といいますか、製品差別的な力を持っていたり、またその輸入総代理店がさらにその特約店に流すときに、それが一元的にいわば価格等についても指示をするとか、あるいは別の競争相手とも話し合いをするとか、もしそういうようなことがあったとすれば、これは先ほどから御指摘になっているようないろいろ問題を起こすのではないか。そこで私どももそれを調査し、また取り締まらなければならない立場におりますけれども、これは、あるいはもう企画庁のほうからお答え申し上げたかもわかりませんが、企画庁を中心といたしまして物価担当官がそれぞれ集まりまして、こういうものについてひとつそれぞれ手分けしてみようじゃないかという動きをいましているわけでありまして、私どものほうも、いわばその一端をになわせていただいているような形になっておりますが、ともかくこういった姿というものはやはり農林物資についてならば農林省とか、あるいはたとえば通産省とか、酒ならば大蔵省とかいうふうに、それぞれ所管官庁も本気になってそういった問題について取り組む体制を経済企画庁を中心にして組織的に全体としてつくり上げるのでなければ、私どもの三百五十人ぐらいの手勢を率いて、きょうはあそこに、きょうはここというふうにいたしましてもとても及ばない問題ではないか。まあ経済企画庁を中心として全行政組織がそういう不公正な取引とか、妙な流通支配をやっているかいないかということに目を光らせる体制が必要じゃないか、さようなことを私は考えているわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまの公取委員長の問題提起に対して企画庁は一体具体的にどうそれに対してこたえようとしているか、ちょっとここで企画庁の見解を承りたいと思います。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) あるいは大臣がもうお答えがあったかもしれませんが、実は昨日、物価安定政策会議の第四調査部会の報告がございまして、この報告の緊急に実施すべき事項として、第一に、この輸入品価格についての行政指導と監視の問題が出されておるわけでございます。この問題についてはいま公取委員長からお話もございましたように、すでに物価担当官会議におきまして部会をつくりまして、いま関係各省で調査を行ないまして近日発表する成果も出ておりますが、そういった形だけでは不十分である、もっとハイレベルでこれを取り上げて政府として全体で取り組むべきである、こういう御意見がだいぶございました。木村長官から、これは物価関係閣僚協議会において取り上げていくようにひとつ考えてみたい、こういう御返事がございました。私どもそういうことでございますので、さっそく関係各省とも相談をいたしまして、この具体化を準備してまいりたいと思っております。大体そういう形で取り組んでまいりたいと思います。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いままでも、実を言うと、企画庁では物価担当官会議を開いて、それぞれの各省にこうしろああしろというふうに指示をするんだけれども、帰っちゃうとどうも背中を企画庁のほうに向けてどこかへいっちゃう、どうも各省の利益代表を純粋につとめるということにあとなってしまっているんですが、今度はそういうことはどうですか、そういうようなことを繰り返したんじゃまた同じことだと思うんですが、その辺は今度はかなり関係閣僚会議できめればそういう体質は直っていきますか、どうですか。これは体質の問題にすら私はいっているんじゃないかと思うんですが、どうですか。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 確かに物価に関する問題につきましては、従来の関係各省それぞれの行政の従来からの考え方というものを変えていただかなければならないような問題がだいぶ多うございますから、そういう意味でなかなか思うように進まなかったという面もございますけれども、今回の問題については問題が重要でございますし、すでに総理自身も特にこの輸入品の価格の問題については閣議で御指摘もあったようでございますから、われわれとしても長官が閣僚協の場でこれれひとつ取り組むと、こういうことを強くおっしゃっていただいておりますので、そういった形でこれをやっていくということになりますれば、すでに今回の通貨調整においても関係各省の態度はいろいろございましたけれども、最後には一致してやはりこの解決をはかっていくということができたわけでございますが、だいぶその辺では変わってきております。私ども今回の輸入品価格部会を物価担当官会議でやってまいりましても非常に積極的に御協力をいただいておりますので、今回の問題についてはぜひそういう意味で効果をあげてまいりたいと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 非常に強く期待をいたしたいと思います。  最後に公取委員長にお伺いしたいんですが、「特定鋼材の不況に対処するための共同行為の認可について」という書類を私どもいただいたんです。実は私、これを読んでもよくわからないので、具体的に、たとえばこれはおのおの業界の業態によってもまあおそらく違っているだろうと思いますから、なかなかそれは一般的にはわかりにくいと思うんですが、具体的にこの認可の理由という点で、たとえば先ほども値下がりの問題がありました。この場合には具体的にどういうふうなところが認可しなければならないポイントであったのか、この具体的な数字と関連してお示しいただきたいと私は思うんですけれども、ただ一般に言われているだけでは、なぜ認可したんだ、あんな大きな鉄鋼会社がつぶれるわけがないじゃないかというような議論も当然出てくるわけですが、一体、抽象的には独禁法の二十四条の三ですか、これに示されているんですが、最近認可されたばかりのこれについて、具体的にここがこうであるからこうなんだ、ここがこうであるからそういうことについてはこうである、将来のストックの問題についてはこうであると、こういう点について一つのやっぱり基準というものがこれにあると思うんですが、少しその辺をお示しいただきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○政府委員(谷村裕君) 御承知のように、独禁法の二十四条の三には、不況カルテルを認めます要件といたしまして積極要件と消極要件とがございまして、積極的にはこういう状況であれば認めるということであり、消極要件というのは、こういうことをしないとこういうことにならないという条件のもとに認めるということでございます。まず積極要件といたしましては、まず特定の商品の需給が著しく均衡を失しているということでございますが、これは数字的に何で見るのが一番あれかと申しますと、三つ私は大体あると思います。その一つは、生産の数字とそれから生産能力とのバランスだというふうに思います。その次には在庫の動き、これをどう見るかということになるんだろうと思います。そうして三番目にそれを具体的にあらわす一つのまあいわば熱みたいなものでございますが、価格の推移というものがあるかと思います。それはいろいろとこの前発表いたしました文書の中にも出ているのでございますが、大体在庫の姿もかなり、四十年不況のとき、あるいはその他のたとえば不況カルテルを当時認めましたそういったものとの比較において見ますときに、特定鋼材についてその在庫の動きを見ますと、かくかくしかじかであるというふうなことが実はそこに述べられているわけでございますが、これはたまたま一つの例を述べたのでございまして、私どもの審査といたしましては、ずうっと長年にわたる在庫価格、あるいは生産能力と生産実績とのバランス、そういったようなことを数字的に時系列的に見てまいりまして、まずそういう商品需給の姿というものを見たわけでございます。  それから第二番目には、当該商品の価格がその平均生産費を下回っているということが積極要件になっております。平均生産費をはたして下回っているかどうかということについては、私どもこれにはかなり詳細な資料を取り、そして時間をかけて事務局においても検討をいたしました点でございます。具体的にどういうふうに、どういう数字であるというふうに、これは過去においても表に出したことはございませんし、いままた個別のものについてそれを表に出すということも実はいたしませんが、かりに操業度が通常の状況であったとしてもなおかっこの程度、たとえば平均生産費、これは当該関係の企業のそういう品種の加重平均で大体見ておりますけれども、それをかなりいわゆる出荷価格が下回っているかどうかという、かなり大きく下回っているかどうか、一時的なものでないかどうかという点についての動きを見たわけでございます。パーセンテージで申しましても、一けたではないような下回る数字が出ている品種もあったわけでございます。  それから三番目には、当該事業者の相当部分の事業の継続が困難になるおそれがあるという問題でございます。これも鉄鋼などというものがつぶれることはないだろう、あるいはああいった大企業が事業継続が困難になるということはないだろうという、それを一体具体的にはそうなるだろうとか、ならないだろうとかいうことでなしに、われわれは数字的にそれを把握しなければならないということでございまして、これは御承知の経理の実態を私どもは見ることになるわけでございます。事務当局はかなりこれに精力をさきまして、現状はむしろこの三月期の決算にあらわれてくるわけでございますが、いままでの姿というものを見る意味において九月期決算を中心にして内容分析し、それにさらに現在の情勢を織り込んでみるとどうなるかという実態分析をしたわけでございます。よく世間から御指摘を受けますように、無配になったのは一社だけであって、あとはまた配当しているじゃないかというのが九月期の姿でございますが、企業の経理の内容を表に言ってはなはだあれでございますが、かなり無理な決算をいたしておりまして、いわゆる有価証券売却とか、あるいは固定資産売却とかいうもののほかにもかなり無理な経理のやり方をやっておるというふうに見受けられました。しかし、それはたまたま今期だから——今期と申しますか、前期だからできたことで、その他の要因を入れて考えてみますと、三月期決算はとてもさようなわけにもいくまいというふうに認められる点がかなり多かったわけでございます。  そして、決算を見ますると同時に、企業経理の内容を見ますると同時に四番目の、企業の合理化によって以上の事態を克服することが困難であることという合理化努力の姿も私ども見たわけでございます。これは生産技術的な問題も多分にございますけれども、そういう技術的な問題のほかに、経理的にあるいはいわゆる企業のビヘービアとしてどの程度の合理化努力をやっているかということをかなり詳細に取りまして、たとえば役員賞与の問題、役員報酬の問題、それから超過勤務の削減の状況、その他経費削減の状況、さらにひどいのもあるんでございますが、賃金の扱いの問題、あるいは来年度における新規雇用者の扱いの問題等、詳細に、企業としてどの程度の努力をなしておるかということについて事務当局としては検討をしたようでございます。  以上の積極要件に対する消極要件というほうは、それが消費者の利益を不当に害しないこととか、いろいろございますけれども、その中で私どもが一番重点を置いて考えましたことは、すでに御指摘にありましたように、特定の鋼材の生産調整に役立たせるために、そのもとにある粗鋼という段階でもって生産調整をいたしますから、これが法律にいう必要の程度を越えないものであるというふうに認識されるかどうか。また必要の程度を越えないで、必要にしてかつ必要な程度にとどまるという保証がいかにしてあるかという点に、かなりの私どもとしての努力をいたしたわけでございます。この点については、先般発表いたしました文書にも書いてございましたけれども、一つは、ああいう企業としての、あるいは業界としての生産数量全体をどの程度に需要と見合って、それを引き締め過ぎないように、むしろ少しゆるめにそのペースを立てておくかと、こういう問題になるわけでございます。もしそこで引き締め過ぎますと、当初ねらっていた七割程度の特定鋼材の生産を押えるための粗鋼の生産調整が他のほうの品物にまで及んでしまう。そこで、千八百五十万トンというものを中心にして上下二割の線できめるということにしたわけでございますが、そのきめ方というのが一番むずかしいわけでございます。業界がかってにもし自分たちできめるということであれば、そこにむしろ積極的に何とかしょうという意図が入ってくるかもしれません。さような意味において、不況カルテルは私どもの所管でございますので、私どもの責任においてその最も妥当な数字に設定するための努力をしなければならないのでありますが、やはり所管官庁であります通産省は、単に鉄鋼の六社だけの立場に立つものではなく、同じく需要業界のほうの立場から何からすべてを見て指導をし得る立場にあるわけでございますから、その点で需要業界にも迷惑を及ぼさない必要にしてかつ必要の程度を越えないポイントはどの程度であるかということを十分に通産省とも連絡をとって、そして事前にそういうものをセットするときには私どもとも相談をしてきちっとやっていく。もし途中で何か事態が変わってきたら直ちにそれはまた手が打てるようにしようじゃないか、かような話を実はいたしながら、これの不況カルテルが必要の範囲を越えないようにやっていってもらうということの一つの新しいこれは試みでございますけれども、やり方をいたしたわけでございます。  数字的にというふうにおっしゃいましたのに対して、あまり数字を申し上げませんで恐縮でございましたが、全体としての不況カルテルを認めますときの考え方は、たとえばステンレスにおいてもやはり同じような考え方をとって同じような立場から見てまいりました。これはすでに昭和四十年にも、先ほど御指摘のとおり、十八の不況カルテルがあったわけでございますが、そのときにやりました考え方をそのままきちっととっていると思いますが、私の率直な感じを申し上げれば、四十年のときよりももうちょっと私どものやり方が厳重かつ慎重であるというふうに、これは事務局をおだてるわけではございませんけれども、事務局としては相当のやはりしっかりとした考え方でやっているというふうに私は見ております。  たいへん失礼いたしました。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 たいへんどうもありがとうございました。  御説明非常によくわかりましたのですが、ただ問題は、公取内部じゃなくて公取外部から、むしろ不況カルテルについて、こうせい、ああせいという外の騒ぎというのがこれからもかなり大きくなる。それと同時に、また、不況カルテルではなしに、企業合併というような形でやってくるというようなこともあろうかと思いますが、そうした点で、特にいま委員長がお話いただいたように、四十年よりもややきびしくやっているという点はたいへん御苦労なことだと思いますけれども、しかし、なかなかそう外部の事情というのは簡単に許してくれないような圧力もあろうと思いますので、まあ合併にしても、新日鉄の合併がはたしてよかったかどうかと考えてみますと、今日あの合併がかなり問題点を実際はかなりかかえているようであります。そうした点では、いろいろな形でいままでのようなシステム、いままでのようなメカニズム、そうしたものでこの不況を克服しようとする考え方があると思いますが、これは先ほど企画庁長官も言われておるし、あるいは政府声明にもありますように、やはり大転換をしなくちゃならぬという時期でありますから、ひとつせっかかく公取のほうでも、その点はきびしく新しい転換の時代を目ざして不況カルテルなり、あるいは企業合併というような不況克服の問題を適正にひとつ扱っていただくということもお願いをしたいと思います。  たいへん長い間お待たせいたしましたが、公取委員長に対する質問はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) ありがとうございました。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それから統計局長に。統計局長もたいへん長い間お待たせして恐縮でございますけれども、どうも統計局で発表される数字というのが、ちまたの声を聞きますと、先ほども御質問があったかと思いますが、どうもあまりかけ離れている、もっと上がっているのだという感じというものがあるわけであります。私はそれは、一つはその統計数字の発表のしかた、これにも大きな原因があるんじゃないか。まあ所得の比較的低いところ、すなわちエンゲル係数の高い階層というものは、やはり生鮮食料品等による値上がりの感情といいますか、こういうものはかなり強く当たってきますし、所得の高い階層のところではそれほど響いてこない、こういうような階層別の家計構造といいますか、あるいは家計消費の内容といいますか、こういうものによって受ける感じというものはかなり違ったものに出てくると思うのです。そうした意味で、今度まあ指数をお変えになったわけでありますけれども、私はこういう機会に、毎月ただ一律に、階層を無視して抽象的な一律なものでなくて、ある程度、たとえば五分位——いまの五分位も私は適当な分け方かどうか、これはよくわかりませんが、検討すべきものがあると思うのですが、五分位のような分け方にすれば、もう少しおのおの消費者が物価指数を見て、ああ、なるほどなというふうな感じ方をするかもしれません。あるいは、いつだったですか、一年くらい前だったと思いますが、三和だったか第一だったか忘れましたけれども、日常品、日常必需品だけの物価指数を示していた。こういうこともかなり物価指数も国民の日常の購買におけるところの感情というものとやっぱり似てくる、そして計数が尊重されてくるということにもなろうかと思いますが、先ほども五・四%とか、五・三%という数字を企画庁のほうで出されましたけれども、これはそのままではおそらく国民で信頼する者は半分もいないだろう。ああ、政府はそういう数字を出したのだ、実際は違うんだ、またこれも当てにならないんだというのが国民の——そう言っては企画庁には悪いんですけれども、国民の実際の感情の大部分というものは私はそうだと思います。もう少しくふうをされて、各階層別に合ったような、あるいは買いものの大ワクを分けまして、それに合ったような物価指数というものを発表していただくと、そのことが私は物価指数に対する国民の信頼というものも得るし、それが同時に実態に近いものであるということになれば、国民全体が物価の問題についてもっと考えるということにもなろうかと思うのですが、この辺でそういう点お考えいただきたいとともに、何らかのくふうをこらされる必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

関戸嘉明総理府統計局長

○政府委員(関戸嘉明君) ただいまの先生の御意見非常によくわかるのでありますが、まあ外国のことを申し上げて非常に恐縮でございますが、世界でつくっております各国の消費者物価指数のつくり方というのは、日本のいまの物価指数と全く同じような方式でつくっておりまして、いま先生がおっしゃいますような階層別とか、あるいは階級別と申しますか、低所得者から高所得者まで、どういう段階で分けますにいたしましても、そういった階層でおのおの物価がどのように生活に影響するかというような見方があるではないか。確かに、そういう立場からの見方というものはございますが、いろいろ御注文その他も数年来ございまして、私どもはだいぶ前から、先生も御承知のとおり、五分位階級別の物価指数というのは年一回でございまして、まことに恐縮でございますが、それを出しまして、どのような差があるか。いわゆる低所得者階級からだんだん上のほうにいくに従ってどのような物価の上昇になっておるかというようなものを出してきております。それをもっと、物価指数というものを、先ほどの先生のようなお考えからいたしますと、平均一律の指数で、前月よりもどれくらい上がったかというような数字をいま出しておるけれども、それをやめて、各階層別で出したほうがいいんじゃないか、それの平均を見れば一律のやつはわかるだろう、こういうお考えだと思いますが、冒頭申し上げましたように、世界でそういうような出し方をしておるところはないので、やはり全指数一本で、平均でという形で出しております。これはこれで、ひとつ審議会等においても、そういう出し方でけっこうだという答申を得ておるわけでございます。ただ、御参考にと申し上げては恐縮ですが、いろいろ御意見等もございましたので、従来とも五分位階級別に出して参考にしていただく。一言よけいなことを申し上げるかもしれませんが、その五分位階級別に出しました指数を見ますと、各階級別によりましてそれぞれ物価の上昇の影響を受ける品目と申しますか、種類と申しますか、確かに低所得者層ではあるいは食料費が上がると指数が上がる。ところが高所得者層では食料費がかりにそう上がっても、あまり影響をそれほど受けないであろう、こういうようなことが考えられるのでありますが、物価がそれぞれ、いま大きな六大品目あたりでいつも発表しておりますが、食料費がどのように上がり、住居費が上がった、雑費が上がった、そういうような関係、あるいは下がったものもある場合には出てまいりますが、それらを総合して、対前月で何%、対前年で何%、こういうようなことになっておりますが、最近、やはり教育費でありますとか、教養誤楽費でありますとか、いわゆる雑費の中に入ってくる部分の指数値がたいへん上がっております。そういたしますと、そういうものへの支出の多い高所得者層も、相当物価の値上がりを感じておる。こういうようなことになりまして、通常あるいはお使いいただいておるので、御承知だろうかと思いますが、昨年四十五年というのは非常に物価が上がった年でございますが、平均で七・五%上がったわけでございますが、いま私どもが発表いたしております数字によりますと、第一階級では七・五%、第二階級では七・六%、第三階級では七・七%、第四階級では七・六%、一番高所得であります第五階級におきまして七・六%、ほとんど階層別には、いま申しました〇・一ポイントくらいの差しか出てこない。これはやはり生活の実態の内容がそれぞれ違っておりますんで、先ほど申し上げましたように、高所得者層あるいは高所得者の方が私立大学へ子供さんをあげておるとは考えられませんけれども、そういうように教育費が非常に高いというものの影響をかぶる階層は、必ずしも低所得者層にはいないわけではありませんが、食料費が上がれば低所得者層には影響する。そういうようなものも総合的にいろいろからんでまいりまして、私どもが出しておる限りにおきましては、いままでそれほど階層別に大きな差が出てきておらないという結果、数字は先生お持ちかと思いますが、そういうような結果になっておることをあわせて御報告申し上げます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 確かにそういうふうな形であらわれた数字は変わらない。しかし、内容的にはかなりこれは生活実態が違っているわけです。ですから、確かに統計でありますから世界共通的な統計を出さなければならないことはこれは当然義務であるし、私はそれを否定しているものじゃないんです。もう少し使いやすい、わかりやすい統計数字というものをやってくれれば、これはひとつ物価の監視にも私は役立つと思うんです。同じ階層でも、どこが物価を上げている原因だからそこをどう考えにやならぬかということ、たとえば大学の入学金というものに対してどう考えにやならぬかという問題として問題提起されているわけです。あまり抽象的な形でこうやられてしまうと結局わからないわけですね、数字になってしまう、具体的な内容は隠されてしまうということになりますから、もう少しお考えをいただいて、三和銀行ですか、何か出された生活必需物資の物価の値上がりというの、あれは非常によくわかったし、あれは各方面でかなりよく使われておりますから、ああいうやり方も私は一つのやり方ではなかろうかと思いますけれども、まあ、たいへんな数字を集めてそれを出すわけですから、そんな余分なことはできないといえばそれまでですけれども、何かその辺のくふうをお考えいただいて、もう少し数字と物価に関する実生活の勘定というものが合っていくようなくふうをひとつしていただきたいと思いますが、たいへんむずかしい要求かもしれませんが、つかんでいただきたいと思います。こういうふうに思います。ありがとうございました。  それからあと一問で私の分はすべて終わりたいと思うんですが、農林省の方、来ていらっしゃいますか。——じゃ野菜花き課長さんにちょっとお伺いしたいんですが、よろしゅうございますか。市場課長さんもお見えになっているが、どちらでもいいんですが、緊急提案が出されましたですね、物価政策会議で。その中で年末年始の野菜の対策というのを出しているわけであります。保証基準の引き上げとか、作付奨励金の交付とか、あるいは運賃補助とか、あるいは産地の分散による異常高値の抑制とか、あるいは卸売り市場の改善、特に手数料問題、こうしたもの、その他輸入政策とか、いろいろ出ているわけですが、具体的にこの提言をされたのは十一月の十一日で、もう一月半近くになろうとしているわけですが、この提言は具体的にいまどう実施されておりますか。その点だけをひとつ聞かしていただきたいと思います。

関谷俊作農林省蚕糸園芸局野菜花き課長

○説明員(関谷俊作君) 私ども実は生産、出荷関係のことを主体にしておりますので、その関係のほうから先にお答え申し上げますが、この提言の趣旨に出ております一つは、価格の補てん面の強化をはかりまして生産の供給確保をはかる、それから産地の分散をはかって供給の危険を分散する、そういうような問題でございます。それにつきましては、実は今年度の秋冬季の問題につきましてはすでに九月に一度、先ほど御説明申し上げました大根、白菜、キャベツについての保証基準額の引き上げ、補助率、補てん率の引き上げを緊急に実施したわけでございます。で、ここに出ておりますような、もっとさらに強い作付喚起措置ということにつきましては、これは来年度予算の問題に中心がなるのではなかろうかということで、これはいままさに折衝中でございますけれども、相当新しい措置として保証基準額なり補てん率をさらにもう一格上げる、それから奨励的な措置を通じまして作付及び出荷の確保をはかるという方向で、従来から重点になっております秋冬季の大根、白菜、キャベツにつきましては奨励金の交付、あるいは価格補てん水準の引き上げ、ことしの緊急対策において八五%というふうに上げておりますが、それをさらに引き上げていく、こういう方向で来年の予算の中でぜひそういう措置の実現をはかりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、この中で運賃補助の問題が出ておりますが、これにつきましては今年の年末年始対策の中で一つの項目として織り込んだわけでございますが、これも大根、白菜、キャベツの三品目につきまして、十二月から三月までの間で価格が非常に高騰しました場合には、従来、たとえば京浜とか、京阪神とか、そういうところに出しておりません九州方面が主体になりますが、そういう産地から野菜を緊急に輸送する、その場合には通常の出荷先よりも運賃や包装費がよけいかかりますので、そのかかり増しになる運賃補助をしょう、こういうことで、すでに通達を十二月半ばに出しております。ただ、当面は御承知のような価格関係でむしろやや低目というようなことでございますので年内はこの措置は動きませんが、年明けにもし価格高騰が出てまいりましたらすぐにも動かせるような状態で実施をいたしておるわけでございます。  それから新産地の問題につきましては、これは従来六百四十の指定産地を指定してございますけれども、ここにございますような危険分散という意味合いもございますし、それから都市近郊産地がだいぶ生産が後退しておりますので新しい産地を育成する、そういうことを重点に産地指定をさらに拡大いたしたいということで、来年度以降この六百四十という産地数をもっと大幅にふやして指定産地の拡充をはかってまいりたいと思っております。  それから輸入の問題につきましては、これはまあ当面ここにうたっておりますのは、タマネギの中でも台湾産タマネギの問題が具体的に出ておりますが、これはまあ通産省との協議による措置でございますが、前年度と同程度の輸入数量を確保したい、こういうことが第一点と、それからあわせまして輸入されたタマネギが国内で適正な価格で販売されますように、小売り価格も含めまして価格面の強力な指導をやろう、こういうことで当面タマネギについての実施をいたしております。  それから関税関係につきましては、先般、関税率審議会の調査部会にはかりまして、タマネギの関税の、特に輸入価格が若干高い部分の減免をする、こういう措置をいま大蔵省で検討いたしまして、政府内部としては近く決定をいたす運びになっております。

船曳哲郎農林省農林経済局企業流通部市場課長

○説明員(船曳哲郎君) 提言のうち流通関係のところを私から御説明申し上げます。  まず卸売り業者の手数料のあり方の御提言でございますが、この点につきましてはもう私から申し上げるまでもなく、出荷奨励金、それから完納奨励金、それから施設使用料といった事柄とも関連するものでございますし、これらのあり方につきましては生産者手取りの確保とか、計画的出荷の促進とか、それから卸売り業者の財務の健全化といったようなもろもろの観点に立って総合的に検討されるべきものであるというふうに私どもは考えております。したがいまして、物価安定政策会議の御提言の趣旨を勘案いたしまして、このたび卸売市場法に基づきまして発足いたしましたところの卸売市場審議会におはかり申し上げ、十分に検討を行なっていきたい、このように考えております。そしてその最初の検討のための会合は十二月早々に開いてございます。それが手数料問題でございます。  それから次にスーパーなど大口需要者による予約相対取引の問題でございますけれども、私どもといたしましては、この予約相対取引の推進といったことが価格の安定にとりまして意義がある事柄でございますので積極的に認めていく、開設者等に指導をしている最中でございます。具体的には、十一月に一度、それから十二月に一度、開設者会議を開催いたし、さらに通達等も十一月下旬に出しております。  それから三つ目に業務規程の早期施行の問題でございますが、この点につきましては、卸売市場法が七月一日に施行されまして以来、現在まで二十九の開設者に対しまして新しい業務規程の制定作業を急ぐべく指導してまいっております。現時点におきましては、すべての開設者が新しい業務規程を制定するところまではいっておりません。ただ、本暦年中にはすべての開設者が新しい業務規程を制定することになろうかと、このように私どもは考えております。業務規程の制定状況はそのようなことでございますが、私どもといたしましては、一刻も早く新しい法律の趣旨を生かしまして卸売り市場の運営を行なってまいることが強く望まれておる状況でございますので、先ほども申し上げました開設者会議、それから十一月下旬の通達におきまして、新法の考え方を先取りした市場の運営を行なうよう、開設者に対しまして強く指導しておるところでございます。  最後に、卸売り市場の建設の促進の問題でございますが、この点につきましては、四十六年度の予算の適切な実行につとめておることはもちろんでございますけれども、このほかに、新しい法律に基づきまして卸売り市場の計画的整備の憲法ともなるべき卸売市場整備基本方針、それから中央卸売市場整備計画、それから都道府県卸売市場整備計画、この三つの制定問題があるわけでございます。この点につきましては、十一月下旬に、最初に申し上げました卸売市場整備基本方針といったものを審議会におはかりして策定、公表いたし、目下二番目の課題でございますところの中央卸売市場整備計画を一刻も早くつくるべく、関係都道府県、それから開設者と協議して作業を進めておるところでございます。  以上でございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 この中で私ども非常な中心的な問題は、卸売り手数料が価格に対して定率でやっていく、ここら辺が一番問題であろうというのがこの委員会でも議論されたところです。結局、価格にリンクするというなら安いものは出させない、逆に、高いものであればそれだけ手数料が入ってくる実額は大きくなるわけです。ところが、たくさん入ってくれば価格が下がる、そうすれば手数料が下がっちゃう。なるべく少なく扱ってなるべく高く手数料の実入りを多くするというのがいまの手数料の欠陥である。やはりこの点を直していかなくちゃいかぬのじゃないか。段階的にやっていくか、あるいは量を中心にやっていくか、そうした点を直していかなくちゃいけないんじゃないかということですが、これは先ほどの審議会にかかってそういう議論をされているんですか、どうですか、その点が一つ。  それから、大口需要者との予約相対取引というのは、開設者会議も数回開いてそういう方向で進めているというんですが、これは私ども戸田の全販連の集配センターに行ったときのこのやり方は非常にいいのじゃないか、とにかく車にすぐ積んで持って行く、車はそこでせりが終わって荷を運ぶまで待っている必要はないのです。非常にいい方法ではないかというふうに私も評価をしたわけですが、これは具体的に開設者会議を開き、指示を流して、どれくらいそれで行なわれ始めましたか、これはそうむずかしいことじゃないと思うのですが、手数料のほうは審議会のほうにかけなければならぬでしょう。こちらのほうは簡単のようですが、具体的にどれくらいそれが実行され始めましたか。

船曳哲郎農林省農林経済局企業流通部市場課長

○説明員(船曳哲郎君) まず第一の卸売市場審議会における手数料問題の検討でございますが、十二月上旬に開きました審議会の懇談会でございますけれども、その際には手数料問題と申しますのは、申し上げるまでもないわけでございますが、あるいは出荷奨励金、あるいは完納奨励金、施設使用料、いろいろ有機的に結びついている分野が多いのでございます。さらにそれらは技術的に説明を要する個所もあるわけでございます。したがいまして、第一回の審議会におきましては現在の趨勢の仕組み、それからいま申し上げました各種奨励金なり施設使用料の仕組み等につきまして現状を御説明申し上げ、共通の御理解にまず立っていただいた、こういう段階であります。それでこの検討のやり方でございますが、いろいろ定率制なり定額制なり御意見がございます。私どもといたしましてはいろいろな手数料の仕組みにつきまして、利害得失を十分勘案いたしまして総合的に検討を加えて進めてまいりたいと、このように考えております。ただ、私ども定額制につきまして問題があると考えております点は、高く売れようと安く売れようと、定額の手数料ということに相なりますれば、出荷者の負担能力と無関係に手数料はきめられるということに相なるのではないか、それが定額手数料の問題点ではなかろうかというふうに考えております。いずれにいたしましても慎重な検討を加えてまいりたい。さらに各種奨励金等もからめて慎重な検討を加えてまいりたい、このように考えております。  それから予約相対取引の推進の点でございますが、数量的に現在どの程度が予約相対取引という形で取引がされておるかという点は、いま御説明申し上げるべき資料の準備もございません。ただ、私ども予約相対取引の推進にあたりまして留意しなければならないと考えております点は、通常の取引への影響を十分考える必要があるのではないか、予約相対取引に大部分の数量は流れてしまって、それ以外の普通の取引の数量が必要以上に少なくなってしまうというようなことがあってはならないという点等を中心にいたしまして、いろいろ開設者会議におきまして技術的な問題の詰めをやり、そしてその推進方を指示したと、こういう段階であります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 これで終わりますが、これは緊急提言ですからね、十年も二十年もたってできていいという提言じゃございません、趣旨が。慎重審議はけっこうですが、ひとつ審議を早めて、実際これだけの提言を得ているわけですから、それが実行に早く移されるということが非常に私は大事だと思うのです。そういう点では先ほどの企画庁の話にもあるように、やっぱり農林省のほうも一体となって、物価をいかに引き下げていくか、物価を安定させていくかという点を特に配慮してやってもらいたいと思うのです。その点物価をお願い申し上げまして私は終わります。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 ずいぶん時間が超過しまして皆さんお疲れだと思いますが、一、二点だけ質問をさしていただきたいと思います。  宮崎国民生活局長に、ちょうどおいでいただいておりますので、まず一点だけ伺わせていただきたいのですが、先ほどちょっと質問の初めに申し上げましたが、今度の新しい指数が発表になりまして、国民生活局長としてはどのようにこれをお受け取りになられましたか、お伺いしたいと思います。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○政府委員(宮崎仁君) 御承知のように、この物価指数の問題につきましてはいろいろと国会でも御意見がございましたし、また、私どもが事務局をやっております物価安定政策会議におきましても非常にいろいろこれは関心があるわけでございまして、そういうこともございまして、実は一昨年の秋から物価関係の統計についての改善について検討をお願いをいたしました。その意見がまとまりまして、昨年秋に数項目にわたる改善要望ということを、ここにおいでの内閣統計局のほうにお出しをしたわけでございます。この内容としては、いろいろのことがいってございますが、大体私どものほうの専門家の間でいろいろ議論をしていただいたものの重要な点はみな今回の改定で取り入れていただいたと思っております。ただ、連鎖指数について継続的にしたらどうかというような問題が別途検討されるというふうなことになっておるようでございますが、その他若干の点もございますけれども、いずれにいたしましても品目も相当追加されましたし、ウエートも新しくなったという形で、国民生活の実態により近い形に今度の指数は改定された、その意味では非常に改善になっておる、こういうふうに考えております。ただ、どうも先ほども御議論ございましたように、なかなか実感と合わないという点がございます。この点では五分位階層のお話なども先ほど出ておりましたが、今後ともいろいろの形で付加的にさらに進めていただくように私どものほうでもお願いをいたしますし、またひとつ企画庁みずからも勉強してみたいと考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 ありがとうございました。お疲れでございましたらどうぞお引き取りくださってけっこうでございます。  統計局のほうにお伺いをいたしますが、いまもお話ございましたし、竹田委員からもお話ございましたけれども、今度のこの発表になった新しい指数ですね。これを改定された意図をまずお伺いをしたいと思います。

関戸嘉明総理府統計局長

○政府委員(関戸嘉明君) もう先生も十分御承知のことと思いますが、消費者物価指数その他の指数もそうでございますが、従来も五年たちますと、消費者物価指数については特にそうでございますが、生活の消費内容の実態というものがだんだん変わってまいります。したがいまして、ある時点と現時点とを比較するわけでございますので、あまり変わってしまった時点を基準にいたしまして比較をするということは問題がある、そういうことで、従来とも五年という年でいわば機械的に直すというようなことが統計審議会等の答申からも出ておるわけでございます。  ただいま企画庁の宮崎局長が言われましたように、そろそろ改定の時期にくるのだから、改定にあたってはこういうことも考えてほしい、ああいうことも考えてほしいというような御注文もあったわけでございますが、統計局といたしましては、この指数をつくる基礎というのは、先生御承知のように家計調査という調査がございまして、それの四十五年一年間の消費実態をいろいろ見まして、それで取り上げられる品目も数多くということであれば、消費しております支出金額の高いものからとってくるという作業をいたしました。いま、非常に失礼なことを申し上げるかもしれませんが、意図というおことばをお使いになりましたのですが、私どもには特段にどうこうしようという意図があっての改定作業ではございませんで、二月に諮問が行政管理庁長官から出まして、四月に統計審議会が答申をした。その諮問の内容は、基準時を四十五年に変えることと、それから、ウエートを変更すること、この二点についての諮問が出まして、これは四十五年を基準にし、ウエートも四十五年一年間、ものによっては二年間を使いますが、こういうウエートを変えまして、こういう作業をしましてこの十一月に発表をいたした、こういう事情でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 いろいろと申し上げましたのはそう深い意味があってではないのですけれども、まあ五年に一度こういうふうなことを改定されるのも私はよく承知をしておったのですが、しかし、今度は発表になりましてから、やっぱり消費者の皆さんがどうも自分たちの気持ちとはうらはらだとか、いや、これは数字の魔術だとか、いろいろなことを言われるものですから、その点でいかがかしらんと思ってちょっと御質問しているわけですが、いろいろ新聞の批評や何かを見ますと、新しい指数の作業で物価高に悩む消費者の気持ちは、全国消費者物価指数では一〇八・八となって、前月に比べて〇・二%の微騰だと、こういうふうなことでずいぶん違うのじゃないかとか、あるいは牛肉なんかずいぶん高いのに、このウエートを変えてしまったものですから、どうも自分たちの実感と違うとか、いろいろな声が聞こえてくるわけですね。東京都では一%の下落をしている。これもおかしいじゃないのというふうな話が次々に伝わってくるものですから、それでどういうふうな意図でやられたのかということと、いまちょうど宮崎さんからいい御答弁をいただいたわけですが、そこで大体五年に一ぺんの基準時を四十五年の家計調査に置かれた、こういうことですが、もう新聞でもよく書いておられますから御承知だと思いますけれども、昭和四十五年というのは日本で万博が行なわれたそのときですから、相当やっぱり万博物価と言われまして上昇しているとき、それを基準にすればその基準自体がもう水準が高いですから、ちょっと物が下がれば——ことしの秋はたいへん野菜が下がってはおりますけれども、そういうものがちょっと下がれば、これは大きな下落となって統計にあらわれてくる。そこら辺がいまおっしゃったような機械的にはちょっとおかしいじゃないか、こういうふうなことを実は私どもが考えたところです。そこでやっぱり何か政治的な意図があったのじゃないかとか、あるいは数字の魔術だとか、統計の魔術だとか言われて、消費者の実感とはあまり違い過ぎている。なるほど季節商品は、つまり野菜やくだものや生鮮魚介類、こういったものは四十四年と四十五年を平均して基準にしておられるようですけれども、そもそも万博の景気で物価全体が上がっていたのだから、できれば昭和四十四年までの——四十四年の水準を一ぺん考慮していただいて、そしてそのいわゆる旧の基準でですね、古いほうの基準、新しい今度の基準でなくて前の基準で、またことしの物価の上昇ですね、そういったものを比べてほしかった、そういうものは出せないものかどうか、あんまり四十五年が高かったですから、そういう古い基準と新しい基準と二つのものを出していただければ私どもはたいへんありがたいし、それくらいの親切心といいますか、配慮があってほしいものだなあ、こういうふうに思ったわけです。そこら辺と、今度品目によってウエートを変えられましたね、特に牛肉が高くて、牛肉を食べるなら豚肉にしようかとか、鳥にしようかと言っているような連中がございますし、私どもも、どうかすれば豚肉でがまんしようじゃないかというほうですから、それを品目によってウエートを変えられた、その理由をひとつお知らせいただきたいと思います。

関戸嘉明総理府統計局長

○政府委員(関戸嘉明君) 先生のいま言われました点につきましては、統計審議会におきまして、はたして基準時という年を何年に持つのがいいかというのは毎々議論がございます。それで、いろいろの先生方の御意見で、やはりあまり異常な年を基準にすれば、いま先生がおっしゃったような問題を起こすので、基準時を決定するにあたってはいろいろ御議論をなされてきたわけであります、今回だけでなくて。したがいまして、三十年基準、二十五年基準というものを機械的に五年と申し上げましたけれども、二十五年にきめ、三十年にきめ、三十五年にきめるときも、三十五年がいいのか、三十四年がいいのか、三十三年がいいのか、いろいろ議論があったわけでありますが、先生方の結論を私ども受けておるわけでありまして、私どものほうで、四十五年でなくて四十四年にしたいとかいうような実は立場に統計局はございません。先生方の審議の結果を私ども受けて計算をするということになっておりますので、私どもの承知しておる限りでは、いろいろ議論はあったようでございますが、やはり先ほど申し上げましたように、いろいろ議論の分かれるところであるから、いまの四十五年が万博であったということについては議論は一致しておると思いますけれども、それをとるかとらないかということになりますと、いろいろ先生方で、それでいいじゃないかという先生方と、いやだめだという先生、いろいろおありになったと思うんです。それで結局は、いろいろな議論があって、これから先も基準時をきめるにあたって、そういう議論が紛糾することがあってはいろいろ世間に迷惑もかかるんだから、ここはひとつ思い切って五年ということで踏み切ろうではないかというような議論であったように私は思うのであります。したがって、私どものほうで四十四年を選んでくれということは、実は言う立場にない役所でございますので、四十五年にきまりました審議会のほうでどういう議論があったかということは、私ども薄々聞いておりますが、おそらくそういうことできめられたものというように私は承知しております。  それから、ただいまのウェートを変えたという問題でございますが、これは私どものほうで恣意的に変えたという点はございません。先ほど先生も御承知のとおり、四十五年の一年間の家計調査の各世帯が書いていただいた家計簿から、一体、牛肉はどれだけ消費したであろうか。先生おっしゃるように、確かに牛肉が上がってまいりましたので、世帯では牛肉を食べない、買わないで豚肉にした、この事実はあるいはあるかと思います。しかし、高くても牛肉はどうしても食べたいんだ、やっぱりこれは趣味嗜好がございますので、どっちかをがまんしてでも牛肉を買おうという人がいたかもしれません。そういう意味で、統計的には八千世帯を一年間調べております家計調査の結果を品目別に集計いたしますと、牛肉はどれぐらいの支出金額があった、それから魚に対してもどれぐらいあった、それから耐久消費財でもどれくらい買った、いろいろ出てまいります。そういう意味で、私どものほうが、牛肉は四十四年から四十五年までに対しては少し低くしようというようなことではございませんで、全く出てきました数字に基づきましてウエートをきめておると、こういう作業過程で行なっております。それで、品目をどれにするか。いわゆる牛肉といっても、中をとるのか、上をとるのか、並みをとるのか、いろいろございます。それから、ほかの商品にいたしましても、どういう品物を調査の対象にすればいいかということになりますと、これはやはり全国に出回っておるものでないと困る。それからその類の物価を代表するものでないと困る。それから長期に価格がとれないと困る。あるもの、特に化粧品などになりますと、あるものができてすぐ生産をとめてしまうというようなことになりますと、せっかくそれを物価指数の品目の中に入れておきましても、今度は価格がとれないということになったんでは価格変動が出てまいりません。そういうようなことで銘柄をはっきりいたしまして、各全国で共通にとれる、それから長期にとれる、それから代表値がある、こういうような観点で品目を選定する、こういう作業をやりまして今回発表いたしたのでございます。  それから、四十年の基準でもう一ぺん出しておけば非常に親切ではないかという最後の御質問でございますが、これはいろいろそういう御質問も受けたことがございます。非常に申しわけございませんけれども、確かに二つ出すということも、いまのように四十五年というのが、ある意味で万博景気であったというようなことからいたしまして、基準時点としていかがかというような御疑念のある方に対しては、従来でも四十年、また四十年でも議論があったと思います、四十年がいいかどうか。しかし、せっかく四十年の基準年時で出してきたのだから、改正するにあたっても、あわせて四十年のも一緒に出せばいいであろう、こういうまことにごもっともな御意見だと思うのでありますけれども、また一方、四十年から四十五年に変えたのはなぜかということを考えてみますと、四十年と四十五年では消費実態も非常に変わっておるのだ、四十年には白黒テレビしかなかった、四十五年になるとカラーテレビが七〇何%という普及率である。確かに家計簿におきましても非常に支出金額が多いわけであります。そうすると、比較するときに、白黒テレビを買っていた時代といまのとを比べて物価が上がったか下がったかという議論をされたのでは、いまの実態と非常に違うのではないかという、片やそういう議論もあるわけであります。したがいまして、早く基準時点を四十五年にしなさいという物価安定政策会議でもいろいろそういう御意見があったわけなんで、私どもはそれに忠実に四十五年に合わせて一生懸命に努力してつくったわけでございますが、また、つくればつくったでそういう御議論も出てまいる。もう一つ、私どもせっかくそういう意味で改正をした数字というものを出すにあたりまして、過去の数字もこうでありますよというのをもし出しますと、非常に混乱させてしまいますね、いまの物価指数は一体どっちですかと。四十五年基準と四十年基準と両方出しておいて、政府は一体どっちをとるのか、都合のいいほうをとったらだめじゃないかというような議論も、また話もされるのじゃなかろうかと思います。私どもは、先生御承知のように、政策官庁ではございませんで、統計を大いに利用してもらわなければ困るし、また利用に当たっては正確に利用していただき、国民一般も迷わない、ミスリードにならない数字を発表すべきであろう。こういうことからいたしますと、やはり四十五年基準一本で改正指数はこうなったということをお示しするのが妥当ではないだろうか。このように考えたものでございますので、従来とも基準時改正にあたりましては、その発表のときから、過去の数字は、新指数で計算すれば過去はどうなったかという過去にさかのぼる数字は出しますが、将来に向かって、過去の基準時でどうだったかということは従来とも出していないわけであります。というのは、政府発表の指数は一本でしぼっておくのが一番世間に誤解を招かないことになるであろう、こういう考え方からであります。御了承いただきたいと思います。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 最後にもう一つだけ、これは要望になるかもしれません。  いま竹田委員からも要望されましたように、所得階層区分で五分位くらいの指数を出しておいていただくとたいへんありがたい。これは先ほどの答弁で、〇・一%くらいの差しかないからというお話でしたけれども、実はこの間聞いた話でたいへんおもしろい話がございました。それは、いま日本の住宅政策、これはてんでなっておりませんね。ほんとうに着るものと食べるものとはどうやらこうやらいいのですけれども、住の点が非常におくれております。もしもこれを突っ込んで、国会がこれをみんな一生懸命でやったら、内閣は三つくらいつぶれるというような話を実は聞いたのです。そこで、五分位階層でやるのもいいけれども、あるいは持ち家の人、それから間借り人ですね、間借り生活、こういう点でも比べてみたらどうかなというような気分も私は実は持っておるのです。それですから、いろいろ私のほうとしては、物価のこれは委員会ですから、それぞれに意見があって、要望することがたくさんあると思いますけれども、そのようにやってみていただいても、一つの参考になるのじゃなかろうかと思ってみたのですが、先ほどの御答弁では、〇・一くらいしか違わないからということで、今後出さないと、こういうことなんですけれども、日本がいま世界で一番物価が高くて、物価々々で一番困っておるところですから、世界には例がなくても、日本ではひとつやってみたらどうでしょうかというような、それこそ、こちらがいま提言をしてみたいと、こういうふうに思って立ち上がってみたわけでありましたが、とにかく、こういうせっかく苦労しておつくりになられた指数、相当な資料でございますから、私どもまたこれを一生懸命利用させていただいて、これからもさらに物価問題に取り組んでいきたいと思いますから、たいへんおそくまでお待ちをいただいたりして、ほんとうにありがとうございました。

関戸嘉明総理府統計局長

○政府委員(関戸嘉明君) それでは、御要望を承っているだけではと思いまして、私ちょっとお答えさせていただきたいと思います。  先ほど竹田先生の御質問で、五分位階層を出さないと申し上げたんではございませんで、年一ぺんは今後とも出すということで、年報には発表することにいたしております。  それから月々これを一般平均の指数でなくて、階層別の指数も毎月出しなさい、こういうお話ですと、それは私どものほうで出しかねるという意味合いでございますので、物価年報には年一ぺん出しております。その結果、数字だけをちょっと先ほど申し上げたわけであります。  それから、持ち家の人と借家の人、いろいろ確かに影響するところが違うことが多いと思います。  それから、いろいろ物価をそういう形で違った観点でと申しますか、いろいろの観点から分類した物価指数を出すべきではないか。これは衆議院でもそういう御意見を拝聴いたしました。私どももただ漫然と、いま発表している指数だけで、これでいいんだという点で漫然としておるわけでございませんで、先生方のいろいろの御提言、また御注意を受けながら常々研究はさせていただいております。ただ、非常に技術的なことを申し上げて恐縮でございますが、やはりサンプルの数が少なくなるというような問題になりますと、これが非常に誤差率が高いものが発表になりますと、それこそミスリードになってしまう。そういう意味で非常に危険性がある。だから、そういうような点は十分統計屋としては考えなければならぬ問題だろう、そういうことと、それからなかなかこの指数の計算というのは非常に、コンピューターがあるとはいいながら、たいへんめんどうな計算でございます。そういたしますと、いままで物価指数だけつくっておるわけではございませんで、あらゆる統計を集計をし、発表しておるわけでございますので、その合い間を縫ってということになりますと、なかなか時宜を得た指数にならない、ほんとうに勉強のための勉強をしたというにとどまってしまう。これも非常に残念なことでございますが、できるだけあらゆる観点からの指数も今後頭の中で考え、また機械の許す限り——機械というのは、機械のコンピューターの許す限りは、何かそういうものをやはりつくっていかなければならないのじゃないかというように私は考えておるのでありますが、いま申し上げましたように、なかなか事務的にそういうふうに運び込んで、定例的にそういうものが出せるということまで公の場で申し上げるわけにまいってこないという現状であるということも、先ほど竹田先生が、たいへんめんどうな、たいへんな数字を集めてやっておるようなので気の毒だがというような、非常に御同情のある最後のおことばで、要望にとどめていただきましたけれども、ほんとうに私どももできるだけ、統計というのは私が申し上げるまでもなく中立的なものであり、できるだけ広く国会その他各界、民間等で利用していただかなければ、つくっただけで利用されなければ何にもなりませんので、そういう意味合いでは私ども大いに努力はいたしたいと考えておりますが、何ぶんにも現状がそのような現状でございますので、おいおいまたひとつ先生方のお力を借りまして、機械の更新でありますとか、人間の問題でありますとかいうようなこともまた御配慮いただけまするならば、非常に私どもとしてはありがたいことと考えております。たいへん個人的な意見にわたりまして恐縮でございます。

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) どうもおそくまでありがとうございました。  両件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。  ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕

長屋茂自由民主党

○委員長(長屋茂君) 速記を始めて。  次回の委員会は十二月二十四日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十四分散会

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