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67回国会参議院1971/12/21

地方行政委員会 第5号

発言数
96
登壇者
11
会派数
5
開催日
1971/12/21

会議録

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についておはかりいたします。  河田賢治君の委員異動に伴い理事に欠員が生じましたので、この際、その補欠選任を行ないたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に河田賢治君を指名いたします。     —————————————

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 連合審査会に関する件についておはかりいたします。  沖繩及び北方問題に関する特別委員会に付託汚れている沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案外六件について、沖繩及び北方問題に関する特別委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     —————————————

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 警察行政に関する件を議題といたします。  この際、中村国家公安委員長から発言を求められておりますので、これを許します。中村国家公安委員長。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 去る十二月十八日、警視庁の警務部長宅に爆破殺人事件が起こりまして、国会の皆さま方にたいへん御心配をおかけいたしました。遺憾に存じ上げておる次第であります。なお、被害者に対しましては心から御冥福をお祈りする次第でございます。  この事件の概要について御報告申し上げたいと存じます。  発生日時は、昭和四十六年十二月十八日午前十一時二十分ころでございます。発生の場所は、都内豊島区雑司ケ谷一丁目五〇の一八、警視庁警務部長土田国保方であります。  状況でございますが、十二月十八日午前十一時二十分ごろ、警務部長の妻民子(四十七歳)と四男の学習院中等部二年の恭四郎君(十三歳)の二人が、階下の居間において小包等の荷物を整理中、突然荷物の一部が爆発し、妻民子は両手首切断等による即死、四男恭四郎君は顔面、両手足火傷、全身創傷、全治三週間の負傷を負うとともに、爆発によって居間の床板が約三十センチ四方にわたって抜け落ちたほか、家具什器、戸障子、窓ガラス等が変形、破損しております。  捜査状況でございますが、警視庁におきましては、・所轄目白警察署に公安部長を本部長とする「警務部長宅爆破殺人事件特別捜査本部」を設置いたしまして、捜査員百三十四名を動員して、犯人の割り出し、逮捕に鋭意努力中であります。爆発現場の捜索、検証によって、現場から差し出し人は防衛庁防衛局長久保卓也名義の荷札及び爆発物の破片と見られるアルミニウム破片を発見し、押収しておりますが、荷札については、本人に発送の事実がなく、また爆発物の構造等についても、起爆装置及び時限装置等が発見されていないため、目下のところ、特定は困難でありますが、爆発音、爆煙等から判断して塩素酸ナトリウムを爆薬として用い、ひもまたは包装紙を開披すると同時に爆発するしかけの巧妙な爆発物と見られております。いずれにしても、被害者が小包等の荷物を整理中爆発したことより見まして、被害者宅に配送された小包等、特に事件当日配送された小包等九個の発送人、内容物等について徹底した捜査を進めておる段階でございます。  以上でございます。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 御質疑のある方は順次御発言を願います。

増田盛自由民主党

○増田盛君 ただいま政府から事件の概要を承ったわけでございますが、今回の土田警務部長宅におきます爆破事件に関しまして、被害を受けられました家族の方々には心からお見舞いを申し上げる次第でございます。以下、数点にわたって質問いたしたいと思います。  本事件の犯人らは過激派学生でございまして、昨年十二月十八日の京浜安保共闘の三人が東京板橋の上赤塚派出所を襲撃した際、一人が射殺され二人が重傷を負った事件の報復として計画されたものと当局は見ていると新聞などで報じられておりますが、その後の調査結果はどうなっておりますか、お差しつかえない範囲で御答弁願いたいと思います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 警備局長から報告いたします。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) ただいまの事件のいわば犯人のグルーブというものが過激派の京浜安保共闘ではないかという向きでございますが、彼らのいわば非公然機関紙「解放の旗」というのがありますが、その中には一周年にあたっての階級的報復というようなことば等を使っておるのが見られるのでございますが、そういうような点からいたしまして、一応そういうグループのしわざではなかろうかということで捜査を続けておりますが、しかしながら、これ以外にもいろいろなグループがございますので、これに限定せずに、あくまでもあの凶悪な犯行を犯した犯人を追及するという意味で広く捜査の手を伸ばして、いま徹底をしようとしておるところでございます。

増田盛自由民主党

○増田盛君 最近の過激派グループ、新聞によりましては極左過激派集団と称しているようでございますが、こういう一連のグループによります爆弾事件が相次いで起こっております。特に大きいも一のは、去る六月十七日夜の沖繩調印阻止闘争で、これは明治公園であったと思うんでありますが、警官隊に手製爆弾を投げ警官三十人に重軽傷を負わせた事件、あるいは八月七日の警視総監公舎の玄関わきに時限爆弾をしかけた事件、それからその他でも一日石本社内の郵便局でございますか、ここで警察庁長官及び成田空港公団総裁あての小包爆発事件等相次いで発生いたしておるのでありますが、これら一連の爆発事件の死傷者の状況、それから犯人の所属グループ等の状況をお聞きいたします。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) お答え申し上げます。  ただいまの六月十七日の沖繩調印阻止闘争、彼らの言う沖繩調印阻止闘争で爆発物を彼らが使いまして以来、彼らの行動は逐次過激の度を加えて今日に至りました。まことに残念な土田邸の事件を引き起こしたわけでございますが、この六月の十七日以来今日まで使われました爆発物は三十四件、三十九個、これは爆発をいたしておるものであります。これによりまする被害でございますが、土田夫人の死亡、同時に四男恭四郎君の負傷。それ以外の負傷でございますが、それ以外の負傷は六月十七日の明治公園におきまする爆発物投てき事件の際、警視庁の警察官が三十七名重軽傷を負ったわけでございます。現在まだ入院中の者が二名と承知をいたしております。そのほかに、ただいま御指摘の警察庁長官等にあてました小包が芝郵便局の日石分室におきまして爆発をいたしました。その際に、まことに残念なことでありまするが、民間の一いわば民間といいますか郵便局員の方が負傷をされております。いま一件は、成田におきまして爆発物が投てきされまして警察官が、幸いにして軽傷でありましたがけがをいたしました。総計いたしますと四十名の負傷ということに相なるわけでございます。  おもな爆発物事件から判明をいたしました状況でございますが、六月十七日の明治公園での警備中の警察部隊に対する爆発物投てき事件につきましては、現在一応推定をいたしておりまするのは赤軍派——赤軍派と申しますと連続金融機関強盗事件をやった一味でございますが、これを構成員というふうに見ておりますが、ただいままだその捜査中でございますので完全にこれが全貌は明らかでございませんが、その中核をなしたものはさように推定をいたしております。それからなお八月七日に警視総監公邸に爆発物をしかけたこれは爆発はいたしておりませんけれども、この時限装置つき爆発物の捜査の結果は、先日、元日本大学の全共闘の活動家くずれと申しますか、活動家を中心にしました十月社というものを彼らがつくっておりまするが、そのグループ員六名で——ここで一言つけ加えたいと思いますのは、過激な行動、テロ的な行動に走りますのは、いままでは赤軍派でありますとか、あるいは京浜安保共闘の一味でありますとか、共産同エルゲーというのがございますが、こういう連中でございましたけれども、このさらに外側に、こうしたいわばかつては全共闘といって学園紛争等で相当あばれはいたしましたが、そういうグループの一味が十月社というようなものを構成して、それらがこうした爆発物を使ったという事実、これについては私どもも重大な関心を寄せておりまして、単にいま申し上げたような過激三グループ以外にも爆発物を使用するという観点から十分な警戒をし、捜査の立場からも注視をいたしておるところであります。それから十月十八日、先ほど申し上げました日石本館内の芝郵便局分室での小包爆発事件でございまするが、これはまだ実は犯人の逮捕に至っておりません。したがいまして、所属グループ等については目下のところ明確でございませんけれども、一応捜査は進展をいたしておりまして、二人の女性のモンタージュを作成いたしまして全国に捜査の手を伸ばしておるところでございます。まあその他北海道で、北海道庁がすでに新しく完成しておりますが、かつての北海道庁、いわば一種の記念的な建物でありまするが、その地下室で鉄パイプ爆弾的なものが爆発した事例がございますが、これはその後捜査をいたしました結果、北大構内での彼らの行動中に警察部隊にやはり爆発物を投げ、これは不発でありましたが、そういう事件との関連から高校生、札幌所在の高等学校の生徒、あるいはその卒業生を中心としましたグループ七名を逮捕いたしております。それから先日来、都内の交番に対しまして爆発物をいろいろしかけたのがございますが、そのうち、いまだ捜査中でございまして犯人の確定に至らざるものもございますが、警視庁のいわば十月の二十三日に板橋方面の交番あるいは警察官の待機寮等に爆発物をしかけました一味につきましては、京都におきまして共産同エルゲーの構成員一名を逮捕し、さらにその取り調べから、爆発物を使ったと見られる一味、一名を先日全国指名手配をいたしておるわけでございます。かような状況でございますが、去る十八日発生いたしました警務部長宅爆発事件につきましては、こういう犯罪等も総合徹底検討いたしまして、また現場遺留のもの等もからめ徹底したひとつ捜査をいたしたいと、かように考えております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 大体概要はわかったのでございますが、その中で、このような極左暴力集団の動き、年とともにたいへん激しくなってくるようであります。いろいろなグループに分かれておりますけれども、根元のほうはやはり全共闘でありますか、あるいは全学連でありますか、かつての学生集団の相当な割合をつかんでおった学生運動が一つの根元になっておるようでありますが、それにつきましても、いわゆる極左暴力集団の思想的な系譜でございますか、いろいろなこまかい差異はあるようでありますけれども、戦後の思想運動、あるいは思想に基づく社会変革の思想の中で、思想そのものがいろいろ混乱しておるのかもしれませんが、きわめていままで遭遇したのと違った特殊な思想的なものを根拠にいたしまして、これが目的のためには手段を選ばざる行動に出ておるように考えられるわけでありますが、適当な機会に警察当局の見ておられる極左暴力集団の思想的な系譜、それから当然それの思想的な根拠、何が彼らをこのようにさせるか。社会的ないろいろの諸現象だけじゃなしに、その根底に横たわる思想的なものまで掘り下げまして、一応まとめられましてこの委員会に御提出願いたい、かようにお願い申し上げる次第であります。  さらに、このような一連の事件は国民に少なからぬ不安を与えているものでございますが、犯人の検挙、犯罪グループの全貌などを国民に明らかにすることが警察としてなすべき義務ではないかと思うのでございますが、なかなか実際問題といたしましては、非常な御苦心にもかかわらず、われわれの期待するようにスピーディーには進まない。これが現実ではなかろうかと思うのでありますが、その場合に、警察当局として、どこに原因があるのか、それから取り締まり法規上困難な点がどこにあるのか。いろいろ風聞も耳にするわけでありますが、このような点に関しまして当局の見解をお伺いいたしたいと思います。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) ただいまこうした極左暴力集団の行動から国民に不安を与えておるという御指摘につきましては、私どもまことに残念に思っておる次第であります。したがいまして、これに伴いまして、国民生活というものの不安を解消するというためには私ども最大の努力をいたさなければなりませんが、その一つには、未然にこれを防ぐという問題、いま一つは、彼らがそういう凶悪な事件を敢行したならば徹底的に捜査をし、これを検挙することによって、彼らに対する大きないわば警告を与えるとともに、国民の不安を解消するという努力をしてまいりたいと思っておるのでございますが、ただいま御指摘のようになかなかつかまんないじゃないか、こういう点でございます。まことにこれはわれわれも苦慮いたしておるところでございますが、街頭におきまして、いわゆるゲバ行動あるいは火炎びんの投てきによる放火等の事件につきましては、本年一年の一連の彼らの行動に伴いまして約八千二百五十余の検挙をいたし、そのうち、いわゆる学校に籍を持っておる者約五千名ということで、彼らのいわゆる街頭での市民生活に対して恐怖を与えるような行動につきましては、これは彼ら自体が認めておりますように、なかなかもうできないというところまで一応彼らの行動を抑制してきていると考えておりますが、一連のゲリラ的なあるいはテロ的な事件につきましては、これは一つは都市の何と申しますか、巨大化に伴います一種の匿名性と申しますか、こういうような現象、これがやはり隣は何であろうかというような意味での関心なり、あるいは社会防衛の気持ちなり、こういうものが薄れておると、そういう面があるんではなかろうかということが多大に看取されるわけでありますが、そういう面からいたしまして、一般の刑事事件と基本的な捜査は同じことでございますけれども、そういうような諸状況の中で彼らが先行する、そういう事柄からこの捜査、検挙、解決に至りますまでに時間がかかるということは残念ながら事実でございます。  かつて、この赤軍派が大菩薩峠というところで、山梨県でありますが、この大菩薩峠でいわゆる鉄管爆弾のはしりのごとき実験等を大勢のグループが集まってやりました事件なんでありますが、これの捜査にも約半年かかってその事件を解決をしたというようなことでございまして、やはり被害者が面識があるとか、あるいは聞き込みでも、何かそういういわば自然犯的なものにつきましては、聞き込みが容易であるという点は刑事犯罪にはございますけれども、かような類型の犯罪には面識がないというような点とか、そういう点も相からみまして、なかなか時間がかかるという点、その点が早期解決に至らない場合にはいろいろと御不安をかけておることは承知いたしておりますが、時間をかけてでも一つ一つつぶしていく、こういう努力を継続してまいりたい。また、先ほど御説明申し上げましたように、爆発物事件の大きなものにつきましてはすでに解決を見ておるという点もあるわけでございます。そういう御指摘の事情等を十分踏まえながら、鋭意捜査を徹底して、国民の御不安というものを少しでも軽くしてまいりたい、かように考えております。

増田盛自由民主党

○増田盛君 これで最後でございますが、出発点の土田警務部長宅におきます事件を考えますと、どうもこのごろのこういう暴力犯罪が戦前とは著しく異なるわけであります。いろいろこまかい点等もございますけれども、ちょっとわれわれがびんときた感じでありましても、やるならどうして第一級の政治家をねらわないのか、どうもよくわからないんです。自分の職掌上仕事としていろんなことをおやりになるわけでありますが、その治安責任の一半をになっております幹部の特に家庭がねらわれたということは、どうもそういう点に次元が低いというとなにでございますけれども、どうも戦前のこういう事件とは全く違った、そういうふうに私は第一印象として感じたわけでありますが、それにしても、現実にはこういうことがさらに続発するような趨勢にありますことはどなたも認められるとおりであります。  それで、今回の事件の性格をどのように警察当局としてお考えになっておるか。それから今後の対策、具体的にこういう場合に対する対策であります。一般の市民というよりも特定の者がねらわれる。しかも、本来ならねらわれるはずじゃないような人がねらわれている。こういうことに対しましてどのように具体的な対策を立てているか、率直な御所見を伺いたいと思います。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) 私どもといたしましては、政治家の方々諸先生を含めまして、一般国民の方々に犠牲が出るということは絶対防がなければならない、かように考えております。しかし彼らは、先ほど先生のおことばにもありましたが、一部極左暴力集団にははたしてイデオロギーありや、いまやただ単に一種の権力である警察組織を突きくずせば、あるいは不安動揺を与えれば、それで自分らのあれは終わるんだ——終わるといいますか、目的は達するという程度の認識の者がかなりあるように機関紙等を見ましても思うのであります。そういう観点から、警察等の治安に関係を持っておりまする機関の者に対する攻撃を執拗に加える。これはその職におりまする私どもとしては、そういう危険がありましょうともその職責を果たしてまいらなければならないところであります。ただしかし、今度の土田君の事件のように、家庭に、しかも夫人に対してああいう結果を生ずるような卑劣な行為に出るということは、まことに私どもとしては心中複雑であり、こうしたことの再発は絶対に防止しなければならない、かように考えております。しかし、これは一部幹部の家庭というだけのことではないのでございまして、むしろ数の多い第一線に出ておる警察官の家庭というものを含めまして、これは十分われわれとして考えていかなければならない。そのためにいろいろな措置をとってまいるつもりでございますが、その措置については、大きな立場からの問題もございますので、大臣がお答えになられるということでございます。  私どもの立場からいたしますと、未然防止、やはり捜査の徹底による彼らに対する打撃を与えるということ、さらには的確な情報を把握するだけの必死の努力をする、こういう点であろうと考えております。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 増田議員の御指摘になりました今後のこれに対する措置でございますが、今回の土田部長の自宅で起こりました奥さんがなくなられた、あるいはむすこさんが大けがをなさったというような事案、これは警察官に主人が在職しておるということによって起こった事案でございますので、これには何かの救援措置が必要ではないかと考えるのであります。特にまた私のほうで心配しておりますのは、駐在所等の装備といいますか、警備体制がきわめて不十分であるということは否定できませんので、今日やはり駐在所等の家族がかなり心配しておるという傾向も見えておりますので、私は、主人が警察官なるがゆえにこういう事故が起こった場合の救援措置、何らかの方法はないか。たとえて申しますと、一般の国民が警察官の捜査あるいは逮捕に協力して、その際起こりました事案に対する特別の処置の規定がありますので、こういうものに何か準ずるような道はないだろうかと、さっそく検討をさせることにいたしております。  それから駐在所が各末端にありますが、これの装備体制、警備体制と申しますか、きわめてやはり不十分でございますので、やはり人員をできるだけ増加しまして、そうして複数以上で常時警備に当たらせるというようなことを考えたいということを進めたいと思っております。と同時に、駐在所から本署等に横の救援を求める一つの対策、装備というようなものに少しくふうを要すると思います。いまの状態では電話で連絡する程度でございますので、電話でとうてい連絡するような余裕のないときが事故の起こるときでございますので、非常連絡の装備等のひとつ整備等も急いでやりたい、かように考えておるわけでございます。そういうことにつきまして早急に、どうせ国会の皆さま方にお世話にならなければならないことであると思いますので、その際は、ひとつ格段のお力添えをお願いしたいと思います。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 関連して御質問したいと思いますが、まず、土田警務部長の御家族の犠牲に対しまして心から哀悼の意を表し、またお見舞い申し上げたいと思います。同時に、ああいう家族の大きな犠牲があったにもかかわらず、土田警務部長が将来に向かって職責の完遂に邁進しようという記者会見における決意を聞きまして、深く敬意を表している次第でございます。  そこで、関連して一言、二言御質問したいのでございますが、実は私のところに多くの都民の人から直接にあるいは電話でもって、一体、爆弾とか、あるいは火炎びんとかいうようなものが非常に多く使われているけれども、その取り締まりはどうなっているのだ、未然に防げないのか、政治に携わる者としてもこのままほうっておいていいのかというような非常にお叱りに近いような電話なり、あるいは直接の話が持ち込まれているわけであります。このままではもう市民としても不安でしようがないと言っているわけであります。私もかつてそういう仕事に携わっていたのでございますが、最近の状況というものはこれはもう異常な状態ではないかとさえ思います。  そこで、火炎びんのことにつきましては、聞きますところ、刑法の凶器準備集合罪以外には直接の火炎びんを対象としての取り締まりというようなことについて法律上も整っていないというふうに聞いております。また、最近使われている爆弾の原料となるものにつきまして、たとえば塩素酸系の薬品その他につきましては、一応の規制の法律、規則等はあるようでございますけれども、しかし、それでもなおかつ非常に入手も容易であるというふうに聞いているのでございます。私はまあ火炎びんの問題につきましては、これを使って直接沖繩において、あるいは東京において警察官を焼死させたというような事件もあるわけでございます。それだけでなく、松本楼とか、あるいは日比谷花壇とかいうようなものを放火して焼き払うとか、あるいは渋谷その他の盛り場においてこれが多く使われて、非常に多くの人を危険にさらすというようなことがひんぱんに行なわれておるわけでございまして、何らかのこれを対象とするところの法律というようなものが、この際絶対に必要であるというふうに考えております。同時にまた、爆発物の原料になる劇物、毒物というようなものについての規制ももっと改めて、容易に入手できるような状態でなくしていかなければならないのではないかというふうにも感じているわけでございますが、これらの点につきまして、警察庁としてどういうふうにお考えになっているかお伺いをしたいと思います。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) ただいま御指摘がございました彼らの使用しております凶器のうち、火炎びんにつきまして私から申し上げたいと思いますが、すでに、これによりまする悲惨な犠牲、殉職というようなものが発生をしておるわけですが、四十三年以来本年の十一月末まででございますが、使用した推定数は一万二千本、押収いたしましたもの約一万七千本、これだけ大量の火炎びんを彼らが使っておるということでございます。しかも性能が原始的なものから逐次瞬発性という形のものになってまいりまして犠牲も出ておるわけでございます。ところが、この火炎びんにつきましては、いま御指摘がありましたように、彼らが数人——二人以上共同して人の生命、身体、財産に害を加えるという加害目的を持って集まる、こういうものを持って集まった場合には凶器準備集合罪ということで取り締まりをいたし、またそれによってある程度彼らを押え込んではおりますけれども、それ以前の段階で、かりにぶらぶら火炎びんを持って歩いておりましてもこれは軽犯罪法等で取り締まる以外に方法がないというところに、私どもとしては、そうしたことを事前にやらせないということが本来の任務でもあるわけでございますから、その点から見ますると、まことに情けないというか、もどかしい感じをいたしておる次第でございます。で、ほかのたとえば鉄砲でありますとかそういうことにつきましてはそれぞれの法律があり、また爆発物につきましても、爆発物取締罰則というような法律としては非常に重い刑を科する法律がございますが、しかもそれはダイナマイトであるとか鉄砲であるとかいうようなものは別のいい意味のまた用途もあるわけでございますが、火炎びんについては全く何らの用途はない。ただ、ひたすら警察部隊、あるいは一般の民家等に攻撃を加える用途以外に何らの用途もないものであるという点におきまして、私どもとしてはやはり火炎びんを使用するというようなことについて罰則の整備をはかっていくべきじゃないか。それによって彼らの行動を抑制する、みずから抑制せざるを得ないという効果もありましょうし、また取り締まりといいますか、そういうものを厳重にすることによって被害を防止し、国民の不安を除くということになるのではないかという観点で非常に切望いたしておりますが、これは罰則適用の法律でございますれば法務省の所管等でございますので、法務省でもいろいろ御研究に相なっておるものと思っておりますが、できればこれは早くそうしたものを成立さしていただくことが望ましいと私どもの立場からは考えておる次第でございます。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○説明員(本庄務君) ただいま御指摘のございましたうち爆弾の件についてお答え申し上げます。  御案内のように、最近使われておりますいわゆる爆弾を大別いたしますと、すでに既成のダイナマイト、カーリット、そういった既成の火薬類を不法に入手して、しかも火薬庫その他火薬類の取り扱い場所から盗んでくるのが大部分でございますが、それを直ちに使う場合と、それから十八日の土田部長宅でのようないわゆる手製の爆弾を使っておるという場合がございます。この手製の爆弾、これも御案内のように塩素酸カリ等の劇物に指定されておる薬品を材料といたしまして、ハンドメードの爆弾、簡単に実はつくれるわけでございまして、そこにたいへん問題点があるわけでございますが、原材料は必ずしも不法に入手しておりませんが、合法に入手した、あるいはまた大学の実験室等から盗んできて不法に入手したものもあるようでございますが、そういったものを材料としましてアパート等で不法に製造をしておる、きわめて簡単に製造しておる。そういうことで二種類あるわけでございますが、そのうち、先日の事件につきましては先ほど大臣から申しましたように、いまのところ後者の手製爆発物によるものと認められております。こういったものにつきましては、こういう手製の爆発物の製造原料が比較的容易に入手できるわけでございまして、現在、その販売店に参りまして住所、氏名を書いて三文判を押せば簡単に売ってくれる。またそうやって入手いたしましたものを運搬、携帯することにつきましても何ら規制がない。こういう現状にかんがみまして、この点につきまして所要の規制措置をとる必要があると私たちは判断をいたしまして、かねてから主管の行政庁と協議をいたしております。これを機会に早急に、ここ数日中にでも成案を得られるように努力をいたしたいと存じております。またこれらの原材料となる物質が、先ほども申しましたように大学の研究室あるいは数多くの事業所で保管をされております。で、これらの管理が厳重に行なわれるということが必要でございますので、関係のところにいままで協力をお願いしておったわけでございますが、この点につきましても、あらためてさらに必要な措置が要るのではなかろうかと思いまして、関係の行政機関と協議をいたしております。  なお、最初に申しました爆発物のうち、既成のもの、ダイナマイト、カーリットとかたくさんございますが、そういったものを盗み出して、それをそのまま雷管をつけて使用されるという事案もございますので、これらにつきましては、火薬庫その他火薬類の取り扱い場所における保管、管理がルーズでございまして盗まれた場合もかなりございますので、この点は保管、管理の徹底を期するということにもう尽きると存じます。したがいまして、従来主管の行政庁に警察といたしましても十分協力いたしまして、火薬類取り扱い場所に対する防犯指導を強力に実施してまいりまして、今後これをさらに強力に推進いたすとともに、これらの施設に対します常時重点的な警戒、警らを行ないまして、事故防止に全力を尽くしたいと考えております。さらに火薬類の取り締まりにつきましては、都道府県の公安委員会が、都道府県警察がより一そう効果的に行えるように、所要の措置につきまして目下主管の行政庁と協議中でございますが、これにつきましても早急に成案が得られるように努力いたしたいと考えておりますので、何ぶんよろしくお願いいたしたいと思います。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 簡単にやりますから簡単にお答えいただきたいと思うのですが、先般の警視総監公舎の爆破未遂事件がありましたが、そのときに使われた鉄パイプ爆弾が同志社大学の過激派のアジトでつくられたというようなふうにも聞いておりますが、まあいままでいろんな事件のあとで大学を捜索した場合に、大学構内からもたくさん火炎びんとか、あるいは鉄パイプ、角材というようなものが出てきたという例、これはもう枚挙にいとまがないように聞いておるのでございますが、こういうようなことを考えますと、どんな事情があるにせよ、大学がこのような過激派集団の隠れみのとして利用されているということは、これは絶対に許されないことでございますが、これはむしろ文部省のほうかと思いますけれども、大学の管理について、文部省あるいは関係のところとどのように話し合っておられるのか、その辺のところもお伺いしたいと思います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) いま原議員から御指摘のありました大学の実情は、皆さん御承知のとおりでありまして、いまの時点ではなかなか警察が事前に立ち入りにくいといういろいろの事情がございますが、私は、最近の学校内の寮といいますか、自治寮といいますか、そういうところが、学校の特定の生徒だけのものでなくて、だれかれなしに雑然と出入りし、あるいは寝泊まりができておるというような状態を見まするときに、さらに最近、学生と学生との間に内ゲバがあって大事な子供さんが死傷するというような事件等がかなりございますので、これはまじめな家庭の子供さんを学校にやるのに不安を生ずるというような事態がだんだん起こってくると、こう考えまして、この間から文部大臣に、学校自体のきわめてむずかしいことかもしれないけれども、やはり学校の自治的な力によって、その寮というようなものには、やはり学校の生徒だけの一つの使用目的でつくられたものだから、そういう点の一つのけじめというものを何とかつけさせるような方法を文部省で学校当局と話し合ってひとつ考えてくれないかと、警察のほうでそう簡単に学校に立ち入るというようなことができない空気であること、皆さん御承知のとおりでございますので、だからといって、今日のように学校の子供と子供が学校内で死傷するというような容易ならぬことが時々起こるというようなことでは、これはやはりほうっておけない問題だと思いまして、文部当局ともその点を打ち合わせまして、そうして文部当局でできるだけ自主的にやらせる。学校、大学自体の自力によってけじめをつけてもらって防止してもらうということを第一義とする。手が届かぬ場合は、やはり場合によっては警察の力も、非常の場合にはもっと簡単にかりるようなそういう何かくふうをしていただきたいということで、文部当局にきつく申し入れておる段階でございます。

原文兵衛自由民主党

○原文兵衛君 もう一つだけ、私のちょっと意見を加えて御質問申し上げたいと思いますが、この間の土田警務部長宅の事件につきましては、これは言語道断でありまして、一般的にも絶対許せないことだという世論であると思います。ただしかし、そのほかにもいろいろと過激な事件が方々に起きているわけでございますが、これらに対して私は、少しでも、その行動はともかく心情はわかるというような、甘やかすような風潮が世間の一部にでもあってはたいへんなことだと思うのでございます。私は、昭和の初期に頻発いたしました右翼過激派のテロに対しまして、当時、手段はともかく目的はわかるといったような風潮のあったことを思い起こさざるを得ないのでございます。このような昭和の初期の右翼の過激派のテロに対して、手段はともかく目的はわかるというふうな風潮が、だんだんと日本の進路を変えていったということが私にはどうしても思い起こされるのでございます。やっぱり暴力というものは絶対に排除しなければいけないのだ、そういう強い世論が起こるということがこういう異常な状態に対して一番私は根本的なものじゃないかと思うのですが、これにつきまして公安委員長、どういうふうにお考えになるか、また公安委員長として、あるいは総理にもいろいろ申し上げていらっしゃることと思いますが、われわれ政治家としてもまたそれは当然の役目だと思うのですが、御所見をお伺いいたしたいと思います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) いま、国民総力をあげて、私は、この凶悪な暴力行為というものは絶滅させなければいかぬと考えることは、皆さまと御同様でございますが、私はやはりいま原君が御心配になるような点、やはり国民世論に対しては今日ではマスコミが非常な力を持っておりますので、政府のほうでマスコミにそういう方向に協力していただくことを何らかの方法でお願いするということ、私はこれは国会の中でも、ひとつそういう今日の憂うべき状態に対して国民が総力をあげて暴力を排除すべきであるというような意思表示をしていただく、そういうきびしい姿勢をやはり国の行政をあずかる機関あるいは立法をあずかる機関等で考慮していただくことが非常に大きな力になるのではないか。そういうことを考えまして、それぞれの方々に御相談をいましかけておるというような段階でございます。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 速記を起こして。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 時間が追い詰められた形でございますから、若干はしょってお聞きしたいと思います。  厳粛な土田さんの御夫人の死というものをめぐって、われわれが過去の警察行政のあり方、今後の警察行政の進むべき方向等について、自民党をトップにしていま一生懸命模索をしているところであります。最初に、繰り返して、先ほどの答弁にもあったと思いますが、国民のこの事件に対する非常な不安というものは限りなく大きいと思います。でありますから、委員長の答弁を通じて国民にひとつ明らかにお答えをいただきたい。  きょうの朝日新聞の読者欄を見ましても、八つの投書のうち五つまでがこの問題に触れております。角度はそれぞれ違います。私の考え方もまた違います。しかしながら、このことをもってしても、いかに国民がこの問題に対して重大な関心というよりも大きな不安に包まれておるかということは立証できると思います。でありますから、今後、公安委員長として、このような方針でまいりたいと思いますと、明確にしかも国民が理解できるような、腹の底からの委員長の集約された答弁をまず要求いたします。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 杉原委員の質問にお答えいたしますが、私はやはり今日国民の皆さま方が非常に不安をいだいておられる、これを解消する唯一の道は、すみやかにこの犯人を逮捕しまして、そしてこの事件の真相を明確にすることが、これがやはり私は国民の不安を除去する第一の手段である。かように考えまして、警察等当には全力をあげて努力をするように督励をいたしておる段階でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 三億円事件の問題さえ解決をしていないような現状であります。私は委員長の言を信じたいわけですが、しかし、今日までの業績から見て大きな期待をかけられないことを残念に思います。でありますから、もしお呼びかけいただくならばもっと、先ほど富田局長が若干申されたのでありますが、それでさえも私は不十分だということでお願いしたわけでありますが、今後警察はどうするのだ、このような、あるいは未然の問題とか、いろいろな問題等について遺憾ない配置をするのだというようなことなど中村国務大臣のほうから述べられることを実は期待したわけでありますが、一たん御答弁されたことですから重ねてあれすることは無理かと思います。  「今週の日本」という新聞、これは私あまり尊敬はしていない新聞ですが、この新聞の見出しに、十二月十九日、「世界一安全な都市・東京」、これはニューズウイーク誌の十二月六日号に記載された特集記事であるそうであります。見出しは「優秀な警察機能」、「単一民族、家族制度も幸い」している。リンゼーが参りまして、ピストルを使わないで犯罪を押えることは全く奇跡であると驚いて帰ったそうでありますが、これはアメリカという国土の中に育った政治家の判断とわれわれと非常な違いを私感ずるわけであります。  それはさておきまして、先ほどの委員長の冒頭の要約された報告というのは、だれが、何を、どこで——その「だれ」がわからないわけです。「だれ」がわからない。わからないからそれは報告の中には触れられてはおりません。どこで、何を、というところまでは簡単に述べられたわけであります。しかし私たちとして聞きたいことは、なぜそんなことが起こったのか。増田委員が申しましたように、なぜそういうことが起こったのか。その根本の問題にやはりメスを入れないと今後の警察行政の方向につきましても誤まった方向をたどるのではないだろうか、こう思います。こうした事件の根底には、あるいは政治に対する国民の不信、あるいは今日のように昨年から経済不況がだんだん危険な状況に入りつつある、かてて加えて社会のもろもろの不安な状況がかもし出されているといったような客観的な問題、こういう問題がやはりこうした事件の背景にあるのではないだろうか。朝日が特集した中で「封じ込まれて暴走」という表現をとっておるわけであります。これはかなり適切な表現だと思います。「爆弾テロの裏側」という副題でそういう表現を実はとっているわけであります。私はこのことを肯定する気持ちはいささかもありません。ただ警察当局としては、ことしの「警察のあゆみ」昭和四十六年版において、「極左暴力集団は過激な体質を維持し、体制を建て直して「72年決戦」へ」という見出しで、すでに警察当局はこの種の問題についての作戦想定というのは明確にできているわけです。  いわんや当日、十二月十八日、これは警察当局もいろいろおっしゃっているわけなんです。新聞も伝えているわけなんです。それにこの日は、何かあるというのです。こういう想定がもとにあるわけです。想定の上に戦術があるわけです。そうしますと、当日そういう想定に立った警察の特別異常な配置というのがあったのかどうか。あったとすれば、御披露いただけるだけのことを披露していただき、なおかつ、そこに欠陥があったら、何かこのことを指摘していただきたいと同時に、もう一つ、従来私たちがデモその他の場でよく対峙をする形になりますが、警察、機動隊などのごときはこのようないわゆる想定に立った場合、十二月十八日にいかなる姿勢で待機をしていたか、出動体制をとっていたのかどうか。これは無関係だと言われればそれまでのことです。それならそれまでで、また警察、機動隊の機能性について追及してみたくなるわけでありますが、この辺の総合的な国内治安体制、警備体制の問題とあわせ考えて、十二月十八日は警察はいわゆる警備体制において万遺憾なきを期していたかどうか。そのことを漏らし得る範囲内で明らかにしていただきたい。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) いま杉原委員の御指摘にあった点でございますが、私はやはり十二月十八日というものは大体意識いたしまして、できるだけ各所に事件が起こらないように用心はしておったつもりでございます。この間、記者会見のときに、万全でなかったのではないかという質問を受けたのでございますが、万全であればああいう事故は起こらないのですが、やはり万全でなかったということは、あとでは考えられますけれども、事前におきましては、できるだけああいうことも想定いたしましてそれぞれ用心はしておったのでございますけれども、最近のように郵便で送られるとかいろいろの方法が、全く想定されないようなあらゆる方法でしかけられてまいりますので、なかなかむずかしいということばで表現する以外ございませんが、しかし警察当局といたしましては、やはりそれぞれの場にあらゆる準備体制、用心の体制は整えておったのでございます。その具体的なことにつきましては警備局長から答えさしていただきたいと思います。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) 当日の警察の体制等についての御質問でございますが、これは当日に限りませんで、国会をはじめとしました国政の重要な機関、あるいは市民生活にきわめて重要な意味を持ちまする施設、あるいは与野党の要人等の身辺、こういうものにつきまして、さらには各国関係大公使館、外交上の重要な機関であるそういうもの等につきましては、これは平素からできるだけの警戒体制をとっておるのでございます。と申しますのは、彼らは、社会にどういうことであれ不安をかき立てる。それが彼らの、いま御指摘もあったように七二年決戦とかなんとかいうことの一つのステップであり手段である。そういうような意味合いにおきまして、平素からいま申し上げたような措置をとっておるわけでございますが、特に十八日につきましては志村警察署というようなことが云々されておりましたから、当然警察の施設あるいは関係警察職員の身辺の警戒等もでき得る範囲においてやっておったのでございますが、結果として、土田君のお宅にああいう事件が発生したことはまことに残念でございます。  なお機動隊は、いま申し上げましたような重要な諸施設等の警戒に平素からついておるわけでございますし、また彼ら等が突発的にあらわれて市民に不安を与えるというような地域、そういうようなこと等の想定に基づいて、そういう場合には直ちに出動処理ができるという体制、並びにただいま歳末警戒の時期でございますので、盛り場でのいわゆる交通整理あるいはチンピラ等の暴力、こういうものの排除のためにも機動隊はそういう盛り場に警戒出動をいたしておるところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 警察庁がきのう、二十日の日、「四十六年の少年補導、保護状況」というのを発表されたと思います。発表しましたか。

本庄務警察庁刑事局保安部長

○説明員(本庄務君) 発表いたしておりません。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 いたしておりません……。ここに新聞社おりますがね、ほんとうですか。あんた知らないんじゃないですか。そんなことを返事ができぬようじゃ困りますよ。あんた方の所管じゃないか。それはいい、それで。発表したことは間違いないんだから。間違っておるとすれば朝日新聞に私抗議する。  その中で要約されたことは、子供の問題ですから、高校生十二人に一人、それから中学生三十人に一人非行少年がおるということがこの報告として明らかに指摘されているわけです。あわせ兼ねて、危険な年齢がだんだんと下に下がっているということが報告の主要な題目になっているようで、計数も整っているようであります。朝日によりますと私の県のことまでも書いてあるわけですが、それはそれとしまして、私は原委員なり増田委員も非常に心配しておりますが、こうした問題等も含めていまわれわれ政治家が厳粛にえりを正すときにきていると思う。そのことは、同時に、経済不況の問題なり社会不安の問題をこのときこそ真剣に考えるときではないだろうかと痛感いたします。そして東京都議会があす本会議を開いて、この土田夫人の死の問題をめぐって意見書を取りまとめる段取りになっているかのような報道をけさ承っているわけであります。それぞれ立場立場においてこの問題をめぐって真剣に討議し、今後の警察行政、そういうものの万全を心から期待し、暗中模索をしていくのがせめてもの民子さんに対するわれわれの弔いの行ないだと信じているわけであります。  時間が限られておりますので非常にことば短く、きつく申し上げたわけでありますが、公安委員長を中心として、今後の警察行政のあり方について再検討の上に再検討を加えて、もう少し国民が安んじて、まくらを高くして眠れるような社会状況をおつくりになるように御努力いただきたいと思います。とは申せ、先ほど増田委員がおっしゃったように、そんな、警察官を襲撃するならもっとえらい人たちを襲撃したらどうだというような示唆めいたことをおっしゃったのですが、これは私はほんの感じですから、私はこれ以上このことを追及しようとは思いません。非常に危険なことです。そういうことになったらますますたいへんなことです。そういう警戒心を含めて私の意見を申し述べて質問を終わります。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 杉原委員から御指摘がありましたように、私らは今日の社会不安をなくすことに全力をあげて努力はいたしておりますが、何ぶんこういうやはり非常な常識に乗ってこないような凶悪な犯罪行為でございますので、やはり国民が総力をあげてこれの防止に協力していただきますように、私ら警察当局としてみずからがつとめることはもちろんでございますが、そういうことであらゆる国民の協力を得るように、その方面にも努力をしてまいりたいと思っております。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 時間もありませんので一言お聞きしたいと思いますが、先ほど来いろいろ同僚委員からお話ございまして、思想的な背景とかまた社会的な問題につきましては先ほどいろいろお話があったとおりでございますが、私はまあ一番おそれることは、最近こう連続的に事件が続いてだんだんだんだんエスカレートしておるという、こういうことから当初は非常に真剣に取り組んだ問題が、またかという慢性化していくような方向になったらこれはたいへんなことだと、こういうことからいたしまして、先ほど公安委員長からも捜査には全力を尽くす、徹底的に捜査に当たり解決していくように全力を尽くすという決意がございましたけれども、何といたしましてもこの問題の究明ということが早急に待たれることだと思います。それが今後の彼らに対する一つの大きな戒めにもなりましょうし、またこの問題をよりエスカレートしないための最大の問題だろうと思います。  私は、いろいろな今日までの問題を考えまして、やはりどうしてもこういう事件というのは事後処理が中心になるといいますか、物事が起きてからそれに対する対策というものが考えられる。また、全力をあげてその捜査解決に当たると、こういうことで物事進んでくるわけでありますが、今度の問題にしましても、過日ありました芝郵便局の小包の爆破事件ということもあったわけですね。ですから全然予期し得ないということではなくして、細心の注意を払えば、そういう傾向といいますか、そういう問題はやっぱり過去には芽が出ておったといいますかね、そういうことが考えられると思うのです。まあ大きくなってからその事後処理のために全力を尽くす、こういう形が今日まで、事件の性質上そうならざるを得ないといえばそれまででありますけれども、やはりこういう非常に末期的な混乱した情勢の中にありますし、どこで何が起きるかわからない。それだけにどんな小さなこともよく分析して、今後に対する方向性というものに対しては体制を整える必要があるのではないか、私はこう思うわけであります。  そういうことからいたしまして、このたびの不幸な事件につきましては心からお見舞い申し上げるわけでありますが、小包による事件ということも決して突発的に起きたことではなくして、前にその徴候があったというこういうことから、今日まで彼らが社会不安を惹起しようとすることでいろんなことを考えておるわけでありますけれども、それらも最初からこれで大きなことが成功するわけじゃなくて、いろんなことを行ないつつ、失敗を重ねていろんなことをするわけでありますから、そういういままでに起きたこと等につきまして、どんな小さいこともよくひとつ掌握し分析をし、そしてそれに対する万全の対策といいますか体制といいますか、そういうものをとっていただいて、何としてでもこういう人命に及ぶような大きな事故というものは未然に防ぐ方向で問題を解決するようにしていただきたい、まあ私はこのように切望するわけであります。極左暴力集団、それは数が多いといえば多い、一握りといえば一握り、それらの人たちのすることでありますから、警察当局といたしましても、ものごとをこれ以上エスカレートしないように、そのための対策として、もっとひとつ根本的な問題を洗い直して十分な対策を講じ、社会に対する不安というものをこの辺でひとつ何とか食いとめていただきたい。こういう気持ちでおるのでございますが、公安委員長の決意なり何なりお示しいただきたいと思うのであります。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 藤原議員から御指摘のありましたように、この問題は、最近の凶悪な過激派集団のやります手段というものは、何か目的があってその目的につながって事件を起こしていくということではなくて、どこでだれを相手にしようと事件を起こして、世間に問題を起こすことが彼らの何か目的のようになっておる現時点では、非常に取り締まり、防止がむずかしいのでございますが、しかし、むずかしいからといって手をこまねいておるわけではありませんが、まあ警察当局といたしましては、できるだけの努力をいたしておると私は信じておるのであります。しかし結果において、いま御指摘のありますように再再事件が起こるということについては、国民の皆さま方に申し分けないと実は考えておるわけでありますけれども、私は、警察当局もこれはまあ全力をあげてやりますが、やはり取り締まりの立法措置をひとつぜひ立法府でも考えていただきたい。それはやはりこういう事件が起こるということが想定されないで法律というものがあると思うんです。たとえていえば、火炎びんというものがこれだけ凶悪なものとして国民に不安と大きな迷惑をかけるものであるということはやっぱり想定しなかったと思うのです。そういうものは立法措置で、できるだけ事前に防ぐことのできるようなやっぱり一つは措置も考えていただきたい。  もちろん私らは、こういうことを申し上げまして法律のほうに寄りかかっていこうという気持ちは毛頭ございませんけれども、現場でそのむずかしさと取り組んでおります警察官の立場を考えますと、やはりそういう気が起こるわけです。たとえていえば、火炎びんで同僚が焼き殺されておるのを見ながらも、やはり事前に取り締まることのむずかしさが法律上あるということ、私はこれはやはり立法府で考えていかなければならぬ。私はこれは公安委員長として申し上げるのではなく、一政治家としてもそういう気を強く抱くのです。そういう点はやはり議員の皆さん方で配慮していただきたい。しかし、さっきも申しますように、私はそういうことに寄りかかることなく、みずからの責務において全力をあげて努力をして国民の不安を一日も早くなくし、平安な治安体制を確立したい、こういうふうに決心をいたしておる次第でございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 先ほどからいろいろ御質問があったわけですが、この間から地方行政委員会が行なわれまして、きょう三番目です。中村巡査の焼死事件がここで報告がございました。その後は、今度はピストルの暴発事件で小学校の生徒のひざを貫通したあの事件がここでまた発表になり報告をされたわけです。そうしてきょうまた、ここに土田さんの奥さんの不幸な事件を拝聴するようなことになったわけですけれども、このように引き続き委員会でもいろいろ報告を伺ったり、またわれわれからの質問にお答えをいただいたりするような事件が次々起こっているわけですね。私どもの考え方としては、警察と学校の先生が尊重をされないというのはそれはほんとうの民主主義の世の中ではない。こういうふうな考え方を私持っておるわけですけれども、先ほど申し上げましたようないろんな事件をこう見てみますと、どうしても警察の皆さんにほんとうに国民の不安を取り除いていただくような信頼される警察行政をやっていただきたいと同時に、また、えりを正すべきところは正していただかなければならない。このように考えるわけですが、今度の事件は、警察官のかかえていらっしゃる御家族に、あるいは家庭を預かる奥さんに痛ましい事件が起こったわけです。多くの警察官も家族をかかえておるのですから、そういったような家族がこのような事件にあわないように、同時にまた、国民もいつどんなことが起こるかもしれないということでたいへん不安になっているときですから、どうかこれを機会に、いまもおっしゃられましたように、今後二度と再びこんな事件の起こらないようにひとつ警察庁のほうで十分な対策を立てていただいて不安を取り除いていただきたい、このように思います。  特に、この間私がここで御質問を申し上げました、たいへん小さな問題ですけれども、派出所の奥さん、まあ二十四時間勤務じゃないか、こういうふうなことを申し上げましたけれども、こうなりますと、このようなことで、たとえば酔っぱらいが夜中の一時、二時ごろに派出所をたたいて道を聞く、こういうふうなことになったときも、あるいは警戒してしまってなかなか戸があけられないとか、いろんなことになりますと、またここで一つ問題が起こるのじゃないか。このように思いますから、どうかその辺も十分ひとつ勘案をしていただきまして、ほんとうに警察が国民から信頼をされ、警察もまたいろいろな事件が起こらないようにさらに対策を講じていただきたい、このように思います。  いつも事件が起こってからあとで、たいへんなことだった、ここに手抜かりがあったのじゃないか、こうじゃなかったか、ああじゃなかったかとか議論されるわけですけれども、今度の事件も過激派のグループによる一連の事件ではなかろうかと想像しておりますけれども、こういったようなことで、もっともっと科学的な捜査あるいは具体的な捜査、こういったものがないもんだろうか。このように私しろうとでございますけれども思いますので、その辺のことをひとつお聞かせをいただいて、きょうはたいへんこの問題で悲しいときでございますから、この第一問だけに質問しぼりましてお伺いをしたいと思います。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) 中沢議員から御指摘を受けました、警察官の家族が今度の事件に対して非常な不安を抱いておるという御心配でございます。私もそれを強く感じます。警察官の家族であるがゆえにこういう事故にあわなきゃならぬということは、これはどうしても忍び得ないことでございます。私は、自分自身が国の治安維持の責任にあるということが事故の原因である。こういう場合は何かやはり国のほうで救援の道があるのではないか、またしなければならぬのではないかということでいま検討いたしております。  それから駐在所が私はやはりいま御指摘のように、これはこの事件と関連なしでも、非常に人手不足の関係がございまして、全国の駐在所のほとんどが、奥さんがもう半分は巡査のような姿で勤務の手伝いをしておる。これはいままで見送ってきたことが私は大きな責任だと考えます。できるだけ複数で駐在所あるいは派出所の警備に当たるようにするということと、それから、それはまあなかなかこの増員等の問題がございまして右から左に全国一諸に複数にするということは困難でございますので、まあ過渡的措置といたしましては、その奥さんに対する手当と申しますか、ほんのいまわずか月に四千円か幾らか差し上げておるようでありますが、それをもう少しやはりふやして、まあ心だけの気持ちでもひとつあらわしたいと。それからさらに駐在所等の諸設備を完備いたしまして、そして酔っぱらい等が来て駐在所の巡査一人じゃ手に負えぬようなときには救援を求めるような方法が簡単にできるような、やはり横の連絡のつけやすいような装備といいますか設備といいますか、現在では電話で連絡する以外にないような状態でございますから、電話で連絡するようなことのできるようなときはそんな事故というのはあまり起こるものではないので、緊急のやはり連絡が必要でございますから緊急連絡の設備等もまあ整えたいと、かように考えておりまして、そういうことを考えますときに、やはり先ほど先生が御指摘なさいますように、一番末端の場で警備に当たっておる、国民の治安の確保の任に当たっておる駐在所、派出所等に私は十分思いをいたさなければならぬと考えまして、そういう配慮の上で、すべての人員をふやすとか、あるいは奥さんに手当をふやすとか、あるいは非常事態の場合の横の連絡、救援対策等を整備してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 時間がございませんから二、三の基本的な問題について質問したいと思うんです。  まあ最近の皆さんのことばでは過激派集団、われわれはこれはトロツキスト集団と申しておりますが、これがだんだん爆薬その他をもって個人的なテロを行なうというような方向に最近は変わってきたわけですね。これは一つの大きな私は彼ら自身の、だんだんと学生あるいは一般の大衆団体の中でも支持が失われてきてると、そこで自分たちの、まあ彼らの考えを多少でも実行するにはこういう手段に移ってきたと思うんですが、こういう方向はますます私はそういう方向へ行くだろうと思うんです。  しかし、ここで考えてもらわなきゃならぬのは、御承知のとおり一九六〇年代のあの安保闘争時代、まあこれは国会でもしばしば論議されました。私もきょう材料を持ってくるつもりだったんですが、あまりとっさで最近の国会の論議はそれほど詳しく集めておりません。しかしこれまででも、一九六〇年代の安保闘争時代には、例のトロツキストのかしらである唐牛健太郎ですか、これなんかが当時の小倉警視総監ら治安当局と絶えず謀議をしておったということも一明らかなんですね。さらに一九六八年、共産党の本部へ火炎びんを投げたアナーキスト、背叛社に対して、警視庁公安部が長期にわたって資金を提供したという、犯人がこれを証言しておる。あるいはまた昨年の三月のあの日航機の乗っ取り事件を起こしたトロツキスト、赤軍派、これに対しても警察当局が資金を提供しておるということを確認した川島警備局長が国会で答弁してるわけです。ですから、あの安保闘争時代から、御承知のように共産党はこういうトロツキスト集団、今日における過激派集団というものに対しては、彼らの思想、彼らの政治的な考え、まあこういうものに対して共産党は一番まっ先に戦ってきてるんです。いろいろな彼らから被害を受け、いろいろな個々の党員あるいは青年はいろんな弾圧、迫害を受けながらもこれらに対して戦ってきた、共産党は。  ところがですね、こういうことを援助しておったのは言うまでもなく今日まで警察当局自身が彼らに資金を提供したりしている。それから一般のブルジョア・ジャーナリストは新左翼だと、これこそがほんとうの日本の革命勢力だと言わんばかりの賛辞を浴びせて彼らをおだててきた。現に自民党の保利幹事長も当時——一九六七年の十月の羽田事件の直後には、三派全学連は泳がしておいたほうがいい、こういうことを言っているわけです。だから、当時から私たちは警察当局あるいは政府は彼らを泳がしておると言って盛んに攻撃したのです。ところが、いまだんだんと彼らは追い詰められて国民からの、大衆からの支持を失う、したがって彼らはもう直接的な行動で一人ずつをやっつける、こういう方向にいま変わってきたと思うのです。ですから、公安委員長がいろいろおっしゃいますけれども、こういう経過があるのですから、今日警察当局はこういう過激派集団に対して資金を提供する、いろいろな情報を取るために何か彼らに利益を与える、こういうことをいまやっておりませんか、どうですか。あるいはやっておるとすれば、これをやめる意思があるのかどうか。この辺をはっきり聞いておきたいと思うのです。

中村寅太自由民主党国家公安委員会委員長・行政管理庁長官

○国務大臣(中村寅太君) そういうことは絶対にやっておりませんし、私は、先ほどから河田議員のお話を聞いておりますと、どうも考え方、ものの見方に私らと根本的に違うものがあるようでございます。ただいま述べられたこと等を肯定するわけにはいきません。現在の少なくとも警察当局といたしましては、御指摘のようなことは一切やっておりませんし、やらせませんということは私は明確にここでお誓い申します。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 私、国会の答弁書をきょう持ってきておらぬのでこれは言えませんけれども、過去にはそういうことがあったかどうか。それはどうです、お認めになりますか。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) いまおあげになりました二つの例でございますが、一九六〇年当時のことにつきましては、全くそういうことは私はないと承知をいたしております。もっともその唐牛氏は当時いわゆる全学連系の幹部であり、したがって、当時の学生集団のあれとしては国会周辺に蝟集をして行動をする。こういう形態でありまして、したがって、公安条例等の届け出等に代表者として警視庁当局にあらわれるというようなことはあったかもしれませんが、いまおっしゃったようなことは全くございません。  それから第二点でございますが、背叛社の問題につきましては、当時の警備局長が国会でお答えをいたしておるようでありますが、その意味は、これは資金をやって活動さしたというのではないと私は理解しております。彼がいわばその背叛社の行動についてのいろいろなことを提供してくれたと、その場合にいろいろな実費もありましょうし、あるいはその間にいろいろな人間的な関係がもしできますれば、病気にでもなれば病気見舞いをするというようなことは、それはあり、またそういうことを当時の警備局長は答弁をしたと思います。したがいまして、警察が極左暴力集団を泳がしておるというような意味のおことばでございますけれども、私どもとしては、こういうものに対しては先ほど来御説明申し上げておりますように、断固たる決意で取り締まり、国民に対する不安というものを除かなければならない。しかも、それが先日のような事件が起こりまして不安を一そうかき立てたということはまことに残念でございますが、しかも私どもとしてはここ数年来——四十二年の十月以来、極左暴力集団の動きというようなものにつきましては、これはすでに三万数千名のものを逮捕し、またそのために負傷した警察官というものも一万八千人をこえておるわけであります。またそういう取り締りの中で殉職した警察官が六名もいるということは、その事実をもってひとつお考えをいただきますならば、警察がそういうことは全くあり得ないということを御理解いただけようかと存ずる次第であります。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 警察もだんだんこういう時代ですから変わってはきていると思うのですよ。しかし、先ほどもあなたがおっしゃられたように一九六〇年代は公然といろんな安保反対闘争もやっていたわけです。しかし、彼らの方向、政治の方向が、彼らの思想、こういうものがわれわれとは違い、また一般大衆とも違ってきてだんだん窮地に追い詰められてきたわけですよ。したがって、そういう公然とやれる合法的なデモンストレーションとかこういうものとはだんだんと離れて、そしてテロに移ってきているわけです、全体の流れとしまして。これが過激派集団といわれる今日の事態になってきているわけです。ですから私たちは、これらの過激派集団に対しては徹底的にこの思想とも戦い、また政治的に戦っているわけです。  現にお手元のほうへ行ったかもしれませんが、この十二月の六日ですか、これは大学の寮で起こったことらしいのですけれども、広島大学の女子学生、これは文学部の四年生です。これなんか卒業論文を作成中に思想的な違いからトロツキストの集団につかまって、そして外へ、ほかの寮の中へ持っていかれて、そして暴行を受けているわけですね。頭をなぐる、ける、髪の毛を引っ張る、足をかかえてさかさまに落とす、気を失いそうになると水をかけ、たばこの火で頭を焼く、はさみの先でほおを刺す。こんな調子で全くの暴力を行なっている。これは個人的なテロなんです。これは大学の中だから大学の自治にまかすというものじゃないと私は思うのです。それから、行ったところの病院が、これまた若干トロツキスト系のお医者さんのおるところです。だから十分な手当てもしてもらえない。おかしなところへ聴診器を当てて診断されるというようなことで、とうとうこの女はほかの病院へ移りまして、そして口述して、その大学の自治委員会あてにこの状況を話しているわけですね。二十四時間拷問を受けている。だから大学の中であろうと何であろうと、一たびこういう暴力が発生する、暴行が行なわれるとなれば、これはやはり大学と話し合って、警察はこれに対する十分な取り締まりもし、また被害者に対する保護をしなくちゃならぬと私は思うのです。だからこういうことがしばしば起こっておる。さらに警察自体も、よほどおひまなのかもしれませんけれども、ときおり、共産党のいなかのほうの連中に金を渡して資料をよこせとか、こういう買収をやるわけですね。あるいは労働組合の幹部なんかにもやっております。きょう私材料を持ってきておりませんけれども、そういう問題はちょこちょこ共産党の中にも起こるわけですね。ですから警察が、今日こういうふうにたくさんないわば過激な集団が、これは大きな大都市が中心でしょうけれども、しかしこういうところはまだなかなか十分な予防措置ができていない。  先ほどお話がありましたけれども、たとえば爆弾の製造ですね、原材料があちらこちらで容易に入手されている。しかし、その入手されていることがわかるならばそれに対して、大体こういう学生集団のおるところはわかっておるわけですから、そう全国に散らばっているわけじゃないでしょう。大学の中のある一定の部分がそういう集団によって構成されている、多少色の違ったのもありますけれども。そういう点からするならば、別にそうたいしたことではないと私は思う。ですから全力を注いで、こういう集団に対する、彼らのテロに対してあなた方の取り締まりをやるならば私はもっと効果がある措置がとれるだろうと思うのです。先ほどもお話がありました十八日が復讐だという、警察につかまってひどいことをされたというようなことがこれは復讐だということになれば、ねらうところは警察に違いないですね。前もってビラで書き、あるいは機関紙で書いたということも新聞には報じられておりました。ですから、そういう点で十八日が警戒されるならば、あるいは予防措置を講ずるならば、全部とは言いませんけれども、ある程度防ぐことができたんじゃないかと思うのです。  こういう点で、今日、共産党は、御承知のとおり国会に出て、国会の議席を多数取って民主勢力と一緒になって政権をつくろう、これは間違いないわけです。ところが、今日でもなお共産党に対していろいろな破防法の適用団体とかなんとかいって、そしてあちらこちらの警察あるいは公安等々がそういう買収をやって腐敗している。本人自身も腐敗しているんですね、警察も。ですからそういう点で、私はもっといわゆる暴力集団、過激派集団というトロツキストに対して徹底的に皆さんがほんとに、単に法律をつくるばかりが能じゃない、法律をつくらないでもかなり彼らはこういう暴力やいろいろな社会的な犯罪を犯しているのですから、これを取り締まってやろうと思えばできるわけなんです。そういう点で私は一そうこの際警察のあり方というものをもう少し下のほうをよく見て、そしてこの過激派集団に対するあなた方の追跡あるいは彼らに対する一般の市民、一般の国民の予防、こういう点からも全力を注いでいただきたいと思うのです。  最近、奈良県あたりでは旅費を流用して部長が各捜査員ですか、そういうものに金を渡したというような事件もあります。ですから、いなかのほうで、奈良県あたりではのん気かもしれませんけれども、そういうふうに警察の中も現在、この前も警察の問題で当委員会でも問題になりましたが、かなりたるんだところもあるわけなんです。お気の毒なところもあるけれども、またたるんだ警察もある。こういうものを皆さんが認識して、そして全力を注いで今日のこのような過激派集団の横行に対して、それをどんどんと皆さんがこれに対する検挙につとめる、そしてできる限りこれを未然に防ぐ。私たちは私たちとして、彼らの間違った考え方、彼らの行動、こういうものは政党としても今日絶えずこれに対する攻撃をかけております。ですからそういう点で、あなた方のほうは少なくとも警察の範囲において、これらの暴力的な犯罪に対する徹底的な追跡、暴力事件に対しては、ささいなことであっても、大学であろうと町であろうと、そういうものに対してあなた方はそれに対する職責を果たしていただきたい、こう思うのです。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) 暴力がいかなる場所で発生いたしましょうとも、私どもの職責としてこの暴力を排除するということは念頭を去らないところでございます。また、過激派暴力集団につきましていろいろお話もございましたが、未然防止を含めましてわれわれとしては全力をあげてやっておるところでございまして、さらに十八万人の警察官の目をもって彼らの凶悪な行動を封殺するとともに、やはり先ほど来お話もありましたように、一億人の日本国民の御協力を得ましてこうしたことの傾向を断ち切りたい、かように考えておるところでございます。  しかしながら、先ほど中沢先生からも御指摘がございましたけれども、警察の一部の者が非行を犯したというようなことにつきましては、えりを正すべきところは十分にえりを正し、規律を引き締めるべきところは引き締めまして、その上でわれわれとしての職責を十分に果たしていきたいと思いますが、私ども卑劣なスパイのような行為はとっておりません。  また、学内におけるいろいろな暴力ざた等につきましては、これはさっそくにでも捜査をするところでございますし、なお、その際には、十分な情況等捜査に御協力をお願いをいたしたいと思っております。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 絶対にそういうことは、スパイ活動に金を出していろんな情報を取るということは絶対にやっていないとおっしゃるのですか。私はいま材料をここに持っておりませんからあとにこれは保留しておきたいと思うのですが、その点はどうですか、ないとおっしゃるのですか。その点をちょっと聞かしていただきたい。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) スパイ活動に対して金を出しているというようなことはございません。

河田賢治日本共産党

○河田賢治君 情報活動は。

富田朝彦警察庁警備局長

○政府委員(富田朝彦君) これは一般的に警察のそういう職責に対して協力されるという方がないとは言えません。しかしそれは私どもはスパイとは考えておりません。まあそういう方に対して実費的なものを弁償するというようなことは当然あると考えております。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する本日の調査はこの程度にとどめます。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 消防行政に関する件を議題とし、昭和四十六年版消防白書の概要説明を聴取いたします。降失消防庁長官。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) お手元に「昭和四十六年版消防白書の概要」というのを御配付申し上げておりますので、それに従いまして御説明申し上げます。  まず、昭和四十五年中の火災の実態でありますが、出火件数は六万三千九百五件でありまして、前年より一二・五%増加しております。四十三年対四十四年は五・九%でございますので、出火件数はかなり増加したことでございます。そのうち特に林野火災とその他の火災の増加が目立っておりまして、たとえば林野火災は対前年比三一・五%ということになっております。それから火災の原因の約八割は失火でありまして、発火源ではやはりことしもたばこが一番多いのでございます。それから火災による死者は千五百九十五人、前年は千三百三十四人でありまして、一九・六%の増加になっております。損害額は八百三十四億円、前年が七百二億円でありまして、戦後いずれも最悪の状態でございます。なお死者の半数はいわゆる煙死でありまして、焼死体になった場合を見ますと、焼け死ぬ前に煙窒息死でなくなっておられるのでありまして、その数が七百八十五人であります。  それから次は消防力の増強の問題であります。市町村の消防力は広域消防の形をとりまして、ここに「組合消防」と書いてありますが、広域市町村圏と一体となりまして逐次常備化を進めてまいりましたが、まだ十分ではございません。これはさらに広域化、常備化というものをあわせて施設、人員の増強を今後はかっていかなきゃならぬと思っております。それから消防団員の問題でありますが、これは四十五年現在で百二十一万人でありまして、前年百二十三万人、約二万人減少しております。これに対し、ましていろいろ処遇の改善等をはかり、また施設の充実、教育訓練の充実、こういうものにつとめまして、消防団による消防力の増強を今後とも進めていく必要があると考えております。それから企業の防災でありますが、これは私たちは、企業は第一次的な責任者として、特に石油コンビナートその他の大きな施設を持つ企業に対しましては自衛消防力の充実を社会的責任として要請しておりまして、四十五年で申し上げますと事業所の数が三万三千三百、前年に比べまして約一万二千、消防力を持つ企業がふえておりまして、隊員で約九十万人になっております。それからその次は大震火災、林野火災等の大規模災害が予想されますし、特にまあ本年の四月には呉の火災もございまして、今後空からの消防というものをさらに推進する必要があると考えております。  次は、三番目は予防行政の充実でありますが、現在、火災危険、人命危険が非常に増大しておりまして、今後予防行政としては、単体的個別規制を現在施設ごとにやっておりますが、これをある地域的な規制ということをどうしても考えていかなければならぬじゃなかろうかということで、将来検討いたしたいと思っております。それからその次は石油パイプラインの安全対策であります。これは計画の段階になりまして、私たちもこの十一月に消防審議会の答申をいただきまして、この点の保安対策上必要な施策をさらに進めなければならぬ緊急の課題でございます。それから毒物、劇物等の陸上輸送の安全確保という問題がございまして、石油類等の危険物のほかに塩素ガスとかそういうものがやはりタンクローリーで陸上輸送されております。こういうものに対する防災安全対策というものを消防の側からさらに進めなければならぬ、こう思っております。  それから四番目は災害防止対策でありますが、この災害防止対策として、一番最初に県と市町村の間の防災無線網を整備する必要があると考えております。御案内のとおり国と府県の間の防災無線網は完成いたしました。今後の問題としては、県内の市町村と県庁を結ぶところの無線網を年次計画でぜひ整備する必要があると考えております。それからその次は石油コンビナート地帯の防災対策でございます。これは防災対策要綱に基づきまして、現在全国で五十地帯ございますが、それはそれといたしまして、ここに書いてありますのは、特に都道府県の防災資機材センターの設置をさらに進めていかなければならないということを中心にこの問題を取り上げたいと思っております。それからその次は林野火災対策でありますが、これはことしからこの林野火災特別地域対策事業を取り上げまして、特に火災の多発地帯におきましては消防施設の整備をはかってまいりたいと思っておりますが、さらに広域的な消防体制の確立と航空消防というものをこの面で活用しなければならぬと、こういうふうに考えております。それからその次は地震対策でありますが、これはことしの六月に中央防災会議で「大都市震災対策推進要綱」というものをきめたわけでありまして、その中で特に消防庁の担当する部門といたしまして、出火防止、初期消火対策、避難対策、こういうものでございます。これは防災都市づくりの一環でこの問題を推進していかなければならないと考えておるところでございます。  それから救急体制でございますが、これは昭和四十五年中の救急出動件数は八十七万件で三十六秒に一回の割合で出ておるのであります。前年は四十三秒に一回の割合になっております。それから救急業務の実施体制でございますが、千百二十五市町村において実施しておりまして、人口で見ますと、約八割の人口が救急業務のサービスに浴する地域になったわけであります。さらに今後広域市町村圏の一環として消防の常備化も進めてまいりますが、それとあわせて救急をやらせるということ、それから救急隊員の養成、こういうものをさらに推進していく必要があると思っております。  それから消防の人づくりでありますが、これは教育訓練の問題でございます。この点につきましては、特に二段目に書いてあります初任教育というものを各県の消防学校で担当しております。あるいは五大市におきましては五大市の消防学校で担当しておりますが、これを将来必ずそういう方向で教育を受けるということを義務づける方向で考えていかなきゃならぬと思っております。現在消防組織法では、隊員にそういう機会を与えるようにつとめなければならないというふうになっておりますが、その結果、まだ二五%程度の方はこの初任教育も受けていないような状況でございます。反面、六カ月あるいは五カ月という長期の初任教育を受けておるところもあるわけでございます。そういうふうなところはやはり整備をして、将来必ずそういう機会を与えられ、必ず教育を受けるという方向でこの問題を検討していかなきゃならぬと、こう思っております。それから消防職員、消防団員の処遇改善につきまして、特に公務災害補償というものを中心に、やはり一般の公務員と比較いたしまして、同じよりももう少し手厚い公務災害補償というものを考えられぬかということで、その改善方に取り組んでおるところでございます。  それから第七番目は消防研究開発の推進でありますが、これは消防研究所を中心にいまの大震の問題とかそういう煙の問題とか、こういうものについて研究を進めておるところでございますし、また航空消防につきましては機材の開発と、ヘリコプターに使う機材、薬剤、こういうものを研究しておるところでございますが、そういうものをさらに進めていく必要は当然ありますけれども、ここに書いてありますのは、コンピューターによりまして消防情報解析をいたしまして将来の消防計画あるいは防火計画、こういうものにそれを利用することを考える必要があるということを痛感しておるところでございます。  それから八番目に消防財政でありますが、これは四十六年度から入湯税を一部目的財源として付与したところでございますけれども、まだまだこの消防財政といたしましては足らないのでありまして、一つは交付税の消防費の基準財政需要額を引き上げるということ、昨年も約二割程度引き上げたところでございますが、引き上げるとともに国庫補助金あるいは地方債のワクの拡大ということについてさらに一そう努力する必要があると存じております。  それから最後は沖繩の消防体制でありますが、これはまだ本土と格差がございます。そういうことで、この復帰と同時に、沖繩の消防につきまして早急に本土との格差を是正する意味で厚い財政援助をやり計画的に水準を引き上げてまいりたいということと、もう一つは、この消防業務担当者の教育を推進する必要がありまして、本年から沖繩に消防学校を設置するということで、ようやく最近その場所もきまりまして、政府、われわれとしては今年と来年にかけまして補助金を約三千六百万円程度出しまして、来年中には消防学校を完成して沖繩で消防職員の教育訓練ができるようにいたしたい、こういうことで今後この問題に対処していきたいと思っております。概要、以上のとおりでございます。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) ただいまの説明に対し御質疑のある方は順次御発言願います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 きょう消防白書の問題で質問すると、前から私個人としては決意をしておったわけですが、はからずもけさ六時に消防自動車のサイレンに起こされまして、起きてみて、玄関に入っている毎日、朝日を見ますと、これはまたたいへんな記事が並んでおるわけであります。毎日のは「師走の街を火魔突っ走る」ということで、火災件数、しかもそれは石油、ドラムかんの問題、あるいは幼い子供たちが二人とも死んでしまっていた。さまざまなニュースがあがっております。なおかつ朝日のニュースの中で、私、先ほどの警察問題とからめて非常に心を痛める問題が火災記事の中に出てきております。それは「ロウソク放火横行、時限装置、府中などで二十二件」、これは長官、知っているでしょうね、この内容は。こういうことなんですよ。ろうそくが燃え尽きると灯油をしみ込ませたぼろ布に点火する簡単な時限装置であります。そういう事件が二十日の未明に府中の民家で起こっております。しかもそれは一件だけでなしに幾つも起こっている、こういうことであります。こうしたことは白書の中にまだとらえきれていないのではないかと思います。  私は、白書を一貫して読んでみて、なおかついまの長官の説明を聞きまして非常に不安に思うことは、消防行政はかくのごとくやっているから国民の皆さんまくらを高くして眠ってくださいとは書いてない。本来、白書というものは、行政の成果にかんがみて、だいじょうぶです、御心配なくお休みくださいと書かなければならぬところを「必要がある」、「緊急な課題である」と、これだけで幾つあるか、読んでみましたか。それで、これは一体ぜにこの問題なのか、それとも消防行政を担当する人たちの情熱の問題なのかあるいはまた客観情勢か。ついにガソリンの爆発から、爆弾の爆発から、原始的な徳川時代を思わせるようなろうそくの時限爆弾まで出てくるというような社会の大きな変化というふうに受け取っておいでになるのか。つまり消防行政をあずかっている長官として大づかみにその辺のところをどうお考えになっているか、まず総論的な立場でお聞きしたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) なるほど最初の白書の中に消防としてあらゆる災害にこのように対処しておるということは決して浮き彫りになっておりません。御指摘のとおりでございます。ただ私たちは、その点は私は私なりに反省をしているところでございまして、そうかといって、いまの社会的な変化の激しい時代に、消防がいまやっておるような一切の活動で絶対だいじょうぶでございますということはとても言い切れないのでございます。で、それはいまの火災の原因あるいは危険物の増加、いろいろな社会、都市構造の変化というものに即応して直ちに対応し得ない悩みがございます。これは率直に言えるところでございます。それで反面またわれわれとしても、市町村の消防力を増強するにつきましてなお努力の足らざるところは率直に反省しなければなりませんけれども、反面、市町村自治体消防として取り組む姿勢についても私はまだ欠けるところがあるというふうに考えております。たとえば昨年の水戸の中央ビルの火災におきましても、あそこには対応し得るだけの消防自動車あるいははしご車というものも考えておったわけでございまして、その点はわれわれとしても、市町村消防とともにその姿勢において現在の社会に対応するところにまだ欠けるところがあるというふうに思っておりまして、この一年間そういうことで非常に努力をしてまいりました。その結果、かなりはしご車その他につきましても、化学車につきましても、例年にないほど積極的な市町村当局の姿勢がうかがわれ、この一年間でもかなり充実しておるところでございます。そういうことでわれわれ消防を担当するものとしては、火災をはじめとして現地に起こる水害あるいは有毒ガスの発生、あるいは最近の酸欠病、こういうものにつきまして、かりに法律上どうなっておろうと、住民の一番身近な防災機関としての消防はそれに出動をし、しかも第一次的な防災機関として活動しなければならない、この体制はかなり整ってまいりました。そういうことで、いまの新しい社会構造の中で起こる災害に、第一線の機関として住民の生命と財産を守る、そういう自覚のもとに一そう努力していかなければならぬ、こういう考え方をいたしております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 私は必要であるという主張を否定するものでもない。また、大いに必要であるという意味では消防庁に協力したいと思うくらいであります。なぜかなれば、白書の中に示しているとおり、四十四年から見て四十五年はすでに一二・五%出火件数がふえている。とりわけ林野火災が非常に増加しているなどと統計的には明確に出ているところでありますし、また長官もお気つきだろうと思いますが、かりに、私たちは参議院会館におるわけですが、会館の裏通りを歩かれたことがあると思うのです。あれはもう精一ぱい消防車が通り得るところだろうと思います。精一ぱい——限界だと思うのです。ところが、あれ以上のところが東京都内にたくさんあると思います。そうしますと消防行政の立場に立って長官が大きく発言をされた場合に、都知事なり道路行政に対してものを言わなければならぬ。そのことをいまここであなたをどうこう言うわけじゃありませんが、消防庁として、こうした問題等について、東京はもちろん大阪その他過密都市等について点検をしてみられて、これでは困るということをいろいろな資料で御判断なさっていることが非常に多いと思いますが、きわめて概見的ですけれども、そういうつかみ方についてどうお考えですか、点検なさったことがありますか。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) ただいまの問題は、都市における災害消防活動の問題でありまして、私が就任した当時に例の新しい都市計画法が施行になりまして、あの審議会で具体の地域における都市計画が行なわれるような状況になりました。当時、あの審議会のメンバーには消防出身つまり消防機関の方々は入らなかったわけでございます。私は、それは非常におかしい、むしろ都市は防災的な都市でなければ意味がないということで建設省にも働きかけ、自治体にも私の名前で、通達というと語弊がありますが、知事に通知を出して、消防機関の方々も審議会の委員ないしは当然幹事に入って、そうしていま先生の御指摘のような点についてもぜひ検討をし、都市計画の中にそれを盛り込むべきであるということでそれは実現いたしました。おっしゃるとおり、救急活動にしても消防活動にいたしましても道路が非常に狭くてなかなか入れない。特に木造密集地域の古い住宅地区におきましては最近の大型のポンプ車は非常に入りにくいところでございます。そういうところは、最近開発されました新しい手で運び得るポンプ車というもの、同時に水槽を用意するというようなことで、さしあたっての対応策、あるいはホースを伸ばすのにも新しい機械の開発をして、速くホースをつないで伸ばせるというようなことで対処しておりますが、しょせんはやはり都市計画の中でそういうものを解決していく以外には手がない。しかし現在ほうっておけませんので、対応策としてはいま申し上げたようなことで、新しい消防機材と戦術を活用して対処するということでやっておるところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 四十四年から見れば四十五年は非常に火災がふえたと。去年から見ればことしはどうか。それは中間的な発表はできますか、用意がありますか。なくても追及いたしませんけれども、どうですか。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 四十六年の九月まで集計したのがございまして、九月までの火災件数は今年は四万九千二百七十四件であります。それに対して昨年の一月から九月までの火災件数は四万九千七百五十二件で、一%減っているというかっこうになっております。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 そこで、この白書を中心として考えた場合に、ことしは若干減少している、非常に好ましいことですが、四十五年度の白書を中心として考えたならば、火災がなぜ激増したかということは、この白書にも載っていると思いますが、ここでもう一度認識をお互いに改めたいという観点から、まず出火原因の問題ですね。ここではたばこが八〇%というふうにも書いてあるわけですが、これはやはり消防行政を担当する側から見て、結果的には防火思想なり予防行政にも関係してくるわけですから、出火原因を追及する中で国民に望みたいことは何か。まあここにたばこのんでいる人がおりますがね、これは共産党ですが、(笑声)これはだからたばこをのむなと言うわけにいきませんし、私はたばこを一つものまぬからでかい顔をしているのですけれども。(笑声)ところが、先ほどの出火原因を見ていると八割がたばこだというのですね。また、そういったようないろいろな原因のところから考えて、行政上国民に期待するところは何かございますか。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 出火原因の中でたばこが一番多いのでありまして、これをどうするかと。私は、来年の予算要求をしているのでありますが、たばこといいましても、実は都市の方にそういうつまり投げたばこという行為が非常に多いわけでありまして、たとえば、私は山形の生まれでありますが、いなかの——いなかと言うと語弊があるのですが——村長さんが来て言われるのには、レジャーブームで山菜取りに来てくれる。それが山に入ってたばこを捨てるので最近非常に山火事が多いということを盛んに言われております。事実、何もそこだけでない。都会の方がつまり道路で非常にたばこを捨てておるわけです。で私は、都市の美化というものとたばこの投げ捨てを禁止するということを組み合わせてこの運動を実際の場においてやれぬかという考え方を持っておりまして、幸い消防団の方々は日常普通の仕事をやっていただいておりますので、商店街あるいは自治会、そういうところでひとつそういう美化と投げ捨てたばこというものをやめるということを一緒にした運動を展開できないだろうかということでお話ししておりまして、これは何とかそういう方向で実現してみたいと思っております。パンフレットをずいぶん配ります、それからポスターも、たばこの温度は七百度というようなポスターもずいぶん張りましたけれども、結局、結果的には、御指摘のように毎年出火原因の一番多いのはたばこ、すなわち投げ捨てのたばこであります。こういうことは一種にはモラルの問題でもありますけれども、そういう都市をきれいにする、都市の人を相手にしてやはりやるのが一番賢明ではないか。  それからもう一つは、これも最近の公害問題につきまして、低学年あるいは中学校を対象にした公害読本というようなものもそれぞれの教育委員会で採用されているようでありまして、私たちは、この面からも、同じように、低学年の方々から防火教育というか防火思想を小さいときから持ち込むような教育というものを何かやってもらえぬかということで文部省にもいろいろ働きかけておりますが、結局私たちは、低学年のものをひとつ参考につくってみようじゃないか、それで教育委員会やら、あるいは文部省でこういうことでひとつやってもいいということであれば、ぜひ公害教育と同じような意味で防火教育というものを採用してもらえぬか。こういうことで何かそういうものをつくる努力をしているところでありまして、何といたしましても、モラルとはいいながら、具体的な行為として、あるいは、からだの中で覚え込むようなことをやはりやらなければいかぬと、こう思っているところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 原因はたばこに限られたようですけれども、あながちたばこだけではないと思いますが、まあ時間がありませんから次の問題に移りますけれども、白書の中で、近年都市の過密化あるいは建物の大規模化、多様化、危険物の存在その他の問題等をあげられて、火災激増の要因としてなっているわけでありますけれども、都市構造の問題として過密ということばで一切が包まれているかもしれませんけれども、そうでなくて、もっと具体的に、都市構造の面で先ほど道路に触れましたけれども、その他の問題として都市構造上火災発生の危険ありというふうに判断をされているのはどういうことでしょう。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 火災件数の中で一番多いのが建物の火災でございまして、これは都市構造からいえば、つまり工場とそれから住宅が混在をしておるということが一つございます。それからその次は、やはりまだ木造密集住宅地域がかなりございまして、これは各都市におきまして、そういうところは事前に全部火災危険区域ということにいたしまして消防消火戦術上特別な指導計画というものをつくっておるのでありますが、こういう木造密集住宅、しかもかなり古いものが残っておりまして、こういうものがどうしても考えられるわけでございます。それからやはりわれわれの、この都市構造からいいますと、いまのような危険物、特に石油類、灯油類というものがかなり一般に普及してまいりまして、これが都市を中心に普及しておりまして、LPガスの問題もそうでありまして、そういうことが構造上考えられると思うのでございます。その他いろいろなことがあると思いますけれども、さしあたって建物火災というものを中心に考えますと、いまのようなことが都市計画としてぜひ考えていかなければならぬ、こう思っておるところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 先ほど防火思想の問題で、学校教育との連携を保ちながら小さいときから徹底的にやりたい、これは非常に多とするところです。しかしまあ社会人といえどもその意味では油断がなりませんし、この点も十分ポスター、宣伝、いろいろございましておやりになっていると思いますが、一段と努力されてもされても火災が激増しているという今日の状況でございますから、なお一そう御努力を期待するわけです。  次に、防火装備なりあるいは機構なり訓練等について今後改革をしたいと思われること、それは先ほどの概況報告の中に人づくりの問題なり装備の問題なり研究体制の問題なりいろいろ出てまいりましたから、一々について伺うことを省略いたしまして、私、より具体的な問題として三点これから質問をしたい。  第一点は、新潟港の油の問題というのが公害対策特別委員会で非常に大きく取り上げられて、私たちも論及をし究明をしたところでありますが、新潟港の油の問題と防火体制の問題ですね、一体どういう防火体制をおとりになったのか。中和剤をまくということが一つそれに該当すると思いますが、そのところをひとつお伺いしたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 消防サイドからあの問題にどういう活動をしたかということを申し上げたいと思います。  一つは、乗り組み員の救助の問題であります。これは結局ヘリコプターで救出いたしましたが、このために照明が必要であります、夜間やりましたもんですから。消防としては例の夜間の火災活動に使います、あるいは救助活動に使います照明車というものを出動させまして、これをヘリコプターの活動に側面からまず援助をいたしまして、それから第二番目には、油が流出いたしましてガソリンの揮発性のものが発生いたしたわけでございます。そこでガス検知器によりまして揮発性ガソリンの空気中における濃度を測定いたしまして、それで火災が起こり得る、あるいは起こりそうな状況になりますと直ちに警報を発するわけでございますが、しかしながら、それはもう発してからではおそいんで、消防法の二十二条の二の規定によって、火災警戒区域というものを一・五キロメートル、約百六十世帯を対象に設定いたしました。で、ガス検知器によるガスの測定の濃度はともかくとして、さしあたって、そういう火災警戒区域の設定を通じて、その区域における火気使用制限というものを徹底いたしますと同時に、広報車で絶えず火気使用制限を呼びかけておったわけでございますし、また外から来る人についても、各所に五十枚の立て看板を張りまして、火災警戒区域、火気使用制限というものを徹底いたしたわけでございます。  その次はいろんな対策、遭難対策本部を新潟市自身も設定をいたしますとともに、また新潟地区の大型タンカー事故対策連絡協議会のメンバーにも加わりまして、消防としては、一つはこの消防艇を、あそこは一そう持っておりまして、それによる乳化剤の散布をいたしておるのでございます。そしてずっと油の流出している間、昼夜を問わず消防団及び消防職員によります火災の警戒を続けておったわけでございます。それで十二月八日になりまして、油の揮発の危険もなくなり、こういうことからいたしまして、あとは消防艇による乳化油処理剤の散布、こういうことをやってまいりまして、十二月七日以降やはり警戒体制をしいて今日に至っておるところでございます。  以上が大体現地の消防としてこの問題に関与した大要でございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 長官のいまの答弁だけで、ちょっと私いろいろ心配が起こるわけですが、油の帯状の状態がずっと移動しているわけですね、北のほうへ。いまのお話だと一・五キロということなんですが、その移動について、そこを流れる移動に応じて何かこう消防体制が、あるいは山形、秋田と、こういうことになっているのか。とりあえず、そこだけでだいじょうぶなんだといまおっしゃったのは、おそらく新潟だけだと思いますがね。その辺のところはどういう指示、指導をしていらっしゃいますか。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) この事件が起こりまして、直ちに私たちは山形、秋田を中心に一つの通達を流しまして、もちろん無線電話で事前連絡してあるわけでありますが、それに基づいて、たとえば山形県におきましては、あすこの沿岸の市町村と県が一緒になって同じような警戒体制というものを直ちにとっておりますし、現在もそういう体制にあると思います。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 十二月の十八日の日本経済新聞の文化欄に、お読みになったと思いますね、実は、第三管区海上保安本部田中房男という本部長が、東京湾の現実を明らかにし、それに対する考え方を大胆に問題提起をしております。私もこういう立場の人が勇気を持ってこの種の見解を述べられたことに非常に敬意を表しているわけです。この中で、万一事故があればということで、現在のこれは消防庁だけの問題ではございませんが、この種の事故に対しての見解を実は明らかにしております。いま流された、六千トンの原油が流出した、その場合は、かりに厚さが五ミリであるとするならば一千四百メートル四方の海をべったり埋め尽くすだけの量であるという一つの判断とあわせて、オイルフェンスに大きな期待をかけられたようでありますが、これは日本海、なかんずく北の海にはほとんど効力がない、だから中和剤を散布した。いま長官が言ったとおりです。ところがこれは公害の側面からいえば第二次公害の問題が起こりますので、その点は別の委員会で非常に私たち議論をしたところでありますが、ただ田中さんが引き続いて提起をしていることは、「海上に油が広がった場合、むしろ風があった方が、燃えやすい揮発性のガスが吹きとばされて安全だ。しかし風しもに火の気があれば危険が倍加する。」、こういう警告を発しているわけです。でありますから、いま消防庁のとった緊急対策は、まあ言わず語らずこのことにも対応した処置でございまして、非常に緊急かつ適切であったと思うのでありますが、しかし、ただ私たちは、こうした経験をしながら、今後の東京湾あるいは瀬戸内海等の取り囲まれた内海においてこの種の問題が起こった場合の警戒体制について、もちろん公害的側面のみならず消火体制の側からも十分想定をしながら、装備、機動力、そうしたものの配備を十分にする必要があると。これはもう私から言うまでもなく、長官は専門ですから考えておられると思いますが、その辺のところを心がまえなり対策の概要をちょっとお聞かせください。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 港に大型タンカーが、流出いたしまして、全国でも私たちはこれをコンビナート対策という側面からとらえておりまして、いま御指摘のありましたような火災というものをまず想定いたしまして、これに対応する消防艇あるいはあわ消火剤、オイルフェンスと、こういうものを装備することをまず進めております。と同時に、個々の市町村ではこういうものを常時たくわえるということも非常に高額なものでありますから、したがって、そういうコンビナート地帯を持つ府県に防災資機材センターというものを設置をさせまして、府県がそういう資材を備蓄するという施策を本年から始めまして、ことしは茨城県と山口県の両県においてこの施策を実行することになっております。で、来年からもやはりこの施策を進めていかなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。で、消防艇につきましても、かなりの大きい港湾におきましては市町村ごとに持ちまして、新潟においても本年六月だったと思いますが、五十トンのやつを整備いたしたわけでございますが、こういうことにつきましても補助を強化いたしまして整備を進めなきゃいかぬ、こういうのが一つでございます。  それから第二は、いま御指摘がありました、今度の事件のように火災にならない場合の処置であります。これにつきましては、消防としては、一つは新潟でやりましたような警戒体制でございます。それからもう一つは避難体制というものをもう一回点検をするということがまず第一でございます。もちろんそういうことを通じて、さらに今回新潟の消防がやりましたような実際的な活動を、たとえば油処理剤を散布するとかこういうような、あるいはガス検知器をもって測定をしていくとか、こういうことはもちろん今後も継続していかなきゃいけませんけれども、やはり金目のものを早急に整備をするということになれば、いま申し上げたような、府県にかなり力を出してもらって、市町村の消防行政を補完する姿勢を貫いていかなきゃならぬと、こう思っておるところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 その次に、都市構造の問題の中で特に抽出して、建築物が高層化しているという事実があります。これは私非常に不勉強だと思っておるわけですが、だが一般市民の一人として、一体どうなっているのだ、たいへんじゃないかという心配ごとがございますので、若干まあ政府委員室、調査室等にもお聞きをしてある程度の常識を備えましたけれども、しかし、やはり多くの人は知らないと私は思いますから、ここは国民に対する答える場だと思いますから……。  たとえば霞が関ビルがある、あるいは貿易センターがある、新宿に何とかがある。まあ三十数階、四十階というのがどんどんできてくるわけですね。私、まあ大体一月の六日には私の住まいしている富山市の消防から出ぞめ式の招待を受けるわけですが、私のおやじが消防団長をしていたころに比較して、比べものにならない、機械、装備が近代化しているのを実はまのあたりに見ております。そこで高層建築の場合には、くるくると伸びていくあのはしごだろうと思いますが、高層建築、霞が関ビルあたりでは手も足も届かないという現状じゃないかと思うのですね。だから、それは一体法的にはどういう規制になっておって、現状はだいじょうぶかどうかということですね。その辺のところをひとつ点検した結果なり法的な条件等を明らかにしていただきたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) ただいまお話ありましたように、現在標準的なはしご車は三十一メートルが限度でございます。したがいまして、それ以上のものにつきましてははしご車はもう役に立たないわけでございます。そこで、私たちは建設省と協議をいたしまして、建築基準法と消防法の両方からその建物自体が火災に対して強い、もちろん地震の問題もありますが、要するに火災に対して強いものにするということを進めてまいりました。そこで、現在この三十一メートル以上のいわゆる超高層ビルに対しましては、建築基準法と消防法の両方から規制をいたしておりまして、その内容を申し上げますと、一つはこの非常電源を備えた屋内消火せん設備を持っておりまして、要するに、電源が切れた場合でも、屋内消火せんの設備を備えておる自家発電によって自動的に動くという設備を強制設置しております。それから、もちろん御案内のとおり防火区画を全部設定させておりまして、そのほかにスプリンクラー設備、それから自動火災報知設備というものを強制設置しております。避難誘導のために誘導灯をつけておりまして、それも非常電源つきの誘導灯でございます。電気が切れてもそれ自体が発電して誘導の標識を明示するものでございます。それから放送設備があります。それから誘導標識あるいは非常コンセントというものを義務づけております。それからそのほか御案内のとおりスプリンクラー設備あるいは自動火災警報器——漏電警報器でございます。こういうものも備えておりますし、それから消防隊が入れる非常用のエレベーターあるいは非常用の出入口、こういうものも強制的に設置させておるところでございます。  しかし、ああいう建物につきましては、あるいは先生御案内と存じますが、あの霞が関ビルにおいても地下にこういう設備を全部集中管理する部屋がございまして、そうしてボタン一つであらゆる機能が全部動くというコンピューターシステムによる防災システムというものをとっております。したがって、たとえばあそこに行ってみますと、非常に感度の高い煙感知器がついておりまして、部屋でたばこをある一定数の人間が吸うと、たばこの煙で自動感知器が作動して、どこの部屋がいま火事であるかということは地下のコンピューター室におりますとすぐわかるわけでございます。そうしますとすぐ無線電話で警備員のところにいって、そこに見に行くということになっておりますし、それと同時に、煙感知器が動けば防火とびらも自動的に動くということで、高度に防災システムを採用したようなかっこうでああいう高層建築物におきます防災関係を処理するということをとってまいりました。現在、御案内のとおり業界におきましても大きい建物、あるいは地下街その他につきましても機材の開発研究が進んでまいりまして、かなりいわばワンタッチでいろんなものを動かすというような防災システムを完成してまいりまして、私たちも法律的にもそういうことを要求しております。また、ことしの六月の消防法の改正におきましては、その点をさらに法律で明確にいたしまして、中央コントロールシステム、あるいは中央コントロールルームといいますか中央管理室というものを必ず設置して、そういう一点で防災システムをコントロールするということを義務づけてまいったところでございます。そういうことで、消防の手の届かないところはまず機械で処理する、しかも一カ所の区画だけで防止してしまって他に類焼しないというようなことを法律的にも採用しているところでございます。

杉原一雄日本社会党

○杉原一雄君 お互いにお疲れだと思いますが、私もう一問だけで質問を終わります。  それは先ほどの概要報告の中で、特に林野火災が云々というふうに林野火災が大きく浮き彫りになっておるわけでして、それに対応して四項の下の段で「林野火災対策としては、林野火災特別地域対策の推進を図り、広域的な消防体制の確立、航空消防の推進を図る必要がある。」、こう出ておるわけであります。「必要がある。」というわけですから未来形につながるわけですけれども、現状ただいまの問題も明らかにしてもらいたいのですけれども、ここに同じ参議院の災害対策特別委員会の去る五月十四日の委員会において呉市の山林火災、これをめぐって自民党の上田稔さんが報告を行なっております。この報告の中で意見が述べられております。要望意見が出てきております。  第一点としては、「林野火災に対処する戦術は、」——戦術ということばを上田さんが使っておるのですが、「林野火災用としての消防機器開発の立ちおくれと相まって、近代的戦術が確立されていない。この際、消防機器を積極的に研究開発し、装備の近代化と消火戦術の確立をはかられたい。」というのが第一点であります。第二点としては、「民有林が里山に多く、レジャーの増大による出火危険と社会構造の変化に伴う保護管理の不十分から、民有林の損害額が国有林のそれをはるかに上回っており、民有林の延焼拡大を防止し、被害の軽減をはかるため、稜線に防火線、防火樹帯の造成、民有林内に区画整理した防火帯を兼ねた林道の増設」云々という問題提起があります。なお加えて、「出火防止のための各種の予防措置をさらに積極的に推進することであります。林野火災は、今回の例にも見られますように、その発生原因には人為的なものが多く、しかも最近のように道路交通網の発達、レシャ一人口の増加による出火の機会が増大する傾向にあるとき、その対策において」云々と述べていると同時に、林野庁に対しては、林野管理の徹底をしてもらいたい。たとえば「遭難現場での異常と思われるほどの火の速さは、燃えやすいものが大量に放置されていたことであります。すなわち、最近の燃料革命で、まきの需要が激減したこともあって、下枝の切り取りや、かん木類の伐採、下草の刈り取りが十分でなく、」という管理上の問題に関する警告も上田報告の中で明らかにされているわけであります。  でありますから、白書においても、四十五年は林野火災が非常に多く発生をしたという事実を認めておるわけですから、この事実に対応してこの報告書でも一大事にしていただいたと思うけれども、あるいは石油パイプラインの保安対策等については消防審議会から十一月一日に答申書が出ているわけですが、この林野火災の問題等についてはこの消防審議会等で論議をされたのかどうか。また、かりにされなくても、消防行政を担当する皆さんの側では十二分の御手配をされていると思うけれども、こまかい問題は別として、主たる努力はいまどこに焦点を向けているのか。ヘリコプターその他消火剤の問題等であろうかもしれませんけれども、その辺のところを要約して、呉市の山林火災の教訓に学んでどのようないま手だてを講じようとしているか。このことを審議会の答申と関連させながら御答弁をいただきたい。  最後に、私の質問を終わるというわけですから、私は、こうした行政の面に国会の場を通じて参加することができまして、ただ先ほどの報告の中でも非常に頭が下がるのは、救急体制の拡大の問題です。これは住民は、そうした努力はどこでだれがしているのか、そういうことも十分理解されないままにこれを利用しているというのが現状であります。私も町内会長をしておるものですから、数年前の元日の日に、急性盲腸炎でないかと思われる人のかけ込みがございまして、私、処置に困りまして、近所に看護婦の方がおりまして、どうしたらいいんだと言ったら、救急自動車の問題を初めて聞かされまして、利用さしていただいたことを私思い浮かべているんですが、そうした皆さんの御努力が、国民全体へのPRの面でいま一段勇気を持ってやっていただくことによって利用が深まると同時に、また感謝、協力の気持ちにお互いになるんじゃないか。警察行政と違って消防行政に関する限りは私たちはすべて文句なしに協力したい。警察行政には、原さんの見解と——杉原、原の違いでありますから大いに違いますけれども、ひとつ御答弁をいただきます。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 林野火災につきましては、昭和四十四年十一月に消防審議会から答申をいただいております。それをまず具体化いたしましたのが、林野火災多発地帯というのが全国で大体百地帯くらい、過去の経験、現在に至るまでの統計をとりますとそれが発見されますので、その百の地帯につきまして本年から特別な対策事業を実施いたしているところでございます。  それは、山林火災消防無線ということと、もう一つは防火水槽、それから工作車、いろんなものを積んだ工作車という車がございます。俗にウニモクとわれわれ言っているのですが、ドイツでできている車であります。これは相当急坂な傾斜地も登はんすることができる車でございまして、これを補助をして整備をすることをまず進めております。それからその次は、やはり機材の面といたしましては、背中にしょっていく消火器がございますが、ジェットシューターと言っておりますが、これもやはりまだ重いものでありまして、大体二十キロくらいあるのでありますが、こういうものをもっと軽量なものにして、もっと力のあるものに改善を加えていかなければいかぬ、こう思っておりまして、消防研究所でそれの研究を進めさしているところでございます。  それからその次は、いまあげました、もちろん、なたとか、あるいはのこぎりとかいう防火線設定のために必要な機材はありますが、やはり空中からもう少しこの問題に対処できないかということがここ二、三年のわれわれの研究課題でございます。実はこの十二日に茨城県の笠間営林署管内の国有林におきまして、自衛隊の中型ヘリコプターの協力を得まして空中から水あるいは薬剤を散布する散布の実験をやりました。これは一つは火災が小さければ直接消火剤をふりかける。火災がある程度拡大すれば幅の広い水あるいは薬剤による防火線の設定にこれを使いたいということでありまして、これはまだ実は実用化にはちょっとかかります。それは一つは散布器の開発であります。もちろん私たちの消防研究所が主体になりまして林野庁の試験場と協力をし、この散布器の開発をもう少し進めなきゃいかぬ。  それからもう一つは薬剤でありますが、薬剤の種類はわかっておりますけれども、薬剤を単に水に溶かしただけではだめでありまして、それにある程度粘着力をつけないといろいろな水が風で飛んでしまいます。この粘着力をどの程度までにつけたら一番有効であるのかということがまだ実は最終的な結論に達しておりません。もう一年くらいすればある程度実用化できると思います。この問題は、実はヘリコプターの使用はそういう機材や何かの開発とともに、それを使うパイロットの訓練が必要なんでありまして、すぐ全然知らぬ人が火災の現場に行ってまけといったって、こんなことは実際問題としてやはり行なえ得ないわけでございますので、パイロットの訓練が実は必要なんであります。大阪市は去年からヘリコプターを持ちまして、これは実際使っております。それから京都、神戸市は本年度中にヘリコプターを使用しますので、この三県で協力して近畿地方の山林火災を中心に防火体制を確立することになっております。これは実際かなり訓練をしているわけでございます。したがいまして私たちは、この種の問題、ごく近い将来の問題として、ぜひこの空からの消火あるいは防火線の設定というものをこの航空機を使ってやるべく非常に努力をしておるところでございます。  それから、まあ余談でありますけれども、来年の予算といたしまして、カナダで開発されているCL215という林野火災用の水陸両用艇がございまして、これを一回チャーターして日本の森林火災に使ってみたらどうかという試みで予算要求をしております。これは大体千五百メートルくらいあれば、瀬戸内海あるいは霞ケ浦であろうと、そういう湖水でも海でも着水することによって水がたまると同時に飛び上がってそれをまける。十秒ないし二十秒で五・五トンの水を腹の中に吸い込んでしまうものがありまして、カナダ、スペイン、フランスで非常に効果をあげているものがございます。こういうものを一回何とか使ってみて、日本の森林火災に対処できるかということで、いまのヘリコプターの利用というものと相まって何とか実用化したいという考え方で対策を進めております。それまでは先ほど申し上げましたような工作車とか無線とか、あるいは防火水槽とかジェットシューターとかいうような特殊な機械を開発して現場の消防の方々に使っていただくように予算措置も努力をしていろところでございます。

藤原房雄公明党

○藤原房雄君 時間もございませんので詳細には後日の機会にやりたいと思いますが、せっかくの機会でありますから一点だけ。  ただいまいただきました消防白書の中に、予防行政として「石油パイプラインの安全確保」というのが載っております。このたびの新潟におけるタンカー事件、それから想定される年間二億トンですか、石油が日本の国に輸入されている。この石油の取り扱いというものがまた私たいへんな問題になろうかと思います。これはタンカーの問題、また石油コンビナートの防災対策、これもさることながら、これから石油パイプラインが具体的に進められるということになるわけであります。そういう意味もあって、ここに「石油パイプラインの安全確保」ということが書かれているのではないかと思いますが、この石油パイプラインは具体的に工事が進められる段階にあると思いますけれども、現在の進行状況といいますか、その状況をちょっとお聞きしたいと思います。   〔委員長退席、理事寺本広作君着席〕  それから、これに伴う保安上の法的規制ということが十分であるかどうかという、こういう点。これはいずれにしましても、地域住民に与える不安というものはたいへんなものでありますので十分な対策がなければならないと思います。それからこれに伴う予算措置とか、こういうことで石油パイプラインのことにつきましての現状、進行状況、それからまたその保安上の法的な規制、これがどの程度まで進んでいるのかという、またそれに伴う予算措置についてはどうか、また当然市町村におきまして大きな問題が起きますので、十分な市町村との、地方自治体との話し合いがなければならないと思います。また、一たび火災があった場合には市町村の自治体にたいへんな迷惑をかけることになります。それ相応の消防力というものも充実させなければならない、これらのことを踏まえまして現状、概略のことを御説明願います。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 石油パイプラインにつきましては、いま話題に上がっていますものは、国鉄が一つ継続使用ということで横浜を起点とした八王子を通って高崎に行くライン、もう一つは石油業界が会社をつくりまして、千葉からやはり高崎地方に至るライン、それからもう一つは、成田空港が開設される場合に必要とされるパイプラインの計画が話題に上がっております。まだいずれも着工はいたしておりません。私たちはこの問題につきましては、ことしの十一月に消防審議会の答申をいただきまして、関係各省とこの保安対策についての話し合いをいま進めているところでございます。私たちが一番頭を置きましたのは、日本における新しい施設であります。そのために私たちの職員がわざわざヨーロッパ、アメリカのパイプラインの現状についても視察をしてまいりまして、そういうこともこの答申の段階では反映されておるところでございます。いずれにいたしましても、住民が一たび災害にあう、特に地震国であるわが国におけるパイプラインというものにつきましては格段の注意が必要でありまして、   〔理事寺本広作君退席、委員長着席〕 この点につきましては、すでに土木学会とか、あるいはその他の学会におきましても、ある程度検討が進められておりますし、わが省におきましても、あるいは通産省、運輸省におきましてもそれぞれ保安基準につきましてのある程度の検討が進んでおりまして、それを持ち寄って保安に対する対策についての試案をまとめたい、こう思っております。私どもとしましても、現在であれば消防法の危険物輸送の位置、施設は、いわば一般取り扱いでの規制になるはずでありますが、しかしこのパイプラインというものは高圧で石油類を送るわけでございまして従来とかなり違うわけでございますので、私たちはできれば新しい法律、あるいは、それでなくても、消防法の改正の中において保安基準を明確にして、それを適用していかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。  それからもう一つは地域住民、特に現地の消防との協議、協力でありまして、この点は特に答申の際にも、消防機関の代表者の方々に加わっていただきまして答申をまとめていただきましたが、さらに具体の問題といたしますれば、御指摘がありましたとおり、一番最初に出動するのは何といっても消防でございます。したがいまして、その人たちの意見、その人たちの活動のしやすいような組織体制あるいは装備というものにつきましては、われわれ自身が十分考えなきゃならぬところでございます。  それからもう一つは、こういう施設は新しい施設であるだけに、そういう施設をする設置者というものに対しまして、従来消防法にはないような保安のためのいろんな施設を当然要求しなきゃなりません。この点もパイプラインの答申に書いてありまして、特に事故防止のために設置者のやるべき事項ということを法律で明確に義務づけまして、そしてまず第一次的責任としては事故を出さないよう、出た場合には最小限にとめられるしかけというものを設置者においてやるということを強調し、そしてそういう姿勢の中で、消防は、一たび火災があった場合には地域住民を守り得るような体制をつくっていかなきゃならぬと、こういうような考え方で、いま各省間で、われわれも加わって、この保安基準を具体的にどういうふうにするかということを協議しておるところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 予定の時間をもうずいぶん過ぎておりますけれども、二、三御質問申し上げたいと思います。  この消防白書を拝見いたしますと、昭和四十五年度において八分ごとに一件の火事がある。そして一日の出火件数というのが百七十五件、毎日二十一人の死傷者を出しておる、そしてまた損害が二億二千八百万円だと、こういうふうなことがここに書かれているわけでありますけれども、これをずっと見てみますと、出火件数にしても損害額にしても、あるいは死者にしても負傷者にしても、建物の焼損の面積にしても相当前年度よりもまた多くなっております。減っておるものは一つもない。そして出火件数なんていうのは四十四年が、四十三年に比べて五・九%四十四年のほうがふえておりましたのが、また四十五年はその上に一二・五%の増加率だと、こういうふうなことが書かれているわけですけれども、まあこれはいろいろ原因はあると思います。都市がだんだん過密になってきたり、危険物が大量に扱われたり、あるいは地下街ができたり、あるいは建築が高層化されたり、あるいはわれわれの日常生活においても生活の状態がずいぶん複雑になってまいりまして、家庭の中にあるいは石油ストーブが入ってきたり、あるいは新建材が使われた新しい家ができたり、まあいろんな原因はあると思いますけれども、これはやはり今後もまだまだふえていくので減るようなことはないというお見通しなのですか、そこをひとつお伺いしたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 今度の火災件数の中で特にふえましたのは、森林火災あるいは都市火災といわれるものでありますが、建物火災はふえ方は四十五年と四十四年で五・八%程度でございます。そこで全体として火災が減るか減らぬかということでありますが、私は火災はそう急激に減ってくるということはあるまい。先ほどちょっと申し上げましたが、九月末の統計ではちょっと減っておりますけれども、おそらく十一月、十二月のこの統計がまとまれば、やはり若干ふえているのじゃなかろうかという感じがいたしております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 そこで、この火災のおもな原因、大きな原因がたばこだと先ほど指摘をされていたわけですが、私ども家庭の主婦として、やはり石油ストーブとかいろいろなものを主婦がよく扱いますので主婦の責任もほんとうは相当なものだろうと、こう推測いたしております。特にその中で、きのうの火事のようにかわいい子供が二人なくなった。それは奥さんが出て行かれるとき石油ストーブをつけていった。こういうようなこともよくいわれて、あとの祭りだということになるわけですけれども、その中で、御質問申し上げたいことはたくさんあるわけですけれども、特に最近私ども気になりますことはLPガスの問題です。  つい最近、私どもの次男が独立をしまして、私の家から近いところに住むようになったわけですが、そこは新しい団地でございますけれども、そういう団地が最近プロパンガスを燃料として使うわけです。それがいままでならば戸別に、このプロパンガスのタンクを家に置いて使っていたわけですけれども、このごろはプロパンガスの共同方式ですか、あれをとるようになりまして、そのためにいままで都市ガスを使っていたのとほとんど同じ感じで使ってしまう。ボンベを家に置いていればこれはプロパンガスだという気がするのでしょうけれども、都市ガスとほとんど同じ気持ちで使っている。そういう点で私は多少不安を感ずるわけです。よくいわれているのですけれども、LPガスに、においをつけなければあぶなくてしようがないという話がありましたけれども、最近はこれはにおいがつけられているのかどうか、その点をお伺いしたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 最近は、においはつけております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 プロパンガスの共同タンクといいますか、そういうものは普通の都市ガスに比べて相当圧力がゆるいのじゃないかと思います。都市ガスの圧力は相当強いですから、ちょっとでも漏れますと、くさいからすぐわかるのですけれども、プロパンガスの場合は、圧力が弱いとすればそれほど気がつかないのじゃないか。そうするとちょっとマッチをすったために爆発をしたとか、多少漏れていたのを知らないで、おふろに入って窒息したとか、いろいろな事件が起こるわけですけれども、その辺で、ほんとうはここはプロパンガスを使っております。このプロパンガスを使うのについてはこういう注意が要りますとか、あるいはその保安対策はこうですとか、そういうようなことを消防庁のほうで新しい団地に住まわれる方々に指導をされておられますかどうですか、伺いたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) このプロパンガスは、実は消防法上の危険物になっていないのです。それでプロパンガスは二種類ありまして、七十戸以上を対象にした共同供給のやつはガス事業法の適用を受けるわけでございます。七十戸以下の、端的にいえばボンベのものは、これはLPガスの販売規制に関する法律の適用を受けます。いずれにいたしましても、消防としましては、法律的にはそういう販売所ができた場合に届け出を受けるとか、あるいは多少予防査察をした場合に、こういうところは保安上もう少し改善を要するというときには通産大臣に申し出るという規定になっておりますが、しかし実際いま御指摘のように、消防といたしましては、地域住民の家庭を対象にした予防査察、あるいは防火教育というのをやっておりまして、たとえば東京あるいは横浜のようなところでは、消防職員が団地の御婦人方を集めまして、LPガスと都市ガスの違いを実験しているのを私も見ました。つまりLPガスは空気より重いから下をはうわけであります。都市ガスのほうは軽いから上に上がるわけでございます。そこで、それを実際に目で見えるようなしかけで御婦人の方々に実物教育をしてLPガスの性状を知っていただいて、そうしてその扱い方についても、消防の職員の方が予防査察を兼ねましてそういう教育をやっておるのでございます。で、私たちといたしましても、このLPガスが普及してまいりましたときに「LPガス必携」というふうなものをつくりまして、予防査察と、そのLPガスに対する一般家庭の方々に知識を知っていただく意味の教育をやりまして、しかも県の消防学校でもそういう教育を特に取り上げまして、そうしていま御指摘のような防火・防災教育というものをLPガスを対象にやっているところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 いまの共同プロパン貯蔵タンクといいますか、その大きなタンクの防災体制はどうなっているかお伺いしたいです。それは各家でございますと、ボンベといえばこんなものですけれども、共同の貯蔵庫といいますか、それが一度爆発をするようになればこれは大災害だと思うのです。それから、聞くところによりますと、そういうガスのタンクがあるそばにも家が建っている。ガスタンクというのは大体海岸とかいろいろなところに建っておりますけれども、団地ができたときにこういう共同プロパンガスのタンクをつくるものですから、そのタンクのすぐそばにももう家がある。たいへんこわくてこわくてしようがない。こういう話も聞いたのですけれども、その辺のところを伺いたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 消防法におきまして、石油タンクについてたとえば一定の保安距離をとるとか、あるいは石油タンク自体について保安設備を、いろいろなものをいま要求しております。いま御指摘のLPガスタンクのほうはガス事業法あるいは高圧ガス事業法の規定でありまして詳細は私は存じておりません。しかし、消防法と大同小異の保安基準に関する規定は全部整備されてございますので、いずれ機会をみて、そういう点についてもう少し勉強をしてお答えをさせていただきたいと思います。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それからもう一つお伺いしたいのは、家庭によく消火器をこのごろ備えつけておりますね。あれは大体家庭の奥さんが十分使いこなせるものかどうか。実は私なんかも説明を一ぺんや二へん聞いてもよくわからないのですけれども、幸いそれを使わないで済んでいるからいいようなものですけれども、この間、私どもの子供が引っ越したあとに貸しおしめ屋さんが参りました。その貸しおしめ屋さんが、もう子供は引っ越しましたからと、こう申したのですが、いや、奥さんにもきょうはひとつ相談がある、消火器を持ってきていますので、ひとつこれを買ってくださいませんか、実は八千円なんですが、いまならば特に四千円にしますから買ってください。私は、八千円のものが四千円に売られては少しおかしいなと思うのと、私どもはたまたま家に備えつけておったものですから、いや、そんなものはけっこうですと、こう申し上げたのですが、この貸しおしめ屋さんまでが消火器を売って歩いているということを御存じでございますか。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 実は私のうちへも、おしめ屋さんではありませんけれども、どういう人かわからぬ人が売りに来た例がございまして、消火器は国家検定をいたしまして、そうしてそれは性能が合格しておる、これならばだいじょうぶだということで販売をしておるわけでございまして、検定しないものは販売ができないというふうに消防法にも書いてございます。  そこで、今度、売るしかたでございますが、これはもう別に代理店を通して売ろうと、あるいは個別的に売ろうと、実は法律では全然規制してございません。で、ただ値段の問題につきましては、実は私たちもいま先生の御指摘のようなお話を聞きました。そこで消火器工業会に——乱売と言うとおかしいんでございますが、もう少し適正な値段で売るようにしなきゃいかぬじゃないかと、もちろんこれは公正取引委員会のあの法律にかかるようなことではいけませんが、ものには適正な値段があるはずだ、だから御指摘のような八千円が四千円になり三千円になるというのはどう考えてもやはり不自然ではないか。そこで業界としてもそういうことをもう少し自粛するようにしろということで、再三、向こうのほうの体制を整えさせまして、そういうことのないように実は指導しておるところでございます。  それから、消火器の規格の点につきましては、実は二年前に消費者の方々から非常に使いにくい、それからむずかしいというお話がありまして、実はいわゆるワンタッチシステムといいますか、かぎを取りまして、こう腕で押せばすぐ出るような構造に変えました。それでいままでのようないろいろなしかけをしなければ出ないようなことはやめましたので非常に使いやすいことになっております。あの説明書、消火器に書いてあることをお読みいただけば非常に簡単だろうと思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それはどのくらいですか、値段は。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 値段は、型がありまして、普通、十型とか四型とか二型、だんだん小さくなるのでございますが、私から値段を言うことだけはいろいろな値段があるようでございますからひとつごかんべん願いたいと思います。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 それはまた私のほうも調べてみることにいたしましょう。家庭婦人がどのくらいが使いこなせるのか、扱いやすいのか、その点調べてみますけれども、時間過ぎましたけれども、もう二、三問だけ御質問したいと思います。  それは旅館やホテルあるいは病院や診療所、こういうところの防火体制あるいはまた精神病院や精神薄弱児等の社会福祉施設の特殊な建物の消火体制の整備について伺ってみたいと思いますがことしの早々、和歌山県の旅館の寿司由楼、ここでまた大きな惨事がございました。この旅館はタコ足の建築で、お客さんは迷路のような構造で困った。こういうふうな記事がございましたけれども、私の住んでおりますすぐそばが有馬温泉でございますが、有馬温泉の池之坊満月城、ここで惨事が起こったのはまだわれわれの記憶に新しいところでございますけれども、この惨事のときにいろいろなことがいわれました。そのときの教訓が全く生かされていないように思いますが、一たんこういうふうな火災が起こりますとたいへん大きな問題になるわけですけれども、また精神薄弱児なんかのそういった社会福祉施設の被害も多くございます。そこで白書の示すように精神病院等の死傷者もまた相当なものでございますが、こうした病院とか施設あるいは旅館、こういうふうなところに対する消防体制の整備、それはその後どのように進められてきたか具体的に内容を伺いたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、ことしの寿司由楼の火災あるいは仙台の精神病院の火災等がございまして、あのときにいろいろ指摘されました事項は、一つは寿司由楼の場合でありますと、必要とされる煙感知器をあと一週間でつける準備をしておったときに焼けてしまったというようなこと、あるいは避難訓練につきましても、日ごろ十分に行なわれていなかったというようなことでございます。  そこで私たちは、あの事件がありましてから、あの教訓を生かす、それにはやはり法律に定められた施設を早くつけるということでございます。この点につきましては、業界のほうにも資金の問題がございました。そこで私たちは各県に緊急融資措置をとっていただくようにお願いいたしまして、約三十くらいの府県は旅館等を中心にこういう設備をつけるための緊急融資の措置をやっていただいて、この整備を大いに促進していただきました結果、旅館等についてはまずまず法律の要求するような状態になりました。また、最近におきまして私たち考えておりますのは、非常警報器につきまして非常に安くて性能がいいものが開発されました。そこで、そういうところについてはいままで要求されておらなかったのでありますが、二十人以上収容できる旅館あるいはサウナぶろ、そういうものにつきましては非常警報設備の設置を義務づけたいということで政令の改正をいま考えておるところでございます。それから精薄施設、そういうおもに社会福祉施設につきましては、当時もありまして、厚生省のほうで年次計画を立ててこの整備を促進するということで、あのときもたぶん厚生省の当局がここに参りまして御答弁申し上げたようなところでございます。いずれにいたしましても、火災においてああいう施設で人命をなくすということだけは防がなきゃいかぬ。それには早く火災を知り、早く避難するということでありますので、なお御指摘の点を一そう進めるように努力しておりますし、またその査察につきましても、ああいう事件が起きましてから特に重点的にああいう施設を査察をさせまして、その整備を促進しておるところでございます。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 今度、これは東京だけの問題になるかもしれませんが、消火せんの整備の問題についてですね。東京でよく震災が起こるとかいうような話、再三私ども新聞で見ておったわけですけれども、東京の消防庁調査では、関東大震災級の地震が東京をもしも襲うとした場合、都内の水道管は各所で寸断されてしまう。そうして消防車が消火にかけつけても消火せんの半分は全く用をなさずに肝心の水が出ないということもあるだろうということもいわれております。消防庁でどのような具体策をこれに対しては考えておるか、お示しを願いたい。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) おそらく関東大地震程度の規模の地震がくれば、東京消防庁が想定するような水道管が寸断をして、消火せんも使えるものはごく少なくなるだろうと思っております。私たちは、したがって、一つは防火水槽を耐震性にする。耐震性の防火水槽というものも最近開発されましたのでそれをぜひ設置をするように促進をして、実は来年度の予算要求におきましてもその点を取り上げているところでございます。これは計画的に避難道路、避難地を中心にそういうものを設置をして避難を確保する。つまり、それは火災から人を守ると同時に、場合によっては飲料水にも使えるということの想定、考え方のもとにそれを進めているとこでございます。  それからもう一つは、東京都における自然水利の利用の問題であります。で、特に私たち消防研究所で研究いたしましたのは、吉祥寺、武蔵野方面を中心にして自然水利がどうなっておるかということをいろいろ研究しておりますが、これが地震のときにその層がどう移動して、しかもなお水は使えるのかどうかという一つの開発をいま手がけておるところでございます。まあそれも一例でありますが、その他河川、地下水、こういうものの利用を促進する考え方でいま施策を進めているところでございます。  それからもう一つは、水がだめになるということは当然消火せんがだめになるということを考えなければいけませんので、東京都のたとえば台東区とか、あるいは江東区というようなところにおきましては、大型の消火器を五十メートルおきぐらいに設置をして、そうしてそれでさしあたって初期消火をやるというような構想を進めて実施に移されております。これは最近小さなぼやをある街頭におる人がその消火器を使って消した例もございます。そういうことで、消火せんを逆に補なう意味で防火水槽あるいは自然水利あるいは消火器の設置、こういうことをどうしても進めていかなきゃいかぬ、こういうふうに考えております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 もう一つお伺いいたしますけれども、最近のショッキングな問題で酸欠症という問題がありますね。この酸欠対策について伺いたいと思います。  これも東京の消防庁の調査によりますと、東京の地下で酸素の欠乏している空気の発生地域が百カ所ある、こういうふうなことを報告されておりますけれども、その原因は一体何でしょうか。それから、この報告は東京だけでございますけれども、全国の状況はどのようになっているでしょうか。で、もう一つは、その対策は各省にまたがっていると聞いておりますけれども、まずさしあたり消防庁はどういう対策を考えていらっしゃるか伺いたいと思います。

降矢敬義消防庁長官

○政府委員(降矢敬義君) 酸欠症は、主として地下の地層と非常に関係しているようでございまして、地下鉄工事をするときに最近使われます圧気工法——圧力を加えてそして穴の中主掘っていくという方法でありますが、それによりまして中の空気がある程度外に出るわけでございますが、そのときに、その地層の層を通っていくときにどうも酸素が吸収されて、全然酸素がない、あるいは二一%以下の酸素の空気が出てくるというようなことのようであります。そこで最近、東京都の消防庁は、こういう死亡事故がありますので全体的にこの近所を中心に調べた結果、都内で百六十四カ所ぐらい危険地帯があるようである。そこで労働省がこれを労働災害という側面からとらえまして、工事をやっているときにはそういう事態についてよく空気中の酸素の濃度を測定するとか、あるいは必要であればマスクをつけるとか、あるいはそういう事態がありそうなときには事前に消防の関係者に通報するとか、いろいろなことを労働災害という側面からこの規則をつくりましたのでありますが、実はそれはその労働をしておる現場に適用される規則でございます。ところが、その酸欠の状況は、実はその現場から百メートルも離れたところに出てくるという可能性もあります。  そこで、消防は、実は法律にはどこにも書いてありませんけれども、そういう住民の不慮の災害があり得ますので、そこでそういう事態を、労働災害とは別に、住民の生活という面から自主的に井戸を調べたり、あるいはそういう井戸でない、もう全然使っていない、から井戸を調べたり、穴を調べたりしまして、実は消防はそういう面から関係住民にはそういうことの注意を喚起をし、そして万一そういう穴に入るときには事前に消防のほうに連絡をしてもらうとか、あるいは消防が行って酸素を測定するとかというようないわばサービス的な仕事を消防が担当しておるわけでございます。私たちはこの問題がありまして、すぐ全国的に通達を出しまして、そういう事態があればすぐ私たちのほうに連絡する、あるいはどういう状況になっておるかつかんだら連絡するようにということを出しておりまして、まだその回答が集まっておりませんので、全国的な状況はもう少したってから御報告をさせていただきたい、こう思っております。

中沢伊登子民社党

○中沢伊登子君 沖繩の消防体制について伺いたいと思いましたけれども、時間がだいぶ過ぎましたのと、これはまた沖繩問題は連合審査があるようですから、そのほうにまた回させていただくことにいたします。  ほんとうにこれだけ大きな損害が次から次から起こることですから、消防庁のほうでもいろいろ御苦労され、また夜の夜中でも、明け方でも、火事だといえば起きて消火に当たっていただかなければならないことをほんとうに御苦労さまに思いますが、ひとつこの上ともがんばっていただきたい。で、家庭の主婦にとりまして御協力できることであれば、また私どもも一生懸命で出火をしないようにがんばりますので、またその点でも、いろいろなところに行かれまして、家庭の主婦に対しても防火あるいは出火、そういったことに対して御指導、教育をやっていただくようにお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

玉置猛夫自由民主党

○委員長(玉置猛夫君) 本件に対する調査は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時九分散会

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