議院運営委員会 第7号
- 発言数
- 30 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/11/06
会議録
○委員長(鍋島直紹君) 議院運営委員会を開会いたします。 決議案の委員会審査省略要求の取り扱いに関する件を議題といたします。 事務総長の報告を求めます。
○事務総長(宮坂完孝君) 本日、議員上田哲君外四名から、アムチトカ島における地下核実験の中止を求める決議案が提出されました。本決議案には、発議者全員から、委員会の審査を省略されたい旨の要求書が付されております。この要求につきまして御審議をお願いいたします。
○委員長(鍋島直紹君) 御意見のおありの方は順次御発言を願います。
○矢山有作君 アムチトカ島における地下核実験の中止を求める決議案につきまして、私どもは、委員会審査を省略いたしましてとれを本会議においてすみやかに決議を願いたいわけでありますが、その理由を申し上げる前に、案文をひとつ読ましていただきたいと思います。 米国政府が、世界の反対世論を無視し、強行しようとしているアリューシャン列島アムチトカ島での超大型地下核実験は、今日の科学技術の水準から判断して、極めて危険性の高いものであり、大地震や津波さらには大量の放射能による汚染をひき起こす恐れが十分にあるものといわなければならない。 かかる実験を強行することは、日本を始め近隣諸国民の健康と生命を犠牲にするのみならず、環境保全、人類全体の将来に対する挑戦である。 本院は、米国政府に対して速やかに実験を中止することを要求するものである。 右決議する。 これが案文でありますが、私ども、皆さん御承知のように、このアムチトカ島の核実験をめぐりましては、核実験国のアメリカの世論、特にアメリカの議会においてすらこの実験の中止を求める強い意見が出ております。ざらにカナダ、日本の国内はもとより、その他太平洋岸の諸国の国民から強い反対意見が開陳されていることは御承知のとおりであります。特にこの実験に対しまして、マグニチュード七というような地震を起こすおそれがあるというようなことも言われ、それが一つの誘発の原因になって大きな地震に発展するのではないか、さらに津波が起こるのではないか、こういうことが非常に心配されておるわけでありますし、専門の学者の意見を聞きましても、そういうおそれがあると、こういうふうに言っておるわけであります。それだけに、太平洋岸の諸国の国民、特にアメリカを中心にした諸国の国民から強い反対が述べられておるわけでありますから、こういう情勢において、わが参議院が、この実験中止を求める決議をやって、そしてアメリカに対し強力に働きかけ、その反省を求めて実験中止をかちとるというのが今日の世界世論に沿うものであり、もちろん日本の世論に沿うものであろうと思います。 そういう立場からこの決議案を提出いたしましたので、ぜひとも委員会審査を省略していただきまして、本会議ですみやかに御可決を願いたいと思うのであります。 以上であります。
○委員長(鍋島直紹君) ほかに御意見は。
○上田哲君 決議案の発議者として発言をさしていただきたいと思います。 アメリカ時間の十月二十七日の午前十一時に、アメリカ国務省のスパイヤーズ政治軍事局長がアメリカ大使館の山崎参事官を招きまして、アムチトカ島の実験命令についての大統領令ですか、を通知をいたしました。その直後に私は国務省を訪れまして、日本社会党及び原水禁の署名をいたしましたニクソン大統領あての抗議文を手交いたしました。これは、二十七日までは大統領が実験を差し控えるということをあらかじめ出しておりましたので、逆に読み取れば、二十七日には命令解除になる、こういう読みもありまして、待機をしたわけでありますけれども、結果的に申し上げますれば、全世界からほらはいとして起こる抗議、中止要請の中で、たとえばアメリカの隣国カナダからは、この報に接しまして、翌日五十名の国会議員からなる大抗議団がホワイトハウス及び国務省に到着をしておるのでありますけれども、私どもの抗議文がつまり世界で第一号ということに、光栄にもなったわけであります。 私はそういう立場を負うてあえて申し上げるのでありますけれども、国務省当局者、具体的にはエリクソン・ジャパンデスクでありますけれども、この日本部長なる人物がこの抗議に対しまして示しました姿勢はまことに高圧的であります。今日このような核実験をあえてすることは、やはり裏返しての世界平和のための必須条件であるというようなことをあげつらっていたわけであります。私はこの際、核実験ということ自体、ことさらに五メガトンというごとき地下核実験というのは、その影響するところはもとよりでありますけれども、かつてない規模のものでありますし、この問題に関していえば、単に与野党の別を越えて、日本国全体のコンセンサスとして心から中止を求むべきものであると理解をいたしております。しかも、そうした世論が日を追うて全世界に高まっているわけでありますから、この際、関東大震災を凌駕するマグニチュード七の大爆発が、あるいは地震あるいは津波が、あるいはサケ、マスにまで放射能の被害を加えようとする実態をもあわせ考えながら、やはり全世界の反対の声に、いわばそれをリードする立場からいっても、日本国国会が大いにその声を上げるべきであると信ずるのであります。申すまでもありませんけれども、アメリカでもシュレジンガー委員長も必ずしもきん然としてこの実験を行なうわけではありませんし、また、有力なるグラベル上院議員をはじめとして——私は直接会いましたけれども、これはひとつ超政治的な立場でこの世論を高めるべきだということを申しております。しかもまた、今回提出いたしましたこの決議案が、そういう配慮を深くいたしまして、与野党の立場を深くえぐることない立場で、日本国参議院の院議においてアメリカ大統領に提出し得るに足るものとの判断に立っているつもりであります。はなはだ判断に苦しむのでありますが、もし、こうした人類普遍の願望を達せんとするところの要求あるいは抗議文案に対して反対をなさるということになるならば、全世界が忌まわしい原爆の灰のもとに包まれることのほうを願望されるのかということにならねばならないと私は考えるわけであります。 非常に差し迫まったスケジュールの中ではありますし、わずかにあと十時間余りという時間には迫っておりますけれども、この際、ひとつ所定の手続を最大限に省略をされて、日本国の見識と日本国国会の良心において、アメリカ大統領に対し院議をもってすみやかに中止要請をなすべき決議の可決をしていただきたい。このことを、ヒューマニズムの立場に立ち、日本の政治の見識ということばをあえて口にしながら皆さん方に要請をする次第であります。
○委員長(鍋島直紹君) 御意見ございませんか。
○峯山昭範君 私は、このアムチトカ島における地下核実験の中止を求める決議案の委員会審査を省略して直ちに本会議で御可決くださるようにお願いしたいと思います。その理由を二、三申し述べたいと思うのでありますが、すでにもう種々お話がございましたけれども、いずれにしましても、今回のこの問題は、日本国民のみならず、世界じゅうの人たちがこの問題に注目をいたしております。現実にいまお話しございましたように、アメリカでさえこの核実験に対しては反対の人たちがたくさんおりますし、また、アメリカの上院の議員も、三十数人の人たちが反対の声明を出しているそうでありますし、そのほか、カナダにおきましてはすでに何十万という反対の電報が届いておるそうであります。そういうふうなあらゆる情勢から見ましても、私たちはこのような暴挙に対しては断固としてわが日本の国の態度を明らかにすべきであろうと思うんです。実は私たちも、この問題につきましては、非常に重要であると考えまして、党としましても大統領に抗議の電報を打ちました。 この電報をちょっと読ましてもらいたいと思うんですが、「貴国政府が今回、アムチトカ島において超大型の地下核実験を行なおうとしていることは、核軍縮、国際緊張緩和という世界の潮流に逆行するものであり、また、この実験は放射能汚染による環境破壊をもたらし、さらに環太平洋地帯の地震発生、ひいては津波をひき起し、日本をはじめカナダ等広範囲にわたる地域に重大な被害を与える恐れが強く論じられております。 公明党は、このような世界の潮流に逆行し、また世界に不安を与えるような核実験には強く反対するものであります。 ニクソン大統領閣下の賢明なる御配慮により、直ちに実験中止の御指示をなさるよう強く希望するものであります。」という文面でありますが、いずれにしましてもこの問題は早急に——日にちもありません。もうあと何時間と迫ってまいりましたが、どうか与党の皆さん方も、この問題をあらゆる手続を省略しまして、そして本会議の席上で参議院の決議としてこれを採択してくださるようにお願いしたいと思うのであります。 さらに私は、先ほど話がありましたが、実はうすうす与党の皆さんがこの問題について反対をされているということを聞いておりましたんですが、その理由の中に、衆議院がやらないからということも一部あるそうな話が——出てこなかったんですけれども、ちらちら私がうわさに聞くところによると、そういう話もあるそうですけれども、これは参議院の良識ということもありますし、また、参議院の改革ということが叫ばれているおりから、この参議院においてこの問題を決議するということは、私はそれだけに意義のあることだと思うんです。ぜひともこの問題を取り上げてくださって、本会議で決議してくださるようにお願いしたいと思います。 以上で私の党の見解といたします。
○田渕哲也君 私は発議者の一人としまして、この決議案が早急に本会議で決議されることを希望すると同時に、委員会審査を省略して直ちに本会議にかけることに賛成の意を表したいと思います。 委員会審査を省略をする理由は、一つは、この実験がもうあと十数時間後に迫っているということでありまして、いまから委員会に付託をして審議をしておったのでは間に合わない。これが第一点。 第二点としましては、この案文をごらんいただいてもわかりますように、きわめて事理明白であります。しかも、各党のそれぞれの立場に何ら抵触するものではない。したがって、この決議案を直ちに本会議にかけるよう決定をすることが妥当である。 以上の意見を申し述べまして私の賛成意見を終わります。
○須藤五郎君 私も、この決議案が委員会審査省略の上、いっときも早く本会議にかけられることを希望するわけです。というのは、なぜこういうことをしなきゃならぬか。これはいま日本国民全体がこのアムチトカ島の核実験には反対をし、なお、大きな心配をしておるという段階です。そのときに国会議員が黙っておってよいものかどうかということです。だから、私たちはこれをいっときも早く中止させるという立場に立ってこの決議案を提出しておるわけです。なぜ与党の方が、国民全般の願いであるこの決議案に反対されるのか、実は私はわからないんです、そういう点は。そうして、ただいま国対の中では、この決議案をやめて緊急質問をしたらどうだ、緊急質問にかえたらどうだと、こういう意見もありました。しかし、私たちの目標はアメリカ政府なんです。日本政府じゃないんです。日本政府に私たちは言っておるわけじゃない。やめろということは、日本政府に言うのではなく、アメリカ政府に対することでありますから、緊急質問をやっても、それは日本政府に対する質問であって、アメリカ政府に対する質問にはならないんですから、あくまでもこの決議案を通して、そうしてアメリカ政府にこれをぶっつけるべきものである、こういうふうに思うんです。そうして、私はいま思い出すんですが、部分核停条約が国会に提案されましたとき、私たちは反対をしました。なぜ反対したかといえば、こういうことが将来起こるであろうということを予測して私たちは部分核停条約に反対をしておるわけなんです。あらゆる点から、こういうものはすべきものではなく、またいっときも早くこういう実験はやめるべきであるという、そういう見解に立ちまして、私はいっときも早くこれが成立することを希望し、その立場で私はこれの提案に対して賛成をするわけです。
○藤田正明君 本委員会の議題は、アムチトカ島における地下核実験の中止を求める決議案の委員会審査省略の要求、その手続の問題が本委員会の案件であろうと思います。そこで、野党の皆さん方の御意見も伺いました。この決議案の内容といたしましてはわれわれは了とするところはございます。ただ、この決議案を委員会審査を省略してまでこの際出すか出さないかという点におきまして反対をいたすものであります。この決議案が出されましたのは本日の十一時半であります。十一時半に決議案の提案を理事会でいただきました。そうしてわれわれはいろいろと慎重審議をいたしたのでありますが、次の理由によりまして、この決議案の委員会審査省略の手続をすることに反対であります。 その第一点は、時期的にすでにこの決議案の実効が疑われる。この決議案の最後に「速やかに実験を中止することを要求する」と、こう書いてありますが、いまこの決議案を出しましても、実際にどのような実効があろうか、こういう点において大いに疑いがございます。それが第一点でありますとともに、第二点は、このような決議案を——核の実験は方々の国が行なっておりますけれども、中止を求めるのは初めてであります。しからば、実害がいままでなかったではないか、今度の際は実害があるではないかというような御反論もあろうかと思いますが、数年前に中共の核実験におきまして黒い灰が日本に来たということも御記憶のことであろうかと思います。その際はわれわれは何らいたしておりません。そこで、慎重に考えなければならぬということは、今後このような核実験が方々の国々で行なわれるであろうと思いますが、それらのことにつきましてもどのような態度をもって臨むかということも慎重に考えざるを得ないという意見でございます。 以上の二点におきまして、今回の審査省略の手続に対しましては反対をいたす次第であります。
○瀬谷英行君 いま与党のほうから反対の意見がありましたけれども、内容は了とすると、こう言われましたが、内容は了とするということは、それじゃこの決議案の内容を、社、公、民、共、第二院クラブに自民をつけてもよろしい——内容的にはそのように受け取れる。だから、それならば、委員会の審査に付託することについては賛成なのかどうかという問題が一つ残ります。 これはあとあとの問題ですから、たとえば実験が行なわれた、何かあったという場合に、これはもう議運でもってけりがついたということになっちゃうと困る。それと、きわめて時期的に実効が疑わしいと言われているけれども、あしたの話なんですから、昔のように飛脚が手紙を持って走って行った時代と違うのですから、いまならば、ここで決議をして、との決議したことを打電をするということはすぐにできるわけであります。つまり、あしたの前に間に合わせることができるわけです。だから、あすではおそ過ぎるけれども、いまからでもおそくはないということになるのであります。そうすると、この決議をするということはきわめて意義がある。 それから、ほかの国云々の話がありましたけれども、私どもはその過去においていろいろなことがありました。過去においてやっていないということも言われましたけれども、あしたの問題をいまここで取り上げているわけです。これは、アメリカがやっているから反対だというわけじゃない。どこの国がやろうとわれわれとしては反対をしなければいけないと思います。したがって、そういう妙な偏見をぜひ取ってもらわなければいけない。これは内容は了とするというふうに言われた以上は、この決議案を否決をされたという形をとらないようにしてほしい。これは、そのためにはその採決は非常にむずかしくなると思いますけれども、その内容は了とするならば了とするように、内容的には満場一致だ、委員会の審査を省略することは反対だ。こういうことであれば、これはちゃんとけじめをつけなければいけない。さっきの理事会では、決議案そのものにも反対のように聞き取れましたけれども、いまのお話は、内容は了とすると言われたんだから、内容的には満場一致ということになる。だから、内容的には満場一致ならば、満場一致で決議してもらって、そうして委員会の審査の付託の問題だけをどうするかという取り扱いの問題、それから、もし満場一致なら満場一致のようにこれを議長としてお取り計らい願わなければならない。議長さんのほうで、もしきまったならば、そのように打電するなり申し入れをするなり、そういう措置が必要ですから、その点を明らかにしていただきたい。その点、もし与党のほうからお答えがあるならお答えをいただきたいし、議長さんのほうから、その処置についてお考えがあるなら、お述べを願いたいと思います。
○山崎五郎君 ただいまの議題は委員会審査省略要求の手続が議題になっているので、内容につきまして賛成、反対とかということは議題になっておらないので、議事進行上、これは省いていただきたい。省略すること自体をきめていただきたい、こう思います。 なお、藤田委員から話のあった、了とするということは、実験をやることが賛成だと、こういう意味でなく、やることは反対であるという、これがすべて決議提出者の方の趣旨だと思うのです。その点については相当よくわかるという意味で話をされたのであって、この審査は、内容の審査に入っての意見では、ここではやっておらないというふうに私どもは受け取っております。
○矢山有作君 おことばですが、委員会審査省略をするかどうかということと内容の問題とはきわめて緊密な関係があるわけです。けれども、どう審議をしましょうかというときに、内容を離れてその手続だけを論議するということはあり得ぬわけですから、必ずその内容がからみ合って審査方法をどうするかという議論になるわけです。したがって、そこから言うなら、私は藤田理事が先ほどおっしゃった、内容はいいということになるなら、何も手続論にこだわることはありませんから、ひとつ、内容は内容で賛成か反対か採決してみようじゃありませんか。それで、もし自民党の皆さんがみんな内容に賛成だとおっしゃるなら、その上に立って、なぜそれじゃ審査手続を省略しなければならぬのかという議論は、これは真剣な議論ができると思います。それを参考のために、内容は了とする、いい、賛成だと言われたのだから、ひとつまず内容の採決をやっていただいて、その上に立って手続論をやってほしい。
○上田哲君 私は議事運営手続あるいは解釈論について知悉しておりませんからわかりません。わかりませんが、この発議者という立場と、たまたま現地に抗議文を持って行ったという実感から、一言ぜひ言わしていただきたいのでありますが、いまお二人からお話がありましたように、私は、この問題を日本国国会の、アメリカからいえばセネターズですね、この見識ある参議院が、一方から、この程度に争うべきところのないまるこい文案が出たにもかかわらず、これを否決し去ったということになった場合に、アメリカ国に与える、あるいは世界に与える日本の政治姿勢の問題というのは非常に重要であると思います。いまわれわれがこのテーブルをはさんでどういう議論を進めるにせよ、非常に冷ややかな議事運営手続の中で、一票ないし二票の差で結論が出ることはよくわかっております。しかし、そういう勝敗で問題を埋没させてしまうには、わが国国会の権威はあまりにも高いものであろう。私は、そうした結論がどこにおもむくかは別として、これもかけ引きの問題をしばらく離れて、この文案の中に盛られている核実験には反対をしようと呼びかけたい。マグニチュード七の大爆発が、あるいは地震を、あるいは津波を、あるいはサケ、マスにも放射能の被害を加え、奇形児が生まれるとかということは、これは学者が追跡されるにまかせるとしても、今日ただいま間に合うとか間に合わないとかとおっしゃっているが、三百代言もいいところであります。電報なら二時間足らずあれば十分間に合う。飛行機に乗っても十七時間あれば先に着くところであります。行く気があれば、いまでもすぐに私に行けということであれば、本院を代表してもう一ぺん太平洋を渡ることもあえてかまわぬわけでありますから、そういう時間的な問題のところに話を埋没させずに、やはり非常にこまかい問題を去って大綱的には日本国民の国民的合意の上に立ったところの声であるというところに凝集されているこの内容を、少なくとも手続などにかまけて、日本国国会、少なくともアメリカから見ればセネターズが否決し去った、日本国国会はその意思において原水爆禁止反対に反対をした、つまり賛成をしたという形を残すことのないような御配慮を、与党の皆さん方に十分にひとつ、つぶさにしていただいて、その上でひとつ卓抜な議事運営手続論を展開をしていただくようにお願い申し上げます。
○瀬谷英行君 これはいま上田君も言われたけれども、私のほうの日本社会党もニクソン大統領あて抗議電報を打っているわけです。上田君自身は社会党の代表というかっこうでアメリカまで飛んで行っていろいろと向こうのほうに、先ほどお話があったように、申し入れもしているわけだし、それから、いまここで私ども心配しているのは、問題は委員会の審査省略ということが議題になっております。しかし、この委員会の審査省略をすることがいいか悪いかということで議論をしているけれども、内容的にはもうはっきりしているのみならず、この内容に触れずに手続上の問題だけでもって可決するか否決するかというやり方では誤解を招くおそれがある。つまり、中身そのものが否決をされたという印象を与えたのではいかぬと思います。だから、ちょっとその点について、私どもとしては、内容についても、自民党は了とすると言われたならば、賛成というふうに受け取りたいのです。そういうふうに受け取ってしかるべきじゃないかと思うのですね。 そこで、その点を、どうか採決の際にあっさりと手続上の問題だけできめつけないでもらいたいと思います。どういう採決をするか、非常にむずかしいところだと思います。しかし、ぜひその内容は生かしてもらいたい。逆重要事項指定方式みたいに、妙なところでもってきめて、本題に触れずに外側から否決をしていくというやり方では困る。内容はぜひ生かしてもらいたい。それはどうですか。
○矢山有作君 関連して。私は、そういう自民党の態度はきわめてひきょうだと思うのです。内容には賛成であると。内容に賛成であるなら、委員会審査手続を省略した理由として二つあげられたのは理由にならぬ理由であるということは先ほど瀬谷さんが指摘されたところです。実効を疑われると。実効を疑われはしません。いま最大の騒ぎになっているのだから、あの実験は。だから、ここですみやかに決議をして電報を打てば十分間に合います。そうすれば、非常に日本の国会の、良識ある日本の国民を代表する国会の意思というものはアメリカに届くわけですから、それはそれなりに効果が大いにある。それから、いま重大なアムチトカ島の核実験の問題についての論議をしているときに、ほかの問題をもひっくるめて議論をしてもこれは無意味です。当面差し迫っているアムチトカ島の核実験をどうするかということですから、これに間に合わせるためにも、話をほかのほうに広げないで、すみやかに決議をやって効果をよりすみやかにあらしめるというのがわれわれのいまの責任なんです。したがって、内容に賛成であるとおっしゃる以上、これはもう、そういういまあげられた二つの委員会審査省略の理由は理由にならぬのだから、これはすみやかに本会議に持ち出して議決するというふうにやっていただきたい。まず第一段階として、ここで賛成の意思を表明していただきたい。そうせぬと、内容にはおれのほうは賛成なんだ、手続には反対なんだ。いかにも自民党は良識のあるような幻想を国民に与える。これはきわめてずるいやり方です。そう言われて皆さん方が腹が立つとおっしゃるなら、これは異例なことではあるけれども、内容の問題について、自民党の皆さん方が御賛成なのか、御賛成でないのか、一応切り離してこれは参考のために採決をやってみましょう。そこまでの度胸なしには、内容には賛成だが、くだらない理由をあげて、委員会審査省略に反対だと、それは理由にならぬですよ。
○須藤五郎君 党としては、各党ともアメリカに対しても抗議はしているのです。私のほうも数日前に抗議をしているのです。しかし、参議院がなぜこういう決議をしなければならぬかという、そこに私は問題があると思います。いま国民すべてがアムチトカ島の核実験には反対をしているでしょう。それは国民すべてがやっているときに、国会が黙ってそれを見過ごしていていいものかどうか。やはり、国民の代表である国会がその国民の意思を代表してここで決議をするということは、ぼくは大きな意義があると思うのです。特に良識の府参議院をもって自負される皆さんが何でこのくらいのことができないかということは、もしもこれができなければ、おそらく国民から反発を受けますよ。だから私たちは、衆議院でやらなくても参議院ではこれをやるべきだ、こういう点で、強くこれの成立を願っているのです。そういう点で、いっときでも早く本会議にかけて委員会省略で採決をしてもらいたい。
○峯山昭範君 このまま採決をされたのじゃ、ほんとうに先ほどから矢山さんから話がありましたように、これはいかぬと思うのですね。先ほど反対の理由も聞きましたけれども、委員会省略反対の理由も確かに理由になっていないと私は思うのです。もう少しはっきり自民党の皆さんの意見を一ぺんお伺いしないと、このまま採決をしてもらうことには私は反対であります。先ほどいろいろ話がありましたけれども、アメリカの公聴会ですら今晩行なわれるわけでありますし、時期的に間に合わないというととは、これは全然理由になりませんし、そのほかの問題も全く理由になっておりませんので、もうちょっとやはりこういう理由であるということを明らかにしてもらいたいと私は思うのです。
○矢山有作君 私は、この際、比較的中立的な立場に立っておいでになる、きわめて良識に富んでおられる議運委員長にひとつ御決意を願いたいと思いますが、私は先ほど来申しましたように、自民党の諸君が中身には賛成である、そう言いながら、委員会審査省略につきまして理由にならぬ理由をあげて反対をされるということですが、このままにして採決をするというのは私はいかぬと思うのです。これは自民党の諸君が中身にも反対だとおっしゃるなら、それはそれなりに採決にも応じましょう。しかし、その辺をあいまいにして、いかにも国民には自民党の皆さんが良識があるような印象を与えて、実際にはこの決議案をつぶそうという陰険なやり方は許されない。この際、私は委員長に特にお願いをいたしますが、前例はないでしょうけれども、この内容について各党がどういう意見を持っているのかということを実証するために、内容に賛成か反対かということを、参考のためにまずやっていただきたい。私は特に委員長の御決断をお願いいたします。
○藤田正明君 ただいま私の、内容は了とするということについての御議論があるようでありますが、本件はこの案件の委員会審査省略の問題でございますので、この問題が、手続が、採決の結果どのようなことになりますか。否決されるか、可決されるかわかりませんが、その上におきまして内容は論議をさしていただきたいと思うのです。内容を論議する案件ではございません。すみやかに採決をお願いしたいと思います。
○峯山昭範君 そうすると、委員会審査省略をしてということにつきましては賛成ですか。この問題、これは核実験はあしたの朝行なわれるわけですよね。委員会審議の省略をしないで委員会に付託しろということになりますと、これは現実の問題としていつ委員会を開くつもりですか。実際問題として委員会を開けないわけですよ、委員長。現実の問題、あしたの朝なんですから、これはもう委員会を省略する以外に方法はないわけですよね。どういう方法で具体的に委員会を開くのですか。この点は委員会を省略することに反対なんですから、委員会を開かなければならぬ。そうすると、内容的には賛成で委員会を開く。そうすると、委員会をいつ開くかということが問題だと私は思うのです、現実の問題として。そうすると、実際問題として考えてみると、委員会を開く間がないわけですから、どうか委員会を省略して本会議でやってもらいたい、このように思います。
○田渕哲也君 この案文を見たら全部で三百字内外です。きわめて単純といいますか、簡明な文章ですね。だから、いままで手続にかけた時間をもし案文の審議に費やしておったならば、もうすでに審議はできておったと思うのです。こういう問題を手続だけにこだわって反対であるというのは本末転倒ではないか。しかも、今回の核実験に対して反対する、——現実的に直接的な被害が予想されるわけでしょう。建設省もすでに津波に対する対策をやっているわけですよね。これだけの現実的な被害が予測されている問題です。しかも、政府は過去三回にわたってアメリカに対して実験の中止を申し入れているわけです。こういうものに対して国会が議決をすることについてどこに障害があるのか、私には理解できない。日本の政府でさえアメリカに対して抗議を、中止を申し入れているわけでしょう。それを国民の意思として国会で決議しようというのになぜ反対をされるのか。しかも、こんな簡単な問題は、いままで手続に要した時間をこの審議にかけておったなら、私は、この文案についてもすでに審議が尽くされておるのじゃないか、こういう点を考えた場合に、自民党の意見というのはまことに遺憾だと思います。
○上田哲君 藤田、山崎の両理事のロジックに最終的に一言だけ御警告を申し上げたいのは、いま問題となっているのは議事手続上の問題で内容的の問題ではないとおっしゃる。確かにそういう段取りだろうと思います。しかし、もしわれわれがそういうロジックに従って、いまこの議院運営委員会で本会議に上程することなくこの問題を葬り去ったということになれば、これは、日本国の参議院は、上院は、多くの国民の核実験反対の声を無視して、単なる手続論にかまけてこの内容を葬り去ったということになるに違いありません。特に申し上げたいことは、おそらく明日アムチトカ島の大実験があらゆる世界の各紙の一面を大見出しで飾るでしょうけれども、多くの反対の声がそこに向かって集められるでしょうけれども、一番そういう意味で反対の声を強く持っていると称せられている日本国の国会において、手続論においてこの内容を葬り去ったということが、非常に違った形で全世界の世論に対して一石を投ずることになるでしょう。そういうことをあえて踏まえられながら、手続論をもって本委員会がこの内容を葬り去られることになるのか。これだけの御決意を十分に腹に踏まえて、日本国国会の世界に対する見識としていかなる態度をとられるかを十分おきめいただきたいということを申し上げます。
○委員長(鍋島直紹君) 委員長として申し上げますが、これは手続の問題であって、賛否いろいろ御開陳になっておりますが、これは手続ですから一応手続は手続として、自後はやはり議院運営委員会の理事会においていろいろ論議すべき問題でありますので、理事会においてまたひとつ御論議をいただくということではいかがでございましょうか。
○矢山有作君 私はその扱いは非常に不公平だと思うのです。というのは、自民党さんが内容に全然触れられなかったならわれわれはこれだけしっとく言いません。しかし、自民党さんのほうから、内容はよろしゅうございますと、わざわざお触れになった。そうすれば、内容はよろしいとおっしゃっておいて、いまやれば、電報のことですから、間に合うとみんなが言っているのに、なおかつ手続論に解消をして、委員会審査省略には反対なんだというその理由が私にはわからないわけですよ。だから私は、もう一ぺん自民党さんにお伺いいたしますが、内容にも反対なんですか。その内容も反対だとおっしゃるなら、ここで決着をつけましょう。内容も反対なんですか。お聞きします。
○藤田正明君 内容の問題は本件では扱っておりません。別の席で申し上げたいと思います。(「そんなこと詭弁だ」と呼ぶ者あり)
○矢山有作君 私は、そういうことをおっしゃるのは、これは窮余の一策、どなたかおっしゃったが、詭弁だろうと思います。これはもうだれが聞いても自民党さんは内容に反対である。したがって、苦しまぎれに、実効が疑われるとか、あるいは、よその国の核実験についても決議をやったことがないとかいう理由にならぬ理由を並べ立てて委員会の審査省略に反対をなさるのだろう。こういうふうに断定をせざるを得ません。それで、もし私のこの断定に対してそれは反対であるということがおありなら、それを言っていただきたい。もしおありにならぬのなら、私は、私の言ったことが正しい判断であるという前提に立って、採決されてもやむを得ません。
○委員長(鍋島直紹君) 御意見ございませんか。ほかに御意見ございませんか。——ちょっと私語はやめてください。 御意見、御発言ございませんか。それでは、他に御発言もありませんので、本件について採決を行ないます。 本決議案の委員会審査を省略することに賛成の諸君の挙手を求めます。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鍋島直紹君) 少数と認めます。よって委員会審査省略の件は否決されました。 暫時休憩いたします。 午後二時三十八分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕