科学技術振興対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/11/17
会議録
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。 木内科学技術庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。木内科学技術庁長官。
○国務大臣(木内四郎君) 昨日、はからずも重ねて科学技術庁長官を拝命いたしました。はなはだ至らぬ者でございますけれども、委員各位の格別の御支援、御鞭撻をちょうだいいたしたいと、ひとえにお願い申し上げる次第でございます。 実は、私が今回科学技術庁長官を拝命したいきさつから、御案内のように、私としては、当面、今回のこのがけくずれの事件、この問題によって生じた諸般の案件を処理するのが、まずさしあたり私に課せられた任務である、かように思っておるわけでございますが、そのためには、もちろん、なくなられた方、あるいは負傷者の方、そういう方々に対する看護とか、あるいは補償、そういう問題について、その措置に最善の努力をするということはもちろんでありますが、同時に、今回の事件の経験を生かしまして、今後におきましては、重ねてこういう事態の発生しないように、科学技術庁全体として、また、関係機関として努力をいたしていくのが大事なことであると、かように考えている次第でございます。 それに、科学技術庁としては、いま申し上げたことのほかに、かねて前大臣からもお話をしてあると思うのですが、あるいは原子力開発の問題、平和利用の問題、あるいは宇宙開発の問題、あるいは海洋開発の問題等の先端的の分野におけるところの科学技術の振興、研究、開発に対してはもちろんでありますが、さらに、国民生活と密着した、あるいは公害の防止の問題、あるいはまた環境整備の問題、その他あるいは食品照射の問題、その他国民生活に密着したところのいろいろな案件の研究等を含めまして、科学技術全般の振興の対策に力を注いでまいらなければならぬと思うのでございますが、それにあたりましては、今回の経験にかんがみまして、人命尊重を基本の原則としまして、それに力を入れながら、これらの科学技術の振興に全力を尽くしてまいりたいと、かように思っておる次第でございます。 就任にあたりまして一言ごあいさつを申し上げた次第でございます。(拍手) —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 質疑のおありの方は順次御発言願います。
○辻一彦君 私は、きょうは主として十二日に予定しておりました原子力の開発、原電問題について質疑を行ないたいと思います。 十二日は、突然のことが起こりまして、その質疑をする時間がなかったわけであります。 そこで、それに入る前に、十二日に参院の川崎市への調査団が構成をされまして、私その一人として参りました。そこで感じましたことを幾つか申し上げて、まず、それについて二、三御答弁をいただきたい。これは、これからの原子力の問題に非常に関連があると、このように考えるからであります。 一つは、各党からこの川崎へ調査に参りまして、こういうところで十五名もの犠牲者が出るということは、普通ごく常識的に安全についての考慮を払うならば起こらない問題でないかと、こういうことを強く私は感じたわけであります。で、私は、全くこの安全対策というものが欠除をしておったというところに最大の原因があるというように感じました。 そこで、これから科学技術庁は、実験はますます大型化をすると思います。と同時に、単なる実験だけではなしに、安全性の問題では非常にかかわりの深い原子力の開発、特に原子力発電所の大型化、スケールアップということが当面の大きな問題になっております。そうなれば、科学技術の中心はまず安全を第一に、こういう中で考えていくということが大事ではなかろうかと思います。 そこで、この安全対策の今回の場合の欠除として、一つは、わが党の田中委員も前回指摘をいたしましたが、人間を尊重する精神といいますか、心がまえが欠除しておったということが、今度の場合の第一の問題であると思います。また、第二は、専門家や科学者の過信というものがあったのでないか、そういうものが安全に対する慎重な対策を欠いたもとになったのではないかと考えます。 そこで、従来、数回当局のほうから、予想外の事故であるとか、予想を越えたという、こういう発言がしばしば行なわれておりますが、私は、科学技術庁としては、予想外というような発言をすべきではないと思います。というのは、専門の土木学者、数学者、そういうものを全部よりすぐって、研究に研究、計算に計算を重ねて、そうしてその結果、どれだけの水を流せばどれだけの土砂が崩壊するかということは計算し尽くされておったはずであります。したがって、予想外、予想を越えると、こういうようなことばを使うべきでないと、まず私は考えるのであります。 具体的に、私は次の点を、まず質問いたしたい。 それは、いま申し上げました、予想外と、こういうようなことばを使うべきでないということについての御見解をひとつ承りたい。 第二は、あの川崎の実験におきまして計算をした土砂の崩壊する量は幾らであったのか。それから、実際崩壊をした土砂の量は幾らであったのか。そして、あの実験場におきまして、がけ下から何メーターのところに安全地帯が設けられておったか。そして、その安全地帯の後方何メーターのところに、観測器具、報道陣が位置をしておったか。次に、実際崩壊した土砂は、がけ下から何メーターまで流れたのか。この点について、まずお答えを願いたいと思います。
○委員長(鈴木一弘君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木一弘君) 速記を起こして。
○辻一彦君 それじゃ、ちょっとそのことを知らずにいましたので、失礼しました。これについては、実は、この安全という点で、原電問題と非常にかかわりがあるので、私は、このことを確かめて質疑に入りたいと思ったのでありますが、これにお答えになる方がおられないということであれば、この点については、ひとつ資料として次回に出していただくと、こういうように委員長にお願いいたしたいと思います。 それでは、若干関連するのですが、この問題で、常識的に安全地帯というのを計算をして設ける、それよりも少し余裕ある、最大の許容といいますか、それよりも余裕のあるところに安全地帯を設ければ、そしてそこから人が入らないようにすれば、こういう事故は防止をされたのでないか、こういうことが、実は私は原電の事故防止という環境の問題に非常にかかわると思っておるわけです。このことは、これで打ち切って、資料をいただくということにしまして、直ちに、福井県の若狭湾における原子力発電所が非常に集中化の方向に急速に進んでいる、私は、きょうこの問題を中心に質疑を行ないたい、このように考えるわけであります。 七月の二十三日に、ある程度、約四十分ほどこの問題について質疑を行ないまして、大要私は理解をしたのでありますが、若狭湾における状況を、質疑に入る前に、ごく簡単に申し上げますと、若狭湾の高浜原電一号、二号炉は八十二万六千キロワット二基がいま急速に建設をされておる。また、敦賀新型転換炉、十六万五千の原形炉は、これも急ピッチで建設に入っている。さらに、認可申請が行なわれている大飯原電一号、二号炉は、欧州にもないわが国最大の百十七万キロワットという原子炉が二基。これは認可申請中でありますが、実際は、炉心の予定されるところの整地作業、海の埋め立て等がどんどんと進んでいるという状況にあります。また、美浜の一号炉はすでに稼働し、二号炉も五十万キロワットは建設中であり、三号炉の八十二万キロワットが認可の申請をされている。こういう形で考えてみますと、建設中三百万キロワット、申請中三百十六万キロワット、合わせて六百二十万キロワットという、世界最大の原電基地が、このままならば福井県の若狭地区に建設をされようとする方向になっているということを私は指摘をいたしたいと思います。 そこで、これに対していろんな運動が起こっておりますが、一つは、美浜の三号炉につきましては、漁民の方が温排水の問題で非常に強い反対をし、美浜の町長も一々関電と話し合いをしまして、工事の中止をするということを言明せざるを得なかったという状態が一つあげられております。また、大飯町では、住民運動が、原電誘致の町長をリコールしまして、原電反対の町長が生まれて、その新しい町長は、工事の一時中止を求めて、全町で町政懇談会を開いておるという状況であります。加えて、若狭湾では、舞鶴市から高浜町、大飯町、小浜市、美浜町、敦賀市にわたる、県境をこえまして住民の反対の運動が、いま大きく動きつつある、こういうような状況が若狭湾に存在をいたしております。 私は、これを背景にして、住民のサイドから、以下の問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけであります。 第一は、福井県を別にしまして、世界で一番集中している原電の地帯——過日、科学技術庁のほうから資料で一部いただきましたが、イギリスのバークレー地区というのを資料でいただきましたが、これについて、世界最大の原電が集中している地帯は、一体どういう状況であるかということを、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○委員長(鈴木一弘君) 答弁に入る前に、私のほうから……。 先ほどの御質疑の発言の中で資料要求が辻委員から出されました。この点については、御提出いただけますか。関東ローム層の……。
○国務大臣(木内四郎君) 資料として出すか、あるいは所管局長が参りまして、ものによっては口頭で御説明を申し上げたほうが、かえっておわかりいいんじゃないかと思う点もあるので、その点は、ひとつ辻さんとよく御相談をして処理したいと思います。
○辻一彦君 もし、わかれば、きょうの質疑のために、あればたいへんいいと思いますから、口頭でもひとつこの数字を御説明をいただければいいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 世界で原子炉が一番集中しておるのは、おそらく、先生の御指摘のように、福井県の若狭湾、これが、申請を入れまして八百万キロワットぐらいになると思います。それから、外国で見ますと、たとえば、英国のバークレー発電所、これが十四万キロワットの発電所が二つあります。それから英国のヒンクレーポイント発電所、これが四つありまして、合わせますと百三十万ぐらいの出力になっております。それから英国のオールドバリー発電所地帯、これが二基ありまして、六十万キロワット等でございます。
○辻一彦君 簡単な数字だけでありますが、私それをまとめてみますと、イギリスのバークレーからオールドバリー、ヒンクレーポイントにわたる七十五キロの長さ、距離に、二百六十二万キロワットの原子炉が建設あるいは稼働いたしているということになります。ところが、若狭湾は、これは科学技術庁の数字でありますが、敦賀から高浜の距離は、直線で五十一キロ、この中に、先ほど申し上げましたように、建設中三百万キロワット、申請中三百十六万キロワット、六百二十万キロワットの原子炉が建設されようといたしておる。私は、第一に、これは単純な計算でいきますと、福井県を除いて、世界で一番過密、集中していると言われるイギリスの二・三倍、距離を計算に入れるならば三・五倍という、きわめて集中した地帯になっているということを、まず指摘をいたしたいと思います。 そこで、さらにお伺いしたいのは、若狭湾の現在申請中の大飯、美浜三号以外に、さらに全国で六千万キロワット、若狭湾に千五百万キロワットの計画があるということを聞いておるんでありますが、これらの計画についてお伺いをいたしたい。
○政府委員(成田壽治君) 昭和六十年度六千万キロワットの原子力発電の計画と言われておりますが、これは、いま現在原子力委員会が原子力長期計画を作成中でありまして、委員会としてまだ確定した見通しではないのであります。ただ、産業界とか、あるいは電力業界等の単なる見通しとして、六千万というのが、それから通産のエネルギー調査会でも六千万というのが出ておりまして、いまこれについて原子力委員会が専門部会を設けましていろいろ検討をやっております。ただ、この昭和六十年度六千万といいますのは、電力の需給から来るマクロ的な計算でありまして、どこの地点にどれだけ置くとか、具体的に福井県若狭湾にどれだけ設置するかというのは全然きまってないのでありまして、会社では、おのおのいろんな計画、長期計画を持っているようでありますが、政府としてこれを聞いているわけではありませんので、むしろ、電源開発調整審議会に上がって初めて正規の計画としてタッチするわけであります。したがって、現在関西電力が福井県等で考えているのは、先ほど御指摘のありましたように、関西電力の大飯発電所一号炉、二号炉、それから美浜三号炉、この三つだけが、われわれが聞いている計画でありまして、その後の計画については、政府として、まだ聞いておらないという状態でございます。
○辻一彦君 政府のほうへ申請が出ているわけではないんでありますから、御答弁でわかりますが、ただ、大飯原電の予定地を見ますと、企業のほう、関西電力のほうは、大体ここに六百万、大飯原電だけで六百万キロワット、百万キロワットクラスを五ないし六基つくるような計画も持っておると、こういうことを聞いております。したがって、まず若狭湾が、そういう意味で非常な集中化が今日行なわれており、将来さらに大型の集中化が行なわれようとしている特徴を持っているということを私は申し上げたいと思います。 第二に御質問したいのは、この大飯原電はいま認可申請中ですが、百十七万キロワットですが、これをこえるような大型の原子炉が、原子力発電所が、欧州に、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ等にあるのか、あるいは計画中であるか、その実態をひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 御指摘のとおり、関西電力の大飯発電所は、一号炉、二号炉とも百十七万五千キロワットの非常に大きな炉になっておりまして、これが外国でどうかというお話でございますが、百万をこえるものは、ドイツでも建設中であります。それからアメリカにおきましては——大飯発電所は申請によりますと昭和五十一年度に稼働する予定になっておりますが、それまでにアメリカでは百万キロワット以上の原子力発電所が大体二十基稼働する計画になっていると聞いております。
○辻一彦君 ドイツのどこの発電所であるか、それをひとついま伺いたいと思います。 それからもう一つ、科学技術庁が少なくも四十六年版のこれで出されておる資料によると、アメリカにおけるこの計画は七基のように載っておりますが、その二十と言われる中身が、一体ペーパープランを含めて言っているのか、具体的な計画で認可申請が出されているのを言っておられるのか、そこらをひとつ明らかにしてください。
○政府委員(成田壽治君) ドイツの大きな発電所はビーブルス発電所という名前でありまして、この計画の予定では、臨界予定が一九七四年、PWRであります。出力が百十五万キロワットということになっております。それからアメリカの発電所が二十基と申し上げましたが、これは、このうち半分ぐらいはたぶん建設中であり、半分ぐらいは計画中と考えております。
○辻一彦君 この資料を見ても、完成年度というものが示されておるだけであって、それが計画中なのか建設中であるかということがわからないのですよ。だから、その点、ひとつ調べていただきたい。ということは、計画中というのはペーパープランを含めての計画で、幾ら数がありましても、具体的に認可が出て、その周辺における人口、いろんな建設計画で、簡単になかなか私は認可されるものじゃないと思います。その数をひとつ明らかにしてほしいと思います。この資料を見ますと、大飯の百十七万キロワットをこえる原子炉は世界で幾つありますか。計画は、百十七万をこえるのは。
○政府委員(成田壽治君) ちょっと、いまこのデータで調べておりますが、後ほどまとめてこれは御報告したいと思います。
○辻一彦君 それでは、私の調べた資料では、百十九万キロワット一基ですね、皆さんの技術庁のこの資料によれば出ております。これは一九七六年に完成の目標になっておりますが、大飯に建設される百十七万という、こういう大型炉をこえるのは、百十九万キロワットというアメリカの一基が七六年にできるという、私はいまこのような例を見ております。そういう点で、若狭湾の特徴は、第一は、非常な集中化が行なわれ、しかも、その集中化はきわめて大規模なスケールアップ、大型化が急速に行なわれようといたしておるということが特徴であると思います。 同時に、もう一つ私がお伺いしたいのは、若狭湾に、夏三百五十万をこえる海水浴のお客さんが裸で海に入っておりますが、そういう数百万の海水浴のお客さんがいるようなところに原電が世界でつくられておるか、その例をひとつ出していただきたい。
○政府委員(成田壽治君) イギリス等では、発電所に隣接して海水浴地がかなりありますが、ただ、数百万の海水浴のお客が来るというところは、英国等では見当たらないと思います。
○辻一彦君 じゃ、私は、特徴として、それにもう一つ、若狭湾は三百五十万をこえる、夏、海水浴のお客さんが、裸で、きわめて稠密している、密集している地帯であるということを指摘しておきたいと思います。 そこで、関電で聞きますと、高浜に建設される一、二号炉八十二万六千キロワットは、いわゆる加圧軽水炉としては最大の型であって、百万以上になればこの形ではもうあまりにも容量が大きくなって建設ができないというので、新しいアイスコンデンサー型式とかというのを使うといっておりますが、そういう、まあ日本でも運転経験がない、そういうアイスコンデンサー方式は、百万をこえるようなものがアメリカでどのぐらいの経験があるのかどうか、そのことをお伺いしたい。
○政府委員(成田壽治君) アイスコンデンサーの装置は、アメリカのウエスチング会社の発明しました装置でありまして、アメリカのトロージャン発電所、ドナルドクック発電所等でもその装置が採用になると聞いております。
○辻一彦君 それは、その採用になると聞いているという程度ですか。いままでそういう大型炉が、その新しい型式によって動いているというような事実がありますか。
○政府委員(成田壽治君) 先ほど言いましたように、百万クラスの発電所は現在建設中でありますので、まだ動いておりませんが、建設の計画の中にその装置が採用になっていると思います。
○辻一彦君 そういう御答弁の中では、動いてもいないし、運転経験もない、アメリカで百万キロワット以上をつくろうとしているから日本も一緒にやろうと、こういうように私には受け取れます。 そこで、開発は、いま申しましたように、きわめて大型化をして、急速な形で進んでおるけれども、安全性を確認するための実験や研究というものは、たとえば燃料棒が溶けたときにどうなるか、パイプが切れたときにどうなるかというようなことは、アメリカで一部実験が行なわれましたが、日本の原研等でそういう研究がどういう段階に入っておるか、予算規模とあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 原子力関係の安全性の研究開発というのは、原子力予算、原子力政策でも最重点の要素となっておりまして、広い意味で安全性研究の予算というのは、四十六年度においては二十五億円ぐらいになっておりまして、来年度要求では三十五億円の要求をやっております。 それから、原研におきましていろいろ安全性の研究をやっておりますが、たとえば、アメリカで問題になりましたECCS、緊急冷却装置の研究も今後原研において——従来の原研は、ROSA計画といいまして、冷却材喪失安全研究という計画を持ってやっておりますが、今後アメリカのほうでの緊急冷却装置の研究もこれを広げて検討をやる。それから、NSRR計画、われわれ、原研で原子炉の暴走事故実験等を始めるというので、これも来年度の要求として新規に要求していきます。その他、いろいろ、ATRとかFBRにつきましては、新型転換炉とか高速増殖炉の新しい炉につきましては、動力炉事業団で安全性について重点的に検討をやっております。 それから、安全性の研究は国際協力で十分推進しないといけませんので、日米の原子力会談が先般行なわれましたが、これにおきましても、原子炉の安全性の研究を、専門家が集まって国際協力をやろうじゃないかというので、来年の三月に東京で原子炉安全についての専門家会議を開催することになっております。
○辻一彦君 ことしから、そのパイプ破損や燃料棒の溶解した場合の問題、緊急冷却装置等の事故が起きた場合の実験をやろうという段階であるように私はいま聞いたのでありますが、そうですか。
○政府委員(成田壽治君) 安全性の予算は、先ほど言いましたように……。
○辻一彦君 いや、予算はいいのです、いまの問題。
○政府委員(成田壽治君) 研究は四十六年度で二十五億やっておりまして、これは、原研の原子炉の安全関係が五億近く、あるいは動燃の新しい炉の安全性の研究が十五億とか、それから放医研、金材研、船舶研等の国立機関に対する予算が五億六千、あるいは民間に対する特定のテーマを与えて委託費を出すのが一億というような、これは従来から相当大規模な予算を投じて研究をやっているということでございます。
○辻一彦君 質問の時間は答弁を含めての時間になりますので、聞かないことはもうけっこうだと思うんですよ。問題は、ずばり、パイプ破損や燃料棒溶解等に関するこういうアメリカで問題になったような緊急冷却装置の実験は、ことしから始められるのかどうか。
○政府委員(成田壽治君) 緊急冷却装置の実験は、原研でことしから始めたいと思っております。
○辻一彦君 そこで、これだけに時間をかけられぬので、私は進みたいと思いますが、開発が非常に大型化をして急速に進んでおる反面、大事な安全を確認しなくてはならない実験の段階というものが非常に私はおくれていると思うわけです。そこで、たとえば、私は一つの例として、造船界において日本の科学の粋をこらし、実績においても体験においても世界第一位であるといわれるあの造船界の中で、「ぼりばあ丸」や「かりふおるにあ丸」が、まっ二つに、あの大型タンカーが割れて沈没している、こういうことを考えますと、あれだけの段階を踏み、体験を持つ造船界においても、大型化の中にこういう事故というか、問題が起きておる。これを考えると、私は、日本の原子炉のこれらについての実験の段階は非常にまだおくれておるのではないか、こういう開発の暴走的速度と実験段階のおくれに非常に大きな問題を感ずるわけであります。特に、関東ロームの話には触れないということですが、こういう中ではやむを得ないと思いますが、川崎の実験におきましても、この間石川局長が明確に認められているように、段階を踏まざる実験というもの、大型化がこういう事故を起こした大きな原因であるということを率直に認められております。こういうことを考えた場合に、私は、この大型化の非常な速度の開発と実験の上に非常に危険を感ずるわけでありますが、この点につきまして、ひとつ、新しい——いま担当大臣になられたわけでありますが、新大臣は前にも科学技術庁の長官でありましたから、こういった問題はすでに御存じだろうと思いますので、大臣としまして、これらの見解についてお伺いいたしたい。
○国務大臣(木内四郎君) 科学技術の研究開発の安全性の問題につきましていろいろ御配慮願っておりまして、私は深く感謝いたしておりますが、私は、先ほども申しましたように、また本会議場でも申しましたように、われわれは、いろいろな危険はあるけれども、さればといって、わが国の科学技術の発達、また国民生活の向上のために必要な科学技術の研究をおろそかにするわけにはいきませんけれども、しかし、その研究にあたっては、何としても人命尊重、安全第一ということを基本の理念としてやっていかなければならぬと、こう私は考えまして、その点につきまして辻委員からいろいろ御心配を賜わっておることは、私はわが科学技術のために深く感謝いたしておる次第でございます。 この原子力の産業は、皆さま方御案内のように、わが国では非常におくれておるわけであります。おくれてスタートして今日に来ておる。もちろん、宇宙開発またしかり、海洋開発もまたしかり、もちろん、海洋開発などはわが国固有のものがあるにしても、近代的の科学の粋を集めたところの海洋開発はたいへんおくれている。そうなってきますというと、私どものほうは、やはりおくれを取り戻さなくちゃならぬというので、一生懸命になって、かけ足をしているわけなんですが、さればといって、安全を無視してやるわけにはいかない。そこで、そういう問題につきましてもいま予算をとっていろいろという説明もありましたけれども、それがなくとも、今日までも外国の安全に対する研究などは私どものほうでも研究して、少なくも外国のレベルの安全確保の方途は講じていかなくちゃならぬし、現に講じておると私は確信しておるんですが、もちろん、それ以上に安全についてさらに研究しなければならぬ、そういうためにいろいろ予算をとったりしておるんですが、私どもは、やはりその問題については多少おくれておりましても外国のそういう研究を導入しまして、そうして安全をはかっていきたい。その上に、さらにわれわれの研究も進めて、一そう安全の確保につとめてまいりたい、かような考えを持っておりますので、その点はひとつ辻委員においても御了解を賜わりたいところでございます。
○辻一彦君 それでは、私は、原子炉、原子力発電所の安全の問題について質疑をいたしたいと思います。 従来から、しばしば、前長官あるいは原子力委員会、原子力局長等から、日本の原子力発電所の安全の基準は、いろんな点から世界一きびしいということを伺って、再三思うんでありますが、それは事実でありますかどうか、まずひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(山田太三郎君) いまの御質問に対しまして簡単にお答えいたしますと、日本は、最初に導入いたしましたのはイギリスの原子炉でありまして、その後アメリカになりましたんですが、その両方の考え方の特徴を取り入れた安全審査方式をとっております。したがって、アメリカ流でもございませんし、イギリス流でもございません。そういう意味で、アメリカあるいはイギリスのやっております方式よりもきびしい点が十分にあるというふうに考えてよろしいかと思います。 しかし、いま申し上げたのは事故に対する問題でありまして、あるいはあとから御指摘があるかもしれませんが、平常時の問題につきましては、いわゆるICRPの原則をそのまま取り入れておりまして、これは最近のアメリカの情勢とは若干違っておるということは申し上げられると思いますけれども、実質的には、最近のアメリカのとっております平常時の安全性のきびしい条件と全く同じように実行されておるということを申し上げたいと思います。
○辻一彦君 いま、すでに予防線を張られたわけなんですが、それで、放射能の問題についてお伺いしますが、確かに、いま言われるように、平常時と、それから重大事故、あるいは想定事故という事故時の問題があります。で、平常時の運転において、この国際基準——ICRPは従来五千ミリレムの基準であり、これに対してわが国の場合は、一応五百ミリレムの基準になっておりますね。しかし、いま言われるように、実際の指針ではこれを十分の一に下げておると、こういうことを聞いておるんですが、どこまで実際の指針においてこの基準がきびしくされておるのか、それを伺いたいと思います。
○説明員(山田太三郎君) 平常時の一般公衆に対する基準は五百ミリレム、御指摘のとおりでございます。しかし、実際の原子炉の安全審査の申請がまいります場合におきましては、その五百ミリレムという限度よりも当然下回った値をとらせることにしておりますが、ただ、現在、普通の安全審査におきましては、その値がちょうど原子炉の敷地の周辺で大体五十ミリレムぐらいになるという値を許可しております。しかし、実際の経験におきましては、それからさらに一けた程度下回りまして、五ミリレムあるいは十ミリレム——年間でございますが、というのが実情でございます。
○辻一彦君 アメリカの原子力委員会AECは、百七十ミリレムを、一九七一年の六月に三十分の一に下げて、五ミリレムに一応基準を出しているということは御存じだろうと思います。そこで、私は、このアメリカのこれに比べて、実際は五ないし十だと、こう言われるけれども、それならば、もっとこの基準をきびしくするべきではないか。このままであれば、実際的にはこの五十ミリレムまでは認められるということでありますから、その放射能の平常時における量については基準がかなり甘いんではないかと思いますが、それはどうでしょう。
○説明員(山田太三郎君) アメリカのほうは、基準ではございませんで、ガイドでございます。すなわち設計上の指針でございます。したがいまして、アメリカといたしましては、現在でも基準は五百ミリレム、変わっておりません。それで、実際問題といたしましては、原子力発電所の運転におきましては常に五ミリレムに保つようにはできないということをこちらも認めております。したがいまして、その値が二倍になり、あるいは四倍になる、あるいは八倍になるという場合においては、アメリカの原子力委員会が、これに対応して、その値を下げるようにというような勧告をするということになっておるようでございますが、これはまだガイドでございますが、アメリカといたしましては、それをまだ公に認める段階には至っておりません。そういう案を出した程度でございます。 日本の場合におきましては、それと同じようなことを、実際問題といたしましては、原子力発電所の運転上の保安規定に入れるということで考えていきたいというふうに考えております。
○辻一彦君 アメリカは指針を出して、まだ基準ではないと言われますが、最近におけるアメリカの原子力の規制というものは、ある意味において、きびしさをだんだん増していると私は思うんですよ。したがって、安全を考えてそういう指針を出したというのは、それに向けて基準がきめられるし、そういう方向を目ざしていくということになろうかと思います。したがって、わが国においても、私は、従来のこの基準を、少なくもまず原電については、すでにアメリカを模範にされるんでありますから、こういう指針に沿って、わが国においても暫定指針のきびしさを持つべきであると思いますが、どうでしょう。
○説明員(山田太三郎君) 御指摘のとおりであると思うのでございますけれども、ただ、アメリカの場合は、先ほども申し上げましたように、設計の基準は五ミリレムであるけれども、もしも運転の途中において若干ふえた場合にも発電所をとめるわけにはいかないだろう。したがって、それが二倍になり四倍になり八倍になるまで認める、その場合に初めて原子力委員会が何か言うというふうになっておるわけでございます。これと同じようなやり方を日本でとるという感じがいいことであるかどうかについては、実は私は、日本人の法律に対する感じから見て、よくわからないのでございます。そういう意味で言いますと、たとえば八倍以上こえてはいかぬというような言い方にするほうが逆にいいのか、あるいは十ないし二十ミリレムにするほうがいいのか、そこはよくわかりません。しかし、よく検討させていただきたいと思いますが、検討しておってもしかたがございませんので、実行上保安規定において五ミリレムなりなんなりという値を順守させるようにさせたいというふうに考えております。
○辻一彦君 保安規定で五ミリレムを順守させるんですか、もう一度お伺いします。
○説明員(山田太三郎君) そういう方向でございます。
○辻一彦君 それから、なお放射能の問題でありますが、科学技術庁の資料、また日本原電の資料によりますと、昭和四十五年に敦賀三十三万キロワットの放射性ガス放出量は大体年間六万キュリーと発表されております。したがって、その周辺の被曝量は五ないし十ミリレム一年間になるだろうと、こう言われておりますが、四十六年は、この計算でいけば大体十万キュリー、十ミリレム以上になるように考えます。すると、すでに敦賀三十三万キロ一基で、いま言われる五ミリレムの基準を倍も上回るというような資料が科学技術庁自体の資料で出されております。その中で、いま六百二十万キロワットという膨大な数の原子炉がどんどんとつくられた場合に、周辺における被曝量というものはどういう計算をされるのか、それをひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 敦賀発電所が年間十ミリレムをこえておりますが、これも、これは敷地境界でありまして、それから距離が離れた居住地におきましては、放射能の放射線は空気の抵抗で減衰する、そして大体距離の一・五乗から二乗に反比例して減ってまいりますので、周辺の公衆の被曝線量は平均〇・〇二ミリレムというような程度のものと考えられまして、これは自然放射線のレベルの千分の一程度ということで、まあ問題とする程度ではないという、われわれは考えを持っております。
○辻一彦君 この測定という基準には、私はいろいろむずかしいものがあろうと思います。ただ、幾多の実験を見ても、皆さんが専門的に計算をされたものが絶対安全であるのが、実際事故が起こってみると、とんでもない、もう予想外と皆さんが言われるようなことが起こるという点から考えれば、よほどこの問題は十分な検討をしなければならないことでなかろうか。特に、一つ一つを検討すれば問題がないという御見解でありますが、たとえば高浜には八十二万というのが二つ、美浜には同じ敷地に、このままでいけば三十四万が、五十万が建設され、さらに八十万が申請されている。そうすれば、当初の三十万の六倍の原子炉ができようとする、こういうことでありますから、私はどうも専門的な計算はちょっとわからぬのでありますが、ごく常識的に考えても、一基でもってこれだけの問題が出るとすれば、その敷地の中に隣合わせに三基、六倍の原子炉ができた場合に、この基準で心配がない、こういうふうにはどうも思えないのであります。しろうと論議のようでありますが、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
○説明員(山田太三郎君) ただいま御指摘のとおりでございまして、過去におきましては大体五百ミリレムという値が基準でございましたから、それの十分の一程度を対象として考えておりましたけれども、最近の段階におきましては、さらにそれを下回るということが世界的な要望になっております。したがいまして、現在出ております放出量よりも、それの五分の一ないし十分の一に減らす技術をどんどん導入しておりますので、そういう意味で申しますと、たとえば六倍に発電容量がふえましても、十分の一になりますと、もとより減るという形に相なるという場合があるということを申し上げたいと思います。
○辻一彦君 その新しい放射能が減る装置というのは一体どういうものですか。どこについていますか。
○説明員(山田太三郎君) 一つは、過去におきましては、排気ガスをためる時間が二日くらいでございましたが、現在は四十五日という程度にまで延びてまいっております。さらに、最近の考え方におきましては、三十日程度の減衰を経た後に、風の方向を見まして海側に吹いているというような状態を選んで放出するということになりますと、われわれが着目しておりますのは人間の住んでおる方向でございますので、そういう意味では人体には影響がないというような方法が取り得るという形のものが一つでございます。
○辻一彦君 放射能を含んだ廃棄物を一定期間滞留さしておいて、そこで半減さすというわけですね。しかし、たとえばチャコールベットというのが、御検討になっており、また使われておりますが、その半減期の短い、その中に置いておいて吸収される放射能というのは非常に少なくて、大部分、たとえばクリプトン八五であるとか、トリチウム、キセノン一三三というようなものは非常に長い半減期を、十年も持っておるとすれば、三日や四日滞留さしたって別に変化はしないわけですが、それはどうですか。
○説明員(山田太三郎君) 御指摘のとおりでございます。しかしながら、放射性廃棄物の中には短半減期のものがたくさんございます。したがいまして、そこで十数日というもので、すっかり減衰してしまうものが相当ございます。で、いまのクリプトンの問題は、むしろこれは世界的な、あるいはグローバル、地球的な問題という意味で問題になるとは思いますけれども、それがその分で、いま申し上げましたように数分の一に減るということを申し上げておるわけでございます。
○辻一彦君 いまの御答弁では、ちょっと私、なかなかわからない。したがって、あと、人口分布や環境の問題に入っていきたいと思いますので、これはひとつ、いま建設中の原電がそれぞれ動き出したならば、どれだけの放射能というものが周辺に出るようになるか、それを、現在建設中、高浜、美浜、さらに大飯、美浜三号にわたって、六百二十万キロワットまでの段階で資料として出していただくようにお願いしたいと思います。この問題は、その資料を見た上で、さらに次回に回したい。 そこで、私は、立地基準の人口と距離との問題に入りたいのでありますが、その前に……。
○田中寿美子君 関連して、 いま辻委員は、原子力発電所の周辺の一般公衆に対する放射能の基準について、安全性について質問なさったと思うのですけれども、私、この際ひとつお尋ねしたいのですが、周辺の一般公衆に対する問題も、私ども非常にその安全性について心配を持っておりますけれども、原子力発電所ないし放射性物質を取り扱う内部で働く作業員、そういうものに対する被曝量の基準ですね——これまでのは、いまの御説明ですと、アメリカが百分の一にしたが——周辺のほうですよ、それと同じようなやり方で自分らは指導しているというようにおっしゃいましたけれども、それじゃ作業員のほうは現状の基準でいいとお思いになるのかどうか、その辺をお尋ねしたいので、これは、科学技術庁、それから労働省の方もいらっしゃれば、両方から伺いたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 一般人でなくて、職業人に対する許容線量は、三カ月三レム、年間で五レムと定められておりますが、これは、国際放射線防護委員会、いわゆるICRPの勧告の値を取り入れて、しかも日本の放射線審議会の審議を経て法律的にきめた基準でございます。このICRPは、この線量レベルによる放射線の影響は認めがたい程度のものということでありまして、これは、この勧告の値を発表する以前のいろいろな経験から得られた統計等によっても十分裏づけられて、この程度の値なら問題ないということが裏づけられた基準ということになっております。しかし、実際はこれよりも相当低いレベルで仕事をやっているということでございます。
○田中寿美子君 労働省の方に伺う前に、もう一度……。先ほどからも、そういうきびしい基準で指導しているように言われるけれども、そういう保証がどういうふうにしてされているのか。検査だとか、そのほか、これは企業の検査員が検査に当たっているというような状況では必ずしも私どもは満足できないのです。 それで、労働省が昨日発表された、私新聞紙上で見たのですけれども、安全衛生に関する法律を新しく出す、その単独法を出すということを発表された中で、放射線を扱う者についての措置も、いままでよりは相当きびしい線を出されるのかどうか、そういうことについて、どういう指導をされるのか。これまでのでいいと思っていられるのか。それから、いま非常に国際基準よりももっときびしい指導をしておるように言われたけれども、はたしてそれはどういうふうに保証されているのか、私は労働省の方に伺いたい。
○説明員(山本秀夫君) お答え申し上げます。 先日発表いたしました新しい安全衛生法の中では、この放射線関係も当然にまかなうことになります。現に、われわれのほうでは昭和三十四年に放射線等を防止する規則をつくっておりまして、それが基準法に基づくものでございますから、そっくりそのまま安全衛生規則の中に一応取り込むということを考えております。ただ、許容濃度につきましては、なお新しい見解もあるようでございますから、われわれとしては前向きに検討した上で対処していきたい、こう思っております。
○田中寿美子君 まだ、もっと、どういうふうに労働省は指導されるのですか。
○説明員(山本秀夫君) 労働省は、従前、ただいま申し上げました規則に基づきまして監督指導をずっとやっております。四十五年の数字は、あらかた申し上げますと、三百十件ほど監督をいたしております。その中で、工業用のものが大体八十件くらいございますが、これらにつきましては許容濃度の五レムの厳守ということで、ことしは九月に一斉点検というのを行ないましたが、そこでも、いま集計にかかろうとしている段階でございますが、約七十件ほどの監督をしております。 なお、各個人個人の被曝線量につきましては、規則でフィルムバッジをつける、その他の措置を講じております。この順守状況を見ておりますが、大かた見てみますと、許容度をずっとこえているものはそれほど多くはないというように理解しております。健康診断もやっておりますが、その結果、ひどい療養生活を要するというものは目立っておりません。 なお、今後許容濃度の限度等を、いまやりました総点検の結果等を踏まえまして指導を行なってまいりたいと思います。
○田中寿美子君 辻委員の時間を取るのはいけませんから、私はこの問題は留保しておきたいと思います。ほんとうに作業員に対して科学技術庁がどの程度の指導をし、監督をしているかということに対しても疑いを持っておりますし、それから許容限度も、いまのままでいいというふうに言い切られるのがはたして正しいかどうか、検討していただきたいと思っております。
○辻一彦君 では、続いて、私は、先ほどアメリカやイギリスに比べてきびしい基準を持っておられると、こういうことを伺ったんでありますが、原子力発電所の立地基準についてお伺いをいたしたいと思います。 アメリカやイギリスでは、いわゆるこの原子炉を中心にして、人が住まないところや低人口地域や、人口密集地域との一定の距離をつくっておるし、それからイギリスは、敷地指数という概念によって、やはり半径二十キロ以内にある人口密集地を含まないというのを大体採用しているというように聞いておるのでありますが、要点だけ簡単にその基準をひとつ御説明いただきたい。
○説明員(山田太三郎君) 原子炉の近傍の人口問題につきましては、アメリカがまず案を出したのでございますが、その段階は、いまから約十年ぐらい前でございまして、その時点におきましては、原子炉から出ました放射線を防護するものは格納容器だけという前提に立った計算でございます。したがいまして、それによりますと、格納容器だけしかございません場合には、原子炉の容量が大きくなりますと、それに比例して相当長い距離を、人口の少ない地域あるいは人がいてはいけない地域をとらなきゃならなかったのであります。しかし、一九六三年ごろからすっかり変わってまいりまして、原子炉の安全性を見るものは距離とそれから技術であるということに相なりまして、そこで格納容器以外に、原子炉の非常冷却系といったようなものが考え出されました。それによりますと、出力と距離とは一対一の関係ではございませんで、その技術のレベルいかんによってその距離がきまってくるというふうに現在はなっております。
○辻一彦君 この日本原子力会議のハンドブックにも出ておりますが、一つの基準が出ていますね。あるいは都甲さんでありますか、この安全審査にかかっている皆さんが、朝日市民教室の「原子力と安全性」という書物の中に、審査員の皆さんがみな書いておられる、この中にもずっと出ておりますが、アメリカにおいては格納庫の進歩によって距離は変わってくるということでありますが、基準として、原子炉の周辺に、人の住まない地域、それから低人口地域、それからその周辺における密集する人口とのある距離と、こういう三段階になっておりますね。これを一応ざっと調べてみると、こういう基準が出ております。敦賀の三十三万キロワットの出力については、この計算でいくと、低人口の地域は十六・一キロ、人口中心地から一定の距離は二十一・四キロ、福井県の例だけ言いますと、五十万キロワットの場合は、その関係は二十四・四キロと二十八・五キロ、八十万キロワットでは三十キロと四十キロ、百万キロワットで三十四キロと四十五キロ、大飯原電のように百十七万キロワットになりますと三十八キロと五十一キロというように、このアメリカの以前の基準でいえば低人口地域と密集地は距離を持つべきだと、こういうように言われております。 そこで、確かに原子炉の進歩に従ってそういう変化が私はあろうとは思いますが、現実にいまアメリカの中でつくられている原子炉周辺の人口分布図を、一つ一つの原子炉、また百万キロワットをこえる原子炉の周辺について調べてみると、距離と出力は全然関係ないと、こういうような問題で私はないというように考えますが、アメリカにおける主要な原子炉周辺における人口分布図の具体的な例を話していただきたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) たとえば、インディアン・ポイントIIこれは熱出力が二百七十五万キロワット、これがTIDの設置基準でいきますと排除区域は二・一キロということになっておりますが、この基準は、先ほど言いましたように、格納容器だけの裸の炉を前提にして計算しておりまして、実際はいろいろな安全防護設備が付置されておりますので、非常に距離が短くていいということになりまして、実際の排除区域は〇・五キロというふうに四分の一以下になっております。それから低人口地帯、都市・部落がないという低人口地帯は、このTIDの計算でいきますと三十二キロメーターという計算になりますが、実際の炉はいろいろな安全装置、設備をつけておりますので、実際の低人口地帯の距離が一・一キロということになって、これも十分の一以上縮まった距離に住んでいるということになっております。
○辻一彦君 その例はどれですか。
○政府委員(成田壽治君) インディアン・ポイントのII、PWRの例でございます。この資料には例は載ってないかもしれませんが、われわれのほうのデータから出ております。
○辻一彦君 インディアン・ポイントの人口分布図を私は全部調べてみましたが、現実にその炉の周辺にある村、町を全部皆さんのほうも資料はおありだろうけれども、全部の区域にわたって人口を検討すると、そういう人口密集地は周辺にどうも見当たらないけれども、皆さんのところにありますか。
○政府委員(成田壽治君) どの部落に人口がどのくらいかというデータはありませんのですが、低人口地帯、まあ部落は、実際にあるのは一・〇八キロメーターというデータになっております。詳しくは、後ほどデータをそろえまして先生にお届けしたいと思います。
○辻一彦君 インディアン・ポイントには、二十万キロワット、それから八十七万キロワットが一九七〇年、九十六万キロワットが七一年というように計画されておりますが、この分布図によれば、これは人口中心距離は大体二十七キロ、半径三十の半円を描いて、その中に数万の、二万、三万とかいう人口密集地は私には出てないように思えます。 それから、それだけじゃなしに、皆さんこれを持っておられますね。この例の中で若干指摘したいのでありますが、たとえばナインマイル・ポイントというのがここにありますね、これは五十万キロワットの出力でありますが、こういう基準でいくと二十九キロ、しかし、人口中心地の距離は実際は十一キロ半になっている、こういうふうになっておりますが、これも、この周辺における人口分布図を見ると、これは全部人口が町村別にありますが、これを見ると、十一・三キロのところには二万二千の町がありますね。二万二千の町があります。しかし、その周辺三十キロはほとんど数千人の町、村であって、かなりな人口中心地というのはこの中からも出ていない、こういうふうにこの表では見ます。それから、たとえば、このオイスター・クリークに、いま大きな原子炉がつくられておりますが、この周辺も、まず皆さんのその資料で計算すれば三十キロ、実際は十六キロと、こういうことになっておりますが、これも一万七千の町が十九キロから十六キロというところにかかっておる。 こういう、調べ上げれば十幾つかの例が全部ありますが、アメリカは基準を変えていると言われているけれども、実際は、この低人口地域、特に人口中心地域と一定の距離を置くように、すべての原子炉が考えられているというふうに思います。特に百万をこえる原子炉の周辺を見たときに、いずれもかなりな距離を置いている、こういうふうに思うんですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(成田壽治君) この表から見ましても、百万をこえるアメリカの原子炉が、人口一万以上の都市に対して十何キロ離れておることは確かでございます。そういう点、アメリカと日本の人口の稠密度合いの違い等もあると思いますが、アメリカの例は確かにそのとおりでございます。
○辻一彦君 アメリカの例は、人口密集地はかなり距離をとっているということを認められるわけですか、そのとおりであるということは。
○政府委員(成田壽治君) 基準からしますと、先ほど言いましたように、防護、安全装置を持っておる炉につきましては、〇・五キロとか、低人口地帯は一キロとかといいますが、実際は、原子炉のある地域は人口が少なくて、一万以上の都市は十キロ以上離れているのが、アメリカでは、実際上は通常であると見ております。
○辻一彦君 この資料にある原子炉周辺人口分布図は全部調べてみましたが、たとえばサン・オノフレ、これは敦賀の私たちの調査団も現地へ行って見ておりますが、これを見ても、四十三万キロワットのサン・オノフレの周辺人口二万六千は三十キロにかかっておりますね。一万五千の場合は十五キロと、こういうように、かなりな距離を置いておるのが私はアメリカの例であると思います。 そこで、もう一つ。イギリスは非常に基準が甘いと言われるのですが、先ほど皆さんがそこで言われたバークレーからオールドベリー、ヒンクレー・ポイントにおける周辺の人口図について、ひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) この資料によりますと、バークレーの発電所で見ますと、人口一万以上の都市までの距離は二十一キロになっております。それからダンジネスA発電所、これが人口一万以上の都市までの距離は五キロということにななっております。それからブラッドウエル発電所におきましては、人口一万以上の都市までの距離は十四キロということになっております。
○辻一彦君 いや、私は、世界で一番集中しているという例で皆さん出されたバークレー、オールドベリー、ヒンクレー・ポイントの周辺の人口をどういうように見ておられるか、それをちょっと伺いたい。バークレーはいいですが、オールドベリー、ヒンクレー・ポイントはどうですか。
○政府委員(成田壽治君) バークレー発電所の周辺の都市を見ますと、たとえば十八キロ離れておるところのストラウド市というのは人口が一万九千人、それから距離が一・六キロ離れておるところのバークレー町が人口が千六百。それから十二キロ離れておりますところのウオルトン町、これが人口が四千人。それから十五キロ離れておりますところのチェプストウ町、これが六千人の人口になっております。それから、オールドベリー発電所につきまして見ますと、十四キロ離れたフィルトン市の人口は一万一千人。それから十五キロ離れたブリストル市、これは人口が四十五万人、十五キロ離れております。それから四・五キロ離れたソーンバリー町というのが三千人。六キロ離れたチェプストウ町というのが六千人という人口部落になっております。
○辻一彦君 ヒンクレー・ポイントについては、この周辺に二十キロ離れて三万八千の町がありますね。それから十四キロ離れて二千六百の村があります。こういうように、私は、世界で一番集中しているイギリスのこの例、それから、ずっと皆さんの資料にも出ているこのアメリカの原電の人口周辺図、こういうものを見たときに、アメリカは、いま確認をされましたように、かなりな距離をとっているということが事実としてここで確認をされたと思います。また、イギリスにおいても、いま御説明がありましたように、かなりな距離をとっているということが現実の姿でないかと私は考えます。 そこで、カナダの基準においても、被曝量のマン・レムで言えば、日本の場合は、例として、基準に二百万人レムというのがあげられておりますが、カナダは百万人レムになっていますね。それは事実ですか。
○政府委員(成田壽治君) ちょっとデータ不足で、はっきりしませんが、すぐ調べてお答えいたします。
○辻一彦君 まあ、皆さん出された資料に載っているんだから、間違いないと私は思うんですが、あとで確認をしてください。 そこで、もう一つ、ヘイシャムというイギリスの地区ですね、これはかなりな、いま二百五十万キロワットですから、六十五万を四基つくる計画がありますが、これも、いま論議をされているのは、半径二十キロの中にどのくらいの人口分布があるかということが非常に論議になって、五キロのところに二万台、八キロのところに四万台の都市を含むかどうかということが、この計画の論議のポイントになっておるということを私は聞いておりますね。このように、軍事的な目的から出発したイギリスは、ある点においては基準がゆるやかであるというように私たちは聞いておりますが、そのイギリスでも、かなりな距離を原子炉の周辺にとっている。しかも、二万、三万の町を十キロ以内につくるとすれば、かなりな論議をしなければこの計画は通らないという状況にある。アメリカしかり、カナダしかりとするならば、日本の立地基準、環境におけるところの、イギリスよりもアメリカよりもきびしいと言われる状況というのは一体どこにあるのか。 特に、私が最初に指摘をしましたが、若狭湾というのは、三百五十万の夏人口、海水浴のお客があると言いましたが、数字は、敦賀市で七十五万九千六百人、美浜町で五十万八千人、小浜市で六十三万五千人、高浜町で百四十九万人、まだ、こまかいところがありますが、合わせて三百五十二万八千二百人という人が、七月から八月の二十日ごろまでの間に、若狭湾の一帯に海水浴のお客として密集している。特に、高浜という町は、平常においては一万数千の町でありますが、土曜日、日曜日には二十万から人口がふくれて、屎尿処理上もうたいへんな問題を起こしておるところでありますが、こういう人は、昼間は裸で海におります。晩には海岸にテントを張って何十万という人がいる。しかも、目と鼻の五キロのところに高浜原電八十二万六千キロワットが二基、言うならば百六十五万キロワットの原電が、たった五キロのところにつくられているし、百十七万の二つの大飯原電二百三十万キロワットは申請中ですが、十キロ以内のところにいまつくられようとしておる。こういう点を考えたときに、私は、環境における立地基準という点から言うならば、いかに甘い基準で審査をされているかと、こういうように考えるのでありますが、どういうきびしさが、アメリカ、イギリス、カナダ等に比べて、現実に若狭湾のあの中であるのかどうか、それに対して、ひとつ責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(山田太三郎君) 現在、原子力委員会におきましては、原子炉安全専門審査会におきまして、原子炉を設置いたします場合の離隔距離についての検討をいたしております。その詳細は審査会長のほうがいいと思いますが、それにおきましては、重大事故及び仮想事故というのを想定いたしておりますが、その前に、もちろん原子炉に起こるあらゆる事故について検討いたしまして、その中で最も大きく放射能が出ると思われるものについて詳細なる検討を行なっておるわけであります。 それによりますと、現在の段階におきましては、現在審査オーケーになっておりますものにつきましては大体敷地周辺より外におきましては重大事故及び仮想事故において外部に影響を与えないという結論を出しておりまして、それを私は信用して使っておるわけでございます。
○辻一彦君 そういう数字というものがいかに信用できなかったかということが、川崎の生田で立証されたのじゃないですか。計算だけ専門学者が集まって計算をすれば、もうそれで安全だから、その地域以外は絶対安全だという考え方だけに依拠しておったならば非常な安全上の問題がある、こういうことを、私は、この間の川崎生田の問題は示していると思うのです。そういうところから私は教訓を学びとっていただくということが、あの犠牲者に対する最大の供養になると思っております。大臣、どうですか、その点。
○国務大臣(木内四郎君) ちょっと抽象的に考えますと、そういうことも言われると思うのですが、私は、この間の事件というものは、よほどそういうものとは性質が違うのじゃないかと思います。この間のはいろいろのことがありましたけれども、ちょっとした観測の場所に対する位置の配意、あるいはそれに対するさく、金網を張ったところの簡単なものでやるという配意、そういうところに大きなあれがあったので、それは科学的の問題とはちょっと私は違うのじゃないか、かように考えます。いまここで原子力委員のほうからお話しになった問題、もちろん、われわれはいま原子力とか、いろいろ危険なものを扱っております。それに対しては、特に安全度に、余裕といいますか、マージンを多くとってみて、そしてやっていかなければならぬということはよくわかっておりますけれども、その点については、いま山田委員からお話がありましたように、原子力委員会あるいは安全審査会におきまして詳細に検討して、近代科学の立場から、大体これは支障はない、こういう見地でやっておるのでありまして、この間のものとは、ちょっと性質が違うように思うのです。
○辻一彦君 これは、実験の中身が同じだということじゃなしに、計算を十分専門学者がして、これだけの雨でこれだけの土砂量がくずれるのだから、ここが安全であるという線があったのでしょう。その線があったから、その前に観測機械を置かれて報道陣の人もその近くまで行ったのですよ。しかし、実際起こったのは、はるかに安全性をこえたところに土砂が流れていったということでしょう。だから、専門学者が十分計算をして、そしてそれに基づいたことであっても、非常に安全という点については幅のあるというか、余裕のあるというか、安全帯を設けなくちゃならないという点を私は学びとってほしいと思うわけですよ。その点は共通していませんか。大臣、どうですか。
○国務大臣(木内四郎君) いまお話の点は私はわかるのですよ。わかるのですけれども、この間の災害というものは、予想以上の数倍の規模と速度によってあれが起こったのでありまして、その意味においては配意が少し足りなかった。そこで、その問題と、いま山田委員のお話しになっておる科学的のそういう水準の測定という問題とは、ちょっと私は違うと思うのですけれども。
○辻一彦君 いや、もし原子炉に事故が起こるとしたら、まあ十五人や二十人ではもう済みっこない、たいへんな事故が起こるわけですよ。だから、人口というものの安全な距離を置かなくちゃいかぬ、これは世界的な一応の常識であるから、だから、アメリカにしたって、イギリスにしたって、どこの国もかなりな距離をみな置いておるのですよ。ところが、いま新しい基準というのが日本にはあるようでありますが、それによれば、そういう人口密集地のことはほとんど無視をしたような状況でこの審査というものが行なわれている、こういうことに非常に問題があると私は思うのです。 そこで、時間が大体来たようなので、残念なんですが、いまの山田原子力委員の御答弁では、私はその数字でもう安心であると、こういうことは言えないと思うのです。それから、この質疑を通して、少なくもアメリカやイギリスやカナダよりも基準はきびしくはない、逆に言えば甘いということを、皆さん、いまの中で、この点は一応私は認められたと思いますが、どうですか、それ、立地基準と実際に置かれている状況から推して。
○説明員(山田太三郎君) 当然、状況が違いますと違うわけですけれども、しかし、たとえば、先ほど辻先生も御指摘になりましたヘイシャムの問題、あるいはハートルプールの問題等、だんだん人口の多い地帯に向かっていきつつあります。特にドイツの場合におきましては、五十万人の人口のある都市のまん中につくろうという話まで起こってきているわけであります。しかし、それはもちろん現在の段階では、とまっておりますが、そういう意味では、日本のほうがはるかにラフに、あるいはルーズにやっておるということにはならないと思います。
○辻一彦君 私は、それに関連して、実は、都甲先生は安全専門委員でありますね、その方が書かれているこの中に、アメリカのAECは非常に基準が保守的で、都市接近というような方法に対して抵抗していると、こういうことが書いてあるのであります。それから、このハンドブックの中にも——これは科学技術庁のほうからいただいたのですけれども、この中でも、この基準に、最近距離を縮めてもいいのにAECが非常に保守的で抵抗するので、なかなかその距離は縮まらぬというような意味のことが書いてありますが、科学技術庁の専門審査委員の皆さん、あるいは原子力委員の皆さん、また技術庁の皆さんの見解は、安全のために距離をしっかりとって安全を守るという考え方が保守的なのですか、進歩的な考えというのはどんなのですか、一体。
○説明員(山田太三郎君) その点につきましては、辻先生と全く同感でございます。都市接近というのは、普通アメリカあたりで言われておりますのは、たとえばロサンゼルス等の問題があります。いまの五万、十万ではございませんですが、それは、日本におきましては都市接近などはとうていできないというふうに考えております。それですから、いまのように都市に近いところに置くことが進歩的であるというふうには、もちろん考えておりません。十分に安全を考えなければいけないという範囲において現在は実行しておるというふうに御了解いただきたいと思います。
○辻一彦君 もうこれで終わりますが、私は、やっぱり安全審査の専門委員の皆さんや原子力委員の皆さんの中に、この資料なんかにみな書かれていることを見ると、どうも距離を十分とって、そして安全を確保していくというような方向は保守的な考え方だと、最近の方向はそうではないのだという、そういう考え方といいますか、姿勢が、どうもうかがわれるように思いますが、この点は、そうではないというなら、少なくもこういう中に、技術庁から出されている資料においては、これはひとつ訂正していただきたいと思います。訂正されますか。
○政府委員(成田壽治君) 具体的な内容を調べて、必要があったら訂正したいと思いますが、いま具体的な、どの点であるかということがはっきりしませんから……。
○辻一彦君 それでは、私は最初に、若狭湾というものが、世界一、イギリスの三・五倍に及ぶ集中度があり、しかもきわめて大型化が行なわれており、しかも、そこには三百万をこえる海水浴のお客さんが密集している、こういう問題を指摘して、そうして、アメリカやイギリスより、はるかにきびしい基準を持つというこの日本の原子炉設置基準について御質問しました。その中身は、私は、アメリカ、イギリス、カナダに比べて決してきびしくはない、むしろ、言うならば、きわめて甘い基準が現実に若狭湾に採用されている、こういうふうに考えます。したがって、こんな審査によって高浜の八十二万キロワット一号、二号炉、また美浜の二号炉五十万キロワットがこのまま動くということは、私は、やはり国政審議にあずかる者として、この問題はまだまだ追及をしなければならない。その点で、ひとつ、そういう内容を審査された原子炉安全専門審査会の議事録並びに原子力委員会がそれを審議されたその議事録の公開を、委員会に提出をいただきたいと思います。この点、私は委員長から、はかっていただきたい。
○須原昭二君 ちょっと関連で、資料要求をお願いしておきたいと思うのです。 いまわが党の委員から指摘しております問題は、若狭湾を中心にしてお話が進んでおりますが、この若狭湾は原電が非常にたくさん集まってきているという点から指摘をされているわけです。しかし、この若狭湾が将来私は日本列島の原電配置の縮図になるのではないか、そういう点でとらえて実は御指摘をいたしたいわけですが、いますでに稼働されているのが五基、許可をされて建設中のものが十基、申請で受け付けをされたものが四基、さらに最近では三重県の芦浜原電、それから熊野原電、あるいは新潟の柏崎、その他たくさんあると思うのでありますが、ただいまそういう申請前におけるところの準備活動をされておるこの設置場所、会社名、そうして出力等々の施設の規模、内容、そうしたものをひとつ一覧表として提出を願いたいと思います。 さらに、この際、それに関連をして実はお尋ねしておきたいと思うわけですが、原子力委員の方がお見えになりますけれども、第三回の日米原子力会議に日本政府代表として出席された有澤廣巳さん、最近、十一月の上旬だったと思いますが、帰られたときに、自由世界の原子力発電用の濃縮ウランは、米国だけで、もうまかない切れないんだと、こういう言明をされております。さらに、日米原子力会議においては、一九七四年以降に着工する日本の原子力発電所用の濃縮ウランの供給は、努力するけれども保証しかねる、こういう年限を切ってこうした論議が行なわれているところを見ますると、これから着工し、そうしてこれから申請をし、あるいはまた操業しようとするものは、まさに各電力会社で無謀な競争が始まると私は思うわけであります。その点はどうお考えになっておるのか。その原子力会議におけるところの報告等を承っておられると思いますから、その点をこの際御報告を願いたいと思います。
○説明員(山田太三郎君) ただいまのお話は非常に長くなりますけれども、よろしゅうございますか。——私は出席いたしましたから全部知っております。
○委員長(鈴木一弘君) できるだけ要点をつかんで……。
○説明員(山田太三郎君) 実は、今度の会議は二つございまして、十一月一日、二日には、アメリカが、もし海外が国際的な濃縮工場をつくるならばアメリカの持っておる技術を提供するという会議がございました。これは一日、二日でございます。それから三日、四日は日米会議でございまして、前の会議は、日本、カナダ、それからオーストラリアの三国が主でございますが、その他ヨーロッパの国が集まりまして、十カ国ぐらい集まっております。日米会議は日本とアメリカだけでございまして、これの主体は、一つは濃縮ウランの供給問題、一つは原子炉の安全性の問題、一つは環境問題、それから一つは原子炉の開発問題、この四つでございます。 それで、ウランの濃縮だけについて考えますと、アメリカは世界じゅうの濃縮ウランの供給をいままで一手に引き受けてきたけれども、一九八〇年ごろになると新しい工場を世界でつくらざるを得なくなる、それからその後毎年一年ずつ新しい工場をつくっていかなければならない、それで、アメリカとしては、それだけの投資を十分するだけのこともないし、あるいは外国としては自分の国で濃縮ウランがほしいというところもあるだろう、アメリカに依存したくない国もあるだろうということから、技術提供を申し出たわけでございますが、しかし、これは非常にむずかしい問題を含んでおります。 それから、いまの一九七四年から七六年に着工する分の日本の原子力発電所についてということは、これは、現在のところ、一九八〇年まではアメリカが供給する力を持っておるわけでございまして、それが一九七四年から七六年に日本で着工する原子力発電所に対応いたします。その分の濃縮ウランの供給についての要求をしたわけでございますが、事情が若干、アメリカでございまして、古い濃縮ウラン工場ではもう能力が足りませんものですから、新しく設備を数億ドルの金を使って入れるという段階になってきております。したがいまして、いままでアメリカは非常に殿さまのような契約をしておったんですが、今後はそうはいかない。その理由は、アメリカは供給する義務はあるけれども、解約しても一文も金を取りませんよという契約であったわけです。しかし、これからはそうはいかないので、解約したときには金を取るかもしれないという状態が出てまいりまして、新しい契約になります。その意味で、アメリカは、ある国に対して最高値何キログラムまでは与える、しかし、それは単に頭であって、実際は各発電所ごとの契約をしなければきまらない、それが、保証しないというような表現になってあらわれております。しかし、アメリカといたしましては何億ドルかの金が必要でございますので、各国からの濃縮ウランを売ってくれという要求に対しては非常に寛大でございまして、ぜひそういう話を持ってきてくれということでございますが、今度は、そうなりますと、こちらはいいかげんな計画を持ってまいりますと、あとで解約することになりますから、たいへんなんで、それで、しっかり計画を立ててからいきましょうということで話し合いをするという段階でございます。しかし、それからもっとあとになりますと、いま言いました一九八〇年の壁をこえますので、彼らとしても、それがアメリカ自身で工場をつくるのか、あるいは国際的な工場ができるのか、どちらになるかということは、まだ流動的でございます。
○委員長(鈴木一弘君) 資料要求について、いかがですか。
○政府委員(成田壽治君) 安全審査の資料は、できる限り過去のは、あるいは現在申請中のも提出したいと思いますが、ただ、申請者の企業機密に属する事項もかなりありますので、それに属さない範囲のものを極力提出するようにいたしたいと思います。
○辻一彦君 企業秘密と言われるけれども、これは、私は、先ほど一時間半の時間を費やして質疑をして、どういう安全審査が環境について行なわれたかどうかということについては、やはり確認しない限り、われわれ質疑を進めることはできないのですよ。だから、原子力基本法には自主・公開・民主という三原則が厳然としてある。これにのっとって、私は、単なる資料でなしに、資料とともに大事なのは安全専門審査会並びに原子力委員会における議事録を委員会に提出してほしい。それは私は委員長から、しっかり、はかっていただきたいと思います。
○委員長(鈴木一弘君) 局長、答弁を願います。
○政府委員(成田壽治君) 安全に関しては、それほど企業機密に関するところは少ないと思いますが、ただ、申請書は非常に膨大なものでありまして、かなり技術的あるいは経営的に企業として機密を守るものまで出させておりますので、申請書をそのまま御提出するとか、そういうことはできないと思いますが、安全審査に関するデータ、審議状況等は極力提出するようにいたしたいと思います。
○辻一彦君 原子力基本法に基づいて平和的な原子力の開発というものが行なわれておるのであるから、原子力基本法というのは、言うならば原子力開発の憲法でしょう。そこにある公開の原則を無視して企業秘密というのはあり得ないし、その基本法を無視して行なわれるような開発というのは、やめたっていいんじゃないですか。少なくとも、その基本法がはっきりと貫徹されてこそ、日本の原子力の平和利用というものが私は貫かれると思う。これを無視してあり得ないと思います。ですから、あくまでひとつ、原子力基本法にのっとった開発であるならば、資料要求を私はお願いしたいと思います。
○大矢正君 大臣、資料の要求したときに一々けちをつけないで、あなた方のほうで出しなさいよ。出した上で、足らなければ、またわれわれ要求するんだから。だから、機密に属するとか属さないとか……。
○国務大臣(木内四郎君) 企業機密に関するものはすべて出すというわけにはいかないという説明は、前からやっているはずですよ。いままでの原子力基本法の説明をごらんになればおわかりになると思いますが……。ですから、何もかもみんな出すという、あの法律の趣旨というものは必ずしもそういうものではないと思うんですね。
○大矢正君 それじゃ、どの部分が機密に属するのかという議論をしなければ資料を出せないことになるんだから、それじゃ話にならぬから、出しなさいというんだ。出して足らなければ、われわれがまた要求するんだから。
○政府委員(成田壽治君) 原子力基本法の公開の趣旨にのっとって、極力安全に関するデータを御提出いたします。
○委員長(鈴木一弘君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(鈴木一弘君) 速記を起こして。
○政府委員(成田壽治君) いまこれから会社が計画しておる地点、これは、先ほど言いましたように、政府としてはタッチしていない点でありますが、情報としてわれわれが聞いておることを、情報の資料として提出したいと思います。
○辻一彦君 どうも長い時間ありがとうございました。私は、その議事録並びに資料の提出を待って、まだまだ安全の問題、あるいは温排水問題、原子力発電所における自衛隊機の飛行制限問題等、たくさんの問題がありますから、次回にひとつ質疑を続けたいと思います。
○矢追秀彦君 私は、九月二十日に起こりましたイリジウム一九二の入ったホルダー紛失事件、これに伴った従業員の放射線障害、そのほかの放射性物質の管理の問題について質問したいと思いますが、最初に、この事件についての概要を御報告願います。
○政府委員(成田壽治君) 千葉県の市原市にありますところの中国エックス線株式会社の作業場所でありますところの三井造船の千葉造船所において、非破壊検査用の装置に装備されておりましたところの約六キュリーのイリジウム線源が紛失したことが、九月の二十日の午後六時に判明したのであります。そのために中国エックス線株式会社におきましてはその線源の探索につとめていましたが、九月の二十六日午前九時ごろ、市原市の天草工務店の作業員の寮内で発見されたのであります。これは、三井造船の下請会社である天草工務店の従業員が、九月の二十日、作業場付近でこの線源を拾いまして、寮に持ち帰っていたのであります。そうして、これがイリジウムの線源であるということ、放射性の物質であると知らないで、いろいろ作業員がいじくり回したりして、そうして六名の被曝者が出たという事件でございます。この原因は、中国エックス線株式会社が、障害防止法によって、使用した場合に装置を点検して、たとえば線源が落ちておるかどうかというような点検をやるべき基準に違反して、使用後の処理をおろそかにして基準を守らなかったという、法律違反の事実に基づく事故でございます。
○矢追秀彦君 このイリジウム一九二を三井に渡す経路、これはどうなっておりますか。
○政府委員(成田壽治君) この線源は、原子力研究所がつくりまして、たぶん放同協を通しまして、この非破壊検査の専業業者である呉市にあるところの中国エックス線株式会社に入りまして、そこの作業場である千葉に持ってきまして使用したというふうに思います。ただ、放同協を通したかどうかということは、もうちょっと事実関係を調べる必要がありますが、原研でつくって、一定のルートによって中国エックス線で買って、これを作業場で使ったという事実でございます。
○矢追秀彦君 いま放同協を通したかどうかがよくわからないと言われるのは、どういう理由でですか。というのは、この前から、私は、この放射性物質のいろいろなルートについては、やかましくこの委員会で主張しておったんですが、いまだにそういうルートがはっきりしないということは問題だと思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(成田壽治君) いま確認しておりますので、すぐ調べますが、たぶん通していると思います。ただいま確認中でございます。
○矢追秀彦君 それから、三井造船におけるこの放射性物質の管理体制というものはどうなっていたんですか。
○政府委員(成田壽治君) 三井造船が、たとえば船の溶接の関係とか、そういう装置を破壊しないで、外から非破壊検査をやるために中国エックス線と検査契約を結んでやっておるのでありまして、三井造船としましては単なる下請契約的な関係であって、それほど放射線の管理体制ということはないと思いますが、この問題はむしろ非破壊検査をやるイリジウムを使うところの中国エックス線が、管理者の責任として、法律上も障害防止における責任者となっておるわけでございます。
○矢追秀彦君 中国エックス線に責任があることはもちろんでありますけれども、やはりその三井造船自体が、こういうものを使って作業しておるということはわかっていたわけでしょう。その点はどうなんですか。
○政府委員(成田壽治君) こういうイリジウム等による非破壊検査、これは、造船所とか、石油化学会社とか、石油精製工場とか、そういうところで非常に使われておりますので、特に造船所においては、しょっちゅうこういう専門業者と契約を結んでやっておりますので、当然わかっておることでございます。
○矢追秀彦君 で、実際持って帰ってこの放射線の被曝を受けた人は、三井造船の下請業者であるわけですか。中国エックス線の下請ではないわけですね。
○政府委員(成田壽治君) この被曝を受けました作業員は、三井造船の下請会社であるところの天草工務店の従業員でございまして、中国エックス線と契約関係あるいは下請関係はないのであります。
○矢追秀彦君 だから、私の言おうとするのは、要するに、三井造船自体も、こういうものを使ってやっておるということが責任者の頭の中にきちっとあって、それに対する安全管理というものをきちっとしなければならないという意識があれば、こういう下請の人たちにも、この区域においてはこういう仕事をしておる、こういうホルダーがあるんだということが事前に通知もされ、この人たちがそういうことの意識を持っておれば、これを拾って帰るという事件は起こらなかったと、こう思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(成田壽治君) 確かに、三井造船が、わかりましたときに、こういうものが落ちているということを十分徹底するべきだったと思いますが、ただ、先ほど言いましたように、肝心の、中国エックス線株式会社が実際にイリジウムの線源が落ちたというのがわかったのがおそかった、しかも、わかってすぐ、いろいろ十分徹底させるとよかったのでありますが、その点も十分でなかったという点があります。したがいまして、原因は、中国エックス線が、落ちておる、点検をしまして発見して、すぐ工場内に張り出しをやるとか、そういう措置をとらなかった、発見が注意を怠っておくれたというところにあると思います。したがいまして、中国エックス線の手落ちというのが非常に大きい要素だと思います。
○矢追秀彦君 私は、中国エックス線を弁護するわけじゃないですよ。その点、勘違いされちゃ困るんですけれども、いまの論法だと、落ちたことを中国エックス線がPRするのがおそかったと、だから知らないで持って帰ったんだと。私の言おうとするのは、そういうことじゃなくて、そのもう一つ前の段階で、もう一つチェックをすべきではないかということなんです。というのは、まあ子供が入るかどうかわかりませんけれども、ああいうところへ子供が入って、持って帰ったら、これは子供は読めないですから、これはわからんで持って帰るですよ。私だって、あれ、拾って持って帰っても、わからぬですよ。専門家じゃない限りは、わからないですよ。そうでなくても、私が最近この間から続けてやってきているのは、この放射性物質がそこらじゅうにころがっているということです。ごみ箱の中に置いてあったり、また、この間タクシーの中に置き忘れてあった事件がありましたね。タクシーの中に置き忘れて、届けはありましたけれども、この点については、どう把握されておりますか。
○政府委員(成田壽治君) 最近、タクシーの中へ忘れたとか、あるいはそれに類する事件が二件ぐらいありまして、非常に放射性物質の管理が不十分であると遺憾に思っております。厳重に関係者にも注意をしておきますが、ただ、これは言いわけではありませんが、自動車に忘れましたのは薬用でありまして、これは厚生省の法律の対象になっている。うちの障害防止法の体系ではない、非常にキュリー数の低いもので、医薬用でありますが、ただ、放射性物質の管理が不十分になっているということは、同じ意味でわれわれも非常に遺憾に思っております。
○矢追秀彦君 だから、いまのお話を聞いていると、薬品はたいしたことないとか、そういうふうに聞こえるわけですよね。私はそれがおそろしいと思うんですよ。そうでなくても、この間の実験にしてもそうです。だんだん、なれてきますと、どうしても人間というのは手を抜きたがるわけです。だから、この間からの原子炉における事故にしても、あるいは、こういった放射性物質の取り扱い中に起こったいろんな放射能の被曝、全部これ、突き詰めますと、人災なんです。これはこの前もこの委員会でもお認めになりましたけれども、結局、究極は、人災ということは、放射性物質というのがいま非常に広範に使われて、われわれの日常生活の中に入り込んできているわけです。医薬品にしても、いまの造船所にしても、いろんなところで、非常に国民生活でむしろ不可欠なものになりつつある。ところが、それに対する国民全般の意識、この辺を考えると、心配ない心配ないと、そう言っておる間に何か大きなことが起こることを心配をして、さっきからずっと辻委員が質問されておりました要旨も、結局同じだと思うんです。その点について、三井造船側にも私は大きな責任があると思う。この工場内では放射性物質を使った作業があるのだということがやはりきちんと徹底されていなければならない。そうすれば、あの人は絶対に拾って帰らない。これは変なものだから、ひょっとしたらあぶないのじゃないか、こうなったと思うのですけれども、ただ中国エックス線だけ——これもよくないのですけれども、これをきちんとすればいい問題じゃなくて、そういう全般的な、要するに放射性物質に対する管理の意識を私は高める必要がある。こう思うのですが、その点はいかがですか。
○政府委員(成田壽治君) 先生御指摘のとおり、原研の事故とか、あるいはこういう放射性物質の事故等、なれ、あるいはたいしたことはないという安心感からくる非常にケアレスミステークといいますか、そういうところに原因しております点で、これが原子力関係の実用化がだんだん広がってくると、ますますこういうおそれがありますので、われわれも常時そういうことのないように、保安教育なり保安管理の徹底を十分やっておるところでございます。決して、たいしたことないとか、あるいは被害が少ないから心配ないという気持ちではないのでございます。 それから、三井造船も、確かに、作業場になっておりますところの三井造船がこういう危険なものを使っておるといろ認識があって、そして、中国エックス線の連絡がおそかった点が最大の原因でありますが、常時使用企業側でもそういう徹底をはかることは確かに実際の問題としては必要だと思いますので、今後もそういう方向でいろいろ徹底をはかっていきたいと思います。法律的に中国エックス線の責任でありますが、実際的には、そういう点の管理の徹底もはかってまいりたいと思います。
○矢追秀彦君 この中国エックス線は、実際には仕事をテッケン工業に下請をさせておったと聞いておりますが、これは、ちゃんと許可を受けた業者であったのかどうか。その点はどうですか。
○政府委員(成田壽治君) テッケン工業との関係は、これは警察もいろいろ調べておりますが、私たち聞いておりますのは、テッケン工業というのは、労務者を集めて仕事を配分する、単なる労務を集めて供給するという会社にすぎない、むしろやはり事業主体は中国エックス線の現場であるというふうにわれわれは理解しております。
○矢追秀彦君 そういうあり方はいいわけですか、法律上あるいは常識的に考えて。
○政府委員(成田壽治君) 先ほど言いましたように、テッケン工業は労務者の供給の仕事だけでありまして、放射性物質の扱いにタッチしておりませんので、障害防止法の法律上の責任、法律上の義務は中国エックス線のみに帰するのが当然だと思いますので、このあり方について法律的には問題ないと思います。
○矢追秀彦君 いや、私の聞いているのは、そういうところの労務者自身は、そんなに放射性物質に対する知識もおそらくないでしょうし、取り扱い等についても、そんなに考えてない人が実際やったと考えられるわけです。そういうところを使うことがいいのかどうか、中国エックス線が。
○政府委員(成田壽治君) 中国エックス線は、実際は相当下請会社を持ってやっておりまして、ただ、中国エックス線には二人の放射線の取扱主任者、法律上の資格を持った人がおり、また現場にも、本社から来ました、そういう知識のある人が指揮をしておりますので、そういう労働者関係はいたし方ないのじゃないかと考えております。
○矢追秀彦君 いたし方ないというのは、どういうことですか。
○政府委員(成田壽治君) 全部の作業を中国エックス線の本社の人だけでやれということは、なかなか無理なんじゃないか。ただ、十分放射線に関する知識があり、また責任のとれる人が指揮をして実際の作業員を使うという形態は、いたし方ないのではないかという意味でございます。
○矢追秀彦君 いや、たとえそこまでの人がいないとした場合、その労務者を使う場合、作業員を使う場合には、十分簡単な教育はすべきであると思うのですが、その点も抜けておったのじゃないですか。
○政府委員(成田壽治君) 中国エックス線は、当然、そういう危険な物質を扱う作業でありますので、十分教育をしてやらせるべきだと思いますが、その点、中国エックス線の社員教育あるいは下請に対する教育というのは、末端まで十分徹底に欠ける面があったということは、われわれも認めざるを得ない点でございます。
○矢追秀彦君 こういう中国エックス線会社のようなところは、全国でどれくらいありますか、こういう種類の会社は。
○政府委員(成田壽治君) 全国で、中国エックス線のように放射性物質を取り扱っている会社は、障害防止法に基づいて非破壊検査を業としている会社でありますが、これは十七社、中国エックス線を入れますと十八社あります。
○矢追秀彦君 全国で取り扱っている、この中国エックス線会社のような会社が取り扱うような対象になる放射性物質は大体どれくらいありますか。大ざっぱでけっこうです。
○政府委員(成田壽治君) 大体こういう検査業務をやるのは、イリジウム、コバルト、この二つを使うのが大部分でございます。
○矢追秀彦君 量ですがね、数量。
○政府委員(成田壽治君) 使用量については、いま早急に調べて、後ほど御報告いたします。
○矢追秀彦君 この十八社ありますけれども、実際従業員で、いま言った指導、教育、監督のできる人はどれくらいなんですか。わからなければ、あとでけっこうですが、大体どれくらいですか、一社においてどれくらいの人数で、合計何人。
○政府委員(成田壽治君) こういう事業をやっておる会社には、障害防止法に基づきますところの放射線取扱主任者というのがいないと仕事をやれませんので、中国エックス線で現在二人の——大体二、三人の取扱主任者を置いて業務の監督をやらせておると思います。
○矢追秀彦君 現在、先ほども申し上げたように、こういった放射性物質の利用がふえているわけです。いま言われたように、一社で二、三人、合計三十六人、五十人にも足らない。そして広範なところを全部、いうろんな仕事をどんどんやっていかれたならば、とうてい十分な管理は不可能である、こう思うんですけれども、その点はどう考えておられますか。十分ですか。
○政府委員(成田壽治君) われわれは、資格者、これは毎年試験をやってふやしておりまして、数において足りないということは言えないと思いますが、ただ、問題は、そういう取扱主任者が法の趣旨を徹底して、末端に至るまで従業員に放射線の安全管理の教育を徹底しているかどうかというところに問題があるんじゃないか。そういう面の徹底を今後強力に進めたいと思っております。
○矢追秀彦君 足りないとは思わないとおっしゃいますけれども、たとえば中国エックス線で二人ですか、一つの三井造船で一人出たとしますね、またもう一つのどっかで造船の仕事があってそっちに行った、あと終わりですね。それ以上に調べていませんけれども、私は。ぜひデータを出していただきたいのは、大体月にどれくらい仕事をしておるか、各会社が。それを考えますと、絶対足りないと思います。その点はどうですか。
○政府委員(成田壽治君) 中国エックス線が二人の国家試験を受けた主任者を置いて、分担は東と西、関東と関西というような分担をしていると思います。先生御指摘のように、作業場ごとに一人ずつ置けば、あるいは徹底の意味では非常にいいのかもしれませんが、まあ取扱主任者が関東地方を回って、そして作業責任者に十分注意をすることで実際は十分徹底をはかれるとわれわれは思って、そう申し上げたのでありますが、安全の意味からは、作業単位に取扱主任者がおったほうが、よりベターであろうということは言えると思います。
○矢追秀彦君 あのね、関東一人、関西、西日本全部一人と、そんなめちゃくちゃな話はないと思いますね。だから、私は、事業所一カ所一カ所に中国エックス線から一人出せというんじゃなくて、いま言った三井造船なら三井造船がこういうものを使う場合は、監督の許可を持った人、持たぬ人、その辺はまたいろいろ教育を受けた受けないの問題がありますから、たいへんな場合は造船所がきちっとする。それに対して科学技術庁なりが、きちっとして監督をするという方法をとらなければ、幾らでもこういう事故がまた起こりますよ、さっき言ったように。どこで何が起こるかわからないですよ。造船なんて、これからまだまだ日本では盛んに行なわれるでしょうし、その点を非常に私は心配をするわけです。特に今回の放射能の被曝量が、少なければいいんですけれども、かなり多い量でありますから、その点を考えますと、第二、第三、第四と起こる可能性が十分あるわけです。その点に対して、これからどうされるのか。ただ会社に、じゃふやせと義務づけて、がんがん役所から圧力をかけてやるのではなくて、もっと人の問題も考えた上で、きちっとした対策というものが講じられないものかどうか。その点をお伺いしたいのです。
○政府委員(成田壽治君) 障害防止法による放射線取扱主任者、国家試験でございますが、これは、現在合格者数が六千人ぐらいおりまして、これがいろいろ研究所なりあるいは事業所におるわけでございますが、これをなるたけ事業所に一人二人じゃなくて、さらに多く責任者になるように指導していきたいと思います。それから、今後こういうことのないように、こういう同種の事業者に対しても十分通達を出して、われわれ厳重注意を喚起して、送ると同時に、この中国エックス線に対しても、一般的な予防の見地から、法律違反をやっておりますので、適正な処分を近く行なって、二度とこういうことの起こらぬようにしたいと思っております。
○矢追秀彦君 時間があんまりありませんから、この問題は、あとまとめてやりますけれども、去年も、やはり茨城県の鹿島で起こってるんですよ、イリジウム一九二の紛失事件が。それから、先ほど言いました、これはものは違いますが、タクシーの中に忘れた。ずうっと、このところ、放射性物質のずさんな管理というのが問題になっている。いまのような厳重に処分する、厳重にしかり置く、では私はだめだと、要するに体制を変えなければいけない。特に科学技術庁としては、まだまだこういった点での管理の人も不足をしておるわけですね。聞くところによりますと、科学技術庁の放射線検査官というのは十七人しかいないと、こういうふうに伺っております。これではやはり安全管理が不十分である。そのために、やはりその人数をふやさなきゃいけない。そのためには、やはり予算もふやしていかなければいけないと、こう思うわけです。そういう体制ですね、安全管理に対する科学技術庁としての体制。 それからもう一つは、それをやるための予算の拡大と、法律改正。たとえば、現在のところ、放射性物質を取り扱う作業者の資格も、ただ十八歳以上であればわりあい簡単にとれるという、かなり自動車の免許をとる程度のことになっておる。やはり、これについてはもう少しきびしい試験というか、そうなると、なり手がないというあれが出るかもわかりませんけれども、その点が必要だと思います。 したがいまして、安全管理体制、特にこの放射性物質の密輸ルートもありましたし、いろんな点で、これから管理体制をきちんとやること、それから法律改正、それから予算の増額と、この三つは、どんなことをしてもやってもらわなければいけないと思います。前々から、この委員会で私はずっと連続してやっているわけですけれども、一つも改正されてこない。とにかく、ことしのたしか五月だったかと思いますが、放同協の海洋投棄の問題も含めまして、これに対してまだ科学技術庁として前向きの姿勢が出ておらない。この点、長官は、再び就任されまして、非常に責任もおありですから、この際、こういう事件が起こらないように、きちっとしたことを、少なくも来年の予算要求までには、法改正の方向なり、あるいは体制の変更なり、あるいは予算の増額に対して、きちっとしていただきたい。このことを強く要望するとともに、御答弁を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(木内四郎君) ただいまの矢追委員の御意見、まことにごもっともな次第だと思います。私は、かねてから、放射性物質その他いろいろな危険なものの取り扱いに対しては非常に深い関心を持っておりまして、それには、あるいは予算も必要でありますし、法規の改正も必要であります。あるいはまた、管理体制の確立というようなことも必要だと思いますが、私は、実は従来から、それだけじゃだめだというのが、まあ私の考えなんです。これは、扱う人々が、これは非常に有用な、役に立つ非常に大事なものであるが、これは扱い方を間違えると自分に害があるだけでなく、社会の人々、いろいろなほうに重大な影響があるということを自覚して、そうして、みずからこれに気をつけるという、教育と言ってはことばは適当でないかもしれませんが、PRによってそれを徹底させなければならない。たとえば、私は委員会に在任中などに、非常な厳重な法律もあり、また通達もあった、しかるに、これを扱っている者は、たとえば工場でそういうものを扱っていて、外に出るときに検査して出なければならないが、そんなことはうるさいから、着物を取りかえて出なければならないが、そんなことはうるさいからというので、着のみ着のままで、はかりもしないで、さくを乗り越えて、そこらに行って一ぱい飲んできた、絶えずそんなことをやったというような——絶えずというのは一、二回のことでしたけれども、そういうことであっては、どんな予算があろうと、法律があろうと、体制を整えようと、通達を出そうとも、これはだめです。それですから、やはり国民のそういうことに対するレベルを上げまして、そしてそれに対する扱う人の自覚を高めていく以外に方法がないというのが私の従来からの考えですが、さればといって、いまお話しの、予算をとったり法規を改正したり、あるいは体制を確立することは必要でないという意味ではないのです。最も必要でありますが、それにプラス、いま私の申し上げたようなことも大事なことだと思いまして、そういう方面にこれから先大いに力を尽くしてまいりたい。そうして、いまお話しになったような目的を達するように努力をいたしたいということを、この機会に申し上げておきたいと思います。
○矢追秀彦君 ちょっとオーバーして申しわけありませんが、私は、長官のお考え、全面否定じゃないのです。しかし、教育面も確かに必要ですが、その教育をされるのも、これはまたやらなければいけませんし、国民も自覚しなければいけないけれども、その前に、私は、政府がしばしば、さっきからの答弁を聞いておりましても、事故が起こったときに、絶えず、たいしたことはないとか、原子炉をつくる場合の問題も、先ほど来ずっと議論を聞いていましても、何か、問題を小さくしようとか、そういう感じを受けてならないわけです。やはり、そういった政府の姿勢も改めた上で、そして国民に対して放射性物質というものに対する考え方、原潜の寄港問題等も含めて、やはり政府の姿勢も私はうんと変えていただかないと、長官が幾ら教育を言われても、そういう一方において、極端な言い方をすれば、ごまかしているのではないか、こう国民に受け取られる節もないことはない。その点では、やはり政府の姿勢というものを、私は先に衿を正していただきたい、変えていただきたい、そのことをお願いすることと、先ほど申し上げた放同協のからむ、からまないの問題と、十八社の点については、もしできなければあとでもけっこうです。以上です。 〔委員長退席、理事矢追秀彦君着席〕
○政府委員(成田壽治君) 原研から中国エックス線へのルートは、放同協を通しております。 それから、線量の量につきましては、十八社で千キュリー、そういうことになっております。
○中村利次君 私は、いまやはり一番問題になっておる原子力発電の問題について御質問をしたいと思いますけれども、その前提として、今度の川崎の事故でも申し上げましたけれども、日本科学技術の振興というものは非常に私はやはり大事だと思いますね。この委員会は、これは読んで字のごとく、科学振興対策の特別委員会ですけれども、科学を振興しなければならない責務を持っておる委員会なり科学技術庁の中で、前向きじゃなくて、うしろ向きの議論をしなければならないというところに、私は、残念ながら、いまの政府の姿勢といいますか、これがきびしく反省をされなければならない問題であると思います。 〔理事矢追秀彦君退席、委員長着席〕 今度の川崎にしても、これは質問は後日に譲りますけれども、とにかく、ああいうことは、非常に狭隘な国土を有効開発するという意味からは非常に大事なことなんですよ。だれもこれに対して異を申し述べるものはない。しかし、その前に、やはり土地対策はどうなんだ、いまの政府の基本姿勢はどうなんだ、政策はどうなんだという問題があるし、また、具体的にそういう大事な実験をやってみたところがああいう大失態をやったということなんですね。これはどうも全く速度といい量といい予想外のものであったと、そんな言いわけなんというものは、これは通らないのですよ。そういうことを言わなければならないから、この委員会あたりがうしろ向きの議論をして、そんなことはやめろと言わなければならないようになるわけです。私は、原子力発電の問題にしても、やはり一九八〇年代から二十一世紀にかけてのエネルギー問題をどう解決をしていくのか、これは、何といったって、世界の潮流というものは原子力時代に移行しつつあることは間違いないわけでありますから、これをやはり平和利用、平和開発、国民の皆さん方がほんとうに心から安心をしていただけるような、そういう安全の追求と開発をやるのが、これが科学技術庁、あるいは原子力委員会、あるいは産業界の責務であるはずなんです。ところが、いろいろ指摘をされるような問題点がたくさんあります。問題点を逃げたり避けて通ったのでは、これは前向きの解決にはならないわけでありますから、したがって、問題点はこれをきびしく摘発をして、これにどう対処をするかということ、これが私どもの役割りだろうと思うのですよ。 そういう意味で、私はいろいろ後ほど質問をしたいと思いますけれども、まず第一番に、先月の下旬ですけれども、前の科学技術庁長官が、原子力発電の密集地対策として、その一つは安全面での特別の行政対策、二つめに税制上の優遇措置をはかって原子力発電地域の地元振興策を実施したいと、こう語ったと伝えられますけれども、これは事実かどうかですね。もし事実とするならば、その目的はどういうところにあるのか、あるいはまた、その具体的な対策はどのようなものなのか。これは、ただ単に科学技術庁の問題だけではなくて、通産省あるいは自治省に関連する問題だと思いますけれども、あわせて通産、自治両省のほうで——自治省はきょうはいらっしゃいませんか。もしこれは何もやっていませんから答えられないとおっしゃるなら、長官でけっこうでありますから、まずお伺いしたい。
○政府委員(成田壽治君) 大体御指摘の御趣旨の発言が、前長官の平泉長官から、十月の二十六日の記者会見で大体同じような趣旨の発言があったわけでございます。で、平泉前長官が考えて、ねらいとしておりましたところは、やはり原子力発電、日本のエネルギーの将来を考えると、原子力発電にたよらざるを得ないということは、これは世界的な趨勢であって、これは日本も特に必要である。ただし、これが非常に特定の地域に集中してまいると、そこでいろんな問題がかなり強いかっこうであらわれるんで、このための対策というのは積極的に取り組まないといけない。それで、一つは、先ほどお話があったように、安全性の研究開発、これは徹底的にやらぬといかぬ。それから一つは、それと一方で地元民に対して原子力の安全性、あるいは原子力の、たとえば発電所の放射能の毎日の調査がどうなっているかという、危険な状態にない、あるいはこのぐらいの放射能レベルであるという事態を地元住民に対して常時わかるようなPR、広報の強化をはかる必要があると、そういう意味で、ある地域にはPRセンターのようなものの設置を検討する必要があるんじゃないかという点。それから第三番目には、原子力発電所をつくった場合に、その地元住民が発電所ができたというために非常に迷惑をこうむるという面だけでは地元のプラスになりませんので、地元に対して経済的なメリットがもっと落ちるようなかっこうで考えないといけないんじゃないか、そういう意味で、たとえば、これはいま通産省等と一緒に検討しておりますが、事業税等が現在本社も含めまして固定資産の割合で府県に配分になっておりますが、もっと発電所を持っている府県にその配分が厚くなるような方法、これは税法上の改正になって非常にいろいろ問題もあるし、めんどうな問題でございますが、そういう地元に税金の還元等のかっこうで、地元が経済的に潤うような方法を、そういう方向で検討をしていきたい。で、具体的などうやるかということは、今後、通産省等と一緒になって具体策をこれから検討していきたいと、これは私も立ち会っておりましたが、そういう御発言があったのでございます。
○中村利次君 その安全面での特別の行政対策の中にPRセンター等をつくるいうことは、これは全く安全とは関係ないわけですね。その現状をPRというのは、どうPRするのか。これは、地元の方々によって、いまたいへんな反対運動があって、開発が行き詰まっておりますね。しかし、皆さんのおっしゃるその反対の理由は、確かにごもっともであるというものがあるわけですよ。そういうものを現状のままでどうPRをされるのか。私は、これはPRセンターの設置では解決がつかないのであって、やはり安全の追求という基本原則をどう遂行していくのかということ以外にはないと思う。 それから、これはいま大まかな対策をお伺いをいたしましたけれども、どういう経過で、時期はどういう時期にこういうものを実施しようという御計画か、それも伺いたいと思います。
○政府委員(成田壽治君) 私、申し上げましたように、平泉前長官のお話は安全性の追求が一つであり、それと別個の問題としてPRの普及の徹底、これはむしろ発電所の放射線のモニターの状況等も、十分準備日数もわかるようにするとか、あるいはいろいろな安全上の不安があった場合には、それはこういうことだという正しい姿のPRでございます。これは別個の問題として言われたわけでございます。 それから、これをどういうかっこうで、どういう時期にということですが、前長官からは、来年度予算で、たとえば安全性の研究については原研でいろいろ新しい緊急冷却装置の研究とか、あるいは反応度安全実験の研究とか、そういう新しい予算要求も織り込んで来年度からやる、それからPR予算につきましても来年度十分ふやしてやる、それから来年度、できる限りのものは来年度を期してという考えであったと思います。ただ、税法等につきましては、これは来年からすぐ実現できるかどうか、いろいろ通産、自治、大蔵等にも当たるべき点が非常に多いのでありまして、これも極力早い機会にという感じで、おっしゃったとわれわれは承っております。
○中村利次君 原子力平和利用に関する不安、原子力発電の場合には、事故による不安はもちろんありましょう。あっちこっちで、やはり決定的な影響はないけれども事故が起きているわけでありますから、したがって、こういうものに対する不信が一つはあると思いますけれども、それに加えて、先ほどから指摘をされておりました原子力発電所の集中開発の問題ですね。それから廃棄物等に対する放射能の影響に対する心配、それからやはり非常に決定的であったのは、先ほどからこれも指摘されておりました非常用の冷却装置の実験の中間的見解がアメリカの原子力委員会から出まして、これに対する不安も相当に大きいと思うのですが、一番まずかったのは、アメリカの原子力委員会から実験の中間的な見解が発表されたときに、日本の原子力委員会も科学技術庁も、これに対して何らの見解の表明ができなかったという、国民の側から見ると、まことにそれは周章ろうばいをして、何をやっているのだという、そういうことになると思うのですよ。向こうへ行って調査してみなければわからないというような、そういう、見解にならない見解を発表され、なおかつ、先ほどからの御答弁を伺っておりましたけれども、現在までも、たとえば現在の軽水炉の安全に関する調査研究については相当の予算を使ってやっておるのだ、あるいはまた、これは国際協力による安全追求の研究をやらなければいかぬ、開発をやらなければいかぬという御答弁がありましたけれども、しかし、やはりこのアメリカの原子力委員会のECCSの実験の中間的見解が発表されたあと、今年度を少なくとも大幅に上回る来年度予算を要求をされて、そうしてその中には燃料廃棄に対する経費、あるいはまた、その他もろもろのものも含まれておるようですけれども、これはやはり非常用の冷却装置の実験に関する中間見解発表を契機として、そういう軽水炉の安全開発というものが大幅に予算化されたというように受け取るような状態があるわけですけれども、こういう点、どうでしょうか。ということは、これは何とおっしゃっても、やはり新型炉の開発だとか核燃料の確保については非常に御熱心で、私はこれは悪いとは言いませんよ。安全にして前向きの新型炉を開発、研究されるのは大いにけっこうだと思いますよ。また、核燃料を確保することに努力されるのも決して不当だとは言いませんけれども、現在ある軽水炉について問題点があり、不安があるというのに、そういうものはほったらかして、そういうものにだけ狂奔される姿勢は、これは何といっても国民の不信を買い、あるいは反対だというものに、つながらざるを得ないと思うんです。そういう点、いかがですか。
○政府委員(成田壽治君) 決して、従来から、原子力委員会なり原子力予算におきまして、燃料開発とか、あるいは動力炉開発に重点を置いて、軽水炉の安全性を十分でないとわれわれはもちろん考えておらない。むしろ、軽水炉の安全性については、一番重点的に、金額の量は別としまして、考えてきたわけでございます。それで、アメリカの緊急冷却装置の問題につきまして委員会のとった措置も、われわれはまあ非常に適切な、調査団を派遣する等、あるいは厳重に安全審査会で審査させるという、われわれは適切な措置だったと思いますが、確かに、当時、原子力発電所を持っている市町村会議等においても、この問題が解明されるまでは原子炉の運転を中止してくれというような要望も出たほど、非常に一般的なショックが大きかったんでありますが、七月一日、調査団が帰ってきた調査報告等によって、日本の原子力発電炉は、新しいアメリカの炉であって、問題ないという委員会の発表等もあって、地元の市町村会議の決議も、即時中止という決議は取りやめになりまして、われわれはこの問題は一般的には十分わかっていただいたというふうに了解しております。 それから予算につきましても、四十七年度予算、軽水炉の安全性の追求という点に相当重点を置きまして、先ほど言いましたような原研の原子炉反応度安全実験とか、あるいはROSA計画、冷却喪失事故模擬実験にさっきのECCSの研究も加える等、非常に軽水炉の安全性の追求を今度の新規項目の予算としては最も重要なテーマとして取り上げておるところでございます。
○中村利次君 これは、もう時間がなくなってしまって、尽くすわけにはいかないわけでありますけれども、また次の機会に質問を続けることにいたしまして、きょうの最後に、これは以前に衆議院で吉田議員がやはり質問したことですけれども、三十六年の賠償法の附帯決議に「原子炉の過度集中を避け」という附帯決議がありますし、それから四十二年の六月の動燃法ができたときの附帯決議に、「施設が適切に配置されるよう」という、この二つの表現は、これはもう明らかに違っておるわけですけれども、これについて、大臣、いかがでしょう。この二つの決議に対する政府の見解をお伺いしたいと思うんですが。
○国務大臣(木内四郎君) 先ほどからお話がありました、ある一カ所に過度の集中をする問題ですね、こういう問題については、確かに一応これを考えなきゃならぬ問題だと思うんですけれども、なかなか、原子力発電所をつくる場所については、この狭隘な——狭隘と言っちゃあれですけれども、全国で至るところ、どこでもやるというわけにはいかないんですね。そこで、最も適当なところ、しかも、それがただ単に適当というだけじゃなく、原子力委員会その他で詳細に調査をしてもらって、その上で多少そこに集中する傾向があっても、ある一カ所につくらざるを得ないような情勢に、やはり私はある程度は、あることをひとつ御了解願いたいと思うんですが、必要以上にそこに過度の集中をしようという考えは毛頭ないんです。
○中村利次君 お答えが質問の要旨と離れていたのでありますけれども、これは私は、これで最後でありますから、いろいろある議論を煮詰めるわけにはいきません。しかし、私は、極言をするようでありますけれども、一つのやり方としては、もちろん安全性は絶対に追求された上でのことですけれども、原子力の集中化ということは一つの方法だと思うのですよ、これは。決してこれを頭から否定するという——これはあくまでも前提はいろいろありますよ。ですから、こういうのは非常に大事な問題ですから、ここで議論の対象にするのは不適当ですから、いずれ後ほどこれは指摘さしていただきたいと思いますけれども、最後に私は指摘したいのは、問題なのは、こういう国民の皆さんも不安がある、こういう新しい開発に対しては不安があってしかるべきであり、それから問題もたくさんあります。こういう問題に対して、科学技術庁が、あるいは原子力委員会が、いかにはっきりした姿勢をとるか、問題があるなら問題がある、不安があるなら不安がある、問題があって、それがいけないと国民的に認定されるなら、やめるべきですよ。しかし、そういうものを解決して前向きに前進するのが科学技術庁の任務であるとするならば、あいまいじゃなくて、問題があるものははっきり問題がある、不安があるものははっきり不安がある、という明確な指摘をして、そして科学技術の本物の振興をはかっていくべきだと思う。 またこの次にいろいろ質問さしていただきまして、きょうはこれで終わります。
○国務大臣(木内四郎君) いま最後に中村さんのおっしゃったこと、まことにごもっともだと思います。私はかつて、前回科学技術庁長官をやっておりましたとき、大体御趣旨と同じようなことを申しました。とにかく国民の一部には不安をお持ちになる方もあると思います。これは科学的に解明して、そして不安のないようにしなくちゃならぬけれども、それだけじゃ足らぬ。やはりこれは、社会的ということばは適当であろうかどうか知りませんけれども、とにかく住民、国民が納得できるように、理解できるようなふうにしなければならぬというのが私の考えであり、いまあなたのおっしゃったことと大体私は一致しておると思います。そうして、科学的な解明をし、そして対策を講ずる、それだけではいかぬ。同時に、科学的にいかにあれでも、納得しない人があるのですから、だから、それをPRによって理解を得て、そして納得できるように、すなわち社会的にこれが安全性を認められるようにして、しかもこれを進めていかなければならぬというのが私の年来の主張でして、このことは、前の在任時代にたびたび私は申し上げておると思うのです。大いにその点に力を入れて、前向きに、科学技術の振興、またこの科学技術を国民生活の充実向上のために少しでも役立てたい、こういうふうに考えておりますので、御了解を願いたいと思います。
○星野力君 私は、先般、本委員会の視察に参加しまして、名古屋の三菱重工の小牧工場、それから先ほど来問題になっております若狭の原電地帯を見てまいったわけでありますが、それらに関連して、二、三の問題についてお尋ねしたいと思います。 ところで、その前にちょっと申し上げたいことがあるのですが、石川研究調整局長はお見えになっておりますか。
○委員長(鈴木一弘君) きょうは見えておりません。
○星野力君 見えておられないですか。私は、先ほど委員長のおことばもありますので、ローム層の実験事故については発言いたしませんが、前回の委員会で、南九州のシラスについての基礎的な研究はどうなっておるのかということを質問しましたのに、石川局長から、やっておる、研究調整費の中から予算を出してやっておるというお話があったのでありますが、その後、お話とはどうも違っておる。まだ研究には着手しておらない。予算の分配も行なっておらないということらしいのでございます。そうなりますと、うその間違った発言が速記録に残るわけでありますから、これはひとつ訂正しておいていただきたいし、やっておられない以上、今後どういう方針でそれに臨まれるかも、ひとつ述べておいていただきたいと思うのですが、いま長官からでもお答えできるならいいですが、そうでなかったら、なるべく早い機会にそういうふうにしていただきたい、こう思うのです。そういうふうに、ひとつ、あとで相談しておいていただきたいと思います。 原電に関連しまして、私一つのことだけお聞きしたいのでありますが、若狭湾の原電地帯が、今度航空自衛隊の訓練空域、試験空域に含まれることになったのに対して、地元では非常な不安が起きております。これはまあ当然のことであります。原子炉そのものの安全性、先ほど来問題になっておりますが、その問題とともに、あるいは場合によっては、それ以上に外部の力によるところの事故が憂慮されておるわけでありまして、その場合には最もおそろしいのが墜落や大きな地震などであろうと思いますが、それについて、訓練空域、試験空域の問題については、運輸省航空局から出ておりますですね。「原子力施設の所在する地点を中心として半径二海里の円内の区域の直上二千フィートまでを訓練空域及び試験空域から除外し、これら空域内の飛行を禁止するとともに、その上方については原則として飛行を禁止し、やむを得ず飛行する場合は出来るだけ高度をとって水平飛行を行なうように規制した。」、この旨のNOTAMを出した、こういった、十月二十五日付でございますが、出ておりますが、飛行機の速度が非常に高まっておる最近の状況、また、この二千フィートという低い高度を考えますと、これでは非常に不安を禁じ得ないわけでありますが、訓練中の未熟なパイロットが、事故の場合に、飛行機が墜落しても、自分は安全な海上などへ操縦することができないというようなことで、自分だけが落下傘で脱出してしまう。現に全日空機の事故の例もありますから、そういうことを考えると非常に不安になるのでありますが、この半径二海里、上空二千フィート、この根拠は一体どういうところにあるのでしょうか。
○説明員(泉靖二君) お答えいたします。 この規制措置をとりますときに、各国の同様の原子力発電所上空における規制措置をいろいろ参考にいたしました。一つのやり方は、アメリカの考え方、それから欧州の考え方、こういうものを比較対照して考えまして、アメリカの考え方はあまりに広い土地での規制措置でございますので、直ちにはわが国に適さないだろう、英国及びデンマークの措置というのが大体これと同じような数値を使っております。それで、これを参考にいたして考えた次第でございます。 もっと詳細に申し上げますと、大体現在この空域を使います小型機、これがもしエンジンが原子力発電所の上空で、すぽっととまったらどうなるかというときの滑空比を計算いたしました。大体高度の九ないし十倍の滑空比がございます。この範囲が大体六ぐらいでございます。一対六ぐらいでございます。どこでとまっても、優にグライドしてこのエリアを通り抜けることができる、そういうことを計算いたしまして、かようにきめた次第でございます。
○星野力君 そういうことで計算しておきめになった。実際にこれで安心感が持てるでしょうか。
○説明員(泉靖二君) むしろ、航空機の現在での非常に高速になったことを考えますと、この上に、どんな状況になっても、落っこちるということはもうほとんど皆無に近い状態。一番、特殊飛行をやって、あぶない事態であるところの二千フィートの高さ、それから半径二海里の範囲を訓練空域あるいは試験空域から排除しておけば、十分安全は確保できると考えます。
○星野力君 そう言われても、なかなかわれわれ安心できない。現に、飛行機はなかなか落ちないとおっしゃるけれども、ところきらわずにやっぱり落ちておるのでございますから。 時間がございませんから先に進みますが、この問題は、米軍の飛行については措置を講ぜられておられるでしょうか。
○説明員(泉靖二君) この規制は、米軍も同様に守ることになっております。民間も同様であります。
○星野力君 東海村の原研の場合も、やはり二海里でございますか。
○説明員(泉靖二君) 東海村のほうは訓練空域に入っておりませんので、特別の規制をいたしておりません。
○星野力君 上空飛行の場合ですが。
○説明員(泉靖二君) 昭和四十四年の七月十五日に、最低安全高度以下の高度で飛んではならぬ——これは三百メーターです。それと、もう一つは、施設付近の上空はできるだけ避けなさいという通達を出しております。これは一般に対して全部に出しております。
○星野力君 そうお聞きすると、なお不安なんでございますが、御承知のように、あそこには、すぐ二マイルか二海里くらいのところには水戸射爆場もございますし、現に週三回くらい、大きな輸送機でしょうか、やってきて、物資の投下訓練や乗員の降下訓練をやっておるわけですが、こういう状況に対して、そのまま、いまおっしゃったような措置だけでいいと思っておいでになるのでしょうか。
○説明員(大西誠一郎君) 米軍の状況でございますから、私からお答えを申し上げます。 御承知のように、昨年の十二月に、日米間の話し合いで、米軍の空軍の主力部隊が本年の上半期にかけまして撤退をしております。従来、横田の基地におりますファントムの飛行隊が主として水戸の射爆場で訓練をいたしておりましたが、その飛行隊は沖繩のほうに移っておりますので、水戸射爆場は現在使われていない、そういうふうに承知しております。
○星野力君 水戸射爆場の問題、私のほうも、もっと資料に基づいて、あらためてお聞きする機会があると思いますが、どうでしょうか、東海村などに比べて、はるかに大きな密度で原子力発電所ができるあの若狭地帯、この上空、先ほど来お答えになっているようなこと、航空局からNOTAMも出されておるというような、この程度のことで、はたして安全にできるかどうか。住民はこれでは安心できないのですが、この不安を取り除くことができるような対策というものをもっとお考えになる考えはないかどうか。ひとつ、長官のほうからお伺いしたい。
○国務大臣(木内四郎君) いまの航空関係の問題ですけれども、そういう問題につきましても、私は、航空局のほうにおきまして、この程度なら科学的に見て大体安心だ、こういうことであれば、私は、それで進んで、しかもそれを理解してもらうように、あなたはじめ、一般の人に理解してもらうように努力していかなければならぬ、かように考えております。
○星野力君 なかなかこれは理解できないから問題にするわけでございますが、時間がないので先の問題にいきますが、先ほど申しました小牧工場で、私、F4EJとか、XT−2とかいう新しい飛行機を見していただいたわけでありますが、あのF4EJファントムという飛行機、現在何機ぐらい航空自衛隊は持っておられるのか、今後の保有計画、どういうふうになっておるか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(大西誠一郎君) お答え申し上げます。 昭和四十四年の一月に、国防会議でファントムF4EJの整備の計画が決定をされましたが、その内容は、総計百四機を昭和五十一年までに整備をするという計画でございます。これを年次的に申し上げますと、本年度はすでに七月の二十五日に二機が入ってまいりまして、四十七年度は八機、四十八年度は二十四機、四十九年度は二十四機、五十年度二十四機、五十一年度十二機、五十二年度十機というような予定で取得をする計画でございます。
○星野力君 総計幾らになりますか。
○説明員(大西誠一郎君) 百四機でございます。
○星野力君 この飛行機の特徴的な性能ですね、それから用途、価格、これをお聞きしたいのですが、性能といいましても、詳しいことでなくていいんです。速度とか航続距離とか、その他の長所ですね、簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(大西誠一郎君) 速度は二マッハ以上でございます。それから飛続距離は飛行の方法によりましていろいろ違いますが、付加武装をいたしませんで、増加タンクをつけて最も経済的な飛び方をいたしましたときに千六百海里と言われております。それから、自衛隊はこれを要撃戦闘機といたしまして防空に使うわけでございますが、この使い方の場合で申しますと、短距離をアフターバーナーをつけて行動いたします場合には約百海里でございます。それから常用のスピードで要撃をいたしますときは約四百五十海里でございます。価格につきましては航空機課長のほうからお答え申し上げます。
○説明員(吉田實君) F4EJの価格について御説明申し上げます。 F4EJに基本装備——基本装備と申しますのは、空対空ミサイル、それから機関砲等、所要の燃料等を装備した状態でございますが、この場合の価格は約十八億円でございます。
○星野力君 二十億八千万とか、二十億九千万円という数字は、何か予備部品なんかを含めた値段でございますか。
○説明員(吉田實君) 初度部品を含めた価格でございます。フライ・アウェイ・コストというのが標準状態の価格でございますが、これは十六億九千三百万円でございます。
○星野力君 防衛庁では主力戦闘機というふうに言われておりますが、外国なんかでは戦闘爆撃機ということばも使っておる機種だろうと思います。実際、ベトナムで北爆なんかにはこれが一番活躍したように私も見てまいりましたが、そういう爆撃機としての能力はどうなんでございましょう。
○説明員(大西誠一郎君) 先生御指摘のように、この飛行機は戦術戦闘機と申しまして、地上攻撃に外国では使われております。防衛庁では防空のための戦闘機としてこれを採用したわけでございますので、政治的な判断から、爆撃専用装置を除去して製造するという方法をとっております。
○星野力君 それでは、かけ足で次のことを伺いたいのですが、XT−2、これは現在何機できているんでしょうか。また、これを何機保有なさる計画か。これは何か、話では、用途別によって計画があるようにお聞きしております。それから、あわせて、どういう長所を持った練習機か、その特徴的な性能、価格をあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(大西誠一郎君) XT−2はジェット高等練習機でございまして、現在試作機を製造中でございます。すでに七月に一機ができまして、十二月にはさらにもう一機ができる予定でございます。それで、四十八年には研究開発が終わりまして、現在、防衛庁の原案でございますが、この計画では八十機購入をするという予定になっております。
○星野力君 何か、同型のものを戦闘機として百何機か計画されているということはどうなんでしょうか。
○説明員(大西誠一郎君) 現在、防衛庁が持っております支援戦闘機はF86Fという機種でございますが、この機種が何ぶんにも昭和三十年の初めに製造いたしました機種で、四次防の期間中には減粍いたします。そこで、この機種の更新分といたしまして、ただいま申し上げましたXTを改修いたしまして支援戦闘機として使用するという計画を防衛庁の計画段階で持っております。
○星野力君 値段のことを言われなかったが。
○説明員(吉田實君) ただいまのXT−2でございますが、これを量産段階におきまして、これは来年度から契約する予定でございますが、十一億七千八百万円くらいを予定しております。
○星野力君 どうも時間もなくなりかかっておりますね。で、一つだけお聞きしたいのですが、沖繩にいる米軍のSR71、もちろん、専門家の皆さんはよく御存じだと思いますが、あの飛行機の特徴的な性能と用途についてお聞きしたいと思います。
○説明員(大西誠一郎君) 沖繩におりますSR71は、戦略偵察の任務に任じまして、極東における不測の事態の発生に備えまして常時警戒監視をいたしておると承知しております。その性能につきましては、あまり詳しいことは発表されておりませんが、公刊資料等から申し上げますと、速度が三マッハ以上、高度は二万四千メートル程度を飛行する、乗組員は二名、航続距離は三千二百キロメートル以上というふうに言われております。
○星野力君 そうすると、戦略偵察機でございますね。ほかには、これは使い道はないわけでございますな。
○説明員(大西誠一郎君) そのとおりでございます。
○星野力君 このSR71について、福田外務大臣は、爆弾を積んで出撃する場合には事前協議の対象になるというようなことも言っておられたからお聞きしたわけでございますが、ほかに使い道がない。スープをすするスプーンに耳かき、形がよく以ているけれども、スプーンでは耳かきにならないような、ほかに使い道がないという飛行機じゃないかと思いますが、この飛行機、アメリカ本国以外に、アメリカ以外の外国に駐留しておるという、ところは、沖繩以外にあるでございましょうか。
○説明員(大西誠一郎君) 承知いたしておりません。
○星野力君 これは私はないんだろうと考えるんでございますが、この問題について、きょうは時間がなくなりましたので、他の機会でひとつ、この委員会というわけでは必ずしもございませんが、いろいろ問題にしていきたいと思っております。いまいろいろSR71についてお答えいただきましたが、こういうお答えがあったということの上に立って、これから先、いろいろお聞きしていきたいと思っております。 きょうは、これで終わります。
○委員長(鈴木一弘君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) この際、委員派遣の報告に関する件についておはかりいたします。 前国会閉会中、本委員会が行ないました委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会