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67回国会参議院1971/11/30

運輸委員会 第4号

発言数
170
登壇者
13
会派数
2
開催日
1971/11/30

会議録

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十七日、藤田進君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。  また、昨二十九日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として藤田進君が選任されました。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 最近、総合交通に関する討議が各方面で行なわれておるわけですが、そこで、いま私たちが聞いている範囲内でも、運輸政策審議会の答申、さらに警察庁の総合交通に関する意見あるいは建設省のやはり交通問題に対する意見というのが出ております。また先般、日本経済新聞によりますと、経済企画庁でも総合交通に関する意見書というのが出ておるわけです。これらはそれぞれの所管の分野で、いわゆる見方、視点というものが違うと思うのですけれども、しかし総合交通という問題は少なくともそれらの問題を全部織りまぜて、初めて現実性があると思うのですが、たとえば今日のような道路事情なり交通事情というものが起きた原因というのは、これは大都市集中化の問題にも原因があるし、このことは国土開発にも重要な点だろうと思うのです。また道路事情、交通渋滞が起きたことに対して、それを解決する場合に忘れてならぬのは、やはり交通事故の防止という問題も忘れてはならぬと思うのです。こういう問題から考えると、これらの配慮というものが織りなして、初めて交通政策というものが現実性を持ってくると思うのです。そこで各方面からのそれぞれの答申なり意見書を見ると、それぞれ異なったニュアンスとよさというものを持っておると思うのでありますけれども、そこでこれの調整といいますか、現実に交通政策なり総合交通としてどこが責任を持ち、そしてそれの調整はどういうふうに行なうのかという点について、まずもってお聞きをしたいと思います。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) いま先生からお話があったように、総合交通体系は本年の七月、運輸政策審議会の答申を得ましたので、運輸省といたしましてはこの答申の内容を積極的に運輸行政に反映させたい、かような考え方から、明年度の予算要求の中にも陸上輸送施設整備特別会計を設置するよう予算要求をいたしております。  なお、質問の内容の中で、どこが主体官庁かという、あるいはどこが責任を持つのかというお話でございますが、内閣に設立されました臨時総合交通問題閣僚協議会において総合体系を樹立するという、かような考え方に立っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そうしますと、運輸省の運政審の答申ですね、これが中心になってこれからの運輸行政を行なうということとの関係はどういうことになりますか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) いまお答えしたように、運輸省としてはその場に答申の趣旨を十分反映さしていきたい、かように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そうしますと総合交通に関する一つのプランをつくるのは、運輸省としての一つのある分野を担当するということになろうと思うのですけれども、それじゃ日常の運輸行政とこの答申との関係はどうなんです。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 今日まで進めてきました運輸行政の中で、なお改革すべき点があるならば、現在の答申の中でも、臨時総合交通問題閣僚協議会の議を経なくても、その趣旨を生かしていけるものは現時点でも十分生かしていきたい、かように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それでは必ずしも答申の内容というのは、運輸省の今後の政策の上で生かされるということではなしに、内容によってはそれを取り入れていくと、こういうように理解していいですね。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 私の申し上げたのは、答申の趣旨はたいへん運輸省としても貴重な見識であり、今後運輸行政の中にも当然反映さしていかなきゃなりませんが、具体的に閣僚協議会の議を経なくても、現実にできるものは逐次そういう答申のよい面は生かしていきたい、かようなふうにひとつ御理解いただきたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それでは具体的に運輸政策審議会の答申の内容について、個々に運輸省としてはどう考えるかということを聞いていくことのほうが具体性があると思います。そういうふうに質問を変えてみたいと思います。きょうは時間の関係もありますので、いわゆる総合部会関係というのは非常に広範囲に入っておりますし、あるいは総合交通の中での範囲が非常に広いものですから、ある部分に限ってひとつ質問をし、そうしてまた別の機会に総合交通あるいは物流関係をお聞きしたいと思います。  ちょっといま気がついたんですけれども、運政審の答申の以前に出されている懇談会の物流の意見書がありましたね、あれもいまの等申と同じように考えていいわけですか。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) お答え申し上げます。  お示しのように政策審議会の前身に運輸政策懇談会というのが一年間ございまして、さらにその前に二年間、運輸経済懇談会、懇談会形式で二年間勉強したわけでございます。それで大都市交通問題と物的流通の近代化問題、この二つのテーマを掲げまして勉強いたしました。物流の近代化に関する提案の中に、協同一貫輸送の推進でございますとか、複合ターミナルの建設でございますとか、専用輸送の推進というような提案がございました。御承知のように協同一貫輸送の推進につきましては、国鉄のフレートライナーという形で実現いたしました。あるいはフェリーなどを増強するという形で実現しております。また複合ターミナルにつきましても、現在その具体策について鋭意検討いたしております。したがいまして政策審議会の前身でございます懇談会で勉強いたしましたことは、そのつど個々の政策として具体化いたすべく努力いたしております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 したがって、これもやはりこの中に盛られている内容というものを十分吸収していくということで、答申と同じような形になるわけですね。そこでこれからの問題ですけれども、これと同じような、たとえば大都市の問題がありましたが、具体的な問題としては大都市のバス、タクシーの問題がありましたが、それ以外に諮問する事項というのは、いまのところどの部面を考えておられるのか、その点質問いたします。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) ただいま運輸政策審議会で検討しております状況を若干御説明申し上げて、お答えにかえたいと思いますけれども、総合部会というのがございまして、これでは、ただいま議題になっております総合交通に関する答申をことしの夏出しまして、現在格別の活動はいたしておりません。  それから物的流通部会というのがございまして、これはつい先ごろ航空貨物の輸送、特に国際航空貨物輸送、この問題に中心を当てまして専門委員会の議論をまとめましたが、それを先日の部会に報告をしたという段階でございます。したがいまして、部会でもう少し練りまして審議会としての結論を得る運びになりますのはまだ半年ぐらい先になろうかと思います。なお物的流通関係では、もう一つ港湾運送の近代化についての特別委員会をつくってございます。これは数年前から港湾審議会の中に港湾運送部会というのを設けまして、港湾運送の近代化に関する施策を議論してこられたのでありますけれども、これを受け継ぎまして現在検討を進めております。このほうは、結論の出る時期等はまだ不明でございます。  なお今後でございますけれども、物的流通関係の部会といたしましては、いわゆる流通拠点施設を中心にいたしました物流近代化施策というものについての議論を年が明けましたらやっていただこうか、こんなふうに考えまして現在委員の先生方と相談しております。もし委員の方々の御賛同を得られればそんなふうにしてまいりたい、こう考えております。  それから三番目に大都市交通部会でございます。これは先ごろバス、タクシーに関する答申を出していただきました。現在それに対するいろいろ具体策を進めておりますけれども、その後の計画はいまのところ持っておりません。  それから四番目に開発部会というのがございまして、国土総合開発の中におきまする交通の地位というふうなものについて議論をしておりますけれども、この部会では二つのテーマを取り上げております。一つは、いわゆる大規模工業基地——むつ・小川原とか周防灘とかいろいろありますけれども、そういった大規模工業基地の開発と交通施設との関係というのが一つのテーマになっております。それからもう一つは、大規模レクリエーション地区——九十九里とか若狭湾とかというところが議題になっておりますけれども、こういったものの整備に関する方策、これを議論しております。両方のテーマとも二カ月ほど前に専門の委員の間の中間的な報告がまとまりました。これを部会で報告いたしましてなお引き続き検討をいたしまして、やはり来年の夏ごろに何らかの結論を得たい、こういう形で審議を進めております。  現在の政策審議会の議論の進捗状況は以上のとおりでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そこで先ほど申し上げたように、総合部会関係について一点と、それから大都市のバス対策関係について質問したいと思います。  総合部会関係を通読した感じとしては、六十年次の展望に立って、それの消化——旅客並びに貨物の消化ということについて非常に重点が置かれておるわけですけれども、そのために国民の直接生活に結びつくような小口貨物の取り扱い、これがどうもこれからの輸送関係の中で取り残されていくのではなかろうかと心配になるわけです。あるいは大まかにロット化していくということで効率の点が非常に強く出ている、そんな心配が感じられます。それから過疎バス問題に対する配慮というのが不十分さを感ずるわけです。それからもう一つは、旅客の消化のために、いわゆる安全性という面で、交通事故を少なくするという面での配慮というものが——これはまあこの審議会に諮問されたテーマということから見てそういうことになったんだろうとは思いますけれども、しかし、交通政策を出す場合にはその点が含まれなければ現実性がないと思うんです。そういう点が不十分ではないかというふうに私は思います。  そこで具体的な内容について質問をしていきたいと思いますが、地方交通の関係の中で国鉄ローカル線及び中小私鉄のうち自動車の輸送に代替すべきものはバスにかえるというふうなことが出ておるわけです。たしかこれ二〇ページですか出ておるわけです、総合部会の。今日の中小私鉄の経営状態は——国鉄でもそうですが、中小私鉄の場合でも非常に問題を投げかけておるわけです。四十年から四十五年までの間で一四%、五十九社、営業キロで六百八十キロが廃止されているし、その傾向は年々大きくなっているという状態です。バスについても四十二年度は二十四件、四十三年度は七十九件、四十四年度は二百七十八件、キロ数にして四千百六十二キロ、年々に増加をしている。これが休止路線でありますが、廃止路線も同じように四十二年から四十五年九月までのを見ると二百四十九件、三千八百三十九キロがやはり廃止になっておるという状態ですね。そこで中小の鉄道をバスに切りかえても、バスの経営自体が非常な困難になるのじゃないか。いまのバス企業なり、あるいは中小私鉄の採算上あるいは経営上問題になっている一つの大きなガンというのは、朝晩の通勤、通学はまあラッシュがあるのだけれども、昼間は空気を運んでいるというところに問題がある。それは電車をバスに切りかえても朝晩はやっぱりラッシュ、通勤、通学の足を運ぶためにはかなり無理が起きると思うのです。したがって、そのバスに切りかえたら少しそれが状況がよくなるということが言えても、結果的には同じ苦労をまた次の段階でしなければならぬ、そういうふうに思えるのですが、その点についてどう思いますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいまの伊部先生の御指摘のように、総合交通答申の中におきまして、地方交通体系の問題に関して御指摘のようなローカル鉄道等をバスに切りかえるというようなことの提案がございます。この問題につきまして私ども自動車局の立場から考えますと、いわゆるローカル交通の、過疎化現象の進展に伴いまして特に必要なことは、鉄道をかりにこの提案にありますように廃止をしてバスに切りかえるということをいたしましても、バスというものはやはり地域住民の最後の足でございますから、これはどうしても維持しなければならない、こういうふうに考えているわけでございます。そこでいま先生のお説のように、バスはバスでまた非常に過疎化現象に伴って維持が困難になっているということは御指摘のとおりでございます。  そこで私どもとして考えておりますのは、鉄道を単にバスに切りかえればよいということではもちろんございませんので、バスはバスとして住民最後の足としてこれを維持していくためにはどうしたらいいかということであります。現在までとっておりますのは、いわゆる過疎バス等に対する助成策ということで予算上の補助を出しておるわけでございますが、四十七年度の予算要求におきましてはこれを抜本的に変えまして、そしていわゆる辺地、離島、過疎地域と、こういうものに局限されておりましたいままでの地方のバスというものを、もっと地域の対象を広げまして、おおむね人口十万以下の中小都市を含む地域という、地方の地域というものの路線バスの維持ということをはかりたい。そのはかる方法といたしましては、これを三つのグループに分けまして、そしてまず第一のグループといたしましては、その平均乗車密度が十六人以上の路線、これにつきましては大体企業の合理化等によって国として格別の助成をしなくても維持していけるはずだし、また、いけるものであるという私ども考えを持ちまして、そしてそれは企業の経営努力によって維持していくようにする。それから平均乗車密度が五人から十五人までの路線、これが一番問題の路線であると思いますが、こういう路線につきましては、地元が少なくとも平均的に申しましてコストの三分の二までは運賃の負担——あるいは市町村等がたとえば補助金を出すというようなことにして、三分の二までの運賃収入を確保する。そして残りの三分の一については、これを国と都道府県が折半をして赤字を埋めるということを一つの柱として路線の維持をはかっていきたいということを考えております。  それから、もう一つは、その対象、いま私が申し上げました五人から十五人までの路線につきまして、そういう国が地元の公共団体と協力して維持していこうということをきめた路線につきましては、車両の代替補助という、古くなりました車両を代替する場合のバスの購入費の半分を国が持つ、半分はその都道府県が持つということで、車両購入の刷新をはかりたいということ。そのほか、たとえば乗車密度が五人以下でどうしても採算ベースに乗らないというものにつきましては、これはいわゆる会社が経営をやめて、市町村等が——市町村と申しましてもほとんど町村でございますが、町村がマイクロバス等を購入してやる、そういう場合の切りかえ時の購入の費用の半分を国が持つというようなことで、現在やっておりますいわゆる過疎バス対策というものを抜本的に地域的な範囲を広げる、それから助成の条件というものをもっと現実に即したやり方をするというようなことで、先生の御指摘のような、ローカル路線について鉄道から切りかえられるべきもの、あるいは本来バスでやっておったもの、そういうものを両方合わせまして、住民の最後の足としてのバスの、公共輸送機関でありますバスの路線の維持ということをやりたいということで、目下大蔵省と折衝をしておるわけでございます。今後ローカルバスの維持、路線の確保、あるいは車両の代替ということにつきましては、これは十分行政の面において力を入れてやりたい、かように考えておる次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いま御説明の中で言われるように、バスはもう最後の地域住民の足になるわけです。そういう意味で考えると、バス問題というのはたいへん重要な問題です。先ほどの生活路線の三つの区分にもありましたけれども、そこでわれわれとしては注意をすべきだと思うのは、過疎化の現象というものは、産業の条件あるいは人間の集中化あるいはエネルギーの転換というようないろんな要素が重なってきておる。これはいわば国全体の政策の中で起きてきた現象なんで、やはりこの問題は交通関係だけで解決できるとは思いませんけれども、交通関係が撤去していけばだんだん過疎が深まっていくということにもなりますし、これは過疎化現象と交通問題というのは非常に重要な関連性を持つと思うのです。と同時に、このバスの責任といいますか、バス路線維持の責任というものを地域に持たすということがいいのかどうか、このことがあると思う。都市周辺ですと、その補助対策というのは、助成というのはそんなにたくさんな、負担という面では大きなものではないかもわかりません。東北だあるいは北海道だというようなところでは、集中的に過疎化路線というもののめんどうを見なければならぬ地方自治体では、自分のほうに二つも三つもそれを持たなければいかぬということで、これはむしろ責任の重点は国が持って、そして地方自治体との関係というものをもう少し負担を軽くしていくというふうに、もっと積極的に国が過疎問題、過疎バスの問題について行なうべきではないか。昨年までは一億五千万前後、今年まあ十倍とかいいますけれども、十四億五千七百万、この程度でいまの国民の足を守るという点については、私は不十分だと思う。いずれにしても、むしろ責任は、地方自治団体ではなしに、国が責任を持つべきだということを私はもっと強くこの方針の中でうたうべきではないか。というのは、これからの行政の中でも、いま予算上の関係でだいぶ遠慮して十五億程度になっているけれども、もっとやはり考えないと、年々これはたいへんなことになるのじゃないかというふうに思うのです。むしろ負担面では、あるいは責任の重点は、国が持つということでなければならぬと思いますが、どうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいまの先生のお説、私も非常にもっともだと思いますが、ただ先ほどの私の説明にちょっと言い足らなかった点がございますので、その点をあわせてお答えをしたいと思います。  第一は、先ほど申し上げましたように、平均乗車密度五人から十五人までの路線でございます。この路線を全部維持をするということではございませんで、この路線の中で、私どもは、一定の条件に合致するもの、つまりどうしてもその地域の住民の足として必要最小限度のものを選別をする。その選別をするに際しましては、もちろん、重複している路線がある、あるいはA社とB社の路線がほとんど重複をしているという、そういう地区につきましては整理統合といいますか、そういう路線の整理もやりまして、そして合理的な路線網の再編成と申しますか、そういうことも考えて、そして住民の足として必要最小限度のものを選別をする。その選別をする基準につきましては、運輸大臣が全国的な立場でいろいろと実情を調査してある基準を示す。そしてその方針に基づいて、都道府県知事が、自分の地域内のその路線の中でどうしても必要なもの、あるいは整理統合してこういう形にして維持したいというものを、地方公共団体の立場から都道府県知事が選別をしてそれをきめていく。これを私ども予算要求上第二種生活路線ということばを使っておりますが、そういうものを選別をして、そして選別したものについては、これは国と地方公共団体が協力をして維持していこうということで、その維持をします場合の補助金の出し方について、先生のお説のように、国がもっと力を入れるべきであるという御意見でございますが、私どももそういうようなことについて、国にできるだけ要求をして、そして獲得をしたいと思いますけれども、ただ現在までの傾向を見てみますと、やはり地方公共団体といたしましても、ただ路線の廃止は困るというようなことだけではなくて、やはりもう少し、何といいますか、住民の足としての路線の維持のための責任と、それから同時に、ある程度の費用の負担をやっていただきたい。もちろんその面につきましては、地方交付税等を通じまして国からの間接的な援助をするわけでございますが、そういうことで、国と地方公共団体とが両々相まって維持をしていく、その基本的な考え方につきましては国が方針を示す、そういう考えでございまして、まあ地方公共団体もある程度の責任を持ってもらう、国としても基本的な全体の方針及び地方公共団体の及ばざるところについてかなりの思い切った助成をしたい、こういう考えでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私はあまり的確な資料を持っておるわけではありませんが、いま過疎地域で赤字を出している路線に対する補助、これがほとんどは過疎バス対策協議会なんかからの資金ルートになっているのでございますけれども、これで国が一に対して県が二ないし三、それから市町村が残りというふうな割合だというふうにいわれておるようですけれども、そうなると、それが的確だろうかどうかということはまた説明を願いたいわけですけれども、そうなるとやはり都道府県に対する負担というものが非常に大きくなって、その過疎路線を持っておる地域というものは非常に地域によって負担度が軽いところと重いところというもので、その維持にたいへん苦労するんではなかろうか。そのバランスなりその調整というものをどこかでとってやらないと、その都道府県はどうにもならなくなってしまうということを心配するわけですけれども、そうすると、それで手当てが悪くなればその路線はやめてしまうというふうなことに追い込まれるということになると思うんです。その点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) この過疎バスに対しまする地方公共団体の補助金を、御指摘のように現在のシステムにおきまして国と協力をして出している出し方、それから県が単独で出している出し方、そういうものが県の財政状態等によりまして非常に区々でございます。したがいまして、御指摘のように全国的に統一されておらないという実情は確かにございます。したがいまして、私ども考えておりますのは、四十七年度以降におきましては、そういう第二種生活路線として選定されたものにつきましては、とにかくコストの三分の二までは、これは地方公共団体のうちの当該市町村としても——運賃収入で三分の二をまかなえば特に地元の市町村に負担をかけるつもりはございませんが、三分の二までにならないところにつきましては、三分の二になるまでは市町村でそれを補助をしてもらいたい、三分の二になりますと、残りの足らずまいの三分の一、これを国と都道府県が折半をする、つまり全体の六分の一ずつを国と都道府県が折半をして持つ、こういうことで補助体系の斉一性をはかりたいということで自治省のほうとも折衝をしておるわけでございます。そういうことで地方、地方におきまして、従来は補助のやり方、金額の点におきまして非常に区々な点がある、これは今後できるだけ斉一性をはかって、そういう全国的な足並みをそろえてやっていくということにしたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それから地域によってはそれほどのこともないんですけれども、私の見たところでは、ある県ではいわゆる不採算路線というものをかかえている会社が三つも競合しているという県がありますね。具体的な名をあげてもいいわけですけれども、もう給料の遅配が行なわれているところがある。あまり大きな県でもないのに非常にバス路線が多いしバス会社も競合している。これは早急にやはり整理統合について運輸省のほうで指導していかなければ、悪い、採算が合わないというて大騒ぎをしているのに、住民から見て同じ路線に何でこの会社と別社とが一緒に走っているんだろうかという疑問が起きるので、これはやはり早急に整理統合を進めるべきだと思うんですが、何か具体的に計画を進める段取りといいますか、何か方法を考えておられますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御提案でございますが、私どもまだはっきり、こういう方針でやるということは確定をいたしておりませんが、先ほど申し上げましたように、第二種生活路線というものを選定するにあたりましては、お説のように競合をしているところ、そういうものについては、十分その競合をなくすように、路線の改廃というか統合整理をするということはぜひやっていきたいと思います。  それで、第二種生活路線として選定をされてその補助金を出します場合にも、これはまだ現在大蔵省との折衝の過程でございますが、大蔵省のほうも、過疎バス対策というものには、ローカル・バス対策にはぜひ力を入れてやりたい、ただ、現在、非常にそういう不採算路線が多いので、それを整理統合して、そしてその状態によって厚い、薄いをつけるというようなことも考えたらどうかという提案がありまして、現在、事務的に大蔵省との間でその問題をめぐって論議しているところでございますので、したがって、まだ結論は出しておりませんが、私どもも、一つの方法としては、十分、重複いたしました路線等をなくしてすっきりして、必要最小限の路線にしたものについてはできるだけの手厚い助成を出す。なかなかこれはそのように現実にいかないケースもありますが、合併とかあるいは集約というようなことの条件をつけまして、それによって補助の程度にもある程度の格差を設けて整理統合、集約を促進するような方法ということも考えたいと思っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 先ほどからときどき第二種生活路線と言っているのですが、第一種はどうなんですか。もうこれは当然廃止をするということで考えておられるのですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、私どもが第一種生活路線と呼んでおりますのは、平均乗車密度十六人以上の路線でございまして……。

伊部真日本社会党

○伊部真君 第一種じゃなくて五人以下でございます。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 五人以下と六人から十五人までの路線と両方あるわけでございますが、五人以下の路線につきましては、これは私どもは廃止するといいますか、国が助成をしてまでいわゆる企業ベースで、採算ベースで維持するということはこれはなかなか困難である、したがって、これを企業として維持するために国が助成をするということはやらないということで、そこに線を引こうというふうに考えておるわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そうすると、これは国としては廃止の方向でやろう、これは当然採算上は合わなくなるわけですね、先ほど言われておる第二種生活路線よりも悪い状態になるわけですから。そうすると、その地域におる者はたちまち困ると思うのですが、そういう問題についてはどういう手当てというか配慮をされるのですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、現在と申しますか、この政策を適用する時点におきまして、五人未満の路線、これが現状のまま五人未満でありますと、国としての補助の対象にしないわけでございますが、たとえば企業としては採算に乗らないからやらないというような場合に、これは町村がいままでも予算でそういうことをやっておるわけでございますが、町村がマイクロバス等を購入いたしまして、そして町村がみずからそれを運営するというような場合には、一回限りと申しますか、その最初のマイクロバス等を購入する購入資金を国が出すということによって、いわゆる商業上の採算ベースに乗らないものについては、市町村が自分で運営するというものについての車両購入費の補助という形で国としてこれを助成しよう、こういうふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 次の項目に移りますが、やはり総合部会の答申の中で、新幹線の建設と貨物輸送の関係が書かれておるわけですが、新幹線建設が貨物輸送の強化の役割りも果たすと。それは新幹線がつくられたことによって在来線、既往の線路があきますから、当然そこで貨物関係の輸送に寄与するということはわかるわけですけれども、新幹線に直接貨物輸送、夜間なんかに走らすというふうなことを意味しているということに解釈していいのですか、その点どうですか、お聞きをします。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) 総合部会の答申の中で鉄道貨物輸送に期待しています部分は、いま先生も御指摘ございましたように、新幹線をつくりますと、その区間の旅客輸送は大部分新幹線で担当する、もちろん近距離の通学・通勤輸送等は別でございますけれども。そういたしますと、新幹線のほうに移った分だけ在来鉄道があいてくる、これを全面的に貨物輸送に回したい、こういう考え方でございます。そうして、新幹線自体に貨物輸送をさせるかどうかという点については、実はこの答申を議論された段階ではまだ具体的に検討が進んでおりませんので、その点は特に触れてございませんが、否定をしたということでもないわけでございます。その問題は議論しなかったということでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 運輸省のほうとしても、これは新幹線にいま貨物を走らすというふうに国鉄のほうとしてもそれを考えているということでもないわけですね、いまのところは。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) 私も守備範囲が限られておりますので確実な答弁があるいはできないかもしれませんけれども、新幹線で貨物を運ぶということにつきましては、新幹線にかなりの大きな動力源を積まなければならないというふうな問題等がございますので、いまただちに新幹線の貨物輸送というものを具体化するということにはなっていないと思います。しかしながら、技術の進歩が日進月歩でございますから、将来やはり新幹線輸送のようないわゆる高級な輸送手段を活用できるような高級貨物については、当然そういった需要が出てまいるかと思いますが、これは将来の検討問題であるということでございます。国鉄におきまして、おそらく技術的に内部で検討をされていると思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それでは、総合部会の項では最後の質問になるわけですけれども、料金、運賃面で「交通関係の公共料金抑制措置は再検討すべきである。」というふうにここに出ているわけです。これは交通関係というと非常に広範なことなんでありますけれども、公共料金の抑制措置、いわば押えることはやめるべきだというふうな意味なんだろうと思うのですけれども、そうすれば、それにかわるべきものとしてどういう論拠というものがあるのだろうかというふうに疑問を持つわけでありますが、これについての見解をお伺いしたい。もちろん、タクシーだとかあるいは個々の業種による料金問題というのは別に質問をいたしますけれども、ここでいっている抑制措置をはずすということについての考え方をひとつ聞きたいと思います。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) この答申で公共料金につきまして触れておりますけれども、ここで触れておりますのは、従来、公共料金政策というものといわゆる交通社会資本の充実というこの二つの政策目的のウエートを考えてみますときに、交通社会資本の充実といういわば長期的な政策目的というものはややもすればうしろに置かれ、やはり短期的に非常に重大な問題であるところの物価の安定ということのために、公共料金政策というもののほうが前面に出た傾向があったわけでございます。その結果もあると思うのでありますけれども、交通社会資本の充実につきましては、国鉄のような国営のものあるいは私鉄のような民営のもの含めまして、国民の期待するような交通社会資本充実が、どうも行なわれていないのじゃないだろうか。公共料金抑制措置によりましてなるほど短期的には物価の安定に寄与した面があったかもしれませんけれどもそれが、結果的に、長い目で見た交通社会資本充実を妨げるという結果になりますと、かえって通勤ラッシュは解消しないというふうな結果になりまして、国民生活にやはりプラスする面が出てこない、こういうことでございます。  したがいまして、この答申で指摘しておられますのは、これからやはりわが国の経済もいろいろ変動を重ねながら成長を続けていくわけでございますから、そういった成長を拡大していくところの中から、やはり交通社会資本として当然充実すべきものはそちらのほうに分けていくということが大事ではないか。そういったことで、従来のように物価政策の観点がややもすれば先行しがちな料金政策を、もう一ぺん再検討してみたらどうか、そうして交通社会資本の充実という点をもう少し打ち出してみたらどうかということでございます。いわば、頭から、従来の公共料金政策をはずしてしまえというふうな御提案ではなかったというふうに私ども考えております。ただ、いま申し上げましたような意味で、交通施設の整備ということをもう少し強く前面に打ち出して、それと公共料金政策との間の調整点を十分はかりながら、必要な資金が社会資本充実に回るようにしなければいけないぞ、こういう批判をいただいた答申であるというふうに私どもは解釈しております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 それでは、具体的に、都市交通部会の答申についてお伺いをします。   〔委員長退席、理事鬼丸勝之君着席〕  これは五年の間に実施をしたいということなんで、わりあいに期間的にも短い間に完成をするということなんでありますから、関心を持たざるを得ないのでありますが、この答申の中で一番弱い面というふうに感じるのは、自家用車に対する規制が不十分な気がいたします。いまやっぱり都市の交通問題で一番大きなガンというのは自家用乗用車の問題ではなかろうかと思うのです。自家用の乗用車を都市に集中することを抑制をし、分散させていくということについて、もう少し、具体性に欠けておると思うので、この点については運輸省としてどう考えておられるのか。たとえば、当時、車を持つ者は車庫をつくれということで、都心にどんどんどんどん車庫が建ったり、あるいはいまでも、ビルが建ったときには必ず駐車場というものを設置するということでありますが、これは一面では路上駐車をなくするということで効果があるのですけれども、一面ではまた、都心に車が集中して交通渋滞の原因になるのではないか。むしろ乗用車というのは、その使用の範囲にもよりますけれども、都心の外周部に駐車施設をつくって、そして、できるだけ都心には車が集中して入ってこないようにすることが必要なのではないか。そういう面でもっと、駐車場なり車庫の設置の問題なんかについて積極的な指導をすべきではなかろうかというふうに思うのですが、その点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいまの先生の御提案、私どもも常に問題にしておったことでございますし、都市交通部会におけるバス・タクシーのあり方に関する答申におきましても非常に論議されたわけでございます。先生御指摘の点につきまして、私どもこの都市交通部会の論議をする前にいろいろ、どういう観点からこの論議をするかということをやったわけでございますが、そのことに関連いたしまして、結局この答申の本文の三ページにこういう指摘がございます。「問題点を解決するための方策」として三つの立場がある。一つは「国土計画、都市計画、交通施設計画といった基本的対策」の立ちおくれがこの都市交通の混乱を生じている原因であるから、こういう問題を根本的に解決しなければならないという、一番これは基本的な問題でございます。それから第二にそういう前提との関連におきまして「その解消のための道路等の整備よりも車両数の増加が上まわる現状のもとでは、道路等の社会資本の投下のみでは問題の解決にはなりえないから、何らかの形で都市全体として自動車の利用の増加を抑制しつつ有効な道路利用を図って円滑な交通を確保すべきである。」、こういう考え方があるわけでございます。それと、それからさらにもっと問題を具体的にしぼりまして、「そして、バス・タクシーを含めた都市交通全体の輸送力をいかに増強し、いかに配分し、いかに活用してこれらの問題を解決してゆくべきかを考えなければならない。」、こういう三つの問題点があるんだ、しかし「本答申は、主として(3)の観点からバス・タクシーについてとるべき措置を検討したものであり、その意味では一定の限界がある。」、まさに先生の御指摘のとおりであります。  で、基本的には国土計画、都市計画、交通施設計画、全般の観点から、また、いま自家用車の抑制ということをおっしゃいました、そういう車庫の問題、そういう問題を含めたことを全部原点に立ち戻って検討するということは、本来は必要であると思いますけれども、これは審議の過程におきまして第三の観点から、つまり、現在の何といいますか、運輸省の守備範囲と申しますか、バス・タクシー等の輸送力の増強、配分、活用ということにしぼって答申を出そうということになりまして、こういう答申が出たわけでございます。したがいまして、先生の御指摘になりましたような点がこの答申のいわば一つのウイークポイントであろうかと思いますが、精神としてはそういうことが生かされておりますので、私ども、警察庁あるいは総理府の交通安全対策室等と常時連絡を密にいたしまして、ある程度の自家用車を中心とする規制の問題、そういう問題につきましては、今後とも運輸省としても反対ということではなくて、必要な規制は行なう、それに対してかわるべき措置をとっていく。たとえばバスの優先レーンとか、あるいは駅前広場の利用等につきまして、バスとか、場合によってはタクシー等を一部優先さして利用させていく、そういうような方法によってやっていきたい。車庫の規制の問題につきましても警察庁とも常時意見の交換をして、これをもっと効果があがるような方法でやってもらいたいという協議をいたしておるわけでございます。   〔理事鬼丸勝之君退席、委員長着席〕 そういう意味で、この答申自体は、御指摘のような不備と申しますか、意足らざる点があるのではないかという御指摘はごもっともでございますが、私どもは、その点は常に念頭に置いて行政の面で関係官庁と連絡をとりながら、そういった方向に持っていきたいと、かように考えておる次第でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまおっしゃるように、一項は簡単に言って産業全体の問題、二項は結局、公的な輸送とともに私的輸送、それから貨物と旅客ということについての関連を考えないと、これは実際の現実的な対策になってこないと思うのですがね。しかし、この答申の趣旨は、バスとタクシーということですから、ここに不備が出てくると思うのですけれども、その面では確かに警察庁のほうから出ている道路交通管理という意見書は、トラックの関係あるいは自家用車の関係というものが織りまぜて出ているわけですから、都市の交通渋滞なり都市の交通政策というものにかなりの変遷があると思います。しかし、バス・タクシーの問題を考えるときには、そのことを考えなくてはやはり出てこないと思うのです。したがって私は、答申に少しはずれるかもわからぬけれども、自家用車をどうにかして、やはりある程度ここでは——警察庁のほうの意見書でも、自家用車の生産問題を考えたらいいのだけれども、それはなかなか不可能だろうというようなことを前提にして書いてありますけれども、しかし実際問題として、生産の問題になるのか、あるいは何らか自家用面を牽制をしないと公的輸送というものが渋滞をするということは確かなんです。やはりこの点は、自家用車の問題についてもう少し討議をしなきゃいかぬのではないか。もしも、その点が個々に不備だというなら、これはやはり討議をする機会も持たなければいかぬのじゃないか。  たとえば、この間からときどき八王子なんかに出ておりましたが、ノーカーデーというようなものをつくったりして、そして八王子の自家用車はこの日は走らないというようなことがありました。これは一つの世論を喚起するという意味では意味があると思うのです。そこで、だいぶこれはとっぴな話になるかもしれませんが、ああいう地域的にやったのでは事実上むずかしいし、あまり効果は出ないのじゃないか。それよりも、たとえば自家用車のナンバープレートを七つなら七つ、十なら十の色に色分けをして、そして、きょうは赤色の乗用車はみな休もうではないか、きょう青なら、青を持っている人は必要な場合はタクシーを使うとかというふうにして、一般にわかりやすく、言うならば、一週間のうち七つの色分けをして、月曜日は青が休みで、土曜日は黄色が休みとかというようなことで、直接、何らか、自家用車を用途別にするとか、とにかく、都心に入らないようにする、あるいは制限をするような方法というものを考えるべきじゃないかというふうに思うのです。そうでないと、やはり公的輸送のバスの輸送が非常にむずかしくなってくる。確かにバスは専用レーンとか優先レーンをつくったとしても、結局は入れものの限界があるわけですから、やはり一番大きな車数を持っている自家用車、乗用車についての検討をされないと効果はあがらぬのじゃないか。こういう点、思い切って何か自家用車の答申の問題について考え方を持っているか、お伺いしたい。

高橋寿夫運輸大臣官房参事官

○説明員(高橋寿夫君) ただいまの自家用車を中心とする規制問題について、先生の御指摘一々ごもっともであると思います。私ども公共交通機関の整備を担当しております立場から言いますと、何とか路面を公共交通機関にあけてもらいたいという切実な願いを持っているわけでございますけれども、遺憾ながら多数の人が利用する公共交通機関に残されたスペースというのは非常に少ない。そうして自家用車が非常にたくさんふえてきておりますが、これをどのようにしたらいいかということでございます。私ども数年前から、そういう自家用車を何とか押えて、もう少し公的交通機関にスペースをあけてくださいとお願いする立場でございますが、そういった立場からもいろいろ実は考えてきたわけでございます。いま先生のお示しいただきました、ナンバープレートを日によって変えるという案も私ども伺ったことがございます。検討もいたしました。それから、四年ぐらい前に私たち省の中で検討いたしましたときには、たとえば環状七号線の中に入るときに一回五百円払うというような案を立てたこともございます。それから警察庁が今度経済企画庁に出された意見では用途別規制というふうなことも検討すべきであるとおっしゃっております。この中にいろいろの法律上の規制、経済的な規制、いろいろな案がございまして、どういう案が一番適当かということについては、これから具体化にあたっていろいろの総合的な判断が大事だと思いますけれども、何と申しましても私どもいま一番痛感しておりますのは——ただいまも御指摘のように、八王子を中心といたしますノーカー運動というものが盛り上がってきた。これは、私は、いわゆる車社会というものに対する一つの国民生活を守るという点からの大きな反省というものが盛り上がったのじゃないだろうか。歩行者天国というようなものがノーカー運動まで盛り上がってきた。そしてこれが八王子から始まった運動が愛知県全県で行なわれ、かつまた北陸三県でも行なわれているというように聞いておりますけれども、そういうふうに全国的に広がってくるということでございますが、これはなるほどノーカー運動自体は非常に精神的なにおいのする運動でございまして、これ自体にたより切ることはもちろんできませんけれども、しかしノーカー運動というものをやろうじゃないかという声が起こってきた。現に地域住民がかなり協力しているという事実はたいへんなことでございまして、そしてこの声にこたえるためには、やはりノーカー運動という提唱に従って車を捨てた、しかしながら鉄道とかバスとかいう大衆交通機関がないのでは、その方々は歩くわけにはいかない、結局また車に戻ってしまうということでございますので、こういうほうはいとして従来の車万能に対する反省が起こった機会に、私たちは機を移さず公共交通機関の整備というものを打ち出していくべきであるというふうに考えまして、先ごろから進めておりまするバス路線の再編成その他の公共交通機関の整備という問題をこの際強力に進めなければならないというふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 次に、都心バスの問題について少し伺いますが、この答申でもワンマンカーの型式の統一というふうなことがかなり具体的に出ているわけですけれども、現実に、東京でのワンマンカーと大阪でのワンマンカー、それから東京都内のワンマンカーでも会社別によって非常に車も違うしあるいは料金の取り扱いの方法というものが違うわけですね。たとえば大阪ですとお金は最後におりるときに払うというのが多い。東京ですと大体乗りしなに払う。ですから乗る出入り口というものも違うわけですよ。まあこれはわれわれのようにあっちへ行ったりこっちへ行ったりする者にも影響がありますけれども、特に地方からたまに出てきた人なんというのは、お年寄りが間違っていってたいへんどなられている姿を見るのですけれども、私あれ非常に不愉快だと思うんです。ワンマンにしたから、老人や地方から出てきた人がシステムが違うために戸惑っているのを非常に奇異な感じを受けるわけです。あれはやっぱりワンマンカーの構造についてやはり統一をするということが必要なのではないか。あるいは、都内でも同じように、取り扱いで百円入れたらつりが出るというところと両がえのところとがあるわけですね。そのために、間違ったからといって運転手とトラブルを起こしているのを再々私も聞くわけです。やはりああいうのは会社が違っても行政の面で両がえなら両がえというようなことに統一をして、そうしてお年寄りが乗ってもわかるように、それからたまに東京へ出てきた人が制度が違うために非常に戸惑うというようなことのないように——私はこの面は統一をしたらその会社にとってそんなに都合が悪いというわけではなかろうと思うのです。非常にこまかいことのようですけれども、やはりワンマンのああいう現金授受の関係あるいは車体構造の関係というものは統一するように指導すべきではないかというふうに思うのですが、その点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先生の御指摘まことにごもっともでございます。この答申におきましてもところどころに出ておりますように、一般大衆が利用する公共交通機関としてのバスの機能を十分発揮するためにバスを物理的にももっと乗りやすくする、それから乗客の接遇の面においても、乗客を信頼して乗りやすくするという方式にすべきであるという提言がなされております。したがいまして、車両構造の面におきましても、先生おっしゃるように非常に区々でございますために、乗客に非常に不便をかけるということでございますので、まず車両の構造設計の面におきましても、特にワンマン化を進める上におきまして、あるいは現にワンマンバスが走っております路線におきましては規格をできるだけ統一して、そうしてふなれな人あるいは子供、老人等が物理的にも乗りやすいような方式にする。したがいまして、乗降口の統一をするとか、あるいは代金の支払い方法等についてもこれを統一するというような方向でやっていきたいと考えております。  そこで、これもまだ要求の段階でございますが、標準バス車両の開発費補助というようなことで、いま申しましたような大都市におけるワンマンバスの標準的な設計というものについて、そういう考えでイニシアチブをとって、そういう試験研究をやっていただいて、そうして最も合理的、効率的なものを採用するようにバス事業者に勧奨したいということで目下やっておるわけでございまして、確かに、おっしゃるように、現時点においては構造設計の面においても非常に不備と申しますか、アンバランスがあるというようなことで、これは早急に私どもも構造設計の面、それから、それと同時に乗客の接遇の面においてももっと乗りやすいようにするということで改善をすべきものと考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これは車体構造の面ではかなり時間的にかかると思うんですけれども、いま言ったような料金の収受関係というのは、少なくとも東京の足場では私は早急に何とかできるのではなかろうかと思いますので、そういう点はおざなりにならないように、早急にこれが実現できるように、ひとつ強力に進めていただきたいと思います。  それから、先ほどもちょっと出ましたが、バスの優先レーン、専用レーン、特に、東京で八路線が朝と夕方実施してかなり効果をあげているというふうにいわれておるわけですけれども、東京以外のところの実施状況と、それの住民からの評判といいますか、効果、そういう点ありましたらひとつ説明をいただけますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 東京以外におきましては大阪でやっております。それから最近は、地域的には一部でございますが札幌でやっております。それから北九州の小倉区、それから福岡市——これはやり始めましたかあるいはごく近い将来にやるのか、そういうことでこれをだんだん地域的に拡大をしていくということでございまして、実は、たまたま先般、私と警察庁の交通局長、これは交通局長のほうが主でございますが、交通局長と私とバス協会に参りまして、全国のバス協会の各地域の会長もしくは専務理事、そういう方々を呼びまして、この専用レーン、優先レーンの設定、あるいは今後これを拡張していくというようなことについて具体的に説明をし、あるいは地方の意見を聞いたということでございますので、これは各地域の実情に応じて逐次強化していくというふうにしたいと考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 次に、タクシーの問題について。  今日のタクシー営業の問題点というのは、まあ接客の問題が利用者のほうから問題にされておりますが、タクシーの側から見れば、やはり運賃の問題、それから交通渋滞の問題ということがいわれているようです。しかし、最近とみにこの都心での問題点としては運転者の問題、運転手の不足という問題がたいへんに大きな問題だというふうに思われるようになりました。長時間労働で、いわゆる交通戦争といわれるような、ほんとうに神経をすり減らすような職場で働くわけです。そうして、あまり労働条件がよくないわけですから、どうも運転者がこの職場に入ってこないというふうな現象が出ている。それが接客面にも問題が出ていくし、かつまたタクシー業界全体を暗くしているというふうに思うわけです。で、この運輸白書のほうにも数字が出ておりましたが、最近の延べの実働率というのはたいへんに落ちているわけです。昭和四十年の法人では九六・二%、個人では八〇・六%、合計九三・二%、これが四十四年度では、法人八八・一、個人では八六・七、合計で八七・八というふうに、結局、車の稼動というものは非常に落ちている。この一番大きな原因というものは運転者の不足なんです。こういう運転者の不足については、これはこのままおいておくと、ますます問題を深刻にしてくるんではないか。したがって、まあどうも運輸省のほうとしては、できるだけ労働条件をよくせいということで、この間の、去年でしたか、運賃の値上げのときの条件にもされたわけでございますけれども、どうもこれができてない。で、どんどん運輸省のほうで、自動車局のほうでやかましく言うと、これは最終的には運輸省の権限ではなしに労働省の権限であるということで、どうも決定的に労働条件をよくしていったり、サービスの向上についてきめ手を運輸省は持てないというふうに思えるわけです。これじゃやっぱり何ぼ条文に書いても、今度も運賃値上げの問題でもまた議論があるでしょうけれども、何ぼ条件として書いたって空文にひとしいんではないか。やはり業界のほうに、そうでなければこれはやっぱり免許に対して、免許を与える当時の約束が実行されないのだから、そういうふうな面では免許の面にまで触れていくということでないと、やはり実のある指導ができないのではないかと思うのです。したがって、この運転者不足と、この労働条件の向上の問題についてひとつ見解を明らかにしてもらいたいと思います。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) この問題は常にタクシーのサービスのあり方、経営の姿勢の問題と関連して問題になっている点でございまして、ただいま先生のお話もございましたように、大都市におけるタクシーの問題の大きな一つとして、この運転者の質量ともに優秀な運転者を確保するという面が非常に問題になって、非常に不十分であるということは私どもも率直に認めざるを得ません。  また、御指摘のありましたように、これは非常に労働問題ともからむ問題でございまして、私どももそういう意味で、なかなか思い切った手が打てないわけでございますが、私どもが現在業界に対して要望し、そういう指導をいたしておりますのは、一つは労働条件の問題、抽象的には労働条件の改善をやるということでございますが、それにはやはり企業によって労働条件というものが非常にまちまちである、労働時間とか賃金というようなものがまちまちであるということについていろいろ問題があるので、やはり基本的には、同じようなランクの企業というものについては大体同じような労働条件を適用する、そうすれば、これは企業相互間の運転者の引き抜きというようなこともなくなると思う。したがいまして、基本的には、これをさかのぼっていきますと、たとえば各企業が相当の費用を使って青年のいそうな府県に出かけていって、そして募集をして、そして連れてきて養成をして、そしてそれを自分の企業で使う。ところが、だんだんとなれていくうちに、よその企業のほうが待遇がいいということになりますと、そこにまた運転者の引き抜きということが行なわれる。相当その募集とか、または養成というようなことについて費用がかかると思います。したがいまして、私どもは基本的に、これは共同募集をし、共同で養成をし、そしてその労働条件が均一であれば、同じようなランクの企業の運転者の需給に応じて何といいますか、割り振るというようなことをすれば、相当私どもは経営の合理化にも役に立つし、運転者の労働条件の均一化といいますか、そういう均一化のほうにもいくのではないかということで、機会あるごとに口をすっぱくしてそういうことを呼びかけておるわけでありますが、なかなか現状ではそういう十分な状況でございません。しかしながら、私どもはタクシーの業務の改善のあらゆる機会をとらえて、今後そういうような面で労働条件を改善をしていく。しかもそれを各企業のレベルに応じて大体均一化といいますか、平準化といいますか、そういうようなできるだけ労働条件がそろって、そしてそういう必要以上の運転者の引き抜き等が行なわれないように、またその前提として共同募集あるいは共同求人あるいは共同養成というようなことをやっていけば、それがひいては経営の合理化にも役立つのではないかということで今後指導してまいりたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これはこれからもたいへん重要なポイントだと思うので、どうしたら魅力ある職場になるのかという点についてひとつ格段の検討を願いたいと思います。  それから、前の委員会にも私、業務部長に質問をしたのでありますけれども、そのときの答えではどうも私としては不十分なので、もう一ぺん重ねて伺いますが、この業界が経営上非常に問題になった——最近ですね、いわゆる暴力金融といわれるようなものが入り込んで、そしてその企業の主導権を握っておるというのが数会社ある。これはここに名前をあげてもいいというふうにまでいわれておるのですけれども、これは運転手からも聞いておるし、あるいは運輸省幹部からも聞いておるわけですけれども、そういう状態になっているということに関して、この間の業務部長の話では、私もうわさは聞いておるけれども、これはどうにもなりませんというお話だったのでありますが、どうにもなりませんでは私やっぱりこれは済まされないと思いますね。やっぱり毎日市民がそこに乗るわけです。特にタクシーというものはこれは一対一で乗るわけですね。したがって、そういううわさが出たり、そういう疑念に対してはやっぱり何らかの形で監査すべきではないか、そういう実態というものをつかんでやっぱり何らか疑念を晴らすということにつとめなければ、運転者同士でそういううわさがたったり、市民の間でそういううわさがたったりするということは私はたいへんな問題だと思う。そういう問題に対して知っているのかどうか。あるいはこれに対して何らかの対策をすべきだと思うけれども、そういう点についてもう一度明らかにしていただきたい。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御指摘のような事例がある程度あるというようなことは私もこれは存じております。ただ、この形にはいろいろなものがございまして、いわゆる自分は全然表面に出なくて、その資金繰りに困っている会社に高利の金を貸して、そして事実上企業の経営を背後で支配しておるという形態がこれは一番多いと思います。したがいまして、これを法律の面から見ますと、いわゆる免許を受けた業者というものは、いわゆる普通の善良なる市民でありまして、そしてそういう人が経営をしておる。ところが、実際の経営の実権というものは、そういう背後にある人が融資しておるといいますか、資金の貸し付けを通じて実際に支配しておって、それがいろいろな経営上の面で実権を握っているというケースが二、三あるようでございます。で、私どもとしては、これは非常にこれの対策について思い悩んでおるわけでございますけれども、もちろんこれが表面に出てきて、そして何といいますか、経営者としての適格を欠くという、法律の条項に照らして。これはそれなりに対策ができるかと思いますが、まあ先般私も、業務部長が先生にお答えいたしました話をあとで聞きまして、まあ私もあれ以上に歯切れのいい答弁ができないのは非常に残念でございますけれども、これが表面になかなか出てきませんと、どういう形でこれをシャットアウトするかということについて、なかなかできない。もちろん法律に照らしてそれが具体的に違法行為をする、あるいは乗客に対して、あるいは運転者等に対して、その法令違反その他の現象が起こってくれば、実態に応じまして、それを取り締まるということもできるかと思いますが、現在そういう背後にあってこれを操作しているというものにつきましては、なかなかこれは実態がとらえにくいし、またこれに対する措置がなかなかできない。で、実際私どもが昨年の年度末及び今年度に入りまして、タクシーの経営難を打開するための緊急融資をやりました。そのときも、普通の企業でありますれば担保というものがつきますし、それから金融機関の信用もありますので、ある程度の融資を得られて急場をしのいだわけですけれども、これの金融の恩典にもあずかれなかったという企業があるわけでございます。その企業の中におそらくそういう問題があるかと思いますが、これについてはいろいろな面から私ども情報を集めて対策を講じたいと思います。現状はいま申し上げたような状況でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この点はどうも十分きめ手というものがないので困るんですけれども、しかし事故が起きてからではこれは言いわけになりますからね。ですから、やっぱり事故の起きない前に手を打つということでなければなりません。これはやっぱり十分に考えて、不祥事件が起きるというようなことは、まさかないと思いますけれども、万全を期してもらわなければなりません。  それから、答申の内容に戻りますが、答申の中で「タクシー輸送形態の変更」という項がありますけれども、この中に、比較的、タクシーの役割りというものは短距離に期待をするとか、あるいは四項目あるわけです。流しの規制、利用方法、運行時間、いろいろ幾つかあるわけですけれども、まず第一に、短距離利用ということを視点に置くべきだということですけれども、これは私も理解できるわけです。電車で相当長時間のところを車で行かなきゃならぬということは私はないと思う。タクシーを利用する場合の利用のしかたというのはそうやってほしいとは思うわけですけれども、事実問題として、これは長距離をシャットアウトできるような方法というのはあるのですか。たとえば運賃の割り増しということぐらいは考えられますけれども、短距離を中心にしてタクシーの利用を考えるというのは、そういう誘導方法というのはあるのですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ここで、何が短距離であるかということは問題であると思いますが、私ども考えておりますのは、いわゆる普通のお客さんが都内においてあるいはその周辺部において大体常識的な距離をお乗りになる距離というものは、これは最も利用の幅の広い距離でございまして、たとえば東京都でいいますと、一回の乗客の平均的な利用の距離は大体四・三キロとか三キロとかいわれております。約一里程度でございますが、そういうものが平均的な利用距離だ。ところが、実際について見ますと、たとえば深夜とかあるいは特殊な時間帯に多いわけですけれども、二十キロも三十キロも乗っていく。そういうようなことで、それが一つは、何といいますか不当料金の請求につながったり、あるいはいわゆる乗車拒否というようなことにもつながりますので、現在指導しておりますのは、これはそういう面で指導しておりますけれども、おっしゃるように間接的に料金——ある距離以上の遠距離に行った場合にはその割り増しの幅を非常に大きくするというようなことによって抑制の効果を、これはどれだけ期待できるかどうかわかりませんが、相当割り増しの幅をきつくすることによって、極端な遠距離に行くというような旅客はそういう面からの抑制をはかるように、運賃面でも考えたい、かように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 続いて、流しの規制ということをかなり抽象的にとらえておられるわけですが、具体的な方法としては電話配車というようなことをいっておりますね。電話配車ということが、これは設備上たいへんに問題があるような気がするわけです。この場合にどういう施設があるのか、普通の電話がつくのか、あるいはタクシーだけの何か特別なものをつくるのか、そうして走っているものを、一番至近距離にあるタクシーをこっちに持ってくるというのか、どういうふうにするのか、この点が内容的にはまだはっきりしません。したがって、電話配車をする場合の設備の問題、どういうことになるのかという点をひとつ聞きたいわけです。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 電話配車にはもちろん普通の公衆電話による配車もございますが、いわゆる特別の専用電話を使って、そうしてそのタクシー会社の通信室と個々のタクシーとの間を無線でもって連絡をするという無線専用電話方式ということも考えられるわけでございまして、これは現実に、大阪におきましては一部のタクシーについて無線専用電話というものがつけられております。これによりますと、市内の最も輸送需要の多いと思われますような地域に無線専用電話をつけまして、そうして一つの電話の中に十社なら十社というものを一つの電話で呼び出し得るような装置をつくりまして、その十社の中でお客さんが自分の一番好む会社をまず呼ぶ、それが出なかったら次の会社というような仕組みになっておりまして、ある程度選択をして自分の好む会社を呼び出す。そうすると、それはダイヤルを回すのじゃなくて、ボタンを押せば向こうの会社が出てくる。そうして、そこの会社に何番の電話ボックスというふうに言えば、もう具体的な地名は言わなくても、今度はその会社の通信室からその会社の無線機を持っている車のほうに無電で電話をして、一番もよりのあいている車がお客さんの待っている何番の電話ボックスのところに行く、こういうシステムでやっておりまして、これは昼は午前五時から午後十一時までは一割増し、それから十一時以後は二割増しという割り増し料金を取っておりますが、全体のコストから見ますと、これは輸送効率が非常によくなります関係から、この程度の無線の設備というものは、これは合理的に計画すれば、お客にとっても非常に便利であると思いますし、会社としても経営上非常に便利であるということで大阪でやっておるわけでございまして、その他の地域でもこういうものはございますが、まだいまこれを検討中でございます。もちろん公衆電話によって普通の方式でお客を呼ぶということもできるわけでございますが、こういうことも現にやっておりますので、その成果を見た上でこれを活用していくということを考えたいと思っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 その場合に、その設備に投資できる規模の会社というのと、それ以外の会社がありますね。この問題が少し出てくるように思うんです。たとえば東京ですと、大、日本、帝、国といわれる四つの会社ぐらいはその設備に対する能力があるかもわからぬですけれども、それ以外のところは問題だ。  それからもう一つは、個人タクシー、これも利用できないかどうかですね。これはたとえば近代化センターのような、いわゆるその出資をした会社だけが使うんではなしに、全体として使うとかいうふうなことでなければ事実上は非常に格差が起きるんではないかと思うんですけれども、その点はどうなんですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) その点につきましては、この無線タクシー、特に無線タクシーを動かします場合には、無線の割り当てという面がございますので、これは個々の企業というよりも、企業が集まりまして協同組合をつくるというようなことで集団化して無線の設備を装置するというようなことができるわけでございますし、現にそういうことをやっております。したがいまして、東京あたりでも無線料金という制度はまだ実施されておりませんが、現実には無線装置を持って、そしてその協同組合によってそれが共同して無線の設備を装置し、それから電波の割り当てを受けてやっておるという、一種の無線による共同配車といいますか、そういうものが行なわれておるわけでございまして、これは当然中小企業についても、これはそういう協同組合等を通じて無線による配車ということは現にやっておりますので、そういう道は開かれるものでございますから、今後ともそういう、もちろん大企業だけでなくて中小企業にもこれが普及するようにやっていきたい、このように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまの無線というやつは個々の会社との場合ですわね。しかし、それを街頭に設置するということになりますと、相当規模に設置しないと事実問題としては効果がないわけですね。そういうことになると、かなり費用が大きくなるんではないか。その場合に、まあ大阪でいわれるように何ぼかの会社がやっているというようなことでは、出発点がそうなってくると、そうすると結局その個人タクシーだとか中小のほうはそれに追いついていけない。もちろん電話配車というやり方がいいのか悪いのかということが一つ前提にありますけれども、そういうことなんで、むしろそういうことなら全体が負担をしている近代化センターという規模でそれをやるというようなことがむしろ合理的なんで、企業に責任を負わすというのはどうも行き詰まりがくるように思うんですが、その点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 街頭電話の設置につきましては、これは近代化センターでもって設置をするという計画で指導をいたしております。したがいまして、近代化センターには全部の業者が、個人タクシーも含めて入っているわけでございますので、その設置のために個々の企業に負担をかけない、街頭専用電話の設置のためには個々の企業、会社に直接の負担はかけないという方式でやって、現にやっておりますし、今後もそういうことでやりたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 ただ、私は電話配車の場合に一番心配になるのは、乗車拒否を合法化しないかということなんです。これは設備の器具の内容にもよりますけれども、たとえば電話という場合ですね、電話の場合なんかは、これは非常に危険だと思うんですよ。どこに行きたいので車を流してくれというと、面と向かって車がいる場合はいいですけれども、いま車が出ていますというので、行き先を聞いて断わるということが出てくることがあるので、現物がないわけですから電話配車の場合は乗車拒否を合法化することになりはしないか。これをどうやってとめるんだろうか。いまのタクシーというのは、やっぱり往復することが一番効率をよくすることですね。ですから、いま遠距離へ行くよりも帰り道のお客があるようなところということをみんなねらうわけです。したがって、私ども利用者側からも、行き先によって断わられるということになるとたいへんで、ですから、そうなると、電話で、どちらですかということになると、これは私は断わる口実に使われるんじゃないか。それは見てないわけですから、車があるとかないとかということでそういう乗車拒否を合法化するという手段になりはせぬだろうか、合法化するような道になりはせぬだろうかというふうに思いますので、その点は、この無線配車というものにあるいは電話配車というものに問題がありはせぬかと思うんですが、この点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、街頭の専用無線電話機は一つの電話機に千社ぐらいのタクシーの会社のボタンがあるわけでございます。したがいまして、お客さんは、サービスがいいとか、あるいはその他の点で最も自分の好む会社のボタンを押して、そして向こうの会社が出てくるというわけでございまして、会社は配車をする場合に、当然、一番その電話をかけた方のおられるところから近い、最も行きやすいような、しかも空車の車を選ぶということになりまして、そしてその契約が成立しないと、今度はちょうど電話がお話し中のときに普通の公衆電話の料金が返ってきますように、お金が返ってくる。契約が成立して初めてそこでお金が今度はチケットになって返ってくるわけでございまして、そういう基本的にはこの十社なら十社の選択の余地があるということで、もちろんボタン一本で自分の好む会社を呼べるというようなことになっておりますので、そういう点を考えますというと、いま先生の御懸念のようなことはよほどその会社の配車の係と申しますか、そういうふうな者が作為的にやらない限り、むしろ私は改善されるのじゃないかと思っておりますので、そういうことで配車の合理化をはかりたい、かように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 私は、もしこの電話配車が行なわれるとすればということを前提にしていろいろ議論したんですが、しかし問題は、この電話配車がいいのかどうかということが一番前提にあるだろうと思うんです。私は、いまのような状態ですと、この電話配車ということで、会社のほうのいわゆる経営側から見れば、あるいはタクシーの側から見れば、まあある面では効率がよくなるということが言えるかもわからないけれども、利用者の面ではどうなんでしょうか。いままでは、乗車する場所というのは、一番自分の身近なところで行けるわけですけれども、今度は、電話のあるところまで歩かなければならぬ、あるいは指定された乗車場所まで歩かなければならぬというようなことになって非常に不便になってくるんじゃないか。したがって、流しというものが原則的になくなって、そして電話配車にすることについては、利用者側から見ればたいへんに私は問題があるような気がするし、かつまた、バスと違って、非常にこまかいサービスというもの、それを特徴に持っているタクシーですから、その特徴点をなくしてしまうような気がする。したがって、この電話配車や、流しを規制していくという方向については、よほど利用者側の意見というものを聞かないと、私は実施すべきじゃないんじゃないかというふうに思うわけですが、この点はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 大都市におきまするいわゆるハイヤー、タクシーの営業形態がいろいろあるわけでございますが、私ども、最も利用する側にとっても、またはタクシーの会社、ハイタクの会社にとっても、非常に合理的で便利がいいと申しますか、そういう形態はこういうことであろうと思います。つまり、たとえば東京で四万台なら四万台全部でハイタクがあるわけですが、その中で、一番数の多いのは流しのタクシーである。それからそれよりやや数は少なくて、まあ大体何といいますか、三者の中ではほぼ中間の位置を占めているのがいま言いました無線による電話配車をやるものである。それから一番数が少ないのがハイヤーである。こういうピラミッドを考えまして、流しのタクシーの数全部をこの無線配車にするということではございませんで、これは個人タクシーその他の相当数多くの部分を流しのタクシーとしておる。これの秩序ある運行をするためには、タクシーべーその他の乗降場あるいは駐車場というものをもっときちんとすることによって、いわゆる交通事故とか、公害とか、あるいは交通混雑の原因になるようなことは極力避けるけれども、流しは流しとして相当数多く、一番数多くのタクシーをやらせる。それからその上にある程度無線タクシーを整備する。一番長距離的な、あるいは固定的な客層をねらうのがハイヤーである。こういう形で三者相まっていけば、利用者の面から見ても十分に、私は、その効用を発揮できるものだ、そういうふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そうすると、必ずしも流しを制限していく、少なくしていくということでなくて、これに切りかえるという意味ではないわけですね。  それから、この答申のタクシー関係についての具体的な方策として言えることは大体三つに要約されると思うんです。  一つは、いわゆる企業の自由化、いわゆる許認可ということを極力なくしていく、そして自由に企業が——この答申のことばでいくと、「参入」ということばを使っていますけれども、参入脱退、出入りが自由にできるというふうなことで、結局自由営業ということがたてまえで、行政が介入する余地というものを非常に少なくしていくというふうなことをいわれているようですけれども、むしろ私は、これは行政の介入の余地というものは十分残しておく——それは免許の許認可に対する姿勢の問題としてはいろいろあっても、この答申のように、行政が介入せずに、免許などを規制しないで自由に参入脱退させるというようなことは、いまのタクシー業界の秩序の面から見て逆行しているんじゃないか。これはむしろ自由化というたてまえでこうなっているけれども、いまのタクシー業界の秩序維持という面でいくならば、もっと行政上指導をすべき部面が多いんで、これは私はどうもこの答申について賛成できないんですけれども、これについて運輸省の考え方はどうですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) この答申にございますように、バス・タクシーの大都市におけるあり方というものを考えまして、その輸送分野、それからそれが持つ輸送上の機能というものを考えますと、バスとタクシーというものはずいぶん性格が違うものだという認識に立っております。つまり、バスという大量交通機関というものは、これは事業の開始についても、現在の免許制のもとに相当のきびしい規制をして、選択されたものを免許していく、それから運賃につきましても認可運賃をとっていく、こういうことでございますが、タクシーというものは、バスと違いまして、きめのこまかい特殊の輸送サービスをする輸送機関である。したがって、その需給といいますか、タクシーの輸送力の確保という観点から国がこれにバスと同じように介入すべきものではない。ただ、乗客の利便及び安全ということについては相当の規制をしなければならない。そういう意味で、従来営業の免許という形をとっておりますのを、そういうきびしい免許というものをやめる。そして、何といいますか、輸送力の確保という面からの国の規制というものは行なわないで、それは参入脱退を自由に認めるということでやろう、こういうことでございます。したがいまして、これは全く野放しにするという意味の自由ではございませんで、「例えば」と答申に書いてありますように、車両の保有の許可あるいは車の運行の許可というような形のチェックはするわけでございまして、そしてその意味におきまして、むしろ乗客の利便と安全の確保のための責任、これを明確にする。そして、そういう関係でもって、いままでよりはもっと自由経済の原則に従った企業の需給調整が行なわれるようにということでございまして、全くこれを野放しにして、だれでも好きな者にやらせるという趣旨の自由ではございません。そういう意味で、この答申の志向いたしますのは、いまの免許制よりもある面ではもっとゆるやかに——そういう輸送力の確保という面、営業面からの規制はやらないで、安全、利便という面からの規制は、ある面においてはいままでよりも強く規制するところも出てくる。こういう意味でこれからの規制のしかたというものをいままでと変えていこう、こういう考えでございますので、その辺は御理解をいただきたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これは単にこのタクシー問題だけでなくて、最近の運輸省の方針として、私はどうも営業の許認可に対していままでの方針を変えるというふうなことが出ているように思うのです。これは全般問題であるわけですから、したがって、自由営業、許認可に対する考え方というものは後刻またいろいろ議論をしていかなければならない点だと思います。しかし、タクシーに対してはそういう面で、いまとかく秩序の面や、あるいはサービスの面、あるいは経営姿勢の問題についてかなり議論のあるところでありますので、その面は、いま局長の言うように、十分それはタッチをするというのですから、その面はひとつ配慮していただきたいと思います。  それからもう一つの問題としてありますのはリースの問題です。簡単に言ってリース問題ですが、ここでは「車両保有の責任者」と「車両運用の責任者」というものに区別をして新しい形態のものをつくったらどうか。したがって、いままでの在来方式、個人タクシー方式と別に、わかりやすく言えば、レンタカー方式を考える。車を持っている会社に借りにいって、きょうは、十六時間というのですか、二十四時間というのですか、一昼夜一万円ということで借りて、あと運転手が自由に燃料費その他一切の責任を負うてやる。これはもともと運輸省としては、いままで、タクシーにしてもトラックにしても、これは極端な歩合制と同じことになるので、これは労働の面からいっても、あるいは安全の面からいっても好ましくない、名儀貸しと同じことで好ましくないということで、むしろこれは規制の対象にしている。これは当然そうあるべきなんです。しかしそれでも、内緒に、いまだにタクシーでもそうだし、トラックでもかなりぼちぼちリース方式というものを——これは非常に危険なことだと思う。そのためにスピード違反がますます出てくる、経路選定のための乗車拒否が出てくる、あるいは過積みというものがトラックでは出てくるので、これは一番大きな交通問題での悪だと思うのです、こういうやり方は。それを今度の答申では、いかにもそれが何かのメリットのあるような形で、保有責任者と運用責任者というものを区別して新しい形態をつくるというようなことを出しているわけですが、何のために何のメリットがあってこういうことを出してきたのか、私はどうもわからないのです。むしろこういう考え方は、旅客の五年間の増加というものを考えて、それをさばくということに熱心過ぎて、これこそ極端に安全面だとかあるいは秩序面を忘れた結果じゃなかろうか、それがここにあらわれているのじゃなかろうかということを感じるわけです。したがって、なぜこういうことにしなければならぬのか、こういうことにすれば何か利点があるのかという点について私はわからぬので、その点をお答え願いたいと思います。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先生の御指摘の点でございますが、この答申の本文にも書いてございますように、「例えば、」ということが書いてございまして、この答申は基本的な考え方を示しておりますが、いまここの答申に書いてございますように、運転の許可あるいは車両の保有の許可という、そういう法律体系で必ずやるんだ、やりなさいということではございません。  それで、先生のおっしゃいましたリースという問題につきまして、これはいろいろ私どもも従来そういう話を聞いておりますが、リースということはこういうことであろうと思います、先生のおっしゃいました意味は。つまり、正規の現在のシステムで免許を受けた者が、免許を受けていない者にハンドル貸しとか名義貸しとかいう形で、リース経営者として責任まで負わせて、そして賃金の分配というようなことも、そういうハンドル貸しあるいは名義貸しというような形で行なわれておるという、いわゆる正規の業者、免許を受けた業者と、そうでない者との間における貸し借りの一つの形態がよく世間でリースと、こういわれていると思います。私どもが、この「例えば」という案で考えておりますのはそういうことではなくて、つまり卑近な例を申し上げますと、たとえば、先生御案内のように海運会社、内航の海運会社におきましてはオーナーとオペレーターという者、それぞれ正規の許可を受けた業者がおるわけです。そしてオーナーがみずから船を持って動かすこともできる、オペレーターとしてやることもできる。あるいはオーナーはオペレーターに船を貸すだけで、自分の船も持っておれば、人の船も動かすという、全く自由な契約で正規の業者同士が契約を行なう、こういう形態でございますが、これもやはり同じ形態でございまして、正規の許可を受けた者同士が自由な契約によって、ある者は自分がみずから運転をする、ある者は人の車に雇われて運転をする、あるいはその両者の混在する関係がある。現在の、個人タクシーと法人タクシーとのぴちっと二者択一で割って、それ以外は認めないという形態ではなくて、いわゆる正規のライセンスを持った業者同士の自由な契約による、何といいますか、タクシーの運営をはかろうという考え方でございまして、ここに書いてあります車両運転の許可あるいは車両保有の許可という、これを直ちにこのままの形で五年以内にやるというものではございませんで、いま申し上げましたような分け方をして運行責任と車両保有の責任というふうに分けよう。そういうメリットがどこにあるのかという御質問でございますが、この答申にもございましたように、たとえばこういうふうに分けますと、「運転許可を受けた者は、タクシーの運用について、法令の明確な基準のもとに運送引受義務、運賃遵守義務、運賃収受方法、接客方法についての公法上の義務を負う。」つまり、運転の許可を受けた者が乗車許否とかあるいは不当運賃請求というような違法行為を行なった場合にはその人が責任を負うんだ。次に、「車両を保有しようとする者は、」ということで、保有能力、車庫、損害賠償能力、いま問題になっております自賠責等の法律上の責任は車両を保有する人が負うのだということで、現在ともすればあいまいでありますところの、そういう法律上の義務というものをどちらが負うかということを法律上明確にして、そうしてそういうことを両者がそれぞれ承知の上で自由な契約を結んで、タクシー企業を運営していくというような方法を示唆しておるわけでありまして、ここに「例えば、」と書いてありますことをそのままやるということではございません。  考え方としましては、いま申し上げましたような保有の責任と車両運行の責任とを分けて、その分け方を法律上明確にして、そして、そういうことを両者の間で自由な契約によってやっていくようなシステムを考えたらどうかというような趣旨でございますので、具体的なこれの実施の方法につきましては今後相当二、三年の日子をかけて勉強して、また各方面の御意見も聞きながらこれを法制化するということが必要でございますので、そういう意味で御理解いただきたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これは「例えば、」であろうと、これを非常にやろうとして企業の側は隠れてやっておる面があるわけでしょう。これはいま御説明の中にもありましたけれども、たとえばタクシーの場合だけ見ても、運送引き受けの義務だとか、あるいは運賃だとか、あるいは運賃の順守義務だとか、収受方法、これらの問題について片方が、いわゆる運行責任者のほうが責任を持つわけでしょう。これは明らかに運転手が、その自分のもうけと効率によっては乗車拒否ができる、乗車拒否をしなければならぬことになってくるんじゃないでしょうか、自分のもうけに直ちに響くわけですから。ですから、できるだけたくさんのものをもらおう、あるいは効率のいい仕事をしようということになるので、むしろそれはいまの利用者の不満に対して逆なことになりはせぬか。あるいは、事故が起きたときに、これも問題だと思う。事故が起きたときには、これは当然、保有責任者の問題だと思う、当然、会社の名前を出してタクシーが動いているわけですから。しかし、この場合でも、私が一、二聞いておることは、タクシーなんかでもトラックなんかでも、事故が起きた場合に、なるほど会社が責任を持って払うけれども、あとは運転者なり経営者の契約によって、その損害についてはおまえが責任を負うべきだというようなことを契約さして、法律上はいろいろ問題ありますけれども、そういうことで責任を負わすというやり方、一切の責任は、燃料であろうとも、あるいは事故であろうとも、あるいは車の整備であろうとも、全部おまえの責任だというようなことを現在隠れてやっておるところが多いんですよ。それを合法化するようになりはせぬか。これは、いまのところでは私どもはリースというように簡単に言いますけれども、リースの方式というものは、もともとリースというのは償却金を平衡化するために別会社で償却の分担をするというのが一番大きな意味なんです。その意味ならいいんですけれども、いまのリース、リースといわれておるのはそうじゃなくて、あるいは運輸省のほうには、陸運局のほうには、あるいは歩合制の変型として登録しておるようですけれども、中身は違ったものなんです。たとえばトラックなんかでも、生コンで一立米六百円やるから、これはこの区間は六百円ということで一切まかすというやり方、これも一つの私はリースといわれるようなことだと思う。それから、いまのタクシーの中でも一部に行なわれておるらしい、ないしょで行なわれておるようですけれども、一人一日について五千円、いわゆる一運行十六時間とか、あるいは二十四時間運行で一万円というのは会社に持ってこい、あとは全部一切運転者の責任、おまえたちはもうけるだけもうけろ、しかし事故が起きたとき、ガソリン代、車の整備は一切二人で分担するということで、二人で契約をやらして運行をやっておるというととがあるわけです。それと同じことを考えておるんじゃないか。こうなると、保有責任というものと運行責任というものは、先ほど船会社の話がありましたけれども、あれは、同じような責任を持てるような立場のところが責任を持っている、あるいは社会的にも責任を持てるようなところが持っているから別なんですが、片方の場合は、運転者と、簡単に言ったら車を持っておる会社なんですから、これは全然違うわけですよ。形態は自由契約の形態だけれども、内容的にいえば歩合制の雇用契約と同じことなんです、この形態は。だから、そんなものはむしろ乗車拒否やあるいは秩序の面で、運輸省はいままでそういうやり方はけしからぬ、そういうやり方というものは事故を起こしたり、運転者の質を悪くするのだからということで監督をしておった、しかし中身がなかなか調べられないので深くタッチできないので、ないしょで潜在しておるものなんです。ないしょで潜在しておるものを今度は答申によって「例えば、」といいながら、こういうことをやることによって非常に勇気づけをしていくということになりはせぬか。私は、さっきも局長の言うような程度のメリットなら、私はそんなことなら、いまの、現行のほうがいいんじゃないか。だから、私はどうも保有責任者というものと運行責任者というものを分けるということは、理由が、運賃収入に対して責任を持たすとか、持たさぬとかいったって、これは歩合と同じようなものにそういうものを持たしたらかえってまずいのではないか、私はメリットはないと思うのです。もう一ぺんそれを聞かしてもらいたい。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先生のおっしゃいましたような、現在違法行為としていろいろの、たとえばハンドル貸しとか、先ほどおっしゃいましたようなリースというようなことが問題になる運営形態として行なわれておるわけでございますが、私どもがいままでその実態をつかみました範囲におきまして、もちろん名義貸しをやっている、あるいは、実際は利益配分といいながら現実には労賃という形でなくて請負みたいな形でやっているというような形態がございます。これはもちろん現在の法律に違反する形のそういう関係はいわゆる労使の関係として見てこれはおかしい、法律に対しておかしいものというものは取り締まらなければならないわけでございますが、ここで私どもが今後の姿として考えておりますのは、つまり、現在は個人タクシーというものは自分で車を持ち自分で車を運転しております、一人一車制は。ところが、いわゆる俗に法人タクシーといわれているものは、自分が車を持ち他人を雇用して、運転の資格を持っている人を雇用してやらしておるわけです。この二つの形態しかないわけでございますが、現在はこの考え方におきましても、たとえば自分が車両運転の責任とそれから車両保有の責任と両方をやることができるわけです。こういう形にすれば現在の個人タクシーというものと同じ形になります。それからまたもう一つは、自分が車を全部持っておるけれども、それを他人に貸し与えて、そして運行の許可を持った人に貸し与えてやるということができるわけです。あるいは運行の資格を、許可を持った人を雇用して、まさに現在の運転者対タクシーの経営者と同じ関係でそれを雇用して自分で使ってやるというようなこともできるわけでございまして、そういう意味で車の運転の許可を持った人と、それから車両の保有の許可を持った人に平等の権利義務を与えて、そういう人たちの関係はいわゆる自由な雇用契約といいますか、そういうものによって律していこうということでございまして、むしろこれは運転者の地位を引き上げることになるということでございまして、現在の従属関係において何といいますか、一方的にいわば運転者が押しつけられている、経営者から押しつけられている、先生の御例示になったような、御引用になったような例というものとは私どもは性質が違うということを志向しておるわけでございます。したがいまして、現在の法人タクシーがそのままの形で営業することも可能でございますし、個人タクシーが実態はそのままの形で営業することも可能でございますが、その中間に立って正規の業者の間の車両の貸し借り、あるいは運転手の雇用というようなものをもっと自由化していくという思想でございまして、そういういわゆる違法といわれております、違法の姿をとっておる現在のリース制とか、そういうものをオーソライズするという趣旨のものではございませんので、この点についてはまた私どもも具体的な方法はよく検討いたしますけれども、趣旨はそういうことでございますので、ひとつ御理解いただきたいと思います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 いまの説明にありましたようなやり方というのは現在でも事実上あるわけですよ。あるいは個人タクシーの場合でも、やはりメーカーからの購入の場合に月賦であるいは銀行が入って月賦でやるというやり方で、事実上それによく以た形というものがあるわけです。ただ、私は個人タクシーの場合わかるわけですけれども、そういうものを今度歩合の形態と同じような形で、これは取りきめの内容にもよりますけれども、一日に何ぼ、一カ月に何ぼと、その車の保有責任者は運行責任者のほうから必ず定期的にもらうということになって、一切あとの責任は向こうということになれば、私はこのタクシー業界の非常に経営のむずかしいときに、確実にもうかるのは企業であって、その一番経営上のむずかしさというものを末端の運行責任者のほうにまかしてしまうということで、企業側だけは安泰で、常に好不況にかかわらず企業収入がもらえる、片方のほうはそのあおりを受けて、やはり利用者との関係で、運賃の面だとかあるいは運行の面、いわゆるスピードの問題とか、そういうところで調整せざるを得ぬというところに追い込まれざるを得ない。これはもう決して利用者のためでもなければ、いわゆる運転者のためでもなくて、やはり経営するほうの、企業のほうの安定した利益確保のためにしかならぬのではないかというふうに思えてなりません。したがって、この問題は、私はいまの説明では十分でありませんので、これは今後に検討を残していきたいと思います。しかし、いずれにしても、いまのようなリースという名のもとにおける異常な歩合制度、実質歩合制度というようなことは極力避けなければいかぬし、その意味では、文章にははっきり見られないのですけれども、警察庁のほうでは、ああいうやり方では賛成できないというような意見も出しておられるようです。ですから、これからはよほど慎重でなければならぬと思うのですね。これはたとえばの話であろうとも、非常にいまの潜在しているものを野放しすることになります。その点について運輸省としても十分なこれからの検討を願いたいと思うのです。  それから、もう時間もありませんので、運賃制度について最後にお聞きをします。  タクシー運賃の制度を、ある目安はつくるけれども、原則としては利用者と運転者の合意というものによって考えるということがこの中に出されておるわけです。で、これは日々乗ることでありますし、そのことによって運転者と利用者とのトラブルが起きるというようなことも考えられるし、かつまた、そのことによって運賃値上げというふうな問題について世論をかわすということに使われるのではないか。そういうことになると、実質上これは、このことが採用されることによって利用者の負担にかかってくるというふうに思えるわけですが、具体的に、この案の内容ですね、それからこれについての運輸省の考え方を明らかにしていただきたいと思います。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) このタクシー運賃制度につきまして、答申の本文の十八ページに、「原則的には自由運賃制度とするべきである。」ということばがございます。したがいまして、この考え方が世上流布されまして、いわゆる全く野放しの自由運賃というふうにともすれば世間でとられておるわけでありますが、私どもがここに考えておりますのは、そこの下にございますように、いわゆる競争原理を導入した運賃ということが本来のタクシーのあり方である。しかしながら、これを全くの自由のままにしておきますと、いたずらに手数がかかって、御指摘のように乗客との間にトラブルが起きるあるいはまた弱い立場にある乗客というものが法外な運賃を取られるということになるので、これはいわゆる野放しの自由運賃ということでなくて、必ず確定額の運賃というものをきめまして、これは後ほどの部分に出てまいりますが、行政がどういうふうに関与するかという具体的な問題でございますが、役所が一つの推定をして、そしていろいろな物価指数その他タクシーの収支状況等を常時調べまして、そしてその原価計算によって推定をした額を定めまして、それを複数の確定運賃として公示する、そうして公示されたものの中からタクシーの事業者が自由に選択をしていく。自分が一たん選択したものは、それをメーター器に表示の確定額として車を走らせる、お客さんは確定額の運賃を見て乗るということでございまして、第一に確定額であるということ。それからその確定額は同じ車種の車について複数である。それは二種になるか三種になるか、その辺はいろいろ問題があると思いますが、複数の金額であるということ。それからそれをきめるのは役所がいろんな資料をもとにして公開をして金額というものを公示をする。どういう形で公示をするか、これは技術的にもいろいろ検討の余地がありますが、公示をするということでございまして、いわゆる全くの自由契約という意味の野放しの自由運賃ではないわけでございます。そういうシステムの競争原理を一部では導入しながら、乗客の利便あるいは不利な立場を防止するという意味からは確定額にしてメーター器によって収受をするということをかね合わせた運賃の制度にしたい。ただ、運賃の決定をするにあたりましては、いま言いましたようにバスとのバランスとかあるいは先ほど申し上げました遠距離の逓増といいますか、遠距離の割り増しをどういうふうにするかというようなこと、そういうような制度も加味しながら役所が計算をして公示をするというシステムでやりたいというのがこの運賃の制度に関する基本的な考え方でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これはいわゆる運賃をきめる許認可の形と公示するものの内容というものは変わってくると思うのですね。したがって、そのもたらす影響というものを考えますと、私ちょっと心配をするのは、先ほど言ったように世論のタクシー料金に対する風当たりというものをかわすような気がするわけですけれどもね。それは、そのことでまたこれからも長い議論もしていかなければならないことだと思うのですが、最後に、私が先般の委員会でも聞いたんですけれども、いま東京だけではありませんけれども、かなりの都道府県でタクシーの料金の問題について申請がきておるわけですが、その審議経過についてひとつ明らかにしていただきたい。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) タクシーの料金改定につきましては、特に大きなところといたしましては、東京はじめ全国の六大都市、あるいはこれに福岡その他が加わりまして七大都市と言ってもいいと思いますが、そういう大都市から運賃申請が出ております。一番早いのは四十六年の一月、それから逐次出てまいりまして、四十六年の四月、ことしの四月ごろに大体六大都市が出そろったわけでございます。これにつきましては私どもいろいろと資料を集めて、損益計算書あるいは抽出されました企業の収益状態というものを、特に東京の場合を一つのモデルといいますか、一番問題になる場所として審査いたしました。現在私どもの審査も大体大詰めにまいりまして、経済企画庁のほうに持ち込みまして、経済企画庁でいろいろと審議をしておられるわけでございます。経済企画庁としては、経済企画庁もただ役所と経済企画庁だけの議論、審議でこの問題を片づけるべきものではなかろうという企画庁長官の御判断によりまして、あそこに物価安定政策会議という経済企画庁の正式の諮問機関がございます、その中でタクシー小委員会というものをおつくりになりまして、今月に入って二回ほど学識経験者の方を集められまして審議をしておられます。この審議と並行して、私どもは事務的に企画庁との間にタクシーの運賃改定問題について折衝しております。一方これと関連いたしまして、先ほど御指摘のようにタクシー業のサービスその他が非常によくないということから業界を督励いたしまして、法人、個人を問わず街頭指導の強化、あるいは計画配車とか、それからアンケート調査というようなことでサービスの改善の道をはかるように進めてまいりまして、これがある程度効果をきたしております。したがいまして、私どもはこの経済企画庁の審議の状態、それから業務のサービス改善の状態等をにらみ合わせて処置をいたしたい、かように考えておる段階でございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この間新聞で見ると、自民党の何といいますか、ある部会でタクシー料金の値上げを認めるのだという方向がきまったというようなことを報道されておったわけです。最終的に経済企画庁のこの答申を得て正式にきめていくということなんで、いまのところはまだこれに対する取り扱い方針というのはさまってないわけですね。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) これは前々からの閣議の申し合わせによりまして、大都市におけるタクシー基本料金の改定については、物価関係閣僚会議の了解を得て決定をするという政府の最高方針になっております。したがいまして、経済企画庁でいまやっておられます審議の結果が出ましたならば、それが物価関係閣僚会議において、またそこで審議をされてその結果結論が出る、こういうことになるわけです。

伊部真日本社会党

○伊部真君 そうすると、そのときに、先ほどからずっと局長が言われているようなサービス問題とか、あるいは値上げについていろいろ、われわれのほうでも、監督官庁のほうでも注文がありますね、そういう問題についても十分これは生かされるようなことでなければいかぬと思うのですけれども、それはどこかで、そっちのほうできまって、あとに、それにつくというかっこうで、何か条件とか、あるいは経営側に非常に弱いような形になっては困ると思うのですが、その点はどうなんですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、事業者に対しましてはすでにサービスの改善と申しますか、計画配車あるいは苦情処理、街頭指導の強化というようなことを十分やるように私ども指示して、業界としてもこれに相当力を入れてやっておるようでございますが、その実があがったものについて——あがったものというか、あがったかどうかということも私ども十分確認しなければなりません。そういうことをやった上で、いま申し上げましたような手順を経て決定がなされる、こういうふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 最後に私は、いまの運賃問題については、いまの物価政策上も非常に問題がありますので、この問題はひとつ十分慎重に取り扱うことを要望しておきたいと思います。これで終わります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 野村局長に資料を少しお願いしたい。  一つは、バスターミナルの各施設ごとの収支現況並びに付帯事業の種別、これは過去二年の実績をあげていただきたい。  それから都道府県における営業タクシーの廃業、合併、権利譲渡。それから申請に対する新免の数、これも過去二年。  それから九州一円における霊柩車の免許台数、運営状況並びに免許申請の状況。  その次は、熊本市営バスの路線拡張申請の度数並びに却下の理由。  それから国鉄熊本駅におけるタクシー会社の乗り入れ状況及び拡大の申請の状況及び却下の理由、及び熊本交通センターの乗り入れ状況並びに乗り入れ申請の数及び状況、並びに熊本新空港も、交通センター熊本駅に準ずるような資料をいただきたい。  以上、できるだけ、いずれも二年ぐらいでけっこうです。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいま、先生の御要求の資料について、できるだけ早くつくってお渡ししたいと思いますが、ただ御了解いただきたいと思いますのは、熊本駅への乗り入れ、いわゆる構内タクシーの問題でございますね、これは、実は運輸省でなくて国鉄と業界の問題でございますので、国鉄に連絡いたしますが、私のほうのあれでございませんので御了解いただきたいと思います。  それから交通センターへの乗り入れ状況と申しますのは、これは交通センターの、あそこのターミナルを利用したいバス会社が。——ということを申し出ている状況ですか。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうでなくて、タクシー会社が入りたいと、こういう、それが制限されていますから、もうちょっと広げてほしいけれども、依然として数社に制限をされて、一般の営業タクシーが入れないような状態です。そういう意味ですよ。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) これは、空港も、いずれもその管理者とタクシー会社の契約と申しますか、話し合いでございまして、私どもが陸運行政でここに何台免許するとか、どこの会社に免許するとかということじゃございませんので、そういうふうに御理解いただきたいんですが……。また後ほど先生のところにお伺いしまして、詳細に伺いますけれども……。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時四十分より再開いたします。    午後零時四十三分休憩      —————・—————    午後一時五十三分開会

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないたいと思います。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 若干の質問をしたいと思いますが、最初に新幹線の建設計画についてお尋ねしたいのですが、すでに全国新幹線鉄道整備法というのが成立をしておりまして、これに基づいてそれぞれ運輸省鉄道局では御計画を進められているようでございますが、この法案審議の過程で一度は、全国にどういうふうな新幹線が建設されるかというような青写真が示されたのでございますが、途中で別表からそれがはずされておりまして、条文に基づいて建設計画については鉄道建設審議会で運輸大臣がいろいろ諮問されることになっております。いま明らかになっておるのは、山陽から、博多までの線、それから新潟に結ぶ関越といいますか、それから先般起工式をされた東京−盛岡間ですか、それから成田でございますか、こういう線はわかっておりますけれども、あとは一体かいもくどうなるのかわからぬわけですよ。私はきょう具体的に当時の——当初われわれが資料としていただいた中にございます別表の路線の中で、中部新幹線というのがございました。これを見ると、東京新宿から甲府、長野へ至る路線というのが当初はございました。中部新幹線が二号線としてあったのですが、これが消えておりますから、この地域の人たちは一体新幹線はいつごろ引いてもらえるのか、そういう希望があるのですけれども、見通しがわからぬものですから非常に困っておるのですけれども、この中部新幹線、いわゆる当初別表で示した甲府から長野市に至る路線というのは、これはいつごろ建設審議会のほうにかかるような段取りになるのでございましょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ただいま先生の御指摘になりました点は、四十五年の三月でございますか、鉄道建設審議会におきまして全国新幹線鉄道整備法の制定に関する決議がなされました。その決議の中で、全国に整備すべき新幹線鉄道の路線は別表の定めるところによって法定をすることという項目がございました。それでその中身に、ただいま先生御指摘のように中部新幹線鉄道といたしまして、東京から甲府を経て名古屋方面というのと、名古屋を経て大阪でございますか、大阪まで至るというのと、それから甲府市から松本市を経て長野市方面に至るという内容のものがございました。で、この決議を受けまして、この法律の制定方がいろいろと討議をざれた結果、国会に提案されました。法律といたしましては、現在成立いたしておりますところの全国新幹線鉄道整備法の原案でございます。その法律の原案におきましては、具体的な線名は法定をいたしませんで、したがって別表で具体的な線名を書かないということにいたしまして、そして基本計画なり整備計画というような段階でこれを明らかにしていく、こういう構想で制定をされております。それで、この法律に基づきましてその後、東北、上越、成田の三新幹線につきまして、鉄道建設審議会の議を経て基本計画並びに整備計画がきめられました。そして先般、その中の東北新幹線並びに上越新幹線につきましては工事実施計画も認可になりまして、この二十八日でございますか、東北、上越につきまして着工式が行なわれた、こういう経緯でございます。  この三新幹線以外につきましては、盛岡から札幌まで、それから東京から富山を経て大阪に至る路線、それから福岡から鹿児島に至る路線、この三路線が鉄道建設審議会におきまして基本計画に組み入れるような措置をすべきであるという建議がございました。その建議に基づき、いまいろいろと検討いたしておる段階でございます。その他の新幹線につきましては、まだそういう段階で、鉄道建設審議会の議にまだ付されたことがございません。したがいまして今後の検討の問題ということになろうかと思いますが、しかしながら、鉄道建設審議会におきましてそういう具体的な線名を表示してこれを御審議になったわけでございますので、これは十分にそれを尊重して今後処理をしていくべきものと、こういうふうに考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 前段のことはよくわかるのですけれども、私も指摘し、またあなたがお答えになりましたように、別表が途中で削られましたね。ですから、いまお話しのそれぞれの幹線がもう着工をしているわけですから、それはそれでいいわけです。したがって、残されたところをどうしてくれるんだ、やはり強い不満もあるし要望もあるわけですから、そこのところを鉄道建設審議会のほうにどういうふうなかっこうで基本計画で諮問をしていこうとしているんですか。私はいま具体的に中部新幹線ですね、東京から甲府−長野間の例をあげたわけですから、そういうものを含めて一体どういう長期計画でこれを今後おきめになろうとするのか、こういう点をお伺いしているわけですから、その点をお答えいただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 全国新幹線鉄道整備法によりまして基本計画の策定の方法を規定しております。それで結局問題は、この新幹線の整備につきましては、まず基本計画が策定をされまして、そしてその基本計画に基づきまして調査がなされまして、調査命令が出されまして、そして調査命令を出されましたものにつきまして整備計画が策定をされまして、そして工事実施の指示ということになるわけでございます。それで基本計画がまず新幹線建設のスタートでございますが、その基本計画は、運輸大臣が鉄道輸送の需要の動向だとか国土開発の重点的な方向その他新幹線鉄道の効率的な整備をはかるための必要な事項を考慮して、そして路線を定める、基本計画を策定する、こういうことになっておりまして、その前段階といたしまして鉄道建設審議会の議を経る、こういうことになっております。したがいまして、いま申し上げましたような具体的な事情というものを十分に勘案いたしまして、今後、鉄道建設審議会でまず基本計画の策定についての御審議をいただく、こういう段階になろうかと思います。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 基本計画の策定をやるのにはまず運輸省が鉄道建設審議会に対して諮問をするわけでしょう。ですから、おたくのほうのそういう計画、たとえば全国を何カ年計画でやるとかいうような計画策定に対する考え方というものはどうなっているんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 新幹線鉄道の整備につきましては、現在、先ほども申しました三新幹線につきましての計画はもう確定をいたしておりまして、それに続きまする三建議線というものが、鉄道建設審議会で建議線として書いてございます。それ以外の新幹線の計画でございますが、これはただいま先生御指摘のような長期的な計画で、いま何千キロを何年間にどうするというはっきりした計画がまだきまっておりません。これは各線区、線区につきまして新幹線鉄道整備法に基づくところの調査をいたしまして、それで具体的に決定をしていく、こういうことに相なるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 具体的にこの中部新幹線というのは一体いつごろこの計画に乗るわけですか、基本計画の中の。もうさっぱり雲をつかむようなものですよ。具体的にこれはどうなるんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 現在のところまだ鉄道建設審議会に諮問をするという具体的な計画がまだございません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ございませんが、大体いつごろにはそういうのが出てくるかということを伺いたいのですがね。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 私からお答えするべき筋合いじゃないかもしれませんけれども、でき上がった新幹線を経営する立場から国鉄としておぼろげに考えていることを御参考までに申し上げたいと思います。  実は東海道でございますが、東海道新幹線ができて七年になりまして、輸送したお客の数が四億人でございます。それで、東海道新幹線は、従来の東海道本線の旅客輸送、貨物輸送が行き詰まったということで東海道本線の複々線化という使命を持ってできたものでございまして、同じ趣旨で、先ほど先生がおっしゃいましたように岡山まで、さらに博多までやはり山陽線の複々線化という意味で山陽新幹線というものを建設しているところでございます。  いわゆる東海道メガロポリスの今後の発展状況、これは私どももそうはっきりしたデータを持っているわけではございませんが、過去の傾向値からいいまして、やはり昭和五十五年ころには東海道本線それから新幹線を含めて輸送が行き詰まってくるのではないかという見通しを一応立てております。そこで第二東海道新幹線の構想もおぼろげに出ておりますし、その際に第二東海道新幹線をつくったほうがいいのか、あるいは山へ回しまして、先生がおっしゃいます中央新幹線でもいいんじゃないか、しかし中央新幹線になりますと、東京、名古屋、大阪の連絡はつきますが、現在の東海道新幹線の沿線とは離れるわけでございます。線の使命としては違ってくるのではないかということで、非常にばくとした輸送需要でございますけれども、昭和五十五年から六十年にかけて日本の鉱工業生産がどういう進み方をするか、もちろんこれは国鉄のきめるべきものでもございませんし、政府の計画、方針になるものでございますが、その程度の研究は国鉄としていたしております。したがいまして、いつごろ工事に着手するかとかなんとかというようなことは、いま鉄監局長が申されたと同様に、まだほんとうにばくとした白紙の状態ではございますけれども、全国的な輸送の見通しからいいまして、東海道線が将来行き詰まった場合に、それを補完する線をどこに設けるかというその時点できまってくるものではないかと考えておるわけでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 大体いま副総裁のお答えでわかりましたが、やはりこういう新しい幹線鉄道網については、それぞれ地域の住民が深い関心を持っておるものですから、どうかとすると、ある政治家があるところへ行って、これはおれの腕にかかっているとかいうようなことを盛んに宣伝するような傾向もなしとせずです。私はけしからぬと思うのです。ですから、やはりこれは議員立法でできた法律なんでございますし、成立した法律でございますけれども、全国的な輸送体系というものを十分考えた上で適切な建設をしていくということが筋だと思うのです。ですから私は、そういうふうないろいろな話もあるものですから、きょうはひとつ明確に当局から考え方を聞いておきたいと思うのです。そうでないと、それぞれの思惑で言われてしまうと、たいへんな混乱が起きるような気もするものですから、私はあえてこれを取り上げたわけです。  それで鉄監局長、そうすると、あなたのほうで鉄道建設審議会に諮問する場合は、その基本計画というのは鉄監局が独自でおつくりになるのか、あるいは国鉄当局と十分相談をして、国鉄の考え方——これはもう建設されたあと運行するのは副総裁おっしゃるように国鉄ですからね、そういう点は十分に国鉄当局とも話し合いし、むしろ国鉄当局の意向を受けて基本計画をつくるというような、そういう筋書きになっていくわけでしょう。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 基本計画を決定するためには役所といたしまして必要な調査をしなければならないわけでございまして、そのためには、結局、その鉄道の輸送需要の見通しだとか、あるいはその整備によるところの所要輸送時間の短縮とか、あるいは輸送力の増加ということがもたらすところの経済的な効果というようなこと、あるいは収支の見通しとか、さらに、その新幹線の整備が国鉄の在来線等に及ぼす影響なり度合いというようなものをいろいろと調査をいたしまして、そうしてそれに基づいて基本計画を決定をする、こういうことに相なるわけでございます。そういった調査をし、またその資料を作成するにつきましては、当然、運営をいたしまするところの日本国有鉄道から具体的に各般の問題も聴取をいたしますし、またその意見も十分に聞いた上でこれを行なうということにいたすことにしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 これは問題は建設資金にかかっていると思うのです。ですから、附帯決議にもありますように、「全国新幹線鉄道網の整備にあたっては、日本国有鉄道の在来線の改良と財政の再建に支障を来たさないよう留意し、かつ新幹線鉄道の建設には十分なる資金の調達助成を行なうよう配慮せられること右決議する」という附帯決議がついているわけでございまして、いまの国鉄財政の非常な危機的な状況の中での新幹線の建設ということは、これはたいへんなことだと私は思います。ですからして、一方ではまた、国民は、この法律がある以上はわが地方にも早くひとつ引いてもらいたい、こういう切なる願いが出るのも、これはまた当然でございます。そこをどういうふうに調和し調整していくかということは、かかって運輸当局の御判断あるいは国鉄当局の考え方を基礎にすると私は思うのです。ですから、この建設資金の調達ということあるいは助成ということ、こういうことがうまくいかないで、国鉄当局なりあるいは鉄道、あなたのほう、事務当局が考えるような計画がだいぶんスローダウンするというような現状ではないのでしょうか。その資金等の関係はどうでございますか。私は、この決議に沿って、大いに運輸大臣としては財政資金、建設資金の調達のために、獲得のために努力をされたと思いますけれども、その辺の見通しは、これは大臣来ておりませんから政務次官からお願いいたします。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 御説のとおりだろうと思います。国鉄の現在の財政が非常に行き詰まっているのは先生よく御案内のとおりでございますが、新幹線鉄道を建設するにあたって、経営は国鉄側が営業するわけですが、そのために国鉄財政再建にいささかともマイナスを与えるようでは新幹線をつくる意味において必ずしも適当じゃない、かように考えられますので、これは鉄道だけじゃない、他の交通機関についても言えることですが、社会資本の充実、よりよい生活環境を整備する、こういう意味合いから、そのバランスは十分政府としても考えて対処していきたい、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それから、もう一つ次官に私は要望をしてお答えいただきたいと思うのですけれども、中央新幹線といいますか中部新幹線というか、これは、甲府から長野に行く場合、あるいは名古屋に塩尻から回るような場合、いろいろあると思います。いま国鉄副総裁がおっしゃったように、東海道新幹線との関係で、中央新幹線——とかりに呼びましょう、中央新幹線の問題については、検討する余地がぼくはあるように思うのです。また、そういう点も配慮されているということですから、非常に一つの見通しはあると思うのです。これは我田引水じゃないのですけれども、山岳地帯でありますし、比較的交通の便ということが重要視される地域ですから、ひとつその辺を十分配慮をされて、中央新幹線については、地元の要望にこたえるように、促進方を、基本計画をつくる場合お骨折りいただきたいと思うのです。これは私も、ここだけ何でもかんでもやれ、そんなことは言いません、全体のバランスを考えていただかなければなりませんけれども、特にこの場合には、東海道新幹線とのかね合いで当然これは出てくると思いますから、その際、ひとつできるだけこの地域の人たちの便益になるように、国家社会の発展になるような方向で御検討いただきたいと思うのです。この点だけお答えいただきたい。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) まだ最終的な結論は出ておりませんが、鉄道建設審議会の会長の中曾根会長にいろいろこの問題で御相談をした節に、会長の意向としてお聞きしたところによりますと、例年どおり明年の一月中に審議会を開いて、いま先生から御要望のあった中央新幹線、それから札幌から鹿児島までの日本の縦断、新幹線、こういうものも含めて論議したい、かような意向のようでございます。私どももその線に沿って審議会を進めてまいりたい、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 どうもありがとうございました。ぜひこれはよろしくお願いいたします。  それから次に、中央線の合理化の問題で伺いたいのですが、すでに、新宿と甲府間ですね、これはいろいろ問題がありましたけれども、やや強引に国鉄は合理化をおやりになったようです。それでうまい汁を吸ったのかどうか知らないが、また、甲府から以西のほうへの合理化を進めようとしているのです。私は新宿−甲府間の場合も申し上げたのですけれども、国鉄というのは実にけしからぬと思うのです。お客さんの便益ということを全く考えない。いまのサービスを平気でダウンしていくというやり方をやっておられるのですよ。われわれも、国鉄財政再建十カ年計画というものが空中分解して、たいへんな御苦労をいただいておることはよくわかります。ですから、その点は基本的に、早く、どういう方向でいくかということをきめてもらいたいと私は思うのですね、これは政府当局に対しても。それがないと、どうも、いまのような形でやられてしまうと、ずるずるずるずると、赤字をなくするためにというようなことから、サービスダウンになるようなことを平気でやられるような傾向が強くなっておる。これでは、国鉄が国有鉄道としての意義がなくなってしまうし、いままで便益を受けてきた沿線の乗客から見ると、とんでもない不満が出てくるわけです。ですから、この辺をどう調和していくかということがたいへんむずかしいことだと思いますけれども、どうも少し強引過ぎる。今回の場合も、山梨県知事をはじめ関係の市町村長、県議会、あげて運輸省、国鉄当局にも陳情をして、こういうむちゃくちゃな合理化はやめてほしいという強い申し入れをしておることは御承知のとおりです。ところが、どうも、そういうわれわれの願いが十分いれられない中に、着々と作業は進められていくような気がするのです。きょうは時間がありませんからあまり突っ込んだことはいたしません。ただ、私がここでお礼を言っておきたいのは、西鉄道管理局の管轄になりまして、非常に、局長以下、関係の部課長さんも係員の方々も、われわれの陳情に対しては神経を使ってくれております。そしていろいろな連絡等もしていただいておりますから、その点は、私は、たいへん忙しい中によくやっていただいていると感謝しているのです。しかし、それはそれとして、やっぱり基本的な合理化に対する考え方、これがどうしても私には理解できないわけです。合理化というのは、それを経営する国鉄当局も、あるいはそこに働く労働者も、これを使わしていただく国民も、みんながよくなるというのが、これが私はほんとうの合理化だと思うのです。ところが、この合理化を見ておると、まず、使わしていただく国民は、貨物の取り扱いはどっかの駅へ集中しちゃって、今度はそこまで行かなければ貨物は扱ってもらえない。それから、いままでは、駅員がちゃんと切符を売ってくれたり受け取ってくれたんだが、そこは無人駅にしてしまう。そうすると、おじいさん、おばあさんとか、足が悪い人いわゆる身体障害者とか、こういう人たちは非常に不便を感ずる。ですから、われわれが考えておる合理化とは逆行するようなことをやられておる。なぜそんな無理をするのかといつも私はふしぎに思う。ただ一面、最初に申し上げたような、財政の赤字が償却前何か千六百億とか七百億もあるというような国鉄財政の危機はわれわれは知っておるわけですから、それならそれとして、国鉄は国民のものである、たとえば二十人、三十人であっても、国民の住む限りは国が責任を持って輸送を確保してやる、赤字になったらこれは国全体として救ったっていいじゃないか。ですから、そこのところをもう少し政府当局として、いまも再建十カ年計画でだめならだめらしく早くこれを手直しして、制度上また改善するところがあればこれも改善をして、そして根本の赤字財政ということを早くなくしてもらうようにせぬと、どうも国鉄としてはいろいろ無理のあることはわかっているんだけれども、無理を承知で赤字をなくするために国民の批判を受け、不満を受けるような合理化を進めていくという、こういう形になっているように思うんですよ。これは副総裁に言っても私は気の毒なような気もするんですがね。これひとつ、大臣来ておりませんけれども、政務次官ね、こういう合理化を皆さんは平気でやっているんだが、国民に対して申しわけないと思わないですか。これ、たとえば今度示されている案を見ると、竜王という駅の荷物の受付時間を制限するとか規制するとか、塩崎という駅は無人の駅にし、なお手小荷物の取り扱いを廃止する。韮崎という駅は貨物の取り扱いを廃止し、荷物の受付時間を規制する。それから新府というところはこれは無人になりますけど、駅を昇格してもらうということですから、これは若干プラスの点もあるように思いますが、たとえば穴山の駅になりますと、これも無人化をし、手小荷物の取り扱いを廃止する。長坂の駅も貨物の取り扱いを廃止し、荷物の受付時間を制限する。小淵沢の駅も荷物の受付時間を規制すると、こういう利用者にとってはまことに不便な、いまのサービスよりも悪いことをやろうとしていらっしゃる。これは一体どういうことでしょうか、伺いたいんです。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 御指摘のように、国鉄財政が非常に悪化しているのは御承知のとおりであろうと思います。したがって、自民党はじめ各党からもいろいろ英知を、国鉄財政再建についての考え方をいろいろ承って、私どももその線に従い、また運輸省としてもあらゆる能力を結集して、できるだけ早い機会に国鉄財政再建整備計画の見通しを立てたいと、現在努力中でございます。しかしながら、国鉄においても当然みずからを律する、そういう態度があってしかるべきだと思います。かような考え方から国鉄業務の近代化あるいは合理化、拠点貨物駅の整備など諸般の施策を国鉄側が自主的に現在やっているのでございますが、いま御指摘のように、その国鉄が合理化あるいは廃止することによって地域住民に与える影響が著しい、こういう地域がひとり中央線ばかりじゃなく方々の地域から毎回のように私どものところにいろいろ要望がまいっております。今日まで国鉄に対して私どもは単なる赤字線だから廃止する、あるいは貨物の集約駅を国鉄側の立場だけで変更するとか、こういうことは十分その地域に住んでいる住民とよく連絡をとって、納得のいった上で対処するように、こういう方針を示し、現在まで指導してきているつもりでございます。これからもいま申し上げたような考え方には変わりありません。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 まあ私の質問によく答えていただいておらないと思うんですけれども、私も、国鉄を再建するためには国鉄当局も、いまも努力をしていただいていると思いますけれども、やっぱり国民の理解と納得のできるような形で、むだがあればそこはむだはなくしてもらう、簡素化すべき点があれば簡素化してもらう、これはどうも、企業努力をしていただくことは当然でございますね。しかし、そのやり方が、要するにまともに大衆サービスの面に出てきていることを私は言うのです。もっと他に縮小し、簡素化し、合理化する点がないかどうか。一体お客さんから見ると、何だと、国鉄は。赤字ということはわかるけれども、そのことは何だが、政府のほうはいいくらかげんにしておいて、国民の目から見ると、それでわれわれのほうにだけしわ寄せするのはけしからぬ。これは国鉄の駅々の人たちにも集中していると思うのですね。ですからもう少し、じゃあいま赤字がこれだけあるけれども、従来の全国的な在来線でこういうふうに合理化したら幾らの収入が見込まれるのか。浮いてくるのだ、むだがね。それで、こうするよりほかないと、ここはこう合理化いたします、ここはこう合理化いたします、しかしこれはどうしても国民の皆さんにこれだけはかぶってもらわなければ国鉄再建はできませんという、総体的な中で出てくるなら話はわかる。国民に出てくるのはサービスダウンだけでしょう。そういうことじゃ私は納得できないだろうと思うのです。そこのところをもう少しくふうして、国民がなるほど私たちもその部分は一面やらなければどうにもならないのだというふうになるなら、それでまた私は話は別ですよ。そういう点が出てきてないじゃないですか。もう少し納得できるような方法をおやりになることはできないですか。これはまあ副総裁からも聞きたいのですけれどもね。やり方が間違っている。間違っているというか、やり方がまずいというか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 最初に、国鉄は国民を無視しているのじゃないかというおことばでございましたけれども、決してそういう考えでおりませんことはまあ先生も御承知いただけるだろうと思いますが、まあ国鉄の財政が民間会社でいえば破産状態だということはもうすでに御指摘のようなことでございまして、くどくど申し上げることは差し控えますが、国鉄の再建をどういうふうにはかるか、これはやはり再建措置法でおきめいただきましたように、まず国鉄自体の努力と、それから政府からの援助と、それと国民の協力、やはりこの三本柱の考えは私ども今後もその線で考えてまいりたいと思いますし、したがいまして、ちょうど来年度の予算の時期にもなってまいっておりますので、そういう三つの柱を中心にした今後の国鉄の改善方策をただいま関係方面に要望し、お願い申し上げているところでございます。  いま具体的に中央線の合理化で非常に地元に御迷惑をかけているではないかという御指摘がございましたが、率直に申し上げまして全然御迷惑、不便がないとは申し上げません。しかし、大きな視野から見まして、ようやく甲府から先の部分は現在複線化をしているような状況でございまして、甲府までは完全な複線、電化ができております。中央線といたしまして、まだその先のほう単線の部分もございます。これらにつきましては、まあこれも予算の範囲内でございますけれども、複線の工事を進めておりまして、この秋には日野春−新府の間が複線開通をしているような状況でございます。それで、複線にし、電化をいたしましたそのメリットをやはり利用の皆さま方に受けていただくという意味で、やはり鉄道の得意な大量輸送、それから高速輸送ということをこれからの鉄道としては考えていかなければならないと思っておりまして、そのためにはいろいろな施策が必要でございますけれども、かりにその貨物駅が現在のように四キロごとにありますと、その駅ごとに貨物列車をとめておりますと、後続の高速な電車輸送がやはり思うようにダイヤが組めません。それで、実際いままでは自分の家の前にあった駅が利用されなくなる方が事実出てまいりますが、それは現在の自動車とかあるいは道路の状況で、ちょっと足を延ばして隣の駅を御利用願えればその駅の貨物停車が省けまして、そうして複線、電化になった効用が非常に発揮できるというようなことで、これは中央線だけでございませんが、ほかの線区につきましてもそういう近代化をあわせたいわゆる合理化を進めているわけでございます。その際に、いまも政務次官が申されましたように、一方的にやるつもりはございません。あくまで地元に納得していただくように努力は続けてまいるつもりでございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 いま副総裁いろいろおっしゃいますけれども、サービスダウンになることはこれは間違いないのです。あなた方は、四キロごとに置いたから、それじゃ今度は後続列車がどうだから集約するのだと言うけれども、現に受けているサービスをダウンされることは間違いないんです、これは。ですから、そういうものはみんなが納得し、理解して、なるほどそうしなければならぬというような、そういう考え方に立てるようなしっかりしたものを示してほしいということをぼくは言っているのですよ。で、時間の関係で詰めた話はまた次の機会に譲りますけれども、まあいろいろ西局が中心になってやっていただいているようです。いまのところは、聞くところによると、二月一日に実施しようということのようですがね。いまあなたのおっしゃるように、国鉄が民衆の声を、国民の声を聞くというふうにおっしゃるなら、無理はしないとおっしゃるならば、この間にもちろんいろいろ努力はしていただくでございましょうけれども、最終的に意見がどうもうまくいかぬという場合には、この二月一日にこだわらずに、さらにもっと期間をおいてそしてやるだけの気持ちは持ってほしいと思いますがね。いろいろあなたも言いたいことがあるだろうし、私もいろいろ言いたいことはあるけれども、きょうは時間がありませんから、その辺の詰めだけしておいて、次に移りたいと思いますがどうですか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 西局から一応実施の目標時を何もお話ししないで地元にお話しするのもこれはいわば無責任なことでございますので、一応二月一日からやりたい、そのためのいろいろなやります順序がございますので、その線でいまお話をしている状況でございまして、私個々の交渉の内容につきましてはその時間がございませんので省略させていただきますが、いまのところこの目標でよく話を聞いていただく雰囲気にはなっているように承知いたしております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 ですから、これは政務次官、あなたは監督の立場にあるのですから、いま副総裁から聞きましたけれども、少なくとも地元の意見というのを十分聞いていくというのが一つ、それからそういう意見が熟さないのに一方的にやるというようなことは、これはもう断じてやってほしくない。したがって、二月一日ということにこだわっているようですけれども、そこは一つの目標としてやっておられるでしょうから、いま言ったような基礎ができない限りはやはりこの期間は延ばしてもやるべきだと思うのです。これはひとつぜひ国鉄をそういうふうなことで指導してください。いかがですか。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 御発言の趣旨に沿うて私どもも国鉄当局を指導してまいる所存でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 じゃあ次に、甲府の駅が非常に老朽化しておりまして、これを近代化してほしいということは国民の願いであると思います。ただその際、民衆駅構想というのが国鉄当局にもあると思いますし、現に主要な地域には民衆駅というのを設置しておられるようですけれども、この民衆駅の設置に対する運輸当局のお考え方が国鉄再建との関連もありまして変わったように承っておりますけれども、従来の計画、考え方とは違ったのでございますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 民衆駅と申しますが、何といいましても鉄道の駅並びにその周辺というものが非常に経済性の高い地域でございます。したがいまして、そういう経済性の高い地域というものを立体的に利用いたしまして、そうして鉄道の利用の増進と同時に、旅客の便益の増進、さらに一般の地元の方々の便益の増進ということをねらいとしてやっておるところでございます。そういう意味におきまして、鉄道の用地の有効な利用、旅客、公衆の便益の向上ということで私どもこれを大いに推進をしてまいるという所存でございます。従来から民衆駅につきましてはそういう形でやっておりますが、今後ともその民衆駅構想自体が、やはり財政再建に資するところ少なくないと私ども考えておりますので、従来とも同様に推進してまいる所存でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 民衆駅構想というのは、甲府駅についてはどういうようになっているのですか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) だいぶ前、昭和三十一年当時、商工会議所から民衆駅をつくってくれという請願が出てまいっておりましたが、その後この申請が取り下げになっております。と申しますのは、甲府駅自体どういうように改良するかという問題ともからんでまいりますので、民衆駅だけ先行しても手戻りになるおそれもあるというようなことで、昭和三十三年にその申請が取り下げられました。しかし最近、地元の商店街あるいは商工会議所から再び民衆駅というお話が出ているのは事実でございます。で、私どももまだつくる、つくらぬという方針もきめておりませんで、西鉄道管理局において現在種々のデータを集めて調査中でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 聞くところによりますと、国鉄が従来、輸送一本やりといえば輸送一本やり的なものの形態をとってきたということをこの際多角的な経営に踏み切って、従来のような民衆駅建設に対して、むしろ資本も国鉄が建設費を出してやるというような、そういう考え方に変わったのではないですか、その点はどうですか。

山田明吉日本国有鉄道副総裁

○説明員(山田明吉君) 御指摘の事案は、国鉄が少し関連事業に積極的に乗り出したらどうかという問題かと思いますが、それは先ほど鉄監局長も申されましたように、これは私どもの能力もございますけれども、もう少し手広く、私鉄並みとは申しませんが、手広く関連事業をやりたい、そういう考えがございます。それで民衆駅自体につきましては、いままでに国鉄がみずから出資したという例は、民衆駅自体につきましては、いままではございませんが、将来はそういうことも出資の対象になるんではないかと考えますが、しかし民衆駅自体、かりに株式会社で経営するという形態になりますと、これはやはりコマーシャルベースで、大赤字になるような経営形態ではやはり困ると思います。そういう点の収支見通しも——その点で国鉄が出資するかしないか別としましても、その会社自体、民衆駅を経営する会社自体の収支の問題はやはり慎重に検討すべきものではないかと思います。甲府につきましてもほかと同様のことが言えると思う次第でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 神奈川県の平塚駅というのは、国鉄が出資するということでやろうという計画のようですね。そういうことがすでに動き出しているわけでありますから、ですから甲府の場合は、とにかく駅があの形では困るわけですね、近代化してもらいたい。その際に、民衆駅構想になった場合に、その近辺の商売人の方なり商店会を含めいろいろ利害が出てくると思うのですよ。ですからして、国鉄が大胆に一つの試案をつくるとしても、それにはやはり地元の協力ということがなければできないと思います。ですから、その辺はいまのお話でも十分考えられていると思いますけれども、甲府市なりあるいは県当局、商工会議所、商店街、こういった各方面の打診も十分にしてもらわなければ、あとでトラブルが起きてもこれは困るわけでして、まあ従来のような全額だれかに出してもらって、その中に権利を認めていくということでなくて、あるいは国鉄が金を出して、今度はそれを、ある会社をつくると思いますけれども、それがまた経営の衝に当たると思います。従来と違ったような経営をするように聞いておるわけです。ですから、その辺はひとつ慎重に配慮していただきたい。ですから、われわれは早く、まあ甲府の駅は山梨県の中心ですから近代化してもらいたいと思うんだが、そういう民衆駅を持ってくると、一体これをどうしたらいいかという地元の心配もあるですね。国鉄当局も方針が変わったなら変わったで、そのことを地元にもよく説明をして理解と納得があるならば大いにこれを推進してもらうようにしていただきたいと思うんですよ。その点だけ要望をして若干、政務次官でもいいです、考え方をちょっと伺って最後にしたいと思います。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 甲府の民衆駅の申請は、先ほどお話があったように、昭和三十一年地元から申請があった当時は、国鉄甲府駅の改築計画とタイミングが合わなかったと、そのために実現しないというふうに聞いておりますが、今後地元において民衆駅建設の要請があれば、運輸省当局としては十分地元と協議して、前向きで検討するよう国鉄を指導する方針でございます。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 わかりました。  それでは、時間がありませんから最後の質問を簡単にいたしますが、実は昨年の七月の二十一日に私がこの委員会で、日本航空学園のストライキの問題に関連してお伺いをいたしました。当時、運輸省としても、あるいは、私学振興会のほうから金を貸していると思いますから、文部省としても、経営のまずいところは改善するという、いわゆる経営の改善ですな、そして学生諸君が十分に勉学にいそしめるようなことをしていくという努力を約束されたんですけれども、たまたまこの紛争が起きているんです。最近、私のところに書留で日本航空学園の教職員組合一同の方々から嘆願書が来ています。これは非常に短いですから読み上げてみますから、よく聞いていてください。「私達の現在奉職しております学校は学校法人日本航空学園と申しまして、同法人設置の日本航空工業高等学校及日本航空専門学校の両校に合せて現在約三百有余名の学生生徒が在籍し、常勤十八名及非常勤五名の職員が在職し航空整備士国家試験受験資格を取得せしめる為に子弟の教育に従事しているものでございます。が、近代化されない経営管理は幾多の弊害をもたらし、教育を阻害し且つ人間性すら否定している現状でございます。私達は人間の福祉のための科学技術の伝達と云う考え方に立って技術教育を方向づけることが肝要と存じて居ります。その為には科学や技術の背景に対して深い理解を持ち道徳的で然も相手の立場を理解するといった認識論的な能力を持った経営者が要求されなければなりません。特に科学技術の専門能力のみを身につけさせ、テクノアニマルになることに専念する人物より基礎的な学問知識を充分理解させると同時に人を愛し社会を愛する事の出来る人材開発をすべきものと考えソフトサイエンス、ライフサイエンス等の科学技術を推進し、社会経済、技術の発展を予測することのできる幅広い視野と有機的で創造性豊かな頭脳をもつ技術者によって航空界の技術を担当させなければなりません。然るに学園の現状は」、ここが問題です。「この要請の多様化に対処する総ての伸展を阻んでいるばかりか、教育と云う美名のもとに幾多の若者を集め、空に夢を託す若人の心理を利するのみにて、不満を訴える生徒に耳をかさぬばかりか、常に猜疑の眼を持ってそれにあたり相互信頼によってのみなされるべき教育の理念は無に等しいのであります。私達は将来の航空技術の中略をにない、これをリードする有為な人材を養成し、且若者の夢を実現する為思い切った学園の再編成を断行し、根本的改革の必要の急務を痛感いたします。何とぞ私達の心情御賢察賜り教育的道義にもとずいたあるべき学園が一日も早く招来されることを念じここに謹んで連名をもって懇願申し上げる次第でございます。」教職員組合の佐藤委員長以下、ここに血判をしてきておる。先般、学生諸君もわざわざ上京されてその実情を訴えられました。大体これと同じようなことです。こういったものが国家試験を受ける資格を教育できるというようなことはまことにおかしなことであり、特に、私が昨年来あれだけお願いしたにかかわらず、さっぱり改善されてない。こういうことに対して現状をどう把握されていますか。これは運輸省からそれを聞いて、それから、私学振興財団のほうからこれに貸し付けてある金がありますが、この貸し付けた金はどういうふうに返済されているか、お尋ねいたします。

小池正一運輸省航空局技術部乗員課長

○説明員(小池正一君) ただいま先生から御指摘ありました点につきまして、昨年七月に学園側がストライキを起こしまして、当委員会におきましてその問題点が指摘されたわけでございますが、私どもといたしましては、ストライキをした学生に対しまして、復学した後において、ストライキ期間中授業を欠きました点につきましては、休暇等を短縮しまして補講を行なって、その後の学業を十分に果たさしたわけでございますが、本年、また学生が学校の民主化、就職問題、教育の内容、特に合同授業の廃止、あるいは先生の増員等を訴えまして九月十一日にストライキをしたわけでございますが、私ども、直ちに学園にまいりまして内容を立ち入り調査をいたしましたところ、学校の実情は、昨年私どもが学校を調査し、学校に対しまして勧告を与えました時点につきましては何ら改善されてないという実情にございました。  なお、現在も学生に対します教育のあり方につきましては、授業時間等については十分あるわけでございますが、教員の配置、また施設の活用、教材器具等の設備におきまして不足している面がございますので、学校に対しまして直ちにその内容の改善を指示してありますが、現在までのところ、学校側としまして改善が見受けられないような状態にございます。それで当局といたしましては、このような状態で三等航空整備士の学科試験を受けさせる内容にないというおそれもありますので、現在の学生に対しましては学生が一部退学し、残された学生が少なくなったために補講をすればいいという観点から試験をさすことを認めますが、来年四月以降の学生に対しましては、これを認めないというような強硬な方針をとっていきたいと思っております。

三角哲生文部省管理局振興課長

○説明員(三角哲生君) 日本私学振興財団の融資でございますが、これは昨年も御説明申し上げましたように、昭和三十七年度から四十四年度までの間に総額で一億一千二百七十万円の融資が行なわれております。これに対しまして返済は規定どおりに行なわれておりまして、一千二百二十六万円返済されておりまして、現在の貸し付け残高は一億四十四万円、こういうふうになっております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それは貸し付け条件に適合する返済になっておりますか。

三角哲生文部省管理局振興課長

○説明員(三角哲生君) 貸し付け条件に基づいて規定どおりの返済がそのつど行なわれ七おります。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 それでね、政務次官ね、ちょっといま緊急の用事ができたものですから質問をこれで終わりたいんですが、いまお聞き及びのとおり、課長もたいへん現地へ行ったりして御苦労いただいているんですけれども、昨年来改善の顕著なところが見えないというお話でございます。非常に残念です。それで、これは文部省が監督権を発動することについてもなかなかむずかしい学校なんですね。で、問題は三等航空整備士の国家試験取得の資格をここを出た人たちには与えるという運輸省側からの一つの問題もある。ですからして、これは文部省にも私はお願いしておきたいんですが、運輸省とそれから文部省のほうで、あなたも文部大臣とも御相談いただいて、そしてこれは県の総務部が担当しているはずですから、要するに知事ともよく話し合いをして、少なくとも経営についてはもう少し——学生やそこに教鞭をとっている先生方からすらこういう不満が出ているわけですから、そういうことが最低限度一日も早く直されなければ学校存立の意義ないですよ。一生懸命勉強しようと思って全国から集まってくる若い人たちが入ってきて幻滅の悲哀を感じている、そして好まざるストライキに訴えざるを得ないというような状況にあるわけですから、もう少し文部省としても、知事を通じてもけっこうです、運輸省としては実情を調べていただいて、適切な指導を運輸省としてしていただきたいと思います。そうしない限りは、いま課長のおっしゃったように、今後資格は認めないというくらいのやはり態度をとられるのは私も当然なことだと思いますけれども、それまでにできるだけ姿勢を直せるかどうか、もう少し指導面でもやっていただきたいと思います。いまの課長の発言は私はもっともだと思います。その点だけひとつ政務次官にお願いをし、御見解を承って終わります。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 現状のままでは来年四月以降の資格認定は認めないとなると、その学校に入学する、受験するという者のメリットというものは全くなくなるのじゃないか、したがって、その学校存在の意義もなくなるのではないか、そのような結論になりますので、お説のとおり、県知事なり関係者と相談し、なおかつ改善の見通しのないものならば、先ほど運輸省の課長から答弁したとおり、来年四月以降その存立を認めない、その前提としてもう一度改善の話し合いをしてみたい、かように考えております。

鈴木強日本社会党

○鈴木強君 文部省はどうですか。

三角哲生文部省管理局振興課長

○説明員(三角哲生君) 昨年の問題がありましたときにも県を通じて指導を、助言を行なうようにいたしたわけでございますが、今回も同様、県にお願いをいたしまして、せっかくの数少ない特色のある専門課程の学校でございますから、これがいい学校になりますように指導をしてまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は近鉄事故の原因及びその後の状況について質問いたします。もっと早く質問しなければならなかったのでありますが、変則国会のため今日になりました。したがいまして、相当の時間が経過しておりますので、原因なども的確に御答弁を願いたいと思います。  まず運輸省に質問いたしますが、近鉄事故の原因はどのようなものでありましたか、御答弁を願います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 十月二十五日の十五時五十八分に発生をいたしました近鉄の大阪線の東垣内信号所におきまする事故、まことに申しわけない事故でございましたが、その後、事故の原因につきまして私どももいろいろと調査をいたしております。それで、ただいままでに事故の原因につきまして判明いたしました点は、一一四列車が東青山駅場外におきまして設置されておりまするATSの地上子の故障によりまして停止をいたしました。その際に車両のブレーキが不緩解となりまして、乗務員が原因の究明あるいは故障の処置をしたというように思われるわけでございますが、最終的には、車どめがない状態で四両とも供給空気だめの締め切りコックが締め切られた上、ブレーキがゆるんだ。そのために自然に転動をいたしまして、そうして勾配区間でございますから、勾配のために加速をいたしまして、そうして脱線をしたというように推定をされます。  なお、この間、乗務員の取り扱いについてでございますが、実は重傷を負いましてまだ入院をいたしておりまして、まだ的確なことはわかっておりませんが、目下調査中でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先ごろの新聞に、ハンドスコッチを締めてブレーキをかけておいたが、それをだれかが取ったために転動したというような、そういう事実はなかったんですね。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 少なくとも転動の段階におきましてハンドスコッチがなかったということは明らかでございますが、そのハンドスコッチにつきまして、それを設置をし、だれかが取ったか、あるいは当初からハンドスコッチについての処置をしなかったか、その点は現在のところまだ不明でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 供給コックを締め切った現場は確認されてあるわけですね。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 供給空気だめの締め切りコックでございますが、これは事故発生後の調査によりまして、それが締め切られた状態になっております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 警察庁に質問いたしますが、なお入院中だそうでありますが、運転士に対する取り調べの状況について御報告を願います。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 宮田運転士につきましては、いままでに九回取り調べを行なっております。ただ、右下腿部の複雑骨折で、その後、手術もいたしました。容態が十分でありませんので、ほんとうに本格的な供述を得るというところまでまだ至っていないように思います。そういうふうな状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 警察庁のほうでは、事故の原因についてはまだ十分に把握しておられないわけですね。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 現在まで近鉄関係者などから大体四百二十九名、それから乗客関係者が百七十八名、これらから事情をいろいろ聴取いたしまして、それから宮田運転士については、先ほど申し上げましたように九回、それから上出車掌につきましては七回にわたって事情聴取をやっております。それからさらにまた鉄道技術研究所に対して現在専門的ないろいろな事項についての鑑定を出しておりますが、その鑑定結果がまだ出ておりません。したがいまして、最終的な結論と申しますか、最終的な判断というものは、これからそういう鑑定その他関係者の供述等を総合いたしまして出す、こういう段階にございまして、最終的な判断を出すというところには現在はまだ至っておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 警察庁の最終的な判断はいつごろになりましょうか。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 一つの問題は、鉄道技術研究所に出してあります鑑定がいつ出るかということになりますが、この点につきましては、いろいろ急いでもらうように話はしておりますけれども、まだ明確な時日は確然といたしません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸省として運転士に対する調査はできていないわけですね。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 運転士がまだ入院中でございまして、私どものほうで直接にまだ十分調査する段階に至っておりませんので、まだ調査できておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 原因についての、一つの方向だけは運輸省としていま話されたようでありますが、あと供給コックを締めてなぜ運転したかという、おそらく転動でしょうけれども、そういう問題が残りましよう。  それから、助役が乗られたんですね。これはどういうことになるんですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 規定によりまして、ATSの故障等の場合に、運転する際に、助役を添乗せしめて運転をするということになっております。助役がなくなられてしまったために、その間の事情はつまびらかでございませんが、おそらくはそのATSの故障がございまして、それが通告を受けたために助役が添乗した、このように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 近鉄の「運転取扱心得」の第三百五条に「ATS車上装置故障の場合の処置」がございます。この条文に「係員を添乗させなければならない。」、これはATS車上装置が故障の場合ですけれども、「注」の「2」に「添乗する係員とは、運輸部員、駅区長および助役ならびに運転士をいう。」と書いてあります。ATSという特殊な電気装置が故障したときに、なぜ駅区長及び助役を乗せるかということについて、運輸省としてお調べになったことがございますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 当該事案につきましてのことでございませんで、全般的な考え方でございますが、ATSは先生御承知のとおり、運転士がかりに信号を無視した、あるいは何らかの形で失神等によって運転の能力を失ったというような場合に、列車が運転されますと、その場合に自動的に制動機が作用をするという、いわばそういう性格の機構でございます。したがいまして、ATSがかりに作用しないという場合におきましては、少なくとも閉塞なり信号なりその他の保安装置に付加されておりますところのATS装置というものが一つなくなるわけでございますから、したがって助役その他の係員を添乗せしめて、そして運転士だけの目だけでなくして助役の力もかりて、そして安全に運転をすると、こういう趣旨で助役その他の係員を添乗させるという趣旨でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いわゆる技術がわかった助役なら話がわかりますけれども、駅の助役さんも乗っていいことになっております。そのためになくなられたその助役さんが駅におればあるいは故障の救援措置ももっと早かったかもしれませんが、規定のために乗られたわけです。しかもその助役さんは、聞いてみれば、かつての運転士であったようだから乗られたかもしれないが、その人はATSを使うときには——もう最近ですから、ATSの構造などについては、実際自分ではやったことのない助役さんではないか。規定のために乗ったためになくなっている。しかもそのあとの救援措置が手おくれになったんじゃないかと思いますから、この規定があるために要らない手間がかかっておると、逆に私はこう言いたいんですけれども、こういう点で近鉄に何か調査段階でお話のあったことはありますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ATSは、先ほど申しましたような機能を持っております。したがって、ATSの故障に対しましてその故障を修理をするとか、そういうような仕事はいわば助役その他の運輸関係の仕事でなくして、どちらかといいますと、電気関係の補修の仕事であります。で、助役が添乗するというのはそういう意味の故障等を修理するという性格のものでございませんで、むしろ運転士に協力をいたしまして信号の確認をする、そういう目的で助役を添乗せしめるという趣旨でございます。したがいまして、ただいま御指摘のような構造的な知識というものを助役に求めるというのは無理ではないかと私ども考えておりまして、むしろ従来のような運転関係の仕事として信号の確認と運転士に協力をするという意味で助役を添乗せしめると、こういう趣旨でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 局長、そういうふうに理解しておりますか、この条文を。信号を見るのは運転士が見なければ、あれだけの高速で助役さんが横におって信号を見る、それではいまの国鉄の一人乗務はできませんよ、許可できませんよ。これは、いまの電気装置のわかった人で、ATS故障はよくわかって、その手助けをする——さっきハンドスコッチの話がありましたけれども、たまたまこれは勾配線だったから、ハンドスコッチがそこにあったら自動的にハンドスコッチを置いてブレーキ操作をやるでしょう、当然やらなければならない。こういう勾配線でハンドスコッチを入れたら、ハンドスコッチは取れませんから、したがって、発車するときにはバックして出なければなりません。いろんなそういう技術的なことがわかっておるために乗せたのでしょうと思う。いまの局長の信号の問題は、これは局長そう思われたかもわかりませんが、私はそう思いますが、こういうことで一人の助役さんがなくなっておりますので、これは単にこれだけではありません。条文を読んでみても、昔の古いものにずっと改正してありますから、不備な点もあるようでありますが、この際、そういう面も総点検するように通達が出ておりますから次の質問に入っていきますが、この原因がわかりましたら、なるべく早く当委員会にも報告してもらいたいと思いますが、いかがですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) おっしゃるとおりにいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、警察庁のほうに聞きますが、運転士に対していまなお夜警などがおられて一切面会謝絶をしながら調査をしておられると聞いておりますけれども、その取り調べの状況について参考までにお聞かせおきを願いたいと思うのです。人権的なものなど、たとえば家族も警察官立ち合いでなければものが言えないという話を聞きますから、どういう状況になっておるか参考のために聞いておきたい。

高松敬治警察庁刑事局長

○政府委員(高松敬治君) 事故発生して入院いたしました当時は自殺というふうなことも考えられますし、かなり厳重に見張りをいたしてやっております。で、その後ずいぶん日にちもたちまして、現在はかなりゆるやかにいたしておると思います。家族その他の面会も、もちろんこれは自由にやっておるところでございます。それで、まあ本人の話もいろいろあるわけでございますが、たとえばハンドスコッチが十六個あったうち十四個発見されております。二個がいままで発見されていない。お話のように、あの三十三という勾配でハンドスコッチがかんでいたならばおそらく転動ずることはないはずでございます。これは実験をいたしてみましたが、絶対にハンドスコッチがかんでおればこれは転動しない、車の荷重がかかってまいりまして転動しない、これは明白だろう。それならば、だれがそのハンドスコッチをはずしたのかということになりますが、この辺が非常にはっきりしないわけでございます。それからブレーキを、全部あそこのコックを締めたというふうな点は宮田運転士もそれをはっきり認めておりますが、ただそのハンドスコッチを彼がかかっているというふうに考えてやったのか、それからハンドスコッチをだれかがはずしていることを知らないでやったのか、その辺になりますと、いまのところまだまだ非常に問題微妙でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 わかりました。あと被災者の手当ての問題ですね、遺族に対する処理なり、あるいは病人に対する手当てなり、その現状について御報告願います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) おなくなりになられました方につきまして、会社はとりあえずの香料を出しておるようでございますが、あと補償等につきましてはまだ具体的なお話し合いには入っておりません。まあ三十五日の法要が済みましたので、近く具体的な交渉に入ることとなると思います。  いずれにいたしましても、私どもといたしまして、まあ個々の補償の中身までに立ち至るということはあまり適当ではないと思っておりますが、何と申しましても社会的に見まして妥当な補償というものが支払われるように指導してまいりたいと思います。  なお、負傷なさいました方につきましては、治療費だとかあるいは物損の代金あるいは見舞い金というようなものを出すことといたしまして、各それぞれの方に会社のほうが接触をいたしまして、いろいろと御相談申し上げておるようでございますが、現在、負傷されました方二百八十八名の中で、九十三名の方につきましてお見舞い金のお支払いということで解決をしておる状況でございます。なお、残りました方につきましても、今後妥当なことでお話し合いがつきますように指導してまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次は、運輸省の調査団が調査に行かれたが、それがあの事故から時期的に、非常に時間的に経過しておったと、そういう非難があるし、しかも人員的にも時間的にも、あんな調査で何が一体わかるかというような非難もあったと新聞は報じています。したがって、これは鉄道事故だけじゃなくて、あるいは航空機事故、あるいは海上の事故など、運輸省関係の事故も他にもありますから、時期を失せず、しかも、的確な調査をわれわれは期待しておるのでありますが、この運輸省調査団のやった経過並びに措置について説明を求めます。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 事故が発生いたしました第一報が、事故発生後一時間ぐらいのころに入りました。それで、その段階ではまだ十分わかりませんでして、さらに詳細な報告を求めるということでございましたが、相当事故の規模が大きいということで、運輸省から直ちにその日の晩に調査官を派遣いたしまして、現地に到達しております。当日、事故調査官が一名、さらに名古屋の陸運局から運転車両課長以下五名、それから大阪の陸運局から運転保安課長以下三名を現地に派遣をいたしました。そして、午後八時には調査を開始をいたしております。なお、その晩のうちに名古屋の陸運局長が現地に到達をいたしまして、事故調査の指揮に当たっております。それから、政務次官がやはりわざわざ民鉄部長を帯同いたしまして現地にお出向きいただきまして、調査その他をいたしております。  それからなお、事故にかんがみまして、特別保安監査を実施いたしました。これは本省及び名古屋陸運局並びに大阪陸運局のほうから特別監査員を出しまして、二十数人の監査員を出しまして、事故の内容を調査をさせまして、必要な指示並びに勧告をいたしまして、事故の今後の絶滅を期させているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そういう非難がありますから、十分ひとつこれらを体しておいてください。そして、時期を失せず、しかも適当な人が出て、世間の納得するような、原因が直ちに解明できるような対策をとっていただきたいと、こう思うわけでございます。これはあとのことですからいろいろ言いません。  その後、運輸大臣及び鉄監局長から、陸運局長あての「運転事故防止について」という書面が出ております。具体的な行政指導が通達されておりますが、こんなものが出ましたあと、どうやってチェックするのですか。陸運局長の出しましたこの行政指導を、一体やっておるのかやっておらないかということをどうやってチェックされるのか。これが出されたのが十一月二日でありますが、この書面はどういうふうに消化されておるか、その実態をお聞きいたします。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 運輸省といたしましては、まず、各鉄道事業者、軌道事業者に対しまして、「輸送業務の管理体制の適正化」とか、あるいは「緊急連絡」なり「救急体制」、「運転保安装置、車両等の故障時における適正取扱いの教育訓練」、「施設及び車両の整備」というような問題につきまして指示をいたしました。そして、万全を期させるようにいたしております。  それから近鉄に対しましては特別保安監査をいたしまして、それに基づきまして、まあ大きく言いまして、四項目にわたりますところの基本的な方向というものを指示をいたしました。そして、それに基づき具体的な措置の報告を求めるということになっております。  なお、従来、この種の特別保安監査をいたしました場合にも、同様な措置をしておりまして、その報告を求め、場合によっては、不十分な場合には、さらに追跡調査をするという具体的な措置をとりまして、通達の出しっぱなしというようなことがないようにいたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現地の要求として、現場のこれは働く人でありますが、この通達のほかに、たとえば車両の手ブレーキを完全に働くようなものをつけてくれとか、具体的な要請が出ております。この細部の問題、もっと具体的な問題について、陸運局長が単独で行政指導なされるようなことが必要ではないかと思うのですが、各私鉄などに陸運局から出向いて、現地を実際見られるということがどのくらいできますか。たとえば年に何回とかありますか。そういう陸運局の私鉄に対する具体的な指導はどうなされておるか、お聞きいたします。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) これは保安監査ということによりまして、保安上の施設、車両運転の方法、それから、その他指揮命令系統、指導の内容というようなものを調査をいたすたてまえをとってきております。それで、大体、従来、各私鉄に対しまして、本省、陸運局が手分けをいたしまして、そして、これを監査をいたしておるところでございますが、大体におきまして、一私鉄に対しまして、二年ないし三年に一度程度の保安監査を実施いたしております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、この前、国会調査団が参議院から行きましたときに会社から答弁していただいたものがここにありますが、対策として、たとえば「列車無線装置取付工事の繰上げ」、それから「大阪線、単線区間複線化計画の繰上げ」というものを会社でやりますということを調査団に報告がなされておりますが、いつごろできるのか、この両方の問題について。もう一つは「東垣内安全側線の改良」、これも実施したいといっておりますが、このようなものが時期的にいつできるのか、わかっておられたらお伺いします。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 近鉄大阪線の伊賀上津−中川間には現在約十六キロの単線区間がございます。それで近鉄は、従来の計画で、この区間のうち六キロにつきまして、これを複線化する計画を検討しておったわけでございますが、先般の事故にかんがみまして、これを再検討いたしまして、大阪線の全線複線化ということを行なうということにいたしております。早急に複線化をやらしたいと思うところでございます。大体四十八年度までの複線化計画といたしまして、伊賀上津−三軒家信号所間、それから垣内東信号所−大三間、それから亀谷信号所−高野信号所間、そから宮古分岐点−伊勢中川間約九・五キロでございますが、大体四十八年度までに複線化計画ができるであろう、完成するであろう、それから西青山−垣内西信号所間の六・三キロにつきまして、五十年完成を目標に行なう、大体そういうような計画にいたしております。  それから、列車無線でございますが、これは列車無線は事故発生時等におきまする通信連絡を確保するという目的はあるわけでございまして、その事故発生時等の通信連絡の確保という点から見ますと、非常に有効な手段でございます。したがって、列車の運行形態を考慮いたしまして、これを積極的につけるということにいたしておりますが、現在この大阪線につきましても、全線設置ということで、その早期完成を目的に工事の推進をはかっております。大体計画といたしましては、地上装置といたしまして四十八年度、車上装置は五十年度までには完成をしたい。ただし、工事上の都合その他で、できますれば、さらにこれも繰り上げを行ないたいということで計画をいたしております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 関連。  いまのことについて——安全側線の問題ですね。次官もおいでのときの報告でも、安全側線について必ずしも適当ではなかったので、これから改良すべきだというふうに御報告をされておるわけですが、私も現地に行って、あの勾配で、しかも安全側線がカーブの時点で内側カーブに安全側線がある。下がたんぼのほうなんで、だいぶ工事やその他非常に支障はあるとは思うんです。しかし、内側カーブに安全側線があるために、スピードが出れば、カーブであのスピードが出れば当然、まあ何キロになるかわかりませんが、ポイントを切りかえれば脱線していくということになりはせぬか。したがって、ああいう斜面でカーブの場合の内側安全側線というのは、私はやっぱり当初から非常に問題があったんじゃなかろうかというふうに思うわけです。したがって、あの安全側線についてはやはり直すべきだと思う。同時に、あのような安全側線のあの形どおりではなくても、危険なというか、不十分な安全側線というものに対して点検する必要があるというふうに思うわけであります。必ずしも近鉄だけではなしに、そういう点についてどうか、お伺いいたします。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 安全側線は、これは単線にむしろ特有の問題でございます。それで、ただ問題は、安全側線を据えてつくります場合に、当然その地形その他に制約をされるわけでございまして、その地形によりまして安全側線がそのルートしかとれないというような場合もあるわけでございます。それで、そういうことで、一つは、安全側線をどの程度までのスピードに耐え得るようなものにしてつくるかということにやはりかかってくるわけでございまして、この安全側線も、やはり通常の定められたスピードの場合に、列車の進行等が、転轍機の方向等が間違っていた場合には、これは当然に安全側線の作用を果たし得たわけでございますが、非常にスピードが高かったためにその安全側線を乗り越えたという結果になったわけでございます。そういう意味で、列車のスピードとの関係、地形との関係等非常にむずかしい問題が多々あるわけでございまして、私どもそういった面を安全側線については具体的にいろいろ検討をしていかなければならぬことと思います。今後とも安全側線を含めてこういう設備上の問題につきましては、十分な点検を行ないまして安全を期したいと、このように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 これはやっぱりいま言われたように非常に数字的にはむずかしいとは思うのですけれども、しかし通常のスピードが八十なら八十、それに対して二十キロ越えたら役に立たぬということでは困ると思うのです。ですから、その安全度というものを、その側線側線にはやはり明確にテストですか、とにかくどの程度のものはだいじょうぶだというふうなものが明らかに掌握されてないとまずいように思うので、普通ならだいじょうぶだという程度のことでは、設計上、私は後日に問題になるだろうと思う。したがって、私先ほど申し上げたように、ああいう側線はやはり事故が起きたときには問題になるわけですし、そしてまた四十年も五十年も昔につくった安全側線というのは、現状のスピードの、車の性能がよくなったときに適当なのかどうかということについては、やはり点検をする必要があると思うのです。したがって、運輸省のほうでは各業者、私鉄に対してやはりその面の点検もひとつぜひ願いたいというふうに思うわけです。  それから、続いてもう一つ、先ほど質問がありました列車無線装置の問題です。これは私も前のときにも少し触れておったのですけれども、考えてみると、タクシーでさえ無線装置で信号所なり指令所と常に連絡がとれるという状態にあるのに、あの列車に無線装置がないというのはやっぱりどうしても、あれだけの人命を預かっているわけですから適当ではないと思うのです。その意味で今度は列車無線装置をつけるということになったのは、私はけっこうなことだと思うのです。端的に言って、私現地へ行ったときに、あそこにもっと人家があって、電話をすることがもっと短時間にやれれば、もう少し救援に対する状況がよかったんじゃないか。やはりあそこで救援対策がおくれたというのは連絡が悪かった。それからもう一つ、ATSが異常であったために、六列車動いているうち三列車異常で、三列車普通に通過したということも聞いたわけです。その異常の状態というのはあの事故の相当前に掌握がされているはずなんですね、個々については。しかし、そのことが異常なというふうに集約されてない。たとえば本部信号所なんかへ、あるいはどっかへ集中的に、私のほうの車ではこういう異常があったということが列車から報告されておったら、あの信号所はおかしい、あのATSはおかしいということが相当前に気がついていると思う。したがって、あのときの事故はもう少し手の打ちようがあった。そういう意味では、救援対策だけではなしに、列車の無線装置というのはかなり私は事故防止のためには役立ったのじゃないかというふうに思うので、これがなかったということは非常に残念に思うのです。特にああいうふうに人家がなくて、たいへん山の中で、あの辺一帯で人家をさがすのにたいへんな距離を歩かなければいかぬ、ああいうところには必ずと言っていいほどあれはつけなければいかぬのじゃないかと思うのです。そう考えると、近鉄のこの列車無線はついたけれども、ほかの私鉄の、そういう人家の少ない山道だとか、そういうところもやっぱり点検をして指導すべきではないか。私がこの問聞いたのでは、ほかに関西の私鉄で無線装置がどこについていますかと言って聞いたら、阪急がついているというふうに答えました。しかし、そのほかには答えがなかったんですね。やっぱりそれはああいう山中だと無線装置についてはなかなか信号を受けることがむずかしいそうですけれども、むずかしくてもやっぱりそれはそれだけに、ああいう山間といいますか、人家の少ないところには、必ずやっぱり無線装置をつけるようにというようなことを考えるべきではなかったのか。信号電話なり、連絡のつけやすいところでも、たいしたことなければやっぱり全部つけてもらいたいと思うんです。タクシーに無線装置がついているぐらいですから、あれだけ何列車も何百人も人を動かすんですから、つけてもらいたいと思うけれども、そういう私鉄全般について列車無線装置をつけさすということについて、運輸省としてお考えになっているかどうかということをひとつお聞きしたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず安全側線につきましては、先ほど申しましたように、地形と列車のスピードとの関係等々ございまして、かなりの余裕をとってつけております。この地点につきましても、所定速度六十五キロぐらいでございますが、約百キロくらいまではまず安全側線の効果は十分に発揮できるんじゃないかと思いますが、今回の事故のような場合には、相当の、それ以上のスピードが出たものじゃないかというふうに考えられます。しかしながら、安全側線につきましても、先生御指摘のように、他の施設とともにこの整備状況等を十分に実態を分析いたしまして、再発防止のための措置を講じさせるということをさらに促進してまいりたいと思います。  それから列車無線は、先生御指摘のとおり、事故が起きた場合、あるいは踏切事故があった場合、天災その他の故障の場合、そういう場合に迅速な措置ができる、あるいは迅速な連絡ができるというようなことによりまして、事故の防止あるいはその他の救援上の措置のために非常に有効であるわけでございまして、これは大いにつけなければならぬ性質の器具でございます。ただ、これは非常に車両が移動することでございますし、しかも山間部を通るとかいろいろの地形がございますので、必ずしもまだ全般的に行き渡っているとは言えないものでございます。それで、全国的に見まして列車無線を現在私鉄ではかなりつけておりまして、約三十六社、千三百六十キロぐらいに設置をされておりますが、今後ますますこれをふやしてまいりたい。むしろこういうような高速で走る、しかもかなりの山間部を走るようなものにつきましては大いにふやしてまいりたい、このように考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 もう一つだけお聞きしますが、現場の人たちの意見で少し出たのは、車の整備あるいは点検について、どうもいまのような状況だと不十分ではないか。朝の五時に出ていって終わりで車庫へ帰ってくるのが午前一時という状態で、途中で点検をするとか、整備を点検するとかいうふうなことが事実上できない状態なので、やっぱりそんな長時間無点検であるというよりも、点検済みできるように配車状況について考えるべきではないかというふうなことを言われておるわけです、この前。事実上この列車も始発五時、終わりが大体午前一時というような状況で、点検について不十分だというようなことを現場の人たちは感じておるようです。その問題についてひとつ検討をいただきたいと思うのです。  それからもう一つ、私はしろうとでよくわかりませんが、たとえばあの事故のときにATSの状況なんかの点検のとき、あるいはブレーキのコックを締めたりなんかするようなときに、添乗している助役さんもある程度のATSその他の新しい技能教育というものを受けた者でないと、事実上は、同じ添乗しておっても私は意味がないような感じがするわけです。したがって、運転士の技能点検あるいは技能の向上あるいは教育というものも必要だけれども、添乗する人たちに対してもやはり技能的な教育と、ある程度その問題について何といいますか、定期的な講習というものをやはりやらないと、それは添乗という意味がないような感じがするわけですけれども、その点はどうなっているのでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず車両の点検でございますが、車両につきましては一応これは定期的な検査をいたしておりまして、製作したものについての検査あるいは一定の期間の全般検査ということによりまして、解体をして、そしてこまかく検査をするというような検査のしかた、それからさらに重要検査と申しまして、重要部だけを抜き出して検査をするというようなことをいたしております。さらに、それから毎月の定期検査あるいは要部検査といわれておりますが、そういったようなものをやり、さらに仕業検査と申しまして各仕業ごとに検査をするということでございます。点検といいますとむしろ仕業検査的な性格になるわけでありまして、そうして車両の状況が支障のないように十分検査をする、そうして車両の場合そういうことを前提といたしまして車両運用をさせまして、ある車両がいつどういう全般検査をし、それから重要部検査をすると、そうしてどういう仕業で運行するかということをきめております。そういうきめた車両運用の仕業方法ということによりまして仕業をいたし、そうして検査運転等をいたしておるわけでございます。先生御指摘のように、この点はいままでそういうことでやっておるわけでございますが、そこに非常に無理なところがあるとか、車両運用を能率的にするために無理な点があるということになれば非常に問題であります。これは私ども十分ひとつ検討研究をいたしまして、そういうようなことのないようにいたしたいと思います。  それから助役のATSその他に対する知識の獲得でございますが、これは鉄道のほうの仕事でいいますと、たとえばATS自体にも、設備自体を修繕するというようなほうの仕事の方と、それから車両を運転をしたり、あるいは駅で信号機を扱ったりというような、いわば運転関係の仕事の方とありまして、通常、列車に乗ったり、車両を運転したり、添乗したりというのは運転関係の仕事をする方でございます。その運転関係の仕事の方といたしましては、当然新しいATSその他の設備につきまして十分の知識を得た上で添乗しなければこれはいけないわけでございまして、その点につきましては一応教育をした上で助役等をさせておるわけでございます。ただ、先生御指摘のように、これは技術は日進月歩でございます。そういたしますと、従来の知識というものがだんだん古くなるというようなことになりまして、大事なところが、根本的なところが十分に知識がないということも考えられるわけでございます。これは結局さらに教習をしたりその他のことをしなければならぬわけであります。御指摘の点は十分に研究検討させていただきまして、そのような方向で指導してまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後の質問にいたしますが、ここに緊急対策として、「乗務員をはじめ全運転従事員に対する異常時の処置を主とした再教育の徹底的実施」というのがございます。これは近鉄だけでなくて、他社でも当然やらなければならぬ問題であろうと思いますが、鉄監局長の通達にも陸運局長あてには書いてあります。事故が起こりましてすでに二カ月になろうといたしておりますが、この実施状況について現場でごらんになったことがございましょうか、あるいは陸運局がその実施の状況を把握した会社があるのかどうか、そのことを最後の質問といたします。そのあと、政務次官には、この事故の問題点を早急に解明すると同時に、被災者のあとの緊急対策、それからこの事故を契機にして同種の事故が発生しませんような対策ですね、省としての方針、それを一、二問だけ質問いたしまして、私は終わります。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 事故が発生した場合の現地の処理の方法並びに連絡等の方法、それから救急体制でございます。これは非常に大切なことでございまして、従来私ども主としてこの方面の指導といたしましては、踏切事故が非常に多いものでございますから、踏切事故を起こした場合のこれに対する具体的な応急的な措置、それから連絡救急体制というものに重点を置いて実態訓練というものを主としていたさしておりました。で、これは現地の陸運局でもそういう場合の実態訓練には立ち会っております。私自身も、直接、東京の陸運局長をやっておりましたときには現地に参りまして、陸運局としてそういった具体的な実態訓練に立ち会いました。そしてそれを現実に公表したようなこともございます。それで、各陸運局も同様のことをやっておりますが、今回私ども実はそういう踏切事故というようなことでなくして、いわば車両側の故障等の場合の実態訓練なり緊急連絡というものが確かに若干手抜かりがあったということを私ども反省いたしまして、今回の通達におきましても、特にそのものも今後大いに進めるということをいたさせているわけであります。これは私どもこの点は今後とも力を入れて陸運局も指導し、またやってまいりたい、このように考えております。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 御指摘の犠牲者に対する今後の見舞い等においても、社会的な意味で十分な配慮がなされるよう指導する方針でございます。また、先ほど来審議を通じていろいろ問題になりましたATSの問題あるいは待避線の問題、特に待避線の問題は、御指摘のとおり通常一般の待避線では意味をなさないので、やはり万一というのを考えて、われわれが日常考えている以上のエネルギーが車両に加わった場合も考慮した待避線でなければならない、かように考えております。また、無線においても、当然早急に無線装置を完備させなきやなりません。また、事故調査においてもやはりもっと権威ある、どなたが見ても納得のいくような、編成なり装備においてもそれにふさわしい事故調査団というものの編成も、先ほどの御指摘のとおりだろうと思います。以上の点を考慮して、今後再びこういう事故が起こらないように万全の対策を事務当局と相談しながら、経営者側とも連絡をしながら進めてまいる所存であります。

森中守義日本社会党

○森中守義君 この前現地に行ってきまして、少し疑問が新たにあるのです。調査に行かれた運輸省の方がどういう者かわかりませんが、駅から停車現場まで助役が行ったら、この距離がどれくらいか、それから、もちろん徒歩で行かざるを得ないのだが、何分ぐらいかかっているか、その辺に非常に大きな疑問がある。現場でいろいろ聞きますと、だれか係員が助役と会話をして、どうもいつまでも入線してこないから、とまっているようだからという話を聞いて、助役がかけ出して行った、こう言う。そこで、駅からすぐトンネルが見えておりますからね、しかも、トンネルは出口じゃなくて、ずっと奥に車がとまっているわけで、そこまで大体八分から九分は助役が行くまでには時間がかかっている、こういう説明をしております、現場では。事故車が停車したところまで五分間おくれて着いている、それで計算してみますと、事故のためにとまった時間が十一分間。そこで助役が駅からかけ出して行って停車現場まで到着するには八分ないし九分はかかっているだろう。そうなると、ハンドスコッチを取り除くようなことが助役の手でできたのかどうか。さらにそれが、近鉄の課長か、あるいは何かユニホームを着た人の説明によれば、くだんの助役さんという人はATSが出現をする前にすでに車をおりている、だからATSにはほとんど経験がない人だと言うんですね。だから、どう考えてみても、この人の手によってハンドスコッチがはずされたということは生まれてこない、こう言う。それといま一つは、はたしてハンドスコッチをドライバーがおりてかませていたかどうかもはなはだ疑問だと、こういう見方をしているんですね。だから、その辺のことが実際問題として調査の結果どういうような答えを持って帰っておられるのか、これが一つ。  それから一つは、駅前を三十八キロのスピードで走った。大体通例として上下線ともに構内を通過するときには四十キロ前後で通過することが慣例ですよ。だから、駅のほうでは、三十八キロ程度で走ったから別段異常なものとは思わなかった、こういう証言をしているんですよ。そこで、当時新聞等にいわれていた、助役が駅に向かって異常な喚声を上げ、動作で緊急な事態であるという、そういう表現を用いたような記事がだいぶ出ておりましたけれども、これは現場の証言においては否定をしております。三十八キロの速さだから異常な状態だとは思わなかった。ただ、そこで疑問が出てくるのは、助役がその駅でおりようとしたのか、すでにおかしかったからそのまま乗っていったのか、その辺のことが駅の現場のほうではよくわからないと、こう言う。これは無理もないと思うんですね。ですから、その辺の推移は何によって立証されるかということは非常に疑問ですけれども、助役は飛び乗り、ドライバーも飛び乗って、自然にころび出したのか、あるいは人為的な作動によって動き出したのか、この辺の状態はとういったような調査の結果——むろんこれは警察も調べているのでしょう。けれども、調査に行かれた皆さんは、おそらく専門家ですから、一つの推理的な答えは出てきているのではないかと、こう思うのです。これが二点。  それから、いま一つ大事なことは、朝からどうもATSがぐずぐずいっていた、それで何回か修理に入ったが、経験年数三年程度の人でどの部門が悪いかということの発見ができないために、本社のほうに連絡をして、そこで熟練をした人が現場に向かいつつあった、それがさっきのできごとだ、こう言うんですね。だから、問題は、一体、走行の死命を制するとも言うべきATSに対する認識が問題ですよ。上下線ともに八本ぐらい走っているようですね。八本の中の三本か四本はちょっととまった、両方ともね。そういう危険な状態にあったにかかわらず、駅のほうで、あぶない、どうもATSが調子が悪いから見に来てくれという連絡を受けて、本社のほうでは、じゃだれが行こうかという程度の認識なのか。朝から悪いなら車をちょっととめよう——経験三年の人で十分でないならば、その間の応急措置がどうしてとれなかったのか、その辺のATSに対する近鉄の認識に問題がある、こう思うんです。私はそのことを結論的に言うならば、当然制限規制六十キロの表示が立っているし、そこでATSの不調が朝からずっと続いているわけですから、直ちに運転を停止をして、危険な個所を発見すべきじゃないかと思う。そこに近鉄の事故に対する認識の問題がある。このことが現場に行ってみてまことに適当でない。むろんATSを採用している各私鉄等も、これに対する認識を一体、鉄監局のほうではどういう指導をされておるのか。繰り返すようですけれども、そういった点、ぐずぐずいっているときに、直ちに運転を停止をして危険個所の発見に全力をあげたならば、多少客足は乱れてもこういう事故は発生しなかったろう、こういうことになろうかと思うんです。そういうことはどういったようにお考えになっているのか。  それからいま一つは、近鉄の事故に対する緊急手配、緊急措置の問題。本社でいろいろ聞いてみますと、なるほどもっともらしい説明ではある。しかし、手おくれをした最大の理由は、非常に峻険な個所である、しかも停電をしている、鉄道を利用しては現場に乗り込めない、だから陸路を利用し、あとは徒歩で上がっていった、そのために相当の時間がかかったので手おくれをした、こういう実は終始一貫、前回、副社長を参考人に呼んだときも説明が繰り返された。本社での説明でもそういうことが繰り返されている。一体、じゃどういう状態だったのか。なるほど非常に峻険な場所ではありますよ。しかし、その事故現場から山道を下るのに私どもの足で大体十五分。山道から、町道なのか市道なのかわかりませんが、ここはりっぱに大型の車が入れるんですよ、これまで約十五分。さらにそれをバス道路の県道に出るまで十分、加えて二十五分ですよ。だから、何も県道と言わなくとも、山道と市道もしくは町道の接点、この区間が一番問題ですが、これは十五分程度ですからね、このことが非常に緊急対策がおくれたという理由にならぬと私は思っているんですよ。さらに大阪から行くのか名古屋から行くのか、救援体制は大阪からを中心にしなくてもよかったはずです。あるいは三重県の県庁の所在地、津、ここまで私どもが乗せてもらったバスで約四十分ぐらいでしたね。そういう距離ですよ。だから津なら津に応急に緊急な救援対策本部でも設置をして、ここで医者や看護婦を運び込んだならば、もっと手回しよくいろんなことができたんじゃないか。しかも近鉄の津の駅というのはかなり大きいですよ。しかも県庁の所在地であり、いろんな機関もあるはずですから、これを起点としてすべての対策がとられたならば、もっと早目に対策ができたんじゃないか。この辺にも近鉄は当然こういう緊急の場に臨んでの対策が決して満足であったとは言えない、こういうことを私は判断をして帰りました。  それから現場の状況がよくわからなかったということをおくれた理由の一つにしておる。ところが事故現場の、五十メートルもありましょうか、すぐ上に大きな湖水がありまして堰堤がある。そこに報道機関のヘリがおりている。ヘリコプターがおりていますよ。そこで取材に当たっておる。それに気がついたときは日が落ちてしまってヘリがそこにおりられるような条件になかった、こういう説明を近鉄はしている。しかし、あの凄惨な事故現場のまっ暗の中で私は救援作業が行なわれたとは思えない。むろん県警も自衛隊も入っているわけですから、おそらく相当な発電能力を持ったものが据えられて、ごうごうとした中で行なわれたんじゃないか。それならば、あの堰堤にヘリコプターがおりられないという理由はありませんよ、たとえ夜になってもね。しかも報道機関がとっくの昔にヘリコプターをおろしておる。だから近鉄の対策というのは、少なくとも近代的な救援対策に欠ける点がある。なぜヘリコプターなどを利用して空中から状況の把握をしないのか、こういうことなども、一連の近鉄における事故対策としては絶対にこれは容認できない。こういう事情を、調査の結果どういった理解をされておるのか。  最後にいま一つですが、遺族への補償あるいは重傷・軽傷者等に対する対策、こういうものはさっき小柳質問の中にもありましたけれども、もう少し具体的に聞かしてもらいたい。近鉄の副社長か、どなたでしたか、本社における話し合いのときに、犠牲者の皆さん方の遺族と個別に話し合いをしたい、こういうような話があった。だから、一緒に来てもらった大阪あるいは名古屋の陸運局長にも、個別に折衝というのはこれはおかしい、少しもの言う人とおとなしい人に、補償上の問題に差を生じては適当でない、よほどその辺の行政指導を行なうべきだという意見を私は申し残して帰ってきました。その後どういったような関係が生じ、その中にいかような行政指導が行なわれているか。  それと非常に痛まし過ぎるぐらいの話でしたけれども、最後に遺体の発見が行なわれた若い御夫婦の間に、四歳ないしは五歳の坊やがおったそうです。そして涙もかれ声も出ないでその子供がさがしていた。実に、救助に当たった警察官なんかもあまりの痛ましさに身につまされたという話を聞いてきましたが、これを近鉄のある首脳部は、いずれ近鉄マンとして引き取ることになりましょう、こういう話を私にしたことがある。これは車中の話で別に公式の場所ではないので、そのことを私はとがめようとは思わないけれども、四つか五つの子供だそうです。男の子だそうです。近鉄マンになるにはまだまだ十年、十五年はかかるでしょう。この間、ほんとうに一瞬にして両親を失った子供をどうしようとするか。むろん身寄りもあるでしょう。だから私は極端な言い方をするならば、関西財界の大御所といわれる佐伯社長のことですよ、自分の孫か子供のように、この坊やぐらい引き取るというような、それくらいの誠意があっても当然じゃないか。将来は近鉄マンに引き取りましょうという、そういうことではどうも誠意のある措置とは思えない。こういう子供の救済なども含めて、よほどこれは考えないと、世間に対して一体どうしてこの事故にこたえようとするのか、非常に問題だと思う。こういう意味で、その後における救済の措置等もどういう指導をなされているか、五点についてあわせてひとつお答えいただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず第一点の問題、それから第二点の問題は、結局事故の原因の車両に関する問題でございますので一緒に申し上げたいと思いますが、まずこの列車が、東青山停車場外に設置されているATS地上子の故障があったということで停止したということはほぼ事実でございます。したがいまして、その際にATSの作用によりまして車両のブレーキが不緩解となるわけでございまして、当然、乗務員はその原因の究明なり、故障の処置をしたというふうに思われるわけでございます。ところで、この車両がとにかく動き出したわけでございますが、それは結局は車どめがない状態で、四両とも供給空気だめの締め切りコックが締め切られているという事実がやはりはっきりいたしております。そしてブレーキがゆるんだと、そのために自然に転動をしたと。そしてその場合に勾配区間でございますから、当然、転動によって今度は加速をされるということがございまして、そして脱線したものだ、大体こういうのが私どもの基本的な推定でございます。したがいまして、いま第一番の問題、二番の問題一緒に申し上げましたが、要するにポイントとして、先生御指摘になりましたような問題はやはり転動によって起きたものではないかというふうに私ども考えております。  それからATSに関する問題でございますが、ATSがこの区間で何べんか故障したようでございます。ただ異常動作を生じました状況が非常にまちまちでございまして、列車によりましては異常がなく通過をしておるというような列車もありまして、そういったようなことでこのATSの故障というものの発見がおくれ、また、その原因がなかなかはっきりしなかった。で、特にこの場合、駅におりまする職員は先ほど申しました運転関係職員でございまして、信号掛等がそれを見たり、あるいは助役が見たりということでございますが、機械関係の専門家ではないわけでございまして、そして通信区という職場がございまして、その通信区の関係がこういったようなATSその他の弱電装置の技術者でございますので、その通信区へ連絡をいたしまして、その応援体制をいたしておるわけでございますが、結局まあ完全な通信区の応援による十分な点検が得られないうちに事故が起きたということでございます。それでATSに対する基本的な考え方ということでございますが、まず私ども列車の運転の安全のために列車と列車との関係を安全にする、つまり追突なり正面衝突その他のことがないということのために何をするかということになりますと、まず第一には閉塞装置ということで、一定の閉塞区間には絶対に二個列車が入らないというようなことをまず考える。それからその閉塞装置を転轍機あるいは信号機と連動させまして、片っ方の誤りによってその閉塞が破られるというようなことがないような措置を講ずる、そういう意味で信号、転轍、閉塞の連動というようなことを第二の安全の方法ということで考えておるわけでございます。それで、そういうことで従来とも列車の安全をはかってきたわけでございますが、その場合には乗務員が信号を確認するということが絶対の前提になりまして、万一乗務員がたとえば居眠りをするというふうなことによりまして信号確認をしないというふうなことがあったり、あるいは失心をするということによりまして信号確認ができないというようなことがあった場合の危険というものもやはり防止する必要があるわけでございまして、ATSはそういう点を防止するというための施設でございます。したがいまして、ATSがそういう場合に作用をするということは、そういう意味で乗務員の信号確認等の補助的な役割りというものを果たすというたてまえになっております。それでATSが故障した場合にそれじゃ全部とめてしまったらいいじゃないかということでございますが、その点は結局この鉄道の設備全体との関連が実はございまして、たとえば行き違い設備をどうするかとか、あるいはとめてしまえば当然その旅客の取り扱いをどうするかという問題、それからかわりの列車をどこからどういうふうに持ってくるかというような問題がございまして、一がいには、そこで全部ストップするということにはなかなかいかないということで、現在の近鉄の規程によりましては、その場合にはATSの故障によって足りなくなるところのものを補うという趣旨で、助役その他の職員を添乗さして、その場合にしかるべきところへ移動させまして、そうしてそこで旅客の乗り継ぎその他の措置をとる、車両の取りかえの措置をとる、こういうふうなことになっておるわけでございます。しかし、そうはいいましても、ATSの故障がこれだけあるということはこれは非常に重大なことでございまして、私どもATSの故障というものをなくするということがやはり今回の事故の遠因を断つゆえんでもあるわけでございまして、したがって、そういった点でも、今回それを強力に行なわせるような指示をいたしたわけでございます。  それから近鉄の緊急措置のおくれでございますが、これはもう先生おっしゃるとおりだと思います。これは確かに私ども近鉄の緊急措置のおくれにつきましてはもっとてきぱきやれなかったものか、あるいは先生御指摘のような手段をとりまして、もっと情勢の把握も早くし、あるいは緊急体制というものも早く整備して、そうして犠牲者も少しでも少なくするというようなことができなかったものかという点につきまして、私ども非常にこういったような非常時、異常時におきまするところの緊急体制並びに救急体制というものを今後大いに力を入れて指導していかなければならぬ、こういうふうに実は考えているところでございまして、全く御指摘のとおりだと思います。  それから遺族の補償の問題、それからただいま先生御指摘のような非常に痛ましい問題、まことにもう私ども同感でございまして、何といたしましてもこれは被害者の方はもちろん、世間一般の方が納得するような姿で補償の問題の解決をしなければいかぬことだと思います。近鉄はかなりの大企業でございます。そういう大企業でございますし、また、やっておりまする仕事が地方鉄道業、いわば非常に公益性の高い仕事でございますから、それのやり方自体も世間が納得するようなやり方でやってもらわなければいかぬわけでございまして、具体的な問題に私どもこうしたらいいというようなふうに言うのもどうかと思いますが、とにかく社会的に納得できるような姿で補償し、あるいはその他の措置をとらせるというふうにしてまいりたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 もう一つ最後にお聞きしますが、お聞きするというよりもある意味では私の意見かもしれませんが、事故が発生してしばらくしまして、責任をどうするかという問題の一つの手段として、近鉄の役員がボーナスだか何だかを減額するとか、あるいは受け取らない、自粛するというか、何かそういうことがちょっと新聞記事に出ておったような記憶があるのです。そこでこういう問題が、だれが一体過失の責任者なのか。ドライバーがいま入院中だといいますけれども、しかし近鉄という一つの企業体がこれほど大事故を出して、期末手当の減額をするとか、あるいはそれを返納するとかいう、そういうことが直ちに社会的な責任になるのかどうなのか。まあ私は、ある意味では決着がつかない、そういう気がするのですよ。むろんこれは社内の問題ではございましょうが、当然、国の運輸省の監督を受ける限り社会に対して何ぶんの責任をとらせる必要がありはしませんか。少なくとも、不可抗力とか、そういうことでは済まされない。何といっても近鉄という企業の社会に対する責任もありましょう。そういうところまで大臣、政務次官をはじめ省の首脳部がお考えになったことがあるのかどうなのか。ないとするならば、これから検討に値する問題だと私は思う。どういう方法かということは皆さんでお知恵を出さるべき問題であろうと思うのですが、ただドライバーが元気になって、事情聴取の結果、新たにドライバーの過失であったという、それだけの刑事責任では、これほどの大事故というものは社会的に済まないと思う。企業としてどういう社会的責任をとるか、このことが私は、ある意味では近鉄事故の一つの決着じゃないかと、こう思っているのです。その点どうでしょうか、政務次官。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 鉄監局長から詳細お話があったので、重複する点は避けたいと思いますが、御指摘のように、事故が起きる以前のATSに対する信頼度合い、これは私は鉄道監督局も含めて、ATSへの信頼度合いというものをもう一度再検討すべきじゃないか、かように考えます。また、近鉄がATSの故障に即応して、あの時点で列車をとめておったならば、ああいう悲惨な事故は起きなかったのじゃなかろうか。それから添乗員の問題も、単なる信号の確認で運転士を補助するという立場より、もっと進んでATSの構造、それをよく承知して、その装置についてしかるべき適切なる処置を講ずる添乗員であったならば、これまたあの事故が防げたのじゃなかろうか。こういういろいろ考えてみると、事故対策、事故が発生する以前においてももっと人命を輸送するという他の企業に見られない特殊性というものを考慮するならば、何とか未然に防げたのじゃないか、こういう点が考えられます。  それから、御指摘の事故発生後における緊急対策、先般の二大航空事故の対策等に比較して、まことにその対策が不十分であったと指摘されるのは私は当然だと思います。かような点から判断すると、単なる、御指摘のようにボーナスを少し削るとか、あるいは返上するとか、それは近鉄という企業体の中のことであって、社会的責任を負うものとは私は判断いたしません。したがって、社会的な責任を負うということは、社会的に、一般どなたが見ても、なるほど近鉄はあの事故を契機にして道義的な社会的な責任を感じてあのような処置を講じたのだ、常識的に一般人が理解するような、そういう責任のとり方、当然、近鉄自体が考えべきだし、また運輸省としてもそういう方向で指導すべきものだ、かような判断を抱いています。

森中守義日本社会党

○森中守義君 具体的な問題として検討されますね。

佐藤孝行自由民主党運輸政務次官

○政府委員(佐藤孝行君) 当然であります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十四分散会      —————・—————

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