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67回国会参議院1971/10/26

運輸委員会 第2号

発言数
247
登壇者
17
会派数
5
開催日
1971/10/26

会議録

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  この際、近鉄の衝突事故に関して、政府から発言を求められておりますので、これを許します。高林運輸省官房長。

高林康一運輸大臣官房長

○政府委員(高林康一君) 近畿日本鉄道の列車衝突事故の概況について、御報告申し上げます。  お手元に事故概要の資料を配付してございますが、この概要は次のとおりでございます。  十月二十五日十五時五十八分、近畿日本鉄道大阪線東垣内信号所におきまして、上本町発名古屋行き特急列車——これは四両編成でございます——と、賢島発難波行き特急列車——これは七両編成でございますが、これがトンネル内で衝突いたしまして、死者二十三名、負傷者三百十三名を生ずる事故が発生いたしました。ここに、死亡された方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りする次第でございます。  この事故の原因につきましては、現在、名古屋陸運局より局長及び運転保安課長並びに本省鉄道監督局の事故調査官を現地に派遣し、調査中でございます。また、政務次官がただいま現地に向かっておる次第でございます。  これらの線区につきましては、ATS等の装置を設備しておりますけれども、今後、こういう事故の発生にかんがみまして、この事故の原因を徹底的に究明いたしまして、必要な措置を講じたいと考えておる次第でございます。  なお、今回の死傷者に対しましては、近畿日本鉄道に対し、補償に万全を期するよう指示いたしますとともに、国鉄、私鉄を通じまする安全設備の総点検を行ないまして、事故防止のための措置をさらに強化し、遺憾なきを期したいと考えておる次第でございます。  以上、御報告申し上げます。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 派遣委員の報告に関する件を議題といたします。  先般、当委員会が行ないました委員派遣について、それぞれ派遣委員から報告を聴取いたします。  まず、第一班から御報告をお願いします。伊部真君。

伊部真日本社会党

○伊部真君 第一班の派遣報告をいたします。  派遣委員は、岩本委員、田渕委員と私の三人であります。派遣期間は九月十九日から五日間で、北海道所在の運輸省、北海道開発庁及び国鉄の各地方機関からの管内事情の説明聴取並びに港湾、空港施設、国鉄青函連絡船、海員学校及び札幌オリンピック冬季大会の輸送施設等の実情を視察してまいりました。  以下、調査の概要を報告したいと思いますが、それぞれの機関から詳細な資料が提出され、その資料は調査室に保管してありますので、御承知をいただきたいと思います。  現地の要望事項と調査のおもなる点について報告したいと思います。  第一に、港湾関係について申し上げます。今回視察いたしました港湾は、函館、室蘭、苫小牧、小樽の四港でありますが、第四次港湾整備五カ年計画に沿って、開発局と各市が協力し、その整備が進められております。  函館港は、青函連絡貨物をはじめ、フェリーボートによる自動車輸送が急増しており、市当局から、港域の拡大と港湾機能の整備拡充及び矢不来地区の工業用地造成促進についての要望がありました。  室蘭港は、北海道海上貨物の約半分を取り扱う特定重要港湾で、昭和五十年には取り扱い貨物量は四千五百万トンと推定されており、市当局から、室蘭港外港の整備促進及び室蘭・本州間新航路開設により遊休化している国鉄埠頭の有効利用促進についての要望がありました。  苫小牧港は、昭和二十六年から着工されたわが国における代表的な掘り込み式港湾でありますが、当港では、特に北海道庁及び市当局から、第三期北海道総合開発計画に基づく東部地区大規模工業地開発についての基本構想についての説明があり、その開発促進についての要望がありました。  小樽港は、日本海側の流通拠点港としての重要な役割りを持つ港でありますが、近代港湾としての整備がおくれております。市当局から、勝納埠頭の新設と、遊休化している国鉄埠頭の再開発についての要望がありました。  次に、空港関係について申し上げます。今回視察いたしました空港は、函館、千歳、丘珠の三空港であります。  千歳、丘珠の両空港は、防衛庁の管理する空港で、民間機との共用飛行場になっております。いずれも管制は防衛庁が行なっております。千歳におきましては、現地の自衛隊から管制業務の概要について説明がありましたが、民間機の航行の安全確保については万全を期しているとのことでありました。また、千歳市より、航行の安全確保のためには軍・民共用の分離が必要であり、そのための新空港建設促進等が要望されました。  函館空港では、現在千二百メートルの滑走路を二千メートルに延長する工事が進められておりますが、本年中には完成するとのことでありまし尾同空港を視察しましたときはちょうど快晴で、空港ターミナルの屋上からの展望では、空港周辺の地形が一望でき、「ばんだい」号遭難の山腹もはっきり見え、いまさらながら事故発生が遺憾に思われた次第であります。この事故にかんがみ、市当局から、航空保安施設の早期整備についての要望がありました。  次に、運輸省地方機関からの管内事情説明のおもなる点について申し上げます。  まず、陸運行政でありますが、当面の問題点の一つは過疎バス対策であります。北海道は、近年、郡部を中心に過疎化が進んでおります。現在、過疎地域に指定されている市町村は、全体の六五%に当たります。これらの地域におけるバス事業の経営は非常に悪化しており、昭和四十五年度の路線の休廃止は二百二十七件になっています。現在、国は一連の助成策を講じていますが、その金額はきわめて少なく、この際、大幅に補助金を増額するとともに、輸送の確保について抜本的対策を講ずる必要があるとのことでありました。また、自動車台数の増加に伴う検査要員等の確保についての要望がありました。  次に、海運行政について申し上げます。北海道の海運は、最近の景気後退の影響があらわれつつあり、内外航の貨物輸送量は伸び悩んでいます。特に、外航においては、本年一月から四月までの実績で昨年より減少しております。今後の伸びが期待できない情勢であります。一方、海上輸送のコンテナ化や、中・長距離カー・フェリーの就航等、近代的輸送方式が進んでおり、海運業の基盤強化が必要であるとのことでした。  なお、最近の業務量増加に対応しての船舶検査官及び船員労務官の増員についての要望がありました。  次に、海上保安体制について申し上げます。第一管区内の海域は世界的な好漁場といわれておりますが、この海域は北方特有の過酷な気象条件のもとにあるため、漁船の海難が非常に多く、全海難の九〇%が漁船で占められています。また、ソ連邦に拿捕された漁船は本年に入って十七隻で、乗り組み員は百五十八名に達しており、この問題と漁船の多発海難は当管内の重要課題となっております。このため、特別の救難警備体制がしかれています。しかし、より一そうの効果を発揮するためには、特に機動力を増強する必要があり、千トン型巡視船の配置等についての強い要望がありました。  札幌管区気象台からは、気象用レーダー伝送網の整備と、季節予報業務強化について要望がありました。  次に、国鉄運営状況について申し上げます。  北海道総局の説明によれば、貨物は大宗貨物である石炭輸送の減少、旅客は自動車の伸びにより、貨物、旅客いずれも輸送量は減少傾向にあります。また、収支状況から見ますと、収入は頭打ちの傾向にあるのに対して、原価は直線的に上昇しており、したがって営業係数は著しく悪化しているとのことであります。国鉄としては、輸送の近代化、合理化等を強力に進めているのでありますが、なお毎年百億円の赤字増の傾向にあって、基本的に体質改善をはからなければならないとのことでありました。  次に青函輸送についてであります。現在、客貨船七隻、貨物船六隻、計十三隻で輸送に当たっていますが、貨物輸送は、昭和四十七年に輸送能力の限度に達することになり、関東と北海道を直接結ぶ内航コンテナ輸送を考えざるを得ない実情にあるとのことでありました。  なお、鉄道建設公団から、青函墜道の建設状況及び道内の新線建設の現状について、また北海道開発局から、輝く未来を築く第三期北海道総合開発計画について、熱心な説明があったことをお伝えしておきます。  次に、札幌オリンピック冬季大会の輸送体制について申し上げます。来年二月三日からの開催に備え、主要競技場の建設も順調に進んでおり、円滑な大会運営のため、札幌市及び組織委員会が協力してその輸送体制の確立、確保につとめておられました。大会関係者約二万人の輸送には、約六百台のバスの配車が計画されていますが、これでは天候異変等が起こった場合に対して弾力性に之しい面もあるので、今後十分な対策を講じていきたいとのことでありました。また、一般観客は九十万人程度が予想されていますが、地下鉄の新設、その他鉄道、バス等大衆輸送機関の整備により十分対処できるとのことでありました。  以上、一班の報告を申し上げます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 次に、第二班から御報告をお願いいたします。山田勇君。

山田勇第二院クラブ

○山田勇君 第二班の派遣報告をいたします。  派遣されました委員は、木村委員長、橘委員と私の三人であります。派遣期間は九月二十七日から三十日までの四日間で、大阪、兵庫、岡山、広島の各府県を回り、運輸省及び国鉄地方機関の管内事情等を聴取し、港湾施設、空港施設、東大阪トラックターミナル等の実情を視察調査してまいりましたので、これら調査事項のうち主要な点について御報告をいたします。  まず、陸運行政について申し上げます。  大阪を中心とする京阪神地域においては、都市化の進展に伴い、大規模な宅地の開発、市街地の再開発等が進み、これに伴って交通需要が急速に増大しておりますが、これに対処して、都市交通審議会の大阪圏部会で、昭和六十年を目途とする大阪圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備増強計画の再検討を進めており、本年秋ごろまでには一応の結論が出されるとのことであります。また、郊外団地造成にかかる団地バスの運行確保の方策、深夜における輸送需要の対策等が検討されております。一方、貨物輸送につきましては、物流需要の増大に対処して、東大阪流通業務団地をはじめ、今後、北大阪流通センター、大阪南港複合ターミナル、阪神流通センター等が計画されております。今回視察してまいりました東大阪トラックターミナルは、大阪府都市開発株式会社の経営にかかるものでありますが、一日七千トン余の貨物を取り扱い、当地の流通合理化に大きく寄与しているとのことでございます。  次に、最近におけるバス事業について見ますと、自家用車の普及、農山村の過疎化と都市における過密化の進行等に伴い、輸送需要の減少と輸送効率の低下が著しく、人件費をはじめとする諸経費の高騰と相まって、経営内容は急速に悪化しております。特に、過疎地域においてはバス運行の休廃止が相次ぎ、地元ではその対策に苦慮している状況であります。私どもは、各地において、住民の足の確保のため、過疎バス事業に対する国の助成策の充実強化を強く要望されました。また、ハイヤータクシー事業においては、人件費の高騰と運輸収入の伸び悩み等により、経営状況が急激に悪化し、事業の廃止、譲渡等の事例が多く、さきに申請のあった運賃値上げの処置が当面の問題となっているが、いまや都市交通体系の中におけるタクシーの位置づけの再検討の必要に迫られていると思われるとのことでございました。なお、大阪タクシー近代化センターの運転者訓練施設にはなかなか見るべきものがございました。  次に、海運行政について申し上げます。  内航海運業は、昭和四十一年十二月、内航海運業法の一部改正以来、企業の合併協業化が進み、その所有船腹についても、船舶の大型化、高速化等の近代化がはかられてきました。しかし、昨年来の景気沈滞、そして大宗貨物の鉄鋼減産の影響を受け、非常に苦しい経営をしいられており、日本内航海運組合総連合会より、内航船舶の積極的活用による海外援助施策の確立、共有船の使用料、借入返済金の支払い猶予、係船費用に対する金融措置、新船建造の規制強化等、不況対策の早急実現の要望があるとのことでございます。  港湾運送事業においては、近年、物流の合理化、輸送の技術革新に対応して、港湾運送の近代化、合理化が必須のこととなっていますが、この急激な変化に適応していくためには、多くの問題をはらんでおり、適切な行政指導が望まれる次第であります。  また、造船業においては、大手造船所の好況に引きかえ、中小造船所は経営基盤の脆弱、労働力需給の逼迫、内航船腹の過剰等悪条件の累積、これに加えて今回のドルショックにより、企業の前途は必ずしも楽観を許さない状況にあるとのことでございます。  次に、海上保安業務について申し上げます。  わが国の海上輸送貨物量は経済の発展に伴い年々増加の一途をたどり、大阪湾、瀬戸内海を中心とする海域においては、国際的大港湾の神戸港、大阪港を擁し、また沿岸部には大工業地帯を控え、多数の入出港船舶及び通過航行船舶があります。特に、瀬戸内海には七百以上の島嶼が散在し、八十六にも及ぶ狭水道があり、そこには小型漁船からマンモスタンカーまで大小異質の船舶がふくそうし、事故発生の危険度を高めております。また、臨海工業地帯の造成及び沿岸都市群の形成等により、海洋汚染が急速かつ広域的に進行しつつあります。その汚染原因のおもなものは、船舶による油濁、工場排水による汚染、生活廃棄物による汚染でございますが、海洋汚染防止のため、本年四月に海上公害監視センターを設置し、航空機と巡視船艇による立体的方法により海上公害監視体制の強化をはかるとともに海洋環境保全につとめているとのことでございます。  これら海上保安業務遂行にあたって、海洋汚染の監視、取り締まり並びに海上交通の安全確保をはかるため、巡視船艇、航空機の増強、海上交通法の制定、海上保安施設の整備拡充の要望がございました。  次に、港湾整備について申し上げます。  今回の視察におきまして、大阪港、神戸港、水島港、広島港を見てまいりましたが、それぞれの港において本年度を初年度とする第四次港湾整備五カ年計画に基づいて港湾整備が進められております。  大阪港、神戸港においては、最近における輸送革新に対応する外貿埠頭の整備と都市再開発を目的とする大阪南港、神戸ポートアイランド等を中心として整備が進められております。が、すでに阪神外貿埠頭公団によるコンテナ埠頭は四バースが供用され、また公社方式によるフェリー埠頭も近く建設が進められる予定とのことでございます。今後の港湾整備の課題としては、大規模集約的な国際複合ターミナルの整備、大規模流通加工基地の整備、輸送形態変革への対応、石油輸送等のパイプライン化とシーバース、C・T・Sの整備、内陸部流通センターとの交通連絡施設のシステム化等があるとのことでございます。  水島港においては、現在、企業の進出に伴い、玉島港区を中心として臨海工業用地の造成が進められており、また、公害防止のため、廃油処理施設が整備され、四十七年度以降、汚泥しゅんせつの計画が進められているとのことでございます。  また、広島港においては、全国的な物的流通のネットワークを形成する流通拠点港湾としての整備が要望され、今後、廿日市、海田地区を含めた港湾の整備をはかるとのことでございます。  次に、航空行政について申し上げます。  大阪国際空港における最大の問題点は、航空機の騒音対策であります。このため、深夜ジェット機の離着陸を原則的に禁止するなど、航空機の運航を時間、経路、高度等において規制し、また防音壁、防音堤及び植林等による騒音制御対策を進めており、他方、航空機騒音防止法に基づく防音工事の助成、共同利用施設整備の助成、あるいは移転補償等が鋭意進められているとのことでございます。  岡山空港においては、瀬戸内経済圏の中核としての交通体系の確立のため、第二次空港整備五カ年計画において、ボーイング727級の就航可能な空港整備と保安施設の拡充をはかること、用地買収費、補償費を国庫補助対象とすること、及び岡山−松山−宮崎線の早期運航開始、岡山−山陰の新空路開設等の要望がございました。  また、広島空港においては、VOR・PARの設置、保安職員の増強と、航空機騒音防止法に基づく特定飛行場への指定、民間住宅の騒音防止工事に対する国の助成措置を早急に講ぜられるようにとの要望がございました。  最後に、国鉄の運営状況について申し上げます。  国鉄の大阪周辺における課題としまして、通勤輸送は、大阪都市圏への人口集中がますます進み、都市圏の外延化も加わり、需要増大する見通しであります。また、大阪を中心とした日帰りレクリエーション圏の拡大、さらに都市間高速輸送の必要性等も一そう高まる見通しで、福知山線、関西本線の抜本的な増強をはかる等、都市圏鉄道網の整備、高速輸送体系の整備を促進したいとのことでございます。他方、貨物輸送については、今後の貨物の流動、道路、流通基地等の計画に合わせて、貨物駅の統廃合、再編成、さらに物資別適合輸送とフレートライナーを中心とした大量直行輸送体系を確立したいとのことでございます。これら実施のため、国鉄当局より、ニュータウンの建設を円滑に進めるため五省協定に鉄道輸送対策を加えること、鉄道網の整備、複合ターミナルの建設に際して、国、地方公共団体の財政措置を講ずること等の要望がございました。  山陽新幹線については、来年三月岡山までの開通を目前に控えて、最後の仕上げを急いでおり、また岡山以西はその大半がトンネルになる由でありますが、昭和五十年の完成を目ざして鋭意工事を進めているとのことでございます。  以上のほか、神戸海洋気象台より、新海洋観測船の建造、庁舎の改築、予算の増額等について、海技大学校より、海運の船腹拡充及び船舶運航の技術革新に即応する再教育対策、校地の拡張、講堂、体育館及び図書館の建設等について、それぞれ要望がございました。  また、神戸市より、ラッシュ船等輸送技術革新に伴う対策、神戸港の整備促進のための予算措置、神戸市交通事業に対する財政援助について、岡山県より、重要港湾の整備促進、水島海上保安署の組織強化等について、広島県より、山陽新幹線鉄道の建設促進、国鉄宇品線の存続、広島港の整備促進等について、それぞれ要望がございました。  以上、簡単でありますが、報告を終わります。  なお、現地で受領いたしました各資料は調査室に保管させてありますので、念のため申し添えておきます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 最後に、第三班から御報告をお願いいたします。鬼丸勝之君。

鬼丸勝之自由民主党

○鬼丸勝之君 第三班の派遣報告をいたします。  派遣委員は、江藤委員、小柳委員と私の三人でありますが、熊本県で森中委員が現地参加されました。  また、派遣期間は、九月二十八日以降五日間でありまして、山口、福岡、長崎、熊本各県所在の運輸省、国鉄地方機関等の管内事情を聴取し、港湾、空港施設、海員学校、三菱重工長崎造船所及び熊本交通センター等の実情を視察調査してまいりましたので、これらの調査事項のうち、主要な点について御報告申し上げます。  まず、海運行政について申し上げます。  九州海運局における旅客定期航路事業については、管内航路の七〇%が離島航路により占められておりますが、現在、離島航路改善策の一環として、主要航路について就航船舶の大型化、高速化及びフェリー化を推進しております。あわせて建造資金の調達、離島各港湾施設の整備を強力に推進する必要があるとのことでございました。  また、内航海運については、近年の石炭産業の斜陽化にもかかわらず、鉄鋼をはじめとする輸送量は全般的な需要の増加により着実な伸びを示しておりましたが、四十五年度後半以降の景気の後退を反映して全般的に輸送量は鈍化傾向をたどり、本年度に入ってからも依然として回復せず、船舶の過剰化、事業規模縮小等の現象が発生しつつあるため、内航海運不況対策として共同係船融資等の措置を検討する必要があるとのことでございました。  また、私どもが訪れた三菱重工長崎造船所におきましては、世界でも届指の大型最新の造船施設と年間百万重量トンの新造能力等を保有しておりますが、造船部門の大型化については、四十年に三十万重量トン型ドック二基を完成したのに引き続いて、タンカーの二分割建造体制を確立するなど、建造能力の大幅な強化と合理化を進めております。  現在、さらに将来の船舶の大型化に対応して、香焼地区に超大型船用の百万トン型ドックを建設しているほか、大型修繕ドックの建設を進めております。しかしながら、当造船所の建造実績は輸出船が多く、このため、今回の円切り上げ問題の趨勢いかんによっては相当の影響を受けるおそれがあるとのことでございました。  なお、長崎県から離島航路に対する補助基準の緩和及び長崎−五島間のホーバクラフトの就航促進について要望がありました。  第二に、海上保安業務について申し上げます。  第七管区海上保安本部においては、四十五年中に発生した海難事故は、船位不確認、水路調査不十分等に起因する乗り揚げ事故の多発などにより、前年と比較して相当増加しており、特に狭水道で海上交通がふくそうしている関門港で最も多く発生しております。  このような海難の発生に備え、かつ巡視船艇の効率的運用をはかるため、管内を五ブロックに分けて、常時五隻以上の船艇によるパトロールを実施するなどの救難即応体制をとっておるとのことであります。  また、昨年十二月に海洋汚染防止法等公害関係法令が制定されたことに伴い、海の公害事犯に対しては、今後、さらに必要な器材を整備するなど海洋汚染防止業務体制を強化して、厳重な監視取り締まりを行なうこととしておりますが、取り締まりの効果を高めるためには航空機の配属がぜひ必要であるとのことでございました。  なお、北九州港管理組合の説明によると、洞海湾の汚染による公害が昨年四月ごろから問題となってきたため、学識経験者等よりなる洞海湾浄化対策研究会を設置して基本的な現況調査等を開始するとともに、関係機関と緊密な連絡をとり、水質汚濁の監視、予防、公害除去等港湾の環境整備につとめておりますが、さらに四十七年度から港湾整備事業の一環として汚泥しゅんせつを実施したいとのことでございました。  第三に、港湾整備について申し上げます。  第四港湾建設局における港湾整備事業は、本年度を初年度とする五カ年計画に基づいて実施されております。  私どもは、周防灘総合開発計画の構想について説明を聴取したほか、北九州、博多及び長崎港を視察いたしましたので、以下その概要を申しますと、  まず、周防灘総合開発計画は、山口、福岡、大分三県にまたがる地域を対象として、総合開発上その地域が有する立地上のすぐれた諸条件を踏まえて鉄鋼、石油コンビナートを中心とした総合工業地帯を形成するとともに、高速道路、国鉄新幹線等と有機的な連携をはかりつつ大規模な流通基地等を整備しようとするもので、現在このための調査が進められております。  また、北九州港については、背後圏の産業の成長に伴い五十年の取り扱い貨物量を一億三千五百万トンと推定し、これに即応した港湾施設として、太刀の浦にライナー基地、新門司にフェリー基地などを整備するほか、響灘等の工業用地造成に着工しております。  博多港については、背後地の福岡市を中心とした九州地域の大規模流通拠点港湾として、箱崎地区に外・内貿施設、フェリー基地等の整備を進めております。  また、長崎港については、最近の国際貿易の活発化と内外観光船の増加等に対処して、小倉柳地区等に外・内貿施設等の整備を進めております。  なお、長崎県から長崎港第二次外港計画の整備促進について、熊本県から熊本市に新港を整備することについて、要望がありました。  第四に、空港整備について申し上げます。  まず、小倉空港は、滑走路千五百メートルを有し、NDB等の航空保安施設を完備しております。しかしながら、当空港は、三方を山に囲まれ、一方が海に面しており、また裏日本的な気象の影響が強いため、最低気象条件が他の空港と比較して非常に高く、年間平均就航率が低くなっておりましたが、最近の飛行実験の結果、航行の安全性を確認されるに至りましたので、ミドルマーカー等の保安施設の整備を推進して就航率の向上につとめたいとのことであります。  なお、これと関連して、北九州市等地元関係者から滑走路延長工事の早期着工促進について要望がありました。  次に、米軍により設置管理されている板付飛行場は、民間航空との共用飛行場となっておりますが、旅客数は年を追って著しい増加を示し、四十五年においては民間空港としての利用客数が東京、大阪に次ぐ地位を占めております。同空港は、昨年末における日米安保協議委員会の共同声明に基づき、本年七月から航空管制を含む運営業務がわが国へ移管され、四十七年四月からは管理運営権が全面的に移管されることになりましたが、現在空港敷地内の土地所有者との賃借契約等移管に伴う事務処理を進めているとのことであります。  次に、新熊本空港は、二千五百メートルの滑走路、ILS等の航空保安施設を備えたわが国第二種空港のうち最も新しく整備された空港として本年四月開港され、同時にジェット機が就航するなど、旧空港に比し面目を一新することとなりました。同空港について、熊本県から、空港供用時間の延長、空港拡張部分の買い取り、空港監視レーダーの設置及び熊本と九州各空港間の航空路開設等についての陳情がありました。  なお、長崎県から、新大村空港及び離島空港の整備促進について要望がありました。  第五に、陸運行政について申し上げます。  福岡市及び北九州市を中心とする北部九州圏は、他の大都市圏におけると同様に、都市交通問題が大きな課題となっております。本年三月、これについて都市交通審議会から「福岡市及び北九州市を中心とする旅客輸送力の整備に関する基本計画について」の答申が行なわれましたが、同答申に示された地下高速鉄道の新設等に関する諸問題を検討するため、地元関係者による協議会が設けられることとなっております。  また、福岡陸運局管内における指定過疎地域は全国で最も多く、これらの地域におけるバス事業の交通確保は当面の急務となっております。このため、従来から国によるバス運行確保のための補助金交付などの助成措置が講ぜられておりますが、今後、各県に、国、地方公共団体、事業者等関係者による過疎バス対策協議会を設立して、各路線ごとの実情に対応した運行維持対策を確立することが必要であるとのことでございました。  なお、この点について、長崎県から、離島辺地等乗り合いバスに対する補助金の増加と補助基準の緩和について要望がありました。  次に、熊本交通センターの運営状況についてつけ加えますと、同社は、四十四年三月に事業開始を行ない、現在、熊本市営バスを含めて十社がターミナルを利用しているほか、貸し店舗、ホテル、駐車場等付帯事業を行なっておりますが、四十五年度収支は赤字額を計上しており、今後なお一そうの増収と合理化をはかる必要があるとのことでございました。  第六に、国鉄の運営状況について申し上げます。  九州総局管内における最近五年間の旅客輸送量は横ばい、貨物輸送量は漸減傾向を示しておりますが、客貨収入の合計では若干増加しつつあります。しかし、経営成績について見ると、経営費の圧迫等を反映して赤字を示しており、このような経営状態を改善するため、輸送の改善、業務運営体制の近代化等を中心とした合理化諸施策をさらに積極的に推進することとしたいとのことでございました。  また、長崎線の現状から見て博多−長崎間の新幹線についても建設促進をはかられたいとの要望がありました。  なお、熊本鉄道管理局及び熊本県から、九州新幹線福岡−鹿児島間の早期建設促進について、長崎県から、博多−長崎間の新幹線建設促進について、福岡県国鉄整備促進期成会から、山陽新幹線岡山−博多間の早期完成、筑肥線、日田彦山線の複線電化促進について、それぞれ強い要望がありました。  次に、下関工事局における山陽新幹線工事は、昭和五十年三月を開業予定の目標として、すでに新関門トンネルを中心に着工しております。  このトンネルは、新下関から北九州市小倉区に至る延長十八・六キロメートルで、わが国第一位、世界第二〇位の規模を有するものでありますが、地質が軟弱で施工の困難な区間を含んでおり、山陽新幹線全体の工期を限定することとなるため、海底を安全に掘さくするための新工法を採用するなど工期の短縮につとめているほか、側道、つけかえ道路工事など地元関係者等と協議すべき問題点を早急に解決して工事の一そうの促進をはかりたいとのことでありました。  次に、日本鉄道建設公団下関支社の説明によると、油須原線建設工事は、三十九年度着工以来、すでに漆生−豊前川崎間の開業を見ており、油須原まで十キロメートル余の工事区間を残しているが、今後鋭意工事を推進してまいりたいとのことでありました。  なお、地元福岡県国鉄整備促進期成会から、油須原線第二大任−油須原間の建設促進について、また熊本県から、高千穂線高森−高千穂間の早期完成について、それぞれ要望がありました。  最後に、今回調査した各県所在の運輸省地方機関より、第二次定員削減計画の実施にあたっては現場機関の実情を十分配慮して運用されたいとの要望がありましたほか、福岡管区気象台より、予報官の増員、離島官署における医療施設の充実及び火山観測体制の整備について、長崎海洋気象台より、地域観測網の整備、海上気象観測と予報の充実化並びに観測船の近代化について、門司海員学校より、実習室、プールの新設整備と航海練習船の建造等について、それぞれ要望がありました。  なお、現地で受領いたしました各資料は、調査室に保管させてありますので、念のため申し添えておきます。  以上御報告を終わります。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 御苦労さまでした。  以上で派遣委員の報告を終わります。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。  御質疑のある方は順次御発言を願います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、ただいま調査団の報告がありました報告に関連いたしまして、三つの部面について質問いたします。一つは小倉空港関係、第二は板付空港関係、第三はバスターミナル関係であります。  まず、小倉空港関係から質問いたします。いま報告にもありましたように、小倉空港はその背後に人口二百万をかかえた北九州百万都市の空港であります。しかるに、代表的な欠陥空港の一つにあげられております。どういう理由で欠陥空港の一つにあげられておるのか、御説明を願います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 小倉空港でございますが、代表的な欠陥空港という御指摘はたいへんおそれいるわけでございますけれども、この空港は元来昭和十九年に陸軍の戦闘機用の基地としてつくられた飛行場でございまして、その飛行場、それを終戦後引き継ぎまして民航に充当しておるということでございます。したがいまして、立地条件から申しますと、その後大型化してまいりました民間の航空機上、必ずしも適切ではないという面があるかと思います。先ほど鬼丸先生から御説明になりましたように、地形的に見ましても、三方を山に囲まれております。それに加えまして気象条件が、裏日本的な、非常に不安定な気象条件でございまして、そのために勢い、ミニマムを高くせざるを得ない、したがって運航率が低くならざるを得ないというようなことが、いま先生御指摘ございました小倉空港の欠点であろうかと存じます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 欠航率が多くて当てにならない飛行場ということで、地元の者もたいへん困るのでありますが、この就航率は現在どのくらいであるか、これを就航率を上げるために国としてはどういう措置をとられようとしておるのか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) ただいまの就航率は、大体年間の平均をとりまして八四、五%前後でございます。さらに、梅雨期のように気象条件の悪いときは二〇%程度に欠航がのぼる場合もございます。そこで、私どもといたしましても、こういうふうな欠航率を早くなくしたい、運航率を高めたいというふうに思いまして、四十六年度、つまり今年度でございますが、今年度、ILSのローカライザーと申しまして、これはILSの進入角度ではございません、進入方向を一つのビームでもって示す、そういうものをつけ足し、さらにそのほかにNDB——進入角指示灯というようなものも設けまして、それによって少しでも運航率を高めたいというふうに考えております。おそらく、これができますと、大体一〇%程度は運航率が上昇するのではないかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その施設が完成するのはいつですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 今年度中に完成する予定でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 次に、報告にもありましたように、現在千五百メーターの滑走路を、せめて二千メーターに早急に延長してもらいたい。そうして、全日空が現在飛んでおりますが、これはジェット機ではございません。全日空もプロペラ機を近く廃止するのではないかという話など伝わりまして、たいへん心配いたしておりますが、滑走路の延長を、先般空港で説明を受けたところによりますと四十八年度以降情勢を見てという御答弁でございました。滑走路延長など、ジェット機の就航に関する整備拡充についてはどのような計画でございますか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 確かに、小倉空港は背後に百万人にのぼる人口をかかえておられまして、したがいまして、その需要から見れば当然これはジェット化をしたいというふうなところでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、地形的に非常に困難な面がございますので、まず安全についてのいろいろな無線施設その他の保安施設をまず完備いたしまして、その後さらに工事の点その他を勘案いたしまして、二千メーターに延ばすかどうかということをさらに検討したいというのが現在の考え方でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 先般調査のときに、北九州並びに運輸省の出先機関の報告によりますと、昭和五十年の新幹線の竣工までにモノレールを小倉駅から団地を経由して空港まで敷くという計画もあるようであります。現在の乗降人員は約年間二十五、六万でありますが、これではモノレールを多額の金をかけて敷くだけの値打ちはないのではないかという気もいたしますし、いまの局長の話では滑走路の延長はまだ未定のようでありますが、これをどうしようとされておるのか。いま局長は百万都市と言われましたけれども、北九州だけで百十万、あの筑上郡豊前地区を加えますと約倍で二百万ですね。二百万の人口のどまん中の飛行場です。しかも政令都市の中心にある飛行場、モノレール計画まである飛行場がいまのような情勢では、何ともならぬのです。いま昭和四十六年度ですから、あと四年しかございません。したがって、この空港計画について先般第四港湾建設局の局長に聞きますと、周防灘計画が進めばその中に国際空港の計画もありますという青写真を見してもらいました。それまで待てないんですよ、周防灘計画というのはこれから十年、二十年将来の計画でありますから。したがって、いまの小倉空港が三方山に囲まれている、しかも気象条件も悪いのでありますが、視界の最低条件も三千二百メーターで、非常に悪い。どうしても拡張しなければならぬのですが、海の中につくるとか、それを中心に周防灘計画をつくるとかしなければ、せっかく新幹線が行きましても、ちょうど北部九州の玄関になる都市の空港としてはいまのままでは役に立ちません。これに対する国の計画をお伺いしたいんです。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 先ほどの北九州のモノレール計画というふうなこと、これも私ども仄聞はしておりますけれども、必ずしもその具体的内容についてはつまびらかではございません。それから、響灘とかあるいは周防灘における海上の新空港というような希望が地元側におありになるというふうなことも聞いております。あるいは、いろんな御調査もなすっておるというふうなことも聞いてはおります。しかし、いずれも、現段階におきましては、はっきりしたものとして新空港をつくるという計画は私ども持っておりません。したがいまして、やはり現段階においては小倉というものを使いまして北九州方面の航空輸送をこなしていくというふうなことが一番具体的な考え方であろうというふうに考えます。ただそこで、先ほど申し上げましたように、需要等から考えますれば当然これをジェット化していかなければいかぬと思っておりますけれども、地形的な問題その他ございますので、これについては相当技術的な問題もございます。事やはり航空の安全に関する問題でございますから、この辺はよく検討いたしまして、できることならばそういうふうに進めたいということでございますから、もう少し検討さしていただきたいと、こういうふうに考えております。   〔委員長退席、理事鬼丸勝之君着席〕

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 第二次空港整備五ヵ年計画ではどうなっておるかということを聞いておるんです。予算の面でですね。それから、五ヵ年計画を三ヵ年に繰り上げるということが八月五日の閣議できまっております。五ヵ年計画では七億六千万でありますが、これが四十六年に施設をつくりましても金が残りますが、したがって、この五ヵ年計画を三ヵ年に繰り上げるとするなら、滑走路計画や誘導路計画はもう具体的にやらなきゃならぬと思うんですが、どうも航空局長少し小倉空港というものを軽視しておられるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 第二次空港整備五ヵ年計画におきましては、先ほど申し上げましたILSのローカライザーのほかに、VOR、DME、それから航空路監視レーダー、二次レーダー、こういったものを新設いたします。それからまた、照明施設といたしまして、エプロンの増設に伴います夜間の照明施設、こういうふうなものをつくりたいというふうに考えております。それから、五ヵ年計画の予算案といたしましては、全体で約十一億くらいを予定しております。そこで、三ヵ年に繰り上げていたすというふうなものは、航空保安施設のVOR、DMEというものについては急遽三ヵ年に繰り上げてやろうという計画でございまして、小倉についてはその辺は同様にいたしたいと、そこで四十七年度におきましてはVOR、DMEについて約二億円の予算を計上してまいりたいという考え方でおります。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 二千メーターに滑走路を延長するということも不可能ではないのですね。延長いたしますと、ただジェット機が入りますと、市民感情としてはどうかと思いますが、いろいろてんびんにかけてみまして、いまのままじゃ何ともならぬのですね。  したがって、滑走路の延長についてはもう少し具体的に検討していただきたいと思いますが、いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) なお、その新しい第二次五ヵ年計画、この全体の額につきましては、五ヵ年間で五千六百億というふうにきまっておりますけれども、その具体的な内容、個々の空港をどうするかということについてはまだはっきりきまっておりませんで、これから航空審議会にかけましていろいろ御審議を願おうと思っておりますので、その際その中で小倉空港につきましてもいろいろ御意見を承ってさらに詰めてまいりたいと、こういうふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その審議会は、いつ開かれまして、結論はいつごろ出るんでしょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) これは先般諮問したばかしでございます。それで、大体今年度一ぱいくらいで結論を出していただきたいというふうに期待しておるわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 局長のところにはまだ市の陳情なんかもよく届いておらぬようでありますから、市からも、県からの事情もよく聞いて、審議会で滑走路の延長など具体的に早く結論が出ますように期待をいたしまして、次の質問に入りますが、現在われわれが使う飛行機は、大阪−小倉間、全日空であります。その他東亜国内航空が松山空港−板付を一便しか動いておりませんが、空港の整備と相まちまして路線網整備増強を考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。特に九州圏ですね、たとえば小倉から宮崎、小倉かち鹿児島、小倉から長崎、小倉から熊本という路線もございます。そういう要望もございますが、せめて九州圏内の路線網の整備拡充を考えてもらいたいと思いますが、いかがでしょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) ただいま先生がおっしゃいましたように、現在の小倉空港については、大阪−小倉間が一日七便、それから松山−小倉−板付間、これが一日一往復、これだけでございます。したがいまして、いわゆる九州圏内と申しますか、九州循環と申しますか、そういった路線が必要であるという御事情は、よく私どももお気持ちはわかるのでございます。これは、先般、私、九州へ参りました際におきましても、あるいは熊本とか、あるいは大分とか、そういったようなところからも、やはり九州内の航空の交通ということをぜひ必要であるというふうなお声は承ったわけでございます。そこで、私どもといたしましても、その辺は非常に必要であると存じますけれども、ただ航空の性格上、あまり距離の短いところは、これは航空としてなかなかペイしないという点もございますので、その辺の事情等も考えまして、結局これは航空会社の問題にもなってまいりますので、輸送需要の動向、あるいは航空企業の供給力がどうであるか、あるいは基盤がどうであるかというふうなことも考えながら、やはりその辺は前向きに進めてまいりたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在の小倉空港の処理能力はどのくらいですか。いまおっしゃったように、わずかな便しか動いておらぬのですけれども、あとは小さい新聞社の飛行機とか、あるいは民間の練習機が飛んでいるくらいなんですが、もったいない点もありますが、どのくらいでしょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 現在、小倉空港の処理能力というのは、手元に持っておりませんが、現在の離発着回数が、昭和四十五年で一万八千回でありますから、これから申しますと、処理能力はまだまだあるというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから、東亜国内航空が南のほうの便を、昔あったようでありますけれども、いま休航しておる。したがって、安全でなければ、どの飛行機も飛んでもらっちゃ困るわけですが、安全に各施設が完備しましたら、着陸も楽になりましょうし、早急にせめてこの九州管内だけでも——一番望ましいのは東京までの直行便ですね。直行便はしかしジェットでないと時間がかかりますからなかなか困難でしょうが、もう一回、この路線網の拡充について局長の見解を聞いておきたい。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 会社側の事情も種々あるかと思いますけれども、やはり需要者側としての立場からの先生の御意見よくわかります。私といたしましても、なるべく御期待に沿えるように航空会社に対して要望いたしたいというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それから小倉空港の名前でございますが、これは昔の小倉市でございまして、いまは市の中の一区になっております。小倉空港ではちょっとお粗末ですから、この際北九州空港と改名するにはどういう手続が必要でしょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 空港の名称は、空港整備法の政令別表できまっておりますので、告示によって変更が可能でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、北九州空港への改名について地元市の要求もありますが、御高配いただけますか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 研究さしていただきたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 なるべくひとつできますように、また、この委員会の質問ではありますけれども、市の決議など必要であれば、市や県の決議もいたしまして陳情いたすと思います。したがって、できますように御高配を願います。  次は、板付空港について質問いたします。  板付空港は、いま報告がありましたように、日米安保協議委員会の共同声明に基づきまして、その管理運営がわが国に移管される予定でありますが、そのスケジュールについて御説明を願いたいと思います。  なお、これが完全移管されたときの受け入れ態勢については、運輸省として十分整っておるのかどうか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 板付空港でございますが、これは昨年の暮れの日米の共同声明によりまして、本年の六月二十四日、日米合同委員会においてわが国への移管が正式に合意されたわけでございます。これによりまして、本年の七月以降、航空交通管制等の保安業務を日本側において実施することになっております。  そこで、板付空港におきます航空交通管制業務はすでに引き継いでおるわけでございます。それからそのほかに、さらに明年四月一日までには、本飛行場の運営事項に関して一切の責任を引き継ぐというふうなスケジュールで進めております。  そこで一番の問題は、空港用地の使用の問題でございます。そこで、これを航空法上のいわゆる航空局の所管いたします空港にいたしますためには、やはりその土地の使用権限というものを取得いたしまして、それによって、民間公共用飛行場としての告示をいたさなければなりません。そのために、まずどうしてもその空港用地の使用権というものが必要でございます。そこで、現在は防衛施設庁との間の契約でもって土地を使用しておるわけでございますが、これが今後私ども引き継ぐことになりますと、私どもとの間に賃貸借契約を結ぶということでございます。そこで、全体で板付空港の敷地は約百万坪ぐらいございますが、この中の約四十万坪というものが民有地でございます。そういった民有地の方々、これは三百何人かの方々と契約いたしますけれども、そういった方々と契約についてお話し合いを目下鋭意しておる段階でございます。この契約ができますと、それによりまして、公共用飛行場の告示等をいたしまして、民間公共用空港として供与を開始してまいるというふうな段取りを予定しております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの用地問題でございますが、四十六年度の賃借料について、まだ決定がされていないようでございますが、いつごろまでにどのような方法で解決がはかられるのか、その見通しについてお伺いをいたします。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 四十六年度の賃貸借契約は、まず前半はやはり防衛施設庁との関係、後半においてこちらが引き継ぐ段階におきまして、こちらとの関係になるわけでございまして、現在防衛施設庁との間に話し合いが進められておるわけでございますが、同時に、私どもも並行いたしまして種々地元の方々との話し合いも進めております。それで、希望的観測かもしれませんが、できれば十一月一ぱいあるいは年内くらいには何とかめどをつけたいと思っておりますが、見通しはそう暗くないのではないかというふうに感じております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 防衛施設庁に質問いたします。  いまの用地問題の見通し、それから若干米軍のキャンプが、事務所でございますね、残るようでございますが、これの返還はいつごろになりましょう。これが返還をされますと、三号線沿いに空港にりっぱな出入り口ができましてもっと拡張できるのでありますが、その見通しについて伺いたいと思います。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) 前半の御質問の賃借料の交渉でございますが、これは先ほども航空局長からもお話しがございましたように、まだ今年度分の借料の交渉が実は終わっていないわけでございます。それで、いま地元の方たち四百五十名前後——約四百五十四名でございますが、私どもの現地の局が中心になりまして、かつ、運輸省の方々とも御相談をいたしまして話を進めている状況でございます。いろいろ地元からの条件もござい資して難航いたしておるわけでございますが、先ほど局長からのお話もございましたように、何とか今年じゅうには話し合いをつけられるのではなかろうかというふうに考えております。  それからこれは来年、移管後になりましても、西部地区のほうに、やはりある程度米軍が専用する施設が残りますのと、それから、自衛隊が従来も使わしてもらっておりました程度の規模で自衛隊がある程度使いますので、この分については、また施設庁のほうからも借料を払わなければなりません。この点との関係もありまして、来年度以降の問題についても、私どもも顔を出さしていただきまして、運輸省と相談をして話し合いをしております。  それから、米軍の専用区域の返還の見通しというお話でございますが、これは昨年の十二月の日米安保協議委員会で発表いたしましたときに説明されておりますように、米軍が飛行活動を極端に圧縮いたしまして、したがって、施設も極度に小さくして、ごく限られた範囲でのあの地区の米軍に対する支援活動ということにとどめるわけでございまして、現在すでにそういう形になっておるわけでございます。したがって、これがさらに全部日本側に返還されるというようなことはちょっと見通しが立たない状態でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 二つ問題があります。  一つは、自衛隊が使っているから、自衛隊も使わしてもらわなければなりませんという話でありますが、その話はどういうふうにやっておられますか。私どもは、あれは将来国際空港として、純粋な民間空港として使えるものと理解しておりますが、自衛隊と同居する、それは防衛庁だけできめてやるのですか。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) これは米軍の専用時代から、実は地位協定の三条の管理権に基づきまして、きわめて小規模な形で使わしてもらっていたわけでございます。こういう形で、今後も、あそこに西部方面航空隊というのがございますので、そこの支援活動のためにはどうしても必要でございます。ただ、先生御指摘のように、民間航空計画との間でやはり十分調整しなければなりませんので、できるだけそういう方面にじゃまにならないような形で、たとえばすみのほうにとか、そういうような形で、いま運輸省の方々と調整をさしていただいておる段階でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 航空局長に質問しますが、いまの問題、地元の者も私どももそれは反対なんですね。米軍がおるときに自衛隊が使わせてもらっておったのだから、米軍はもう去ったけれども、あとあの板付飛行場を自衛隊にも使わせてもらいたいというのは地元の者も反対なんですけれども、どうなんですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) まあ、地元の御要望もあるかと存じますけれども、板付の飛行場につきましては、民間航空用として運輸省が管理するということについてはいずれも異存ないわけでございますけれども、ただ、その運輸省が管理する中において、一部をやはり自衛隊のほうにも使わせてほしいという話がございました。これにつきましては、先方の御事情もございますので、これは、その一部について共同使用を認めるというふうな方向でおります。ただ、これにつきましては、やはりいま施設庁のほうからお話ございましたように、本来やはり民間空港として使うものでございますから、その民間空港としての使用に差しつかえのないような方向でもって使わせていただきたいということで、いまお話しのようにいろいろ折衝している状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私は、熊本空港を見に行きましてもそのことを一番に感じたのですけれども、民間空港がりっぱにできました。同時に、これは自衛隊が隣り同士で使っておりまして、民間航空が少ない場合はそれでいいでしょう。ただ、自衛隊というのは——もちろん国土防衛ではありますけれども、全然任務が違うわけでしょう、民間空港と自衛隊の航空基地というものは。航空基地ですね、これは言うならば。使わせようというのは航空基地です。運輸省が管理しなければならぬ民間空港を、防衛庁さんがおっしゃるから使わせなければならぬでしょうというような、そういうことでおきめになってよろしいのでしょうか。手続上はどうでしょうね。防衛施設庁と運輸省とで話し合って、じゃよろしく、それだけで済む問題でしょうか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 御質問の御趣旨もさることでございますけれども、この板付を使用したいという自衛隊は別に戦闘基地としてではございませんで、西部方面航空隊と申す隊の支援班が物資輸送とかあるいは連絡用というような目的で共同使用したい、こういうお申し入れでございまして、そういったことであれば、この民間空港としての板付の民間航空につきましてもそう支障はないというふうに考えられますので、私どもといたしましても了承しているところでございます。なお、先生御指摘のように、今後民間航空が非常に多くなってまいり、そのために支障が生ずるというふうな場合には、またお考えいただかなければならないというふうに考えます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 一々飛行機の荷をチェックするわけにはまいらぬでしょうし——防衛庁のですよ。自衛隊の飛行機を——いま使用目的なりおっしゃいましたけれども、基地は外からわかるでしょうけれども、中に入ったものはよくわからぬでしょう。だから使用目的はこうですから、民間空港はわれわれの管轄であるからやむを得ぬでしょうというようなことで、民間航空機と航空自衛隊とが共同使用するということについては、私どもはそれは反対です。もう少し、これは国会の議決とか、あるいは防衛施設庁の制度上の法律できめるとか、いろいろしなければなりませんが、もうそれは話は済んだんでしょうか、これからでしょうか。これからであるならば、御決定を待ってもらいたいと思いますが、いかがですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 政府部内の話といたしましては済んでおるというふうに考えております。   〔理事鬼丸勝之君退席、委員長着席〕

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現在もうそういう方向で使っておるのですか、あの施設というものは。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) 現在も使っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 この問題は少し次元が、ほかのほうにも関係がありますから、これは保留いたします。民間航空基地を共同使用する問題は、ちょっと私も勉強しなければなりませんから、この問題は保留いたします。したがって、もしまだ決定がないなら、その取りきめとか——防衛庁と運輸省との取りきめがないなら、それは待ってもらいたい、取りきめを待ってもらいたい。  いかがでしょうか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 私どもといたしましては、先ほど申し上げたように、一応こういうふうにきまっておるわけでございますから、なお先生の御意見は承っておきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いや、意見を承ってでもしようがないのですけれども。これからですから返還は。最終的には本年度三月末ですから。いまいろいろ返還のための話し合いがあがっておりますから、もう協定いたしましたではもうあとの祭りになります。その協定——防衛庁と運輸省との共同使用の協定が文書であるならばそれを出していただきたい。ないならば待っていただきたい。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 文書による協定はございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、現在はまあ共同使用しているようでありますから——これは私も聞きました。ただし、あと文書協定なりいろいろありましょうから、便宜供与とか、あるいは要員の配置とか、管制塔の問題とかいろいろありましょうから、その問題を協定する前に、私もう一回問題にいたしますから、その問題にするまで協定の締結は待っていただきたい。よろしゅうございますか。両方とも御答弁願います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) よろしゅうございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 防衛庁いいですね。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) よろしゅうございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、次の問題に入ります。  いまの点に続きまして、板付空港は、国際線として将来活躍させなければなりませんが、現在の板付空港の処理能力、それから将来国際線としての見通し、これに対する空港整備の方針、特に第二次空港整備五ヵ年計画ではどうなっているか、予算の問題なり今後の方向についてお話願います。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 板付の処理能力でございますが、それも正確なきちっとしたものではございませんが、大体年間約十三万回ぐらいではないかと思います。そこで、四十五年が四万六千回でございますから、それから申しますと、処理能力というものはまだ十分にあると考えております。  そこで、五ヵ年計画との関連でございますが、先ほど申し上げましたように、五ヵ年計画もまだ詳細きちっと詰まったものではございませんけれども、現段階においての考え方は、その五ヵ年計画として約七十億前後というものを考えておるわけでございます。そして、その内容といたしましては、滑走路あるいはエプロンといったような誘導路、そういったようなものの整備あるいは増強とかというようなことと、あるいはILSその他のASRの整備というようなことが考えられております。  それからもう一つの御指摘の点は、国際線の問題であったかと存じますけれども、これにつきましては、現在国際線は、板付におきまして権利を持っておりますのは、英国と韓国それから中華民国、この三つの国でございます。そこで、現実に行なっておりますのは、韓国の大韓航空が週六便、それから、これは英国−香港でございますがキャセイ航空というのが週に三便ございます。それから、日本航空が板付から週十一便の国際線で運航を行なっておるわけであります。したがいまして、総計いたしますと、大体週に二十便というのが板付の現在の国際線の数です。ただ、これが沖繩が返還になりますと、現在沖繩は国際線と考えておりますが、これが国内線になってまいりますので、その段階において、ほかの事情が変わらなければ大体週十五便程度というのが国際線の状況でございます。それから、これを一種空港にするか、二種空港にするかという問題がございます。そこで、空港整備法によって一種、二種きまっておるわけでございますけれども、一種空港と申しますのは「国際航空路線に必要な飛行場であって政令で定めるもの」となっています。新東京国際空港及びそういうものでございますが、したがいまして、現在一種空港となっておりますものは、新東京国際空港を除けば羽田とそれから大阪と、この二ヵ所でございます。そこで、この現在の便数をとりますと、羽田の場合が大体五百便弱——四百九十便前後でございます。それから、大阪の場合が二百便ちょっとでございます。それから比べますと、やはり国際線の数というものはそれほど多くはないので、これを一挙に一種空港とするかどうかについては、なお検討の余地があるというふうに私ども考えております。したがいまして、私どもといたしましては、さしあたり二種空港としてこれを整備してまいりたい。自後、国際空港路線の乗り入れ数というふうなものの状況も勘案いたしまして、将来また考えていきたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その一種にするか、あるいは二種でそのままおくかという話は、いつどういうところできまるかということと、中国との関係も密接になりましょうし、一番アジア大陸に近い飛行場ですから、そういう面も考えなければなりませんが、私どもの願いは、一種空港に早急にしてもらいたい、そういう整備計画をしてもらいたいということでありますが、この点について、審議会の委員にはかるなり、あるいは運輸省当局として考えてもらうなりしてもらいたいわけですが、どうですか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 一種にするかどうするかという問題でございますが、これにつきましては、政令できめるわけでございますから、これは運輸省といたしまして案をつくり、政令でもってきめるというふうな段階になると思います。そこで、これにつきまして、まあ、今後中国の状況等あるいは国際情勢が変わってくるかどうかわかりませんけれども、そういったことに準じまして、客観情勢をよく考えまして、その線に沿った方向で進めてまいりたいというふうに考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 中国との問題は、熊本空港も必要がありますから、あまりここでは申し上げないことにいたしましょう。ただ、これはもう一種の日本の玄関ですから、一つうんと力を入れていただくということです。——施設庁はせっかくおいで願っておるのですから、もう少し前に出てください、大事なことですから。  それから、さっき質問しましたアメリカのキャンプが当分残るということですが、米軍は引き揚げたのにどうしてあそこに事務所だけ残らなければならないか。あそこのアメリカの事務所が撤去いたしますと、板付空港はりっぱな国際空港になる、三号線のところに出口ができますから。いつ撤去するのでしょう。また、早くどこかにまとまってもらいたいのです。何もあそこに、飛行場のところに、飛行隊がおらぬのに置く必要はないと思いますが、いかがですか。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) あそこのキャンプ地区に残ります米軍の施設というものは、必ずしも事務所という限られたものではございませんで、まあ、連絡機のようなものが少々あそこに飛来してまいりますので、それの絡納庫とか、そういったようなことと、それからもう一つは、従来からやはり通信施設があの一角にございます。そういうものが残ってまいりますので、現在としては必要最小限の施設であるというふうに考えられます。したがいまして、それが今後いつ返還されるかということになりますと、ちょっと当面、そういうことは期待できないのではなかろうかと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その連絡機の飛来とか通信施設は、いままで空軍に関する通信施設が主体だと思うのでございますけれども、何か取りきめがございますか。何か取りきめがあったら出していただきたいと思います。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) いま取りきめというものがあるかどうか覚えておりませんが、従来からそういう活動をしてきた施設でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 だから、従来はそうだったでしょう。ところが、昨年の十二月一日に日米安保協議委員会の共同声明で、日本に移管するということですから、完全移管のためにいまいろいろ心配しているのですから、そういうことでなければまた当分残りましょう。だから、その残すという取りきめがどこにあるのか、ないのに残すことはないでしょう。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) 昨年の日米安保協議委員会での声明によりますと、主として同地域内の他の米軍施設に対する支援を内容とする米軍の運行上の必要を満たすため本飛行場のしかるべき共同使用の取りきめを行う、こういうことになっております。したがいまして、あそこの飛行場としての機能はたいへん小さいものになりますけれども、あそこの施設そのものが九州一円の米軍に対する支援的な様相——任務というものを持っておるわけでございまして、全然必要なくなったというような性格のものではないように思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それは、板付の飛行場、空港が米軍の支援施設と考えるのか、あるいは米軍はもう去ったけれども、建屋が米軍全体の支援施設と考えるのか、どっちですか、いまのその条項は。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) いわゆる部隊と称されるような規模のものはもちろんいないようでございます。ただ、全然入間がいないというようなことではないようでございまして、限られた建物と、それからごく少数の人間がいるようでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 だから、ようでございますじゃなくて、あなた当事者でしょう、調べてもらわなければ困りますよ、もっと具体的に、何の目的でどういう建屋があるかということは。いままでは米軍がちゃんと板付を管轄していまして、あそこから発進していたから必要でしょう。宿舎も必要でしょうし、事務所も必要でしょう。あるいは通信施設も必要でしょう。もう米軍は撤去したのですから、そのあとにどうしてあんな建屋がいるのでしょう。何人かいますといったって、それは家があるのですから、あそこに何人かの人間はいるでしょう。そんな人は適当なところにまたまとまってもらってもいいじゃないかと思うわけですよ。そうすれば、あそこにりっぱな国際空港としての余地が残るのですから。それがぽつんぽつんと残っていては困るでしょう。だから、そういうものは、あなた方が、日本の政府の役人として、やはりなるべく日本の国民が十分に民間飛行場として使えるようにしなければならぬと思うならば、向こうの役目は終わったのだから、ここは出てもらおうということを前向きに検討されるのが当然じゃないでしょうか。私が質問したからいまいろいろ検討しておられるようですけれども、そんなんじゃなくて、平常、もう来年三月には全部あれは移管されるのだから、この米軍の施設——通信施設であれば雁ノ巣にもありますから、そういうところに一緒になっていただくとか、その他ほかにもちゃんとしたキャンプがありますからそこに住んでもらうとか、いろいろできましょう。米空軍に関係がない人がおるかもしれぬ、あるいは通信施設だって何もあそこにある必要はないでしょう。したがって、もうこの際、これは日本に返ったのだから、日本の国際空港としてりっぱなものをつくってやろうという、そういう立場でものごとを見ていただくのが日本政府の役人としては正しいのじゃないでしょうか。もう一回御見解を伺いたい。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) いまの先生のお話しの内容十分わかるのでございます。また、地域の方々の気持ち等との関連も考えますとよく理解できるわけでございますが、ただ、いままでは全面的に使っておりましたものが、ようやく安保協議委員会におきまして、活動を極端に縮小した形でともかく共同使用していきたいという声明になっております。したがいまして、板付基地が完全に民間航空の利用を第一義的にする飛行場になるということではありますけれども、しかし、あの近辺にあります米軍の部隊に対する支援活動ということも、これまた避けられない最小限の業務でございますので、そういう限度内での機能を果たすために、格納庫のようなもの、それから、通信施設のようなものが、最小限の形で残るというのが現状の姿でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 大臣でないから政治的な発言を求めようとは思いませんけれども、十分実態を把握しておられぬようですから、あそこの一つ一つ施設の実態を調査して、そしていまどういう人が住んでおるのか、何の目的かということでひとつ資料出してください。  それから、まだたとえば通信の飛行機、連絡の飛行機が着陸するかもしれないから、そのためのいわゆる全米軍の、駐留軍の支援体制でございますととられたら、それはアメリカは日本の政府を欺瞞してますよ。米軍は板付から撤退いたしますといって移管するんですから、それならちゃんと一切の権限を移管しなければ。移管はしましたけれども、それは米軍の支援体制の一貫ですよ、支援の施設ですよと。それなら日本の政府を、日本国民を米軍は欺瞞してますよ。われわれはそうとってないんですよ。米軍はもうあの板付の基地を日本の民間の飛行場に返して、そして、どこかにもう別に配置がえしたんだととってますよ。それならそのように今度は、あなた方は担当官ですから、これにはこういうものがいいからこうしてくださいと交渉ぐらいしていいんじゃないでしょうかね、どうなりますかということも。したがって、いま十分な検討もないようですからこの問題保留しますから、早急に実態を調査して把握して、そして交渉できるものは交渉して、一日も早くあの米軍のキャンプが撤退をされ、撤退できなければどこかに固まってもらって、そして日本の民間国際空港として十分の活用ができるように配慮してもらうような交渉をしてください。その点いかがでしょう。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) いま、西側のほうの米軍の占有する施設そのものの位置がまだ正式にははっきりきまっておりません。先ほど自衛隊の問題でもお話しいたしましたように、これもできるだけ民間航空の利用との間で不便のないような形できめていきたいというふうな意味では、やはりこれから調整をしてまいりますので、そういう観点で検討してまいりたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それじゃ、いま申し上げました資料もすぐ御検討くださいまして、ずいぶんたくさんありますから、図面の上にその使用目的なりあるいは現在住んでる人なり、もう地元の人が見てもわれわれが見ても、なるほどこれじゃこれはやっぱり撤去できないだろうと納得するような資料がありますならまた問題は別ですから、一ぺん調査をして、ここに資料を出していただくことをお約束できますか。

奈良義説防衛施設庁総務部施設調査官

○説明員(奈良義説君) 検討させていただきます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それじゃ、もう施設については終わります。  最後に航空関係ですけれども、飛行機の発着時刻表というものをわれわれいつももらいますけれども、これがたとえば滑走路一本しかない飛行場で二社の飛行機が同時に発着するような飛行機時間になってるわけです。それからもう一つは、飛行機に乗りまして離陸時間なり着陸時間というものが、私どもあの時刻表で乗りおりいたしますけれども、もう全然不正確でして、五分、十分あたりまえだということです。で、初めっから飛行機時間というのはもう推量時間の推定時間だというようなことでつくってあるのかどうか、発着時刻表というのは。滑走路一本しかないのに、あの飛行場に行きましても、八時五分発なんて幾つも看板が出てるわけです。そんなことできっこないのに初めっからそんなことしてる。だから、こういうコンピューターの時代ですから、その桟橋を離れて滑走路に行くのに何分——あるいはそれは管制時間を待つのはわかりますけれども、ちゃんと離陸時間とか着陸時間なんてものは大体が信用できるようなものでないと効果がないわけです。私ども汽車の時間におくれてしょっちゅう苦労するわけですけれども、この会社に注意されまして、なるべく正確な発着時間がきめられて、そしてそれが国民みんなに周知できるような方法を指導してもらいたいと思うが、いかがでしょうか。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) 確かに公益性のある交通機関といたしまして一定のダイヤに基づいて発着をするということが必要なことかと存じます。ただ、残念ながら国鉄というような軌道を持ったものと違いまして、やはり航空の場合におきましては風の関係で速力が違ってくるとか、あるいは特にコントロールの関係がございまして、特に最近は非常に空が混雑しておるものでございますから、あるいは場合によってはフローコントロールというようなこともいたしまして、一定のところが込んでいる場合には、出発の時刻をおくらせるというふうなこともございますし、あるいはホールディングせざるを得ないところもございます。そういうようなことで、やはり鉄道のようにきちっとその時刻が守れないということは残念ながらあるわけでございます。しかし、極力正規のダイヤに近づけて運用さしたいと、私どもも考えているところでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 鉄道のように正確にという意味じゃありません。もう滑走路が一本しかないのに各社が同じ時刻で発進できるはずはないでしょう。初めから間違っている。観念が間違っていると思う。だから言っている。だからそういうものは各社に注意をして、そうして、もうちゃんと管制時間が大体わかるでしょう。それから誘導の来る時間もわかるでしょう。それは大体いまは科学の時代でわかるのですから、できたら管制時間を引いて、そうすると、それから四十五分なら四十五分、一時間二十分なら一時間二十分からお客はみんな計算しますよ。着陸は言いません。それは気象条件等がありますから着陸は言いません。時刻表に書いてあるのが不可能なことが書いてある。そんな観念を改めなければいかぬ。飛行機だっていまの時代はちゃんと汽車あるいは船と連絡するのですから、自分だけがたとえばラウンドナンバー使ってきれいに八時十分とか、八時二十分とか使わなくてもいいのじゃないか。そうすればおのずから計算しますよ、お客さんは。そういうことで、各社は観念を改めて、この時刻表を見たら大体計算できるように、次の自分の乗る汽車あるいは自動車がちゃんと計算できるような時刻表に改めてもらいたいという意味です。どうでしょう。

内村信行運輸省航空局長

○政府委員(内村信行君) できるだけそういうふうにいたしたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これで航空関係終わります。ありがとうございました。  次は、ターミナル関係で、バスターミナルを先日見てまいったのでありますが、具体的に見ましたのは熊本のバスターミナルでございますけれども、現在バスターミナルというのは幾つあるのか。昭和三十四年にバスターミナル法ができまして、今日もう十二年たっていますが、現在バスターミナル数は幾つであるか。それからどういう地方にあるか。そういうことからひとつ概略御説明を願います。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 四十六年十月一日現在におきまして、一般自動車ターミナルの中のバスターミナルとして免許いたしましたのが全国で十八ございます。そのうち、まだ供用開始されていないのが三ヵ所ございますので、十五ヵ所が供用されて機能を果たしておるということでございます。で、全国的に見ますと、北海道、それから東北、それから中部地方の長野、草津、それから東京方面におきましては、まだこれは供用開始されておりませんが、池袋、それから巣鴨、それから浜松町——これは供用を開始されております。そのほか京王電鉄のターミナル、それから九州ではいまお話しの熊本のターミナルがございます。それから別府に最近ターミナルができました。それから中部地方の豊橋、名古屋の名鉄バスターミナル、それから広島のバスセンター、中国地方の秋芳洞、それから福岡の交通センター、そういうふうに四国、その他一部のところを除きまして、ほぼ全国的に大体バスのふくそうしている地域には整備されておる、こういう状況でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 まず、一般論から質問していきます。  四十五年度の収支状況につきましては、相当の会社が赤字を計上しておりますが、バスターミナル事業は元来収支を償うのがむずかしい性格を持っておるのではないか。これは立法当時もそういう発言が各委員からあったようでございますが、いかがですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先生御指摘のように、バスターミナル事業と申しますのは、このバスの交通の発達に従って非常に重要な機能を果たしておるわけでございますが、この料金の決定という点が普通の運賃料金の決定方式、つまり原価プラスの適正利潤というのと違いまして、その利用者すなわち、バスターミナルを利用するバス業者等に著しく負担をかけてその利用が困難になるようなことがあってはならないということになっておりますために比較的低位に押えられておる。そういうことから、バスターミナル自身の収支というものは非常に何といいますか、赤字の収支になっております。これも先生御案内のように、そういうことではなかなか収支ができませんので、付帯事業をいろいろそれぞれやっておりますけれども、そういうことで、本来のバスターミナル事業の収支というものは非常に赤字基調であるということが一般的な傾向でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 黒字を計上している会社もございます。これはどういう理由で黒字になるのか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 御指摘のように、黒字で経営している会社もございますが、その理由といたしまして大別いたしますと、比較的その土地の取得等におきまして好条件で土地を取得できた。そういうことから建設費がわりに割り安にでき上がっておるということと、それから、いわゆる付帯事業としてやっておりますところの駐車場とかあるいは貸し店舗とか、そういうような業務が非常に何といいますか、よく利用されまして、それが本来のバスターミナルの赤字をカバーしておる。そういうところが大体黒字を計上しておるということでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 現行の料金制度ですけれども、ここに表がありますけれども、使用料金が一発着当たり八十円のもあるし、二十円があるし、三十円があるし、百円がある、あるいは三百三十円、四百五十円、一番高いのが五百八十円、まちまちなんです。一体この決定の基準は何ですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ターミナルの決定の基準は先ほど申し上げましたように、法律の自動車ターミナル法の第十一条に基本原則が書いてございますが一それによりますと、先ほど私が申し上げましたことでございますが、「使用者が当該一般自動車ターミナルを使用することを著しく困難にするおそれがないものであること。」「特定の使用者に対して不当な差別的取扱をするものでないこと。」という基準でございます。これは普通の交通料金、運賃等におきましては、先生御案内のように、コストプラスの適正利潤というようなことが基準になっておりますけれども、バスターミナルにおきましては、そういう料金の決定をいたしますと、それがバスそのものの運賃にはね返り、ひいては一般の利用者にはね返るということにならざるを得ませんので、いわゆる普通の運賃、交通の運賃料金とは違ったそういうきめ方をいたしております。したがいまして、先ほど申し上げましたような建設の条件、立地条件あるいは付帯事業の状況等によりまして、いわゆるそのターミナルを利用しているバス事業者にどの程度のものを負荷すればいいかということで、非常にいまアンバランスと申しますか、先生御指摘のように、高低非常にばらつきがあるということは事実でございまして、この点につきましては、バスターミナルの性質から私どもいま申し上げました原価主義はとれないという特殊事情にあることを率直に認めざるを得ないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 基準がほとんどないようにわれわれも受け取るわけです。たとえば広島バスセンターは十五円です。それから福岡の場合は百キロメーター以上の場合七百四十円、これでもなお赤字、広島のほうは十五円でも黒字です。これはあとで申しますが、だから運輸省としてはもう申請してきたものをどうしようもないからそのままお受けするというのが当然ではないか。原価計算からほかに何か基準があって、いやこれは五十円といったけれども高過ぎるよ、あるいは百五十円といってきたけれども安過ぎるとか、何か運輸省としては基準がございますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 基準といたしまして具体的なものはございません。ただ、料金を決定いたしますときに考えますのは、結局そのバスターミナルに乗り入れるバス事業者の数、着発の回数、それからその利用するバスの距離と申しますか、そういうものに応じて決定をされるということでございまして、普通の交通料金のような具体的な原価計算の基準というものはございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 そうしますと、法律上の使用料金を運輸省が許可するのに、ただめくら判を押すととってもしようがないというならば、このバスターミナルを使うそのバス会社が自分で出資してターミナルをつくる、したがって、自分たちが発着するターミナルの料金を出します、自分たちが自分の肉を食い骨を食うわけです。十五円にしておこうとか、百円にしようというのは、ターミナルをつくるときに会社がちゃんときめてくる。運輸省としては、それを言ってきた以上どうしようもないということになるんじゃないでしょうか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように、そこに着発を計画されておりますバスの使用するための原価と申しますか、そういうものの計算を私ども一応はいたしております。ただ、それを使用する会社の数、乗り入れをする会社の数あるいは着発数というものが非常にいま違いまして、そしてまた、そこのバスターミナルから着発によって利用される距離というものが違いますために、私どもが考えております原価というものも相当のばらつきがあって、そして、原価とのバランスにおいて一回着発ごとの料金というものを査定するわけでございますので、何といいますか、その申請どおりをそのままうのみにしているわけではございませんが、先ほど申し上げましたように、非常に普通の交通料金と違ってばらつきがあるということは、これは私ども率直に認めざるを得ないと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは非常に問題点ですが、わざわざ法律に許可とか何とか書かないでも、あってもなくてもしようがないと思うのですが、答弁は要りませんけれども、まだ先に問題がありますから。  そこで、会社が十五ありまして黒字のが四つくらい、あとはほとんど赤字です。立法当時の議事録を読みますと、初めから赤字であろうから、赤字の場合は政府がうんと助成をする、助成しなさいと言っている。赤字について政府が助成した例がありますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先年の附帯決議におきまして、先生のただいま御指摘のような御趣旨の決議があったということを私どもよく存じております。助成をした例があるかというお話でございますが、直接赤字決算を補助をしたという助成の例はございません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一回使用料金の決定で論究しておきますが、ターミナルの使用料で、使用料は、ターミナルを経営するのに一体何%くらいの収入になっているかというと、平均が三・九%ですね。東京ターミナルに至りましては、〇・一%しか使用料では経費をまかなっていないわけです。その他は全部付帯事業の収入で生きているという情勢であります。だから使用料の問題を言うわけですけれども、福岡のバスセンターなどはとにかく使用料で生きていかなければならないのですから、二五・九%のターミナル収入ですね、それでもなお赤です。四十四年度が七千五百万、四十五年度が二千四百万という赤字でございますが、もしターミナル法の精神からいうならば、こういうところには政府が補助しなければならないと思う。使用料は上げたのですから、全部の中で福岡だけが改定しておりますよ、そして、よそは十五円であるのに七百四十円に改定しているでしょう。それでもなおかつ依存度が二五・九%で赤字である。だから、それならまずひとつこういうところには政府が何千万か補助しなければならない。立法当時の精神からいうならば補助いたしますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいまの先生の御指摘のように、そのターミナル事業そのものの収入のパーセンテージが全体の収入に占めている比率は、非常に低いということは御指摘のとおりでございます。私どもこの立法当時のいろいろのいきさつを検討いたしまして、また、現状にかんがみまして、現在考えておりますことは、既存のこの株式会社、つまり各方面からの出資されてできております株式会社であるターミナルの赤字というものについて、いわゆる直接補助といいますか、赤字欠損を補助するというような方法で考えることは率直に申しまして非常にむずかしいと思います。ただ、このバスターミナルというものは、今後の都市交通の発達に伴ってますます設置の必要が痛感されますし、そうかといって、これは相当コストの高いものになりますので、これをバス事業者、ひいては利用者である一般乗客に転嫁するということは非常に困難でございます。したがいまして、現在直接助成はやっておりませんが、現在までその建設コストをできるだけ安くするという意味で、開銀及び北海道・東北開発公庫の財政資金を導入をして、建設コストを少しでも下げるというようなこと、あるいは自治省の御協力を得まして、一定のターミナルについては固定資産税を軽減をするというような間接助成と申しますか、そういう措置は講ぜられております。したがいまして、今後の問題といたしましては、既往のものも含めて、建設の主体をどういうふうなところが当たるか、そして、なるべく低コストのものを建設をして、そして、その使用料金というものも、いまのような付帯事業との関係のアンバランスにならないような、ならなくても済むようなことを考えたいということで、さしあたり今後の計画といたしましては、いま申し上げましたようなことを考えておりますが、既往のものに対しまする赤字補助という意味の直接助成は、種々の情勢から見まして非常に困難かと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 しかし、ずっと立法当時の速記録を読んでみますと、初めからターミナルは赤字だ、収支償わぬはずだ、だからそれには用地の取得、あるいは資金の融資、あるいはやってはいけぬときには財政援助をせよと書いてありますよ。特に附帯決議をつけてありますよ、参議院の運輸委員会で。「政府は自動車ターミナルの公共性に鑑みその整備を促進するため、国有及び公有地の貸付、並にこれらの地下占用等につき特別の配慮をするとともに財政援助及び税の減免につき妥当な措置を講ずべきである。」と書いてある。財政援助も融資もわかっています。これはいまおっしゃったとおり。税の減免はしてあります。これも知っております。ところが、この赤字に対する財政援助というものは一回もやってないわけです。それならこの自動車ターミナル法そのものはもう政府から見放されているのではないですか。もう赤字が出てもしようがない、そういうことじゃないですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御指摘のように、立法当時におきましていろいろと御意見が出ました。それが附帯決議に集約されて、いま先生御指摘のような附帯決議になっていることは私どもよく存じております。現段階におきまして私ども率直に申し上げますと、現在の自動車ターミナル法に基づくバスターミナル事業の育成ということについては、きわめて不十分であるということを私どもも感じております。したがいまして、おくればせながらと申しますか、私ども将来ますますバスターミナルというものが必要になると思いますので、今後の方策といたしましては、いままでのような財政資金の投入、いわゆる民間の株式会社のバスターミナルというものを設置して、それに財政資金を投入する、あるいは一部の固定資産税の減免を行なうということでは、とうてい今後予想される大都市における、あるいは地方都市における交通の混雑緩和、あるいは乗客の不便ということを除却できませんので、今後はできるだけ国の財政、国の出資、あるいは財政資金の投入、あるいは地方公共団体の出資、関係バス会社の出資というようなものを得て、そうして、なるべく低コストの公共的な建設主体を考えたいということでございます。これはまだ国会の御審議を得る段階に至っておりませんが、私ども政府部内におきましては、四十七年度を初年度とするバスターミナルの整備計画というものを立てまして、そうして、民鉄のほうと一緒になっているわけでございますが、仮称大都市輸送施設整備事業団とも言うべき建設主体を考えまして、そこにいま申し上げましたような無利子の出資その他の資金の調達方法を考えて、それでもって低コストのバスターミナルをつくる。公共性の強いバスターミナルをつくって、そうしてなるべく無理のないような収支にもっていけるようにしたいということでやっております。非常に先生の御指摘のとおり、立法当時の事情から考えますと、いまごろそういうことでは非常におそいのではないかというおしかりがあるかと思いますが、私どもといたしましては、過去の経験にかんがみまして、十分今後ますます必要になってまいりますバスターミナルの整備につきましては、そういう建設費の低減というようなことを積極的にはかって、先生いままで御指摘のようなことが今後起こらないように、万全の努力をしたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 将来の問題はまたあとでいろいろ質問しますけれども、現状までのやつを解決しなければならぬでしょう。昭和三十四年からこの法律ができたのですから、十二年たっておりますから、その間やってみたけれども、各会社とも赤字ですよ。であれば、立法当時の精神によりまして、赤字は政府がめんどう見ると書いてあるのですから、政府も答弁しているのですから、そうしたら政府が赤字については何らかの手を打ってやらなければ、このターミナル法を見捨てたことになる。将来のことはまた言います。だから、過去の問題について責任をとらなければならぬと思うのです。特に、関連事業はまた別にしますけれども、もうこれだけ初めから使用料金で収支償わないような使用料金をあなた方は認めておるのだから、免許しておるのだから、そうして、それでやってみてどんなにやっても赤でしょう。しかもそれは、ターミナル収入が赤も赤、わずかの経営費しか償っていないでしょう。もう根本的にこの法律を、もう抜本的にこれを捨てて改正するとか、あるいはこの法律を生かしておくならば、いま赤字でやっているターミナル会社に赤字の何分の一かを補助しますとか、あるいは特に運転資金を低利融資しますとか、何らか手当てをしなければ、これは法律は死んでしまいますよ。どうでしょう。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 過去のすでに設立されたターミナル会社に対する赤字補助の問題でございますが、これは率直に申し上げますと、現在あるがままの姿の会社というものに対して、赤字補てんをするということは、これは私はきわめて困難だと思います、率直に申し上げまして。何となれば、先生御指摘のように、ターミナルの収入そのものが非常に低いというようなことで、いろいろ付帯事業をやっておるわけでございまして、これにもいろいろ問題がございますが、それにつきまして、付帯事業も含めた全事業の経営のあり方というようなことについて、その赤字会社のあるべき姿というものを私どもとしては相当検討をして、そうして、あるべき姿になった場合においてなおかつ赤字が生ずるならば、それの赤字の補てんということはバスターミナル事業の公共性にかんがみて、私どももこれは要求として考えられることでございますが、現在あるがままの姿の事業について赤字が生じたからこれを補てんするということは、率直に申しまして非常に困難だと思います。ただ、この長期低利の融資のあっせんとか、そういうような融資あるいは税制の面についてはさらに検討を加えたいと思っておりますが、いま現状までの状況におきましては、私が先ほど申し上げたように、いわゆる赤字補助という、補助金を出すという方式はきわめて困難だと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 その赤字の問題はまた最後のほうに回しましょう。  そこで、次の問題は付帯事業ですけれども、付帯事業についてはもう無制限にどんな事業でもかまわぬ、そういうような思想でしょうか。あるいはバスターミナルとしてこれは公共性のあるものであるし、特に土地の所有やあるいは融資をあっせんするのだから、付帯事業についてもいわゆる公共性、社会性を考えなければなりませんぞと、かってにもうけ主義の付帯事業は許しませんという何か制約があるのかないのか、その点いかがでしょう。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 付帯事業につきましては、先生御指摘のように、本来のターミナル事業の収入というものの比率が非常に低いわけでございます。したがいまして、私ども、方針といたしまして、付帯事業をやってターミナル会社全体の収支の改善をはかるということは、ある程度やむを得ないというふうに考えております。ただ、その付帯事業をやるにつきましては、やはり本来のバスターミナルの事業というものに支障がないということがもちろん大前提になるわけでございますので、そういうことを大前提として考えまして、本来のバスターミナル事業が支障なく行なわれるということであれば、率直に言いましてあまり好ましいことではございませんが、付帯事業をやって収支のバランスをはかるということもやむを得ないということでございまして、私どもの付帯事業を見る基本的な観点は、本来の事業に支障があるかないかということが一つの基本でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 例をとります。もう一回、東京ターミナルの場合を例にとります。これは使用開始が四十五年、去年の三月二十日から出発したのでありますが、現状は、ターミナルの収入がわずかに〇・一%ですね、総収入に対して。そうして付帯事業収入が九一・四%、営業外収入が八・六%。損益の収支は、赤字がまだ一億九百三十二万ありますが、収支比率は九六・九%ということになっております。これを見てみますと、もうターミナルというのはとにかく〇・一%である、その他、大部分は付帯事業である、こういうことになります。これは東京の浜松町のバスターミナルでありまして、地上三十七階の貿易センターですね。それで、ターミナルに使っているのは地下一階。それで、それは都が土地を払い下げておる。その土地の払い下げのときも、都議会で若干問題になっております。東京モノレールのほうは坪が九十五万四千円であるのに、バスターミナルのほうは九十一万五千円で都が払い下げておるという問題の経過が一つ。それから、これは都議会にはからないまま土地を払い下げたようであります。そうして現在、地上三十七階のビルが建っておる。その経営としては、いま言ったとおり、バスターミナルというのはほとんど〇・一%の収入しかない。  さっきおっしゃったように、これはもちろんターミナルとしてはその役目を果たしていますから、運輸省としてはもう何ら言うことはないでしょうけれども、国民感情として、バスターミナルとして都から会社が土地の払い下げを受けて、そうしてあとは、三十七階のビルをつくってその付帯事業をやる、それが大部分である。でも、これは、バスターミナル法の制約を受けて、バスターミナルという看板でやっている。また将来こういうものができると思いますけれども、こういう問題について、これはもう付帯事業としてやむを得ぬと、こういう見解でございますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 浜松町の、御指摘のバスターミナルでございますが、先生御指摘のように、バスターミナルの収入が非常に低い、そうして非常に収支も悪いということは御指摘のとおりでございます。私ども、率直に言いまして、浜松町のバスターミナルというものは、設立当初におきましては、非常に交通の要所でございますし、ほかとの連絡、都内の各交通の結節点との連絡、国電との連絡、そういう面から見て非常に地の利を得ておって、バスターミナルとしての何といいますか、効用が非常に高いという評価をしておったわけでございますが、現実は先生御指摘のような状況でございまして、バスターミナルとしての機能というものは、これは期待したとおりの機能を十分果たしていないという点は、残念ながら御指摘のとおりでございます。ただ、今後私どもは、都内におけるバス路線の再編成とか、いろいろな指導をしていかなければなりませんので、せっかくこういうふうに多額の建設資金を使ってできましたターミナルの有効利用については、さらに研究をいたしたいと思います。  しかしながら、浜松町のバスターミナルにつきましては、ほかの貿易センタービル等として建物の大部分はそういう方面に利用されておるということは、バスターミナル本来から見ますと奇異の感が持たれるわけでございますけれども、バスターミナル事業の支障の有無という点からだけ見ますと、バスターミナルとしての事業は支障なく行なわれているということで、私ども、好ましい先例とは思いません、将来こういうようなものはやはり十分検討すべきものだと思いますけれども、現状においては、これはやむを得ない措置ではなかろうかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 あとにまた二つの例がありますが、その前に、私のさっきの赤字論ですね、赤字になりましたから国が援助しなければならぬという議論を展開していきますと、いまの東京ターミナルは付帯事業がもうほとんど主体であって、一生懸命やっておるけれども、なお今日の段階ではまだ一億九百三十二万五千円の赤字である。これをターミナルの赤字と見ますと、私の当初の議論が成り立つわけです。ターミナル法をつくるときには、赤字が出たら政府は援助せいといっておるから、この何割か援助せいという議論も成り立つ。ところが、その中の、三十七階の三十七分の一がターミナルであって、あとは貸し家でしょう。貿易センターでしょう。そうすると、じゃ、貿易センターやっておって赤字になる、ターミナル法で赤字の補てんができるかという議論になる。そうしますと、ターミナルの赤字は幾らかという議論を展開していかなければならぬ。したがって、ターミナル法という看板を掲げてできたこの貿易センターを、一体われわれは、ターミナルということで、いまここで運輸委員会で論議することができるかどうかすら私は疑う。この問題についてどういう見解ですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) さっき私が申し上げましたように、現状のあるがままの姿について、既往のバスターミナルについて赤字の補助ということは非常にむずかしかろうと申し上げたのは、実は、ただいま先生が御指摘になったように、私ども、やはり一つの企業でございましても、本来のターミナル事業と付帯事業との間には、やはり経理区分と申しますか、収支を一応区分して考えるということが、業務の性質上、当然必要であろうかと存じます。したがいまして、ターミナルの部分の赤字ということについて、それが合理的な経営をしておってなおかつ赤字であれば、私どもとしても、その補てんということを考える余地があるかと思います。しかしながら、副業と申しますか、付帯事業全体についての赤字、しかもその大部分が付帯事業の収支によってまかなわれているという企業について、全体の事業収支から見てやる、補助を考えるということは、これは、先生御指摘のように、問題があろうかと思いますので、問題は本来のターミナル事業自身の収支というものについてどういうふうに考えるかということであろうと思いますが、これもやはり私ども、合理化をしてもなおかつ赤字というものが消えないということであれば、その部分についての赤字の補てんをどうするかという問題は、これはもう十分検討すべき問題かと考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま問題がそこに発生してまいりましたね。これは、将来もバスターミナルを申請してきましょう、免許しましょう。そのときに、本来のターミナルに使用するもの、あるいはその他の付帯事業と、やっぱり分けて考えなければならぬでしょうね。いままでのところは、これは、ターミナルを申請してきたけれども、初めから青写真ついているわけですよね、地上何階の建物にして、そうして付帯事業の収入幾らだということで。そういうことをひっくるめてあなた方は免許しているのじゃないかと思うが、まずその点いかがですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 一応、本来のターミナル事業の収支ということも見、それから付帯事業の収支ということを見ておりますけれども、最終的にはやはり全事業としての収支を見るということでございまして、区分経理と申しますか、そういう見方がいままで不十分であったということは私どもも反省いたしておりますので、その点、今後十分注意してまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 注意だけでは、まだほんとうはこれはもっと根本的に討論しませんと——この立法当時の法律からいきますと、いまやはり全然、ターミナル法で論議する問題じゃないような気がいたします。  あとまた具体的な例を二点言います。一つは、この間、調査いたしました熊本交通センター、これは県の、県庁の土地を払い下げて、そして交通センターができました。そのときには地価が坪十七、八万でありまして、いいところ悪いところ平均十七、八万でありまして、これは問題にしたことでございました。先般も行って調査いたしますと、ホテルとかボウリング、いろいろ付帯事業をやっておりますけれども、それでもなお七千万ばかりの赤字のようですね。で、十月の二十二日の新聞によりますと、その隣に専売公社の庁舎がありますが、この土地を買うたわけです。その専売局は別に庁舎をつくってあります。そしてそこに新たに今度は東京の伊勢丹と福岡の岩田屋が進出する。だから、もうその専売公社の庁舎は取りこわしが始まったというようなことです。それで、この間行ったときに私は社長に質問いたしました。専売公社の入札は幾らですかと言ったら、いや、これは金額ではなくて物々交換です、私のほうが専売公社の庁舎を別につくってやる、だから、そのかわりにこの土地は私のほうがもらったのだということでありました。きのう専売公社から来てもらって聞きましたら、いやそうじゃない、入札しているのだ、これは正規に入札して、そしてその入札金額と同じものを東京の専売の地方局と郡山の地方局が庁舎をつくって、一つは今年中にできる、一つは来年三月にできるという話であります。で、これで、いま交通センターが七千万赤字でありますから、いろいろ付帯事業をやりたいでありましょう。そうしますと、いまのままではやっていけないから、また今度は伊勢丹や岩田屋と提携して大きなデパートをつくる、こういうことに発展していくでありましょう。そういうものも、これは交通センター社長岡何がしとして入札をして、そうしてこれからデパートと交通センターが大きなデパートをつくるのです。こういうものを、いまの交通センターは公共性があるということで県庁の土地を安く買うて、そこにつくった。それに今度は付帯事業をつけていきますから、今度一緒になりましょうね。そういうものの将来は、今度赤字が出ました場合もやはり自動車ターミナル法の赤字として考えなければならぬでしょうが、そういうように発展してまいりますが、これでも自動車ターミナル法として皆さんは免許したのだ、自分たちが大体監督する責任があるのだというふうに考えておられるかどうか、まずその点を聞いておきたいと思います。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 自動車ターミナル事業として免許をいたしたものにつきまして、その育成といいますか、そういう点につきまして私ども監督上の責任があることは当然でございます。ただ将来の問題につきましては、先生御指摘のように、従来の収支を見る見方というものが、本来のターミナル事業の収支と、それから付帯事業の収支というものの区分といいますか、そういう点についていろいろと不備な点があったということは私どもも率直に考えておりますので、今後新しい料金の改定、そういう問題が起こりました場合には、その辺のことを十分念頭に置いて、本来のターミナル事業という面の経営ということから、この収支を中心に見ていくようにやりたいと考えておりますので、なお、この点につき委しては現在の法律がはたしてそれでいいのかどうかという点につきましても十分検討いたしまして、もし法律上、自動車ターミナル法が不備であるということであれば、近い将来これを改正するということも念頭に置いて検討を加えたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 もう一例は、新都市開発センターと申しまして、巣鴨拘置所のあとの用地を新都市開発センターバスターミナルが入札をして、そしてこれから何十階建てかのビルができる。聞くところによると、いま新宿にできておるビルよりも高いものをつくるという話でありますが、これも青写真なんかついて、そして申請が出ておると思う。きのう私は申請書のコピーを要求しておきましたけれども、まだ出てこないが、まず概況を説明していただきましょう。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 申請書のコピーにつきまして、おくれまして申しわけございません。後ほどすぐお届けいたします。  これは四十一年の十月十四日、当時の新都市開発センター設立発起人の代表水野成夫氏から、当時の藤枝運輸大臣に対して提出されております。これによりますと、概要をかいつまんで申し上げますと、名称は株式会社新都市開発センターでございまして、経営しようとする事業はバスターミナル事業、それから名称はいま申し上げました新都市開発センターバスターミナルでございまして、位置は先生御指摘のとおりでございます。規模といたしましては、三階と一階をバスターミナルに利用するということで、三階が二十バース、これは長距離用のバスバースでございます。一階が近距離用の十六バース、合計三十六バースを計画をいたしております。で、建物の構造でございますが、面積は一万六千百四十四坪——五万三千三百六十二平米でございます。建物としては鉄筋コンクリートづくり地下三階地上三十六階という建物を考えております。そして、これはいま申し上げましたような、いわゆるバスターミナル以外の、いろいろと貸し店舗その他に、集会所、児童会館、流通センターの事務所、ホテル、そういうところに利用をされるということになっております。そして、資金につきましては、一応バスターミナル部分とその他の建物部分とが分かれております。バスターミナル部分につきましては、合計で三十六億、それから、その他の部分につきましては四百七十二億、総計五百八億という資金計画になっております。資金の調達方法といたしましては、資本金はバスターミナル部分が四億五千万円、それから協力金及び敷金が七億三千万円、それから借入金が二十四億円、そのうち開銀から九億二千万円、その他から十五億円というものを期待をいたしておるわけでございます。そういうことで、着工予定は四十五年の六月、完成予定は四十七年の十二月、四十八年の一月に供用開始ということになっておるわけでございます。  大体これが申請の内容の概要でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これもはじめから、いま三十六階建ての地下三階、三十九階でありますが、付帯事業も入れてターミナルということで、運輸省としては、これは四十一年十二月二十四日に免許しておられますね。で、その後の設計変更などということは耳にしておられませんか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 免許いたしました計画と違った計画になる場合には、当然、設計変更の認可があるわけでございますが、現在まだ設計変更の認可というものの手続は行なわれておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 それでは、運輸省の質問をここで一応保留しておきまして、あと、専売それから法務省から来てもらっておりますから、この土地の売買の契約なり、あるいは物々交換のいきさつなり、その事情を私はかいつまんで運輸省の答弁ができるように言いましたので、まず専売から御説明を願います。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) 公社の地方局のあと地につきましては、かねてからバスセンター、つまり熊本交通センターが利用しております。県あるいは県知事、あるいは市長さんの要望もありまして、ぜひ売ってくれという話がありました。しかし公社といたしましては、固定資産の処分にあたりましては入札でやるのを原則といたしておりますので、これを入札にすることにいたしておりまして、四十五年の九月十四日に入札いたしましたところ、株式会社の熊本交通センターというのが十一億二千四百一万円で落札されたわけでございます。そして公社といたしましては、それから不動産交換予約契約を結びまして、その金に大体合うもので公社の希望しております事業所の建物、つまり東京地方局の事務所、それから郡山地方局の事務所、それを交換で出していただくという予約をいたしまして、現在それと交換で、向こうのもちろん資金でできつつあります。そして、これができ上がりますと——大体来年の一月末にでき上がります予定でございますが、そこで交換契約をいたしまして、その建物と、それから私のほうの土地と交換、登記をするという運びになっておるわけでございます。その値段につきましては十一億二千四百一万円の値段でございますが、建物のほうはその後、入札いたしましてきまっておりますので、その差額が出た場合はもちろん相殺いたすということで、最初の入札金額は動かさないということで、それについて落札者との金銭の移動はございません。  以上でございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 法務省。

伊藤榮樹法務大臣官房会計課長

○説明員(伊藤榮樹君) 東京都の豊島区東池袋三丁目にございます、元巣鴨プリズン、後に東京拘置所になりました土地の件でございますが、戦後、御承知のとおり巣鴨プリズンということになっておりましたが、講和と同時にまた東京拘置所に戻っております。しかるところ、昭和三十三年二月に閣議でもって、首都圏整備計画の一環といたしまして、この地域から東京拘置所は立ちのくべきであるという御指示があったわけでございます。その後これだけの土地——大体約二万坪ございますが、これは一体として再開発をすべきであろうということで東京都あるいは首都圏整備委員会とお話し合いをしておりましたところ、東京都におかれましても、これだけの土地を再開発するだけの資金繰りがつかないということで話が不調に終わっておりました。そのときに財界の有志が集まって、先ほど御指摘の株式会社新都市開発センターというものをつくって、いわゆる財界の力で再開発を引き受けようというお話が出てまいりました。いろいろお話し合いをしておりましたうちに、同会社——これが発起段階を含めましての意味でございますが、同会社がまずもって建設省から都市計画事業の特許を受けられまして、これと並びまして、先ほど御指摘の、運輸省のほうからはバスターミナル事業の免許を受けられた、こういうことでございます。そこで私どもといたしましては、東京拘置所の敷地、平方メートルで申しまして約六万平方メートルのうち一部を公園敷地として東京都に売り渡すことにいたしまして、そのあとの約五万五千平方メートルを同会社に払い下げる、その払い下げた金額に見合う金額の施設を他に取得する、こういう計画を立てまして、東京拘置所を小菅に移す、したがって、小菅刑務所のもとありましたところへ新しく東京拘置所をつくる。それから小菅刑務所が使えなくなりますので、代替刑務所を都下多摩地区につくる。それからそのほかに、かねて関係市町村等から移転を要請されておりました川越少年刑務所、岡山刑務所、旭川刑務所、それから浦和の拘置所、これだけの建物を同会社に建ててもらってちょうだいをする、こういう契約をいたしたわけでございます。売り渡し価格が最終的には五十三億六千万円余り、取得いたしましたものの価格が四十七億円余り、差額の約六億五千万円、これは先般現金で国庫に納めていただいたわけでございます。  ただいま申し上げましたような次第で、新都市開発センターがもと東京拘置所あと地の再開発に着手をいたすわけでございますが、私どもの認識では、先ほどお話の出ておりますバスターミナル事業だけに焦点を置いておらなかったものでございますから、と申しますのは、同会社は都市計画事業の建設主体としての特許を受けておりまして、この都市開発計画事業にのっとりまして、地下部分に公共駐車場をつくる、それから高速道路のインターチェンジを同じ敷地に引き込む、こういうことを含めて計画をいたしておるわけでございます。したがって、払い下げにあたっての用途の指定といたしましては、その三つを用途指定としてつけております。繰り返して申し上げますと、第一が、都市計画事業としての地下駐車場をつくること、第二が高速道路のインターチェンジを同じ都市計画事業としてつくること、第三に、先ほど運輸省から御説明がありました地上三階及び一階の部分はバスターミナルの事業に供用する、この三つの用途指定をして払い下げる、売り渡しをしたわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 運輸省はあとにいたしまして、大蔵省に質問いたしますが、大蔵省はどなたが見えておりますか。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 藤原国有財産第一課長が見えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いまの意味で、国有財産が入札されて、そしてそれが金を納めていくんじゃなく、物物交換ですね。なぜこういう質問をするかといいますと、自分の金で設計をして家を建てますと、ちゃんとそこに責任がありまして、そして自分の好きなような家ができるわけです。ところが、土地を業者に売って、その業者が家を建ててやるんですから、どうしても自分のほうで設計して監督して家をつくるよりも違ったものができはせぬかというのが、私どもしろうとの考えですね。そういうようなやり方を国有財産でやってよろしいのかどうかという、これはただ初めは法律以外に非常にそういう疑問を持つのですね。大蔵省としてはそれを御承知の上でやらしておられますか。

藤原重信大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(藤原重信君) 国有財産の取得の方法には二つございまして、一つは通常の、物品に対価を払いまして買う場合でございますが、そのほかに国有財産法の二十七条あるいは国有財産特別措置法九条の四というのがございますが、これは交換によって土地を取得する場合、土地とは限りませんが、財産を取得するという方法を認めております。したがいまして、旧巣鴨拘置所のほうのあとを交換で渡しまして、代替の施設を別途取得するということも、国有財産の取得の方法として通例行なわれておることでございます。  それからいまの設計のお話でございますが、設計は詳しく知りませんが、おそらく法務省のほうで全部設計なさいまして、ただ向こうに施工だけをやらしたという形じゃなかろうかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 国有財産の管理の方法として、もう一つ専売局の話がありますね。都内の土地が、県の払い下げた十七、八万に対し、片一方では六十六万、坪当たりですよ。そうなりますから、国としては高く入札させた、県よりも。だから国の政府機関では、俗にいう、もうかったということでありましょうが、物々交換の矛盾があります。竣工検査なり、将来は政府の財産になります、会社につくってもらう庁舎が、主体的に検査ができないのです。その業者と交換したものは、もちろん管理は専売あるいは法務省でやりましょうけれども、そういうやり方を今後もそれでやっていかれるのであるかどうか、そういうやり方ですよ、そういうやり方をやるのかどうか、聞いておきましょう。

藤原重信大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(藤原重信君) 専売公社は政府関係機関でございますが、一応別の法人ということで、いわゆる国有財産法なり国の財産の管理という対象に入っておりませんので、専売公社自身として大体やっぱり国と同じような方法でやっておられるんじゃなかろうかと思いますが、ちょっと別になりますが、いまの法務省の問題、あるいは国有施設の管理につきましても、交換という方法も相当今後とも使わざるを得ないんじゃないか。特に最近四十四年以来は特定国有財産整備特別会計というものがございまして、あと地を処分いたしまして、特にその都市再開発等で地方に移転する必要がある、あるいはそこにいる必要がないじゃないか、あるいは非常に平面的に低い建物が幾つも、平家建ての建物が散在しているというようなところをまとめまして、高層立体化するというようなことで、もっと土地を有効に利用するというような方法を考えているわけでございまして、この特定国有財産整備計画の場合には、あと地を処分いたしまして、それで新しい代替施設を取得するということをやっておりますので、そういうような場合に、やっぱり交換等の方法も十分活用される場合が今後とも多かろうかと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 会計検査院からも見えておると思いますが、いまのような国有財産の物々交換のあり方についてどのような御見解ですか。

中村祐三会計検査院第一局長

○説明員(中村祐三君) ただいま大蔵省当局から御説明がございましたように、形は交換という形をとっておりますけれども、私どもが検査するにあたりましては、これは一方では売り払いがあり、一方では購入があるという考え方に基づきまして、交換であるから特別にどうこうするという考慮はなしに、交換——渡しにつきましてはあくまでこれは売り払いである、受けのほうは購入であるということで、特に区別をした検査をやってはおりません。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) 私のほうといたしましても、交換につきましては従来もやっていますし、今後もやっていきたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 問題は、法的にもいろいろ検討しても間違いじゃないようですけれども、その土地を入札をして、金銭の授受がないまま物々交換すると——なぜそう質問しますかといいますと、たとえば次に、入札いたしました熊本専売局の土地を出資します場合は、金の出資でなくて入札価格をそのまま出資でいきますと、その土地の価格、坪当たり六十六万と、前の、創立当時に取得しました県からの払い下げの土地の価格との差もございますね、そういうものは出資のときどうするか。これは将来の問題ですが、そういうことを感じます。現金を取って、それでものをつくるという主体的な責任というものを考えますならば、いわゆる業者にまず土地を売って、業者が別に今度は家を建てて、それで等価交換するという方法は、土地に何段階かの手段が介在いたしまして、主体的な責任のあり方などについて問題があるのではないか、したがって、国有財産管理の上からは、俗にいうなら損するのではないか、こういう素朴な疑問があるものですから、ここで特にターミナル法の中で質問しているわけです。そういう問題について、大蔵省としても会計検査院としても問題ないと、将来もこういう方法でやると、そういうことの御見解であるか、もう一回聞いておきたいと思います。

藤原重信大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(藤原重信君) 通常、交換でやります場合は、その交換契約を結びます時点におきまして、お互いに国の渡し財産あるいは受け財産それぞれその同じ評価時点におきまして時価評価いたしまして交換いたします。当然若干の差額が出ますが、それは現金で決済するということで、国の立場から見て特に損をするということはないのじゃないかと思います。  それから、交換で渡しました財産をさらに今度は別に向こうが転売するという問題が起こりますと、御指摘のような値上がりの差額が出てくるじゃないかというようなことがあろうかと思います。それは通常、用途指定いたしましてこういう目的に使うようにという前提のもとで渡しますので、あとで転売されて差額が向こうに取得されるということが起こらないように配慮しているわけでございます。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 問題は両方にありますが、一つは、法務省の関係の家が五ヵ所できたのですから、そうすると、一ヵ所できるたびに土地を切り売りしまして名義がえしていくわけです。そういう手続がここに報告されております。そういうものが私どもとして少し問題がありますが、それが専売局の例でいいますと、新聞によりますと、もうすでにこの昔の熊本の庁舎を取りこわし始めておる、デパートが進出するから取りこわし始めておる。いまの専売の財産ですね。片っ方はまだ竣工していないでしょう、受け取ってないでしょう。にもかかわりませず、もうすでに交換契約が成り立ったように取りこわして、すでに次の事業計画がなされておる、こういう矛盾が出ておりますものですから質問するのですが、その点についてどうお考えですか。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) いまの点につきましては、実は目抜き通りにつきまして、火災予防上とかあるいは建物の保存上、危険度があります。また風紀上も問題がありますので、あれはこわして使う予定に向こうはしております。公社といたしましても、もう要らないと、業者の負担でこわすことはいいんじゃないかということで、つい近々ですけれども許可した次第です。で、向こうのほうとしては、もう八割方こちらの交換を受ける部分の物件ができておりますので、資金としましても最初に四割出してあと出来高払いでどんどん出しておりますので相当の負担になっております。市街地の火災予防とか建物の危険度、そういうものを考えまして、どうせこわすものであるというので、最近まあ向こうの負担でこわさした次第でございます。  それからもう一点、先ほどから先生から御質問いただきました、できる建物につきまして設計とかあるいはその設計監理、工事の監督、そういうものにつきましては全部公社のほうでやっておりまして、まあそれも業者から委任というかっこうを受けましてやっておりますので、移転の工事等が予定どおりできないということは決してございませんので、この点は御了解いただきたいと思います。

森中守義日本社会党

○森中守義君 専売のあれね、ちょっと私もこれ最初関係をして、どうもいま聞いておるとわからないのですがね。花畑町の専売の入札の問題、これは何か業者を幾つか選定をされて、それで入札という処分に付したわけですね。そうでしたね。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) はい。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっと、そこでね、いま建っておる千葉城新局舎、ここも国有財産じゃなかったですか。どうなんですか。大蔵省のほう、旧第六師団の師団長官舎のあとで、それで、これはたしか財務局所管になっていたと聞いておりましたがね。国有財産だったと思います。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) そうかと思いますが…。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ちょっとそこのところはっきりしてください。そこが問題なんです。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) 土地につきましてはちょっとはっきり覚えておりませんが、私の赴任する前でございますけれども、国有財産の、財務局のたしか土地を交換取得したかと思っております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうすると、いま建っているのは専売公社と財務局の間で話をしてまとまったんですか。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) そうです。  現在新しくできました庁舎の敷地につきましては、財務局と交換によりまして、おそらく公社は、財務局の土地をもらうことにつきましては、それに相当するものを土地なり建物なり等建てて財務局に渡して交換をして取得したというふうに聞いております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 そうしますと、その専売の国有財産としての花畑町のものは入札はどこがやったんですか、財務局がやったんですか。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) いまの花畑町と申しますか、交通センターに売ったものにつきましては、もちろん公社が交通センターに入札さしたわけでございます。財務局とは関係ございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それだと、国有財産は専売公社が落札をさせた。すでにそれはもうあれでしょう、ターミナルセンターに権利が移った。専売公社とその財務局との物々交換というのは成り立たぬのじゃないですか。その辺の理屈がはっきりしない。権利はないはずだ。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) お答えします。  いまのお話の、新しい現在の庁舎の土地を買った財源といいますか、見返りとしては、ほかのものと交換したものでございまして、手持ちの現在の土地と交換したものではございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 どこのものと交換したんですか。要するにそのバスターミナルというのは新しくつくったところに関係していないんですか、今度の千葉城のところは。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) 関係ございません、全く。おそらく数年前でございますので、何と交換したか私記憶ございませんけれども、現在の交通センターとは全く関係ございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 ターミナルセンターが落札をした、それまではわかった。そこで千葉城にいまつくっているのはどこのものと交換したんですか。それがはっきりしてくるとわかる。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) いまの話ちょっと混線しましたけれども、公社は財務局の建物を建てまして、それと財務局の土地を交換するということで全然交通センターとは関係ございません。

森中守義日本社会党

○森中守義君 これはターミナルセンターが花畑町を落札をした、また今度はターミナルセンターが中に入って千葉城のものをあなた方に提供して金銭の授受は変なふうになっていると私は思ったんですが、そうじゃないんですか。熊本関係じゃなくて、よそのものとかえた、こういうことですか。

福永公一日本専売公社理事

○説明員(福永公一君) いまの新しい現在の庁舎の敷地につきましては、公社の予算で財務局の建物を建てて、そのかわりに土地をいただいたというふうに聞いております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 大蔵省に聞きますが、先ほど小柳君との話聞いていると、合法なのか何なのかちょっと少し検討してみる必要があると思うんですよ。そこで、各官庁、公社等が財産を処分する場合あらためて予算要求するとなかなか金が取れない、現物交換によって、一たん国庫に戻入しない物と物とでやっていこう、こういうルールでいいかどうか。これは国の決算上非常に大きな問題ですよ。何も黒い霧の疑いがあるという、そういう目でばっかり見てませんけれども、少なくとも、いまの例のように熊本の専売公社が持っている財産は入札という方法によって処分をした、新しく移転していこうというところは東京かどっかのものと交換している。そうなると、ややこしいというよりもちょっと常識的に理解できない点が非常に多過ぎますよね。その点、財産処分上の問題というのはもう少し整理しなくちゃいけないんじゃないですか。いろいろ疑いを持てば切りがありませんが、少なくとも専売のその問題はどうも釈然としない。それに、落札の当時、熊本市も、つまり公共の建物をつくるが何とか入れてくれという入札の希望の表明があったんですよ。そうでしたね。これは非常に熊本市が大混乱を起こしてまでも入札を希望した。それを、もうすでに告示が済んだから、入札の工事が終わっているからこれは入れませんというので、バスターミナル、あともう一つ何か民間の業者二、三社に限定して入札したいきさつがある。ただ、専売公社の入札の工事は、時間が切れているというそれだけの理由で熊本市を入れなかった例がありますよ。そういういきさつなどを考えると、どうも明朗じゃありませんね。これはまた決算委員会あたりで——非常に各省庁にわたりましてそういう例が多いんですね。えらい遠隔の地で交換をして、本来ならば、やはり国有財産は一ぺん処分をして国庫に戻入をして、建てる場合には新しく予算要求する、こういうやはり筋を立てていかなければおかしいんじゃないですか。実にそれ明朗じゃない。

藤原重信大蔵省理財局国有財産第一課長

○説明員(藤原重信君) 先ほどからお話が出ておりますのは、土地と土地の交換という単純な形ではなくて、いわゆる建築交換、たとえば土地を処分しまして、どっかに建物も一緒に建てて、建物と土地とを取得するという、いわゆる建築交換と申しておりますが、そういう形のケースだろうと思います。そういう建築交換の場合には、予算に、処分のほうは歳入として、それから新しく取得します土地なり建物を込めまして歳出としまして計上してございます。したがいまして、予算審議の過程におきまして御審議いただいているという形だろうと思います。  それから単純な交換の場合には、物々交換、ただ土地と土地の交換ということで、そのときの時価でそれぞれ評価いたしまして交換する。たまたま、その地域が熊本なら熊本同士でやるとは限りません。国有財産といたしましては国全体として管理しているわけでございますから、たとえば熊本と岡山のものを交換してもそれは何ら差しつかえないんじゃないか。先ほど申し上げましたように、国有財産法二十七条という規定によりまして交換という方法をやっておりますし、特に、最近のように土地というものが非常に希少価値が出てまいりまして、代替性がございませんので、この土地をあれしたからといって必ずかわりの土地が取得できるというわけにはなかなかまいりません、とすれば、交換という方法をある程度使いませんとうまく財産の管理運営がやっていけないということで、今後も、そういう交換ということも必要じゃないか、こういうふうに思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 いま森中君が言ったところを私も問題にしてきょう取り上げたのでして、本筋でないものですから、またの機会に決算か予算で論議されるでしょう。  時間がありませんから、最終的に運輸省に聞きます。  一体、ターミナル法のメリットは何か。いままで論議しましたように、ターミナルをつくらなければならぬ、でないとバスの輸送上の任務が完遂されぬ、しかしターミナルだけでは食っていけぬ。したがって、付帯事業を無制限——申請書を持ってきたとおりに経営が成り立つならそれで認可する、こういうものはわかりますが、一体、ターミナル法のメリットは何か、この点について局長の見解を伺いたい。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) バスターミナルのメリットでございますが、バスターミナルを交通の要衝に整備をすることによりまして、いわゆる輸送需要に適応したバス路線網が形成されるということになるわけでございます。一つは、バスターミナルを選定いたします位置といたしましては、たとえば駅前の広場あるいは駅前広場でなくても、鉄道の乗り継ぎ施設、あるいは多系統にわたっているバスが接合する地点という、いわゆる交通上の接合地点、結節地点に普通選ばれるものでございますから、ターミナルができることによってそのバスの路線網の発達というものが非常に促されることになるということでございまして、あわせて、そのターミナルによりまして交通の混雑が緩和される、あるいは利用者の安全と利便というものが増進される、そういうようなことで都市交通の合理的なあるいは効率的な発達というものに非常に寄与するものがバスターミナルである、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 三十四年に法律ができましたときの立法の趣旨なりあるいは論議の過程と現状とがずいぶん違ったように思うわけですね。で、この現実をとらえて、いまのこのターミナル法に対してはどういうふうにお考えですか、特にいまの付帯事業と主体事業との関連ですね。で、赤字という場合にはあくまでターミナルの収支に対する赤字を考えなければならぬでしょう。ところが、ここに出ております、政府からもらった資料ですけれども、バスターミナルの収支状況では付帯事業を含めて赤字が出ています。この赤字はこの法律の論争のときの赤字というわけにはいかないものですね、付帯事業が大部分ですから。そのように現実は変わってきておるが、一体これをどうしようとお考えですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先生御指摘のように、バスターミナル事業は、本来のターミナル事業とその付帯事業と二つの部分からほとんど成り立っておるわけでございます。しかしながら、この立法当時におきましては、もちろん事柄の性質上、本来のターミナル事業の収支だけではなかな成り立たない、したがって、相当付帯事業というものを本来の事業の運営に支障のない限り認めざるを得ないということでやってきたわけですが、それでもなおかつ、企業全体としても相当赤字の企業がかなりある。まして、本来のターミナルだけの収支を見ますと、赤字の部分が相当多いというのは、卒直に申し上げまして事実でございます。ただ問題は、バスターミナル事業の性質からいたしまして、相当高い料金というものを使用者に課するということはできない。したがいまして、今後につきましては建設費のコストをなるべく低く押えるように、長期低利の融資をあっせんする、あるいは税制についての改善措置を考えるということをやりますとともに、さらにこの促進をするという意味においては、卒直に申しまして現在の法律はあるいは不備かと思います。そういう意味におきまして、さらに今後十分に実態を調査しますと同時に、法律の改正を含めまして検討をしたい、かように考えております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 土地の、国有財産の払い下げのときも公共性なりを優先的に考えておったと思うのですよ。法務省でも専売公社でも。一般普通の会社がここにデパートをつくりますと、ただそういうものではあるいは問題にならなかったかもしれません。バスターミナルをつくるから、土地を払い下げる。それが、このバスターミナルは、全体の企業の何十分の一でしょう。それに、あなたがいまおっしゃるように融資のあっせんをする、土地を特別に見てやるというのは私は反対ですね。それは全然、初めから論争にありますように。だから、そこのところは、初めからこういうような申請書が出ましょう。そうすると、これに地下三階、地上三十六階と書いてありますですよ。このバスターミナルは一階ですね。にもかかわらず、たとえば土地の優先所有とか、あるいは開発銀行の融資とか、そういうことを特別に政府がするとするならば、このターミナル法は改正しなければならないのじゃないですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほどの私の説明が不十分であったかと思いますが、私どもが考えておりますのは、当然バスターミナル部分についての長期低利の融資とか、あるいは税制措置というものでございまして、一般のコマーシャルベースの付帯事業ということについてまでは私どもは考えておりません。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 げたばきですね、一番下がバスターミナル、その上がビルですよ。その土地は、バスターミナルが一階にできるから優先所有できるでしょう。そこに、この法律の問題があるんじゃないですかと言っているのですよ。それを今後どのようにして整理してまいりますか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 先ほど私が先生の御質問に応じてお答え申しましたように、たとえばこの新都市開発センターにおきましても、資金調達につきまして、このバスターミナルの部分とその他の部分と区分経理されております。したがいまして、今後こういう問題を取り扱います場合には、その主体をなしますバスターミナル部分というものについて建設費その他を算定する場合、あるいは資金調達の調達先を考える場合におきましても、当然そういう区分をした上で検討するということにしなければならないと思いますし、そういう方向でいきたいと思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 私が問題にするだけではなくて、一般の企業家もそれを問題にされるでしょう。たとえばデパートの横で経営している人は、バスターミナルということで、ここに大きなデパートができたら、競争相手ですからね。ところが、片や公共の公用地である。優先して国の財産が払い下げられる。片や民間の企業ということでありますから、これはいますぐ整理がつきませんけれども、ターミナル法をずっと立法の過程から論争を読んでみまして、いまの実態と合わせてみますと、非常にちぐはぐな点がございます。料金の点もございます。あるいは経営の問題もございます。あるいは政府の便宜供与の問題もございます。減税の問題もあります。したがいまして、もう一回これはずっと検討して、私のほうも検討しますから、政府のほうでも御検討願って、これから団地にターミナルをつくる場合もありますから、そういうときにこれを一体どうするか、これからの交通行政にマッチするターミナルはどうあるべきかということをもう一回ひとつ検討してもらいたいと思いますが、いかがですか。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) ただいま先生おっしゃるように、この十年の間に相当社会の情勢も変わっておりますし、交通事情も変わっております。したがいまして、そういう現実を十分考えながら、いま先生おっしゃったような方向で将来検討いたしたいというように思っております。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 最後に要望が二点あるのですが、一つは冒頭申し上げましたが、バスターミナルを専心やってまいりました。たとえば福岡市などは一生懸命料金を上げて努力しているけれども、赤字です。こういうものは別途早急に検討してもらう。もちろん福岡だけではありません。そのバスに関係する、いわゆるバスセンターに関連するものに対して、赤字がひどいならば、政府は立法当時の声明のとおりにこれを援助するということ、もう一つの二点目は、たとえば熊本市のターミナル、あるいはこれからできる巣鴨刑務所あとのターミナルについては、これは国民感情からいっても、ターミナルを看板にする事業家が、自分は事業をやっていけぬからと、そういう方向に、もし政府がそれだけに援助しますならば、周囲から猛反撃が出るでしょうから、その点は十分に考えてもらわなければならない。この二点、私の要望なんですが、もし見解があれば伺って、そうして私の質問を終わります。

野村一彦運輸省自動車局長

○政府委員(野村一彦君) 今後のターミナルのあり方につきましては、当然、いわゆるターミナルと付帯事業というものとを——いろいろとその付帯事業の必要といいますが、やむを得ない点についてはあると思いますが、私どもはあくまでも本来のターミナル事業というものの育成というようなことを考えて、そういう範囲内で、これに対する法律の規制、あるいはその助成というようなことも考えていきたいと思います。そういう意味で、一線を画すと申しますか、そういう態度が必要だと思います。  それから既往のターミナル事業について赤字が出た場合の、本来のターミナル部分についての赤字が出た場合の補助ということでございますが、私どもは検討はいたしますけれども、私のただいまの考えといたしましては、既往のものについての、さかのぼっての赤字の補償ということは、これは何といいますか、国の予算技術上も、法律上も問題があるというふうに思いますので、現在私の立場としては、おそらくそれは無理であろうと、こういうふうに思いますが、なお検討はいたしたいと思います。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。    午後一時十一分休憩      —————・—————    午後二時四十五分開会

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として沢田実君が選任されました。     —————————————

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 休憩前に引き続き運輸事情等に関する調査を議題といたします。  質疑に入る前に、近鉄の衝突事故について政府に報告を求めます。山口運輸省鉄道監督局長。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 昨日近畿日本鉄道におきまして、たいへんな列車事故が起きました。申しわけないことでございます。  昨日の十五時五十八分、近畿日本鉄道の大阪線の東垣内信号所におきまして、上本町発名古屋行の特急列車、四両編成でございますが、それと賢島発難波行の特急列車、七両編成でございますが、その両列車がトンネル内で衝突をいたしまして、死者二十三名、負傷者三百十三名を生ずる大事故が発生いたしました。ここに死亡されました方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷なされました方々の一日も早く御回復なされることをお祈りする次第でございます。  この事故の原因につきましては、現在名古屋陸運局長及び陸運局の運転保安課長、それから係員、さらに本省の鉄道監督局の事故調査官を現地に派遣して調査中でございます。なお、今朝政務次官及び民鉄部長も現地におもむきまして、事故の調査とお見舞いにあがっております。  この線につきましては、ATS、それから自動閉塞装置という保安装置を設けておりまして、事故防止につとめていたところでございますけれども、本件事故の発生にかんがみまして、早急にその原因を究明いたしまして、必要な措置を講ずる所存でございます。  なお、死傷者につきましては近畿日本鉄道に対しまして、補償等につきまして万全の措置を講ずるように指示する所存でございます。  なお、今後このような事故の発生を防止いたしますために、国鉄私鉄を通じまして、安全設備についての総点検を行なわせるとともに、安全運動につきまして、その指導を徹底強化してまいる考えでございます。たいへんどうも申しわけない事故を起こしました。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。

伊部真日本社会党

○伊部真君 たいへん重要な人身事故の審議にあたって、運輸大臣の出席がないということは非常に遺憾でありますが、ひとつ事故原因についてお伺いをいたします。  まず、近鉄の会社側の安全に対する姿勢なんでありますが、昨年の十月全国の私鉄の運賃の値上げを許可した条件の中に、輸送力の増強とそれから安全対策の確立ということが条件になっておる。それで二二%の値上げが行なわれたというふうになったのでありますが、その後安全対策に対して近鉄としては、この値上げの資金をもって、前進をするような具体的処置を行なったかどうか、努力を行なっておったかどうかについてひとつ質問をすると同時に、安全点検について監督省として、安全対策についての点検を行なったかどうか。行なったとすれば、具体的な事実について明らかにしてほしいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 昨年の秋に大手私鉄の運賃改定がございました。その際に、運賃改定にあたりまして、各鉄道事業者が、輸送力増強並びに運転保安工事というものを大いに推進をする必要があるということで、それに必要な工事並びにその設備量というものを定めまして、そして運輸省から指示をいたしたのでございます。それでその内容は、大手私鉄設備五ヵ年計画の中身といたしまして、これは四十二年から四十六年まででございますが、全私鉄といたしましては総額四千八百億円にのぼるものでございますが、近畿日本鉄道につきましては、合計といたしまして五ヵ年間に八百億の輸送力増強工事を行なうという計画でございまして、これが完成をするということを条件にいたしたわけでございます。それで近畿日本鉄道におきましても、この計画に従いまして、四十五年度、四十六年度と実際の工事をいたしてまいっておりまして、四十六年度の本年度の計画まで全部入れますと、当初の目標といたしました八百億に対しまして、実績は今年度の計画どおりいたしますれば八百二億ということで、計画を上回ることといたして、いま実施中でございます。なお、四十五年度までにつきましては、この計画につきまして八〇%を完遂いたしております。  それから、その中身といたしましても、輸送力増強計画並びに踏み切り及び運転保安計画というふうに分けて考えてみますと、輸送力増強計画につきましては一〇〇%でございますが、踏み切り及び運転保安工事につきましては、一〇八%というように計画を上回る実績を示しておりまして、まず私ども輸送力増強並びに運転保安工事をいたします熱意というものは見られる、というふうに実は考えておったわけでございます。これによりまして、実際に設備によって事故が起こらないということが必要なわけでございまして、そういう方向で指導をしておったところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 近鉄はかなり付帯事業に広範に手を出しているということが事実明らかなんでございますが、たとえばホテルあるいはボウリングあるいはタクシー、トラック、非常にまあ広範にやっているわけでありますが、そのために業務遂行上に安全管理の面でおろそかになったんではないか、そんな気がいたしますが、安全管理——安全面における会社の機構といいますか、監督上について少しわかっている点があったら聞かしてもらいたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ただいま先生御指摘の前半の問題でございますが、大手私鉄の各鉄道会社の経営の最近のやり方を見てみますと、鉄道事業等は非常に収益があがらない事業でございまして、むしろ赤字を生じておる事業でございます。したがいまして、不動産業その他の兼業によりましてその収益をカバーをし、そして鉄道事業を維持しているというのが偽らざる姿であろうかと思います。で、近鉄におきましても、鉄道事業のほかに不動産業、百貨店業その他の事業というものをいたしております。ただ近鉄におきましては、他の大手私鉄に対しまして全業の中において占める鉄道部門の割合というものは高いほうの会社でございます。全業の総資産と鉄道網の固定資産というものを比べてみましても、近鉄におきましては鉄道部門のウエートがかなり高く占める会社でございまして、鉄道部門における投資につきましても、先ほど申しましたように当初の計画を十分に遂行し得るような投資をいたしております。  それからただいま先生御指摘のような安全確保のための組織面でございますが、これは各営業局というのを持ちまして、そしてその営業局の中に運輸部、施設部、工機部あるいは技術部というふうな組織をもちまして現場管理をいたしております。なお、業務局というのを持ちましてそして全般的な運転保安、技術管理というものをいたしているところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 国民の側から見ると、本来鉄道輸送が主たる任務である。その中で一番重要な問題というのは、やっぱり安全輸送だと思うんですが、どうもそっちのほうに熱心でなくて、ホテル経営とかデパート経営なんかに熱心なためにこんな事故が起きるんじゃないかというふうに、かなりまあ心配をしているわけです。やはりこういう人命に関するような私鉄経営というものは、本来の業務に専念するようにもう少しブレーキをかけないと、非常に無秩序に発展をする、そういう傾向が一番強いと思うので、これらの今後の指導についてひとつ見解を聞きたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 先ほども申し上げましたように、いまの鉄道事業は比較的、運賃の問題等もございまして、事業といたしましては収益性の低い事業でございます。しかしながら、その収益性の低い鉄道事業を維持していくために、現在の各私鉄におきましては、兼業等によりまして利益を得て、そしてその利益をもって鉄道事業部門の収益性の低さを補って事業を経営していくというのが姿でございます。しかしながら先生御指摘のように、何といいましてもこの鉄道事業の会社の本体は、鉄道部門でございます。したがいまして、この鉄道部門におきまして少しでも手を抜くというようなことがございまして、安全面に支障が生ずるということであってはならないわけでございます。で、その面での一番大きなあらわれというのは、結局は輸送力増強なり安全保安投資というものが、ひとつの大きな目標といいますか目安でございまして、私どももその輸送力増強投資なり安全保安投資というものが十分にまず行なわれるということが必要であろう、というふうに考えているところでございます。それで、その安全保安投資につきましては、先ほど申しましたように一応の計画を立てさせまして、そしてその計画に従ってその投資を行なう、設備増強を行なうということを指導しているところでございます。さらに、そういう施設面の増強並びに資金面での資金の投入というような面だけでなくして、さらに人的な面につきましても十分の指導をしなければいかぬわけでございますが、これにつきましては、たとえば心理適性検査あるいは身体検査等の各般の措置、あるいは職員の乗務関係に関するところの各般の検査、たとえば勤務時間に関することだとか、あるいは実乗務時間に関する適正な実乗務時間の確保というようなこと、あるいは超勤の問題というふうなことで、労働者に不当なウエートが、荷重がかかるというようなことがないようにするというふうなこと、それから会社におきまする教育訓練、教習所等におきます教育訓練の面というような各般の面が重要でございまして、そういった面につきましても私ども会社に対して指導しておるわけでございますが、会社といたしましても、そういう組織をもちまして実際の教育なり運営をやっておるところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 続いて、この線は私も前に何回も乗ったことがあるのですが、昔は中川で乗りかえたのですね。いわゆる直流と交流の切りかえがあったところでは必ず乗りかえるということであって、いまでもその接点が、問題のところがあるのですね。同時に、複線でなくて、あそこに単線が相当距離ある。その単線の区間の中でこういう事故が起きたわけですけれども、かって問題のあるような線でありながら、三十九年新幹線ができてから急速にダイヤが過密化されて、そして速度も新幹線との競争ということを考えて非常に速く走る、時間的にも二時間内外短縮したいわゆるダイヤの過密状態で一日に百十二本、一時間で上下線が各七本、頻度の多いところ——事故の当時の線では各六本というふうな状態です。もともとほかの線とは違った問題のある線に、新幹線との競合上、そういうことでダイヤ的にもあるいは速度の面でもかなり無理をさしているのではないか。その無理がこういう事故につながったのではないかというふうに思います。そういう新幹線との競合上無理があったのかなかったのかという点について、明らかにしていただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) この名古屋線とそれから大阪線という二線を、ただいま先生御指摘のように中川というところでまあつないだわけでございます。もとは中川で乗りかえをいたしまして、そして名古屋から大阪、大阪から名古屋のほうへ行ったわけでございます。かってはこの両線の間のゲージが違っておりまして、それでたまたま大水害がございましたときの機会をつかまえまして、そしてゲージを統一いたしまして直通運転を始めたわけでございます。そしてその際に、大阪方から名古屋方へスイッチバックをしないで通せるというために、中川におきまして渡り線をつくりまして、そして現在のような姿の運行にいたしたわけでございます。したがって、この線の使命というのは、当時から大阪。名古屋間の直通の輸送需要に対処するということでございまして、昔からかなり速いスピードの列車を運行いたしておりまして、特に新幹線になってから、これに対抗するためにスピードを上げておったというような線ではございません。  なおこのスピードの問題ということになりますと、結局列車運行ダイヤの組み方という問題になるわけでございます。それで列車運行ダイヤの組み方といたしましては、結局当該地域の線区におきまして、各区間の路線の状況だとかあるいは閉塞区間の長さ、これは信号機の建植位置との関係もございますが、閉塞区間の長さだとかあるいは車両の加速、減速の性能、あるいは制動距離というようなもの、それから列車速度というようなものを十分に勘案いたしまして、私どもランカーブと称するものでございますが、つまり列車が走る曲線でございます。そういったものをきめまして、これに従いまして各駅間の列車のスピードというものをきめまして、そういうきめたものによりまして全体としての列車運行時刻表というものをつくるということで、ダイヤを編成をいたしておるわけであります。したがいまして、そういうような形でやっておりますから、もちろんそのダイヤが危険だというようなことは全然ないように、私どもダイヤを組ましておりまして、当然この姿で運行して安全であるというふうに考えております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 まあ、これは私はしろうとでどうもわかりにくいのですけれども、スピードが三時間で、あるいはダイヤが少なかったときの構造と同じ構造でもってスピードとダイヤを過密させればそこに無理が起きるということは私は常識的に言えるんではないか。そういう意味で考えると、やはりかなり無理が重なってきているのではなかろうか。この点がまだ私には理解できないんですが、まあ先に進むとして、それではあの事故の問題になっているトンネルの単線という問題ですね、これなんかは、まあ単線のトンネルというのはあるでしょうけれども、しかしこれはやはりダイヤの過密の状況によってそれは問題だと思うのですが、この大阪−名古屋のいわゆるメーンとも言われ近鉄としてはドル箱とも言われているようなところでは、当然これは安全上からもダイヤの編成上からもやはり単線では問題があるのではないか、というふうな感じがするわけですがね、この点についてどうお考えですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 大阪から名古屋に参りますこの線は、大阪−名古屋間を直通するという一つの使命、現在とすればその大きな使命があると同時に、大阪付近並びに名古屋付近、四日市等でございますが、そういう大阪付近、名古屋付近におきまする大都市の輸送需要あるいは通勤輸送というものに非常に対処するための線でございます。したがいまして、その大都市付近におきまするところの輸送需要というものは、非常に大きいわけでございまして、そういう都市鉄道としての役割りと、それから大阪−名古屋を直通させる役割り、この二つの役割りを持った線でございます。したがって、この線は輸送需要が非常に大きいものでございますから、近鉄といたしましても輸送力増強計画を非常に幅広にやっておりまして、特にその大阪方、名古屋方に近いところでは輸送力増強をよけい力を入れてやっております。それからまん中の部分でございますが、この点は大阪、名古屋あるいは鳥羽方面もございますが、そちら方面との直通客のための問題でございますから、線路容量があるかどうかということによりまして、これを単線を複線にするという必要性が生まれてくるわけでございまして、その点は現在までだいぶこの辺も複線化いたしておりますがまだ単線のところが残っております。現在残っておりまするおもなところは主として地形上、たとえば山岳地帯であるとか橋梁であるとか、そういうふうな地形上の問題でなかなか単線から複線にしにくいところが残っておるところでございます。まあしかしながら、将来の輸送の需要に対応する線路容量ということを考えてみますと、これも早晩複線にしてまいらなければならぬところであると私ども考えておりますが、現段階では山岳地帯等のために一部複線が残っておるということでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この最大の事故の原因というのは、やはり単線にあると思うんですよ。もしあれが複線であれば正面衝突がなかった。そういう意味で考えると、単線トンネルというものはたいへんな問題点だと私は思います。  その次に、ブレーキがきかなかったということで、ブレーキの電気回線の問題かあるいは手動のほうの問題か、具体的にはまだ明確でないようでありますけれども、しかし、これは乗り物の場合は、自転車でもブレーキがきかなければこれはたいへんなことになるわけです。簡単なことですが、そんな簡単なことが故障で、そして何十名の人命が落とされるというようなことではたいへんなことです。ブレーキの装置について、一つのブレーキがきかなかったときには、それは他のブレーキが作動するというふうなことになっていないのかどうかですね。ブレーキの事故だといわれたら、これから乗り物には不安で乗れぬという状態になってくると思う。この点を明らかにしてもらいたいのですが。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 事故の原因につきまては、現在調査中でございますので、詳しいことはまだ申し上げられませんが、ブレーキの問題につきましては、現在の鉄道車両のブレーキ装置は、一つは手ブレーキというのがございます。これは非常に旧式なブレーキでございますが、その他空気ブレーキ、それから電気ブレーキというのがございまして、そして空気ブレーキには、大別いたしまして直通ブレーキ、自動ブレーキというのがございます。それで、最近の特に高速の長編成の列車につきましては、最も新しいブレーキ装置といたしまして電磁直通空気ブレーキというものに電気ブレーキを併用したブレーキを使うということになっております。それで、電磁直通空気、ブレーキといいますのは、結局高速長編成用の列車につきましてブレーキのききが非常に時間的に早くきくという特性を持っておるわけでございまして、そういう最新式のブレーキでございますが、そういうブレーキが多く使用されております。それで、その電磁直通空気ブレーキのほかに、さらに自動空気ブレーキが補助ブレーキとして使われておりまして、二重のブレーキ構造として働いておるということでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 まだ原因がはっきりしないのですけれども、しかし、手動ブレーキに切りかえて、それで事故が起きたということなんですが、ブレーキがきかなかったということのようですけれども、それはいまのところわかりませんか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) いま、どういうブレーキのかけ方だったかわかりませんけれども、手動ブレーキと先ほど私ども申しましたのは、これは手で締めるブレーキでございまして、これは非常に旧式なブレーキでございます。それで、新しい車両はすべて空気ブレーキと電気ブレーキというものがブレーキの中心的なブレーキでございまして、そうしてこの電磁直通空気ブレーキというのは、その直通の空気ブレーキをさらに改良いたしたものでございます。従来のブレーキですと、ブレーキをかけてから貫通いたしておりまして、直通してきいてくるのがおそいというような欠点をなくするために、電磁直通空気ブレーキというものを使うということになったわけであります。それに電気ブレーキを併用いたしておりまして、それをいまブレーキとして使っております。さらに、その上に自動空気ブレーキというのがございまして、これは主として列車分離等の場合にこのブレキが作用するというようなことのために使用しておるわけでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 原因がまだ十分にわかっておりませんので、その辺にいたします。  次に、自動列車停止装置、ATSがまず故障になったというふうなことなんでありまして、それで手動に切りかえたというようなことが報道されておるわけであります。ATSの性能についてですけれども、聞くところによると、これが入ったときにはアメリカのメーカー品が使われたということですが、最近は国産のものが開発されて使われておるということですが、今度の近鉄の場合は性能的にどうなんですか。ほかのたとえば国鉄やあるいはほかの私鉄のものと性能的にテストが行なわれたり、検査が行なわれておると思いますが、その状況について聞きたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ATSの一番最初の形態は、いわば警報装置でございまして、列車が一定の地域に参りましたときに警報を発して、そうして乗務員に知らせるということがATS装置の一番のスタートでございます。しかし、そういったようなことでは、運転者のみに対して警戒を発するということの意味しかございませんので、これでは保安上適当ではないということで、さらにATSは、一定の地点を一定の速度で通過をするというような場合には、そのときにブレーキが自動的にかかるというものを開発いたしまして、そうして使用を始めたのがATSの本格的な発展につながっておるわけであります。  そこで、そういう形のATSは、実は国鉄がそういうものを二十九年から三十二、三年にかけましてだんだん使い始めてまいったわけでございます。その後、国鉄のこの形のATSにおきましてなお事故が起きました。新宿あるいは品川等で事故が起きました。やはり簡単な事故でATSが開放できるというようなこともございましたし、それから一段階といいますか、一ぺんだけATSがきくというような形のものであったわけでございます。で、そういうような経過にかんがみまして、四十二年ごろから、私鉄につきまして、運輸省が指導いたしまして、ATSの緊急整備というものをやらせました。そうして、大手私鉄各社に対しまして、こういう区間にはこういう形のATSをつけなさいという指導をいたしました。それで、こういう区間にはというのは、いわば緊急整備区間でありまして、たとえば大都市周辺の線だとか、あるいは急行、特急が走る線だとかというような線を指定いたしまして、こういう線区にはATSをつけなさい、つけるATSはどういうものでなければならないということで、今度はそちらのほうの規制をいたしました。  その内容は、一つは多段階式であるという要望をいたしました。それはたとえば六十五キロ、四十五キロ、三十キロというようにスピードの段階をつけまして、そうして六十五キロの地点を六十五キロ以上の速いスピードで通過するときには、ひとりでにブレーキがかかりまして六十五キロ以下になる。さらに四十五キロのスピード地点を通過するときには、その列車が四十五キロよりも速いスピードのときには四十五キロになるようにブレーキがきくという形で、多段階のATSというものをつけるようにしなさい。それについての速度照査というものをするようにしなさい。ということに、基本的にいたしました。そうしてさらに、このATSのための地上設備と車上設備がございますが、地上設備のある区間につきましては、簡単に車上設備が開放することはできないようなことにするというような設備上の特性を加えさせまして、そしてそういう姿のATSというものをつけなさいということにいたしました。したがいまして、このATSは、国鉄のこの辺の通勤電車のATSよりもはるかに性能的には高い性能でございます。国内ではやはり新幹線のATSでございますが、これはこの性能よりもまだ何といいますか精度の高いものでございますが、新幹線に次ぎましてこの私鉄が使っておりますATSというものは精度が高いというふうに私ども考えております。そういう意味で、非常にいい性能のATSを実はつけさしたわけでございますが、そういう性能のATSでもまたこの事故が起きてしまった。私ども非常な衝撃を受けているわけでございますが、今後ともその内容なり原因をもっときわめたいと思っております。

伊部真日本社会党

○伊部真君 性能がよくても故障が起きるということでは何にもなりませんが、今度の場合は故障だということなんですか。ATSの故障というようなことが起こり得るわけですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まだ今回の事故が、はたしてATSの故障によるものかどうかという点が、まだはっきりわかってないんですが、ATSは原則として通常故障する場合には安全側に働くような機構には一応なっております。故障といたしまして、たとえば落雷等があって故障する等がございますが、一応は安全側に働くようになっておりますが、今回故障があったとすれば、どういう形の故障があったかどうか、ちょっとまだ原因調査が進んでおりません。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この事故の発生した時間が、新聞で見ると三時五十八分ですか、救助作業が始まったのは何時ですか、それはあなたのほうでわかっていませんか、遭難者の救助作業が始まったのは。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 実は、私ども昨日役所におりまして、五時ちょっと前でございますか、何か大きな事故があったということを伺いまして、それで私どもさっそくその場所を調べてみましたところ、これはATSの整備区間でありまして、しかもこれが完全に整備が終わっておる区間でございます。さらにいま一つこのATSのほかにこれは単線自動閉塞方式という閉塞区間の安全装置がついておりまして、その意味でも正面衝突ということは普通はないはずの線でございます。そういうことでございますので、私どもそれは何かの間違いじゃないかというふうに実は初め感じておりました。  ところが、この事情が非常につかめませんで、なぜそんなにつかめなかったかということは、どうもこの地点が非常に道路からかなり徒歩で入ったところであるようでございまして、大きな車等では入れなかった場所のようでございます。そのため、私ども事故の第一報といいますか正式な報告なり事情というものをなかなか把握できなかった。会社でも十分に把握していなかったようだということを私ども感ずるわけでございまして、この点は事故の内容の把握並びにそれに対する手配が万全でなかったということにつきましては、反省をいたしておるところでございます。

伊部真日本社会党

○伊部真君 この事故が起きてから救助作業といいますか発見をされたというのは、相当の時間がかかっているというふうに言われている。しかも通りがかりの人がそれを知ったというふうなことから始まっているようです、数時間たってから。これは、一時間あるいは三十分早ければ命が助かるという人がそのために、救助作業があるいは発見がおくれたために命を落したという人が、私は何人かおるのじゃないか。で、こういう事故が発生をしたときに、何らかの形でその電鉄のもよりのところへ知らせるような方法がないものだろうか。ただ行きがかりの人を待っているというようなことでは、これは人道上からもたいへんなことだと思うんです。そういう意味で考えると、好ましいことではありませんが、事故発生のときに備えて、やはり救急対策というものが、何らかの形で当然に設備されなければいかぬのじゃないか。こういう問題は、やはりこれからの重要問題だと思いますし、それを研究することが必要だと思うんですけれども、その点について。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず問題は、事故の発生した場合にその状況を的確に把握するための施設なり、あるいはそういう仕組みということがまず第一の問題であろうかと思います。これにつきましては、鉄道の場合には通信設備が非常に発達しておりまして、各駅と、それから運転指令室というのがございまして、その運転指令室の間には通信設備が完全にできておりまして、したがって、通常の場合ならば、どこで事故が起きても直ちにわかるはずのものでございます。で問題は、この場合に、事故が起きて、通信設備の破壊等もあったとは思いますが、比較的状況の把握がおそかったということでありまして、この点は、いままでの通信設備のやり方でいいのかどうか。これは通常の鉄道電話のほかに、先ほど申しました閉塞等のための電話、運転指令等のための電話というような連絡方法があるはずでございますが、それが非常におくれたということは、やはりどこかにそういう面の欠陥があったんじゃないかと私ども考えるわけでございまして、これは今後そういう欠陥をなくしていく方向に進んでいかなきゃならぬというふうに、つくづく考えるところでございます。  それから第二番目の救急体制でございますが、これも実は各駅におきまして、どういう事故が起こった場合にはどこの救急病院に運ぶとかというようなことを全部きめておりまして、そういう仕組みになってやっておるわけなんでございますが、本件の場合におきましても、その点で非常に地元の御協力をわずらわしましたけれども、会社側としての救急体制は、必ずしも万全でなかったように私感ずるところでございます。今後ともその点は十分に指導してまいりたいと思います。

小柳勇日本社会党

○小柳勇君 これは現地で専門屋がいないとこの原因もよくわからぬと思うが、ずっと新聞の報ずるところ——新聞もこれは専門屋でもないからいろいろ間違った点もありますけれども、想像ですけれども、名古屋行の特急が七分おくれで問題のトンネルでとまりまして、そしてATSが故障で、こいつをきかないようにして出て、出るときに助役が乗ったと書いてありますが、これは通常のタブレットのかわりに乗っているんじゃないか。おそらく自動信号が不良だったんじゃないかと思うんですよ。おそらくこれはタブレットのかわりに助役が乗っておる、まあこの人死んでいますけれども。したがって、この名古屋行特急というのがブレーキが故障して、そして下り勾配でブレーキがきかなくなって、向こうから大阪行も二分おくれで出ていますから、その駅の間でその七分おくれの名古屋行が故障したということがわかっておれば、大阪行は駅でとめられるわけですから、やっぱりいろんな条件が重なっておるように思います。で、その特急の電車が手ブレーキだけでとまるはずがありません。これはもう全然そういうはずがないわけでして、空気ブレーキか電動ブレーキがきいたはずです。ATSだけはきかないように、これはボタン押してやりますから、だからATSがきくきかぬよりも、ブレーキがきくきかないが問題です。同時に、助役が乗ったということは、これは単線ですから、自動信号がきかなきゃ、タブレットがわりに助役が乗らなければなりません、これは自動閉塞ですから。だから自動閉塞の故障と、それからこの名古屋行のブレーキのATSの故障、こういうものの重なりです。それを大阪行の、向こうのほうの助役が名古屋行の向こうを把握できなかった、区間が短いものですから。そういう条件の重なりだと思います。たいして原因は複雑じゃないと思うのですけれども、そういうものですから、これ専門屋が見ればすぐわかることです。ただ運転士が一人なくなっておりますから、そこのところがどうかわかりませんが、また助役がなくなったようでありますが、まことに残念でありますが、助役がもし生存ならばもう一目りょう然、この電車に駅の助役が乗るはずがありません。これは自動閉塞区間ですから通報のために乗っているわけです。それはそういうふうになっていますから、たぶんそうだと思います。したがっていまいろいろ原因をここで追及しましてもあまり意味のない気がいたしますし、また鉄監局長がおわびになる必要もない。それは平素訓練の必要はあります。訓練と熟練、そういう問題は一つ問題にしなければならないと思います。あとの復旧の問題について最善を尽くしてもらいたいことと、それから死傷者その他の弔慰なり、あるいは重傷者の手当てなり、そういうものにひとつ最善を尽くすように会社に言ってもらいたいと思います。あとの問題は熟練、訓練の問題でありまして、私はこれはあまり複雑な事故じゃないという気がいたします。事故の原因がわかりましたら、またあらたに質問いたしたいと思います。以上です。

田代富士男公明党

○田代富士男君 昨日、ただいま報告がありましたとおりに近鉄の衝突事故が起きまして、私も直接現場には行っておりませんが、公明党はいち早く衆議院の沖本議員と参議院の沢田議員二名を現地にやりまして、そしてつぶさに、三重県の公明党本部にこの事故対策本部を設けまして、また事故者の名簿が近鉄の発表されていない時点で公明党は大阪関係者のほうにも、大阪本部にも連絡をとりまして、そういう家族の人たちに対しましてもいち早く手を打ってまいりました。いま沢田議員が昨夜徹夜したというぐらいに全力的に取り組んでまいりました。  で、この問題はただ単なる私は事故として終わらしちゃならないと思うんです。起きてしまった事故というものは一件の事故かわかりません。しかし、これを私も調べてまいりましたら、四十五年の春以来このような大きな私鉄事故が六件起きているんです、大きな事故が。そしてその四十五年以来大きい事故の六件のうち死亡者が二十名、負傷した人が四百数十名という一応統計上出ております。ところが、今回の近鉄の事故は現在までに二十三名、その二十三名の死亡者の中で現在身元がわかっているのが十三名、あとの十名は身元がわかっておりません。また現在電車の下敷きになっている遺体が六体、こういうような私鉄の大きな六件の事故を合計したと同じ事故が、近鉄の今回の事故だけで起きているわけなんです。じゃこれは偶然にして起きたかと、私はそうじゃないと思うんです。  たとえば近鉄自身の事故を調べてみました。そうしましたら昭和三十八年の五月近鉄南大阪線阿倍野橋の東踏み切りで百十名にわたる重傷者を出した事故を起こしております。そのあとに四十一年の十一月、これも近鉄の大阪線です。大阪府下の国分です。ここで準急と特急が衝突しております。この際に百七十四名の死傷者を出しております。このときにも百七十四名の死傷者が出ております。そうして四十四年の八月、同じく近鉄の大阪線におきまして、これは三重県の一志郡、ちょうど今回の事故が起きましたのも一志郡でありますが、これは特急が脱線転覆をしまして六十数人の負傷者を出しております。近鉄だけを考えましても大きな事故三つ、このように起きてきておるわけなんです。そのたびごとに運輸省の当局としてこれに対する原因を確かめ、そしてそれぞれの指示をされてきたと思います。これは近鉄だけを取り上げましたけれども、ほかの東武鉄道あるいはほかのさまざまな例がありますけれども、近鉄一つ取り上げましてもこれだけの事故が起きておる。これは私は、これだけの事故を起こしたにもかかわらず、何ら反省するその姿勢というものが見当たらないと思うのです。私はそれに対してまずどのように、こういう過去に事故を起こして、この近鉄だけを通じましても、これだけの大きな事故を起こしてきておる。まして今回は昭和四十五年春以来の大きな事件の、六件起きておるそれと匹敵するような死傷者を出しておるということに対してどのようにお考えであるかどうか、まずお尋ねしたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 先生御指摘のように、今回の事故は非常に大きな事故でございまして、非常に多くの方々を失い、またおけがをなされたということに対しましては、まことに申しわけないことと思います。  事故の防止につきましては、私ども何といってもいろいろな面がある。どうしてもこれに対する事故の防止の方策というのは、そういう各面を全部やって事故をつぶしていくというような方向でなければいけないというふうに考えております。私どもよく言うことでございますが、いまの東海道新幹線が開業以来四億人を輸送して、そうして一人の死傷者も出していないわけでございます。それでなぜそれじゃそういう死傷者を出していないのかということを見ますと、一つには東海道新幹線の場合には線路にしても車両にしても、ある意味で現在の技術の粋を尽くして、そうして事故が起きないような形態のものを知恵をしぼってつくり上げたという、何といいますか、鉄道それ自身の原因に基づくものが一つあるわけでございます。  それから第二番目に私ども考えますことは、従来大きな事故は必ず追突をしたり、それから今回のような正面衝突をしたりというような、つまり車両と車両との関係の接触等による事故というのが、大きな事故の原因でございます。新幹線の場合におきましてはその車両と車両との関係の事故をつぶすということのために、やはりATSの、今回もATSがついておるわけなんでございますが、このATSによりまして、むしろ自動運転に近い姿のATSをつくるということによりまして、その車両と車両の事故の防止をはかった。  それから第三番目に、今度は事故の一番大きな原因の一つといたしまして、鉄道の車両と道路上の自動車等との関係の事故でございまして、これは踏切事故でございますが、その踏切事故がいまの鉄道事故の大部分でございまして、これを何とかつぶさなければならぬということで、新幹線は全部立体交差にしてしまったということで、踏切事故がなくなったということでございます。  それであと職員の教育訓練の問題、労働者の労働条件の問題その他ございますが、基本的にはそのような設備上の特性というものを備えたことが、新幹線のそういうような四億人を輸送して一人の死傷者もないというようなことを生み出したわけでございます。私ども、基本的にはやはり事故防止につきましては、そういうふうなことを根幹と考えていかなければならぬということに考えておりまして、そうして、たとえば職員が居眠りをしても事故が起きない、あるいは何らかの事由によって失心をしても事故が起きないというような姿にまで持っていかなければいけない。こういうふうに考えております。そのためには、必要な設備投資等も十分にやらせなければならぬというふうに考えておりまして、そういう設備投資をやることがやはり事故の防止に役立つというふうに考えております。  それからいま一つは、なかなかまだそこまでも設備投資がいかないということになれば、やはり人的な面でこれを補っていかなければいかぬわけでございまして、そのためには必要な教育訓練をやるとか、あるいは適性検査を行なうとか、あるいは身体的適性検査を行なって、そして必要な人に必要な仕事をしていただくとか、そういうふうな指導教養というものをやはりやっていかなければいかぬというふうに考えます。  それからさらにいま一つの面は、職員はやはり人間でございますから、労働条件というものをやっぱりよくしていかなければならない。たとえば、労働時間あるいは実ハンドル時間とか、そういうふうないろいろなダイヤに関連いたしまするところの勤務上の条件というものをよくして、そしてそれによって事故の発生する余地というものを、できるだけつぶしていくという基本的な方針が必要だろうと思うわけでございます。私どもそういう各般の面をとらえまして、できるだけ事故を少なくしていく、事故を絶滅していくというふうに努力をいたしておるところでございます。会社につきましても、そういう面で指導しておるわけでございますが、今回のような事故が起こりましたことによりまして、まだ私ども不十分であるというふうに、深く反省をいたしておるところでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いま山口局長がるる申されまして、新幹線と対照いたしましていま話をされました。しかし、近鉄の事故だけを申し上げましたが、それ以外にも大阪の近くでしたらば、昨年の七月には神戸電鉄が丸山駅構内でも事故を起こしております。これでも八十三名の負傷者が出ております。またこれ以外にも昨年のちょうどいまから一年前は、東武鉄道が伊勢崎付近で二百四十二名のこれまた死傷者を出しておる。またことしに入りましては、富士急行が大月線におきまして八十四名の死傷者を出しておる。山口局長が鉄監局長になられる前の事件もあると思いますけれども、対策を講じてきているといろいろ申されますけれども、私は、確かにそれは対策を講じられているかもわかりませんけれども、しかしこういう起こってきた問題を一つ一つ原因を、何が原因であるかということを明快に明らかにして、それを対策していくならば、このように二ヵ月に一ぺん、このような大きな事故が起きるわけがないと思うのです。こういう根本的な解明がなされていない。その一つの実例をあげますと、ただいま申し上げました四十四年の八月に近鉄が、いま申しましたとおりに、伊勢中川駅構外の雲出川のところで特急が脱線した事故があります。この事故を追及していきますと、今回の事故とそっくり同じ場所で事故が起きてるんですよ。場所こそ違え分岐点において起きてるんですよ。これも複線と単線との分岐点です。ここで四十四年の八月にすでに特急が脱線してるんです。このときの原因がまだ明らかにされてない。何が原因で特急が脱線したのか、こういうような問題。四十四年の八月のこの問題が、原因は何であるということを解明されておるならば、今回のような分岐点におけるところのこういう事故は絶体に起こってないんですよ。私はこのことが残念でなりません。いま言うように、設備も備えて事故をなくしていかなきゃならぬとるるお述べになりましたけれども、これは四十四年八月のこの伊勢中川駅構外の事件と同じである。この点につきまして、どのようにお考えであるか、まず、はっきりしていただきたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 四十四年の中川駅におきまする事故は、まさに先生御指摘のように近鉄の事故でもございますし、それからまだ原因が完全にはっきりしておるとは申し上げられないところでございます。と申しますのは、これにつきまして、事故に関する一番の専門家ということによりまして、国鉄の技術研究所に調査を依頼をいたしまして、そうして調査をいたしたのでございますが、その技術研究所の結論によりましては、競合脱線であるということでございまして、その競合脱線がどういう形で、どういう原因で、さらにその競合脱線の先の原因があるのかということにつきまして、いろいろ検討をいたしていただいたわけでございますが、詳細につきましては、まだ調査が進んでない、こういう現状でございます。私ども何とかいたしましてこの技術の力によりまして、事故が起こった場合の原因というものを究明をいたさなければならぬわけでございます。今回の事故につきましても、さっそく専門家を差し向けまして、そうして事故の原因の究明というものをいたさしておるわけでございます。今後ともそういう方向で一日も早く原因を究明いたしまして、それに適応した対策を講じていかなければならぬと、このように考えておるわけでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 原因を究明する、それはそうしてもらわなきゃなりませんが、これはちょうど二年前の事件です。これが二年間でまだ何ら手がかりがない。もしも手がかりがあるならば——二年前と同じ事件が今回再び繰り返されているのです。ここを私は言いたいんです。二年前と事件が違うんじゃない、場所こそ違え同じです。私はこれは、事故を究明します、究明しますと、このように委員会あるいはその他で言うだけでは済まされないと思うんです、人間の生命の問題がかかってきておりますから。まあこの事件は山口局長の時代じゃないと思いますけれども、今回の事件に対しましては、二度とこういうことのないように、ひとつやっていただきたいと思います。これはもう強く要望しておきたいと思います。  そこで今回の事件につきまして、まだ現地調査、今後またいろいろ技術的に調査しなければ結果は判明しないと思いますが、現段階において、いろいろその原因について述べられておりますが、当事者であります近鉄首脳部の話を聞きますと、大阪線に走っている列車は、いずれの列車も四十四年度に新造されたばかりのもので、ATSの装置を備えてるんだから、たとえ信号機がこわれていても、何か異常があれば列車は自動的に停車することになっているはずだと、このような答弁を、記者会見の席上であろうと——私も直接聞きました、こういう答弁です。事故が起こるたびごとに聞かれることは、そんなはずはなかったという、そんなことは考えられないというようなことが、毎回こういうことが繰り返されるわけなんです。私はこのATS装置がつけられた、これによりまして、確かにそういう面の事故は幾らか減ったかわかりませんけれども、総合的に安全性を確保する努力というものが、機械にたより過ぎたために、そういうような面の注意力というか、機械があっても——いま局長も言われたが、もしか居眠りをした場合でもとまるようになっているという安心感というもの、そういうものがあったために今回の事故も起きてるんじゃないかと私は思いますが、どうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 鉄道の従業員といたしまして、安全の確保が一番大切なことでございます。で、私ども何といたしましても大事な人命を預かり、そして高速の列車を運転する職員でございますから、この職員がりっぱな教育を受け、そして十分な訓練をしまして、そして安全運転をしなければならぬということをかたく信じております。そしてまた、そのために車内あるいは各列車区その他の業務機関におきまする教習というようなものも、十分に心を配っておるわけでございまして、決して教育面あるいは指導面というものをないがしろにする趣旨でございません。ただ、先ほど私が申し上げました趣旨は、そういう面をひとつ十分にやりますと同時に、やはり設備面でも力を入れまして、そして設備面からも事故が起きないようなことにやはり努力をしなければいけないという意味で、そういう面では安全施設というものをやはり金を十分にかけて、そしてやっていかなければいけないという趣旨でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで私が言いたいことは、こういう過密ダイヤあるいはこういうスピード化に追いまくられたために、何とかスピードアップしなくちゃならないということと、それから現在合理化とか省力化とか、そういう急ぐあまりに、いろいろ私鉄におきましても設備の面の整備というものがなされてきておりますが、単線の場合安全確認に最も有効でありました、いまも小柳先生から話がありましたタブレット運行というものが省力化、ATS、こういう関係のために簡単に捨てられてしまっていると。確かにこのようなATSの施設のための事故は防げたと思いますけれども、このATSなどによったために単線での事故が逆に目立ってきている、単線におけるところの。私はこういう点を心配するわけなんです。単線の事故が最近特に目立ってきている。こういう点に対しましては、一面では省力化としてそれはいくべきだと、ATS等にも力を入れるべきだというけれども、こういうようなタブレット運行というようなものが簡単に捨てられているということ。今回、事実そうじゃないかと思うんです。私はこの点に対してどのようにお考えであるか、ひとつお願いしたいと思うんです。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 先生御指摘のようにタブレット方式によるところの閉塞方式というのは非常に昔から使われ、しかも非常に有効な保安装置であるということはもう認められているところでございます。ただこの区間に使っておりまする閉塞方式といたしましては単線自動閉塞方式でございまして、この考え方はいわばタブレット方式というものを人の手でタブレットを渡すということをしないでやる、機械でもってタブレット方式と同じようなことをやる、それからさらにもう一歩進めまして、信号とそれから転轍機というものを連動をさせる。信号がたとえば左のほうに開いていれば転轍機も左のほうに開く、信号が右へくれば転轍機も右のほうにくると、そういうことによりまして信号と転轍を連動をさせる。さらにある信号と別の信号と連動にさせるということにしまして、たとえば右から来る列車の信号が青であれば左からくる列車に対する信号は必ず赤になるというような閉塞方式を考えまして、それがこの単線自動閉塞方式でございます。したがいまして、この閉塞方式は従来のタブレット閉塞方式と原理は基本的には同じでございます。ただ、これをさらに安全にし、そして人の錯覚を防止するという趣旨でこういう形になっております。それからATSは若干それとは性格を異にするものでございまして、ある信号機が赤になった場合に、その前の信号灯を通過する場合には当然ブレーキがきくと、当然その列車にブレーキがかかるという趣旨でございます。この二つの、信号方式と閉塞方式とそれからATSと、この二つの保安方式によりまして列車の運転の安全を期そうと、こういう考え方でございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで今回の事故の状態を一つ一つ聞いてみたいと思いますが、この上六発の名古屋行の下り特急が事故発生直前に東青山駅で一たん停止をしております。このときに助役が事故列車に同乗したわけです。なぜ乗車をしたのか、だから、事故発生前に信号機が故障の状態であったのかどうか。それならば相当の注意運転をすべきであったけれども、まあ現場を見てきた人からの報告を聞きますと、ものすごいスピードが出ていたということですね。現地で判断されているわけなんです。この点の、局長自身が行っていらっしゃらないから返事はできないと思いますが、どのようにお考えでございますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 事故の原因等にかかわりますのでまだ明確にはわかっておりませんが、ただいま先生御指摘のように、この列車は青山駅の下り構内信号機の進行信号を確認して運転をいたしましたところがATSが動作をした、正常に働いておればそういうことはないはずでございますが、それが動作をしたというのでそこで一たん停止をいたしましてそして運転手が東青山駅に連絡をした、そして駅から運転指令に連絡をいたしまして指示を仰いだ結果、同駅の助役がその列車に乗り込んだというのがどうも実情のようでございます。したがいまして、その場合に運転者が乗り込んでそして注意運転をしているべきはずでございますが、したがって、その場合には東垣内の駅で停車をするという操作を当然しなければならないはずでございますが、それが先生御指摘のように停車せずに非常に速いスピードでそこを通ったということがどうも事故の原因のように思われるわけでございます。で、その点はどうしてそういうことになったのかという点につきましては、まだ実は現地から帰ってまいりませんのでわかりませんが、どうも実情はそのようなふうでございます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで、停止すべき列車が停止しなかった、もしか運転手が信号を無視して、停止信号であるにもかかわらず進行したといたしましても、さっきからるる聞いているような設備がしていれば、安全側線といいますか、そちらのほうに乗り上げる装置になっているはずですけれども、これがどうしてこうなったか、この点に対してどうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) ただいま申し上げましたように、信号と転轍が連動いたしております。したがいまして、名古屋行の列車が当然この駅でとまるという前提でここが赤信号になっていたとすれば、当然その転轍機は安全側線のほうに開いていたはずでございます。したがって、大阪方面へ向かった列車がその前の閉塞区間に入っておるわけでございますから、そういう前提に立ちますれば、当然この信号機は赤でございまして、線路は安全側線のほうに開いていたはずだ。したがって、それがどうして安全側線でなく本線のほうに入っていったかという点は、実はまだわからないのでございますが、一つの推測でございますが、脱線をして、そして脱線した車両が何らかの形で本線のほうに誘導されたというようなことが考えられるわけでございます。今後の調査を待ちませんと、正確なことはちょっとお答えできないと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 まあその辺が一番微妙なところですけれども、いまのお話でもちょっと気にかかるところがあるわけなんですね。何らかの形で本線に誘導されたというのは微妙なお答えだと思うのです、私。まあしかし、現場を見て来た人の話によりますと、安全側線に入るべき状態が認められたけれども、それが何らかの形で本線に入ったと、いま局長がおっしゃったとおりに。現地の線路というものは、あめ状に曲がっているんですね。その現地判断では、制限速度で走っていたならはこういうことは考えられないという、これは県警本部のほうからもそういうようなことが聞かれております。これはどうなんですか、その状況は。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) これも推測の域を出ませんが、おそらくは先生おっしゃったように、ブレーキの故障かどうかはっきりわかりませんが、とにかくそういうようなことによりまして、制限速度を越えたスピードで通過をしたのではないか、そのために脱線をし、そして、それによってさらに別のルートに導かれたというのではないかと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 この問題につきましては、深く私がここで追及しても結論は出ないと思います。局長としてもそれ以上はおそらく答弁できないと思うのですが、一つだけ、私はいまいろいろ御説明いただいた中で、私が申すまでもなく、一つの閉塞区間に一列車というのが原則として保たれております。これが安全運転を保つ原則になっております。そこで、信号機が停止信号の場合は、その一閉塞区間に列車がおるか、あるいはポイントが故障であるか、二つのうちのいずれかでなくちゃならないと思うのです。そこで、私が最初に聞きました東青山駅の助役が同乗されたという条件というものは、閉塞変更しなくてはならないのに、条件を無視して、安全運転の条件を欠いていたんじゃないかと、私はこのように思うのですが、局長どうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) その点が実は非常にむずかしいところでございまして、結局、先生おっしゃいましたように、まず閉塞区間の目的といいますか、閉塞の考え方は、ある区間に列車がありますれば、その前の信号機は赤でございますし、さらにその前の信号機は注意でございます。その次の信号機になってはじめて進行信号を現示するということでございますから、通常、その信号どおりの通行をいたしておれは、絶体に衝突をしないというのが閉塞区間の考え方でございます。したがいまして、先生御指摘のように、もしこの間に赤が現示しているとすれば、そのすぐ前の閉塞区間に列車が存在するということか、あるいは何らかの間違いで、あるいは故障等によりまして赤を現示するか、というようなことしか考えられないわけでございます。したがって、当然その場合には、信号機の赤を現示するということになれば、列車のいる本線側には線路は構成されていなかった、通路は構成されていなかったはずでございますが、当然安全側線側に線路は構成されていた、というふうに考えられるわけでございます。したがって、当然そこでは停車すべきであるし、もしそのままの状態で進行するとすれば、安全側線側に列車は入ったはずだというふうに考えるわけでございます。それが本線側に出たということになりますと、それは、おそらく先生御指摘のように、その間をかなりのスピードで走ったということのために脱線等が起きた、脱線等が起きたために、したがって安全側線側の線路の上をそのまま通ることができないで、曲がっていったというようなふうに考えられるわけでございます。まだ、もう少し現地の様子を聞いてみないとわかりませんが、いまの得た情報ではそんなふうな気がいたします。

田代富士男公明党

○田代富士男君 局長のおっしゃるとおりに、信号機がもし故障であったとしても、また運転手が信号を無視したとしても、あるいはATSの装置が故障であったとしても、安全側線に入れるというふうになっていたら、そちらに入るはずだ。それは局長のおっしゃったとおりだと思いますが、それに入らなかった。どの地点で脱線したか正確にわかりませんけれども、そういうことで、勾配は千分の三十三でございますか、そういうあれでかなりのスピードがついていたということ、これは最終的には調査の結果を待たねばならないと思いますけれども、たぶん私もそうではなかろうかと思うわけですが、これは調査待ちしなければならないと思う。  いずれにいたしましても、私はこの事故を通じまして、このような近鉄特急のスピードでは、単線区間では無理ではないか。四十四年八月の、ただいま申し上げました事故でございますが、同じ一志郡の事故も分岐点で起きている。今回の事故も分岐点で起きている。単線分岐における事故があることが何よりの証拠ではないかと思うんです。そういう意味におきまして、早急に、これだけのスピード化する単線区間というものは解決しなくてはならないし、複線化しなければならないと思うんですが、どうでしょうか。それ以外に根本的解決の道はない。第三の同じこういう単線分岐における事故が起きてくると思いますが、これは事故は避けられますか。これを避けるには複線にする以外にないと思いますが、どうでしょうか、その点は。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 線路の単線、複線という、これの目的というのは、主としてそれは輸送力を確保するための線路容量のいかんということにかかるわけでございまして、複線にいたしますと、単線部分の線路容量の二倍でなくて、もっとはるかに多い線路容量を確保するということができるわけでございます。それで、次の保安面でいきますと、単線でございましても複線でございましても、閉塞区間の考え方というものは基本的に同じでございます。要するに、同じその区間には列車は絶対に入れないというような仕組みでございます。そういう点からいきますと、この単線、複線が即保安上の問題というものに直接関連はないということは言えるわけでございますが、ただ列車の回数が非常にふえてまいりまして、しかも近鉄のように、かなりの部分が複線化しております、そうして現在山岳部分その他におきまして若干単線が残っておるというような地域につきましては、これはできるだけ複線化を促進するということが、輸送の効率という面からも、あるいは保安の面からも、あるいは従業員の取り扱い上の問題という面からも非常に望ましいわけでございます。先生御指摘のように、そういう方向で今後進めてまいらなければならない、このように考えます。

田代富士男公明党

○田代富士男君 そこで私は、そういう単線、複線という問題点をいま申し上げまして、複線にしなくてはならないということを申し上げた次第ですけれども、これは同時に、私はもう一つの原因は、無理なダイヤ編成ではないかと思うんです。  というのは、現在の事故現場の東青山−榊原温泉口というのは、御承知のとおり、これは言うまでもありませんが、上本町から名古屋に行く経路にあたっております。また、上本町から中川、宇治山田を経由して賢島に行く、二系統が運転されておるわけです。そういう近鉄大阪線とすれば、近鉄にとりましても一つの幹線ではないかと思うんです。その幹線に単線区間があるわけですが、その単線区間を通過する列車は、上本町と名古屋を結ぶ特急、急行が一日に六十八往復、それから上本町から賢島に参ります特急、急行が同じく四十四往復、それから湯の山から大阪間の特急が五往復、したがって一日に二百三十四本の列車が、こういう特急、急行合わせまして通過する。時間にしますと四分に一本というような、単線区間ではぎりぎりいっぱいの過密ぶりであります。いま局長のおっしゃいました線路容量の問題でありますと、実に四分間に一本というような、単線区間ではぎりぎりいっぱいのこういうような過密ぶり。  特に昨年三月からは、伊勢、志摩方面の観光客が激増しております。賢島まで延ばしまして、それにレジャー客、あるいはそういうようなすべての団体輸送等が行なわれておりますけれども、これじゃあ私は無理じゃないかと思うんです。ただもう、もうけ主義一本、輸送力増強。このもうけ主義一本という、一言でいうならば、その結果が今回の近鉄の惨事を招いたんじゃないかと思うんです。これが結果としてあらわれた証拠じゃないかと思うんです。これは近鉄の今回の事故であると同時に、全国の私鉄全体にも、これは過密ダイヤといいますか、無理なダイヤ編成というものにつきましては一考を要しなくちゃならない。  私は、その点もうこれはたいへんなことだと思う。まして近鉄は、国鉄に新幹線ができましてから、上六から名古屋まで行く客が新幹線に取られてしまった。それからあの手この手と、近鉄はお客を取り戻すために手を打ってきました。山口局長は、いまさっき伊部議員からそういう意味の質問があったときに、そういう新幹線と対抗するというような意識は考えておりません、そういうような御答弁をされましたけれども、料金の面を見てみますと、名古屋−大阪間、近鉄特急は時間が二時間三十一分、金額にして千百六十円。国鉄の急行は二時間四十分、料金は千円。ただ時間において九分、近鉄が早い。そのかわりに料金が百六十円だけ高いんです。近鉄は大阪のどまん中の難波まで行く。国鉄は梅田である。こういう点で、あらゆる面からそういう国鉄との対抗意識というものが、近鉄沿線の駅のPRポスターを見ましても、こういうのがぴんぴんと感じられる。こういうところから無理なダイヤ編成がなされている。これが今回こういうような惨事としてあらわれた。私はこのように思いますけれども、どうでしょうか。もうけ主義一本です。その結果が今回の事故だと、私はこのように思うんですが、どうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 私鉄の輸送力の増強の模様を見てまいりますと、最近に至るまでは、たとえば車両の連結数を若干ふやすとか、あるいは一車両の大型化をするというようなことによりまして、そして輸送力増強の必要性に対処してまいったというのが実情でございます。特に通勤区間等におきましては、非常にばく大な輸送力の要求があるわけでございますが、それに対しましては、そういうやり方で対処してまいったのが実情でございます。  ところが、最近の輸送需要の増高という点から見ますと、それが非常に大きなものになってまいりまして、いままで申し上げましたような、そういう形の輸送力増強では足りなくなってきておりまして、そして単線を複線にするというような形の輸送力増強、あるいは大都市地区周辺におきましては複線を複々線にする、こういう形の輸送力の増強でないと、もう解決ができないという状況に立ち至っております。  それで、この線につきましても、先ほどちょっと申し上げましたが、これは大阪あたりにおきましては、大阪の大都市交通の大きな柱でございます。にない手でございます。大きな輸送需要をしょっておりますし、名古屋方におきましてもそういう輸送需要をしょっておる。さらに、この両大都市をつなぐところの線路であり、さらに鳥羽方面をつなぐ線路であるというようなことでございまして、その意味で、通過交通というものも非常に大きいということでございますので、先生御指摘のように、従来のような形の輸送力増強では間に合わなくなって、線路自体、増設、複線化、複々線化という形の輸送力増強でなければやっていけないということに相なったわけでございます。この線につきましても、部分的に複線化をはかっておるわけでございます。事故の起きました区間は、トンネル、山岳地帯等でございまして、なかなか線路増設というものが困難なために残っておる部分でございます。しかし、先生御指摘のように、この点はやはり根本的に線路増設等をはかってまいりまして、そうして抜本的な問題の解決をしなければならぬと私ども考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまの新幹線との対抗についてはお話になりませんでしたけれども、この点はどうでございますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 国鉄と私鉄、特に近鉄との関係というのは、先ほどちょっと申しました名古屋対大阪の直通列車が、中川から短絡線を通って行くようになりました時点を考えてみますと、この当時は、国鉄関西線と、それから大阪−名古屋線との競争であったと思います。それで、その時点で双方の事業者がかなり激しい競争をいたしまして、それで、その際にできた競争の姿は、一つは東海道線経由の大阪−名古屋間と、それから近鉄のこの大阪−名古屋線というものとの競争がかなりあったわけでございます。ただ、その当時は、ちょっといま数字を持っておりませんが、近鉄の輸送の分野というものは非常に大きかったわけでございまして、国鉄関西線よりもはるかに大きかったわけでございます。  その後新幹線ができまして、新幹線の場合には、スピードからいきましても非常に違うわけでありまして、若干、関西線との競争が性格が変わってまいりまして、したがって、近鉄といたしましても、従来のような形の競争ではなくて、むしろ国鉄の新幹線と結びついた姿の利用、たとえば名古屋から鳥羽方面へ行くとか、そういうような利用に力を入れておるようでございます。国鉄の新幹線との競争のために過密ダイヤを特に組んでおる、そういうことではないように私ども考えております。

田代富士男公明党

○田代富士男君 直接ないということですが、観光方面に対してはまたあとで質問いたしますけれども、四分間に一回というような、そういうような事態になっているわけなんです。これで単線で、そこで特急が何十本と入っている。これで事故が起きなかったらおかしいです。だから、私は一貫してこの問題に対しましては——そのような事故が起きてから佐伯社長が、複線に早急に取りかかりますとか、そういうことを言っているのです。私は、何を言うかと言いたいのです。というのは、御承知のとおり、いま近鉄は、上六から地下に入りまして、難波まで延長しております。将来、阪神と結びつけるというような構想もなされておりますけれども、私はその時点でも言っていた。そういう地下乗り入れをしなくても、まだやるべきところがあるじゃないか。また宇治山田から先、賢島まで開発しました。資金がない——大槻副社長が、こういうような今回事故が起きましてから、山間部のために複線にできません、そういうような言い分をしておりますが、資金がありませんと、そういうようなことも言っているのです。何を言うかと言いたいのです。宇治山田から先の賢島まで延ばす、それだけの資金、あるいは上六から難波に乗り入れようと、これも必要かわかりませんが、上六でも、しんぼうすればしんぼうできないわけはありません。私は大阪に住んでおりますから、一番よくわかる。その上六から難波までの、たった数キロです。それだけの距離を通すだけに、御承知のとおりに十億円の都市開発金を大阪市は払っているのです。それだけの金があれば、難波まで組み込む金、宇治山田から賢島まで開発した金があるならば、そのような単線区間になっている、そこをどうして複線にしなかったかと私は言いたいのです。また、まして昨年十月に二二%私鉄運賃が値上がりした、そのときの条件は、輸送力の増強と安全対策ということが条件とされております。昨年の十月だけじゃない。毎回運賃値上げのときには、前回、前々回のときも同じことを言われる。にもかかわらず、そういう、私がいまさっき言いましたもうけ一本主義というのは、そこなんです。大阪市内の上六から難波まで延ばさなくてもいいのです、ほんとうのことを言えば。それだけの資金があるならばどうして複線にしなかったか。そういう点に対しまして、私は、運輸省当局と近鉄はもっとはっきりしていただきたい。私はどうしても納得しない点がある。  また、言うならば、関西線がいまだに電化されない。どうしてなんです。これは私が言うのではありませんよ。町の声は、近鉄と運輸省はなあなあだと、近鉄が通っているから電化にならないのだと。これは一市民の声です。私のところへどんどんくるのです。電化されてないんです、まだ。当然電化もされるべきです。電化されてない。そういうわけで、そういうような難波乗り入れのときにも、それだけの資金があるならばどうしてやらないか。どうして監督できなかったか。まして近鉄は、一たびは全線複線というものを計画したのです。そして計画変更されているのです。どうして計画を変更したか。これがいまさっき申しましたもうけ一本主義で、難波まで入れて、それから伊勢、志摩へ延びて、観光客をと、そういうような、もうけ一本主義が過密ダイヤとなり、今回の事故を起こしている。四十四年の八月に警告は出ているのです。一回事故が起きているのです。そのときは、人数は八十何名だったです。今回は死傷者まで出てしまった。これは、ただ単なる近鉄だけの事故じゃないです。監督する運輸省当局の、企業とのなれ合いというか、それを大所高所から指導できなかったどころにも、これを未然に防げなかったという責任があるんじゃないかと思うのです。これは山口局長の時代じゃありませんから、いま山口局長に言うのはどうかと思いますけれども、しかし現在の監督官庁の責任者でありますから、この問題に対してどのようにお考えであるか。実際十億円の金をわざわざ大阪市は出しておるのです。乗り入れる必要はないのです。そのときに私は言っておりました、それだけの金があるならばもっとやるべきだと。その点についてお願いいたします。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず、難波乗り入れ等でございますが、これは実は私ども、この大手私鉄の都心部の直通というものは、都市の利用者にとりまして一番肝要なことであるというように考えまして、これはもう積極的に推進をしておるところでございます。それで、難波につきましても、これを乗り入れると、ばく大な工事費を要したわけでございますが、また、それによりまして直接の運賃収入によるところの利益というものはそうないわけでありますけれども、しかしながらこの工事は、どうしても都市の生活の充実、あるいは都市交通の便益の確保という点から、やってもらわなければ困るということで、積極的に、むしろ難波乗り入れば私どもとしても推進しておるところでございます。決して、それがもうけ主義ではないというふうに実は思うわけでございます。  それから単線区間の問題でございますが、結局単線区間が、先ほど申しましたように、従来は単線でもってまかなってきたというところのものが、だんだん輸送力が不足をいたしまして、そしてこれをまかなっていくためには、初めは車両の大型化、それから連結両数の増大というぐらいのことでやってまいったのでございますが、それではとても間に合わないということで、単線区を複線化にし、複線化を複々線化にするという線増工事をいたしておるわけでございまして、ただ、この点につきまして、この大阪線のこの地区が単線区が残った、単線区間が残っておるということにつきましては、遺憾にたえないところでございまして、将来は、この点は先生おっしゃるように努力をしてまいる必要があると、私ども考えております。  それからなお、関西線の問題でございますが、これは国鉄の輸送力増強につきまして、特に電化、複線化につきましては、各地非常に要望が強うございます。当関西線につきましても、電化、複線化につきまして、関係地元の県知事さんはじめ、各市町村長方から非常に強い要望がございます。ただ、この電化、複線化は全国的に非常に要望が強うございまして、そうして、その要望に応じてこれを推進しているわけでございますが、結局は輸送需要との関係等がございまして、それが、その順位をつけてやっておる。関西線は、近鉄があって、そうして近鉄がかなりの輸送力を持ち、そうして地元に奉仕しておることがあるということからでもございますが、関西線の利用客というものの伸び方というものは、そう大きくはないわけでございまして、そういう点からいままで、どちらかというと、まあおくれてきたというのが実情であろうかと思います。ただし、これにつきましては、大都市の周辺部分その他につきまして、できるだけ進めてまいらなければならぬというふうに私ども考えて、そのような施策をいたしております。国鉄の輸送力増強が近鉄を気にしてためらっておるということは、決してございません。

田代富士男公明党

○田代富士男君 いまそういうお話を、もうけ一本主義ではない、われわれは積極的に進めたのだとおっしゃいますけれども、大阪市が出した金だけでも十億円ですから、工事費にどれだけかかっているか。あの区間、どれだけになるか。私は、上六と難波との違いは、さほど違わないと思うのです。私も大阪に住んでいる人間ですから、なったものはしかたありませんけれども、それは反対するものではありませんが、それまでにやるべきところがあるということを私は言いたいのです。それをやらずして、全線の複線を計画して、それをあえて変更して、どうして入らなくちゃならないのか、地下鉄へ。私はそれを言いたい。もうけ主義ではありません、もうけ主義でないと言うならば、私は現在の私鉄の基本姿勢を言いたい。  いま、御承知のとおり近鉄の傍系会社は百六十近くある。賢島まで延ばしたということは、ホテル、観光施設、そういうような南紀、志摩方面に向かって観光開発にあらゆる努力を、力を注いでいるので、おそらく鉄道にも力を入れていると言うでしょうけれども、今回の事故は、そういう観光地に対しまして観光客を運ぶために、豪華な、他の会社に比べまして、おそらく近鉄の大阪線の車は一番豪華でしょう。これがお客に対するサービスになるのでしょうか。そうじゃないと思う。それは、向こうの観光施設におけるところの、そういうもうけ主義というか、それに全部つながっている、全部。不動産屋から、すべて。その沿線に至りましては、そのような方面に対する力が注がれて、鉄道本来の安全条件の充実というものが欠けてきている。私は、この私鉄の姿勢というものは、もうけ主義ではないと言われるならば、これはどう思うか。私は、これは企業であるから利益を上げなければならないけれども、特にはなはだしいです。まして、人間の生命の尊重というものを第一に考えられなくちゃならないこの運輸事業です。いま申すとおり、四分に一本通るというような過密ダイヤをやりながら、どんどん開発しているということを、もうけ一本ではないとおっしゃる意味は、私は解せないと思うのです。まあ関西線の場合、近鉄は地元に対して奉仕している面がある——確かにそうかわかりませんが、奉仕よりも、吸い上げるほうが多いのです、現在。  私はそういう面から、こういう関連産業部門というものが、近鉄全体の比重として、いままで鉄道部門が、いまから五、六年前までは六〇%占めていたでしょう。最近になりましては、そういう関連産業部門が五〇%近くきております。どんどんそちらに力を入れております。そういうような面で、私は、こういう鉄道本来の安全運転をしていかなきゃならない。そういう面の充実をしたと、他の私鉄に比べるならば、そういうATSの施設等もやったと言うかしれませんけれども、現実には、そういう施設をやりましても、根っこの単線をそのまま放置していたということは致命傷です。それに対しまして、何ら手を打つことができなかった。いや、設備があるからだいじょうぶだというわけで、そういう単線を認めてきたと言うけれども、それが最大の根っこになったということを考えていただきたい。こういう点から、私鉄自身の基本姿勢というもの、そういう関連事業に手を出して、本来のこういう問題をおろそかにしているということは、近鉄に限らず、全国の私鉄に当たると思いますが、この点はどうでしょうか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 近鉄が兼業等をかなりやっておるということは、先生御指摘のとおりでございます。また、その兼業によりまして収益を得、そして、その得た収益によりまして、鉄道業の足らざるところを補っているということもあるわけでございます。ただ私ども、そういう意味で、兼業自身が私企業としていいとか悪いとか言うようなわけには、なかなかいかぬのじゃないかと思うわけでございますが、しかしながら、それによりまして鉄道面の安全がおろそかになったり、あるいは鉄道に対する設備投資の意欲が欠けるというようなことがあれば、これはもう、とてもいけないことでありまして、そういう点、私どもとしては、きびしくそのことのないようにしていかなきゃならぬ。安全に対する施策、あるいは輸送力増強に対する施策というのは、何といいましても、鉄道事業者として、最大の目標なり使命であろうかと思うわけでございまして、そういう面につきまして、私ども今後とも力を入れて、つとめてまいりたいと思います。

田代富士男公明党

○田代富士男君 委員長から、時間ということでございますが、これは委員長にお願いしますけれども、やはりこういう委員会というものは、ある程度、時間の余裕をもらいたいと思うんです。いつも、われわれがやる段階におきましては、時間だ、時間だと言われますけれども、ほんとにこういう問題というものは、そんな一時間ぐらいで終われるような問題でないと思うんです、ほんとに。だから、今後、これをお願いいたします。時間を守れと委員長から言われるならば、私は時間を守りますけれども、もっとやり方があると思うんです。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) また機会もありますから。

田代富士男公明党

○田代富士男君 また機会もありますと、そういうことでありますが、前向きに、これは運営面においてお願いしたいと思います。  きょうは、時間を守れということでございますから私は守りますが、そういうわけで、まだほかに質問することは、私たくさんあります。しかし、守れということでございますから、まとめて最後に一言だけ申し上げたいと思います。  今回の事件が起きまして、一番最初に、公明党は一番先に飛んでまいりました。その時点で、この問題に対しまして、近鉄の当時者、少なくとも代表幹部という人は、当日現場にだれ一人として行ってないです。これを何とするかと言うのです。公明党の代表ですらも、昨日、もう夜中に飛んでいっているんです。まして近鉄の本社では、この事故を知ったのは、架線の断線であるということがきっかけで事故報告が入っている。こういうぶざまなことですね。だれも昨日、現場へ行ってない。これがまた——これは局長に言っては申しわけございませんですけれども、運輸省として、政務次官がきょう現地へ行かれた。私は、昨晩出発すべきじゃないかと思うんです。私は、昨晩行くべきじゃないかと思うんです。そういう点が、また事故かというような、そういうなれっこになった姿があるんじゃないかと思うんです。近鉄の当局者もけしからぬ。運輸省の当局者も、私はけしからぬと思うんです。この点に対しましては、きょうは大臣も出席していらっしゃらないですから、局長に言っては申しわけないけれども、これはきびしく姿勢を改めていただきたい。  それから、私がこの委員会に入ってくる直前に、公明党の三重県本部へ連絡をとりましたところが、死者が二十三名であると。いまさっき話したとおりに、二十数名中、身元が判明したのは十三名、不明が十名である。また、そのうち六体が電車の下に入っている。それからまた、ふえる可能性もあるかもわからない。二十三名が最終であるのか、もっとふえるのか、こういう点もはっきりされてない。けさの新聞に至っては、どの新聞もばらばらです、死傷者に至っては。何たることであるか。近鉄の責任者が現地へ行っているならば、こんなぶざまなことはありません。これはもう怠慢だと私は思うんです。  それから、死亡者に対する補償でも、佐伯社長がテレビを通じてきょう言っておりましたけれども、テレビだけのあれじゃないと思うんです、私は。だから、死傷者に対する補償というものをどうするか。  それから今度は、近鉄だけじゃなくして——まず近鉄全体の安全施設の総点検、これは運輸省から運輸大臣の御指示でやったとおっしゃるかもわかりませんが、総点検をやってもらいたい。それと同時に、全国の私鉄に対しても私は総点検をやっていただきたいと思うんです。  それから今度は、従業員に対する訓練といいますか、今回の場合も訓練をやってきたといいますけれども、いま言うとおりに、機械万能の教育というものが従業員に強調されるあまり、従業員の注意力というものが低下してきているんじゃないかと思うんです。そういうわけで、私は機械にたより切った、そういうような教育のあり方といいますか、そういうことが、人間尊重の経営方針でなくして、省力化、合理化という名のもとに、そういう面が欠除している。こういう近鉄の従業員に対する訓練というものも、欠けた面があると思うんです。私は、この点につきましては、具体的な問題を持っております。これは訓練がなされていないという点、私は持っております。きょうは時間がありませんから、それは出しませんけれども、そういう意味におきまして、今後どのように取り組んでいかれるのか。時間がないからということでございますから、まとめて一言、御質問いたした次第でございます。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 今回の事故に関しまして、先生方が昨日いち早く現地へおいでくださいまして、現地でいろいろと御協力を賜わり、また、いろいろと御助力をしていただきましたことに関しまして、心からお礼を申し上げますとともに、敬意を表するものでございます。  ただいまの御質問の中で、まず、補償の問題等でございますが、これは何といいましても、近鉄自体の責任であることは、ほぼ明らかであろうと思いますので、この補償につきましては、私ども会社に対しまして、万全を期するように指導してまいるつもりでございます。  また、安全施設に対しまする総点検の問題でございますが、これは現在、事故の調査等に第一線に職員を派遣しております。その人たちが帰ってまいりました上で、事故の原因その他をもう少し見きわめた上で、どういう点に力を入れたらいいか見きわめまして、近鉄だけでなく、全私鉄等につきまして点検をしてまいる、このように考えております。  また、従業員に対する教育訓練につきましても機械にたより切るというようなことは非常によくないことでございます。やはり根本は人でございます。これにつきましても、さらに内容をもう少し検討いたしまして、事故の今後起こらないような教育訓練、あるいは適性検査というようなものもさらに進めてまいりたいと考えております。  それから近鉄の当事者、当局者が、昨日の事故に際しまして、現場への出動等の態勢におきまして必ずしも十分な姿勢ではなかった、事故に対する責任なり責任感というものに対しまして、十分ではなかったということは、先生御指摘のとおりでございまして、私どもも実はそのように考えております。こういった点は、今後とも十分に内容を調べた上で、今後十分に事故防止に対する姿勢を正すように、私どもつとめてまいりたいと思います。  それから運輸省といたしましても、実は昨日、事故の第一報が入りましたときに、私どもの鉄道監督局の事故調査官、これは専門家でございますが、すぐに新幹線に乗せまして現地へ向かわせました。夜、少しおそくなってからでございますが、現地の到着をいたして、第一報を入れてまいったのでございますが、事故の模様が少しわかってきましたので、非常に事故が、かなり大きいようだということで、名古屋陸運局長、それから名古屋の運転車両課長その他の係官を派遣いたしまして、本日に至りまして政務次官、それから鉄道監督局の民営鉄道部長両名が現地におもむきまして、調査と、それからお見舞いをいたしておるわけでございます。  省内の姿勢といたしましても、今後とも事故防止、安全の確保というものは、何といいましても運輸行政の根幹でございます。その点を十分把握をいたしまして、今後ともつとめてまいりたい、このように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 もうすでに数々の点につきまして質問されておりますので、私は重複を避けまして、二、三の点だけ質問したいと思います。  今回の事故は、いろいろなミスとか悪条件が重なってできたと思いますけれども、しかし、基本的には、先ほどからも田代委員が再三指摘されておりました、私鉄というものの持つ一つの特性というものが影響しておると思います。これは私企業ですから、もうけ主義になるなといっても、経営者はやはり心の中でもうけ主義でおることは間違いがないわけで、ただ、それをどのようにして公共的な面から制約をするか、安全面からの義務づけをするかというところが一つのポイントじゃないかと思います。  いままで運輸省として、私鉄の場合どの程度安全保安の面で指導し、勧奨されておるのか。特に去年の値上げの場合に、付帯条件というのをつけております。その中で、運転保安の確保ということもあるわけですけれども、この面についてやはり具体的な指導をされてきたのかどうか、ただこういう付帯条件をつけて、精神的な要望にとどまっておるものか、その点をお伺いしたいのです。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) いままで運輸省がやってきております保安行政ということでございますが、まず何といいましても、一つは人の面でございまして、人の面として、たとえば運転者に対する国家試験制度というようなことも設けておりまして、資質の向上をはかる。その他教育訓練、それから心理適性検査あるいは身体的な適性検査の義務づけというようなことによりまして、職員の適材適所の配置というようなことをいたしております。  さらに職員の問題につきましては、運転者等のいわゆる、何といいますか、乗務員業務の特殊性という点にかんがみまして、その勤務体系をやはり正常化するという必要がございまして、その意味から乗務員の運用実態監査ということをいたしまして、そして勤務時間につきましても、拘束時間あるいは実乗務時間あるいは休憩時間等の把握をする、あるいは超勤のとり方ということ等を検査をいたしまして、そしてそれによりまして、公休に出勤をいたしましてハンドルをとる、そのために生ずる過労を防止するというようなことをするとか、そういうふうな各般の監査をいたしております。  さらに、物的な面におきましては、一番大きな最近の問題といたしましては、四十一年にATSの設置を各私鉄に指導でいたさせたことでございまして、これによりまして、私ども実は正直なところ、これで追突、正面衝突等の大きな事故はまず防ぎ得るというふうに考えておったわけでございますが、しかし今回、こういう事故が起こってまことに残念でございますが、その自動列車停止装置の設置、それから先般車両の火事という問題に関連いたしまして、車両の不燃化対策というものをやはり考えなければいかぬということで、不燃化の対策といたしまして現車試験等をいたしました。そして、現車試験等に基づきまして、車両の種類をいろいろと分ける。あるいは地下鉄へ入るような車両だとか、あるいはトンネル等を多く通る車両だとか、そういう各種の車両によりまして車両の不燃化基準というものを定めまして、できるだけ火事の起こらないようなことにするというようなこと、あるいは、いま鉄道の事故で一番数の多いのは踏切事故でございまして、この踏切事故につきましては、従来から踏切道改良促進法によりましてこの保安を整備しておるわけでございますが、さらに踏切道につきまして緊急対策及び総合対策というものを、交通対策本部決定ということにいたしまして、そして全面的に踏切の整備をはかるとともに、立体化、交差化等を進めていく。これは運輸省だけではございませんで、建設省、警察庁、その他総理府等も協力してやるというような、各般の施策を講じてまいったところでございます。  それで、私鉄につきましても、当然そういうような方向で具体的な工事等を指導しているわけでございますが、先ほどお話にございました値上げのときの一種の付帯条件がございますが、これは具体的に、こういう工事についてはやりなさい、そのための輸送力増強、運転保安工事の工事費につきましては、これだけ以上は使いなさいということを指示をいたしまして、現実の工事をチェックをいたしております。それで、近鉄につきましても、そういう形で具体的な工事の内容、それからそれに要する費用等をチェックをいたしまして工事をさしておるところでございます。値上げについての具体的なそういう指導をやっておるということでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 その場合の具体的な工事というのは、たとえば路線をずっと見て、ここを直せとか、そういうことまで指摘をされておるのですか。あるいは一般的な、こういうことをやれということですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 昨年の九月に運賃改定の際に、私ども、こういう工事をやらなければいけないということにつきまして、たとえば近鉄の場合には、喜士−富田林間の二・三キロとか、あるいは伊勢中川−桃園間の一・九キロの複線化工事をおやりなさい、あるいは北田辺駅等十二駅のホーム延伸、さらに中川駅ほか十一駅の配線変更等、停車場改良工事をおやりなさい、車両新造をおやりなさい、それから過密変電所だとか、その他十一変電所の新設、増強、その他の電気設備の新設、改良工事、その他車庫だとか、それから今里−長瀬間ほか八区間の高架化だとか、踏切保安等の新設、改良工事をおやりなさい、そういうふうな具体的な工事を一応見まして、そうして、そういう大ワクな工事によって、各会社がさらに具体的にこまかい工事件名をあげまして、それに従って輸送力増強工事を実施しております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 今回事故が起こったところの複線化ということは、そのときに含まれているわけですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 今回事故の起きました榊原温泉口それから東垣内間でございますが、これは複線化工事の計画には入っておりません。これは従来、山岳地帯でございましたので、ちょっといま、複線化するという計画にはいたしておらなかったわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 運輸省がその場合、工事をここをおやりなさいということを指導する場合には、安全の面から考えてやられるわけでしょう。山岳だからやりにくいということは、これは費用の面を考えてやられたのじゃないかと思いますが、もし安全の面を考えてやられたのならば、山岳地帯であろうとなかろうと、複線化をすべきだという勧告を出すべきだと思いますが、その点はいかがですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 複線化工事の、どこの部分を複線化工事をするかという場合に、結局は、輸送力の不足している区間というものにいたしましても、複線化によって抜本的に輸送力をつけるというようなことでございまして、最近では、一番複線化あるいは複々線化という線路増設工事が急がれておりますのは、主としては大都市周辺の地域でございます。その地域におきましては、お客が非常に多く、しかも、それに対して列車増発の余地がないというようなところでございますので、そういったところは、どうしても優先的になるという形の複線化が行なわれております。  それからその次に、この線のように相当長い線区の幹線的な線区につきましては、ある区間を複線化することによりまして、その間の輸送力増強が非常にはかられるというところで複線化をいたしておるわけでございます。結局山岳等でございますので、複線化するのに非常に金もかかるし、非常に工事的にもたいへんだというようなところにつきましては、ある区間は単線化するけれども、それに近傍するところを複線化して、総体的に輸送力増強の実をあげていくというような、実際の工事の計画になっておるわけでございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 そうすると、運輸省では、ここの場合は単線でも安全面ではだいじょうぶだと、そう思っていられたわけですね。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 複線部分と単線部分の安全性ということでございますが、この点は先ほどもお答え申し上げましたが、単線部分につきましても、自動閉塞装置というものによりまして、その区間に列車があれば、必ずその前二つの区間につきましては停止及び注意信号を現示して、そして衝突等の危険はないというような安全設備をつくることになりますし、さらにATS等をこれにかみ合わせることによりまして、その間に列車が進行した場合には列車が停止をするということでございますから、その意味におきましては、保安面で複線と比べてみれば、単線もまた十分の保安面を持っているということは言えるわけでございます。ただ問題は、先ほど先生方の御指摘がございましたように、非常に列車回数が多くなるということになりますと、単線区間と複線区間がその区間に入りまじっているということになりますと、列車の回数の設定という面からもだんだん不合理になってくるし、また過密にもなってくるというようなことで、そういう意味では、なるべく複線区間に統一をするということのほうが、相対的に保安の向上には資するということになろうかと思います。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 この区間は、先ほど田代委員から質疑もありましたけれども、非常にすでに過密状態になっているわけですね。もしほんとうに安全ということを考えれば、複線化すべきだと思うんですが、それを運輸省が、そういう面を指導監督する立場にありながら、山岳地帯だということで、企業側の利益というものとやっぱり妥協しているとしか思われないわけですよ。私は、私鉄の場合は私企業ですから、ほうっておけばどうしても利潤追求優先になるのはあたりまえだと思うんです。それを、公共面だとか安全面だとかを考えて制約をするのが運輸省の役割りじゃないかと思うんです。これは単に近鉄の場合に限らないと思います。これは、どこを見ても、私鉄の場合を考えた場合、通勤輸送の面でもあるいはあらゆる面でも、やっぱり利潤追求というものが基本にあって、これをくずさない範囲で、できるだけ公共的な面、安全の面に応じていこうという姿勢があることは事実なんですね。だから、運輸省がそういう安全面とか公共面でよほどしっかりした姿勢で指導監督しないと、私は、こういうケースというものはこれからも起こると思うんですね。だから今回、先ほどの答弁の中の、山岳地帯だから、ここは工事するにしてもたいへんだから単線で残したという御答弁は、どうもいただけないと思うんですよ。  それから、あまりこれは時間がありませんから、はしよりますけれども、先ほど田代委員からも指摘されましたように、こういう危険性のある場所あるいは状態というのは、全国の私鉄の路線の中でたくさんあると思います。われわれしろうとですからわかりませんけれども、私鉄で通勤しておりましても、最近は非常に過密状態になっております。もしこれ衝突があったらどうなるであろうか、という不安を覚えることが間々あるわけです。ですから、こういう面についての再点検をぜひやってもらいたい。そして、そういう可能性のあるところは、やっぱりきびしくその私鉄のほうに要求をしてもらいたいと思うのです。これは要望しておきたいと思います。  それから最後に、この補償の問題ですが、今回会社側も、それから先ほどの局長のお話の中にも補償は十分にするというような趣旨のことを言われておりますけれども、この補償については、基本的には会社と被害者、遺族との話し合いになると思うんですが、運輸省としても、これにはやっぱり介入されるわけですか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) まず、会社の設備投資に対しまする運輸省なり国の立場でございますが、私ども、何としても鉄道事業者の持っている使命ということから考えまして、これが投資というものが公共の利益に合致し、また、安全を確保するということでなければいかぬと思います。それで、一般の私企業の設備投資は、当然、設備投資によるところの経済効果というものを考えて、経営者は設備投資をするのが通常の例であろうかと思います。ただ、との私鉄の設備投資は、ちょっと性格を異にいたしまして、経済効果と必ずしもすぐには結びついてこない場合が非常に多いわけでございます。たとえば踏切保安設備その他をとって考えてみましても、その他の運転の安全工事というようなものをとって考えてみましても、そのことが、直接に経済的な利益というものに結びついてこない性格を持っております。それからさらに、輸送力増強工事のような性格のものにいたしましても、私鉄の設備投資工事は非常に懐妊期間が長いわけでございまして、そういう意味で、通常の私企業の設備投資とはちょっと性格を異にするわけでございます。私どもは、そういう性格を異にいたしますから、したがって、これをほうっておいたんじゃ、やっぱりなかなかその設備投資に対する意欲というものが十分ではないということになるわけでございますので、どうしても私鉄の社会的な使命感というものに訴え、また役所の側としても、これを積極的に監督をすることによって、そういう公共的な投資、あるいは安全面の投資というものを促進をさせるというたてまえでございます。したがって、具体的にどの設備投資をやることが、より公共的であり、より安全面にマッチするかという問題につきましては、いろいろと私ども考えなければならぬことがございますが、基本線は、そういう形で指導してまいるつもりでございます。  それから補償の問題につきましては、これは私鉄と、当然補償を受けられる方との間の問題でございまして、直接は私どもタッチをしないわけでございますが、ただ、何と申しましても、大手私鉄は、企業としても非常に大きな企業でございますし、また、やっておりまする仕事も、一般公共の利益のための輸送というものでございますから、これが十分な補償を行なうということは、何としても必要なことであると思います。したがいまして、私どもはそういう意味で、具体的な問題で幾らの補償をすべきであるというような形の干渉はいたしませんが、十分な補償はさせたい、このように考えております。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 一番近い鉄道関係、私鉄関係の死亡者の補償金額、わかりますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) これはまだはっきり……。ごく概略でございますが、東武鉄道で起きました事故によりまして鉄道事業者が払いましたのには、一千万ぐらいのがございます。

田渕哲也民社党

○田渕哲也君 私はこれはね、最近社会的な水準も非常に上がってきておりますから、前回そういう一千万という例があるわけですけれども、今回それを大幅にやっぱり上回るべきだと思うのですね。それから、私鉄の利益優先という考え方が基本にあることは、これは否定できないわけですけれども、同じところで競合路線があれば、あまり事故を起こすところには人が乗らなくなって、自然に罰を受けるわけですけれども、ほとんどの場合、私鉄というのは、競合路線があるといっても同じところを走っておりませんし、独占です。だから、少々事故が起こっても乗らざるを得ないわけですね。そういう罰則の面も加えて、私は補償金額というものは大幅に上げるべきだと思うのですが、その点御意見をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 私鉄の事業者は私企業でございますけれども、私鉄の事業自体は国の免許を受けておりまして、その意味では事実上の独占の姿を当該地域についてはとっておるわけでございまして、したがいまして、その地域に対する影響力も大きいし、また、その地域に対する持っておりまする役割りというものも大きいわけでございまして、そういう事業者として、十分にそれにふさわしいだけのやはり補償をすべきものというふうに考えております。

森中守義日本社会党

○森中守義君 資料を二、三種類お願いしたい。  私鉄に対する監査の実施状況、それから先ほどお話がありました施設改善の勧告並びにこれを受けた各社の実施状況及び計画、それから主として大手における兼業状態、これは、それぞれの部門ごとに、投下されている資本なども一緒にあげていただきたいと思う。よろしゅうございますか。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 最後の、何とおっしゃいましたか。

森中守義日本社会党

○森中守義君 最後は、私鉄が、たとえば不動産をやったりデパートをやったりしていますね。そういう兼業の状態ですが、どの私鉄が、他にどういう仕事をやっているのか、その部門に幾ら資本が投下されているか。よろしいですね。できるだけ早くお願いしたいと思います。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) 提出させていただきます。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 局長、二つ目の点は、時間の何かあれがあるんじゃないの、改善をしたとかなんとかいう。いつからいつまでというやつを聞いておかないと……。

森中守義日本社会党

○森中守義君 それは一番直近の新しいもの。それからもう一つ、これは職員録を見るとわかりますけれども、少しどうも鉄監局の管理機能というのか、そういうものを少し無理しているような気もするんです。ですから、たとえば近畿であるとか、九州であるとか、北海道であるとか、そういう地方に対しても全部本省がめんどう見ているのかどうか。地方は地方で、こういう私鉄関係あるいは国鉄関係等に対して、どういう状態で監査が行なわれたり、あるいは行政指導が行なわれているか、そういうものをちょっと系列的に見せていただきたい。

山口真弘運輸省鉄道監督局長

○政府委員(山口真弘君) かしこまりました。

木村睦男自由民主党

○委員長(木村睦男君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四分散会

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