予算委員会 第3号
- 発言数
- 31 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1971/10/26
会議録
○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。 昭和四十六年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十六年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を続行いたします。田中武夫君。
○田中(武)委員 私は、きょうはドル、繊維問題等を中心にお伺いする予定でございましたが、その前に、総理も御承知のように、昨日午後四時ごろ、三重県下で近鉄特急が正面衝突をして、死者二十三名、負傷者二百四十五名という、まことに痛ましい悲惨な事故が発生いたしました。 私は、社会党を代表いたしまして、なくなられました皆さん方に心から哀悼の意を表し、御冥福を祈るとともに、御遺族の方々には心からお見舞いを申し上げます。なお、負傷せられました方々は一日も早く御全快なさるように、これまたお見舞いを申し上げます。 そこで、まだ詳細なことは十分にわかっていないであろうと思いますが、新聞の記事やらテレビの報道等を聞いておりますと、この事故は起こるべくして起こったのではなかろうか。と申しますのは、単線のところで二分間に一本というような過密ダイヤであります。さらに施設等にも不十分な点があったのではなかろうか、そのようにも思えます。また、不幸にしてとうとい犠牲になられました方々の遺族に対する弔慰の方法あるいは補償金等の問題、負傷せられました方々に対する、その方々の病院における治療、あわせてこれまた慰謝料とかあるいは補償の問題等についても、政府は万遺漏のないように措置をしていただきたいと思っております。 まず、その点につきまして総理から、また、これはあまり時間をかけていただく必要はないと思いますが、運輸大臣から事故の原因及び現在の状態を御報告願いたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいまの近畿日本鉄道の列車衝突事故につきましての御質問でございますが、責任者は運輸大臣の私でございますから、私から御報告をさしていただきます。 ただいまお話がございました事故の内容につきましては、現在わかっているまでのところを御報告申させていただきます。 十月二十五日の十五時五十八分、近畿日本鉄道大阪線東垣内信号所におきまして、上本町発名古屋行き特急列車(四両編成)と賢島発難波行き特急列車(七両編成)がトンネル内で衝突し、死者二十三名、負傷者三百十三名を生ずる事故が発生いたしました。 ここに、死亡された方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りする次第でございます。 この事故の原因につきましては、現在、名古屋陸運局より局長及び運転保安課長並びに本省鉄道監督局事故調査官を現地に派遣し、調査中であります。 これらの線区につきましては、ATS及び自動閉塞装置を設け、事故防止につとめているところでありますが、本件事故の発生にかんがみまして、早急にその原因を究明し、必要な措置を講ずる所存であります。 なお、今回の死傷者に対しましては、近畿日本鉄道に対しまして、補償に万全を期するよう指示する所存であります。 なお、今後このような事故の発生を防止するために、国鉄、私鉄を通じまして、安全設備について総点検を行なわせるとともに、安全運動につきまして指導を一そう強化してまいる考えでございます。 それで、ただいま御質問がございました救済の措置につきましては、国立療養所がございまして、そこで所長以下医師、看護婦全員がそろいまして、ただいまなくなられました方、そうしてまた負傷なされた方につきまして、直ちに収容をいたしまして、全部収容を完了いたしまして、そのあとの治療あるいは死者に対する処置につきまして、万全の策を講じている次第でございます。 また、ただいまお話がございました過密であったのではないかという御指摘、ごもっともと思う次第でございますが、それにつきましては、ただいま申し上げましたとおり、ATS並びに自動閉塞装置、これらのものは最近のものを取りつけておりまして、それゆえにこの区線におきましては絶対安全である、私どもこういう認識を持っていた次第でございます。しかるに、こういうような大惨事を起こしまして何とも申しわけない次第でございますので、この際、そういったような異常事態に対して、原因がいかなるところにできたかということを究明するために、国会開会中ではございますが、総理の許可をいただきまして、国会の方面にも御了解をいただきまして、政務次官を直ちに私のかわりにそこへ派遣をいたしまして、そうしてただいま原因を十分に検討、究明をするように、そうしてまた、遺族その他の方に対しまして政府としても十分な措置を指導するように、私のかわりに参らしたところでございますので、何とも申しわけない次第でございますが、御了解を願いたい、こう思う次第でございます。
○佐藤内閣総理大臣 ただいま事故の概要については運輸大臣からお答えをし、さらにまた、これに対する対策等についてもるる説明をいたしました。 いずれにいたしましても、この際にかかる不祥事故を惹起し、そうして多数の方を失ったこと、何とも残念にたえません。私も心からつつしんでなくなられた方々の御冥福を祈るとともに、同時に、御遺族の方に対しましても心から御弔間申し上げる次第であります。また、三百十三名という多数の負傷者を出したこと、これらの方々が一日も早く御全快なさるように、これまた心からお見舞い申し上げる次第でございます。 問題は今後の処置、もちろん重ねて事故を発生してはならないのですが、同時にまた、いまなくなられたとかあるいは負傷された方々に対する処遇に誤りがあってはならない、かように思いますので、それらの点については、運輸省が指導的な立場で対処して十分の処置をするように、十分監督するつもりでございます。
○田中(武)委員 いま運輸大臣から報告を兼ねての答弁と、総理からの御答弁をいただきました。 そこで、私はしろうとでよくわかりませんが、単線の場合はいわゆるタブレット、これを交換して運転することになっているはずである。これができておれば、途中で正面衝突というようなことはあり得ないと思うのです。そういうところに関係者の注意というか、そういう点に欠けるところがあったのではなかろうか。 それから政府は、この種の事故が起こりますと、いつもきまったように、今後このようなことが起こらないように、こういうことを繰り返し繰り返しいままでも申されたわけであります。だのに起こるということ、私は何も交通事故までが直ちに佐藤さんの責任であるとは言えないとしても、佐藤内閣の政策に欠けるところがあり、それが大きな原因であるとも思うわけであります。 それから、私鉄のダイヤ改正等については、これは当然運輸省なり陸運局等で認可をするのではなかろうか、あるいは許可等が必要ではないかと思うのですが、その点どうなっておるのかということ。 それから、他党の方々にもこの点についていろいろと発言なり質問をしてもらいたいと思いますので、私は一応この程度で委員長に次の議事進行をゆだねますけれども、一言申し上げたいことは、まことに失礼な言い方かもしれません、お許しを願いたいと思いますが、内閣の運命といいますか、内閣が末期に近づきますと、いままでも往々にして思わざる事故が多過ぎた。よく起こっております。これは事実であります。また、これだけでなく、何だか世間が騒然としてきたような感じもいたします。 そこで私は、政府の今日までのいわゆる人間無視、産業優先あるいは人権軽視、国民不在の政治等々の弊が一挙にふき出してきた、たまったうみが一度に出てきておるというような感じすらいたすのであります。俗に人心を新たにするというようなことばがありますが、そういうところから出てくることばではなかろうかと思います。総理はどのようにお考えになっておりますか、御感想をお伺いいたして、あとは委員長の運営にまかしたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 あらゆる問題について私が最高の責任者ですから、そういう意味で私の政治的な責任を問われること、これは当然であります。私は、そういう意味であらゆる御意見を謙虚に承っておる次第でございます。 ただ、あえて申しますなら、ただいま言われるのはたいへんな論理の飛躍があるのではないだろうか、かように思いますので、その点は私が謙虚に聞きながらもいささか抗せざるを得ない、これまた御了承いただきたいと思います。私は、十分みずからを責める、その気持ちで取り組んでまいりたい、かように思っております。
○丹羽国務大臣 ただいま田中さんから御指摘いただきました、路線が過密ではないか、隧道を複線にしたらどうか、ごもっともと思う次第でございます。それに、特にこの自動閉塞装置というのは最近一番安全だというのを取りつけた次第でございますが、御説のとおり、隧道が複線になっておりますればそういうような事故も起こらなかったのではないかと思う次第でございます。それらの点も含めまして、直ちに近鉄当局に検討させるように、それも含めまして政務次官を派遣している次第でございます。 ダイヤ改正、これは陸運局長が認可をすることになっています。あそこは幹線でございまして、方向も四つに分れている、こういうことで相当に過密になっている次第でございますが、実は私、運輸大臣に就任いたしましてから、何よりも安全運行が一番であるということをあらゆる方面に機会あるごとに唱えておりまして、たとえば、あらゆるダイヤの改正におきましても、便利化も必要であるけれども、それよりも安全運転が第一であるということを常に、局長会議のときにも私は一番初めに申した次第でございまして、私の力が足らなかったか、その点はもう一ぺん十分徹底させまして、吟味をさして、安全運転ができるように努力をしてまいりたい、こういうつもりでございますので、御了解願いたいと思います。
○瀬戸山委員長 鉄道事故問題に関連いたしまして発言の通告があります。順次これを許しますが、発言される方は五分以内程度でお願いをいたします。川崎秀二君。
○川崎(秀)委員 私は、今度の事件で保利幹事長並びに予算委員長のお許しを得ておりますので、党を代表しまして、この事件で犠牲になられた方に深き弔慰のことばを申し上げるとともに、重軽傷者のすみやかなる御回復を祈るものであります。 実は、ことしは何が起こるかわからない年でありまして、全く降ってわいたような事件の連続であります。今夜国連で正面衝突が起こることは承知をしておりましたが、三重県の地元で正面衝突が起こるとは思わなかった。先ほどからすでに御質問もありましたし、私はずばりこの事件の中心をついてみようと思うのであります。 運輸大臣、これは安全装置とかなんとかいう問題ではありません。企業のもうけ主義、これに基因をした過密ダイヤの組み方がついにこの大事件を起こしたというふうに見るのが至当だと私は思っております。特急が一日にいま三十六、七本、それから急行も同じような数です。準急、それから各停を入れますと、近畿日本鉄道のこのごろの繁栄と伸長は実にすばらしいものという反面、事故を起こすような組み方をしたものだと私は思うのです。第一、特急というものは普通の列車より速く走る。したがって、それはたまにしか走らぬのが当然なのに、特急も各停も同じように走るのでは本末転倒である。これはきびしくひとつ運輸大臣のほうから言うていただきたい、対策も私は言いますから。五分間以内で言うてしまいます。 いま以上の過密ダイヤを断じて組んではならぬ。それから過密ダイヤのいままでのことについて合理的に調整をして、少々特急は間引いたらどうだ。木村企画庁長官は地元に近いですからよく知っておられるし、運輸省の出ですから、どうか十分に対策を練っていただきたいと思うのです。要するに、速かろう、高かろう、もうかろう、この主義が今日の事故を起こした原因であると思うのであります。 それからもう一つは、まだ対策があるのです。国鉄が力を入れて、並行して走っておる関西本線の複線化を早くやって、そして事実近鉄ばかりにまかしているような状態ではいけない。露骨にいいまして、四日市、桑名、亀山、関と、これは昔は——関西本線というのは明治の終わりにつくられたのですが、関西本線といいまして、日本の五つの本線である東海道本線、北陸本線、東北本線、九州の本線。しかるにかかわらずこれが放置されて、今日では全くお客がない。だんだんだんだん減らしておる。これではいけない。関西本線をすみやかに充実をして、国鉄はもうけ主義でなくていいわけですから、そういう意味での対策を練っていただきたいということを私は建設的に申し上げて、私の質問を終わります。総理大臣はくろうとですから、私はしろうとですから、大局に目をつけて発言をしました。お答えがあれば伺いたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいまお話がございましたが、いま輸送で一番国民に要望されておりますのはスピード化、定時性、そして多量運送でございますが、しかし、それよりも何よりも増して私はやはり安全性ということを一番しなければいかぬということを言っている次第でございます。したがいまして、ただいま御指摘がございましたように、私ども、そういう点を陸運局長も十分認識をしてダイヤ編成の認可を与えたと思う次第でございますが、ただいま地元で一番御承知の川崎さんからの御指摘でございまして、私も、政務次官を派遣をいたしますときも、それらの問題も含めて、いまのダイヤの問題も含めて検討してこいということを申しまして派遣をした次第でございます。 関西本線の複線化の問題でございますが、これらはもとより当然必要な問題であろうと思う次第でございます。しかし、各地で複線化が非常にいわれております。やはり地元の御要望に沿うとともに、やはり重要度といいますか、その早急度の問題もございますので、十分御趣旨を勘案いたしまして善処してまいりたい、こう思う次第でございます。
○瀬戸山委員長 次に沖本泰幸君。
○沖本委員 私はゆうべ現場へ行っておりました。いま帰ってきたばっかりでございます。なまなましい現場の状況をつぶさに見ましたし、現地の方々といろんな対策も立ててきたわけでございます。そういう観点から、関係閣僚の方々は、公明党を代表して行った国会議員が国会に報告すると、こういう意味合いで内容をお聞きになっていただきたいと思います。 そういう観点から考えまして、先日もあった727の全日空機の事故以上に、私の直接感じた内容は全く悲惨だ、こういう感じばっかりでした。そういう点から、むざんななくなり方をなさった方々の御冥福を心からお祈りもしますし、また、御遺族の方に心から満腔の弔意を表したいと思いますし、また、大ぜいのけがをなさった方々の一日も早い全快を祈ってやまないわけでございますが、現場付近の市町村は、ほとんど全力をあげてこれに対応してやっておりました。 まあお話が短い時間ですから、ばらばらになるかわかりませんけれども、まず第一番に、これは人命を大事にしなければならないという観点から、運輸大臣にも一番考えてもらわなければならないのは、事故が起きたときに民間会社の初動的な事故対策です。私が行きましたときには、現場に重役が一人しか来ておりません。榊原温泉に一人重役が来ておった。そのほかの方はどうするのですかと聞きましたら、あしたの朝来ます、こういうことなんです。こういうことでいいのですか、こういう問題が。あなた方は、もっと民間私鉄のこういう事故対策について、厳重な注意なり指導なり監督をすべきであると、私はもうほんとうにそのときに憤激にたえなかったわけです。また、運輸大臣は調査官を派遣した、こうおっしゃいましたけれども、お一人見えておりました。お 一人がささやかな調査をしておったようにしか見えませんでした。政務次官とはまだお目にかかりませんでした。 そういうところから考えてみまして、運輸大臣は、新聞にも出ておりますけれども、私鉄の総点検をやる、こういうような私鉄の総点検をやるような談話を出しておられましたけれども、昨年も富士急行がやっぱりブレーキがきかないで暴走をやった事故のときに、橋本運輸大臣は総点検をやるとこうおっしゃったわけです。ですから、その間に何らかの総点検をおやりになって、何らかの確証をあなたはお握りになっていらっしゃるのかいないのか、どういう点が問題点があったのかどうか、こういう点はどうか、この点が一点です。 それから、もう一つ具体的に現場の状況を申し上げますと、近鉄の約四二%が単線運転、トンネルも線路も戦前にできた内容です。その上を超近代的な超特急が走っているわけです。ここで問題があるということは一番先に考えなければなりませんし、運輸大臣がおっしゃるとおり、ATSに安全性を置いておったとおっしゃいますけれども、行って担当の近鉄の重役に聞きましても、そのATSがこわれたので、前の駅から助役が乗って、次の駅までついていって助役も死んでしまった、こういう内容なんです。乗っておったお客さんに聞きますと、一たん前の駅でとまって、それから故障を直す、こう言って走り出したが、途中から猛烈な勢いになって、乗っている人がはね上がったというのです。そして、しばらくしたら大きな音がしてまっ暗になった、こういうようなお話をしていらっしゃいました。六十キロくらいまでですと、待避線があってその横で交代ができるような状態ですけれども、少なくとも、そういうスピードをもう通り越して、とんでもないスピードで行ったということは、線路があめのように曲がっておりますし、枕木がずたずたに切れておるような内容から、あるいは車両がまるでじゃ腹をこうつぶしたようなかっこうでつぶれておる、こういうことなんです。私が現実にいま帰ってくるまで、まだ六体の遺体がはさまって出ないということで、全力をあげておるような状態なんです。こういう問題を聞きますにつれまして、もう少しこういうものに対する事前の対策が大事ではないか。もっともっと私鉄にこういう人命を尊重する対策を考えてもらわなければならない、こういうことに結論がいくと思うわけです。 そういう点で、過密ダイヤということも考えもするし、なぜあれが単線で複線にならないのか、こういう点に私は大きな疑問を持ったわけです。そういう点から、こういう点を十分改善しなければならないということは、自明の理だと私は考えるわけです。そういう点におきまして、全く私鉄側のみずから招いた失態によってこの事故が起きたと私は断定せざるを得ない、こう考えるわけでございますから、ただ、その補償につきましても、十分なことをするように指導もいたします、こういうようなことばでなくて、大臣なり総理が乗り出していって、この問題解決に十分の対策を立ててもらわなければならないと思います。ですから、総理並びに運輸大臣、関係閣僚から、この問題に対してどういうふうな今後の対策をお立てになるか、それをお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいまの御質問でございますが、直ちに現場においでいただきまして、つぶさに事故現場を御視察いただきまして、なくなられた方また負傷者を御慰問いただきましたこと、責任者の私からいたしましても、まずもって厚くお礼を申し上げる次第でございます。 ただいま御指摘がございましたことにつきましては、私どもまことにそのとおりだ、こう思っておる次第でございます。 先般の富士急の事故対策につきましては、総点検を命じましたあと、一番の問題は車両の構造、ことにブレーキが完全であるかどうかということにあるということに重点を置きまして、車両の構造のさらに点検、また車両を購入する場合におきまして、いろいろその方面の改造を命じまして購入をするということを決定をいたしました。せっかくその点は実施中でございます。 また、あのときにおきましては、踏切事故対策が一番大事であるということを感じまして、内閣でもその問題を内閣の問題として取り上げさせまして、そうして踏切事故対策につきましては、あるいは高架あるいはその他の踏切の安全施設の強化ということについて、やはりせっかく努力中でございますが、何と申しましても、いまお話ございましたように、事故を起こしてすぐあとそれだけでは困るじゃないか。もうほんとうにそのとおりでございまして、私どもも力を入れましてその点に取り組んでいるつもりでございます。ただ、私の力足りませんで、死者はもちろん、国民の皆さまに御不安をかけまして、何とも申しわけない次第でございますが、今回も国会中にもかかわりませず政務次官を派遣をいたしましたのも、私にかわりましてそれらの点に十分ひとつ注意しろ、過密ダイヤの問題その他の問題につきましていま御指摘の点、十分ひとつ検討をしてくるようにということで参った次第でございます。これは、ただそのとき起こりましたから、その言いのがれで言っているわけじゃございません。再三、私があらゆる機会におきまして、また、私、運輸大臣になりましてからまず第一番に視察しておりますのは、安全対策ばかりの個所でございまして、国鉄につきましても、やはりそういったほうを私、機関車に乗りまして直ちに見てまいった次第でございますが、それらの点につきまして、まだ私鉄に対する厳重な、徹底もしていないじゃないかという御指摘でございますが、重役が一人しか行っていないということは御指摘のとおりでございます。これは、厳重私のほうからもまた注意をいたします。 私のほうといたしましては、あの夜分、非常に足元が悪いところだそうでございますが、直ちに名古屋陸運局長を派遣をいたしまして、また、その際に三名専門者をつけてやっております。本省からも事故調査官をつけてやりました。本朝また、帰京早々の政務次官を直ちに向こうにやった次第でございまして、これらにつきましては決しておざなりで取り組んでおることじゃないということだけひとつ御了解いただきたい、こう思う次第でございます。
○佐藤内閣総理大臣 沖本君からの御指摘、この種の事故に対しての最初の対策からなっていない、これはたいへん鋭い観察だと思っております。ことに、沖本君みずからが現場にかけつけられて、そうして見舞われた、それにかかわらず重役がただ一人だ、そういうことでは、御指摘になるように、何のために事故対策をやっておるのか、われわれが人命をあずける運輸機関としてはそれは不十分じゃないか、かようなおしかりはごもっともだと思います。私は、基本的にそういう点から直していく必要があるのじゃないか、この御指摘からもそういうことを感じ取るのであります。 また、この重要な線区がなお単線区間が残っている。昨日、佐伯社長もこれらの点については、複線化について努力はしているが、どうもまだ残っておる点があったのだ、こう言ってこの点はあやまっておりますけれども、これは重要な幹線でございますから、一日も早く複線化すべき線区だと思っております。それらの点についても鋭い御批判のあるのは当然だと思います。また、いままでの扱い方等から見まして、十分の事後処置、これがまだなかなか安心がいかない、かようにおっしゃることも、これまた私も同様に感ずる次第でありまして、これらの点については、監督官庁の運輸省がさらに積極的に事後処置に万全を期するように一そうの努力をしたいものだ、かように思います。 いまの御意見について、私の感得した点についてお答えする次第であります。
○沖本委員 もう一点だけお伺いいたします。 丹羽運輸大臣は不運な大臣かもわかりませんが、「ばんだい号」あるいは727のニアミス、それから今回、続けざま三回あるわけですね。大臣がかわられてそうなったということではないと思いますけれども、こういう集約的に問題がだんだん重なって起きてきているということが、すでに交通体系なり交通安全対策そのものに破綻が来ているのだ、私はそう考えるわけです。そういう点から一ぺんにこういうものが起きてきている。またあと起きるかもわからない。こういう点について、交通安全に対する総合対策というものはこれでいいかどうか、この点について、大臣なりあるいは総理大臣——丹羽大臣ももう少しこの点に対する責任をとっていただくような方向でこの問題をつかんでいただきたい、こう考えます。
○丹羽国務大臣 ただいま御指摘のとおりでございまして、私も非常に責任を痛感している次第でございます。総理大臣からもたびたび御指示をいただいておりまして、交通安全に対しては、身を挺してそれの改善に万全を期せという強い御指示をいただいておる次第でございまして、私もその趣旨を体しまして、運輸省一同を督励しているつもりでございますが、まだ力足りませずで、事故をたびたび起こしまして何とも申しわけないと思っている次第でございます。御指摘のことを十分心得まして、これから万全を期したいと思っておる次第でございます。何とぞひとつ御了解を願いたいと思う次第でございます。
○佐藤内閣総理大臣 もちろん大事なことは、安全第一、これに徹することだと思っております。先ほどの単線区間をなくするということもそういう発想でございます。私はいろいろの、スピードを上げるとかあるいは正確に時間どおり動くとか、こういうようなことも、これまたサービスだとただ一言に言うのではなくて、安全に徹したということでない限り、こういうものは意味をなさない、かように思います。交通機関で最も大事なことは、スピードも大事だし、正確であることも必要ですが、まず第一に安全だ、ここに思いをいたして、十分今回のこの不幸な事故をむだにしないように努力したいものだと思います。
○沖本委員 終わります。
○瀬戸山委員長 岡沢完治君。
○岡沢委員 人の命は地球よりも重いということばがございます。きのうはたまたま殺人鬼大久保清の第一回公判がございました。しかし、今度の事故は、その大久保の犠牲になった人命よりもはるかに多くの人命、そしてまた負傷者を一瞬にして出したわけでございます。私は、なくなられました方々の御冥福を民社党を代表して心からお祈りを申し上げ、そして負傷された方々の一口も早い快癒を祈りながら、この犠牲者に対する報いは、何としてもこういう事故を二度と繰り返さないというところにあるという観点から、二、三の問題につきましてお尋ねいたしたいと思います。 先ほど川崎委員から、この事故の原因は安全問題その他よりも、より大きな背景として企業のもうけ主義にあるということが言われました。最近の私鉄のあり方を見ました場合に、本業の鉄道部門をそっちのけにいたしまして、もうかる副業、ボウリングとか不動産とか、あるいはホテルとか、こういう企業に精を出しておるという事実はわれわれ否定できないと思います。こういうところに一つの大きな原因が、きのうの事故の発生背景があると考えますけれども、運輸大臣の御見解を聞きます。 質問だけ先にさせていただきます。 もう一点。航空機事故の続発その他につきましてはすでに指摘がございました。事故の防止を考えます場合に、やはり事故原因の究明、直接原因の究明ということはきわめて大切でございます。その場合に、過去の実例に照らしますと、飛行機の事故その他原因不明のままでうやむやになった大事故がたくさんございます。そういう前例にかんがみまして、私はこの際、事故究明につきまして単に近鉄にまかすというようなことのないように、公正な第三者が時を失せず、そしてまたその構成につきましても、十分国民が納得するような構成で原因究明に当たられるべきだと思いますけれども、これにつきましても運輸大臣の見解を聞きます。 そして最後に、やはり佐藤総理に、私はこういう事故の場合、天災も人災もすべて総理の責任だと直接言い切ることにはいささか政治家としても疑問を感じはいたしますけれども、しかし、佐藤総理の施政七年間、口で人間尊重をおっしゃりながら、現実には人間性を無視した生産第一、経済第一の政治を続けてこられた佐藤政府の姿勢にも、私は大きなある程度の背景があると指摘せざるを得ないわけでございます。——外務大臣、ちょっと聞いてください。外務大臣、質問の最中です。失礼じゃないですか。私はいま総理に聞いておるんですよ。私は質問の時間内です。私は繰り返しますけれども、すべての人災が総理にあるというような端的な言い方はいたしません。しかし今度の事故、あるいは続発する交通事故、あるいは一年間に二万人も人命が失われているといわれます交通戦争の背景には、私はやはり口で人間尊重をおっしゃりながら、現実には生産第一、経済第一の政治を続けてこられた佐藤政府の姿勢にも遠因がないとは言い切れないと思うのです。こういう点につきましても佐藤総理の見解を聞いて、私の質問を終わります。
○丹羽国務大臣 ただいまの御質問でございますが、私鉄経営が非常に苦しくて、不動産あるいはホテル業に専心をして、本業の列車運転のほうに力が入らぬじゃないかという御指摘でございます。私も実は、この私鉄経営が、あらゆる点につきまして経営が以前よりは非常に苦しくなっておるということを懸念している次第でございます。しかしながら、何と申しましても、最も公共性の強い、ことに列車運営、バス運営等につきましては、とうとい人命を運ぶ機関でございますので、それを中心に第一にやらなければ私鉄経営の使命が失われると思う次第でございまして、その点は、私はただいま御指摘の点を十分踏まえまして、私鉄のそういった点につきまして、いやしくも安全をそこなうことのないよう、十分監督、指導を強化してまいる所存でございますので、御了承願いたいと思う次第でございます。 それから事故調査団につきましては、御説のとおりでございまして、ただいま航空機事故調査団につきましても、私は博々言明をしておりますとおり、公正な厳正な第三者の機関であるという構成でやらしておるつもりでございます。その結果も早くしろ、いままでみたいに一年や一年半かかるということなく、年内には必ず結論を出してもらいたいということで、私はその調査を急がしている次第でございまして、おそらく両事件につきましても早急な結論が出てくる、こういうふうに思っておる次第でございまして、またその際におきましても、私は新聞記者立ち合いの際におきまして、その結果は政府に対して非常に苦言であっても、何でもひとつ徹底的に調査をしてやってもらいたいということを強く言っている次第でございます。この点は、今回の事故についてももちろん同様でございまして、会社の運営の問題、あるいは安全装置の問題につきましても徹底的に調査をいたしまして、その結果を公表し、そうして、私どもこの点でいけばだいじょうぶという結論を早く得たい、こういうふうに思っている次第でございますので、ひとつ一そうの御鞭撻をお願いしたい、こう思う次第でございます。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど社会党の田中君にお答えしたとおり、私は政治の最高責任者といたしまして、これらの問題についての私に対する御批判のあることは、これは謙虚に承っておきます。ただ、直ちに、私自身がハンドルをとっておるわけではございませんが、しかし私の政治姿勢、それらのものがこういうことに影響しておるならこれはたいへんなことだ、かように思いますので、この機会に反省を深めておる、そのことを率直に申し上げておきます。
○瀬戸山委員長 谷口善太郎君。
○谷口委員 私、共産党を代表して、この件につきまして御質問を申し上げるわけでありますが、質問に入る前に、本件でとうとい命を失われた皆さんに対して、党を代表して心から弔意を表したいと思います。また、けがをなさった多数の方に対しまして、一日も早く御回復なさるように、心からお見舞いを申し上げたいと思います。 この問題につきまして、すでに各委員から指摘がございましたが、やはり安全装置などの問題も重要でありますけれども、非常に過密ダイヤで、聞くところによりますと、数百本の電車が単線を一部持ったあの路線を走っているということが報道されております。ここにやはり原因があるのでありまして、こういう交通政策が私鉄の利益のために行なわれており、それに対して、政府は何の手も打ってないというところに大きな問題があると思うのであります。私ども共産党のほうでは、昨晩すぐ加藤参議院議員を団長とする調査団を出しておりますので、事故の原因その他につきましての詳細なことは、私どもも独自に調査をいたしまして、いずれ別な機会にあらためてこの問題に触れたいと思っておりますが、きょうは緊急に、一、二点の問題についてお尋ねしておきたいと思います。 まず、単線でこういう過密ダイヤが行なわれているということについて、そういう無謀なやり方に対して政府が厳重な注意を与え、あるいはそれを是正するように指導されてきたかどうかという問題であります。近鉄は最近非常にもうけておりまして、傍系会社への投資あるいは貸し付け金などを見ておりますと、十分に安全のために装置ができ、設備ができるはずであります。これを怠って、利益のために、交通の仕事のほうに金を向けるよりも、むしろ傍系会社に投資をしてもうけているというやり方をやっているのは、これはもう世間の非難の的になっていることでありますが、こういう資力を持っているにもかかわらず、安全装置の上では、施設の上では何もやらない、あるいは非常に手落ちがあるということについて、きびしい態度で指導しなければならぬと思うのであります。そういう点について、運輸大臣のほうでいままでどういうことをなさったかを伺いたいと思います。 それから、単線の上をこうして特急を走らせるというような、しかも国鉄の新幹線と競合するようなダイヤを組んでやっているというような、これは非常に無謀でありますが、おそらく他のところでも、こういう単線でそういう無謀なことをやっているところはないとは言えぬのじゃないか、そこらがどういう現状であるかを、これもわかりましたら御報告いただきたいということであります。 それから、こういう交通災害が起こりますと、常に問題になりますのは、そこに乗務しております交通労働者の手落ち、あるいは居眠り運転をするとかなんとかという、そういうところで問題がすりかえられることが非常に多いのでありますが、そういう点で、今回も初めからこの過密ダイヤのもとで労働強化に追い込まれている労働者の立場というものをやはり厳重に調べておいて、そういう労働者に責任が転嫁されることのないようにやる必要があると思うのでありますが、先ほどから伺っておりますと、運輸省のほうでは調査団をお出しになり、政務次官をお出しになったようです。しかし、労働省がそういう労働者の立場を・守るという意味から調査に行かれているかどうか、この点について労働大臣からも伺っておきたいと思います。 最後に、これは総理にお尋ねするのでありますが、こういう交通災害が起こりますと、政府は常に、これを教訓として、りっぱな安全運転をやるような、そういう交通政策を推進すると言っておられますけれども、実際は私的資本の利潤のためにこういう災害が起きるような、そういう欠陥を見のがしてきているということがあると思うのであります。そういう点で、ただ通り一ぺんの、これを教訓として安全な交通政策を推進するということばでなくて、いま申しましたような、資本が利益のために他の事業に投資しても、この交通の問題に、安全施設を非常におろそかにしているという問題、ここらに対して具体的にどういう指導をなさるかという点もあわせて、これは総理大臣から御所見を伺っておきたいと思いますが、再びこういうことの繰り返されないようにやっていただくための総理大臣の御決意を伺いたいと思います。 最後に、これはみな申しましたから申し上げなくてもいいことかもしれませんが、やはり犠牲者に対する救済あるいは補助、援助、これはよほど政府としても厳重に企業を指導し、また政府の責任のあるところは政府としても責任をとってもらいたい。そこらについても、具体的に伺うことができれば非常に幸いだと思います。 以上であります。
○丹羽国務大臣 ただいまの御指摘でございますが、先ほども申し上げましたとおり、ダイヤ編成につきましては、陸運局長がその申請のつど、安全性を第一といたしまして、安全性をそこなわぬダイヤであるかどうかということを主眼といたしまして認可をしているはずでございますが、しかし、こういうふうな事故を起こしました現在におきましては、もう一ぺんその点を検討するようにと思いまして、私の代理に政務次官を派遣いたしました。ただいま、これから審査をさせる次第でございます。 また御指摘の、ほかの事業にばかり力を入れるのじゃないか。先ほどの御質問につきましてもお答えをしたような次第でございますが、そういうようなことがあっては相ならぬ。今日、鉄道経営、列車経営が非常にむずかしい、むしろ非常に経営的に困難があるという点におきまして、よその仕事で相当あげました利潤をそちらにつぎ込むということが、むしろ実情ではないかと思っている次第でございますが、しかし、それのために重点を置きかえられてはえらいことでございますので、その点は、そういうことのないように従来からも注意をした次第でございますが、今回もますますその点を十分にひとつ注意をいたしまして、そうしてまたそういうふうなこと、先ほどお話がございました現場に行く者が非常におそかったじゃないか、そういうことで熱意がないのじゃないかというような点につきましては、厳重に私のほうで監督をしてまいりたい。 また、今回の事故の結果によりましては、近鉄本社に対しましても立ち入り検査もさせるというつもりで指導をしている次第でございますので、御了解を願いたい、こう思う次第でございます。
○原国務大臣 谷口さんにお答え申し上げます。 現地の大阪及び名古屋から労働基準監督官をさっそく派遣しまして、運転士の労働時間、労働条件等々をいま調査をいたさせている最中でございます。
○佐藤内閣総理大臣 先ほど民社党の岡沢君にもお答えいたしましたように、私は、交通、これに携わる者は、何といいましても安全第一というそれを忘れてはならない、かように思います。大資本、これはもうけ主義だというようなお話がございますけれども、もしも安全をおろそかにしていると、こういうことになれば、交通機関としてはそれは致命的なものでございますから、必ずその会社はその事業についての国民の信頼を失う、かようになります。そうすれば、幾ら利潤をあげようとしても利用する人がなくなりますから、これは十分目的を達するわけではありません。したがって、この点が最も大事なことであります。私はそういう意味の指導、それがよく徹底しておるはずでございますけれども、さらに御指摘もありましたし、この点について思いを新たにしてこれと取り組む、そういう姿勢を民間の会社に対しても徹底さすことが何よりも大事なことだ、かように私は思っております。
○瀬戸山委員長 この際、外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣。
○福田国務大臣 報告申し上げたいことがあります。 ただいま国連代表部からの連絡によりますと、わが国が共同提案国となりましたいわゆる逆IQ決議案、これは賛成五十五、反対五十九、棄権十五、そういうことで否決と相なりました。(拍手) この結果、まだ最終的なことにはなっておりませんが、見通しとしますと、アルバニア決議案が通る、こういうことかと考えます。そういたしますると、中国が国連においては中国を代表する唯一の代表権者である、こういうことになり、国民政府は国連を去る、こういうことになるのであります。 右、皆さんたいへん関心を持っておる問題でありますので、取り急ぎ御報告を申し上げた次第でございます。(拍手)
○田中(武)委員 ただいま外務大臣の御報告になりましたような結果が国連できまったようであります。政府が、われわれの数回にわたる警告あるいは要望にもかかわらず、共同提案国になりました案件がこのような結果になったことは、まことに重大であり、佐藤内閣の責任、総理の責任も重大であろうと思います。また、昨日公明党の正木委員が指摘いたしましたように、いわゆる多数派工作に狂奔し、国連内におきましては、「オー・モーレツ」という日本語が流行語になるようなところまでなりふりかまわずにかけずり回った結果がこれでございます。 したがいまして、われわれは佐藤内閣の責任を追及するとともに、今後この事態に即してどのようにやっていくのか、いま野党三党間で国対委員長会議も進められており、また当委員会におきましても、この結果に基づいてどのように進めていくのか等々の問題もございます。 したがいまして、ここで私は委員長に要求をいたします。直ちに休憩をしていただき、今後の進め方について理事会を開いていただきますようにしていただきたいのでございます。 以上、私は質問をいたしたいのですが、それよりか、まず今後の取り扱いについて休憩を要求して終わりたいと思います。
○瀬戸山委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時八分休憩 ————◇————— 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕