予算委員会 第1号
- 発言数
- 37 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/10/23
会議録
○瀬戸山委員長 これより会議を開きます。 昭和四十六年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十六年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和四十六年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、審査に入ります。 —————————————昭和四十六年度一般会計補正予算(第1号)昭和四十六年度特別会計補正予算(特第1号)昭和四十六年度政府関係機関補正予算(機第1号) 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○瀬戸山委員長 まず、三案の趣旨について政府の説明を求めます。水田大蔵大臣。
○水田国務大臣 今回、昭和四十六年度補正予算を提出いたしましたが、予算委員会での御審議をお願いするにあたり、その概要を御説明申し上げます。 昭和四十六年度の財政運営に当たりましては、経済の動向に即応し、公共事業等の施行の促進、財政投融資の数次にわたる追加等の措置を講じてきたところでありますが、米国の輸入課徴金の賦課及び円の為替変動幅の制限の暫定的停止という新たな事態に対処するため、公共事業を中心とする公共投資の追加、中小企業対策の拡充強化等、緊要と認められる経費について措置するとともに、所得税減税を年内に実施するため、所要の予算補正を行なうことといたしました。 まず、一般会計歳出予算の補正について御説明いたします。 第一は、公共投資の追加であります。すなわち、国内需要を喚起し、国民生活の向上と社会資本の整備を一そう推進するため、治山治水、道路、港湾、住宅、下水道、農業基盤の整備等の一般公共事業のほか、災害復旧、各種文教施設、社会福祉施設整備等を合わせ、事業費の規模で約五千億円を追加することとし、このため、歳出予算において二千三百二十一億円を追加するほか、国庫債務負担行為につきましても、一般会計、特別会計を合わせ一千七十六億円の追加を行なうことといたしております。 第二に、米国の輸入課徴金の賦課、円の為替変動幅の制限の暫定的停止などによって影響をこうむる輸出関連中小企業について、政府関係中小企業金融三機関による長期低利融資、信用補完制度の拡充、設備近代化資金の償還期限の延長等の措置を講ずることとし、すでに政府関係中小企業金融三機関に対し、融資規模を一千五百億円拡大するため財政投融資の追加一千億円を決定しておりますが、今回、予算面の措置といたしまして、商工組合中央金庫及び中小企業信用保険公庫に対する出資の追加並びに中小企業設備近代化補助金の追加等合計七十五億円の追加を行なうことといたしております。 以上のほか、一般会計歳出予算につきましては、対米繊維輸出規制対策費六十二億円、米の生産調整関係費百三十億円、人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善費一千百四十四億円、義務教育費国庫負担金等の義務的経費の不足額の補てん八十七億円、農業共済再保険特別会計への繰り入れ四十九億円、臨時地方特例交付金五百二十八億円等を追加することといたし、既定経費の節減、地方交付税交付金の減額、予備費の減額等を予定いたしております。 次に、歳入につきましては、現下の経済金融情勢等にかんがみ、公債金七千九百億円を増額するとともに、所得税減税の年内実施、経済活動の停滞等による減収見込み等を考慮し、租税及び印紙収入並びに日本銀行納付金を減額するなど、所要の補正を行なうことといたしております。 所得税減税につきましては、これまでの国民各位のたゆまざる御努力に報い、また、景気のすみやかな回復に資するため、一千六百五十億円の減税を特に繰り上げて、年内に実施することといたしました。 以上の結果、昭和四十六年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも二千四百四十七億円を増加して、九兆六千五百九十億円となります。 次に、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましては、ただいま申し述べました一般会計予算補正等に関連して、道路整備特別会計等の特別会計及び日本国有鉄道等の政府関係機関につき、それぞれ所要の予算補正を行なうことといたしております。 なお、財政投融資につきましては、景気対策あるいは中小企業対策として、すでに四十六年度一般会計予算総則に織り込まれた政府保証債の発行限度の弾力措置を活用したほか、資金運用部資金等を財源として、合計四千四百四十九億円の追加を行なったところでありますが、今回の補正予算等に関連し、日本国有鉄道、日本電信電話公社、地方債等につき、さらに二千六十四億円の追加を行なうこととしております。 最後に、今回の補正予算等に関連する地方財政対策について御説明いたします。 地方交付税交付金につきましては、今回の補正予算において国税三税の収入見込み額を減額したことに伴い、交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れを一千二百七十四億円減額することといたしておりますが、地方財政の現状にかんがみ、このうち所得税減税の年内実施に伴う減五百二十八億円については、特に臨時地方特例交付金として一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計に繰り入れることとし、その差額七百四十六億円及び地方公務員の給与改定財源の不足額五百五十億円、合計一千二百九十六億円については、同特別会計が資金運用部資金を借り入れ、これを財源として地方公共団体に交付することといたしております。 なお、公共投資の追加に伴う地方公共団体の負担、地方税の減収につきましても、それぞれ適切な措置を講ずることとし、地方財政対策に遺憾のないよう配意しております。 以上、昭和四十六年度補正予算につきましてその概要を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明をいたさせます。 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同いただきますようお願いいたします。
○瀬戸山委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。 引き続き政府委員の補足説明を順次許します。相澤主計局長。
○相澤政府委員 昭和四十六年度補正予算第1号、特第1号及び機第1号についての大蔵大臣の提案理由説明につきまして、補足して説明をいたします。 一、一般会計予算の補正 1補正規模 昭和四十六年度一般会計予算の総額は、今回の予算補正により、歳入歳出とも二千四百四十七億円を増加し、九兆六千五百九十億円となりますが、これは昭和四十五年度当初予算額と比較しますと二一・五%の増、昭和四十五年度補正後予算額と比較しますと一七・六%の増となります。 2歳出 次に、歳出予算の補正は、追加額四千六百二十二億円、修正減少額二千百七十五億円であり、差し引き歳出の増加二千四百四十七億円となっております。 まず、歳出の追加について、補足して御説明いたします。 (公共投資の追加) 公共投資関係の歳出予算の追加二千三百二十一億円の内訳は、一般公共事業関係費一千八百二十五億円、災害復旧等事業費三百五十六億円及び文教施設整備費等その他の施設費百四十億円であります。また、公共投資にかかる国庫債務負担行為の追加一千七十六億円の内訳は、一般会計分三百二十九億円、特別会計分七百四十七億円となっております。以上の結果、地方負担等を合わせますと、今回の補正により追加される事業費の規模は、五千四十五億円と見込まれます。 (中小企業対策費) 中小企業対策費の追加七十五億円の内訳は、商工組合中央金庫に対する出資五十億円、中小企業信用保険公庫に対する出資二十億円、中小企業設備近代化補助金約四億円、信用保証協会基金補助金一億円であります。 (対米繊維輸出規制対策費)対米繊維輸出規制対策費六十二億円は、繊維工業構造改善事業協会等が対米繊維輸出規制によって生ずる繊維工業の過剰設備の買い上げを行なう事業費の一部を補助するものであります。なお、これに関しましては、すでに予備費をもちまして、過剰設備買い上げ費に対する補助の一部四十七億円、繊維工業構造改善事業協会に対する出資三億円、計五十億円を支出いたしております。 (米生産調整関係費) 米の生産調整関係費百三十億円の内訳は、米の生産調整の本格的実施の初年度における円滑な実施を確保するため、米の生産調整に協力した農業者に対し米生産調整協力特別交付金を交付するために必要な経費百億円及び四十六年度の転作による米の生産調整が当初予定より増加したこと等に伴い米生産調整奨励補助金を追加して交付するために必要な経費約三十億円であります。 (義務的経費の追加) 義務的経費の不足額の補てん八十七億円の内訳は、義務教育費国庫負担金五十二億円、国民年金国庫負担金十九億円、失業保険費負担金十五億円及び特別児童扶養手当一億円となっております。 (農業共済再保険特別会計へ繰り入れ) 農業共済再保険特別会計への繰り入れ四十九億円は、北海道冷害及び台風等による水陸稲の減収に伴い、農業共済再保険特別会計農業勘定の再保険金支払い財源に不足が見込まれますので、一般会計から同勘定へ所要額を繰り入れるものであります。 (臨時地方特例交付金) 臨時地方特例交付金五百二十八億円は、すでに大臣から御説明のありましたとおり、年内に大幅な所得税減税を特別に行なうことにより地方交付税交付金に減が生ずることを考慮し、地方財政の健全な運営に資するため、四十六年度限りの特例措置として交付するものでありまして、一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れ、同特別会計から地方交付税交付金として地方公共団体に交付することといたしております。 (その他歳出の追加) 以上のほか、人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善費一千百四十四億円、四十七年度前期用教科用図書の無償給与費についての琉球政府への援助費約二億円、沖繩復帰のための各種準備経費約三億円、公債発行予定額を追加することに伴う事務取り扱い費に充てるための国債整理基金特別会計への繰り入れ三十一億円及び揮発油税の収入見込み額を修正減少したことに伴う揮発油税財源の道路整備特別会計への繰り入れの減を補てんするための同特別会計への追加繰り入れ百九十億円の歳出の追加を予定いたしております。 次に、歳出の修正減少について御説明いたします。 (既定経費の節減) 既定経費の節減二百六十一億円は、歳出追加の財源に充てるため、既定経費の節約額及び不用見込み額を減額するものであります。 (地方交付税交付金の減額) 地方交付税交付金の修正減少額一千二百七十四億円は、今回の補正予算において、所得税、法人税及び酒税の収入見込み額を合計三千九百八十億円減額することに伴い、地方交付税法に基づき、その三二%に相当する金額を減額するものであります。 (予備費の減額) 予備費につきましては、当初予算計上額一千四百億円に対し、本日現在における使用残額は九百九十五億円でありますが、今回、歳出追加の財源に充てるため、四百五十億円を修正減少することといたしました。 (揮発油税財源の道路整備特別会計へ繰り入れ の減額) 以上のほか、揮発油税の収入見込み額を修正減少したことに伴い、揮発油税財源の道路整備特別会計への繰り入れを百九十億円修正減少することといたしております。 3 歳入 次に、一般会計歳入予算の補正につきまして、補足して御説明いたします。 (公債金) まず、現下の経済金融情勢及び財政法第四条に基づく公債発行の余地等を勘案いたしまして、同条に基づき公債を七千九百億円増額することといたしております。この結果、四十六年度の公債発行予定額は一兆二千二百億円となります。 なお、財政法第四条に基づき公債を財源とすることができる経費(公共事業費、出資金及び貸し付け金)の総額は、四十六年度当初予算においては一兆四千二百七十八億円でありましたが、今回の補正の結果二千五百四十四億円増加し、一兆六千八百二十二億円となることとなっております。 (租税及び印紙収入) 租税及び印紙収入につきましては、所得税減税の年内実施に伴う減収額一千六百五十億円のほか、法人税の減収額二千九百億円等を合わせ、合計四千七百五十七億円を減額することといたしております。 (税外収入) 税外収入につきましては、日本銀行納付金の減少六百九十八億円、自作農創設特別措置特別会計受け入れ金の増加一億円及び土地改良事業関連受託工事収入の増加一億円を見込み、差し引き六百九十六億円を減額することとしております。 二、特別会計予算及び政府関係機関予算の補正 最後に、特別会計予算及び政府関係機関予算の補正について補足して御説明いたします。 1 特別会計予算 特別会計予算につきましては、一般会計補正予算における公共投資の追加、公務員の給与改善等に関連し、道路整備特別会計等十六特別会計について、それぞれ所要の予算補正を行なうことといたしております。 2 政府関係機関予算 また、政府関係機関予算につきましては、日本国有鉄道及び日本電信電話公社につき、建設工事規模の拡大をはかるため、所要の予算補正を行なうほか、中小企業信用保険公庫の保険価額の総額の限度の引き上げを行なうこととしております。 以上をもちまして、所管する事項についての補足説明を終わらせていただきます。
○瀬戸山委員長 次に高木主税局長。
○高木(文)政府委員 昭和四十六年度補正予算のうち、一般会計租税及び印紙収入につきまして、補足して御説明いたします。 昭和四十六年度一般会計租税及び印紙収入予算につきましては、今回の予算補正により、追加額と修正減少額とを差し引き四千七百五十七億円を減額することといたしておりますが、このうち、三千百七億円は経済活動の停滞等による減少見込み額であり、千六百五十億円は所得税の減税を実施するために見込まれる減少額でございます。 まず、経済活動の停滞等による減少見込み額三千百七億円について御説明申し上げます。 本年度の一般会計租税及び印紙収入当初予算額八兆二千九百六十三億円は、これを昭和四十五年度の収入決算額と比較いたしますと、一一三・七%に当たっておりますが、年度当初以来の収入の進捗状況は次第に鈍化しつつあります上に、米国の輸入課徴金の賦課、円の為替変動幅の制限の暫定的停止等の新たな事態によりまして、租税及び印紙収入が当初予算額に達することはとうてい困難であると判断されるに至りました。そのため、このたび見積りがえを行なった次第でございます。 減少の最も著しいものは法人税でございまして、法人税当初予算額のほぼ一〇%に当たります二千九百億円の減少を見込んでおります。そのほか、当初予算に対しまして、酒税については二百三十億円、揮発油税については百先十億円、関税につきましては五百十四億円、印紙収入につきましては百三十八億円の減少をそれぞれ見込んでおります。他面、所得税につきましては八百億円、有価証券取引税につきましては六十五億円の増収をそれぞれ見込んでおりますので、一般会計租税及び印紙収入全体といたしましては、三千百七億円の減少見込みとなる次第でございます。 次に、所得税の減税につきまして御説明いたします。 今回の所得税減税は、当面の経済情勢にかんがみまして、景気振興策の一環としてできるだけ早期に効果があらわれるよう、昭和四十六年分所得から実施しようとするものでございます。 減税の具体的内容といたしましては、負担の軽減ができるだけ幅広く及ぶように配意いたし、本年度の当初改正に引き続き基礎控除、配偶者控除、扶養控除等の所得控除を平年分おのおの一万円引き上げますとともに、税率の緩和を行なうことといたしております。 減税の規模は総額千六百五十億円でありますが、所得控除の引き上げによる減収見込み額と税率の緩和による減収見込み額とは、それぞれ八百三十五億円及び八百十五億円と、ほぼ相半ばしております。なお、これらの改正により、たとえば夫婦と子供二人の給与所得者の課税最低限は百万円をこえることとなり、また、ある程度広い範囲の納税者について負担の累進が緩和されることとなります。 この改正は、給与所得者につきましては年末調整の際に、事業所得者等につきましては確定申告の際に減税の効果があらわれることとなっております。 以上をもちまして、昭和四十六年度補正予算のうち、一般会計租税及び印紙収についての補足説明を終わります。
○瀬戸山委員長 次に橋口理財局長。
○橋口政府委員 補正予算等に関連する財政投融資の追加について、補足説明を申し上げます。「昭和四十六年度補正予算の説明」中、第五、財政投融資二六ページ以下を御参照いただきたいと存じます。 昭和四十六年度財政投融資につきましては、経済の動向にかんがみ、すでに一般会計予算総則に織り込まれた政府保証債の発行限度の弾力措置を活用したほか、資金運用部資金等を財源として、合計四千四百四十九億円の追加を行なったところでありますが、補正予算等に関連して、今回さらに、日本国有鉄道、日本電信電話公社、地方公共団体等につきまして二千六十四億円の追加を行なうことといたしております。 日本国有鉄道、日本電信電話公社につきましては、「昭和四十六年度補正予算の説明」中、第四、政府関係機関二四ページ以下を御参照いただきたいと存じます。 日本国有鉄道につきましては、山陽新幹線、車両整備等を中心とする工事費四百三十億円の追加の財源の一部として、財政投融資三百三十億円を追加しており、日本電信電話公社につきましては、加入電話を十万個増設することとして、建設費二百五十億円を追加し、その財源の一部として、財政投融資八十億円の追加を行なうことといたしております。また、地方公共団体につきましては、公共事業関係費等の予算補正に伴って必要となる地方公共団体の財源に充てるため、地方債一千五百二十二億円の追加を行なうとともに、昭和四十六年度地方財政における税収減に対処するため、地方債一千億円の追加を予定しておりますが、これらのうち、一千六百億円につきましては政府資金を充当することといたしております。このほか、日本道路公団等につきましても所要の追加を行なうことといたしております。 これらの原資につきましては、簡保資金百三十一億円、政府保証債百八十億円のほか、郵便貯金の増加等による資金運用部資金一千七百五十三億円を予定いたしております。 なお、昭和四十六年度におきましては、すでに三回にわたる財政投融資の追加を行なっておりますが、その概略を御説明いたします。 まず、六月二十九日及び七月二十七日における財政投融資の追加は、いずれも景気のすみやかな回復をはかるため、総合的対外経済政策の一環として行なわれたものでありますが、六月二十九日の追加は、住宅、道路、上下水道その他の公共投資を中心としたもので、財政投融資追加額は一千八百十三億円となっております。また、七月二十七日の追加は、公害対策、住宅対策、都市対策、中小企業対策等に関する融資を中心としたもので、財政投融資追加額は一千六百三十六億円となっております。 さらに、九月二十三日における財政投融資の追加は、米国の輸入課徴金制度の実施等に伴う緊急の中小企業対策の一環として行なわれたもので、財政投融資追加額は一千億円となっております。 この結果、今回までの財政投融資の追加の総額は六千五百十三億円となり、昭和四十六年度財政投融資当初計画額四兆二千八百四億円と合わせますと、追加後の計画額は四兆九千三百十七億円となります。 以上で、補正予算等に関連する財政投融資の追加について、補足説明を終わります。
○瀬戸山委員長 以上をもちまして、補足説明は終わりました。 —————————————
○瀬戸山委員長 この際、大原君より議事進行の発言を求められております。これを許します。大原亨君。
○大原委員 本格的な論戦に入ります前に、この補正予算自体の問題につきまして重大な疑義がございますので、これにつきまして率直に質問をいたしたいと思います。 申し上げるまでもなく、今回の補正予算は通常の補正予算とは違いまして、内政、外交ともに重大な転換点に立っておるわけであります。ですから、今回の補正予算に対する論議というものは、これを取り巻く内政、外交の諸問題についてと同じように、補正予算自体について、私は十分解明をしておくことが必要であると思います。 私は、従来からの、佐藤内閣が成立いたしまして以来からの記録でありますが、国会における本会議、予算委員会等関係委員会の論戦を、議事録を通じて調べてみましたが、今回の補正予算の特に財源措置、公債発行につきましては、国民の立場から納得できない点がございます。 そこでまず第一に、公債発行にあたっての基本的な姿勢の問題ですが、私どもは公債発行については、管理通貨体制のもとですから必ずしも消極的に考える必要はない。道路やおくれている生活基盤を改善をしていくような社会資本に対しましては、積極的な考えをもって公債については当たってもよろしいと思う。いまの世代のわれわれだけがその財源を負担するのではなしに、借金であとの世代が負担をして、そうしてりっぱな財産を残していくということは、これは決して悪い考え方ではない。 しかし、第二の問題といたしましては、これがでたらめに流れるということになるならば、これはいまでもインフレ、物価の上昇、貨幣価値の下落の問題があるわけですから、国際的に見てもそうですが、とにかくきびしい規制、きびしい節度が必要である。そういう側面を忘れて、でたらめに行きがかりにとらわれて公債を発行するということは、これは許されるべきことではない、こういうように考えます。公債発行についての基本的な考え方について、ひとつお答えいただきたいと思います。
○水田国務大臣 基本的な考え方は、お説のとおりだと思います。 元来、公共事業というものは、その経済効果が長くあとに持続するものでございますので、それを単年度の税によってのみ処理するということにも問題がございまして、後年度の受益者も負担するというような意味からも、建設公債というようなものによってまかなわれることも、これは必要であるというようなことから、財政法もこの公共事業費の財源として、一般財源だけでなくて、公債による財源というものを認めておるのだろうと思います。と同時に、ここにやはり一つの歯どめがかかっておりまして、その公債発行の対象をあげて、その金額の範囲内において、国会が承認する額以外は出せないという歯どめをかけておりますことも、これを無制限に出すということはいけないという一つの禁止規定であって、その点は、おっしゃられたような節度で公債というものは発行すべきだと、同感でございます。
○大原委員 簡明に質問いたしますが、次に今回の補正予算の財源措置といたしまして、七千九百億円の公債が発行されるわけでありますが、その中には、いわゆる赤字公債分に相当する公債金額は幾らでありますか。
○水田国務大臣 御承知のように減税による減収と、公務員の給与等による追加要因というものが出てきたために、これをまかなうために一般財源が窮屈であるということは言えますが、しかし、この七千九百億円の建設公債といとものは、この公債の収入金は全部建設事業に、公共事業に使うものでございますから、この中に、一般会計の赤字に使用するものというものは含まれておりません。
○大原委員 こまかな議論は私はいたしません。いたしませんけれども、大蔵大臣のただいまの答弁は絶対納得できないです。ということは、いま補正予算についての説明があったわけですが、租税及び印紙収入等の減収額は、これは個人所得への増加分を含めまして、差し引きまして計算いたしましても四千七百五十七億円であります。それに対しまして、このほか五百九十九億円の公共事業費以外の赤字、追加支出があるわけでありますから、これを合計いたしますと、五千三百五十六億円の赤字公債、いわゆる財政欠陥の穴埋めをする赤字公債の金額があるわけであります。 そこで、私は質問を続けたいと思うのでありますが、昭和四十年に、この年度途中の補正予算におきまして、佐藤内閣が成立いたしました直後でありますが、この公債を発行いたしまして、各委員会等におきまして非常に具体的な論戦があったわけであります。そこで政府はこういう見解を言っておるのであります。「租税収入等の減少補てんのための公債を発行し、かかる公債までを「四条公債」であるというのは強弁に過ぎる」、こういうふうに財政法四条一項の論争の中で言っておりますし、また当時の福田大蔵大臣も、これは四十一年の二月七日の議事録でありますが、「年度途中で税収が落ち込んだ、それに対して公債を出す。ですから、これを建設公債というふうに、四十年度の中に建設費があるからといって、それの見合いであるという考え方をしてはならぬ。そういうこじつけ的なやり方をしてはいかぬ、これは率直に歳入補てんの公債であるという理論をとるべきである。」という、そういう観点で、昭和四十年当時は、公債を発行する際には、時限立法で特例法をつくって公債を発行いたしたのであります。これは佐藤総理の答弁にも出てくるわけであります。本委員会でも出てきております。この当時の論議をいたしました見解を政府は今回変えたのであるかどうか、これを私は率直にお答えいただきたいと思います。
○水田国務大臣 昭和四十二年度のときのいきさつも、私はあとから勉強して承知いたしましたが、このときは日本では、建設公債の発行ということを戦後まだ一回もやっておらなかったということがございます。と同時に、もし当初予算において建設公債が発行されておるのでしたら、補正予算において建設公債の追額ということも、当然これは差しつかえないことでございましたが、当初予算にも建設公債の発行というのは踏み切っていなかった、こういう事情がございますので、この一般会計の不足がはっきりしてきたときに初めて出す公債を補正予算において出す、しかも当初予算でも出していない建設公債を、そこで補正予算で出すということは、非常に考えものである。以後、建設公債によって公共事業をまかなうということは今後されるであろうが、そのときの建設公債の出し方とこの四十年度の公債の出し方は、やはり画然と性質の上で区別することがいいということで、これは赤字公債であるという認識のもとに特例法による公債を発行したというふうに私は聞いておりますので、今度の私どものやる建設公債の追額ということとは性質が違っておるし、また当時の事情も違っておったというふうに理解しております。
○大原委員 その答弁は全く納得できないです。昭和四十年当時は、やはり当初予算を組んでおいて、補正で公債を初めて発行したわけです。しかし、それに対比いたしましては、今回は当初予算では四千三百億円を予算総則で承認をいたしておるわけであります。しかし、今回は七千九百億円の大型公債を発行するというわけであります。そしてその理由は、当時と比較をいたしてみましても、租税等の歳入欠陥が一つなんです。それからやはり減税とか公共事業をやっておるのです。ですから、そういうふうなことについてはけじめをつけるのだということを、私は議事録を一々読み上げぬけれども、総理や大蔵大臣等は、これは各場所において答弁をいたしておるのです。それから政府見解におきましても、そういうこじつけ的なことではなしに、財政法四条一項をきびしく解釈をして、そしてどうしてもやらなければならぬ場合には立法上の措置をとる、そういう態度で臨んだのである、こういうことで、金に色合いがないからといって、どんどん基盤を拡大しておいて、そしてそのほうの穴が足りなくなったからといって公債を発行するというようなことはしないということを、政府の見解で何回も言っておるわけであります。しかしながら、その後漸次この問題についてはルーズになってまいりまして、たとえば当初予算等においてでたらめな収支をやります、欠陥が生じます、そうしたならばこれは公債で穴埋めをやろう、こういうようなことなどを私ども国会が漫然と許すということになるならば、当時の議論というものは全く無意味であるだけでなしに、国会の権威というものは私はないと思うのであります。国会の権威をじゅうりんする行為であると私は思うのです。これに対しましては、明快な国民の納得できる見解を示さなければ、私どもといたしましては、本予算については責任をもって議決をするわけにはいかぬ、こういうふうに考えますが、総理大臣はいかがですか。あなたの答弁ありますか。ここにありますから……。総理大臣です。時間が惜しいじゃないか。
○水田国務大臣 私から答弁します。 それはむしろお説のことと私は反対だと思います。と申しますのは、四十年のときはそういうことをやりましたが、そのときにやはり問題になっておるのは、今後一般歳入が不足するというようなときには、不足したものは画然とその分だけを赤字公債というようなことで発行するといったら、もうこれは公債発行の歯どめがなくなってしまう。むしろそうではなくて、公共事業を建設公債をもって行なう。その範囲がきまっておるのですから、範囲内の公債発行で踏み切れない場合には、初めてそれは赤字公債というような問題を起こすでしょうが、そういうような公債を承認することのほうが、将来歯どめをなくして財政を放漫化する。ですから、歯どめのかかっているこの建設公債においてまかなうことのほうが健全であるということで、昭和四十一年度からは、もうそういう赤字公債というような発行をやめて、建設公債を出して一般会計にそれだけの余裕をつけるという財政運営方針をとったというふうに聞いておりますので、私はその方針を踏襲することのほうが財政の放漫化を防ぐゆえんじゃないかというふうに考えます。
○大原委員 この問題は全然納得できないのです。あと関連質問がありますから、私は適当に締めくくりますが、なぜかといいますと、そういう考え方でいくならば、収入欠陥が生じた、これから必要があって公共事業等の対策をやらなければならぬ、減税もやらなければならぬ、こういう必要が迫ってまいりますね。そういたしますと、財政法四条一項を脱法するために、金に色合いがついていないということで、たらい回しのような政策をやるわけです。そうして公債を発行して、公共事業の建設目的の財源にしたのだ、こういう説明をとるわけです。とりながら、その財源の一部をもって減税に回していくのだ、こういう説明をするわけです。そういうことになるならば、これは歯どめということはないじゃないですか。特に最近の報道によると、歯どめの議論が出たから一言言っておくけれども、日本銀行は内規によって、一年以内に日銀の引き受けをやらぬというふうな内規がある。それに対して大蔵省は圧力をかけて、一年以内でも買い上げろ、オペの対象にしろ、こういうことを要求して内規の改正を迫っているということがある。そういうことになるならば歯どめなどということはなくなる。一方では土地インフレの問題もある。第四次防で軍事インフレの問題がある。兵舎までも公共事業になどするような考え方がどんどん広がっていっておる。そういうふうに公共事業の基盤を広げておいて、そして足りないところは借金、公債を発行していく、こういうようなことは私は絶対に認めることはできない。これは全般の論争を通じましてやりますけれども、大蔵大臣の答弁は私は全く納得ができない。これは総理大臣も昭和四十年の当時の歴史的な論争で見解を表明されているわけですから、絶対に放漫に流れないようにけじめをつけると言っておられるわけですから、こういうふうなノーズロースなことはいけない。私は総理大臣から責任ある見解をお聞きいたしたいと思います。大蔵大臣ではなくて総理大臣。
○佐藤内閣総理大臣 公債発行については、もちろん前段に言われるように、やはり節度ある公債発行でなければならぬこと、これはもうお説のとおりでございます。私どもも、そういう点で大原君のお説には全然同感であります。 ところで、四十年と今回の処置、これは違うのは一体どうなんだ、こういうお話だと思いますが、とにかくこれは四十年当時の予算は、初めて公債を実は発行した、かように私は理解しております。それまでは戦後、公債発行がなかったように思っております。したがってこの公債についての感じ方もよほど違っておるのじゃないか、かように思います。当初予算に公債発行が計上されておらないばかりでなく、補正予算で公債を発行するという全然国民になじまない処置をとった、そういうところに問題があったのではないかと思っております。したがいまして、今回は、すでに建設公債を発行している、その建設公債の不足分を、さらに増加分を今回の補正で補っていこう、こういうのでございますから、いま言われるように、四十年のときと今回を比べて、それが相違しているからといって考え方が変わった、こういう結論にはならないように思います。 私は、前段について、公債はこれは国民の借金である、そういう意味で軽々に、また歯どめのないような、乱に流れるようなことがあってはならない、かように思いますから、そのお説には賛成です。同時にまた、それが国民の借金ではあるが、同時にまたいまのような建設に使われるならば、国民の財産をふやすことにもなるのだ、かように思いますと、これはものの見方の相違ですから、その点では私、悪ばかりを取り上げて非難する、これはちょっと当たらないのじゃないか、かように思います。
○大原委員 最後に一つ。 総理大臣、私は納得できません。当時の論議は、もう一回あらためて別の機会に、これは記録に即してやりますけれども、大蔵大臣もただ一点言っているのは、今回が前のと違うのは、当初予算においていわゆる公共事業のための公債を発行している、こういうことであります。前回はそれがないということであります。初めてだということであります。しかし、たとえば極端に言うと、当初予算、本予算に十億円の公債を発行しておいて補正予算で一兆円の公債を発行する、そういうことをやってもよろしいのかというのです。これは確かになくなられた村上主計局長の時代だと思ったけれども、総合予算主義ということを彼はきびしく言っておったことがあるが、当初予算できしっとした責任ある収支の見込みをつけて、そして公債については考え方をもう一回洗い直して、建設公債という概念を明確にするような、国民が納得できるような、引き受けや消化やあるいは償還の方法、使途、目的その他について明確にするような措置をとる、考え方を変えていく、そういうことをしておいて、そしてこの問題については考えていくというふうにしなければいけない。当初予算で四千三百億円の公債を発行しておいて、今度は補正予算で七千九百億円の追加をする、こういうふうなことをでたらめにどんどん許しておいて、そして一方では、その歳入欠陥が現にあるのに、赤字を埋めるためにあるのに、積極、消極の面を含めてあるのに、それに対して建設公債であるという強弁がまかり通るというふうなことは、私は本委員会の一貫した議論から考えまして納得できない、このことを私は言っておきます。それと日銀引き受けの問題だってでたらめだ、そういうことは許すことができない、そういうことを申し上げておきまして、私の質問はこれで中断をいたしまして、次の質問者に譲りたいと思います。 以上です。
○瀬戸山委員長 ただいまの大原君の議事進行の発言に関し関連発言の申し出がありますので、順次これを許します。鈴切康雄君。
○鈴切委員 補正予算の国債発行についての大原委員からの質問に対する法的な疑義については、私は、政府のいまの答弁では当を得ていない、そのように思うわけでありますけれども、しかし私は、法的疑義はさることながら、本質的に国債の運用、管理に対する政府の姿勢、はたしてこれでよいかどうかという点についてお伺いをしたいのであります。 私は、現在の経済情勢下で、税収その他の歳入財源の落ち込みから、かつはまた国民生活を守り、不況打開、さらにはいままでの経済体制を国民生活優先の体制に転換すべきことからも、歳入不況を補い、さらに国民福祉充実、向上のための利用財源を確保するについて国債を発行するということについては、一応認められるべきであると考えております。しかし、予算総則にあるから、そのワク内であれば、当初予算の考え方を変えて歳入欠陥分は国債で補てんしていけばよいという形式論理は、財政法四条の精神からも単純に肯定されるわけにはいかないと思っております。したがって、この際政府は、国債発行の節度を明確にすべきであると考えております。 このような理由から、一番基本的な問題は不況措置でありまして、一つには、本予算に示される国債は四十一年度以来初めての増額であること、二つには七千九百億円の国債発行の理由は、租税その他歳入減額五千六百二十二億円が見込まれたからであるという観点から考えてみると、政府はかってに資金の振りかえをしておられるようでありますが、実質的には歳入欠陥の補てんであり、赤字公債の要素は非常に大きいということであります等考えてまいりますと、国債の節度を明確にするならば、当然四十年の不況による特別措置と同様の法律的措置を行なうべきではないか、そのように思うわけでありますが、その点について政府の見解をお伺いいたします。
○水田国務大臣 御承知のように、当初予算を編制するときの見込みには、八月十五日以来のこういう大きい世界経済の変動というようなものも予想されておりませんでした。したがって、当初の予定どおりの財源の配分で対処できるというふうに考えておりましたが、その後日本の経済の不況の回復がなかなか順調にいっていないということと、それに追い打ちの不況要因がさらに加わったというようなことから、ここで歳入が減ってくれば、当然減った分に見合う公共事業費のそれだけの減額というようなこともほんとうは必要になるというような事態でございましょうが、そうじゃなくて事態はむしろ逆に、この際不況対策として積極的に公共事業を起こす必要があるという逆のほうの事情に迫られてきたというようなことでございますので、この際、当初予算で予定しておった建設公債の発行を思い切って大きく増額するというような措置をとったわけでございまして、この建設公債によった収入は全部公共事業に向けられることは事実でございますが、実態的に見て、これが歳入不足と関係がないかというと、これはもちろん関係がございますので、歳入不足という事実があります以上、そこで一般会計が予定しておった公共事業への充当というものが困難になったという事情はむろんございますが、もし、こういう事情がわかっておって、一番最初に当初予算で大きい建設公債の発行を予定しておったら、今度は何でもなかったということになるのでございましょうが、当初予定すれば建設公債の発行はできるが、当初予定していなければ、それはこの補正予算ではできないということのほうがむしろ非合理であって、そういう当初予定できなかったようなこういう要因ができたのですから、この際、思い切って、一般会計に余裕をつけるために、公共事業の分野は建設国債をもってまかなうというためのこの追加をしたということでございますので、これは、私は、財政法上も少しも違反ではございませんし、実態的に見ても、こういう財政運用をすることのほうがむしろ正しいやり方ではないかというふうに思っております。
○鈴切委員 今度このように多額な国債発行をして景気の浮揚策を講じても、やはり当分、先行き景気が向上するということは非常にむずかしいのじゃないか、そのように私は思っております。現在、国債に対して歯どめがなくして、野方図に国債発行をするということになれば、やはり毎年膨大な国債発行を余儀なくされるような状態になってくることはもう明らかであります。となると、市中消化ができなくなり、結局は日銀に入るようなことになってしまえば、これはやはり国民の負担になってしまうわけであります。結局は、そういうことから雪だるま式になっていってしまう。私が言いたいことは、四十年のように、立法措置をして、七年間の償還期限を明確化していくというように、国債の運用管理の上に歯どめをするという意味においても、やはり立法措置が必要ではないかということなんです。立法措置をして、はっきりとやはり歯どめをつけるべきだ、こういう考え方に立っているわけですが、その点についてもう一度。
○水田国務大臣 したがって、公債の出し方につきましては、財政法で、まず御承知のように限度の歯どめがあるということ。政府は、さらに、公債発行は市中において消化する。市中消化の原則というものを持っておりますので、これも大きい歯どめであって、現行法によっても、公債の発行はでたらめにはできないという歯どめを持っておりますが、いまおっしゃられるように、さっき申しましたように、赤字が出たら、赤字部分だけは公債を出していいんだというほうが、公債政策としては歯どめのない公債になるんだ、いまの第四条による建設公債のほうが、すでに歯どめがかかっておる公債であって、これを堅持するほうが健全財政が守れるのだ、私はそういうふうに考えます。
○鈴切委員 私は、大蔵大臣の御答弁には不満足であります。しかし、いずれ予算委員会において、同僚議員が詳細にわたってまた御質問申し上げたいと思いますので、この席はお譲りをいたします。次の田中委員に譲ります。
○瀬戸山委員長 田中武夫君。
○田中(武)委員 この際、いままでの論議の交通整理を含めて、社会、公明及び民社の三党を代表して一つの提案をいたしたいと思います。 要は、今度の補正予算で、景気の落ち込み、減税等で、当初の歳入予定に狂いがきた。そこで、今度の補正をもって国債の発行を増大する。また、交付税特別会計の修正をする。これは四十年と同じではないか、どこが違うのかということが一点なんです。 それからなお、何が建設公債で、何が赤字公債なのかということもはっきりいたしません。本来、公債に建設、赤字というような区別があるのかないのかも論議になります。さらに、憲法八十三条の財政処理の基本原則、すなわち財政民主主義、及び財政法第四条第一項以下のいわゆる健全財政主義、これからいってもおかしいではないか。 また、もう一つ、これは私がつけ加えるのですが、最近、ことに佐藤内閣になってから、当然立法をもって処理すべきである、あるいは国会の承認を必要とすべきであると思われるものを、何とか小理屈をつけて立法を避け、国会の承認を避けようとする動きが露骨であります。この行政府の態度に対しましては、立法府たる国会としては、大いなる関心事であり、重大な問題であると考えております。 そこで、委員長、四十年と今回とでどこがどう違うのか、何がゆえに特別立法を要しないのか、その点を明らかにしてもらいたい。しかし、ここで論争を重ねても、これは質問でなくて、議事進行についての発言でありますから、私は論議はいたしません。やがてその機会を得て論議をいたします。委員長、これは私は重大だと思うし、先ほど来の水田大蔵大臣の答弁というか発言——あえて質問、答弁ということばをこの際私は使いたくないのです。あの発言では全然納得いたしません。そこで、四十年とどこが違うのかということを、二十五日の午前中までに文書をもって明確に当委員会へ出してもらいたい。それができなければ、四十年同様の特別立法を国会へ提出をしてもらいたい。そのいずれかを、委員長、考えていただいて、善処を願います。 何か、大蔵大臣なり総理から御意見がありますれば、いつでも続けて質問の形式に入ってもけっこうです。
○水田国務大臣 私は、さっき言ったような理由だと聞いておりましたが、私の考えでは、そう事情は変わっていない。変わっていないが、初めてのことであるし、やはり、当初予算で、建設公債というものの考え方も熟していなかった。そういう意味からこの特例法による公債発行をしたというふうに聞いておりますが、おっしゃられるように、文書の形で一ぺん整理して出せということでしたら、これはもう、私のほうでも、当時の事情を、わきに責任者の福田前大臣もおられることでございますので、書いて出します。一向差しつかえございません。
○田中(武)委員 先ほど来同じことを言っておられますが、それは、そんなことではだめです。問題は大きいのですよ。したがって、明確な文章で、同じことを繰り返すのでなくて、ほんとうにわれわれが納得するような説明をひとつ文書で出してもらいたい。でなければ、特別立法を提出してもらいたい。それとも、ここで政府が受けて立つとおっしゃるならば、財政民主主義と健全財政の問題、憲法と財政法によって質問を続けます。いかがです。
○瀬戸山委員長 田中君に申し上げます。 ただいまの田中君の提案につきましては、後刻理事会において協議いたしたいと思います。
○田中(武)委員 もう理事会なしに——出すと言っているんだよ。宣言しなくてもいいんだよ。大蔵大臣は出しますと言っているから……。
○瀬戸山委員長 政府から出すものは出させて、また理事会でも相談いたします。
○田中(武)委員 それはけっこうです。
○瀬戸山委員長 次回は明後二十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十一分散会 ————◇—————