文教委員会 第2号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1971/11/12
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 本日付託になりました川村継義君外十名提出の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 それでは本案について提出者より提案理由の説明を聴取いたします。川村継義君。
○川村議員 ただいま議題となりました地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。 教育基本法に、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」と明示されておりますが、これこそ民主教育の基本的な精神であると考えるものであります。この精神にのっとり昭和二十三年、教育委員会制度が制定されましたことは御承知のとおりであります。しかしながら、昭和三十一年、地方教育行政の組織及び運営に関する法律が施行されまして以来、戦後つちかわれてきたこの民主的教育行政制度は根底からくつがえされ、わが国の教育行政は一路中央集権化の道をたどることとなりました。その例をあげてみますと、都道府県の教育長の任命には、文部大臣の承認を得ることとなり、また、市町村の教育長の任命には都道府県教育委員会の承認を必要とするなど、文部大臣の命令が実質的に末端教育長にまで及ぶことになりました。その上文部大臣の措置要求といった非常手段まで設けられまして中央権力を強め、地方教育委員会の自主性を弱めていることは国民周知の事実であります。 さらに最も注目すべきことは、教育委員会の委員の公選制が任命制に改悪されて現在に至っていることであります。 任命制に切りかわることによって国民が教育に直接参与する権利が奪われる結果となりました。また任命制においては、地方自治体の首長の政策に批判的な者ないし反対な者は委員として選ばれなくなり、首長の意に迎合したいわゆるお手盛り人事が行なわれてきた弊害があります。これでは教育委員会の自主性の喪失と弱体化は避けられないのであります。また教育財政についていえば、教育予算の原案送付権がなくなりました。これによって、教育財政の確立ということは名目のみに終ったきらいがあります。 かつて、国民に多大の犠牲を強要したあの悲惨な戦争の貴重な反省の上に積み上げられた民主教育の精神は、またもとの封建的思想へ逆行しつつあるのであります。 ここに日本国憲法及び教育基本法の精神にのっとりまして、教育行政を本来の国民の手に取り戻すべく本案を提出した次第であります。 次に本法律案の内容の概要について申し上げます。 第一は、本法の趣旨を、教育が不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行なわれるべきであるという自覚のもとに、地方公共団体における教育行政が公正な民意により地方の実情に即して行なわれることを確保するため、公選制による教育委員会の制度を設ける等、地方公共団体における教育行政の組織及び運営の基本を定めるものとすることにしております。 第二は、教育委員会の委員の公選、選挙及び解職請求についてであります。 すなわち、その一は、委員は、日本国民たる当該地方公共団体の住民が選挙することにしております。 その二は、地方公共団体の議会の議員の選挙権または被選挙権を有する者は、それぞれ当該地方公共団体の教育委員会の委員の選挙権または被選挙権を有することにしております。 その三は、委員の任期は現行の四年とするが、二年ごとにその一定数を改選することとし、その他委員の選挙については当該地方公共団体の長の選挙に準ずることにしております。 その四は、委員の解職請求は、当該地方公共団体の選挙管理委員会に対して行なうことができることにしております。 第三は、教育委員会及び地方公共団体の長の職務権限等について所要の改正を行なうことであります。 すなわち、その一は、地方公共団体の長の権限に属する教育に関する事務のうち、教育財産の取得及び処分並びに教育委員会の所掌事項に関する契約及び予算を教育委員会の権限に移すことにしております。 その二は、教育委員会は、毎会計年度、その所掌にかかる予算の見積り書類を作成し、これを当該地方公共団体の長に送付しなければならないこととし、また、地方公共団体の長は、教育委員会の送付にかかる歳出見積りを減額しようとするときは、当該教育委員会の意見聴取を必要とし、減額した場合には、当該教育委員会の送付にかかる歳出見積りの詳細を予算に付記することにしております。 その三は、地方公共団体の長は、当該教育委員会の所掌にかかる予算を当該教育委員会に配当しなければならないこととし、教育委員会は、配当を受けた予算の範囲内でこれを執行することにしております。 その四は、地方公共団体の議決を経るべき議案で教育委員会の所掌にかかるものの原案の送付等については、前に述べました教育委員会の所掌にかかる予算の場合と同様の措置を講ずることにしております。 第四は、文部大臣の教育委員会等に対する教育事務の管理及び執行について違反の是正または改善のため必要な措置要求に関する規定を削除することにしております。 第五は、教育長については一定の資格を要することとし、その任命については文部大臣等の承認を要しないことにしております。 第六は、教育委員会の会議の公開等に関する規定を設けることとし、その他関係規定を整備することにしております。 第七は、この法律は、昭和四十七年四月一日から施行することとし、教育委員会の委員の選挙等について必要な経過措置を講ずるほか、地方自治法その他関係法律について所要の規定の整備を行なうことにしておまりす。 以上が本法律案を提案いたしました理由及び内容の概要であります。何とぞ十分に御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。
○丹羽委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 次回は、来たる十七日開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十六分散会