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67回国会衆議院1971/12/15

物価問題等に関する特別委員会 第5号

発言数
137
登壇者
12
会派数
3
開催日
1971/12/15

会議録

小林進日本社会党

○小林委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質議の通告がありますので、順次これを許します。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 初めに、公団家賃の問題について、建設省のほうにお尋ねをしたいと思います。  実は、この問題は、建設委員会で、この前各党が議論をする予定になっておりましたが、御承知のように、沖特における西村大臣発言をめぐりまして流会をいたしましたので、ちょっと時期を失した感はありますが、物特で、物価問題の立場から、この問題について建設省並びに経済企画庁のお考え方を明確にしていただきたいというふうに思います。よろしいですか。  それでは、これは新聞の報道の限りですから、十分建設省自体も把握をしておられぬではないかというふうに思うのですが、御承知のように公団家賃というのは、公団自体が日本住宅公団法施行規則第九条によりまして家賃の決定を行なう、第十条によって建設大臣がこれを審査する。そういう手続を経て初めて公団家賃の値上げという問題が正式に決定をされるわけでありますが、今回はどういうわけか、建設省並びに経済企画庁という、主管官庁である建設省、物価担当であります企画庁、こういったところを飛び越えて、大蔵大臣の段階で三七%の公団家賃の値上げが発表になった。最高上限三千円、五カ年ごとに改定をする、こういった話が突然出てきたわけでありますが、これは従来の公団家賃であります原価主義、これを根本的に否定をいたしまして、現在価格主義といいますか再評価主義、こういった方向に基本的に家賃の性格を変えていくという構想だと思うのです。  これは非常に大切な問題で、重要な法律の内容にも触れたことを、確かにさいふを握っておる大蔵省が、銭を持っておるからという立場があったかもしれませんが、こういう発表が一方的になされるということが非常に問題だと思いますね。そういう点について、こうした政府の大蔵省の発表のあり方、あるいは考え方ですね、こうしたものについて意見があれば、まず建設省、それから経済企画庁のほうから御意見を承っておきたいと思うのです。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 公団の家賃の問題で、昨日の新聞でいろいろ報道されましたので、私どももいろいろ案は考えておりますけれども、ただ、財政当局といたしまして、財政の事情からこうしたいという御希望があることは、われわれも十分承知しておりますので、われわれとしては、住宅政策の面でいろいろ考えて、家賃の不均衡の問題その他、われわれとしても新しく政策としてやりたいということは持っておりますけれども、昨日の新聞報道の具体的な内容につきましては、われわれ全然承知しておりませんので、今後検討したいというふうに考えております。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 ただいま松浦先生から御指摘のありましたように、公団の家賃は、取得原価ということが基準になってきめておられるわけであります。新旧の住宅の家賃につきましていろいろ不均衡の点は、私もよく承知いたしておるところであります。しかし、他の家賃等の関係もありますし、来年の値上げというものにつきましては非常に消極的な立場であります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 建設省にお尋ねしますが、三七%という値上げが正式に出されましたね、大蔵省試案として。こういう大幅な値上げということについてどういうふうにお考えになりますか。具体的な数字が出ておるのですがね。どうです、三七%という数字に対するお考え方を……。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいま企画庁のほうからお答えがございましたように、家賃の不均衡という問題が確かにあるわけでございます。これをどういう形で是正するかというのが、一つのわれわれの立場としての問題でございます。したがいまして、これの計算をする場合に、一番単純に考えますと、推定再建築費と申しますか、古い住宅で、現在の経済条件でこれを建てた場合に幾らかかるか、(松浦(利)委員「再調達価格でしょう」と呼ぶ)はい。それをもとにして、現在きめられております家賃の計算方法で計算すれば家賃が幾らになるかということになるわけでありまして、これについて、そのままで計算をした場合には非常に大きな家賃の値上げになりますので、これを何%までやるか。われわれは激変緩和ということで考えておりますけれども、それを建築後十年たった家について、十年後の用地の値上がり、建築費の値上がりその他を考えて推定再建築費、これは客観的に出てくるわけでありますけれども、これをもとにしていまの家賃計算でそのまま計算するということは、家賃の特殊性を考えましてとても無理であるということを考えておりますので、それを何%に押えるかということは一応考えているわけでございまして、その押え方についての意見といいますか、われわれの考え方というのは、まだ最終的な結論は出ておりませんけれども、これを昨日の新聞で大蔵省、財政当局としてはこういう考え方でいきたいということで御発表になったのだというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 局長、非常に慎重に答弁していただくのはいいのですが、質問に答えておらぬのです。三七%という数字についてどうか、こう聞いているのです。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいま申し上げましたように、三七%という数字は、実は私もきのう初めて聞きました。それについての当否ということは、まだ私のほうとしては結論を出しておりません。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それじゃ局長、再調達額で計算をし直す。ですから五年前、十年前に建てた建築物、もちろん減価償却していますね、それを現在再調達したら幾らになるかということで計算をする。それに今度はまた減価償却をかけて家賃を出していく、こういう考え方だと思うのですけれども、そのことは明らかに、日本住宅公団法施行規則の第九条を修正するということを言っておると思うのですが、ここでいっておるのは「公団が賃貸する住宅」以下云々と書いておりまして、家賃は償却費といろいろな経費等を中心にして「月割額を基準として、公団が定める。」ですから、あくまでも再調達額ということじゃなくて、建った時点における償却を含めて、そして償却年度ごとに家賃をきめていくという考え方ですね。だから、これでいきますと、償却していくわけですから、逆に家賃が下がらなければいかぬ。ですから、原価主義というものを捨てて時価主義といいますか、だから極端に言うと、物価にスライドしていけば上がる。物価が上がれば上がるわけです、再調達額が変わるわけだから。だから、基本的に日本住宅公団法施行規則そのものを修正する、そういう考え方が建設省に根底にあるわけです。その点ひとつはっきりしておいてください。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 いまお話ございましたように、家賃の決定方法については、第九条ではっきり書いてございます。ただ、第九条の次の第十条に「物価その他経済事情の変動に伴い必要があると認めるとき」「賃貸住宅相互の間における家賃の均衡上必要があると認めるとき」、こういう条件で家賃の変更をするのだということを、はっきり同じ規則で書いてあるわけでございまして、原価主義を変更するのかどうかという問題は、原価の計算のしかたはいろいろ問題がございますけれども、原価の中にはやはり公団の資金コストの問題もございますし、償却年限の問題もございますので、それが変われば原価が変わってくるわけであります。そのほかに、十条にはっきりございますように、「物価その他経済事情の変動に伴い必要がある」というときには家賃を変更できるということになっておりますので、いまの問題は、これからこういう条項を適用してどうするかという最終結論を得る問題であるというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 九条と十条と関連さしておるようだけれども、そうじゃないのです。九条というのは、あくまでも原価主義が貫かれておるわけです。再調達額なんということは、第九条では出てこないのです。あくまでも原価主義ですよ。この十条というのは政治的な配慮ですね。建設大臣が政治的に判断をして不均衡を是正するとかなんとかいうことですね、極端に言うと。第十条でやれる範囲というのは政治的な判断あるいは経済情勢における判断であって、あくまでも第九条が基本だ。第九条というのは、あくまでも原価主義が貫かれておるわけですからね。しかし、大蔵省が言っておることと、いま局長がここで答弁なさったことは、再調達額、こういうふうに言っておられるから、それは明らかに第九条の原価主義というものを修正しておるじゃないか、こういう質問なんです。十条は私は知っていますよ。第九条を変更するのかどうかということを聞いているのです。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 第九条の原則を変えるというつもりはございません。ただ、原価主義の場合に、原価というものが何だということにつきましては、資金コストあるいは償却年数等によって変わってくることがあるということと、第十条で、いま先生がおっしゃいましたが、政治的な判断、物価対策の問題等とからんで非常に高度の政治判断を要する問題であるというふうにわれわれは感じておるわけです。したがいまして、九条の原則を変えるということは考えておりません。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 法定耐用年数、そういったものが急に変わっては困ると思うのです。そういうものは変わってこないと思うのです。それをかってに変えられたのでは、入っている者はたまらない。耐用年数とか償却率とか、そういったものは私は変わってこないと思うのです。  資金コスト、資金コストと言われるけれども、私は資金コストも変わらないと思うのです、現実にもう建っておるわけだから。ただ、あえて資金コストが変わってくるとするなら、私はここに問題の本質があると思うのです。それは御承知のように、昭和四十年度から、公団に対する政府の出資を打ち切りましたでしょう。四十年に公団に対する出資を打ち切ったから、資金コストが変わるのはあたりまえです。それからまた、昭和四十三年に利子補給を打ち切ったでしょう。政府資金の出資を打ち切り、利子補給を四十三年に打ち切ったりしたら、資金コストが変わるのはあたりまえです。これは私は、物価の変動ではなくて、政府の政策による資金コストの変更だと思うのですよ。  ほんとうに住宅そのものが佐藤内閣あるいは建設省の重大な柱とするなら、私は、むしろこの際、四十年に打ち切った政府資金の出資というものを出し、利子補給というものを再現する、こういった手続がとられるべきだと思う。一方的に、入っている国民についてのみしわ寄せをしてはいけない。やはり赤字の負担というのは政府自身も負わなければならない。四十年度から打ち切った出資をやり、利子補給をまたさらにやる。そうしないと、これは建設委員会でも常時議論することですけれども、昭和四十六年に例をとりますと、公団の借り入れ資金が四千四百七十四億円です。これだけの民間の資金とか政府資金とかを借りておるわけです。そのうち住宅公団が政府なりあるいは民間に対して支払う元利を計算しますと、二千九百四十五億円です。借りる金が四千四百七十四億円で、返す金が二千九百四十五億円、結局住宅公団が使える金はプラス、マイナス千五百二十九億円しかないのですよ。何のことはない、金を借りて借金を返すというような悪循環です。そういうことをすれば、当然家賃が上がってくるのはわかっておる。住宅公団自身の資金コストが上がるのはわかっておりますよ。そういう住宅公団の資金コストを下げるということを何にもせずに、ただ一方的に三七%値上げしますよ——これは企画庁も建設省も消極的だそうですけれども、こういうものは消極的であるほうがいいのです。しかし、いずれにしても、そういった問題を解決せずして一方的にしわ寄せするのは、私は非常に問題だと思う。  政務次官、そういう問題について、公団家賃が不均衡になったからというだけでそういうふうにしわ寄せをするのではなくて、そういった資金コストを下げる手だてというものを政府でやるべきである。政府の出資あるいは利子補給、こういったものについて来年度具体的に行なう意思があるのかないのか、そういう希望を大蔵省と折衝する気持ちがあるのかどうか、その点を経企庁のほうからお聞きしたいと思います。局長からも答弁してください。

宮崎仁経済企画庁国民生活局長

○宮崎(仁)政府委員 若干技術的なことを申し上げまして、後ほどまた政務次官から御見解をいただきたいと思います。  確かにいま御指摘の公団家賃の問題、これは実は昨年から私どものほうにも、住宅公団、建設省からいろいろ技術的な御説明がございました。われわれの中でも議論いたしております。私の若干個人的な見解も含めて申し上げますと、やはり現時点に立って、いまある公団の古い住宅まで含めて個々に家賃を比較してみると、入っている人の収入の状況その他から見て、不均衡という面はかなり社会的には考えたほうがいいのではないか、こういうふうに私は考えております。したがって、不均衡是正はやはり必要なのではなかろうか、こういう感じは持っております。  そういうことを申し上げる一つの論拠としては、いま再調達価格というお話がございましたが、建設ということではなくて、修繕そのものの財源で見まして、修繕費も上がっております。これも従来の原価計算できまったものでやると不十分であるという問題がありますし、それから、固定資産税もその間に上がっておる、こういうものに対しても不十分である、こういうような面があるようであります。少なくともそういった面が、新しく建てられた住宅に入った人たちの財源でまかなわれておる。古い人たちが新しい人たちの負担におぶさっておる、結果的にこういうようなことになってしまっておるのだとすれば、やはりそれは問題かもしれない、こういう感じは持っております。  ただ、御指摘もございましたように、最近、非常に住宅公団の新しくできる住宅の家賃が上がっておる。これはもちろん、地価問題その他いろいろの事情によるわけでありますから、簡単にはまいりませんけれども、やはりわれわれとしては、こういった公的な住宅というものについてもっと力を入れる必要がある。これは物価という面ばかりではなく、国民生活という関係から見ましても、いまや非常に強力に住宅政策を展開すべきだという議論が、生活審議会の中等でも出てまいりました。そういう点から見まして、特に公団の取得する資金につきまして資金コストを下げていくということについて、ぜひひとつ努力をしてもらいたいと思います。四十七年度においては建設省のほうでもそういった要求をいたしておるようでございますから、われわれとしてもこの点は強力にバックアップしたい。そういった点から見まして、不均衡という問題はやはりある程度は考えたほうがいいと思いますけれども、そういったことによって浮いてくる財源というのは、あげて新しくできる住宅の家賃の引き下げに回していくべきであるし、さらにもっと積極的に、新規にできる住宅の家賃の引き下げということに資するような資金構成なり土地政策なりを展開してもらいたい、こういうふうに考えております。  前段のほうについては、これはまだ企画庁としての意見というわけではございません。私の個人的見解でございます。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 先ほどお尋ねがございました、住宅公団の資金コストが上がっておる、補給金を復活しろというお話がございましたけれども、現在家賃に対する資金コストとしては、この前も御説明したと思いますけれども、上がっておりません。ただ、補給金の出し方につきまして精算方式ということになっておりますので、本年度は精算上補給金が必要ないという数字が出ておりますので、補給をする必要がある場合には補給するということで、資金コストとしては全然上がっておりません。この点御了承願いたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 そのいまの問題は、専門的分野になりますので、私ども、いま言われたことをもう一ぺん計算して見直さぬといけませんので、建設委員会でやらしてもらいたいと思いますが、いずれにしましても、要するに住宅公団が使える資金そのものの量というものは、借り入れ金がふえてきておるけれども元利がまた逆にふえてきておって、当初の予定よりもプラスマイナス非常に少なくなってきておるということだけは事実だと思うのですね。そのことについては、これもひとつ計算しておいていただきたいと思うのですが、建設委員会でまた一緒に議論させていただきたいと思うのです。  そういった入っておる人だけに一方的にしわ寄せをするのではなくて、いま生活局長お話しになりましたように、逆に政府自身も資金コストを下げる手だてをする、政府自身も家賃が上がらないように引き下げる努力をする、こうしたものが対応として出てきて、そうしてなおかつこうだといってパーセントが出てくるというのなら、これはある程度議論の余地があると思うのですよ。ところが、今度のように三七%ぱっと上げます、こういう出し方では、国民に向かって、あるいは公団に住んでおる人たちに対しては、刺激こそすれ了解を得ることにはならない。また、そのことがイコール民間家賃、いま特に民間主導型の住宅政策でありますから、そういった民間の家賃等にはね返ってきて、衣食住の一つの柱である住宅費というものが非常にふえてくる、こういった問題が出てくる。私は、物価対策上あるいは政治の姿として非常におもしろくないと思いますね。そういう点についてはぜひ規制をしていただきたい、善処していただきたいと思うのです。  もう一つの問題は、これは経済企画庁もぜひ聞いておっていただきたいと思うのですが、最近は家賃に含まなくていいものまで含まれてきておるのですね。たとえば、この前も新聞に出ておりましたけれども、住宅団地を造成するための河川改修費までが、土地取得のために使われたということで家賃に組み込まれている。あるいは、学校の敷地を提供しなければ市町村が受け入れてくれない。やむを得ないので公団側で造成をする。公団側に資金がないから、これもまた家賃にかぶせてくる。道路そのものも、これまた市町村が引き受けてくれないから、完全舗装という形で公団が工事をして市町村に渡す。その公団の道路そのものの建設費はどうなるかといえば、これがやはり家賃にプラスされてくる。そういったことをしますと、公団に入っておる人たちは税金の二重取りをされておる。こういう問題すらも解決せずに、家賃が上がった、高くなった、だから不均衡是正だ、これではいただけないと思いますね。やはり地方団体が払うべきものは払い、そういうことはぴしっと背負ってもらわないと、家がないから入りたいばかりに、何もかも全部入る人がかぶってしまう。これも住宅政策の貧困だと私は思うのですが、公団住宅を建てると殺到する。殺到してくるのをいいことにして、何もかも家賃にほうり込んでしまう。そうしなければ市町村が受け入れてくれない。そういった面もあるとは思いますけれども、結果的にそういうことが家賃の高騰ということを誘発しておるわけであります。こういうものについても、来年度は整理してぴしっとする、そういうことも住宅局長、明確にここで御答弁いただきたいと思います。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 ただいまのお話の趣旨はよくわかっているつもりでございます。ただ、現在住宅公団といたしましてもはっきり線はきめておりまして、家賃にはね返るような金の出し方は、用地そのものの価値の上がるものについては、それは用地費として計算して家賃の中に入れる、お話しのございました学校とか、あるいは付設の運動場、幼稚園というものは立てかえでやっておるということでございまして、この立てかえで何とか公共団体の御協力を得たいということで、一応立てかえまして小中学校の校舎を建てて、それをあとで公共団体に割賦で買っていただくというたてまえになっておりますので、これは家賃にはね返っておりません。家賃にはね返りますのは用地の価値の増加分だけという形になっております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 はっきり言いますと、住宅公団は黒字じゃないのですよ。どこかで金を出さなければいかぬのです。住宅公団が出したとしても、住宅公団が財源として出すものは結局、借り入れ金から払うとか、わかり切ったところから出るしかないのですから、そうなれば結局、それが結果的には家賃のほうにはね返ってこざるを得ないでしょう、収入は家賃しかないのですから。それは資金をプールしてしまえば、ただ帳簿上の処理としてはそういうことができても、資金としては一つのものから出ていくということになれば、結果的には家賃にはね返らざるを得ないということになるのです。  だから、そういう意味で、土地政策にしたってそういった問題はいろいろございますけれども、今日の政策の貧困、住宅政策の貧困が解決されずして、ただ入っておる住民にだけ、国民にだけしわ寄せをしていくという姿勢は、国民としてのコンセンサスを得られない。幸いに、大蔵省が経済企画庁やら建設省、特に主管官庁である建設省の頭越しにああいう発表をしたのですから、今度はひとつしりを落ちつけて、大蔵省側が幾ら何と言おうとそういうばかなことはできぬということで、こうした三七%という数字を拒否して、もっと国民がわかりやすいように、入っておる人たちが理解できるように、いま言ったような家賃にはね返るようなものは全部切り捨てる、あるいは先ほど国民生活局長が言ったように、政府のできるだけの財政的な援助も大蔵省を通じてやらす、そういう政策をとって、そしてなおかつ十条によってこうした問題が出てくるということについてなら、われわれは国会で十分議論をするし、皆さんの御意見も聞きたいと思うのです。  ところが、いまのように、政府が一方的にアドバルーンをぱっと上げまして、新聞の報ずるところによると、この家賃の値上げは、非常にやかましくて、国民からがたがた言われるから、うしろのほうで建設省と大蔵省と話をして、あなたのところで引き上げてくれ、そしてこれが突破されたら第二弾、ここがやられたら第三弾、こういうふうに防波堤をつくっておるのだ、そういう新聞記事も出ておるようなものをちょっと散見しましたけれども、来年度は値上げの年、不景気でいろいろな公共料金の値上げが待ちかまえておるわけでありますから、そういう意味では、この住宅公団の家賃の値上げについてはきびしく規制をしていただきたい。値上げをしない方向で努力をする。上げるということに努力をするのではなくて、上げないように努力をする。そして、なおかつどうしてもいけないときにはそのデータを具体的に出していただいて、これは建設大臣が十条によって一方的にやることはできますけれども、少なくとも物価と建設委員会——建設委員会はもちろん議論しますけれども、この物価委員会でも十分議論のできる機会を与えた上でこの十条の発動をするということぐらいは、これは政治的な立場でありますから、企画庁の政務次官に、きょう来ておられますから御答弁をいただいて、そして建設省と十分打ち合わせて、連合戦線を張って大蔵省とかけ合っていただくということで、最後の御答弁をひとついただきたいと思います。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 住宅問題は、われわれが生活する上には、いまや一番大きな課題であります。私は、やはり資金コストの問題であるとか、立地の問題であるとか、交通政策の問題であるとか、そういうふうな全体の問題を含めて検討してみなければならぬ、こう考えているわけであります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私はさびしくなるのですよ。要するに、値上げはしないということを前提にしてできるだけの手だてをする、そしてどうしてもいかぬときには、この家賃の値上げ、十条によっての建設大臣の認可については、この物特の委員会でも議論をさせた上でなければ値上げは認めませんぞ、来年十月とかなんとかいっていますけれども、そういうことも認めませんぞという、そのことについてどうですか、こういうふうにお聞きしておるのです。やはり物価に関する特別委員会も、この家賃については全部無関心であり得ないと思うのです。やっぱり議論する場を与えてもらわなければいかぬと思うのです。その点についての政治的判断を政務次官にお願いをしておるわけです。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 先ほど申し上げましたように、やはり新旧の家賃の関連性、それから総合的な立場に立って見直さなければいかぬということだと思います。特に、他の家賃との関係もありますし、われわれも、値上げにつきましてはもちろん消極的な立場でありますので、いろいろ議論いただきながら、真剣に検討してまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 局長、主管の局長ですから、これだけはひとつ約束してくださいよ。やっぱり上げるということで初めから議論したのじゃ始まらぬですからね。上げないようにいかにするかということで、いま経企庁の政務次官も消極的と言われたですが、大蔵省とできるだけ折衝して、資金コストを下げるとか、先ほど言った家賃にはね返るものを整理する、そういった努力をしてみて、なおかつ、この十条による建設大臣の発動をしようとするときには、この物価に関する特別委員会でも——建設委員会はもちろんやりますけれども、ここでも議論をした上で十条というものをやる、それくらいの猶予はひとつ与えてくださいよ。主管局長としてそれくらいやってください。どうですか。

多治見高雄建設省住宅局長

○多治見政府委員 住宅の主管局長でございますけれども、物価の問題は非常に広範な問題でございますので、私がどうするこうするということは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、先ほどお話のございましたように、家賃の値上げということはやりたくないというのが、住宅局の住宅政策をやっている当事者としては、これは当然の希望でございます。ただ、ほかにいろいろな広範な影響のある問題でございますので、これはやはり内閣なり、もっと高度の政治判断でおきめいただくということになると思いますけれども、私といたしましては、できるだけ、先ほどお話のございましたような御趣旨で努力はするつもりでございますし、できるだけそういうふうにいたしたいというふうに考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それから、これは政務次官に最後にお願いですが、大蔵省が主管官庁を飛び越えて、あんなに新聞にでかでかと、三七%上げますなんという発表をするということは、これは私はどう考えてもけしからぬと思うのです。具体的な数字もあげずにですね。そういったことが行なわれないように、私は、経企長官を通じて内閣にきびしく言っておいてもらいたいと思うのです。その点ぜひお願いしたいと思うのですが、政務次官どうでしょう。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 先ほど私申し上げましたように、まだわれわれといたしましては、正式なそういうものを聞いておらなかったわけであります。新聞では先ほど来先生が御指摘のように見たわけでありますが、その辺十分検討してみたいと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 政務次官、けしからぬですよ、これは。だから、こういうことが二度と起こらないように、大蔵省のほうにきびしく抗議しておってくれ、それでなければ、私がお願いするのがちょっと都合が悪ければ、委員長を通じて政務次官にお願いをしてもいいと思うのです。こういう物価問題を、ただ単に財政当局が、そろばん勘定が合わぬから三七%値上げすればいいじゃないか、それでは政治不在です。そういうあり方について——やっぱり大蔵省なんというのは、物価問題というものを軽々しく見ておるのだと思うのですよ。われわれが一生懸命ここで真剣に議論しましても、さいふで、かちかちやってこうぱっとやられるなら、こんなところで議論したって始まりません。これは全部大蔵委員会でやればいいのですよ。物価に関する特別委員会なんて要らぬ、建設委員会も要らぬ、住宅の問題については。だから、そういうことについては、先ほどから私が言っておるように、きょうは長官がおられませんので、政務次官がいま政治的な最高責任者として御出席だから、長官を通じて政府に対して、そういったことについてきびしく指摘されたということぐらいはひとつ報告しておいてください。その点どうでしょう。委員長からもひとつ……。

小林進日本社会党

○小林委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕

小林進日本社会党

○小林委員長 速記始めて。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 私ども、先ほど来申し上げておりますように、まだ何ら正式に聞いておらないわけでありますが、しかし、真偽を確かめておきたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 非常に不満だけれども、真偽を確かめるどころか、もう新聞に出ておるのです。だから、これをきびしく追及することができなければ、これは何にもならぬです。だから、私から言ってもだめですから、物価に関する特別委員会の委員長として、政府に、そういった物価問題を軽々しく扱ってもらっては困るということを、きびしく申し入れをしていただきたいと思うのです。

小林進日本社会党

○小林委員長 松浦委員のお申し越しの趣旨は、委員長も十分了承いたしました。御趣旨ごもっともでございまするので、委員長の責任において、大蔵省の責任者にひとつ厳重申し入れをいたしたいと思います。よろしゅうございますか。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 よろしいです。わかりました。  いま大蔵省の発表したのは、大蔵省のただ単なるアドバルーンであるということで、先ほど政務次官並びに局長から御答弁あったことをいまの考え方として受けとめて、具体的にこれから建設委員会なりこの物特の委員会で議論をさせていただきたい、試案ができ上がったときに議論をさせていただきたい。希望としては、値上げしないようにしてもらいたいというのがわれわれの希望であるということだけ申し上げて、この問題は一応打ち切りたいと思います。  続いて次に、この前から議論になりました輸入牛肉の問題について結論を出させていただきたいと思うのです。  ただ、ここでひとつ畜産局長にお尋ねをしておきたいのですが、この前畜産振興事業団の例のバターの貸し付け金利の問題をめぐりまして、貸し付け金利である四%というのはあまりにも低過ぎるじゃないか、預金金利に見合うものが貸し付け金利四%というのはあまりに低過ぎる、どこでそういうのがきまったかという質問、さらに委員長からもあらためてこのことについての質問がありましたときに、局長は、いや、これは実は事前に会計検査院と打ち合わせをした数字である、こういう御答弁があったのです。そのとき私は、それはおかしいことだと思いましたけれども保留をして、その後会計検査院等でいろいろ聞いてみましたら、会計検査院というのは決算に対してそういうことをチェックするところで、執行に対して関与するところでないことははっきりしておるのです。ですから、事実そういうことがあったのかどうか、その点が非常に不明確ですから、もう一ぺんお答えをいただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 前回の御質問の際に、あたかも会計検査院の了解を得たような趣旨の発言があったかと思うわけでございますけれども、その点につきましては私の若干の錯覚もございましたけれども、今度は非常に新しい試みでございますので当然慎重を期すべきである、したがって、関係方面の意見は全部聞くようにということで事務に申しておったわけでございますが、その間に当然私の頭の中には、そういう会計検査院のことも頭に置いて考えておったことでございます。しかしながら、事実、会計検査院というものの性格から考えてみて、事前に協議して了解を得るということのでき得る役所でないことは、もう御指摘のとおりでございまして、そういう点について会計検査院にあらかじめ御了解をいただいたということは、全然ございませんでした。そういう点で私の発言の不適当であった、適正を欠いておったという点について、おわび申し上げたいと思います。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それでは、訂正なさったわけですから、念のために、今後のこともありますから、その御相談なさったところ——この前もう結論としては、今後はこういった金利の率についてはもっと慎重にされるという御答弁をいただいておりますから、これ以上は追及するつもりはありませんが、あの四%をきめたときにどういう機関と御相談なさったのか、その点をひとつ教えていただきたいと思うのです。局長が御存じなければ、事務局の方と御相談いただいていいと思うのです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 具体的に折衝に当たりました乳製品課長からお答えいたしたいと思います。

植木建雄農林省畜産局牛乳乳製品課長

○植木説明員 貸し付けをいたします際に、当然、貸し付けでございますから、それ相応の利息と申しますか、そういったたぐいのものを取るべきである、こういう議論で、当事者の事業団はもちろんのこと、農林省の担当の課並びにそういう貸し付けなり契約なりあるいはその経緯、そういったことにつきまして経験あるいは知識を有しておるという意味で、経理的な経験のある方に個人的にいろいろと御意見を伺いまして、それらを総合判断をいたしまして、あの時点におきまして私どもは四%の利息を取る、こういうことを、監督上は農林省、実務上は事業団の責任において決定をいたしたわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 植木さん、その経理に詳しいという方は政府機関の方ですか、金融機関の方ですか。あるいは事業団関係の方ですか。その点どうです。

植木建雄農林省畜産局牛乳乳製品課長

○植木説明員 経験、知識ということでございますので、当事者の事業団はもちろん、経理それから事業を担当しております実務関係者、それから農林省におきましては、担当の私どもの課はもちろんでございますが、経理の面でございますから、そういう契約面で役所の経理関係に知識を有しておるそういう方々の御意見を、いろいろと個人的にも、また役所の仕事としても伺い、それらを判断いたしたわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 大切なことですからね。今後もあることですから、もう一ぺん聞いておきますが、その方は、政府委員は入っておりますか。

植木建雄農林省畜産局牛乳乳製品課長

○植木説明員 経理的な面でございまして、農林省の政府委員と申しますと担当局長ということに相なるかと思いますが、畜産局長との間ではいろいろと意見を交換いたしておりますけれども、いわゆる担当の局長という意味ではございません。実務の経験を有しておる者、そういう意味で御意見を伺ったわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまのお話を聞いておってもわかりますように、畜産振興事業団というのは一応は政府の機関ですね。そこが行なう貸し付け等にあたっての金利ですね。そういったものが、国会に対して責任を持つ政府委員というものが入っておらない。先ほども私は、このことを追及しない、この前済んだから、済んだことは追及しなという一札を入れておりますから、これ以上追及するつもりはありませんけれども、かりにこのことが国会で問題になってきたときに、責任の所在がはっきりしない。だれがきめたか。その中に責任者である政府委員が入っておってきめたのではなくて、まあ担当者の皆さん方できめてしまう。私は、そういうところにやはり間違いが起こると思う。少なくともこういった四%というような貸し付け金利、特に信用貸し付けでもないような、こんな預金金利みたいな形で政府機関が金を出す、あるいは品物を出す。こういったことをやる場合は、少なくとも責任の持てる人に入っていてもらわなければ困ると思うのですよ。あとで決裁をしたと言いたいから手をあげているのでしょうけれども、しかし、実際問題としてそういったことが今後も起こり得る可能性がある。たとえば差益金なんというのも——差益金というのは、極端こ言うと法的な拘束力というものはないのですよね。差益金というのは、これをどういうふうに使うか、どうするかは農林省の管轄でやれる。畜産振興事業団のそういった貸し付けも農林省だけでやれる。私は、こういうところに誤解が発生する原因が出てくると思うのですよ。しかもそれを扱っているのが、国会に対して責任の持てる政府委員ではなくて、出先がやる。差益金については日本食肉協議会がやる。あれはもちろん事後に決裁をもらう。事業決裁をしたあと承認をもらう。あるいは畜産振興事業団も許可をもらってやる。手続上はそうだけれども、全部、農林省に持っていって承認をもらえばいいという、そういうシステムをとっておるところに誤解を生む最大の原因があると思うのですね。私は、こういう点を今後ぜひ改めてもらいたい。この前のこの委員会で四%の問題についてもくぎをさしてありますから、今後そういったことのないようにするということですから、今後そういうことのないようにするにいたしましても、少なくとも国会に責任の持てる政府委員が中に入って、そういったものについてはぴしっと規律を守ってもらいたい。もっと正確に国会答弁ができるようにしてもらいたい。そのことを希望して申し上げておきたいと思うのです。この四%の問題は、一応これで終止符を打ちます。  次に、輸入牛肉の問題です。御承知のように、緊急輸入として下半期に二万二千トンが、やっと通産省と農林省との間でなわ張り争いがどうにか話し合いがついて、緊急輸入される運びになりました。  そこで、まず畜産局長にお尋ねをしておきたいのですが、輸入牛肉の産地から小売りまでの経費、諸掛かりですね、これが一体何%ずつ取られておるのか。これは昭和四十年にすでに一回発表になっています。ところが、その後修正になっておりますので、その点を私は事前に調べておいてくれというふうに畜産局のほうにお願いをして、私のほうに資料が来ておりますが、その点をひとつ御発表いただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 輸入牛肉につきまして、産地から小売りまでの経費、諸掛かりにどういうものがかかるかと申しますと、買ってきた値段のほかに、まず運賃というものがかかるのは当然でございます。それから海上保険料、関税の二五%、銀行諸掛かり及び金利——これは信用状開設手数料あるいは銀行金利あるいは電報代、こういうものでございます。それから陸揚げ諸掛かりというものがかかります。その次に商社手数料。   〔委員長退席、武部委員長代理着席〕 それから、問題になっております調整金というものが、現在、肉に応じまして十円から三十円取っております。それから、団体手数料というものがかかります。たとえば輸入商社協議会ではキロ五十銭を取る。それから、日本食肉協議会では〇・四%というようなぐあいに、それぞれ団体に応じて一定の手数料を取っております。最後に小売り段階で二五%ないし三〇%の手数料を取っているのが実態でございます。  これを具体的な数字で若干御説明申し上げたほうが、具体的にわかりいいかと思います。C&F、保険料の入らない価格で現在日本に入ってくる価格は、円換算いたしましてキログラムあたり三百九十八円六十六銭でございます。それに保険料が入りまして四百円五十七銭、これは全部キログラム当たりでございます。それに二五%の関税がかかりまして五百円七十一銭、こういうことになります。その次に銀行諸掛かり等で、先ほど申し上げました信用状とかユーザンス金利だとか関税金利だとかあるいは電報代、こういうものが、計算いたしますと十二円八十七銭かかります。それから、陸揚げの諸掛かりが三円二十七銭、商社手数料が三%でございますので十二円二銭、こういうことで商社の売り渡し価格は、三百九十八円六十六銭で入ったものが五百二十八円八十七銭、こういうことに相なります。それに調整金が二十円加算されて五百四十八円八十七銭、こういうことに相なります。その次に団体手数料というものが入りまして、先ほどの輸入商社協議会というものに五十銭がかかります。それから日本食肉協議会に二円十二銭、それから、これはたとえば全国食肉事業協同組合という卸の団体がございますが、この団体を通じた場合には全国団体で一・五%、それから地方の、たとえば東京で申し上げれば東京都全体のが〇・五%、それからさらに地区の協同組合が一%、こういうことの手数料が入りまして、先ほど申し上げていたものに加算いたしますと五百六十八円十九銭、これが小売りの手に渡る価格でございます。小売りに入るのが五百六十八円十九銭。  それで、小売り価格をさらに、先ほど申し上げましたとおり二五%ないし三〇%かかるマージンが入っているわけでございまして、これはそのうち一五%程度のものは、解凍による目減りあるいは整形によります目減りがあるわけでございます。たとえば、筋の部分を除くだとかあるいは皮の部分、あぶらの部分を除く、こういうようなことがございます。その一五%はそういう目減りがあるわけでございまして、いわゆる小売りマージンというのは二十三円二十銭、こういうことに大体計算をされるわけでございます。この中には、たとえば小売り屋さんがスライスする費用あるいは人件費、包装費その他の諸経費が入っている。現在、先ほどのようにして入りましたものが九十円ないし九十五円、これは百グラム当たりでございますけれども、そういう価格で末端で売られている、こういうのが実態でございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私はこの資料を見せていただきまして、三百九十八円六十六銭で入ってきたものが実際には末端で九百円から九百五十円、約二倍ちょっと、二・四、五倍になっておる。ですから、安い輸入牛肉が入ってきても、結果的に二・五倍くらいになって消費者に渡るときには出てくる。どこかを切らなければいかぬと思うのですね。しかも、入ってくるのは並み肉ですからね。ですから、そういうことを考えてくると、やはりいまの輸入牛肉の扱い方、いまの輸入牛肉の流通機構というものを私は根本的に改めていかなければならぬと思います。  そこで、おそらく通産省と農林省との間でいろいろと議論が分かれたところでしょうが、今度新しく試行的に、上期輸入の二万二千トンについては別個の方法をとる。七千トンが商社割り当て、民貿ですね、これは従来の十六社に渡す。残りの一万五千トンは畜産振興事業団が扱う。そうすると、畜産振興事業団の一万五千トンの割り当てのうちの七千トンはワンタッチ方式、いままでと同じように商社に割り当てていく。残りの八千トンについて直接事業団が市場に出していく。今度変わったのは、畜産振興事業団がいままでワンタッチですべて商社に出しておったものを、畜産振興事業団が直接流通機構に乗せていくということが試行的だというふうに新聞報道で聞いたわけでありますが、そういう点について間違いないでしょうか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 おっしゃるとおりでございますが、われわれの考え方として、民貿分の七千トンを除いた一万五千トン分については、事業団が直接需給調整機能を果たすというやり方に踏み切りたい、また、そういうことが原則であるべきだという考え方を強く持っております。しかしながら、御承知のとおり年末も迫っておるということ、それからもう一つは事業団の事業体制という問題もございますので、今度は暫定的に、そのうちの七千トン分については従来の瞬間タッチ方式を含めた。ただし、この分につきましては、十六社に限らず新規の商社も入れて、そこの間に競争させるということを考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いまの局長の御答弁によると、畜産振興事業団がワンタッチで割り当てる七千トンについて、従来の十六社以上のワクを広げて競争入札させるんですね。ワンタッチでやるというのはその実績に応じて割り当てていくのか、あるいはそれを競争入札で入れさせるのか、いま十六商社をどれくらいのワクに広げようと考えておられるのか、その点についてひとつ明確にしていただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 十六社のワクの広げ方につきましては、現在馬肉とかマトンとか豚肉とか、こういうものがすでに自由化されておるわけでございます。そういうものを一定数量扱っている商社については、これは後段の入札に参加せしめる方法をとるということで、これはいま実績を検討中でございますけれども、これで若干の、数社のものが新規参入してまいることに相なろうかと思っております。  それから、八千トンの分については、これは明らかに競争入札というやり方をやるわけでございます。それで、瞬間タッチの七千トン分につきましては、これがいま通産と最後の詰めに入っているところで、そのやり方についてはいましばらく検討さしていただきたいと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 私は、この安い輸入牛肉の畜産振興事業団が扱う七千トンも、やはり市場に出してもらいたいと思うのです。それを日本ハム・ソーセージ工業協同組合とかあるいはかん詰めとか、そういった中間の業者のほうに吸い取られてしまったのでは何にもならないと思うのです。少なくとも輸入商社のワクを広げて、輸入商社に流すその七千トンについても、輸入商社に割り当てることは通産省との関係があってやむを得ないにしても、しかし、その行き先は必ず市場に出ていく、加工業者とかなんとかで中間で押えられないで必ず末端まで出ていく、必要なら市場で買えばいいのだ、ハム・ソーセージとかかん詰め工場なんかは。そういう原則をぴしっと踏まえてもらいたいと思うのです。その点についてどうです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 原則といたしましては私、松浦先生の説と全く同じでございまして、今後の売りというものは市場を中心としてやるべきであるという考え方を強く持っておるものでございます。したがいまして、ただ、過渡期的には若干の例外と申しますか、そういうことを考えざるを得ないかと思いますけれども、原則はその線で貫いてまいりたい、かように考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それから、畜産振興事業団が直接市場に流す八千トンですね。これも要望ですけれども、あるいはもうすでに検討しておられるかもしれませんが、この八千トンについては生活協同組合ですね、スーパー、それから生産者団体など農協関係のそういうものを扱う団体、こういったものに、この八千トンのワクを広げて直接渡してもらいたい。その点どうです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 この点につきましては、前回もお答えを申し上げたかと思いますけれども、小売りの価格指導ということを直接的にやることにはいろいろむずかしい問題点があるわけでございます。そういう点で、小売りの価格を間接的ではございますけれども規制するやり方として、スーパーなり生協なり、そういうものを活用してやっていくというやり方は当然に考えるべきことでございますので、いま先生の御質問の線でまさに検討をいたしておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 従来からも、消費者団体に畜産振興事業団が直接割りつけることができるようになっておるのです。ところが、それを全然やっておらぬのです。いつの間にかなくなった。いつの間にか業者に全部いかれてしまったのです。だから、いま局長がお話しになったように、今度はできるだけ流通機構を短くする。流通機構を短くすれば、畜産振興事業団から直接消費者にいくのが一番早道ですから。だとするなら、途中をカットして、それを生協、スーパーあるいは農協のそういった生産者団体が行なう活動のほうに回す。それは検討段階だそうですから、ぜひ早く結論を出してやっていただきたいというふうに思いますね。  それからもう一つの問題は、これは井上課長からもちょっと話をお聞きいたしましたが、市場のマージン率ですね。これは、輸入牛肉についてはぴしっとやはり規制してもらいたいと思うのですよ。それを何%で押えるという気持ちがいまあるのか、どういうふうに指導しようとするのか、その点をいまお聞かせいただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 従来は、国内ものと同じように三・五%のマージンを取っておったわけでございますが、今度市場売りを原則とするというたてまえをとる以上、そのマージンは下げるべきだ、こういうことで、現在二%ということでやってもらうように強く指導をいたしておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 わかりました。  最後に、やはりこの前私が日本食肉協議会を取り上げて、差益金の問題でだいぶきびしく追及いたしましたが、畜産振興事業団が輸入牛肉の大半を扱うということになってきますと、その差益金というのは当然生産者団体に還元されていきますね。そうするとそれが流通機構のほうに——消費者のほうにも還元されるということが、現実的にはいまないんだから、そういうことも農林省の指導でやれると思うし、やるという気持ちがあればやれると思う。いいかげんであればだめですけれども、まあまじめに取り組むという局長の御答弁ですから、この前もそういう答弁ですから、事業団の差益金についてはぴしゃっと生産者と消費者に還元されていくというふうに思いますが、問題は、やはり日本食肉協議会を中心として扱う差益金の問題ですね。私は、差益金というのは課徴金と同じで、税金的性格を帯びておると思うのです。確かに中間の業者が出すのではあるけれども、末端価格に上のせされて出されるものでありますから、だから、そういうことを考えれば、こういった日本食肉協議会が扱う差益金というものも——確かに牛肉の格づけその他に使う金も出るでしょう。それは当然の任務として必要なことだと思いますね。しかし、それ以外については、少なくとも生産者なり消費者に還元されるように私はきびしくすべきだと思う。事業計画をきびしくさせるべきだ、そのように思うのですが、この前も局長ははっきりさせると言ったんですが、その点についてはどういうふうに御検討なさったのであるか、明らかにしていただきたいと思うのです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 前回もお答え申し上げましたとおり、課徴金というものにつきましては、私はやはり、先生の御趣旨の線に沿って適正に使われていく、それがしかもガラス張りの中で使われていくということが一番必要なことではないだうか、そういう意味で日食協、公団を通じまして第三者による管理機関を設けて、管理機関によってそれが生産者なり消費者に適正に還元されていくという方向を機構的につくって、そういう組織の中でこれを運用していきたい、かように考えているわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 いま局長から管理機構ということを言われたのですが、それは農林省の畜産局の配下に置くのか、それとも食肉協議会なり畜産振興事業団の付属機関として置くのか、ひとつその点をはっきりしていただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 農林省の組織として考えたいと思っております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 もう私の時間が来ましたからやめますが、差益金を値上げするという話があるのですが、差益金の値上げについて具体的に、いつからどういう額に上げるのか、ひとつ教えていただきたいと思います。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 フリーズ、冷凍ものにつきましては、現行の課徴金をそのまま据え置きます。しかしながら、チルドものにつきましては、からだの前半部分と申しますか、あれについては四十円、それから全身のもの、これは五十円。それから後半の、ハインドクオーターと申しておりますが、あの高級なところについては六十円の課徴金を取ろう、こういうことを考えております。これは下期から考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 これはやはり消費者に、輸入牛肉の値上げが行なわれると思いますか。チルドの値上げによって、差益金を取ることによって上がると思いますか。それとも従来どおり据え置かれると思いますか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 商社なり団体の動きといたしましては、これは当然私は、これを消費者に転稼しようという動きになろうかと思います。しかし、問題は、そういう環境をつくらないことに私はあると思います。そういう意味で、私は、いわゆる売り手市場ではなしに買い手市場にもっていくやり方が一番問題ではないか。そういう意味で、上期は一万四千トンのものを、大幅に下期に二万二千トンにふやしたという基本的な考え方、量をふやすことによって商社間の競争を激甚にすることによって、それを転稼させないということをそこの中に実現させていきたい、こういうことを実は考えているわけでございます。こういうことで商社の競争が激甚になる。先ほど申し上げました市場の手数料を下げるということ。   〔武部委員長代理退席、委員長着席〕 それから生協、スーパー等の直接売り、あるいは指定店制度の活用、こういうことを活用することによって、私は小売り価格にさほど影響はないもの、かように考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 小売り価格に影響がない、こういうことですけれども、具体的に影響が出始めた段階では——いまこれは水かけ論ですから。出るじゃないか、出ない、こういうふうに言っても、私と局長との水かけ論になると思うのです。かりにこういう差益金の積み上げによって値上げが出てきたという段階では、農林省ではどういうふうに対応しようとするのか。いまいった施策をとり、なおかつ上がろうとするときには、どういうブレーキをかけられる気持ちがあるのか。その点を抜きにして私はやれないと思うのです。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 その際にどういう手をとるかということでございますが、それが一体量の問題から来るのか、あるいは流通機構の中から出てくるのか、その場合によって原因がいろいろ違うと思いますので、その際はそれぞれの現実に即して、値上がりのないように適切な指導をしてまいりたいと思います。たとえば、量が少ないことであるならば量をふやす。あるいは消費者の小売りの段階で上がっているならば、スーパーなりあれのやり方を強化していく。それぞれの段階のやり方があろうかと思います。さらに、それでなおとまらないというような場合があり得れば、今後またその際として、全体の問題として課徴金の問題を考えざるを得ないかもしれない、まだいまの段階ではそういうことはないであろうというふうに、われわれは確信をいたしておるわけであります。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 水かけ論になりますので、あまりここでそんなことを言っても時間をとってしまって、あとの質問者に迷惑をかけますので、私は、自信のないことはやらないほうがいいと思うのです。上がるかもしれないけれどもということではだめです。絶対に上がらない、上がらないからこうするのですというなら、私は政策として正しい行き方だと思うのです。だから、そうなってきたときに、実際に消費者牛肉が値上がりした場合、せっかくそういった過熱を押える、あるいは調整機能としての輸入牛肉というものが逆に値上がりをしてくるというような状況が生まれてきたのでは、私はたいへんだと思う。しかも、それに差益金というものがかぶさってきておったためにそういう結果になった、こうなれば私はたいへんだと思う。その輸入牛肉の扱いが、民貿あり、畜産振興事業団あり、畜産振興事業団も直接売りあり、ワンタッチあり、こういうばらばらなところにも原因があるわけですから、そういう意味では、輸入牛肉の扱いについては、やはりそういう事態の起こらないように一番望ましいのは一本化すること、畜産振興事業団が扱う。畜産振興事業団が扱っておけば、差益金というものも当然生産者、消費者に還元されるし、問題の本質というものが明確になるわけですね。しかし、いますぐはそれができないでしょう。ですから、具体的に言うなら、私はここで言いたいのは、この差益金をかりにこのチルドについて上げたとしても、値上げが具体的に小売り店であらわれたときには、もう民貿その他は一切やめる。輸入牛肉一本に扱ってしまいますよ、輸入食肉協議会その他についてもこうしますぞ、そういった案で進むという方針を腹の中に持っておってもらわなければいけない。もう一つは、畜産振興事業団の機能が、やはり調整機能を果たすように、もっとぴしっとした機構にしてもらわないと、いまのように何か理屈が合わぬ、バターはただだ——ただだというと語弊がありますが、バターでおこられる、豚肉でおこられる、牛肉でおこられる、畜産振興事業団、何だあれは、こういうことでは私は問題があると思う。だから、もっと畜産振興事業団の機能の強化、同時にそういった場合はこうするのだという明確な方針を持って、このチルドの差益金の——チルドは差益金はなかったわけですからね。今度設けるということになってきた場合には、そういうことを明確にする方針で臨んでもらいたいと思うのですが、どうですか。

増田久農林省畜産局長

○増田(久)政府委員 先ごろ牛肉輸入制度研究会というものを設けましていろいろ検討されたわけでございますが、その点につきまして、最後の結びにおきましても、答申というものは暫定的なものなんだ、しかしこれからいろいろ流動的な事態が発生する、そういう事態に合わせて法律制度の改正を含めて今後のあり方を検討せよということを、強く御答申いただいているわけでございますので、ただいま先生の言われたような趣旨につきましては、当然その意を体しまして、十分所期の目的を達成できるようにわれわれとして万全の力をいたしたい、かように考えておるわけでございます。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 この前の委員会とこの委員会を通じて、その前は小林委員長もこの問題を取り上げて、きびしくここで追及なさったわけでありますが、結論として一つの方向は、いまの局長答弁で出てきてはおると思います。しかし、いずれにしても複雑な牛肉の流通過程、輸入内容でありますから、そういった面についてはぜひ物価担当である経済企画庁のほうも、少なくとも輸入牛肉についてだけは複雑なやつが整理されてぴしっとこうなってきた、そうして牛肉というものが安定してきた、こういう実績が出るように、あれもこれもでは力が分散をしてだめになるでしょうから、そういう面では経済企画庁についても、いま議論のあったことを中心にして、流通機構の改善、輸入牛肉の流通過程の改善、こういった問題についてぜひ努力をお願いしたいと思うのですが、その点どうですか。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 先ほど来松浦先生からもいろいろ御指摘がありましたように、特に輸入の牛肉の問題等につきましては、差益金がいやしくも消費者価格にはね上がるというような、そういうことがあってはならぬと私は思います。同時にまた、畜産事業団ができた経緯等をこういう機会を通じて考えてみますと、当時は、生産農家を育成していこうということで事業団ができておるわけであります。しかし、今日では、御指摘のとおり消費が非常に増大して、そして輸入も増大いたしておるわけでありますから、そうした点等につきましては、ある意味では私は、事業団のあるべき姿というものも検討しなければならないのではないかというふうにも思っておるわけであります。われわれといたしましては、御指摘のように消費者価格にはね上がらないように、真剣に農林省とも協議して検討してまいりたいと考えております。

松浦利尚日本社会党

○松浦(利)委員 それでは、私の質問はこれで終わります。

小林進日本社会党

○小林委員長 渡部通子君。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 私、きょうは割賦販売の問題について、若干質問をしたいと思っております。  割賦販売制度そのもの自体は、お金の足りない消費者にとってはたいへんありがたいことだとは思うのですが、最近、この制度からいろいろな問題が続出しているように思います。消費者の利益が一方的に害されているのではないかという感が強いわけでございます。通産省もその点よくお気づきのようで、法改正も考えておられるようでございますし、過去においても何度か通達も出していらっしゃるようですけれども、現状はなかなか改まらない、相変わらず消費者の苦情は続出しておる、善良な買い手に一向にあたたかい行政の手が伸びないというのが実情だと思います。そういうことで、きょうは具体的な事例をあげまして、特に外資系の書籍、この訪問販売の件とそれから割賦販売における金利の問題、この二点についてお伺いをしたいと思います。  外資系の書籍販売については、通産省が昨年の十二月二十二日付で「外国系百科事典の訪問販売等について」という通達を出しておられます。しかし、まだ非常に、あと改まっておらないという実情のようでございますので、この通達について、これに従って、私は少し質問をしたいと思います。  まず、商品の表示説明にあたって守るべきことということが一番先に書かれております。「消費者が現物を正確に認識できるよう抜すい見本、現物大カタログを携行すること。」というのが通産省の指導のようでございます。  私、これは若干弱いのではないかという気がするのです。といいますのは、カタログとかそれから抜粋見本、なぜこういう限定をなすったかということがふしぎでございます。というのは、外資系の書籍、この訪問販売で必ずあとで問題になるのは、現物が送られてきて、見て、手にとってみたらばあまりにも実物は違う、そこからトラブルが起こってくるというのが一番大きな問題だと思うのですね。ですから私、通産省が指導なさるのだったらば、少なくも現物を持ち歩くことを、携行すべき、こういう通達に当然すべきだと思うのです。現物といってもこれですからね。決してテレビだのそれからステレオだのというふうに大きなものをかかえて歩くというわけではございません。これだけの一冊のものを、商売である以上持って歩けないわけはないと思います。これは、内容をごらんになるとわかるのですけれども、とても日本人が、ちょっと普通読めるものではないわけです。こういうものを何十万という形で買わされますから、現物が届いてトラブルが起こるというのがほとんどの通例です。そうなってまいりますと、現物を持ち歩けというのが原則であるべきであって、この通達は非常に弱いのではないかという気がいたします。その点どうでしょう。現物を持ち歩けというように指導をし直すおつもりがあるかどうか、まず最初にそれをお伺いします。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生から外国系の百科事典の問題につきましての御質問がございました。通達の内容は、まさに「抜すい見本、現物大カタログを携行すること」というふうな内容になっております。ただ、私どものほうといたしましては、現物を正確に認識できるようなということを一応その通達内容に書いてございますが、それともう一つ、本件につきましていろいろそういう紛議がございましたので、こういう関係の方々がおおむね八社ばかりおられます。その八社ばかりの方を集めまして、やはり現物を正確に認識できるようなものにしてもらいたいということで、通達を出しましたあと一応皆さまに申し上げて、それを守っていただくように指導をしてございます。したがいまして、現在では、大体その現物が正確に認識できるようなものになっておるのじゃないかと思いますが、なお、もしそうでない場合がありましたら、私のほうで調べて、具体的な問題でさらに注意をいたしたいというふうに考えます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 たいへんのんびりした御答弁なんですよ。もしそうでないとしたらと言いますが、その後の実例、いわゆる通達以降の実例というのは、お示しすれば枚挙にいとまがないほどあるわけなんです。現物は相変わらず持ち歩かれておりません。持ち歩いている人もいるかもしれないけれども、現物がないために、カタログ見本であるためにトラブルが続いているわけです。  ここに持ってきたのをお示しすれば、たいへんなものなんです。これは価格が表示されていないということで私は持ってきたのですけれども、たとえばこんなもの、こういうもので説明されるわけですよ。それから、現物の抜粋見本といいますと、この中にたまたまカラーの絵があるところがあります。この絵のあるところだけを何ページか、絵の多いところを抜粋見本に使うわけですよ。そうして、幼児教育としても、こういう絵を見ながら自然に英語の教育になりますというふうに宣伝されるわけですよ。だけど、あくまでも抜粋見本ですから。現物を手にとって見たら、ほかはほとんど全部きっしり詰まった横文字です。そういった意味で、これを抜粋見本とかあるいはカタログのこういう一枚のチラシ、こういったものではとうていこれはセールスにはならぬと思います。  ですから、いま、そういうことが行なわれているようでしたら、改まっていないようでしたらというようなことですけれども、その実例を示せといえばたくさんございますので、そういった点ではぜひこの通達をもう一段ときびしくして、原則として現物を持っていけ、こうしなければ何の意味もないと思うのですよ。この点いかがでしょう。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  いま先生がお示しのような見本がございますが、私どものほうも、このいわゆる抜粋なるものが非常にカラフルなものが多いということをかねがね考えております。それで、通達を出しましたあとでも、カラフルのものだけにすることは消費者に誤解を招くおそれがありますので、それはそうでないように変えてもらいたい、変えるべきである、こういうふうな指導を私のほうはしておるつもりでございます。  それからなお、いまのカタログでございますけれども、これは私どもが聞いておりますのは、実物大の、実物と同じ大きさのものを、場合によりましては数冊ある場合、数冊のそれだけの大きさのものをはっきり自分で携行して、それで売るようにしろというふうなことを指導しています。したがいまして、縮小されたような写真だけで売っておるというような例はないのではなかろうかと私は思いますが、私どもが聞いておる範囲でございますから、その辺はなお調べたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 確かに抜粋の現物見本なんですよ。縮小した写真なんかでないのです。この大きさの抜粋見本なんです。しかし、カラーのところだけなんです。しかも、五、六ページとか十ページぐらいですよ。こんな厚い本で、カラーのところだけ引っぱり出して、これが現物の抜粋見本ですというのは、これは見本にはならないでしょう。だから、この現物一冊を持ち歩けと——これは重くないですよ。あたりまえですよ。商売をやるには。結局、これを持ち歩いたんでは、最初から買い手は一人もおらぬですわ。これが現物見本ですと出したんじゃ、いないのですよ。これは幼児教育用に適当ですよ、何十万も出して買いなさい——こんなのを買う人はいません。たから、このカラーのところだけを抜粋として見本に持ち歩く。言ってみればこんなあくどい商売はない。だから現物を持ち歩くとすれば、買う人は一人もいない。去年ブリタニカの業者では、ブリタニカの売り上げの半分は日本の国で売ったというじゃありませんか。こんな、日本の庶民に不必要な英語の本が売れるはずがない。売れるはずがないものを売りつけるために抜粋見本としている。それを、現物を持ち歩けというのが当然の指導になる。これをはっきりしておかないと、今後またトラブルが続くと思うのです。ですから、原則として現物を持ち歩くこと、持てない重さではないということを、通産省としてこの際明確にしていただきたいと思います。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  いま先生お話ございましたように、現物大の見本は一応持ち歩いておりますけれども、なお、その点につきましては、いろいろ紛議も起こっておる現状でございますから、先生の御趣旨に沿うような方向で検討したいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 一応それは、通達をもう一回厳重にしていただける、こう理解をしたいと思います。  次に、通達の(ロ)でございますけれども、「消費者に誤解を与えないよう、販売しようとする商品の価格を明確にする。」こうございます。価格をはっきりする、これは当然、割賦販売法に示されておりますとおり、割賦販売の場合の価格、現金の場合の価格、これははっきりすべきだ。ところが、それが一向に守られていないというのが実情でございます。  私、ここに幾つかカタログを持ってまいりましたけれども、どれを見ても、価格の書いてあるものは一つもありません。全然お値段は書かれていないわけです。これは全部通達以降のものですからね。それはもう資料は、全部ことしのものとしてお出しをいたします。何一つとして価格の書かれているものはございません。これはセールスマンが落っことしていったというメモなんですけれども、こういう書き方です。五十万のをいまお買いになると十七万にするとかなんとかいって、メモ書きしながら価格を表示するわけです。さも安いような誘引のしかたをする。これは私は、非常にけしからぬ話だと思うんです。  ここでひとつお訴えになった手紙を読んでみますと、これはパナディアンの会社で、品川区に住むSさんというお方なんですけれども、四十六年九月横浜駅西口で引っぱり込まれた、そして、喫茶店でお茶でも飲みながら内容のことだけでも聞いてくださいませんか、という販売のしかたでございます。そして、価格のことについては何と言っているかといいますと、金額は十七万円から二十一万円ぐらいまでであり、支払い方法によってその額が違いますという説明です。で、英会話を習得するのが二十万前後で習得できて、外人との話もできるのならほんとうに安いものだ、こういうすすめ方をしているわけなんですね。実例は山ほどあるのです。もう一つの手紙を読みますと、まず、この事典は二、三歳ごろから写真を読みながら覚え始め、事実自分の子供がこのくらいの年齢で親しんでいるという、また説明のしかたが順序立っておりますが、価格の点では、市場調査、いわゆるアンケートを出してもらうという特別契約となるので二十万円でよろしいと、こう言われたというわけです。ですから、非常にこの価格の点がはっきりしない。こういうことが相変わらず続いているという事実をここに申し上げたわけです。  したがって、この通達が守られていないという、こういう実情を一体通産省は御存じなのかどうか。また、こういう実際問題に対してどういう指導をなさるのか、その点も伺っておきたいと思います。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答え申し上げます。  先生の御質問で二点あったと思いますが、第一点は価格の問題、第二点は販売方法と申しますか、横浜の喫茶店で云々という話がございました。二つあると思います。  第一点の価格の表示の問題でございますけれども、私どものほうの通達にも、商品の価格を明確にするようにと書いてございます。それで、その後の推移を見ますと、確かに一部ではそういうふうな、販売する人が自分で口頭で言って、メモを書いて渡すとか渡さないとかというふうなことを私、耳にいたしました。したがって、そういう例はあるいはあるのかもしれないというふうに考えます。したがいまして、先般も、おとといでございましたけれども、その問題につきまして、消費者の方と販売業者の方とわれわれも入りまして懇談会を行ないましたけれども、その席上でもそういうお話が出たわけでございます。私どものほうは、厳格に守られておりませんのは——現在の割賦販売法の三条、あそこにはっきり書いてございます。それが守られてないのは非常に遺憾だと思います。したがいまして、いまの三条、四条は一応いわば罰則のない規定になっております。これは、それでは非常に困ると思いまして、こういう問題につきまして、たとえば顧客との間の約款と申しますか契約と申しますか、そういうものにつきましては今後標準の約款をつくりまして、それで一応それを強制する。もしそれに反する場合があった場合には罰則をかける。それから、なおもしそれによらない場合は許可制にするというふうに規制を強化いたしまして、そちらの方面から本件が確実に守られるようなかっこうに法律の改正をしたいというふうに考えております。それが第一点でございます。  それから第二番目の喫茶店云々の話、これは私ども、まことに遺憾な例だと思いますが、この点につきましては、要するに店頭外における販売というのはしばしば紛議の的になっております。したがいまして、これはなるべく、ではありません、これは自粛するようにということを通達の内容にも一応書いてありますが、なおこれに関して十分でない点も見受けられますので、現在割賦販売審議会の消費者保護部会というのをやっておりますが、そこで本件を取り上げられておりまして、いわば攻撃的な販売方法に対しましては、これを一定の猶予期間を置いて、一定の猶予期間の間は、消費者のほうで無条件の解除権があるというふうな法律の構成をとろうではないかという話が持ち上がっております。したがいまして、その点も、今回の法律改正という点でさらに消費者の利益になるような方向で対処いたしたい、こういうふうに考えます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 わかりました。今後の方向についてはそれで、法律改正という点でわかるんですが、現在こういうことが行なわれている事実ですね、全然定価も何も明示しないで販売が行なわれているという事実、こういう具体的な問題に対してはどう処置をとっていただけますか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答え申し上げます。  現在、いろいろ紛議が起こっておりますので、ほかのいろいろな点も含めまして、一月でございますけれども、来月に、私どものほうでいろいろお願いを申している消費生活改善監視員というのがございますが、通常、消費者モニター、こういうふうに俗称しておりますが、その方にお願いを申し上げまして、一斉に総点検をすることにいたしております。その総点検の結果によりまして是正すべきところがあれば、直ちに私どものほうとして、方法としては通達とかいろいろな方法があると思います、それでもって、法律改正前でも、消費者の保護になるような方向で業界の皆さんに自粛を要請したい、こういうように考えています。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 法律前の処置はわかりましたけれども、私がここに資料を幾つか出しておりますように、具体的な事例がたくさんございます。こういった点に対しては具体的に、消費者モニターの結果を待つまでもなく、個々の業者に対して勧告をするとか、そういう処置をとるべきだと思うのですが、いかがですか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 御指摘がありました点につきましては、早急に取り調べて適当な処置をとりたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 次に進みます。  先ほどちょっと話も出ましたが、販売方法です。「消費者に対する販売活動は消費者が希望する場合を除き、深夜は行なわないこと。」あるいは「即日契約を心理的にも強要するような販売指導はしないこと」こういうことが(ハ)という項にございます。これは、いまもちょっと駅頭問題の話が出ましたけれども、全然改まっていない。その被害は続出しているというのが実情でございます。この事実を通産省は御存じなのか御存じないのか、あるいは通達を一本出せば済んでいると思うのか、その点を伺いたいと思うのです。  またひとつ手紙を読みますけれども、これは尼崎のMさんという方です。ことしの八月の話でございます。説明だけ聞いてくださいという形で自宅へやってきた。主人の帰る時間を言いましたら、七時四十分ごろ再びやってきて——まさか来るとは思わなくて、七時過ぎに主人が帰ると言ったらしいのですが、七時四十分に先輩のセールスマンと一緒にやってきて、説明だけ聞いてください、時間はとりませんと言って、いろいろ説明が終わったのが十一時半。この際現物は持参しておりません。どうです、一つ買ってください。説明だけと言ったのではないかと主人が言うと、説明を聞いてもらったら、大体申し込み金三千六百円をもらって帰るようになっているのです。われわれには高過ぎる品物だが、子供にどうすると聞くと、おとうちゃん買って、その一言で書いてしまった。消費者も、だまされるほうもばかですけれども、三千六百円を払うのもたいへん苦しかったというわけです。三千六百円も払えないんだと言いますと、おたくの支払い能力は、コンピューターが間違いない、こういっているので、そういううちしか回っておりません。また、これを買うと抽せん券もつくようになっているので、これで五万円当たれば安いものだ、こういうすすめ方をして帰ったんです。そのあとすぐこの人は、解約を申し込んでおります。そうすると違約金三〇%といわれて、私はこのまま払って買うのも無理、三〇%支払って解約するのも無理、神に祈っておすがり申し上げますという、こういう手紙でございます。ですから、この深夜の訪問販売というのは一向に改まっておらない。これは一つの実例でございます。  それから、「即日契約を心理的にも強要する」ということも、先ほども駅頭の話を出しましたけれども、もう一つ実例を出しておきます。これはコミュニケーション・アンド・スタディズ・インターナショナル・リミテッド、この会社です。ことしの九月の話でございますけれども、秋葉原駅へ買い物のために行って、駅の出口を出てから少し歩きだすと呼びとめられたというのです。喫茶店ですすめられて、相手方は調査書を書いてくれと言ったので、私は高い教材を買ってまで勉強はしたくないと断わって——一たん断わっているのです。それでも、調査書というのは本社へ送って検討して、会員になるかどうかを検討するんだから書いてくれと言われて、言い負かされてしまいました。土曜日なのでからだも疲れていたし、買い物が目的で秋葉原に来ていたし、喫茶店へ来てから四十分も経過していた。断わっても断わり切れず、無我夢中で調査書を書いてしまいました。調査書を書きましたら、契約書も書け、こういうことになりまして、私はそのときはもう判断力も衰えてしまって、頭の中がぼう然となってしまって、調査書を出すのに四千円払い、契約書を書きました。早くその場からのがれたいとばかり思っていた。帰りの電車の中でも大それたことをしたと思い続け、頭もふらふらした。それから彼はさんざん悩みまして、自分には大金は払えない、どうしてよいかわからなく、ふらふらと家を出てしまった。死ぬ覚悟で家を出たが死に切れず、一週間も東京をぶらぶらして、一週間後、生まれ変わったつもりで強くなると決心をした。九月三十日をもって取り消したという内容証明を書いて送りました。これは一つの実例でございます。  いかにひどいかということで申し上げたいのですけれども、私、こういう事実を聞いてから、いろいろ私の身のまわりの人にも聞いてみました。全くひどい方法で買わされております。街頭で呼びとめられた、駅で引きずられた、こういうのがそこいらじゅうにころがっている。私は自分がよくひっかからなかったものだと思うほど、身近の人に聞いてみると、そういう実情に会っております。ですから、この通達の(ハ)の条項は依然として、今年になっても改まってない。要するに、どれ一つ取り上げてみてもあくどい商法が改まってないということなんですよ。ですから、そういう事実を、いま手紙を出したのですけれども、御承知の上で、この(ハ)の深夜訪問それから即日契約、こういう心理的強要、これに対して通産省はどういう処置を今後とってくださるのか、その点も承っておきたい。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  ただいまの点は、非常に行き過ぎた商法であります。私どものほうも非常に遺憾に思います。私ども、いまお話がありましたように、せっかく通達を出しております。消費者が希望する場合を除き、深夜訪問を行なってはならないという通達を出しております。かつ、いまお話の端にもありましたが、いわゆるアンケート調査と称して販売するということをしてはいけないということも、実は私のほうは通達の内容に書いてあります。そういうように指導しておるつもりでございますけれども、いまのような例は、非常に私どもとしても遺憾に思います。  今後の問題でございますが、いまのようないろいろな問題があります。したがいまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、こういうふうないわば攻撃的な販売方法というものについてこれを是正するのが基本でございますが、なおそれ以上に、この契約によって被害をこうむる方が非常に多いわけでございますから、攻撃的な販売方法で販売したような場合につきましては、一定の期間、現在おおむね四日間くらいを考えておりますが、ある期間を置きまして、その間は無条件で解約ができるというふうな制度を置きたいというふうに考えております。もちろんこれは法律事項でございますので、いずれこの次の国会に御提案をし、御審議いただきたいと思います。そういうかっこうで対処いたしたいと思います。  なお、いまの百科事典をやっておる八社でございますが、その八社につきまして、先般来消費者と懇談をいたしまして、かつ八社を集めまして、攻撃的方法をしない——いままでも私どもは、するなということはもちろん言っておりますが、さらに厳重に徹底するようにいたしたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 警察にお伺いしますけれども、深夜に上がり込んで、帰ってくれと言ってもなかなか帰ってくれない、こういうときに一一〇番を回したら、ちゃんと処置してくださいますか。

川崎幸司警察庁刑事局保安部防犯少年課長

○川崎説明員 お答えいたします。  お尋ねのような事案につきましては、その態様によりましては都道府県の迷惑防止条例であるとか、あるいは押し売り防止条例に違反する場合もありますし、また、場合によりましては刑法上の不退去罪に該当する場合もあろう、かように思います。犯罪に該当するかどうかということが一つの問題であるかと思うわけでございますが、そういうふうなことでお困りになった場合には、やはりそこのけじめがつかない場合には、防犯相談なんかで警察に御相談になるということがまず一つあるのじゃなかろうかと思いますし、また、そういうことで犯罪に該当すると思われる場合には、やはり一一〇番をしていただいたり、あるいはもよりの交番にお知らせを願うということにしていただいたらよろしいかというふうに思っております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 こういうときに私は一一〇番、活動していただきたいと思うのです。というのは、やはり同じ手紙で、深夜に訪問を受けるので、警察に相談して翌日の晩にパトロールしてもらったというのです。ところが、パトロールしてもらった晩にはたまたま来なかった。こういうことで、やはり契約書を書いてしまうと、あとごたごたが起こるわけですね。だから、書こうか書くまいかふらふらしているときに、一一〇番を回せば何とか来てくれる、この緊急処置でなければやはりあとに尾を引く、ごたごた問題になっていくわけなんです。ですから、帰ってくれと言って帰らない、そういうときには一一〇番を回せば、不退去罪として飛んできてくれる、これだけでも消費者の頭の中にありますと救われるわけです。その点は、いまも御答弁になりましたから、そう理解してよろしゅうございますね。——わかりました。  もう一つ、街頭なんかでそうやって引っぱり込まれる場合、あるいは喫茶店で一時間も二時間もねばられたような場合、そういう場合でもいまと同じように考えてよろしゅうございますか。

川崎幸司警察庁刑事局保安部防犯少年課長

○川崎説明員 街頭の場合におきましては、かりに犯罪になります場合には適用条文が違ってこようかと思います。軽犯罪法違反であるとか、あるいは刑法の強要罪であるとか、そういうものに該当する場合があろうかというふうに思うわけでございます。そういうふうな犯罪構成要件を充足いたす場合には、当然犯罪として警察は処理いたしますし、また、犯罪構成要件に至るかどうか、普通の市民の方よくおわかりにならない場合もあろうかと思うわけでございますが、そういう場合で非常にお困りになる場合には、遠慮なしに御通知願いたい、かように思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 ありがとうございました。消費者、一般庶民というのは、警察と縁遠いわけなんです。だから、一一〇番回したり交番にちょっと行ったりということは、非常に庶民はやりにくいのですね。そういった意味で、強要されてお困りの際は、消費者としてはどんどん一一〇番や交番のお世話におなりなさい——これから、訴えがあった場合にはそういうふうに私は言っていくつもりなので、その点よろしく、警察当局としてもお願いをしたいと思います。  先ほど御答弁の中にクーリングオフの話が出てまいりました。今後の立法措置の問題として、無条件に解約できるというふうなことを考えているというお話でしたが、現在の法のもとでも、本人の意思の確認が行なわれておりません。いわゆる契約書がついて、そして確かに契約をいたしましたねという確認なしに実物を送ってきたり、それから本人がいるかどうかを電話で確かめただけで契約が成立したと会社側でかってにきめたり、そういう実例がたくさんにございます。  一つだけ申し上げますけれども、グロリア・インターナショナルの場合です。ことしの七月二十九日ですけれども、会社の昼休みに呼び出して、喫茶店でやはり契約をさせております。返事はあとでということで、一応本人は断わっております。大田区の実例ですけれども、契約の返事はあとで、こういうふうなことで申し込み書だけ書いて別かれているわけなんです。ところが八月の九日、ですから十日後に、本人のつとめている会社に本人がいるかという確認の電話だけがあった。それがもうすでに契約と、会社側、業者のほうでは認めてしまったらしいのです。本人のほうから契約はしないという返事をすると、本社からの確認の電話があったということは契約をしたことになるのだ、こういう返事で、契約書がすでに本人のもとに送られてきております。  実際にこういうことがあるのですよ。ですから、クーリングオフの改正をしていただくことはたいへんありがたいのですけれども、現在こういう事実があるという点について、通産省はどういう処置をおとりくださるか、この点。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  先ほど先生がリファされました通達の中に、いまお話がありましたようなことが一応書いてあります。消費者が契約締結に異議があるかどうか、異議のないことを必ず会社の責任ある機関が確認することによって紛争を防止するようにというふうなことが書いてありますが、いまお話がありましたような例は、私どものほうとしては非常に意外な例のように思います。非常に遺憾でございますが、本人の申し込み書だけで、したがって契約が締結されたというふうなことは、常識的にいってもちょっとおかしい。法律的にはもちろんおかしいことでありますが、そういうことは、もしそれを強要するようなことがありますれば、それは通達違反のみならず、ほかにもいろいろ問題があるのじゃなかろうかと思います。したがいまして、その辺は早急に取り調べまして、そういうことがないようにいたしたいと思います。なお、具体的な社名のお話もございましたので、さっそくその辺を取り調べるようにいたします。  それから、将来の問題につきましては、いま申し上げましたように法律の改正案を早急に、できれば次の通常国会にでも提出して、そういうことをさらに徹底するようにいたしたい、こういうふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 具体的に厳重に調査をするというお話でございますが、意外なこと、遺憾なことが多過ぎるような御感想のようでございまして、こういうことは、ちょっと身の回りに当たっていただけばたくさん出てくる問題でございます。ですから、私は通産省にもう少し実情を知ってほしいということを、ここに重ねて申し上げたいと思うのです。どれほど泣いている消費者がいるかということをもう少し知っていただかなければ、勧告も通り一ぺんに終わってしまうし、通達も出しっぱなしという結果になっているのではないか。事実そうなっております。ですから、こういう深刻な実情というものをあらためて御認識を願いたい、それを強く要望をいたします。  その次に、(チ)に書いております解約の問題でございます。「契約書に契約の解除に関する事項を明示し、」それから「割賦販売法第6条に定めるところに従い解約条件を明らかにすること。」この契約解除を明示すること、それから解約条件をはっきりすること、これが実に守られていない。守られていないという点と悪用されてしまっている、この二点についてお尋ねをいたします。  先ほどの例で申し上げたお方の契約書なんですが、これも今年の場合ですけれども、この契約書の中には契約条項については何にも書かれておりません。通達の最初の、契約の解除に関する事項を明記せよということが行なわれていない、守られていないという、これが実例でございます。私が持ってきたのは一枚ですけれども、これは印刷した契約書なんですから、そこらじゅうにあると思うのです。ですから、解約条項は何にも書いてないという契約書が、その後もずっと続いている。これが一点ですね。その点について通産省やってくださって、今度解約条項が書かれるように一体なるのか、ならないのか。去年の通達で一年たった今日全然書かれないのですから、これをきびしく通達をしてもらって、解約条項というものを必ず入れさせるようにできるのかどうか、その点いかがですか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  先般の通達のお話が出ておりますが、これは特定の外国系の百科事典の訪問販売等について、特に契約の解除条項がないところから問題が起こったわけでございます。したがいまして、この辺は、私ども通達を出します場合、あるいはその後、先ほど申し上げましたように、各社が集まりました場合にも、相当厳重にこの点は申し上げたつもりでございます。それで、その後、私ども、全部ではないのでございますけれども、契約書を担当のところでも取り寄せていろいろ調べておりますが、文字の大きさとか、そのほかいろいろ不都合の点はあるかと思いますが、全然その契約の解除に関する事項がないというのは、私どものほうでは、現在のところ承知していないわけでございます。したがいまして、もしそういうような例がございますれば、私どものほうは、いつでも厳重に処置をいたしたいと思っております。したがいまして、その辺、具体的なお話でございますので、お話をお聞きしまして対処をいたしたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 もしそういう例があればという先ほどからの御答弁でございますけれども、事実をもってお話をしておるわけですから、その点は答弁のとおり厳重にお願いしたい。  それから、御指導に従って、通達によって解約条件を明示された契約書というものを、私はここに持って参りました。確かに、解約条件を明示するようになったのは一歩前進かもしれない。しかしながら、これはとんでもない解約条件なんですよ。私もびっくりしたのですけれども、割賦販売法の趣旨を尊重しとあります。それが前提となっておりますよ。その次の、損害賠償に応じます、こういうことで、納入前でしたら一万円——これは十八万三千円の百科事典の場合です。りっぱなものですけれども、十八万三千円の百科事典で、納入前でありますならば一万円、納入後三カ月以内は三〇%、それから納入後六カ月以内は四〇%、九カ月以内は四八%、それから一年をこえる場合は六〇%と、こう上がってきているわけなんです。そうしますと、納入をして三カ月以内に解約をする場合には三〇%の違約金ということです。十八万三千円の三〇%というのは五万四千九百円、これが割賦販売法の趣旨を尊重した解約条件かというのです。  割賦販売法の趣旨というのは、第六条にございます「通常の使用料の額」です。「通常の使用料の額をこえるときは、その額」というのですから、通常の使用料の額をこえた違約金というものは、解約金というものは、取ってはいけないわけでしょう。これが割賦販売法の趣旨でしょう。その割賦販売法の趣旨を尊重して三〇%というのはどういうわけだというのです。ですから、十八万三千円のものを契約して、送り届けてきた——こういうのを送り届けてくるのですよ。カタログの見本と全然内容が違う。幼児教育も何もないわけです。こんなものは要らなかった、それで解約を申し込んだ場合に、五万四千九百円要求された。これでは、先ほどの手紙にもありましたように、三〇%払って解約するのも無理、全額払って買い取るのも無理、神に祈っておすがりしますということになってくるわけです。これが一体割賦販売法の趣旨を尊重した解約条件なのかどうか、通産省の見解いかがですか。

小林進日本社会党

○小林委員長 斉藤君に申し上げますが、速記がありますから、ちょっと声を大きくしてしゃべってください。速記が取りづらいようですから……。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 先生の御指摘ありました契約書の内容でございますが、割賦販売法の趣旨に応じというふうに書いてあるということでございますが、割賦販売法で契約の解除に伴う損害賠償額の範囲をきめましたのは、御指摘のとおり六条でございます。したがいまして、この六条の趣旨にただいまの例が具体的に沿っているかどうかということであろうかと思います。  この点につきまして、場合がいろいろありまして、「当該商品の引渡し前である場合」には「契約の締結及び履行のために通常要する費用の額」というふうになっております。あるいは、商品が受け取られまして返還される場合には「商品の通常の使用料の額」ということになっております。そういうふうにいろいろ場合がございますので、ただいまのように、三カ月以内ならば三〇%であるとかいろいろ御指摘ございましたが、私どものほうも、これはどの程度の原価がどういうふうにかかっておるかということにつきまして、当該会社につきまして一応調査いたしませんと、一万円が妥当であるのか、三〇%が妥当であるのかという正確なお答えはできないかと思います。しかしながら、ただいまお聞きしておりますところ、一万円というのは、常識的に考えてもやはり高いのじゃないかという気がいたします。正確には、なおその辺のところを調査をいたしましてから御返事を申し上げたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 三〇%というのはどうですか、高いとお思いになりませんか。減るもんじゃないですよ、百科事典というのは。手あかが少々つくということが言えるかもしれないけれども、決して使用料なんて言えるものじゃない。これをあけて見てびっくりしてすぐお返しします、払ったお金は返してくださいというのが消費者の率直な気持ちです。それに対して三〇%を要求する。  ここに一つ例を出すと、もうたくさん例があるのですけれども、三〇%どころか七〇%まで要求された人もいるんですよ。二十万円の百科事典を買っておいて、家へ届いてあけてみた、これはとんでもない見込み違いだ、現物を知っていたらこんなものを買うわけはなかったと、こう書いて、それで解約をしたいと申し込んだ。それに対して、二十万円だったら約六万円の違約金を取られるわけですよ。これは常識で考えて、この三〇%などという数字はどこからきたのです。高いとお思いになりませんか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  ただいまの百科事典の例でございますが、この割賦販売法の第六条の一号に、いま御指摘ございましたように「当該商品の通常の使用料の額」という規定が一応ございます。それと同時に、その下に「(当該商品の割賦販売価格に相当する額から当該商品の返還された時における価格を控除した額が通常の使用料の額をこえるときは、その額)」という規定がございます。したがいまして、これは簡単に言いますと、要するに割賦販売の値段から返された品物の価格、それを引いたその残額という意味でございます。したがいまして、その残額の評価いかんによってその率ということはきまってくるのではないかと思います。百科事典の場合における通常の商慣習がどういうふうにその中古のものを評価しておるかということを、私つまびらかにいたしませんので、したがいまして、三〇%が妥当であるかどうかという点については、いまにわかに私ども判断ができかねるわけでございますけれども、いずれにしましても、その問題、先ほど申し上げましたように、具体的にもう少し調べてから御返事を申し上げたいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 中古の百科事典じゃないのですよ。あけてびっくり新品なんですよ。あけたから中古だと言ってしまえばそれまでですけれども。いまみたいな御答弁をなすっているから、三〇%なんというとてつもない違約金なんというものを業者が出してくるのですよ。  政務次官がいらっしゃいますから、物価担当の政務次官として伺うのですけれども、三〇%の違約金というのは妥当だとお思いですか。

木部佳昭自由民主党経済企画政務次官

○木部政府委員 私は、先生御指摘のとおり、常識的に考えて非常に高いものだ、そう感じております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 通産省に重ねてお伺いしますけれども、三〇%というのは通産省としてはお認めになったのですね。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 私のほうは、三〇%というのは決して認めているわけではございません。その額がどの程度が妥当であるかということは、一つは商習慣にもよると思いますし、もう一つは原価の構成にもよると思います。いろいろの要素できまるものでございます。したがいまして、それがこの法律の趣旨に著しく反しておれば、私のほうとしてもそれに対しては適当な措置をとるように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 商習慣でそれが適当であればOKだというような、通産省はずるずるのお考えだ、こう了解してよろしいのですか。  私がなぜ三〇%にこだわるかといいますと、三〇%の違約金を要求されている人がたくさんあるのです。一つや二つではないわけです。それから、雑誌にも載っておりましたですよ。明らかに三〇%というのは商習慣になりつつあるということ、しかもそれは通産省も承知の上で許しているということ、これを指摘せざるを得ないのです。  これは消費者協会が出している雑誌の「相談室」でございますけれども、この中にやっぱりCアンドS社の言い分として、「通産省の指導で、現在は契約書に解約事項を明記している。」これまではいいのですが、「購入価格の三〇%となっている。これは電気製品の割賦契約の解約の場合と同じで、通産省も了承している。」こういうことが書かれております。ですから、通産省も了承の上で違約金の三〇%というものは、電気製品の割賦契約の解約の場合に準じて百科事典でも認められておる、こういうことになるのです。ですから、通産省承知の上で三〇%取らしているのでしょう。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 三〇%の問題につきましては、私どものほうは認めているわけではございません。その辺につきましては先ほども答弁いたしましたとおりでございまして、三〇%といいますのは、第六条の第一項一号のカッコ書から見て適当であるかどうかという判断になるのじゃないかと思います。したがいまして、それに著しく反しておれば、私どもとしては、これは法律に反している行為として厳重な措置をするということになろうかと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いまの答弁は問題ですよ。この法律に即した額ではないかと思う、三〇%がそうなっているのではないかと思う、だからそれが商習慣になりつつあるのだという御答弁です。いまの御答弁だと、この六条第一項のカッコ書きに該当する額だから三〇%というのが出てきたんだろう、もしそれが著しく不当であれば考えるという、こういう御答弁ですよ。そうすると、通産省としては三〇%というのはこのカッコ書きに妥当であろう、こう判断をしたと受け取らざるを得なくなりますよ。だから、消費者協会のいまの雑誌の記事のように、「通産省も認めている」、これが違約金の三〇%というラインになってくると思うのですけれども、それでよろしいのですか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答え申し上げます。  ただいま私がお答え申し上げましたのは、いま書いてあるその三〇%が、第六条第一項カッコ書きの内容、そういうふうなことを考えて書いたのではあるまいかと思われるけれども、その三〇%が妥当であるかどうかということについては、私どものほうとして、原価の問題でありますとか、いろいろもう一ぺん調査してお答えを申し上げたいということを申し上げましたので、それが通産省が認めた妥当な額であるということを申し上げたわけではございません。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 三〇%の解約金をとられるということが、いまたいへん問題です。私、最初から通達を悪用していると言いましたけれども、解約条件を書くにあたって、三〇%という数が出てきた。通達があったために消費者は泣かされているのです。政務次官も、常識的に考えて高過ぎる、先ほどから公取委員長もそんな顔をして、うなずいていらっしゃる。私たち考えてみたって、二十万円で契約して、現物が家へ来て、包装をあけてみただけで解約金を六万円出せなんて、そんな不当な商売はないでしょう。しかも、三〇%というラインに、通産省はけしからぬと言っておらぬのですよ。何度繰り返して答弁なさっても、それは言えないでしょう。言えないでしょうという証拠を、私はこんなの出したくないけれども、そこにテープレコーダー持ってきてあるのです。ここまでは言いたくなかったのですよ。  それで、通産省の指示に従ってこの割賦協会としては談合できめた、こういうことがある。割賦協会のメンバーの社長がしゃべった話というものがあるのです。昨年末から本年六月にかけて、前後十回くらいこれについては会合している。場所は主として通産省一階会議室その他といってますよ。それから、会合のあるたびに通産省の消費経済課の役人が出席をしている。もし次長が御存じないとしたら、これはとんでもないことになると思うのです。そしてこの三〇%という解約条件の談合ができたということになっているのですよ。ここまであっても通産省は知らぬ——三〇%はいいだろうという談合に通産省が一枚かんでいるから、だからけしからぬと言えないのは御無理もないのじゃないかという感じが、先ほどからしてきたわけです。  公取委員長に伺いますけれども、もしも業者が三〇%の解約金を取ろうなんということを話し合ったとしたら、法律に引っかかりませんか。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 取引条件について、本来はそれぞれの企業が独自の立場において考えるべきものであるのを、その関係の者が相談し合って一定の取引条件を話し合い、そしてそれで相互に拘束し合うということになれば、実体がどういうことかよくわかりませんが、独禁法の問題も出てくる可能性があるやに存じます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 私は、通産省に重ねてその点をお伺いをいたします。  三〇%という解約金というものは、どう考えたって高過ぎる。どれほど原価を計算しようと、それからどれほど中古になっていようと——中古って三カ月以内で、見ない本なんですから、話によれば返送された本をそのまま転売しているというのが実情です。その解約金は断然高過ぎるというのは、政務次官の発言にもあったように、私は常識で考えてもわかると思うのです。こういう不当な解約条件というものをもしも通産省が認めた場合、消極的にでも業者の会合に行って、うんうんと——同席をしていたというような事実があった場合、その責任はどうおとりになるのか。それから、今後この三〇%というものについて改めていく御意思がおありなのかどうか、その点伺います。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  ただいま、通産省の者がそういう会合とか、そういうものに出ておったという御趣旨でございましたが、私が聞いておりますところでは、通達を出しますときあるいはその前後におきまして、その通達の徹底をはかるということでそういう会合を持ったことがあるやに聞いておりますが、なお、そこでいろいろ商売上の問題につきまして、それを規制するといいますか規則するといいますか、そういうふうな話の内容に入っておるというふうには、私どものほうは聞いていないわけでございます。  それから、今後の問題でございますけれども、今後の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、一万円なりあるいは三〇%あるいはそれ以上の率がいま御指摘ありましたけれども、その辺につきましては原価その他を調べまして、それが非常に不当なものであるということでございますなれば、これは直ちに改めたいというふうに思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 なかなかはっきりしないので私もじれったいのですけれども、原価その他を調べて、不当なものであればという話です。では、そういう調査をしないまでも、次長さん個人として、もしも御自分がお買いになったと仮定した場合に、二十万円で買ってすぐ送り返して六万円取られるということは、不当な感じはなさいませんか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答え申し上げます。  個人のという御質問でございますので、実は非常に答えにくいわけでございますが、三〇%の金額といいますのは、常識的に考えれば確かに高いと思います。ただ、これはいろいろ調べませんとわかりませんと申し上げましたのは、場合によりまして百科事典の包装というものが、一部とは思いますけれども、たとえば真空包装するとか、いろいろそういうくふうをこらしてあるところもあるやに聞いておりますので、その辺の事情を——一ぺん包装を解いた場合には品物の質がいろいろ違ってくるというようなこともあるようでございますので、その辺のところを調べまして御報告申し上げたいというふうに申しい上げたわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 答弁が出そうもないから、私、これ以上聞きません。だけれども、真空包装とかなんとかおっしゃるけれども、包装代なんて、どれほどやったってたかが知れているじゃありませんか。それから、どれだけ包装や輸送にお金がかかったかわからないけれども、言ってみれば、最初の契約それ自体が、むしろ業者がおわびをしなければならぬような販売方法でやられているわけです。それをやめてくれ、むしろこっちから損害賠償を請求したいくらいの現状です。それに対して三〇%取る。ましてこれは消耗品ではございません。テレビみたいにぶちこわしてしまったとか、そういうことでなくて、ぺらぺらめくったら手あかがついたという程度のものです。手あかだってつかないでしょう。めくったってしようもない。それくらい、常識的に考えても、こんなものはほんとにきびしく取り締まらなければ、去年の通達が、今日になっても全然改められていないように、また同じような実情が続くということは目に見えています。しかもそれも、被害によって、六万円が払えなくてノイローゼになってしまったり、こういう泣かされている庶民がたくさんある、こういうことに対しては、もう少し行政担当のお方としてはきびしくやってもらわなければ、いつになったら一体消費者は救われるのか、こう言わざるを得ないんですね。  ですから、いまのぎりぎりの御答弁で、もしもそれが不当な額であったならばこれを改正させる、こういう仰せでございましたけれども、それは大体いつごろまでに調べていただけるのか。それから、ここに現に、割賦販売法の趣旨を尊重して三〇%というこの契約書がありますけれども、これをそのまま存続させるおつもりなのかどうか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  第一点は調査の時点の問題でございますが、これは先ほど申し上げましたように、一月に消費者モニターの方の調査がございます。したがいまして、ほぼそれと時点を合わせて本問題を調査いたしたいというふうに思います。  それから第二番目の、趣旨を尊重してといいますのは、これは本来であればその調査が終わって、趣旨に合っているかどうかということを調べてから、やめろならやめろというふうに言うべきではなかろうかと思います。これは割賦販売法にとっては相当大きな問題でございますから、私どものほうは、直ちに当該会社の人等を呼びまして、その点についてはもう一ぺん事情を調べて、趣旨に合っていないのであるならば直ちに改正したいと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 いまの答弁、繰り返しに終わっているのですけれども、割賦販売法の趣旨を尊重し三〇%、とここに書かれていると、消費者としては、これは法律できめられているんだな、こう受け取らざるを得ないわけですよ。法律でこうきまっているんじゃしようがない、裁判にかけるとおどかされてどうしようもない、泣く泣く支払わなければならない。こんな消費者泣かせの契約書、これはモニターの調査を待つとか業者を呼んで聞いてみるとか、通産省の態度としてはとんでもない話だと私は思うのですよ。直ちにこの三〇%なんということは一応やめさせて、モニターの結果を待ってあらためて指導するならする、こういう処置に出なければ、現にこれでいま死にたいとお思いになっている人たちが救われないじゃありませんか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  ただいまの三〇%の表示の問題あるいは割賦販売法の趣旨によりですか、という表示の問題につきましては、その表現を第六条の趣旨にありますような趣旨にとりあえずは変えさせるのが適当じゃないかと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 とりあえずとおっしゃったけれども、いつやっていただけますか。とりあえずこの趣旨にのっとるようなとか——いま自殺しそうな人がいるんですよ。その人に、こういうことになりますよという答弁を与えてもらわなければ、それはお役所の行政にはならないでしょう。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  とりあえずと申しましたのは、とりあえず早急にという意味でございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 通産省は消費者泣かせだとよくいわれるけれども、私はいままでお聞きしていて、こんなにも明瞭な問題を、こんなにも差し迫った事実のたくさんあることを、どうしてもう少し早急に手を打ってもらえないのか、ほんとうに情けなくなるのです。だから、日本の政治は何もやってくれないと、だんだん政治不信感はつのるばかりなんですね。せめてお役人の姿勢としては、そういう事実があったならば飛んでいって手を打ちたいとか、そういう少しは血の通った答弁をいただきたいと私は実は願ってここへ出てきたわけですけれども、こんなに実例がたくさんあるのですから、三〇%なんというのは高過ぎるにきまっているんです。それは個人としては高いと思う。次長さんのそのお答えのとおりです。とりあえず早急にという抽象的なことばをいま言われましたけれども、具体的な事例をほしいとおっしゃるなら、ここにたくさんあるわけですから、こういう泣いている庶民を救ってもらいたい、こう思います。これ以上聞きませんけれども、とりあえず早急にということを一日も早く実現をしてほしい。  それから、もう一回重ねて言っておきますけれども、先ほどの三〇%というラインは非常に高過ぎます。それに通産省が、消極的にせよ、一枚加わっているということは明らかでございます。そういった点における通産省の責任というものは大きな問題だと私は思います。ですから、それをお感じになったならば、なお早急にこの三〇%というものをやめさせる。法の第六条にのっとったならば、これはケース・バイ・ケースで両方で話し合ってきめるべき問題である、決して違約金を三〇%だ、六〇%だなどということを一がいにきめることではない、その点だけでもお考えを聞いておきたいと思います。責任は非常に大きいということ、それから三〇%などと一律にするということは不当である、ケース・バイ・ケースで話し合って、消費者の意向も聞いてきめるべきである。この点はいかがですか。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 一律に三〇%ときめるべきでないという御趣旨でございますが、ただいまの、最初から三〇%ときめるというのは、確かに問題があろうかと思います。したがいまして、その辺は私どもも、先生のお話のとおりだと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 もう一点伺っておきます。  支払いがたいへんおくれましたりすると、すぐ裁判にかけるという通達があるわけなんです。そうでなければ残金を即時支払え、こうなってくるわけですね。それで差し押え、強制執行、こういうことになってくるのですが、このようなやり方は、契約関係には非常に無知な消費者にとっては残酷なやり方だと私は思います。しかも、裁判をする場合に、必ず本社所在地で裁判は行なう、こう契約書に書いてございます。そうしますと、北海道の奥や九州の果てから東京まで出てきて裁判にかかるなどということはできません。汽車賃のほうが高くついてしまうということにもなるわけですから、欠席裁判のままで一方的に判決が下される。こういうやり方をどう指導してくださるか、これについて一言伺っておきたいと思います。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 契約の条項に違反するようなことがあれば裁判にかけるなどということは、そもそも言うのがおかしいと思います。これはあらゆる問題についてそうでありますように、裁判云々というのは最後のまた最後の問題でございまして、お客と販売業者の間で裁判にかける云々ということばが出るのも非常に遺憾だと私は思います。むしろ、非常に攻撃的な販売方法の一つではなかろうかと思います。したがいまして、もしそういうふうなことが契約書の中に書いてあるようなことがありましたならば、表現を見なければわかりませんけれども、それがいわば脅迫的な表現のようにとれるようなものであれば、これは直ちに改めるのが適当ではないかと思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 わかりました。脅迫的な表現というのは非常にあります。  それから、会社側はすぐ弁護士を立てて話をさせるわけです。そうすると、弁護士を相手にしただけで、法律的に無知な消費者というものはすくんでしまうわけです。それで裁判云々などという話を持ち込まれると、結局支払わざるを得なくなる。ほんとうにこれが現状です。ですから、こういったことをよく了解していただいて、いま御答弁にありましたように、そういう遺憾な事実があったら即刻処置をするということを、ぜひやっていただきたいと思います。  私、訪問販売のことについてはこれで打ちどめますけれども、要するに、売れないものを売り歩くから契約後にこういうごたごたが起こる。そもそも、この販売自体が無理だ。本は店頭で売らせるべきだと思うんですね。書店で売らせるべきです。訪問販売で、見本だけで何十万円という契約をとって歩くという自体に、非常に無理があると思います。ですから、また今度は、なべを売り歩くとか高い化粧品を訪問販売して歩くとか、そういう被害というものが今後出てくるおそれが非常にあるわけです。ですから、こういう高いものは本屋で、店頭で手にとって見た上で買わせるべきだというのが私の意見です。今後もそういう外資系の訪問販売というのは非常にふえてまいりますので、その訪問販売の今後の問題についてどういう御意見をお持ちか、伺っておきたいと思います。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  訪問販売あるいは通信販売等、いわば店頭外で販売をする販売方法というのは、いろいろ種類がございます。その中でことに訪事販売といいますのは、お客のほうに押しかけていって、いわば積極的に物を売るという商法でございます。そのためにいろいろトラブルが起こっておるわけでございますが、これは、一つは、やはり消費者が家庭でといいますか、店頭外で物が入るという利点もないわけではございません。したがいまして、これを全面的にやめる云々ということは、やはり問題があろうかと思います。私ども、先ほど申し上げましたが、クーリングオフとかいろいろな方法を講じまして、その弊害をできるだけ防いでいくという方向で考えていきたいというふうに思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 それは確かにやめろというわけにはいかないですから、販売をした場合の法的な処置という問題、法的な整備という問題、特に消費者が弱い立場の契約関係になりますので、その点の法律の整備というものを完ぺきにやっていただきたいし、それはあくまでも消費者の立場に立って、それを守るという見地から法的整備をやっていただきたい、最後にそれをお願いいたします。  私は外資系の問題はこれで終わりにしまして、もう一つ、金利の問題についてちょっと伺っておきたいと思っております。  先般、通産省が割賦販売に関するアンケート調査というものをお出しになりました。これにも明らかなように、いまや割賦販売の利用度は全体の八八%、こうなっております。ですから、大半の人が月賦のお世話になっているということです。ところが、そのうち四人に一人は、代金支払い、契約解除をめぐってトラブルを経験している、こういう実例でございます。ですから、消費者の利益が害されているということは、このアンケートでもはっきり示されていると思うわけです。それで、いろいろ問題はあると思います。ですけれども、今回はここで金利の問題についてのみ若干質問をいたします。  割賦販売における金利が高過ぎるのじゃないか、こういう声をよく聞いております。大体アドオン方式が一般になっているようでございますが、そのために非常に高くなっているのではないか。これは私たち無知な消費者にとっては一見してわからないのですけれども、この金利計算というものが非常に矛盾をはらんでいるのじゃないかということを指摘しておきたいと思います。  私、通産省からアドオンに対してのパンフレットをいただきましたので、その通産省の資料をそのまま表にして来ました。これはその一つなのですが、通産省でつくってくだすったものです。御存じのように、アドオンというのは、店頭に行くと、アドオン六%、それしか教えてくれないのです。ところが、もし元本十二万円を借りたとして、六%といわれると、利息が七千二百円、これを十二カ月、一年間の均等に払っていくというのが、おっしゃるとおりアドオン方式ですね。ところが、よくこのからくりを考えてみますと、いわゆる実質金利というものにこれを置きかえてみますと、元金というものは月々減っているわけですから、最終段階ではゼロです。ですから、元金十二万というけれども、実際、元金というものは、この三角形に減っていれば、大体半分の六万ぐらいになるのではないか。したがって、六万に対して利息七千二百円ということが実際には考えられる。こういう意味でアドオンというのは、単に六%と書いてあって金利は安いのだと思ってみても、実際は一二%になっているのではないかというのが、通産省からいただいた資料のとおりでございます。私、こういうこともはっきりしてもらいたいと思うのです。このアドオン方式というものは消費者にとって一体いいことなのか悪いことなのか、こういう一つの事例に御意見を承りたいと思います。これは通産省と大蔵省と両方から。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  アドオン表示は、先生御指摘のとおり非常に消費者に誤解を生じやすい表示でございます。したがいまして、これは私どものほうとしましても先行きいろいろ方法を考えておりますが、内容は先生のお話しのとおりであると思います。ただ、これは従来の、いわば一種の慣習化をしておることも否定をできない事実でございます。かつ、計算方法が元金に一定の利息をかけるわけですから、それであと均等に払うわけですから、非常に計算が簡単であるという利点、そういうことはございます。ただ、実質金利と比較しますとアドオン表示がほぼ半分の表示になるという点におきまして、消費者に非常に誤解を生じやすいと思いまして、この辺は私ども、適当な処置を講じたいと思っております。

磯辺律男大蔵省銀行局総務課長

○磯辺説明員 お答えいたします。  ただいまの御指摘ございましたアドオン方式の問題、考えまして二つの問題があろうかと思います。一つは、アドオン方式によりまして年利六%という規定でございますが、これは御説のように、割賦で払ってまいりますと元本がずっと逓減してまいりますから、したがって、実質元本になりますと、ただいま御指摘になりましたような、大体その表示された金利の倍ぐらいになる。現在六%のアドオン方式によるこういった消費者金融の割賦販売金利が妥当であるかどうかという問題が一つ。それから、そういった年六%というような表示のやり方が不当に消費者に誤解を与えるじゃないかという、その二つの問題があろうかと思います。  金利水準の問題につきましては、これは全般的にいま大蔵省としては、各種の金利を下げたいということで努力しております。したがいまして、全般的な金利水準の下がりました場合には、やはり実質的な一二%というふうな金利というものは今後低下の傾向に向かっていくであろうと考えております。  また、その表示の方法につきましては、これは非常に誤解を招きやすいということで、過日、全国銀行協会におきましては単位金融機関に対しまして、アドオン方式で表示した場合には実質金利を必ず表示するように、それからまた、月利で表示した場合には年利の実質金利をあわせて表示するようにというふうな通達を出しました。同時に、大蔵省といたしましても、各財務局長、各都道府県知事に対しまして、その趣旨の徹底をはかるようにという通達を出したばかりでございます。そういった意味におきまして、このアドオン方式の金利の表示の問題につきましては、そういった誤解のないように今後は改善につとめてまいる考えでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 たいへん前向きな御答弁をいただいたのですけれども、私はここに実例を一つつくってまいりました。これは十五万円のステレオですね。頭金三万払って十二万円をアドオンにした場合、それから実質金利にした場合という実例をつくってきました。実際私がステレオを買いに行ったものですから。私が行った店ではアドオン一〇%と言われたのですけれども、まけて九%で表をつくってみたのです。  そうすると、アドオン九%で十二万円を一年割賦で支払った場合に、一月九%ですから九百円ずつ利子がつくわけですね。そうすると、毎月一万九百円ずつ十二カ月払う。結局、金利全体で一万八百円になるわけです、アドオンの場合。一万八百円の金利というものが十二万円についてつくわけなんですけれども、これを実質金利で計算をいたしますと、これは一がいにはいえないでしょうけれども、一応、貯金も預金もないから九%くらいの利子で十二万円借りたとして、これを一年間実質金利で計算をいたしますと、金利合計は五千七百六十円です。そうすると、やっぱり先ほどのお話のように、アドオンでやると倍近い金利を取られるということになります。実質金利でしたら一年間五千七百六十円、これをアドオンにした場合は一万八百円、こうなるのです。  金利九%ということに書かれているわけですね。これは私は、非常に消費者金融にとっては隠れみのだと思うのですね、アドオン方式というものは。ですから、いまの御答弁のように、将来考えたいということですけれども、その具体的なプロセス、それからどういうふうに改革をなさるのか、それをもう少し具体的におっしゃっていただきたい。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 お答えいたします。  アドオン表示が消費者に非常に誤解を与えるということ、いまお話しのとおりでございます。したがいまして、私どものほうは、実質金利とアドオン表示のものをとりあえずは併記をするという考え方で、実質金利はとにかく必ず書かせるという指導をいたしたいと思います。  なお、その表示の方法につきまして、できるならば法律に根拠を置いて、それの政省令等でこういうふうなことにしろというふうに規制をいたしたいというふうに考えております。  なお、将来の問題としましては、これは現在は一応慣行にもなっておりますから、なかなかむずかしい問題でございますけれども、なるべくならば実質金利に統一をする方法で考えたいというふうに考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 将来の問題として、アドオンをやめたいという方向でございますね。これ、なるべく早くやってもらいたいのです。消費者金融というものがこれから非常に大事になってくるし、それからいま、ここ二、三年、この月賦でものを買っておるという人が非常に多いわけです。そういう人たちを救う意味からいっても、将来などと言わないで——慣習になっておるとか、それから計算する手間が簡単であるとかいうことは理由にならないほどのささいな理由だと思うのです。ですから、やる気になれば、アドオンを廃止して、そうして消費者金融というものをもう少し消費者向けにあたたかくするということは、すぐできる行政ではないかと思いますが、この点について通産省と大蔵省の御見解を承りたい。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 私どもは、とりあえず併記ということを申し上げましたわけでございます。それで、先行きの問題としましては、実質金利を併記をすることによってその慣行が次第に変わってくるということを、むしろ変えたいということで指導していきまして、なるべくならば実質金利一本にしぼりたいと思いますが、ただこれは、こういうことを申し上げて恐縮でございますけれども、金利水準なりあるいは金利の表示の問題は当然大蔵省の問題でもございますから、大蔵省とも十分御相談申し上げて結論を出したいと思います。

磯辺律男大蔵省銀行局総務課長

○磯辺説明員 ただいま通産省から御答弁がございましたそのとおりでございますが、先ほど申しましたように、大蔵省としては、全般的に金利水準の低下ということで、いまいろいろな方法を講じましてその金利水準の低下をはかるように努力しております。そういった意味で、基本的にはやはり消費者金融というものをもっと充実させる、そのためにはやはりその金利がもっと低いということが大切だと思いますが、この点についてはもう万全の努力を払っております。  それから、それと同時に、先ほど申しましたように、その表示された金利が不当に消費者に誤解を与える、いわゆる消費者がだまされるというふうな感触を持たれるというのは、これは非常に問題でございますので、さしあたりの方法としては実質金利の表示をしていく、そして消費者に誤解を持たれないようにしていくというふうな方法を講じているわけでございます。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 もう一つ、手数料の問題について伺っておきたいと思います。  これは自動車会社の一つの割賦の金利表なんですけれども、この金利表の中に手数料というものが加えられております。で、アドオンだけでも消費者にとってはたいへん高くついているのに、それに加えて、手数料を手形一枚について六百円とか七百円とかというふうにして取る。しかも、その手数料というものが金利表の中に組み込まれていて、それも消費者にはカムフラージュをされている。こういう現状をひとつ指摘したいと思うのです。  私、手数料というのはちょっと取り過ぎではないかと思うのですけれども、この自動車の場合ですと、手数料が一月七百円取られているわけなんです。そうしますと、この例で言いますと、十万円の月賦を組んで、これを十二カ月で払う、こう考えてまいります。九%のアドオンです。そうしますと、十万円を十二カ月でというと金利の合計は九千円のはずなんですけれども、ここに示されているのは一万七千四百円なんです。ということは、これは全部手数料です、八千四百円というのは。一月七百円の手数料を十二カ月取られますと八千四百円。そうすると、アドオン九%の九千円という金利に加えて八千四百円の手数料、したがって、この金利表には、十万円を十二カ月で返す場合は金利一万七千四百円と出ているわけです。アドオンの九千円ですら高いのに、手数料八千四百円。金利表に一万七千四百円とこう書かれているわけなんですね。私、この手数料というものはやめるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

斉藤英雄通商産業省企業局次長

○斉藤説明員 先生の御指摘のありましたその手数料のお話でございますが、手数料の種類につきましては、手形の場合の手数料、あるいはローンの場合の手数料、保証料等いろいろ種類があるわけでございます。したがいまして、その内容いかんによってこれは当然考えるべき問題だと思いますが、御指摘のように、普通の利息のほかにかなり高額の手数料を取っておるということでございますと、それは問題があろうかと思います。なお、この点につきましてはいろいろ言われておりますけれども、その手数料は、いわゆるほかの貸し倒れ費用その他、いろいろなものに使われているのだという説もあります。しかしながら、この辺は手数料の種類によりまして私どものほうは考えなければいけないと思います。それから、利息以上に相当高額のものを取るというのは、やはりこれは問題があるというふうに思います。  それからなお、蛇足でございますけれども、自動車の場合にはえてして下取りというのがございます。この下取りの価格いかんというのは、これはだいぶ競争になっておりましたり、いろいろ事例がございまして、その下取りの競争、むしろ高く買う競争でございます。その競争の結果、そのしわ寄せがいろいろなところに来ているというふうな話もあります。したがいまして、いずれにしましてもその辺は、適当でないところがありますれば、当然これは改めるべきであると思います。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 やはりおかしいと思うのは、自動車を買ったときには、必ずその登録代で四千円くらいですね。それから納車代四千円、それから下取り代というのが四、五千円、それから公正証書をつくるといって五千円くらい、これだけ手数料として、この場合に取られちゃっているのですね。その上に、その手形だけで月々七百円の手数料を取るということは、これは高額の手数料にまさに適合するものだと思うわけですね。そういう意味で、いま御答弁がありましたけれども、高額手数料については至急に処置をしてほしいと思います。  要するに、私、言いたいことは、月賦で買うとえらい高くつくということです。現に私が行った電機屋ではアドオン一〇%のところだったのですが、実質二〇%の金利は取られている。そこへ持ってきて手数料が、これほど高額であるものが加算されてまいりますと、やはり月賦というものは消費者だましのからくりである。どこでもうけられているのか、しろうとには全然わからぬ。この実態を私は消費者にも知ってもらいたいし、それから行政のほうでも至急に改めて、消費者サイドの改革をしてほしい。まあ、それなりに前向きの御答弁をいただきましたのでこれでやめますが、大蔵省にもう一つ伺っておきたいのです。  マル専手形を銀行に依頼する場合に、預金をしろとか振り込みをこっちの銀行にしてくれなければマル専は出せないとかというような制約が、どうしてもついてくるんですよ。ですから、ローンやマル専手形を組むときは、預金、自動振り込みを条件とすることはやめてほしいんですけれども、その点の御見解はいかがでしょうか。

磯辺律男大蔵省銀行局総務課長

○磯辺説明員 お答えします。  そういった場合は、借り入れ人が手形決済をするために非常に便利だとかなんとかというふうなことがあろうと思いますけれども、やはり基本的には金融機関の過当競争ということが原因かと思います。そういった意味で、その借り入れ人に対しまして無理な要求をされるというようなことがないように、私どもはつとめてまいりたいと思います。  なお、同時に、ややもすると、金融機関がこういうときに、じゃうちのほうに預金してくれということであろうかと思うのですが、こういったことは単に消費者ローンのときだけでなくて、一般的に貸し出しをする場合に過当な両建てをさせるということは、これは好ましいことではありませんので、大蔵省としましても、公正取引委員会のほうとも協力して、こういった過当な両建てあるいは歩積み問題の解決には努力をしております。ですから、ただいま先生のおっしゃいましたようなかっこうで借り入れる人が不当な負担を受けるというようなことがないように、これはもうあらゆる機会を使いまして私たちは指導してまいる、かように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 最後に公取委員長に一つお聞きをしたいのですが、いまこの金利の問題も非常に表示の問題とからんでまいりまして、消費者に割賦販売における金利を明確に表示をさせるということが非常に大事なことになってくると思います。そのいわゆる表示の問題、それから行管で公取に勧告をしておりますけれども、いわゆる「割賦販売に係る価格および取引条件についての不当表示に関する規制を強化するとともに、割賦販売業者又はその団体に対し、問題のある業界から順次その実情に即した「価格および取引条件に関する公正競争規約」を作成させるよう指導する必要がある。」こういう行管の勧告もございます。これは、最初の外資系の問題等にからまってくると思いますけれども、この行管の勧告、それから月賦の表示に関する問題、これについて、公取としてどういうことをやっていただけるか。また、現にこの行管の勧告をどの程度実行なすっていらっしゃるのか、その点を伺っておきたいと思います。

谷村裕公正取引委員会委員長

○谷村政府委員 先ほど来のお話承っておりまして、たいへん私どもも、私どもとしてやらなければならない問題が多々あるというふうに感じております。ただいま御指摘がありましたような、たとえば行管からも指摘されておりますようなことにつきましては、実は昨年来、割賦販売の正しい消費者のためのあり方ということについて検討もしておるのでございますが、いまだ十分な結果を得ておりません。最近の機会におきまして、委員会といたしましてもこの問題に取り組むことにして、すでにスケジュールを立てております。その点はひとつ前向きに私どもは取り組みたいと思っております。  それから、第二番目の公正競争規約等を積極的に指導していくという点でございますが、これはたとえば自動車におきまして公正競争規約ができました際に、やはり割賦販売についての問題をある程度織り込むということをさせたわけでございますが、今後とも、公正競争規約等をつくります際に、それが割賦販売になじむものでございますれば、それについてのお互いの正しいやり方というものを盛り込んでいくようにさせていきたい、かように考えております。

渡部通子公明党

○渡部(通)委員 以上で終わります。

小林進日本社会党

○小林委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後一時三十一分散会

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