農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1971/12/23
会議録
○藤田委員長 これより会議を開きます。 この際、法律案起草の件について議事を進めます。 繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会におきまして御協議を願っていたのでありますが、本日協議がととのい、その草案がまとまりましたので、その内容について便宜委員長から御説明申し上げます。
○藤田委員長 御承知のとおり、外国産生糸の輸入増大により国内需給が均衡を失し、日本蚕糸事業団による買い入れによっても国内生糸の価格が中間買い入れ価格を下ることを防止することが困難であると認められるときは、政府は、生糸の輸入に関し、当該事態を克服するため必要な措置を講じなければならないものとし、この事態が生じた場合は、当該事態を克服するため必要な期間として政令で定める期間内は、日本蚕糸事業団その他一定の者でなければ生糸の輸入をしてはならないものとするとともに、その他所要の規定を整備しようとするものであります。 以上がその内容であります。その詳細につきましては、案文により御承知願いたいと存じます。 —————————————
○藤田委員長 本起草について別に御発言もないようでありますので、直ちに採決に入ります。 おはかりいたします。 お手元に配付いたしております繭糸価格安定法の一部を改正する法律案の草案を本委員会の成案と決定し、これを委員会提出の法律案といたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の御起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○藤田委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案とすることに決定いたしました。(拍手) なお、本法律案提出の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○藤田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○藤田委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松沢俊昭君。
○松沢(俊)委員 私は、昭和四十六年十一月三十日、新潟港の外の海岸で座礁しましたリベリアのジュリアナ号事件について質疑を行ないたいと思います。 〔委員長退席、熊谷委員長代理着席〕 御承知のように、このタンカーが海難にあいまして、漁業に対しましてたいへんな被害を与えていることは、私が申し上げるまでもなく、政府当局のほうでも十分おわかりのことでございます。 私はまず第一にお聞き申し上げたいことは、この事件というものは、いま船長が取り調べを受けておりますけれども、一体その船長の操船の技術あるいはまた船長のとるべきところの責任をとらなかった、そういうことからこういう事件が起きたのか。あるいはまた港そのものに問題があったのか。検疫の問題等におきましても、入港というか、新潟の港に参りましてから八時間ぐらい時間があって、その後において事故が起きておりますので、これらの真相につきましてまずお伺いしたいと思います。
○須賀政府委員 ジュリアナ号の事件につきまして船長のとった態度その他についての御質問でございますが、お答えいたします。 ジュリアナ号は、三十日の朝七時過ぎ新潟港に参りまして、私のほうの停泊地の指定というものを受けておりまして、これは岸壁で停泊する、こういうことになっておるわけでございまして、岸壁のほうも準備しておったわけでございますが、検疫錨地に参りまして検疫待ちあるいは水先案内人待ちという状況であったわけでございまして、その間船長がそこでいかりをおろしておったわけでございますが、通常新潟港につきましては特に冬季波浪が非常に強く、風も強いということでございまして、危険があるということは十分承知しておったわけでございまして、船長は海図と水路誌というものによりまして、その他の方法によってもいろいろ研究するわけですが、入港する前に海図はもちろんのこと、水路誌を見るということは常識だそうでございますが、その水路誌によりますと、新潟港の冬季は特に荒れるということが書いてありまして、危険な場合には佐渡の両津といったようなところに避難港がある、こういうようなことが明らかに書いてあります。 さて、この三十日は一体どういう天候であったかと申しますと、二十八日から警報が気象庁のほうから出ておりまして、これによりまして再三再四警告を与えておるわけでございます。したがいまして、遭難しましたその三十日の夕方の四時過ぎにおいてもまた警報を発しておる最中であったということでございまして、こういう点において船長に抜かりがあるのではないかということがいわれるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 私も船の専門家でございませんのでわかりませんけれども、ある船長に新潟港のことにつきましていろいろと聞いたわけなんであります。ところが、新潟港は、御承知のように、日本海が大体十一月から三月ころまで非常に荒れるわけなんでありまして、荒れる場合におきましては、検疫錨地というのが、これがいまの場合におきましては防波堤から一マイル程度のところにある、新潟の港は河口港でありまして、したがって下が砂になっている、北西の風が強いわけなんでありまして、その風が吹いてくると、どうしても操作をするのに二十分以上の時間がかかる、ところが一マイルということになると十分間で防波堤にぶつかってしまう、実際上、これはもう操船技術が幾ら高くともそういう場所に検疫錨地があればなかなかこういう事故というのを防ぐわけにいかぬのじゃないか、したがってこういう時期においては検疫錨地というものを少なくとも二マイル程度先に置いてもらえば、要するにこの事件というのは起きなくて済んだのじゃないか、こういうお話を聞いたわけなんであります。しかも御承知のように、新潟の港はいま——事件の起きた場所が西港でありまして、そのほかに東港の掘さくをやっているわけなのであります。でありますから十一月から三月までの間というものは、そういう要するに危険を伴うところの港でございますから、検疫錨地というものを変更しておれば事故は起きなかったのじゃないか、私はこういうように判断するわけなのです。したがって、起きるべくして起きたところの事故、こういうことも言えるのじゃないかと思いますが、この点につきましてどうお考えになっているのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○須賀政府委員 お答えいたします。 検疫錨地の選定の件でございますが、これは検疫法に基づきまして厚生大臣が告示するということになっておりますが、告示の前に運輸大臣に協議する、こういうたてまえになっておりまして、新潟港につきましては、二十八年の九月に厚生省告示でここにきめられておるわけでございます。 それからお話のありましたように、確かに冬季は風が強く非常に危険なところであるということで、新潟港の付近全体がそういうところであるということでございますが、新潟港近辺においてこういう場所を見つけるのに非常に苦労した結果、こういうところをということにきまったというように聞いておるわけであります。 なお、先生のお話のありました砂地であるということにつきましても、あの辺は一帯に砂地で海水浴場であるということで、これは明らかなところでございまして、ただ専門家に聞きますと、いかりのきき目といったものにつきまして砂地が一番悪いというものじゃなくて、どろ、土、こういうものの次に砂がある、その次に悪いのが岩とかそういうものであると、これは一般に常識的に考えられるところでございますが、そういう状況でございまして、新潟港におきまして検疫錨地をきめる際にも、そういったこと等いろいろ考え合わせてきめたものというように考えておる次第でございます。 なお、先ほども申し述べましたように、冬季においては強風が吹いた場合には非常にあぶないということで、こういうところに避難すべきものであるというところまで水路誌に書いてあるわけでございまして、現にこういうような時期におきましては大きな船はすべて佐渡のほうに避難しておるというのが実情であるわけでございます。そういうことでございまして、この検疫錨地におきまして走錨のために事故を起こしたという前例は、過去五年間はないというように聞いておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 私は専門家でありませんでよくわかりませんけれども、実際専門家の船を操船しておられるところの人たちから聞いた話なのでありますが、やはり錨を一つ投げておいてもなかなかきき目がない、そこで二マイル先になれば、動き出したらばもう一つ投げるとか、いろいろな操作というものができるという、二十分かかるから十分間ではうまくない、こういうことが言われておりますので、そういう点から考えてみますと、起きた結果をいま論じてみてもどうしようもないわけなのでありますが、将来やはりそういう点も検討してもらわなければならないのじゃないか、こう思います。要するに、検討は全然されないで、従前どおり一マイルのところに置くという、そういう方針なのかどうか、その点を明らかにしてもらいたいと思うのです。
○須賀政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、海図、水路図誌等によって、まあ船乗りというものの常識から見れば、常識を逸した船長の行為ではなかったかというふうに考えられるわけでございますが、今回の事故もございましていろいろ御指摘もございましたので、検討する必要があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 問題は、いま船長も取り調べをやられておるということでありまして、実際漁場にも出られないということで、すでに六億九千万ですかのいわゆる融資を政府のほうではやっておられるわけなんでありますが、しかし、聞くところによりますと、このジェリアナ号の保険が百二十二万ドルというふうに聞いておるわけなんであります。そうすると四億足らずという金になりますが、一体、油が流れて、そして油の被害を受けた漁民に対しまするところの責任というのはだれがとるのか。船会社がとるのか、あるいは荷主がとるのか、それとも政府がとるのか、これはだれがとるのか。この点はっきりしてもらいたいということであります。 それからもう一つは、これもしろうとでわかりませんけれども、保険の対象というのは、船体と積み荷ということになっておるということも聞いておりますのですが、そのほかに海水汚濁、油出の場合におけるところのそういう保険というものもあるようにも聞いておりますが、この点もひとつ明確にしてもらいたいと思うのです。
○原田説明員 お答えいたします。 今回の油濁事故に伴います損害を補てんする制度といたしましては、三つの保険がございます。一つはPI保険と称しておるものでございまして、これは船主責任相互保険組合というものでございます。この保険の性格は、油濁事故の場合の第三者に与えた損害、たとえば漁業に与えた損害が含まれますが、それと油濁を防除するために要した費用をカバーするものでございます。 それからTOVALOPと申します保険、これは油濁の責任に関しますタンカー船主の自主的な協定でございまして、世界各国の大部分のタンカー船主が加入して設立した協定でございます。これには今回の船主も加入いたしております。補償範囲は、船主みずから行なった防除措置の費用及び政府あるいは政府の委託によって行なったものも含みますが、それの行なった防除費用でございます。それからPI保険との関係では、防除費用は主としてTOVALOPでカバーして、PI保険は主として第三者に与えた損害をカバーするということになっております。 それから三番目の保険としましては、通称CRISTALというものでございますが、タンカーの油濁責任に関します暫定的な補償に関する協定というのができております。これは世界各国の石油会社が加入している自主協定でございまして、現行の補償制度では十分カバーできない油濁損害の追加的補償を行なうことを目的としておるものでございます。補償範囲は、事故にかかわります船が協定加入船会社の所有のものでありますれば、事故にかかわります船主または貸借人がTOVALOPに加入しておるということ、それから当該船主に事故責任があるということを前提といたしまして、PI及びTOVALOPが補償いたしました限度額を越える分について補償いたします。 そういう制度がございまして、今度の損害に対しまして、民事的にこの保険がカバーいたすということでございます。
○松沢(俊)委員 これはいわゆる油の流出に伴う損害に対するところの補償、こういうことになると思いますね。 そこで、その後のいろいろな、中和剤をまいたとか、そういうものに対するところの漁場の再建の補償というようなものは、これはどうなんですか。
○原田説明員 保険で補償される範囲は、保険に加入する船舶が港湾設備、海産物その他の財物に加えた損害ということになっております。したがって、中和剤使用によります被害等がどの程度損害に含まれるかということは、法律的にはきわめてむずかしい問題があろうかと思いますけれども、われわれとしては当然要求すべきものであろうかと考えております。しかしながら、あくまでも保険対被害という関係は、政府がきめるべきものでございませんので、最終的には民事的な裁判の決定する問題であろうかと思います。
○松沢(俊)委員 私は、一番やはり問題になるのは、保険がかかっておるから、その保険で補いつける、そういうことも政府としてお考えになるということは当然だと思います。当然だと思いますけれども、現に困っておるところの人たちがたくさん出てきているわけなんでありまして、そして民事の訴訟によってきめていくというようなことになりますと、いろいろな点において、たとえば長期にわたるとか、あるいはまた金額等の面におきましても、それはその被害者の要求額とは食い違いが出てくるとかという問題がたくさん出てくるのじゃないか、こう考えられるわけなんです。でありますから、私は、問題は、いろいろいま申し上げましたように、検疫錨地等の問題なんかも裁判になれば当然出てくるところの問題になってくると思います。でありますから、私は政府のほうで保険をとるというところのそういう努力をしていただけることについては決して反対するものではありません。ありませんけれども、そういう長期にわたり、金額の面においても食い違いが起きてくる、しかし実際の被害額というものは相当膨大なものになっておる、こういう場合に、一体裁判の結審が出なければこれはどうにもならないところの問題だというような態度でいかれるということになりますと、たいへんなことになるのじゃないか。だから、この事件の原因ということにつきましては、これまたいろいろ審査されると思います。だけれども、責任の所在というものは、日本の政府が責任をとる、やはりこういうふうに明確に御答弁をいただきたいわけなんですが、どうでしょうか。
○原田説明員 漁民等は一般に零細な場合が多くて、挙証能力を欠く場合が多いと思われますので、被害の実態調査とか被害額の確定については、国及び地方自治体がこれに相当の応援をするということが必要であろうかと思います。また実際の補償要求につきましては、全体をまとめて一本にするということも考えなければならぬかと思いますが、私どもは、とりあえず関係各省でこういったことを検討するために研究会といいますか、協議会をつくることにいたしまして、運輸省がお世話をいたしまして、水産庁あるいは外務省、それから通産省、海上保安庁、その他厚生省ですか、関係省で会議を持ちましてこの検討を始めることにいたしております。
○松沢(俊)委員 いや、その検討はいいですけれども、はっきりしてもらいたいことは、要するに、補償の責任というものを、政府のほうで責任をとるという態度を明らかにしてもらいたいというのが私の質問なんであります。だから、政府は、いやその船会社が悪いんだとか、あるいはまた船長が悪いんだとかいうようなことでやられた分には、これは被害を受けたところの人たちにとっては非常に困る問題が起きてくるわけなんです。だから、保険を取ることを皆さんがお努力なさるということも、これもけっこうでありますけれども、最終的にはやはり政府がすべての責任をとる、こういう点を明らかにしてもらわぬければ、これはどうにも解決のつかぬところの問題じゃないか、こう思いますので、再度御質問申し上げたいと思うのです。
○太田(康)政府委員 先ほど運輸省の原田参事官からも答弁があったわけでありますけれども、今回の被害の状況につきましては、御承知のとおり、私のほうの次長を現地に派遣いたしまして、どういった被害があるか、これはいろいろな面にわたっての被害があるわけでありますから、これらの調査のための設計をやってまいりまして、現在、日本海区水産研究所と山形及び新潟県の試験場が協力して被害の調査に当たっております。 そこで、被害の範囲としてどこまでを含められるかというような問題につきましては、先ほども御答弁がありましたように、できる限り早く政府部内におきまして検討会を持ちまして確定をいたしたい。その場合も、先生がさっきお尋ねの漁場復旧等につきまして、漁民の方も、現在われわれが聞いております範囲では、できる限り早く漁場復旧をしてもらいたい。そういうことになりますと、漁家の補償というのは、復旧が早ければそれだけ漁家補償が少なくなるというふうなこともありますので、また、漁場を復旧すると申しましても、どの程度にたとえば海底に油が沈降しているかとか、そういったことを十分調べた上でないと確定をいたさないわけでございます。しかし、漁民の方が被害を受けたわけでございますから、その補償につきましては、先ほどの御説明にもございましたように、保険も十分入っているようでございますので、できる限り早く私ども関係省庁集まりまして、確定の上で、これは漁民の方のお話も十分伺った上でないと最終的にはなかなかあれしないと思いますけれども、われわれのほうの考えをまとめること、そのことがまず最初になるわけでございます。 補償につきまして国が全面的に責任を持て、まあ、責任の持ち方の問題でございますけれども、私どもとしましては、全面的に漁民をバックアップしまして、県と国とが一体となりまして応援をしてやってまいりたい、かように考えております。
○松沢(俊)委員 何か煮え切らぬような面がありますが、保険を取るのもいいけれども、やはりその責任というものは政府が明確にとってもらいたい、こういうことを私は要望申し上げたいわけなんでございます。 それから問題は、タンカーが割れまして油が流れた、要するにこういう被害があるわけですね。これは漁民だけではありませんで、その他の沿岸の住家にしぶきがぶつかって、そして被害が出ている、こういう面もあるのですが、これらの点の調査というものをおやりになっているのかどうか。
○太田(康)政府委員 いろいろ間接被害、二次被害があるわけでございまして、これらを含めまして調査はいたしたいと思っております。ただ、そのどこまでの範囲を補償の対象にし得るかということは、これまた学問的にもたいへんむずかしい問題でございますので、なお先ほど申し上げました関係各省の協議会におきまして至急検討の上、結論を出したいと思っております。
○松沢(俊)委員 私は、学問的とかそういうことではなくて、現実に被害を受けたことは間違いないんですから、それは要するにだれが責任をとってくれるんだかということを聞くわけなんですよ。保険会社に責任とらせるということも、それは一つの方法でしょう。だけれども、そこまで保険というのはきくのかどうか。もしきかぬ場合においては、やはりこれは政府に責任をとってもらう以外にないのじゃないですか。どうですか、それは。
○太田(康)政府委員 被害を与えたのは政府ではないわけでございまして、私たち陳情団の方々のお話を伺いますと、たとえば漁網屋さんとか釣り道具屋さん等で釣りの道具が売れなくなったというような話も聞いております。それ以外に、何か干していたものがよごれたとか、いろいろな被害があるようでございます。そういったものが、今回の、先ほど御説明のございました保険の対象の被害として見られるかどうかというような点につきましては、なお研究しなければならぬ面がございますので、先ほど申し上げておりますように、関係省庁の協議会におきましてそういったことを検討した上、結論を出したい。結論に従って請求をいたすわけでございますけれども、これは直接の被害を受けられた方々がおやりになるわけでございますけれども、この点につきましては、これまた先ほど申し上げましたように、私ども十分これをバックアップしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 結論が出るのはいつですか。
○原田説明員 被害の調査を担当の部署でやることがまず先決であろうかと思います。しかしながら、先ほど申し上げました、どこまでカバーできるかという理論的な面については、できるだけ早急にわれわれ検討会で結論を出したいと考えております。
○松沢(俊)委員 それから次に、第二次公害の問題なんでありますが、中和剤を使って、そして油を中和させる、こういう措置をとられたわけなんです。いろいろと海上保安庁あるいはまた通産省等にお伺いをいたしましたけれども、この点はっきりしないので、もう一度この場で御質問申し上げたいと思うのですが、一体、その中和剤というようなものの毒性の検査等をおやりになって、そして海上保安庁のほうでまかれたのか、あるいはまた、その中和剤というのをまくにあたって、漁業振興あるいはその他海産物の保護という、そういう立場で水産庁のほうでは、海上保安庁のほうでまかれるそのものに対して一応毒性検査をやって、注文をつけられたという経過があるのかないのか、その点明らかにしてもらいたいと思います。
○太田(康)政府委員 いわゆる中和剤の問題でございますが、中和剤が魚に対してどういう影響を与えるかということにつきましては、私のほうの東海区水産研究所で行なった試験の結果がございます。一般的に、中和剤を散布いたしますと、海水の表面に浮上いたしております油分を一時的に乳化、分散するという効果はあるわけでございますけれども、やはり中和剤によりますところの魚介藻類への毒性及び着臭というような問題があることは十分承知をいたしております。したがいまして、今回のような場合、これは後ほど海上保安庁のほうからお答えがあるかと思いますが、中和剤を使うことのメリットとデメリットの問題があるわけでございまして、私どもといたしましては、緊急やむを得ざる処置として中和剤を使うということは、今回のような場合にやむを得なかったと思います。しかし、一応一段落をした段階におきましては、これは漁民の方々からも強い要望があったことも事実でございまして、私のほうは海上保安庁に対しまして、もう中和剤等を使わないようにしてもらいたいという申し入れをいたしております。現に海上保安庁のほうでも、特定のところを除いては使ってないというふうに聞いております。 それから、中和剤の中で拡散型のものと沈降型のものがあるわけですけれども、今回の場合には拡散型のものがほとんど用いられたようでございますので、これは私どもの現在実施いたしております漁場環境への影響調査の結果を見ないとわかりませんけれども、そういった意味では漁場への影響は、沈降型のものはあまり使っておられないようでございますので、まあ影響は少なかろうというふうに、これはまだあくまで推定でございますが、考えております。
○須賀政府委員 お答えいたします。 流出油が流れた場合の除却方法といたしましては、平穏な海上の場合は、オイルフェンスをもちまして油をできるだけ囲いましてこれをできるだけ吸い取る、残りの油やフェンスの外に流れました油に対しましては処理剤あるいはむしろ、吸着剤といったようなものを使用して除却するということでございますし、荒天のためにオイルフェンスが使えないといったような場合には、処理剤によって除却するよりしようがないということで、一般的な方法として関係者の間で浸透しておるわけでございます。 この件は四十年の五月に室蘭港におきましてハイムバルト号が火災事故を起こしまして、二十八日間燃え続けたということもございますし、その後英仏海峡におきますトリー・キャニヨン号事件もあったわけでございますので、こういうことにかんがみまして、われわれのほうでいろいろ研究した結果、こういう措置ということになっておるわけでございます。不幸にして今回新潟港におきましては特に強風のために船も事故を起こしたということでございまして、オイルフェンスそのものにつきましてなかなか思うにまかせなかったということで、油処理剤を使用したわけでございますが、これも新潟という人口四十万の大都市の目と鼻の先でございまして、人家の密集したところから百数十メートル、テトラポットから約三十メートルというところに多量の油が流出したということで、先ほど申しましたような火災事故といったものが非常に懸念されたという緊急の事態であったわけでございますので、新潟にあるだけのフェンスあるいは処理剤といったものでは足りないということで、急遽全国から集めて、そのうちの約三万かん足らずをこれに充てたという緊急やむを得ない事態であったわけでございまして、その後濃厚な油の流出がとまりました八日以降におきましては、これは処理剤を使用していないわけでございます。 そういうわけでございまして、今回相当の処理剤を使用したわけでございますが、そういった緊急非常やむを得ないといった場合であるわけでございますので御了承願いたい、こういうふうに考えるわけでございます。
○松沢(俊)委員 私はその場合、その中和剤、薬剤をまくにあたってはやはり毒性といったものをちゃんと調べてまかなければならなかったのではないか。海上保安庁にどういう薬剤をまいたのかということで問い合わせをしますと、商品名は出すわけですね。商品名は出すけれども、組成及び構造式というものは全然出さないわけなんです。通産省のほうでいろいろ聞きましたけれども、大体油処理剤に用いるところの組成というもの、構造式というものは大体こんなものじゃないかということで、そこで聞いたわけなんでありますけれども、それによりますと、何ですかオキシエチレンとかいうそういうものが、これは非常に毒性が強いんだ、こういうことを私は聞いたわけなんです。ほとんどそういうものが入っているところの薬剤ではないか、こう言われるわけなんです。現にいま潜水夫が海にもぐって魚族の状態というものを調べてみますと、ほとんど魚族はいないというような状態に実はなっているわけなんであります。そうなれば、これは漁場というものがなくななって、プランクトンはほとんど死滅している。こういう状態というものを再建するにはなかなかたいへんなことなんじゃないか、こう思います。そういう点におきましては、海上保安庁のほうでは、電話で聞けば、これは企業の秘密であるということを言っておられるわけなんです。一体これだけの大騒ぎがあるにもかかわらず、何か薬品の商品名というものは発表するけれども、組成や構造式は企業の秘密だから発表するわけにいかないというそういう態度はきびしく糾弾さるべきじゃないか、私はこういうぐあいに思うわけなんです。 でありますから、そういう商品名だけでなしに、その組成や構造式というものを明らかにして、そうしてその結果、これがなくなってしまうまでにはどのくらい時間がかかるのか、そういう点を明確にお答えを願いたいと思うのです。なお、組成や構造式等につきましては、これはあとからひとつ出してもらいたいと思いますが、しかし、いずれにいたしましても、いま私が指摘いたしましたところの毒性があることだけは、これは間違いないわけなんであります。その毒性というのはいつごろまでに消えるのか、その点をはっきりしてもらいたい、こう思うのです。
○須賀政府委員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたように、油が流出した場合の措置として処理剤を使うということは一般的に用いられている方法でございまして、これはトリー・キャニヨン号事件以来の問題でございますが、その後あの事故の経験にかんがみまして、いろいろ処理剤につきましても研究が進められて漸次良質なものに変わりつつあるということは言えるのではないかというふうに考えるわけでございまして、処理剤といたしまして界面活性剤と溶剤と二色からなっておるようでございますが、界面活性剤につきましては、イオン系よりは非イオン系のもの、それからイオン系の中ではエーテル系よりもエステル系のほうがいいということになっておりまして、こういうものを採用するようにしております。また溶剤としても、炭化水素ならば芳香族のなるべく少ないものであったほうがいいということで、そちらのほうのものを使うように指導しておるわけでございまして、われわれが用いました十三種類のこの処理剤につきましても、いろいろわれわれのほうでも検査しておりますし、また東京大学その他の研究所においても委託して現在研究を進めておる段階でございまして、こういうことがわかり、また先ほどお話がありましたような内閣官房が中心になって行ないますいろいろな研究その他によってもこれが解明されるものというふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 水産庁に聞きますけれども、いま海上保安庁のほうからいろいろ説明がありましたのですけれども、これによって潜水夫が海の中へ入ってみても、要するに全然魚がいない、こういう状態にいまなっているわけなんでありまして、これはプランクトンが死滅してしまったというふうに考えて差しつかえないと思います。こういう状態というものはいつごろまで続くというふうに考えておられるのか。また漁場の再建というものをやるにはどういう方法でおやりになろうとしておるのか。その点をはっきりしてもらいたいと思います。
○太田(康)政府委員 先ほども申し上げましたように、現在水産庁の日本海区水産研究所、山形、新潟の水産試験場が漁場の汚染状況の調査中でございます。先生はいま魚が全くいなくなっちゃって、プランクトンもいない、こういうお話でございますが、そういったことを実は調査しております。きのうも私、研究所の方にいろいろお話を伺ったのですが、今回の場合に、石油等の中和剤につきましても、先ほど申し上げたような拡散型のものが用いられたようでございますので、これはあくまでまだ推定でございますが、それほど漁場というか、その底質をいためているようなことはないんではないか。これはあくまでも推測でございます。しかし、集中的に油が流れ、中和剤を使ったというようなところでは、そういうことをにわかに断定するということができませんので、調査の結果を待っておるわけでございますけれども、その調査の結果を見ながら私どもといたしましては、御承知のとおり、すでにかなり水産土木の技術も進んでおりまして、現在、現に浅海の漁場開発等の事業もやっております。したがいまして、底質の回復、漁場の回復のために客土とか耕うんとかしゅんせつ、こういった事業を必要とあらばやるということで考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 何でもいま研究中だとか、そういうことを言われますけれども、実際は、たとえば新潟はずっとサケ、マス、アユというのが内水面にも来るわけなんでありまして、それが現在では全然上がっておらぬわけなんであります。この前ちょっと来ましたのは、全部油のにおいで食えないということでそれは投げてしまう、こういう状態が実は続いているわけなんであります。 そこで、申し上げますけれども、研究中もいいですけれども、問題は、いまあの場所でとれたものを食用に供するとか、そういうようなことは可能なのかどうか。これからかりにとれるとした場合に、毒性調査というものが行なわれない限りにおいては非常に危険な面があるんじゃないか。聞くところによりますと、こういう薬品を使うことによって肝臓だとか、そういうものがやられるということがいわれているわけなんでありますが、そういう要するに緊急な事態なんでありまして、いまかりに魚がとれたとしても、その魚を食べることは人体に影響があるということがあれば、その魚は食べないほうがいいじゃないかというような、そういう指示というものを出していかなければならぬ、こういうぐあいに私は思いますのですが、そういうようなことはただいま研究中だなんということを言われてもどうしようもない話なんじゃないかと思いますが、どうでしょうか、それは。
○太田(康)政府委員 現在、被害を受けた漁場で操業されておる漁民の方々は、自主的に四、五マイルのところの操業は一切中止されておるようでございまして、それ以外のところで操業されておるというふうに聞いております。中和剤のまかれたところでとれた魚がどういうふうになるかというような問題は、実験のデータとしてはいろいろあるわけでございまして、中和剤の種類によりましてそれぞれ違う反応を示しておるわけでございますけれども、そういった意味で、現在危険と思われる水域での漁獲というのはまずなかろうというふうに考えておるわけでございますが、この前私どもの次長が参りましたときに、大きな被害のあったところから相当離れたところでございますが、底びきをひいて魚をとったそうでございますけれども、その場合には全く何らの影響がなかったというようなことも聞いておるわけでございまして、先生は、調査中、調査中で逃げるではないかというふうなお話でございますが、何ぶん海のことでもございますし、初めてのケースでもございますので、この際これをひとつ他山の石として、私どもといたしましても徹底的な調査をやりまして、今後の対策に備えたい、かように考えておりますので、時間が多少かかることはお許しをいただきたいと思う次第でございます。
○松沢(俊)委員 この場合、さっきは油の流出の公害なんでありますが、この中和剤をまいたというのは、地元ではいわゆる第二次公害ということを言っておるわけなんであります。この第二次公害というようなものは、水産庁のほうでもあとからいろいろ、そういうものをまかないでくれといって海上保安庁のほうに申し入れがあった。海上保安庁のほうでは、突発的な事故なんでどんどんまいた。そういうようなことでそういう公害というものが生まれたわけなんです。この責任というものは一体だれがとるんですか。
○須賀政府委員 お答えいたします。 先ほどお話がありました内閣におきますいろいろな協議会におきましてこれから審議することになると思いますが、第一義的にはやはり船主がとるべきものではないかというふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 これはひとつお聞きしたいと思いますけれども、要するに、こういう薬剤を製造販売するという場合、それは許可制になっているのかどうか、その点通産省のほうからお答え願いたいと思います。
○小幡説明員 油処理剤の製造につきましては、許可制あるいは認可制という制度は現在ございません。
○松沢(俊)委員 厚生省もおいでになっていると思いますけれども、いわゆる日本の法律からいたしますと、いま通産省のほうからもお話がございましたように、そういう薬剤の製造やあるいはまた販売というものは放任状態だ、こういう状態でありますが、しかし、厚生省のほうでは毒物、劇物あるいは農薬等の取り締まりというものはありますけれども、その他の問題につきまして、こういう要するに放任状態の中で、いわゆる人体に影響があるという場合どうされるつもりなのか、その点お伺いしたいと思うのです。
○熊谷委員長代理 厚生省は来ていません。
○松沢(俊)委員 それでは海上保安庁に聞きますけれども、これはいまお話がありましたように、全然、要するに放任状態ですね、製造販売のほうは。もうかってに企業につくらせている。そういうものを皆さんがお使いになっているわけなんです。これは水産庁の長官にも聞きますけれども、そういうぐあいにずっと考えていきますと、そういう規制というものがきちっとできていて、それ以内のものをまいたということであれば、これはあるいは政府に責任がないとは思いますけれども、そういう規制も何にもない。そういう状態の中でこういうものをまいて、そうして要するに漁獲高を減らしたということになれば、これは責任というものは——油の問題については船会社とかあるいは船主とかいろいろなものに責任の追及というものがあると思いますけれども、こういう第二次公害の場合においては、やはり政府が責任をとってもらわなければどうしようもないじゃないですか、どうですか。
○須賀政府委員 お答えいたします。 処理剤につきましては、われわれのほうといたしましては、緊急やむを得ない場合にこれを処理のために用いるということでございまして、これは先ほどから申し上げておりますように、トリー・キャニヨン事件以来そういうことに世界的になっているわけでございまして、その処理剤の性質その他につきましても、それ以来非常な進歩を重ねてきておるというふうに聞いております。なお、瀬戸内海その他におきましてこれも用いておりますが、漁民の方からのお話も伺いまして、沈降型よりも拡散型のものを使う、そういう方向で、われわれの使っているものは拡散型のものしか使っていないわけでございます。 なお、処理剤のいわゆる二次公害と申しますか、そういったものにつきましても、溶剤としての効率といったものと両方考え合わせまして、生物に対する影響ということも加味しましていろいろ研究をいたしまして、その中からわれわれはできるだけいいものを使うというふうに考慮しておるわけでございまして、なお、この処理剤につきまして、水産庁においても現在、今回の新潟でまきましたものにつきましても研究しておられるというふうに聞いておるわけでございます。
○太田(康)政府委員 処理剤の使用の問題で損害が発生した場合に、一体その損害の発生について過失があったかどうかということが、この問題を判定する場合におそらくポイントになるだろうと思います。先生のおっしゃるように、国が使用をした結果損害を与えたじゃないかという場合に、はたして国が処理剤を使ったことについての過失があったかどうか、こういう問題になるわけでございます。したがいまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、緊急の程度すなわち火災発生の危険の程度、いわゆる民法にいう緊急避難、正当防衛と同程度の緊急性があるかどうかという判断に立つわけでありまして、私どもといたしましては、今回海上保安庁がおとりになった処理剤の措置というのはまさにこれに該当する、したがって、国には過失がないというふうに考えるわけでございます。 いずれにいたしましても、中和剤を使用いたしました原因は油の流出にあるわけでございますので、先ほど海上保安庁の次長からお答えがあったわけでございますけれども、一応責任は船主にあるということでわれわれはまいりたい、かように考えております。なお、こういった点につきましても、先ほど来何べんも同じような答弁を繰り返して恐縮でございますが、関係各省の研究会におきましてここらあたりもはっきりと確定をいたしたいと思いますが、私どもといたしまして、現段階におきましてはさように考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 水産庁長官、政府のほうで薬剤の製造、販売というものを全然規制をしていないわけでしょう。どういう毒性を持っているのか、そういうことも実験もしておらない。そうして、さあ油が流れ出したからあるものは全部まけということで、何でもかんでもかり集めてきてどんどんとまいたわけでしょう。その結果出たところの被害というものは、要するに政府に責任があるんじゃないですか。これはやむを得ざるものということであるならば、ちゃんと規制があって製造、販売の規制というものをちゃんとつくっておいて、そうしてその範囲内のものなんであって、範囲以上のものではないんだ。しかし、これはもうどうしようもないから、それよりもっと強いものをまかなければならない、こういう場合においては非常に認定がむずかしいと思いますけれども、要するにそういう基準というものが全然ないわけなんですね。放任状態なんですね。放任状態の中で、どういう毒性があるかわけもわからぬものをとにかくまけばいいじゃないかといってまいたという、それを過失はなかったというふうにして簡単に割り切るというわけには私はまいらぬと思いますが、そういう点はどうお考えになるのですか。
○太田(康)政府委員 先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、緊急避難として国が使用をいたしたという場合には国に過失があるとは考えられませんので、私どもとしては、船主に責任を追及するということでよろしかろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○松沢(俊)委員 大体油の被害、要するに油が流れた結果によるところの被害、その総額というものは現在調査されている中でどのくらいな額にのぼっているか。それからもう一つは、中和剤の汚染によるところの毒性の結果、被害を受けたところの額というのは大体どのくらいになっているか。あるいはまたその油が流出したことによって関係町村がどのくらいの出費をしたか。そういう点の調査がもうすでになされていると思いますが、その点お答え願いたいと思います。
○太田(康)政府委員 これらの点につきましては目下調査中でございますので、まだ申し上げる段階にございません。
○松沢(俊)委員 調査中、調査中と言われますけれども、調査はそれではいつ終わるのですか。
○太田(康)政府委員 今月の十四日から調査を始めておるわけでございますけれども、先生も御理解いただけると思いますが、そう簡単なわけにはまいりません。したがいまして、できる限り早くということで督励をいたしておりますが、私どもといたしまして現段階で申し上げられることはそれだけのことでございまして、いま幾らあったかというようなことはちょっと申し上げかねるわけでございます。
○松沢(俊)委員 それじゃ、こういうことは言えますか。あくまでもやはり船主に責任の要求をやっていくんだ、こういう態度なんでありますが、政府のほうといたしましては、その船主の責任が明らかになるまでの間というのは、漁民がどういう状態になっておってもこれをやむを得ないというふうにお考えになっていますか。
○太田(康)政府委員 漁民に対する救済につきましては、これは私のほうが受け持つわけでございますけれども、さようなことは考えていないわけでございまして、御承知のとおり、当面の越年資金の必要性が、地元からも強い要望がございましたし、すでに私どもといたしましては、一応六億九千万を限度として、今回の事故が外国船によるものであって異常な事態であるということでございますので、融資を申し上げる。その場合に県が利子補給をなされまして、末端の金利が三分になるようにということで、国がその半分を助成するということを先般決定をいたしまして、閣議でも報告をしたような次第でございます。これによりまして、当面の措置といたしましては、十分ではございませんけれども、一応の緊急の措置は講ぜられたと思っております。 しかし、私どもといたしまして、漁民の方が現在どういう操業をされておるかというような実態も、もうちょっと調べなければならぬわけでございますけれども、御指摘のとおり、おそらく損害を請求いたしましても、そう簡単に片づくものとは思われません。したがいまして、その間どうするかという問題があるわけでございますけれども、これも実は漁場の復旧の状況等ともからむわけでございまして、学問的に申し上げますと、石油等の場合に、通常の場合であれば二十日間くらいで消えてしまうということもいわれておりますし、中和剤による被害もどの程度になるかということもあるわけでございます。漁場の回復いかんによりまして操業ができるというようなことも考えられますし、そういった事態の推移を見守らなければならぬわけでございます。漁場復旧等が急がれるような場合には、われわれといたしましては漁場復旧に着手をするということもやらなければならないのではないか。もちろんその場合の漁場復旧費につきましても、これまた当然損害賠償の範囲に入るだろうと思っておりますので、これらの取り扱いにつきましては、相手方もあることでございますから、これらにかわって県がやって、あとからその金を徴収するというような形になろうかと思いますが、そういった点につきましてはいまなお検討いたしておる段階でございまして、いましばらく事態の推移を見まして、逐次適切な措置を打ってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○松沢(俊)委員 調査中であって結論がまだ出ていないというのが結論だと思います。これ以上追及してもしようがないと思いますけれども、ただ問題は、やはりこれは船主の問題であって、それでわれわれのほうとしては、船主に被害をこうむったところの人たちが要求していけばいいんだ、われわれのほうではそれに協力してやる、こういう態度でなしに、やはり積極的に——その問題は私は非常に長引くと思うのですよ。それから要するに船長そのものに過失があったかなかったか、こういう問題もこれからやはり問題になってくると思うのです。これは一部の面におきましては船長の責任であった、一部の面においてはやはりこういう状態の場合においては避けがたいところの問題であったという場合もあり得ると思うのです。 そういうことになった場合におきまして、損害を受けたところの沿岸の人たちやあるいは漁民の人たちあるいはまた市町村とか協同組合等がいろいろな面において出費した。相当保険と実際の被害額の差というものが出てくるところの可能性というものがあると思います。この可能性があるとするならば、その差額というものはだれがどういうふうにして責任をとってくれるのか、これだけをはっきり言ってもらいたいのですよ。それをはっきりしてもらわなければ全く意味のない話なんであって、その点をはっきりしてもらいたいというのが地元の漁民の声でもあり、沿岸町村の声でもあるわけなんです。その場合はやはり国が責任を負うとかいうような点をはっきりしてもらう。そして船主に責任があるとするならば、船主が結果的に金を出すまでの間のつなぎというものはだれがとってやるかというようなことも明らかにしていただきたい、こう思うわけなんです。
○太田(康)政府委員 御心配の向きはよくわかるわけでございますけれども、先ほど来御説明ございましたように、現在入っている保険がかなり多額な保険にかかっておるようでございますので、もちろん被害額との見合いになるわけでございますけれども、私どもが承知いたしておりますあそこの地域の年間の水揚げ高、これはあくまで推定でございますけれども、約四十七億でございますか、あの地域で、沿岸部分でございますが、これで漁獲されておる金額は約二十二億というふうに聞いております。したがいまして、漁場復旧のいかんによりまして、たとえば何年間全然操業できないということになるのかならないのか、それらによりましても当然漁獲の補償の対象の金額も違ってまいりますけれども、まあ実際にそんなに長い期間操業ができないというようなこともなかろうと思います。そういったこととの関係もございますし、それから一方におきまして、漁場復旧等もたとえばすみやかにやればおそらく操業できるというようなことになりますと、その漁獲に対する補償というものは非常にわずかな期間に限られるわけでございますから、金額も少なくて済む、しかしそれに漁場復旧費がプラスされる、こういうことになろうかと思います。いずれにしても、現在想定されますところの、これはあくまでも想定でございますけれども、まず保険の中で不足するというようなことはないのではないかというふうに考えます。 それから、私が申し上げるのはたいへん恐縮なんでございますが、自治省の方が言われればよろしいわけですけれども、自治省としては先般陳情団の方が来られたときに、私わきでお話を伺っておったわけでございますけれども、市町村等が具体的にこの事件にからんで出費した経費等については、よく実情を聞いた上で必要とあれば所要の措置を講じたい。私、想像するところによると、特別交付税の対象にするというようなことをお考えではないかと思いますが、そういった措置も考えておるようでございます。
○松沢(俊)委員 これで終わりますけれども、これは水産庁長官に特に要望しておきたいと思いますけれども、法律的な論争というのは長引きますから、それまでの間のつなぎというものは政府でめんどうを見てやるということをこの際はっきりお答え願いたいと思います。
○太田(康)政府委員 実は今回の特別措置を講じた場合にも、大蔵省とずいぶんいろいろ議論したわけでございますけれども、たとえば実行があがるかどうかわかりませんけれども、関係者から一応たとえばつなぎの資金を、当然補償してもらうわけでございますから、一時出してもらうというようなことはできないかどうか、そういったことも私どもといたしましては研究の上、実際にその事務に当たられるのは運輸省かと思いますけれども、お願いをしてみるというようなことも考えたいと思います。 それから、今回私どもがとりました一応の経営安定等のための資金融通の問題につきましては、御承知のとおり、予算が単年度主義になっておりますので、一応三月までということになっております。これは当然御了承いただけることかと思いますが、もうちょっと事態の推移を見まして、なお補償等の問題は、おそらくその間に解決するというふうなことは考えられないと思いますけれども、いま申し上げましたように、前渡し金等の請求もしてみる必要もありましょうし、現に漁業協同組合の方はそういうことをおやりになったようでございますけれども、そういったことも考えてみたいと思います。なお、三月の段階になりまして、漁場の復旧も操業もできないというような状況でたいへんお困りであるというような場合には、またひとつ考えてまいりたい、こういうふうに考えております。
○松沢(俊)委員 終わります。
○熊谷委員長代理 合沢栄君。
○合沢委員 懸案でございました円の切り上げは去る十八日に、政府当局はもちろん国民みんながびっくりするというか、予想を裏切った高率でもって決定を見たわけでございまして、これは国民経済に非常に大きな打撃を与えるのはもちろんでございますが、特に国際化のおくれております農業には甚大な打撃があろうかと思うのでございます。 最近、四十五年度の農業収入は四〇%を割っている。そして農外収入は六〇%以上になってきたというようなことでございますが、さらに四十六年は米の生産調整とかあるいは減収といったようなことからして、さらにその傾向は強くなるのではなかろうか。したがって、農家の経済は四十六年はもっと悪くなるということも心配されますが、そういった中で四十七年の農家の所得というものは非常に心配になるわけでございます。この円の大幅引き上げに伴うところの農家の所得対策ということは非常に重要だと思うのですが、来年度の農家の所得対策というものをどのように考えておられるのか。特にこの際大事なことは、国際化のおくれているのが、この円の切り上げで一そう幅が出てくるということでございますので、急速なる農業の国際化が必要じゃないかと思うわけでございます。そのためには基盤整備事業といったようなことが来年度大幅に行なわれることが、農村の近代化、国際化を促進すると同時に、農家の所得の対策にもなるのではないかというようにも考えるわけなんでございますが、そういう点についての御見解を聞かしていただきたいと思うわけでございます。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 今般の円の平価調整の結果、農村の経済にどのような影響があるかという点につきましては、現在農林省において検討中でございます。ただいま先生から御指摘がございましたとおり、農家の兼業収入が非常にふえております。したがいまして、平価の調整の結果、日本の経済が景気が非常に悪くなるということになりますと、農家の兼業収入に影響が出てまいるわけでございます。したがいまして、われわれといたしましては、そういった場合の農家の雇用対策をどうするかということが問題になってくるわけでございまして、現在農業委員会を使いまして雇用の近代化と申しますか、雇用促進というようなことをやっております。それからまた出かせぎ労働者への影響も考えられますので、出かせぎ対策につきましても、現在大蔵省に労働省と一緒になりまして予算を要求している状況でございます。まだ正確な今後の日本経済の動きがどうなるかということにつきまして、必ずしも明確な見通しが立っておりませんので、いまの段階でこういった施策が特に必要になるというところまで申し上げるほど固まっておりません。
○合沢委員 なおお聞きしたいのですが、来年度の物価というのは、やはり不況の中の高物価といったようなことが予想されると思う。特に公共料金をはじめとしてメジロ押しに物価高が並んでおるわけでございまして、そういった中で米価の問題は一体どう考えておるのか。ずっとここ数年連続据え置きというようなことでございますが、赤城農林大臣は、就任早々、物価の上がる中で米価だけをいつまでも据え置くわけにはいかぬだろうというようなことも言っておるわけなんでございます。当然来年度の米価は、米審等にはかった上でこれは上げるというようなことにせざるを得ないだろうと思うのでございます。そういった中で、来年度の予算についてですが、まあ大型の予算を組もうという中で、米価、食管は一体どのように予算的な対策を考えておられるのか。年が明けて、米価を上げねばならぬというときになって、税収の伸びが悪いだとかあるいはまた予備費が不足するとかいったようなことでもって、十分な米価というものが上げられないというような事態も考えられるし、すべてが上げられる中において、ひとり米価だけは予算上はそのままになっているということは、どうも不都合なような感じがする。従来、政府が米価は消費者、生産者ともに捉え置くんだという方針のもとにそのまま進むのならいいんだが、来年は上げるという農林大臣のそういった意向もございますが、そういった中においては当然ある程度の予算的な措置を講じておくという必要があろうと思うのです。そういう点についての見解なり、またどのような折衝を大蔵としているのか、そういったことについて伺いたい。
○亀長政府委員 実際の米価は例年米審にはかってきめるという従来の食管法に基づくルールに今後も変わりはないと考えます。 新年度の予算編成上どのように扱うかということでございますが、これはまだ最終的にきまったわけではございませんけれども、現在の段階ではやはり従来どおり前年米価を基準に両米価とも予算を編成する、かようなことに相なろうかと存じます。
○合沢委員 何か米については生産調整、さらにまた米価の据え置き、あらゆる予算が大幅に上がる中で、米価だけは予算の面においてはそのままになっているといったようなことで、ほんとうに米については私はどうも冷たいという感じがしてならないわけなんです。特に昨年はというか、四十六年産米は非常な減収といったような中で、しかもこういった円の切り上げというような中で迎える新年度なんです。そういったいろいろな面からして、私は当然この予算的な配慮はすべきだというように考えるわけでございますので、そのように要望しておきます。 次に、生産調整についてですが、何でも農林省では二百十五万トンの生産調整を考えておられるといったようなことでございますが、そのようなことでよろしゅうございますか。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 米が供給過剰であるという構造は変わっておりませんので、明年も生産調整をやらなければならないと思っております。数量につきましては、二百十五万トンでやりたいと考えております。
○合沢委員 四十六年度の非常に大きな減収で、新年度への持ち越しは非常に減ってきておる。二百十五万トンとした場合には、四十七年の十月末の持ち越し量は約五十万トンを想定した上での二百十五万トンというように考えるのですが、そうですか。
○亀長政府委員 ことし現在の作況九三というふうな事情のもとでの政府買い入れ量、出回り量、さらに最近の消費の動向等を勘案しまして、需要量というものを計算をしてみますと、四十七米穀年度の終わり、すなわち来年の十一月ころには大体政府の手持ちは、古米はございますけれども、四十六年産米、すなわちことしの新米は二十五万トンくらいを持ち越すということになるだろうというように考えております。そこで四十七年産米に関する生産調整を二百十五万トンということは、大体二十五万トンくらい在庫をふやすということになろうかと思いますので、四十七年産米が平年作というふうに仮定をした場合に、四十八米穀年度の終わり、再来年の十一月の政府の持ち越しというのが大体五十万トンくらいになるであろう、そういうふうに考えておるわけであります。
○合沢委員 四十六年の米の不作は、これは北海道等をはじめとする冷害とかあるいは台風といったようなことが大きな原因と思うのですが、やはりそれ以外に生産者の生産意欲の喪失の問題とかあるいは農薬の関係だとかあるいは多収穫米から良質米への転換だとか、そういうことで反当たり収量は、冷害とかあるいはまた台風等がなくても、従来と違って減ってきている、なお今後減るのじゃないかという心配もあろうかと私は思うのです。特にその上少しそういった気象条件が悪いと、平年作というのはなかなか困難だというような事態が考えられるようになっていると思う。そういった中で四十六年産の米が不足し、どちらかというと、古米はともかくとしまして、米の需給の基調というものは不足の方向に変化してきておるのじゃないかと思う。そういうときに持ち越し量五十万トンというのがはたして適正な数量なのかどうなのか、少なくとも百万トンくらいはげたを持って越すというのが望ましいのじゃないかというように考えますが、どうなんですか。
○亀長政府委員 ことしは、いま先生からお話もございましたように、気象その他の事情もございまして九三、これは異例の作況であるというように考えられますし、基本的に米が過剰であるという状態は変わりはないと私ども思っております。したがいまして、生産調整の基本というものはくずすべきでない。ただ、本年の不作に対応して、やはり持ち越し米も、これは古米、古々米がございますけれども、前年産米である程度の量は持ち越すということが翌年度の配給上も必要である、かような観点から、この米穀年度末は二十五万トンになるが、その次は平年作でも五十万トンくらいになっておるようにということを考えておるのでございます。もちろんこれは多々ますます弁ずといえばそれまでの話でございますけれども、やはり過剰になってはこれまた困るわけでございますし、生産調整の基本原則というものはあくまでくずさない範囲での多少の調整をするという程度にとどめるのが合理的であろうと思います。また四十七年の作況ということにつきましても、一応これは平年作ということで考えていろいろ計算をするわけでございまして、実際にはまた豊作もある、不作もある、いずれの場合にも最小限は対処し得るという限度まで生産調整を修正をする、その程度の修正にとどめておくのが、いまの、原則的には米が生産過剰である、生産調整をやらなければならない、こういう事情のもとでは妥当な措置でなかろうかというように考えて、一応五十万トンまでの回復ということだけを考えておるわけでございます。
○合沢委員 私はやはりげたは百万トンくらいが妥当じゃないか、特に米が依然として国民の重要な主食であるということは間違いないんだから、それらが五十万トンというような考えのもとに生産調整を行なうということはきわめて危険じゃなかろうかというように考え、指摘したわけでございますので、今後検討願いたいと思うわけでございます。 なお、次にグレープフルーツの問題についてお聞きしたいのでございますが、グレープフルーツの自由化は、ことしの六月三十日、突然実施されました。その後、七月一日からアメリカの港湾ストというようなことがございまして、七、八、九、十、その間は昨年と比べてそう大きな量ではない。しかし、前年度月平均二、三百トンだったものが、八百トン前後入っているようでございます。十一月になりまして港湾ストが解除されるや、が然多量の輸入が行なわれている。前年度一年間で入ったのが二千二百六十五トンというようになっていますが、十一月だけで三千七百七十三トン、まさに一・七倍という量が一挙に入ってきているということでございます。その結果、一時、港湾スト等の関係で、空輸等の関係もあって一箱八千円ですか、七千五百円というような高値もございましたが、安いときには二千円から千円という価格にまで落ちてきているということでございまして、商店においても、小売りが一個三十円とか五十円とかいうふうなものが出てまいったわけでございます。 この状態を見ておりまして感じるのでございますが、まさに日本の商社は、農産物が自由化されると、なりふりかまわずに輸入するというような実態が起こっている。おそらく十二月も同じように三千トン以上のものが入るのじゃないかと思う。したがって、十一月、十二月だけでも昨年一年間の三倍に相当するものが入るということでございます。しかも、この十二月以降、一月にかけて今後入ってくるものは、色づきのよい、味のよいものが入ってくるということでございますし、それらが全く無秩序に大量に入ってくると、国内でダンピングされるというような結果になるわけでございます。ことしの年末においても、温州ミカンは昨年から比べると一箱二、三百円安いということで、ミカンの生産農家は困っているようでございます。さらに、こういったものがこの年末から年明けにかけまして多量に入ってくる、無秩序に入るというふうなことになりますと、年明けの温州ミカンはもちろんですが、さらに心配されておったナツミカン、アマナツ、ハッサクというようなかんきつ類に非常に大きな打撃を与えるだろうというように考えるわけでございます。 先般も、生糸の問題について、このままではいかぬということで、規制の措置が法律的に行なわれるというようになったわけですが、私は、くだものの場合も、従来の例を見ましても、レモンが全く同じような経過をたどってきておる、また、バナナも同じような経過だということでございますので、やはりこの際、グレープフルーツについては、このまま野放しにすべきではないというように考えるわけです。このまま野放しにするつもりかどうか。十一月の例あるいは十二月の例、さらに過去のレモンなりあるいはまたバナナなり、そういった経過から見まして、これは適正な規制をすべきだというように考えるわけです。 特に、調べてみますと、十一月の神田市場で売られた価格と、アメリカ現地の価格による適正な価格から換算すると、業者は一箱八百円くらい損をして売っている。一カ月だけでも二億近い損をして売っている。ダンピングが行なわれているという数字が出ていると思う。そういう面からいって、国内の商社の無秩序な輸入、大量輸入によって、今後ダンピング的なことが行なわれるとするならば、これは日本の農家がどのように国際化に努力しても追いつかないのじゃないか。最近の円の切り上げということからいって一そう問題が大きいと思う。この辺に対処するために、グレープフルーツの自由化、これについての歯どめをどう考えるか、お聞きしたいわけでございます。
○荒勝政府委員 グレープフルーツが自由化されまして以来、いろいろな事情で、自由化直後もそれほど大量の輸入が見込まれなかったのでありますが、アメリカの港湾ストの解除とともに、十一月に大量に、一カ月だけで約三千七百トンという予想外の数量が入りましたことは、ただいま御指摘のとおりでございます。十二月もひょっとすると、アメリカでまた西海岸のストがあるかもわからないということが非常に懸念されておりまして、そういう事情から、かけ込み輸入といいますか、十二月も大量にあるいは輸入されることになるんではなかろうか、こういうふうに考えている次第でございます。 十一月の三千七百トンの大量輸入の結果、コストを割っておるし、あるいは小売りも売られまして、輸入された方も、また小売りで出された方も、実質的にはたいへんな損害を受けられましたが、今後こういう無秩序な輸入がいつまでも続くものではないというふうに私たちも考えておる次第でございます。また、それの反面もありまして、十一月には非常に暴落しましたグレープフルーツ自身が、十二月に入りますとともに逐次市況が多少回復してまいりまして、一時、三十円から四十円といわれておりました——一番安いものでありますが、そういったグレープフルーツも、最近は六、七十円まで市価が回復しているんではなかろうか、こういうふうに思っております。 また、今後どう続くかということにつきましては、まあ実質的には、いままでの段階では、このグレープフルーツが日本の消費層にはそれほど浸透しなかったというふうな関係もございますが、こういう事態もわれわれはあらかじめ見込んでおりまして、いわゆる季節関税制度というものを設けまして、十一月一ぱいまでに入るものについては二〇%の関税率、十二月から五月までのいわゆる日本の雑カン類が出回ってまいります季節の間は四〇%の高率の関税をもちまして、外国のオレンジあるいはグレープフルーツの輸入の大量化に対処いたしまして、何らかの形で国内産のかんきつ類の保護というものがとれるような道をとっている次第でございます。したがいまして、われわれといたしまして、いま直ちに輸入制限というふうな形で外国産のグレープフルーツに対しまして何らかの措置をとるということは、現実の問題としてなかなかむずかしいんではなかろうか、こういうふうに考えております。
○合沢委員 いままでの経過からして、きょうも規制措置が加えられた生糸の場合も、業者が輸入の実績をつくろうということで、これはほんとうに無秩序に、なりふりかまわずに輸入した結果がこういった問題に発展してきている。レモンもバナナも全く同じ経過を長いことたどってやってきておるわけなんです。無秩序に輸入している。その結果はダンピングという形であらわれている。それらが国内市場を荒らしている。消費者には決して私はよくはないと思う。やはり輸入されるものは、需要に見合って、そしてある程度の秩序ある輸入が行なわれて、価格が安定するということが、私は消費者にも必要と思うのです。それらがダンピングになるということによって国内市場を混乱させ、さらにまた農家に迷惑をかけるというような結果になる。おそらく私は、グレープフルーツも同じように、やはり商社は今後も、たとえ関税があろうとも実績をつくるというようなことで、無秩序な輸入が行なわれることは間違いないだろうと思う。この際、規制はしないならば、せめて窓口を何とか農業団体等と協議してやるとか、あるいはまた農林省が秩序あるところの輸入を指導するというようなことはできないのか、全く野放しでやるのかどうか、その点についてお聞きしたいと思う。
○荒勝政府委員 輸入窓口の規制の問題につきましては、たびたび関係団体あるいは関係筋からも希望が表明されておりますし、また一部の輸入商の方々の間でもかんきつ輸入組合の設立の申請等も出ておるわけでございますが、現在いろいろな形で検討はいたした経緯もございますが、実際問題として、このグレープフルーツにつきましてそういう輸入窓口を一本化するということについては、われわれの間で検討した現段階では、やはり非常に困難ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○合沢委員 円の切り上げもあって、それでなくても安くなってくるわけでございますし、確かに季節関税がかかってくるが、やはりこれは無秩序な大量輸入という問題が起こることは間違いないと思う。今後農林省はひとつ十分輸入業者を指導して、そして秩序あるところの輸入をさせるというような方向に努力願いたいと思うわけでございます。 なお、先般、十二月十六、十七日ですか、東京の溜池の東急ビルでUS・トレード・センター、ここでフロリダ州と米国の農務省共催のグレープフルーツの宣伝展示試食会が行なわれたようでございます。これには民放等の放送料等を入れて産地と政府が十万ドルも使って宣伝したというように聞いておるわけですが、その席でアメリカのハロウェル農務官が次のようなことをいっている。一つは、フロリダは最大のグレープフルーツの生産地で日本の消費市場の拡大を期待している。ことしの年末の太平洋岸のスト再突入予想に備えて、目下山下、Kライン、NYKにも話をしているので中断されないであろう。日本ではオレンジ自由化を重く見過ぎている。グレープフルーツの自由化後の国内ミカンに何らの影響を与えない。なお、アメリカにおける日本のミカンかん詰め輸入総額千二百万ドル、これは三百六十円に換算すると四十三億円ばかりでございますが、それを下回っているというようなことを言っているようでございます。このことは私は非常にいろんな重要な意味を持っているというように考えるわけです。特に最後の日本ミカンかん詰めの四十三億を下回っているというようなことですが、認識不足もはなはだしい。四十五年度には日本はオレンジ五億、レモンが八十七億、グレープフルーツ三億、合計九十五億もアメリカから輸入しておるわけなんです。それを日本のミカンかん詰めの千二百万ドルを下回っているというようなことを言っておるわけなんです。認識不足もはなはだしいと思う。私はこの点は厳重に訂正を申し入れるべきであるというように考えるわけです。特に日本のかん詰めミカンは円の切り上げによって今後輸出は非常に困難だということも考えられるわけなんです。そういった面で一そう日本のミカンと日本のかん詰め等の輸出は減る。さらにグレープフルーツ等の急増によって今後アメリカのかんきつ類の輸入がふえてくるということは間違いないと思う。こういった間違った認識については訂正方を申し入れるようにお願いしたいと思うわけでございます。これについての見解をお聞かせ願いたい。
○荒勝政府委員 その大使館の主催で行なわれましたグレープフルーツの会合につきましては、私、出席いたしておりませんので、ただいま御指摘があって初めてそういう発言があったことについて知ったわけでございますが、もし万一農務官のほうで、そういう数字の上で違った理解をされておるようでございましたら、私のほうからあらためて数字等を正確に提示いたしまして誤解を解くようにいたしたいと思っております。
○合沢委員 オレンジ、牛肉、果汁等につきましては、赤城農林大臣も絶対に自由化しないということを言明しておりますし、一昨日の委員会でもそういった答弁がございましたが、やはり新聞紙上等で報じられております限りにおいては、依然として不安が残っているということでございます。グレープフルーツの際も、長谷川農林大臣がじかに農家に言ったこと、さらにまた倉石農林大臣も長谷川前農林大臣の言明をそのまま受けてやるのだということを委員会でも言いながら、六月三十日突如としてグレープフルーツの自由化を実施されたわけでございます。それでやはり農家は非常に心配している、われわれもやはり依然として不安を持っているわけでございます。赤城農林大臣は、農政で一番大事なことは農民の信頼を得ることだということを申されたと思う。私も全くそのとおりであると思いますが、今日ほど農政に対する農民の信頼の落ちたときはない。農政に対する農民の信頼をつなぐためには、農林大臣が言明したように、絶対に自由化しないということを貫かなければならないだろうと思う。そうして農民の信頼をつなぐということが最も大事だと思う。そのためには一月七日にニクソン・佐藤会談が行なわれるのに先立って、佐藤総理みずからがオレンジ、果汁、牛肉については自由化しないということを言明していただきたい。これは赤城農林大臣にその意を通じて——赤城農林大臣も近く退院されるということでございますので、赤城農林大臣を通じて佐藤総理がニクソンと会談する前にそのことを言明していただきたい。そのことがまたニクソンが選挙等にからんでオレンジや果汁やあるいは牛肉等を佐藤総理に自由化を迫るのを拒否するところの大きなてこにもなるのではないかと私は思う。そういった意味からいっても、ぜひ佐藤総理みずからが、これだけの品目については自由化しないということを出発前に言明するよう、赤城農林大臣を通じて、そういった申し入れを受けて、佐藤総理がするように要請しておきたいと思います。 次に、グレープフルーツの自由化という問題は、これは当時日本の温州ミカンのアメリカに対する輸出の解禁州が拡大するということの引きかえだったと思う。グレープフルーツの自由化と引きかえに温州、ミカンの対米輸出解禁州をふやすという、こういう条件であったと思いますが、最近の情勢はどうもおかしい。日本の温州ミカンの対米輸出の増大とあわせてオレンジや果汁等の輸入ワクを拡大するといったようなことを、十七日に山中農林大臣臨時代理が記者会見で言っておるのを見たわけなんですが、これはおかしいと思う。あくまでも温州ミカンのアメリカへの輸出解禁の州の拡大ということはグレープフルーツの自由化との引きかえであって、それが今度はオレンジなり果汁の拡大の方向にすりかえられるということは筋が違っておると思う。この点について、非常に間違っておると私は思いますので、ただしたいと思います。
○荒勝政府委員 温州ミカンの輸出解禁州拡大の問題につきましては、赤城農林大臣が九月に訪米されました際にも、これは先ほど御指摘がありましたように、日本がグレープフルーツを自由化した経緯もこれあり、今度は解禁州の拡大についてアメリカ側が努力すべきであるということで赤城農林大臣が主張された次第でございます。その後その線に沿いまして、日本政府といたしましても、なお解禁州拡大の件については相当努力いたしまして、アメリカ側におきましても実質的に相当作業としては進捗しているような感触を得ておるわけでございますが、今後われわれといたしましても、なおそういう線に沿いまして努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○合沢委員 いまの日本の温州ミカンの対米輸出解禁州の拡大というのは、あくまでもグレープフルーツの自由化と引きかえであるということを前提に置いて、ぜひひとつ拡大の問題を考えていただきたい。 次は果汁ですが、果汁は日本とアメリカは問題にならぬ。アメリカの果汁の生産量は日本の九十倍だというようにもいわれているし、またその原価等においても、おそらく日本の半値くらいでもって入ってくるということでございますので、私、この果汁の自由化はもちろんですが、これが輸入のワクの拡大ということは日本の果汁工場に対して非常に大きな打撃がある、特に円の切り上げというような関係もございますし、それらが一そう大きな価格の差となって日本の果汁工場に打撃を与えるというように考えるわけなんです。そういった中で農林省は、農業団体等と話し合って補助金等を出して、四十五年度から果汁工場の設置を進めておるわけであります。まあ昨年ですから、本年度から操業、来年度から操業するのも出てこようかと思うのでございますが、操業早々に果汁の自由化あるいはワクの拡大とか、円の切り上げといったような問題で非常に大きな打撃を受けるのではないかと思うのです。こういう問題になってきて、ワクの拡大等によって果汁工場が大きな打撃を受けるということになりますと、政府としては重大な責任があると私は思うのです。特に補助金まで出してやらせようというやさきに大きなワクの拡大があるならば、政府は重大なる政治責任、経済的責任を持たなければならぬというように考えるわけですが、そういう点についてはどのように考えておりますか。
○荒勝政府委員 御指摘のように、アメリカ側において特にオレンジ系統の果汁が非常に大量に生産されております。日本側といたしましても、いままで実質的に近代的な果汁工場でつくられたのはほとんどありませんでしたので、昨年来近代的な合理化工場を設置いたしまして、今後大いに果汁の増産をはかってまいりたい、こういうふうに思っております。 実際問題といたしまして、ただいままでの日本のかんきつ類の食生活の形態を見ますと、ほとんどなま食のまま食べておるわけでございますが、国民食生活の向上に伴いまして、今後世界的に逐次果汁あるいはジュースという形で消費の形態が伸びていくというふうにわれわれは理解しまして、こういうジュース工場の建設を急いでおる次第でございます。 実際問題といたしまして、値段等につきましても、国際価格に比較いたしますと日本のジュースの価格があるいは倍くらい高いのではなかろうか、こういうふうに考えておりまして、今後近代的な生産の過程で逐次国際競争力のあるジュースの価格へ持っていくよう指導を強化してまいりたい、こういうふうに考えております。 その間におきまして、ジュースの輸入の問題につきましても、われわれといたしましては、日本のジュースの持つ特色の中で、味はよくてもにおいが少し足りない点等もございますので、そういった不足分を補うという形で若干のアメリカ産のジュースを入れることは検討いたしておりますが、そう大量のものを入れるという考え方は持っていない次第でございます。
○合沢委員 大量のものを入れないということでございまして、味をつける程度だということでございますので、それならばけっこうだと思うわけでございます。ぜひそのようにひとつお願いしたいと思うわけでございます。 なお、加工用果実の価格安定制度等についていろいろ研究されておられる、さらにまたジュース、果汁の価格安定の問題も検討されているということを聞いているのですが、農林省等は大蔵省との折衝においてはなかなかうまくいかないというようなことも耳にするわけでございますが、そういったことについての考え方あるいはまた大蔵省との折衝の経過等がお知らせ願えれば、ひとつお知らせ願いたい。
○荒勝政府委員 明年度予算の概算要求に際しまして、先ほど申し上げましたように、政府としてジュース工場の育成をやっている現在におきまして、今後ともやはりジュースを安定的な価格にいたしていきたいというふうに考えておる次第でございます。そのためには原料果実の価格の安定的な取引ができるようにすべきであるというふうに考えまして、加工用原料果実の価格安定対策の事業を明年度予算で計上して大蔵省へ出した次第でございます。 ただし、初めての予算でございますし、またこの原料果実が全部の果実ではなくて、全体の一割ないし二割程度のものであります関係で、なかなか説明的にも現在の段階においては折衝過程で完全な意見の一致を見るまでにはまだ至っていないわけでございますが、今後何らかの形で農家の方々が安心して果実生産ができますように努力いたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○合沢委員 きわめて重要な時期に重要な問題でございますので、ぜひひとつ実現するような御努力を強く要請したいと思います。 次に牛肉ですが、牛肉については、ミカン等のくだものと違って、需要に生産が追っついていないというような現状じゃないかと思う。今後需要が非常にふえていくというように予想されますが、それらに応ずるような生産の体制というか、これはきわめて急務じゃないかと思います。需要に追っつかなくては、これは輸入のワクの拡大というようなことになってこようし、そのことは即なしくずし的な自由化にもつながるというようにも考える。牛肉は国民の食の中でも非常に高いウエートを持ってきつつあるわけなのです。そういう点で非常に大事な問題と思います。急がなければならぬ問題です。どのような生産計画を持っておられるのか、またその計画は自信があるのか、お聞かせ願いたい。
○増田(久)政府委員 先生の御指摘のとおり、需要というものは毎年二〇%近い伸びを示しておるわけでございますが、これに対して生産は、現在のところは資源の食いつぶしという形で生産は伸びておりますけれども、全体的に見れば、だんだん資源が枯渇してきている、こういう実態にあるわけでございます。そういう実態の中からもはや日本は肉牛の適地ではないのだから、むしろ自由化して世界から入れたらいいではないかというような意見も各方面から聞かれたわけでございます。確かにそういう側面も、たとえば生産性の低いことあるいは日本の牛肉の価格が国際的に割り高である、こういう側面も事実だと思いますけれども、世界の需給の実態から考えますと、現在でも毎年世界の牛肉価格というのは七%ぐらいずつ上がっております。特に本年に至りましては四月から十一月の間に実に二〇%の値上がりをしているという状態で、世界的に牛肉の需給の逼迫というものは日増しに顕著になっていく。そういう情勢のもとでは、やはり国内でできるだけ増産していって国内の生産体制を整備していくということがどうしても必要になってくる。これは各国ともそういう体制でやっていることだと思うわけでございます。しかし、過渡期的には、どうしても需要がふえ、生産が伸びる、特に資源の食いつぶしをとめなきゃいかぬという、こういう問題がありますから、過渡期的には私はある程度輸入というものはふえざるを得ないと思っております。しかし、その輸入がふえたものが国内に、生産に影響を与えないように、今度の下半期の牛肉の割り当てから輸入するものの大部分を畜産振興事業団の管理下に置くというように、輸入制度をひとつ改めたわけでございます。 それから次に、生産対策といたしまして、私は一番先に着目しなければならないのは、大衆肉といたしまして現在わずか三〇%しか利用されておりませんホルスタインの雄牛の利用というものを積極的にはかることが必要だと思います。これは八〇%まで利用率を上げれば直ちに十万トンの供給増になってあらわれてくる。こういう点をぜひ力を入れてやりたい。 第二番目に、問題は和牛だと思います。これは現在、先ほど申し上げましたとおり、一番問題になるのは雌牛だと思いますけれども、二十四、五万頭しか産まれない雌牛に対して約三十万頭も殺されている。こういうことであれば、縮小再生産と申しますか、そういう形に入ってくる。どうしてもこれはある程度押さえながら早急に生産の合理化をはかっていく。こういうことで、これは主産地をしぼって規模拡大をはかっていく。ねらいどころは、やはり高級肉という方向でこの生産の方向を考えていくべきだ。しかし問題は、これはどうしても土地が要る問題でございますので、主産地をしぼりまして、粗放な未利用地、たとえば山林原野というようなことの活用をはかっていくとか、それからもう一つは、従来生産に対しまして肥育のほうがメリットがあったわけでございますので、主産地においては繁殖から肥育まで一貫体系でやっていく、そして肥育のメリットを生産農家に生かしていくという体制をとることが必要じゃないだろうか。 それから四番目といたしまして、そういうことをやりますにしても、やはり子供を生産農家が安心してつくれるような価格対策というものがどうしても必要ではないだろうか。そういうようなことの考え方に基づきまして、来年度最重点事項といたしまして現在予算を要求いたしておる次第でございます。ただし、自信があるかということになりますと、いろいろ問題が、特に和牛についてはむずかしい問題がございますけれども、自信あるなしよりも、最善を尽くさなければならないというふうにわれわれは考えております。
○合沢委員 時間がないのではしょって申し上げますが、次に、いまの御答弁に関連しまして、実は四十四年から農林省では広域農業総合開発地域ですか、これを指定してやっておるわけですね。北海道ほか六県が指定地域になっている。北海道は四十七年から実施、熊本、大分等の久住、飯田、阿蘇等が四十八年度から実施ということで、その他の地域もそれぞれ調査が行なわれているようでございますが、私は、これはほんとうに画期的なものだと思う。しかも、これは牛肉関係には最も必要ではないかと思います。ところが、内容を見てみますと、これは少々の金でできるものじゃないと思う。早急にこれは対策を立てるべきである。農林省は広域未利用地開発公団法といったようなものを考えてこれに対処しようというようなことのようでございますが、それらが来年度の予算に間に合わないというようなことも聞いているのですが、御答弁は要りませんが、ぜひひとつ来年度に間に合うようにしてほしい。これらが開発されてもすぐ右から左に牛肉ができるものではない。相当先になるわけで、しかもこれができ上がるには私は少なくとも十年やそこらかかると思う。おそらく十年では困難ではないかと思う。そういった長期にわたるものでございますので、早急に手をつけてほしい、そのことを強く要望しておきたいと思うわけでございます。 なお次に、新都市計画法に基づいて線引きされた市街化区域の農地の宅地並み課税ということが、いま全国的に問題になってきておる。一体農林省は、市街化区域内の農業についてはもう農地とともに農民を追い出す、締め出すという結果になるのですが、これについてはやむを得ないというように考えておるのかどうか。もちろん一定の面積以上のものについては考えておるようでございますが、そこらに二、三町歩あるとかあるいは四、五町歩あるというような農家については、たとえ生産性の高い農地であっても締め出してしまうという考えなのかどうか。また結果的にはそうなると思う。その点について、もうこれはやむを得ないというように考えておるのかどうか聞きたいと思う。簡単にひとつお答え願いたいと思うのです。
○内村(良)政府委員 お答え申し上げます。 市街化区域は今後おおむね十年以内に宅地化されるという区域でございまして、したがいまして、農林省といたしましては、市街化区域においては土地基盤整備事業その他その事業の効果が長期に及ぶ施策はやらないことにしております。しかしながら、当分の間農業をそこでやる人がおるわけでございますから、農業的な土地の利用が続けられる限り、それらの区域におきましても災害事業その他効果の短い投資事業は、これをやるということにしております。
○合沢委員 私は、もうこのような農業の収入を上回った重税のもとでは農業は営めなくなってくるというようなことから、当然農林省としては市街化区域内の農地については締め出すということを是認したものだというように思う。 それから次に建設省にお伺いしたいのですが、まとめて質問しますが、まず、過密化された都市、しかもだんだん過密がひどくなっていく都市におけるところの公園緑地、自然環境保持というか、そういったものはきわめて大事だと思う。それらが地方都市の財政難から十分な緑地なりを保全することはなかなか困難だ。また、どんどん都市公園として高い地価のところを買い上げて公園をつくっていくということは不可能だと思う。そういった中で、私は、市街化区域に一町歩、二町歩そういった農地があるということは必要じゃないかと思う。特に緊急災害時といったような場合に一体どうするのか。また緑地の指定一つでも、かりに公園緑地があっても、これらが宅地化されていくわけなのでございますし、永久構造物は建てられないというだけなんです、宅地はつくれるということなんでございますので、これはだんだん減っていくと思う。そういった場合に、やはり農地を残しておくということは大事なことではないかと思う。そういう点について一体どう考えるのか、ひとつお聞かせ願いたい。
○久保田説明員 ただいまのお尋ねにつきまして御答弁申し上げます。 先生おっしゃいますとおり、市街化区域内は向こう十年間におおむね整備しなければならない。その場合に、現在環境問題で知られるごとく、公園緑地の整備ということが非常に叫ばれておるわけであります。わが国の公園緑地の整備状況を見ますと、四十六年度末において国民一人当たり約二・八平米程度になると見込まれております。これを六十年時点において一人当たり約十平米程度にはぜひいたしたいという目標で、来年度から都市公園整備五カ年計画を策定、発足させるべく、目下いろいろ鋭意努力しておるわけであります。その目標は五カ年で、五十一年でいまの三・八平米を四・五平米に持っていきたい。先ほど申しましたように六十年時点で十平米が目標である。さらにその先ずっと多ければ多いにこしたことはないわけです。そういう方向に努力していきたいと思います。 そこで、お尋ねの点でございますが、市街化区域内農地の宅地並み課税にも関連するわけですが、私たちといたしましては、先生おっしゃいますように、公園緑地の確保ということで、現在あるそういう適地が一たん失われればもう戻ることはないだろうという観点に立ちまして、現在農地であるものにつきまして、公園緑地等として都市計画の決定をし、そしてさらに都市計画法の五十五条に指定という制度がございます。この五十五条の指定制度といいますものは、知事が指定しますと、その公園の都市計画予定地内では、通常は木造は建てられますけれども、その木造すらも許可しないことができるという制度でございます。しかし、それは制限がきつくなりますので、これに対応して買い取り請求という制度を認めております。しかし、これではまた営農を継続したいというような方々に合いません。そこで、公共側の、公園緑地を整備したいが財政難で、用地取得の金もなかなかないためいますぐ買うわけにいかぬけれども、都市計画施設としてきめることが適当であるという要請と、五年なり十年なり相当長期にわたって営農を継続したいという農民の方々の要請とをドッキングさせまして、そういうものが合致する場合には、この生産緑地に関する都市計画の決定を鋭意進めてまいりたいということで、十二月九日に都道府県知事あて局長通達を発したばかりでございます。先生のおっしゃいます方向で努力してまいりたいと存じております。
○合沢委員 時間がないので終わりますが、一つだけ自治省に申し上げておきたいと思う。 およそ農地は、工場敷地と違って、同じ生産に必要な施設であるが、全然違うと思う。それが表によって見ると、五万二千円に評価したようなA農地においては、五十二年には二十五万円ほどの税金を取られる。B農地で、二万五千円ばかりのものが、五十二年には十二万円ばかりになる。C農地でも七万円近くになる。そういった不当な固定資産税が取られるわけなんでございます。私は、ほんとうに不当ではないかというように考えるわけなんです。しかもこれが実情は、ほんとうを言うと、十年間のこの間にはたして市街化されるかどうかということなんです。そういうことは非常に困難だと思うのですが、それにもかかわらずこういったことがきめられているということは不当と思っているんです。なお、こういった問題について、まだ全部の県が線引きは終わっていないという実態の中にある。さらにまた、ところによっては県が反対している、議会が反対している、あるいはまた市町村で否決しているというような地域もあるわけなんです。 そういった中において、農地の固定資産税をこの法律によって、地方税法の改正によってこのままやっていくのかどうか、やっていけるのかどうか、特にそういった線引きも行なっていないような地域あるいはまた県についてはどう対処するのか、そういう点についてだけ見解を聞いておきたいと思います。
○石川説明員 お答え申し上げます。 市街化区域内の農地の問題につきましては、いろいろ総合的な観点から検討しなければならない問題ではあろうと思いますが、税負担の面から申しますと、新都市計画法の施行によりまして市街化区域と調整区域が設定されまして、市街化区域におきましてはおおむね十年内に市街化がされるということでございますし、また農地法の改正とも関連いたしまして、届け出をすれば宅地に転用することができる、こういう事情も出てまいりまして、将来市街化が予定されております市街化区域内の農地とその近傍にあります宅地との税負担があまりにも不均衡であるという問題がきわ立って出てきたと思うのでございます。同時に市街化区域は大体大都市周辺等で、かなり宅地の価格の上昇が著しいということもございまして、そういうようなことを背景といたしまして、四十五年八月の地価対策閣僚協議会におきまして、市街化区域内の農地の固定資産税については、農地と近傍宅地との課税の均衡を考慮して、土地保有課税の適正化をはかる必要があるという決定がなされたのでございます。これに基づきまして、ただいま御指摘がございましたような四十六年の地方税法の改正におきまして、市街化区域内の農地につきましては、四十七年度以降漸次宅地との負担の均衡をはかっていこう、こういう税制の改正が行なわれたわけでございます。お話しのように、一部の市町村におきましていろいろ論議があると思うのでございますが、私どもといたしましては、ぜひひとつその辺のところの御了解を得て、この作業を進めていきたいというように考えておりますので、よろしく御了承を賜わりたいと存じます。
○合沢委員 終わります。 ————◇—————
○熊谷委員長代理 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。 理事松野幸泰君から理事を辞任したい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○熊谷委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○熊谷委員長代理 御異議なしと認めます。それでは、理事に坂村吉正君を指名いたします。 午後二時に再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時五十八分休憩 ————◇————— 午後二時十七分開議
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き質疑を続行いたします。津川武一君。
○津川委員 青森県がいま防衛庁関係の銀座街というふうな状態を呈しております。 〔委員長退席、三ツ林委員長代理着席〕 三沢にはアメリカ軍基地が、八戸には陸上自衛隊のホーク部隊が、大湊には海上自衛隊が、下北には陸上自衛隊の演習場が、そして青森と弘前を中心にして陸上第九師団がございます。これに今度ミサイルの演習場並びに青森・函館の青函区域にナイキの一個大隊を持ってこようとしております。 そこで、防衛庁は、国内には初めてのナイキ、ホークのミサイル訓練射場の設置を青森県車力村に置く計画で、すでに用地買収を行なっています。この問題について、これまでの地元自治体住民に対する交渉などの経過にきわめて不明朗な点があり、さらにこの射場設置は地元の農業、漁業などの産業に大きな影響を与えることは明らかであります。 そこで、具体的に質問してみます。その一つは、射場設置についての具体的な問題であります。必要と考えておる面積、すでに確保した用地面積、射場をつくった場合に立ち入り禁止区域になる地域の面積、演習時に立ち入り禁止になる海域の区域、面積について明確に示していただきたいのでございます。 さらに、この射場の設置に要する経費はどのくらいになるのか、演習時の実弾射撃は、ホーク一発三千万円、ナイキ一発六千万円と説明されておりますが、そういうことなのかどうか。さらに防衛施設周辺の整備等に関する法律によってこの地域にどのくらい予算を組んでいるのか、そのことをまず明らかにしていただきます。
○薄田政府委員 お答えいたします。お答えの前に、たいへんおくれまして申しわけございませんでした。 先生御質問の青森県西津軽郡車力村の射場、これはナイキとホークの共用射場にいたしたい、こういうふうに思っております。 まず第一点でございますが、村との交渉の経緯は、実はこういう射場は、いままで三十八年ごろからアメリカ合衆国において訓練をやっておりましたが、どこの国でも自国においてそういう射場を設置しております。それからまた、アメリカ合衆国の射場といえども、長期にわたって使用できるという見通しがございません。それで、防衛庁といたしましては、三十八年ごろから国内に適地を得たいということでいろいろ調査しておりまして、われわれ施設庁のほうは、それの具体的な用地取得……(津川委員「時間がないので、聞いたとおり具体的に答えてください」と呼ぶ)わかりました。 それでは御質問の、射場として獲得といいますか、買収いたしました地域は九十四万二千七百三十九平米でございます。それから保安用地につきましては、発射地点——われわれ第三地区と称しておりますが、それを中心にいたしまして二・二キロの半径の円形でございます。これが大体約七百万平米になろうかと思います。それから海面につきましては、射場を中心といたしまして沖合い九十キロ、それから扇形が、現在のところまだ検討中の面がございますが、とりあえず大体五十キロから五十五、六キロ、こういうふうに考えております。 それから周辺対策につきましては、実は、御承知のように、周辺整備法は障害の実態が起きましてからいろいろ措置する法律でございますが、村当局の御希望等もまだ正式に出ておりませんので、まだ試算はいたしておりません。 以上でございます。
○津川委員 というふうなぐあいで、かなりの面積が使われるし、海域にもかなり影響があるのでございます。 そこで第二点の質問は、地域の産業開発との関係であります。防衛庁が確保したと称している土地は、昭和三十四年に国有林が払い下げられたものであり、そのとき国、県、村当局の三者で、県の立てている屏風山整備計画に沿って使用するという覚え書きがかわされております。ミサイル射場設置は、この覚え書きの内容に沿うものではないと思うが、この点、農林省がどう考えておるか。現在青森県ではこの地域に国営開畑計画を立てておりますが、この計画と防衛庁のいま話されたこととは一致しないと思うので、この点どう考えているか。津軽国定公園の計画の中にこの地域が指定されることになっておりますが、この点の支障もあるかと思いますが、もし環境庁がおいでになっていたら、この点答えていただきます。 それから、ミサイル演習のために立ち入り禁止海域が、いま防衛庁の答弁のとおりでありますが、この海域が運輸省の指定している民間の航空訓練空域と重なり合う。この間の盛岡周辺の防衛庁の飛行機による民間機との衝突事件で、民間航空訓練空域が確保されなければならぬことが非常に重大なことになっておりますが、運輸省は事前にこのことを知っていたのか。あの全日空機の事故の教訓をどのように生かして防衛庁の計画と対処するのか、これを伺わしていただきます。 さらに水産庁に対しては、ここが非常にサケ、マスそれからイカなどの豊漁地でありますので、この領域における漁業の制限、それからここを通過する漁船の非常に不便になること、どのように考えておるか、この点で防衛庁から事前に折衝を受けておるのか、これに対してどうするのか、この点を答えていただきたいと思うのであります。
○三善政府委員 農地局でただいま計画いたしておりますこの地区の、扉風山地域の農用地開発の関係でございます。これは御承知のように、以前から、四十二年からこの計画をつくりまして、調査をいたしまして、それから今年度大体実施設計を終えて、来年度から着工をいたしたいということで考えております。 そこで、私どもこの防衛庁の計画を、十二月の八日ごろだったと思います、一応防衛庁のほうからお聞きいたしました。一応のお話でございますので、まだ具体的な、非常に緻密な話は伺っておりません。一応聞いたところでは、この屏風山の農用地開発の地域と、防衛庁が考えておられますレーダー基地あるいはホークの標的発射場、そういった予定されておる地域とは直接的にはダブっておりません。 ただ、これから心配になりますと申しますか、問題になりますのは、標的の発射場から半径二・二キロの範囲内の陸地は、週に何回か、一回か二回、ここで訓練をされる。その際に立ち入り禁止区域になるような話を聞いております。そうしますと、その範囲内で大体全体の開発面積の千百二十五ヘクタール、受益面積が九百八ヘクタールでございますが、その中で大体二百ヘクタールぐらいがその立ち入り禁止区域の中に入るのじゃなかろうかという試算がございます。 それからもう一つは、この立ち入り禁止区域の中に基幹農道を通すことにいたしております。約三キロちょっとでございます。それに伴いまして支線道路と申しますか、耕作道路でございます、そういうのを一応計画はいたしております。そういった問題がどういうふうになっていくかということが、現時点の一応の問題点でございますが、この計画は現在基本計画を——もともと地元の申請に基づきまして国が基本計画をつくりまして、その基本計画をこれから地元に示していく段階になっております。その際に地元からもいろいろ御要望が出ようかと思っていますが、これからそういう具体的な話し合いに入っていく段階でございまして、それが整えば、土地改良法に基づく正式の申請行為に基づいて、土地改良の計画をつくるというような段階でございます。 いずれにしましても、私ども防衛庁から話を聞きましてから、特に県等に連絡をしまして、地元のこの開発を希望しておられる農家の方々の意向やら、そういうのを打診しておりますけれども、現在のところまだはっきりした実情は私のほうにあがっておりません。いずれにしても、もう少し防衛庁と具体的にお話を伺いまして、どの程度影響がこの計画に出てくるかは判断してみたいと思っております。
○泉説明員 お答えいたします。 先ほど先生御指摘になりましたように、このナイキの演習場は民間の訓練空域とかなりの部分重複いたしております。訓練空域をどうしてここへつくったかと申しますと、ことしの七月末のあの不幸な雫石の事件の反省といたしまして、一般航空交通とそれから訓練空域というものを分離してつくろう、そしてできる限りこの訓練空域ではこれを共用しまして、いままでばらばらにつくっていました訓練というものと一般航空交通というものを整々と流すようにいたしたい、こういう反省からできた次第でございます。 このナイキの射場につきまして防衛庁から御協議を受けましたのは実は十二月の十五日周辺だったかと思いますが、まだ具体的にどういうふうな使い方をするかということが調整ができておりませんので、現状といたしましては、いま一般の民間機の運航の安全を確保するための措置を防衛庁と調整中ということでございます。
○藤村政府委員 水産庁といたしましては、十一月下旬に口頭で、十二月八日付の文書で防衛庁から協力方依頼を受けております。それにつきまして、先ほど先生御指摘のように、この海面は非常にいい漁場でございますし、特にこの地元の漁業者だけが使っている漁場ではなくて、沖合い、底びき、イカ釣り、サケ・マス流し網、サケ・マスはえなわ漁業等、地元漁船以外の漁船も使っているところでございますので、訓練をする場合にはなるべくそれに影響の少ない方法、時期等を考えてほしいということと、それらの関係漁民の納得が得られるような措置をとってやってもらうように口頭では申し入れてございます。
○宇野説明員 環境庁といたしましては、現在のミサイル試射場が津軽国定公園の候補地の中に入っておるということを、実は十二月七日に審議会を開きまして答申をいただきます前に伺ったわけでございます。ただ、区域といたしましては、この国定公園の候補地の中に入っておりますのは、現在問題になっております試射場の施設の一部でございまして、それからさらに区域の一応端のほうに含まれておる。私どもここを国定公園というふうに考えますのは、砂丘の地形とかあるいはその砂丘の地形の間に含まれております湖沼群あるいは特有の植物群落がある、そういうことでここを国定公園にしたらというふうに考えておるわけでございますが、その地域とは離れておりまして、この試射場の施設そのものが直接そういうふうな自然の保護ということには問題はないのではないかというふうに考えております。しかし、この問題は地元ともよく相談をいたしまして、また関係の機関ともよく連絡をとりまして慎重に対処してまいりたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
○津川委員 そこで農林省にお尋ねしますが、この地域が開畑計画で実はメロン、スイカ、トマトなど砂丘地帯に適する作物、これが考えられるわけです。したがいまして、非常に受精、受粉が必要なときに、病虫害の駆除に緊急を要するときに立ち入りができないようなこういうかっこうになる。しかも半径二・二キロ、直径四・四キロというかなり大きな面積にわたってきます。この点の影響をどう考えていくのか、こういうことをひとつ検討したことがあるのかどうか。 もう一つは、青森県があそこに砂丘の農業の試験地を、実習農場みたいなものをつくりたいという計画を持っておるようですが、こういうこととの折衝がどうなるのか、重ねて答えていただきたいわけです。 それから運輸省には、民間飛行の訓練場と今度の射場とがかなり重複すると言っております。そのかなりは三分の一くらいになるのか、またこのためにどんなに訓練計画に支障を来たすのか、これは譲れるのかどうかというところまでいきませんけれども、支障を来たす程度というものをひとつ教えていただきたいと思うのでございます。 水産庁に対しては、地元の漁業協同組合、あの地域の水産振興会それから県漁業協同組合連合会、漁場確保対策協議会などが一斉に反対しておるので、この点をどう考えるか、どう調整するのか。 環境庁に対しては、あの砂丘地帯に長年にわたって松を植えて砂防をし、防風をした。そうしてやっと植物が育ってきた。いま国定公園になるときに、あの湿原地帯の植物は一つの目玉だと思うのですが、それが今度は射場として防風施設がとられたり水の関係が変わってきますので、かなり大きな影響をもたらすと思うのですが、これを検討しているかどうか。早急にする必要があると思うのでございますけれども、この点を答えていただきたいと思います。
○三善政府委員 第一点のこの砂丘地帯における蔬菜とかスイカとか、そういうようなものとの関係がどうだろうかというお尋ねでございますが、私どもはいま、これは資料不足かもしれませんけれども、現在発射場として予定されている地区から二・二キロの範囲内の緑地、ここはあまりそういったほんとうの営農をやっている畑作地帯ではないのではなかろうかと考えております。と申しますのは、この車力村そのものをとってみましても、畑が約八十七・六ヘクタールございまして、そこに大体蔬菜とスイカをつくっているということで、この八十七ヘクタールが半径二・二キロの範囲内にどの程度あるか、いまはっきりわかりませんけれども、大体あまり関係ないのじゃなかろうか。これは私の現在の感じでございます。 それからもう一つの、砂丘の農業試験場をつくる予定とはどう関係があるかということでございますが、この屏風山の開発事業ではこういうことは考えておりませんが、農林省のほかの局でこういう考えがあるかもしれませんが、その辺私はまだ承知しておりませんので、調べさせていただきます。
○泉説明員 第一の御質問でございますこの訓練空域とナイキの射場がどれくらい重なっているかという点は、訓練空域の約半分がナイキの射場に重なっているということでございます。 それから、どういう影響があるかという点でございますが、過去の訓練空域の使用状況は、十月に十回、十一月に五回使用いたしております。しかし、これは全体の訓練空域のあり方と、ここを使っております会社の全体の訓練回数のうちのどれがこれに該当しているかということを検討いたさなければなりませんので、正確にどれだけ影響があるかということは、いまちょっと申し上げられないと思います。
○藤村政府委員 先ほども申し上げましたように、個々の漁業の影響の少ない時期、少ない方法でやるようにしていただくと同時に、漁業の禁止あるいは制限を受ける場合において、それに十分な補償をして、漁業者が納得できるようにしてもらいたいと考えております。
○宇野説明員 環境庁といたしましては、射場そのものにつきましては、先ほどもお答えしましたように、直接の影響は少ないだろうというふうに考えております。この国定公園の問題は、県から申し出を受けまして環境庁が指定をするということでございますので、県のほうでやはりいろいろの調整を今後行なっていかれるものだと考えておりますし、そのために相当区域についてもすでに苦心をして調整されたものだというふうに考えておる次第でございます。
○津川委員 そこで、防衛庁です。御承知のとおり、農林省はまだここへ砂丘の試験場みたいなそういうものをつくるか、これからもわからない。それから農林省でまだ資料不足がかなり訴えられております。水産庁ではその点具体的にまだ折衝してない。反対もかなりある。それから運輸省もこの点は半分近くひっかかる。環境庁ではまたひとつ調べていただきたいのは、長いこと、何百年にわたって防風林によって育てられた湿原地帯、その一角がくずれることによってその湿原の特異な植物がどうなるか、こういう点の検討が必要だと思うのです。こういうことをまだきわめもしないで、すでに土地を買収して計画を進めているのはなぜかということです。この点を防衛庁に答えていただいて、農林省、水産庁、運輸省、環境庁との調整がよくできたときに、賛成の得られたときに計画を進める、買収を進める、協議を進めるという態度になることが必要だと思うので、即刻この進め方を停止すべきだと思うのです。この二つの点について防衛庁答えていただきます。
○蔭山説明員 このナイキ、ホーク共用射場は、昭和五十年度から運用を開始するという計画を立てまして、そこで、年次的に一応のスケジュールを組んでみましたところ、大体四十六年度、今年度中ということで用地買収を得たいということでございます。したがいまして、用地買収にあたりましては、それぞれ所有者の方及び関係の村長さんその他の方には接触はもとよりいたしておりましたが、この問題が、なお今後私どもで計画を進めます場合に、実際問題としては、先生御指摘の各省庁の関係、それから地元の関係、漁業者その他の関係、そういうものがございますので、その点につきましては、なお私どもとしては並行していろいろと折衝を申し上げ、御調整を申し上げるということで、実は買収に踏み切った次第でございまして、今後、先生御指摘のように、十分その面の御調整を進めまして、円満にこの射場の建設が進みますように努力をいたしたい、そういう考え方を持っております。
○津川委員 一つは、並行といっても、既成事実をつくってしまって、それによって、ほかの省がどうあろうが、ほかの関係者をそこに引きずり込むつもりなのかどうか。これは許されないことであるので、一たん計画を、地元の買収、そこに用地確保、施設を整備することを停止して、各省庁との調整に当たるべきだ。特にいま言ったような運輸省の状態を無視してやるということは非常に大きな問題を生むので、この点をもう一度答えていただきます。 もう一つ、防衛施設周辺の整備等に関する法律は、被害が起きてから補償するんだといっておる。それに対して防衛庁が現地で何と言っておるか。五十万頭の豚を、二億円、七億円などというものを投資して、ここで皆さんの利益になるのだから、というたいへんなうその発言をしているわけです。こういうことがあったのかどうか、防衛施設周辺の整備等に関する法律によってこれができるのかどうか、これが二つ目。 三つ目には、あそこにミサイルの射場を設置するならば、沖繩並みのいろいろなことをやってあげる、こう言って、地方の人たちをたぶらかしている、こう言ってもいいのであります。こういうことが一体できるのかどうか。われわれは法治国家の人間なので法律に基づかなければ事を処するわけにいかないのだけれども、公然とこういうふうに言われて、村議会があした開かれます。防衛庁が七億出すならば、村議会が賛成すると言っておる。こういう形で追い込んでいる。これが三つ目。 四つ目には、知事に聞くと、おれは知らない、村長に聞くとおれは知らない、用地なんかまだ買収していないというのが、知事、村長の言い分です。防衛庁は、この間衆議院の災害対策特別委員会でちゃんと用地を買収したということを発表しているんだ。こういうやり方のために地方自治体が乱れている。知事と車力の村長の関係がおかしくなっている。しかし、この周辺の市町村、八戸の市長も弘前の市長もそうです。深浦という町の議会が決議しております。青年団の人たちが決議しております。あの周辺における半分以上の人々が反対している。こういう反対の声というものを調整しないで、並行的にではなく、一方的に進めておりますし、これからもこれを進めるつもりなのか、この点を防衛庁に答えていただきます。
○蔭山説明員 第一点について私からお答え申し上げて、第二点以下につきましては防衛施設庁施設部長からお答えいたします。 用地の確保に際しましては先ほどお答え申したとおりでございますが、これを私のほうは既成事実として強行するという考え方は持っておりません。なお十分関係各省庁その他関係の皆さま方と調整をいたしまして、円満に進めてまいりたいということでございます。
○薄田政府委員 第一点の御質問の養豚の問題でございますが、これは失礼でございますが、ちょっと誤解をいただいておるのではないかと思います。と申しますのは、村当局はかねて五十万頭の計画を、このナイキの問題は別としまして、持っておるということは聞いております。しかし、これは私たちも長年対策事業ということで、こういう養豚とか牛の飼育も富士等でやっておりますが、五十万頭ということは、人口約三百万くらいの屎尿が出るわけでございまして、ちょっと無理じゃないか。しかし、周辺整備法は、御承知のように、四条の規定によりまして、いろいろ民生の安定事業ができます。たとえば圃場備整とか農業基盤の整備、それから水道施設、道路施設、それからいわゆる養豚等もできるわけでございますが、その五十万頭をやってあげるというようなことは私ども毛頭考えておりません。 それから沖繩並みというようなことは考えておりません。 それからあす村議会が開かれるかどうか私は承知しておりませんが、七億という数がどういうところから出たか存じませんが、七億あれすれば議決するというようなこともきょう現在全然聞いておりませんし、私ども七億という数字が豚と見合うとも毛頭思っておりません。 それから知事、村長の問題でございますが、これは知事さんには、実は先ほど申し上げました——途中だったのですが、三十八年以降いろいろそういう希望は持っておるものですから、施設庁長官がおかわりになるたびにこういう希望は表明いたしておりまして、実は新長官の島田長官も巡視のときに知事に会われて、一応希望すると述べた経緯はございます。それから村長のほうは、われわれ夏ごろから折衝を数度しておりまして、今回の買収につきましても一応御連絡は申し上げたということでございます。 それから八戸、弘前等の問題でございますが、私、弘前については存じておりません。ただし、八戸等が、これは漁業組合の関係だろうと思いますが、八戸のほうの漁民の方はあちらで失業されるということで、これは当然先生おっしゃいましたように、水域、海域だけではなくて、あの周辺の市町村でございますか、木造等、何か四つか五つあるようでございますが、これはもちろんわれわれよく調整いたしましてから諸計画を進めたい、こういうふうに思っております。
○津川委員 防衛庁と各関係省庁との調整がなければ強行しないということ、私はこれを重ねて——やはりあそこで施設を進めることを一時停止して、そして各省庁との調整をやるべきだ、こう思うのです。これをひとつ最後に答えていただきます。 それから施設庁には、二億円、五億円豚五十万頭、それから沖繩並み、こういうことが村の中で聞かれている、実際にうわさ話として出ている。そういうことがないということであれば、はっきりここで、ないということを言明できるかどうかということです。 三つ目には、漁業関係者がこのように反対しておる、この反対を調整しないうちにやる腹があるのか。 もう一つには、車力の村議会でどういうことを言っているかというと、防衛庁から実際に現地に行っている人たちは、あしたの村議会で反対を議決しても、防衛庁は、土地を買ってしまったのだから、そこに演習場をつくって、損害が起きたときには弁償さえすればいいのだから、やる、こういうふうに言っているように、ずいぶんといろいろな話が飛んでいるわけです。こういうことはないだろうと思うのだが、ここでそういうデマみたいな、謀略みたいなことがあるように聞こえるので、そういうことがないことを言明できるかどうか答えていただきます。
○蔭山説明員 この事務の一時停止というお話でございますが、一時停止と申しますのは、私もどういう意味なのかよく理解できませんけれども、ともかくせんだって公害対策委員会でも御指摘いただきました、その後でも関係各省庁にはいろいろと調整いたしておりますし、また部内でもなお検討しなければならないことが残っております。こういうものも現在なお詰めております段階でございますし、それから地元の方にも、いろいろとこの問題について十分御理解いただくようなことはやらしていただきたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○薄田政府委員 第一点の二億、五億という話と五十万頭というようなことは、いわゆる中央でも約束したことはございませんし、現地でも、説明会でもそういう数字は出しておりません。 それから漁業関係者の方々でございますが、これは確かに私のほう、まだいろいろ御説明の途中でございまして、実は十二月になりましてから精力的に仙台局に、関係いたしますのは北海道もございますので北海道の方面と、誠意をもって各組合に、現在特に青森地区について回らしておるところでございます。 それから村議会で、土地を確保したから、弁償すればいい——そういうことは、役所として弁償すれば済むんだということは毛頭考えておりません。しかも、国有地にしちゃったんだから、あなたたち強行するんですかというようなことを聞かれたことがありますが、国有地にしたから強行するということは毛頭考えておりません。まして弁償というようなことは現地でも言ったはずはないと思いますので、そういうふうに明言できると思います。
○津川委員 最後に、これで終わります。 一つは、環境庁に重ねて要求しておきます。あの湿原地帯の珍しい植物群が何でできたか。これは三百年にわたる民間人の営々たる防災、防風そして防砂の努力によってでき上がった。その一角がくずれることによって、砂丘地帯の大事な湿原植物がだめになるんじゃないかという心配がありますので、この点を十分検討していただきたい。 それから、防衛庁に最後に一つ。村議会で反対しても、土地を買ってしまったのだから強行できる、強行する、こういう話が議員の中に飛んでいるのでございますが、こういう形は、そうでないということを言えますか。
○薄田政府委員 お答えいたします。 村議会が反対決議をするかしないかということは、私たちここで明言できる立場ではございませんが、なるべく御賛同を得たいというふうに努力はいたしたいと思っておりますが、先生の御質問は、反対決議があったらとめるかという御質問だと思います。それは先ほど内局の施設課長が答えましたとおりでございます。 ————◇—————
○三ツ林委員長代理 請願の審査に入ります。 今国会において本委員会に付託になりました請願は全部で八百七十四件であります。 本日の請願日程第一から第八七四までの請願を一括して議題といたします。 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、先刻の理事会におきまして慎重に検討をいたしましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決いたします。 先ほどの理事会で決定いたしましたとおり、本日の請願日程中、第一ないし第一五三、第一五八ないし第二六七、第二六九ないし第三六六、第三六八ないし第五八八、第五九〇ないし第五九六、第五九八ないし第六六九、第六七二ないし第六七七、第六九四ないし第七一、第七一九ないし第七五〇、第七五四ないし第七六二、第七九二ないし第八二七、第八二九ないし第八三三、第八五三ないし第八七〇及び第八七三の各請願は、いずれも採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○三ツ林委員長代理 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、農業政策確立に関する陳情書外四十三件でございます。 右、報告いたします。 ————◇—————
○三ツ林委員長代理 この際、閉会中審査に関する件についておはかりいたします。 すなわち、 内閣提出、土地改良法の一部を改正する法律案 農林水産業の振興に関する件 農林水産物に関する件 農林水産業団体に関する件 農林水産金融に関する件 農林漁業災害補償制度に関する件 以上の各案件については、閉会中もなお審査を行ないたい旨、議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、おはかりいたします。 閉会中審査案件が付記になりました場合、本会期中設置されております生鮮食料品に関する小委員会につきましては、閉会中もなおこれを設置し、調査を続けたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任、補欠選任、並びに小委員会において参考人から意見を聴取する必要が生じました場合、その人選等所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 ————◇—————
○三ツ林委員長代理 この際、理事辞任の件についておはかりいたします。 理事坂村吉正君から理事を辞任したい旨の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認め、さよう決しました。 次に、理事補欠選任の件についておはかりいたします。 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○三ツ林委員長代理 御異議なしと認めます。それでは、理事に松野幸泰君を指名いたします。 〔三ツ林委員長代理退席、委員長着席〕
○藤田委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後三時散会