内閣委員会 第10号
- 発言数
- 191 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1971/12/08
会議録
○伊能委員長 これより会議を開きます。 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律及び沖繩復帰のための準備委員会への日本国政府代表に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、及び防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
○大出委員 この給与法でございますが、本来なら総務長官に、提案者でございますから、御出席をいただいて質問申し上げるというのが筋でございますけれども、今回の沖繩国会の性格上、なかなか総務長官もお忙しい方ですから、かつまた先行きのこともありますので、総務長官のおられないところで、砂田さんがお見えになっておりますので質問をするということなのですが、ひとつこれを前例にしていただきたくないと思うのです。そう点、委員長にひとつしかるべく御処置をいただきたいと思うわけであります。
○伊能委員長 はい、了承いたしました。
○大出委員 そういうことで、人事院の総裁並びに総理府の皆さま方に少し承りたいのでありますが、まず大きな問題の一つはこの実施時期の問題なのでございますが、この勧告の出る前の当委員会におけるやりとりの中で、総裁は、四月実施に関しては、当初、一理あるというお話でございましたが、それが一理も二理もあることになりましたが、なかなか三理までないというので、たいへんどうも微妙な発言でございました。かつ総務長官は、人事院が四月一日実施とお書きになれば蛮勇をふるって実施をいたします、実はこういう御答弁でございまして、四月実施ができないということになるとすれば、それは一にかかって人事院総裁の責任だ、私はこういうふうに実は申し上げてあるのでありますが、この辺の、四月実施をお書きにならなかった総裁の御心境のほどを、とりあえず承っておきたいのであります。
○佐藤(達)政府委員 おっしゃるとおり、これはわれわれの大きな責任でございまして、総務長官がどんな顔をされようと、これはわれわれには全然関係ないことであります。われわれがこれが正しいと決意をいたしました以上は、ぜがひでもそれを貫いていかなければならないというのが勧告制度の本質だろうと思います。したがって、われわれの責任もまた重大であるということになるわけなんで、前回も申し述べたと思いますけれども、もう十一年とにかくずっと五月一日実施でやってきておる。また五月一日の完全実施につきましては、各方面の御声援もお願いしながら来たわけです。ところが、ここ数年来、四月調査ならば四月のほうが筋ではないかというお声が出てきて、そこで一理なきにしもあらずというところまでだんだんそれが発展してきたわけであります。われわれとしては、公務員諸君のためになることなら——これはベースアップである限りはためになる。逆の場合はちょっとどうなるかわかりませんけれども、ベースアップの場合には利益となることであります。理屈のあることならそうしたいなという気持ちを持って、いつもここでお答えを申し上げておったわけであります。 ただ、先ほど申しましたように、とにかく十一年も五月一日ということで、一つの安定した形で私どもが御勧告申し上げてきておるわけでありますから、納税大衆その他国民の皆さまの御納得を得るだけの確たる基礎がありませんと、手のひらを返したようにこれから四月ということにもまいらぬなという関係が、責任関係のかね合いというものがそこにございますものですから、したがって、われわれとしては慎重にこれの検討を進める。そしてまた一面においては、国民の皆さま方の御意見も知りながら、あるいは問題意識を持っていただきながら、この検討をさらに進めてまいりたいという気持ちでございます。
○大出委員 問題意識を持ってといまお話ございまして、これは長い間の、十一年間のやりとりの中でも、佐藤総裁におなりになってから、五月と、こうお言い続けになってきたわけですけれども、これは筋から言えば四月なんだということは、そのつど論議されてきたわけでございまして、五月完全実施をされたとたんに四月だということを言っているんでなくて、四月が正しいんだということを何べんとなく言ってきたわけであります。だから、問題意識は本来あったわけでありますから、こういう席で私ども審議をする立場で、重ねて何でも四月に早くしろと言わなければならぬ立場です。そう言わなければ、また総裁のほうもなかなか四月にしにくいだろうと私は思っておるんでありますから、そういう意味であのやりとりというのは生きている。 だから、単なる問題意識でなくて、人事院総裁の責任において五月と書いたわけです。四月と書かなかったわけですから、それに対する公務員諸君の不満、いい意味で言えば失望落胆が非常にあると思うのですよ。聞いておられる方々も、一理から二理になって三理にいつ行くのかわからぬだろうから、総裁が書いたときは三理だろうということで、ことしは四月一日と書いてくれるかもしらぬという期待感を皆さんたいへん持った、これは事実です。ところが、それが最後のどたんばの総裁の答弁は、たいへん重要な問題で、人事院の院議の重大な課題だということをおっしゃった。私はそのときに、院議における重大な課題だというなら、いささか政治めいた問題になるのじゃないかという言い方をしたら、まあそれについては否定をなさったけれども、たいへん抵抗のある向きもあろうというふうに思って、当時大蔵省に、一カ月早めたら一体幾らかかるんだと聞いたら、九十八億ないし百億、こういうお話があった。私はこの際、本来ならば、九十八億ないし百億ならば四月一日に踏み切るべきであった、こういま思っている。 だから、ただ単なる問題意識でなしに、これは公務員の皆さんにいいことならばといまおっしゃいましたが、そういう意味の使命感をひとつお持ちになって、来年に向かって一、二のほかにもう一つつけられる理由を御検討の上で見つけていただきまして、私は幾つか言いましたからもう言いませんけれども、それらの中から御選定をいただいて、このくらいのところならばタックスペイヤーの皆さんも納得するであろう、こういうかっこうでのいまからの御準備をいただきたい。人事院はとかく一年前に予告するのがお好きですから、そういう意味でいまの時期はたいへん大切でございまして、心境をと承ったわけでありまして、もう一ぺん何とかおっしゃっていただけませんか。
○佐藤(達)政府委員 心境は先ほどるる申し上げたとおりでありますが、なおただいまのおことばを励ましのおことばと承って検討を進めてまいります。
○大出委員 それで、これは委員長に申し上げるのですけれども、当委員会の理事会で、私はじめ一、二の方から御発議もございまして、いま総裁が、問題意識を持って検討したい。重ねて質問申し上げましたら、励ましてくれるという意味に受け取りたいと、こういうお話でございますから、前向きの御答弁でございますから、その総裁の御努力にひとつ力を当委員会がかすという意味で、旧来も完全実施決議を何回かした経緯もございますから、その点にのっとりまして、前向きな、理事会においてこの点は附帯決議等という意味で御相談をいただきたいと思うのでありますが、よろしゅうございますか。
○伊能委員長 その点はすでに自民党において検討中でございます。
○大出委員 それじゃ、ひとつその点は、休憩の際にでもまた相談をさせていただきたいと思うのでありますが、いまの点はそういうことでひとつ締めくくっておきたいと思うのであります。 次に、一時金の問題なんですが、幾つかこれは問題がございます。まず承りたいのは、八年と、こういうふうに総裁先ほどおっしゃっておるわけでありますが、八年といいますと、三十九年になるんですかな。三十九年の人事院勧告のときに、一時金について官民比較で〇・〇六切られているという記憶が私はあるんですが、八年とおっしゃったから八年前を申し上げるのですが、そうなりますと、人事院総裁、佐藤総裁は、期末手当の官民比較で〇・一六なら〇・二八になると、四捨五入というのはおきらいで、六であっても、七であっても、八であっても、片っ端からたたき切る、こういう性僻がおありのように思う。これはたしか三十九年は〇・〇六お切りになっておると思うのですが、総裁が御記憶ならば総裁に、そうでなければ尾崎さんにひとつお伺いいたしたい。大体出足がよろしくない。
○尾崎政府委員 昭和三十八年の場合には三・九四月分と出まして、これは〇・〇四月分切り捨てております。それから三十九年の場合には四・二六月分と出て〇・〇六月分切り捨てているということであります。
○大出委員 私、八年前ということでしたから、勧告を八年さかのぼっていま申し上げたのですが、三十九年八月、四十年八月、四十一、四十二、四十三、四十四、四十五、四十六年と八回目なんですね。だから三十九年八月というのがいまから八回前です。そうすると、三十九年八月というのは、期末六月分が〇・一増、十二月分が〇・一増、勤勉三月分が〇・一増、全体で四・二になりまして、このときの民間が四・二六、だから〇・〇六切った勘定なんですね。そうでしょう。どうも切りっぱなしに切ってきているんですが、これはどういうわけですか。
○佐藤(達)政府委員 まことにこれは運の悪かったことだと思うのでありますけれども、偶然その数字がいまのような数字になりまして、私どもとしては、基本的考え方から申しますと、これは切り捨てるのが筋だ。心のうちではまことにいても立ってもおられぬような気持ちではありますけれども、筋論としては切るほうがよかろう。 これはたびたび申し上げておりますけれども、私どもの基本的な考え方は、やはり民間の賞与というものは、その年その年、その期その期の実績を反映しているものであって、景気のいいときにはよけい出る、景気が悪ければ下がることもあり得るというようなものだろう。公務員の給与の場合は法律の中にこれを書くわけで、それほど上げ下げに関して敏感なものと言えるかどうか、ある意味の保障的な性格もあるのじゃないかということも気持ちの中にあるものですから、そういう意味で、筋論からいまのおことばで言えば、ぶった切ったということになりますけれども、実際に言えば同じ結果になっておるわけであります。したがいまして、これは数字のいたすやむを得ざるところでございまして、こういうことになったということを申し上げておきたいと思います。
○大出委員 総裁、運が悪いとおっしゃるけれども、たまには切り上げて一にしたことがあるなら、いまのお話も筋は通る。ところが、初めからしまいまで切ってしまったのじゃ、運が悪いもいいもない。切ろうという意思がおありになってお切りになっている。それが私はけしからぬというのですよ。あなたは逆に上げたことがありますか。端数を切り上げて一にしたことございますか。ないでしょう。
○佐藤(達)政府委員 不幸にしてそういう覚えはありません。
○大出委員 不幸にしてと言うが、あなた、公務員にとってはたいへん不幸な話で、念のために申し上げますが、いにしえからここにある数字を言いますと、三十五年八月、これはひどいのです。公務員を〇・一ふやして三カ月にした。ところがこのときに民間は三・一九なんです。このときは何と〇・一九切っちゃった。三十五年というと、池田内閣ができたとき、高度成長があったとき、毎年通貨が二千億ずつふえてきたという時代です。かくて、信用膨張なんていわれた時代、下村治理論なんていってやかましく論ぜられた時代、景気のいいときだ。これは所得倍増で景気がよくなるとき、そのときだって切っているのですよ。〇・一九切っちゃった。三十六年の八月勧告で、公務員の一時金は三・四カ月で、六月に〇・二ふえて十二月が〇・二ふえた。ところがここで、官民比較は三・四八ですから、〇・〇八切っている。その次に三十七年、ぼつぼつ不況の風が吹いた。このときに公務を三・七にふやした。これは六月に期末で〇・二五、勤勉で〇・〇五、十二月に期末が〇・二で三・七にした。このときの官民比較は三・七二が民間ですから、〇・〇二このとき切った。三十八年は、先ほど尾崎さんがおっしゃったように、〇・〇四ここで切っている。 そこでさて、八年前の三十九年八月です。これは不況期です。ここで期末手当六月分が〇・一ふえて、十二月分が〇・一ふえて、勤勉手当が三月で〇・一ふえた。そうして公務員がトータルで四・二になった。この官民比較は四・二六ですから、〇・〇六ここでまた切った。切りっぱなしですよ、総裁。四十年八月、これは不況期でございますけれども、ここで十二月に〇・一ふやして四・三。民間が四・三三ですから、ここで〇・〇三切っている。四十一年八月というのは、これは勧告なし。勧告なしだから当然これはゼロだ。これは切るも切らないもない。四十二年八月になってここでまた〇・〇一切った。四十三年八月が勧告なし。四十四年八月に期末手当が十二月分を〇・一ふやした。ここで公務はトータルで四・五カ月ということになった。官民比較の面で民間が四・五八ですから、ここで〇・〇八また切ったんですね。四十五年になって、これは前からいろいろ問題になっておりますが、六月に期末で〇・一、勤勉で〇・一ふえて四・七になった。民間が四・七九ですから、何と〇・〇九切った。ここであなた、〇・〇九まで切ってしまって運が悪いもヘチマもないじゃないですか。それで四十六年になって、先ほど来お話が出ておりますけれども、四・八カ月にした。四・八七が民間ですから、ここでまた〇・〇七切っちゃった。 これは幾ら何でも少しひど過ぎやせぬですか。まことに運が悪いって、あなた、運が悪いどころじゃない、初めから切るつもりで切ってきた。それで公務員のためになんて大きなこと言いなさんな。何言っているのですか、あなた。これはどういうことですか。
○佐藤(達)政府委員 運が悪かったということばの中には千万無量の感慨を含めてのことばであるとお察しいただきたいと思いますが、とにかくこの数字をあげるときのわれわれの気持ちを察していただきたいと思います。それで、まずかったなということが思わず口に出れば、これが〇・〇九であり、それが運が悪かったということになると思います。その心情をお察しいただきたいと思います。 しかし、われわれやはり筋論としては、民間の企業努力で出た数字にこっちがおんぶして、さらにそれを水増しして皆さんの給与のところにつけていくべきかどうかということもありますし、かたがた、先ほど申しましたように、法律の制度になりますと、多少安定性というものが出てくる性質のものだということと両方兼ね合わせて、遠い目で見ますと、これがやはり正しい行き方じゃないか。小数点を切り上げたのは、私の記憶ではありません。昔の歴史にはございません。これはおそらく普通のベースアップがうんと高かったために、それとのにらみ合わせのあれではなかったかと思いますけれども、私どもは小数点二位というところを考えておるわけでございます。この程度はがまんしていただくほかは、ないのじゃないかという気持ちでおるわけであります。
○大出委員 三十五年の高度成長経済といわれる時期になってからの数字を全部あげたのですが、端からみんな切りっぱなしに切って、おまけに〇・〇九まで切っちゃっている。総裁、これはあなたよほど罪ほろぼしをせぬと、公務員の皆さんの怨念なんというものは、あなた、たたみの上で死ねぬですよ、ほんとうに。これは来期に向かっていささか罪ほろぼしを、尾崎さん、あなたもほんとうに考えなければいけませんよ。いにしえの給与の研究課長をおやりになっていらっしゃる時代から研究しているんだから、ほんとうにこれはただごとじゃないですよ。全部切りっぱなしで切っちゃっている、物価が山ほど上がっているというときに。これはやはり基本的に公務の給与に対する姿勢の問題です。例年切っているんだから。この給与は、大蔵省に向かって勧告権というものもあるんですから、かってにおやりになるのだけれども、何で一にしたのだと言われたら、一にならないけれども〇・〇九あるいは〇・〇七だから、長年切ってきたんだから、おれのときになってもこれこれ切っているんだからと、言いわけが成り立つ。理由が成り立つ。だからこれは、私は歯どめの意味で、もうこういうことはおやめいただきたいということで申し上げているので、仏の顔も三度というけれども、やたら切りっぱなしじゃ納得できないですよ。だから、そういう意味で、もう不況の風は吹いているからというので、ドル・ショック問題等もありますから、来年はどうなるかわからぬ。わからぬけれども、その埋め合わせをやはりしてあげなければ、公務員諸君、これは納得できないですから、そういう意味でこれは前向きで御検討いただく。いかがでございますか。
○佐藤(達)政府委員 いまあげられた過去の歴史はそのとおりであります。私は少なくとも毎年お気の毒なことをしたなという気持ちに常にかられておるわけですから、その気持ちがいろいろな場面に、またおのずから反映することもあろうというふうにお考えいただいてよろしいんじゃないかと思っております。
○大出委員 やはり言うときには言わなければ、なかなか人事院というのは考えないですからね。だから、これははっきり申し上げておきますから、ぜひここのところは前向きで将来に向かって検討いただくということで、尾崎さん、よろしゅうございますか。——さっき鎌田さんがうしろで笑っていましたけれども、地方公務員だって響くのだから、やはり人事院が書かなければ幾ら鎌田さんのところで力んだってできないのだから、そういうたいへんな影響があることなんですから、これはぜひひとつ御検討いただきたいと思います。 次に、一時金の配分との関連で申し上げたいのでありますが、扶養手当がからんでまいります。扶養手当は基準給与にこれは入っているわけでありますが、特に第三子の分については児童手当の関連が出てきております。おたくの出しておられます「一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案による新旧条文対照表」などを見ましても、この中に入ってこまかく質問していきますと時間がかかりますから抜き出して申し上げますが、つまり児童手当との併給の関係がありますから、三子は切れていくことになる。これは公務一人当たりに直しますと幾らになりますか。十五円くらいですか。
○尾崎政府委員 一人当たり平均にいたしまして約十一円でございます。
○大出委員 十一円だそうでございますけれども、これまたあまり突っ込み過ぎる質問はいたしませんが、期末・勤勉で四・八カ月あるとすれば、四百円かける四・八カ月ということになるわけでありまして、つまりはね返り等の問題も出てくる、こういう筋合いですね。これが、将来に向かって児童手当の分野というのは拡大される傾向にある、これだけは間違いない。とりあえずの措置を今日やっておりますから。そうなりますと、将来拡大傾向を持つとすると、人事院の分野における扶養手当というもの、これを全般的にもう一ぺん検討する必要があるような気がするのであります。 なぜならば、たしか、いまここに資料もありませんが、六千三百円ベースの勧告でしたか、あのときに扶養手当というものは非常に高く勧告が当時としては行なわれていて、手直しをしまして実施をした。だから、当時あのような勧告がそのまま実施されておるとすれば、扶養手当というものの基礎は大きく変わっていたと私は思う。だからその意味では、佐藤総裁の時代ではありませんが、浅井さんの時代でありますけれども、やはり人事院に一つの責任がある、こう思うのであります。したがって、こういう際に中身を突っ込み過ぎることはいたしませんけれども、やはり扶養手当そのものをもう一ぺん考えてみる必要がありはせぬかという気がするのであります。この辺について一つ考え方をお述べいただきたいのであります。
○尾崎政府委員 児童手当につきましては、当面は満五歳以下のところからスタートいたしましてだんだん拡大するということでございますが、それに関連いたしまして、給与面でどういう受け取り方をするかという点で注目をしておるのでございますけれども、たとえばことしの民間の妥結状況の中には、児童手当と扶養手当の関係を調整するといったようなニュースがいろいろ出ておるわけであります。私どもとしましては、今後そういう関係が扶養手当の中でどこに力点が置かれてくるかといったような問題もあろうかと思いますので、民間の扶養家族手当の動向につきましていろいろ調査をし注目してまいりたいというふうに考えます。
○大出委員 ですから言いかえれば、やはり第三子について児童手当との関係が出てきた、またその分野が広がっていくということになるとすると、じゃ一子、二子等のところでどうするか。私は、官民比較の面その他から見まして、いまちょっとお話がございましたが、民間の扶養手当というものは上がっていく傾向にある。給与のあり方が、ちょうどここ二、三年と言ったらいいですか、民間を含めましてたいへん変わってきている。つまり住居手当なんというものは、本来あるべき姿からすれば要らないと私どもは理論的に思っていた。つまり給与の絶対額が高ければいいわけですから。 ところが、私の出身の郵政省、郵便局の職場なんかでもあるのですが、重労務手当なんという手当がなぜできたかと淵源をさかのぼってみますと、年功序列型の賃金ですから、局に入って二、三年たつと、仕事はよく覚える、配達をする分野でも何でも、年寄りよりはよけい能率的にりっぱな仕事をする。ところが年功序列だから、幾ら仕事をしても、年寄りはろくな仕事をしなくても、給与は山ほど違う。ある意味で非常に無気力になってくる時期がある。そういう方々がやめてほかに行ってしまうということを防ぐ意味で、道順組み立ての手当であるとか、重労務の手当であるとか、差し立て区分の手当であるとか、次々に出してきて、そういう者が試験を受ける。受かると、それをトータルするとプラスアルファの賃金がふところに入るということで、一緒にそっちのほうでもらうことになって、かろうじてみずからの生計を維持していく、これがつとめて四、五年というところですよ。だからそういう意味で手当というものは使われてきた。私はこれは非常に悪い傾向だと思っておりました。恩給その他にも響くわけですから、給与の絶対額をふやす、それが正しい。あまりよけいな手当は考えたくないというのが私自身の基本なんです。 ところが、最近は世の中が変わってまいりまして、家の手当、通勤手当から始まって、つまり生活給という形の方向に大きく動いていく。これが今日の現実です。そうなると、現実はそこらのところを考えてものごとを進めざるを得なくなっている。だからそこらのところに一つの力点を置いて考えていくということになると、いま私が提起をいたしておりますような問題について、人事院がもう一歩突っ込んで前向きで御検討いただく必要がありはせぬか、こういう理屈なんですが、いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 いま前提として述べられた基本的な考え方というのは、全く私と同感でありまして、たいへんうなずきながら拝聴したのでありますけれども、また、こういう手当を存置し、あるいはこれを増額せざるを得ざる差し迫った理由ということもおっしゃるとおりです。そういう前提のもとに立ちながら、やはり児童手当の問題もございますし、われわれとしては、いまのままですべての扶養手当の体系がいいんだというようなところに安住しないで、いま前向きにということばがありましたけれども、そういうような改善の方向に向かってやはり勉強は続けていくべきであろうという気持ちを持っております。
○大出委員 できるだけ能率的に御質問をしていきたいと思っているのでありますが、一つだけ承っておきたいのですが、これのはね返りというのは通常どのくらい見ておられますか。
○尾崎政府委員 三千円の児童手当が支給される場合に、四百円の扶養手当が支給されないことになるわけでありますが、そのはね返り分といたしまして、調整手当といたしまして月額平均二十六円、特地勤務手当としては平均四十二円、期末手当について平均百二十八円、寒冷地手当について平均十一円くらいが支給されないことになるというふうに考えております。
○大出委員 そこらのことも、深くは申しませんが、ひとつ多角的に御検討いただく、こういうことでいまの総裁のおことばを裏づけておいていただきたいと思うのでありますが、よろしゅうございますか。 ところで、先ほど申し上げました一時金の配分というものとの関連がございまして、一つここで、落としておりますからつけ加えたいのでありますが、旧来〇・〇五月分という一時金の改善をしたことがあるはずであります。前に一ぺん私、問題提起をしたことがありますが。したがって、これから経済情勢その他の変化も出てまいりますので、そういうふうなきめのこまかなところもひとつお考えをいただきながら、先ほど私、端数切り捨て問題を提起いたしましたけれども、ときによっては、そのくらいのことを経済情勢に合わせて考える場合にはお考えになっても一向に差しつかえない。官民比較の面で〇・〇六と出た。端数切り捨てが佐藤総裁のお家芸だからといって、すぱっと切り捨てるのではなくて、これはやはり〇・〇五という形の改善があったって悪くない。だからこれは私の前向きの要望でありますけれども、そういうふうな過去の先例に照らして、そういうふうなものの考え方があってもよかろう、必ずしもまるくしなくてもいいのではなかろうかという気がするのであります。したがって、そこらも含めてあわせて御検討いただきたいのであります。
○佐藤(達)政府委員 ベースアップが全然ないときに上げたという例は、これは大出委員のほうがよく御承知で、私は隣から聞いてお答えしておるのでありますが、そういうことだというように考えております。しかし、先ほど述べましたような基本的なかまえでこの問題は臨んでまいりたいというふうに思っております。
○大出委員 総裁、突っ込み過ぎないようにと念を押して質問しているのに、何もそこまであなたは言わぬでもいいじゃないですか。べースアップのないときなんて、それだけよけいです。経済情勢の変化もこれあり、ドル・ショックということもあってということを言っているのですから、そういうこともなきにしもあらず、ころばぬ先のつえだけはここにおっ立てておかぬとぐあいが悪いんで、一言すらっと触れたんですからね。前向きで御検討いただけるそうでございますので、ひとつそういうことでお願いしたいと思います。 ところで、人事院が規則を多少いじらなければならぬことに、かくてなるのじゃないかと思うのですが、つまり勤勉手当等の傾斜配分ですね。言うならば傾斜配分とからみまして、これは前に論議しておりますから、これまた深くは突っ込みませんけれども、指定職の甲なり乙なり、あるいは一等級なり、本省の課長さんあたりのところ、この傾斜配分が拡大傾向を持つとなりますと、いろいろな派生効果が出てまいります。そういう点で、これは予告編がいつもある人事院でございますけれども、それだけに私も気を使うのでありますが、これは限りなくそういう方向に行くとすれば、たとえば、本省の課長さんまでやったら補佐はどうするのだ、係長はどうするのだという理屈であります。ちょうちん型の職員分布状況からいたしますと、まん中に金を使えばよけいかかる。だから中だるみなどというものがいつも問題になるのです。ですから、もしそういう拡大方向をお考えになるなら、この傾斜配分を全体として考えてみるという——私は、二年間にわたり、上厚下薄だとか上薄下厚だとかいろいろな議論があるので、給与の総トータルを、計算機を回した結果を、この前、勧告前に申し上げたことがあるのですけれども、ああいうことになっていたのではこれは納得しかねますから、そういう意味で私は、ここで歯どめをかう必要があると思うのです。そこらのところを、思想として皆さんのほうはどうとらえているのかという点を承っておきたい。
○佐藤(達)政府委員 よけいなことを申しますけれども、傾斜配分ということばは給与局にはかねがね戒めておりまして、これは配分じゃないのだ、配分というのは下のほうから持っていく、今度は下のほうに上から持っていってつけるというのが配分であって、今度の特別給の問題は、決して配分ではなくて、プラスアルファをくっつけるということで、しかもよそからもらってくるのだということです。だから配分ということばは絶対に使うなということを言っているのです。 そういう趣旨のことをおわかりの上でお尋ねだと思いますけれども、いまの問題は、われわれとしては、この間申し上げたと思いますけれども、本俸そのものと、それからそういうような特別給をプラスした場合における官民の比較のバランスがどうしてもいまはくずれるということで、これも民間に完全に合わせたというものではございません。ございませんが、その辺のバランスをやはり調整する必要があろうということで今回の措置を考えたわけでありますけれども、その範囲は、やはりできるだけ限定した範囲でいきたいというふうに考えております。そして結局、問題の出発は、本俸と特別給とを合わせての給与がどうだという問題になりますからして、場合によっては、あるいは本俸のほうで手当てするのが筋だということになるかもしれません。そういう点はもっと高い視野から今後とも検討していかなければならぬと思っております。
○大出委員 いまの総裁の答弁には議論のあるところでございますが、ただそれは、いままでだいぶ言ってきましたし、主張してきた結果を私は申し上げているので、私の申し上げていることがおわかりの上で言っておられるように思いますから、ぜひひとつ職場の中に、そういった旧来私が申し上げておるようないろいろの議論を、ある意味の混乱を起こさないように、どこかでけじめはやはりつけておいていただきませんと困る。もし拡大傾向を持つならば、それなりの全体的の御考慮がないと、職場の中でいろいろな問題が起こる。これは業務の面でも好ましいことではない、こう思いますので、そういう意味で念のために申し上げておるのであります。 ところで、砂田さんがお見えになっておりますから承りたいのですが、この間、私ちょっと専従者の三年を五年に延ばす件で提起をしたのですが、「企業における労働者代表に与えられる保護と便宜に関する勧告」というのが、ILOで一九七一年六月、つまり本年六月二十三日に採択をされておる。このILOの勧告というのは、提起がありまして二年間留保して置いておきまして、国際的視野でILO関係各省、労働省労働局等が精力的に検討した結果、意見を持ち寄った。その結果、日本は反対をいたしましたが、かつILOがこれを採択をした。これがいま私が申し上げました一九七一年六月二十三日に採択をされたILOの勧告でございます。もう一ぺん言いますが、「企業における労働者代表に与えられる保護と便宜に関する勧告」、こういうのであります。 この背景になっておりますのは、日本の場合には、いわゆる企業組合形態の組織状態が長く続いてきた。中産別ないし大産別の組織の形態をとっておらないと思います。太田議長、岩井事務局長時代に、私が筆頭副議長時代に、総評が産別組織の再編、拡大をはかった時代がある。長続きいたしませんで、当時私はこれに反対した一人ですが、当時の私の主張のように、一年たったらもとへ戻ってしまった。企業内でもっと詰めなければならぬたくさんの問題がある、にもかかわらず、いきなり企業を飛び越えて中産別なり大産別なりというのは、組織にはおのずから長い歴史があるからそうはいかない。もっと企業内で一生懸命やって、ほんとうの壁にぶつかるまでやるべきだということになった。そういう歴史がある。だから日本の場合には、欧州、特に西ドイツに比べれば、企業別組合という形態が長く続いている。ところが、産別形態の組織をとった欧州等が、逆にそこから企業内に帰ってきているという傾向が非常に強くなってきている。この勧告の背景というのは、そういうところから出てきた問題意識なんです。だからこそここに、四の10というところですが、「企業における労働者代表は、企業におけるその代表任務を遂行するために、賃金又は社会的及び付加的給付を喪失することなく必要な休暇を与えられるべきである」、つまり公務員で言うならば、職務専念の義務が一方にありますけれども、その義務を解除する、そして専従休暇という形。三年が今度五年になりましたが、そういうかっこうになっている。民間の企業で言うならば、企業離籍の形で労働組合の専従役職員をやる。その中に、ここで言っておりますのは、「企業におけるその代表的任務を遂行するために」、労働組合の代表なんだけれども、もう一つの性格は、労働組合の委員長というのは企業の代表という性格を持っている、そういう認識なんです。そのほうが、企業そのものの側から見ても、企業は社会性を持ちますだけにいいという観念なんです。だから「社会的及び付加的な給付を喪失することなく」——確かに、付加的な給付が減るということと喪失とは違います。だから、喪失はしていない、減っているのだという認識などもあります。ありますが、これは基本的な問題意識としてそういうふうに動いている。 これを実はこの間、在籍専従三年が五年に延びるときに私は提起いたしまして労働大臣の御意見を承った。総裁の御意見も承った。労働大臣も、そういう動きが欧州等には表に出てきた、そういう認識に立ちます、だから日本は反対をしたけれども、日本の労働組合の現状をどうとらえるかというものとからむから、前向きで検討したい、そういう重要な課題です、こういうふうにお答えになった。人事院の総裁も、今日のたとえば公平審査その他にあらわれる労使関係というものをながめてみて、もう少しこれは考える必要がありはせぬか、そういうところは確かに検討に値する問題だということをお答えになっている。似たような見方に砂田さんはお立ちになるかどうか、一般論としてそこらをちょっと承っておきたい。
○砂田政府委員 大出先生の御議論、これは一義的には労働省の問題であろうと思いますけれども、人事局を持っております総理府といたしましても、新たに出てまいりました一つの方向でございますから、私どももやはり前向きに検討してまいりたい、かように考えております。
○大出委員 日本は反対をいたしましたが、日本は、いま私が申し上げましたように、長らく企業組合が続いているわけでありまして、そういう意味で、倉石さんが第一次の労働大臣をおやりになったときに私は官公労の事務局長をやっておりまして、松崎芳伸氏が当時の法規課長でございますが、そのあと石黒さんになったわけでございますけれども、これはずいぶんやりとりをしたところです。国家公務員法、地方公務員法、四条三項、五条三項等をめぐりまして、逆締めつけと称するもの、つまり地公法で役員代表をやれないというシステムをつくった。当時はレッドパージその他もありまして、あるいはストライキも続きまして、首を切られた人もありまして、入ってすぐ組合の役員にぽんとなられることをきらった、あるいは当時は組合の側もきらった、そういう時代がありました。それが非常に変わってまいりまして、ILO条約の八七号、団結権問題等をめぐりまして変わってきた。ところが最近、欧州の側からまた変わってきたというのがこれなんですね。 なぜ私これを取り上げるかといいますと、実は今回、さっき私が触れましたように、人事院規則の九−四〇ですか、期末・勤勉手当に関する規則でございますけれども、ここらは管理職の期末・勤勉の配分等の問題をめぐって人事院のほうに預けられた問題なんですね。どういうふうにするかということを規則できめていかなければならぬ。手を触れる時期であります。そういう時期でございますから、一つは人事局の問題とからめて、一つは人事院の問題とからめてという両方にまたがってくる問題ですね。したがって、基本的な認識をひとつ承っておきたいと思って申し上げたのです。 さてそこで、短期専従という問題がございます。さっきそこで六法をお借りいたしましたが、人事院規則の九−四〇で年間三十日まで、短期専従はこうなっている。これが勤勉手当の控除対象になっているわけでありますが、ここらは、総評の系統の公務員組合のみならず、同盟系統の皆さんのほうもたいへん熱心に主張しているところでありまして、特に同盟系統の皆さんは、在籍専従のようなものがないところが多い関係もありまして、ほとんど短期専従でいっておりますから、なおのことそういうことになるのだろうと思うのでありますが、したがって、こういう手直しを九−四〇でしなければならぬような時期にもなっているわけでございますから、先ほどの新しい国際的傾向というふうなものもつ片やに置いて、さて短期専従を手当の控除対象にするということの度合いの問題を——だから、私申し上げているのですが、「付加的給付を喪失することなく」という、つまり減ることはあっても、なくしてしまうことはまずいというのがここに言っている趣旨なんですね。だから、そこらのこともつ頭に置きながら少し検討してみる必要がありはせぬかという気がするわけでありますが、そこらのところをひとつ人事院総裁のほうから御答弁いただきたい。
○佐藤(達)政府委員 いまのお尋ねの問題は、結局、勤勉手当を中心としてのものだろうと思いますが、実は例のILOの関係で専従休職制度ができましたときに、同時にいまの休職ができましたわけでございます。そのときのことを考えてみますと、復職時の調整という問題がはなやかな問題になりまして、専従者復職の場合はこれを新しく設けたということがありまして、いま一つの問題は、あまり表立っては出ていなかった問題だろうと思うのです。ところが最近、いまおっしゃるように、そういう声が出てきているということと、もう一つは、専従の期間率の区分があまりきめが荒過ぎやしないか。これは一般の問題として、一つの研究問題としてあるわけです。それらの面もあわせて当然考えるべき宿題になっているわけですけれども、私どもとしては、いま御指摘のような面も、もう少し合理化する方法はないかということも、いま研究はいたしております。
○大出委員 九−四〇は二つありまして、一つは短期専従三十日までが勤勉手当の控除対象になるのでありますが、もう一つの問題は、総裁の口にちょっと出ましたが、期間率の問題があります。給与小六法の四百四十ページ別表第一でありますが、中身は申しません。期間率が区分をされておる。きめが荒くはないかというお話もございましたが、たとえば百分の九十であっていいのか、百分の九十五であっていいのか、そういうところは見方でいろいろございます。したがって私は、長い懸案でもあり、私どもの系統に類する組織だけでなしに、各般の公務員組織からこれらの問題が提起されてきているという時期でもあり、国際的に新しい問題意識が生まれてきている時代でもありということなんで、特に何々対策という意味じゃなしに、一般的な意味でひとつ御検討をいただく必要のある時期である、こういう気がする。幸い砂田副長官から、労働省その他の方々の問題のとらえ方とほぼ似たような御発言を先ほどいただきましたので、無理を申し上げているわけじゃありませんけれども、いろいろな立場でいろいろな見方がありますが、どうかひとつ中心を次元の高いところに置いていただいて、全体的に御検討いただきたい。たまたま総裁から、いま検討課題であり研究中だというお話がございましたから、ぜひこれはそういうことで進めていただきたいということをお願いしておきたい。 そこで、いまの点はこまかいことはやめまして、検討の過程でまた機会を改めまして承ってまいりたいと思うのでありますが、この辺で少し、時あたかも沖繩国会でもございますから、なるべく時間をかけずに何点かの問題を、沖繩国会という意味で沖繩の公務員の皆さんとの関連を聞いておきたいのであります。 その一つは、琉球政府の公務員の皆さんの復帰時点における希望退職、これはたいへんたくさんおいでになる。ところが、退職手当の比率が、沖繩の場合は百分の三百という比率だが、こちらの場合は百分の百五十。そこらのこと等の関係で、復帰にあたりまして、いろいろな準備もし手当てもしたんだが、しかしそこになおかつ大きな差もございまして、今日六百人くらい希望退職の方々がおいでになるようでありますけれども、そういう意味で、そこらがたくさん残ってしまいはせぬかという心配も一つある。ここらをどういうふうにおとりになって、どういうふうになさろうと考えておられるのかという点を承っておきたいのであります。
○砂田政府委員 大出先生も御承知だろうと思いますが、沖繩の復帰に伴う特別措置法の百五十六条で総括して政令規則に委任をしております条項がございます。琉球政府の公務員の皆さんのそういった問題点がいろいろあるわけでありますけれども、ただいま、沖繩の特殊事情を考慮しながらの特別のいろいろな措置を、人事院規則等に関連してまいりますので、人事院で検討をしていただいておるところでございます。
○大出委員 ここに沖繩の復帰に伴う特別措置に関する法律案に基づく人事院規則案要綱というのがございますが、五十三条関係、五十五条関係、五十六条関係、百五十六条関係とございます。一々そこに触れていますと長くなりますから、まん中から引き抜いて申し上げたいのでありますが、いま承ったのは、勧奨退職、希望退職という制度と具体的な復帰に伴う措置、こういう意味で、いまの御答弁ですと人事院で検討中というのでありますが、今日まで表に出ている話といたしましては、それなりの措置はしたんだが、百分の百五十までお考えになったということになると、百分の三百ですから、これは成り立つ制度じゃありません。だからこの際、予算的なものがありますけれども、やはり百分の三百までのところはお認めになって希望退職者の方々の処理はする、これが私はたてまえだろうと思うのですよ。だから、金がないというんなら、その意味の起債だって考えなければならない。そこまでお考えになって、この際希望退職が六百人もあるのなら、全部を受け入れていくのに困難を感ずるということを一面言っておきながら、片方六百人の方々が希望退職を出しているというのに、百分の三百という数字を百分の百五十で頭を押えておいたのじゃこれは処理できない。私は本年六回も沖繩へ行っていまして、たくさんの方々に聞いておりますけれども、ここらのところ、単に人事院がいまになって検討中だというのじゃ、片方のところで検討中だということでちょっと待ったをかけなければ前に進まぬことになるのだが、いかがでございますか。
○砂田政府委員 先ほど、人事院にも検討をしていただいていると申し上げましたけれども、退職手当のことにつきましては私どもの総理府の所管でありまして、ただいま政令でどう書くかということを検討中でございます。 私どもの持っております基本的な考え方は、百分の百五十で頭を押えてかかってというふうなことをかたくなに考えているわけではありません。どういうふうにこれらの方々のいままでの御苦労に報いていけるか。まだ残念ながら数字を申し上げる段階までに至っておりません、予算とのこともございますから。ただ、申し上げておきますことは、政令に書きますことは、必ずしも百分の百五十で頭を打っていこうというふうなことにこだわっておりません。これだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。
○大出委員 これはやはり退職者に対して起債等を考えて、百分の百五十をかたくなに考えておられぬというのだけれども、では百分の二百で納得するかというと、そういうわけにはいかない。だからやはり百分の三百ということになって、予算のワクがきまってきますと、六百人のうちの二百人とかいうことにならざるを得ない。いまの数字で言えば二百人。四百人残ってしまうのですね。全体で、計算がここにありますけれども、これは約三十億ぐらい要るようでありますけれども、やはりそのくらいのところはこの際は考えてしかるべきものというふうに思っております。 実は沖特の審議の中でも、たくさんありますからなかなかやり切れません。見ておりますとそこまでの質問は出ていない。だから私ここで申し上げているのです。つまりこの際は、沖繩の皆さんの復帰に伴ういろんな意欲というものがありますから、本土政府もそこまでのことを考えたのだなという受け取り方が必要だ。そうなると、片や受け入れることに困難を感ずる、つまり本土の算定からいけば多いという。それならばなぜ一体、六百人の方々が希望退職者としてあらわれているのに二百人で切るか、そんなばかなことはないじゃないかということになる。そこらを、政令を出していただかなければ審議ができぬと言ったのはそこなんですけれども、これから政令をお書きになる。ここでいろいろやりとりをして、こうだなと推測をしておしまいにしたら、そうでない政令が出たということになると、またもんちゃくが起こる。だから私、やはりこの国会の会期中に、ここらは確たる結論をお出しいただきたい。いま砂田さんにここで出してくれといっても無理がありましょうから、そういう問題点としておあげをいただきたい。どうせこの委員会では沖繩復帰の二つの法律があります。これは時間切れで次の国会で継続審議でよろしいのだと委員長がおっしゃれば、これはまた別。あるいはそういうお考えかもしらぬと思っておりますけれども、これはやはりつけるべき決着はつけなければあげるわけにはいかぬのですから、ぜひそういうことにしていただきたいと思うのです。
○砂田政府委員 今日ただいますぐに私から御説明ができませんことは残念でありますけれども、考えております基本的な私どもの思想は先ほど申し上げたとおりでありまして、大出先生のおことばをかりますならば、本土政府もここまでは考えてくれたなという受け取り方をしていただけるような結論を出したいと思っております。そういう考えでおりますので、どうか沖繩開発庁設置法も時間切れなどお考えにならないようにお願いしておきたいと思います。
○大出委員 どうもこれは、一つの条件を提起したら、それじゃ通してくれというお話が出てまいりましたが、実は砂田さん、まだたくさん条件がございまして、全部条件をあげて同じ御答弁が出てまいりますとたいへんありがたい。私どもの主張がみな通ってしまうことになるのでね。(発言する者あり)上原代議士がうしろで沖繩の、心を言っておりますから、ひとつ……。 ところで、二番目に年次休暇の買い上げ問題がある。これは私も労働組合の責任者時代にずいぶん苦労した問題なんです。私は昔、労働省を相手にしまして裁判所に訴えたことがある。この時間外労働その他についてもそうなんですが、仕事を命令すれば時間外手当を払わなければいかぬですから、自主的超勤と称して、たくさん居残りをやっているのだが、あれは自主的に皆さん残っているので、業務命令を出したのじゃないのだから時間外手当を払わないでいいという認識があった。休暇もそうなんですね。年二十日なら二十日という年次有給休暇が一般的にあった。ところがほとんどの方々が一年間で十日も十五日も残している。休暇をとっていない。百三十日あるといっていばっている人がたくさんある世の中だった。そこらの問題をとらえて提訴をしたところが、まあ、こちらにもやり方があったわけですが、つまりどのくらいの超過勤務をやっておったかというメモをずっととっておいた。仕事量が多いのだからということで、何月何日、課長がそこにいて私は仕事を三時間やっていました、ようやく終わったから帰りましたと、全部メモをとった。課長が目の前にいて、お帰りくださいと言わずに黙っていたということになると、業務命令を出したのと同じだという解釈が成り立って、どうも裁判で労働省が危くなったから、お取り下げください、金は払いますからということで、だから小さな郵便局で人がいないところに、一人当たり十万円だの八万円だのという金が出てきたことがある。そういう争いまでやって超過勤務の問題なり休暇の問題なり払わせた時代があった。 沖繩の場合も、労働運動の過程ではいろいろな問題があったと思いますけれども、たくさん休暇が残っている。だから、十年前のことをいま私どももう一ぺん振り返ってものを言わなければならぬ時期が来ていると思っている。ところがかたくなに、買い上げという制度がないのだからいけないのだという。昔は買い上げさしたことが何べんもあるんですよ。年末闘争の焦点が年次休暇の買い上げだなんというばかなことがあった。労働運動の基本原則からいえば間違いだけれども、やむを得ぬことがあった。だから、そういうことから考えると、あまり理屈を言わないで、本土にお帰りになる沖繩の皆さんに、この休暇の処理というものは、ほんとうならば、本人は骨身を削って仕事をしているのですから、休養代というものをたな上げにしてきたのですから、そういう意味で処理をする必要がある。 そういうふうに考えてまいりますと、私はやはり、買い上げるか、さもなければそれに類する措置、退職時に積み上げるというような措置を——私どもの全逓のような場合は、基準法適用になって変わりましたときに、退職時に積み上げた。できない方法じゃない。先例はある。だから、そういう点等からして、合理的な残存年次休暇の処理をお考えいただきたいと思うのでありますが、現状をどこまで、どういうふうにお考えになっておるのか、まず承りたい。
○砂田政府委員 有給休暇の買い上げという制度が現沖繩にはありますけれども、本土法にこういう制度がない、これをどういうふうに解決するかという点につきましては、これは人事院規則上の問題でもございますので、人事院に御検討をいただいております段階であります。
○大出委員 その人事院の処理が困るんですよ。佐藤総裁、これは人事院規則にゆだねておりますが、人事院規則がある。これは基本は五年以内に消化するというものなんですね。ちょっとこれは困る。それでは沖繩の現情勢に合わない。したがいまして、合わせて何らかの処置が必要になる。だから、私の申し上げている退職時に清算をする、これもこそくですけれども、一つの方法でしょう。もっといい方法を考えてあげたいのですけれども。そこらのところを、一体五年で消化するなんといって、こちらに来て年二十日のものをもっとよけいとってくれなんといったって、そういうわけにいかない。本土復帰してすぐ五年間で、本人が百日持っていたら、五年間ということになったら、年二十日、倍とらなければいかぬ。そんなゆうちょうな業務状態でもない。だから、そうなってくると、それは有効な消化方法ではない。五年たったらなくなってしまうというのなら、なおのこと。だから、沖繩の法制に合わせて、既得権なんですから、それはどう苦労しても生かさなければならぬ、こういうふうに思う。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 これは私どもの所管ばかりでなしに、ほかの関係にもまたがっての問題でありますので、人事院が別に独断をもって方針をきめているわけでもありませんけれども、いままでいろいろお打ち合わせした結果は、大体いまお読みになった形で、一番機械的な詰めをやれば、本土並みというんだから二十日だけやろうということでいく手もありましょうけれども、それはいかにも申しわけないということで、ためられたお休みの分はそのまま持ち越していただこうということでいまの案ができておるわけです。 ただいまの五年も、いろいろここで御批判があると思いますが、それを承って、なおわれわれとしては、まだいますぐ復帰するわけじゃありませんから、どうせ来年に入ってからのことですから、まだ研究すべきところはあるのではないかという、多少ゆとりある気持ちを持っておることは事実でありますけれども、われわれとしては、すべての措置は五年ということで暫定的に扱っていらっしゃいますから、それでは五年ということでよかろうやということで、そういうふうにお見せしておるわけでございます。
○大出委員 これまた砂田さん、先ほどおっしゃった、お通しくださいよとおっしゃるなら、やはり通せるようにしていただきませんと……。沖繩の皆さんは一日も早く本土に復帰をしたい、返りたい、しかしその中身では帰れぬじゃないかというところに、再交渉という理論が出てくる。当然なんですね。だからやはり、ここまで本土のほうで苦労してくれたのか、ならば不満は山ほどあるがというところまで行っていただかないと、人の心ですから、沖繩の皆さんの心を金じゃ買えません。誠意の問題。だからそういう意味で、総裁いまいろいろおっしゃっているけれども、確かに総裁の所管の範囲だけの問題じゃない。だがしかし、いずれにせよ、ここまで考えたんですよ、ほかのことも含めて、ということにならぬと、それは、わがほうの所管の問題でもそれだけじゃないですから、沖繩開発庁と言われたって、あんまり公務員のほうは開発にならぬのですから、それではやめておけということになりかねませんから、ぜひ前向きに御検討いただきまして、どこまで行けるかをやはりこの会期中に明らかにしていただきたいと思います。私の主張は買い上げろということなんです。それができなくても、百歩譲っても、退職時に清算をする、積み上げるということにしてくれということなんです。その点だけ申し上げておきます。 それから、身分引き継ぎによる賃金の保障という問題なんですが、つまり格差があるわけですね。これをどういうふうに本土の制度の中に組み込んで、沖繩の皆さんに損のいかないようにするかという点、これはどうしても考えていただかなければならぬ点なんですが、時間の関係で私のほうから少ししゃべりながら承りますが、三十年に自治体警察が国家警察になったときがある。このときの方式が一つある。これは逓減方式ですね。たとえば一万円の格差があったということになると、勧告で賃金が上がると、特別手当ということで二千円なら二千円積み上げるということでやっていった。しかし、これは現実の問題として格差を埋めたことにならない。だんだん減っていくんですからね。次は八千円というふうに落ちていく。次は六千円と落ちていく。本来一万円のものが続いていかなければいかぬわけですから、そういう意味のいわくなしくずしなんですね。それでは困るというふうなこともございまして、人事院規則のこれも守備範囲でございますから、ここらどういうふうにお考えになっていますか。
○尾崎政府委員 琉球政府公務員で国のほうに来られます方々につきましては、新しく本土の給与法の適用になるということでございます。したがいまして、たてまえといたしましては、琉球政府に就職いたしましたときに国家公務員になったというたてまえのもとに仮計算をいたしまして、そして現在それが幾らになるかということで、新しい給与の適用をするということにしたいわけでございます。 そうした場合に、現在の琉球政府公務員で、本土の給与法の適用になった場合に、上がる人もございますし下がる人もあろうというふうに考えられますが、上がる人はよろしいわけですが、下がる人につきましては、法律案におきましては、差額手当を支給するということにいたしております。それがどの程度の規模になるか、どの程度の範囲が下がるのか、どの程度の人が上がるのかという点が一つ問題がございます。それは現在具体的に作業中でございまして、琉球政府におきまして、全職員につきまして、さらに教員につきましても、現在仮計算中でございます。 大体この仮計算は機械的に年内ぐらいにやりまして、来年になりましてから、一月ぐらいに具体的に調整して結果を見るというふうに考えておりますけれども、しかしそれによって一応のめどがつくわけでございますが、さらに実際に切りかえる時期はいつになるか、さらにそのときの換算レートはどうか、あるいはベースアップの計算が相互にどうなるかという関係がありまして、具体的な規模がまだ明らかにはならないわけでございます。そこで、当面はたてまえの問題ということになってまいりますが、かりに下がることになる人につきましては差額手当を支給するわけでございますが、いま御指摘のございましたように、たとえば市町村公務員で国へ移管になるといったような従来の経験がいろいろございます。たとえば、いま御指摘になりました警察法関係で移管されるというような場合には、これは手当でその差額をやったわけであります。それからその他、たとえば県の病院が国になるというのがこのところ幾つかございましたけれども、そういうのはすべて特に補償をするということはいたしませんでした。そういう例がいろいろございますけれども、今度は若干事情が違いますので、差額手当を支給していこうということでございます。 それの今後の扱いをどうするかという問題でございますけれども、当面の方は急激に給与の変動が起こらないように差額手当を支給するわけでありますが、しかし、次に入ってくる方、来年入ってくる方はもう差額手当は支給されないという面がございまして、来年、再来年入ってくる方との均衡問題もございます。したがいまして、できるだけ早くと申しますか、やはり徐々に逓減をいたしまして、なるべく全体が同じようなレベルに達するようにいたしたほうが適当じゃないかというふうに考えておりますが、その辺のところはよく向こうの事情も承りまして、その逓減方式という点をよく検討してまいりたいというふうに考えております。
○大出委員 私は、本年の八月ですか、調べたことがあるのですが、そのときに総裁にちょっと承ったことがあるのです。勧告の出る前です。つまりあのときは、たしか向こうが二回すでに勧告がありまして、今回の勧告は入ってない。調べてみたら、トータルでいって三十二歳くらいだったのですが、その辺でクロスするわけです、こっちの給与体系と。つまりそこから上はこちらが高い、上がる。だから沖繩が返ってくれば、そこから上の人は高くなる。下の人は低くなる。格差ができる。いまの話は相対的にいってこういうことになる。 その場合に、さっき私、警察の話をしましたが、いま横浜市の職員なんていうものは、国家公務員に比べて二割やそこら高い。そうしなければ地方公務員をやる人はないわけですよ。有能な自治体の市長ならば、自治省の鎌田さんなんかが幾らやかましく言うたって、地方のほうを高くしておかないと——あの人はその点で昔よくおこったのです。やはり少し考えておかなければ、自治体をやる人がない、そういう話をしたら、前自治大臣ここにおいでになりまして、それはそうだと言って、たいへん与党から御賛成をいただいたのです。永山忠則さんですが、彼は、そのとおりだ、地方公務員が国家公務員よりも安い賃金だなんて、よほど市長がばかだという話で、二割じゃまだ低い、三割、四割でなければ優秀な地方公務員は埋まらないとか、そういう時代がありましたが、差があるのは歴然としておる。 だから、返ってくれば二割なり三割高い。一万円高かった場合に、特別手当で消化しようということになりますと、人事院勧告が出たところで、その勧告で上がった額にプラス二千円なら二千円の特別手当をつける。これで一ぺんですね。特別手当ですから一ぺんだけでおしまい。そうすると、次の勧告が出たときに、残り八千円をまた二千円特別手当をつける、それでおしまい。だからそれが五回重なると、格差というものは一切なくなったのだ、つまり国の側のベースにそろってしまうということになる。あとは一時金で終わってしまったということになる。そういう逓減方式なんですね、簡単に言ってしまえば。だから、そういう形をお考えになっているんだとすると、いささか復帰にあたって問題が起こる。人事院がいまやっておられるのを見ますと、似たようなことをどうも考えている感じがする。ここに人事院規則があるのです。昇給とベースアップで逓減するというのですね。そうすると、いま私が言ったようなことになる、こう思うのですが、昇給という意味が、期間短縮でもして上げていこうというなら、これはまた別です。そこらのところは一体人事院はどう考えているのか。
○尾崎政府委員 技術的には、昇給あるいは特別昇給、あるいはベースアップ、そういった給与の上昇に伴って措置するということはあろうかと思いますけれども、しかし、ベースアップ、あるいは特別昇給、あるいは普通の昇給ということは、それぞれみんな性格が違うものでございますから、その点をよく考えなくちゃいけないわけですが、いま申し上げましたように、たてまえといたしましては、これは今後入ってくる人とのバランスの問題もございますので、暫定的にそういうものを一応あれいたしますけれども、ある経過期間の後には、すべてみんな同じようになるということで逓減をして、全くほかと同じような形にするというふうにしたいと考えておりますが、その関係は、どの程度の差額の受給者が出るだろうか、その規模はどうであるか、そういう点が現在仮計算中でございますので、そういうのを見まして、どういう形でこれをするか、逓減方式は何で逓減させるかという点は、今後よく検討してまいりたいというふうに考えます。
○大出委員 これは尾崎さん、これから入ってくる人の場合は、まずさておいていただきたいのですよ。もちろん関係はあります。ありますが、いまいる人をどうするかということです。最近の私立大学だって、月謝を値上げするというので大騒ぎが起こって、ロックアウトの騒ぎまで起こった。何のことはない。通知が来たのを見ると、在校生については上げません、あとから入ってくる人たちだけ上げる。在校生はしようがないもんだから、おれたちはおやじに、もう少し上げてくれと言わないで済むということで、たいへんなゲバにならずに終わった。つまり現在いる人のことを考えなければ問題は解決しない。だからそういう意味で、さっき例にあげたようななしくずしをやっていただきたくない、こう思っているのです。そうなってくると、将来の交流の問題でありますが、そこにはいろいろ問題がありましょう。ありましょうが、沖繩の現状というのは環境が違うのですから、そこのところをやはり考えて処理していただきたい。一番底辺はそこに置いていただかないと困る。いま仮計算中だとおっしゃるので、結論めいたものはない。ただ、人事院規則の中身からすると——こんなことをばく然と考えているというなら詰めようがないわけですから、もう少しそちらで詰めていただいて、はっきりしていただきたいと思うのであります。 ところで、為替レートとの関係が一つあるわけでありますが、復帰に伴うレートが三百六十円ということでなくなるとすると、ここらのところも、特に恩給だ、年金だというのは、たいへんな違いが出てくる。恩給、年金なんかの場合にはたいへんな相違で、レートが三百十五円なら三百十五円になるとすると、七万二千円の方が六万三千円になってしまう。ここらのところは一体どう考えているのですか。
○尾崎政府委員 公務員の切りかえにおきましてどういう換算率をとるかという点でございますけれども、これは換算率そのものは、すでに三百六十円というのは過去の形になっておりまして、現在はもう時々のフローティングレートというものになっておるわけでございます。したがって、公務員の場合におきましては、私どもとしましては、一般の関係によるものでございまして、特に公務員だけ特別なことになるのはいかがであろうかというふうに考えます。
○大出委員 そうすると、それだけ落ちるということになりますか、公務員だけ特別の措置をとれぬということになると。現行フロートしているレートでものを考えると、一四・三なら三百十五円、二十円なら一二・五ですから、その辺は大蔵省のあれでどうなるかわかりませんが、主計局の方おいでになるはずですけれども、どのくらいでおさまるかによってこれはたいへん違う。そこらのところは大蔵省はどう考えているのですか。
○平井政府委員 一般的に申しますならば、特別措置法で規定いたしておりますとおり、すべての債権債務の切りかえについては公定レートが一応適用されることになると考えます。
○大出委員 そうすると、恩給、年金なんかどういうことになりますか。
○平井政府委員 先ほどお話がございましたように、在職されたままで本土へ復帰されます場合におきましては、日本の公務員としてずっと継続された場合にどのような恩給なり年金が支給されるかという計算で支給されることになりますので、直接切りかえの問題とは関係なしに処理できると考えます。
○大出委員 そうすると、もう一つ私は承りたいのですが、既裁定者の方はどうなりますか。
○平井政府委員 当然公定レートによって計算されることになるのではないかと考えております。
○大出委員 そうすると、その分だけ下がるということになりますな。
○平井政府委員 復帰後におきましては、全体としてドル経済ではなくて円経済に入るわけでございますので、円経済におけるバランスからすればかわりはないはずであると考えます。
○大出委員 もう少し具体的にこの計算をしていただきたいのですが、七万二千円もらっている既裁定者、この方は幾らになりますか。いまの三百六十円で換算してですよ。
○平井政府委員 現状におきましては、七万二千円でございますから二百ドルになるわけでございます。現在は二百ドルをもらっておられるのでございまして、七万二千円をもらっておられるわけではございません。したがいまして、復帰後におきましては、いまのようにかりに一割下がりますれば七千二百円だけ計算上は下がることになりますが、ただしそれは、復帰後におきましては、すべてが新しいレートのもとに円経済が行なわれるわけでございます。その辺のところは当然バランスをとるべきだと考えております。
○大出委員 これは二百ドルで七万二千円ですから、一割違えば七千二百円違うのです。あなたは、七万二千円もらっているんじゃない、いま二百ドルもらっているんだと言うけれども、この間のドル・ショックの問題がなければ、レート変更がなければ、向こうで二百ドルもらっている人はこっちへくれば七万上千円の計算になる。そうでしょう。ところがこの種のものがあったから、向こうで二百ドル、つまり七万二千円もらっている方は、今度はそうはいかない。一四・三ですから、三百十五円にもしなるとすれば、七万二千円じゃない、六万三千円ということになる。計算上じゃないのですよ。実際にそうなる。 ということになると、この間、これはあれが最後だと言ったけれども、最後で済むかどうかわからぬけれども、復帰歓迎か何かの判こを使うという騒ぎになって、ここにあるけれども、消しゴムの頭か何かで赤い判こをぽつんとやったのがありますよ。これは洗ってみてもなかなか落ちない。こういうかっこうでぽつんと押してあるのは、レートが三百十五円になっても三百六十円なんでしょう。その点はたいへん均衡を失するじゃないですか。そこらは一体どういうことになるわけですか。これは納得しやしませんよ。二百ドルもらっているんだからこれはあくまでも二百ドルなんだ、復帰時点においてレート変更があったから、変更があっただけ下がって当然なんだ、向こうの二百ドルはすでに下がっているんだからという解釈だとすると、それならば、何で一体外交関係も何にもないままで沖繩をほっておいたのかという復帰問題の争いの原点に返る。そこは一体どうなるのですか。
○平井政府委員 沖繩経済全体が新しいレートのもとに本土へ復帰するわけでございますから、公務員のみを取り上げて三百六十円レートの計算をするということは、実際問題としてはきわめて困難でございます。
○大出委員 新しいといったって、この間、いま私がお見せした、ぽんとついて最後の措置だ、そんなことは沖繩の人は認めていない。冗談じゃないと言っているわけです。だから、そうなるとこれはたいへんな争いの焦点です。ちょっとただでは済みませんよ。これは既裁定者の方が一番よくわかる。二百ドル恩給をもらっていた。七万二千円である。ところが三百十五円というレートになれば、六万三千円だ。そうでしょう。沖繩にいるんだからと言ったって、円経済になるのですから、そういう意味では。だから、ニクソン新政策なかりせば、円経済になったときに七万二千円はあくまでも七万二千円だった。ところが今回の措置によって、これは六万三千円に落っこちて、それでよろしゅうござんすと泣けばしませんよ。そんなことじゃ泣けない。これはそう簡単な問題じゃありませんよ。 主計局次長に幾ら言ったって、あなたは政策を論じているのじゃないからしようがないので、山中総務長官、総理大臣がいないと困るので、あらためてお見えいただいて伺いますが、砂田さん、そういうことは総理府としては何とかお考えはないですか。恩給もおたくの所管なんだから。
○砂田政府委員 ただいま大出先生がおっしゃいました、私も拝見をいたしました、そのドルの赤マルをつけたあの措置も、やはり沖繩の方々のドル・円の関係に対する不安をできるだけ払拭をしたい、そういう意図を持ってとった措置でございます。若干米国の顔をさかなでしたような感もありましたけれども、沖繩の方々の不安をなくしたいという意図でとった措置でございますけれども、ただいま御質問の公務員給与につきましては、引き続いて本土の公務員になられる方等々については、これはもう俸給というものがこっちの俸給表で合わさっていく。先ほどお話のあった、三十歳以下の方々に対して特別の手当を設けていく、これも法律できめて人事院で御検討いただいているところでありますが、そういうふうにいたしまして、三百六十円換算という問題はそこには生じてこない。ただ、先ほどおっしゃいましたような事態は若干残るかと思いますけれども、やはりこれは、沖繩経済全体がドル経済から円経済に移行してくる、そういう大きな環境の中で特別の措置がなかなか困難なことである、こういうふうに私どもは考えざるを得ない点でございます。
○大出委員 これは、いずれ総務長官がおいでになるわけですから、政治問題でございましょうから、そこに残しましょう。 公務員の場合は、本土の俸給表ということになりますと、つまり格差問題のとり方をどう見るかという問題が残りますが、それなりに救われます。ただ既裁定者の場合は、恩給証書を持っている方ですから、現に二百ドルの恩給なら恩給をもらっているのですから、一割レートが変われば七千二百円変わるのが道理であります。だからそれでいいかという問題がある。現職の公務員なら、こっちの俸給表に乗ろうという問題になって、差額の問題だけ残るのですから、特別昇給なり、やれ昇給というようなやり方を使いながら、やり方は幾つもある。しかし既裁定者の場合はそうはいかない。だからそこら辺のところは、それなりに考えなければならぬ筋合いだと思うのです。つまり、合理的な結論がない、いたし方がないといういまお話ですから、それでは事済まぬと思いますので、これはひとつ問題を残します。 ところで、もう一つ人事院に承りたいのですが、特地勤務手当、これは幾らか幅を持たせてお考えいただかぬと困る面もあるのです。たとえば特地というものをどこを基準に考えるかという。これはあると思うのですね。鹿児島港を基準にするということになるとすれば、それなりにこれはまた考えようがありますけれども、那覇なら那覇を基準にするということになると、これまたたいへんな変わり方になる。そこらのところは、これは先般皆さんがおやりになった措置でありますけれども、一体どういうふうにお考えになっておられるのですか。
○尾崎政府委員 沖繩関係の手当といたしまして一番大きな問題は、特地勤務手当関係だと思います。現在その関係は、沖繩のほうの現行制度としましては、本島と宮古及び石垣はそれぞれ特地勤務手当がついておりませんで、それぞれの島から外へ出たときに手当がつくというたてまえになっておりますけれども、今後これをどういう形にするかという点をいま検討いたしております。やはりその関係は、本島というところが一つの中心点であることは間違いないというふうに思っております。 したがって、そういう関係で言いますと、先島のほうの関係は、現在の制度よりは若干別の形になる可能性もあろうかと思いますけれども、本島を中心にしていまいろいろ検討をしておるといったような関係でございまして、大体におきまして原則としては、沖繩の現在の制度は本土の旧制度に一応準じまして決定をいたしておりますので、基準そのものはこちらと非常に違っているということはございませんので、それを大体において尊重をして、なお新しいこちらのほうの関係は昨年変えましたので、そういう関係もあわせまして今後検討したいというように考えております。
○大出委員 特地勤務手当は、先般、鹿児島港ですか、それを基準にして奄美であるとか沖永良部であるとかきめていったのですね。基準点は鹿児島。ところが、今回返還にあたって、今度は、那覇であるとか泊であるとか、その辺に基準点を設けるとすると、与論島なんというのはすぐ目の前ですからね。つまり全体をもう一ぺん幅を持って考えないと妙なことができ上がる、そういう心配がある。たとえばこっちから沖繩へ行く人たちはどうなる。那覇へ行く人たちは四%持っていくのでしょう。もしそういうことになると新しい格差も出ますし、ならば那覇というところはせめて三%なら三%ということで、つまり乙ということに考えるなら考えるということにしなければ、それだけではありませんが、またそうなるとそれなりのアンバランスが出てくると思うのですけれども、そこらのところを少し幅を持って考えていただくというふうな方向づけをしておいていただきませんと困りやせぬかという気がするのです。ですから、ぜひここのところは、私が申し上げても、これから検討するということですからいたし方ありませんけれども、そういう幅を持たせてひとつ考えていただきたい。しかも、これはいつごろまでにどういう結論、どの辺で結論をお出しになればいいのですか。
○尾崎政府委員 先ほど、離島関係につきまして現在仮計算中であるということを御報告いたしたわけでございますが、そういう関係と大体並行しつつ手当の関係も煮詰めてまいりたいというように考えております。やはり那覇はほかの県庁所在地と同様な大都会でございますし、特地勤務手当の対象というのはちょっといささかどうかという関係に考えておりまして、やはり那覇を中心にして外のほうに行った場合にどうか。したがって、いままでは鹿児島を中心にして離島のほうを考えてまいりましたけれども、もう一つ中心を置きまして、そして新しい手当体系を考えるというようにいたしたいと考えております。
○大出委員 まあいろいろな考え方があると思うのですが、この国会の幕切れまでに何らかの視点をはっきりしていただきませんと、そういうところはまだこれからでよくわからぬけれども、そのときになって考えるからなんというようなことじゃ、やっぱり沖繩の公務員の皆さんはたいへん不安なことになる。したがいまして、時間がありますので、この委員会も法律を二つかかえておりますから幾らでも無理が言えるようになっておりますので、それらの無理を大いにこれから言わせていただこう。無理押しでも何でもいたしますから、ほかならぬ沖繩のことでありますから、お覚悟のほどをよくお願いしたいと思います。 次に労使慣行という面で幾つか承りたいのです。これは公務員制度でございますが、この休職専従は一体どういうふうに今日の向こうの制度と合わせてお考えでございましょうか。
○島政府委員 現在、沖繩琉球政府職員の専従制度はわが現行の公務員法のもとにおける専従制度と若干異にしております。その内容を詳しくいま申し上げませんが、復帰後直ちにわが本土法に定める専従許可制度を適用することはいささか酷であるという気がいたしますので、復帰後一年間は、実質的には沖繩における従来と同様の取り扱いをしたいというふうに考えております。
○大出委員 これは一つは、沖繩の場合二年間は休暇ですね。休暇ですから、そこに専従つまり休職が三年ということになりますと五年。これは沖繩の皆さんが旧来言ってきたところなんですね。だから、四年にしてうち一年は休暇扱いというやりとりが、その中で進んでいたと思うのですよ、私が沖繩に何べんも行って話を聞いている限りでは。今回は在職専従が二年延びて五年になったわけでありますから、これ六年になるわけですけれども、そうなると、うち一年は休暇、こういうことなのです。 これは理由がありまして、行ってみると、御存じのとおりあの大きな建物ができております。官公労共済会館などというのがありますね。あれなどは清算が要るんですね。登録その他の関係もありますから、切りかえるのに清算団体にならなければならない時期がある。それから、そのほかにも幾つか官公労共済会館、こういうものに類する生活協同組合みたいなものもありますしいたします。そこらが清算をしたり、いろいろなことで切りかえなければいけないんですね。そうするとそう簡単にいかないのです。そこらのこともありますから、どうもいまのお話では少し無理があるということで、休職専従四年ということで、いままでうち一年は休暇扱いである、ここらを登録期間等々を考えて、いま私が申し上げました理由等を付して、今度の二年延長等にあわせて考えていく。六年なら六年というふうに考え、うち一年は休暇であるというふうに、これから少し幅を広げておいていただかぬと、現地の諸君の処理に困る、こういう問題がある。そこらのところはどういうふうにお考えですか。
○島政府委員 この問題は、私のほうだけの問題ではございませんで、自治体のほうにも問題がございますし、また公労法適用職員の関係の問題もございます。関係省庁と大体打ち合わせながら、現在、先ほど申し上げましたような措置をしたい、こういうふうに実は考えておる次第でございます。 なお、いま先生のおっしゃったような点も、今後十分検討してみたいというふうに考えております。
○大出委員 時間の関係もあるようでございますから、あまり長論議はいたしませんが、卒直に向こうの皆さんの考え方を申し上げまして検討してみるというお話でございますから、また先に論議をする場所をつくりたい、こう思うのでありますが、ぜひ御検討いただきたいと思うので、あります。無理がいくということは、いずれにしてもこういう復帰という特殊な時期でございますだけに、できるだけ避けて、ゆとりを持たしてやってもらいたいと思います。 それからスト権の問題なんですが、ここらのところはどういうふうにお考えですか。これはどこの所管なんですか。
○島政府委員 争議行為禁止の規定は、現在、沖繩の琉球政府公務員法にも規定されております。したがって復帰後においても、その点については本土法とは少しも変わりございません。争議行為は公務員については禁止されるということになるわけでございます。
○林(忠)政府委員 現在、沖繩の市町村につきましては、琉球政府公務員法その他の適用はございませんので、労働三法が適用になっておりまして、御指摘のとおりスト権はあるという形になっております。これにつきましては、復帰をされますと、本土の市町村と同様の事務に従事されることになりますので、一応公務員法をそのまま適用するという考えでございます。言ってみればスト権というものは、復帰後は市町村についても公務員法の適用があるという姿になる、そういうふうに考えます。
○大出委員 市町村でいま労働協約が締結されておる。その期間は三年なんですね。ですからこれは当然既得権というものの見方が、常にいま沖繩とのやりとりの場合に表に出てきているわけでございます。そういう意味では、三年間の協約の有効期限というものは当然考えてしかるべきものである。これはおそらく、あまりストライキをやられては困るという政府の目的意識があるのですから、ぶつかるところだと思います。思いますけれども、そのことのためにまたストライキでも連続して起こるということになると意味がない。そういう点を考えまして、協約の有効期間が三年であるというところに一つの問題点を置いて、そこらを基準にその間は継続をするという、問題を起こさない措置が私は必要であろうと思っている。現地の方々も、それで満足はしてないけれども、たてまえ論としては、協約の有効期間は三年あるんだぞということが表に出ているわけですから、そうすれば、おそらくは曲がりなりにもおさまるのじゃないかという気がする。だからそこらのところは、いま二人がお答えになったようにそう簡単にはいきませんから、いまから腹をくくっておいていただきませんと、それで押し切ろうということになると、じょうだんじゃないという騒ぎになって、またそのために大きな問題が起こる。だから、そういうことでなしに、現実ある姿は、いま御答弁のようにストライキを続けてきている経過があるのですから、そういう意味で処理をする、これが私の言いたいところなんです。これまたどなたがお答えになるのかよくわかりませんけれども、いささか政治問題がかった言い方になるので、事務的にできる限りの御答弁をいただいておきたいと思います。
○林(忠)政府委員 現在は労働協約という形で市町村の職員の勤務条件その他がきまっております。復帰をされますと、これは公務員法の体系によりまして、条例、規則その他によってきまることになりますので、きまる形式が変わってまいると思います。 そこで、復帰後の勤務条件その他の問題につきまして市町村が条例を制定するときに、従来の労働協約で定まっている事項については、本土の法令に抵触しない限りはできるだけ尊重するという指導はしてまいりたいと思います。労働協約そのものの効力を法的に生かすということは、新しい公務員体系との間にちょっとそごを来たしますので、条例の制定などで十分配慮をしていきたい、こう考えております。
○大出委員 どうせ本土の公務員組合だってストライキをやっているのですから、たいしたことはないのですけれども、あれは実は金がかかるのですよ。皆さん処分だ、処分だというものですから。この金はもったいないですからね。だからそういう意味でやはりトラブルが起こる。私はきわめて現実的にものを言っているのだから。そこらは、いまお話がございましたように、何らかの形でひとつ現地の意図というものを生かしていただくという方向での御努力をいただき、その問題をもって、そのためのストライキなんということにならぬようにやっていただきたいと思うわけであります。これまた期間がございますので、あらためてまた御質問したいと思うのであります。 それから恩給公務員の、つまり最低年限を含めた恩給の相当年限ですね。これは総理府の分野なり大蔵省の分野なりいろいろあると思うのですが、ここらのところはどういうふうに計算すればいいというふうにお考えでございましょうか。
○伊能委員長 大出君にお話ししますが、答弁がどの役所からされたらいいか、明確にしてください。
○大出委員 これは共済年金ということになりますと大蔵省の関係もあり、地方公務員の場合は、地方行政の関係もあるから自治省でございます。国家公務員の場合はこれは総理府でございましょう。おのおの関係があるので、ひとつおのおのお答えをいただきたいと思います。 これは切りかえ時点が違いますからね。たとえば国家公務員の場合は、三十四年に共済への切りかえなんかもありましたしするので、どういう認識でどういうふうにおとりになるのかを聞いておきたい。
○平井政府委員 御承知のように、本土におきましては、ただいま御指摘のように、三十四年十月以降一般の国家公務員は共済組合になっておりますし、沖繩におきましても、おくれながらも現在すでに共済組合制度ができ上がっておりまして、共済組合員期間は当然本土の共済組合に引き継ぐという形をとっております。それから共済組合の発足前の期間でございますが、それにつきましては、発足時に引き続く期間については、本土法におきましても、これを組合員期間とみなすという形になっておりまして、そういう形で受け入れるということにいたしておるわけでございます。
○大出委員 発足時に引き続く期間というのはどういう解釈をすればいいのですか。具体的に言っていただきたい。
○平井政府委員 たとえば本土法でございますと、昭和三十四年十月一日に施行されまして、その前から勤務いたしておりました。もちろん恩給公務員でございますれば更新組合員になります。その他雇用人であります場合も、一応雇用人組合員として引き続いておりますけれども、引き続いておらない方もあるわけでございます。そういう資格のない方についても、引き続く期間、つまり三十四年十月一日とくっついて、たとえば三十三年からずっとつとめておられたというような場合には、その期間は共済組合員期間として共済年金の基礎期間に入れるというやり方をしております。
○大出委員 分けて聞きたいのですが、いま恩給公務員の資格がある沖繩の方々の場合に、どういう方々が恩給の資格を持っているということになりますか。たとえば元南西諸島特別措置法吏員、そういう方々がある。あるいは元沖繩県の吏員、あるいは琉球政府の二級一般事務職相当職以上というような形の方々がありますね。それから琉政の三級一般事務職の人、あるいは技能労務職員等等ございますね。ここらはどういうふうに分けてお考えになっておりますか。
○平井政府委員 いわゆる南西諸島法の適用を受けますのは、戦前から継続して琉球政府なりその前身に勤務しておられた方でございまして、これにつきましては、現在までのところ恩給法と沖繩の制度とが併存しているような形になっておるわけでございます。いわゆる琉政の行政分離後採用された方でございまして、恩給公務員に相当する、おそらく二級職相当ということになろうかと思いますが、そういう方々につきましては、琉政の共済組合法におきまして、その勤務期間は通算して継続するという形になっておりまして、これは本土法においてそのまま受け入れるという形にいたします。
○大出委員 もっと平たく言えば、元南西諸島特別措置法に基づく吏員の方々は公務員の恩給資格がある。それから元沖繩県の吏員の方々も同様に考えられる。それから琉球政府の二級一般事務職相当職以上の方々についても当然本土法で引き継げる。以上は恩給相当期間と見ることができる方方なんですが、残るのは、琉政の三級一般事務職の人、あるいは技能労務職の方々、ここらの方をどうするかという問題が残るのです。その場合に、技能労務の方々、これは本土で言うとどういうふうに解釈すればいいか。 行(二)みたいな方々なんですけれども、沖繩の場合には職階制ですから、試験がいろいろと複雑にある。だから、三年なら三年いても、四年いても、あるいは五年いても職種転換ができない。ところが、日本の自治体の場合なら、三年なら三年いれば職種転換が大体行なわれてきた。横浜市の場合なんかは、昭和三十九年から職種転換の場合には試験が要るようになってきましたが、それでも渡りという形で職種転換をしてきているのです。ところが沖繩の場合には、非常に厳たる規則がありますから、職階制度が確立しておりますから、この方々はなかなか二級事務職には入れない。だから、本土の自治体なら当然この方々は、三年なら三年いれば、三級事務職の方々なら二級になっている。横浜市の例をあげましたが、三十九年からなんです。それまでは年限がたてばかわれたのです。三十九年に試験制度をつくるようになりまして、試験を受けなければいけない。それでもいわゆる渡りについてはいろいろなやりとりがありまして、まだそれなりの方法を考えている場合も特殊な例としてある。ところが沖繩の場合には、そうでなくほおっておかれたわけです。だからそこらのところは、三年なら三年この職種におられた方は、本土ならば当然職種転換が行なわれているはずだから資格があるという認識を持たないと、制度が違うのですからお気の毒なことになる、こういうふうに私は考えているのです。ここを聞きたいのです。
○平井政府委員 先ほどの御質問が恩給公務員期間という御質問でございましたので、そういうお答えを申し上げましたが、共済組合制度のもとにおきましては、本来、恩給公務員と雇用人との間の差別というものはいたしておりません。したがいまして、現在沖繩の共済組合の制度におきましては、本土の場合も同様でございますが、雇用人の期間をも通算をいたしております。その点については差はございません。ただし本土法の場合と若干異なっておりまして、本土の場合でございますと、継続して勤務されまして共済組合法施行の日を迎えた場合におきましては、これを通算するという形をとっておりますが、沖繩の場合においては、たとえば途中でおやめになってまた勤務されるというような期間がございます場合も通算をする、この辺のところに若干の差があるように見受けられます。
○大出委員 これはそうばかりは言えない点がいろいろあるのですが、恩給問題は、当委員会が所管の委員会でもございますから、毎年毎年やってきておりまして、かって沖繩の皆さんの問題の手直しを、戦後のいろいろのケースの中で幾つかやったこともあります。だから、あらためてものを言わなければなりませんけれども、いずれにしてもきょうは総務長官もおいでになりませんので、幾つか懸案が残りましたが、そこらはひとつ、総務長官がお見えになっておりますときに、いままで恩給問題はずいぶん総務長官とやりとりもしてまいりましたしいたしますので、またその関係の方々、恩給局の方々等にも御出席いただいて、共済は大蔵省でございますから、またあらためておいでをいただきまして、もう少しこまかい論議をさせていただこうと思っております。 きょうは、人事院の新賃金の問題と、それから沖繩の皆さんに関する幾つかの問題を提起してみたわけでありますが、それぞれ御回答をいただきました。そこで最後に自治省の皆さんに承りたいのでありますが、六大都市の交通関係等の賃金の問題が、財源的に非常にむずかしい状況にございます。私のおります横浜なんかでも、この新しい賃金をやっていきますことになりますと、平年度六億からの金がかかる。たしか再建計画の最終年次までいきますと、それだけで六十七億か何か相当な金がかかる計算が出ていたと思いますが、いま確かな資料を持っておりませんけれども、ここらのところは、おのおのそれなりに市議会等が開かれて、たいへん苦労してやりとりが行なわれておりますが、これは本年度の新賃金でなくて、前年の賃金の制度化という問題をめぐりまして、現状は一体どんなふうに進んでおりますか、その辺の事情をまずお述べおきをいただきたいのであります。
○鎌田政府委員 六大都市の交通職員の給与の問題でございますが、これは遺憾ながら、東京都がただいま再建計画の修正を申し出ておりまして、ことしの暮れの都議会におきまして十一賃、去年の給与改定がやっとできる、こういう運びになっておるわけでございまして、昨年の十一賃につきましては、残りの横浜以下の五大市についてはまだ実施できておらないわけであります。この五大市の昨年の初年度分、それからことしの平年度分が百三十億の財源が必要でございます。東京都が昨年とことし両年の十一賃の分四十五億、これが財産の売り払いでやっとめどがついた、こういう状況でございます。 御案内のとおり、大都市の交通事業の再建、四十一年の三月末の赤字を前提にいたしまして再建計画を実施しておるわけでございますが、この当時の、たしか四百億余りの赤字の再建はかろうじてできるわけでございますけれども、その後の累積赤字というものがそれの約四倍程度、千四百億くらいの累積赤字にいまなっておる状況でございまして、給与改定も思うにまかせない、こういう実情にございます。
○大出委員 一番悪い横浜からいきますと、横浜は十一賃をめぐって、自治省のほうの見方からすると、赤字その他を含めていまどんなぐあいになっておりますか。財源その他までそちらでおわかりなら言っていただきたい。
○鎌田政府委員 横浜で十一賃の分だけで十四億の財源を必要とするわけでございます。横浜市の交通の事業の状況は、実は全体の資料しか持ってきておりませんので、横浜の数字を持ってきておりませんが、いずれにいたしましても、これは横浜でも名古屋でも京都でも大阪でも神戸でも同様でございますけれども、東京都の場合はあれだけの身上でございますので、実は私どもあまり感心したことではないわけでございますが、売り払うべき財産がある。いわば売り食いで給与をかろうじて十一賃まではまかなえた。 私ども、交通事業の公営企業というたてまえからいたしまして、給与改定の原資は自主努力で生み出す、こういう鉄則を堅持いたしておるわけでございまして、その中で、路面電車の廃止、あるいは路線の再編成、あるいは各種手当の合理化、私どもも率直に申しまして、かなり高い評価をその企業努力に与えてもいいのではないかというふうに思っておるわけでございますが、何せ企業外の条件、企業内の悪条件、こういうものが相乗してまいりまして、現在の段階では、はなはだ残念なことでありますけれども、料金改定というものを前提といたしませんと、給与改定の原資というものが生み出せない。非常なピンチに実は立たされておるわけでございます。国鉄の赤字が非常に大きな問題になっておるわけでございますが、国鉄の場合には給与改定はできておるわけでございます。公営交通の場合は給与改定すらもできない。こういう意味におきまして、私ども率直に申しまして、国鉄を上回る、六大都市にとりましてはピンチだ、こういうふうに考えておるわけでございまして、個々の企業につきまして、私ども、給与改定がどのようにしたらできるかという観点から、個別的な指導をやってまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○大出委員 これは少し教えていただきたいのですが、たとえば横浜なんかの場合にはどうすればいいですか。
○鎌田政府委員 率直に申しますと、現在の段階では料金改定以外には道がないと思います。
○大出委員 これはいま、平年度どのくらいというのを、赤字を含めてはこまかい数字をお持ちにならぬというのですが、十一賃分で十四億円、こういまおっしゃいましたが、累積赤字が相当あります。今回の勧告分だけながめましても相当な額なんですね。私、手帳にありますが、たしか六十億をこしてしまうのではないかと思っております。この再建計画の最終年度までいきますと、それを経常年度で計算いたしますと……。ですから、そういうことになりますと、これはそう簡単な額じゃない。今度の人事院勧告だけで六億をこす平年度の金額になりますから。そうなりますと、率直に言って料金値上げしかないとおっしゃるのですが、料金値上げの幅というものはどのくらいに考えなければいかぬということになりますか。つまり、累積赤字を含め、十一賃を含め、今回の賃金勧告を含めて考えた場合ですね。
○鎌田政府委員 単刀直入に料金値上げ以外に道がないだろうということを申し上げておるわけでございまして、その料金の改定の幅につきましても、実は私ども内々御相談を受けておる数字もあるわけでございますけれども、これは時節柄、利用しておられます一般大衆の方々に与える影響も非常に大きゅうございますので、いまの段階で、現在の三十円をどうするということにつきまして申し上げることにつきましては、もうちょっと時間をおかしいただきたいと思うわけでございますが、かなりの程度の料金改定というものが、企業合理化と同時にあわせて行なわれませんと、給与改定の原資というものは生み出せないという、非常にせっぱ詰まった状況にあることだけは御認識いただきたいと思う次第でございます。
○大出委員 私はこれは、賛否の議論をここで申し上げているのではなしに、再建計画をおつくりになる、企業法の改正をお出しになることを鎌田さん中心でおやりになって、私も長い論議をしてきた一人でございますから、その結果、経済性というものを中心にして今日まで再建方式をとってきたんですけれども、ずいぶんなみなみならぬ努力を、理事者も、また組合側もしてきたわけでありまして、対市民という問題が目の前にある中でやるのですから、また市議会も最近はなかなか複雑でございまして、そういう中で苦労してきたという経過があるのですが、それだけに、今回料金値上げに踏み切らなければ、つまり財源捻出の措置はない。例の交付金でという問題も佐々木さん等を中心に考えていた時期もあります。 そこでたとえば、三十を四十にしたら、じゃやっていけるか、やっていけない。そういう金の計算からいきますと、三十を五十にしたらどうだ、それでもかったるいという現状なんですね。じゃ、それ以上上げられるかというと、これまた、それこそ市民を前にしての問題ですから、なかなかそういかないという事情もある。片や民間のバスというものについてのはね返り、影響もある、こういうわけですね。だからそこらのところを、単に自治体の責任になってしまうような形でものを考えられますと、これは、とてもじゃないが、淵源にさかのぼって国にものを言わなければならぬことになる。つまり、再建計画というものをお考えになって、確かにできない努力もございました。しかし、財産も売り払う、路線撤去もやる、ワンマン運行もやる、洗車その他についての人員もなるべく狭くしていく。なかなか給与体系に手を触れるのは困難なんですけれども、ずいぶん各般の努力もしてきたというところで、さあ財産はなし、合理化努力の向ける方向もなし、残るのは料金値上げしかないというのは間違いない。しかし、さて料金値上げというものも幅の限界があるということになると、これは都市別にカルテを書いてという考え方を自治省は持ったこともあるのだけれども、それじゃ都市規模の相違——東京都のようにいろいろな差し繰りのできるところでも、本年のこの措置あたりがもう限界だと言っておる。となると、一体国の責任においてどうしろということをはっきりものを言わなければ、おまえのところはこれくらいにしろと言われなければ、自治体単独じゃどうにもならぬというところに来ていると思うのですよ。 そういう意味で私は、ここで言うことははばかるというお話なんだけれども、実はどうすればいいかということ。自治体の企業努力と言わないで、長年皆さんのほうで手がけてきたのですから、病状はわかっているのですから、もうここで、国の側から、こうしろとずばっと言うときに来ているという気がするのでありますが、そこらの点はどうでございますか。
○鎌田政府委員 私ども、四十一年の地方公営企業法の改正で、この財政再建の道を開きまして、私、率直に申しまして、交通関係、自治体の首長あるいは交通企業に従事しておられます公務員の方々も含めまして、よく努力していただいたという感じがいたします。それだけに、今日のような累積の赤字を見ておりますが、いわゆる財政問題の段階だけでこの公営企業、公営交通の問題を考えるということには限界があるように思います。ただいま、せっかく政府におきましても、総合交通体系の問題、その中での都市の公共大量輸送機関のあり方、こういった問題等も考えておられるわけでございますが、私、率直に申しまして、都市交通というものを利用していただくお客さんをふやさなければどうにもならない。それから、交通企業だけで収益をあげるということには、やはりもう物理的な限界に来ておる。この両面を中心にいたしまして、あるべき都市交通の姿というものを私どもなりに打ち出してみたい。これは当然私どもだけではできるわけではございませんし、大蔵省あるいは運輸省、あるいは警察庁、企画庁、関係各省みんなあるわけでございますので、そういうところとも幅広い議論をしまして、やはりあるべき方策を早急に打ち出しませんと、市民の足が奪われる、こういう事態にもなりかねないことでございますので、その点はせっかく検討をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○伊能委員長 大出君に申し上げますが、本件については、しばしば同僚議員からも質問もありましたし、きわめて重要な問題でありますので、いずれ理事会ではかつて、今国会において関係大臣を呼んで論議を尽くしませんと十分な結論が得られないと思いますので、この点お含みの上、いずれ理事会にも相談いたしたいと思いますから、御承知をいただきたいと思います。
○大出委員 これは私の質問の最後でございますが、なぜ私こういうことを最後に申し上げているかといいますと、たとえばタクシー料金の値上げなんかも、これは当面の大きな問題になっているわけで、運輸省は一応の結論めいたものを出して経済企画庁に持ち込んだ。企画庁長官の木村さんは、これはだめだと言ってけったというかっこうにいまなっている。十二月上旬までに何とかなどという話もありましたが、これまたなかなか政治情勢で前に進まない。だがしかし、この中身を調べてみても、実は、昨年三月一日に二二・五%タクシー料金の値上げはしたんですね。これは、基本料金、爾後料金等、両方含めましてここで二二・五%上げて、百円を百三十円に、爾後料金を四百五十を四百四十五に切ったということですが、この資料は東京陸運局長さんの昭和四十三年の都内四十社の調査なんですね。この時代の一車一日の平均走行キロ数は、端数がありますが、三百五十一ですね。ところが、四十五年度の同じ四十社の追跡調査を東京陸運局長がやったのを見ると、一日平均走行キロ数が、四十三年には三百五十一あったものが三百三十七ですよ。三百五十一が三百三十七に落ちれば、それは相当な狂いがくることは間違いない。かと思いますと、実働率で見まして、四十三年でいくと、百台自動車を持っているタクシー会社でいえば、休車は七台ですよ。ところが、休車が四十三年七台のところが、四十五年の資料を見ると、百台のところで十一・九台、つまり十二台休んでいるという現実ですね。これは人と両方の面から詰まってきている。自治体だってなかなか運転手はいないですよ。年じゅう募集しているのですからね。そうでしょう。走行キロはどんどん落ちるでしょう。だから、これに実働率、実車率、その他全部加えていきますと、四十三年の資料で昨年三月一日にタクシー料金を二二・五%上げたが、運輸省はじめ関係官庁の見通しの悪さで、実際には一九%しか上がっていないのです。そこに、また再値上げの問題が出てくる、運輸省も受けざるを得ないという結果が出てきているというわけですね。 同じことが都市交通でもこれは言えるのです。だから、運輸政策審議会答申も出ておりますけれども、あそこで言っていることだけでは片づかぬ問題が数々ある。そうすると、都市交通の再建というものは、再建計画は四十一年にお立てになって、鎌田さんずいぶん苦労しておやりになってここまで来たのだが、ここでもう一つ、やはり国の責任を前に出して、タクシーもそうですけれども、六大都市交通の置かれている現状というものはこうなんだ、自治体の財源その他、あるいは乗車料金収入等合わせてみるとこうなんだ、片やタクシーというものはこうなんだ、あるいは民間バスというものはこうなんだというものを国民の皆さんにまず知らせる必要があると思うのですよ。 タクシーなんかの場合だって、この暮れにうしろに乗っかっておるお客は、運転手さん、あなた、いいボーナスもらうのだろうなんて言う。ところが運転手さんにすれば、私に話をして、大出さん、もういやになったと言うから、何だと聞いてみると、うちの娘に、お父さん、年末手当、ボーナス幾らもらうのと聞かれた。ところが、二十二歳になる娘のほうがよけいもらうのがわかっているから、このやろうと思って黙っていると言う。持って帰ったって女房は喜ばぬと言うのですね。だからもう、ほとほとタクシー運転手はいやになったと言う。ところが、世の中の方、乗っているお客のほうは、うんともらったのだろう、こう思っているわけだから、それはどこに責任があるかと言うと、やはり監督行政官庁の責任なんですね。昨年の三月一日に上げた二二・五%というのは、実は一九%しか上がっていないのだ、その現状はこうなんだということを表に出す。 都市交通のバスだって、再建計画といって四十一年からこんな苦労をしたのだ、したのだが、しかし現状はこうなんだ、去年のベース改定の制度もできていないんだ、財源はこうなっているのだということを前面に出していただく御努力を自治省でしてくれぬと、自治体ばかりがかぶってしまうという結果になる。それじゃ市民、国民、県民を対象にして再建に協力を求めるという方向に向かないのです。やはりみなの機関として考えていくという姿勢にならぬと解決しない、こう思うのです。だから、そういう意味で私は、いまそのポイントを質問したのですけれども、委員長もおっしゃるように、これは自治省だけが問題じゃありません。ありませんが、六大都市の交通と名がつけば、四十一年の再建計画をお立てになったのだから、尾を引く自治省に責任がある。そういう立場でこの点は、国民にまず知らせるというところから新しい視角を求めた再建の方向をお考えにならぬとできない。自治体会計全体としてとらえてどう考えるかということへ手を伸ばさなければ片づかない、こういうふうに思う。おまけにドル・ショックだ何だですから、減税と言えば地方財源が縮まるのですから、そういう状態で、これからは地方自治体の財源というものは悪くなる一方だろうと私は思う。その中における都市交通というものはもう一つ考えなければならぬ。となってくると、そこらのところを、それこそ白書じゃございませんけれども、世の中につまびらかにする、その責任がおありになるように思うのですが、いかがですか。
○鎌田政府委員 御指摘の点、重々ごもっともとも存じます。私どもも決して、この六大都市の交通状況、公営交通の状況についてのPRを怠っておったわけじゃございませんけれども、なお倍旧の努力をいたしまして、ひとつ大方の御支援をいただきながら、再建がうまくできますように努力してまいりたいと思います。
○大出委員 どうも長時間、恐縮でございました。
○伊能委員長 鬼木勝利君。 〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕
○鬼木委員 今回の人事院の勧告については、これは毎度ですけれども、各方面からいろいろ批判もあるようでありますが、私は、八月の勧告時において、総裁も御記憶と思うけれども、四月の民間の調査の時期と同じように勧告の実施時期を四月にせよ、こういうことを強力に申し上げた。それから住宅手当、あるいは高齢者の延伸、こういう問題についてもやや触れました。それから期末手当の問題について相当深く掘り下げて前回はお話を申し上げておったわけでありますので、今回はそういう点は時間の関係で多少省きたい、かように思っておりますが、きょうは総務長官がお見えになっていないので、これはまたあとで——副長官では悪いというのじゃありませんよ。あなたじゃ役に立たぬというわけじゃないから、その点は誤解のないように。この前、山中総務長官と私がいろいろやりとりしているから、そういうことを申し上げているので、副長官は、この問題はきょう初めてです。その点はひとつ了としていただきたい。あなたでけっこう。はっきり申し上げて、あなたより以上の方はないけれども……。 そこで、去年勧告のあった住宅手当、それから高齢者の延伸、これが実施されるということになっておりますが、これに対する調査報告を行なっておられるかどうか。私が見ましたところによりますと、そういう報告はあっていないようである。やはり、何か新しい制度を設けられるというような場合には、これに対して何らかの回答を出していただくのが私はしかるべきではないかと思う。 そこで、高齢者延伸の実施というようなことについて、勧告あるいは報告の中になぜこれを明らかにしていただけないか。人事院総裁には格別、私お引き立てにあずかっておるから、あなたをどうやこうや言うのじゃありませんけれども、あなた方は何でもかんでもよく知り過ぎていらっしゃるけれども、全大衆、一般国民はわからないのですから、もう少し親切にそういうことをなさっていただきたい。まずその点をひとつ総裁にお尋ねしたい。
○佐藤(達)政府委員 私から申し上げるのはおかしいことでございますけれども、全く御同感に存じます。実はいま御指摘の問題以外にも、給与関係の過去一年間の実績というものをもっとずっと詳しく御報告申し上げて御理解をいただくということすらむしろ理想ではないかという気がいたしますけれども、これはまた、私どもの報告書をごらんになればわかりますように、全部前向きのことばかり書いてあるので、過去のことに触れるという余白もないということで、いままではそういうことをやっておりませんけれども、しかし、お尋ねいただければ、もう喜んでその場で直ちにお答えしなければならぬという気持ちで、お尋ねをむしろ心待ちにしておったというと言い過ぎでございますけれども、お待ちしておるという態勢でおるわけであります。 いま給与局長に聞きましたら、お答えもできるそうですから、給与局長からお答えさせていただきたいと思います。
○尾崎政府委員 高齢者関係の昇給の特別措置につきましては、昨年の給与法改正によって措置されたわけでございますが、具体的には本年の四月から実施に移されておるわけでございます。そうして、附帯決議もございまして、十八月、二十四月という関係を、暫定期間三年間ほどはゆるやかな方法で十八月でやるということにいたしておるわけでございますが、その該当者は、本年の一月一日調査におきまして二万二千六百九十八人というのが適用されるだろうというふうに考えておりまして、四・七%に当たるわけでございますが、そのうち、昇給期が年四回ございまして、つまり、四月、七月、十月と、本年度内におきましては、その三回の昇給におきまして、従来昇給すべきであったものが半年延伸されるということになるわけでございまして、本年度としてはまだ、一月に昇給すべきところが延伸されるという方が他におられるわけでございます。したがって現在は、その二万二千人のうちで、四分の三の約一万七千人が適用されるだろうというふうに考えております。で、一月一日の昇給になりますと、その二万二千人が全部適用されるということになるわけでございますが、そういう関係をさらに具体的にいたしますために、毎年一月一日現在で調査をいたすことにいたしておりますので、来年の一月一日現在の調査につきまして、なおよく調査をいたしたいというふうに考えております。
○鬼木委員 人事院総裁は、そういう質問が出ることを待っておったなんて、たいへんうまいことを言われるが、こういう人事院から出ているところの参考資料なんかもあるのですよ。なぜ、こういうところにはっきり明記して、われわれにわかるようにしないのですか。尋ねられたら言おうというような他動的なことではなく、もう少し能動的に。これは私、何回もよくさがしたけれども、何にもそういうことは載っていない。ゆるやかにやるといまお話があったけれども、これは実際ゆるやかじゃないじゃないですか。四月と七月と十月と一月で全員二万二千人がこれを適用されてしまう。向こう三、四年間の間にというのなら、これは多少ゆるやかだが、ほとんど一年にやってしまうというのは、これはゆるやかじゃない。ゆるやかにやるという意味はどういうことを基準にして言っているのですか。これはあなた方は簡単に言われるけれども。 過去のことは論じないと人事院総裁はおっしゃるけれども、高齢者の延伸という問題について、私はこの前も相当申し上げた。これは採用時期というようなことも考えなければならぬし、いま採用していまやっていくという、そういう時代じゃないのだからね。ちょうどいまかかっておる人たちは、ほんとうに気の毒なときに採用されている人なんですから、条件も悪かったのです。しかし、それはもう繰り返さない。前回、前々回も申し上げたのだからね。ですけれども、いま全国的にほうはいとして起こっているのですよ。延伸について、これは悪法だ、いけない、何とかしてもらわぬと困るという声が出ておるのですよ。 給与局長、いまあなたは簡単に事もなげにこれを説明したが、ゆるやかにということは、一体どういうことを基準であなたは言われたのか。その点をお聞きしたい。
○佐藤(達)政府委員 私の理解するところは、おそらく給与局長も同様だろうと思いますけれども、私どもは、これは法律に基づいて規則できめておるわけですから、規則できめておりながら、それをさらに規則を上回ってゆるやかに運用するというようなことは、これまた許されないことでして、規則のきめ方の問題にこれは尽きることだと思いますけれども、私どもが当初ここで勧告について御説明をしましたときに、いろいろ強い御批判がありまして、そしてたしか強い附帯決議がついたはずなんです。私どもは、その附帯決議を十分尊重いたしまして、私どもが当初考えておりましたところよりも相当ゆるやかな規則の形でこれをつくり上げた、その運用の結果がかようでございますということで、ゆるやかにということは、分析すればそういうことだろうと思います。
○鬼木委員 延伸というものが実施されると法制化した以上、これを簡単にゆるやかにするということはできないわけでしょう。だからその点を私は聞いているのですよ。ことばの上でゆるやかになんて言うと、これは一つの安心感、気休め感を与えているのではないか。どういう点をゆるやかにというその基準は一体どこにあるのか、その点を聞いているのですよ。これはごまかしですよ、ゆるやかになんていうことは。いささかもゆるやかではない。そういう欺瞞的なことを言っておってはわれわれは承知できません。どうですか、局長。
○尾崎政府委員 御説明申し上げます。 高齢者の方々の昇給のあり方につきましては、昨年たいへん御審議をいただいたものでございますけれども、民間企業でございますればいわば定年後の者でございますので、たとえば定年後の方をこちらのほうの公務員に採用するという場合には、普通の者のように、とことこと昇給するのもいかがかということで、そういう方々については二十四月。普通の人は一年で昇給いたしますけれども二十四月で昇給するといったような考え方でこの前御提案を申し上げたわけでございます。 しかしながら、御審議の上で、ただいま御指摘もございましたように、従来公務員に採用されておった方につきましては、もう少しゆるやかな方法を講じていいんじゃないかといったようなことがございまして、法律の案といたしましては、高齢者の方につきましては、たとえばいままで十二月で昇給する形でまいりましたところを、十八月及び二十四月に昇給するという形に変えたわけでございますけれども、十八月を一ぺんやって二十四月に入るという形にわれわれとしては当初考えておったわけでございますが、それを十八月を一ぺんではなくて、在職者につきましては、十八月を三回やって、それから二十四月に入るという形に運用をする。つまり、十八月を一ぺんで二十四月に入るという計画でございましたが、それを十八月を三べんやって二十四月に入るという形に、附帯決議等の趣旨によってゆるやかにしたというところでございます。
○鬼木委員 それはずいぶん苦しい答弁だな。十八月を一回だけでなく、三回やる、それは当然のことですよ。二十四月にばっと一度に持っていかない、それはこういう延伸法ができなくったって同じことなんだ。それはこの延伸法と別に、それが特に直接に関係があるというわけではないです。それは非常に苦しいこじつけの答弁であって、ゆるやかにということの意味はそれでは納得できませんよ。法で制定したものを、それをどうしてゆるやかにできますか。そういうことが、人事院総裁、できますか。私は給与法の根本を聞いておるのです。そんなことだったら、ほかのほうも全部ゆるやかにやってもらいますよ。総裁、その根本理念をはっきりしてもらわぬと、そんないいかげんなずるずるべったりでやられたのでは困る。ちょっとその点を……。
○佐藤(達)政府委員 わかりました。これは法律そのものにそういう詳しいことが書いてあって、それをゆるやかにしたということになれば、それは附帯決議があってもゆるやかにすることは許されないわけであります。ところがこの当該条文は、御承知のように人事院規則にまかせておるわけです。したがいまして、人事院規則の裁量の幅が非常に大きい。そこで、御記憶のとおり、この前だいぶここで皆さんにたたかれまして、そうして御追及を受けて、そして、その当時の人事院規則としてわれわれが考えておったのはかようなことでございますと言ったことが、いわばたいへん評判が悪くて、そうして附帯決議になって、その附帯決議の御趣旨は、人事院規則をもうちょっと穏便なものにしろという趣旨の附帯決議なんです。われわれはその附帯決議を大いに尊重いたしまして、穏便な形の附帯決議の趣旨に沿い、そのままの穏便な形の人事院規則をきめました。そこまではいいので、それから先の運用は、人事院規則できめた以上は、ゆるやかもきびしくもあったものではない、人事院規則どおりに運用いたしましたが、その結果はかような結果でございますということで、ゆるやかにということばづかいがそもそも不行き届きであったので、給与局長も降参したと申しておりますし、これは御勘弁をいただきたいと思います。
○鬼木委員 まあ、とにかくわれわれは問題は、よくしてもらえばいいのですからね。したがって、人事院総裁のおっしゃるように、ことばじりをとって言っておるのではありませんからね。だから、ゆるやかにとおっしゃっておるのであるならば、実質的にほんとうにゆるやかにしてもらわぬと困る。それは法を曲げるということはできるわけがない。それは先ほど冒頭に申し上げたとおりです。でございましたならば、いまるる御説明を拝聴いたしましたが、そんなことは何にも参考資料にも書いてないのですよ。高齢者の延伸に対してはいささかもこれには書いてない。何にも載ってないのですね。これは、悪く考えると逃げている。逃避している。もうそういうものにあまりさわらぬがいいぞと、人事院総裁がまさかそんなことはおっしゃられぬと思うけれども、笑っておられるところを見ると、あるいはそういうときもあったかもしれないが、だから、そういう問題の——これは問題と言うと、はなはだちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、いずれにしても、われわれが克明に総裁にも前々回もお話し申し上げたように、これは非常に論議が尽くされた問題なんだから、そういうことに対しては、こういう状態だ、その後の経過はこうなっているとはっきり出していただきたい。そのための人事院であり、報告もあれば、勧告もあるんだからね。それはまあ総裁は、自分からは言いにくいけれども、お待ちしておりましたというような、いいか悪いかわからぬようなお話であったけれども、そういう点のことは局長もはっきりいま言ったじゃないですか。わかっているじゃないですか。二万二千人からおる、一月においてこれは全員これにおいて適用されると。だから人事院において、人事院規則によってこれをゆるやかにするならば、もっとゆるやかにしてもらいたいのです。われわれはこれでは納得できない。 ですから、いずれにしましても私が言わんとするところは、何らかの方法でこの高齢者に対しては保護を加えていく。かわいそうだ。過去のことは問わぬとおっしゃったけれども、高齢者の方は、ずいぶんあらゆるケースがございまして、これは先ほども言ったように、前回も私はるる申し上げたように、採用時が同じ条件、同じ時期にぱっと出発している人じゃないんだから、百種百様、種々雑多のケースで今日上がってきておられる。また能力のある方もたくさんいらっしゃる。ですからこれに対して、何らかの方法によって保護をする方法を人事院規則で考えてもらいたい。法を曲げなくてもそういういい手があるのだから、その点どうぞひとつ……。
○佐藤(達)政府委員 高齢者の方々の中には、なかなかいろいろなバラエティーのあることは、いまおっしゃるとおりでございます。その中には、先ほど給与局長が申しましたように、会社を定年になってやめられた方が、老後の仕事として公務員にお入りになるという方も、一がいには言えませんけれども、相当あるわけでございます。しかし私どもは、前々から申しておりますように、やはりお気の毒な方々である、しかし給与制度の大義名分上、お気の毒でありながらやはり忍んでいただかなければならぬということで踏み切ったわけであります。お気の毒だという気持ちは依然として持ち続けておるべきであります。 たとえば、ときどき各省の高齢者の方から、私のところに直接手紙や電報その他で、不当な待遇を受けておるという訴えがございます。この間もありましたが、そのときには、私は私の所管の人事課長に、私自身からはかけませんでしたけれども、係の者にかけさせて、一体こういうことを言っているがどういうことだろうという事情を聞いて、お年寄りなるがゆえにあまり——規則であるものは、これはしかたがない。規則を上回わるようなことがあっては絶対にならないが、そんなことをほんのこの間やった経験もございます。そういうあたたかい気持ちだけは持ちながらこれを見ていただかなければならぬし、一面において、先ほど申し上げたように、大義名分から言うと、どうしても冷たい面も忍んでいただかなければならぬ。その二つの兼ね合わせだろうと思いますね。
○鬼木委員 かねがね人事院総裁は、非常に温情家をもって鳴っておるから、そういう冷たいお考えはないことは私も承知しておりますけれども、この高齢者の処遇に対しては、延伸ということに対しては、非常に大きな声があるのですよ。いまあなたもおっしゃるように、連日陳情のはがきが来ておる。私らのところにもたくさん来ているのです。ですから、これをこのまま放置するということはやはりよくないので、これに対しては、いまここでどうしますと言うことは、あなたのお立場としてはできないかもしれませんけれども、あたたかく十分その後の状態を見守っていくということは大事だと思う。そうしますると、自然に何らかの答えが出てくると私は思う。その点は私と総裁は同感であろうと思います。いかがですか。
○佐藤(達)政府委員 全く同感でありまして、したがって、またその後の実績がどうかというお尋ねも、そういうお気持ちから出たお尋ねだろうというふうに承っておるわけであります。
○鬼木委員 次にお尋ねしたいのは、きょうは時間が制約されてしまったものですから……(「かまわぬ、ゆっくりやれ」と呼ぶ者あり)ゆっくりやるつもりでおりますけれども、委員長の要請もございますので、御協力は申し上げたいと思います。 扶養手当の問題についてちょっとお尋ねしたいのですが、これはここに書いてあるからもう申し上げなくたってわかるのですが、民間の扶養手当と比較をしました場合に、ちょっと私らが納得のいかない点がある。というのは、第三子に対してはこれは考えていない。つまり、児童手当が出るから考えていない。配偶者においても、現行法では千七百円が二千二百円に上がった。一子、二子には四百円を六百円にする、こういうことになっておるのでありますが、来年の一月から児童手当がつくので、そういう児童手当のつく三子以下に扶養手当は支給しない。第十一条を改正してそういうことはもうやらない。扶養家族というのは、簡単に率直に言えば、結局、給与法によって定められたところの扶養家族なんです。ところが、児童手当というものは、これは全然別個の、性質の違った社会保障制度による支給であります。そうすると、全然性質の違ったものを、どうして給与とごちゃまぜにするか。こちらは給与法によるところの扶養家族、扶養制度、こちらは社会保障による。そういうことになりますと、社会保障制度によって何かいただいている者には給与はやらない、こういうことになってくるわけなんですね。全然性質が違っておる。 したがって、民間における扶養手当の支給状況がここに載っておりますが、非常な差が出てきておるんですね。配偶者と子供一人が二千九百八十二円。ここにおいても、もうすでにこれは違っておる。二千二百円と六百円だから二千八百円。ところが、これが二千九百円になっておる。もうすでにこの点から差があるのですね。それから、二人の場合が三千六百十八円、配偶者と子供三人の場合が四千百四十八円、ここで大きく開いてくるわけです。民間はこれに対して扶養手当を出しておるからね。だから、社会保障制度と給与法というものをごっちゃにしたということはどういうことですかね。私はこれは全然意味がわからない。その点をひとつ御説明願いたい。
○佐藤(達)政府委員 なかなか適切な御指摘であろうと思います。二つ柱を考えて御説明申し上げたらよかろうと思うのですが、いま、扶養手当と民間の関係をいろいろ御指摘になりましたけれども、実はずっと前は、もう扶養手当は凍結だというようなことで、民間を調べずに、そのまま据え置きとしておった段階がある。これは一つの考え方でございまして、どうせ扶養手当というようなものは本俸でまかなうべき性格のものであるから、給与制度としては、そういう手当を別に設けることがむしろ邪道だというような考え方であったのでありますけれども、私どもとしては、だんだんと周囲の経済情勢等に対応して考えますと、生活の防衛の一つの道としてやはり扶養手当というのは相当役に立っているのではないかということと、ことに月給が少ない人のほうに重くいくことになりますし、いわゆる上薄下厚的な措置の一つにもなるので、一年おきかそこらではありますけれども、民間のものを調べては、なるべく民間に合わせてきた。ただし、先ほども触れましたように、かりに民間よりも下回っておっても、公務員の各位が絶対に損をするわけではない。それは本俸なり何なりのほうに、配分の問題ですから、やっておるわけです。ですから、絶対の問題としては損にならないわけでありますけれども、扶養手当をどういうように見るかということについては、われわれとしては、最近ではやはり民間をめどにしてやっておりますということが一つあるわけです。 それからもう一つは社会保障の関係、これは相当次元の高い問題になると思いますけれども、従来、日本の給与というのは、本来社会保障でまかなうべきものを企業なり雇い主のほうで負担しているのではないか、そういう一つの批判がずっとあるわけです。これは確かに一つの批判だろうと思います。ところで今度、児童手当というのは、いままで雇い主が負担しておった社会保障を本来あるべき姿の形にしたという見方もできるわけであります。この児童手当が今後またさらにだんだん伸展していくだろうと思います。いま言ったような批判から言うと、これは本筋に戻ったという言い方ができるわけです。 そういう二つの考え方をからみ合わせて考えるべきことだろうと思うわけですけれども、私どもは、今回勧告をいたしました後に、ここでも御追及を受けまして、そのときにお答えもいたしておりますけれども、これは一体どういうことだろう、児童手当という、いままでわれわれの制度の中には全然考えていなかったものが新しく発足をする。さっそく扶養手当との関係をどうすべきか、併給すべきか、扶養手当のほうはこれで併給しないことにすべきかという問題があります。これにもやはり二つありまして、一つは、この児童手当の審議に当たられました厚生省の児童手当懇談会というのが、これは相当権威ある懇談会だと思いますが、児童手当について厚生大臣に昭和四十三年の暮れに答申しておるわけであります。その中に、一般の扶養手当との関係にわざわざ触れまして、「児童手当の支給対象である児童については、公務員給与における扶養手当を廃止することとし、給与改訂とあわせて実施するのが適当である」というふうに、非常に力んだ書き方をしていらっしゃる。これが答申されたからといって、われわれは直ちに拘束はされませんけれども、片やそういう答申もあり、われわれ自身も、併給をすべきやいなや、最初は率直に言って迷っておった。 考えてみますと、これは四百円、片や三千円もらえるわけです。三千円もらっておる方にさらに四百円差し上げるということよりも、その四百円分はむしろ一般の財源として保留して、普通の一般の公務員の給与の財源にこれを回したほうが、さらに大きな目で見れば有効な処遇になるのじゃないかということで踏み切って、このようなたてまえにした。考え方の道筋を申し上げればそういうことで、これは御賛同いただけるだろう、なるほどとおっしゃっていただけることだろうと思います。
○鬼木委員 いまの総裁の御説明ですが、児童手当懇談会がそういう答申を出しました当初、われわれ非常に反対した。児童手当というものは、給与が少ないから出すんじゃなくて、児童を守るために児童手当を出すのであって、扶養の意味じゃないのですよ。それは広義の意味で言えばむろん扶養になるかもしれないけれども、これは、全然性質の違う社会保障の制度なんですからね。ですから、懇談会がそういうことを答申するということは、われわれは反対だ。これはあくまで別個に考えるべきものだ。だったら、これは教育関係でも補助しているものがたくさんあります。じゃ、それをもらっているからこちらを減らせというようなことをやられたら、収拾がつかぬようになる。それはたくさんありますから申し上げぬでもいいが……。 そこで、いまも人事院総裁はそうおっしゃったが、答申したからといって、それをそのままわれわれははいと言うわけにはいかぬと言う。都合のいいのは答申にはいと言って、都合が悪ければ答申の言うことを聞かぬ。これはあなた方がお出しになった場合でも、総理がよく、答申は尊重します、尊重しますと言うけれども、実際それをやっていないんだ。だから、かりにそういう答申が出たって、それはそのとおりあなたはやる必要はない。それはいまあなたはおっしゃった。何でもそれをそうやるわけじゃないということをおっしゃった。尊重はするけれども——これはやはり総理と同じような答弁です。大体ニュアンスは似ておる。だけれども、根本的に性質の違ったものを、人事院は給与のことをやればいいんだから、何も社会保障の問題まであなた方が論議してどうこうなさる必要はない。だから、これは社会保障で出すといっているから給与を削れというような結論に至ったということに対しては、私はどうしても納得がいかない。不満です。いきさつはいまずっとおっしゃったから、それはよくわかりましたけれども、何もないところにあなた方がばんとおやりになったんじゃない。あらゆるところを検討し審議された結果そうなったんだということはわかります。不用意にぼっとやられたとは思わない。けれども、これは全然違ったもので、給与と社会保障の制度との問題をごっちゃにして人事院が考えられる。かりに、そういう答申が出たり、あるいは児童手当の分はよく考えよというような話が出てきても、これはことばが悪いかもしれぬけれども、かりにそういう圧力がかかったとしても、あなた方は、給与関係はわれわれのやるべきことで一切関係ないという、そうしたき然たる態度で給与体系は決定していただかぬと困る。こういうことなんですよ。人事院の姿勢を私はお尋ねしているのですね。 それは、あなた方が給与を決定される場合、いろいろなことをお考えになることは、これは当然と思いますけれども。これをもう少し極論しますと、ことしは、去年と比較した場合に、これだけひとつアップしよう、待て待て、これは金がないそうだから、ちょっと出すわけにはいかぬぞ、そういうこととは関係ない。大蔵の台所のことまであなた方が考えられて給与体系をきめられるわけはないでしょう。これは極論すればですよ。ですから社会保障のことがどうきまろうと、給与とは別個に、あなた方は給与体系はき然としておつくりいただかなければ困るのですよ。私の申し上げている論旨がおわかりでしょう。聡明な、賢明な人事院総裁だから、もうわかり過ぎておろうけれども、無理にわからぬふりをしているのだろうと思うのですが、ひとつ……。
○佐藤(達)政府委員 いまのお話の、金があろうとなかろうとということは、私がここでしょっちゅう申し上げていることでして、それがはからずも鬼木委員の口から出て、非常に意を強うするわけです。ですからわれわれは筋以外の面は考えずにやっている。お金の面を先に心配していたら正しい勧告はできないという立場を貫いております。これは、たびたびここで申し上げております。 いまの問題は、ちょっとその話とは違う。と申しますのは、最初に一つの柱として申し上げましたように、大体、扶養手当というのは、本質はむしろ給与制度として邪道じゃないかということを申し上げたわけです。識者の間にはそういう意見もあるわけです。しかし、われわれの間には、一種の生活防衛の有効な方途として扶養手当を存置し、かつこれを増額までもしてやっておる。これは生活防衛という見地からやっておるわけです。たまたま、いまの児童手当というものも、これは生活防衛に役立つことは当然のことで、こっちは四百円しか出ていないのに向こうは三千円くださるのですから、生活防衛の面から言えば身が軽くなる。したがって、四百円というお金があるならば、三千円もらっている方がさらに三千四百円おもらいになるのもいいけれども、四百円はもっと——独身者もおります。公務員の中には子持ちでない人もたくさんおります。それらの人の給与上の体系の原資にお回ししたほうがりっぱに筋が通っていると思うのですが、いかがでしょうか。
○鬼木委員 それでは給与局長にもお尋ねしたいが、先ほどから私が言いましたように、何にも説明もしていなければ、回答もしていない。そして、いま人事院総裁が言われたように、民間と比較した場合に扶養手当が下がっている。低い。その分はほかのほうで埋め合わせをしているという人事院総裁のお答えなんですが、だったら、民間よりも扶養手当は低い、その分はどこで増しておる。民間より低い分の額は総員で何ぼだ、その削った分が何ぼだ、それはどこに回す、それを計数的にはっきりなぜ説明をしないか。人事院でつくっているのなら、そのつくっているこれに、そういう点をわれわれが納得するようになぜ載せないか、こういうところに突き当たってくる。まことに不親切きわまる。あなたたちばかりわかっておっても、みなわからない。その点をはっきりさせてください。
○尾崎政府委員 給与体系で一番大きな問題点でございますのは、やはり本俸か手当かということでございます。本俸は、申すまでもございませんけれども、いろいろな諸手当へのはね返りの基礎になりますし、恩給、退職手当の基礎になるものでございますから、これを重視していくということは申すまでもないわけでございます。民間の手当制度をいろいろ調べまして、これを上げるかどうかという点が一つの私どもの判断になってまいるわけでございますけれども、先ほど御指摘がございましたように、本年調べました民間の扶養家族手当につきましては、配偶者の場合には二千二百七円ということなので、二千二百円に上げた。それから配偶者と子供一人の場合は、先ほど御指摘になりましたけれども、二千九百八十二円でありますが、二千二百七円を差っ引きますと、子供一人の場合は七百七十五円ということになるわけでございます。 現行六百円でございますが、この七百七十五円をどのように処理するかという点でございますが、百七十円ほど上げるかどうかという点が一つの問題点であったわけでございます。百円程度を上げるかどうかという点が一つ問題であったわけでございますが、やはりこの点は端数でございますので、その程度のことは本俸に回しておいたほうがいいんじゃなかろうかという判断で、子供一人目と二人目はともに六百円という形でそろえたわけでございます。したがって、扶養家族手当の今後の動向につきましては、さらにいろいろ注目して調査してまいりたいと考えておりますけれども、いま申し上げましたように、第一子の場合には七百七十五円でございますが、その百円程度を上げるかどうかという点につきましては、これは本俸に回しておる。それから、児童手当が支給されました場合の併給をしない部分につきましても、本俸に回すというのが原則でございます。
○鬼木委員 どうも私の質問に対して当を得ていないと思うんですよね。七百七十五円、それで、その差額を、はしたがあるから百円だけ上げるようにするかどうか、そんなことを聞いているんじゃないですよ。この扶養手当の問題について、第三子に六百円ということをやらないで、そしてその金はほかに回しておる。民間と同様に私はしてもらいたい。だから、児童手当を全国ではたしてどれだけ受けられるようになるのか、その総数に対するところの額ですね。それをそれじゃどこへ回すのか、それを資料をつくって出してください。私、見ますからね。はっきりしたあれがあるはずなんですからね。よろしゅうございますか。
○尾崎政府委員 児童手当を受けまして、それとの関係で扶養手当の四百円が支給されないことになるという形にいたしておりますが、実際にそういうふうになる方が幾らおるかという点が一つ問題でございます。 私どもとしては、大体一万人というふうに考えております。と申しますのは、児童手当の支給要件は所得制限がございまして、所得の多い人は出さないといったような面もあるものでございますから、そういう点を考えますと、今後少し変動が生ずる可能性がございます。したがって現在の段階では一万人。先ほど申しましたように、来年の一月には、実際に支給されておるものをさらに詳細に調査いたしますが、現在の段階では一万人程度というふうにつかんでおる。一万人といたしますと、四百円でございますから月額四百万円、一人当たりにいたしまして約十一円という形になるわけでございますが、その十一円は本俸として各人に平たく乗っけておるということでございます。
○鬼木委員 そこで説明は大体了承しますが、しかし、多少変動はあると思うのですけれども、来年の一月になってそういうことをあなた方が的確につかんで児童手当とからませる、というようなことを考えておられるならば——所得制限があります、そんなことは言わなくたってわかっている。そんなことを聞いているのじゃない。児童手当法の内容を聞いているのじゃありませんから。大事なことを言わないで要らぬことばかり言うのだから、どうもおかしいんだな。じゃ、来年の一月に数字を的確に——厚生省なんかにいたらすくわかりますよ。いまだってわかるはずです。わからなきやわからないほうが悪いんだ。わからなければわからさせたらいい。 いずれにしましても、扶養手当と社会保障制度をごっちゃにするということは、どうしても私は納得いかない。これは人事院においてももう少し検討してもらいたいと思う。先ほど私が言うと、それは性質が違うとかなんとかいうことを言われるけれども、人事院は、そういう扶養手当のことなら扶養手当のことを、人事院の立場におって自主的におやりになればけっこうなんです。他のほうでどういう手当が出ている、こちらで何が出ておる、かにが出ておる、だからこれはこうするなんということをやられたのでは、これはとんでもないことになる。その点においてよく検討してもらいたいと思う。人事院総裁、ただうなずくばかりではいけません。
○佐藤(達)政府委員 うなずいておるのは、よく御趣旨がわかったというつもりでうなずいておるわけでありまして、決して他意はないわけでございます。いまのおことばに触れますけれども、私どもは自主的に各自自信を持ってこの結論を得たので、おそらく御了承いただけるだろうと、よけいな先回りしたことまで先ほどは申し上げた。そのくらいに自信を持っておるわけでございますけれども、しかし問題は問題で、われわれも最初に問題意識を持って臨んだだけのことでありますから、またせっかくの鬼木委員のおことばでもありますし、それは将来の研究問題として研究しなければならぬ。ことにこの児童手当がどんどん広がっていきますから、広がっていった暁においては、またよほどもとに戻って考えなければいかぬ。この法案はりっぱに通していただいて、児童手当がだんだんと広がっていくにつれて、いまのおことばに沿った検討をわれわれとしては続けていかなければならない。いまは自信を持っておるわけでありますから、これでやっていかなければならない、こういうことであります。
○鬼木委員 将来、児童手当が大々的に拡大されていく、十八歳未満の児童には小、中学校の義務教育まで全員、こういうふうになってきた場合にはまた考慮する、現時点ではわずかなものだから——これもちょっと理論がおかしいけれども、いずれにしても検討する、考慮するということをお聞きしました。それで了承します。まあ内閣委員会は毎たびやりますから、また通常国会でもございますので、きょうぎりではないから……。 人事院総裁笑っておられるけれども、前も申し上げたように、あなたもやがて任期満了とかいう話を聞いているけれども、しかし、ここに副長官もおられるが、伝うるところによれば、まだあと二年か三年は余裕があって延びるとか延びないとか。だけれどもあなたは名総裁だから長くおってもらいたい。 そこで、それはそれとして、次に今回の勧告の中で、医療職俸給表(一)の適用を受ける職員に支給する初任給調整手当について支給月額の限度を八万円に引き上げる。現行は四万五千円であったかと記憶しております。それはあなた方のほうが詳しい。八万円に引き上げる、そして支給期間の限度を三十年に延長するとともにその逓減方法を改めること、第十条の三の改正による、こういうことになっておりますが、これはどういうことを意味するのか。八万円、それをただ期間を延長するのみではあまり策がないように私は思うのですが、皆さん方のねらいはどこにあるのか。 先ほどから沖繩の問題もあっておりました。大出君がこれは十分審議しておられたようだから、沖繩の問題はきょうは時間の関係で私差し控えておきますが、しかし一言いえば、沖繩においては初任給が非常に高いのです。こういう点についてもどういうふうに考慮しておられるのか。こういうお考えの根本はどこから出てきたのか。どうもあまりに策がなさそうですね、私が考えるところ。無策の策かもしれぬけれども、その点ひとつ人事院総裁。
○佐藤(達)政府委員 これもおことばをうなずいておったのですけれども、われわれとして一番苦労しておるのです。そこをまた指摘していただいてある意味では張り合いを感ずるわけです。 御承知のように、医者の不足ということが絶対の原因であろうと思いますけれども、民間の病院における医師の給与というものは、どんどこどんどこ毎年上がる一方でございます。私どもは、それを死にもの狂いで追っかけておるということで、たびたび申し上げておるのですが、この手当というものはもうなりふりかまわずというところです。したがいまして、いま御指摘のように、ことしまた四〇%くらいたいへんな開きが出ておるわけでありますから、いま御指摘のようなことで、三十年に延ばしたというような非常に不細工なことを——私が申し上げるのはおかしいのですけれども、おそらく不細工にお感じになるであろうと思うくらいのことを、なりふりかまわずやっておるということでございまして、結局、本俸を引き上げるということにはなじまないものだ、民間の病院のお医者さんなどには、退職手当とか年金のようなものは案外入っておらぬ、在職中のことも考えなければならぬということで、どうしても医師の手当でカバーする、これが筋だということで、結局その手当の額を増し、それから年限を延ばしていくほかはない、これは思い余っての措置であるというわけであります。ほんとうに何か名案をお持ちでございましたら、むしろ教えていただきたいくらいにわれわれは悩んでおることでございます。結局、抜本塞源的な方向は何かと言えば、これはまた医療問題に人事院が口出ししてはおかしいとおっしゃることを先回りして申し上げておきますけれども、やはりお医者さんの不足ということがネックになっておるのだということを痛感する次第でございます。
○鬼木委員 もう一つ沖繩の問題……。
○佐藤(達)政府委員 沖繩のほうは、また本土以上のことでございます。これも死にもの狂いで手当てしなければならぬという決意でおります。
○鬼木委員 これは非常に苦労なさっておるということはよくわかりますよ。わかるから私は問題を出したのですが、本俸を上げないで、単に手当をやって、もうなりふりかまわずということをおっしゃったのですが、これではどうも私は抜本的な解決にはならぬと思うのですよね。これはもっと合理的な解決策はないものか、どうしても私はそういう感じがしてならないのです。ただ単に、人事院総裁そうおっしゃったからなんですが、ほんとうに一時的な場当たり的な——はっきりした、適確な優遇方法ではなくして、その場しのぎのこういうことをいつまでやっていかれるのか。これは人事院としての、先ほど申しましたように、窮余の策ではなくして、ほんとうに私は無策だと思うのです。そうお考えになりませんか。
○佐藤(達)政府委員 その場限りのきれいごとを申し上げようと思えば、これは言い方はあると思いますけれども、そんなことを言うよりも、率直に私どもの悩みをここで打ち明けて、むしろここで何かいい方法があったら教えていただきたいということでお願いしたほうが、結局、制度のあり方としては改善の端緒をつかむのではないか、そういう気持ちで申し上げておるわけでございまして、ほんとうに何か方法はないかということを考えに考えたあげくのことでございます。無策と言われようと何と言われようと、これはしょうがないけれども、これは苦労いたします。しかし、何かいい思いつき、名案がございましたら教えていただきたいということと、何ぶんにもこれは、お医者さんの需要供給の関係から来たことはもう歴然としているわけであります。近ごろ、医科大学をふやせとかなんとか、医者の補給源についての対策も考えられておりますけれども、われわれとしては、それをひそかに、かつ強く念願するものであります。これは人事院総裁としての立場ではありませんけれども、厚生大臣等に非公式な形では始終申し上げておるわけです。
○鬼木委員 朝から晩まで給与のことを検討しておられるあなた方が、何かあったら教えてくれなんて……。それは私らも考えは十分あります。ありますけれども、そういう教えてくれなんということを言われないでほしい。それは考えは何ぼでもありますけれども、そうするとあなた方は、そういうことは事務的にできないとか、そういうことは実現不可能だとかいろいろなことをすぐにおっしゃるけれども、不可能を可能ならしめるような方法によってここに何らかの解決方法を考えてもらわぬと困る。これは人事院総裁も非常に御苦心なさっておると思いますので、時間もあまりありませんから、これは後日またよくお尋ねするといたしまして、私はきょう質問をいたしましたときに冒頭に申し上げたのでありますが、その点をもう一度私お尋ねしたいと思うのです。 四月にさかのぼって実施するということについて、これは八月にも私はお尋ねしたのだが、そのときに私の問いに対して、検討する、こういうことをあなたははっきりおっしゃっておる。これはまた山中長官にもその点を、あす見えるそうだから、お尋ねしたいと思うのです。せっかく副長官お見えになっていますけれども、はなはだ恐縮ですけれども、これは山中長官と私が言っているのだから、あなたを無視しているのじゃありませんから、最初申し上げたとおり御了承願いたい。そこにおっていただいて、たいへん御苦労ですけれども。 検討する、じゃどのように検討したのか、検討の結果はどうなっておるのか、どういう角度から、どういう点から検討されたのか、そういう点についても、先ほどから言いましたように、何にも載っていない。これにもこれにも何にも載っていやしないのです。当委員会においてこういうことがしきりに要望があった。それに対してはこうこうこういう、このようにしてこうであった、しかしながら、遺憾ながら実はこういうことで、かよう、かくかくしかじかで、このようだということが何にもありはしない。どのように検討されたか。四月にさかのぼって実施せよ、民間と同様に実施せよという声は、全国的に怒濤のごとく叫ばれておる。それは総裁も御承知と思います。これは私は副長官とは初めてのなにだから、副長官の御意見もひとつ承りたい。
○砂田政府委員 先ほどから鬼木委員がお述べになっておられます四月実施の問題は、明日山中長官が出てくるからいままでの話もあるからということでございますが、私も山中長官と同じ御答弁をいたさなければなりません。人事院総裁が検討するとおっしゃっておられますけれども、本年のところは、私どもは人事院の勧告をそのとおり尊重いたしまして実施をする法案をこうして審議をお願いしておるわけでありますが、四月実施の問題、私どもは、この点についてはいわば受ける立場と申しますか、政府といたしましては、人事院勧告を尊重いたしましてこれを実施をするのだという、その尊重するという意味の中には実施時期をも含めておることでございまして、四月実施を総務長官どう思うかということを、以前にも鬼木先生、山中総務長官にお聞きになっておられますけれども、人事院からそういう勧告があれば当然尊重をしてまいります。私も山中長官と同じお答えを先生にしておきたいと思います。
○佐藤(達)政府委員 前回来申しましたように、検討しております。それは一々詳しく申し上げるまでもないと思いますけれども、たとえば、現在の五月一日というのはどういう根拠でこれをやったか、五月一日で最初勧告されたときはどういう反響があったか、国会でどういう御論議があったかということを詳しく調べるだけでも相当時間がかかる。必ずしも四月説に有利ではありませんけれども。そこまでもずっと調べて、しかし私どもは、筋論としては、たびたびこれも申し上げておりますように、初めは一理なきにしもあらず、まあ一理ありぐらいに申し上げてよかろう、近ごろは一理ありで来ております。 なお、そういう態度でもっと真剣に検討していきたい。これは私どもとしては、大蔵大臣が卒倒しようと、頭が痛いと言われようと、これは筋ということをいつも申し上げておるわけであります。したがいまして、筋の問題としてわれわれはあくまでも追及していきたいということと同時に、とにかく過去十一回ですか、五月一日でずっと来ておるわけです。そうしてしかも、五月一日完全実施をお願いしたいとか、ここのお力もずいぶん借りましたけれども、というようなことで無条件に五月一日で来ておって、これを突然として四月に切りかえるということのためには、これは納税大衆その他の国民大衆の方々の納得をしていただけるだけの根拠がないことには、これはたいへんなことですから、われわれとしては、従来の責任もありますと同時に、新しく切り変えるための責任というものも考えなければならない。それにはやはりどうしても納税大衆その他の国民の方々の御納得を得るだけの確たる根拠がなければいけない。 そこで、怒濤のごとき声というのを先ほどおっしゃいましたけれども、これはちょっとオーバーじゃないかと思います。確かにそういう声はあります。ありますけれども、私どものところには、これは内輪の話ですけれども、勧告のたびごとに、もちろん公務員各位からは一日に何万通という賃上げ要求のはがきが来ますけれども、それと同時に、賃上げ反対の悲痛な訴えというものも相当くるのです。これは大体、中小企業のだんなさま、あるいは中小企業の従業員ですね。これは組合に入っていない、組織されていない従業員です。これはまことに悲痛な訴えで、公務員ばかりかわいがって、おれたちはどうしてくれるのだと、私の家に電話までかけてくる人があります。ことに納税者の中にはそういう方もいらっしゃるということを十分考えてこれは踏み切りませんと、そういままでの五月を軽々しく変えられない。しかし一理あるという態度でさらに検討を進めておるというのが率直な感じでございます。
○鬼木委員 これは甲論乙論いろいろあると思います。いかなることでも、国の政策に対しては国民全員賛成ということはけっこうなことですけれども、これに対しては甲論乙論ある。いずれの場合においても、いずれのことにおいても、これは同様のことが言われると思う。しかしながら、いま御答弁のように、過去において、一理なきにしもあらず、こういうような消極的な御発言であった。ところが今日、何月何日からということはちょっと私、記憶しませんけれども、確かに一理ある、こういうあなたのお考えになっておる。最後の結論としてあなたそうおっしゃったのですから。なお検討を続けるということでございますので、これはきょうあすには間に合いませんけれども、ぜひひとつ検討してもらいたいと思う。 なお、最後に人事院関係に私申し上げたいのですが、ことしの勧告の最大の特色は、公労協の仲裁裁定、平均九千三百二円はもとより、民間大手百四十五社の平均九千五百二十二円すら上回る実質一万円台の大幅アップをしたことである、このように新聞に出ております。 〔塩谷委員長代理退席、坂村委員長代理着席〕 ことに初任給では、大学卒以下中卒に至るまで軒並み民間の平均を上回っている。看護婦、教員など、職種によっては、初任給はもとより給与水準全体が民間を上回るものまである。これは私が言っているのじゃありません。新聞です。日経です。 こうだろうと思うのですが、そこで問題は、お聞きしたいのは、民間追随主義で今日まで来た人事院の姿勢、方向というものがそうであったと思うが、これから新しい方向へ転換していくお考えであるのか。いわゆる実質的には民間を追い越した、将来は民間追随でなくして、人事院の姿勢、方向というものが転換されていくのか。給与の今度のアップの総合的な考えの上に立ってそういう点を私はお尋ねしたい。
○佐藤(達)政府委員 これは非常に大きな問題でございますが、ちょっといまお読みになりました新聞記事には、むしろ民間の水準を追い越したと言わんばかりの表現——これは新聞でございますけれども、私どもの立場は微妙な立場におりまして、公務員各位に向かっての関係では、そういうふうに新聞で書いてもらうことが非常にうれしいわけです。今度は片や、先ほど来申しております国民の皆さん、納税大衆の方々に対する関係では、公務員ばかに甘やかされてよくなっておるぞというような感じを新聞で書かれるのもまた困った面があるのです。私どもとしては、新聞にいかように書かれましょうとも、実質はあくまでも四月調査の厳密な計算の結果出た民間水準をとらえて、これに合わせておるのであって、別に水増しもしておらなければ、切り下げもしておらない、そういう態度で徹しておるのであります。私どもとしては、それははっきりまず申し上げておきたいと思います。 そこで、民間追随主義をなぜとっておるかということは、やはり先ほど来たびたび申します国民の皆さまの、公務員の給与は税金で負担していただいておるわけですから、やはり御納得をいただかなければならぬということと、昔は天皇の官吏でございましたから、公務員は特権的な立場にあった。われわれ前に法制局におりましたころは、官吏の給与をやっておりました。これは、民間給与がどうであろうとこうであろうと、官吏としての体面を保つにはどれだけあったらいいかというようなことで、ほんとうに白紙に絵をかくというようなことで給与をつくっておったわけであります。いまや公務員の地位も憲法の規定によって大幅に変わった。民間の従業員の方と比べて別に特権的な地位にあるものではないという立場になっております。そこで、そういう立場のもとに国民の皆さんの御納得をいける線といえば、やはり民間の水準をとらえて、せめてここまで合わせていただきたい、これが一番賢明な態度である。そのかわり一文でも値切ってもらっては困るという強い態度で政府に迫っているということは、いまのところではやはり一番堅実で手固い方法だろうと思っております。いま急にその立場を変えようとは思いませんけれども、ほんとうを言いますと、昔のように、復古調ではありませんけれども、公務員そのものの生活実態なり勤務の実態なり、あるいは名誉というようなものを考えて、あるべき給与というものを白紙にかく、こういう時代が来ればいい、そのためにはやはり経済がもっと興隆して、一般の給与水準、賃金水準というものがもっと上がってきませんと、公務員ばかりいいことをしているというような目で見る人があるようでは、まだちょっと差し控えたい。率直に申しますると、そういう気持ちを持って臨んでおるわけであります。
○鬼木委員 よくわかりました。私は最初に申し上げましたように、これは新聞の見方であって、実質的には、いまあなたのおっしゃるように、民間の水準と開きがないようにということが人事院の根本精神だ、そのお答えで了といたします。ぜひそうあってもらいたい。必ずしもわれわれは、ぱっと追い越すとか、公務員だけいいというようなことの批判はまたどうかと思うし、そうかといって民間よりも非常に低いということでは私は困る。ですから人事院の姿勢ということに対しては私は了とします。そのために人事院があるのですから。いずれにしましても、国家公務員の方々が損をこうむらないようにしていただけばわれわれはけっこうだと思う。 いろいろまだお聞きしたいことがありますけれども、まだ人事院の皆さんは御昼食もなさっていないようですから、たいへんお気の毒で、これは人道上の問題です。しかし、御同様私もそのとおりでございますから、次に防衛庁のほうにちょっとお尋ねをいたしたい。 防衛庁は、まだ防衛二法案もありますので、その場合にゆっくりお尋ねしますが、給与の問題で簡単に一言お尋ねしたいのです。 営外手当について、一等陸曹、一等海曹、一等空曹以下の自衛官が支給の対象になっておる。このパンフレットに載っておるようでございますが、この手当の算出基準ですね。現行法では七千三百三十円だ。それを七千九百四十円にする、九・一%アップだ、このように私、解釈しておりますが、どういうところから九・一%の率をあげられたのか、その算定基準についてお尋ねしたいと思います。
○江藤政府委員 今回の給与改定にあたりまして、同時に隊員の糧食費の引き上げをいたしたいということで、一日当たり二十八円ばかり引き上げております。 〔坂村委員長代理退席、委員長着席〕 それから、最近、光熱水道等の営舎内の経費としてかかる経費が若干ふえましたので、これを二円十銭ばかり毎年増加しております。その結果、合わせて三十円幾らの一日分の経費を、営外に居住する者に対しましてこれを手当として還元するという経費が、六百十円の増加となるわけでございます。
○鬼木委員 この営外手当ということは、これは糧食費という点を加味しておられると思うが、私の承ったところでは、陸上が二百九十八円、海上が三百五十九円と、こういうふうに承っておりますが、そうですか。
○江藤政府委員 現行におきまして、陸上勤務員は二百九十八円、艦船乗り組み員は三百五十九円、防衛大学学生が三百十五円となっております。
○鬼木委員 そうしますと、六百十円上げて、それで営外に居住している方々の食事や住宅の点も考えてもらわなければならぬと思うが、わずか九・一%上げて、それで計算できますか。
○江藤政府委員 基本的には基本給で上がっておりますので、基本給にプラスの糧食費の値上げの一部が営外手当に追加還元されるということになるのでございまして、そういうような生活費がかさんでくるとか、あるいは住宅費がかさんでくるという経費は、一般職公務員と同じように基本給で大体見ておるということになっております。
○鬼木委員 そうしますと、現在、一等陸曹、一等海曹、一等空曹以下の自衛官が総数どれだけおられて、そしてどれだけ営外居住しておられるのか。なお平均どれだけ住宅費を払っておるのか。そういう点について十分考慮しておられるのか。これは、私どもが実際隊を視察しまして、非常に気の毒なように思っておるのです。これは今日、営外で一軒の家を借ろうといえば、簡単な金では借れませんよ。だから私どもは、住宅を建ててあげなさいということを言っておる。そうすると、防衛庁の公務員住宅に何人入っておるか、一般の借家に何人入っておるか、そういう点の資料がありますか。なければあとで出してもらっていいです。
○江藤政府委員 最初の問題でございますが、現在の曹全体のうち営外に居住しております者は七七%でございます。曹全体の数約九万三千百六十八名に対しまして、営外にいる者が七万一千六百四十一名でございますので、七七%ということになりますが、なおこの住宅手当につきましては、これは一般職公務員と同じように住宅手当を支給いたしております。 それから国設宿舎の支給割合でございますが、現在ちょっと資料の手持ちございませんので、後ほど資料として先生にお届けいたします。
○鬼木委員 その点を私は毎たび言っておるのですけれども、営外に居住している人が七万一千人、七七%ある。そういう方々が一体借家の家賃の平均はどれだけ出しておるのか。そういう点をもう少し親切に隊員をあたたかい気持ちで考えてもらわぬと……。それは一般公務員の方も、公務員住宅にお入りできない方はお借りになっておると思います。これは同様のことが言われると思いますが、むろん住宅手当も出ておると思われますけれども、一般公務員の方々も非常に困っておられるのですね。だから、これは一般公務員の方と自衛官とを私は差別しているのじゃありません。決して差別はしませんが、勤務は二十四時間勤務だ、制限なく勤務しておる、そういう方の住宅が、一般の民間の借家を高い金で借りておる。お子さんたちもいらっしゃる。非常に気の毒だと思うのです。だからそういう点は、一体平均どれくらいな家賃を払ってやっておるのか。そして住宅手当といいましても、営内の糧食費と差し引きしてあるでしょう。そういう操作があるのでしょう。
○江藤政府委員 住宅事情につきましては、これは人事院の調査になったとおりでございまして、特に自衛官であるから外に出て特別高い家賃を払っておるわけではございませんで、その意味におきましては、住宅手当は全く一般公務員と同じような措置をいたしております。ただ、この住宅手当なるものが、現在の俸給表でどういうふうに操作しておるかということにつきましては、これは全く関係がございませんで、それは給与体系そのものが一般公務員と同じに考えておりまして、住宅手当というものは別個に一般職と同じに考えて支給いたしております。
○鬼木委員 それは公務員の給与に準ずるということになっておりますから、それは私は、さっき言ったように、一般の公務員の方も同じだ。それはいま申し上げたとおりですけれども、営内に住んでいる方と営外に住んでいらっしゃる方のあまりに懸隔がはなはだしいから、何らかの方法で自衛官の住宅を例年どれだけずつ解消しておるのか。これはまた防衛二法案の場合に、医官の問題や、こういう住宅の問題、営外手当の問題、いろんな問題がありますので、ゆっくりお尋ねしたいと思っておりますけれども。 給与はむろん準じてやってあると思うのです。しかし勤務は、それは朝出、夕方にお帰りになることもあるのでしょうが、原則として、これは二十四時間いつでも勤務につかなければならぬ態勢にある。その住宅に対して、ただ、一般公務員と同じだから、だから何にももうそれより以上のことはできない。住宅手当も一緒だ、何もかも一緒だ、これでは隊員はかわいそうだ。そういう点をここではっきりできなければ、資料を出していただきたい。できればこの防衛二法案の審議に入る前に資料を出してもらいたい。 それから、次官もお見えになっているから……。防衛庁に関するところの医官、お医者さん、現在どれだけの医官がおるのか。毎年やっていますから、大体わかっていますけれども、これは非常にでたらめですから、健康管理の点においては全然なっていない。その事実は何ぼでもあるんだ。これは次官からおっしゃっていただきたいんです。答弁いかんによっては私は承知しません。隊員の健康管理ということは、ほとんどなっていないのです、防衛庁は。ただ四次防だ、四次防だなんて、一年延長すると言うかと思うと、今度は江崎防衛庁長官は、既定方針どおりやるんだと、わけのわからぬことばかり言っている。ですから、隊員の優遇ということに対して、防衛二法案が出ました場合にはゆっくりひとつお尋ねしたいと思いますので、いま人事局長にお願いをしたいのは、資料を早急につくっていただきたい。それから次官にお願いをしておきますが、医務局長ですか、衛生局長ですかに、その点ひとつお伝え願いたい。これはどうですか。
○野呂政府委員 鬼木先生御指摘の隊員の生活環境は、他の公務員と違った特殊な任務でございますために、まだ十分なものができておらないのではないかという御指摘でございます。とりわけ営外居住者の住宅につきましては、できる限り公務員の住宅をより多くつくり、その処置に対して努力をいたしたいというふうに考えております。 また医官の問題の、特に隊員の健康管理、こういう点に欠陥があるのではないかという御指摘でございます。これも十分調査をいたし、御期待にこたえるよう善処をしてまいりたいと考えております。なお、御要望の資料につきましては、防衛二法審議以前に提出をいたしたい、かように考えております。
○鬼木委員 それでは、たいへん長いことお待たせしましたが、これで私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○伊能委員長 鈴切康雄君。
○鈴切委員 先ほど鬼木議員から多般にわたって給与法についての質疑がございましたので、鬼木議員との重複は避けて御質疑を申し上げたいと思います。 私は、本日取り上げたい問題は、特地勤務手当、これについて御質疑を申し上げたいと思っています。給与法の中に特地勤務手当の支給がうたわれておりますけれども、この特地勤務手当の支給の趣旨と性格並びに経緯について、まずお伺いをしたいと思っております。
○尾崎政府委員 特地勤務手当についての御質問でございますけれども、この特地勤務手当制度は、昨年の勧告で取り上げまして、昨年の給与法改正で新しく制度化された制度でございます。もとの名前は隔遠地手当、さらにその前は僻地手当と申しておりまして、従来の制度といたしましては、交通困難なところにある官署に勤務する者に対して、その生活事情のために手当をやるというたてまえであったわけでございますが、御承知のように、交通関係が非常に改善されてまいりまして、交通関係、交通困難ということでその支給基準を考えてまいりますと、非常に実情に沿わなくなるという面がございまして、昨年の勧告におきましては、むしろ、医者への距離とか、あるいは学校、あるいは金融機関その他そういう関係への距離とか、もちろん交通困難の関係もございますけれども、むしろ一般的な生活不便というところ、生活状況に重点を置きまして、離れているという隔遠地という感じよりは、生活不便という関係における特別な地域というふうに名前を変えまして、その基準は点数制をとっておるわけでございますけれども、病院、特に総合病院への距離とか、あるいは学校におきましても、義務教育の学校への距離及び高等学校への距離、そういったものを総合的に考えまして制度を整備いたしまして、従来の級地区分、五級地までございました、つまり八%から二五%までの五段階がございましたが、それをその下に四%区分の新一級地をつくりますとともに、さらに若干それに近い地域、準支給地に赴任をするという人に対しまして特に四%を支給する準特地というものをまたつくるということで、昨年制度を整備いたしたわけでございます。
○鈴切委員 この特地勤務手当は、第十三条の二に「離島その他の生活の著しく不便な地に所在する官署として人事院規則で定めるものに勤務する職員には、特地勤務手当を支給する」とあります。これを私はやはり二つに分けて見なければいけないのじゃないかと思う。離島という問題と「その他の生活の著しく不便な地に所在する官署」、このように分けた場合、離島にもやはり私はいろいろ種類があろうかと思います。たとえば離島振興法を適用されるところの離島、あるいは島といっても大きな島もございます。そういう観点から、その離島という考え方はどこに基準を置かれているかという問題、それから「その他の生活の著しく不便な地に所在する官署」、この問題についてはどういう基準でこれを定められたか、その点についてお伺いをいたします。
○尾崎政府委員 いま御指摘のとおりでございますが、私どもとしまして、こういう点数によりまして特地勤務手当の支給基準というものをつくっているわけでございますが、その種類といたしましては二つございまして、一つは陸地用のもの、それから一つは島用のものという二つの種類でやっております。 島用のものにつきましては若干後ほど付加いたしますけれども、陸地用の関係につきまして申しますと、駅または停留所までの距離、それから義務教育学校までの距離、郵便局までの距離、それから役場までの距離、診療所までの距離、総合病院までの距離、高等学校までの距離。それから町といいますか、市までの距離といったものによりまして、点数制で、一定の点数以上のものにつきまして支給するということをいたしておりまして、そういう関係を生活不便という内容として考えておるわけでございます。 島用の関係につきましては、そういう種々の生活不便さに対しまして、島としましてはすべて一応対象といたしておりますけれども、本土といいますか、対岸港からその島に参ります場合の距離と、それから月間の定期の航行回数、それから官署から船着き場までの距離、そういったものをさらに考慮するということで、生活不便さというものをはじき出すということを考えております。
○鈴切委員 それでは、具体的にお伺いをいたしてまいります。 伊豆七島の特地勤務手当の支給状況についてどのようになっていましょうか、お伺いします。
○尾崎政府委員 伊豆七島につきましては、いま申し上げました基準によりまして、従来から、大島を除きます他の諸島につきましては、東京のほうの対岸から離れていくに従いましてだんだん高くなるという形になっておりまして、八丈島の場合には二〇%支給をするという四級地という形になっておったわけでございますが、大島は従来の基準では支給されていなかったわけでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、昨年、特地勤務手当という名前に変えまして、生活不便度というものを考慮をするという点で、大島というものをどう評価するかという点で考えてまいりまして、大島はそういう点で特地勤務手当の支給対象にするということにいたしたわけでございます。 これは逆な言い方でございますけれども、実際は、従来の隔遠地手当制度におきまして大島は対象になっていなかったわけでございますけれども、たいへんいろいろ問題がございまして、いろいろ要望も強うございましたし、かつ各省庁からも、大島へ赴任をさせるのにあたりましては、やはり何か優遇してもらいたいという要望もあったものでございますので、むしろ大島を新しい制度に入れるという趣旨の改正ということで、大島程度のところに特地勤務手当を適用するということで昨年の改正をやったというのが実情でございます。そういう意味で、大島程度のところにつきましても特地勤務手当の対象にするということで、基準を変えましてやったわけでございます。 そして大島につきましては、大体標準といたしまして、こちらから特に転勤していった人につきましては少し優遇をして差し上げることが必要じゃないかといったような趣旨で、いわゆる準特地と申しますか、転勤された方、こちらから大島に勤務しなさいと言って行く人には四%を支給するという意味の準特地ということにいたしたわけでございます。 大体、基準としてはそういうことを考えたわけでございますけれども、大島は若干広うございまして、大体元町が中心でございますけれども、さらにそれからずっと山のほうに入るといったような場合、そういうところには——大島の測候所は島の中心的なところからちょっとはずれたところにございまして、ここでは飲料水に天水を利用しておるといったような状況にございます。それから元町の逆のほうで、一番南の端でございます波浮の港につきましては、非常に船の発着回数が少ないものでございますので、そういう点につきましては、元町に比べて一段高いということで一級地をつけたということで、昨年の制度改正にあたりまして、大島を特に入れるという形の改正をいたしたわけでございます。
○鈴切委員 いままたこれからこまかいことを少し聞いていくわけでありますが、伊豆諸島における特地勤務手当の支給の段階というものがあろうかと思いますが、それについてちょっと御説明願います。
○尾崎政府委員 特地勤務手当の人事院の規則といたしまして、先ほどの基準によりまして規則をきめておるのでございますが、いま申し上げましたように、大島で、元町のほうは準特地、つまり転任した人については四%やるという形になっておりますが、その他の、大島でも南側、波浮のほうにつきましては、転勤者四%のほかにすべての者に四%やるという一級地にいたしております。それから、先のほうに参りまして、三宅島、新島につきましては四級地といたしておりまして、一六%を支給するという形にしております。それから八丈島につきましては、先ほどちょっと触れたわけでございますけれども、五級地として二〇%を支給するということにいたしております。それから小笠原は六級地として最高級地の二五%を支給するということにいたしておるわけでございます。
○鈴切委員 地方公務員、すなわちこの場合においては東京都の関係になるわけでありますけれども、要するに東京都の島の職員の方々の給与、これは国家公務員の給与法に準じて行なわれるということでございます。その実態については、あなたが先ほど言われた実態とは大幅に違っているわけでありますが、東京都の関係についてお伺いをいたします。
○尾崎政府委員 所管の関係で、東京都の関係は、人事委員会から、給与勧告の関係とかそういう関係でいろいろお話は伺っておりますけれども、隔遠地手当につきましては十分承知いたしておりません。ただ、向こうのほうで人事院と同じような基準をかりに適用いたしました場合に、東京都の港から行く船だけについて計算をするといったようなことをしていらっしゃるようでございまして、私どもは、東京都だけでなくて、下田からもほかからも大島に参りますので、そういう船の発着回数は東京都だけに限らないという形に総合的に考えておるということが言えると思っております。
○鈴切委員 いまあなたのほうは、東京都のほうの例をよく存知しない、そういうお話でありますけれども、少なくとも給与を担当する局長といたしまして、国家公務員の給与法に準じてそれぞれの地方自治体がきめられるということになれば、その内容を知って参考にして、どうしてこのように違うのかということを検討しなくちゃならない立場にあろうかと思うのですね。 〔委員長退席、塩谷委員長代理着席〕 実は、東京都のほうを調べてみましたところが、大島支庁は百分の十二、八丈支庁は百分の二十、三宅支庁が百分の二十、そして新島大島支庁分所が百分の二十五となっておるのですね。少なくともいま私が例をあげましたのは、国家公務員法の適用に準ずる官署がこの中にあるわけであります。それを考えてみますと、大島の場合には、先ほどお話がありましたように百分の四。しかも、その百分の四が適用されている場所と、適用されていない場所とあるのですね。東京都の場合には百分の十二です。それから八丈支庁の場合には同じく百分の二十。国のほうも百分の二十です。三宅になりますと、東京都の場合には百分の二十で、国のほうは百分の十六。そして新島になりますと、東京都は百分の二十五、こちらにおいては百分の十六。こういう大きな差ができているということですね。これは私は、やはり実態を知らない皆さま方の考え方におけるところの点数制が、このような相違をもたらしたものである、そのように思うのです。 一つの例をもって見ますと、三宅島、そして新島を同じく百分の十六とされました。確かに三宅島は新島よりも距離的には幾らか遠うございます。しかし新島の場合においては、御存じのように黒根港が一港でございまして、ほとんどはしけという状態である。いま私がここで論議しておっても、おそらく島においては二十メートルから二十五メートルの西風が吹いているでしょう。そうなりますと、一週間から多いときには六十日間も船が着かないという実態があるのです。それを補うために、島としては村営の飛行機を大島間において発着陸をことしやりました。しかし、その村営の飛行機も七人乗りの飛行機でありまして、西風が強いとそれはなかなか不可能の場合もあります。しかもこの飛行機に乗りますと、一便においては、村がある程度負担をして、一人二千五百円という金額で大島から新島に来る方々の便を供しております。しかし、どうしてももう大島から東京へ来なくちゃならないという方で、二便を利用してチャーターをした場合には、もし往復の便がない場合には三万円からの金を払わなくてはならない、こういう不便な地であります。そうなった場合に、ここに出てきておりますところの東京都の百分の二十五というのは、しょせんその実態に合わせてみると、非常に私は考えさせられる点があろうかと思います。ところが国のほうにおいては、ただ単に点数制ということだけでこのような状態で数字を出されておりますけれども、これについては、私はもう少し考慮をしなければならない点が多々あろうかと思います。 確かに、昭和四十五年にこの特地勤務手当というのが設けられたにしても、実際の一つ一つを加えてまいりますとずいぶん矛盾があるということを、私はここで指摘をしなければならないと思うのです。それについてあなたは率直にどうお思いになりますか、ちょっとお聞きします。
○尾崎政府委員 特地勤務手当で、私のほうとしましては、先ほど申しましたように、生活不便という新しい状況に対処しますように筋を立てまして、生活不便の中身といたしまして、病院あるいは学校、役場、郵便局あるいは交通関係、あるいは買いものに行く場合の町への距離といったような、いわば生活上の必要最小限度の需要を満たすためにどれだけ不便度があるかという観点で、昨年これをすべていわばひっくり返して検討をいたして、実情に合うように考慮をいたしたわけでございます。したがって、一つの点数制をとりますというのは、相互のバランスをよくとるという意味合いでございまして、ほかに他意はないわけでございますけれども、何点に入れば何級地になるという形の公平さというものを期するために点数制を採用をいたしております。 それで、現在の新しく立てました制度で、全官署から、職員の生活状況、勤務状況につきまして、つまり不便度につきまして調査票をとりまして、そして全官署について格づけをいたしまして、一応従来の制度を再編成をいたしたわけでございまして、昨年そういう大作業をやった関係から申しますと、現段階におきましては、やはり一応公平を保っておるというふうに考えてはおるわけなんであります。
○鈴切委員 あなたは公平性を保っていると言われますけれども、私は納得がいかない。 それじゃ具体的に申し上げますけれども、大島における官署の中で、一部の地域のみが支給されているところもあります。また差別をされて、支給をされていないところもございます。とすると、支給をされている場所と、それから支給をされていない場所、これについてまず名前をあげて明確にしていただきたい。
○尾崎政府委員 先ほど申し上げましたように、昨年の隔遠地手当から特地勤務手当制度に編成がえをいたしました趣旨は、大島にこの手当を適用しようというところにポイントがあったわけでございます。そういう趣旨で制度を組み立てたわけでございますけれども、大島の中でも、たとえば一番こちらにあります元町には、東京、下田その他から船が参っております。熱海、下田、江の島、東京、久里浜からの便が合計百六十八回行っておりまして、そういう関係を基準として、この元町にはこちらから転勤させる人には四%をつけるという、準特地を適用いたしたわけでございます。全体の点数としては約三十点に当たりますので、それを準特地というふうにいたしたわけでございます。したがって、そういう官署といたしましては、法務局の出張所、検察庁、東大の地震研究所の観測所、それから統計調査事務所、あるいは空港の出張所、航路標識事務所、それから基準監督署の駐在所等がございます。 しかしながら、元町から反対側の南端にございます波浮港につきましては、船の発着回数が少のうございますので、そういうところからまた元町まで出てきてまた出かけるという点の問題もございますので、そういう波浮港の所在地について検討いたしますと点数がさらに上がるということで、一段階上げまして一級地を支給、つまり四%をさらに支給するという形にいたしたわけでございまして、そこには大島航空無線標識所、それから関東農政局の統計調査事務所の出張所波浮分室というのがございます。 さらに、先ほどちょっと申しましたけれども、元町からずっと山の手に入りましたところに測候所がございますが、この測候所はずっと山手に入っておりました上に、飲料水に天水を利用しておるという生活不便度というものを加算いたしまして、四%の一級地という形にいたしております。
○鈴切委員 大島といっても、御存じのとおりそんな大きな島ではございません。自動車で回れば大体一時間でくるりと回れるくらいの程度であります。その大島にあえてあなたが言われます特地勤務手当を適用したいという御意図がありながら、しかも大島に適用するに及んで、島の中において、適用をする場所と適用しない場所とを区別するなんということは、こんな矛盾した、いわゆる血の通わない政治はない、行政はない、そのように私は思うのです。 〔塩谷委員長代理退席、委員長着席〕 とにかく、総合病院だってないような大島であるならば、これは大島のみながそれだけの不便を感ずるのは当然であります。また、あなたが先ほどおっしゃったように、学校の問題、交通の問題、買いものの問題、生活の問題、物価の問題と、このように具体的にあげられるとするならば、しょせんは大島の人は全部同じ状態のもとに置かれることには間違いないわけであります。それであるにもかかわらず、関東農政局大島統計調査出張所波浮分室並びに大島航空無線標識所、大島測候所と、この三つだけその適用をして、あとの九カ所を適用をしないという考え方は非常に適当ではない、私はこのように思うのです。 あなたは先ほど、著しく不便な地に所在するという生活の問題について非常に強く言われたわけでありますけれども、生活をするというところは、しょせんは勤務地で生活をするのではないでしょう。生活をするのは、結局はその人が住んでいる場所で生活をするわけであります。 一つ例をとってみれば、波浮に住んでおってお隣の、先ほど申し上げましたように、関東農政局大島統計調査出張所波浮分室、ここへ通う場合には一級地としての手当が出る。ところが今度は、波浮から元町に出てきた場合、これはだめでしょう。あるいは波浮から岡田まで通った場合に適用されましょうか。そういう点について、あなた方は、ほんとうに実態的な問題からこの問題を取り上げられて点数制にしてこの結論を出されたのか。ただ単に言われるだけで、これで何点、何点ということだけで合計何点ということになるから、大島としてはこんな矛盾した状態が行なわれるようになるのじゃないか。その点についてどう思いますか。
○尾崎政府委員 関東農政局、波浮港のほうにつきましては、先ほど申しましたように、本土からの航行回数が若干違うという点もございますし、かつ船着き場までの距離といたしましてずっと奥にあるわけでございますから、つまり元町のほうまで出てきて船に乗るという場合におきましては十五キロ以上かかるということで、元町にある場合には直ちに乗れますけれども、向こうの南端のほうから出てまいりますと二十キロ近くあるということでございますので、それを同じ程度というふうに考えることは適当ではあるまいというふうに考えまして、そこに若干の区別をする。役場についても同じでございますが、大体、元町のほうにいろいろ中心がございますので、そこに来るという点の不便度というものを考慮いたしますとそこに若干の違いがあるということでございまして、その若干の違いについて級地を一段階区別をしたという気持ちでございます。
○鈴切委員 そういうおかしいお話をされてもだめです。結局、先ほども申しましたように、波浮に住んでおられて波浮のところに通われる、これはそんなにむずかしい問題じゃありません。あなたは大島のことをあまりよくお知りにならない。たとえて言うならば、波浮から岡田へ通うとか、あるいは泉津から元町へ通うとか、そういうふうにして実際何時間も自転車で足を運んで通う場所においては一級地としての適用を受けない。しかしお隣の、実際に同じところに住んでおりながら簡単にわずかの時間で通うことができる、そういう場所においては一級地としての適用を受ける。また、あなたがおっしゃるように、大島測候所は元町という場所にあります。確かに天水を利用されているかもわかりません。しかし大島というところは、御存じのように、水道といっても塩分を含んでいるのです。ゆえに、ほんとうにおいしい水を飲むためには、天水をいまだに使っておりますよ。そういう状況もよくお知りにならないでこういうふうなことをされる。簡単に点数制をされる。しかも、あなたはさっき、大島に特地勤務手当を支給させるために、今度強い要望があったために一級地としての問題を取り上げたとおっしゃっているじゃないですか。それにもかかわらずこのような矛盾をした状態。少なくとも大島の町において、片一方で支給されて片一方で支給されないというような、そんな状態でいいはずが絶対にありません、少なくとも島民感情というものは。いわゆる隣近所に住んでおります。しかも島というところは狭い。すぐにこういう問題は問題になってくるわけです。この一級地の百分の四だって、決して満足した数字じゃない。ほんとうに実態に即応するならば、私はもっともっと高くならなければならないと思っています。 御存じのとおり、大島というところは、夏は事実上レジャーブームの観光地です。とするならば、物価高だってやはり東京と変わらない。それ以上の高さを示しております。日用必需品においては、言うならば東京から輸入をしてそれを販売をしているのです。またこの夏、新島においては、レジャーブームで、一本のコカコーラが百何十円もの高値を呼んだということも聞いております。一方、冬場においては、現在大島ですらもうすでに航行制限がされておりまして、実際に船の回数は少ないじゃないですか。たとえば東京から新島に行く場合においては、金曜日に下田に泊まって、土曜日に乗って着く。そして日曜日、東京には月曜日にならなければ帰ってこられないじゃないですか。こういう実態に合う特地勤務手当をやっていただかないと、ただ点数制においてだけこういう問題を取り上げられたのでは、全く血の通った行政だとは言えない。 その点について、総務副長官、私がいまずっと話をしてきた中に、大島において、そのように、支給されるところもあるし支給されないところもあるというような状態ははたして適当であるかどうか、お伺いします。
○砂田政府委員 鈴切先生の御質問の内容が非常に技術的なことでございますから、私からは少々お答えしにくいのでありますけれども、点数制そのものが悪いということではないだろうと思います。やはり人事院としても、恣意をまじえることなしに公正な特地手当が支給されるようにとするからには、やはり一応点数制という制度そのものは置かれるべきではないかと思います。ただ、その点数制ではじいた結果について先生御議論があるところでありますけれども、これは給与局長といろいろお話になりましたから、給与局のほうでもおそらく検討をしてごらんになるのではないだろうか、そういう感じを持って聞いておりましたことだけをただいまお答えしておきたいと思います。きわめてこれは技術的なことでございますから。
○鈴切委員 いずれにしても、給与局長はきめた立場であるので、なかなかその責任について、大島においては、このような矛盾は当然何とかしなくちゃならないとお思いになっていながらも、実際においては答弁できないような状態だと私は思うのです。しかし、私は実は島に行ってきて、非常にこの点についても陳情を受けてきたわけです。それで、実際にこういう点についてはどうなるのかということについて、具体的にひとつお話を願いたいわけでありますが、国家公務員の場合は、特地勤務手当百分の四が支給されるところもあるし、また支給されないところもある。また準特地手当というところもあるわけですけれども、伊豆七島においては調整手当は出ておりませんね。
○尾崎政府委員 出ておりません。
○鈴切委員 そうしますと、都の場合においては、特地勤務手当あるいは調整手当についてどのようになっておりましょうか。大島の場合でけっこうです。
○尾崎政府委員 十分承知しておりません。
○鈴切委員 給与担当局長なんですからね。朝から晩まで給与のことを専門にやっておられる立場にあるあなたが、あまりにも不勉強だ。大島の場合においては、特地勤務手当は百分の十二、そして調整手当が百分の六出ているのです。もうこれだけでも大きな相違になっております。百分の四出るところと百分の四出ないところとあるわけです。しかも調整手当は出ていない。もうこれだけでも国家公務員と地方公務員との差というものは実に大きい。しかも国家公務員に準ずると言われていながら、実際に地方公務員の場合は実態に合った給与の支給がなされている。それでたとえば東京都から大島に移転をされた場合には、どのような手当がつきましょうか。
○尾崎政府委員 調整手当の八%が三年間支給されるという形になっております。
○鈴切委員 そうしますと、百分の四が支給されている場所に移転をしたときに手当はどうなりますか。
○尾崎政府委員 調整手当のいわゆる異動保障といたしまして三年間は八%がつきますが、それ以外に、先ほど申しました特地勤務手当、準特地の場合には派遣者四%、一級地の場合は派遣者四%にさらに一級地としての四%が出るということでございます。
○鈴切委員 東京都から大島に移転をされて、百分の四の支給をされていない場所に移転をしたときには手当はどうなりますか。
○尾崎政府委員 ただいま申しましたとおりでございますが、調整手当の異動保障の八%が三年間は支給されます。それ以外に、一級地でなくて準特地の場合には、派遣者として四%が支給されるということでございます。
○鈴切委員 大島内において官署を異にして異動をした場合、たとえば百分の四が支給されている場所から支給されていない場所に異動したときにはどうなりましょうか。
○尾崎政府委員 先ほど申しましたように、百分の四、つまり一級地のところは南の端のほうでございますので、元町のほうの便利なところに参りますればその四%は落ちますけれども、派遣者であるならば、派遣者としての四%は依然としてもらうという形にはなります。
○鈴切委員 大島の島内において住所を、たとえば泉津から波浮の港に移転した場合。これはやむを得ず移転した場合ですよ。百分の四の支給をされない方についてはどうなりますか。
○尾崎政府委員 これは、住所主義ではございませんで勤務官署主義でございますので、勤務官署主義に従って、勤務官署の一級地のところは一級地のものを支給し、準特地の場合には準特地の手当を支給するということにいたしております。
○鈴切委員 勤務官署主義というふうに言われたわけですけれども、先ほどあなたは、この特地勤務手当というものは、病院とか学校とか、あるいは交通、買いもの、生活上の不便あるいは物価等ということを言われたわけです。実際に勤務地で物を買ったり何かすることはほとんどないわけです。生活というものは住まいを中心にして生活をされる。結局、その住まいのところから学校へ行ってどうのこうの、あるいは病院はどうかということは、生活している場所によって判断される問題です。ところが、あなたのおっしゃるのは、その不便利さについてはどこまでもいわゆる勤務地を中心にして云々ということになりますけれども、それでは実際において実態に合わない点がある。そういう点についてはやはり私は考えていかなければならない問題じゃないか。 それも、大きく離れている場所、東京あるいは関東等においてはそういう点も言えるかもわかりませんけれども、実際に島の中における生活はもうどこもみんな同じです。物価が高い。そのあおりをこうむるのは、波浮港もそうでしょうけれども、泉津だってそうです。あるいは元町だって同じです。そういう点を考えたときに、私はここにおいて、特地勤務手当の非常に矛盾した点を認めざるを得ないわけでありますが、それについて人事院総裁、あなたはほんとにあたたかい気持ちをお持ちになって、いわゆる遠隔地手当、あるいはそれを一歩前進して特地勤務手当というものを設けられた。しかし私は、いま実際に島におって生活をしている人の実態の上からいろいろ感じて、こうやって伊豆七島を全部取り上げてお話をしたわけであります。非常に矛盾をするところが多いわけでありますから、その点についてさらに検討する余地がありゃいなや、大島については前向きに取り上げていかなければならないかどうか、その点についてお伺いいたします。
○佐藤(達)政府委員 先般、特地勤務手当の制度を実施に移します際には、先ほど給与局長の言いましたように、公平に、できるだけ不公平にならないようにという立場からこまかいかぎをつくりまして、それで点数制度というものをとったわけです。これは人間の気持ちというものが、まあ試験の採点と同様なことで、感情が入ってはいけない、やはり厳正公平ということから企てたことでございまして、それ自体私は正しいと思います。しかし、いまのお話のように、機械的過ぎやしないかというような御批判がこれは当然出てくると思います。私自身、最初に特地勤務手当の指定をしますときには、給与局長に地図まで持ち出させて一応説明を聞いた上で、点数等も聞いた上でやりまして、大島のことについても、私自身は、間違っているということは感じておりませんけれども、しかし、いまいろいろ実情を拝見してのお話を承ってみますと、率直に言って、役所へ帰って地図を開いて、給与局長からもう一ぺん聞き直そうかという気持ちになっております。 ただ、東京都の場合を例に出されましたけれども、これはわれわれとしては困るので、地方公務員のほうはむしろわれわれのほうを見習っていただくことになっております。私どもは地方公共団体のほうは全然所管しておりませんから、これは知らないと申し上げてもそう恥ずかしいことではないと申し上げますが、しかし、いま申しましたような面から、とにかく私自身帰ったらさっそく地図を開いてみようという気持ちになっておりますから、どうぞ……。
○鈴切委員 人事院総裁は、まあお帰りになってから前向きにひとつ地図を見て検討しよう、こういうふうにおっしゃっているわけでありますが、実際地図を開いて見てもこれはわからないのです。住んでみなくてはわからない問題です。 実は私も過日新島のほうへちょっと行ってまいりました。ところが、西風が吹きまして飛行機も飛ばず船も行かず、三日間向こうで籠城をいたしました。そういう生活の体験の上から感じたときに、やはり島の人たちがこの点についてあまりにも差があるのではないかということは、ほんとうにわかるわけであります。もしうそだと思うならば、人事院総裁あるいは給与局長が、少なくとも伊豆七島の島の西風の吹く中においでになって、一週間あるいは十日間閉じ込められたときに初めてその実態はわかると思う。だから、ただ地図で大島の場所をはかってみたって、それでどうのこうのという問題じゃない。 すなわち、大島は一体としてやはり離島振興法の適用を受けておるわけです。片一方は離島振興法の適用を受けて、片一方半分は離島振興法の適用を受けてないというのではない。そうであるならば、当然島の方々はそれだけの不便を受けておられる。しかも島に住んでおられる方々は、たいへんに御苦労をしております。私にこう言っておりました。自分は、大島におけるこういうような状態で、言うならば非常に低賃金の生活をしいられている、しかし私のむすこは、少なくとも大学でも出して、そしてもっともっと中心の官庁へ入れて生計を立てるような方向の道を開いてやりたい、だから私は、ほんとうに食うものも食わないでむすこを大学に出しているのです、こういう切々とした声を私は聞きました。私はそういうことを聞いているので、いま人事院総裁が、帰ってからいま申し上げたところを地図ではかって、ああここは少し遠いな、ここは不便だな、そういうような問題ではないということを強く訴えたいのでありますが、その点についてもう一度前向きの答弁をお願いいたしたいわけであります。
○佐藤(達)政府委員 私自身、実は大島に行きたい行きたいと思いながらまだつい行っておりませんので、いずれ、いまのお話もございますし、かたわら——かたわらと言うとたいへん恐縮でございますけれども、現地くらいは拝見いたしたいと思いますが、それは半分冗談としてお聞き流しいただいて、結局、先ほど給与局長が申しましたように、いままで大島は隔遠地ではなかったのを今度は特地として入れているというところまでの心持ちは、これはひとつ了としていただきたい。さらにこれから先の、いまの非常に精密なお話になってまいりますと、一度うちへ帰ってこまかい説明を給与局長から聞き直そうということになるので、大前提のとにかく特地に入れたということだけは認めていただきたい。
○鈴切委員 特地に入れたということ、それは私は確かに前進だと思います。しかし、大島という離島振興法の適用になっている島、これを差別をするということは、かえって島の方々は迷惑をする状態だと私は思う。そういう点について前向きに検討するのは私は問題ないと思います。人事院総裁が、島へ私は行ってみたいなんというのは、要するに夏場のレジャーを楽しむ、そういういい時期に行ってみれば、それは確かに島はこの上もないいい島かもわかりません。しかし、西風がびゅうびゆう、いまも二十メートル、二十五メートルも吹くような状態のもとに置かれる離島、この離島の方々の生活というものはたいへんです。新島の場合は六十日間という記録があります。もう全部食べるものがなくてあと一日しかなかったという、そういう例もある。そうしたならば、あなたはやはりそういう特殊な地位に置かれているところの島について、これは何といっても——ただ、同じ元町でありながら、天水を飲んでいるから、それが点数が一点多かったから、二点多かったからということで、それで点数制をとる。それじゃほかのところは、天水を飲んでいないかといえば飲んでいる。また水道で飲んでいても、これは塩分を含んでいる水道であります。そういう点も十分考慮されて、ひとつ前向きに御考慮願いたいと思いますが、最後に給与局長、前向きにひとつ答弁を……。
○尾崎政府委員 先ほど申しましたように、大島につきましては、今度特に特地勤務手当を支給しようということで制度改正をしたわけでございまして、その際、点数制の上ではございますけれども、向こうの南端のほうにつきましては、よくしたいという気持ちで一級地をさらにつけたわけでございまして、その点がどうもバランスを失しておるというお話でございますけれども、私どもとしてはなおよく検討してみたいと思います。
○鈴切委員 最後に。私は一級地をつけてくださったということについては、これは前向きでけっこうだと言っている。しかし、少なくとも大島という島を見たときに、そのように、言うならば半分やって半分やらないなんて、そういう差別をしていいかどうかということは、これは私は政治的な大きな問題があろうかと思います。そういう点でひとつ人事院総裁の前向きの検討を期待して、私の質問を終わります。
○伊能委員長 次回は、明九日木曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会