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67回国会衆議院1971/11/11

内閣委員会 第5号

発言数
156
登壇者
11
会派数
3
開催日
1971/11/11

会議録

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 これより会議を開きます。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。葉梨信行君。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 設置法につきまして、二、三質問をしたいと思います。  まず伺いたいのでございますが、研究学園都市の問題は、昭和三十七年ごろに話が始まって、もう足かけ十年になると思います。その十年間、どういうように話が具体化し、建設が行なわれてきたか、その経緯についてまず伺わせていただきます。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 お答え申し上げます。  研究学園都市の建設に関しましては、御案内のように、まず昭和三十八年九月の閣議了解によりまして、研究学園都市を筑波地区に建設することとし、用地の取得、造成は日本住宅公団をして行なわしめるということが決定をされたわけでございます。次いで昭和三十九年十二月の閣議におきまして、総理府に、この筑波研究学園都市の建設に関する連絡調整及び推進を行なうために、研究学園都市建設推進本部が設けられることになったわけでございます。次いで、昭和四十一年に入りましてから、日本住宅公団が用地買収に着手をいたしたわけでございますが、現在までに買収予定面積千七百九十三ヘクタールのうち一ヘクタールを残しましてほぼ用地買収を完了いたしております。昭和四十二年九月に至りまして、閣議において移転を予定する政府関係の機関といたしまして、三十六機関が了承をされたわけでございます。さらに、昭和四十四年六月の閣議におきまして、三十六機関のうち昭和四十七年度までに建設を開始すべきものとして、十一機関が決定をされたわけでございます。次いで、昭和四十五年五月には、筑波研究学園都市建設法が議員提案により制定、公布されまして、都市建設の総合的な計画の策定などが法律によって義務づけされたわけでございます。そこで政府は、昭和四十六年七月にこの関係の機関が相寄りまして、今後の推進方策について申し合わせをいたしたわけでございますが、これに基づいて筑波研究学園都市建設計画の大綱及び公共、公益事業等の整備計画の概要が昭和四十六年、本年の二月に推進本部において決定をした次第でございます。  以上が概況でございますが、現在、昨年の申し合わせに従いまして、移転職員の生活環境問題等の処理を進めますとともに、移転予定機関等の移転計画の概要を早急に策定すべく、関係省庁相寄り作業を進めておる段階でございます。  簡単でございますが、お答えといたします。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 この建設につきましては、前期、後期の二つに分けておられるようでございますが、前期が何年から何年までか、後期は何年から何年までか、まず、昭和何年かというその予定の年号をひとつお教え願いたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 建設のタイムスケジュールに関しましては、四十四年六月の閣議決定におきまして、昭和四十三年度を初年度として、前期五カ年、後期五カ年の二期に分け、おおむね十カ年で実施するものといたしております。したがいまして、前期期間は昭和四十三年から四十七年まで、後期は四十八年から五十二年まで、そういうことに相なる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 前期に十一機関の建設がきまっているということでございますが、その各機関、各省令別の機関名並びにその建設の進捗状況について、それからまた、完成後移転の時期について伺いたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 前期期間内に建設に着手することとなっております十一機関の内容につきましては、まず科学技術庁関係では、無機材質研究所と国立防災科学技術センターの二機関でございます。無機材質研究所につきましては、昭和四十四年十二月に高圧力特殊実験棟を完成いたしましたし、昭和四十六年度には研究本館を完成いたしまして、年度内に移転を完了する予定でございます。国立防災科学技術センターにつきましては、昭和四十五年六月に大型耐震実験施設を完成してすでに実験に入っております。また昭和四十五年度からは、引き続きまして大型降雨実験施設の建設を開始して、現在工事中でございます。  次に、文部省関係では筑波新大学がございます。これは教育大学の実質的な移転でございますが、筑波新大学につきましては、昭和四十九年度から現地で学生を募集して授業を開始するということを目途に、すでに昨年現地に管理事務所を設け、本年度からは敷地造成等の工事に着手をいたしておるわけでございます。  次に、農林省でございますが、農林省は昭和四十四年度から現地に圃場管理所を設けまして、種苗試験栽培等の試験を実施いたしております。明四十七年度からは六機関の建設に着手いたしますため、所要の予算を要求いたしておるわけでございます。  次に、建設省関係でございますが、建設省は三機関の移転を予定しておりますが、そのうち建築研究所につきましては、すでに昭和四十五年度から曝露試験場を現地に建設いたしまして試験を行なっております。また土木研究所につきましては、本年度から試験走路の建設に着手をいたしました。また国土地理院につきましては、本年度土地調査を実施しておりまして、明年度から菱形基線場並びにその付属観測準備棟を建設する予算を要求中でございます。  以上のほか、新設をすることになりました文部省の高エネルギー物理学研究所が、昭和四十五年度から加速器試験室等の一部を建設開始している次第でございます。  以上が、前期十一機関の建設の状況でございますが、なお、具体的に、この移転のタイムスケジュールにつきましては、最近関係省庁の間で話し合いをいたしておるわけでございまして、近い機会にこの移転計画の全貌を決定いたしたいというふうに考えておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 そうしますと、昭和四十八年から五十二年に至る後期に、三十六機関から十一機関を引きました二十五機関が建設を始め、移転をしなければならないわけでございますが、前期の五カ年で十一機関、後期の五年間で二十五機関というのは、これは倍以上の機関が移るわけで、一体予算上もはたしてこれが実現可能かどうか、私ども非常に疑問に思うわけでございます。その点について、財政当局とどんな話し合いになっておるか。それから、かりに計画どおりに移転がすべて完了するのがいつごろになるだろうか、また、一応年次計画はどうなっているだろうか、それらの点につきましてお伺いいたします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、この建設の方針につきましては、四十四年の閣議決定におきまして、前期五年、後期五年に分けて実施するということになっております。したがいまして、おそくも昭和五十二年度までには移転を予定されております全機関の建設が始まるわけでございますが、もちろん十年間で完全に全機関の建設を完了するわけではございませんで、おそらく五十二年以降も数年かかって継続工事が行なわれ、最終的には完了するわけでございます。  私どもといたしましては、筑波研究学園都市が一日も早く完成をすることを願っておるわけでございますが、そのためには、いろいろ処理をすべき問題点もございます。これにつきましては、だんだんと関係省庁の間で話し合いをいたしまして、逐次解決を見ておるわけでございます。したがいまして、私どもは四十四年の閣議決定の趣旨に沿って、この十カ年計画を計画どおり完遂をしたいというふうに考えておりますが、具体的な移転のスケジュールにつきましては、現在関係省庁と相談中でございまして、私どもといたしましては、できれば年内にも最終的な移転計画を決定をいたしたい、かように考えておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 首都圏整備委員会の事務局長の先ほどのお話で、科学技術庁、農林省、文部省、建設省関係のそれぞれの研究機関は、すでに移転を開始しているわけでございますが、通産省の工業技術院関係の機関の名前が一つも出ておりません。工業技術院関係はどうなっておりますか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 工業技術院に関しましては、一応昭和四十八年度から五十二年度までの後期五年間に進出をする機関に予定されておるわけでございます。しかしながら、通産省におきましては、従来数年にわたって調査費を計上し、調査を続けておるわけでございます。明年度も相当額の調査予算は要求をしておるわけでございますが、施設関係の予算につきましては、おそらく昭和四十八年度の後期五カ年の初年度から予算を計上いたすことになろうと私どもは考えておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 いろいろな機関が移転をするわけでございますが、それに伴いまして、その前提条件といいますか、大事な環境整備の状況についてお伺いしたいと思います。  まず、道路の整備の状況はどんなぐあいでございましょうか。また、一般道路のほかに、東京と直結するような意味の常磐高速道路の整備状況等についてもお伺いいたします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 研究学園都市関係の道路等の公共施設関係でございますが、まず道路につきましては、地区内における幹線街路並びに土浦市と本地区とを結ぶ幹線街路、これが重要なわけでございますが、土浦市と本地区を結ぶ土浦——学園線、並びに当地区内の東西を結ぶ大幹線でございます東大通り線につきましては、すでに工事がだいぶ進捗をいたしておりまして、昭和四十六年度中には概成をする予定でございます。自動車が通れる道になるわけでございます。また、同じく本地区を南北に結ぶ西大通り線の大部分につきましても、昭和四十六年度中には車が通れるようになります。それから、本地区から南に延びます牛久−学園線につきましては、昭和四十七年度中にほぼ完成する予定で現在工事が進められております。  高速道路につきましては、昭和四十五年の六月に常磐高速自動車道の整備計画が決定されまして、建設大臣から日本道路公団に対して施工命令がされておるわけでございます。高速道路関係につきましては、昭和四十六年度は五億程度の予算しか計上されておりませんが、来年度は相当多額の予算が要求されております。したがいまして、来年度から本格的に工事にかかるわけでございますが、日本道路公団では、五十一年、おそくも五十二年には全線開通させたいということで、現在各種の工事や調査を急いでおるところでございます。  それから上水道につきましては、昭和四十八年度に一部給水開始を目途に事業を実施する予定でございますし、下水道につきましては、昭和四十八年度末には供用開始をするということを目途に、雨水と汚水を分けまして、分流式により事業計画をただいま立てているところでございます。  住宅につきましては、花室地区に公務員宿舎、現在百七十二戸の建設を進めておりまして、うち百四十二戸は本年中に完成、残り三十戸も年度末までには完成をする予定になっておるわけでございます。  次に、教育施設等につきましては、まだ現地に進出する機関が非常に少ないわけでございますが、移転の進捗状況に合わせまして整備をいたすことになっております。当然相当多数の学校が新設されることになっておるわけでございますが、当面は、周辺の既存校の整備拡充が現在行なわれつつある次第でございます。また、その程度で現在のところは間に合っておるわけでございます。  また医療施設等につきましては、当面、国立霞ケ浦病院の整備を行ないますとともに、土浦市と救急協定を結びまして、救急体制の整備をはかることになっておるわけでございます。  その他、日常生活施設等につきましても、日本住宅公団等におきまして、宅地、建物の分譲、あるいは賃貸が行なわれる計画になっておるわけでございます。  以上、簡単でございますが、申し上げます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 すでに科学技術庁の無機材質研究所、あるいはその他二、三の機関の移転が間もなく始まるわけでございますが、ただいまのお話ですと、上下水道が四十八年に整備されるということであって、これでは、いま移転した人たちの生活環境の整備があとからいくというようなことになると思うのですが、この点はどうですか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 上水道に関しましては、将来の需要量は約十万トンが予定されております。したがいまして、上水道事業もこの十万トンを目標に建設が行なわれるわけでございますが、この十万トンの水は、そのうちの約九万トンは霞ケ浦から揚水をいたしまして給水をすることになっておりますが、八千トンばかりは地区内にさく井をいたしまして、地下水によって水源を得るということになったわけでございます。現在この全体の上水道計画の一環といたしまして、地下水をさく井いたしておりますが、当面はこの地下水をさく井によって供給いたし、これが将来は上水道の水源としてネットワークに組み込まれるという形になっておるわけでございます。したがいまして、現在進出し、あるいは近く進出いたしますものの給水についても、全然心配ないわけでございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 上水道はそれでは心配ないようでございますが、下水道のほうはどうなのでしょう。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、一応下水につきましては四十八年度末の供用開始でございます。したがいまして、それまでは本格的な下水道ができないわけでございますが、その間は各機関によりまして暫定的に自己処理をしていただきまして、きれいにした上で河川に放流をするということにいたし、将来下水道が完成した場合には、これを公共下水道に切りかえるというふうに考えております。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 あの近辺には中小河川が四、五本ございます。蓮沼川、小貝川、花室川、小野川等々ございまして、いずれもこれは農業用水にも使っているわけで、どういうようにこの学園都市の汚水を処理し、そしてそれらの河川にどのように流すかということは、地域の住民の非常に重大な関心事だと思うのでございます。その河川の使い分けについてお伺いしたいし、第二には、汚水処理場につきまして、これは住宅公団で全額持ってつくるのか、あるいは地方の自治体に負担をさせるのか、どの程度の負担をさせるのか、その辺についてお伺いしたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 公共下水道につきましては、先ほども御説明を申し上げましたように、汚水と雨水は分流をする、分流式で排除するということになっております。雨水につきましては、雨水管から都市下水路または河川に放流をいたす予定でございまして、放流河川は花室川、蓮沼川、小野川の三つでございます。それぞれこれらの河川の上流部は、都市下水路として整備をいたすわけでございます。一方、汚水は汚水管によりまして、地区内に処理場を設けまして、ここで処理をし、最終的には小貝川に放流をいたす予定でございます。地区内の処理、これはむろん処理をして放流するわけでございますが、この処理場の施設については、公共下水道事業自体は県営の事業として行なうわけでございますが、工事は日本住宅公団が委託を受けまして、一括施工することになるわけでございます。なお、工事に伴いまして、当然県営事業でございますから、県で負担すべき部分がございますが、これにつきましては、本都市の性格にかんがみまして、公団が県にかわって負担をするということに予定をいたしておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 住宅についてちょっとお伺いしますが、研究者が主として入られるわけで、東京とか大阪とか、既存の公務員住宅に入っておられた方々が学園都市に移られるわけで、できるだけ快適な研究環境を整えるという意味では、住宅の規格等についても格段の配慮があってしかるべきだと思うのでございます。その点につきましてどんなふうな配慮をしていらっしゃるか、ちょっとお伺いします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 御指摘のように、本研究学園都市は、ほとんど人の住んでいない山林、原野あるいは田畑に新しく町づくりをするわけでございます。したがいまして、移転すべき機関の職員は住宅が全然ないわけでございますから、これに対しては相当手厚い整備をいたす必要があるわけでございます。これにつきましては、当然公務員宿舎という形で貸与するということになるわけでございますが、これにつきましては、所管の大蔵省当局と数次にわたり折衝いたしまして、この都市の性格にかんがみて手厚い措置を講じてほしいという申し入れをいたしておったわけでございますが、本年の夏に至りまして、大蔵省といたしましても、その趣旨は十分わかるので希望に沿いたいということで、この移転機関の職員は、希望する者には全員に宿舎を貸与する。それから奥さんや子供さんのある世帯者につきましては、原則として三DK以上の住宅を貸与する。また、研究に専念する主任研究者とか、講師といった研究職にある方々は、うちへ帰って勉強する必要もございます。したがいまして、こういう研究職の方々には三LDK以上の住宅を貸与する、こういうことで措置をするということを了解願ったわけでございます。これらは、現行の宿舎の貸与基準から申しますと、相当実は高いサービスをしていただくということになりましたので、この宿舎問題については、各省庁とも御納得をいただいたというふうに私どもは理解をいたしておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 まあ学者が入る住宅でございますから、たとえば机も大きな机が入るような、そしてまた、本だなも大きな本だなが備えつけられているような、そういうような書斎が一部屋ぐらいはあってしかるべきだと思うのでございます。すでにそういうように設備がされておるならばけっこうでございますが、まだそういう状態になければ、これからでもぜひそういう設計をしていただきたいということを希望します。  そして数日前の新聞に出ておったのでございますが、アパートが数むね建った。ところが商店が数キロ先で、たいへん買いものに不便だという記事がございました。その点、現状はどうなっておるか。また、将来ショッピングセンター等についてはどういうように配置をするのか、その辺をお伺いしたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 御指摘のように、現状においては、地区内は全くの純農村でございますので、買いもの等につきましても相当不便なことは事実でございます。したがいまして、当面、本年度から来年度にかけて入居されます職員の方々には、多少御不便をおかけすることになるかと思いますが、一応住宅公団におきましては、地区内にただいま事務所を建築中でございますが、その一階をピロティ方式にいたしまして、屋根のついた広間みたいなものでございますが、ここに日常の商品を売買するスペースを設けたわけでございます。ここに各商店から出店をしていただいて、当面は需要を満たしていただくというふうに考えておりますが、御案内のように、学園地区は中心地区だけで将来は人口十万以上の都市になるわけでございます。当然町づくりの一環といたしまして、この都市中心部には相当規模のサービス施設を、商店だけでなくて医療その他のサービス施設についても、計画的に配置をいたしたいということでいろいろ考えておるわけでございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 その点について、早く移転する人たちが非常に不便をこうむるわけで、何かやはり、これはさしあたっては科学技術庁の機関が行くわけでございますが、科学技術庁自体がやるというわけにもいきませんでしょうから、首都圏整備委員会なりこの主管官庁が特設の配慮をして、あまり不便をこうむらないように、いろいろひとつ御配慮をお願いしたいと思います。  次にお伺いしたいことは、研究機関の職員が移転をするわけでございますが、東京とか東京周辺におられていろいろな手当がついておったわけでございます。それが茨城県という地方に赴任して、給与上不利になるというようなことがあってはいけないと思うのでございますが、この点についてどのような配慮がされておるか、お伺いしたいと思います。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 お答えいたします。  いま先生御指摘の問題は、非常に移転問題について重要な要素でございますので、われわれは、研究学園都市というものを先ほど御説明してございますが、非常に高い水準の研究教育の拠点といたしたいという念願から、十分、優秀な方々が安心して業務に専念できるようなことにしていくということで、いまの御指摘の問題を考えてまいりました。ただ、現在の給与法でございますと、御指摘のとおり、研究学園都市に移転しますと、調整手当等が支給されなくなるおそれがありまして、異動保障期間を考えましても、実質的には処遇がだいぶ悪くなるというようなことになりますので、当庁といたしましても、関係省庁等と十分連絡いたしまして、先般の人事院の勧告にあたりまして、ぜひ研究学園都市の移転に伴って給与上の不利ができないような措置を講じてもらいたいと、よく長官からも要望したわけでございます。その結果、御承知のとおり人事院勧告におきましても、その要望を取り入れまして、研究学園都市移転手当というものを創設することを勧告してございます。これは現在給与法の改正案が提案されておりますので、この改正が実現して、移転に伴う給与上の不利が解消するということを、われわれは願っているわけでございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 具体的に額でいって、どの程度の調整になるかとか、そういう点はおわかりになりませんか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 たとえば東京で申しますと、調整手当は本俸、特別調整額、扶養手当を含めました八%が支給されておりますので、いま申し上げましたように、八%がなくなる。それで、いまの都市移転手当につきましては、現在提案しております内容といたしましては、八%をこえない範囲で都市移転手当をつけるというような要望になっておるわけでございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 東京に比べますと、いろいろな文化施設もありませんし、ましてショッピングなどにつきましては非常に不便な状況でございますので、それらも勘案して、ぜひいろいろな調整手当等も手厚くひとつつけていただきたい。また各官庁としても、特に科学技術庁等ではそれらについてバックアップしていただきたいということを要望しておきます。  それから、話がちょっと戻りますけれども、学校の問題でございますが、先ほど教育大学が新構想大学として二、三年のうちに開校するというお話でございましたが、実際に開校できる状況にございますか。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 私からお答えすることが適当かどうかわかりませんけれども、私どもが文教当局から聞いておるところでは、四十八年度には相当程度の施設をやる、それで一部教職員等はすでに四十八年中に現地に移駐をする、それで準備をいたしまして、四十九年の四月からは学生を迎え入れるようにしたいということでございますので、たぶんそのとおりいくんじゃないかというふうに考えております。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 研究者の子弟の教育でございますが、小学校、中学校は既存の学校を利用する、また施設が足りなければ学校の増設をする等でまかなえると思いますが、問題は高等学校クラスから上だと思います。高等学校については、既存の学校があそこら辺には何校かあるかと思いますが、人口十万にもなればそれだけでは足りないわけで、それに対して県立高校をつくる予定があるかどうか。また、教育大学にはすでに付属の高等学校がございますが、それと同じように、新構想大学に付属高校をおつくりになる予定があるのかどうか。そこら辺をお伺いいたします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 御指摘のように、将来十万の都市になりますれば、相当学校も足りなくなるわけでございます。したがいまして、既設学校の拡充だけでなくて新しく学校をつくる必要もございます。高校につきましては、計画では将来四校を新設するということで、二校分についてはすでに土地を確保してございます。当然県立高校という形で新しく高校も新設されるわけでございます。  なお、移転機関側からはぜひ新大学に付属高校を設けてほしいという要望もございますし、またこれについても文部当局も前向きで検討いたしておるわけでございまして、まだ決定をいたしてはございませんが、将来はそういうことになるのではないかというふうに私どもは期待をいたしている次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 研究学園都市の肝心な研究体制と同時に、そういう子弟の教育について万全の設備をひとつしていただきたいということを希望しておきます。  そこで、いままで伺いまして、十年近くたって何かまだ計画の半分もいっていないという状況でございますが、私どもとしてはたいへん遺憾に思います。政府当局の皆さまにおかれても、いろいろ努力をしておられることはわかるのでございますが、これからさらに強力な推進体制をとっていかなければならないと思うのでございます。その点につきましてもう一度お伺いいたします。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 先ほども御説明を申し上げましたように、昨年の国会で筑波研究学園都市建設法が成立をいたしました。この法律に基づきまして、研究学園地区の建設計画、これを政府が法定計画として樹立することを義務づけられておるわけでございます。したがいまして私どもは一日も早くこの法定計画を策定をいたしたい。策定の前提といたしまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、すでに建設計画の大綱並びに公共、公益施設等の整備計画の概要について推進本部で決定を見ているわけでございまして、残る移転機関の移転計画の概要についてできれば年内にもつくり上げたい、つくり上げて推進をする方向に持っていきたいということで、ただいま作業を進めております。これができ上がりますと、この法律に基づきます研究学園都市建設計画を直ちに立案をするということになるわけでございます。この一連の作業を通じまして、政府は、筑波研究学園都市建設推進本部を中心に、関係の省庁が寄って毎週のように協議をいたしております。したがいまして、この本部を中心とする推進体制によって、一日も早く移転計画を本格的に決定いたしたいというふうに考えている次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 学園都市の建設についての体制づくりの問題のほかに、やはり科学技術庁として、科学技術庁のいろいろな研究所が移転するという問題のほかに、科学技術行政を推進するという意味からいって、技術庁の持つ意味も大きいと思うのでございますが、科学技術庁として、これからこの実質的な内容の充実に対してどのようにお考えになっておられるか、長官からひとつ御所見を承りたいと思います。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 科学技術庁といたしましては、この地区に移転する機関をみずから管轄しておる、こういう面がございます。今回御審議をお願いいたしております科学技術庁設置法の一部改正、これは無機材質研究所が移転するということに伴います法律改正でございます。そのほか、国立防災科学技術センター、そしてまた金属材料技術研究所の一部、こういうものを移転する計画を持っておるわけでございますが、そのほかに、先生御承知のように、科学技術庁といたしましては、科学技術に関する総合的な各行政機関の調整を行なう、こういう職務を持っておるわけでございます。また、そういうことを通じましてわが国の科学技術の振興をはかる。そういう意味からいいますと、この筑波研究学園都市に移転する各機関、文部省関係を除きますと、いずれも科学技術関係の研究所でございます。  そういう意味におきまして、全般的な内容という意味では、非常に大きな関係を持っておるわけでありまして、首都圏整備委員会の長たる国務大臣が本来の主管の長でございますが、実体的な研究所の環境を整備しなければならぬ、またその研究を推進するような町づくりでなければならぬ、そういう実体につきましては、大いに私どものところで研究をいたしまして、そうして妥当な意見を首都圏整備委員会の内部において反映してもらう、そうして科学技術の振興につとめなければならぬ、こういう覚悟で当たっているわけでございます。先生御承知のように、ソビエトあたりでノボシビルスクの郊外に非常に大きなアカジェムガラドック、すなわち研究学園都市を建設しておる。これを私も実は最近視察してまいりまして、やはりこういう覚悟でやらなければならぬということで、科学技術振興のために、私どもとして鋭意研究をいたしまして、これを反映していきたいと思っておる次第でございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 長官のお話しのとおり、ぜひ強力に推進していただきたいと思います。特に、ソビエトでもフランスでもアメリカでも、いろいろいいお手本があるわけでございますから、ひとつ権限を十分に発揮して推進をしていただきたいと思うのでございます。  そこで、具体的に無機材質研究所が今度移転するわけでございますが、この研究所の概要はどんなことをやっていらっしゃるか、ひとつ御説明願いたいと思います。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 御説明申し上げます。  無機材質研究所は、非金属の無機材質にかかわる超高純度材質及びこれに類する材質の創製に関する研究というふうになっておりまして、四十一年の四月に設立されたわけでございます。  ちょっと内容がむずかしいと思いますので、多少御説明させていただきますと、一般に有機、無機という物質がございますが、その無機の中で金属の分と非金属の分がございますが、この研究所は非金属の無機を扱っているものでございます。中身といたしましては、セラミックのようなもの、あるいはガラス類のようなもの、こういうものを御想像願えればいいわけでございますが、こういうものを取り扱うわけでございます。ところが、最近電子工学あるいは宇宙工学、こういったものが発展してまいりまして、超磁気のものあるいは耐熱性の非常に強いもの、こういうものが要求されてまいりました。これに伴いまして、いままで忘れられておりました無機材質のものを研究して、これを提供するという役割りをもって創設されたものでございます。  したがいまして、この研究所は非常に広い分野の人を必要とするのでありまして、物理学、化学、鉱物学、窯業工学、応用化学、金属工学、電子、機械、こういった分野にわたりますので、従来の国立研究機関とやや趣を異にしまして、部課制等をとらずにグループ研究制度というものを持っておるわけでございます。それから、グループだけでまとまりましてもあるいは知識が足りない場合も考えられますので、その際は客員の研究官を使うということで、この制度も新しく組み入れられまして、効果的に推進するという考え方できているわけであります。四十六年度現在で職員が百三十一名、うち研究職七十九名でございまして、グループ数は十一グループということになっております。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 お話を伺いますと新しい研究所でございますが、こういうような研究テーマの研究所は世界でほかにやっているところがありますか。また、まだ創立して五年ちょっとでございますが、いままでどんな実績をあげておられるか、そこら辺について伺いたいと思います。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 お答え申し上げます。  まず世界的な情勢でございますけれども、この非金属無機材質に関します研究は、アメリカにおきましてはカーネギーの研究所、ドイツでは有名なマックス・プランクの研究協会でございます。こういうところで行なわれておりましたのですが、最近は、なおこれを一そう推進するために、アメリカにおきましては、マテリアル・サイエンス研究所というのが設けられまして、ここが各一連の研究機関を全部自分の傘下に置きまして、これには州の大学などもございますが、こういうものを中心にしまして無機材質の研究が進んでおります。それから、ドイツにおきましてはマックス・プランクの研究所が、内容的に申しますと珪酸塩研究所というのを持っておりますが、これが強力に無機材質の研究を推進しているという状況にございまして、またイギリスにおきましては国立物理研究所、フランスにおきましては科学研究本部というようなところがこれに携わっております。いずれの国におきましても、先ほどちょっと触れましたように、研究分野が非常に多方面の人を要しますために、国立あるいはそれに準じた扱いでいままで進んできております。  この中で成果としてあがりましたのは、一つ申し上げますと、例のレーザーに使います結晶体のルビー、サファイアの類などがこれから生まれたわけでございまして、あるいはちょっとさかのぼりますけれども、人工ダイヤモンドの合成などもその一つでございます。それからダイヤモンドを傷つけ得る唯一の人工合成物質としての窒化ボロンというようなものもございます。ちょっと一、二例をあげましたが、そういう状況でございまして、どこの国も国立の研究機関が大体主体になっているわけでございます。  そういう意味におきまして、当研究所におきましても鋭意国の金でやっておるわけでございますが、最近あがりました成果といたしましては、炭化珪素に関する研究でございます。これは先ほど申しましたように、高純度のもの、普通の純度ですと九〇%くらいが炭化珪素については普通の純度でございますが、高純度となりますと九九%、それから超高純度になりますと九九・九%ということでありますが、当研究所においては九九・九九九九というところまでのものをつくりましたわけでございます。それから酸化ベリリウムにつきましても、高純度の粉末の調製に成功いたしまして、耐熱材料、原子炉材料等にも利用が可能になっております。  さらに、この研究所で非常に大きな成果といたしましては、グレギットという名前の硫化鉄がございますが、これは新発見されたものでございまして、この純度のいいグレギットというのは非常に高磁性を持っておるのでありますけれども、非常に残念なことに、空中にさらしますとすぐ酸化してしまうという欠点がございます。そういうものをいま鋭意研究している段階でございます。特許等も、現在六件とっているという状況にございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 いまお話しのありましたような優秀なすぐれた研究が、現在ございます東京都内の研究所で成果としてあげられたと思うのでございますが、新しく向こうへ移転されることによって施設としてはどの程度になるのか、規模がどの程度に広がるのか、そこら辺ちょっとお伺いしたいと思います。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 現在、駒込におきましては、建物四千平米ぐらいでやっておりまして、中の施設も、仮住まいでございますために十分なことになっておらないわけでございます。筑波移転に伴いまして、ただいまできている建物だけで申しまして、高圧力の特殊実験棟、それから研究本館ができ上がりましたが、合計で八千平米ぐらいになるわけであります。建物としては倍になるわけでありますが、こういう建物関係のほかに、高圧力特殊実験棟と申しますのは、気圧で申しますと二十万気圧という非常に高い気圧でございます。そういうものがもう現にできて運営されているわけでございますが、来年度におきましては高温合成棟も準備をしておりまして、これは二千五百度ぐらいの温度のものを取り扱うようにしようということで考えているわけであります。現在この高圧力、高温合成特殊実験棟、この二つが大体見込まれておりますけれども、これができ上がりまして、従来駒込のほうにございます施設等を移転いたしますと、大体十分な研究が可能になる施設ができ上がるわけであります。  ところで、現在、先ほど申しましたように、グループ研究制度をとっておりますが、十一グループでございます。そこで、その無機材質という材質をいろいろ当たってみますと、研究すべき項目といたしまして種類が約三百種類ぐらいございます。これを逐次重要度の高いものから研究をするわけでありますが、十一グループでは非常に心細いわけでありますので、なお四、五グループふやしまして、一定のグループ数に達しましたところでとどめたい、こういうふうに考えているわけであります。すなわち、研究は五年ぐらいやりますと大体一グループの研究は片づきますので、逐次グループを編成がえして新しい研究のグループをつくって、また新しい材質のほうに向かっていく、こういう考え方になっているわけでございます。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 新しい研究所が完成するのはいつごろでございますか。またそれに伴って、いつごろ移転されるか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 新しい研究所の移転のあれでございますが、先ほどお話もございましたように、生活環境の関係も年内には移転可能な状況に整備される見通しになってまいりましたので、四十七年の一月から移転の準備にかかりまして、翌二月には大部分の移転を完了する予定になっておるわけでございます。  それから、全体としての構想が終わりますのは、まだ今後数年はかかるように思っておりますが、先ほど申しましたように、グループの数を現在の十一からせめて十五あるいはもうちょっとという程度にふやしますわけでありますが、急にふやしましても、先ほど申しましたような人材の確保というのがなかなかめんどうでございます。逐次いい人をうまく整備して持っていきたい、こう思っておりますので、やはり二、三年はどうしてもかかるのではないか、こう思っております。

葉梨信行自由民主党

○葉梨委員 すでに移転を完了した機関もありますが、いずれにしましても、無機材質研究所の研究員は学園都市にパイオニアとして入るようなものでございますから、その生活環境につきましては、首都圏整備委員会並びに科学技術庁におかれて十分に御配慮を願いたいということを、最後につけ加えまして私の質問を終わります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 木原実君。

木原実日本社会党

○木原委員 設置法は、ただいまも葉梨委員からいろいろ詳細な質問がございました。私どもとしましては、ぜひ現地の模様などを見て、具体的に研究機関としての実質を備えているのかどうか、あるいは環境の整備がどの程度進んでいるのか、あるいはまた研究所の職員の皆さんが新しい環境のもとで研究の成果があげられるような、そういう状態になっているのかどうか視察をいたしまして、その上であらためて問題等がありましたら、その時点でいろいろとただしたい、こういうふうに考えるわけでございます。  ただいまもお話ございましたように、この研究所の移転というのは、ある意味では新しい環境へパイオニア的な役割りで行くわけでございますから、それなりにいろいろな問題があろうかと思います。したがいまして、当委員会として現地を視察をした上で若干の質問をしたい、こういう心組みでおりますので、きょうはこの機会に、科学技術庁の所管にかかわる二、三の問題についてお伺いをしたい、こういうふうに考えるわけでございます。  実は私ども、この委員会でこの夏、敦賀の日本原子力発電の発電所を視察をいたしたことがございます。何しろしろうとでございますから、現地へ参りましていろいろと懇切な説明を受けましたけれども、はっきり言いましてたいへんりっぱにできているという印象を受けました。  ただその中で、この機会にただしておかなければならぬと思います二、三の点に気がついたわけでありますけれども、その第一は、あれだけの規模を持った原子力発電所ができておるわけでありますけれども、はたしてほんとうに安全性についてきちんとした協調がとれて、そしてこの稼働が行なわれているのかどうか、やはり率直に言いまして大きな疑問が残ったわけでございます。そこで私ども、帰りましてそれらの点について若干調べてもみたわけでございますけれども、その前に、ともかくいま原子力発電のいろいろな計画が、オーバーに言いますとメジロ押しのように出ているというふうに聞いておるわけであります。そこで最初にお伺いしたいのですけれども、原子力発電所の現在の計画についてひとつお示しをいただきたい。つまり、現在稼働しておるところ、あるいは建設中のもの、あるいはまた申請が出されているもの、それらに対して、これを所管する当局のほうとして大体どういう計画でいるのか、こういう概況のところをひとつお示しいただきたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 現在稼働しております原子力発電所は、日本原子力発電会社の東海発電所、それから日本原子力発電会社の敦賀発電所、関西電力の、福井県でございますが美浜一号炉、東京電力の福島一号炉、この四基でございまして、この出力合計は百三十二万キロワットになっております。  それから、政府の許可を受けまして事業者が現在建設中のものが十基あります。これは東京電力の福島二号、三号、五号、この三基が東電でございます。それから関西電力が、福井県の美浜二号炉、高浜一号炉、高浜二号炉の三つでございます。それから中国電力の島根県島根発電所、東北電力の宮城県女川発電所、中部電力の浜岡発電所、九州電力の佐賀県の玄海発電所。合わせまして十基になっております。そしてその出力合計は約六百六十万キロワットになっております。  それから、現在申請中、電力会社から申請がありまして、いま原子力委員会等でいろいろな安全等の審査をやっておりますのが四基ありまして、関西電力の大飯一号、二号炉、二基でございます。それから関西電力の美浜三号炉、東京電力の福島四号——四号が五号のあとになっておりますが、この四基でありまして、その出力合計が約四百万キロワットであります。  そして、これが将来どのくらいになるかという見当につきましては、現在原子力委員会に長期計画専門部会を設けまして、将来日本のエネルギー需要等を検討して、そして火力、水力等の供給力との関連で原子力発電がどのくらい入るかという検討をいまやっております。まだ確定しておりませんが、大体昭和五十年ごろには九百万キロワットぐらいになるんじゃないか。それから昭和六十年の見通しとしましては、これはどこの地点にどのくらいという具体的な計画でなくて、非常にマクロ的な見当でありますが、約六千万キロワットぐらいに原子力が入る必要がある、そういう検討を目下原子力委員会で専門家を集めてやっております。

木原実日本社会党

○木原委員 もう一つ伺っておきたいのですけれども、コスト、経済性の問題です。いずれはコストが安くなるんだというような話が伝わっておりまして、それで原子力発電所計画をしていかなくてはならないんだ、建設をしていかなくてはならないんだ、こういうようなこともあったと思うのですが、実際にコストの計算はいろいろむずかしい問題があろうかと思うのですけれども、経済性についてはどうですか。たとえば、火力に比べましてはたして原子力発電というのがコストが相対的に安くつくのかどうか、その見通しはどうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 現在、重油専焼で火力発電をする場合は、大体二円四十銭ぐらいの見当といわれております。これは重油専焼の場合でございます。ただ、御承知のように、OPECの攻勢等によって原油がキロリットル当たり千円近く上がっている。それから石油段階における脱硫設備のコストが、これもキロリットル当たり千円ぐらいかかる。あるいはそれをやらない場合は、電力会社が排煙脱硫を電力会社の発電段階でやらないといけない。これも非常にコストが高くなる予定でありまして、重油専焼いま二円四十銭という見当は、将来一割くらいあるいは二割近く、そういう点から高くなっていくのじゃないかという見当がされております。これに対して原子力発電がどのくらいかといいますと、現在申請が出ているものあるいは建設中のものを見ますと、平均しまして二円七十銭くらいで、いまの重油火力よりはかなり高いという状態になっています。  ただ、原子力発電につきましては、現在、三十万とか六十万とか、そのくらいの具体的なスケールでありまして、これがいま申請中ですでに百万を突破したものもありまして、だんだんスケールが大きくなっていく、そういう意味から、将来重油専焼よりもさらに安くなる可能性が非常に強いということで、さっきの六千万キロワットという見当も、経済性が重油専焼に対して十分成り立つ、かえって安くなる、スケールアップなり技術の進歩によって安くなるという見当で計画ができております。ただ、原子力発電につきましても、いろいろ安全性が、環境問題、公害問題等で非常にきつく当然要請されておりますので、この点のコストアップというのも将来考えていかないといけませんが、その面から見ましても、重油専焼の場合の公害対策の費用よりもはるかに少ないコストアップの要因じゃないかというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 そうしますと、スケールアップをしていって、しかもある程度時間がかかるわけですね。たとえば十年とか十五年とか、その辺の見当はわからないけれども、いずれにしましても、経済性を上げていくためには、現況よりも、当然のことでしょうけれども、スケールアップをしていく。あるいはそのために、いまはともかくとして将来は安くなるということである、いまは少なくともコストはかなり高くついている、こういう解釈でよろしいですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 現在は御指摘のとおり、二円七十銭と高い。それからスケールアップがだいぶ先かといいますと、そうではありませんで、現在、先ほど申しました関西電力の申請中の大飯、これはいろいろ地元に問題があるようでございますが、大飯発電所は百十七万、非常に大きいスケールになっております。このコストも、会社側の説明によると、二円五十銭くらいというような見当になっておりますので、スケールアップによるコストダウンというのは遠からず実現されるというふうに見ております。

木原実日本社会党

○木原委員 それは理屈からいいまして、スケールアップすればそれだけコストは下がるというのは、しろうとでも考えられることなんですけれども、ただ、そこでも問題が一つ出てくると思うのですが、スケールアップをしていって、はたして安全性と調和するのかどうか。それはいま、公害面の対策も環境の問題も、こうおっしゃいましたけれども、原子力発電の問題はいまやすぐれて安全の問題だと思うのです。これで人類が破滅してしまうなら、いまのうちにやはりやめるにこしたことはない。しかも非常に未経験な分野だと思うのですね。いままでの技術的なことからいっても経験は乏しい。しかし、この経済性を追求していけば、どうしてもスケールアップをしていかなくちゃならぬということに落ちつくでしょう。ある程度大型化していけば、経済的には確かに安くなる時期が来るにちがいないという判断ができるのですけれども、しかし、スケールアップをしていって、ほんとうに見通しとしてだいじょうぶだと言い切れるものがおありなんですか、どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 経済性を追求してまいりますと、大きいほうがいいということにもちろんなるわけでございますが、ただ、スケールアップにおのずから限界がありまして、もしも非常に大きな発電所をつくって、故障でもあって停電したら非常に影響するところが大きいというような、会社の供給構成全体からしておのずから限界があると思います。したがいまして、現在申請中のものが百万くらいのものになっておるというのも、供給、需要全体との関連等からおのずから限界があるのでありまして、そういう意味で、いま百万ですが、将来どこまでいくかというのは、経済性だけからの追求によってきまる問題ではない。  それから安全性の問題でございますが、われわれは設置の際から、日本の最高の権威者からなる原子炉安全専門審査会によりまして、立地条件がどうなっているか、それから具体的な施設や設備がどうで、安全性が十分確保されているかどうか、非常に具体的に専門家に見てもらいまして、十分安全性が確認されて初めて許可をおろすということをやっております。それから許可をおろしましてあとからも、原子炉等規制法あるいは電気事業法等によりまして、工事の段階、運転の段階で厳重な規制を行なっております。それから事業者側におきましても、国家試験に合格した専門家を原子炉主任技術者として任命して、運転、保安の最高責任をとらせてやっておりまして、設置から運転まで常時安全確保第一ということでやっておりまして、十分安全性は確保されている。それからスケールアップになったからといって、安全性が十分確保されないと心配になるということは全然なくて、むしろ単位当たりで見ると、スケールアップの場合の安全性というのはかえって進んでいる、確保されているという状態で考えていいのじゃないかと思います。  ただ、福井県あたりで問題になっておりますのは、一つの炉型が非常に大きいという問題よりも、あの若狭湾周辺に非常に大きいものがたくさんできるというところに地元の不安があるのではないかというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 私も、型が大きくなったからそれだけと言うわけではございません。ただ、型が大きくなれば、排出するものも、あるいは万一の事故の場合に深刻さということも考慮に入れなくてはならぬということを申し上げたわけですが、しかも、これは私はしろうとでわかりませんけれども、いま使っておる軽水炉については、たとえばアメリカならアメリカで十四、五年の経験がある。しかし、大きくなっていったものについては、これまた技術の分野が未経験ですね。可能性としてはいろいろ計算はなさっているでしょうけれども……。だから、未知の分野に踏み込んでいくわけですから、それだけの慎重さがほしい、こういうことなんです。  長官に少し御見解を伺いたいわけですが、あとで何がしか質問を通じて明らかにしたいと思うのですけれども、御承知のように、いまもお話がありましたように、原子力発電について、ある意味ではもう押せ押せで来ておりますね。これはかなりの雄大な構想を持っておられる。いいことならいいのですけれども、しかしながら、技術的にも、あるいはまた経験からいたしましても、安全との調和という問題についてはかなりの問題が残されている。あるいはまた、政府のほうで最高の権威の方を集めて、だいじょうぶだという認定をしてもらったということについても、学者の中からは同じような問題について異論もあるわけです。あるいはまた、アメリカなんかの事例等を多少調べてみましても、やはり安全性を確認するについては幾つかの異なった見解がある。それだけにわれわれとしては、これは、原子力発電の時代に入っていく、そういう段階だと言われるのですけれども、それだけに非常に大きな一つの政策上の曲がりかどに来ていると思うのです。曲がりかどに来ているという意味は、原子力発電を大きな構想で進めていこうというあれがあって、そうして安全性の問題を対比して考えてみますと、残念ながら同じ学者の中にさまざまな意見があるわけなんです。そうなりますと、しろうとのわれわれ、特に政治的な判断を迫られるわれわれといたしましては、ともかく結論としては、相当慎重に、あるいは時間を急がない、こういうことのほうがあるいは国民のためになるのではないのか、こういう考えを持つように私はなったのですけれども、その辺についての長官の御見解をひとつ承っておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 一つは、わが国のエネルギー供給、こういう点からいいますと、電力の需要はますます高まってきておるわけであります。家庭的なエネルギーといたしましては、すでに環境問題、そういう点から申しましても、電気は非常にきれいなエネルギーだ、こういうことで需要は非常に伸びてくるだろう。また、わが国の現在の一人当たりの電力消費量からしましても、現在のアメリカの消費量のまだ半分段階でございますから、これまたいまの二倍程度に伸びるということは十分予測される。もっと伸びるのではないか。こういうことから考えますと、エネルギーの需要というものはどうしても確保しなければならない。ところがその実態は、電力ということになった場合、現在すでに大部分が重油火力によっておるわけでありますけれども、これは石油供給のサイドから申しましてかなりの問題がある。備蓄の点でもかなりの大きい問題を生ずる。こういう点から、原子力発電というのは、ウランですと非常に少量でありながら大量に発電することができるという点からいきますと、純国産の燃料ソースである。それからただいまのコストの問題もあります。また環境汚染の問題。そういういろいろな観点から考えまして、原子力というのが非常に脚光を浴びておる。そして先生がいまお話しになりますように、原子力に対して各電力会社が非常に大きな計画を立ててきておるわけであります。  ところで、私どもといたしましては、原子力そのものの安全性という点に関しまして、従来から非常に研究を進めており、またそれに基づく行政指導を行なっておるわけでして、原子炉の安全性という点につきましては、原子力委員会の中でも原子炉の安全性に関する特別な委員会を常設いたしましてやっておる。炉の形そのものについての安全性の研究ということは、今後もどんどん進めなければならぬということに大きな主眼を置いております。  それから第二番目には環境対策でございます。これは先生ただいま御指摘のように、この約一年間くらいの間にたいへん大きな人心の変化がございまして、関心が非常に盛り上がってきておる。そこで、これは単なる心理的な問題のほかに、実際わが国のような超過密な地域において、原子力発電地帯がある地域にかなり集中する現象が起こってきておるわけであります。ここに私は、単なる技術的な問題を越えた政治的な問題がかなり介在してくる余地がある。そこで、これは心理的な現実そのものもたいへん大きな現実でありますが、そういったものもやはり地域の住民の皆さまに納得していただくような、あらゆる方策を同時に講じていかなければならない。技術的な研究が第一である。そのほか、地域全体に良好な環境だという印象を与える、これが非常に大事なことじゃないかと思うのであります。ことに、最近非常に計画が伸びてきておる、また環境意識が非常に高まってきておる、またある地域に集中する、この三つの点を重ね合わせまして、私といたしましては、原子力発電集中地帯、こういう概念をひとつ行政の中に導入して、そして、あるかなり限られた地域の中に、かりに言えば、一千万キロワットをこえるような発電計画が想定される地域。現実には福井県の若狭湾沿岸一帯の地域であります。そのほかには、将来にわたって、福島県、それから新潟県の柏崎地域、こういうところが予見されるので、さしあたって福井県の若狭湾地帯を主要な目途といたしまして、この地域に、一体的な、総合的な政府としての施策を講ずべきではないか。この手だてを事務局に鋭意研究させまして、年内に結論を出す、こういうことをいま指示をいたしておるのでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 長官のおっしゃいました、電力需要が伸びるテンポもたいへん早い、あるいはまた重油等の使用等についても限界がある、そのことは私どもも理解ができるわけなんです。しかしながら、原子力の問題については未知の分野がまだかなりあるのではないか。つまり学者の意見も分かれておるということは、私ども、専門家の意見を聞きまして判定ができる立場じゃございませんが、しかしながら、政治的に考えてみますと、それぞれ権威ある学者の中で、一つの安全性の問題についても見解が分かれる、そういう状態が続いておるわけであります。いろいろなデータが、私どもが散見しました範囲の中でもあるわけです。しかも、放射能の被害という問題については、一部では何か原子力アレルギーにかかっている日本人というようなこともありますけれども、しかし、アレルギーを受けるような立場に置かれたことも事実なんですから、ともかくやはり慎重にも慎重を期しませんと、かりにも権威ある学者の中で意見が分かれているというような状態については、行政的には結論を急がないということが先行しなければならぬと思います。だから、電力の需要を満たしたわ、しかし、はからざる汚染を受けたということになれば、これは少なくともその判断を下して、かりに発電所の認可をした——長官の御所管ではございませんけれども、通産大臣なら通産大臣が認可をかりにしたということになれば、万一将来にわたって不測の事故等が起こった場合には、さかのぼってやはり責任が追及されるというぐらいの、そういうきびしい姿勢を行政の上ではとってほしいと思います。いままでの通例ですと、大臣がおやめになる、何代か先の大臣の時代になりますから、その大臣はあるいは責任をお感じになるかもわかりませんけれども、認可した当時の行政的な責任者は、必ずしも責任を問われないような仕組みになっております。しかし、異論があっても行政的に判断してだいじょうぶだ、こういうことで御認可になるならば、やはり認可したときの責任者が、将来事故が起こった場合にはさかのぼって責任を負うぐらいのきびしい責任体制を明らかにした上で結論を出すべきではないのか、こういうことを実は痛感するわけであります。これは行政上の責任だけでなくて、政治の場にある者も責任を感じなくてはなりません。原子力の問題は、ある程度たくさんの経験が蓄積され、技術的にも多くのことが解明されておるというならば、不測の事故ということにもなるかもわかりません。しかし、予見されない事故というものが将来にわたって残されたままに、いずれにしても認可しなければならぬ立場だと思うのです、認可するとすれば。ですから、おっしゃったように、年内に結論を出すというような御意向がかりにあるとすれば、まずそういう責任体制を明らかにした上で判断を下されるのがしかるべきではないのか。それぐらいにこの問題は重要視して考えたいと私は思っておるのですが、いかがでしょう。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 原子炉の安全につきましては、原子力委員会で決定をいたすわけであります。その責任は当然原子力委員長にあるわけであります。その意味におきまして私でございます。他の所管ではございません。その意味におきまして、もちろん政府といたしまして、原子力委員会における決定というものは、最終的な決定といたしまして十分責任をとる所存でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 この責任論は、いずれにいたしましても、従来行政上の責任というのは、たとえば最近になっていろいろ頻発してきております他の公害等についても、最終的な責任を必ずしも明らかにされておりません。当該企業が責任を持つ問題についてもなお異論があるような始末なんです。しかしながら、いまの原子力発電計画のテンポを見ますと、まさに試験期から本格的な操業の段階に、ある意味ではやみくもに突っ込んでいくような感じが私はするわけであります。そういう雄大な構想をお持ちになるわけですけれども、繰り返すようですが、未知の分野、未経験の分野、あるいは異論の残された分野、そういうものがあるだけに私はこの判断には慎重を期してほしい、こういう趣旨を申し上げたわけなんです。  私ども敦賀に参りまして、そこで説明を聞いたわけですけれども、たとえば例の廃棄物の処理、こういう問題についても実は問題が残されているのです。これはひとつ政府なり議会のほうなりで何とか対処していただきたいと、現地の会社の責任者の方は申しておりました。聞きますと、あそこにはドラムかんに詰めたやつを四千本ばかり入れる廃棄物の格納庫がつくってある。すでに千二百本廃棄物が一年余りの稼働の中で出ておるというのです。これはしろうとにもわかることなんで、しりの始末ができていないのに何で仕事を始めたのだと言うのです。専門委員会の中ではいろいろ御議論があったかもわかりませんけれども、われわれにとりましては、何というばかなことをしているんだ。行きました委員一同は、なるほどこれはたいへんなことだ、こういうふうに感じたわけなのですが、その辺のことはどうなっているのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 確かに原子力発電に伴う固体廃棄物、これは放射能の濃度が高いのでありますので、非常に安全な形でドラムかんに入れ、セメントによる固化をはかって、そして発電所敷地内の廃棄物置き場に保管しておるわけでございます。当分は各発電所の廃棄物置き場で保管して十分いけるのでありますが、将来、昭和六十年ごろになると、これが三十万本とか非常に多くなって、これをどうするかという問題は確かに大きな問題でございます。  それで、原子力局に原子力発電の固体廃棄物の処理検討会というのを設けまして、二年ぐらいかかっていろいろ学者に検討してもらっております。五、六千メートルという非常に深いところへ海洋投棄する、これはヨーロッパでもいろいろ検討をやっておりまして、日本でもそういう方法で——ただこれは、いますぐ捨てるということでなくて、そういう捨て方が十分であるかどうか、海流の調査とか、魚の調査とか、あるいはプランクトンの調査とか、海洋のいろいろな事前調査を来年度予算から予算をとってやる予定になっております。それからもう一つは、アメリカとかあるいはヨーロッパ諸国との国際協力によって、これは日本だけでなくてヨーロッパ——アメリカやカナダは国土が非常に広くて、あるいはそういう場所があるかもしれませんが、ヨーロッパ諸国も同じような問題に取り組んでおりまして、そういう国際機関による検討等も十分やって、そして、全く安全な形で処理するという検討を、日本も、あるいは国際協力におきましてもやることになっております。ただ、ここしばらくは、そういう固化して発電所の敷地内に置くということで推移できますが、将来の問題としましては、そういう大きな問題があることは確かでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 もうまことにあいまいでございまして、たとえば一つは、それじゃ海洋投棄のことを調査をし研究しておるということでございますけれども、海洋投棄、かりに公海上の深いところへ沈めるということになると、これは国際的に協調が得られる問題なのですか、見通しとしては。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 アメリカ等においては、海洋投棄を禁止したいというような動きもあるようでありますが、あれにつきましても、あれは再処理工場等から出る非常に濃度の高い、発電所よりもっと高いものを禁止しようじゃないかという動きがあるのでありまして、発電所から出る中レベルぐらいのものは対象になっておらないと思います。  それから、国際的な原子力機関のIAEAという機関がありますが、海洋投棄した場合のIAEAによる国際登録制度の提案もなされておりまして、これは原子力発電をやっておる先進国の間で国際的に話し合いがつく問題だと考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 原子力発電所を持っている国というのは幾つもございませんね。数カ国。公海上へ捨てるわけですから、これはかりに原子力発電所を持っている国々の間で協議ができたにしましても、公海上の問題については、同じような海についての利害関係を持つたくさんの国があるわけですから、そういうところからしかるべき機関その他を通じて異論が出た場合なんかのことは考えられませんか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 現在、原子力発電をやっておる国は十カ国ぐらいでありますが、将来は数十カ国になるのじゃないかと思います。ただ、発電所をやっておる国がみんな海洋投棄にいくかというと、そうじゃありませんで、広い国土を持っている国は陸上処分ということも考えておるようでありますので、その点は一がいには言えないのでありますが、われわれは、ヨーロッパ諸国等では現に試験投棄をやっているのでありますが、そういう国との関係で、問題がない、捨てても将来永久にわたって放射能が放出される危険がないということが科学的に実証され、また技術の進歩によってそういうやり方も当然開発される、まずその技術の開発が先進国の間で十分行なわれて必ずや解決がつくのじゃないかというふうに考えております。  それから、先ほど、日本は海洋投棄だけを考えているようにあるいはとられたかもしれませんが、陸上処分ということも研究して、来年度予算でも検討しております。ただ、アメリカやカナダ等は岩塩の層の中にやるとか、いろいろ実際やっておりますが、日本のような国土の狭いところではたして陸上処分が考えられるかどうか、これはもうちょっと検討してみないといかぬと思っております。  それから、廃棄物をただ捨てるだけでなくて、これをむしろ有効に使う方法がないかという検討もいま行なわれ、また国土を非常に広く持っている国からは、日本でそういう廃棄物で悩んだら自分のところへ持ってきて有効利用するとか、まだ具体的な話じゃありませんが、そういう話し合いも起きていることは確かであります。ただこれも、運賃の問題とかいろいろ経済上の問題もありまして、そういう点もいろいろまた今後具体的に検討してみたいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 すでに少なくとも幾つかの発電所が動いているわけですし、廃棄物がたまるテンポはかなり早いと思うのです。ですから、私どもとしては、ともかくやはり処理の問題については急がなくちゃならぬと思います。  それから、お話によりますと、海洋投棄も考え、あるいはまた再処理のことも考え、あるいはまた陸上で処理をすることも考えていこう、こういうことだと思うのです。あるいはまた、技術的な進歩に期待をするという御発言もございましたが、いずれにいたしましても、総合して考えますと、この問題につきましては、ここ一、二年ではなかなからちがあかない、そういうことでございますね。あるいはまた、廃棄物処理はこれでだいじょうぶでございますよと言えるのは、いつごろのめどでございますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 廃棄物の処理の基礎的な調査は、三年計画で今後考えたいというふうに思っております。  それから、原子力発電所の構内でドラムかんに入れてためておっても、これは数年間は全然問題ないのでありまして、そういう意味で、研究開発と並行して解決する時期は遠からず参るというふうに考えております。

木原実日本社会党

○木原委員 長官、お聞きのようなことなんですけれども、これは腰だめですね。これでだいじょうぶだと言って国民を納得させることはできるでしょうか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 非常に重要な問題の御指摘なんです。私どもこの問題につきまして、原子力委員会の中に特別な研究部会を設けておりまして、鋭意技術的な検討、そしてさらに国際的な視野からの検討、こういうものを含めまして十分検討させております。現在建設中のものにつきましては、現在のやり方でそれはもう十分目途が立つ。ただ、いまおっしゃいますように、たいへんな建設計画があるわけでありますから、早急にやらなければならない、こういうことで、実は先般、私ジュネーブの原子力利用世界会議、国連の会議でありますが、そこに日本代表として参りました際の私の演説におきましても、わが国は国土が狭小である、そういう観点からも、この原子力関係の廃棄物の処理について国際的な協力というものをぜひやってもらいたいということを正式に申し出ておるわけであります。この問題につきまして、やはり国際的な協力が一番いい方法ではないか。と申しますのは、広い地域を持っておる国土のある国があるわけでございます。そういうところで、たとえば古い岩塩鉱のあと地などにこれを十分密閉するという方式が考えられておる。こういうふうなこともわれわれ利用させてもらいたい、こういう内容になるわけでありますけれども、こういう点につきまして、早急に検討と交渉をいたしたいと思っておるわけであります。

木原実日本社会党

○木原委員 国際的な協調で、たとえば、砂漠の中に、岩塩のあるようなところに埋めれば、ともかく安全性が高いという話を私も聞きました。協調ができて国際的に処理をしようというような段階まで行って、あるいはその間にさらに技術的な処理の方法も進む、こういうことになれば、これは私どもとしては、長官おっしゃるように、そうでもしなければならぬと思うのですね。いろいろと疑問を持てば切りのないことなんですね。ましてやみんなが科学者じゃありませんから。科学者の中にも、処理方法については幾つかの議論が分かれるような状態がある。一般の国民にとりましては、結局はしろうととしてわからない面が多いわけなんです。ですから、そのこと一つとりましても、私の結論は先ほども申し上げましたように、次々と発電所計画を認可をしていくというやり方について、もう少し慎重な態度があっていいんではないのか、こういう結論にならざるを得ないわけなんです。ですから、電力需要が伸びていっているとか、あるいはまた重油等の入手が、備蓄の問題等についても限界があるとか、その理由はわかるわけなんです。しかしながら、そのことと、文字どおり国民の安全がかかっておる問題のてんびんは、私はおのずから違うと思うのです。ですから、たとえばいまの廃棄物の処理についても、なお行政的にも技術的にも検討を要する余地があるわけだのに、ともかくいまから急がなければならないのだというのが、行政の姿勢として私はどうも納得がいかない、こういう感じがするわけなんです。  そこで、その次にお伺いしたいのですけれども、幾つかの安全についてのさまざまな基準がやはりあろうかと思うのですね。これもたとえばアメリカにも、発電所が操業するについて、たとえば排出をする液体について、あるいはまた大気なら大気についての基準もあると思うのです。わが国の基準につきましても一、二の資料を伺っているわけなんですけれども、これから発電所の数もふえていくわけなんですが、いままでの経験に照らして、基準をさらにきびしくしていくというような措置は考えられませんか、どうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 発電所から出ますところのガスとかあるいは液体によって、非常にレベルの低い放射能のものが出るわけでございますが、これにつきまして、人間の永久にわたっての健康に害のならない限度というのは、国際的な放射線防護委員会、ICRPといっておりますが、国際的な基準が勧告されておりまして、日本の法律も、それによって規制法あるいは障害防止法等の法律で規制がなされております。現在、電力会社の保安規定、許可にあたりましての保安規定によって十分安全が確保されておるかどうかというのを見ておりますが、保安規定におきましては、その国際的な最高権威の機関であるICRPの勧告の十分の一の量まで押えて、それ以下に押えろという法的規制をやっております。現在、実際発電所から出ている液体等のレベルを見ますと、そのICRPの大体五十分の一以下ぐらいに行政指導等によって押えられておりますので、これが、安全機器の開発とか、あるいはいろいろな技術の進歩によって、さらにどんどん下げていく努力をわれわれは——これは、国際的な基準以下だからいいという安心した考えではなくて、十分の一からさらに下げていく努力は、今後も当然続けていくべき問題だと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 これまた私どもしろうとですから、なかなか判断ができない要素がたくさんございます。ございますけれども、国際的な基準に沿って法律的に規制をしていて、行政指導としてはさらにそれを下げる努力はしているんだ——私は当然そうあるべきだと思うのですが、しかし基準といいましても、実際にさまざまな状況によって変化すると思うのですね。  たとえば私ども敦賀へ参りまして、発電所の会社側の資料を実はいただいて見ました。その中にこういうあれがあるのですね。この会社の「排水中放射性物質の放出濃度は一〇の一五乗分の八・二キュリー/ミリリットルであり、これは許容値の一〇分の一以下である」と、ちょうど局長がおっしゃったような説明があるわけですね。「従って放射性物質は拡散、希釈されて許容値をはるかに下廻る値となる」、こういう御説明のある資料を拝見したわけなんです。そうだろうと私も思っておったのですが、さらに調べてみますと、同じ敦賀の湾内で、御承知のように、水産庁の調査によりますと、稼働して三カ月日ぐらいに、排水口から約二キロ離れた地点で採取したムラサキガイから、一グラム当たりコバルト六〇が一・〇ピコキュリー検出された、こういうような事実が報告されているわけなんですね。この報告はまことにごりっぱな、きれいな報告なんですね。こう報告されますと、われわれ反証の余地はないものですから、そうでしょうね、なかなか施設もいいし、風景はいいし、海の水はきれいですなという話になるのですが、しかし他の資料を見ますと、稼働して三カ月日にこれだけの濃度のあるものがとられている。そうなりますと、これは基準の問題もさることながら、たとえばあそこの湾内の流れが非常にゆるやかであるとか、あるいはまた、微量のものが海に流れても、それを摂取した動植物がからだの中でさらに濃縮するというような作用。私どもはしろうとでよくわかりませんけれども、そういうような相乗作用でそういうものが起こってくる可能性があるということになりますと、これはまあ必ずしも基準の問題だけの問題ではございませんけれども、ともかく微量のものが出ても、何かの自然環境やその場合のいろいろな状況によって、やはりたいへんな危害、災厄を及ぼす可能性があるのではないか。私はこの説明を聞き、他の資料を見まして、その辺がどうしてもわからない。どんなふうに解釈したらいいんでしょうかね。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 敦賀発電所においてムラサキガイにコバルト六〇が検出されて、その濃度が一ピコキュリーだという、これは事実でございます。ただ、一ピコキュリーというのは一兆分の一キュリーでありまして、レベルとしては非常に少ない単位でございます。したがって、これをいろいろ二百グラムずつ一年間食べても、許容量の千分の一にとどまるという計算も出るわけでありますが、ただ、非常に少なくて問題にならないというふうに考えられるレベルであっても、これが住民とかに与える感情的な影響を考えると、そういうことはないほうが望ましいので、そういうことのないようにいろいろ研究させておりまして、その後の調査によっては、敦賀発電所においても、コバルト六〇がムラサキガイ等の指標生物に検出されるということはない状態になっております。運転開始直後の時期においてムラサキガイに検出があったというのは、地元対策上も非常に残念に考えておりますが、その後出ておらないという状態になっております。

木原実日本社会党

○木原委員 先ほど、これからのスケールアップの問題について長官もちょっとおっしゃいました。これからの問題は、非常に過密のところにできていくので、人口に比べて不測の問題も出るのではないかというので、実はこの辺に問題があるんだ、こういう趣旨の御答弁がございました。私は一つ心配いたしますのは、ともかく長官が、これから地域にできるだけ集中をしていきたい、こういう御発言もございました。一方でスケールが大きくなっていき、そして一カ所に何本かの原子炉が集中をしていくという方向、そうなれば、安全という面から見れば、いま非常に微量なものが貝に見つかったんだ、こういうことなんですが、量はまた質に転化をするということもあり得ると思うのですね。なるべく人畜の影響の少ないところに、僻遠のところに集中をしていってやろうというのは一つのアイデアかと思いますけれども、しかし、一方でスケールが大きくなり、一方で集中をしていくということになりますと、もうその地帯はある意味では汚染地帯になる、こういうふうにも解釈せざるを得ないのですが、その辺についての何か技術的な見通しみたいなものがおありなんでしょうか。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 ちょっと先生が誤解しておられるので……。集中していきたいという方針じゃないのでございます。集中する可能性が見えておる。これは現実に電力会社のやり方といたしまして、現状の送電技術や送電コストとか、あるいはいろいろな立地対策上の問題、実際に土地がアベーラブルな地域、そういう現実上の問題として若狭湾地域にかなり集中する計画が、関西電力、実際の名前をあげればそういうところであるとわれわれは承知いたしておるわけです。  そういう地域に対して、われわれとしましては、炉自身の安全の問題というほかに、全体がそういうふうに集中するというのであれば、それぞれの基準についても、アッシュの排出の問題、そういう技術開発の問題について、ほかよりも相当密度を濃くして考えなければならぬという意味の行政指導をする、また審査を行なう、また先方に対して要望をするということが一つ。他方、国といたしましては、そういう地域に対するモニタリングのシステム。現在のモニタリングといいますのは、先生、現実に現地をごらんになって御承知と思いますが、各事業者がモニタリングをやりまして、その内容をわれわれが通報を受ける、こういうシステムになっておるわけであります。それを、こういう地域については国が直轄したモニタリングを特にやる必要がないだろうか、こういう問題もいま研究をしておる、こういう趣旨でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 いろいろしろうとで心配しだしたら切りがないのですけれども、むしろ教えていただきたいと思うのですが、私の申し上げたかったことは、いままでの基準は基準でもいいけれども、あるいは基準を下げていこうという御努力の方向は望ましいわけなんですけれども、なかなか基準どおりにいかない。たとえば集中をした場合には、やはりいままでとも、量は質に転化をするというようなことで、いろいろな違ったケースのものが出てくる可能性がある。だからその辺については、やはりきちんとした、ともかく下げていくという努力を行政指導としてやるのだ、こういう御発言だったのですから、これはひとつ、むしろ個々のケースについて基準を定めていくぐらいな、たとえばあるところでは、海に放流したものが、水の流れがいいものですから拡散をした、しかしある湾では、たいへん水流がゆるやかなものですから滞留をするあれが高いとか、いろいろ場所によって状況が違うと思うのです。だから、基準の設定についても、事が重大な問題ですから、一律のやり方ではなくて、個々のケースについて、ここはこれだけと、こういうふうな基準を示しながら行政指導をしていく、こういう努力が私は望ましいと思うのですが、どうでしょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 安全審査におきましても、個々の具体的な地点の具体的な炉について審査をやっておりまして、一がいな取り扱いはしておらないのでありますが、特に若狭湾のごとく、いまでさえ申し受け分を入れると八百万キロワットに近く、また将来もふえるというような、しかもあすこは外洋型ではなくて内湾でありますので、そういう懸念も当然最も強く考えないといけない。そういう意味で、まだ研究開発の段階でありますが、加圧水型の場合の炉については減水タンクをつくる、あるいは沸騰水型の場合はチャコールベッドという施設をつくる。これは試験的に実施しているところもありますが、これによりますとさらに十分の一ぐらい放出濃度が下がるということになって、実験的な実施もやっておりますが、そういう機器装置の開発等も、非常に集中する地域については、技術開発の結果を待って考慮していく方向で考えたい。具体的な地域の問題として考えていきたいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 話が飛び飛びになりますけれども、大体原子炉の償却といいますか、限界というのは、政府としてはどれくらいに考えていらっしゃるのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 法定の耐用年数というのは十五年になっております。しかし実際は、いろいろな補修を加えまして、二十年あるいは三十年と当然使えると思います。

木原実日本社会党

○木原委員 企業の側の話ですと、もっと早くに償却をしたいというような意向があるようにも聞いておりますし、しかし十五、六年から二十年くらいまでではないか、こういうふうな話を私ども実は聞いているわけなんです。それで、三十年というのは、局長のおことばですけれども、実は私はあまり聞いたことがなかったのですが、いずれにしましても十五年という法定の基準があるわけですが、そのあとはどうなるのですか。現地へ参りますと、公園のようにりっぱなところにたいへんスマートな工場が建っているのです。しかし十五年たったら、そのあとはどうなるのですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 まだ、世界各国見ても、原子力発電の耐用年数が過ぎたという炉がないので、あとどうなるかというのは、具体的にははっきり言えないのでありますが、おそらく、非常に広い構内をとっておりますので、その構内には新しい発電所を、新しい炉をつくるというような形で利用していくことが当然考えられると思います。  それから、二十年後に炉が寿命が来まして廃棄した場合に、放射能関係がどうなるかというのは、これはまあ世界的にどこもまだ実現していないのでありますが、われわれはそういう場合も考えまして、ちょうど原子力研究所、東海のJRR1という使用をやめた炉がありますので、これを使って、実際どういう放射能状況になるかという点も科学的に研究をさせていきたいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 これも廃棄物と同じで、先の見通しはないわけなんですよ。いろいろ企業のほうの話を聞きますと、こわすということになれば、新しくつくるよりもうんと高いものにつく。結局、雨ざらしにするということだと思うのですね。幸いにして敷地がたくさんあるところは新しくというのですが、どうでしょうかね、その辺は。先のことですから何とも言えませんが、しかし、いずれにいたしましても、十何年間たちますと、それを廃棄をする、あるいはそれをどういうふうに使うか、あるいはそこに残される放射能の問題はどうなるのか、こういうような問題が起こると思うのです。原子力発電が来て道路をつけてくれたり、確かにいろいろなことをやってくれていますけれども、それで地域が発展するということは、成田空港と同じで、これは地元は迷惑をこうむる、こういうことだと思うのです。ただ、それについても確たる見通しがいまは立ちにくい、そういうような問題だと私は思うのです。  だからこれは、私の申し上げたかったことは、廃棄物処理と同じように、そういう問題もあるから認可をあまり急がないで、とにかくここ三年、五年は、もうすでにできてしまったものを十分に試験台にして、そして先の見通しがついたところで計画を進めていったらどうか。革新の私が言うのはおかしいですけれども、漸進主義でこの種のことはやっても、少しも国民から恨まれることはないのじゃないか。これは私は、政治の場にある者としてそういう判断をしているのですが、これは長官、どうでしょう。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 非常にごもっともなお話でございまして、私どもも、原子力発電というものが新しがりであってはならぬ。とにかく、新しいものはいかにもかっこうがいい、こういうふうな風潮に流されてはいかぬ。あくまでもわが国は狭小な国土であります。世界最高の過密国家であります。そういう意味におきまして、わが国における環境問題は、ほかの国、イギリス、ドイツのような世界的に過密な国家と比べましても、私のところで計算をいたしますと、イギリスの四倍の人口密度になるわけでございます。そういう点を十分踏まえまして、わが国がいかに過密な状態であるかということを国際的にも十分認識してもらいまして、そういう中で原子力につきましても、決してただ新しがりで急ぐべきだという観点に立たない、十分安全性を認識し、環境の問題、ことにわが国の特殊な条件というものを十分理解いたしまして、そうして住民の納得、国民の保健という点から万遺憾なきを期してまいりたいと思う次第でございます。

木原実日本社会党

○木原委員 あまり時間をとって申しわけありませんが、もう一、二伺わせていただきたいと思います。  あの現場で働いておる日本の技術者の技術水準は、最近非常に高くなった、実はこういう話を現地で聞きました。これは私どもにとってはたいへん喜ばしいことなんです。しかしながら、発電所で働いておる人たちがいろいろな形で被曝をする、放射線を浴びるわけですが、この許容量について一応の基準があるわけですね。私の聞いた範囲では、三カ月で三レム、年間五レムというように聞いているのですが、間違いありませんでしょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 そのとおりでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 私、算術しかできませんから、算術計算いたしますと、大体、二十歳から五十歳まで働いてかりにこの許容範囲の中の被曝をいたしますと、三十年間で一五〇レムになる。こういう計算でまいりますと、あるアメリカのガン発生率の資料などに照らし合わせてみますと、大体この一五〇レムを三十年間に受けたとすると、ガンの発生率が一五〇%ないし三〇〇%程度増加をする、発ガン率が二・五倍ないし四倍になるんではないか、こういう計算もできるのですが、この許容の限度、これをせめていまの許容量からもう思い切って百分の一ぐらいに下げるというような方向は出ないものでしょうか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 この三カ月三レム等の基準は、先ほど言いました国際的な放射線防護委員会、ICRPの勧告の基準そのものを使って行なわれまして、これ以下であれば三十年間その同じ仕事をしておっても、生命、健康等は影響を受けない、だいじょうぶであるという限度として設定されておるものであります。しかし、先ほど言いましたように、これでいいという問題でなくて、やはり少なければ少ないほうがいいのでありまして、実際、発電所とかあるいは研究所の従業員の放射能管理につきましては、これ以下に極力下げるような指導をやっています。

木原実日本社会党

○木原委員 未知の分野が多いだけに、さらに医学的にも、あるいはまた他の科学の分野の中でも、いろいろデータがこれから出てくるんだろうと思います。ですから、国際的にとおっしゃって、それに準拠してこういう基準をきめることは、一応の目安としてわかります。ですから、おっしゃいますように、努力の方向としては、事あるごとに下げる方向にやってもらいたいと思うのです。事人命に関するわけですから。しかも、有能な技術者たちがそのために生命を失っていくということなんですから、ある意味では一番大事なことだと思うのです。そのためにコストの問題は問うべきではない、こう考えるわけです。  特にこの機会に指摘しておきたいのですけれども、それにしては、この放射線物質を扱う企業はでたらめ過ぎます。先般も、ちょうどこれは私の選挙区のことで恐縮でございますけれども、三井造船所で、御案内のように、何かその辺にころがっていたということでしょう。そこで働いている従業員がやはり大量な被曝を受けて、四名の人は比較的軽くて済みましたけれども、一名の方は非常に重症だ、こういうようなことがあるわけですね。考えられないことなんです。一方では、どうも日本人は原子力アレルギーじゃないかというふうな風潮が出始めておる反面、企業なんかの中での管理や扱い方というものが、これはあまりにもずさん過ぎるわけですね。その辺については、これはおそらくいろいろな行政指導をやっていらっしゃると思うのですが、そういう状況が、これは幾ら行政指導がきちんとしておったとしましても、企業の中には間々見られるわけです。事故はそういうところから起こるわけですね。そういう姿勢があるだけに、私どもは、やはり基準量の設定についてもきびしい上にもきびしくしていく、あるいは日本の企業環境というものを十分に考慮に入れながら、国際水準というものに必ずしもこだわらないで下げていってもらいたい、こう思うのですが、この三井造船のことはどうですか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 御指摘のとおり、非常に放射能の事故が最近起きて、われわれも非常に遺憾に思っております。それで原因を見ますと、これは原子力の利用というのは非常にどんどん実用化になってまいって、作業員等の仕事のなれからくる油断といいますか、そういう点が非常に原因になっていると思われるのであります。原研の被曝事故あるいは中国エックス線の三井造船の構内における問題等も、そういう意味で、油断してミステークをやるということのないように、うるさいほど安全教育の徹底をはかるというので、各発電所等の施設者あるいはRIを使っておる事業者等にも厳重な戒告を現にやっております。  それから、中国エックス線の問題につきましては、これは相当な重患者も出して、最近は快方に向かっておるようでありますが、非常に重大なケースとわれわれは考えて、これは障害防止法違反でありますので、きょう、ちょうど午前十時から法律による聴聞をやって、利害関係人を集めて相当な制裁、行政処分を行なう方針で聴聞を行なっております。そうしてそれによって、企業側、また一般的な企業の社会的注意も喚起して、厳罰をもって進むつもりでございます。

木原実日本社会党

○木原委員 一言だけ。それを扱っておる従業員のなれからという発言がございました。そういう要素もたぶんあると思うのです。しかし、事の重大さから考えますと、やはり問題を、現場のそれを扱っている人のなれだとか、その人の状態に置くべきじゃないと思うのです。電車が衝突するといつも運転士が処罰の対象になるというのでは困るのですね。ましてやこの種の放射線を扱うというものでは、企業の責任でちゃんと扱う基準というものをきびしくしてやっておく。そういう背景や前提について追及をするという姿勢で、行政としては臨んでもらいたいのです。  それから、たくさんいろいろなことを勉強してきましたから、まだあるのですけれども、この辺で、長官もお急ぎのようですから、一つだけ最後に伺っておきます。大気の問題です。  これまた敦賀のことなのですが、私どものところに参りました資料の中に、気体として空に飛ぶ敦賀の発電所の資料があるわけなのです。これによりますと、昭和四十四年十月から十二月の三カ月間に一〇一キュリー、四十五年一月から三月に三、七四三キュリー、四月から六月に七、七七六キュリー、七月から九月に三四、二一四キュリー、十月から十二月に二四、一〇六キュリー。したがって、四十五年ですでに約七万キュリーを放出している。そして四十五年の七月以降は大体年間一〇万キュリー以上の気体が広がっているのではないのか、こういうような数字を、これは原子力発電所の資料でいただいておるわけなのです。  さて、これは価値判断の問題ですけれども、これは国民の生命にとりましてはたいへんな問題じゃないかと思うのです。私はこの数字を示されただけではよくわからないものですから、いろいろと調べてみました。そうしますとこういう事例にぶつかりました。アメリカの放射線物理学者のアネスト・スターングラス教授の調査によりますと、ドレスデン原子力発電所、イリノイ州にあるそうですが、ここでも年間の放射性ガス放出量が一九六三年七万キュリーから、六四年五〇万キュリー、六五年六一万キュリーと急増をした。その際にその周辺の乳児死亡率が六四年の二・四倍に増加をしたという。これは非常にむずかしいことなので、これ以上のことは申し上げませんけれども、いずれにしましても、大量のそういう大気の中に広がったガスの影響が、具体的には、乳児死亡率、あるいはまたほかにもありますけれども、ガンの発生率に影響しておる、こういう実は事実があがってきたわけなのです。私は、それだけで価値判断ができるまだ立場ではございませんので、何とも申し上げられませんけれども、しかしながら、敦賀発電所一カ所につきましても、それだけのテンポで大気の中にガスが広がっていっているというような問題については、どういうふうに判断をしたらよろしいでしょうかね。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 敦賀発電所の放出量が、四十五年度五万キュリーあるいは七万キュリーあったことは確かでありますが、ただこのキュリー数は、七万というといかにも多いように見えますが、これが住民に与える影響等計算してみますと、発電がなくても、自然放射能の変動の範囲内で、むしろ科学的には影響がほとんどないレベルのものと解釈しております。ただ、これもなるたけ少ないほうがいいのでありまして、さっき言いましたように、現実に敦賀発電所もチャコールベッドの装置もつけて、その後ずっと下げさせております。  アメリカのドレスデン発電所の風下における乳児の死亡率がふえたというある学者の説、これも一九六六年の死亡率だけを見ておりますが、その後見ますと、六七年から九年には乳児の死亡率は非常に減っておるというデータも出ております。それから長い数年にわたる風の流れの統計を見ましても、問題の地点は、ドレスデン発電所の風下関係ではないというデータも出ておりまして、その学者の言うように断定はできない問題だということが解明されております。

木原実日本社会党

○木原委員 その資料について論争をしてもしようがないことなんですが、ただ、かなり広大なところも、たとえば年間一〇万キュリーという程度のものが出ますと、何がしかというよりも、ここではやはりはっきりと人体に影響して死亡率が高まる。風下の問題は、たとえば冬の期間の風下であるとか、いろいろ説があるようですが、これは私どもはこの場で判断できませんけれども、しかし、かりに敦賀一カ所で年間一〇万キュリー前後のガスが放出されるということになると、人体の問題は考えなければならないのではないか、こういうふうに私は考えるわけなんです。  ただ、それについてもいろいろな手当てをするということなんですが、一つ言えますことは、これはもう結論は一つなんですけれども、これについてもまだ技術的にも解明を要する問題が残されているのではないのか、こういう感じがするわけなんです。私も、ある学者の説だけを取り上げてこうだということは申し上げません。しかしながら、その学者の説もあるということもまた事実なんです。ですから、最後に長官のことばをいただきたかったわけなんですけれども、そしてまた繰り返すようですけれども、そういうふうに技術的にもなお未知の分野があるということは、これからいろいろの研究が進むにつれて、いままでわれわれが予測しなかったような危害が人体に及ぶような、そういう医学上の知識等も出てくるのではないか、そういう心配も一方ではあります。あるいはまた、いろいろ問題の安全を確実なものにするための技術開発も一方では進むでしょう。しかし他方では、やはり他の分野の技術開発等もこれからの学者の努力によって明らかになってくるのではないか。こういう未知の分野がたくさん残っておる、こういう結論に私は達せざるを得ないわけなんです。  したがいまして、もうこれ以上やりませんけれども、私どもがしろうととして気のついた範囲の中でちょっと調べてみましても、そういうような問題が随所に残っているような感じがするわけなんです。ですから、先ほど長官のおっしゃったように、一方で電力事情で非常に必要だ、しかも石油や重油の供給についても限界がある、そのことを中心にして相次いで原子力発電の計画を爼上にのぼせていく、稼働が始まるということになると、将来に禍根を残すのではないか。人体に影響が出てくる、しまったと思ってしようがないことなんです。これは他の過去の公害問題その他について立証されているわけなんです。BHCはだいじょうぶだといって大量に使われて、そして人体に影響が出て初めて、これは禁止をするのだ、こういうことをこの十年間に繰り返してきたわけですからね。ましてやこの影響力が一般的に見て大きいと思われる原子力の扱い方については、まず第一に慎重に、具体的には、私どもの提案として申し上げておきたいわけなんですけれども、少なくともいま稼働しているものを一つの大きな実験素材として考えて、これから認可をしていく問題については、ここ少なくとも三年なり五年なりの十分な研究期間を置いて、それから稼働を始めさしても決しておそくはないんじゃないのか、こういうふうに考えるわけなんですが、長官はいらっしゃいませんけれども、ひとつ当局としての考え方をもう一度聞いて終わりたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 御指摘のとおり、原子力開発で安全性の追求というのは一番大きな問題であります。現在原子力予算五百億。これも五百億の予算というのは、直接、間接的には結局安全性の追求ということでございまして、今後もますます安全性を、国際基準にマッチしているからいいという考えでなくて、先生のおっしゃるように、少なければ少ないほど心配がないのでありますから、そういう点を十分追求していきたいと思っております。  それから、決してわれわれは、大臣がおっしゃったように、発電所を新しいものを追求してどんどんつくるという見地ではないのでありまして、安全性を十分に徹底的に調べて、そしてだいじょうぶであるという確信が出て初めて許可しているという点を十分御了承願いたいと思います。  それから農薬等の問題も出ておりますが、石油とか、あるいは火力発電とか、あるいは農薬等のほかの公害問題と原子力は違う。最初から公害の出ないような形で原子力法令等ができておりまして、公害をなくするということ、無公害を目途として最初からやっておったというのが、ほかの部門と原子力と違うところであります。ただ、何せ新しい分野でありますから、先生御指摘のようなこれから研究すべき分野も多々ありますので、その点、原子力予算等も十分にとっておりまして、安全性の追求を最大の政策目標としてやっていくというのが委員会の方針でもありますので、そういうように処置したいと思っております。

木原実日本社会党

○木原委員 もうこれで終わりますけれども、佐藤総理でさえもと言うと失礼ですけれども、ともかく経済第一から人間のしあわせが第一の政策に切りかえてやっていくんだ、こういう御発言がたくさん出るような時代に急速になってきているわけなんです。ましてや原子力というのはある意味ではもろ刃の剣だと思います。したがいまして、ひとつ行政の局としては、慎重の上にも慎重を期して、必ずしも経済的な、たとえば需要、要求に従って、そして何か事を急いだという、こういうそしりのないように配慮をいただきたいと思います。  では終わります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 鬼木勝利君。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 朝来、皆さんもたいへんお疲れと思いますけれども、少々お尋ねしたいと思います。本会議が二時からというので、私の質問時間が途中で切断されるようなことになると思いますので、そうしますれば、本会議の後にまたおつき合いをお願いしたいと、前もってその点、御了承願いたいと思います。なお、長官がいま参議院のほうにおいでておるようでございますから、むろん長官にお尋ねしたいのでございますけれども、局長さん方が御答弁ができる範囲内においてひとつお願いをしたいと思います。  私は、本法案そのものに対して質問をいたす前に、先般、米国が内外の反対を押し切って、暴挙といわれますところの、アムチトカ島において地下核実験をいたしました。これは全世界の人々がひとしく非常にまゆをひそめておる問題でございます。しかも、史上最大の地下核実験であって、かつて広島に投下された原爆二百五十発に相当するところの五メガトンの地下核実験を強行した。これに対して科学技術庁は、われわれ国民が安心するように、あるいはその後の実態を、影響をどういうふうに調査されたか、あるいは調査をいまなさっておるのか、そういう点について詳細にひとつお話を承りたい。まず冒頭にそういうことをお尋ねしたいと思います。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 アムチトカ島の地下核実験に関しまして、日本政府といたしまして、外務省を通し三度にわたって、公海自由の原則あるいは人道上の立場から、やめてくれという抗議をしたことは御承知と思いますが、科学技術庁としまして、この実験に対してどういう措置をとったかということをお答えしたいと思います。  これは、かねて前からいろいろ予定されておりましたので、ことしの六月五日と十一月二日の二回にわたりまして、あらかじめ放射能対策本部幹事会、これは本部長が長官でありまして、幹事会の主査は原子力局長がやっておりますが、科学技術庁が中心となって関係各省の担当官を集めた幹事会を招集しまして、放射能対策の諸問題を協議し、その結果、平常の監視体制で臨むという決定もしております。  それから十一月の六日、実験の前の日でございますが、アメリカ政府に対しまして、外務省を通しまして実験後のアムチトカ島の付近の環境放射能がどうなっているか、各種データを早急に日本側に提供するようにという要請を出した、申し入れをやったわけでございます。  それからその他、アメリカ側のデータだけでは十分でありませんので、たとえばカナダとか、あるいはその他英国、ソ連等の在外公館等も使いまして、これに関する影響のデータを日本側に送るようにという手続もとっております。  それから、そういうデータ等によって、日本側の環境に影響があるというおそれが生じた場合には、放射能対策本部幹事会を招集して、海あるいは空の監視体制について緊急時の体制をとるようにするという申し合わせも行なっておりまして、アメリカだけでなくて、関係国のデータも科学技術庁に早急に集めて常時把握する、そして日本の本土に放射能関係の影響があると考えられる場合には、早急に海洋と空の監視体制について強い監視体制をとっていくという申し合わせを行なっております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 今回の核実験による海水汚染等に対する放射能の影響ですね。科学的データを、アメリカのみならずカナダあるいはイギリス等に請求した、そうして、もし日本本土にそういう影響があるという場合には、これに対して対策の委員会をつくるとかいうようなことでは、私は後手ではないかと思うのです。何のために科学技術庁があるのか。これは、米本土のネバダ実験場でこれまで行なわれた地下核実験で、環境の汚染ということがたびたび問題になって論議されておる。それはもう専門家のあなた方はよく御承知のことだと思う。影響が生じた場合にこれを研究するということでは、私は話はおかしいと思う。昨年の十一月の米原子力委員会の発表では、御承知のとおり、爆発の引き金に使われたところのプルトニウムがネバダ実験場から五十六キロのところで見つかった、その他ガス漏れなどはひんぱんに起きておる、こういうことを発表しておる。私は皆さん方のお考え方は少し手ぬるいと思うのですよ。  幸い長官もお見えになったから、その点をお聞きしたいのですが、長官も朝からたいへんお疲れでございましょう。長官は、私が参議院時代から格別お引き立てにあずかって、先生の御人格、お人となりもかねがね御尊敬申し上げております。新進気鋭の先生が長官に御就任になったことを心から喜んでおる一人でございます。卓越した先生のお考えでやっていただきたい。ごあいさつをかねて、こういうところで何だけれども……。  ところが、どうも局長連中の答弁が、長官の御意思に沿っていないように思われる。先ほどからお話を聞いていると、どうも抽象的で、木原先生の御質問に対しても、答弁のための答弁のようで、ただここでうまく言っておけば、それで通してもらえばいいということでは、これは真の国民のためにならない。もう少し的確にひとつ、あなた方はベテランだが、われわれはしろうとだから、よく納得するように願いたい。いまの御答弁では私は承知できない。日本の本土に何かあるなと思ったら対策委員会をつくるなんて、とんでもない。いま一度この点を……。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 ちょっと誤解があったようでございますが、日本に影響があるおそれのある場合に対策本部をつくるという意味でなくて、対策本部というのは、中共の核実験等に関連しましてかねてからできておるわけでございます。そして、中共、あるいはフランス等の南太平洋の島の場合、あるいはアメリカの地下核実験等の場合に、できておるところの対策本部の幹事会の担当者を集めまして、どういうような監視体制をやるか、いつでも問題のときにはそういう会議を持つような体制になっておりまして、今度のアムチトカ島の核実験に関連しましても、日本に影響がある、おそれがあるという場合には、早急にその会議を持って、そして海上保安庁の船を出すとか、あるいは自衛隊の飛行機を飛ばすとか、いろいろな具体的な対策をとるわけであります。その会議を開いて早急に具体的な措置をやるという意味でございます。対策本部は常時できておるわけであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 だから、私が言っておるのは、対策本部に寄りかかるのじゃなくして、科学技術庁としてもっと主導的に、能動的になぜ調査研究をやらないか。どういうことをやったか。具体的にこういうことをやりました、どこどこに行ってこういうことを調査しました、それだったら、いまあなたのおっしゃるようなことを、われわれ科学技術庁としては、政府としては、皆さん方が御安心なさるようにこのようにいたしましたということを、いつ国民に発表しましたか。これは国民がひとしく憂えておるのですよ。その点ひとつはっきり答弁してください。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 先ほど言いましたが、十月二日に対策本部幹事会を開きまして、平常の監視体制で臨むということで、海水をとったり、海上保安庁、水産庁あるいは気象庁等、常時、海水、それから空中の状況、いろいろな具体的な資料を集めまして調べておるわけでございます。それで、多少問題があるというときには、さっきの緊急時体制の飛行機を飛ばしたりもっと具体的な措置をやるということでありまして、平時からそういう海、空、それから牧草とか、いろいろな検討データをとっておりますので、それによって異常があるかどうか、常時把握する体制になっておるのでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 核実験によって環境が破壊されるとか、あるいは放射能の汚染というようなことは何も環境がないなどというようなことは絶対あり得ない。特に、この放射能の環境で多くの生物が死んでいくであろうというようなことも、学者は発表しておりますよ。しかも、わが国におけるところの影響がないということは絶対に言い得ない。だれも保証はできない。海水の汚染、放射能による汚染というようなことは、常識で考えて十分われわれは考慮すべきである。今回の実験で、幸いにして地震とか津波というようなものは起こらなかったようでございますけれども、しかし、今後数年のうちに環境の破壊とかあるいはその他の影響がないという保証ができますか。

成田壽治科学技術庁原子力局長

○成田政府委員 大気とか海水等は、地点によって違いますが、百ミリレム内外の自然放射能が絶えずあるわけでございまして、アムチトカ島の核実験の結果が、日本に気流あるいは海水等を通して影響が非常に少ない場合は、自然放射能の変動の範囲の中に入ってしまいまして、いまの非常に精密な計測機械をもってしても把握できないということが言えるのであります。したがって、さっきの監視体制によって自然放射能の範囲外の影響があらわれた場合には、非常にわが国に対する影響のおそれある場合として緊急体制に入るということでありまして、発電所がなくても、あるいは核実験がなくても、空気中あるいは海水等には自然放射能のレベルというのがありまして、その変動の幅、それはしょっちゅう変わっているわけでありますが、その自然放射能のレベルを越えた影響があらわれた場合には厳重に警戒体制に入るという意味でございます。  それから、科学技術庁がイニシアチブをとってというお話が先ほどありましたが、先ほど言いましたように、放射能対策本部というのは、本部長は科学技術庁長官であり、幹事会の主査は原子力局長でありまして、科学技術庁がむしろイニシアチブをとって、そして飛行機とか、あるいは船とか、あるいは水産庁とか、そういう関係の役所の持っているいろんな装置、機械、人員等、調査機能を十分活用して、政府をあげてそういう体制に入るために科学技術庁がイニシアチブをとって、この幹事会なり対策本部を開いておるということでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 でございましたら、私はそれじゃ長官にお尋ねしたいのです。われわれ科学技術庁としては、こういう主導権をもってこういう調査をしてこういうことをいまやっておる、だから、わが本土にこういう影響があるとか、こういうことがいろいろ取りざたされておるけれども、決して皆さんに御心配のないようにわれわれはこういう操作をしておる、対策委員会もこうだというようなことを、国民に安心するように正式に発表されたか、そういうことを尋ねておる。それをあなたたちは、するりするりと巧みに逃げておられる。長官、どうぞその点。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 この事件に関しましては、おっしゃるとおり、非常に大きな問題がございます。この実験の行なわれます前日の朝、わがほうといたしまして、これに対してやるべき対策の最終的なものを取りまとめまして、直ちに翌月曜日の閣議後の新聞記者会見におきまして、科学技術庁としてやっておるということを発表いたしたわけでございます。  その要点はすでに原子力局長から御答弁しておると思いますが、要するにこの問題は、わが国を離れること三千キロ以上の地域でございますけれども、わが国としてやはり直接の問題がある、それは、わが国の漁船が、ことに宮城県あたりの漁船があの地域に行って、かなり漁獲があるわけです。したがって環境関係。アメリカ政府部内においてもかなりいろいろな意見がございまして、御承知のように、最高裁の判決を見ても、かなりな反対意見がある。環境サイドのアメリカ政府当局者はかなり強い反対意見を持っておりますから、こういうデータを見ましても、今後早い場合には一、二年、それから原子力委員会の説ではかなり長期間な間に、この地下からあるいは放射能汚染の水の地下水が海水に漏洩するおそれがあるのじゃないかという議論が行なわれております。そういう点から見まして、われわれは公海の環境を汚染する可能性が排除できない、こういう見解に立ちまして、その意味において、アメリカ政府に対して、これは十分資料の提出を要求する権利があるのじゃないか、こういう立場ですぐにアメリカ政府に対して申し入れを行なった。十分に資料を提供すべきである。これは要請ということでなしに、権利として、直接関係国として要求をいたすというのが第一点でございます。  第二番目に、アメリカ政府側だけのソースであってはならないので、わがほう独自にあらゆる資料を収集して、そうしてこの実態の解明に当たる。必要に応じては、わが国の科学技術庁のアタッシェがワシントンにおるわけでありますから、現地に行くということも考えて、現地における環境の問題について、どういう状況であるかということをわがほうとして主体的に明確に把握する、これが第二点であります。  この二つの点で、これは息長く相当長期間にわたって実はこの汚染が出てくるのじゃないかという議論が行なわれているために、これは短期間にどうこうということよりも、長い期間にわたって放射能の汚染という現象がないかどうかということを追跡していかなければならないという体制に入っておるわけでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 さすがに長官だ。長官の御答弁で私、大体了承いたします。まさにいまお話しのとおり、これは日本列島の漁業資源なんかの問題に大きな影響がある。これは水産庁の所管であると思いますけれども、いずれにいたしましても、いま長官が二点をあげておっしゃいましたように、私も先ほどから、アメリカ等にそういうデータを要求すべきである。ところが、アメリカのみならず、カナダやイギリスにも要求しておるというお話である。それから第二点は、当然必要があれば出かけてでも行くという考えを持っておるというお話で、私も了承いたしましたが、海水の汚染というような点のみならず、これはわれわれ国民の国益を損することが非常に大きいと思いますがゆえに特に私は申し上げておるので、大気圏内の核実験の場合でございましたならば、これはたしか八年前に禁止してあるということを承っておりますが、これは大気圏内における核爆発は地球環境を汚染する、だからこれはいけない、禁止する。だったら、地下でやるところの核実験は地球を汚染しないという口実には、私はならないと思うのですね。大気圏内はいけないけれども、地下ならばよろしいというような理論は私は成り立たないと思うのです、これはしろうとでございますけれども。そこで、いま長官もおっしゃったように、一年ないし二年先には必ず、これは学者もそういうふうに言っておりますので、そこで必要があれば、調査団でも何でも名前はいいですが、行くんだということをいま長官からお話を聞きましたので、ややこれで国民も安心すると思うのです。  これはアメリカのニューヨーク・タイムズ紙に報道してある発表ですが、核爆発による放射能で汚染された地下水が海中に流れるまでの期間は一年ないし二年、こう発表されておる。そうしますると、この近辺を回遊しておるところのサケとかマスというようなものは必ず汚染される、こういうことを私どもは十分予測しなければならないと思う。そこで、国民の損害を最小限度に食いとめる。起こったならばじゃなくして、事前にやはりそういう対策をすべきだ。それには積極的に、いま長官がおっしゃったように、必要があれば調査団でも派遣するというおことばでございましたが、これは、データがアメリカやカナダ、イギリス等から来ての上に立って、それを踏まえてのお考えもけっこうと思いますが、早急にやはり調査団でも派遣して向こうの事情も聞くし、向こうから回答が来るのを待って、回答を見てからじゃなくして、ひざ詰め談判で調査団でも派遣してもらいたい、その点について長官のお答えをもう一度。

平泉渉自由民主党科学技術庁長官

○平泉国務大臣 先ほど申し上げましたように、アメリカ側の資料を要求するというだけでなしに、独自にこちらで資料を収集し、あらゆる情報を集めまして、そして厳正な判断をいたしまして、必要とあれば送る、こういう処置でございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 私のアムチトカ島に対する地下原爆の実験に対する質問は、いまの長官のお答えではっきりいたしましたので、まだ少しお尋ねしたいと思いますけれども、この程度にして、次は法案そのものの質問に入りたいと思います。  昭和三十六年の九月に官庁の集団移転を閣議で決定して、検討した、このように聞いております。ところが官庁の移転というようなものがなかなか簡単にいかない。そこで、三十八年の九月に筑波に研究学園都市を建設しようということに決定した、このように聞いておりますが、その間のその辺の経過を少し承りたいと思います。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 ただいまお話にございましたように、筑波研究学園都市の建設につきましては、昭和三十八年の九月十日に閣議了解によりまして決定をいたしたわけでございます。しかしながら、その前からいわゆる官庁移転という課題につきまして、何回かの閣議決定あるいは了解があったのは事実でございます。最初にございましたのは、ただいまお話にもございましたように三十六年の九月一日の閣議決定でございまして、この際は、「機能上必ずしも東京都の既成市街地に置くことを要しない官庁(附属機関及び国立の学校を含む)の集団移転について、速やかに具体的方策を検討するものとする」というのが一番最初の政府の意思決定だったわけでございます。御案内のように、当時はブラジルにおきまして新しく首都をブラジリアに建設するということがきまったころでございますし、わが国におきましても、首都への人口あるいは産業の集中圧力が一向に改まらないということから、過密対策の一環といたしまして、官庁の移転についてすみやかに具体的方策を検討すべしという閣議決定がなされたわけでございます。  その場合に「機能上必ずしも東京都の既成市街地に置くことを要しない官庁」とは何かということでございますが、当時といたしましては、国会、中央政府を含めまして、いわゆる首都移転というような問題も含めまして議論がなされておったことは事実でございます。しかしながら、国会あるいは政府をあげて移転をするということになりますと、これは、移転すべき立地地点の問題、あるいはその規模の問題、それから関連して整理すべきいろいろな施設をどうするか、いわば日本の国としてはたいへん重要な問題でございます。したがいまして、これについては当時私がおったわけではございませんけれども、いろいろ議論があったようでございますが、最終的には行政機関ではなくして試験機関、研究機関あるいは教育施設ということに落ちついたわけでございますが、その間におきまして、昭和三十七年の七月十三日に科学技術会議が、「過大都市をはなれた地域に国立試験研究機関を集中的に移転させる必要がある」、こういう答申を行なっております。さらに昭和三十八年の九月六日には、当時首都圏整備委員長の私的諮問機関として設けられておりました首都圏基本問題懇談会が、「世界的水準の研究学園都市建設を実施すべきである」、こういう答申を行なったわけでございますが、これらの経緯によりまして、当初は首都移転までを含めて検討の対象にいたしておりました官庁移転問題が、現実の結論としては、政府関係の試験研究機関並びに国立の大学を中心とする新しい研究学園都市の建設が適当であるという結論に至ったわけでございます。それが昭和三十八年九月十日の閣議了解で、最終的に筑波地区に研究学園都市を建設するということで政府の意思の統一を見たわけでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 ただ文章の上であなたは答弁されたが、私がお尋ねせんとしておるところの焦点は、本来の目的である官庁移転ということがどうしてもスムーズにいかない。そこで国立研究機関などの集団移転にいつの間にかすりかえられた。いかなることがあっても移転してもらいたいというあなた方の切なる要望でこうなったのか。官庁を移転するという本来の目的がなかなかうまくいかぬので、いつの間にかすりかえられたということでないか。もっと具体的に私が申し上げると、そういう意味でお尋ねしておる。その辺の事情は、筑波地区に行かなければ、ここから移らなければ、われわれの研究の目的が達せられないという皆さま方の自発的なことで起こったのか。その御答弁によってまた私の質問が変わってきますから、その点をお尋ねしている。

川島博首都圏整備委員会事務局長

○川島(博)政府委員 すりかわったという言い方では私は語弊があると思いますけれども、現実問題といたしまして、先ほど来御説明申し上げておりますように、当初の発想が首都移転までを含めて東京の過密対策を考えようじゃないかというところから出発したことは事実でございます。ただ、国会なりあるいは政府機関というものをあげて東京から引き離すということにはあまりにも問題が多過ぎるということで、この点については、現実論としてはどうもあまり適当でないということが一つ判断として結論があったわけでございます。かたがた、先ほど科学技術会議の答申を申し上げましたが、東京に集中しております政府関係の試験研究機関は、いずれも現在施設並びに規模が狭小に過ぎて、なかなかその施設の拡充強化が思うにまかせない。しかも研究を遂行いたします環境についてもだんだんと悪くなっていく一方である。こういうことから、この際、政府関係の試験研究機関はあげて新天地に移転をいたしまして、そこに世界的水準の新しい施設を新設をいたしまして、ここで世界に誇るに足る研究を行なうべきではないかというのが科学技術関係者の間から期せずして声があがったわけでございます。そこで、国会、政府等の行政機関の移転についてはなかなか問題が多くて、どうも現実論としては適当でないという空気になっておりましたので、それではこれにかえて、試験研究機関並びに都内に所在する教育機関の中で、非常に教育環境が悪化をいたして教育にも差しつかえるというようなものを合わせまして、この研究学園都市を新しく筑波地区に建設しようじゃないかという声になってきたわけでございます、実情だけを申し上げておきます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 それでは、あなた方が今度移転されるのは、四十四年に移転工事に着手して、結局、新しい研究機関である、しかも最も進んだ新しい研究施設をしなければならない、こうした研究所の本来の目的を達成するための必須条件が筑波に移転する最大の原因である、結局このように私は解釈をしたのですが、もともと問題は、最初私が申し上げましたように、官庁移転ということが目的であったけれども、どうしてもそれがいかぬから、国立の研究所をあちらに移そうということになった。あなた方としては、それのほうがずっとよろしいわけで、今回移転されることについて、あなた方の本来の構想に対して、あなた方の主体的な構想、計画、意図が、今度移ることによってどういう利点があり、どういうところにあなた方の要望が反映されておるのか、そういう点をひとつお聞きしたい。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 お答えいたします。  移転につきましては川島局長から申し上げましたが、科学技術庁といたしましては、科学技術の振興という考え方から、特に、研究機関の研究環境を改善する、あるいはよくするということが一番大きな問題であるというふうに意識してまいっております。したがいまして、今後の科学技術が、先生も御承知のように、いろいろな多角的なアプローチも必要といたしますし、また総合的な体制も必要とされておりますので、現在計画を進めておりまする筑波研究学園都市は、そのような機能を持った都市として整備していくということがわれわれの推進する立場でございます。  なお、現在、各研究機関並びに各省庁と、推進本部、あるいは首都圏整備委員会等の関係機関と十分連絡をとりながら、筑波研究学園都市としてわれわれの意図する研究環境を整備できるかどうかということについて、常々連絡、協議をいたしまして、問題のあるところは具体的に解決をしていくというふうな考えで、推し進めているところであります。  なお、国立研究機関の団地といたしましては、そのような意味から、関係のある研究機関は地域的にもなるべく同じ場所におって、常時研究の連絡もできるような有機的な体制をとりたいというようなことで、現在この学園計画を進めておるところでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 今回の研究所の移転ということについて、私は結論的にはたいへんけっこうなことだと思うのですが、移られることによってのメリットはいまお話を聞きましたが、これは東京の過密を緩和するためというようなこともむろん一つの理由にあるかと思いますが、今日、情報化時代だとか、あるいは他の研究機関との接触とか連絡とかいうことはますます密になってくると思いますが、そういう場合に、いままで集積されたところの利点が、今度移られることによってマイナスの面が出てくるのじゃないか、そういう点をいささか憂うるものですが、そういう点はどのようにお考えになっておりますか。これは大事なことですから、単に過密であるから向こうに行くのだ、あるいは官庁を移転しようとしたけれどもできなかったから、ではおまえたちが行けと——先ほど私が言った、すりかえられたということばは不穏当だというおことばでしたから、それは不穏当であってもけっこう。不穏当であれば不穏当ということで私も訂正をしてもいいが、すりかえられたとは言っていないのだから。すりかえられたのではないかとこう言っている。そこのところは、ものごとはよく落ちついて考えないとね。ですから、そういう点が私が多少憂うる点ですが、またあとからいろいろお尋ねしたいのですが、そういう点は皆さん方はどういうふうな対策を持っておられますか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 メリットの点につきましてはいろいろ申し上げまして、先生はそれに対して、デメリットもあるじゃないか。御指摘のとおりでございます。何ぶんにも移転という事業は相当期間がかかりますし、その間においての研究活動の中断あるいは情報の欠除という問題については、当然われわれも考えなければいかぬというふうに考えておりますが、特に、先生のいま言われました情報の問題。研究機関は、研究情報、学術情報等を十分に収集、解析するのが一つの大きなメリットになっておりますが、そういう意味で、その研究機関の移転時期にあたって、そういう情報の不足にならないように、われわれといたしましても、情報をサービスする設備等を研究機関の移転等にマッチさせまして、当庁でも共同利用施設としてそういう場所をつくるという構想もいたしております。いま先生の御指摘のような、研究機関の移動時期にあたりまして、なるべく研究所にデメリットが出ないように、われわれ関係官庁としては今後とも努力いたしたいというように考えております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 すこぶる抽象的で、どういうようにそれをわれわれは克服していくというお話がなかったようですが、くどいようですけれども、あらゆる機関が集中しておるところの東京から遠く離れるということは、まさに時代の最先端を行く技術開発と取り組んでいるところの研究員の皆さんにとって、大きくマイナスが出るのじゃないか。たとえば、大学あたりと情報を取りかわすとか、あるいは民間企業などの研究者との接触というような点で、少なくともいままでの皆さんの集積された利点が消されるのじゃないか、マイナスになるのじゃないかという点を私はしきりに憂えておる者ですが、そういう点については、十分ひとつ皆さん方は具体的に、こういう点はこうだ、こういう点はこうだという計画を立てられるべきである。ただ新しい家で新しい研究機関を設備をつくってもらうと、われわれの要望も受け入れられた。人事院の問題になりますけれども、移転すれば移転手当ももらえるのだというような安易な考えでなくして、研究本来の目的が達成されるかどうかという点を十分に検討される必要があると思うのです。私は先ほど申し上げるように、皆さん方がこうして移転されることに対しては、たいへんけっこうな考えだと思うがゆえに、そういうことを憂えておるわけです。十分そういう点に対しては皆さん方はお考えありますか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 いまの点につきまして、具体的な例といたしまして、科学技術庁といたしましては、移転しました研究機関が関係の情報機関との連絡を密にできるための考え方といたしまして、研究交流センター、これは仮称でございますけれども、その構想を来年度要求してございます。この研究交流センターは、いま先生が言われましたように、東京にいわゆる情報が非常に多い場合には、各研究機関がここで努力するよりも、そこの交流センターで一括して情報サービスをしてあげるとか、あるいは各種の研究機関が移転しますので、その間の有機的な連携のために、抽象的ではありますが、そこに集まってシンポジウムなりあるいはセミナーを開けるような会場を設ける。こういう構想で研究交流センターというものを来年から要求して移転計画にマッチさせていきたい、こういうふうに考えております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 どうせこれは時間がありませんので、本会議が間もなく始まりますから、あとまた私引き続き質問したいと思いますが、幸い長官がお見えになっておるからちょっとお尋ねしたいのですが、皆さん方から「無機材質研究所概要」というのをいただいたのです。先般からたびたび説明もお聞きしたのですが、まことに私は遺憾に思うのは、こういう概要とかあるいは要綱というようなものは、総じて予算の面とかあるいは構成とか機構ということの説明になっておるようですが、一番大事な無機材質の国立研究所の目的というのがこれは全然載ってない。何のためにやっておるのか。内容はちらちら書いてありますけれども、それはまたあとで質問しますが、一体、国立研究所というものをつくっている目的はこういうことだというのがなくては、これじゃ話にならぬですよ。あなた方は非常に専門家のベテランだが、じょうずの手から水が漏っている。こんな水が漏ったんじゃ何もならない。こういうものはほご同然です。われわれしろうとが見たって、大体、科学技術庁でこういう概要だなんというのをつくって、無機材質研究所だなんというのがある、これは一体目的はどういうことをやるのか。はなはだ遺憾ですよ。これは、あなた方に釈迦に説法だとは思いますけれども、大学の研究機関だなんというのとは意味が違うと思うんですよ。大学の研究機関というようなものは、これは純粋なる科学の研究である。それが大学なんですよ。だから目的がないのですよ。無目的である。これはことばが正しいか正しくないか知らぬが、大学の研究は、これは無目的の研究である。ところがこの国立の研究所は、私は目的のある研究所だと思う。何を研究するか。その研究にも、基礎の研究もありましょう。それを今度は応用する応用研究、それを実際に実用化する実用研究、これが目的でなければならぬと思う。そして産業開発をする、社会開発をする、産業開発に貢献し社会開発に貢献していくということが目的でなければならぬと思うのです。何を書いているのか、何のことかわけがわからない。おれの行くのは一体どこなのかと、自分の行くところを人に尋ねなければわからぬようなものだ。これは長官、非常に卓越した識見の高邁な長官はこれをごらんになったかどうか。これじゃ何のことかさっぱりわからぬですよ、私は。もう少ししっかりしてもらいたいと思う。全然わからない。運営会議はこんなにしてやります、研究はグループ制でやります、いつごろこれは建てるようにして、いつごろどうなります、そして予算はこういうふうでございます、しかし何をやるところか、それは知りませんでは、はなはだもってこれはおかしい。長官はそういうこまかいことまでごらんになっておらぬかも知れぬ。よろしい、よろしいで莞爾としてほほえんでいらっしゃるか知らぬが、局長連中どなたでもいいから、ひとつはっきり答弁してください。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 お答えいたします。  無機材質研究所の沿革その他の問題は別の資料もございまして、そちらのほうにまとめておいたものですから、それを補足するようなつもりでお書きしたのをそのままお持ちしたものですから、非常に内容的にもおわかりにくくなったと思いますので、おわび申し上げる次第でございます。  そこで、無機材質研究所の設置の目的ということになるわけでございますが、これは最近、先ほども議論いたしました原子力の利用技術、それから宇宙科学技術、こういった面におきましては、放射能に耐えるような材料、あるいは非常に高温に耐えるような材料、こういうものが従来にも増して必要になってきておりますし、電子技術などは、最近のようにICのような関係の材料も非常に必要になっておりますので、そういったものを研究する必要があるわけでございます。ところで、こういうものは学問的には非金属の無機材料ということで整理されておりますので、その材料をつくる、その材料の品質を向上する、あるいは新材料の創製等にかかわる研究が非常に重要になってきた。こういうことから、無機材質研究所におきましては、やや基礎的になりますけれども、こういう研究のために必要な高純度の材料、無機材質の材料をつくる、こういうことを目的にスタートをしたわけでございます。資料が十分でございませんことを、おわび申し上げます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 それはもうそうだろうと思うのですよ。あなた方がやっていらっしゃることが間違いとは言わない。ですけれども、こういう大事な研究所、これで国民の産業が衰微するか、興隆するか、的確な産業形態ができるか、できないか、社会開発はどうしてやっていくのかというかぎを皆さんは握っていらっしゃるのですから。でございますから、やっていらっしゃらないとは言わないのですよ。そういう点をはっきりしてもらわぬと、枝葉末節の説明だけではいけない。私が申し上げるのは、われわれはしろうとだから、もう少し皆さん方から、的確な説明をしていただかないと、何のためにこういうものがあるのか、これでは大学の一般研究機関、研究所と一つも変わらない。私が言うのは、だったら特別に国立の研究所をつくる必要はない、こういうことなんですよ。そういう点で、これは責めているのじゃありませんけれども。言いかえれば、あなた方は不親切ですよ、私に言わせれば。もっとほんとうに、こういう事情だ、われわれはこういうことをやって、こういうことで皆さんに微力なりといえども貢献しているということが説明願いたいのですね。私どもは、これは大事なものだ、一刻も早く移転できるように協力すべきだ、こういうふうに考えるということを申し上げておるのです。決して、あなた方が怠慢であるとか、研究がずさんだというようなことを申し上げておるじゃないのです。みな熱心なその道の大家ばかりだから釈迦に説法だと思いますけれども、そういう点を私は老婆心ながら申し上げたい。  なお、引き続きそれに関連した質問を申し上げたいのでございますが、本会議が二時からということになっておりますので、本会議が終わりましたら、引き続きいましばらくおつき合いを願いたいと思います。決してやかましいことは申し上げません。なるべくソフトでやります。ありがとうございました。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 午後三時より委員会を再開することとし、暫時休憩いたします。    午後一時五十四分休憩      ————◇—————    午後三時八分開議

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  科学技術庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。鬼木勝利君。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 前回に引き続きまして若干質問を続けたいと思います。  先ほど申し上げましたように、研究所の目的ということが大体はっきりしたのでございますが、大体この研究所はグループ制をとっておられるようでございますが、総合研究、またはおのおのの研究グループに対しての、その成果と申しますか、その結果を発表するところの機関がどういうふうに計画してあるのか。ただ研究しっぱなしじゃないと思うのです。これは、グループ制をつくっておのおの研究をしていらっしゃることに対する是非は、私どうこうということは申し上げませんが、総合研究というようなこともありましょうし、おのおののグループ間の連携、あるいは総合的にこれを取りまとめるとか、そしてその成果を発表するというような点が、どういうふうにやっていらっしゃるか。あとにまた私お尋ねしたい前提として、その点をお聞きするわけでございます。内容にわたって私どもしろうとがそういうことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、そういう点はどういうふうになっておりますでしょうか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 お答え申し上げます。  研究の成果の発表の方法でございますけれども、まずグループ制になっておりますので、グループリーダーがそれぞれグループの長としているわけでございます。それから所長がおりますから、所長及びグループリーダーの会議というのもございますし、それから別途運営会議を持っておりまして、研究所の中の運営、企画、それから研究の成果の発表のしかたの具体的な問題、こういったところに携わるわけであります。  それでこの研究所は、さきほど申しましたように、セラミック系の研究が多いわけでございますので、窯業協会だとか、あるいは電子技術の関係もございますから電子技術、特にIC、いわゆるエレクトロニクスの分野のIC関係、こういった協会、電子工業協会、こういったようなところとの連携が綿密でございますし、大体が研究者がそれぞれ学会に属しておりますので、そういう学会のほうへの発表というようなことをいたしておるわけでございます。すべて所長の、リーダーのもとにそれが取り行なわれるようになっております。現在まで、研究論文として四十三年から五年までの三年間で、国内学会等に発表いたしましたものが七十一件、学会誌等に掲載しましたのが三十四件、専門雑誌にあげましたのが二件、これが国内関係でございますし、国外関係では、学会に一件、学会誌に十九件、専門誌に三件というような形になっております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 四十一年に出発しまして、四十二年、四十三、四十四、四十五、四十六と研究グループが五つか六つかあるように聞いておりますが、創立以来今日まで六年間を経過している、そういうことになりますと、大体、中間報告、中間発表、あるいはまとまった一つの発表ですね。学会にこういうことを発表したとか、むろんそれはいろいろ断片的にはあるかもしれませんが、まとまったもう少し有機的な、業界に対してこういうことを示唆したとか、そういう面に対しまして、午前中も申し上げましたように、目的が単なる研究ということではないので、大学あたりの研究所と非常に趣が違うので、あくまで産業開発、社会開発にこういう貢献をした、第一回の中間報告でこういうことをやった、また総合的にこういうことをやるんだというような、そういうスケジュールがあるないか。私が言うのはまことに申し上げにくいのですけれども、皆さんがやっていらっしゃることはわかっているのですけれども、随時に行き当たりばったりと言うと、はなはだ申し上げることばがよくないかもしれぬが、そうじゃなくて、第一回の中間発表はいつだ、ここでまとまった総合的発表をやるんだ、そしてこういう産業界の行き方に対してこういう貢献をした、こういうことに役立ったというような——それは結果ですが、そういう、もっと系統的な合理的な計画を組んで、それによって、その目的に向かって研究していくんだというようなスケジュールがあるのかどうか。まことに申し上げかねるけれども、そういう点がこれに載っていないからその点をお尋ねをしておるわけでございますが、そういう点を少し御説明願いたい。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 この研究所がグループ制をとりまして、最初にスタートいたしました研究グループが三つございます。この三つの研究につきましては、最初の一年間はやや準備的なものでございました。ちょっと研究グループの名前を申し上げますと、炭化珪素の研究グループ、二番目が酸化ベリリウムの研究グループ、三番目が酸化バナジウムの研究グループ、こういうふうになっております。先ほど申しましたように、このグループの活動は、超高純度の材料をつくるのが目的でございますので、鋭意その研究をしておるわけでございますが、でき上がったものに対しまして、その結晶学的な問題、あるいは合成方法の問題、物性の問題、言いかえますと、こういうものについていろいろなアプローチのしかたがございますが、合成、結晶、物性、この三つについてやっておるわけでございます。この三つのグループが、超高純度のものができまして、大きく分けますといまのような三つのアプローチが済みますと解散をいたしまして、また新しい物質についての研究をやる、こういう形になっておるわけであります。この三つのグループは本年いっぱいやりまして、その成果を見た上で、来年存続するか、あるいは切りかえるかというところになるわけでございますが、そういうふうなことで、最初にスタートしましたものの成果が出ますのが来年度当初あるいは中間くらいになると思います。そういうわけで、区切りをつけた発表というのはそういうところで出てまいるわけでございます。それからいま十一ございますが、そのあと逐次できておりますので、そういうのは逐年発表をしていくという形になるわけでございます。  ところで、それでは途中の段階で少しは成果があがってはいないのかという御質問があるかと思いますが、この点につきましては、いま申しました一番初めの炭化珪素に関します研究につきましては、超高純度という意味におきまして、九九・九九九%という高純度の炭結晶の合成に成功いたしまして、また新しい結晶型の炭結晶を数種類発見しております。これは半導体材料として現在注目されております。それから酸化ベリリウムの研究を先ほど申し上げましたが、この酸化ベリリウムに関しましては、高純度の粉末の調整ということに成功いたしまして、これは碍子会社のほうからぜひ使わせてほしいという要望があって、いま研究所と碍子会社のほうとの話し合いに入っておるという状況にございます。  一、二あげますとそういうことでございますが、最初に出発しました三つのうち二つ、最後の酸化バナジウムについてはまだでございますが、こういうふうな課題に成果を逐次あげて発表の段階に移る、こういうかっこうになっているわけでございます。先ほど申し上げました学会等の発表は、もちろん途中の段階でできるものについて、知見を広める、あるいはこの研究所のやっておる仕事を広めるという意味におきまして発表されているものでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 大体お答えいただいて、おぼろげながらわかったようでございますが、どういう機関を通じて発表されておるのか。そういう点がもう少し私は有機的に連携を保ってやられなければせっかくの成果があがらない。でございますから、あとでまたお尋ねしたいのですが、その一般企業との連携ですね。どういうふうなことをいまわれわれは研究しておるかというようなことを、あまねく知らしめていただいて、民間の企業と連携をとって、何らかそういう機関雑誌でも出していらっしゃるのかどうか。学会に出されるということはわかりましたけれども、そういう点をもう少し私ははっきり明確に、無機材質の研究所はこういうことを現在はやっているのだ、こういう製品に対してはこういうことをやるのだというようなことを、常に連携を保って皆さん方の研究が生きていくように、しかも、それが実用にはっきり応用されるようにという御計画がどういうふうになっているかということですね。われわれの考えることはしろうとですから、当たっていないかと思いますけれども、目的が産業開発であり社会開発であるならば、そういうもう少し何か密接なつながりが——ただ学会にこういうことを発表したのだということは、一つの研究であって、大学あたりの研究でも同じことがあると思うのですね。そういう点をもう少しひとつ御説明願えればけっこうに思いますがね。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 お答え申し上げます。  まず第一の方法でございますが、ここに持ってきておりますが、「無機材研ニュース」というのが出ておりまして、これが大体毎月くらいのテンポで発表されております。この所長は窯業のほうでは有名な山内博士でありまして、東京工大の学長もなさった方であります。窯業協会の会長をされているわけでありますが、窯業協会は八十周年を迎えるような非常に古い歴史を持った協会でございますし、こういうところを通じまして、民間へのタッチということも十分できているわけでございます。  それから学会に関しましては、所長が学者でありますし、研究者も大部分が学会に属しておりますから、名の知れ渡った方が多いわけでありまして、そういう方面から十分なPRができていると確信している次第であります。  なお、無機材質研究所には客員研究官の制度がありまして、二人の民間の研究所の方々、六人の国立の大学の先生、これも京都、名古屋、大阪あるいは東北というふうに範囲が広いわけでありますが、こういう先生方が入った客員研究官の制度などを通じまして、十分なことができるようになっております。それから運営委員会は、これは会社の社長、会社の研究所長などに運営委員会のメンバーになっていただいておりますししますので、こういうルートを通じてPRをはかっておる、こういうことでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 私が質問申し上げましたことに対して大体答弁をいただいたと思いますが、せっかくこうした高度の研究をしていただいておるのでございますので、なるべく皆さんの発表があまねくそれが効果が出るように一段の努力をしていただきたい、くふう、研究をしていただきたいということをお願いしたいと思う。  次に、客員の制度でございますが、それについてちょっと私はお尋ねしたいのです。客員研究官一覧表と運営委員一覧表をいただいておりますが、この選考の基準ですが、むろんこれはその道のオーソリティーばかりだと思いますが、基準はどういう点からこれをされたのか。なおまた、民間の客員のほうには末野研究所長が入っておられるようです。それから運営委員会のほうでは日本碍子の専務取締役の貴田さんが入っておるようです。こうした民間の方が起用された理由ですね。それからまた、なぜ民間の方を入れられたのか。どういう点にその利点があるのか。しかも入れられたのはどちらもお一人ずつ入っておる。あとは全部学者ばかりだと思いますが、そういう点がちょっと疑問に思うのですがね。民間のこういう取締役とかいうような人を何のために入れるか、入れたことによってどういう利点があるのか、その点をちょっとお聞きしたいと思います。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 お答え申し上げます。  それぞれ八人選んでおるわけでありますが、客員の研究官につきましては、この制度は外部からの研究者をグループ研究に参加してもらうことによりまして、内部の研究者のみでは行ない得ない分野の研究を推進するためにつくったものでございます。無機材質の研究といいますのは、当初申し上げましたように、範囲が非常に広いわけでありまして、単に物理学とか化学だけの人ではだめでございまして、鉱物、窯業、応用化学、金属工学、電気工学、電子工学、機械工学など多方面にわたっておりますので、こういう人たちを全部グループの研究の中に網羅して集めるということは非常にむずかしいわけであります。そういう意味におきまして、客員研究官をお願いすることによりまして、大学、民間とのつながりを密にしたい、こういうことから始まったものでございます。現在、大学六名、民間二名が客員研究官として採用されておりますが、技術的な研究連絡、それから若手研究者の養成などの観点から、こういうものの意義は大きいと思っております。  それから選びました人の基準でございますが、これを一々あげますとたいへんでございますが、それぞれの先生方、各研究グループの関係では大家の方ばかりを集めてあるわけでございます。それが一つと、もう一つは大学を片寄って一カ所だけにしないようにする。東京大学、京都大学、東工大、東北大というように、大学の範囲を広くしてなるべく周知をはかるように心がけているわけであります。もちろん、客員研究官でございますから入れかえも可能になってまいりますが、大体が各グループの専門について非常に詳しい方、たとえば赤外線の吸収の関係の研究については、あまり第三グループの中には十分な知識を持っている人がいませんので、そういう方をお願いするというようなことでやっているわけであります。それから運営委員のほうの問題でございますが、これも、それぞれ会社の取締役とかいうような名前になっておりますが、大体が研究所の研究者の方でありまして、合成、物性、そういったほうの専門家をお願いしている、こういうことでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 そこで、各大学の先生方をこうして網羅したとおっしゃることはわかるのです。ところが民間はたった一人入れてある。もし民間ともっと提携してぜひ必要だというならば、これはたったお一人ではどうか。八人もいらっしゃる中にお一人だ。ぜひ入れなければいけないという必要要件があれば、それは私はどうだというのじゃないけれども、八人もいらっしゃる中に民間はたった一人起用しておる。そこに一人でも入れなければならぬという絶対の理由はどこにあるか。  しかも、私がどうしてもふに落ちないことがある。研究所の客員研究官というのは大体わかるのです。ところが運営委員会に民間まで入れてある。それはそれとしていいとしても、その運営委員会の内容が、研究テーマの選定、こうあるのです。研究自体の問題は、私は運営じゃないと思うのです。運営というならば、無機材質の国立研究所をどのように運営していくか、どのように経営していくかという運営、経営一般ならば、これは私はむしろ、学者でなくてもそういう運営面にたんのうな人ならば、差しつかえないと思うのです。運営、経営をするのに学者でなければならぬ、あるいは民間人を起用しなければならぬ。民間人を起用するというならば、研究テーマの選定などというのは民間人にわかるわけがない。研究計画の立案、そういうことは民間の人がわかるわけないのです。研究テーマの選定とか、あるいは研究計画の立案などというのは学者の仕事であって、運営委員というものは私はそういうものじゃないと思うのです。いかにして運営していくか、だから本年度の予算はどうするのだ、どのような予算を組まなければいかぬか、予算請求の概算要求はどういうふうにすべきだ、建物を建てるにはどこに建ててどうすべきだというような、経営を含んだものが私は運営じゃないかと思うのです。どうもその点が、客員研究官制度と運営委員というのはどちらも同じです。そういう点、私はしろうと考えですけれども、しかしこれはどうも少々おかしいんじゃないか。  これはたとえて言いますならば、運営委員の中には、たとえば研究所の事務局長とか、そういう人も一名入っていい。そうすると予算のことでも全部キャッチしている。学者が予算編成のことまで私はできるわけないと思う。だから、こっちに書いてあるように、どういうことを研究するかというような研究テーマを検討するとか、研究の計画を立てるとかいうようなのは、これは学者でなければならぬ。これは運営委員じゃないと私は思う。そういう点がちょっと私は疑問に思うのです。その点どうですか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 それでは客員研究官のほうから御説明申し上げますが、先ほど申しましたように、この客員研究官というのは、実際にグループの中に入りまして一緒に研究をするわけでございます。そこで、一人民間から入っている方がありますが、この方は実は電子線、エックス線構造の大家なのでございます。この方が非常によくこの面のことを御存じでございますので、第五グループの連中から、この人をぜひ客員研究官として中に——第五グループと申しますと硫化鉄の研究でございますが、この硫化鉄の研究といいますものは、先ほど少し触れましたが、この研究所で初めて発見された研究物質でございまして、非常に高純度のグレギットという粉末でございます。これは空中にさらしますとすぐ酸化してしまうわけでございますので、その電子線、エックス線構造の解析には非常に重要な問題になるわけであります。そこで、これにつきまして、独自の電子回析法による磁気的性質の解析ということが必要なわけでありますが、この面に携わっていただいておるわけでございます。客員研究官というのは、こちらの用事がありますときにやってまいりまして、そうして中に入り込んで一緒に研究をしていただく、グループごとにそれぞれ自分の足りない部分を補うために来ていただくという形のものでございます。  それから運営委員のほうは、御説もっともでございまして、運営委員が中身にタッチして、研究テーマの検討までやるというのはおかしいのではないか。御意見はもっともなことでございますが、実はこの研究所は、高純度の物質をつくるところまでの研究でございまして、合成をしたり、あるいは組成を調べたり、性質を調べたり、ここまででございます。こういう高純度のものを、今度はたとえばICに使おうというような場合にはどうするかと申しますと、それにちょっとした不純物を添加しますと性質が非常に変わってくるわけでございます。たとえば電磁気的に非常に強度の強いものになる、こういう面がございます。そうしますと、ここで一生懸命に研究しますのは、非常に高純度のものをつくるわけでございますが、それにどんな物質を添加して、どんなふうに応用していくかという面になりますと、これは企業のほうの研究所の人のほうがあるいは要望が強いのではないか。こういうものをつくってほしい、ああいうものをつくってほしいという面があるわけでございます。それを考えまして、この研究テーマの選定などもお願いをしておるわけでございます。形はそういうことでございます。なお、運営委員には日本学士院会員の坪井先生、三重大学、あるいは東京理科大学とか東大の先生方も入っていただいておりますが、こういう先生方には、今度の純学問的な研究の面で、無機材質のどんな種類のものが要望されるか、こういった点でございます。もちろん運営委員会でございますので、研究所全体の運営についても検討をしておりますし、メンバーもその点を考慮して選んでいるわけであります。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 御説明は大体わかりましたけれども、そういうことであれば、研究所運営委員、こうなってますからちょっとこれは誤解しやすいと思うのです。研究所の運営委員ですから、研究所自体の運営ということです。だから、研究テーマとかあるいは研究の内容にわたるところの運営ということには、ちょっと解釈しにくいように思うのです。国立研究所の運営委員ということになれば、研究所自体の運営というふうに疑問に感じたものですから、ちょっとお尋ねしたわけです。内容はよくわかりました。けっこうだと思うのですが、そういうことになりますと、今度、移転でいろんな研究所の発展——研究自体の発展じゃなくして、研究所をどういうふうにしていくかというような面に対する運営委員がまた別に要るような気持ちが私はするのです。そういうことで、私とあるいは同じような疑問を持つ方もあるかもしれぬからちょっと御参考に申し上げたのだが、これは無理やりにどうだこうだというて追及するつもりはありません。  それから、最後にもう一点お尋ねしたいのは、研究所の移転が先ほどの御説明では四十七年の一月というふうでございました。とにかく本年度中には完了する予定だと解釈しますが、概要の中にも書いてあるようです。住宅であるとか、あるいは道路、上下水道、それから教育施設、電気、ガス等の生活環境、それは万全を期してやっておるということでございますが、どの程度それができ上がっておるのか。皆さんが行かれて非常に不自由をなさるのではないか、そういうことが私非常に懸念されるのですが、先刻も申し上げましたように、待遇の問題も人事院のほうで十分考えておるようで、移転手当なんかも出すというようなことを言っておるようでございますが、生活環境、研究環境両面についても、道路、上下水道、教育施設、電気、ガス施設などの公共、公益事業などの整備計画の概要も大体において策定されておる。また都市移転手当など、生活問題について具体的な方針が示されておる。いろいろこういうふうに書いてあるが、ただ、こういう計画をしておる、こういうふうにやっておるということを皆さんは安易にとられて、そして行かれたんじゃ非常に皆さん困られると思うのです。これはあなた方に申し上げたいのですが、委員長にも申し上げたいのですが、実際にこの筑波地区の実地を私が見てきたいと思うのです。どの程度、いわゆる環境整備、基盤整備といいますかができておるか。そういう点を十分に皆さん方は計算に入れられてのことでありますかどうですか。これもつくってやる、あれもやってやる、これもやってやる、ああそうですか、じゃ行きましょうというような簡単なことでは、皆さん非常に困られると思います。その点どういうふうになっておりますか。これは実地に調べに行きたいとわれわれは思っておりますから、行けばわかるのですけれども、これであなた方をどうだこうだと文句を言うわけじゃありませんが、どういうふうになっておりますか。

楢林愛朗科学技術庁計画局長

○楢林政府委員 お答えいたします。  御指摘の生活環境の問題でございますが、具体的に申し上げますと、まず道路でございます。この地区には幹線道路が計画をされておりまして、たとえば東大通り線という大きな道路をつくっておりますが、これも現在工事を推進しておりまして、四十六年度中には完成する予定でございます。また、並行して、西大通り線等についても同様な工事で、現在現地に参りましても大きな道路の工事がやられております。  なお、高速道路関係につきましても、常磐自動車道の整備計画がございまして、これも四十五年に計画が決定されて推進されることになっております。  上水道関係でございますが、四十八年度に一部給水開始ということを目途に進めておりまして、下水道もまた雨水、汚水を分流式でやるというような計画を進めてございます。  宿舎にも御質問がございましたけれども、住宅につきましては、公務員宿舎を本年百四十二戸建設を具体的に進めておりまして、移転の職員をここに全部割り当てることができるというかっこうになっております。現地に参りましても全員宿舎が得られるよう、完成をはかっております。  その他、教育、医療等の問題がございます。これにつきましても、移転職員の増加につれまして、既設の設備を拡充整備する、あるいは必要があれば新設していくというようなことを考えておりますし、また、特に医療問題につきましては、近くに国立の霞ケ浦病院がございまして、ここの整備を行なって医療体制についても万全を期す等、具体的に問題を進めております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 道路は幹線道路が四十六年度中に完成する、上下水道は四十八年度、住宅は本年百四十戸というようなお話がいまあったわけです。大体移転される方が百三十数名とかいうことを聞いておりましたが、移転される方々が百何十人くらいおられるか。それによって、百四十戸ばかり今度新設するという公務員住宅が、それに時間的に間に合うかどうかですね。なおまた、電気、ガスの問題、あるいは上下水道は四十八年度に完成、教育の問題なんかも、やはり学校に行かれる子弟がたくさんいらっしゃると思うのですが、そういう点もひとつはっきりしていただきたいと思うのです。  長官、どうですか、そういう点は万遺憾のないように、各関係省庁に長官からでも、これははっきり間に合うことをやってもらわぬと、行かれる方々が気の毒ですよ。あるいは単身赴任というようなことにならぬとも限らぬ。私は非常にお気の毒だと思うのです。それは計画はいまおっしゃるとおりあるでしょう。私らも聞いております。しかし、さあ移転した、だけれども実際は皆さん行かれないというような誤差がそこにありはせぬかということをお尋ねしているのですよ。これは大事なことですから。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 ただいま総勢百三十一名おりますので、先ほど首都圏の局長からもお話し申しましたように、希望者を募りまして、そのうち九十九名が移転に伴って住宅を移したい、あとの三十二名の方々は通勤をする。人によりますと、柏の辺にも持っておる方もおられます。それから無機材質研究所は四十一年に設立されましたが、設立当初から筑波移転が明示されておりまして、したがいまして、入ってこられます方々もそのつもりでお入りになっておりますので、三十二名の方々はもう十分心得ておられるわけでありますし、九十九名につきましては、先ほどの百四十二戸のうち七十五戸を使いまして、全部入るようになっております。  それから学校でございますが、学校につきましては、近くの小学校、これは鉄筋にかえつつありますが、これが間もなく完成いたしますので、その小学校と、近くにあります桜中学校にそれぞれ入れるようになっております。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 そういう点において皆さん方に抜かったようなことはないと思いますけれども、いままでにすでに向こうに移っていらっしゃる方もあると思うのですよ。今度行かれる前に、もう行っていらっしゃる方がたくさんあると思う。そういう方々は非常に不自由していらっしゃるのじゃないかと思うのです。待遇の面からいけば、人事院のほうで調整手当なんかもつけるということになっております。向こう三カ年間はそのままにする、東京から移っても調整手当はつけるということになっております。これはいずれ人事院のほうへ、給与の問題ではっきり確認したいと思っております。しかし、実際の生活そのものは非常に不自由をするということであれば、しかも希望者だとおっしゃっておるが、待遇も決して悪くない、公務員住宅もりっぱにある、道路もある、子女の教育にも差しつかえない、しかも将来は二十万都市を目ざして、現在の六万か七万の都市が二十万になるんだ、決して不自由なことはないということは理想であって、現実の姿が、皆さん御安心しておいでくださいということになれば、皆さんこぞって行かれると私は思うのです。九十名ばかりであとは希望しなかったという点は私は追及しようとは言わない。それは何か事情があったろうと思いますが、少なくとも行かれるところの皆さん方は、物心ともに十分優遇してあげないと、研究に携われる方々が後顧の憂いがあっては研究できないと私は思うのです。研究をするならするように、安心して研究ができるように、そういう点がはっきり皆さん方御自信がございますか、ただうろたえて行くのだというのではいけないと私は思うのです。ここでひとつ皆さん方にはっきりおっしゃっていただけば、皆さんも安心されると思うのです。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 ただいまの点でございますが、最初申し上げましたように、設立当初から向こうへ行くことが前提になっておりましたから、採用時におきましてもそれぞれ十分念を押して採用しておったわけであります。  それから、一体十分であるか、行ったらすぐ非常に快適ないいところだというところまのいくかどうかという問題になりますとちょっと疑問がありますけれども、一応いま進めております条件につきましては、住宅問題、部屋割り、移りますときの準備体制、こういうものにつきましては、総務課ニュースを毎月出して、それで皆さまと議論を戦わしておるわけでありまして、所長以下、いずれも向こうへ行くことについては疑問を持たずに進めている、こういう段階でございます。宿舎の点につきましては、首都圏のほうのお話どおり、十分余裕のあるような形で進められているわけでございます。

鬼木勝利公明党

○鬼木委員 よくわかりました。どうぞひとつ十分そういう点に御配慮をいただきまして、皆さんが喜んでお仕事ができますように、ことに温情あふれる平泉長官がいらっしゃいますから私は安心し切っておりますけれども、この上ながら格別の御配慮をいただくようにお願いをしたいと思います。  私のお約束の時間がちょうど一時間経過しましたので、これで御無礼いたします。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 華山親義君。

華山親義日本社会党

○華山委員 いままでいろいろ御質問がありまして、お答えもあって、これに関連するような事項が多いのでございますが、一言お伺いいたしたいと思います。  人事院総裁の話では、高級官僚が他に移るということにつきまして、今年度の重大な問題は技術者が民間に移るということだ、この傾向が非常に出てきているということを言われているわけでございますが、科学技術庁の立場からごらんになって、あなたのほうのお役所ばかりでなく、全般的にそういうふうな傾向が顕著でございましょうか、お伺いいたします。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 民間への移転の問題だと思いますが、少なくとも科学技術庁におきましての民間移転、特に私らのほうの扱っております金属材料研究所、無機材質研究所、それから航空技術研究所その他ございますけれども、いずれもそういうことはございません。と申しますのは、航空技術研究所のほうは日本にただ一つある非常にりっぱな研究所でございますし、無機材質のほうは、先ほど申し上げましたように、非常に熱心にこれからやっていこうという段階でございます。金属材料のほうにおきましては、もう十年以上たちますけれども、みな非常にりっぱな成果をあげておりますし、研究者の方々が、東北大学だとかあるいは学校のほうからお見えになった方でありまして、むしろ熱意をもってそのまま勤続しているという状況でございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 たいへんけっこうなことでございますが、今度の移転によりてよそに移るというふうな傾向が出てくるようなことのないように、十分気をつけていただきたいと思うわけであります。  その次に伺いますが、ただいま伺いますと、いろいろ貴重な物質をつくられたり、いろいろ大きな仕事をしておられるようでありますけれども、これを民間企業で企業化する場合には、何か特許とか、それからそれに対する政府への支払いであるとかということがあるのかどうか。あるいはもう全然公開されているのかどうか。そういう点、経理上の問題はどういうふうになっていますか。

田中好雄科学技術庁振興局長

○田中(好)政府委員 国でやりました研究は、特許をとりますと、その特許は研究所長の名前で特許をとるかっこうになります。この研究所長の特許はいわゆる公開になっておるわけでございます。と申しますのは、だれが実施しようと、それは許可を求めて適当なロイアルティーを払いますればそれでできるわけでございます。その場合の費用は国に入りますし、一部特許法によりまして研究者にも還元される、こういう形になります。いわゆる特許の公開ということを国ではやっているわけでございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 その内訳とか数字とかは、ここでお聞きするのは適当でないようでありますから、他の機会にまたお伺いする場合があるかと思います。  それからアムチトカ島ですか、あそこで地下原子核の爆発の実験があったということに関連しまして、その爆発から起きるいろいろな問題につきましては先ほど御答弁がございました。重ねてお尋ねしたいこともありますけれども、いまここで一つ伺いたいことは、わからないならわからないでよろしいのです。  この当面の爆発の問題、これは非常に重要な問題でありますけれども、これがほんとうに使われた場合には一体どうなるのかという問題が非常に私どもには関心のある問題なわけであります。私から申し上げますまでもなく、大陸間弾道弾のICBMを途中で迎え撃つためのABMのスパルタン用核弾頭が今度実験されたわけでありますが、これが新聞等では五メガトンで広島に投下された二十キロトン原爆の約二百五十倍ということでございますが、ほんとうの戦争が起きてこれが使われて爆発した——おそらくICBMを迎え撃つABMでございますから、宇宙といいますか、そういうふうなところですれ違うといいますか、ぶつかることはまずないと思いますから、すれ違う際に爆発が行なわれる。きわめて簡単に申しますとそういう考え方だと思いますけれども、これの爆発がほんとうに起きたならば一体どうなるのだということを、われわれも知っておきたいし、また国民にも教えて、そして戦争というものは人類の滅亡に近づくのだということを認識してもらいたいと私は思うわけです。  そういう立場からお聞きするのでありますけれども、これが爆発をした。その際には空気のないところで爆発するわけでありますから、爆風によって破壊されるということはまずない。そうすれば、ここから出るところの熱線なり、あるいはわれわれしろうとにはわからない何らかの線、あるいはエックス線といいますか、そういうものによってICBMの弾頭の機能を破壊する、こういうことであろうかと思うのでございますが、そういう点について教えていただきたいと思いますし、どういうふうな機能をもって相手方のICBMを無力化するのか、そういう点を教えていただきたい。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のとおり、今回アムチトカ島で行なわれました核実験はスターズ・アンド・ストライプスその他によりましても、これはスパルタンの核弾頭の実験であるということがアメリカの原子力委員会の話として載っております。なお、今回の実験は成功であった、そして今後当分の間は実験の必要はないだろうというふうな原子力委員会の技術者の話もあわせて載っておるところでございます。ただいま先生のお話を伺いまして、よく御承知のとおりでございますが、このスパルタンと申しますのは、大気圏外における迎撃ミサイルでございます。大気圏内のものはスプリントというものがもう一つございますけれども、今回の場合は、大気圏外において敵のICBM弾頭を迎え撃つ、こういうものでございます。これは空気のないところで迎え撃つわけでございますから、ただいまお話しのように、爆風によって破壊するというふうなことは考えられないのでございまして、熱あるいは放射線に基づく電磁波によりまして相手のミサイルの構造を無力化する、あるいは場合によっては爆発現象を起こさしめる、こういうことによってICBMの効果というものを無力化するというふうに私ども承知をいたしております。そのシステムは、捜索追跡レーダーというのでまず大まかに相手をとらえまして、それから次は近づいてまいりましたら、目標追跡レーダー、それからなおミサイルを誘導するレーダーが一挙に作動いたしまして、相手のミサイルの近くまでいってこれを無力化する、こういうように承知をいたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それで、五メガトンの核弾頭といいますか、そういうものが実験されたわけでございますが、これが爆発したときの有効の範囲、大体しろうとといたしましては球状に考えるわけですけれども、球状のものなのかどうか。相手にもよるでしょうけれども、何キロ程度のものが有効に作用するのか。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 二マイル程度の距離に近づけば爆発をするという一つのデータがございます。詳しいことわかりませんが、そういう一つのデータがございます。

華山親義日本社会党

○華山委員 相手方といいますか、どっちが相手かは別としまして、相手方のICBMの弾頭の構造とかそういうことにもよりましょうから、一がいにどの程度が有効かということは言えないと思いますが、そういうふうなことで、私たちとしまして、戦争のあった場合に、こういうことが起きた場合に一番気になることは、この地球の上に、あるいは大気にどういうふうな影響を与えるものであろうかということであります。あるいはこれによって人類が絶滅するのかもしらぬ、そんなことも考えるわけでありますけれども、どういうふうな影響が地上なりあるいは大気圏に起きるものでしょうか。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 これは非常に超高空で爆発をいたしますので、直接地上に影響が及ぶということは常識的にはちょっと考えられません。ただし、かなり時間が経過いたしましてから放射能が降ってくる、こういう危険は十分に考慮しなければならないというふうに考えております。

華山親義日本社会党

○華山委員 爆発によって放射能が地球上に降りかかってくる、こういうおそれだけがあるということであって、この爆発によって生ずるところのいろいろな、先ほどおっしゃったような、電磁波とかそういうふうなもの、あるいは熱線とかいうものは地球上には影響がない、こういうふうにお考えになっておるわけですね。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 そのとおりでございます。いま詳しい日時はわかりませんが、かつてソ連が五十メガトン以上と推定される核爆発を超高空において行ないましたが、そのときも地上には被害がなかったというふうに承知いたしております。

華山親義日本社会党

○華山委員 それから落ちるといいますか、大気がよごされる、そういう点が心配だ、こういうふうなことでございますか。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 はい。

華山親義日本社会党

○華山委員 よくわかりましたが、一体この爆弾というものは、先ほど申し上げたようなことで、効力が広範囲に及べば及ぶほどいいわけですね。それですから、これからの見通しとして、軍縮なんかもこの問題が一番中心になっているようでございますから、これができればけっこうな話でございますけれども、そうでない限りますます大きくなるというふうに考えられますか。

半田博防衛庁防衛局調査課長

○半田説明員 御指摘のような側面が確かにあると思います。ただし反面、こういうふうな実験を続けておりますと、これは人類が滅亡するのではないかというような世論がまた盛り上がって、逆に全面軍縮の方向に向かっていくというようなことも一面では考えられるのではないかというふうに考えます。

華山親義日本社会党

○華山委員 これで終わります。

伊能繁次郎自由民主党

○伊能委員長 次回は明十二日金曜日午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十五分散会

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